2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 23:57:40.32 ID:dRt71v3d0

────

戦闘中

ニア「レックス、手を貸して!」ギュッ

レックス「──っ」

ニア「……レックス? どうした?」

レックス「い、いや! なんでもない! ……行くよ、ニア!」

「「ディバインソード!」」

トラ「やったも! さすが、アニキとニアは頼りになるも!」

レックス「へへっ……楽勝楽勝!」

ニア「……」


引用元: 【ゼノブレイド2】ニア「最近、レックスがそわそわしてる」 


3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/08(月) 23:59:15.22 ID:dRt71v3d0

────

ホムラ「結構長いこと歩いてますし、今日はそろそろ休みませんか?」

トラ「賛成だも、トラはもうクタクタだも……」

ジーク「なんやトラは体力ないなぁ、ワイはまだまだ余裕やで!」

サイカ「王子が体力バカなだけやで、ウチも疲れたわぁ」

カグツチ「そうね、メレフ様もよろしいですか?」

メレフ「あぁ、そうしよう。無理をしても良いことはないからな」

ニア「だってさ、レックスもそれでいいか?」

レックス「…………」

ニア「おーい、レックス? 聞いてる?」

レックス「え、あぁ……ごめんごめん、なんだっけ?」

ホムラ「皆さんお疲れのようですし、今日はもう休みましょう?」

レックス「そうだね、お腹も空いたし! 近くの宿に泊まろうか」

ハナJS「レックスもかなりお疲れのようですも」

ニア「…………」


4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:00:50.13 ID:46ishhBE0

────

宿の一室

レックス「はあ……」ドサッ

レックス(最近、ニアのことを考えてばかりな気がする……)

レックス(エルピス霊洞での出来事を思い返してるとき、ニアが言った大好きってのは……もしかして"そういう"意味なんじゃないか、って考えがふと頭を過ぎって……)

レックス(それからは、普段なら気にしないようなことも目に留まるようになっちゃって……)

レックス(にゃーにゃー言ってるのがなんだか妙に可愛らしく見えたり……)

レックス(いつもはツナギみたいな大きめの服を着てるから意識することはなかったけど……ブレイドのときのニアは白い肌と華奢な腕や脚が目立って、なんというか……女の子なんだなって──)

ニア「レックスー? 夕飯できたってさー」ガチャ

レックス「うわあぁあ!? び、ビックリした……」

ニア「な、なんだよ……アタシもビックリしたよ……」

レックス「男子部屋も一応ノックしてくれよ、ニア」

ニア「そだね、ごめんごめん」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:02:29.03 ID:46ishhBE0

レックス「夕飯だっけ? りょーかい」

ニア「……あのさ、レックス」

レックス「ん、なに?」

ニア「何か、悩んでることがあるなら相談に乗るよ?」

レックス「な、なんだよいきなり……悩んでることなんて、別に」

ニア「隠せてるつもりなのか知らないけどさ、最近のレックス、なんか変だよ……さっきもうわの空だったし、ぼーっとしてたり……」

レックス「それは……その」

ニア「アタシが力になれるかはわかんないけどさ、話してみてよ。一人で背負い込むよりは楽になれるかもよ?」

レックス「そ、そう言ってくれるのは嬉しいよ……嬉しいけど……」

ニア「なんだよ、らしくないな」

トラ「アニキー、ニアー! みんな待ってるも、早く来るも!」コンコン

レックス「あ、あぁ! 今行くよー!」

レックス「ニア、オレのことは大丈夫だからさ、心配してくれてありがと!」

ニア「……そう、ならいいけどさ」


6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:04:38.40 ID:46ishhBE0

────

夕食後

カグツチ「レックス、ちょっといいかしら?」

レックス「ん? どうしたの?」

カグツチ「ここは人が多いし、場所を移しましょうか」

レックス「う、うん。りょーかい」

……

レックス「えーっと、何の用?」

カグツチ「ニアに頼まれてね……何か悩みがあるんでしょう?」

レックス「あー……いや、ニアには大丈夫だって言ったんだけど」

カグツチ「あの子ね、貴方のことをとても心配していたわよ……『アタシには話しづらいことっぽいからさ、カグツチが聞いてやってくれないかな?』なんて、寂しそうな顔で笑っててね」

レックス「ニア……」

カグツチ「ブレイドであることをずっと隠して……一人で抱えて生きてきた彼女だから、貴方に一人で悩んでほしくないのよ、きっと。お節介だと思われても、貴方の力になりたがってるのよ」


7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:06:56.37 ID:46ishhBE0

レックス「そっか……うん、ありがとう、カグツチ。その……ちょっと聞いてくれる?」

カグツチ「私でいいかしら? 女性に言いづらいことならジークやトラを呼んできましょうか?」

レックス「いや、大丈夫。むしろこういうことならカグツチの方が良さそうな気もするし」

レックス「……って言っても、悩みってほどの話じゃないんだよね」

カグツチ「あら、そうなの? てっきり深刻な悩みなのかと思ってたけど」

レックス「えーっと、実は……最近、ニアのことが気になって仕方ないんだ」

カグツチ「……え?」

レックス「ニアが笑ってるのを見ると元気出るし、戦闘中手が重なるとドキドキするし、そもそも腕とか細いなーって気づいてからは──」

カグツチ「ちょっ……ちょっと待って!」

レックス「うん?」


8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:08:23.06 ID:46ishhBE0

カグツチ「……貴方、今までニアに対してそんな素振り見せなかったじゃない。急にどうしたのよ」

レックス「あー、その……エルピス霊洞でニアに言われた『大好き』って、もしかしてそういう意味なのかなって考え出してからこんな感じなんだ……」

カグツチ「……異性としての好きだと気付いてなかったの? 嘘でしょ……」

レックス「いや自分でも間抜けだなとは思ったよ……」

カグツチ「好意に気づいて意識し始めた、ってことなのね」

レックス「そういうこと……です」

カグツチ「その結果が最近のうわの空、と」

レックス「このままじゃいけないとは思うんだけど、どうしたらいいのか……」

カグツチ「そんなの、ニアに伝える以外の解決法は無いわよ」

レックス「だ、だよなぁ……」

カグツチ「貴方が怯んでどうするの、あの子だって勇気振り絞って伝えたのよ」

レックス「そうだよな……よし! ありがとうカグツチ、行ってくるよ!」

カグツチ「……よかったわね、ニア」


9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:11:29.80 ID:46ishhBE0

────

レックス「ふぅ……よしっ」

レックス「ニアいる?」コンコン

ニア「レックス? どした?」ガチャ

レックス「ちょっと、話があるんだ」

…………

ニア「はぁー……リベラリタスの夜は綺麗だなー……」

レックス「自慢の故郷だよ、いい場所だろ?」

ニア「ほんとにね。で? 話ってなにさ」

レックス「その……カグツチから聞いたよ、すごい気にかけてくれてたって」

ニア「ま、まぁね! 仲間だし当然だろ?」

レックス「それで、悩み──ってほどのことじゃないんだけどさ、ニアに聞いてほしいなって」


10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:13:35.06 ID:46ishhBE0

ニア「あれ、てっきりアタシには話せないようなことなのかと思ってたけど」

レックス「いや、むしろニアに話さないと解決出来ないことなんだ」

ニア「ア、アタシにしか解決できない……よーし! このニア様に任せておきなって! さ、話してみなよ!」

レックス「実は……」

ニア「実は……?」

レックス「最近の集中力不足は……ニアの可愛さに気付いて、ヘンに意識しちゃってたからなんだ」

ニア「……は?」

レックス「戦闘中、手が重なったときは柔らかくて綺麗で女の子らしい手だなーとか考えちゃうし、一生懸命みんなを回復させようと頑張る姿が健気だなって思うし……」

ニア「ちょちょちょ、ストップストップ! なな、なに恥ずかしいこと口走ってんだ!」


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:16:13.00 ID:46ishhBE0

レックス「はは……まぁ要するに、ニアのことが好きです! ってことなんだけど……」

ニア「……アタシ、霊洞での一件でフラれたと思ってたんだけど」

レックス「いやその、あの時の大好きがそういう意味だとは思わなくて……最近になってそうなのかなって」

ニア「は、はぁ!? 信じらんない……こんの朴念仁!」

レックス「ご、ごめんって! えーっと……それで、ニアはオレのこと、今も?」

ニア「こ、この流れでそういうこと聞くか普通!?」

レックス「オ、オレもこんなの初めてでわかんないんだって……! 確信持ちたいんだよ!」

ニア「ぐ……そ、そりゃ……今もす、好き……だよ……」ボソボソ

レックス「そ、そっか! あー、良かったー!」

ニア「うー……なんだよぉ、こんなグダグダな展開でも嬉しくてたまらない自分が情けないなぁ……」ポロッ

レックス「な、泣くなって……!」

ニア「グスッ……泣いてなんてないよバカ!」


12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:19:59.89 ID:46ishhBE0

レックス「……よっ、と」ギュッ

ニア「──っ、な、なにすんだよぉ」

レックス「よしよし……」

ニア「……うぅ……落ち着くまでこのままだぞ……」ギューッ

レックス「りょーかい」

────

レックス「……どう? 落ち着いた?」

ニア「ん……ありがと」ギューッ

レックス「…………」

ニア「…………」ギューッ

レックス「……いつまでこのまま?」

ニア「……アタシをやきもきさせた罰だ」スリスリ

レックス「オレ的にはむしろご褒美かなぁ」

ニア「じゃあ、アタシに告白できたご褒美ってことで」ギューッ

レックス「適当だなぁ……」


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:21:32.98 ID:46ishhBE0

レックス(ちょうどいい位置にニアのキツネ耳?がある……)モフモフ

ニア「ちょっ……いきなり触るなよぉ」

レックス「あ、ごめん、ダメだった?」

ニア「だ、ダメってわけじゃないけどさ」

レックス「ならよかった……普段のニアは猫っぽいけど、ブレイドのときはキツネっぽいよなぁ、この耳とか」モフモフ

ニア「んっ……そうかなぁ……? レックスはどっちのがいい?」

レックス「オレはどっちのニアも好きだよ? 小動物っぽくて可愛らしいし」モフモフ

ニア「む、なんかバカにしてるだろ?」

レックス「してないしてない」

ニア「んぐぐ……こうなったら──んっ」

レックス「──んむっ……!?」


14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:23:19.10 ID:46ishhBE0

ニア「…………ぷぁっ……へへ、どーよ……」

レックス「……参りました」

ニア「あはは、レックス顔真っ赤じゃん」

レックス「ニアも人のこと言えないぞ……」

ニア「……好きだよ、レックス」

レックス「ああ、オレも大好きだ」

ニア「………………えへへ」カァァ…

レックス「………………」カァァ…

ニア「そ、そろそろ戻るか!」

レックス「そそ、そうだな!」

レックス「……ニア!」

ニア「ん、なに?」

レックス「これからも……その、よろしく!」

ニア「へへ、アタシの方こそよろしくなっ」


15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/01/09(火) 00:24:31.01 ID:46ishhBE0

────

カグツチ「お、思ったよりガッツリ進展……というか一気にゴールインって感じね」コソコソ

ジーク「出歯亀なんて趣味悪いことしよるなぉ」コソコソ

カグツチ「貴方も覗いてるんだから同罪よ」

ヒカリ「うわぁ……うわぁ……」カァァ…

ホムラ「──あれっ!? ちょ、ヒカリちゃん!?」

ヒカリ『ごめんなさい、ちょっと引っ込むわね……うわぁ……』

カグツチ「ヒカリってかなり純情よね」

ホムラ「ですね……」

カグツチ「……二人の背中を押した私が言うのもなんだけど……その、貴女的にはいいの?」

ホムラ「レックスが選ぶことですし……それに、相手がニアなら心配ありません。きっと、いいパートナーになれます」

カグツチ「……そうね」

ジーク「強かやなぁ」

ホムラ「ふふ、オンナは強いんですよ!」

カグツチ「さて、戻りましょうか……たくさんからかってあげないとね〜」

ホムラ「もう……あんまりいじめないであげてくださいね」

ヒカリ『これからどんな目で見ればいいのかしら……うわぁ……』

おしまい