1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/12/15(日) 01:19:51.20 ID:D33KrtNQ0
電「第六駆逐隊、出撃です!」

特Ⅲ型駆逐艦四番艦「電」は、僚艦「暁」「雷」「響」が所属する第六駆逐隊を率いて北方海域の敵泊地制圧作戦に参加するべく、鎮守府を発った。

後続の愛宕が率いる主力戦艦隊及び、龍驤が率いる軽空母機動艦隊もすぐに到着するだろう。提督は主力艦隊の愛宕に座乗しており、第六駆逐隊には彼女たちしかいない。

そんな中、彼女ら第六駆逐隊は偵察任務を帯びて出動していたのだった。

電「久々の前線で、少し緊張するのです・・・」

雷「しっかりしなさいよ。旗艦はしっかりするものよ!」

電「そ、そうなのです!電は頑張るのです!」

暁「ちゃーんとお姉さんたちを引っ張っていってよね!」

響「ちょっと心配だけど」

電「うう、頑張る、のです・・・」

そろそろ敵の勢力海域、というところで、雷が搭載する対水上電探が異常なノイズをキャッチした。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1387037991

引用元: 電「鋼鉄の咆哮・・・って何ですか?」【オリジナルストーリー】 



2: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 01:23:09.12 ID:D33KrtNQ0
雷「あれ、何かしら」

響「敵の通信かい?」

雷「ううん、これ、ただのノイズよ。かなり大きいけど・・・」

暁「あ、あれ!」

暁が指差したのは、ちょうど十二時方向だ。水平線がグニャリと曲がり、渦のようなものを形成している。その手前には、原速で航行する電がいた。

電「あっ、あっ!引き込まれるのです!」

響「電、逃げて!」

電「うう、強い、のです・・・」

僚艦が呼びかける中、先頭を航行していた電だけは渦が発する重力に逆らえずに、そのまま引き込まれてしまった。

電「はうううぅぅぅぅ・・・」

3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 01:37:21.57 ID:D33KrtNQ0
「こちら第五戦隊!ヴィルベルヴィントを肉眼で確認!」

「第一戦隊、戦線維持できず!」

「第四戦隊、旗艦を残し全艦沈没・・・!」

次々入ってくる艦隊の損害状況。指示を与える暇もなく、敵艦は東京湾に接近してくる。

「くっ、今の我々では、ヴィルベルヴィントを撃沈できない・・・」

ヴィルベルヴィント。80ノットという暴風のような速度を持つ、敵の新型戦艦だ。巡洋戦艦とは思えないほど強大な防御力を持ち、攻撃面も35.6cm三連装砲を四基搭載している。

東京湾周辺は重要作戦のために戦艦が出払っており、警備が手薄な状態になっている。到底、現状での戦線維持は困難だった。

解放軍東洋方面司令もおらず、副司令も戦没した今、横須賀基地の運命は第三水雷戦隊の司令を務める早川の手に委ねられていた。

早川「クソ、魚雷も当たらず砲撃も効かない・・・あんな化け物にどう対抗しろと!?」バン

通信士「司令!第五戦隊旗艦「天龍」より通信途絶!」

早川「天龍までもが沈められたか・・・もう、浮いている巡洋艦は、この「那珂」しか残っていない・・・」

軽巡「那珂」は、第三戦隊の旗艦であると同時に、早川司令の座乗艦でもあった。しかし、既にヴィルベルヴィントの至近弾を浴びて航行不能になっていた。

4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 01:46:31.90 ID:D33KrtNQ0
通信士「ヴィルベルヴィント、離脱していきます」

早川「相手の狙いは占領ではなく破壊か・・・横須賀基地は半壊、巡洋艦は那珂を残して全滅。駆逐艦は暁と島風を残して撃沈もしくは航行不能か・・・」

早川「・・・総員、最上甲板に集合せよ」

通信士「司令・・・」

ピピーッ、ピピーッ

その時、那珂の通信機が無線を傍受した。さっきまでヴィルベルヴィントが発するノイズの影響で使い物にならなくなっていたが、今になって復活したのだった。

通信士「通信です!読み上げます。『はわわ、ここはどこですかー・・・』だそうです」

早川「妙な無線だな。一体どこからだ?」

通信士「東京湾です」

早川「東京湾?そこには一隻もいないはずだ」

通信士「しかし・・・」

見張り員「司令!東京湾から小型艦が出現しました!恐らく、暁型と思われます!」

早川「暁型なら、後方の暁以外は・・・」

見張り員「舷側の文字をには「イナズマ」と書かれています!」

早川「電・・・なぜだ、一週間前にサウスダコタ級戦艦に撃沈されたはずの艦だぞ!」

5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 02:01:02.18 ID:D33KrtNQ0
電「はわわ、いつの間にか陸地に囲まれているのです!」

電「鎮守府近くのトーキョ湾に似てる気がするのです・・・」

ピピーッ、ピピーッ

電「あ、無線が帰って来たのです」

『貴艦ノ所属ト航行目的ヲ提示セヨ』

電「ここは大人しく従った方がいいみたい」

電は通信機器を操作し、無線を送った。

『電は横須賀鎮守府の所属で、北方海域の偵察任務に来たのです』

すぐに通信は帰って来た。

『横須賀基地ニハ貴艦ノ情報ハナイ』

電「あわわ・・・え、えっと」

電の艦橋内でオロオロするだけの電。彼女の眼前、湾の開口部に小型の艦影が集結しつつあった。電はその艦隊の中に、暁型の姿を発見した。

電「あ、あれは暁なのです!」

『よかったのです、暁ちゃん、大丈夫ですか?』

しかし、暁からは通信が帰ってこない。代わりに、川内型から通信が入った。

『直チニ停戦シ、武装解除セヨ』

電「はう!?味方なのに、どうして警戒されるのですか・・・?」

6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 02:02:05.94 ID:D33KrtNQ0
艦これと鋼鉄の咆哮でやってみたかった。
どっちもPCゲームだし・・・

今日はここでおしまいね

8: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 18:15:02.07 ID:D33KrtNQ0
>>7い、一週目だから・・・

10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 19:22:49.11 ID:D33KrtNQ0
電「ここは従った方がよさそうなのです・・・」

わけもわからないまま、電は無線通信で『あなた方に従います』と打った。

すると、今度はわざわざ発光信号が送られてきた。

『貴艦ノ賢明ナ判断ヲ評価スル』

電「はぅ、これからどうすればいいのでしょうか・・・」

秋月型駆逐艦が川内型を曳航し、湾の開口部から遠ざかっていく。電もそれに倣い、現在の海域から遠ざかっていった。

電の後方からは、「アカツキ」と書かれた暁型駆逐艦が後を追っている。

それから単縦陣で陸地に沿うように進んでいくと、クレーンや剥き出しのパイプなどが張り巡らされた奇妙な船が接近しているのが見えた。しかし、それは船というより水上基地のような威容をしていた。

電「水上基地のようです、けど・・・あれ、船が停泊していますね」

彼女の察する通り、基地には駆逐艦が一隻停泊していた。舷側に「イカヅチ」と書かれていた。

電「あっ、雷!無事でよかったのです」

11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 19:34:21.17 ID:D33KrtNQ0
艦長「司令、あの駆逐艦をスキズブラズニルまで連れてきてよかったのでしょうか・・・?」

早川「今はこうする他にあるまい。敵に交戦の意思は無いようだし、まずは相手の所属と航行目的を知る必要がある」

艦長「確かに、あの通信内容は俄かに信じられないものです」

早川「では、我々は内火艇で基地に上陸し、艦長と副長、私だけで暁型に接触する。内火艇降ろし方用意」


タグボートが中破した那珂をドック艦「スキズブラズニル」に曳航していく横で、早川と那珂の艦長、副長は電と名乗る駆逐艦に乗り込んでいた。

早川「しかし、誰も迎えに来ないというのはどういうことだ?」

副長「もしかして、幽霊船なのかもしれないですよ・・・」

艦長「気持ち悪いことを言うな・・・チビりそうになる」

副長「あはっ、艦長ってば怖がりさんですねー」

早川「副長、ちょっと静かにしろ」

副長「は、はぃ・・・」

ちょっと上機嫌だった副長に一言怒鳴った早川は、再び電を見上げる。すると、さっきまで誰もいなかった甲板に、小さな人影が見えた。それは内火艇が接舷する後部主砲付近まで来ると、早川たちを見下ろした。

副長「あれは・・・幽霊ですかっ!?」

早川「軍人ではないな・・・あれは、少女か?」

12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 19:51:12.34 ID:D33KrtNQ0
電「確か、那珂から内火艇が出るって通信が来て・・・」

電「やっぱり、那珂ちゃんが来るのでしょうか・・・?」

電「はうぅ、やっぱり一人だと怖いのです・・・」

那珂から発進した内火艇が電の第三主砲塔脇に接舷する。それを確認した電は、急いで後部甲板に向かった。

途中、戸惑う妖精さんたちが電に色々な質問をぶつけてくるが、彼女は「後でお話するのです!」とだけ言って走り去る。そして第三主砲前に到達すると、急いで内火艇に乗る人を確認する。男が二人、女が一人だ。

電「あれは・・・艦娘ではないみたいですね。誰でしょう・・・?」

彼女が内火艇を見下ろしていると、白い軍服を着た男が両舷灯を使って発光信号を送ってきた。

『我々ハ那珂ノ乗務員ナリ。乗艦許可ヲ願ウ』

『了解しました。では、艦橋脇までボートを移動させてください』

そう言うなり、内火艇は電の艦橋横まで移動した。

13: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 21:23:09.92 ID:D33KrtNQ0
艦橋横に設置されたタラップを上った三人は、甲板の様子を見るなり驚いた。

早川「な、何だこれは・・・?」

副長「あ、可愛い!」

艦長「小さい・・・」

三人は一斉に集まってきたセーラー服の小人に囲まれていた。それぞれの身長は80cmを下回り、中には小型の犬を連れているものもある。

副長「かわいーねー」ニコニコ

艦長「やめたまえ副長、彼女らが怖がっている」

早川「それはそうと、さっきの少女は一体どこだ?」

副長「あ、ほら、あそこにいますよ!」

副長が指差したのは艦尾の方で、周りの小人より明らかに大きな人影が走ってくる。外見は背丈の低い少女だが、脇腹に魚雷が装備されていたり、背中から長い筒のようなものが見えている。

「はぁ、はぁ・・・艦を往復すると、さすがに疲れるのです」

艦長「君は?」

「はわ、えーっと、那珂ちゃんの方、で合っていますか?」

艦長「そうだが」

「私は電です。よろしくお願いいたします」ペコリ

16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 22:27:36.63 ID:D33KrtNQ0
我々が電と名乗る少女から聞いた話は、俄かに信じられないものだった。

彼女は「艦娘」と呼ばれる、いわば艦の化身のような存在だ。改造を行えば、その都度彼女たちの姿を変え、解体されれば普通の少女に戻り、轟沈すれば死ぬらしい。

その彼女たちは、「深海棲艦」と呼ばれる敵と戦っているらしい。駆逐艦は鉄塊のような姿をしているが、戦艦などの大型艦になれば、姿は少女のものに近づいていく。

更に、彼女ら艦娘には、ある大きな特徴がある。それは、大破したまま放置しない限り沈没することはない、ということだ。我々の世界の駆逐艦は、戦艦の砲撃を一発でも食らえば轟沈は免れない。

しかし、彼女ら艦娘は経験を経て強くなり、時に戦艦の砲撃さえ耐えることもあるらしい。防御力が低い駆逐艦において、この特性はかなり有用なものといえよう。

更に追求すると、駆逐艦の艦娘は夜戦の時に真の実力を発揮するらしい、ということも判明した。砲撃の攻撃力が跳ね上がり、魚雷を命中させやすくする、ということらしい。

これを考慮すると、彼女・・・電がいた世界では、我々の艦に対する常識があまり通用しないといっても過言ではない。そもそも、この世界に「艦娘」という存在は無いのだから、完全に理解するには時間がかかるだろう。

しかし、この常識がまだ電に通用するなら、奴らに勝てるかもしれない。沈没しない駆逐艦の存在は、我々にとって、かなり有利に働くはずだ。

もしかすると、あの鉄の暴風と呼ばれ恐れられた、「ヴィルベルヴィント」さえ撃沈できるかもしれない。

17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/15(日) 23:06:51.99 ID:D33KrtNQ0
とても悲しいお話なのです。

この世界では、人と人が戦っているのです。あの、私たちの仲間が次々に沈められた第二次世界大戦のように。

でも、この戦争の規模は更に大きいのです。国という国を全て巻き込んで、人々を苦しめているのです。

相手の国は『ウィルシア帝国』と名乗る、強大な国家。そして、今の私がいる国が、この世界で二番目に強い『ナーウィシア国』。

相手の国から戦争を始めて、次々にナーウィシアの領地を占領したらしいのです。それも、あのアメリカとは比べ物にならないほど強い軍備を持って。

その強い力の根源というのが、今のところ世界に数機ある「超兵器」と呼ばれる、とても大きな戦艦や航空機みたいです。

話を聞くと、さっきまで戦っていた戦艦「ヴィルベルヴィント」は、なんと全長が500m以上、速力が80ノットもあるのです。魚雷も簡単に振り切れる快速なのです。

でも、島風ちゃんでさえ40ノットなのに、500mもある大きな戦艦が80ノットも出せるなんておかしいです。それで聞いてみたら、「超兵器については何も分からない」と返されました。

それに、この世界の軍艦に艦娘はいないみたいです。

提督、本当に元の世界に戻れるのか、心配です。第六駆逐隊や鎮守府のみんなは、今頃どうしてるのかな・・・

19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 00:16:39.34 ID:9kAKuAY/0
翌日、電は正式に『解放軍』の仲間入りを果たしました。何でも、漂流者は積極的に助けていく、という方針だそうです。私、ちょっと感激しちゃいました。

それから二週間は演習や新造艦の進水式などに参加して、全く出撃命令が出なかったのです。

ヴィルベルヴィントはとにかく、ウィルシアの主力艦隊の情報も全然回ってこない上に、基地の司令がいないからだそうです。

そして、今日は大事な式があるとのことで、スキズブラズニルの第一ドックに来たのです。

早川「さて、と。電はもうここに慣れたか?」

電「ちょっと慣れてきました。ここで出される牛乳はとても美味しいのです!」

早川「それはよかった。今日は大事な式があるということで、電をここに呼んだ」

電「その式の内容、すごく気になるのです!」

早川「そうか。では、発表しよう。君を東洋方面艦隊旗艦に任命しようと思う」

電「はわわっ!?艦隊の旗艦ですか?」

早川「そうだ。東洋方面艦隊を率いて、あのヴィルベルヴィントを沈める任務を与えたいと思う」

電「例の巡洋戦艦、ですよね」

早川「そうだ。近々、インド方面に展開中の戦艦「金剛」と「長門」が日本に回航されることになった。その時に、ヴィルベルヴィント撃滅作戦を発動するつもりだ」

電「その旗艦を、私が担うんですね」

20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 00:31:20.20 ID:9kAKuAY/0
早川「最後に確認する。そうだ」

電「艦隊の旗艦を務めたのは二ヶ月前が最後だったので、少し緊張するのです・・・」

早川「君が心配する必要はない」タン

電「早川さん・・・」

ビーッ!ビーッ!

電「はう!?」

早川「クソ、敵襲か!」

『総員戦闘配置!対水上戦闘用意!敵は駆逐艦を中心とした水雷戦隊!』

早川「水雷戦隊か・・・電、行けるか?」

電「電は大丈夫なのです!」

早川「よし、私も乗る。戦闘用意!」

電「第一水雷戦隊、出撃です!」

スキズブラズニルで整備中だった電と那珂、そして機銃の増設が行われたばかりの暁が出撃した。早川は電に乗り、艦隊の指揮を執ることになった。

電「敵艦を発見したのです!」

早川「よし、直ちに砲撃開始!」

電「なのです!」ズドーン

電の前部主砲塔が咆哮し、一発が先導していた駆逐艦の艦橋に直撃した。艦は急速に速度を落とし、停止した。

しかし、後方のフレッチャー級は臆することなく主砲を電に向ける。

電「電の本気を見るのです!」ズドーン

12.7mm砲が連続で四発発射された。そのうち二発が艦首と魚雷発射管に直撃し、フレッチャー級は炎の唸りを上げて真っ二つになり、あっという間に海中に没した。

21: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 00:32:17.67 ID:9kAKuAY/0
ミス
12.7cm砲だった
12.7mmとか機銃弾ww

22: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 00:54:28.98 ID:9kAKuAY/0
電「敵艦二隻を無力化しました!」

早川「まだだ、前方のが──」ガァァァン

時すでに遅し。電が喜んでいる隙に、艦橋を破壊された手前のフレッチャーが砲撃を仕掛けてきたのだ。

電「ふぁーーっ!?」バァン

早川「沈めろ!撃て!」

電「命中、させちゃいます!」ズドーン

至近距離で発射された12.7cm砲は、フレッチャーの喫水線付近を直撃した。機関が爆発したのか、急速にフレッチャーは船体を海に沈めた。幸い、電は敵の砲撃で後部マストを折られただけだった。

早川「ウィルシアの連中は、艦橋を潰されて航行不能になっても攻撃してくる。沈めるまで侮るな」

電「無力化した敵も、できれば助けたかったのです・・・」

早川「たまに脱出に成功した乗員がゴムボートを浮かべているというのはよくあるが、今回は・・・」

妖精A「電さん!舷側のタラップにゴムボートが係留されていますっ!」

早川「敵兵だ!」

電「早く回収するのです!」

23: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 01:10:11.70 ID:9kAKuAY/0
多くの妖精さんが敵兵三人を取り囲んでいた。彼らは全員男で、当然だがずぶぬれだった。

電「この方たちが、敵兵なのですね」

早川「ああ、間違いない。紺色の制服に白い髑髏の徽章、ウィルシア帝国の水兵だ」

電「三人しか助けられなかったのです・・・」

早川「駆逐艦にしては多い方だ。全く回収できないこともある」

そうつぶやくように言いながら、早川は敵兵を睨みつけた。

早川「お前たちは偵察部隊のようだが」キッ

敵兵A「そ、そうさ・・・するなら好きにしろ」

早川「ヴィルベルヴィントの今後の航海予定は?」

敵兵B「し、知らないよ」

敵兵C「ヴィルベルヴィントには優秀な兵士しか乗せないって聞くし」

早川「そうか。では、君たちを営倉に拘留する」

電「えっと、電に営倉はないのです」

早川「便所に閉じ込める」

電「全部女子トイレなのです・・・」

早川「・・・もういい、もういいよ」

28: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 22:20:19.80 ID:9kAKuAY/0
数時間の尋問の後、断片的ではあるが、敵の戦力情報などが手に入った。

その中には輸送船団が使う航路などの情報もあり、これを聞いた早川は通商破壊部隊の派遣を決定する。

まだ再建中の司令部だが、通称破壊をするくらいに戦力は残っている。

それに、呉には航空母艦「赤城」を中心とした航空機動艦隊がまだ生き残っており、じきに「赤城」と「雲龍」で構成される第三航空戦隊が横須賀に回される手筈となっている。

しかし、小笠原諸島には帝国の前線基地がある。そこを叩かなければ、三航戦が奇襲を受けてしまう恐れがあった。

そこで、さっき手に入れた輸送船団の航路情報が役に立つ。船団はフィリピンから小笠原諸島に向かうもので、聞くところによれば航空機生産用のボーキサイトを運んでいるらしい。

電「そこで、私が出るのですか?」

早川「そうなるな。私や艦長、副長も正式に電の所属になったから、これからよろしく頼む」

電「はい、よろしくお願いいたします」ペコリ

早川「では、数時間後に出撃だ。準備してくれ」

電「では、準備してくるのです!」

29: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 22:50:50.71 ID:9kAKuAY/0
電「第一艦隊、第一水雷戦隊、出撃です!」

艦長「抜錨!」

電の錨が揚げられ、通商破壊部隊が出撃した。

~~~~~~~~数日後~~~~~~~~~

早川「そろそろ予定海域か。護衛の駆逐艦と戦闘になるやもしれん、水上警戒を厳となせ」

電「了解したのです!」

ピピーッ、ピピーッ

電「はわわ、言った傍からレーダーが敵艦を捉えたのです!」

艦長「総員戦闘配置!対水上戦闘用意!」

早川「電、艦隊の詳細はわかるか?」

電「小型艦が七隻いるのです。多分、輸送船と護衛の駆逐艦なのです!」

早川「了解した。砲戦、雷撃戦準備!」

司令官の声が艦橋に響き渡り、警報がけたましく鳴る。主砲が眼前の駆逐艦を捉え、発射態勢に入った。

艦長「撃て!」

電「なのです!」ズドーン

先頭を走るフレッチャー級駆逐艦に砲弾が命中し、たちまち炎を噴き上げた。

副長「敵艦、火災発生した模様ですっ!」

30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/16(月) 23:22:50.53 ID:9kAKuAY/0
早川「次の目標、敵輸送船!」

電「魚雷装填です!」ガシャン

前方の三連装魚雷発射管から三本の魚雷が発射され、二本が後方の駆逐艦に、一本が輸送船に直撃した。二隻は船体を二つに割り、そのまま重油をばら撒いて海中に没した。

早川「よし、残りは輸送船だけだ。敵に降伏勧告を送れ」

電「了解したのです!・・・いえ、まだなのです!大型艦の艦影を確認したのです!」

艦長「なっ・・・」

早川「後方に控えていたのか・・・艦種は?」

電「多分、アラスカ級なのです・・・」

早川「アラスカ級だと・・・!?30.6cm砲搭載巡洋艦じゃないか」

電「一隻だけですけど、とても強そうなのです・・・」

早川「我々は相手の輸送船を拿捕してでも資源が欲しい。なるべくなら、あのアラスカ級を叩き潰したいところだ」

艦長「しかし、敵は弩級戦艦レベルの主砲を持っています。交戦は危険です。ここは輸送船を破壊して撤退することを具申します」

早川「いや、アラスカ級を撃沈する」

31: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/17(火) 00:02:15.69 ID:BmNWApTc0
艦長「しかし、電と深雪だけでは・・・」

早川「いや、遅かれ早かれ、奴と戦うことになるだろう。空母撃沈を狙っているはずだからな」

艦長「司令・・・」

電「私、頑張るのです」

副長「電ちゃん・・・」

電「できれば戦いたくないですけど、ここで逃げたら赤城さんが轟沈するかもしれないのです」

電「でも、それは嫌なのです。赤城さんはボーキサイトをよく盗み食いしちゃう人ですけど、部隊の旗艦としてのイロハを教えてくれた、頼もしいお姉さんなのです」

電「だから、今度は私が赤城さんを守るのです」

早川「・・・決まりだな」

艦長「相手は巡洋艦並の速力と戦艦並の攻撃力を持っています。勝算はあるのですか?」

早川「とにかく、魚雷で右舷を狙い続けるしかない。後は運のみだ」

副長「大丈夫ですっ!きっと、勝てますよ!」ビシッ

早川「ヴィルベルヴィントの前座には持って来いの相手だ。とことん痛めつけてやろう」

電「赤城さんは電が守るのです!」

32: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 00:00:45.28 ID:kF6T/FIz0
電(ここに来るまでは、提督や他の艦娘の皆さんに助けてもらうばかりだったのです)

電(でも、今は赤城さんを守ろうとしているのです)

電(すごく怖いけど、頑張るのです!)

早川「敵はもう我々に気がついている頃だろう。おそらく、アウトレンジ戦法で来るはずだ」

早川「しかし、電は38ノットを誇る高速艦だ。その速力をもって一気に敵艦に肉薄し、魚雷で艦橋直下を狙う」

早川「質問はあるか?」

副長「ありませーん!」

早川「了解した。では、作戦行動に移る」

電は速度を最大戦速に上げ、アラスカ級巡洋艦に接近する。

直後、電の右舷近くに巨大な水柱が上がった。

副長「敵の砲撃ですっ!」

艦長「取り舵一杯!」

舵を取る妖精さんが小さな舵輪を回し、電の船体が急激に左に旋回する。水平線上には、アラスカ級のスラリとした艦橋と、前部に二基存在する30.5cm三連装砲が確認できる。

艦長「主砲発射用意!」

主砲塔がアラスカ級に向けて旋回し、砲弾を発射せんとする。

電「命中させちゃいます!」

電の一声で12.7cm砲が火を噴き、アラスカ級の右舷カタパルトに被弾した。しかし、カタパルトを破壊しただけで他の武装にダメージはない。

34: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 00:31:27.07 ID:kF6T/FIz0
艦長「やはり、電の主砲では奴の艤装を剥がすのが精いっぱいですね」

早川「そうだな。しかし、こちらには必殺の酸素魚雷がある」

艦長「それさえ当たれば・・・!!」ガァァン!!

艦長の言葉は、そこで打ち切られた。強烈な横ゆれが艦橋を襲い、爆発音が轟く。

艦長「右舷に被弾!」

副長「ダメージコントロール!」

妖精さん「わかりました!」

妖精さんが次々と艦橋から出て行く。早川は艦橋の窓から右舷を見下ろすと、後部艦橋がある辺りから煙が出ていた。

早川「後艦橋が損傷したか・・・電、だいじょ・・・!?」

電「はわぁ・・・っ、恥ずかしいよ・・・」

早川「なっ、どうした!?」

電「はわわ、あまり見ないでほしいのです・・・」

副長「服が破けちゃったのね?あらら、ボロボロじゃなーい」

電「中破したのです・・・」

※アウトレンジ戦法・・・敵の射程範囲から攻撃を行う戦法。

※ダメージコントロール・・・自艦が損傷した際に行う、艦が沈まないようにする応急措置。

35: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 00:49:41.91 ID:kF6T/FIz0
電「艦が中破すると、艦娘も中破するのです」

艦長「ほうほう、よろしい」

早川「艦長」

艦長「わ、わかっております。現在は戦闘中、余計なことに考えを巡らせることなど・・・///」

早川「説得力のない言い訳をありがとう。それより、報告はまだか?」

副長「妖精さんは謎の力で守られているために死なないそうです。それより、後部艦橋が吹っ飛びました!」

早川「各部兵装はどうだ?」

副長「二番主砲も損傷しましたが、魚雷発射管には損傷ありません!速力は28ノットにまで落ちました!」

早川「よし、進路、速度そのまま、敵艦に殴りこめ!」

副長「了解!」

電は煙を上げながらアラスカ級に肉薄し、三基ある魚雷発射管を全てアラスカ級に向けた。数百メートルまで接近されたアラスカ級は、主砲塔の旋回が間に合わない。

艦長「電、行けるか!?」

電「だ、大丈夫なのです・・・」

艦長「よし、魚雷発射!」

電「い、電の本気を見るのです!」ガシャン

電の魚雷発射管から、次々と魚雷が発射される。航跡が見えない高速の魚雷は、迷うことなくアラスカ級に突っ込んでいった。

9本発射された魚雷のうち、六本が被弾した。敵艦の脇に巨大な水柱が発生し、船体を隠していく。

36: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 01:10:34.31 ID:kF6T/FIz0
アラスカ級の竜骨が破壊され、船体が真っ二つになったところで、空にキノコ雲を発生させた。

早川「一瞬、だったな」

艦長「あれでは、生存者は・・・」

電「いない、のですか・・・」

早川「電・・・よく頑張ってくれた。輸送船を連れて戻ろう」

機関を損傷した電は、深雪に曳航されてスキズブラズニルに戻った。すぐに損傷個所の修理と機関の換装が行われる予定だ。

換装室の舷側に佇んで夕日を眺める電。彼女の服はすっかり元通りになっている。

電「はぅ・・・」

早川「どうした?」

電「あのアラスカ級の乗組員、全然助けられなかったのです・・・」

早川「そうだな。しかし、それが戦争というものだ。それも、今起こっているものは少し特殊だ。人の数は余計に減るだろう」

早川「だが、それでも我々は生き残らねばならない。帝国に屈すれば、もっと多くの人々が苦しむことになるのだから」

電「それは・・・辛いです」

早川「それを断ち切るための戦争だ。決して人の命を奪うだけの戦いじゃない。・・・ボイラーを新しいものに取り換えた。おそらく、43ノットは出るはずだ」

電「あ、あの・・・ありがとう。ぜかましちゃんより速いのです」

早川「礼はいい。それより、妖精さんたちによろしくな」

37: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 22:39:58.68 ID:kF6T/FIz0
副長「司令!呉海軍基地より赤城及び雲龍、到着しましたっ!」

早川「早かったな。ところで、金剛と長門は?」

副長「現在はフィリピンのシブヤン海で補給を受けているらしいですよー」

早川「そうか。到着前にヴィルベルヴィントの攻撃を受けなければいいが・・・」

艦長「司令、お話し中失礼します。数分前に敵の偵察機が赤城上空を通過したとのことです。同時に、敵の機動艦隊が呉を襲撃したとのことです」

電「呉が襲われたのですか?」

艦長「そうだ。戦闘自体は防衛艦隊が勝利を収めたが、空母を一隻逃がしてしまった。敵の通信を聞く限り、エセックス級だそうだ。そして、敵は機関を損傷していると聞く」

早川「機関損傷?呉はなぜ逃がした?」

艦長「鹵獲するつもりのようです。それの手伝いを我々に願いたいと」

早川「そうか・・・わかった」

艦長「エセックス級の現在位置は我々から100kmの地点です。すぐに間に合うかと」

早川「了解した。これより、敵エセックス級航空母艦の鹵獲に当たる。総員、出撃準備」

38: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 23:11:56.52 ID:kF6T/FIz0
電を旗艦とした機動艦隊がスキズブラズニルを発った。後続の艦は那珂、赤城、そして深雪だ。赤城の戦闘機隊で、半数が喪失したらしいエセックス級の艦載機は抑えられるので、雲龍はドックで待機することとなった。

出撃から三時間後、赤城の偵察機、彩雲が煙を上げながら航行するエセックス級を発見した。護衛の駆逐艦もつかず、一隻で小笠原諸島方面に向かっている。

早川「来たか。電、今回は敵空母の鹵獲だから、沈めるようなことは基本しない。しかし、いざという時は頼むぞ」

電「は、はい」

艦長「総員戦闘配置、白兵戦用意!」

副長「敵機襲来!12時方向!」

艦長「前部主砲及び機銃座、迎撃準備!」

電「命中させちゃいます!」ガガガガガ

電が放った機銃弾が襲い来るドーントレスに穴を開ける。

電「後は深雪ちゃんに任せるのです!」

電と那珂、赤城が対空戦闘を行っている最中、深雪がエセックス級に接舷した。次々と戦闘員がエセックス級に乗り込んでいく。

しかし、敵艦載機は攻撃を止めようとしない。横から来襲したコルセアの魚雷が電の艦首に直撃し、水柱を屹立させた。

電「はわわーっ!?」

早川「しつこい連中だ・・・電、大丈夫か!?」

電「ま、まだ大丈夫なのです!」

39: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/18(水) 23:33:54.65 ID:kF6T/FIz0
電「なのです!」ガガガガガ

電の13mm機銃が張った弾幕がコルセアの戦隊を半分に分断した。右半分は真っすぐ進み、左半分は那珂に向かう。

艦長「電、何とか落とせないか!?」

電「む、無理なのです・・・」

副長「魚雷接近!2本!」

艦長「衝撃に備え!」

コルセアが放った魚雷の1本が電の後部主砲付近を襲った。しかし、水柱は立たなかった。

艦長「よし、不発弾!」

電「助かったのです・・・」

早川「この機を逃すな!弾幕張れ!」

電「電の本気を見るのです!」ガガガガガ

電の頭上を通過したコルセアに機銃弾を浴びせる。しかし、上空には再びドーントレスが接近していた。

副長「急降下爆撃機接近!数、8!」

早川「回避急げ!」

電「取り舵140度なのです!」

電は左に急旋回した。ドーントレスは急に消えた電を捜すが、既に電はドーントレスの下を通過したばかりだった。

電「なのです!」ガガガガガ

ドーントレスが4機連続で破壊され、電の周囲に爆発を起こす。それを機にエセックス級に接近し、それを盾にして航空機からの攻撃を防ごうとした。

40: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/19(木) 00:13:52.56 ID:W/DkMEJY0
早川「白旗・・・そうか、勝ったか」

エセックス級の艦橋マストに、白い旗が掲げられていた。降伏を示す白旗だ。

早川「よし、発光信号にて降伏了承の旨を伝えてくれ」

副長「了解しましたっ!」

電「・・・」

早川「どうした、電?」

電「・・・さっき落としたドーントレスさん、もう少し電が撃つのを遅らせていれば、助かったかもしれなかったのです」

早川「そう、だな」

電「これって戦争ですけど、やっぱり人が死ぬのは見たくないです」

電「私、おかしいですか?」

舵輪の前に座り込む電の肩に、早川は右手をのせた。

早川「前も言ったが、戦争では人が死ぬのが常識だ。さっきのドーントレスは死ぬべくして死んだ。それだけだ」

電「でも・・・」

早川「今はエセックス級の鹵獲を喜んだ方がいい。沈めずに済んだからな」

電「そうですね・・・」

早川(電は戦いの時にはちゃんとやってくれるが、中身はやはり一人の女の子だ)

早川(・・・帰ったら、何かしてやるか)

41: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/19(木) 01:03:16.30 ID:W/DkMEJY0
鹵獲されたエセックス級は『タイコンデロガ』という艦名だった。機関は半壊し、今や浮き滑走路となっている。

そのタイコンデロガは、艦名を『青鶴』と改名した上で修理が行われた。主に機関の強化と艦載機格納庫の拡張がなされ、赤城より強力な航空母艦として生まれ変わった。

早川「どうさ、電。お前が活躍してくれたおかげで、こいつは新たな人生を歩むことになった」

電「そう言われると、ちょっと嬉しいのです」テレテレ

早川「誇っていいことだ。これで航空戦力の増強は成った。後は戦艦だけだな」

電「ながもんと金剛さんが来るんですよね」

早川「ん、ながもん・・・?」

電「長門さんのことです。陸奥さんがそう呼んでいるので私も・・・」

早川「私も他の艦娘に会ってみたいものだ」

電「艦娘・・・そうだ、雷ちゃん、暁ちゃん、響さん・・・会いたいよ」グスッ

早川「・・・(やっぱり、寂しいのか。悪いことをしてしまったな)」

早川「突然だが、温泉に行かないか?」

電「おん、せん?」

早川「そうだ。温泉に入れば、少しは疲れも取れるだろう。どうだ?」

電「・・・行きたいのです」

早川「よし、決まりだ。副長たちも呼んでくるから、熱海に行こう」

42: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/19(木) 23:45:38.37 ID:W/DkMEJY0
というわけで、羽を伸ばすために熱海にやってきた電たち。

電「気持ちいいのです!」

副長「ねー♪」

電と副長は先に温泉に入り、艦長と早川司令代理はヴィルベルヴィント撃沈作戦の立案に当たっていた。

副長「そーいえば、鎮守府に温泉あるの?」

電「はい。赤城さんと大和さんがよく入っています」

副長「大和?」

電「うちの鎮守府最強の戦艦なのです。46cm砲でフラ戦も一撃なのです!」

副長「46cmってことは、我々が建造してる46cm砲搭載艦の艦娘なのかなぁ?」

電「あ、それ詳しく聞きたいのです」

副長「うーん、極秘事項だから何とも言えないけど、そんな戦艦が呉で建造中っていうのは聞いたよ」

電「確か、大和さんも呉で建造されたって言っていたのです」

副長「じゃ、あの戦艦は大和型なんだ!」

電「そうだと嬉しいのです!」

副長「じゃ、未来の大和竣工を祝って!」

電「なのです!」

43: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 00:11:47.12 ID:iQLj+vGW0
艦長「ヴィルベルヴィントの燃料備蓄基地、ですか」

早川「ああ。この辺りを燃料を満載した輸送船団が小笠原周囲をうろついていると偵察機が報告してきた」

艦長「それを撃沈すれば、ヴィルベルヴィントの燃料供給を断てると?」

早川「そうだ。この作戦が成功すれば、大和の竣工を待つことなくヴィルベルヴィントを始末できる」

艦長「すると、大和は、あの超兵器対策に?」

早川「察しがいいな。超巨大航空戦艦『ムスペルヘイム』の撃沈に使う」

艦長「しかし、ムスペルヘイムは・・・」

早川「そうだ。現在はヨーロッパ方面にいる。そこで、ヴィルベルヴィントを撃沈した直後に電とヨーロッパに渡る」

艦長「そう、ですか」

早川「話を戻そう。まず、電を中核とした水雷戦隊で敵の防衛艦隊を撃破、そして赤城と青鶴の航空兵力で敵輸送船団を叩く。これが通商破壊作戦の概要だ。場合によっては、ヴィルベルヴィントとの連戦になるかもしれん」

艦長「連戦・・・」

早川「燃料は速力が命のヴィルベルヴィントにとって、なくてはならない存在だ。それを積んだ輸送船が撃沈されたとすれば、必ず報復に出てくる」

早川「その時に対応できなければ、我々は沈むのみ」

副長「いえーい!出ましたよー!」

艦長「副長・・・ああ、わかった。俺たちも入るとしよう」

44: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 00:19:09.01 ID:iQLj+vGW0
ピピーッ、ピピーッ

艦長「通信?」

電「そうみたいなのです。読みます。『長門及ビ金剛到着セリ。直チニすきずぶらずにるマデ集合セヨ』とのことなのです」

早川「せっかく休暇を取ったというのに、戦場は待ってくれないのだな」

艦長「そのようですね。(せっかく可愛い女の子の浴衣姿が見られたと思ったのに、もう終わりなのか・・・)」

電「艦長、どうされたのです?」

艦長「い、いや!何でもない!」アセアセ


早川「おかえりなさいませ、司令」

司令「ただいま。ヴィルベルヴィントの件はご苦労さん」

電(女の人の提督さんなのです。懐かしいのです・・・)

司令「うん、この子が電ちゃんだね?話は聞いてるよ」

電「よろしくお願いいたします」ペコリ

司令「可愛いね。こんな子が異世界から飛ばされてくるなんて・・・ちょっとひどいよね」

早川「は、はぁ・・・」

司令「それじゃ、みんな揃ったところでヴィルベルヴィントの燃料輸送船を襲撃しよ。今度あいつが狙うところはココみたいだし」

45: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 00:26:48.69 ID:iQLj+vGW0
早川「ここ?」

司令「そう。回航中に敵の泊地を攻撃してね、そこで色々と情報が手に入ったんだ。例えば、現在建造中の超兵器とか」

早川「そんな国家機密レベルの情報を・・・」

司令「運がよかったよ。ヴィルベルヴィントとムスペルヘイムだけでも手間取ってるのに、これ以上就役されたら死んじゃうよ」

司令「だから、ヴィルベルヴィントを早めに沈めてムスペルヘイムに集中しないと、敵がまた強くなっちゃう」

副長「じゃ、早く出撃しましょっ!」

司令「うん。早川くんの話によると作戦中にヴィルベルヴィントが出てくる可能性があるって言ってたから、長門と金剛も護衛につけるよ」

早川「ありがとうございます」

司令「君には期待してるね。だから、絶対に勝ってね!」

早川「必ずや、勝利をもたらしてみせます」

電「頑張るのです!」

司令「ふふ、やっぱり可愛いね、君は」

46: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/20(金) 00:56:02.80 ID:iQLj+vGW0
新たに艦隊に加わった長門と金剛、軽巡洋艦の龍田と川内、そして矢矧。それに加え基地に存在する駆逐艦以上の艦を総動員した今回の作戦は、まさにボスを倒しにかかる主人公のようだ。

まずは電、深雪、暁、那珂の水雷戦隊が護衛の水雷戦隊を叩き、赤城と青鶴の艦載機隊が輸送船を襲撃する。残りの艦はそれらの護衛をする。

ヴィルベルヴィント襲来時には直ちに水雷戦隊を解隊し、電は遊撃部隊として行動、その他の艦でヴィルベルヴィントを攻撃することになっている。

電「ということは、私が鍵なのですか?」

早川「そうだ。事実上、電が単艦でヴィルベルヴィントと対峙することになる。他の艦は援護に回るだけだ。だから、頼むぞ」

電「わ、わかったのです・・・」ドキドキ

早川「では、出撃」

電を先頭に、次々と艦が単縦陣を組んでスキズブラズニルを後にする。これから始まる、途方もない戦いに向けて。

副長「電ちゃんは、怖くないの?」

電「こ、怖いのです。でも、戦わないとみんなが死んじゃうのです。それは絶対に嫌なのです」

副長「そう・・・なんだ。あたしは、成り行きでこの軍に入って、成り行きで中佐になったけど、やっぱり怖い。戦って死ぬのが、本当に怖いの」

副長「でも、電ちゃんは覚悟ができてる。それってすごいと思う」

電「電は・・・そんなに強くないのです。第六駆逐隊のみんなに助けてもらって、天龍先生や大和さんにも迷惑かけてばかりで・・・」

副長「けど、今は違う。電ちゃんは、あたしから見たら輝いて見える。会った時より少しだけカッコよくなってるし!」

電「あっ、あのっ・・・」テレテレ

48: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 22:39:02.89 ID:OLG8W1RY0
副長「うふふっ、やっぱり可愛い!」

電「うぅ・・・///」

副長「じゃー、今度暇になったら・・・」ピピーッ、ピピーッ

副長「なにー、電探に・・・輸送船団!」

艦長「本当か!?総員、対水上戦闘用意!」

艦内警報がけたましく鳴り響き、艦橋にいる人々の気を引き締める。

早川「来たな・・・この作戦でヴィルベルヴィントを沈めない限り、極東の安全は保たれない。新たな超兵器の脅威もある」

早川「気を引き締め、ヴィルベルヴィント出現の際にはできうる限りの勇気を以て戦え。私から伝えられることは以上だ」

電「・・・(とうとう、ボスとのご対面なのです。暁ちゃん、響ちゃん、雷ちゃん。私は頑張るのです!)」

電が率先して周囲の水雷戦隊に殴り込みを仕掛ける。主砲が旋回し、魚雷発射管に魚雷が装填される。

最初に砲撃を仕掛けたのは、敵のアトランタ級軽巡洋艦だ。艦橋前に3基並んだ127mm連装砲が立て続けに火を噴き、電の周囲に水柱を屹立させた。

艦長「主砲、発射開始!目標、アトランタ級!魚雷はフレッチャー級を狙え!」

電「なのです!」ズドーン

電が放った主砲弾はアトランタ級の主砲を一基破壊しただけだったが、魚雷は4隻いたフレッチャー級のうち2隻を轟沈させた。

副長「赤城及び青鶴より航空機発進!逃げる輸送船団に雷撃を加えていきます!」

早川「よし、戦いはこれからだ!」

49: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 22:53:07.03 ID:OLG8W1RY0
次々と航空攻撃の前に倒れる輸送船団。それらが流した重油の中を、一隻の戦艦が疾風のような速さで駆けていった。その艦の名前はヴィルベルヴィント。ドイツ語で「旋風」という意味だ。

ヴィルベルヴィントは500mを超える巨体を持つが、速度は80ノットを超える。現在の電の約2倍だ。それに加え、超兵器が発するノイズの影響でレーダーの一部に支障をきたす。

電の対水上電探も役に立たなくなっており、現在は目視でアトランタ級に魚雷を発射しているところだ。

副長「無電方位探知で敵位置特定!近くです!」

電「目を潰されたような感じなのです・・・うぅ」

艦長「来るのが異常に早い・・・やはり、この近くに潜伏していたのか」

早川「総員、戦闘配置!電は単艦で行動を取る。その他の艦は出来うる限り砲撃で応戦せよ!」

電の後ろについていた艦はアトランタ級に攻撃を仕掛けながらその場を離れる。一方、電は速度を42ノットまで上げ、ヴィルベルヴィントに急速接近する。

そして、電の前方にヴィルベルヴィントの巨大な船体が現れた。主砲を旋回させ、電にピタリと狙いを定める。

電「はわわわ、物凄く大きいのです!」

早川「ああ、こいつの大きさには驚かされる。ムスペルヘイムはこれ以上だがな」

電「で、でも、逃げないのです!」

副長「そう、その意気!」

早川「さあ、奴を沈めるぞ!総員、対超兵器戦用意!」

50: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 23:14:18.11 ID:OLG8W1RY0
ヴィルベルヴィントは12.7mm両用砲を電に向けて発射した。しかし、速度ゆえに狙いを定められず、砲弾は電の後方200m地点に落下した。

艦長「両用砲の命中率は悪いらしいですが、さすがに速いとこちらの狙いも付けられませんね」

早川「両方とも同じ条件というわけだ。なら、こっちは突っ込んで更に狙いをつけにくくするまでだ。電、出来る限り奴に近づけ」

電「電、行きます!」ガラガラガラ

電は舵輪を回し、横を通過したヴィルベルヴィントの追跡を開始する。しかし、著しい速度差のため追いつけない。

副長「あのー」

艦長「何だ?」

副長「あんなに猛烈な速度を出してるのって、やっぱり機関が強いからですよね?」

艦長「そうだろうな」

副長「なら、魚雷で機関かスクリューを破壊してしまえば、ただの浮き放題になるんじゃないでしょーか?」

早川「それだ!妖精さん、魚雷をスクリューに当てることはできるか?」

妖精さんA「できますよ~!」

早川「よし、魚雷を連続で艦尾に当てろ!奴はまたこっちに来るはずだ、待ち伏せして奴に魚雷を当てる!」

51: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 23:34:13.22 ID:OLG8W1RY0
ヴィルベルヴィントは35.6cm砲を撃ちながら旋回した。砲弾は大きさの小さい電には当たらず、水柱を立てただけだった。

早川「来たぞ、魚雷発射!」

電「魚雷装填です!」ガシャン

電の放った魚雷がヴィルベルヴィントの未来位置に向かって突撃する。ヴィルベルヴィントはそれを感知して速度を落としたものの、既に遅く被雷した。

電「命中したのです!」

艦長「よし、奴の動きを鈍らせた!」

早川「戦艦、一斉射撃!」

金剛と長門が主砲を発射し、砲弾がヴィルベルヴィントの煙突に直撃した。煙突は爆発し、跡形もなく吹き飛んだ。

副長「敵艦、煙突大破!」

早川「これで相手は動けない。電、未だ!」

電「命中させちゃいます!」ガシャン

電が放った酸素魚雷がヴィルベルヴィントに吸い込まれ、大爆発を起こす。しかし、まだ敵は死んでいないと言いたげに主砲を向ける。

電「はわわ!」ドカーン

ヴィルベルヴィントが放った主砲弾のうち、二発が電に命中した。第二煙突と艦首が破壊され、自力では動けなくなった。

電「はわわ・・・恥ずかしいよぉ・・・」

早川「怯むな、魚雷、次弾発射!」

電「は、はい!」ガシャン

52: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/21(土) 23:56:03.72 ID:OLG8W1RY0
艦長「応急修理急げ!」

電が魚雷を発射させた直後、艦長がダメージコントロールの指示を出す。妖精さんはすぐさま第二煙突と艦首の修理に当たった。魚雷は被雷した部分に当たり、ヴィルベルヴィントの傾斜を一層進行させる。そのせいでヴィルベルヴィントは既に主砲を発射できない状態になっていた。

電「うう、何とか轟沈は免れたのです」

早川「とんでもない速度を持っているとはいえ、あれは戦艦だからな・・・」

艦長「応急修理、もう少しで完了します」

早川「了解した。やはり、敵に密着した状態で修理を行うのは正解だったようだな」

副長「ふー、ひと安心ですね」

しかし、突然の揺れが電を襲った。そして立ち上る水柱。

電「はう!?魚雷なのです!」

早川「何っ!?」

副長「長門より通信!上空に巨大航空機が出現したとの情報が!」

早川「新型超兵器・・・!?」

電「ま、また超兵器なのですか・・・?」

54: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 00:35:52.00 ID:8sAF0RVB0
早川「航空超兵器・・・」

電「航空機は苦手なのです・・・」

副長「司令部から通信!敵航空機を、超巨大爆撃機『アルケオプテリクス』と確認したとのことです!」

早川「超兵器に囲まれたか・・・!」

艦長「応急修理、完了しました!」

早川「よし、まずはヴィルベルヴィントを沈めろ!」

艦長「魚雷発射用意!」

電「なのです!」ガシャン

電の魚雷は、ヴィルベルヴィントの致命傷となった。主砲を発射できず、航行もできない艦は単なる的だ。しかし、ヴィルベルヴィントの影に隠れているであろう航空超兵器は、空を飛んでいるため魚雷攻撃は効かない。

艦長「ヴィルベルヴィント撃沈!」

電「でも、航空超兵器がいるのです・・・」

早川「だが、超兵器を一隻撃破したということだけでも大きい。次は、あいつを叩かないといけないが・・・」

海中に没するヴィルベルヴィントの上空を、巨大な影が通り過ぎた。それは大きく広げた翼を翻し、旋回しては砲を叩きこんでくる。

55: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 01:05:39.80 ID:8sAF0RVB0
副長「赤城及び青鶴から烈風が発艦しました!」

早川「こうなれば、アレを使うしか手は無い・・・」

艦長「アレ、とは・・・?」

早川「まだ試験段階の兵器だが、三発だけ電に搭載してある。誘導噴進砲、つまりミサイルだ」

~~~作戦開始直前~~~

早川「電、少し付き合ってくれないか?」

電「は、はい」

早川「今回の作戦は、色々と危険な任務だ。そこで、役に立つかどうかわからんが、新型兵器を搭載しておこうと思う」

電「新型兵器ですか?」

早川「誘導噴進砲という兵器だ。知っているか?」

電「噴進砲ならわかるのですが・・・」

早川「そうか。これは君たちが知っているロケットに誘導機能をつけたものだ。撃てば百発百中の兵器だ」

電「す、すごいのです!」

早川「ヴィルベルヴィントの速力より速いから、使い物にはなるだろう。もし、魚雷を全て撃ち尽くしたら、こいつを使う」

電「わ、わかったのです」


早川「というわけだ。あれは航空機だが、機体重量のせいであまり速度が出ていない。対艦ミサイルでも十分に通用するはずだ」

電「ミサイル装填です!」

電の第一煙突の後ろに設置された魚雷発射管は、先の戦闘では全く使われていなかった。それには、ミサイルが装備されていたからだ。

その魚雷発射管から、ミサイルが発射された。旋回するアルケオプテリクスに向かって、一発目が煙を上げて飛翔する。

57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 23:05:17.86 ID:8sAF0RVB0
副長「ミサイル、アルケオプテリクスに命中!」

早川「被害はどうだ!?」

副長「敵機、左翼大破!バランスを崩すも速度変わらず!」

早川「次弾発射用意!」

艦長「無理です。アルケオプテリクス、現場海域を離脱しました」

早川「・・・ッ!」ギリギリ


早川「ヴィルベルヴィントは撃沈できたが、アルケオプテリクスは撃墜できず、か・・・」

電「で、でも、頑張った、のです・・・」

早川「そうだな。ミサイルが有効だとわかった以上、奴にこれ以上の好き勝手はさせないさ」

電「次は必ず、なのです」

早川「その意気だ。次こそ奴を撃墜せねば、次はどこの艦隊が狙われるかわかったものじゃない」

早川(しかし、駆逐艦でできることには限りがある。駆逐艦が得意とする対潜攻撃も、超兵器レベルとなれば話が変わってくるからな・・・)

早川(大和の建造を急がねばならんか)

58: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/22(日) 23:47:19.50 ID:8sAF0RVB0
司令「ヴィルベルヴィント撃沈おめでとう。お陰で各地の解放軍の士気が爆発的に上がったよ!」

早川「は、有難うございます」

司令「そんな君たちに早速で悪いけど、ヨーロッパに行ってもらうことになったんだ」

早川「ヨーロッパ、ですか?」

司令「うん。アルケオプテリクスの母港、もとい母飛行場はインドにあるから、そこを叩きながら通ってほしいんだ」

電「フィリピンにあった超兵器の資料の情報ですか?」

司令「よくわかったね。そうだよ」

副長「あ、そーだ。超兵器の情報って他にもありましたか?」

司令「あったよ。建造中の巨大潜水艦「アームドウイング」、試験航行中の空母「アルウス」があったね。母港候補地はどれもヨーロッパだから、行ってもらいたいんだよ」

艦長「既に超兵器がそんなにも・・・」

早川「早急に手を打たねばならんな」

電「戦争が世界規模で広がっていくのです・・・」

司令「電ちゃんは戦争が嫌いだって聞いたよ。本当にごめんね。でも、僕たちは勝たないといけないんだ」

電「それはわかるのです。だから、頑張って司令官さんたちを助けるのです」

司令「ありがとうね。君の活躍がこれからの未来を左右するんだから・・・」

59: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 00:47:26.46 ID:CZ8wbjHm0
それから間を置かずして、電は鹵獲空母の青鶴や長門、深雪と共にイギリスまで回航されることとなった。目的は、敵超兵器の全排除。

しかし、決定の数時間後に帝国から、ある発表がなされた。主要都市爆撃作戦「シャルティーア」。解放軍が占領する都市に対し、超兵器爆撃をするという内容だった。

最初の都市は大阪、続いて香港、ハノイと、日本からインド洋沿岸を通り、最終的にイスタンブールまでを攻撃する大規模作戦だった。

これに対し、極東地域を担当する司令官が出した答えは、大阪でのアルケオプテリクス撃墜。その機会を逃せば、電が香港に着く頃には、既にそこは火の海と化しているだろう。その他の地域も然りだ。

早川「そういうわけだ。今回の作戦は、いかにして敵を素早く落とすかにかかっている」

電「自信が無いのです・・・」

副長「でも、ミサイルが有効って証明されたから大丈夫ですよねっ!」

艦長「いや、そうでもない。ミサイルはまだ試作段階で、電にまだ搭載されている二発で全部だ。撃ち尽くせば、艦砲で対抗するしかなくなる」

副長「そんな・・・」

電「うう、あんなに大きな航空機なんて落とせないのです・・・大和さんでさえ、空母艦載機の餌食になったのに・・・」

早川「なに、電の世界には大和があるのか?」

電「そうなのです。アイスやラムネをくれる優しいお姉さんなのです」

早川(アイス、ラムネ・・・そうか、大和には大型のラムネ製造機や冷蔵庫が搭載されていたな)

早川「いや、それより、大和が艦載機に負けたと?」

電「前世でアメリカ軍の航空機に沈められたのです・・・」

60: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 22:49:58.37 ID:CZ8wbjHm0
早川「前世?」

電「そうなのです。艦娘はみんな大日本帝国の艦船だったのです」

艦長「確かに、今までの話を聞く限り、艦娘はみな日本の艦だ」

電「だから、前世で沈められたりした人は、その艦艇を怖がったりするのです。私も、潜水艦は嫌いなのです・・・」

副長「そーいえば、司令の超兵器情報に潜水艦がありましたね」

早川「アームドウィングか・・・潜水艦らしくない名前だが、まさか空を飛ぶ潜水艦なんて言わないよな?」

電「はわわ・・・空を飛ぶ潜水艦なんて想像もしたくないのです」

艦長「しかし、大和が艦載機に沈められるとは、よほど敵の艦載機は強かったらしいな。ジェット機か?」

電「じぇっと・・・って何ですか?」

艦長「ジェット機ではないということは、レシプロ機か。司令代行、どうお考えですか」

早川「大和の装備は航空機の襲来を考慮していない。何せ、味方空母の援護の下で艦隊決戦を行うことを想定していたからな」

電「そ、それじゃあ・・・」

早川「大和を超兵器戦に投入するなら、空母による援護が必要だ。しかし、我が軍に空母はあまり余っていない。そこで、スキズブラズニルで空母の建造を行う」

艦長「そんなことができるのですか?」

61: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 23:10:03.74 ID:CZ8wbjHm0
早川「ああ、HLGという艦船設計システムを使って、艦船を建造できる。基本的に、ストックされている船体と武装などの部品を組み合わせるだけだ」

艦長「それでは、大和も早く建造できたのではないですか?」

早川「いや、大和型は船体を一から作らなけばならない上、その他にも課題が残っていた。なので、呉の港で建造するしかなかった」

電「それじゃあ、私の改造が早く済んだのは、HLGのお陰なのですか?」

早川「そうだ。察しがいいな。既に新型機関や艦載機の生産は終わっている。後は組み立てるだけだ。ついて来い」

早川は三人をスキズブラズニルの換装室に連れてきた。小ぢんまりとした会議室のような場所だが、ドアとは反対側の窓からは巨大なドックが一望できる。ドックには正規空母の船体が既に据えられている。

早川「まずは、これを見てくれ」

部屋の中央には、大きなコンピューターとモニターが設置されていた。これを使って艦の設計をするらしい。

電「自由に艦船を建造できるなんて、夢みたいなのです」

艦長「君たちの世界ではどのように艦を建造しているんだ?」

電「燃料やボーキサイトの量を指定して、ドックに入れるのです。そうすれば、妖精さんが勝手に艦を建造してくれるのです」

艦長「艦の種類は決められないのか?」

電「戦艦レシピを使っても那珂ちゃんが出てきたり、空母レシピを使っても那珂ちゃんが出てきたりするのです」

艦長「完全にランダムなのか。那珂・・・」

62: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/23(月) 23:55:26.44 ID:CZ8wbjHm0
早川「エッホン」

艦長「・・・すみません」

早川「まず、砲の配置からだ。今回は敵艦との交戦も考慮し、15.5cm砲を搭載する。艦橋前に二基、そして後ろにも二基だ」

早川はマウスを動かして艦の設計図に武装をつけていく。艦橋はまだ装備されておらず、見た目のバランスが悪い。

早川「次に艦橋を装備し、機関を埋め込む。そうすれば、空母の完成だ」

副長「うわぁ、すごーい!」

艦長「科学の勝利だな」

電「一瞬でできちゃうなんて、すごいのです」

早川「これだけではない。今回新たに開発した新型機銃「20mmCIWS」を4基装備させ、補助兵装として自動迎撃装置も組み入れる」

電「CIWSって何ですか?」

早川「電探と連動する新式機銃だ。理論的にはミサイルも迎撃できる」

電「それは凄いのです!」

早川「そうだろう。・・・っと、もう換装が終わったみたいだな。見に行こう」

大型空母が換装室のドックから引き出された。大鳳並みの大きさを誇る空母は、タグボートにけん引されて整備ドックに格納された。

63: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 00:05:40.66 ID:/WV56dOl0
早川「さて、次は電の換装だ」

電「ちょっとドキドキしてきたのです」

電がタグボートにけん引され、換装室内に収容された。すると、ドックから水が抜かれていく。

早川「色々な装備を揃えてある。何を装備するか、自分で決めてみろ」

電「わ、わかったのです」

電はマウスに手を置き、電の設計図に新たな武装を加えていく。13mm機銃を取り払い、CIWSを装備し、魚雷を四連装に換装した。

艦長「かなり近代的になってきたな」

電「これで、いいのですか?」

早川「もう少し改造しよう。新型タービンを設置してみてくれ」

電は言われた通り、タービンを交換した。すると、一度は39ノットまで下がった速度が、47ノットにまで上昇した。

副長「47ノットも出るんですねー!すごーい!」

早川「急速前進も装備すれば、その1.5倍の速度が出る。この調子で各武装の開発も行うから、期待してくれ」

艦長「これは凄いシステムです。戦艦用タービンも開発できれば、大和を高速戦艦にすることも可能ですね」

電「この世界の技術は本当に凄いのです!」

71: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 22:33:37.68 ID:/WV56dOl0
アルフォンシーノ方面、第1艦隊旗艦「大和」艦内

大和「提督、例の海域に到着しました」

提督「了解。全艦、機関停止。指示があるまで待機して」

大和「はい。・・・しかし、電ちゃんがこんなところで消えたなんて・・・」

提督「最初聞いた時は轟沈したのかと思ったわ。けど、そうじゃないって聞いて、少し安心してるの」

大和「でも、消えちゃった、んですよ」

提督「消えてない。電は、この海のどこかにいるはずよ。だから、消えただなんて言わないで」

大和「・・・はい」

提督「気持ちはわかるわ。電のこと、すっごく可愛がってたもんね。電も、お母さんができたみたいに喜んでたし」

提督「電が見つかったら、みんなで温泉に行きましょ。お勘定は大本営につけてるから!」

大和「ずいぶんちゃっかりしてますね、提督」

提督「ふふ、それほどでも・・・」

暁『提督!輪形陣展開できたわ!』

響『こちら響、配置についたよ』

雷『こっちもできたわ、提督!』

赤城『赤城、配置完了です!』

愛宕『愛宕も準備できましたー!』

提督「よし、全艦配置についたわね。この先に何が待っていようと、絶対に電を取り戻してみせるわ」

74: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 22:49:15.04 ID:/WV56dOl0
提督「暁たちの話によれば、この辺りで電が消えたらしいけど・・・」

大和「今は凪いでいますね」

提督「そうね。それが逆に怖いけど」

提督(聞けば、電は青い光に飲み込まれたみたいね。けど、なぜ青い光が発動したのか、原因は全く不明。トリガーが何なのか全然分からない)

提督(どうすればいいの?あの光にもう一度出会うには・・・)

雷『きゃあぁっ!?』

提督「どうしたの!?」

雷『あの、青い光!電が吸い込まれたのと一緒!』

提督「どこに出たの!?」

大和「電探に異常発生!十二時方向にある青い光がノイズの原因です!」

大和の言う通り、雷のすぐ目の前に青い光が出現している。青い光は徐々に光を強めながら、雷を引き込もうとしている。

提督「あれね・・・全艦、戦闘態勢を維持しつつ光に向かって前進!」

大和「ですが・・・」

提督「あの奥に電がいるのよ!放っておけっていうの!?」

75: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 22:57:11.43 ID:/WV56dOl0
大和はそれ以上何も言わず、引き込まれた雷に続いて光に向かって進んでいく。それに残る艦艇も続く。

提督「きゃあああぁぁぁぁっ!?」

大和「・・・っ!!」


ビーッ!ビーッ!

提督「・・・ん、ここは・・・?」

大和「提督!前方をご覧ください!」

提督はわけもわからず、艦橋の窓を覗いた。すると、眼前には鉄の壁がそそり立っていた。それは大和の艦橋すら凌ぐ高さを持っており、大和の進路を阻害する形で存在していた。

提督「どこかの波止場?」

大和「いえ、違います。あれはどうも、戦闘艦艇のようです」

提督「戦闘艦艇!?あんなに巨大なものが・・・」

大和「それでは、あれは何かわかりますか?」

大和が指差したのは、壁の一部分だった。壁の奥に低い塔のような構造物が立ち、その前方には砲塔、更に構造物周囲には機銃が装備されている。

提督「あれは・・・艦橋?」

76: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 23:12:33.76 ID:/WV56dOl0
愛宕『きゃあっ!』

提督「愛宕!どうしたの!?」

愛宕『目の前の壁から撃たれましたー!』

提督「敵、ってことね・・・総員、対水上戦闘用意!あの巨大艦を叩き潰すのよ!」

大和はスピードを上げ、敵艦の横を通って艦の後方に回り込む進路を取った。その途中、自慢の46cm砲を敵艦に向ける。

提督「全艦、砲戦及び雷戦用意!撃てー!」

大和「斉射、始め!」ゴォォ

大和の主砲発射を合図に、他の艦も魚雷や主砲を撃ち始めた。敵艦の舷側はあっという間に炎に包まれた。しかし、艦が傾く様子は全く見せない。燃えているのも一部だけだ。

提督「火災を起こせたのはいいけど、かなり強固な艦ね・・・うん、あれは?」

目を凝らすと、敵艦に開いた穴から何かが見える。比較的大きな部品で、翼が存在する。どう見ても航空機だった。

提督「航空機・・・!じゃ、あれは空母なの!?」

愛宕『でも、戦艦クラスの砲を撃ってきましたわ!』

提督「常識の通用しない艦ね!第六駆逐隊、ついて来てる!?」

三人『大丈夫!』

提督「よし、後方に回り込んだら一斉射撃!敵の舵を潰して、一気にたたみかけるわ!」

77: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/24(火) 23:32:18.17 ID:/WV56dOl0
提督「ぁあっ!?」ガァァン

大和「甲板に被弾!被害甚大!」

提督「何て威力なの・・・主砲、まだ撃てる!?」

大和「まだ撃てます!」

提督「よし、一斉射撃!撃て!」

大和「射撃開始!」ゴォォ

暁『攻撃するからね!』ガシャン

大和の主砲と暁の魚雷が敵艦の舷側に直撃する。主砲弾が起こした爆発は内部を貫き、反対側で爆発した。そこで、敵艦の上部甲板がひしゃげ、内部の艦載機格納庫を押しつぶした。

提督「あれは・・・やっぱり航空戦艦だったのね」

提督が見たのは、甲板の奥に見える兵装甲板だった。そこには主砲や光を帯びた奇妙な構造物が存在している。

更に驚かせたのは、敵艦が航空甲板を切り離したことだった。敵は中央部の戦艦を挟みこむように空母を横に連結していたのだ。

提督「三胴艦って言うべきシロモノ、なのかしら・・・」

艦隊は敵艦の横を通り、背後に回り込んだ。すると、戦艦の全景が見えてきた。やはり、中央の戦艦が本体で、空母は切り離しができる仕様になっているらしい。

78: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 00:03:53.77 ID:ViV92cPl0
雷『うっそ・・・何あれっ!』

響『あんな艦、ありえない・・・』

赤城『山のようにボーキサイトを食べそうですね』

提督「やめて・・・もうボーイサイトは食べないで・・・ってそうじゃないわよ。あの要塞みたいな艦、一体どうやって作ったのよ・・・」

大和「次弾、来ます!」

大和が叫んだ時には、敵艦の砲弾が大和の眼前に落下していた。巨大な水柱を上げ、大和を水浸しにする。

提督「くっ・・・どうすればいいの!?」

提督が唇を噛んで考えを巡らせていると、敵艦が傷ついた飛行甲板を切り離した。若干塗装が剥がれている本体の舷側が露わになる。

暁『魚雷発射!やあっ!!』ガシャン

響『ウラーッ!』ガシャン

雷『てーっ!』ガシャン

第六駆逐隊が一斉に魚雷を発射する。敵艦はその巨大さゆえ、27発の魚雷全てを受けた。舷側は巨大な爆発を幾つも起こし、水柱を派手に打ち上げた。しかし、敵艦の主砲は未だに大和を向いている。

提督「あれだけの魚雷を受けて、まだ沈まないなんて・・・本当に、あれって艦なの!?」

大和「でも、沈まない船なんてありません!この大和の主砲で、片をつけます!」

81: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 15:03:37.61 ID:ViV92cPl0
大和の主砲が再び火を噴き、巨大戦艦の艦橋を襲った。しかし、所々が焦げただけで、大したダメージは無いように見える。

提督「艦橋も相当ね・・・でも、何かおかしいような気がするけど、このまま敵が反撃できないまま沈められれば・・・」

ビーッ!ビーッ!対空警戒!対空警戒!

提督「航空支援!?赤城、対処して!」

赤城『だ、ダメです!艦載機が多すぎて・・・!』

提督「一体どこから、あんなに大量の・・・あ、ああ!!」

そこで、提督はやっと気づいた。敵艦は航空戦艦、艦載機を搭載しているのは確実だ。それも、大和の数倍もの大きさがある空母を二隻繋げた艦となれば、艦載機の数は空軍の飛行場と同等か、それ以上を誇るはずだ。

提督「くッ、赤城の戦闘機隊だけじゃ、あれだけの数を抑えられない・・・」

大和「ここは母艦を優先して沈めましょう!」

提督「そ、そうね!第六駆逐隊、魚雷はまだある!?」

暁『こっちはもうないっ!』

響『魚雷、残り9発あるよ』

雷『こっちも9発あるわよ!提督、撃っていい!?』

提督「全部撃って!」

雷『てーっ!』ガシャン

響『怪物戦艦だって仕留めてみせる』ガシャン

82: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:01:14.10 ID:ViV92cPl0
雷と響、そして艦首側に回っていた愛宕が一斉に魚雷攻撃を仕掛ける。敵艦は巨大な主砲を駆逐艦に合わせようとするも、距離が近すぎるので発射できない。

提督「よし、魚雷を撃ち終わった艦は全て対空戦闘を開始、敵艦載機の撃滅に当たって!大和と愛宕は引き続き巨大戦艦攻撃に集中する!」

大和「了解!九十一式徹甲弾、全砲門に装填!」

提督「今までに艦載機の攻撃は機銃弾以外当たってない・・・練度が低いのかしら。いや、もしかしたら、急にあたしたちが現れたから、戸惑ってるのかも・・・」

大和「確かに、私たちは向こうからしてみたら『急に現れた正体不明の敵』ですからね。けど、すぐに攻撃を仕掛けてくるなんておかしいです」

提督「そう、よね・・・いや、それより戦闘!」

大和「主砲、発射準備できました!」

提督「これで最後よ!撃て!」

大和「この一撃で撃沈します!撃てーっ!!」ゴォォォ

大和の主砲弾がヒビの入った敵艦に直撃した。数十センチもある分厚い装甲が弾け、船体が内部から爆発を起こしていく。戦艦部分は小規模な爆発を発生させながら沈み、無傷の空母部分も引きずられて海に消えた。

提督「やった・・・やったー!敵艦撃沈!」

雷『見て、艦載機隊が向こうの陸に逃げていくわよ!』

提督「各艦、ダメージコントロール。報告終了後は早めに現場海域から離脱するわよ!」

83: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 16:38:30.14 ID:ViV92cPl0
早川「もう一度言え、何があった?」

オペレーター『はい。アイスランド付近で活動中のムスペルヘイムが、何者かによって撃沈された、とのことです』

早川「まさか、解放軍の北海駐留艦隊か?」

オペレーター『いえ、現在はスカパフロー海軍基地にて補給を受けている最中です』

早川「では、一体誰が?」

オペレーター『現在、調査中です』

早川「そうか・・・わかった。我々もアルケオプテリクス撃墜後、スエズ運河に向かう。ウィルキア艦隊とは運河で落ち合うよう調整してくれ」

オペレーター『了解。シュルツ少佐には連絡しておきます』

電「誰からの通信なのですか?」

早川「解放軍総司令部からだ。そこで、君たちに朗報がある。大西洋にいたムスペルヘイムが撃沈されたようだ」

副長「艦娘がいなくても、超兵器を撃沈できたんですねっ!」

早川「そうなるな」

副長「やったーっ!これで、私たちも戦争に勝てますね!」

艦長「将来に展望が見えてきたな」

早川「・・・」

87: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 23:08:53.05 ID:ViV92cPl0
駆逐艦『電』は、紀伊水道に達していた。これから大阪湾でアルケオプテリクスを待ち伏せするところで、艦内は主に妖精さんたちの喧騒に包まれていた。

早川「では、これより、超巨大爆撃機『アルケオプテリクス』撃墜作戦を発動する。総員、戦闘配置につけ!」

全員「了解!」

電「も、もうすぐなのです・・・」ドキドキ

副長「電ちゃん、頑張ろうね!」

電「頑張るのです!」

早川「その意気だ。今回は戦力こそ少ないが、こっちにはミサイルがある」

電の頭をそっと撫でてやる早川。その手が少し震えていることを、電はしっかり感じ取っていた。

電(やっぱり、司令も緊張しているのです。超兵器は強いけど、頑張る!)

妖精さんA「司令官!アルケオプテリクスがみえました!」

早川「来たな・・・赤城、戦闘機隊発進!電、ミサイル発射用意!」

電「ミサイル装填です!」ガシャン

電(解放軍の皆さんも頑張っているのです。私も、みんなの役に立つのです!)

艦長「ミサイル発射!」

電「なのです!」シュウゥゥ

89: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 23:39:51.66 ID:ViV92cPl0
電のミサイルが、大阪市街に向かうアルケオプテリクスに飛んでいく。常軌を逸した巨体では回避できるはずもなく、アルケオプテリクスの右機首が爆発を起こした。

副長「ミサイル命中ですっ!」

艦長「よし、この調子だ!撃ちつくせ!」

電「命中させちゃいます!」シュウゥゥ

次のミサイルがアルケオプテリクスを直撃する。しかし、それは機底部に当たったが、ダメージを食らっている様子は無い。深雪と青鶴が砲撃を加えるが、空を舞う始祖鳥は涼しい顔をして電の上空を通過する。

副長「爆弾が降ってきます!」

アルケオプテリクスの底部から、特大の爆弾が次々と落とされる。そのうちの一発が電の艦橋に落下し、船体を激震させる。

電「はわわっ!?」

艦長「ダメージコントロール!」

副長「電探故障!跡形もなく吹っ飛んでますっ!」

早川「くっ!ミサイルの誘導ができない・・・!」

電の電探が故障したのは大きな痛手だった。人間は目視で始祖鳥を追えるが、ミサイルは電探から受け取ったデータを基にして敵を捉える。この時点で、ミサイルはただの対空ロケットに成り下がった。

90: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 23:46:21.06 ID:ViV92cPl0
早川「くそッ!」

艦長「仕方ない・・・ミサイルはアルケオが目の前に来た時に限って使え!」

副長「艦長!青鶴の烈風部隊が壊滅した模様です!」

早川「烈風がやられた・・・?バカな!あれは我が軍最新鋭の戦闘機だぞ!!」

艦長「わずか五分で烈風が敗れるとは・・・」

電「き、来たのです!」

アルケオプテリクスは不気味なエンジン音を轟かせ、ロケットを撃ちながら電に向かっていく。CIWSが幾つかロケットを落とすが、数が多すぎていくつかは被弾する。その度に電の船体が火を噴き、鋼鉄の悲鳴を上げる。

電「ひゃあっ!」バタッ

艦長「大丈夫か、電!?」

電「うう・・・強すぎるのです・・・」

電の呻き声をかき消すように獰猛な始祖鳥は真上を通過し、再び爆弾の雨を降らせる。一発が魚雷発射管に被弾し、大爆発を起こす。

電「ああうっ!!」

副長「艦のダメージ、60%を超えました!電ちゃん!!」

早川「これまでか・・・!」

91: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/25(水) 23:57:45.84 ID:ViV92cPl0
副長「深雪、機関損傷した模様!航行不能!更に青鶴の甲板に被弾!艦載機発着不可能!」

早川「さすがに、この小規模艦隊だけでアルケオプテリクスを相手取るのは不可能だったか・・・」

早川は頭を抱え、煙が燻ぶる艦橋に座り込んだ。しかし、彼の肩に手が載せられた。とても華奢な手は、震えながらも力を持っている。

電「司令、電は諦めないのです・・・提督の下に着任してから色々あったけど、ピンチになれば誰かが助けてくれたのです。大和さん、赤城さん、暁ちゃん、響ちゃん、雷ちゃん、そして提督さん・・・」

電「みんな、優しくて強くて・・・でも、私は迷惑ばかりかけていたのです。だから、変わりたいのです。強い私に、誰かを守って助ける私に!」

ボロボロの衣服をまとう電は、諦めかけている早川に、そして自分に語りかけるように言った。すると、電の身体から光が放たれた。

早川「お、お前・・・」

電「はりゃああああぁぁっ!!」

ヒビが入った電の前部主砲が、アルケオプテリクスに放たれた。真っ白な光に包まれた砲弾は、未だ力を衰えさせない始祖鳥に直撃し、大爆発を起こした!

副長「アルケオプテリクス、左翼被弾・・・バランスを失っていますが、まだ戦うみたいです」

電「うっ・・・」

早川「もういい、休んでろ!」

電「で、でも・・・」

早川「馬鹿野郎ッ!」

92: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 00:09:29.53 ID:vJ1yqYrF0
早川「命があって、初めて人は何かができる。だが、今は何もできない。命の炎をどれだけ輝かせたところで、今消えたらダメだ!お前はまだ先が長いんだ、死に急ぐようなことはするな」

電「で、でも・・・っ」

早川「・・・あれを見ろ」

フラフラの電の肩を抱きかかえ、早川は艦橋の窓を覗かせた。瀬戸内海の水平線から、一隻の船が現れつつあった。

早川「とうとう来たな、大和」

船は勝ち誇った様子のアルケオプテリクスに砲門を向け、巨大な砲弾を放った。遠く離れているはずなのに、電の艦橋まで爆発音が聞こえたほどだ。

砲弾が電にトドメを刺そうとするアルケオプテリクスに直撃した。それはミサイルより遥かに巨大な爆発を起こし、赤い始祖鳥の機体を大きく傾かせた。

早川「大和が誇る46cm砲だ。あれさえあれば、アルケオプテリクスといえどもタダじゃ済まない」

大和と呼ばれた艦は、次第に艦影を大きくしながら接近しつつ、主砲を放つ。今度は尾翼に砲弾が直撃し、そこは跡形もなく吹き飛んだ。

艦長「す、凄い・・・」

大量の煙を上げるアルケオプテリクスに、駄目押しの一発が加えられた。電が放った光の主砲を受けて傷ついた底部が、ごっそりと抉り取られる。すると、アルケオプテリクスの機体を巻き込む大爆発が発生した。

元々、航空超兵器としてこの世に存在していた鉄塊が、その肉体を四散させて大阪湾に没する。

副長「ノイズ、消滅しました・・・」

艦長「か、勝った・・・」

93: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 00:20:47.01 ID:vJ1yqYrF0
電「勝った、のです・・・」バタッ

早川「電っ!」

眼を瞑って倒れる電を、早川は抱きとめた。まだ息をしていることから、気絶しているだけと知れた。

早川「よく頑張ったな、電・・・」

早川はそっと電の髪を撫でてやる。すぅ、すぅ、と寝息がかすかに聞こえる。


艦長「これが、大和ですか・・・」

ドック艦スキズブラズニルに停泊する巨大戦艦を目の当たりにした艦長は、大和の巨大な船体を見て驚きの一声を発した。

副長「おおきいですねぇ・・・」

早川「世界最大の主砲、46cm砲を備えた、対超兵器用決戦兵器だ」

艦長「これさえあれば、あの超兵器群にも対抗できますね」

早川「いや、それは無理だ」

艦長「えっ・・・」

早川「こいつは航空機や潜水艦に弱い。アルケオプテリクスのような巨大で鈍重な航空機なら話は別だが、元々機動性が売りの航空機に戦艦をぶつけるなど、自殺行為に等しい」

艦長「では・・・」

早川「水上超兵器か対地攻撃にしか使えない。後はミサイルを搭載して能力を強化していくしかないだろうな」

艦長「もったいない、ですね」

96: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 01:18:34.46 ID:vJ1yqYrF0
??『駆逐艦『電』及ビ日本艦隊・・・』

??『恐ルベキ敵ダ』

??『早急ニ『アレ』ヲ出撃サセヨ』

???「しかし、『あれ』はまだ艤装中です」

??『我ノ命令ガ聞ケヌトイウノカ?』

???「りょ、了解しました」

??『必ズ潰セ。塵モ残スナ』

???「は、必ずや!」


???「超巨大円盤攻撃機『ヴリルオーディン』、直ちに出撃せよ!目標は日本艦隊及び、艦隊旗艦『電』!」

???(何てこと、今はヴァイセンベルガー将軍のウィルキア国防艦隊が面倒なのに・・・)

???(でも、ゴーダのヴィルベルヴィントを沈めた駆逐艦も気になるわね)

97: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 01:31:32.26 ID:vJ1yqYrF0
ドック艦スキズブラズニルは艦を修理しつつ南下し、マラッカ海峡を抜けつつあった。ここまでは敵に出会うこともなく、順調に航海は進んでいる。

早川司令代行は定時連絡を終え、電たちを集めて話をしていた。

早川「今日は敵に関する情報が少し入った。ウィルシアの東方艦隊司令のことだ」

艦長「だ、誰かわかったのですか?」

早川「ああ。その名はロゼ、かなりの切れ者らしい」

副長「ロゼ・・・確か、ヴァイセンベルガー将軍と一度戦ったことがある人ですよね」

早川「そうだ」

電「ヴァイセンベルガー将軍って誰ですか?」

早川「これから合流する艦隊の司令を務める男だ。本名はフリードリヒ・ヴァイセンベルガー、漆露戦争で頭角を現した天才で、ウィルシア最強の航空戦隊『告死天使』の司令を務めるロゼ・S・リルガーのライバルだ」

電「とにかく、凄い人なのですか?」

早川「そうなる。現在はヨーロッパ戦線で前線に出て戦っていると聞く」

艦長「話、それてますよ」

早川「そ、そうか・・・」

98: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 01:44:47.07 ID:vJ1yqYrF0
早川「ロゼ・S・リルガーは数多くの空母機動艦隊を運用してきた、いわば空母のプロだ。現在はヴィルベルヴィントで戦死したゴーダ司令に代わり、東方艦隊司令を務めているらしい」

艦長「かなり厄介な相手です。獲物は必ず仕留める執念を持った狼ですよ」

早川「その通りだ。しかし、そのロゼが今は何も仕掛けてこない。超兵器を二隻も沈めた我々は確実にマークされているはずだが・・・」

電「でも、戦わないのは嬉しいことなのです」

早川「確かにそうだが、ゆくゆくは必ず戦う敵だ」

電「戦争には勝ちたいけど、やっぱり人を犠牲にするのは嫌なのです・・・」

早川「ロゼが聞いたら笑われるだろうな、その台詞は」

電「うぅ・・・」

副長「ちょっと司令代行、言いすぎじゃないですか?」

早川「そうか、悪かったな・・・だが、敵は強い。生半可な覚悟では勝てないぞ」

電「はい、なのです」ショボン

99: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 01:54:15.68 ID:vJ1yqYrF0
艦長「ロゼが敵となると、これからは電撃的に超兵器を投入してくるかもしれませんね」

早川「そうだな。数日前に戦線投入されたアームドウィングのことも気になる、ここは注意して航行せねばならんな」

電「うぅ、もうその名前は聞きたくないのです・・・」

早川「ああ、悪かったな。それより、ミサイル発射機が完成したぞ。まだ対艦攻撃にしか使えないが、もっと開発すれば対潜ミサイルや対空ミサイルも作れるようになるだろう」

電「早く対潜ミサイルがほしいのです!」キラキラ

早川「はは、焦るな。必ず搭載してやるから」

艦長「まるでプレゼントを貰った子供のようだな」

副長「うふふっ、電ちゃんってば可愛いんだから!」

ピピーッ、ピピーッ

副長「あれ、通信みたい」

艦長「出てみろ」

副長「はーい。えっと、『ヴァイセンベルガー将軍の命により、インド領ムンバイにて待つ。シュルツ少佐』とのことです」

艦長「シュルツか・・・久しぶりに聞く名だな」

102: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 12:39:17.57 ID:vJ1yqYrF0
シュルツ「予定通り、日本艦隊はマラッカ海峡を通過したようだな」

ブラウン「あの辺りは比較的警備が手薄な海域です。高速の超兵器が出現しない限り、航行に問題は無いものと思われます」

シュルツ「だといいが・・・」

筑波「心配しても仕方ないでしょう。ここは、彼らの強さを信じましょう」

ナギ「そういえば、転移艦『電』って女の子が艦長を務めていたみたいですね。楽しみだなぁー」

ブラウン「子供兵士でしょうか、気になります」

筑波「戦場に子供を送るなど、軍人の風上にも置けん」

ナギ「妖精の類かもしれませんよ?あの子以外は妖精が艦を動かしてるみたいですからね」

シュルツ「いずれにせよ、我々の常識が通用しない世界から来たことは確かだ。あまり変なことを口走って彼女に恥ずかしい思いはさせないようにな」

ナギ「はーい、かんちょ!」

シュルツ(巨大イカ事件以来、ナギの様子がおかしいな・・・)

ピピーッ、ピピ…ガガガガガガ!

ナギ「ちょ、超兵器ノイズ出現!インドから高速でやって来ます!」

103: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 12:48:09.72 ID:vJ1yqYrF0
シュルツ「総員戦闘配置につけ!」

ブラウン「大陸からということは・・・航空超兵器の可能性があります。対空警戒を厳としてください」

シュルツ「了解しました。対空戦闘配置!」

シュルツ少佐の座乗する戦艦『リジル』が41cm砲を大陸に向けた。僚艦の駆逐艦『バーヴル』『ダーイン』『フンディン』も攻撃態勢を整える。

ナギ「超兵器を肉眼で確認!迷彩柄の巨大UFOです!」

筑波「宇宙人でも乗っているのでしょうかね」

ブラウン「円盤兵器は性質上、航空機以上の機動性を発揮します。三式弾やミサイル兵器が有効でしょう」

シュルツ「しかし、こちらにはミサイルが無い・・・よし、主砲及び副砲、三式弾装填!日本艦隊が到着する前に、UFOを撃墜する!」

ナギ「UFO、本艦上空を通過!攻撃する気配なし!マレー半島方面に向かっています!」

ブラウン「通過した・・・?ま、まさか!」

筑波「狙いは日本艦隊、というわけですな」

シュルツ「我々は元より眼中になし、か。舐められたものだな」

104: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 12:57:17.62 ID:vJ1yqYrF0
ピピーッ、ピピーッ

副長「またシュルツ少佐です。『敵UFO型超兵器接近中、日本艦隊は注意されたし』とのことです!」

早川「くっ、対空戦闘用意!スキズブラズニルは後方に退避!」

電「ゆ、UFOって何ですか?」

早川「本来は未確認飛行物体のことだが、我々は敵の円盤兵器をそう呼んでいる。かなり機動性が高い航空機で、かなり苦戦させられたものだ」

副長「あのハウニヴー地獄ですね」

艦長「よせ・・・思い出したくもない」ガクガクブルブル

早川「しかし、今の我々にはミサイルがある。おまけに、超兵器となると巨大だ。大和の艦砲でも十分に対処できる」

電「よ、よかったのです・・・」

早川「ここでアレを使うことになるとは、思わなかったがな・・・」

電「アレ、ですか?」

早川「電磁防壁のことだ。試験的に搭載してよかった。対空戦闘用意!敵は接近中だ、気を抜くな!」

105: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 22:31:08.25 ID:vJ1yqYrF0
超巨大円盤攻撃機『ヴリルオーディン』。それが接近中の超兵器の名前だ。今まで実用化されてきた円盤兵器『ハウニヴー』を更に巨大化させた怪物機だが、存在自体を秘匿されて建造されていたものだ。

今回の作戦が初戦になるので、まだ戦果は挙げていない。故に、帝国もその実力はわからない。

主兵装は円盤の先端に装備された55口径51cm三連装砲と各種レーザー兵器で、高エネルギーのレーザーと巨大な砲弾で敵艦をことごとく焼き尽くす。

更に、重力制御装置を備え、内部の人間を強力な加速度から守る。航空機運用のプロと言われたロゼでさえ、ヴリルオーディンの能力には閉口させられた。

そのロゼは、オーストラリアのシドニーで竣工したばかりの超巨大高速空母『アルウス』に乗ってヴリルオーディンの動向を観察していた。

帝国兵士A「ヴリルオーディン、インド洋に出ます!」

ロゼ「了解。さて、その力を見せてもらうわ。ヴリルオーディン、そして復活した駆逐艦『電』。どっちが勝っても関係ないけど」

帝国兵士B「しかし、ヴリルオーディンは量産が決定した兵器、これで問題が発覚すれば・・・」

ロゼ「わかってないわね。そのための試験でしょ。それに、円盤兵器は気に食わないわ」

帝国兵士B「さ、左様ですか・・・」

ロゼ「ゴーダの仇を取るわけじゃないけど、派手に暴れてもらいましょ。これで戦果が上がれば運が良かった。撃墜されても予想通りで終わり。元々、あれはクルーガーが開発したヘンテコ兵器だし。ホント、何考えてるのか分からない男よ」

106: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/26(木) 22:50:26.13 ID:vJ1yqYrF0
副長「ノイズ極大化!敵超兵器接近!」

早川「大和及び長門、主砲発射!戦闘機隊、直ちに発艦せよ!」

早川の指示の下、スキズブラズニルを出た艦隊は瞬時に分散して防衛網を構築する。青鶴と新型空母『翔鷹』から発艦した艦上戦闘機『烈風』が出撃し、空母の前方に大和と長門が陣取る。

艦長「ミサイル発射用意!てっ!」

電「ミサイル装填です!」シュウゥゥ

大和と長門が主砲を斉射し、電がミサイルを発射する。しかし、ヴリルオーディンは急に進路を右に逸らし、砲弾をかわした。だが、ミサイルは避け切れず、51cm砲に直撃した。

副長「ミサイル着弾!ダメージなし!」

早川「さすが円盤、硬いな」

電「ドラ焼きみたいな超兵器なのです」ぐぅぅ

艦長「どぎつい色のドラ焼きだな」

早川「冗談は後だ、敵超兵器は接近しているぞ!」

電「は、はいなのです!」

艦長「敵機よりミサイル攻撃!CIWS起動!」

電「迎撃しちゃいます!」ガガガガ

110: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 01:00:45.67 ID:HWUbnBHn0
ヴリルオーディンは虫のような動きで砲撃を回避していく。ミサイルも数発外れ、残弾数は少ない。

電「ピンチなのです・・・」

早川「くそっ、全然当たらないとは!」

副長「右舷に被弾!ダメージ軽微!」

早川「いつまで持つかわからん・・・近くに味方艦隊はいないか!?」

副長「200km後方にオセアニア駐留艦隊がいます!旗艦は戦艦『常陸』です!」

艦長「天城の艦だ!ここは天城と合流し、戦力を増強して戦うべきです!」

早川「そうするしかるまい・・・全艦、180度反転!オセアニア駐留艦隊と合流する!シュルツ少佐と天城大佐に救難信号を送れ!」

副長「了解ですっ!」カチカチ

早川「電がしんがりを務める!空母を先頭にし、戦艦は後方に回って撤退を援護しろ!」

電「頑張るのです!ミサイル装填です!」シュウゥゥ

副長「天城大佐より入電!『我、救助ニ向カウ』とのことです!」

早川「よし、これでシュルツ少佐たちが来てくれれば、形勢は逆転できるが・・・」

112: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/27(金) 01:22:33.82 ID:HWUbnBHn0
電「ふああっ!?」ドン

副長「艦首にレーザー被弾!被害なし!」

電「レーザーって熱いのです・・・」

早川「光を収縮して放つからな。爆風ではなく、純粋に熱で攻撃する兵器だ」

電「ヤケドしちゃいそうなのです。当たったらマズいのです・・・」

電の不安げな声が艦橋内の空気を更に悪化させる。艦長は羅針盤に手をついたまま動かず、副長も額に汗を浮かべて艦の状況を見ている。妖精さんたちでさえ、普段の明るい笑顔は見られない。

しかし、早川だけは諦めた目をしていなかった。主砲弾を回避するヴリルオーディンを見据えたまま、動こうとしない。

早川「シュルツ、お前ならこの状況、どうやって切り抜ける・・・」

電「司令官さん」

早川「電か、持ち場を離れるな」

電「倒す方法がわかったかもしれないのです!」

早川「・・・!何だそれは」

電「光を撃ってくるなら、鏡を使って跳ね返せないですか?」

早川「鏡・・・そうか、その手があったか!」

115: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 00:23:03.75 ID:QUGbIiHv0
早川「電磁防壁、最大出力!」

艦長「ダメです!これ以上出力を上げては、機関が・・・」

早川「一点集中だ!奴のレーザーを跳ね返す!」

艦長「跳ね返す・・・ですって?」

早川「電磁防壁は艦の周りに電磁波の壁を形成し、レーザーを乱反射させるものだ。これを利用すれば、撃たれたレーザーをそのまま跳ね返せる!」

艦長「それには複雑な計算が・・・」

早川「電磁防壁を搭載する際、コントロール用のコンピュータを入れた。これを使えば計算できる」

艦長「・・・わかりました。やってみます」

艦長は頷くと、電磁防壁を制御しているコンソールに手をかけた。素早い手の動きで次々とキーを打っていく。

電「なのです!」ズドーン

副長「敵艦に命中!武装の一部を破壊しました!」

艦長「よし、電磁防壁、準備完了!」

早川「敵のレーザーを跳ね返せ!」

ヴリルオーディンはリング状のレーザーを発射した。クルクルと回転するそれは、まっすぐ電に突っ込んでいく。

116: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 00:35:18.50 ID:QUGbIiHv0
リングレーザーは確かに電に直撃した。しかし、煙突付近だけに集中展開された電磁防壁は、それを鏡のように跳ね返した。

跳ね返されたレーザーはヴリルオーディンに帰っていくと、主砲に直撃し大爆発を起こした。

副長「敵超兵器、主砲大破!動きが不安定になっています!」

艦長「よし、主砲発射!戦艦も続け!」

煙を上げるヴリルオーディンに対し、大和と長門が一斉砲撃を開始する。巨大な砲弾は下部についた半円状の飛行ユニットに直撃すると、機全体を巻き込む爆発を起こした。

副長「敵超兵器、墜落していきますっ!やりました!」

艦長「や、やった!」

電「頑張ったのです!」

ヴリルオーディンは小規模爆発を起こしながら海中に墜落すると、最後のあがきと言わんばかりに水柱を上げた。水しぶきが電にかかり、甲板を濡らしていく。

副長「やった!やった!やっぱり司令は天才ですっ!」

早川「電の助言がなければ、あの考えは浮かばなかった。礼なら電に言ってくれ」

副長「はい!電ちゃん、司令に力を貸してくれてありがとう!」

電「い、電は何もしていないのです・・・」テレテレ

117: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 00:46:17.84 ID:QUGbIiHv0
シンガポール沖、戦艦『常陸』甲板

天城「ヴリルオーディンの撃沈、感謝する」

電「う゛りる・・・?」

早川「ヴリルオーディンだ。さっきの円盤超兵器のことだろう」

天城「オセアニアに潜伏していたエージェントからもたらされた超兵器の情報に、ヴリルオーディンという名前があった。円盤超兵器と書かれていることから、さっき貴官らが戦ったもののようだ」

副長「カッコいい名前・・・」ワクワク

天城「名称などどうでもいい。問題は、敵が使用したレーザー兵器だ。早川少将、どうやってあのレーザーを凌いだのですか?」

早川「電磁防壁の技術を応用して、レーザーを跳ね返してやっただけだ」

天城「さすが早川少将、貴方の柔軟な対処には毎回驚かされます」

早川「それは、彼女の助けがあったからこそだ」ポン

電「はわわ・・・」テレテレ

天城「彼女が、例の『艦娘』ですか」

早川「そうだ。色々あって、遣欧艦隊に所属している」

119: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 01:16:35.60 ID:QUGbIiHv0
天城「私は解放軍オセアニア駐留艦隊司令官、天城仁志だ」ビシッ

電「横須賀鎮守府の第六駆逐隊所属、電です。よろしくお願いいたします」ペコリ

早川「天城、これからどうする?」

天城「私は新型超兵器航空母艦『アルウス』の警戒に当たらなくてはならない故、貴官らと行動を共にすることはできません。ですが、シュルツたちがサポートしてくれるでしょう。あの艦には筑波もいます」

早川「頼もしい限りだ。そちらも頑張ってくれ」

天城「は。しかし、途中までは警戒のためムンバイまで護衛を務めます」

早川「頼んだぞ」

天城「了解しました」ビシッ

早川「相変わらずの軍人気質だな」

電「提督と違って、すごく硬い人なのです・・・」ブルブル

早川「私の一つ下の後輩だ。関わるようになったのは、私が中佐に上がった時が最初だ。その時から彼はああだ」

電「色んな軍人さんがいらっしゃるんですね」

120: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 01:32:35.05 ID:QUGbIiHv0
早川「そういえば、君の司令官はどういう人物だったんだ?」

電「とってもきれいな女の人なのです。でも、とっても優しい少将さんなのです」

早川「女性、か。優しいとなると、ロゼとは違った女なのだろうな」

電「ロゼさんのことはあまりわからないですけど、話を聞くと、ちょっと怖そうな人なのです」

早川「そこはどうだろうな。私もあまり彼女のことは知らん」

電「そう、ですか。・・・提督、会いたいです」

早川「電・・・」


副長「では、そろそろ出港しましょ。シュルツ少佐たちがお待ちですよっ」

早川「そうだな。では、出発!」

電「なのです!」

電を先頭に、艦隊はまた動きだした。目指すはインドのムンバイ、そしてヨーロッパだ。

121: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 01:47:55.51 ID:QUGbIiHv0
数日後、遣欧艦隊は無事にインド沖に辿りついた。戦艦『リジル』を筆頭に、護衛の駆逐艦が数隻並んでいる。

電「あれが戦艦『リジル』ですか」ワクワク

艦長「元々、米国戦艦『アイオワ』を基に改造されたウィルキア艦艇の一隻で、胴体が太くなった代わりに46cm砲を搭載した高速戦艦だ」

電「金剛さんのお株が奪われた気がするのです・・・」

早川「元々は水雷戦隊だった隊の旗艦を戦艦に置き換えただけだから、僚艦は駆逐艦しかいない」

電「でも、扶桑さんがいますよ?」

早川「いや、駆逐艦しかいないが」

電「あれ、あの艦って扶桑さんじゃないのですか?」

電は一隻の大型駆逐艦を指差して言った。艦橋が高く、砲も大きい。

早川「あれはヴェルナー中尉の駆逐艦『フンディン』だ」

電「どう見ても不幸・・・じゃなかった、扶桑型戦艦なのです」

早川「・・・」

電「大人の事情、なのですか?」

早川「・・・・・・・・・・・・」

122: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 02:04:34.39 ID:QUGbIiHv0
戦艦『リジル』甲板

シュルツ「ようこそ、早川少将」

早川「久しぶりだな」

シュルツ「ええ、お陰さまで。先の超兵器戦では参加できず申し訳ありませんでした」

早川「別にいい。それより、紹介しよう。彼女は電、別世界から転移してきた駆逐艦だ」

シュルツ「彼女がそうですか」

電「電です。よろしくお願いします」ペコリ

シュルツ「解放軍第零遊撃隊長、ライナルト・シュルツです。では、会議室にご案内するので、ついて来てください」


ブラウン「彼女が『艦娘』ですか」

シュルツ「ええ。話によると、大破して長時間立たない限り沈まないという特性を持つ、とか」

ブラウン「かなり気になる特性ですね。艦の特徴としては日本の特型駆逐艦と変わらないようですが・・・」

電「え、えぇっと・・・」

ナギ「こんな子が軍人なんですね。ちょっとビックリしちゃいました」ナデナデ

電「はわわ・・・」

筑波「あまり触らないでやってくれ。嫌がっているだろう」

124: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 18:45:57.81 ID:QUGbIiHv0
>>123
早川は53歳って設定
天城は52歳、筑波教官は57歳だから早川より年上だよ

126: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 23:37:05.08 ID:QUGbIiHv0
ナギ「では、ヴァイセンベルガー大将の指令をご説明します」

ナギ「ウィルシアはクレタ島に新型超兵器『アームドウィング』を近々配備する予定です。そこで、我々とフランス軍が母港のクレタ島を攻撃します」

ナギ「まずは我々が紅海を攻撃しスエズ運河を突破、それを合図にフランス軍がバルカン半島以東を海上封鎖します。そして、スエズ運河を脱した我々が敵を攻撃する、という手順です」

ブラウン「問題は紅海の状況です。エジプトには帝国の大規模な航空基地が存在し、紅海を防衛しています。この戦力差では、敵の航空攻撃を防ぐことはできません」

筑波「我々の空母は二隻だけですからな。せめて、もう一隻あれば助かりますがね」

早川「そこはドック艦スキズブラズニルで何とかなる。空母の船体は二隻分あるから、それを使って新型空母を建造すればいい」

ブラウン「戦闘機は足りますか?」

早川「烈風が数十機ほど残っている」

ブラウン「では、その空母の船体を使用しましょう。では、早川少将は空母の確保をお願いします。航空基地は電のミサイルやリジルの艦砲射撃で何とかなるでしょう」

電「ミサイルの使い方はまだ慣れないけど、やってみるのです」

127: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/28(土) 23:55:00.47 ID:QUGbIiHv0
シュルツ「ミサイルか・・・早川少将、ミサイル発射機はまだありますか?」

早川「開発したばかりの試作対空ミサイルが6基ある。そのうち2基は電に搭載するつもりだ」

シュルツ「では、その4基をリジルに装備してくれませんか?」

早川「わかった。すぐに準備しよう」

筑波「ついに我が艦にもミサイルが装備されますな」

シュルツ「ええ、最近はジェット機まで開発されて艦隊防空の重要性が増してきましたから」

スキズブラズニル・換装室

ブラウン「早川少将は『アングルドデッキ』という機構をご存じですか?」

早川「いや、知らんな」

電「ちょっと気になるのです」

ブラウン「空母の後部に装備する、艦載機着艦用の甲板です。発艦用の前部甲板に対し、9度の角度を持たせて設置します。着艦用・発艦用の甲板を分けることで、着艦に失敗した機が発艦待ちの機体と事故を起こす確率がかなり減ります」

早川「なるほど、それは凄いな」

電「着艦に失敗した航空機の話は聞いたことがないのです。やっぱり、他の海軍ではあるんですね」

早川「いや、日本でもあった。開発中の新型艦載機『震電』が加賀に着艦しようとしたところ、強風にあおられて艦橋に衝突する事故があった」

電「加賀さんにそんなことがあったのですか・・・怖いです」

128: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 00:06:26.06 ID:4tK2EpC30
早川「ちなみに震電は今でも開発中だ。じきにスキズブラズニルにも設計図が届くはずだ」

ブラウン「震電の能力があれば、現在使用されている航空機に十分対抗できます。早めに配備したいところですね」

早川「そうだな。ところで、アングルドデッキがどうした?」

ブラウン「スキズブラズニルの設計主任に設計図を渡しました。じきに開発に取り掛かってくれるでしょう。それに合わせ、青鶴や赤城、新型空母にアングルドデッキを装備させたいのですが」

早川「スエズ攻略まで工事ができるなら、頼もう」

ブラウン「了解しました。ところで、新型空母の名前ですが・・・」

早川「ああ、あれは・・・そうだな、この際、電につけてもらうか」

電「はうっ・・・私、新造艦の命名式なんて参加したことなくて・・・」

早川「この場で決めてもらえればいい。頼む」

電「は、はい。では、『暁星』でお願いします」

早川「暁に残る星、金星のことか・・・いい名前だ」

電「あ、ありがとうございます」ペコリ

早川「では、暁星の換装と新型艦二隻の建造を急がねばならないな」

ブラウン「お手伝いします」

130: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 00:22:41.44 ID:4tK2EpC30
帝国兵士A「敵艦隊の壊滅を確認!」

ロゼ「了解した。さすがに太平洋にはめぼしい獲物など残ってはいないわね」

帝国兵士A「有力な艦隊はヨーロッパに出張っていると聞きます。おそらく、向こうには新型超兵器が多数配備されるからでしょう」

ロゼ「ま、太平洋はアルウス一隻で十分だけど」

帝国兵士B「そういえば、小官は以前、『グロースシュトラール』という新型超兵器を小耳にはさんだのですが、あれは一体どういった艦なのでありますか?」

ロゼ「ゴーダが遺したレーザー戦艦よ。今はクルーガーの指揮下にあるけど」

帝国兵士A「レーザー戦艦、ですか」

ロゼ「ゴーダはちょっと未来を見すぎたのよ。『いずれレーザー艦隊を編制してやる』とか言ってたわね。リフレクト・ブラッタの開発も急いでたけど、今は偵察用の戦艦に成り下がってるわ」

帝国兵士B「偵察用の戦艦、でありますか・・・」

ロゼ「たまに通商破壊もしてるけどね。今の目標は、言われなくても分かる通り、数日前にヴリルオーディンを沈めた奴らよ」

帝国兵士A「電、と言いましたか」

ロゼ「リフレクト・ブラッタによれば、『転移艦』らしいわ」

131: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 00:27:26.43 ID:4tK2EpC30
>>129
6度の艦もあるけど、ニミッツ級準拠で書いた

132: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/29(日) 00:43:17.78 ID:4tK2EpC30
帝国兵士B「聞いたことがあります。別世界から転移してくる艦のことだとか」

ロゼ「そうらしいわね。基本、我が軍じゃ沈めることにしてるけど。でも、あの電だけは他の転移艦とは明らかに違うわ」

帝国兵士A「例えば、どんなところで?」

ロゼ「元捕虜によれば、少女が艦を指揮しているんだとか。乗組員は全員妖精で、撃たれても死なないらしいわ」

帝国兵士A「全くの別世界ですね」

ロゼ「そうよ。ゴーダの奴、横須賀を潰しただけで満足して帰ってきたのよ。もう少し長くいれば、あれを沈められたかもしれないのに」

ロゼ「でも、別にいいわ。ヨーロッパでの作戦が終われば、向こうからのこのこやってくるでしょ」

帝国兵士A「それまでに電が撃沈されていなければ、の話ですけど」

ロゼ「あの艦は沈まないわよ。必ず、私の前に現れるわ」

ロゼは艦長席から立つと、眼下に広がる巨大なアルウスの甲板を見つめた。大量のドーントレスやヘルキャットなどが整然と並んでいる。

ロゼ「ヴァイセンベルガーに加えて、新たな脅威が現れたってわけね。さて、超兵器狩りの駆逐艦を前に、あの列車砲はどんな戦いを見せるのかしら」

134: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 17:01:03.91 ID:y7hoOk6e0
副長「偵察機から連絡。『紅海方面に敵水雷戦隊が展開中。注意されたし』とのことです」

艦長「やはり敵がいたか・・・」

早川「航空機で敵戦力を減殺した後、戦艦の砲撃で殲滅する。全艦、輪形陣展開!」

整備が終了し、アングルドデッキを備えた空母三隻を囲むように、戦艦や駆逐艦が配置される。輪形陣は主に旗艦や輸送船団を守るために使用される陣形だ。今回は空母の存在が重要になるので、被害を受けにくい中央に配置される。

早川「電、第三戦速!」

電「なのです!」

陣形を整えた艦隊は、一斉に前進し始める。紅海の入口に突入し、周囲の地上砲台などを殲滅しつつスエズ運河を目指す。

ブラウン『早川少将、少し気になる建造物があるのですが、よろしいでしょうか?』

早川「建造物?」

ブラウン『はい。サウジアラビア側に4本の線路が引かれているのですが、ここは輸送列車などが通るものではありません。まして、軍事兵器を運んでいる様子もありません』

早川「何が言いたい?」

ブラウン『更に、線路付近から微弱なノイズも観測されています。敵超兵器が使用している可能性があるので、破壊してはどうでしょう?』

早川「わかった。長門をそっちに向かわせる」

135: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 17:16:24.98 ID:y7hoOk6e0
輪形陣から長門とバーヴルが外れ、線路の破壊に向かった。

ブラウン「・・・」

シュルツ「博士は水雷戦隊を超兵器の護衛と考えておられるわけですね?」

ブラウン「ええ。超兵器は間違いなく陸上の兵器です。その超兵器で叩けない分を水雷戦隊が破壊する、といたっところでしょう」

筑波「ずいぶんと物騒な輩ですな」

ピピーッ、ピピーッ

ナギ「戦艦長門から緊急信号!敵超兵器出現の報告あり!」

シュルツ「まさに博士の読み通り、といったところか・・・」

艦長『シュルツ!長門の救援に向かえ!水雷戦隊はこっちで対処する!』

シュルツ「了解しました。では、お任せします」

ナギ「敵超兵器の情報です!敵は超兵器列車砲!」

ブラウン「線路を使う超兵器・・・!」

ナギ「長門、列車砲の主砲を受け航行不能!バーヴルは撃沈されたとのことです!」

136: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 17:32:28.72 ID:y7hoOk6e0
電「長門が一撃なんて、物凄い攻撃力なのです・・・」ブルブル

副長「敵超兵器のノイズを検知!高速で移動中ですっ!」

早川「超兵器の襲撃ばかりだな・・・一体、帝国はどれだけ超兵器を保有しているんだ?」

電「はりゃーっ!?」ドーン

突如、電の艦首に砲弾が直撃した。小口径の砲だったためにダメージはあまりない。

副長「前方から水雷戦隊出現!二隻は中破している模様!」

早川「レーダーに頼りすぎたか・・・超兵器ノイズで使えなくなったところを狙われたんだ」

艦長「砲撃用意!目標、前方のクリーブランド級巡洋艦!」

電「命中させちゃいます!」ズドーン

電が放った砲弾はクリーブランド級に命中し、左舷に穴を開けた。そこから大量の水が流入したらしく、あっという間に横転して沈没した。

艦長「次、後方のフレッチャー級!」

空母は後方に退避し、残る駆逐艦や戦艦が水雷戦隊に攻撃を仕掛けていく。戦力差と艦載機の攻撃のお陰であまり苦労せず敵の駆逐は完了した。

早川「よし、暁星と赤城、青鶴は生存者を救出しつつ待機!残りの艦は戦艦リジルの援護に向かえ!」

137: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/30(月) 17:58:14.10 ID:y7hoOk6e0
副長「戦艦リジルから救難信号!敵列車砲の攻撃を受けて航行不能になったようです!」

早川「リジルまでやられるとは・・・」

電「つ、強いのです」

早川「敵は大口径の主砲を搭載しているのか。それにしては威力が桁違いのような気がするが」

副長「46cm砲でも一撃で航行不能なんてありえませんよね」

早川「それでは、それ以上の巨大砲か・・・」

早川が考察を重ねている最中、電の船体を巨大な揺れが襲った。

副長「至近弾!46cm砲なんて口径じゃありませんよっ!」

電「はうう・・・」

早川「大丈夫か、電」

電「すごい衝撃なのです・・・」

艦長「見えました!超兵器列車砲です!」

サウジアラビアの地に、その超兵器はあった。線路四本を使うほど巨大な車体には、中央に塔の如くそびえる巨大な砲門と、周囲に配置された小口径の砲が存在する。

電「あれが、超兵器列車砲なのですか?」

早川「・・・何だあの砲は。46cm砲の3倍もの長さはあるぞ・・・」

電「大和さんの3倍なんて・・・すごく大きいのです・・・」

140: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 00:51:09.10 ID:Z8vOmLKZ0
電「・・・え、えーっと」

副長「>>138から連想できるのは一つしかないけど、まぁ、ね」

電「アレをぶっ刺したら本物の天国にイきそうなのでご遠慮するのです」

副長「19、イクの!いひひっ」

電「なぜ副長さんがそのネタを知ってるのか凄く知りたいです。それにしても、相変わらずのDMMクオリティですね」

早川「お喋りしてる暇はないぞ!DMMだろうがコーエーだろうが知ったことか」

副長「はーい」

電「もうやめにするのです」ズドーン

砲門を意味深げに上に向ける列車砲に対し、大和や電が砲撃を加えている。しかし、目立ったダメージは与えられない。

早川「超兵器の連戦で慣れてきたはずなのに、全く手がつけられない・・・」

電「超兵器のタイプが全然違うから、毎回苦戦するのです」

艦長「しかし、敵には弱点があるはずだ。何か探せばあるかもしれない」

副長「線路を破壊するのはどうですか?」

艦長「それでは破壊とは言えん。あれ自体を確実に無力化しないと、スエズを通過することは不可能だ」

電「そういえば、気になっていたのですけど・・・」

141: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 01:03:24.40 ID:Z8vOmLKZ0
電「さっきから空に上がっている飛行船は何なのですか?」

電が指摘する通り、列車砲や艦隊の周囲を小型の飛行船が飛んでいた。さっきから烈風が撃墜しにかかっているが、一向に数が減らない。

早川「念のために撃墜させてはいるが、何なのかわからない」

副長「電波も出していませんし、レーダーの類ではないですよね?」

早川「いや、無電方位探知を使えば、十分にレーダーの役割を果たせ・・・そうか、そうだ!」

電「何かわかったのですか?」

早川「あれは観測気球だ。列車砲にはレーダーを搭載できない。だから、あの観測気球を使って敵位置を特定している」

艦長「確かに、巨砲の射撃時には偵察機を使用しますが、あの類だったとは・・・」

早川「まだ確証はない。運よく今は敵が砲弾の装填と砲身の冷却を行っているところらしい。あれを撃ち落としつつ、気球の出所を捜すぞ」

艦長「了解!」

電は戦列を離れ、気球の出所を探しに北へ向かった。北には敵の飛行場があり、そこで青鶴の烈風部隊が航空戦をしている最中だった。

早川「よく探せ。気球を潰さねば被害が増える一方だ」

142: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 01:27:37.51 ID:Z8vOmLKZ0
電「あ、あれじゃないですか?」

飛行場のすぐ隣に、一軒の小屋が立っていた。そこでは、ちょうど飛行船が膨らんでいるところだった。

早川「飛行船っていうより気球だな。ガスバーナーで空気を暖めて空に上げている」

副長「古臭いですね。>>133の言う通りUFOを配備して観測しちゃえばいいのに」

早川「それもそうだな」

艦長「ここはアレの撃破が最優先です。直ちに砲撃で破壊しましょう」

電「で、でも・・・」

艦長「アレを破壊しなければ被害が増える一方だ」

電「でも、あそこでおじいさんが一人で飛行船を膨らませているのです。攻撃できないのです・・・」

艦長は双眼鏡を覗き、飛行船の方を見た。確かに、一人の老人がバーナーを使って飛行船を膨らませている。

艦長「・・・・・・・・・・・・」

早川「わかった。陸戦隊、あの老人をひっ捕らえろ」

陸戦隊の妖精さん「Yes,Sir!」

内火艇に乗り込んだ男気溢れる妖精さんは、すぐさま小屋に向かうと老人をひっ捕らえた。同時に気球と小屋は破壊し、観測気球は発進できなくなった。

早川「よくやった。次も頼むぞ」

陸戦隊の妖精さん「任せろ、兄ちゃん。俺はやる時はやる妖精さんだ」ビシッ

144: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 13:00:59.31 ID:Z8vOmLKZ0
電「す、すごい早技なのです」

副長「あんなマッチョな妖精さんがいるなんて・・・いや、それよりあれは妖精さんなのかしら」

艦長「・・・いや、それより観測気球は発進できない。これで奴の攻撃能力も下がるだろう」

電「それだけでも大きな戦果なのです」

早川「よくやった艦長。では、あれを片づけに・・・」ガァァン

電に大きな揺れが走った。早川が艦橋から後ろを見ると、後部魚雷発射管が丸ごと消滅していることに気がついた。

早川「くっ、あの巨砲か!」

電「はわわ・・・痛いのです」

副長「後部魚雷発射管、使用不能!機関停止!」

早川「応急修理急げ!」

副長「大和より報告!航行不能とのことです!」

早川「大和までやられたか・・・電、ミサイル攻撃で奴を撃滅する。できるか?」

電「やってみるのです!」

早川「よく言った!」

145: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 13:30:50.13 ID:Z8vOmLKZ0
艦長「対艦ミサイル発射用意。目標、超兵器列車砲!」

電「ミサイル装填です!」シュウゥゥ

増設されたミサイル発射機からミサイルが飛翔し、列車砲に向かう。対空砲座を備えていない列車砲は、ただ攻撃を受けるだけだった。後部の機関車にミサイルが直撃し、爆発する。

副長「機関車を破壊したようです!」

艦長「連続発射!残弾が無くなるまで叩きこめ!」

絶え間なく発射されるミサイルの雨を前にして、列車砲は為す術もなく被弾していく。苦し紛れに発射した巨砲も、的外れな場所に落下した。

艦長「最後の一発だ!決めてやれ!」

電「なのです!」シュウゥゥ

魚雷発射管から発射された最後のミサイルは、巨砲の根元に直撃して大爆発を起こした。列車砲は沈黙し、巨砲を海上に落下させた。

副長「超兵器列車砲、撃破!」

146: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2013/12/31(火) 13:45:18.79 ID:Z8vOmLKZ0
ナギ「超兵器列車砲、撃破!」

筑波「まさに隕石を降らせる超兵器でしたな」

シュルツ「これより、本艦はドックにて修理を行うべく当海域を離れる」

ブラウン「お待ちください、艦長」

シュルツ「どうかしましたか?」

ブラウン「列車砲の超兵器機関を回収できませんか?いくら地上兵器とはいえ、ノイズなどのパターンは他兵器のものと酷似しており、あれを調べれば何かわかるかと」

シュルツ「そうですか。では、陸戦隊に回収させましょう」

ブラウン「ありがとうございます」

筑波「これで超兵器研究がはかどりますな」

ブラウン「これで何か重要な情報を得られればいいのですが」

149: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 00:57:37.85 ID:Vuj1S+Le0
提督「・・・なるほど、あなたたちは、その・・・ウィルシア帝国の艦隊なわけね?」

ロゼ「そうよ。この世界では反政府組織が我々に危害を加えているのよ。当然、国民も多く犠牲になったわ」

提督「その話が本当なら、あなたたちの指導者は指導者失格ね」

ロゼ「なぜ、そう言えるの?」

提督「政府は国民の意思を反映させる鏡のようなものよ。でも、その鏡は国民の見ているものとは違うものを映している。壊れた鏡は取り換えるべきなのよ」

ロゼ「・・・何が言いたいの?」

提督「反乱されて当然の行いを政府がしているってこと。例えば、何らかの形で圧政を敷いている、とか」

大和「大日本帝国・・・」

ロゼ「圧政、ね」

フフ、とロゼは鼻で笑った。

ロゼ「それはどうでもいい話よ。あたしたち軍人は、国家の凶器。国の意向に従うのみ」

ロゼ「でも、あんたたちを助けてあげることはあたしにもできる。どうする?協力してくれるなら、あんたの仲間を探して保護することもできるわ」

150: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 01:14:20.80 ID:Vuj1S+Le0
提督「・・・!」

ロゼ「いい話でしょ?」

提督「そ、そうだけど・・・」

ロゼ「じゃ、あたしたちに協力して」

提督「そんな・・・」

大和「・・・」

雷『別にいいじゃない!電は私たちが探すんだから!』

暁『ヘンな連中に手を貸すくらいなら、自分たちで探すわよ!』

提督「黙って!」

一斉に悲鳴を上げ始めた通信機に向かって、提督は思い切り叫んだ。

提督「ロゼって言ったわね。私たちもレジスタンスの鎮圧に協力するわ。だから、絶対に仲間を・・・電を、探し出して」

ロゼ「交渉成立、ね」

ロゼはコーヒーをすすりながら言った。そして、大和の前方に錨を降ろす超巨大高速空母『アルウス』の船体を見つめる。

赤城『提督・・・』

愛宕『あらあら。でも、提督が決めたなら従いますわ』

響『こればかりは仕方ないよ』

152: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 01:26:56.33 ID:Vuj1S+Le0
ロゼ「それじゃ、あたしたちの仲間になるに当たって、一つだけ頭に入れてほしいことがあるの」

提督「何かしら」

ロゼ「超兵器のことは絶対に詮索しないこと。これが一つだけの条件」

提督「わかったわ。知りすぎはよくないもの」

ロゼ「それじゃ、司令部に連絡しておくわ。それと、ウィルシア海軍にようこそ」

提督「勘違いしないで。協力するだけよ」

ロゼ「そう。じゃ、それでいいわ」

特大のため息をついたロゼは、大和の艦橋を後にした。提督は壁のようにそびえるアルウスの船尾を、唇を噛みながら見ているだけだった。

大和「提督、電ちゃんは私たちだけで探せばよかったのでは?」

提督「こんな広い世界を六隻だけの艦隊で探すなんて、絶対に無理よ。それに、奴らは巨大な国家、情報の保有量もレジスタンスの比じゃないわ」

大和「でも、あいつらは何を考えてるかわからないです!」

提督「それでも、一縷の望みに賭けるしかないのよ」

大和「提督・・・」

155: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 01:44:15.56 ID:Vuj1S+Le0
提督「大きな賭けになることはわかってる。危険なんて百も承知。だけど、この戦争にはいずれ何らかの形で介入せざるを得なくなるわ」

大和「それは、まだわからないじゃないですか!」

提督「損傷したらどうするの?どこで戦闘に巻き込まれるかわかったものじゃないわよ?それ以前に、補給なしで世界一周なんてできっこないわ」

大和「それは・・・」

提督「あれは、私たちを守る約束でもあるの。わかってちょうだい」

大和「了解、しました」

ロゼ『これより、ガラパゴス諸島に向かうわ。ついて来て」

提督「了解」

提督(大陸の南端を通過し、西の海に出て数日、あの巨大艦と出会った。これから何があるのかわからないけど、この選択が正しかったと今は信じたい)

提督(電、あなたはどこにいるの?)

156: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 01:58:59.92 ID:Vuj1S+Le0
スエズ運河河口付近、スキズブラズニル

早川「動いている?あれが?」

ブラウン「ええ。超兵器列車砲『ドーラ・ドルヒ』から回収した超兵器機関は一部だけでしたが、まだ稼働しています」

シュルツ「それは、どんな理屈ですか!?」

ブラウン「わかりません。今の時点で言えるのは、こんな技術は存在しなかった、ということだけです」

早川「一部だけでも稼働するマシン、か・・・まるで、脳みたいだな」

ブラウン「脳、ですか」

早川「脳は一部分を失っても、他の部分が失った部分をカバーする。機能代行だ」

ブラウン「確かにその見方もあるかもしれません。色々と調査を行った後で結論を下すのが妥当かもしれませんね」

シュルツ「・・・一体、奴らは何を開発したというのだ」

ブラウン「開発した・・・のではないかもしれませんね」

早川「博士、何か言ったか?」

ブラウン「いえ、何でもありません。それより、赤城の甲板換装作業に戻りましょう」

シュルツ「そうですね」

早川(超兵器機関、か・・・)

157: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 02:14:25.49 ID:Vuj1S+Le0
電「ボスドロップで高性能のタービンが入ったのです!」

早川「おぉ、駆逐タービンαか。ちょうど2基あるから、ためしに装備してみるか」

電「なのです!」

早川はHLGを起動し、電の換装画面に切り替えた。古いタービンを撤去し、ドーラがドロップした新型タービンを装備する。

早川「想定最高速度、63ノット・・・」

電「ぜかましが鈍足艦に見えるのです」

早川「・・・(電、数日前より口調かなり変わったな)」

早川「それに加え、砲の長砲身化も行う。12.7cmの70口径が開発に成功したから、それを装備しておく」

電「な、70口径なんて聞いたことがないのです!」

早川「重量の関係でかなり苦労したらしい。設計班には感謝しなくてはならないな」

電「さすがスキズブラズニルの技術力なのです」

160: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 13:21:14.95 ID:Vuj1S+Le0
早川「全艦の近代化改修も終了したことだし、司令部に準備完了の通達をしないとな」

電「作戦が早く終われば、それだけ助けられる人の数も増えますね」

早川「そうだな。しかし、今回の作戦は消耗戦になるだろう。数多くの死者が出る。両軍共に、な」

電「・・・」

艦長「アームドウィングを撃沈できても、まだ心配のタネは残っていますし」

早川「超兵器は次々建造される。奴らには経済って言葉は無いのか」

副長「ガルトナー副司令より連絡が入りました!」

ガルトナー「遣欧艦隊の諸君、長い旅路ご苦労だった。早川少将もお疲れ様です。しかし、悪い知らせだ」

早川「どうした?」

ガルトナー「ボスボラス海峡に集結しつつあった包囲艦隊が、謎の新型爆弾により一瞬で壊滅した、との報告が入った」

早川「新型爆弾?」

ガルトナー「強力な爆発を起こす新兵器です。展開していた敵艦隊も巻き添えを食い、壊滅しました」

電「そ、そんな・・・味方も巻き添えなんて、とってもひどいのです!」

艦長「恐るべき威力だな。使用されたのは一発だけなのですか?」

ガルトナー「詳しいことはわからん。何にせよ、ノイズが検出されなかったことから、超兵器の攻撃でないことは確かだ」

161: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 13:37:29.72 ID:Vuj1S+Le0
艦長「超兵器だけでも厄介なのに、更に脅威が増えるとは・・・司令代行、どうお考えですか」

早川「懸案事項が増えたな。包囲艦隊も壊滅したことだし、もうアームドウィングの撃沈は見送った方がいいかもしれん」

副長「そ、それじゃ、あたしたちが頑張ってここまで来た意味はあるのですか!?」

早川「超兵器を3機撃破した。帝国にとっても、これは大きな痛手になったはずだ。かなり大きな戦果だ」

副長「でも、まだアームドウィングは・・・」

艦長「副長、今まで超兵器は撃破できないものと考えられていた。しかし、電がそれは違うと教えてくれた。解放軍の士気も爆発的に上がっている。それだけでも大きな進歩だ」

電「わ、私はあまり・・・」アセアセ

早川「確かに、全体的で見れば解放軍の士気は高いと言っていい。しかし、包囲艦隊が壊滅した穴をどう埋めるか、だな」

ガルトナー「いずれにせよ、アームドウィングの撃沈は行うことになる。包囲艦隊の分はイタリア海軍が手を貸すと言ってきた。心配はあまりしなくていいだろう」

早川「それならいいのですが・・・」

ガルトナー「ところで、シュルツ少佐はどうした?」

艦長「スキズブラズニルの換装ドックです」

162: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 13:55:34.39 ID:Vuj1S+Le0
ガルトナー「丁度、スキズブラズニルにリジル用の長砲身57口径46cm砲を納付したところだ。その旨、少佐に伝えてくれ」

艦長「了解しました」

ガルトナー「では、私はこれで失礼する」

副司令は簡単に礼だけして、電の艦橋から去った。すると、その直後に通信が入った。

オペレーター『緊急連絡!イタリアがウィルシアに降伏を申し出たとのことです!』

早川「何っ!?」

艦長「なぜだ!?作戦前だぞ?」

オペレーター『先ほど首都ローマの政府関連施設が制圧された模様!』

早川「これでアームドウィング捕捉は事実上不可能になったな。みんな、ご苦労だった」

オペレーター『更に報告!イタリア沖に超兵器出現!巨大双胴戦艦と確認!現在、ナポリを砲撃中!』

艦長「傷口に塩を塗るような真似を・・・」

電「ひ、ひどいのです・・・」

副長「信じられない!」

163: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 22:20:27.79 ID:Vuj1S+Le0
シュルツ「徹底的だな・・・」

筑波「丸腰の民間人に攻撃を加えるなど、馬鹿げておる!」

ブラウン「・・・」

シュルツ「博士、どうかしましたか?」

ブラウン「ヴィルベルヴィント、アルケオプテリクス、アルウス、ヴリルオーディン、ドーラ・ドルヒ、アームドウィング、巨大双胴戦艦・・・」

シュルツ「博士?」

ブラウン「ここ一ヶ月の間に、大量の超兵器が配備・運用されています。帝国といえども、これだけの超兵器を運用していれば、資源不足は回避できないはずです」

シュルツ「確かに、元ウィルシア領と元ソ連領だけの帝国に、それだけ資源が存在するとも思えません。何か思い当たる節でも?」

ブラウン「それだけの資源を失ってでも、超兵器を使用して何かをしようとしているのではないでしょうか?」

ナギ「その何かって何ですか?」

ブラウン「それが答えのはずです。いずれにせよ、帝国が何かをしようとしているのは事実です。これからは、超兵器破壊に全力を注いだ方がいいかもしれません」

164: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 22:45:38.85 ID:Vuj1S+Le0
ロゼ「フェルカーモルト作戦の第一弾が始まったみたいね」

帝国兵士A「そうみたいですが、フェルカーモルト作戦とは一体何ですか?」

ロゼ「エーヴィヒグランツ作戦の前身になる作戦のことよ。超兵器を大量運用してレジスタンス軍を消耗させる作戦。これがフェルカーモルト作戦の概要」

帝国兵士B「では、エーヴィヒグランツ作戦とは?」

ロゼ「それについては何も聞かされてないわ。クルーガーなら何か知ってるかもしれないけど」

帝国兵士A「そうですか。しかし、あの艦隊を引き入れてもよかったのでしょうか?」

ロゼ「いずれ裏切られるだろうけど、それまで使えれば問題無いわよ。裏切りの兆候が見えたら潰すだけだし」

帝国兵士C「報告します!偵察機が天城艦隊を発見!艦載機での爆撃を進言します!」

ロゼ「いえ、ここは鹵獲艦隊・・・彼紺艦隊に任せるわ」

帝国兵士C「了解しました」

ロゼ「さあ、艦娘の力、見せてもらうわよ」

166: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 12:14:56.13 ID:w7OCtaiX0
天城「オーストラリアから逃げたと思えば、ガラパゴス諸島まで遠征か。ずいぶんと余裕だな」

日本軍兵士A「艦載機隊、発艦しました!」

天城「了解した。全艦、第二戦速!」

日本軍兵士B「第二戦速、ようそろ!」

戦艦『常陸』を中心とする天城艦隊は、戦艦が4隻と空母5隻、駆逐艦が15隻の大艦隊を形成している。航空攻撃、魚雷戦、砲戦の三段階で敵を攻撃する、いわゆる漸減邀撃(ようげき)作戦を得意としていた。

しかし、ロゼの艦隊はほとんどを空母で、周りを少数の戦艦と巡洋艦で固めた航空機主体の艦隊だ。アルウスは速度を上げ、天城艦隊の主力から逃げようとするだろう。

天城「その程度のことは想定済みだ。ガラパゴスを包囲せよ!」

日本軍兵士C「別動隊に告ぐ!これよりガラパゴス諸島を包囲する。諸島外部にて待機せよ!」

日本軍兵士A「天城大佐!敵艦隊の一部が前に出ました!戦艦1、空母1、駆逐艦3、重巡1!全て日本の艦です!なお、戦艦は大和型の模様!」

天城「なに・・・?大和は早川少将の遣欧艦隊に所属していたはずだ」

日本軍兵士A「なお、敵艦隊の中には我が艦隊所属の『雷』及び『響』と同名の駆逐艦が存在する模様です」

天城「ますます状況がわからん。しかし、戦わんわけにもいかんか」

167: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 12:37:56.36 ID:w7OCtaiX0
提督「日本艦隊ね。長門型と金剛型が2隻ずつ、空母は大鳳型1隻と天城型3隻、駆逐艦は全部吹雪型・・・か」

暁『だ、大丈夫なんだから!あれは雷たちに似てるけど、違う艦だから・・・』

愛宕『大鳳ちゃんと、戦うのね・・・』

赤城『自分と戦うなんて、ちょっと怖い気もします』

提督(みんな、戦う前から疲弊してる。やっぱり、仲間や自分自身と戦うのは心が痛むわよね・・・)

提督『・・・全艦、第四戦速。砲雷撃戦、用意。赤城より戦闘機隊発艦せよ』

赤城『了解、しました』

大和「前方、砲撃戦、用意・・・」

提督(ダメ、あまりにも士気が低すぎる。すぐに大破してもおかしくない・・・)

見張り妖精さん「空母より艦載機多数発艦!」

提督「何やってるの!大和、三式弾での射撃を開始!赤城、震電を出して!早く!」

赤城『震電、ただいま発艦準備中、です』

大和「砲撃開始、撃て」ゴォォォ

声に張りが無い大和の指示で、一斉に主砲が発射され、三式弾が空で弾ける。しかし、被弾した敵艦載機は皆無だ。

見張り妖精さん「長門型戦艦の発砲を確認!標的は赤城!」

168: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 13:01:05.36 ID:w7OCtaiX0
日本軍兵士C「大和型、対空榴弾を発射した模様!味方艦載機への損害なし!」

日本軍兵士A「天城型空母より艦載機発艦!開発中の戦闘機『震電』だと思われます!」

天城「震電まで出してくるか。帝国は何もかもが掟破りだな」

日本軍兵士A「あっ、指標『アカツキ』が大和型に衝突した模様!続いて、天城型に我が艦の砲弾が直撃した模様!航空甲板より出火を確認!戦列を離れます!」

天城「大和型に集中砲撃だ。艦載機は駆逐艦を狙え」

日本軍兵士B「了解しました」

日本軍兵士C「指標『ヒビキ』、砲撃開始!我が艦前方12km地点に着弾!」

天城「艦隊が混乱しているのか。しかし、我が艦隊は何もしていない。どういうことだ」

日本軍通信士「指標『雷』の通信を拾いました!『やっぱり戦いたくないわ!もうこんなのイヤ!』とのことです」

天城「混乱どころか、戦闘拒否までするか・・・リルガー、大変なものを拾ったな」

169: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/03(金) 13:25:29.87 ID:w7OCtaiX0
スエズ運河河口、スキズブラズニル

電「司令官さん、日本から通信が来ているのです」

早川「通信?はい、私だ」

司令『あっ、よかった。今はスエズ運河にいるんだって?』

早川「はい。しかし、アームドウィングの捕捉に失敗したどころか、イタリア陥落を許してしまいました」

司令『やっぱりそうなったんだね・・・でも、もう大丈夫だよ。こっちには超兵器があるからね』

早川「な、何ですって?超兵器?」

ブラウン「超兵器の開発に成功したのですか!?」

司令『違うよ。ヴィルベルヴィントをサルベージして改修しただけさ。艦名は『旋風』。かっこいいでしょ?』

早川「ところで、ヴィルベルヴィントとの違いはありますか?」

司令『もう、せっかちさんだな。とりあえず、主砲を新開発の51cm砲に換装して、ミサイル発射機を搭載したよ。電ちゃんに搭載してるものと一緒だね』

ブラウン「超兵器の運用は気をつけてください。何が起こるかわかりません」

司令『うん。気をつけるよ。じゃ、旋風は日本近海に置くから、防衛は任せておいて!』

171: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 00:21:43.01 ID:y244WX7Q0
シュルツ「超兵器の日本配備を受け、日本から数隻の艦がこちらへ回航されることになった。戦艦『加賀』、重巡『愛宕』及び『足柄』、駆逐艦『磯風』が回される。それぞれに新型機関を搭載し、高速化を図っている」

電「加賀さんって空母じゃないのですか?」

シュルツ「加賀型戦艦の1番艦で、長門型の拡大改良型だ。当然、ミサイルも装備している」

電「こっちの加賀さんは空母なのです」

ブラウン「軍縮条約で改装されたのでしょうか。空母はあくまで補助艦艇なので」

電「その通りなのです。ブラウンさんは凄いのです!」

シュルツ「私語は慎んでくれ。ひとまず、我々はシチリア島を母港にしている超兵器双胴戦艦を撃滅しなくてはならない。攻撃は遣欧艦隊を待ってからにする」

筑波「では、それまでは暇ですかな?」

シュルツ「我々に暇はない。帝国軍の手にある黒海の奪還、バルカン半島の制圧が急務だ。超兵器双胴戦艦はスエズと黒海から艦隊を捻出し、攻撃することになる」

早川「ま、要するに満を持しての超兵器戦に挑むといったところだ。遣欧艦隊も大急ぎでここに向かってるみたいだし、早めに露払いは終わらせておかないとな」

電「露払い、ですか」

172: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 00:55:48.67 ID:y244WX7Q0
ナギ「司令部より連絡です!」

ガルトナー『少佐、私だ。先ほど、スエズ運河及びボスボラス海峡付近に多数の潜水艦が配備されたとの情報が入った。放置しておけば、今後の作戦を練り直さねばならんかもしれん。直ちにこれを撃滅してほしい』

シュルツ「了解しました」

早川「潜水艦隊か、厄介だな」

ブラウン「我が軍にも対潜ミサイルの配備が進んでいるとはいえ、未だに脅威なのは変わりません。敵艦の位置を探りつつ、攻撃してください」

電「潜水艦はやっぱり苦手なのです・・・」

シュルツ「では、補給と整備を済ませた後に出撃する。各員、出港準備!」


早川「我々、高速水雷戦隊は哨戒と露払いを担当することとなった。速度は全て50ノットを超える艦を用意している。それと、我が軍は新兵器を投入する」

副長「あっ、とうとうできたんですね?」

早川「そうだ。対潜ヘリコプターの実地実験も兼ねての投入だ」

電「あきつ丸さんのオートジャイロみたいなものなのですね」

早川「あれは試作段階だから、あまり戦力にはならない。実は、電が来る前から対潜ヘリの研究開発は行われてきた。今回は実戦用のちゃんとした機体だ」

173: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 01:10:55.31 ID:y244WX7Q0
戦艦『長門』から零式水上偵察機が敵航空機の警戒のため発艦し、スエズ運河の上空を数分かけて旋回した。しかし、敵の航空機は一切認められない。

早川「よし、赤城と青鶴から対潜ヘリ『シーホーク』を発艦させろ!零式水偵は爆雷を装備して再出撃!」

アングルドデッキを装備された赤城から、対潜ヘリが発艦した。シーホークと呼ばれるそのヘリは、ソノブイと呼ばれる探知装置を投下し、敵潜の位置を探る。

そして、敵潜を見つけると爆雷を投下し攻撃する。潜水艦からは一切の反撃を受けない上、艦載機ということで損失しても被害が少ない。

電「まさに夢のような航空機なのです!電にも搭載したいのです」

早川「はは、電は艦載機格納庫が無いから無理だな。どうしても載せたいなら、船体を交換するしかない」

電「船体を交換・・・すると、私はどうなるのですか?」

早川「わからん」

電「そ、そうですよね・・・」アセアセ

早川「・・・?」

177: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 16:12:47.56 ID:y244WX7Q0
ロゼ「何あれ?本当に軍人なの?」

提督「・・・」

ロゼ「アルウスの艦載機が助けに入らなかったら、今頃海の底だったわよ!」

大和「今回は、私たちのせいだから・・・」

ロゼ「・・・ほんっとうに情けないわね。ムスペルヘイムはこんな連中に負けたの?部下が大将の失態をかぶるような恥ずかしい真似するなんて、聞いたことが無いわよ!」

提督「そ、そうよね・・・私の責任。みんなのことも考えてやれなかったから・・・」

ロゼ「そんなことじゃないわ。上から受けた命令は絶対なの。どんなに理不尽な命令を下されても、それを遂行するのが軍人なのよ。軍人が物ごとを勝手に決めて、勝手に遂行するなんてやっちゃダメなの」

ロゼ「あんたたちには、その軍人の秩序が存在してない。独断専行、命令拒否、挙句の果てに司令官まで思考停止。最低の軍隊よ」

提督「でも、仲間を撃たせるなんて・・・」

ロゼ「やっぱりわかってない。あれに艦娘が乗ってるの?違うわ。敵よ。あんたたちを沈めようとする、敵。殺さなきゃ、殺される。それが根本的にわかってないわ。あんたたちの世界って、お遊びで戦争してるの?」

提督「・・・う。違・・・」

ロゼ「聞こえないわよ!もう1回言いなさい!」

178: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 16:41:26.36 ID:y244WX7Q0
横須賀鎮守府

電「提督、バシー島方面の制圧が完了したのです」

提督「了解。明日にはオリョール海方面を制圧するわ。作戦立案は任せる」

電「て、提督・・・」モジモジ

提督「どうしたの?」

電「私たち、沈んだら深海棲艦になっちゃうのですよね?」

提督「そう言われてるけど、まだハッキリとした証拠は無いわ」

電「なぜ、戦争なんて起こるのですか・・・?」

提督「ほとんどが食料や飲料水をめぐっての争いだけど、たまに利害の対立やイデオロギーの違いとかも噛んできたりするわね。深海棲艦みたいに何を考えてるかわからない連中もいるし」

電「話し合いで解決したらいいのに・・・」シュン

提督「話し合いで解決するようなことなら、戦争なんて起こらない。戦争は自分を不幸から守るための最後の手段。もしくは、自分のワガママを通す最後の切り札になるわ」

提督「敵は倒さないといけない。自分たちが不幸の巻き添えにならないように。自分たちの利益を守るために。敵を助けるのは、自分に余裕ができてから、よ」

電「わかった・・・のです」

提督「出来る限り戦争は避けたいけど、話のわからない敵を倒すのは仕方ないわ。これだけは覚えておいて」


提督「違う!あたしたちは電を取り戻すためにこの世界に来たの!本当なら戦争なんてしたくない!あんたたちから情報を貰うためだけについて来ただけ!」

179: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 16:57:37.94 ID:y244WX7Q0
ロゼ「・・・言ってくれるわね。じゃ、この艦隊から出て行きなさい。今すぐに」

提督「言われなくても、そうするわよ!」

ロゼ「じゃ、早く消えなさい。・・・『電』と名乗る駆逐艦が、ヨーロッパのスエズ運河近くで超兵器列車砲を撃破したとの連絡が入ったわ。海図も渡しておくし補給もさせるから、後は自分たちで何とかしなさい」

提督「ロゼ・・・」

ロゼ「副長、この賊を大和まで連れて行きなさい。艦隊の整備終了次第、即座に追い出すように」

帝国兵士A「了解しました、リルガー大将」ニヤリ

提督「ありがと。って、あっちょっと!」

帝国兵士A「はいはい、二名様お帰りー」

大和「主砲は触らないでくださいっ!」

ロゼ(悪かったわね。あんたの敵、ちょっと増えちゃった。多分、倒すのは無理ね)

182: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 19:39:33.55 ID:y244WX7Q0
電「プロペラが上についてるなんて、やっぱり異様な感じがするのです」

早川「設計班は何考えてるか全くわからんからな。ま、イギリスのアレに比べればマトモな兵器ばかりだし、問題無いだろう。では、我々も潜水艦討伐に出撃する」

電「私たちも出るのですか?」

早川「当然だ。出撃準備を急げ」

電「あぅぅ・・・」


電「第一水雷戦隊、出撃です!」

電、深雪、ダーイン、フンディンの四隻は、シーホークが撃ち漏らした潜水艦の掃討に向かった。

電「フンディンは戦艦なのに、対潜戦闘ができるのですか?」

早川「何度も言うが、あれは戦艦じゃない。駆逐艦だ」

電「なぜか、この世界の人は不幸さんを駆逐艦と呼んでいるのです」

ヴェルナー『お手柔らかにお願いします、早川少将』

早川「後衛は頼んだぞ」

183: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 20:07:48.35 ID:y244WX7Q0
電艦内、仮設戦闘指揮所

電の艦橋が一部改造され、現代の護衛艦などが持つ戦闘指揮所『CIC』が設置されていた。中は薄暗く、コンピューターの過熱防止のためにクーラーがガンガン効いている。

電「うわぁ、ここは何ですか?すごく寒くて暗いのです」

早川「CIC、つまり戦闘指揮所だ。ここでミサイルやCIWSの制御を行う。主砲はまだ旧式なのでここから発射することはできんが」

ソナーの妖精さんA「かんちょー!せんすいかんをみつけたのー!」

ソナーの妖精さんB「なのー」

艦長「早いな。新型のパッシブソナーを装備したのは正解だったか」

副長「ミサイル、発射準備!」

早川「行け、電。砲雷長を務めてくれ」

電「了解したのです!」ビシッ

水雷長の妖精さん「ミサイル発射準備OKだぜー」

電「新しいシステムだけど、頑張って慣れるのです。ミサイル発射です!」

185: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 22:48:13.25 ID:y244WX7Q0
電のミサイル発射機から対潜ミサイル『ASROC』が発射された。それは潜水艦の上空でパラシュートを開き、弾頭の魚雷と共に水中に没した。

水雷長の妖精さん「アスロック、水中を進んでるぜー」

早川「よし、短魚雷の誘導装置は正常に作動している。これで潜水艦は水上艦の敵ではないな」

ソナーの妖精さんA「ちゃくだんしたのー!」

ソナーの妖精さんB「したのー」

副長「撃沈、こちらでも確認しましたっ!」

電「賢い魚雷なのです!やっぱり、この世界の技術は凄いのです!」

早川「本当はアームドウィング撃沈のための秘密兵器として製造されたものだ。威力もバッチリだぞ」

副長「あ、ナギ少尉から通信です。えーっと・・・『エーゲ海に敵艦隊出現!戦艦隊が四個艦隊!我々だけでは足止めできず』とのことです!」

早川「了解した。直ちにエーゲ海に向かえ」

186: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 22:56:52.80 ID:y244WX7Q0
お爺さん「うぅぅ、ここはどこかいのぅ・・・」

陸戦隊の妖精さん「おう、やっと気づいたか、爺さん」

お爺さん「お、お主はっ!?誰じゃったかのぅ・・・」

陸戦隊の妖精さん「忘れたのかよ・・・ったく、仕方のない爺さんだ。あんた、超兵器列車砲の観測気球を飛ばしてただろ?」

お爺さん「ほお?わしは知らんのぅ。ただ、緑の制服を着た連中が、わしに『気球を飛ばせ』と言ってきただけでのぅ」

陸戦隊の妖精さん「それが観測気球だってんだよ」

お爺さん「そうだったのかぃ・・・はぁ、年をとると色々騙されることが多いのぅ」

陸戦隊の妖精さん(ったく、わけのわかんねぇ爺さんだな)

お爺さん「そういえば、この駆逐艦はどこに向かってるのじゃ?」

陸戦隊の妖精さん「エーゲ海だ」

お爺さん「ほぉ、エーゲ海とな。そこにはアームドウィングがいるとか何とか、制服さんが何か言っておったのぅ」

陸戦隊の妖精さん「あン?んだとオラ?」

お爺さん「じゃから言っとるじゃろ?アームドウィングってのがいるってなぁ」

陸戦隊の妖精さん「チッ、爺さん、ここで大人しくしてろ!」

187: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/04(土) 23:54:45.26 ID:y244WX7Q0
電「魚雷装填です!」ガシャン

電が発射した魚雷は、リシュリュー級戦艦に直撃して大爆発を起こした。リシュリュー級の船体が真っ二つに割れ、一気に海中に没していく。

電「やっぱり夜戦だと本気を出しやすいのです」

艦長「戦艦が魚雷一発で轟沈・・・」

早川「これも艦娘の力か。数回の改造も経て、かなり強くなっているようだな」

電「後はシチリアの超兵器を破壊するだけなのです!」

早川「この調子でやってくれれば、きっと勝てる。信じているぞ」

電「頑張るのです!」

早川「その意気だ」

早川(電は頑張ってくれている。戦争は嫌いなはずなのに、こんなにも頑張って解放軍を勝利に導こうとしている。ムスペルヘイムの一件を除けば、全て電の手柄だ)

早川(しかし、仮に帝国を打倒しても、電が元の世界に帰れる保証はない。彼女は頑張ってくれているのに、私たちは彼女に何もできずにいる)

早川(本当に、無力というのは罪なものだな・・・)

電「司令官さん、どうしたのですか?」

早川「いや・・・何でもない」

188: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/05(日) 15:00:55.24 ID:wRxBP/jU0
電は急速転舵し、右に陣取るネルソン級戦艦に向かって砲撃をしていく。70口径の砲身から放たれた12.7cm砲弾は、第1主砲と司令塔に直撃した。

副長「ネルソン級に火災発生!第1砲塔爆発!」

艦長「次、11時方向のダンケルク級。砲撃開始!」

電「命中させちゃいます!」ズドーン

炎上したネルソン級の前方を航行していたダンケルク級は、長門への砲撃を中止して電に主砲を向けようとしていた。しかし、主砲の射程範囲外である後ろに回り込んだ電に、砲を向けることは不可能だった。

ダンケルク級の艦橋下に2発の砲弾が突き刺さり、爆発を起こす。更に追い打ちをかけるように、長門の主砲弾が損傷した甲板を抉った。

副長「ダンケルク級、撃沈!」

艦長「よし、リジルの援護に向かう。第四戦速まで加速!」

電は更に増速し、西方で援護を待つ戦艦『リジル』の援護に向かった。後方から深雪とフンディンが続く。

電「えっと、生存者の救助はどうするのですか・・・?」

早川「心配ない。ダーインが残って救助活動にあたる。それより、今にも撃沈されそうなリジルを救助するのが先決だ」

電「助けを待ってる人が近くにいるのに、見捨てるなんて・・・」

電は前方のモニターに映る艦外の様子を見た。サーチライトをつける救命ボートと、それに接近するダーインの姿がわずかに見えた。

189: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/05(日) 15:26:18.27 ID:wRxBP/jU0
早川「あれがリジルか・・・変わり果てた姿だ」

モニターに映るリジルの姿は、以前のような姿を残してはいない。第1主砲は吹っ飛び、各所から炎がちらついている。

ナギ『あぁ、よかったです!我が艦の乗員を収容願います!』

早川「赤城と暁星の2隻に分けて乗組員を収容する。早く救命ボートに移れ」

ナギ『了解しました。ふぅ、これで一安心ですね』

ナギ少尉の間の抜けたため息が通信から漏れた。直後、CICの扉を誰かが強く開けた。

陸戦隊の妖精さん「兄ちゃん、大変だ!この海域にアームドウィングが潜んでるって話だ!」

早川「何?誰から聞いた?」

陸戦隊の妖精さん「列車砲の爺さんからだ!」

電「ほ、本当なのですか?」ブルブル

陸戦隊の妖精さん「帝国の連中から聞いたらしい」

早川「仕方ない。対潜見張りを厳とせよ!」

艦長「ここ最近、超兵器との戦いばかりだ。帝国は一体、何を企んでいる・・・?」

192: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/06(月) 01:29:35.75 ID:E2pYPKmG0
電「ええっ、2週目のヴィルベルヴィントってそんなに強いのですか?」

早川「あくまでWSG2の2週目の話だ。今回は本編(1週目Hardモード)と特殊任務だけだから、2週目には進まん。安心して戦うといい」

電「はぅ、よかったのです。って、特殊任務もあるのですか?」

早川「その予定だ」

電「ちょっと楽しみなのです」

副長「レーダー、通信機器等にノイズが入りました!超兵器が接近していると思われます!」

早川「おいでなすったぞ。暁星と赤城を守りつつ、アームドウィングを撃沈する!総員、対潜戦闘用意!」

早川(なるほど、超兵器双胴戦艦にイタリア占領を担わせ、アームドウィングは解放軍の撃滅に当たる、という寸法か。考えたものだな)

早川(しかし、そうはさせん。強化されたのは電だけではない。それを見せてやる!)

電「うぅぅ・・・」

早川「やっぱり、怖いのか?」

電「は、はい。夜戦では潜水艦に一度も勝ったことがないのです・・・」

195: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/07(火) 18:34:37.29 ID:qZ/eZ+kI0
副長「ノイズ極大化!超兵器接近!」

艦長「アスロック発射!」

電「なのです!」シュウゥゥ

ミサイル発射機からアスロックが発射され、水面下を進むアームドウィングに直撃した。水柱が屹立するも、相手は速度を緩めない。

副長「アームドウィングよりミサイル発射確認!数、3!」

電「命中させちゃいます!」ガガガガ

新型装備のCIWSは、敵のミサイルをことごとく撃破していく。しかし、最後の一発は間に合わなかった。第1煙突付近にミサイルが着弾し、爆発を起こす。

電「はりゃーっ!?」

早川「いてて・・・ダメージコントロール状況知らせ!」

副長「第1煙突、使用不可!跡形もなく吹っ飛んでいますっ!主機、オーバーヒート寸前です!」

電「はぅぅ、熱いのです・・・」

艦長「速度を巡航速度まで落とせ!」

196: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/07(火) 20:04:37.41 ID:qZ/eZ+kI0
アームドウィングは水中を進む超兵器で、エイのような形状をしている。速度は50ノットを出し、主にミサイルでの攻撃を行う。

その高速で敵艦を翻弄し、ミサイルと多弾頭魚雷による飽和攻撃で艦隊を一気に屠る。というのがアームドウィングの基本的な戦闘スタイルだ。

しかし、艦娘が操る艦は、ただ大破させるだけでは沈まない。大破させてから数時間経ち、更に攻撃を加えられると沈むのだ。

早川「逆に言えば、大破したとしても、すぐに修理すれば問題無い、というわけだ。電、お前には辛い戦いをさせる」

電「アームドウィングを倒してみんなが守れるなら、いいのです」

早川「悪い。本当に悪い。・・・艦長、電を出来る限りアームドウィングに近づけてくれ」

艦長「何をなさるおつもりですか?」

早川「電を囮に使う。アスロックを撃ち込みつつ、魚雷とミサイルを電に集中させる。一か八かの大きな賭けだ」

艦長「まさか、あなたが囮戦法をとるとは思いませんでした。彼女がいいと言うなら、行きましょう」

早川「機関室、まだいけるか?」

機関室の妖精さん「・・・いける」

早川「よし、アームドウィングの真上に陣取れ!」

198: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/08(水) 23:48:07.13 ID:RpVDDhGt0
電はアームドウィングの真上に移動し、ひたすら爆雷を投射し続ける。たとえ超兵器とはいえ、アームドウィングは潜水艦だ。防御力は犠牲にされ、水圧と高速に耐えられる程度の装甲しか持ち合わせていない。

副長「アームドウィング、離脱しようとしていますっ!」

早川「そうはさせない。アスロック発射と同時に速度を上げろ!」

電「なのです!」シュウゥゥ

電から駄目押しのアスロックが発射された。アームドウィングには、既にかなりのダメージが刻まれつつあった。

ソナーの妖精さんA「あくてぃぶそなーにかんありなのー」

ソナーの妖精さんB「なのー」

艦長「敵の攻撃か?」

ソナーの妖精さんA「てきからなにかでてきたのー。ぎょらいじゃないのー」

ソナーの妖精さんB「なのー」

電「まさか、アレ、なのですか?」

ソナーの妖精さんA「こうひょうてきなのー」

ソナーの妖精さんB「なのー」

199: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/09(木) 00:02:18.48 ID:iCLL6idS0
早川「甲標的?確か、小型の潜水艦のことだったな」

電「は、はい。部隊に編入されたばかりの潜水艦さんや、重雷装巡洋艦の皆さんが使ってるのです」

早川「厄介だな・・・艦長、アスロックは甲標的を狙え。爆雷はこのままアームドウィングを叩き続ける」

艦長「了解しま・・・」ガァァン

副長「う、うそ・・・どこから!?」

艦長「どうした!?」

副長「レーザーです!高出力のレーザーが艦底に着弾した模様!」

電「はうぅ、熱いのです・・・」

早川「どこから来た!?」

副長「おそらく、甲標的からだと・・・」

早川「甲標的からレーザーだと!?」

電「甲標的がレーザーを撃つなんて、この世界はデタラメなのです・・・」

副長「機関室、更に過熱しています!」

機関室の妖精さん「・・・航行不能」

早川「クソッ!何てこった!」

202: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/09(木) 00:14:17.63 ID:iCLL6idS0
副長「待ってください・・・アームドウィング、急速潜航を開始!」

早川「逃げるつもりか!?」

艦長「対潜兵装、全門発射!逃がすな!」

副長「いえ、敵艦が圧壊していきます!撃沈したようです!」

早川「倒したか・・・よし、応急修理及び生存者救出を急げ」

副長「了解しました」

早川「よく頑張ったな、電・・・」

電「はぁ、はぁ、私、皆さんのお役に立てましたか・・・?」バタッ

早川「どうした、電!電!」

スキズブラズニル、医務室

医師「風邪ですが、かなり重いようですな」

早川「そう、ですか」

医師「過労です。それに加え、艦のダメージがこの子に多大な影響を与えている」

医師「これ以上無理をさせてはいけません。本当に死にますよ」

203: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/09(木) 00:27:29.46 ID:iCLL6idS0
電「はぁ、はぁ、ごめんなさい、司令官さん」

早川「謝るのはこっちの方だ。無理をさせてすまなかった。超兵器を倒せるほど強いとはいえ、やっぱり年頃の女の子だもんな」

電「ケホ、ケホ、司令官さん、私は大丈夫なのです。だから、修理が終わったら、また・・・」

早川「ダメだ。これより、艦隊旗艦を大和に移す。お前はゆっくり休まないとダメだ」

電「は、はい・・・」

電(司令官さん、すごく怖い目をしているのです・・・)


副長「電ちゃんの様子、どうでした?」

早川「かなり悪い。これじゃ、修理が終わっても出られそうにない」

副長「後でリンゴ持っていかなきゃ。司令代行も、後で何か買ってあげましょ!」

早川「そうだな。では、私は・・・」

204: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/09(木) 00:46:56.97 ID:iCLL6idS0
横須賀鎮守府 医務室

提督「はい、あーん」

電「あーん」パクッ

提督「どう?ちょっと腕によりをかけて、おかゆを作ってみたの」

電「おいしい、のです」ケホケホ

提督「そう、よかった。普段から色々キツい任務ばかりでゴメンね。今日は風邪ひいてるんだから、ゆっくり休んでね」

電「では、お言葉に甘えるのです」

提督「じゃ、私はちょっと買い物してくるわ。後でね」ガラガラ

暁「電ー、いる?」

電「は、はい」

雷「電が風邪ひくなんて、珍しいこともあるわね。これ、持ってきたから食べて!」

電「わぁ、リンゴなのです」

響「雷がむいたんだよ。暁だとちょっと危なっかしいから」

暁「もう、レディーになるために包丁の修業してるんだからっ!」

電「ふふふっ・・・」


電「提督、雷、暁、響・・・今、どこにいるのですか?」シクシク

206: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/09(木) 22:55:16.91 ID:iCLL6idS0
帝国兵士A「大西洋方面司令部より入電!アームドウィングが撃沈された、とのことです!なお、撃沈した艦は、またしても電の模様!」

ロゼ「潜水艦でも電の快進撃は止められなかったわけね。ま、そんなことはわかりきったことだけど」

帝国兵士A「あれを沈められる艦は、果たして存在するのでしょうか・・・」

ロゼ「多分、あるかもしれないわよ。超兵器はまだまだ残ってるわけだし。エーヴィヒグランツ作戦に使用する超兵器なら、ね」

帝国兵士B「確か、以前も同じような言葉を耳にしましたが、どのような作戦でありますか?」

ロゼ「提督たちが去った直後に、その作戦計画所が届いたわ。だから、正式に話すことができると思う」

ロゼ「エーヴィヒグランツ作戦。レジスタンスに与する連中を『大陸ごと』殲滅し、ウィルシア国民だけが生き残る世界を創る計画だ、って書いてあったわ」

帝国兵士A「大陸ごとって・・・」

ロゼ「そう。あいつは何をしてでもこの世界を支配したいらしいわ。それに、クルーガーまであいつの計画に賛同してる。リフレクトブラッタを改造して、グロースシュトラールと一緒に電を葬り去るつもりよ」

帝国兵士A「お言葉ですが、リルガー司令。私には、到底この作戦は・・・」

ロゼ「先は言わないで。わかってるから」

帝国兵士A「ならば・・・この場合、裏切り者は銃殺が妥当だと思われますが」

ロゼ「じゃ、あたしも銃殺決定ね」

帝国兵士B「し、司令・・・」

ロゼ「あんなのに地球をボロボロにされるくらいなら、少しでも抵抗した方がいいと思うわよ。あたしについて行きたい者だけ、この艦隊に残って。希望者は早めに下船すること。いいわね?」

208: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/10(金) 23:42:29.71 ID:su875jQw0
電は医務室で、窓の外を見ていた。修理用の露天ドックには、先の戦いで大破した戦艦『リジル』が修理を受けている。その横では、電も修理されている。

どちらもボロボロで、とても戦える状態ではない。リジルは戦艦にボコボコにされ、電はアームドウィングの攻撃を全て吸収していたのだ。

「電はいますかな?」コンコン

電「はーい。誰なのですか?」

筑波「俺だ、筑波だ」ガラ

筑波大尉は扉を開け中に入ると、持っていた果物のバスケットをスライドテーブルの上に置いた。リンゴやバナナ、ブドウなど、色々な果物が入っている。

筑波「まずは、礼を述べたい。ありがとう」

電「いいのです。人が死ぬのは嫌なのです」

筑波「だが、これが戦争だということも事実だ。こうしている間にも、帝国は超兵器をどんどん建造し、解放軍を叩きに来るだろう」

電「人間同士が戦争だなんて・・・やっぱり、嫌なのです」

筑波「君は優しいな。あれも、そういう女だ」

電「あれって何ですか?」

筑波「祖国に置いてきた女房だ。八重という」

電「結婚しているのですか。何だか、憧れちゃいます」テレテレ

209: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/11(土) 00:17:43.24 ID:/xHIQmN20
筑波「艦長と共にリジルに乗ることを決めた時、八重は一瞬、寂しそうな顔をしていた」

筑波「だが、出港の時は笑顔で見送ってくれたよ」

電「仲のいい夫婦なのですね」

筑波「ここ二年は会っていないが、な。だが、待っている人がいるというのは、頼もしいことだ」

電「待ってる、人・・・」

筑波「いるのだろう?元いた世界に」

電「提督が、待っているはずなのです」

筑波「・・・本題に入ろう。その提督のことだが、一つ気になる情報を掴んでな」

電「て、提督を知ってるのですかっ!?」

筑波「数時間前、天城が通信をよこしてきた。不審な艦隊と戦った、と。世界に一隻しか存在しない大和型を旗艦とした艦隊で、赤城型と思しき空母には、開発中の航空機『震電』が搭載されていたらしい」

電「震電・・・いつも、提督は赤城さんに震電を載せるのです」

筑波「それに、特型駆逐艦の『暁』、『響』、『雷』、高雄型重巡を確認したらしい」

筑波「そして、戦いの中で雷が通信で『やっぱり戦いたくないわ!もうこんなのイヤ!』と大和に送っていたそうだ」

電「い、雷、なのです・・・」

210: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/11(土) 00:51:56.38 ID:/xHIQmN20
筑波「しかし、その艦隊はロゼの機動艦隊と行動を共にしている。いずれ、何らかの形で相見えることになるだろう」

電「そ、そんなぁ、帝国軍にいる、なんて・・・」

筑波「もし、戦うとなれば、お前はどうする?」

電「嫌なのです!みんなと戦うなんて・・・っ!」

筑波「そう答えるか。俺はたとえ昔の友であっても、全力で戦う方を選ぶ」

電「なぜ、なのですか?」

筑波「相手も、それ相応の覚悟を以て挑みに来る。ならば、こっちも全力で応えるまでだ。そうでないと、海軍軍人の名折れだからな」

電「軍人の・・・ですか?」

筑波「そうだ。礼儀、というやつだ」

電「提督への、礼儀・・・」

211: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/11(土) 01:08:04.78 ID:/xHIQmN20
その夜、早川たちは通商破壊部隊を連れて戻ってきた。艦隊は無傷で、輸送船を一隻拿捕してきたとのことだ。

電「快挙なのです。すごいのです!」

早川「驚くのはまだ早い。あの船を捜索したところ、新型砲の設計図と試作品が見つかった。電にも搭載できる小型砲だ」

電「高角砲なのですか?」

早川「違う。AGSという、長射程を誇る誘導砲弾を発射する特殊砲だ。口径は15.5cmある」

電「巡洋艦レベルの大口径砲なのです。搭載できるのですか?」

早川「これが、かなりコンパクトに設計されている。駆逐艦でも十分運用できるものだ」

電「ものすごく強い砲なのです。さっそく搭載してもらっていいですか?」

早川「開発班に渡しておいたから、超兵器双胴戦艦攻略前には搭載できるだろう」

電「楽しみなのです!」

ブラウン「そのAGS、三連装のものをリジルに支給してはくれませんか?」

早川「ブラウン博士か。いいだろう、手配しておく」

ブラウン「ありがとうございます」

電「ブラウンさん、ちゃっかりしてるのです」

213: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 00:58:49.14 ID:5MOllupl0
早川「今回は敵泊地の夜襲だ。戦艦はひとまず待機させ、重巡を基幹とした高速艦隊を編成して挑むことになる。目標は、ギリシャのピレウス軍港だ」

早川「そこには、スエズ運河攻略艦隊が補給のため停泊している。この艦隊の無力化とピレウス占領が目的だ」

シュルツ「我々も先ほど完成した新型重巡『オーレリア』で出撃、第二戦隊を指揮する。我々の任務は第一戦隊の補助及び護衛だ」

ブラウン「艦長、先の作戦によって敵艦隊の戦力は半減している状態です。戦艦などの存在は見当たらないので、比較的容易に接近できるでしょう」

シュルツ「今回は楽な作戦になるといいが・・・」

ブラウン「確かに、超兵器の急襲があるかもしれません。これまでの経緯を見ると、それも考慮に入れておいた方がいいかもしれませんね」

早川「超兵器・・・か」

副長「司令代行?」

早川「電は、今頃大丈夫だろうか・・・」

艦長「やはり、心配ですか」

早川「・・・当然だ。シュルツ、出港するぞ」

シュルツ「了解しました」


電「・・・あ、ブドウにタネが入ってたのです」

214: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 01:31:00.24 ID:5MOllupl0
早川以下第一戦隊は、旗艦『高雄』を先頭に、夕方の海に出港した。

電は風邪が完全に治りきっていないため、艦隊から外されたままだった。窓から遣欧艦隊の出撃を見送った後、再びベッドに伏した。

電「やっぱり、提督もこの世界に来ているのかな・・・」

電「筑波さんの話が本当ならっ・・・」


電「沈められた、のです・・・」

響「えっ、暁、が?」

雷「ヘンダーソン飛行場を攻撃しようとしたら、いきなりアメリカ艦隊が出てきて・・・一番最初に撃沈されたわ」

電「私は戦艦に一撃与えたけど、魚雷が自爆しちゃって、沈められなかった、のです」

響「もう、何も言わないで。これは戦争、お姉ちゃんや妹が沈むなんて、当たり前じゃないか・・・」グスッ


電「日本軍の時の・・・何だか、嫌なこと思い出しちゃった」

電「確か、魚雷を撃たれて沈んだ後は、横須賀の工廠で目が覚めたんだったっけ。新しい司令官をお迎えに行くように言われて、提督に会って・・・」

電「また生き返れて、お姉ちゃんたちとまた会えて・・・とっても、嬉しかった」

プルルル、と壁掛けの固定電話がベルを鳴らした。電は起き上がり、受話器を取る。

電「はい、電です」

陸戦隊の妖精さん「い、電か!たった今連絡が入った。高雄が撃沈されたって話だぜ!」

215: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/12(日) 01:36:22.45 ID:5MOllupl0
電「た、高雄って、確か・・・」

陸戦隊の妖精さん「司令代行が乗ってた重巡だ!早く来い!出るぞ!」

電「は、はい。今行くのです!」ガチャ

電「司令官さんがっ・・・!」タタタ

看護婦「いたっ!」ガン

電「あうっ!あっ、看護婦さん、ぶつかっちゃってごめんなさいなのです!」

看護婦「どうしたの、こんな時間に?」

電「ちょっと出かけてくるのですっ!」

看護婦「ちょっと、待って!って、もう行っちゃった」


電探の妖精さん「来たわね、電ちゃん!」

ソナーの妖精さんA「おかえりなのー」

ソナーの妖精さんB「なのー」

機関室の妖精さん「・・・準備、できてるよ」

電「司令官さんを助けに行くのです!駆逐艦『電』、出撃です!!」

妖精さん全員「了解!」

ソナーの妖精さんB「なのー」

216: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/13(月) 00:11:38.67 ID:Ewu0ohpt0
電がスキズブラズニルを出港した時には、雨が降り始めていた。夜という時間帯に加え、雨。電探を使わない限り、敵艦を発見することは難しい。

電「前が全く見えないのです・・・」

電探の妖精さん「現場海域に到着したわ。超兵器ノイズが無いってことは、超兵器の攻撃じゃないわね。前方に重巡『オーレリア』が見えるわ」

電「接舷用意なのです」

電は重巡オーレリアに接触した。オーレリアの損傷は酷く、あちこちから煙が出ていた。

電「ボロボロ、なのです・・・」

ナギ「電ちゃーん!こっちー!」

電「艦橋の上にナギ少尉がいるのです!みんな無事ですか!?」

ナギ「怪我人が多いの、収容できるかしら!?」

電「300人までなら収容できるのです!」

ナギ「よかった!ありがとう!」

217: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/13(月) 00:55:10.19 ID:Ewu0ohpt0
シュルツ以下、258名のオーレリア乗組員が電に収容された。医務室の妖精さんだけでは手に負えないほどの怪我人が廊下にまで溢れかえっている。

電「何があったのですか?」

シュルツ「敵の奇襲を受けた。アイオワ級高速戦艦が3隻、エクセター級巡洋艦2隻、E級駆逐艦5隻の艦隊だ」

電「ところで、高雄はどうなったのですか・・・?」

ブラウン「我々は艦隊から落伍したから、何もわからないのよ。でも、最後に深雪から来た通信から、高雄が沈んだことを知ったの」

電「無茶しやがって・・・なのです」

ブラウン「何か言ったかしら?」

電「何でもないのです」

筑波「それはさておき、今すぐ救援に向かわないといけませんぞ」

シュルツ「それもそうだな。電、応援要請は出したか?」

電「出てくるときに連絡したのです。空母「暁星」と「青鶴」が来るみたいなのです」

シュルツ「よろしい。空母と合流後、本艦は第一戦隊の救護に向かう」

219: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/14(火) 23:19:57.95 ID:5kSpncCq0
ナギ「12時方向に艦影!戦艦級と思われます!」

シュルツ「まだ潜んでいたか・・・総員、戦闘配置につけ!」

ブラウン「どうやら、敵は高性能の電探を装備しているようですね。敵のレーダー射撃にご注意を」

電は60ノットに増速し、戦艦に接近する。シュルツの証言通り、艦影はアイオワ級戦艦のものだった。

電「魚雷装填です!」ガシャン

夜陰に紛れ、電は先制の魚雷攻撃を浴びせた。発射した3発のうち、2発が艦尾に命中した。

ナギ「敵艦被雷!速度低下を確認しました!」

シュルツ「主砲、順次発射せよ!」

電「なのです!」ズドーン

続けて、アイオワ級の主砲に電が放った主砲弾が直撃し、小規模の爆発を起こした。夜になると、駆逐艦娘は最大限の攻撃力を発揮するという特性のおかげだ。

ナギ「艦長!背後より敵艦接近!敵艦隊は陣形を整えていないようです!」

シュルツ「陣形を整えていない・・・?なぜだ?」

ナギ「敵砲弾、来ます!」ドゴォォ

後ろから接近していたアイオワ級の攻撃で、電の艦尾がやられた。

ナギ「スクリュー損傷!速力、23ノットにまで低下します!」

シュルツ「何とか30ノットまで上げろ!」

220: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/15(水) 00:14:06.16 ID:1HxYYES20
電「足が重いのです・・・」

ブラウン「まずいですね、完全に囲まれています。ここは損傷させた戦艦の間を抜けるしか方法はないようです」

シュルツ「そうだな。面舵40度、戦闘海域より離脱し、空母との合流を図る」

電「せ、生存者はどうするのですか・・・?」

シュルツ「我々が沈められては意味が無い。まずは一旦退くべきだ」

電「そんな、今すぐ助けに行きたいのです・・・」

電の口惜しげな声だけを残して、艦は砲火の中をすり抜けて逃げた。去り際に放った主砲は、アイオワの艦橋を貫き、炎を噴きあげた。


応急修理を終え、無事に空母と合流できた電は、航空機の援護を受けながら単身で現場海域に向かうことになった。戦艦がいる海域に空母を送るなど、的を提供するようなものだ。

ブラウン「ひとまず、彗星と彩雲は出せるそうです。少ないですが、無いよりはマシかと」

シュルツ「十分だ。しかし、安全が保障できないと救助は困難だな・・・」

電「沈めた敵も助けたいのに・・・ジレンマなのです」

221: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/16(木) 22:32:31.07 ID:K+h2SsAK0
やはり、まだ敵艦隊は現場海域にいた。沈んだ艦の乗組員を収容しているらしく、迂闊に手を出せない状況になっていた。

シュルツ「厄介だな。このままでは、敵に攻撃できないぞ」

電「でも、助けられているなら、それでいいのです」

筑波「敵がいるのに攻撃できないとは、何と歯がゆいことでしょう」

シュルツ「・・・ナギ少尉、敵の捕虜収容施設の場所はわかるか?」

ナギ「この近くでは、シチリア島にあります」

シュルツ「シチリアか・・・やはり、捕虜を奪還するには超兵器を撃破するしかないな」

電「やっぱり、戦わないといけないのです」

ブラウン「情報部によると、現在駐留中の超兵器双胴戦艦は明後日未明に出港するとのことです。戦うならば、早めに準備を」

シュルツ「了解した。電、君は幾つもの超兵器の撃沈に貢献してきた駆逐艦だ。今回の超兵器攻撃作戦でも、第一艦隊の旗艦を務めてほしい」

電「了解したのです!」

222: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/16(木) 23:04:12.84 ID:K+h2SsAK0
電「第一戦隊、出撃です!」

二日後、電は最低限度の修理だけを受けて出撃した。向かうは、超兵器双胴戦艦が停泊するイタリアの都市、ナポリだ。

シュルツ『我々は航空攻撃に専念する。頼んだぞ』

電「頑張るのです!」


数時間前、電艦内

ブラウン「今回の敵は、双胴戦艦という極めて珍しい艦です」

電「艦を横につなげて、何の意味があるのですか?」

ブラウン「船体を横につなげることにより大排水量を得て、強力な兵装や重厚な装甲を搭載できます」

シュルツ「まさに最強の戦艦だな」

ブラウン「そうでもありません。甲板が広いという船体の性質上、防御力はさほど厚くはないでしょう。そこで、航空機の爆弾が有効かと思われます」

電「・・・(大和さんがやられた方法なのです。すごく姑息なのです)」

ブラウン「しかし、航空攻撃だけでは撃沈に時間がかかります。そこで、電の高速を生かして敵に肉薄、魚雷攻撃を叩きこむことで戦闘時間を短縮させましょう。時間が長引けば、それだけ味方の損害が大きくなりますから」

電「うう、やっぱり怖いのです」

ブラウン「今回は陽動とはいえ、あなたは超兵器を幾つも沈めた。自信を持ちなさい」

電「は、はい!」

224: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/16(木) 23:59:23.00 ID:K+h2SsAK0
イタリア時間、午前3時。超兵器双胴戦艦『ハリマ』は出港準備に追われていた。クレタ島周辺に停泊している解放軍艦隊を攻撃するためだ。

先日、壊滅させた艦隊から回収した捕虜から得られた情報により、超兵器殺しのあだ名を持つ駆逐艦『電』は、活動不可能の状態にあると判明した。

それに加え、新型戦艦である大和の撃沈も考慮した、大規模な作戦だ。

作戦としては、ハリマの80cm砲で敵の射程外から水上基地ごと敵を破壊する、という単純なものだが、案外そういった単純な作戦は意外と上手くいくものだ。

弾薬の積み込みが終わる頃、警報が鳴った。対空電探が敵の航空機を発見した、とのことだった。

『空襲!対空戦闘用意!』


電「空襲が始まったみたいなのです。ならっ!」

電は増速し、一気に双胴戦艦に向かって接近する。敵艦は電の存在に気づき、空に向けていた主砲を向け直す。

電「ミサイル装填です!」シュウゥゥ

電が放った対艦ミサイルは、双胴戦艦の対空機銃座に直撃した。相当数の機銃座が破壊され、弾幕が幾らか薄くなった。

電「魚雷装填です!」ガシャン

続いて、電は進路を変え、魚雷を発射する。巨大な船体ゆえに、魚雷の狙いはつけなくても近づけば全部当たる。しかし、9本全てが直撃したにも関わらず、全くダメージを受けていないようにも見える。

電「す、すごく硬いのです」

226: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/19(日) 01:03:01.50 ID:pgVv0Bgi0
電に負けず、艦載機も攻撃する。しかし、激しい弾幕のせいで双胴戦艦の上空まで接近できずにいる。

電「うう、何て強い対空射撃なのです」

次々に落とされる艦載機の姿をレーダーで捉えながら、電は双胴戦艦の舷側すれすれまで接近する。近づきさえすれば、主砲は攻撃できなくなるからだ。

電「零距離ならっ!カットインなのです!」ズドーン!ガシャン

更に、艦首まで来たところでカットインを発動させ、魚雷と主砲を一斉に発射する。巨大な爆発が双胴戦艦を覆い、水しぶきの一部が電にかかる。

電「あ、あれでもそこまでダメージが通らないのですかっ・・・霧のコンゴウさんも一撃だったのに、凄すぎるのです」

すると、離脱しようとした電に激震が走った。艦尾を明るい光が照らし出す。

電「はりゃーっ!?」

双胴戦艦の主砲が電のすぐ右で爆発した。至近弾なのに、その威力は装甲を剥ぎ取るのに十分だった。

ピピーッ、ピピーッ

電「はうぅ・・・あれ、通信なのです。えと、『ワレミユキ』・・・えっ、深雪ちゃん?」

通信が届いた先の海を眺めてみると、小さな光が一瞬だけ光った。それは、深雪が放った12.7cm砲だった。

主砲弾は双胴戦艦の装甲に跳ね返されたが、深雪は直後に61cm魚雷を連続で発射した。4連装に換装された強力な酸素魚雷は、戦艦の装甲を凹ませる。

227: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/19(日) 01:19:42.27 ID:pgVv0Bgi0
電「深雪ちゃん・・・っ!」

感動する電をよそに、深雪はその場から全力で離脱する。双胴戦艦の主砲が深雪を追うが、至近距離を高速で移動する駆逐艦に狙いを定められる大口径砲なんて存在しない。

深雪『早急ニ離脱スベシ。我ニ続ケ』カチカチ

電「了解なのです!」

深雪の発光信号を読み取った電は、後に続いて双胴戦艦から離れていく。相変わらず艦載機は落とされ続けていたが、双胴戦艦には確実に魚雷のダメージが刻まれていた。

電「こっちの深雪ちゃんは凄いのです。それに比べて、あっちは鉄クズみたいに脆いのです」

深雪『艦載機隊全滅セリ。コレヨリ敵懐ニ突撃ス』カチカチ

電「中破しているのに、ちょっと無理があるのです・・・けど、あれを倒さないと、みんなが助からないのです!」

電「ちょっと怖いけど、やってみるのです!」

深雪『貴艦ノ武運ヲ祈ル』カチカチ

電「バトルオペレーション、カット!イン!なのです」

深雪『パクリジャネ?』カチカチ

電「一体あれには誰が乗っているのですか原稿用紙40分の1以内で答えてほしいのです」

230: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/19(日) 01:47:54.64 ID:pgVv0Bgi0
深雪艦内

艦長「超巨大双胴戦艦ハリマ、別名『東洋の魔人』か・・・」

艦長「しかし、司令代行や副長も捕まった今、奴を倒さない限り捕虜を解放することなど不可能だ」

艦長「必ず、奴を沈める!」

電艦内

電「東洋の魔人、ですかぁ・・・」

電「大和さんはアメリカからモンスター呼ばわりされていましたけど、それとは別格の強さなのです」

電「でも、魚雷で倒せない戦艦はありませんよね!」

電「全速前進なのです!」

未だに駆逐艦を狙い続けるハリマの主砲を回避しつつ、電と深雪は二手に分かれて攻撃を開始する。

電「魚雷は残り3本しかないのです。その他は主砲とCIWS、ミサイルが数発だけなのです」

電「深海棲艦と戦っていた頃は弾薬の消費なんてあまり気にならなかったのに、今は日帝時代を思い出すのです・・・」

231: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/19(日) 01:53:03.51 ID:pgVv0Bgi0
鎮守府

深雪「いーっくしょぃ!」

那珂「あれっ、カゼ?」

深雪「最近カゼ気味みたいでさぁ、どうにかなんねーかな?」

深雪(カゼ気味っつーか、腹痛いんだよなぁ。まさか、古傷じゃねーよな?)

233: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/19(日) 18:17:29.04 ID:pgVv0Bgi0
ハリマ艦内

帝国兵士α「駆逐艦2隻、二手に分かれました!」

ハリマ艦長「遊撃の形をとるか。各砲座、迎撃せよ!」

ハリマの80cm砲が炎の咆哮を上げ、砲弾を発射する。しかし、60ノットの速さで接近する駆逐艦を捉えることはできない。

帝国兵士α「敵艦2隻、魚雷発射!本艦にダメージなし!更に上空から爆撃機!46cm副砲に損傷!」

ハリマ艦長「指標『イナヅマ』を優先目標とせよ!奴を生かしてはおけん!」

帝国兵士β「了解。全砲門を指標『イナヅマ』に集中させよ」

ハリマ艦長(超兵器機関を狙われないだけマシだが、これ以上攻撃されては・・・)

元々、ハリマはイタリア制圧とクレタに配備されたアームドウィングの護衛、そして駆逐艦『イナヅマ』の撃滅のために派遣されたものだ。航空機の爆撃には弱いが、艦隊戦では最強だ。

しかし、現在は襲い来る爆撃機と自由勝手に行動する駆逐艦に翻弄されている。

帝国兵士α「指標『ミユキ』、魚雷発射!応急修理個所に被弾!速力低下します!」

234: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/19(日) 19:16:49.03 ID:pgVv0Bgi0
電「何で、あんなに硬いのですか・・・」

電は既に魚雷とミサイルを撃ち尽くしていた。深雪も同じく残弾ゼロ、更に爆撃機もほとんどが落とされた。

残るは撤退か、後方に控える戦艦『大和』と『長門』による砲撃しかないが、速度の遅い戦艦が護衛もなしに敵艦に接近するのは、自殺行為に等しい。

電「八方ふさがりなのです・・・」

電が諦めかけた時、深雪から火柱が立った。敵の副砲から攻撃を受けたらしく、魚雷発射管周辺が完全に吹き飛んでいる。

電「深雪ちゃん!!」

それに追い打ちをかけるように、至近弾の衝撃が電を襲った。電は荒波に揉まれ、魚雷発射管に水が進入する。

ダメコンの妖精さん「装甲の一部が損傷しました!機関室に浸水!」

電「やっぱり、戦艦は強いのです・・・」

『そんなんじゃダメよ!』

電「えっ、通信・・・なのですか?」

『攻撃するからねっ!』

『全艦、攻撃をハリマに集中!助けに来たわよ、電!』

238: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 00:18:54.76 ID:Yz/3x7H+0
大和「電ちゃん!」

電『大和さん!何でここにいるのですか?』

大和「説明は後!今はハリマの撃沈に集中して!」

電『な、なのです!』

提督「超巨大双胴戦艦『ハリマ』か・・・赤城、彗星で援護急いで!暁、電と深雪の離脱を援護して!」

暁『任せておいて!ほら電、ついて来なさい!』

赤城『了解しました!第二次攻撃隊、発艦してください!』

赤城から彗星を中心とした艦載機隊が発進し、対空装備が殺がれている右舷からハリマに接近する。

提督「大和、回避行動を取りつつ、ハリマの武装を中心に攻撃して!」

大和「戦艦大和、推して参ります!主砲及び副砲、レーダー射撃準備!目標、敵双胴戦艦!全砲門、斉射始め!」ゴォォォ

大和の主砲と副砲が一斉に咆哮し、ハリマの艦首部を襲う。電と深雪が開けた穴を更に広げ、水の侵入を許す。

電探の妖精さん「敵双胴戦艦、船体の傾斜を確認!」

提督「響、雷!艦尾部分に魚雷の飽和攻撃を加えて!一気に沈めるわよ!」

響『負けないよ』ガシャン

雷『沈めてやるんだから!』ガシャン

241: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 01:00:54.75 ID:Yz/3x7H+0
響と雷が放った魚雷は、ハリマの艦尾部に命中した。ハリマの主砲の追随を許さない速さで2隻は後ろに抜けていく。

電「えぁっと、提督さんたちは、いつこっちに来たのですか?」

暁『ちょっと前よ。提督ったら、電がいなくなったって言ったら、大慌てで捜索艦隊を編成したんだからっ!みんな心配したのよ?』

電「ご、ごめんなさいなのです」

暁『・・・もう、手のかかる妹ねっ!』

電「今度から気をつけるのです」


赤城『きゃあっ!誘爆を防いで!』

ハリマの攻撃をまともに受けた赤城は、飛行甲板を破壊されて炎上した。さすがに戦えないので、敵の射程外まで退避した。

雷『さすがに、今回はキツいわね。でも諦めないわ!』ガシャン!ガシャン!ガシャン!

ハリマの後部主砲の追撃から逃げ切った雷は、カットインを発動させて魚雷を乱射する。直後、雷に追従していた46cm副砲が雷の艦橋直下を襲った。

雷『何よもう!雷は大丈夫なんだからっ!』

提督「雷、もういいわ!暁と一緒に退避して!」

雷『むぅ、わかったわよー!』ソソクサ

243: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 01:18:43.75 ID:Yz/3x7H+0
電探の妖精さん「ハリマ、傾斜角が10度を超えました!」

提督「主砲と副砲を封印したわね。じゃ、最後の仕上げにかかるわよ!全艦、全力をもって排除せよ!」

大和「第1、第2主砲、射撃開始!」ゴォォ

響『さて、やりますか』ガシャン

愛宕『主砲、撃てぇー!』ズドーン

傾斜が激しく、速度も落ちたハリマに、魚雷や砲の一斉攻撃が加えられる。弾薬庫に引火したらしく、空をも揺るがす大爆発を起こしてハリマは爆沈した。

大和「やりましたね、提督!」

提督「ええ、電は見つかったし、後は帰るだけね」

大和「そうですね。帰る道はどこにあるかわかりませんけど」

提督「・・・まずはハリマの乗員を救助して。話はそれからよ」

大和「ふふ、了解しました」

251: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 16:22:54.95 ID:Yz/3x7H+0
追記

一応、艦娘の設定は艦これと同じだから、駆逐艦の砲がハリマの装甲ぶち破ってるのは気にしないでくれ
夜戦で駆逐艦がタ級フラグシップ捻り潰すみたいな感じだし



文章力についてはゴメン

252: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 17:23:51.33 ID:Yz/3x7H+0
シチリア島近辺、スキズブラズニル

提督「うちの電が世話になったわね。本当にありがとう」

艦長「いえ、礼には及びません。彼女のお陰で解放軍は今まで戦ってこられましたので」

提督「そうみたいね。あの子、頑張り屋さんだから。あ、そういえば他の駆逐艦にぶつかったりしなかった?」

艦長「いえ、特にありませんが・・・」

提督「よ、よかったぁー・・・」

艦長「どうされたんです?」

提督「あの子、よく他の艦とぶつかっちゃうのよねぇ」

艦長「な、なるほど」

提督「でも、電の改造具合が凄いわね。誘導噴進砲だったっけ?凄い精度ね」

艦長(マイペースな人だなぁ・・・)

提督「ところで、例の捕虜収容所はどこ?」

253: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/20(月) 17:43:01.49 ID:Yz/3x7H+0
同時刻、ヴェスヴィオ山頂上

シュルツ「こ、これは・・・」

ブラウン「ええ、あれからは超兵器反応が見られます。つまり、あれは超兵器ということです。近くの超兵器研究所からも、超兵器機関が地中、それも火山の近くから発見されているという資料が見つかっています」

シュルツとブラウンは、占領したイタリア南部の火山、ヴェスヴィオ山の中腹にいた。そこの採掘場で発見されたのは、巨大な金属製の物体だった。

ブラウン「ウィルシアの内情について詳しいことはわかりませんが、既に数年前から地中に埋まる超兵器機関の存在は知れていたのでしょう」

シュルツ「では、今回の大戦は・・・」

ブラウン「世界中の超兵器機関を全て手に入れるため、でしょうか」

シュルツ「確かに、機関を独占すれば世界の覇権を握ることはできますが、ウィルシアはそもそも敵らしい敵もない巨大国家です」

ブラウン「科学者の・・・性でしょうか」

シュルツ「何かおっしゃいますたか?」

ブラウン「いえ、何でもありません」

255: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/21(火) 00:27:53.72 ID:KGp+bGYC0
電「みんな・・・久しぶりなのです!」

暁「これで第6駆逐隊が全員揃ったわね!」

響「何より無事でよかった」

雷「寂しくなかった?」

赤城「やっぱり、電ちゃんがいる艦隊の方がしっくりきますね」

愛宕「ウフフ、これでみんな元通り。めでたしめでたし♪」

電「でも、まだめでたしじゃないのです・・・」

雷「何で?こうやって電が戻ってきたんだし、後は帰るだけじゃない!」

電「帰る方法がまだわからないのです。それに、超兵器からみんなを守らないといけないのです」

赤城「超兵器・・・というと、あの巨大艦のことですか?」

電「そうなのです。すごく強くて大きな兵器なのです」

響「無理に他国の戦争に介入しちゃいけないよ。けど、帰れないのも事実だね」

愛宕「困ったわねぇ。じゃ、一度提督に聞いてみましょ♪」

256: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/21(火) 00:49:47.36 ID:KGp+bGYC0
提督「他国の戦争?まぁ、介入しちゃいけないのは常識よね。でも、今は状況が状況。電も追われてるみたいだし、ここは解放軍と行動を共にするのが賢明だと思うわ」

赤城「了解しました。この世界のボーキサイトって美味しいのかしら」ジュルリ

響「赤城、よだれ垂れてるよ」

赤城「おっと、失礼しました」フキフキ

提督「・・・えっと、まだシチリア島周囲にはゲリラ活動を行う艦艇がまだ残ってるらしいわ。シチリアの捕虜収容所を奪還するのは陸軍がやってくれるから、私たちはそのゲリラ艦隊を撃滅する任務を遂行します」

暁「レディがやるような仕事じゃないわ!」

電「そういえば、暁って最後はレディのように華麗な散り方しましたね」

暁「・・・!」ブルブル

雷(うわぁ、前より毒舌がキツくなってる)

提督「あれ、そういえば大和はどうしたの?」

愛宕「さあ。どこでしょ?」

電「お礼も言いたいので、ちょっと探してくるのです」

提督「今回の作戦のことも伝えておいてねー」

258: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/21(火) 01:11:57.67 ID:KGp+bGYC0
スキズブラズニル、甲板上

大和「・・・」

電「あ、大和さーん!」

大和「あら、電ちゃん。元気してたかしら?」

電「お陰さまで、なのです」

大和「よかったわ。電ちゃんがいなくなったら、すごく寂しいから・・・」

大和はドックに入渠する2隻の大和の姿を見た。一方がこの世界の大和、もう一方が艦娘大和だ。

大和「武蔵も連れてきたら、大和型3隻が見られたかもしれなかったわね」

電「信濃さん、ですか」

大和「信濃、か。途中で空母に改装されたって聞いたけど、一度も会えなかった。武蔵も先に沈んだし。もう二度と、仲間が沈むところは見たくないの」

電「大和さん・・・」

大和「っと、野暮な話だったけど、許して。それじゃ、提督のところに戻りましょ!」

電「なのです!」

262: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:25:50.61 ID:e5OZ5pTE0
艦長「提督、急な話ですが、他の艦娘たちも改造したらどうでしょうか?」

提督「あぁ、電ちゃんがヘンな装備いっぱい持ってたけど、あれってあなたたちがやったの?」

艦長「ええ、初期の装備では超兵器と戦えませんから」

提督「私たちは倒したわよ。あの巨大戦艦に、ちょっと前に倒したヘンテコな航空戦艦」

艦長「まさか、空母が2隻連結された戦艦では?」

提督「よくわかったわね。それだったわよ」

艦長「ムスペルヘイムを撃沈したのは、あなた方だったんですか・・・」

提督「どうしたの?」

艦長「いえ、何でもありません。それより、換装作業に入りましょう」

提督「ちょっと、待ってよ!」

263: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:45:04.74 ID:e5OZ5pTE0
艦長「では、まずは戦艦大和の装備換装からです」

大和「よろしくお願いします」

提督「はぁ、もう勝手にしなさいよ・・・」ゲンナリ

艦長「本来はこの世界の大和に換装するはずだった51cm砲を装備させます。大和、いいかな?」

大和「51cmですか。妹になるはずだった超大和型の砲ですね」

艦長「技術班が頑張ってくれたおかげで、3連装にすることもできた。大抵の超兵器は葬れるはずだ」

大和「でも、重そうです。速力や重心の問題もありますし・・・」

艦長「ハリマのドロップで戦艦用の大型機関を回収した。それで速度は解決できる。それと、今ある対空兵装のほとんどを取り払い、CIWSとミサイルをつける」

大和「電ちゃんがさっき言っていた、回転式機関砲と誘導噴進砲のことですね」

艦長「ご名答。対空火器を搭載していた場所にいくつか配置するから、残弾に気をつけながら使ってほしい」

大和「了解しました。ありがとうございます」


大和 現在装備

51cm50口径3連装砲 3基
15.5cm60口径3連装砲 2基
20mmCIWS 6基
Mk41垂直発射装置 64セル
速力 61ノット

264: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 00:55:22.00 ID:e5OZ5pTE0
艦長「次は暁と響だ」

暁「レディに相応しい装備にしてよね!」

響「楽しみだね」

艦長「君たちは雷撃能力と速力を中心に伸ばしていこうと思う。だから、最近開発された68cm5連装魚雷を装備させよう」

響「日本軍の制式魚雷より大きいね。友鶴みたいにならないかな」

艦長「元々、対超兵器戦を考慮して設計されたものだからな。ひとまず、ある程度の軽量化は済ませてある。これを4基設置する」

暁「4基も・・・だ、大丈夫なんだから!」

艦長「何か勘違いしているようだから、ちょっと補足しよう。第2主砲は取り払って、そこに4基目の魚雷を設置する。弾薬庫も少し増やした」

暁「大丈夫って言ってるのに!」

暁&響 現在装備

12.7cm60口径連装砲 2基
68cm5連装酸素魚雷発射管 4基(対艦・対潜ミサイル発射可能)
20mmCIWS 2基
爆雷投射機 1機
速力 76ノット

266: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 01:12:47.22 ID:e5OZ5pTE0
艦長「雷と電は汎用駆逐艦に改造しよう。特に電は対超兵器戦の要だからな」

雷「提督、不機嫌そうだったけど、大丈夫だったかな?」

電「艦長さんに怒ってたみたいなのです。そっとしてあげるのです」

艦長「話を聞け・・・魚雷発射管を68cmの5連装にして、ミサイルの発射機を新たに1基追加する。砲は以前と同じく12.7cmだ」

雷「ねぇ電、ミサイルってどう使うの?」

電「相手にロックオンして撃つのです。そうしたら、勝手に飛んで行ってくれるのです!」

雷「へー。すっごく便利ね!すっごーい!」

艦長「もういい、もういい。説明終わり」

雷&電 現在装備
12.7cm70口径連装砲 3基
68cm5連装酸素魚雷発射管 3基(対艦・対潜ミサイル発射可能)
20mmCIWS 2基
Mk25 GMLSミサイル発射機 4基
速力 雷76ノット 電92ノット

267: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 01:27:22.56 ID:e5OZ5pTE0
艦長「最後は愛宕だ。主に艦隊防空と巡洋艦、駆逐艦の排除を担当してもらう」

愛宕「近代化改装ですね?楽しみねー♪」

艦長「・・・さあ、始めよう。まずは前部の第3主砲を取り払い、VLSを設置する」

愛宕「日向さんが言ってたわねー。何かしら?」

艦長「ミサイル発射機のことだ。さっき大和にも搭載した。次にカタパルトを取り払い、RAMとCIWSを増設する」

愛宕「ラムなんて食べないわよー」

艦長「子羊じゃない。ミサイル発射機だ。これは対空の小型ミサイルで、艦隊防空に使うものだ」

提督「やっぱり悪戦苦闘してるみたいね。愛宕はマイペースだから」

愛宕「あら、提督。いらしてたんですか。すごいですね、ここの設備!」

提督「改めてみると、やっぱり凄いわね」

艦長「あのー」

愛宕 現在装備

20.3cm55口径連装砲 4基
20mmCIWS 3基
SeaRAM対空ミサイル発射機 4基
Mk41垂直発射装置 64セル
61cm5連装魚雷発射管 4基
速力 70ノット

273: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/22(水) 23:12:37.41 ID:e5OZ5pTE0
リフレクトブラッタ(秘匿コード名・GX)艦内

GX艦長「ハリマが潰された、とのことです。リルガー大将が監視していた彼紺艦隊の救援により、1時間で撃沈されたそうです」

??『奴ハ何ヲシテイル?』

GX艦長「数日前から通信が途絶えたままです」

??『ノイズキャンセラーノ故障カ?』

GX艦長「アルウスの超兵器ノイズが復活しているので、そうかと。しかし、それも考慮して偵察機を送ったのですが、通信が途絶えたままです」

??『・・・ロゼトノ接触ヲ図レ。念ノ為ニインテゲルタイラントヲ護衛ニツケル』

GX艦長「了解しました」

GX艦長(エーヴィヒグランツ作戦を前に、リルガー大将との連絡が途絶えた。一体、何があったのだ?)

274: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/23(木) 00:11:37.86 ID:x6RGWne90
大和『戦艦大和、推して参ります!』

電「第零遊撃隊、出撃です!」

新たに改造した艦娘たちを連れ、提督やシュルツはシチリアの南にはびこる敵のゲリラ艦隊を迎撃しに行った。

電は深雪と共に敵の輸送船を撃破し、ゲリラ艦隊への補給を断つ命令が下され、シチリアの北あたりに出張っている。

電「敵の輸送船は、確認されてるだけでも8隻あるのです」

艦長『その全てを撃破しなければ、ゲリラの活動時期は長くなる一方だ。何としてでも全て撃破し、捕虜収容所を発見しよう』

電「頑張るのです!」

ピピーッ、ピピーッ

電の電探に輸送船団の船影が確認された。数は4隻で、駆逐艦3隻が護衛に当たっている。

艦長『気を抜くな。酸素魚雷で狙い撃ちした後、一気に接近して砲撃を叩きこむ。いいな』

電「わかったのです」ガシャン

電は酸素魚雷を5発続けて船団に発射した。航跡をほとんど残さない高威力の魚雷は、輸送船を3隻撃沈した。魚雷の接近に気付いた駆逐艦が臨戦態勢に入る。

電「命中させちゃいます!」ズドーン

一気に80ノットまで加速した電は駆逐艦の艦橋を狙い撃ち、大破させた。駆逐艦の速度が一気に遅くなり、艦隊から落伍していく。

275: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/23(木) 00:23:38.32 ID:x6RGWne90
続いて、深雪が砲撃を開始した。船団の近くに砲弾が落下し、輸送船1隻の動きを鈍らせる。

電「早く離艦してほしいのです・・・」

敵の駆逐艦も、指をくわえて艦隊が破壊される様子を見ているわけではなかった。2隻が放射状に魚雷を発射し、電がその2本に被雷した。

電「はわわわ・・・機関が損傷したのです!応急修理してください!」

ダメコンの妖精さん「応急修理するのん!」

艦長『援護する!その間に修理を済ませろ!』ズドーン

深雪が更に駆逐艦に砲撃する。しかし、相手は急加速して砲撃を回避していく。

艦長『E級め!これでも食らえ!』

深雪から5本の魚雷が放たれ、それを3本も食った駆逐艦1隻が一瞬にして轟沈した。しかし、それに合わせて残った敵も魚雷を発射する。

艦長『増速!回避だ!』

最大戦速まで速度を上げた深雪も魚雷を回避し、砲撃を加えて駆逐艦を大破させた。

電「あっ、輸送船団が逃げていくのです!」

艦長「なっ!輸送船団のことをすっかり忘れていたな」

276: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/23(木) 00:39:16.26 ID:x6RGWne90
機関室の妖精さん『・・・応急修理完了、全力で回せる』

電「最大戦速なのです!」

機関の修理が終わった電が一足先に輸送船を沈めに行く。完全に修理が終わったわけではないので85ノットまでしか出せないが、それでも足の遅い輸送船を捉えるのは簡単だった。

電「なのです!」ズドーン

輸送船は呆気なく炎に包まれ、重油と乗組員を散らして海中に消えた。

電「機関停止!生存者を救助するのです!」

機関室の妖精さん『・・・了解』

電の機関が停止し、輸送船の沈下場所で停止する。大規模な爆発が発生していなかったせいか、大勢の生存者が確認できる。

電「ハリマはあまり生存者がいなかったみたいですけど、今は大勢いてよかったのです」

艦長『気を抜くな。この辺りにもゲリラ艦隊は待ち構えているからな』

電「気をつけるのです」

279: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/23(木) 23:13:13.81 ID:x6RGWne90
電「大丈夫ですか?」

帝国兵士1「認めたくねーけど・・・ありがとよ」

ダメコンの妖精さん「生存者の50%を回収したのん!」

電「早く回収して、輸送船を探すのです!」

戦闘指揮所

電探の妖精さん「あれ、おかしいわね」

電「どうしたのですか?」

電探の妖精さん「電探の様子がおかしいのよ。さっきからモニターが砂嵐ばっかり映すの」

艦長『こっちもだ。超兵器ノイズとは明らかに違うものだが・・・」

電探の妖精さん「故障かもしれないから全力で調査中だけど、やっぱり気になるわね」

ズドーン!

電「な、何が起こったのですか!?」

電の戦闘指揮所を、急に強い揺れが襲った。何かを考える暇もなく、正面の大型モニターに外の様子が映される。

電探の妖精さん「こ、攻撃!?」

電の魚雷発射管が火を上げていた。ダメコンの妖精さんが消火剤を撒いているが、炎は既にかなりの範囲に広がっている。

280: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/23(木) 23:45:03.81 ID:x6RGWne90
電探の妖精さん「目視で敵艦を発見!ニューオーリンズ級重巡よ!」

電「全然気づかなかったのです・・・」

艦長『敵はジャミングしていたみたいだ。そのせいで電探が使えなくなっていたらしい』

電探の妖精さん「ジャミング・・・元の世界で『霧』の艦艇と戦った時も、こんなことがあったわね」

電「とっても強かったのです。特に紫の金剛型がすごかったのです」

艦長『ジャミング装置か。我々は電子対抗手段、縮めて「ECM」と呼んでいる。現在建造中のミサイル艦に装備させるものだったが・・・』

電探の妖精さん「敵はすでに実用化してたってことね」

電「はうぅ、敵もどんどん強くなっていくのです・・・」

艦長『仕方ない、生存者の収容を一時中断し、敵の排除に向かう。戦闘が終了した後は、優先的にこちらの救助活動をしよう』

電「ちょっと申し訳ないですけど、私が沈んでしまったら誰も助けられないのです・・・ごめんなさい!」

電は内火艇を下ろすと機関を再始動させ、その場の海域から離れた。主砲が敵艦の方を向き、魚雷発射管も旋回して発射に備える。

281: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/24(金) 00:59:05.15 ID:whMJ9LQ80
ニューオーリンズ級の主砲弾が深雪のすぐ近くで爆発し、装甲がわずかにひしゃげる。電も隣で主砲を発射し、応戦する。

電「なのです!」ズドーン

電の主砲がニューオーリンズ級の舷側を襲い、後艦橋の一部を吹き飛ばした。ニューオーリンズ級は魚雷を発射し、電を沈めにかかる。

電「に、逃げるのです!」

機関室の妖精さん『・・・大丈夫』

電は増速し、魚雷を全て回避した。それに合わせ、魚雷を連射する。魚雷のうち1発はニューオーリンズ級に直撃し、船体を傾かせる。

艦長『後は任せろ!』

深雪は主砲をニューオーリンズ級の魚雷発射管に向け、一斉砲撃する。防御の薄い魚雷発射管はすぐさま爆発を起こし、ニューオーリンズ級はあっというまに沈んでいった。

艦長『次、後方の駆逐艦群!』

電「は、はい!」アセアセ

284: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/25(土) 01:42:04.53 ID:42u/do/r0
電「はりゃーっ!?」

突如、駆逐艦から赤いレーザーが放たれた。それは電の装甲を簡単に破り、機関室を大破させた。

電「足が痛いのです・・・」

機関室の妖精さん『・・・機関損傷、動けない』

艦長『電磁防壁の上からなのに・・・何だ、あのレーザーは!』

電「つ、強いのです・・・」

艦長『電は後方に退避!応急修理をしろ!』

電「問題・・・ないですか?」

艦長『こっちはこっちで何とかするから、早く!』

電「わ、わかったのです」

わずかに残った動力でスクリューを回し、電は後方に下がる。敵の射程圏内から離れたところで、応急修理を開始する。

ソナーの妖精さんA「すっごく強いレーザーなのー」

ソナーの妖精さんB「なのー」

電「日本軍の怪力線に似てるのです。ここでは開発に成功しているのですね」

水雷長の妖精さん「さすがに強えなー」

286: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/25(土) 23:32:28.09 ID:42u/do/r0
ダメコンの妖精さん『応急修理、終わったのん!』

機関室の妖精さん『・・・一応、行ける』

電「機関始動!深雪ちゃんを助けに行くのです!ミサイル装填です!」シュウゥゥ

電のミサイル発射機が旋回し、深雪を取り囲む駆逐艦の1隻に対艦ミサイルを放つ。ミサイルは船体に直撃すると、大爆発を起こして駆逐艦ごと消滅した。

電探の妖精さん「気をつけて!南の海域から戦艦を含む小規模艦隊が接近中よ!戦艦はソビエツキー・ソユーズ級!」

電「命中させちゃいます!」シュウゥゥ

敵の戦艦に向けてミサイルが発射された。艦橋に大きなダメージを食わせたが、撃沈には至らない。

陸戦隊の妖精さん「妙だな。そう思わねぇか?」

電探の妖精さん「そうね。ゲリラ部隊にしては、あまりに戦力が整いすぎてるもの」

陸戦隊の妖精さん「迎撃してきた超兵器列車砲や双胴戦艦も、待っていたかのように出て来やがった」

電「ど、どういうことなのですか?」

電探の妖精さん「超兵器やゲリラ部隊を使って、あたしたちを潰そうとしてるのよ。他の場所で超兵器が出た、って話も聞かないし、確定でいいわね」

陸戦隊の妖精さん「超兵器といや、太平洋にいるアルウスと味方の旋風しか聞かねぇしな」

電探の妖精さん「全く、大変よね。でも、まずは目の前の敵からよ!」

電「な、なのです!」

287: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/25(土) 23:51:16.16 ID:42u/do/r0
ロゼ「戦艦隊、砲撃開始!アルウスの武装は攻撃体勢のまま待機!」

帝国兵士A「司令!戦艦ルイジアナ撃沈されました!インテゲルタイラント、AGSで駆逐艦を攻撃しながら接近中!」

アルウス艦長「どうしますかな、司令」

ロゼ「リフレクト・ブラッタの発見が最優先よ。今はジャミングして『ヤツ』との通信を切断してるけど、いつまで持つかわからないわよ」

帝国兵士A「リフレクト・ブラッタの航跡、まだ発見できず!」

ロゼ「見えない敵ほど怖いものはないわね」

アルウス艦長「光学迷彩の類ですな」

ロゼ「航跡が見えるから意味ないけどね」

帝国兵士B「リフレクト・ブラッタの航跡を発見しました!レーザーポインタを照射、艦載機のミサイルを誘導します!」

ロゼ「やっと見つけたわね。手間かけさせちゃって」

289: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/26(日) 00:36:53.51 ID:+HhZPhe90
ロゼ率いるアルウスの航空艦隊と、帝国が差し向けた超兵器2機を擁する艦隊が、太平洋のハワイ沖で戦っていた。

仲間割れの理由は、ロゼが帝国に反旗を翻したからだ。

エーヴィヒグランツ作戦の内容を知り絶望したロゼは、合流しに来たリフレクト・ブラッタの通信を一方的に切って戦いを挑んだのだ。

ロゼ「艦載機はほとんど落ちてないけど、艦隊の方は被害が大きいわね」

帝国兵士B「撃沈4、大破2です」

ロゼ「それはいいわ。とりあえず、インテゲルタイラントの方を何とかしましょ。リフレクト・ブラッタはそこまで強くないけど、あれは艦隊の脅威になるわ」

航空艦隊の戦艦がインテゲルタイラントに一斉砲撃を加える。しかし、速度が50ノットも出ている戦艦に砲を当てるのは難しい。

ロゼ「艦隊の中央部まで入られたらアウトね・・・戦艦隊、何としてでもインテゲルタイラントを沈めるのよ!アルウス、主砲発射用意!艦載機隊、水雷戦隊への攻撃を中断してインテゲルタイラントの対処に当たりなさい!」

電と同じく艦隊に属さないインテゲルタイラントは、巨大な輪形陣を形作る航空艦隊の中心部に向かって突っ込んでくる。

帝国兵士A「インテゲルタイラント、艦橋大破!速力が30ノットにまで落ちました!」

ロゼ「よし、一気に主砲を叩きこんで!」

戦艦隊が一気に砲撃を敢行する。砲弾の雨に晒されたインテゲルタイラントの船体は、耐えきれずに真っ二つに折れて沈没した。

帝国兵士A「残りはリフレクト・ブラッタのみです!ご指示を!」

291: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/26(日) 23:26:48.86 ID:+HhZPhe90
電「魚雷装填です!」ガシャン

電が魚雷を戦艦に放った。速度が落ちた戦艦を魚雷で狙うのは至極簡単だ。ソヴィエツキー・ソユーズ級は水柱を屹立させ、大爆発を起こして沈んでいった。

電探の妖精さん「敵残存艦隊、撤退していくわ」

電「これで輸送船を沈められるのです」

電探の妖精さん「それは無理ね。電探の有効範囲から輸送船が消えてるもの」

電「に、逃がしちゃったのですか・・・?」

電探の妖精さん「そうみたいね」

電「はわわわ・・・」

艦長『もう仕方のないことだ。その代り艦隊の旗艦は倒したことだし、帰ろう』

電「問題、無いですか?」

艦長『みんな笑って許してくれるさ』

陸戦隊の妖精さん「そうだといいがな」

ソナーの妖精さんB「なのー」

293: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 01:25:58.47 ID:Ee6mKByw0
スキズブラズニル

電「・・・ということなのです」

提督「ま、いいんじゃない?輸送船は逃がしたけど、こっちはゲリラの艦隊をけっこう潰したし」

電「お役に立てなかったのです・・・」シュン

雷「そんなに落ち込まないの!また来たら倒せばいいんだから!ね、提督!」

提督「そうよ。そんなに落ち込んでたら、せっかくの可愛い顔が台無しよ?」

電「はうぅ・・・///」テレテレ

提督「ふふ、そういうとこ、本当に可愛いわね」

愛宕「うっふふ~♪そういう提督も、ちょっと可愛いですよ!」

提督「・・・もう!とにかく、みんなドックに入って整備して!」

電「それでは、ちょっと直してくるのです」イソイソ

暁「暁も直してくるわ。ちょっと疲れたし」

大和「私も、ちょっと休憩しますね」

提督「何だか、鎮守府にいる時みたいね・・・」

艦長「・・・」

297: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 00:26:08.44 ID:cPacp/L30
ゲリラ艦隊のほとんどを撃滅した解放軍艦隊は、艦の整備と捕虜収容所の捜索を並行して行っていた。そして、その成果もあって捕虜収容所が発見された。

早川少将と副長も無事に発見され、健康診断を終えたところで提督たち艦娘勢と大和の艦内で顔を合わせた。

早川「初めまして、遣欧艦隊の司令の早川少将だ」

提督「横須賀鎮守府勤務のしがない提督よ。ま、覚えておいてね」

副長「私は元・軽巡『那珂』の副長ですっ!」

提督「ええ、よろしく(那珂ちゃん・・・)」

早川「しかし、艦隊を組んでまで助けに来るとは思わなかった。時空の出口か何かは既に無いものと思っていたが」

提督「電が消えた海域を捜索していたら、私たちまで飲み込まれたのよ。それで仕方なく」

暁「大変だったんだからっ!」

愛宕「でも、楽しかったわよー?」ウキウキ

副長(うわっ、すっごく大きなムネ!あたしも欲しいっ・・・!)

電「・・・気になるのですか、あのバルジ」

副長「うん」

電「電も、きっとあのような素敵な女の人になりたいのです!」

副長「なれるといいね。応援してるから!」

298: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 00:48:04.29 ID:cPacp/L30
赤城「航空母艦、赤城です。主に艦隊防空を担います」

大和「大和型戦艦1番艦、大和です!」

愛宕「愛宕でーすっ♪」

暁「暁よ。一人前のレディなんだから!」

響「響だよ。よろしく」

雷「雷よ。かみなりじゃないわ。間違えないでよね!」

早川「見知った艦ばかりで心強い」

大和「そういえば、スキズブラズニルや天城提督の艦隊にも私たちがいましたね」

早川「常に最新の装備に更新しているから、かなり艦型が違っている艦もあるが」

赤城「初めてもう一人の私を見た時は、全くの別人と思っていました。甲板がいびつだからでしょうか?」

早川「アングルドデッキか。そう言われれば、赤城だけ全くの手つかずだったな」

赤城「あ、ハブられたわけじゃなかったのですね!」

早川「それは艦長に聞いてくれ。それより、赤城は作戦行動までに改修しなければならない。後で換装ドックに来てくれ」

赤城「了解しました」

300: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/29(水) 00:59:10.08 ID:cPacp/L30
赤城「あかひ、ははいふぁふぁいいふぁいひゃ(赤城、ただいま参りました)」ボリボリ

早川「せめて食ってるものを飲み込んでから言ってくれ・・・ところで、何を食べているんだ?」

赤城「ボーキサイトです」ゴックン

早川「・・・うまいか?」

赤城「この世界のボーキサイトは格別です!もっと下さい!」ジュルリ

早川「さて、換装作業に入ろう」

赤城「」モグモグ

早川「震電が配備されている分、他の空母より制空能力は高い。しかし、その他の能力が問題だな・・・」

赤城「これでも一航戦時代は無敵艦隊と呼ばれていたんです」

早川「だが、この速度と武装では、これからの戦闘には耐えられない。とにかく、CIWSと対空ミサイルを換装した上で船体の大改修を行う。覚悟しておけ」

赤城「あ、あまり身体を弄られると・・・」ポッ

早川「何だか疲れる・・・」

赤城

127mm単装砲 6基
20mmCIWS 10基
Mk25 GMLS 8基
速力 70ノット
アングルドデッキ装備
搭載機数75機、補用22機

306: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/30(木) 22:17:43.51 ID:FzxqUjYV0
研究員「震電改、着艦します!」

この世界の赤城で運用される予定の新型戦闘機『震電』。転移艦の赤城が搭載していた震電を基に改良を加え、更なる戦闘力の向上を図った最強の戦闘機だ。

しかし、帝国側は既にジェットエンジンを搭載した航空機の開発に成功している。現在、急ピッチで震電と新型機に搭載するジェットエンジンの製作に取り掛かっているが、成果はまだない。

提督「震電でさえうちの国じゃトップシークレット級だったのに、ジェットエンジンなんてとんでもないわ」

早川「しかし、敵はどんどん強くなっている。このままでは制空権を奪われたまま数々の戦いをしなくてはならなくなるだろう」

提督「そうだけど・・・」

電「ミサイルじゃダメなのですか?」

早川「ミサイルだけでは無理がある。連射ができない分、飽和攻撃に弱いからな」

大和「ほうわ、こうげきっ・・・!?」ブルブル

提督「大丈夫だからっ!ほら、元気出して!」

大和「は、はい・・・」

電「空母9、戦艦6、その他諸々・・・」

大和「ひいっ!?」

早川「駆逐艦が最強の戦艦を圧倒している・・・これが艦娘か。ってそうじゃない」

307: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/30(木) 23:12:39.64 ID:FzxqUjYV0
提督「あ、そうそう。震電だったわね」

早川「相手もジェットエンジンの開発には苦労しているらしい。震電も同じ速度が出せる上、レシプロ機は技術も成熟しているからな」

提督「まだ開発中の技術を使って同じかそれ以下の性能だったら、当然性能のいい方を選ぶわよねぇ」

早川「そういったところだ。ブラウン博士に頼んで開発を急がせてはいるが・・・」

提督「陸軍の震電とは違って海軍向けに作られた特別仕様の機体だし、構造も複雑だから苦労してるのね」

電「どこの国も、新兵器の開発には苦労するものなのです」

早川「そういうことだ」

暁「着艦に失敗した震電を釣ってきたわ。ふぅ」

電「トンボ釣りご苦労さんなのです」

暁「乗組員だけじゃなくて機体も回収しろって言われたわ。もう、疲れちゃったわよっ」

早川「お疲れさん。疲れただろうが、故障の原因究明のためにも、機体の回収は出来る限りやってくれ。一人前のレディなら、もちろんできるな?」

暁「と、当然よ!舐めないでよね!」

早川(一人前のレディは釣りに弱い、か)

310: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/31(金) 00:00:14.33 ID:J9V3WH1C0
ガルトナー『転移艦隊の皆さん、長旅お疲れ様です。私は解放軍大佐、アルベルト・ガルトナーです』

提督「初めまして。一応、電の保護者よ」

ガルトナー『この度は超兵器撃沈の援護及び技術供与、ありがたい』

提督「電を保護してくれてたんだし、当然よ。それに、連中もあたしたちを潰したいみたいだし」

ガルトナー『そこで、頼みたいことがあります。我々と共に行動を共にしてもらえませんか?電の存在は解放軍の士気を大いに高めてくれる』

提督「そうねぇ・・・シンボルとして使われるのはアレだけど、私たちも帰り方わからないし。とにかく、ここに居させてもらうわ」

ガルトナー『そう言っていただけるとありがたい。しかし、元の世界の戻り方は我々も存じません』

提督「そこは何とか私たちでするけど、そっちも出来る限り協力してくれると助かるわ」

ガルトナー『努力しましょう』


提督「思いのほか、話のわかる人でよかったわ」

シュルツ「我々としても、あなた方には感謝していますから」

提督「そういうことなら、すごく嬉しい。あまり衝突とか起こしたくないもの」

シュルツ「そうですね・・・」

311: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/31(金) 00:03:47.52 ID:J9V3WH1C0
>>308
どちらかといえば、アルペジオのイ401みたいな感じかな
艦これ航空機の中の人は妖精さん

313: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/31(金) 22:41:23.43 ID:J9V3WH1C0
ピピーッ、ピピーッ

オペレーター『こちら解放軍イギリス本部。アイスランド近辺に新型超兵器の艦影を補足。繰り返します。アイスランド近辺に新型超兵器を補足』

シュルツ「艦種はわかるか?」

オペレーター『戦艦の模様です。艦首に巨大な掘削用ドリル、舷側に2対のドリルカッターが装備されています』

提督「こんな時代に衝角があるの?わけがわからないわ」

電「あんなので削られたらひとたまりもないのです・・・」

オペレーター『偵察機の空撮写真を解析したところ、大口径のガトリング砲に噴進砲など、比較的短距離用の武器が装備されています』

提督「戦略としては、遠距離砲撃戦を挑んだ方が楽ね。大口径でもガトリング砲だから、連射力はそこそこ高いから駆逐艦だとキツいわ」

シュルツ「しかし、超兵器はアイスランドにいます。このままイギリスに向かわれることがあれば・・・」

電「何があるのですか?」

シュルツ「解放軍の本拠地、イギリスだ。そこを落とされれば、ヨーロッパ戦線が崩壊する。アジアだけでは連中には勝てない」

提督「それじゃ・・・」

シュルツ「足の速い艦で現地に赴き、撃沈するしかありません。特にスカパフロー駐留艦隊は先日の北海海戦で多数を撃沈され、今は迎撃もおぼつかない状態です」


※衝角・・・しょうかく。帆船や装甲艦の艦首に装備された、敵艦を攻撃する角。軍艦ではないが海底二万里のノーチラス号にも装備されている。

314: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/31(金) 23:06:34.92 ID:J9V3WH1C0
提督「まさに最悪の展開じゃないの・・・」

電「い、電が行くのです!」

提督「でも・・・」

電「ここで負けたら、多くの人の命が消えるのです。そんなの・・・見ていられないのです」

提督「電、気持ちはよくわかるけど、あなたが沈められたら意味が無いのよ。生きてこそ価値があるの。特に、戦争はそうよ」

電「提督さん・・・」

シュルツ「しかし、ここでイギリスを落とされたら、何もできないまま我々は負けることになります。幸い、第六駆逐隊と深雪は70ノットを超える快速艦、全速力で飛ばせば間に合うはずです」

提督「・・・勝算があるだけじゃダメなの。一隻も沈めずに勝たないと、意味が無いの。私たちは全員揃って帰るのが目的だから」

電「でも、この世界のお姉ちゃんたちも沈められちゃうかもしれないのです・・・」ウルウル

シュルツ「お気持ちはわかりますが、今はイギリス防衛が先決です。解放軍が倒されれば、あなた方を守るものは何も無くなります」

提督「・・・わかったわよ。第六駆逐隊と赤城は先行してドリル戦艦にダメージを与えて。大和と愛宕は解放軍艦隊と行動を共にすること」

電「提督さん!ありがとうなのです!」

提督「その代り、沈まないで。絶対に生きて帰ってきなさいよ。シュルツ少佐、早川少将に連絡して」

電「なのです!」

シュルツ「了解しました」ビシッ

319: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/01(土) 02:05:41.58 ID:ekSrb7lD0
突如発令された超兵器警戒令を受け、遣欧艦隊は艦隊を二つに分けて超兵器撃沈に赴くことになった。

電を旗艦とした第2艦隊を編制し、電、暁、響、雷、深雪で構成される第6駆逐隊、赤城(艦娘)、暁星で構成される第1航空戦隊が先発艦隊になった。

早川「諜報部から更に情報が届いた。敵艦の名は『超巨大ドリル戦艦アラハバキ』、ガトリング砲などの他にミサイルやレーザーを装備しているらしい」

電「レーザーまであるのですか・・・すごく強そうなのです」

副長「でも、空母があるから少しは足止めできるよね!」

早川「いや、そうでもない。相手の機関部を破壊しない限り、あの艦首ドリルで掘ってくるだろう。アレをどうにかしない限り、勝機は無い」

雷「相手の攻撃をかわしながら魚雷を叩きこめばいいのよ!ね、司令官?」

早川「それも難しい。ガトリング砲の口径は戦艦の主砲レベルだ。直撃弾を食らえば中破は免れない」

赤城「やっぱり、艦載機が鍵でしょうか?」

艦長「確かに艦載機があれば、接近前にダメージを与えられますが・・・」

早川「二隻分の爆撃機と雷撃機だけでは無理がある、か。どちらにしろ、駆逐艦の突撃は必要事項だ」

暁「と、突撃・・・っ」ブルブル

響「大丈夫かい?」

暁「大丈夫なんだからっ!レディを舐めないでよね!」

321: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/01(土) 23:21:30.37 ID:ekSrb7lD0
電「第六駆逐隊、出撃です!」

お決まりの戦隊に深雪と赤城、暁星を加えた艦隊がスキズブラズニルを後にする。

響『そういえば、あの時もこうだったね』

早川「あの時とは?」

電「電がこの世界に来た時のことなのです。あの時は、敵泊地の偵察のために第六駆逐隊を編制していたのです」

早川「そうだったのか・・・また姉妹に会えてよかったな」

暁『でも、今回は偵察任務じゃないわ。超兵器を倒す、重要な仕事なんだから!』

雷『張りきりすぎて失敗しちゃったら意味ないわ。慎重に行きましょ!』

響『そういう雷が前に出過ぎて失敗することが多いんだけどね』

雷『そ、そんなことないわ!ね、電?』

電「出しゃばりすぎだということを自覚しやがれなのです」

雷『・・・ハイ』

早川(本当に彼女が電なのか怪しくなってきた)

323: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/02(日) 00:17:25.86 ID:HlVh/G/40
早川「我々はこれからツーロン港に向かう。そこで補給を行った後は、各地に停泊している補給艦から燃料を受け取りながらイギリスを目指すことになる」

赤城『かなり切羽詰まっていますね』

早川「これも仕方ない。今回は時間勝負だからな」

副長「缶蹴りみたいな感じですね!」

早川「缶蹴りは鬼をぶっ飛ばすようなことはしないぞ」

雷『でも、考え方は似てるわよね!』

副長「ううっ、雷ちゃーん!」

早川「・・・とにかく、我々はアラハバキを撃沈しなくてはならない。そのためには、早く現地に向かう必要がある。総員、戦闘態勢を維持したまま第3戦速を維持せよ」

暁『何日も走りっぱなしだなんて、疲れちゃうわ』

電「こ、これもみんなを守るため、なのです・・・」

響『大丈夫だよ・・・多分』

雷『雷は大丈夫なんだからっ!!』

赤城『・・・(お腹が空きました)』グゥゥ

324: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/02(日) 00:41:29.56 ID:HlVh/G/40
数日後、ツーロン港を出港した第2艦隊は、ジブラルタル海峡に差し掛かっていた。

早川「ヘラクレスの柱、か」

電「それって何なのですか?」

早川「ジブラルタル海峡の別名だ。ギリシャ神話では、ヘラクレスという英雄が元あった山を破壊して地中海と大西洋を繋げた、ということになっている」

電「ヘラクレスさんは強いのです・・・」

早川「あくまで伝説だ。ダンテの神曲では、オデッセウスという男がここを通過し、5ヶ月後に煉獄を発見している。だが、その船は竜巻を受けて沈没してしまった、と言われている」

電「え、縁起が凄く悪いのです・・・」ブルブル

早川「だが、その伝説と関係ある名前を持つムスペルヘイムとヴィルベルヴィントは既に撃沈した。心配することはない」

副長「司令代行の言う通りだよ、電ちゃん!」

電「司令官さんはいじわるなのです・・・」

早川「別にいじわるしたいがために言ったわけじゃない。そういった話もある、ということを言いたかっただけだ」

325: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/02(日) 01:01:34.69 ID:HlVh/G/40
ピピーッ、ピピーッ

電探の妖精さん「司令官!敵を発見!12時方向!」

早川「何だと!?艦隊の規模は?」

電探の妖精さん「天城型戦艦3隻、大鳳型空母4隻、長良型軽巡6隻、吹雪型駆逐艦8隻よ!」

早川「高速艦隊か・・・しかし、問題無い。艦載機隊は直ちに発艦!制空権を確保せよ!駆逐艦は突撃し、天城型戦艦を優先して撃破せよ!」

赤城『日本艦隊、ですか・・・』

雷『・・・私、行くわ!もう提督に悲しい顔はさせないんだからっ!』

単縦陣から外れた雷は、単独で敵艦隊に突っ込んでいく。

早川「待て!梯形陣に変更してから・・・」

雷『やああああっ!!』

早川の制止にも関わらず、雷は敵の射程範囲に入る。天城型の41cm砲が火を噴き、雷を襲う。しかし、機動性の高い駆逐艦に当たるはずもなく、雷は更に前進を続ける。

雷『提督の悲しむ顔なんて、もう二度と見たくないんだからぁぁ!!』ズドーン

雷の放った12.7cm砲は、吹雪型の一隻に直撃して大爆発を起こした。艦橋を吹っ飛ばされた吹雪型は、速度を落として艦隊から落伍した。

327: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/02(日) 23:49:25.64 ID:HlVh/G/40
赤城『雷ちゃん!』

赤城が叫んだ時には既に遅かった。吹雪型を屠った雷は、天城型から一斉砲撃を受けていた。

雷『きゃああっ!!』ドゴォォ

早川「雷っ!!」

雷『い、雷は、大丈夫、なんだからっ・・・』

早川「待て!死ぬ気か!?」

電「待ってほしいのです!」

雷『魚雷、てーっ!!』ガシャン

艦橋と艦尾をボロボロにされても、雷は戦いをやめない。急速に反転した雷は、天城型の1隻にありったけの魚雷を流し込む。

電探の妖精さん「天城型、轟沈!でも、このままじゃ雷が・・・!」

早川「駆逐隊は突撃して雷の援護!急げ!」

暁『もう、手のかかる妹なんだから!』

響『全力で行くよ』

電「絶対に助けるのです!」

328: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/04(火) 00:27:24.61 ID:BCRCxCz20
電探の妖精さん「大鳳型4隻から艦載機隊発艦!紫電と流星、橘花を確認!」

赤城『橘花?知らない子ですね』

早川「ジェット機だ。速度は震電以下だから問題はないはずだ。しかし、できるなら鹵獲したいところではあるが・・・」

電「今はそれどころじゃないのです!」

早川「わかっている。まずは、雷を助けなければならんな。大鳳型を潰せ。一隻は航行不能にまで留めておけ」

電「わかったのです!」ズドーン

電が放った12.7cm砲弾は、大鳳型の高角砲座を吹き飛ばした。更に艦橋に攻撃を加え、指揮能力と煙突の機能を停止させる。

早川「油断するな!航行不能にはなっても、まだ母艦としての機能はあるはずだ。甲板を潰せ!」

赤城『お任せください!』

赤城の彗星が数機ほど大鳳に急降下爆撃を加え、大鳳のエレベーターを破壊した。

早川「よし、よくやった!」

電探の妖精さん「本艦直上に爆撃機!橘花よ!」

早川「主砲及びCIWS、射撃開始!至近弾に備えよ!」

同じく戦闘機の目をかいくぐってきた橘花の群れが電に襲いかかる。電は増速して離脱を試みた。しかし、航空機は叩き落とせても爆弾までは防げなかった。

電「ふあーっ!?」ドゴォォ

ダメコンの妖精さん「第二魚雷発射管に被弾したのん!」

329: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/04(火) 00:47:47.34 ID:BCRCxCz20
響『こちら響。大鳳型1隻と吹雪型3隻を撃破したよ』

暁『こっちは天城型を倒したんだから!』

艦長『こちら深雪!長良型2隻を撃沈しました!しかし、損傷が激しく航行不能!』

暁星艦長『こちら暁星。甲板に被弾し航空機着艦不能。赤城に航空機を収容させます』

早川「雷はどうした!?」

雷『天城型1隻、大鳳型2隻、長良型3隻、吹雪型3隻・・・よっ』

早川「無理をするな!今すぐ戻れ!」

雷『何も心配しなくていいわ。だって、雷様がいるんだから・・・!』

残った天城型の砲撃を受けながらも、雷はミサイルを発射しつつ天城型に接近する。天城型もミサイルで相当なダメージを受けているらしく、後部甲板が吹き飛んでいた。

雷『てーっ!!』ガシャン

雷は最後に残った3本の魚雷を放った。天城型は轟沈し、雷の速度が急速に下がっていく。

電「雷っ!」

早川「敵艦は反転していったか・・・暁は雷を後方の解放軍艦隊まで運べ」

暁『わ、わかった・・・わよ』

332: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/04(火) 22:59:02.34 ID:BCRCxCz20
数時間後、雷は無事に解放軍艦隊に合流し、スキズブラズニルで長期の入渠を強いられた。

アラハバキは目下のところアイスランドに停泊中だが、解放軍が拠点にしているヨーロッパ西部に侵攻するのは時間の問題だ。アメリカも大部分が敵の勢力圏に落ち、解放軍に対する包囲網は着々と完成しつつあった。

早川「雷は無事だったか。よかった」

電「沈められなくて、本当によかったのです・・・」

副長「でも、心配よねぇ」

早川「しかし、もう心配することはあまりないだろう。今はアラハバキの撃沈が最優先課題だ」

電「司令官さんは冷たいのです・・・」

早川「・・・っ、そうか。長い間艦橋や執務室にいると、仲間の負傷が現実のものだと思えなくなってくるんだ。艦橋は、戦場に一番近くて遠いところだ」

電「わ、私には、あまりわからないのです・・・」

早川「そうか、艦の沈没は艦娘の死でもあるんだったな」

副長「えぁっと・・・みんな、元気出していこっ!ほら、司令代理も元気出してください!」

陸戦隊の妖精さん「副長の言う通りだぜ。元気出しな」

電「は、はい、なのです」

早川「考えても仕方ない。雷や他のみんなにも、後で何かしてやらないとな」

333: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/04(火) 23:51:59.33 ID:BCRCxCz20
早川「雷だけでなく、他の艦も意外と損傷しているな・・・」

早川は各艦の被害状況報告を見て、辛そうな声を上げる。

先の戦闘で大鳳型とジェット機を何機か鹵獲したのはいいが、その分艦隊の被害も相当の物だった。暁は至近弾を受け装甲に亀裂が生じ、電は肝心の魚雷発射管が使えない。

響『私は被弾してないけど、他のみんなのことが気になる。スキズブラズニルに戻ろう』

赤城『賛成です!お腹が空きました!』グゥゥ

早川「わかった。時間が惜しいが、幸いにもアラハバキはまだ行動を開始していない。戦艦を何隻か編入するくらいの余裕はあるな」

早川の判断で、艦隊は一旦引き返すことになった。スキズブラズニルを擁する戦艦隊と合流し、艦隊の修理を行う手はずだ。


大和「お疲れ様です。司令官さん」

提督「こっぴどくやられたわね。でも、大鳳ちゃんがゲットできたからよかったけど」

早川「大鳳・・・ちゃん?」

提督「うちにも大鳳はいるわよ。よく駆逐艦をかばってくれるの」

電「ガスのたまりすぎでよく爆発するのです」

提督「た、確かにそうだけど・・・」

早川(大鳳といえば・・・天城の艦隊にもいたな。あいつは元気でやっているだろうか)

334: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/05(水) 00:08:53.66 ID:J22Irh+W0
鎮守府

大鳳「くしゅん!」

羽黒「風邪、ですか?」

大鳳「そうじゃないみたいだけど・・・誰か噂してるのかしら?」

妙高「まさか、また電ちゃんだったりしませんか・・・?」

大鳳「い、電さんは・・・ご、ごめんなさいっ!」

羽黒「え、えっと、あの・・・ごめんなさい!」

335: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/06(木) 00:42:17.51 ID:PmZcXuYo0
早川「仕方ない。シュルツ少佐のリジルを借りよう。元が高速戦艦だから、我々の艦隊にも追従できるはずだしな」

シュルツ「了解しました。しかし、ドリル戦艦の対策はどうするのでしょうか?」

早川「戦艦隊の砲撃では味方駆逐艦を巻き込んでしまう恐れがあるから避けたいのだが・・・この際、夜戦に持ち込んで駆逐艦娘の絶大な攻撃力に期待しようか」

電「カットインは調子が出ないと難しいのです・・・」

響「それに運も絡んでくるし」

ブラウン「では、新型の兵器を試してみましょう」

早川「ブラウン博士!?いつの間に現れたんだ」

ブラウン「ミサイルの誘導技術を使用し、誘導砲弾の開発に成功したところです。戦艦の砲に装備できれば、かなりの威力を発揮すると思います」

早川「なるほど、AGSか・・・」

電「AGSって、何ですか?」

早川「正式名称を先進砲システムといって、誘導砲弾を発射する新型砲だ。今回は旧式の砲に専用の新型電探を搭載し、哨戒機と組み合わせて敵へ砲弾を誘導する」

電「何だか、とっても凄そうなのです!」

早川「駆逐艦用の砲弾もあるから、一応それでも使えるはずだ」

336: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/06(木) 01:01:11.64 ID:PmZcXuYo0
ブラウン「それと、アラハバキの空撮写真を解析してみたのですが、面白いことがわかりました」

早川「面白いこと?」

ブラウン「はい。ドリル戦艦は艦尾に噴射ノズルを持っているようです。それで加速し、敵艦に体当たりを仕掛けるものかと」

電「はううぅ、まさにテケテケなのです」

早川「追い払う呪文でアラハバキを破壊できたらいいのにな」

ブラウン「とにかく、これで戦艦の砲撃で支援をしつつ、駆逐艦をアラハバキの周囲に展開できます」

シュルツ「これはいい。しかし、肝心の数はどうでしょうか?」

ブラウン「46cm砲弾が3000発、12.7cm砲弾が1万発あります。通常海域では使用するのは難しいかと」

シュルツ「結構です。通常戦闘時は別に通常の砲弾を用意しますので」

早川「そうと決まったところで、早めに出港しよう。第1艦隊は雷と暁星を外し、青鶴、艦娘大和、リジルの3隻を新たに加える。艦隊速度は遅くなるが、それも仕方ない」

電「ちょっと大変な航海になりそうなのです」

早川「そうだな・・・しかし、この難局を切り抜けることができなければ、我々は淘汰されるのを待つしかない」

電「せっかくみんなと会えたのに、それは嫌なのです!」

早川「よし、よく言った。では、各艦艇は出撃準備を開始せよ」

337: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/06(木) 01:20:36.34 ID:PmZcXuYo0
新型の誘導砲弾を搭載した部隊は、夜明けと共にスキズブラズニルを発った。雷が撃沈されかけるという事態があったものの、まだ大丈夫だ。

電「ところで、今はどのあたりにいるのですか?」

早川「我々の艦隊はポルトガル沖にいる。アラハバキの速力はまだわからんが、ヴィルベルヴィントのような怪物じみた速度を持っていないなら十分スカパフローまで到達できるだろう」

電探の妖精さん「それに、周囲にいるのは敵の偵察艦隊だけみたいだし、別に気にすることはないわよ。ソナーにも反応はないみたいだし」

早川「空母がいないだけマシか・・・」

電「く、空母より潜水艦の方が怖いのです・・・」

早川「潜水艦か・・・そういえば、こっちの電は戦艦に撃破されたんだったな」

電「そうなのですか・・・?」

早川「そうだ。サウスダコタ級の主砲に射抜かれ、一撃で轟沈・・・おっと、君に話すようなことではなかったな」

電「こっちの電が沈められてると聞いたら、やっぱり悲しいのです・・・」

早川「そうか・・・そうだよな。日本艦隊と戦った時も辛かっただろう。姉を倒すことになったんだからな」

電「やっぱり・・・戦争は辛いのです」

339: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/07(金) 00:03:38.08 ID:VHUKvmIB0
ロゼ「エーヴィヒグランツ作戦・・・もうヴァイセンベルガーを相手取ってる暇は無いわね」

鹵獲したリフレクト・ブラッタのデータバンクを閲覧していたロゼは、ふとつぶやいた。

帝国兵士A「超兵器戦艦『ヴォルケンクラッツァー』及び超兵器航空戦艦『リヴァイアサン』を同時運用し、波動砲と津波で世界を破壊し尽くす・・・何て酷い」

アルウス艦長「これは物凄いことになりそうですな」

ロゼ「物凄いの騒ぎじゃないわ。世界が滅ぶかもしれないわよ」

アルウス艦長「むう・・・」

ロゼ「ヴォルケンクラッツァー1隻だけでも一国の海軍全ての戦力に匹敵するほどの力があるのに、リヴァイアサンまで出てくるなんて・・・」

帝国兵士A「彼紺艦隊ならば、奴らと対等に戦えるのでは!?」

ロゼ「ダメよ。大和の主砲でもヴォルケンクラッツァーにとっては蚊に刺されたようなもの、いずれは弾薬が尽きるか主砲で一撃よ」

アルウス艦長「確か、彼紺艦隊の駆逐艦は夜戦の時に戦艦以上の力を発揮する、ということでしたが・・・」

ロゼ「それに懸けるしかないけど、魚雷は弾数が少なすぎる上に防御力が足りないわ」

帝国兵士A「それでは、どうすれば・・・」

ロゼ「でも、超兵器機関を暴走させることができれば、勝てるかもしれないわね」

帝国兵士A「しかし、それは・・・」

ロゼ「この際、構ってられないわよ」

340: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/07(金) 00:29:36.67 ID:VHUKvmIB0
アイルランド沖

電「もう少しでスカパフローに着くのです!」

早川「意外と早く着いたな。いいことだ」

アイルランド近辺を航行する第1艦隊は、アラハバキを警戒しつつ北上を続けていた。目指すは、スコットランドのオークニー諸島に存在する海軍施設、スカパフロー基地だ。

赤城『気づけば、こんなところまで来ましたね』

響『金剛さんが生まれたところだったよね、確か』

電「シーメンス事件でゴタゴタが起こってたのです」

暁『それ、金剛の前じゃ禁句よ!』

電「つい言っちゃったのです」

早川(最近、電の様子がおかしすぎる・・・)

電探の妖精さん「ま、まぁ別の人格みたいなものだし、放っておいて問題はないわよ」

ソナーの妖精さんB「わよー」

早川「そ、そうなのか・・・」

電探の妖精さん「でも、問題発言が多いのは認めるわ。この前なんて加賀さんを泣かせ・・・」

ピピーッ、ピピ…ガガガガガガ

電探の妖精さん「北方より巨大なノイズ!超兵器よ!」

早川「何と言うことだ・・・総員、戦闘配置!恐らくアラハバキだ。油断するな!」

341: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/07(金) 01:08:28.21 ID:VHUKvmIB0
副長「ノイズ極大化!超兵器接近!」

早川「あれは・・・間違いない、アラハバキだ」

早川が双眼鏡を通して見たのは、艦首に1基の巨大なドリルが装備された戦艦だった。

副長「すごいですね。本当にドリルがついてます!」

早川「駆逐艦は側面から突撃!空母は艦載機を出撃させよ!戦艦は順次主砲射撃開始だ!」

電「なのです!」

電、暁、響、深雪が速度を上げ、2隻に分かれてアラハバキに接近する。大和とリジルは空母と共に単縦陣を維持し、AGS砲弾を発射していく。

早川「何とか敵のガトリング攻撃をよけつつ、魚雷を撃ってくれ。それしか勝つ方法はない」

電「怖いけど、何とかやってみるのです!」

響『注意しなよ。ほら、来たよ』

アラハバキは電と響を狙ってきた。艦首からけたましい轟音を響かせながら、荒ぶる神が接近する。

電「に、逃げるのです!」

早川「ドリルには接触するな!一瞬で鉄クズにされるぞ!」

電「はわわ!掘られるのは嫌なのです!」アセアセ

350: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/07(金) 23:46:14.30 ID:VHUKvmIB0
電「ミサイル装填です!」

電はミサイルを敵艦のドリルに向け、破壊を試みる。しかし、ミサイルは呆気なくドリルに砕かれて爆発した。

電「み、ミサイルが効かないのです!!」

早川「落ちつけ!ドリルに攻撃しても無駄だ!現在のアラハバキの速度はおよそ45ノット、全力を出せば後ろに回り込めるぞ!」

電「な、なのです!」アセアセ

響『これは流石にマズいね・・・』ブルブル

ドリルに追われ、急速転舵した電と響は、アラハバキの右舷を通って後ろに着いた。アラハバキも後ろにいる駆逐艦を狙うが、巨体故に動くことができない。

副長「やったっ!ドリルから逃げられましたっ!」

早川「魚雷装填!撃てーッ!」

電「魚雷装填です!」ガシャン

響『さて、やりますか・・・!』ガシャン

2隻はアラハバキに魚雷を目いっぱい撃ち込む。巻き上がった水柱が壁を形成し、一瞬だけアラハバキの船体を隠す。

早川「よし、次弾装填急・・・なっ!?」

急に電の船体が大きく揺れた。高波に襲われたらしく、早川はバランスを崩して床に倒れた。

副長「あ・・・あ・・・司令代行、あれ!」

早川「どうした!?」

電「にに、逃げるのですっ!!」

351: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/07(金) 23:56:55.62 ID:VHUKvmIB0
前方い設置された電の右舷を撮影しているモニターを見ると、アラハバキの巨大な船体が急速に接近しているのが確認できた。舷側のドリルカッターが刃を光らせ、迫ってくる。

電「はわわわ!横にスライドしてくるのです!」

副長「きゃああぁぁ!!もうダメ、死んじゃう!」

早川「取り舵一杯!全速力で逃げろ!」

迫りくるアラハバキのドリルカッターを恐れて、電と響は左に転舵して離脱した。間一髪のところでアラハバキは横移動をやめ、速度を落とす。

副長「あれは一体・・・」

早川「サイドスラスターだ。艦を停止させたまま横に移動するため舷側に装備される小型のプロペラだ。しかし、湾内で使うものとはケタ違いのパワーだ・・・まさに格闘戦のプロだな」

暁『ぴゃあああ!!』

早川「どうした!?」

暁『砲弾が雨みたいに降ってくるのっ!!』

艦長『大口径ガトリングです!深雪、二発被弾し中破しました!』

早川「やはり駆逐艦で敵艦を翻弄させる作戦はダメだったか・・・」

アラハバキに数発の主砲弾が落とされるも、舷側の対空バルカン砲を数基破壊するに留まる。それに比べ、ガトリングで狙われている暁と深雪の被害は大きくなるばかりだ。

電「つ、強すぎるのです・・・」

352: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/08(土) 00:18:01.72 ID:Nx2YLuPU0
早川「諦めるな!手はあるはずだ・・・何としてでも、奴をここで沈めなければならない」

響『ウラーッ!』ガシャン

電がアラハバキに接近している最中、響は遠距離から魚雷で攻撃する。さすがにアラハバキの船体もグラリと揺れるが、撃沈にはまだ遠い。

大和『こうなればっ・・・皆さん!Z弾を使用します!直ちに離脱してください!』

早川「Z弾も使うか・・・状況は緊迫してきたな」

電「Z弾って何なのですか?」

早川「クラスター爆弾だ。主に敵の武装を破壊するために使用される。AGSと同じく開発していたもので、AGS弾に搭載することを前提に作ってある」

電「やっぱり・・・この世界の兵器はすごいのです」

急速転舵すべく速度を落としたアラハバキから、駆逐艦隊が離れていく。大和から発射されたZ弾はアラハバキの艦橋付近で爆発し、小型爆弾の雨を降らせた。しかし、艦橋は一部が損傷しただけだ。

早川「さすがは超兵器、防御力も並じゃないな。大和、徹甲弾に切り替えて攻撃してくれ」

大和『は、はい・・・すみません』

早川「謝る暇があったら砲撃だ。対策しても効果が無いことなど幾らでもある」

大和『りょ、了解しました』

353: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/08(土) 00:34:25.62 ID:Nx2YLuPU0
シュルツ「何て硬い艦だ・・・」

筑波「あんな物を艦首につけておきながら、機動力も抜群・・・まさに超兵器ですな」

ナギ「あんなの、強すぎですっ!航空機隊がいれば楽でしょうけど・・・」

ブラウン「いえ、赤城と青鶴の航空機隊もあまり歯が立っていない模様です。格闘戦が主な攻撃手段となると、防御力も必要になってくるからでしょう」

シュルツ「何とか奴の装甲を抜ける方法はありませんか?」

ブラウン「本来なら艦尾の噴射ノズルを狙った方が早いのでしょうが、バルカン砲とドリルがある以上は接近することさえ危険です」

早川『駆逐艦の砲でも抜けるか!?』

ブラウン「無装甲なら可能ですが、大和型の煙突のように蜂の巣装甲が施されていた場合、かなり難しいと思われます」

早川『そうか、やってみよう!電、聞いたか!?』

電『な、なのです!』

シュルツ「では、我々はアラハバキに少しでもダメージを与えましょう。大和、君も全力を尽くしてくれ」

大和『もちろんです!』

シュルツ「よろしい。砲撃を続行せよ!ミサイル発射!目標、敵艦橋!」ゴォォ

大和『垂直発射装置、射撃、始め!』シュウゥゥ

354: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/08(土) 00:48:49.41 ID:Nx2YLuPU0
電「命中させちゃいます!」ズドーン

響『攻撃するよ』ズドーン

電と響の砲撃がアラハバキの艦尾ノズルに命中する。思いのほかダメージが大きかったらしく、爆発の規模も相当なものだった。

早川「装甲が施されていなくてよかった。これで何か張っていようものなら・・・」

電「も、もう考えたくないのです・・・」

響『それより、早く攻撃しようよ』

電「そうだったのです。あの汚いとん●りコーンをさっさと沈めてやるのです」

副長「ひどーい!あたしとんがり●ーン好きなのに!」

早川「2人とも、伏字の意味が無いぞ・・・」

響『電はいつの間にお笑いコンビを結成したんだい?』ズドーン

響の一斉射撃が更に命中し、艦尾ノズルは完全に吹き飛んだ。加速が使えなくなり、アラハバキの動きがわずかに鈍る。

早川「よし、沈めてしまえ!」

響『無駄だね・・・くっ!』ドカーン!

早川「どうした!?」

響『あ、熱い・・・』

電「司令官さん!あれを見るのです!」

早川「レーザーか・・・!」

355: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/08(土) 01:05:41.08 ID:Nx2YLuPU0
アラハバキの艦尾から、緑色の太いレーザーが放たれて、響の艦首を吹き飛ばしていた。言うまでもなく響は航行不能に陥り、その場に停止した。

電「響が被弾したのです!」

早川「畜生!電磁防壁を装備していない艦は全て退避だ!響は後進して大和のところまで戻れ!」

響『迷惑かけてすまない・・・』

電「後は任せてほしいのです!」

響『うん・・・電、いつの間にか、すごくカッコよくなったね。それも、長門に負けないくらい』

電「そ、そんなことは・・・ない、のです」タジタジ

早川「お喋りしている時間があったら、早く行け!掘られても知らないぞ!」

響『それは勘弁してほしいな。じゃあね、電。また後で』

電「頑張るのです!」

暁が響を曳航する中、アラハバキは響に向かって更にレーザーでの攻撃を続ける。電は舷側について魚雷を発射し続け、駆逐艦隊を逃がそうとする。

早川「電磁防壁を装備している艦は電とリジルだけか・・・仕方ない、ここは電だけで抑えるぞ!」

電「ちょっと怖いけど・・・頑張ってみんなを守るのです!」

361: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/08(土) 19:49:46.61 ID:Nx2YLuPU0
早川「魚雷発射用意!何としてでも沈めろ!」

電「なのです!」ガシャン

電はアラハバキから数百メートル離れた地点から魚雷を連続で叩き込む。超兵器といえど船であることに間違いはなく、徐々にアラハバキの船体は傾いていった。

ガァン!

ダメコンの妖精さん『レーザー、艦尾に命中したのん!舵が故障したのん!』

早川「くッ・・・応急修理急げ!」

電はその場で機関をアイドリング状態にしつつ、応急修理を行う。しかし、その最中にガトリングの攻撃が降り注ぎ、後艦橋も被弾する。

早川「修理を舵に集中させろ!それ以外は構わん!」

ダメコンの妖精さん『修理できたのん!』

早川「よし、攻撃準備できるまで逃げ続けろ!」

電「逃げるのです!」

電は最高速度の92ノットを出し、アラハバキの大口径ガトリングから逃げ続ける。魚雷はまだ準備中で使用できず、代わりに砲で対抗するしかなかった。

電探の妖精さん「主砲、アラハバキの艦橋に命中!被害なし!」

早川「魚雷の準備はまだか!?」

電「まだなのです・・・」

362: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/08(土) 20:14:01.57 ID:Nx2YLuPU0
大和『主砲、斉射、始め!』ゴォォ

大和が支援砲撃を再開し、アラハバキにAGS徹甲弾を発射する。偵察機の誘導により目標に向かう砲弾は、高威力ながら命中率も高い。

大和『艦橋に命中!』

副長「すごいです!大和さん!」

大和『ふふ、ちょっと晴れがましいですけど、やりました!』

電探の妖精さん「これで指揮系統も・・・あれ、ドリルを見て!」

早川「どうした?」

電探の妖精さんに言われるまま早川はドリルカッターを見た。すると、動きが停止しているのが確認できた。

早川「ドリルが停止しているぞ!何があったか知らんが、これで戦える!」

副長「艦橋でドリルを制御していたんですね」

電「ひとまず助かったのです・・・」

早川「完全に沈めたわけじゃない。油断するな」

電「な、なのです!」

364: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/08(土) 23:46:20.91 ID:Nx2YLuPU0
電「魚雷装填です!」ガシャン

アラハバキに最後の魚雷を撃ち込んだ電は、少し離れて砲撃戦を挑む。既にアラハバキは大和とリジルの砲撃により上部兵装もほとんどが壊滅し、瀕死の状態に陥っていた。

止めを刺すのは簡単だった。大和の砲弾がアラハバキの喫水線下を直撃し、ドリル戦艦は為す術もなく横転して爆発を起こした。

電「やったのです!・・・あっ、生存者を救出しないといけないのです」

早川「よし、要救助者を捜索した後はドックに帰って休もう。まだ欧州から帝国を追い出したわけじゃないからな」

電「うう、そうだったのです・・・」

電がアラハバキの生存者を助けに行こうとした時、通信が入った。司令部からの緊急通信だった。

早川「こちら遣欧艦隊の司令、早川だ。どうした?」

オペレーター『敵超兵器がカテガット海峡を抜け、イギリスに接近しています。直ちに迎撃願います』

早川「何だって?カテガット海峡ということはバルト海から来たんだろう。なぜ今まで黙っていた?」

オペレーター『超兵器ノイズのため通信が困難な状況でした』

早川「わかった・・・電、ここは別の艦に任せて、我々は次の超兵器を撃滅しに行く。わずかではあるが、整備する時間はあるだろう」

電「連続で超兵器戦なんて、自信がないのです・・・」

早川「あの時、ヴィルベルヴィントとアルケオプテリクスを相手にしたじゃないか」

電「あ、あれは・・・アルケオプテリクスが逃げたから耐えられたのです」

365: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日) 01:04:44.81 ID:p0sFdTv70
早川「敵の艦種は?」

オペレーター『艦砲と思しきものは連装砲が2基のみ、それ以外は全て奇妙なオブジェのような外観をしています。そのうちの1基が防衛艦隊にレーザー攻撃を仕掛けていたことから、レーザー戦艦と思われます』

早川「レーザー戦艦だと?くそっ、リジルと電だけが頼りか・・・」

大和『私も行きます!』

早川「ダメだ。君は電磁防壁を装備していない。開発も遅れていて装備は・・・」

大和『開発部に問い合わせたところ、1基だけ余っているとのことでした。お願いします!』

早川「・・・わかったよ。ただし、無茶なマネはするな。それだけは約束してくれ」

大和『はい!』

早川「では、一旦スキズブラズニルに戻る」

その場を他の艦に任せ、電とリジル、大和は航路を引き返してスキズブラズニルに戻った。すぐさま入渠し、装備を整える。

電「えっと、大和さん・・・」

大和『なあに?』

電「何で次の超兵器戦に参加しようと思ったのですか?」

大和『だって、電ちゃん1人だけで出すなんて、見てられなかったもの。今まで一人にしてごめんなさい』

電「あ、あのっ・・・」テレテレ

 
次回 電「鋼鉄の咆哮・・・って何ですか?」【オリジナルストーリー】 後編