ことり「私も手伝えば良かったかな？」

海未「もう、何言ってるんですか」

穂乃果「ことりちゃんは今日の主役なんだから」

海未「手伝わせたら悪いですよ」

ことり「そ、そうかな……」

穂乃果「今日のお誕生日会どうだった？」

ことり「うん。楽しかった」

海未「それはよかったです」

ことり「いつもは穂乃果ちゃんと海未ちゃんにお祝いしてもらってたけど、今回はμ'sのみんなからお祝いしてもらったから」

穂乃果「企画して良かったね」

海未「はい」

ことり「本当にありがとうね」

穂乃果「じゃあ、帰ろっか」

海未「そうですね」

ことり「そういえば他のみんなは？」

海未「先に門のところで待ってるそうですよ」

ことり「あっ、じゃあ待たせたら悪いよね」

海未「それじゃあ、行きますか」

ことり「うん！」

♪～

ことり「ん？」

穂乃果「どうかしたの？」

ことり「ちょっと待って……メールが……お母さんから」

海未「理事長からですか」

ことり「えっと、なになに……」

穂乃果「何か重大なこと？」

ことり「んー……ううん。もうすぐ仕事終わるから、帰りに買い物でもどうって」

穂乃果「なーんだ」

ことり「重大なことなら直接言いに来るんじゃないかな」

穂乃果「それもそっか」

海未「それで、どうするのですか？」

ことり「みんなを待たせてるのもアレだし」

穂乃果「行って来なよ」

ことり「えっ？」

穂乃果「せっかくの理事長からの誘いだもん」

ことり「いいの？」

海未「えぇ、親子水入らずです」

穂乃果「みんなには私が説明しておくから」

ことり「……うん。じゃあお願いね」

穂乃果「じゃあねー、ことりちゃーん」

海未「また明日」

ことり「ばいばーい」

　

　
ことり「さて」

ことり（お母さんのとこに行こ）

◇

　
ｶﾞﾁｬ

ことり「おかーさーん」

理事長「あら、来たわね」

ことり「一緒にお買い物なんて、どうしたの？」

理事長「特に深い意味はないわよ」

ことり「ほんとにぃ？」

理事長「本当よ」

ことり「ふーん」

理事長「たまには親子で夕飯の買い物も悪くないでしょ」

ことり「まぁ、それもそうだけど」

理事長「それはそうとして今日の夕飯、何がいい？」

ことり「んー、カレーで」

理事長「わかったわ。帰り支度するから、ちょっと待っててね」

ことり「はーい」

　
ことり（まっ、いっか）

◆

　
ｷｮｳﾊｻｶﾅｶﾞ…

ｵﾆｸｶﾞ…

ことり「混んでるね」

理事長「タイムセールでしょ」

ことり「お肉は……」

理事長「あっちよ」

ことり「んー、どっちがいいかなぁ」

理事長「そうねぇ」

ことり「美味しそうなのは……」

理事長「ふふっ」

ことり「どうしたの？」

理事長「いやぁね、昔ことりとスーパーに来た時も……」

　
ことり『どっちがおいしいのかなぁ』

理事長『さぁ、頑張って考えてみましょ』

ことり『ふぬぬぬ……わかんないよぉ！』

理事長『あらあら』

　
理事長「ってことがあって」

ことり「そんなことあったっけ？」

理事長「あったわよ」

ことり「覚えてないなぁ」

理事長「あのあと、どれが美味しそうか分からなくなって泣き出したのよ」

ことり「嘘だぁ」

理事長「嘘じゃないわよ。お母さん、苦労したんだから」

ことり「ぶーぶー」

理事長「ぶぅ垂れないの」

ことり（本当かなぁ？）

理事長「それで、どっちにするの？」

ことり「んー、じゃあ……こっち」

理事長「美味しい方を選んだわね」

ことり「ほんと？」

理事長「ことりが選んだんですもの」

ことり「んー、よく分からない答え」

理事長「さぁ、他の具材を買いに行きましょ」

ことり「はーい」

◇

　
理事長「ことり」

ことり「ん？」

理事長「ちょっと別に買いたい物があるから、お会計頼める？」

ことり「いいけど……何買うの？」

理事長「んー、それは後のお楽しみね」

ことり「はぁ……」

理事長「じゃあお願いね」

ﾀｯﾀｯﾀｯﾀｯ

ことり（どうしたんだろ）

◆

　
ｱﾘｶﾞﾄｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀｰ

ことり「ふぅー」

ことり（お会計しゅーりょー）

ことり「えっと」

ことり（お母さんは、まだかな？）

理事長「ことりー」

ことり「お母さん」

理事長「待った？」

ことり「今、出てきたとこだよ」

理事長「良かった」

ことり「それで、何買って来たの？」

理事長「これよ」

ことり「これって……」

ことり（白い箱に何かの文字。確かこれ向かいにある……）

ことり「ケーキ屋さんの箱」

理事長「そう。この日のために予約してたのよ」

　
ﾊﾟｶｯ

　

　

　
理事長「ハッピーバースデー、ことり」

ことり「！」

理事長「ケーキは貴女の大好きなチーズケーキよ」

ことり「ありがとう！！」

理事長「家に帰ったら食べましょうね」

ことり「うん！」

理事長「あっ、でも」

ことり「？」

理事長「今日はみんなにお祝いして貰ったから、もうお腹一杯だったかしら？」

ことり「ううん。そんなことない、めちゃくちゃ嬉しいよ！」

理事長「ふふっ、喜んで貰えて良かったわ」

ことり「ねぇ、お母さん」

理事長「なぁに？」

ことり「だーいすき！」

理事長「ありがと」

ことり「るんるん～♪」

理事長「そうそう、さっきのアレだけど？」

ことり「アレ？」

理事長「スーパーで泣いたこと」

ことり「それがどうしたの？」

理事長「あれ、嘘だから」

ことり「えっ？」

理事長「ちょっとことりをからかいたかったから、嘘ついちゃった」

ことり「えぇー！？」

理事長「ごめんね」

ことり「酷いよー！！」

　

　
まぁ、ちょっと色々と

イタズラとかもしたりするけど

それでも……

私の大好きなお母さんに変わりはありません！

　

　
おしまい