1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 19:22:45.25 ID:9FfYH45I0
―彼女の日記はここで終わっている…

引用元: 小鳥「ちょっ…プロデューサーさん何するんですか…きゃああ!!」 


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 20:14:11.23 ID:AVSVsWpT0
P 「まったく、あの人は会社にこんなものを持ち込んで!
   あまつさえこんな堂々とノートを置きっぱなしにしてるんだから・・・」

春香「プロデューサーさん?
   さっきから怖い顔して、どうしたんですか?」

P 「いや、なんでもない
   気にしないでくれ
   ところで・・・音無さんを知らないか?」

春香「小鳥さんだったら、さっきスリーエフに行くって言ってたような・・・」

P 「そうか・・・ありがとう、春香
   ちょっと音無さんを探しに行ってくるよ」スタスタ

春香「気をつけて下さいねー!
   ・・・あれ?これは小鳥さんのノートかな?」




こんな感じで回していこう

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 20:18:45.10 ID:AVSVsWpT0
春香「うわぁ・・・うわぁ・・・
   小鳥さん、こんな妄想ノート書いちゃって・・・」

ペラッ

春香「書いてあるのはこのページだけ、か・・・
   きっとプロデューサーさんはこれを見つけてお冠なんだよね」

・・・

春香「ピーンと来ました!
   プロデューサーさんが帰ってきたら、きっとこのノートを読むから
   こっそりと追記して驚かせちゃいましょう!
   なーんて」

カキカキ・・・

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 20:24:19.80 ID:AVSVsWpT0
春香「これでよしっと!
   ふふ、プロデューサーさんどんな顔するかなぁ♪
   ・・・って、もうこんな時間?!
   どうしよう、レッスン遅刻だー!」 バタバタ



美希「・・・春香は今日もあわてんぼうさんなの、あふぅ
   お陰で目がさえちゃったの」

美希「んー、ノートが机の上に置いてあるの・・・
   もしかして、ハニーのノート?
   これは読んでみるしかないの!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 20:35:58.02 ID:AVSVsWpT0
――春香「プロデューサーさん!お誕生日おめでとうございます!」

P 「あ、あぁ、ありがとう、春香・・・
   ところで、そのだな・・・」

春香「なんですか?
   もしかして、このリボンですか?
   プロデューサーさんも目ざといですね!」

P 「目ざといっていうか、その・・・目のやり場に困るっていうか・・・
   服は、どうしたんだ?」

私は知っている、彼は焦っている振りをしているが
内心は非常に喜んでいることを

春香「プロデューサーさんって、着衣のほうが好きでした?
   せめて初めては普通に愛しあいたかったんですけど・・・」

P 「いや!そういう問題じゃなくてだな!」

彼は全身を固くして硬直していた
私はゆっくりと近づき、彼に抱きつく

春香「抵抗しないんですね、プロデューサーさん・・・」

接近して改めて気づく
やはり彼は"全身を固くして"いた――

美希「なんなの!これは!」

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 20:40:48.10 ID:AVSVsWpT0
美希「春香、意外と大胆なの・・・
   これはきっとハニーの机にこんなノートを置いて
   誘惑する作戦なの!

   ミキも負けてられないの・・・
   ミキならハニーがもっと喜ぶようなのが書けるって思うな!」

カキカキ・・・

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 20:48:13.20 ID:AVSVsWpT0
美希「ちょっと頑張ったら疲れちゃった・・・
   もう一回お昼寝するの・・・くー」



響 「はいさーい!
   ・・・誰も居ないのかー?
   あれ、ノートが開きっぱなしで置いてあるぞ
   全く、プロデューサーもめんどくさがり屋だなー
   ここは自分が片付け・・・て・・・」ペラッ

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 20:58:00.11 ID:AVSVsWpT0
――

美希「ハニー!おはようなのー!」

P 「おはよう、美希」

挨拶と同時にハニーに抱きつくのがミキの日課
もちろんハニーは嫌がらずに抱きとめてくれるの

P 「・・・美希、今日は元気が無いんじゃないか?」

ハニーは鋭いの
いつもと変わりない挨拶をしたはずなのに、なんでも筒抜けなの
これも、ハニーとミキはソーシソーアイだからって思うな

美希「そうなの・・・最近ハニーと会えなかったから、ハニー分が不足してるの!」

P 「大変だな・・・それじゃあ」チュッ

もう何度目かも覚えていないキス
ハニーは本当にキスが上手なの

美希「ハニー、もっとー・・・」

P 「ははは、続きは今夜、な?」

――

響 「こ、これはー・・・!

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 21:03:40.33 ID:AVSVsWpT0
響 「プロデューサーの日記じゃなくて、
   美希のシークレットノートだったのか?!」

響 「よく見てみると、前のページには春香やぴよ子も書いてるぞ・・・
   うー・・・なんだこれ・・・」

響 「あっ!自分わかったぞ!
   これはプロデューサーへのお願いごとを書くノートなんさー!
   そうに違いないぞ!うん!」

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 21:15:50.85 ID:AVSVsWpT0
響 「うー、こんなもんかな・・・」

ガチャッ

真 「おはよう、響!

響 「はいさーい!」

真 「はいさい!
   ん?ノートなんか持って、勉強・・・じゃあないか」

響 「なんで勉強を否定したのか気になる・・・」

真 「いや、深い意味は無いよ
   それじゃあそれ、なんのノート?」

響 「これは、プロデューサーへのお願いノートさー!
   プロデューサーにして欲しい事を書いて、皆で回すんだと思う」

真 「へー!いいなぁ!
   ねぇ、次ボクが書いてもいい?」

響 「もちろん!」

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 21:30:16.11 ID:AVSVsWpT0
真 「ところで、響はどんなのを書いたんだろう・・・」

――
今日はプロデューサーからの電話で目が覚めた
プロデューサーから電話が来る時は、大体仕事の話・・・だったから 今日は非常にびっくりした

P 「悪いな、響 せっかくのOFFに付き合って貰っちゃって」

響 「なんくるないさー!プロデューサーと出かけるのは楽しいからな!」

P 「お世辞でもそう言ってもらえると俺も助かるよ」

お世辞じゃないんだけどな・・・
本当に鈍感すぎるぞ・・・

P 「それにしても響は元気だな!響を見てると元気が湧いてくるよ」

そうやって彼は頭を撫でてくれた

P 「ところで、今日行く所はな」

響 「プロデューサー・・・もっと・・・」

P 「・・・あぁ、今日だけだからな」

響 「・・・♪」
――

真 「響、かわいい」

58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 21:35:08.77 ID:AVSVsWpT0
真 「ボクもあんな風に甘々でイチャイチャな事したいなぁ」

響 「あ、あんまり口に出されるとすごい照れるぞ・・・」

真 「あぁ!ごめん!
   あまりにも甘かったから、口から出さないとどうにかなりそうで」

響 「うぅ、今更になって恥ずかしくなってきた・・・」

真 「よーし、じゃあボクも書くぞー!」

響 「おー!ファイトだ!真ー!」

真 「それと・・・響!ごめん!
   書くとこ見られると恥ずかしいから、席を外してくれるかな」

響 「それぐらいならお安いご用だぞ!」

・・・

真 「さて、と・・・」

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 21:47:41.19 ID:AVSVsWpT0
真 「ふー、こんなもんかな」

ガチャッ

真 「お、雪歩おはよう!
   ちょうどいい所に来てくれたね!」

雪歩「真ちゃん、おはよー
   良い所って、一体どうしたの?」

真 「それはね、お願いごとを書いたノートを皆で回してた所なんだ」

雪歩「いいなー、なんか交換日記みたいだね!
   今は、誰が書いてるの?」

真 「えっと、小鳥さん、春香、美希に響・・・あと一応ボクも書いてるよ」

雪歩「じゃあ次、私が書いてもいいかな?」

真 「もちろん構わないよ!
   ボクは響の所に行ってくるから、その間に書いちゃいなよ」

74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 22:01:09.19 ID:AVSVsWpT0
雪歩「真ちゃんはどんなの書いてるのかな・・・」

――
P 「この振付も大分マスターしてきたな」

真 「はい!これもプロデューサーの指導のお陰です!」

P 「いやいや、俺は何もしてないよ」

今日はプロデューサーと二人で秘密のダンスレッスン中
といっても、偶然他のメンバーが急用でレッスンできなくなっただけで
秘密でもなんでもないのだけれど・・・

P 「そうだ、真
   せっかく二人なんだ、何か奢ってやるよ 何か欲しいものはないか?」

真 「そうですね・・・じゃあ結構汗かいたんで、そこのペットボトルが欲しいです」

P 「これ?これはダメだ、俺がもう口つけたからな
   間接キスになるぞ」

真 「なんですか?プロデューサーさんは直接がいいんですか?」

P 「そ、そういうことじゃなくて・・・!」

真 「あはは!いただきっ!」チュッ

――
雪歩「真ちゃん・・・」

79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 22:08:41.94 ID:AVSVsWpT0
雪歩「真ちゃんは乙女だなぁ
   それに引換え、私なんて・・・」

雪歩「そうだ、私もお願いノート書かなきゃ・・・
   でも、こういうの書いた事ないし・・・
   皆よりもずっとダメダメだろうけど、
   書くだけならロハだし書いてみようかな」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 22:15:31.47 ID:AVSVsWpT0
雪歩「んー、こんな感じ、かな
   うー、やっぱりダメダメですぅ、他の皆と比べて見劣りしちゃいますぅ・・・」

貴音「雪歩、そんなことありません」

雪歩「ひゃっ!」

貴音「気持ちが篭っていれば、たとえどんな稚拙であろうとも
   思いは伝わるのです」

雪歩「四条さん、いつから居たんですか?!」

貴音「そのノートに書き始める頃からです」

雪歩「う、ぁー・・・!
   四条さん!次四条さんの番だから!
   絶対私の所は見ちゃだめだよ!!!」バタバタバタ

貴音「面妖な・・・走り去ってしまいました
   雪歩にもあのような脚力があったのですね
   はて、ところでこのノートは一体・・・?」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 22:39:38.83 ID:AVSVsWpT0
――

あなたと出逢う前までは
私の世界は真っ白で
雪と静寂(しじま)が私の全て
周りを見ても何も見えなくて
声を出しても答えない

それでも自分を変えたくて
最初で最後の小さな勇気
きっとあなたは気づかないけど
私にとっては大きな出逢い

あなたは勇気という名の筆で
私の世界に色を加えた
大きな勇気を私にくれた

プロデューサーさんが私を見つけてくれたから
たくさんの勇気を貰ったからここに私はいます
ありがとう
今度は私が恩返しをする番です
プロデューサーさん、いつまでも私を見ていて下さい

――

貴音「なんと」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 22:43:54.64 ID:AVSVsWpT0
貴音「雪歩の文を読む限り、これはあなた様への想いを伝える
   恋文と言ったところでしょうか

   ・・・たとえ恋をしていなくても、日頃の感謝を伝える、というのは
   なんと粋な計らいでしょうか

   こうしては居られません、私も一筆、あなた様へ想いを伝えなければ」

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/01(月) 22:53:27.29 ID:AVSVsWpT0
貴音「ふむ・・・それにしても想いを文字に書き起こしていると
   精神力の消耗が激しい為かお腹が空いてきますね」

ガチャッ

律子「貴音!こんな所にいたの?!」

貴音「おや、律子嬢ではありませんか」

律子「おや、じゃないわよ!
   貴音は今日ラジオ収録の日でしょう?」

貴音「はて、プロデューサーは明日と仰っていたのですが
   何かの間違いではありませんか」

律子「あーもう、あのバカプロデューサー!
   収録は今日!もう時間も少ないのよ!」

貴音「なんと!それではすぐに参りませんと・・・
   律子嬢、こちらを」

律子「このノートは?」

貴音「見れば大体察しがつくかと
   それでは行って参ります」

178: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 03:36:16.01 ID:32SCEhWc0
――

あなた様へ

本日は、この地上から
それは大層綺麗な月が見えるそうです
ですが、生憎の曇り空、
折角の月も叢雲がかかってしまい良く見えません

その時はどのように過ごすか、ご存知ですか?
本日のような日は、古来より見えない月を想像して
月見を楽しんだそうです
きっとその月は非常に美しかったでしょう

あなた様、もし宜しければ本日お帰りになりましたら
空を見上げて月をご覧になって下さい
私も、きっとあなた様と同じ月を見ていることでしょう

二人とも別々の場所にいながら、同じ月を見る
正に私とあなた様の理想の関係では無いでしょうか

それでは、夜風に当てられて風を引かぬよう

追伸
本日は天下一品の日でした
無料券を何枚か貰いましたので、ご一緒しませんか

――

律子「天一ね・・・そこの店は5:00までやってたかしら」

184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 03:42:54.86 ID:32SCEhWc0
律子「なるほど、プロデューサー殿への感謝の言葉を
   皆でノートに書き綴っていたのね
   ・・・それにしても、雪歩も貴音も、詩的で意味がわかりにくいわよ
   そりゃあ、私はわかるんだけど・・・
   あの鈍感バカには1ミリも伝わらないわね
   はぁ、くだらない、仕事仕事・・・」

バサッ

律子「・・・」



律子「・・・ま、まぁ?少しぐらい書いあげてもいいですけど?
   全く、プロデューサー殿は世話が焼けるんですから・・・」

188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 03:50:10.61 ID:32SCEhWc0
律子「・・・こんなもんかな
   それにしても、オフで手紙を書いたのなんて久方ぶりね
   変な汗も書いたし・・・」

チックタックチックタック

律子「それにしてもあずささん、遅いわね
   集合時間はもうとっくに過ぎているのに・・・
   はっ!もしかして、迷子?!
   大変!探しに行かなくちゃ!」タッタッタッ

ドタンバタン!

ガチャ

あずさ「律子さん、遅れてごめんなさいねー
    律子さん?いませんか?
    ・・・あら?このノート、律子さんのかしらー?
    うふふ、おっちょこちょいなんだから・・・」

191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 04:02:06.52 ID:32SCEhWc0
――

プロデューサー殿?
最近プロデューサー殿は失敗が目に余りますよ!

先ほどだって、収録の時間を間違って教えていて・・・
全く、私が居なかったら大惨事だったんですからね!
それにいつも眠そうな目をしていて・・・ちゃんと睡眠とってます?

なーんて、アイドルの子達に構うのが忙しくて、
プロデューサー殿が休めていないの、知ってるんです
私が竜宮小町だけで手一杯だから、その分プロデューサー殿に
負担が回っているのも承知済みです

でも!だから!プロデューサー殿に何かあったら、
アイドルの子達も悲しむし、その、私も・・・

とにかく!無理はしないこと!
いいですか?体が資本なんですからね?

もしプロデューサー殿が自己管理出来ないようならば、
その時は私がマネジメントなりプロデュースなりしてあげます!
だからって、わざと手を抜くのはダメですからね?

                              律子より

――

あずさ「あらあら♪」

193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 04:09:22.46 ID:32SCEhWc0
あずさ「律子さんも結構かわいい所あるのね
    ふむふむ、皆自分の思いの丈をぶつけてるわね・・・
    あらー?美希ちゃんに春香ちゃんは・・・これ大丈夫かしら」

・・・

あずさ「最初の三人以外は、微笑ましいわね
    なんだか私も羨ましくなっちゃった
    このままだと運命の人が取られちゃうかもしれないし・・・
    私も参加しましょうか♪」

196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 04:17:26.96 ID:32SCEhWc0
あずさ「これでよしっと♪
    それにしても律子さん、遅いわねぇ」

ガチャッ

伊織「! 居たわ!律子!」

律子「本当?!ありがと伊織!」

あずさ「あらあら」

律子「まさかすれ違いだったとはね・・・
   そんなことよりあずささん急いで!
   モデルのお仕事に間に合わなくなっちゃう!」

あずさ「まぁ、それは大変!
    ちょうどきりがいいし・・・はい、伊織ちゃん」

伊織「なによ、このノートは」

あずさ「読めばわかるわよー♪」

律子「あずささん!行きますよ!」

あずさ「はぁーい♪」スタスタ

伊織「はぁ、疲れた 律子は人使いが荒いんだから!
   それにしてもこのノート、何かしら」

202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 04:35:48.21 ID:32SCEhWc0
――
運命の人
それは好きな人が運命の人だったのか、はたまた逆なのか
詳しいことはわからないけれど、今、私は彼と同棲している
彼と同棲しているというのは紛れも無い事実

P 「あふぅ・・・眠い」

あずさ「あらー、おはよう、あなた♪」チュッ

挨拶にキスをするのが日常的になってかれこれ1週間
彼と一線を超えたのがつい昨日の事

P 「おはよう、あずさ
  その・・・体はなんともないか?」

あずさ「ふふ、ご心配ありがとうございます♪
    私はなんともないですよ」

P 「昨日はリードできなくてごめんな
  俺、ああいうのは初めてだったから・・・」

あずさ「いいんですよ、あなた・・・
    あら♪もしかして、昨日の事思い出して興奮しました?」

P 「あはは、実はそうなんだ・・・あずさ、また愛し合わないか」
――

伊織「・・・」フルフル

209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 04:43:28.14 ID:32SCEhWc0
伊織「何よこの三流官能小説は!
   あずさは一体何を思って渡したのかしら・・・!
   あら、その前の律子は普通じゃない
   一体どんな趣旨なのかしら」


伊織「ピーンと来たわ!
   きっとこれは、普段プロデューサーに言えない事を書きなぐる
   ロバの耳ノートなのね!
   さすが私ね
   そうと分かれば早速・・・にひひっ♪」

212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 04:52:59.00 ID:32SCEhWc0
伊織「・・・こんなもんかしらね
   あんまり期待してなかったけど、
   実際書いてみると相当楽しいわ」

ガチャッ

やよい「あ!伊織ちゃんおはよー!」

伊織「おはよう、やよい」

やよい「伊織ちゃんもお勉強ですかー?
    ノートは書く内容が多くて、大変だよねー!」

伊織「あぁ、これ?
   なんて説明したらいいか・・・
   やよいは、王様の耳はロバの耳ってわかる?」

やよい「あー、わかります!多分ことわざですよね!」

伊織「・・・そうね
   端的に言うとプロデューサーに普段言えないことを
   文字に書き起こしてすっきりしよう、っていうノートよ」

やよい「うっうー!楽しそうですー!私も書いていいかなー?」

伊織「えぇ、もちろんいいわよ」

214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:03:47.29 ID:32SCEhWc0
やよい「うー、いざとなると思いつかないー・・・
    伊織ちゃんはどんな風に書いたのかなー?」
――
P 「・・・」

伊織「何よ、だらしないわね
   業務中ってわかってる?」

P 「お願い、10分だけ休ませて・・・疲れた・・・」

伊織「ふーん、大したことしてない癖に偉そうね
   ・・・そうだわ、折角だから私が直々にマッサージしてあげる」

P 「お、本当か?それは助かる・・・」

伊織「じゃあそこのソファーにうつ伏せになりなさい
   今日だけしかしないんだから、感謝してマッサージを受けるのよ」

P 「あぁ、神様仏様伊織様ー、感謝しますー・・・
  って、おい伊織 上に座るのはマッサージとは言わないんだぞ」

伊織「あら、そう?ごめんなさいね
   じゃあこういうのはどうかしら」ぐでー

P 「お、おい、伊織!俺の上でうつ伏せに寝るな!」

伊織「にひひっ♪でも気持ちいいでしょう?」
――

やよい「わー!なんか恋人みたいですー!」

216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:08:21.17 ID:32SCEhWc0
伊織「目の前で堂々と読まれるのもちょっと恥ずかしいわね」

やよい「そんなことないよー!
    私も、プロデューサーさんとこういう事するの、憧れるもん!」

伊織「ダメよ、最初にするのは私なんだからね!」

やよい「はーい
    じゃあ、私は別のお願いを書かないと・・・
    うーんと、うーんと・・・」

219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:21:19.84 ID:32SCEhWc0
やよい「うー、こんな感じ・・・かなー?」

伊織「上出来よ、やよい
   もっとも、正解なんて無いんだから気楽にすればいいのよ、こんなの」

やよい「そうですねー・・・
    あっ!もしかして!」

伊織「どうしたの?!やよい!」

やよい「この時間だと、スーパーのタイムセールが始まってますー!
    急がないと、特売のゴーヤが売り切れにー!」

伊織「しょうがないわね・・・やよい、スーパーまで車を出すから乗って!」

やよい「本当ですか?!伊織ちゃんありがとー!」バタバタ

・・・シーン

亜美「真美隊員、対象は帰宅した模様、お→ば→」

真美「亜美隊員、こちら目標物を獲得した」

亜美「んっふっふー♪とうとう亜美達の番だよ!」

真美「苦節11時間、粘った甲斐がありましたなー」

223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:36:13.69 ID:32SCEhWc0
――

あの、こういうの書くのは初めてで、
うまく書けないけどプロデューサー見て下さい!

私はプロデューサーが好きです!
私、家では一番お姉さんなのでしっかりしてるつもりなんだけど
プロデューサーが頼りになるからつい甘えちゃって

頼りになるだけじゃなくてプロデューサーは大人っていうか、
よくわかんないけど私を大事にしてくれてるってことはわかります!

弟や妹達もプロデューサーが大好きらしくて
いっつも「本当のお兄ちゃんになったらいいのに」って言ってます!
本当のお兄ちゃんになるのはむつかしいかもしれないけれど、
時々でいいので遊びにきてお兄ちゃんの代わりになってくれたら
うれしいかなーって!

前はもやしパーティーでぜいたくしちゃったから
あと一ヶ月はごちそうできませんけど、
プロデューサーが来てくれたらたっくさん愛情込めて料理するので
また来て下さいね!

――

亜美「やよいっち・・・」

真美「うぅ、泣けるぅ・・・」

227: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:46:06.87 ID:32SCEhWc0
亜美「やよいっちが神々しすぎて、他のページが汚らわしく見えるYO!」

真美「その上から真美達が汚すんだけどね!」

亜美「さすが真美!私に出来ないことを平然とやってのける!」

真美「真美だけじゃなくて亜美もやるの!」

亜美「んっふっふー♪お主も悪よのぉ」

真美「じゃあ真美から書くねー♪」

亜美「おっけー」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:49:40.96 ID:32SCEhWc0
真美「カキカキ、カキっと!どうよこれ!」

亜美「ふむふむ・・・中々やりますなぁ、真美さんや」

真美「次の番は亜美さんですぞー」

亜美「あ、ところで?
   思いっきり汚しちゃっていいんだよね?」

真美「いいよー!ガンガンやっちゃってー!」

亜美「いぇー!ガンガンやっちゃるよー!」

230: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:55:37.88 ID:32SCEhWc0
亜美「ふんふんふーんっと♪どうよこれ!」

真美「うぅ・・・汚されたぁ・・・」

亜美「汚していいっていったじゃん!」

真美「言ったけど言ってない!」

亜美「もう、書いちゃったもーん!」

真美「まぁ所詮想像上の出来事だからどうでもいいけどね」

亜美「そだね
   なんかお腹すいたからパッフェでも食べにいこ」

真美「さすが亜美さん!真美の食べたいものにドンピシャだよ!」

やいのやいの

232: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 05:59:36.60 ID:32SCEhWc0
ガチャッ

千早「こんばんは
   ・・・誰もいないの?」

スタスタスタ

千早「寝てる美希と、1冊のノート
   新品っぽいような、それでいてくたびれてるような・・・
   何かしらね、これは」

235: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 06:07:40.30 ID:32SCEhWc0
――

真美「兄ちゃん!」

P 「どうした、真美」

真美「キスしてよー!」ぎゅーっ

P 「真美は甘えんぼだな・・・」チュッ

真美「兄ちゃん!キスの次はあれだよ!あれ!」

P 「真美・・・それは、ダメだ」

真美「え→なんで→?
   真美達、結婚して1年も経つんだよ?
   もしかして兄ちゃん、真美のコト嫌いなの?」

P 「いや、大好きだよ
  ただ俺はな、お前のコトが大切だから、しないんだ
  お前を汚したくないんだよ」

真美「兄ちゃん・・・だーい好き♪」

P 「俺も大好きだよ、真美」

――

千早「思ったより普通ね さすが子どもといった所かしら」

236: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 06:13:38.11 ID:32SCEhWc0
千早「次のページは亜美ね」

――

P 「ふー、疲れた」

亜美「お疲れ様!兄ちゃん!
   真美の相手はちかれたでしょー?」

P 「まぁな、でも亜美の顔を見て疲れが吹っ飛んだよ」

亜美「そんなこと言ってー 実は真美に欲情してたりするんじゃないのー?」

P 「バカいうな!俺は亜美一筋だよ
  証拠に、真美には手を出してないだろ?
  手を出すのは亜美だけだ」

亜美「んっふっふー♪結婚した真美さんが可哀想ですなー♪」

P 「真美のことはどうでもいいから、
  今は亜美だけを感じさせてくれよ」

亜美「やん♪兄ちゃんだいたーん♪」

――

千早「真美の清廉さが見事に汚されてるわ・・・」

238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 06:22:08.15 ID:32SCEhWc0
千早「それにしてもこのノート、私以外の人は皆書いてるのね
   一部ちょっと目を覆いたくなるものがあるけれど・・・
   一体何をテーマに書いてるのかしら」


千早「まず、大抵の人はプロデューサーとの新婚生活的なのを描いているわ
   見てて吐き気を催すぐらい甘いものを」

千早「次に、高槻さんや萩原さん、四条さんは感謝の言葉を述べているわね
   はっきり言って前者との関連性はまったく無いわ」

千早「・・・もしかして、これらは全部、
   プロデューサーとの未来の話をしているのでは?
   すると辻褄が合う・・・なるほど・・・
   そして最後の1ページ、これは私が書くスペースね」

240: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 06:28:12.92 ID:32SCEhWc0
千早「こんなものかしら
   まさかページ数が足りなくなるなんて・・・
   しょうがないわ、自前でノートを用意しましょう」

ガチャッ

スタスタスタ

・・・

スタスタスタ

P 「はぁ、疲れた・・・小鳥さんが居るスリーエフを特定するまでは良かったが
  説教でこんな時間を食うとはな・・・」

P 「ん?もしかして俺、机の上にノート置きっぱなしだったか?
  危ない危ない、アイドルの子達に見られてたら今頃大惨事だったよ」

243: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 06:37:31.20 ID:32SCEhWc0
P 「それにしても大分くたびれてるような・・・
  気のせいだよな・・・数時間でこんなになるなんてありえないよな・・・
  念のため確認だ、念のため・・・ちらっ」


P 「うおおおおおっっ!!増えてる?!文が増えてるよ!
  アイドル全員分の文が書いてあるが!
  もしかして、全員が読んだってコトなのか?!
  そして全員が書いた?!バカじゃない?!」

P 「一応、一応全部読んでみるか・・・
  うわぁ、春香と美希は病んでるな・・・あずささんも生き急いでる気はする
  雪歩、貴音、律子、ここらへんは気持ちが痛いほど伝わってくるな
  俺、プロデューサーやっててよかったかも・・・
  それにしてもやよいはかわいい」

P 「ん?なんだ、最後だけ箇条書きで書いてあるみたいだが」

246: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 06:51:18.89 ID:32SCEhWc0
――
・15歳 765プロダクションに所属
・同年 "プロデューサー"と初めて出会う
    思えばこれは運命だったのかもしれない
・同年 オーディションに初の合格
・16歳 歌の壁にぶつかる
    感情を込めて歌うことが出来ず悩む
・同年 春香が"プロデューサー"へ告白している場面に遭遇
    胸が締め付けられる感覚に陥った
・同年 なぜか壁を超えられるようになった
・17歳 トップアイドルにノミネートされるがあと一歩で敗退
・同年 "プロデューサー"に告白する
    結果は聞けなかったが、トップアイドルになったら
    答えを聞かせて貰えると言質を取る
・18歳 トップアイドルになる
・同年 "プロデューサー"に再度告白
    今度は彼も腹を括ったようで、結婚を前提に付き合うことに
・同年 渡米
・19歳 "プロデューサー"と結婚する
・21歳 "プロデューサー"と子どもを成す 女の子 春香と名付ける
・22歳 第二子出産 男の子 真と名付ける
・24歳 "プロデューサー"他界
    今世紀最大のプロデューサーと言われた彼も、色々頑張りすぎたらしい
・26歳 夫を失った悲しみをバネに努力した結果、世界一のトップアイドルになった
    きっと夫も天国で喜んでいるだろう
――

P 「千早・・・」

254: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 06:58:04.54 ID:32SCEhWc0
P 「重い・・・重いよ千早・・・
  千早だけじゃなくて皆重いよ・・・」

社長「どうしたんだね、キミィ!」

P 「あ・・・社長・・・」

社長「いかんよ、キミ!そんな人生の黄昏みたいな顔してたら!
   もっとスマイル!それが敏腕プロデューサーの鉄則だよ」

P 「あはは・・・」

社長「これは思ったより重症だねぇ」

260: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:04:23.25 ID:32SCEhWc0
P 「あの、社長
  もし、答えられもしない選択を迫られた時、人間はどうしたらいいのでしょう」

社長「そりゃあ決まっているだろう、一つ選んでなるようにしかならんさ
   それに大抵の人間は選択肢なんて2個3個ぐらいしかない」

P 「14択なんですよ」

社長「・・・私だったら見なかったことにするが」

P 「やはり、それが最善手でしょうか・・・」

社長「キミには悪いが、私のアンテナも今ばかりはティンと来なくてね」

267: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:13:47.08 ID:32SCEhWc0
P 「どんな顔して事務所に出勤すれば良いのだろうか・・・
  ええい、なるようになる!」

ガチャッ

P 「おはよう!」

皆 「おはようございまーす!」ハイサーイ

ワイワイガヤガヤ

P 「(良かった・・・特に何も変わったことは無いみたいだ
  結局杞憂だったな・・・)」

貴音「あなた様、天下一品の無料券がありますので、
   一緒に頂きましょう」

P 「あぁ、そうだな 今日はラーメンも悪くない」

268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:15:06.98 ID:32SCEhWc0
~蛇足(エピローグ)~

269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:18:04.51 ID:32SCEhWc0
春香「うわー!びしょびしょだー!」

千早「春香、遠慮しないで上がって」

春香「ごめんね千早ちゃん、急に千早ちゃん家に来ちゃって」

千早「いいのよ、春香 気にしないで
   それに・・・実は春香に見せたいものがあるの」

春香「見せたいもの?」

千早「うん・・・ついてきて
   そうそう、タオルはそこの引き出しよ」

春香「あはは、ありがと」

271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:20:47.35 ID:32SCEhWc0
千早「この部屋よ」

春香「へー!千早ちゃん、本棚買ったんだ!
   前は殺風景な部屋だったから、すごい合ってると思うよ!」

千早「春香にそう言って貰えると嬉しいわ」

春香「えへへー♪
   ところでこの本棚、本じゃなくてノートがたくさん詰まってるみたいなんだけど」

千早「そうよ
   驚かせちゃったかしら」

春香「ううん、そんなことないよ!」

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:23:32.60 ID:32SCEhWc0
春香「それで、このノートはなんなの?」

千早「それは、私達の事を記した日記みたいなものね」

春香「へー!千早ちゃん、日記とか書ける人なんだ!
   千早ちゃんは豆って感じだから、もしかして当然かな?」

千早「もしかしたらこの才能があったのかもしれないわね
   ・・・この列が、私の日記で・・・
   この列が、春香の日記よ」

春香「え?」

278: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:28:12.54 ID:32SCEhWc0
春香「私の・・・日記?」

千早「そう、春香伝とでも名づけましょうか
   春香が何歳で結婚して、子どもを何人生むか、ということが記されているわ」

春香「そ、そう・・・千早ちゃんが書いたの?」

千早「さっきからそう言ってるじゃない
   ちなみに、享年24歳
   死因は愛する人を追って、って所ね」

春香「ご、ごめん、ちょっと急用思い出しちゃった・・・
   今から家に帰らないと・・・!」

千早「待ってよ春香、昨日春香伝が完成したから、
   今日からは小鳥伝の執筆に携わらないといけないの・・・
   春香、手伝ってくれるわよね?」

281: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/02(火) 07:31:05.96 ID:32SCEhWc0
小鳥さんのノートが残した爪あとは予想以上に深く
プロデューサーの見えない水面下で徐々に蝕まれていくのでした

まとめ:問題の先送りは良くない


おし ま い