1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:37:28.04 ID:PYY+Ds+F0
楓「弱点、ですか」
P「ええ」
楓「その……つまり、どういう事でしょうか」
P「楓さんも巷で『楓さんつよい』『かてない』など言われて久しいですが」
楓「初耳ですね」
P「そういった、正に偶像的なイメージも行き過ぎると良くありませんので」
楓「なるほど」
P「ここは一つ、親しみやすい一面もアピールしていきたいなと」
楓「分かりました」
P「分かって頂けましたか」
楓「そういう名目で、私の事をもっと知りたいんですよね」
P「……」
楓「……」
P「まぁ……」
楓「正直な所も素敵ですよ」
P「どうも」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1514911047
コトブキヤ アイドルマスター シンデレラガールズ 高垣楓 -はじまりの場所- 1/8スケール PVC製 塗装済み完成品フィギュア
posted with amazlet at 18.01.05
壽屋 (2016-08-30)
売り上げランキング: 47,181
売り上げランキング: 47,181
2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:42:06.95 ID:PYY+Ds+F0
P「と、言うかですね」
楓「はい」
P「本当にあるんですか、弱点」
楓「あら。私にも弱点くらいありますよ?」
P「長年の付き合いですが、パッと思い付かないんですよね……」
楓「ふむ」
P「歌は上手いですし、ファンの皆さんとの交流も大切にされますし」
楓「ふむふむ」
P「いつ見てもお洒落ですし、ふとした横顔に思わず見とれちゃいますし」
楓「……」
P「微笑んだ時とか、もう、凄いですし、そもそも綺麗ですし」
楓「……あ、あの」
P「アイドルとしての考え方も……どうかしましたか?」
楓「そういうのは、これ以上は、ちょっと……弱いので」
P「そういうの……?」
楓「ともかく、ダメです」
P「はい」
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:45:57.60 ID:PYY+Ds+F0
楓「弱点……弱いもの…………あ」
P「何かありましたか?」
楓「ふふっ……弱いと言えばですね。ワ」
P「あ。楓さんの事ですし、『ワインにはよわいんです』……とか? なんて、はは」
楓「……」
P「楓さん? どうかしましたか?」
楓「いえ……」
P「何だか、すごく傷付いたような顔をされてますが」
楓「何でも……何でも、ありません」
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:50:41.73 ID:PYY+Ds+F0
P「じゃあ、例えば……そうですね、ホラーの類ですとか」
楓「ホラー、ですか」
P「ええ。大抵の女性は苦手かと」
楓「うーん……あ」
P「思い当たる節が?」
楓「プロデューサー。試しに怪談を語ってみるのはどうでしょう」
P「ん?」
楓「ほら、私が怖がるかもしれませんよ」
P「ホラーだけに」
楓「……そうです」
P「……意識してなかったんですね」
楓「こほん。ともかく、ものは試しという事で」
P「まぁ、いいんですけどね」
楓「さぁ、どうぞ」
P「ええと……これは、昨年の梅雨に友人が経験した」
楓「きゃあっ」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 01:52:08.71 ID:PYY+Ds+F0
P「……」
楓「……」
P「楓さん?」
楓「怖いです」
P「まだ何も語っていませんが」
楓「怖くて怖くて、こうして抱き着いていないと震えてしまうんです」
P「……」
楓「……」
P「……」
楓「……よし」
P「楓さん?」
楓「どうかしましたか?」
P「いま、何か呟きませんでした?」
楓「いえ、私は特に……霊的なものかもしれませんね」
P「霊的なもの」
楓「はい。こわいです」
P「……」
楓「……ふふっ」
P「楓さん?」
楓「何ですか、プロデューサー?」
P「苦手なんですよね? おばけ」
楓「はい。か弱い乙女ですから」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 11:39:09.79 ID:PYY+Ds+F0
P「えー、引き剥がすのに二分たっぷり掛かりました」
楓「か弱い乙女ですので」
P「……それで、他にも弱点が?」
楓「そうですね……私、蘭子ちゃんにはめっぽう弱くて」
P「楓さん」
楓「どうかしましたか?」
P「『弱い』の意味合いが若干ズレてきてませんか?」
楓「試してみない事には分かりませんよ」
P「……一理ありますね」
楓「よし」
P「ん?」
楓「いえ」
P「ええと……あ、もしもし蘭子ちゃん? うん。いま大丈夫?」
楓「……」
P「いや、実は頂きもので美味しいチョコレー……え? うん。慌てなくていいよ」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 11:39:49.44 ID:PYY+Ds+F0
>>8
Yes.
Yes.
14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 11:43:20.23 ID:PYY+Ds+F0
蘭子「甘美なる漆黒の欠片よ」
(あまーい)
P「それは良かった」
楓「……♪」
蘭子「我が身を童と侮る気か」
(撫でないで)
楓「ごめんなさい。この手は後でうんと叱っておきますので」
蘭子「うむ……おいしー」
楓「……♪」
P「……」
蘭子「いざ、再び翼を広げるとしよう」
(じゃあ、戻りますね)
P「うん」
蘭子「我が名を喚ぶならば贄を忘れぬ事ね」
(またお裾分けしてくれたら嬉しいです)
P「分かった」
蘭子「ばいばい」
楓「ばいばーい」
楓「ふぅ……」
P「満足げですね」
楓「はい。やっぱり蘭子ちゃんには弱いですね」
P「そうですか」
15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 11:45:53.69 ID:PYY+Ds+F0
楓「うーん……弱点とは少し違うかもしれませんが」
P「ええ」
楓「アイドルの皆さんを見ているとですね」
P「はい」
楓「もう少し……この辺りに、ボリュームが欲しかったな、と」
P「……」
楓「ほら、やっぱりアイドルには女性らしさも」
P「弱点なんかじゃありません」
楓「……プロデューサー?」
P「確かに野郎は……楓さんには女性ファンも多いですが、その辺りに目が行きがちです」
楓「……」
P「ですが、数字がどうこうではなく……楓さんはすらりとしていて、とても……魅力的です」
楓「……プロデューサー」
楓「そこまで力説されると、少し恥ずかしいです」
P「すみません」
16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 11:52:02.76 ID:PYY+Ds+F0
楓「弱点と言えば」
P「はい」
楓「私、確か冷え性だった気もします」
P「冷え性って、気がするとかいった具合のものでしたっけ」
楓「まぁ、細かい事は置いておいて」
P「細かいですかね」
楓「この手も、すっかり冷えているんですよ」
P「なるほど」
楓「どうぞ」
P「……」
楓「どうぞ」
P「……では」
楓「ん」
P「……」
楓「どうですか?」
P「すべすべです」
楓「ありがとうございます」
P「……」
楓「……」
P「……本当に、すべすべです」
楓「ふふっ。プロデューサーの手、あったかいです」
17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 11:55:23.92 ID:PYY+Ds+F0
楓「プロデューサー。どうかこのままで、聞いてくれますか」
P「……もちろん」
楓「こうして触れて頂いて、改めて気付いたんです」
P「……」
楓「私、けっこう寂しがり屋なんです。しばらく触れられないと、人肌が恋しくて、恋しくて」
P「……楓さん」
楓「差し伸べてくれた手の温かさに、つい、甘えちゃうんです」
P「……」
楓「……ぁ」
P「……それは、困った弱点ですね」
楓「ふふっ……プロデューサーは、腕の中まであったかいですね」
P「そう、ですか?」
楓「ええ。寂しがり屋の、甘えたがり屋は……こういう人に、めっぽう弱くて」
18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 11:57:07.05 ID:PYY+Ds+F0
楓「……」
P「……」
楓「プロデューサー」
P「何ですか、楓さん?」
楓「この弱点だけは、あなただけの、秘密にしてほしいんですけれど」
P「ええ」
楓「実は私、とっても……とっても弱いんです」
P「……何に、ですか?」
19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 12:00:01.84 ID:PYY+Ds+F0
「オオカミ」
20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 12:08:16.81 ID:PYY+Ds+F0
― = ― ≡ ― = ―
「――っや、ぁ……! ダメ……っ!」
「っ、はぁ……っ!」
「そこ、そこは……ぁ!」
「っ、ダメ、ダメって……っく! 楓さん、っ、それ、ばっかじゃ……ないですか」
「ん……ゃ、ダメ、本当に……ほん、っあ、ダメ、っ……!」
「っ! ここも、弱いん……っですか」
「あっ……ん、んんっ……や、っあ!」
「ぅあっ、く……っ! 楓、さんっ……!」
「やっ……それ、ダメ、あぅっ……ん、んっ! ぁ――」
21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 12:21:09.37 ID:PYY+Ds+F0
― = ― ≡ ― = ―
楓「……ズルいです、プロデューサー」
P「……ズルい?」
楓「ダメって言ってるのに、弱いところばっかり」
P「いや、だって」
楓「だってじゃありません」
P「すみません」
楓「抱き締めてくれたら許します」
P「……では、失礼して」
楓「ふふっ」
22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 12:28:19.20 ID:PYY+Ds+F0
楓「……」
P「……」
楓「ところで、プロデューサー」
P「はい」
楓「一つ伺いたいんですが」
P「何でしょう」
楓「プロデューサーにも弱点ってあるんですか?」
23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/03(水) 12:30:15.36 ID:PYY+Ds+F0
「……分かってて訊いてるでしょう――楓さん」
「……ふふっ」
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。