1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 15:48:06.653 ID:exY3yeAsM.net
ココア「リゼちゃんリゼちゃん」

リゼ「ん? どうした、ココア」

ココア「ほら、見てよこれ。私こんなにお皿洗い頑張ったんだよー」

リゼ「そうか。偉いな、ココアは」

ココア「それだけ?」

リゼ「……」

ココア「……」キラキラ

リゼ「まったく、しょうがないな」ナデナデ

ココア「えへへー」ニコニコ

引用元: ココア「リゼちゃーん。頭なでなでしてー」 



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5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 15:50:46.947 ID:exY3yeAsM.net
翌日

ココア「リゼちゃーん。ちょっと見てもらっていい?」

リゼ「なんだ? 何か分からないことでもあるのか」

ココア「ううん、違うよ。これこれ」

床ピカピカ

リゼ「おー、すごいな。綺麗に掃除できてる」

ココア「でしょでしょ?」

リゼ「ありがとな、ココア」ナデナデ

ココア「えへへへー」ニコニコ

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 15:53:15.886 ID:exY3yeAsM.net
チノ「あの、ちょっといいですか」

ココア「あ、チノちゃん。なぁに?」

チノ「ココアさんじゃありません。リゼさんの方です」

リゼ「なんだ?」

チノ「ここじゃちょっとあれなんで。奥に行きましょう」

リゼ「? 分かった」

チノ「申し訳ないんですが、ココアさん、しばらく一人でお店見てもらっててもいいですか。
  何かあったら呼んでください。今はお客さんも少ないですから、大丈夫だと思いますが」

ココア「うん! 頑張るよ、チノちゃん!」

7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 15:55:46.861 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「で、なんなんだ。話ってのは」

チノ「単刀直入に言います。最近のリゼさんの勤務態度についてです」

リゼ「勤務態度?」

チノ「そうです。最近少したるんでるとは思いませんか」

リゼ「……うーん。別に以前と変わらない気がするけどなぁ」

チノ「そうですか。仮にそうだとするならば、私の目に付かなかっただけで、
  以前からリゼさんはあの調子だったというわけですね」

リゼ「……」

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 15:58:28.797 ID:exY3yeAsM.net
チノ「クレームが来てるんですよ。それも一件や二件じゃありません。
  提供や、オーダーを取りに来るのが遅いとか、お皿の割れる音が頻繁に聞こえるとか、
  従業員同士でずっとおしゃべりしているとか」

リゼ「ちょ、ちょっと待ってくれ」

チノ「なんでしょう」

リゼ「それってココアに対するクレームじゃないのか?
  私はちゃんとやって」

チノ「人のせいにするんですか」

リゼ「そ、そういうつもりじゃあ……」

10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:01:16.774 ID:exY3yeAsM.net
チノ「このままの状況が続くようでしたら、解雇させていただきますので。
  ラビットハウスも、面倒事を増やす従業員を雇っている余裕なんてないんですよ」

リゼ「……すまない」

チノ「謝罪の言葉はいりませんから。ちゃんと態度で示してください」

リゼ「……」

チノ「言いたいことはそれだけですから。さぁ、仕事に戻りましょう。
  今言ったことを常に心の隅に置いておいてください」

リゼ「……ああ。すまなかった。これからは真面目にやるよ」

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:04:15.637 ID:exY3yeAsM.net
ココア「あ、リゼちゃんおかえりー。話ってなんだったの?」

リゼ「別に大したことじゃないよ」

ココア「……? ふーん」

リゼ「って、なんだよこれ! なんでこの時間に満席に……」

ココア「なんか近くでコンサートがあって、それがついさっき終わったんだってー。
   急にお客さん増えて、私びっくりしちゃったよー」

リゼ「オーダーはもう取り終えてるのか?」

ココア「ううん。一人だったからいっぱいいっぱいで……」

リゼ「と、とりあえずオーダーだけ取るぞ! コーヒー淹れるのはあと!」ダッ

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:07:02.722 ID:exY3yeAsM.net
翌日

チノ「リゼさん。ちょっと来てください」

リゼ「……分かった」

ココア「またー? 二人でコソコソなんの相談してるの?」

チノ「ココアさん。すいませんが、また一人でお願いできますか。
  昨日みたいなことがあったら、遠慮せずに私に声かけてください」

ココア「うん!」

チノ「……じゃあ行きますよ。リゼさん」

リゼ「……ああ」

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:10:09.873 ID:exY3yeAsM.net
チノ「昨日だけでクレームが4件です。
  いつまで経ってもオーダーを取りに来ない、提供が遅い、
  ボーっと突っ立てるだけの店員がいる、何回も確認したくせにオーダーが間違っていた」

リゼ「……」(全部ココアの……)

チノ「クレームを入れてくれるお客さんは良いお客さんなんですよ。
  こちらの改善点を示してくれてるわけですから。
  問題なのは、不満に思いつつもそれを表に出さない人もいるということです。
  そういうお客さんは、二度とうちの店に来てはくれないんですよ。
  大事なリピーターを永久に失ったというわけです。
  これがどういうことだか、リゼさん分かりますか?」

リゼ「……」(でも言っても仕方がない……)

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:13:13.771 ID:exY3yeAsM.net
チノ「何を黙っているんです。
  ”これがどういうことだか、リゼさん分かりますか?”私はそう聞いているんです」

リゼ「……すまなかった」

チノ「はぁ。私昨日も言いましたよね。こちらは謝罪を求めているわけじゃありません。
  ちゃんと結果で示してくださいよ、お願いですから。
  それともイチから教えてあげないと理解できませんか」

リゼ「……」

チノ「何を泣いてるんですか。泣いてたって話は進みませんよ。
  涙で許しを請うなんて、子供じみた卑怯な手だとは思いませんか」

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:16:29.396 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「……」

ココア「あ、リゼちゃんおかえりー。1時間も何話してたの?」

リゼ「……何でも、無いよ」

ココア「ん? リゼちゃん目が赤い……?」

リゼ「……」

ココア「もしかして、泣いてるの?」

リゼ「……」

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:20:05.584 ID:exY3yeAsM.net
ココア「リゼちゃん。ちょっと頭こっち向けて」

リゼ「……?」

ココア「リゼちゃん背ぇ高くてうらやましいなぁ。そのまま、少し屈んでもらえる?」

リゼ「……うん」

ココア「よしよし」ナデナデ

リゼ「……!」

ココア「チノちゃんと何話してたのかは知らないけど、
  リゼちゃんがいつも頑張ってるのは私知ってるからね」ナデナデ

リゼ「ううっ……。ココアぁ……」ポロポロ



チノ「……」

22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:23:48.594 ID:exY3yeAsM.net
翌日

ココア「リゼちゃん遅いなぁ」

チノ「リゼさんなら来ませんよ。昨日付で退職しましたから」

ココア「ええっ!? なんで……」

チノ「さぁ。昨日いきなり辞めるって言い出したんです。
  リゼさんには幻滅しました。責任感というものが感じられません」

ココア「そんな……」

25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:27:17.449 ID:exY3yeAsM.net
チノ「でも、私とココアさんがいれば店は回りますから。
  それほど気にすることもないでしょう」

ココア「……チノちゃん。私、ちょっとリゼちゃんの家に行ってくる!」ダッ

チノ「え……。ちょ、ちょっとココアさん! もうオープンの時間ですよ!」

ココア「ごめんねチノちゃん! すぐ戻るから!」ガチャ

バタン!

チノ「……ココアさん」

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:30:41.840 ID:exY3yeAsM.net
~リゼ宅前~

リゼ「ココア……!? どうして……」

ココア「リゼちゃん! 突然辞めるって……どういうことなの!?」

リゼ「それは……」

ココア「私に相談も無しに……! せめて理由を説明して!」

リゼ「……飽きちゃったんだよ」

ココア「え……」

リゼ「もう飽きちゃったんだ。庶民の生活を体験するのにさ」

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:33:37.476 ID:exY3yeAsM.net
ココア「それって……どういう……」

リゼ「そのままだよ。ほら、私の家ってお金持ちだろ?
  だから今までお金のことで苦労なんてしたことが無くて……。
  それでさ、ちょっと気になったんだ。
  『他の人はどういう気持ちで生きてるんだろう』って。
  『安い時給でこき使われるとどんな気分になるんだろう』ってさ」

ココア「嘘……」

リゼ「嘘なんかじゃない。本当にただ飽きただけなんだよ、ココア」

ココア「嘘だよッ! そんなの……!」

30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:36:07.344 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「信じたくない気持ちも分かるけどさ。これが私の本心だ。
  今まで騙してて悪かったな、ココア」

ココア「……」

リゼ「じゃ、そういうことだから。
  せいぜいバイト頑張ってくれよ。やっすい時給でさ」バタンッ

ココア「待っ……!
   ……リゼちゃん。………………嘘つき」

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:37:48.140 ID:exY3yeAsM.net
~帰り道~

ココア(リゼちゃん。本当にラビットハウス辞めちゃったんだ)

ココア「……リゼちゃん。
   リゼちゃあああーーーーん……っ!
   ああああああああああん……。うわああああああん……っ!」ポロポロ

~リゼ宅・自室~

リゼ「ココア……。
  うう……っ! ココアぁ……っ!
  ごめん……。うう……。本当に……ごめんなココア……。
  ううう……っ! ううううう……っ!」ポロポロ

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:40:44.195 ID:exY3yeAsM.net
~前日夜・ラビットハウス~

チノ「リゼさん。もうラビットハウスを辞めてもらえませんか。
  はっきり言って迷惑なんですよ。あなたがいると」

リゼ「……分かったよ。今まで世話になったな」

チノ「ああ、それと。ココアさんにはもう二度と近づかないでください」

リゼ「な……! なぜだ! 私とココアは友人同士なんだぞ!
  チノにそんなことを言う権利があると思っているのか!?」

36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:43:30.897 ID:exY3yeAsM.net
チノ「ありますよ。権利も、それを行使するだけの力も」

リゼ「力……?」

チノ「そうです。お父さんが夜にバーをやってるのはご存知ですよね。
  その関係で、懇意にしている暴力団があるんです」

リゼ「……だからなんだよ」

チノ「分かりませんか? リゼさんがココアさんに近づくようなことがあれば、
  私はお父さんにお願いして容赦なく使いますよ。その力を、です」

リゼ「ふざけるな! あんまり調子に乗るなよ、チノ!」

37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:46:22.396 ID:exY3yeAsM.net
チノ「ふざけてませんし調子にも乗っていません。
  ちゃあんと頭を使って、私の言っていることをよぉく理解してください」

リゼ「お前の方こそ私の家がどういうものなのか理解しているのか!?
  要人を警護するプロ中のプロのSP、軍人上がりのボディーガード。
  それこそお前が言っているようなチンピラ崩れの暴力団なんかじゃなくて、
  本物のマフィアとも多少の繋がりはある。
  お前なんかがどうこうできるような家柄だと思っているのか!?
  あんまり吹き上がるな! 思い上がるなよ、チノ!」

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:49:24.618 ID:exY3yeAsM.net
チノ「へぇ。それはすごいですね。でも、そんなので本当に守り切れますかね」

リゼ「ふん。私だって格闘術や重火器の扱いに多少の覚えはある。
  不意を突かれても対処できるだけの心得も」

チノ「違います。あなたじゃありませんよ、リゼさん」

リゼ「……何?」

チノ「ココアさんのことです。私が言っているのは」

リゼ「おまっ……え……!」

39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:52:24.037 ID:exY3yeAsM.net
チノ「確かにリゼさんのお家はすごいですよ。私なんかじゃ太刀打ちできないでしょう。
  リゼさんのことは命に代えても彼らは守るでしょうね。でも」

リゼ「この……」

チノ「ご令嬢のたかだか友人を彼らは守ってくれるでしょうか。
  私にはそうは思えません」

リゼ「卑怯者が……っ!」

チノ「何を言っているんです。リゼさんの家柄の方が卑怯でしょう。
  そうやって生まれた家の恩恵に与って生きていけばいいんですよ。あなた一人だけでね」

41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:55:46.531 ID:exY3yeAsM.net
~現在・ラビットハウス~

ココア「ただいま……」カランコロン

チノ「ココアさん、お帰りなさい。リゼさんの様子はどうでした?」

ココア「飽きちゃったんだ、って……言ってた……」

チノ「そうですか。やっぱりお金持ちは自分勝手で嫌ですね」

ココア「……多分だけど、あれ嘘だよ。リゼちゃんはあんな子じゃない」

チノ「……そう思いたい気持ちもわかりますけど。
  でもリゼさんはもともとそういう人なんですよ。
  陰では愚痴ばかり言っていましたし、誰も見ていないところでは仕事も手を抜いていました」

ココア「……」

43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 16:58:46.652 ID:exY3yeAsM.net
チノ「昨日、私がリゼさんを呼び出したことを覚えていますか?」

ココア「……うん。おとといも二人で何か話してたね」

チノ「あのとき実は、勤務態度についてリゼさんに注意していたんです」

ココア「……リゼちゃんは真面目にやっていたと思うよ。私よりも」

チノ「それはココアさんが見ている時だけです。
  普段はボーっと突っ立ってるだけで、ほとんど何もしていませんでした。
  リゼさんに対するクレームも尋常じゃないくらい入っていたんですよ」

ココア「そう……なの……?」

44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:01:50.672 ID:exY3yeAsM.net
チノ「はい。それで注意したら逆切れされて」

ココア「逆切れ……」

チノ「そうです。『なんで私が平民に頭を下げなくちゃいけないんだ?』とまで言っていました。
  ひどくふてぶてしい態度でしたよ。私も頭を悩ませていたところで、
  辞めてくれたので肩の荷が下りた気分です」

ココア「……そうなんだ」

チノ「だからリゼさんのことなんてもう忘れた方がいいですよ。
  きっと私たちのことも心の中で馬鹿にしていたんだと思います」

『もう飽きちゃったんだ。庶民の生活を体験するのにさ』

ココア「リゼちゃん……」

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:05:24.534 ID:exY3yeAsM.net
それから2週間が過ぎた

~ラビットハウス~

ココア「いらっしゃいませー! こちらのお席へどうぞー!」

チノ(リゼさんがいなくなったばかりの頃はココアさんもふさぎ込んでいましたが、
  ようやく元気が戻って来たみたいですね)

ココア「ご注文を繰り返させていただきます!」

チノ(長かったですが、これでようやくココアさんを独占することが出来ました。
  ココアさんはもう誰にも渡しませんよ)

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:08:18.071 ID:exY3yeAsM.net
~リゼ宅・自室~

リゼ「ココア……。ココアぁ……」

リゼ(だめだ……。ココアのことが頭から離れない……。
  でもダメだ……。チノにばれたら……ココアが危険に晒される……)

リゼ「ううう……っ」ポロポロ

リゼ(別のことを考えようとしてるのに、どうしてもココアの顔がちらつく……。
  会いたい……。会いたいよ……ココア……)

~ラビットハウス・ロッカールーム~

ココア「はー、今日も疲れたー」ガチャッ

48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:11:34.375 ID:exY3yeAsM.net
ココア「あ……そういえば……」

ココア(リゼちゃんのロッカーはどうなってるんだろう。
   やっぱり私物とかはまとめて持って帰っちゃったのかな)

ココア「見るだけ。ちょっと見るだけだから」ガチャッ

ココア(……やっぱり)

ココア「からっぽだ」

49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:14:31.033 ID:exY3yeAsM.net
ココア「そうだよね。荷物が置きっぱなしってことはないよね」

ココア(……ん?)

ココア「これは……」

ココア(リボン? リゼちゃんこんなかわいいのしてたことあったっけ……)

ココア「あ」

ココア(違う……。これ、私がリゼちゃんにあげたやつだ。
   してるのなんて一回も見たことなかったけど……。
   ロッカーの奥にあったから気付かなかったのかな。
   それとも……)

ココア「リゼちゃん……」ギュッ……

50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:18:15.381 ID:exY3yeAsM.net
~リゼ宅前~

ココア(なんで私……。きっと会ってなんてくれないのに……)

ココア「でも、これだけは渡しておきたいな」

ココア(受け取ってくれなかったらどうしようとか、もう考えるのやめよう。
   このリボンを渡して、リゼちゃんのことは忘れよう……)

~リゼ宅・自室~

リゼ(ダメだ……。部屋でじっとしてると頭がヘンになりそうになる……。
  少し外の空気でも吸って来よう。
  ラビットハウスに近づきさえしなければ、ココアにも会わずに済むはずだ)

51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:20:31.380 ID:exY3yeAsM.net
ガチャッ

ココア「あ」

リゼ「え」

ココア「リゼ……ちゃん……」

リゼ「ココア……。なんでここに……」

ココア「リゼちゃんっ!」ダキッ!

リゼ「わっ……!? ココア……!」

ココア「うっうううー……! リゼぢゃん~~~……っ」ポロポロ

リゼ「ココア……」ギュッ

52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:23:31.461 ID:exY3yeAsM.net
ココア「かわいいー! すごく良く似合ってるよ!」

リゼ「そ、そうかな……。派手じゃないかな……」カァァ

ココア「ううん! すごくかわいい!」

リゼ「そうか……。ふふっ! そうかな」

ココア「うん!」

リゼ「……ごめんな、ココア。あんなこと言って」

ココア「ううん。いいよ、もう。何かワケがあるんだよね?
   リゼちゃんがあんなこと言うわけないって、私ずっと考えてた」

リゼ「……実は」

53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:26:28.794 ID:exY3yeAsM.net
ココア「チノちゃんが……!?」

リゼ「……ああ。ココアに危害を加えると、そうはっきり言っていた」

ココア「そんな……」

リゼ「……すまない。ココアが怯えると思って、この話は言うまいとしてたんだが。
  どうしても、ココアに会いたくて。私……ごめん。わがままで……」

ココア「……ううん。リゼちゃんがそう言ってくれて、私すごくうれしいよ」

リゼ「ココア……」

ココア「リゼちゃん……」ギュッ

55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:29:16.571 ID:exY3yeAsM.net
~リゼ宅・自室~

リゼ「ここならさすがにチノにもばれないだろう」

ココア「リゼちゃんっ!」ダキッ!

リゼ「きゃあっ!? こ、こら! いきなり抱き付くな!」

ココア「ふっふー。リゼちゃんリゼちゃん。……ね?」

リゼ「……まったく。甘えん坊だな、ココアは」ナデナデ

ココア「2週間」

リゼ「ん?」

ココア「2週間も会えなかったんだから、2週間分甘えさせてね」

リゼ「……いいよ」

56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:32:49.204 ID:exY3yeAsM.net
ココア「リゼちゃん。私、立ってるの疲れちゃった」

リゼ「あ、ああ。悪い悪い。じゃ、座ろうか」

ココア「ん」フルフル

リゼ「?」

ココア「横になりたい。……ベッド、行こう?」

リゼ「……そうだな」ポスッ

ココア「ふふっ。リゼちゃーん」ギュッ

リゼ「……」ナデナデ

ココア「えへへへへー……」

59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:37:16.258 ID:exY3yeAsM.net
~リゼ宅前~

リゼ「言い訳はちゃんと考えたか?」

ココア「んー……。帰りながら考える!」

リゼ「おいおい……。チノにばれたら大変なことになるんだからな?
  分かってるのか、お前は」

ココア「だってぇ」

リゼ「?」

ココア「今まで二人っきりでいたんだよ? リゼちゃんのことで頭がいっぱいで、
   そんなこと考えてる余裕なかったよー」

リゼ「あ……、あんまりそういうかわいいことを言うな!」

62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:40:49.329 ID:exY3yeAsM.net
ココア「じゃあ、またね。リゼちゃん」

リゼ「ああ」

ココア「んっ」

リゼ「はいはい」ナデナデ

ココア「えへへ。じゃあね。バイバイ」

リゼ「またな。気を付けて帰れよ」

ココア「うんっ!」



チノ「……」

63: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:44:05.538 ID:exY3yeAsM.net
~帰り道~

ココア「ふっふふー。リゼちゃんかわいかったなぁ。
   大きなピンク色のリボンつけちゃって……ふふっ!」

ブロロロロ……キキーッ! バンッ! ガザガザッ……

ココア「ん」

覆面の男A「お前、保登心愛だな」

ココア「な、なんですか……。あなたたち……。
   きゃっ……! んーーー!!! むぐうううううーーーーー!!!!!!!」ジタバタ

64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:47:39.157 ID:exY3yeAsM.net
覆面の男B「さらえ! こいつに間違いない! 悠長に確認してる場合か!?」グググッ

覆面の男A「わ、悪い……。コラ! 暴れるな!」グッ

ココア「んううううう!!!!!」ジタバタ

覆面の男C「馬鹿かお前ら……。大声出すんじゃねェ……」グググッ

覆面の男D「さっさと車に放り込め。縛るのはあとでいい」ガチャッ

ココア(何……っ!? 何なのぉ……っ!!!
   怖い……。怖いよリゼちゃん……!)ガタガタ

65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:50:25.468 ID:exY3yeAsM.net
覆面の男A「コラ! さっさと車に……ぎゃっ!?」ドサッ

覆面の男B「な、なんだおま……ぐぇえっ!?」ドサッ

覆面の男C「この……。オラァ!」スカッ

リゼ「はぁぁあああっ!!!!!」ドギャッ!

覆面の男C「ぐがぁっ!?」ドサッ

ココア「リゼちゃん!」

リゼ「ココア! 無事か!」

67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:53:42.408 ID:exY3yeAsM.net
ココア「ぐすっ……。怖かったよぉ……」ポロポロ

リゼ「私が来たからには安心だぞ、ココア」ナデナデ

覆面の男D「……なんなんだ、お前は」

リゼ「お前らこそなんだ。ココアに手を出すやつは……、私が殺す」

ココア「リゼちゃん……」

覆面の男D「ふん。不意打ちでやっといて粋がるなよ、小娘が」チャキッ

ココア「ピストル……!?」

68: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 17:57:22.817 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「おいおい。まさかこの距離で、拳銃だから有利だとか思ってないよな?」

覆面の男D「さっきの身のこなし……、確かに弾道上から外れるのは造作ないだろうな」

リゼ「分かっててなぜ出したんだ、そんなもの」

覆面の男D「ま、お前には当たらんだろう。狙いは」チャキッ

ココア「え」

リゼ「な……」

覆面の男D「そういうことだ。少しでも妙な動きをしてみろ。
     そこの女……保登心愛、とか言ったか。そいつの胸元に風穴開けてやる」

69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:00:11.112 ID:exY3yeAsM.net
ココア「リゼちゃん……」ガタガタ

リゼ「大丈夫だ、ココア。お前のことは、私が絶対に守ってやる」

覆面の男D「オイ、お前ら。まさか小娘の一撃でやられたわけじゃないだろうな」

覆面の男C「ああ……。当たり前だ」スッ

覆面の男A「痛ってぇ……。くそ……」スッ

覆面の男B「奥歯ガッタガタだわ……」フラフラ

リゼ「……」

覆面の男D「ま、状況は理解できたようだな。お前ら、
     そこの世間知らずの嬢ちゃんに、たっぷりと礼をしてやんな」

72: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:03:07.035 ID:exY3yeAsM.net
覆面の男A「オラよッ!」ゴギィッ!

リゼ「あ……」ドサッ

覆面の男A「ひっひ! オラ、さっさと立てよ。まぁだ7発目じゃねーか。
     俺の気を晴らさねぇと、大事な大事なお友達がひどい目に合っちまうぞ」

リゼ「う……ぐぐ……」ガクガク

ココア「リゼちゃん……!」ポロポロ

覆面の男D「あんまり騒ぐなよ。人に見つかっても面倒だ」

73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:06:04.725 ID:exY3yeAsM.net
覆面の男B「ふんっ! ふんっ!」ガズッ! ゴッ!

リゼ「ぉぇ……っ」

ココア「もうやめてよぉ! リゼちゃんが死んじゃうっ!」

覆面の男D「静かにしてろ。お前から先に死ぬか?」チャキッ

ココア「うう……っ」

覆面の男C「だいぶ反応鈍ってきやがったな。……おい。お前ら、そいつ押さえつけとけ」

覆面の男B「へい!」

覆面の男A「あ、なんすか? ○○すか」

75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:09:54.087 ID:exY3yeAsM.net
覆面の男C「バーカ。こんなガキ相手に○○かよ。俺が○○○○に見えんのか。あ?」

覆面の男A「す、すんませんっ!」

覆面の男C「痛みで暴れられても面倒だからな。さっさと押さえろ」

覆面の男A「へ、へい!」

リゼ「ぅ……」

覆面の男C「しっかし細せー指だな。これでよくあんだけのパワーが出るもんだ」ゴリッ……

リゼ「ま……まさか……。やめっ……」グググッ

覆面の男C「力入れんなよ。お友達の方いじめてやってもいいんだぜ」

77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:13:05.760 ID:exY3yeAsM.net
ココア「な、何をするつもり……」

覆面の男D「目ェつぶってた方がいいかもな。嬢ちゃんにゃあ刺激が強すぎる」

リゼ「ふっ……うう……っ」

覆面の男C「そうだ。声出さずに我慢できたら、お前らのこと見逃してやってもいいぜ。
     せいぜい頑張って息止めとけよ」

リゼ「うっ……ううう……っ」ガタガタ

覆面の男C「いくぜ……。せぇーの……っ! ふんっ!」

ボキンッ!

リゼ「………………~~~っ!!!!!!!!!!!」ジタバタ

79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:17:24.708 ID:exY3yeAsM.net
ボキンッ! ボキンッ! ボキンッ! ゴキャッ!

リゼ「…………っ」ガタガタ

覆面の男C「……一番つらい親指折られても耐えるとはな。右手はこれで終わりだぜ」

リゼ「んくぅ……っ! ふううーーーッ!!! うふううーーーーッ!!!!
  こひゅー……。ひゅー…………」

覆面の男A「うわっ! こいつションベン漏らしてやがる!」

覆面の男「汚ったねぇなぁ……」

ココア「リゼちゃん……」

リゼ「……っ」

覆面の男C「ところで嬢ちゃんは右利きか?
     これから左手の指も折っていくが、利き手じゃない方のが痛いらしいぜ。
     ……じゃあ第2ラウンドと行こうか」ゴリッ……

80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:21:17.955 ID:exY3yeAsM.net
ボキンッ! ボキンッ! ボキンッ! ボキンッ! ゴキャッ!

リゼ「……………………」ブルブルブルブル……

覆面の男A「ま……、マジかよこいつ……」

覆面の男C「……まさか、耐えきるとはな」

ココア「リゼちゃん……。リゼちゃぁん……」ポロポロ

覆面の男D「オイ。で、どうすんだよ」

覆面の男B「計画通りこいつさらって行きますか。
      約束守ってやる義理もないでしょう」

84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:25:01.561 ID:exY3yeAsM.net
覆面の男C「おい」

覆面の男B「へ」

覆面の男C「ただの口約束だろうが約束反故にすんのかてめぇは!」ズガァンッ!

覆面の男B「ぎゃあああああああっ!!!!!!!!!!」ドザァッ!

覆面の男A「ひぃ……っ!」ビクッ

リゼ「ハァー……ハァー……」ガタガタ

覆面の男C「約束は約束だ。お前ら二人、見逃してやるよ」

覆面の男D「おいおい……。ずいぶんと自分勝手だな。ま、構わんが」

85: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:28:30.397 ID:exY3yeAsM.net
ココア「リゼちゃん!」ダダダッ…… ダキッ!

リゼ「あぐぅ……っ!」ビクッ

ココア「あ……、ごめっ……ごめん……。痛い……痛いよね……。
   うううう……っ!」ポロポロ

リゼ「ぅ……おぇ……っ! おえええええええええっ!!!!!!」ビチャビチャビチャビチャ

ココア「きゃっ……!? リゼちゃんっ!?」

リゼ「ハァー……。ハァー……。おえええ……っ!」ビチャビチャッ……

ココア「リゼちゃん……。うううう……っ。リゼちゃぁぁあん……っ」ポロポロ

86: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:31:32.093 ID:exY3yeAsM.net
~病院~

リゼ「……」

ココア「……」

リゼ「ごめんな、ココア。私がもっと強かったら……」

ココア「え……? なんで……、どうしてリゼちゃんが謝るの……?
   私の……私のせいなのに……」ポロポロ

リゼ「ううん。私、馬鹿だった。自分は強いんだって思い込んでた。うぬぼれてたんだ。
  私……ココアを守れるつもりでいたんだよ……」

ココア「リゼちゃん……」

87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:34:27.999 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「馬鹿だよ……。こんな……! 私の指だって元通りくっつくか分かんないし……!
  ココアのこと……ひどく傷つけて……!」

ココア「リゼちゃん!」ダキッ

リゼ「ココア……」

ココア「お願いだから……そんなに自分ばっかり責めないで……。
   リゼちゃんは、ちゃんと私のこと守れてたよ……」

リゼ「……」ポロポロ

ココア「私、怪我だってしてない……。傷付いてるのは、いつもリゼちゃんの方だよ……。
   ごめん……。ごめんね……リゼちゃん……」ギュッ

89: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:38:11.373 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「……ありがとう。少し落ち着いたよ」

ココア「……うん。なら良かった」

リゼ「ふふっ……。笑っちゃうよな。見てくれよ、この両手」

ココア「……」

リゼ「ギプスでガチガチに固められちゃってさ。こんな手じゃ……。
  こんな手じゃ……!」ポロポロ

ココア「リゼちゃん……?」

リゼ「ココアの頭……撫でてあげられないじゃないか……っ!」

91: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:41:47.893 ID:exY3yeAsM.net
ココア「リゼちゃん」

リゼ「……?」

ココア「私のために頑張ってくれて、ありがとう」ナデナデ

リゼ「……っ」

ココア「今度は私の番だから。リゼちゃんはしばらくお休みね」ナデナデ

リゼ「ココア……っ」

ココア「だから。その手が治ったら、また甘えさせてね」ナデナデ

リゼ「ココア……。ううう……っ! うああああっ……。うわああああん……っ」ポロポロ

92: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:44:57.757 ID:exY3yeAsM.net
~ラビットハウス~

チノ「失敗した……? こちらがいくら払ったと思ってるんですか!」

覆面の男C「ええ、すみません。ちょっとしたトラブルが発生いたしまして」

チノ「トラブル……。はぁ。何が起きたか知りませんが、
  ちょっとしたことで依頼が滞るような、そんな程度の組織なわけですね、あなた方は」

覆面の男C「次はうまくやりますんで。またお願いしますよ」

チノ「次なんてありません。あなた方とは金輪際お付き合いいたしませんので」

93: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:48:26.720 ID:exY3yeAsM.net
覆面の男D「そうはいかないねぇ、お嬢ちゃん」

チノ「え」

覆面の男A「ヤクザなめてんのかコラァ!」ガンッ!

チノ「ひぃっ!?」ビクッ!

覆面の男C「いえいえ。驚かしてすみませんねぇ。
     私どもとしましては、香風さんと長く付き合っていきたいと思っておるんですよ」

チノ「で……でも……」

覆面の男C「”そんな程度の組織”で申し訳ないんですがね、
     一度依頼を受けてはいさようならなんて、
     子供の使いっぱしりみたいなことはやってないんですよ、うちはね」

96: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:51:46.915 ID:exY3yeAsM.net
チノ「つ……次の依頼なんて……今はありませんよ……」ガタガタ

覆面の男A「なんだとオラァ!」ガッターンッ!

チノ「…………っ!」ビクゥッ!

覆面の男D「無いんなら作れ。依頼も、金もな」

チノ「……」ガタガタ

覆面の男C「ま、うちとしては金になればなんでもいいんですよ」ガタッ……スタスタ

チノ「え……? きゃあああっ!? 何す……!」ドサッ

覆面の男C「○○に沈みますか。ね、香風智乃さん」

100: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:55:07.734 ID:exY3yeAsM.net
約2か月後

~病院~

リゼ「ココア! 見てくれ!」ダダダッ

看護師「ちょっと! 院内は走らないでください!」

リゼ「す、すいません」スタタンスタタン

ココア「リゼちゃん、リハビリお疲れ様。どうしたの? 慌てちゃって」

リゼ「見てくれよ! ほら!」グググッ……

ココア「わぁ……」

リゼ「ようやく指に感覚が戻ってきたんだ! まぁ、ちょっとだけだけどな」

102: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 18:59:05.017 ID:exY3yeAsM.net
ココア「リゼちゃんよく頑張ったね。偉い偉い」ナデナデ

リゼ「えへへへへ……。もう少ししたら、軽いものなら持てるようになるかもねだって。
  これで、補助器具使わなくても食事ができるようになるぞ」

ココア「……そっかぁ」

リゼ「ん? なんで残念そうにしてるんだ?」

ココア「あ……! 違う! 違うよ? リゼちゃんの指が治ったのはうれしいんだけど……。
   一人でご飯食べれるようになったら、堂々と「あーん」ってできなくなるでしょ?
   それが寂しくて……」

リゼ「だ……、だからあんまりそういうかわいいことを言うなと……」カァァ

104: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 19:03:15.366 ID:exY3yeAsM.net
~リゼ宅・自室~

ココア「私がリゼちゃんのお家に住みだして、もう2か月も経つのかー。
   なんだかあっという間だったねぇ」

リゼ「そうだな。まさかラビットハウスがあんなことになるとは思わなかったよな」

ココア「……うん。借金のカタにお店とられちゃって、
   今はなんか○○○なお店になってるんでしょ?」

リゼ「一家離散状態で、チノもタカヒロさんも行方知れずだからなぁ。
  ……最後はあんなんだったけど、あいつも別に悪いやつじゃなかったよ」

ココア「そうだね。チノちゃんとまた会えるといいね」

リゼ「そうだな」

106: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 19:07:27.803 ID:exY3yeAsM.net
ココア「はー。チノちゃん今頃何してるんだろうなぁ」

リゼ「ココア」

ココア「ん? なぁに、リゼちゃん」

リゼ「ちょっと……こっちに頭向けてくれるか……?」

ココア「! うんっ!」

リゼ「指が動くようになったら、一番最初にこれをやろうって決めてたんだ」ナデナデ

ココア「ふふっ! なんだか懐かしい感じがするっ」

110: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 19:11:07.753 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「……今日までありがとな。リハビリに付き合ってくれたり、色々と世話までしてくれて」ナデナデ

ココア「リゼちゃん……」

リゼ「あと」

ココア「?」

リゼ「これからもよろしくな、ココア」

ココア「うううっ……。リゼぢゃぁぁん……」ポロポロ

リゼ「あはは。泣くなって」ナデナデ

ココア「だっでぇええ……っ!」ポロポロ

111: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/09/03(木) 19:15:14.158 ID:exY3yeAsM.net
リゼ「はいはい。泣かない泣かない」ナデナデ

ココア「……リゼちゃん」

リゼ「ん?」

ココア「ベッド……行こう?」

リゼ「あはは。おいおい、早速かぁ?」

ココア「だって、2か月も我慢してたんだよ? 今日は2か月分……甘えさせてね」

リゼ「……まったく。しょうがないな、お前は」

ココア「えへへ」

リゼ「いいよ。2か月分かわいがってやる」ナデナデ

ココア「リゼちゃん! 大好き!」ギュッ!

終わり