【抱擁の代わりに】

未央「ふぅ……」

未央「あー、レッスン疲れたー、もう立てないー」

未央「あ、でもプロデューサーの抱擁なんかがあったら元気が出て立てるかもー！」

未央「……もう、そこはしてくれてもいいのにー」

未央「そこはギュッと抱きしめる場面でしょー、ケチー」

未央「はいはい、わかりましたよ立ちますよー、よいしょ……と」

未央「……え？」

未央「ちょ、ちょっと、いきなり頭撫でるのは……///」

未央「……///」

未央「はっ、す、ストップ！」

未央「私は別に、頭なでて欲しいわけじゃなくて……」

未央「あぁでもやめて欲しいわけでもなくて！」

未央「……うん、ありがと」

【待ち合わせ】

未央「プロデューサー！ おまたせー！」

未央「遅れちゃってごめんね？」

未央「えへへ、気合入れて準備したら遅くなっちゃった」

未央「まあまあ、細かいことは気にしない！」

未央「早速デートに出発だー！」

未央「え、ただの買い物？」

未央「何言ってるのプロデューサー、男と女で二人で出かけたら、それは立派なデートでしょ♪」

未央「うんうん、立派なデート」

未央「それじゃあ行こー！」

未央「……隙有り！ プロデューサーの腕にダーイブ！」ｷﾞｭｯ

未央「あららー？ 顔が赤いよプロデューサー？」

未央「嬉しいんでしょー、えへへー」

未央（でもこれ……私もはずかしくて、まともに顔見れないや……///）

【寒いから】

未央「うー、冬はやっぱ寒いねー」

未央「ねえねえ、暖房の温度上げてもいいー？」

未央「えー？ ダメなの―？」

未央「むー……」

未央「……あ！」

未央「えへへー、そっかー、だめかー」

未央「えいっ！」ｷﾞｭｰ

未央「こうすると暖かいなー♪」

未央「だーめ、離れない」

未央「だって寒いんだからしょうがないでしょー？」

未央「ふふーん、今さら許可したって遅いよーん」

未央「ん？ 当たってる？」

未央「これはねー……当ててるんだよ！」

未央「……Pさんだから、こういうことしてるんだよ……？」

未央「…………な、なーんちゃって！///」

未央「そ、そろそろ営業だよプロデューサー！」

未央「さあ早く早く、レッツゴー！」

【日記】

未央「おっはよー！ ……ってあれ？ プロデューサーがいない？」

未央「む、張り紙が……」

未央「ふむふむ……今は用事で少し出かけると」

未央「……ってことは、プロデューサーの机を調べるチャンス！」

未央「というわけで早速、ご拝見させていただこうではないかー」ｶﾞﾗｶﾞﾗ

未央「何か面白いのはないかなー……ん？」

未央「こ、これは……」

未央「……日記？」

未央「……読んでもいいものだろうか……」

未央「……いいか♪」

未央「どれどれー？」ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ

『×月○日、今日も未央になかなか仕事を渡すことが出来ない』

『正直申し訳ない気持ちでいっぱいだ』

『次こそは必ず仕事をもってこないと』

未央「プロデューサー……私は大丈夫なのに」

未央「……次のページは」

『×月○日、やっと久しぶりにまともな仕事を持ってこれた』

『それを未央に伝えたら、とてもいい笑顔で笑ってくれた』

『この笑顔があるから、自分は仕事を頑張れるんだと改めて実感する』

未央「……えへへ///」

未央「えーと……次は」

『×月○日、今日は未央の初ライブだ』

『自分も未央も緊張でいっぱいだ』

『せめて未央の緊張だけでも取れるようにと、お前のぶんまで俺が緊張してやるといった』

『なにそれ、と笑われたが、おかげで緊張も少し無くなったようだった』

未央「あー、そんなこともあったなー」ｸｽｸｽ

『ライブが始まった』

『順調にこなしていく未央を見てると、成長したんだなと思う』

『そうして見ていると、涙が突然出てきた』

『拭いても拭いても、涙は溢れてきた』

『ライブを終えた未央にその姿を見られてしまい、心配されてしまった』

『こんなことではいけないなと思うのだった』

『……あの涙を今考えると、自分はやっぱり未央のこと―――

ﾊﾟﾀﾝ

未央「あれ？」

未央「……あ」

未央「……ぷ、プロデューサー……？」ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ

未央「……め、目が怖いよ……？」

未央「きゃ、ちょ、あは、ひひひっ！///」ｺﾁｮｺﾁｮ

未央「く、くすぐりはっ、だめだって、ふ、ふふっ、あはははは！///」ｺﾁｮｺﾁｮ

未央「ご、ごめんなさぁーい！！」ｺﾁｮｺﾁｮ

【クリスマスイヴ】

未央「今日はクリスマスイヴだよ！ プロデューサー！」

未央「ってあれ……？ 寝てる……」

未央「もー、せっかくのクリスマスイヴなのにー」

未央「……そっか、プロデューサー、たくさん働いてたもんね」

未央「いつもありがとっ、プロデューサー♪」

未央「……それにしても……」ｼﾞｰ

未央「……プロデューサーの寝顔」

未央「意外と可愛いかも……」

未央「……ほれほれ」ﾂﾝﾂﾝ

未央「ふふっ、全然起きないねー」ﾂﾝﾂﾝ

未央「ほらほらー、いたずらしちゃうぞ～♪」ﾂﾝﾂﾝ

未央「ふむ、ここまでやって起きないとは……」

未央「…………」

未央「……だ、誰も見てないよね……？」

未央「それじゃあ……///」


ﾁｭｯ


未央「私からの、クリスマスプレゼント、だよ？」

未央「……な、なーんて、えへへー///」

未央「……や、やばい、顔があっついよこれ///」

未央「……あ、お、おはようプロデューサー！？///」

未央「えっ？ 顔が真っ赤？ あ、あはは……あの、その、ちょっと、ね？」

未央「…………///」

未央「あぁもう！ そ、そんなことはいいから、今日もお仕事頑張るよ！ もう！///」

【クリスマスプレゼント】

未央「今日もお仕事終了！」

未央「……クリスマスももうすぐ終わりだね」

未央「いやー、有名人になるとこういう日も忙しいね！」

未央「ん？ 今日ぐらいは自由に過ごしたかったんじゃないかって？」

未央「うーん……そんなことないかな」

未央「確かにないわけじゃないけど、でも、やっぱりこうして働くと、アイドル！って感じがするし」

未央「それに……」ﾁﾗｯ

未央「……ううん、やっぱなんでもない！」



未央「……あ、雪だ……」

未央「……ホワイトクリスマスだね……」」

未央「……え、お返しのクリスマスプレゼント？ 私に？」

未央「嬉しいなー！ あのプロデューサーのことだからなんにももらえないと思ってたよー」

未央「…………ん？ お返し？」

未央「え、あ、うん！ ありがとう！」

未央「これは……指輪！？」

未央「うわぁー……凄い綺麗……」

未央「ねえねえ！ これってどんな指輪？」

未央「……へ？ 婚約指輪？」

未央「ふーん、婚約指輪か……」

未央「……ぇえええええええええ！？？」

未央「いやいやちょっと待って！」

未央「婚約？ 婚約ってなんだっけ？」

未央「あぁ、結婚の約束……」

未央「はいぃ！？」

未央「私と、プロデューサーが、結婚！？」

未央「ど、どういう意味なのプロデューサー？」

未央「お、俺と将来結婚してくれ……？///」

未央「で、でもプロデューサー、私アイドルだし」

未央「他にもいい人なんていっぱいいるし」

未央「私なんかが……わ、私じゃないとダメ？」

未央「そ、そっか……」

未央「あの、その、こ、これ、本当にもらっちゃってもいいの？」

未央「私の返事……は、あ、その……」

未央「こ、こちらこそよろしくお願いします？」

未央「や、そんな急に強く抱きしめるなんて……///」

未央「……そっか、Pさんと……」

未央「あ、れ……お、おかしいな……嬉しいのに……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

未央「えへへ……涙が止まらないや……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

未央「……うん」

未央「……一生幸せにしてね？ Pさん♪」