1: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:05:28.18 ID:wbgZc8BJ0
ちひろ「ほら、今月の恋人料金、早く払ってくださいよ」
モバP「毎月毎月、あんな額で……俺はもう嫌なんです」
ちひろ「そうですか。なら、もう恋人ではないですねっ」
P「それは、困ります。プロデューサーとして、アイドルに不信感を与えるわけには」
ちひろ「女性なら、そこら辺にたくさんいますよ」
P「それで彼女ができたら、ちひろさんに頼んでないですよ!」
ちひろ「そんなことは知りません。お金を払うのが、約束のはずでしたから」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392462328
引用元: ・千川ちひろ「プロデューサーさん、ちょっとこちらに来てくれますか」
アイドルマスター シンデレラガールズ劇場 千川ちひろ アクリルキーホルダー
posted with amazlet at 18.02.09
Gift (2018-02-25)
売り上げランキング: 62,183
売り上げランキング: 62,183
2: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:05:57.32 ID:wbgZc8BJ0
P「……わかりました」
ちひろ「そんな顔をしないでくださいよ! 私はプロデューサーさんに、協力してあげてるんですから」
P「はい、感謝してます。これをどうぞ」
ちひろ「ふふ、やっぱりあるんじゃないですか。まったく、プロデューサーさんはケチンボですねっ」
P「もう、行っていいですか……」
ちひろ「いえ、私たちは恋人なんですから、渡すものがあります」
P「え?」
ちひろ「――遅れながら、ハッピーバレンタイン、プロデューサーさんっ!」
3: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:06:23.92 ID:wbgZc8BJ0
ちひろ「アイドルみんなから貰ってるときに渡すのは、少し間が悪かったので」
P「い、いいんですか」
ちひろ「恋人なんだから、貰ってくれなきゃ、困りますよ!」
P「ありがとうございます」
ちひろ「いえいえ。それじゃあ、お仕事頑張ってくださいねっ」
4: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:06:56.07 ID:wbgZc8BJ0
P「ふぅ……」
渋谷凛「……プロデューサー」
P「り、凛! いつから」
凛「ちひろさんと、お金の話をしてたときから、かな」
P「そうか、聞いてしまったのか」
凛「どういうことか、聞いてもいい?」
P「そうだな、こうなると、話さなくちゃな」
6: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:07:20.60 ID:wbgZc8BJ0
凛「――ちひろさんに彼女のふりを」
P「プロデューサーに彼女がいないと、お前らも不安かと思ったんだ」
凛「それは……昔だったらそうかもしれないけど、今は違うでしょ」
P「ああ、みんな信頼してくれてるのはわかってる」
凛「なら、もう」
P「その中に、好意をもってくれている奴がいるのも、わかってる」
凛「……そっか」
7: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:07:49.62 ID:wbgZc8BJ0
凛「ちひろさんに、幾ら払ってるの」
P「これだけだ」
凛「五!? そ、そんなに……」
P「協力してくれる人は、ちひろさんしか見つからなかった。悪いと思いながらも、協力してもらったんだ」
凛「悪いって、プロデューサーはそんなこと思う必要ないよ」
P「いや、彼女ができないのは、俺の努力不足だ。それを補ってくれるちひろさんには、感謝してる」
凛「私たちのプロデュースで忙しいから、そんな暇がないだけでしょ!」
P「お前たちを、モテない言い訳にはしたくない」
凛「プロデューサーは……良い人だよ。私だって、プロデューサーのことが」
P「凛」
凛「……ごめん」
8: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:08:18.63 ID:wbgZc8BJ0
凛「プロデューサー、ちひろさんと別れて」
P「ダメだ。俺はプロデューサーとして」
凛「みんなには、私から言うから」
P「そんなことをしたら!」
凛「みんなだって、プロデューサーが傷つくより、我慢を選んでくれるはずだよ」
凛「だから、お願い。こんなこと、もうやめて……!」
P「……なあ、凛。俺はダメな奴なんだ」
凛「それ、どういう意味?」
P「お前の決意で、取り繕っていた自分が、恥ずかしくなった」
凛「なに、どういうこと……?」
P「俺は――ちひろさんが、好きなんだ」
9: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:08:46.58 ID:wbgZc8BJ0
凛「どうして、ちひろさんは、お金で」
P「そうだ。俺が、お金を払って、付き合ってくれるよう頼んだ」
P「きっと本気で探せば、ちひろさん以外にも、協力者はいたはずなんだ」
P「それでも、俺はちひろさんを選んだんだ」
凛「……わかんない。わかんないよ」
P「もっともらしいことを言ってて、ちひろさんと付き合う口実を、作っただけなんだ」
11: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:09:12.19 ID:wbgZc8BJ0
凛「ちひろさんの、どこが良いの」
P「……付き合う前から、ちひろさんに惹かれていた」
P「明るい笑顔に、細かな気遣いに、愛らしい仕草に」
P「どれも好きだった。偽の恋人になってからも、彼女のそれは変わらなかった」
P「休日は一緒にいてくれた、料理も作ってくれた。俺はその姿に、さらに惹かれていったんだ」
凛「それは、お金を払ってるから」
P「それでもだ」
12: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:09:44.30 ID:wbgZc8BJ0
凛「……まだ、続けるつもりなんだ」
P「ちひろさんに、本当の恋人ができるまで、な」
凛「なら、せめてお金を払うのはやめて」
凛「みんなには、納得してもらうから。だから、努力して、ちひろさんと本当の恋人になって」
P「そう、だな……俺も、あれっぽっちで付き合ってもらうのは、心苦しかったしな」
凛「あれっぽっちって……本当に、ちひろさんが好きなんだね」
P「はっはっは、まあな」
凛「……妬けるな、もう」
13: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:10:15.37 ID:wbgZc8BJ0
P「今から言ってくるよ。もう五百円を払うのは、やめますって」
凛「うん……」
凛「うん?」
15: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:10:35.22 ID:wbgZc8BJ0
凛「ちょっと待って」
P「どうした?」
凛「五百円? 五千とか、五万円じゃなくて?」
P「ああ、だから、指を五本立てたんだろ?」
凛「まぎらわしいよ!」
16: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:11:09.11 ID:wbgZc8BJ0
凛「少し整理させて。……その額は、プロデューサーが決めたの?」
P「いや、ちひろさんだ。話を持ち掛けたら、五百円で付き合ってあげますよ、と」
凛「すごい良心的じゃん!」
P「お、おう。俺もそういうところに、惚れた部分あるし」
凛「え、つまりなに、ちひろさんって、月に五百円でデートし放題、料理食べ放題!?」
P「パック料金みたいだな」
凛「超得過ぎるよ!」
17: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:11:42.91 ID:wbgZc8BJ0
凛「……なら、あの冒頭の会話は? なんでプロデューサーは、お金に渋ってたの?」
P「色々してもらって、五百円は安いだろうと」
凛「遠慮してたのかよ!」
P「まさかチョコまで貰えるとは……」
凛「本当だよね。サービス精神旺盛どころじゃないよ」
P「ちひろさん、料理上手だからさ、楽しみなんだ!」
凛「惚気ないでくれる? さっきまで、すごいシリアスだったんだから」
18: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:12:10.24 ID:wbgZc8BJ0
P「まあ、凛に言われて、目が覚めたよ」
凛「私はプロデューサーの発言で、目が白黒してるけど」
P「今からちひろさんに、本当の恋人なってもらうよう、告白してくる」
凛「いいよ、もう言ってきなよ。なんか疲れちゃった」
19: 以下、2013年にかわりまして2014年がお送りします 2014/02/15(土) 20:13:01.22 ID:wbgZc8BJ0
P「ちひろさん、俺と本当の恋人になってください!」
ちひろ「……プロデューサーさん、チョコの包み、開けてないんですか」
P「え、ちょっと待ってください――これは、五百円と手紙?」
『この五百円はお返しします。私はあなたと恋人になりたいです』
ちひろ「目の前で読まれるなんて、思いもしませんでしたよ!」
P「ち、ちひろさん!」
ちひろ「わ、抱き着いちゃだめですよ、もうっ!」
島村卯月「もしもし! どうしたの、凛ちゃん」
卯月「え、失恋!? それもギャグっぽく?」
卯月「意味がよくわからいんだけど……」
おしまい
コメントする
このブログにコメントするにはログインが必要です。
さんログアウト
この記事には許可ユーザしかコメントができません。