1: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:18:50.38 ID:xvwbKGSHO
あおい「パワプロくんも、この駅利用してたんだ!」

パワプロ「そうそう、学校行くときに電車使うからね」

あおい「確か、会うのって小学生の頃以来だね」

パワプロ「うん、今じゃお互い高校生だよ」

引用元: あおい「あ、パワプロくん!」パワプロ「久しぶりだね」 



 
2: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:21:46.25 ID:xvwbKGSHO
あおい「パワプロくんは今も野球続けてるの?」

パワプロ「当たり前だよ、見りゃわかるでしょ」

あおい「ハハハ……確かにユニフォーム姿だね……」

パワプロ「あおいちゃんは?」

あおい「ううん、もう続けてないよ」

パワプロ「えっ」

4: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:25:48.04 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「ど、どうして?」

あおい「んーと、ボクの高校って元女子高でさ、男子が数えるほどしかいないから、野球部がないんだ……」

パワプロ「そうなんだ……」

あおい「……ごめんね?」

パワプロ「どうして謝るの?」

あおい「……あの日の約束、あったからさ……」

パワプロ「……覚えてくれてたんだ」

あおい「もちろん」

パワプロ「…駅前で立ち話もなんだし、どこか喫茶店にでも行く?」

あおい「うん!そうしよ」

5: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:32:09.55 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・・・
喫茶「ダイジョーブ」


あおい「店の中あったかいね」

パワプロ「うん!外は寒すぎだよ」

店員「ご注文、お決まりデースか?」

あおい「あ、じゃあボクは……コーヒーで」

パワプロ「俺もコーヒー1つ」

店員「コーヒーにはタイプがありマース!A・B・Cのどれにしマースか?」

あおい「え?どうしよ……」

パワプロ「じゃあ、Aで」

あおい「そしたら、ボクもAで」

店員「わっかーりマシタ!アツアツ持ってくるデース!」

7: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:36:40.10 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「なんかすごい店員さんだったね」

あおい「うん、なんか不思議……」

パワプロ「じゃあ、何から話す?」

あおい「え、あーと……矢部くんは元気かな?」

パワプロ「矢部くんは同じ高校の野球部で活動してるよ。中学も同じでさ」

あおい「そうなんだ。みずきと聖ちゃんは?」

パワプロ「みずきちゃんたちも同じ高校で、野球部だよ。」

あおい「そっか……」

10: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:39:02.83 ID:xvwbKGSHO
あおい「みんな、少年野球の時から、野球続けてるんだ……」

パワプロ「そうだね…」

あおい「…………」

パワプロ「あおいちゃん」

あおい「ん?」

パワプロ「どうして、約束したのに……」

あおい「…そうだよね。結局、この話になっちゃうよね……」

11: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:43:06.95 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・・
少年野球時代

パワプロ「あおいちゃん!ナイスピッチングだったよ!」

あおい「ありがと!頑張ってシンカー覚えた甲斐があったよ!」

パワプロ「やっぱりあおいちゃんは野球上手いね」

あおい「そうかな?誰だって頑張れば上達するよ!」

パワプロ「うーん、頑張ってるつもりなんだけどなぁ……」

12: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:47:39.68 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「あおいちゃんは、俺と中学は別なんだよね?」

あおい「そうなんだよ……学区が違うからね」

パワプロ「じゃあ、高校は一緒のトコ入ろうよ?」

あおい「えっ?」

パワプロ「あおいちゃんと一緒がいいからさ」

あおい「そ、そんなこと、ボクの目の前で言わなくていいよ!恥ずかしい//」

パワプロ「ごめんごめん、でも、また一緒に野球をやりたいんだ」

15: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:51:38.88 ID:xvwbKGSHO
あおい「そうだね、ボクもパワプロくんと一緒にもっかい野球したいな」

パワプロ「じゃあ、約束!」スッ

あおい「うん、指切りだね」スッ

パワプロ「指切りげんまん、嘘ついたら、相手の言うことなんでも聞く!」

あおい「えー!?」

パワプロ「驚く必要ないでしょ。ずっと続けてればいいだけなんだから」

あおい「そっか……そうだよね」

17: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 09:55:45.43 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「高校はもちろん、野球の強いパワフル高校だよ!」

あおい「うん!そのためにちゃんと勉強しないとね」

パワフル「う……勉強……」

あおい「えー?自分から約束振っといて、それはないよー」

パワフル「……分かった!今日から勉強する!野球の勉強!」

あおい「はぁ…約束守れるのかなあ……?」

パワフル「だ、大丈夫だよ!頑張るから!その代わり、あおいちゃんも約束守ってよ?」

あおい「もちろん!」



パワあお「指切った!」

21: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:00:51.95 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・・

あおい「懐かしいね、あの約束。もう5年も前だよ」

パワプロ「少年野球の最後の試合が終わったあとに約束したからね」

あおい「うん、ボクも覚えてるよ」

パワプロ「その約束があったから俺は、このパワフル高校のユニフォームを着て、野球をちゃんと続けてる」

パワプロ「それなのにどうしてあおいちゃんは、別の高校へ行ったのさ?」

22: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:04:33.14 ID:xvwbKGSHO
あおい「まあ……その、色々あってね」

パワプロ「色々で済まされても、俺は理由が聞きたいんだ!」

あおい「…………言えないよ」

パワプロ「そんな……言ってy」

店員「ハーーーーイ!!お股せしマーシタ!!Aコーヒー2つ、飲みやがれデース!!」

パワプロ「わっ、ビックリした!!」

24: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:09:03.99 ID:xvwbKGSHO
店員「ごゆっくりデース!」

パワプロ「まあ飲もうか…」

あおい「う、うん」

ゴクットナ

あおい「!?」

あおい「わぁ、すごいおいしい」

パワプロ「だね!今まで飲んできたなかで一番だよ!」

あおい「……」ズズッ

あおい「(なんか身体に違和感感じたけど、気のせいかな……?)」



店員「フッフッフ……ぶっちゃけ大会デース……」

26: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:14:14.43 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「じゃあ、一息ついてリラックスしたし、理由聞かせてくれないかな?」

あおい「(ううん……やっぱり話せない…)あのね、実は」

あおい「!!??」

あおい「(え?頭で思ったことと喋ってる内容が違う!)」

パワプロ「どうしたの?」
あおい「……中2の時に見たんだ」

パワプロ「なにを?」

あおい「中学のグラウンドで、野球をしてるパワプロくん」

28: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:20:05.42 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・
中学2年

あおい「パワプロくん、頑張ってるかな?わざわざ見に来ちゃった♪」


矢部「パワプロくん!投げでやんす!」

パワプロ「うん、いくよ!」


あおい「わ、パワプロくんだ!背も伸びて、カッコよくなったなぁ……//」


パワプロ「矢部くんに打てるかなぁ…?」


あおい「ちゃんとピッチャー続けてたんだぁ…。ちょっとは成長したかな?」


パワプロ「そらっ!」ビシュッ

スバーン!


あおい「」

29: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:24:37.09 ID:xvwbKGSHO
あおい「うそ……すごい速い……」


パワプロ「次行くよ。それっ!」ビシュ

ククッ!ズバーン!


あおい「シ、シンカー…?変化量がすごい……」


パワプロ「最後だっ!そりゃ!」ビシュ

ヒュン、ジャパーン!

矢部「空振り三振でやんす……やっぱりパワプロくんの球は打てないでやんす!」

パワプロ「そんなことないよ、努力すれば矢部くんもバッティング上手くなるよ」

30: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:29:57.63 ID:xvwbKGSHO
あおい「パワプロくん……こんなに成長してたんだ……」

あおい「前までは、ストレートがミットに届かない、へなちょこボールだったのに……」

あおい「確実に、ボクの方が弱くなっちゃった……」

あおい「……帰ろう…」



パワプロ「ん?なんかいま……」

矢部「どうしたでやんす?」

パワプロ「いや、あおいちゃんが近くにいた気がして」

矢部「気のせいでやんす。あおいなら毎日、オイラの隣で寝てるでやんす」

パワプロ「シャラップ」

矢部「Yes,Boss.」

31: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:36:08.52 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・

あおい「それから、ショックで練習に実が入らなくなって…」

あおい「ボクがこんなに弱いと、高校に行ってもパワプロくんに顔向けできないと思ってさ……」

あおい「野球、諦めちゃった……」

パワプロ「そんな……」

あおい「(全部話しちゃった……恥ずかしいよぅ……)」

パワプロ「そんな程度で、あおいちゃんが野球止めるなんて、失望したよ」

あおい「だよね……そう思うよね……」

パワプロ「俺はあおいちゃんに追い付くために、必死に努力してきたのに……」

32: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:40:58.85 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「あおいちゃんに認めてほしかったから……」

パワプロ「あおいちゃんに振り返ってほしかったから……」

あおい「え?」

パワプロ「俺、あおいちゃんのことが好きだから……」

あおい「え……えー!?」

パワプロ「あおいちゃんのことを想って、いつも野球続けてきたのに……」

あおい「パワプロくん……」

35: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:42:38.67 ID:xvwbKGSHO
見てる人いるかな?

38: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:48:02.23 ID:xvwbKGSHO
あおい「でも……あのままじゃ顔向けできなくてさ…」

パワプロ「そんなわけないよ!」

パワプロ「俺は、何を約束したか、あおいちゃん覚えてないんだよ」

あおい「そ、そんなこと…」

パワプロ「じゃあ、何を約束した?」

あおい「パワフル高校で、一緒に野球をする……」

パワフル「そこに、『お互い強くなった状態で』って条件はあった?」

あおい「…………」

パワフル「俺は、単純にあおいちゃんと野球をしたかったから、あの約束をしたつもりなのに……」

40: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:54:13.08 ID:xvwbKGSHO
あおい「……そっか。ボクは勘違いしてたんだ……」

パワプロ「そうだよ。例えあおいちゃんが弱いピッチャーだからって、突き放したりなんか絶対にしない」

パワプロ「だって、昔からの好きな人だもん」

あおい「……あの頃から変わらないね。優しいね…パワプロくん……」ウルウル

あおい「ボクも……昔から、パワプロくんのことが大好きだよ……」

パワプロ「あおいちゃん……!」

42: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 10:59:45.09 ID:xvwbKGSHO
あおい「なんで……なんで野球やめちゃったんだろ……ボクってバカだな……」ヒックヘック

パワプロ「……ねぇ、約束破ったら、なんでもするって決めたよね?」

あおい「うん……」ヒック

パワプロ「だから、あおいちゃん」


パワプロ「野球しようよ」


あおい「……したいよぅ……野球したいよぉ……」ヒックヘック

43: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:04:35.84 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「あおいちゃん?もう泣かなくていいよ」ナデナデ

あおい「嬉しくて……そりゃあうれし涙だって出るよ……」ヒックヘック

店員「ヘーイ!ご注文の追加はありマースか!?」

パワプロ「いやっ、今はちょっといいです……」

店員「オーゥ!泣いている彼女には、Bコーヒーオススメデース!」

パワプロ「じゃあ……彼女にひとつ……」

55: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:16:15.52 ID:xvwbKGSHO
店員「Bコーヒーひとつデースね!でもちょい○○ルートだから、アンタの分入れて、二つ持ってきマース!」

パワプロ「はひ?」

店員「オーゥ!オフレコデース!少々お待ちくだサーイ!」

パワプロ「やっぱり変な店員さんだな……」

あおい「……ありがとうパワプロくん。泣き止んだよ」

パワプロ「それは良かった」

あおい「パワプロくん、覚えてるかな?むかし、こんなことあったよね」

パワプロ「え??」

58: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:22:53.30 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・
少年野球時代、練習中

あおい「よーし、まだまだ投げちゃうよ!」

パワプロ「あおいちゃん、もう休んだら?投げすぎだよ」

あおい「大丈夫だよ。まだ投げたいんだ」

矢部「さすがあおいちゃんでやんす!オイラもあおいちゃんに投げられたいでやんす!」

あおい「ほう」

矢部「Yabe's joke.」

59: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:29:34.23 ID:xvwbKGSHO
あおい「聖ちゃん、まだ受けてもらってもいい?」

聖「あおい先輩が良いなら、私も良いが……」

あおい「じゃあいくよ!」

あおい「えいっ!」ビシュ

グキッ

あおい「!!」


パワプロ「ん?いまグキッて……」

あおい「ーーーーっ!!」

みずき「あ、あおい先輩、肩が痛いって!!」

パワプロ「マジで!?なんで聞き取れるの!?」

聖「ひょっとしたら脱臼かもな……」

矢部「69車呼ぶでやんす!」

みずき「この場に及んでクソ眼鏡」

矢部「救急車でやんす。呼んでくるでやんす!」

62: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:33:35.50 ID:xvwbKGSHO
プィープォープィープォー

・・・・・・・
病院

加藤京子「これは脱臼ですねぇ……」

あおい「そうですか……」

加藤京子「無理のしすぎですよ。しばらくは入院ですね」

あおい「わかりました……」

63: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:38:15.27 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・

パワプロ「あおいちゃん!」

矢部「どうでやんしたか!?」

あおい「うん……脱臼だったよ」

みずき「そんな……先輩の最後の試合、来月なのに……」

聖「もしかしたら出れないかもしれないな……」

あおい「だ、大丈夫だよ!ちょっと入院するだけで治るみたいだから」

パワプロ「入院必要なの!?」

あおい「うん……」

65: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:42:35.70 ID:xvwbKGSHO
あおい「ごめんね……こんな大事なときに……」

パワプロ「謝らないでよ、大丈夫だよ。その代わり、あおいちゃんは肩が治るまで安静にしておくこと!」

あおい「うん…わかった」

みずき「ちゃんとお見舞いに行きますからね」

聖「入院生活は退屈かもしれないが、できるだけ伺うから大丈夫だぞ」

矢部「オイラもあおいちゃんとお見合いするでやんす!」

みずき「眼鏡、後で話ある」

矢部「Yabe's joke.」

66: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:47:53.11 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・
1週間後

あおい「はぁぁぁ……やっぱり退屈だなぁ……。」

あおい「あのとき余計に投げていなければなぁ……」

あおい「誰かお見舞いに来ないかなぁ……」

コンコン

あおい「?はーい」

パワプロ「やあ!あおいちゃん」

あおい「パワプロくん!来てくれたんだ!」

パワプロ「心配だったからさ……ちょっとは良くなった?」

あおい「まあね……って、昨日もみんなでお見舞い来てくれたときに訊いたじゃん。」

パワプロ「あれ、そうだったっけ?」

あおい「もう……」

68: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 11:54:57.67 ID:xvwbKGSHO
あおい「でも、ありがと」

パワプロ「あ、そうそう。今日は花を持ってきたよ」

あおい「ホント!?……まさか、椿とかバラとか、縁起の悪い花じゃないよね…?」

パワプロ「そ、そんなわけないよ!(バラとかって縁起悪かったんだ、知らなかった…)」

あおい「ふーん?じゃあ見せてよ」

パワプロ「はい、これ!」

あおい「わぁ……綺麗なオレンジの花……。なんて名前?」

パワプロ「ひなげしって言うんだ。お見舞いの時に一番選ばれる花なんだって!」

あおい「へぇ~、聞いたことないなぁ」

70: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 12:00:05.98 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「じゃあ、花瓶にさしておくね」

あおい「うん……」

パワプロ「えーと……まずは花瓶を洗って……」セッセセッセ

あおい「ふふ……なんかパワプロくん、旦那さんみたい……//」

パワプロ「ぅえっ!?そ、そーかな…//」

あおい「うん、優しいし、カッコいいし…」

パワプロ「や、やめてよ……// はい、飾っておくね」

あおい「わぁ……綺麗だなぁ……」

パワプロ「あおいちゃんもね……」ボソッ

あおい「え?」

パワプロ「ううん、何でもない!」

81: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 12:32:52.18 ID:xvwbKGSHO
あおい「ボク、野球はじめてよかったなぁ……」

パワプロ「どうしたの?突然」

あおい「だって、野球を始めたおかげで、熱心に取り組めるものを見つけたし……」

あおい「良い仲間たちにも出逢えて、すごく楽しいんだ」

パワプロ「それは俺も同じだよ」

あおい「だから、みんなで野球出来ないのが辛いんだ……」

パワプロ「……分かった!」

あおい「え?」

83: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 12:37:11.73 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「野球ができないなら、観ればいいんだよ!」

あおい「観戦ってこと?」

パワプロ「観戦はムリだから、毎日プロ野球の試合を録ったビデオを持ってくるよ!一緒に見よ?」

あおい「…うん、そうしよ!でも、毎日なんて来れる?」

パワプロ「大丈夫大丈夫。あおいちゃんに会えるし、試合を観て研究もできるから、一石二鳥だよ」

あおい「そっか。じゃあ明日から待ってるからね!来なかったから、退院したとき覚えててよ!!」

パワプロ「大丈夫だって!行くから!」

85: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 12:42:30.12 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・・
翌日

コンコン

パワプロ「来たよー」

あおい「あ、約束通りだね」

パワプロ「もちのろんだよ。はい、今日も持ってきたよ」

あおい「わぁ、やっぱりひなげしって綺麗だね。ありがと!」

パワプロ「よーし、じゃあ早速観ようか!」

あおい「うんうん!早く見せて!」

パワプロ「今日は、05年日本シリーズ・ロッテ vs 阪神の試合をまとめたビデオを持ってきたよ」

86: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 12:50:19.94 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・・

あおい「すごいなぁ、ロッテ」

パワプロ「33-4って……。1試合目10-0だしね。」

あおい「ボクも、相手に失点されないピッチャーになりたいよ」

パワプロ「あおいちゃんならなれるよ」

あおい「ううん、だって、投げすぎて肩外れるくらいだし」

ズキッ

あおい「いたっ!」

パワプロ「大丈夫!?」

あおい「うん…、突然痛んでさ……」

パワプロ「さすってあげるよ」

あおい「えっ!」

88: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 12:55:36.26 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「右肩だよね?ココあたりかな?」サスサス

あおい「う、うん。そうだよ」

パワプロ「痛そうだもんね……優しくするね」サスサス

あおい「ありがと……//」

あおい「(パワプロくんに触られて、ボク、ドキドキしちゃってる……//)」

パワプロ「あおいちゃんは凄腕のピッチャーだから、早く完璧に治ってほしいからね……」サスサス

あおい「うん……//」

パワプロ「あれ、あおいちゃん、顔赤いよ?まさか熱?」

あおい「ち、ぢがうよ!」

89: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 12:59:44.49 ID:xvwbKGSHO
あおい「もういいよ、肩は。ありがと…//」

パワプロ「そう……」シュン

あおい「(いま、悲しそうな顔してたような……)」

パワプロ「あ、もうこんな時間か。じゃあ今日は帰るね!お大事に」

あおい「あ、うん。気を付けてね」

ガラガラ パタン

あおい「パワプロくんと二人きりなんて初めてだったなぁ……。」

あおい「………//」

あおい「なんでドキドキしたんだろう……//」

91: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:04:34.57 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・
翌日

パワプロ「(よーし、今日はノック無しで入って驚かせよっと)」

ガラッ

パワプロ「あおいちゃん!来たy」

あおい「きゃあっ!!」

パワプロ「え、生着替え」

ビシュッ

パワプロ「ボールがバベルッ!」ボゴッ

あおい「はぁ…はぁ…、ちゃ、ちゃんとノックしてから入ってきてよ!!こっちは着替えてたのに!」

パワプロ「ごべんなざい……」

93: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:10:55.40 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・

あおい「キミは最低だよ!そもそも入院患者を驚かせようなんて!」

パワプロ「ご、ごめんなさい……」

あおい「ふんっ」

パワプロ「でも、脱臼してるのに、俺の顔に向かってボールを投げれたのは、治ってきた証拠だよ!」

あおい「あ…言われてみれば……」

あおい「でも、患者にボールを投げさせるのは、どうだろうね??」

パワプロ「すいません……。まあまあ、また持ってきたからさ、ひなげしの花」

あおい「あ、ありがとう……。」

94: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:15:35.45 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「あと、今日もビデオ持ってきたからさ…」

あおい「……ほら、早く一緒に観ようよ!」

パワプロ「(あ、もう怒ってない)」

パワプロ「うん!」

パワプロ「そしたら、まずはセットして……」

ガチャ キュルルルル

あおい「楽しみだなぁ」

パワプロ「再生っと」


「アッハァァァァン!!////」


パワあお「!!??」

95: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:21:13.18 ID:xvwbKGSHO
「ハァッ、ハァッ…!ベリーソービッグ……///」

パワプロ「えっ、ちょっ、まっ、あれぇっ!?」

あおい「ちょ、パワプロくん!なにコレ!?//」

パワプロ「あれ!?試合を録ったビデオ持ってきたはずなのに……」

「オォォォォウ!!///ナイスガイ!!アイライクベリーソービッグ!!///」

あおい「あああ!!// もう早く止めてよ!!」

パワプロ「わかってる!………リモコンどこぉ!?」

97: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:27:04.83 ID:xvwbKGSHO
「オーケー!オーケー!全然オーケー!!インザミドルオブ、オーケー!!///」

パワプロ「えーと……えーと……//」チラッチラッ

あおい「画面チラチラ見てないで、早く探してよぅ!//」

パワプロ「うん!」アタフタ

あおい「??」

あおい「(パワプロくん……膨らんでる……?//)」

パワプロ「えーと、!あった!これで止め……」

あおい「………//」ジーッ

パワプロ「ん?……あっ!」

98: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:31:22.35 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「ちょ……あおいちゃん、どこ見てんの!」カクシッ

あおい「……あっ、ごめん…//」

「カモォォォォォォン!!はよカモォォォォォォン!!アッハアアァァァァァン!!」

パワあお「!?」

「オゥフッ!!ビュクビュク……」

パワあお「ポーーー………///」カアァッ

100: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:35:43.92 ID:xvwbKGSHO
「ハァッ……ハァッ……スパームイズホット……」

パワあお「…………///」

パワプロ「お、俺帰るっ!」

あおい「えっ」

パワプロ「じゃあねっ!!」スタタタ

あおい「あ……ちょっと……ビデオ……」

あおい「…………//」

あおい「………もいっかい見てみよ……///」

102: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:41:17.67 ID:xvwbKGSHO
・・・・・・・
現在

あおい「そんなことも……あったよね……//」

パワプロ「ちょっと……思い出したら恥ずかしいよ……」

あおい「ボクも、話してるうちに恥ずかしくなってきた……」

あおい「(なんで、あの後ビデオをもう一回見たことなんて喋っちゃったのー!?//)」

パワプロ「あの後、もう一回見てたんだ……」

あおい「…………//」

パワプロ「…俺が家に帰ったら、親父探し物しててさ。」

パワプロ「『俺のビデオ知らないかー!?』って……」

あおい「………プフッ」

パワプロ「……フフフフッ」

103: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:46:22.09 ID:xvwbKGSHO
パワあお「アハハハハハ!!」wwww

パワプロ「まさかさ、あのビデオを捜してたとは思わなくてさwww」

あおい「ごめん、それは笑っちゃうよwww」

パワプロ「ハハハハハww……ハァー」

あおい「でも、そのことを知ってるのって、パワプロくんとボクだけだね」

パワプロ「そうだね、二人だけの秘密みたいになっちゃったね」

あおい「あのビデオ……一応家にあるけど、返そうか?」

パワプロ「いや、もういいよw」

105: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:50:44.13 ID:xvwbKGSHO
あおい「でも、パワプロくんがあの時、毎日お見舞いに来てくれたから、こんな思い出ができたんだよね」

パワプロ「そうだね……」シミジミ

あおい「あのビデオの事件のあとも、パワプロくんは毎日お見舞いに来てくれて……」

パワプロ「ちょっと行き辛かったけど、約束してたしね」

あおい「そのおかげで、肩の治りが早くなって、ボクたち最後の試合に出ることができたんだもん。感謝してるよ」

パワプロ「そんな大袈裟だよ。あおいちゃんの回復が早かっただけ。」

106: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 13:53:58.77 ID:xvwbKGSHO
あおい「あと……一番嬉しかったのは……」

パワプロ「??」

あおい「キミが毎日、ひなげしの花をボクに届けてくれたこと」

パワプロ「あぁ……」

あおい「……パワプロくんの嘘つき」

パワプロ「な、何のこと?」

あおい「『ひなげしの花は、お見舞いに一番使われる』って、全然違うじゃん」

パワプロ「………うん、そうだよ」

108: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:00:09.92 ID:xvwbKGSHO
あおい「ボク、中学に入ってからふと思い出して、調べたんだ」

パワプロ「なにを?」

あおい「ひなげしの花言葉」

パワプロ「…………」

あおい「『心より愛を込めて届け』」

パワプロ「…………」

あおい「パワプロくん、それでひなげしを届けたんだよね?」

パワプロ「……バレたかぁ……」

あおい「花言葉を知らないボクに、毎日毎日、告白してくれてたんだね……」

パワプロ「…………うん」

110: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:04:04.34 ID:xvwbKGSHO
あおい「花言葉を知ったとき、ボク、きゅんと来ちゃった……」

パワプロ「…………」

あおい「半信半疑だった気持ちが、そのとき確信に変わったんだ」


あおい「ボクは、パワプロくんのことが好きなんだって」


パワプロ「あおいちゃん……」

あおい「さっき、パワプロくんが、ボクのことが好きだって言ってくれたとき……」

あおい「人生で一番嬉しかったよ…?」

111: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:09:33.09 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「……//」

あおい「えへへ……//」

パワプロ「あおいちゃん……、俺とt」


店員「ヘーーーイ!!大変永らくお待たせいたしマーシタ!!」

パワプロ「わっ!ビックリした!」

パワプロ「(タイミングわりいよおおおぉぉぉ!!)」

店員「3時間前にご注文いただいた、Bコーヒー2つデース!」

パワプロ「あ、どうも……」

店員「オーゥ!またオフレコデース!」

113: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:13:39.17 ID:xvwbKGSHO
店員「ごゆっくりデース!」スタコラサッサ

パワプロ「と、とりあえず飲もう」

あおい「うん……」

ズズッ

パワプロ「!?」

パワプロ「……はは、さっきのコーヒーと変わらないね……」

あおい「うん……でもおいしい……」

パワプロ「そうだね……」ドキドキ

114: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:17:23.99 ID:xvwbKGSHO
あおい「(な、なんだろ…!急にドキドキしてきた……//)」

パワプロ「ハァッ……ハァッ…んぁ!?」

あおい「ふぇ………?」

パワプロ「(あ、あおいちゃん、顔赤い……!しかも目がトロンとしてる……!)」

パワプロ「(このコーヒー……なんじゃこりゃあぁぁ!?)」 


店員「フッフッフ……モアラブラブタイムデース……」

116: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:22:47.43 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「あおいちゃん………」ハァハァ

あおい「な、なにかな…?」

パワプロ「好きだ」

あおい「!?」 ン

パワプロ「大好きだ……愛してる!!」

あおい「ふぁ……あぁ……//」  ッ

パワプロ「(ヤバい……あおいちゃんへの愛情が止めどなく溢れてきてしまった……)」

あおい「…パワプロくぅん……」

パワプロ「な、なに?」


あおい「……キスして……??」

パワプロ「……んなっ!?」


118: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:27:59.04 ID:xvwbKGSHO
あおい「お願い……パワプロくんの声を聞くだけで、ドキドキが止まらないんだ……//」

パワプロ「あおいちゃん……!じゃあ、隣に来て…」

あおい「うんっ…!」

パワプロ「チュッ」

あおい「(キスしてる……パワプロくんと、5年越しにキスしてる……//)」

122: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:33:11.29 ID:xvwbKGSHO
パワプロ「ぷはっ……あおいちゃん!」ギュッ

あおい「ひぁ……//夢みたい……//」ギュウゥ

パワプロ「俺……、あおいちゃんがパワフル高校の入学式にいなかったとき、悲しかったよ……」

あおい「うん……」

パワプロ「もう会えないと思って、練習にあまり実が入らなかったんだ」

あおい「そうだったんだ……」

パワプロ「あおいちゃん……今からでも遅くないよ」

あおい「ふぇ…?」


パワプロ「転校しておいで。そして……俺と一緒に、野球しよ?」

あおい「パワプロくん……//」

124: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:37:33.78 ID:xvwbKGSHO
あおい「……そういうところ、ズルいよ……」

パワプロ「え?」

あおい「……まだ、シンカー投げられるかな…?」

パワプロ「…俺が教えるよ」

あおい「教えれるの~?」

パワプロ「俺、あおいちゃんとお揃いになりたくて、シンカー覚えたんだよ?」
あおい「え……」

パワプロ「だから、あおいちゃんにシンカーを教えることは、必須なわけよ」

あおい「…………//」

パワプロ「……わかった?」

あおい「うん……っ!」ギュウゥ…

126: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:42:25.02 ID:xvwbKGSHO
店員「ごめんクサーイ」

パワあお「!?」

店員「ここ、しがない喫茶店デース。ラブラブされては困りマース」

パワプロ「あっ、ごめんなさい……」

店員「おすすめの場所、教えマース」スッ

パワプロ「ん?紙切れ……?」

『HOTEL DAIJO-BU』

店員「ここに行って、この紙を見せれば、今ならタダデース」

パワプロ「………!!」

あおい「パワプロくん………?」

パワプロ「えっ」

あおい「…………///」トロン

パワプロ「」

弾道がすこぶる上がった

128: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:47:16.72 ID:xvwbKGSHO
パワプロ↑371「あおいちゃん……いいの…?」

あおい「もう……こんな状態ボクが断ると思うの……?」トロン

パワプロ↑401「あぁ………でも……」

あおい「ボクをこんなに○○○にさせたの、あのビデオを持ってきた、キミのせいだからね………??」

パワプロ↑423「うっ………」

あおい「……」クイクイッ←袖引っ張った

パワプロ↑671「??」

あおい「…………しよ?//」

パワプロ↑999「」


弾道がバグった

130: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:51:46.58 ID:xvwbKGSHO
パワプロ↑q&j$「よし行こう!!」ビンビン

店員「ちょと待つデース!」

パワプロ「?」

店員「この、Cコーヒーを持っていってくだサーイ!」

パワプロ「いいんですか?」

店員「よく感じ、よく出マース」ボソッ

パワプロ「喜んでいただきます!!」

あおい「ね、はやく行こ?//」

パワプロ「10000円置いときます!!釣りなんかいらねぇよ!!」


カランコロン

131: ◆UYOMNZkX3A 2013/12/14(土) 14:55:03.70 ID:xvwbKGSHO
店員「フッフッフ……こうして新たに、ひと組のカップルを誕生させマーシタ」

ゲドー「ギョー」

店員「どうしマシタ?ゲドーくん?」

ゲドー「ギョギョー」

店員「Cコーヒーを飲みたいのデースか?どうぞデース」

ゲドー「ギョギョ」ゴクゴク

ゲドー「ギョギョギョギョーーーーー!!!!////」

ゲドー君はこのとき、バケツ3杯分も 吹いた



おわれ