1: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:25:33.18 ID:Xb+J1B+P0
【765プロライブシアター舞台袖】

千早「くっ!!またお客さんから胸のことで笑われた!!」


千早「そんなにも大きな胸が偉いっていうの?あんなの、ただの脂肪なのに。」


千早「だいたい、胸が成長するなんて胸式呼吸に頼っている証拠よ!怠慢よ!」


千早「できる歌手は腹式呼吸。みんな、それをわかってないのよ!」


千早「…………はぁ。虚しい。」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1513700732

引用元: 【ミリマス】詐称門 


2: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:28:39.84 ID:Xb+J1B+P0
千早「こうなったら何か詰め物でも…ううん、いけないわ。」


千早「そんなことをすれば、ファンを騙すことになるもの…。」


千早「でも…。」


瑞希「よいしょ、よいしょ。」


千早「……あら?あそこにいるのは…真壁さん?」

3: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:30:39.93 ID:Xb+J1B+P0
瑞希「これで、理想の体型に近づきました。良い感じだぞ、瑞希。」


千早「真壁さん!?あなた、何をしているの!?」


瑞希「おや、如月さん。見られてしまったからには、話すしかないようですね。」


瑞希「この胸を寄せてな、この胸を寄せてな、◯◯にしようと思ったのじゃ。」

4: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:32:26.94 ID:Xb+J1B+P0
千早「その谷間…そんな自分を偽ることが許されると思っているの!?」


千早「それはファンに対する裏切りよ!!」


瑞希「待ってください。これは仕方のないことなのです。」

千早「仕方のないことですって!?その胸の谷間が!?」

5: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:35:20.71 ID:Xb+J1B+P0
瑞希「元はと言えば、◯◯愛好家が多数派を占める、この世界が悪いんです。」


瑞希「◯◯好きもいるにはいますが、あくまで少数派。」


瑞希「もしくはロリコ…失礼。子供好きの方々です。」


瑞希「そんな世界で私のような◯◯アイドルがこの先生きのこるためには、この程度は仕方のないことなんです。」


千早「そ、そんなこと…。」


瑞希「ない、と言い切れますか?」


千早「…………。」

6: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:37:01.29 ID:Xb+J1B+P0
瑞希「それに、これは何も私に限った話ではありません。」


瑞希「自分の年齢、体重、スリーサイズ、好きな物。」


瑞希「そういったプロフィールを偽装し、自分を偽っているアイドルは多々います。」


瑞希「アイドルとして、相応しいイメージを作るために……みんな、生きるのに必死です。」


瑞希「あの人たちも、私を責めることはできないでしょう。」


千早「…………。」

7: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:40:58.57 ID:Xb+J1B+P0
千早「(…確かに、その通りかもしれない。)」


千早「(この過酷なアイドル界では、時に正攻法以外の手段が必要になる。)」


千早「(だけど、私にはその悪徳に身を堕とす覚悟がなかった。)」


千早「(なりふり構わず戦うだけの勇気がなかった。)」


千早「(でも、今は違う!!)」

8: ◆BRZinuuIIfwI 2017/12/20(水) 01:44:07.56 ID:Xb+J1B+P0
千早「だったら、私が胸に詰め物をしても、あなたは私を責めないのよね?」


千早「私もこうしないと生きていけない身なのだから!!」




瑞希「ーーーそして、如月さんは私のパッドを剥ぎ取るや否や、ステージへと駆けていきました。」


瑞希「如月さんの行方は誰も知らない。」
【終わり】