秋月「さっ、あとは予約して・・・」

初月「その前に外出許可証の申請をしなくてはな、提督のところに行こう」

照月「あっ、忘れるところだったね」



午後8時17分　執務室

ｺﾝｺﾝｺﾝ

提督「どうぞ」

ｶﾞﾁｬ

秋月「失礼します　司令、外出許可の申請をしたいのですが・・・」

提督「外出許可？　日程は？」

秋月「10月19日から20日までです、多分日付変わるギリギリあたりに帰ってくるかと」

提督「へえー　何するの？」

秋月「アビシャイコーエンのライブに行ってきます！」

提督「おおそれはいいね、どこでやるの？」

秋月「ブルーノート東京」

提督「え！？　マジ！？　お前らお金あんの！？」

秋月「ここに！」

ｼﾞｬﾗｼﾞｬﾗ

提督（小銭だらけ）

初月「ちゃんとチケット代は足りてるぞ、毎日コツコツ溜めたからな」ﾌﾝｽ

照月「楽しみだね！」

提督「・・・君たちもしかしてその大量の小銭で払うつもり？」

照月「あっ」

提督「あのね、ブルーノートなんていいところに行くのに支払いが小銭だけなんて恥ずかしいからやめようよ・・・」

秋月「」←支払いの事を考えてなかった

照月「あー・・・」

初月「じゃあ提督、両替してくれないか」

※ブルーノートって？
本場はアメリカ　ニューヨークマンハッタンにあるジャズクラブ
今回彼女たちが行くのはその東京店
ここで演奏を許されるのは世界に数多くいるジャズミュージシャンの中でもほんの一握り超一流のアーティストのみ、ゆえにここで演奏をすること自体がステータスである

提督「いいよ、俺が出すから　お前たちのおかげでこの前の交流会も成功したんだしそのくらいはさせてくれ」

照月「そ、そんな提督に出していただくなんて・・・」

提督「じゃ、提督命令　お前たちは俺にチケット代とドリンク代のプレゼントを受け取る、以上」

初月「なんだか申し訳ないな」

提督「それにせっかく行くのに飲み物も頼まないのもあれだろ？　チケット代だけじゃもったいない」

秋月（普段ライブハウスでもあまり頼んでなかったなあ）

照月「とは言っても何があるのか照月達何も知らないよね？」

初月「行くこと自体は初めてだからな」

提督「ネットで調べりゃいいんじゃないか？」

秋月「あっそれもそうですね、えっと・・・」


＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

10月19日　午後8時23分
東京　表参道　
ブルーノート東京

提督「車で行けばよかったなあ・・・　思ったより遠かった」

秋月「つ、ついに来ちゃいましたね・・・！」ｷﾗｷﾗ

初月「おお・・・！」ﾋﾟｺﾋﾟｺ

照月（癖っ毛が耳みたいに動いてる）

提督「えーっと、　TONIGHIT　Avishai　Cohen Trio かあ」

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira147658.jpg

午後8時27分
ブルーノート　B1F

初月「僕たちの予約番号は６９だったな、まだ入れないみたいだな」

>>1-60番までは開場と同時に会場に入れますがそれ以降は順番に呼び出す形式となっています

提督「BACKYARD　ってバーがあるから行きたかったが６９だとすぐ呼ばれるな」


※BAR　BACKYARD　
ブルーノート東京内にあるバー、ライブ前や後にここでお酒を楽しむことができる　


秋月「あっ、呼ばれたみたい」

提督「じゃあフロント行ってくるからお前たちは待っててくれ」

提督「すみません4名で予約した本田です」

フロント「はい、本田様ですね　少々お待ちください」ｶﾀｶﾀ

フロント「予約番号69番の本田様ですね、大変お待たせいたしましたこちらチケットとなります　ごゆっくりどうぞ」

提督「よし、みんな行くぞ」

秋月（わくわく）

※ブルーノートは事前に予約し当日口頭で名前を言う形式をとります、事前にチケットなどはなく、その場で渡されます

今回私は一人で行ったため1Pと書いてあります

午後8時31分
ブルーノートB2F　ライブ会場

ｶﾞﾔｶﾞﾔｶﾞﾔ

照月「うわぁ・・・もう人がいっぱい」

初月「予約早くするべきだったな」

店員「本田様お待たせしました、席のご案内をいたします」

提督「さて、じゃみんな何か注文していいぞ」

照月「メニューいっぱいあるね！」

秋月「迷うなあ」

初月「僕は特に何も」

提督「いいんだぞ、遠慮しなくて」

初月「いや、集中して聞きたい気分なんだ　プロの技術を盗みたい　僕はもっと高みを・・・」

提督「初月」

初月「なんだ」

提督「気負いすぎだ」

初月「む・・・」

提督「今日くらい楽しめよ、お前がいつだって音楽に真摯なのは知ってる」

秋月「そうよ初月、今日くらいは　ね？」

初月「・・・そうだな　じゃあとりあえずハイネケンを」

照月「照月は『今月のパスタ』と飲み物は・・・『ブルーベリー＆カルダモン』を」

秋月「じゃあ秋月は・・・ホームページで見たこれ！　とても飲んでみたかったんです！！」

提督「ああ『1970』か」

秋月「はい！　アーティストに合わせた限定カクテル！　好きなアーティストだし飲んでみたくて！」

提督「ちょっと俺も飲んでみたかったんだ、俺も頼もうかな」

店員「お待たせしました、ハイネケンと今月のパスタ、ブルーベリー＆カルダモン、そして本日のカクテル『1970』でございます」

照月「わぁー！　すごいねそのカクテル！」

秋月「綺麗・・・！」

提督「じゃ、みんな　乾杯！」

3人「乾杯！」

ﾁﾝ

秋月「・・・おいしい！」

提督「ああ、爽やかさの中にきりっとした苦みが効いている・・・　これはいい」

照月「パスタもおいしい！　あとこれは白身魚？　なんの魚かな？」

※メカジキでした

初月「ビールなんて久々に飲むな・・・」

カクテル 1970


周りが明るすぎて上手く撮れませんでした...

メカジキの香草風味パスタ


オリーブオイルが効いててとても美味しかったですよ！

午後9時02分

ﾋｭｰｯ！　ｲｴｰ！　ﾜｰ！
ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ


提督「おっ！　来たぞ！」

秋月「な、生で！　生でアビシャイコーエン見ちゃった！！」ｷﾗｷﾗ

照月「落ち着いて秋月姉」

1曲目　One For Mark
参考音源
Avishai Cohen - 'One For Mark'
https://www.youtube.com/watch?v=EMkRCb0Mj_A



秋月（One For Markだ！）

提督（うおおのっけからすごい変拍子！）

初月「・・・」ﾀﾝﾀﾝﾀﾝ

照月「何してるの？」

初月「拍子を頑張って取ってる」

照月「普通に聴こ？」


ワー　ヒューッ　パチパチパチパチ

そして時間はあっという間に流れ・・・


ヒューッ！　パチパチパチパチ　イエーッ！　

照月「ステージから3人が帰って行っちゃったけど・・・」

初月「ま、ここまではお約束だよな」

チャッ　チャッ　チャッ　チャッ　チャッ　チャッ←手拍子

秋月「ふふ、やっぱり　アンコールってされる側は楽しかったですよね、司令」

提督「この前は最高だった！」

秋月「あれ？　どうやら2曲やるみたいですよ？」

提督「珍しいね」

ENCORE１　Remembering
参考音源
Avishai Cohen Trio - Remembering
https://www.youtube.com/watch?v=E4kc0Aby2vA



提督（あ、これ秋月が『今日のライブの予習用に』っていって聴かせてくれたやつだ）

秋月（生で聴けるなんて・・・！）ｷﾗｷﾗ

照月（秋月姉がまぶしい）

秋月（このベースソロ、ずっと聴いていたいなあ・・・）

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ　ﾋｭｰｯ！

提督「次で最後かぁ、これで終わりとは残念・・・」


ENCORE２　Seven Seas
参考音源
Avishai Cohen - 'Seven Seas'
https://www.youtube.com/watch?v=kdK4f3o6zsE



秋月「せ、Seven Seas！」ｶﾞﾀｯ

提督「最後にテンション上げてきたか！」

照月（すごい！　のびのびと自由にピアノソロをやってる！　照月もああなりたいなぁ）

※当日はシンセサイザーも弾いており非常にユニークなソロでした

初月（なんてドラムソロだ・・・！　あの人はきっと『自然に』ソロをたたいてるんだ・・・　まだまだ僕には程遠い世界・・・）

初月（上手く・・・）

初月（上手くなってやる・・・！）ｷﾞﾘｯ


ウォーッ！　イエーッ！　ヒューッ！　
パチパチパチパチパチパチ

ブルーノート東京　B1F

照月「あー・・・　すごかったねぇ！」

初月「だな」

提督「じゃ、CD買おうか」

秋月「あっ、レコードも売ってる・・・」

提督「すみません、CD4枚お願いします」


※アビシャイコーエン最新アルバム　『1970』　好評発売中！


店員「この後サイン会にはご参加なられますか？」

秋月「さ、サイン会！？」

提督「します」

店員「では袋からお開け致しますね」

提督「よし、じゃあみんな　並ぼう」

※サイン会を開いてくれるアーティストもいます

秋月（どきどきどき）ｷﾗｷﾗ

提督「すごくわかりやすいねこの子」

照月「まあ好きなアーティスト前だったら・・・ねえ？」

初月「まあな」

秋月「あっ、番が来た！」

※ここの『』は英語でしゃべってるってことでお願いします

秋月『さ、サインよろしいですか！』

Avishai Cohen『ああ！　もちろんいいよ』ﾆｺｯ

秋月『あの！　Seven SeasとRemembering　最高でした！』

Avishai Cohen『おお！　それはよかった！』

Avishai Cohen『はい、サイン書き終わったよ』

秋月『ありがとうございます！！』

Avishai Cohen『どういたしまして』ﾆｺｯ

※笑顔が素敵でイケメンでした

照月『サインお願いします！』

Omri Mor（ピアノフォルテ）『ああ、もちろん』

Omri Mor『はい、どうぞ』

照月『ありがとうございます！』

Omri Mor『こちらこそ』

照月「サインもらっちゃったぁー！」

初月『サインいいですか』

Noam David（ドラムス）『もちろん』

Noam David『はい、書き終わったよ』

初月『ありがとうございます』

Noam David『それとこれ、僕の新作が載ってるからあとで見てみてね』つ名刺

初月『！！　聞かせていただきます』

※Noam Davidの最新アルバムもここで試聴できます、Apple Musicのほうでも検索かければ出てくるので是非聞いてみましょう！
最新アルバム　Alef Melody　好評発売中！
https://noamdavid1.bandcamp.com

午後11時08分
帰りの電車内

秋月「すごかった・・・すごかった・・・！」ｷﾗｷﾗｷﾗ

提督（間宮のアイスの数倍キラキラしてる）

照月「なんかもう一回行きたくなっちゃうね！」

初月「今度は小銭じゃない貯金をしなければな」

提督（俺も今度カミさんと息子を連れて行こうかしら）

10月20日　午前1時30分
駆逐艦寮　秋月型の部屋

照月「いい思い出になったね！」

秋月「そうね！」ｷﾗｷﾗｷﾗ

初月「・・・」

秋月「？　どうしたの初月？」

初月「あの舞台に・・・」

初月「僕も立ちたい」

秋月「えっ？」

照月「もしかして・・・　ブルーノートに！？」

初月「あそこは・・・」

初月「あそこに来た客は『必ず』最高の一夜を体験できる」

初月「そこらのライブハウスじゃまず『必ず』なんてことはない、外れだってある」

初月「だから僕はあそこに立ちたい　『必ず』客に最高の体験を提供できるようになりたい」

初月「クラシックやロックじゃありえない即興重視のジャズで、最高の体験をさせたいんだ」

秋月「・・・いいわね、それ」

照月「ブルーノートに立つ・・・　うん！　いつか・・・」

秋月「いつか立ちましょ、みんなで！」

初月「ああ！」


数年後彼女たちがブルーノートに立つかもしれないのはまた別のお話・・・
でもきっと彼女たちなら成し遂げられるはず
なぜならいつだってジャズに真摯だから・・・


おしまい

おまけ
ブルーノート行ってみたい・・・　でも誰のライブに行けばいいの？
という方に個人的オススメライブの紹介

MICHEL CAMILO featuring ELIEL LAZO
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/michel-camilo/
11/3-11/6公演

とにかく熱い夜を過ごしたい！　そんなあなたにMichel Camilo
熱いラテンジャズを楽しめます


RON CARTER 80th BIRTHDAY : QUINTET
featuring KENNY BARRON, ANTONIO HART, DONALD HARRISON, BILLY DRUMMOND
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/ron-carter/
11/27-11/30公演

ジャズって何？　よくわかんないけど触れてみたい、そんなあなたにオススメ
あのマイルスデイヴィスとともに築き上げたモダンジャズとは何かを教えてくれます



HIROMI × EDMAR CASTANEDA
LIVE IN JAPAN TOUR 2017
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/hiromi-uehara/
12/1-12/3公演

新しい世界の扉を開きたいあなた、ぜひ聞きましょう
ピアニスト上原ひろみとハープ奏者エドマールカスタネーダのデュオはあなたに新体験をもたらしてくれます
モントリオールでの二人のライブは現在CDとして好評発売中！
ライブインモントリオールで検索！

（´-`）.｡oO(でも実際秋月型がブルーノート行ったら値段で卒倒しそうな気もする)