前回 【リゼロパロSS】悟空「親竜王国ルグニカ?」

2: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:19:47.62 ID:MHIBWjx3O
スバル「王都で用事?」

エミリア「そ。すごーく大事な、ね。だからスバルは大人しく留守番しててね」

スバル「おいおいエミリアたん、オレを見損なってくれるなよ。そんなオレが子供みたいに駄々を捏ねるみたいな言い方――」



スバル「やだやだやだやだ! ぜったいオレもついて行く! エミリアたんと一緒に王都デートするぅーーーーーーー!!!」ジタバタジタバタ

エミリア「え、えっと……」

ラム「醜悪ね」

レム「一度死ねばいいと思います」

スバル「その台詞はオレ的に洒落にならんからやめてくれ……」

悟空「なんだなんだ、何を騒いでるんだよ」

スバル「悟空さん! 聞いて下さいよ、エミリアたんがオレをハブにしようとするんですよ!」

ラム「諦めなさいバルス。エミリア様にはレムが同行するから、あなたが付き添う理由が本当に無いわ」

悟空「えっ、レム居なくなるんか? だったらオラの飯は誰が作ってくれるんだ?」

ラム「………………」

レム「………………そこまでは考えていませんでした」

エミリア「たしかに、ゴクウの食べる量をラム一人で作るのは無理があるような……」

スバル「ほらほらほら! 身の回りの世話だけならオレでも出来るし、やっぱエミリアたんについていくのはオレにした方が良いって!」

引用元: 【リゼロパロSS】悟空「親竜王国ルグニカ?」【三章】 


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3: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:21:15.48 ID:MHIBWjx3O
ラム「バルスが世話人? はっ、魔獣の方がまだマシね」

スバル「そこまで言うか!?」

エミリア「でもゴクウを残してレムを連れていくのに無理が有るのは確かよね……なら、ゴクウもついてきてもらおうかしら」

スバル「どうやってもオレはハブなの? オレ、そこまでエミリアたんに嫌われてるの……? ぐすっ……」

レム「姉様姉様、スバル君がマジ泣きしています。滑稽ですね」

ラム「レムレム、バルスがケダモノの分際で涙しているわ。無様ね」

スバル「お前らほんと容赦ねぇな!」

エミリア「えっと、別にわたしはスバルが嫌いな訳じゃなくてね? だから泣かないで?」

スバル「ずずっ……じゃあ、エミリアたんはオレのこと、好き?」

エミリア「えっ、別に好きではないかな……」

スバル「ゲハッ」



ラム「……どうしますか、ロズワール様」ボソボソ

ロズワール「そぉーだね、ゴクウくんをこの屋敷に残すわけにはいかないのはたしかだ。けれどレム一人では全員を見張ることは難しいだろうし……ラム、頼めるかい?」

ラム「それがロズワール様のお望みとあらば」

4: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:22:36.07 ID:MHIBWjx3O
ラム「喜びなさいバルス、ロズワール様からのお許しが出たわ」

スバル「マ・ジ・か! ロズっちは話せば分かる奴だと思ってたぜ!」

ロズワール「無理に君を残して夕食のスープがしょっぱくなったら敵わないかぁーらね。けれどくれぐれも気を付けるんだぁーよ?」

エミリア「ロズワール? スバルを巻き込むのは……」

ロズワール「大丈夫でぇーすよエミリア様。ラムも同行させますし、何より私がおります。滅多なことは起こりません」

エミリア「……うん、わかったわ」

スバル「え、レムじゃなくてラムが付いてくんの?」

ラム「何か文句でもあるのかしら」

スバル「蒸かし芋以外の食事は期待できるんですかね」

ラム「ハッ、当然よ。王都には食事処がいくらでもあるのだから」

スバル「メイドとしては失格だがなら安心だな!」

悟空「なんだかおもしれぇ旅になりそうだな」

5: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:24:06.55 ID:MHIBWjx3O
スバル「ってなんで肝心の王選顔合わせの日に留守番なんだよ! おかしいだろ!」

ラム「うるさいわよバルス。あなたみたいなのを連れてのこのこ王城のお歴々の前に出るなんて、それこそぞっとすると分からないの?」

スバル「ぐっ……八割ぐらいは理解できちまうのが辛いぜ……だが、オレはあくまで押しとおる!」

ラム「やれるものならやってみなさい。ラムを倒して部屋を出られたら好きにしたらいいわ」

スバル「言ったな? オレがみんなが寝ている早朝や深夜に悟空さんと二人で何をしてたか教えてやるぜ!」

ラム「けがらわしい」

スバル「いやそういうことじゃねぇよ!?」

悟空「いやー、それはやめといた方がいいと思うぞスバル。修行でおめぇもだいぶ強くはなったけど、ラムはマジでつえぇぞ」

スバル「それは分かってますよ悟空さん。けど戦いってのは強い方が勝つとは限らない、ってね―――シャマク!」

ラム「っ。魔法なんて何時の間に!」

スバル「オレが一緒に過ごしてたのは悟空さんだけじゃねーってこった! あばよラムー!」スタコラー



悟空「なんでわざと行かせたんだ?」

ラム「なんのことかしら」

悟空「おめぇならあんな霧どうとでも出来ただろ?」

ラム「……知らないわ」

6: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:25:10.78 ID:MHIBWjx3O
悟空「ふーん……まぁいいや。オラはちょっと昼寝するから、飯の時間になったら起こしてくれ」

ラム「………………」



(諸々省略)

ユリウス「てめぇぶっ[ピーーー]」(意訳)

スバル「やってみろヒッキー」(意訳)

(やや省略)



フェリス「……って感じで始まった決闘だったけど……」

ラインハルト「これは……はっきり言って、意外な展開だね」

スバル「くそっ、つえぇ……」ゼーハー

ユリウス「……どうやら君は、まったく口だけの男という訳ではないようだね」

ラインハルト「互角……とはとても言えないけれど、スバルはユリウスの攻撃をしっかり受けてる。ついこのあいだ会った時には戦う力なんて無いに等しかったはずなのに」

フェリス「スバル君の動き、なーんか変。魔法とは違う形でのマナの流れを感じるっていうかー」

エミリア「スバル! やめて!」

ユリウス「エミリア様!」

スバル「……! 何処見てやがるバカ野郎! お前は今、オレと戦ってるんだろうが!」

ユリウス「!」

7: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:26:54.00 ID:MHIBWjx3O
スバル「しっかりこっち見てろ! 行くぞごらぁ!」

ユリウス「……良いだろう。来い!」

スバル「悟空さん、技を借ります! 太陽拳!」

ユリウス「ぐっ!?」

フェリス「いやーん、まぶしー」

スバル「『気』は魔法じゃ防げねぇだろ! 食らえ! か・め・は・め……」

ラインハルト「……! いけない!」

スバル「波ぁぁぁ!!!!」


ドォォォーーン!


エミリア「けほっ……何いまの光……それよりスバルは!」

ユリウス「…………」

スバル「ライン、ハルト……お前、やっぱりユリウスのみかた……」

ラインハルト「すまないスバル。騎士として、友が怪我をするのを見過ごす訳にはいかなくてね。ユリウスもすまない。君の誇りを傷付けてしまったかな」

ユリウス「……いや、全て私自身の過ちが原因だ。私は、未熟だった。剣の腕も、人を視る眼も」

スバル「ちく、しょ……エミリ、ア……」パタリ

エミリア「スバル!?」

ラインハルト「直ぐに医務室の手配を!」

ユリウス「……ナツキ・スバル。その名前、覚えておこう」

8: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:28:13.71 ID:MHIBWjx3O
スバル「あれ……ここは……」

悟空「おっ、めぇ覚めたか」

スバル「悟空さん……それに」

エミリア「…………スバル」

スバル「エミリア、たん」

悟空「おめぇ無理し過ぎだぞぉ。言っただろ、気のコントロールには時間が掛かるって。見よう見まねでかめはめ波まで出したのはすげぇけどよ」

スバル「はは、すいません……」

エミリア「……ゴクウ、悪いんだけど、少しスバルと二人にしてくれないかしら」

悟空「ん? ああ、良いぜ。それじゃスバル、ちゃんと休めよ」バタン

スバル「……心配かけてごめん、エミリアたん」

エミリア「……どうして、あんな無茶をしたの?」

スバル「…………なんでだろうな、わかんねぇ。けど多分、オレにも吼えることぐらいは出来るって、証明したかったんだと思う。ほら、オレって役に立たないからさ。家事じゃレムには敵わねぇし、力じゃ誰にも勝てない。ベア子みたいに愛らしい訳じゃないし、ラムみたいにどっしり構えられる訳じゃない。もちろんロズワールみたいに君の後ろ盾になってあげることもできない」

スバル「だからせめて、君の耳を塞ぐことぐらいはしたいって思ったんだ。エミリアの悪口を言う奴らの声が聞こえないぐらい、やかましくさわがしく、馬鹿みたいに笑っていようって。うるせぇ奴らには、うるせぇって怒鳴り返してやろうって。……結局エミリアたんに心配掛けてちゃ、世話ないよな、はは」

9: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:30:03.58 ID:MHIBWjx3O
エミリア「……ばかだね、スバルは」

スバル「その点に関しては一切の反論なし!」

エミリア「そんなに威張っていうことじゃないでしょ、もう……ふふっ」

エミリア「わたしとロズワールは、屋敷に戻るわ」

スバル「………………」

エミリア「だからスバルは、しっかり怪我を治して、それから戻ってくること。そしたら……またわたしを笑わせてね、スバル」

スバル「……!……おう、任せといてくれ!」

エミリア「それから……あの、ね」

スバル「?」

エミリア「ユリウスと正々堂々戦っていた時、ね。……ほんのすこーしだけ、かっこよかったよ、スバル」ニコッ

10: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:31:50.48 ID:MHIBWjx3O
悟空「……上手く収まったみてぇだな。いやー良かった良かった」

悟空「で、おめぇはなんの用だ? ラインハルト」

ラインハルト「……流石ですね。気配は完璧に消したつもりだったんですが」

悟空「物騒な要件ちゅうことか?」

ラインハルト「……エミリア様の陣営から、手を引いては貰えませんか」

悟空「別にオラはオウセンとかいうのに関わる気はねぇぞ」

ラインハルト「だとしても、エミリア様やスバルから協力の要請があれば、あなたはそれに応えるでしょう。どうか、ロズワール邸から離れて欲しい。代わりの住処なら僕が用意します」

悟空「嫌だと言ったらどうすんだ?」

ラインハルト「……僕と決闘をしてくれませんか。僕が勝ったら、僕の願いを聞いてください。あなたが勝てば、もちろん僕もあなたの願いを聞き入れます」

悟空「へへ、おめぇ案外分かりやすい奴だなぁ」

悟空「好きだぜ、そういうの」

11: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:34:03.49 ID:MHIBWjx3O
壁外

ラインハルト「ここなら誰の迷惑にもならないでしょう」

悟空「楽しみだぞ。おめぇはなんちゅうか、底がしれねぇところがあっからな」

ラインハルト「過分な評価ありがとう。なるべくそれに応えるように努めます。……はぁぁぁぁああぁぁぁ!!」

ズズズズズズズズ!!!!

悟空「へぇ……」

ラインハルト「ぐっ……あああぁぁああ……!」

悟空「おどれぇたぞ。どうやってそこまで一気に気を脹れあがらせた?」

         ウワテ
ラインハルト「『上手の加護』と、言い、ます……! 対峙した相手より強くなるという加護ですが……あなた相手にこれを長時間使うのは避けた方が良さそうですね……! 星への負担もそうですが、何より体がはじけ飛びそうだ……!」


悟空「神聖樹の実みてぇなもんか? だとしたら手早く済ませた方が良さそうだな」

ラインハルト「話が早くて助かりますよ……では、行きます」

悟空「おう、来い!」


12: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:35:50.02 ID:MHIBWjx3O
ラインハルト「…………フッ」ヒュン

悟空「……!!」ブオン!

ラインハルト「今のを避けられるとは。どうやら全ての『加護』が通用するわけではないみたいですね」

悟空「……本気でやべぇなおめぇ。なら、これならどうだ!」ビューン

ラインハルト「遠距離戦ですか。なるほどあなたの強さは力だけではないらしい」

悟空「だああああああ」バシュンバシュンバシュン

ラインハルト「けれど―――」

悟空「やったか!」

ラインハルト「僕にはそれは、通じない」ブォン!

悟空「どぉわぁ!?」

ラインハルト「くっ、避けられたか」

悟空「な、なんでオラの気弾があたらねぇんだ? っていうかなんで剣からビームが出るんだ?」

ラインハルト「『矢除けの加護』。飛び道具は僕には当たりません。ビームは、剣を振れば出ます」

悟空「デタラメな野郎だ……へへ、オラわくわくしてきたぞ!」

ラインハルト「この状況で笑いますか……はは……」

悟空「死ぬなよ、ラインハルト!」

ラインハルト「あなたこそ!」

13: ◆ksTpGtn1Mo 2017/11/06(月) 16:38:51.99 ID:MHIBWjx3O
ドガガガガガガガ!!!

ラインハルト「……ぐっ…………」(レイドが震えている……)

悟空「おめぇほんとつえぇなぁ!」

ラインハルト「どうも。素手相手に宝剣を使ってこの様では、褒められても素直に喜べませんが」

悟空「ひひ、こうなると何処まで付いてこられるか試してみたくなっぞ。……よっしゃ、いっちょやってみっか!」

ラインハルト(……何をする気だ?)

悟空「ふんっ」バシュン!

ラインハルト「……!? なんだ? 髪の毛が金色に(パーン)

悟空「いっ!?」

ラインハルト(だったもの)「………………」

悟空「や、やっべぇ、やり過ぎた! ……し、死んじまってる、よな……?」

悟空「……ど、どうしよ……ここまでバラバラになっちまったら、チユマホウとかいうんでも駄目だよな……この世界にはシェンロンもいねぇし、エミリア達になんて言ったら……」

ラインハルト「大丈夫、生きてますよ」

悟空「ほわあぁ!? ゆ、ユウレイか!?」

ラインハルト「違いますよ。間違いなく一度死にましたが、生き返ったんです。『不死鳥の加護』でね」

悟空「……めちゃくちゃだなぁ」

ラインハルト「あなたにだけは言われたくありませんが……ともあれ、この戦いは僕の負けです。どうぞお好きに」

悟空「お、おう。そんじゃ、飯でも奢って貰おうかな」

ラインハルト「そんなことで良いんですか?」

悟空「ああ。オラちょうど腹ペコだし、出来れば今からにしてもらえると助かるんだけど」

ラインハルト「……ふっ。あなたは本当に、不思議な人だ」

ラインハルト(……フェルト様。僕はあなたを、王にできるのでしょうか……)


ここまでで前半。続きは後日書くかもしれないし、書かないかもしれない。過去ログ申請はとりあえず先に出しておきます。