春香「あ、何屋さんやろうか？」

雪歩「焼き肉屋さんで働いてみたいなって思ってたから、焼き肉屋さんでいいかな？」

春香「いいよ！雪歩焼き肉好きだもんね！じゃあ始めるよ！」

雪歩「ばっちこーい！」

春香「ここが噂の炭火焼き肉ユキホかぁ！早速入ろうっと！」ｳｨ-ﾝ

雪歩「しゃせぇーいっ！うぃす！」

春香「ちょっと待って！」

雪歩「どうしたの？まだ始まったばかりなのに」

春香「だっておかしいよ！普通『いらっしゃいませ』じゃない？うぃすってなに？」

雪歩「焼き肉屋さんのアルバイトなんて所詮そんなもんなんだよ……」ﾌｯ

春香「酷いよ！」

雪歩「まあまあ、リアリティを求めてるんだよ、ね？」

春香「いないよそんな店員さん！」

雪歩「それでも、私はあの店員を忘れない……絶対！」

春香「すごい気になる！なにそれ！」

雪歩「なんど埋めようと思ったか……」

春香「と、とにかく普通に行こうよ、ね！」

雪歩「そうだね、私も思い出してきたし……」

春香「続けよう！いくよ！」

雪歩「うん！ばっちこーい！」

春香「ここが噂の炭火焼き肉ユキホか、入ろうっ！」ｳｨ-ﾝ

雪歩「いらっしゃいませ。何名様ですか？」

春香「えと、一人です」

雪歩「ぷぷっ！お一人様！ご案内でーす！こちらどうぞー！ぽふふっ！」

春香「ちょ、なんで笑ってるの！ストップ！」

雪歩「また？結構細かいね春香ちゃん」

春香「細かいとかじゃないよ！焼き肉屋さんに一人で行ってもいいじゃん！なんで笑うの！」

雪歩「だって、焼き肉屋さんに一人って……ぷすすー！」

春香「ちょっともぉー！そんなのじゃダメだよ！ていうかお一人様を強調して言うのも感じ悪いよ！」

雪歩「ふふっ、冗談だよ冗談！私が味わった屈辱を春香ちゃんにもと思って」

春香「やられたんださっきの！」

雪歩「さ、もう一度やり直そっ！」

春香「なんかイキイキしてるなぁ……」

春香「ここが噂の炭火焼き肉ユキホか！」ｳｨ-ﾝ

雪歩「いらっしゃいませ。何名様、あっ、お一人……ですよね、はい、大丈夫ですよ！こちらどうぞ！」ｽﾀｽﾀ

春香（なんか察してくれたけど、これもやられたんだろうなぁ……大丈夫ってなんだろ……）

雪歩「ご注文決まりましたらこちらのボタンでお呼びください！」ｽﾀｽﾀ

春香「えっと、じゃあカルビでいいかな……よいしょ」ﾎﾟﾁｯ

雪歩「お待たせしました。ご注文お聞きします」

春香「カルビ一人前で」

雪歩「カルビ一人前。とご飯で」

春香「いやご飯はいらないです」

雪歩「そうですか？それじゃあカルビ一人前……ご一緒にご飯いかがですか？」

春香「あ、いえ、いらないです」

雪歩「それではご注文確認させて頂きます。カルビ一人前……とご飯でよろしいですか」

春香「よろしくないよ！」

雪歩「もぅ！一々話の腰を折らないでよ！春香ちゃんの腰を折るよ！」

春香「怖いよ！じゃなくて、なんでご飯付けてくるの！どんだけライスラブなの！」

雪歩「ライスラブってなんですかぁ？」

春香「そこは突っ込まなくていいの！やめてなんか恥ずかしい！」

雪歩「じゃあご飯付けなきゃ良いってこと？」

春香「そういうこと！勝手につけちゃダメ……って、これもやられた事あるの？」

雪歩「これは普通に嫌がらせですよ」

春香「嫌がらせかい！」

雪歩「えへへ」

春香「もう……それじゃあ続きから行くよ」

雪歩「ばっちこーい！」

春香「……じゃあ注文は以上で」

雪歩「かしこまりました。少々待ちください」ｽﾀｽﾀ

春香「……」

雪歩「……」ｶﾁｬｶﾁｬ

春香「……」

雪歩「……」ｶﾁｬｶﾁｬ

春香「……」

雪歩「……」ｶﾁｬｶﾁｬ

春香「いや長いよ！早く持ってきてよ！」

雪歩「そんなすぐには出せないよ？」

春香「そこは省略したらいいよ！」

雪歩「もう……特別だよ」

春香「うん、ありがとう……」

雪歩「お待たせしました！カルビ一人前ですぅ！それと……ご飯！」ｻｯ

春香「しつこい！」

雪歩「大丈夫ですよ、ここは私の奢りですから！」

春香「そこまでしてご飯食べさせたいの！？」

雪歩「それではごゆっくりどうぞ」ｽﾀｽﾀ

春香「えぇ……」

雪歩「……」ﾁﾗｯﾁﾗｯ

春香「凄い見てるし……それにあれだけ勧めるって事はきっとご飯にこだわってるんだろうな……どれどれ」ﾊﾟｸｯ

雪歩「……！」ｿﾜｿﾜ

春香「……これ美味しい！こんな美味しいご飯初めて食べたかも！あの、店員さん！これなんてご飯ですか？」

雪歩「サトウのご飯です！」

春香「そこはこだわってよ！せめて炊飯器で炊こうよ！」

雪歩「お客様、今まで麦ご飯しか食べたことないんですね……かわいそう」

春香「いや普通に白米食べてるよ！ていうかなんであんなにご飯推したの！しかも影からソワソワして見てじゃん、あれはなに！」

雪歩「人の話に簡単に惑わされる愚かな現代人を皮肉ったんだよ」

春香「わけわかんないよ！急ハンドル切りすぎだよ！」

雪歩「はぁ、やっぱり私なんかなにやってもダメダメなんだ……」

春香「そ、そんな事ないよ！元気出して？」

雪歩「それよりこんな話してたらなんだか焼き肉食べたくなってきたね」

春香「切り替え早いな！落ち込んでたんじゃないの！」

雪歩「空腹の前に悩みなんて無意味なんだよ」

春香「まあいいけど……じゃあ食べに行こっか」

雪歩「私、美味しいお店知ってるんだけどそこで良い？」

春香「雪歩に任せるよー」

雪歩「それじゃあしゅっぱーつ！」

￣￣￣￣￣￣
￣￣￣￣
￣￣

雪歩「……それから私たちは焼き肉屋さんで偶然765プロのみんなと合流して、楽しいひと時を過ごしましたぁ！」

春香「昨日は楽しかったねー！」

雪歩「うん！またみんなで行きたいね」

＜ワイワイキャッキャッ

P（いいなぁ、みんなで焼き肉……）ﾎﾟﾂ-ﾝ

終わる。