1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:53:02.06 ID:Xm1WkRiW0
【そうぐう】

IN 麓キャンプ場

リン テクテクテク

リン「……監視塔?」

リン(そういえばこれ、テレビのロケで使われたんだっけ)ピロリン

パシャ

リン「……ん?」

パシャ パシャパシャ

リン(……シャッター音?)

リン「なんだ?」フリムキ

よつば「」パシャパシャパシャパシャ

リン「うおっ!?」ビクッ

よつば「!」ビクッ

リン「……」

よつば「……」

リン「……ええ、と」

よつば「」ハッ!

よつば「ハイ!」手アゲ

リン「!? な、なんだ?」

よつば「しゃしんとっていいですか?」

リン「今更っ!?」

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引用元: 【ゆるキャン△】リン「なんだお前」よつば「こいわいよつばです!」【よつば】 



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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:54:05.81 ID:Xm1WkRiW0
【まいご】

リン「さて」

リン(なんか色々ビックリしたけど、とりあえず)

リン「……なんだお前」

よつば「……お?」

リン「いや、お前だお前。この辺の子か?」

よつば「よつば! こいわいよつばです! 5さい!」

リン「お、おお。これはご丁寧に」

リン「志摩リンです」

よつば「しまりん?」

リン「名前はリン、な。志摩半島の志摩に、カタカナで……」

よつば「しまりんか!」カッコイイ!

リン「……まあ、それでいいや」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:54:39.61 ID:Xm1WkRiW0
リン「それで、よつばは何してるんだ、こんなとこで」

よつば「たんけん! たんけんしてる!」

リン「たんけん? ……ああ、探検か……一人でか?」

よつば「そうだ!」

よつば「とーちゃんとジャンボときてなー、たんけんいこーっていったけどいそがしーっていってるからひとりできた!」

リン「ええっと、つまり一人で勝手に抜け出してきたのか?」

リン「帰り道、分かるのか?」

よつば「お?」フリムキ

よつば「……あれ?」クビカシゲ

リン「……もしかして、お前迷子か?」

よつば「よつばまいご……?」


とーちゃん『迷子になったら もう二度と とーちゃんと会えないぞ』


よつば「……フグッ、ヒグッ」ウルウル

リン「う、うわぁ!? な、泣くな! 私も一緒に行くから、とーちゃん探そう!」ナッ!?

よつば「……うん、とーちゃんさがす」

リン「ほっ」ナキヤンダ

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:55:34.51 ID:Xm1WkRiW0
【どこからきた?】

麓キャンプ場 歩き回り中

リン「そういえば、よつばはどこから来たんだ? 近くに住んでるのか?」

よつば「ちがうよ?」

よつば「ジャンボのくるまであっちからきた」

リン「あっち……。まあ、車ってことは結構遠くから来てるのか。」

リン「ダメだろ、一人で勝手にどっかいっちゃ。怒られるぞ」

よつば「ほんとなー」

よつば「ふーかとえなもいっしょにいこーっていったんだけどなー。しゅくだいいそがしーっていってたからこれなくてなー」

よつば「まったくしかたないやつだ」

リン「いや、仕方ないのはお前なんだが……」

リン(聞く限り、父親とジャンボ? とかいう人と一緒に来てるのか)

リン(まあ向こうの探してるだろうし。一巡りすれば見つかるだろ、たぶん)

よつば「あ、とりだ!」ダダッ!

リン「っておい! 一人でどっか行くな!?」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:56:55.51 ID:Xm1WkRiW0
【○○○】

リン「Oh……」

リン「よつば、ここはちょっと避けていくぞ」

よつば「お? なんでだ?」

リン「なんでって……ちょっと前見てみろ」

よつば「ん~~~? ……ああーっ!!」

よつば「しまりん! ○○○だ!!」

リン「いやまあ……うん、そうだな」

よつば「アハハハ! ○○○なー! すっげーたくさん!」

リン「だーもー声でかい! あと連呼すんな! ほら行くぞ!!」グイッ

リン(なんで子供はこんなに○○○が好きなんだ……?)


よつば「○○○すげーたくさんあったなー。なんでかなー」

リン「さあな。なんか動物がいるんじゃないか。熊とか鹿とか」

よつば「! くま! くまがいるの!?」

リン「そうだぞー。もしかしたらいるかもしれないぞー」ガオーッ

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:57:38.49 ID:Xm1WkRiW0
よつば「! だ、だいじょーぶ! こっちにはジュラルミンがいる!」サッ

リン「ジュラルミン?……ああ、そのテディベアか」

よつば「そう! こいわいジュラルミン!」

よつば「こっちもくまだ! たたかってもまけない!」

ジュラルミン「メェー」ムリムリ

リン(ジュラルミン、なんか悲鳴を上げてるような気がするが……)

リン「……分かった。それじゃあ熊が出たらジュラルミンに任せよう」

よつば「おー! まかせろ! ジュラルミンはつよい!」

よつば「……でも、このまえいぬにやられておおけがしてる」

よつば「なるべく、あぶないことはしないように」ナ?

リン「……犬に負けたんじゃダメじゃないか?」

リン「まあ、そうだな。熊に会う前にとーちゃんを見つけよう」

よつば「おー!」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:58:30.11 ID:Xm1WkRiW0

【いぬ】

リン「……あ、熊だ」

よつば「! てきか!?」ビクッ

リン「おう!? いや、嘘だよ嘘」ゴメンゴメン

リン「熊じゃなくて犬だな」ホラアソコ

犬二匹 ハッハッ ウーッ

よつば「……」ススッ

リン「ん? なんだ、後ろに回って……」

リン「……」ハハーン

リン「よつば、犬が怖いのか?」

よつば「!」

よつば「……こわくないよ?」メーソラシ

リン「ほほー、そっか」

リン「それじゃ、もうちょっと近くで見てみようか」チカヨリ

犬二匹 バッ ダダダダッ(駆け寄り)

よつば「! しまりんあぶない!」

リン「大丈夫。ここなら……」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 11:59:04.26 ID:Xm1WkRiW0

犬一匹目 ダダダッ ビンッ(縄が伸びきる)

リン(にやり)

リン「な、大丈、ぶっ!?」

犬二匹目 ダダダッ ドゴッ(体当たり)

よつば「し、しまりーん!!」

リン「お、おう……」ウズクマリ

よつば「おのれー! チョワー! アチョーッ!!」シュビッ シュバッ

犬 ハッハッ ワンワンッ

リン「……よ、よつば、大丈夫。大丈夫だから。戦わなくていいから」

リン(縄の長さが違ってたのか。なんというトラップ……)

よつば「キエーッ!」

犬 ワンワンワンッ

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:00:05.97 ID:Xm1WkRiW0

【はっけん】

リン「さて、そろそろ一巡りしてしまうな……」

リン(キャンパーがいるとはいえオフシーズン)

リン(そこまで人数が多いわけでもないし、すぐ見つかるかと思ったけど)

リン「なあよつば、どこから来たのか覚えて――」

???「――お、いたいた。おーい、よつばー!!」

よつば「!」バッ!

よつば「ジャンボか!?」フリムキ

ジャンボ「こっちだこっち。おーいコイ。よつばいたぞー」

よつば「ジャンボーっ!」ダダッ

リン「あ、おい。ちょっとコラ!」ダッ

リン(……ようやく保護者が見つかった)

リン(あの人がジャンボ……ていうか、ん? なんかデカくないか?)

ジャンボ「」ズーンッ(逆光)

リン(デカ! 本当にデカ! え、なにあれ!? 人か!?)

よつば「ジャンボー!」ダキツキ

ジャンボ「おーよつば。心配したぞ」ダキアゲ

リン(巨人と小人にしか見えん……)


10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:01:15.16 ID:Xm1WkRiW0

【しょうかい】

とーちゃん「コラよつば! とーちゃん勝手にどっか行ったらダメって言ったろ!」ゲンコツ

よつば「うー、ごめんなさい……」ナミダメ

ジャンボ「よつばはすぐ居なくなるからなー」

とーちゃん「まったく……」

とーちゃん「あ、君も迷惑かけてゴメンね。よつば連れてきてくれてありがとう」

リン「あ、いえいえ。そんなに大したことは」

よつば「あ、そうだ! しょーかいしなきゃだ!」

よつば「とーちゃん、しまりんだ! よつばのともだち!」

とーちゃん「しまりん?」

ジャンボ「それはまた流行りのゆるキャラのような」

リン「いや、そうではなくて……」

よつば「で、しまりん! こっちがよつばのとーちゃんで」

とーちゃん「どーも、とーちゃんです」

よつば「こっちがジャンボだ!」

ジャンボ「どーも、ジャンボです。母片の祖先はキリンです」

リン「あ、これはどうもご丁寧に……え? キリン?」

リン(ていうか、それは名前じゃないだろ……)


11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:02:30.79 ID:Xm1WkRiW0

【そろきゃん】

IN 小岩井家タープ

とーちゃん「はい。コーヒーでいいかな?」イレタテ

リン「あ、はい。ありがとうございます」アチチ

ジャンボ「しかしそうかー。リンちゃんもキャンプか。家族と来てるの?」

リン「いえ、私は一人で……」

ジャンボ「てことはソロキャンか。最近の女の子はなかなか逞しい趣味してんだなー」

リン「別に流行ってるわけじゃ……」

リン「やってる人がやってるだけです」

よつば「そろきゃん?」

とーちゃん「一人でキャンプするってことだ」

とーちゃん「ご飯つくるのもテント建てるのも、全部自分でやるんだぞ」

よつば「ひとりで!? じぶんだけのちからで!?」

とーちゃん「そうだ! 自分だけの力でだ!」

よつば「……かっこいいー!」キラキラ


12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:03:22.93 ID:Xm1WkRiW0

リン「あ、いや。そんな別に大したことじゃ……」

リン「そ、そちらもキャンプですか?」

ジャンボ「いや、日帰り。デイキャンプだな」

とーちゃん「一泊しようかとも思ったんだけど、よつばの友達が来れなくてね」

とーちゃん「そうするとまあ、途中で飽きたり泣いたりするかもしれないし」

リン「ああ、なるほど」ナットク

よつば「なかない! なかないから! そろきゃんでもよつばはだいじょうぶ!」

ジャンボ「本当かー? 寝るときに恵那ちゃんもみうらもいないんだぞー?」

よつば「うっ」

とーちゃん「ソロキャンだととーちゃんもいないしなー。ポンポンってできないなー」

よつば「……うぅ」シオシオ

リン(……しぼんだ……ちょっと面白いな)


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:04:10.64 ID:Xm1WkRiW0

【たきび】

IN 小岩井家タープ 少し後

ジャンボ「――さて、そろそろ撤収の準備するか」

リン「え? って、うわ。もうこんな時間?」

リン(しまった。のんびりし過ぎた。……もう夕暮れじゃん)

とーちゃん「ああ、もういい時間か。……悪いねリンちゃん。なんかよつばが引き止めちゃって」

よつば「……うー」ウツラウツラ

リン「あ、いえ。こっちこそ色々貰っちゃって。ありがとうございました」ココア、ビスケット、マシュマロ……

ジャンボ「コイ、テント片付けるぞ。よつば起こすか?」

とーちゃん「いや、このまま寝かせとこう。起きると帰らないって騒ぐだろうし」ヨイショット

リン(……目に浮かぶようだな。散歩から帰るの嫌がる犬みたいな)


ジャンボ「じゃあまず焚き火落とすか」

ジャンボ「ていうか、今更だけどなんで焚き火台借りたんだよ。日帰りだから要らないって言ったろ」

とーちゃん「バカかお前。キャンプに来たら焚き火するのはマナーだろ」

ジャンボ「そんなマナーはねえ」

リン(でも気持ちは分からないでもない)

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:05:19.59 ID:Xm1WkRiW0

とーちゃん「……あ、そうだ」

とーちゃん「リンちゃん。良ければこの焚き火台使わない?」

リン「……え?」

とーちゃん「一日で借りちゃったし薪も少し余ってるし。このまま返すのもなんか勿体ないし」

リン「えっと、いいんですか?」

とーちゃん「別に大丈夫……だよな? ジャンボ」

ジャンボ「んー? まあ大丈夫じゃないか?」

ジャンボ「一応、事務所には確認しといたほうがいいけど」

とーちゃん「じゃあちょっと聞いてこようか」

とーちゃん「あ、別に要らないなら無理にって言う気はないけど」

リン「あ、いえ。もし借りられるなら、助かります」

ジャンボ「夜は冷えるしなー。焚き火はあった方がいいと思うぞ」

リン(やっぱりか……)

リン「……じゃあすみません。問題ないなら、貸してもらってもいいですか?」

とーちゃん「うん。じゃあちょっと行ってこよう。サインとか要ると思うから、一緒に来てくれる?」

リン「はい」

ジャンボ「こっちタープとか畳んどくぞー」

とーちゃん「頼んだ」

よつば「……ぐー」zzz

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:05:52.52 ID:Xm1WkRiW0

【バイバイ】

よつば「……ぐーぐー」zzz

ジャンボ「あー、こりゃ完全に寝入ってるな」

とーちゃん「起こすと愚図るなこれは……」

とーちゃん「ゴメン。最後にちゃんとお礼言わなきゃと思ってたんだけど」

リン「あ、いえ。気にしないでください」

リン「……でも、寝顔撮らせてもらっていいですか?」スマホサッ

とーちゃん「アハハ、いいよいいよ。撮ってやって」

リン「」ピロリン

ジャンボ「いよっと。積み込み終わり。それじゃ、そろそろ行くか、コイ」

とーちゃん「おう、そうだな」

とーちゃん「それじゃ、リンちゃんありがと。また機会があったらよつばと遊んでやってよ」

リン「はい。こちらこそ、焚き火台とか色々ありがとうございました」

よつば「……うー、しまりんー……」zzz

リン「」クスッ

リン「またな、よつば」

ジャンボ「じゃあなー、ソロキャンガール」

ジャンボ「風邪ひかないように温かくして寝ろよー」


ブロロロロロ……


16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:07:32.42 ID:Xm1WkRiW0

【にてる】

IN しまりんテント


焚き火 パチパチ

リン(……薪まで買ってもらってしまった)ホクホク

リン「情けは人のためならず、だな」ウン

リン「……」スマホ トリダシ

リン(……なんか、今回は妙に賑やかな感じになったな)スマホ スッスッ

    「―――んちゃーん」

リン(それにしても、よつばのあの感じ)

リン(初対面にしては、なんか妙な馴染みのあったような……)

    「リンちゃーん!!」

リン「ふおっ!?」ビクッ

なでしこ「やっぱりリンちゃんだー!」

リン「なな、なでしこ!? 何でこんな所に……」

なでしこ「うへへー。リンちゃん!」荷物ドサッ

リン「な、なんだ?」

なでしこ「これから、一緒におなべやりませう!」土鍋サッ

リン「な、なべ?」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:08:17.48 ID:Xm1WkRiW0

なでしこ「そう! この前のお礼で!!」

なでしこ「色々具材ももってきたんだよー」

リン「……うん、まあ。いいけど」

なでしこ「! やったー!!」

なでしこ「それじゃ、他にも荷物取ってくるねー」タタタッ

リン(……なんという怒涛の展開)

リン(というか、この唐突な感じ。妙に既視感が……)


なでしこ「リンちゃーん!」コッチキテー  『しまりーん!』


リン(……あ)

リン(あーあー、なるほど)

リン(確かに、考えてみればなんか似ているような)イヌッポイトコロトカ

リン「道理でしっくり来たはずだ」イマイクー

リン(二人があったらノリが合うだろうなー)


18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 12:09:26.09 ID:Xm1WkRiW0

「リンちゃん。写真に写ってるこの子だれー?」

「んー? 昼間会った子供だよ。迷子になっててな」

「そうなんだー。うわーかわいいなー!
 私も会いたかったよー!」

「……うん。まあそのうち会えるんじゃないか?どっかのキャンプ場とかで。
 たぶん仲良くなれるぞ、なでしこなら」

「そっかー! うーん楽しみだよー!!」




「……ハッ!?」

「お、起きたかよつば」

「……とーちゃん! しまりんは!?」

「んー? お姉さんならもう自分のテントに帰ったぞ。俺たちも帰る途中」

「ええー!? よつばまだしまりんとあそんでない!」

「いや、たくさん遊んでもらったろ……。
 よつばが途中で寝ちゃうからだぞー。お姉ちゃんにお礼も言えないし」

「うー……とーちゃん! ジャンボ!」

「なんだ?」

「またキャンプいくぞ!!」

「おーそうだな。また行くか」ミンナサソッテ

「おー! たのしみな!」

アサッテイコウ!
イヤ、アサッテハハヤイ
エー!?