1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:04:40.31 ID:8WQK7YHU0
―――駅前

男「あつぅ……」

少女「自主制作の呪いのビデオでーす。如何ですかー?」

男(なんだ……?)

少女「フリーの呪いのビデオでーす。いかがですかー?」

男「……」スタスタ

少女「あの。呪いのビデオ、如何ですか?無料ですよ?」

男(無視無視)

少女「ちぇー」

引用元: 少女「呪いのビデオ無料配布してまーす。お一つ如何ですかー?」 



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4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:07:57.71 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 駅前

男(またいる)

少女「呪いのビデオ、如何ですかー?」

男(暑いのによくやるよ)

少女「呪いのビデオどうですか?」

男(無視)

少女「ちぇー」

通行人「すいません」

少女「はい?」

通行人「どんな呪いのビデオなんですか?」

少女「見ると三日以内に死にます」

通行人「そうなんだ……」

男(すげえ煽り文句だな)

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:11:46.25 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 駅前

男(今日もあっついなぁ)

少女「こんな暑いときこそ呪いのビデオでひんやりしましょう!!」

男「……」

少女「三日以内に死ねます!!お一つどうですか?!」

男「……あの」

少女「あ、どうぞどうぞ」

男「いや。いらないけど」

少女「ちぇー」

男「どんな内容なんだ?」

少女「見ると三日以内に死ぬ内容です」

男「そうじゃない。ストーリーとかあるんだろ?」

少女「呪いのビデオですよ?あなた、何を求めてるんですか?」

男「え?いや、だって、自主制作の映画みたいなもんだろ?」

少女「だから、映画じゃないです。呪いのビデオですよ」

10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:16:41.56 ID:8WQK7YHU0
男「よく分からないな。怖い映像を淡々と流すだけか」

少女「そうですね。そういうイメージをしてもらえると助かります」

男「ふーん」

少女「どうぞ」

男「いや。いい。頑張って」

少女「ちぇー」

男(なんだ。学生が作ったB級ホラーとかなら見たんだけどな……)

少女「呪いのビデオ、どうですかー!?」

通行人「……」スタスタ

少女「呪われろぉぉ……」ダダダッ

通行人「ひっ?!」

警官「ちょっと、君。何をしているの」

少女「にげろ」

警官「待ちなさい!!」

男(変な女の子だな)

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:21:20.98 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 駅前

男「今日もいるな」

少女「だれかー。呪われてみませんかー?」

男「……」

少女「あ!そこの人、いい呪いがあるんですけど、お一つどうですか?」

男「……じゃあ、貰おうかな」

少女「やった!ありがとうございます!!」

男「バイトかなにか?それとも芸大の学生とか?」

少女「違います。そーだ、リボンもつけときますね」

男「あ、ああ」

少女「どーぞ」

男「じゃ、じゃあ……」

少女「呪われろー♪」

男「……」

男(まあ、時間があれば見てみるか)

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:24:44.77 ID:8WQK7YHU0
―――夜 自宅

男「疲れた……」

男(飯食って寝るか)

男「……ん?」

男「そうだ……今朝、呪いのビデオもらったんだ……」

男「ディスクだよな……規格は……ブルーレイ?」

男「あー、再生機ないや」

男「残念」ポイッ

男「さぁ、飯飯」

男「ふんふーん」

15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:28:31.13 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 駅前

男「……あれ?」

男「あの子、いなくなってる」

男(場所でも変えたのか)

男(それとも配布を中止にしたのか)

男(まぁ、誰かが受け取っている感じなかったもんな)

男「今日もあっついなぁ……」

「げー。電車止まってるぜ」

「マジかよ」

男(うわ……何があったんだ……)

「ホームから飛び降りだってさ」

「うそー」

男(自殺か……迷惑だな……)

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:31:20.80 ID:8WQK7YHU0
―――夜 自宅

男「はぁ……ただいま……」

男「今日はもう風呂入って寝るか……」

ピリリリリ

男(非通知……?)

男「はい?」

『もしもしー?』

男「どちらさまですか?」

『ビデオ見ました?』

男「は?」

『早く見てくださいね。まってまーす♪』

男「あ、ちょっと」

男「切れた……」

男「ビデオって……呪いのあれか……?」

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:35:40.11 ID:8WQK7YHU0
男「……」

男(呪いのビデオ……)

男(さっきの電話、あの子からか……?)

男「まさか……」

<見たら三日以内に死にます>

男「いや。そんなことあるわけないし」

男「そもそも再生機ないしな」

男「ブルーレイだと見たくても見れないんだよなー、あー、マジ残念だわー」

男「……」

男「風呂は朝でいいな」

男「寝よう……」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:39:46.85 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 夜 自宅

テレビ『ちょっとまってくださいよー』

男「あははは」

ピリリリリ

男「……また、非通知」

男「……」

男(無視しよう……気味悪いし……)

ピリリリリ

携帯『留守番電話サービスに接続します』

男「……」

『もしもーし。まだ見てくれないんですか?早く見てくださいねー♪いい加減、のっろわっれろー♪』

男「……」

男「明日……土曜日だな……」

男「よし……」

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:44:48.29 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 友人宅

友「おっすー」

男「よう」

友「どうしたんだよ、遊びに来るなんて」

男「ちょっとな」

友「お茶でも出すよ。ゆっくりしてて」

男「ありがとう」

友「で、昨日電話で言ってた悪戯電話って?」

男「この呪いのビデオを貰ってからかかってくるようになって」

友「へー」

男「初めは間違いかなとも思ったんだけど……。やっぱり、声が似てるんだよな……」

友「そのビデオを配ってた子にか?」

男「そう」

友「悪戯にしては手が込んでるなー。こえー」

男「だろ?非通知ってところも気持ち悪いし」

26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:49:08.96 ID:8WQK7YHU0
友「それがビデオ?」

男「そうだ。ちょっと再生機借りるな。気持ち悪いけど、気になるのも確かだから」

友「いいけど。なんか怖いな。マジで呪われたらどうするんだ?」

男「いや、それはないと思うけど」

友「本当かぁ?」

男「一緒に見るか?」

友「やだよ。きもちわりぃ」

男「根性なし」

友「スナッフビデオとかだったらトラウマになるだろ」

男「そんなわけないだろ」

友「じゃあ俺、外にいるからな。見終わったら呼んでくれ」

男「分かった」

友「再生はパソコン使ってくれ」

男「ありがとう」

男「さてと」ピッ

32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:53:50.51 ID:8WQK7YHU0
パソコン『―――』

男「何も映らないな……。でも、時間のところは動いてるから再生はされてるんだよな……」

男(時間は1分か……。あれか、注視させといて怖い顔がでてきたり、大音量の悲鳴が聞こえたりするあれか)

男(身構えとくか)

パソコン『―――』

男「……」

パソコン『―――』

男「……あれ?」

男「終わった……?何も映ってないぞ?」

ピリリリリ

男「……!?」ビクッ

男(非通知だ……)

男「……も、もしもし?」

『ご視聴ありがとうございます。今からそっちに行きますねっ』

男「な……!?だ、誰だ、お前は!?」

35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 09:57:13.23 ID:8WQK7YHU0
『はい?』

男「君は誰だ……なんで俺の携帯番号を……」

『やですよー。呪われたいからビデオ、見てくれたんですよね?』

男「見ろってきたのは君だろ……」

『まぁ、そうですけど。折角お渡ししたんですから。見て欲しいじゃないですかー』

男「……」

『じゃあ、後ほど』

男「まて!!」

男「……」

男「……」ピッ

友『もっしー?見終わったー?』

男「い、今から外で遊ばないか?」

友『はー?ビデオの中身は?』

男「外で話すから」

友『いいけど……』

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:01:57.41 ID:8WQK7YHU0
―――喫茶店

友「ふーん……怖いな」

男「悪戯かな……」

友「見た直後に電話がかかってきたんだろ?悪戯の度を越えてる気がするけど」

男「なぁ……今日は、俺の家に泊まってくれないか?」

友「いいけど。一応、警察とかに行ったほうがいいんじゃね?ストーカーかもしれないし」

男「そ、そうだな……」

友「まともに相手をしてくれるかどうかはわかんないけどな」

男「そうだ。留守電がある。それ、使えないかな?」

友「お、いい証拠じゃん。聞かせてくれよ」

男「ちょっと、待ってくれ……」

男「これだ」ピッ

携帯『メッセージを再生します』

友「……」

男「……」

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:06:54.81 ID:8WQK7YHU0
携帯『あれーいなーい。どこだろー』

ピー

友「今のか?」

男「いや……違う。全然違う。確か、ビデオを見ろって言ってた」

友「もう一回再生してくれ」

男「あ、ああ……」

携帯『メッセージを再生します』

携帯『あれーいなーい。どこだろー』

ピー

友「これだけしかないのか?」

男「ああ……。でも、おかしいな……こんなの知らないぞ……」

友「気持ち悪……」

男「とにかく警察に言ってみる……」

友「それがいい」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:11:15.72 ID:8WQK7YHU0
―――夜 自宅

男「はぁ……結局、相手にしてもらえなかったな」

友「あれだけじゃあな。そういえばビデオは?」

男「お前の家」

友「てっめ!!やめろよぉ!!」

男「悪い。気が動転して」

友「まあ、いいや。どうする?捨てとくか?」

男「そうだな。頼む」

友「分かった。責任もってバッキバキに折って捨てとく」

男「ありがとう」

友「じゃあ……今夜は……」

男「ああ」

友「朝までマリカーだな!!」

男「よっしゃぁ!!俺、クッパー」

友「キノピオだろ。どう考えても」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:15:21.37 ID:8WQK7YHU0
―――深夜 自宅

男「ふわぁぁ……」

友「もう3時か……。ちょっとトイレ」

男「おお」

男「……」

ピリリリリ

男「……!!」

男「非通知……?」

男「……」

ピリリリリ

男「……も、もしもし?」

『―――後ろにいるよ?』

男「うわぁぁ!!!」

友「あははは。ビビりすぎー。今のは俺だ」

男「おま……マジでやめろよ……そういうの……はぁぁ……」

60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:18:41.25 ID:8WQK7YHU0
―――翌朝 自宅

男「ん……」

男「朝か……ふわぁぁ……」

友「……」

男「朝だぞ」ユサユサ

友「……」

男「おい」

友「―――やっと見つけた」

男「……もういいよ」

友「二度目はインパクト薄いか」

男「でも、別に何もなかったな」

友「そうだな。やっぱり悪戯だったんだろ」

男「そうだといいけど」

友「まぁ、夕方まではいてやるから。マリカー、負けっぱなしは嫌だからな」

男「悪いな」

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:23:05.28 ID:8WQK7YHU0
―――夕方 自宅

友「じゃ、帰るわ」

男「悪かったな。休日潰させて」

友「何いってんだよ。マリカーで一日中遊ばせてもらったからチャラだ」

男「じゃあ、あの呪いのビデオは……」

友「捨てとくよ。でも、もしかしたら寺とかに持っていったほうがいいかもな」

男「そのまま捨てるのはやっぱり怖いか?」

友「次の日曜日に行ってみる」

男「なら、俺も一緒に行く」

友「そうか?よーし、それなら京都まで足を運ぶのもアリだな」

男「いいのか?」

友「観光ついでだよ」

男「それもいいな。でも、今は暑いぞ?」

友「いいじゃんいいじゃん。それじゃあ、またな」

男「おう」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:27:57.81 ID:8WQK7YHU0
―――夜 自宅

男(やっぱり、気にしすぎかのかな……)

男「そろそろ風呂入って寝るか」

ピリリリリ

男「お。あいつからだ。―――もしもし?」

『―――』

男「もしもし?どうした?」

『もしもし』

男「どうした?」

『なぁ……』

男「なんだよ?」

『ビデオを見た直後……電話、かかってきたんだよな?』

男「え?そうだけど?それがどうした?」

77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:32:18.06 ID:8WQK7YHU0
『なんて言ってたんだっけ?』

男「今からそっちに行きますとか……なんとか……」

『そっか……』

男「どうしたんだよ」

『いや……なんでもない。おやすみ』

男「あ、おい」

男「なんだ……?」

男「……」

男「……」ピッ

携帯『メッセージを再生します』

携帯『帰ってきたー、呪われろー♪呪われろー♪』

男「……あ……もしかして……」

携帯『おっちろー、おっちろー』

ピー

男「やばい……」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:36:02.06 ID:8WQK7YHU0
―――深夜 友人宅

男「はぁ……はぁ……」

男「……」ピンポーン

男「おい!いるんだろ!!開けてくれ!!」

男「おい!!」

『なんだよ?』

男「あけてくれ!!」

『あー?』

男「早く!」

『ちょっと待ってくれ』

ガチャ

友「どうした?」

男「ここにいるんだろ?」

友「誰が?」

男「悪戯電話の相手だよ!!」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:39:18.95 ID:8WQK7YHU0
友「なんのことだよ」

男「え……?」

友「まあ、上がれよ」

男「あ、ああ……」

友「なんか飲むか?」

男「え……?」

友「汗だくだぞ、お前」

男「そうだな……くれ」

友「ちょっと待っててくれ」

男「……ん?」

男(パソコンが起動してる……)

男「……」

パソコン『―――おかえりなさい』

男「……!」

少女『やっと呪われにきてくれたんですね?嬉しいですぅ』

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:45:33.52 ID:8WQK7YHU0
男「な……」

少女『私、こうして物に憑くのが得意なんですよねー』

男「あ……あ……」

少女『まさか、他人の家の物に憑かせるとは、考えましたねー。いやー、最初は貴方を呪えないのかと焦っちゃいましたー』

男「くそ!!電源を!!」

少女『無理ですよー。この家の物に憑いたわけですから』

男「おい!!逃げるぞ!!」

友「まあ、飲めよ」

男「おい!!あれが見えないのか?!」

友「え?」

男「パソコンに―――」

友「やですよー」

男「え……」

友「では、明日中に死んでもらわないといけないのでぇ。呪っちゃいますねー♪」

男「お前……冗談はもういいって……やめろ……」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:52:02.42 ID:8WQK7YHU0
友「呪われろー♪呪われろー♪」

男「うわぁ!!」

男(外に……!!)

扉『―――逃げないでくださいよー』

男「……!!」

窓『呪いのビデオ見たんですからー』

冷蔵庫『呪われてくださーい♪』

男「やめろ!!やめろよ!!」

少女「あははははー」

男「お前は誰なんだよ!!なんでこんなことするんだ!!」

少女「なんでって、呪うのが趣味なんです」

男「は……」

少女「だから、手当たり次第に駅前で呪いのビデオ配ってたんですよ?分からなかったですか?」

男「君は一体……」

少女「この前も一人、呪いました。あの人は私の声に耐え切れなくなって自殺しましたけどね。まだ、呪ってる最中だったのに……」

134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 10:57:21.00 ID:8WQK7YHU0
男「はぁ……はぁ……声に耐え切れなくなった……?」

少女「さぁ……呪いますね……」

男「三日以内に死ぬって……四日目になったら……どうなるんだ?」

少女「え?それはまあ、呪いが解けちゃいますけど」

男「そういうことか……」

少女「え?」

男「こい!!」グイッ

友「わっ?!」

少女「何するんですか?!」

男「お前……外には出れないんだろ?」

少女「……」

男「なら、この家を暫く離れてればいいだけだな。三日が過ぎれば……こっちの勝ちだ」

少女「むー。バレちゃった」

男「いくぞ」

友「―――あ、あれ?俺は……?」

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 11:02:32.45 ID:8WQK7YHU0
―――深夜 自宅

友「そんなことがあったのか……。全然、記憶にないな……」

男「なんともないか?」

友「別にないな」

男「よかった……。とりあえず二日ぐらいはここにいろ」

友「それで大丈夫なんだな?」

男「ああ」

友「そっか……」

男「お払いとか行ったほうがいいかな?」

友「多分な」

男「もう寝よう……明日もあるし……」

友「そうだな……」

男(家を離れればいいだけなんて……)

男(怖かったけど……間抜けだな……)

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 11:05:55.90 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 駅前

男「あっつぅ……」

友「夏は嫌になるな……」

少女「呪いのビデオ無料配布してまーす!!」

男「……」

友「もしかして、あの子か?」

男「ああ……」

友「へえ……意外と可愛いな」

男「バカ言うなよ。でも、ああしてるってことは諦めたってことか」

友「次のターゲットを探してるのか」

男「もう関わらないほうがいい」

友「そうだな」

少女「夏ですしー!!誰かー!!呪いのビデオみませんかー!!」

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 11:13:20.39 ID:8WQK7YHU0
―――駅 ホーム

男(はぁ……すげえ体験したな……日曜日には京都に行ってお払いだな)

友「……」

『間もなく電車が通過します。白線の内側までお下がりください』

男「……」

友「呪われたー」

男「え?」

友「呪われたー」

男「何言ってんだよ。やめろよ」

友「えいっ」ドンッ

男「え」

友「呪われたー」

少女「この人も家の一部でしたから。直接呪えないなら、殺すしかないかなって。逃げるからですよぉ?」

友「―――あ!!なんで!?」

男「そんな―――」

187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 11:18:08.65 ID:8WQK7YHU0
警官「すいません」

駅員「あ、あの人が男性をホームから突き飛ばして……」

警官「わかりました」

友「俺じゃない……」

警官「署まで来てもらえますか?」

友「俺じゃないんです!!俺、呪われて!!」

警官「いいから来るんだ」

友「違う……!!」

少女「ふふっ」

友「あ!!あの子だ!!あの子がやったんだ!!」

警官「え?」

少女「呪われたー♪呪われたー♪」

警官「誰もいないじゃないか」

友「そんな……」

警官「早く歩け」

200: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/04(土) 11:27:49.94 ID:8WQK7YHU0
―――翌日 駅前

少女「呪いのビデオ無料配布してまーす。お一つ如何ですかー?」

少女「如何ですかー?呪われ率120パーセントぉ!」

男性「呪い?」

少女「あ。お一つ如何ですか?」

男性「へえ……そんなに効果あるの?」

少女「三日以内に死にます」

男性「見ると死ぬ?」

少女「あいっ」

男性「面白そうだな。一つ貰うよ」

少女「はーい。呪われろー♪」

男性「はは」

少女「今度こそちゃんと呪い殺してみせますよ……」

警官「こら!君!!また変な物を配って!!何をやってるんだ!!」

少女「やべ。逃げろ」
              終。