1: ◆OkhT76nerU 2013/11/29(金) 13:44:33.23 ID:+jpsB5/90
なぎさ「なぎさはチーズになりたかっただけなのです」

マミ「なぎさちゃん、それがどんなに恐ろしい願いか分かっているの?」

なぎさ「間違えたのです。チーズが食べたかっただけなのです」

マミ「未来と過去と全ての時間で、あなたは永遠に食べられる事になるのよ」

なぎさ「言い間違えただけなのです」

マミ「そうなればきっと、あなたはあなたという個体を保てなくなる」

マミ「死ぬなんて生易しいものじゃない」

マミ「未来永劫に終わりなく美味しいチーズとして、この宇宙に固定されてしまうわ」

なぎさ「いやだから間違えただけなのです」

なぎさ「チーズになるのが間違いって言われたら、なぎさはそうだ、間違いだと何度でも言いはれます」

杏子「いいんじゃねえの?」

なぎさ「よくないのです」

杏子「やれるモンならやってみなよ」

なぎさ「いやだからやらないのです」

杏子「チーズになる理由、見つけたんだろ? 逃げないって自分で決めたんだろ? なら仕方ないじゃん」

杏子「後はもうとことん突っ走るしかねえんだからさ」

なぎさ「勝手に決めないで欲しいのです。チーズになりたいんじゃなくてチーズを・・・」

マミ「じゃあ、預かっていたレシピを返さないとね」

マミ「はい、これ」

なぎさ「だからなぎさは」

マミ「あなたはチーズを食べるんじゃない。あなた自身がチーズになるのよ。私達の食べる全てのチーズに…」ガシッ

なぎさ「マミ、なぜ腕をつかむのです」ガシッ

なぎさ「杏子も。二人してどこへ連れていくです」

なぎさ「待つのです。いやホントに、ちょ待っ・・・・あああぁぁぁぁ・・・・・」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385700273

引用元: なぎさ「なぎさはチーズになりたかっただけなのです」 


 

2: ◆OkhT76nerU 2013/11/29(金) 13:45:11.93 ID:+jpsB5/90
おしまい

6: ◆OkhT76nerU 2013/11/29(金) 14:19:34.56 ID:+jpsB5/90
マミ「ここは・・・?」

QB「なぎさがもたらした新しい法則に基づいて、乳製品が再編されているんだよ」

QB「一緒に見届けようか。「百江なぎさ」という存在の結末を」

QB「あれが彼女の祈りがもたらしたチーズだ」

マミ「そんな・・・!」

QB「そのどうでもいい祈りを叶えた対価に、なぎさが背負うことになる呪いの量が分かるかい?」

QB「1つの乳製品に成り代わる希望が遂げられた。それは即ち、1つの乳業会社を終わらせる程の絶望をもたらす事

を意味する。当然だよね」

マミ「・・・わけがわからないわ!?」

なぎさ「ううん、大丈夫なのです」

マミ「・・・!」

なぎさ「なぎさの願いはチーズになること」

なぎさ「本当にそれが叶ったんだとしたら・・なぎさだって!」

なぎさ「もう絶望する必要なんて・・・!」

なぎさ「・・・・」

なぎさ「いや絶望するのですこれ」

なぎさ「普通に」

7: ◆OkhT76nerU 2013/11/29(金) 14:21:03.86 ID:+jpsB5/90
QB「なぎさ・・・これで君の人生は始まりも終わりもなくなった」

QB「この世界に生きた証もその記憶も、もう何処にも残されていない」

QB「君という存在は、だいぶ下の領域にシフトして、ただのチーズに成り果ててしまった」

マミ「何よそれ!これがなぎさちゃんの望んだ結末だって言うの!?」

マミ「こんな終わり方であの子は報われるの!?冗談じゃないわ!!」

QB「いやお前が言うなし」

マミ「これじゃ死ぬよりも・・・もっとひどい・・・ひどい・・・!」

QB「いやだからお前が」

なぎさ「ううん、違うのです。マミ」

マミ「!?」

なぎさ「今のなぎさには、過去と未来の全てのチーズが見えるのです」

なぎさ「・・・だからどうしたというのです」






マミ「なぎさちゃん、行かないで!」

なぎさ「いやお前が言うなです」

マミ「なぎさちゃあああぁぁぁん!!!」

8: ◆OkhT76nerU 2013/11/29(金) 14:22:50.58 ID:+jpsB5/90
杏子「なぎさは?なぎさはどうした?」

マミ「チーズになってしまったわ。なぎさちゃん、自分の望みを叶えたのね・・・」

杏子「バカ野郎!いくらチーズが好きだからって・・・自分がチーズになってどうするんだよ・・・」

ほむら「・・・」

ほむら(この二人が何を言ってるのか分からないわ・・・)

10: ◆OkhT76nerU 2013/11/29(金) 14:46:48.14 ID:+jpsB5/90
マミ「例え魔女が生まれなくなった世界でも、それで人の世の呪いが消え失せる訳ではない」

マミ「世界の歪みは形を変えて、今も闇の底から人々を狙っている」



QB「今夜はつくづく乳酸菌が濃いね。乳牛共も次から次へと湧いてくる。いくら絞ってもキリがないよ」

マミ「ぼやいたって仕方ないわ。さあ行くわよ」

マミ(発酵と熟成ばかりを繰り返す、救い様のない世界だけれど・・・)

マミ(だとしてもこのチーズは、かつてあの子が守ろうとした食べ物なんだ・・・)

マミ(それを、覚えてる・・・決して忘れたりしない)

マミ(だから私は・・・食べ続ける・・・!」



Don't forget

Always somewhere

someone is eating for you

As long as you remember her

you are not alone



なぎさ「いい加減にするのです」




なぎさの叛逆の物語に続く・・・・


OSIMAI