チノ「ふあぁ…」

ココア「あれ、チノちゃん寝不足？」

チノ「ええ、ちょっと…」

ココア「わかったー、また遅くまでジグソーパズルに熱中してたんでしょ」

ココア「駄目だよ？夜更かしはお肌の大敵なんだから」

リゼ「肌を気にする年齢でもないだろ…」

ココア「でも体に悪いし」

チノ「…」

ココア「チノちゃんは成長期なんだからぐっすり寝ないと」

ココア「あ、でも成長しちゃうとちっちゃくて可愛いチノちゃんじゃなくなっちゃう！」

リゼ「どうしたいんだお前は」ﾊｧ

チノ「…」

チノ（やっぱり…トークって難しいな）

チノ（ほとんど喋らなかったし…ただ食べてるだけだったし）

チノ（笑顔とおしゃべりの練習にいいと思って始めてみたけど）

チノ（上手くいかないな）ﾊｧ

ココア「チノちゃんがため息…」

ココア「まさか！故郷が恋しくなって！」ﾊｯ

リゼ「いやここが故郷だろ」

チノ「…」ｶﾁｶﾁ

チノ「…全然再生されてない」

チノ「やっぱり私の動画は目に付きにくいんでしょうか」

チノ「おしゃべりの練習も大切だけど…まずは興味を持ってもらうようにしないと」

チノ「普通に市販されてる商品を食べても意味はなさそうですし」

チノ「差別化を図るには…」

チノ「！」

チノ「オリジナル料理を作ってみるのはいいかもしれません」

チノ「うちのコーヒーを使ってみたいです」

チノ「メニューにパンケーキがありましたね」

チノ「よし、お皿に乗ったパンケーキに」

トロー

チノ「コーヒーをかけて…」

チノ「シロップも入れてみましょうか」ﾄﾛｰ

チノ「おお…！」ｷﾗｷﾗ

チノ「これは美味しそうです」

チノ「今日はこれを食べて感想を言ってみましょう」

チノ「や…やっほー///」

チノ「ど、どうもー、カプチーノでーす」

チノ「今日はちょっと趣向を変えてですね、オリジナル料理を、作ってみたいと思います」

チノ「ここにパンケーキを用意しました」

チノ「私のみｓ…えっと、たまたま家にあったパンケーキなんです」

チノ「ここにですね、なんと、コーヒーをかけちゃいます」ｻｰ

チノ「もちろん、これだけじゃないです」

チノ「シロップもかけて…」

チノ「じゃ、じゃーん、完成…です///」

チノ「では、食べてみたいと思います」ﾊﾟｸ

チノ「ん…ん、うん」ﾓｿﾓｿ

チノ「うん、はむ、んー」ﾓｿﾓｿ

チノ「…」ｺﾞｸﾝ

チノ「あの、パンケーキの甘みがあるのは勿論ですけど…えっと」

チノ「コーヒーの苦味がじゃ、邪魔をせずに、なんというか」

チノ「そう！ハーモニーを奏でてる、えー、そんな味です」

チノ「パンケーキがこう…いい具合に柔らかくなって…それで」

チノ「新感覚…新しい発見が出来ました、はい」

チノ「えー、点数でいうと、90点です」

チノ「そ、それじゃぁ、またねー」

チノ「…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

チノ「！動画がすごく伸びてます」

チノ「いつも30ぐらいだったのが20倍は増えてる…」

チノ「オリジナル料理はやはり効果があったみたいですね」

チノ「これからは工夫を凝らしてみたほうがいいかもしれません」

チノ「今日はオリジナル料理はやめましょう」

チノ「毎回やると観る人も飽きてしまうかもしれませんし」

チノ「新鮮さも継続して視聴してくれる要素のひとつです」

チノ「ユーチューブを始めたきっかけは会話が上手くなりたいからなので」

チノ「今回はトークを鍛えましょう」

チノ「会話が途切れずに引きこまれる話術を目指したいので」

チノ「大胆に…40分ぐらい話そうかな」

チノ「やっほー、カプチーノでーす」ﾎﾞｿ

チノ「今日はちょっと、えー、オリジナル料理は、しません」

チノ「もしかしたらですね、皆さんの中に料理を期待した方もいるかもしませんが」

チノ「今回はトークを、頑張ってみようと、思います」

チノ「薄々気づいてる人もいると思いますが、私はその、おしゃべりが得意なほうじゃないです」

チノ「こうやって動画を、えー、作ろうと思ったのも、会話のスキル？みたいなものを上げたいと思ったからです」

チノ「前回の動画にコメントがついてたんですが、「トークがつまらない」というのがありました」

チノ「それを見て、あー、この人はお見通しなんだなーって思いました」

チノ「友達と話してても自分から積極的に話すほうじゃないです」

チノ「ムードメーカーでもないし、笑いなんてとれません」

チノ「大体はマヤさんから話しかけてくれて…おっと、口が滑りました」

チノ「えっと、今のはオフレコ、ってことにしてください」

チノ「最近は笑顔の練習もしてます」

チノ「ど、どうでしょうか、ちゃんと笑えてますか」ﾋｸｯﾋｸｯ

チノ「えーと、コーヒーに詳しいです」

チノ「種類だって飲んだだけで全部当てられます」

チノ「何故ならそれだけコーヒーを愛してるからです」

チノ「あ、今のは別に告白してるわけじゃないので勘違いしないください」

チノ「お店をやってるから詳しいわけじゃないです、ほ、本当です」

チノ「ボトルシップやパズルを組み立てるのが趣味です」

チノ「た、たまには外に出かけます、決してぼっちじゃないです」

チノ「メグさんと一緒だったり…いや、今のはなしで」

チノ「あとは…えっと、えっと」

チノ「…」

チノ「きょ、今日はこのへんで終わります」

チノ「それじゃ、またねー」ｶﾁ

チノ「…」

チノ「はあぁ～～～」ｽﾞｰﾝ

チノ「40分どころか3分ももたなかった…」

チノ「私って会話の引き出しが少ないですね」

チノ「ココアさんみたいに明るくなれたらなぁ」

チノ「い、いや、別に好きだとかそういうんじゃなくて」ｱｾｱｾ

チノ「どんなプリンがあるかな」ﾃｸﾃｸ

チノ「これは…リッチプリン」

チノ「これは動画で食べるのにいいかもしれません」



チノ「さて、部屋に戻りました」

チノ「いつも使ってる編集ソフトで他に何が出来るか調べてみましょう」

チノ「ふむふむ」ｶﾁｶﾁ

チノ「これは面白い効果ですね、今日の動画で早速使ってみましょう」

チノ「どうもーカプチーノでーす」

チノ「今日はですね、えー、このリッチプリンを、食べてみたいと思います」

チノ「リッチなので、きっとすごいプリンなんでしょう」

チノ「では頂きます」

チノ「ぷるぷる…ぷるぷる、ですね」

チノ「赤ちゃんのお肌を触ってるみたいです」

チノ「いただきます」ﾊﾟｸ

チノ「…」ｺﾞｸﾝ

チノ「おー、おー、おー」ｴｺｰ

チノ「わー、わー、わー」ｴｺｰ

チノ「うわー、うわー、うわー」ｴｺｰ

バタン

チノ「…」ﾑｸ

チノ「おいしいです、すっごくおいしいです」

チノ「…」ｶﾁ

チノ「あまり伸びてないですね」

チノ「変な方向に走ったせいでしょうか」

チノ「困りましたね…ネタと用意するにしてもこれといってないですし」

チノ「うーん…」

チノ「…思い切ってプライベートな部分も見せてみましょうか」

しばらくして

チノ「学校の授業で披露したダンスを外で踊ってみた動画は好評みたいでしたね」

チノ「さて今日は…」ｶﾁ

チノ「どうもーカプチーノでーす」

チノ「前回のコメントで「私の部屋が気になる」というコメントがあったので」

チノ「どんな家に住んでるかという疑問もあると思うので」

チノ「今回は思い切って、自宅を公開したいと思います」

チノ「えーと、まずは姉の部屋ですね」

チノ「まあ、姉といっても、本当の姉じゃないんですが」

チノ「実はその、居候してる人がいるんですけど」

チノ「私のことを勝手に妹みたいに扱ってくるんです」

チノ「いつも「お姉ちゃんって呼んで」としつこくて」

チノ「別に自慢じゃないですよ、寧ろ鬱陶しいです」

チノ「私が湯船に浸かってると突然お風呂に入ってくるし」

チノ「いや、嬉しくないですよ？」

チノ「外はこんな感じです」ｼｬｯ

チノ「木組みの家がとても綺麗です」

チノ「夜は明かりが灯ってまた違う表情を見せてくれます」

チノ「さて次は…」

リゼ「おい引きこもり！」

チノ「！？」ｸﾙｯ

リゼ「じゃなかったチノ、カメラ片手に何してるんだ？」

チノ「あ、その」ｱｾ

リゼ「休憩時間だからいいけど最近おかしいからちょっと気になってな」

チノ「はい…実は…」

ココア「チノちゃんそんなことしてたんだー」

チノ「あう、恥ずかしいです///」

リゼ「まったく、一人で抱え込むな、無理に私達に気を使わなくていいんだぞ？」

チノ「はい…そうします」

ココア「チノちゃんが頑張ってるなら、私応援するよ！目指せ友達100人！」ﾋﾞｼ

リゼ「小学生か」

チノ「…ふふ」

ココア「あ、チノちゃん笑った」

チノ「///」

青山「えー、今日はサイン会当日ですけどもー」

青山「参加者は誰一人…来ませんでした」

青山「どうして来なかったんでしょうか」

青山「情報が足りなかったんでしょうか」

凛「青山先生！サイン会は明日です」

青山「あら～」

おわり