伊吹「穂乃香だって凄いと思うけどなー。同じダンス踊ってるハズなのに、指先まで綺麗でさ。気持ち入ってるのが分かるっていうか」

穂乃香「ふふっ、そう言って貰えるのは嬉しいですね」

伊吹「魅せる動きっていう感じ。アタシももっと磨きをかけなきゃなー」

穂乃香「ありがとうございます。参考になるかは分からないですが…少しレッスンしてみましょうか？」

伊吹「よろしくお願いします、先生！」

穂乃香「あ、きちんとレッスンルーム使うって伝えておかないと……」

伊吹「あれ……年下の方がしっかりしてる、やっぱ先生だなー」

穂乃香「内線を押して……と。伊吹さん、とりあえず三時間借りればいいですかー？」

伊吹「いやいやいや！ 本気過ぎでしょ！ もうちょっと手加減してよっ」

穂乃香「あっ……すみません、誰かとバレエの事話せるのが、嬉しくてつい……長かったですよね」ｼｭﾝ

伊吹「う……三時間はトバし過ぎだけどさ。これからしばらく一緒みたいだし、ちょっとずつ教えてよ」

穂乃香「はい、じゃあ、基本から……」

［ダンス後］

穂乃香「と、いう感じですね。このくらいにしておきましょうか？」

伊吹「おー、普段使ってないとこ使った気がするなあ……聞いた事はあっても、自己流でやって来たトコも多いし、面白いよっ」

穂乃香「なら、良かったです。バレエはダンスの基礎なんて言いますし、ストリートダンスにも生きる所はあるかもしれませんね」

伊吹「なるほどー！　今日はありがとうございました、先生！」

穂乃香「その先生っていうの…止めませんか？ 私そんなレベルじゃないですから」

伊吹「教え方しっかりしてるし、いいと思うけどなー」

穂乃香「まだまだ…自分の事も満足に出来てない身ですから。本当は他人にあれこれ言える立場じゃないんですよね……」

伊吹「そんな事言ったらアタシだって、まだまだだよ。上手い子もいっぱいだしさー」

穂乃香「確かに、すごい方たくさんいますよね、このプロダクションにも……」

伊吹「それに、アイドルとしてのダンスは二人ともぺーぺーだしね！ 一緒に頑張ってこ！」

穂乃香「そうですね。 今度は伊吹さんのダンスも教えて欲しいです」

伊吹「お、アタシはトレーナーかじってたからね。けっこうスパルタだよ？」

穂乃香「望むところです！」

伊吹「へへ、ちょっと真面目になっちゃつたなー。そーだ、気分変えに出掛けよっか？ 穂乃香はゲームセンターって行く？」

穂乃香「いえ、今まではバレエばかりで、遊びにはあまり……」

伊吹「色々あるよー、足でやるリズムゲーム、あとクレーンゲームの景品に縫いぐるみとか」

穂乃香「！？ ちょっと興味が出てきました」

伊吹「ちょっと回り道になるけど、寄ってみようか」

穂乃香「案内よろしくお願いしますね、伊吹先生！」

伊吹「あ、自分が言われると、やっぱ照れるわ」

穂乃香「早く行きましょう！ 伊吹先生！」

伊吹「やめてって！ 穂乃香って案外アクティブだよねー。よっし、いこーか！」

穂乃香「はい！」

［ゲームセンター］

穂乃香「伊吹さん！ ぴにゃこら太が！ ぴにゃこら太がいっぱい居ます！すごい！」ﾋﾟｮﾝﾋﾟｮﾝ

伊吹「今日一番のテンションだね。そんな好きなのコイツ……」

穂乃香「ああ……縫いぐるみ、可愛いです。こんなグッズも出ていたんですね。クレーンゲームは盲点でした……」

伊吹「大げさだなー。じゃ、やってみる？」

穂乃香「もちろんです！」ﾁｬﾘﾝ「いきます！」

ｳｨｰﾝ、ｶﾁｬ、ｳｲｲｲﾝ、ｶﾁｬ

穂乃香「引っ掛かりました！ ピッタリです！ やりました！」

伊吹「あー、それはねー……」

ｸﾞｸﾞｸﾞｸﾞｯ、ﾎﾟﾃｯ

穂乃香「ああっ！？」

伊吹「うん、アームのチカラって、だいぶ緩いんだよねー」

穂乃香「むう……」ﾁｬﾘﾝﾁｬﾘﾝ

伊吹「本気だ……」

ｳｲｲｲﾝ、ﾎﾟﾃﾝ

穂乃香「ああっ！」

伊吹「アタシやってみようか？」

穂乃香「いえ、自分の力だけで！」

ﾁｬﾘﾝ

穂乃香「……うう、ぴにゃこら太ー……」ｶﾞｸﾘ

伊吹「しょーがないなー、お姉さんがいいとこ見せてあげよう！」ﾁｬﾘﾝ

穂乃香「……お願いします」

伊吹「任せてー。ここで、こうして、と……あ、あれ」

ｳｲｲｲﾝ、ｽｶｯ

穂乃香「……得意って訳では無いんですね」

伊吹「なにおー、ぴにゃの一匹や二匹、サクッと取れるからなー！」

穂乃香「……結局、ズルをしてしまいました」

伊吹「人聞き悪いなあ……ちょっと取りやすく動かしては貰ったけどさー」

穂乃香「ぴにゃこら太の誘惑には勝てませんね……」

伊吹「……まあ、二人してだいぶ突っ込んでたからねー。あのくらいのサービスはして貰ってもいいでしょ」

穂乃香「そうですか？ 」

伊吹「そーそー」

穂乃香「あ、でも最後は自分で取れて嬉しかったです」

伊吹「ガッツポーズ出てたねー。まあ、あまりハマり過ぎないように！ 誘っといてなんだけどさ……」

穂乃香「ふふ、大丈夫ですよ。そのうちリベンジもしたいですが」ｷﾘｯ

伊吹「大丈夫かなあ……」

穂乃香「あ、これ、伊吹さんが言ってたダンスゲームですね？」

伊吹「やっぱ気になる？ ちょっとやってみようか」

穂乃香「少しだけですね、時間も経っちゃいましたし」

伊吹「懐も寂しいしね」

穂乃香「ですね……」

伊吹「でも、こっちは得意分野だし、任せといて！」

穂乃香「私もダンスなら得意分野ですよ？」

伊吹「よしっ、その足がゲームでも通用するか見せて貰おうじゃないか！」ﾁｬﾘﾝ

ｼﾞｬｰｼﾞｬｰｼﾞｬｰｼﾞｬｰﾝ

穂乃香「あ、ちょっと待ってください！ 心の準備が！」

伊吹「習うより慣れろってね。チュートリアルからスタートだ！」

穂乃香「もー、でもいいとこ見せちゃいますよ！ ふふ♪」

伊吹「へへっ、がんばってよー」

おわり

[入らなかったやつ]

穂乃香「伊吹さん見てくださいっ。とっておきです！ 可愛いでしょう？」ﾓﾀﾓﾀﾓﾀﾓﾀ

伊吹「え……何それ」

穂乃香「ぴにゃこら太のステップを再現したダンスです！ みんなにはちょっと不評で……ダンス得意な伊吹さんなら分かってくれると思ったんですけど」

伊吹「えーと……穂乃香にはやっぱクールなダンスが合ってるとオモウヨ」

穂乃香「うーん。あの可愛さを出すのは、難しいですね。やっぱり、私の向いている道で精進します！」

伊吹「う、うん。一緒にチャレンジしてこ！」

穂乃香「はい！」

ありがとうございました。アイドル紹介は妄想膨らんでいいですね。