1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 20:20:37.04 ID:c1cACRh90.net
~入学式当日~

深雪「お兄様は補欠の雑草(ウィード)ですよね? どうしてこんなに早く来てるんですか?」

深雪「新入生総代の私ならともかく、雑草のお兄様が早朝に登校だなんて」

深雪「『スペアなのに張切っちゃってる』とか勘違いされますよ?」

達也「い、家にいても暇だから……深雪についてきただけだよ……」

達也「……あと……あ、あんまり大きな声……だ、出すなよ……皆、見てるじゃん……」

「何? ケンカ?」「新入生同士で?」

深雪「……もういいですから、私についてこないでください。あまり、身内とは思われたくありませんので……」

達也「そんな……きょ、きょ、兄妹じゃないか……そんなこと、い、い、言うもんじゃないよ……」

深雪「触らないでくださいっ」バシッ

達也「ごめ、ごめん……」

深雪「実技も筆記もラインギリギリで入学だなんて……無理して入ることもないでしょうに」

達也「だって……み、深雪が入るって言うから……」

深雪「ご自分の意志を持ってください。……私は答辞の打ち合わせがあるのでいきますね」

引用元: 深雪「ハァ……お兄様……」達也「……」 



魔法科高校の劣等生(25) エスケープ編<下> (電撃文庫)
佐島 勤
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4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 20:27:18.23 ID:c1cACRh90.net
達也「あ、えっと……み、深雪、その……」

深雪「なんですか? はっきりおっしゃってください」

達也「が、頑張れ……!」 

深雪「はい。それでは」


達也「……」

達也(はぁ……帰りたい……入学式出たくない……できたら学校にも行きたくない……)

達也「……」

達也(退屈だな……やっぱりもっと遅くに来ればよかった……入学式のしおりでも読むか)

ペラッ

達也(……生徒会長……七草真由美……? ななくさ……? お粥みたいな名前だな……しかもナンバーズか……)

達也(俺とはほど遠い存在だな……)

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 20:33:43.82 ID:c1cACRh90.net
真由美「ちょっと、そこの君。新入生?」

達也「……はぃ?」

真由美「そろそろ会場に向かった方がいいですよ」

達也「…………」

真由美「……? 大丈夫? なんだか、顔色が優れないようだけど」

達也「……ぁ……はぃ。大丈夫です……その、すぐ、い、い、行きます……」スクッ

真由美「私は第一高校生徒会長、七草真由美です。よろしくね」

達也「…………!」

達也(せ、生徒会長……! 七草粥の人だ……! さえぐさって読むのか……!)

達也(ナンバーズ……エリート中のエリート……! 恐い……!)

達也「ひ、ひぃ……」フラッ

ペタン

真由美「あ、あらあら。どうしたの? 本当に体調が悪いのかしら」

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 20:38:47.10 ID:c1cACRh90.net
達也「だ、だいじょぶ……大丈夫です……あの、お、俺、僕はさきに……はい一人で、行きますんで」

真由美「え? そのまま入学式に出席するの? 保健室へ行った方が……」

達也「いや、ほんと、ほんと、いいんで。そういうの、大丈夫なんで、はい」ブンブンブンブン

真由美「そう……? じゃあ、入学式でね」

達也「は、はぃ……」

達也(恐かった……七草粥さん……絵にかいたような優等生だったな……)

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 20:45:05.38 ID:c1cACRh90.net
~会場~

達也(一番後ろの席に座ろう……端っこの方に……)

達也「……」

美月「あの」

達也「……」

美月「……あの、すいません」

達也「……え?」

達也(〇〇〇〇がデカイ人だ……)

美月「隣……空いてますか?」

達也「あ、あ……あ、と、とな……隣……? あ、ああ」

美月「はい、その、隣……」

達也「え、っと……あ、隣……はぃ、ど、どうぞ」

エリカ「よかったー! 座れるね!」

達也「ひぃっ」ビクッ

10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 20:50:49.00 ID:c1cACRh90.net
美月「私、柴田美月っていいます」

達也「ぁ……司波……た、達也です……」

エリカ「あたし千葉エリカ! よろしくね、司波くん!」

達也「…………ども」

達也(この赤髪の子……どっか行ってくんねえかな……苦手なタイプだ……)

エリカ「シバにシバタにチバだって! 語呂合わせみたいで面白いね!」

達也「……」

エリカ「ね!」

達也「…………ぉぅ」

エリカ「『ぉぅ』だって。消え入りそうな声で。司波くん面白いね」

達也「……はぃ」

エリカ「アハハ。はぃ、だって。アハハ。うける」

達也(トイレ行こうかな……入学式の間ずっと籠ってれば……)

12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 20:57:19.11 ID:c1cACRh90.net
『続きまして、新入生答辞。新入生代表、司波深雪』

達也「……」

深雪『この晴れの日に歓迎のお言葉を頂きまして感謝いたします』

深雪『私は新入生を代表し、第一高校の一員としての誇りを持ち勉学に励み』

深雪『魔法を共に学び、この学び舎で成長することを誓います』

達也「……」

パチパチパチパチ

達也「……ハッ」

達也(やばい、寝てた……深雪の答辞聞いとかないと……まだ始まってないよな)

エリカ「あの深雪って子、綺麗だったね」

美月「ええ。立派な答辞だったわ」

達也「……!」

達也(……終わったのか……まあいいや……)

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:02:50.29 ID:c1cACRh90.net
達也(入学式終わったし帰ろう……)

エリカ「あたしE組! ふたりは?」

美月「E組です!」

達也「……」

エリカ「司波くんは?」

達也「あ、え?」

エリカ「何組?」

達也「あぁ……えっと……E組……?」

エリカ「なんで疑問形なの?」

達也「いや、その……E組」

18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:08:52.78 ID:c1cACRh90.net
美月「同じ組ですね」

エリカ「やった! ねっ、今からHR覗かない?」

達也「あー……」

達也(嫌だなぁ……帰りたい)

美月「いいですね」

エリカ「でしょ? 司波くんも行こ」

達也「……あぁ……その、ちょっと……俺は……よ、用事、用事が」

エリカ「用事? なんかあんの?」

達也(本当は無いけど……)

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:15:13.73 ID:c1cACRh90.net
達也「ま、ま、ま、待ち合わせしてるから……」

エリカ「『ままま待ち合わせ』? アハハ、ままま待ち合わせ。誰と?」

達也「い、妹と……」

エリカ「妹?」

美月「あ、もしかして。総代の司波深雪さん?」

達也「…………ぅん」

エリカ「へー。兄妹で一科と二科に分かれちゃったんだ。複雑だね」

達也(一番気にしてることを……このDQN女……)

達也「ベ、別に……気にしてないけど……全然……そういうの、気にしないし」

エリカ「そう? 妹が優等生で、兄が劣等生って……ね?」

美月「ちょ、ちょっとエリカちゃん」

達也「……あー……そう、思う人もいるかな……うん」

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:20:53.84 ID:c1cACRh90.net
エリカ「それよりよくわかったね。兄妹だなんて。全然似てないのに」

美月「オーラが似てたから」

達也「……」

達也(江原啓之かよ……)


エリカ「あれ、司波くん。あそこにいるの、妹さんじゃない?」

達也「あ……ほんとだ……み、み、深雪……」

深雪「……」

エリカ「もっと大きな声で呼ばないと聞こえないと思うよ?」

達也「み、深雪っ」

深雪「……」

エリカ「さっきと全然変わってないよ。音量が」

達也「……み、深雪……!」

達也(気付けよ!!! 深雪!!!)

24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:27:16.37 ID:c1cACRh90.net
<み、み、深雪

深雪「……? あの震えた声は……」チラッ


達也「深雪……」

深雪「……お兄様……はぁ……さきに帰ったと思ってました」

達也「ま、待ってた方が……いいかなと思ったんだけど」

深雪「別に、お待ち頂かなくても」

達也「あ、そう……」

達也(……あれっ! 深雪の後ろにいるのは……!)

真由美「……」ニコニコ

達也(七草粥さん……!)

深雪「そちらのお二人は?」

達也「え……? あ、ああ……えっと……千葉エリカ……さんと、えは……柴田美月さん」

深雪「兄が何かご迷惑を?」

エリカ「え? いや全然」

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:32:32.01 ID:c1cACRh90.net
達也(もう疲れた……はやく帰りたい……深雪を置いて帰ろう)

達也「み、深雪……生徒会の人たちと用があるんじゃ……?」

深雪「ええ。そうです」

達也「じゃ、じゃあ、俺は邪魔だろうから……さ、先に帰って……」

真由美「大丈夫です。今日は御挨拶だけですから」

達也「……ぇ?」

真由美「お兄さんと先にご予定があるんでしょう? また日を改めます」

服部「会長! それではこちらの予定が!」

深雪「あの、兄と予定なんて……」

真由美「それでは、またいずれ」

服部「……」ギロッ

達也「ひぃ……」ビクッ

達也(凄い睨まれた……めっちゃ怒ってるな、あの人……)

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:38:43.28 ID:c1cACRh90.net
深雪「お兄様のせいで生徒会長に気をつかわせてしまいました」

達也「ご、ごめ……ごめん」

深雪「それに、副会長の心証も損ねてしまいましたね」

達也「あぁ……なんで、あんなに怒ってたんだろうな……」

深雪「お分かりにならないのですか? 雑草の分際で生徒会に茶々を入れたから生意気だと思われたんです」

達也「あ、あー……」

深雪「はぁ……帰りましょう」

達也「うん……」

達也(はやく帰ろう……)

31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:44:37.27 ID:c1cACRh90.net
~自宅~

深雪「お兄様、何か飲まれますか?」

達也「えっと……コーラ」

深雪「ありません」

達也「……ファ、ファンタ」

深雪「ありませんよ。ジンジャーエールもCCレモンもサイダーもありませんから」

深雪「お兄様、いい加減炭酸ジュースなんて子供染みたものを飲むのは止めてください」

達也「……ふむ……じゃあ、コ、コーヒー」

深雪「はい。HAR(ホームオートメーションロボット)に淹れさせますね」

達也「……そう」

達也(自分で淹れてくれるわけじゃないのか……)

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:50:55.10 ID:c1cACRh90.net
深雪「私の答辞、どうでした?」

達也「え?」

深雪「答辞ですよ」

達也「……よかっ、良かったよ」

深雪「どのあたりが?」

達也「は、ん、えーっと……全体的に……」

深雪「……本当に聞いてました?」

達也「……ぅん」

深雪「……」

達也「……ごめっ、ごめん」

深雪「何で謝るんですか?」

達也「……いや」

深雪「はぁ……」

40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 21:56:45.85 ID:c1cACRh90.net
~翌朝~

達也「……」

エリカ「あ、司波くん! おはよー!」

美月「おはようございます」

達也「あ、ああ……はぃ」

達也(○○江原が隣の席なのか……DQN女と仲良いんだよな……絡まれる頻度が増えるな……くそ)

達也「……」

達也(さっそく気まずい……履修登録でもして場を持たそう)

達也(話しかけてくるなオーラを出しながらタイピングをしていれば……)

ピピピピピピピピッ

美月「凄く速いタイピングですねっ。履修登録ですか?」

達也(話しかけてくるなオーラを感じ取れよ江原だろ……!)

達也「そ、そうかな……」

エリカ「えー! はっや! きもっ! なぁに、司波くんてオタク?」

達也「……ちが、違ぅ」

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:03:01.34 ID:c1cACRh90.net
レオ「すげー!」

達也「ひゃんっ」ビクッ

レオ「驚かせちまったか? わりい、キーボードオンリーの入力なんて初めてでさ」

達也(体育会系だ……)ガクガク

レオ「俺は西条レオンハルトだ。レオでいいぜ」

達也「……ども」

達也(……体育会系にまで目を着けられた……苦手なタイプが二人も……俺の高校生活は終わった……)

レオ「お前、名前は?」

達也「……ぁつや」

レオ「通夜? 新規臭い名前だな」

エリカ「そんなわけないじゃん、馬鹿? 達也だよ。達也」

レオ「ああ、達也か! よろしくな!」

達也「……ぉぅ」

52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:10:00.50 ID:c1cACRh90.net
レオ「得意魔法は収束系の効果魔法で、志望は機動隊か山岳警備隊なんだ。達也は?」

達也「……と、特には……ま、まあ……魔工師……とか……?」

エリカ「え! なになに、司波くんは魔工師志望なの!?」

レオ「なあ達也。さっきからうるさいこいつ、なんだ?」

エリカ「うわっ、いきなりこいつ呼ばわり? モテない男の典型ね」

レオ「なっ! てめえ、ちょっとツラがいいからって調子こいてんじゃねーぞ!」

エリカ「あら~? モテないって図星だった?」

美月「エリカちゃん、言いすぎだよ」

達也(うるさい……立ち去れ……我が領域より立ち去れ……体育会系とDQN女よ……)

キーンコーンカーンコーン

達也「……よ、予鈴」

エリカ「あ、席につかないと。じゃーね」

レオ「達也。また後でな」

達也「……はぃ」

達也(……来ないでほしい)

58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:15:06.66 ID:c1cACRh90.net
キーンコーンカーンコーン

レオ「達也! 工房見学に行かねえか!?」

達也(昼休みまで図書室で本読んでたいんだけど……断ったらうざいんだろうな……)

達也「うん……」

美月「工房見学ですか? なら私も」

レオ「お、じゃあみんなでいくか」

エリカ「あ、私も行くー」

レオ「おめーはどう見ても工房じゃなくて闘技場だろうが」

エリカ「野生動物に言われたくないわよ」

美月「もう、時間がもったいないですよ」

ワイワイ ギャーギャー

達也「……」

達也(苦手なノリだ……付いて行けない……)

62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:21:09.43 ID:c1cACRh90.net
~食堂~

達也「……」

美月「工房見学、楽しかったですね」

レオ「おう」

達也(食事はひとりでしたい……)

エリカ「あれ? ねえ司波くん。あれ、深雪じゃない? おーい!」

達也「ぇ……?」


深雪「……?」チラッ

深雪「……っ!」


達也(あ、目を逸らしたな……)

エリカ「あれ? 気付いたはずなのに。おーい! おーいってばー! 一緒に食べようよー!」

達也(頼むから空気読んでくれMs.DQN……)

71: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:28:45.98 ID:c1cACRh90.net
深雪「………………はぁ」

深雪「あら、お兄様。それにエリカと美月も」ニコッ

エリカ「深雪もこれからお昼でしょ? 一緒に食べようよ」

深雪「そうしたいのは山々なんだけど……」

達也(気まずくなるぞ……やめてくれ……)

森崎「おい雑草の分際で何言ってるんだ。二科生と相席だなんて」

一科生A「ケジメはつけないとな」

一科生B「そうだそうだ」

達也(ナイスアシスト……)

達也「……じゃ、じゃあしょうがない……じゃあな、深雪」

深雪「ええ。私は一科生の方々と一緒に……」

エリカ「ちょっと、その言い方は酷いんじゃない?」

達也(Ms.DQN……! 何を……!)

美月「そ、そうです! 何の権利があってふたりの仲を引き裂こうっていうんですか!?」

達也(江原……! お前はMs.DQNの抑えじゃなかったのか……!? 火に油を注いでどうする……!)

79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:37:31.68 ID:c1cACRh90.net
深雪「美月ったら、ふたりの仲だなんて。ふふっ。冗談でもやめて」

美月「とにかく、深雪さんはお兄さんとお昼を食べるんです!」

達也「え、江原……!」

森崎「ほぉ、雑草の分際で一科生に口出しするのか?」

レオ「ああ? 黙って聞いてれば……」

美月「同じ新入生なのに、今の時点でどれだけ優れてるって言うんですか!?」

達也「あわわ……」

達也(まずいな……これは……)

森崎「知りたければ教えてやるさ!!!」

レオ「おもしれぇ! だったら教えてもらおうじゃねえか!」

達也(乱闘に巻き込まれる……!)ゾッ

83: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:44:01.61 ID:c1cACRh90.net
森崎「これが才能の差だ!!!」

ジャキッ

達也(CAD!? 殺される!!!)

達也「う、うわあああああああああああああああああああ」

レオ「うおっ」

美月「レオくん逃げて!」

達也「ああああああああああああああああああああっ」

深雪「お兄様! 落ち着いてください! ロックオンされたのはお兄様ではありません!」

達也「え? えっ! え? ええ?」

バキッ

森崎「グッ! 何!?」

エリカ「この間合いなら、身体動かしたほうが早いのよね」

達也(……強い……! Ms.DQN……まるでスケバンだ……!)

91: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:49:36.62 ID:c1cACRh90.net
達也(スケバンがいればあいつらも大人しくなるだろう……なんとか助かったな)

達也(……いや、そもそもスケバンが一科生にちょっかい出さなければこんなことにならなかったんだよな)

達也(江原も一緒になって挑発して……オーラが見えるなら面倒事を回避してほしい……○○以外取柄が無いな……)

ほのか「……」

達也「……おっ」

達也(一科生のあの子……けっこう○○○○あるな……第一高の制服は胸が強調されるからよく分かる……)ジロジロ

ほのか「……!」ゾクッ

雫「どうしたの?」

ほのか「あ、あの人に睨まれてるの……!」

達也「……」ジー

雫「ほのかを狙ってるのかもね。攻撃の意思を持ってなきゃ、あの粘っこい目はなかなかできないよ」

ほのか「!!! やられる前に、やらないと!」

ブンッ

レオ「サイオン光!? 達也が狙われてるぞ!」

達也「きゃあああああああああああああああああああああ」

100: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 22:55:59.81 ID:c1cACRh90.net
真由美「やめなさい!」

パァン

ほのか「きゃっ!」

真由美「自衛目的外の魔法による対人攻撃は校則違反以前に犯罪行為ですよ!」

深雪「さ、七草生徒会長……!」

達也(七草粥さん……! 助けてくれたのか……!)

真由美「ふふ、大丈夫?」

達也「へ、へぇ……」

摩利「風紀委員長の渡辺摩利だ。君たち、1-AとEの生徒だな? 事情を聞きます」

達也「……あっ……じゃ、じゃあ俺は……その、先に……帰る……」

深雪「お兄様!」

摩利「そこの君! 帰って良いと言った覚えはないが?」

達也「……」

達也(全部スケバンと江原が悪いのに……帰らせてくれよ……)

103: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:01:30.07 ID:c1cACRh90.net
摩利「そこの1-Aの女子が攻撃性の魔法を発動させようとしていたようだが?」

ほのか「あ、あれは……!」

雫「閃光魔法だったんだよね。威力も抑えてたし」

ほのか「……! は、はい! そう! そうなんです」

摩利「なぜそこの男子を狙ったんだ?」

ほのか「その……」

雫「ほのかを睨んでいたからです。攻撃されると思い込んだほのかは、思わず魔法を発動しようとしてしまって」

ほのか「はい……とても、怖くて」

達也「……そ、そんな……うぅ!」

達也(○○○○見ただけで……!? 嘘だろ、冤罪だ……!)

摩利「君。そこの女子を攻撃する意思があったのか?」

達也「あ、あぁ……見た、けど……べ、あ、あり……たぁ……」

摩利「は? なんだ、はっきり言え」

エリカ「ちょっと! 司波くんがそんなことするわけないじゃない!」

108: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:07:47.94 ID:c1cACRh90.net
摩利「私はそこの男子に聞いているんだ。答えろ」

達也「は、はぁりません……!」

摩利「では、そこの女子が睨まれたと思ったのは勘違いだったということか?」

達也「……は、はぃ」

ほのか「そんな、あれは確かに……!」

真由美「摩利、もういいじゃない。達也くんが怯えてしまっているわ。ふふっ」

摩利「なに? 真由美、知り合いなのか?」

真由美「ええ。達也くんはいい子よ。総代の深雪さんのお兄さんなの」

摩利「そうだったのか」

深雪「…………ええ、まあ」

摩利「コホン。生徒会長がこうおっしゃられていることでもあるし、今回は不問にします」

摩利「以後、気を付けるように」

達也「はぁ……」

達也(これから午後の授業か……もう帰りたい……)

117: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:13:35.89 ID:c1cACRh90.net
~授業中~

達也「……」

達也(帰りたい……)

教師「サイオン信号と電気信号を相互変換する感応石を内蔵した補助機械によって、魔法の行使を―――」

達也(さっぱりわからん……専門用語が多過ぎる……苦痛になってきた)

達也(ノートに絵でも描いてよう……)


美月「……?」チラッ

美月(達也くん……紙のノートに何を……絵?)

美月(可愛い女の子の絵を描いてる……)

127: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:20:28.68 ID:c1cACRh90.net
キーンコーンカーンコーン

教師「それでは、今日はここまで」

達也(やっと帰れる……)

美月「あの、達也さん」

達也「……はぃ?」

美月「授業中、ノートに絵を描いてましたよね。どんな絵を描いていたんですか?」

達也「……! ……目がいいんだね……」

美月「可愛い女の子が見えたんですけど……」

達也「……っ!!!」

達也(これ以上、視られるのは危険だ―――俺の秘密を―――)

達也(大黒竜也特尉の名で絵師活動していることがバレてしまう―――)

美月「あ、このノートですね」

ペラッ

エリカ「なになに? この絵、誰が描いたの? 司波くん?」

達也「あ、ちょ」

136: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:25:55.54 ID:c1cACRh90.net
レオ「何だ? 俺にも見せてくれよ! へー、うめえなぁ。達也が描いたのか?」

エリカ「オタクが好きそうな絵だね。漫画家でも目指してるの?」

レオ「ばーか。達也は魔工師目指してんだろ」

エリカ「そっか。じゃああまり意味ないスキルだね」

美月「え、エリカちゃん……!」

達也「……!」

達也(このスケバン……言ったな……めちゃくちゃにしてやる……絵の中で……)

レオ「でもまあ、授業はちゃんと聞いておいた方がいいぜ。魔工師志望ならなおさらな」

達也「……ぉぅ」

達也(体育会系の言うことはもっともだ…………やっぱ頭良くないとなれないよな……)

達也(…………フリーターになってプロ漫画家でも目指そうかな……専門学校通ったり……)

達也(親父たちは許してくれないだろうな……くそ……いっそ家を出るか……)

エリカ「ちょっと司波くん、深刻そうな顔してどうしたの? って、いつものことか。アハハ」

達也(馬鹿は能天気で羨ましい……)

146: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:33:16.26 ID:c1cACRh90.net
~翌日~

達也「……」

深雪「お兄様。情けない顔をするのはやめてください」

達也「……だって」

深雪「だって、なんですか?」

達也「なんで、お、俺が……七草粥さんから……」

深雪「七草粥……?」

達也「あ、えっと……生徒会長さんから……昼食に誘われたのか……」

深雪「知りません。何かお考えがあるんじゃないですか?」

達也「……」

達也(生徒会室で飯を食べるとか拷問だ……気まずいなんてもんじゃないだろ……)

達也(深雪は生徒会への勧誘だろうけど……なんで俺なんか呼ぶんだ……)

152: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:39:21.58 ID:c1cACRh90.net
~生徒会室~

真由美「ようこそ、生徒会室へ。さ、遠慮しないで入って」

深雪「失礼します」

達也「……っす」

真由美「ランチはダイニングサーバーにあるから、お好きなメニューを選んでね」

達也「あ、ああ……俺は……これ……あ、あるんで」

ガサッ

摩利「お、司波兄は持参か。私と同じだな」

真由美「あら、達也くんのお昼ご飯は何かしら。その袋は……コンビニ?」

達也「はぁ……まあ、えっと……かにぱんです……」

深雪「……! ちょっと、お兄様」

グイッ

達也「いた……な、なんだよ……」

深雪「よりにもよってなぜ菓子パンなんて……しかもかにぱん……!」

達也「い、色んな形をつくりながら食べるのが……好きなんだ……しかたないだろ……」

170: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:46:53.30 ID:c1cACRh90.net
真由美「ふふ。達也くんはかにぱんなの?」

深雪「幼稚な兄で、お恥ずかしいです」

達也「……」

達也(かにぱん好きだと幼稚なのか……暴論だろ……)

あずさ「あの、私も好きでした……」

鈴音「幼いころに母にねだりました」

摩利「しかし、パンだけではいかんな。栄養が偏っているだろう」

摩利「司波兄もダイニングサーバーから選ぶと良い」

達也「……そ、そうですね……」

達也(かにぱんは帰ってから食べよう……はやく帰りたい……)

183: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/09/04(木) 23:53:10.68 ID:c1cACRh90.net
深雪「私たちも会長と同じものにしましょう」

達也「ぉぅ……」


真由美「わぁー。今日は鰆なのね」

深雪「美味しそうですね」

達也「……」

達也(魚嫌いだ……他のおかずも……懐石料理みたいで……のり弁が食べたかった……でも残したら駄目だよな)

達也「深雪……深雪」

深雪「なんですか?」

達也「こ、この茶色いの何だ……?」

深雪「貝類の佃煮だと思いますが」

達也「……いらない……あげる」

ヒョイ

深雪「ちょ、お兄様っ! はしたないっ」

195: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/04(木) 23:57:36.36 ID:c1cACRh90.net
摩利「なんだ? 司波兄は好き嫌いが激しいようだな」

深雪「申しわけありません……ほんとに」

達也「……ふへ」

真由美「あらあら、それだとお腹が減っちゃうんじゃない?」

達也「いや……」

真由美「これは食べられるかしら。鶏肉と油揚げの煮物」

達也「……」パクッ モグモグ

達也「……はぃ」

真由美「そう。じゃあ私のをあげるわね」

達也「あ、あ」

深雪「そんな」

真由美「いいのよ。はいどうぞ」

達也「あ……ぁりがとうございます……」

真由美「ふふふ」

210: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:04:05.62 ID:4/UIXMw+0.net
~放課後~

摩利「司波妹が書記を引き受けてくれたのは良かったが……」

摩利「兄の方はなんだ? どうして呼んだんだ?」

真由美「え? 別に、ただなんとなくだけど」

摩利「なんとなく……?」

鈴音「会長の気まぐれでしょう」

真由美「ふふ。あの子、可愛いじゃない」

摩利「可愛いだと? どこがだ」

真由美「なんだか……放っておけないのよ。小動物みたいで……ううん、弟かしら」

真由美「そんな感じなの」

摩利「真由美のツボはよくわからないな」

真由美「九校戦のアシスタントとして連れていきたいわ」

摩利「やれやれ」

219: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:09:31.19 ID:4/UIXMw+0.net
~自宅~

達也「はぁ……」

達也(入学式以来、ろくなことがない……)

コンコン

達也「……ぁぃ」

ガチャ

深雪「お兄様、CADの調整をしたいのですが……って、また調整装置の上でくつろいでいらしたんですか?」

達也「だって……ひ、ひんやりしてて寝心地がいいから……」

深雪「かにぱんを食べながら……もう。精密機械なんですよ?」

深雪「中央官庁や研究機関レベルの装置なんですから、やめてください」

達也「……ぅん」

231: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:16:08.59 ID:4/UIXMw+0.net
深雪「暇なのでしたら、お手伝いしてくださいますか?」

達也「え……まあ、いいけど……き、起動式の整理なんてできないぞ……」

深雪「分かってます。測定のためにスキャンしてくれるだけでいいです。後は私が自分でやります」

達也「あ、っそう……じゃあ、ふ、服脱いで……ここに寝て……」

深雪「はい」

達也「……」チラッ

深雪「……」

達也「……」チラッ

深雪「あの……」

達也「……ん?」チラッ

深雪「こちらを見ないでいただけますか? お兄様はモニターにのみ集中してくださればいいんです」

達也「あ、ああ……」

240: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:21:39.94 ID:4/UIXMw+0.net
ウィィィィン

達也「……」

深雪「お兄様。お聞きしたいことが」

達也「……な、なんだ?」チラッ

深雪「こちらを見ずに答えてください」

達也「ご、ごめ……」

深雪「冷蔵庫に入っていたカップアイスのことなんですけど」

達也「……た、食べたけど」

深雪「まあ、やはり! あれは私が楽しみに買っておいたもので……!」

達也「……そ、そうなの……? ごめん……でも、美味しかったよ……ふっ」

深雪「……」イラッ

248: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:27:24.36 ID:4/UIXMw+0.net
~翌日~

達也「……」

達也(今日もやっと終わった……帰ろう)

エリカ「おーい、司波くーん」

達也「……」

エリカ「司波くんってばー」

達也「……」

達也(聞こえない……聞こえてないから、諦めてくれ……)

エリカ「司波くん!」

ガシッ

達也(くそ……)

達也「……あ、あれ? スケ……千葉さん……」

エリカ「もう、さっきから何度も呼んでたのに」

達也「ご、ごめん……考え事してた……」

250: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:35:33.63 ID:4/UIXMw+0.net
エリカ「ねえ、暇?」

達也「あ、いやぁ……その」

エリカ「クラブ決めた?」

達也「あ、ああ、くら、クラブ? いや、まだ……」

エリカ「じゃあふたりでクラブ回らない? 美月もレオも決めてるらしいんだよねー」

達也「ふぅん……」

エリカ「じゃ、いこっか」

達也「ぅん……ぅん?」

達也(は? え? もう行くって決まったのか……?)

達也(ここで断ったら焼きいれられるんだろうな……逆らえん……)

エリカ「ほら、はやく」

達也「ぉぅ……」

255: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:41:36.01 ID:4/UIXMw+0.net
~校舎前~

「体験コーナーありまーす!」「寄ってってー!」「デモンストレーション始めまーす!」

エリカ「うわぁ~、すごい人だね。まさにお祭り騒ぎ」

達也「帰りたい」

エリカ「え?」

達也「あ、ぃや……ぅん、すごい……人だ」

テニス部「そこの女子! 君だよ君! うちの部に入らないかい!?」

バレー部「いいえ、是非うちへ!」

エリカ「え? え? ちょ、ちょっと」

達也「……」

達也(さすがスケバン……人を引き寄せるカリスマ性があるのか……)

259: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:47:35.81 ID:4/UIXMw+0.net
テニス部「彼女に声をかけたのはテニス部が先だ!」

バレー部「いいえ! こっちが先よ!」

エリカ「あの、私は他にいくところが……!」

バレー部「お願い! 話だけでも聞いていかない!?」

テニス部「抜けがけはやめろ!」

達也「……」

達也(今のうちに帰っちゃおうかな……)

エリカ「ちょっと! いい加減離して……!」

ギャーギャー ワーワー

エリカ「あ、どこ触ってるの!? やめっ」

達也(いかん。ヒートップしすぎだ。洒落にならない……誰か呼んでこよう)

ダッ

263: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:51:25.96 ID:4/UIXMw+0.net
達也「す、す、すす、すいません」

風紀委員「はい」

達也「あっちで……ぅるが……」

風紀委員「……え? なんて?」

達也「ト、トラブルが……」

風紀委員「何、トラブル? よし、案内してくれ」

達也「こ、こっちです……」

267: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 00:57:58.05 ID:4/UIXMw+0.net
風紀委員「強引な勧誘はやめてください! 部にペナルティを与えますよ!」

テニス部「うっ」

バレー部「す、すいませんでした……」

達也「だ、大丈夫……?」

達也(スケバンも囲まれると弱いんだな……)

エリカ「な、なんとかね……」

達也「……」ジー

エリカ「……? 何見てるの?」

達也「あ、いや……」

エリカ「……!」

エリカ(ふ、服が乱れて……!)

エリカ「見るな!!!」

達也「あ、あ……す、すいません……」

275: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 01:03:18.29 ID:4/UIXMw+0.net
~闘技場~

エリカ「へぇ、剣道部もあるんだ」

達也「……」

達也(帰りたい)


紗耶香「剣術部の時間はまだでしょ!? どうしてそれまで待てないの!?」

武明「心外だな。演武に協力してやっただけだぜ?」


エリカ「何か揉めてるみたい。ふぅん、面白くなってきた」

達也「……ぇ?」

エリカ「ほら。壬生紗耶香と桐原武明。どっちも全国大会で好成績を残してる猛者ね」

達也「……そう」

達也(帰りたい)

281: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 01:10:34.37 ID:4/UIXMw+0.net
武明「なんだぁ? 壬生。真剣勝負がお望みかぁ? だったら……」

紗耶香「!?」

武明「真剣勝負で勝負してやるよ!」

キィィィィィィン

達也「んっぐ……! ぅああ?」

達也(なんだ……!? ものすごくうるさい……! 外に出よう……!)

ダッ

エリカ「あれは……! 魔法……!?」

武明「どうだ壬生。これが、剣術と剣道の差だ!!!」

エリカ「危ない!」

ズッパァ

紗耶香「きゃあああああああああ」

「うわああ!」「本当に斬っちまったぞ!」「血が出てるぞ!」「人をよべぇ!」

達也「……?」

達也(何か中が騒がしいな……さっきの変な音と関係してるのか……? まあいい、この混乱に乗じて帰ろう……)

288: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 01:14:31.13 ID:4/UIXMw+0.net
~一週間後~

達也「……」

達也(今日も無事終わった……帰ろう)

『全校生徒の皆さん! 僕達は学内の差別撤廃を目指す有志同盟です!』

『僕達は生徒会と部活連に対し対等な立場における交渉を要求します!』

達也「……」

達也(なんだこの放送……………まあいいや……帰ろう)

294: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 01:20:53.40 ID:4/UIXMw+0.net
~二日後~

レオ「なあ達也。お前どうする?」

達也「え? か、帰るけど……」

レオ「討論会聞いていかないのか?」

達也「と、討論……? なにそれ……」

レオ「知らねえのかよ」

達也「ぅん……」

エリカ「生徒会と有志同盟が討論するんだって」

美月「二科生の待遇改善を求めるためのものらしいですよ」

達也「……へぇ」

達也(帰ろう)

300: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 01:24:50.14 ID:4/UIXMw+0.net
~自宅~

達也「……腹減った……もうこんな時間か……深雪の帰りが遅いな……」

ガチャ

達也「あ、帰ってきた……」

深雪「ただいま帰りました」

達也「お、おかえり……遅かったな……な、何かあったのか……?」

深雪「……は? な、何かあったのかって……ご存じないのですか!?」

達也「な、何が……?」

302: ◆ldWr7QnPv.qm 2014/09/05(金) 01:30:53.93 ID:4/UIXMw+0.net
深雪「公開討論会で反魔法組織ブランシェが攻め込んできて……!」

達也「そ、そうなの……? ……参加しないで帰ってきたから……し、知らなかった」

深雪「……そうですか」

達也「そ、そんなに大変だったのか……? だ、大丈夫だった……?」

深雪「……問題ありません。十文字会頭や他の方々のご活躍で解決しました」

達也「よかった……で、夕ご飯は……?」

深雪「もう済ませてきましたけど」

達也「いや、あの、俺の分……」

深雪「……ご自分でなんとかなさってください」

達也「そう……じゃあ、かにぱん買ってくる……」


『魔法科高校の劣等生 入学編』 

~完~