1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:33:12.43 ID:iC4c/6kD0
~京子ショップ~

綾乃「やっとバイト代10万円たまったわ……」

綾乃「これで、歳納京子を飼うんだからっ!」

結衣「あれ、綾乃、どうしたのこんな所で」

綾乃「ふ、船見さん!?」

結衣「もしかして、綾乃も京子飼うの?」

綾乃「そ、そんな訳ないじゃないっ!」ワタワタッ

結衣「?」

綾乃「そ、そういう船見さんこそ……京子ショップで何してるの?」

結衣「え、ああ、うちは小さい頃から京子を飼ってるんだよ」

結衣「で、京子のご飯を買いに良く来てるんだ」

綾乃(船見さん、歳納京子を飼ってたのね……)

引用元: 綾乃「歳納京子を飼うわよ!」 



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3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:37:14.03 ID:iC4c/6kD0
結衣「それで、綾乃はどんな京子を飼うつもりなの?」

綾乃「え、私は別にっ……飼うつもりなんかっ」プイッ

結衣「けど、興味は有るんだよね?京子ショップに来てるくらいだし」

綾乃「う……」

結衣「私は京子歴長いから、色々と助言できると思うよ?」

綾乃「……助言?」

結衣「京子は繊細な生き物だからね、飼い主の性格とか、部屋の広さとか色々考えないと駄目なんだ」

綾乃「そうだったの……全然知らなかったわ」

結衣「綾乃は、自分の部屋で京子飼うつもりなんだよね」

綾乃「か、飼うとしたら、そうなるかしら」

結衣「それなら、広さもある程度確保できるだろうし、どの京子でも飼えるかな」

綾乃「歳納京子ってそんなに沢山種類が居るの?」

結衣「うん」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:39:14.53 ID:iC4c/6kD0
結衣「ほら、ゲージの中を見て御覧?沢山京子が居るよね?」

綾乃「あっ///」


キャーキャー

ワイワイッ

キョッピッキョッピッ


綾乃(小さい歳納京子が沢山居て、可愛いっ///)

結衣「綾乃、あの布に包まってる京子を見てみて」

綾乃「え?」

結衣「あれはね、幼京子だよ」

綾乃「幼京子?」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:42:32.50 ID:iC4c/6kD0
結衣「幼京子は一般的には泣き虫で気弱な子が多いんだ」

結衣「だから、構ってあげられる時間が少ないとすぐに弱っちゃう」

綾乃「そうなの……」

綾乃(何か想像してたのと違うわね、けど可愛いっ///)

結衣「それとは別に、ゲージの真ん中を転げまわってる京子が居るよね?」

綾乃「ええ、凄く元気そうね」

結衣「あれは、リボン京子だよ」

綾乃「リボン京子……」

結衣「みんなが一番最初に想像する京子は、あのタイプだね」

結衣「幼京子と同じように寂しがり屋だけど、基本的には元気だから飼いやすいよ」

綾乃「へぇ……」

綾乃(元気そうでこっちの歳納京子も可愛いわ///)

8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:47:17.51 ID:iC4c/6kD0
結衣「あとは、誘い受け京子かな」

綾乃「誘い受け?」

結衣「うん、普段は元気にじゃれついてくるんだけど、こちらが構いに行くと途端に弱気になるんだ」

綾乃「弱気になったら構うのやめた方がいいのかしら……」

結衣「いや、弱気になってもこっちが構うのをやめると寂しそうにするから……」

結衣「がんがん構ってあげた方がいい見たい」

綾乃「がんがん構う……」ゴクッ

綾乃(歳納京子、構うと喜んでくれるのね……可愛いっ///)

結衣「他にも、珍しい所では攻め京子とかもいるけど、これは初心者では飼いにくいかな」

綾乃「本当に色々な種類の歳納京子が居るのね……」

結衣「それで、綾乃はどの京子にするの?」

綾乃「わ、私は……」

綾乃(どうしよう、迷うわ)

綾乃(オーソドックスにリボン京子にするか、幼京子も可愛いのよね、けど夜の事を考えると誘い受け京子も……)

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:48:40.93 ID:iC4c/6kD0
綾乃「……あら」

結衣「ん?どうしたの?質問があるなら判る範囲で応えるけど」

綾乃「船見さん、あの隅っこに居る歳納京子はどかん歳納京子なの?」

結衣「……」

綾乃「船見さん?」

結衣「……あれはあんまりお勧めしないよ」

綾乃「え?」

結衣「あれはね……」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:48:58.34 ID:iC4c/6kD0
.



結衣「鬱京子なんだ」



.

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/11(火) 23:51:34.27 ID:iC4c/6kD0
綾乃「鬱京子?」

結衣「うん……凄くメンタルが弱くてね」

結衣「すぐ自殺するし、場合によっては飼い主を傷付ける事もあるんだ」

綾乃「え……」

結衣「どうしてこの京子ショップは鬱京子置いてるのかな……」

結衣「これじゃ、他の京子にわるい影響が出ちゃうよ」

綾乃「……鬱京子は、どう扱うのが正しいのかしら」

結衣「んー、好事家の中には鬱京子をこのむ人が居るのは確かだけど」

結衣「一般的には、1人で隔離しておくか、または……」

綾乃「または?」

結衣「……保険所行きかな」

綾乃「え……」

17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:02:21.11 ID:vpRAnjuY0
綾乃「ほ、保険所に送っちゃうの?こんなに可愛いのに?」

結衣「表面上は確かに可愛いけど……」

結衣「ほら、綾乃、よく聞いてみて?」

綾乃「え?」

結衣「鬱京子の鳴き声」

綾乃「鳴き声……」

綾乃(確かに耳を澄ますと何か……)


ハァ……ジサツシタイ……


綾乃「!!」

結衣「ね、鬱京子自身も、生きていくことを望んでないんだよ……」

結衣「だから、早く終わらせてあげた方がいいんだ」

綾乃「……」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:04:19.55 ID:vpRAnjuY0
綾乃(船見さんの言う通りなのかしら)

綾乃(確かに、歳納京子自身がそう望んでるのなら、仕方ないわよね)

綾乃(そもそも私は、初心者なんだし……ここはやっぱり、誘い受け京子辺りで……)


ナンデ……


綾乃「?」


ナンデ、ワタシバッカリ……


綾乃「……」

綾乃「あ、あのっ!店員さんっ!」

あかね「はい?」

綾乃「私っ!歳納京子買いますっ!」

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:06:48.38 ID:vpRAnjuY0
結衣「……綾乃、本当に良かったの?」

綾乃「ええ」

結衣「今なら、まだ間に合うと思うよ?あの店員さんは知り合いだから、他の京子に代えて貰う事も」

綾乃「いいの」

結衣「……そっか、綾乃がそこまで言うなら、何も言わないよ」

結衣「けど、困ったことがあったらいつでも連絡してね、力になれると思うから」

綾乃「ありがとう、船見さん……」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:09:37.79 ID:vpRAnjuY0
~綾乃の部屋~

綾乃「さあ、歳納京子?今日からここが貴女のお家よ?」


箱「……」


綾乃「歳納京子?」


箱「……」


綾乃(連れて帰る時に入れて貰った箱から出てこないわ)

綾乃(どうしよう……)

綾乃「そ、そうだ、歳納京子、お腹空いてる?」


箱「……」


綾乃「船見さんから聞いてた歳納京子の大好物……買ってきてあるわよっ!」


箱「……」

21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:11:31.10 ID:vpRAnjuY0
綾乃「えっと、小さいお皿に少しだけ盛って……」

綾乃「はい、歳納京子、ラムレーズンよ?」コトッ


箱「……」


綾乃(箱の前に置いてあげたし……あとは我慢比べかしら)


箱「……」


綾乃「……」ドキドキドキドキ

綾乃「……」ドキドキドキ

綾乃「……」ドキドキ

綾乃「……」ドキ

綾乃「……」

綾乃「……」

綾乃「……」

23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:14:21.00 ID:vpRAnjuY0
綾乃(全然出てこないわね)

綾乃(……ちょっとだけ、覗いてみようかしら)

綾乃「……」ソーッ


パカッ


綾乃(……ちゃんと居るわ)

綾乃「……歳納京子?お腹空いてるでしょ?」

綾乃「このラムレーズン、食べていいのよ?」


……ウソ


綾乃「え?」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:16:21.66 ID:vpRAnjuY0
食ベテ……安心シタトコロヲ……グサッ……ト


綾乃「し、しないわよっ!そんなことっ!」


私ヲ……コンナ所ニ……連レテキテ……


監禁スル……ツモリナノ……


綾乃「え……」


ヒドイ……ヒドイヨ……私……ワルイコト……シテナイノニ……


綾乃「歳納京子……」

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:23:09.11 ID:vpRAnjuY0
綾乃「監禁なんて、しないわよ……歳納京子が好きなように暮らしてくれていいから、ね?」


……ジャア……外ニ……連レテ行ッテ……


綾乃「え、何処に?」


川トカ……建物ノ……屋上トカ……


綾乃「貴女、それ自殺するつもりなんでしょ……」


……ソンナコトナイヨ

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 00:23:31.33 ID:vpRAnjuY0
綾乃「……」ハァ

綾乃(私、どうしてこんな歳納京子を買ったのかしら……)

綾乃(他の歳納京子を買ってたなら、もっと楽しく過ごせてたんだろうに……)

綾乃(……けど)


『 ナンデ……ナンデ、ワタシバッカリ 』


綾乃(あの時の歳納京子の声を聞いたら……どうしてか放っておけなくなっちゃったのよね……)

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 18:14:58.97 ID:vLb37iKj0
綾乃(そうだ!何かに依存させればいいじゃない!)

綾乃(それが生きる理由になれば!)

綾乃(…この子が依存しそうなこと…それは?)

綾乃(…分からないわ)

チキュウオワラナイカナ

145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 18:25:55.92 ID:vLb37iKj0
綾乃(船見さんに聞く…前に何を聞くか整理)

綾乃(飼い主の性格がどうとか言ってたわね)

綾乃(それと部屋の広さ…こればかりはどうしようも無いけど)

綾乃(性格は私次第で変わる)

綾乃(でも、どう変わればいい?)

綾乃(その辺を聞いてみようかしら)

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 18:39:08.63 ID:vLb37iKj0
綾乃「よしっ」カチャ

綾乃「この子のためよ…」プルルル

綾乃(きたっ!)モシモシ?

綾乃「あの、もしもし杉浦ですけど」

結衣「あぁ…鬱京子のこと?」

結衣「あればかりは私もよく分からないんだ」ユイー

結衣「鬱京子は保健所に引き渡すのが賢明な判断だよ」ヘッドスピンー

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 18:45:27.97 ID:vLb37iKj0
綾乃「あの、そうじゃなくて…」

結衣「?」

綾乃「あの、飼い主の性格がどうとか言ってたわよね?」

結衣「あぁ、京子を選ぶ際にどれがその人に適しているのかが分かるんだ」

綾乃「その、幼京子はどんな人が適しているの?」

結衣「気の強くて、優しい人、思いやりのある、そんな人が幼京子に適しているよ」

152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 18:55:43.43 ID:vLb37iKj0
綾乃「じゃあリボン京子は?」

結衣「基本は誰でも大丈夫なんだ、思いやりのある人ならね」

綾乃「じゃあ誘い受け京子はは?」

結衣「気の弱そうな人っぽい人向きだね」

綾乃「ぽい?」

結衣「昼は受け、夜は攻め、一転攻勢ができるような、内に野獣を潜めている人、と相性がいいんだ」

綾乃「そ、そう」

結衣「他は?」

綾乃「あ、これだけなの、ありがとう船見さん」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 19:01:12.19 ID:vLb37iKj0
結衣「あぁ、困ったらまたいつでも」

綾乃「うん、それじゃあ」ピ

綾乃「…強気で優しい…ねぇ」

綾乃「強気だけど、優しい…」

綾乃「そうね…変わらなきゃ」

158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 19:08:51.01 ID:vLb37iKj0
綾乃「お、おい京子」

ハナシカケナイデ・・・

綾乃「…っあなたは私が買ったのよ!素直に言うことを聞きなさい!」

キカナイト ドウスルノ?

綾乃「聞かないと……」

コロス?コロス?

綾乃「嫌とは言わせないわ!絶対に言うことを聞いてもらうわよ!」

160: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 19:14:44.39 ID:vLb37iKj0
イヤダイヤダコロセバイイノニ

綾乃「絶対に死なせないわ!」

コノモミアゲー!

綾乃「何もしなけりゃ調子に乗って!」

ギャーギャー

162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 19:19:06.53 ID:vLb37iKj0
~~~~
綾乃「ご飯を食べなさい」

鬱京子「嫌だ」

綾乃「食べなさい」

鬱京子「嫌だって言ってるだろ!」

綾乃「食べなさいって言ってるでしょ!」

鬱京子「うるさい!紫頭!」

綾乃「黙って食べなさい!」

鬱京子「嫌だ!」

~~~

166: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 19:25:59.06 ID:vLb37iKj0
綾乃「はぁ…はぁ…ちょっとトイレ…」

鬱京子「二度と戻ってくるな!」

ガチャ

鬱京子「こんなの…」

鬱京子「…一口だけ」

~~~
綾乃「ふぅ…ただいま」

鬱京子「…」

綾乃「…ん?食べてる?」

鬱京子「食いたくなったから食ってる、お前が言ったからじゃない」

綾乃「ふーん、まあ食べてくれたには違いないしね、ありがとう」

168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/12(水) 19:31:08.10 ID:vLb37iKj0
鬱京子「何で、お礼なんて…」

綾乃「まあいいじゃない、言いたくなっただけよ」

鬱京子「なんだよそれ、別に綾乃のためじゃない」

綾乃「あ、名前で呼んでくれた」

鬱京子「……もう寝る!」

綾乃「名前で呼んだ~」

ツンデレ京子「うるさい!」

おわり