2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 16:59:19.89 ID:7MCFL1z00
―――― 全国・準決勝オーラス


竜華「チー」

淡(一発も消えた…)

淡(それでも和了る――!!)

淡「ツモ。6400オール」

穏乃「一応、カン裏、確認しましょうか」

淡「あぁ。ルールだしね」

淡(まだ負けが認められないのか。哀れなやつだな……)カンウラチラリ

審判「……チョンボですね。罰符は8000です」

穏乃、竜華、姫子「…………」ドウシヨウ

淡「」シロメ



こうこ「きぃぃぃまったぁぁぁぁぁぁぁぁ! 白糸台、大星選手のチョンボにより、
    まさかの準決勝敗退! 決勝進出の二校は、阿智賀女子と千里山女子になりました!!」

すこやん「人は予想を超えてくる!」

引用元: 淡「ツモ。6400オール」審判「チョンボですね。罰符は8000です」淡「」 


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3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:00:14.99 ID:7MCFL1z00
―――― 翌日:白糸台・麻雀部部室

誠子(あれから、部の空気が最悪だ)

誠子(淡と宮永先輩が、家に引きこもって部に顔を出してくれない)

誠子(電話しても家族しか出てくれなかったらしい。
   二人は昨日からずっと部屋で泣いてる)

誠子(まだ個人戦もあるのに……)

菫「困った。どうしよう」

誠子「本当の戦犯は、わたしなんです。
   わたしが大量失点してなければ、チョンボがあっても勝ってました」

菫「負けたのは、照以外の全員に責任がある。
  今はそういうことよりも、個人戦に参加するあの二人に、
  気持ちを切り替えてもらわないと……」

誠子「弘世先輩。そういうわけで、わたしには次期部長は無理です」

菫「どさくさに紛れて部長を辞退しようとするな。
  オマエ以外に、二年で部長がつとまりそうな奴がいないんだから、頼む」

尭深「わたしからも、お願いする」

誠子(といわれても、肩身が狭いのは事実なんだけど……)

4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:00:58.90 ID:7MCFL1z00
誠子「と、とにかく。大星と宮永先輩に、部室に来てもらえればいいんですよね!」

菫「何かアイデアがあるのか?」

誠子「わたしからも、電話してみます!」

誠子(まずは淡にかけるか)

  プルルルル……ガチャ……

5: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:01:31.87 ID:7MCFL1z00
淡『亦野先輩? ごめん、今日は休ませて……』

誠子(おや、素直に出てもらえるとは思ってなかったけど、
   これはチャンスかも……)

誠子『大・戦・犯』

淡『』

菫「こら、何を言って……!」

誠子『……と、宮永先輩が言ってました』

菫「」

誠子『弁明、あるいは謝罪があるなら、今から直に聞きたいそうです。伝言終わり』

尭深「……」ズズズ

誠子『なあ、淡。負けたのはオマエだけの責任じゃない。最大の戦犯はわたしなんだし。
   とりあえず、ささっと反省会だけ終わらせて、次に行こう。
   わたし達は待ってるから』

淡『……わかった』

  プツ ツーツー

7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:02:16.29 ID:7MCFL1z00
菫「……なあ、オマエって、卑怯だよな?」

誠子「大星って、宮永先輩の言うことなら聞くんですよ。
   これで、宮永先輩に口裏合わせてもらいつつ反省会やって、それでおしまい。
   一件落着です」

尭深「……」ズズズ

誠子「じゃあ、宮永先輩にも電話かけますね。
   というか、なんであの人まで部屋に引きこもってるんだろう……」

  プルルルル……ガチャ……

9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:03:54.89 ID:7MCFL1z00
照『どうしたの?』ポンポンパンポーン コノデンシャハ……

誠子『こんにちは宮永先輩。あれ、なんか後ろで音がしてるんですが』

照『ギク』

誠子『部屋にこもってるって聞いてたんですけど……
   今、何処にいるんです?』

照『……新宿駅。だと思う』

誠子『何でまた』

照『どうしても大切な用事があって、凹んでるってことにしたら、
  誰も邪魔しないと思って……』

誠子『大切な用事って何ですか?』

照『怒らないでね』

誠子『はい』

照『実は今、妹が長野から来てるので、昨日の晩からずっとストーキングしてる』

誠子(……この人、駄目な人だ)

照『あ、咲の臭いだ。……またあのピンクが横にいる!
  許せない! ごめん、また後でかけ直す!』

  プツ ツーツー

11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:04:44.16 ID:7MCFL1z00
誠子「」

菫「どうだった?」

誠子「……どうしましょう」

尭深「……」ズズズ

誠子「と、とにかく。宮永先輩に関しては、心配しなくても大丈夫です。
   問題は大星にどうフォローするかで……ああ、もう!」

菫「落ち着け。下手なことせずに、素直に嘘だったって言ったらいいんじゃないのか?」

誠子「大星の場合、宮永先輩に許してもらうというプロセスが大切なんですよ!
   とにかく、何とかして宮永先輩をここに呼び寄せないと!」

 プルルル……

誠子「宮永先輩!? 違う、大星からだ!」

 ガチャ

12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:05:47.87 ID:7MCFL1z00
誠子『もしもし』

淡『亦野先輩。ごめん、準備に時間かかっちゃった。
  今から家を出るから、一時間くらい後になりそう……』

誠子『だ、だいじょーぶ。
   みんなでのんびりしてるから、ゆっくり来ていいよ』

淡『ごめんね。……ありがとう』

誠子『じゃ、じゃあまたね』

  プツ ツーツー

誠子「やばいやばいやばい。あと一時間しかない!」

尭深「……」ズズズ

誠子「こうなったらもう、手段を選んでいられない!
   ……そうだ、弘世先輩。
   宮森のでっかい人に、弘世先輩もサイン書いてましたよね」

菫「姉帯さんだな。ちょっと驚いたけど、いい人だったよ」

誠子「連絡先とか交換してません?」

菫「したけど……どうかしたのか?」

誠子「教えてください!」

菫「……よく分からんが、協力しよう」

13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:06:43.04 ID:7MCFL1z00
誠子「あと、宮永先輩が新宿周辺でうろついています。
   詳しい場所が分かったら連絡するので、迎えに行ってもらえませんか?
   多分、一人では迷うと思うので」

菫「わかった。なあ、亦野」

誠子「はい?」

菫「オマエ、大丈夫か?」

誠子「大丈夫です、全部、何とかしてみせます!!」

菫「姉帯さんの番号はこれだ。じゃあ、行ってくる」カキカキ ワタシ

誠子「ありがとうございます!」

誠子(よし、頑張ろう!)

  プルルルル……ガチャ……

14: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:07:12.92 ID:7MCFL1z00
誠子『はじめまして。姉帯さんですか?』

豊音『そうだけどー。どちら様?』

誠子『白糸台の亦野誠子といいます。
   実は姉帯さんに、折り入ってお願いしたいことがありまして……』

豊音『チーム虎姫の!? ちょーびっくりだよー。
   お願いって、何?』

誠子『原村和さんの携帯電話の番号を教えてください』

豊音『勝手に他人の番号を教えるのは、良くないよ。
   いや、わたしにかけるのはいいんだけどー』

誠子『ちょっと、緊急事態というか、深い事情があるんです。
   実は……カクカクシカジカ……で、原村さんに危機が迫っています。
   宮永先輩の暴走を止めるために、協力してください』

豊音『緊急事態なら、仕方ないよねー。
   わかったよー。番号は、○○○○だよ』

誠子『ありがとうございます!』

  プツ ツーツー

15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:07:39.14 ID:7MCFL1z00
  プルルルル……ガチャ……

和『はい、原村和です』

誠子『はじめまして。白糸台の亦野誠子と申します。
   突然の電話、すみません。どうしてもお知らせしたいことがありまして』

和『亦野さん? チーム虎姫の方ですよね。どうしたんですか?』

誠子『実はうちの宮永照が……カクカクシカジカ……なんです』

和『……それ、本当の話ですか?』

誠子『残念ながら真実です。それで、彼女の暴走を止めるためにも、
   一つ提案がありまして……』

和『はい』

誠子『……カクカクシカジカ……で……カクカクシカジカ……したら……』

和『……面白そうですね! その提案に乗りましょう』

誠子『あと、今何処にいるか分かります?』

和『渋谷駅の○番出口です』

誠子『分かりました。ご協力、感謝します』

  プツ ツーツー

16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:08:21.35 ID:7MCFL1z00
  プルルルル……ガチャ……

誠子『弘世先輩! 宮永先輩の居場所が分かりました。
   渋谷駅の○番出口です。
   原村さんに時間稼ぎしてもらっているので、今のうちに……』

 ………………
 …………
 ……


―― 一時間くらい後

  コンコン

淡「お待たせ。あれ、誠子とたかみーしかいないの?」

誠子「うん。インハイの反省会だから、非レギュラーには休んでもらってる。
   もうちょっと待って。先輩達も、もうすぐ戻ってくるはずだから」

淡「うん。……分かった」

尭深「……お茶、飲む?」

淡「うん。ありがとう」

17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:09:25.58 ID:7MCFL1z00
  ガラッ

菫「ただいまー」

照「ただいま」ムス

尭深「……」ズズズ

菫「それじゃ、反省会をはじめるとするか」

淡「……みんな。最初に言っていいかな」

菫「うん」

淡「ごめんね……わたし……わたし……」ウルウル

照「そんなことより!!!!」

誠子「ファ!?」

照「個人戦、絶対に負けられなくなった!!」

菫、尭深、淡「???????」

照「咲をストーキングしてたら、原村和に気付かれた。
  何でだろう。気配を消してたのに」

淡「さ……? スト??」

照「それでね。あろうことかあの原村、わたしを変態呼ばわりして、
  こう言い放ったんだ。
 『どちらが咲さんに相応しいか、個人戦で白黒付けましょう』って!!」

尭深「……」ズズズ

18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:09:53.11 ID:7MCFL1z00
照「あの女が咲に近づくなんて、千年早い。
  個人戦ではもう牌が握れないくらいに、メッタンメッタンの、
  ギッタンギッタンにしてやる……!」
 
菫「おーい」

照「そういうわけだから淡、練習しよう。
  個人戦では一位と二位を独占するよ」

淡「……うん!」パァァァ

照「あ。でもその前に、お菓子食べよう」

菫「……とりあえず、今のうちに反省会しとくか」

 ………………
 …………
 ……

誠子「はぁぁ……何とかなった……な……」

尭深「……お疲れ様」ズズズ

19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:10:25.42 ID:7MCFL1z00
―――― 全国・個人戦

こーこ「個人戦一回戦、十二番卓では全体未聞のハプニングが!」

すこやん「どうしたんでしょうね?」

こーこ「宮永照の姿が無い! 一体どーした!?
    このままでは不戦敗になってしまうぞー!!!」


 ―― 白糸台・控え室

菫『照、何してるんだ!? もう間に合わないぞ!』

照『……ここどこ? あ、電池……』

  プツ ツーツー

誠子「あぁぁぁぁっ! 弘世先輩、何で迎えに行かなかったんですか!?」

菫「わたしのせいじゃない!!
  というか、なんでこの大切なときに、迷子になれるんだあいつは!?」

尭深「……」ズズズ

菫「残るはもう、淡、オマエだけだ!
  白糸台の名誉のために、頑張ってくれ!!」

誠子「あんまりプレッシャー与えるのは……」

淡「だいじょーぶですよ、亦野先輩。
  絶対に勝って、汚名挽回します♪」

誠子「それを言うなら汚名返上だよ。頑張れ。応援してるから……!」

20: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:11:04.04 ID:7MCFL1z00
 ―― 対局・淡、一回戦

淡(最初から強敵と当たってしまった。
  でも、負けない! 絶対に!)

 パシィ

咲さん「カン、カン、もう二個くらいカン!! スーカンツ!!!!」

淡「」

咲さん「48000です! 麻雀って、楽しいよね!!」

淡「」シロメ



こうこ「きぃぃぃまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!
    白糸台大星選手、個人戦一回戦でまさかの跳び終了だぁぁぁ!!」

すこやん「人は予想を超えてくる!」

21: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/01/28(火) 17:11:44.01 ID:7MCFL1z00
―――― 翌日:白糸台・麻雀部部室

菫「照と淡は昨日から自屋に引きこもって、メソメソと泣いているらしい」

誠子「わたしは個人戦に出ることもできないペーペーです」

菫「困った。どうしよう」

誠子「弘世先輩。そういうわけで、わたしには次期部長は無理です」

菫「どさくさに紛れて部長を辞退しようとするな。
  オマエ以外に、二年で部長がつとまりそうな奴がいないんだから」

尭深「……」ズズズ

菫「そういうわけで、亦野、また頼むよ」

誠子「」



カン!!!