電「鋼鉄の咆哮・・・って何ですか?」【オリジナルストーリー】 前編

366: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/09(日) 01:28:10.62 ID:p0sFdTv70
ブラウン『超兵器レーザー戦艦ですか・・・厄介ですね』

大和『怪力線に似たようなものですか?』

ブラウン『高エネルギーの光を発射する兵器です。不発弾はなく、秒速30万kmという速さで敵を襲うので、電磁防壁なしでこれを防ぐことはできません』

電「アラハバキとヴリルオーディンに搭載されていたものなのです」

大和『やっぱり・・・熱いのかしら?』

電「すごく熱いのです・・・」

筑波『丸焼きになるのは嫌ですなぁ』

シュルツ『しかし、これを撃破しなければ欧州は解放されない。全力を以てこれを撃滅したい』

早川「シュルツ少佐の言うことはもっともだ。さっさと沈めてしまおうじゃないか」

電「テカテカ光るだけのノロマはとっとと海の底に叩き落としてやるのです」ジャキッ

大和『あ、あははは・・・』

筑波『ハハハハ!これは頼もしいですな!』

提督『本当にのんきねぇ』

引用元: 電「鋼鉄の咆哮・・・って何ですか?」【オリジナルストーリー】 



373: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/10(月) 00:06:49.52 ID:RzqRM1Mj0
スキズブラズニル 司令室

提督「思えば、とんでもない世界に巻き込まれたわよね・・・」

電「何もかもが新発見で溢れているのです!」

提督「超兵器に未来の技術、か・・・私たちの世界は全然技術が進んでないから」

電「私たち艦娘の中にもミサイルや核兵器の存在を知っている人はいますけど、レーザーを知ってる人はいなかったのです」

提督「そっか。電ちゃんたちの前世は大日本帝国の艦だったんだっけ」

電「そうなのです。沈められた時、みんなは『なぜ?』と誰かに問いかけながら、海に沈んでいったのです・・・」

提督「なぜ、か・・・」

電「その声がすごく辛くて、怖くて・・・気づいたら、鎮守府のドックにいたのです。横に手紙があって、新しい提督の秘書艦になれ、って大本営からの指令が書かれていたのです」

提督「そうだったんだ。今まで目の前の執務や戦闘で忙しかったから、みんなの過去とか全然知らなかったな・・・」

電「でも、今は楽しいのです。もちろん深海棲艦と戦わないといけないけど、海軍時代のギスギスした感じが全然なくて心地いいのです」

提督「早めにこっちの世界の・・・いえ、元の世界の戦争が終わって、みんなが平和に暮らせたらいいのに」

電「解体されて普通の生活に戻ったら・・・やっぱりみんなとは会えなくなるのですか?」

提督「全員に会うのは無理ね。学校みたいに同窓会でもすれば集まれるだろうけど、全員が集まるわけじゃないもの。って、話がだんだん逸れていったわね」

電「ちょっと心が軽くなったみたいなのです!」

提督「そう、ならよかった。レーザー戦艦なんかに負けないで!」

電「行ってくるのです!」

374: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/10(月) 00:28:07.92 ID:RzqRM1Mj0
電「やっぱり、雑な修理のされ方をしているのです」

早川「仕方ないだろう。我々には時間がない。今にもレーザー戦艦は北海に出ようとしているからな」

シュルツ「しかし、超兵器2隻を投入してのイギリス侵攻作戦ですか。どうやら、帝国は本格的に解放軍潰しを実行したいようですね」

提督「解放軍だけを狙うにしては、ちょっと規模が大きい気もするけど・・・」

早川「いや、これまでの電の超兵器戦を見ていると、そうでもないような気もする。本格的に帝国が狙っているのは、電潰しだろう」

電「はぅぅ・・・」

提督「ちょっと!うちの電をいじめないで!」

早川「イタズラじゃない。本当のことだ。列車砲の配置といい、アームドウィングの存在にも関わらず双胴戦艦が出張ってきたことといい、ヴィルベルヴィントとアルケオプテリクスといい・・・」

シュルツ「それに、UFO型超兵器が我々を無視して遣欧艦隊に向かったことも気になります」

早川「これで状況はわかったぞ・・・超兵器の同時運用で超兵器キラーの電を撃破し、そのまま周囲の国々に対し一気に侵攻する・・・というところか」

提督「いけすかない連中ね。電、奴らを絶対に撃破してきなさい!」

電「な、なのです」

早川「とにかく、作戦は今すぐ始める。少しでも迎撃が遅れれば、それだけ敵をイギリスに近づけることになるからな。各員、奮戦を期待する」

376: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/10(月) 01:16:51.37 ID:RzqRM1Mj0
レーザー戦艦を迎撃するため、電、大和、リジルは北海に出た。予想通り、レーザー戦艦はスカパフローを目指し進行中であった。

早川「赤城に搭載された彩雲から連絡があった。やはり狙いはスカパフローのようだ。揚陸艦ではないから、やはり敵の目的は基地機能の破壊か電の撃破だな」

電「やっぱり狙われるのです・・・」

ブラウン『強力な破壊力を持つ超兵器を持ち出してきたのです、やはり解放軍艦隊の駆逐でしょう』

大和『ちょっとすみません。レーザーの射程って、どれくらいあるんですか?』

ブラウン『そうですね・・・超兵器機関のエネルギーを使って発射されるとなると、それ相応の威力・射程になることは予想できます。アラハバキのレーザーは、あくまで格闘戦の掩護用でしたから、そこまで強くありませんでしたが』

大和『それじゃ、アウトレンジできますね!』

ブラウン『しかし、51cm艦砲とそこまで変わらない射程ですので、アウトレンジは難しいと思います。ここは接近して一気に叩くべきかと』

早川「そういうことだ。電磁防壁も最新版にしておいたし、そこまでダメージを受けることはあまりないと思うが・・・」

大和『わかりました。戦艦大和、推して参ります!』

電「イギリスを守るのです!」

早川「今日は妙に張りきってるな。よし、その調子で撃破してしまえ!」

電探の妖精さん「1時方向、距離約300kmよ」

早川「全艦、単縦陣にて突撃する!電は途中で離れ遊撃、大和とリジルは正面から砲撃戦を挑め!」

大和『了解しました!』

シュルツ『了解しました』

早川「何も恐れることはない。電は絶対に守ってやる」

377: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/10(月) 12:19:50.98 ID:RzqRM1Mj0
電「はりゃーっ!?」ピュイーン

電の船体に青いレーザーが撃ち込まれた。しかし、電磁防壁のお陰でダメージは少ない。

早川「ダメージコントロール!状況知らせ!」

ダメコンの妖精さん『船体外殻がちょっと溶けたのん!まだいけるのん!』

早川「よし、ならば!電、奴に急接近して魚雷を叩きこめ!」

電「なのです!」ガシャン

レーザー戦艦の脇腹に10本もの魚雷が撃ち込まれ、水中が大空に屹立する。

大和『第1、第2主砲、第1副砲、斉射、始め!』ゴォォ

シュルツ『主砲全門、射撃始め!目標、敵艦艦橋!』ゴォォ

空気中で威力が落ちるとはいえ、レーザーは強力な兵器だ。アウトレンジもできないため、命中力を上げるため戦艦も接近して砲撃を敢行する。

副長「敵艦炎上!すごいです!」

大和『そ、それで直撃のつもりなの?』ピュイーン

レーザー戦艦の拡散レーザーが大和の対空機銃座を襲った。被害はあまりないが、各所から火の手が上がっている。

早川「大和は後方に下がって砲撃を続けろ!」

大和『は、はい!』

早川「さすがは超兵器機関のレーザー、といったところか・・・速攻で倒さないとマズいな」

378: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/10(月) 12:54:04.99 ID:RzqRM1Mj0
シュルツ「ダメージコントロール!状況知らせ!」

ナギ「艦尾に着弾!ヘリポート使用不能!」

筑波「敵さんもなかなかやりおる」

ブラウン「電磁防壁である程度の攻撃は防げるとはいえ、超兵器のレーザーは強力ですね」

リジルの主砲がレーザー戦艦の艦橋に着弾した。大爆発を起こした艦橋は、跡形もなく吹き飛んだ。

ナギ「敵艦沈黙。停船しました」

シュルツ「敵艦乗員に降伏勧告を行え」

ナギ「敵艦、応答しました」ピピーッ、ピピーッ

敵艦乗員『こちら、バルト海方面巡察艦隊旗艦、グロースシュトラール・・・う、うわああアアアァァ!!』

グロースシュトラール「ギャアアアアァァァァアアァァアアァ!!!」

ナギ「な、何これっ・・・悲鳴!?」

グロースシュトラールと名乗るレーザー戦艦が紫の光に包まれ、『悲鳴』を発し始めた。レーザー発射機からは怪しげな赤い光が漏れ、禍々しい気を発している。

シュルツ「何が起きた!?」

早川『シュルツ少佐!あれは一体・・・』

ブラウン「艦内部でエネルギーが暴走している・・・?」

ナギ「超兵器再始動!電に向かっています!」

379: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/10(月) 13:06:13.01 ID:RzqRM1Mj0
電「ううううっ・・・」

大和『や、やだっ・・・怖い・・・』

副長「司令代行っ・・・」

早川「あれは一体・・・とにかく、奴を潰せ!」

グロースシュトラールは悲鳴を上げながら、あちこちにレーザーをばら撒いている。暴走前よりレーザーの色が変わっており、威力もかなり増している。

電「怖い・・・のです・・・」

早川(ダメだ・・・あれのせいで艦隊全体の士気が下がっている。どうすればいい?)

大和『きゃあっ!!』ドゴォォン

早川「どうした!?」

大和『こ、航行不能、です・・・レーザー戦艦から白い光が放たれて・・・』

早川「レーザーではないのか?」

大和『電磁防壁が働いてません・・・』

早川「一体、あの艦に何が起こっているんだ?誰か状況を説明してくれ・・・」

380: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/10(月) 23:56:49.49 ID:RzqRM1Mj0
グロースシュトラールの暴走は止まらず、電とリジルに攻撃を続けていた。リジルは前部の武装を完全に破壊され攻撃もままならず、電も至近弾を受けて速度が低下している。

早川「どうなっているんだ、あれは!」

電「はうぅ、恥ずかしいよぉ・・・」

副長「機関部に浸水!速度、14ノットまでしか出せません!」

ナギ『こちらリジル!浸水が激しく復原不可能、退艦命令が出されました!回収願います!』

早川「リジルが撃沈されたのか・・・くっ、残っているのは電だけか!」

大破した大和は敵の攻撃をまだ受け続けている。大破進軍しなければ轟沈しない、という艦娘の特性のお陰で何とか耐えてはいるものの、そう長くは持たないのは明白だった。

早川「もうダメだ・・・奴は強すぎる!」

電「そ、それじゃあ!イギリスのみんなはどうなるのですか!?」

早川「あんなに強力な兵器を持ち出してきたんだ、占領じゃ済まない。全て破壊されるだろうな。もちろん、電磁防壁もついていない艦がレーザーを受けたら、戦艦であろうと一撃で沈む。艦娘とは違って、我々の艦は・・・」

電「そんなっ、みんながやられるなんて、絶対に嫌なのです!」

早川「無理だ、奴には対抗できない・・・」

電「諦めないのです!」

ボロボロになった電の身体を、白い光が覆った。艦全体にも光は及び、禍々しいオーラを纏うグロースシュトラールと対峙する形になった。

早川「あの時と・・・同じ・・・」

381: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/11(火) 01:36:16.39 ID:th6qO4Or0
電「命中させちゃいます!」ズドーン

電が放った砲弾は、グロースシュトラールの舷側に命中し、大爆発を起こした。続いて魚雷が発射され、水柱を乱立させる。

早川「何て攻撃力だ・・・艦娘の隠された力なのか?」

電「魚雷装填です!」ガシャン

次々に魚雷が発射され、グロースシュトラールの船体に撃ち込まれる。電もレーザーの攻撃を受けて第1主砲にダメージを受けるが、そんなことは構わず魚雷を撃ち続ける。

電「電の本気を見るのです!」ガシャン!ガシャン!ガシャン!

カットインを発動させた電は、15本の魚雷をグロースシュトラールに叩き込む。しかし、耐久力が高いのは超兵器の最大の特徴、まだ船体は傾きもしない。

電「まだ、沈まないのですかっ・・・!」

早川「かなり堅牢な作りだな。やはり戦艦の砲撃で・・・」

グロースシュトラール「ギャアアァァアアァァアアァアァアァァ!!」ドカンドカン!ゴォォ!

副長「敵艦内で激しい爆発が発生!」

早川「弾薬庫の誘爆か?」

電「エネルギーの過負荷で自壊してるみたいなのです・・・」

早川「どのみち、ここにいたらマズいぞ!全力で離脱!浸水しても構わん!とにかく逃げろ!」

機関室の妖精さん「・・・やってみる」

383: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/11(火) 23:01:33.64 ID:th6qO4Or0
ドカン!ドカン!ゴォォォォォ!!!

副長「グロースシュトラール、爆発!衝撃波、来ます!」ゴォォ

電「ひゃあっ!?」

早川「いつつ・・・どうなった?」

副長「敵艦の影が消えてます・・・」

早川「あれだけの船体が、跡形もなく吹っ飛ぶとはな。恐ろしいエネルギー量だ」

電「怖いのです・・・」

早川「無理もない。迎えをよこすから、ゆっくりドックで休むといい」

電「で、でも!生存者は・・・」

早川「グロースシュトラールに生存者なんているはずがないだろう。助けるなら、リジルの乗組員だ。ブラウン博士に超兵器の解析をしてもらわないといけないしな」

電「それじゃ、早く行くのです!」

早川「そうだな。電、前進微速だ。浸水しないように気をつけろ」

電「なのです!」

電はゆっくりと前に進み始めた。中破した船体を強引に動かし、撃沈されたリジルの乗組員を回収しに行く。

384: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/11(火) 23:42:30.85 ID:th6qO4Or0
スキズブラズニル 司令室

シュルツ「博士、何かわかりましたか?」

ブラウン「いえ。最終的に全て消滅してしまったので、何も・・・」

早川「そうか。しかし、超兵器が暴走するとわかった以上、容易に手は出せなくなったな」

シュルツ「そうですね。しかし、超兵器はまだ運用され続けるでしょうね」

早川「面倒なことだな」

ブラウン「これは私見になってしまうのですが・・・」

シュルツ「お聞きしましょう。今は些細な情報でも貴重です」

ブラウン「では・・・超兵器は、今まで超兵器機関のエネルギー全てをフル活用して稼働していると考えていました」

ブラウン「しかし、仮に特殊な機関にカセをつけることで、無理やり現代兵器の枠に押し込んだものとすれば・・・」

早川「暴走したあの姿が、超兵器の真の姿ってことか?」

ブラウン「わかりません。しかし、機関が強力になればなるほど、その本来の力が出やすくなるのかもしれません」

シュルツ「ということは、敵が出し惜しみしている超兵器は、全てあの姿になる可能性がある、というわけですね」

早川「しかし・・・あの状態の艦で誰かが操艦しているとは思えないな。まさか、超兵器が勝手に動き出したのか?」

ブラウン「そのまさか・・・かもしれませんね。超兵器の意識が目覚めたのかもしれません」

早川「超兵器・・・一体、何なんだ?」

385: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/11(火) 23:59:09.97 ID:th6qO4Or0
ブラウン「少佐、少しよろしいでしょうか?」

シュルツ「何ですか?」

ブラウン「今まで遭遇した超兵器は、色々なバリエーションがありました。攻撃力や速力に特化したもの、空を飛行するもの、そして陸上を走るもの・・・」

ブラウン「しかし、これを個別に解析して今までの情報と照らし合わせてみた結果、面白いことが判明しました」

シュルツ「と、言いますと?」

ブラウン「設計段階では、共通する箇所が多いのです」

シュルツ「超兵器専門の設計者がいるのでしょうか?」

ブラウン「いえ、『何か』を参考に設計している節が見えます。様々な兵器に転用できる無限のポテンシャルを秘めた存在です。恐らく、超兵器機関も相当強力なもののはずです」

シュルツ「同一の何か・・・マスターシップ、といったところですか」

ブラウン「そうですね。このマスターシップについては謎も多いですが、解明してみる価値はあるかと」

シュルツ「やれやれ、これからも忙しくなりそうだ」

386: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 00:42:11.18 ID:k0GBq2qu0
暁「電、大丈夫だった?」

電「絶体絶命だったのです・・・」

赤城「そうだったみたいですね。でも、戻って来られたんですから、一安心しました」

提督「そうね。沈んじゃったら悲しいもの」

大和「でも、お役に立てませんでした・・・」

電「今回の敵はすごく強かったのです」

提督「強い敵に当たることだってあるわよ。でも、大和が一撃だなんて、相当強かったのね」

艦長「強いといっても、敵艦は暴走していたと聞いたが」

電「そうなのです。艦が悲鳴を上げていて、すごく辛そうだったのです・・・」

艦長「艦が悲鳴を?」

提督「超兵器にも艦娘がいるのかしら・・・」

雷「ええっ!?そ、それじゃ、私たち・・・」

提督「2隻くらい沈めちゃったわね」

電「電はもっと海の藻屑に変えてやったのです」

提督「えぇっと、ちょっと怖いからその言い方やめて・・・」

387: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 01:19:16.98 ID:k0GBq2qu0
ナギ「ヴァイセンベルガー大将、到着されました」

ヴァイセンベルガー「解放軍諸君。先の戦闘はご苦労だった」

シュルツ「大変恐縮であります」ビシッ

提督「・・・」

ヴァイセンベルガー「リジルは沈められたが、結果を見れば大したことはない。ちょうど面白い艦を持ってきたところでな、シュルツたちにはそれに乗ってもらうとしよう」

シュルツ「新型艦、ですか?」

ヴァイセンベルガー「航空戦艦『アルビオン』という、イギリスで建造されたオモチャだ。煮るなり焼くなり、好きにしたまえ」

シュルツ「ありがとうございます」

ヴァイセンベルガー「しかし、私がここに来た理由はそれだけではない」

シュルツ「と、言いますと?」

ヴァイセンベルガー「駆逐艦『電』の艦長・・・いや、艦娘はどこだ?」

電「えぁっと、電です。どうか、よろしくお願いいたします・・・」

ヴァイセンベルガー「フン、話に聞いた通りだな。もっと堂々としたまえ」

電「クソオヤジは黙っていろなのです」

ヴァイセンベルガー「解放軍の英雄はずいぶん挑戦的だな」

388: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 01:45:08.94 ID:k0GBq2qu0
ヴァイセンベルガー「まぁいい。今日は両舷上陸を許可する。来たまえ」

電「りょ、了解したのです」

ヴァイセンベルガー「他の転移艦隊も来るといい」

提督「では、お伴させて頂きます」


イギリス 某喫茶店

提督「ここは?」

ヴァイセンベルガー「私の行きつけの店だ。安心しろ、勘定は持ってやる」

赤城「いいんですかっ!?店員さん!ブリティッシュパンケーキ10皿とチーズケーキ5皿お願いしますっ!」

大和「赤城さん、このブリティッシュサンド、美味しそうです!」

愛宕「うふ、久しぶりに美味しい物が食べられますね、提督♪」

ヴァイセンベルガー「・・・ハハハハ!たらふく食うがいい!」

響(あ、大将が壊れた・・・)

提督「ごめんね愛宕、ちょっと待ってね。ところで、用件というのは?」

ヴァイセンベルガー「貴様らのことについてだ。色々聞かせてほしい」

提督「私たちのことねぇ・・・」

392: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 22:36:15.15 ID:k0GBq2qu0
ヴァイセンベルガー「艦娘が唯一、深海棲艦に対抗できる兵器、というわけか」

提督「お言葉ですが、兵器ではありません」

雷「そーよそーよ!」

提督「雷、ここは堪えて」

雷「はぁーい」プンスカ

ヴァイセンベルガー「兵器として機能すれば兵器だ。内容は関係ない」

提督(いけ好かないヤツ!)

提督「・・・今まで聞く機会がなかったので、この世界のことも聞かせてもらえませんか?」

ヴァイセンベルガー「いいだろう。聞いても意味は無いだろうがな」


ヴァイセンベルガー「ウィルシア帝国があるだろう。あれは、元々ウィルキア王国と名乗っていた。領土はカムチャツカ半島からナーウィシア領の朝鮮半島近くまである」

ヴァイセンベルガー「だが、国防軍の反国王派がクーデターを起こし、我々国王派の国防軍と近衛軍はヴィルク国王陛下を伴って欧州の同盟国、イギリスに逃げ込んだ、というわけだ」

提督「ということは、元はウィルキア王国が正統政府というわけですか」

ヴァイセンベルガー「そうだ。現在はイギリスに根を張る寄生虫でしかないがな」

393: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 22:58:51.30 ID:k0GBq2qu0
大和「ところで、ナーウィシアというのは?」

ヴァイセンベルガー「旧日本と旧中国、旧ソ連、そして旧東南アジア諸国で構成された連邦国家だ。ソ連の軍将校がクーデターで政権を握り、南下政策を推し進めてできたものだ」

大和「日本も侵略されたんですね・・・」

ヴァイセンベルガー「弱者は征服される。その結果だ」

提督「・・・状況は大体掴めました。ロゼも反国王派の国防軍将校だったわけですね」

ヴァイセンベルガー「まだ続きがある。聞きたまえ」

ヴァイセンベルガー「この数ヶ月、密偵に帝国の現状を報告させたところ、面白いことがわかった。政府幹部や首脳は全員が国外に亡命しているらしい。今の政府を誰が動かしているのか、その情報は一切掴めなかった」

提督「それって、政府が機能していない、ということですか?」

ヴァイセンベルガー「考えればわかることだ。無駄な質問は慎みたまえ」

提督「は、はい」

響「それじゃ、軍部が直接政治の主導権を握っているのかもね」

ヴァイセンベルガー「ウィルシア軍の最高位は大将だ。その大将が独断で艦隊や師団を動かしている。そんな中で政治が上手くいくはずがないだろう」

394: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 23:15:32.75 ID:k0GBq2qu0
提督「それじゃ、超兵器って一体何ですか?」

ヴァイセンベルガー「見た通り、巨大兵器群だ。正しくを超常兵器級という。連中が『確固たる力』と呼ぶ下らないデカブツだ」

提督「それ以外のことは、まだわかっていないのですか?」

ヴァイセンベルガー「私に聞くな。ブラウン博士が知ることが全てだ」

提督「そこまで深くわかっていない、ということですね」

雷「なーんだ。全然わかってないんじゃない」

ヴァイセンベルガー「言葉を慎め」

雷「ふーんだ!」

ヴァイセンベルガー「全く、子供を戦場に出すなど理解できん」

暁「こ、子供じゃないんだからっ!」

ヴァイセンベルガー「いずれにせよ、貴様らには最後まで協力してもらう。超兵器の撃沈実績があるのは貴様ら艦娘だけだからな」

提督「は、はい」

395: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/12(水) 23:45:05.76 ID:k0GBq2qu0
スキズブラズニル 電艦内

提督「あのオッサン!気に食わないわ!ロゼの方が可愛げがあったわよ!」

大和「提督、抑えてください。私もちょっと嫌いですけど・・・」

電「いつかフルボッコにしてやるのです」

赤城「イギリスの軽食は案外美味しいですね。気に入りました」

雷「ことばをつつしめー!」

暁「案外似てるわね。ことばをつつしめー!」

提督「まーいいわ。とにかく、超兵器を全部海の底に沈めてしまえば解決するわね!」

電「ですとろいなのです!」

響「そろそろ、みんなが疲れてきてるような気がする」

愛宕「まだまだ元気じゃない♪」

響「いつもポジティブの愛宕が少しうらやましいよ」

396: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/13(木) 00:32:12.29 ID:1GQIMsQr0
ガルトナー『諸君、欧州の帝国軍に新たな動きがあった。キール軍港に多数の帝国艦艇が集結しつつあるらしい』

提督「キール?」

ガルトナー『レーザー戦艦「グロースシュトラール」の母港だった場所です。欧州帝国軍の最重要拠点であり、ヴィルヘルムスハーフェンと並ぶ巨大な軍港です』

シュルツ「キールに集結しつつあるということは・・・」

ガルトナー『帝国の本格的な反攻作戦が開始される予兆と見て間違いない』

ブラウン「主力級の超兵器2隻を一度に失ったことで、むしろ正攻法に切り替えた、というところでしょうか」

早川「この戦力なら、よほど巨大な艦隊でない限りは大丈夫だろう」

提督「そうよね。こっちの大和はまだ修理中だけど、そっちの大和が出せるはずよね」

早川「ああ。それに、新型艦のアルビオンや震電もある。制空権は取らせんよ」

シュルツ「震電の開発に成功したのですか?」

早川「もう量産体制に入っている。それに鹵獲した橘花も解析して、新たなジェット機を開発しているところだ」

シュルツ「それは心強い」

提督「でも、そんな内陸に集まられてるなんて、ちょっと厄介ね。いっそのこと、空母艦隊を使ってヴィルヘルムスハーフェンを占領したらどうかしら?」

早川「それができればいいが、あそこにいるのは北海駐留艦隊だ。そう勝手を許してもらえるとは思えん」

提督「戦力が戦艦中心なら何とかなるんだけど」

397: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/13(木) 01:21:08.95 ID:1GQIMsQr0
シュルツ「しかし、現時点でヴィルヘルムスハーフェンを占領してもメリットはあまりないと思われますが・・・」

提督「メリットならあるわよ。ヴィルヘルムスハーフェンに空母艦隊を派遣して、そこからデンマークを超えて艦載機に攻撃させるのよ。占領はできないけど、かなりのダメージは与えられるわ。南側のほとんどは解放軍が抑えてるって聞くし」

提督「それなりの賭けになるけど、上手く行けば被害を最小限に抑えてキールを占領できるわ」

早川「なるほど、やってみる価値はあるな」

シュルツ「確かに、陸軍の長距離爆撃機『富嶽』を使えば何とかなります。一応、司令部に具申しておきましょう」

提督「ありがと。それと、できるなら航空戦艦と空母の船体を4隻くらい用意してくれ、とも言っといて」

シュルツ「航空戦艦ですか?」

提督「ええ。今の解放軍の資材なら、米帝プレイしても十分に戦線維持できるわ。出来る限り戦力は揃えておきたいし」

早川(さすが女性将官といったところか。決断力があるな)

提督「よしっ、これで戦力増強できるわね。正直言って、まだ足りないくらいだけど」

早川「まだ作るのか・・・」

提督「敵艦の数が多いなら、こっちも数で行くまでよ。絶対に超兵器を全部潰して、元の世界に帰るんだから!」

早川「・・・そういうことか」

399: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/13(木) 13:05:30.64 ID:1GQIMsQr0
>>398
元々、日本はナーウィシア領(解放軍側の国家)ってことになってる
アメリカで言う州みたいな扱い

400: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/13(木) 23:52:22.78 ID:1GQIMsQr0
電「航空戦艦、ですか?」

早川「ああ。4隻だけ生産することが決まった。耐久力には問題があるものの、ジェット機の高性能化も着実に進んでいる。そのうち我々前線部隊にも配備されるだろう」

電「ちょっと前に山城さんから聞いたのですが、航空戦艦の欠点って・・・」

早川「そうだ。砲撃中は艦載機を飛ばせない。万能性に優れるが、裏を返せば器用貧乏だ。空母も発注しているから、そっちの護衛に使われる程度だろう」

提督「ま、そんなところね」

電「提督、お帰りなさいなのです」

提督「航空戦艦に戦闘機を大量配備して、艦攻・艦爆中心の空母部隊の護衛をさせるのよ!それで撃ち漏らした敵艦を砲撃で仕留める、ってわけ。ミサイル艦より弾代は安上がりだし、いいと思うのよね!」

早川「弾代だけだと思うが・・・」

提督「別にいいのよ。ミサイルは弾数が少ない分、継戦能力が低いわ。でも、砲なら対空弾も使えるから汎用性高いし」

電「さすが提督なのです!」

提督「ふふん、伊達にアドミラルやってないわよ」

早川(何だろう、どこかで見たことあるような)

提督「さーて、もうそろそろ船体が届いた頃かしら。重雷装艦も用意しないとねー」

電「鎮守府にいた時の提督より肌がツヤツヤしているのです」

早川「艦の改造が楽しくて仕方ないんだろうなぁ・・・」

401: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/14(金) 00:59:36.66 ID:VI15an+00
雷「あっ、電。ちょっと来て」

電「どうしたのですか?」


雷「提督が新造艦に夢中になってるって本当?」

電「そうみたいなのです」

雷「えーっ、やっぱりそうだったんだ・・・」

電「ところで、それがどうかしたのですか?」

雷「まだわからない?提督が私たちを見てくれなくなるのよっ!このままじゃダメだわ!」

電「提督さんはお仕事を頑張っているだけだと思うのです・・・」

大和「そうよ。だから、なるべく邪魔しないでね」

雷「でもっ・・・わかったわよ。もう!」スタスタ

大和「最近、雷ちゃんの機嫌が悪いわね。提督が構ってあげていないからかしら」

電「そうみたいなのです。最近は作戦会議や書類整理で追われているみたいで・・・」

大和「うーん、どうしたものかしら」

愛宕「パンパカパーン!それなら、愛宕が解決しまーす♪」

電「愛宕さん?」

大和「・・・・・・・・(嫌な予感がする)」

402: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/14(金) 01:53:07.04 ID:VI15an+00
スキズブラズニル 換装室

提督「そうそう。46cm砲は3基よ。ミサイル発射機も忘れずに装備させなさい!」

愛宕「提督~。ちょっとよろしいですか?」

提督「あれ、愛宕じゃない。どうしたの?」

愛宕「今すぐ来てほしいところがあるんです♪」

提督「うーん、そうねぇ・・・わかったわ。ここは別の人に任せましょ」


スキズブラズニル 愛宕艦内

提督「・・・えっと、これは何?アイマスクつけられて椅子に座らされてるけど」

愛宕「決まってるじゃないですかー。装備当てゲームですよっ」

提督「装備当てゲーム・・・?」

愛宕「武装のレプリカを持ってきたので、それを触って何の装備か当ててくださいね♪」

提督「い、いいけど・・・」

愛宕「まずは、コレです」

提督「う、うん・・・えっと、細長い筒が二本と、ちょっと大きめの箱・・・20.3cm砲かしら?」

愛宕「うふ、正解♪」

愛宕(雷ちゃん、準備はいい?)

雷(いつでも大丈夫なんだから!)

406: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/14(金) 19:47:56.81 ID:VI15an+00
提督「えーっと、九九式艦爆ね!」

愛宕「せいかーい♪それじゃ、これはどうですか?」ヒョイヒョイ

雷(あっ、愛宕が手招きしてる。そろそろね!)テクテク

提督「うん?武装じゃないわね。何かの毛みたいだけど・・・」

愛宕「ハイ。それじゃ、何かお答えくださいっ!」

提督「こんなこと暁や響がするはずないし、赤城も違うわね。電は髪型でわかる・・・あっ、そもそも恥ずかしがってしないわね」

雷(消去法じゃん!何でわかってくれないのー!?)

提督「えーっと、ナギ少尉?陸戦隊の妖精さん?もしかして、ドーラ・ドルヒのおじいさんかしら?」

雷(もう全然関係ない人になってるー!?)

提督「あっ、わかった!ヴァイsじゃなかった雷ちゃん!」

雷「最後まで間違えないでよー!」

提督「ふふふふ、やっぱり雷ちゃんだったのね。途中から気づいてたかもしれなかったけど、ほとんどわざとなのよ?」

雷「もう、提督のいじわる!」

提督「はいはい。悪かったわよ。ところで、当てたんだから何か景品は無いのかしら?」

愛宕「景品は雷ちゃんのチョコですよっ。うふふ♪」

雷「はい、司令官。ハッピーバレンタイン!」

提督「あら、意表を衝かれたわね」

407: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/14(金) 20:18:26.87 ID:VI15an+00
シュルツ「それで、バレンタインチョコだった、というわけですか」

提督「ええ。私たちがいた世界じゃ、今日がバレンタインだったのよ」

シュルツ「ふふ、それはとんだ誤算でしたね」

提督「ま、おいしかったからよかったけど。あの子たちが本当に戦争をしていると思うと、やっぱり胸が痛むわねぇ・・・」

シュルツ「・・・そういえば、彼女たちは軍艦でしたね」

提督「前世じゃ、みんな辛い思いばかりしてきたんだし、せめて生まれ変わった後は楽しい思い出ばかりにしてあげたいわよ」

提督「だから、早くこの世界で戦争を終わらせて、元の世界に・・・」

シュルツ「提督?」

提督「何考えてたんだろ、私・・・元の世界には、私を待ってる子たちがいるのに、そのことを放り出して暫くこの世界にいたいって・・・そう思っちゃった」

シュルツ「お気持ち察します」

提督「そう・・・ありがと」

408: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/14(金) 21:47:14.67 ID:VI15an+00
ピピーッ、ピピーッ

ナギ「司令部から通信です」

シュルツ「つなげ」

ガルトナー『少佐か!キールから出撃した帝国の大艦隊がカテガット海峡を通過しようとしている!何としてでも進撃を阻止してくれ!』

シュルツ「了解しました。敵戦力の方はどうでしょうか」

ガルトナー『戦艦を含む6個艦隊だ。戦艦12、空母16、巡洋艦25、その他小型艦艇が多数だ。スカパフロー、ブリマスからも戦力を抽出してこれの迎撃に当たらせる。艦隊の到着まで何とか耐えきってくれ!』

筑波「とうとう帝国が動き出しましたな・・・」

ブラウン「狙いはおそらくイギリスの占領です。絶対に逃してはいけません!」

ナギ「スカパフロー基地から入電!大型艦の改装中につき、あまり戦力が抽出できない、とのことです!」

シュルツ「マズいな・・・ブリマスからはかなり時間がかかる。先に空母を倒しておくべきか」

ブラウン「戦艦の艦砲の対地攻撃能力は航空機以上です。戦艦を第2優先目標に設定しましょう」

シュルツ「これより、我が艦隊は敵艦隊の迎撃に当たる!総員、戦闘配置を維持せよ!」

410: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 00:26:57.48 ID:T8cEcWRr0
早川「よし、我々も出撃するぞ!」

電「なのです!」

電と深雪は大和や加賀などの解放軍艦艇に先行して出撃した。愛宕を旗艦とする提督の艦隊も同時に出撃し、電と並ぶ。

提督『敵はかなり多いわ!なるべく、無茶はしないでね!』

電「わかったのです。提督も頑張るのです」

暁『暁がいるんだから、絶対に負けないわよっ!』

赤城『制空戦闘はお任せください!』

響『響、出るよ』

早川「今回はかなり厳しい戦いになりそうだが、問題は無いだろう。HLG61を使って改伊勢型とキティホーク級を大量生産したからな。航空戦艦の練度にやや難点があるが・・・」

電「全然訓練できなかったからなのですか・・・」

早川「そうだ。シュルツたちの乗るアルビオン級より強化しているつもりだが、航空戦艦という艦種自体が特殊だからな」

副長「あ、その航空戦艦たちが出てきましたよ。震電を発艦させてます」

電「キティホーク・・・響ちゃんがちょっとだけ話をしていたのです。第2次大戦後の空母って言ってたのです」

早川「こっちでは最新鋭の空母だ。大鳳型とは一線を画す。後は艦載機さえ更新していけば、更に強力な戦力として使えるはずだ」

413: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 22:58:32.63 ID:T8cEcWRr0
既に航空戦は始まっていた。味方の震電が敵のヘルキャットを叩き落とし、その横を通過したF-8が加賀に爆弾を投下する。

電「もう戦いが始まってるのです・・・」

早川「対空射撃で敵を追い払いつつ、敵艦隊の懐に突っ込む。総員、至近弾に備えよ!」

電「できれば、あの艦隊の人たちも助けたいのです・・・」

早川「やらなければやられる。まずは敵を無力化することを考えるんだ」

電「・・・なのです」


電のミサイル発射機から対空ミサイルが発射され、急降下爆撃を仕掛けてくるF-8を撃墜した。それを皮きりに、別のF-8も電に爆弾を投下してくる」

副長「1000lb爆弾6発、来ます!」

早川「CIWS起動!回避行動を取れ!」

電「命中させちゃいます!」ガガガガ

副長「爆弾3発迎撃!残り3つ、海に落下しました!」

早川「的外れだ。新人の腕だな・・・電、さっさと母艦を潰すぞ。第4戦速!」

415: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 23:21:02.87 ID:T8cEcWRr0
提督「敵もかなり本腰を入れてるみたいね。アドミラル・クズネツォフ級、グラーフ・ツェッペリン級、それに・・・あれは何かしら?」

響『凄い・・・エンタープライズ級空母だよ。生で見たのは初めてだ』

赤城『あんなに大きな子は知りませんね。どなたですか?』

響『噂でしか聞いたことないけど、原子力で動く空母のことだよ。原爆と同じように、核分裂が起こすエネルギーを使って発電するんだ』

雷『要するに、お腹に大きな爆弾を抱えてるのね?それじゃ、自爆させたらオシマイじゃない!行くわよー!』

響『あっ、原子炉は爆発しないから・・・行っちゃった』

提督「もう、しょうがない子ね。他の艦は戦列を乱さないで!雷、あなたは空母を中心に叩いて!」

雷『そうそう、もーっと雷に頼っていいのよ!』

雷は戦列を離れて電の方に向かい、提督たちの艦隊は航空戦が行われている海域を少し離れ、敵の戦艦隊に向かって進撃を続ける。

愛宕「提督。お茶でもいかかですか?」

提督「今はいいわ。帰る時にちょうだい」

赤城『提督!彩雲が敵の戦艦隊を発見しました!』

提督「ほら、敵はすぐに見つかるものよ・・・総員、戦闘配置!赤城は暁と一緒に戦列を離れて!その他の艦は、一斉に敵戦艦への攻撃を敢行する!」

暁『もう!暁だって戦えるんだからっ!』

提督「だから赤城の護衛を暁一人に任せるのよ。ほら、行ってらっしゃい!一人前のレディでしょ!」

暁『うっ・・・そ、そうなんだからっ!』

416: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 23:54:39.42 ID:T8cEcWRr0
雷『電っ!一緒に行きましょ!』

電「わかったのです」

早川「頼もしい援軍が来てくれたようだな。よし、エンタープライズ級は鹵獲する方針で行く!砲撃で艦橋と艦尾を潰せ!」

雷『えーっ、また沈めないのー?』

早川「原子炉搭載艦は開発中でな、できるなら技術研究の資料として鹵獲したい。艦載機はベアキャットやヘルダイバーなどの旧式機が多いが、それも仕方ない」

電「それなら被害者もあまりいなくて安心なのです!」

早川「そうと決まれば突撃だ。後方の空母艦隊に連絡!なるべくエンタープライズは攻撃するなと伝えておけ!」

副長「了解しましたっ!」

早川「よし・・・攻撃開始!絶対に逃がすな!」

早川の指示で雷と電が二手に分かれる。雷はグラーフ・ツェッペリンとアドミラル・クズネツォフ、電は更に奥に展開するサン・パウロ級とエンタープライズ級を狙う。

雷『ふふーん。今度こそ提督にいいところ見せるんだから!』ガシャン

護衛のカウンティ級ミサイル駆逐艦を砲撃でダメージを与え、雷はその横を通り抜ける。すると、砲撃してダメージを受けたカウンティ級が反撃の魚雷を発射してきた。

雷『いったーい!もう許さないんだから!』

雷は船腹に雷撃を受け、速度が大幅に低下した。更に前方から別のカウンティ級が現れ、前部主砲に速射砲の攻撃を食らう。

電「だ、大丈夫なのですか!?」

雷『何よもー!雷は大丈夫なんだからっ!』

417: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/16(日) 01:16:21.79 ID:i5olY0680
電「魚雷装填です!」ガシャン

電はサン・パウロ級にありったけの魚雷を叩き込む。次々に雷撃を受けたサン・パウロ級の船体が大きく傾き、艦載機の誘爆を起こして沈んでいった。

早川「さすがは68cm酸素魚雷、といったところか・・・よし、次はエンタープライズだ。艦橋と推進機を潰せ。慎重にな」

電「なのです!」ズドーン

電はエンタープライズ級の艦尾付近に接近し、主砲を撃ち込む。何発か撃ったところで敵艦の速度が弱まり、10ノットを切った。

早川「よし、推進機を潰したか・・・」ガァァン!

電「はりゃーっ!?」

副長「ひゃあっ!ミサイル発射機付近に被弾!火災発生!」

早川「直ちに消火せよ!電、行けるか!?」

電「ちょっと痛いけど・・・大丈夫なのです!」

早川「行けるな。エンタープライズ級の艦橋を破壊後、自沈阻止のため横付けする。陸戦部隊は白兵戦準備だ!急げ!」

陸戦隊の妖精さん『おうよ!いつでも行けるぜ!』

419: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/16(日) 23:23:54.47 ID:i5olY0680
電「命中させちゃいます!」ズドーン

電が放った砲弾がエンタープライズ級の艦橋に直撃した。しかし、破壊するには至らず、火災が発生しただけだった。

早川「意外と硬いな。やはり夜戦でないと火力を発揮できんか」

電はさらに前進し、後部主砲でエンタープライズ級の艦橋を狙い撃ちする。

早川「完全に破壊するまで・・・ッ!?」ガガガガ

電「ひゃあ!」

副長「エンタープライズ級からCIWSの発砲を確認!魚雷発射管1基使用不能!」

早川「応急修理急げ!主砲、CIWSも狙え!」

電「主砲装填です!」ズドーン

火を噴き続けるCIWSに対し、主砲を発射する。艦橋の根元付近に設置されたそれは、焼かれた艦橋と共に崩れ落ちた。

早川「横付けしろ!陸戦隊、エレベーターから侵入し、敵艦を乗っ取れ!」

陸戦隊の妖精さん『行くぜ野郎共ォ!ぶっ潰してきな!』

陸戦隊の妖精さんの部下『ウオオオォォォォ!!』

副長「汗臭い妖精さんですね・・・」

421: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/17(月) 00:08:36.53 ID:NgO2+rG10
陸戦隊の移送が完了したところで、電はエンタープライズ級から離れる。敵の航空機の数も少なくなってきており、比較的大きなダメージを受けることなく空母艦隊の処理に当たることができた。

早川「航空戦艦を多数配備したことが吉と出たか。さて、我々は戦艦隊の援護に向かうとしよう」

電「えっと、生存者の救助はどうするのですか?」

早川「提督の艦隊が救助に当たる。雷だけは我々と行動を共にするようだが」

雷『戦艦も仕留めちゃうんだから!』

早川「頼もしいな。では、行こうか」

ピピーッ、ピピーッ

副長「あ、通信です。えっと、『味方艦隊壊滅セリ。生存艦、加賀及ビ長門、アルビオン』

電「味方艦隊がやられちゃったのですか・・・?」

早川「そんな馬鹿な!航空戦艦も残らず撃破されたのか!?」

電探の妖精さん「・・・当然といったら、当然よね。航空戦艦の弱点は攻撃力が低いこと。それに加え、艦載機の発着時は一切の砲撃を禁じられることよ」

早川「そこを狙われたのか・・・電探妖精、敵艦の数はわかるか」

電探の妖精さん「モンタナ級戦艦5隻、ローマ級戦艦4隻、それに・・・う、嘘でしょ!?」

早川「どうした!?」

電探の妖精さん「フリードリヒ・デア・グロッセ級戦艦よ・・・ビスマルク級の発展型で、50.8cm砲を搭載した巨大戦艦よ。航空戦艦があんなのに勝てるはずないじゃない・・・」


※フリードリヒ・デア・グロッセ級・・・現実における『H44級戦艦』。1番艦の艦名がこれだったと言われる

423: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/17(月) 00:42:42.50 ID:NgO2+rG10
電探の妖精さん「フリードリヒ・デア・グロッセ級を旗艦に単縦陣を形成してるわ。46cm砲装備のモンタナ級も脅威だけど、50.8cm砲を持つグロッセ級が一番の強敵ね」

早川「わかった。では、早急に奴を倒さなければならんな」

電「やっぱり、魚雷をありったけ撃つのですか?」

早川「いや、ここはアウトレンジ戦法で行く。ミサイル発射用意!目標、グロッセ級戦艦!」

電「ミサイルは人的損害が大きいので、あまり使いたくないのです・・・」

早川「そうか・・・だが、こっちの被害もかなり大きい。使わんわけにはいかないだろう」

電「・・・なのです」

早川「新開発の巡航ミサイルを食わせてやる!トマホーク、発射用意!」

電「ミサイル装填です!」シュウゥゥ

電のミサイル発射機から、通常の対艦ミサイルより大きなミサイルが発射された。それはトマホークと呼ばれる巡航ミサイルだった。

早川「まだ試験中のミサイルだが・・・どうか、命中してくれ」

電探の妖精さん「弾着、今!」

424: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/17(月) 00:58:38.04 ID:NgO2+rG10
早川「どうだ!?」

電探の妖精さん「艦速、落ちてないわ。多分、迎撃されたわね」

電「敵も対空ミサイルを持っているのですか?」

電探の妖精さん「そうだったら、こっちのモニターに敵の対空ミサイルが表示されるわ。多分、CIWSね」

副長「強いと思ったのに、ちょっと残念ですね」

早川「仕方あるまい・・・ミサイルを発射しつつ敵艦に雷撃を敢行する。雷、ついて来い」

雷『わかったわ、司令官!』

電と雷は対艦ミサイルを発射しつつ敵艦隊に接近する。その中で電のトマホークがモンタナ級の1隻に着弾して大爆発を起こし、撃沈された。

雷『トマホークってすっごいわね!後で私にも搭載してよ!』

早川「わかった。試作の装甲ボックスランチャーが2基残っていたから、それに搭載しよう。GMLSを削ることになるが・・・」

雷『それで提督の役に立てるなら、もちろんいいわよ!』

早川「よし、帰ってからのお楽しみだ。雷、モンタナ級1隻を潰したら、反転して生存者の救出に当たれ。その際、暁と響に攻撃に当たらせるよう頼んでおいてくれ」

雷『この雷に任せておいて!』

425: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/18(火) 00:56:55.59 ID:Jr/TpY850
電「はりゃーっ!?」

早川「ダメージコントロール!状況知らせ!」

機関室の妖精さん『・・・機関室で火災発生。全力で消火する』

ダメコンの妖精さん『3番魚雷発射管から後ろの甲板構造物が完全に吹き飛んだのん!』

副長「もうダメですっ!速力、10ノット以上は出ません!」

早川「駆逐艦でこの程度の被害はむしろ幸運だが、かなり危険な状態だな。さすがは50.8cm砲だ・・・」

電はグロッセ級の主砲弾の1発をもろに食らい、大破してしまった。逃げることすらままならず、危険な状態にある。

電「はうぅ、もう動けないのです・・・」

早川「ここで倒れたらダメだ!元の世界に帰るんだろう!諦めるな!」

雷『ダメよ電っ!絶対に沈んだからダメなんだからね!』

電「で、でもっ、どうすればいいのですか・・・?」

早川「何か手はあるはずだ。何としてでも、奴の射程範囲外に逃げなければならない」

赤城『それなら、艦載機隊で撤退を援護します!』

電「赤城さん・・・」

雷『私もいるんだから、頼っていいのよ!』

早川「しかし、曳航しようにも、今からその作業をするのは危険だ。どうすればいいものか・・・」

426: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/18(火) 01:12:15.88 ID:Jr/TpY850
提督『それなら、敵艦を撃破するだけの話よ!愛宕、モンタナ級に主砲発射!』

愛宕『主砲、撃てーぃ!』ズドーン

愛宕が発射した主砲の1発が、最後尾のモンタナ級に着弾した。モンタナ級のレーダー設備の一部が吹き飛び、レーダー射撃を封じる。

早川「要救助者はどうした!?」

提督『元々、あたしたちに突撃させるつもりだったんでしょ?全部赤城に任せてあるから、大丈夫よ』

早川「肝の据わった提督だな」

電「とっても優しくてかっこいいのです」

暁『攻撃するからね!』ガシャン

響『ウラーッ!』ガシャン

暁と響が突撃し、ローマ級戦艦2隻を次々に撃破していく。しかし、モンタナ級の両用砲が暁の後部煙突に着弾し、爆発を起こした。

暁『もう許さない・・・許さないんだからっ!』

提督『暁は一旦下がって!響、もう1隻頼むわよ!』

響『任せて』ガシャン

響の雷撃が更にもう1隻のローマ級に命中し、船体を傾かせる。急激な傾斜のためローマ級は主砲を使用できず、砲塔は砲身を海面に向けて沈黙した。

響『やっぱり戦艦は硬いね』

429: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/02(日) 23:11:43.78 ID:QBWcSITt0
電「やっと鯖が復活したのです!」

早川「ふぅ、一安心だな」

副長「ほらほら、メタ発言は控えてくださいねっ」

早川「前科者に言われたくはない」

副長「はぁーい」

電は8ノットの微速で進みながら戦艦隊から離れていく。しかし、戦艦はそれを許さない。

副長「司令代行!敵艦がこちらに向きました!単縦陣から単横陣に切り替えたようです!」

早川「何だと!主砲、発射できるか!?」

水雷長の妖精さん「撃ったら衝撃で沈むけどいいかー?」

早川「ダメだ」

水雷長「即答だなー」

電「うぅ、怖いのです・・・」

431: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/02(日) 23:26:52.18 ID:QBWcSITt0
提督「マズいわね。奴らは電ちゃんを何としてでも沈めたいみたいよ」

愛宕「そんなの、愛宕が許しませーん!」ズドーン

愛宕が電に一番近いモンタナ級に砲撃をするが、重巡の砲弾数発程度では戦艦の装甲は貫けない。

雷『戦艦なんかには負けないんだから!』ガシャン

雷も負けじと同じモンタナ級に最後の魚雷を撃ち込むが、艦を傾け、主砲を封じることしかできなかった。

雷『あーっ!もうちょっとだったのに!』

提督「主砲が使えないなら十分よ。魚雷を使い果たしたんだったら、もう退避して!」

雷『わかったわ提督!役に立ったでしょ?』

提督「うん。すごいわ雷!」

雷『ふふん!この雷様にお任せよ!』

提督「これまでに無力化した戦艦は4隻ね。グロッセ級も残ってるし、曳航準備をするには危険かもしれないわね」

愛宕「そうですねぇ。どうしましょ?」

提督「仕方ないわね。愛宕、グロッセ急に魚雷を撃ちに行くわよ!」

愛宕「りょーかい♪」

提督「目にモノ見せてやるわ!最大戦速!」

432: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/02(日) 23:38:59.02 ID:QBWcSITt0
提督『あ、グロッセ級の『級』が『急』になってたわね』

早川「お前までメタ発言するか」

提督「仕方ないじゃない。ここでお詫びします。ごめんなさい」ペコリ

電「提督も大変なのです・・・」

提督『ま、まぁいいじゃない。それより・・・きゃああっ!?』

早川「どうしたっ!?」

副長「愛宕、艦橋基部に被弾!」

電「提督さん!大丈夫なのですか!?」

提督『航行に支障なし!まだ行けるわよ!』

71ノットもの速度を発揮した愛宕はグロッセ級の数百メートル先まで接近し、片舷発射管の魚雷10発を全て発射した。帝国海軍の魚雷より更に強力な魚雷を連続で受け、グロッセ級の船体には深刻なダメージが刻まれた。

電探の妖精さん「グロッセ級の速度が落ちたわ!多分、機関室に浸水したみたいね!」

早川「これで旗艦は抑えたか・・・しかし、他の戦艦は健在だ」

赤城『それなら私が何とかします!第1次攻撃隊、補給終了後は全機発艦してください!』

赤城の怒号が電のCICに響き渡る。赤城の救助活動と攻撃隊の補給が終わったらしく、今から攻撃隊を発艦させるようだ。

早川「よし、出来る限り敵の武装を狙ってくれ!全艦が生き残ればそれでいい!」

433: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/02(日) 23:53:01.32 ID:QBWcSITt0
艦娘たちが持つ魚雷とミサイルは全て撃ち尽くし、敵に反撃することさえままならなくなっていた。生き残った敵戦艦は刻々と電に接近し、主砲を向けている。

赤城の艦載機隊も攻撃を加えるが、CIWSや対空榴弾の餌食になって思うようにダメージを与えられない。

早川「やはり戦艦には戦艦か・・・くそっ、どうすればいい!?」

副長「敵艦、主砲発射!本艦を狙っています!」

早川「どうしたものか・・・」

シュルツ『主砲、撃ち方始め!目標、モンタナ級戦艦!』

早川「!?」

突然、通信機からシュルツの声が響く。すると、CICのモニターから敵戦艦の表示が1つ消えた。

電探の妖精さん「敵艦1隻撃沈!前方から残った戦艦が援護に来てるわ!」

シュルツ乗艦のアルビオンや日本戦艦の加賀、長門が敵艦隊の後ろから襲いかかってきたのだ。

筑波『やれやれ、敵さんが間抜けで助かりましたな』

ナギ『ふー、今回はダメかと思っちゃいましたよ』

シュルツ『まだ作戦行動中だ。気を抜くな。主砲、次弾装填!出来る限り敵を破壊せよ!』

加賀が発射した41cm砲弾がモンタナ級の艦橋にダメージを与え、レーダーを破壊する。長門は敵からの反撃を食らい、1番主砲が破壊された。

シュルツ『くッ、長門は後方に退避せよ!加賀、モンタナ級を何としてでも撃破せよ!』

早川「さすがエリートだな。的確な指揮を下している」

提督『・・・そうね』

434: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/03(月) 01:43:49.55 ID:aOXYEcub0
戦闘は一通り終了し、艦隊は帰投した。しかし、艦隊の被害はかなり大きく、航空戦艦の4隻が全て撃沈された。

早川「防衛には成功したが・・・これは酷いな」

早川は電や後ろに続く艦隊の様子を見て言った。電は大破し、暁と長門は中破、愛宕とアルビオンは小破している。

しかし、戦利品も手に入れた。電の陸戦隊が制圧したエンタープライズ級原子力空母を鹵獲し、今は赤城と愛宕が曳航している。

電「味方にもいっぱい損害が出たのです・・・」

早川「司令部に何て言えばいいんだ・・・くそっ」

提督「・・・ごめんなさい」

早川「何でお前が謝る?」

提督「私が航空戦艦を大量生産するって指示を出したから・・・よね。空母と戦艦に分けて出してもらえば、どっちも思う存分戦えたかもしれない」

電「提督さん・・・そんなことはないのです。提督さんは本当に頑張ってくれていたのです」

提督「それでも、これは私の責任よ。だから、ちょっと自己謹慎するわ。ガルトナー司令に言っておいて」

電「提督さん・・・司令官さん、提督さんを元気づけてほしいのです!」

早川「・・・これも彼女が選んだ道だ。私に口を挟む義理は無い」

電「・・・司令官さんは冷たいのです」

435: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/03(月) 22:11:48.59 ID:aOXYEcub0
ブラウン「大型艦用の原子炉を手に入れたのはラッキーです。これを搭載すれば、排煙設備を取り払った艦の設計が可能です」

早川「鹵獲できたのは僥倖だったな」

ブラウン「そうですね。しかし、まだ性能は低いので大量に搭載しないと速度が確保できないでしょう」

早川「解析と改良は技術班に任せてある。そこは何とかできるだろう。それより、エンタープライズには『例のアレ』が搭載されていたとか」

ブラウン「ええ。黒海で使用された、強力な爆弾です。原子炉の燃料棒、つまり高濃度のウランを使用した、恐るべき兵器です。エンタープライズには、これが空対地ミサイルとして十発搭載されていました」

早川「ウラニウム爆弾か・・・威力だけでなく、放射能も心配だな。ということは、ボスポラス付近は・・・」

ブラウン「調査に入った解放軍兵士の何人かが放射能に汚染されていました。海上でしたので、放射能の拡散が懸念されます」

早川「思ったより面倒なことになってきたな。ウラニウム爆弾、超兵器、謎の異世界へのゲートか・・・」

ブラウン「ウラニウム爆弾は、それこそ都市一つを壊滅させるほどの威力があります。絶対に使わせてはなりません!」

早川「わかっている。何としてでも、帝国を止めなくてはならないな・・・」

436: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/03(月) 22:35:01.13 ID:aOXYEcub0
電「ウラニウム爆弾・・・ですか?」

早川「そうだ。威力は通常の爆弾とは比較にならない。それに、放射能汚染のせいで二次的な被害も出ている」

提督「そんなチート兵器があるだなんて・・・」

響「・・・」

暁「響、どうしたの?」

響「原子爆弾・・・そんなのが、この世界にも生まれてるなんて」

早川「知ってるのか?」

響「ほら、長門がたまに言ってる、『あの光』のことだよ。長門は記憶があいまいみたいだけど。それに、私は聞いたことしか知らないよ」

赤城「では、どういった兵器なのですか?」

響「終戦直前の広島と長崎に落とされた爆弾のことで、合計19万・・・いや、34万人が亡くなった。それも、たった2つの爆弾で。どれも市街地を目標にしていたんだ」

電「2発で、そんなに多くの人が死んじゃった、のですか・・・?」

響「そうだよ。その後もアメリカやソ連なんかは原爆の開発を続けていて、核実験の標的艦に選ばれたのが長門と酒匂だったんだ」

早川「別世界では、既に兵器として使われていたのか。それも、市民を目標に・・・」

437: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/03(月) 23:14:46.23 ID:aOXYEcub0
大和「皆さん、お揃いでどうされたんですか?」

提督「帝国の新兵器に関してのことよ。ボスポラスで使われた大量破壊兵器が鹵獲したエンタープライズに搭載されていたから、それのことについて、ちょっと」

大和「原爆、ですか」

響「知ってたんだね」

大和「ある架空戦記で搭載されたことがあるから。でも、本当に開発されてるなら厄介かもしれないわね」

愛宕「そんなに危ないなら、捨てちゃえばいいじゃないですかー♪」

提督「そうも行かないのよねぇ。何せ、放射能の問題があるし」

早川「そうだ。それに、帝国もウラニウム爆弾を所持していることから、抑止力として我々も持っておかなければならない。使えば帝国にも撃ち込むぞ、と脅しをかけるんだ」

響「それじゃ、まるで冷戦だよ。核戦争が起こりかねない」

早川「それじゃ、どうすればいいんだ!」

響「それは・・・」

提督「潰せばいいのよ。ウラニウム爆弾もろとも、帝国を」

大和「そ、そうです!帝国を倒して、原爆の製造方法を永遠に封印するんです!」

赤城「それには賛成します!」

電「やっぱり、戦わないといけないのです・・・」

441: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/04(火) 17:38:08.94 ID:O7VQegP50
提督「・・・申し訳ない」

ガルトナー『航空戦艦の戦闘データをとってくれたことには感謝するが、この戦果はいただけませんな』

提督「その責を取り、半年の自粛を自分に課したわ。本当にごめんなさい」

ガルトナー『了解しました。ところで、例の原子力艦はどうなっていますか?』

提督「現在、解析が進んでるわ。けど、原子力艦はわざわざ艦を切断して原子炉の整備をしないといけないから、苦戦してるわ」

ガルトナー『そうですか。ボスポラスの爆弾も同じ原理を使用した兵器と聞きましたが・・・』

提督「こっちの世界にもあったわ。原子爆弾と呼ばれた大量破壊兵器で、使うことは望ましくないわね」

ガルトナー『製造技術、実物共に帝国の手にある、というわけですね』

提督「そういうこと。新型戦闘機さえ作れれば、空対地ミサイルは防げるわ。新型戦闘機の開発が急がれる状況なのは間違いないわね」

ガルトナー『その件なら既に進んでいます。第3世代戦闘機として、ファントム2を開発中です。もうすぐ、そちらに納入できるかと』

提督「期待してるわ。それじゃ、また後で」

大和の通信機器の電源が落とされると、提督はその場を後にした。その様子を、大和が静かに見守っていた。

大和「提督、本当によろしいんですか?」

提督「今までもそうしてきたように、私は自分に罰を下したのよ。これから、この艦隊は艦長さんが指揮するからよろしく」

大和「はい・・・」

442: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/04(火) 18:16:56.21 ID:O7VQegP50
スキズブラズニルでは、エンタープライズ級の原子炉を解析して、新たな原子炉を搭載した航空母艦と戦艦が建造されていた。航空戦艦喪失の穴埋めに過ぎないが、無いよりはマシだ。

空母のコードネームは『ニミッツ』、戦艦は『紀伊』と呼ばれている。空母はエンタープライズの拡大改良型、紀伊型も同じく大和型の改良型だ。

艦長「しかし、両方ともスペックがモンスターレベルですね」

副長「まさにロマンの塊ですっ!」

赤城「一航戦の誇り、こんなところで失うわけには・・・」ガクガク

響「ニミッツ級か。噂には聞いてたけど、やっぱり凄いね」

HLGで粗方完成していた二隻が、水上ドックで艤装作業を終えようとしている。ニミッツの艦載機はまだ届いていないが、紀伊の主砲は大和に搭載されている51cm砲を流用した。

ブラウン「後は量産することができれば、帝国の大艦隊にも対抗できることでしょう」

提督「キールはどうするの?」

ブラウン「キールの守りは依然として強固ですが、以前ほどの強さは無いと想定されます。カテガット海峡を通過できればいいのですが、ヴィルヘルムスハーフェンとアイスランドの北海主力艦隊のせいで、今後は防衛に手いっぱいでしょう」

提督「どうにかして倒せないの?」

ブラウン「それには数が必要です。しかし、空母の船体は残り四隻分しかない上、戦艦に至っては二隻です。補助艦艇の増産も視野に入れるべきでしょう」

提督「じゃ、艦隊防空用のミサイル駆逐艦を入れるべきね。私の艦隊も装備を最新式に改める必要がありそうだし」

響「それじゃ、魚雷とか取り外すことになるの?」

提督「その可能性もあるわね。艦隊に突っ込んで魚雷を撃つより、遠距離でミサイルを撃つ方が遥かに安全だし」

響「そっか」

443: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/04(火) 22:36:24.89 ID:O7VQegP50
ロゼ「艦長、アルウスの進路を南極海に向けて」

アルウス艦長「了解しました。しかし、そこに何をしに行くのでしょうか?」

ロゼ「あたしが最後に確認した時、ヴォルケンクラッツァーは三十パーセントできていたわ。だとすると、今はもう艤装中と見て間違いないわ。それを叩きに行くの」

帝国兵士A「そんなところにヴォルケンクラッツァーのドックが・・・」

ロゼ「そう。ちなみに、リヴァイアサンはグリーンランドで建造中よ。かなり見つかりにくい場所だから選んだのね」

アルウス艦長「では、早々に撃滅しないと世界が危ないですね」

ロゼ「そういうこと。ヴォルケンクラッツァーは艤装中だから攻撃できないから、叩くのはこれが最後のチャンスってわけ」

アルウス艦長「しかし、超兵器といってもアルウスは空母、攻撃力では劣るのでは? 彼紺艦隊を誘導して攻撃させるのはどうですか?」

ロゼ「無理よ。連中は欧州の防衛で手いっぱいだから、南極に攻撃を仕掛けに来るなんて自殺行為。お馬鹿さんでもわかることよ」

アルウス艦長「・・・」

帝国兵士B「大将!解放軍艦艇の通信を傍受!ナーウィシア領日本が陥落した模様です!」

ロゼ「残りの超兵器を出してきたわね・・・この様子だと、本格的に作戦が動き出すのも時間の問題かもしれないわ」

アルウス艦長「ならば、早めにご決断を!」

ロゼ「これより、アルウス始め告死天使はヴォルケンクラッツァー撃滅に向かう!総員、戦闘配置!」

447: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/05(水) 20:55:17.22 ID:WWUo6VZS0
早川「・・・何ですって!?」

司令『ごめん、日本が占領されちゃった。急に超兵器が襲ってきて、旋風が撃沈されちゃったんだ』

早川「今どこです?」

司令『那珂に司令部を移して、インドネシアのバタヴィアにいるんだ。天城大佐の艦隊と合流して、超兵器を迎え撃つつもりさ』

早川「天城か・・・しっかりやってくれるだろうか。ところで、超兵器というのは?」

司令『蝶のような機体に、四つのブースターをつけた腕みたいなものがある飛行機だよ。変則的な機動をして、極太のレーザーを撃ってくるんだ。僕たちは「鵺」って呼んでるよ』

ブラウン「レーザーですか、厄介ですね。まるでグロースシュトラールの航空機版です」

早川「確かに、空の上からレーザーを撃たれてはたまらんな。対策法はあるのだろうか?」

司令『ミサイルを使えば何とかなると思ったんだけど、さすがに硬すぎてどうにもならなかったんだ。多分、艦砲射撃で一気に砲弾を叩きこむしかないと思う』

早川「しかし、その艦砲射撃は回避される。弱点を強みでカバーしているのか」

ブラウン「敵の超兵器も段々強力になっていきますね。そんなものが暴走したら、一体どれほどの被害が両軍に出るのか、予想もつきません」

早川「それを何としてでも回避しなくてはならない。司令、我々が迎撃に向かいます」

司令『ううん、大丈夫。それより、君たちは欧州の奪還に尽力してほしいんだ』

早川「・・・ご命令なら」

司令『僕は大丈夫だから、心配しないで』

448: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/05(水) 21:12:37.93 ID:WWUo6VZS0
早川「早めに欧州を奪還しなければならない。超兵器の脅威は世界から消えたわけじゃないんだ」

提督「そうだけど、アイスランドやキールはどうするの?奴ら、かなり強いわよ」

艦長「そうです。我々より新しい装備を揃え、数も多い。とてもじゃないですけど、我々だけでは・・・」

早川「しかし、やらねばならない。今、シュルツの航空戦艦が哨戒任務に当たっている。そこでヴィルヘルムスハーフェンが手薄になっていれば、今日にでも攻撃を仕掛ける」

提督「急な判断ね。事を急ぐと元も子もないわよ」

早川「物量で負けているなら、こっちは作戦と艦の質で勝負をするしかない。幸い、こちらには艦娘という頼もしい仲間がいる」

提督「ちょっと!どう見ても旧日本海軍の妄想じゃない!私の大切な仲間を無理な作戦に出すなんて、絶対に反対よ!」

早川「無理な作戦じゃない。ちゃんと計画を練っている。司令部にも事前に許可を取り、イギリスやフランスの海軍も協力してくれる」

提督「信用にならないわ。私が作戦の内容を承認するまで、艦娘たちは作戦に出さない。これは横須賀鎮守府の少将としての判断よ」

早川「しかし、早めに敵の本拠地を叩く必要がある。敵が新たな超兵器を投入する前に」

艦長「超兵器・・・」

提督「ま、まぁ、そうよね。でも、時期があるでしょ」

早川「その時期を今窺っているところだ。ここでヴィルヘルムスハーフェンを落とせば、キール攻略への大きな足掛かりを手にすることになる」

提督「本当に頑固な男ね・・・わかったわよ、作戦指令書を見せて。まずはそれからよ」

449: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/05(水) 21:34:04.10 ID:WWUo6VZS0
シュルツ艦の偵察機が持ち帰った情報によると、ヴィルヘルムスハーフェンの北海駐留艦隊は現在留守にしている、とのことだ。司令部の諜報部によると、この艦隊は北欧に進出しているらしい。

早川「よし、連中がヴィルヘルムスハーフェンに戻るのは数日かかると見て間違いない。この隙に戦艦隊を送り、基地を艦砲射撃する。旗艦は旗艦設備が充実している電に設定、遣欧艦隊の司令部はそのままだ」

電「わかったのです!」

早川「第1戦隊に艦娘大和、加賀、長門を投入する。第6駆逐隊と深雪はそれの護衛に当たってくれ」

暁「だ、大丈夫よっ!」

響「さて、やりますか」

雷「最後まで守りきってあげるわ!」

艦長「了解しました」

早川「後方部隊としてアルビオンとニミッツ、エンタープライズ、大鳳、赤城を第1航空戦隊として投入する。万が一のために警戒線を張ってくれ」

赤城「お任せください」ボーキムシャムシャ

早川「これを逃せば、必ず敵は超兵器を投入してくるはずだ。それだけは何としてでも避けなければならない」

早川「では、全艦出撃せよ!」

451: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/07(金) 22:51:01.97 ID:Xrr8Sepo0
護衛艦隊と戦艦隊が出撃し、その後を追うように空母機動部隊も出る。機動艦隊の偵察機「彩雲」がヴィルヘルムスハーフェンから偵察任務から戻り、敵戦力などの情報を伝える。

副長「赤城から入電。戦艦1、軽巡3、駆逐艦8です。その他、副戦力として魚雷艇らしき小型艦艇が10隻存在するとのことです。陸上には砲台が数か所存在し、飛行場も確認された、とのことです」

早川「よし、問題無い。航空兵力の一部を戦艦隊の援護に出せ。特に戦闘機を多めにな」

副長「了解しました」

問題のヴィルヘルムスハーフェンは、現在霧がかかっている状態だ。視覚による戦闘は期待できず、レーダーで敵の基地や軍艦を捉えなければ、何もできない。

早川「しかし、彩雲に新型レーダーを搭載したのは正解だったようだな」

電「やっぱりレーダーは大事なのです!」

大和「そうですね。敵を捉えられなければ、一方的に痛い目に遭わされますから」

早川「正論だ。・・・さて、そろそろだ。戦艦隊、砲撃準備。これより、我が艦隊は敵の制海権に突入する。警戒を厳にせよ」

早川の指示で戦艦隊の主砲に徹甲弾が装填される。先に湾内の防衛艦隊を撃破し、それから対地攻撃を行おうという算段だ。

大和『戦闘準備、できました!』

赤城『第1次攻撃隊、全機展開完了です!』

早川「よし、全艦突撃せよ!」

戦艦隊と護衛艦隊が増速し、ヴィルヘルムスハーフェンに向けて突撃する。そこで敵の接近に気付いた飛行場から来襲してきたと思われるジェット戦闘機が迎撃に出てくる。

電探の妖精さん「敵機種、特定不能!新型機よ!」

452: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/08(土) 00:29:30.90 ID:Si9VAAKH0
早川「何だと!?」

電探の妖精さん「奴ら、とんでもない速度でこの艦隊に接近してるわ!数は合計70機、とてもじゃないけど、今の艦載機だけじゃ対応できないわよ!」

事実、赤城とエンタープライズの搭載機であるファントム2や震電では速度が追い付かず、次々に撃墜されている。

早川「ファントムはミサイルを論者積みした戦闘機だぞ!?なぜ落とされる!?」

電探の妖精さん「連中、機関砲を使ってるみたいね。レーダーで敵を見つけて、撃墜してるのよ。それに、ミサイルはフレアを投射すれば当たらないし。ほら、こっちのミサイルも効かないみたいよ」

電探の妖精さんが指摘した通り、電や雷も対空ミサイルを発射して援護している。しかし、ミサイルは一発も命中していない。

電「ミサイルが当たらないのです!」

雷「わけがわかんないわよ!」

電探の妖精さん「ミサイルの性能が低いのよ!フレアを使われたらファントムが置物になっちゃうわよ!」

早川「くそっ・・・どうすればいいんだ!」

電探の妖精さん「今日のところは撤退しましょ。勇気ある撤退も作戦のうちよ」

456: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/09(日) 00:27:14.38 ID:4iD5uCtU0
赤城「フランカー・・・?ファントム2とは違うのですか?」

オペレーター『はい。最大観測速度マッハ2.3を誇る迎撃戦闘機です』

ブラウン「ミサイルで遠距離攻撃すれば敵を叩けると思ったのですが、やはり無理があったみたいですね」

早川「そうだな。敵戦の格闘性能は目を瞠るものがある」

赤城「では、私たちはいつまでもヴィルヘルムスハーフェンを落とせないのでしょうか?」

早川「あの戦闘機隊をどうにかしないとダメだろうな。空母を入れない選択肢もあるが、それでは海上特攻になりかねない」

赤城「いくら注意しても、覆せない力の差はあるんですね・・・」

ブラウン「対抗策としては、敵のフランカーを鹵獲して技術調査をして、これに対抗できる戦闘機を生産することですが、今からでは遅すぎます。やはり、艦隊防空能力の向上を図るべきでしょう」

早川「やはりそうなるか・・・ならば、やるしかないな」

ブラウン「しかし、その計画は提督に了承を得なければ・・・」

早川「それはこっちで何とかする。とにかく、イージスシステムの大量生産を司令部に認めてもらわなければ・・・」

赤城「イージスシステムとは何ですか?」

ブラウン「新型の防空システムです。100以上の目標を瞬時に識別、10の目標を一度に攻撃することができます」

赤城「すごいですね。技術の進歩は恐ろしいです・・・」

457: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/09(日) 00:35:53.40 ID:4iD5uCtU0
提督「イージスシステム?」

早川「そうだ。赤城を除く艦娘たち全員に装備させたい」

提督「でも、それって大きな設備が必要になるんでしょ?」

早川「船体の改修も必要になってくる。上部構造物や武装もかなり変化するだろうな」

提督「それって、全く新しい艦にするってこと?」

早川「そうじゃない。金剛型の近代化改修と同じだ。駆逐艦には艦隊防空能力を、大和には対空自衛能力を与える。駆逐艦はかなり形状が変化するが、愛宕と大和はあまり手を加えなくてもいい」

提督「金剛ねぇ・・・その程度だったらいいけど」

早川「では、認めてくれるか」

提督「わかったわよ。どうせ、断ってもついて来るんでしょ?」

早川「ありがとう。これでヴィルヘルムスハーフェン攻略に展望が見えてきたぞ」

提督「上手く行くといいわね」プイッ

459: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/09(日) 00:52:12.58 ID:4iD5uCtU0
大和「艦隊防空システム・・・素晴らしいです!」

早川「気に入ってくれたようでよかった。これからは制空権が戦争を決めるからな。戦艦も対空戦闘ができるようにしなければ、生き残ることはできない」

大和「その通りです。前世で妹共々、思いっきり痛感しましたから」

電「ハリネズミと言われたのに、坊ノ岬沖で撃墜13機・・・なのです」ボソッ

大和「ひいっ!?」

早川「・・・はは、それでは新武装の説明だ。CIWSを8基に増設し、127mm単装砲4基を舷側に追加した。接近する敵機やミサイルをすぐにでも撃墜できるだろう。大和型の防御力もあれば、撃沈されることはよほどのことがない限りあり得ない」

大和「前以上にハリネズミになっちゃいましたね。でも、これなら空母艦隊にも負ける気がしません!」

電「慢心なのです」

大和「・・・ハイ」

早川「頼むからやめろ・・・」

大和「や、大和は沈みません!」

460: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/09(日) 01:20:30.31 ID:4iD5uCtU0
早川「暁型には、相当な改良が加えられることになった。艦形が赤城や金剛型のように大きく変わってしまうだろう」

雷「どんと来いよ!雷は提督の役に立つんだから!」

早川「それは頼もしいな。艦体を延長し、138mほどになる。それに艦橋も大型化し、主砲は127mm単装砲を前後1基ずつ搭載することになる。それに、VLSも相当数搭載される」

響「本当に大規模な改装だね」

早川「そうでもしないと、航空火力化の時代は生き残れない。任務は、主に防空任務とミサイルでの敵艦船の撃破だ。場合によれば、艦娘の特性である夜戦火力の大幅上昇を使って、敵戦艦の掃討などもしてもらうこともある」

暁「これでやっと立派なレディらしい仕事ができるのね!」

電「航空機から、艦隊のみんなを守れるのです!」

早川「そうだ。お前たちには大きく期待しているぞ」

雷「任せて!」

暁、響、雷
Mk45 mod2 127mm単装速射砲 2基
Mk41 垂直発射装置 64セル
Mk25 GMLS 2基
Mk32 短魚雷発射管 4基
速力83ノット、全長138m


Mk45 mod2 127mm単装速射砲 2基
Mk41 垂直発射装置 64セル
Mk25 GMLS 3基
零式五連装魚雷発射管 2基
速力95ノット、全長147m

461: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/09(日) 01:30:33.00 ID:4iD5uCtU0
愛宕「改装ですかぁ~?」

早川「そうだ。ヘリ搭載イージス巡洋艦になる。砲火力は駆逐艦並みになるが、その分はミサイルを搭載して補うことになる。」

愛宕「やっぱりミサイルは強いのねぇ」

早川「弾数は少ないが、その分強力だからな。元の防御力もあるし、かなり堅牢な艦になるだろう」

愛宕「提督のお役に立てれば、それでいいですけどね」

早川「解放軍の役に立つ改装だ。戦いが終わった後も、提督をずっと支え続けられるはずだ」

愛宕「うふふ、愛宕、嬉しいです」

愛宕
Mk45 mod2 127mm単装速射砲 3基
Mk41 垂直発射装置 64+64セル
Mk25 GMLS 4基
零式五連装魚雷発射管 4基
対潜ヘリ2機搭載
速力78ノット

466: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/09(日) 23:51:43.86 ID:4iD5uCtU0
電探の妖精さん「ざぁ~んこくなてんしの・・・」~♪

筑波「ずいぶんと気分が良さそうだな」

電探の妖精さん「ええ、さっきまで大和さんの艦橋でケーキパーティーしてたもので」

筑波「たまには息抜きも必要だが、艦橋でするのはいただけないな」

電探の妖精さん「次からは気をつけまー・・・あれ?」

筑波「どうした?」

電探の妖精さん「アイスランド南部の天気が妙に悪いわね。急に大雪が発生するなんて」

筑波「この時期に大雪か・・・おかしいな。一応、司令部に報告しておくか」

電探の妖精さん「そうですね。じゃ、ちょっとCICに降りてきます」


ガルトナー『急な悪天候か・・・』

電探の妖精さん「聞くところによると、旋風を撃沈した超兵器は、雷を発生させるという能力を持っていました。あまりに突発的なものですから、それも考えられるかと」

ガルトナー『心配するに越したことはない。すぐに調査に向かわせよう。もし超兵器だった場合、貴官らに処理を願い出る』

筑波「了解しました」ビシッ

468: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 00:09:25.21 ID:LEzQr+ui0
早川「それで、我々の作戦行動は今のところ全て凍結か。司令部はかなり超兵器に敏感になっているな」

大和「やはり、司令部は我々を超兵器に対する切り札として見ているのは間違いないですね」

副長「どんな超兵器が来ても問題ないです!全て電ちゃんや大和が破壊してくれますっ!」ルンルン

早川「しかし、超兵器は我々の常識の範囲外にある兵器だ。氷や岩でできた超兵器が出てきてもおかしくはない」

副長「さすがにそれはないですって。氷で作るなんて、脆くなるに決まってるじゃないですかー」

響「そうとは言い切れないよ。氷山の衝突で沈んだ船はたくさんあるからね」

副長「でも、それは客船とかじゃない?」

響「確かにタイタニック事件は船体の脆さが原因で沈んだ節もあるけど、水密区画はちゃんと細かく分けられていたんだ。結局、合計1平方メートルもない穴が原因で沈んだけど」

大和「よく知ってるわね。まるで知識の倉庫ね」

響「ロシアのドックで暇を持て余していたから、することが知識を集めることしかできなかったんだ」

早川「とにかく、何が来ても対策できるようにしておかなくてはならないな。対空用の炉号弾も量産段階に入ったし、ひとまず空母や飛行場には対抗できるだろう。氷山も炉号弾で吹き飛ばせば問題ない」

響「そう上手く行くといいけどね」

469: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 00:21:35.29 ID:LEzQr+ui0
ガルトナー『大変だ、少佐はいるか!?』

シュルツ「はっ、こちらです」

ガルトナー『アイスランドに向かった偵察艦隊が消息を絶った。通信途絶直前、強力なノイズが入っていたことから、超兵器の攻撃を受けたと思われる。直ちに迎撃に向かってくれ!』

シュルツ「了解しました!」


早川「超兵器か・・・恐れていたことが現実になったな」

提督「超兵器の情報は?」

ナギ「我が艦の偵察機が捉えた空撮映像があります。こちらをご覧ください」ピィン

早川「これは・・・艦、なのか?」

副長「やだ、氷でできた超兵器じゃないですか!しかも空母ですよ!」

ブラウン「こいつの超兵器機関が雪を降らせているようですね。それに、海水から氷を自動で生成している・・・」

筑波「戦争兵器の枠を超えていますな」

提督「雪を降らせて自分の行動範囲を赤道近くまで広げられるのね。本当に超兵器っていうか、化け物ね」

シュルツ「しかし、退くわけにもいかん。早急に対処しなくてはならない」

ブラウン「相手は氷でできています。火災等を起こせれば、氷の生成を遅らせることができるはずです」

早川「火災・・・炉号弾が使えるかもしれないな。大至急、戦艦に搭載させよう」

シュルツ「では、出撃準備を開始します」

早川「任せた」

470: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 00:34:38.20 ID:LEzQr+ui0
電「氷山で空母を作ったのですか?」

早川「そうらしい。大口径砲を確認したとの情報もある。迂闊に接近するのは自殺行為だな。その大きさから空軍機を飛ばしてくる可能性も大いにある。気をつけてくれ」

電「でかいだけの氷はかき氷にして食ってやるのです」

早川「・・・その意気だ。とにかく、敵艦載機に気をつけるんだぞ」

解放軍の遣欧艦隊が、氷山空母撃破のために出撃した。前方に戦艦隊が展開し、その後方に駆逐艦隊、空母艦隊と並ぶ。旗艦を務める電は、遠距離からミサイルを撃ち込みつつ防空任務に当たることになっている。

早川「これが紀伊の初超兵器戦だ。スペックは艦娘大和に引けを取らない。超兵器空母も必ず撃破できるはずだ」

副長「敵艦増速!しかし、依然として20ノット以上は出ていません!」

ブラウン『氷山でできている分、鈍重で遅いのでしょう。こちらは速度で翻弄し、敵艦に火災を発生させましょう』

電「倒せるかどうか自信がないのです・・・」

早川「大丈夫だ。こっちは数で勝っている。的確な攻撃を与えれば、そう強い相手でもないだろう」

電「ちょっと、自信がついてきたのです。ありがとう、なのです」ニコッ

早川「そろそろ敵艦がミサイルの射程に入る。イルミネーターレーダー、スタンバイ!敵砲弾や航空機を撃墜しつつ、氷山空母を撃破する!」

早川「全艦、戦闘配置につけ!」

471: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 01:00:47.49 ID:LEzQr+ui0
電探の妖精さん「敵機確認!フランカー、ファントム2、それにスーパーホーネットもいるわ!」

早川「航空機隊全機に告ぐ、直ちにその場を離れよ!戦艦隊、砲撃用意!撃て!」

大和『右、砲戦用意!全砲門、薙ぎ払え!』ゴォォォ

特殊爆弾「テルミット・プラス」を詰め込んだ対空砲弾「炉号弾」が戦艦隊の主砲から一気に発射される。砲弾は敵機の直前で巨大な爆発を起こし、回避が遅れた航空機を灰燼に帰していく。

電探の妖精さん「す、すごい・・・あの敵編隊が、一瞬で・・・」

赤城『第1次攻撃隊、制空権を確保してください!』

ファントム2が混乱する敵編隊に攻撃を仕掛ける。艦隊上空は乱戦が形成され、今のところ我が方が優っている。

早川「電、ミサイルで敵機を攻撃、援護せよ!」

電「なのです!」シュウゥゥ

電と暁がミサイルを発射し、雷が主砲を発射する。わずか数秒で次々と敵機が破壊されていく。

水雷長の妖精さん「すっげーなーこりゃ」

ソナーの妖精さんB「こりゃー」

早川「これがイージスシステムの力だ。航空攻撃から艦隊を守る、神の盾だ」

暁『攻撃するからねっ!』ガガガガガ

響『無駄だね』ドォン ドォン ドォン

473: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 20:10:18.36 ID:LEzQr+ui0
電探の妖精さん「北西に敵艦隊出現!戦艦を含む攻撃艦隊よ!」

早川「支援艦隊か・・・航空機隊、敵艦隊を叩け!戦艦は引き続き氷山空母に攻撃を続行!」

電「はりゃーっ!?」ドカァン

早川「くッ、ダメージコントロール!」

ダメコンの妖精さん『至近弾で装甲にひびが入ったのん!』

機関室の妖精さん『・・・機関室浸水、出力低下』

早川「やはり航空攻撃を全て防ぐのは無理か・・・」

副長「味方戦闘機、次々に落とされていきます!」

早川「きついな。戦艦隊、氷山空母へのダメージは?」

大和『命中弾28!しかし、すぐに外殻の氷が回復してダメージを与えられません!』

電「すごく強そうなのです・・・」ブルブル

早川「予想以上だ。徹甲弾では破壊できそうもないな。戦艦隊、砲弾を徹甲弾から炉号弾に切り替えて攻撃せよ!」

副長「インバネス飛行場より連絡!EI作戦、準備よし!」

早川「よし、護衛艦隊、敵戦闘機を何としてでも撃ち落とせ!EI作戦を邪魔させるな!」

474: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 21:31:56.65 ID:LEzQr+ui0
17機もの巨大な爆撃機は、予定通りスコットランドのインバネス飛行場から発進した。日本が極秘開発した超長距離爆撃機『富嶽』だ。

富嶽はB29の1.5倍もの大きさを誇り、2倍の爆弾積載を可能としたモンスターだ。今回は氷山空母攻撃のために、焼夷弾を満載して作戦の支援をすることになっていた。

早川「高高度超兵器爆撃作戦、通称EI作戦だ。制空権が無いまま爆撃することになるが、これも仕方ないことだ。電、何としてでも戦闘機を近づけてはならないぞ」

電「富嶽を守るのです!」シュウゥゥ

副長「富嶽、目標到達まで1時間!」

電探の妖精さん「響が敵ネルソン級戦艦を撃沈したわ!加賀、氷山空母の砲撃で小破!」

電「なのです!」ドォンドォン

電はファントムを狙うフランカーに砲撃を加えた。フランカーは二発目の砲弾を受け、機体を空中で四散させた。

早川「空母の艦載機は既に半分が撃墜されている・・・くっ、どうすればいい?」

天城『副砲、機銃、弾幕張れ!』

突如、東から艦隊が敵編隊に向けて攻撃を開始した。激しい弾幕に追い立てられ、敵機が散り散りになって逃げていく。

電探の妖精さん「艦隊接近!長門型戦艦『常陸』『陸奥』を含むオセアニア駐留艦隊よ!」

電「天城大佐なのです!」

副長「天城大佐!なぜここに!?」

天城『理由は後で話す。それより、今は敵艦隊と超兵器の破壊に集中しろ』

475: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/10(月) 23:02:00.81 ID:LEzQr+ui0
提督『長門型・・・えっ!?』

天城「久しいな、艦娘を従えた提督よ」

提督『ああああ!あの時戦った日本艦隊!』

愛宕『あら、お久しぶりですねー♪』

天城「解放軍についたという情報は既に聞いている。安心したまえ」

日本軍兵士A「主砲、敵戦艦に砲撃開始します!」

天城「了解した。撃て」

日本軍兵士C『撃て!』ゴォォ

戦艦常陸の46cm連装砲が火を噴いた。イギリス到着前に大改装した三番艦常陸と二番艦陸奥は、高打撃力を誇る高速戦艦に改装されていた。

天城「次弾装填・・・ッ!?」ドカァン

日本軍砲兵A『第3砲塔被弾!被害甚大!』

天城「氷山空母・・・ハボクックの主砲か。応急修理急げ。第1、第2主砲は砲撃を続行せよ」

常陸は護衛艦隊の横を通り過ぎ、氷山空母ハボクックに主砲を叩き込む。しかし、徹甲弾では効果的なダメージを与えられない。

天城「やはり我々では無理か。ハボクック攻撃を取りやめ、後方の戦艦部隊を撃破する」

478: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/11(火) 01:24:55.16 ID:IsMGMh9w0
一時間後、既に護衛艦隊のミサイルは撃ち尽くし、稼働できるのが魚雷と主砲のみになっていた。しかし、ハボクックの艦載機はまだ存在している。

副長「富嶽、現場海域に到着!これより氷山空母に爆撃を開始します!」

早川「氷山空母ハボクック・・・天城の情報網は凄いな」

副長「司令代行!」

早川「・・・ああ、悪い。しかし、富嶽が今まで撃墜されなかったのは幸いだったな」

電探の妖精さん「そうはいかないみたいよ。フランカーが富嶽隊に向かってるわ!」

電「はぁ、はぁ・・・もう、弾が残ってないのです・・・」ハァハァ

早川「大丈夫か、電」

電「ちょっと、疲れたのです・・・」ハァハァ

早川「艦の操作は妖精さんと我々に任せて、ゆっくり休め」

電「あ、あのっ・・・ありがとう、なのです」

早川「・・・何としてでも富嶽を守れ!ミサイルが残っている艦は、全て戦闘機隊に向けろ!主砲も出来る限り迎撃を続けるんだ!」

水雷長の妖精さん「砲撃、いっくぜー」ドォンドォン

愛宕『愛宕、撃ちまーす!サルボー!』シュウゥゥ

電と愛宕の攻撃が上昇中のフランカーに加えられる。主砲は届かなかったが、愛宕のミサイル2発は、それぞれフランカー2機を落とした。

電探の妖精さん「敵機、全部主砲の射程外に逃げたわ」

早川「後は富嶽隊に全てを任せるしかないか・・・」

479: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/11(火) 01:41:19.91 ID:IsMGMh9w0
富嶽はハボクックの上空に到着すると、誘導焼夷弾を次々に落とした。ハボクックは超兵器だが、所詮は空母だ。さすがに重爆撃機から落とされる爆弾の雨には飛行甲板が耐えられない。

副長「やりました!富嶽1号機の爆弾で氷山空母の甲板が炎上しています!」

電探の妖精さん「まだよ!富嶽4号機と8号機がやられたわ!他の機が弾幕を張ってるみたいだけど、効果はあまりないみたいよ!」

早川「さすがに制空権がない状態で重爆撃機を使うのは無茶だったか・・・」

副長「富嶽6号機の爆弾、ハボクックに命中!艦首部の氷が溶けていきます!」

電探の妖精さん「富嶽17号機墜落!富嶽2号機、フランカー2機撃墜!」

電「みんな、頑張ってくれているのです・・・」

天城『まだ戦闘は終わっていない。気を抜くな』

早川「そうだったか。護衛艦隊、対空射撃しつつ機動艦隊に合流せよ。戦艦隊は引き続き支援艦隊の迎撃に当たれ」

大和『了解しました!全主砲、薙ぎ払え!』ゴォォ

早川「ハボクックが鈍足で助かった。もし、あいつが高速だったら・・・」

副長「司令代行!氷山空母の船体の半分が溶けました!あれを見てください!」

副長はモニターに映像を映し出した。ハボクックの艦首が完全に溶け、双胴空母の艦首が覗いている。

早川「完全に氷山でできていたわけではなく、普通の艦に氷山をくっつけただけだったのか・・・」

副長「これなら、船体に穴を開けて沈めることもできますね!」

早川「そのようだな。電はこれより、単艦でハボクックの撃沈に臨む。戦艦隊は接近して電の援護をしろ!」

481: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/11(火) 01:54:42.92 ID:IsMGMh9w0
50分ほどかかった電の応急修理も終了し、機関出力も歳代まで出せるようになった。魚雷発射管の状態を確認し、ハボクックに直接攻撃を仕掛けに行く。

副長「富嶽隊、半数が撃墜されました!しかし、富嶽9号機はまだ攻撃を続行、船体の氷のほとんどを溶かしました!」

早川「よし、よくやった。富嶽には礼を言わねばならんな。それと、無茶な作戦に連れ出した詫びもしなくては・・・」

電「・・・皆さん、本当にありがとうなのです」ペコリ

早川「払った犠牲は無駄にはしない。これより、ハボクックを沈めに行く!」

電「なのです!」

電は増速し、戦艦隊の間を抜けてハボクックに突撃する。その間、異常を察知した攻撃機隊が攻撃を仕掛けに来るが、ミサイルなどは既になく、機銃で攻撃しようと接近してくる。

副長「敵機接近!」

水雷長の妖精さん「任せろってー」ドォンドォン

電の後部主砲が命中し、スーパーホーネットが四散する。ハボクックもそれに気づき、緑色のレーザーを放って防御の構えを見せる。

早川「無駄だ!魚雷、撃て!」

水雷長の妖精さん「よっしゃー!」ガシャン

以前より少し門数は減ったものの、魚雷の威力は衰えていない。至近距離で発射された10発もの魚雷は、ハボクックの剥き出しになった艦首に直撃した。

副長「全弾命中!敵艦、主砲で応戦してきます!」

ハボクックの56㎝砲が電を狙い、発射された。しかし、高速で動きまわる電に砲弾は当たらない。

早川「いいぞ!戦艦隊、主砲発射!電は魚雷を再装填!」

482: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/11(火) 22:37:49.23 ID:IsMGMh9w0
水雷長の妖精さん「よーし、次の魚雷だぜー」ガシャン

電はハボクックの主砲を回避し、魚雷を撃ち込む。しかし、その箇所は既に氷の生成が始まっていて、効果的なダメージを与えられなかった。

早川「くそ、回復する装甲なんてふざけているにも程がある!」

副長「敵艦に傾斜は見られず!氷山の浮力に加えて双胴空母という特性もあって、かなりの復原性を持っているみたいです!」

電探の妖精さん「富嶽の支援があってもこれだなんて・・・バケモノよバケモノ!」

早川「戦艦隊、残弾数は!?」

大和『主砲の砲齢が尽きそうです!』

天城『我が艦隊の残弾数、残り僅かです』

早川「どこまで強いんだ、あいつは・・・」

提督『ねえ、ちょっと』

早川「何だ?」

提督『奴にも弾薬庫や燃料庫はあるはずよね?』

早川「もちろんだ。そうでなければ、艦載機は・・・そうか、その手があったか!」

483: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/11(火) 23:27:23.82 ID:IsMGMh9w0
提督『そうよ。大鳳と同じ目に遭わせてやるの。氷で覆われている以上、格納庫は密閉型に決まってる。エレベーターを破壊して、弾薬庫に攻撃を仕掛ければ・・・』

早川「爆発する、だな」

提督『ご名答。なら、やるしかないわね!さっき艦首に穴を開けたでしょ?そこから陸戦隊を侵入させて、破壊工作を行わせればいいのよ!』

早川「よし、今から準備だ。陸戦隊、出撃用意!電以外の艦は直ちに退避せよ!生き残っている富嶽で爆撃ができる機は、全て艦首に攻撃を集中させろ!」

副長「富嶽1号機、2号機、9号機、16号機に爆弾あり!今から爆撃を開始するとのことです!」

早川「いいぞ!戦艦隊、炉号弾をぶちかませ!」

大和『右、砲戦用意!撃てーッ!』ゴォォ

ハボクックに更なる攻撃が加えられる。常陸と紀伊、加賀の斉射で前部主砲塔が吹き飛び、大和の炉号弾と富嶽の爆撃で艦首の氷が全て溶けた。

副長「出ました!艦首の穴です!」

早川「よし、陸戦隊、突入!」

陸戦隊の妖精さん「ウラァァァァァ!!」

響『そ、それ・・・』

電から内火艇が降ろされ、陸戦隊が突入する。甲板を損傷し、主砲の一部を破壊されたハボクックは死に体同然だったが、超兵器は完全に沈めなければならない。

早川「頼んだぞ、陸戦隊の猛者共・・・」

488: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 01:00:20.49 ID:JiD1hS330
陸戦隊の妖精さん「火龍の咆哮ぉぉぉぉぉ!!」ゴォォォォォ

ハボクックの凍りついた艦内で、火炎放射機が放つ強烈な炎が暴れ回る。迎撃に出た兵士たちは炎に怯え、逃げていく。

陸戦隊の妖精さん下っ端「姉貴、何で某ドラゴンスレイヤーの魔法なんて使ってんすか」

陸戦隊の妖精さん「>>487のセリフで『それもそうだな』って思っただけだ」

陸戦隊の妖精さん下っ端「メタ発言は寒いからやめてくだせぇよ・・・」

陸戦隊の妖精さん「・・・そうか、慎もう」コホン

ハボクックの艦内に突入した陸戦隊は、航空機格納庫の下にある士官室辺りを艦尾に向けて走っていた。

陸戦隊の妖精さん「それにしても、まるで迷路みてぇなところだな」

早川『陸戦隊の妖精!聞こえるか!?』ガーガー

陸戦隊の妖精さん「何だ?」

早川『天城の話で、ハボクックにジョナサン・クルーガー大将が乗艦していることが判明した。そいつをとっ捕まえてほしい」

陸戦隊の妖精さん「敵の幹部ってわけか。面白ぇ!野郎共、5人だけ俺に付いてこい!その他は作戦通り弾薬庫と燃料庫に行け!」

陸戦隊の妖精さんたち「オウ!」

陸戦隊の妖精さん「・・・クルーガーか、どんな奴か会ってみたいぜ」

489: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 01:28:02.42 ID:JiD1hS330
陸戦隊の一部が分かれ、艦橋に向かう6人が航空機格納庫に上がる。しかし、扉をくぐろうとした矢先に、銃弾が襲ってくる。

陸戦隊の妖精さん「チッ、しゃら臭ぇ!」ガガガガ

陸戦隊の妖精さん下っ端「援護しやす!」バンバンバン

陸戦隊の妖精さん「どこかに艦橋への入口は・・・そうか、ここは双胴艦の左部分だ。中心部に行かないとねぇな」カチッ

陸戦隊の妖精さん下っ端「しかし、ここから先は通れやせんぜ」

陸戦隊の妖精さん「そこは気合で突っ切ればいいだけの話だ!」ポイッ ガガガガガガガ ゴガァァン

クルツのマガジンを取り換えた陸戦隊の妖精さんは、手榴弾の煙幕を利用して格納庫に出る。双胴艦の中央部分に仕切りがあり、そのどこかに内部への入口があるはずだ。

陸戦隊の妖精さん「おい早川!天城にここの構造を聞け!」

早川『そんなの知るわけがないだろう。しかし、中央部に艦橋への入口があるのは確かだ。何とかそこを探してくれ』ガーガー

陸戦隊の妖精さん「チッ、使えねぇな」

早川『お前も大概口が悪いな』ガーガー

陸戦隊の妖精さん下っ端「話してないで、敵を撒くのに集中してくだせぇ!こっちは限界ですぜ!」バンバン

陸戦隊の妖精さん「うるせぇ!だあってろ!」

490: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 01:44:54.65 ID:JiD1hS330
陸戦隊は艦載機を盾にして徐々に艦橋に近づいていく。しかし、敵の銃撃が激しく、とてもその場を動けるような状態じゃない。

陸戦隊の妖精さん「チッ、クルツの弾が切れやがった!そっちは!?」

陸戦隊の妖精さん下っ端「デザートイーグルは切れやしたが、イングラムならまだありやす!」

陸戦隊の妖精さん「そうか。よし、このまま突っ切るぞ!」

陸戦隊の妖精さんは火炎放射機を使ってフランカーに火を放った。たちまちフランカーは炎上し、大爆発を起こした。

陸戦隊の妖精さん「へっ、何とか煙幕には使えたみたいだな。よし、このまま走れ!」

早川『今どこだ!?』

陸戦隊の妖精さん「艦橋の下だ!それと、話しかけんなっつたろ!」

早川『すまん。それより、早くしないと我々も危ない。急げ!』

陸戦隊の妖精さん「それだけのために連絡しやがったのか!話は最低限にしやがれ!」

早川『・・・ハイ』

陸戦隊の妖精さん「さてと、お仕事はこれからだ!」

陸戦隊の妖精さんたち「Sir!Yes Sir!」

双胴艦の中心部にある構造物の下までたどり着いた陸戦隊の妖精さんは、凍りつきかけているドアを蹴破った。

492: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 02:02:54.10 ID:JiD1hS330
陸戦隊の妖精さん「手ェ挙げな!解放軍陸戦隊のお通りだ!」カチャッ

クルーガー「私の艦にずけずけと上がり込んで、ただで済むと思っているのか!」

陸戦隊の妖精さん「へっ、貴様がクルーガーみたいだな。ついて来い!」

クルーガー「断る!」

陸戦隊の妖精さん「それなら、力づくで拉致ってやるぜ!野郎共!」

陸戦隊の妖精さんたち「xxxx You BOY!」ガガガガガ

ハボクックの艦橋が火花で満たされる。艦橋員は誰も銃を持っていないので、陸戦隊のクルツが一方的に敵をなぎ倒していく。

陸戦隊の妖精さん「野郎共、奴を捕まえろ!」

陸戦隊の妖精さんたち「ヒャッハー!」

クルーガー「くっ、やめろ!それと掛け声を統一しろ!」

陸戦隊の妖精さん「早川、クルーガーをとっ捕まえたぜ」

早川『よし、ハボクックを沈めて帰って来てくれ』ガーガー

ハボクックに乗艦していた司令、クルーガーは呆気なく捕獲された。

クルーガー「私を捕まえてどうしようというのだ」

陸戦隊の妖精さん「知らねぇよ。犬にフリスビー投げて持ってこさせる理由を、飼い主がわざわざ説明すンのか?」

クルーガー「・・・好きにしろ」

495: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 02:32:14.60 ID:JiD1hS330
陸戦隊が弾薬庫に仕掛けた爆弾は巨大な爆発を起こし、ハボクックを内部から破壊した。その様子を、ハボクックに乗っていた捕虜たちはまじまじと眺めていた。

陸戦隊の妖精さん「目に焼き付けておけ、これが超兵器の末路だ」

クルーガー「超兵器は滅びぬ!超兵器機関がある限り、何度でも蘇るぞ!」

陸戦隊の妖精さん「ほざいてろ、負け犬が」


電「この人がクルーガー提督なのですか?」

クルーガー「そうだ」

早川「提督の話からゴーダは戦死し、ロゼは行方不明、お前は捕まった。これでウィルシア帝国の大将全員が帝国から消えたことになる。もう帝国はおしまいだ」

クルーガー「そうはいかん。たとえ大将が全て消えても、まだ・・・あのお方は帝国におられる」

シュルツ「あのお方?総帥のアレスはとっくに第三国に亡命していると聞いたが」

クルーガー「アレス?あのゴミはただの傀儡だ。世界を統べるに相応しいのは、間違いなくあのお方!お前らのような虫けらが幾ら足掻こうが、あのお方の強大な力には誰も抗えない」

提督「よく言うわ。艦は人が操ってこそ兵器になるのよ。その人の指揮がいいからって、強大な力になるとは思えないわよ」

クルーガー「何もわかっていない連中だ。人が操っている時点で、超兵器は超兵器ではない。ただの紛い物だ」

早川「どういうことだ?」

クルーガー「いずれわかる時が来る。その時があればの話だがな!」

496: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 03:06:38.54 ID:JiD1hS330
ロゼ「動ける機は全て上げなさい!全機発艦!」

南極のドックを戦艦の射程に捉えた告死天使は、ヴォルケンクラッツァーのドックに一斉攻撃を仕掛けた。主砲がドックの足場を破壊し、F-15のミサイルが工場を破壊する。

帝国兵士A「順調ですね」

ロゼ「ここまでは、ね。けど、油断はできないわ。徹底的に破壊しないと」

アルウス艦長「そうですな。ヴォルケンクラッツァーは大陸をも破壊する究極の超兵器、何としてでも倒さねばなりません」

ロゼ「戦艦隊!副砲、高角砲、機銃、搭載してる兵器は全て出しなさい!ヴォルケンを粉みじんにしてやるのよ!」

帝国兵士C「戦艦ケンタッキーより入電!ヴォルケンクラッツァーにダメージなし!防御力が段違いだ、とのことです!」

ロゼ「さすがね。でも、ここで倒さないと世界が滅ぶわ。弾薬を全部使ってでも、あいつだけは・・・!」

戦艦の艦砲射撃で基地は既に崩壊し、残っているのはヴォルケンクラッツァーのドックだけだ。悪いことに、それは竣工寸前だった。

ロゼ「艦載機隊、ヴォルケンの艦首を狙いなさい!主砲と航行能力を封じるのよ!」

アルウス艦長「主砲、撃ち方始め!」ゴォォ

ロゼ「おっと、危ないわね。ちょっとうるさいけど、戦力は持っておくべきよね」

帝国兵士A「そうですね。しかし、もう少しです」

497: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 20:39:49.07 ID:JiD1hS330
帝国兵士B「ヴォルケンクラッツァーより強力なエネルギー反応!」

ロゼ「うそっ!もう起動したの!?」

帝国兵士B「エネルギー、みるみる増大していきます!観測限界値を突破!」

アルウス「総員、衝撃に備えろ!全艦退避!」

ロゼ「ダメ、間に合わな・・・」ドゴォォォォ



ロゼ「・・・う・・ん、ここは?」

アルウス艦長「やっと目を覚ましましたか。ここは洋上、アルウスの救命ボートです」

ロゼ「そんな、アルウスは!?」

帝国兵士B「敵のエネルギー兵器で、一撃で撃沈されました。乗員2万5000人のうち、2万人が死亡しました。告死天使は駆逐艦グネフヌイを除き、全て海の底です」

ロゼ「一撃!?超兵器でも指折りの電磁防壁を持つアルウスが、艦隊ごと・・・そっか、あれね」

帝国兵士A「何か心当たりでも?」

ロゼ「波動砲。ウィルキア王国だった時代に開発・・・いえ、『もたらされた』兵器よ。その存在は、旧王国では政府首脳にも秘匿され、完全に軍の指揮下で解析・量産が進められてきたわ」

帝国兵士B「もたらされた・・・?」

ロゼ「そう。波動砲は超兵器機関が発生させる膨大なエネルギーを発射する禁断の兵器。別の世界からやってきた、恐ろしい大量破壊兵器よ。クルーガーが黒海で使ったウラニウム爆弾よりも強力かつ連射が利く。それに放射能汚染もないわ」

ロゼ「国防軍では大将クラスや研究チームしか存在を知らず、超兵器を使っての世界安定化計画も同じく大将クラスで極秘に議論されてきたわ。でも、親国王派のヴァイセンベルガーはそれに反対した。これを使えば、世界が更に戦乱で埋め尽くされる、ってね」

498: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 21:20:34.22 ID:JiD1hS330
ナギ「ヴァイセンベルガー大将、到着されました」ビシッ

ヴァイセンベルガー「ご苦労。クルーガーを捕まえたのは本当か?」

早川「ええ、現在は電の営倉にて高級士官としてお迎えしております」

ヴァイセンベルガー「奴には臭い飯がお似合いだ。犬以下の扱いでいい」

早川「しかし、それでは・・・」

ヴァイセンベルガー「ダメだ。権力欲にまみれた男には、それ相応の絶望を与えろ」

早川「・・・」

ヴァイセンベルガー「今日は話があって来た。転移艦隊やシュルツたち来い。これは重要な話だ。不参加は許されない」

早川「では、只今召集いたします」ビシッ


スコットランド 某料理店

ウェイトレス「あ、ヴァイセンちゃんひさしぶり~」

ヴァイセンベルガー「ああ、久しぶりだな」

ウェイトレス「今日は大所帯だねぇ~。女の子がいっぱいいるよ~」

ヴァイセンベルガー「全員が軍の関係者だ。今日は重要な会談をするためにここを予約した」

ウェイトレス「はぁ~い。それじゃ、奥に案内するね~」

提督「知り合いですか?」

ヴァイセンベルガー「ここも馴染みの店だ。給料日前はいつもここで夕食を済ます。以前の店と比べて安いからな、赤城や大和がいくら食おうが、前より高くなることはない」

提督「そういうことね・・・」

499: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 21:44:26.60 ID:JiD1hS330
料理店 特別宴会場

ヴァイセンベルガー「では、超兵器について隠していたことを言おう」

ブラウン「超兵器の情報を隠していたのですか!?」

ヴァイセンベルガー「今まで士気の低下を恐れて公開していなかったことだ。今思えば、判断は間違っていたな」

艦長「ところで、その超兵器の情報というのは・・・」

ヴァイセンベルガー「ウィルキア王国時代、北極海に漂流してきた、ある巨大艦のことだ。それが全ての始まりだったのだ」

早川「北極海・・・ですか」

ヴァイセンベルガー「5年前のことだ。北極海で氷に閉ざされていた巨大艦を国防軍が救助した。それを当時のクルーガーが秘密裏にドックを建造し、匿ったのだ」

シュルツ「5年前に何者かが軍の予算に関する書類を改ざんした、という噂が流れていたが、本当のことだったのか・・・」

ヴァイセンベルガー「そうだ。ドックで巨大艦を覆った後、奴は我々国防軍の大将にある計画を話した。国防軍の総力を挙げて世界を征服し、新たな秩序を形成する『世界安定化作戦』だ」

電「作戦名が陳腐過ぎてあくびが出ちゃうのです。ネーミングセンスくらい鍛えろなのです」

ヴァイセンベルガー「・・・陸軍の大将全員、海軍の大将のほぼ全員が作戦に賛成した。これを使えば、近隣諸国からの侵略の脅威を取り除き、更には自らの利権を拡大させられる」

ヴァイセンベルガー「しかし、その巨大艦が持つ力は、あまりに危険なものだった。ここにいる連中の誰もが想像を絶するものだ。世界を恐怖で抑えつけることになりかねない。恐怖政治が成功した例など、歴史には一切ない」

大和「だから、将軍は反対されたのですね」

ヴァイセンベルガー「そうだ。クーデターが起こる直前、私は親国王派の国防軍と近衛軍をできる限り集め、国王陛下を伴って亡命した。そして、現在に至る」

シュルツ「そうだったのですか・・・」

500: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 22:24:55.60 ID:JiD1hS330
提督「ところで、その艦の艦名は何ですか?」

ヴァイセンベルガー「艦名は、ルフトシュピーゲルングだ。強力な超兵器機関を搭載し、大陸すら破壊するエネルギー兵器を使用する。これまで戦ってきた紛い物など比較にならん」

艦長「大陸すら・・・」

ナギ「ば、化け物じゃないですか!」

ヴァイセンベルガー「それを言えば、艦娘たちもそう言わざるを得ないだろう。艦娘が持つ不沈特性、そして夜戦攻撃力上昇、更に自我の獲得。まさに化け物だ」

響「私たちは化け物じゃない!超兵器と一緒にするな!」バン!

ヴァイセンベルガー「一緒だ。奴もまた、意思を持つ兵器だからだ。違うのは、船体と武装の規模のみだ。それ以外は全て艦娘と同じだ」

提督「意思を持つ・・・じゃ、ルフトシュピーゲルングにも艦娘がいるの・・・?」

ヴァイセンベルガー「超兵器機関は意思を持つ。それの目覚めが、グロースシュトラールが起こした『暴走』という形で現れる。しかし、ルフトシュピーゲルングは自らをコントロールしている。それ故、意識が目覚めていても暴走はしない。艦娘は更に進化した、自らが『人として』生きるための身体を手に入れた形態といってもいいだろう」

愛宕「私たちも、あんな風に・・・なるんですか?」ガクガク

提督(あの愛宕が、こんなに怯えて・・・)

ヴァイセンベルガー「超兵器機関を搭載しないお前らは暴走など起こりはしない。他に艦と艦娘を繋いでいるものがあるはずだ。それを破壊されたら艦娘も死ぬと思うがな」

提督「さすがに、それは思い当たらないわね。霧の艦隊みたいにコアを持ってるわけじゃないし・・・」

雷「そうよね。でも、私は提督がいればそれで十分よ!他のことなんてどうでもいいわ!今まで暴走を起こした艦娘なんていないんだし!」

提督「ふふ、やっぱり雷ちゃんは元気ね。頼もしいわ」

501: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/13(木) 22:43:00.36 ID:JiD1hS330
ブラウン「意思を持つ兵器・・・」ボソッ

シュルツ「どうされました?」

ブラウン「いえ、何でもありません」

ヴァイセンベルガー「いずれにせよ、近いうちに奴を撃破しなくてはならない時がやって来る。そのために、まずはヨーロッパを解放しなければならない」

天城「その通りです。その作戦の計画書を我々に渡すという意図も、今回の晩さん会に含まれていたのではないですか」

ヴァイセンベルガー「その通りだ。受け取れ」

提督と早川、天城、シュルツはそれぞれ作戦計画所を手渡された。1ページ目をめくり、大まかな内容を見る。

早川「キール軍港強襲作戦・・・」

ヴァイセンベルガー「天城の艦隊にはそのために来てもらった。カテガット海峡を通過する際に迎撃してくる敵艦隊を抑え、シュルツと提督の艦隊をキールに突入させるためだ」

提督「私もですか?しかし、私は謹慎中の身で・・・」

ヴァイセンベルガー「艦娘の本来の所有者はお前だ。たとえ謹慎中だろうと、使えるものは全て使う。私のやり方に口を出すな」

提督「は、はい」

505: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 23:47:27.72 ID:7yau+KQH0
ロゼ「波動砲の力は未知数よ。時空さえ歪めかねない。抑止力程度に使うのであれば賛成だったけど、まさか大陸一つを本当に吹っ飛ばすだなんて、絶対に許せないわ」

アルウス艦長「お気持ち、察します」

ロゼ「そう、ありがと」ニコ

ロゼ「さて、まずは当海域からの離脱が先決ね。奴はグネフヌイを見逃してくれたみたいだし、さっさとアレに乗せてもらいましょ」

帝国兵士A「そうですね」


それから数時間後、アルウスの乗組員はグネフヌイに収容された。しかし、告死天使全体での生存者は、全員合わせて400人しかいなかった。

ロゼ「波動砲で艦隊のほとんどが瞬時に蒸発、アルウスは掠っただけなのに船体の半分が融解。本当にふざけた兵器ね」

帝国兵士B「小官は奴に勝てる気がしないのであります・・・」

ロゼ「大丈夫よ。多分、彼紺艦隊が殲滅してくれる。今まで何隻もの超兵器を葬ってきてるし、それなりの改造も施されてるはずよ」

アルウス艦長「ゴーダ司令が見逃したお陰でありますな」

ロゼ「あてつけはやめて。怒るわよ?」

アルウス艦長「これは失礼」コホン

506: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/14(金) 23:58:48.40 ID:7yau+KQH0
早川「・・・」ハァ

電「どうしたのですか、司令官さん?」

早川「今回も、かなりの被害が出た。紀伊が中破し、金剛と長門、青鶴が撃沈された。それに、アルビオンも使い物にならない」

電「今回も予算が大変なのです」

早川「全くだ。金が湧いて出てくれれば、これほど嬉しいことはないんだが」

ヴァイセンベルガー「それならば心配することはない。これまでの活躍を認め、遣欧艦隊に割く予算を少し増やしてやる」

早川「本当ですか!?」

ヴァイセンベルガー「嘘をついて何の得がある。シュルツの艦も廃艦にするしかない様子だ、もう1隻戦艦をくれてやる」

早川「何から何まで、有難い限りです」

ヴァイセンベルガー「フン、これからも精々頑張るんだな」

電「これで少しはマシになったのです。よかったのです!」

早川「そうだな。では、その戦艦とやらを拝みに行こう」

507: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/15(土) 00:19:50.00 ID:2qXGXgcZ0
スキズブラズニル 修理ドック

早川「これは・・・双胴戦艦!?」

シュルツ「ええ、規模は小さいですが、あのハリマに恐ろしく似ています」

ブラウン「主砲は50.8cm砲、副砲は20.3cm砲、ですか。かなりのスペックを持っているようですね」

早川「ところで、名前は何だ?」

シュルツ「ヴァイセンベルガー将軍は『周防』と呼んでいました。何でも、撃沈したハリマの構造を調べたそうです」

電「ちょっと可愛いハリマなのです!」

シュルツ「ニミッツ級よりデカい艦を可愛いというのか・・・私にはわからん」

筑波「まさに大艦巨砲主義ぢゃ!」

暁「ふえぇ、大きいよぉ・・・」

提督「大丈夫かしら、この艦隊・・・」

副長「さーあ?」

508: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/15(土) 00:38:57.47 ID:2qXGXgcZ0
早川「さて、周防も編入されたことだし、本格的に帝国を制圧する時が来たのかもな」

ブラウン「はい。あの艦と共に新型戦闘機も確保してあります。もうヴィルヘルムスハーフェンは攻略できるかと」

早川「新型機?」

ブラウン「F/A18スーパーホーネット、F-22Cラプターが届いています。ファントムより少し遅れて開発されていたようですね。パイロットは既に確保済みとのことです」

電「ちょっと凄そうな名前なのです。響は知っているのですか?」

響「さすがに知らないよ。多分、かなり進んだハイテク機だろうね」

早川「では、それを早速空母に搭載してくれ。指令書によると、出撃は明日だ」

ブラウン「では、準備してきます」

早川「頼んだぞ」

電「そろそろ、帝国との最終決戦なのです・・・」

早川「今まで幾つもの超兵器を破壊してきたが、ルフトシュピーゲルングの強さは聞く限り侮れない。電、お前には辛い戦いをさせるだろう」

電「これでみんなを守れるなら、最後まで戦うのです!」

513: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/15(土) 21:53:58.01 ID:2qXGXgcZ0
早川「天城艦隊がカテガット海峡の敵を掃討し、その間に本隊がキールを強襲する、か・・・」

筑波「かなり賭けに出ましたな。ところで、艦隊の編制はどうされますかな?」

早川「そうだな、まず本隊は電だ。そして、キールでの戦いは誘引艦隊として大和、愛宕、暁、響、雷をつける。別動隊として赤城、大鳳、ニミッツ、エンタープライズだな。この艦隊でキール防衛艦隊を相手取り、電が単艦で敵基地を砲撃する」

電「電が、ですか?」

早川「そうだ。突入前に艦載機が敵基地の砲台陣地を破壊し、降伏勧告を出す。そこで相手が応じなければ、電が基地を破壊する」

提督「そんな虐殺みたいなこと、電が認めるわけないじゃない」

電「そうなのです!嫌なのです!」

早川「欧州に展開する数多くの艦隊がここから出ている。これは仇打ちの意味合いもある」

提督「仇打ちって・・・」

早川「この戦いは早めに終わらせる必要がある。本国から超兵器が送られて来ないとも限らないからな」

提督「ちょっと、聞いてるの!?」

早川「聞いている。何にせよ、この戦いは避けられない。この作戦ならば、自軍の被害が最も少ないという公算も出ているからな」

提督「そういうことじゃないわよ!」

早川「では、何だ。言ってみろ」

提督「仇打ちなんて・・・悲しいだけじゃない」

早川「そうかもな」

514: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/15(土) 22:31:03.59 ID:2qXGXgcZ0
提督「・・・冷たいわね」

電「もういいのです、提督」

提督「電・・・わかったわよ、もうこの話はおしまい。さっさと消えなさい」

早川「わかった」キィ バタン

筑波「若いですな」

電「・・・?」

筑波「戦いが長引けば長引くほど、人の心は荒んでしまうものです。それでもなお人の命を助けたいと願い続けられるのは、若さ故の心の強さからでしょうか」

提督「私は・・・そうじゃないわ」シュン

筑波「その様子だと、昔に何かありましたな?」

提督「ええ、私が子供の頃だったわ。深海棲艦の機動艦隊が街を空襲したのよ。それで妹とママを失ったわ」

提督「それから、親父の三笠が率いる戦艦隊が助けに来たけど、無駄だった。何隻もの戦艦レ級の激しい空襲、雷撃、それに砲撃。為す術もなく次々に沈められて・・・今も鮮明に覚えてる。それが軍に入ったキッカケ」

筑波「・・・」

提督「そうよ。それ以来、私は復讐のことしか考えられなくなった。ひたすら上を目指して提督になって、連中を一刻も早く滅ぼしてやりたいと考えたわ。海軍兵学校でも首位で卒業して・・・でも、3年前に電に出会ってから、考えが大きく変わったの」

電「そ、そうなのですか?」

提督「覚えてる?最初、私は敵を助けたいって言ってる電が嫌いだった。生ぬるいって。それじゃ敵と戦えない、って思ってた。でも、ずっと一緒にいるうちに、少しずつ電の考えてることがわかってきたの」

提督「今じゃ、すっかり洗脳されちゃった。出来る限り、敵を助けていこうって。そうしたら、少しずつでも敵のことをわかっていける。そう思った」

提督「彼も今は気が立ってるのね。自分の人生を振り返ったら、ちょっと頭が冷えてきたかも」

筑波「・・・やはり、人は変われる存在ですな」

提督「そうね。何にせよ、今は目の前の作戦に集中しなきゃ。電ちゃん、しっかり頼むわね!」

電「なのです!」

516: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/15(土) 23:28:40.25 ID:2qXGXgcZ0
電「第1艦隊、出撃です!」

電を旗艦としたキール攻略艦隊は、ヴィルヘルムスハーフェンのレーダー監視網に引っ掛からないようにしつつ進み、カテガット海峡に突入した。

早川「まさか、天城がヴィルヘルムズハーフェンの部隊も誘引するとは。かなり無茶だな」

天城『大丈夫です。北海主力艦隊の出撃後、英仏連合艦隊が追尾し、カテガット海峡で艦隊を挟み打ちにします。それで敵を効果的に殲滅できるかと』

早川「大した自信だな。北海主力艦隊の兵力を考えているのか?」

天城『二日前に発生したロンドン沖海戦で、スペイン軍が兵力の2割を撃破しました。ほとんど戦艦ですので、かなり楽になったかと』

早川「お前には恐れ入るよ」

電「カテガット海峡に入るのです。いよいよなのです」

早川「そうか。では、各艦警戒態勢!索敵を怠るな!速度上げ!」

キール攻撃艦隊が一気に速度を上げ、目標のキール軍港に向けて突き進む。

赤城『艦載機より報告です!敵艦隊発見!海峡北側に水雷戦隊、海峡通過直前に戦艦隊です!』

早川「攻撃艦隊に告ぐ。戦闘は最小限にし、キール突入を最優先にせよ!」

シュルツ『了解。主砲発射準備。目標、水雷戦隊旗艦と思われる駆逐艦。撃破後は直ちに当海域を離脱せよ』

戦艦周防の主砲が火を噴いた。目標の駆逐艦ではなく、後方の2隻を轟沈させただけだが、その威力を確かめるには十分だった。

早川「大和や紀伊で見たが、さすがに凄いな。弾の数が違う」

副長「さすが双胴戦艦ですねっ!」

517: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/15(土) 23:58:56.35 ID:2qXGXgcZ0
大和『全主砲、薙ぎ払え!』ゴォォ

大和の主砲が咆哮し、敵駆逐艦を襲う。至近弾だが、50.8cm砲に換装された主砲の威力はけた外れだった。

電探の妖精さん「敵スラヴァ級駆逐艦、大破!」

大和『次弾装填急げ!』

早川「戦局は我が方優位か。まぁ、攻撃艦隊と防衛艦隊が一緒に行動している今はそうだろうな。しかし、キールに突入すれば、どうかわからんな」

電「できれば、戦いたくはないですね」

早川「そうだな・・・そろそろ戦艦隊の射程に入る。雷、電、ミサイル発射!目標、敵アイオワ級戦艦!」

電「なのです!」シュウゥゥ

雷『てーっ!』シュウゥゥ

二隻からミサイルが発射され、旗艦と思しき単縦陣の先頭にいるアイオワ級に狙いを定める。ミサイル2発は対空ミサイルの網をかいくぐり、見事命中した。

電探の妖精さん「敵戦艦大破!船足が遅くなっています!航行不能の模様!」

早川「よくやった。そのまま直進、戦艦隊に攻撃を加えつつ海域を離脱する!」

早川の指示の下、攻撃艦隊が更に速度を上げる。相手の戦艦隊も離脱を許すはずがなく、主砲の一斉射撃で応戦してくる。

副長「大和に至近弾!航行に異常なし!」

518: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/16(日) 23:53:35.44 ID:8dpz0Ll20
副長「海域離脱!キール軍港に接近します!」

電探の妖精さん「前方に敵艦隊!水雷戦隊よ!」

早川「よし、行動開始。戦艦隊、中央から突入しろ!電は島の影で待機!」

シュルツ『はっ!全艦、突撃!』ゴォォ

周防や大和が敵艦に攻撃を加え、注意を逸らす。

早川「島の影ならレーダーに捕捉されることはあるまい。しかし、空には注意しろ」


それから1時間、敵艦隊の数隻が沈み、空母も到着したところで戦況が有利になってきた。

早川「そろそろ、か。機関室、行けるか!?」

機関室の妖精さん『・・・いつでも行ける』

早川「了解。電、出撃せよ!目標、敵基地直前!」

電「なのです!」

早川「さて、この戦いでキールを無事に落とせるといいが」

519: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/17(月) 00:09:10.21 ID:ToehUeoC0
早川「こちら解放軍艦隊!貴官らは包囲されている!直ちに投降せよ!」

副長「・・・ダメです、応答ありません!」

早川「黙殺か。ならば・・・砲撃開始」

電「で、でも・・・」

早川「聞こえなかったのか、砲撃開始だ」

電「な、なのです」ドォンドォン

電はキール軍港を砲撃した。クレーンがなぎ倒され、基地施設が炎上する。

早川「まだ投降しないのか。ならば、陸戦隊出撃!キールを落とせ!」

陸戦隊の妖精さん「最近は出番が多いな。合点承知だ!」

早川「砲撃を止めるな!撃て!」

電「・・・っ!」ドォン

味方航空機が上空を守る中、電は砲撃を続ける。

電探の妖精さん「順調といえば、順調・・・あっ!」ピピーッ、ピピーッ

電探の妖精さん「敵艦隊出現!東からよ!扶桑型、大和型戦艦を含む戦艦隊!」

早川「何だと!?くっ、これを待っていたのか・・・」

提督『大和型か・・・かなりマズいわね。とっとと潰さないと壊滅させられかねないわ』

早川「電、反転!敵戦艦隊を破壊しに行く!」

520: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/17(月) 00:49:36.46 ID:ToehUeoC0
電「ふあーっ!?」ドゴォ

ダメコンの妖精さん『魚雷発射管が潰されたのん!』

早川「ミサイル全弾発射!引火に気をつけろ!」

電の魚雷発射管が大爆発を起こし、艦橋後方が抉り取られた。しかし、ミサイルにはまだ引火していない。

副長「暁のミサイル、敵扶桑型戦艦を直撃!炎上し、沈んでいきます!」

暁『一人前のレディは強いんだから!』

早川「よし、大和を潰せ!何としてでも沈めてやれ!」

電「なのです!」シュウゥゥ

大和の砲弾を避けつつ、電はミサイルを撃つ。しかし、CIWSによって阻まれた。

早川「やはり敵も進化しているか・・・ミサイル、連続発射!ぶちかませ!」

電「命中させちゃいます!」シュウゥゥ

VLSから二発の対艦ミサイルが放たれ、大和の舷側を貫く。しかし、敵艦はほとんどダメージを受けていない。

早川「硬いな・・・」

シュルツ『撃ち方始め!』ゴォォ

周防が支援砲撃を加え、大和の喫水近くにダメージを与えた。砲弾の威力が装甲の限界を超えたらしく、巨大な穴をあけられた大和は転覆して沈没した。

早川「よし、撃破したぞ!」

副長「敵基地から連絡!司令長官の死亡を確認、速やかに投降する、とのことです!」

早川「キール制圧完了、か。思ったより味気なかったな」

521: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/17(月) 23:32:29.43 ID:ToehUeoC0
ブラウン「・・・」

ナギ「どうされたんですか、ブラウン大尉?」

ブラウン「キールの艦隊ですが、数日前の偵察時より明らかに戦力が減らされていました。それも、空母はほとんど別の場所に回航されています」

シュルツ「気になりますね」

ブラウン「はい。何か悪いことでも起こらなければいいのですが・・・」

筑波「もしかすると、カテガット海峡に超兵器が待ち伏せしているかもしれませんな」

ナギ「もー、本当に来ちゃいそうで・・・」ピピーッ、ピピーッ

ナギ「通信傍受・・・えっ!?」

シュルツ「どうした!?」

ナギ「ノルウェー近海に超兵器出現!敵は南下中、本艦隊の退路を塞ぐ意思は明白です!」

筑波「わしの予感が見事に当たりましたな。ハハハハ!」

ブラウン「笑いごとではありません!」

シュルツ「面倒なことになったな・・・全艦、戦闘準備!」

522: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 00:03:34.66 ID:7HhimfWO0
早川「まだ戦闘のダメージから回復していないというのに・・・」

電「さすがに辛いのです・・・」

赤城『偵察機、直ちに超兵器の画像を入手してください!』

副長「どうしましょう、司令代行・・・」

早川「まずは各艦の被害を見て、戦闘に参加する艦艇を選別する。参加しない艦は、最大戦速で海域を離脱させる」

電探の妖精さん「それは無理ね。断言できるわ」

早川「なぜだ?」

電探の妖精さん「大陸方面から別の超兵器が迫ってるわ!おそらく、速度から飛行型超兵器よ!」

水雷長の妖精さん「超兵器のオンパレードだなー」

電「うぅ、怖いのです・・・」ブルブル

早川「大丈夫だ、電は絶対に守る」ナデナデ

電「あ、あのっ・・・ありがとう///」

早川「さて、奴らをぶちのめしに行こう。天城艦隊は総力を以て海上超兵器を迎撃!攻撃艦隊は飛行型超兵器の攻撃に移る!」

副長「了解!」

赤城『艦載機隊、全機発艦してください!』

大和『対空戦闘用意!炉号弾装填!』

愛宕『対空ミサイル、いつでも行けまーす♪』

シュルツ『対空戦闘!撃ち方用意!』

早川「モチベーションはバッチリだ。では、お出迎えといこうか」ニヤリ

523: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 01:14:21.67 ID:7HhimfWO0
副長「司令部より通信!接近中の海上超兵器を、超巨大航空戦艦『リヴァイアサン』、及び飛行型超兵器を、超巨大攻撃機『フォーゲルシュメーラ』と確認!詳細なデータをモニターに転送します!」ピピッ

早川「リヴァイアサンにフォーゲルシュメーラか・・・どちらも異様な形状をしているな。何か特異な能力はあるか?」

副長「リヴァイアサンは津波を引き起こす超兵器で、核ミサイルを発射します。フォーゲルシュメーラは旋風を沈めた超兵器で、空中停止や巨大レーザーを発射できる、とのことです」

電「二隻とも強そうなのです!津波に捕まったら第4艦隊事件になっちゃうのです!」

提督『第4艦隊じゃ済まないかもしれないわ。とにかく、何が何でも津波を起こされる前、もしくはレーザー砲の餌食になる前に沈めなきゃ』

早川「そうだな。なぜ司令部がこんなに詳細な情報を持っているのか、それは後でガルトナー司令に聞いてみるとしよう」

早川「では、戦闘開始!ミサイル艦を後ろに下げ、アウトレンジ攻撃及び防空を担当!戦艦は隙を見つけてフォーゲルシュメーラに主砲を撃ちこめ!各自散開せよ!」

早川の指示で艦隊が大きく広がり、敵のレーザー砲で一度に全滅しないようにする。

早川「何が何でも潰せ!ここで負けたら意味が無い!」

電「ミサイル装填です!」

雷『どっからでもかかって来なさい!』

暁『突撃するんだから!』

響『Битва начало』(戦いは始まった)

愛宕『うふふふ!』

副長「フォーゲルシュメーラ接近!ミサイル射程距離に入ります!」

525: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 01:42:32.79 ID:7HhimfWO0
電探の妖精さん「ノイズ極大化!超兵器接近!」

早川「ミサイル、撃ち方始め!」

電「なのです!」シュウゥゥ

巨大なアームを組み合わせたような異形の兵器に、大和を含むイージス艦の艦隊が対空ミサイルを放つ。しかし、フォーゲルシュメーラには一切と言っていいほど効果がなかった。

大和『さすが、頑丈ですね!』

赤城『戦闘機隊、迎撃せ・・・ど、どうしたの!?』

航空機の妖精さん『かみなりさんいっぱいふってきたー!ちょくげきで2きのでんしききがこわれちゃったよー!』

ブラウン『超兵器機関が周囲の大気を帯電させて、雷を!?戦争兵器の枠を超えています!』

赤城『損傷機は直ちに帰還してください!まさか、雪だけでなく雷まで起こせるなんて・・・』

暁『か、雷なんて怖くないんだからっ!』

副長「敵機、空中に静止!後部のアームを前方に伸ばしています!」

早川「データによると、ホバー砲というらしいな・・・全艦、射線上から退避!」

大和『主砲、撃ち方始め!撃てー!』ゴォォ

シュルツ『砲撃開始!撃て!』ゴォォ

大和と周防の50.8cm砲が火を噴き、炉号弾を発射した。レーザーを発射するフォーゲルシュメーラに命中するが、やはりダメージを与えている様子は無い。

早川「炉号弾ですらダメか・・・戦艦は徹甲弾に切り替えろ!護衛艦隊は回避に専念しろ!」

526: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 01:54:57.35 ID:7HhimfWO0
ブラウン「飛行型超兵器ではありえない防御力ですね。構造に秘密があるのでしょうか・・・」

筑波「かなり強力な超兵器ですな。あの海割りレーザーと言い、超兵器機関が暴走しかねませんな」

ブラウン「ええ、それが一番の懸念です」

ナギ「敵艦、レーザーポッドを投下!既に稼働して暁に攻撃中です!」

暁『きゃあっ!熱いよぉ!』

早川『護衛艦隊、レーザーポッドを処理しろ!』

シュルツ「右回頭!右舷の方を使用し敵機を攻撃する!」

ナギ「敵機、移動開始!推定速度400ノット!電に接近中!」

フォーゲルシュメーラは電のほぼ真上に陣取り、巨大レーザーを放とうとしている。この時はレーザー発射時に姿勢が崩れるのか、一切動かない。

シュルツ「くッ、主砲、次弾装填及び冷却急げ!」

筑波「危険な状況ですな。電は損傷中、一撃を貰えば弾薬庫に引火しかねませんぞ」

ブラウン「弱点を突くことができれば、対処できるのですが・・・」

提督『大和、敵ホバー砲にできる限り砲弾を撃ち込むのよ!』

ブラウン「ホバー砲・・・そうですね、敵のホバー砲やジェット噴射口を狙えば、少しはダメージが期待できるかもしれません」

シュルツ「了解しました。主砲三連!残弾が無くなるまで叩きこめ!」ゴォォ

527: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/18(火) 23:24:09.49 ID:7HhimfWO0
早川「くっ、被害知らせ!」

機関室の妖精さん『・・・タービンにダメージ、オーバーヒート寸前』

電「ぜかましの二の舞だけはイヤなのです!」

早川「お前、しれっと酷いこと言うよな」

副長「敵レーザーポッド、更に投下を確認!」

早川「排除しろ!」

電「なのです!」ドォンドォン

大和『砲撃用意!目標、敵超兵器!撃て! 電ちゃん、大丈夫!?』ゴォォ

電「大丈夫なのです!」

大和『そう、よかった・・・無理はしないでね』

電探の妖精さん「雑談は後にしなさい!上から来るわよ!」

フォーゲルシュメーラが再び電の真上に陣取り、ホバー砲の発射準備を整える。

早川「対空ミサイル発射!回避行動を取れ!」

機関室の妖精さん『・・・これ以上無理できない。爆発する』

電「お腹の辺りが熱いのです・・・」

副長「無理しなくていいよ、電ちゃん!」

早川「無理をしようがしまいが同じことだ!全速力!」

電「ううっ、電は頑張るのです!ミサイル装填です!」シュウゥゥ

電が放ったミサイルは、敵の小型砲台に命中した。小規模の爆発が発生し、フォーゲルシュメーラの移動速度が下がった。

528: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 21:48:20.44 ID:l6BTucC50
副長「フォーゲルシュメーラの速度が低下しました!」

早川「よし、対艦ミサイルも撃ち込め!照準は手動でいい!」

電「なのです!」シュウゥゥ

雷『超兵器なんて怖くないわ!』シュウゥゥ

雷と電のVLSが一斉に開放され、次々とミサイルを発射する。機動力が落ちたフォーゲルシュメーラは標的同然となり、戦艦の主砲も次々と叩き込まれる。

副長「フォーゲルシュメーラの右後部バーニアが爆発しました!フォーゲルシュメーラ、キール港に着陸!」

早川「よし、とどめを・・・」ピピーッ、ピピーッ

副長「いえ、フォーゲルシュメーラから通信が入っています!」

早川「繋げ!」

『私ハフォーゲルシュメーラ、ウィルシア帝国所属ノ超兵器デス・・・』

電「超兵器が、話しかけてきたのです・・・」

早川「お前が、超兵器か・・・」

フォーゲルシュメーラ『ハイ、ソウデス。今カラソチラニ行キマス』ピッ

529: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 21:56:12.35 ID:l6BTucC50
早川「お前が、フォーゲルシュメーラか」

フォーゲルシュメーラ「はい。私はウィルシア帝国海軍第6遊撃隊旗艦、フォーゲルシュメーラです。といっても、第6遊撃隊は私一人ですけど。みんな、私を『シュメーラ』と呼びます」

電「美人さんなのです!」キラキラ

早川「瞬間移動とは、最早我々の持ちうる技術の粋を逸脱しているな。それにしても、艦娘のように武装を身体につけているのか」

シュメーラ「艦娘とは?」

早川「そこにいる少女がそうだ。この駆逐艦の艦娘、電だ」

シュメーラ「艤装がありますね。ということは、私と同じ存在なのでしょうか?」

電「い、電は超兵器機関なんて積んでないのです」

シュメーラ「それじゃ、一体何者・・・あっ、そういえば、海軍で噂になってましたね。超兵器キラーの電は転移艦だって・・・ええええっ!?」

早川「驚くのも無理はあるまい。こんな少女が艦を指揮していたのだからな」

電「この世界に来てからは、ずっと司令官さんのお世話になってたのです」テレテレ

シュメーラ「うふっ、でも、よく見たら可愛いですね」ナデナデ

電「はうっ///」テレテレ

530: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:04:14.78 ID:l6BTucC50
シュメーラ「・・・さて、私がここに来た理由は、わかりますよね」

早川「それは理解しかねる」

シュメーラ「そう、ですか。私は敗北しました。そこで、解放軍に投降します」

早川「投降・・・それがどういう意味を持つのか、わかっているのか」

シュメーラ「はい。解体され、研究材料にされる、ですね。超兵器はあなた方にとって、最も未知で危険な存在。それ故に研究をするでしょう」

シュメーラ「しかし、破壊されてしまっては元も子もありません。それより、生き残る道を選びたいと思います」

早川「正しい判断だ。さて、リヴァイアサンは・・・」

天城『くッ!早川少将、リヴァイアサンの攻撃により我が艦隊は壊滅、更に津波によって多くの死者を出しました。リヴァイアサンは逃走、救助をお願いします』

早川「了解した。何とか持ちこたえてくれ」

天城『そちらは・・・』

早川「超兵器の鹵獲に成功した。スカパフロー基地に戻り、修復し次第戦力に加える」

天城『朗報です。では、待っています』ピッ

シュメーラ「研究しないのですか?」

早川「超兵器のことは既に色々とわかってきている。司令部も、色々と情報を仕入れたみたいだしな」

531: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:12:28.14 ID:l6BTucC50
数時間前 ロンドン市内の解放軍司令部

ヴァイセンベルガー「久しいな、ロゼ」

ロゼ「そうね。直に会うのは4年ぶりかしら」

ヴァイセンベルガー「無駄口はいい。何の用だ」

ロゼ「エーヴィヒグランツ作戦が発動したわ。ヴォルケンクラッツァーにアルウスが撃沈された」

ヴァイセンベルガー「・・・反旗を翻したのか」

ロゼ「そうよ。奴らが潰すところは、今現在解放軍が支配している地域だけ。そこには、あたしの生まれ故郷も入ってるわ。さすがに故郷を見捨てることはできない。もちろん世界も」

ヴァイセンベルガー「内輪もめは結構だ。どんどんやってくれたまえ」

ロゼ「内輪じゃないわよ。あたしは解放軍に入る」

ヴァイセンベルガー「信用すると思うのか?」

ロゼ「信用ね・・・それじゃ、今現在帝国が所有している超兵器の情報を、全部提供するわ」

ヴァイセンベルガー「・・・いいだろう。その代り、スパイ行為をしていた場合は、わかっているな」

ロゼ「銃殺、でしょ。もう飽き飽きするわ、その台詞」

ヴァイセンベルガー「・・・フン」プイ

532: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/19(水) 22:22:16.65 ID:l6BTucC50
ピピーッ、ピピ・・・ガガガガガガ

早川「どうした!?」

副長「ジャックです!通信機器が乗っ取られました!」

『・・・カ我ハ、究極超兵器ルフトシュピーゲルング、全テヲ滅ボスタメニ生マレシ者』

『コレヨリ、世界安定化作戦「エーヴィヒグランツ」ヲ開始スル。我ガ意志ニ逆ラウコトナド、不可能ト知レ!』

副長「通信、切れました。機器、正常に作動しています」

早川「何だったんだ、あれは・・・」

シュメーラ『ルフトシュピーゲルングです。この世界を支配するためにやって来た、破壊のために存在する兵器です』

早川「あれが、ルフトシュピーゲルングの声、か」

電探の妖精さん「勝手なこと言ってくれちゃって!さっさと潰してやるわよ!」

副長「とうとう、敵の最強の超兵器との決戦が近いんですね・・・」

電「また、人が一杯死んじゃうのです・・・」

早川「心配することは無い。我々はルフトシュピーゲルングを破壊し、平和な世界を取り戻す。それだけだ」

電探の妖精さん「あっ、漂流者よ!」

電「救助するのです!」

早川「よし、内火艇、降ろし方用意!」

533: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 22:48:51.47 ID:CoKaxg9Q0
ガルトナー『超兵器の鹵獲に成功したのか!?』

シュルツ「ええ、今は技術調査を兼ねて修理を行っています」

ガルトナー『それは嬉しい報せだ。運用は君たちに任せる』

早川「待て」

ガルトナー『・・・何でしょうか』

早川「司令部は何か重大な情報を掴んだらしいな。フォーゲルシュメーラとリヴァイアサンのデータ、どこから仕入れた?」

ガルトナー『こちらに寝返った将校からの情報です。特に、そちらの艦隊には全ての情報を開示しておけと』

早川「では、その情報とやらを全て転送してくれ」

ガルトナー『了解しました。スキズブラズニルのデータベースに転送します』

早川「頼んだ」

ガルトナー『では、私はこれで』ピッ

シュルツ「重大な情報、ですか。何か気になりなるものを感じますね」

早川「そうだな。では、早速スキズブラズニルのデータベースにアクセスしてみるか」

534: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 23:07:07.89 ID:CoKaxg9Q0
提督「思えば、遠くまで来ちゃったわね」

電「色々あったけど、司令官さんや他の人たちに会えて楽しかったのです」

提督「それならよかった。ここでの戦争はもうすぐ終わりそうだし、帰ったら鎮守府のみんなに話してあげないとね」

電「そういえば、みんなに行ってきますを言えなかったのです・・・」

提督「ただいまが言えたら別にいいじゃない」ナデナデ

電「はわわわ・・・」テレテレ

提督「そうねぇ、帰ったら何がしたい?」

電「ふぇ?」

提督「鎮守府に帰ったら、まず何がしたい?」

電「ま、間宮さんのアイスを食べたいのです!」

提督「そう。じゃあ、帰ったら私が奢ってあげる。置いて行っちゃったみんなにも、何かお詫びしないとね。やっぱり約束通り、経費で温泉かなぁ」

電「温泉も行きたいのです」

提督「じゃ、温泉に再決定ね。楽しみね」

副長「あれっ、温泉行くんですか?」

提督「ええ。鎮守府に帰ったら、艦娘や同期を誘って行くの」

副長「うらやましいです。あたしも行きたいなぁ」

535: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 23:30:28.25 ID:CoKaxg9Q0
早川「超兵器機関・・・形状は人間の脳と変わらんが、かなり巨大だな」

ブラウン「やはり、超兵器機関は人間の脳を模した構造でしたか。睨んだ通り、というわけですね」

シュメーラ「はい。しかし、これでも私たちは最大出力の半分も出せません。人間たちが超兵器機関の力を押さえこんでいるからです」

シュルツ「超兵器そのものが、超兵器を縛るカセだったというわけですか。これもブラウン博士の読み通りですね。では、何かを参考にして設計された、というのも・・・」

シュメーラ「何かを参考・・・すみません、そこは忘れているみたいで、思い出せません」

早川「そうか。ありがとう」

提督「超兵器機関の意識ねぇ・・・まるでメンタルモデルみたいね。そうじゃない、大和?」

大和「そうかもしれませんね」

シュルツ「メンタルモデルとは?」

提督「一度、私たちの世界に深海棲艦以外の艦隊が攻めてきたことがあったの。その名も『霧の艦隊』。連中、深海棲艦なんかとは比べ物にならないほど強力なの。霧の艦艇にはコアがあって、それの処理能力の高さが一定以上あると、メンタルモデルを持てるの。超兵器の意識と同じようなものよ」

ブラウン「興味深いですね。それで、霧の艦艇というからには、霧でできているのでしょうか?」

提督「いえ、違うわ。船体やメンタルモデルはナノマテリアルという謎の物質でできていて、レーザーやミサイルをボコボコ飛ばしてくるのよ。防御力もかなりあって、強制波動装甲やクラインフィールドを使って攻撃を無力化するのよ」

ブラウン「クラインフィールド・・・防御重力場のようなものでしょうか。いずれにせよ、超兵器レベルの強さであることは間違いないようですね。ますます興味深い」

シュメーラ「霧の艦艇・・・別世界にも現れていたのですね。我々もその霧と戦ったことがあります。それに『ネウロイ』と呼ばれる連中のデータもあります」

提督「そっちにも霧が・・・どうやら、この世界と私たちの世界は色々と接点があるみたいね。そのネウロイとやらが攻めて来ないといいんだけど」

537: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/20(木) 23:45:12.71 ID:CoKaxg9Q0
早川「とりあえず、その話は後にしてくれ。今は超兵器の解析をしているところだ」

提督「はぁい」

大和「ちょっとお喋りが過ぎました・・・」

早川「ところで、ルフトシュピーゲルングはどこからやって来たんだ?」

シュメーラ「別の世界からやってきた、あなた方と同じ転移艦です。しかし、提督たちが知らないということは、更に別の世界から来たんでしょう」

提督「あぁもうややこしいわね!どれだけ別の世界があるのよ」

ブラウン「パラレルワールド、ですね。それすら捻じ曲げて繋げてしまうとは、超兵器の力はただ恐ろしいばかりです」

大和「空間を超えるなんて、ワープくらいしか思いつきません。凄いですね」

シュメーラ「しかし、同じ超兵器であることに変わりはないようです。ルーツは同じでしょう」

早川「ルーツは同じ、か。やはり、どこかの世界に最初の超兵器が存在するんだろうな」

ブラウン「マスターシップですね。可能性は大いにあります」

シュメーラ「マスターシップ・・・」

提督「ホントにややこしいわね。もう嫌になっちゃう」

大和「まぁまぁ」

542: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/21(金) 21:27:15.54 ID:OXpTgvxp0
大和「ルフトシュピーゲルングは時空を超えられるんですよね。それじゃ、何のためにこの世界にやって来たんですか?」

シュメーラ「旋風を沈める直前に、そのルフトシュピーゲルングと話す機会がありました。この世界に来た目的は、そのマスターシップを手に入れるためだ、と」

シュルツ「マスターシップを手に入れる・・・?」

ブラウン「この世界にマスターシップが存在するのですか!?」

シュメーラ「はい。その現物は既にルフトシュピーゲルングが所持しています。しかし、まだ起動段階ではありません」

提督「物騒なものを持ち出してきたわね。ところで、名前は?」

シュメーラ「大いなる冬を意味する、『フィンブルヴィンテル』です。かつて北極に存在した大陸を消し去り、その名の通り大いなる冬をもたらした最強の超兵器です。その結果、前文明は滅び、フィンブルヴィンテルも活動停止に陥り、そのまま長らく北極に封印されてきました」

早川「ブラウン博士、そういえば欧州大戦前に極地探検隊が北極で『何か』を発見したと聞いたことがある。表向きには封殺され、なかったことになっていたが」

ブラウン「それです。それがマスターシップ・・・いえ、フィンブルヴィンテルに違いありません」

提督「バカみたいな話だけど、本当のことなのね。それをルフトシュピーゲルングみたいな強力な超兵器が狙うとすると、とんでもない力を持ってるのかもね」

シュメーラ「はい。私たち超兵器から見ても化け物です。あれは歴史に存在してはいけない物です」

提督「ふぅん・・・ま、戦艦棲姫やエリートレ級の大群に比べたらマシでしょ。1隻だけだからリンチできるし、古代兵器っていうからには航空機もないでしょうし」

早川「そんな見方もあるか。だが、シュメーラの言うことが事実だとすると、我々にとっては死活問題だ。何としてでもルフトシュピーゲルングを退け、フィンブルヴィンテルを永遠に葬る必要がある」

ブラウン「やるしかありませんね。所在地がわかれば、起動する前に叩くこともできますが・・・」

早川「無理だな。どうせルフトシュピーゲルングが守っている。この話は後だ。まず、ウィルキアを解放せねばならん」

543: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/21(金) 21:49:16.58 ID:OXpTgvxp0
ガルトナー「諸君らの働きで、欧州の解放は完了した。まず、お礼を言いたい。ありがとう」

シュルツ「光栄であります」ビシッ

筑波「まずは一件落着ですな」

艦長「ああ、喜ばしい」

ガルトナー「残すは南アメリカ、ナーウィシアの一部、最後にウィルキア本土だ。南アメリカの方はアメリカが対処するらしい。我々は太平洋を進みつつ、ナーウィシアとウィルキアを解放する」

天城「とうとう、この時が来たか」

提督「ええ、さっさと連中を潰して、温泉に行くわよ!」

電「温泉なのです!温泉卵を量産するのです!」

副長「温泉卵は・・・まぁ、その、まぁね・・・」

早川「しかし、ウィルキア本土には強力な超兵器が配備されているだろうし、ルフトシュピーゲルングもいる。更に、運が悪ければ、フィンブルヴィンテルとかいう怪物も・・・」

ガルトナー「そうだ。再び前時代の悲劇が繰り返されないよう、早急にウィルキアを解放せねばならん。そのためには、諸君の尽力が必要不可欠だ」

暁「やっと出番が回ってきたのね!レディの本気を見せてあげるんだから!」

ガルトナー「その実力を以て我々の、そして世界の平安を手にできる日を勝ち取ってくれたまえ。では、解散。私はここで失礼する」

響「・・・」ビシッ

愛宕「また会いましょうね~♪」

早川「決戦の時、か・・・」

544: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/21(金) 22:42:54.92 ID:OXpTgvxp0
最初は戦艦1隻、鹵獲空母1隻、駆逐艦2隻の小規模な艦隊だった遣欧艦隊は、今では世界最高クラスの装備や超兵器まで保有する最強の遊撃艦隊になった。

早川「モスポール状態の艦も含めると、一国の軍隊に相当するな。下手な超兵器より脅威かもしれないな」

艦長「艦娘の強さは通常艦艇を大きく超えます。それに超兵器まで保有しているとなれば、戦後のことが心配です」

早川「戦後か。それは戦後になって考えればいい。今集中すべきは他にある」

艦長「・・・失礼しました」

早川「お前は深雪に乗るんだったな。最後尾は任せたぞ」

艦長「承知しております。では、起きをつけて」ビシッ

早川「ああ、お前もな」

艦長は簡単にお辞儀をすると、電の艦橋から出て行った。内火艇に乗り、スキズブラズニルの整備ドックに入っている深雪に向かう。

早川「深雪も、随分頑張ってくれたな・・・」

副長「艦娘の深雪ちゃんにも会ってみたいですね。どんな子なのかなぁ?」

早川「いつの間に・・・」

副長「ちょっと通りかかっただけですよ。コーラいります?」

早川「ありがとう、頂こう」

545: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/22(土) 00:12:52.74 ID:jaiZanWj0
早川「遣欧艦隊、全艦出撃!大西洋上で解放軍本隊と合流後、パナマ運河を通過して太平洋に向かう!」

早川の指示で、スキズブラズニルを含む遣欧艦隊が出港した。スキズブラズニルを中心に据えた輪形陣をとり、旗艦の電はスキズブラズニルの前を航行している。

赤城『ヴァイセンベルガー提督の話だと、ナーウィシアというところに日本が編入されているんですね。どんな感じなのか、すごく楽しみです』

電「久しぶりに横須賀のカレーを食べたいのです!」

響『楽しみだね」

大和『みんな横須賀が母港なのに、私だけ呉・・・』

愛宕『私も呉ですよ~♪』

提督「そうだったっけ」

電「そういえば>>1が愛宕の母港を調べようとしても艦これの話しか出ないって嘆いていたのです」

電探の妖精さん「よくやるわよ。それじゃ、休憩してこようかしら・・・」ピピーッ、ピピーッ

電探の妖精さん「ん・・・嘘でしょ!こんな時に!」

早川「どうした?」

電探の妖精さん「敵航空機の編隊が迫ってるわ!あいつら、性懲りもなく来て!」

早川「くッ、対空戦闘用意!このまま解放軍本隊と合流を急げ!」

電探の妖精さん「そうもいかないみたいよ」ピピーッ、ピピ・・・ガガガガガガ

早川「そのノイズ、超兵器か!?」

赤城『偵察機、敵超兵器を発見!リヴァイアサンと確認しました!』

早川「何だと・・・スキズブラズニルや補給艦は退避、直ちに超兵器戦にシフトする!全艦、輪形陣のまま攻撃指示を待て!」

546: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/22(土) 00:54:12.96 ID:jaiZanWj0
赤城『リヴァイアサンの他は何も見当たりません!超兵器が単騎で突撃してきます!』

早川「遂にトチ狂ったか。フォーゲルシュメーラ、ホバー砲をチャージしつつ敵機迎撃に当たれ!」

シュメーラ『了解しました』

フォーゲルシュメーラやイージス艦隊がミサイルを発射し、敵機を叩き落とす。

電探の妖精さん「無電方位探知で敵位置特定!近いわよ!」

早川「各艦、砲戦準備!ミサイル艦、対艦ミサイル発射!出来る限り短時間で決着をつける!」

電「命中させちゃいます!」シュウゥゥ

雷『この雷様に敵うと思ってるのかしら?』シュウゥゥ

遣欧艦隊から多数のミサイルが発射され、リヴァイアサンに直撃する。しかし、ダメージはかなり薄い。

副長「敵から高推力の大型ミサイルの発射を確認!核搭載型巡航ミサイルと思われます!」

早川「奴らめ、これが狙いか・・・全艦、何としてでも撃ち落とせ!撃ち漏らしたら命はないものと思え!」

響『了解、全力で潰す。対空ミサイル発射』シュウゥゥ

巡航ミサイルを響の対空ミサイルが落とした。速度は遅く、ミサイルを当てるのは容易だった。

早川「全く、ヒヤヒヤさせられるな」

大和『核なんて撃たせません!全主砲、薙ぎ払え!』ゴォォ

大和や周防が主砲を発射する。リヴァイアサンの飛行甲板に2発が直撃し、発艦準備中のスーパーホーネットを吹き飛ばした。

早川「よし、次は・・・ぐわっ!?」ドカァァン

電「はわわ!?恥ずかしいよぉ・・・」

早川「ダメージコントロール!状況知らせ!」

549: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/23(日) 00:10:56.69 ID:2XEiHniu0
ダメコンの妖精さん『後部主砲がダメになったのん!でも航行に支障はないのんな!』

早川「砲弾は見えなかったぞ!何があった!?」

ブラウン『・・・!レールガンです!ご注意を!』

早川「くッ、このような兵器とは!」

電「戦艦の砲弾より痛かったのです・・・」

電探の妖精さん「レーダーにも殆ど映らなかったわ。それに、初弾で当てるなんて・・・チートじゃない!」

早川「しかし、叩き潰すしかない。戦艦隊、砲撃開始!電、トマホーク発射!奴の上部構造物を丸ごと吹き飛ばすぞ!」

電「なのです!」シュウゥゥ

電から普通の対艦ミサイルより大型のミサイルが発射された。トマホークと名付けされたそれは、テルミットプラスを装填した特殊弾頭のミサイルだ。

早川「さあ、吹き飛べ!リヴァイアサン!」

防御手段がないリヴァイアサンは、もろにトマホークの直撃を受け、大爆発を起こした。しかし、AGSの一部が吹き飛んだだけで、その他の被害は特にない。

ブラウン『防御重力場・・・やはり、敵は一筋縄ではいかないようですね』

提督『クラインフィールドそっくりね。霧の艦がこっちに攻めてきたっていう話、あながち嘘でもなさそうね』

シュメーラ『ホバー砲、充填完了です』

早川「よし、撃て!」

シュメーラ『発射ッ!』ゴァァァァァ

副長「ホバー砲命中!損害軽微!」

早川「ホバー砲でさえダメなのか!?」

550: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/23(日) 00:30:59.87 ID:2XEiHniu0
ブラウン「データによれば、敵艦の装甲は61cm防御、更に電磁防壁や防御重力場で完璧にガードされています』

シュルツ「まさに海の要塞だな・・・」

大和『きゃあっ!』

提督『きゃ!大和被弾!後部主砲攻撃不能!』

筑波「このままでは艦の損害が増えるだけですぞ!」

シュルツ「どこかに穴があるはずだ・・・」

ブラウン「仕方ありません。艦橋を破壊して戦闘力を奪うしかないようですね」

早川『ダメだ!それではグロースシュトラールのように暴走するかもしれん!こんな大艦隊の近くで起こされたら・・・』

シュルツ「早川少将!このままでは我が艦隊が全滅するだけでなく、本隊にも大きな被害を出すと思われます。どうか、指示をお願いします」

早川『友軍の被害想定は・・・どうだ』

ナギ「グロースシュトラールより強力な爆発が発生した場合、ほとんどの艦の装甲が融解する恐れがあります」

早川『その程度で済むなら・・・許可しよう』

シュルツ「ありがとうございます。全艦、敵艦艦橋を狙え!」

提督『大和、頼んだわよ!』

艦長『主砲、撃ち方始め!』

ヴェルナー『加勢します!砲撃開始!』

551: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/23(日) 01:24:40.32 ID:2XEiHniu0
リヴァイアサンが電にもう1発レールガンを食らわせた。艦橋前部のVLSと主砲が吹き飛び、各所から火を噴いている。

電「うぅ、もうダメなのです・・・」

早川「諦めるな!こんな状況でも、お前はいつも切り抜けてきただろ!」

機関室の妖精さん『・・・衝撃で機関が損傷、40ノット以上は出せない』

早川「全力で修理しろ!消火急げ!・・・チッ、あいつめ、露骨に電を狙ってやがる。目の敵にしてやがるな」

雷『よくも妹をやってくれたわね!食らえ!』シュウゥゥ

愛宕『許せませんっ!撃てーい!』シュウゥゥ

艦娘たちやイージス艦から多数のミサイルが発射され、リヴァイアサンの艦橋を襲う。レーダーと思しき上部構造物が吹き飛んだが、基部はまだ無事だ。

リヴァイアサンは次のレールガンを、電を庇っていた暁に撃った。暁の煙突が完全に吹き飛び、機関まで露出させている。

暁『もう許さない・・・許さないんだからっ!!』

天城『機関まで見えるとはただ事ではないぞ。早く戦線から離脱させよ』

暁『ぴゃあぁぁぁ!!も、もう!見ないでよ!』プンスカ!

輪形陣から暁が離脱し、更に艦隊は密集した。核ミサイルを撃ち込まれればひとたまりもないが、艦隊単位で集まった方が弾幕を濃くできる。

早川「このままでは被害が増える一方だ。大和、やれ!」

大和と艦娘大和が一斉に砲撃を開始し、リヴァイアサンの艦橋に致命傷を与えた。リヴァイアサンは速度を落とし、そのまま停止した。

提督『止まった・・・』

ブラウン『いえ、まだです!』

リヴァイアサン「キャアアアアァァアアァァァァアアァアアァアァァァアア!!!!!!」

筑波『超兵器、暴走を開始しました!!』

555: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/24(月) 00:10:45.01 ID:+1zNN31h0
シュメーラ『リヴァイアサンが・・・苦しんで・・・っ!』

提督『何度聞いても気分のいいものじゃないわね・・・』

艦長『これが・・・暴走か・・・』

早川「更に損傷を与えれば、超兵器機関を自壊に追い込むことができるはずだ。もうひと踏ん張りだ!戦艦隊、砲撃開始!」

早川の指示で戦艦の砲撃が再開される。艦のコントロールは失われたが、武装自体はまだ生きているらしく、防御重力場は健在だ。

天城『やはり超兵器は強固だな。早急に破壊せねば・・・っ!?」ドゴォォ

早川「くっ!?」

電「はわわ!?」

電の船体に大きな衝撃が走った。モニター類の全てにノイズが入り、他艦からの通信が途絶えた。

早川「ど、どうした!?」

ダメコンの妖精さん『右舷装甲が溶けたん!やばいのん!』

副長「か、核ミサイルですかっ!?」

提督『・・・・・・・ガガ、ガガガ・・・ずま!電!・・・える!?』

副長「こちら電!大丈夫です!」

提督『・・・った。こち・・・和、武装・・・全に融解、攻撃不能!』

副長「聞こえません!もう一度お願いしますっ!」

提督『・・・こちら大和!左舷対空武装が完全に融解!主砲、副砲、一部融解により発射不能!』

早川「何だと!?」

556: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/24(月) 00:33:02.67 ID:+1zNN31h0
ダメコンの妖精さん『レーダーのほとんどが溶けたのん!通信マストは一応無事なん!』

早川「提督!艦隊の状況はどうなっている!?」

提督『白い光が比叡にぶつかって、それから強烈な衝撃波が来て・・・とにかく、核ミサイルじゃないわ!』

大和『以前、グロースシュトラールが私に撃った白い光です!ほらっ!』

早川「あれか・・・一撃で大和を航行不能にしたものか。しかし、大和の被害を見れば、以前より格段に威力が増しているな。ところで、比叡はどうした?」

提督『消滅、したわ。比叡の前を航行してた金剛も、甲板上の構造物のほとんどが融解してるわ』

早川「馬鹿な!あまりに威力が違いすぎる!」

提督『それより、早く戦いを続けないと!あんなのをまた撃たれたら、それこそ解放軍と合流する前にお陀仏よ!』

シュルツ『こちら周防!損害軽微、戦闘続行可能です!』

早川「よし、撃て!電、大丈夫か!?」

電「まだ、頑張れるのです・・・!」プルプル

早川「足が震えてるじゃないか。もう休んで、後は我々に任せてくれ」

電「・・・はい、なのです」シュン

早川「大丈夫だ、あいつは絶対に仕留める」

557: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/24(月) 01:05:29.43 ID:+1zNN31h0
電と金剛、艦娘大和は艦隊から離脱し、早川司令と提督は一番被害が少なかった暁に移乗した。リヴァイアサンは速度を緩めながらも航行していて、所構わずレールガンを撃っている。

提督「かなりマズい状況ね」

早川「そうだな。何としてでも、次の白い光は撃たせるわけにはいかない」

暁「それじゃ、この私が倒してくるわ!一人前のレディだもん、倒せるわよ!」

提督「ダメ。ミサイルはもうないし、魚雷を撃とうにも、相手が自壊し始めたら巻き込まれるわ」

暁「ふえぇ・・・」

早川「やはり、戦艦とフォーゲルシュメーラで遠距離攻撃しかないか」

提督「そうね。それ以外に手は無いわ」

早川「だな。全艦、ミサイルと砲撃で奴をたたきのめせ!」

『その必要は無いわ!撃て!』

謎の通信と共に、どこからかレールガンの弾丸が暁の前を通過し、リヴァイアサンに突き刺さる。更に三発が命中し、リヴァイアサンの飛行甲板が完全に吹き飛んだ。

リヴァイアサン「ギャアアァアァァァァアアアァァァァアアアアァァ!!!!」ドカンドカン!ゴォォォ!!

暁「敵艦が爆発してるわ!やった!」

『相変わらずね、提督』

提督「その声は・・・ロゼ!?」

ロゼ『そうよ。色々あって来ちゃった』

558: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/24(月) 01:29:33.24 ID:+1zNN31h0
早川「ロゼ・S・リルガー・・・なぜこんなところにいる」

ロゼ『誰かに名前を聞く時は、自分から名乗りでるものよ。あんたこそ何者なの?』

早川「私は早川十三郎、解放軍東洋艦隊司令代行だ」

ロゼ『ロゼ・S・リルガー大将よ。元、だけど』

早川「元・・・とは?」

ロゼ『寝返ったのよ。連中が発動する「エーヴィヒグランツ作戦」を潰すために』

提督「エーヴィヒグランツ・・・作戦?」

ロゼ『詳しいことは後で説明するわ。とにかく、応急修理を済ませてからアメリカの東海岸まで行くわよ』

早川「・・・了解した」

提督「あのロゼが寝返るなんて、何かあったのね」

暁「またあんなのと一緒に行くなんてっ!レディとして認められないわ!」

提督「そう言わないの。電の場所を教えてくれたし、今回だって助けてくれたじゃない」

暁「提督がそういうなら・・・別にいいけどっ。恩を忘れたわけじゃないし」モジモジ

早川「ロゼと一悶着あったみたいだな。言及はしないが」

提督「まぁね。助かるわ」

560: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/24(月) 22:23:39.33 ID:+1zNN31h0
スキズブラズニル 司令室

ロゼ「リヴァイアサンは大したことないわ。津波で都市を押し流したり、レールガンでピンポイント射撃するくらいだし。けど、ルフトシュピーゲルングはそうもいかないわ」

提督「というと?」

ロゼ「ルフトシュピーゲルングもレールガンを装備してるし、広域破壊兵器の波動砲まであるわ。主砲のサイズも、100cmとあまりに強力よ」

大和「ひゃ、100センチ、ですか・・・」

早川「リヴァイアサン以上だな。対策法は?」

ロゼ「事実上、対策は不可能。唯一、波動砲の充填時が大きな弱点になりえるけど、攻撃を仕掛けようとして前に出たらレールガンに撃ち抜かれるわ。ほとんど電磁防壁は無意味だし」

シュメーラ「それなら、私が攻撃を担います。ホバー砲を使えば、何とかなるはずです」

ロゼ「それも微妙ね。レールガンは限定的だけど対空射撃ができるし、レーザーも撃てるから。でも、全方向からの集団リンチなら勝ち目はありそうね。ブラウン博士、レールガンの設置状況は?」

ブラウン「作動は良好です。現在、陸奥と大和の取り付け作業中です」

シュルツ「リヴァイアサンのレールガンの砲塔バージョン、か。威力のほどはいかがですか?」

ロゼ「エメラルド級に搭載して実験したことあったけど、本当に凄い威力だったわ。大和型の司令塔をまるごと吹き飛ばすくらいだったわ」

電「これで昼戦でも戦艦をフルボッコにできるのです!」ワクワク

大和「い、電ちゃん・・・」ブルブル

提督「・・・えぇっと、今回のはもう少し強いわけ?」

ロゼ「エメラルド級の2倍くらいは保障するわ。リヴァイアサンの旧式レールガンとは比べ物にならないわよ!」ビシッ

561: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/24(月) 22:51:15.07 ID:+1zNN31h0
天城「頼もしい限りだ。今度こそ我が国家を蹂躙した賊を駆逐してやる」

雷「もう戦艦には負けないわ!」フンス

ロゼ「でも、問題が一つあるわ。レールガンは砲身が焼けやすいから、そこは注意しなさい。冷却システムもあるけど、あまり過信しすぎないように」

早川「考慮しておく」

ロゼ「それと、ルフトシュピーゲルングの他にもヴォルケンクラッツァーが控えてることも忘れないで。そっちのデータベースに詳しい記録があるから、ちゃんと見ておくこと」

提督「ヴォルケンは前哨戦みたいなものね。腕鳴らしにちょうどいいかも」

筑波「油断はなりませんぞ。ルフトシュピーゲルングより強いとはいえ、波動砲を装備してますからな」

シュルツ「そうですね・・・」

ロゼ「十分に作戦を練っておくのよ。あたしもヴォルケンとルフト戦で戦艦ケルビムに乗って戦うわ」

早川「例の新型戦艦か。ドイツ製と聞くが」

ロゼ「ええ。フリードリヒ・デア・グロッセ級の改良型で、3連装砲塔型レールガンを4基搭載した最強の戦艦よ!」

シュルツ「よく司令部が認めましたね」

ロゼ「ヴァイセンベルガーが監視役も漏れなくつけてきたわ。まだ信用できないんでしょうね」

565: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/25(火) 21:52:46.55 ID:G8mNSfwu0
アメリカ ノーフォーク海軍基地

早川「まずはパナマ運河の突破が最優先になるか・・・」

提督「確か、ニカラグア以南は親帝国派だったわよね。どうするの?」

早川「アメリカ陸軍と海軍がパナマ通過の協力するらしい。双胴戦艦も通れる新閘門もあるから、スキズブラズニルも分割して曳航すれば全艦通過できるはずだ」

大和「確か、スキズブラズニルは大型船舶を何隻か繋げて桟橋やドックを作っているんですよね?」

早川「その通りだ。十年前にウィルキアで設計・建造された。元々は中継基地として、艦隊の行動範囲を広げる役割を持っていた。まさか、こんな形で使うとは思わなかったが」

雷「普通の海軍基地より使い勝手は悪いけど、やっぱり港があるって安心できるわよね!ね、提督?」

提督「そうね。あぁ、早く横須賀に帰りたくなったわ」

ロゼ「横須賀のラムネ!一度飲んでみたかったのよね!」

提督「あー、そういえばジャスコの下でラムネ売ってたわね」

響「それ、下手したらメタ発言になるんじゃないかな」

大和(私にもラムネ製造機あるんだけど・・・)

愛宕「ロゼさん、私にもラムネ製造機ありますよ。お飲みになりますか~?」

ロゼ「いいの?ありがとう!」

大和(!?)ガビーン

早川「話が途中で変わるのはこいつらの悪い癖だな・・・」

567: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/25(火) 22:49:49.07 ID:G8mNSfwu0
早川「さて、特殊任務に使う幅が狭まってくるので、パナマから日本までは電撃的に侵攻する。現在、横須賀を脱出した司令はオーストラリアで待機中だ。我々のハワイ出港と同時に進撃を開始するとのことらしい」

副長「思いっきりメタですよ司令代行!」

早川「・・・コホン、まずはパナマ通過だ。米軍の陸軍と海兵隊がパナマを襲撃、閘門を開放する。我々解放軍は米海軍の護衛を受けつつ、通過することになる」

天城「護衛があるとはいえ、スキズブラズニルは敵の攻撃にあまりに脆弱です。なるべく迅速に突破することが望ましいですね」

早川「その通りだ。スキズブラズニルを失わないためにも、行動は早めにな」

提督「兵は拙速を尊ぶ、ってやつね。それじゃ、さっさと通過して太平洋に逃げましょ」

響「ガドゥン湖に敵が配備されてないかな」

早川「パナマの閘門は敵に占領されているが、船舶の侵入は米海軍が許していない。その可能性は薄いだろう。注意すべきといえば、それより砲台や飛行場だな」

赤城「それなら、私たち機動艦隊が航空攻撃で叩きます!」モッチャモッチャ

早川「頼もしいが、ボーキを食いながら言うのはやめろ」

赤城「はい」ムシャムシャ

早川「もういい・・・では、米軍の到着を待って湾内に突入する。前方はイダヴァル、その次に大和が続く。全62隻の艦艇が太平洋に出た後は、スキズブラズニルを組みたてながらサンフランシスコに向かう」

ロゼ「結構少ないわね。これが解放軍の全艦艇なの?」

早川「艦艇自体はウィルキア脱出後より多くなっているはずだ。ただ、我々日本艦隊や艦娘も含まれるから、ウィルキア所属の艦艇はもっと少ない」

ロゼ「ふぅん。ま、そんなところよね」

568: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/26(水) 00:35:29.56 ID:NQtN2S020
早川「艦載機隊、出撃せよ!まずは湖内の砲台を滑走路を潰せ!」

赤城『了解しました!第1攻撃隊、全機発艦!』

赤城やニミッツから艦載機が発進し、陸の方に向かっていく。

ナギ『敵レーダー波を受信!発見された模様です!』

早川「全艦、対空戦闘用意!スキズブラズニルを庇え!」

イージス艦のイージスシステムが起動し、索敵を開始する。今のところ航空機の影は無い。

副長「米空母の艦載機が敵基地航空隊と戦闘中!同時に米海兵隊が閘門を占拠しました!」

早川「よし、全艦突撃!」

早川の指示で解放軍艦艇がパナマ運河に向かう。閘門3つが同時に開放され、小型艦、大型艦と分けて運河を通過していく。

早川「ここまでは上手く行ったな。通過が完了した艦、もしくは待機中の艦は、通過中の艦を守れ!電探妖精、敵砲台の数は?」

電探の妖精さん「合計40あるわ。そのうち、危険なものが34か所。最短航路に多く設置されてるわね」

早川「やはり黙って通してくれそうにないな。全力で撃破せよ!」

ヴァイセンベルガーの直轄艦隊旗艦イダヴァルが砲台に向けて砲撃を開始し、その他の戦艦も外側から砲弾を撃ち込む。

赤城『艦載機隊、頑張って!』

早川「やはり飛行場だな。数が多いのか」

赤城『敵の抵抗が激しく、制空権が取れません!』

早川「対空ミサイル、艦載機を援護しろ!」

電「なのです!」シュウゥゥ

569: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/27(木) 00:22:56.07 ID:xV6IHl7c0
早川「偵察機、太平洋側の状況はどうだ?」

偵察機の妖精さん『敵艦隊、今のところおらへんで。海も凪いでるし、泳ぎとうなってきたわ!』

早川「了解。敵機を警戒しつつ赤城に着艦せよ」

電「何もなさそうでよかったのです」

早川「そうだな。しかし、油断はできん。潜水艦が出張ってきている可能性もあるからな」

電「うぅ、潜水艦は嫌いなのです・・・」ブルブル

早川「大丈夫だ。今の電なら潜水艦など怖くない」ナデナデ

電「ミサイルがあれば大丈夫・・・なのです」

早川(ここまで嫌がるとは、やはりトラウマというのは克服しようとしても難しいものなのか)

早川「赤城、戦闘の方はどうだ?」

赤城『現在、我が方の優勢で戦闘が推移しています。敵機排除及び砲台掃討は時間の問題です!』

早川「それはよかった。こちらも数十分で全艦がガドゥン湖に入る見こみだ。抜かりなくな」

赤城『はい!帰ったら高純度のボーキサイトお願いしますね!』

早川「少しは航空機補填に回させてくれよ・・・」

電「容赦がないのが赤城流なのです。気づけばボーキが倉庫から消滅しているのです」

早川「・・・もうヤメテ」

571: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/27(木) 00:40:46.00 ID:xV6IHl7c0
ナギ「砲台3か所沈黙!残り21か所!」

シュルツ「よろしい。副砲、引き続き砲台の対処に当たれ」

ブラウン「ガラパゴス諸島付近に敵の基地があるという情報を聞きましたが、動きは無いようですね」

筑波「あの近くにもアメリカ軍が攻撃に向かっているという話ですからな、それが効いているんでしょう」

シュルツ「米軍には感謝せねばな・・・」

早川『シュルツ、こちら電。今ガドゥン湖の太平洋側に到達した。これより通過する。援護頼むぞ』

シュルツ「了解しました」

ナギ「この海を越えて、ハワイを通過すれば、もうウィルキアは近いですね。何だか、故郷が楽しみです」

シュルツ「まだウィルシア本国との戦いが残っている。それまで気は抜かないようにな」

ナギ「し、失礼しました」

ブラウン「ふふふ・・・」

提督『何話してるのよ。こっちまでダダ漏れよ?』クスクス

ナギ「あっあっ!?」

大和『うふふ、お茶目で可愛らしい方ですね、ナギ少尉は』

ナギ「・・・・・ケホン、これでも一ウィルキア軍人ですから!」

早川『お前たち、大概にしておけ。戦闘中だ』

提督『ハイハイ。わかったわよー』

572: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/27(木) 20:48:19.07 ID:xV6IHl7c0
早川「湖内にいる艦艇が40%を切ったな。よし、ラパゴス駐留艦隊が来るまで逃げられそうだ」

艦長『こちら最後尾の深雪!大西洋側より敵艦載機が飛んできます!』

早川「何だと!?どこから空母が・・・まさか、どこかに基地があったのか!チッ、対空戦闘!」

赤城『我が航空隊、劣勢です!』

副長「戦艦ジャン・バールより通信!爆弾により第1砲塔使用不能とのことですっ!更に軽巡アトランタ、ミサイルの至近弾を受け電気系統が遮断されました!」

早川「もう少し警戒しておくべきだったか・・・早急に移送作業を終わらせろ、奴らに構わず太平洋に離脱する。電、戻るぞ」

電「でも、どうするのですか?」

早川「我々が最後尾につき、敵の攻撃を出来る限り誘引する。ミサイル、発射準備のまま待機」

電「な、なのです!」

早川「さあ、奴らを蹴散らしてやれ!」

電は艦隊の列から外れ、反転して敵機が群がる最後尾に向かう。

早川「ミサイル発射!目標、F-15!」

電「命中させちゃいます!」シュウゥゥ

573: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/27(木) 21:05:53.55 ID:xV6IHl7c0
電探の妖精さん「F-15を潰したわ!さすがねっ!」

早川「次、J-12!CIWSで迎撃!」

電「なのです!」ガガガガ

突っ込んでくるJ-12をCIWSで撃ち落とし、電は深雪の横を通過する。

電「ふぅ、今度はぶつからなかったのです」

早川「それで喜んでたら戦いにならないぞ」

電探の妖精さん「あんたたち、余所見しない!上から爆弾が降ってくるわよ!」

電「はわわわ!」

早川「慌てるな、回避!」

電「増速するのです!」

機関室の妖精さん『・・・了解した』

電はスクリューの回転速度を上げ、増速して爆弾を回避した。F-117が投下した無誘導爆弾だった。

早川「あのF-117を黙らせてやれ!」

電「ミサイル装填です!」シュウゥゥ

ミサイルが放たれ、F-117は爆散した。瓦礫が降りしきる中、電は敵機の追撃を止めるために湖の中心付近まで引き返す。

早川「ここで艦隊が全艦離脱したら、閘門を破壊して脱出する。準備しておけ」

電「でも、それじゃパナマが使えなくなっちゃうのです・・・」

早川「移送作業の間は事実上無防備だ。それに、今は敵の勢力下だ。敵に使われるくらいなら破壊する方がいい」

電「メチャクチャなのです・・・」

574: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/28(金) 23:44:16.44 ID:pqNT6Pg70
副長「深雪、太平洋側へ抜けました!」

早川「よし、我々も撤退する!前部主砲、発射態勢のまま待機せよ!左回頭180度!太平洋側に向かえ!」

電は速度を上げ、ガドゥン湖を走る。閘門前まで来ると、太平洋側にポツンと浮かぶ幾つかの艦影が見てとれた。

早川「解放軍艦隊か・・・よし、主砲発射!閘門を破壊しろ!」

電「な、なのです!」ドォンドォン

電の速射砲が火を噴き、閘門を木端微塵に吹き飛ばした。水が太平洋に向かって流れ出し、電はそれに乗ってガドゥン湖を脱出した。

ガルトナー『な、何ですか今のは!』

早川「閘門を破壊して脱出した。後で始末書は書くから大丈夫だ」

ガルトナー『はぁ・・・厄介なことをしでかしてくれましたな』

早川「あの状況では、ああするしか方法がなかった。普通に閘門を通過しようとしたら、袋叩きになっておしまいだ」

提督『私たちが護衛についてもよかったのに・・・』

早川「解放軍艦隊を離脱させるために電が残ったんだ。お前たちがいたら邪魔だ」

提督『もう、素直じゃないのね』

早川「・・・次はサンフランシスコだ。気を抜くな」

575: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/30(日) 00:54:04.74 ID:z2g3lIn60
早川「どうにか抜けられたな。この近辺はアメリカ軍の睨みが効いてるから敵軍も少ないから大丈夫だろう」

ロゼ『慢心ダメ、ゼッタイ』

提督『うっ・・・』

ロゼ『何でアンタが反応するわけ?』

提督『司令部と赤城と飛龍から散々言われてるのよねぇ・・・』

赤城『慢心はダメです!』

早川「そいつはご苦労さんで・・・」ピピーッ、ピピーッ

副長「通信です。えーっと・・・あっ!ハワイに敵超兵器出現との情報!大量の通常艦艇と共に、強襲揚陸艦型の超兵器がハワイを急襲、制圧した、とのことです!」

早川「ハワイに超兵器だと・・・それに、強襲揚陸艦とは。超兵器のバリエーションの多さには感動すら覚えるよ」

提督『やっぱり、強襲揚陸艦っていうからにはヘリを満載してるのかしら?』

副長「固定翼機しか見当たらなかったらしいですよ。双胴船で、後部のハッチから魚雷艇や揚陸艇を放出してくるみたいです」

ブラウン『揚陸艇・・・なるほど、ハッチが開いたところで攻撃を仕掛ければ、かなりのダメージを与えられると思います」

早川「さすがに中まで装甲を施すようなことはしないだろうからな。よし、我々でハワイを奪還してやろう」

副長「でも、通信によると解放軍艦隊並の戦力を持ってるらしいですよ!それなのに、どうやって・・・」

早川「雑魚はフォーゲルシュメーラが掃討してくれる。我々は超兵器を潰せばいい」

576: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/30(日) 01:08:58.64 ID:z2g3lIn60
ガルトナー『了解しました。貴官らの超兵器強襲作戦を承認します』

早川「話が早い。では、艦隊の一部を引き連れ出撃します。解放軍本隊は後方で航空支援をお願いします。なるべく超兵器は少数で叩きたいので」

ガルトナー『しかし、敵は隠し玉を持っているかもしれません。ご注意を』

ロゼ「その辺なら大丈夫よ。あいつ、ただのデカい揚陸艦だもの」

早川「そうなのか?」

ロゼ「ただし、戦艦並の砲撃力を持ってるから注意することね。それと、超兵器の例に漏れず耐久力は馬鹿みたいに高いわ。ゴーダが作った変 兵器だから仕方ないけど」

早川「わかった。とりあえず、奴を潰すにはハッチを狙えばいいんだな」

ロゼ「早い話、そうね。ちなみにウェルドックには軍艦も入るわよ。特型駆逐艦なら数隻は格納できるかもね」

電「すごく大きな揚陸艦なのです!一度入ってみたいのです!」

早川「電、その願い、叶えてやれるかもしれんぞ」ニヤリ

電「鹵獲するのですか?」

早川「それもいいな。とにかく、倒す方法は思いついた。さて、急ぐぞ」

577: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/30(日) 02:16:19.17 ID:z2g3lIn60
早川「よし、全艦出撃!」

早川の指示で、解放軍本隊から一部の艦隊がサンフランシスコを出た。艦娘7隻と空母4隻、修理ついでに主砲を46cm3連装砲に換装したリシュリューを引き連れている。

雷『そういえば、強襲揚陸艦って何?』

提督『あら、知らない?あきつ丸がそうなんだけど』

雷『よーするに、空母みたいなものかしら?』

早川「空母とは違う。ヘリや揚陸艇を備えた上陸支援用の艦のことだ。そっちの海軍に強襲揚陸艦はなかったのか?」

提督『あきつ丸っていう陸軍の艦がいるわよ。海軍って補助艦艇はそんなに充実してなかったから、揚陸作戦のために陸軍から拝借してきたわけ』

早川「あきつ丸か・・・もしかして、神州丸もいなかったか?」

提督『神州丸?』

響『・・・実装されたら最上被害者の会とか作られそうだね』

提督『へ、へぇ・・・』

早川「何かやらかしたのか、そっちの最上は・・・」

電「衝突複数、魚雷を味方多数にオウンゴール・・・なのです」

提督『あんたは他人のこと言えないでしょ!』

電「次からは気をつけますね」

579: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/30(日) 03:02:58.46 ID:z2g3lIn60
早川「軽巡最上。こっちの世界じゃ、この大戦初期に空母2隻を沈めた武勲艦だ。それに、軽巡も何隻か沈めている」

提督『軽巡?重巡じゃないの?』

早川「いや、軽巡だが。そっちは違うのか?」

響『条約で大型艦の建造が制限されていたから、こっちの最上は元々重巡の砲を後で搭載するつもりで建造したんだ』

早川「そうだったのか。同じ艦艇でも、時代の流れで大きく変わってしまうものだな」

電「・・・こっちの電は、どういう風に戦没したのですか?サウスダコタにやられたって聞きましたけど・・・」

早川「電、か。今となっては懐かしい。15年前に暁型3番艦として起工され、4番艦の響と同時期に竣工した」

早川「それから数年は演習続きだったが、大戦が5年前に始まった。初戦で電は輸送艦3隻、駆逐艦1隻を沈める活躍をした」

早川「主に通商破壊をしつつ着実に戦果を伸ばしていったが、お前が来る1ヶ月前に戦艦隊と遭遇した。そして、旗艦のサウスダコタから執拗な砲撃を受けて轟沈した。当時の艦長は私だ」

電「そう、だったのですか・・・」

早川「一応、その直前に魚雷をアイオワにこれでもかと叩き込んで大破させてやった。思えば、それが奴の気を引いたんだなって思う」

提督『そういえば、第3次ソロモン海戦で電がいた水雷戦隊はサウスダコタとワシントンを見逃してたわよね』

電「あの時は暗くて、霧島さんとの区別がつかなかったのです・・・それに、ワシントンは沈めたと思ったのです・・・」

早川「ま、そんなこともあるさ。しかし、今は情報戦の時代だ。見間違いなどほぼあるまい」ナデナデ

581: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:11:21.73 ID:s5AL2+3u0
ハワイ沖

早川「なるほど、あいつが例の超兵器強襲揚陸艦か。バカでかいな」

提督『ロゼによると、あいつの名前は『デュアルクレイター』、揚陸専門の超兵器よ』

電「戦闘機がいっぱいいるのです!」

響『ハリアーだね。VTOL機で、大規模な滑走路がなくても離着艦できる航空機だよ』

早川「対艦、対空戦闘用意。我々は出来る限り超兵器攻撃に集中する。電、ミサイル発射だ!」

電「ミサイル装填です!」シュウゥゥ

電からミサイルが連続で発射され、デュアルクレイターの艦首に着弾する。しかし、表立ったダメージは見当たらない。

早川「ま、仕方あるまい。旗艦を大和に委譲、電は遊撃に入る。雷撃距離まで接近するぞ」

副長「戦艦隊もこちらを向いています。少し危険だと思います!」

早川「いや、いずれ接近しなければならない。今回は出来る限り短期で決める」

機関室の妖精さん『・・・機関出力正常』

早川「よし、突撃!」

電は増速し、一気にデュアルクレイターに接近した。主砲を艦橋に向け、連続で発射する。

副長「敵艦、ダメージなし!」

早川「硬いな・・・」

582: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/03/31(月) 23:27:52.34 ID:s5AL2+3u0
電探の妖精さん「敵艦後部に反応!魚雷艇よ、気をつけて!」

早川「砲撃で仕留めろ!」

電「なのです!」ドォンドォン

出現する魚雷艇を一隻ずつ沈めていく。しかし、その間にデュアルクレイターから砲弾が降り注ぐ。

ダメコンの妖精さん『後部甲板に被弾したのん!まだいけるのんな!』

早川「よし、艦橋を攻撃し、指揮能力を奪え!」

大和『AGS弾、装填完了!撃ち方始め!』ゴォォ

大和が一斉射撃を開始し、デュアルクレイターの艦橋に集中的にダメージを与える。9発全て命中し、右舷の艦橋が根こそぎ吹き飛ばされた。

早川「よし、次は左舷艦橋だ!急げ!」

副長「あれ・・・敵艦、魚雷艇を放出していないのにハッチが開いたままですよ?」

早川「衝撃でハッチが故障したのか・・・よし、やってみるか!」

電「何をするのですか?」

早川「秘策だ。面白いことになるだろう」ニヤニヤ

585: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 22:48:20.46 ID:600UFwab0
早川「フフフフ。では、陸戦隊、一応突入準備はしておけ。状況次第では出撃もありうる」

陸戦隊の妖精さん「ヘヘっ、パイクリーク野郎以来の出番だな」ペキペキ

副長(ゴ、ゴリマッチョ隊・・・妖精さんは全員♀って言ってたけど、絶対嘘だよね・・・)

早川「機関一杯!デュアルクレイターのハッチに突っ込め!」

電「む、無茶なのです!」

早川「内部は装甲が張られていないはずだ。そこから内部の設備を砲撃で潰す。さあ、突っ込め!」

提督『ちょっと!あまり無茶なマネはさせないで!』

早川「勝算はある」

提督『ちょっと!待ちなさいってば!』

早川「突っ込めぇぇぇ!!」

電「ううっ!」ガッシャァァァン

デュアルクレイターのハッチに電が突っ込み、ウェルドックに乗り上げた。

早川「主砲、撃ち方始め。徹底的に奴の腹をぶち壊してやれ!」

電「なのです!」ドォンドォン

電が速射砲を辺りに撃ちまくり、デュアルクレイターの内部を破壊していく。

早川「よし、思った通りだ。速射砲でも十分に破壊は可能だ。魚雷、ミサイル、何でもいい。使える兵装は全て発射!ボコボコにしてやれ!」

586: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/04/01(火) 23:19:15.50 ID:600UFwab0
電「魚雷装填です!」ガシャン

魚雷が次々にドック内に投下され、大きな爆発を起こす。CIWSやミサイルも連射され、壁に命中してはデュアルクレイターの内部を荒らしていく。

早川「予想以上の被害だ。よし、脱出して大和の艦砲射撃でトドメを刺してもらおう」

電「・・・無理、なのです」

早川「このまま砲を撃ち続けて沈没に巻き込まれるわけにはいかない。早くしろ!」

電「スクリューが空回りして、動けないのです・・・」

早川「なっ・・・そんな馬鹿な!ならば、攻撃中止!陸戦隊及びダメコン出撃!デュアルクレイターを占拠し、ダメージコントロールを行う!」

副長「あーあ、敵を助けちゃいますね」

早川「うるさい。とにかく、早く行け」

ダメコンの妖精さん『頑張るのん!』

陸戦隊の妖精さん「よし、野郎共!出るぞ!」

陸戦隊の妖精さんたち「ウラァァァ!!」

響『・・・他人のネタ奪うの、やめてくれないかな』

589: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/06(日) 00:37:36.03 ID:PrpE6Sg90
電「>>1さんは一時期MMDにハマって更新を止めていたのです!」

早川「新しい物好きはこれだから困る」

電「おまけに艦これもあまりログインしてないのです!」

早川「少将から大佐に落ちたわけだ。いや、それは先月もそうだったか」

副長「今は>>1の話をしてる場合じゃないですっ!」

早川「そうだったな。陸戦隊、状況確認」

陸戦隊の妖精さん『敵はほとんど脱出した。ダメコンも順調だ』

早川「それはよかった。では、ダメコンが終了次第、艦を海に戻す。引き続き制圧は任せたぞ」

陸戦隊の妖精さん『任せな!』

早川「相変わらず、頼もしい奴らだな。死ぬことがないからな。それ以前に半端なく強いのだが」

電「頼りになるんですけど、ちょっと怖いのです・・・」モジモジ

水雷長の妖精さん「ま、鎮守府の裏で野営してるくらいだしなー」

早川「妖精さんの中でも異質な存在というわけか。ますます生態が知りたくなってきたな」

陸戦隊の妖精さん『よし、艦橋を制圧したぞ!船内で抵抗する者はいない』

早川「さすがだ。仕事も早い。では、ダメコン部隊、配置につけ!陸戦隊、引き続き警戒を続けろ!」

ダメコンの妖精さん『わかったのん!』

陸戦隊の妖精さん『引き続き警戒する!そっちもがんばれよ!』

590: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/06(日) 01:35:56.62 ID:PrpE6Sg90
提督『ウェルドックはメチャクチャで艦が引き出せないとなっちゃ、もうデュアルクレイターごとハワイまで持って行って、そこで作業するしかないようね』

早川「まぁ、そうなるな。では、曳航頼む」

提督『了解したわ。大和とリシュリューにやらせるから、全力でダメコンしてなさいよ。この場で沈めたらタダじゃおかないから!』

早川「了解した。では、後で会おう」

電「うぅ、かっこ悪いのです・・・」

暁『ホント、手のかかる妹ね。私たちも協力してあげるから、じっとしててよね!』

電「あ、ありがとう・・・」

早川「悪いな、無理させたばかりに」

電「いいのです。司令官さんは頼りになるのです!」

早川「・・・そういってくれるだけで嬉しいよ。さて、2機目の超兵器を鹵獲したわけだが、こいつにもメンタルモデルはいるのだろうか?」

シュメーラ『それはありません。超兵器の意識があるということは、暴走しているということです。暴走を完全に制御できなければ、機関は崩壊します』

電「それじゃ、シュメーラさんは・・・」

シュメーラ『私は運用上の理由から人間が乗って操作することができなかったので、超兵器の暴走実験に使用されました。しかし、私は強力な機関を持ち、更に運よく暴走を制御することもできました。あれで自我を保てなければ、あの場で崩壊していたでしょう』

早川「そういうことか。では、ほかの超兵器にメンタルモデルはない、ということか」

シュメーラ『しかし、自我はあります。それをお忘れなく』

早川「頭に入れておこう」

593: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 23:09:25.65 ID:xtKF41yQ0
ハワイ 真珠湾

早川「何とかハワイまでたどり着いたな。では、早速だが、電をデュアルクレイターから引きずり出してもらおう。何日かかる?」

整備士「瓦礫の撤去や注水装置の修理もありますので、3日かかるかと思います」

電「3日もここに釘付けなのです・・・」

早川「悪かったな。この後何か食べに行こう」

電「それじゃ、アイスがいいのです!」ワクワク

大和「なら、私のアイスでも・・・」

早川「・・・さすがにバニラばかりだと飽きるから、今回はゴメンな」ナデナデ

大和「うぅ・・・」シクシク

雷「大丈夫!私がいるじゃない!」

大和「雷ちゃぁん・・・」メソメソ

雷「気を取り直して、ハワイのホテルでアイスでも食べに行きましょ!」

大和「雷ちゃんのばかぁぁぁ!!!」

雷「あ、いっちゃった・・・」

響「自覚してないね、雷」

594: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/08(火) 23:28:11.41 ID:xtKF41yQ0
シュルツ「超兵器揚陸艦、ですか」 ペロ

ブラウン「日本及びウィルキアの基地侵攻に役立てそうですね。制空権確保後、戦艦を後方につけて展開させるのがよろしいかと」 ペロ

筑波「これは面白い展開になってきましたな!」 ペロ

シュルツ「ええ、戦略の幅が大きく広がります。嬉しいことに、駆逐艦までの艦なら内部で整備できます」 ペロ

提督「規模の小さいスキズブラズニルみたいな運用をする、ってわけね。なかなかいいアイデアかも。自衛能力もあるし」 ペロ

シュルツ「しかし、対ルフトシュピーゲルング戦では役に立ちそうもありませんね」 ペロ

ブラウン「やはり、後方基地ですね。複数の艦隊で戦う際には、攻撃が終了した艦隊を再び出撃させることもできますね」 ペロ

提督「さっすが、ブラウン博士ね。見直したわ」 ペロ

ブラウン「かなり突飛な案ですが」 ペロ

ナギ「それにしても、このアイスおいしいですね!ほっぺたが落ちちゃいそうです!」 ペロ

大和「うわーん!」

提督「大和?どうしたの?」

電「哀れなり大和なのです」

597: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/11(金) 00:12:08.44 ID:KvD6oBGk0
ナギ「偵察衛星の画像、出ます」

電のCICに設置された大型ディスプレイに、不明瞭ながらも空撮写真が映し出された。それは打ち上げられたばかりの米国製偵察衛星の画像で、北極海近くの海域を捉えていた。

早川「中央の黒いのが、そうなのか」

ロゼ「ええ、そうよ。超巨大戦艦ルフトシュピーゲルングの空撮写真」

電「お、大きいのです・・・」

大和「島、みたいですね・・・」

提督「他の超兵器もそうだけど、よく浮いていられるわね」

ロゼ「大きい分、浮力も確保されてるから。乗ってみたこともあったけど、全然揺れなかったわ。潜航中の潜水艦みたいにね」

早川「何て禍々しい艦影だ。さすが、超兵器屈指の強さを誇ると聞くだけある」

シュメーラ「超兵器は、一機だけでは戦争に勝つことはできません。まさにヒーローのジレンマのようなものです。しかし、この艦は一隻だけで一国の軍隊に相当する戦力を持っています」

シュルツ「しかし、弱点もあるはずです。どこか装甲が薄い場所が存在する、など。わかりますか?」

シュメーラ「いえ、具体的な弱点はわかりません。機関を覚醒させ、自壊に追い込むという荒業が通用しない上、波動砲の死角である後方にも主砲は装備されています」

ブラウン「確かに波動砲は強力な武器です。しかし、大陸をも破壊するというエネルギーを制御するのは事実上不可能のはずです。エネルギーの充填中に攻撃を仕掛ければ、エネルギーの逆流を起こせるかもしれません」

提督「なかなかいい案じゃない。それじゃ、戦艦を接近させて精密射撃で狙えばいいのね?」

ブラウン「ミサイルでも代用可能と思われます。上部構造物でなく、波動砲を狙うよう母艦から指示できますので」

598: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/11(金) 00:26:30.94 ID:KvD6oBGk0
早川「しかし、波動砲の射程も気になるな。どれだけあるんだ?」

ロゼ「とにかく長射程よ。あれだけのエネルギーの束を発射するもの、当然よ」

赤城「艦載機でのアウトレンジもできませんか?」

ロゼ「波状攻撃を行えば沈められないこともないわね。その代り、今の航空戦力じゃ無理ね。相手の弾薬が尽きるより先に、こっちが波動砲で沈められてるはずだから」

赤城「ダメですか・・・残念です」

早川「しかし、恐ろしい兵器だな。まさに水上要塞だ」

電「勝てるのでしょうか・・・?」

ロゼ「ダメージを与えられないわけじゃないわ。勝てるに決まってるじゃない」

雷「そーよ!私たちは強いんだから!」

提督「そうよね。今まで、どんな敵だって倒してきたわ。あれだって、エリートレ級のリンチに比べたら何てことないんだから!」

大和「そ、それの名前は・・・」ガクガク

提督「そうだったわね。艦載機が文字通り空を埋め尽くし、おびただしい量の魚雷と砲弾が飛んでくるよりは・・・ね」

シュメーラ「すごい敵と戦っていらしたんですね」

599: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/12(土) 00:29:29.68 ID:PrtfS2rK0
早川「敵は一隻だが、能力は侮れない。何としてでも、奴は我々の手で沈めなければならない。そのことは承知してくれ」

提督「沈める・・・やっぱり、鹵獲じゃダメ?」

早川「あんな兵器を存在させてはならない。何としてでも、会敵したら沈める」

赤城「それじゃ、私たちは帰れないのでしょうか・・・」シュン

提督「そうよ。こっちは元の世界に帰らないといけないんだから。すっかり忘れてたわ!」

ブラウン「そういえば、ルフトシュピーゲルングは時空を歪めるという芸当ができましたね。それなら、ヴォルケンクラッツァーを鹵獲するのはどうでしょうか?」

早川「ヴォルケンクラッツァーの鹵獲?」

ブラウン「はい。データによると、ヴォルケンクラッツァーはルフトシュピーゲルングの劣化コピー版です。だとすると、ルフトシュピーゲルングと同じく時空突破能力があるかと」

シュメーラ「はい。ヴォルケンクラッツァーでも理論上は可能です。しかし、鹵獲は上手く行くでしょうか・・・」

早川「提督の部下には優秀な陸戦隊がいる。彼女らに任せておけば大丈夫だろう」

シュメーラ「しかし、接近すること自体がかなり困難で・・・」

早川「ならば、速力をもっと高めることが重要だな。幸いにも、謎の装置の開発に成功したところでな。戦艦でも130ノット以上は保障できる」

601: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/12(土) 01:05:25.99 ID:PrtfS2rK0
スキズブラズニル 換装ドック

大和「速力141ノット・・・司令官、感謝です!」

早川「予想以上だな。肝心の電はどうだ?」

電「151ノットなのです!」キラキラ

提督「島風涙目必至ね・・・」

電「速ぇことはいいことだ!なのです」

赤城「問題ありません。素晴らしいです!」

早川「核融合炉に謎の装置。まさに高速艦の必須装備だな」

響「新幹線以上だね。艦がここまで速くなるなんて思わなかった」

ロゼ「ま、それも超兵器技術の応用だけどね。けっこう凄いのよ、ルフトシュピーゲルングが持ってきた技術って」

早川「皮肉なものだな、超兵器のための技術が超兵器を打倒するために使用されるとは」

ロゼ「ま、しょせん世界なんてこんなものよ」

大和「やっぱり、戦争なんですね」

愛宕「戦争は辛いけど、楽しいこともあるわよ。アイス食べるかしら?」

大和「うぅ・・・」メソメソ

提督「愛宕、やめたげて・・・」

608: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/12(土) 20:05:16.65 ID:PrtfS2rK0
数日後 ハワイ沖

早川「さっき、ヴァイセンベルガー大将から通達があった。親帝国派の君塚大将率いる艦隊が、東南アジアにて待機している司令の艦隊に向かっているとのことだ」

提督「それヤバくない?」

早川「フォーゲルシュメーラの襲来以降、艦隊規模がかなり縮小されていると聞く。マズいかもな」

提督「それじゃ、早く出発しましょ!善は急げよ!」

ヴァイセンベルガー「それはできん」

提督「い、いつの間に・・・」

ヴァイセンベルガー「我々の目的は日本の解放だ。そこを落とせば、君塚艦隊も無力化できる。まずは日本に集中しろ」スタスタ

提督「はい」ムスッ

早川「・・・」

609: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/12(土) 23:04:40.28 ID:PrtfS2rK0
早川「これより、日本を解放すべく出撃する。全艦、原速を維持し輪形陣を形成せよ」

早川の指示で、電、イダヴァルを中心とした輪形陣が形作られ、日本に向けて進軍する。上空ではE-2偵察機が偵察任務につき、衛星を介して艦隊に情報を発信している。

響『これこそ、現代の艦隊だね』

早川「旧式艦も多いが、戦力としては十分だ。戦艦のほとんどはレールガンを装備し、駆逐艦にもミサイルがある」

赤城『航空機も新型を揃えてあります!』

電「時代の流れは凄いのです」

響『兵器技術を見れば、もう21世紀レベルには突入しているね。さすがに100ノットを超える艦艇は無いけど』

副長「何だか、横須賀を出港したことが遥か昔のように感じます」

早川「思えば、ほんの数か月前だったか・・・懐かしいな」

シュルツ『戦いが始まって5年、我々の旅路も終わりに近づきつつあります』

早川「戦局の変化をもたらしたのは、電たち艦娘だ。彼女らがいなければ、今の我々はない」

電「電は、ただ命を助けたかっただけなのです・・・」テレテレ

提督『胸を張っていいのよ、電。ほとんどの超兵器はあなたが倒したじゃない。そのおかげで、何人もの命が救われたのよ』

610: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/13(日) 00:16:37.80 ID:2Js/BuaT0
赤城『よかったですね、電ちゃ・・・』ピピーッ、ピピーッ

早川「警報か!?」

赤城『E-2が敵艦隊を捕捉!戦艦4、空母5、巡洋艦8、駆逐艦12、その他小型艦艇が7隻!戦艦は全て大和型戦艦と確認しました!』

早川「大艦隊だな・・・なぜ今まで捕捉できなかった!?」

ロゼ『衛星の監視網から外れたとこころから出てきたのかもね。いずれにせよ、早期発見ができたのは幸いだったわ』

早川「全艦、対艦及び対空戦闘用意!艦載機は直ちに発艦、敵空母を中心に攻撃せよ!」

赤城やニミッツから艦載機が出撃し、敵艦隊に向かう。

早川「遣欧艦隊は前進し、敵艦隊に切り込む。いつもの通り、魚雷とミサイルを敵艦隊にぶち込めばいい」

雷『はーい!雷、いっきますよー!』

暁『あー、待ってよー!』

提督『やれやれ、あんなに慌てることないのにねー』

水雷長の妖精さん「相変わらずせっかちだなー。電はそうでもなくなったけど」

電「でも、時々誰かさんとごっつんこしちゃうのです」

早川「戦闘中だ、私語は後にしろ」

提督『はーい』

611: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/13(日) 23:50:22.41 ID:2Js/BuaT0
早川「長魚雷、撃ち方はじめ!目標、敵大和型戦艦!」

電「魚雷装填です!」ガシャン

電は大和型の一隻に肉薄し、大量の魚雷を放った。大和型の腹部に全弾命中し、転覆して轟沈した。

早川「この時代になっても、長魚雷の威力は侮りがたい、か」

提督『ミサイル駆逐艦なのに、敵陣深くに突っ込むだなんて無茶するわね。でも、久々に大暴れできて楽しいわ!』

大和『全主砲、薙ぎ払え!』キュゥゥン

大和のレールガンが次々にミサイル護衛艦を吹き飛ばしていく。

雷『大和すっごーい!』

暁『私たちだってレールガンを積んでるんだから!』キュゥゥン

多くの砲弾が降りしきる中、暁たち駆逐艦は驚異的な速度で追撃をかわし、レールガンを放つ。

副長「敵戦艦、合計3隻撃沈!その他艦艇は半数を撃沈しました!我が方の勝利です!」

早川「よし、敵艦隊に降伏勧告を行え」

副長「・・・ダメです!応答ありません!大和に46㎝砲2発被弾!被害軽微とのことです!」

早川「早く引かないものか・・・」

612: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/14(月) 00:07:50.41 ID:+XliRl930
大和『まだ行けます!』

早川「よし、頑張れ。電、短期決戦だ。直ちに旗艦を撃破、その他の艦艇はできる限り航行不能にしてしまえ」

電「わかった、のです・・・」

早川(まさか、我が同胞と戦うことになるとは思わなかったが、仕方のないことだろうな)

早川(しかし、君塚が帝国と通じているとは・・・)

響『・・・っ、機関損傷。動けない』

早川「くそっ、暁は響を守れ!それ以外の艦は絶対に響に近づけるな!」

暁『このレディにお任せよ!』キュゥゥン

暁のレールガンがこんごう型に直撃し、大爆発を起こす。遠距離戦が主体のミサイル艦では、防御があまりに足りない。

副長「敵残存艦隊、残り3分の1!敵艦隊の中から投降者が出てきました!」

早川「やっとか・・・しかし、完全に制圧していない以上は油断できないな」

電「できれば助けたいのです・・・」

早川「そういうこともある。特に、日本軍は忠誠心が強いからな・・・」

副長「敵艦隊、残り4分の1。全艦、投降を確認しました」

早川「ようやくだな。戦艦、空母は全て沈んだとなると、助けられたのは10分の1程度か・・・」

613: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/14(月) 00:21:53.09 ID:+XliRl930
日本領 八丈島近海

早川「ここからなら、艦載機で横須賀を叩けるか。横須賀を落とせば、日本は降伏したも同然だ」

電「自分の基地を攻撃するなんて、やっぱり気が引けるのです」

提督『大丈夫よ。あれは私たちが知ってる横須賀鎮守府じゃないわ」

電「うぅ・・・」

副長「・・・うーん」

早川「どうした?」

副長「衛星からの通信によると、ヴォルケンクラッツアーがシュヴァンブルグから出港したみたいですけど・・・」

早川「大事じゃないか!なぜ知らせなかった!?」

副長「宗谷海峡付近で停止しました。ずっとそこで投錨しています」

早川「宗谷海峡?海のど真ん中で投錨してどうする?」

ロゼ『ははーん、さては待ち伏せするつもりね?あたしたちが射程に入った瞬間、波動砲でこの世にサヨナラバイバイさせる気よ』

大和『アウトレンジ・・・ですね』

ロゼ『なるほど』

早川「感心している場合じゃないだろう。どうするんだ?」

ロゼ『そこは横須賀を潰してから考えましょ』

614: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/15(火) 00:02:04.58 ID:sV0d56210
早川「全戦力を横須賀に投入!君塚大将を捕縛し、横須賀を制圧せよ!」

横須賀沖に集結した解放軍艦隊が、一気に侵攻を始めた。陸戦隊を乗せたデュアルクレイターが護衛艦隊に守られながら湾内に突入し、揚陸を図る。

提督『それにしても大規模ね。横須賀がどれだけ重要な基地だったかわかるわ』

早川「全鎮守府でも特に戦力が集中しやすいところだ。それに、首都の東京も近い」

暁『せっかく帰ってきたのに、攻撃してくるなんてひどいじゃない!ぷんすか!』

シュルツ『しかし、思ったより敵の警備が手薄だな。戦艦が1隻も存在しない』

早川「確かに、占領してくれと言っているようなものだ。なぜだ・・・?」

『・・・ん!はや・・・わくん!早川くん!』

副長「通信です!場所は呉ですっ!」

早川「呉だと?誰からだ!?」

副長「味方艦隊の模様です!戦艦『相模』の存在を確認!」

早川「相模・・・司令か!?」

司令『そうだよ!僕たちも加勢しに来たよ!』

早川「司令・・・お久しぶりです。しかし、敵艦隊がそちらに向かっていたのでは?」

司令『それなら、もう沈めたよ。僕たちにもレールガンがあるからね』

615: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/15(火) 00:11:59.69 ID:sV0d56210
早川「そうか、元日本艦隊も解放軍だったな・・・それは何よりです」

司令『それより、君たちはルフトシュピーゲルングだっけ?それを止めに行くんでしょ?』

早川「はい。早急に行動を起こさねばなりません」

司令『日本のことは僕たちに任せて、進みなよ。奴らはシュヴァンブルグにいるんだったね?』

シュルツ『衛星画像で確認しました。今のところ、出撃報告はありません』

司令『それじゃ、決まりだね。頑張って、この世界を守ってよ!』

早川「・・・お任せします。また会いましょう」

司令『任された。それじゃ、頑張ってね』

ロゼ『なるほど、敵艦隊がいないと思えば、呉に増援を出してたのね。もともと日本艦隊は艦の数が絶対的に少ないし、生産が間に合わなかったのね』

早川「我々の最大の弱点が好機を作り出すとはな・・・」

提督『そんなに少なかったの?』

電「電が見た時は、ほとんど艦が残っていなかったのです・・・」

副長「陸戦隊、揚陸を開始しました!横須賀鎮守府の抵抗はほとんどない模様。陥落は時間の問題です!」

早川「瞬く間に終わったな。最近、敵の歯ごたえがなさすぎる・・・」

電「司令官さん・・・?」

616: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/15(火) 00:25:10.86 ID:sV0d56210
横須賀鎮守府

早川「結局、君塚大将は自刃し、司令部は陥落、か」

提督「順調なら、それでよかったじゃない。どう足掻いても、あの大将さんの結果は見えてたわ」

早川「だが・・・」

提督「気持ちはわかるけど、仕方ないことだってあるわ。その覚悟が、少なくとも大将さんにはあったのよ」

早川「覚悟か・・・」

提督「そういうこと。艦娘たちも覚悟を持って戦ってるわ。私なんかに命を預けて、ボロボロになっても戦ってくれる。私もそれに応えて彼女たちの命を命令で守るの。それと一緒よ」

早川「しかし、死んで許される罪などない」

提督「責任の取り方は人それぞれよ。生きて贖罪する人もいれば、死んで詫びる人だっている。どれが正しいかだなんてわからないものよ」

早川「そういうものなのか」

提督「そう深く考える必要もないけどね。ほら、次は最重要課題のウィルキア解放でしょ?あのウィルシア帝国とかいう奇妙な連中を早めに潰さないと」

617: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/15(火) 00:34:36.22 ID:sV0d56210
副長「ふんふふ~ん♪」ピピーッ、ピピーツ

副長「あれ、通信かしら?はいはーい・・・えっ!?」

副長「大変です司令代行!」

早川「うるさいな、どうした?」

副長「ルフトシュピーゲルング、シュヴァンブルグを出港!北に向かっています!」

早川「何だと!?くそ、起動準備を整えたのか!?」

ロゼ『こちらロゼ!奴が出港したわよ!早く止めないと!」

早川「しかし、ヴォルケンクラッツァーが・・・」

ロゼ『くッ、そうだったわね。じゃ、どうするの?』

ガルトナー『こちら司令部!ルフトシュピーゲルングが出港したぞ!』

早川「同じような通信が幾つも・・・」

ガルトナー『早川少将、あなたと提督に新たな命令が下されました。ヴァイセンベルガー大将からの直接命令です。直ちにルフトシュピーゲルングを追跡し、これを撃沈せよ、とのことです』

早川「艦艇の選択はこっちで・・・」

ガルトナー『いえ、提督が所有する艦隊、つまり艦娘のみで挑めとのことです』

提督『ちょっと!それって玉砕覚悟じゃない!元は解放軍艦隊全艦で攻撃するつもりだったでしょ!?』

ガルトナー『しかし・・・』

提督『わかったわよ!その代り、奴を潰したら艦娘たちにとびっきりの褒章をあげなさい!』

ガルトナー『考慮します』

提督『なぁにが「こうりょしますー」よ!そこは二つ返事で返しなさいよ!』

618: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 18:59:01.27 ID:x2XvOIWt0
早川「今は仕方ない。早めにルフトシュピーゲルングを何とかしなければ、場合によれば世界が崩壊しかねない」

提督『・・・っ、仕方ないわね』

電「でも、宗谷海峡は通れないのです。どうするのですか?」

早川「強行突破だ。わざわざ太平洋を回っていく余裕は無い。どこに行くかわからんが、とにかくウィルキアの領海内で沈める」

赤城『さすがに無茶ではないですか?連戦になります』

早川「倒すとは言っていない。持前の速度で突破するまでだ」

響『もう作戦とは言えないよ。あまりにずさんすぎる』

早川「それではどうする?お前たちは空を飛べるのか?」

赤城『艦載機なら空を飛べます!』

早川「お、おう」

大和『えぁっと、出撃の件は・・・』

早川「そうだった。直ちに艦娘、妖精は出撃準備を整えよ。全艦の準備が整い次第、出撃する」

619: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 19:41:20.75 ID:x2XvOIWt0
北極海に向けて航行するルフトシュピーゲルングの近くに、US-2が着水した。ルフトのクレーンで回収され、艦載機格納庫に運び込まれる。

ルフトシュピーゲルング『ヨウヤク戻ッタカ・・・』

クルーガー「ええ、ただいま。これからどちらへ?」

ルフトシュピーゲルング『オ父様ノ起動準備ガ完了シタ。コレヨリ北へ向カウ』

クルーガー「是非ともお供させていただきます!」

ルフトシュピーゲルング『勝手ニシロ』

ルフトシュピーゲルングはゆっくりと加速し、50ノットの速度を出して進む。流氷を砕き、目的を達成させるために。

クルーガー「ところで、フィンブルヴィンテル復活の暁には・・・」

ルフトシュピーゲルング『我ガ世界ニ連レテ行コウ。ソレデ良イノダナ?』

クルーガー「はい!」

620: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 19:56:38.82 ID:x2XvOIWt0
宗谷海峡付近

早川「この先にヴォルケンクラッツアーが待ち伏せているんだったな。用心しなくてはならんな」

提督『こうやってる間に波動砲が充填されていたりして』

早川「嫌なことを言うな・・・」

副長「12時方向、距離1万にて巨大なエネルギー反応を感知!波動砲の波長とそっくりです!」

電「提督にフラグ建築士の称号を与えるのです」

提督『ははー。ありがたき幸せにござりまする』

早川「各艦、全力回避!絶対に回避しろ!」

艦隊が右に転舵し、波動砲の射線から外れた。その直後、青いエネルギーの奔流が艦隊の脇を横切った。

大和『あ、あれが・・・波動砲・・・』

愛宕『背中にビリッときました。まるで電気風呂みたいな感覚でしたねぇ』

暁『ふえぇ、怖いよぉ・・・』シクシク

早川「ロゼはあれの攻撃を受けてアルウスを沈められたと聞いた。本当に超兵器も一撃で破壊できそうなほど強いエネルギーだな・・・」

提督『ルフトシュピーゲルングってアレより強いんでしょ?無理よ!』

早川「無理でも倒す。さもないと、世界が終る。お前たちも帰る前に滅ぼされる」

提督『あんたねぇ・・・!』

大和『やめてください!』

提督『・・・わかったわよ、うるさいわね』

621: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 20:10:09.81 ID:x2XvOIWt0
副長「無電方位探知で敵位置特定!超巨大戦艦ヴォルケンクラッツアー、接近!」

早川「機関一杯!急加速!敵の横を突破する!」

機関室の妖精さん『・・・任せて』

電は速度を急激に上げ、ヴォルケンクラッツァーに接近する。瞬間最高速度は軽く180ノットを超えていた。

早川「よし、突っ切れ!」

電「なのです!!」

ヴォルケンクラッツァーの主砲が艦隊に追従しようとする。しかし、接近しすぎで狙いが定められない。

早川「よし、密集陣形が効いたようだな。全力で逃げるぞ!」

ヴォルケンクラッツァーが転舵するより先に、艦隊は主砲の射程圏外に離れた。波動砲で一網打尽にしようとするも、エネルギーの高まりを感知されて回避運動を取られてしまう。


早川「レールガンの攻撃を食らうかと思ったが、そんなことはなかったな」

提督『乗組員の練度不足と見えるわ。ちょっとひどいわね』

電「でも、戦わなくてよかったのです」

早川「さて、問題は次だな。副長、ルフトシュピーゲルングの位置を教えてくれ」

副長「ルフトシュピーゲルング、北上中。北極海に出るのかもしれません」

早川「北極・・・そんなところに、最後の超兵器が存在するのか」

623: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 20:22:20.75 ID:x2XvOIWt0
数時間後、北極海

早川「やっとたどり着いたな・・・」

副長「巨大な艦影を捕捉!1隻はルフトシュピーゲルング、もう1隻は・・・な、何ですかあれっ!?」

電「不気味な建物が浮いてるのです・・・」

提督「あれは船なの?そうには全く見えないわ。目があって、変な形で・・・」

雷「こ、こっち向いたわよ!?どうするの、提督!」

ピピーッ、ピピーッ

副長「通信です。送り主は・・・ルフトシュピーゲルングです!」

早川「つなげ!」

ルフトシュピーゲルング『我ハ力ヲ求メシ者!我ガ意志ニ逆ラウコトナド、不可能ト知レ!』

早川「お前が、世界をメチャクチャにしたのか!」

ルフトシュピーゲルング『戦争ナド目的達成ノ手段ニ過ギナイ』

早川「お前の目的は何だ!?力を求める理由は何だ!?」

ルフトシュピーゲルング『アラユル並行世界ヲ制圧シ、我ガ統治スル。異論ハ許サン』

雷『あらゆるってことは、まさか私たちの世界まで・・・?』

大和『それなら、なおさら許せません!』

提督『冗談じゃないわ!』

624: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 20:47:51.98 ID:x2XvOIWt0
副長「う、うそ・・・フィンブルヴィンテルに巨大なエネルギー反応!波動砲を超えています!」

早川「何だと!?」

ルフトシュピーゲルング『我ガ世界ノ統治者ニ・・・』ゴォォォォ

フィンブルヴィンテルから発射された黒い雷球がルフトシュピーゲルングに衝突し、大爆発を起こした。

提督『な、何あれ・・・侵食弾頭兵器!?』

響『いや、侵食兵器とは少し違った。全部光になって、消滅したよ。まさか、対消滅反応・・・』

赤城『ここは一旦退避して援軍を待ちましょう!この数では不利です!』

早川「今、おそらく解放軍本隊はヴォルケンクラッツァーと戦闘中だ。そんなことができると思うか?」

赤城『どうせこうなるなら、もっと準備してからの方が・・・』

提督『そんなの、嘆いても仕方ないわよ・・・総員、戦闘準備。轟沈する気で戦いなさい。私も覚悟を決める』

電「うぅ・・・」

水雷長の妖精さん「正直、すっげー怖い・・・」

電探の妖精さん「あたしも。逃げて、いいかしら?」

ソナーの妖精さんB「なの・・・」

早川「世界が・・・終わる・・・想像以上だ・・・」

625: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 20:57:58.04 ID:x2XvOIWt0
電「い、電も覚悟を決めるのです・・・」

早川「電・・・」

電「あれを倒して、みんなで一緒に帰るのです!」シャラァァン

早川「お前、体から光が・・・」

電「平和も、元の世界も、諦めたくないのです!」

早川「・・・わかった。総員、戦闘配置!」

大和『電ちゃん、すごくカッコイイ!』

暁『ふ、ふーんだ!私はちゃんと戦うし!』

雷『私だって、提督のために戦うんだから!』

響『少しは勇気が出た。電を信じてみるよ』

赤城『どこに逃げても一緒なら・・・赤城、出ます!』

愛宕『うふふ、みんなが元気を出してくれてよかったわ』

提督『士気も戻ってきたところで、奴を潰しにかかるわよ!』

電「なのです!」

早川(これが、電の持つ力の正体か・・・)

626: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/17(木) 21:08:22.06 ID:x2XvOIWt0
フィンブルヴィンテルが雷球を撒き散らしながら南下を始めた。雷球は所構わず衝突しては、光になって消滅していく。

早川「マズいな、南下されたら、辺りの国を無差別に攻撃されかねない」

大和『なら、やるしかないわね!』

電「電の本気を見るのです!」

提督『みんな、その意気よ!頑張って!』

大和『主砲、撃ち方始め!』キュゥゥン

大和の主砲が一斉に咆哮し、フィンブルヴィンテルの船体に直撃する。しかし、ダメージはほぼ通っていない。

大和『そんな!』

響『ほら、例の防御重力場じゃないかな』

早川「どれほど硬かろうと、叩き続ければいずれ破壊できる。主砲、構わず撃て!」

各艦がレールガンを撃ちまくり、フィンブルヴィンテルを沈めようと試みる。しかし、ダメージはほとんど通らないばかりか、大量のレーザーを撃たれる。

副長「怪力線です!舷側に着弾、被害軽微!」

電「はわわ、やっぱり熱いのです・・・」

早川「撃ち続けろ!あの中央部の目玉を狙え!うまく行けば、二つに分離して転覆させられるかもしれん!」

629: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/18(金) 20:18:35.42 ID:CJb/2QFV0
大和『中央部ですね、わかりました!』

大和は加速し、フィンブルヴィンテルの前に陣取る。そして、ありったけのレールガンを一度に撃ちこむ。そこが弱点だったようで、装甲にヒビが入る。

提督『やった!これで・・・』ドゴォォ

離脱しようとした大和の後部艦橋が一撃で吹き飛ばされた。文字通り跡形もなくなり、第2副砲も損傷が激しく使用不能になった。

早川「な、何だ!?」

響『レールガンみたいだね。それも、威力がけた違いだよ・・・』

電「大和さんっ!」

大和『この程度で、大和は沈みません・・・!』

提督『不覚をとったけど、まだ戦えるわ!』

大和は炎上しながらも、レールガンを6発お見舞いして離脱する。

早川「前に出たら撃たれるか。各艦に通達。後方から中央部を攻撃せよ!その際、レールガンによる攻撃を警戒せよ!」

電「なのです!」キュゥゥン

レーザーを速度にものを言わせて回避した電は、敵艦の後方に回り込んでレールガンを撃ち続ける。しかし、威力の問題なのか、思うようにダメージを与えられない。

大和『ダメです!後方に攻撃してもダメージを与えられません!』

早川「やはり前方か・・・」

630: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/18(金) 21:08:18.81 ID:CJb/2QFV0
雷『そんな攻撃、当たんないわよ?』

雷は転覆寸前の危険な操艦をしつつ、フィンブルヴィンテルの中央部に向けて突撃する。

早川「作戦も無しに突撃するな!死にたいのか!?」

愛宕『私も援護しま~す♪』キュゥゥン

遠距離から愛宕が雷突入の援護をする。中央部のヒビが更に大きくなり、耐久力が大きく低下する。

雷『これでトドメ!ってー!』キュゥゥン

雷は中央部横の空間を通過しつつ、ヒビに向かってレールガンとミサイルを撃ちこんだ。装甲が完全に破壊され、内部構造が露出する。

早川「な、何だあれは・・・」

フィンブルヴィンテルの超兵器機関が露わになった。赤い光に包まれたそれは、さながら脳の形状をしている。

提督『あれが、超兵器機関・・・』

大和『脳という比喩は、あながち間違いじゃなったわけですね・・・』

早川「馬鹿な!本当に奴は生物なのか・・・?」

フィンブルヴィンテル『キシャァァアアァァァアアアアァァアァァッッッ!!』

副長「フィンブルヴィンテル、暴走!」

早川「早めに仕留めないと、大惨事になりかねんな・・・」

631: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/18(金) 23:15:29.77 ID:CJb/2QFV0
早川「電、量子魚雷の使用を許可する」

電「とうとう使う時が来たのです・・・」

提督『量子魚雷?』

早川「真空のエネルギーを使う。理論はかなり難しいが、要は小規模のビッグバンを起こす兵器と考えてもらっていい」

響『スタートレックに出てくるものを無理やり魚雷にしたものだね。確かに、それならアレを葬れるかもね』

雷『何でもいいから使っちゃえばいいのよ!』

電は更に濃い弾幕を張るフィンブルヴィンテルに接近する。上部の巨大な目玉の集合体から白い光が放たれ、電の後方で巨大な爆発を起こす。

早川「光子榴弾砲か!しかし、当たらなければどうということはない!電、奴を潰せ!」

電「こんな戦争を終わらせて、世界を助けるのです!魚雷、装填です!」ガシャン

5連装魚雷発射管から、2本の魚雷が放たれた。高速で敵艦に接近し、船体の何倍もの大規模な爆発を起こす。

副長「きゃぁぁ!」

早川「電探妖精、目標の確認を急げ。どうせ、塵になっただろうが」

電探の妖精さん「本当にそうだといいけど、あんたそれ・・・やっぱり、健在よ!攻撃が来るわ!」

光に紛れて、フィンブルヴィンテルが電に黒い雷球を放つ。上部の目玉が電をしっかりと視界にとらえていた。

早川「・・・っ!回避しろ!何があってもあれには当たるな!」

電「はわわ、逃げるのです!」

632: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/18(金) 23:56:54.55 ID:CJb/2QFV0
電は黒い雷球を回避し、フィンブルヴィンテルから離れていく。その間にも、レーザーの攻撃は止むことはない。

早川「量子魚雷、次発装填!出し惜しみはナシだ!」

大和『加勢します!』キュゥゥン

暁『妹ばっかり目立つなんてずるいんだから!』ガシャン

艦娘たちが攻撃を再開する。フィンブルヴィンテルの船体には、小さいながらも確実にダメージが刻まれつつあった。しかし、敵艦もレールガンを撃って応戦する。

電「はわわ!?恥ずかしいよぉ・・・」

早川「レールガンめ、やはり強いな・・・ダメージコントロール!」

ダメコンの妖精さん『前部砲塔に被弾したのん!使えなくなったのん!』

早川「最後はやはり、量子魚雷に頼るしかないな。脳の部分は浮いている。当てられるとすれば・・・電、奴から見て11時方向、距離5000の位置に陣取れ」

電「何をするのですか?」

早川「魚雷で奴の脳を吹っ飛ばしてやる」

634: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 00:47:00.45 ID:1tWPSIAQ0
電「着いたのです!」

早川「よし、魚雷発射管を奴の船体の内側にお見舞いする。そうすれば、脳に直接ダメージを与えられる」

電「それじゃ、早くやってみるのです!」

早川「そのつもりだ。・・・この戦いが終わったら、どうする?」

電「?」

早川「ルフトシュピーゲルングは消滅した。ヴォルケンクラッツァーもシュメーラやロゼたちが倒しているはずだ。おそらく、帰る手段は無い」

電「それでも・・・今はやるのです。世界を戦争から解放してあげたいのです!」

早川「よく言った。魚雷、発射用意!」

副長「ダメ!高エネルギー反応!波形パターン分析、レールガンです!」

雷『させないんだからぁぁ!!』

早川「雷!」

雷『きゃぁぁ!!』ドゴォォ

雷は船体腹部にレールガンを受け、艦橋後部がごっそり抉られた。

電「雷ちゃん・・・」

雷『ほら、早くあれを沈めて。また、一緒にアイス食べよ?』

電「・・・魚雷、装填です」ガシャン

635: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 01:05:10.15 ID:1tWPSIAQ0
電が放った魚雷は、真っ直ぐフィンブルヴィンテルに吸い込まれるように突っ込み、巨大な爆発を発生させた。

電探の妖精さん「敵艦、停止!」

副長「でも、エネルギーが増大していきますっ!」

早川「まさか、まだ何か仕掛けるつもりか!?」

フィンブルヴィンテル『キシャァァァアアアアァァァァァアアアアアァァアアァァァアアアア!!!!!!!!」ドゴォ!ドゴォ!ゴォォォォ!!!

提督『いえ、違うわね。エネルギーの過負荷で自壊してるわ!』

副長「エネルギー、まだ増大しておきます!」

早川「全艦、直ちに離脱せよ!」

艦隊が散り散りに逃げていく。フィンブルヴィンテルは黒い渦を発生させ、やがて、猛烈な鋼の咆哮を上げて爆発した。

636: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 01:15:49.76 ID:1tWPSIAQ0
電「・・・うぅ」

早川「・・・ここは、どこだ?」

陸戦隊の妖精さん「やっと目ぇ覚ましたか。あれ、見てみな」

陸戦隊の妖精さんは、早川と電にモニターを見るよう促した。

電「あ、電が吸い込まれた青い光なのです!」

早川「本当か?」

電「間違いないのです!戻れるのです!」

電探の妖精さん「ほら、副長も起きなさい!」

副長「ムニャムニャ・・・ここはどこ?ケーキの島?」

電探の妖精さん「違うわ。勝ったのよ」

副長「かったぁだなんて、そんなひわいなことば使ったらめれすぅ・・・」

電探の妖精さん「何言ってるのアンタ。とりあえず、あれのエネルギーは安定してるわ。消えずにずっと残るかもね」

電「よかったのです。みんなにお別れが言えるのです!」

提督『それもそうね。向こうに帰ってバケツを使うより、こっちに長居するのもありかも』

早川「では、行こう。ウィルキアへ」

637: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 01:27:04.76 ID:1tWPSIAQ0
???『待つのだー!』

早川「ん、何か聞こえなかったか?」

副長「海上から通信です!ルフトシュピーゲルング消滅地点と合致!」

早川「今すぐ向かえ!」


???「助けたことを感謝するぞ。そちには異世界の技術を与えてやってもよい!」

電「誰ですか?」

早川「知らん。クルーガーと一緒に流れてきた」

提督「ピンク髪のツインテールの幼女。結局誰なの?」

???「失礼な!われはルフトシュピーゲルングであるぞー!」

電「出オチ気味の情けない超兵器なのです」

ルフト「言うなー!」

暁「えっへん!私をお姉さんとして扱いなさい!」

ルフト「駆逐艦風情がナマイキ言うな!われは強いんだぞー!」

響「でも、戦えないよね」

ルフト「う・・・」

639: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 01:34:22.50 ID:1tWPSIAQ0
ウィルキア王国 シュヴァンブルグ港

シュルツ「早川少将、ご無事で何よりです。それに、艦娘全艦が生きて帰ったことも喜ばしい」

響「ちょっとボロボロにされたけどね」

ナギ「とってもすごいです!大活躍でしたね!」

副長「あたしのお蔭ね!」

ナギ「あなたには言ってません!」

副長「ちぇ」


ヴァイセンベルガー「よくやったな。ヴィルク国王陛下もお喜びだ」

提督「私たちはただ、自分の家に帰る方法を探していただけです。でも、それが叶った。全艦娘の修理が終わり次第、私たちは失礼します」

ヴァイセンベルガー「そうか、残念だな」

提督「いえ。エネルギーはまだ残るみたいなので、気が向いたら遊びに行きます」

ヴァイセンベルガー「わかった。では、私は雑務をしなければならん。さらばだ」

提督「ええ。お元気で。糞親父」

ヴァイセンベルガー「・・・何か言ったか?」

提督「いえ、何も」

640: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 01:46:50.29 ID:1tWPSIAQ0
数日後 北極海

ブラウン「確か、そちらの世界の大和は平和な海を航行したことがなかったと聞きました。そちらの世界でも、平和が訪れるよう祈っています」

ナギ「また遊びに来てくださいね!」

艦長「また逢えたら、その時は一緒に風呂でも・・・」

副長「ダメですよ、艦長!」

天城「武運長久を祈る」

筑波「お元気で。また会いましょう」

ロゼ「またね。元告死天使の全乗組員を代表して、さようなら。そして、ありがとう」

司令「電ちゃん、今度はいろいろ日本を案内してあげるよ。元気でね」

シュメーラ「どうか、あなた方に神のご加護があらんことを・・・」

ルフト「絶対にそっちの世界も征服してやるぞー!覚えてろー!」

ガルトナー「君たちに出会えて、本当によかった」

ヴァイセンベルガー「今度はもっと安い店でも探しておこう。赤城と大和には内緒で来てくれ」

大和「聞こえてますよ!」ガシャンコ

ヴァイセンベルガー「・・・・・・・・・・」

提督「みんな、ありがとう。色々あったけど、本当に楽しかった。じゃあね!」

雷「あれ、電は?」

提督「あれ、さっきまでいたのに・・・」

641: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 01:51:10.48 ID:1tWPSIAQ0
早川「・・・」

電「あ、あのぅ・・・」

早川「・・・」

電「司令官さん・・・?」

早川「・・・」

電・・・うぅ」ウルッ

早川「・・・ありがとう。お前に出会えて、本当によかった」

電「司令官さん、そのぅ・・・」

早川「どうした?」

電「あの、あのっ・・・・・・ありがとう」

早川「ああ、感謝する」ナデナデ

電「・・・っ」ダッ


早川「さようなら、電。俺はお前のことを忘れない。すまなかったな。電。おまえを、艦娘の電に会わせてやりたかった」

642: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 01:59:43.86 ID:1tWPSIAQ0
かつてウィルシア帝国から「彼紺艦隊」とあだ名された艦娘たちは、青い光に吸い込まれていく。

電「・・・うぅ、ここは、どこですか・・・?」

???「オノレ、忌々シイカンムスドモメ」

大和「・・・え?」

泊地棲姫「ドウヤッテココマデ来タ!?」

提督「わーっわーっ、違う違う!たまたま偶然ここに出てきただけで・・・」

泊地棲姫「出テイケ!」

雷「提督、どうするの?」

提督「・・・逃げるわよ!」

暁「ぴゃああああ!!」


横須賀鎮守府

吹雪「ふぅ、今日もいい天気ですね!こんな時は遠くの海まで・・・」

大和「おーい!吹雪ちゃーん!」

吹雪「大和さん!やっと帰ってきたんですね!みんなー!大和さんたちが帰ってきましたよー!」




646: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 02:08:26.49 ID:1tWPSIAQ0
倉庫群

ピシャ!ゴロゴロゴロ・・・

ビスマルク「・・・」コソコソ

ビスマルク「今度こそ、証拠を掴んでやるんだから!」

?「何の証拠を掴むのですか?」

ビスマルク「!」


ビスマルク「んぐ!んぐぐぐ!」(ちょ、何してんのよ!)

?「見られたからには仕方ないのです。処刑してやるのです」

ビスマルク「んぐっ!?ふぎふぎぃ!」(やめて!離しなさいよ!)

?「うるさいのです。とにかく・・・」

?「ナ゛ス゛は゛き゛ら゛い゛な゛の゛で゛す゛!!」

ピシャァァン!ゴロゴロゴロ・・・

647: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 02:16:23.48 ID:1tWPSIAQ0
次の日の朝

長良「えっほ、えっほ、1、2、1、2・・・」←ランニング中

大鳳「69、70、71・・・」←腹筋中

深雪「ふー、やっぱり乾布摩擦するとあったかいなぁ!」←乾布摩擦中

長門「同感だ」←乾布摩擦中

提督「みんな、執務室をジムと勘違いしてない?っていうか、何で外でしないの?」

長良「ランニングコースだからです!」

提督「屋内でランニングしないでよ、一応事務所だし・・・」

陸戦隊の妖精さん「大変だ提督!」

提督「もう、何よ。朝っぱらから・・・」

陸戦隊の妖精さん「弾薬庫の近くでビスマルクが大破した状態で見つかった!服と艤装が全部引っぺがされてやがる!」

提督「何ですって!?」

大鳳「この変t」

長門「それ以上言ったらどうなるかわかるな?」

大鳳「・・・」ブルブル

648: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 02:28:58.55 ID:1tWPSIAQ0
提督「ひ、ひどい・・・」

大口径砲の弾薬庫で、ビスマルクが倒れていた。服や艤装も全て奪われ、気を失っている。

Z1「ビスマルクさん!起きて!ビスマルクさん!」

ビスマルク「・・・うーん、ここは?」

提督「ここで倒れていたのよ。何か覚えてない?」

ビスマルク「いえ、おとといの晩御飯のことしか覚えてないわ」

提督「重症ね・・・一応、ドックに行っておいで」

Z1「行こう、ビスマルクさん」

ビスマルク「え、ええ・・・」

提督「嘘でしょ・・・今日はお客さんが来るのに・・・」

長門「客が来るのか?」

提督「ええ。結構前に話したと思うけど、あっちの世界で知り合った人たちなの」

長門「なるほど。進んだ技術を持つという軍隊か。胸が熱いな!」

提督「でも、謎の襲撃者がいるなんて・・・」

長良「怖いですけど、憲兵さんが捕まえてくれますよね!」

提督「憲兵は変 提督専門でしょ?襲撃犯くらい、私たちで捕まえられるわよ」

649: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 02:39:43.59 ID:1tWPSIAQ0
3時間後

早川「久しぶりだな。元気だったか?」

提督「ええ、お蔭様で。今日はそこそこの大艦隊ね」

早川「シュルツたちもいる。ところで、電はどうした?」

提督「昨日から行方不明なのよ。あの子、すっごく気が弱いから、襲撃犯に襲われたらどうしよって思って・・・」

艦長「それは気になる!では、駆逐艦寮まで探しに・・・」

長門「ダ メ だ。私の可愛い駆逐艦たちには一切近づけさせんからな」

艦長「・・・」ピキピキ

長門「・・・」ピキピキ

早川「やめろ。話がややこしくなる」

艦長「すみません」

長門「そうだ、大人しく土に還れ」

艦長「貴様ァ・・・」

長門「勝負なら受けて立つぞ?」

提督「どの世界にも困り者はいるのね・・・」

650: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 02:52:24.17 ID:1tWPSIAQ0
ヴェルナー「ああ、素晴らしい!」

ナギ「どうしたんですかあ?」

ヴェルナー「出番があるなんて、夢みたいだ!」

ナギ「そういえば、本編じゃ『お手柔らかにお願いします、早川少将』と『加勢します!砲撃開始!』 しか言ってませんでしたね」

ヴェルナー「それを言うなぁぁ!先輩、慰めてください・・・えぐ・・・」

シュルツ「ヤダ」

ヴェルナー「そんなぁ・・・」

筑波「ふぉふぉふぉ!しょせん、お前はモブキャラ止まりだったというわけよ!」

ヴェルナー「こ、このぉ・・・!」

電「今日は収穫が大きかったのです♪」

シュルツ「むむ、電じゃないか」

電「誰かと思えばWSG2の特殊任務でハーレムをやらかした色欲提督なのです」

シュルツ「・・・」

653: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 22:31:25.21 ID:1tWPSIAQ0
ヴェルナー「ところで、提督さんはいらっしゃるかい?」

電「知らないのです」

シュルツ「さっきまで通信できていたのだが、何か問題があったのだろうか?」

ブラウン「気になりますね。失礼かと思いますが、少し鎮守府内を捜索してみましょう」

ナギ「そうですね。それじゃ、電ちゃん・・・あれ?」

シュルツ「どうした?」

ナギ「電ちゃんがいなくなっちゃいました!」


電「ちっ、こんなタイミングで来るなんて、空気の読めない連中なのです」

電「でも、もう少しで完成するのです!」

筑波「んん?何じゃここは?」

電「とぉぉ↑おう↓」ベキッ

筑波「あふん」バタッ

電「また馬鹿が迷い込んできたのです。とりあえず便器にでも突っ込んでおくのです」ポイ

654: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 22:55:25.83 ID:1tWPSIAQ0
伊勢「やっぱり晴嵐よね!」

日向「ハリアーはいけ好かないからな。やはり水上機は最高だ」

電(なかなかの飛行甲板なのです。今度はアレを頂戴するのです)

日向「おや、電じゃないか。こんなところで何をしているんだ?」

電「ちょっとほしい物があるのです」

伊勢「あれっ、もしかして、日向が隠してるお菓子がほしいの?」

日向「そ、そのことは・・・」アセアセ

電「違うのです。その飛行甲板をよこすのです!」ベキッドカッバキッ

伊勢「きゃぁぁぁ!!」

日向「ぬおぉぉ!?」


電「もうすぐ完成するのです」

655: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 23:04:30.21 ID:1tWPSIAQ0
提督「ようこそ鎮守府へ。大和がお茶を持ってきてくれるから、待っててね」

シュルツ「ご丁寧にどうも」

提督「久々のお客さんだから、ちょっと奮発して高いお茶を買ってきたのよ。口に合うといいけど。はぁ、電ったら、どこに行ったのかしら・・・」

ナギ「電ちゃんなら、さっき埠頭にいましたよ?」

提督「え?そうなの?よかった」

ナギ「でも、すぐにどこかに行っちゃって。雲隠れの術みたいな早業で消えちゃったんです!」

提督「ふふふ、まさか。電がそんな芸当できるわけないじゃない」

シュルツ「では、ナギ少尉がテキトーなことを言っているとしか思えんな」

ナギ「ち、違いますよぉ!」アセアセ

大和「お茶をお持ちしました」コト

ブラウン「ありがとうございます」ズズー

656: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/19(土) 23:24:06.72 ID:1tWPSIAQ0
利根「吾輩が利n」カーンカーン

大鳳「航空母k」カーンカーン

陸奥「長門型戦k」カーンカーン

電「武装、追加の船体、飛行甲板。これで全て揃ったのです。本当なら大和の主砲を奪いたかったけど、仕方ないのです」

日向「大型建造を繰り返して、何をする気だ」

電「電を最強の重武装巨大航空駆逐艦に改装するためなのです。というわけで、艦載機の管制をするのです」

日向「・・・断る」

電「それなら、ちょいきつめのぐるぐる巻きにされた伊勢がどうなっても知らないのです」

伊勢「日向ー!だめー!」↓溶鉱炉

日向「卑怯な・・・わかった、言う通りにしよう」

伊勢「日向っ!だめだって!」

日向「これも伊勢を守るためだ・・・」

電「潔いのはいいことなのです」

658: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/20(日) 00:29:03.46 ID:aUpeAmDd0
電「できたのです!これで鎮守府を制圧するのです!」

超兵器をも凌駕する巨大な艦が進水した。ハウニブーを大量に出撃させ、戦艦並みの大口径砲と超音速酸素魚雷の発射管が鎮守府に照準を合わせる。

日向「UFOとは悪趣味な・・・」

電「黙ってUFOを出しまくるのです!」ピシッ

日向「あひぃ」


提督「な、何あれ!超兵器!?」

ブラウン「確かに巨大ですが、ノイズを発していません。通常兵器のようですね」

電『直ちに降伏するのです!さもないと、鎮守府を攻撃するのです!』

提督「い、電ちゃん・・・」

ヴェルナー「現れたなイナズマン!この僕が現れたからには、もう悪さはさせないぞ!」

シュルツ「へ?」

電「くう、やっぱり現れたのです!」

ヴェルナー「この僕、ヴェルナーマンが相手だ!」ヘンシン!

提督「・・・ネーミングセンスがひどいわね」

659: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/20(日) 01:13:04.54 ID:aUpeAmDd0
テーレッテレー♪ ←艦これの戦闘BGM

ヴェルナーマン「この僕が相手だ!いけ!戦艦周防!」

イナズマン「そんなカス戦艦、海の底に沈めてやるのです!」

戦艦周防HP 90/90 50.8㎝砲 電HP 800000/800000 miss

電 160㎝砲 周防 HP 0/90

ヴェルナーマン「こ、この僕が・・・負ける、なんて・・・ガクッ」

イナズマン「所詮、クズはクズなのです」

提督「弱っ!!」

ヴェルナーマン「相手が、強すぎる・・・」バタッ

ナギ「あーあ、死んじゃった」

シュルツ「くっ、せめて強い艦さえあれば・・・」

???「わはははは!われを呼ぶ声を聞き、今ここにやって来た!」

イナズマン「だ、誰なのです!?」

叛逆の熾天使・蜃気楼のルフトシュピーゲルング「わが名は叛逆の熾天使・蜃気楼のルフトシュピーゲルング!このわれが来たからには、もう安心なのだー!」

提督「またヘンなのが来た・・・っていうか、名前長すぎ」

661: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/21(月) 00:48:53.11 ID:YUU51mAJ0
テー♪ry

イナズマン「受けて立つのです!」

ルフト「やるのだー!」

ルフトシュピーゲルング HP 300/300 80㎝砲 電 HP 800000/800000 miss

イナズマン「滅ぶがいいのです!」

電 反物質砲 ルフトシュピーゲルング HP 0/300 critical!-99999999999999

ルフト「みぎゃあああああああ!!」ドゴォォ

イナズマン「電が化け物?違うのです、悪魔なのです」

??「全く、迎えにも来ないで、何を遊んでいるんだか」

イナズマン「だ、誰なのです!?」

早川「馬鹿な真似をしている暇があったら、茶でも淹れてくれ」

イナズマン「望むところなのです!」

電 HP 800000/800000 ハウニブー99999999機 早川 HP 9999999999999999999999/9999999999999999999999

提督「ェ・・・」

早川 チョップ 電 HP 0/800000 critical!-999999999999999999999999999999999999999

電「この電が・・・うわぁぁぁぁぁ!?!?」

提督「何これ?バグったゲーム?」

662: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/21(月) 01:12:54.24 ID:YUU51mAJ0
電「ま、まだやるのです・・・いけ!日向!」

日向「伊勢、必ず助けてやるからな・・・」

日向 HP 77/77 36.5㎝砲 早川 HP 999999999999999999999999999/999999999999999999999999999 miss

早川「全く・・・波動砲だ」

電「はわわわわわわわ・・・・・・」ドゴォォ

日向「伊勢、すまない・・・」ドゴォォ

伊勢「日向ぁぁぁぁぁ!!!」


早川「とんだ茶番劇に付き合わされたものだな」ズズー

電「うぅ・・・」←ちょいきつめのぐるぐる巻き

伊勢「どうなのさ電?大人しいじゃん」

ビスマルク「罰が当たったのよ」プンスカ!

提督「手厳しいわね。ま、それくらいのことをしたから当然でしょうけど。赤城、今日から1週間はボーキサイトなしね」

赤城「そ、そんなぁ・・・」ウルウル

提督「だって、大型建造でほとんど資材が消えて、ボーキなんて備蓄0よ。我慢なさい」

赤城「ハイ・・・」グゥゥ


戦え!みんなのヴェルナーマン!編 完

663: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/21(月) 01:25:16.47 ID:YUU51mAJ0
鎮守府 どっかの埠頭

電「釣れないのです・・・」

巻雲「トンボ釣りみたいにうまくいかないですぅ・・・」

赤城「気概が足りません!もっと水面に集中して!敵が現れるのを待つんです!」

加賀「食事の話になると、やたらと燃えますね」

赤城「だって、食事抜きは嫌ですから!」ギュルルルル

利根「素直な腹じゃのう・・・」

ピクッ

電「あ、巻雲ちゃんの竿が動いたのです!」

赤城「本当ですか!?どいてください!」ドン

巻雲「へあぁ!?」

赤城「うう、大きいです・・・!」グググ

電「頑張るのです!」

利根「気合じゃ!気合!」

赤城「やぁぁぁぁ!!!!」ザバァァァ

ヲ級「ヲっ!」

加賀「・・・さすがに気分が低迷します」ガックリ

664: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/21(月) 18:53:16.10 ID:YUU51mAJ0
ヲ級「ヲっ!ヲっ!」

電「ヲ級が何か持ってるのです!」

利根「ふぅむ・・・宝の地図じゃな」

加賀「宝の地図が本物なら、重課金してボーキサイトの山を作れますね」

赤城「暁の水平線に、勝利を刻みましょう!」ダダダダ

電「45ノットなのです」

島風「おうっ!?」


シュルツ「ふむ、宝の地図か・・・」

提督「これが本物なら重課金してドックと母港を拡張できるじゃん!でかしたわ!」←貧乏無課金提督

ナギ「その暁には、ひとつ・・・」

提督「わかっておるわかっておる。そちにも分けてやろうではないか」

ナギ「ははー。有難き幸せにござりまする」

提督「フッフッフ。ナギ少尉、そちも悪よのぅ」ニヤニヤ

ナギ「へっへっへ。提督様こそ」ニヤニヤ

シュルツ「そのやり取りはやめてくれ・・・///」

665: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/21(月) 19:13:58.63 ID:YUU51mAJ0
提督「というわけで、ハワイにやって来ましたー!」

瑞鶴「真珠湾♪真珠湾♪」

翔鶴「ダメよ瑞鶴。また沈められたいの?」←風呂上りに呼ばれたので機嫌悪い

瑞鶴「そ、それはさすがに遠慮するわ」

ブラウン「ところで、今日は何を?」

シュルツ「今日はアニメの収録だ。艦これのアニメが出るというので、我々も協力することになった」

艦長「それは喜ばしいことです!はあ、色々な艦娘に触れ合える絶好の・・・」ベキッ

ヴェルナー「うるさいよ君!」←やられたので機嫌悪い

日向「お前こそうるさいぞ!どうしても黙らないなら・・・」←巻き添え食ったので機嫌悪い

瑞鶴「・・・今日はイライラしてる人が多いわね」コソコソ

シュルツ「・・・頭に血が上っているんだろう。放っておけばいい」コソコソ

666: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/21(月) 19:46:48.55 ID:YUU51mAJ0
青葉「では、シーン1、撮影いきまーす!」カチャン

早川「何だって!武蔵が沈められただと・・・」←出演中

電「そのほかの艦隊も被害が甚大なのです・・・」←出演中

シュルツ「では、この隙に・・・」ソソクサ

提督「待ちなさいよ。私も行くってば」ソソクサ


どっかの洞窟

提督「まさか、瑞鶴までついてくるなんて思わなかったわ」

瑞鶴「シュルツ少佐から聞いたのよ。それより、お宝があったら間宮券使い放題じゃない!?」

提督「えー、母港とドック拡張したいなー」

シュルツ「私は金が人を欲望の世界に突き落とすのだと再確認した」

提督「さてさて。お宝ちゃーん!どこにあるのー!?」

ル級「3秒るぅるぅ!」

イ球「いー!いー!」

敵艦隊出現!

提督「あーもうしゃらくさい。瑞鶴、やっちゃって」

瑞鶴「全機爆装!目標、目の前の敵艦隊!」

ドゴォ!ゴカァァン!

ル級「るぅ・・・るぅ・・・」バタッ

イ「ハミガキは、ヤダ・・・」バタッ

668: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/22(火) 23:51:05.25 ID:GxuXgrJK0
地底湖

シュルツ「行き止まりか」

提督「大丈夫大丈夫。瑞鶴、潜航できる?」

瑞鶴「できるわけないでしょ!冗談じゃないわ!」

提督「でも、スリガオかどこかで潜航してなかった?」

瑞鶴「それエンガノ岬!っていうか、潜航じゃなくて沈没だから!」ウルウル

提督「あら、ごめんなさい」

シュルツ「うわぁひどーい。いじめじゃない?」コソコソ

瑞鶴「そう思う?この間もさー」コソコソ

提督「二人で行ってこいっ!」ボカスカ

シュルツ「うわぁぁぁ!!」ドボーン

瑞鶴「きゃぁぁぁぁ!!」ドボーン

提督「おととい来やがれこんちくしょう!」

669: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 00:14:19.05 ID:Eu9ZFrbq0
シュルツ「ぶくぶく(ふむ、真水のようだな。海には繋がっていないらしい)」

瑞鶴「ぶくぶく(ふーん。真水って初めてだから、ちょっと気持ち悪いわね。潜航も初めてだけど)」

シュルツ「ぶくぶく(見えてきた。あの奥に宝があるはずだ)」

瑞鶴「ぶくぶく(間宮!間宮!)」

シュルツ「・・・ぷは。おや、光源があるのか?」

瑞鶴「あ、あれっ、翔鶴姉!?」

翔鶴「このお宝は渡しませんから!」

日向「何を言う!先に見つけたのは私だ!」

ヴェルナー「いいや僕だ!」

翔鶴「私の彩雲が発見しました!」

日向「いいや、私の瑞雲だ」

ヴェルナー「僕の占星術があったからこそ見つかったんだ!」

瑞鶴「・・・何あれ?」

シュルツ「・・・馬鹿は放っておけ」

670: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 00:24:58.57 ID:Eu9ZFrbq0
シュルツ「困ったな・・・宝箱はあそこにあるのに」

瑞鶴「どうするの?」

シュルツ「・・・瑞鶴、力ずくで3人を倒してくれ」

瑞鶴「あんたの部下はとにかく、翔鶴姉と日向先輩に勝てるわけないじゃない!」

シュルツ「そうか、日向はあれでも戦艦か・・・難しいな」

電「問題ないのです」

瑞鶴「電じゃん。何でこんなところにいるの?」

電「アニメの収録が終わったから見に来たのです。元々、あれは電たちが釣り上げたヲ級が持ってた地図の宝なのです」

瑞鶴「電がいてくれたら、少しは戦力になるかもね。じゃ、行きましょ!」

電「望むところなのです」シュッシュッ

シュルツ「やる気でよろしい。では、出撃!」

電「勝負なのです!」

翔鶴・日向・ヴェルナー「ぁあ?」

瑞鶴「翔鶴姉!そのお宝は私たちのものよ!渡してちょうだい!」

翔鶴「あなたまで私の宝を・・・こうなったら、あの手を使うしかないわ!」ガサゴソ

電「翔鶴さんがスカートの中から何かを召喚したのです!」

翔鶴「46㎝砲、装備します!」ガシャーン

瑞鶴「う、うそっ!翔鶴姉が戦艦に!?」

671: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 00:37:13.99 ID:Eu9ZFrbq0
日向「では、私も初心に帰るとするか。魚雷発射管、装備!」ガシャーン

電「日向さんが魚雷と甲標的を装備したのです!!」

瑞鶴「こ、これって・・・」

翔鶴「行くわよ、全機発艦!砲撃開始!」ゴォォ

日向「重雷装航空戦艦の時代か?」ガシャン

瑞鶴「きゃぁぁーっ!!」←大破

電「ミサイル装tはわわわわ・・・」←大破

ヴェルナー「僕はその隙に・・・」ソソクサ

??「させません!」ドカーン

ヴェルナー「うおおおおっ!?」←大破

瑞鶴「あ、あれは・・・っ」

日向「新手か!」

赤城「超巨大重雷装潜水ミサイル航空戦艦赤城、出撃します!」

シュルツ「ファッ!?」

翔鶴「そんな・・・まさか!天城型戦艦の船体を縦横に4つ、天城型空母の船体で周囲を取り囲み、更に前後に甲標的と魚雷発射管を満載した戦艦の船体を繋げ、更に潜航能力を獲得したというの・・・!?」

日向「チートだ・・・もうおしまいだ!」ガクガクブルブル

672: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 00:48:02.84 ID:Eu9ZFrbq0
赤城「やあっ!!」ドゴーン

翔鶴「ああああーっ!!」←大破

日向「ダメだ・・・もうおしまいだ・・・」ガタガタ

電「日向さん・・・電と瑞鶴さんに、バケツをぶっかけるのです・・・」

日向「何だと・・・」

電「奴を倒せるのは、電と瑞鶴さんだけなのです。さあ、早く・・・」

日向「・・・っ、わかった。高速修復剤だ!」ザバァ

電「食ったら力が湧いてきた・・・!!なのです」ゴゴゴゴ

瑞鶴「本当の地獄はこれからよ・・・!」ゴゴゴゴ

赤城「ま、まさか!ドックでもないのに修理バケツを使うだなんて、それがどういう意味かわかっているんですか!?」

電「誰に口を聞いているのですか?」ドゴォ

赤城「きゃあっ!」

瑞鶴「私は負けない!羊羹とアイスのためなら!」ドゴォ

赤城「きゃあああーーっ!!」

電・瑞鶴「チェックメイト(なのです)」ドゴォォォ

赤城「いやぁぁぁぁーっ!!」

673: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 00:56:37.83 ID:Eu9ZFrbq0
赤城「」

電「やったのです!最強のラスボスを倒したのです!」

瑞鶴「とんでもない魔海造で動けなかっただけじゃない?」

電「それは言わないお約束・・・え?」

瑞鶴「あーっ!宝が無くなってる!何で!?」

提督「残念だったわね!このお宝は私のものよ!じゃ、そゆことでー」ソソクサ

電「に、逃げたのです!」

瑞鶴「全機爆装!目標・・・くっ、逃げられた!」


鎮守府

提督「さーて、お宝ちゃーん。私にお宝を一杯・・・グフフフフ♪」パカ

提督「・・・何これ?『戦艦棲姫の3分くっきんぐ』?何なのよそれー!!」


小さな冒険?編 完

674: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 01:12:19.20 ID:Eu9ZFrbq0
カサカサ・・・

大鳳「きゃあ!」ビクッ

伊勢「まさか、さっきのって・・・ヤツ!?」

大鳳「・・・うん」ブルブル

響「さすがにヤツは苦手だよ・・・」ビクビク

天龍「フフフ、ヤツに怯えるなんて、しょせんは二流だ」チッチッチ

伊勢「じゃ、今日中に鎮守府のヤツを退治してよ!」

天龍「お安い御用だ。さて、間宮券のために働くか」

ビーッ、ビーッ

天龍「何だ?」

任務娘『鎮守府近海に超兵器出現!天龍、伊勢、第六駆逐隊は直ちに埠頭へ集合してください!』

天龍「チェッ、せっかくヤツ退治に専念できると思ったのにな」

大鳳「Gホイホイ買ってくるわね・・・」トボトボ

伊勢「いってらっしゃーい」

675: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 01:22:25.16 ID:Eu9ZFrbq0
提督「敵艦は「パーフェクト・ブラッタ」を名乗る超兵器よ。姿が見えないから、頑張って探し出すこと。わかったわね?」

天龍「ステルス艦ってところか。お安い御用だぜ!」

暁「ブラッタ?って、どこかで聞いたような・・・」

ナギ「確か、ブラッタってゴキブリっていう意味ですよね?」

伊勢「ゴキ!?ゴキッキキキキキキキィ!!」バッタリ

雷「提督のためなら、頑張るんだからっ・・・」ガクガク

電「ゴキブリなんてラクショーなのです」シュッシュッ

提督(電ちゃん、すっかり武闘派になっちゃったわね・・・)

提督「敵はどんな手を隠し持ってるかわからないから、気を付けて行ってらっしゃい」

天龍「天龍、出撃する!遅れてくるなよ!」

響「元気だね・・・」

天龍「当然だ。ヤツを100匹倒せば、間宮券が1枚もらえるからな。鼠間宮ってやつさ」

暁「そ、その呼び方やめてぇ!」

680: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 22:24:32.97 ID:Eu9ZFrbq0
鎮守府近海

提督「しっかし、何かしらねアレ」

伊勢「どうしたの?」

提督「アレアレ。不自然な波がいっぱい立ってるでしょ?」

伊勢「ま、まさか・・・」

提督「その通り。ナギ少尉曰く「プラッタの航跡」みたいよ。ざっと見ただけでも、100隻はいるわね」

伊勢「ひゃ、100・・・ゴキキキキィ」バッタリ

??『よくわかったわね!』

天龍「誰だっ!?」

??『あたしたちはパーフェクト・プラッタ100姉妹!スペック限界も関係無いから大暴れしてやるわ!』

提督「どんなに姿を隠しても、航跡が見えるんじゃ意味無いじゃない!ポンコツねぇ」

電「頭の悪い連中なのです」

??『そっちこそ数が少ないくせに!やーいバーカバーカ!』

天龍「お子様だろうが、ヤツはヤツだ。仕留めさせてもらうぜッ!」

提督「頑張ってねー」

681: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 22:45:11.41 ID:Eu9ZFrbq0
伊勢「うー、何でこんなに多いのよー!」

天龍「狩り応えがあるな!フフフ」ドゴォ

Pプラッタ1「きゃーっ!」ドカーン

電「アイス食べ放題なのです!」ドゴォ

Pブラッタ2「キェェェェ!」


6時間後

天龍「これで・・・120匹・・・」ドゴォ

Pプラッタ218「ぬおぉぉぉ!」ドカーン

暁「何よもー!200匹くらいいるじゃない!レディにアレ退治なんてさせないでよ!」プンスカ

ナギ「アレを100匹見たら3000匹いるって田舎のおばあちゃんが言ってました」

伊勢「3000!?ゴキキキキィ」バッタリ

提督「なかなかの天井ね。それにしても多すぎるわね」

電「90匹目なのです!」ドゴォ

Pプラッタ219「にょーん!?」ドカーン

682: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 23:12:59.18 ID:Eu9ZFrbq0
20時間後

天龍「718匹・・・も、もうダメだ・・・」バタッ

電「738匹なので、す・・・」バタッ スヤスヤ

伊勢「ゴキキキキィ」

響「も、もうヤダよ、こんなところ・・・」ブルブル

雷「いやーっ!増援出してー!!」ガクガク

暁「レディにアレ退治させないでよー!」ウルウル

提督「さ、さすがに戦力差が大きすぎたかしら・・・」

雷「助けてー!提督ー!!」

提督「ハッ!・・・そ、そうね。なら、彼女たちを投入してやろうじゃない・・・」

提督「目覚めよ!鎮守府最狂の四天王よ!」

霧島「マイクチェックだゴラァ!」

龍田「死にたいムシケラはどこかしらぁ~?」

文月「ねえ、このムシ共ヤっちゃっていい?」

摩耶「ぶっ殺されてぇかァ!?」

暁「さ、最強の四天王が目覚めたのね・・・」

天龍「ふ、ふざけるな・・・オレが、全部・・・」ガクッ

683: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 23:34:01.55 ID:Eu9ZFrbq0
霧島「オラオラオラァ!」ドカドカドカーン

Pプラッタ300~1000「のおおおおおっ!?」ドカーン

龍田「あはははは♪あはははは♪」キュゥゥンドゴォ

Pプラッタ1001~1500「ぎゃぁぁぁぁ!!」ドカーン

文月「ヤっちゃうよぉ~」フミィ

Pプラッタ1501~2300「ほわぁぁぁぁぁぁぁ!!」prprprprpr

摩耶「食らいやがれッッ!!」ゴゴゴゴゴゴォ

Pプラッタ2301~2999「ひえぇぇぇぇぇ!!」モット!モットオネガイシマス!

提督「す、すごい・・・あれだけのプラッタを、たった数発の攻撃で・・・!」

電「お、恐ろしいのです・・・」ガクガク

天龍「ま、負けた・・・」

Pプラッタ3000「ま、まだよ!まだ、あたしが残ってるんだから!山越え谷越え3000里、やってきました!ぱーふぇくと☆ぷらったちゃん!」

提督「その様子を想像するだけで気持ち悪いんですけど」

684: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 23:43:53.16 ID:Eu9ZFrbq0
Pプラッタ3000『キーッ!こうなったら、あの手で挑むしかないわね!』

提督「な、何をする気!?」

Pプラッタ3000『召喚!モノホン!!!!』

提督「な、何ィ!」

龍田「あらあら。モノホンも出せるのねぇ。それに、空を覆うほど一杯・・・」

伊勢「ゴキキキキキキキィィ!!!」

提督「緊急警報!緊急警報!鎮守府の全艦娘は対空戦闘用意!直ちに戦闘機を発艦・・・いえ、艦攻と艦爆も来るのよ!何でもいいから武器を持って戦いなさい!」

陸戦隊の妖精さん「ぎゃぁぁぁぁ!!アブラムシだぁぁぁぁ!!!」

提督「あっ!ちょ、待ちなさい!」

大鳳「ヤツはいやぁぁ!!」

提督「ちょ、大鳳まで!」

暁「ぴゃあああああ!!ヤツが服に入ってくるーっ!!」

電「そこに入らないでほしいのアッー!」

提督「やめてったらぁぁ!!きゃーーーっ!!」


史上最悪の海軍休日編 完

685: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/23(水) 23:53:53.18 ID:Eu9ZFrbq0
翔鶴「もう我慢なりません!」

日向「こうなれば、もうわかっているな・・・」

ヴェルナー「望むところだ!」


鎮守府

提督「はぁ、もう提督やめようかしら」

電「くじけちゃダメなのです!頑張る提督はかっこいいのです!」

提督「そ、そうかなぁ」

早川「全く、今度は何だ?」

提督「ちぇっ、アンタはいいわよね。あの時は寿司屋でお食事だなんて」

早川「生憎、金と時間だけはあるんでな」

提督「アンタもアブラムシまみれになっちゃえばいいのよ」アッカンベー

早川「言っている意味がわからん。とにかく、今日は演習の日だ。早く準備しろ」

提督「いーーだ!」プイッ

電「司令官さんに刃向うなんて、無謀な提督なのです」

687: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 21:35:53.22 ID:SAfEhQPH0
早川「何だあれ?翔鶴か?」

提督「そうみたいね。でも、何してるのかしら?」

電「海戦をおっ始めるみたいなのです」

提督「迷惑な話ね・・・仕方ないわ。説得しに行きましょ」

電「説得なら、この原稿を使うといいのです」

提督「ありがと。じゃ、説得しに行きましょ」

※任務発生! 「被害担当艦を殺れ」

提督「えー翔鶴に告ぐ。直ちに投降せよ。さもないとドック送りにしちゃうぞー」

翔鶴「てやんでえ!あたいがんなことできるかってんだ!」

提督「と、東京弁・・・?」

早川「そういえば、ブラウンも怪しげな広島弁を喋る時があるな・・・」

提督「何かイラッと来たから沈めていいかしら?」

電「最初からそうするべきだったのです。魚雷装填です!」ガシャン

翔鶴「ぁぁぁぁああああああ!!」ドカーン

提督「やった!さっすが超音速魚雷ね」

翔鶴「す、涼風の姉貴ぃ・・・」ガクッ

提督「え、瑞鶴じゃないの!?」

688: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 21:42:19.48 ID:SAfEhQPH0
電「今度は南からヴェルナー艦隊が来てるのです」

ヴェルナー「先輩!先輩はどこですか!!」

提督「シュルツのこと?さあ」

ヴェルナー「このクラウスを置いていくなんて、提督のイケズぅ♡」

提督「おえぇ!さっさと沈めましょ」

※任務発生! 「乙女くんをギタギタにしろ」

電「それでこそ提督なのです。レールガン装填です!」キュゥゥン

ヴェルナー「のわぁぁぁぁ!!!」ドカーン

提督「愛しのカトリーヌ号だなんて気持ち悪い艦名らしく、弱っちいったらありゃしないわ」プリプリ

ヴェルナー「愛は・・・沈みません!」バタッ

早川「これでよかったのだろうか・・・」

電「あのセリフでタカオのことを思い出したのです。何でこの艦隊には変 が多いのか全くわからないのです」

提督「いたとしても、ほんの一部よ」

689: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 22:01:32.28 ID:SAfEhQPH0
電「最後はノコノコやって来た日向さんなのです」

日向「あ、提督・・・まだ生きてたんだ」

提督「あんたこそ、よく生きてたわね。とっとと呉で沈めばよかったのに」

日向「そんな酷いことを言う提督にはお仕置きが必要だな。題して『スクープ!提督の中学時代、初めての相手は小学生!?』の刑だ」

提督「全武装、残弾が無くなるまで叩き込め!」

※任務発生! 「最後は自爆常習犯を強制終了」

電「今助けてあげるのです!これを受ければ楽になって助かるのです!」シャシャシャ ドン ドゴォオォォ ←カットイン

日向「ぬおおおおぉ!?」

提督「はぁ・・・はぁ・・・これで片づけたわ・・・っていうか、何で知ってるのよ!」

日向「提督の一つ下の学年にいたからな、噂で色々な話が入って来たんだ。男装趣味ということも知っている」

提督「ギクッ・・・完全に沈むまで叩き込め!」

電「なのです!」ドゴォ

日向「まさか、こんなところで沈むとは・・・伊勢、さよならだ・・・」ガクッ

電「よかったら見せてほしいのです」

提督「何のことかしらぁ?」~♪

690: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 22:12:57.99 ID:SAfEhQPH0
電「提督・・・」

提督「何?」

電「戦争って、悲しいものなのです・・・」

提督「また一歩、大人に近づいたわね。その気持ちを忘れないようにしなさい」ナデナデ

電「なのです!」

翔鶴・日向・ヴェルナー「勝手に殺すな!」

電「チッ、生きてやがったのです」


早川「全く、人騒がせな連中だ。とりあえず懲罰房行き」

翔鶴・日向・ヴェルナー「えーーーっ!?」


喧嘩騒動!まさかの提督は・・・編 完

691: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 22:19:50.31 ID:SAfEhQPH0
提督「あーーっ!!」

電「どうしたのですか?」

提督「この前拾ったル級の3分クッキング、あれの袋とじを開けてみたら、ななななーんと!世界破滅の預言書が出てきたのよ!」

シュルツ「以前、ナギ少尉が見つけたものと同じものか?」

ナギ「あー、そんなことありましたねぇ」

ブラウン「何々・・・火星から恐怖の大王が部下を引き連れてやって来て、地球を滅ぼしちゃう・・・って書いてます」

シュルツ「リベンジか?」

提督「何のことよ?」

シュルツ「以前、我々も同じ本を見つけた。それの予言通り、恐怖の大王が降って来た」

筑波「ゲソ焼きは最高ですなぁ~」

提督「げそ?」

早川「ふうむ・・・まさか、こっちにもヤツがいたとはな。早めに退治しに行く必要があるのではないか?」

ナギ「ぴきーんと天啓が走りました!恐怖の大王は、南氷洋に現れます!」

ブラウン「前と同じパターンですね」

692: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 22:30:10.49 ID:SAfEhQPH0
早川「着いたが・・・」

電「空を黄色い何かが埋め尽くしてるのです!」

提督「何アレ・・・」

ナギ「あ、あひるです!あひるがいっぱい空を飛んでます!」

シュルツ「何だと!?あひるめ、邪魔するつもりか!」

副長「あっちにはすわんもいます!」

艦長「ねっしぃもいるな。まさに生体兵器のオンパレードだ」

提督「へ、兵器?」

シュルツ「どこからどう見ても動物だ。我々の科学力ではなすすべもない」

提督「でも、倒したことあるんでしょ?」

シュルツ「ま、まぁ・・・」

??「ふはははー!よく来たなおまえたち!」

電「あ、水面に誰か立ってるのです」

ルフト「われは最強の兵器を手に入れたのだー!」

提督「またあいつ?何考えてるのよ」

694: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 22:47:02.00 ID:SAfEhQPH0
ルフト「ここに眠っている恐怖の大王を復活させれば、今度こそ全世界征服も夢じゃないのだ!」ビシッ

提督「あーはいはい、よかったわねー」

ルフト「その強さはリヴァイアサンの約10倍(当社比)!フフフン、こいつを手に入れて養殖したら、対日輸出でがっぽがっぽなのだ!」

電「当社比なんてアテにならないのです。第三者機関を通すのです」

ルフト「そんなことを言うお馬鹿さんには・・・のわぁぁ!!」

ヴェルナー「何やってんだか、あのお馬鹿・・・」

シュルツ「むむ!?水面からナニやらイカがわしいものが!?」

ザバァ!

提督「い、イカ・・・デカイ・・・」

電「イカなんてただのツマミなのです。未成年者にはそれがわからんのです」

副長「電ちゃんはどうなの?」

早川「襲ってくるぞ!迎撃しろ!」

電「マガモやすわんが波動砲を充填してるのです!」

提督「逃げるのよ!その後は鴨鍋にでもしてしまいなさい!」

筑波「鴨鍋はおいしいですなぁ」

シュルツ「もういいから、それ」

695: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 23:12:38.56 ID:SAfEhQPH0
早川「対空砲座、撃ち方始め!」ダダダダ

あひる攻撃機「くええぇぇ!!」

電「いっぱいいるのです・・・」

キョウフノダイオウイカ「キェエエエ!!」ギュギュギュルドカーーン‼

提督「わっ!波動砲!?」

シュルツ「違う、イカスミだ!」

副長「敵のマガモがイカスミ波動砲で絶滅しました!すわんが怒ってイカに攻撃しています!」

提督「仲間割れしてるじゃん・・・」

早川「油断するな!」

ドカァン!

副長「船尾に被弾!」

電「しっかり操艦するのです!」

ヴェルナー「わかったから話しかけないでくれ!」

マガモ「くええええ!」

副長「マガモが怒り狂ってこちらに向かって来ます!」

早川「くっ、もう終わりか・・・」

696: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 23:21:43.86 ID:SAfEhQPH0
??「まだあきらめちゃダメよッ!とぉぉ↑おう↓」

早川「!?」

シュメーラ「大空の巫女、フォーゲルシュメーラ参上!」

提督「巫女っていうより、鵺よね」

シュメーラ「う・・・そんなことはいいの!私は敵を倒せればいいのッ!!」グオォォォ

マガモ「くええ!?」ドカーン

副長「やりました!最後のマガモとすわんが死にました!鴨鍋♪鴨鍋♪」

ブラウン「まだです!中央にはイカが残っています!」

キョウフノダイオウイカ「キエェェェェ!」ゴォォ

提督「反物質砲!電、よけて!」

電「必要ないのです!魚雷装填です!」ガシャン

ドカーン!

早川「何だと・・・魚雷で反物質砲を迎撃だと!?」

電「これで終わりなのです!」キュゥゥン

キョウフノダイオウイカ「キエエェェェェェ!!!」ドカーン

筑波「ゲソ焼き完成!つまみに最高ですなあ~♪」


提督「結局、何だったのかしら。ル級の3分クッキングもあそこで終わってるし・・・」

電「結果的にゲソ焼きと鴨鍋を作れたからいいのです」

ナギ「いっつおーるおーばー!まったねー!」

697: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL) 2014/04/24(木) 23:33:31.86 ID:SAfEhQPH0
ガルトナー「また出番無いんですかのう・・・」

ナギ「もー、しょうがないなぁ。今回でおしまいよ?」


ブラウン「月が綺麗ですね・・・」

シュルツ「あ、ああ・・・」

提督「ふふ、ライナルトったら、照れちゃって」

ナギ「あーん!ダメですー!」グイグイ

金剛「テートクもいいですけど、シレーカンもいいデスネー!」

天城「王手」

長門「ぁあっ!今度は魚雷戦ゲームで勝負だ!」

初雪「騒がしいから引きこもります・・・」コソコソ

早川・ヴェルナー・艦長「負け犬、冷えてまーす・・・えぐ」

ヴァイセンベルガー「ふははは!今度は超ミコシじゃ~!」

ルフト「やぁぁ!!波動砲発射ぁー!」

ブラウン「ほら、遠くで祭りの声が・・・(はぁと)」

ガルトナー「こら!わしの仕事をしているところで、なんとハレンチな!」

シュルツ「もうイヤ、こんな生活!」

副長「幸せそうでよかったね!」

電「これが幸せそうに見えたらメガネを買うべきなのです」

ナギ「それじゃ、今度こそ!」

みんな「まったねー!」


ロゼ「ちょっとー!みんなー!どこにいるのよー!?」


ばいおうぉー編 完