1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 19:49:45.07 ID:dDvhjByN0
女子寮


サシャ「ん?アニ何かいいことありました?」

アニ「いや、そんなことはないけど」

サシャ「ふーん、そうですか」

アニ「どうして急にそんなことを?」

サシャ「いや、だって……」

クリスタ「だって今、すっごく嬉しいそうな顔してたもん」

アニ「クリスタ……」

クリスタ「だから何かいいことあったのかなーって気になったのよ。ね?サシャ?」

サシャ「そうそう」

アニ「別に、特に何かあったわけじゃないよ」ガタッ

サシャ「ん?何処へ?」

アニ「食後の散歩さ」バタン

サシャ「………これは」

クリスタ「…………怪しい!!」

引用元: エレン「アニが可愛いだと」 


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5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 19:56:50.08 ID:dDvhjByN0
クリスタ「思わず後を尾けちゃった……」

サシャ「やめましょうよクリスタ」

クリスタ「平気平気!これだけ距離をとれば……」

サシャ「ッ!?クリスタ!!」ガバッ

クリスタ「んーっ!!」ジタバタ

サシャ「ふぅ……。さすがアニですね。第六感的な何かでしょうか」

クリスタ「んーっ!んーっ!」ジタバタ

サシャ「あぁ、すみませんクリスタ。次からはもう少し慎重に…………ッ!?」

クリスタ「どっ、どうしたのクリスタ!!」

サシャ「アニが……男の人とお喋りしてます!!」

クリスタ「!!!」

クリスタ「見っ、見せて!私にも見せてよサシャ!!」

6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:02:53.83 ID:dDvhjByN0
サシャ「とは言っても、暗くて誰だかわかりません」

クリスタ「でも、体格からして男の人だっていうのはわかるね」

サシャ「あっ!」

クリスタ「けっ、喧嘩!?」

クリスタ「どうしようサシャ!?止めないと!!」

サシャ「…………いや、どうやら違うみたいです」

クリスタ「……えっ?」

サシャ「格闘訓練ですね、アレ。昼間の続きみたいです」

クリスタ「……なぁんだ。良かった」

サシャ「いや、でもこれは……」

クリスタ「……十中八九、組み手にかこつけた逢瀬よね?」

ユミル「おいお前ら」

サシャクリ「ひゃぁぁぁっ!!」

7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:06:12.85 ID:dDvhjByN0
サシャ「……ということがありまして」

ユミル「…………へぇ。あの女、なかなかどうして……ククク」

クリスタ「笑っちゃダメだよユミル!!アニだって女の子なんだよ!!」

サシャ「しかし相手は一体誰なんでしょうねぇ」

クリスタ「もう少し近づいてみたいけど、これ以上はさすがに……」

ユミル「あぁ、恐らくエレンだろうよ」

サシャクリ「えぇぇっ!?」

9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:10:33.77 ID:dDvhjByN0
ライナー「エレンのやつ、一人で外出したと思ったらこんなことをしてたなんてな」

ベルトルト「エレンはすごいね、向上心の塊というかなんというか」

ライナー「……あぁ。高い目的意識と、それを達成しようとする強い意識」

ライナー「…………戦士として、あいつは素直に尊敬できる」

ベルトルト「気になるのはむしろアニの方かな?」

ライナー「ん?どういうことだ?」

ベルトルト「これは僕の勘違いかもしれないけど……」

ベルトルト「心なしか、エレンと組み手をしている時のアニはなんだか嬉しそうな顔をしている気がするんだ」

ライナー「そんなまさか。あいつに限って…………」

ライナー「…………マジだ」

ベルトルト「ね?」

11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:12:04.96 ID:dDvhjByN0
強い意識じゃなくて強い意志だった

14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:17:10.42 ID:dDvhjByN0
翌日
食堂

サシャ「おはようございます、アニ!」

アニ「……おはよう」

サシャ「へへへ……昨日はお楽しみでs……へぶぅっ!!」

クリスタ「(ダメでしょサシャ!!まだそっとしておいてあげようよ!)」ヒソヒソ

サシャ「(はぁ……すみません)」ヒソヒソ

エレン「うぃーっす」

アニ「!」

ベルトルト「(アニのやつ……食堂に入ってきたエレンをチラ見したよね?)」ヒソヒソ

ライナー「(あぁ。あの女に限ってそんなことはないと思ったが、これはいよいよ……)」ヒソヒソ

ミカサ「(…………なんだか食堂の雰囲気がおかしい)」

20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:26:27.79 ID:dDvhjByN0
アニ「おはよう」

エレン「おぅアニ、おはよう」

サシャクリユミル「!!!」

ライベル「(アニが……あのアニが自分から!?)」

アニ「寝坊はしなかったみたいだね」

エレン「当たり前だ。そんなことしたら本末転倒だろ」

アニ「全くあんたは……本当に暑苦しいヤツだね」

エレン「はっ、言ってろ。そんなことより……」

アニ「?」

エレン「今日の訓練は覚えてろよな!絶対にお前から一本取ってやるからな!」

アニ「できるもんならやってみな」

クリスタ「(何これ……何これ!?二人ともすっごくいい感じ!!)」

サシャ「(なんだか見ていて微笑ましいですね)」

24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:40:05.84 ID:dDvhjByN0
訓練中

ライナー「せいっ!!」ガッ

エレン「くっ」パシッ

ライナー「ほらほらどうしたっ!!」

エレン「ちぃっ!!」ガシッ

ライナー「しまっ……」

エレン「らあっ!!」ブンッ

ドサッ

ライナー「ちくしょう……俺の負けだ」

エレン「よしっ!!これで通産18勝7敗だな!!」

ライナー「だいぶ差をつけられてしまったな」

ライナー「(最近のエレンは本当に強くなってきている……)」

ライナー「(誰のおかげか……なんて聞く必要もないな)」

ライナー「(あいつの立ち回りにかなり影響を受けているみたいだ)」

ミカサ「…………」ジーッ

27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 20:48:22.93 ID:dDvhjByN0
飽きた

48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/27(土) 23:51:29.55 ID:dDvhjByN0
エレン「じゃあライナー、俺そろそろ別のやつとやってくるわ」

ライナー「…………アニ、か?」

エレン「えっ?なんでわかったんだ?」

ライナー「い、いや……なんとなくだよ。なんとなく」

エレン「??」

ライナー「今日こそ勝てるといいな」

エレン「おう!!」

アニ「……」ソワソワ

クリスタ「(アニ……さっきからエレンのこと気にしすぎだよ)」

ユミル「(ククク……やばい、笑いすぎで腹がいたい……クククッ!!)」

53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 00:00:00.85 ID:mhdqv6TS0
エレン「一手、組んでもらおうか」

アニ「……あんたも懲りないね」

サシャ「(とか言いながら口元がにやけてますよアニ)」

エレン「今日こそ勝ってみせる!」ザッ

アニ「はっ、あんたじゃ私には勝てないよ」ザッ

エレン「ここ数日で、俺は確実に強くなった」ザッ

エレン「ライナーには悪いが、あいつはもう敵じゃない」ザッザッ

アニ「へぇ、言うじゃないか」

ライナー「(……悔しいが、事実だ。それほどまでにあいつは……)」

エレン「アニ……俺はもうお前じゃないと満足できないんだよ」

ライナー「ぶふぅぅぅぅっ!!」

コニー「うわっ!きたねぇなライナー!!」

57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 00:13:13.44 ID:mhdqv6TS0
ライナー「ベ、ベルトルト……」

ベルトルト「……うん、僕も聞いたよ」

クリスタ「(聞いた!?聞いたサシャ!?)」

サシャ「(聞きましたけど……まぁエレンもそういう意味で言ったわけじゃないですし)」

クリスタ「(でもでも!好きな人からあんなこと言われたらドキドキすると思わない!)」

サシャ「(まぁ確かにそうですけど……)」

アニ「……」

クリスタ「……あれ?いつも通りのアニ?」

ユミル「そんなことないさ」

クリスタ「?」

ユミル「あいつ、頭ん中すげーテンパってるぜきっと」

86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 12:55:42.36 ID:mhdqv6TS0
アニ「……」

エレン「ん?どうしたんだアニ?」

アニ「いや、別に……」

アニ「……」

アニ「……その」

エレン「ん?」

アニ「その……あいつじゃなくていいのかい?」

エレン「あいつって?」

アニ「ミカサだよ、ミカサ」

エレン「なんでミカサの名前が出てくるかわかんないけど、今はミカサよりお前だ」

アニ「ッ!?」

エレン「いくぞっ!!」ダッ

90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 13:08:29.97 ID:mhdqv6TS0
アニ「あっ、ちょっ」

エレン「隙ありぃぃっ!!」ガッ

ライナー「(なっ……)」

エレン「お前に勝つために一晩中作戦を考えた!!」

エレン「最も警戒すべきは蹴りだ!あの蹴りを正面からくらえば一たまりもない!」

エレン「なら!!」ギュッ

クリスタ「(あわわ……)」

エレン「あえてお前に密着することで、蹴りに必要な振りかぶる距離を潰す!!」

エレン「零距離からの予備動作のない蹴りなら堪えられる!どうだっ!!」

ベルトルト「(エレン……考えたね。でも……)」

サシャ「(当のアニはそれどころじゃないみたいですよ)」

ユミル「やめろ……マジやめろ……もう腹が限界なんだよっ……ひーっ、ひー!!」

94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 13:19:51.68 ID:mhdqv6TS0
エレン「だが、蹴りを封じただけで終わりだなんて考えちゃいない!」ガシッ

アニ「っ!?」

エレン「ふふふっ、これで両手も抑えたぜ」

エレン「この拘束、とけるものならといてみろ!!」

エレン「だが俺はお前の怪しい動きを絶対に見逃さない!!」

エレン「お前の動きを牽制しつつ、男女の筋力差で少しずつ制圧していく」

エレン「これが!今の俺がお前に勝ちうる唯一の策だ!!」

アルミン「(すごい……すごいよエレン。あのエレンがここまで頭を使うなんて……)」

アニ「……くっ」

エレン「無駄だ!俺はお前のことをずっとずっと見続けていり!!」ジーッ

アニ「……」

アニ「…………そんなに、見るな」プイッ

ユミル「だっははははははは!!!」バンバン

99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 13:29:19.86 ID:mhdqv6TS0
エレン「くっ……」グググッ

アニ「あっ……」グググッ

クリスタ「(すごい、すごいよエレン……)」

ベルトルト「(はじめはちょっとふざけた感じで見ていたけど……)」

サシャ「(これなら本当にアニに勝てるかもしれません)」

ライナー「(まったく、あいつの向上心の高さには本当に驚かされるな)」

アルミン「(僕たちは少しふざけすぎていたのかもしれないね)」

ユミル「…………いや、まだまだここからさ」

ユミル「二重の意味で追い詰められたあの女がどんな突飛な行動にでるか見物だね」

101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 13:41:25.53 ID:mhdqv6TS0
エレン「この勝負、俺の勝ちだぁぁぁぁぁっ!!」

アニ「っ!!」ブンッ

エレン「なっ!!」

ゴンッ

エレン「そん……なっ……」ズルッ

ライナー「(アニのやつ……やりやがった!!)」

ベルトルト「(零距離での頭突きっ!しかもモロに入った)」

アニ「ふぅっ」スタスタ

クリスタ「(あぁっ!惜しかったのにぃ!!)」

サシャ「(まだまだエレンじゃアニには敵わないということですか)」

アルミン「(それでもエレンはよくやった。今日の一敗はとても意義のある一敗だ)」

ユミル「エレンの負け?はっ、違うだろ」

ユミル「一勝一敗で引き分けだよ」

ユミル「あの女はもう落ちた」

アニ「」ドキドキ

107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 13:57:56.58 ID:mhdqv6TS0
その夜

エレン「……」

ザッザッ

エレン「おう」

アニ「……」

エレン「今日はやってくれたな」

アニ「……ごめん」

エレン「え?」

アニ「ちょっとやり過ぎた。悪かったと思ってる」

エレン「別に気にしてないさ」

アニ「大丈夫?コブになっていないか?」スッ

エレン「あっ……」

アニ「……うん。少し腫れているけど大丈夫そうだね」

エレン「お、おう」

109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 14:03:28.93 ID:mhdqv6TS0
クリスタ「……見た?」

サシャ「見ました。ばっちりです」

クリスタ「ハンナとフランツとはまた違うけれど、すっごくいい感じだったね!!」

サシャ「えぇ。なんというかこう……不器用な感じが見ていてもどかしいですが」

クリスタ「もう俄然アニのこと応援したくなっちゃうよね!!」

サシャ「ダメですよクリスタ。自分でも言っていたじゃないですか、しばらくはそっとしておきましょう」

クリスタ「うん……そうだね」

サシャ「そういえばユミルは?」

クリスタ「ああ、ユミルにはミカサを抑えてもらってるんだ」

クリスタ「あ、あー……」

クリスタ「ミカサには悪いけど、私はアニを応援しちゃうかな」

132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 19:31:35.93 ID:mhdqv6TS0
エレン「そんなことより、今日もよろしく頼むぜ」

アニ「……」

アニ「そのことなんだけどさ……」

エレン「ん?どうした?」

アニ「ごめん。今日はなんだかそんな気分じゃないんだ」

エレン「……そうか。まぁそんな日もあるよな」

アニ「……ごめん」

エレン「別にいいさ。たまには身体を休めないとな」

アニ「でさ、その代わりっていうわけじゃあないんだけれども……き、今日は……」

エレン「じゃあ今日は話でもするか!!」

アニ「!?」

エレン「ああ、悪い。このあと何か用事でもあったか?」

アニ「い、いや。大丈夫」

アニ「大丈夫だよ……」ドキドキ

136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 19:54:19.27 ID:mhdqv6TS0
マルコ「(眠れないから夜風に当たろうと外出してみたらまさかこんな……)」

マルコ「(最近みんなの様子がおかしいと思っていたけど、こういうことだったんだ)」

マルコ「(でもまさかあの二人が……)」

マルコ「(僕はてっきりエレンはミカs……)」

キース「……ふむ、イェーガーにレオンハートか。予想外の組み合わせだな」

マルコ「ききききき教官!?」

キース「貴様は……大方寝付けずに散歩といったところか。あまり夜更かしはするなよ」

マルコ「は、はい!」

キース「しかしまさかあの二人が……。男と女とはわからんものだな……」ザッザッ

マルコ「い、行ってしまった……」

マルコ「(これは……教官公認ってこと!?)」

137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 20:02:58.84 ID:mhdqv6TS0
エレン「……の時…………ったんだ」

アニ「へぇ……………なのかい」

ジャン「(おいおいマジかよ……)」

アルミン「(だから言っただろう。確かに僕もはじめは信じられなかったけど……)」

ジャン「(しかしまぁよりにもよってあのアニとはねぇ)」

アルミン「(……ねぇジャン、友人として君にお願いをするけど、二人のことはそっとしておいて欲しいんだ)」

ジャン「(……ん?あぁ、わかってるよ。さすがに俺だってそこまで不粋なことはしねぇよ)」

ジャン「(それに……あいつらがくっついてくれれば俺にもチャンスが巡ってくるかもしれないからな)」

アルミン「(まったくジャンは……)」

ジャン「(それにしても……やっぱり問題はミカサだろうな)」

アルミン「(こればっかりは仕方ないよ。僕の方からもそれとなくミカサのフォローはするよ)」

ジャン「(お前……色々と大変だな)」

アルミン「(ふふっ、そうでもないよ)」

143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/28(日) 20:37:52.77 ID:mhdqv6TS0
翌日
立体機動訓練

エレン「お、今日はお前と一緒か。よろしくな!」

アニ「……あぁ」

マルコ「(エレンとアニと僕……昨日の今日でこの組み合わせなんて……まさか教官が?)」

エレン「お前立体機動訓練もかなりいい成績とっていたよな?コツとかあったら教えてくれよ!」

アニ「なんてことはないよ。格闘技と同じ」

アニ「自分の呼吸と相手の呼吸を把握して、最高のタイミングで最高の一撃を捩込む。それだけさ」

エレン「簡単に言ってくれるな……。それが出来れば苦労しないよ」

アニ「単調な動きしかしない人形相手にそんな事言ってるようだと実戦じゃ話にならないよ」

エレン「なっ!?てめぇっ!!」

アニ「だから……」

アニ「私の真似をしたいなら、私のようになりたいなら……」

アニ「もっと……わ、私を見ることだね」

エレン「おうっ!望むところだ!」

マルコ「(あぁ……なんだか見ているこっちがむず痒くなってくるよ)」

190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/29(月) 00:43:04.96 ID:E7ki9Dms0
エレン『アニ……もうダメなんだ。我慢できないんだ』

アニ『ちょっと、なにわけのわからないこと言ってんの』

エレン『俺の気持ちを受け入れてくれ、アニ』

アニ『エレン……いいかげんにしないと本当に怒るよ』

エレン『ああ、怒っても構わないぜ。お前が本当に嫌だっていうのならな』

アニ『……ッ』

エレン『嫌じゃないんだろ?』

アニ『あんた……ずるいよ』

エレン『ずるくて結構さ。だから俺に身を任せな、アニ』

アニ『エレ…………』

アニ「……ッ!?!?」ガバッ

アニ「……」

アニ「…………夢、か」

アニ「…………チッ」

197: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/29(月) 00:50:31.50 ID:E7ki9Dms0
ユミル「おはようアニ」

アニ「……あぁ、おはよう」

ユミル「昨日はお楽しみだったみたいだな」

アニ「……はぁ?」

ユミル「寝言だよ、寝言」

アニ「な、なっ…………」

ユミル「愛おしそうに何度も呼んじゃってまぁ」

アニ「ち、違っ、あいつは……エレンはそんなんじゃっ」

ユミル「ほぅ……やっぱりアニの本命はエレンだっのかい」

アニ「……はっ?」

ユミル「カマかけただけだよ。まさか本当にひっかかるとは思わなかったけどな!だっははは!!」

アニ「なっ、なっ、なっ………」

クリスタ「(実は本当に寝言で喋ってたんだけどね)」

サシャ「(前から思ってたけど、ユミルってけっこう優しいですよね)」

クリスタ「(それにしても……アニは一体どんな夢を見てたんだろう)」

228: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/29(月) 02:32:20.39 ID:E7ki9Dms0
食堂


エレン「おう、おはようアニ」

アニ「おはようエレン」

ライナー「なっ…………」

ベルトルト「…………」カタン

アルミン「あ、アニ……」

アニ「……ん?どうかしたかい?」

ライナー「い、いや!なんでもないさ」

ベルトルト「そうそう!なんでもないよ!うん」

コニー「なぁアルミン、アニのやついつからエレンのこと名前で呼ぶようになったんだ?今までずーっとあんただのお前だの呼んでたのに」

アニ「っ!?」ババッ

アルミン「(コニー……君はなんでそんなに間が悪いんだ……)」

ユミル「(大方夢の中だろうな。現実と区別がつかなくなるなんていよいよだ)」

クリスタ「(慌てて口を抑えるアニ可愛い)」

サシャ「(口から出た言葉を取り消すことは出来ませんよアニ)」

262: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/29(月) 12:22:21.41 ID:E7ki9Dms0
ミカサ「アルミン」

アルミン「ん?なにミカサ?」

ミカサ「最近エレンが私以外の女と仲良くしている」

アルミン「あぁ……アニのことだね」

ミカサ「率直にアルミンの意見を教えて欲しい。エレンはあの女にたぶらかされていると思う?」

アルミン「う、う~ん。僕はそんなことないと思うよ?」

アルミン「確かにミカサからしてみたら心配になると思うけど、この辺りの話に関してはいくらミカサでも口を出しちゃいけないと思う」

ミカサ「でも、エレンが……」

アルミン「ミカサ」

ミカサ「」ビクッ

アルミン「エレンにとって、ミカサが大切な存在なのは間違いない」

アルミン「もしエレンが本当に困った時が来れば、その時はエレンからミカサに助けを求めてくると思うよ」

アルミン「だからその時が来るまでは、エレンのことを見守ってあげてもいいんじゃないかな?」

ミカサ「アルミン……」

ライナー「(無難な落としどころだな。さすがだアルミン)」

265: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/29(月) 12:43:02.52 ID:E7ki9Dms0
ミカサ「…………」

アルミン「…………」

アルミン「…………ミカサ」

ミカサ「……?」

アルミン「ミカサは……エレンのこと、どう思ってるの?」

ミカサ「どうって……、エレンは家族で大切な存在で……」

アルミン「……違うでしょ」

アルミン「違うでしょミカサ。僕が聞きたいのはそういうことじゃないってわかってるよね?」

アルミン「はっきり言うよ。アニはエレンのことが好きだよ、間違いなく。」

ミカサ「!?」

アルミン「僕は、このままエレンがアニに取られちゃってもいいのかと聞いているんだ」

ミカサ「…………」

ミカサ「………いや……」

アルミン「…………だよね」フー

アルミン「(ごめん、ジャン……)」

268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/29(月) 12:48:50.10 ID:E7ki9Dms0
アルミン「だったら」

ミカサ「……」

アルミン「だったらミカサは、戦うべきだよ」

アルミン「エレンを巡ってアニと戦わなくちゃいけない」

ミカサ「……」

アルミン「ミカサは言ったよね。この世界は残酷なんだって」

ミカサ「……!!」

アルミン「戦わないで手に入れられるものなんて何もないんだ」

アルミン「だからミカサは、エレンを賭けてアニと戦わなければいけない」

アルミン「もしかしたら、この戦いの勝者はミカサでもアニでもないかもしれない」

アルミン「でも戦わないことには、ミカサは勝者になるチャンスすら得られないんだよ?」

ミカサ「!!!!」

272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/29(月) 12:54:50.33 ID:E7ki9Dms0
アルミン「ただ……」

アルミン「この戦いの相手はアニだけど、アニと直接やり合うことだけは絶対にダメだよ」

アルミン「勝利条件は『アニを倒せるか否か』じゃないんだ」

アルミン「『エレンを陥とせるか否か』なんだよ」

アルミン「だから、ミカサの攻撃対象……って言うのかな?は、エレン一人だけだ」

アルミン「節度を持って、エレンやアニは勿論周囲のみんなにも迷惑をかけないよう、正々堂々とエレンにアピールをするんだ」

アルミン「ミカサ……できるね?」

ミカサ「…………」コクリ

クリスタ「(うーん、アニからすればライバル出現だね)」

サシャ「(過ごした時間の長さで言えばミカサが上ですが、『女性』としてのエレンの認識はアニの方が上ですね)」

クリスタ「(二人には悪いけど、なんだかワクワクしてくるね!)」

356: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 00:21:15.90 ID:Vp3S4Y7O0
エレン「相変わらず味の薄いスープだな」ズズズ

アニ「……」

エレン「ん?どうしたアニ?食欲ないのか?」モグモグ

アニ「い、いや別に。そういうわけじゃないさ」

エレン「そうか?訓練が始まるからさっさと食った方がいいぞ?」モグモグ

アニ「……」

アニ「ね、ねぇ」

エレン「んぁ?」

アニ「こ、今度の休みなんだけど……」

アニ「わ、悪いけどちょっと付き合ってくれない?」

クリスタ「」ピクッ

エレン「ん?おう、別にいいぞ?」

サシャ「」ピクッ

アニ「…………そう、じゃあお願い。約束したからね」

エレン「おう」

373: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 01:06:34.11 ID:Vp3S4Y7O0
ライナー「……で、よりによってこの俺に相談しに来たと」

アニ「……」

ライナー「まぁ……ベルトルトか俺かの二択ならばそうもなるか」

ライナー「あいつは超がつく程生真面目なヤツだ。俺達に課せられた使命以外のことにうつつを抜かすなんて真似絶対許さないだろうからな」

ライナー「……だが」

ライナー「俺ならばお前の相談に素直に応えてくれるとでも思ったか?」

アニ「……ッ」

ライナー「それとも、もっと別の言葉をかけてもらいにきたのか?」

アニ「……」

377: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 01:25:37.69 ID:Vp3S4Y7O0
ライナー「……」

ライナー「……なぁアニ」

アニ「ッ!」ビクッ

ライナー「俺は、お前を一人の戦士として認めている」

ライナー「戦士とは、自分で考え、自分の意志に従い行動ができる人間だと思っている」

ライナー「自分が取った行動に対して、責任が取れる人間だと思っている」

ライナー「……もしお前の今回の行動が、訓練生活を経た上でのお前自身の意志によるものだというのなら」

ライナー「俺は決してお前を責めたりはしない」

ライナー「そして、俺がお前に贈る言葉はただひとつ」

ライナー「……決して退くな。例えそれが敗色濃厚な戦いだったとしても、最後まで絶対に諦めるな」

ライナー「……それだけだ」

アニ「……ライナー」

378: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 01:30:30.11 ID:Vp3S4Y7O0
ライナー「……とまぁ、ずいぶんと回りくどい話をしてしまったな」

ライナー「まぁ、そのなんだ」

ライナー「ミカサ相手というのは少々分が悪いが、頑張れよ」

アニ「……ありがとう、ライナー」

ライナー「はっ!お前に礼を言われる日が来るとはな!」ケラケラ

ライナー「……さて、本題に戻るか」

ライナー「お前の相談……」

ライナー「エレンの好みのタイプだが……」

ライナー「正直そんなこと俺に聞かれても困る」

アニ「……」ゴゴゴゴ

ライナー「まっ、待て!待つんだ!蹴りは止めろ!!」

ドガッ

384: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 01:56:24.02 ID:Vp3S4Y7O0
ライナー「……まぁ、これはエレンに限った話ではないが」

ライナー「一般的に男というものは、女のギャップに弱いとされている」

アニ「ギャップ……?」

ライナー「気性の荒い女が見せる弱々しい一面、逆に普段はおしとやかな女が見せる凛々しい一面なんかがいい例だな」

アニ「……ふむ」

ライナー「今例に上げたのは人の内面的な部分の話だが、外見……見た目に関しても同じことが言える」

ライナー「お前の場合、髪留めを外して髪を下ろしてみるのもいいだろうな」

アニ「なるほど」

ライナー「加えて服装だ。普段着ているような野暮ったい服じゃなく、もう少し女の子らしい服を着るんだ」

アニ「女の子らしい……」

ライナー「記号としてわかりやすいのはスカートだな。スカートに抵抗があるのなら、露出は増えるがホットパンツなんかもいいかもしれない」

ライナー「とにかく、エレンに対して『アニ・レオンハートは女だ』ということを強く刷り込ませることが重要だ」

ライナー「それさえできれば、ミカサに対して大きなアドバンテージを取ることができるだろう」

388: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 02:08:21.67 ID:Vp3S4Y7O0
ライナー「あとはそうだな……面倒な手順をすっ飛ばしていきなり○○○をかけるとか」

アニ「うん」

アニ「………………はっ?」

ライナー「このご時世だ。どちらかがいつ死ぬのかわかったもんじゃない」

ライナー「まごまごして気持ちを伝えられずにいたら相手が死んでしまったなんてこともあるかもしれない。その逆もしかりだ」

ライナー「さっさとやることやって既成事実作っちまえば周りへの牽制にもなるしな」

アニ「……」プルプル

ライナー「……ん?ああ、アニは『まだ』なのか。初めてのやつには荷の重い話だったか。はっはっh」

ゴッ!

ゴッゴッ!

ゴッゴッゴッゴッゴッ……

393: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 02:26:54.21 ID:Vp3S4Y7O0
休日
市街

アニ「……」

サシャ「(広場の噴水で待ち合わせなんて、アニはわかってますね)」

クリスタ「(訓練所から一緒にお出かけなんてなんだか残念な感じがするもんね!)」

ユミル「(しかし……あれ本当にアニなのかい?)」

クリスタ「(うん!今日のアニすっごく可愛い!)」

サシャ「(普段の凜とした感じを残しながらも、しっかりと女の子っぽいコーディネート。やりますね)」

ユミル「(ああ、天使のクリスタには劣るがあいつもなかなか……)」

クリスタ「(これならエレンもドキッとしちゃうかも!)」

アニ「……」

エレン「悪い、待たせちゃったか?」

アニ「ッ!?い、いや!私も今来たとこ……ろ……」

ミカサ「……」

サシャクリユミル「(エレン……)」

399: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 02:56:49.92 ID:Vp3S4Y7O0
アニ「……」

ミカサ「……」

エレン「悪いなアニ。ミカサのヤツも街に用事があったみたいでさ」

アニ「そ、そう……。べ、別に構わないよ」

クリスタ「(あちゃー)」

サシャ「(アニ……顔がひきつってますよ)」

ミカサ「エレン」

エレン「ん?」

ミカサ「私の買い物にアニを付き合わせるのも申し訳ない。先にアニの用事を済ませ(てさっさと帰ってもらい)ましょう」

アニ「いや、気にしないでいいよ。ミカサの用事を先に済ませて(とっとと帰れば)いいよ」

ミカサ「……」ゴゴゴ

アニ「……」ゴゴゴ

ユミル「(これが世に伝え聞く修羅場ってやつか)」

483: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:13:32.56 ID:kOwxYq+W0

女子寮

アニ「……」

クリスタ「(どうしよう……アニものすごく機嫌が悪そうだよ)」

ユミル「(バカ。悪そうじゃない、本当に悪いんだよ)」

サシャ「(結局一日中ミカサとの睨み合いが続いてましたからねぇ)」

アニ「……」

ユミル「(あ、笑った)」

サシャ「(……フッって感じで笑いましたよ!……フッって感じ!)」

ユミル「(エレンが買ったサンドイッチを分けてもらったことでも思いだしてたんだろ。どうせ)」

クリスタ「(なんだかんだ言いながらエレンとのお出かけは楽しかったんだね)」

サシャ「(しかし……エレンの無神経さにもほとほと呆れますね)」

ユミル「(……まさかお前の口からそんな常識的な言葉が出るとは思わなかった)」

サシャ「(えぇぇ……)」

485: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:19:27.34 ID:kOwxYq+W0
クリスタ「(もう!こうなったら!)」

ユミル「(あ、おい!クリスタ!)」

クリスタ「ミカサ!」

ミカサ「ん?どうしたのクリスタ?」

クリスタ「今度のお休みなんだけど、ちょっと買い物に付き合ってくれない?教官に買い出しを頼まれちゃって……」

ミカサ「うん、いいよ。荷物持ちぐらいなら手伝う」

サシャ「(ほほう……考えましたねクリスタ)」

アニ「……」

アニ「……」

アニ「…………!!」

ユミル「(アニの方もやっとチャンスに気付いたみたいだ)」

サシャ「(まったく……世話が焼けますねぇほんと)」

487: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:28:08.17 ID:kOwxYq+W0
サシャ「(どうやら次のデートの約束を取り付けたみたいです)」

ユミル「(なんだかえらく積極的になってるなアニのヤツ)」

クリスタ「(あーあ。自分から言い出したこととはいえ、アニのデートが見れないのは残念だなぁ)」

サシャ「(大丈夫ですよクリスタ。当日は私とユミルで尾行しますから、あとで詳しく教えてあげます)」

ユミル「……は?何言ってんだお前?私はクリスタと一緒に買い物に行くぞ。尾行はお前に任せたからな」

サシャ「…………」

494: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:50:29.50 ID:kOwxYq+W0
女子寮
休日

ユミル「……おいサシャ」

サシャ「はい」

ユミル「今日は休日だよな。私たち訓練生が待ちに待った休日だよな」

サシャ「はい」

ユミル「今日は天気も良くて外出するにはもってこいだ。露店のオヤジたちもはりきってやがる。絶好のデート日和ってやつだよな」

サシャ「はい」

ユミル「……なのにだ」

ユミル「露店が開くような時間にもなって、未だにベッドですやすやと可愛らしい寝息をたてている眠り姫様はいったいどこのどいつだ」

サシャ「……はい。アニ・レオンハート訓練生であります」

クリスタ「早く起こしてあげて!!」

サシャ「わっ、私がですかぁ!?」

クリスタ「早く!!」

サシャ「はっ、はいぃぃぃ!!」

496: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:59:24.13 ID:kOwxYq+W0
市街

アニ「はぁっ……はぁっ……」

エレン「おう、遅かったな」

アニ「ごめん……お、遅れた……はぁっ、はぁっ」

サシャ「(あんなに慌てたアニ初めてみましたね)」

エレン「気にすんな。俺も今来たところだから」

サシャ「(出た!出ました!『ごめん待った?』『いや、今来たところ』頂きました!!)」

サシャ「(王道です!超王道です!素晴らしい!!)」

エレン「とりあえず息を落ち着かせろって。な?」

アニ「はぁっ……うん……はぁっ」

498: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 01:06:41.43 ID:kOwxYq+W0
エレン「それにしても一体どうしたんだ?遅れてくるなんて」

アニ「いや……ちょっと寝坊しただけさ」

エレン「寝坊って……あんま夜更かしはしない方がいいぞ」

サシャ「(アニは!あんたの!あんたのために!夜更かししてたんですよ!)」

サシャ「(延々と鏡とにらめっこして!あーでもないこーでもないと今日着ていく服を選んでたんですよ!)」

サシャ「(寝坊しちゃったせいでいつもの髪型服装ですけど、アニはあなたのために一晩中頭を悩ませてたんですよ!!)」

サシャ「(気付け!察しろ!感じるんだエレン・イェーガー!!)」

エレン「そういやお前、今日はこの前みたいな派手な格好じゃないのな」

サシャ「(ギャオォォォォォォォ!!!)」

503: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 01:22:35.92 ID:kOwxYq+W0
サシャ「(なんで!なんでよりにもよってその話題に触れちゃうんですか!)」

アニ「……私にはああいう格好は似合わないと思ったからやめたのさ」

サシャ「(アァァァニィィィィィ!!!)」

サシャ「(なんでや!なんでそこで心にもないこと言うんや!!)」

サシャ「(あんなに!あんなに時間をかけて服を選んでたじゃないですか!!)」

サシャ「(いつもより時間をかけて髪の手入れをしてたじゃないですか!!)」

サシャ「(今日のデートを楽しみに楽しみに待ってたじゃないですか!!)」

サシャ「(なんでそんな悲しいこと言うんですかぁぁぁ!!)」

エレン「んー、そうか?俺はすごく似合ってたと思うけどな」

アニサシャ「……えっ(えっ)」

539: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:13:34.30 ID:1ertf6960
アニ「っっ!?///」

エレン「?どうした?」

アニ「な、なんでもない!」

サシャ「(ぶっふぉぉう!あのアニが!頬を赤らめ!照れている!
あぁー……、今日尾行した私はすごいものを見た気がします)」

エレン「それで、今日は何を買いに行くんだ?」

アニ「あ、あぁ!
き、今日はな!ち、ちょっとふ、服でもみたいなと思ってな」

サシャ「(ちょっとちょっとちょっと!声が裏返ってますよ!流石にエレンでも様子がおかしいことに……)」

エレン「そうか。じゃあ、行こう」

サシャ「(鈍っ!鈍すぎますよ!エレン!)」

542: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:21:18.90 ID:1ertf6960
サシャ「(あれから1時間ほど服を見たり露天で売られている装飾品を見たりしていますが……)」

エレン「さっきから何唸ってるんだ?」

アニ「いや……、なんでもない」

サシャ「(欲しいんですよ!その指輪が!エレンとお揃いで付けたいんですよ!
あぁ、でもアニのことだから言い出せないでしょうし……)」

エレン「欲しいなら買ってやろうか?」

サシャ「(そしてここで予想外の言葉がエレンの口から出たぁぁ!
いいえ、あの鈍いエレンのことです。アニがペアルックで付けたいなんてことまでは読めないでしょうし、この発言もおそらくそこまで深い読みもないでしょう……)」

アニ「いいのか?」

エレン「あぁ。そこまで高い物でもないしな」

アニ「……ってやる……」

エレン「ん?何か言ったか?」

アニ「なら私もお前に買ってやると言ったんだ!」

サシャ「(そしてここでアニも踏み切ったぁ!
正直、あのアニがこんなことを言うなんて予想できませんでしたね……)」

545: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:28:05.23 ID:1ertf6960
エレン「いや、いらねぇよ。
指輪なんてつけてたら立体起動のときに邪魔になりそうだし」

アニ「あ、いや、それでもな……」

サシャ「(あぁ!やっぱり気付いてませんでしたね!
やっぱりエレンはエレンでしたね!)」

アニ「ち、違うんだエレン!
そ、その指輪はだな!
格闘術のときの攻撃力が上がるんだ!」

サシャ「(これはまた取ってつけたような言い訳ですね……。
指輪で攻撃力があがるなら既に配られていますよ……)」

エレン「そうなのか?」

アニ「あ、あぁ!指につけることによりパンチ力が素手の時と比べ、それなりに上がるんだ」

サシャ「(もう何を言っているのか自分でもわかっていないんでしょうね……)」

エレン「へぇ……。そうなのか、始めて知った」

アニ「!あぁ!そうなんだ!」

サシャ「(信じちゃいましたよ!
びっくりですよ!私でもわかりますよ!)」

548: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:36:50.75 ID:1ertf6960
アニ「だからだ、その……、私もお前に指輪を買ってやる」

エレン「そうだな。攻撃力が上がるなら試してみる価値はあるしな。
けど、お互いが金を出し合うのは意味がないんじゃないか?」

アニ「えっ……」

サシャ「(あぁ!またそんなことを!
微妙に的を射ているのが腹立たしいですが……)」

アニ「べ、別に構わないじゃないか。
お互いに買い合えば、自分で買った時よりも大切に使うだろう?」

エレン「そういうもんか?」

アニ「あぁ」

エレン「そうか。じゃあ、よろしく頼む」

アニ「あぁ!わかった!
お、親父その指輪をくれ!」

露店の親父「やっと纏まったかい?
そっちの兄ちゃんも買うんだろう?」

エレン「あぁ。同じのを頼む」

露店の親父「はいよ、毎度あり!」

550: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:41:10.44 ID:1ertf6960
エレン「ん?訓練でもないのに指輪をつけるのか?」

アニ「あ、あぁ!いくら休みとは言え私達は兵士だからな!」

エレン「……やっぱりアニはすごいな。
俺も見習うぜ!」

アニ「(っ!
エレンと同じ指輪を私が……)」

エレン「どうした、アニ?顔が赤いぞ?」

アニ「っ!いや、なんでも」

エレン「具合でも悪いのか?少し休むか?」

アニ「あ、あぁ。そうだな。そうしてくれるか」

サシャ「(おっと、移動するみたいですね。
確かこの先に噴水のある公園があったはずですから、そこに行くんですかね)」

553: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:48:04.56 ID:1ertf6960
エレン「大丈夫か?」

アニ「あぁ。大丈夫だ」

サシャ「(ペアルックで動悸を起こして休むなんて、アニも案外繊細なところがあるんですね。
それにしても、こんなに人気のない公園となるとなにやら期待せずにはいられませんね)」

エレン「……」

アニ「……」

サシャ「(ってそこで無言ですか!
いえ、なんとなく読めてはいましたが……。
そういうときは男の子から話題を振るものですよ、エレン!)」

エレン・アニ「なぁ」

エレン・アニ「……」

サシャ「(お互いがお互いに沈黙に耐えきれずに同時に声をかけるなんて、どんなベタな展開なんですか!)」

エレン「なんだ?」

アニ「あ、いや。
……その、今日はありがとうな」

エレン「あぁ、気にするなよ。
俺も楽しかったしな」

555: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:52:24.04 ID:1ertf6960
アニ「……その、なんだ……。
こんなことを私が言うのも、柄ではないのかも知れないが……。
……また、こんな風に遊びに来てくれないか?」

サシャ「(え?あれ?これってもしかして?
アニなりの精一杯の告白なのでは……?)」

アニ「その……、ダメか?」

サシャ「(これは間違いないです!
あのアニが遊びに誘うだけであんなに顔を真っ赤にさせるなんておかしいですし、これは間違いなく告白です!
って、わわっ!こっちまで顔が火照ってきました……)」

エレン「なんだよ、いいに決まってるだろ」

アニ・サシャ「っ!?」

サシャ「(えっ?これはOKと言う意味なんでしょうか?
でもあの鈍いエレンがあんな回りくどい告白を理解しているとは……。
いや、あんなに顔を真っ赤にさせている点から気付いている……?)」

557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 04:56:32.67 ID:1ertf6960
アニ「ほ、本当か!?」

エレン「あぁ。こんなことに嘘ついてどうするんだよ」

アニ「っっ!!」

サシャ「(えっ、ちょっ、あれ泣いてません!?アニが泣いていませんか!?
あのアニが泣くほど嬉しかったんですね。
こっちまで泣いちゃいそうでs)」

???「何をしているの」

サシャ「へ?
っ!?」

エレン「お、おい、どうしたんだ?どこか痛いのか!?」

アニ「いや、なんでもないんだ。なんでも……(こんなに嬉しいことは生まれて始めてだ)」

サシャ「アニ!逃げてくだぶふぅ!?」

アニ・エレン「は?」

559: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:00:55.84 ID:1ertf6960
ミカサカサカサカサ

エレン「うぉ!?」

ミカサ「何をしているの、エレン」

クリスタ「大丈夫!?サシャ!」

サシャ「な、何でミカサが……?」

クリスタ「そ、それがいきなりエレンの気配がするとかなんとかで」

サシャ「ば、化け物ですか、あの人は……!」

ユミル「くくっ!だから言ったんだ。ほっとけってな」

エレン「いや、なんでミカサがこんなところに」

ミカサ「そんなことはどうでもいい。
なぜエレンがアニといるのかという問題の方が重要」

560: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:05:33.25 ID:1ertf6960
エレン「いや、俺h」

アニ「邪魔するんじゃないよ!」

ミカサ「邪魔なんかしていない。
私はただ質問をしているだけ」

アニ「それが邪魔だって言ってるんだよ!」

エレン「お、おいちょっとアn」

ミカサ「なぜ?
私はただここに来て質問をしているだけ」

アニ「だから!」

ミカサ「さぁ、答えて。
何をしていたの」

エレン「いや、だかr」

アニ「買い物だよ!
ちょっと荷物が多くなりそうだったからエレンを誘ったんだよ!」

562: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:11:20.25 ID:1ertf6960
ミカサ「それならライナーでもよかったはず。ライナーの方が力がある」

アニ「ラ、ライナーは用事があるって」

ミカサ「なら、そこにいるライナーは何」

エレン・アニ「へ?」

ライナー「っ!?」

ミカサ「出て来て。いるのはわかっている。
アルミンとベルトルトも」

アルミン・ベルトルト「っ!?」

アニ「……いるのかい?」

ライナー「お、おい、どうする!?」ボソボソ

アルミン「ミカサに睨まれたら逃げられないよ!」ボソボソ

ライナー・アルミン・ベルトルト「……」

564: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:15:21.75 ID:1ertf6960
アニ「どうしてあんたたちが!」

ライナー「ちょ、ちょっと待て!アニ!これには訳がっは!?」ゴッ!!

アルミン「ライナー!?
……か、完全に気を失っている」ゾッ……

ミカサ「どういうこと?
ライナーは暇そうに見えたけど」

アニ「知らないよ!
私が声をかけたときは無理だって」

わーわーギャーギャー

エレン「なんなんだよ……?」

クリスタ「エレン、大丈夫?」

エレン「は?何でクリスタが?」

クリスタ「んー、まぁいろいろとあってね……」

566: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:19:57.93 ID:1ertf6960
エレン「?」

クリスタ「ところでエレンはミカサとアニどっちが好きなの?」

サシャ「(って直球すぎませんか!?)」

エレン「?なんだよ、それ?」

クリスタ「ほら、ご飯はミカサと食べてるでしょ?
でも、訓練はアニと組むことが多いじゃない?
だから、どっちが好きなのかなーって」

エレン「そうだな、強いていうなら


君、かな……」キリッ

クリスタ「えっ……?」ポッ


end


みたいなのだとやっぱり怒られますか?

570: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:24:52.23 ID:1ertf6960
眠いっす……



エレン「?」

クリスタ「ところでエレンはミカサとアニどっちが好きなの?」

サシャ「(って直球すぎませんか!?)」

エレン「?なんだよ、それ?」

クリスタ「ほら、ご飯はミカサと食べてるでしょ?
でも、訓練はアニと組むことが多いじゃない?
だから、どっちが好きなのかなーって」

エレン「どっちも好きだぞ?」

クリスタ・サシャ「え?」

サシャ「(え、ちょちょちょ!まさかの二股フラグが!?)」

エレン「ミカサは昔からずっと一緒に住んでいる家族だし、アニはこんな俺にあそこまで付き合ってくれる。
嫌いにはなれないだろ」

サシャ「あぁ、なんだそういう……」

571: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:28:52.47 ID:1ertf6960
クリスタ「じゃあ、ミカサとアニだったら、どっちが可愛いと思う?」

エレン「え?」

クリスタ「どっちも好きなら、どっちの方が可愛いと思う?」

サシャ「(これはまた直球ですね。
ですが、この質問は家族やそんなことでは返せない質問……!やはりやりますね、クリスタ!)」

エレン「そうだな……。
アニ、かな」

クリスタ・サシャ「!?」

エレン「(ミカサは家族だし、誤解されちゃまずいからな)」

クリスタ「(やったね!アニ!脈なしじゃないみたいだよ!)」

サシャ「(これは後での報告会が楽しみですね)」

574: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 05:44:06.57 ID:1ertf6960
クリスタ「もう一回聞くよ、エレン。
アニの方が可愛いと思うんだね」

エレン「?
あぁ。
アニは可愛いよ(一般的に見てもそれなりの容姿だと思うけどな)」

クリスタ「(これで聞き間違いとかはない!
ふふ。アニの真っ赤になる顔が楽しみだなぁ)」

アニ「あんたはいつもあいつに引っ付いてるじゃないか!」

ミカサ「そんなことあなたには関係ない」

ワーワーギャーギャー

ウゥ…
ライナーガメザメター!?
ククク、ハハハハハ
タノシミダナー
ナンナンダヨ……
コノユビワハナニ!?
コ、コノユビワハ……!


兵士達の貴重な休みはこうやって今日も流れていく

終わり