1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/31(火) 23:42:51.08 ID:X12hAl8+o
桃太郎「御爺様、御婆様、長らくお世話になりました。桃太郎、これより鬼退治に参ります」

爺「おお、桃太郎。辛く危険な旅となるじゃろうが、くれぐれも気をつけてな」

婆「桃太郎、餞別にきびだんごを作っておきましたよ。持っていきなさい」


こうして桃太郎は【きびだんご×10】を持って鬼退治の旅へ……

>>2「桃太郎さん、私にひとつきびだんごを戴けませんか。代わりに>>3を差し上げます」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1509460970

引用元: 【安価】桃太郎がわらしべりながら鬼退治を目指す 



桃太郎が語る 桃太郎 (1人称童話)
文:クゲ ユウジ 絵:岡村 優太
高陵社書店 (2017-04-25)
売り上げランキング: 39,153
6: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/01(水) 00:08:48.70 ID:MviDzlZzo
桃太郎「ん?誰だ……うわっ鬼!?」

鬼「待って桃太郎さん。僕は人間をさらったりしません」

桃太郎「はぐれ鬼か……」

鬼「桃太郎さん、私にひとつきびだんごを戴けませんか。代わりに娘を差し上げます」

桃太郎「その娘……さらったわけではないのか」

鬼「実は人買いから買い受けて助け出したものの、この娘記憶をなくしているようで故郷にも返せずどうしたものか」

桃太郎(それで食い扶持に困っていたのか。どこまで本当かわからないが……)

桃太郎「よし、わかった。きびだんごと交換しよう」

鬼「ありがとうございます」


桃太郎「さて娘、自分の名も覚えておらんのか」

娘「はい……ただ先ほどの鬼の方に>>7と名付けていただきました」

所持品:
【きびだんご×9】
【娘】

9: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/01(水) 00:21:17.95 ID:MviDzlZzo
桃太郎「なるほど、事情はだいたいわかった。其方さえ良ければ共に旅をしよう」

千代女「あっ……!まだ故郷は思い出せませんが、よく砂浜から小さな塔を見ていたことをぼんやりと思い出しました」

桃太郎「砂浜から塔が……手掛かりになるだろうか」


>>10「桃太郎さん、桃太郎さん。御腰につけたきびだんご一つ私にくださいな」

桃太郎(>>10の持ってる>>11欲しいなー……)

12: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/01(水) 00:37:11.26 ID:MviDzlZzo
浦島太郎「桃太郎さん、桃太郎さん。御腰につけたきびだんご一つ私にくださいな」

桃太郎「え。ああ、どうぞ。あの、つきましては浦島さん、よかったら……っていねえ!」

娘「神出鬼没でしたね」

所持品:
【きびだんご×8】
【娘】

>>13「桃太郎さん、桃太郎さん。御腰につけたきびだんご一つ私にくださいな」

14: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/01(水) 00:50:06.53 ID:MviDzlZzo
はなさかじいさん「桃太郎さん、桃太郎さん。御腰につけたきびだんご一つ私にくださいな」

桃太郎(このおじいさんなら逃げられたりはしないだろう)

桃太郎「えっ。はい、どうぞ」

はなさかじいさん「そら、ポチや。きびだんごじゃぞ」

犬のポチ「ワン!」

千代女「あっどこへ行くの」

ポチ「ワンワンワン!」

桃太郎「え、ここを掘るのか?」

桃太郎「……ああっ、これは>>15!」

16: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/01(水) 01:00:53.65 ID:MviDzlZzo
桃太郎「……ああっ、これはエクスカリバー!」

千代女「剣ですか?」

桃太郎「限られた者にしか手にとれない魔剣と聞くが……」

ブンブンブン

桃太郎「どうもしっくりこない。僕には扱いきれないせいか、もしくは偽物?」

所持品:
【きびだんご×7】
【娘】
【エクスカリバー?】


(本日はこれで閉店します)

18: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/01(水) 21:18:57.41 ID:MviDzlZzo
桃太郎「あれっ?ここはどこだ」

千代女「どこかで道を間違えたようですね」

>>19「おや、桃太郎殿ではありませんか」

あげるもの >>20
もらうもの >>21

23: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/01(水) 22:25:49.97 ID:MviDzlZzo
牛若丸「おや、桃太郎殿ではありませんか」

桃太郎「なんとこのようなところでお会いするとは……ここは一体」

牛若丸「道に迷ったのでございましょう」

桃太郎「なぜそれを?」

牛若丸「鬼の幻術に皆惑わされておりましてな」

桃太郎(これは僕が鬼退治に向かったせいなのか……だとすると皆に迷惑をかけていることを詫びねば)

牛若丸「おそらく鬼の逆鱗に触れるような大馬鹿者でも現れたのでしょうな」

桃太郎(やっぱり黙っておこう)

牛若丸「ところでその剣、もしや伝説の魔剣ではありませぬか」

桃太郎「む、さすが牛若丸殿。御目が高い。しかしこればかりは差し上げるわけには」

牛若丸「この剣をひと振りすれば幻術を振り払うことができる……かもしれませんぞ」

桃太郎(吹っ掛けるつもりだったが元より価値の分からない剣。幻術を払える可能性があるなら安いものか)

桃太郎「ではお願いいたす」スッ


牛若丸は剣を天にかざし、一気に振り下ろした。
すると……


千代女「すごい、空が晴れ渡り景色も一変しました」

牛若丸「やあこれは素晴らしい。では剣をお返しいたそう」

桃太郎「いやいや、僕にはとても扱えぬものと痛感致した。どうか今回のお礼にお持ちくだされ」

牛若丸(あっ、インベントリ一杯だ……)

牛若丸「それはさすがに申し訳ござらん。せめてこの琵琶をお持ち頂きたい」


所持品:
【きびだんご×7】
【娘】
【筑前琵琶】

(何やら忙しくなったのでここまでー)

25: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/02(木) 20:44:31.92 ID:GDOhBs1Oo
桃太郎「おや、あんなところに>>26が」

あげるもの >>27
もらうもの >>28

29: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/03(金) 18:55:26.57 ID:AWaA1sJlo
(不覚にも寝てしまいました。今日は動けないので1レスだけ)

桃太郎「なんか死にそうになってるお爺さんがいるぞ」

竹取の翁「ぜぇぜぇ」

桃太郎「おじいさん、どうしました?」

竹取の翁「いやあ、竹から赤子を見つけましてな、そのままにしてはおけぬと連れ帰ろうとしたところなんじゃ」

千代女「あら……可愛いお子様で」

竹取の翁「ところがおぶって歩いていると思いの外足腰に来てしもうて」

桃太郎(そりゃこのお年では辛いだろう)

千代女「困りましたね」

桃太郎「わかりました。この馬をお貸ししましょう」

竹取の翁「おお、これはありがたい。そうじゃ、婆さんが弁当を持たせてくれたのを忘れておった。せめてものお礼にお受け取りくだされ」


桃太郎「千代女には悪いことをしたな。馬の代わりに荷物を持ってもらう羽目になった」

千代女「いえいえ。このくらいならどうということはございません。それにしても随分と気前がよろしいのですね」

桃太郎「どうせ岸に着けば手放さねばならんからな」


所持品:
【きびだんご×7】
【娘】
【筑前琵琶】
【たけのこご飯のおにぎり】

30: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/05(日) 14:06:31.71 ID:F20qKZdfo
>>31「やぁやぁそこ行くお二人さん」

桃太郎(なんか胡散臭い奴だな)

千代女(この嫌な感じ……以前に何かあったような……)


あげるもの >>32
もらうもの >>33

34: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/05(日) 14:57:26.28 ID:F20qKZdfo
モーモー太郎「腹減ったなあー何か恵んでくれよぉ」

桃太郎「ではこのおにぎりをやろう」

モーモー太郎「ありがてえ、それじゃお礼にさっき拾った変な石をもっていってくれや」

桃太郎「変なって……これ金塊じゃないか!?おいちょっと」

モーモー太郎「ついでにこの娘ももらっていくぜーガハハ」

千代女「あーれー」

桃太郎「しまった金塊に目を奪われたスキに!千代女ー!」

桃太郎「そうだ、こんなときこそ必殺技其の一、>>35」

>>35 必殺技名
>>36 その効果

37: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/05(日) 15:31:25.57 ID:F20qKZdfo
桃太郎「ピーチフラッシュ!」

モーモー太郎「ぐわあ!」

モーモー太郎の敏捷度が2倍になった!

桃太郎「しまった!」

モーモー太郎「こりゃ快適だ!あばよ!」

桃太郎「千代女をさらわれてしまった。どうしよう」

>>38
1.追う
2.見捨てる

39: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/05(日) 15:54:59.42 ID:F20qKZdfo
桃太郎「って、もちろん助けに行かねば」

桃太郎「しかしすっかり見失ってしまった。この分かれ道、一体どちらに行ったのだろう」

ポチ「ワンワン!桃太郎さん!」

桃太郎「はっ、お前はこの前の犬」

桃太郎「そういえば犬は鼻が効くと聞いたことが!頼む、千代女を探してくれ」

ポチ「ではお腰につけたきびだんごをひとつわたしにくださいな」

桃太郎「わかった」

>>40「あのーすみませんが>>41を頂けませんかのう」

もらうもの >>42

所持品:
【きびだんご×6】
【筑前琵琶】
【犬】

44: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/05(日) 17:24:38.45 ID:F20qKZdfo
ズーン

ポチ「何か物音が聞こえてきた」

桃太郎「えっ、どこだ?」

ズーン

桃太郎「本当だ。ポチは耳も良いのだな」

ズーン

ポチ「わっでかい猿!」

ハヌマーン「鬼退治に向かう勇者が居ると聞いて探しておったのだ」

ポチ「それは桃太郎さんだね。僕は桃太郎さんの家来のポチだワン」

ハヌマーン「儂はあの鬼のせいで煩わしい思いをしておるのだ。ぜひ協力させてくれ」

桃太郎「それはありがたい」

ハヌマーン「その前にきびだんごをひとつ頂けるかな」

桃太郎「うむ」

ハヌマーン「ぬんっ!」

ポチ「わ、きびだんごが光り輝いてきた」

ハヌマーン「ではこの宝貝を授けよう。えーと、投げれば必ず当たる石……だそうじゃ」

ポチ「取説……?」


所持品:
【きびだんご×5】
【筑前琵琶】
【犬】
【五光石】

(次は火曜日ぐらいになります)

>>45 次に会う人
>>46 あげるもの
>>47 もらうもの

48: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/07(火) 20:28:26.13 ID:Q85QJCuNo
名もなき村こと芦露村

ポチ「名もなきって……あるじゃないの」

桃太郎「今僕が名付けた。ないと不便だろう?」

長老「鬼退治の旅の途中の桃太郎殿ですな。噂は届いておりますぞ。長旅お疲れのことでしょう、ごゆっくりお休みくだされ」

桃太郎「ありがたいのですが、今は急を要する。そうだ、千代女という女は来ておりませんか」

長老「旅の女性の方は見ておりませんな……」


ポチ「ここほれわんわん」

村人A「わあ、なくしたと思ってた薬缶が!」

村人B「我が家に伝わる数珠が!」


桃太郎「む。あの刀は」

長老「わが村に代々伝わる銘刀にございます」

桃太郎(あれは童子切安綱……か?本物なら値段のつけようもない正真正銘の銘刀だが、贋作としても鬼を切るには打ってつけだな)

桃太郎「大変に興味深い。少々鑑定させて頂いてもよろしいですかな」

長老「どうぞどうぞ」

桃太郎「ふむふむ……」

桃太郎「オープン・ザ・プライス!」

桃太郎「十、百……」

長老「わずか銅銭三百でございますか」

桃太郎「ええ、これは童子切安綱の贋作、後世の模造品です」

長老「いやはや、実のところこれで村の財政を建て直せればと思っておったのですが」

桃太郎「では私めに三百でお譲りいただけないか」

長老「む……いや、いかに桃太郎殿といえど、言い値でもって行かれるわけにはまいりませんぞ」

桃太郎(やっぱりだめか)

ワーワー

長老「外が騒がしいな」

桃太郎「ん?ポチ何してるんだ」

村人A「実は斯云というわけでして」

長老「……桃太郎殿、あの犬をわが村に預けて頂ければこの刀お譲りしますぞ」

桃太郎「では斯様に」

ポチ「待って桃太郎さん。僕を売るんですかー」

桃太郎「家来はまた見つかるが銘刀はそうそう手に入らないからな」

ポチ「ドライすぎ!まあいいけど、僕がいないと千代女さんを探せませんよー」

桃太郎「うーん、しかしお前の言う通りに追ってもまるで手掛かりがつかめないしなあ」

>>49 どうしよう?
1.千代女はあきらめる
2.ポチは手放すがあきらめない
3.考え直す(交換不成立)

50: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/08(水) 08:06:08.63 ID:9kjlkcLXo
ポチ「そんな言い方ないじゃないですかー!僕だってがんばってるのにー」

桃太郎「わーっ僕が悪かった。ごめん。機嫌直して」つキビダンゴ

ポチ「もー、しょうがないなあ」


村人A「あーあ、あの犬がいればどんな金銀財宝を嗅ぎ付けてくれたことか」

長老「……まあいいではないか。欲に目がくらむとろくなことがないというからな」

所持品:
【きびだんご×4】
【筑前琵琶】
【犬】
【五光石】


>>51 次に会う人
>>52 あげるもの
>>53 もらうもの

55: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/08(水) 18:10:56.01 ID:9kjlkcLXo
ポチ「あ、あんなところに行き倒れてる子供が」

桃太郎「おい、大丈夫か」

雪ん子「どんもー。オラさ陸奥のきりたんぽ売りだべさー」

桃太郎「大丈夫みたいだな」

雪ん子「思うようにたんぽ売れんで腹減って腹減って」

ポチ「そのきりたんぽ食べればいいんじゃ……」

雪ん子「そいつはならん、売り物に手出しちゃ商人の名折れだ」

ポチ「商人ってのは妙に頑迷なんですねー」

桃太郎「よし、そのきりたんぽ一つ頂こうか」

雪ん子「まいどおおきに」

ポチ(陸奥出身……だよね?)

桃太郎「実は僕も行商できびだんごを売り歩いてるところなんだ。ひとつ買ってくれないか」

雪ん子「そいつは助かるだー」

所持品:
【きびだんご×3】
【筑前琵琶】
【犬】
【五光石】
【きりたんぽ】

>>56 次に会う人
>>57 あげるもの
>>58 もらうもの

59: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/08(水) 18:40:47.24 ID:9kjlkcLXo
猿「やあ桃太郎さん。お腰につけたきりたんぽひとつわたしにくださいな」

桃太郎「それじゃ僕の家来になるならあげよう」

猿「うまい……うおお、力がみなぎってくるー!」ボン!

ポチ「わっ変身した?」

桃太郎「なんだお前鬼か?」

破壊神「ちっ!バレるのが早すぎたな、あばよ」

桃太郎「あっ逃げた」

ポチ「スパイに寝首をかかれるところでしたね。仲間を増やすのは大事だけどこれからは用心しましょう」

桃太郎「そうだな。おや、何か落としていったぞ」

ポチ「かくばくだん……と書かれてます」

桃太郎「爆弾か……よし、逆にこれを使って鬼をこらしめてやろう」

ポチ「核ってなんでしょうねえ」


所持品:
【きびだんご×3】
【筑前琵琶】
【犬】
【五光石】
【核爆弾】

>>60 次に会う人
>>61 あげるもの
>>62 もらうもの

64: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/08(水) 19:12:33.16 ID:9kjlkcLXo

道行く老女「……」

桃太郎「あれ?急に体が軽くなった」

ポチ「あのばあさんすれ違いに何か盗っていきましたよ」

桃太郎「あ、ばくだんがない。ちょっとそこのおばあさん!」

老女「んー?」

桃太郎「それ返してくださいよ」

老女「あんだって?あたしゃ女神だよ」

ポチ「女神様がなんでスリなんかやってんですか」

老女「こいつは危険なものじゃ。人間が持ってちゃいかん」

ポチ「といっても勝手に持って行かれちゃあねえ」

老女「では対価を払おう、それでどうじゃ」

桃太郎「何をくれるの」

老女「ワシの処女じゃ」

桃太郎「ブーッ!!!」

老女「女神とヤれる人間などそうはおらぬぞ」

ポチ「どうします桃太郎さん」

桃太郎「どうもこうもいらないよ。お断りします」

老女「あんだって?あたしゃ女神だよ」

ポチ「うわっ聞こえないフリした」

老女「若い男ゲットじゃあーっ!」

桃太郎「ぎゃあああああ」


ポチ「よかったですね、無印板だから描写がカットされましたよ」

桃太郎「よくないよ!」


* 桃太郎は核爆弾と童貞を失った!

所持品:
【きびだんご×3】
【筑前琵琶】
【犬】
【五光石】

>>65 次に会う人
>>66 あげるもの
>>67 もらうもの

68: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/08(水) 20:11:36.64 ID:9kjlkcLXo
ポチ「おや、しっぺい太郎じゃないか」

しっぺい太郎「む?……おお、ポチか、これは懐かしいな」

桃太郎「知り合い?」

ポチ「幼稚園時代の友達なんです」

桃太郎「犬の幼稚園……?」


しっぺい太郎「へえ、君も化物退治の旅をしてるのか」

ポチ「うん。まさに奇遇だね。もっともその前に人探しだけど」

しっぺい太郎「ものごとには順番があるからね。僕は楽器探しさ。ご主人は刀コレクターで刀ばかり持っているけど犬の僕には扱えない。代わりに得意な呪歌で戦うつもりなんだ」

ポチ「楽器なら桃太郎さんが持っていたね」

桃太郎「なるほど、我々と行く先は違えど悪を討つ同志、喜んで差し上げよう」

しっぺい太郎「ありがとう。僕も一緒に行きたかったなあ。残念だ。もしよかったら、代わりにこいつを連れていってもらえないか」

梟「コンニチハ、ボクフクロウノフクチャンダヨ」

桃太郎(なんだか抑揚のない喋り方をするなあ)


所持品:
【きびだんご×3】
【犬】
【五光石】
【梟】

(今日はここまで)

69: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/10(金) 19:13:08.11 ID:Qnv1U6Eh0
>>70 次に会う人
>>71 あげるもの
>>72 もらうもの

73: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/10(金) 20:29:39.28 ID:Qnv1U6Eh0
竹取りの翁「桃太郎殿ーっ!」

桃太郎(あ、ちょっとまずいときに会っちゃったな)

竹取りの翁「おや、この前の娘さんが見えませんの」

桃太郎「いやちょっと別用がありましてねへへへ」

竹取りの翁「そうでしたか。それはともかくこれを見てほしいのじゃ」

桃太郎「これは竹光!間違いなく本物ですな」

ポチ「ほわ~威圧感があるな~」

桃太郎(ポチがいうと説得力がないな)

竹取りの翁「実は竹刀を泉に落としてこれを手に入れたのじゃよ」

桃太郎(一体どういうことなんだ……気になるけど話が長くなりそうだからあえて突っ込まないぞ)

竹取りの翁「泉の主である女神様があらわれて……」

-20分後

桃太郎(結局自慢げに語られてしまった)

竹取りの翁「というわけでこの竹光、桃太郎殿に進呈いたす」

桃太郎「え、いいのですか」

竹取りの翁「こんな老い耄れが持っておっても仕方ないものじゃ」

桃太郎「重ね重ね感謝します」

テクテク

桃太郎「ようやく武器らしい武器が手に入ったな」

ポチ「あの、おじいさん動かないんだけど」

桃太郎「おじいさん!?」

竹取りの翁「あいやすまない。慣れぬ長旅で足腰に来てしもうてな」

フク「ボクニマカセテ」

梟は竹取りの翁をつかんで飛び去っていった……

所持品:
【きびだんご×3】
【犬】
【五光石】
【竹光】

>>74 次に会う人
>>75 あげるもの
>>76 もらうもの

78: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/10(金) 21:14:48.84 ID:Qnv1U6Eh0
占師「もし、そこの青年」

桃太郎「(なんか怪しい奴だな、無視無視)……」

占師「そこのイケメンボーイ」

桃太郎「なんでしょう」

ポチ「……」

占師「探し物があるようじゃな。手助けさせていただこう」

桃太郎「うーん、どうしよう」

占師「よろしい、お主に探し物を見つける力を授けたぞ」

桃太郎「まだ頼んでないのに」

占師「礼には及ばぬ。お代は一両でよいぞ」

桃太郎「そんな大金払えないよ」

占師「ならば代わりの物を頂こう」

ポチ「わーっ!」

桃太郎「あっポチ!」

占師はポチをさらって空に浮かび上がる。
勢いで頭巾が外れその正体が明らかになった。

桃太郎「お、お前は鴉天狗!」

鴉天狗「さらばじゃ!!」

桃太郎「大変だ、ポチがさらわれてしまった」

桃太郎「しかし探し物を見つける力のおかげですぐに追跡できるぞ」

桃太郎「さて……どちらから助けに行こうか?」

↓1 どちらから?
1.千代女
2.ポチ

80: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/10(金) 21:38:30.21 ID:Qnv1U6Eh0
桃太郎「やっと千代女を助けにいける。無事でいてくれよ」

桃太郎「あっもちろんポチも後で回収するから待っててくれ」


桃太郎「……能力ではこのあたりのはずだが……」

???「桃太郎様ー!」

桃太郎「下!?」

???「ここでーす」

桃太郎「なんだ大穴に落ちたのか」

千代女「ああ、助けにきてくださったのですね」

桃太郎「よくぞ無事で」

千代女「スキを見て牛から逃げ出したときに落ちてしまったのです。折角なのでこのまま隠れてやりすごしていたのです」

桃太郎「(なんかご都合主義の塊だなあ……)さあ次はポチを助けに行こう!」

>>81 次に会う人
>>82 あげるもの
>>83 もらうもの

84: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/10(金) 22:48:10.13 ID:Qnv1U6Eh0
悪代官「む、お主、名はなんと申す」

桃太郎「桃太郎だが」

悪代官「やはり!お主が指名手配中の極悪人桃太郎だな」つ 人相書

桃太郎「何?まるで心当たりはないぞ、一体僕が何をしたというんだ」

悪代官「話は侍所で聞く。さあおとなしくお縄につけ」

千代女「待ってください、何かの間違いではありませんか」

悪代官「ん?いい女だな。よし桃太郎は見なかったことにしてやろう、そのかわり……」

桃太郎「なんだと」

千代女「桃太郎様、私にかまわず逃げてください」

桃太郎「いやいや、そうはいかん」

悪代官「なら、おとなしく捕まることだな」

桃太郎「待ってくれ、そうだこの前僕は女神様に会ったんだ。しかも強烈に男に飢えている」

悪代官「おかしいだろそんないい女がなんで男に困るんだ」

桃太郎「本当なのになあ」

悪代官「だめだだめだ。さあ諦めてその女を寄越せ」

桃太郎「それだけは許さん」バシ

悪代官「あ」

千代女「人相書の朱印がこすっただけで消えましたね」

悪代官「……」

桃太郎「この人相書、偽物だな」

悪代官「……」

悪代官「これあげるから見逃して(ハート)」


千代女「見逃して良かったんですか、桃太郎様」

桃太郎「いくらなんでもあんな小物に構ってる暇はない」

桃太郎(なんかいいものもらったし)

所持品:
【きびだんご×3】
【五光石】
【竹光】
【コアメダル】

>>85 次に会う人
>>86 あげるもの
>>87 もらうもの

(次は日曜日の予定)

88: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/11(土) 23:07:29.48 ID:iS7ok+vt0

桃太郎「よくみたらこのコアメダル、鳩の絵が描かれてるな」

千代女「雉ではありませんか?」

桃太郎「……うわっ恥ずかしいっ」

千代女「ああっ私ったら余計なことを」



所持品間違いがあったため訂正ついでに。
あと所持品欄に娘、犬と書いてましたがこれからは千代女、ポチとします。

所持品:
【きびだんご×3】
【五光石】
【竹光】
【千代女】
【コアメダル(雉)】

89: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/13(月) 00:21:57.99 ID:25YijLsr0
桃太郎「さて、ポチのところにいくか」

さまよう甲冑「あいや待たれよ!」

桃太郎「わあ強そうなのが出てきた」

千代女「えっ!あの甲冑中身がないですよ」

桃太郎「物の怪か!?」

さまよう甲冑「引き返せ、さもなくば……」

甲冑は凄まじい勢いで千代女に迫る。

千代女「きゃあっ!」

桃太郎「おのれ!」

桃太郎の渾身の一撃が甲冑を切り裂いた!

桃太郎「ふっ……」

ように見えたが傷一つつけられない。
甲冑は向き直ると油断しまくっている桃太郎に迫る!

「しまった!」

「桃太郎様!」

万事休すかと思われたそのとき、コアメダルが白く輝き、雄々しい雉の姿に変わった。

雉は軽く羽ばたき甲冑の中に入り込み、甲冑の動力源を見つけて攻撃した。

甲冑「があああっ!」

甲冑は動かなくなった。

雉「私は雉の化身。桃太郎さんの手助けをする使命を帯びやってきました」

桃太郎「助けてくれて心から感謝する。そうだ、僕と一緒に鬼を倒してくれないか」

雉「残念ながらコアメダルに宿せる生体エネルギーはごくわずか。私はまもなく消えるでしょう」

千代女「そんな!」

雉「どうか私の本体を見つけてください。その時こそ桃太郎さんのために全力を尽くしましょう」

桃太郎「……わかった。暫しお別れだ」

雉と桃太郎は握手を交わすと、雉はエネルギーを放出し爆発した。

桃太郎「うわああっ!」

桃太郎は爆風に巻き込まれ髪がチリチリになった。

千代女「災難でしたね」

桃太郎「雉め今度会ったときは覚えてろよ」

千代女「あっこの甲冑使えそうですよ。不幸中の幸いですね」

桃太郎「これ使うのか……なんか気持ち悪いな」


所持品:
【きびだんご×3】
【五光石】
【竹光】
【千代女】
【甲冑】

>>90 次に会う人
>>91 あげるもの
>>92 もらうもの

93: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/13(月) 21:23:08.43 ID:25YijLsr0
桃太郎「日本一の桃太郎~!」

千代女「攻撃に防御と潤沢に装備が揃いましたね」

桃太郎「あとは鬼ヶ島に着くまでに頭数を揃えたいな」

千代女「そうですねー、相手は多数ですから……神通力で仲間になってくれそうな方を探してみては?」

桃太郎「やってみたけどはっきりとした対象を決めないとあまりうまくいかないようなんだ」

毘沙門「たすけてくれえー」

千代女「どこからか声が聞こえますね」

毘沙門「上だ上~」

千代女「きゃっ!?」

桃太郎達が真上を見ると、全裸の毘沙門が木につかまっていた。

桃太郎「いくら仏様でも全裸はまずいでしょう」

毘沙門「我ながら情けないことだが、衣を猿にかっぱらわれたのだ。衣に実装された重力コントローラーがなければ我々は地上におれんのだが、鬼退治に向かう桃太郎に会うまでは還るわけにはいかん」

桃太郎「あー、僕がその桃太郎です」

毘沙門「なんと、奇遇な」

桃太郎「とりあえずこの甲冑を装備してください」

毘沙門「すまんのう。さて桃太郎よ、お主にとって重要な将来が見えたので直接伝えにきた」

毘沙門「もし宝を掘り当てる犬を見かけたら連れてゆくがよい」

千代女「あー……」

毘沙門「だが近いうちにさらわれる可能性が高い。くれぐれも用心するのじゃ」

桃太郎「あ、はい……」

毘沙門「では武運を祈る!」スタスタ

毘沙門は去っていった……が桃太郎が引き留めた。

桃太郎「あのー毘沙門様、誠に不躾ながら甲冑をお返し願えませんか」

毘沙門「えー、折角だから城下町でお姉さんをナンパしに行こうと思ったのに」

千代女「出張先で羽を伸ばすサラリーマンですか」

毘沙門「それでは代わりにこれを差し上げよう。どうじゃ」


桃太郎「真実を映す鏡……っ!?」

千代女「しかたないですね、防具はまた探しましょう」

桃太郎「……あ、うん、そうだな」

桃太郎(一瞬、ちらっと見えてしまった。千代女の姿が鏡面に映るべきところにいた鬼の姿を……)

↓1 桃太郎の心は?

1.なんと、千代女は鬼の娘だったのか
2.自分の目を疑う
3.鏡を疑う

95: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/13(月) 21:46:26.16 ID:25YijLsr0
桃太郎(まさか千代女が……いやいや、そんなはずはない!)

桃太郎(だいたい毘沙門様もなんかいい加減そうだったし偽物をつかまされててもおかしくないもんな)

千代女「さっきから桃太郎様は何か考え事をされているような……まさか、あの鏡で私の正体を……)

>>96 次に会う人
>>97 あげるもの
>>98 もらうもの

99: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/13(月) 22:44:59.06 ID:25YijLsr0
ズーン

桃太郎「な、なんだ」

ズーンズーン

千代女「地響きが……」

鬼「ヤァ」

桃太郎「うわっ鬼だ!」

鬼「オラアアア」

鬼はいきなり襲い掛かってきた。
桃太郎はとっさに竹光で受けるが真っ二つに折れてしまった。

桃太郎「くっ……」

千代女「桃太郎様!」

鬼「……お見事」

桃太郎「え?」

鬼「我が名は不動明王」

桃太郎「え……てっきり鬼かと」

鬼じゃなかった不動明王「よく言われます」

桃太郎「しかしなぜこのようなことを」

不動明王「単身鬼退治に向かう青年がいると聞いて興味を持ち、どれほどのものか試させてもらった」

不動明王「どうやらお主の想いは本物。これを授けよう」

桃太郎「これは降魔の利剣!さすがにこのようなものを受け取るわけには……」

不動明王「遠慮はいらぬ。我々は普通の人間がどこまでできるものか見届けたいのだ。存分に力を発揮したまえ」


千代女「桃太郎様の活躍次第で人類が評価される事態になりましたね」

桃太郎「なんだかすごいプレッシャーかかってるんですけど」

>>100 次に会う人
>>101 あげるもの
>>102 もらうもの

103: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/14(火) 00:38:55.31 ID:rzypLDci0
桃太郎「なんだか騒がしいな」

千代女「この山でうさぎとカメが競走しているそうですよ。沿道に観客が詰めかけてます」

牛「うさぎ寝るなこらー真面目にやれ!お前に10匁賭けてるんだぞ!」

千代女「こんなところまで賭事ですか……」

桃太郎「おや、カメが引き返していく」

豚「カメー!何やってんだ!お前に5匁張ってんだぞこらー」

カメ「様子がおかしいと見にきたがやはり……」

うさぎ「ぐぅ……ふぅ……」

桃太郎「どうした」

カメ「毒蛇にやられて動けないみたいなんだ。皆に心配をかけぬよう居眠りしてるフリをしてたんだね、馬鹿だなあ」

うさぎ「面目ねえ……」

カメ「ガラスの破片でもあれば毒を抜けるんだけど……」

桃太郎「よしわかった」パリン

千代女「御持物をそんなあっさりと!でもさすが桃太郎様です」

桃太郎(これでいい……こんな鏡はないほうがいい……)

カメ「よかった、なんとかうさぎが助かりそうだ。本当にありがとうございます」

桃太郎「礼にはおよばないさ」

うさぎ「あんた桃太郎さんだったのか……それならこれを持っていってくれ……あいつは飴フリークだから珍しい飴に目がない…………」パタン

千代女「うさぎさーんっ!?」

カメ「寝てるだけですよ」

桃太郎「あいつって誰だろう?」

所持品:
【きびだんご×3】
【五光石】
【千代女】
【降魔の利剣】
【珍しい飴】


>>104 次に会う人
>>105 あげるもの
>>106 もらうもの

107: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/14(火) 19:08:51.89 ID:rzypLDci0
鴉天狗を追う桃太郎一行、さすがに疲れたので休憩

千代女「鴉天狗の居場所はまだ遠いのですか」

桃太郎「なんせあいつ空飛んで逃げてったからなあ……」

千代女「見つけた時のことも考えないといけませんね」

金太郎「ややっ、これはなんと珍しい。舶来ものの飴ではないか。どうかこれを譲ってくれないか」

桃太郎「悪いがこれは大事なものなんだ」

金太郎「そこをなんとか!なんでもしますから!」

桃太郎「ん?いまなんでもって」

千代女「桃太郎様、腕も立ちそうですし仲間になってもらっては」

桃太郎「そうだなあ、それなら鬼の征伐についてこないか。おっと、あいさつが遅れたな。僕は桃太郎だ」

金太郎「なんと、鬼ヶ島に向かう命知らずとはあんただったのか」

熊「金太郎さん行きましょうや、修行にもってこいだ」

金太郎「ああ、もちろんそのつもりさ。僕は金太郎だ。よろしく頼む」

かくして、金太郎とその手下の熊が仲間になった。


千代女(それにしても……)

桃太郎(うさぎが言ってた”あいつ”って誰のことなんだろう)

所持品:
【きびだんご×3】
【五光石】
【千代女】
【降魔の利剣】
【金太郎】
【熊】

>>108 次に会う人
>>109 あげるもの
>>110 もらうもの

111: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/14(火) 20:47:42.24 ID:rzypLDci0

桃太郎「鴉天狗の住処を見つけたぞ」

金太郎「しかし岩で入り口がふさがれている」

桃太郎「僕と金太郎の力をあわせてもびくともしない」

金太郎「やれやれ、困ったな」

千代女「一体どなたに話しかけてるのでしょうか」

竜の子太郎「お困りのようだね」

金太郎「おっ、竜太郎じゃないか」

竜の子太郎「及ばずながら、助太刀いたそう」

桃太郎「おお、それは助かる」

竜の子太郎「できればオラに力をわけてくれ。例えばきびだんごとかきびだんごとかきびだんごとか」

桃太郎「はいよ」

竜の子太郎「うおおみなぎるううう」

こうして桃太郎達は無事岩を動かして鴉天狗の住処に忍び込んだのである。

金太郎「どうした」

桃太郎「シッ。何か声が聞こえる」

4人「……(聞き耳をたてている)」


鴉天狗「あ、ううっ、いい、気持ちいいぞポチ!」

ポチ「鴉天狗さんも好きですねえ、こっちはどうです?」

鴉天狗「おおお……いいぞおお……」


桃太郎「何やってんだあいつら」

千代女「まあ意外。ポチったら『攻』だったのね。ですがそのギャップも萌え要素……」ハァハァ

金太郎「頼むから黙っててくれ」


桃太郎「とりあえず危害を加えられる様子はないから様子を見よう」

そして夜がふけていき……

鴉天狗「Zzz」

ポチ「Zzz」

鴉天狗達は眠ってしまった。


桃太郎「よし、侵入するぞ」

金太郎「Zzz」

千代女「Zzz」

桃太郎「お前ら……まあ隠密行動なら1人のほうがいいか……」


桃太郎「おーいポチ」コソッ

ポチ「んー」

↓1 このあと

1.何事もなく救出
2.鴉天狗が起きてしまった

113: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/14(火) 22:12:24.11 ID:rzypLDci0
ポチ「わっ桃太郎さん!」

桃太郎「シッ声が大きい」

鴉天狗「む、何用だ」

桃太郎「あー起きちゃったか」

鴉天狗「勝手にうちの犬を持ち出されちゃ困るな。お主には力を与えたであろう」

桃太郎「頼んだ覚えはない。やはり返してもらう」

鴉天狗「どうしてもというならばわしを倒していけ」

桃太郎「望むところ」

千代女「待ってください」

鴉天狗「む、何者……なるほど、探し物とはお主のことか」

千代女「無用な戦いは好みません。私が一両お支払いしましょう」

桃太郎「待て、何も払うことはないぞ」

千代女「おかげさまで私は桃太郎様に助けに来て頂くことができたのです。ですから、これは私からの気持ちということで支払わせてください」

鴉天狗「そうか……ではポチはお返ししよう。名残惜しいが達者でな」


桃太郎「ポチ、すまなかった。僕が不甲斐ないばかりにあんな酷いことをさせられて……」

ポチ「いえいえ、桃太郎さんが来てくれて感謝しかありませんよ。夜はちょっと辛かったけどどうってことはないです」

桃太郎(あんな目にあわされたのに、なんと健気な)

ポチ(鴉天狗さんは気に入ってくれたけど、やっぱり毎晩マッサージは疲れたなあ)

千代女「鴉ポチもいいけどやっぱり桃ポチがしっくりきますね」

桃ポチ「?」

金太郎「だからさぁ……」ガクッ

竜の子太郎「あっ峠の茶屋だ。ちょっと休んでいこうよ」

桃太郎「ああ、そうだな」

桃太郎「……」

桃太郎(あれ?こいついつのまに旅仲間になったんだろう)


所持品:
【きびだんご×2】
【五光石】
【千代女(腐りかけ)】
【降魔の利剣】
【金太郎】
【熊】
【竜の子太郎】


>>114 次に会う人
>>115 あげるもの
>>116 もらうもの

117: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/14(火) 23:46:14.56 ID:rzypLDci0
桃太郎「ずいぶん鬼ヶ島から遠く離れてしまったな」

金太郎「同じ道を引き返すのってなんか妙に疲れるよなあ」

ポチ「僕にとってはごく自然な行動なんですけどね」

千代女(帰巣本能……?)

おばちゃん「なんだお前らまだこんなとこにおったんかい」

金太郎「知り合い?」

桃太郎「さあ」

おばちゃん「もうお前らこれやるから早く行け」

竜の子太郎「わあ、これ筋斗雲じゃないか」

金太郎「いいの?」

おばちゃん「たくさん持ってるからかまわんよ」


金太郎「実はお金持ちのばあちゃんなのかな?そうはみえないけど」

千代女「天照大御神ですよ」

桃太郎「えっうそっ!?あっそういえば変な耳だなとは思ったんだ」

竜の子太郎「人は見かけによらないなあ」

千代女「なんでよりによって『いなり、こんこん、恋いろは。』のキャラデザなのでしょう……」

桃太郎(この子ときどきよくわからないことを言うなあ)


千代女「桃太郎さん……」

桃太郎「そんなばかな!」

全員で筋斗雲を試してみたが、桃太郎だけが乗れずにいた。

ポチ「桃太郎さん、穢れてるんですか?」

桃太郎「僕ほど純粋な心の持ち主はそうそういないと思うぞ」

千代女「ご自分で言っちゃうのは……」

桃太郎「あっそうか、あのババアのせいで僕は」

千代女「それ言ったら私もバージンじゃないですし」

ポチ「ブフォッ」

桃太郎(だろうとは思ってたけど直に聞くとなんかショックだな……)

金太郎「荷物が重すぎるんじゃないか?」

桃太郎「そういうものなのかな……袋を置いてっと……あ、乗れた」

千代女「どれどれ……ああ……なるほど。反重力属性がある五光石と筋斗雲の相性が悪いのですよ」

桃太郎「よくわからないけどどちらかを諦めないといけないのか」

竜の子太郎「うわー迷うなー」

桃太郎は悩んだ末に五光石を質入れした。
15匁を手に入れた。

金太郎「やっす!」

ポチ「普通の人に値打ちはわかりませんから」

所持品:
【きびだんご×2】
【千代女(腐りかけ)】
【降魔の利剣】
【金太郎】
【熊】
【竜の子太郎】
【筋斗雲】

118: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/16(木) 22:55:02.40 ID:9io26fUn0
(今日は1レスだけ)

桃太郎「よーし筋斗雲で鬼ヶ島までひとっとび!」

一同「おーっ!」


一方、鬼ヶ島

「本土より飛行物体襲来」

「識別成功、パターン青!神です」

「いや違う、筋斗雲に乗った人間どもだ」

「対空砲火用意!」


桃太郎「鬼が迎撃してきた!」

千代女「きゃあっ!?」

桃太郎「引き返すぞー!被弾に気をつけろー!」


桃太郎「やれやれ、みんな無事でよかった」

ポチ「奴ら思ったよりハイテクでしたね」

金太郎「もっと道具を揃えて出直そう」


桃太郎達の旅はまだまだ続くのだった……

↓1 次に会う人
↓2 あげるもの
↓3 もらうもの

122: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/18(土) 10:23:26.06 ID:ZpEC4iGe0
熊「いやー空の旅は楽ですねえ」

竜の子太郎「おやおや、あんな山奥に集落が」

桃太郎「おっ、本当だ。行ってみよう」

桃太郎「鬼退治に役立つ伝説の道具とかあったらいいなあ」ボソッ


忍び装束の女子「あら旅の方ですか?こんなところまでどうやっていらしたの」

金太郎「あ、いやそのー偶然というかなんというか」

忍び装束の女子(わあ逞しそうないい男。惑わしの術で虜にしちゃお!)

忍び装束の女子「まあ。それは何かの導きかもしれませんね。歓迎いたしますわ。どうぞこちらへ」

金太郎(顔は隠してるけど俺にはわかる、なんて美しい人だ。おかげで俺のドキドキはノンストップだぜ)

桃太郎「あいつ様子がおかしいな」


長老「これはこれは旅の方。私が長老の服部全蔵でござる」

ポチ「鬼退治に役立つ伝説の道具とかありませんか?」

桃太郎「お、おい」

ポチ「あ、まずかったですか?」

全蔵「ふむ、使えるかどうかはわからないが……昆や、例のものを持ってきてくれ」

昆「御意」

金太郎(あ、さっきの美人さんだ。昆というのか)

123: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/18(土) 10:52:48.79 ID:ZpEC4iGe0
昆「昔々、病に苦しみ居場所を失った老人が放浪の果てにこの村に来たそうです。我々の祖先である村人は病を治すために東奔西走しました」

昆「後にすっかり元気になった老人は自らを福の神を名乗り、褒美として授けられたものがこれです」

昆「光学迷彩マント……各種レーダーによる捕捉率を90%以上低減させることができます。なお目視に対しては効果ありません」

昆「試しに私が使ってみます」

ポチ「白い影のようなものに見えるけど存在自体は隠せないんですね」

金太郎「これがあれば鬼ヶ島のレーダーを突破できそうだな」

桃太郎「ああ、まさに今我々が求めているものだ」

全蔵「そこの男子をこの村にいただけるならお譲り致しましょう」

金太郎「ぼ、ぼくですかっ」

全蔵「実は昆が貴方を気にいったようでな」

昆「ぽっ」

全蔵「村も高翌齢化が進んできて男手は欲しい。とりわけ力持ちは大歓迎でござる」

金太郎「ぼっ、僕もあなたを一目見た時か

桃太郎「ちょっと待って。僕としても金太郎の気持ちを尊重したいけど今うちのPT抜けられると戦力ダウン半端ない」

金太郎「そんな!そりゃ鬼退治も大事だけどそれより昆と離れたくない」

昆(えー、こんなの村の男と大差ないわ)

全蔵(昆のやつ、怪しげな術を使ったな)

昆「金太郎様、お言葉ですが物事を途中で放り投げるのは感心いたしませんよ」

熊「そうですよ。昆さんのためにも、もっともっと強い男になって帰ってきましょうや」

金太郎「そ、そうだな。俺間違ってた。昆、待っていてくれるか」

昆「もちろんですとも金太郎様、いつまでもお帰りをお待ち申し上げます」


(今後、金太郎は「あげるもの」に指定できません)

所持品:
【きびだんご×2】
【千代女(腐りかけ)】
【降魔の利剣】
【熊】
【竜の子太郎】
【筋斗雲】
【光学迷彩マント】
【金太郎(譲渡不可)】


↓1 次に会う人
↓2 あげるもの
↓3 もらうもの

127: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/18(土) 12:30:10.33 ID:ZpEC4iGe0
桃太郎「あ、浦島」

浦島太郎「やあ、この前はきびだんごありがとう」

桃太郎「いやいやははは」

浦島太郎「今からこの亀に日帰りツアーに連れていってもらうところなんだ」

ポチ「へー、いいなあ」

亀「もしよかったらみなさんもご一緒にいかがです?」

竜の子太郎「え、いいの?」

亀「もちろんですとも」

桃太郎「いや、しかし僕たちには大事な使命が」ソワソワ

ポチ「だけど、行けば何か有用なものをもらえるかも」

桃太郎「そ、そうだな。今は普段行けないところほど行くべきかもしれん」ワクワク

亀「お決まりですか、ではハッチを開きますね」

亀の甲羅が左右に開き乗客席がせりあがってくる。

千代女「20人ぐらい乗れそうですね」

ポチ「亀のサイズどうなってるの」


乙姫「ようこそ竜宮城へ」

↓1 あげるもの(竜の子太郎以外)
↓2 もらうもの

130: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/18(土) 13:53:39.64 ID:ZpEC4iGe0

桃太郎「いやー極楽極楽」

ポチ「もうずっと住んでいたい気分ですねえ」


竜宮城はまるで別世界。
タイやヒラメが舞い踊り、見たこともないご馳走が振舞われ、マッチョマン達による筋肉芸が繰り広げられ

桃太郎「いや最後の誰得だよ」

千代女「私得です!」

桃太郎「しかしあまりに楽しいもので、日帰りのはずが乙姫様に引き留められるまま3日が過ぎてしまった。さすがに地上に帰らねば」


熊「桃太郎さん、ついに引き上げる決心をしたみたいだね」

竜の子太郎「僕はもっとここに居たいなあ」

熊「金太郎さんのことがあるから自分たちだけ残りたいって言いだしにくいよね」

竜の子太郎「しばらくどこかに隠れちゃおうか」

乙姫「それなら地下室に隠れているといいですよ」


亀「本日最終亀です。そろそろ出発しますよー」

ポチ「あれっ竜の子太郎と熊がいない」

乙姫「あら、お連れさんをお探しですか。もう一日留まられてはいかがです?」

桃太郎「大方帰りたくなくて隠れているのだろう」

乙姫(わあ鋭い)

金太郎「だろうな。あいつらが残りたいなら放っておこう」

桃太郎「金太郎がそういうなら、先に帰ろうか」

乙姫「あっ、忘れるところでしたわ。ただいまキャンペーン期間中でして、お客様にお土産をお渡ししておりますの」

桃太郎「玉手箱?」

乙姫「ただしこの箱は決して開けてはなりませんよ」

千代女(それならなぜ渡すのでしょうか)


所持品:
【きびだんご×2】
【千代女(腐りかけ)】
【降魔の利剣】
【筋斗雲】
【光学迷彩マント】
【金太郎(譲渡不可)】
【玉手箱】

↓1 次に会う人
↓2 あげるもの
↓3 もらうもの

135: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/23(木) 00:29:22.87 ID:s56P8Ilk0
桃太郎は悩んでいた。
開けてはいけないと言われた玉手箱が
気になって仕方がないのだ。
それも時間がたてばたつほどにより強く、
開けたい欲望にかられてゆく。

ポチ「あっ桃太郎様!いけません」

桃太郎「おうっ、危ないところだった」

ついつい玉手箱を開けそうになる桃太郎を
ポチがしっかりと見張っていなければ
今頃桃太郎はどうなっていたか……

そんな玉手箱に俄然興味を示したのが鈴鹿御前である。
彼女は突然桃太郎の前に現れ玉手箱を強奪したのだ。

鈴鹿御前「いただき!」

桃太郎「あっ!?」

ポチ「待てー!(追いつかない程度の追走)」

桃太郎「乙姫様から頂いた大事なものがー!(取り逃がす程度の追走)」


鈴鹿御前「あっけない……さてこの箱、なぜか非常に気になる。よほど貴重なものが入っておるのじゃろうか」パカッ


ポチ「うーん完全に見失ったぞ」

桃太郎「仕方ないあきらめるか」

千代女「あのー、そこのおばあさん怪しい人を見ませんでしたか」

桃太郎(千代女余計なことを!)

鈴鹿媼「さ、さあのう」

ポチ「ん?これはさっきの女が持っていた刀」

桃太郎「なぜこれをあなたが?」

鈴鹿媼「さ、さあのう」

千代女「(なるほどこのおばあさんがさっきの……)ではおばあさん、ひとまず私どものほうで預からせて頂きますね」

鈴鹿媼「ああそうじゃの。すまんが返しておいておくれ」

鈴鹿媼(ここはおとなしくしておいて後で奪い返す算段を立てよう)


所持品:
【きびだんご×2】
【千代女(腐りかけ)】
【降魔の利剣】
【筋斗雲】
【光学迷彩マント】
【金太郎(譲渡不可)】
【ポチ】
【銘刀友切丸】

(>>113で所持品欄にポチを書き忘れていた……)

↓1 次に会う人
↓2 あげるもの
↓3 もらうもの

139: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/25(土) 15:19:47.64 ID:AcSF4jm/0
今週は多忙だった・・・
再開します


玉藻「桃太郎か」

桃太郎「いかにも、我こそが桃から生まれた桃太郎!」

玉藻「我が名は玉藻。恨みはないがお命頂こう!」

桃太郎「げっ!」

ポチ「あーあカッコつけちゃって……我々にかなう相手じゃないですよ」

桃太郎「逃げようかな」

千代女「余計な争いは避けるべきですね」

金太郎「しかし倒したら殺生石とかいう超強力な武器になるらしい」

千代女「桃太郎様がんばってください」

桃太郎「よし、いっちょやっか」

ポチ「いや逃げましょうよ」

桃太郎は勇猛果敢にも玉藻と対峙した。

ポチ「……」

玉藻は腕を一薙ぎすると見えない力で全員吹き飛ばされた。

ポチ「ああ手も足も出ない」

玉藻「たわいもない。すぐ楽にしてやろう」

玉藻が微塵にも動けない一行のもとにゆっくりと歩を進める。

桃太郎「くっ……」

玉藻「なにっ!?」

玉藻は油断していた。
たまたま足元に落ちていた石に気づかず転倒し、後頭部を強打。打ち所が悪く玉藻は即死した。

桃太郎「僕らの勝利だ!」

千代女「さすがは桃太郎様です!」

ポチ「いや……とりあえず武器を見に行こう……うわっ!」

金太郎「なんて禍々しい。こんなもの扱いきれねえ」

桃太郎「いや、持っていこう」

ポチ「こんなもの持ってたら瘴気に侵されますよ!」

桃太郎「これからすぐ鬼ヶ島に急襲して敵陣に放り込んでやるのさ」

↓1 どうする?
  1.殺生石を持っていく
  2.持って行かない(交換不成立)

141: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/25(土) 15:45:41.92 ID:AcSF4jm/0
金太郎「俺が言うのもなんだが、それはやめたほうがいい」

ポチ「そうですよ、やめましょう」

千代女「毎日皆様と一緒に無事生還することを祈っています。明らかに危険な作戦は賛成いたしかねますわ」

桃太郎「……ああ、そうか……戦いの最中ならまだしも、こんなもので命を捨てるのは馬鹿馬鹿しいよな。わかった。速やかに立ち去ろう」


↓1 次に会う人
↓2 あげるもの
↓3 もらうもの

146: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/26(日) 05:10:45.31 ID:JM4H/Pja0
桃太郎「暗くなる前に宿を探さなきゃ」

千代女「この前訪れた村が近くにありますよ」

金太郎「そこでいいんじゃね」


長老「これは桃太郎様。お部屋はご用意できますが……むむ……」

桃太郎「何かあったのですか」

長老「最近、悪どい盗人に狙われておりまして、しょっちゅう食料を奪いにくるのですわ……何度も捕獲を試みておりますがなにしろすばしっこくて」

桃太郎「よし、僕たちでその泥棒を捕まえよう」

ポチ「こちらにはお世話になっていますからね」

千代女「わぁっ!」

金太郎「今突風が吹いたようだがなんだったのだろう」

桃太郎「あっきびだんごがない!」

長老「さっそくしてやられましたな……」

ポチ「あそこにいますよ!」

桃太郎「よし筋斗雲で追うぞ」

金太郎「待てー!」

盗人「もう追っ手が!?く、来るな!これ以上近づいたら……」

ポチ「ん?あんな棒きれで戦う気か」

桃太郎「そんなの怖くないぞ……うわっ!?」

千代女「棒を振り回して小石を打ち込んできましたね」

ポチ「ぎゃっ!」ガン

金太郎「ポチ!」

桃太郎「友切丸、僕を守ってくれ」ヴォン

金太郎「おおっ、なんか青いオーラを展開して石を跳ね返してる!」

盗人「なんやて?」

桃太郎「やい盗人め、おとなしくお縄につけ!」

盗人「降参!降参や!」

147: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/26(日) 05:11:48.57 ID:JM4H/Pja0
長老「盗人を捕まえてみればなんだサルか」

盗人「こう見えても人間や……なぜかみんなからはサルって呼ばれとるけどな」

桃太郎「なんで泥棒なんかしてるんだ」

サル「自分の稼ぎだけじゃ腹が減ってしょうがないんや、家族が病気で弟はまだ小さくて」

桃太郎「うーん、それじゃ僕らの仲間にならないか」

ポチ「ちょっと待ってこいつ泥棒ですよ。あと石ぶつけられた恨みが」

桃太郎「食うものに困って仕方なくやってただけだろう。もう許してやろうじゃないか」

ポチ「桃太郎さんは甘いなあ」

桃太郎「それに、この俊敏さと石打ちの技は捨て置くには惜しい」

金太郎「確かにこんな棒っきれで小石を強く正確に打てるのだから大したもんだ」

村の男「捕まえてボコボコにしてやろうと思ってたんだが仕方ねえ。桃太郎さんのためにしっかり働けよ」

千代女「はっ!石打ちといえば」

桃太郎「知っているのか千代女」

千代女「左様にございます。おそらくこれは宋家二代呉竜府により創始された奥義」

サル「そんな大層なもんやったんや……」

桃太郎「では、お前は『職業呉竜府屋[プロゴルファー]猿』と名乗るが良い」

サル「はっ」

桃太郎「あ、きびだんごは返してね」

サル「あいよ」

桃太郎「……1個しかないぞ」

サル「逃げてる最中に食ってもうたで」


村を後にした桃太郎達は木に大きな鳥がとまっているのを見つけた。
黙って通り過ぎようとすると鳥は大きく羽ばたいて存在感を示しはじめた。

桃太郎「ややっあんなところに大きな鳥がいるぞ!」

雉「あっ桃太郎さんだ!よくぞ私を見つけてくださいました」

桃太郎「いや明らかに待ち伏せしてたよな、お前」

雉「べっ別に桃太郎さんに会いたくて待ってたわけじゃないんだからねっ!」

桃太郎「きびだんごやるから早く来ーい」

↓1 キジの名前

149: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/28(火) 21:00:17.26 ID:QDQOkpxf0
雉「いやあよかったよかった。桃太郎さんが犬と猿を仲間にしないと真の姿に戻れないとわかって、それからずっと孤独の旅を続けてまいりました」

雉「なにしろ犬と猿ですよ。そんな都合のいいフラグ立つわけないだろって何度叫んだことか」

雉「もっとも神様がこういう運命を見通したうえで設定されたフラグなのかもしれませんが、だからって(以下略」

ポチ「よくしゃべる鳥だなぁ」ゲンナリ

桃太郎「まあまあ、これも長い孤独の反動なんだろうから」

桃太郎「あー……そういえば、お前の名は何と申す?」

雉「サンダーバード1号ですよ。ライチョウの舶来風読みでしてね、これは亡くなった祖母が……」

桃太郎「さん……えー……略してサンバでいいな」

犬「かっこいい!」

猿「お、それ採用や」

千代女「桃太郎様のネーミングセンスに脱帽しましたわ」

サンバ「ええっ勝手に決めないでくださいよ」


一行は海の近くの宿場で一泊することにした。

桃太郎「皆の者、よくぞここまでついてきてくれた。心より感謝している。さて明朝は我らが本願、鬼ヶ島の制圧に向かう。準備はいいな」

ポチ「いよいよか……」

桃太郎「しっかり飯食って、しっかり休むように」

一同「うぉぉぉぉー!」

金太郎「俺たちの戦いはこれからだあああ!」

桃太郎「縁起悪いからやめてくれ」

千代女「もうちっとだけ続くんじゃ」

桃太郎「それもちょっと」



仲間:
【金太郎】
【千代女】
【サル】
【ポチ(犬)】
【サンバ(雉)】

所持品:
【降魔の利剣】
【銘刀友切丸】
【筋斗雲】
【光学迷彩マント】



桃太郎「我々は筋斗雲で鬼ヶ島の要塞からやや離れたさびれた海岸に着いた」

金太郎「光学迷彩マントすごい」

桃太郎「では武器をくばりまーす」


武器を使える人は 桃太郎、金太郎、猿 です。

↓1 降魔の利剣を持つ人を選んでください。

↓2 友切丸を持つ人を選んでください。

153: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/28(火) 22:44:07.46 ID:QDQOkpxf0
桃太郎 E 降魔の利剣
猿    E 友切丸
金太郎 E マサカリ
千代女 E 短刀(護身用)


桃太郎「物音を立てないように進軍しよう」

猿「おっ、あんなとこに鬼がおる」

そこには、洗濯物を干している主婦と近くで遊んでいる子供たちがいた。

サンバ「鬼も普通に生活してるんですねえ」

金太郎「戦うのか?」

千代女「やめましょうよ」

桃太郎「しかし見つかるとやっかいかもしれない」

↓1 どうしよう

155: ◆5Xp2MHTzaI 2017/11/28(火) 23:57:15.31 ID:QDQOkpxf0
ポチ「見つからないように通過しましょう」

猿「それやったらワイに任しとき」

全員が移動をはじめると、猿は石を速く強く高く打ち上げた。


鬼の子A「わあ、なんだなんだ」

鬼の子B「あっちから石が飛んできた」

鬼嫁「これはよくないことが起きる前触れね。みんなに知らせなくちゃ」


ポチ「なんだか、騒ぎになってるんですけど」

桃太郎「今のうちに突破しよう」


なんとか村をやりすごし、要塞の裏手へ向かう……

千代女「大変!猿さんが来ません」

桃太郎「あのすばしっこい猿が来ないということは」

ポチ「捕まったんでしょうかねえ」

鬼A「猿ってのはこいつかい?」

猿「すまん捕まった!」

サンバ「ええ……」

鬼B「桃太郎よ、こいつの命が惜しければ降参しろ」

桃太郎「降参だと?冗談じゃない」

千代女「亜射須!」

千代女が叫ぶと鬼達はたちまち凍り付いた。

猿「た、助かった~!千代女はんおおきに!」

千代女「いえいえー……って私は今なにを?」

ポチ「覚えてないんですか」

千代女「いえ覚えてはいますけど、考えるより先に思わず叫んでしまいました」

桃太郎「なるほど、記憶を失っても体が覚えているのだろうな」

千代女「体が覚えてるって……なんだかいかがわしい表現ですね……」ポッ

金太郎「その発想がいかがわしいよ」


●次号、ついに決戦!

161: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/09(土) 21:40:50.10 ID:IdFreomz0
お待たせしました。再開します

--

鬼軍遊撃隊「よくきたな桃太郎よ、ここがお前の墓場

本陣門番「ここは通さな

桃太郎達は立ちふさがる鬼共を倒しいよいよ本陣に突入した。

金太郎「筋斗雲で上空から攻撃するだけの簡単なお仕事だったな」

ポチ「どうやら妖力で筋斗雲の力をかなり抑えこまれているようですが、それでも空対地なら圧倒的有利ですからね」

雉「私も妖力の影響であまり高く飛べません。おまけになんだか疲れやすくて」ゼーゼー

桃太郎「空戦力に乏しい鬼側の戦闘員達は対空戦を避け、要塞に逃げ込み迎撃態勢を整えているようだ」

金太郎「それじゃさっさと本丸に突撃しようぜ」

と気勢をあげたところに鬼の娘が現れた。

若羊「その前にうちが相手だっちゃ。当方、航空隊副隊長、若羊!要塞はうちが守るっちゃ!」

千代女「空飛べる鬼さんもいるんですねえ」

桃太郎「えっずるくねそれ」

若羊「お前たちに言われたくないっちゃ……」

猿「ごもっともやな」

金太郎「相手がトラ皮ビキニの美少女だからって安易に納得するなよ」

ポチ「◯◯猿ですね」

猿「いやいや、わいは思ったことを素直にやなあ」

サンバ「あのー、若羊さんお待たせしてますよ」

猿「そうやった。よっしゃ、日本一の桃太郎軍の猿が相手したる」

↓1 猿の戦法
1.友切丸で近接攻撃
2.特殊技で遠距離攻撃
3.防御して相手の出方を伺う

164: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/09(土) 22:25:07.82 ID:IdFreomz0
猿がその場で友切丸をひと振り。
周囲が静寂に包まれた。

若羊「……?かかってこないならこっちから……きゃっ!?」

若羊が両腕を振り上げた。とたんに見えない何かに吹き飛ばされ、また猿も若羊がとっさに放った電撃をかわしたはずみでいずれも墜落していった。

猿「うぉわっ!?」

千代女「危ない!」

だが、素早く反応した千代女が猿を受け止め事なきをえた。
若羊も大きなダメージは受けていないようだが、地上すれすれの位置で猿のほうを見ているようだ。

若羊「……」

桃太郎「なんなんだ今のは」

猿「秘密練習中やからナイショにしてたんやけどな、呉竜府の要領で空気の弾を打ち込んでやったんや」

金太郎「空気の弾か……しかし、そんな攻撃で的確に若羊のブラを木端微塵にするとは流石」

ポチ「◯◯猿ですね」

どうやら若羊は猿の攻撃でトップレスにされてしまい、手で胸を隠しているためにまともに飛べないらしい。

猿「いや……偶然やからな……ホンマ」

サンバ「あっ鬼が逃げた」

猿「このまま追って要塞に突入や」

ポチ「待ってください。内部の様子がわからないまま突入するのは危険ではありませんか。空の利もありませんし」

金太郎「奴らが慌てて要塞に逃げ込んだのを見ただろ。迎撃態勢が整わないうちに急襲するべきだってJK」

桃太郎(どうしよ)

↓1
1.急襲する
2.内部を探る

166: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/09(土) 23:12:26.73 ID:IdFreomz0
桃太郎「そもそも、奴らは本当に慌てて逃げ込んでいったのだろうか」

千代女「どういうことですの」

桃太郎「以前、筋斗雲を使って攻め入ろうとしたことがあるだろう」

ポチ「そんなこともありましたね」

桃太郎「となれば、この事態は想定しているだろう。筋斗雲で攻めてきたら慌てふためくフリをして中に逃げ込む作戦を取っている可能性がある」

猿「あちらさんは迎撃態勢バッチリ、こっちは敵の頑強な建物内で戦うとなれば……最悪や」

サンバ「なるほど!」

金太郎「お前意外と賢いな」

桃太郎「意外は余計だ。ともかくあの要塞の構造を知りたい」

サンバ「どうするんですか?」

桃太郎「使者を送って、可能な限り内部の情報を得て帰ってきてもらう」

ポチ「使者はだれがいくんです?」

↓1 使者

168: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/09(土) 23:56:45.97 ID:IdFreomz0
桃太郎「そうだなあ……」

千代女「私に行かせてください。実は私、記憶力には自信があるのです」

桃太郎「なんと。いやしかしこれは危険な任務。もしものことがあっては……」

千代女「危険は承知です。それに誰が行っても危険であることには変わりありません」

桃太郎「……わかった。よろしく頼む」


力自慢の金太郎を中心に拠点を設置し、万一の奇襲に備えつつ千代女の帰りを待った。
そして……


千代女「ただいま戻りました。ずいぶん立派なバリケードになりましたね」

桃太郎「おおっ千代女、無事だったか」

千代女「みなさんとっても親切にしてくださいましたわ」

桃太郎「それはなにより。さて、申し入れのほうはどうだった?」

千代女「和睦の申し入れはその場で断られました」

桃太郎「そりゃまあ当然だな。情報のほうは?」

千代女「こちらが内部の地図です」

桃太郎「なんと詳細な……これだけの情報を一体どうやって?」

千代女「帰り際、あちらの大将さんからいただきました」

ポチ「これは罠ですね」

金太郎「だろうな、だが全く役に立たないわけではない」

猿「なんでや」

桃太郎「罠にかけるとしたらなんらかの意図があるはずだ。そこを見破れば意図の先に真実が見える」

サンバ「そんなにうまくいきますかねえ」


仲間:
【金太郎】
【千代女】
【サル】
【ポチ(犬)】
【サンバ(雉)】

所持品:
【降魔の利剣】
【銘刀友切丸】
【筋斗雲】
【光学迷彩マント】
【鬼の要塞の地図?】

171: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/10(日) 20:15:00.39 ID:pYTGRIFS0
桃太郎達は要塞に突入し、次々と襲い掛かる鬼を蹴散らし罠をかいくぐり、いよいよボス部屋の前へとやってきた。

金太郎「確かに、地図によればボス部屋だけどな」

千代女「私が通された部屋とは違いますねー」

ポチ「この地図どこまで信用していいんですかね」

猿「開けた途端爆発、とか」

ポチ「毒ガスも嫌だなあ」

いつまでもドアの前で立ち止まる一行にしびれを切らす鬼がいた。

若羊「だーまどろっこしいー!!!」

金太郎「あ、若羊」

若羊「うちが扉を開けるから早く入るっちゃ」

↓1 ボス部屋にいたのは・・・
1.強そうな鬼
2.弱そうな鬼
3.鬼じゃなかった
4.誰もいなかった

174: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/14(木) 19:04:52.28 ID:e8/5IQA80
鬼王「わっはっは、よく来たな。わしこそがこの鬼ヶ島の王である」

桃太郎「でけえ!十……二十尺あるんじゃないかあいつ」

ポチ「一体どうやってこの要塞に入ったんでしょうねえ」

鬼王「細かいことはいいからかかってこい」

金太郎「くそっあいつ余裕だな」

桃太郎、金太郎が同時に斬りかかるが見かけによらず機敏な鬼王に軽くかわされ弾き飛ばされた。

桃太郎「うわっ!」ドーン

金太郎「ぐっ!」ドーン

ポチ「桃太郎さん、金太郎さん!」

桃太郎「金太郎……こいつ……」

金太郎「ああ、こいつマジ強ぇ……」

桃太郎「ここまでか」

ポチ「桃太郎さん、いきなり弱気にならないでください」

千代女「私達、桃太郎様を信じています」

猿「わいらが負けるわけないやろ」

桃太郎「……みんな…………よし、一斉にかかれー!」

猿「さあ目にも見よ、呉竜府乱れ撃ち!」

鬼王「おっと」

桃太郎「スキあり!金太郎!」

金太郎「おうっ!」

桃金「交差斬り!」

サンバ「縦横無尽連刺撃!」

ポチ「犬歯挟撃殺!」

金太郎(『かみつき』か)

鬼王「むむ、なかなかやるな。だがまだまだ……」

金太郎「いける。みんなの力を合わせれば……」

桃金「螺旋斬り!」

猿「気円斬!」

鬼王「何度も食らうかあっ!」

175: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/14(木) 19:06:01.35 ID:e8/5IQA80
熱戦は数刻に及び、桃太郎軍は疲労から劣勢に傾いていった。

金太郎「しまった!」

握力が落ちてきた金太郎がうっかりマサカリを鬼王の足元に落としてしまった。

千代女「場印度!」

千代女の指先から蜘蛛の巣に似た糸が放たれ、鬼王の体を拘束する。

完成まで長い時間を要する強力な技だが、熾烈な戦いの最中に鬼王は千代女に十分な警戒ができなくなっていたところに
予想外の状況が起き一瞬の心の隙を作る結果となった。

鬼王「わしとしたことがしくじったな……だがこの程度の拘束……くっ……なぜ解けぬ」グイッ

桃太郎「チャンス!」グイッ

金太郎「えっ」グイッ

術が解けない鬼王に斬りかかろうとする桃太郎と金太郎もなぜか拘束されていた。

桃太郎「僕達も動けない!?」

気づけばこの場にいる者全員が場印度にかかり身動きが取れなくなっていた。
余談だが空中のサンバは墜落した。

千代女「ごめんなさい、制御が効かないみたいなんです!」

若羊「なんでうちまでっこのっこのぉっ!」

千代女「っていうか私自身も絡めとられて動けません……」


↓1 これは本当に千代女の技なのか?
1.そうです
2.違うよ

177: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/14(木) 20:33:44.86 ID:e8/5IQA80
ポチ「千代女さん、どうなってるんですかこれ」

千代女「こんなことになるなんて……申し訳ございません……」

桃太郎「千代女を責めても仕方がない。しかしどうにかならないものか」

鬼王「打つ手はある。桃太郎よ、ここは一時休戦しよう」

桃太郎「わかった」

鬼王「呪文を逆に唱えれば術が解けるはずだ」

千代女「度印場!」

鬼王の言う通りにすると、あっさりと全員の術が解けた。ただし鬼王以外。

鬼王「わしのも解いてくれ」

千代女「桃太郎様どうしましょう」

↓1 どうする?
1.鬼王の拘束を解く
2.動けない鬼王をフルボッコ
3.拘束は解かず放置

180: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/14(木) 21:11:29.49 ID:e8/5IQA80
鬼王「この場は退かせてもらう。またいずれ会うかもしれんな」

千代女「桃太郎様、鬼王さん行っちゃいますよ」

桃太郎「ここまで来て首級が取れなかったのは残念だけど仕方がない。村人から奪った財宝なんかをできるだけ持ち帰ろう」

ポチ「!?」

ポチが突然走り出し、玉座の真後ろで立ち止まった。

桃太郎「ここを掘るのか?といっても床だけどな」

サンバ「この床動きますよ」

桃太郎「こんなところに隠し階段が!」

猿「ひゃっほう、こりゃきっと財宝庫やで」

金太郎「おい、村人に返す財宝だぞ」

猿「わ、わかっとるがな」

桃太郎達は地下へ降りて行った。

ポチ「何か悲鳴が聞こえますね」

金太郎「不思議と聞き覚えがあるような」

桃太郎「鬼に捕まった人間がいるのかもしれない、行ってみよう」


???「助けてー」ドカッ

桃太郎「おわっ」ドカッ

桃太郎が十字路で何かにぶつかって尻餅をついた。

桃太郎「あたた……」

金太郎「あっお前は」

クマ「金太郎さん!」

地下鬼「こら待てー!げえっ、桃太郎!?」

鬼達は逃げていった。

金太郎「なんでお前こんなところに……それに今の鬼は」

桃太郎「とりあえず、わけを話してみろ」

183: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/15(金) 21:01:01.96 ID:mG4aa7hZ0
その後クマとはぐれ道に迷っていた竜の子太郎も確保した。

金太郎「竜宮城に居たくて竜共々隠れていた、と」

クマ「申し訳ございませぬ」

桃太郎「何も隠れなくてもひとこと言ってくれればよかったのに。まあ良い。それで」

クマ「乙姫様の案内で隠れた先は厨房でした。そこで鬼達の下働きをさせられておりました」

竜の子太郎「騙されたと気づいたときにはどうしようもなかった」

クマ「来る日も来る日も掃除に洗濯、やれ野菜を洗えだの魚をさばけだの」

金太郎「聞く限り普通に下働きだな」

桃太郎「殴られたりしなかったか」

クマ「んー、脱走しようとしたりサボったりする奴は殴られてたな……」

竜の子太郎「真面目に働いていたら火や包丁の扱いも教えてくれたし、機嫌のいい日はお小遣いをくれた」

桃太郎「労働環境自体は案外まともだな」

金太郎「とはいえ騙して強制的に働かせるなど許せん。乙姫を探そう」

乙姫「あら私に御用?」

猿「おおっ誰やこのべっぴんはんは」

ポチ「そういえば猿さんはまだいませんでしたね」

猿「この人が乙姫さんかいな。もうお知り合いやなんてうらやましいで」

サンバ「◯◯猿ですね」

桃太郎「というか……ここどこ?」

乙姫「鬼ヶ島は地下7階、竜宮城スタッフルームでございます」

千代女「なぜこんなところに竜宮城が?」

乙姫「そもそも、竜宮城は鬼ヶ島の鬼である私が作ったのですよ」

金太郎「なんと……」

乙姫「そして私の父は先代の鬼王でしたが、鬼ヶ島の上層でクーデターが発生し、父は殺されました」

乙姫「私は復讐の機会を伺っていました。そしてその時が来ました。人間の村から鬼退治の旅に出た青年がいると聞き、私は紅という部下に暗示をかけ密かに操ることにしました」

乙姫「その部下というのが貴方です、千代女」

千代女「私が……紅!?」ハッ

乙姫「どうやら記憶を取り戻したようですね」

桃太郎(信じたくないが、あの鏡に映った鬼の姿……無意識に発動させる妖しい術……だいたい納得がいく)

乙姫「ところが紅は島を出奔するととんだドジっ子でしたね。崖から落ちて記憶を失い、偶然見つけたBL本にハマり人買いにさらわれる始末。なんとか桃太郎さんに近づけることはできたのですけどね」

乙姫「さて秘密を知られた以上生かして帰すわけにはまいりません」

金太郎「いや勝手に語っておいてそれはないだろ」

乙姫「冗談です」

桃太郎「なんだ冗談かあ(ホッ)」

乙姫「無論、秘密とは関係なく消えてもらいます。開け、照宝戸!」

ポチ「ですよねー」

乙姫が空中に現れた照宝戸の向こうに消えると轟音とともに地面が揺れだした。

桃太郎「うわっ!」

金太郎「竜宮城もろとも壊す気か」

↓1
1.とにかく逃げる
2.千代女ならなんとかしてくれる

185: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/15(金) 21:48:45.98 ID:mG4aa7hZ0
桃太郎「逃げよう、出口はどこだ」

ポチ「僕にまかせてください」

桃太郎「頼む」

千代女「……」

桃太郎「千代女、お前も早く」

千代女「ですが桃太郎様、私は……」

桃太郎「話は脱出してからだ、今はとにかく皆で逃げよう」

なりふり構わず階段を駆け上がるが、一回り大きめサイズの鬼達が待ち伏せていた。

大きい鬼「ここは通さんぞ」

桃太郎「そんなことしてる場合か、お前らも潰されるぞ」

大きい鬼「乙姫様の野望を実現するためならこの命惜しくはない」

猿「うっわー鬼のくせに無駄に忠誠心高いな……」

千代女「ごめんなさいこきねしす」

鬼達は千代女の念動力に操られ氷漬けになった。

桃太郎「念動力はわかるけどなんで氷漬けになるんだ」

ポチ「セリフが寒かったんじゃないですかね」


地上に戻った桃太郎達と鬼達は要塞が崩れ去る様子を眺めていた。

乙姫「よくぞ逃げおおせましたね」

鬼「あっ乙姫様」

乙姫「決着をつけましょうか」

桃太郎「望むところ」

だが、突然鬼達が乙姫を取り囲み金棒を振り上げた。

乙姫「な、何をする?」

ポチ「あのー乙姫さん、お忘れですか」

乙姫「なんじゃ」

ポチ「今の貴方は鬼のみなさんにとって反逆者ですよ」

乙姫「なっ」

鬼王「話は聞いたぞ、乙姫よ」

乙姫「オワタ\(^o^)/」

鬼王「勘違いしているようだが、お前の父は死んでおらん」

乙姫「えっ」

鬼王「島流しにはしたがな」

乙姫「……」

鬼王「どんな事情があろうと、これほどの狼藉を見過ごすわけにはいかん。お前も反逆の廉で島流しの刑に処する」

乙姫「それじゃあ……」

鬼王「父ともども末永く暮らすがよいだろう」

ポチ「すっごい温情措置!?」

鬼王「さて桃太郎よ、わしはもう疲れた。代わりにこの島を治めてくれないか」

↓1
1.はい
2.いいえ

187: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/15(金) 22:38:51.46 ID:mG4aa7hZ0
桃太郎は千代女を連れて故郷に帰ってきた。

桃太郎「申し訳ございません、鬼共は想像を絶するほど強く、まるで太刀打ちできずほうぼうの体でなんとか逃げ帰ってきてしまいました」

爺「なあに、それでもお前はうちの自慢の子じゃ」

婆「あたしゃ桃太郎が無事に帰ってきてくれただけでもうれしいよ。ところでその娘さんは」

↓1
1.鬼です
2.迷子です

189: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/15(金) 23:07:40.38 ID:mG4aa7hZ0
桃太郎「鬼ヶ島で鬼に捕らえられているところを助け出したものの、故郷がわからず連れ帰った次第であります」

爺「それならば、身元がわかるまでここにおりなされ、いいじゃろ婆さんや」

婆「もちろんですとも……そうじゃ、桃太郎もいい歳じゃ。そろそろ嫁さんを見つけてやらねばと思っておったが……」

桃太郎「え、えっ!?お婆さん、妙なことを仰らないでください」

千代女「不束者ですがよろしくお願いいたします」

桃太郎「え……」

千代女「あら、桃太郎様、私ではご不満ですか?」

↓1
1.千代女と結婚する
2.しない

191: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/16(土) 00:22:58.03 ID:c5TnBfkh0

金太郎「おーい」

千代女「あら金太郎さん」

桃太郎「忍びの里に戻ったんじゃなかったのか」

金太郎「ああ。昆と楽しく暮らしているよ。今は修行の旅をしているところだ」

桃太郎「相変わらずだな」

金太郎「筋斗雲があればもっとしょっちゅう遊びに来たいものだがな」

千代女「こちらに帰ってきたとたんに溶けてしまいましたからね」

金太郎「桃太郎もはやく嫁さん捕まえたほうがいいぞ」

桃太郎「ああ、それなんだが」

千代女「」ポ

金太郎「ああわかったもう何も言うな」

千代女「そんな」


金太郎「それじゃ達者でな」

千代女「あら、もう行ってしまわれるのですか」

金太郎「これでも一応は修行の旅だ、あまりゆっくりしているわけにもいかない……またいつか来るさ」

桃太郎「ああ、お前も達者で暮らせよ」


桃太郎が鬼退治に失敗したという噂は国を駆け巡り、一時は人々を落胆させた。
時に心無い民衆が桃太郎達に罵声を浴びせることもあった。

しかし、鬼ヶ島の鬼達が人々に迷惑をかけるようなことはほとんど無くなり、
いつしか桃太郎の功績として知られることとなったそうな。

めでたし、めでたし

197: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/17(日) 22:20:55.60 ID:W7WDzqzt0
・おまけ1 サンバの帰郷


天使課課長「今回の任務、誠にご苦労であった」

サンバ「はっ。しかしながら鬼王を討ち果たすに至らず……」

課長「それは桃太郎君の問題だ。君はよく働いてくれた。それに今回の遠征、無駄にするつもりはない」

サンバ「と、申しますと」

課長「鬼王……今や前鬼王だが……桃太郎君の力量を認め、王とは別の立場から人間との和平の道を探るようだ」

サンバ「うーん、なんだかうますぎる話ですが、だとしても難しいでしょうな。鬼達が早々おとなしくするとも思えませんし、人間側も恨み辛みがあるでしょう」

課長「そこで我々は彼の後押しをしようという話になった。今一度、鬼王に会い書状を届けてほしい」

サンバ「ははっ」

課長「では頼んだよ、サンバ君」

サンバ「えっ、その呼び名は……」

課長「何をかくそう、私も桃太郎君のネーミングセンスを気に入っていてね」

サンバ「勘弁してくださいよう」


雀「おーいサンバー」

鶯「あらサンバちゃんまたおでかけ?」

サンバ「もうやだこの天界」

199: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/18(月) 00:10:28.58 ID:vwFz7liX0
ごめんなさいサンバ編は1レスで終わりです
次は>>5を拾ってみました


・おまけ2 鬼ヶ島と交換

桃太郎「ん?誰だ……うわっ鬼!?」

鬼「待って桃太郎さん。僕は人間をさらったりしません」

桃太郎「はぐれ鬼か……」

鬼「桃太郎さん、私にひとつきびだんごを戴けませんか。代わりに鬼ヶ島を差し上げます」

桃太郎「えっ!?」

鬼「それでは私はこれにて。健闘を祈っております」

桃太郎「ふむ……なるほどこれは間違いなく島の土地権利書だ」

桃太郎「……って、鬼に占拠されてるんだから奪還しなきゃ意味ないじゃないか……」


所持品:
【きびだんご×9】
【鬼ヶ島の権利書】

千代女が登場しない……

201: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/19(火) 00:05:08.46 ID:o/kquj3o0
裁判で勝っても鬼の耳に念仏でありまして……
お次はポチ後日談。


・おまけ3 ポチと再会

それは桃太郎たちが野良仕事をしていた昼下がりのことだった。


ポチ「桃太郎さーん」

桃太郎「ポチ!うわあ久しぶりだなあ」

ポチ「急に桃太郎さんに会いたくなって来ちゃいました」

千代女「あらいらっしゃい、ポチ」

桃太郎「ちょうどいい。そろそろお茶にしようと思っていたんだ」

ポチ「ごちそうになっていいんですか」

桃太郎「ははは、犬が遠慮するなよ」

ポチ「わあきびだんご!懐かしい味だあ」

桃太郎「……?」

千代女「桃太郎様……」ヒソヒソ

桃太郎「わかった。ここは任せてくれないか」

爺「桃太郎や、今日は畑のほうはいいから散歩でも行ってきなさい」

桃太郎「お爺さん、ありがとうございます。そうだポチ、このへんの眺めのいい場所に行こう。いろいろ話したいこともあるし」

ポチ「えっ……」

……

住職「おや桃太郎。この犬は……?」

桃太郎「……お願いします」

住職「あいわかった」

ポチ「えっどういうこと……」

桃太郎「ポチ、お前はもう死んでいる」

千代女「さっききびだんごを食べているふりをしながらポチ自身が『食べているふり』に気づいていない様子でした。まるで死んでいることに気づいていないように」

ポチ「そんな!?」

桃太郎「どうか安らかに眠ってくれ」

千代女「それがポチのためでもあるのです」

ポチ「いやだ、桃太郎さんや千代女さん達と二度と会えなくなるなんて」

住職「こんな往生際の悪い犬ははじめて見ますなあ」

千代女「貴方、桃太郎に会えたら成仏するつもりだったのでしょう?」

ポチ「……お見通しでしたか。ええ、薄々は気づいていたんです。もしかしてもう死んでいるんじゃないかって。だからせめて桃太郎さんにお別れを言いたくて……」

千代女「一度会うと名残惜しくなって」

住職「だがこのままでは悪霊となって皆に迷惑をかける犬になってしまうぞ」

ポチ「わかりました……」


ポチは成仏した。


桃太郎「ありがとう、ポチ。お前のことは忘れないよ」

206: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/20(水) 21:12:54.28 ID:bCRfG+/r0
猿「なんや騒がしいな」

龍太郎「大変だ、子供が高枝に引っかかってる!」

村人A「うちの子が……」

村人B「どうやってあんな高い木に登ったんだ」

村人C「誰か助けを……」

猿「よっしゃわいがなんとかしたろ」

村人A「本当かい!ぜひお願いします」

猿「太郎、あの子の真下まで行ってくれ」

龍太郎「おう!」

猿「気弾!」

村人C「木の棒を振り回しただけで木の枝が折れたぞ!なんと不思議な」

龍太郎「オーライオーライ!」

猿「よっしゃナイスキャッチや」

村人A「おお、ケンタ……本当にありがとうございます」

村人D「旅のお方、あなたの腕を見込んでぜひお願いがございます。もちろんお礼はいたします」

龍太郎「猿、行ってみようよ」


龍太郎「猿と一緒に旅をしながら働いたりいろんな人を助けたりしているうちに、僕たちを探しているという人に出会った」

男「殿の使いの者だ。殿がそなたらに興味があると仰せられておる」

猿「お殿様が?」

龍太郎「すごい、これは大変な名誉だよ」


殿「力自慢の龍太郎。それと猿、そなたは不思議な術を使うと聞くが一体どのようなものじゃ」

猿「えー、空気の弾をーえー作りーですねえー遠くに飛ばしますという術でござりまして」シドロモドロ

側近「殿ー!」

殿「なんじゃ騒々しい」

側近「たった今このような文が」

殿「……何だと!猿よ、かつて近隣の村々を荒らしておったというのはそなたか」

猿「それは……」

龍太郎「事実でございます。しかし今は心を改め世のため人のために尽くそうと」

殿「もうよい。残念だがそのような者を取り立てるわけには参らぬ」


猿「すまん……わいの過去の悪行のせいで」

龍太郎「気にしないでくれよ。だいたい考えてみれば僕らにあんな堅苦しいところは性にあわないよ」

猿「それもそうや。じゃこれからもずーっと気の向くままに旅しよか」


二人の楽しい旅はまだまだ続く……


若羊「と思ったら大間違いだっちゃ」

猿「わあっ若羊!?」

若羊「乙女の胸をさらした責任とって結婚してもらうっちゃ」

龍太郎「えっそんなうら……ひどいことしたの?」

猿「あれは事故やー!」

207: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/20(水) 21:19:20.36 ID:bCRfG+/r0
↑1行目訂正
・おまけ4 猿と龍の子太郎のゆかいな旅

行数制限が気になりすぎてサブタイトル入れ忘れてた。

209: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/22(金) 22:14:03.04 ID:HemSD7O60
おまけ5 熊出没注意

昆「金太郎さん、大変です!」

金太郎「どうした」

昆「熊が山から下りてきたのですが、金太郎さんに会いたいらしいのです」

金太郎「あいつか」

昆「そうですね」


クマ「どうもご無沙汰しておりました」

金太郎「熊一頭で山を下りてくるなんてお前、鍋に放り込まれちまうぞ」

クマ「やだなあ僕ももう大人ですよ。銃弾ごとき掴んでポイってなもんです」

金太郎「まさか。それにしてもずいぶんとこう……深みが出てきたように見えるが」

クマ「ええ、あれから僕は修行をしていたのです」

金太郎「ほほう。お前が修行したからにはさぞ強くなったのだろうなあ」

クマ「いえいえ、修行といいましても料理のほうでしてね」

金太郎「料理?」

クマ「鬼の板前の仕事を見ているうちに料理の魅力に目覚め、あの後は各地で修行しておりました」

昆「ユニークな熊さんですのね」

金太郎「いやしかし実に立派ではないか。そうだ、もしよかったら何かご馳走してくれないか」

↓1
1.はい
2.いいえ

212: ◆5Xp2MHTzaI 2017/12/22(金) 22:45:08.82 ID:HemSD7O60
クマ「ええ喜んで。実はそのつもりで食材も用意いたしておりまして」

金太郎「そのようだな、さっそくこの鍋に飛び込むが良い」

昆「月の兎じゃないんですから」

クマ「勘弁してくださいよ。捕りたての川魚を塩焼きにしてみました」

金太郎「うむ、なんとすっきりとした味わい」

昆「生臭さを全く感じませんわ」

金太郎「これは実に丁寧な仕事だ。素晴らしい。この腕を生かさない手はないな」


時は流れ、金太郎達は村に居酒屋をオープンした。


旅人A「へえ、熊料理の店だとさ」

旅人B「いいねえ」

クマ「へいらっしゃい」

旅人A「お、おい厨房にクマがいるぞ!?」

金太郎「熊が料理するから熊料理店にございます」


金太郎とクマのお店はなぜか旅人には不評だったそうな
めでたし、めでたし