2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:00:01.87 ID:5u5XDNdn0
――事務所――

…ガチャ

P「うう……。最近、急激に寒くなってきたなあ」

春香「あ! プロデューサーさん! お帰りなさい!」

亜美「兄ちゃん、おかえり→!」

P「ああ。ただいま」

真美「……ってあり? 兄ちゃん、その手に持ってるのは?」

引用元: P「悪いな、響。この車は3人用なんだ」 



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:02:04.46 ID:5u5XDNdn0
P「……ああ、これは営業先でお土産にもらったんだ」

真美「え→!? なになに!? 食べ物!?」

亜美「見せて見せて→!!」

P「かりんと饅頭だってさ」

真美「わ→い!!」

亜美「食べよ食べよ→!!」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:04:11.37 ID:5u5XDNdn0
真「ボクたちで食べちゃっていいんですか?」

P「ああ。事務所の皆さんでどうぞって貰ってきたんだ。みんなで食べてくれ」

P「って、本当にみんないるのか……」

千早「ええ。みんな、ちょうどレッスンが終わって帰ってきたところなんです」

美希「ちょうど、おやつの時間なんだよね」ニコニコ

P(この事務所大丈夫なのか……?)…タラー

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:07:40.98 ID:5u5XDNdn0
響「自分、お饅頭大好きだぞー!!」

P「……あっ」

響「……? どうしたんだ? プロデューサー」

P「……その」

P「……悪いな、響」

P「……響の分はないんだ」

響「ええ!?」

春香「……」クスッ

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:11:31.17 ID:5u5XDNdn0
響「な、なんで……?」

P「実はこのお饅頭は15個入りなんだ」

P「俺と音無さんと社長と律子」

P「それにアイドルが11人……」

P「そういうわけで……、すまんな」ポン

響「」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:14:08.11 ID:5u5XDNdn0
響「……お、おかしいぞ!」

P「……え?」

響「なんで足りないからって自分が我慢しなくちゃいけないんだ!?」

響「別にプロデューサーが我慢したっていいじゃないか!」

P「……あのなあ、響」ヤレヤレ

P「俺はこの寒い中、営業に行ってたんだぞ?」

P「それで、この御土産は俺が受け取ってきた物だ」

P「その俺に食べる資格がないっていうのか?」

響「……そ、それは」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:16:15.00 ID:5u5XDNdn0
律子「プロデューサー。○○さんから電話入ってます」

P「ああ、わかった」

スタスタ

亜美「早く食べよ→よ!」

真美「ゆきぴょん! お茶入れてー!」

響(うぅ……)

響(自分もお饅頭食べたかったぞ……)

13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:18:07.32 ID:5u5XDNdn0
――そして

――給湯室――

雪歩「お茶、入りましたー」ニコッ

真「雪歩、ありがと!」

やよい「とっても良い香りですー!」

美希「たまには和菓子もいいよねー」ニコニコ

春香「……あれ? 響ちゃんは?」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:20:05.48 ID:5u5XDNdn0
春香「……? もちろんあるよ?」

貴音「お饅頭はたくさんありますよ、響」

響「でも、さっきプロデューサーが……」

春香「…………?」

春香「……ええ!? さっきの本気にしてたの!?」

響「……?」

16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:22:07.91 ID:5u5XDNdn0
――給湯室――

伊織「あんたも毎回毎回、よく騙されるわね」フゥ…

真美「あんなの兄ちゃんの冗談じゃ→ん」

やよい「なんの話ですかー?」モグモグ

亜美「ひびきんがまた兄ちゃんの冗談を真に受けたんだよ→」

響「……むー」ムシャムシャ

真美「ひびきんは純粋ですな→」ナデクリナデクリ

響「うぎゃー! 馬鹿にするなー!」

あずさ「あらあら」

18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:24:13.12 ID:5u5XDNdn0
――そして

響(プロデューサーめえ……)

響(また自分をからかって……)

響(許せないぞ!)

響(文句言ってやる!)

ダダダッ!

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:26:21.44 ID:5u5XDNdn0
――奥の部屋――

ダダダダッ!

響「プロデューサー!」バッ!

P「……ええ、ええ。はい。了解しています」

P「ええ、その件につきましては……」

響(……電話中か)

響(……ちょっと待ってようかな)

22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:28:14.61 ID:5u5XDNdn0
P「はい、はい。作用でございますか」

響「……」

P「ええ、ええ。よくわかります」

響「……」

P「うちの響は本当にマヌケで……」

響「!?」

P「ええ、ええ。おっしゃるとおりです」

響(なんの話をしてるんだ!?)

25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:30:21.03 ID:5u5XDNdn0
P「ええ。マヌケもマヌケ、大マヌケですよ」

響(???)

P「この間なんか、靴を左右逆に履いていたぐらいで……」

響「……!? 自分そんなことしてないぞ!」

律子「……プロデューサー、電話もう使ってないなら戻してください」

P「ん? すまんすまん」ガチャ

響「……?」

P「……」

響「……!」

響「……また騙したな!?」グワッ

P「はっはっは!」

28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:32:24.70 ID:5u5XDNdn0
――別の日

――スタジオの楽屋――

響「美希の撮影、まだ時間かかりそうなのか?」

P「ああ。今回は美希がメインだからな」

P「もうしばらくかかると思う」

響「そうなのか……」ペラ…

P「……」

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:34:04.96 ID:5u5XDNdn0
P「……そうだ」

響「……?」

P「響、いいものあげるから、手、出してみろ」スッ

響「……?」スッ

P「ほい」

響「……?」

33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:36:17.44 ID:5u5XDNdn0
響「……ん?」

響「……ただの飴の袋じゃないか!」

響「……ゴミなんていらないぞ!」サッ!

P「……いや」

P「俺もいらない」ニッコリ

響「」

P「飴、うめー」コロコロ

響「むぐぐ……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:38:02.76 ID:5u5XDNdn0
――そして

――廊下――

響(またからかわれたぞ……)

響(今度こそ仕返ししてやる!)

スタスタ

39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:40:03.69 ID:5u5XDNdn0
――メイク室――

ガチャ

響「……」キョロキョロ

貴音「……」フキフキ

響「あ、貴音」

貴音「おや、響。どうかしましたか?」

響「うん、ちょっと」

41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:42:04.71 ID:5u5XDNdn0
響「貴音はメイク道具の手入れか?」

貴音「ええ。メイク道具は仕事をする上で欠かせませんから」

貴音「大切に使わねばなりません」

響「そっか。偉いな、貴音は」

響「……!」ピコーン!

42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:44:13.48 ID:5u5XDNdn0
響「貴音、これ貰ってもいいか?」

貴音「うぇっとてぃっしゅ、ですか?」

貴音「構いませんよ。こちらにありますから」スッ

響「ううん! この使い終わった奴でいいんだ!」ニコッ

貴音「……?」

44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:46:08.42 ID:5u5XDNdn0
――廊下――

響(……ふふふ。いいもの手に入れたぞ!)

響(待ってろ! プロデューサー!)

響「仕返ししてやるさー!」

AD「……」ビクッ

響「……あ」////

AD「……?」ジーッ

響「~~ッ!」タタタッ

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:48:11.33 ID:5u5XDNdn0
――楽屋――

P「……」カリカリ

響(……ふふふ。こんな時にのんびりスケジュールの管理か?)

響(……これから起こる惨劇も知らずに!)クワッ!

響「……プロデューサー」

P「……ん? どうした、響」

響(……かかったさー)ニヤッ

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:50:04.77 ID:5u5XDNdn0
響「プロデューサー! いいもの上げるから手を出して!」

P「……」

P「いや、いらない」

響「!?」

響「……え? あの、えっと……」

P「話はそれだけか?」

49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:52:24.04 ID:5u5XDNdn0
響「い、いいものだぞ!? すっごくいいものなんだぞ!?」

P「……ああ」

P「そんなにいいものなら響が持っておくといい」ニッコリ

響「」

P「……」カリカリ

響「」

51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:54:04.71 ID:5u5XDNdn0
――そして

美希「お疲れ様なのー!」

P「ああ、お疲れ様」

美希「撮影、すっごく疲れたけど……」

美希「とっても楽しかったの!」

P「良かったな」ニコッ

美希「うん!」

響(…………)

52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:56:05.52 ID:5u5XDNdn0
P「……あ、響」

響「……?」

P「飴、食べるか?」スッ

響「い、いらないぞ!」プイッ

P「……? そうか。美希は食べるか?」スッ

美希「食べるの!」スッ

響(……)

P「ほら」

美希「ありがとうなの、プロデューサー!」ピリッ パクッ

響(!!!)

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 19:58:03.77 ID:5u5XDNdn0
――その日の夜

――事務所からの帰り道――

美希「……ねえ、響」

響「……なんだ?」

美希「なんか元気ないね?」

響「……そんなことないぞ」

貴音「なにかあったのでしたら、いつでも言って良いのですよ?」

響「……うん」

美希・貴音「……」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:00:03.32 ID:5u5XDNdn0
――数日後

――事務所――

P「今日は予定通り、来週のオーディションに向けてダンスレッスンをする」

P「全国ネットのテレビ番組だ。通れば一気にお前たち3人の道が開けるかもしれない」

P「気合入れていくぞ!」

美希「はいなの!」

貴音「最善を尽くします」

響「頑張るぞ!」

P「よし! じゃあ、事務所の前に車停めてあるから、はりきって行くぞ!」

56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:02:03.28 ID:5u5XDNdn0
――事務所前――

P「よし、じゃあ貴音と美希は後ろに乗ってくれ」

美希「はーい」トコトコ

貴音「わかりました」

P「響はちゃんと離されないようについてこいよ?」

響「え!?」

P「……」スタスタ

響「ちょ、ちょっと待って!」ガシッ

P「……?」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:04:04.64 ID:5u5XDNdn0
響「ど、どういうこと?」

P「いや、だから」

P「俺たち3人は車で行くから……」

P「響は走って――」

響「おかしいだろ!」

響「お・か・し・い・だ・ろ!」 

P「悪いな、響。この車三人用n――」

響「そんなわけないだろ!!」ウガーッ!

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:06:03.10 ID:5u5XDNdn0
――車内――

響「いい加減にしてほしいぞ!」

P「あー、悪かった悪かった」

響「本当に反省してるのか!?」

P「してるしてる」ヘラヘラ

美希(なんだかんだ結局、いつも響を助手席に乗せるんだよね)

貴音(……お腹が空きました)グゥゥ…

61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:08:06.42 ID:5u5XDNdn0
――しばらくして

ブロロロロ…

美希「ねえ、プロデューサー」

P「なんだ、美希?」

美希「なんだか退屈なの」

P「音楽でもかけるか? 響、頼んだ」

響「わかったぞ!」

ゴソゴソ

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:10:04.66 ID:5u5XDNdn0
響「自分たちのCDがあるけど?」

美希「うーん。ちょっと今はそういう気分じゃないかな?」

美希「お仕事でたくさん聞いてるし」

美希「正直、いまからレッスンでも聞くしね……」

響「ジュピターのCDもあるけど?」

美希「……なんで?」

P「なんでも新曲を出す度に黒井社長が送ってくるらしい」

美希「……なんで?」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:12:12.34 ID:5u5XDNdn0
――レッスン場――

P「それじゃあ、この間からの繰り返しになるが……」

P「今回のオーディションの肝はなんといってもダンスだ」

P「そういうわけで何度も練習してるわけなんだが」

P「その努力のかいあって、大体の形は見えてきた」

3人「……」

64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:14:09.71 ID:5u5XDNdn0
P「だが、こんなところで満足してないよな?」

3人「「はい(なの)!!」」

P「それじゃあ、それぞれ今回の練習ポイントを挙げていく」

P「まず、美希はもっと周りを見ること」

P「美希のダンスは完璧だが、今回は一体感が重要視されるからな」

P「逆に貴音はもっと前に出ていいぞ」

P「このユニットはみんなダンスが上手いからな」

66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:16:04.89 ID:5u5XDNdn0
P「あと響は唯一のソロパートだ」

P「難易度は高いがこれが決まれば合格はほぼ間違いないだろう」

P「だが、失敗する危険ももちろんある」

P「どうだ、響。いまなら、まだ難易度を下げられるぞ?」

響「難易度を下げるなんてそんなのしないぞ!」

響「自分、完璧にダンスを決めて、絶対合格してみせるさー!」

P「……そうか。よし! それじゃあ、練習始めるぞ!」

三人「はい(なの)!」

71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:18:18.30 ID:5u5XDNdn0
――そして

P「それじゃあ、美希と貴音は律子の車で先に帰ってくれ」

P「俺は響とダンスを仕上げてから帰る」

美希・貴音「はい(なの)」

美希「それじゃあ、響、頑張ってなの!」

貴音「うまくいくことを祈っています」

響「うん! 二人ともありがとう!」

73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:20:12.00 ID:5u5XDNdn0
P「よし! それじゃあ、始めるぞ!」

響「わかったさー!」

P「ソロパート、しっかり仕上げような」

響「任せて!」

……カチッ

~~♪ ~~♪♪

76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:22:16.68 ID:5u5XDNdn0
――そして

――オーディション当日

審査員「それでは、結果を発表します」

P「……」ギュッ

審査員「合格したのは――」


――――
――

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:24:10.58 ID:5u5XDNdn0
――
――――

美希「合格できたなんて夢みたいなの!」

貴音「真、素晴らしきことです」

響「すっごくうれしいさー!」

P「そうだな。三人ともおめでとう」

P「……ただ」

美希「……どうしたの?」

P「……響」

響「なんだ?」

P「ダンスのソロパート、ミスが目立ったな」

響「……!」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:26:02.30 ID:5u5XDNdn0
P「今回は合格することが出来たが」

P「これからはライバルも手強くなってくる」

P「今回のようなダンスでは……」

貴音「あなた様……」

美希「……」

83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:28:07.53 ID:5u5XDNdn0
P「当然だが、俺のミスでもある」

P「今回のダンスで行くと最終的に判断したのは俺だ」

P「だがな、響。響は完璧にこなすと言ったんだ」

P「そう言った以上、プロとして――」

響「なんで!?」

P「……?」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:30:06.25 ID:5u5XDNdn0
響「なんでプロデューサーは自分に意地悪するんだ!?」

P「……響?」

響「こんなの・・・…、こんなのおかしいぞ!」

P「響、俺がいま言いたいのは……」

響「いっつもいっつも自分ばっかり!」

P「……」

響「もういいぞ!」

響「帰る!」バッ

88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:32:09.15 ID:5u5XDNdn0
P「響!」

貴音「あなた様」スッ

P「……」

貴音「今回は私が響に付き添います」

P「……」

貴音「失礼します」

……スタスタ

ピタッ

貴音「すみません」クルッ

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:34:03.30 ID:5u5XDNdn0
P「……?」

貴音「私は、あなた様の言いたかったことはわかっています」

P「……」

貴音「この世界の道で私たちが目指している場所」

貴音「そこに辿り着くためには、より一層の努力と結果が求められます」

貴音「……しかしながら」

貴音「それは私たちの力だけでは足りないのです」

貴音「私情を挟んではなりませんよ」

P「……」

貴音「失礼します」スッ

92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:36:09.94 ID:5u5XDNdn0
――車内――

ブロロロ……

P「良かったのか? 美希は行かなくて……」

美希「うん、貴音に任せておけば大丈夫なの」

美希「それに、みんな居なくなっちゃったら」

美希「プロデューサーが寂しがるの」

P「……そうだな」

P「ありがとう、美希」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:38:15.02 ID:5u5XDNdn0
P「……なあ、美希」

P「俺は響に意地悪であんなことを言ったんじゃないんだ」

P「俺はお前らにトップアイドルに……」

美希「やめて、プロデューサー」

P「……」

美希「そんなことを美希に言ってもなんにもならないし」

美希「なにを言っても言い訳になっちゃうって思うな」

P「……そうだな」

97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:40:11.02 ID:5u5XDNdn0
美希「プロデューサーもまだまだ子供だね」

P「……世の中に本当の大人なんてそうそういないもんさ」

美希「……そうだね」

P「俺、どうしたらいいんだろうな」

美希「そんなこと、美希は知らないの」

P「……美希は厳しいな」

美希「いつものプロデューサーは響にもっと厳しいの」

P「……」

美希「言いたいことがあるなら、さっさと言っちゃえばいいの」

98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:42:22.72 ID:5u5XDNdn0
P「美希ならきっとそうするだろうな」

P「でも、大人には立場ってものもあってな」

美希「……言い訳ばっかりなの」

P「……」

美希「美希、もう寝るね」

美希「なんだか疲れちゃったの」

P「……ああ、おやすみ」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:44:17.87 ID:5u5XDNdn0
――その日の深夜

――事務所の前――

P(結局、響は事務所に帰ってこなかった……)

P(それに、美希と貴音に言われたこと……)

P(そればかり考えてたら、忘れ物して事務所に戻ってくるはめに……)

P(流石に電気は点いてない。音無さんも帰ったんだろうな)

……スタスタ

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:46:13.17 ID:5u5XDNdn0
――事務所――

……ガチャ

P「……あれ?」

P(鍵が開いてる……)

P(音無さん、カギ閉め忘れたのか?)

スタスタ

106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:49:07.72 ID:5u5XDNdn0
……ゴソゴソ

P(な、なにか物音が……)

P(うちに盗むものなんて……)

P(ま、まさか……、常軌を逸したファンが……!)

……ゴソゴソ

P(給湯室から……)スススッ

???「うわあああああ!」

P「どわああああ!」

――――
――

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:51:03.87 ID:5u5XDNdn0
――
――――


P「そうだったのか。貴音とずっと一緒に……」

響「……うん」

P「それで、まっすぐ家に帰ったら家の鍵を事務所に忘れたことに気がついたと」

P「……でも、事務所の鍵はどうしたんだ?」

響「ぴよ子に電話して、秘密の隠し場所を教えてもらったさー」

P「そんなのがあるのか……」

P(流石に無用心じゃないか……?)

P「電気ぐらい付ければよかっただろ」

響「……どうせすぐに見つかると思って」

110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:53:03.17 ID:5u5XDNdn0
――そして

P「……」

P「……あの、響」

響「……なんだ?」

P「その……、今日はすまなかったな」

響「……」

P「俺がいつもお前に意地悪ばかりしてるせいで……」

P「負担、かけてたよな」

112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:55:04.59 ID:5u5XDNdn0
P「……でも」

P「今日言いたかったのはそういうのじゃないんだ」

P「俺はお前をトップアイドルにしてやりたいと思っている」

P「……いや」

P「お前と一緒に頂点に立ちたい」

響「……プロデューサー」

P「だから……」

響「大丈夫だよ、プロデューサー」

114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:57:09.44 ID:5u5XDNdn0
響「貴音と話して、落ち着いて考えたら分かったんだ」

響「プロデューサーが意地悪で言ったんじゃないってこと」

P「……ごめんな。響」

響「え……?」

P「俺、響がどんな気持ちだったか考えてなかった」

P「美希にも子供だって怒られたよ」

117: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 20:59:13.30 ID:5u5XDNdn0
P「……これからは、いつもしてるような意地悪はしない」

響「……」

P「ちゃんとプロデューサーとして」

響「……えい!」

ズビシッ!

P「痛ッ!」

響「えい! えい!」

ズビシッ!ズビシッ!

P「痛い! 響、痛いって!」

119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:01:13.07 ID:5u5XDNdn0
響「プロデューサー、なんか気持ち悪いさー!」

P「……」

響「自分、もう怒ってないぞ!」

響「だからプロデューサーはいつも通りでいればいいんだ!」

P「響……」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:03:08.61 ID:5u5XDNdn0
響「今度からは自分、もっとやり返すことにするさー!」

響「そうすればお互い様になるだろ?」

P「……いいのか?」

響「だって……」

響「これで余所余所しくなったりしたら」

響「……寂しいさー」

P「……」

P「……そうだな」

響「うん」

123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:05:31.11 ID:5u5XDNdn0
P「……」

響「……」

P「……」

ペシッ!

響「……いたッ!」

P「……」

響「……」

ズビシッ!

P「痛ッ!」

125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:07:34.42 ID:5u5XDNdn0
――
――――

――事務所の近くの駐車場――

P「さ、早く乗れ」

響「うん」

ガチャ ……バタン

響「でも、本当にいいのか? まだ、電車あるぞ?」

P「いいんだよ。今日ぐらい送らせてくれ」

響「……うん」

127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:09:04.88 ID:5u5XDNdn0
――車内――

ブロロロロ……

P「……」

響「……」

響「プロデューサー、自分の車持ってたんだな」

P「ん? ああ、中古だけどな」

響「初めて見たぞ」

P「……まあ、見せる機会もないしな」

ブロロロロ……

129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:11:09.48 ID:5u5XDNdn0
ブロロロロ……

P「……」

響「……」

響(暇だな……)

響「なあ、プロデューサー」

P「……ん?」

響「音楽聴いてもいいか?」スッ

P「……ッ!」

……ガシッ!

響「うわ! な、なにするんだ!?」

P「こ、これは俺のプライベート用の車なんだ」

P「あんまり、いじらないでくれ」

響「……ご、ごめん」

131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:13:29.09 ID:5u5XDNdn0
――響の家の前――

P「……着いたぞ」

響「うん」

ガチャ ……バタン

響「……」

P「……」

響「行かないのか?」

P「響が部屋に入るのを確認したら帰るよ」

響「部屋なんてすぐそこだぞ?」

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:15:08.56 ID:5u5XDNdn0
P「……」

響「……また何かたくらんでないか?」

P「……いいから早く行け」

P「俺は帰ってからサッカー見るんだからな」

P「早くしないと見逃しちまう」

響「……」

135: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:17:02.09 ID:5u5XDNdn0
響「……」トコトコ

P「……」

響「……」チラッ

P「……」

響「……」…タタタッ

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:19:03.23 ID:5u5XDNdn0
響「……あ、あの!」クルッ

響「きょ、今日は、あ、あ……」

P「……?」

響「あr……」

P「早く部屋に入れ」

P「風邪引くぞ」

響「……ッ!」

139: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:21:05.06 ID:5u5XDNdn0
響「わ、わかってるさー!」ダダダッ

タタタッ

ガチャリ

響「……」チラッ

P「……」

響「……」

バタンッ

P「……」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:23:09.80 ID:5u5XDNdn0
美希『言いたいことがあるなら、さっさと言っちゃえばいいの』

P「……」

……ウィィィン

カチッ ブロロロ……

P「……」

ブロロロ……

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:27:12.31 ID:5u5XDNdn0
――響の部屋――

響「プロデューサーめえ! 人がせっかく!」ボスボスッ!

ハム蔵「ジュイ!」

響「……え? 埃がたつからやめろって?」

ハム蔵「ジュイ!」

響「でも、こうでもしないとおさまらないぞ!」ボスボスッ!

ハム蔵「ジュイー……」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:29:10.54 ID:5u5XDNdn0
響「……はあ」

ハム蔵「……?」

響「……プロデューサーは自分のことどう思ってるんだろ?」

ハム蔵「ジュイ!」

響「……え?」

ハム蔵「ジュイ! ジュイ!」

響「そんなわけないさー」

響「ハム蔵は幸せ者だな」…フゥ

ハム蔵「……ジュー」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:31:27.27 ID:5u5XDNdn0
――車内――

ブロロロ……

P「……」

ブロロロ……

P「……」カチッ

~♪ ~♪♪

P「……」

150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/25(火) 21:33:59.07 ID:5u5XDNdn0
~~♪ ~~~♪

P「……」

ブロロロ……

P「……」

~♪ ~♪♪

P「……すすめー」

ブロロロ……

P「……まけないー」

        
         おわり