周防桃子「・・・お兄ちゃん、桃子も次は鬼ごっこしたいな」

海美「！　そうだよねー！　走るの楽しいもんねー！　ほらプロデューサー！　ももちんだってこう言って！」

P「ふむ、まあ待て桃子」

P「確かに鬼ごっこは素晴らしい遊びだ。スピード、アジリティ、クイックネス。いわゆるSAQの要素を取り込んだトレーニングにもなる遊びだ。なにより楽しい」

桃子（レッスン終わりの遊びがなんの話になってるんだろう・・・）

海美「？　うんうん！　鬼ごっこ楽しいよね！」

桃子（海美さんお兄ちゃんが言ってること分かってるのかな・・・？）

P「これほど完成された遊戯が遥か古の時代からあったということには驚きを禁じ得ない」

桃子（お兄ちゃんも自分で言ってること分かってるのかな・・・？）

P「だが、それはだるまさんがころんだにも言える」

海美「？」

P「鬼が『だるまさんがころんだ』と唱えている間全力で走り、振り向いた瞬間に急停止する」

P「これは、いいトレーニングになるとは思わないか？」ﾆﾔﾘ

海美「！」

桃子「また桃子が鬼やるから終わったら教えてね」ﾄｺﾄｺ

海美「で、でも鬼が振り向いてる間じっとしてるなんて、私どうしてもウズウズしちゃって・・・！」

P「安心しろ、そのための秘策だ。耳をかせ」

ﾋｿﾋｿ

海美「うひゃっ、ひゃはうはっ」

P「こら動くな。いいか？」ﾎﾞｿﾎﾞｿ

海美「だ、だって、プロ、デューサーの息っ、でぇ、くすぐった！？」

桃子「イチャイチャすんな」ﾌﾞﾝｯ

P「ほぐわーつ！？」ｶﾞﾂﾝｯ

海美「だんぶるどあっ！？」ﾄﾞｶｯ


・・・

P「よし、それではだるまさんがころんだを始める」

海美「今度は負けないよ～ももちん！」

桃子「はいはい」

P「海美、俺はこの勝負に負けたら事務所の階段を逆立ちで登り屋上でスクワットを2000回する」

海美「んふっ、なにそれ。今から負けた時のこと考えてるの？」

P「ふっ・・・こうして己に罰ゲームを課すことには2つの利点がある」

P「まず1つ目は自分を限界に追い込み、罰ゲームをしたくない気持ちがより自分の力を発揮させる」

P「そして2つ目は、もし失敗しても罰ゲームをこなすことで次は勝利できる」

海美「きゅ、究極の二段構え！」

P「ふっふっふ・・・！」


桃子（分かった。このノリ、マイト・ガイとロック・リーだ。お兄ちゃんたち最近NARUTO読んだんだ）

桃子「はじめるよ」

P「来い！」

海美「負けないよー！」


ｸﾙｯ


桃子「だるまさんが」


ｽﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｰ


桃子「ころんだっ」ﾊﾞｯ


P「！」ﾋﾟﾀ

海美「！」ﾋﾟﾀ


桃子（ふーん、まあまあかな・・・ん？）

桃子「・・・海美さんなんか透けてない？」

海美「ふふふ・・・！」ｼｭﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

P「気がついたようだな・・・！」

P「桃子、ヘリコプターのプロペラが回っているはずなのに止まって見えるという経験はあるか？」

桃子「ストロボ効果でしょ。それが？」

P「それと同じだ！　海美は今、超高速で動きあたかもその場に止まっているように見せている！」

P「背後が透けて見えるのはそのためさ！」

海美「すごい！　すごいよプロデューサー！」ｼｭﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

海美「こんなに動いて止まって見えてるんでしょ！？　うわー！　たーのしー！」ｼｭﾀﾀﾀﾀﾀﾀﾀ

P「ナイスだ海美！」ｷﾗｰﾝ

桃子「ふーん。海美さん、鬼が振り向いてるのに動いてるんだ。じゃあ負けだね」

海美「！？　しまったぁ！？」

P「なにぃ！？」ｶﾞｰﾝ

桃子「はい、お兄ちゃんも動いた。桃子の勝ち」

海美「プロデューサー・・・」

P「ばかな・・・」ｶﾞｸｯ

桃子「本当にね」

桃子「・・・それじゃ、鬼ごっこしようか」

海美「えっ！？　いいの！？　やったー！」

桃子「ふふ・・・♪」



・・・

・・・


ｽﾞﾙｯ

ｺﾞﾁﾝｯ　ｶﾞﾀﾀﾀﾀﾀﾀｯ


海美「プロデューサーが階段から落ちたー！？」


桃子（・・・次は最初から鬼ごっこにしとこ）ﾊｧ


お・わ・り