アルベド「まあ！至高の御方々で！それは、一体どのような遊戯なのですか！？」

アインズ「ふむ、簡単に言えばデータで行うTCGだな。PP――費用を払ってフォロワー――シモベを召還し、戦わせ、相手の体力を0にしたほうが勝ちというものだ」

アルベド「……お許しを。無知な私ではTCGというものがどのようなものか存じ上げません。シモベ同士を闘技場で戦わせるようなものなのでしょうか？」

アインズ「それを机上で行うといったことを付け加えれば間違いではないな。まあ、実際にやってみるのが早いだろう。暇があるときにでも守護者で集まって遊んでみるといい」

アルベド「わ、私共が至高の御方々の遊戯を遊ばせていただくなど――」

アインズ「そう言うな。私たちが遊んだものをお前たちも楽しんでくれればと思ったに過ぎん。仲間たちが作ったものでもないし、たいしたものじゃない」

アルベド「しかし……」

アインズ「なに、暇つぶしの一つとでも思ってくれればいいさ。それに、偶然ではあるが、このゲームのリーダー――プレイヤーの分身はお前たち守護者に似た特徴を持っているものが多いんだぞ」

アルベド「なんと！」

アインズ「興味を持ったか？慣れてきたら私とも対戦してみようじゃないか。こう見えて、私はこのゲームで常にギルド内トップの実力を持っていたんだからな」

――1週間後――

アルベド「守護者各員、揃ったようね」

デミウルゴス「アルベド、用件は以前話された『シャドウバース』の件についてですね？」

アルベド「ええ、至高の御方が嗜んだといわれる至高の遊戯についてよ。皆、チュートリアルは済ませたかしら？」

シャルティア「もちろんでありんすえ。ランクもすでにAまで上がったでありんす」

コキュートス「流石ハ至高ノ御方々ガ嗜マレタ遊戯。ワタシノヨウナ者ニモ分カリ易ク、趣深イ物デアッタ」

デミウルゴス「デッキ構築に始まり、初手の手札交換や進化を切るタイミング、AoEのケアなど、様々な読み合いが発生するところが実に私好みでしたね」

アウラ「うん、楽しかった！……でもさー、ちょっとこのゲーム、運の要素が強すぎない？」

マーレ「お、お姉ちゃん、そんなこと言ったら駄目だよ……」

シャルティア「そうでありんす！至高の御方々に対して不敬でありんす！」

デミウルゴス「いや、一概に運要素の強さを否定するのもどうかと思うよ」

コキュートス「ナニ？デミウルゴス、ソレハドウイウ意味ダ？」

デミウルゴス「皆さん、お忘れではないですか？これは、至高の御方々が嗜まれた遊戯であるということを」

シャルティア「そんなことありんせん！」

アウラ「そうだよ！忘れるはずがないじゃん！」

デミウルゴス「では、疑問には思いませんでしたか？遊んで楽しい程度のものが至高の御方々の遊戯にあたるのだろうか、と」

マーレ「じゃ、じゃあ、このゲームは遊ぶことが目的ではないってことですか？」

デミウルゴス「その側面も間違ってはいないだろうね。しかし、本来の意図は別にあります」

アウラ「それって何！？もったいぶらずに教えてよ！」

デミウルゴス「皆さんもご存じでしょう？アインズ様の豪運は想像をはるかに超えるものである、と」

マーレ「え、えっと、それは当然ですけど、何か関係あるんですか？」

シャルティア「至高の御方々をまとめられるにふさわしい能力でありんすえ」

デミウルゴス「では、このゲームでその力の一端を身に付けられるとしたら？」

「「「「　！　」」」」

コキュートス「マ、マサカ、ソノヨウナ事ガ……」

デミウルゴス「アインズ様は至高の御方々の中でも常にトップの実力をお持ちだったそうです。――そこから、このゲームを勧めたアインズ様の真意を図ることができます」

アウラ「つまり、このゲームをやる真の目的って――」

アルベド「――そう、この遊戯の真の目的は運の向上。勝つために必要なものを引き寄せる運命力を養うことにあるのよ！」

デミウルゴス「……アルベドに先に言われてしまいましたが、概ねその通りです。シャルティアに起きた不幸な出来事を二度と起こさないためにも、私たち全員のLUCK値を上げる必要がある、恐らく、アインズ様はこう考えられたのでしょう」

シャルティア「なんと……流石はアインズ様……」

コキュートス「我々ノ身ヲ案ジテ、ソコマデ御考エ下サッテイタトハ……」

アルベド「アインズ様のご厚意に応えるべく、私たちも今まで以上に精進しなければならないわね。……さて、そんなアインズ様と対戦する権利を賭けた試合を、そろそろ始めましょうか」

アウラ「抽選の結果、初戦の相手はシャルティアとアルベドに決定しましたー！」

マーレ「お姉ちゃん、誰に話しかけてるの？」

アウラ「細かいことは気にしない！それじゃあ、試合開始！」

シャルティア「さあ、いくでありんすよ！」

アルベド「受けて立つわ。かかっていらっしゃい！」

シャルティア[ヴァンパイア]　VS　アルベド[ビショップ]

デミウルゴス「ふむ、自身の種族と、守備に長けた戦い方、それぞれの特徴を生かしたリーダーの選択ですね」

コキュートス「ム！先攻ハシャルティアカ！」

シャルティア「わらわのターン、ドロー！1PP払って[蠢く死霊]をプレイ！ターンエンドでありんす」

【シャルティア [LP19] [手札3]　/　[1/2]】
【アルベド [LP19] [手札3]　/　】

マーレ「[蠢く死霊]はお互いのリーダーに1ダメージを与えるカードですね」

デミウルゴス「そうだね。ダメージが必ずしもデメリットとならないヴァンパイアからすると最高のスタートと言えるでしょう」

アルベド「やるわねシャルティア。では私のターン、後攻なので2枚ドロー。1PP払って[詠唱：聖なる願い]をプレイ。ターン終了よ」

【シャルティア [LP19] [手札3]　/　[1/2]】
【アルベド [LP19] [手札4]　/　[③]】

アウラ「[詠唱：聖なる願い]は3ターン後に2枚ドローするアミュレットだね」

コキュートス「アルベドハ長期戦ヲ考エテイルノカモシレンナ」

シャルティア「ふん！速攻で片を付けるでありんすよ！私のターン、ドロー！2PP払って[ブラッドウルフ]をプレイ！[蠢く死霊]と合わせてアルベドに攻撃！ターンエンドでありんす！」

【シャルティア [LP17] [手札3]　/　[1/2] [2/1]】
【アルベド [LP16] [手札4]　/　[③]】

デミウルゴス「[ブラッドウルフ]はプレイしたときに2ダメージ受けますが、すぐに攻撃できる効果、疾走を持つカードですね」

コキュートス「速攻ニハ最モ適シタカードト言エルナ」

アルベド「ふふ、では私のターン、ドロー。[スネークプリースト]をプレイしてターン終了よ」

【シャルティア [LP17] [手札3]　/　[1/2] [2/1]】
【アルベド [LP16] [手札4]　/　[②] [□1/3]】

アウラ「反対にアルベドは守りを固めてきた！」

マーレ「[スネークプリースト]は守護を持っているから、倒さないとアルベドさんを攻撃できないんだよね」

シャルティア「私のターン、ドロー！3PP払って[復讐の悪魔]をプレイ、他2体で[スネークプリースト]に攻撃してターンエンドでありんす！」

【シャルティア [LP17] [手札3]　/　[1/1] [×4/4]】
【アルベド [LP16] [手札4]　/　[②]】

アウラ「[復讐の悪魔]はスタッツが高い分、復讐状態にないと攻撃できないんだよね」

デミウルゴス「それをこのタイミングで出すということは……シャルティアのデッキ構成が読めてきましたね」

アルベド「私のターン、ドロー。3PP払って[風の軍神・グリームニル]をプレイ。ターン終了よ」

【シャルティア [LP17] [手札3]　/　[1/1] [×4/4]】
【アルベド [LP16] [手札4]　/　[①] [□2/3]】

コキュートス「マタ守護ヲ持ッタフォロワーヲ出シテキタカ」

マーレ「でも、えっと、このままだと防戦一方のような……」

「私のターン、ドロー！4PP払って[ベルフェゴール]をプレイ！自らのライフを10まで減らし2ドロー！復讐状態になったことで攻撃できるようになった[復讐の悪魔]で[風の軍神・グリームニル]を攻撃、[蠢く死霊]でアルベドを攻撃！ターンエンドでありんす！」

【シャルティア [LP10] [手札5]　/　[1/1] [4/2] [4/4]】
【アルベド [LP15] [手札4]　/　[①]】

コキュートス「出タナ。『復讐ヴァンプ』ノキーカード、[ベルフェゴール]」

デミウルゴス「ライフを10まで減らして2ドローするカードですが、その真価は自ら復讐状態になることです」

マーレ「復讐状態だとヴァンパイアのカードはより強力になるんですよね」

アウラ「シャルティアが上手く使いこなせればだけどねー」

アルベド「……流石シャルティアね、ここまでほぼ理想的な動きと言えるわ」

シャルティア「当然でありんす。リタイアしても構いんせんよ？」

アルベド「あら、そんなことはしないわ。だってここまで私の想定通りだもの」

シャルティア「な、なんですって！？」

アルベド「私のターン、ドロー。さらにカウントの終わった[詠唱：聖なる願い]効果によって追加で2枚ドロー。ふふ、いいのを引いたわ。4PP払って[鉄槌の僧侶]をプレイ。進化させることにより体力3以下のフォロワーを一体消滅できる」

シャルティア「ぐぬぬ……」

アルベド「消滅の対象は当然[復讐の悪魔]。さらに進化したことにより、[鉄槌の僧侶]はそのターンにフォロワーに攻撃ができる。[ベルフェゴール]に攻撃し、ターン終了よ」

【シャルティア [LP10] [手札5]　/　[1/1]】
【アルベド [LP15] [手札6]　/　[4/1]】

マーレ「すごい！1ターンで盤面をひっくり返しちゃった！」

デミウルゴス「先攻は2回、後攻は3回しか使えない進化権を惜しみなく使ってきましたね」

アウラ「これでシャルティアはライフ的に一気に不利になったね！」

コキュートス「ダガ、次ノターンカラハシャルティアモ進化ガ使エル。ドウナルカハマダ分カラナイゾ」

シャルティア「ぐぬぬ……！」

アルベド「どうしたのシャルティア？別にリタイアしても構わないわよ」

シャルティア「お断りでありんす。勝てる戦をむざむざと捨てるような趣味はないでありんすからね。私のターン、ドロー！ふっふっふ、5PP払って[カオスシップ]をプレイ！」

アウラ「おっ！[カオスシップ]は復讐時にデッキから2コスト以下のフォロワーをランダムで2体場に出すカードだね！」

シャルティア「召喚されたカードは……[ブラッドウルフ]2体！[蠢く死霊]で[鉄槌の僧侶]に攻撃！さらに[ブラッドウルフ]2体でアルベドに攻撃！ターンエンドでありんす」

【シャルティア [LP10] [手札5]　/　 [3/4] [2/1] [2/1]】
【アルベド [LP11] [手札6]　/　】

コキュートス「今度ハシャルティアガ盤面ヲ取リ返シタナ」

マーレ「でも、進化は使いませんでしたね」

アウラ「アグロデッキならダメージ増加に進化を切るのが普通だと思うけど……」

シャルティア「ふっふっふ、 [ブラッドウルフ]を進化してもスタッツは4/3。[鉄槌の僧侶]に消されることを警戒して、ここは進化を切らないのがランクAの腕前よ！」

デミウルゴス「さてさて、それが吉と出るか凶と出るか……」

アルベド「残念ながら凶と出たようね」

シャルティア「え？」

アルベド「私のターン、ドロー。5PP払って[エンシェントレオスピリット]をプレイ。進化することによって、相手のフォロワーすべてに2ダメージ。さらに[カオスシップ]に攻撃。ターン終了よ」

【シャルティア [LP10] [手札5]　/　] 】
【アルベド [LP11] [手札6]　/　[4/2]】

コキュートス「マサカ、アソコマデ優勢ダッタ盤面ガヒックリ返サレルトハ……」

デミウルゴス「これがシャドウバースの面白いところですね。様々なカードを想定し、動かなければならない。運だけで勝つことは難しいのですよ」

アウラ「でも盤面は取り返したけど、アルベドはライフが心もとないね。シャルティアは進化権もまだ2つ残ってるし」

マーレ「シャルティアさんのライフも少ないですけど、復讐状態でいるためにわざと低くしているわけですから、有利なのはシャルティアさんかもしれません」

シャルティア「私のターン、ドロー！4PP払って[ダークジェネラル]をプレイ！[ダークジェネラル]は復讐時に疾走を持つカード。これを進化させてアルベドに攻撃！」

アウラ「ここで大胆に進化を使ってリーダーに攻撃していった！」

デミウルゴス「次のターンにアルベドを倒せる算段がついたのでしょうね」

シャルティア「さらに1PP払って[ディアボリックドレイン]をプレイし、[エンシェントレオスピリット]に4ダメージ！私のライフを2回復して、ターンエンドでありんす」

【シャルティア [LP12] [手札4]　/　[6/5]】
【アルベド [LP5] [手札6]　/　】

コキュートス「[ディアボリックドレイン]ハ本来5コストノカード。復讐状態ノ時ノミ１コストデ使エル特性ヲ生カシテキタナ」

マーレ「これはアルベドさん、大ピンチですよ！」

アルベド「……先攻有利とはいえ、ここまで圧倒してくるとは流石ね。でも、私も負けるわけにはいかないの。私のターン、ドロー。2PP払って[僧侶の聖水]をプレイし、2回復＆1ドロー」

マーレ「アルベドさんのライフが即死圏外に！」

アウラ「まだ全然安心できる状態じゃないけどね」

アルベド「さらに4PP払って[神魔裁判所]をプレイ。相手のフォロワーをランダムで破壊するアミュレットだけど、一体なら確定破壊よ。ターン終了。」

【シャルティア [LP12] [手札4]　/　】
【アルベド [LP7] [手札5]　/　[③]】

コキュートス「オオ！何トカ凌ギ切ッタカ」

デミウルゴス「厳しい状況ですが、よく返しましたね。とはいえ、シャルティアもそろそろ辛そうではありますが」

シャルティア「私のターン、ドロー！6PP払って[インプランサー]をプレイ、疾走持ちのこいつを進化させてアルベドに攻撃！ターンエンド！」

【シャルティア [LP12] [手札4]　/　[5/8]】
【アルベド [LP2] [手札5]　/　[③]】

デミウルゴス「さあ、いよいよピンチになってきましたが、アルベドはこの逆境を跳ね除ける術を持っているのですか？」

アルベド「ふふ、愚問ね。この程度の苦難、何でもないわ。私のターン、ドロー。2PP払って[気高き教理]をプレイ。[神魔裁判所]のカウントを2進めて再度効果発動！[インプランサー]を破壊！追加で1ドロー！」

シャルティア「ぐっ！」

アルベド「さらに5PP払って[レディアンスエンジェル]をプレイ！ 3回復＆1ドロー！ターン終了よ」

【シャルティア [LP12] [手札4]　/　】
【アルベド [LP5] [手札5]　/　[2/4]】

アウラ「すごい！アルベドがまた耐えた！」

デミウルゴス「シャルティアが[鋭利な一裂き]を2枚持っていたら勝ちなんですが……顔を見る限り、どうやら持って無さそうですね」

シャルティア「ぐぬぬ……私のターン、ドロー！合計6PP払って[レヴィオンデューク・ユリウス]を3体プレイ！ターンエンドでありんす！」

【シャルティア [LP12] [手札2]　/　[1/3] [1/3] [1/3]】
【アルベド [LP5] [手札5]　/　[2/4]】

コキュートス「遂ニ、シャルティアノ猛攻ガ止マッタカ」

デミウルゴス「というか、普通はこんなに綺麗にデッキが回ったりしないですからね」

マーレ「それなら、それを凌いでいるアルベドさんは一体……」

アウラ「まー、アルベドはシャルティアの戦略を読み切ってデッキ作ってそうだしね」

アルベド「ふふ、やっと落ち着いてくれたわね。私のターン、ドロー。6PP払って[テミスの審判]をプレイ、お互いのフォロワーをすべて破壊するわ」

コキュートス「ム、シャルティアヲ攻撃シナイノカ？」

デミウルゴス「攻撃して復讐状態になるのを避けたんでしょうね」

アルベド「さらに[スネークプリースト]をプレイして、ターン終了よ」

【シャルティア [LP12] [手札2]　/　】
【アルベド [LP5] [手札4]　/　[□1/3]】

デミウルゴス「まさに鉄壁と呼ぶのにふさわしい防御力ですね」

アウラ「本人と一緒でしつこいんだよきっと」

アルベド「……聞こえているのだけど？」

シャルティア「くっ！まだ勝った気になるのは早いでありんすよ！私のターン、ドロー！よし！7PP払って[アルカード]をプレイ！こいつも疾走を持っているからすぐに攻撃できる！[スネークプリースト]に攻撃してターンエンドでありんす！」

【シャルティア [LP12] [手札2]　/　[4/3]】
【アルベド [LP5] [手札4]　/　】

マーレ「わっ！また疾走持ちのフォロワーを引いてきたよ」

アウラ「ホントすごい豪運だね……まあ、それでも決めきれないのがシャルティアらしいけど」

シャルティア「聞こえてるでありんすよ！」

アルベド「でも茶番はもうおしまいよ。私のターン、ドロー。9PP払って[ヘヴンリーイージス]をプレイ！

シャルティア「ぐぎゃ！」

アルベド「さらに進化して[アルカード]を攻撃。ターン終了よ」

【シャルティア [LP12] [手札2]　/　】
【アルベド [LP5] [手札4]　/　[10/10]】

コキュートス「出タナ！ビショップノ切リ札、[ヘヴンリーイージス]！」

デミウルゴス「破壊、消滅といったあらゆる効果を打ち消し、ダメージも受けない聖域。出せた瞬間試合が決まってしまうほどのパワーカードですね」

アウラ「正直、インチキカードだと私は思うなー」

マーレ「出すタイミングが難しいし、インチキとまでは言えないんじゃないかな……」

シャルティア「……序盤の勢いが嘘みたいでありんす。でもまだ諦めないでありんすよ！私のターン、ドロー！4PP払って[ベルフェゴール]をプレイ！」

アウラ「[鋭利の一裂き]を引きにいったね！」

コキュートス「コノターンデ勝テナケレバ、ホボ負ケノ状態ダカラナ」

シャルティア「……ぐっ！さらに合計4PP払って[糸蜘蛛の悪魔]2体プレイしてターンエンドでありんす」

【シャルティア [LP10] [手札2]　/　[4/4] [□1/4] [□1/4]】
【アルベド [LP5] [手札4]　/　[10/10]】


マーレ「今度はシャルティアさんが守護を並べてきました！これを凌ぎきれればですね！」

デミウルゴス「……いや、これはもう難しいんじゃないかな？」

マーレ「えっ？」

アルベド「くっふっふ、その通りね。私のターン、ドロー。10PP払ってエンハンスした[風の軍神・グリームニル]をプレイするわ！」

シャルティア「エンハンスした[風の軍神・グリームニル]の効果は相手のフォロアー全員に1ダメージを4回与える……つまり！」

アルベド「そう！あなたのフォロアーすべてを破壊することが出来るわ！そして[ヘヴンリーイージス]でシャルティアを直接攻撃！」

シャルティア「ぎゃああああああああああ！」

【シャルティア [LP0] [手札2]　/　】
【アルベド [LP5] [手札4]　/　[10/10] [□2/3]】

アルベド「私の勝ちね」

デミウルゴス「試合はアルベドの勝利で終わりましたか」

コキュートス「終始シャルティアガ押シテイタヨウニ思エルガ、アルベドハ上手ク凌ギ切ッタナ」

マーレ「敗因はいったい何だったんでしょうか？」

デミウルゴス「結果論になってしまうけど、先攻5ターン目の進化の温存だろうね」

アウラ「でもそれだと[鉄槌の僧侶]のケアはどうするの？」

デミウルゴス「仮に[鉄槌の僧侶]をプレイされたとしても、[ブラッドウルフ]は一体生き残りました。手札に[ディアボリックドレイン]を握っていたのならば、恐れずに進化を切った方が状況は良かったでしょう」

マーレ「相手を警戒して行ったプレイングが裏目に出ることもあるんですね。勉強になります」

デミウルゴス「相手がどんなカードを採用しているか予想し、最悪を想定して動く。かつ自分の最強のムーヴを相手に押し付けていくこと、それがこのゲームの勝ちパターンだからね。なにより――」

アルベド「――なにより、キーカードを引く運命力、それがシャルティアには足りなかったわ！[鋭利の一裂き]を引けるタイミングは何回もあったのに引けなかった。それがあなたの敗因よ！」

シャルティア「ぐぬぬぬぬ……！」

デミウルゴス「……また先に言われてしまいましたが、まあ、そういうことですね。運が何よりも大事なこのゲームでリーサルカードを引けなかった。まだまだ精進が必要ですね」

シャルティア「勝ったからっていい気になるなでありんす！ここから4連勝してアインズ様との対戦権を勝ち取ってみせるでありんす！」

アウラ「その意気だよシャルティア。ま、私も負ける気はさらさらないけどね！」

マーレ「ぼ、僕だってアインズ様と対戦してみたいです！」

コキュートス「鍛錬券ヲ断ラレテシマッタ以上、コノヨウナ機会ヲ逃ス訳ニハイカナイ！」

アルベド「ふふ、では、次の試合を始めましょうか。次の組み合わせはコキュートスとデミウルゴス――」



本格カードバトル、シャドウバースは9月28日に新しいパックが追加されます。

オーバーロード12巻も9月30日に発売されますので、皆さん併せて楽しんでください。