2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:27:41.34 ID:DeBrACxpo
正月早々 を洗濯していると、玄関ブザーの音がした。
「あけましておめでとうございます」
は?
玄関開けると幸子がご挨拶。
なんだこれ。
どうしたんだよ、お前。
「新年のご挨拶ですよ。新年早々カワイイボクが見られて幸せですよね」
とりあえずさっさと入れ。寒いだろ。
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3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:28:08.78 ID:DeBrACxpo
「お邪魔しますね」
「きょろきょろすんな、洗濯中だったんだよ」
「色とりどりの ですね」
若い娘が男物の をしげしげと観察してるんじゃない。
「だって、しょうがないじゃないですか」
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:28:36.04 ID:DeBrACxpo
確かに、普通は洗濯機で洗濯する を、家の中でタライで洗っているからな、丁寧に。
珍しいことは自分でもわかっているよ。
しかしな、俺が を大切にする理由は知ってるだろう。お前は。
「大切にされてるんだなって、嬉しくなりますよ」
そりゃ、するさ。
「ボクのことは気にしないで、洗濯を続けてくださいよ」
5: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:29:03.21 ID:DeBrACxpo
いいのか?
あ、お前、もしかして
「まあ、そんなところです」
幸子はつかつかと押入に近寄るとがらりと襖を開けた。
押入の衣装ケースが一つ、 専用になっている。そこには百枚以上の が。
「どれくらいのペースで着替えてるんですか?」
6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:29:29.68 ID:DeBrACxpo
一日に三回ぐらいだ。だから、一枚を月に一回穿くくらいだよ。
「月に一回か……しょうがないですよね。プロデューサーは一人しかいないんだし」
畳み方が雑ですよ、といいながら幸子は を取り出すと、一枚一枚丁寧に折りたたんでいく。
わかるのか? と尋ねると、幸子は寂しそうに首を振った。
「わかるのは、多分プロデューサーだけじゃないかな」
今、幸子が手に持ってるの。
それが凛だよ。
7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:29:59.01 ID:DeBrACxpo
「……凛さん……言われてみると、ちょっと蒼みがかった色ですね」
そっちが拓海、仁奈、蘭子、みく……
「ねえ、プロデューサー」
なんだ?
「ボクが になってしまったら、皆と同じように穿いてくれますか?」
ならないよ。
8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:30:27.48 ID:DeBrACxpo
「嫌ですよ、ボク、他の人に穿かれるなんて」
お前は にはならないよ。
「……みんなに、そう言ってたじゃないですか」
「きらりさんも、杏さんも、柑奈さんも、礼さんも、薫ちゃんも……みんなみんな……」
「でも、ここに……この衣装ケースの中にいるんですよね」
……そうだな
9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:31:20.74 ID:DeBrACxpo
「知らない人に穿かれたくなんかないです!」
お前は、 にはならない。ならないよ!!
「気休めじゃないですか!!」
ある日、何処かの女の子が男物の になった。
そして、全てが始まった。
それでも。
だとしても。
10: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:31:48.29 ID:DeBrACxpo
俺は、お前達を穿くためにプロデューサーになった訳じゃない。
お前達をアイドルにしたいんだ。
「止まらないじゃないですか」
幸子は正しい。
誰にも 化は止められない。
それが当たり前の風景になってしまっても、 化は止まらない。
11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:32:17.03 ID:DeBrACxpo
に生前の顔形をプリントするような男たちが現れ、あまつさえそれが流行っても、何も変わらない。
女がいずれ になる。
それが当たり前の世界になったというのに、世界は世界の顔のまま動いている。
「約束してくださいね、ブロデューサー」
幸子が泣いている。
「ボクはカワイイ になりますよ、きっと」
「だから、優しく穿いてくださいね」
12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:32:45.09 ID:DeBrACxpo
馬鹿野郎。そんな……
……幸子?
……幸子!?
……幸子!!
そこには一枚の が落ちていた。
13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/01(水) 23:33:13.86 ID:DeBrACxpo
お前……わかってたのか?
わかってて、ウチに来たのか。
幸子……
俺はズボンを脱いだ。
ちょっと順番が狂ったけれど、今回ばかりは譲ってやってください。
いいですよね、早苗さん。
早苗さんを脱いで、幸子を手に取る。
生地の薄い……ああ、そうだな、男物の にしてはカワイイデザインだよ。
幸子……
俺は真新しい を穿いたまま、しばらく泣き続けた。
14: ◆NOC.S1z/i2 2014/01/01(水) 23:33:52.36 ID:DeBrACxpo
以上お粗末様でした
自分でもよくわからないけれど、とりあえず後悔はしていない
自分でもよくわからないけれど、とりあえず後悔はしていない
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