1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 19:19:25.98 ID:Q4mmoIR80.net
やり直し。



上条当麻
7月からの記録

欠席日数…95日

食費、入院費、その他諸々…約400万


残金……2500円。





上条「…留年しそう。それに金もない。」

インデックス「出費の9割以上が入院費なんだよ…」

オティヌス「お前…今までよく生きてこれたな」

引用元: 上条「5億年ボタン…?」 



とある魔術の禁書目録(20) (ガンガンコミックス)
鎌池和馬 近木野中哉
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2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 19:20:26.05 ID:Q4mmoIR80.net
上条「どうすっかなー…バイトでもするか」

インデックス「学校は大丈夫なの?」

上条「なんとかするさ…お前が家事できたら楽なんだけどな」

インデックス「う…」

オティヌス「お前…居候のくせに…」

インデックス「こ…今回から頑張るんだよ…」

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 19:23:45.56 ID:Q4mmoIR80.net
上条「まあその辺はまた後で考えるか。とりあえず学校行ってくる」

インデックス「行ってらっしゃ~い」

パタン


インデックス「…ちゃんと家事覚えようかな」


オティヌス「……。(私にもやれる事があればいいのだが…この体ではな)」

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 19:31:15.30 ID:Q4mmoIR80.net
~通学路~


上条「さて、バイトやるならコンビニかなあ、やっぱ。
…でも俺がコンビニで働いたら毎日強盗が来そうな予感がする…」


???「おい」


上条「だったら引っ越し業者とか…?いや、肉体強化系じゃないし雇ってもらえないか…」


???「おい、聞こえていないのか?」


上条「うーん…そうだ、寮監とか…!」


???「…………。」


バキッ


上条「ごっ!があああああああ!?」

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 19:36:15.73 ID:Q4mmoIR80.net
上条「ガハッ…な、何が…」


???「私を無視とはいい度胸だな、幻想殺し」


上条「ってお前は……!

キャーリサ!?」


キャーリサ「久しぶりだな。ホテルエアリアル以来か?ほんとーに、お前が生きてるのが残念で仕方が無いな」


上条「…随分な挨拶だな。」

12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 19:43:43.90 ID:Q4mmoIR80.net
上条「で?何しに学園都市まで来やがった。まさか、またオティヌスを…」


キャーリサ「はっ…それも面白そーだし。だけど違う。今回はお前に用があってな」


上条「…俺に?」


キャーリサ「そーだ。聞けばお前、随分と生活に困っているそーだな?」


上条「なっ…それがお前に何の関係がある!?」


キャーリサ「私にとってはお前が餓死しよーが戦死しよーがどーでもいいんだけどな。しかし、お前のもとには禁書目録も居る。というわけで、私の母と最大主教が、お前の生活支援をすることにしたのだ」


上条「……生活支援?」

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 19:51:34.21 ID:Q4mmoIR80.net
キャーリサ「そーだ。そこでお前にこれを渡しに来た」


上条「…これは?」


キャーリサ「5億年ボタンと呼ばれる代物だ。これを押せば、100万円が出てくる」


上条「ボタンを押すだけで?…地雷臭しかしねえぞ」


キャーリサ「勿論、タダで貰えるわけがない。これを押すと、何もない空間で5億年過ごすことになる」


上条「とんでもねえ地雷じゃねえか!?ふざけんな!!」


キャーリサ「話は最後まで聞け。そこは餓死などの心配もなく、寝る事も出来ない。自分の身一つで5億年生きられる設計となっている。そして、5億年経過すると、全ての記憶が消去され、元の場所へ戻る。
つまり、体感的には押しただけで100万円貰ったのと変わらないことになる」


上条「って言ってもだな…
そもそも、そんな事するんなら最初から100万円渡してくれればいいじゃねえか」

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:01:35.62 ID:Q4mmoIR80.net
キャーリサ「そーだな。母と最大主教の話だと、お前に1000万渡すことになっていたな」

上条「え?じゃあなんで…」

キャーリサ「勿論、そんなもの私が握り潰した」

上条「はあ!?お前ホントふざけんなよ!!」

キャーリサ「それはこっちの台詞だし。母も最大主教も…アメリカのあの男もどーかしている。
こんな、魔神を匿うよーな男に施しを与えるとはな」

上条「っ…」

キャーリサ「私は魔神の処遇についても、お前の処遇についても、何一つ納得していない。だから…これは罰だ。
幻想殺し、今すぐこれを押せ。そして5億年苦しんでこい」

上条「…これを押したところで、俺は何も覚えてないんだぞ?」

キャーリサ「構わない。こーゆー場合は、『苦しんだ事実』が重要だ」

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:02:20.82 ID:Q4mmoIR80.net
上条「そうか…じゃあ、お前がそれで気がすむのなら、押してやるよ」

キャーリサ「ああ。言っておくけど、右手で押すなよ?」

上条「わかってるよ…」ポチッ








シーン







上条「……あれ?」


キャーリサ「ふむ…やはりダメか」

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:05:15.67 ID:Q4mmoIR80.net
上条「何も出てこないぞ?」


キャーリサ「どーやらお前の右手が反応して効果を打ち消しているようだな」


上条「はっ?じゃあどうしようもねえじゃねえか」


キャーリサ「?何を言っている。簡単な話だろーが。こうして」


ザシュッ


上条「え…」


キャーリサ「右手を切り落とせばいい」

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:09:35.73 ID:Q4mmoIR80.net
上条「がっ…あぁぁぁあぁあああ
あ!!!!」ボタボタ


キャーリサ「生えてくる前に早く押せ」


上条「てめぇ…!!」ギリッ


キャーリサ「おー怖い。しかし、お前がやった事と比べれば右手の一つや二つ、罰にもならないし」グイッ


上条「うわっ…」ポチッ









キャーリサ「さあ、しっかり苦しんでこい。上条当麻」





5億年、スタート!

22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:15:58.13 ID:Q4mmoIR80.net
上条「くっ…ここは…」


自然物らしい自然物はない。人工物らしい人工物はない。
往来の表現をしたが、地平線、という概念についても微妙だった。陸地も空も全てが同じ黒で統一されているため、その区別がつけられない。


上条「ここが…5億年スイッチの空間…?いや、でもここは…!」


見覚えのある空間。かつて、上条当麻の精神を折るために存在した、あの空間。

ここは、オティヌスが壊した世界の姿と酷似していた。

しかし、前回と今回では大きく違う点がある。


上条「今回は…一人か」


この空間に、オティヌスは存在しない。

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:20:05.26 ID:Q4mmoIR80.net
上条「……。」

右手は既に戻っている。しかし、ここには殺すべき幻想も、掴むべき希望も、何一つとして無い。


上条「ここで5億年…?参ったな。
流石の上条さんにも我慢の限界ってもんがあるんですよ?」

言ったところでどうしようもなく、上条は諦めて事態を受け入れた。

24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:27:10.90 ID:Q4mmoIR80.net
5日目。


上条「…本当にやることがないな」


1ヶ月目。


上条「…ここの記憶があればテスト勉強とかできたのにな…あ、勉強道具がねえか」


1年目。


上条「魔術に対抗する手段…もうちょい増やした方がいいか…?」


10年目。


上条「一応筋力とかはちゃんと付くんだな。向こうに戻った時には体も元通りなんだろうけど」


50年目。


上条「せっかくだし、ここでの体験でフィードバックできそうなものなんかないかな…」

25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:30:03.49 ID:Q4mmoIR80.net
かつて、沢山の人々が、この5億年ボタンを使ってきたであろう。
そして、その誰もが、100年もしないうちに狂ってしまったであろう。

しかし、上条当麻は狂わない。





5000年目。

上条「そういえばオティヌスの時は何年くらいあそこに居たんだろうな。少なくともここに居る期間よりはずっと長かったな」

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:35:09.92 ID:Q4mmoIR80.net
上条当麻は止まらない。
上条当麻は揺るがない。


上条当麻は壊れない――――






総体『正直、ちょっとだけ安心した』






はずだった。

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:37:31.28 ID:Q4mmoIR80.net
かつて、ミサかネットワークの総体が言った言葉を思い出される。

絶対的な精神力も持っていても、彼は。

彼は決して、聖人君子ではないのだ。






2億年。


上条「…………っ…」



上条当麻の心に、亀裂が走った。

31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:41:04.61 ID:Q4mmoIR80.net
2億年5000万年。


上条「なあ…何年目だ?」


当然、答える者は誰も居ない。


上条「…流石に、1億年は過ぎてるよな…?」


過ごした時間よりも少ない時間を言う辺りが、上条当麻らしいと言える。

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:43:18.90 ID:Q4mmoIR80.net
2億8000万年。


上条「…なあ、居るんだろ?オティヌス」


居るはずもない、オティヌスに問いかける。

当然、返事は帰って来ない。


上条「なんだよ…前は一緒に居てくれたじゃねえか…」

35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:47:35.84 ID:Q4mmoIR80.net
3億5000万年。


上条「……………。」


上条「………………。」


上条「…………………っ」


上条「オティヌス!総体!居るんだろ!?ふざけてないで返事をしてくれ!!!」


上条「オティヌス!お前がこの空間を作ったんだろ!?性懲りもなくまた世界壊しやがって!!説教してやるから出てこい!!!」



上条「総体!お前この前は助けに来てくれただろ!?なんで今回は出てこないんだ!?」




シーン…


上条「誰か…返事してくれよ…!」

37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:50:27.54 ID:Q4mmoIR80.net
4億年。


上条「……これが、罰なのか?キャーリサ」


上条「………俺が何をしたっていうんだ…!」





上条「俺はただ!たった一人の少女を助けたかっただけなのに!!!!!!」

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:53:15.31 ID:Q4mmoIR80.net
上条「お前らが!お前らが全部悪いんじゃねえか!!
よってたかって一人の少女をいたぶって!!

そんなものの何処に正義がある!?どんな理由があろうと、そんなものに正当性なんてあるわけがねえ!!!」

42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 20:57:53.83 ID:Q4mmoIR80.net
4億9000万年。


上条「インデックスを苦しめたイギリス」


上条「子供たちを道具としか見ない学園都市」





上条「たった一人を全員で追い回して殺そうとする世界」



上条「この世界に…正しいものなんて何一つないのかもしれないな」

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:06:25.52 ID:Q4mmoIR80.net
何が正しいのか、何と戦い、何を守ればいいのか、上条当麻には分からなくなっていた。

上条当麻の心は限界に近い。しかし同時に終わりも迫っていた。

4億9999年364日目


上条「キャーリサ…俺はお前が憎いよ。考えたけど、やっぱり俺がこんな目に遭う必要なんてなかった」

5

上条「…ここから出たら、俺は全てを忘れてしまうんだろうな」

4

上条「…そうすれば、この怒りからも解放されるのか」

3

上条「…もう、苦しまずに済むのか」

2

上条「…また、あいつらに会えるのか」

1

上条「…帰りたい。」

5億年、経過。

49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:07:12.44 ID:Q4mmoIR80.net
キュイーン!!







 


上条「…………………………えっ?」

51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:08:17.03 ID:Q4mmoIR80.net
上条「なんだ…?何が起こった…?」





上条「俺は今、『この右手で何を打ち消した』!?」

55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:10:39.59 ID:Q4mmoIR80.net
10億5000万年目。




上条「…………おかしい、もう5億年は経っていてもおかしくない筈だ



………まさか」

62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:13:33.67 ID:Q4mmoIR80.net
上条「あの時打ち消したのは……ここから出るための力………?」



上条「あ…あ…」




上条「あぁあぁァァァ あああああァァァああああぁあああああああぁぁぁあああああああァァァああああ!!!!!」


上条当麻は、壊れてしまった。

70: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:17:21.24 ID:Q4mmoIR80.net
~学園都市~



キャーリサ「…どーなっている?」


キャーリサは困惑していた。何故なら、目の前から上条当麻が忽然と消えてしまったのだから。


キャーリサ「おかしい…5億年ボタンを押したところで、精神的に向こうの空間に居るだけの筈だ…

まさか、何か不具合が…?」



インデックス「あれ?キャーリサだ」

74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:21:56.72 ID:Q4mmoIR80.net
キャーリサ「き、禁書目録か…」


インデックス「なんでイギリス第二王女が…まさか、またとうまを巻き込もうとしてるの?」


キャーリサ「い、いや…それはだな…」





オティヌス「……どうやら既に巻き込んだ後のように見えるのだが」ヒョコッ

76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:25:38.29 ID:Q4mmoIR80.net
キャーリサ「っ…!」


インデックス「…そうなの?」


キャーリサ「いや…その…」


オティヌス「…おい、その手に持っているものはまさか…!」


キャーリサ「!しまっ…」


インデックス「それは…5億年ボタン!?
まさかとうまに使ったの!?」


キャーリサ「っ~!!あーもー!しょうがない!全部説明するし!!」

84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:33:30.28 ID:Q4mmoIR80.net
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

キャーリサ「…と、いうことだ」

オティヌス「…なんてことを…」

インデックス「そんな…貴方はなんて残酷な事をしたのかわかってるの!?」

キャーリサ「な…確かに5億年は残酷かもしれないが、体感的には…」

インデックス「そういう事じゃないんだよ!とうまには…とうまには幻想殺しがあるんだよ!!」

キャーリサ「あっ…」

オティヌス「不味いな…恐らく、こちらに戻る際の魔術を打ち消してしまったのだろう。
そして、5億年を過ぎたことでこちらの時間も流れ始めた。
恐らく、こちらで1秒経つごとに向こうでは5億年の時間が経過しているだろう」


インデックス「そんな…!じゃあどうすれば…」


オティヌス「…まだ、手はある。」

87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:37:01.31 ID:Q4mmoIR80.net


インデックス「ホント!?」

オティヌス「ああ。しかし…これは一か八かだがな」

インデックス「どうすればいいの…?」

オティヌス「それは…別の奴がボタンを押して、5億年経つと同時に上条当麻の右手を切り落とせばいい。
そうすれば、上条当麻もこちらに戻って来られる筈だ」

94: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:41:38.95 ID:Q4mmoIR80.net
キャーリサ「そんな方法が…」


オティヌス「しかし、5億年を秒単位で誤差もなく測るのは…はっきり言って無理だ。
普通なら1時間も数えられずに終わる。
そして、それがはずれれば、再び5億年を測り直さなければならない。」


キャーリサ「なっ…そんなの無理に決まって…」




ポチッ

96: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:43:54.03 ID:Q4mmoIR80.net
オティヌス「っ…お前…」




インデックス「それなら、完全記憶能力がある私が適任なんだよ。
待っててね。絶対、とうまを連れて帰ってくるから…!」




5億年スタート!

97: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:45:57.41 ID:Q4mmoIR80.net
~5億年空間~




インデックス「……何もないんだよ。とうまはこんなところにずっと一人で…!」







上条「……………………………………………………………………………」



インデックス「とうま!?」

105: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:50:46.02 ID:Q4mmoIR80.net
インデックス「とうま!しっかりして!」


上条「………………」


インデックス「酷い…衰弱しきってる…(私たちがキャーリサに逢ってから私がボタンを押すまでに1925秒経ってる…つまり)」



インデックス「とうまはっ…9630億年以上も…一人で此処に居たの……?」

109: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:52:52.62 ID:Q4mmoIR80.net


上条「…………………………」



インデックス「………」


インデックス「…………っ!」ポロポロ



ギュッ


インデックス「私が…!必ずとうまを元の世界に連れて帰るから…!!」

117: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 21:58:05.05 ID:Q4mmoIR80.net
インデックス「とうま、とうま」ユサユサ


上条「………………」


インデックス「…どうにかしてとうまの心を呼び戻さないと…でもどうやって…」


上条「…………………」



インデックス「(私の声はおそらく聴こえてない。もっと、直接心を響かせる方法…………)」





インデックス「………歌?」

119: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:02:24.98 ID:Q4mmoIR80.net
 


インデックス「~♪~♪」


上条「……………………」


インデックス「…………」


インデックス「(やっぱり歌なんかじゃ…いや、諦めるのはまだ早いかも!)」


インデックス「一回で駄目なら…何度でも歌って呼び掛けるんだよ!」

123: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:05:48.52 ID:Q4mmoIR80.net
100年目。


インデックス「~♪~♪」


上条「…………………」


インデックス「…まだ、駄目かあ」


インデックス「(あれから100年経ったんだよ。でも、とうまはずっとこのままで…)」


インデックス「……悔しいんだよ」

125: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:07:30.81 ID:Q4mmoIR80.net
上条「………………」


インデックス「なんで…」グスッ


インデックス「なんで私はいっつも無力なんだよぅ…!」ポロポロポロポロ

128: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:10:36.16 ID:Q4mmoIR80.net
インデックス「ねえ、とうま。とうまは私を、地獄の底から引き上げてくれたんだよ」


インデックス「記憶がなくて、すているやかおりから逃げばかりの人生から、私を救ってくれたんだよ」


上条「……………………」


インデックス「とうまには、感謝してもしきれないね?」


上条「……………………」


インデックス「それとね…とうま、覚えてない?私は…」

130: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:11:57.78 ID:Q4mmoIR80.net
 





インデックス「インデックスは…とうまのことが、大好きなんだよ…?」








上条「…………………………………」

137: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:18:54.01 ID:Q4mmoIR80.net
ピクン

インデックス「!!!!」

上条「イン…デックス…?」

インデックス「とうま…とうまぁ…!」ギュッ

上条「ドウシテ…」

インデックス「とうまを…連れ戻しにきたんだよ」

上条「オレ…カエレルノカ…?」

インデックス「帰れる帰れないじゃなくて、帰るんだよ!」

上条「ソッカ…インデックス…」

インデックス「ん?」





上条「……………ありが、とう。」

143: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:23:10.70 ID:Q4mmoIR80.net
1億9000万年目。


インデックス「とうま、すっかり元気になったね!」


上条「ああ…インデックスが居てくれるお蔭だな。本当に、ありがとう」


インデックス「えへへ…当然のことをしたまでなんだよ!」


上条「ところで、今どんくらいなんだ?」


インデックス「んっと、1億9000万年と27日3時間11分2秒98なんだよ」


上条「すげえな完全記憶能力」

155: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:28:07.38 ID:Q4mmoIR80.net
2億6500年目。

インデックス「ねえ、とうまは向こうに帰ったら何がしたい?」


上条「んー…とりあえず前に食べ損ねたエスカルゴの地獄ラザニアをだな…」


インデックス「何千億年ぶりに食べるやつがそれ!?」

166: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:34:06.07 ID:Q4mmoIR80.net


3億3000年目。


インデックス「………」


上条「インデックス…?」


インデックス「っ!な、なに!?とうま!」


上条「大丈夫か…?」


インデックス「だ、大丈夫なんだよ!このくらいへっちゃ「インデックス!」」ビクッ


上条「いいんだ。強がらなくてもいい。辛い時には辛いって言ってくれ」

173: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:36:56.10 ID:Q4mmoIR80.net
インデックス「………ダメだね、私。とうまと比べたら全然大したことないのに、もう辛くなっちゃうなんて」


上条「そんなことない…!お前は、俺を助けてくれたじゃないか!」


インデックス「……ねえ、とうま」


ギュッ


インデックス「少しだけ…こうさせて…?」


上条「…ああ。いくらでも、そうしてていいぞ」

180: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:41:02.26 ID:Q4mmoIR80.net
上条「…そういえば、あの返事がまだだったな」ギュッ

インデックス「え?」


上条「コホン。えー…上条当麻は…」




上条「インデックスの事が…」





上条「…大好きです!!」

186: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:44:37.08 ID:Q4mmoIR80.net
インデックス「……………。」


インデックス「っ~!!」ポロポロ


インデックス「とうまぁ~!!」ギュー!!


上条「っと。まあ無理もねえよな?こんなに俺の為に尽くしてくれる女の子、他には居ねえよ」ナデナデ


インデックス「嬉しい…嬉しくて死んじゃいそうなんだよぅ…!」ギュー


上条「はは、ここじゃ死ねないけどな」ギュー

190: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:48:48.29 ID:Q4mmoIR80.net
4億4500万年目。



インデックス「向こうに戻ったら両想いも無かったことになっちゃうのかな…?」


上条「…あー、大丈夫だろ。こういうのは記憶が無くても惹かれ合うものだって」


インデックス「だといいんだけど…私、この関係をなかったことにはしたくないんだよ」


上条「…そうだな。同意見だ」


インデックス「…ねえ、とうま」


上条「ん?」

194: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:50:46.95 ID:Q4mmoIR80.net
 



インデックス「記憶がなくなってもいいから…その、とうまと…ダメ、かな…?///」


上条「なっ…!?///」

202: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:57:12.44 ID:Q4mmoIR80.net
上条「ななな何を言ってるんだ!?お前シスターだろ!」


インデックス「そんなのとうま>>>>>>越えられない壁>>食べ物>>シスターに決まってるんだよ」


上条「いいのかそれで」


インデックス「ずっと考えてたんだよ…今ここに居る私達の記憶は、向こうに行ったら無くなっちゃう。これってつまり、今居る私達が消えて無くなっちゃうって事…なんだよね?」


上条「…!!」


インデックス「戻った時の私はもう私じゃない。とうまもとうまじゃない。だったら…私はここでとうまと結ばれたい」


上条「インデックス……」


インデックス「だって…」

205: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 22:59:26.52 ID:Q4mmoIR80.net
インデックス「『私』は今、ここに居る『あなた』を愛しているのだから…!」


上条「っ――!!」


グイッ

ドサッ


上条「――――なるべく、優しくする」



インデックス「――――うん。」





チュ……

210: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:05:11.75 ID:Q4mmoIR80.net
脳内補完しやがれです。



4億9999万9999年


インデックス「…いよいよなんだよ」

上条「ああ。
…そういえば、俺の手をどうやって切断するんだ?」


インデックス「ん?これなんだよ」スルッ


そう言って、インデックスは修道服に縫い込んである刺繍から、他と違う糸を数本抜き出した。


インデックス「ピアノ線なんだよ!」


上条「やだなにこの子怖い」

219: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:10:17.38 ID:Q4mmoIR80.net
3分前

インデックス「とうま、ちょっと痛いかもしれないけど…手首折って♪」


上条「さらっと怖いこと言わないでくださいインデックスさん!?」


インデックス「骨があると切断しにくいんだよ。だから…お願い…」グスッ


上条「わかったわかった!だから泣くな!」ゴキッ


上条「ってぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


インデックス「おー、綺麗かつ確実に折ったね」


上条「予め鍛えた成果がこんな所で発揮されるとは…!」ジンジン

224: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:12:31.01 ID:Q4mmoIR80.net
5秒前

インデックス「いくよ…!」

4

上条「インデックス」

3

インデックス「ん?」

2

上条「いつか、向こうでもお前に告白してみせるよ」

1

インデックス「………うん!!!」


ブツン!!






5億年、経過

228: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:13:06.13 ID:Q4mmoIR80.net
 










   

237: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:19:54.77 ID:Q4mmoIR80.net
視界が開ける。

目の前には懐かしい景色。

ああ…帰ってきたんだ…!!

それと同時に、体を蝕もうとする電流が走る。

!これが…記憶を奪う力か!!






猶予は1秒。俺は隣に居たインデックスを抱き寄せ、そして『右手』で…!!

240: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:20:58.77 ID:Q4mmoIR80.net
 








キュイーン!!








 

247: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:22:52.45 ID:Q4mmoIR80.net
上条「……インデックス」


インデックス「………とうま」




上イン「「戻って来られた!!!」」

255: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:26:32.96 ID:Q4mmoIR80.net
オティヌス「ふむ…無事成功したようだな」

キャーリサ「よ…よかった…」

上条「よくねえよテメェ!?どんだけ向こうに居たと思ってんだ!よくもこんなとんでもねえものを…!」

インデックス「本当かも!さすがに今回のは許せないんだよ。これは、イギリス本国にもきっちり報告させてもらうからね!!」


オティヌス「!?ちょ、ちょっと待て!まさか上条…お前記憶が…」


上条「…ああ、しっかりと残ってるぞ」

263: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:29:20.62 ID:Q4mmoIR80.net
キャーリサ「な、何故だ!?これは記憶を消す筈じゃ…!」


インデックス「…多分これ、戻ってきてから記憶を消す仕組みになってるんだよ。
あの瞬間、とうまは私を抱きかかえて、自分と私の頭を触って記憶消去の術式を無効化した。そうだよね?」


上条「正解だ。まさか本当に成功するとはおもわなかったけどな」

268: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:32:11.51 ID:Q4mmoIR80.net
上条「さて、流石の上条んも今回は堪忍袋の尾が切れましたよ…?」


キャーリサ「あ、あはは…」


上条「とりあえずキャーリサ?



これ、押そうか」グイッ



ポチッ

270: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:33:40.84 ID:Q4mmoIR80.net
チャリーン

上条「おー、出た出た」

キャーリサ「え?え?」

インデックス「おぉ、本当に何が起こったかわからないって感じなんだよ」


上条「それじゃあ今度は連打な」


ポチポチポチポチ

282: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:37:08.00 ID:Q4mmoIR80.net
チャリーンチャリーンチャリーンチャリーン


上条「すげーなこれ」


インデックス「あれって罰になってるのかな?」

オティヌス「確かに記憶はなくなるが、人間というものは不思議なものでな」


キャーリサ「も…もう…やめてくれ…!」


インデックス「あれ?キャーリサ苦しそう」


オティヌス「こういうものは、頭が覚えてなくても心が覚えているものなんだよ…」

288: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:40:25.46 ID:Q4mmoIR80.net
数十分後


上条「こんなもんか」


キャーリサ「」


インデックス「うーんと……2億円丁度なんだよ」


オティヌス「200連打か、鬼だな」

上条「記憶保持させなかっただけでもありがたく思って欲しいですよー」

295: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:46:40.83 ID:Q4mmoIR80.net
その後、気絶したキャーリサをそのまま超音速旅客機に放り込んで、事態は収束した。




インデックス「…夢みたいなんだよ。また、とうまとこうして一緒に居られるなんて」


上条「ああ…俺もだ」



インデックス「でも…」

上条「ん?」


インデックス「5億年を過ごした私達じゃ、人間の一生なんてあっという間なんだよ…」


上条「…はは。なんだ、そんな事悩んでたのか。じゃあさ…」

296: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:47:05.25 ID:Q4mmoIR80.net
作ればいいんじゃないか?









俺達だけの










『幸せの』5億年ボタンを。

303: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/06/22(日) 23:52:40.57 ID:Q4mmoIR80.net
終わり。