悟空「なんだケッコンならもうしてるじゃねぇか」

チチ「そのことじゃねぇだ！」

悟空「んん！？なんだオラちっとも見当つかねぇぞ～」

チチ「働いてもらうってことだ！悟空さ言ってたべ！？」

悟空「あれ～～～っ？いつの話だそれぇ？」

チチ「悟空さが心臓病から立ち直ったときだっぺ！忘れちまっただか！？」（単行本３１巻３６６話）

悟空「あぁ～～～～っ！おめぇだしたぞ！７年も前のことじゃねぇか！」

チチ「そうだべ！ついでにあの時えれぇいい雰囲気だったべ！」

悟空「そっかぁ～・・・」

チチ「今度こそ悟空さには働いてもらうだ」

悟空「オラその時頭まで心臓病回ってたんじゃねぇか？」

チチ「ふざけるでねぇだ！！でたらめ言ってたのけ！？」

悟空「は、はは、冗談だってば、そうカッカすんなよチチぃ」

チチ「本当は魔人ブウとの戦いの次の日から働いてもらおうと思ってただが」

チチ「仙豆が少なくなってて、また使うこともあるかもしれねぇって言うから悟空さが回復するまで待ってたのによ・・・」

悟空「わ、わかったわかった！わかったよ！わかったからそうメソメソすんなって！な？」

悟空「でもよぉチチ、牛魔王のおっちゃんの財産も少なくなってきてたってよく言ってたけどよ、サタンの奴がブウとの戦いとの事の口止め料くれるって話じゃねぇか」

悟空「だからよぅ、金の事はしばらくしんぺぇはいらねぇんじゃねぇか？」

チチ「もちろん口止め料は貰うだが、問題は金のことじゃねぇだ」

チチ「悟空さには自分で汗水たらして銭を稼ぐ、夫、父親になってもらいたいんだべ！」

悟空「ひゃ～～～～っ」

チチ「どのご家庭も旦那さんが朝仕事に出かけていって、夜に帰ってきてみんなで食卓囲んでよ、ご飯さ食うのがごく一般、そして理想の家族ってやつだべ」

悟空「かぁ～～～～っ」

悟空「でもなぁ～オラの一番の理想は修行して腹いっぺぇメシ食って風呂へえってガ～～～ッて寝ることだかんなぁ～」

チチ「別に修行するなって言ってるわけじゃねぇべ、仕事の休みの日に好きなだけ修行したらいいべ。あ、たまには家族サービスも忘れねぇだな」

悟空「それだと１日だけとかの修行になっちまうんじゃねえか？」

チチ「あと言い忘れただか、働いて食う飯はいっとう美味いらしいぞ」

悟空「なに！？チチ！それはどんくれぇうめぇんだ！？」

チチ「そうだな、働かねぇで食う飯より１０倍は美味くなるべな」

悟空「ひゃ～～～～～っ！！１０べぇもか！！？ひゃ～～～～～～っ！！」

悟空「チチ決めたぞ！オラ仕事すっぞ！」

チチ（なんか釈然としねぇが、まぁいいべ）

悟空「でもいってぇオラ、なんの仕事すればいいんだ？」

チチ「そうくると思ってオラが悟空さにピッタリの仕事考えただ」

悟空「なんかオラわくわくしてきたぞ！」

チチ「農業だ」

悟空「のうぎょう？」

チチ「畑耕して、野菜作ることだ。やったことねぇだか？」

悟空「あぁ～～っ！そういやガキンチョの頃クリリンと一緒に畑を素手で耕したっけなぁ～～」

チチ「そうだ、自分で種まいて野菜作って出荷するだ」

悟空「あれ結構きつかったぞぉ～、あれ毎日やんのか？」

チチ「嫌だか？だったら背広着て街の方さ面接行くか？」

悟空「面接ってぇのは嘘つき大会だからきれぇだ」

チチ「だべ、それに自分で作った野菜は自分らでも食えるかもしんねぇぞ」

悟空「ははー！オラやる気出てきたぞ！」

チチ「全部食えるわけでねぇからな！？」

チチ（悟空さなら力仕事ができる工事現場とかが向いてるべけど、あの悟空さをよそ様に預けてやんのは心配でならねぇからな）

チチ（そんなら家でもできる農業が一番だべ）

チチ「そったら今度の日曜日、農業の仕方の参考書買いに行くべ。オラも詳しいわけじゃねえからな」

悟空「ん？別に日曜じゃなくても明日行けばいいんじゃねぇのか？」

チチ「それじゃ駄目だ！普通のご家庭は日曜日のお休みの日に出かけるだ！」

悟空「へぇ～～っ、そんなもんなんか」

翌日
悟空「ってなことがあってよう」

クリリン「ははは、とうとうお前も仕事に就くようになるのか」

悟空「おめぇはなんもしねぇのか？」

クリリン「お、俺か？うーん、こないだ１８号が天下一武道会で２０００万ゼニーもらってきたばかりだしなぁ・・・」

マーロン「おとうさーん」ﾀﾀﾀ

悟空「お、元気だったかウーロン」

クリリン「マーロンだ！！どっかのサカリのついた豚と一緒にしてんじゃねーよ！！」

悟空「はははは、わりぃわりぃおんなじような名前だからごっちゃになっちまった」

マーロン「・・・」

クリリン「ああ、ごめんごめん。抱っこして欲しかったのか」ﾋｮｲ

クリリン「・・・でもよぉ、やっぱこういう子供を持っちまうとさ、父親がこうやってブラブラしてんのってどうなのかなって最近考えるようになってたんだよな」

悟空「・・・」

クリリン「いつまでも武天老師さまや１８号に頼ってる訳にもいかないしな。俺も仕事探してみようかな～」

悟空「・・・」

悟空（オラ腹へっちまったぞ）

日曜日
チチ「悟空さ、そろそろ行くだよ、準備できただか？」

悟空「おう、バッチリだ」

チチ「！？　そのいつもの山吹色の道着で行くつもりだか！？」

悟空「ああ、ビシッと決めていこうと思ってよ。これがオラの正装だからな」

チチ「そったらカッコするでねえだ！よそ行きのジャケットとズボンがあったべ！？あれでいいべ！」

悟空「なんだぁ、別にかしこまる必要ねぇのかぁ」

ｶﾞﾁｬ

ビーデル「おはようございまーす！」

チチ「おや、ビーデルさんでねーか。悟飯ー！ビーデルさんだぞー！」

悟飯「ごめんビーデルさん！レポートあともうちょっとで終わるとこなんだ！あとほんともうちょっとだから少し待っててくれないかな！？」ｶﾀｶﾀｶﾀｶﾀ

ビーデル「えー、スクールのレポートは全部終わったって言ってたじゃない？」

悟飯「うん！そっちは終わってるんだけど、もうひとつ今研究してる生物学の論文を提出しないといけないんだ！」ｶﾁｬｶﾁｬｶﾁｬｯﾀｰﾝｯ

ビーデル「もー、優等生ねー」

チチ「まったく、しょうがねぇ奴だな。ごめんなービーデルさん、お茶でも飲んで待っててけれ」

ビーデル「あっ、すみません。おかまいなく」

悟空「ははー、おめぇ達なんだかんだで仲いいんだなー」

ビーデル「いっいえっ、そんなこと///」

チチ「今日はデートだかー？」

ビーデル「ちっ違います///悟飯くんの研究の資料の買いものに付き合って・・・ついでに映画でもってだけで・・・///」

チチ「それをデートっていうんでねーかーｗｗｗ」

悟空「かぁ～～～っ！おめぇ達もう付き合ってたんか！？」

ビーデル「ちっちち違いますよ////」

悟空「やることやってたんだなぁ～。ガキンちょはもうできたんか！？いつ生まれんだ！？」

ビーデル「えっ」

悟空「れぇ週か？」

チチ「ちょっ」

悟空「明日か！？」

ビーデル「///////」ﾊﾞｼｭｳｳｳｯ

悟空「ありっ？飛んでっちまった」

悟飯「ビーデルさんおまたせー！」ｶﾞﾁｬ

悟飯「あれ？ビーデルさんは？」

悟空「飛んでっちまった」

チチ「まったく悟空さときたら！！年頃のおなごになんてこと言うべさ！！」

悟空「へへへ、わりぃわりぃ」

チチ「あの後悟飯がすぐ追っかけてってなんとか丸くおさまったみてぇだからよかったけどよ！」

悟空「でもよぅチチ、クリリンが言ってたんだ。今のわけぇ奴らはケッコンよりもまず、すぐガキ作っちまうって」

悟空「みんなそうなんだから別に恥ずかしがる必要ねぇじゃねぇか」

チチ「そう思ってても口に出してもいいこととわりいことがあるべ！というか悟飯たちはそんな不純なことしてねえべ！」

チチ「とにかく今度会ったとき謝っておくだぞ。ああいうの世間様じゃセクハラっていうべ」

悟空「せくはらか～～そんな言葉もあるんだな～～～」

チチ「悟空さはそういうデリカシー的な所も勉強しなきゃいけねえだな」

悟空「でりかしー？でりかしーってうめえのk」

チチ「悟天もブルマさんのとこに遊びに行っただし、戸締りしてそろそろ行くだぞ」

悟空「おう、バッチリだ」

チチ「ちゃんと着替えてきただな」

悟空「よしっ、じゃあ行っか！チチ、背中に乗れ」

チチ「？　背中って何だ？」

悟空「何って、飛んでいくんじゃねぇか？それが一番はえぇだろ？」

チチ「なんでそうなるだ！？乗り物があるでねぇか！？」

悟空「ははーわかったぞ、おめぇあれに乗りたかったんだな」

チチ「わかってくれただか」

悟空「筋斗雲ーーーーっ！！！」

チチ「ちがっ」

筋斗雲「」ﾋﾞﾋｭｰｰﾝ

チチ「そうじゃねぇだ！！オラんちにエアカーがあっただべ！それに乗っていくだ！」

悟空「あぁ～～～っ！そんなのあったな！あったあった！」

チチ「空を飛んでいったら街の人たちにおかしな目で見られるべ、それに一般のご家庭で出かけるときはみーんなエアカーに乗っていってるべ」

悟空「ありゃ～～～っでもオラこれの乗り方忘れちまったぞ～」

悟空「前に乗ったのはセルが出てきてみんなでピクニック行ったときいれぇか」

チチ「あんときはスイスイ乗れてたでねぇか」

悟空「よしっ、いっちょやってみっか！」

チチ「まずエンジンをかけるだぞ」

悟空「よっしゃ」

ﾌﾟｧｰ

チチ「それはクラクションだべ」

悟空「うりゃっ」

ｶｯﾁｶｯﾁｯｶｯﾁ

チチ「ハザードランプつけてどうするべ・・・」

悟空「なんにも覚えてねぇぞ」

チチ「ここにカギを刺して回すんだべ！すっとエンジンがかかるべ！」

悟空「ひゃ～～～～っ、そうだったそうだった」

チチ「エンジンがかかったら今度は前進だべ」

チチ「右のペダルがアクセル、左がブレーキ、このシフトレバーをこうすると前進、こっちにやると後退」

チチ「わかっただか？」

悟空「よしっ！前進やってみっぞ！」ﾌﾐｯ

ﾋﾞｼｭｳｳｳｳ　ﾒｼｬｱ

悟空「ははは・・・前進とバック間違えちまった」

チチ「やるんじゃねぇかとは思ってたべ・・・」

悟空「ぶっ、ぶっこわれちまったか・・・？」

チチ「まぁボディーが少しへこんだだけだから運転には支障ねぇべ・・・」

悟空「でも今のでだいたい思い出したぞ！オラ教習所で何回もこうやってぶつけてたかんな！」

チチ「ショック療法ってやつだか・・・」

１０分後

ﾋﾞｼｭｳｳｳﾝ　ｼｭｲｲｲｲｲﾝ

悟空「よしっ！あとはもう全部思い出した！ばっちりだ！」

チチ「うん、大分感が戻ったみてぇだな！んじゃあ時間ももったいねぇべしそろそろでかけるべ！」

チチ「あっ！」

悟空「どうしたチチぃ、忘れもんか？」

チチ「悟空さ、免許証見せてけれ」

悟空「ああ、これか？」ｽｯ

チチ「・・・危ねぇ・・・期限が来週で切れるとこだったべ・・・確認してよかっただ・・・」

悟空「それが切れっとなんかなんのかぁ？」

チチ「簡単に言うと車が乗れなくなるべ。まぁ免許の更新は明日にでも行けるだ。今日せっかくのお出かけだからな！今度こそ出かけるぞ！」

悟空「ひゃ～～～っ、ほんとに確認しててよかったぞ！」

ﾊﾞﾀﾑ

悟空「よしっ、じゃあ行っか！」

チチ「今度こそ出発だ～・・・」

チチ「ん・・・？」

筋斗雲「・・・」

チチ「ちょっと悟空さ・・・」

悟空「ん？なんだチチぃ。もう出発すっぞ」ﾌﾞﾙﾙﾝ

チチ「あいつこっち見てるべ・・・」

筋斗雲「・・・」

悟空「あ～っ筋斗雲すまねぇ！今日はもういいや。けえっていいぞ」

筋斗雲「・・・」

悟空「おつかれさん」

筋斗雲「・・・」ﾋﾞｼｭｳｳｳｳﾝ

道路

ｼｭｲｲｲｲｲｲﾝ

悟空「ははー！かんたんかんたん！」

チチ「なんだ悟空さやればできるでねえか！」

悟空「思い出せばオラ教習所で全然だめでよ～～」

チチ「悟空さ試験何回も落ちてただもんな～」

悟空「教官のじっちゃんにハンドルきれ～～っ！て言われて手刀でハンドルぶった切ったりよぅ」

チチ「そんな勘違いをして実行できるのは悟空さくらいしかいねえだ・・・」

悟空「ピッコロの奴とコース内でレースしたりよ～、あいつ上手くなんのはえぇ～んだ！」

チチ「むしろそれでよく免許とらせてくれたただな・・・」

チチ「あっ、ご近所のおじいさんとおばあさんだべ！やっほ～～～！」

おばあさん「チチさんでねえか！お出かけか～～～！？」

チチ「主人と買い物に行ってくるだ～～～～！！」

おばあさん「きぃつけてな～～～～！」

チチ（いんやぁ～～この感じだべ！悟空さとまたこうやってのんびり買い物に行けるこの感じ！至福の時だべ！）

ﾋｭｲｲｲｲｲﾝ

おじいさん「チチさんとチチさんとこのダンナだか」

おばあさん「んだ。ダンナさん頭金髪に染めたのまた黒く戻したみてぇだなぁ」

おじいさん「んだみてぇだなぁ。いくら若もんだからってあれはハデすぎだっぺ」

おばあさん「ていうか・・・」

おばあさん「チチさんとこのダンナさん、亡くなったって言ってなかっただか？」

おじいさん「・・・」

おばあさん「・・・」

悟空「なぁチチ、街まであとどんくれぇで着くんだ？」

チチ「そうだな～、このエアカーでだとあと３～４０分くれえか」

悟空「かぁ～～～っ！そんなにか！」

チチ「しょうがあんめぇ、ド田舎で暮らしてるもんだ」

チチ「オラなんかエアカー無かった頃は歩いて街まで行ってただからな、でっけぇイノシシに追いかけられたりもしたもんだ」

悟空「ひゃ～～～っ、悟飯にでも運んでもらえばよかったじゃねぇかぁ」

チチ「悟飯の勉強の邪魔するわけにはいかねえからな。それに買い物、炊事、洗濯、旦那や子供をサポートしていくのが女房、母親の仕事だべ」

悟空「おめぇも大変だったんだな～」

チチ「だから悟空さも家族のために頑張るだぞ！」

悟空「ははー！見てみろよチチぃ！あの白い猿！フリーザみてぇだなぁ～！」

チチ「ああ・・・そうだな・・・」

チチ「街の入り口まで来ただぞ」

悟空「ひゃ～～～っ、すげえなオラが前に来たときはこんなんじゃなかったぞ！」

チチ「西の都ほどじゃねえだが最近はこの街も発展してきて色んな店とか増えてきてるんだべ」

悟空「ひゃ～～～っ、車もいっぺぇ走ってっぞ！」

チチ「悟空さ、ゆっくり安全運転だぞ。あせるでねえぞ」

悟空「でぇじょうぶだ、まかせとけ」

悟空「・・・」ﾋｭｲｲｲｲｲｲﾝ

チチ「ん？悟空さ？」

悟空「・・・」ﾋｭｳｳｳｳｳｳｳｳﾝ

チチ「ちょっ！なにぽけーっとした顔で普通に信号無視してるだか！！」

悟空「え！？あ、あ！すまねぇ！赤だったか！」

チチ「まったく、事故が起きなかったからよかっただがな・・・」

ﾌｧﾝﾌｧﾝﾌｧﾝﾌｧﾝ

パトカー「そこの車、左に寄せて止まってください」

チチ「」

悟空「わっ！？なんだあいつ！？追っかけてくんぞ！？」

チチ「信号無視したからだよ・・・」

悟空「ちっくしょう・・・！こんなとこで負けてたまっかあぁ～！」ﾌﾞｲｲｲｲｲｲｲｲｲｲﾝ

チチ「なんで逃走しようとするだ！！いったい何をはりきってんだべ！！」　　　

パトカー「左に寄せて止まりなさい！」

悟空「追いついてきやがった！だったらこっちは・・・はああぁっ！！！」ﾊﾞﾋｭｳｳｯ

チチ「超サイヤ人になっても速度は変わんねぇだぞ！？」

悟空「く、くそ～、これでも駄目か・・・！だったら超サイヤ人２で・・・！」ｼｭｲﾝｼｭｲﾝｼｭｲﾝｼｭｲﾝ

チチ「いい加減に、止まるだあぁ～～っ！！」ｹﾞｼｯ

ｷｷｰｯ

悟空「お、オラの足ごとペダルを・・・痛ぇ・・・」ﾊﾞｼｭｳｯ・・・

悟空「へへ、わりぃわりぃ、パトカーってあんまり見たこと無くてよ、なんだかわかんねぇからつい逃げちまった」

チチ「本当にすんませんだ・・・」

ポリス「じゃあ罰金は銀行に振り込んでおいてね」ﾊﾞﾀﾑ　ｽｲｲｲｲｲﾝ

悟空「いや～～おでれぇた～～！まさか警察が追っかけてくっとは思わなかったぞ！」

チチ「だいたいなんで信号無視なんかしたべ！」

悟空「いやよぉ、さっきのパトカーが脇道に隠れるみてえしてこっち見てたからよ」

悟空「あいつらなにしてんのかな～って眺めてたら信号赤になっちまってた」

チチ「ようするによそ見運転だな・・・そのお巡りさん達は違反者がいないか取り締まりしてたんだべ！」

悟空「でもよぅチチぃ、なんでわざわざ隠れて取り締まりしなきゃいけねぇんだ？道路に出て見張ってれば違反する奴もいなくなっと思うけどなぁ～」

チチ「悟空さにしては鋭い事を言っただか、それをしても結局警察のいない所で違反する奴が出るだけだ」

チチ「第一オラ達が違反をしたのは事実なんだから、警察がいようがいまいが捕まって然るべきなんだ」

チチ「だから結局は安全運転が一番だってことなんだぞ」

悟空「かぁ～～～っ、運転するのもてぇへんだな！」

悟空「チチぃ、さっきので汗かいたから腹へってきちまったぞぉ」

チチ「そうだな、１２時だしお昼にするべ。どこがいいだべか・・・」

チチ「ん・・・みたことねぇ店だな・・・新しくできたんだべか・・・？」

チチ「悟空さ！あそこのレストランにするべ！中に入ってってけれ！」

悟空「おうっ」ｽｲｲﾝﾑ

チチ「バック駐車はできるだか？大丈夫だか？」

悟空「へーきへーき」ｽｲｲｲﾝ　ﾋﾟﾀｯ

チチ「ほっ。さあ行くべ悟空さ。はしたねえだから食いすぎるでねぇぞ？」

悟空「ひぇ～～～っオラ腹いっぺえ食いてえぞ～」

ｷｨー

悟空「ひゃ～～～っ！人いっぺぇいんぞ！」

チチ「さぞかし評判のいいレストランなんだべな～」

ヤムチャ「いらっしゃいま・・・ん・・・悟空！？」

悟空「ありっ？ヤムチャじゃねーか？」

悟空「ははー！おめぇここでアルベェトしてんのか～！」

チチ「しばらく見ねぇと思ったらここで働いてただか～」

ヤムチャ「はは・・・チチさんまで・・・」

ヤムチャ「まぁ俺もいつまでもフラフラ遊んでるわけには行かないし、まずはアルバイトかｒ」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ヤムチャ「は～い！ただいま～！じゃあお前ら注文きまったらテーブルのボタン押してくれ！」ﾀﾞｯ

チチ「なんだか忙しそうだな～」

悟空「いい匂いすんなぁ～、チチぃ早く注文決めちまおうぜ」

チチ「そうだな、今日はステーキでもハンバーグでも好きなもん頼んでいい・・・ん・・・？」

チチ「なんでこのメニュー牛丼とカレーしか載ってねえだ・・・？」

悟空「ひゃ～～～っどれもこれも美味そうだな～～」

チチ「失敗しただ・・・はじめて入る店だからよく確認してなかっただが・・・ただの牛丼チェーン店でねえか・・・」

チチ「悟空さと優雅なランチタイムを楽しもうと思ったのに・・・！」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

悟空「ははは、まあいいじゃねぇかチチぃ。オラ牛丼も大好物だぞ」

チチ「はは・・・悟空さそういうとこは細かくねぇからある意味助かるだ・・・」

悟空「オラこの牛すき鍋定食ってやつがいいぞ！」

チチ「あ、でも悟空さそれ『一時終売します』って書いてあるだぞ」

悟空「あり～～っほんとだ、ちぇ～っこれすげぇ美味そうなのによ～なんでだ～？」

チチ「なんでだべな～？オラもわからね」

悟空「う～ん、じゃあこのコクみそ野菜牛丼のメガ盛りってやつでいいぞ！」

チチ「オラはねぎ玉牛丼の並盛りでいいだかな」ｶﾁｯ　ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ヤムチャ「はいっ！ご注文はお決まりでしょうか・・・ハァッ・・・ハァッ」

チチ「・・・」

チチ「・・・それと、それぞれにサラダと味噌汁もつけてけろだ」

ヤムチャ「はいっ！かしこまりました！少々お待ちくださいませ！」ﾀﾞﾀﾞｯ

チチ「・・・ヤムチャさんなんだかお疲れなんじゃねぇのか？」

チチ（しかしなんだかこの店、家族連れは２～３組いるだが・・・あとほとんどは不良のカッコした若もんと、くたびれたおっちゃんしかいねぇだな・・・もうレストランどころか・・・！」

悟空「はっはー！あれ見てみろよチチ！牛丼の器に顔突っ込んだまま寝てるおっちゃんがいんぞ！」

チチ「悟空さ！恥ずかしいからそんなにでっけぇ声だすもんじゃねえべ！」

悟空「ひゃ～～～っ！すげぇぞチチ！あっちのおっちゃんなんか牛丼の中に自分のｔ」

チチ「もうやめるべ！！他にも食ってる人がいるんだぞ！！」

悟空「す、すまねえチチ」

ヤムチャ「お前らこんなとこで夫婦ゲンカするなよな。はい、みそ野菜のメガ盛りとねぎ玉の並盛り、それぞれにサラダと味噌汁になります」

悟空「おっ、はえぇな、えーとオラのやつこれか？・・・これメガ盛りってやつかぁ？」

ヤムチャ「？　そうだぞ？」

悟空「かぁ～～～っ！オラメガ盛りっていうから天井まで届くくれえまで盛られた牛丼想像してたのによ！これじゃオラんちの茶碗より小せえぞ～、かぁ～～～っ！」

ヤムチャ「お前に合わせて牛丼作れるわけないだろ」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ヤムチャ「あっはい！ただいま～！・・・足りなかったら注文のボタン押してまた頼めばいいだろ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

悟空「あぁその手があったかぁ」

チチ「しかしさっきから見てるとこの店ヤムチャさんしか店員いねぇんでねえか？」

悟空「ヤムチャの店なんじゃねぇのか？」ﾊﾟｸｯ

チチ「いや、さっきアルバイトって言ってただし、どっちにしてもこの時間帯を１人で回してんのはおかしいべ・・・」

チチ「・・・悟空さ、こういう所をブラック企業っていうだだぞ」

悟空「かぁ～～～っ！こいつけっこう美味ぇぞ～！チチぃ、おめえも早く食え！」ｶﾞﾂｶﾞﾂ

チチ「うん、まぁ、まぁまぁだな」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

悟空「ﾌﾟﾊｱｯ、もう食っちまったぞ～。ヤムチャ～！注文たのむぞ～～！！」

ヤムチャ「」ｲﾗｯ

チチ「悟空さっボタンボタン！」ﾋｿﾋｿ

悟空「おっといけねぇいけねぇ」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝﾋﾟﾝﾎﾟﾝ

ヤムチャ「一回押せばわかるよ・・・」

悟空「えーとよ・・・これってあっちの厨房から鍋ごと持ってくるってできねぇのか？」

ヤムチャ「出来ねえよ！」

悟空「う～ん、じゃ、この高菜めんてぇマヨ牛丼のメガ盛りで」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ヤムチャ「かしこまりま・・・クッ・・・！」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ヤムチャ「・・・おしゃれなレストランのボーイができるっていうからから応募したのに・・・！クッ！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

チチ「なんか重てぇ捨てゼリフを吐いていっただな・・・」

チチ「・・・悟空さ、今頼んだやつ食べたら店を出るだぞ」

悟空「？？なんでだぁ～！？オラまだまだ全然たんねぇぞ～！」

チチ「見てられなくなってきただ・・・」

悟空「えっ？オラなんかしたか？」

チチ「まぁ・・・悟空さもだが・・・」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

ヤムチャ「はいっ！高菜おまちっ！！！」ｽﾞﾄﾞﾝ　ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

悟空「ひぇ～～～っあいつほんとに忙しそうだな～」

チチ「１人でやってるのにあんなに次々と注文がきたらああもなるだよ」

悟空「ああ・・・確かにさっきからわずかだけどヤムチャの気がピリピリ上がり始めてっぞ・・・」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

チチ「んだべ？長居は無用だ」

チチ「さっ、食べ終わっただから行くだぞ」ｶﾞﾀｯ

悟空「う～ん、ま、まぁしょうがねぇか・・・」ｽﾀｽﾀ

チチ「晩めしたらふく食わせてやっから。すいませ～ん！会計お願いしますだ～！」

プーアル「どうもありがとうございます～。ちなみにレジにも呼び出しボタンあるんですけどね」

悟空「あれ～っプーアル！おめぇもここでベェトやってんのか！？」

プーアル「いえ、僕は店には内緒でヤムチャさまのお手伝いをしてるんですよ。だから本当はこの忙しい時間帯にもかかわらずヤムチャさま１人でやらされようと
してたんですよ」

チチ「やっぱりだっただか～」

プーアル「本当は僕、接客とか、調理も手伝ってあげたいんですけど」

プーアル「ほら、僕、毛が抜けるから」

チチ「世知辛いだなぁ・・・」

プーアル「１９６６ゼニーになります」

チチ「あっはい」

プーアル「ありがとうございました～」

ヤムチャ「あっ、あじゃした～」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

チチ「ふぅ・・・なんだか重苦しくなる空間だっただな」ｽﾀｽﾀ

悟空「仕事っててぇへんなんだな～、農業もあんくれえてぇへんなのか？」

チチ「大変っていっちまえば大変だが、さっきのとは大変のベクトルが違うべ。あっちは環境がよくねぇ。あんなんじゃいつかミスをやったり、お客から苦情がきたりするべ」

悟空「世の中っちゅうんは厳しいもんなんだなぁ～」

チチ「安心しろ、農業はあんなんじゃねえからきっと悟空さにはぴったりの仕事だべ！」

チチ「次はいよいよその農業の参考書を買いに本屋のあるデパートに行くだぞ！」

チチ「あっ、あそこだべ。あそこにあるデパートに入ってけろ悟空さ」

悟空「ひゃ～～～っ、でっけぇな～！ブルマんちくれぇあんじゃねぇのかあれ！？」

チチ「大型ショッピングモールの『ジョスコ』だ。そういや悟空さが死んじまってた時にできたんだったべ」

悟空「人も車もすんげぇな～」

チチ「オラも何回かきてるだが、広すぎて未だに迷子になるべ」

チチ「さて、今日の晩めしの買い物もしなきゃなんねえし、荷物も多くなっちまうから先に本屋さんに行くべ」

悟空「ひぇ～～～っ、ひ、ひとに溺れちまいそうだぞ～」

チチ「はぐれちゃいけねえぞ～！」

チチ「えっと、２階だから・・・この辺が本屋さんだべ」

悟空「しっかしおっもしれぇなあ～いろんな店があって。１けぇの食いもん屋なんかたこ焼き屋やらたい焼き屋やらドーナツ屋やらあって目移りしたぞ～」

チチ「そうだべそうだべ。田舎もんにとってはここは唯一の・・・ん・・・？」

チチ「あそこにいるのベジータさんじゃねぇだか？」

悟空「ん？あぁ～っ、本当だ！おーいベジーター！」

ベジータ「なにっ！？カカロット！？・・・とその嫁・・・！」ﾊﾞｯ

悟空「なんだ～、おめぇもここでけぇもんか？」

ベジータ「きっ貴様、気を消してやがったな！コソコソ現れやがって！」

悟空「いや～消してたっちゅうか、闘いも終わったし別に殺気立つ必要がねぇから気が薄まってただけだと思うぞ～」

悟空「そんなこと言ったらオラだっておめぇに気付かなかったぞ。見つけたのチチだし」

チチ「ひさしぶりだなぁ～ブルマさんは元気だか？」

ベジータ「あ、ああ・・・どうも・・・ブルマは元気だ・・・」

悟空「そういやおめぇさっきなに読んでたんだ？その後ろに隠してるやつ見せてみろよ」

ベジータ「断る。貴様らには関係の無いことだ。下のコーヒーショップに行ってミルクでも飲んでやがれ」

チチ「『世界の遊園地特集』？これ遊園地のカタログじゃねぇだか？」

ベジータ「なっ！？いつの間に後ろに・・・！？」

悟空「はは～！おめぇなんだ遊園地に行きてぇのか～？」

ベジータ「ちっ違う！俺じゃなくてトランクスの奴とだな！！」

ベジータ「・・・！」

悟空「？」

ベジータ「チッ」

ベジータ「トランクスと約束してたんだ。遊園地に連れてってやるってな。ブウとの闘いが始まってうやむやになっちまったが・・・」

チチ「それでカタログでどの遊園地がいいか選んでただか」

ベジータ「ああ・・・だがどの本屋もまるで駄目だ」

悟空「？なにがだ？」

ベジータ「このサイヤ人の王子の俺の息子にふさわしいゴージャスでエキサイティングな遊園地が全然載っていやしねえ！挙句の果てに本屋をまわりすぎて置いてあるカタログが被ってくる始末だ！」

チチ「ま、まぁ遊園地のカタログってもん自体そんな数が多くねぇだろうからなぁ・・・いったい何件まわっただ？」

ベジータ「２５件だ」ﾆﾔｧ

悟空「ひゃあ・・・」

チチ「西の都から遠いのに、どおりでこんな所にまで・・・」

ベジータ「２６件目のここもどうやらハズレだ・・・くそったれ！」

悟空「おめぇちょっと力へぇり過ぎだぞ～、もっと楽に考えろよ」

ベジータ「フン、そういや午前中、貴様の所の悟天が勝手に俺の重力室でトランクスと遊んでいやがったが、一応参考までに聞いてやる」

悟空「ん？」

ベジータ「貴様は悟飯や悟天と遊園地に行ったことはあるのか？」

チチ「・・・」

悟空「悟天はオラが生き返ってからまだそんなに経ってねぇからあんまり遊んでやったこともねぇけど、悟飯も遊園地は・・・うーん・・・ねぇな」

ベジータ「チッ！なんの参考にもならないヤローだ」

悟空「遊園地には行ったことねぇけどピクニックにはみんなで何回か行ったぞ。オラんちの周り山ばっかだかんな。そんときは悟飯も楽しそうに笑ってたっけなあ～」

ベジータ「・・・・・・ケッ！エリートの俺達がわざわざ山登りなどしてられるか！」

ベジータ「・・・王子の血もそうだが・・・トランクスは世界一流企業のカプセルコーポレーションの子供だ。並大抵の遊園地じゃ物足りないだろうし、何回も連れて行ってもらってるに決まってる・・・」

ベジータ「こうなったらブルマに頼んでエリート級に豪華な遊園地を建造してもらって・・・」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

チチ「あのーベジータさん？」

ベジータ「何だ」

チチ「トランクス君と約束したとき、トランクス君はどんな感じだっただ？」

ベジータ「どんなって喜んでたが・・・」

チチ「おそらくトランクス君はベジータさんと一緒に遊園地に行けることを楽しみにしているんだべ。どの遊園地がいいとかそういうのは問題じゃねぇんだ」

ベジータ「・・・！」

チチ「んだって今まで一回も連れて行ったことねぇんだべ？んだったら難しい事考えてねぇでブルマさんも連れて一緒に行ってくるといいべ！」

ベジータ「・・・フン」

ベジータ「カカロットの妻のくせにイラつくほどに、見透かしたような事言ってきやがるぜ。無駄な時間を過ごしていたようだ。帰る」

悟空「もう本屋まわらねぇのか？」

ベジータ「もう必要ない。・・・だが、最低限の予習は必要だな」ﾊﾞｯ

悟空「ん？今なんの本取ってった？『西の都観光ブック・・・遊園地大特集』・・・？ははー！おめぇやる気まんまんじゃねぇか！」

ベジータ「きっ、貴様ぁっ！覗き見してわざわざタイトルまで全部言う必要があったかぁ！？」

ベジータ「フン、今度会うときは、また大好きなあの世に行かせてやるぞ。感謝しろ」ｽﾀｽﾀ

悟空「な～んだあいつ、怒ってるにしては変に清々しい顔して行きやがったぞ」

チチ「喉につっかえた魚の骨が取れたって感じだべな」

チチ「あっ、立ち読みしながらレジの方まで行こうとしてるべ」

ベジータ「ほう、西の都にはネズミの王国がありやがるのか。おもしろいじゃねえか」ｽﾀｽﾀ

チチ「あー・・・よく前もみねぇで、危ねぇべあれ」

ベジータ「なにィ！？その王国だとひとしきり遊んだ後にホテルもあってディナーもついてきやがるだと！」ｽﾀｽﾀ

チチ「あー、危ねぇ・・・人いっぱい通ってるだのに、よく歩けるだな・・・あっ、あー危ねぇ、あれ絶対ぶつかるぞ・・・あー・・・ぶつかる、ぶつかる・・・」

チチ「ぶつかっただ」

悟空「あいつすげー謝ってっぞ」

チチ「参考書・・・と、あった！これだべ！」

チチ「えーと・・・」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

チチ「・・・難しいべ・・・オラでもよくわかんねえのに悟空さにわかるはずねえべ・・・一応買っとくだが、なにか悟空さにもわかるようなのは・・・」

悟空「う～ん」

チチ「悟空さ、そっちは漫画のコーナーだから探してもねえべよ」

悟空「でもよぅ、これ農業っぽくねぇか？漢字読めねえや。銀の・・・？」

チチ「あ～、でもこれべこがいるから酪農じゃねぇのか？」

悟空「らくのう？」

チチ「まぁ簡単にいうとべこや羊を飼って乳絞りとかする仕事だべ。これはべこの世話は見なきゃなんねえだし、そのための設備も色々揃えなきゃいけねえだしで、オラ達が簡単にできることじゃねえだな」

悟空「ひゃ～～～っ、そうなんか～」

チチ（でも悟空さのレベルに会わせるとすっと、かえって漫画から入ってもらった方がわかりやすいかもしんねぇな～。絵もついてるし）

チチ「しかし農業の漫画なんてそうそうねぇもんだな～」

悟空「おいチチぃ、ここのチラシみたいなんに農業がどうのってけぇてんぞ」

チチ「でかしただ悟空さ！」ﾀﾞｯ

チチ「なになに・・・『農業高校を舞台に、農業に青春をかける農業高校生たちの日常を描く農業系学園ラブコメディー』・・・」

チチ「なんか怪しくねぇだかこれ、それにこの表紙の女の子はなんでアイドル歌手みてえなカッコしてるだ？これ本当に農業関係あるだか！？」

悟空「でもさっきの説明文で農業って４回も言ってたから大丈夫じゃねえのか？」

チチ「農業に青春をかけるって書いてあるだしなぁ・・・」

チチ「しょうがあんめえ！他にすがるもんもねえべし、今出てる分まで全部買っちまうだ！」

悟空「かぁ～～～っこれ全部読まねぇといけねぇのか～」

チチ「心配するでねぇ、漫画だから悟空さでも全然読めるだぞ」

チチ「さて、本も買ったことだし、今日の晩メシ買って帰るべ」

悟空「おいっチチ！ここに置かれてるソーセージ食っていいんか！？」

チチ「あぁ、それは試食コーナーだから別にいいだが・・・」

悟空「」ｶﾞｯｶﾞｯ

チチ「やると思った・・・全部食ったべ・・・」

悟空「ははー！おかわりはねぇのかな！？」ｷｮﾛｷｮﾛ

チチ「ねえべ！そこらに並べられてる野菜は品物だから食うでねぇぞ！」ｸﾞｲｰ

悟空「いてて！そんなことくれぇわかってっぞ～」ｽﾞﾙｽﾞﾙ

店員「・・・」ﾎﾟｶｰﾝ

チチ「ふぅ～終わった終わった。わりぃなぁ悟空さ荷物そんなに持ってもらってよ。つい買いすぎちまった」

悟空「はは、オラ達たくさん食うからこんくれぇが丁度いいさ。ちっと前が見えねぇけど」ｸﾞﾗｸﾞﾗ

悟空「それに、オラ頭使うの苦手だからこういうことでしかチチの役に立ってやれねぇしな」

チチ「なっ、なぁ～に言ってるべ、これからバリバリ働いて一攫千金手に入れる人がよぉ！」ﾊﾞｽｰﾝ

悟空「おっ、おっおっ、晩メシが、くっ、崩れる・・・！」ﾌﾗﾌﾗﾌﾗｰ

チチ「あっ、あぶねぇ！」ｶﾞｼｯ

悟空「ふぅ、あぶねぇあぶねぇギリギリセーフ」

チチ「申し訳ねぇ、つい力が入りすぎただ・・・」

悟空「ははは～！気にすんなよ」

チチ（もしかして悟空さ何も考えてねぇようでちょっと気にしてるだか・・・？）

ｼｭｲｲｲｲｲﾝ　

悟空「ん？なんだ？車がいっぺえ止まってて前に進めねぇぞ」ｷｯ

チチ「なんかあそこの銀行んとこからみてえだが、なんか様子がおかしいだな・・・」

ﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟﾊﾟ

チチ「銃声じゃねぇだか！？」

悟空「よく見たら銀行の前でさっきの警察と変なマスク被った奴らが撃ち合いしてんぞ～」

チチ「ちょっとラジオつけてみるべ！」ﾌﾟﾁｯ

レポーター「・・・り返しお伝えします！現在、東地区の○○銀行にて発生している強盗事件ですが、未だに銃撃戦は続いております！」

チチ「さいきん街が発展してきてから物騒にはなってきてるとは思ってただが・・・ラジオもテレビもきてるだし、こんだけおっきい騒ぎははじめてだべ・・・」

レポーター「負傷者も数名出ています！近隣の方々はくれぐれも近づかないように・・・ひいいっ！」ﾄﾞﾄﾞｰｰﾝ

悟空「ひゃ～～～っ！パトカーバラバラになっちまったぞ～！」

レポーター「ハァ・・・ハァ・・・あ・・・！警察がやられてしまいました・・・！応援を呼んでいるようですがまだ間に合わないようです！」

レポーター「あ、新たな情報です！どうやら強盗集団は銀行内の職員、利用客を全員人質にとっている模様です！あ！ご、強盗の１人がこ、こちらにやってきました！」

強盗「そしてあんたも新しい人質の１人だ。マイクをよこせ」ﾁｬｷ

レポーター「ひっ！！ひぃぃぃ！！！」ｻｯ

強盗「あー・・・この放送を聴いている警察諸君、我々はこれから人質全員を連れて逃走したいんだが、そのために警察の諸君には・・・そうだな、大型バスでも用意してもらおうか」

悟空「・・・」

強盗「今から３分以内だ。３分以内に車を持ってこなければ３分経つごとに人質を１人ぶっ殺していく。まずはこのレポーターからだ。ククク・・・」ｸﾞｲｰ

レポーター「ひいいいいいっ！！！！」

強盗「あとバスに探知機なんかも仕掛けても無駄だぞ、うちには専門知識に特化した人間が何人もいるからな・・・なにか怪しいものを見つけた時の場合も、人質は殺す」

チチ「こいつら・・・最初から人質の命なんかどうでもいいんだべ・・・！３分でなんか持ってこれるはずねぇ・・・自分達の要求を飲ませるための使い捨てのコマにしてるだ・・・！」

強盗「警告する。これはおどしじゃあないぞ」

悟空「チチぃ、オラちょっと行ってくっぞ」

チチ「あ・・・でも・・・」

悟空「わかってるさ、テレビがきてっから顔がばれねぇ様にだろ？超サイヤ人になって行く。ちょっと力の加減がむずかしいけど」

チチ「で、でも、セルのときだって超サイヤ人の状態で写ったでねぇか・・・」

悟空「チチぃ、こうやってしゃべってる間にも時間が経って人が殺されっかもしれねぇんだ。しのごの言ってる場合じゃねぇぞ」

強盗「まだバスも応援部隊もこないとは・・・呑気なもんだなぁ警察ってもんは！たかが強盗集団に真っ向から挑んで返り討ちにされるだけはある！」

チチ「・・・！」

強盗「そろそろ３分かぁ？待つのももう飽きたから景気づけにそろそろ１人殺っちまうかぁ？」ｶﾁｬ

レポーター「お・・・お助け・・・！」

チチ「オラどうかしてただ！かまうことはねぇ！暴れてこいだ！」

悟空「サンキュー！チチ！」ﾎﾞｵｳｯ

ﾌﾞｼｭｳｳｳｳｳｳｳｳ

悟空「！？　なんだ！？」

チチ「なんかすげぇ煙幕が・・・」

強盗「なんだ？銀行の方が・・・！？」

ﾋﾞｼｭｯ

強盗「いっ！！？」

隊員「目標への麻酔弾の命中を確認、これより人質の救出に向かいます」ｽｩー

強盗「お前ら・・・いったい・・・どこ・・・か・・・ら・・・」ﾊﾞﾀﾝ

悟空「へっ！？」ｼｭｲﾝｼｭｲﾝｼｭｲﾝｼｭｲﾝ

レポーター「はっ、はあっ！助かったっ！こっ、これは特殊武装隊が到着した模様です！そして銀行内の武装集団もすべて取り押さえ、人質も救出されてきました！」

悟空「・・・」ｼｭｲﾝｼｭｲﾝｼｭｲﾝｼｭｲﾝ

レポーター「なんということでしょう！銃声のひとつも聞こえないスピーディーな仕事でした！さっそく隊長さんにインタビューしてみましょう！」

チチ「お、終わっちまっただ・・・」ﾎﾟｶｰﾝ

レポーター「実にお見事でした！これも普段の訓練の賜物というやつでしょうか！？」

隊長「もちろん普段の入念な訓練は欠かしませんが、もうひとつはなんと言っても武装開発に協力してくれているカプセルコーポレーションのおかげですね」

レポーター「なるほど！あの世界一の大企業の！ではさきほど隊員さんが突然現れたのも・・・」

隊長「ええ、カプセルコーポレーション製のステルス迷彩です。銀行内に侵入したのはご令嬢が開発したと言われるミクロバンドで体を小さくして。銀行の煙幕は視界はおろか、音や匂いまでもわからなくなる特殊なものです」

レポーター「すごいですねぇ～っ、最高の科学と最高の部隊が合わさってまさに最強ですね！」

隊長「ええ、あとここまでくるのにカプセルコーポレーションの技術をフルに使ったステルス迷彩仕様亜光速武装ジェット。おかげでなんとか間に合うことができました。まだ試用段階でジェット酔いするものが多数いますが。あとは・・・」

隊員「隊長！もう撤収ですよ！機密事項ベらべらしゃべっちゃってもう・・・」

隊長「はっはっは」

チチ「・・・そういやこないだテレビでやってたべ。カプセルコーポレーションが警察に技術提供して最強の部隊作ったって。各地域に配備されてるっては聞いてたけどこっちまできてるとはよう・・・」

悟空「最強・・・か・・・」ﾌﾟｼｭｳｳﾝ

レポーター「すばらしい科学の進歩！この亜光速を利用すればタイムマシンの完成も夢ではないのではないかという推測まで現在でています！」

ｼｭｲｲｲｲｲﾝ

悟空「・・・」

チチ「べ、別に落ち込むことはねぇだ！悟空さは役に立ってないとかそういうあれじゃねえし！」

悟空「いや、そういうんじゃねぇんだ。別に落ち込んでるわけじゃねぇ」

チチ「え？」

悟空「正直すげぇって思ったよあいつら。オラは部隊のプロじゃねぇし、もしかして下手にオラが行ってたら人質がだれか殺されてたかもしんねぇ。もちろんそうさせねぇ自信もあったけどな」

チチ「悟空さ・・・」

悟空「なんか今日はいろいろ知ることができたような気がするぞ！さっきのこともそうだし、車のこと、違反のこと、ヤムチャのこと、ベジータのこと、おめぇが大変だったってこと」

チチ（悟空さ、なんにも聞いてねぇようでちゃんと覚えてるだな・・・）

悟空「なにも修行は体を鍛えることばかりじゃねぇってことだな！」

チチ「そうだべ！人生一生修行だべ！」

チチ「ただいまだ～」

悟空「ふー、今日はえれぇてぇへんだったぞ～！」

悟飯「あ、おかえりなさい、おとうさんおかあさん。街の銀行強盗の件ですよね？僕達も出動しようとしたんですけど行く前に終わっちゃいました」

悟空「あぁオラもだ。あ、そうだビーデルは大丈夫だったか？今朝のこと。」

悟飯「？　あぁ、心配ないですよ。かえってビーデルさんが心配かけたんじゃないかって気にしちゃって。おとうさんてば冗談きついんだから～！」

悟空「ははー！わりぃわりぃ、今度来たとき謝っとかねぇとな！」

悟天「おとうさんおかえんなさい！」

悟空「おっ、たでぇま悟天。おめぇにアイス買ってきてやったかんな」

悟天「アイス！？わーいわーい！」ｸﾞｵｯ

悟空「わわっストップストップ！でも食うのはご飯の後だぞ？今食っちまうとかあちゃんのうんめぇご飯が食えなくなっちまうだろ？」

悟天「別に食べれるけど、は～い」

悟空「悟飯、おめぇの分も冷凍庫に入れとくかんな」

悟飯「あ、ありがとうおとうさん」

悟空「あっ、悟天おめぇ遊園地行ったことねぇだろ？今度とうちゃんが連れてってやろうか？」

悟天「えっ？なにとつぜん？ほんと？」

悟空「あぁほんとだ！かあちゃんとにいちゃんと、あとじいちゃんも連れてよ、みんなで行くんだ！ずっと山ん中だし、たまにはいいだろ！？」

悟天「わーい！あのね、ぼくね、ジェットコースター乗ってね、かんらんしゃにも乗って、あとソフトクリームも食べたい！」

悟空「ははー！なんだかわかんねぇけど楽しみだな～！」

チチ（悟空さってば急に張り切っちまってよう）

チチ「さあっ！今日の晩メシは腕によりをかけるだぞ～～！」

悟空「ひゃ～～～っ！！！」

悟飯「今日はなにかいいことでもあったんですか？おとうさんもおかあさんも機嫌が良さそうだけど・・・」

チチ「そうだか！？別にな～～んもねぇだよ！」

チチ「悟天はもう寝ちまっただか？」

悟空「あぁ、腹いっぺぇ食ってぐっすりだ」

チチ（・・・別に前までの生活が嫌だったわけじゃねぇが、今日からはなんかほっとするような毎日が続きそうだべ）

悟空「さて、オラは今日買ってきた漫画に少し目ぇ通しておくかな」

チチ「あぁ、電気明るくしてみるだぞ」

悟空「あぁ」ｶﾞﾁｬﾝ

チチ（悟空さもちょっとずつ変わろうとしてる、オラも負けねぇ様にしねえとな！）

悟空「ちっ、チチ～～～～～！！」

チチ「だっ！？どうしただべ！？」ｶﾞﾁｬﾝ

悟空「こ、この漫画、字しか書いてねぇ・・・」

チチ「あ～、ほんとだべ～小説だっただか～。最近は漫画みてえな小説もあるんだな～」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

悟空「おどれぇてオラさぶいぼが走っちまったぞ～」

チチ「でもやっぱり所々挿絵はあるんだな・・・ん・・・？」ﾊﾟﾗﾘﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

チチ「・・・！」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

チチ「なんだべこれ！Ｈな本じゃねえだか～！！？絵があったかと思えば女の子がいかがわしいカッコしててよう！！文が読めねぇからさっきからこれをずっと眺めてただか！！？」

悟空「ま、まて。落ち着けチチぃ。これを選んだのはおめぇも一緒じゃねぇか？あ、あともしかしたら絵はそんなんでも中身はしっかりしてるかもしれねーじゃねぇか！」

チチ「そんな言い訳・・・」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

悟空「わ、わかったよ、これは全部亀仙人のじっちゃんにでもプレゼントすっからさぁ・・・」

チチ「・・・いや」ﾊﾟﾗﾊﾟﾗ

チチ「武天老師さまに渡すのは全部読んでからでいいだ。なんか所々真面目に農業のこと書いてるみてえだし、もしかしたら使えるかもしんねえ」

悟空「ひゃ～～～っ！結局オラが全部読むのか！？」

チチ「これも人生の修行だぞ！悟空さ！あと、使うっていっても変なことに使うでねえだぞ！」ﾊﾞﾀﾝ

悟空「？　何言ってんだあいつ？」

数日後

チチ「結局本読んでもオラも悟空さもよくわからなかっただし・・・ご近所のおじいさんとおばあさんが教えてくれるっていうから今日は来ていただいたべ」

悟空「いやぁ～～～っ！すまねぇなぁ！よろしくたのんます！」

おじいさん「生きてる・・・」

おばあさん「あぁ、生きてるべ・・・」

悟空「？」

チチ「あと悟空さに作業着買ってきてるだべ、服が汚れちまうからな」

悟空「ははー！こりゃいいや！サンキュー！チチ！」

チチ「さてと、オラも着替えてきて・・・」

悟空「あっ、チチ。オラもおめぇに作業着用意してっぞ」

チチ「お、オラは自分の持ってるだぞ・・・？」

悟空「まぁそういうなよ。オラもおめぇに世話かけっぱなしだかんな」

チチ「ご・・・悟空さ・・・」ｼﾞｰﾝ

悟空「はい」ｽｯ

チチ「・・・ん？べこ柄の水着と被り物・・・？は？」

悟空「いやこの前の漫画、亀仙人のじっちゃんとこに持ってったんだけどよう、じっちゃん結構気に入ったみてぇで。」

チチ「ああ」

悟空「じっちゃんの特にお気に入りのきゃらくたーっちゅうんがその牛柄の水着着ててよ。それをわざわざ作っちまったんだ。じっちゃんが」

悟空「そしたら『これは立派な作業着じゃ！』とか言っておめぇに着せてオラに撮ってこいっちゅうんだ。チチの○がどうとかくだらねぇこと言って、でじかめ渡してよう」

チチ「ほう」

悟空「オラこれ作業着とはちょっと違うんじゃねーかって止めたし、オラぶっ殺されちまうって言ったんだけどよう、どうしてもきかなくて・・・あとできればビーデルのも頼むって言っ・・・」

チチ「悟空さ・・・武天老師さまにいったい何をごちそうしてもらうだ・・・？」

悟空「へへー！和、洋、中の超高級ベェキング！」

チチ「こんな布面積のちいせえ水着着るわけねえだし、第一オラもいい年してるのになんのメリットがあるだ？」

チチ「ほんとはビーデルさんがメインなんじゃねえのか？悟空さはいいよな、全然トシくわねえで。というかもともとそんなくだらねえ事を引き受けてくる悟空さがおかしいわけで」

悟空「お、おいどうしたチチぃ。ベェキングのチケットならみんなの分もあんぞ？」ﾋﾞﾗｯ

チチ「波ァ！」ﾊﾞｷｬｱｯ！

悟空「ぐぇあ！！」

それからしばらくして孫夫妻は見事「よかったね大根」の栽培に成功するのであった・・・　　　　　　　　　　　　　　　

おわり