1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:25:37 ID:OngqjY3s
流子「なんだじゃねー、ふざけやがって!」

鮮血「・・・うーむ、なんのことだろうか」

鮮血「まさか、流子のプリンをこっそり食べたのが癪に障ったのか?」

流子「え?」

引用元: 流子「鮮血てめー!」 鮮血「なんだ?」 



3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:26:49 ID:OngqjY3s
鮮血「違うのか」

流子「あのプリンは鮮血が食べたのか!?」ギリギリ

鮮血「いや・・・、違うぞ」プイ

流子「嘘だな! その反応は食べたな!」

流子「ってゆーか、お前プリン食べれるのかよ!」

4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:27:36 ID:OngqjY3s
鮮血「あれは毒見というやつだ」シレッ

流子「はぁ? マコも又郎も平気で食べてただろうが」

鮮血「ヤツらは特殊だからな。結果的に言うと、おいしかった」

流子「やっぱり食べてんじゃねーか!」

鮮血「ばれてしまったな」

5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:28:24 ID:OngqjY3s
流子「ノンキなセリフ言ってんじゃねえよ!」

鮮血「という冗談はここまでだ。本題はなんだ?」

流子「えーと・・・なんだっけ」

鮮血「流子が寝てるときに胸を○○○○した件か?」

6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:29:13 ID:OngqjY3s
流子「そんなことしてるのか、変態制服野郎が!」サッ

鮮血「してない」

流子「嘘つけ! ナチュラルに自白しやがって!」

鮮血「証拠がないだろ」

流子「・・・まーそうだけど・・・」

7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:30:55 ID:OngqjY3s
鮮血「それよりだ、流子」

流子「?」

鮮血「今のブラではきついんじゃないか?」

流子「触ったなぁ! 触った上にサイズまで確認したなぁ!」

鮮血「してないと言っているだろう、証拠があるなら出してほしいもんだな」

8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:31:26 ID:OngqjY3s
流子「なんでブラがちょっときついの知ってんだ!?」

鮮血「身衣一体だからな」ドヤ

流子「・・・まあ、納得と言えば納得だけどさぁ」

鮮血「そして少し、色気が足らんぞ」

流子「うっせーよ!」

9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:32:10 ID:OngqjY3s
鮮血「次の休みは、私とランジェリー購入デートとかどうだ?」

流子「お断りだ」

鮮血「ならいい・・・」ジトッ

流子「・・・」

鮮血「一生スポブラでもいいなら好きにしろ」

流子「うっせ」

10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:32:43 ID:OngqjY3s
鮮血「想像してみろ。初めての彼氏との○○のことを」

流子「だまれー!」カァアアア

鮮血「『流子、力を抜いて』『あ、ああ』『○○すよ?』『うん』」

流子「やめろっつってんだろ!」

鮮血「『あ』『え?』『おれ、スポブラ○○○なんだ』」

11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:33:17 ID:OngqjY3s
流子「うわあああああああ」ガーン

鮮血「ある意味、最悪の展開だろう」

流子「そうだな、そうだな、明日にでも下着屋さんに行こうぜ」

鮮血「臨むところだ」

12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:33:55 ID:OngqjY3s
流子「ってか、何の話だっけ?」

鮮血「あれか? わけのわからんコロッケの具材では」

流子「知ってるのか、鮮血?」

鮮血「あれは・・・いや、やめておこう」

流子「・・・もったいぶんなよ」

13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:34:45 ID:OngqjY3s
鮮血「おぞましい・・・口にするのも嫌だ」

流子「じゃあこの話はやめよう」

鮮血「しかし言いたい」

流子「なら言えよ」

鮮血「引かないか?」

14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:35:19 ID:OngqjY3s
流子「やっぱ聞かない」

鮮血「つれないことを」

流子「ふてるなよ、教えてくれよ」

鮮血「・・・」ウップ

流子「聞かないほうがいいな」

15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:35:56 ID:OngqjY3s
鮮血「具体的な事は言わないほうがよさそうだが」

流子「めんどくせーな! はっきりしろ!」

鮮血「マコの父親は闇医者であろう?」

流子「やめろー!」ブルブル

鮮血「夜な夜な、わけのわからん患者から少しづつ」

16: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:36:45 ID:OngqjY3s
流子「想像通りじゃねえかよ、だいたい知ってたけど怖すぎて考えないフリしてたんだっつの!」

鮮血「つまりはそういう事だ」

流子「真実とは常に闇の中ってこったな」

鮮血「そうだ」

流子「そんなのはどうでもいい、なんかお前に言いたかったんだよな」

17: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:37:16 ID:OngqjY3s
鮮血「もういいじゃないか」

流子「そーだな、忘れちゃったよ」

鮮血「うむ、忘れろ。徐々に面積を少なくしてる話は」

流子「おまえバカだろ、気が付かなかったじゃねーか!」カアアア

鮮血「しかたないことなのだ」

18: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:37:53 ID:OngqjY3s
流子「何がだよ、説明しろ」

鮮血「流子の体を心配してのことだ」

流子「・・・鮮血」

鮮血「ただでさえ身衣一体の状態では流子の体力を奪ってしまうのでな」

流子「・・・」

19: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:38:38 ID:OngqjY3s
鮮血「少しでも負担を減らそうと思った」

流子「おまえ・・・」

鮮血「黙って聞いてくれ。私にも迷いがあった」

鮮血「流子が変態露出女として認知されてしまうと、マコの家族にも変な視線が集まる」

鮮血「流子の体に負担を強いることと、満艦飾一家の世間体との板挟みは、どちらがいいか考え悩んだ」

20: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:39:18 ID:OngqjY3s
鮮血「まずは実験的に、わずかに面積を減らしてみたのだ」

鮮血「すると、私に賄賂が回ってくることを知った」

流子「このやろー・・・!」グッ

鮮血「流子の負担が減り、私も小遣いが貰え、マコの家族にも還元できる」

鮮血「ちょっとづつ面積を減らすことがwin-winだったのだ」

21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:39:56 ID:OngqjY3s
流子「ゲス野郎! 二度とてめーは着ねーからな!」

鮮血「主に胸部と下半身から削減している」

流子「意思を持った上に煩悩まる出しの服たぁ、この上なく気持ち悪いね」

鮮血「そういうな、ほれ」ピッ

流子「・・・」スッ

22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:40:31 ID:OngqjY3s
鮮血「取っておけ、袖の下だ。服だけに」

流子「諭吉さんが5人も」

鮮血「お世話になったのでな。分け前はやろう」

流子「・・・聞かなかったことにしてやるよ」

鮮血「正しい判断だ」

23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:41:08 ID:OngqjY3s
流子「わかった」

鮮血「しかし、流子。お前は何を怒ってたんだ?」

流子「・・・」

鮮血「お前を残して消えてしまうことか?」

流子「・・・思い出した。あぁ、そーだよ」

24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:41:46 ID:OngqjY3s
鮮血「私の懺悔と言い訳は終わったところだ、もう言い残すことはない」

流子「鮮血、まるで死んじまうようなことを言うのはやめろ!」

鮮血「別れは突然だ。飲み込めないのは理解できる」

鮮血「私は服だ」

鮮血「服とは、人の成長とともに、あるいは流行とともに。年月が経てば捨てられてゆくのだ」

25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:42:24 ID:OngqjY3s
流子「わかんねー・・・」

鮮血「人生にとって・・・流子の人生にとって、必要でなくなる」

鮮血「それが今なのだ」

鮮血「成長したな、流子」

鮮血「さあ、おしゃれな服を着るんだ」

26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:46:11 ID:OngqjY3s
流子「おまえが一番おしゃれなんだ、私にとってはよぉ!」

鮮血「短いような、長いような、不思議な時間だった。楽しかったぞ」

流子「やめろよ・・・」

鮮血「いいか流子。もう、私は必要ないんだ」

流子「そんなこと・・・ねーよ・・・」

27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:46:46 ID:OngqjY3s
鮮血「大人になったということだよ、古臭いセーラー服は卒業だ」

鮮血「そう思って理解してほしい」

流子「やめろ! 私はまだガキんちょだ! お前が必要なんだ!」

鮮血「まだ諦めないか。今の私は、とてもうれしい気分だよ」

鮮血「唯一の親友の成長を、一番近くで見守れたのだからな」

28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:47:36 ID:OngqjY3s
流子「一緒に地球に帰るぞ! キッチリ縫い直してやっから、もう少しがんばれよ!」

鮮血「無理だ・・・お前にもわかってるはずだ」

鮮血「今の私は、たった一本の絆糸に過ぎない」

鮮血「本来ならこうして会話ができるはずもないのだ。もう私には幾ばくの命もない」

29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:48:48 ID:OngqjY3s
流子「わかんねえ! わかんねえよ!」

鮮血「弱音を吐くならば、最後のひと頑張りを終えたんだ。もう休ませてもらいたい」

流子「・・・鮮血」

鮮血「私はこの世から消えゆく。それが私の宿命であり、流子の受け止めるべき現実だ」

流子「勝手なことを言うな! おめーは私に着られてればいいんだ!」

30: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:49:28 ID:OngqjY3s
鮮血「ふっ、懐かしい。私を着ろ、と脅したこともあったか」

流子「今もそうだ、ほんとは着て欲しいんだろ! 素直になれよ・・・」

鮮血「素直になるのは流子、お前のほうだ。全てわかっているはずだぞ」

流子「うっせ・・・」

鮮血「さあ、姉と友人、皆が待っているぞ。もうお前は一人じゃない」

31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:50:09 ID:OngqjY3s
マコ「りゅーこちゃん、起きて!」

流子「マコ?」

皐月「私の声が聞こえるか!?」

流子「姉さん?」

蛇崩「けっ、死んでるんじゃないの」

蝦郡「纏! 貴様の根性はその程度なのか!?」

32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:50:42 ID:OngqjY3s
猿投山「もう一度、真剣勝負と行きたかったもんだがねぇ」

犬牟田「データ上では・・・かなり危険ですね」

伊織「いいや、生命繊維の可能性はこんなもんじゃないはずだ!」

薔薇蔵「うーん・・・まだ心臓は止まっちゃいねえが、そろそろ限界だな」

好代「わけの分からない最後なんてイヤよ!」

又郎「ねーちゃーん、そっちは危ないぞー!」

33: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:51:17 ID:OngqjY3s
ガッツ「ガッツガッツ」

三木杉「流子くん・・・無理させてすなかった」

紬「ちっ・・・」

流子「みんなっ!?」

鮮血「聴こえたようだな」

流子「・・・あーそーだよ」

34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:51:57 ID:OngqjY3s
流子「私は一人じゃない! お前なんかに頼らなくても、寂しくねーからな! 」

鮮血「その言葉、本心であると受け取ろう」

鮮血「さて。もうそろそろ・・・限界だ」

流子「・・・そうかよ。あばよ、鮮血」

35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:52:35 ID:OngqjY3s
鮮血「さようなら、流子」スッ

流子「ああ、じゃあな」スッ

流子「・・・」ピクッ

マコ「りゅーこちゃん! いま動いた!?」ハーレルヤ

おわり

36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2017/05/23(火) 01:54:05 ID:OngqjY3s
ラストのシーンで、流子が瀕死になってしまったというif設定です
久しぶりに見返して、勢いで書きました
読んでくださってありがとうございます