切嗣「あぁ、今回もまた正義の味方になれなかったよ」 中編

628: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/24(月) 01:20:57.18 ID:arj0XObi0
殺「早く抜け出さないと」

ポタ

殺「!!」

切嗣「?」

ポタリシタリ

切嗣「ん?」

殺「触ってはだめです!!」

切嗣「は?」

殺「いいですか」

殺「それが出来上がるまでに1分の余裕があります」

殺「ゆっくりゆっくりとそいつから離れてください」

切嗣「いや、こんなもの離れる必要性など」

ぐにゅん

切嗣「な.............」

ぐにゃんぐにゃん

切嗣「なんだ....こいつは?」

ぷくぷくぷく(スライムのような物が出来上がる)

切嗣「?」

ぴタピタ

「お”と”う.....さん」

切嗣「喋っ.....た?」

ぴタピタ

「切嗣お”と”う”さ”ん”」

切嗣「!!!!!!」

殺「!!不味い!!」シュッ

切嗣「ぐ....何を」

殺「早く目を閉じて耳を防いでください!!」

切嗣「?」

殺「はや」


「キャアアアアア」

切嗣「!!うぐああああああ」

殺「あああああああああ」

Fate/Apocrypha vol.1「外典:聖杯大戦」 (TYPE-MOON BOOKS)
TYPE-MOON (2017-07-26)
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632: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/25(火) 00:04:11.99 ID:xaYk2eUm0
切嗣「(鼓膜が......破けそうだ)」

殺「目と...耳....耳を」

切嗣「わかっ.....て」スッ

「アアアアア」

殺「ああああああ」

切嗣「ぐああああ」

切嗣「(く....そ耳を塞いでも寧ろ爆音がより一層大きく!!)」

「アアアアアア」

切嗣「(いつやむんだ!!)」

「アアアア」プシュ

切嗣「(何か吐いてい.....る?)」

フゥ....

切嗣「う.....ぐっ」スンスン

切嗣「(孵卵臭?)」

殺「だ......め」

殺「嗅いで.....は」

切嗣「!!」ズキィ

切嗣「あがぐがぐあががああああ」

切嗣「(痛い痛い痛い痛い痛い)」

633: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/25(火) 00:19:50.02 ID:xaYk2eUm0
ゴロゴロゴロ

切嗣「うぎぃがぎぃががが」

切嗣「(た....堪らない)」

切嗣「(頭がおかしくなりそうだ)」

殺「あ.........は」

切嗣「ぐぎぃががぐがあ」

切嗣「(どうにか...どうにかこの刺激を緩和しななな)」

「アアアアア」

切嗣「ぎゃぃぎゃ」(泡を吹く)

殺「アああああ」パタン

「ア」

ドシャァ(水をかける音)

「アぅア」シュぅ

スレイヴ「は...はぁ....は」

コツコツコツ

スレイヴ「起きろ....主」

スレイヴ「早く...脱出口を見つけるぞ」

切嗣「ごふ...ご」

スレイヴ「ふぅ......は....はぁ」

スレイヴ「やれやれ、仕方がない」

スッ

ドゴっ

切嗣「ぐふっ!!」(バっ)

切嗣「ガ八っはぁはぁ」

スレイヴ「意識はあるか?」

641: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/27(木) 22:08:28.43 ID:ZDhvW9+I0
切嗣「あ....か......あ.....」

スレイヴ「意識はあるな」

スレイヴ「ならば、行くぞ」

切嗣「か....あ......あ...かふっ」ぐっ(スレイヴの裾を掴む)

スレイヴ「ほら、どうした早く立て」

スレイヴ「奴らが又、来ようならば流石の私でも対処は不可能」

スレイヴ「ならば、奴らが又此処へ来る前に」

スレイヴ「素早く脱出口を見つけるのが良好な判断と言う物ではないのか?」

切嗣「く......か.....」

スレイヴ「ん?」

スレイヴ「私の言っている事に何か間違いでもあると?」

切嗣「ぐ....あ.....う....か」

スレイヴ「...やれ、全く手間のかかる」

スッ(胸に手を当てる)

スレイヴ「貴重な私自信の魔力を消費するのだ」

スレイヴ「もう少し、どんな滑稽な相手にも慎重に行動をすることだな」

スレイヴ「主」

ドっ(治癒魔術が施される)

シュぅゥぅ

切嗣「うぉぐぁ!!」

スゥゥ

切嗣「カ八!!」びちゃっ

642: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/27(木) 23:25:35.89 ID:ZDhvW9+I0
(スレイヴの服にかかる)

ジュゥ

スレイヴ「!!」

ビリッ

ビタン

切嗣「はぁ.....はぁ...はぁ」

切嗣「助かった...」

スッ

切嗣「ん?」

スレイヴ「飲め」

切嗣「....何だこれは?」

スレイヴ「心配はない只の、水だ」

切嗣「水?一体どこから?」

スレイヴ「この家の水道からだ」

切嗣「...それは大丈夫なのか?」

殺「問題ない....と思いますよ」

スレイヴ「ほぉ...お前はあれを吸わずに限界まで耐えたか」

殺「当たり.....前ですけほっけほっ」

切嗣「(...どうして限界まで耐えと分かっているんだ?)」

スレイヴ「てっきり私はあれを吸って倒れていたものだと」

殺「ないですよ」

殺「あんなもの吸うくらいなら死にます」

切嗣「....すまないその話についていけないんだが」

切嗣「あれは、結局のところ何だったんだ?」

殺「あれは、何と言えばいいでしょうか....」

切嗣「...そんな説明しずらいものなのか?」

殺「いえ...そんなに説明しづらいものではないのですが...」

切嗣「では何なんだ?」

殺「え...と」

スレイヴ「死徒だ」

切嗣「死徒?あれがか?」

643: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/28(金) 00:14:36.11 ID:+w2MNUJD0
殺「あーえーまぁ...そうですね」

殺「死徒ですね」

切嗣「....僕の知っている死徒とは全く違ったが」

スレイヴ「ほぉ...主の知っている使徒とは何なのだ?」

切嗣「僕の知っている死徒は人型で人間を見つけたら襲う」

切嗣「知能のない奴らだ」

スレイヴ「そういう認識か」

切嗣「あぁ」

スレイヴ「なら大間違いだ」

切嗣「何故?」

スレイヴ「それは死徒ではあるがグール種である死徒の中でも相当下」

スレイヴ「それは言わえる、失敗作たちだからだ」

切嗣「失敗作?」

切嗣「だとすると何か本来の成功した死徒は知能を得る人食いにでもなるとでもいうのか?」

スレイヴ「それも間違いだ」

スレイヴ「確かに知能をもち人間を食う奴もいるが」

スレイヴ「基本的に成功作と言われる奴らは血だけを吸う」

切嗣「血だけを....」

スレイヴ「あぁ、そして本来の使徒の由来、目的は人のある全てを否定し人を汚す者であるのだ」

スレイヴ「つまるところ人を人という存在から解き放つものと言う奴らだ」

切嗣「解き放つもの...」

スレイヴ「要するに、死徒は人を人と言う存在から開放できるならば形は何でもいいのだ」

スレイヴ「あんなスライムであれ、見えないものであれ...な」

647: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/29(土) 00:26:26.58 ID:/Kobwtaf0
切嗣「...ではあれは」

切嗣「どっちなんだ?」

スレイヴ「まぁ、間違いなく失敗作の方だ」

スレイヴ「ただ、親が少し特殊だがな」

切嗣「あれが親ではないのか?」

スレイヴ「いいや違うあれは親ではない」

スレイヴ「アレは親から直接か間接的かは知らないが親の血を」

スレイヴ「送り込まれた人間だ」

スレイヴ「別に親はいる」

殺「いますね」

切嗣「親は...どんな奴なんだ?」

殺「哀れな....可哀想な名前も知られることのないとある錬金術師です」

殺「人類を救わんがために尽く力したにも関わらず」

殺「何もかも失敗、如何あがいても自分には救えない事を悟った彼は、発狂」

殺「結果として人類は一人の男の気まぐれにより救われ」

殺「一番誰よりも人類を救わんがしていた彼は」

殺「人類を滅亡させるものと契約させられ」

殺「そして」

殺「人類を否定するものになったそんな錬金術師」


648: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/29(土) 02:37:04.65 ID:/Kobwtaf0
切嗣「そんな奴があのスライム状の奴の親」

切嗣「(人類史を守ろうと努力した奴が敵に回るか)」

切嗣「(なんたる理不尽さだ)」

切嗣「(だが、人類史を守ろうとするなら世界は何故そんな奴を見放した?)」

切嗣「(世界は人類を守るものではないのか?)」

切嗣「(そうでなければ人類は今日まで存続は...)」

切嗣「(だとしても、何故僕の時の様に力をわけ与えなかった?)」

切嗣「(68億人の人類が滅亡する災害など世界もまた危ぶまれる筈)」

切嗣「(只そいつに興味がなかったのか?)」

切嗣「(それとも既に世界を救った気まぐれの男に)」

切嗣「(だとしても、何故そんな奴に)」

切嗣「(....これは一体)」

切嗣「だが、そうなるなら、何故スライム状に?」

スレイヴ「それは、あれの親が発狂してしまったために在り方が不明になっているためだ」

切嗣「在り方が不明になった....」

切嗣「何故それだけで?」

スレイヴ「それは、死徒は自身の在り方というものに」

スレイヴ「影響を受けやすい体質だからだ」

スレイヴ「まぁ、分かりやすい物で言うなら粘土のような体質だ」

スレイヴ「自分がこう作りたいとなったらねってその物を作ると言うな」

切嗣「なるほど、つまり自己の精神考えた物に沿って様々な物に体を変える事が出来る」

切嗣「そういう訳か」

スレイヴ「まぁ、そういう事だ」

スレイヴ「ただ、それは上位の死徒だけが出来る訳だがな」

649: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/29(土) 03:24:02.60 ID:/Kobwtaf0
スレイヴ「下位の死徒は上位の使徒に基本的には使役されている為」

スレイヴ「基本は上位の死徒に左右されて変わると言う性質の為にな」

切嗣「それで不明な為に形のないスライムか」

殺「ですね」

切嗣「よし、一先ず奴らの正体については分かった」

切嗣「まだ、奴らの習性やら特性やら聞きたいこともあるが」

切嗣「ようやく調子が戻ってきた取り敢えず逃げ道を探しつつその話をしよう」

切嗣「此処は危険地帯すぎる」

殺「分かりました」

殺「それなら、これを先に怪我をしている部分にお塗りください」スッ

切嗣「ん?それは?」

殺「キンセンカを磨り潰して作った軟膏です」

切嗣「なぜ、こんな少しの切り傷で?」

殺「少しだからです」

殺「これから先、その切り傷が致命傷となりますので」

殺「先に塗っておいてください」

切嗣「...何かは分からないが、さっきの件もあった今はお前の指示に」

切嗣「従っておいた方がよさそうだな」

653: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/30(日) 03:35:38.29 ID:fHL1vePg0
(ぬりぬり)

切嗣「よし、塗ったぞ」

殺「では、こちらへ着いて来てください」

切嗣「ん?」

殺「逃げ道は私が知っていますので」スタスタ

切嗣「あぁそういう事か....分かった」コツコツ

スレイヴ「ふん」コツコツ

切嗣「なら、歩きながらになるがさっきの話の続きで」

切嗣「奴らのあの習性、僕に対してお父さんと言い」

切嗣「大声を発しながら何かを吐き出していたがあれはなんだ?」

スレイヴ「あれは人型の死徒が自身の従者を増やす時に噛んで血を相手に与えるその行為だ」

切嗣「.....あれの何処にそんな行為が..」

スレイヴ「いいや、何処にもない」

切嗣「どこにもない?なのに、従者を増やす行為だと?意味が分からない」

スレイヴ「つまりあれ単体の一つ一つの行為では増やすことは出来ぬという事だ」

切嗣「単体では意味がない?」

スレイヴ「あの全ての行為が終わってやっと従者が増やせると言う事だ」

切嗣「.........すまない分からない説明してくれ」

スレイヴ「まぁ分からぬだろうな」

654: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/30(日) 04:15:57.82 ID:fHL1vePg0
スレイヴ「いいか」

スレイヴ「あれはな」

殺「...止まってください」

切嗣「どうした?」

殺「キッチンに、あの死徒が居ます」

ぽちゃん

ぽち...とぷとぷとぷ

切嗣「ここを通るのか?」

殺「はい」

殺「と言うより目的はキッチンの下にある地下室です」

殺「くり抜いて行こうと思ったのですが」

切嗣「別の道はないのか?」

殺「ありますけどその下の実験場が厄介極まりない所なので」

殺「極力避けたいのです」

切嗣「ここ以外にもあるのか?」

殺「あります」

殺「全て、戦争用の実験場ですが」

切嗣「合計でどのくらいなんだ?」

殺「30くらいですね」

殺「それで、階層が5段階ありまして下に行けば行くほど生物兵器の色が濃ゆくなっていき」

殺「上に行けば行くほど人体実験の色が濃くなっていくので」

殺「今下に行こうとしている私達は」

殺「一番下の実験場へ行かないよう尽くさなければ」

殺「細菌で死にます」

657: ◆YmjwHbXvbg 2017/04/30(日) 23:45:21.16 ID:fHL1vePg0
切嗣「という事は此処は一層が出口なのか?」

殺「いえ、一層は出口では無いです」

切嗣「なら、一体どこが?」

殺「ここは地下にあるので5層、最上階が出口です」

切嗣「ん...?だが、お前は今下へ行こうとしていると言っていたが」

切嗣「何故下へ?」

殺「それは、上に行く階段があるのですが」

殺「そこには、どうやってもここの実験場からは行けないからです」

切嗣「いけない?何故?」

殺「それは、ここの実験場は5層の内上の二層が別の棟にありまして」

殺「下の三層だけはそれぞれつながっているアリの巣のような構造になっていて」

殺「下の三層から上のエリアに行くにはわざわざ地下室を使っていかなければならない」

殺「そんな構造だからです」

切嗣「...という事は今僕たちがいるエリアは下の三層の内のどれかなのか?」

殺「はい、というより一番上の三層ですね」

切嗣「そうなるなら....外へ出るには一番下...の階....」

切嗣「そういう解釈でいいか?」

殺「はい、間違っていません」

658: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/01(月) 00:09:26.03 ID:lii0sz4s0
切嗣「.....」

切嗣「(面倒くさい位置だな)」

切嗣「(これなら、どこか密室可能な小部屋でも見つけたら)」

切嗣「(まだ、余り時間転移魔術については分かってはいないが)」

切嗣「(使って抜け出すか)」

切嗣「(聖杯参加者について調べておきたかったが)」

切嗣「(まぁ仕方がないだろう)」

切嗣「(今度は何処に飛ばされるかな....)」

殺「でも、本当に不味いですね」

殺「今、死徒を倒す手段が」

切嗣「奴はどうやったら倒せるんだ?」

スレイヴ「水を掛ければいい」

切嗣「それだけか?」

スレイヴ「あぁそれだけでいい」

切嗣「なら、水は?」

スレイヴ「あそこにだ」

切嗣「...キッチンの水道か...」

662: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/01(月) 23:28:08.56 ID:lii0sz4s0
切嗣「...あそこに行くにはリビングを通っていく以外にはないか?」

スレイヴ「ある」

スレイヴ「外に出ればだがな」

切嗣「そうか分かった、無理だな」

切嗣「....それならば、此方で待っていてくれ」

殺「?何をするのです?」

切嗣「僕の魔術を使ってあのキッチンから水を汲んで」

切嗣「奴に水をかける」

スレイヴ「止めておけ、それは不可能な事だ」

切嗣「どうしてそう思う?」

スレイヴ「いや主、狙った周囲の時間を止められたか?」

切嗣「.....いや止められないが...」

切嗣「あぁ成る程確かに、無理だな」

切嗣「水を汲んでいる最中に奴に気づかれてしまう」

スレイヴ「そういう事だ」

スレイヴ「それに、そういう事が出来るのであれば」

スレイヴ「わざわざ私達が此処で立ち往生はしてはおらぬ」

切嗣「そうだな...」

663: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/02(火) 00:01:11.07 ID:c0SGHU+s0
殺「...そうなると辛いですが下の実験場のルートを介して行きましょうか?」

切嗣「...下の実験場がどんな場所かによるな」

殺「ええとですね」

殺「そこは、この実験場で薬品投与された蟲や」

殺「死徒の死んだ死体を媒介にした蟲が大量に飛んでいる実験場ですね」

切嗣「量は?」

殺「ざっと一万匹です」

切嗣「...それはお前らは良いかも知れないが」

切嗣「流石に、それ全てを倒しつつは僕には無理があるな」

切嗣「何せナイフ一本しかない」

殺「いえ、そこは私でカバーしようとは思ってはいるのですが」

殺「量が量ですしね...」

スレイヴ「私は止めておいた方がいいと思うぞ」

殺「...ですが、その道を通る以外にもうありませんよ?」

殺「選択肢は」

切嗣「そうなると此処であの死徒を倒す為に」

切嗣「もう一度あの地獄を味わうか」

切嗣「そっちの方がよっぽど成功率はよさそうに感じる」

スレイヴ「それなら一言言っておくが、もう一度あの霧を吸えば」

スレイヴ「私は助ける事は出来ぬからな」

切嗣「!!何故だ?」

スレイヴ「まぁ色々と事情があるのだよ私にも」

切嗣「(...予想外だ)」








666: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/03(水) 00:42:28.86 ID:zBWY/Qp20
切嗣「(ここで、奴があの魔術を使えないと言い出すなど)」

切嗣「...その事情と言うのは一体なんだ?」

切嗣「それを詳しく話せ」

スレイヴ「ふん、主に別段話す事でもない」

スレイヴ「わざわざ教える事もなかろう」

切嗣「いいや、納得できない」

スレイヴ「否、納得しろ」

スレイヴ「でなければ、致し方あるまい」

スレイヴ「下の実験場のルートで行くしかなかろうな」

切嗣「.....」

切嗣「分かった」

切嗣「お前のあの魔術は使えない」

切嗣「それでいい」

スレイヴ「ふっ、分かってもらえて何よりだ」

切嗣「(保険が無いのは仕方がないが)」

切嗣「(まぁいい、あの霧を吸わなければいいだけの事)」

切嗣「(万が一にでも吸いそうになったとしてもタイムアルターで呼吸を止めればいい)」

切嗣「(カバーできる範囲だ)」

殺「それでは、決まりましたか?」

切嗣「あぁ、決まった」

切嗣「あの死徒を倒し、地下室まで直通で行こう」

切嗣「判断は各自に任せる」

殺「私は異論なしです」

スレイヴ「私もだ」

切嗣「それならば、まず誰が水を汲むかだが」

スレイヴ「私がやろう」

667: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/03(水) 01:26:19.09 ID:zBWY/Qp20
切嗣「あぁ、それはお前が最適だろう」

切嗣「あの声の中僕と此奴は動けなかったがお前ならば動けたようだしな」

殺「い....一応私も貴方をかばっていなければ動けましたよ」

切嗣「いや、お前はそうだったとしても未だ信頼には欠ける」

殺「!!それは、まだ私を信用してないと?」

切嗣「当たり前だ、一度裏切られた相手にそう易々と心を許すような」

切嗣「そんな......誰にでも味方するような奴はいないだろう」

殺「それでは私の今まで言ったことは全て虚言だとそう思っているのですか!?」

切嗣「いや、全てが全てそんな事は思ってはいない」

切嗣「だが、信じてはいない」

切嗣「この目で確かめるまでは」

殺「....分かりました......貴方はそういう人間なのですね」

切嗣「あぁ、僕はそういう人間だ」

殺「.....悲しい人間ですね」

切嗣「何とでも言え」

切嗣「(全てに裏切られた僕には、もう何かを真から信じる事など...死ぬまで出来そうにはないのだから)」

切嗣「.....それでは、スレイヴお前は、先に奴に見つからない様にキッチンの場所まで行き」

切嗣「僕の合図を待て」

スレイヴ「分かった」シュッ

殺「.......」

殺「私は...何をすればいいんでしょうか?」

切嗣「お前は案内だけしていればいい」

殺「はい....」

671: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/04(木) 01:03:21.33 ID:nFTl7/I30
スレイヴ「....」(手を挙げる)

切嗣「...どうやら奴はあちら側に着いたようだ」

切嗣「準備は聞くまでもないか」

殺「はい覚悟は出来ています」

切嗣「すぅ......」

切嗣「よし...ならば奴へ合図をだす」

殺「分かりました」

切嗣「.....」

スッ(人差し指で合図をだす)

スレイヴ「.....」(頷く)

きゅっ

「!!!!!」

切嗣「(来る)」

「お”と”うさん」

切嗣「(...最初はそうか必ずここから始まるのか)」

「切嗣お”と”う”さ”ん”」

切嗣「(そして..これも....うん?)」

切嗣「(...どうして僕の...名前なん)」

「キャアアアアアアアア」

切嗣「!!!(来た!!)」

「アアアアア」

切嗣「ぐぅ...ぅっぅ!!」

殺「くぅ...」

672: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/04(木) 02:21:49.69 ID:nFTl7/I30
切嗣「(だが、案外二度目ともなると慣れる物だ)」

切嗣「(いや、それとも離れて構えていたからなのかまぁ何にしろ)」

切嗣「(先ほどの時より余裕がある)」

切嗣「(此れならば耐えれる事が出来そうだ)」

「アアアアアアアア」

切嗣「(...奴は)」

スレイヴ「ぐぉぅおぉうっくっぉ...」

切嗣「(耐えてはいるが近くにいるせいで大分辛そうだな)」

切嗣「(だが、着実に水を貯めてはいるようだ)」

切嗣「(安心....)」

..ぴちゃ...ポタッ

切嗣「(ん?あそこの天井から雨漏りしているな)」

切嗣「(これが片付いたら、注意して通らね.....ば)」

切嗣「(いや!!不味い!!)」

切嗣「(雨漏りしているという事は外のあの硫酸でこの家の天井が溶け始めているという事だ!!)」

切嗣「(後どのくらいだ?!後どのくらいでこの天井は完全にとける?!)」

切嗣「(これは、持つのか?!)」

切嗣「....ふぅ...ふぅ...」

「アアアアア」

切嗣「ぐっぅ....」

殺「どう...しました?」

切嗣「こ....こを...離れ」

「アアアアア」

切嗣「(くっ...声がかき消されるか!!)」

676: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/04(木) 23:34:35.56 ID:nFTl7/I30
切嗣「(ここは、家の屋根が崩れれば外のあの硫酸の雨が直で来る場所)」

切嗣「(急いで此処から移動しなければ)」

切嗣「(もろにあの硫酸の雨を身体全身で受けてしまう!!)」

切嗣「(それをどうにか、あの死徒が霧をばら撒く前に此奴にも伝えなければ....)」

切嗣「(霧をばら撒き始めれば動く事は困難)」

切嗣「(時間は少ない!!)」

切嗣「(しかし、声ではもう伝えづらいくらいの雄たけび声)」

切嗣「(こうなればジェスチャーで何とか伝えるしか)」

切嗣「....」(指で奥へいく合図を送る)

殺「?」

切嗣「(くそっ...こいつ臨機応変に出来ないタイプの奴か!!)」

切嗣「(こうなればもう、僕一人でも先にいくか?)」

切嗣「(いや、それでは案内役が居なくなってしまう)」

切嗣「(こんな未知の場所で、案内役が居なくなるのは流石に不味い)」

切嗣「(やはり、こいつも一緒でなければ)」

切嗣「.....」(指で天井を指す)

殺「?????」

切嗣「!!!!」(指で天井を指した後に雨が降りこんでくる様子を示す)

「?」

切嗣「(なんだこいつは!!!)」

677: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/04(木) 23:51:42.61 ID:nFTl7/I30
切嗣「(これだけ分かりやすいジェスチャーをしても天井を見上げるどころか)」

切嗣「(首を傾げてばかりいる!!)」

切嗣「(どこまで理解力に乏しい奴なんだ!!)」

ぽタタタ

切嗣「(っ!!)」(上を見る)

切嗣「(もう、あんなに溶けて!!)」

切嗣「(時間がない...時間がないぞ!!)」

切嗣「.....」(身振り手振り教えようとする)

殺「????」

「アアアアアアア」

切嗣「!!!」

切嗣「ぐぅ...ぅううう」

切嗣「(この声の大きさ、そろそろあの霧が来る!!)」

切嗣「(だが、こいつは一向に気づく気配はない!!)」

切嗣「(どうする...どうする)」

ボタタタタタ

切嗣「(な!!!く、魔力が無駄に消費されるが)」

切嗣「(無理矢理にでも連れて行く!!)」

ガシッ

殺「え!?!?」

切嗣「(タイムアルターダブルアクセル)」ダっ

殺「ちょっえ?!」グイッ

ボコッドバッ

「アアアアアアア」プシュ....

切嗣「(?!ここでか何というタイミングだ!!)」

殺「!!はぁ....うんくっ」(息を止める)

681: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/06(土) 00:57:04.62 ID:mhnmW8Tp0
切嗣「(こいつ....反応だけは)」

切嗣「(いや、早く僕も息を止めねば!!)」

切嗣「はぁ....」スゥ(霧を吸い込みそうになる)

切嗣「(!!タイムアルターダブルスタグネイト)」ピタッ(吸い込む前に息を止める)

切嗣「っ.....」

切嗣「(何とか霧を吸い込む前に息を止められたのはいいが)」

切嗣「(十分に息を吸い込む事が出来なかった!!)」

「アアアアアアアア」

切嗣「う....」

「アアアアアアアアア」

切嗣「(吸って....しまいそうだ!!)」

殺「........」

切嗣「(奴....は...)」

スレイヴ「ぐふっ....ぬぅごぉふっ....」

切嗣「(まだ、水を貯めているの....か)」

切嗣「(どれだけ...必要なんだ...一体...)」

切嗣「(早くして...くれ...)」

殺「.....」(切嗣を見る)

殺「......」スッ

切嗣「(ん?)

切嗣「(こいつ急に立ち上がっていったに何を?)」

683: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/06(土) 02:32:10.42 ID:mhnmW8Tp0
殺「........」スッ(切嗣の首に手を当てる)

切嗣「(ん?)」

殺「......」ギュっ(そのまま首を絞める)

切嗣「!!!!!っ」

切嗣「おま.....」ヒュゥ

切嗣「!!!(うぐっ!吸ってしまった!!)」

切嗣「が.....あ.......」

切嗣「あ........」

切嗣「くはぁ!!」(身体が跳ねる)

殺「く...ああああ!!!」

殺「!!!!」ギュゥ

切嗣「う...........」

殺「ううううう!!!!」(更に深く締める)

切嗣「か..........あ.....は」

切嗣「く........う」

殺「がああああ」ギュゥゥゥ

切嗣「ぐ.....づう....」

殺「ああああああああああ」

切嗣「は.......か」

ゲシッ(足でアサシンを蹴る)

687: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/07(日) 01:31:39.49 ID:uMYjgVAx0
殺「ああがああ!!」(手がゆるむ)

切嗣「あ...はぁ....は」

切嗣「(い.....今のうううちちに...)」

ずりずり...

殺「!!!」

切嗣「!」

殺「きゃああ!!」ガシッ

切嗣「う"......ぐ....」ドタッ

殺「ぐあ”う”あ”う”がう”」

切嗣「あ”....あ”....あ”あ”」

切嗣「(コロサレ.....)」

カチャン(切嗣の懐から起源弾が落ちる)

殺「あ”.....」スッ(手を切嗣の首から離す)

切嗣「がはっ....ごほっごふっ」

殺「あ”....う”あ”あ”あああ」

切嗣「はぁ....はっ...はぁはぁ...」

殺「ひ.....あ”う”ああ”」

切嗣「う”お”.......ぐぅ....」

殺「ゴ.......メ”ン”ナ”さ.....イ”」

殺「キリ.....キリ」

殺「ツツツ」

ごッ

殺「ウッ.......」

688: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/07(日) 01:52:10.25 ID:uMYjgVAx0
(後ろを向く)

スレイヴ「う......ぶッ」

(今にも吐きそうな顔をしながら水のたまったバケツを死徒に被せようとする)

殺「!!.....ああああああ!!」ダっ

スレイヴ「は...うっ....はぁ」

殺「アアアアアア」ダっだっだっ

ガシッ

スレイヴ「ぬぅ!?」

ドシャ(死徒に水がかかる)

殺「ア”」(白目をむく)

バタッ(倒れる)

スレイヴ「ハァ......ハァ.....ハハ」

スレイヴ「フ...ふふハハハハハ」

スレイヴ「アッハハハハハ」

スレイヴ「フフフアハハハハハハ」

スレイヴ「ハハハハ」

スレイヴ「ごふっ」

ドタン(倒れる)

シーン....

ガチャ(マイクの入る音)

「これにて、実験番号197の実験を終了します」

692: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/08(月) 01:02:14.12 ID:S59He4/30
-------------------------------------------------------
戻ってセイバー側切嗣

キャスター(右)「見つからない見つからない!!!奴は何処いったねぇ!!」

キャスター(左)「殺す殺すねぇ!!」

コツン

キャスター(右)「そこねぇ!!!!」シュン

切嗣「........」

切嗣「(行ったか)」

切嗣「(リリースアルター)」

切嗣「は....はぁはぁはぁはぁ」

切嗣「(あれから隠れながら目的の場所まで目指しているが)」(時計を見る)

切嗣「(2時か)」

切嗣「(...時間的にはまだ余裕はある)」

切嗣「(前にも進めている)」

切嗣「(だがしかし)」

切嗣「(予想以上に奴らの索敵範囲が広すぎる)」

切嗣「(そのせいでどうしても前へ進んでは戻っての繰り返しで)」

切嗣「(目的の場所までのペースが遅すぎる...)」

切嗣「(この調子では3時までに第一目標へ到達できなれば)

切嗣「(計画に支障をきたしかねないな)」

切嗣「(こうなれば...少しだけ無理をするしかなさそうだ)」

スッ(注射器を取り出す)

切嗣「ふっ....」グサッ(血液を採る)

切嗣「っ......」

スポッ

切嗣「(よし.....このくらいあれば十分だろう)」

693: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/08(月) 01:24:18.34 ID:S59He4/30
切嗣「(これを....)」

ひた....ひた...(地面に垂らす)

シュシュシュ(魔方陣を描く)

切嗣「(出来た)」

スッ(出来た魔方陣に手をのせる)

切嗣「.....汝、思いは具現化せし」

切嗣「我、理を理解せし」

切嗣「衛宮の名において」

切嗣「この地、この時に思うは」

切嗣「時の籠」

切嗣「クロノス」

シユウぅゥン......ピタッ(周囲の時間が止まる)

切嗣「ぐふっ....」(血を吐く)

切嗣「...やはり....この魔術....身体に応える」

切嗣「はぁ.........」

切嗣「維持は5分....」

切嗣「それまでに、何とか目的の場所までいくか」

切嗣「ぐふぁ.....」

切嗣「はぁ....はぁ」

切嗣「よし....」

たっ

697: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/09(火) 01:15:36.26 ID:u6yFTKre0
3分後

切嗣「はぁ....はぁはぁ」

切嗣「そろそろか?」

切嗣「(ここら辺の街道から最短で目標地点まで行くには)」

切嗣「(鐘のある教会を通れば行ける)」

切嗣「(ただし...)」

切嗣「(僕のこの固有結界はそこまで広くはなってはいない)」

切嗣「(教会へ出ればこの固有結界が及ぼす影響は消失するだろう)」

切嗣「(それまでに何処かでこの固有結界を解除しなければ)」

切嗣「(直で抑止力の影響を受けてしまう)」

切嗣「(その為に安全な解除場所を確保しなければならない)」

切嗣「(...見つかればいいが)」

切嗣「......」

切嗣「!!ぐふっ....」ビチャっ

切嗣「う....すぅ...」

切嗣「少しでも不安になったり精神が安定しないとこれか...」

切嗣「...教会までは」(上を見る)

切嗣「もう鐘が黙視出来るくらいまでの距離か...」

切嗣「意外と速かったな....」

切嗣「(不安になっても仕方ない時間的には残り2分の余裕がある)」

切嗣「(大丈夫だ必ず見つかる)」

698: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/09(火) 01:33:41.60 ID:u6yFTKre0
切嗣「まずは手始めにあそこにある家の中から見てみるか」

切嗣「(中に空襲の為のシェルターがあるかも知れない)」

コツコツ 

ガチャン

切嗣「......」

コツコツドっ(何か足に当たる)

切嗣「...なんだ犬か」

切嗣「(この犬...毛が青いな....)」

切嗣「(珍しい....)」

切嗣「まぁ...気にしても意味はない」

切嗣「さっさとシェルターがあるかどうかだけ見てこよう」

コツコツ

きぃ....

切嗣「!...ここの住人か?」

切嗣「首をつっている....」

切嗣「自殺か...愚かな事を...」

切嗣「ん?後ろにあるあれは....」

コツコツ

(ナイフと、手榴弾がおかれている)

切嗣「此奴は使える」

切嗣「丁度余分に一つ使ってしまっていたからここで補充できたのは大きいな」

701: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/10(水) 00:49:23.23 ID:7Bn5TNLT0
スッ(手榴弾だけとる)

切嗣「...後はシェルターがあれば...」

「へぇ...他人の物を勝手に物色とは見逃せねぇな」

切嗣「っ!!」バっ(後ろを向く)

弓「よぉ、二日ぶりだなセイバーのマスター」

弓「生きていたか流石しぶといな」

切嗣「アー....チャー....」カチッ

弓「おっと待て待て、今回はお前と戦うつもりはない」

弓「話をしに来ただけだ」

切嗣「どうして貴様がこの領域内にいる」

弓「カ...その質問も二度目だなぁ」

切嗣「いいや、正確には三度目だ」

弓「?あぁ...そっかぁ...そっちの方ね」

切嗣「.....」

弓「そうなると...少し訳が変わって来るが」

弓「まぁいいや、どうせ同じだしな」

弓「それより、さっきの発言訂正しなきゃな」

弓「60年ぶりだな、セイバーのマスター」

弓「腕と精神は少しは治ったか?」

切嗣「.....」

弓「お得意のだんまりって奴か」

弓「お前もアレも本当に好きだな」

弓「うざったいほどに」

切嗣「.........」

702: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/10(水) 02:38:25.78 ID:7Bn5TNLT0
弓「はぁ.....たく本当にセイバーのマスターは沈黙ばかりで」

弓「話が弾みやしねぇ」

弓「面白くねぇ奴だ」

切嗣「要件を言え」

弓「ほら...やっと口を開いたかと思えばこれだ」

弓「もう少し会話ってもんを楽しんで欲しいね」

切嗣「言え、時間がない」

弓「はいはい、分かってる」

弓「分かってるよ」

切嗣「....」

弓「要件はただ一つだ」

弓「何処で治療しているかは知らないがキャスターとの戦いを止め」

弓「彼女、アンリ・マンユを」

弓「器へ返せ」

切嗣「却下だ」

弓「まぁ未来が分かっているお前は、そういうよな」

弓「あれが引き起こす災害はひでぇもんだしな」

弓「ま、トリガーを引いたのはお前自身だが」

切嗣「ッ.....」

弓「ひ...だがよ」

弓「考えないか?あれがなければお前の愛しい家族に会えなかったかもしれないんだぜ?」

切嗣「それは、覚悟の上だ」

弓「なら、お前は自分の持った家族など、見ず知らずの感謝もされない」

弓「思いもしてくれない、愛してもくれない赤の他人の多くの命よりも」

弓「大切ではなく、軽いものだと」

切嗣「...違う!!それは断じてそうではない」

弓「だが、お前はあの時、躊躇せず自分の妻も愛した者も自分を愛してくれたものも全部殺したじゃないか」

切嗣「違う!!戸惑っていた!!決して軽いものではない!!....だが」

切嗣「愛も....希望も無くなった世界は無価値だ...」

切嗣「それならば....僕らの家族など愛などとは!!」

弓「それじゃ救った後は?お前は何にも愛されず、只生きるだけだぞ?」

弓「只、無意味に全てを食いつぶしながら、毎日を過ごす」

弓「孤独を感じながら、一人で何故生きているのか分からないまま」

弓「そして救った世界各地では結局人々の紛争が絶えず行われながら人が死ぬ」

弓「止めるにも聖杯はない、縋るものはいつしか平和が訪れる用神に縋るのみ」

弓「そんな世界を救ってお前はそれでも死ぬまで耐えて耐えて後悔が残らないと?」


706: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/11(木) 01:12:34.74 ID:cfsbPQTs0
切嗣「そうだとしても...そうだったとしても」

切嗣「僕は、そこまで自身を犠牲にして救った世界でも後悔はしない」

弓「何故そこまで断言できる?」

切嗣「...それが、僕自身の正義の在り方」

切嗣「僕自身がなりたかった信念そのものだからだ」

弓「信念その物ね」

弓「だがな人は信念は時として変わるそう思うが?」

切嗣「僕は.....人ではない...」

弓「お前....もしかして...」

弓「自身の事を感情のない人形かなんかだと思っているのか?」

切嗣「........」

弓「くかかかそうか」

弓「お前、あれを言われてもそう信じているのか」

切嗣「あれ?」

弓「なんだお前あの、神父服の太々しい爺から言われなかったのか?」

弓「感情がない奴以外はあの無限に続く地獄みてえな呪いからは」

弓「逃れられねぇって」

切嗣「!何で、お前が奴と!!」

弓「時間ねぇんだろ?余計な事聞いてていのか?」

切嗣「っく.....それらしいことを言われた...」

弓「なら、認めるべきだろ」

弓「お前は人で、感情のある時として信念も変わる人間だと」

切嗣「いいや...認められない」

弓「何の理由かは知らないが強情だな」

弓「ま....お前がそういうなら別にいいか」

弓「今のお前に何行ったとしても効果なさそうだしなこの取引」

切嗣「....どうするつもりだ」

弓「どうもしねぇ、言っただろ話をしに来ただけってな」

弓「だが、まぁ強いて言えば彼女を渡さないって言うんだったら」

弓「俺らエーデルフェルト側と、遠坂、間桐はこの国で戦争を始めるだろうな」

シュン

切嗣「何!!」

切嗣「....(いない)」

709: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/12(金) 01:03:54.92 ID:l+Mx4HPf0
切嗣「(奴は本当に会話だけを...しに来たか...)」

切嗣「(...まぁ、彼女の居場所が分からなければ僕は殺せないか)」

切嗣「(だがそれも、どうやらキャスターとの戦いが終われば)」

切嗣「(殺せるようになる....)」

切嗣「(...まさか遠坂、間桐、エーデルフェルトが動き出すとは...)」

切嗣「(もう少し、せめて小聖杯出現まではまってくれるとそう信じていたが)」

切嗣「(...流石に待ってはくれないか)」

切嗣「はぁ....この行動が裏目に出てしまったな...」

切嗣「まぁいい」

切嗣「いざとなればセイバーのあの宝具もある」

切嗣「失敗するなら」

切嗣「何度だって何回だって、今を犠牲にしてやるさ」

-------------------------------------------------------------------------
同時刻セイバー

剣「.........」(そわそわ)

剣「落ち着きませんなぁ...」

剣「マスターとの契約が切れていないので」

剣「マスターはなんとか上手くやっているのでしょうが」

剣「それでも...相手はやはりサーヴァント...」

剣「無茶をしていなければ良いのですが...」

ピッ

剣「む.......?」

剣「(これは....)」

剣「そこに....おられる魔力の強い方分かっておりますよ」

「ククク、ようやく気づいたか」

剣「お主....」

ギル「今までずっと気づかぬとはそれでも、サーヴァントか?」

剣「...何者」

ギル「質問しているのは此方だ戯け」

ギル「質問していいのは質問を答えた後であろうに」

ギル「程度が知れるな」

710: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/12(金) 01:18:48.43 ID:l+Mx4HPf0
剣「いいえ、質問を質問で返すのは」

剣「ごく当たり前の事を聞かれたので答えなくてもよろしいと言う」

剣「判断をしたからですぞハハハ」

剣「そちらこそ、そんな質問をするとは程度が知れますな」

ギル「ほぉ...言うではないか」

剣「怒らないのですかな?」

ギル「そんな無駄な事で一々切れていればそれこそ」

ギル「品格を疑われる」

ギル「それに、俺はなそういう風に返してくれる者は嫌いではない」

ギル「口ごもってしまう奴より正々堂々言う奴の方が俺は好みだ」

剣「それはどうも」

剣「それで、お主...見た所...サーヴァント...ではないですな」

ギル「ほぉ...それが分かるか」

剣「似たような方を見ていますのでね」

ギル「俺だけと思ったが同じ境遇の奴がいたか」

ギル「やはり来てよかった」

剣「来てよかった?」

ギル「気にするな雑種」

ギル「お前には到底理解できぬことよ」

剣「(雑種呼ばわりですか...礼儀の知らない奴ですな)」

714: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/14(日) 02:05:54.67 ID:Lma8wn790
剣「初対面でその物言い」

剣「それほど自身に自信があるように見えますな」

剣「(それほどに油断をしやすい性格だとも思いますがな)」

ギル「褒めても何もでんぞ?雑種」

剣「残念ですな」

剣「(本当に残念ですな)」

剣「(今の発言で立腹すると思ったのですが)」

剣「(煽りが足りませんでしたかな...)」

剣「それより、本当にお主一体何者ですかな?」

剣「私を襲う様子もなく、只じっと私がお主に話しかけるまで」

剣「そこの木に上に隠れて私を観察していたようですが」

ギル「隠れて?俺は隠れてなどいない」

ギル「ずっと堂々と貴様を見ていた」

剣「分かりましたぞ」

剣「ではどうして、堂々と私を観察していたのですかな」

ギル「それでいい」

剣「(めんどくさいタイプの方ですなぁ....)」

剣「それで?」

ギル「待て雑種。何を調子に乗っている」

ギル「先ほども言っただろう順序と言う者がある」

ギル「俺の質問が先だ」

剣「(殴り飛ばしたいですなぁ....)」

715: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/14(日) 02:34:15.77 ID:Lma8wn790
剣「ハッハッハッ確かにそうですな」

剣「順序と言うものがありますな」

剣「では、お答えいたしましょうぞ」

剣「れっきとした、英霊ですぞ」

剣「はい、答えましたぞ」

剣「これで満足ですかな?」

ギル「...いい加減にしておけよ雑種」

ギル「そろそろ俺の寛容たるこの器でも」

ギル「限度と言うものがあるぞ?」

剣「おお、それは失礼したしましたな」

剣「どこぞの英雄君主殿」

ギル「そこまで気づいておきながら」

ギル「先程の質問をしたか雑種!!」

剣「(ようやく立腹しましたか)」

剣「(さて、こやつの狙いとどんな英霊か)」

剣「(マスター殿が戻ってくるまでに片づけて起きますかな)」

ギル「雑種の分際で俺を煽り立てたその意気」

ギル「後悔させてくれるわ」

剣「ハッハッハッその発言笑いものにしてくれましょうぞ」

718: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/15(月) 02:09:04.05 ID:gcxWXrEN0
----------------------------------------------
戻ってセイバー側切嗣

切嗣「.....」シュッシュッ(自身の指に包帯を巻く)

スッスス

キュ

切嗣「これで出血した個所の止血はすべて完了と....」

切嗣「しかし、運よく家の中にシェルターが見つかってよかった」

切嗣「いや...運よくではなく必然的に...か」

切嗣「ふ...何を言っているんだ僕は」

切嗣「よし」

切嗣「リリース」

シュぅゥぅ....ブォン

切嗣「(解除での身体への負担はほとんどなし)」

切嗣「(血脈は....)」

トクトク

切嗣「(いつも通り正常)」

切嗣「(ただ少し頭痛がするが気にするほどではない)」

切嗣「(殆どコンデションは良好と言っていい)」

切嗣「....」(腕時計を見る)

チッチっチッ

切嗣「(丁度今、きっかり2時5分)」

切嗣「(一秒でも解除時間が遅れれば吐き気を催しこんな余裕はない)」

切嗣「ふぅ........」

切嗣「(冷や汗ものだった)」

切嗣「二度とこんな扱いが難しい魔術は使いたくないものだ」

719: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/15(月) 02:41:16.19 ID:gcxWXrEN0
切嗣「さて...」

切嗣「(恐らくシュルターの中で有ればキャスター達に伝わる)」

切嗣「(魔力反応はあまりない筈)」

切嗣「(だが、この魔術は解除とともに大幅な魔力がコントロールできず垂れ流れる)」

切嗣「(少しだけこの中にいなければな)」

切嗣「(...その間に何もしないと言うのは流石に無駄だ)」

切嗣「(一応ここからの方角の確認と)」

切嗣「(流石にあんなに大幅に足を取られていては朝になっているのに気づかないかもしれない)」

切嗣「(時計のタイマーを4時にセットし余裕を持たせておこう)」

切嗣「(まずは方角の確認だが)」スッ(方位磁石を取り出す)

切嗣「(今僕が進んでいる方角は西な筈)」

切嗣「(身体をこうすれば...)」(体の向きを変える)

切嗣「(針の向きが赤が右側黒側が左に来て直線でいなければならないが)」

くるっ

切嗣「....斜めか....此れは北西寄りだな」

切嗣「もう少し下を行くか...」

切嗣「よし、次はタイマーをセットしよう」

カチチ

切嗣「4時00分と...」

切嗣「これで、準備よし」

切嗣「そろそろ、行くか...」

722: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/16(火) 00:47:29.43 ID:drclijgj0
ガチャッ

切嗣「............」(右左確認する)

切嗣「(キャスターの気配はなし)」

切嗣「(出るか)」

ガチャン

切嗣「(これから先はキャスターを恐れて隠れて行っても無駄に時間をくい)」

切嗣「(逆にキャスターに感知され追いつかれる心配がある)」

切嗣「(一気に鐘のある教会へ行くのが吉だな)」

ダっタタタタ

ヒュー (屋根の上)

弓「....ようやく動き出したようだ」

「...ようやくですか」

「大分、時間が掛かかりましたね」

弓「で、俺はこの後どうすればいい?」

「どうもしなくていいですね」

「此処からは我々の仕事です」

「お前は気分晴らしに適当に豚にでも餌をやっているがいいよ」

弓「....それはつまり此奴に餌やりをしろって事か?」

キャスターのマスター「ンぐぅぅぅ」

キャスターのマスター「ンンンン」

「そういう事です」

弓「はぁ....へいへい分かったよ」

弓「んで?餌は?」

「そちらにおいてあるじゃないですか」

ぴチぴちぴち(酷いにおいのする得体の知れない何か)

弓「うえ....まじかよ」

弓「あんたら外道だな」

「それを貴方が言えるのですか?」

弓「っへへへ違いねぇな」

723: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/16(火) 01:07:02.91 ID:drclijgj0
「それでは、もう行くので後の事は任せましたよ」

弓「あいよ」

「それでは行きますわよアーチャー」

弓?「はい、マスター」

ヒュン

弓「.....」

弓「ま...精々楽しんできなよ」

弓「妹殺しのお姉さま」

キャスターのマスター「ンンン!!」

弓「....っと」

弓「安心しなって」

弓「ちゃんと、お前の事は忘れてねぇぜ」

キャスターのマスター「ふぐふぐ」

弓「何、取って食おうってわけじゃないんだ」

弓「そんなビビるこたぁないだろ?」

キャスターのマスター「ンン!!」

弓「ん?もしかしてそれ早く食べたいのか?」

キャスターのマスター「んーーーー!!」

弓「まぁまぁ落ち着けって」

弓「冗談だよ冗談」

キャスターのマスター「んぅんぅ....」

弓「お前も散々だよな」

弓「まだ、一人も殺してもいないし、一勝してもいないのに」

弓「こんな酷い仕打ちを受けるんだから」

キャスターのマスター「ふぅ...ふぅん」

弓「分かる分かるぜその気持ち」

弓「俺も以前はそうだったうん」

キャスターのマスター「ンンン...」

弓「そうだ....面白れぇ事思いついた」

弓「なぁキャスターのマスター」

キャスターのマスター「ンン?」

弓「お前、この世界が憎くねぇか?」

727: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/17(水) 01:26:58.87 ID:5i1nK37m0
キャスターのマスター「んん...んん?」

弓「つまりな、こんな身勝手に理不尽で」

弓「腐ってて」

弓「どいつもこいつも自分の事ばかり」

弓「自分自身を真に好んでくれる奴がいなくて」

弓「嫌になる」

弓「そう思わないかって言ってんだ」

キャスターのマスター「ン....ンン....」

弓「ん?どうなんだ?」

キャスターのマスター「ン....」

弓「...首を下げてないで、何かアクションを起こしたらどうだ?」

弓「首を縦に振るか、はたまた首を横に振るか」

弓「二択だ簡単だろ?」

キャスターのマスター「......」

弓「はぁ....お前の真に望む方に首を動かせばいいだけだ」

キャスターのマスター「.........」

弓「チッ」

スタスタ

スッ

ぴぎぃ(酷いにおいのする得体の知れない何かを持つ)

スタスタ

(キャスターのマスターに近寄る)

弓「いいか?俺は沈黙が嫌いだ」

弓「残り3秒以内に何かしらのアクションを起こさなければ」

弓「此奴をお前の口の中に無理やり突っ込んでやる」

728: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/17(水) 01:53:13.55 ID:5i1nK37m0
キャスターのマスター「ん!!」

弓「お...3秒も待たなくても良かったか?」

弓「で?どうだ?」

弓「どっちだお前は?」

キャスターのマスター「んぅ....んん....」

弓「......」

弓「3....」

キャスターのマスター「ん!!!!!」

(首を横に振る)

弓「........」

弓「チッ、最初っからそうすりゃいいんだよ」

ビタッ(酷いのにおいのする得体の知れない何かを落とす)

「ぴィ.....」

弓「うえっ...手に染み付いちまった」

弓「最悪だ」

弓「はぁ....まぁいいか」

弓「首を横に振ったって事は」

弓「こんな世界憎くねぇって事か」

弓「どうしてだ?」

キャスターのマスター「ん....ぐぅ...」

弓「あ?ああ喋れないの気にしてるんだったら大丈夫だ」

弓「俺が術はさっき解いた」

キャスターのマスター「あ....う...」

弓「うん?」

キャスターのマスター「う....そ....それは....」

キャスターのマスター「ボ....僕には今のこの世界がちょ...丁度いいから」

弓「は....丁度いいだと?」

弓「こんな...こんな腐った世界がか?」

キャスターのマスター「そ...そうだよ」


731: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/17(水) 22:17:44.81 ID:5i1nK37m0
弓「ぷふっ....ぎゃははは」

弓「なんだそれ」

弓「面白すぎだろ」

キャスターのマスター「.....」

弓「自分自身に丁度いいから腐ってても憎めねぇとか」

弓「お前、どんだけ肩身せめぇんだよハハハ」

弓「あれか、お前他人から虐げられても文句ひとつ立ち向かえない」

弓「弱い人間か」

キャスターのマスター「う.....」

弓「図星かよ」

弓「情けねぇな」

キャスターのマスター「うう....」

弓「でも....気に入ったぜお前」

キャスターのマスター「え?」

キャスターのマスター「ど...どういう事ですぅ?」

弓「いや...よぉ」

弓「俺も、散々使われては来たんだがよ」

弓「反発出来る人間がいない事いない事なぁ」

弓「お前みたいな考えの人間を探してたんだよ」

キャスターのマスター「え?ってことは」

弓「ってな」

キャスターのマスター「え....」

弓「騙されたか?」

弓「お前は既に他のサーヴァントのマスターだろうが」

弓「敵のサーヴァント相手に何期待してんだ」

弓「そんなんだから簡単にあのお嬢さんの口実にまんまと踊らされたんだろうが」

キャスターのマスター「う.....うう...」

732: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/17(水) 22:37:22.22 ID:5i1nK37m0
弓「まぁ...でもお前のサーヴァント達が消えてくれれば」

弓「考えるかもな」

キャスターのマスター「!!」

キャスターのマスター「それだけは嫌だぁ!!」

弓「カカカ、そうか嫌か」

弓「なら、お前にとっておきのものがある」

スッ(箱を取り出す)

キャスターのマスター「え....なに.....それ」

弓「なぁに、危ないものじゃない」

キャスターのマスター「じゃ...じゃぁ一体」

弓「中身は気にするな」

弓「今からお前に此れをもって今お嬢さん達が追っていったマスターの所で」

弓「この箱を開けて貰いたい」

キャスターのマスター「あの黒い服の男の前で?」

弓「あぁ、そうだ」

弓「そうしてくれれば俺はお前の味方に付いてやるよ」

弓「あのお嬢さんの情報も教えるし、お前はキャスターを失わずに戦力強化できる」

弓「どうだ?魅力的な話じゃないか?」

キャスターのマスター「でも...また嘘だったら....」

弓「ねぇねぇ何なら神にだって誓ってやるよ」

キャスターのマスター「そ....それならスクロールに書いてよぉ...」

弓「ああいいぜ」

735: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/19(金) 00:49:29.93 ID:fhv8B6GU0
------------------
切嗣「....」

切嗣「(やっと教会の門の前までこれた)」

切嗣「(キャスター達は今だ僕に追いついては此れていない)」

切嗣「(やったぞ....)」

切嗣「(僕は運がいい)」

コツコツ

キぃ(教会の扉を開ける)

切嗣「(誰もいないな...)」

切嗣「(いや、それを見通してのこの道を選んだんだ)」

切嗣「(そうでなくては困る)」

コツコツ

切嗣「(ここから後は裏口にでれば目的地までは直ぐだ)」

切嗣「(たとえここから先、キャスターに出くわそうとも)」

切嗣「(正直な話余裕と言ってもいいだろう)」

ぽたぽた....

切嗣「(ん?)」

切嗣「(何の音だ?いや...まて....この音どこかで聞いた覚えがあるぞ....)」

ぽた....したり....

切嗣「(だが一体どこから...)」

ぼた.....

切嗣「(右か?)」

ぼた....

切嗣「(いや違う左か!!)」

「やぁ」

切嗣「!!!!また、お前か!!」

「また...とは失敬だね」

736: ◆YmjwHbXvbg 2017/05/19(金) 01:23:33.25 ID:fhv8B6GU0
「まだ、あって二度目じゃないか」

「そう何度もあったみたいな言い方はしないでくれよ」

切嗣「実際には何度もあっているだろう!!」

切嗣「アーチャー!!!」

弓?「いやいや、あってない、あってない」

弓?「僕らは今回合わせて二度キリさ」

切嗣「ふざけるな!!」

切嗣「お前とは何度もあっているだろ!!さっきだって!!」

弓?「さっき?」

弓?「知らないなぁ」

切嗣「(こいつ...わざとか!!)」

ガチャッ

「何をしているのアーチャー」

弓?「いや、古い知り合いとあってね」

「アーチャーの古い知り合い?」

「興味深いわね」

切嗣「!お前.....まさかエーデルフェルト....」

「あら?アーチャー?」

弓?「なにも?僕はなにも彼には教えてないよ」

「それじゃ自力で調べたのかしら」

「賢いのね貴方」

切嗣「(エーデルフェルトが何故ここに....)」

切嗣「(まだ、キャスターとの戦いも終わってはいないと言うのに!!)」


740: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/10(土) 21:13:33.33 ID:xmL9IfFE0
「ただ....」

「心外だわ」

切嗣「...何が?」

「私貴方と初対面よね?」

弓「はぁ...また始まった」(ボソッ)

切嗣「ああそれがどうした」

「それがどうした?はっ」

「貴方、もしかして低俗な方?」

「初対面相手に呼び捨てはないでしょ?」

「様をつけるか、さんか、殿で呼びなさいよ」

切嗣「それは、敵同士だと言う事を分かっていての発言か?」

「敵同士でもよ」

「だって当たり前でしょ?それが礼儀...というものよ低俗な方」

切嗣「それなら僕も言わせてもらうが初対面相手に低俗な方は」

切嗣「それこそないだろ」

「あら?そうかしら?」

「私は貴方の名前を知らないのよ?」

「それなら第一印象でどんな人物かで行ってあげた方が良くないかしら?」

「それとも、他の言い方があるのかしらね?」

「ねぇ?アーチャー」

弓「ねぇ毎回僕に振るのやめてくれるかな?」

「なんで?」

弓「いやさぁ...今彼に話してたよね?」

弓「そこから僕に質問するのはどう考えても間違えてる気がするんだよね」

741: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/10(土) 22:33:51.15 ID:xmL9IfFE0
「それは、私が一般人とずれている...と言いたいのかしら?」

弓「いや、誰もそこまでは言ってないけどさ」

「まぁそうよね、だってずっとあの家でこの18年監禁されたような生活を」

「送ってたんですものね」

「そりゃ常識も価値観も」

弓「分かったよ、悪かったよ」

弓「謝るから」

弓「ね?落ち着いて」

「いいえ貴方は分かっていません!!」

「貴方にはみっちりと」

切嗣「....」

切嗣「(被害妄想もいい所だな...)」

切嗣「(奴に使われているアーチャーも哀れだな)」

切嗣「(どうしてそこで一歩引いたのか...)

切嗣「(まぁいい、結局こいつらが何をしに僕の前に現れたのか)」

切嗣「(知らないが、今はこいつらの相手をしている暇はない)」

切嗣「(話しているうちに抜け出すか)」

スッ

「何処に行こうとしてるのかしら?」

切嗣「....」

切嗣「(周囲が見えなくなっていると思ったが)」

切嗣「(どうやら見ている所は見ているという事か)」

切嗣「いや、お前達が話しているから邪魔だと思ってな」

切嗣「僕は出て行こうとしてただけだ」

742: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/11(日) 03:15:02.49 ID:eGQKY9Vx0
「邪魔?貴方の事を話をしているのに?」

切嗣「後半から僕の事ではなくアーチャー自身についての話だったが?」

「それも踏まえての貴方の話よ」

切嗣「会話にならない」

「なってるわよ」

切嗣「なっていない話が飛躍し過ぎだ」

切嗣「聞いてるだけで頭が痛くなる」

「それはあなたが理解しようとしてないだけじゃないのかしら」

切嗣「こんなどうでもいい事理解したくもない」

「どうでもいい?私の話が?」

切嗣「ああどうでもいい礼儀作法の事など」

「これだから低俗な方は....」

切嗣「(これはまともに相手していると話がループしそうだ...夜更けまで時間もない)」

切嗣「(適当に流してここは穏便にすませて抜けるか)」

切嗣「(流石に今はエーデルフェルトまで相手には出来ない)」

切嗣「あぁ、そうだな低俗だからな」

切嗣「だから、これ以上話しても意味は無いと思うが?」

「ふむ......確かに言われてみればそうね」

切嗣「それで?お次は僕に何の用だ?」

切嗣「先ほどもアーチャーをよこしたが」

「アーチャーを?」

「アーチャー?」

弓「いや?僕は行ってないよ?彼の所に」

「だそうよ?」

切嗣「(わざわざ確認を?)」

切嗣「待て...ではアーチャーあれはお前の独断か?」

弓「?さっぱりだね」

弓「さっきも言ったように僕らは二度しかあっていない」

弓「そのうち二度ともあの60年前だ」

切嗣「....(おかしい...確かに...こいつは)」

切嗣「(姿形、声一つとってもアーチャーだ)」

切嗣「(なのに...さっきの事を覚えてない?)」

切嗣「(それに加えてマスターがサーヴァントに確認をとるぐらい...)」

切嗣「(では...さっきのアーチャーは誰なんだ?)」

748: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/12(月) 00:55:12.31 ID:HeIcb7zX0
切嗣「...」

「返事がないようだけれど分かって貰えたのかしら?」

「ねぇ...アーチャー」

弓「そこは、同意だね」

切嗣「...分かった」

「言われて返事してもね...」

切嗣「悪かった」

「ふん...」

弓「めんどくさそうだなぁ...」(ぼそっ)

「まぁいいわ、今度は私が質問していいかしら?」

切嗣「いや.....まぁいいだろう..」

「そうでは」

「貴方どうして此処にいるのかしら?」

切嗣「墓参りに」

「誰の?」

切嗣「話す義理はない」

「それなら墓荒らしに来たと見なしてここは通せないけど?」

切嗣「お前にその権利があるのか?」

「あるは、ここは私の所持する教会ですもの」

切嗣「それなら押とおればいい」

「サーヴァントのいない貴方に果たしてそれは出来るかしら?」

切嗣「出来ると言ったら?」

「ハッタリは通用しないわよ?」

749: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/12(月) 01:26:31.15 ID:HeIcb7zX0
切嗣「(随分精神の図太い女だ)」

切嗣「(ここは少し脅すか?)」スッ

ガシッ(右手を掴む)

切嗣「?!」

弓「駄目駄目まだ、相手は18歳の女の子だよ?」

弓「そんな相手に銃口を向けるの?」

切嗣「くっ.....いつの間に」

弓「君が僕から一瞬目を背けるのが悪いんだよ」

弓「マスターみたいに常時目を相手に向けとかなきゃ」

「よくやったわアーチャー」

切嗣「っ....」

「これで決まりね...貴方は今嘘を言った」

切嗣「....」

「弁論の余地なしね」

切嗣「(タイムアルター)」

ぐぃっ(右手を上へあげられる)

切嗣「ぐっぁ....っ...」

弓「忘れたの?君に触れてるんだよ僕?」

弓「君が魔術を使おうとすれば僕は直ぐに感知出来るんだよ?」

切嗣「ぐっ..(そうだった...此奴のスキルは触れた対象物の魔力の乱れを感知することが)」

ぐぐぐ....

切嗣「ぐぁ!!」

「そのままでお願いねアーチャー」

弓「了解っと」

750: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/12(月) 02:19:54.43 ID:HeIcb7zX0
「それでは正直に話してくれるかしら」

切嗣「ふ...くっ...何故そこまで知りたい?」

「貴方に興味が有るのよ」

切嗣「まだ出逢ったばかりなのにか?」

「ええ、貴方今まであってきたマスター達見たいな自分は手を下さない連中とはどことなく雰囲気が違うもの」

切嗣「....」

「それに....貴方中々の男前だしね」

切嗣「18歳の少女に好かれるか....」

「光栄でしょう?」

切嗣「あぁ光栄だろうな」

「客観的ね」

切嗣「僕に18歳の少女を好きになる趣味はないからな」

「残念」

「で?どうして墓荒らしなんか?」

切嗣「....墓荒らしをするつもりはない」

「では墓地に行く意味は?」

「意味もなくはここの所持者として通せないわ」

切嗣「...分かった....もう」

バンッ(扉の開く音)

切嗣「?!」(振り向く)

弓「!?」

「何事!!!」

キャスター(右)「ミツケタネェ.....」

キャスター(左)「コロスネぇ.....」

キャスター(前)「ギぃ...」

755: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/13(火) 00:46:28.32 ID:TNymBh990
切嗣「!!!」

切嗣「(思ったより早い!!)」

「貴方たち...どうして!?」

シュぅゥン!!

「!アーチャー!!」

弓「!!」

シュィン(手を離す)

切嗣「(!!手が!!タイムアルタートリプルアクセル!!)」ダっ

ドゴっン

ガラガラガラガラ

「イタッ...」

弓「怪我はないかな?マスター」

「あるわよ...全く...もう少し早く反応しなさい」

弓「無理無理、あれ以上の反応速度なんて僕の体が木っ端微塵になっちゃうって」

「はっ..あなた」

弓「あっごめん」

スィン

「ちょ...う”」

ドズィン

ドガドガドガガガ(長椅子が散らばる)

切嗣「(キャスター達...見境なしだな...)」

弓「よっと」

シュィン

「うぷっ...アーチャーいきなりは...やめなさいよ...うぷっ」

756: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/13(火) 01:02:40.80 ID:TNymBh990
弓「いやだって、あのままあそこいたら死んでたし」

「だからって話してる最中に」

ヒュー

弓「あ...また」

スィン

「ま”」

ドギィン

パリィン

スィン

弓「ふぅ...」

「おうぶっ...」

弓「ごめんね、マスター」

弓「淑女らしからぬ声出させて」

「だ....だからいきなりは止めなさいって言ってるでしょ!!!」

弓「ハハ次から気をつけ...あ」

「ちょぉ!!!」

ドォンドォンドォン

切嗣「.....」

切嗣「(....あのマスターとサーヴァントの連携は最悪だな)」

切嗣「(全く息があってない様に見える...)」

切嗣「(まぁどうでもいいか)

切嗣「(それより、キャスター...僕ではなくあちら側を重点的に狙っているな...)」

切嗣「(奴ら何かキャスター達の恨みを買うような事をしたのか?)」

757: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/13(火) 01:23:25.76 ID:TNymBh990
シュごッ

切嗣「!!」スッ(避ける)

切嗣「ふぅ....」

切嗣「(それでもしっかりまぁ....僕の方も狙うみたいだな)」

ドゥンドォンづぐぅん

弓「...」シュッシュッ

「うぶ...おぼっ....あーちゃー...」

「もう...む”り”」

弓「もう」

シュン

弓「少し」

スッ

弓「我慢」

スゥ

弓「出来ないっ」

スン

弓「かな?」

「む”り”....む”り”吐きそう」

弓「....」

ビュン

キャスター(右)「アタレェ!!アタレェ!!アタレェ!!」

キャスター(左)「クダケロ!!クダケロ!!!」

キャスター(前)「キぃ!!!キぃ!!」

弓「.....分かった」

「え”」

シュ

弓「よっせい」

「う”....お”...え”」

弓「うっわぁ....」

弓「汚なっ」

760: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/14(水) 06:12:05.04 ID:PtIEcIIu0
弓「ちょっとやめてよ...肩に掛けるのはさ」

「し...しかたな...なう”」

弓「あー....」

弓「今日は僕の厄日かなぁ....」

「それは...う”..私...でじょ...」

弓「んー?あっ..まぁ..うん確かにそうかも」

「でじょぉ....ずぅ」

弓「....それよりさマスター此処で、待っててくれない?」

「此処?....どこ?」

弓「教会の上」

ヒュゥぅぅ

「ちょ......ちょちょっとぉ!!」

弓「何?」

「こ...ここは....ここはないんじゃ?」

弓「あれ?高い所苦手だっけ?」

「いえ....いえ...いえそ..そそそうではなくて」

「こここ...ここ...あああ足場の面積小さくないかしら?」

弓「立つには十分な高さだよ?」

「私のた....た立てる幅ってこんな一本足が入るかどどどどうかのははは幅だったかしら」

弓「んー充分」

「う...ううう嘘なら...いいい今すぐややや止めなさいよ?」

弓「うんその意気込みがあるなら大丈夫だよ」

スッ

「ねねねねね本当にぃやっやめてぇ?」

弓「でもさっき下ろして的な事を?」

「言ってなぁい!!言ってません!!」

761: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/14(水) 06:41:17.60 ID:lS004Fre0
「寧ろもう一度下に連れてってお願い!!」

弓「マスター.....正直....」

弓「重いん......だよね」

「おおも...」

弓「よっと」(手を離す)

「はぁ?!」

弓「ごめんあんまり暴れるし離しちゃった」

「あ...とぉ..お」ぐらぁっ

弓「さて...今回は何秒もつかな」ぼそっ

「ひ....い!!」ひゅっ(落ちる)

弓「ありゃ...0.1秒もないや」

ガシッ(掴む)

弓「お...ととと」

「あああわあわわああわわわ」

弓「大丈夫?」

「アーチャー!!!お願いそのまま離さないでくださいね?!」

弓「どうしようね」

「お願い!!」

ずっ(引き上げる)

「う」

「ひ...ひ」ガクガクブルブル

弓「ふふふ...驚いた?」

「はっ!!アーチャー!!」

「貴方こんな状況だと言うのに!!又私を遊んだわねぇ!!!」

弓「いやぁ.....君の反応は危機的状況に落ちてからのポンコツ具合が楽しいし」

「楽しい?!私はそのせいで今まで何回死にかけたと!!」

弓「まぁまぁ、いいじゃないか」

弓「いつもこうやって助けてるだろ?」

「貴方本当に私のサーヴァントなの?!」

764: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/14(水) 23:19:28.98 ID:nTXhU4rg0
弓「ま、冗談はさておき」

「冗談?!」

弓「マスターあれ...どう思う?」(下を指さす)

「む....無視....」(下を見る)

キャスター(右)「もっとねぇ!!もっとねぇ!!」

キャスター(左)「カエスネェ!!カエスネェ!!」

キャスター(前)「ハァ!!ハァ!!」

切嗣「う....っくっ!!」スッスッ

切嗣「(何故だ...先程からあちら側ではなく僕を集中して!!)」

ヒュッ(キャスター(右)がダガーをもって目の前に現れる)

切嗣「!?」

キャスター(右)「オマエガぁ!!」

切嗣「(タイムアル....いや間に合わない!!)」

シュッ(ナイフを取り出す)

キンッ

切嗣「(危なっ)」

シュ

切嗣「い(こいつ反応速度が尋常なく!?)」

キャスター(右)「いひぃ」

切嗣「ふっ!!」シュッン

キンッ

キャスター(右)「ハァ...」

シュ

切嗣「ハッ....!!」

キンッ

キャスター(右)「えっへぇ...」ヒュフゥ

切嗣「うっっ!!」

キンッ

キャスター(右)「アラっ」ぐらっ

切嗣「!!(チャンスだ!!)」

切嗣「はぁ!!」

シュッ

キャスター(右)「あひゃっ!!」

スン(後ろへ避ける)

キャスター(右)「ひゃひひひアタラナイネぇ....」

切嗣「は...はぁ..はっ....はぁ....」

切嗣「(何があった...この短時間でいったい....)」

765: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/14(水) 23:55:28.52 ID:nTXhU4rg0
切嗣「(キャスターは....ダガーでの扱いは不得意だったはずだ.....)」

切嗣「(それにこっち側のほうの奴は特に...)」

切嗣「(そうだ!!気づかなかったが他のキャスター..)」

ブンッ

切嗣「う...な?!」

ギンッッ

キャスター(右)「ひゃは.....」グッ(そのまま刃を押し付ける)

切嗣「く....(重い......!!)」

キャスター(右)「ハァ....」グググッ

切嗣「う.....く...く(刃がずれそうだ!!)」

キャスター(右)「うぎぃ!!!」

切嗣「(こうなれば!!)」

パッ(ナイフに入れていた力を緩める)

キャスター(右)「ひゃぁ!!」

切嗣「(タイムアルターダブルアクセル!!)」

スッ

ドッ(切嗣が床へ倒れる)

どすっ!!(ダガーが地面に刺さる)

切嗣「はぁ!!」

シュッ(キャスターに即座に切りかかる)

ふぅ(キャスターが消える)

切嗣「何!!」

(直ぐに立ち上がる)

切嗣「(どこだ....何処へ行った!?)」

キョロキョロ

切嗣「(く....暗くてよく見ない!!)」

766: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/15(木) 00:30:49.49 ID:BRYCG8k60
切嗣「(くそ...何処から来る...)」

(墓地の扉に近づき辺りを見回しながら下がる)

切嗣「ごくっ....」

切嗣「(出来れば...このまま消えてくれたなら...有難いが)」

切嗣「(絶対にそれは)」

ザシュッ

切嗣「っうぐっ!!」

(振り向く)

切嗣「(どこだ?!何処からきた今!!)」

ズシュッ

切嗣「ぐっ!!」

切嗣「(まさか!!これがセイバーの言っていた魔術か!!)」

ズッ!!

切嗣「ぐふっ!!!」びちゃっ

切嗣「(不味い...不味いぞ!!今はこれの対抗手段を持ってない!!)」

切嗣「(くそっ!!ここに来てから予定外の事ばかりだ!!)」

切嗣「(先程運がいいと言った自分を呪うぞこれは..)」

ズんっ!!

切嗣「っ!!」

切嗣「(今は取り敢えず何とかこれを凌がなければ!!)」

切嗣「(ここで死んでしまったら....あの子は!!!)」

ずぷっ(深く刺さる)

切嗣「うぶっ!!」どちゃぁ....

シュン...

切嗣「(うぐ...これは...いよいよ後がない...)」

切嗣「............」

(手の令呪を見る)

切嗣「........」

切嗣「もう....使うしか」

770: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/16(金) 01:41:02.41 ID:BgwNSb8Z0
シュン(キャスター(右)がダガーを振りかぶる)

切嗣「........」

「そこまででいいよぉ...キャスタぁー」

ピタッ

切嗣「?」(前を見る)

切嗣「(....誰だ?)」

キャスター(右)「わかったねぇ...」

切嗣「(...キャスターの口調が元に..)」

切嗣「(まさかキャスターのマスターが表へ?)」

切嗣「(一体どんな奴なんだ...)」

キャスターのマスター「ええとぉ.....初めましてぇ」

切嗣「....(妙に礼儀正しい奴だな)」

キャスターのマスター「.....」

切嗣「......」

キャスターのマスター「.......」

切嗣「.......」

キャスターのマスター「あぁ...と...う...」

切嗣「.....お前がキャスターのマスターか?」

キャスターのマスター「あぁ...うんそう....だよぉ」

切嗣「なら訪ねたい」

切嗣「もう少しで僕の首を取れたのに何故キャスターの攻撃を中断させた?」

キャスターのマスター「あ...あ..あ...え.....と」

切嗣「....もう少しはっきり喋ったらどうだ?」

キャスターのマスター「あ...うん...あ..うううん」

切嗣「(僕をイラつかせる為わざとやっているのか?こいつ)」

切嗣「(だとすれば相当性格が腐っていそうだ)」

キャスターのマスター「あ...ああと...これ」スッ(黒い箱を差し出す)

切嗣「...?なんの真似だ」

キャスターのマスター「むにょむにょむにょ....」

切嗣「(駄目だ...全く何を言っているのか聞こえない)」

771: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/16(金) 02:04:54.59 ID:BgwNSb8Z0
切嗣「(もしかして僕を揶揄うする為にわざわざ此処まで出てきただけか?)」

切嗣「...お前の目的が何なのかは知らないが」

切嗣「そんな説明もなしにコレといって出された箱を簡単に受け取る輩がいるのか?」

キャスターのマスター「あ...もう...あちが...ちがちが...」

切嗣「(本当にこいつは何をしに来た...)」

切嗣「(まぁいい、後いくつか質問をしてあまりいい答えが返ってこないなら)」

切嗣「(此奴をキャスター達が行動するより早く殺す)」

切嗣「ふ...まぁどうあれお前は何故あのタイミングで僕達を狙った」

キャスターのマスター「そ.....が....お」

切嗣「...何か明確な目的があって狙ったのか?」

キャスターのマスター「じ...ぉ.....め」

切嗣「.....それとも誰かの差し金か?」

キャスターのマスター「そ.........ゆい」

切嗣「....分かった、答える気が無いと見た」

切嗣「お前には」

「やっぱり!!」

切嗣「!!」

キャスターのマスター「あ」

「アーチャー」

弓「はいはいっと」

スッ...スタッ

「貴方どうやって逃げ出したの!!?」


775: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/17(土) 01:57:44.13 ID:ZLUIt+m00
切嗣「...(こいつら知り合いか?)」

「アイツが貴方にアレを与えていた筈でしょ?!」

切嗣「(アイツ?アレ?一体なんの事だ?)」

キャスターのマスター「う....う"う"う”」(睨みつける)

「まさか...貴方自力でアイツから抜け出せたと言うの?」

キャスターのマスター「う”...う”う」

弓「いや...何馬鹿な事言ってるの流石にないでしょ」

弓「アイツも、僕と同じなんだから...」

切嗣「(アーチャーと同じ?....まさか....いや)」

切嗣「(そんな筈はない)」

弓「逃げようとしても手足狙われて終わりでしょ」

弓「まぁ、仮にいや絶対ないけど」

弓「逃げれたと仮定してもアイツがこいつに傷一つつける事が出来なかったとは思わないよ」

「あら?随分とアイツを買ってるのね」

弓「買ってると言うかアイツ否定すると自分自身否定する事になるんだよね」

弓「それって人としてどうかなぁって....ね」(一瞬だけ切嗣を見る)

切嗣「.......」

「貴方...今多くの人間を敵に回しましたわよ...」

弓「え?なんで?」

「無自覚とは此処まで罪なのですね....」

弓「ま...それが僕固有だしね」

「はぁ...分かってるのか分かってないのか」

「まぁいいわ...それより貴方」

キャスターマスター「ぎ...う”ぎぎ」

「そう睨まないで、貰えるかしら?」

「私のこの溢れないばかりの気品が落とされるわ」

弓「マスターも...正直マスターだよね...」

弓「真に無自覚みたいだけど」(ボソッ)

キャスターのマスター「あの.....ゆ...ないぞ」

「え?ごめんなさい聞こえないわ」

キャスターのマスター「うぐぎぎ...」

776: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/17(土) 03:00:14.29 ID:YmwL0HTL0
「大体貴方は」

キャスターのマスター「うう!!うううう!!」

切嗣「(...どうやらキャスターのマスターはアーチャーのマスターと嫌悪の中の様だな)」

切嗣「(時間もない...これは今の内に此処を抜け出しておいた方がよさそうだ)」

切嗣「(戦いとなれば手持ちが少ない僕が不利なのは明確的)」

切嗣「(サーヴァントに気づかれないよう外へ...)」

ガチ(ゆっくり扉を開ける)

スゥ...

キャスター(左)「.....」

切嗣「!!キャス...ター」

切嗣「(残りの奴らがどこに行ったのかと思ったが)」

切嗣「(こいつ!!まさか外に出させないようずっとこの扉の前で!?)」

切嗣「(となるとまさか!!前の扉にも!?)」

切嗣「(.....いや消えた時点でそれがあり得る....)」

切嗣「(だとすると...僕は...まさかあのキャスターが消えた時点から)

切嗣「(既に..逃げる事は不可能だったというのか)」

キャスター(左)「.....戻るねぇ」

切嗣「あ.....ああ」

ガチャン

切嗣「(....どうする)」

(時計を見る)

カチカチカチ

(午前2時30分を刺している)

切嗣「(もう...後一時間半しかない)」

切嗣「(3時までに此処から脱出しなければ)」

切嗣「(セイバーの元まで間に会わない...)」

切嗣「(タイムアルター....は今使えばこの出血量だ)」

切嗣「(貧血になってしまう....)」

切嗣「(...く...やはりアーチャーを今敵に回してでもあの時タイムアルターで突破するべきだったか?)」

切嗣「(アーチャーとキャスター両方を相手にするのはリスクが高いと思い慎重に行動したのが裏目に...)」

切嗣「(もう終わった事を悔やんでも仕方がない)」

切嗣「(打開策を考えるんだ...)」

777: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/17(土) 04:17:17.38 ID:YmwL0HTL0
「さっきも言ったけれど本当貴方聞こえないわ!!」

キャスターのマスター「だから....ゆ....ぞ」

「え?何?」

キャスターのマスター「あ...う”」

「はぁ...もういいわ...アーチャー」

弓「....やっと...僕に振ってくれたかい」

「やっとって何よ」

弓「いや、今までのマスターとそいつの話ずっと」

弓「君が睨まないでくれるかしら?って言ったら」

弓「そこのマスターが呻いてて」

弓「君が聞こえないわ見たいな話でループしてたよ...」

切嗣「(僕が聞いていない間そんな無駄な会話をしていたのか...)」

「あら?そう?」

弓「いやぁ...とことん退屈だったね...」

弓「もう少し聞いている身にもなってもらいたいよ」

「分かったわよ次から気を付けるわ」

弓「気を付ける?本当かな?」

「アーチャー」

弓「分かったよもう気は済んだかい?」

「ええ」

弓「分かった」

シュン

フッ(何かが切嗣の横を通りすぎる)

切嗣「......?」

ブシュッ(手に矢が当たる)

キャスターのマスター「ぎゃぃやああぁぁ熱いよぉ!!痛いよぉ!!」

切嗣「(!!これがこいつらのやり方か!!不味い!!始まる!!)」

キャスターのマスター「キャスタああああぁぁぁ!!!」

778: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/17(土) 04:32:07.56 ID:4kOoDP4R0
ヒュン

キャスター(右)「マスター!!くそちょっと反応間に合わなかったねぇ!!」

キャスターのマスター「キャスたぁぁぁ!!アーチャーを!!」

キャスター(右)「分かってるねぇ!!」

ヒュッ(ダガーを投げる)

弓「よ」

パシッ

キャスターシュン

ズッ

キャスター(右)「もら」



弓「ははん随分とキャスターらしからぬことやるんだね」



切嗣「思った以上にアーチャー側の行動が早すぎた


779: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/17(土) 04:57:30.79 ID:4kOoDP4R0
ガシッ(キャスター(右)の足をアーチャーが掴む)

キャスター(右)「!?」

弓「はいはいキャスターさんは呪文でも唱えてた方が適正にあってますよッと」

ドっ

キャスター(右)「くッあ!!」

ヒュー

ドゴン(地面叩きつけられる)

キャスター(右)「お.....ぶふっ」

切嗣「うっお....」

切嗣「(流石にサーヴァント同士の戦いだ...格が違い過ぎる...)」

切嗣「(どうにか早くここから撤退せねば!!)」

弓「あれ?こんなに弱かったっけキャスター」

キャスター(右)「...」シュンッ

弓「だから何度やっても見切って」(後ろを向く)

スッ(前から来る)

弓「そっち?!」

シュッ(切りつける)

弓「うおっと....」

スン(のけぞって避ける)

キャスター(右)「!!」

シュン(更に切りつける)

弓「うっつ」

スッ(横に避ける)

「アルゴードギーブ!!」

シュッ(アーチャーにルーン石を投げる)

シュぅう

(アーチャーの体に風の魔術が纏わりつく)

キャスター(右)「?!」

バンッ

キャスター(右)「くきっ...!!」

782: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/17(土) 23:34:41.64 ID:RqAi7+Ug0
「今」

弓「分かってる!!」シュ

キャスター(右)「!!」

シュィン(アーチャーの矢が消失する)

弓「っ」

キャスター(前)「ふすぅ....」

キャスター(右)「前!!」

「アーチャー!!テル!!」

弓「!!」

スッ(キャスターのマスターに向かって矢を放とうとする)

キャスター(右)「!!前止めるねぇ!!」

キャスター(前)「ひゃひ!!」

シュぅ

ズッン!!(矢を放つ)

キャスターのマスター「う....ううう」(手を抑えなが呻いている)

スゥ(アーチャー(前)がキャスターのマスターの前へ来る)

シュィン(消失する)

弓「く....」

ス(又弓を引く)

シュッ(キャスター(右)がアーチャーに襲い掛かる)

弓「ぃ..」

ス(弓を引いいていた手を離し矢を使いそれに応戦する)

キッ!!(矢尻とダガーが当たる音)

弓「か」

ズぅ(ダガーの動く向きを少しずらす)

バっン(ダガーが外れ長椅子に当たる)

弓「あ....ぶな」

783: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/18(日) 00:58:16.64 ID:ihENlCZk0
キャスター(右)「チッ....またぁ!!」

シュッ

弓「む....」

スン

切嗣「(見ているとどうやら今の所キャスター側が押されているような...)」

弓「よっと」

シュッ

切嗣「(しかしキャスターは本来三位一体の姿で本領発揮が出来る)」

キャスター(右)「前!!」

切嗣「(つまり未だ、僕がいる為にあの姿に戻れないと言う事だが)」

「サンラッチ」

ズガ

切嗣「(このままの状況では必ずキャスター達が自身のマスターを)」

切嗣「(アーチャー達の攻撃からカバー出来なくなってくるのは誰の目から見ても明白)」

キャスター(右)「ぎぃ!!」

切嗣「(となればどこかで必ず、あの姿に戻らざらるを得なくなる)」

キャスター(右)「邪魔!!ねぇ!!」

切嗣「(だが、キャスター達も馬鹿ではない)」

切嗣「(あの姿にもどった瞬間僕をどうにかして逃がさないよう魔術を使うだろう...)」

「アーチャー」

弓「そらっ」

キンッ

切嗣「(という事は...キャスター達があの姿に戻るその瞬間)」

切嗣「(抜け出すのが一番いいな...)」

キャスター(右)「この!!」

ずぐっ

弓「だから、無駄だって」

切嗣「(タイムアルターは今は使えない...奴らの行動をしっかりと見ておかねば...)」

切嗣「(先程の様な判断ミスはもう犯せない)」

キャスター(右)「なら、前やるねぇ!!」

787: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/19(月) 00:49:04.29 ID:TUkeCWHn0
切嗣「....」

キャスター(前)「...」(頷く)

弓「うん?」

「?何をする気?」

キャスター(右)「シゃぁ!!」

ズッ

弓「おっと」

ヒュン

キャスター(前)「ぎ....かぎぎ」(自分の体を掻きむしり始める)

「?まさかここに来て錯乱でもしたの?」

「まぁいいわ早く今のうちにアーチャー」

「テルの方を」

弓「分かっ...てる!!」

キャスター(右)「ギぃは!!」

ズッン

弓「ほっと」

スルっ

ドシャっ(キャスター(右)が倒れる)

弓「よっ」ズゥ

キャスター(右)「フシャァ!!」

シュ

弓「!!」

パッ

キン(弓で受ける)

キャスター(右)「ギぃア!!」(切嗣の時と同じように押し付ける)

弓「チ....ィ!!」

ガッ!!ドンッ(足でキャスター(右)を蹴り飛ばす)

キャスター(右)「カ.....ッ」

ドゴっン

弓「次こそ...」ギギ

キャスター(右)「ヒャアあああ!!!」シュン

弓「!!」

キンッ

弓「くそ、もう!!本当に!!」

シュシュシュシュ

キャスター(右)「キャッハァ!!」

キンキンキン

788: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/19(月) 01:40:39.48 ID:TUkeCWHn0
キャスター(右)「ハァ...!!」

ビュゥ(アーチャーに飛びつく)

弓「しつこい!!」かちゃ(三本の矢を取り出す)

弓「!!」ズン!!(三本の矢を同時に放つ)

キャスター(右)「ギぃ!!」

ズシャッズシャッズシャッ(三本の矢全てを受けながらそのまま突進していく)

弓「?!」

キャスター(右)「ハアああ!!」

ガギン

弓「っつぅ!!」

キャスター(右)「ヘへへ」

「ウィン・ティール・イング・ギーブ」

(強い風の加護をアーチャーにかける)

ビュゥ!!

キャスター(右)「!!キぃあぁ」

(吹っ飛ばされる)

ドンッ

キャスター(右)「ゴぅ!!」

「アーチャー....想像以上に手こずってるようね」

弓「怒ってる?」

「貴方の気のせいよ」

弓「はいはい」

キャスター(前)「ギぃ....ガぁかはぁ」

バキャッ...ブシュぅ(腹部が開き始める)

791: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/20(火) 00:23:28.16 ID:9ay7Udqe0
「はぁ...もういいから...キャスターを相手せずに早くテルの方を潰しなさい」

「これ以上ここが荒らされたらあの生真面目な監督官に」

「後処理を全て押し付けられるわ」

弓「それ...この今の状態でも充分押し付けられると思うよ?」

キャスター(前)「ぎぅ...か!!」

バキャッキャッ

「それは分かってるわ」

「けど」

「こっちが大量に飛ぶのよ」(お金のジェスチャーをしながら)

弓「なんだよ...資金ぐらい大量に持ってるだろ?」

「何?私に対する皮肉?」

キャスター(前)「うぎぃあ...う!!」

ドチャビチャ

弓「あれ?君は持ってないんだっけ?」

「それは妹の方よ」

「私はお父様に縋りついてお願いするしかないの!」

キャスター(前)「ぎぁ!!」

ぴちゃん

弓「あ....これは、ごめんね君達双子は似てるからね間違っても仕方ないよね」

「もう...貴方の皮肉にも慣れたわ」

弓「いやそうそう慣れて貰ったら......」(キャスター(前)の方をみる)

キャスター(前)「.....」

ぐちゃ...ぐちゃ...(キャスター(前)の腹部から蜘蛛の足が這い出る)

弓「マスター!!早く指示!!」

「え?」

弓「あれ!!」(指をさす)

「ん?」(振り返る)

ブシュブシュゥ....

キャスター(前)「い”....い”い”い”い”」(蜘蛛の姿形をしたアーチャー(前)

792: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/20(火) 01:12:22.37 ID:9ay7Udqe0
「!」

弓「マスター!!」

「は」

「いい!!こいつは私がやるわ!!」

「貴方は予定通りテルだけ狙ってなさい!!」

弓「分かった!!」

キャスター(右)「う...うう」

キャスター(右)「あのマスター...また邪魔...」

弓「......」ギぃ(弓をひく)

キャスター(右)「はっ!!」

シュン

弓「....」シュバッ

パキン

弓「チッ....またかい」

キャスター(右)「させる訳.....ハァないねぇ」

弓「本当こりないね」

キャスター(右)「マスターは命に代えてもってやつねぇ....」

弓「おお...臭い臭い」

キャスター(右)「黙る....ねぇ!!!」

キンッ

「はぁ...また絡まれてるわね...」

「これは長引きそう...」

キャスター(前)「いいひひひひ」(立ち上がろうとする)

「!!」

ス(紅い色をした宝石を取り出す)

「それにしても...くそぉ...凄くこの宝石気に入ってたんだけれど」

「こんな所で使わされるなんて思いもしなかったわ...」

「こうなったのも全部アイツのせい....」

キャスター(前)「い”ひい”ひひひ」(立ち上がる)

ドッ

「っ!!」

「もう、絶対後で呪い殺してやるわアイツ!!」

「ガンド!!」

パキッ(宝石が壊れる)

ドっパッ(ガンドが放たれる)

キャスター(前)「ひひひひひひ」

ブシュッ(足に当たる)

キャスター(前)「ひひひひ」

「....びくともしてないわね」

796: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/21(水) 03:26:40.02 ID:pbpyAKCm0
切嗣「....」

切嗣「(キャスターは何に変態するかとみておけば...今度は蜘蛛か)」

キャスター(前)「いっ...ヒヒしゃぁ」

ビシャ(糸を吐き出す)

「!」

「ウル・ティール・ラッチ!!」

バキン(障壁を張る)

バシャバシャ(壁に糸が当たる)

キャスター(前)「ギシャッァ!!」

ドっ(上に飛び上がる)

「...上?!」

キャスター(前)「シュぅ」

ビシャ

「エル!!」

ダっ(避ける)

ビちゃん

キャスター(前)「ウシャぁ!!」

「くっ!!」

グッ(方向転換する)

ピン(青い色をした宝石を取り出す)

「ガンド!!」

ドゥン

キャスター(前)「サアアア!!」

バシュっ(目に当たる)

「よし」

キャスター(前)「ギャェ!!」

ドスッ....

キィン!!ガキィン!!

弓「おー流石.....マス」

シュシュシュシュ

キャスター(右)「よそ見を....してるん...じゃぁ」

弓「ふん...」

797: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/21(水) 04:26:22.71 ID:pbpyAKCm0
くるっ(後ろに避ける)

キャスター(右)「きぃ!!」

シュブ

「へいっと」

くるん

キャスター(右)「これでも!!」

バスッ

弓「はいはいっと簡単簡単」

くるっ

キャスター(右)「どうして...どうしてぇ!!」

ブンブンぶんぶん

弓「おおっとと」

シュシュシュ

弓「と」

ガッ(足を蹴る)

キャスター(右)「?!」

バン

キャスター(右)「ぶぎゃっ!」

弓「はい、さようなら蠅さん」

キャスター(右)「!!」

どゥがっ(今までの蹴りより更に強く蹴り飛ばす)

キャスター(右)「ぶふっ」

ドンバガガガ

キャスター(右)「あ...ふ」

弓「ふぅ....」

弓「これだけやれば、流石に暫く立てないかな」

弓「さて.....」

キャスターのマスター「キャスタぁ...ぁぁぁ」

弓「あー長かった」シュ

800: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/22(木) 01:33:46.82 ID:KqbkxiwV0
切嗣「(終わりか....)」

パキャッ

弓「!!」

切嗣「!」

キャスター(右)「ハァ....ハァ...ハァマスター..」

キャスターのマスター「うひぐっ...キャスタぁ...」

キャスター(右)「....もう...わかってるねぇ」

キャスターのマスター「ううう...」

弓「お前....」

弓「なんで...何回やっても何回やっても....」

ググググ...

キャスター(右)「...もう...」

キャスター(右)「一人じゃ...」

キャスター(右)「流石に限界来てるねぇ.......ひひ」

弓「こう邪魔するかなぁ!!」

シュドゥ(矢を放つ)

ドゥン(キャスター(右)の周りに円形の魔方陣が浮かぶ)

切嗣「?!」

弓「!?」

「え?!」

バキャッ

キャスター(左)「右....もう戻っていいって事でいいねぇ?」

キャスター(右)「あぁ...戻るのねぇ」

キャスター(前)「ヒヒヒヒ」

切嗣「(これは!!ついに奴ら戻るのか!!)」

804: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/23(金) 00:14:37.94 ID:qxEA58KX0
切嗣「(ここだ....いましかない!!)」

切嗣「....」ザっ

ガチャン

ダっダっ

弓「この魔術....って...」

「こ....これって....固有...」

キャスター(左)「.....前へ...」(スッ(前)の左側の肩に手をのせる)

キャスター(右)「.....前へ...」(スッ(前)の右側の肩に手をのせる)

キャスター(前)「...」

「え....あっ!!」

「アーチャー!!」

弓「あ...ああ!!」グッ

シュッ

バチン

弓「駄目だ...マスター....これ...効かない」

「宝具は!!」

弓「ごめん...僕の宝具じゃ...これは...」

「っ....」(左耳を強く握る)

キャスター(右)「....私たちは」

--------------------------------------------------------

805: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/23(金) 01:27:14.01 ID:qxEA58KX0
とある人の理想の場所

切嗣「........ここは...僕は....」

???「切嗣」

切嗣「......ん?」

切嗣「君は....」

???「俺は、切嗣の希望さ」

切嗣「希望?」

???「そう希望だよ」

???「そして切嗣が救うべきだった希望だ」

切嗣「.....?」

???「分かってないのか切嗣」

切嗣「あぁ...僕には君の言っている事がわからない」

???「そうか...そういった...切嗣もいたのか....」

切嗣「?...ごめん...言ってる意味が叔父さんにはよく分からないな」

???「....ううん、分からなくていいんだ」

切嗣「...?」

???「所でさ、切嗣の夢ってなんだ?」

切嗣「夢?唐突だね」

???「あぁ」

切嗣「そうだね....僕の夢は....正義の味方になる事なのかな...」

???「....なのか?何で疑問形なんだ?」

切嗣「...正直もう...分からなくなってるんだ」

???「分からない?」

???「なんで?」

切嗣「それはね....」

切嗣「そうだ....正義の味方の定義ってわかるかい」

808: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/24(土) 03:05:53.29 ID:/5gihbcw0
???「うん、知ってるよ」

???「正義の味方は助けを求める人に助けの手を差し伸べ」

???「そして出来るだけどんな人でも多くの人を救わなければならい」

???「だけど自分自身は決して一度たりとも救われてはいけないし」

???「救われたいだなんて望んではいけない」

???「そんな人でしょ」

切嗣「ぉ......」

切嗣「驚いた....僕が言おうとしてた事そのまんまだ」

切嗣「君は、正義の味方になれる素質があるよ」

???「.......」

切嗣「...話を戻すけどそう、君が今言った通り多くの人を助け自分自身は救われてはいけない」

切嗣「でも...僕は...あろうことか心の奥で全てが救われる事によって自分自身が救われようと望み」

切嗣「....僕が...いいや僕自身が楽になる為だけに全ての人間を殺してしまった」

切嗣「そんな人間が果たして、正義の味方になると夢を見てもいいのだろうか...」

切嗣「果たして、正義の味方と名乗れるようになっていいのだろうか...」

切嗣「もう...僕には分からないんだ...」

???「....それでも、切嗣が正義の味方に成る事を諦めきれない理由は?」

切嗣「...恐らくそれは、僕が今まで殺してきた人達を無駄にはしたくはない...」

切嗣「今まで殺してきた....愛した人を....忘れてしまいたくはない....」

切嗣「そう....思っているからだ」

???「..........」

???「分かった...切嗣」

???「んじゃその夢、俺と会うまで絶対離すなよ」

切嗣「え?」

切嗣「君と会うまで?どういう意味だい?」

???「...いずれ分かるさ切嗣」

???「切嗣が.........だったら」

--------------------------------------------------------------------

809: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/24(土) 03:49:01.67 ID:/5gihbcw0
切嗣側  研究所内部 隔離部屋

「.......」

カチャ....カチャン.....

切嗣「ん....」

「お...う....きゅう」

切嗣「う.....く......」

「は......れ」

切嗣「(こ....え....?)」

切嗣「(だれ.....の?)

「観察....結果....早く」

切嗣「(耳が...遠くて...よく...聞こえない)」

切嗣「(目を開けて....)」

切嗣「ん...う....うん」(目を開け始める)

切嗣「う......」(目を開く)

「目....開きました」

ピカァ

切嗣「う....眩しい」(再度目を閉じる)

「明るさの調整を....」

切嗣「(徐々に目を開かなければ...)

切嗣「んん...んんんん」(目を徐々に開いていく)

パッ(完全に目を開く)

切嗣「(沁み一つない真っ白な....天井だ...)」

切嗣「(そういえば...僕は....今まで一体何を)」

813: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/25(日) 02:16:03.74 ID:+YRhkb1l0
切嗣「(確かキャスターから逃げて...)」

切嗣「(アーチャーと遭遇して)」

切嗣「(キャスターとアーチャーとの戦闘が始まってその戦闘から逃げて..)」

切嗣「(それで....)」

切嗣「(あれ...キャスター?キャスターって誰だっけ?)」

切嗣「(アーチャー...の顔は覚えている気がする...でも...キャスター?)」

切嗣「(....どんな奴だったっけ)」

「被検体完全に目覚めました」

「そうか、それでは被検体に何か人間が食べれるような食事を用意してやってくれ」

「はい」

バタン

切嗣「(それに先程からガラス越しで僕を見ているこの人は....誰だ?)」

切嗣「(白衣を着ているようだが...)」

切嗣「(医者か?もしかして僕は...何か事故にでもあったのか?)」

切嗣「(少し、聞いてみるか)」

切嗣「あ...の..」

「.......」

切嗣「.....?」

切嗣「(声が...届かなかったのか?)」

切嗣「(もう一度)」

キぃ(小さい人の掌が入るくらいの受け取り口が開く)

切嗣「ん?」

ガチャン(パンとシチューが乗ったお皿が受け取り口に置かれる)

切嗣「(パンと...シチュー...あれ...このメニュー何処かで)」

814: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/25(日) 03:05:08.45 ID:+YRhkb1l0
切嗣「(この時代の何処かで一度食べたような気がする....)」

切嗣「(いや...そんな筈はない...だって僕は...)」

切嗣「(この時代にはまだ来て浅い筈なんだ)」

切嗣「(きっと気のせいだ)」

切嗣「(それよりもう一度ガラス越しにいる人へ)」

切嗣「(もう少し大きい声で)」

切嗣「こ....こ..........う.....だ」

「..........」

切嗣「(あれ....やはり聞こえていないのか?)」

「.......どうしたのかね」

「お腹が空いているんじゃないのか?」

「その食事に手を付けたらどうだね」

切嗣「(あちら側の音や声は聞こえる...)」

切嗣「(でも、何故こちらの声だけが聞こえないんだ?)」

ぐぅゥぅ....

切嗣「(あぁ...でも今は考えるのはいいか...確かに言われた通りお腹が空いている...)」

切嗣「(考える前に差し出された物を先に食おう...)」

グッ(起き上がる)

切嗣「ん...お...」

ユラユラ

切嗣「(立ち眩みが...)」

切嗣「う.........っう」

フルフル(顔を振る)

切嗣「(よし...治った)」

コツコツコツ

スッ(皿を受け取る)

「.........ふむ」

フゥ...(シチューの匂いが漂う)

切嗣「う...ゴクッ...」

切嗣「(うまそう.....だ....)」

コツコツコツ(自分のいたベッドへ戻る)

「!.....ほほう...」

818: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/26(月) 01:06:09.29 ID:9H1GcQXI0
「この被検体はもしかすると...」

ガチャ

「........」

「食事の配達ご苦労」

「はい」

カチャン(ベッドの上の小台に皿を置く)

切嗣「うっと」(ベッドの上へ戻る)

切嗣「(あぁ本当に旨そうだ...早く頂こう)」

スッ

切嗣「うんっ」

切嗣「!!ぶふっ」

「!」

切嗣「ゲホゲホッ...」

切嗣「(不味い...舌触りはドロッとしていてそう丸で)」

切嗣「(油をそのまま流し込んで飲んでいるようだ)」

「....なんだ食べられないのかね」

切嗣「......だ」

「すまない...やはり君の声は聞こえないようだ」

「声以外で何か分かるよう表現してくれたまえ」

切嗣「.....っ」

切嗣「(やはり聞こえていなかったのか...)」

切嗣「(仕方ない...声以外で此れからはこの人に向かって伝えよう)」

切嗣「.....」(首を縦にふる)

「.....そうか....」

「やはり....では」

「ユールヒエン」

切嗣「(ユールヒエン?彼方の今来た女性の事か?)」

ユールヒエン「はい」

「いつもの被検体用の食事を」

ユールヒエン「それが....在庫が只今もう一体の被検体分で切れておりまして用意には少し時間が掛かりますが」

「いい、用意させろ」

「このタイプは新しい」

「もしかしすると、ついに我々は人為的に生成に成功したのかも知れない」

「それを知るために必要不可欠な事だ」

ユールヒエン「分かりました」

ユールヒエン「それでは用意してまいります」

「頼んだ」

ガチャ




819: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/26(月) 01:34:40.93 ID:9H1GcQXI0
「それでは、君が食べられるような新しい料理が持ってこられるまで、これからいくつか君に質問をしたい」

「お腹は空いているだろうが、何料理が持ってこられるまでの少しの暇つぶしだ」

「答えてくれたまえ」

切嗣「(質問?そんな事より本当にお腹が空いているんだがな...)」

切嗣「(でも...話していればお腹を誤魔化す事はできそうか...)」

切嗣「(それに質問内容で、僕がどんな事故にあったのか分かるかも知れない)」

「それでは、まず君が此処にくるまでどういった人間であったか」

「覚えているかね」

切嗣「(うる覚えだが...確かに覚えている...)」

切嗣「.....」(縦に頷く)

「記憶の消滅はなし...ふむ...」

「では二問目だ」

「君はどこの出身の国の人間だね」

「ここに地図がある」

「こちらまで来て指を指してはくれないかね」

切嗣「.....」スッ

コツコツコツ

切嗣「.....」(地図を見る)

切嗣「(僕のいた時代の地図より少し読みにくいな)」

切嗣「(だが...これ....が日本か?)」

切嗣「(一応指してみるか)」

スッ

「!!まさか.....日本人か?」

切嗣「(当たった...)」

切嗣「......」(コクリ)

「不味い....それは...困った....」

「これがバレれば...今の情勢関係が崩れしまいかねんぞ」

「この被検体を返すか....いやだが...もう既に...」

「どうすれば.......」

823: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/27(火) 00:31:05.23 ID:XxzVQ+c40
切嗣「(何をそんなに慌てているんだ?)」

「ううむ...しかしもう被験者となってしまったのはどうしようもない」

「戻せる手段もないし」

「かと言って....あちら側に戻して逆に軍事利用されても困る....」

「ここは....廃棄...いや」

「だが...」

「今まで10万と100と22回と試行を繰り返してようやく出逢えた素体...」

「そのような試行回数を繰り返すのはもうほぼ現実的にみて私が生きているまでには..不可能」

「となれば、之が生涯唯一のものとなるかもしれない...」

「この被検体の破棄は流石に勿体ないが....」

切嗣「(ん?廃棄?)」

切嗣「.......」

「うううむ....人道を取るか...それとも研究者としての道を取るか...」

「迷う...迷うぞ...」

「どちらだ...私はどちらを取ればいいのだ...」

「計算しなければ...思考しなければ....」

「考察しなければ...」

「これは...これは」

「私にとっての究極のオルタナァティブだぞ....」

切嗣「......」

切嗣「(....先程から言っている意味を殆ど理解できないが)」

切嗣「(なんとなくだが...此奴が医者ではない事は分かってきた...)」

切嗣「(恐らく此奴は科学者か化学者かそれとも生物学者か....傍は物理学者か...又は生物魔術光学者か)」

切嗣「(まぁ取り敢えず研究に関わる者なのだろう...)」

切嗣「(となれば...僕は今現在の状況は...)」

切嗣「(モルモット....か....)」

827: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/28(水) 23:06:35.64 ID:BTuihjwf0
「ハァハァハァハァハァハァ」(自分のノートに吐息を吐きながら書いている)

切嗣「(しかし...何故どうしてこうなったんだ.....?)」

切嗣「(自分から志願...は絶対に僕の事だあり得ない)」

切嗣「(そんな愚かな事はしないと自負している)」

「ハァハァハァハァハァ」

切嗣「(なら、誰かから拉致.....あり得るが.....)」

切嗣「(こうも直前までの記憶がはっきりしているなら)」

切嗣「(僕が拉致された時、後ろから殴られたと言う事を覚えている筈だぞ....)」

切嗣「(だが...僕は記憶にない...あの後の記憶だけが...全く)」

「ハァハァハァハァ」

切嗣「(...一部の記憶だけ都合よく抜け落ちるなんてこと...あり得るのか?)」

切嗣「(ファンタジーじゃ...あるまいし.....)」

ぐぅ.....

切嗣「(あぁ....しかし駄目だ...考えてきたら更に空腹感が...増してきた)」

切嗣「(早く...来ないのか...)」

「ハァハァハァ」

切嗣「..........」(研究者を見る)

「ハァハァ.....」ピタッ

切嗣「お?」

「.........」(自分の書いたものを見る)

「...出ない」

「...答えがだせない....」

「どうしても同等の解になってしまう.....」

切嗣「?」

「これではストレスが....ストレスが...」

「...ストレスが....溜まる...溜まるなぁ....」

「溜まるなぁ!!!」バンッ(自分の書いたものを地面へ叩きつける)

切嗣「!」(目を見開く)

「何故!!解が!!同等と!!なるのだ!!何故だ!!」

「この!!私が!!間違っている!!と言うのか!!」

「このっ!!このっ!!」(書いたものを踏みつける)

切嗣「(....天才は常人には理解できないと言うが本当かもな...)」

828: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/28(水) 23:35:16.37 ID:BTuihjwf0
ガチャン(受け取り口が開く音)

切嗣「(おっ....ようやく)」

(皿がおかれる)

切嗣「(うっ....)」

切嗣「(何だこの匂い...)」

切嗣「(まるで死んで腐った人間の匂いそのまんまだ)」

「ふむ......」

切嗣「!」

「どうやら話している内に食事が来たようだね」

切嗣「(切り替えが早いな...)」

切嗣「(しかし話?いや...一応話してはいたか.....)」

「いやしかし....君は、もしかしてアレの匂いが分かっているな?」

切嗣「(匂い?当たり前だろ...)」

切嗣「(人間なのだから感じて当然だ)」(頷く)

「ふむ...ではどういう匂いか教えてくれ」

切嗣「......」

「おっとそういえば君は喋られないんだったな」

「ユールヒエン!!!!彼に君の紙とペンをあげたまえ!!」

ガチャン

(紙とペンが皿の横に置かれる)

「...さぁ匂うだろうがあの食品と一緒に此方まで持って来てどういった匂いがするのか」

「詳細に!!書いてくれたまえ」

切嗣「.....」

切嗣「(....仕方ない...いくか...)」

831: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/29(木) 20:51:25.12 ID:vpxDuui60
切嗣「.....っと...」

コツ...

切嗣「う!!....」

切嗣「(これは....一歩近づいただけで先程よりも匂いがより強烈だ....)」

切嗣「(これ以上は流石に近寄りたくないし此方に持ってきたくないと言う嫌悪感があるが...)」

「.......」

切嗣「(駄目だな....僕が取りに行かなければ無理矢理な処方であれを近づけて来るのだろうな...此奴は..)」

切嗣「(何の確かな根拠もないが...なんとなくそんな気がした)」

切嗣「(はぁ....まぁ鼻元を抑えれば多少なりともまともになるか....な)」

(鼻元を両手で抑える)

コツ...

切嗣「....」

コツコツコツ

切嗣「(ん....くっ....く)(片手で皿とペンと紙を持とうとする)

コト(皿とペンと紙を片手で手で持つ)

切嗣「(よし)」

コツコツコツ

ごとん(皿を置く)

切嗣「はぁ......」

どす(ベッドの上に戻る)

「....よくぞ頑張った」

切嗣「(....臭い....)」

「さぁ.....では思う存分書いてくれたまえ」

切嗣「(.....書くと言っても皿は流石に匂いが酷すぎるから横に置いて...)」

コトッ(少し離れた場所へおく)

「!!」

「何をしているのかね!!」

切嗣「!」

「それではその匂いをしっかり嗅ぐ事が出来ないではないか!!」

「自分の前へもって来てしっかりと匂いを嗅ぎたまへ!!」

切嗣「(.....これは拷問か何かか?)」

「どうした!!」

切嗣「(...誰か夢だと言ってくれ本当に)」

「嗅げ匂いをしかと嗅ぐのだ!!」

切嗣「........」(目を瞑る)

切嗣「.......」(そして皿を前へ持ってくる)

「うむ...それでいい」

「では、後は嗅ぐだけだ」

「さぁ....思う存分獣の様に!!嗅ぎたまへ!!」

切嗣「(....あぁ本当に嫌だ....)」

切嗣「(だが此処までやったんだ...)」

切嗣「(覚悟を決めるしかないか.....)」

832: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/29(木) 22:04:16.16 ID:vpxDuui60
切嗣「........」(手を震えさせながら鼻元から外す)

切嗣「........」(目を閉じたまま皿の方へ顔を近づける)

切嗣「........」 (そして顔を離す)

「んん?何をしている?私は獣のようにと言っているぞ?」

切嗣「(これでは駄目か....)」

「それでは只の前屈運動ではないか」

「ふむ...そうだな....息を止められたら意味がない」

「10分間!!皿の上に顔を近づけたままにしておくのだ!!」

切嗣「(10分!?)」

切嗣「(こんな匂いを!?)」

切嗣「(正気じゃない...まともな人間であれば普通に狂うぞ!!)」

切嗣「(と言う事を言葉で言う事が出来ない為...取り敢えず紙に書いて伝えよう)」

切嗣「(承諾してくれるかは分からないが....)」(目を開く)

(皿の上をみる)

切嗣「......!」

「ん?何かに気づいたか?」

切嗣「(これは...先程のメニューと同じ.....)」

切嗣「(だが....匂いは.....)」スゥ

切嗣「(う.....そうだ...やはりそうだ...人が腐った臭いだ...)」

切嗣「(だが.....)」スンスン

切嗣「(スープは先ほど持ってこられたものと同じ匂いがする...)」

切嗣「(臭いがあるのは....)」

切嗣「(パンだ....こっちのパンの方から臭っている....)」

切嗣「.......」(パンを手に取る)

サクッ(パンを割る)

切嗣「...(...中身はチーズ入り...)」

うねうねうね(蛆がわいている)

切嗣「うっおっ!!」

パサッ(地面に落とす)

切嗣「なんだ.....このパンは....」

「お?」

切嗣「ん?もしかして....貴様....僕の声が聞こえるように.....なった....のか?」

「!!おお...おおおおお...喋れるようになったのか」

切嗣「(喋れる?)」

「こんなに早くも.......おおこれはめざましい!!」

「祝わなけれ」

切嗣「興奮は後にしろ」

「ん?君は中々に口が悪いようだね」

切嗣「それより、これはどういった事だ」

「無視とは中々根性がある」

「そして、君はもしかしなくても...理性があるのかね」

切嗣「理性なくして人は喋る事も会話を成立させる事も出来ない」

「ほ!!君は哲学者か」

833: ◆YmjwHbXvbg 2017/06/29(木) 22:57:28.58 ID:vpxDuui60
切嗣「哲学者に見えるのか?」

「見える?」

「君はこういう言葉を知っているかね」

切嗣「?」

「人間の価値を決めるのは容姿ではない!!」

「その人間の言う言葉!!言語!!それこそが!!その人間の価値観を決める!!」

「そして!!その価値観により人間は得るものがあるのだと!!」

切嗣「....さぁ...知らないな」

「ならば...ここで聞いたこの言葉覚えておくと言い」

「いずれ人間は誰しもがこの哲学における境地の.....」

切嗣「話が長いのは好きじゃない」

「ふむ....それは勿体ない」

切嗣「どうでもいいそれより、このパン...どういった事だ?」

切嗣「僕が食べられそうな料理と言ったが」

切嗣「どう考えてもこれは人間の食う者ではない」

切嗣「腐っている....」

「ほぉ」

切嗣「嫌...ほぉではなく...」

「理屈を答えてやってもいいがその前にどういった匂いがするか教えてくれたまえよ」

切嗣「.....人間の腐った臭いがした」

切嗣「死んでから三日たったようなそんな」

「ふむ...抽象的だな」

「もう少し掘り下げて答えてくれたまえ」

「例えばどういった死に方でそういった似たような匂いが生まれるのかとか」

「何処の体の一部が腐りおちて似たような臭いが生まれるのかとかだ」

切嗣「.......流石に体の一部は分からないだが」

切嗣「この匂いは.......人が焼け落ちたそのときに出来る臭いだ」

「実際に君自身そういった場面の経験は?」

切嗣「ある...だから確信できる」

「ふーむ.....ユールヒエン!!」

ガチャッ

ユールヒエン「はい」

「私はもう帰る」

切嗣「!?約束はどうした!!」

ユールヒエン「はい」

「後の事はこの被験者が逃げないか監視だけしてくれたまえ」

「私は一週間ここに来ない」

ユールヒエン「はい」

切嗣「一週間?!ここに一週間も僕を置いておくのか?!」

「では....ユールヒエンくれぐれも風邪を引かないよう」

ユールヒエン「お気遣い感謝します」

ガチャ

837: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/01(土) 02:14:58.59 ID:3ZNEv2n/0
切嗣「待て!!答えろ!!!!!」

「......」(切嗣を見らずに出ていく)

バタン

ユールヒエン「......」

切嗣「な....あ.....」

切嗣「(自分の質問が終わったら)」

切嗣「(本当に僕の言葉に耳を貸さずに帰っていった......)」

切嗣「(あくまでも僕は実験動物として)」

切嗣「(人間としては見ていないのか....)」

切嗣「(しかし....腐った食事と、匂いだけは良いが味が不味い食事)」

切嗣「(.....奴は一体これで何を測ったと言うんだ?)」

切嗣「(味覚か?それとも臭覚か?)」

切嗣「(だが.....それではわざわざ人間を捕まえ隔離をやる程の実験ではない)」

切嗣「(そんな事をするなら自分自身を使うか被験者を多額の報酬で釣ればいいだけ...)」

切嗣「(...どうして僕は此処に連れてこられたんだ....)」

切嗣「(せめて此処に連れてこられた原因の記憶の部分だけでもはっきりしていれば...)」

切嗣「........」

ユールヒエン「.....あの」

切嗣「.....?」

ユールヒエン「そこの食事...結局食さないのでしょうか?」

切嗣「あ...あぁ...こんな食事食べられない」

ユールヒエン「でしたら...食事を受け取り口に戻しておいて下さい」

ユールヒエン「再利用いたしますので」

切嗣「再利用?」

ユールヒエン「貴方に出しているその料理の食材は中々手に入りませんので」

ユールヒエン「只の一つたりとも無駄には出来ません」

ユールヒエン「ですので理性が御有りなのでしたご協力お願いします」

切嗣「理性...そういえば理性があるとか奴も言っていたが」

切嗣「僕は理性を無くしてでもいたのか?」

ユールヒエン「いえ.....決してそのような事はありません」

ユールヒエン「ですが、あの実験を受けてもなお...貴方は今理性があるのが珍しいのです」

切嗣「あの実験とは」

ユールヒエン「....実験の事は覚えていらっしゃらないのですか?」

切嗣「さて...僕はそもそも...実験など受けたかな...」

ユールヒエン「覚えていらっしゃらないと....」

切嗣「ああ...僕が何故どうやって此処に連れて来られたのかさえ覚えていない」

ユールヒエン「妙ですね...」

ユールヒエン「....貴方ユダヤ人にも見えませんし」

ユールヒエン「覚えていないなんて事はあり得る訳がありませんが」

切嗣「貴様らに拉致されたのでは...と僕は言っているつもりなのだが?」

ユールヒエン「それなら寧ろ後遺症が残っている筈ですが貴方には後遺症があるのが」

ユールヒエン「見当たりません」

切嗣「.....どうして分かる?」

838: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/01(土) 03:19:16.55 ID:3ZNEv2n/0
ユールヒエン「後遺症が残っているなら、そもそも自分が何者か覚えていませんし」

ユールヒエン「何より、こうして会話をしている中で、全く会話に詰まらず」

ユールヒエン「質問に対して受け答えをすることなど不可能です」

切嗣「.....」

ユールヒエン「ですので貴方が自身の足で此処に入ってきたか」

ユールヒエン「それとも、誰かから此処まで連れてこられたか」

ユールヒエン「この二択しかありませんので覚えていないなど」

ユールヒエン「そんな事は決してありません」

切嗣「(嘘を言っている...ないか)」

切嗣「確かに......」

切嗣「では」

ユールヒエン「...言っておきますが、実験について教えてくださいと言われても」

ユールヒエン「私はお答え出来ませんので」

ユールヒエン「ご了承ください」

切嗣「(中々に鋭い)」

切嗣「....僕の言おうとしていたことが分かったのか?」

ユールヒエン「会話をしている中で会話の流れを予測して会話をしない者などいませんが」

切嗣「それはどうかな....」

ユールヒエン「いるならそれは人類に進化出来なかったサヘラントロプスの子孫ですね」

切嗣「サヘラントロプス?」

ユールヒエン「人とチンパンジーとで分岐する前のヒト亜種の霊長類です」

切嗣「あ....ああ成る程...チンパンジーと言う事か...」

ユールヒエン「...分かりにくかったですか?」

切嗣「説明なしだと何を言ってるのかさっぱり分からない」

ユールヒエン「そうですか.....それならこれから改善いたします」

切嗣「これから.....か」

切嗣「大体僕はこれから何日くらい此処にいる事になるんだ?」

ユールヒエン「恐らく...死ぬまでかと...」

切嗣「死ぬまで...ここから一生出られないのか....」

ユールヒエン「残念ながら....」

切嗣「.....それなら一つだけ提案がある」

ユールヒエン「何でしょう」

切嗣「こうやって僕の気分晴らしに僕の相手を毎日してくれないか?」

切嗣「退屈過ぎて....気が狂いそうな気がするんだ」

ユールヒエン「.........」

切嗣「.....駄目か?」

ユールヒエン「....残念ながら私も忙しい身でして」

ユールヒエン「毎日相手することはかないませんが」

ユールヒエン「一週間に3日だけ相手することは可能です」

切嗣「.....分かったそれでいい」

ユールヒエン「かしこまりました」

ユールヒエン「.....さて、ではそろそろ私は他の所に行かなければならないので」

ユールヒエン「これにて失礼します」

842: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/02(日) 03:17:36.85 ID:yRgYBriY0
切嗣「....あぁ、では僕の方も少ししたら受け取り口へ食事の方を戻しておく」

ユールヒエン「お願いします」

ユールヒエン「では」

切嗣「(.....何か...忘れて....)」

切嗣「あ.....」

切嗣「すまない.....言うのを忘れていた」

ユールヒエン「はい?」

切嗣「その....何か僕が食べられそうな食事を持っては来てくれないか?」

ユールヒエン「?」

ユールヒエン「おかしな事を言いますね」

ユールヒエン「貴方はお腹が空いていない訳では無かったのですか?」

切嗣「いや....飢えは既に限界だ」

ユールヒエン「....ですが、そちらの料理は食べられないのですよね?」

切嗣「あぁこれは腐っているから....」

ユールヒエン「....でしたらもうお出し出来る料理は御座いませんが」

切嗣「何故?....もしかして此処には普通の料理はないのか?」

ユールヒエン「いえ?最初にお出しした料理が一般的な食事ですが....」

切嗣「....ならここのスープには油を流しいれるのが普通なのか?」

ユールヒエン「それはこの国の伝統料理であるグヤーシュを侮辱しておられるのですか?」

切嗣「グ....ヤー.......」

切嗣「!」

切嗣「(そうか.....僕は...シュレイドの家で.....食べて......)」

切嗣「(シュレイドの家....あ....あぁ...ああ)」

切嗣「(そうだ....)」

切嗣「(シュレイドの家だ....僕はシュレイドの家へ行く筈で時間探索を使って...)」

切嗣「(あぁそうだった)」

切嗣「(僕は此処へ自分自身で来てしまったんだ....)」

切嗣「はぁ......」

ユールヒエン「どうか?」

切嗣「いや....伝統料理だと知らず侮辱したのはすまなかった....」

切嗣「だが、どうもこの食事日本人の僕らすると味が合わない....」

切嗣「パンだけでもいいから新しいのを持ってきては貰えないか?」

ユールヒエン「かしこまりました....」

ユールヒエン「では、本当に時間も詰まってますので...これで」

切嗣「呼び止めてすまなかった」

ガチャッ

バタン

切嗣「..........」

切嗣「(今の今まで....忘れてしまっていた何て....)」

切嗣「(あんな不幸に不幸が重なった出来事を....)」

切嗣「(あり得ない.....しかし、だがそうだとすると)」

切嗣「(僕が今思い出すまでに、さっき思い込んでたのは何だったんだ?)」

切嗣「(アーチャーとか....キャスターとか.....)」

843: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/02(日) 04:29:22.41 ID:yRgYBriY0
切嗣「(記憶が混在していて.....)」

切嗣「(しっかりしろ衛宮切嗣)」

切嗣「(まだまだ、これからだぞ....)」

切嗣「(はぁ....だが、そうか....アイツから首を絞められた後結局研究員に、僕は捕まったのか....)」

切嗣「(何でこんな事に......)」

切嗣「(まぁ...ここで一週間と6日もいればいずれ何処かに飛ばされるか....)」

切嗣「(しかしシュレイドのサーヴァントのあの狂行...)」

切嗣「(死徒になった人間をイメージするな....)」

切嗣「(只一つ死徒と違ったのが食わずに、首を絞めて殺したいだけの様に見えた...)」

切嗣「(殺したいだけ.....シリアルキラーのような......)」

切嗣「(.....まさかアイツもアンリマユのような人類の悪...)」

切嗣「(いや考えすぎか....ただあの死徒の瘴気にあてられただけだな)」

切嗣「(そうぽんぽん人類の悪が召喚されて堪るものか...)」

切嗣「(まぁいい....此れからの計画は取り敢えず彼女からこの時代について聞く...これだな)」

切嗣「(と言うよりこれ以外何も出来はしないか....)」

切嗣「(ここにはベッドと小さい台とペンと紙くらいしかないしな....)」

切嗣「...........」スッ(地面に落としたパンを拾う)

切嗣「.........」スンスン

切嗣「本当に酷い臭いだ」

トス(皿の上に戻す)

切嗣「.....よっと」(皿を持つ)

切嗣「..........」コツコツ

トタン(受け取り口へ戻す)

切嗣「さて....もう食事が来るまでやる事もないし暫く寝ておくか」コツコツ

切嗣「っと....」(ベッドへ戻る)

切嗣「ふぅ.....」(ベッドへ寝そべる)

切嗣「いつになったら.....僕は全ての人を救う事が出来るんだろうな....」

切嗣「なぁ.......アイリ.......イリヤ.........」

------------------------------------------------------------------------------------------------------
久しぶりに戻ってセイバー

シュシュシュシュン

バキンバキンバキンバキン

剣「ハハハハハハ」

ギル「.........」

剣「どうしたどうした」

剣「この程度蚊の様に見えますぞ」

剣「ハハハハハ」

バキンバキン

ギル「ふむ........」

ギル「飽きた」

剣「飽きた?先程まで怒り狂いながら攻撃していたではありませぬか」

剣「そんな釣れぬ事を......」

847: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/03(月) 01:22:45.59 ID:qNMRwQpH0
ギル「そうそう雑種の策に乗って堪るものか」

ギル「最初からお前が俺の事を探ろうと俺を立腹させたのは分かっている」

剣「.....その割には私を殺すのに必死でしたが?」

ギル「ふん....戯れに付き合ってやっただけだ」

ギル「俺が本気を出せば、お前など一瞬で聖杯へ送ってくれるわ」

剣「(いや、最初の方は)」

剣「(俺の宝具で消してさってくれるわと言っていましたし、本気で私の策に引っ掛かってた気がしますな)」

剣「(まぁ、流石に不味いと思い私がその瞬間阻止しましたが...)」

剣「(しかしやはり、此処まで戦闘が長引くと、流石に気づかれてしまいますよな)」

剣「......こんな戯れに付き合うなどお主も随分と暇なのですな」

ギル「付き合いたくて付き合ってる訳ではない」

ギル「それに、そもそも俺はお前とこんな事をしに来た訳ではないわ」

剣「では、何をしに?」

ギル「....お前に言伝してやろうと思ってきた」

剣「言伝?決闘状の間違いではないのですかな?」

ギル「いいや、言伝だ俺からのな」

剣「.....わざわざ使いも出さず律儀な事ですな...」

ギル「お前の聞いた後の反応が楽しみでな....」

ギル「つい、この言伝を言った時のお前の反応を直で見てみたいと欲求に駆られ俺自ら来てしまった」

剣「....そのいい方ですと丸で私の事を知ってるような物言いですな...」

ギル「あぁ、知っている」

剣「私とお主に...一度でも接点などありましたかな....」

ギル「ない」

ギル「今は」

剣「!」

剣「....まさか...お主.......」

ギル「さて、どうだろうな」

剣「.....もしや......接点はここですな?」

ギル「ふん....もう少し後だった気もする....」

ギル「だが、どちらにしろ合いまみえるのはこんな感じだ」

剣「.........お主.....分かりましたぞ......件の...英雄王ギルガメッシュですな....」

ギル「.....ふ」

剣「となるとランサーは......どうしたのですかな」

ギル「彼奴は違う誰か.....だ」

剣「違う.......もしやこの聖杯戦争に参加していますな」

ギル「それもどうだろうな....」

剣「........................」

ギル「まぁ俺の言いたいことは、この事ではない」

ギル「もっと別の事だ」

剣「なんとなく察しは付きましたぞ.....」

ギル「ではお前が言ってみるか?」

剣「言いたいのは山々なのですが....正直認めたくないので言いたくはないですな.....」

ギル「では、無理にでもお前には認めさせてやろう」

848: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/03(月) 02:20:54.37 ID:qNMRwQpH0
剣「無理に....でもですかな....」

ギル「あぁ......無理にでもだ.....」

ギル「この為に俺は、1時間前から待っていたのだ」

剣「.....言わないと言う選択肢はないのですな...」

ギル「ない」

剣「.............」

ギル「要約認める気になったか」

剣「.....分かりましたぞ...」

剣「言ってください.....」

ギル「.....」

ギル「.....お前の今付き従っているマスターは」

-------------------------------------------------------------------
セイバー側 切嗣 川  

ザァァァ

ザパァ

切嗣「....」ゴシゴシ(傷口と顔を洗う)

切嗣「.........」

切嗣「(要約此処までこれた......)」

切嗣「(あの墓地には最初セイバーと来た下水道に繋がっている穴があった)」

切嗣「(そこに行くためあのルートを選んだんだが....はぁ...どうしてああも)」

切嗣「(不幸が重なったんだろうな....)」

切嗣「(まぁ...前とは違うルートを選んでいる.....こうなるのも決定事項なのか....)」

切嗣「(.......だがキャスターとアーチャーが....戦うか....)」

切嗣「(....これは予想外だが、必ずキャスターは僕に追いつくだろう)」

切嗣「(アーチャーにやられてくれる何て事は決してない)」

切嗣「(寧ろ下手をすればアーチャーすら来る可能性もあるが...)」

切嗣「(どうあろうと、必ずキャスターだけは殺す)」

切嗣「(此れだけは決して譲れない)」

切嗣「...........」

シュルル(止血する)

切嗣「よし....後100mもしないでセイバーの場所につく....」

切嗣「時間は....3時40分か...」

切嗣「本当にギリギリだったな....」

切嗣「さぁ....もう一踏ん張りだ....」

タッタッタ

-----------------------------------------------------------------------
セイバー側

ギル「............だ」

剣「......あぁ....やはり....あぁそんな....」

ギル「ふ....」

剣「.....では私はやったのですな.....」

ギル「あぁ、やった」

ギル「そして、あの雑種も60年....もがき生きた」

剣「...........」

851: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/04(火) 01:02:46.67 ID:1PXgUCKM0
剣「(それで....様子が変....だったのですな......)」

剣「(マスター殿どうして!!.......私を信じて下さらなかったのです.......)」

ギル「気に負う事はない、それもこれも全てあの雑種が招いた結果.....」

ギル「自業自得と言う奴だ」

剣「......私はこれから....どうすれば....」

ギル「そんな事は知らん」

ギル「だが、どうあってもアレは救えん」

ギル「せめて最後の時まで看取ってやれ」

ギル「それが忠実な配下と言う者だ」

剣「.......私は最後まであの方の友人にはなれぬのでしょうか....」

ギル「俺はそうそう万能な者ではない」

ギル「その答えは自分で見つけろ」

ギル「さて、そろそろ奴が来る」

ギル「この戦いの脇役は、どこかに行かなければな」

剣「.....最後に一つよろしいでしょうかな」

ギル「.....聞くだけ聞いてやろう」

剣「....私が消えれば、終わりはあると思いになりますかな」

ギル「........果ての向こうに終わりはあるか?」

シュィン

剣「................」

剣「.............」

剣「..........」

剣「....あるわけ..........」

切嗣「セイバー!!」

タッタッタ

剣「!......マスター殿」

剣「(.....考えるのはよしましょう....いずれその時が来るまで)」

切嗣「ハァ.....ハァ.....ハァ」

剣「......その包帯!..........よくぞ.....ご無事で」

切嗣「っ.....あぁ........途中でアーチャーと鉢合わせしてな....」

剣「!アーチャーと」

切嗣「あぁ幸い軽い怪我程度で済んだがもしかすると.....」

剣「アーチャーもですか.....」

剣「それは中々に悩ましげですな...」

切嗣「あぁだが予定は変わらないキャスターは確実に仕留めるぞ」

剣「はい」

切嗣「それで僕の言った通り準備は出来ているか?」

剣「問題なしです」

剣「マスター殿が引き付けている間に私の槍は全て......」

切嗣「ふぅ....良かった....」

切嗣「では、言った通り配置につけ」

切嗣「もう、間もなくキャスター達が来る」

852: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/04(火) 01:58:05.35 ID:1PXgUCKM0
剣「すいませぬマスター殿、その前に」

切嗣「ん?どうした?時間がない手っ取り早く言ってくれ?」

剣「はい......マスター殿.........」

剣「実は.........................」

剣「私、マスター殿に隠しているスキルがありまする」

切嗣「何?!どうしてそれを事前に言っておかなかった」

切嗣「流石にこの瞬間での作戦の変更は不可能だぞ!?」

剣「いいえ.....これは以前お伝えしなかった...宝具についてです....」

切嗣「!言う気になったのか」

剣「はい.....」

剣「このたび色々考えまして.....やはりマスター殿に伝えておくべきかと思ったのです」

切嗣「....どういう心境の変化があったのかは時間がない為聞かない.......言ってくれ」

剣「はい....私の宝具は.....」

剣「(恐らくこれを言ったら殆ど必ず使う事になるのでしょう.....)」

剣「(果たして私は....元に戻れるのでしょうか......それとも.........)」

剣「(ですが.....最後の宝具を使わなく済むのなら....)」

剣「(この方を.....これ以上更に苦しめずに済むのなら)」

剣「それは...........狂化と言う者です.....」

切嗣「.....狂化......」

剣「はい」

切嗣「もしや....それはバーサーカ化するアレか?」

剣「それで.....間違いありませぬ」

剣「あらゆる拘束系の魔術をその姿になると無効化することが出来、更には筋力増強、体力増強」

剣「素早さ増強と大幅にステータスを強化し無類の強さを得る事が出来ます」

切嗣「ふむ.....」

剣「しかし、之には欠点があります」

切嗣「.......自分で制御できないか?」

剣「はい.....それと....」

切嗣「令呪により従わせることが出来なくなるだろう?」

剣「その通りです.....」

切嗣「使い勝手は悪いが......」

切嗣「欠点のない宝具はない」

切嗣「仕方ない.....」

剣「.........」

切嗣「しかし宝具としては....少し見劣りするな.....ステータスアップだけとは....」

剣「それは......」

切嗣「まぁそういう宝具なのだという事で割り切るか」

剣「.........」

切嗣「ここで、教えてくれて助かった....」

切嗣「宝具を使うタイミングは、僕がセイバーと二回声を掛けたらだ」

切嗣「分かったな?」

剣「はい」

切嗣「では、配置に急げ」

855: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/05(水) 01:12:17.43 ID:6me5SaAT0
剣「はい!!」シュン

切嗣「..........」

切嗣「..........」

切嗣「時間は.........」

切嗣「いや....此処まで来てしまえばもう意味はない...か.....」

切嗣「後は.....キャスターが来るまで僕は.....煙草でも吸って.....」

スッ(煙草を取り出そうとする)

切嗣「あ.....もうないのか....」

切嗣「此処に来る前に吸ったあれが最後の一本だったか....」

切嗣「はぁ.....勿体ない事をした」

切嗣「あれは、この時代では入手難易度が高いと言うのに.....」

切嗣「....まぁだが....あれは美味しくはなかった」

切嗣「これが終わったら、この時代の美味しい煙草でも買って....」(空を見上げる)

切嗣「何処かで一服すればいいさ.....」

切嗣「それだけの時間ぐらいは.....あるだろう....きっと......」

切嗣「なぁ............」

切嗣「........キャスター......」

キャスター(前)「.......どこか遠くへ行ったと思ったイヒヒ....」

キャスター(右)「こんな所で何をしているねぇ....」

キャスター(左)「逃げないのねぇ.....」

切嗣「.....逃げはしない」

切嗣「お前達はここで、この場所で終わらせる....」

キャスター(前)「サーヴァントもいないのにかイヒヒ....」

キャスター(右)「完全に回復をした私達にお前は勝てるのかねぇ」

キャスター(左)「僕達に蹂躙されるのが落ちじゃないかねぇ」

切嗣「ふ....そこの、マスターを殺れば僕にでも軍配は上がると思わないか?」

キャスターのマスター「.........」(キャスターの後ろから出てくる)

切嗣「その腕........お前も完全に治っているのか....」

キャスターのマスター「お..........」

切嗣「又何も....」

キャスターのマスター「お前じゃない!!」

切嗣「.....驚いた、この数分間で少しは成長したか」

キャスターのマスター「ぼ.....ぼヴぃくは!!最初からちゃんと喋れる」

切嗣「の割には声が震えているな....」

切嗣「さてはまだ、人を自分で殺した事はないな?」

キャスターのマスター「こ.....殺せる!!!」

切嗣「殺した事はないなと聞いているのに.....まぁいい」

切嗣「それより、顔を合わせるのは最後だ」

切嗣「名前だけは聞いてやる」

キャスターのマスター「か....勝った気でぇ......で....でもそうだねぇ...確かに名前も知らず殺すのは」

キャスターのマスター「か....可哀想だだな!!」

キャスターのマスター「お....教えてやる!!良くきけぇ!!」

キャスターのマスター「ヴぃ.....ヴィクの名は....テルオン・ヴァーミッドだぁ」

856: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/05(水) 01:55:27.16 ID:6me5SaAT0
剣「(マスター殿........)」こそそそ

切嗣「テルオン・ヴァーミッドか....」

切嗣「似つかわしくない名だな......」

テルオン「う.....うるさい!!」

テルオン「そ....それよりお前の名は?」

切嗣「さぁ......?」

テルオン「何ぃ!?」

切嗣「今から殺す相手にわざわざ名前を教える奴がいるか....」

切嗣「あぁ....ここにいたか....」

テルオン「.....お.....お前ぇ.....」

キャスター(前)「....マスターあれもう殺っていいイヒヒ?」

キャスター(右)「流石に今のはムカついたねぇ」

キャスター(左)「マスターを愚弄されるのはムカつくねぇ....」

テルオン「ま....まだ手を出してはだめだよぉ....」

キャスター(前)「え....」

キャスター(右)「えー」

キャスター(左)「えー」

テルオン「お....おい!!」

切嗣「.....なんだ?」

テルオン「そ.....そんなに余裕ぶっていても....キャ....キャスターにやられるだけだぞぉ」

切嗣「だからどうした?」

テルオン「だ....だからぁ....お.....お前も....ヴィ....クに降参....を」

切嗣「ふん.........覚悟を決めてここに立っている」

切嗣「お前達に降参する気は......」

切嗣「ない」

テルオン「ぐぅ.....どうして.......皆.....」

テルオン「でも.....だったら.......」

テルオン「キャ...キャスタぁ.......もうやってもいいよぉ....」

キャスター(前)「分かったイヒヒ....」

キャスター(右)「今までのお礼をしてやるねぇ」

キャスター(左)「してやるねぇ」

切嗣「(さぁ.....仕上げだ)」

切嗣「こい....キャスター」

キャスター(前)「一瞬で終わらせるイヒヒ!!」

キャスター(右)「あ、フラグねぇ!!」

キャスター(左)「それは言わないお約束ねぇ!!」

切嗣「........」カチャン(破片手榴弾を投げる)

キャスター(前)「右!!」

キャスター(右)「展開防御」

キャスター(左)「六角」

パキャン

ドォン

切嗣「(一つ目は外したか.....だがいいこれで)」

859: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/06(木) 01:27:45.57 ID:kooV7arE0
切嗣「(完全に僕だけに集中する筈だ)」カチ

キャスター(前)「無駄な事イヒヒ...」

キャスター(前)「もう一度展開を....」

切嗣「............」シュッ

キャスター(前)「上!?」

切嗣「(タイムアルタートリプルアクセル)」

シュッ(近くの林へ逃げる)

ピカン

キャスター(前)「眩しっ!!」

キャスター(右)「うっ!!」

キャスター(左)「うひぃ!!」

テルオン「っう!!」

切嗣「(よし....掛かった...)」

切嗣「(このまま.....)」ダッタタタ

キャスター(前)「うっ....っう....」

キャスター(右)「くそ....また....」

キャスター(左)「また...やりやがったねぇ...」

テルオン「っうう....目痛いよぉ...」

キャスター(前)「マスター!!大丈夫イヒヒ?」

キャスター(右)「大丈夫ねぇ!?」

キャスター(左)「問題ないねぇ!?」

テルオン「だ....大丈夫ぅ....それよりアイツは....」

キャスター(前)「....まーた逃げたイヒヒ」

キャスター(右)「何がここで....」

キャスター(左)「終わらせるか....ねぇ」

キャスター(前)「嘘もいい所だイヒヒ」

テルオン「大丈夫ぅ...僕の魔術で追跡してるけどそこまで遠くへは行ってない」

テルオン「今度は見つけたら僕の許可なく躊躇なく殺していいよぉ」

キャスター(前)「分かってるイヒヒ」

キャスター(右)「知ってるねぇ」

キャスター(左)「問題ないねぇ」

テルオン「それと...もう.....宝具を使ってもいいよぉ....」

キャスター(右)「え?」

キャスター(左)「え?」

キャスター(前)「マスターそれは!!最後の時までって....イヒヒ...」

テルオン「いいんだよぉ....もう......全力を出さないと今度こそ本当に」

テルオン「....皆.......消されちゃうよぉ....」

キャスター(右)「.....分かったねぇ...」

キャスター(左)「......使うねぇ.....」

キャスター(前)「......使ってやるイヒヒ...」

テルオン「うん....うん.....うん....」

テルオン「頼んだよぉ........」

キャスター(前)「.....それじゃぁ....行くイヒヒ...」

860: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/06(木) 02:27:15.50 ID:kooV7arE0
キャスター(右)「.........」

キャスター(左)「あいねぇ.....」

シュゥぅゥ

テルオン「......キャスター....もしもの時はヴィクがこの箱で.....」

テルオン「.............」

-----------------------------------------------------

切嗣「.......」

切嗣「(残りは1つ.......)」

切嗣「(セイバー........どうか...失敗だけは....)」

切嗣「(いや...アイツが失敗したことなど一度もない........か)」

切嗣「頼んだぞ...セイバー....」

--------------------------------------------------------------

剣「(マスター殿....陽動は上手く行ったようですな...)」

剣「(さて....此処からは私の仕事...)」

剣「(......キャスター今度はお主があの時の私を体験する番ですぞ...)」

---------------------------------------------------------------

数分後

キャスター(前)「出てこいイヒヒ」

キャスター(右)「ここに居るのは魔力で分かるねぇ!!」

キャスター(左)「出てきたらご褒美を上げるねぇ!!」

キャスター(前)「左....」

キャスター(右)「左....」

キャスター(左)「だって....何も思いつかなかったんだねぇ....」

キャスター(前)「そんなので掛かる訳ないイヒヒ...」

キャスター(右)「そうねぇ....」

キャスター(左)「それを言うなら二人だって....」

キャスター(前)「いや....これは決め台詞イヒヒ...」

キャスター(右)「決め文句ねぇ....」

キャスター(左)「横暴ねぇ!!」

キャスター(前)「まぁま.....」

キャスター(前)「ん?」ピタッ

キャスター(右)「っおと....」

キャスター(左)「うっ...」

キャスター(右)「ちょっ.....いきなり立ち止まってどうしたねぇ?前」

キャスター(前)「スンスン...」

キャスター(前)「臭うねぇ.....」

キャスター(右)「アイツかねぇ?」

キャスター(左)「あの嘘つきかねぇ?」

キャスター(前)「.....これは...」

カラカラン(破片手榴弾が転がってくる)

キャスター(前)「!」

キャスター(前)「ハッ!!防御!!」

ドゴォン

863: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/07(金) 02:35:04.68 ID:GsuT5moK0
切嗣「.......」(木の陰から覗く)

ヒュゥぅゥ...

パキン

切嗣「(使わなかった....か....)」

キャスター(右)「お....遅すぎるねぇ...前」

キャスター(前)「.....ごめん右....ヒヒ....」

切嗣「(しかし、キャスターお前はもう既に範囲内だ)」

切嗣「(....次で終わらせる.....)」

キャスター(左)「どうしたのねぇ?前....」

キャスター(前)「....いや...さっきまで.....何か嘘つきの匂いと違う匂いが混じってたイヒヒ....」

切嗣「(それにしても奴ら....立ち止まって....一体.....)」

キャスター(右)「一般市民かねぇ....?」

キャスター(前)「違うイヒヒ....一般市民にしては....極上すぎる匂い....ヒヒ....」

切嗣「(.........極上の匂い?何のことだ?)」

キャスター(左)「極上の匂い?もしかして又アイツらねぇ?」

キャスター(前)「それも違うイヒヒ.....此処に来てまだ嗅いだことのない匂い...」

キャスター(前)「でも....生前嗅いだことのあるような.....」

キャスター(前)「例えるなら.........マクベスの欲望....の匂いヒヒ....」

切嗣「(マクベスの欲望?)」

切嗣「(今なんで.....そんなワードが.....)」

キャスター(右)「........確かにそれは極上の匂いだねぇ.....」

キャスター(左)「.......でも何故今そんな匂いがするねぇ?」

キャスター(左)「そんな人物この聖杯戦争に参加してる筈はないんだがねぇ....」

切嗣「(いかん....話に聞き惚れるな......)」

切嗣「(今は目の前だけの事に集中するんだ)」

切嗣「.....ふぅ......」

切嗣「キャス.....」

キャスター(前)「呼んだ?ヒヒ」

切嗣「!!」

切嗣「(タイムアルターテンフィールド!!)」

キャスター(前)「!!!!」シュッ

切嗣「ぐっお!!」スン

キャスター(前)「右!!!!」シュッ

切嗣「(何!?いや!!!)」

ドっ(キャスターを踏み台にして後ろに避ける)

キャスター(前)「きっ......」ヨロ....

切嗣「はぁ....はぁ....はぁ....はぁ....」

キャスター(前)「ようやく視覚で捉えた....ヒヒヒヒヒ」

キャスター(右)「もう.....逃がさない....ねぇ」

キャスター(左)「ねぇ.....」

切嗣「(くっ.....先程のは!!僕を油断させるためのお芝居だったのか!!)」

切嗣「(こんな古典的な手法に嵌るなど!!)」

キャスター(前)「右!!瓶!!」

864: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/07(金) 03:10:26.46 ID:GsuT5moK0
切嗣「(此処からは予定よりも早いが白兵戦でやるしかない!!)」すちゃ

キャスター(右)「.....」

スッ

ポンっ(瓶を開ける)

ゴぉぉぉ(瓶の中から異形のカラスが飛び出してくる)

切嗣「!!」スバっ!!

キャスター(前)「左!!燃焼!!」

キャスター(左)「エル!!」

ボォ(カラスが燃える)

切嗣「!(そう来たか!!)」カチッ(キャリコを取り出す)

ダダダダ

カァ.....ドス

キャスター(前)「かかったぁ!!ヒヒヒ」

切嗣「ん?」

ボぉぉ(切嗣とキャスターの周りが燃え盛る)

切嗣「!!(しまった!!)」

切嗣「(タイムアルタートリプルアクセル!!)」

キャスター(前)「逃がさない....ひひっひ」ドっ

切嗣「!!!っくぅ!!」

切嗣「(避けきれない!!)」

ごンッ(地面に叩きつけられる)

切嗣「ぐはっ!!」

ボシュぅ.....(あたり一面に火が燃え広がる)

切嗣「う......あ....く」

キャスター(前)「....ヒヒヒヒさぁ....もう逃げ場ないなヒヒヒヒ」

キャスター(右)「思う存分やれるねぇ....」

キャスター(左)「草木がある所を選んだのが運の尽きねぇ」

切嗣「....く.....うぅ....」

切嗣「........はぁ.....はぁ」

キャスター(前)「お?まだあれで立てるイヒヒヒ」

キャスター(右)「本当丈夫ねぇ....」

切嗣「はぁ..........(退路は....塞がれた....か)」

キャスター(左)「さぁ....どうするねぇ...」

切嗣「どう.....ハァ...する.....か」

切嗣「どうしような.....」

キャスター(前)「お?諦めたか?ヒヒ」

切嗣「いいや?.....ハァ....ハァ....諦めなどしない!!」(起源弾を取り出す)

キャスター(右)「意地汚いねぇ.....」

切嗣「!!!!」ガチャン(弾を込める)

切嗣「これが.....最後の........起源弾だ!!」

キャスター(左)「起源弾?」

切嗣「セイバー!!!!」ドンッ

868: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/08(土) 02:52:20.79 ID:5gNENLst0
キャスター(前)「無謀.....」

ドォン

キャスター(前)「ん?」(振り向く)

剣「!!!!!!!!」(後ろから剣を構えたセイバーが突如現れる)

キャスター(前)「え!?」

キャスター(右)「!?」

キャスター(左)「!?」

剣「ふんぬぅ!!!」ブォン

キャスター(前)「防御!!!」

キャスター(右)「展開!!」

キャスター(前)「四角!!!!」

シュイン(セイバーの攻撃を吸う)

キャスター(前)「ふ」

ドゥシャ(起源弾がキャスターの体にめり込む)

キャスター(前)「!!そっ....が」

キャスター(前)「グッハッ!!」

キャスター(右)「ウッガッ!!」

キャスター(左)「ギぃガぁ!!」

切嗣「セイバー!!そのままやれ!!」

剣「!!」スイン(左手から槍を取り出す)

剣「ふんのぉぉおおぉおぉ!!!」シュぅゥ(槍をキャスターへ刺そうとする)

キャスター(前)「!!!!!」

パキィィン(キャスター達が分裂する)

剣「!」

剣「させぬぅ!!」(槍の指してる向きを方向転換させる)

キャスター(前)「ヒ.....」

ブシャッ!!

剣「..........」

キャスター(右)「え?......ゴフッ....」

剣「まずは....一匹...ですな....」

キャスター(前)「右!!!!」

キャスター(左)「右!!!」

キャスター(右)「ま.....え....ひ...だ....」

キャスター(右)「や..........だ......」

剣「ふん!!」 (キャスター右に刺していた槍を横にふる)

ブシュぅゥ

キャスター(右)「......ぁぁぁ....」ヒュゥぅゥ

キャスター(左)「そ......そんな.....み........」

剣「次は!!お主だ!!」

キャスター(左)「ひ....ひぃぃ....」

キャスター(前)「左!!立てぇえええ!!」

剣「ハァァ!!!!」ヒュ(槍を投げる)

869: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/08(土) 04:16:31.84 ID:5gNENLst0
キャスター(左)「む....む.....無理.....右がいないとっ」

バスッ(頭に突き刺さる)

キャスター(左)「は........ぁ.....」

キャスター(左)「マ......タ.......」シュぅゥぅ

キャスター(前)「くぅ..........」

剣「後は!!お主だけだ!!」

キャスター(前)「きっ!!!」

剣「うおおおおおお」ブン

キャスター(前)「消えるは夢の如く!!!」シュぅゥぅ

剣「ぬ!?消えた!?」

切嗣「いや違う!!セイバー!!!あっちだ!!」

キャスター(前)「.......」

ゴぉぉぉぉ(火が燃え盛っている後ろにいる)

キャスター(前)「此処まで.......」

キャスター(前)「いや...........一人でも!!!」

キャスター(前)「マスターは私が!!!」

ドゥぅン!!

剣「キャスタああああ!!!」ドっ

キャスター(前)「チャームドオンリベリオン(呪われた叛逆の一対)!!!!!」

ビュゥぅゥ

剣「!?」

バン!!

剣「ぬおっ!!!!」(風圧で飛ばされる)

ズざざざ

剣「ぬぅ.....」

切嗣「セイバー!!!!」

剣「問題ないですぞ!!マスター殿!!」

剣「今....」

剣「ぬ!?....」

切嗣「どうした?セイバー」

剣「マスター殿!!そこからお逃げください!!」

切嗣「?」(後ろを向く)

キャスター「.....狂喜に吞まれるがいい」シュッ

切嗣「!?」

キィン

剣「ぬぅ!!」

キャスター「........ハァ.....」(姿が見えなくなる)

剣「ふん!!」ブンッ!!

剣「マスター殿!!ご無事ですか!!」

切嗣「.....ハッハッ....あ...助かった」

剣「それよりも、マスター殿これは!!!」

切嗣「あぁ....やはり....宝具を使ってきたか」

873: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/09(日) 23:06:47.67 ID:OMizqgsV0
-------------------------------------------
少し前へ戻って作戦会議時

切嗣「では、これから計画を詳細に練る」

剣「はい」

切嗣「では、まずセイバー」

切嗣「ここら辺で、森林に囲まれた場所を知らないか?」

剣「森林....ふーむ.....そうですな....」

剣「あ.......」

剣「シュレイド殿の家の周り何てどうでしょう」

切嗣「はぁ....セイバー...僕たちは一体何の為にあの場所から逃げてきたんだ?」

剣「あ.....」

切嗣「もう少し頭を捻って考えてくれ」

剣「申し訳ありませぬ....マスター殿」

剣「そうなりますと.....そうですなぁ....ん.....」

剣「マスター殿....此処に来る前の下水道の場所を覚えておりますかな?」

切嗣「ああ、覚えている」

剣「それならば、あの辺りの先へ進んだ場所に森林地帯がありまする」

剣「そこでどうでしょう」

切嗣「広さは?」

剣「大体、一平方キロメートルくらいかと」

切嗣「充分だな...」

切嗣「.....分かったならば、そこにしよう」

剣「はぁ...して、何故森林地帯を?」

剣「森林地帯には燃えやすい素材が大量にありまする....それに障害物もまた...」

剣「これではキャスターめに有利な場所であり、近接型の私にとっては...不利な場所と思えますが....」

切嗣「あぁ、だからいい」

剣「?話が全く見えてきませぬ」

切嗣「そうだな.....セイバーは背水の陣と言う言葉を聞いた言葉はあるか?」

剣「はい」

剣「わざと自身を窮地に追い込み本来の自身の力の倍以上を出させるとか....」

剣「有名なことわざですな....それが?」

切嗣「分からないか....」

切嗣「いいかセイバーそもそも何故窮地に追い込まれると人は倍以上の力が出せると言ったと思う?」

剣「ふむ.....やはりそれは、危機的状況に陥って自分の隠された能力が目覚めるからでしょうな」

切嗣「............」

剣「例えば.....ん?マスター殿?」

切嗣「......お前は....本当にそんな事を本気で言っているのか?」

剣「え......ええ....」

切嗣「ハァ...よく考えろ...セイバー....」

剣「はて?」

切嗣「急に使った事もない能力で、今自分を圧倒している者を倒す事は可能か?」

剣「え.....ええ可能でしょうぞ」

切嗣「それが、その道の達人だったとしてもか?」

874: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/10(月) 00:10:47.87 ID:zlLZ1i1S0
剣「それは....発現した能力によりましょうぞ....」

切嗣「もういい....お前に問うたのが僕の間違いだった」

剣「む」

切嗣「いいか、お前の感覚ではそうだったのだとしても」

切嗣「普通の人間であれば、急に使った能力を上手く操るなんてことは無理に等しい」

切嗣「それは、長年の経験、技術力、技量が伴っていないからだ」

切嗣「経験が無ければ、恐らく能力に只振り回されるだけ...」

切嗣「それでは、相手が弱い敵ならばいいが、強い敵は倒せない」

切嗣「相手はなにせ経験を積んだ強敵、対して能力を発現したものは経験のない素人」

切嗣「力の差は寧ろ歴然になることだろう....」

切嗣「どんな強い能力だったとしてもだ」

剣「ふむ....」

切嗣「さて、これを聞いてもまだ、お前は背水の陣の意味を自分の隠された能力が目覚めるとかいう」

切嗣「とんちんかんな事を言えるのかな...」

剣「.......そんな夢も希望もない....」

切嗣「まだ....納得できないか....まぁいい」

切嗣「考え方はそれぞれだ」

切嗣「強要は余りしない」

切嗣「だが、僕の考えている背水の陣はそんな空想上の者ではない」

切嗣「もっと現実的な事だ」

剣「はぁ....では一体どんな」

切嗣「それは、自身が追い込まれることにより相手の慢心を引き起こし」

切嗣「慢心している相手に自身が突発的に攻撃を仕掛ける事により、攻撃を防げなくする」

切嗣「これが、背水の陣ではないかと考える」

剣「つまり...奇襲見たいなものですな....」

切嗣「そうだ....心理的奇襲だ」

剣「では、それをどう、この作戦で応用すると?」

切嗣「......セイバーを僕から一時的に切り離し、森林地帯までキャスターをおびき寄せて」

切嗣「僕が完全に負けそうになった所で倒す」

剣「私を切り離して!?ですがマスター殿!?令呪は!?」

切嗣「ああない」

剣「で....ではどうするのです!?」

切嗣「セイバー...お前を戦いの中で再召喚する」

剣「戦いの中で!?可能なのですか!?そんな事!?」

切嗣「現実的にみれば不可能だ」

切嗣「召喚に関しては、術式、聖遺物又はその英霊への接点、そして最後に呪文が必要...」

切嗣「接点はいいが術式、呪文は、戦いの中でやるには余りにも時間がない」

剣「では!?どうするのです!?」

切嗣「だから、お前に此れを渡す」スッ

剣「.......ん?銃弾?」

切嗣「あぁ....起源弾と言う特殊な銃弾だ」

剣「こ....此れをどうするのです?」

878: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/11(火) 01:55:18.33 ID:itAAmSrp0
切嗣「...その弾丸は、本来魔術師に撃って使う事により」

切嗣「その弾丸の効力で魔術師にとって大事な魔術回路を切ってデタラメに嗣ぐ事で魔力を暴走させ」

切嗣「魔術回路を破壊すると言うものなのだが」

剣「ふむ....」

切嗣「....今回お前に渡したそれは切っていたものを、本当の意味で嗣ぐ」

切嗣「正確に言うなら切り離したものを元に戻す」

切嗣「そういう効力のある弾丸だ」

剣「ほう...」

切嗣「...ただそれに欠点があるとすれば、一度元に戻った物を再度嗣ぐ事はできない事ぐらいか」

剣「何故です?」

切嗣「元に戻った物をどう元に戻す?」

剣「あぁ....そういう事ですな」

切嗣「まぁ、どうせそんな使い道はない」

切嗣「気にすることもない」

剣「はい」

剣「して、これをどう使えば?」

切嗣「....いや、それは触媒だお前が持っておくだけでいい」

切嗣「それだけで、僕の方でこの」スッ

切嗣「簡易的に術式を組み込んだ起源弾を撃つことで呼び出せる」

剣「おお!!それは」

切嗣「ただ、範囲制限がある」

切嗣「距離的には1mくらい」

剣「....短いですな」

剣「それでは意味がないのではないのですかな?」

切嗣「あぁ、そうだな....その通りだ」

剣「では」

切嗣「だから、お前の武器を使いたい」

剣「私の武器をですか?」

切嗣「あぁ、英霊と一緒に召喚された武器とは即ちその武器もまた一種の英霊であると言える」

切嗣「ならば、先に1mの範囲内に武器と一緒にその弾丸を置いておけば」

切嗣「この範囲内に英霊がいる事になる」

切嗣「とするならば」

切嗣「完全に推測になるが」

切嗣「召喚された際元に戻るこの仕組みに置いて、英霊もまた一緒に召喚される筈だ」

剣「ふむ....成る程....ですが」

切嗣「なんだ?」

剣「もしかしてマスター殿、試した事はないのですかな?」

切嗣「ああ、一度もない」

切嗣「しかし試している時間もない」

切嗣「殆ど賭けの勝負になる」

剣「.......それなら私が1m範囲で隠れていた方が....」

切嗣「いや、英霊の魔力は常人の魔力とはくらべものにならないくらい圧倒的だ....それがセイバークラスなら更に」

切嗣「いくら魔力を感知するスキルが無かろうが英霊ならば近くにいれば直ぐに察知することが可能だろう」

881: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/12(水) 05:11:26.99 ID:ce8r68in0
剣「それならば....仕方ありませぬな....」

切嗣「あぁ仕方がない」

剣「では、どの武器をお使いになりましょうか」

切嗣「どの武器?お前はそんなに沢山の武器を貯蔵しているのか?」

剣「いえ、合計して三つしか持っておりませぬが?」

切嗣「合計して三つ....?」

切嗣「剣と、槍は分かるが.....」

切嗣「お前の逸話に他に何かあったか.....?」

剣「はて?私の逸話には、剣と槍と杖が有名ですが?」

切嗣「杖?」

切嗣「....(アーサー王にそんな物...あったかな....)」

剣「?」

切嗣「まぁ....いい」

切嗣「取り敢えず複数あるならリーチの長い槍と一緒に森林地帯の中央から北西500m圏内へ此れを置いておけ」

剣「なぜ北西なのですか?」

切嗣「北西は主人の方位と呼ばれ座が安定する位置だからだ」

剣「ふむ.....よくわかりませぬな....」

切嗣「ふ....分からなくていい取り敢えず置いておけ」

剣「はい」

切嗣「さて、最後になるがセイバー」

剣「はい?」

切嗣「もし、万が一キャスターを一人でも倒し損ねてしまった場合」

切嗣「奴らは宝具を使ってくるだろう」

切嗣「そうなったら、僕に全てを委ねろ」

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戻って戦闘

切嗣「(...さて...作戦会議時にあんな事を言ったもののどうするか)」

剣「........マスター殿ここからは.....」

切嗣「分かっているセイバー....」

切嗣「どうにかする」

切嗣「それまで何とか保て」

剣「頼みますぞ....マスター殿」

キャスター「..........」スッ

剣「!!!ふんっ!!!」ドゥン

キャスター「......」

切嗣「(.....もうここでセイバーを開放するか?.......)」

キャスター「..........」プシュッ....

剣「させませぬぞ!!!」ブォン

切嗣「(....しかしキャスターの宝具の情報が少なすぎる...)」

剣「.....ぬぅ....次は一体どこから....」

切嗣「(急に奴の体に纏ったあの....霧は.......)」

切嗣「(あれの正体が分からなければ迂闊にセイバーは解放できない....)」

882: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/12(水) 06:21:51.12 ID:ce8r68in0
切嗣「(ここは僕も....)」

キャスター「....」

剣「マスター殿!!前!!」

切嗣「!!!(タイムアルター)」

キャスター「逃がすは戻す」

切嗣「ぬっ!!!!」

剣「マスター殿!!」

切嗣「(引き戻される!!!)」

ガシッ

切嗣「しまっ」

キャスター「さぁ....狂喜へ」グッ(切嗣を握る)

切嗣「うっ!!!!!」

ドゥン(槍が飛んでくる)

キャスター「いっ.......」

パ(手を離す)

切嗣「ッ八ッ!!」ドスッ

剣「マスター殿だいじょ....」

キャスター「毒は毒....」

剣「ハッ!!」

ドぉゴ

剣「げはっ!!」

キャスター「絶望は絶望」

剣「ふんぉ!!!!」ブンッ

キャスター「触れない」

剣「ぬ!!透けて!!」ドォン

キャスター「触れる」スッ

剣「うっ!!」

キャスター「触れないは触れる欲望の渦」バゥン!!(黒い霧がセイバーを襲う)

剣「!!!!!!」

剣「ぬっぁあぁぁあ!!」

キャスター「罪は消えず」ドン(弾き飛ばす)

剣「ガ八ッ!!」

切嗣「!セイバー」

剣「マスター....殿.....まだ」

切嗣「もう少しだ........手を考えている」

剣「出来るだけ....早めにお願いしますぞ....」

剣「最善の策を!!!」ドォン

切嗣「(......あの霧が邪魔だ....先程からセイバーの攻撃全てを無効にしている...)」

キャスター「あぁ.......寂しい」

剣「おおおおお」

キャスター「あぁ」

剣「!!!!」

キャスター「悲しい」

883: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/12(水) 06:51:36.72 ID:ce8r68in0
ググぅ(セイバーの首を絞める)

剣「っぅ......」

キャスター「返して」

剣「ぅぅぅ.......」バシッ

剣「ハ......ナ.....」

キャスター「......かえし」

バンッ(撃たれる)

キャスター「.......」(切嗣をみる)

切嗣「........」

キャスター「.....殺す」ピュン

剣「ボっホッ!!!!」

切嗣「!!」

キャスター「生ある所に死あり」ドっ

切嗣「な」

キャスター「死ある所に生あり」ガスッ

切嗣「(タイムアルタートリプルアクセル!!!)」

シュィン(切嗣の前に来る)

切嗣「!!馬鹿な」

キャスター「だから」ガ

切嗣「なはっ!!」

キャスター「万歳、いずれ王なるお方」ヒュゥぅゥぅゥ(黒い霧が切嗣の体を覆おうとする)

切嗣「!!!!!」

剣「させませぬぅ!!!!」ドンッ

切嗣「ぬぉ!!」

キャスター「コぉぉぉぉ」(セイバーを覆う)

剣「ああああああああああああああああああ」

切嗣「セイバー!!!!」

剣「ぬぅぅぅぉぉぉ!!!」ドシュドシュ

キャスター「はぁ......」

剣「ゴ八っ........」ドン

切嗣「セイバー!!!無事か!?」

剣「マスター..........ど......の」

切嗣「...........これは.....」

キャスター「アア......」

切嗣「.....」

切嗣「セイバー.....」

剣「なん.......ですかな.....」

切嗣「セイバー.....やれるな?」

剣「.............それが.....最善ですか?」

切嗣「あぁ....これが最善だ」

剣「....信じ.....ますぞ?」

切嗣「僕も.....信じよう」

切嗣「(最後の賭けだ)」

884: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/12(水) 06:54:51.72 ID:ce8r68in0
今日は此処までです。また明日投下します。

888: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/12(水) 23:22:24.36 ID:ce8r68in0
切嗣「(攻撃がふさがれると言うのなら塞がれる前に攻撃を行う方法で倒す)」

剣「.........では、マスター殿.......」ヨロヨロ

剣「危険ですので......離れておいてください....」

切嗣「いや......僕もここに居る」

剣「それでは.....マスター殿まで.....」

切嗣「今言っただろう.....信じている」

剣「そうでしたな.....」

剣「では.....」

剣「...........」(目を閉じる)

剣「(過去を........)」

「もう....やめろ!!!」

「何が....何が....」

「!!いやだ....死にたくない!!」

「いやだあああああああああ」

剣「.......ん....くぅ....ん....ふぅ....」.

「もう.....助けてくれ....こんなの...」

「...........地獄.....だ」

剣「くぅ.....はぁ.....ん....」

「おにいちゃん....」

「.....どう.......して..........妹を......?」

「カァ.....カァ.....カァ」ビチャビチャビチャ

剣「ふぅ....ふぅ....ふぅ.....」

「それでも....それが貴方が望んだ幸せなら....」

「いいのよ....貴方が望むなら.....」

「愛しき人...........」

剣「!!!ガああああああああああ」ドンッ(キャスターの方へ走り出す)

キャスター「死へ」スッ

剣「ヒッハ!!!!!」ドォン!!

スゥ(体をすり抜ける)

キャスター「欲望を.....」ドっ(ダガーを投げる)

剣「ハハハアッハハ!!」ブンブンブンブン

キャスター「導きを....」バシッバシッバシッ

剣「ひひあははあははっはは」

キャスター「死への欲望への導きを」ブオン(鈍い音が響く)

剣「ゴぉァ」ブシャっ(傷口から大量の血が流れる)

キャスター「........」

剣「ゴぅゥぅゴボォァ....」

キャスター「薬を........」スッ

ガシッ

キャスター「!!!!!」

剣「.......ヒヒヒ........ヒヒヒヒヒアッハハハハハハハ」

キャスター「掴んで.....」

889: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/13(木) 00:22:04.86 ID:PenvOi/p0
剣「ハァ......」グッ

キャスター「ない」スッ

剣「アハハ......?」スカッ

キャスター「賛美へ」

剣「ゴぉぉぉぉぉぉあああああ!!!」

キャスター「非難へ」

剣「!!!!!」ダっダっダっ

キャスター「そして」

剣「ヌゥオオオオオ」シュッ

キャスター「粛清へ」

剣「クフフハハハハハハ」ごンッ

キャスター「賞賛なる罪」パンッッッ(セイバーへ精神的な攻撃を行う)

剣「キヒひひヒヒヒヒイヒヒヒヒ」ブオン(物ともせず突っ込む)

キャスター「!?」(上へ逃げようする)

シュパン(セイバーが自身の剣を投げる)

キャスター「な」

剣「アアアアア」

ブシュッ(手をキャスターの中へ突っ込む)

キャスター「そん......な」

キャスター「ゴ.....ほッ....」

剣「ハァ.......」

キャスター「マス.........タ.......」

剣「ヒッ.....」スッ(引き抜く)

ブシュぅゥぅゥぅゥぅゥ

キャスター「............ァ......」

剣「...........アア.......潤ウ....」

892: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/14(金) 00:45:25.93 ID:hZxVQvkR0
キャスター「......」ドシャっ

切嗣「(....やった....のか?)」

切嗣「(だが....妙にあっけなさすぎる....)」

切嗣「(.......最後のあの死に方........)」

切嗣「(何か......おかしい)」

剣「アア.....ナント言ウ幸福感ダ......」

キャスター「..........」

切嗣「..........」

剣「フフフアア........アア.....ア」

キャスター「........」

切嗣「...........」

剣「アアアア..........ア?」

切嗣「ん?」

剣「ア....ア?」

キャスター「..........」

切嗣「セイ....バー......?」

剣「ゴブォォ!!」ブシャッ(セイバーの腹部から大量の血が吹き出す)

切嗣「何!?」

剣「ゴホッブフッ.....ウッッ」ビチャっビチャっ

剣「ゲホッ.....」

剣「ウッブッ!!」

切嗣「おい!!どうした!?セイバー!!!」

キャスター「.......」(むくり)

切嗣「!!!!」

キャスター「......逝け」スッ(セイバーに触れる)

剣「ゲハッ!!!!」ドゥシャっ

切嗣「セイバー!!!」

キャスター「.............」シュぅン(元に戻る)

キャスター「欲は形となりて.....ね...ヒヒ」

切嗣「!!キャスター!!何をした!?」

キャスター「もう、学習した....教える気はないね....イヒヒヒヒヒヒ」

切嗣「くッ........」

切嗣「(不味い.....何をされたか知らないが......ここでセイバーが.....)」

切嗣「(これでは.......勝ち目など!!)」

キャスター「後は......お前だけ.....ヒヒヒヒヒヒ」

キャスター「後はお前だけ殺せば.......それでぇ!!!!」

切嗣「!!!(タイムアルター!!クインテットアクセル!!!)」カチ(破片手榴弾をキャスターに向け投げつける)

キャスター「二度も同じ手に引っかからないイヒヒヒヒヒ!!!」パシッ

切嗣「!?くッ!!」ピンっ

キャスター「!!!」ガシッ(腕を掴まれる)

切嗣「!!離せ!!!」ガッ

ピカッ

キャスター「チッ!!」

896: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/15(土) 01:37:12.20 ID:iIywdkw00
シュッ――

切嗣「―――!!」

切嗣「タイムアル――」

――シュぅゥゥ(閃光が広がる)

切嗣「―――」(切嗣の目が直で閃光手榴弾の影響を受ける)

切嗣「カッ―――アッ――――アァ――」

ポタッ――――(目から血が出だす)

切嗣「アアァアアアァアアアアアアアアアア!!」

切嗣「(痛い熱い熱い熱い痛い痛い熱い熱い痛い痛い熱い)」

切嗣「(目が目が目が目が目が目がッ)」

切嗣「ウアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

ドスッ――バンッ――ドフッ(木々にぶつかる)

シュン―――

キャスター「・・・・ヒヒヒ有難い事に自爆しやがったイヒヒヒヒ」

切嗣「アアッアアアアアッグアアッアアアアアアアァ」

キャスター「ヒヒヒヒ・・・・そのままでも死んでくれそうな勢いだねぇヒヒヒヒ・・・・」

切嗣「アアッウッガァッァキャ――スッ―――」

キャスター「・・・・その状態でもまだ、喋れるほどの余裕があるとか―――」

キャスター「最初出逢った時もそうだったけど、お前のメンタルどうなってるのかねイヒヒヒヒ」

切嗣「ハァツ――ハァッ――ウァ――くッ――」

キャスター「でも、右と左の敵は―――」

キャスター「いや――妹の敵はこれでやっと・・・・」

シャ―――(ダガーを取り出す)

切嗣「ゥッァ――ウウウ―――ウグゥッ―――」

キャスター「・・・・・」

コツン―――

切嗣「アア――――アウァ―――」

コツン―――

切嗣「フゥァ―――ウ―――――」

コツン――――

キャスター「死ね―――」

スッ―――――――――――――

キャスター「マスターに仇名すもの―――」

シュ――――

――パキィィィィィィン!!!

キャスター「!?」

キャスター「だ――――」

剣「ハァ――ハァ―――ハァ―――」

キャスター「何・・・・で!?」

剣「マスターは――――私が――――ハァ―――」

剣「私の命を掛けても――――――」

剣「殺させなどさせぬぅぅぅうっぅうううううううううう!!!!!!」

897: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/15(土) 02:22:54.66 ID:iIywdkw00
ドッ―――

キャスター「!?」

キャスター「防御展――――」

ズッ――――(セイバーが右足で踏み込む)

剣「ふんぬううううおおおおおおおおおお!!!!」

キャスター「いっ――」

スゥ――――(キャスターが詠唱を中断し避ける)

―――ドゥフ!!!(刃がキャスターの肩を掠める)

キャスター「ア――」

キャスター「アブナ――――――」

フッ―――(左手を使いセイバーが槍を取り出す)

剣「ヴァァァァァアアアアア!!!」

ズ――――

キャスター「――――!?展開!!!」

ドゥォン―――(槍を吸い込む)

キャスター「ハ――ハハ―――」

剣「―――!」

ガッ――――(更に左足でセイバーが踏み込む)

剣「ぬおおおおおおおおお!!!!!」

シュキ――――(右手で剣を振るう)

キャスター「――――え!?」

ズプッ―――(キャスターの右腕に食い込む)

キャスター「ア”――」

――――ブシュゥぅゥぅ(キャスターの右腕が切り離される)

キャスター「ア”・・・ア”ア”ア”ア”ア””ア”ア”ア”」

キャスター「う――腕―――」

剣「ふぅぅぅぅああああああああ!!!!」

シュ―――――(槍を左腕に突き刺す)

キャスター「ア――――」

グッ――――(木に腕が打ち付けられ)

ブシュぅ――――

キャスター「―――キャアアアアアアアアアア」

剣「―――!!!」

スゥ―――(槍を打ち付けたまま剣を両手で持つ)

パシ―――

剣「キャスタあああああああああああああああああああ!!!!」

――――ドォン(剣を振りかぶる)

キャスター「―――――ヒ」

キャスター「いや――――死にたく」

剣「!!!!!!!!!!」

ブンッ――――――――

キャスター「いや――――――――」

剣「―――――――ー」

901: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/16(日) 04:24:20.25 ID:fLtuLmlD0
ガサッ――――――

テルオン「キャスター!!!」

キャスター「―――――――え?」

―――――――ビシャアアアアアアアアアア(両断される)

キャスター「―――あ―――――――――ああ―――――――――――」

テルオン「――――――!!!!」

キャスター「そんな――――どうして」

――――――ドシャ(下半身が落ちる)

剣「・・・・・・・・」

テルオン「キャ・・・・キャスター?」

――――――――ダッ

キャスター「・・・・だ・・・・め・・・・来ては・・・・」

テルオン「そんな―――――」

シャッ―――――――(セイバーがテルオンの足を浅く切る)

テルオン「ぶっ!!」

――――――ドタン(転ぶ)

テルオン「い・・・・痛――――」

チャキ―――――(セイバーがテルオンに刃を向ける)

剣「それ以上、近づけば・・・・お主も又切りますぞ?」

テルオン「ひ・・・・」

キャスター「ま・・・・マス・・・・タ・・・・」

テルオン「キャスタあああ!!」

剣「――――せい!!!」

ザクッ――――――(地面を切る)

テルオン「ひ・・・・ひぃぃぃぃぃ」

剣「何度も言いますぞ・・・・それ以上近づいてはなりませぬ」

テルオン「な・・・・なんで・・・・」

剣「――――――こちらは戦場ですぞ?」

剣「戦場とは一度入れば、どんな者でも、自身が死ぬか、相手を殺すかでしか終わりがありませぬ」

剣「そんな場所へ、飛び入りたいのですかな?」

テルオン「それ・・・・でも――――」

剣「それでも、今までキャスター殿に頼ってばかりで、自身は何もしてこなかったお主が」

剣「私に対して勝てるすべでもあるのですかな?」

テルオン「・・・・・・」

剣「――――――それが正しい判断ですぞ」

剣「さて―――――キャスター殿」

キャスター「――――ゼェ――――ゼェ――――なんだ・・・・い?」

剣「――――――今楽にしてやりますぞ」チャキ(剣を再度構える)

キャスター「・・・・それは・・・・慈悲深いねぇ・・・・ヒヒ」

剣「―――――――戦いの中で慈悲などいりませぬぞ?」

キャスター「ああ―――――そうかいヒヒ」(目をつぶる)

剣「――――――――ふん!!!」

902: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/16(日) 05:22:34.56 ID:fLtuLmlD0
シュッ――――――――――

キャスター「マスター・・・・ごめんね・・・・皆消えちゃった・・・・ヒヒ」

テルオン「―――――――――――!!!」

テルオン「待てええええええええええええええ!!」

スッ―――――――(箱を取り出す瞬間)

―――――――――ザシュッ

キャスター「ああ・・・・・・・決断が遅すぎる・・・・ねぇ」

―――――――シュィン(キャスターが消える)

テルオン「あ・・・・あああ・・・・・・あああああ・・・・・・・・そんな・・・・・・・・・・そんなあああ」

テルオン「ようやく・・・・ようやく決断できたのに」

テルオン「ようやく・・・・ようやく・・・・・・・・」

テルオン「う・・・・うあああああああああああああああああああああああああああああ」

剣「(――――――――これも、全てはマスター殿とエミンお嬢様の為・・・・)」

剣「(恨むなら・・・・全て私を恨めキャスターのマスター殿)」

サッ―――――――(切嗣の傍による)

切嗣「う・・・アア・・・・くぁああ・・・・」

剣「マスター殿・・・・今」

シュィン――――――(傷を回復させる魔術をかける)

切嗣「う・・・・ん・・・・あ?」

切嗣「目が・・・・痛くない・・・・」

剣「マスター殿」

切嗣「ん?」

――――――――パチリ

切嗣「セイバー・・・・・?」

切嗣「―――――ハッ!?キャスター!?」

剣「大丈夫ですぞ・・・・私が全て倒しました」

切嗣「お前が・・・・?だが・・・・お前はキャスターから何かをされた後、倒れて・・・・」

剣「はい・・・・恥ずかしながら・・・・ですが・・・・」

剣「あの後に、自身に対して回復魔術を賭け窮地を脱しました・・・・」

切嗣「(自身に・・・・回復魔術・・・・?)」

切嗣「(そんな物聞いたことがない魔術だな・・・・)」

剣「・・・・」

切嗣「それならもう少し早く、起きて来てくれれば助かったんだがな・・・・」

剣「申し訳ありませぬ、何分どうしても発動に時間が掛かりましてな」

切嗣「時間が掛かるのは・・・・まぁ仕方ないか・・・・」

切嗣「ならば・・・・キャスターを倒したと言うのならば帰ろうと言いたいところだが」

切嗣「セイバー」

切嗣「―――――――――之から少し僕は用事があるから先に帰っててはくれないか?」

剣「はい?なんの用事ですかな?」

切嗣「いや―――――煙草の在庫が切れてしまってな・・・・」

切嗣「買いに行ってくるから先に彼女の様子を見ててはくれないか?」

剣「彼女?」

切嗣「エミンの事だ」ボソッ

906: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/17(月) 01:49:29.71 ID:X64StQSq0
剣「あぁ・・・・」

剣「成る程ですな」

剣「しかし、マスター殿幾らキャスター殿を倒したとは言え、この街を一人で徘徊は流石に危険では?」

切嗣「いや・・・・大丈夫だ・・・・あちらの方角を見ろ」(東に指をさす)

剣「む?」

――――――――太陽―――――――――

切嗣「もう日の出だ。襲われる心配もないだろう・・・・」

剣「あ・・・・いつの間に・・・・」

切嗣「それにだ・・・・お前と一緒に街を徘徊していれば逆に他のマスターに目を付けられ兼ねない」

切嗣「サーヴァント同士では、いくら霊体化していようが分かるからな・・・・」

剣「ふむ」

切嗣「これ以上顔を広めない為にもお前は取り敢えず先に帰ってエミンの様子でも見ておいてくれ」

切嗣「僕は、煙草を適当な店で買ったら帰るから」

剣「ふむ其処まで仰るのでしたら・・・・昼頃までには、必ず帰ってくるとお約束してください」

剣「もし、帰ってこなければ全力でマスター殿を探しに行きまする」

切嗣「あぁ、分かった」

切嗣「煙草の補充が済んだら必ず昼頃までには帰る」

切嗣「これでいいな?」

剣「ええ・・・・では先に帰ってエミン殿の様子でも見ておきますぞ」

切嗣「ああ、頼んだ」

剣「では・・・・」

シュン――――――――――――

切嗣「・・・・・・・・・」

切嗣「さて・・・・と」

ガチャッ―――――――――

テルオン「うあああんああああああああんああああああああん」

切嗣「・・・・後始末を済ませるか」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
???????

弓「カカカカ、やっぱりアイツは駄目だったか」

「臆病者すぎた・・・・」

弓「だな」

弓「いくら力を与えても、行動を中々起こせない臆病者だったら宝の持ち腐れって奴だわな」

「あの箱はどうする?」

弓「適当に回収でもするさ」

弓「あの箱が無きゃアイツは如何あがいたってこっちには来ちゃくれねぇ」

「仲間にしたいのか?お前は」

弓「いいや、逆だぶっ殺したいね」

「では、何故?」

弓「頼まれてんだよアイツを引きずり込めってな」

「誰に?」

弓「あんたには分かりはしない事だ」

「寧ろ気になるな」

907: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/17(月) 02:39:15.61 ID:X64StQSq0
弓「辞めときな。世の中には知らない方がいい事もある」

弓「あんたのあの箱のようにな」

「あの箱の様に・・・・」

「―――――――それは、一体どんな奴なんだ・・・・寧ろ興味をそそられてしまう」

弓「ハァ・・・・之だから魔術師ってのは・・・・・・・・」

「お・・・・教えてくれ!!」

弓「駄目だ。ダリウス・エインズワース」

弓「あんたは今回は傍観だけに徹しな」

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
久しぶりに戻って監禁された切嗣側


切嗣「・・・・う・・・・ん」

切嗣「・・・・ん・・・・ん・・・・んん」

切嗣「・・・・ううううん・・・・」

―――――――――カン!!

切嗣「ハッ!?」

―――――ビクッ

切嗣「何事だ!?」

ユールヒエン「・・・・」(フライパンを持ったまま立っている)

切嗣「え?」

ユールヒエン「・・・・朝です」

切嗣「え・・・・あ・・・・」

ユールヒエン「朝食の準備が出来ましたので早く食べてください」

切嗣「あ・・・・ああ」

切嗣「え?」

ユールヒエン「何を寝ぼけているのですか?」

切嗣「いや・・・・僕は・・・・その・・・・朝まで寝てしまっていたのか?」

ユールヒエン「はい、それはもうぐっすりと」

ユールヒエン「時間で言うと約8時間ちょっと」

切嗣「8時間も・・・・」

ユールヒエン「熟睡ですね。健康には良い事です」

切嗣「確かにそうだが・・・・」

―――――――――グゥ

切嗣「・・・・」

切嗣「(お腹が・・・・空いた・・・・)」

ユールヒエン「・・・・取り敢えず朝食を」

切嗣「あ・・・・ああそうだな」

切嗣「よっと・・・・」

トン――――――――

コツ―――コツ――――コツ―――――

切嗣「・・・・(パンと水だけか・・・・)」

トタン――――――(受け取り口から取る)

コツ――――コツ――――――コツ

切嗣「よっ・・・・」

908: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/17(月) 03:18:46.77 ID:X64StQSq0
ドスッ―――――――

ユールヒエン「やはり・・・・わざわざ戻って食べようとするのですね」

切嗣「当たり前だ・・・・立ち食いなど行儀が悪い」

ユールヒエン「何故です?」

切嗣「何故って・・・・立って食べると食事を適当に食べてるように見え」

切嗣「食事に対しての感謝の気持ちが現れているように思えないからだ」

ユールヒエン「食事に感謝をするのですか?」

切嗣「あぁ、日本では食事に対して感謝をするな」

ユールヒエン「所詮、生きるために食べる”物”なのにですか?」

切嗣「あぁ、まぁそこらへんは文化の違いだ。理解できなくて当然だろう」

ユールヒエン「日本人は変わっていますね」

切嗣「まぁな」

―――――――スッ (パンを取る)

切嗣「(僕から見れば変わっているのはそっちなんだが)」

切嗣「(まぁ・・・・もうこういう事も何度も体験してきた)」

切嗣「(反論しても意味はない事ぐらい分かっている)」

――――――――――パクッ(パンを食べる)

切嗣「・・・・」

ユールヒエン「どうか致しましたか?」

切嗣「いや・・・・食べられなくはないんだが味がない・・・・」

切嗣「(一言で言えば美味しくない)」

ユールヒエン「味がない?」

切嗣「何と言うか・・・・食べてる触感だけはするんだが」

切嗣「味に色がない・・・・」

切嗣「色で言うなら全くの無色だ」

ユールヒエン「ふむ・・・・」

ユールヒエン「ブロートもダメですか・・・・」

切嗣「あぁ・・・・残念ながら・・・・」

ユールヒエン「それでしたら、何か日本の料理を教えていただきませんか?」

切嗣「日本の料理を?」

ユールヒエン「ええ」

ユールヒエン「このままですと、貴方は何も食べれず餓死してしまい」

ユールヒエン「こちらとしても、困りますので」

切嗣「・・・・(日本の料理か・・・・これは少し困った)」

切嗣「(殆ど僕は外国に滞在していた)」

切嗣「(日本に居てもジャンクフードばかりで日本の料理など殆ど分からないぞ・・・・)」

ユールヒエン「ありますか?」

切嗣「いや・・・・思いつく限りでは・・・・ない・・・・」

ユールヒエン「そう・・・・ですか・・・・」

911: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/18(火) 23:48:22.28 ID:StsSylsk0
ユールヒエン「では・・・・そうですね・・・・どうしましょうか・・・・」

切嗣「・・・・もういい」

ユールヒエン「ですが・・・・」

切嗣「・・・・取り敢えず無理矢理にでも我慢して食べるさ」

切嗣「今は胃を満たせれるならそれで」

ユールヒエン「・・・・それだと逆に意味ないですよ?」

切嗣「何故?」

ユールヒエン「・・・・味覚と言う物は非常に重要でして」

ユールヒエン「長期的に自分の味覚に合わない物を食べ続けると、脳に極度のストレスを与え」

ユールヒエン「体調を崩し安くなり」

ユールヒエン「全て今まで食べた物を吐き出し栄養が逆に不足するケースが多いのです」

ユールヒエン「ですから、そんな食事ばかりですと逆に飢餓状態を加速させ餓死が早まりますよ?」

切嗣「・・・・そんな事は言ってもしかし・・・・」

ユールヒエン「・・・・・・・・」

ユールヒエン「では、こうしましょう」

切嗣「?」

ユールヒエン「貴方だけには特別に、毎日、一日朝に2回、昼に2回、晩に2回合計して6食提供します」

ユールヒエン「毎日提供するその中で美味しいと思ったものを言ってください」

ユールヒエン「それをアレンジした物を作りますので何が原因か此方でお調べします」

切嗣「あ・・・・ああ」

ユールヒエン「大丈夫です。レシピと材料は腐るほど此処には大量にあります」

ユールヒエン「決してメニューが被るなんてことはありませんのでご心配なく」

切嗣「ああ、分かったが・・・・お前は・・・・」

ユールヒエン「すいません。お前呼びは辞めて貰えますか?」

ユールヒエン「非常に不快です」

切嗣「(細かい事に拘るんだな・・・・)」

切嗣「では・・・・え・・・・と」

ユールヒエン「ユール・ヒストリア・エンドリヒです。以後ユール又はユールヒエンでお呼び下さい」

切嗣「ユールヒエン?」

ユールヒエン「頭文字をとってユール・ヒエンらしいです」

切嗣「らしいとは?自分で呼んでくれと言っておいて丸でそのニックネームを他人が付けたような言い方だな」

ユールヒエン「はい、付けて貰いました」

ユールヒエン「昨日貴方と面会された方に」

切嗣「ほぉ・・・・奴がな・・・・で意味はあるのか?」

ユールヒエン「・・・・フライアを指すそうです」

切嗣「(フライヤ?あぁ、フレイヤの事か)」

切嗣「いいニックネームじゃないか」

ユールヒエン「いいえ、私に対する皮肉です」

切嗣「皮肉?だって豊穣の神だろう?」

ユールヒエン「いいえ、フライヤの聖獣って事で豚と言う意味ですよ・・・・」

切嗣「豚?」

ユールヒエン「分かりやすく言うなら家畜っていう意味ですね」

切嗣「家畜・・・・」

912: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/19(水) 01:18:59.78 ID:pC63E/7m0
ユールヒエン「正直もう、慣れてしまっているのでこの名前で呼んでいただいても結構です」

切嗣「いや・・・・辞めておく・・・」

切嗣「普通にユールで僕は呼ぶ」

ユール「分かりました。では、次からはその様にお願いします」

切嗣「あぁ」

ユール「それで、私に話したいことでもあったんじゃなかったのですか?」

切嗣「ああ、そうだ」

切嗣「ユールは、昨日の奴みたいに質問はしてこないんだな・・・・」

切嗣「どっちかと言うと・・・・僕に友好的と言うか・・・・」

ユール「友好的・・・・ですかね?」

ユール「私にとってはいつもの業務をこなしているだけなのですが」

切嗣「いつもの業務?」

ユール「ええ、被検体に食事を与え経過観察の為のコミュニケーション」

ユール「いつもの業務ですよ?」

切嗣「それは、休みがあるのか?」

ユール「有るわけないじゃないですか」

ユール「一日でも休めば大惨事ですよ」

切嗣「変わりはいないのか?」

ユール「変わりがいるならわざわざ被検体に名前なんて教えませんよ」

切嗣「・・・・悲惨だな・・・・」

ユール「そうでもないです」

ユール「被検体には色々な方がいて楽しいですよ」

切嗣「例えば?」

ユール「奇声がうるさいやつとか、何言ってるかさっぱり分からない奴とか」

ユール「果ては、毎日求婚してくる奴とか」

切嗣「それは・・・・楽しいのか?」

ユール「ええ、楽しいですよ」

切嗣「・・・・」

ユール「まぁ、でもちゃんとしたコミュニケーションが取れる被検体の方が好きですよ」

ユール「きちんと質問を答えてくれるので」

切嗣「大変なんだな」

ユール「大変なことほどやった後に価値がありますので」

916: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/20(木) 01:48:30.36 ID:CQoMmcZB0
切嗣「大変なこと程・・・・か」

ユール「ええ、簡単な事をやっても人は進歩できませんよ?」

切嗣「確かに・・・・」

切嗣「そうかも・・・・しれない・・・・」

ユール「・・・・さて、そろそろ私は次の被検体の経過観察へ行きますね」

ユール「次の被検体の方は食事を待たせると執念にまーぼーどうふ?とかいう」

ユール「訳の分からない物を偉そうに要求してくるので」

切嗣「!(もしや・・・・)」

切嗣「それは・・・・もしかして・・・・常に気持ち悪い笑みを浮かべながら余裕を見せている男じゃないか?」

ユール「・・・・もしかしなくてもお知り合いですか?」

切嗣「知り合いと言うより・・・・」

切嗣「いや・・・・知り合いだ」

ユール「そうでしたか・・・・それは・・・・お気の毒でしたね・・・・」

ユール「知り合いの方まで・・・・」

切嗣「別にそうでもない・・・・」

ユール「?知り合いなのですよね?」

切嗣「あぁ、知り合いだが・・・・別に奴が捕まった所で気の毒とは思わない」

切嗣「寧ろ捕まって安心した」

ユール「犯罪者か何かなんですか?」

切嗣「犯罪者と言うより奴は檻から出しては行けない」

切嗣「獣だ」

ユール「見た感じそんな感じもしませんでしたが・・・・」

ユール「知り合いである貴方が言うのならそうなのでしょう」

ユール「何をしでかすか分かりませんので、要注意人物として見て起きますね」

切嗣「注意してみておけ」

ユール「分かりました」

ユール「では」

切嗣「ああ」

キぃ――――――――――(ドアノブに手を掛ける)

ユール「あ、因みに朝の追加の料理については、そちらの被検体の経過観察が終わり次第直ぐにお出ししますので」

ユール「もう暫くお待ちください」

切嗣「大体何分くらいかかりそうなんだ?」

ユール「大体2、3分ですね」

切嗣「分かった」

パタン――――――――――

―――――――コツコツ――――――

切嗣「・・・・・・・・」

切嗣「行ったか・・・・」

切嗣「しかしながら・・・・奴まで捕まっていたのか・・・・」

切嗣「せめて奴だけでも脱出し、情報収集でもしていればいいなくらいには思っていたんだが・・・・」

切嗣「二人とも捕まってここに一体何をしに来たんだ・・・・僕らは・・・・」

切嗣「ハァ・・・・」

920: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/21(金) 03:09:01.32 ID:Keo/eofh0
切嗣「(こんな事になるくらいなら)」

切嗣「(・・・・やはりあの時、当初の計画通りここが彼の家ではないと言う事が分かった時点で帰るべきだったか・・・)」

切嗣「(流石に今回は情報を事前に知ろうとし、欲張った僕のミスだな・・・・)」

切嗣「(次からは、欲張らずに計画通りに進めていこう)」

切嗣「(どうせ先は長い・・・・焦らずともいい)」

切嗣「(確実に一つ一つこなしていこう・・・・)」

切嗣「ふぅ・・・・」

切嗣「・・・・煙草が吸いたい・・・・」

――――――――コンコン―――――――(受け取り口方面で叩く音)

切嗣「(ん?)」

切嗣「(もしかして、もう朝食が来たのか)」

切嗣「(2、3分と言ってたわりには大分早かったな)」

―――――――トタン――――――(受け取り口が開く)

切嗣「(さて・・・・今度は一体どんなメニューかな・・・・)」

切嗣「・・・・」

切嗣「・・・・」

切嗣「・・・・?」

切嗣「(中々来ないな・・・・)」

切嗣「(もしかしてそんな時間が掛かるほど大量に作った物なのか?)」

「あーあーあー」

切嗣「?(子供の声?)」

「聞こえますかーー」

切嗣「・・・・」

「返事してくださーい」

切嗣「・・・・誰だ?」

「わぁ!!返事してくれた!!」

切嗣「・・・・」

「貴方お名前はなんていうの?」

切嗣「・・・・」

「私ね。私ね。名前はまだ、ないんだけどね」

「取り敢えずね。エ・・・・エー・・・・なんだったっけ?」

切嗣「ふっ・・・・」

「もしかして、笑った?ねぇ笑った?」

切嗣「いいや・・・・笑ってないよ」

「嘘だー絶対笑った笑った」

切嗣「気のせいさ」

「気のせいじゃないもん。気のせいじゃないもん」

切嗣「ふふっ・・・・」

「ほら―――」

―――――ガチャッ(受け取り口方面から扉を開ける音が聞こえる)

「あ―――――」

「・・・・エーミル様此方で何をやっておられるのですか?」

「あ・・・・その・・・・」

921: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/21(金) 03:39:46.06 ID:Keo/eofh0
切嗣「・・・・」

「・・・・また、ご報告させて頂きますね」

エーミル「ごめんなさい。もう、こんな事しませんからそれは辞めてえええ」

「駄目です。規則ですので」

エーミル「ケチ!!」

「規則ですので」

エーミル「悪魔!!」

「何と言われようと規則ですので」

切嗣「・・・・」

エーミル「じゃぁ・・・・ユールヒエン!!」

ユール「・・・・あまりお調子に乗りますと、頭叩き割りますよ?」

エーミル「・・・・ごめんなさい」

切嗣「・・・・(やはりユールヒエンと言うニックネーム慣れたとは言っていたが嫌っていたんだな・・・・)」

ユール「はい、許しましょう」

エーミル「じゃぁ!!」

ユール「ですが、ご報告はいたします」

エーミル「そんなぁ・・・・無慈悲!!」

ユール「私に慈悲があるとお思いですか?」

エーミル「もう、ユール嫌い!!」

ユール「では、今日のお食事はマチェス(ニシンの塩漬け)ですね」

エーミル「やっぱりユール好き!!」

ユール「駄目です。メニューに変更を加える事は出来ません」

切嗣「・・・・」

エーミル「ごめんなさい。本当に二度とこんな事しないからマチェスだけは」

エーミル「マチェスだけは許してください」

ユール「・・・・では、今日の全員の被検体分のお皿洗いを手伝ってくれるなら考えましょう」

エーミル「本当!?」

ユール「嘘です」

エーミル「えええええ」

ユール「どうせ、サボるのが目に見えてますので・・・・」

エーミル「ちゃんとやる!!ちゃんとやるから!!」

ユール「それなら、256枚全部終わるまでですよ?」

エーミル「・・・・せめて4枚までなら・・・・」

ユール「・・・・仕方ありませんね」

エーミル「それじゃぁ!!」

ユール「ちゃんと13時に来てくださいね」

エーミル「分かった!!」

――――――タタタタ(走っていく音)

925: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/23(日) 02:01:38.37 ID:kkV27ETp0
ユール「さて・・・・・」

――――――コンコン――――

ユール「お騒がせして申し訳ありません」

切嗣「いや、構わない」

切嗣「子供はいつだってイタズラ好きだからな・・・・・・」

ユール「・・・・ですね。本当、被検体より子供の方が手間がかかります」

切嗣「ふ・・・・嫌いか?子供は」

ユール「いいえ、大好きですよ」

ユール「純真で、退屈もしませんし」

ユール「なにより、辛い事があった後に、あの笑顔を見ると救われます」

切嗣「・・・・・・そうだな」

切嗣「確かに、辛い事があってもあの笑顔さえあれば・・・・・・」

「切嗣、遊ぼう!!」

「わぁ!!切嗣物知り!!」

「二ヒヒ!!切嗣の負けだね!!」

「切嗣ずっるーい!!」

「切嗣!!」

「切嗣ーー」

「切嗣」

「イリヤ、切嗣だぁいすき!!」

切嗣「(あぁ・・・・・・)」

ユール「どうか致しましたか?話が途中で切れてしまいましたが」

切嗣「いや・・・・ああ・・・・いや何でもない」

切嗣「辛い事があってもあの笑顔さえあれば、確かに救われるなと・・・・・」

ユール「そうですよね・・・・・・・」

ユール「本当、普通ならストレスが溜まる事なのに」

ユール「子供は不思議な物を持っていますよね・・・・・」

切嗣「ああ」

ユール「さて、話が長くなりました。今からお食事をお出ししますね」

切嗣「分かった」

――――コツコツコツ―――

―――――キぃ――――

―――――コトン

切嗣「(・・・・・魚料理か)」

―――カチャン

―――コツコツコツ――――

―――トスッ

切嗣「食してみるか」

―――――パクッ


926: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/23(日) 03:06:49.97 ID:kkV27ETp0
切嗣「(味がないよりはマシだが・・・・・・)」

切嗣「(・・・・・・臭いな)」

切嗣「(魚独特の生臭ささがある・・・・・・)」

切嗣「(とてもじゃないが、加熱調理した物とは思えない・・・・・)」

―――――ガチャッ(ガラス前の扉が開く)

ユール「・・・・・・どうでしょうか?」

切嗣「すまない。これはもやはり無理だ」

ユール「それは、美味しくなかったと言う事で良いのでしょうか?」

切嗣「ああ、パンよりマシだが美味しくはない」

ユール「そうですか。分かりました」

切嗣「すまないな。食事を無駄にさせてしまって」

ユール「いいえ大丈夫です」

ユール「どうせそれは、昨日の残り物ですので」

切嗣「残り物・・・・・・」

ユール「流石に今日は之から昼の分も作る必要がありましたので」

ユール「代用させていただきました」

ユール「申し訳ありません」

切嗣「・・・・・・」

ユール「ああでも大丈夫です。午後からはしっかりと一から作るので安心してください」

切嗣「いやどうせ口に合わないんだ。そのまま二食目は残り物で代用してもらって構わない」

ユール「いいんですかそれで?」

切嗣「ああ、わざわざ僕の為に新しく料理を作り直しても、勿体ないだろう・・・・」

ユール「・・・・分かりました。では今後その様に致しますね」

切嗣「ああ」

切嗣「しかしあれだな」

ユール「はい?何でしょう?」

切嗣「奴の経過観察に行くと言っていたが意外とあっさりと終わったんだな」

切嗣「大分戻ってくるのが早かったが」

ユール「あ」

切嗣「ん?」

ユール「・・・・・・エーミル様を追いかけていたら・・・・・・すっかり行くのを忘れていました」

切嗣「・・・・・大丈夫なのか?それ?」

ユール「すいません。急いで経過観察に行ってきます」

ユール「残り物は昨日と同じく受け取り口へお願いします」

切嗣「あ・・・・・ああ」

ユール「では」

――――バタン

切嗣「本当に大変だな彼女も・・・・・」

――――ドスッ(寝転ぶ)

切嗣「ハァ・・・・・・またイリヤとアイリについて考えてしまった・・・・・・」

切嗣「この時代に来て何度考えているんだ・・・・・・僕は・・・・・・」

切嗣「・・・・・・如何あがいても彼女達が救われる事はないと言うのに・・・・・」

切嗣「あぁ・・・・・・何て愚かな事だ・・・・・」

927: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/23(日) 03:30:15.38 ID:kkV27ETp0
――――――ー―――――――――――――――――――――――――――――
因みにスレイヴ側

―――ガチャッ

ユール「申し訳ありません。食事が遅れて」

スレイヴ「遅いぞ?早く泰山特製激辛麻婆豆腐を持ってこい」

ユール「・・・・・え・・・・・とですからそれは・・・・・・」

スレイヴ「まさか、ここには泰山特製激辛麻婆豆腐がないとでもいうのか?」

ユール「ですから、そもそもまーぼーどうふと言うのが何なんか教えて頂けませんか?」

スレイヴ「麻婆豆腐と言えば泰山特製激辛麻婆豆腐だろう常識だ」

ユール「いえ、ですから・・・・・」

スレイヴ「早く泰山特製激辛麻婆豆腐を持ってこい」

スレイヴ「話はそこからだ」

ユール「ハァ・・・・・・」

スレイヴ「どうした?泰山特製激辛麻婆豆腐を早く持ってこい」

スレイヴ「私の生きがいの一つである」

スレイヴ「泰山特製激辛麻婆豆腐を持ってこい」

ユール「本当にまーぼーどうふって何なんですか・・・・・」

スレイヴ「だから何度も言っているであろう。麻婆豆腐とは泰山特製激辛麻婆豆腐だ」

スレイヴ「いい加減覚えろ」

ユール「あぁ・・・・もう・・・・・本当に・・・・・・」

スレイヴ「いいから兎に角泰山特製激辛麻婆豆腐を持ってこい」

ユール「(この方だけ異様に疲れます)」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

932: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/24(月) 01:38:51.95 ID:3Dd/ZIKL0
セイバー側 切嗣 タバコを買いに街を探索中

―――カツコツカツ

切嗣「ハァ・・・・・・・・・」(吐息を放つ)

―――――カツンカツコツ

「おい、聞いたか?あそこの」

「ああ聞いたよ、自殺だそうだな・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・・」

―――――コツコツ

「何で自殺なんてしちまったんだか・・・・・・」

「仕方ない話しさ。何てたって、去年から起こってる大恐慌(世界恐慌)の影響で、経済が回らなくなってきてるんだ」

「死にたくなる気持ちも理解できるよ・・・・・・全く」

「そうネガティブな事を言うなって」

「そんな事言ってるが、お前んとこも危ないだろ?」

「あぁ・・・・・・まぁな、保ってるのがやっとだそうだ・・・・・・」

「全く、世知辛い世の中になったもんだよな・・・・・ふぅ・・・・・・」

―――――カツリコツリカツリ

切嗣「(大恐慌・・・・・・・・・・・か)」

切嗣「(確か、1929年末葉辺りに起き始めた資本主義諸国を襲った史上最大規模の経済危機だったか)」

切嗣「(そうか・・・・この時代は丁度・・・・・・ドイツの経済が一番劣悪になっている時期と被るんだな・・・・・・)」

―――チャリン

切嗣「(そうなると果たして、奴から奪ったこの金だけで足りるか怪しいな・・・・・・・)」

切嗣「(ま・・・・・・足りなければ適当にそこら辺の奴から奪えば・・・・)」

切嗣「(いや、目立つ行動は出来ないんだったな)」

切嗣「やれやれ・・・・」

切嗣「(っと・・・・そう考えている内に見つけた)」

――――――カツカツカツ

「・・・・・」

切嗣「適当に安いのを一つ」

「8マルク(日本円で約800円かそれ以下くらい)だよ」

切嗣「(やはり高い・・・・)」

切嗣「5マルクくらいのはないか?」

「ないよ」

切嗣「・・・・・・それじゃ、この地域で一番安い店を知らないか?」

「帰りな」

切嗣「(・・・・・駄目か)」

切嗣「(仕方ない他を当たろう・・・・・)」

――――――コツコツコツ

切嗣「(とは言っても恐らくどこも、あんな感じだろうな・・・・・・)」

切嗣「(8マルク・・・・・流石に高すぎる・・・・・)」

切嗣「(こんな事ならもう少し奪っておくべきだったな・・・・・)」

―――――――――ヒュゥゥ(冷たい風が吹く)

切嗣「(寒い・・・・早く帰りたい)」

936: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/25(火) 00:35:08.76 ID:tL4UENd30
――――――暫く煙草を売っている店を転々とすること数十分後

切嗣「・・・・・そこを何とか、頼む」

「駄目だ」

切嗣「せめて、一本だけでも」

「一本って・・・・・商品が無駄になっちまうよ。他を当たりな」

切嗣「・・・・・」

「家も厳しいんだ。分かってくれ」

切嗣「・・・・・・ああ、分かった。無理な相談を言ってすまなかった・・・・・」

――――コツコツコツ

切嗣「ハァ・・・・・これで15件目か・・・・・・」

切嗣「(やはり何処もかしこも無理だ、帰れだ、の一点張り。交渉を受け付けてはくれないな・・・・・・)」

切嗣「(まさか、煙草を買うだけに此処まで苦戦する事になろうとは全く持って予想外だ)」

切嗣「(之では、昼頃までに帰れるかどうか・・・・・)」

切嗣「(仕方ない・・・・・後3件程度回って駄目だったら煙草は諦めて弾薬の補充に行こう)」

切嗣「(煙草だけにそんな時間を掛けても時間の無駄だ・・・・・)」

切嗣「・・・・・・・」

――――――コツンコツンコツン

切嗣「・・・・・・・」

―――――コツリコツリコツリ

切嗣「・・・・・・・」

――――――コツ



―――トントン(後ろから、叩かれる)

切嗣「・・・・・・」

ピタリ――――――

「そのまま、路地裏へ」

切嗣「(・・・・ようやく来たか)」

切嗣「ああ」

――――――――――――コツリコツリコツリ(路地裏へ入っていく)

切嗣「・・・・・大分接触までに時間が掛かったな」

「すいません。アドルフから外出許可を貰うのに時間が掛かってしまいました・・・・・」

切嗣「・・・・・やはり用心深いか?あの男は」

「はい、中々取り入る隙がありません」

切嗣「・・・・・そうか・・・・・」

「ですが、一つだけ確信はしていませんが分かったことが有ります」

切嗣「なんだ?」

「・・・・・近日中に間桐と会談するとか何とか」

切嗣「・・・・・・そう動いて来たか」

「どうしますか?」

切嗣「・・・・・・そちらは任せる。僕は今は動けない」

「どうしてですか?」

切嗣「今、僕はアイツのの場所にいる。迂闊な真似ができない」

「セイバーですか・・・・・」

937: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/25(火) 01:32:26.06 ID:tL4UENd30
切嗣「ああ・・・・・」

「そうですか、結局そう決断なさったんですね・・・・・」

切嗣「・・・・・」

「では、貴方は?」

切嗣「知っているだろう?」

「同じ運命を辿らせたのですか・・・・・」

切嗣「・・・・」

「・・・・・また苦しみますよ?」

切嗣「そうはならない・・・・・今度こそは上手くやってくれる」

「・・・・・そうやって以前の貴方も・・・・・」

切嗣「やめろ、言うな」

「・・・・・・」

切嗣「大丈夫だ。今度はこの段階で既にセイバーがキャスターを殺した」

切嗣「もう、エミンが・・・・・・あの娘が器となる事はない」

「・・・・・それでも・・・・ならなくても、合流すれば貴方は・・・・・・」

切嗣「僕はいい。どうせ聖杯に願ったあの日に既にもう・・・・・死んでいた」

「・・・・・・・・・」

切嗣「それにもう、口先だけは強気でも”何者も殺せなくなった”僕じゃ最後の日に対抗出来やしない・・・・・」

「・・・・・・」

切嗣「・・・・・・あれに対抗するにはもっと強い衛宮切嗣が必要だ」

切嗣「以前の様に殺すと決めたら必ず殺す衛宮切嗣が」

切嗣「なんの躊躇もなく殺せる衛宮切嗣が」

切嗣「今のこんな弱い僕じゃなく」

切嗣「正義の為だったら家族をも殺せる衛宮切嗣が」

切嗣「その為だったら僕は、僕を使う・・・・・」

「その覚悟・・・・・分かりました・・・・・では、もうその事については何も言いません」

切嗣「あぁ・・・・・そうしてくれ」

切嗣「それより、アドルフ、間桐以外の各情勢はどうなっている?」

941: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/26(水) 04:54:28.20 ID:YqfIlT3t0
「今の所、アインツベルンと例のマリオネットに関しては、防御が固過ぎる為どうなっているのか分かりません」

「ですが、エーデルフェルトと遠坂には関しては、昨日丁度この時間帯くらいに共闘関係を結びました」

切嗣「・・・・確かか?」

「はい、間違いはありません」

「遠坂側がエーデルフェルト側に対してセルフギアス・スクロール(自己強制証明)を書かせていましたので・・・・・」

切嗣「・・・・セルフギアス・スクロールか・・・・また懐かしい物を使う・・・・」

「・・・・・・」

切嗣「・・・・・その内容は確認出来たか?」

「いえ、流石に出来ませんでした。何せ横目でチラッと見るだけで精一杯でしたので」

切嗣「そうか・・・・分かった。ならば引き続き一週間にわたって又全マスターの動向チェックを続けてくれと言いたいところだったんだが」

切嗣「すまない、全マスターと言う所を変更する」

「・・・・・どうかしたのですか?」

切嗣「あぁ、噂で聞いたんだが」

切嗣「僕達がキャスターを仕留めた事で、どうやらエーデルフェルト、遠坂、間桐がこの国で戦争を始めるつもりらしい」

「!!本当ですか!?」

切嗣「あくまでも噂だがな・・・・・」

「・・・・ですが・・・・この国でやるという事は」

切嗣「あぁ、分かっている。そんな事をすれば、冬木の聖杯と”この国に本来ある聖杯”とで競合が起こり僕達にとっては有難い事に」

切嗣「聖杯が不完全な物になり終わってしまう」

切嗣「(まぁ・・・・・もう、キャスターを倒した時点で不完全なものになる事は決まったも同然だが・・・・)」

「では・・・・」

切嗣「そんな事は分かっている・・・・・分かっているんだ・・・・・・」

切嗣「だが、妙に胸がざわつく・・・・・」

「・・・・・・・・」

切嗣「あり得ない、あり得る筈はないとそう思っているのに・・・・・」

切嗣「どうしてか・・・・胸がざわつく・・・・」

「・・・・・・・・・怯えているのですね」

切嗣「怯えている・・・・?」

切嗣「この僕が?怯えているのか?」

「・・・・・・・・」

切嗣「分からない・・・・これが怯えなのか?」

切嗣「このざわめきが怯えなのか?」

切嗣「怖がっているのか?僕は・・・・だから慎重になろうとしているのか?」

「・・・・・・・・切嗣」

切嗣「・・・・あ・・・・ああなんだ?」

「いえ・・・・・なんでもありません・・・・」

切嗣「?可笑しな奴だ・・・・・」

「それより、そういう事ならどうすればいいんでしょうか?」

切嗣「あ、ああだから動向チェック範囲を、今この国にいるアドルフ、エーデルフェルトだけに絞ってくれ」

切嗣「他は、取り敢えずいい」

「・・・・・はい、分かりました」

切嗣「では・・・・また一週間後に」

「はい。また一週間後に会いましょう」

945: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/27(木) 03:04:03.47 ID:jiERYSbZ0
切嗣「ああ、ではな・・・・」

―――――――コツコツコツ

「・・・・・切嗣・・・・ごめんなさい」

「今の貴方には・・・・否定する事が出来ない」

―――――――――――――――――――――――――
一方セイバー

エミン「ああ・・・・・・・・ああああ」

エミン「ハァ・・・・ハぁ・・・・ハぁ・・・・」

剣「・・・・・」

剣「(・・・帰ったら治っているなんて少しだけ希望を持っていたのですが、やはり早々簡単に治るわけはありませぬよな・・・・)」

エミン「う・・・・ううう・・・・ううう」

剣「(・・・・こんな姿を見るのはやはり辛いですな)」

エミン「うううう・・・・・」

剣「(エミンお嬢様・・・・頑張ってくだされ)」

―――――――スッ(右手をエミンの頭に当てようとする)

ズ――――――(セイバーの右手が黒くなろうとする)

剣「!」

バッ(手を離す)

ギュッ(右手を抑える)

剣「(不味いですな・・・・)」

ズズズズズ

剣「(・・・・こんなにも早く)」

ズズズズズズズ

剣「(くぅ・・・・・)」

剣「(私にはまだ・・・・やる事がある。こんな所でなってやる訳にはいかぬ)」

ギュゥ(更に右手を強くつかむ)

ズズズズズズズズ

剣「(掴んでも切りがありませぬな・・・・こうなれば)」

―――――シュィン(槍を取り出す)

剣「ふぅ・・・・ふぅ・・・・」

ドンッ(近くに置いてある机に手を置く)

剣「(よし・・・・)」

剣「せーの・・・・」

―――――ブシュッ(自分の右手に槍を突き刺す)

剣「っっっっっっっっっっっ!!!!!!」

剣「(声は抑えるのです!!抑えるのですぞ!!)」

剣「(ふっ!!)」

―――――ぐちゃっぐちゃぐちゃ

剣「くぅ・・・・うぅぅくぅ・・・・」

ズズズズズズズズズズ

剣「(戻れ・・・・)」

ズズズズズズズズズズズ

剣「(戻るのですぞ!!)

949: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/28(金) 02:41:15.60 ID:zuM3nBGM0
ズズズズズズズズズズズ

剣「ぬぅぅぅぐぅぅぅぅぅ」

剣「(これでも駄目か!!)」

剣「(なら!!)」

―――――ズプッ(一度槍を引き抜く)

剣「(ふん!!)」

ズシュッ――――

剣「(戻れ・・・・戻れ・・・・・戻れ!!・・・・・戻れ!!)」

――――ブッシュ―――ビュッ―――ビチャっ―――バチャッ―――

剣「(戻れ!!・・・・・戻れ!!・・・・戻れ!!・・・・・戻れ!!・・・・戻れ!!・・・・戻れ!!)」

――――バシャッ――――グチャッ――――ブシャッ――――クシャ――ー

剣「(戻れ!!・・・・戻れ!!・・・・戻れ!!・・・・戻れ!!・・・・戻れ!!・・・・・・・・戻れ!!)」

――――ポタッ―――ポタッ―――ポタッ―――ポタッ

剣「(戻レ!!・・・・・戻れ!!・・・・・・戻レ!!・・・・・戻れ!!・・・・・・・・戻レ!!)」

――――シヤッッ――――チャッ――――ブッ――――――ー

剣「(戻レ!!・・・・・モドレ!!・・・・・戻れ!!・・・・・モドレ!!・・・・・・・・・・・戻れ!!)」

――――シヤッッ――――――――ブッ――――――ーグチャリ―――

剣「(戻れレ!!・・・・・・・・戻る!!・・・・・戻ラレナイ!!・・・・・戻る!!・・・・モドレ!!)」

――――――――――――――――ブシャっ

剣「(モドレ!!・・・・・戻らナけレ・・・・!!・・・・モドレ!!・・・・モット!!・・・・モドレ!!・・・・モドレ!!)」

剣「(モドレ!!・・・・・元ニモドレ!!・・・・・モド・・・・レ!!・・・・・モドル・・・・)」

剣「(モトドオリニ!!!)」

剣「ひひひ・・・・ひひひアハハひはははあはははははあはは」

剣「ひゃははははははははははははははは」

剣「タノシイナァ!!タノシイナァ!!八ッハハハハハハ」

剣「ハハハハハハハハハハハハハハハハ」

剣「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」

―――バンッ(扉が勢いよく開く)

「大丈夫です――――――」

剣「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「――――――――え?」

剣「ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

「あ・・・・貴方は・・・・あの人と一緒に行ったはずじゃ!?」

剣「ヒっヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」

――――――ぐしゃっ――――ぐしゃっ―――ー

「――――――な!?」

剣「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒ」

――――ザクッ―――ーザクッ――――ザクッ

「・・・・・・八ッ!?呆けている場合じゃない!!」

「止めなければ!!」

―――ダッ

剣「フフフフフフハハハハハハハハハハハハ」

「こら!!辞めなさい!!!」

950: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/28(金) 03:47:01.59 ID:zuM3nBGM0
――――ガシッ(腕をつかむ)

剣「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

―――ド(構わず槍を自分の腕に振る)

「うわっ――――」

―――バッ(投げ飛ばされる)

ガシャン――――――――

「ぐっ!!」

剣「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

――――グシャグシャグシャ

「う・・・・」

「くぅ・・・・・ベルウェール・サン・ライト」

――――――ポワッ(周囲に光が灯る)

剣「フフフフフフフフフフフフフフフハハハハハハ」

――――チリーン(鈴の音がなる)

剣「ハハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・ハ・・・・・ハ・・・・・ハ」

――――――バタン(台の上に倒れる)

「ふぅ・・・・サーヴァントにも一応効きましたか・・・・良かった・・・・」

剣「・・・・・スゥ・・・・・スゥ・・・」

「・・・・よっと・・・・」

―――――チャラチャラ

「・・・・・・・・・・あちゃぁ・・・・・これは、後で掃除しとかないとな・・・・」

――――コツコツ(エミンの元へよる)

「・・・・エミンさん聞こえますかーーー」

エミン「あ・・・・ううう・・・・・」

「・・・・危害は加えていなかったみたいだ・・・・・良かったぁ・・・・」

「危害加えてたらあの人に殺されるところだったよ・・・・ふぅ・・・・」

「それにしても」

「あーあーあ・・・・本当大惨事・・・・」

「机周辺は血塗れ、窓ガラスも割れてるし」

「しかも・・・・これ・・・・・・・・僕のお気に入りの花瓶だったのになぁ・・・・酷い・・・・」

「これ、掃除するのに一日は掛かりそうだなぁ・・・・」

「変わりにやってくれる人も今はいないしどうしよう・・・・」

「どうしようって、僕がやるしかないよねぇ・・・・」

「はぁ・・・・本当あの人は疫病神だな・・・・」

「はぁ・・・・辛い・・・・」

954: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/29(土) 03:52:36.97 ID:i86aHj9w0
――――――――――――――――――――――――――――――ー

――――――――ずる―――――ずる――――ーずる――――

剣「・・・・・・・・・・アア・・・・アア・・・・アア」

―――――ずる―――――ずる―――――ずる――――

剣「・・・・・・殺したりない・・・・・まだ・・・・・」

――――ーずる―――――――ずる――――――ずる―――

剣「・・・・・・・まだ・・・・私は・・・・殺したりない・・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・・もっと・・・・・もっと・・・・・殺さないと・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・正義の為に殺さないと・・・・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・人の為に殺さないと・・・・・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・友の為に殺さないと・・・・・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・愛している人の為に殺さないと・・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・私の為に・・・・・殺さないと・・・・・・・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・ウウ・・・・・アア・・・・・・ウウ・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・・・・・・ウウ・・・・・・・・・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・・・・・・・・・・・・・・アア・・・」

―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

剣「・・・・・ウウ・・・・・・・・・・・・・・・・・」

――――――――――――――ゴン

剣「・・・・・・・・・・アア・・・・・・・・?」

剣「なんだ・・・・・・?」

「・・・・・・・・・・・・・」(人の影)

剣「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

――――――ブンッ

スゥ―――――――――

剣「・・・・・・・・・・・あ?・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・」

―――――――ークイクイ

剣「・・・・・・・なんだぁ?・・・・・こいつ・・・・・・・・」

―――――――ー―――――――――――ずる―――――――ずる―――――――

――――――――ずる―――――

958: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/31(月) 00:45:23.30 ID:DO6JyEPR0
―――――――――ずる

「・・・・・・・・・・・・・」

―――――――――ブンッ

スゥ―――――――

「・・・・・・・・・・・・・」

―――――――クイクイ

剣「・・・・・・・・・・・・」

―――――――――ずる―――――――――ずる―――――――――ずる

―――――――――ずる―――――――――ずる―――――――――ずる

「・・・・・・・・・・・・・」

クイクイ―――――――――――

剣「・・・・・・・・・・・・・」

―――――――――ずる―――――――――ずる―――――――――ずる

―――――――――ずる

――――――――――――――――――――

「・・・・・・・・・・・・・・」

―――――――――――フワフワ

剣「・・・・・・・・・・・・」

ブンッ――――――――――――

「・・・・・・・・・・・・・・」

―――――――ピタッ(止められる)

剣「・・・・・・・・・・・・」

―――――ズッ

剣「ぐ・・・・・・・」

ググ―――――――――――――――

剣「う・・・・・うぅ・・・」

―――――――――パンッ

剣「・・・・・・・あ・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

剣「・・・・・・・・・・取りに行かなければ」

―――――――――――――ずる

―――――――――――――ずる―――――――――――――ずる

――――――――――――ズルッ

剣「・・・・・・あ」

ヒュゥゥゥゥゥゥ――――――――(落下する)

剣「・・・・・・・・・・・・・・」

ドシャッ――――――

剣「・・・・・・・・・・アア・・・・・落ちちゃった・・・・・」

―――――――――――コンコツン

「・・・・・・・・・・セイバー」

剣「・・・・・・アア?ニンゲン?」

「・・・・・・・・・・・・覚えていますか?私の事」

剣「・・・・・・・・殺さナケれバ・・・・」

959: ◆YmjwHbXvbg 2017/07/31(月) 01:58:05.29 ID:DO6JyEPR0
「セイバー・・・・・」

剣「ウ”・・・・ウ”・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・やっぱり・・・・・完全に呑まれ始めてる・・・・」

剣「・・・・・・ア”ア・・あ・・・」

―――――――――――――ずる―――――――――――――ずる

「・・・・・・・・・・もう、自分ではどうすることも出来なくなって来てるのね・・・・セイバー・・・・」

剣「・・・・・ウ”う”・・・・ガあ”・・・・・」

―――――――――――――ずる―――――――――――――ずる

「ごめんなさい・・・・・・・・私達の我儘の為にこんな事させて・・・・・・」

剣「・・・・・・あ”ウアア”・・・・イ”リ”・・・・」

―――――――――――――ずる―――――――――――――ずる

「・・・・分かってる・・・・分かってるの・・・・こんな事を無関係の貴方に全部押し付けてるのは間違いだって事・・・・・」

剣「・・・・・・コロス”・・・・・・」

―――――――――――――ず―――――――――――――ずる

「でも・・・・それでも・・・・貴方以外に彼の未来を救ってやれる英霊がいないの・・・・だから・・・・・本当にごめんなさい」

「貴方が苦しんでいようと・・・・貴方には・・・・彼を・・・・・未来へ連れて行ってもらう・・・・」

剣「・・・・・・・・あああ”あ”あ”」

―――――――ースッ

「でも、せめてもの償い・・・・貴方に私の全てをあげるわ・・・・それで、恐らく貴方は10日は持つはず・・・・」

剣「・・・・・・・・ウ”ガアアアアアアアアア」

「・・・・・・だからセイバーお願いね。弱いあの人を救ってあげて」

剣「・・・・・アアアアアアアあアアアアアあああ!!」

ブンッ――――――――――――ー

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
病室

―――――――――サッ―――――サッ―――――サッ

「ふふーん、ふん、ふふふーん、ふふふーん」

剣「・・・・・・・・・・う・・・・うう・・・・・」

剣「(私は・・・・・今まで一体・・・・・)」

ズキッ―――――――――

剣「(・・・うう・・・手が・・・・・動かせぬ・・・・)」

剣「(本当に今まで・・・・何を私はやって・・・・)」

「ふふふふふーん、ふふふふふふふーん」

―――――――――サッ―――――サッ―――――サッ

剣「(しかし先ほどから・・・なんですかな・・・・この音程の取れていない下手な鼻歌は・・・・聞いていてイライラしますな・・・・)」

「ふんふふふふふんーふふふーん」

剣「・・・・・・・」

963: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/01(火) 01:00:41.69 ID:cYlN9U/U0
「ふふふふふふーふふふーふふーん」

剣「・・・・・・・・」

「んーんーんんんーん」

剣「・・・・・・・・」

「ふんふーんふふふーん」

剣「・・・・・・・・・」

「ふふふふーん・・・・と」

「床はこんなもんで良いかな」

「後は、窓ガラスと壁周りと机か・・・・」

「ふえええ・・・・見てたらもう止めたくなってきた」

剣「・・・・・・・・・・」

「はぁ・・・・でもやんなきぁなぁ・・・・」

「本当面倒くさい面倒くさい・・・・」

剣「・・・・・面倒くさいなら、やらねばいいではないか」

「うんうん、だよねぇ・・・・」

「でもやんないと後で、僕がって・・・・・」

「え?」

剣「・・・・・どうした?話を続けぬのか?」

「いや・・・・・え?え?え?え?え?」(与りを見回す)

剣「・・・・何を混乱しておるのだ?」

「ええ?」(寝ているセイバーを見る)

―――――――タツタツタツタツタツ(セイバーに近づく)

剣「・・・・・・・・・・・」

タッ――――

「君・・・・もしかしてもう・・・・・起きて・・・・・るの?」

剣「(・・・・・・・・女子か・・・・)」

剣「・・・・・・・・・・・何者か知らぬがお主が下手糞な鼻歌を歌っている時から起きておるぞ」

「あ・・・・あ・・・・あああ・・・あああ」

剣「あ?」

「恥ずかしいいいいいいいいいい」

剣「・・・・・・・・・えらく下手糞でしたが・・・・恐らくショパンのワルツですかな・・・・あれは」

「止めてええええええ言わないでええええええええ」

剣「・・・・・・・・・ふふふーん」

「追い打ちいいいいいいいいいいい」

剣「(テンション高いですなぁ・・・・)」

968: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/02(水) 22:55:25.86 ID:bexjRXDG0
「ああ・・・・もうこうなったら自害するしかない・・・・」

「死のう」

――――――スッ(箒を持つ)

剣「・・・・・・・・」

「自害せよ僕」

「ぴきぃん」

剣「・・・・・・・・」

「うわっ!!なんだやめろ・・・・僕・・・・うわ」

チラッ――――

剣「・・・・・・・・」

「・・・・・」

ググググ―――――――

「・・・・うわぁ!!やめろ!!嫌だ!!僕はうわぁ!!」

「こんな所でうわぁ!!やめろ僕!!」

チラッ――――――

剣「・・・・・・・・」

「・・・・・・」

ググググ―――――――

「あーこれはもう駄目かも知れないー」

「あー誰かさんがさっきの事忘れてくれないと、この手が止まらない!!」

チラッ――――――

剣「・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「あ!!あー!!僕が死んじゃうと患者さんがぁ!!患者さんがぁ!!一生助けれなくなっちゃう!!あー!!」

剣「・・・・言っておきますが止めませんぞ?」

「なんでさ!!」

剣「・・・・・・・・・・・・いや・・・・それ・・・箒の向き逆ですぞ・・・・」

「!?」

「あ・・・・・」

――――スッ(持ち手を逆にする)

「こ・・・・これでどうですか!!」

剣「駄目ですな・・・・・本気で死ぬのであれば腹ではなく確実性及び即効性のある喉に当てるべきですぞ・・・・」

剣「腹では寧ろ痛みが長引くだけで辛いですしな・・・・」

「・・・・・・・・へ・・・・へぇ・・・・そ・・・・そうなんだ・・・・」

剣「医の者であるのに・・・・分からなかったのですかな?」

「い・・・・いや・・・・勿論知ってたよ」

―――フッ(喉に当てる)

「よし、これで・・・・さぁ!!どうだ!!」

剣「あー今度は位置がダメですな。その位置ですと」

「・・・・・・・・」

剣「途中でつっかえて逆に苦しく」

「ああ!!もう!!分かったよ!!」

「白旗白旗」

969: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/03(木) 00:29:44.86 ID:FCWxdlmm0
「負けたよ」

剣「・・・・やれやれとんだ茶番劇でしたな・・・」

「・・・・それより、君何なの?」

「僕の事煽るだけ煽って・・・・」

「酷すぎない?」

剣「いやはや・・・・すいませぬな。妙にお主の鼻歌が耳に障りましてな」

剣「一言もの申したかっただけですぞ」

「理由が理不尽すぎる!!」

剣「鼻歌が下手なのが悪いですしな」

「」

剣「ま・・・・・それよりも」

剣「私がこうして寝る前に、私が何をやっていたのか見ておられないですかな?」

「え?君が寝る前?」

剣「ええ。どうも、寝る前の記憶が綺麗さっぱりなくなっておりましてな・・・・」

「あー・・・・それはごめん。僕のせいだね・・・・」

剣「・・・・どういう事ですかな?」

「いや、君自分自身に笑いながら槍みたいな物突き刺してたからさ」

剣「私が?」

「うん。それで止めなきゃと思って君を強制的に眠らせる魔術使ったんだよね」

「多分その影響かもね」

剣「・・・・・そうでしたか・・・・」

「でも・・・・助けてあげたのにさ・・・・さっきのあの仕打ちはないよね・・・・」

剣「・・・・・それはすいませぬ」

「うんうん」

剣「余りにもあの鼻歌が酷く悲惨で聞いてて頭が痛くなった為罵ってしまい・・・・」

「謝ってないよねぇ!?」

剣「いえいえ・・・・精一杯の謝罪ですぞこれが」

「いやいやいや何か寧ろ足された感あるよね!?」

剣「足されて?事実を包み隠さず言っただけですぞ」

「分かってない酷い」

剣「まぁ・・・・なんにせよ強制的に眠らせる判断は良き判断でしたぞ・・・・」

「なんで?」

剣「恐らくそのままの状態であれば、残虐非道な行いをしてたと思いますのでな・・・・」

「・・・・・君、なんかの精神的な病にでも掛かってるの?」

剣「いえ・・・・掛かっては・・・・」

剣「(いや・・・・これも一応は病みたいなものですな・・・・)」

「そう?でも、今はまともに話せてるけど、あの状態正直まともな人とは思えなかったよ?」

「寧ろ今の状態みて解離性同一性障害を疑うレベルなんだけど・・・・」

剣「いえ・・・・本当に何も病には掛かってはおりませぬ・・・・」

「・・・・・・なら別にいいけど」

973: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/04(金) 02:58:08.43 ID:JJvBH5FP0
「じゃあさ」

剣「はい?」

「・・・・何で自分自身の手を何度も突き刺すなんて事してたんだい?」

剣「(・・・・まぁ・・・・そう来ますよな・・・・)」

剣「・・・・・・」

「あれじゃまるで自殺行為だよ?」

「君、死にたがり屋さんなのかな?」

剣「・・・・それは・・・・先程も言いましたように・・・・記憶が・・・」

「ま、そうだよねー。そう言うと思ってたよー」

剣「・・・・・」

「君、あの時の記憶ないもんねー」

剣「・・・・」

「でも、それじゃぁ何でさっき『そのままの状態であれば、残虐非道な行いをしてた』なんて言ったのかなー?」

「なんで、あの時の記憶がない筈なのにそう分かるのかなー?」

「不思議。不思議だよねー」

剣「・・・・お主・・・・何故其処まで聞きたがる・・・・」

「・・・・・・・」

「僕はさ、僕以外の人が死ぬのが嫌いなんだよ」

剣「・・・・・・・」

「だから、僕の目が光っている内は自殺何てものはさせない決して」

剣「随分と勝手ですな・・・・」

「勝手?どこが?」

剣「・・・・もしその自殺者が死ぬ事によってしか救われない方であればどうするのです?」

「そんな事は知らない」

「僕は、僕以外の人が死ぬのが我慢ならないから治療する。それだけだよ」

剣「・・・・では、その者の意思は大切にはせぬと?」

「勿論だよ」

「意思なんてどうでもいい。死ななけさえしてくれれば」

剣「・・・・・・お主」

「これ以上何を言っても無駄だよ」

「僕は此れだけは折れない。自信があるんだ」

剣「・・・・・・・」

「それよりさ、話せよ」

剣「(口調が・・・・)」

「なんで、あんな事をしてたんだい?」

剣「・・・・・・・・」

「黙ってないで答えろよ」

「それとも又、お前の記憶消してやろうか?」

剣「・・・・まさかお主今まで、そうやって来たのですかな・・・・」

「さぁ?どうだろう」

剣「・・・・随分と荒っぽいやり方をしますな・・・・」

「荒っぽい?合理的と言ってほしいね」

「志願者は幾ら治しても自殺をしようとするからね。記憶消してあげないと切りがないでしょ」

974: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/04(金) 03:31:50.06 ID:JJvBH5FP0
剣「・・・・それでは・・・・その者のそれまでの思い出はどうなる・・・・」

「知らないって・・・・」

「思い出何て命と違ってまた、新しく作り直せるしね。どうなろうと知った事ではないよ」

剣「・・・・どうやら、お主・・・・他の医の者とは随分と違った感性を持っておるのですな・・・・」

「他?ふふ・・・・下らない」

剣「・・・・・」

「どいつもこいつも金で動く連中ばかりでしょ?」

「あんな連中と一緒にされて堪るものかよ」

剣「なら」

「ていうかさ、僕の事なんてどうでもいいだろ」

剣「・・・・・・」

「さっさと話せよ」

剣「・・・・・・・・話せぬ」

「は?」

剣「いや・・・・どう話した所で之は、不治のものだ。お主が記憶を消そうが治せぬ」

「・・・・また、馬鹿にしてるのか?」

剣「違う。これは事実を告げておるのだ」

「馬鹿にしてるだろ。自殺することが不治だなんて」

「そんな物有るわけない」

剣「いや・・・・・・本当に本当の事ですぞ」

「本当だったら意地でも治す」

「取り敢えず話せ」

剣「・・・・話せばお主は、世界の真理と戦う羽目になりますぞ・・・・」

「世界の真理?知るかよ」

「治せるなら何でも相手にしてやるよ」

剣「(うーむ困りましたな。この方は・・・どうやら何を言っても譲る気がないようですな・・・・)」

剣「(・・・・此処まで意志が固い人間も珍しいですな・・・・)」

剣「(他に、諦めさせるものはないものか・・・・)」

剣「・・・・・・・・・」

「チッ・・・・だから、黙るなって言ってるだろ」

「本当に記憶全部消すぞ?」

977: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/05(土) 01:24:11.57 ID:pA6NDGub0
切嗣「いいや、それは僕がさせない」

「・・・・・・」

剣「!!」

剣「マスター殿!!」

「戻っていたのか。糞野郎」

切嗣「・・・・随分と見ない間に口が悪くなったな」

「・・・・君には負けるさ」

切嗣「ふ・・・・まぁいい」

切嗣「それより、これはどういう事だ?」

切嗣「僕が戻ってくるまでにその娘を治すんじゃなかったのか?」

剣「・・・・え?マスター殿どういう」

切嗣「セイバー・・・・少し黙っていろ。こいつと重要な話がある」

剣「・・・・はい・・・・」

剣「(一体どういう事なのでしょうか・・・・)」

切嗣「・・・・で?」

「・・・・・治したさ」

切嗣「・・・・」

エミン「ハぁ・・・・ハぁ・・・・ハぁ・・・はぁ」

切嗣「・・・・どう見ても苦しんでいるようにしか見えないが?」

「確かに治したよ」

「破傷風は」

切嗣「なら、何故あの娘は苦しんでいる」

「知らない」

切嗣「・・・・昨日僕とお前とで約束を交わしたよな?」

切嗣「あれを忘れたか?」

「・・・・忘れてはいない」

切嗣「ならば今直ぐにエミンのあの状態を治せ」

「・・・・今直ぐは無理だ・・・・後一日待ってくれ・・・・」

切嗣「却下だ」

「・・・・それなら明日の17時まで・・・・」

切嗣「駄目だ」

「なら、15時」

切嗣「駄目だ」

「12時・・・・」

切嗣「延ばしても今日の0時までだ。それ以降は許さない」

「0時・・・・」

切嗣「ああ0時だ。一秒でも過ぎれば、お前を奴らに突き出す」

「そうすれば、その娘が助け出せなくなるぞ?」

切嗣「また、新たに治してくれそうな奴を見つけた。治せないならそこへ行けばいいだけだ」

「・・・・・・・・・分かった・・・・今日の0時までだ」






978: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/05(土) 02:03:05.73 ID:pA6NDGub0
切嗣「聞き分けが良く助かる」

「どこが・・・・糞野郎」

切嗣「何とでも罵れ」

切嗣「藪医者」

「っ・・・・」

切嗣「・・・・さて、エミンの事はまとまったとして所で、この有様は?」

「・・・・君のサーヴァントのせいだよ・・・・」

剣「なぬ!?お主私が英霊であると何故!?」

切嗣「それは僕が説明した」

剣「!?何をやっているのですか!?マスター殿!?」

切嗣「こいつとの約束に必要な事だったんだ」

切嗣「だからお前の事を説明した」

剣「それなら私に事前に言って下さい!!」

切嗣「あの時言える機会があったか?」

剣「・・・・確かに私がキャスターを引き付けていましたし言えなかったかもしれませんが」

剣「せめて・・・・直ぐ報告をして頂きたかったですぞ・・・・」

切嗣「すまなかった。それは考えが及ばなかった」

剣「っ・・・・」

「・・・・随分と信頼されてないみたいだね・・・・君」

切嗣「いいや、信頼しているからこそ敢えて」

剣「・・・・いや・・・・いいのですぞ。マスター殿・・・・私は分かっていますので・・・・」

切嗣「・・・・そうか・・・・」

切嗣「それより、ずれてしまったがサーヴァントのせいとは?」

「・・・・そいつが自分自身に手に槍を突き刺してたんだよ」

「それで、止めようとしたらこの有様って事」

切嗣「・・・・・セイバー・・・・お前こんな所であれを使ったのか?」

「あー駄目だよ。そいつに聞いても答えてくんないよ」

「なんせ、その時の記憶消えてんだから」

「な?」

剣「・・・・ええ・・・・」

切嗣「・・・・分かった・・・・」

切嗣「それで、お前は今まで何をしてた?」

「見てわかんない?掃除だよ。掃除」

切嗣「・・・・エミンの治療をほったらかしにしてか?」

「仕方ないだろ。不衛生にしてると逆に悪化しかねないんだから」

切嗣「分かった・・・・ならセイバー取り敢えずお前がやらかした事だ。此処の掃除をしろ」

剣「分かりましたぞ・・・・マスター殿」

切嗣「・・・・これで、お前はエミンの治療に専念できるな?」

「・・・・あぁ、出来るね」

切嗣「では、今すぐ取り掛かれ」

「・・・・ハぁ・・・・じゃ君掃除頼んだよ」

「ちゃんと綺麗にしてね」

剣「・・・・・・・」

982: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/06(日) 02:05:10.22 ID:z5l/FAaj0
―――ーコツコツコツコツ

切嗣「・・・・ふぅ・・・・」

剣「・・・・マスター殿・・・・あの方は・・・・」

切嗣「アイツのは事はあまり気にするな・・・・」

切嗣「ああいう奴なんだ」

剣「・・・・ああいう奴ですか・・・・」

切嗣「ああ・・・・そうだ・・・・」

剣「・・・・・・・・・」

切嗣「それが、どうした?セイバー?」

剣「いえ・・・・・・・・随分と・・・・知っている風な口なのですな・・・・」

切嗣「・・・・・・・セイバー?」

剣「マスター殿・・・・私言いましたよな?」

剣「シュレイド殿の家で『ちゃんと計画を話して行動していただきたい』と 」

切嗣「だから・・・・此処に来る前計画を話したじゃないか」

剣「話した?計画の大部分だけですよな?」

切嗣「・・・・・・・それは、否定はしない」

剣「・・・・・・・・」

切嗣「只分かってくれ。あいつの事は別に計画を遂行する上で必要では無かった」

切嗣「だから、別にアイツの事まで話す必要はないと・・・・そう思っていただけなんだ・・・・」

剣「・・・・・・・・それで、あの方が敵だったら・・・・どうするおつもりだったのですか・・・・」

切嗣「・・・・その時はその時だ・・・・只、そんな事はない・・・・」

剣「・・・・マスター殿は・・・・何も分かってはいないのですな・・・・」

切嗣「・・・・分かっている」

剣「・・・違いますな・・・・」

切嗣「・・・・・いいや違わない」

剣「違いますぞ!!」

切嗣「・・・・・・・」

剣「貴方は事の重要性に何も分かっていない!!」

切嗣「・・・・・・・」

剣「伝えないとはつまり誰一人助けに来ないという事なのですぞ!!」

切嗣「・・・・・・・」

剣「全て一人!!一人なのですぞ!!」

切嗣「・・・・・・・」

剣「例え窮地に追いやられても一人なのですぞ!!!」

剣「そしてもし、そんな貴方が死ねば貴方は人知れず死ぬ事になるのですぞ!!」

剣「それで良いのですか!!マスター殿は!!」

切嗣「・・・・・・・・・僕は・・・・」

剣「私は!!私は!!」

切嗣「・・・・・すまなかった・・・・・」

剣「・・・・う・・・・ぅう・・・・うぅう」

切嗣「本当に・・・・すまなかった・・・・・」

剣「・・・・・ううう・・・・もう・・・・私にはマスター殿が分かりませぬ・・・・」

983: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/06(日) 02:35:59.63 ID:z5l/FAaj0
切嗣「・・・・・・・・」

剣「・・・・・マスター殿一体貴方は・・・・何がしたいのですか・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

剣「貴方は・・・・死にたいのですか・・・・そんなにまでも自分を殺したいのですか・・・・」

切嗣「・・・・・・・・」

剣「否定を・・・・してください・・・・マスター殿・・・・」

切嗣「・・・・・・・・否定は・・・・・出来ない」

剣「・・・・・!!!!どうして」

切嗣「どうして・・・・と聞かれても・・・・」

切嗣「正直言ってもう、死にたいかと聞かれれば・・・・今すぐにでも死にたい」

剣「・・・・・・・・・・・どうして・・・・・」

切嗣「・・・・・もう、こんな辛い事は辞めてしまいたい」

剣「・・・・・・・どうして・・・」

切嗣「いや、もう死んでしまいたい・・・・・」

切嗣「・・・・・出来るならば、今すぐに死んで楽になりたい・・・・・」

剣「・・・・・・・どうして・・・・そんな事を言うのです・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・・・・」

剣「・・・・マスター殿」

切嗣「・・・・それは――――」

切嗣「・・・・・・・・・・・僕にも分からない」

剣「・・・・・・・・・・・・」

剣「もう・・・・いいですぞ・・・・マスター殿・・・・」

切嗣「・・・・・・・・・・・」

剣「・・・・・マスター殿がそうだと言うのであれば・・・・もう・・・・」

切嗣「・・・・・・・・・・・」

剣「私も・・・・・・・・・諦めましょうぞ・・・・」

切嗣「・・・・・・・・・・・あぁ・・・・・」

剣「これからは・・・・マスター殿がやりたいように・・・」

切嗣「・・・・・・・・・・・あぁ・・・・」

剣「マスター殿が思ったようにやってくだされ・・・・・・・」

切嗣「・・・・・・・・・・・あぁ」

剣「・・・・・・・・私は・・・・何もいいませぬ・・・・・それに付き従うのみですぞ・・・・・」

切嗣「・・・・・・あぁ・・・・・分かった」

剣「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

剣「(・・・・すいませぬ・・・・マスター殿・・・・)」

剣「(私は、それでも・・・・貴方をお救い致します・・・・・)」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

986: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/07(月) 03:11:15.34 ID:vLUXFh1r0
「糞野郎・・・・糞野郎・・・・糞野郎・・・・!!」

「全くあいつは本当に嫌いだ!!」

「無理難題をいつも吹っ掛けてくる!!」

「僕を何だと思っているんだ!!」

「・・・・やれやれ・・・・どうしたんだい?今日はそんなに怒って」

「昨日まではあんなに嬉しそうにしてたのに」

「・・・・君には関係ない!!!」

「・・・・関係ないって・・・・二人でやってるだろ?」

「二人でって・・・・殆ど面倒事は僕に押し付けてるじゃないか!!!」

「・・・・まぁまぁ・・・・私が此処で出ていく訳には行かないだろう・・・・」

「それは・・・・そうだけど・・・でもだからって、何で僕ばっかり彼の相手をしなきゃいけないんだ!!」

「不公平だ!!」

「中立を保ってるのが君しかいないんだよ・・・・だから・・・・もう少しだけ・・・・もう少しだけ辛抱して・・・・」

「・・・・・・・」

「エミンの治療が終わったらもう二度と彼と関わらなくていいから・・・・ね?」

「・・・・だったら・・・・それに更に条件加えさせて欲しいんだけど・・・・」

「・・・・言ってみて」

「この聖杯戦争に僕も参加させて」

「・・・・・・・・・・・・・・・・駄目だね」

「だったら僕は此処で降りる」

「・・・・言っておくけどそう易々と参加できるものでもないんだよ聖杯戦争ってのは」

「どうして?」

「・・・・聖杯戦争に参加するのにも条件が色々あるんだけど」

「まず第一にこの」

―――ガサッ

「令呪と言われるものが参加資格がある7人に浮かび上がるんだ」

「・・・・・・・・・・それがないと絶対参加は出来ないの?」

「出来ないね・・・・何せ令呪は聖杯から選ばれた人間って意味合いがあるから・・・・でなかった人が参加して」

「最後までいっても聖杯は起動する事はないからね」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・だから、すまない・・・・と言うべきか残念と言うべきか分からないけど、取り敢えず諦めた方がいい」

「・・・・・・・・・・」

「・・・・その・・・・だから何か・・・・私が叶えられそうな・・・・他の条件はないかな・・・・」

「此処で君を失うのは痛いんだ・・・・」

「・・・・だったら・・・・約束してほしい」

「・・・・・何をかな?」

「・・・・・絶対、誰にもアイツ達を殺させるな」

「・・・・・・・君は・・・・・分かって・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・ふふ・・・・・・・」

「分かっているよ。絶対そんな事はさせない」

「・・・・うん・・・・いい」

「・・・・・全く・・・・素直じゃないなぁ・・・・メルトルは」

994: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/08(火) 03:31:55.02 ID:jBpgSlpU0
――――――――――――――――――――――――――――――――――
切嗣側 昼 

切嗣「・・・・・・・・・・・・今・・・・何と言った?」

ユール「いえですから、今から麻婆豆腐をお出しします」

切嗣「・・・・・・・・・・・正気か?」

ユール「ええ、正気です」

切嗣「・・・・・・・・・・・・・ユールは其れが・・・・どんなものか分かっているのか?」

ユール「はい、貴方のお知り合いの方から一から十までみっちりと、教えて頂きました。分かっています」

切嗣「(・・・・奴は本当に何をやっているんだ・・・・)」

切嗣「・・・・それでは、どんな物かザックリとで良いから説明をしてはくれないか?」

ユール「分かりました。ではザックリと説明いたします。」

切嗣「ああ、頼む」

ユール「・・・・それでは・・・・」

ユール「麻婆豆腐とは」

切嗣「(・・・・さぁ・・・・一体どういった説明が飛んでくるのかな・・・・)」

切嗣「(・・・・まぁ、こういった場合、頓珍漢な説明が来ることは大体予想が)」

ユール「紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐です」

切嗣「・・・・・・・・・・・・」

ユール「です」

切嗣「・・・・一言言わせて貰っても良いか」

ユール「はい。なんでしょう」

切嗣「・・・・・ユール・・・・一体何を言っているんだ?」

ユール「はい?ですから・・・ザックリと麻婆豆腐の説明をと仰られましたので・・・・」

ユール「紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐と・・・・」

切嗣「待て待て待て、確かに紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐はある。僕も好きだった」

切嗣「だが、それは麻婆豆腐の説明ではなく何処の麻婆豆腐かだろう?」

ユール「え?そうなのですか?」

切嗣「・・・・・・ん・・・・んん?」

切嗣「それに麻婆豆腐だと言う説明はどう考えてもおかしいだろう?」

ユール「はい?麻婆豆腐は紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐ではないのですか?」

切嗣「いや・・・・だからそうではなく・・・・僕が言っている麻婆豆腐の説明とは」

切嗣「どういった、材料を使い、どうやって作られるのかと言う」

切嗣「麻婆豆腐の手順に関する説明を要求しているんだ」

ユール「あぁ・・・・成る程・・・・そうだったのですね」

ユール「先にそれを言ってください」

切嗣「あ・・・・あぁ」

切嗣「(・・・・いや・・・・普通は分かる筈なんだが・・・・)」

ユール「それでしたら・・・・・まず初めに唐辛子を」

切嗣「いや・・・・もういい説明をしなくても・・・・」

切嗣「なんだか・・・・それを聞いたら全て察せてしまった・・・・・」

ユール「はぁ・・・・そうですか・・・・」

切嗣「もう、取り敢えず・・・・出してくれ・・・・」

ユール「はい」

995: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/08(火) 04:05:59.00 ID:jBpgSlpU0
切嗣「(・・・・まぁ・・・・だが、いくら紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐を知っていても)」

切嗣「(あの味と匂いのクオリティが聞いただけでこの時代で出せる訳があるまい)」

切嗣「(どんな物が出てくるかそんなに期待せずに待って)」

ガチャン――――

切嗣「(お・・・・来たか・・・)」

コトン―――――――

切嗣「(さて・・・・どんなものか・・・・)」

スゥ――――――――

切嗣「(!!!!!これは!!!)」

切嗣「(この匂いは!!!)」

切嗣「(馬鹿な!?そんな筈は!!)」

タッタッタ―――――

切嗣「な・・・・・!?あ・・・・・」

切嗣「・・・・この赤く染まった物は・・・・・・・・」

切嗣「(いやいや・・・・・・・・そんな筈あるわけがない!!)」

切嗣「(作り出せるわけがない!!)」

コトッ―――――――――

タッタッタ―――ー――

ドスッ――――――――

切嗣「・・・・・・ゴクリ・・・・・・・」

コトッ―――――

スッ―――――――――――ー

切嗣「・・・・・ごくん・・・・・・・・」

切嗣「!!!!!!!!」

切嗣「か・・・・・ぁ・・・・・・・・」

――――ー―コトン

切嗣「(この・・・・・・・・食べた瞬間、口の中に辛さがめい一杯広がり、汗が止まらなくなり手の震えが止まらなくなるが)」

切嗣「(だが、その中に旨みが凝縮されているこれは!!)」

切嗣「(紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐とも引けを取らない!!!)」

切嗣「(馬鹿な!!!!)」

――――――――――――ガチャン

ユール「・・・・どうでしょうか?」

切嗣「ハフ・・・・ハフ・・・・ハフ・・・・ハフ・・・・ハフ」

996: ◆YmjwHbXvbg 2017/08/08(火) 04:12:59.85 ID:jBpgSlpU0
今日は此処までです。そろそろスレが落ちそうなので、このスレを報告して次スレを立てます。

だらだら、とやってきましたが次スレも続けて見て下さると嬉しいです。

と言う訳でまた、明日次スレで投下します。