1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:03:03.53 ID:vozwoRehP
職員「はい。通称≪サポーター≫です」

妹「本当にこんな大金、もらえるんですか?」

職員「まあ、現金支給ではなくポイント制ですが」

妹「……ネット通販サイトで使えるんですよね?」

友「バカっぽいけどマジだよ。実際、私も使ってるしね」

妹(友ちゃんがもう少しバカじゃなければ信用するんだけどね……)

引用元: 妹「近親恋愛支援機構……」 



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2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:04:00.86 ID:vozwoRehP
職員「一応、もう一度最初から説明しますが」

職員「パートナー登録していただいた異性の家族に対し、この表にある行為――」

職員「手料理、手をつなぐ、添い寝……えー、以下は略しましょう」

職員「それらの行為をしていただくと、表に書かれたポイントが加算されます」

職員「実行時には、このストラップ風の装置を起動し、達成後に表示される認証コードを読み込んで完了」

職員「コード内には登録者情報もありますので、携帯・スマホで読み込めば自動でポイントが加算されます」

職員「もちろん、≪サポーター≫への登録後にも近親恋愛行為をしない自由はあります」

職員「ただし。機構の存在を他人に漏らす、パートナーに機構の存在を知られる」

職員「これらは即登録抹消、ポイント没収です。自主的な登録消去も可能ですが、再登録は不可です」

職員「以上です。登録しますか?」

4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:04:55.01 ID:vozwoRehP
妹「率直に聞きますけど、このシステム、誰が得するんですか?」

職員「誰も得しないでしょうね。上司は『私は知らん。適当に説明しておけ』と言っていましたが」

友「何十万円分も買い物できるんだし、別にいいじゃん?」

妹(ここまで怪しい相手に、気軽に個人情報を渡しちゃダメでしょう……)

職員「一応、この喫茶店の向かいが本部ですから、何かありましたらどうぞ」

妹「お、大きいビルですね」

職員「……本当、こんなふざげた業務なのに、なんであんなに大きいんだろう。僕も毎朝不思議で仕方ない」

妹(素に戻るくらい不思議なんだ……)

職員「ああ、それでどうします?」

妹(……私の個人情報に、何十万円分の価値ってある?)

妹(それに、一回手を繋いだだけで1000円分のポイント……)

妹「……わかりました、登録します」

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:45:20.38 ID:U0ifUKgE0
妹「あ、あの…お金とかってかかりますか?」

受付嬢「いえ、一切かかりませんよ」

妹「……」

受付嬢「近親恋愛をご検討中ですか?」

妹「え…!?えーと…」

受付嬢「よろしかったらご利用ください。こちら資料になりますので」

妹「はい。ありがとうございます…」

受付嬢「またお越しください」

妹「…失礼します」

妹「近親恋愛かぁ…」キュウウッ

妹「(大好きなお兄ちゃんと…恋愛できるのかな?)」キュウウッ

19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 20:54:03.41 ID:U0ifUKgE0
兄「おー、お帰り。遅かったな」

妹「う、うん…ちょっとね」

兄「彼氏とデートとか?」

妹「違うもん。私、彼氏いないじゃん」

兄「いや…青春だなぁ」

妹「もう!また、からかってるゅ!」

兄「はは、すまんすまん」

妹「……」

兄「ん…」

妹「…私、彼氏なんていらないからね」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:12:12.01 ID:vozwoRehP
妹(あーあ、登録しちゃった……)

友「これからガンガン儲けよう!」

妹「そうね」

妹(儲けるって言っても、地道に稼ぐしかないのよね)

妹(携帯に送ってもらったポイント一覧) カチカチッ

『メール 5ポイント』

妹(5円分のポイントか……消費税にしかならないわね)

友「オススメは添い寝! 3000ポイントだよ!」

妹「考えておく」

妹(これから帰る……送信、と)

友「あ、認証コード出てるよ? 送っといてあげる!」

妹「えっ? もう?」

妹(一体どういう仕組みなの、これ?)

29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:19:59.94 ID:vozwoRehP
妹「ただいま」

妹(挨拶も5ポイントだったわね)

兄「おかえり。そういやさっきのメール、どうしたんだ?」

妹「別に。なんとなくメールが送りたかっただけ」

妹(この調子じゃ1000円分も稼げなさそう)

妹「登録しちゃったし、適当に頑張るかな」

兄「何が?」

妹「別に」

妹(メール、挨拶……他に私にもできそうなのは、手料理くらい?)

妹(でも料理って苦手なのよね)

31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:22:45.46 ID:vozwoRehP
妹「はい、兄さん。晩御飯」

兄「この真っ黒な食パンは何だ?」

妹「だから晩御飯」

兄「……」

妹「妹の手料理が食べられないの?」

兄「はぁ。わかったよ、捨てるのも持ったないしな」 ガリッ

妹(これで手料理はクリアされたはずだけど……) カチカチッ

妹(5ポイント? 挨拶の分だけ?)

兄「うぇ……次やる時は火の加減位しろよ」

妹「はいはい、わかったから」

妹(おかしいな。壊れてるの?)

34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:27:33.24 ID:vozwoRehP
職員『料理として認識しなかったんでしょう』

妹「……」

職員『故障したわけではないようなので失礼』

妹「待ってください、まだ故障じゃないと決まったわけじゃ……」

職員『いやもうぶっちゃけ僕、就業時間外なんで。カスタマーセンターに電話してください』 ブツッ

妹「……最低」

妹(料理もダメ。それじゃ、後は……手をつなぐ?)

妹「……バカじゃないの、子供じゃあるまいし」

妹(手料理よりも少ないけど、手をつなぐだけで1000ポイント……か)

妹「別に、減るものじゃないし。バイト1時間と同じだと思えば……」

36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:31:45.74 ID:vozwoRehP
妹「兄さん」

兄「ふぁんだー?」 ゴシゴシッ

妹「……手、つないで」

兄「あとれな」 ゴシゴシッ

妹(人が決心して言ってるのに!)

兄「ガラガラガラガラ……ぺっ」

妹「死ね」

兄「はぁ?」

妹「……」

兄「お前、やけに情緒不安定だな。生理か?」

妹「この……っ」 バシンッ

兄「……ってぇな!」

妹「うるさい、死ね!」

38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:34:45.69 ID:vozwoRehP
妹(どうしてこうなるわけ……) ズーンッ

妹(ただ手をつなぐだけのはずが、なんで……)

妹「もうやめようかな……あれ? 認証コードが出てる」 カチカチッ

妹「1000ポイント? どうして……あっ」

『喧嘩する 1000ポイント』『仲直りする 1000ポイント』

妹(私は今、すごい錬金術を見つけたかもしれない……)

40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:38:08.58 ID:vozwoRehP
妹「兄さん!」

兄「あ?」

妹「さっきはごめんなさい!」 ペコリッ

兄「い、いや、そんなに謝らなくていい。俺もちょっと無神経だった」

妹(仲直り成功? よし……)

妹「やっぱり許さない」

兄「はぁ?」

妹「兄さんは最低、バカ、クズ!」

兄「お前マジで何したいんだ? おい?」

妹「ふんっ」

妹(この繰り返しで無限に1000ポイントが手に入るはず……)

43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:44:51.28 ID:vozwoRehP
妹「手に入るはず、がないよね……」 ガクリッ

妹(この装置、どういう仕組みなんだろう……) カチャッ

妹「もう少し詳細がわかれば、ポイント稼ぐのも楽なのに」

妹(友ちゃん、に聞いても絶対何もわからないし、やっぱりあの人かな)

妹「……あ、もしもし、職員さん」

職員『いい加減怒りますよ』

妹「この装置ってどういう仕組みなんですか?」

職員『人の話聞いてませんね。そんなの僕も知りません』

妹「職員さんって何も知りませんよね」

職員『全部上が悪いんです。苦情はカスタマーセンターにどうぞ』

妹(こんな胡散臭い会社、苦情を言ってどうにかなると思えないし)

職員『一応忠告しますが、その装置、不正の匂いに敏感です。不正は無視されます』

妹「精度は?」

職員『やたら凄いです。それでは友達と飲んでる所なので』 ブツッ

妹(使い慣れてくしかない、か)

47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:49:48.50 ID:vozwoRehP
妹(今後の方針)

妹(挨拶は欠かさないこと。これで毎日20ポイントは狙える)

妹(メールのやり取り。面倒だけど、こまめにすれば50ポイントくらい?)

妹(手料理、は……はぁ……練習、しようかな)

妹(手をつなぐのは無理。それ以外も無理なのばっかり)

妹(喧嘩は……仲直りできそうな時だけ、たまに狙ってみようかな)

妹「目標は、一ヶ月で10000ポイント!」

妹(その前に、喧嘩と仲直りで手に入った2000ポイントで、本でも注文してみようかな) ポチッ

妹(一応、使えるかどうか試しておかないとね)

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:54:07.98 ID:vozwoRehP
妹(そう決めたはずなのに……)

兄「なあ、なんで毎回パンを焼くだけでこんなになるんだ?」

妹「私に聞かないでよ」

兄「……」 ガリッ

妹(認証コードは、出ないよね……)

妹(10000ポイント、このままじゃ無理かな)

50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 21:57:38.42 ID:vozwoRehP
友「コツ?」

妹「そう」

妹(まさか友ちゃんを頼る日が来るなんて……)

友「普通に仲良くすればいいだけでしょ?」

妹「その普通がわからないから聞いてるんじゃないの」

友「早起きしてパパを起こして、作ったご飯食べさせてあげて、ネクタイ結んであげて……」

妹「ちょ、ちょ、ちょっと待って、そんないっぱい言われても!」

友「……?」

妹(この娘、想像以上に女子力が高い……っ)

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:03:01.85 ID:vozwoRehP
妹「他には、疲れて寝てるパパに布団掛けてあげたり、マッサージしてあげたり……」

妹「聞いてるだけで無理。……私もお父さんにすれば良かったかな」

友「妹ちゃん、パパと仲良かったっけ?」

妹「全然。会話もしない。まだ兄さんの方がマシなくらい」

友「じゃあお兄さんと仲良くしなよ」

妹(簡単に言ってくれるわね……)

友「私も最初は、やっぱり恥ずかしかったけど、色々してあげると結構喜んでくれるよ?」

妹「……」

友「仲良くできてないんじゃなくて、妹ちゃんの方が引いてるだけなんじゃないの?」

妹「言うだけなら、簡単なんだけどね」

妹(でも、やらなきゃポイントは稼げないし、経験者に従ってみるしかないか)

54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:05:38.78 ID:vozwoRehP
兄(……最近、妹の挙動がおかしい)

兄(元々仲は良いと言うほど良くなく、悪いと言うほど悪くなく)

兄(不干渉でやってきたはずなんだが) ポチッ

『今から帰ります』

兄「なんで地味に敬語なんだ?」

兄「……変なことにならない内に、少し話でも聞いてみるか」

55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:07:40.08 ID:vozwoRehP
妹「ただいま、兄さん」

兄「おかえり。……あのさ」

妹「あの」

兄「ん?」

妹「さ、先にどうぞ」

兄「いや、いい。お前が先に話せよ」

妹「……に、兄さんって、甘えられるの、好き?」

兄「はぁ?」

妹「……嫌い?」

兄(こいつは突然何を聞いてるんだ?)

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:13:30.47 ID:vozwoRehP
兄「……まあ、人による」

妹「……」

兄「男に甘えられても気持ち悪いし、女ならまあ、男は大体嬉しいだろ」 ポリポリッ

妹「本当に?」

兄「なんで俺が嘘つくんだよ」

妹(もう行くしか道はない!)

妹「兄さん!」

兄「な、なんだ?」

妹「……腕枕、とか、してもらっていい?」

兄「腕、枕?」

妹(すごい不思議そうな顔されてるんだけど!)

妹「い、今のなし、なし!」

兄「……なしならなしでいいけど……腕枕くらいなら、まあ……」

妹「い、いいの?」

兄「お前から言ってきたんだろ、聞き返すなよ。俺の方が恥ずかしくなるだろ……」

59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:19:13.22 ID:vozwoRehP
妹(腕枕、添い寝のコンボで一気に5000ポイント! きてる、私の時代きてる!)

兄「……あんまり頭動かすな」 カァァ

妹「あ、うん」

妹(うわぁ、兄さん照れてる……)

妹(こうして間近で見ると、兄さんってこう……)

兄「……なんだよ」

妹「かわいい」

兄「はぁ!?」

妹「もしかして妹に甘えられて嬉しい?」 ニヤニヤッ

兄「嬉しいわけないだろうが、このバカ!」

妹(5000ポイントも稼いじゃって、おまけに兄さんもからかって遊べるなんて……)

妹(うん、悪くない)

62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:23:27.81 ID:vozwoRehP
妹「10000ポイント? 昔の私はずいぶんレベルの低い女だったわ」

妹「目標は、100000ポイント」

妹(現金十万円相当のポイント。これから稼ぎ続ければ、千万も夢じゃない……)

妹「働かずに暮らせる日も、来るかも……」

妹(どうしよう、ニヤニヤが止まらない……っ)

妹「ああ……お金を稼ぐって、こんなに簡単だったんだ……」

63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:25:50.59 ID:vozwoRehP
兄(最近、妹の様子がおかしいの域を越えて別人になりつつある……)

妹「に~いさん!」 ギュッ

兄「は、離れろよ!」

妹「ダメ。……ねえ、今度の休み、一緒に遊びに行かない?」

兄「遊びにって……」

妹「映画でもいいし、買い物でもいいし……ね、ダメ?」

兄「だ、ダメじゃないけど、お前、どうしたんだ?」

妹「どうしたって何が? ふふっ、変な兄さん」

兄(変なのはお前だ……)

65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:29:12.54 ID:vozwoRehP
妹(デート、5000ポイント。腕組み、2000ポイント。上目使い、500ポイント)

妹(たった数十秒で、7500ポイントも稼いじゃった)

妹「……誰かに自慢したい!」

妹(でも話せる相手は……あ、そうだ)

妹「……あ、もしもし」

職員『妹さんですね、何のご用でしょうか?』

妹「私の自慢話を聞いてください」

職員『聞きません』 ブツッ

妹「……」

妹(友ちゃんと話そうかな)

68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:32:11.13 ID:vozwoRehP
妹「友ちゃん、待った?」

友「……えっ? ううん、別に」

妹「そう? 良かった。ふふふっ」

友「機嫌、良さそうだね」

妹「わかる? ポイントって慣れると簡単に稼げるんだもの、楽しくって」

友「……楽しいかな」

妹「楽しいでしょ? 普通の人が働いて稼ぐより、私達はずっと稼げるんだから」

友「……うん」

妹「……?」

70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:36:32.17 ID:vozwoRehP
友「私さ、なんか最近辛いんだよね」

妹「どうして?」

友「わかんない。ただ、ポイントを稼ぐと、どんどん辛くなる」

妹(またよくわからない事を言い出して……)

友「妹ちゃん、そういうことない? 苦しくなる感じ」

妹「全然」

友「……そっか」

妹「別に死ぬわけじゃないんだから、稼げるだけ稼いだ方がいいんじゃない?」

友「そう、なのかな……」

妹「それより、今日兄さんをデートに誘ったの。それで5000ポイント! それで……」

友「……ごめん、私帰るわ。じゃあね」

妹「えっ、ちょっと!」

妹(まだ全然自慢もしてないのに……ああ、もう!)

72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:41:12.53 ID:vozwoRehP
妹(苛々する……こんなに上手くいってるのに、誰にも言えないなんて……)

兄「あれ、もう帰ってたのか? 早かったな」

妹「……」

兄「何かあったのか?」

妹(この苛々、思いきりぶつけちゃおうかな)

妹「一々兄さんに報告しないといけないわけ?」

兄「そんな事は言って……」

妹「言ってるでしょ? 人の事情詮索しないでよ」

兄「だから、そんなつもり……」

妹「ないなら話しかけないでよ! ああ本当苛々する! 鬱陶しいっ!」

妹「そんなに私に構って欲しいの? ちょっと甘えられたからって調子に乗らないでよっ!!」

兄「……ああ、悪かったな……」 スタスタッ

妹「えっ? ちょっと待ってよ!」

75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:44:44.21 ID:vozwoRehP
兄「何だよ」

妹「悪かったなって、それじゃ私が一方的に兄さんを責めてるだけみたいじゃない!」

妹(それじゃ喧嘩にならないでしょ!)

兄「……俺が悪かった。だからそれでいいだろ」

妹「よくない!」

兄「さっきのがお前の本音なんだろ? なあ?」

妹「……はぁ?」

兄「俺も調子に乗ってたかもな」

妹「そ、そんなこと別に思って……」

兄「思ってない言葉が出て来るのか?」

妹「……ごめん、なさい……」

兄「謝る理由、ないだろ。じゃあな」 スタスタッ

妹(……こんなはずじゃ)

妹(こんなはずじゃ、なかったのに)

78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:50:36.26 ID:vozwoRehP
妹「……」

妹(何が悪かったんだろう?)

妹(喧嘩して、仲直りする。2000ポイント)

妹(それだけのはずだったのに)

妹(……喧嘩って、そういうものだったっけ)

妹(許せないことがあってぶつかって……喧嘩ってそういうことじゃないの?)

妹(じゃあ、私がしようとしたことって、何?)

妹「……八つ当たりだ」

妹「ただの理不尽な八つ当たり。心配してくれた人への八つ当たり」

妹「……バカじゃないの」

80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:56:22.52 ID:vozwoRehP
兄(……接し方を間違えた。そんな気がして仕方ない)

兄(あいつはあいつなりに、俺に何かを求めてたように思う)

兄(でも、俺はそんな風に、うまく役割を演じるみたいな真似、できない)

兄「……実際、甘えられて喜んでたのは、事実だしな……」

妹「……兄さん」

兄「ああ、なんだ?」

妹「ごめん」

兄「だから、謝る理由ないだろ」

妹「……」 ギュッ

兄「……甘えられると調子に乗るぞ」

妹「ごめん。酷いこと言った」

兄「……まあ、酷いこと言われたよ。でも、あれも本音だろ」

妹「うん、実はちょっと本音。甘えられてデレデレしすぎ」

兄「ひっでぇな、おい」

妹「ふふふっ、本当だから仕方ない」

84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 22:59:23.54 ID:vozwoRehP
妹(……頬にキスは、5000ポイント) チュッ

兄「うぉいっ!?」

妹「サービス。これで許してね」

兄「……お前なぁ」

妹「明日からもよろしくね、兄さん」

兄「お前、俺をからって遊んでるだろ?」

妹「実益も兼ねてますから。ばいばい」 スタスタッ

兄(……よくわからん奴だな、本当に……)

87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:04:49.57 ID:vozwoRehP
妹「どう?」

兄「お見事。ようやく普通のトーストが出てきたな」

妹「訓練は実を結ぶってことね」

兄「そうな。とっとと朝飯にしようぜ」

妹「うん」

兄「……そういえばさ」

妹「ん、なに?」

兄「お前って実は俺のこと好きなのか?」

妹「何それ?」

兄「最近ベタベタするようになっただろ?」

妹「兄さん、鏡見ようね?」

兄「……顔が悪くてすみませんね」

91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:07:53.59 ID:vozwoRehP
妹「はい、あーん」

兄「……今人をブサイク扱いしたばっかで、なんだよそれ」

妹「あれ、食べないの?」

兄「……」

妹「食べないんだ?」

兄「食べるよ……」 ガブッ モグモグッ

妹「はい、もう一口」

兄「……」 ガブッ モグモグッ

妹「はい牛乳」

兄「むごっ!?」 ビチャビチャッ

妹「あーあ、零しちゃって」

兄「やったのはお前だろうが!」

妹「はいはい、今拭くから」 フキフキッ

兄「俺は子供か?」

妹「子供みたいなもんでしょう?」

93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:10:14.39 ID:vozwoRehP
兄「学校頑張れよ」

妹「そっちこそ」 スタスタ

妹(……あれ、そういえば……)

妹(ポイントって今、どうなってるんだろ?)

96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:16:17.55 ID:vozwoRehP
友「おはよ」

妹「……」

友「どしたの?」

妹「さっき、2万ポイント入ったの」

友「……すごいね」

妹「認証コードが溜まってて、全部清算したら2万ポイント」

友「私は、多分もっと溜まってるかな」

妹「……どうして?」

友「妹ちゃんと同じ」

妹「私と同じ? 忘れてたってこと?」

友「ふふん。違うけど教えない」

妹(友ちゃんの癖に、その余裕な態度は何?)

友「すぐにわかるよ。……私は応援してるからね」

妹「はいはい、そうですか。……はぁ」

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:22:20.71 ID:vozwoRehP
兄(最近は妙にバタバタしてたからな……ゲームにも癒されるぜ……) カチャカチャッ

妹「に~いさん! ただいま!」

兄「げぇ、妹!」

妹「げぇ、って何? げぇ、って?」

兄「また何かするつもりだろう?」

妹「何かして欲しいの?」 ニヤッ

兄「……して欲しくないから言ってるんだ」

妹「ふーん。……一緒にゲームでもする?」

兄「する、って何だ? なんで俺が遊びたがってるみたいな感じなんだよ」

妹「そうなんだ、私と遊びたくないんだ……」

兄「俺が悪かったです、一緒に遊んでください」

妹「素直でよろしい」

100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:25:36.15 ID:vozwoRehP
妹「……」

兄(露骨につまらなそうなんだが……接待プレイしとくか) カチャカチャッ

妹「んんっ?」

兄「あー、これ負けるかもー。やべー」

妹「……この勝負、負けた方が言うことを聞くこと!」 カチャカチャッ

兄「ほぼお前の勝利確定した後で言うなよ!?」 カチャカチャッ

妹「言ったもん勝ちでしょ?」

兄「クソ、なんだそのルール!?」

103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:30:20.64 ID:vozwoRehP
妹「膝枕! 膝枕!」

兄「それは普通、女がする方だろ……」

妹「いいから! はやく!」

兄「……あー、はい、どうぞ好きにしてくれ」

妹「やった!」 ゴロンッ

兄「……」

妹「はぁ……」 スリスリッ

兄「お前、変わったな」

妹「何が?」

兄「いや。何がっていうか、全部」

妹「そう? そういえば最近、なんか楽しいかも」

兄「……」 ナデッ

妹「……ん……このまま寝ていい……?」

兄「ああ」 ナデナデッ

妹(気持ち良いなぁ……ふふふ……)

104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:33:11.62 ID:vozwoRehP
妹「……ん……」

兄「……」 コクリッ コクリッ

妹(兄さんも寝ちゃったんだ)

妹(起こさないように、そっと……) スッ

妹(……あれ、携帯にメール?)

『少しお聞きしたい事があります、連絡を』

妹「……職員さん?」

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:38:24.48 ID:vozwoRehP
職員『……ああ、すいません。忙しいところ』

妹「いえ、忙しくはないですけど。何ですか?」

職員『友さん、何か様子がおかしかったとか、ありませんか?』

妹「……何かあったんですか?」

職員『登録消去したようです』

妹「……えっ?」

職員『上司に報告したところ、そういうこともある、と流されましたが、おかしいでしょう?』

妹「そうですね」

職員『こんな上手い話、普通手放しませんよ? ああ、この職場での私の評価が……』

妹「そんなに悪いんですか?」

職員『いえ、まだ転職して3ヶ月ほどなので、特には』

妹「私からも聞いてはみます」

職員『よろしくお願いします。では』

妹(……登録消去? どうして?)

108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:40:43.96 ID:vozwoRehP
妹「……あ、認証コード」 カチカチッ

妹(もう一万ポイントオーバー……)

妹「……あれ」

妹(全然嬉しくない……それどころか)

妹「気持ち悪い……何これ……」

113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:44:40.25 ID:vozwoRehP
兄「……妹、そこにいたのか」

妹「ひっ!? な、何?」

兄「起きたらいなくなってたから捜してたんだよ」

妹「そ、そっか……うん、ごめん」

兄「具合悪そうだな……寝てた方がいいんじゃないか?」

妹「そうだね……ううん、ごめん。ちょっと出かけてくる」

兄「用事なら代わりに行こうか?」

妹「ううん、大丈夫。大丈夫だから」

妹(……今すぐ会わないと……)

115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:46:35.86 ID:vozwoRehP
友「おっかえりー、パパー……あ、あははー、何、どしたの?」

妹「……」

友「や、うちに来るなんて珍しいじゃん?」

妹「入っていい?」

友「少しなら、いいかな」

妹「そう。お邪魔します」

118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:50:01.39 ID:vozwoRehP
友「それで、えーと、私が≪サポーター≫やめた話?」

妹「それと、相談」

友「相談って、あー、お兄さんのこと?」

妹「どうして?」

友「ううん、違うならいい」

妹「……今日、1万ポイント以上稼いだの」

友「そっか」

妹「凄いでしょ?」

友「そだね」

妹「なのに今、私、凄く気持ち悪くて、苛々して、苦しいんだよね」

友「そうだろうね」

妹「……」

友「私さ、パパが好きなんだ」

妹「……?」

友「大好き。もう世界で一番格好良いと思う」

121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/27(日) 23:55:33.53 ID:vozwoRehP
妹「えと」

友「うちママが子供の頃死んで片親じゃん?」

妹「うん」

友「パパと私だけだったけどさ、あんまり馴染めないっていうか、仕事で忙しくて全然家にいなかったし」

妹「……」

友「でも、甘えてみたらさ、凄い喜んでくれて、世話してあげたらさ、幸せそうに笑って」

妹「……うん」

友「色々勘違いしてるんだろうなー、と思うけど、好きなんだ」

妹「うん」

友「で、パパが大好きでなんでもしてあげたいと思って、そうやって頑張るとさ、あいつが言うんだよね」

妹「あいつ?」

友「あいつ。『お前は金欲しさにやってたんだろ? ほら、今日も頑張った分だけやるよ』って」

妹「……」

友「私がどんだけパパのためにしたいと思っても、あいつが勝手に値段を付けてく。……私を責める」

128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:01:19.21 ID:KR93iOKCP
友「私はお金なんてもう欲しくない。だから、もういい」

妹「……そっか」

友「やめたからって、それで許されるって思わないけど……でも、限界なんだ。ごめん、私が薦めたのにさ」

妹「いいよ。私もわかるから」 

友「……ふーん、詳しく聞かせてよ」 ニヤニヤッ

妹「もうパパさん帰って来るんじゃないの?」

友「あっ」

妹「それじゃ、私も帰るね」

友「じゃ、また明日」

妹「また明日。ばいばい」

妹(私も、もういいかな……)

133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:11:58.60 ID:KR93iOKCP
妹(……疲れちゃった……)

妹「……」

妹(あそこの公園で、ゆっくりしようかな)

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:14:54.90 ID:KR93iOKCP
妹「……」

妹(お金はたくさん稼いだけど、結局、全部兄さんを騙してきた結晶で)

妹(私が今兄さんを好きだと思うのだって、本当は嘘なんじゃないかな)

妹(だって、全部嘘だったんだから。自分の欲望のためだったんだから)

妹「……」

妹(じゃあ、友ちゃんの気持ちも嘘なのかな?)

妹(あんなに幸せそうにパパさんの話をしてたのに?)

妹(でも、勘違いしてるんだと思う、って……)

妹「……勘違いじゃダメなの?」

妹(わかんないな……私、自分で思うほど頭良くなかったんだなぁ……)

140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:20:56.43 ID:KR93iOKCP
妹「寒いなぁ……」

妹「……」

妹「兄さん、温めて?」

妹「なんて……」

妹(ちょっとやらしい……)

兄「耳、冷たそうだな」 ギュッ

妹「ひゃっ! に、兄さん!?」

兄「携帯、持ってけよ。どんだけ心配したと思ってるんだ」

妹「あ……ごめんなさい」

兄「……こんな所で何してるんだ?」

妹「何してるんでしょう?」

兄「俺が聞いてるんだが」

妹「私にもわかりません」

兄「なんで敬語なんだよ」

妹「なんででしょう?」

141: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:22:32.98 ID:KR93iOKCP
兄「……何か悩んでるのか?」

妹「聞きます? 聞いちゃいます?」

兄「普通にな」

妹「……多分ビックリするよ」

兄「そうか」

妹「嫌な想いもする。私を嫌いになるかもしれない」

兄「……」

妹「聞く?」

兄「ああ」

妹「……それじゃ、話そうかな」

146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:26:31.65 ID:KR93iOKCP
兄「……つまり、実は妹は謎の組織から金をもらって、俺と仲良くしてた、と」

妹「そう。私はお金欲しさにベタベタしてたわけ」

兄「ふーん」

妹「どう? 面白いでしょ?」

兄「まあ、何か理由があるとは思ってた」

妹「……」

兄「お前、訳のわからない切れ方してろ? あれは絶対におかしかった」

妹「……ごめんなさい」

兄「でも、最近は違ったろ」

妹「……」

兄「あれは演技じゃないよな?」

妹「さあ、どうだろ。わかんない」

148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:30:59.04 ID:KR93iOKCP
兄「……なんでそんな泣きそうな顔すんだよ」

妹「……」

兄「あー……しかし、何か癪に障るな」

妹「ごめん……」

兄「違ぇよ。お前がじゃない」

妹「……?」

兄「全部思惑通りにされてるみたいで、すげえ腹立つ」

妹「何が?」

兄「お前、俺が好きだよな?」

妹「……何その聞き方、ムカつく」

兄「ああ、悪かったよ。……ちょっと話を聞けよ」

154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:36:42.22 ID:KR93iOKCP
兄「俺は今な、好きな女の子がいる」

妹「……っ」

兄「最近、そいつが気になって仕方ない。できれば気のせいだと思いたかった」

妹「……」

兄「そいつに『俺が好きか?』と聞いてみたら、『何それ』と言われた。まあそうだろうと思った」

妹「それって……」

兄「ああ、俺はお前が好きだ」

妹「あ、あの、でも、私……」

兄「お前が何してたかとかは、正直どうでもいい。それと俺がお前を好きなのは別だ」

妹「本当に……私が、好き?」

兄「好きだ。でもな、俺がお前を好きになったのっていつだと思う?」

妹「……子供の頃から?」

兄「だったら素敵だな。……でも実際は、お前が甘えてくるようになってからだ」

妹「……あ……」

兄「わかるか? こうなるように仕組まれてた気がして仕方ないんだよ」

157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:41:42.00 ID:KR93iOKCP
兄「誰かが『ちょっと可愛い妹が甘えてくれば落ちるんだろ?』と言ってる気がするんだよ」

妹「か、可愛いって……。でも、考えすぎじゃない?」

兄「そう思うか?」

妹「……あんまり思わない」

兄「俺はな、そいつを一発ぶん殴ってやらないと気が済まないんだよ」

妹「……」

兄「あー、ただ、言っておくぞ。俺はお前が好きだ。何がどうとかは関係ない」

妹「……私も、好き」

兄「……キスするぞ。その後で、一緒に殴りに行こう」

妹「あははっ……うん、殴りに行こう」 チュッ

163: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:46:38.16 ID:KR93iOKCP
妹「ここだよ」

兄「ここが、近親恋愛支援機構……」

妹「……もう誰もいないのかな?」

兄「ここで隠れて待ってろ。俺はちょっと様子を見てくる」

妹「う、うん……」

兄「何かあったら、すぐに呼べよ」 タッタッタッ

妹(何かって、何もあるはずないのに……心配性なんだから)

職員「こんばんは」

妹「……っ!?」

職員「ああ、静かに。私、最後の挨拶をしに来ました」

妹「最後の?」

職員「はい」

167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:53:20.86 ID:KR93iOKCP
職員「実は近親恋愛支援機構なんて組織、初めからないんです」

妹「えっ?」

職員「いやだって、そんな何の儲けにもならないバカな組織、あるはずないでしょ?」

妹「えっ、あの……」

職員「というわけで、もうあなたと会うこともないので」

妹「……ちゃんと説明してください」

職員「お兄さんが帰ってくると怖いので手短に言えば、まあ、実験です」

妹「……?」

職員「あまりの仲の良くない家族を、仲良くしようという実験。面白いでしょう?」

妹「すいません、意味がわかりません」

職員「……まあ、暇人が変な事をした、と思ってもらえれば、それでいいよ」

妹「……結局、あなた一人でやってたんですか、全部?」

職員「お金はそれなりにあるからね」

171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:56:19.76 ID:KR93iOKCP
職員「実際は君と友さん二人が初めてのターゲットだったんだけどね」

妹「あなた、頭がおかしいんですか?」

職員「いや全然。ただ、家族は仲が良い方がいいと思ってるだけだよ」

妹「……」

職員「はははっ、まあ感謝しでひっ!?」

妹「一発だけ、叩かせてもらいましたから。消えてください」

職員「酷いなぁ……」

妹「本当だったら殺してます。……兄さんと一緒になれた事だけは、感謝してますから」

職員「うんうん、仲良きことは良きことかな。それじゃ僕は行くよ。またね」

妹「二度と会いたくないです。さようなら」

173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 00:59:30.64 ID:KR93iOKCP
妹「……」

兄「はぁ……はぁ……やっぱり、誰もいなかったよ」

妹「もう帰りましょう、兄さん」

兄「いいのか?」

妹「だって、誰が原因だとか、そんなのどうでもいいじゃない」

兄「……」

妹「今、私は兄さんが好きで、兄さんは私が好き。それじゃダメ?」

兄「……まあ、充分かな」 ポリポリッ

妹「ふふっ、はやく帰りましょう。私達の家に」

兄「引っ張るなよ!」

175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 01:06:05.08 ID:KR93iOKCP
職員「……初回にしては、上々だったかな」

職員「二組の恋人の幸せを祈ってるよ」

職員(……問題は、あの人が満足してくれるかだけど……)

職員「……あ、もしもし」

『……連絡が遅い』

職員「すいません、姉さん」

姉『うるさい。もう帰って来るな』

職員「そんなぁ……姉さんの言う通りに働いたじゃないですか……」

姉『知らん。野垂れ死ね』

職員「僕が死んだら、近親恋愛支援機構は終わりですよ?」

姉『馬鹿者。もうじき全国の支部が動き出す。お前は用済みだ。……わかったら、はやく私の所に帰って来い』

職員「はい」

姉『……それと、浮気なんてしてたら殺すわよ』

職員「は、はははっ、まさか……それじゃ、急いで帰りますので……」

職員(……これ以上殴られたくは、ないですね……) ヒリヒリッ

177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/28(月) 01:06:52.00 ID:KR93iOKCP
こんなもんで終わりってことで