1: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:14:40.67 ID:DUZyCrSGO
心「どうも、眼鏡かけたしゅがーはぁとです」クイッ

梨沙「目、悪かったっけ?」

心「いいえ、伊達眼鏡です」クイクイッ

梨沙「なんで急に?」

心「普段と違った知的なはぁとを見せることで、プロデューサーに新しい仕事の可能性を提示するためです」クイクイクイッ

梨沙「ふーん」

梨沙「どうでもいいけど、ずっと眼鏡クイクイやってて疲れない?」

心「ぶっちゃけ疲れます」

梨沙「じゃあやらなきゃいいじゃない……」

心「え? だって知的クール眼鏡キャラといえばこのポーズっしょ☆」

梨沙「知的だかなんだか知らないけど、ずっとやってたら何もできないバカでしょ!」

心「わぉ、相変わらずキレのいいツッコミ♪ やっぱ辛い朝にはこれが効くよねー♪」

梨沙「人のツッコミをコーヒーがわりにしない!」

心「うはー、効くぅ☆」






P「飛鳥に眼鏡専門店のCMのオーディションを受けてもらいたいんだが、どうだろう」

飛鳥「この流れでそれを提案できるとは、キミもなかなかいい根性をしているね」

P「仕方ないだろう。向こうの出してきたCMの内容見る限り、飛鳥が適任なんだ」

飛鳥「どんな内容なんだい」

P「スナイパーに撃たれた銃弾を眼鏡のレンズで弾くCM」

飛鳥「……どんな内容なんだい」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520576080

引用元: 佐藤心「お前もツインテールになるんだよ☆」 二宮飛鳥「えぇ……」 



2: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:15:47.05 ID:DUZyCrSGO
心「というわけで、はぁと達も常日頃から新規分野の開拓に努めていくべきじゃない?」

梨沙「もう知的クール眼鏡キャラはやらないの?」

心「ずっとは疲れるし、春菜ちゃんの眼鏡借りっぱなしもよくないしね☆」

梨沙「自分のじゃなかったんだ……」

心「ま、眼鏡はいったん置いといて。やっぱり引き出しが多いほうが、仕事も増えて人気も出やすいと思うんだよねー♪」

飛鳥「引き出し、か。確かに武器が多ければ、使う側も使いやすいだろう」

飛鳥「もっとも、それで自己を見失ってしまっては本末転倒だけどね」クイッ

梨沙「もう眼鏡かけてCMの準備してる!?」

飛鳥「さすがは春菜さん。一瞬でボクに合ったサイズの眼鏡を用意してくれた」

梨沙「まさか事務所のアイドル全員分の眼鏡持ち歩いてるんじゃないでしょうね……」

心「上条春菜はいったいいくつ眼鏡を所持しているのか。これってトリビアになりませんか?」

梨沙「飛鳥のエクステが何個あるのかと同じレベルで謎ね」

飛鳥「さあ、いくつだったか……ボクの心のありようと同じ数だけ、とでも言っておこうか」

梨沙「今度飛鳥の部屋に行ったら、数えるついでに色順に並べといてあげるわ!」

飛鳥「母親か、キミは」


3: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:16:59.88 ID:DUZyCrSGO
心「そろそろ話を戻すぞ☆ ふたりもはぁとと一緒に、新しい自分を開拓していこうぜ☆」

梨沙「新しい自分……ま、アタシはなんでもできちゃうし、アリね!」

飛鳥「新しい自分とは、そう簡単に見つけられるものではないと思うんだが……」

梨沙「飛鳥は乗り気じゃない感じ?」

心「心機一転ツインテールとかしてみない? せっかくユニット組んでるんだし、全員ツインテールでツインテールの風を歌おうよ~♪」

飛鳥「ツインテール……まあ、気が向いたら考えておくよ」

梨沙「うわー、『気が向いたら』『考えておく』って、ほとんどやる可能性なさそう」

心「飛鳥ちゃんさぁ、自分が公式プロフィールの趣味欄になんて書いたか覚えてる?」

飛鳥「趣味欄? ええと、確か……ラジオを聴くこと、漫画を描くこと、それとヘアアレンジ」

心「そう! ヘアアレンジ! ヘアアレンジって趣味欄に書いてるの!」

梨沙「そういえば書いてたわね」

心「てことでツインテールけってーい☆」

飛鳥「理論が飛躍しすぎだ」

心「はぁと、飛鳥ちゃんのツインテールが見たいなぁ……ダメ?」キラキラ

飛鳥「ダメ」

心「ちっ、無垢な上目遣いは通用しないか」

飛鳥「そのセリフが自然と出る時点で無垢からかけ離れているからね」

心「こうなったら飛鳥ちゃんの苦手な年下の子に攻めてもらうしか……」

飛鳥「梨沙を使おうとしても無駄だよ。生意気な年下には耐性がある」

梨沙「誰が生意気よ!」

千佳「飛鳥ちゃんのツインテールみたいな~♪ チカとおそろい!」

飛鳥「うぐっ」

心「ふはは☆ 事務所最年少タイ(9歳)の千佳ちゃんの無垢な笑顔を喰らうがいい!」

梨沙「ホントに年下に弱いのね……なんでアタシには厳しいのかしら」

心「梨沙ちゃんにも割と優しい気はするけどね~」

梨沙「アタシがオトナだからね、きっと!」

心「すっごいポジティブ♪ そういうの嫌いじゃないぞ☆」



4: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:17:57.25 ID:DUZyCrSGO
飛鳥「と、とにかく! ボクはやらないからな。強制されるのはごめんだ」

千佳「えー? ダメー?」

飛鳥「……ダメだ」

千佳「どうしてもダメ?」

飛鳥「ダメなものはダメだ」

千佳「そっか~……残念」

梨沙「半分ムキになってきてるわね」

心「飛鳥ちゃん。飛鳥ちゃんがツインテールにならないのは勝手だけど、その場合誰がツインテールになると思う?」

飛鳥「………?」

心「そこでタブレットをいじってるフリしながらこっそり盗み聞きしてるありすちゃんだぞ☆」

ありす「えっ」ビクッ

梨沙「なによ、アンタ聞いてたの?」

ありす「き、聞いていたわけじゃありません。心さん達の声が大きいので勝手に聞こえてきたんです」

飛鳥「ちょうどいい。ありすからも言ってやってくれ。ツインテールに無理になる必要はないと」

ありす「……そうですね。髪型は個人の自由です。権利です」

心・千佳「「えー? なんでー?」」

梨沙「だんだん反応が似てきたわねこのふたり」

飛鳥「というわけだ。ボクは少し風にあたってくるから、これで失礼するよ」

心「あ、ちょっと」



ガチャ、バタン





5: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:19:19.00 ID:DUZyCrSGO
屋上


飛鳥「………」


飛鳥「今日、思ったより冷えるな……風邪をひく前に戻ろう」ブルッ





飛鳥「ただいま」ガチャリ



心「やっぱりはぁとの見立てどおり! 似合うぞありすちゃん☆」

ありす(E:ツインテール)「そ、そうでしょうか」

千佳「かわいい! 一緒にポーズとろう?」

梨沙「ま、アタシが結ってあげたんだからトーゼンね♪」

ありす「そうですか、似合いますか……」テレリ



飛鳥「………」ジーー

6: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:20:27.12 ID:DUZyCrSGO
ありす「えへへ………はっ!? あ、飛鳥さん」

飛鳥「ありす……本当に裏切ったのか」

ありす「あ、えと、その。これはですね、Pさんが今後のプロデュース方針を決めるためにも一度見ておきたいと言ったので仕方なくですね」

P「いや、俺は単純に興味本位で見たいと言っただけ――」

ありす「仕事のためですよね! ねっ!」

P「あ、あぁ……そういうことにしておく」

飛鳥「ふぅん……まあ、なんでも、いいけど」

心「さて、ありすちゃんも無事こっち側に引き込んだところで……」

梨沙「飛鳥もそろそろ観念しなさい!」

飛鳥「梨沙、キミまでいつの間にか乗り気になってないか?」

梨沙「ありすの髪をいじってたら楽しくなっちゃって……アンタでも試したいのよ」ニコニコ

千佳「飛鳥ちゃんも、ツインテールの魔法で変身しちゃおうよ!」

飛鳥「………」

飛鳥「仕方ないな……今回は根負けだ。好きにするといいさ」



7: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:23:19.00 ID:DUZyCrSGO
梨沙「ふんふんふーん♪」

飛鳥「楽しそうだね」

梨沙「自分の髪をアレンジするのもいいけど、こうやって誰かの髪をいじるのってなんか好きなのよね~」

飛鳥「将来は美容師にでもなったらどうだい」

梨沙「んー、それもいいけど。アタシは総理大臣になって、パパと結婚できるように法律変えるって決めてるし」

飛鳥「ふふっ、そういえばそうだったね」

梨沙「あによー、無理だって言いたいの?」

飛鳥「そんなことは言ってないさ」

梨沙「ならいいけど……よし、完成♪ はい、鏡で見てみる?」

飛鳥「どれ……へえ、これがボクの」

心「うんうん♪ はぁとの思った通り、飛鳥ちゃんもツインテール似合うぞ☆」

ありす「髪型が変わると印象も変わりますね。普段より活発そうに見えます」

千佳「かわいい~♪」

飛鳥「……かわいい、か」

心「サンキュー飛鳥ちゃん♪ いいもの見せてもらったぞ☆」

飛鳥「勘違いしないでくれ。心さんのためじゃなく、千佳や梨沙のために受け入れたんだ」

心「お、ツンデレっぽい反応。ツインテールになったから?」

ありす「それ、関係あるんですか?」

心「古来より、ツンデレといえばツインテールと相場が決まってるのよん♪」チラリ

梨沙「なんでアタシを見ながら言うのよ」

8: ◆C2VTzcV58A 2018/03/09(金) 15:24:46.89 ID:DUZyCrSGO
飛鳥「反応は上々か……なら、あとは」

飛鳥「さて。そこでニコニコしながら傍観者に徹しているプロデューサー」

P「え?」

飛鳥「キミは、何かボクに言うことはないのかい?」

飛鳥「ありすには、ツインテールを見たいとわざわざ頼んだそうだけど」

P「いや、頼むとまでは……心さんに『ありすちゃんのツインテール見たいよね? 見たいって言えよ☆』と言われたから答えたまでで」

飛鳥「………」ジーー

P「………」

P「似合ってるよ、飛鳥」

飛鳥「そうか」フッ




梨沙「結局プロデューサーに褒めてもらいたかったのね」

心「またひとつ、スウィーティーな日常の一ページに貢献してしまったか~♪」

梨沙「スウィーティーなの? これ」

心「23スウィーティーくらいかな♪」

ありす「1スウィーティーがどのくらいなんですか」

心「メロンパン1個ぶん☆」

梨沙「結構重いわね」

千佳「あたしのラブリーな魔法は?」

心「100スウィーティー☆」

千佳「やった!」

梨沙「お腹壊すわよ?」

心「スウィーティーな千佳ちゃんには練乳をプレゼント☆」

梨沙「そこはメロンパンあげなさいよ!」

ありす「梨沙さんがいると私がツッコまなくていいから楽ですね」


おしまい