前回 【モバマス安価】凛「いい加減決着をつけようよ」 まゆ「望むところです」2 前編

507: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 19:58:48.83 ID:4Rfr8Qg10
イヴ「もし足りなかったら、一段ずつ注文することもできますし」

イヴ「そして皆さん、これは重要ですからね~!」

イヴ「どうやって二段目を食べるのかと言うと……一段目に入ってるお汁を、こうやって移して」スッ

イヴ「さあ召し上がれ、というわけです~。いただきます♪」

イヴ「ズズズ……♪」

イヴ「はぁ~……お口が幸せですよぉ。これを食べるため、週に1回は旅行したいくらい~♪」

イヴ「この割子そばっ、聖夜のごちそうにピッタリだと思います~!」

――――

イヴ「ということで、羽根屋さんを紹介させていただきました~」

イヴ「今すぐにでも食べたい! でも遠いなぁ~、と思ったそこの方!」

イヴ「羽根屋さんは通信販売も行っているので、ぜひホームページをチェックしてくださいね~」


イヴ「終わりですよ~」

凛「……」

イヴ「どうしましたか~? 次は凛ちゃんの番ですよ♪」

凛「うん……」

凛(しまった。イヴのを観てて思ったけど、これって先攻が有利じゃない?)

凛(後からやる方は、先にやった方の二番煎じにならないよう気をつけなきゃいけないし)

凛(まあイヴとは違う料理を注文すればいい……のかな?)

引用元: 【モバマス安価】凛「いい加減決着をつけようよ」 まゆ「望むところです」2 



508: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 21:26:38.83 ID:4Rfr8Qg10
凛「行ってくるよ」スタスタ

イヴ「頑張ってください~」ニコニコ

凛(これは余裕の笑み? それとも素直に応援してくれてるの?)

凛(何にしたって、絶対に勝つ)

――――

蓮実「割子そば、本当に美味しいですよね」

茄子「私も週に1回は食べに行ってます」

茄子「イヴちゃん美味しそうに食べてましたね♪」フフ

晶葉「表情から伝わってきたな。そういうのは大事だ」

晶葉「そして凛の食レポは……もうすぐ始まるようだな」

――――

凛「皆さんこんにちは。今日も『どるめし』が始まりましたね」

晶葉(凛もイヴのような番組形式か)

凛「視聴者の方に、オススメ料理と応援してるアイドルをセットで決めてもらって」

凛「ネットで抽選して、見事当たると……なんと、そのアイドルがオススメ料理を食べに行くというこの番組」

凛「おかげ様で、とっても好評なんですよ。今回もたくさんのご意見をいただきました」

凛「そして選ばれたのが、私渋谷凛と、島根県出雲市にある『献上そば羽根屋』さんです」

凛「ハンドルネームしぶPさん、ありがとうございます」ニコッ

509: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 22:18:55.84 ID:4Rfr8Qg10
凛「何せものすごい数の抽選だったので、まさか選ばれるとは思いませんでした」

凛「お蕎麦は好きなので、嬉しいです。えっと……もうすぐで着くと思うんですけど」キョロキョロ

凛「あっ、あれでしょうか? 羽根屋さんです」

凛「素敵な外観のお店ですね。期待で胸が膨らんできました」ソワソワ

凛「入ってみましょう」

――――

凛「店内も和を感じることのできる、素敵な空間ですね」

凛「お品書きを見ると、どれも魅力があって目移りしてしまいますけど」

凛「しぶPさんのオススメ、釜揚げそばを頼みましょう」

凛「当然食べたことないです。そもそも島根に行く機会があんまり」

凛「この後、島根観光してみたいなーなんて。ダメですか?」クスッ

(数分後)

凛「料理が来たみたいです」

凛「わー、これが釜揚げそば。何故釜揚げと呼ばれるのかというと」

凛「お蕎麦って、釜や鍋から茹でたら水洗いしますよね?」

凛「だけどこれは、茹でたらそのまま器に入れるらしいです。だから釜揚げ、なんですね」

凛「食べ方は……だし汁と薬味を、お蕎麦に入れていただくみたいですね」

510: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 22:43:11.86 ID:4Rfr8Qg10
凛「早速入れたいところですが」

凛「まずはお蕎麦のみをいただくことにしましょう」

晶葉(ほう)

イヴ(なるほど、それやってなかったですね~)

凛「その前に、ちゃんと撮りましたか? このお蕎麦、素晴らしいですよ」

凛「もっと近くで! さあ!」

蓮実(お料理を見せるのは大切ですね)

茄子(大抵は専用の画が用意されてますけど)

凛「オッケーですね。では、いただきます……ズズズ」

凛「! 味わい深いですね。お蕎麦の風味も感じられて、香りも楽しめますよ」

凛「だし汁と薬味を合わせたら、一体どうなっちゃうんでしょうか?」

凛「よいしょ……こんな感じかな」サッサッ

凛「見てくださいこれ。美味しそうですよね」スッ

蓮実(だし汁を入れた画もちゃんと)

凛「では、いただきます!」

凛「ズズズ……モグモグ」

凛「モグモグ……ゴクン」

凛「すごい……! だし汁が絡むと、お蕎麦の味が引き立ちますね……薬味も添えるとまた美味しくて」

凛「ほっぺたが落ちるとはこの事です」

511: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 23:06:58.07 ID:4Rfr8Qg10
凛「ズズズ……モグモグ」

凛「美味しい……二口三口と、どんどん食べちゃいます」

凛「こんなに美味しいお蕎麦なのに、お値段もリーズナブル」

凛「男の人も満足できそうな量ですね」ズズズ

凛「モグモグ……ゴクン」

凛「喉を潤したいなという時は、一緒についてるこの飲み物です」

凛「何だと思いますか? お茶でもお湯もありません」

凛「実は、そば湯なんですよ。何から何までお蕎麦を堪能できるんですね」

――――

凛「どうでしたか皆さん。島根県、出雲市にある羽根屋さん」

凛「もし近くに来た時、ふとこの番組のことを思い出して寄ってみてください」

凛「お座敷もあるので、ゆっくりくつろげますよ」

凛「行きたいけど時間がない! どうしよう! という方は」

凛「安心してください。羽根屋さんは通信販売も行っています。ぜひご購入を!」

凛「それでは、今回の『どるめし』のパーソナリティ、渋谷凛でした」ヒラヒラ


イヴ「やりますね~凛ちゃん」

凛「手応えは分かんないけど、焦らず気を抜かないままできたと思う」

イヴ「ですね~。プロデューサーさんが関わらなければ、あんなにスマートなのに」

凛「ふふ、まるで人が変わってるみたいに言わないでよ」

512: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 23:17:32.44 ID:4Rfr8Qg10
晶葉『変わってるだろ』

凛「晶葉! これで食レポは終わったけど、点数は?」

茄子『美味しいですねー♪』ズズズ

蓮実『お蕎麦は出雲に限りますね♪』モグモグ

凛「……」

イヴ「何でお蕎麦を食べてるんですか~?」

晶葉『2人の食レポを見てたら食べたくなってきたんだ』ズズズ

凛「嬉しいけども!」

茄子『も、もうすぐ食べ終わりますから!』

蓮実『ちょっと待ってくださいっ』

――――

晶葉『すまなかったな。では、発表するぞ!』

イヴ「もう評価できたんですか?」

蓮実『実はすでに点数をつけ終えてたんですよ』

茄子『しっかり考えたからね』

凛・イヴ「……」ゴクリ

晶葉『もう一つのモニターを出現させるぞ! それを見てくれ!』

晶葉『結果はこうだ!』

バンッ


↓1、2、3 イヴ

↓4、5、6 凛


コンマ二桁 合計点数の高かった方が勝利

520: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/02(月) 00:08:23.62 ID:fktYX4KV0

イヴ:96

凛:210


イヴ「あ~、負けちゃいました」エヘヘ

凛「……」

イヴ「凛ちゃん、おめでとうござ……凛ちゃん?」

凛「……っし」

凛「よしっ! やったよ! 勝てたよ……!」グッ

イヴ「す、すごい喜びよう……」

晶葉(まゆに追いつくかどうかの大事な一戦だったからな)

晶葉『例によって、審査員が1人ずつ評価を言うぞ。まずは蓮実!』

蓮実『2人とも、初の試みでよく頑張ったと思います』

蓮実『ただイヴさんは、食レポというより美味しいものを堪能してる女の子というイメージがついてしまって』

蓮実『お蕎麦の知識を紹介してから、ずっと幸せそうに食べ続けてたのが、首を捻ってしまう要因でした』

イヴ「仰る通りですね~」

蓮実『美味しそうな顔はすごくよかったんですけどね。食レポだという意識を持ち続けて欲しかったです』

蓮実『凛ちゃんは、全体的に上手に紹介できてたと思いますよ』

蓮実『あとはイヴさんくらい幸せそうな表情ができれば最高ですね』

凛「練習するよ」

521: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/02(月) 00:45:57.36 ID:fktYX4KV0
茄子『私はイヴちゃんの表情を高く評価しました』

茄子『こっちまで幸せになってきちゃう、素敵な笑顔で』フフ

イヴ「ありがとうございます~!」ニコニコ

茄子『凛ちゃんも可愛い笑顔を見せてくれて、よかったです』

茄子『レポートも普通にこなせてましたし』

晶葉『聞く限りでは、2人とももっと点数を上げていいんじゃないかと思うんだが』

茄子『うーん……やっぱり、技術が物足りないですね』

茄子『食レポは、視聴者の方に『いかに食べてみたいと思わせるか』が重要なので』

茄子『そのためには極論、美味しいという言葉を使わずに進めて欲しいです』

イヴ「ハードルが高い~」

凛「海の宝石箱やー! みたいな?」

茄子『ふふふ♪ はい、そういうのも面白いですね。とにかくもっと技術を磨けば』

茄子『今後のお仕事にも幅がでますよ♪』

凛「精進します!」

晶葉『次は私か。と言っても、大体茄子が言ってしまったんだ』

晶葉『初めてにしては良かった。しかし公平な目で見て判断すれば、物足りない点が多かった』

晶葉『だから2人とも厳しめだ』

522: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/02(月) 01:00:43.14 ID:fktYX4KV0
凛「全然いいよ。晶葉のそういうとこ好きだよ」

晶葉『え? あ、ああ……』

晶葉(スペシャルマスで勝ったから、多少余裕が出てきたようだな)

イヴ「食レポの奥深さ、知ることができました~」

イヴ「凛ちゃん、良い勝負でしたねっ。私の点数低いですけど、えへへ」

凛「結果はそうだけどさ。私、イヴのを観ててヤバいと思ったんだ」

凛「すごく眩しい笑顔だったから」

凛(一瞬、天性の笑顔を持つ卯月が浮かんだよ)

イヴ「そこまで言ってもらえるなんて、自信ついちゃいますよ~♪」

凛「つけちゃって。そうだ、この辺ちょっと歩いていいかな?」

凛「蓮実と茄子さんも一緒に」

茄子『いいですね』ニコニコ

蓮実『そっちに行きますね!』

凛(というか、そこ何処なの?)

――――

まゆ(やるじゃないですか凛ちゃん)

まゆ(土壇場で良い流れを引き寄せてますねぇ……でも、何度も言ってますけど)

まゆ(勝つのはまゆですからね)

こずえ「すぅ……すぅ……」

まゆ「こずえちゃん、膝から起きてください。サイコロを振らないと」ユサユサ

523: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/02(月) 01:08:44.98 ID:fktYX4KV0
こずえ「ふぇ……なにー……?」ゴシゴシ

まゆ「眠ってたのにごめんね。そろそろ行かないと」

こずえ「そっかー……がんばってね……」

こずえ「まけないでー……まけるなー……」グッ

まゆ「はいっ、このまま勝ち切ります!」

まゆ「もう九州に入りますねぇ。一気に長崎まで進んでもいいんですよぉ?」

まゆ「お願いします、サイコロさんっ」チュッ

ポイッ

コロコロコロ

こずえ「さいころに、ちゅー……いみあるのー……?」

まゆ「これで良い目が出ないかなって」


【進行状況】


   島根  岡山  広島  山口
凛  ○●○ ○×○ ○○× ×☆○

   高知  福岡  佐賀  長崎
まゆ ●☆○ ○○× ○☆○ ○○○


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

525: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/02(月) 01:26:13.08 ID:fktYX4KV0

まゆ:6マス

【進行状況】


   島根  岡山  広島  山口
凛  ○●○ ○×○ ○○× ×☆○

   高知  福岡  佐賀  長崎
まゆ ×☆○ ○○× ●☆○ ○○○


まゆ「6! ありがとうございますサイコロさん♪」

こずえ「ばいばい、まゆー……」ヒラヒラ

まゆ「またね♪」ヒラヒラ

ビュンッ

――――

ビュンッ

まゆ「そろそろ温泉に入りたいなぁ、なんて贅沢を言ってみます」

まゆ「まあ無理ですよね。温泉でどんな勝負をするのかっていう話ですし」

まゆ「何でもいいから勝ちにいかないと!」


???「まゆさーんっ!」スタタタッ

まゆ「?」

531: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/02(月) 23:45:23.69 ID:fktYX4KV0
まゆ「珠美ちゃん!」

珠美「まゆさーんっ!」パタパタ

まゆ(めいっぱい手を振りながらこっちに走ってくる)

まゆ(何でしょう……あの珠美ちゃん、何かに似て……)

珠美「ようこそ佐賀県へ! 歓迎しますよ!」

まゆ「……あ」

まゆ(分かった。飼い主が帰宅して喜んでるワンちゃんだ)

珠美「まゆさん?」

まゆ「! ご、ごめんなさい。珠美ちゃんだったんですね、このマス」

珠美「いかにも! 手に汗握る熱い果し合いを繰り広げましょう!」

珠美「その前に、こちらの施設をご紹介しますね」

まゆ「肥前夢街道……? 何があるところなんですか?」

珠美「一言で言うと、歴史型のテーマパークです。関所をくぐれば、たちまち江戸時代にタイムスリップです!」

珠美「中では忍者になりきって遊ぶことのできる、手裏剣打道場や、吹矢道場」

珠美「さらに、見れば白熱間違いなしの忍者ショーも開かれるんです!」

まゆ「へぇー!」

まゆ「……ん? 忍者?」

珠美「どうされました?」

532: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:05:54.67 ID:pQ/CA/im0
まゆ「疑問に思うことがあって。忍者といえば、あやめちゃんですよね」

まゆ「で、珠美ちゃんは武士。もしくは侍じゃないですか」

珠美「一人前ではない修行中の身ですが」エヘヘ

まゆ「武士が忍者の施設を紹介するんですか?」

珠美「引っかかるのは無理もないですが、ご安心を! 後にどういうことか分かりますよ!」

珠美「まずは一通り体験してみましょう!」

――――

まゆ「本当ですねぇ。江戸時代のような雰囲気」

珠美「何も新たに形作ったわけではないのです! ここは昔、宿場町として栄えた嬉野の町なんです」

珠美「それを再現したのが肥前夢街道です。あっ、あれが手裏剣打道場ですよ!」

まゆ「手裏剣を投げられるんですか?」

珠美「はい、本物の手裏剣です。珠美も試しにやってみたのですがどうも上手くいかなくて」

まゆ「武士が手裏剣を……」

珠美「お試しですよ、お試しっ! 決してなびいたわけではありませんっ!」

珠美「まゆさんもぜひやってみてください、ささっ」グイグイ

まゆ「お、押さなくてもいいじゃないですか」

533: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:23:48.91 ID:pQ/CA/im0

――――

まゆ「はっ」シュッ

トン

珠美「むむ、やりますね!」

まゆ「なんとなくコツを掴めたような気がします」フフ

まゆ「珠美ちゃんはやらないんですか?」

珠美「もうやりません! 忍具に手を出しては武士の名折れ!」

珠美「ささ、次は吹矢道場へ行きましょう!」グイグイ

まゆ「もうですか!?」

――――

まゆ「すぅー……。ぷっ」

トン

珠美「お見事!」パチパチ

まゆ「慣れてくると面白いですねぇ」

まゆ「珠美ちゃんもどうですか?」

珠美「いえ、珠美は先ほど体験したので」

珠美「もう一度やるのは武士の名折れです!」

まゆ「1回はセーフみたいなの、何なんですか?」

珠美「珠美たちは武士や忍、アイドルである前に、1人の人間です」

珠美「人間誰しも気になることはあるものです。気になってしょうがないとモヤモヤしますよね?」

珠美「そのモヤモヤを解消するため、1回くらい挑戦してもいいとは思いませんか」

まゆ(達観した表情……)

534: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:36:35.08 ID:pQ/CA/im0
まゆ「じゃあもしプロデューサーさんが、珠美ちゃんの唇の感触を確かめたいと言って」

まゆ「キスをせがんできたら、モヤモヤを解消するために受け入れるんですか?」

珠美「へっ!?」カァァ

珠美「そ、それは……」モジモジ

まゆ「もし私が、珠美ちゃんにイヌ耳カチューシャとイヌ尻尾をつけたいと言ったら」

まゆ「受け入れてくれるんですか?」

珠美「イヌ耳!? つけたいんですか!?」

まゆ「もしもの話ですよぉ」

珠美「うう……そんなこと……」

珠美「……どうやら珠美はまだまだ修行が足りぬようですね」

珠美「お礼を言わせてください! 大事なことに気づかせてくださり、ありがとうございます!」

まゆ「そんな大げさな……」

まゆ「ところで、イヌ耳は?」

珠美「恥ずかしいのでダメです!」

まゆ「いいじゃないですか、ちょっとだけ」

珠美「嫌です!」

535: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 00:58:43.84 ID:pQ/CA/im0
まゆ「お願い、つけてみたいの」

珠美「やはり珠美につけたいのではありませんか!!」

珠美「ぐぅ……そ、そうですね……条件次第では……」

まゆ「条件とは?」

――――

まゆ「わぁー! これが忍者ショー!」

まゆ「機敏な動きで、迫力ありますねぇ!」

まゆ「ところで、早く条件を話してくださいよぉ」

珠美「今考えているところなので……」

珠美「決めました! これから行う勝負で、まゆさんが勝ったら耳をつけます!」

まゆ「なるほど。サイコロの目を+2できて、珠美ちゃんの可愛い姿も見られる」

まゆ「一石二鳥ですねぇ♪」

珠美「勝ったらの話ですよ! ただし、まゆさんが負けた場合」

珠美「恥ずかしい格好で写真を撮らせてもらいます!」

まゆ「!?」

珠美「実はこの肥前夢街道、コスプレ撮影会というものがあり」

珠美「お客が用意した衣装で、この町並みを背景に写真を撮れるのです」

珠美「また、ブーケンビリアの花園があって、そこでも撮影できます」

536: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:13:47.53 ID:pQ/CA/im0
まゆ「……」

珠美「どうですか? 嫌ならイヌ耳の話は無かったことにして、普通の勝負を…」

まゆ「いいでしょう」

まゆ「その条件で受けます。でも私が撮影されるなら、珠美ちゃんだって撮影されないと」

珠美「もちろん! イヌ珠美をお見せし、好きなポーズをとりますよ!」

まゆ「ふふっ、成立ですね♪」

まゆ「それで肝心の勝負は何をするんですか?」

珠美「この衣装に着替えてください」スッ

まゆ「?」

珠美「説明はその後です! 珠美も着替えるので」

――――

まゆ「これって、侍?」ジャーン

珠美「よくお似合いですよ! 刀も持ちましたね? では説明します」

珠美「今から行うのは、殺陣対決です!!」

まゆ「殺陣対決……?」

珠美「ご存知ですか」

まゆ「はい。ドラマや映画である格闘シーンの、戦いの演技のことですよね?」

珠美「その通り! 素手や武器で颯爽と、ばたばたと敵をやっつけていく、あのカッコいい演技!」

珠美「珠美も時代劇を見るたびに憧れていました。いつかあんな風になりたいと」

珠美「そして今、その願いが叶うんですっ!」キラキラ

537: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 01:32:05.41 ID:pQ/CA/im0
まゆ「興奮してるところすみませんけど、説明を……」

珠美「失礼しました! 今から1人ずつ、江戸の町並みを歩くんですよ」

珠美「途中で忍者に囲まれます」

まゆ「何故?」

珠美「まあ敵の組織の差金とか、そんな感じでしょう」

珠美「とにかく、ここで決め台詞を言います! ビシッと!」

まゆ「例えば?」

珠美「何でもいいですよ。『この数で闇討ちたぁ笑わせるねぇ』とか!」

まゆ「『ファンの方ですか? 嬉しいです!』とか」

珠美「その展開からどうやって戦闘シーンに繋げるんですか……」

まゆ「冗談ですよ♪」

珠美「と、とりあえず決め台詞を言った後、いよいよ殺陣の開始です!」

珠美「忍者の方たちは、こちらが斬りやすいよう配慮してくださるので」

珠美「できるだけカッコよく、流れるように進めてください」

珠美「そして最後の1人を倒した後、刀を鞘に収めてビシッと一言です!」

珠美「『またつまらぬものを斬ってしまった』とか!」

まゆ「『私を斬ろうなんて百年早いですよ』とか」

珠美「そうです! まあ審査基準はビシッと決まるかどうかなので」

珠美「別にカッコよくなくてもいいですよ!」

まゆ(けど、カッコよくないと決まらないような)

539: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 22:20:20.95 ID:pQ/CA/im0
珠美「晶葉さんに、台詞と殺陣、それぞれに点数をつけてもらって」

珠美「合計が高い方の勝ちですから!」

まゆ「分かりました。先攻後攻は?」

珠美「まゆさんのお好きに」

まゆ「なら、珠美ちゃんが先にやってください」

まゆ「殺陣なんてやったことないので、動き方を見たいです」

――――

晶葉『では、これより殺陣対決を始める!』

まゆ(日も落ちて夜になった)

晶葉『よーい……アクション!』


珠美「……」スタスタ

珠美「むっ」

スタタタッ

忍者集団「……」ササッ

珠美「……」

まゆ(さあ囲まれましたよ。どんな台詞を?)


↓1 コンマ二桁 高いほどビシッと決まる 台詞を書いていただいてもOKです

541: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 22:29:43.08 ID:pQ/CA/im0
珠美「刀を抜く間も……見せません!」チャキ

忍者集団「……!」ザワ…

晶葉(眼光も鋭くて圧がある。なかなか良いな)

まゆ(カッコいい)

忍者A「……」ジリジリ

スタタタッ

まゆ(あっ! 忍者の1人が珠美ちゃんに!)

まゆ(殺陣が始まるんですね!)

珠美「……」スッ

晶葉(居合の構えか?)


↓1 コンマ二桁 高いほど流れるような殺陣

543: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 22:43:26.56 ID:pQ/CA/im0
珠美「切捨て御免!」

珠美「てやあっ!」グッ

珠美「……あれ?」

晶葉(刀が抜けてない)

まゆ(忍者の方、短刀を振り上げたまま固まってますよ)

珠美「よいしょっ、抜けた! ていっ!」ズバッ

忍者A「ぐふっ……」バタン

忍者B・C「!」スタタタッ

珠美「遅い! はあっ!」ズバッ

忍者C「うっ」バタン

珠美「えっと、もう1人は」キョロキョロ

まゆ(珠美ちゃん後ろ!)

晶葉(後ろでまた斬られるのを待ってるぞ)

珠美「むっ、殺気! 後ろか!」ズバッ

忍者B「!?」バタン

珠美「どうですか珠美の太刀筋。見えなかったでしょう」

忍者D・E「つ……強い……!」

544: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 22:49:13.99 ID:pQ/CA/im0
珠美「珠美の命を狙えと、誰に頼まれたのか教えてくれるなら見逃してあげますよ」

忍者D・E「……」ジリジリ

珠美「まだやるんですね。致し方ない……斬る!」

――――

忍者G「ぐはっ……!」

バタン

まゆ(ぎこちなかったですけど、今ので全員ですね)

珠美「……」

晶葉(ここも肝心だぞ。きっちり締めろ!)


↓1 コンマ二桁 高いほどビシッと決まる 台詞を書いていただいてもOKです

546: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 23:01:27.39 ID:pQ/CA/im0
珠美「奥義! 無双斬!」チャキン

珠美「あなた方は、ある意味幸せですよ」

珠美「最後に珠美の奥の手を見ることができたのですから」

晶葉(奥の手をそんな簡単に出していいのか)

まゆ(殺陣はもたもたしちゃいましたけど、台詞はちゃんと決めてますね)

――――

珠美「まゆさんは準備に入りましたか」

珠美「どうでしたか晶葉ちゃん! 珠美の演技は!」

晶葉『殺陣以外はなかなか良かったぞ!』

珠美「あはは、やはりそうですか」

珠美「何度もイメージを重ねて、忍の方と打ち合わせもしたのですが」

珠美「あろうことか緊張してしまって……未熟者ですね!」

晶葉『手も震えていたしな! まあ、よく頑張った!』

晶葉『もうすぐまゆの演技が始まるようだ!』

珠美「楽しみです! まゆさんの武士の演技、どんな感じなんでしょうか!」

547: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 23:06:16.50 ID:pQ/CA/im0

まゆ「……」ユラリ ユラリ

珠美(おお! ゆらゆらと覚束無い足取りですが、それが強者の雰囲気を醸し出しています!)

珠美(カッコいい! すでに珠美のツボに入っていますよっ!)

スタタタッ

忍者集団「……」ササッ

晶葉(囲まれたな)

まゆ「……」

珠美(第一声は!?)ワクワク


↓1 コンマ二桁 高いほどビシッと決まる 台詞を書いていただいてもOKです

549: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 23:14:56.70 ID:pQ/CA/im0

まゆ「……うふふふふふ……」

まゆ「私の刀が血を欲しがってますよぉ」シャキン

ペロォ

忍者集団「!?」ビクッ

晶葉(こっわ)

珠美(は、迫力はありますが……これは狂気を感じます……!)プルプル

珠美(主人公を執拗につけ狙うライバルキャラのような……!)

忍者A「……」

晶葉(最初に斬りかかる人が怖気づいて固まってるぞ)

忍者A「!」ハッ

忍者A「お、お命頂戴!」スタタタッ

まゆ「うふふふ……」ユラリユラリ

珠美(ひえっ……)


↓1 コンマ二桁 高いほど流れるような殺陣

551: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 23:35:08.93 ID:pQ/CA/im0
まゆ「うふ」ヒラリ

ズバッ

忍者A「ぐはっ」バタン

忍者B・C「……!」スタタタッ

まゆ「甘いですよぉ」ズバズバッ

忍者B・C「!!」バタン

まゆ「うふふっ」

まゆ「あははは!」ユラユラ

忍者D・E「……っ!」ガタガタ

晶葉(怖い怖い)

珠美(狂人武士を演じきってますね……しかし)

珠美(殺陣がカッコいいです。敵の動きを見切って躱し、一太刀で殺める)

まゆ「次は誰ですかぁ? この子にいっぱい血を吸わせてあげないと」

忍者D「はあっ!」シャッシャッ

まゆ「無駄」キンッキンッ

珠美(手裏剣を弾いた!?)

まゆ「次はあなたですねぇ」スタタタッ

ズバッ

忍者D「ごふっ……」バタン

552: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/03(火) 23:43:20.03 ID:pQ/CA/im0
まゆ「ふふ、次は? いつでもかかって来てください」

忍者E「う……」

まゆ「来ないの? それじゃあ」

まゆ「こっちから行きますよぉっ」スタタタッ

――――

忍者G「つ、強すぎ……る……!」

バタン

まゆ「……」

珠美(す、すごい)

晶葉(圧倒的な強さを見せつけたな)

晶葉(さて、どんな言葉を発する)


↓1 コンマ二桁 高いほどビシッと決まる 台詞を書いていただいてもOKです

554: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/04(水) 00:01:08.31 ID:kNMJ9Gp50

まゆ「うっ」

晶葉(ん?)

珠美(まゆさんが、うずくまってしまいました。どうしたんでしょう)

まゆ「……刀から妖気が……抑えるので精一杯ですね……」チャキン

晶葉(刀を収めて、自分の手を顔にあて……厨二っぽいポーズを)

珠美(……カッコいい……)

まゆ「! こ、これは……まゆがやったんですか……?」

まゆ「何てことを……この悲劇、何回繰り返せば済むんでしょう……!」グッ

晶葉(どうやら妖刀に支配されていた、という設定のようだ)

――――

まゆ「どうでしたか? ちょっと狙いすぎちゃったかも」

珠美「殺陣はすごく良かったです! 恐ろしさと強さが相まって、見事な動きを!」

珠美「手裏剣はどうやったんですか!?」

まゆ「ああ、あれは忍者の方に狙ってもらったんです」

まゆ「内心まゆに当たるんじゃないかと冷や冷やしてたんですけど、さすがですねぇ」

珠美「なんと! 珠美もお願いすればよかったです!」

晶葉『うーん……』

まゆ「晶葉ちゃん、点数をつけてくれましたか?」

晶葉『ん? そうだな、ちょうど今終わった!』

555: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/04(水) 00:12:24.32 ID:kNMJ9Gp50
晶葉『発表しよう!』

珠美(どきどき)

まゆ(そわそわ)

晶葉『まずは、忍者に囲まれた時の台詞の評価!』

晶葉『珠美が67点! まゆが16点!』

珠美「おおー!!」キラキラ

まゆ「むー」

晶葉『そして殺陣は、珠美が9点! まゆが63点!』

まゆ「高いですね!」

珠美「9……緊張さえなければもっと……!」

晶葉『この時点では、まゆが3点リードしているが』

晶葉『最後、決め台詞の点数は……!』

珠美・まゆ「……」


晶葉『珠美57点! まゆ16点!』

珠美「!!」

晶葉『合計すると、133点と105点だ! よって勝者は珠美!』

珠美「ま、まゆさんに勝ちました!!」

まゆ「むむ……悔しい……!」

556: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/04(水) 00:28:39.12 ID:kNMJ9Gp50
珠美「へへ! でも、まゆさんの台詞の評価が低いのは何故でしょうか?」

珠美「強者らしさが出ていて、正直負けたと思っていました」

晶葉『強者とカッコいい台詞は関係ないからな!』

まゆ「なるほど……言われてみれば。色々な作品を観ると、カッコいい台詞って脇役からも出てますもんね」

まゆ(殺陣に練習時間を割いていたというのもありますし……)

まゆ(いえ、これは言い訳ですから飲み込みましょう)

まゆ「珠美ちゃん、おめでとうございます。カッコよかったですよ」ニコッ

珠美「まゆさんこそ、力の入った演技が素晴らしかったです!」スッ

まゆ「……? 何でカメラを持ってるんですか?」

珠美「え? まさかお忘れではないですよね?」ニコニコ

珠美「確かに約束しましたよ。勝負に負けたら、恥ずかしい格好で写真を撮らせてくれると」

まゆ「!!」

まゆ「あ……そ、それは……そのぅ……」

珠美「その恥ずかしい格好をしてもらいますよ! さあこちらへ!」グイグイ

まゆ「心の準備がまだ……!」

珠美「問答無用!」

まゆ「いやー!」


↓1 恥ずかしい格好とは R18的なものは無しでお願いします

558: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/04(水) 01:05:20.27 ID:kNMJ9Gp50

――――

珠美「まゆさん! こっちを見てにゃんにゃんポーズを!」

まゆ「に、にゃーん……」

珠美「いいですよ! とても愛らしいです!」パシャパシャ

まゆ(うー……何でこんなことを……まあ勝負に負けたからですけど……)

まゆ「あの、写真はあとで消してくれるんですよね?」

珠美「そんなことをしたら、撮った意味がないではありませんか!」

まゆ「で、でも晶葉ちゃん! このゲームで写真は現像しちゃいけないから、」

晶葉『撮った写真を現像するのはダメだが、撮るのは禁止してないぞ!』

まゆ「嘘……!」

晶葉『本当だ!』

珠美「まゆさん! 今度は寝転がって甘えたポーズを!」

まゆ「に……にゃーん!」

晶葉(開き直ったか)

――――

凛「ここが出雲大社かー……!」

茄子「祭神、大国主大神が祀られてる神社ですよ♪」

茄子「縁結びの神、福の神と言われてるんです」

凛「……お参りしていこうかな」

559: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/04(水) 01:14:13.82 ID:kNMJ9Gp50
イヴ「それがいいですよ~♪ きっと成就しますよっ」

凛「うん、それじゃあ…」

晶葉『残念だが、もう時間だ! サイコロを振ってくれ凛!』

凛「!」

蓮実「思ったよりも早かったですね……」

イヴ「あとちょっと待ってもらえませんか~? お願いします!」

晶葉『うーむ……仕方ないな! 待とう!』

イヴ「さすが晶葉ちゃん~!」

凛「……」

凛「いや、いいよ。やめておく」

イヴ「え? どうして……」

凛「神様の力に頼りすぎてもダメだよ。結局は自分の足で進まなきゃいけないし」

凛「みんなが応援してくれれば、それで充分」

イヴ「凛ちゃん……」

茄子「じゃあ、ここで凛ちゃんの勝利を願ってますね」ニコッ

蓮実「私たち3人で!」

凛「うん! 晶葉、サイコロを」

晶葉『それ!』ポンッ

凛「せっかく+5されたんだもん。1や2じゃ物足りないよね」

凛「大きい目を出さないと」

560: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/04(水) 01:25:08.39 ID:kNMJ9Gp50
晶葉『そうだな! しかし10は出さない方がいい!』

晶葉『まゆも止まった、高知の1回休みマスに止まってしまうからな!』

イヴ「なんと!」

茄子「2と3もダメですね。1回休みです」

蓮実「地雷が多い……」

凛「き、緊張してきたよ」ドキドキ

凛「よし……振るよ? いいね?」

茄子「凛ちゃんのタイミングでどうぞ」

凛「うん。すー……はー……えいっ!」ポイッ

コロコロコロ

イヴ「私たちもドキドキです~!」

蓮実「2、3、10は回避して!」

凛「……」ゴクリ


   島根  岡山  広島  山口
凛  ○●○ ○×○ ○○× ×☆○

   高知  福岡  佐賀  長崎
まゆ ×☆○ ○○× ●☆○ ○○○


↓1 コンマ一桁 0は10

562: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/04(水) 01:38:48.78 ID:kNMJ9Gp50

凛:5マス進む+5

【進行状況】

   山口  徳島  香川  愛媛
凛  ×☆● HHH ○×○ ×○○

   高知  福岡  佐賀  長崎
まゆ ×☆○ ○○× ●☆○ ○○○


イヴ「お~! やりましたね~!」

凛(これだけ進めてもまゆは見えない、か)

イヴ「凛ちゃん?」

凛「あ、ごめんね。何とか休みは防げたね」

凛「……ねえ晶葉。Hのマスが表示されたけど、もしかして……」

晶葉『違う! まゆとの話を聞いてただろ!』

凛「やっぱり違うんだ。まあ大体の予想はつくけど」

凛「さて、行こうかな」

茄子「心を強く持ってね!」

蓮実「応援しかできないですけど」

イヴ「プロデューサーさんをものにしてしまいましょう~♪」

凛「ありがとう。行ってくるよ」ニコッ

ビュンッ

565: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/05(木) 22:48:31.79 ID:7AdYNbfZ0

――――

ビュンッ

凛「まゆの止まった山口県のマス。相手は梨沙だよね」

凛「……エメラルドグリーンの海……白い砂浜……ここはどこだろう?」

梨沙「角島よ」

凛「!!」

梨沙「後ろから声をかけただけでそんなにビックリする?」

梨沙「ここは角島っていう、人口900人くらいの島なの」

梨沙「2000年に本土と繋ぐ角島大橋が完成してから、一躍人気スポットになったのよ!」

凛「へー、綺麗な景色だもんね」

梨沙「キャンプ場もあるの。海を見て。遊んで。忘れられない思い出を作るのに最適の場所ね」

凛「一夏の思い出か……いいね。砂浜の追いかけっことか憧れる」

凛「それで、この浜辺で何をするの?」

梨沙「勝負に決まってるじゃない」

凛「いや、そうじゃなくてさ」

梨沙「分かってる、何で勝負するかでしょ。あれを見て!」

凛「?」

566: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/05(木) 23:06:17.50 ID:7AdYNbfZ0
梨沙「見覚えあるでしょ」

凛「うん、バレーのネットだね。つまり……ビーチバレーか」

梨沙「正解よ! 今から水着に着替えて、楽しくプレイしましょ!」

凛「一対一でやるの?」

梨沙「それはあとで説明するわ!」

――――

凛「ちょっと攻めてみた。プロデューサーにも見せてあげたいなぁ」

梨沙「黒のビキニ……。な、なかなか似合ってるじゃない」

梨沙「アタシも負けてないけどね! どーお? セクシーでしょ!」ウッフーン

凛「……」

凛(ヒョウ柄の水着でも、梨沙が着ると可愛くなるね)

凛「ソウダネ、カワイイヨ」

梨沙「なんでカタコトなのよ!」

梨沙「まあいいわ。さっき一対一でやるのかって聞いたわよね」

梨沙「ビーチバレーは二対二でプレイするものだから、それに習って二対二でやるわよ!」

凛「え? あと2人はどうするの?」

梨沙「呼んであるわ。ほら来た!」

567: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/05(木) 23:26:02.42 ID:7AdYNbfZ0

スタスタ

海「ビーチバレーなんて久々ー。絶対に負けないよ!」

凛「海! す、すごいね」

海「何が?」

凛「水着姿だと抜群のスタイルが強調されてさ。白、似合ってるね」

海「ありがとう」ボイーン

凛(バレーボールが2つ……強い……)

梨沙「このセクシーさにはまだ敵わないわ……」ボソッ

凛「あれ? もう1人は?」

ライラ「ライラさんでございますです」ヒョコッ

凛「わっ、海の後ろから」

梨沙「山口出身はアタシと海しかいないから、スペシャルマスから引っ張ってきたの」

ライラ「ビーチバレー、頑張りますです」グッ

凛(紺色の水着にショートパンツか。可愛い)

凛「これで4人揃ったね。チーム分けはどうする?」

梨沙「身長的に凛と海を一緒にするわけにはいかないから、海はアタシとチームよ!」

凛「え」

凛(じゃあ私はライラと? 大丈夫かな。ちょっとおっとりしてるとこあるし)

ライラ「よろしくお願いしますです」トコトコ

凛「よ、よろしくね」

568: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 01:05:36.68 ID:vu1UTS8C0
ライラ「わたくし、ふつつかなところがありますが、勝利へかける情熱は誰にも負けませんので」

凛「頼もしいよ」

梨沙「じゃあルールを説明するわね。一般的なビーチバレーよりも自由度が高いわ」

梨沙「ボールに触れていいのは3回まで。3回以内に相手側へボールを返せなかったら負け」

梨沙「1ゲーム勝負で、先に5点取った方が勝ちよ。以上」

凛「短いね。5点か……1プレーの重みが増すよ」

海「いい緊張感を持って体を動かせそうだ」ワクワク

梨沙「開始は5分後だから、それまで作戦会議をしてね」

――――

凛(作戦会議って、どんな作戦を考えればいいんだろう)

ライラ「リンさん、わたくし気づいたことがございます」

凛「気づいたこと? 教えて」

ライラ「リサさんはこのビーチバレー、自由度が高いと言ってましたね」

ライラ「つまり……ごにょごにょ」

凛「はっ?」

ライラ「こういう事もアリだと思いますです」

凛「いやいや、そんなダメでしょ! 違反だよ!」

ライラ「違反ならルールとして説明するはず」

ライラ「言わなかったということは、やってもいいということでございますよ」

569: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 01:20:10.32 ID:vu1UTS8C0
凛「うーん……一理あるような、ないような……」

凛「分かった。じゃあもし相手が……」ヒソヒソ

ライラ「はい。了解でございます」

(5分後)

晶葉『両チーム、位置についたな!?』

梨沙「ええ!」

凛「いつでも始めていいよ」

晶葉『それではこれより、ビーチバレーを開始する!』

晶葉『サーブは1ポイントごとに交代するぞ! 最初は凛チームからだ!』

凛「しまっていこー!」

ライラ「いこー、でございます」

ポーンッ

海「梨沙!」ポンッ

梨沙「おっけー! トスをあげるわ!」ポンッ

凛(スパイク! ブロックしなきゃ!)

凛「そうは……させない!」バッ

海「へぇ、なかなか良い反応だ……でも」

海「ウチのアタックは強烈だよ!!」バンッ

570: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 01:29:28.53 ID:vu1UTS8C0

バチィッ

凛「くっ……!」

凛(弾かれた! ライラのポジションとは別の方向に……!)

ライラ「任せてください」スタタタッ

ズザーー ポンッ

梨沙(スライディング!?)

海(ライラってあんな機敏に動けたのか!)

凛「ナイスプレーだよライラ! トス!」ポンッ

ライラ「ライラさんのアタック、見せるですます」スタタタッ

海(やるじゃないか。今度はこっちがブロックだ!)バッ


↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム

コンマ二桁 数の大きい方が1ポイント

573: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 01:48:29.78 ID:vu1UTS8C0
ライラ「……と思わせて軽くチョン」チョン

海「なっ!?」

凛(ナイスフェイント! 上手く決まったね!)

梨沙「まだアタシがいるわっ!」スタタタッ

ズザザーー ポンッ

凛「!?」

海「いいね梨沙! トス!」ポンッ

凛(今度は梨沙のスパイク。フェイントか、本当に打ち込んでくるか)ササッ

ライラ「臨機応変に対応するですよー」ササッ


海「そらっ!!」バンッ

凛「え!?」

ピーー

晶葉『梨沙チームに1ポイント!』

凛(そんな……海がトスして、そのまま海が攻撃を……!)

ライラ「意表を突かれましたですます」

凛「無理もないよ! あんなのバレーじゃないし!」

梨沙「ふふ、言ったはずよね? これは自由度が高いって」ニヤニヤ

海「ルールは最低限。言われてないことは何をやってもいいんだよ」ニヤニヤ

ライラ(お手本のような悪役面でございます)

574: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 01:58:35.36 ID:vu1UTS8C0
凛「……ふーん……」

凛「ふーーーーん……」

梨沙「な、何よその顔は」

凛「別に? ライラ、さっき言ったことお願いね」

ライラ「ライラさんにお任せあれー」

海「なるほど。こういうことは予想済みだったわけか」

梨沙「けど、具体的に何をしてくるかは予想できないでしょ?」

凛「そっちもね」フフ

晶葉(凛がいやらしい笑みを)

梨沙「何を企んでるか知らないけど」

梨沙「アタシたちには絶対敵わないわよ!」ポーンッ

凛「それはどうかな」


海「うわ!? 何するんだ!?」

梨沙「え?」


ライラ「戦利品でございますです」ジャーン

海「卑怯だぞ! 返せ!」ササッ

梨沙(ライラが海の水着(上)を奪ってる!!)

575: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 02:05:01.68 ID:vu1UTS8C0
ライラ「これで両手が使えませんね」スタタタッ

海「どこ行くんだ! 審判タイム!」

晶葉『すまないが、ポイントが入るまで続行だ!』

海「くっ……待てっ!」スタタタッ

梨沙「……」

凛「これで一対一だね」

梨沙「!」ハッ

凛「ボーッとしてるうちに、もう3回目のタッチだよ」

凛「最後はスパイクで!」バンッ

梨沙「こんなの無しよー!」スタタタッ

ズザーー ポンッ

凛「かろうじて受けたか」

梨沙「舐めないで! 次はアタシの番よ!」ポンッ

梨沙「喰らいなさい!」


↓2 梨沙チーム

↓3 凛チーム

コンマ二桁 数の大きい方が1ポイント

579: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 22:51:44.13 ID:vu1UTS8C0
梨沙「はあーっ!」バンッ

凛「ブロック!」バシッ

ピーー

晶葉『凛チームに一ポイント! これで1対1だ!』

梨沙「しょうがないじゃない! 海がいないんだもん!」

凛「こっちだってライラいないしフェアだよ」

梨沙「っていうか、その2人はどこに……」キョロキョロ


ライラ「戻ったでございます」

海「はぁー……はぁー……!」

凛「何とか取り返したみたいだね」

海「ああ、すばしっこくて手間がかかったけど」

海「まさか水着を奪われるなんてな」

梨沙「次も仕掛けてくることを考えたら、きっちりガードしとかないとね」

凛(よし、バレーに集中できなくさせることができた)

凛(これだけで私たちに有利だよ。あとは梨沙たちの攻撃を回避しつつ、攻めまくれば)

凛「それ!」ポーンッ

海「梨沙」ポンッ

梨沙(奪いに来ないわね)ポンッ

海「そらっ!!」バンッ

580: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 23:01:02.37 ID:vu1UTS8C0
凛「受けきる!」ポーンッ

ライラ「トスでございます」ポンッ


凛「ひゃっ!?」

ライラ「!」


凛「や、やめっ……あはははっ!」ジタバタ

梨沙「そっちがその気なら、こっちもこうするわ!」コチョコチョ

ライラ「仕方ないですます。そのまま、ライラさんアタックっ」バンッ

海「ははっ、軽いね」ポンッ

海「さあ、今度はウチらの一対一だ。さっきのお返しをさせてもらうよ!」ポンッ

海「ほらぁっ!!」バンッ


凛「くぅっ!」ポーンッ

海「何!? くすぐられながらもレシーブを……!」

梨沙「なんて精神力なの!」

凛「けど、スパイクは無理っ……頼むよライラ!」ポンッ

ライラ「成功させるでございますよー」

ライラ「ライラさんアタックっ」バンッ

海「無駄無駄! そんなやわな攻撃じゃ、決められないよ!」ポーンッ

581: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 23:10:30.45 ID:vu1UTS8C0
海「どうする? このままじゃウチらの勝ち……ひゃんっ!?」ビクッ

ライラ「ライラさんもくすぐり攻撃ですます」コチョコチョ

海「ふっ、あははははっ! やめろこの……!」ポンッ

ライラ「やめませんー」コチョコチョムニュムニュ

海「ど、どこ触ってんだ!」

海(くそ、スパイクは無理! 返すので精一杯だ!)ポンッ

凛「あはははっ! くすぐったいっ、ふふふふっ!」

梨沙「このままボールを落としちゃいなさい!」コチョコチョ

凛「そ……そうはいかない……!」ポンッ

凛「はふっ、ま、負けられないっ」ポンッ

晶葉『……』

晶葉(わけの分からん画だな)

梨沙「しぶといわね。これでどう!?」ガシッ

凛「うっ! 動けない!」グググ

梨沙「勝った! 2ポイント目いただき!」



↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム


コンマ二桁 数字の大きい方が1ポイント

584: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 23:34:22.17 ID:vu1UTS8C0
凛「くぅーー……!!」グググ

梨沙「させない……!!」グググ

ピーー

晶葉『ボールが凛チームのコートに入った! 梨沙チームは2ポイント目だ!』

凛「や、やられた」ガクッ

梨沙「ふふふ、こっちの作戦勝ちね!」

晶葉『というか力技だろう!』

海「はぁ、はぁ……思ったよりしんどいねこれ」

凛「そりゃ普通のビーチバレーに妨害ありのルールなんだから、色んな意味で疲れるよ」

ライラ「みなさん、定位置につきましょう」トコトコ

梨沙「何ですまし顔なの、あんた……」

――――

梨沙「ねえ、提案があるんだけど」

梨沙「1回くらいは普通のビーチバレーしない?」

凛「いいよ。ただし裏を突いて妨害とかやめてね」

梨沙「しないわよ。それじゃ、いくわ!」ポーンッ

凛「よしっ」ポンッ

ライラ「トスでございますよ」ポンッ

585: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/06(金) 23:53:22.39 ID:vu1UTS8C0
凛「いけっ!」バンッ

海「甘いね」ポーンッ

梨沙「頼むわ海!」ポンッ

海「渾身の、一撃だよ!!」バンッ

凛「撃破する気なの!?」

ライラ「ライラさんレシーブっ」ズザザーー ポンッ

凛「ファインプレーだよライラ! ほら、トス…」

ガシッ

凛・ライラ「!?」

梨沙「かかったわね!」

ライラ「むむ」グググ

凛「何で!? 妨害しないって言ったじゃん! 約束したじゃん!」ジタバタ

海「口約束なんて不確かなものさ。悪いけどこのまま…」

凛「このぉ!」ポンッ

海「へ、ヘディングだと!?」

梨沙「油断しないで! 全身の動きを固めるのよ!」

ライラ「ライラさん拘束抜け」スッ

梨沙「ええ!? 今どうやって抜け出したの!? しっかり抱きついてたのに!」

586: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 00:19:59.81 ID:xKNGYyco0
凛「すごいよライラ! やっちゃえ!」

ライラ「それー」ポンッ

海「ウチに任せろ!」スタタタッ

ズザザーー ポンッ

ライラ「間に合ったでございますか」

梨沙「アタシも戻るわ!」

梨沙「くっ、油断を誘う作戦に失敗したわね」ポンッ

凛「危うく負けるとこだったよ。もう騙されないからね!」

海「別にいいさ。これで終わりなんだから、なっ!」バンッ


↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム

コンマ二桁 数字の大きい方が1ポイント

589: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 00:38:10.16 ID:xKNGYyco0
ピーー

晶葉『梨沙チームに1ポイント追加! これで3対1だな!』

凛「海は厄介だね……っていうか」

凛「ちょっと捻くれすぎじゃない!? 勝つためなら何してもいいの!?」プンプン

梨沙「ア、アタシたちだって好きでやってるんじゃないもん」

海「プログラムされててさ」

凛「……」ジトー

晶葉『妨害ありというルールなんだ、こうなることも頭に入れておかないと!』

凛「むー……」

晶葉『……分かった! 少しレベルを下げよう!』

晶葉『よし、これで今みたいな裏切り行為は無くなったぞ! 妨害は健在だがな!』

凛「ありがとう。できれば妨害も無くして欲しいんだけどね、まあいいや」

凛「3対1か……リードされてるね。追い上げないと」

ライラ「リンさん、わたくしにサーブを打たせてください」

凛「ライラが? いいけど」スッ

ライラ「どーもですます。いきます、えい」ポーンッ

海「間髪入れずにきたね! よっ」ポンッ

梨沙「ほっ」ポンッ

海「いくぞ! オーシャンスパイク!」バンッ

590: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 00:48:07.32 ID:xKNGYyco0
凛「え? 何それ……おっと!」ポーンッ

ライラ「ウミさんの必殺技でございますね」ポーンッ

凛「必殺技? へー」

海「……」

梨沙「いい歳して」

海「ち、ちょっとノリノリになっただって!」カァァ

海「誰だってこういう時あるだろ!?」

凛「恥ずかしがったところを狙う!」バンッ

海「うわっ! よっと!」ポーンッ

凛「惜しかった」チッ

梨沙「海、決めて!」ポンッ

海「やったな! そらっ!!」バンッ

シュウウウウ

凛(ひっ! 羞恥心からか、ボールの勢いが増してる!)

凛(受けられるの、これ)


↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム


コンマ二桁 数字の大きい方が1ポイント

593: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 01:02:02.99 ID:xKNGYyco0
凛(受けられるかどうかじゃない)

凛(受けるんだ!)スッ


凛「そいっ!!」バシンッ ポーンッ

海「!?」


海「う、ウチの全力が……!」

梨沙「レシーブされた!」

凛「はは、腕が痛い。容赦ないね」ジンジン

ライラ「リンさん、決めましょう」ポンッ

凛「うん! はぁぁぁっ!」バンッ

梨沙「海ー!」

海(!? しまった、ボーッとして……!)

ピーー

晶葉『梨沙チームのコートにボールが落ちた! 凛チームに1ポイント!』

凛「ふぅ……まだ負けてないよ」フフ

ライラ「ハイタッチですます」スッ

凛「いえーい」パンッ

599: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 20:26:00.75 ID:xKNGYyco0
凛「これで3対2。まだまだこれからだね」

海「不覚をとった……けど、もう隙は見せないよ」

海「はっ!」ポーンッ

凛「よっと」ポンッ

ライラ「一発で決めましょう」ポンッ

凛「よしきた! オーシャンスパイク!」バンッ

海「ほ、掘り返すなっ!!」ポーンッ

梨沙「落ち着いて海!」ポンッ

海「ああ、大丈夫さ。一球入魂!!」バンッ

凛「なんの!」ポーンッ

ライラ「オーシャントス」ポンッ

凛「オーシャンスパイク!!」バンッ

海「まだやるか!?」

晶葉(良い勝負になってきたな)

梨沙「海、今度はアタシに打たせて!」ポーンッ

海「オッケー、しっかり打って」ポンッ

梨沙「絶妙なトスね! はあっ!!」バンッ

600: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 20:41:02.30 ID:xKNGYyco0
凛「!?」

凛(私とライラが届きそうにないポイントに!)スタタタッ

凛「届けぇぇぇ!」ズザザーー

ポーンッ

凛「よし! あとは頼んだよライラ……あっ!」

凛(しまった! そのまま相手のコートに入っちゃった!)

海「ラッキー」ポンッ

梨沙「もう一度行くわよっ」ポンッ

海「助走をつけて、思いっきり叩くぞ!」スタタタッ

海「ありったけだ!!」バシュウッ

シュルルルル

凛(うわっ、強烈だ……!!)

凛(こんなの絶対にレシーブできないよ……!)

ライラ「リンさん」

凛「!」

ライラ「わたくしがリンさんと背中合わせで、衝撃を受け止めます」

ライラ「力を合わせてレシーブしましょう」

凛「ライラ……ありがとう! よし、いくよ!」


↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム


コンマ二桁 数の大きい方が1ポイント

604: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 21:19:09.92 ID:xKNGYyco0

バンッ

凛「ふっ!!」ポーンッ

海「くうっ、またレシーブされたか!」

梨沙「ええ、だけどよく見て!」

凛「うう……」

ライラ「とても強い力でございます」

梨沙「2人は尻餅をついてるわ!」

海「本当だね! ボールは……」

ポフッ

海「砂浜に落ちた!」

梨沙「アタシたちの勝ちね!」

ライラ「4対2でございますね。あとがないですます」

凛「マズい……少しでもサイコロの出目を増やさなきゃいけないのに……」

凛「ここで-2なんかされたら……」

梨沙「さあ凛、サーブ権はそっちよ。さっさとケリをつけましょう」

凛「……」

ライラ「リンさん」

凛「!」

605: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 21:26:35.58 ID:xKNGYyco0
ライラ「ここから追い越しましょう。ライラさんたちならできるですます」

ライラ「ボールに喰らいつくのでございます」

凛「うん……そうだね」ニコッ

凛「気合入れよう! いくよ!」ポーンッ

海「梨沙、またさっきのやろう!」ポンッ

梨沙「必勝法が見つかったわね!」ポンッ

海「助走をつけて……いけっ!!」バシュウッ

シュルルルル

凛「きたよ! レシーブ体勢!」

ライラ「同じ過ちは繰り返さないですます」ササッ

バチィッ

凛「……っ!」ジンジン

海「何だと!?」

梨沙「完璧にレシーブされた!」

606: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 21:32:51.80 ID:xKNGYyco0
凛「ふふっ……海からいいヒントをもらったよ」

海「?」

ライラ「リンさんっ」ポンッ

凛「こっちも助走をつけて……」スタタタッ

凛「くらえ、しぶりんスパイク!!」ドゴォッ

グオオオオオ

海「しぶりんスパイク!? ウチの必殺技を散々イジっておいて!!」

梨沙「す、すごい球威……! どうするの!?」

海「梨沙はウチの背中を押して! 受け止めてみせる!」スッ

バンッ シュルルルル

海「ぐぐぐ……!」

梨沙「お、圧されてる……!」グイグイ

海「負けるか……!」


↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム


コンマ二桁 数の大きい方が1ポイント

610: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 21:50:32.94 ID:xKNGYyco0
凛「いけ! いけー!」

海「ふぎぎぎ……!!」シュルルル

海「ぐわあっ!?」バチィッ

梨沙「海!?」

凛「やった……! やったよライラ!」

ライラ「首の皮一枚繋がりましたねー」ニコッ

ライラ「でも、まだ……」

凛「だね。4対3だから、まだまだ気が抜けない」

凛「……っていうかさ。私の打ったスパイク強力すぎじゃなかった?」

海「それを言うなら、ウチのスパイクも想像以上に強かったぞ」

晶葉『少しだけ設定をいじったんだ!』

梨沙「晶葉……どういうこと?」

晶葉『両チーム熱いバトルを繰り広げていたからな! 梨沙たちも妨害プログラムに逆らって!』

梨沙「あ、ごめんなさい」

晶葉『構わないさ! だから、もっと面白くなると考えて4人の身体能力を上げたんだ!』

晶葉『これでマンガやアニメのようなプレーができるぞ!』

海「なるほど」

凛「面白いかな……まあいいや」

611: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 22:00:31.48 ID:xKNGYyco0
凛「サーブ権、梨沙たちだよ」

梨沙「そうね」

梨沙(マンガやアニメのようなプレーって、本当なの?)

梨沙(ちょっと回転を加えてみよ)ポーンッ

シュルルルルッ

凛・ライラ「!?」

海「な、何だこれっ! ボールがブーメランみたいに大きく曲がって……!」

梨沙「すごい!」キラキラ

凛「ライラ!」

ライラ「はい」ピョーン ポンッ

凛(ありえない横っ飛びでレシーブした!)

凛「身体能力が上がったってこういうことか。ライラ、トス!」ポンッ

ライラ「体が軽いですます」シュバッ

凛(ものすごいジャンプした!)

ライラ「ライラさんアタックっ」バコォンッ

コオオオオオ

海(角度のあるスパイク! 受けられるか!?)スッ

ドシュウッ シュルルルル

海「こ……のぉ……!!」グググ

612: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 22:07:26.81 ID:xKNGYyco0
梨沙「海!」

海「平気だ! トスに備えてくれ!」

海「そらっ!」ポーンッ

凛「受けきった!!」

梨沙「すごいすごい!」ポンッ

海「へえ、結構楽しいな。じゃあもっとエグいスパイクを」

海「お見舞いしてやるっ!!」スタタタッ

ドシュッ

ゴゴゴゴゴ

凛「くっ……!」ササッ

凛「止めてみせるよ!」ドンッ シュルルルル

ライラ「ライラさんもお手伝いでございます」ササッ

凛「ありがとう、そのまま背中を押して!」

凛「うう……! さっきよりも強力……!」グググ

凛「負けて……負けてたまるか……!」グググ


↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム


コンマ二桁 数の大きい方が1ポイント

617: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 22:28:32.11 ID:xKNGYyco0
凛「はああああ……!!」

凛「っりゃあああ!!」ポーンッ

海「なにぃ!? またしても……!」

梨沙「や、やるじゃない!」

凛「腕のHPがヤバいことになってるけどね……」ジンジン

ライラ「リンさん、どうぞ」ポンッ

凛「あのスパイクを、1プレーに2回レシーブはキツい」

凛「だからこれで決める!」シュバッ

梨沙(ものすごく高いジャンプ!)

凛「いっけぇぇぇ!」バァンッ

ブンッ

梨沙・海「!?!?」

海「ボールが増えた!!」

凛「無回転スパイクのブレ球だよ!」

梨沙「どれが本物なの!?」

バフッ

ピーー

晶葉『凛チームに1ポイント! これで4対4だ!』

618: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 22:48:24.31 ID:xKNGYyco0
梨沙「無理よ、あんなのレシーブできるわけないでしょ!」

海「追いつかれたか……」

凛「ハイタッチ」スッ

ライラ「いえーい」パンッ

梨沙「やるわね凛、ライラ」

凛「そっちもね。次で最後だよ、覚悟して」

海「ああ、覚悟して望むよ。そしてウチらが勝つ」

ライラ「ライラさんのサーブでいいですか?」

凛「うん、任せたよ」

ライラ「それでは……」スタタタッ

梨沙・海「!?」

梨沙(まさかジャンプサーブ!?)

ライラ「えいっ」バンッ

シュルルルル

海「厄介なこと考えるね……はっ!」ポーンッ

梨沙「上手いわ海!」ポンッ

海「ふふっ、凛! そろそろ腕で受け止めるの厳しいんじゃないの!?」スタタタッ

海「避けた方が身のためだよっ!」ドシュッ

ゴゴゴゴゴ

619: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 22:55:19.30 ID:xKNGYyco0
凛「まさか! そんなことしたら負けちゃうじゃん!」

凛(とはいえ、腕がヤバいのは確か。どうしよう)

凛(とりあえずあと1回受け止めて……)スッ


ライラ「ライラさんにお任せ」ジャーン

凛「!!」


凛「何してるのライラ! 危ないよ!」

ライラ「安心してください。秘策があるのでございます」

海「無駄だよ! ウチのスパイクはちょっとやそっとの考えじゃ…」

ライラ「それ」ポーンッ

凛・梨沙・海「!?」

梨沙「う、海のスパイクをいとも簡単に……!」

凛「どうやったのライラ!?」

ライラ「腕にボールが触れた瞬間、腰を落としながら腕をこうやって動かして」クネクネ

ライラ「威力を軽減したのですます」

海「ば、バカな……」

凛「よく分かんないけど、それもっと早くやってくれればよかったのに」ポンッ

ライラ「身体能力が上がったからこそ考えついたのでございます」

620: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 23:02:29.24 ID:xKNGYyco0
ライラ「スーパーライラさんアタックっ」バシュッ

ギュルルルル

梨沙「かなりの回転がかかってるわ! 気をつけて!」

海「ああ!」スッ

バシィッ ギュルルル

ポーンッ

海「うわっ! ボールが後ろにすっ飛んだ!?」

梨沙「回転のせいよ! 間に合うのこれ……!?」スタタタッ

梨沙「届けーーーー!!」ピョーン

凛「お願い! そのまま地面に落ちて!」


↓1 梨沙チーム

↓2 凛チーム


コンマ二桁 数の大きい方が勝ち

623: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 23:24:05.03 ID:xKNGYyco0
梨沙「ううーー……!」グイー

バフッ

梨沙「……と……届かなかった……」

ピーー

晶葉『この瞬間、勝者が決まった! 4対5で、逆境を乗り越えた凛チームの勝ちだ!』

凛「か、勝った……」

凛「勝った! 勝ったよライラ!」ギュッ

ライラ「おめでとうございます」

凛「ライラのおかげだよ! 本当にありがとう!」

梨沙「負けたわ……」スタスタ

凛「梨沙!」

海「押し切れると思ったんだけどね。強かったよ、凛チーム」

凛「梨沙チームもね」ヘヘ

晶葉『熱い勝負だったな! 見てるこっちもワクワクしたぞ!』

凛「ねえ、提案なんだけどさ。妨害は無しにして、今みたいなルールの方がいいんじゃない?」

凛「やってて楽しかったし」

ライラ「妨害はよくないのですます」

晶葉『ああ、私も見直そうと思っている!』

晶葉『さて……あとは4人で自由に楽しんでくれ! 海で泳ぐもよし! ビーチバレーを続けるもよしだ!』

624: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 23:32:59.62 ID:xKNGYyco0
海「いいのかい? じゃあサーフィンでもしようかな」

梨沙「アタシもやってみたい!」

ライラ「わたくしもですます」

海「いいよ、おいで。凛はどうする?」

凛「パラソルを差して、その下でのんびりしてるよ」

凛「ちょっとやりたいこともあるし」

海「やりたいこと?」

凛「晶葉、モニター出してくれる? まゆの様子を見たいんだ」

晶葉『分かった!』ブンッ

海(ああ、そっか。まゆはもうゴールの近くまで来てるから)

晶葉(気になってしょうがないんだよな)

凛「……」

――――

まゆ「はぁ……やっと撮影が終わりました」

珠美「可愛かったですよまゆさん!」

まゆ「その写真、どうするんですか?」

珠美「ご安心を! ゲームのメモリーに保存しておきます!」

625: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 23:44:05.04 ID:xKNGYyco0
まゆ「全然安心できないんですけど……消して欲しいなぁ」

珠美「それはできません!」

まゆ「うぅ……」

晶葉『まゆ、振っていいぞ!』

まゆ「あ、凛ちゃんも終わったんですね」

まゆ「気を取り直しましょう。ゴールを目指して」スッ

珠美「あと少しですね」

まゆ「ええ、沖縄までもうちょっと」

まゆ「お願いしますっ!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   山口  徳島  香川  愛媛
凛  ×☆● HHH ○×○ ×○○

   高知  福岡   佐賀  長崎   熊本  大分  宮崎  鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ×☆○ ○○× ●☆○ ○○× ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

626: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 23:45:44.91 ID:xKNGYyco0
ミスしたのでもう一度投下します

627: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/07(土) 23:47:56.16 ID:xKNGYyco0
まゆ「全然安心できないんですけど……消して欲しいなぁ」

珠美「それはできません!」

まゆ「うぅ……」

晶葉『まゆ、振っていいぞ!』

まゆ「あ、凛ちゃんも終わったんですね」

まゆ「気を取り直しましょう。ゴールを目指して」スッ

珠美「あと少しですね」

まゆ「ええ、沖縄までもうちょっと」

まゆ「お願いしますっ!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   山口  徳島  香川  愛媛
凛  ×☆● HHH ○×○ ×○○

   高知  福岡   佐賀  長崎   熊本   大分  宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ×☆○ ○○× ●☆○ ○○× ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

630: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/08(日) 00:02:11.72 ID:2EgAvGvc0

まゆ:7マス進む-2

【進行状況】

   山口  徳島  香川  愛媛
凛  ×☆● HHH ○×○ ×○○

   高知  福岡   佐賀  長崎   熊本   大分  宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ×☆○ ○○× ●☆○ ○○× ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


まゆ「!!」ガーン

珠美「な、なんと……まゆさんは負けてしまったので、マイナス2」

珠美「今出た7の目から2を引くと5……5マス進んだら……」

晶葉『長崎の1回休みに止まるな!』

まゆ「まあ休んでも余裕はありますけどね」

まゆ「ただ、用心するに越したことはありません。ここで特技を使います」

晶葉『ほう! 残り1回の特技をか!』

まゆ「今が使い時と見ました! これで差は縮まりません!」

――――

ズシン!

凛「ぐはあっ! 見えない何かに押さえつけられてる感覚が、また……!」

凛「この演出必要ないんじゃないの!? ねえ晶葉!」

631: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/08(日) 00:06:09.66 ID:2EgAvGvc0
↑まゆのマスが進んでないミスです
もう一度投下します…

632: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/08(日) 00:06:48.43 ID:2EgAvGvc0

まゆ:7マス進む-2

【進行状況】

   山口  徳島  香川  愛媛
凛  ×☆● HHH ○×○ ×○○

   長崎   熊本   大分  宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○● ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


まゆ「!!」ガーン

珠美「な、なんと……まゆさんは負けてしまったので、マイナス2」

珠美「今出た7の目から2を引くと5……5マス進んだら……」

晶葉『長崎の1回休みに止まるな!』

まゆ「まあ休んでも余裕はありますけどね」

まゆ「ただ、用心するに越したことはありません。ここで特技を使います」

晶葉『ほう! 残り1回の特技をか!』

まゆ「今が使い時と見ました! これで差は縮まりません!」

――――

ズシン!

凛「ぐはあっ! 見えない何かに押さえつけられてる感覚が、また……!」

凛「この演出必要ないんじゃないの!? ねえ晶葉!」

633: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/08(日) 00:28:00.73 ID:2EgAvGvc0

晶葉(確かにそうかもしれない。解除しておこう)スッ

まゆ「では行ってきます! 長崎の地へ!」

珠美「お気をつけて!」ヒラヒラ

ビュンッ

――――

ビュンッ


まゆ「1回休みだから、例に漏れず観光やグルメ紹介でしょうか?」

まゆ「誰が案内して……ん?」

~♪ ~♪

まゆ(音楽が聞こえる。向こうから?)スタスタ

~♪ ~♪

???「ひっこぬかーれてー♪ あなただけにー♪ ついてーいくー♪」

???「きょうもーはこぶー♪ たたかう♪ ふえるー♪ そしてーたべーられるー♪」

まゆ「……」

まゆ(ピクミン?)

まゆ(というか、この声は)スタスタ

634: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/08(日) 00:49:29.99 ID:2EgAvGvc0
まゆ「やっぱり! 柑奈さんでしたか」

柑奈「あれ、まゆちゃん? どうしたのこんなところで」

まゆ「どうしたの、じゃないですよぉ。このマスに止まったんです」

柑奈「あっ! しまった、その事すっかり忘れてた!」

まゆ「ギターを弾いてたんですか」

柑奈「ごめんねー! 少しでもラブ&ピースを広めようって思って!」ペコリ

まゆ(ピクミンの歌で広まりますかね。可愛いですけど)

まゆ「えっと、何をするんでしょう」

柑奈「計画はちゃんと考えてるよ。一緒に長崎観光しよう!」

柑奈「まずはハウステンボスだね。知ってる?」

まゆ「もちろんです! 佐世保にあるテーマパークですよね」

柑奈「そうそう♪ オランダの街を再現した、東京ディズニーリゾートの1.5倍の敷地面積があるところなんだ」

柑奈「色んなイベント、アトラクション、グルメがあって、楽しむ要素満載!」

柑奈「入ったら時間を忘れちゃって、気がついたら夜になってるかもね」

まゆ「それは困りますね……他の場所も見たいですし」

柑奈「そんな欲張りなまゆちゃんのために、2日間用意してあるよ」

柑奈「1日目はハウステンボス。2日目は他の観光地に行く予定なの!」

まゆ「欲張りだなんて……。でも、最高ですね!」

柑奈「期待しててね。じゃ、行こっか」

640: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/09(月) 23:18:18.23 ID:mgj2iwJp0

――――

まゆ「ここが……ハウステンボス……」

まゆ「素敵なところ……」キラキラ

柑奈「さっきまゆちゃんが言ったように、オランダの街並みを再現してるんだ!」

柑奈「ドラマ、映画、CMのロケ地にも使われてるの。テーマは、ヨーロッパ全体だよ!」

柑奈「はいこれ」スッ

まゆ「何ですか?」

柑奈「パスポート。これを持っていれば、無料で入れる施設があって……まあ使えば分かるよ」

柑奈「さあ、どこに行きたい? 観るか、遊ぶか、触れるか」

まゆ「どんなものがあるか分からないので……柑奈さんにお任せします」

柑奈「オッケー! なら最初は、お花が見れる場所に行こう!」

柑奈「まゆちゃん、あれを見て」

まゆ「自転車がありますね」

柑奈「ただの自転車じゃないよ、2人乗り用だよ。レンタサイクルフィッツさんから借りたの」

柑奈「目的地までワープするのも手だけど、せっかくだから雰囲気も楽しもう♪」

まゆ「いいですねぇ!」

641: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/09(月) 23:19:27.46 ID:mgj2iwJp0
↑すみません、勘違いしてたので直してまた再アップします

642: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/09(月) 23:20:10.04 ID:mgj2iwJp0

――――

まゆ「ここが……ハウステンボス……」

まゆ「素敵なところ……」キラキラ

柑奈「さっき言ったように、オランダの街並みを再現してるんだ!」

柑奈「ドラマ、映画、CMのロケ地にも使われてるの。テーマは、ヨーロッパ全体だよ!」

柑奈「はいこれ」スッ

まゆ「何ですか?」

柑奈「パスポート。これを持っていれば、無料で入れる施設があって……まあ使えば分かるよ」

柑奈「さあ、どこに行きたい? 観るか、遊ぶか、触れるか」

まゆ「どんなものがあるか分からないので……柑奈さんにお任せします」

柑奈「オッケー! なら最初は、お花が見れる場所に行こう!」

柑奈「まゆちゃん、あれを見て」

まゆ「自転車がありますね」

柑奈「ただの自転車じゃないよ、2人乗り用だよ。レンタサイクルフィッツさんから借りたの」

柑奈「目的地までワープするのも手だけど、せっかくだから雰囲気も楽しもう♪」

まゆ「いいですねぇ!」

643: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/09(月) 23:44:36.20 ID:mgj2iwJp0

――――

コギコギ

まゆ「まるで本当にヨーロッパに来たみたい!」キラキラ

柑奈「日本とは思えないよね! 色んなとこに行くから、楽しみにしてて」

柑奈「あ、着いたよ! フラワーロード!」

まゆ「?」

まゆ「……わあー……!」キラキラ

柑奈「季節ごとに植えてるお花が違うんだ。5月から6月頃になると紫陽花」

柑奈「それから夏にかけて、バラやヒマワリ。春に設定してある今は、チューリップだね」

まゆ「可愛い……綺麗……」

柑奈「ふふっ、さっきから目がキラキラしっぱなしだね」クスクス

まゆ「飛び込んでくるもの全てが新鮮で、美しいので……」

柑奈「自転車から降りてお散歩しよっか」

まゆ「はい!」

――――

まゆ「♪」

柑奈「ご機嫌だね」

まゆ「花に囲まれて、元気にならないわけないですよぉ」ニコニコ

まゆ「このチューリップって、種類はどれだけあるんですか?」

644: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 00:03:34.29 ID:NvBP5iTP0
柑奈「ここに植えてあるのは700品種だね。数は100万本だよ」

まゆ「100万!? すごい……」

柑奈「日が落ちたらライトの光に照らされて、また綺麗なんだ」

柑奈「夜になったら見に来よっか」

まゆ「はい、ぜひ!」

――――

まゆ「次はどこへ?」コギコギ

柑奈「そうだねー。はしゃげるアトラクションに行こっか」コギコギ

まゆ「どんなアトラクションですか?」

柑奈「見ればすぐに分かるよ」フフ

――――

柑奈「到着! その名も、天空レールコースター~疾風~だよ」

柑奈「高さ11メートルのスタート地点から、コースターで一気に滑走するの」

柑奈「上下左右に体がぐわんぐわん揺れて、面白いよ!」

まゆ「絶叫系ですか……」

柑奈「絶叫するほどじゃないよー。乗ってみれば楽しいって!」

柑奈「ちなみにここはパスポートが使えるから、1回目は無料だよ」

645: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 00:14:28.54 ID:NvBP5iTP0
まゆ「そうなんですね。では…」

柑奈「ちょっと待って。これに乗るには、動きやすい服装じゃないとダメなの」

柑奈「サンダルやミュール、そして私たちみたいなスカートの人は、利用できないんだ」

まゆ「え? じゃあどうすれば」

柑奈「シューズとズボンをレンタルしよう。こっちに来て」スタスタ

――――

シャアアアアア

柑奈「やっほーー!」

まゆ「……」

まゆ(柑奈さん、行っちゃった。次はいよいよ私の番)

まゆ(ちょっぴり怖いけど、せっかくだし……)

まゆ(まゆ、行きます!)バッ

シャアアアアア

まゆ「ひっ」

まゆ(こ、怖いじゃないですかぁ! 結構スピードが出て……!)

シャアアアアア

まゆ(……あれ? 結構楽しいかも)

まゆ(というか、楽しいかも!)

まゆ「きゃーー!」

646: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 00:45:43.37 ID:NvBP5iTP0
まゆ(風を感じられて気持ちいい!)

グワングワン

まゆ「きゃっ!? あははっ」

まゆ(コースが上下左右に、グネグネ曲がってる。体が揺れるってこういうことだったんだ)

まゆ「やっほーー!」キャッキャッ

――――

柑奈「どうだった?」コギコギ

まゆ「気分爽快でした! 楽しかったです」コギコギ

柑奈「でしょ! この他にもシューティングスターっていうコースターがあるから」

柑奈「時間があったら乗ってみようね!」

――――

柑奈「少し早いけどお昼にしよう。何が食べたい?」

まゆ「どういうお店があるんですか?」

柑奈「多種多様だよ。和食はもちろん、韓国料理、フレンチ、イタリアン」

柑奈「お寿司、ステーキ。長崎名物のちゃんぽんと、佐世保バーガーでしょ」

柑奈「チーズ料理、ソーセージ専門店、あとはデザートのお店」

柑奈「忘れちゃいけないのが、ロボットが料理を作ってるっていうお店と、マイナス10℃のカフェだね」

まゆ「最後の2つインパクトありますね」

まゆ「どうしよう……そんなにあったら迷っちゃいます」

649: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 01:39:53.78 ID:NvBP5iTP0
まゆ「柑奈さん、オススメありますか?」

柑奈「どれも美味しいけど、ここは長崎だから、やっぱり名物を食べて欲しいな」

まゆ「賛成です! ということは、ちゃんぽんか佐世保バーガーか」

まゆ「究極の二択です……」ムムム

柑奈「夕食もここで食べるから、もしよければ2つとも食べられるよ」

まゆ「!!」

まゆ「す、素晴らしいアイデアですね……! お昼は佐世保バーガーで、夜は長崎ちゃんぽんにします!」

柑奈「了解♪ 佐世保バーガーか。お店4つあるんだよね」

まゆ「4つも!? またまゆに過酷な選択を強いるんですか……!」

柑奈「落ち着いてまゆちゃん、私が決めてあげるから」アハハ…

――――

コギコギ

柑奈「着いたね! 佐世保バーガー認定店の一つ、ビッケンビッケンさんだよ」

まゆ「そういえば気になってたんですけど、佐世保バーガーってどんなバーガーなんですか?」

柑奈「いい質問だねまゆちゃん。続きは注文してからにしよう」

――――

柑奈「ビッケンスペシャルチーズバーガーと、長崎角煮バーガーを一つお願いします」

店員「かしこまりました」

まゆ「それで、さっきの続きは?」

650: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 01:49:55.85 ID:NvBP5iTP0
柑奈「まあまあ急かさないで。佐世保バーガーはね。地元産のこの具材を使ってるから、とか」

柑奈「そういう決まったスタイルのバーガーじゃないんだ」

柑奈「佐世保市内のお店で提供される、『手作り』で、『注文されたら作り始める』バーガーの総称なんだよ」

まゆ「へぇー! 作り置きとかしないんですか?」

柑奈「そうなの。ちなみに、さっき佐世保バーガー認定店って言ったの覚えてる?」

まゆ「ええ、引っかかってました。認定されるものなんですね」

柑奈「うん、2007年に創設されたんだよ。佐世保バーガー認定制度って制度が」

柑奈「独自性、主体性、信憑性、手作り、などなど。色んな項目を基準に審査して、合格したお店が認定されるの」

柑奈「ただし佐世保市内に限るんだけど」

まゆ「佐世保以外ではお店を出しちゃいけないんですか?」

柑奈「そんなことはないよ! 現に佐世保以外で出してるお店もあるしね」

――――

柑奈「このオープンテラスで食べよう。座って!」

まゆ「いよいよ食べる時が来ましたね。佐世保バーガーを」ゴクリ

柑奈「まゆちゃんのビッケンスペシャルチーズバーガーは、1番人気のメニューなんだ」

柑奈「肉厚お肉にスライスチーズ、シャキシャキレタスとオニオン、ジューシーなトマト」

柑奈「パンも柔らかくて食べやすいし、評判なんだ」

まゆ「も、もう我慢できません! いただきます!」

まゆ「あぐ、食べづらい……顎が外れそう……」

651: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 02:02:52.54 ID:NvBP5iTP0
柑奈「あ、ごめんね。食べ方があるんだよ」

まゆ「先に言ってくださいよぉ」

柑奈「ごめんごめん。まあそのまま食べても美味しいんだけど」

柑奈「こうやって、包み紙の上からバーガーを押して」ギュッ

柑奈「程よく潰れたら、さあ召し上がれ」

まゆ「なるほど。その方が食べやすそうではありますけど」ギュッ

まゆ「せっかくの形を、いいんでしょうか」

柑奈「ハンバーガーってそういうものらしいし、まとまった具材を別々に食べるなんてもったいないでしょ?」

まゆ「確かに……では、改めていただきます。はむっ」

まゆ「っ……!!」モグモグ

柑奈「おめめがキラキラ。美味しい?」フフ

まゆ「!」コクコク

まゆ「――ゴクン……ふぅ」

まゆ「本当、柔らかいですね! 食べやすいです」

まゆ「トマトやレタスもフレッシュで、お肉とチーズの味と抜群に合います!」

まゆ「あむっ……モグモグ」

柑奈「私も食べよう」パクッ

柑奈「ん~……肉厚でとろとろの角煮が、他の具材とぴったり合う」

柑奈「言うなれば角煮がラブで、トマトやレタスがピースだね。最高だよ♪」

655: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 23:01:37.19 ID:NvBP5iTP0
まゆ「ラブ&ピースですか。こういう美味しいものをみんなで食べたら、争いなんて無くなっちゃいそうですよね」

まゆ「笑顔も絶えない世界になりそう」

柑奈「ねー♪ はむはむ」

まゆ「……」ジー

柑奈「もぐもぐ……ん?」

まゆ「……」ジー

柑奈「角煮バーガー食べたい?」

まゆ「い、いえ……見つめてすみません」ササッ

柑奈「遠慮しなくていいよ。譲り合いは大切だから」

まゆ「じゃあ一口交換しましょう。スペシャルチーズどうぞ」スッ

柑奈「ありがとう。角煮どうぞっ」スッ

まゆ・柑奈「いただきます!」パクッ

モグモグ

まゆ・柑奈「……♪」ニコニコ

――――

まゆ「ふー、満たされました。角煮バーガーも柔らかくて美味しかったです」

柑奈「幸せな気持ちになれたね。食休みでちょっと休憩するとして」

柑奈「次はあそこに行こうかな」

まゆ「あそこ?」

656: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 23:19:41.09 ID:NvBP5iTP0
柑奈「うん、たくさん遊べるところだよ」

柑奈「人気スポットだから、本来は並ばなきゃいけないんだけど……」

――――

柑奈「よかった。運良くすんなり入れるね!」

まゆ「いつもだと、どのくらい列ができるんでしょうか」

柑奈「平日は並ばなくても済むことが多いんだけど」

柑奈「土日祝日、それにまとまった休みだと結構混雑するね」

柑奈「並ばずに入れるのがハウステンボス、なんて言われてたんだけどね」

まゆ「そうなんだ……」

柑奈「まあ行列の話はこのくらいにして、この施設の説明をしようかな」

柑奈「ここは『VRの舘』っていって、色んなVRゲームがプレイできる場所なんだ」

柑奈「ところでVRって分かるよね?」

まゆ「確か、バーチャルリアリティですよね。現実ではないけど、まるでそこにあるかのように見せる技術のことです」

柑奈「そうだね。仮想現実とも言われてるよ」

柑奈「まゆちゃんと凛ちゃんがやってるこのゲームもVRだね」

まゆ「あ、言われて気づきました。だってこの空間、現実そのものですから」

柑奈「VRの行き着くところかもしれないね」ハハ…

柑奈「えっと、まず始めにこのチケットを買おうか」

まゆ「何のチケットですか」

657: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 23:34:34.93 ID:NvBP5iTP0
柑奈「VRチケットだよ。入場はパスポートで大丈夫なんだけど」

柑奈「VRで遊ぶには、このチケットを買うの。もちろん無料で遊べるゲームもあるよ」

まゆ「なるほど……でもお金が……」

柑奈「ふふ、分かってるよ。はいこれ」スッ

まゆ「チケット!」

柑奈「4枚渡すから、自分で選んで遊んでね」

まゆ「ありがとうございます!」

まゆ「どれにしようかなぁ。2枚使うのもありますし」

まゆ「数に限りがあると悩みますねぇ。そういうのも楽しいんですけど♪」

――――

まゆ「これにします! Airtone(エアトーン)!」

柑奈「リズムゲームだね。両手でコントローラーを持って、体を動かしながら遊べるゲーム」

まゆ「なんたってアイドルですからねぇ。リズム感はありますよぉ」

まゆ「始まりました! はっ、ほっ、えいっ」

(数分後)

まゆ「うぐ、フルコンボを逃しました……」

柑奈「あとちょっとだったね」

まゆ「悔しい……けど、楽しかったです!」

658: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/10(火) 23:58:53.31 ID:NvBP5iTP0
まゆ「キャラクターの女の子も可愛くて♪」

まゆ「もう1回やろうかな……いえ、ここは我慢しましょう」

まゆ「どんなゲームがあるか分かりませんし」

――――

まゆ「あ、面白そうなのがありました」

柑奈「ウルトラ逆バンジー。名前の通りのゲームだね」

まゆ「逆ってことは、下から上に飛ぶんでしょうか」

柑奈「やってみようよ。私も一緒に体験するから」

まゆ「ですね!」

(数分後)

まゆ(椅子に座って、VR機を装着)スッ

まゆ(あとは待っていればいいんでしょうか?)

柑奈「わっ、すごいね」

まゆ「本当ですね! ここからどうやって逆バンジーを……きゃっ!」

柑奈「動いたよ!」

まゆ「は、始まったみたいですね。あうっ」ガクンッ

柑奈「椅子も揺れて……上下に動き出したよ!」

柑奈「わっ、わっ……きゃあぁぁぁっ!」

まゆ「す、すご……! どんどん上に昇っていきます……!」

659: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 00:31:55.75 ID:5PBL4gqv0
柑奈「ひゃー……!」

まゆ「わわっ! きゃあっ!」

(数分後)

まゆ「はー……」

柑奈「迫力あったね……」

まゆ「はい……臨場感がありました……」

まゆ「チケット無くなりましたし、無料のゲームをやってみましょう」

まゆ「お金があれば、もう4枚くらい買ってそうですけど」

柑奈「ハマったみたいだね」フフ

まゆ「ええ、どっぷりと……ん? あれは何ですか?」

柑奈「BotsNew OF THE DEAD。VRホラーだね」

まゆ「柑奈さん、あっちに面白そうなものがありますよ! 行ってみましょう!」スタタタッ

柑奈(逃げるように去っていったね)アハハ…

――――

まゆ「楽しかったぁ。また来たいです」

柑奈「ぜひ来て! 今以上にハッピーな時間を過ごせるよ」

柑奈「んーと、次はどこに行こうかな……」

まゆ「どんなアトラクションでもいいですよ!」ワクワク

660: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 00:44:16.70 ID:5PBL4gqv0
柑奈「そう? ならまたVRが体験できるところ行く?」

柑奈「VR心霊百物語とか、ホラー系のゲームが楽しめるんだけど」

まゆ「……」プクー

柑奈「嘘だって! ごめんね? そんなに怒らなくても」

まゆ「知ってて言ってますよねっ」プイッ

柑奈「ごめんなさい。お詫びに、っていうか、そもそも行こうとしてた施設なんだけど」

柑奈「VRの舘と同じ、人気があるとこへ連れて行くから」

まゆ「……」

柑奈「ほら、自転車に乗って? 行こう♪」

まゆ「怖いところじゃないですよね」

柑奈「騙したりしないってば」

まゆ「……」スッ

柑奈(機嫌悪くしちゃったなぁ。反省)

柑奈(次の場所で喜んでくれるといいんだけど)

――――

柑奈「着いたよ」

まゆ「……ここって……」

柑奈「ショコラ伯爵の舘っていうの。チョコレートがテーマなんだ」

661: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 01:01:58.75 ID:5PBL4gqv0
まゆ「チョコレート……」

柑奈「そう。かな子ちゃんとか大喜びしそうだね」

柑奈「さ、入ろう? パスポートで入館できるから」

――――

まゆ「わあ、甘い匂いがします」

柑奈「館内はチョコレートの香りが漂ってるの。はい、どうぞ」スッ

まゆ「何です?」

柑奈「さっきのVRの舘みたいに、チケットで色々体験できるんだ」

柑奈「カカオチケットっていうの。そこの機械で購入しなきゃいけないんだけど」

柑奈「特別にね♪」

まゆ「ありがとうございます!」

まゆ「11枚……多いですね」

柑奈「その代わり、1回で使用する数もちょっと多いんだ」

柑奈「使う時になったら言うから、まずは展示物を見て回ろう」

――――

柑奈「チョコの歴史を知れたり、チョコでできたミニチュアが飾ってあるの」

まゆ「可愛いですねぇ♪」

柑奈(機嫌、直してくれたみたい。よかった)

662: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 01:11:40.42 ID:5PBL4gqv0
まゆ「すごいなぁ……。あっ! これ、もしかしてドレス?」

柑奈「綺麗でしょ。チケットを使えば試着できるし、撮影もオッケーなんだ」

柑奈「どうする?」

まゆ「んー……我慢します。写真で撮っても、現像はできないですし」

まゆ「現実でプロデューサーさんと行って、直接見せてあげたいなって♪」

柑奈「まゆちゃんらしいね」フフ

――――

柑奈「じゃんっ、これは魔法の蛇口です」

まゆ「魔法、ですか?」

柑奈「カカオチケットを3枚使えば使えるんだ」

柑奈「捻ればなんと、チョコドリンクが出てくるんだよ!」

まゆ「チョコドリンク! 飲んでみたい!」

柑奈「じゃ、2人分ね。コップを用意して……お先にどうぞ!」

まゆ「……」ドキドキ

キュッキュッ コポポ…

まゆ「本当ですね! チョコレートが出てきました!」キラキラ

柑奈「子供の時、家の蛇口からジュースが出てきたらなーとか思ったよね」

柑奈「その妄想を叶えてしまったんだよ!」

まゆ「素敵ですねぇ、夢があって。柑奈さん、どうぞ!」キュッキュッ

柑奈「ありがとう♪」キュッキュッ コポポ…

663: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 01:39:36.62 ID:5PBL4gqv0
柑奈「よし、と。乾杯しよっか」キュッキュッ

まゆ「はい。乾杯ですっ」

柑奈「乾杯♪」

コクコク

まゆ「ふぅ……甘くて美味しい」ニコニコ

まゆ「思ったよりも飲みやすいですね。くどくないです」

柑奈「チョコのドリンクって聞いたら、それがちょっと心配なんだけどね」

柑奈「温かいのと冷たいのがあるから季節関係なく楽しめちゃうし」

――――

まゆ「ここは何でしょう?」

柑奈「チョコのテイスティングができるんだ」

柑奈「60種類のチョコがあって、その中から毎月、テイスティングできるチョコが選ばれるの」

まゆ「月ごとに違うんですか?」

柑奈「そうそう。日本国内のチョコはもちろん、海外のチョコなんかもあるんだよ」

まゆ「……」ゴクリ

柑奈「食べてみる? チケット3枚使うけど」

まゆ「いただきたいです。どんな味なのか」

――――

まゆ「んふ♡」モグモグ

柑奈「舌触りがいいね……このチョコ好きかも」モグモグ

まゆ「どのチョコですか?」

664: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 01:50:57.21 ID:5PBL4gqv0
柑奈「これだよ」

まゆ「じゃあ次はそれを食べよっと。柑奈さん、これも美味しいですよ」

柑奈「どれどれ」パクッ

柑奈「うん、美味しい! 甘さ控えめでいいかも」

まゆ「ビターがお好みですか?」

柑奈「そういうわけじゃないけど、たまには食べたくならない?」

まゆ「分かる気がします。カカオ99%のチョコとか」

柑奈「あれって甘さ控えめとは違うよね……」

まゆ「ダイエットしてる時とかいいですよ」

――――

柑奈「さて、次はこのチケットを使用します」スッ

まゆ「入場の時に買った板チョコですね! どうするんですか?」

柑奈「ショコラ伯爵の研究室。ここでは、この板チョコをデコレーションすることができるんだ!」

柑奈「カカオチケットを3枚使って、可愛く飾り付けしよう?」

まゆ「いいですねぇ!」

――――

柑奈「クッキー、アポロなどなど、色んな飾り付けの中から5種類選んで」

柑奈「このチョコペンで接着していくんだ」

まゆ「アポロは重要なキーアイテムになる気がします……」

670: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 22:44:36.53 ID:5PBL4gqv0
まゆ「どんな風にデコレーションしようかなぁ。まずは並べてみよう」スッ

柑奈「私はクッキー主体でいこっと♪」

(数分後)

まゆ「んー、こんな感じですかねぇ」

柑奈「♪」

まゆ(柑奈さんのデコレーションは……)チラッ

まゆ(やっぱり、ラブ&ピースの文字は入ってるんですね)

(さらに数分後)

柑奈「できた! ラブ&ピースチョコ!」

柑奈「デコレーションでラブとピースが表現できてる。我ながら上手くできたな♪」

まゆ「私もできました」

柑奈「わー、可愛い! さすがまゆちゃんだね」

まゆ「ポイントはやはりアポロですね。上手に収まりました」ニコニコ

――――

まゆ「ショコラ伯爵の舘、良かったぁ♪」

柑奈「スイーツ好きな女の子はぜひ行きたいよね!」

柑奈「ダイエットしてる女の子には危険な施設だけど」フフ

まゆ「歯止めが効かなくなっちゃいますからね」

まゆ「というか、もう夕方ですか……早いですねぇ」

まゆ「もっと色々回りたいのに……」

柑奈「しょうがないよ。それだけアトラクションも多いし」

671: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 23:18:02.17 ID:5PBL4gqv0
柑奈「あと1つ施設に行ったら、ちゃんぽん食べよっか」

まゆ「はい。次はどんなところですか?」

柑奈「可愛いで満たされるし、癒されること間違いなしだよ」

まゆ「癒される……?」

――――

柑奈「到着! テディベアキングダム!」

まゆ「テディベア!」

柑奈「そう。ここは700ものテディベアが収容、展示されてるところなんだ」

柑奈「名前の由来や、世界に広まった理由を知ることもできるし、何より展示されてるテディベアたちが可愛いの♪」

柑奈「貴重なのから、すっごく大きいの。色んな種類のテディベアを見てみよう!」

――――

まゆ「早速大きいのがありましたよ!」

柑奈「ジャイアントベアだね。座高3.6m、重量500kgのテディベアだよ」

柑奈「抱きついてみたいね。ふかふかしてそう」

まゆ「そのまま眠りたいですね。良い夢が見られると思います」

672: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/11(水) 23:57:28.39 ID:5PBL4gqv0

――――

まゆ「本当に、色んなテディベアがありますねぇ」

柑奈「お気に入りは見つかった?」

まゆ「みんな可愛くて決められませんね」

まゆ「でも、テディベア……小さい頃におままごとでよく遊びましたよ」

柑奈「今は遊んでないの?」

まゆ「部屋に飾ってはいますけど、遊んだりはしないですね」

柑奈「本当かなー?」

まゆ「なんで疑うんですか……まあ、たまに一緒に寝たりしますけど……」モジモジ

柑奈「ふふ、可愛いね」ニコニコ

まゆ「い、言わせないでくださいよ! 柑奈さんこそどうなんですか?」

柑奈「秘密♪」

まゆ「ズルい!」

――――

柑奈「可愛いテディベアを堪能して満足したところで、お腹も満たそうか」

まゆ「ちゃんぽんって、ラーメンとどう違うんですか?」

柑奈「完成形は似てるけど、作り方とかは全然違うんだよ」

柑奈「ラーメンは、スープに茹でた麺を入れて」

柑奈「その上にチャーシューやメンマの具をトッピングする、合わせ盛り料理」

柑奈「対してちゃんぽんは、まず具を炒めて、炒めた具と茹でた麺をスープと一緒に煮込む、煮込み料理なの」

673: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/12(木) 00:43:49.37 ID:CQXjdhaG0
まゆ「煮込むんですか? そんなことしたら、麺がふにゃふにゃになっちゃうんじゃ……」

柑奈「ううん。使う水も麺も、ラーメンとは違う特殊なものなんだ」

柑奈「だからふにゃふにゃにはならず、もちもちした食感になるんだよ」

まゆ「へぇー! そうなんですか」

柑奈「説明はこんなところにして、このお店に入ろう!」

まゆ「悟空」

柑奈「うん、悟空さんだよ。長崎名物、ちゃんぽんと皿うどんの専門店なんだ」

柑奈「ただのちゃんぽんじゃないの。うちわエビやっていうエビや、国産牛ローストビーフなんかもトッピングしてて…」

まゆ「百聞は一見にしかずですよ! 早く入店しないと席が無くなっちゃいます!」ソワソワ

柑奈「分かったから急かさないで。無くならないから大丈夫」フフ

――――

まゆ「どれも美味しそうですねぇ……」

柑奈「迷っちゃうよね」

まゆ「うー、ここは定番の長崎ちゃんぽんを。でも他のもいいなぁ……」

まゆ「自家製ローストビーフちゃんぽんとか、うちわ海老ちゃんぽんとか」

柑奈「この赤辛ちゃんぽんは、ピリ辛が好きな人にオススメだね」

柑奈「黒ごまちゃんぽんも美味しいよ。焦がしにんにくの香りがする黒ごまをトッピングしてあるの」

まゆ「ま、マズいです。迷いすぎて、このままだと迷宮入りしちゃいます」

674: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/12(木) 00:56:50.66 ID:CQXjdhaG0
まゆ「柑奈さん、どうか私に助言を!」

柑奈「うーん。私なら、まずは定番を頼むかな。他のメニューはまた今度来た時にして」

まゆ「定番を……ですよね。ありがとうございます」

まゆ「決めました。何だかんだ、定番を捨てることはできないので」

まゆ「長崎ちゃんぽんにします!」

柑奈「じゃあ私は細麺皿うどんで。また交換しよう♪」

柑奈「あと小龍包も1つ頼もうか。4個だから、2個ずつ食べれるよ」

まゆ「お願いします!」

――――

まゆ「……」モグモグ

柑奈「いい匂い! 空腹に染みるねー」

柑奈「……?」

まゆ「……」モグモグ

柑奈「まゆちゃん、どうしたの。ずっと無言だけど」

まゆ「ゴクン……ごめんなさい。味わってたんです」

まゆ「本当、もちもちの麺ですね! スープは鷄ですか?」

柑奈「そうだね。長崎ちゃんぽんは鶏がらスープがベースなんだ」

柑奈「鶏がらのみか、鶏がらベースに豚骨をブレンドか。どっちかしかないんだよ」

675: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/12(木) 01:38:11.66 ID:CQXjdhaG0
まゆ「あっさり、しつこくなくて美味しいです。野菜と、海老などの海鮮も具沢山」

まゆ「栄養満点ですねぇ♪」

柑奈「皿うどんも美味しいよ! 一口どうぞ」スッ

まゆ「ありがとうございます! 熱々のあんかけと、野菜もちょこっと乗せて」パクッ モグモグ

まゆ「うふふ♪ 美味しいです! 麺のパリパリの食感も楽しめますし」

柑奈「皿うどんは食感もいいよね。食べ進めていくと、またしっとりとした食感に変わっていくのが」

柑奈「小龍包も食べよう」パクッ

柑奈「んー♪ 見てまゆちゃん、肉汁がこんなに」

まゆ「ごくり……私もいただきます」スッ パクッ

まゆ「ふわぁ……旨味が口の中で……」

柑奈「溢れ出すよね! 噛めば噛むほど、じゅわっと」

まゆ「至福の一時ですよぉ。あ、柑奈さん、ちゃんぽんどうぞ」スッ

柑奈「ありがとう! いただきまーす♪」チュルルッ

柑奈「あー、顔が綻んじゃう」ニコニコ

まゆ「美味しい料理は、人を幸せにしますね」

柑奈「……こんなに美味しいものが、世界中の人たちに行き渡ればいいのにな」

まゆ「そうですね。みんなで食卓を囲んで、幸せな時間を過ごしたいですね」

柑奈「それができれば、世界平和も間近になるよ」

柑奈「なんか歌いたくなってきた。一曲いいかな?」スッ

まゆ「どこからギターを!?」

679: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/14(土) 10:43:03.97 ID:KYE7yhMG0
まゆ「歌はあとにしませんか? 食事中ですし」

柑奈「おっとそうだった! まずは食事だね」

まゆ「あはは……」

――――

柑奈「ドムトールン。ハウステンボスのシンボルタワー」

柑奈「105メートルもあって、場内のどこからでも確認できるんだよ!」

柑奈「そしてここ、5階展望室からは、ハウステンボスの全景が見られるの」

まゆ「街が光輝いてますね……!」

柑奈「綺麗でしょ♪ 夜になるとライトアップされるんだ」

柑奈「ハウステンボスで、遊びに遊んだ後の締めとして最高だよね」

まゆ「はい……」ウットリ

柑奈「実はここの他に、白い観覧車とかカヌーとか、景色を観賞できるアトラクションがあるんだけど」

柑奈「迷いに迷ってここにしたんだ」

まゆ「……2箇所とも行くというのは可能ですか?」

柑奈「欲張りまゆちゃんが出たね」クスクス

まゆ「う……」カァァ

柑奈「できなくはないけど、行けるとしたらあと1箇所かな」

柑奈「ホテルも紹介したいし」

680: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/14(土) 11:17:59.04 ID:KYE7yhMG0
まゆ「そうなんですか……じゃあ観覧車にします」

柑奈「カヌーじゃなくていいの? 貴重な体験だよ?」

まゆ「迷いに迷った結果ですよ。貴重だからこそ、リアルで体験してみたいので」

柑奈「了解♪ じゃ、もうちょっと眺めたら向おうか」ニコッ

――――

ザザ…

梨沙「うわ、バランスとるの難しい……!」

海「最初はそんなもんさ」

ライラ「楽しいですます」スイー

梨沙「!?」

海「ライラは早くもコツを掴んだみたいだな」ハハハ


晶葉(向こうの3人は海で楽しく遊んでるな)

晶葉(だが凛は……)

凛「……」サッサッ

晶葉(砂浜に相合傘を描きながら、モニターの先にいるまゆをずっと見つめている)

晶葉『凛』

凛「分かってる。まゆも1回休みだから観ててもしょうがないって言いたいんでしょ」

凛「だけど、観てないと落ち着かないんだよ。他のことに手つかずなんだ」

681: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/14(土) 11:44:46.94 ID:KYE7yhMG0
晶葉『気持ちは分かるが……いや! お前がそう言うなら、これ以上口出しはしないさ!』

凛「ありがとう」

晶葉『差し入れのアイスだ!』

凛「嬉しいよ」スッ ペロ

凛「そういえば私、このマスの勝負に勝ってからまゆの特技で1回休みにされたけど」

凛「この場合、+2はどうなるの?」

晶葉『無効化はされないぞ! つまり、次のサイコロの目は+2される!』

凛「よかった、安心したよ」

――――

チュンチュン

まゆ「……んぅ……」モゾモゾ

まゆ「ふあぁ……あれ? ここって……」

まゆ「そっか。ホテルに着いて、お風呂に入ったらすぐ寝ちゃったんだっけ」

柑奈「あ、起きた?」

まゆ「柑奈さん……おはようございます」

柑奈「おはよう♪ よかった、そろそろ起こそうと思ってたから」

柑奈「あまりに気持ちよさそうな寝顔だったから、悪い気がして」エヘヘ

まゆ「もうチェックアウトですか?」

柑奈「ううん、朝食の時間だよ。そろそろ運ばれてくるからね」

683: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/14(土) 12:16:27.08 ID:KYE7yhMG0
まゆ「そんなサービスが……」

柑奈「ルームサービスだよ。ここはテラス付きのお部屋だから、テラスに出て食べよう」

まゆ「テラスがあるんですか!?」

柑奈「何言ってるの、昨日目をキラキラさせながらはしゃいでたじゃない」フフ

まゆ「え? そういえば、そんな記憶が……」

柑奈「よっぽど疲れてたんだね。自転車とはいえ、結構な距離進んだからね」

柑奈「さあ、着替えて寝癖も整えて。準備しよう」

まゆ「わっ、こんなに髪が跳ねてるなんて!」

――――

まゆ「モグモグ」

まゆ「ゴクン……朝日を浴びながら、内海を眺めて優雅な朝食」

まゆ「解放的です♪ 良いところですねぇ。ホテルヨーロッパ、でしたっけ」

柑奈「うん。名前の通り、ヨーロッパの雰囲気を感じられるホテルだよ」

柑奈「お部屋は数種類、可愛いのからエレガントなものまであって」

柑奈「お食事もフレンチだけじゃなく、日本料理、鉄板焼き。そしてホテルのイベントとして、コンサートや舞踏会が開かれるんだ」

まゆ「舞踏会?」

柑奈「仮面舞踏会だよ。無料で渡される仮面をつけて、ドレスを借りて踊るの」

まゆ「へー、楽しそうですね♪」

柑奈「参加するもよし。観賞してるだけでもオッケー」

柑奈「まあ、この朝食を食べ終えたら他の観光地に行くから、観ることもできないんだけど……」

686: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/14(土) 12:51:29.94 ID:KYE7yhMG0
まゆ「残念ですね……。でも、まだまだ機会はありますし」

柑奈「そうだね。ハウステンボスに来て、実際に体験してみて!」

――――

まゆ「もう出発ですか。名残惜しいですね」

まゆ「こんなに素敵なテーマパークだったんですねぇ……」

柑奈「楽しんでもらえてよかったよ!」

柑奈「けどね、実はこのハウステンボス。赤字続きで経営が危うかった過去があるんだ」

まゆ「そうなんですか!? あ、でも聞いたことあるような」

柑奈「ディズニーリゾートより広いけど、人口が首都圏よりも圧倒的に少ないし」

柑奈「アクセスも良いとは言えないしね。それに加えて、長崎は雨が多いんだよ。佐世保市は特に」

まゆ「なるほど。お客さんに来たいと思わせるには、色んな障害があったんですね」

柑奈「それらを乗り越えて今のハウステンボスがあるんだけど……詳しくは調べてみて」

まゆ「ええ、そこまで言ったなら最後まで……」

柑奈「もうワープしなきゃいけないんだ、ごめんね?」

まゆ「分かりました……それで、次はどこに?」

柑奈「飛んでから説明するよ!」

694: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:18:09.67 ID:Co+IdI3s0

――――

柑奈「着いたよ! あそこに見えるのが長崎ペンギン水族館!」

まゆ「ペンギンがメインの水族館なんですか?」

柑奈「名前で分かるよね。元々は長崎水族館だったんだけど」

柑奈「1998年に一旦閉館して、2001年に長崎ペンギン水族館として開館したんだ」

柑奈「世界で18種類いるペンギンの内、9種類がここで飼育されてるんだよ!」

まゆ「多いですね!」

柑奈「もちろんペンギンだけじゃなくて、魚類、甲殻類の生き物も飼育されてるよ」

――――

柑奈「最初は、駐車場から水族館までの道のりにある、ビオトープっていうゾーンを観賞しよう」

まゆ「豊かな自然ですねー」

柑奈「長崎の里山を再現してるんだって。草花、樹木、メダカやカダヤシが生息してるんだ」

柑奈「水族館に着くまでも楽しめるなんて、ナイスアイディアだよね!」

まゆ「本当、面白いですねぇ。ところでカダヤシって?」

柑奈「北アメリカ原産の魚だよ。日本でも外来種として分布を広げてるの」

――――

柑奈「中に入ったら順路をゆっくり歩いて、ペンギンとお魚たちを見よう♪」

柑奈「まずはこの群れだね!」

まゆ「カタクチイワシ、ですか」

まゆ「すごい……この群れ一つが、まるで意思を持っているかのようです」

柑奈「釘づけになっちゃうよね。キラキラ輝いてるウロコも綺麗で」

695: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:39:53.49 ID:Co+IdI3s0
まゆ「あっ。あれってペンギンですよね! 水の中を泳いでる」

柑奈「これは2階の亜南極ペンギンゾーンと繋がってるプールなんだ」

柑奈「キングペンギン、ジェンツーペンギン、イワトビペンギンが見られるよ!」

まゆ「可愛いですね♪ あの子はイケメンです」

柑奈「イワトビペンギンだね。マカロニペンギンの仲間だよ」

柑奈「見ての通り、頭についてる黄色の飾り羽が特徴なの。クールでしょ!」

まゆ「カッコいいですねっ。他のペンギンは見当たりませんね?」

柑奈「こことは違う場所で飼育されてるからね。追々見ることができるよ!」

――――

柑奈「まゆちゃんまゆちゃん! ここだよ、温帯ペンギンゾーン」

柑奈「ケープペンギン、フンボルトペンギン、マゼランペンギンがいるよ」

まゆ「キュートですねぇ♪ よちよち歩いて……触りたい」

柑奈「触れるイベントあるよ。あそこにいるフンボルトペンギンに」

柑奈「土日と祝日にしか開かれないんだ」

まゆ「へぇー……。さ、触っても……?」

柑奈「いいよ、後でね♪」

まゆ「ありがとうございます!」

696: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 20:58:53.08 ID:Co+IdI3s0

――――

柑奈「ペンギンに触る前に、他の生き物に触ってみるのはどうかな?」

柑奈「ここはタッチングプールっていうところだよ。ヤドカリやヒトデに触ることができるの!」

まゆ「ちょっと怖いですけど、挑戦してみます」

まゆ「まずはヒトデに……」ドキドキ

サワサワ

まゆ「な、何でしょうこの触感……ザラザラしてますね。ヒトデってこんな……」サワサワ

柑奈「不思議な触感だよねー。あ、ねえねえ! 次はあれに触ってみようよ!」

まゆ「どれですか?」

柑奈「ナマコ。可愛いよ!」

まゆ「……可愛いでしょうか……?」

柑奈「名前の響きも可愛いし、見た目も可愛いでしょ?」

まゆ「うーん、言われてみれば可愛いような気も」

まゆ(あんまりしないかも)ハハ…

柑奈「私、触ってみるね」サワサワ

柑奈「ほう! これは……なるほど……!」

まゆ「どんな手触りですか?」

柑奈「直接確かめた方が早いよ。ほら!」

まゆ「じゃあ失礼して」サワサワ

697: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/21(土) 21:26:29.70 ID:Co+IdI3s0
まゆ「……」サワサワ

まゆ「説明しにくいですね」

柑奈「ね! 軟らかいと思ったら硬くなって。生き物って感じがするよね」

まゆ「ですね。そういえばナマコって食べられるんですよね?」

柑奈「うん、酢の物とかね。食べたことないけど」

柑奈「もしかしてお腹空いた?」

まゆ「いえ! ただ思い出したので……って、なんで笑うんですか!?」

柑奈「何でもないよ」フフフ

まゆ「く、食いしん坊とか思ってないですよね? そういうのじゃないですから! 私はただ――」

――――

まゆ「はぁー……可愛い……♡」サワサワ

柑奈「ふふ、メロメロだね」

まゆ「可愛いペンギンに触ったらそうなりますよぉ。すべすべふわふわ♪」サワサワ

まゆ「でも意外ですね。もっと嫌がるかと」

柑奈「比較的大人しい性格だからね。喧嘩しても激しく争うことはないんだよ」

まゆ「……抱っことかは……」

柑奈「それはちょっと厳しいかな」アハハ

まゆ「ですよね」ウフフ

まゆ「でも、そのくらい可愛いです♪」サワサワ

700: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 20:48:25.68 ID:USXxIwPT0
柑奈「では、私も触らせてもらおうかな」サワサワ

柑奈「この感じ、クセになりそう♪」

まゆ「ずっと触ってたいですねぇ♪」

――――

柑奈「ペンギンのお散歩だよ!」

まゆ「たくさんいますね。和みます」ニコニコ

柑奈「このイベントも土日と祝日にやるんだ。どの種類のペンギンが歩いてくるかはお楽しみ!」

まゆ「動画に撮りたい……」ウズウズ

柑奈「いいよ! あとで見返そう? ゲームの中だけならいつでも観ていいし」

まゆ「それじゃあ」タプタプ

まゆ「にしても、なんでこんなに癒されるんでしょうか」REC

柑奈「見た目もそうだし、よちよち歩くのも可愛いしね」

――――

柑奈「さて、ペンギンや海の生き物に充分触れたし、そろそろ次の場所に行こっか!」

まゆ「……」ジー

柑奈「あはは、動画に夢中だね」

まゆ「はっ! すみません、つい」

柑奈「ううん、いいの。気持ち分かるもん」

701: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:43:15.19 ID:USXxIwPT0
すみません、続けます

702: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 22:45:39.89 ID:USXxIwPT0
柑奈「あとで私にも見せてくれる?」

まゆ「当然ですよ! スマホをしまって」スッ

まゆ「次はどこへ?」

柑奈「グラバー園ってとこ。長崎の有名スポットなんだ」

柑奈「その前に、長崎名物のこれどうぞ!」スッ

まゆ「カステラ、ですか? 茶色いですね」

柑奈「松翁軒っていう有名なお店の、チョコ風味のカステラ、チョコラーテだよ!」

柑奈「明治時代に生まれたこの商品は、チョコレートカステラの元祖と言われてるんだ」

柑奈「チョコパウダーじゃなく特注の板チョコを使ってて…」

まゆ「おいしい! まるでガトーショコラのような!」モグモグ

柑奈「って、もう食べてる! そう、ガトーショコラみたいな濃厚な味わいなんだよ」

柑奈「長崎に行ったらぜひ購入したいカステラの一つだね! 私も食べよっと」パクッ

まゆ「一つということは、他にも有名店が?」

柑奈「あるよ。ザラメのカステラのお店とか、桃カステラのお店とか、幻のカステラのお店とか」

柑奈「とっても美味しいから、ぜひ来店して買ってみてね!」

――――

まゆ「グラバー園……これが……」

柑奈「1859年、長崎開港した後、長崎に来住したイギリスの商人がいたんだ」

柑奈「グラバー、リンガー、オルトって人たちなんだけど」

703: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/22(日) 23:32:54.64 ID:USXxIwPT0
柑奈「その人たちの旧邸があった敷地に、長崎市内にあった歴史のある建造物を移築して、野外の博物館として形作ったの」

まゆ「なるほど……。グラバー園って、人の名前から取ったものなんですね」

柑奈「うん。グラバーさんはグラバー商会っていう、お茶や絹の輸出や、船舶、武器の輸入をする会社を設立して」

柑奈「薩摩藩、長州藩、そして後の明治政府の重要人物とも深い関わりを持ってたすごい人なんだ」

――――

まゆ「エスカレータ-なんてあるんですねぇ」

柑奈「坂の地形だから、あると楽だよね♪ 園内には動く歩道もあるよ」

柑奈「えーっと……料金所から入ってすぐのところにあるあそこが、旧グラバー住宅だよ」

柑奈「基本の順路に沿って観るつもりだから、近くに寄るのは最後になるけど」

まゆ「お楽しみというわけですね」

柑奈「名前を使われるほどの人だからね」フフ

――――

柑奈「ここは旧三菱第2ドックハウス。造船所の近くに、船員の休憩宿泊施設として建てられたんだ」

まゆ「造船所は?」

柑奈「さっき、歴史のある建造物を移築したって言ったよね」

柑奈「それがこれなんだ。っていうか、グラバー邸、リンガー邸、オルト邸以外はみんなそうなの」

柑奈「このドックハウスの中には、船の模型や写真が展示されてるよ」

704: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 00:40:08.53 ID:AbTDNXxs0

――――

まゆ「この家は?」

柑奈「旧リンガー住宅だね。リンガーさんは、グラバー商会の幹部なの」

柑奈「他のお家もそうだけど、洋風の建物に屋根瓦がついて、和と洋が合体した不思議な雰囲気だよね」

まゆ「はい、とても素敵です♪」

柑奈「オルトさんの旧邸も向こうにあるよ! 観てみよう!」

――――

柑奈「まゆちゃん、今更だけど足大丈夫?」

まゆ「え?」

柑奈「ほら、昨日自転車で移動しっぱなしだったから、筋肉痛とか」

まゆ「……実はちょっとだけ……」

まゆ「でも、心配するほどじゃないですよ。ありがとうございます♪」

柑奈「ならよかった。痛いのに歩き回すような、酷いことしてたかと……」ホッ

柑奈「はい! ここがお待ちかね、旧グラバー住宅だよ!」

まゆ「建物も然ることながら、お花もいっぱい咲いてて」

まゆ「それに良い景色が一望できるところですね♪ グラバーさんが羨ましい」

柑奈「坂が多いけど、その分見晴らしが良くて気持ち良いよね!」

柑奈「ここまで数箇所の建造物を観てきたけど、夜になるとまた綺麗な景色が観られるんだよ」

まゆ「まさか、ライトアップ?」

柑奈「その通り! 7月中旬から10月初旬の期間限定なんだけどね」

707: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 22:42:01.14 ID:AbTDNXxs0

――――

まゆ「あれ?」

柑奈「どうしたの?」

まゆ「石畳のここだけ、ハートの形になってます」

まゆ「何か意味あるんですか?」

柑奈「あ! そうそう、そういえば忘れてたよ」

柑奈「これはハートストーンっていって、見つけると恋の願いが叶うかも? って言われてるんだ」

まゆ「恋の願い!? そうと分かれば拝むしかないです!」

まゆ「手を合わせて……成就しますように成就しますように……」スリスリ

柑奈「そ、そんなに本気にならなくても。ジンクス程度だよ?」ハハ…

まゆ「何であっても、お願いするに越したことはないですよぉ」ウフフ

まゆ「柑奈さんはいいんですか?」

柑奈「んー。それじゃあ恋っていうか、愛を願おうかな」

柑奈「ワールドラブ! 世界が愛で満ち溢れますように」スリスリ

――――

柑奈「出口に到着、っと。グラバー園はどうだった?」

まゆ「とても魅力のある施設でした。建造物が美しくて」

まゆ「写真などの展示や、柑奈さんの説明で歴史を知ることができましたし」

まゆ「有意義な時間を過ごせましたね♪」

708: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 23:14:41.30 ID:AbTDNXxs0
柑奈「よかったー♪ 案内できてるか不安だったんだ」

柑奈「グラバー園の観光はこれで終わりだから、ライトアップの景色は観られないんだけど……」

まゆ「お楽しみとして、とっておきます」ニコッ

柑奈「うん。長崎に行くことがあれば、立ち寄って観てみてね! 本当に綺麗だから」

柑奈「さて、次の目的地で長崎観光は終わりかな」

まゆ「え? もうですか? まだ早いですよぉ」

柑奈「ごめんね! でも、最後は記憶に残るような絶景スポットに連れて行くから!」

柑奈「その前にこれを食べよう。び~わ~ゼ~リ~」スッ

まゆ(某ドラちゃんのような言い方)

柑奈「このびわゼリーは、茂木っていう地域の名産品なんだよ」

柑奈「ぷるぷるゼリーの中に丸ごとのびわを入れちゃった、とんでもない一品なの!」

柑奈「涼しげな見た目で、夏にピッタリのデザートだね!」

まゆ「美味しそう……」

柑奈「もちろん美味しいよ! ささ、食べて!」

まゆ「いただきます」

まゆ「ゼリーとびわを掬って……わぁー、本当ぷるぷるですね!」

まゆ「はむっ……なんて上品な甘さ! びわの瑞々しくてジューシーな果肉をそのまま閉じ込めてますね!」

柑奈「つるんって喉越しもいいんだよね。お土産でもらったら、その日ずっとウキウキしちゃうよ♪」

まゆ「間違いないです。その人にハグしちゃいますね」

ンー オイシイネ! モグモグ

――――

凛「……」タラァ…

晶葉『凛、よだれよだれ』

709: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 23:28:05.09 ID:AbTDNXxs0
凛「おっと」ジュルリ

凛「いいなー長崎。びわゼリーもそうだけど、角煮とか食べてみたい」

晶葉『凛も止まれば食べられると思うぞ!』

凛「そうだね。1回休みに止まったらもう終わりだし、それだけは絶対に避けたいけど」

凛「ところで、まゆのターン長くない? ライラがビッグウェーブに乗れてるくらい時間経ってるよ」

晶葉『ああ、そろそろ振ってもいい頃だな! まゆはもうすぐ終わりだ!』

凛「いいんだね。よし!」スッ

凛「あっ、水着は……ごめん、また着替え頼めるかな?」

晶葉『任せろ! ワープと同時に、着ていた服と入れ替えておくぞ!』

凛「ありがとう」


梨沙「行くのね」

凛「!」

凛「はは、ずっと遊んでてもいいのに」

海「そうはいかないさ。熱い戦いを繰り広げた仲だしな」

ライラ「見送らせてくださいですます」

凛「みんな……ありがとう」

梨沙「凛はこれから四国に入るのよね?」

凛「うん、少しでもまゆのいる九州に近づきたいところだけどね」

710: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 23:38:50.12 ID:AbTDNXxs0
梨沙「そうね。10を出せば一気に高知よ!」

凛「理想は10だね。10が出なくても、できれば×には止まりたくないな……」

海「祈るしかないよ。頑張れ!」

ライラ「念じるでございます」

凛「……ふぅーー……」

凛「……今だ!!」ポイッ

コロコロコロ

梨沙「何が今なの?」

凛「なんとなく良い出目が出そうなタイミングで振ったんだ」

海「直感か」

凛「そういうこと。お願いサイコロ!」


【進行状況】

   山口  徳島  香川  愛媛
凛  ×☆● HHH ○×○ ×○○

   長崎   熊本   大分  宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○● ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


↓1 コンマ一桁 0は10

713: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/23(月) 23:55:16.26 ID:AbTDNXxs0
すみません、今更なのですが

>>523 >>525では長崎のマスが○○○なのに

>>623 >>627では○○×に変換されているという重大なミスをしてしまいました…

まゆ普通に進めたのに…すみません

715: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 00:02:10.45 ID:8B6FLMCh0
凛:5マス進む+2

【進行状況】


   愛媛  高知  福岡  佐賀
凛  ●○○ ×☆○ ○○× ○☆○


   長崎   熊本   大分  宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○● ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


梨沙「あっ!」
海「げっ!」
ライラ「わっ」

凛「……」

晶葉(この結果は……確定ではないが……)

晶葉(凛の敗戦を濃厚にするものだな)

凛「5に2を足して、7マス進む……か」

梨沙「ま、待って! 実はアタシ、凛が来る前にそこで砂のオブジェを作ってたのよ!」

梨沙「そのオブジェを崩した場所にサイコロが通過しちゃって、5が出ちゃって」

凛「いいんだよ梨沙」

梨沙「!」

凛「フォローありがとう。でも、私はこの結果を受け止めるよ」

凛「受け止めた上で、気持ちを切らさずに進み続けるから」ニコッ

梨沙「凛……」

716: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 00:26:35.10 ID:8B6FLMCh0
凛「じゃ、行くね。勝負楽しかったよ」

海「頑張れ。こんな月並みの言葉しか言えないけどさ」

ライラ「勝機はあるでございますよ」

凛「うん」ニコッ

ビュンッ

――――

ビュンッ

凛「……ふぅ」

凛(大丈夫。うん、大丈夫)

凛(まゆがゴールに着くまでは、まだ終わってない)

凛「えっと、アイドルは……どこだろう?」キョロキョロ

コロコロコロ…

凛(ん? サッカーボールだ。ってことは)スッ


晴「ハンド」

凛「えっ」

晴「手で触っちゃダメだろー。地面に置いて」

凛「え、いや……え?」

晴「はーやーく」

凛「う、うん」スッ

717: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 00:42:50.89 ID:8B6FLMCh0
晴「パス!」

凛「……はい」ポンッ

晴「よっと。いいね、それっ」ポンッ

凛「あの、晴? このマスの紹介は?」

晴「へいパース!」

凛「ぱ、パス」ポンッ

(数分後)

晴「なかなかいいパス出すじゃん凛。ほっ」ポンッ

凛「ありがとう」

凛(いつまでやるんだろう)ポンッ

晴「……」

晴「元気出せよ」

凛「!」

晴「絶体絶命の状況だけど、もしかしたらまゆがこれから1を出し続けるかもしれないしさ」

凛「……励ます準備をするために、パスのやりとりを?」

晴「特定のプレイヤーに肩入れするのはフェアじゃねーし、言うか迷ってたんだけどな」

凛「普通に言ってくれればいいのに」

晴「パスのやりとりは、気持ちを通わせるのに持って来いなんだ」

晴「凛がオレの気持ちに気づかないから、こうして口に出したんだぞ」

718: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 01:15:16.92 ID:8B6FLMCh0
凛「そんな無茶な……だけど」

凛「気遣ってくれてありがとう。嬉しいよ」ニコッ

晴「その顔を見ると、心配する必要なかったみてーだな」

凛「もうへこまないって決めてるしね。このゲームでかなりメンタルが強化されたよ」

晴「じゃあプロデューサーがまゆとくっついても平気なのか?」

凛「…………」

晴(やべっ、やっちゃった)

晴「ごめん、今のスルーパスで! 余計だったよな」

凛「い、いいんだよ。それより、そろそろマスの紹介をして欲しいな」

晴「だな! 凛にはオレと一緒に愛媛観光してもらうぜ」

晴「今から観光スポットを数箇所回って、夜は旅館に泊まるっていう、まあ他の1回休みマスと同じような内容だ」

晴「温泉もあるから、溜まった疲れも吹っ飛ぶぞ」

凛「いいね! 確か温泉は、志乃さんと入った時以来かな」

凛「ナイスな計画だよ晴、早く出発しよう」

晴「慌てんなよ。スタートの目的地はここの近くにあるんだ」

晴「リフティング勝負しながらゆっくり行こうぜ」

凛「通行人とか道路とか、大丈夫なの?」

晴「へーきへーき。やってれば分かるよ」

725: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/24(火) 23:53:34.30 ID:8B6FLMCh0

――――

凛「人も車も通らなかった……」

晴「面白いだろ? 道路でサッカーなんて、こういう空間でしかできねーし」

晴「へへ、リフティング勝負はオレの勝ちだな!」

凛「さすがだよ。私もいい線までいったんだけど」

凛「ここが目的地だよね?」

晴「ああ、タオル美術館ICHIHIROってところ。今治市にあるタオルの美術館なんだ」

晴「タオルを使ったタオルアートや、タオルが作られる工程なんかを見物できるんだぜ」

凛「今治タオルは知ってたけど、美術館なんてあるんだね。知らなかったよ」

晴「タオルだけじゃねー。西日本最大面積のタオルショップとか、紅茶を味わえるカフェ。中国料理の店もある」

晴「さらに、ヨーロピアンガーデンっていう色んな植物が見られる場所も併設されてて、自然も満喫できるんだよ!」

凛「へー……ますます興味が沸いてきた」

――――

晴「これが、タオル、布、糸を使って作った作品だ」

凛「わー、可愛いね」

晴「作家、画家、グッズデザイナーとして活躍してる人が作ったんだ。すげーよな」

晴「向こうにはムーミンのアートがあるぜ」

凛「ムーミン? 何で?」

晴「陶磁器も飾られてて、それとコラボしてるんだ」

晴「あと、有名な久谷焼、有田焼をタオルアートで表現してる作品もあって……見たほうが早いか。こっちだ!」スタタタッ

凛「あ、急に走ると危ないよ!」

727: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/25(水) 01:37:55.41 ID:i1DlJEPy0

――――

晴「ここがタオルを売ってるところだぜ。まだ他にもあるんだけどな」

凛「当たり前だけど、色んなタオルがあるね」

晴「オレが普段使ってるのもここで買ったやつなんだ!」

晴「山ほど種類があるから、凛も好きなの選んで買えよ」

凛「えっ。でも、お金が……」

晴「オレに任せろ! 美術館を満喫できるくらいのお金は持ってるぜ」スッ

凛「やった、ありがとう!」

凛(年下の娘に買ってもらうのは気分的にあれだけど)

――――

凛「いいの買っちゃった♪」フカフカ

晴「あとでサッカーやる時に活躍するな」

凛「サッカー……? 汗かくほどやるの?」

晴「時間に余裕持たせてあるからさ。ダメかな」

凛「んー……まあ、リフティング勝負に負けて、悔しさを晴らしたいし」

凛「その後に温泉入ったら最高だろうし。いいよ」

晴「約束だな!」ニコッ

――――

晴「もうすぐ13時を回るし、飯を食べていこう」

凛「中国料理?」

晴「そこも美味いんだけどな。今から行くところは違う店だよ」

728: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/25(水) 01:58:43.55 ID:i1DlJEPy0
晴「あった、ミュージアムカフェ。ここの紅茶はフランスの会社から取り寄せてるらしい」

凛「フランスの紅茶って、字面からしてオシャレだね」

晴「だよなー。お嬢様アイドルが好きそうだな、桃華とか」

凛「ランチは?」

晴「焦んなよ。ちゃんとあるから注文しよう」

――――

凛「ゴクリ……かぐわしい……」

晴「オレが伊予牛サーロインステーキランチ」

晴「で、凛が春野菜とベーコンのクリームパスタ。2人の料理がテーブルに並んだな」

凛「晴はオレンジジュース頼んだんだね」

晴「な、なんだよ。欲しいのか?」

凛「ふふ、違うよ」

凛(子供らしくて可愛いなって思ったんだけど、言ったら怒っちゃうよね)

晴「凛は紅茶なのか」

凛「せっかくだし頼まないとね。食べようか」

晴「ああ。いただきます」

凛「いただきます」

732: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/26(木) 00:44:35.09 ID:detPiHQ+0
凛「パクッ……モグモグ……」

凛「んんっ! まろやかでクリーミー、美味しい!」

凛「パスタもそうだけど、野菜との相性が抜群だね!」

晴「モグモグ……」

凛「晴、ステーキはどう?」

晴「美味いよ。ソースがオレ好みで」

晴「なんて、通ぶったセリフは言えねーな。ステーキ食う機会がそんなに無いし」ハハ

凛「まあアイドル同士の打ち上げでも、肉といえば大体焼肉だもんね」

凛「たまにはステーキのお店に行ってもいいかも」

晴「あ、それ賛成! ちょうど気になってた店があるんだよ」

――――

凛「はぁ……いい香り」

晴「飲まねーの?」

凛「まずは香りを楽しまないと。フランスから取り寄せたものなんだし」

晴「違いとか分かるのか?」

凛「……」

凛「ズズ……美味しいなー」

晴(分かんないのか)

733: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/26(木) 01:21:07.73 ID:detPiHQ+0

晴「さて、ここらでデザートを頼もうかな」

凛「え? 料理についてきたプチデザート食べたのに?」

晴「もっと食べたいんだ。凛はどうする?」

凛「どんなデザートがあるの?」

晴「ケーキとかパフェ。フロートもあるぜ」

晴「オレはチョコレートパフェにしよう!」

凛「うーん、迷うけど……私はいいや。お嬢様のように、エレガントに紅茶を楽しむことにする」ズズ

晴「そんなに気に入ったのか。オレ、そういうのよく分かんねーんだよな」

晴「飲むとしたら紅茶花伝くらいだし」

凛「あー、美味しいよね。私は午後ティーも好きだよ」

晴(お嬢様から庶民になった)

――――

晴「ふー、満腹だ。もう食えない」

凛「食べ過ぎじゃないの」

晴「許容範囲内だよ。それより、そろそろ次の場所に行こう」

凛「もう? あとちょっと待ってくれないかな」

凛「良さげなタオルがあって、ずっと頭に引っかかっててさ」

晴「欲しいの?」

凛「見たいだけだよ。お願い」

晴「いいけど……」

734: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/26(木) 01:36:25.03 ID:detPiHQ+0
すみません、今日も短いのですがここまでにします…
明日はなるべく早めに再開します

736: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/26(木) 22:40:18.53 ID:detPiHQ+0

――――

晴「結局買ってるじゃねーか」

凛「ごめんね、ありがとう」フカフカ

晴「気に入ったならそれでいいよ。あ、見えてきたぞ」

凛「動物園だ!」

晴「うん、愛媛県立とべ動物園。元は道後動物園って名前で、ここじゃない場所にあったんだけど」

晴「動物たちにありのままの環境で生活させたいってことで移転してきたんだ」

晴「園内には約170種もの動物がいるんだぜ」

凛「ひゃくななっ……多いね!? いや、そんなものなのかな」

晴「東京にある上野動物園は約350種だから、まあ大体の飼育数は100種から300種の間くらいじゃねーかな」

凛「上がいたね。上野動物園だけに」

晴「は?」

凛「何でもないです」

凛「それより、動物を見たくて見たくて仕方ないよ。早く行こう!」スタタタッ

晴「あっ、おい! 楽しみで走り出すって子供かよ!」

――――

凛「170なんて数、数時間で見られるのかな」

晴「見られるかもしれないけど、一つ一つに時間はかけられねーだろうな」

晴「だから、見たい動物だけをじっくり見るって方法もあり」

凛「なるほど」

晴「まあ個人の自由だけどさ。どうする?」

737: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/26(木) 23:03:54.17 ID:detPiHQ+0
凛「迷う……ちょっと待ってね」

~~凛の脳内~~

凛(悪魔)「いいじゃん、欲張っちゃいなよ。色んな動物見たいでしょ?」

凛(天使)「またここに来る機会はあるし、今は見たい動物だけにしよう」

凛(悪魔)「名案だねそれ」

~~~~

凛「ということで、見たい動物だけ見ることにするよ」

晴「何が『ということ』なんだ」

凛「頭の中で天使と悪魔が戦ってたんだ」

晴「戦わせる必要あるか……?」

――――

晴「オススメを教えて欲しいって言うから紹介していくぞ」

晴「まずはペンギンだ」

凛「ねえ待ってヤバい。可愛すぎるんだけど」

凛「まゆの様子をモニター越しで見たときのペンギンより距離が近いよ」

晴「そりゃ目の前にいるしな」

凛「うわー可愛い。どの角度から見ても可愛い、何でなの?」

晴「オレに聞かれても」

742: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 00:20:43.55 ID:MH1oH94R0
凛「晴は何でそんなに冷静なの。あの可愛さを前にして」

晴「可愛いとは思ってるよ。触ってみてーし」

凛「やっぱりそうだよね。ペンギンにタッチしたまゆが羨ましいな……」

凛「あっ、見て見て晴。ペンギンの泳ぎ、まるで空を飛んでるみたいだよ」

晴「本当だ。キレーだなぁ」

凛「もうずっと眺めていられるよね」

――――

凛「もうちょっと見ていたかった……」

晴「1時間くらい見たよな……。凛さえよければ戻るけど」

凛「ううん、我慢するよ。次はどの動物?」

晴「あれだ。動物園の目玉と言ってもいいかもしれない」

凛「!!」

凛「百獣の王、ライオン……!」

晴「他にもいるぜ。向こうにはキリン、あっちはヒョウ、あれはクロサイ」

凛「わわっ、迫力あるね!」

晴「すげーだろ。んで、あそこにはサーバルキャットがいる」

凛「サーバルキャット!? すごーい!」

晴「言うと思ったよ」

747: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 17:28:06.97 ID:MH1oH94R0
凛「え、何が?」

晴「サーバルのモノマネしたんだろ?」

凛「してないけど」

晴「すごーい! ってやったじゃねーか」

凛「それのどこがモノマネなの」

晴「知ってるだろ。けものフレンズのサーバルだよ、去年放送してたやつ」

凛「どんな感じ? 具体的に教えて」

晴「はあ? んーと、例えば……」

晴「って何させようとしてんだ! あぶねえ、騙そうとしやがったな」

凛「バレたか。奈緒ならそのままやってくれるんだけどな」フフ

晴「そんなにチョロくねーだろ……と言いたいけど、否定できねーな」

――――

凛「にしても、オーラがあるよねライオンって。百獣の王と呼ばれるだけあるよ」

晴「凛はどの動物が好きなんだ?」

凛「犬」

晴「即答かよ。まあ飼ってるしな」

凛「晴はどうなの?」

748: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 17:56:27.21 ID:MH1oH94R0
晴「オレ? そうだな……チーターっていいよな、足速いし」

晴「あのスピードがあれば無敵だぜ」

凛「サッカー的な意味だよねそれ」

晴「ああ。飼うならやっぱ犬かな、ボール遊びできるし」

凛「ボール遊びなら猫もできるよ」

晴「あれは遊びっていうか、猫が勝手にジャレついてるだけだろ?」

晴「オレはボールをパスし合ったりしたいんだよ」

凛「犬でも難しいんじゃないかな……。教えればできるかもだけど」

凛「そういえば、ライオンって猫だよね」

晴「ネコ科だな」

凛「ボール遊びできるのかな、手で弾いてコロコロさせてさ」

晴「どうなんだろうな……でも想像したら可愛いな」ヘヘ

凛「うん、そうだね」クスクス

――――

晴「次はアフリカゾウだ」

凛「小さいゾウもいる」

晴「親子で飼育されてるんだよ。アフリカゾウの家族を見られるのは、日本でここだけなんだ」

凛「へー……可愛いな」

749: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 18:38:43.14 ID:MH1oH94R0
凛「ふと気になったんだけど、ゾウの赤ちゃんでもやっぱり体重は結構あるよね?」

晴「ああ、生まれたばかりの赤ちゃんでも120kgはあるらしいぜ」

凛「120!? 私の約3倍か……」

晴「ちなみに大人は、大体6トンから7トンの間。デカいので13トンもある奴がいるんだって」

凛「す、すごいね……私が何人いればつり合いが取れるんだろう……」

晴「300人くらいだな」

凛「私が300人……怖い」

晴「そりゃ怖ぇーだろ。特にプロデューサーにとっては」

凛「そう? 300人で意思疎通できれば、プロデューサーにとって夢のような楽園を提供できると思うけど」フフ

晴(ますます恐怖でしかねーだろ……)

――――

晴「ここはリトルワールドっていう、小さくて可愛い動物が飼育されてるゾーンだ」

晴「モルモットにレッサーパンダ、ポニーやコツメカワウソが……」

凛「……」ジー

晴「凛?」

凛「……見てよ晴……何、この生き物……」

750: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 19:02:42.31 ID:MH1oH94R0
晴「何って、モルモットだろ」

凛「はぁ……かわいい……」ニマニマ

晴(あ、ハナコを可愛がる時と同じふにゃけた顔だ)

凛「よしよし、よーしよし」ナデナデ

凛「この子すごく大人しいよ。抱っこしたい……」

凛「あ! ウサギがこっちに来てくれたよ、天使?」

凛「もふもふ……かわいいなぁもう……」モフモフ

晴(可愛いが平仮名になるくらい虜になってるな)

晴「向こうにはレッサーパンダがいるけど」

凛「本当に!? あ、でももうちょっともふもふしていたい……」

晴「好きにしてくれていいぜ」

晴(オレもちょっと触ろうかな……)ソー

ナデナデ

晴(さ、触れた)

晴(……ウサギの咀嚼って面白いな……)

――――

凛「はい可愛い」

晴「見た瞬間かよ」

凛「だって可愛いんだもん。まるでぬいぐるみみたいだよ」

751: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 19:52:57.70 ID:MH1oH94R0
凛「そういえばレッサーパンダって、何でレッサーパンダって名前なんだろうね」

凛「パンダの面影は無くもないけど、パンダではないよね?」

晴「アライグマの仲間だな。データによると、元々はレッサーパンダがパンダなんだってさ」

凛「……?」

晴「歴史を遡ると、パンダよりもレッサーパンダの方が早く確認されてるんだ」

晴「元々パンダは伝説の生き物って認識で、だけど後に発見されたから」

晴「レッサーパンダは、パンダにその名前を奪われたんだ」

晴「だからレッサー(Lesser)パンダ。レッサーってのはより小さい、劣ったって意味なんだよ」

凛「ええ……劣ったって、可哀想だね」

晴「ひでー名前つけるよな。○○グマ、みたいに変えればよかったのに」

凛「でも意味を考えないなら、レッサーパンダって響き可愛いよね」

凛「見た目が可愛いからそう思うのかもしれないけど」

――――

晴「これで最後の動物だな。ベアストリートっていうゾーンだ」

晴「ここには名前の通り、色んなクマやアシカが飼育されてるぞ」

晴「特にピースって名前のシロクマは、この動物園のアイドルとして扱われてるんだ」

凛「アイドル……! 歌ったり踊ったり?」

晴「さすがにしないだろ。遊んでる姿を見ると癒されるんだって」

754: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 20:42:35.34 ID:MH1oH94R0

――――

凛「ほ、本当だ……可愛い……」

凛「っていうかシロクマって大きいね」

晴「シロクマに限らず、クマは予想よりも大きいよな」

晴「力も強ぇーし、走った時のスピードは時速60kmらしいぜ」

凛「速い!」

晴「シロクマは40kmだけど、それでも人間には出せないよな」

凛「とんでもないね」

凛「あの遊んでる姿を見ると可愛いって思うけど、野生のクマに遭遇しちゃったら……」

晴「適切な対処をして、あとは祈るだけだな」

凛「願わくば出会わないようにも祈りたいね……」

――――

晴「凛、もうそろそろ行こうぜ」

凛「あと少しだけ待って。何を買うか決めてるの」

凛「晴も一緒に見ようよ。色んなお土産が並んでるよ」

晴「オレはパス。もう買ったんだ、このコップを」スッ

凛「いつの間に!? 可愛いねそれ」

凛「じゃあ私は……クリームサンドにしよう。あとで食べよう?」

晴「美味そうだな」

756: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 21:15:05.13 ID:MH1oH94R0
晴「宿泊施設に行って、落ち着いたら食うか」

凛「いいね! 次の観光施設はどんなところなの?」

晴「キレーなものがたくさん見られる場所。詳しくは着いてからな」

晴「と、その前に渡すものがある」ゴソゴソ

凛「渡すもの? 何だろう」

――――

まゆ「……わー……っ」

柑奈「ね、言ったでしょ。記憶に残る絶景スポットって」

まゆ「稲葉山の展望台……忘れることができないかも」

まゆ「そのくらい素敵で、綺麗な夜景です。ずっと胸がドキドキして」

柑奈「なんたって世界新三大夜景にも選ばれたほどだからね」

柑奈「長崎市のランドマークで、1000万ドルの夜景とも言われてるんだ」

まゆ「ええ、そのくらいの価値がありますよこれは……」

まゆ・柑奈「……」

柑奈「……なんか、見惚れてずっと黙っちゃうね」

まゆ「ですね。ふふっ♪」

柑奈「あはは♪」

柑奈「おっと……もう終わりみたい」

757: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 21:27:53.05 ID:MH1oH94R0
まゆ「え? 終わりって、この景色を見るのが? 急すぎませんか」

柑奈「急って、1時間は見てるよ」アハハ…

まゆ「もうそんなに時間が!? 気づきませんでした」

まゆ「うー、まだ観たいのに……。でも、我慢しなきゃ……」

まゆ「あとちょっとで。あとちょっとでゴールなんですから!」グッ

柑奈「ゴールまで、いちにーさんしー……16マスだね」

まゆ「16……最短で2回振れば……あれ?」

まゆ「あのー晶葉ちゃん! 質問が!」

晶葉『どうした?』

まゆ「ゴールって、ぴったり止まらなきゃいけないんですか?」

まゆ「もしそうなら、まだ勝負は分からないんですけど……」

晶葉『いや、自動ゴールだ! 例えばあと3マスでゴールという時、3以上なら必ずゴールになるぞ!』

まゆ「そうなんですね。よかったぁ」

まゆ「では、振ります!」スッ

柑奈「頑張ってまゆちゃん!」

晶葉『待て!!』

まゆ「!?」ビクッ

758: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 21:47:22.17 ID:MH1oH94R0
晶葉『まゆに大事なことを言い忘れていた!』

まゆ「ビックリしたぁ……」

柑奈「心臓が止まるかと思った……」

まゆ「言い忘れって何ですか?」

晶葉『驚かせてすまない! 実はな』

晶葉『まゆが今止まっている長崎のマス、1回休みじゃないんだ』

まゆ「……」

まゆ「え?」

まゆ「えぇぇぇぇぇ!?」

晶葉『手違いで×マークになってしまったんだ、本当に申し訳ない!』

柑奈「私、気がつかなかったけど……」

晶葉『マス自体が×になっていたからな、当然そこのアイドルも1回休みの対応をとるようになる!』

まゆ「えっと、じゃあ……どうなるんですか? もう休んじゃいましたよね?」

晶葉『そこなんだが、まゆにはサイコロを2回分振ってもらいたい!』

まゆ「ですよね、そうするしか……」

まゆ「嬉しいような戸惑ってるような感じですけど、まずは1回目ですね」ポイッ

コロコロコロ

まゆ「ちなみにここで2回振っちゃって、その出目を足して進むのか」

まゆ「1回振って進んで、止まった先のイベントを消化して、もう1回振るのか。どっちですか?」

晶葉『後者だ! よろしく頼む!』


【進行状況】


   愛媛  高知  福岡  佐賀
凛  ●○○ ×☆○ ○○× ○☆○


   長崎   熊本   大分  宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○● ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


↓1 コンマ一桁 0は10

760: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/28(土) 22:00:05.07 ID:MH1oH94R0

まゆ:1マス進む+2

【進行状況】


   愛媛  高知  福岡  佐賀
凛  ●○○ ×☆○ ○○× ○☆○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○● ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎


まゆ「うっ、ここで1マスですか」

まゆ「だけど+2がされてるのは、どういうことでしょう?」

晶葉『迷惑をかけてしまったからな! せめてもの償いだ!』

晶葉『ただ次の勝負では恩恵はないから、勝負に勝って自力で掴んでくれ!』

まゆ「分かりました! ありがとうございます!」

晶葉『お礼を言うことはないぞ!』

柑奈「まゆちゃん、ゴールまで走り抜けてね!」

まゆ「はい! お世話になりました、ありがとうございます!」

柑奈「応援してるからね!」

ビュンッ

――――

ビュンッ


まゆ「ほっ。着地はお手の物ですね」

まゆ「熊本県……個性の強いアイドルが一人いますね」

768: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 15:54:33.77 ID:skFpsBM60
まゆ「あとはゆったりしたアイドルと、恥ずかしがり屋のアイドル」

まゆ「どのアイドルが登場するんでしょうか」


???「ふっふっふ……ハーッハッハッハ!」

まゆ(この笑い声は……個性の強いアイドルでしたか)


蘭子「聖なる地に来訪せし紅い魂の色よ! よくぞこの場に到達した!」
  (まゆさん、熊本県へようこそ!)

蘭子「聖なる地の呼び名の通り、ここは楽園と見紛うほど素晴らしき土地。想うがままに未知を開拓したいところではあるが」
  (熊本は本当にいいところなので、できれば詳しく紹介したいんですけど)

蘭子「それより先に決戦の時を迎えねばならぬ……解読は後ほど!」
  (まずは勝負しなきゃいけませんよね……観光はその後で!)

まゆ「す、すごい! 翻訳が頭の中に入ってくる!」

まゆ「しかし我は汝の言の葉の解読に困難を極める。望みが叶うならば、より簡易な意思疎通を行いたいのだが……」
  (でもちょっと混乱しちゃうので、できれば普通に喋って欲しいなぁ、なんて……)

蘭子「なんと!? 紅い魂の色も我と同じ言語を!?」
  (ええ!? まゆさんも私と同じような言葉遣いを!?)

まゆ(ダメもとでやってみただけですけどね)ハハ…

蘭子「……こほん。紅い魂の色がそう望むのならば、言の葉を選択することも容易いこと」
  (……こほん。まゆさんがそう言うなら、普通の喋りますね)

蘭子「……よ、よろしくお願いします……」ボソッ

まゆ「はい、よろしくお願いします」ニコッ

769: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 16:39:06.97 ID:skFpsBM60
まゆ「ここって、すごく空気も美味しくて自然に囲まれてますけど、どこなんですか?」

蘭子「阿蘇ファームランドっていうところです。熊本県阿蘇郡、南阿蘇村にある健康テーマパークで」

蘭子「癒・泊・動・栽・食・買の、6つのテーマに分けた施設があるんですよ」

まゆ「健康テーマパーク?」

蘭子「はい、健康の専門家の人が監修してるんです……。例えば癒の施設では、阿蘇健康火山温泉っていう温泉があって」

蘭子「岩風呂や蒸気風呂など、様々なお風呂でそれぞれの楽しみ方ができます」

蘭子「食の施設は、地元の食材を地元の方法で調理した、健康メニューをいただくことができますし」

蘭子「泊の施設は、つまり宿泊。丸いドームがいくつもあって、その一つ一つが全部お部屋なんです」

まゆ「そこに泊まることができるんですか?」

蘭子「そうです! 想像してみてください。朝起きて、外に出れば大自然に囲まれてて」

蘭子「深呼吸すれば美味しい空気。とってもリラックスできると思いませんか?」

まゆ「間違いなしですねぇ!」

まゆ「それにしても……蘭子ちゃんがこんなに長々と普通に喋ってるの、初めて見ました」

蘭子「あ、う……これは……上手く説明できないと、頭に入らないですし……」

蘭子「人工知能の力を借りただけです……本当はもっとぐだぐだで……」モジモジ

まゆ「よ、余計なこと言いましたね。忘れてください」

まゆ「えっと、勝負はどこで?」

蘭子「案内しますね。ついて来てください」

770: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 17:25:08.81 ID:skFpsBM60

――――

まゆ「ここは……?」

蘭子「健康チャレンジ館っていう、屋内運動施設です」

蘭子「運動目的の装置がいくつかあって、ゲーム感覚で楽しく体を動かすことができるんです」

まゆ「!」ピーン

まゆ「なるほど。その装置で、どちらが良い結果を出すか勝負するんですね?」

蘭子「そうです! 3つの装置で競って、先に2勝した方が勝ちですよ」

まゆ「ふふ、アイドルとして日頃レッスンしてるんですから、自信はありますよぉ♪」

蘭子「フフフ……我とて同じこと! この身に宿りし大いなる力、見るがいい!」
  (私だってレッスンしてますから! 本気の力、見せちゃいますよ!)

まゆ「あ、スイッチが入った。やっぱりその方が生き生きしてますね」フフ

――――

蘭子「第1回戦は、ジャンプ&タッチという装置です!」

蘭子「囲まれた3面の壁にボタンがいくつもあって、次々に光ります」

蘭子「光った瞬間、それをタッチしていくんです。敏捷や集中力が鍛えられますよ!」

まゆ「これをより多くタッチした方の勝ち、というわけですね。いいでしょう」

まゆ「先攻後攻を決めましょうか。最初はグー、ジャンケン…」

ポンッ

蘭子「勝利の女神は我に微笑んだ!」
  (勝っちゃいました!)

まゆ「幸先が良いというやつですね。でも負けませんよ!」

771: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 17:30:59.08 ID:skFpsBM60
まゆ「どっちにしますか?」

蘭子「先攻でお願いします」

蘭子「すー……はー……」

まゆ「準備はいいですか? よーい……」

まゆ「スタート!」

ピカッ

蘭子「む! そこか!」タッチ

ピカッ ピカッ

蘭子「この程度、力を発揮するまでもない!」タッチタッチ
  (このくらいへっちゃらです!)

まゆ(むむ、やりますねぇ)

まゆ(でもここからですよ。集中力を研ぎ澄ませないと)


↓1 コンマ二桁 蘭子のタッチできた率 全体の○○%で表します

773: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 17:56:50.20 ID:skFpsBM60

蘭子:全体の8%


ピカッ ピカッ

蘭子「ほっ! はっ!」タッチタッチ

まゆ「……」

ピカピカピカッ

蘭子「あ、あわわっ……えい! やあ!」タッチタッチ

まゆ(あれ? 最初はよかったのに、あとは全く追いついてない)

まゆ(蘭子ちゃんこういうの苦手なんでしょうか)

蘭子「や、やるわね! どうやら我の身に宿りし大いなる力を解放する時が…」ツルッ

まゆ「あ」

ステーンッ!

蘭子「痛いっ! うう、お尻が……」

ピカッ ピカッ

まゆ(ゲームは続いてるけど、蘭子ちゃんはそれどころじゃないですね)

まゆ(力を解放する前に終わっちゃうとは……)

――――

蘭子「私の負けです……」

まゆ「早いですよ! 私はどうなるか分からないですし!」

蘭子「でも、タッチできたのって4回くらいですし……まゆさんはそれ以上できますよね?」

774: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 18:05:29.93 ID:skFpsBM60
まゆ「まあ順当にいけば。だけどアクシデントが起こるかもしれませんし」

蘭子「……そうですね」

蘭子「こほん。では、我はこの場にて、紅い魂の色に重圧をかけるとしよう!」
  (じゃあ私はここで、まゆさんにプレッシャーをかけます!)

蘭子「……」ジー

まゆ(ものすごい見てくる)

まゆ「じゅ、準備はできました! いきます!」

蘭子「……」ジー

まゆ「スタート!」

ピカッ

まゆ「余裕ですっ」タッチ

ピカッ ピカッ

まゆ「これも、何とか!」タッチタッチ

まゆ(問題はここからですね!)

蘭子「……」ジー

まゆ(視線が気になる)


↓1 コンマ一桁 まゆのタッチできた率

776: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 18:22:27.22 ID:skFpsBM60

まゆ:全体の81%


まゆ(いえ、ダメです! 集中をボタンに向けないと!)

ピカピカピカッ

まゆ「やっ、ふっ、そこっ!」タッチタッチタッチ

ピカピカピカピカッ

まゆ「えーい!」タッチタッチタッチタッチ

蘭子「む……」

蘭子(と、とっくに私の記録を越えてる)

蘭子(まゆさん、すごい……あれに追いつけるなんて)

――――

まゆ「ふぅ、いい汗をかきました」キラキラ

蘭子「すごいです!」パチパチパチ

まゆ「え?」

蘭子「びっくりしました。あんなにタッチできるなんて」

蘭子「パーフェクトに近いんじゃないですか?」

まゆ「そ、そうですか? 集中してたので数えてなかったですけど」

まゆ「蘭子ちゃんも転んでなければ、もっとタッチできてましたよ!」

777: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 18:36:05.16 ID:skFpsBM60
蘭子「そう思いますか?」

まゆ「はい!」

蘭子「……じゃあ、あとでもう1回やってみようかな」

まゆ「お付き合いしますよ♪ いい運動になりますし」

――――

蘭子「次はここです。名づけてスーパーショット」

蘭子「5つのバスケットゴールが、ヘの字に設置されてますよね?」

蘭子「次々に光るので、光ったゴールにボールをシュートするんです」

まゆ「わあ、楽しそう!」

蘭子「ゴールした数で勝敗を決めますから、ゆっくり慎重に」

蘭子「でも素早くやらないといけません」

まゆ「難しいですね……冷静を保って判断しないと」

蘭子「さっきは私が先攻だったので、今度はまゆさんからどうぞ!」

まゆ「いいんですか? 勝手が分からないので怖いですけど……やってみましょう」

蘭子「準備はいいですか?」

まゆ「待ってください! シュートの練習を少しだけ」エヘヘ

まゆ「はっ! こんな感じでしょうか」

778: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 18:42:12.73 ID:skFpsBM60

まゆ「よし、オッケーですよ!」

蘭子「では始めてください!」

ピカッ

まゆ(光った! 慎重に……)ヒョイッ

カンッ

まゆ「あー、惜しい……!」

蘭子「まだまだここからですよ!」

まゆ「ようし」

ピカッ

まゆ(慎重に)

まゆ「……」ヒョイッ

ポスッ

まゆ「入った!」

蘭子「すごい! その調子です!」パチパチパチ

まゆ(蘭子ちゃん、勝負してること忘れて、応援してくれるなんて)ウフフ


↓1 コンマ二桁 数字が大きいほどゴールした数も多い

781: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 21:24:30.70 ID:skFpsBM60
まゆ「それっ!」ヒョイッ

ポスッ

蘭子「また入った!」

まゆ「はー、これで終わりみたいですね」

まゆ「結構入れることができましたよぉ♪」

蘭子「むぅ……強敵」

まゆ「今度は私がプレッシャーをかける番ですね」

まゆ「もう後がないですよ? どうしますか?」フフ

蘭子「いかなる者も、我から翼を奪うことはできないわ」
  (どんな人にも、私は負けません!)

蘭子「膨大な重圧など無に等しい! いざ!」
  (大きなプレッシャーにも動じません! いきます!)

まゆ「練習はしなくていいの?」

蘭子「……やります」

蘭子「えっと、左手は添えるだけ……左手は……」ボソッ

――――

まゆ「いきますよ! よーい、、スタート!」

蘭子「てやっ」ヒュンッ

ポスッ

蘭子・まゆ「!!」

蘭子「やった、入ったー!」ピョンピョン

782: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 21:28:03.76 ID:skFpsBM60
まゆ(まさかジャンプシュートをするなんて……!)

まゆ「次、光りますよ!」

ピカッ

蘭子「それっ」ヒョイッ

ポスッ

蘭子「また入った! えへへ♪」

まゆ「す、すごい……!」

まゆ(これ、負けるんじゃないですか私……)


↓1 コンマ二桁 数字が大きいほどゴールした数も多い

784: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 21:44:02.13 ID:skFpsBM60

ピカッ

蘭子「シュート!」ヒョイッ

ポスッ

ピカッ

蘭子「もう1回!」ヒョイッ

カンッ

蘭子「むむ、惜しい」

まゆ(今外したので失敗は3回目。だけど、あとは全部ゴールしてる)

まゆ(か、敵わない……)

蘭子「どうやら終幕のようね」
  (もう終わりみたいですね)

まゆ「負けました蘭子ちゃん……あんなにズバズバ入れるなんて……」

蘭子「宿していた力の一片を解放したまで。次は全てを解き放つわ!」
  (まだまだこんなものじゃないですよ! 次はもっと全力でいきます!)

まゆ「ま、まゆもまだ全てを見せてませんからね! 決着をつけましょう!」

――――

まゆ「……持久走ですか」

蘭子「まだ何も言ってませんよ!」

まゆ「でもこれ、ジムとかで見るようなランニングマシーンじゃないですか」

まゆ「ゲーム的な要素も無いですし、ヘトヘトになっちゃいますよ……」

786: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 22:26:51.65 ID:skFpsBM60
蘭子「話は最後まで聞いてください。これはダイナモスピンといって」

蘭子「制限時間内にどれだけ走れるかを測る装置なんです」

蘭子「だから、どれだけ長い時間走れるかとか、そういう勝負じゃないですよ」

まゆ「そ、そうだったんですね。早とちりして失礼しました」

まゆ「時間が決まってるならまだ……いえ、それでもキツそうです」

まゆ「とはいえ泣き言なんて言ってられません! 全力で走りますよ!」

蘭子「トップはどうしますか?」

まゆ「私、蘭子ちゃんときたので、私でお願いします」

蘭子「分かりました!」

まゆ「まずは準備運動を……」グッ グッ

(1分後)

まゆ「オッケーです!」

蘭子「では始めましょう! よーい」

蘭子「スタート!」

タッタッタッタッ

まゆ(序盤は軽く走って、どんどんペースを上げていく)

まゆ(そして残り10秒くらいになったら思いっきり走る。この作戦でいきます!)

787: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 22:42:36.59 ID:skFpsBM60
まゆ「ふっ、ふっ、ふっ……」

蘭子(呼吸法も意識してる)

タッタッタッタッ

まゆ(まずはジョギングペース。そしてゆっくりと上げていって……)

まゆ(そろそろ50%くらいの力で……)


↓1 コンマ二桁 数字が大きいほど良い結果

789: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 23:05:36.09 ID:skFpsBM60

タタタタッ

まゆ「はっ、はっ、はっ……」

蘭子(時間を見ながらペースを上手く変えてる……)

まゆ(そろそろラストスパートですね。残り15、14、13、12、11)

まゆ(10秒を切った! ここで全速力です!)スタタタッ

蘭子(すごい! 最後の10秒は全速力で!)

蘭子(何から何まで完璧に近いくらい切り替えてる!)

まゆ「くぅ~……!」スタタタタッ

蘭子「しゅ、終了です!」

まゆ「ぷはぁっ! ……はぁっ……はぁっ……ゆっくりペースを落として……」

まゆ「クールダウンします……ふぅ……」

蘭子「お、お見事です。計算された走りでしたね」

まゆ「計算通りに、いくか……不安、だったんですけど……」

蘭子「あ、ごめんなさい話しかけちゃって! ゆっくり休んでください」

まゆ「ありがとうございます……」

――――

まゆ「さて、蘭子ちゃんはどんな走りをみせてくれるんでしょうか」

蘭子「ふっふっふ……計略は我が脳内に封じ、決して明かされることはない」
  (作戦はありますけど、絶対に教えませんよ♪)

蘭子「さあ、閉じた幕が再び上がる時! 秘めたる力を今、解放する!」
  (さあ、始めましょう! 本気を出します!)

790: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 23:17:03.46 ID:skFpsBM60
まゆ「準備運動はしたんですか?」

蘭子「あ、はい! まゆさんが走ってるうちに済ませておいたんです」

まゆ「分かりました。それではいきますよ? よーい」

まゆ「スタート!」

タッタッタッタッ

蘭子「ふっ、ふっ、ふっ……」

まゆ(徐々にペースを上げていく。ここまでは私と一緒ですね)

まゆ(ここからどうするんでしょうか)

蘭子「ふっ、ふっ……」

まゆ「!」

まゆ(まだペースが上がってる。これは……)

蘭子(よし、このへんで……)タッタッタッタッ

まゆ(やっとペースが安定した。……ひょっとして……)

まゆ(時間経過するごとにペースを上げていく方法が私なら)

まゆ(蘭子ちゃんは、最初から最後までずっと同じペースで走り続ける方法)

蘭子「はっ、はっ、はっ……」

まゆ(う、結構速いですね。このペースでいくなら、私を追い抜く可能性も……)

蘭子「はっ、はっ、はっ……」


↓1 コンマ二桁 数字が大きいほど良い結果

792: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 23:32:49.14 ID:skFpsBM60
蘭子「……はっ、はっ、はっ……」

まゆ(あれ? なんか)

蘭子「はっ、はっ……はぁっ……」

まゆ(だんだん遅く……)

蘭子「はぁっ……ひぃっ……ふぅっ……!」

まゆ(明らかにバテてますね)

まゆ(ヤバいと思って一回りペースを落としましたけど)

まゆ(この様子なら……)

蘭子「ふっ……不覚ぅ……!」

――――

蘭子「ぜぇ……ぜぇ……」

まゆ「お水どうぞ」スッ

蘭子「ありがとうござます……」

蘭子「……負けました……」

まゆ「は、はい……最初は結構良かったんですけどね!」

蘭子「最初だけ良くてもダメです……あのペースを維持しないと」

蘭子「維持できなかったということは、どのみちまゆさんに負けていたということ」

まゆ「そうでしょうか。走り方次第では分からなかったと思いますよ」

まゆ「蘭子ちゃんだって、アイドルのレッスンで持久力がついてますし」

793: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 23:43:33.68 ID:skFpsBM60
蘭子「そう思いたいですけど……」

蘭子「えっと、とりあえず結果発表をしますね。2対1でまゆさんの勝利です」

まゆ「やりました! と喜ぶのはいいんですけど」

まゆ「かなり汗かいちゃいましたね……このままで過ごすのは憂鬱……」

蘭子「温泉で汗を流しましょう! 気持ち良いですよ」

まゆ「あっ! その手がありましたね、すっかり忘れてた」

まゆ「火山の温泉でしたっけ。楽しみです♪」

蘭子「あの、もうちょっとだけ休んでもいいですか?」

まゆ「もちろんですよ、色々お話しましょう!」

晶葉(まゆ、サイコロを2回振れること忘れてないか)

――――

晴「どうだ、ポンジュース美味いだろ」

凛「うん。初めて飲んだけど絶品だよ」

凛「そっか、ポンジュースって愛媛なんだね」ゴクゴク

晴「……」

晴「もう1本飲むか?」

凛「ありがとう。でも、お腹たぷたぷになりそうだから」フフ

晴「そっか」

794: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/29(日) 23:54:41.73 ID:skFpsBM60
晴(アクシデントでまゆが2回振ることになったのに、顔色一つ変えないな)

晴(大泣きされても困るけど)

凛「ねえ、もう次に行かない? どんなところに連れてってくれるのか楽しみでさ」

晴「だな。じゃ、ワープするぞ!」

凛「お願いします」

――――

蘭子「阿蘇健康火山温泉は、男湯と女湯、それぞれ1000坪もある大庭園露天風呂なんです」

まゆ「広い!? ということは、お風呂の種類も豊富なんですよね? ここに来た時に少し聞きましたけど」

蘭子「10種類あります。岩風呂、ミネラル湯、蒸気風呂、寝湯などなどです」

まゆ「全部入っても!?」

晶葉『まゆ!』

まゆ「きゃっ!? 晶葉ちゃん、脅かさないでください」

晶葉『なるべく驚かないよう意識したつもりだったんだが、すまなかった!』

晶葉『それより、サイコロのことを忘れてないか?』

まゆ「!!」

まゆ「思い出しました……ごめんなさい」

晶葉『いいんだ! 今入ってる風呂から出たら、よろしく頼むぞ!』

まゆ「はい!」

795: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 00:08:56.40 ID:pAY5K1Jr0
まゆ「ということなので、入るのはまた今度ですね」

まゆ「今入ってるのは確か、健康ミネラル大浴場でしたっけ」

蘭子「そうです。床には天然石が敷き詰められてるんですよ」

蘭子「奥にあるあれは、パワーストーン鉄釜風呂、ミネラル陶器風呂です」

まゆ「そんなのもあるんですねぇ」

――――

まゆ「気持ちよかったぁ」

蘭子「体の芯からぽかぽかして、気持ちよかったですね!」

まゆ「ええ、本当に! 次の戦いに向けた準備も整いましたし」

まゆ「サイコロを振りましょうか」スッ

蘭子「残り13マスですから、今回じゃゴールはできませんね」

まゆ「ですねぇ。でもせめて、次にサイコロを振る時には少ない目でゴールできるように」

まゆ「今、大きい目を出しておきます!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】


   愛媛  高知  福岡  佐賀
凛  ●○○ ×☆○ ○○× ○☆○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○● ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ◎



↓1 コンマ一桁 0は10

797: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 00:19:24.78 ID:pAY5K1Jr0

まゆ:9マス進む+2


【進行状況】


   愛媛  高知  福岡  佐賀
凛  ●○○ ×☆○ ○○× ○☆○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○●○ ◎


まゆ「9が出ました!」

蘭子「2をプラスすると11ですね! まゆさんすごい!」

晶葉(まゆのやつ強すぎるだろう)

まゆ「すー……はー……最後にもう一度、この美味しい空気を吸っておきます」

まゆ「では、蘭子ちゃん! 行ってきます!」

蘭子「うむ! 紅い魂の色に女神の加護があらんことを!」
  (はい! まゆさんに幸あれ!)

ビュンッ

――――

ビュンッ

まゆ「北海道から出発して、何日経ったかは分からないですけど」

まゆ「ようやく都道府県ナンバー47、沖縄までやってきました!」

まゆ「本当に現実では1時間しか経ってないんでしょうか……」

晶葉『本当だ! たった今、37分30秒を過ぎたところだ』

まゆ「あれ!? 全然経過してない!」

798: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 00:49:38.64 ID:pAY5K1Jr0
晶葉『まゆが大きい出目を連発してきたからな! 最短では40分前後で終わるぞ!』

まゆ「はぇー……」


???「マユ」ツンツン

まゆ「?」クルッ

まゆ「あっ、ケイトさん!」

ケイト「ハァイ♪」

まゆ「そっか、スペシャルマスだから……」

まゆ「ここは、沖縄の街ですよね?」キョロキョロ

ケイト「そうデス。沖縄のお土産から生活用品まで、色んなモノがたくさん売ってマス」

ケイト「向こうでは、ちんすこう売ってマシタ。マユも食べマスカ?」

まゆ「わあ、ありがとうございます」

まゆ「ん、美味しい♪ 塩味ですね」モグモグ

まゆ「ところで、ここでどんな勝負を?」

ケイト「Battleは、違う場所でやりマス。今からWarpするんデス」

まゆ「何でそんなことを? だったら最初から…」

ケイト「そこは、とっても綺麗な場所ダカラ。マユをビックリさせたくて」

ケイト「感動しマスヨ?」ニコッ

まゆ「粋な計らいというやつですね! わくわく♪」

805: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 15:33:38.42 ID:pAY5K1Jr0

――――

ザザ…

まゆ「わー!」キラキラ

ケイト「どうデスカ? エメラルドビーチデス」

ケイト「海洋博公園の中、沖縄美ら海水族館の近くにある、Y字型のBeach」

ケイト「遊びの浜、憩いの浜、眺めの浜、の3つに区切られてるんデス」

まゆ「名前の通り、エメラルドグリーンが綺麗ですねぇ」

まゆ「その向こうのブルーとのコントラストがまた素敵です」

ケイト「ビックリしましたカ?」

まゆ「とっても♪ あと、この美しさに見惚れちゃいますね」

まゆ「こんな場所で何をするんですか? ビーチバレー?」

ケイト「アイドルと海辺の砂浜の組み合わせといえば、何だと思いマスカ?」

まゆ「アイドルと、海辺の……」

まゆ「イメージビデオの撮影とか、グラビア?」

ケイト「正解デス! 今からするのは、ちょっぴりSexyな水着グラビア対決デス」

まゆ「ちょっぴり○○○な……!?」

まゆ「え、○○○な水着を着るんですか?」

ケイト「着てもいいデス。水着は好きなものをChoiceしてくだサイ」

ケイト「あとは、海辺で撮影開始デス。横になってPoseしたり、海水と戯れたり」

ケイト「アイドルらしくCuteに撮るのもいいデスケド、ちょっぴりSexyがテーマデスカラ」

ケイト「SexyPoseしたり、Sexyに振舞うことも忘れてはいけまセンネ」

806: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 16:01:20.84 ID:pAY5K1Jr0
まゆ「ふむふむ、○○○に見せることも大事なんですね」

ケイト「あの、マユ? Sexyと○○○は、違いマスヨ?」

まゆ「えっ?」

ケイト「○○○は、見た目。Sexyは、内面デス」

ケイト「つまり○○○な格好をするだけでは、Sexyとは言いまセン」

ケイト「仕草、振る舞いで、色気を出すことが大切なんデス」

まゆ「あ……言われてみれば、そうですね」

まゆ「混同しちゃいけませんね。ありがとうございます、ケイトさん」

ケイト「お礼を言うほどのことでは……」

ケイト「それでは、どんな風に撮影するかのイメージを決めて、それぞれ撮影し」

ケイト「また2時間後に集まりまショウ」

まゆ「分かりました!」

――――

まゆ「うーん……仕草、振る舞いで色気を出す。これは金言かも」

まゆ「特にスタイルが抜群とは言えない私にとっては……」

まゆ「見た人にセクシーと思わせるには、どうすればいいんだろう」

――――

ケイト「マユには偉そうなこと言いましたケド、私もまだ勉強中デス」

ケイト「SexyなPoseも練習して、研究しないと」

ケイト「水着はどうしまショウ。前に着たものを使っても……」


↓1 ケイトの選んだ水着

↓2 まゆの選んだ水着

811: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 16:55:47.34 ID:pAY5K1Jr0
ケイト「いくら内面が大切はといえ、水着の効果も重要デス」

ケイト「ハイレグで攻めてみまショウ。あとはPoseの研究をしマス」

ケイト「まずは基本中の基本、両手を頭の後ろに、胸を張ってクビレを作る」クイッ

ケイト「次に、四つん這いになって、切なそうな目線を」

ケイト「切なそうな目線……難しいデス」

――――

まゆ「肝心な水着は……」

まゆ「確かケイトさんは、『○○○な格好をするだけでは』って言ってた」

まゆ「つまり、○○○な格好をしても良いということ」

まゆ「とはいえ、過激すぎるのはダメですし……ちょっとネットで調べてみよう」タプタプ

まゆ「わー……すごい……」カァァ

まゆ「まゆには刺激が強いものばかり。似合うかなぁ」タプタプ

まゆ「ん? これは……」


(2時間後)


ケイト「できましたカ?」

まゆ「はい、できる限りのセクシーを出しました」

まゆ「男性ファンの方が見れば、鼻の下が伸びちゃうと思いますよ」

ケイト「自信が伝わってきマスネ」フフ

813: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 18:25:13.02 ID:pAY5K1Jr0
まゆ「ケイトさんこそ、自信がありそうですけど」

ケイト「そんなことはないデス。上手くできたか不安なのデ」

ケイト「では、観賞会をしまショウカ。どちらのを観マスカ?」

まゆ「ケイトさんが最初でいいですか?」

ケイト「分かりまシタ! じゃあモニターを出して、DVDをセットデス」ウィーン

まゆ(どんな映像なんでしょう。楽しみ)


~♪ ~♪


まゆ(わ、○○チックな音楽……)

ケイト『……♡』

まゆ(あれ、服を着てる? これから水着に着替えるのかな)

まゆ(にしてもケイトさんの顔を見てると、胸がドキドキ……魅惑の表情をしてる)ドキドキ

ケイト『……』シュルッ

まゆ(え!? 服、脱いじゃうの? 水着に着替えないまま)ドキドキ

まゆ(あ、下に水着を着てた。なるほど、こうやって興味を唆るんだ……)

ケイト『……♪』

まゆ(これは、ハイレグ! セクシーな水着!)カァァ

まゆ(す、すごい……色んな意味で)ドキドキ

ケイト『……♡』

まゆ(ポーズも自然にとってる)

まゆ(……やっぱり、胸は武器ですね……)

814: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 18:37:22.03 ID:pAY5K1Jr0
ケイト『♪』パシャパシャ

まゆ(寄せては返す海水を足でパシャパシャ)

まゆ(可愛らしい行動なのに大人っぽく見えるのは、何か秘密があるんでしょうか)

ケイト『……♪』

まゆ(お尻の形、綺麗だなぁ)

まゆ(女のまゆでも見入っちゃう)

――――

ケイト「これで終わりデス。どうでしたカ?」

まゆ「……」

ケイト「マユ?」

まゆ「ご、ごめんなさい。もうなんか、すごくて……」

まゆ「これが大人の女性かと」

ケイト「大げさデスヨ。私もまだまだなのデ」

まゆ「いやぁ……セクシーでしたよ……」

ケイト「ありがとうございマス。次はまゆの番デスネ♪」

まゆ「今のを見せられたら、あまり見せたくない気持ちが……」

ケイト「そんなこと言わず、ディスクを。さあ♪」

まゆ「ど、どうぞ」スッ

ウィーン

ケイト「楽しみデスネ」ワクワク

まゆ「お、お手柔らかに」

815: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 18:59:27.06 ID:pAY5K1Jr0

~♪ ~♪

ケイト「可愛い曲デスネ」

まゆ「はい、狙いがあって」

まゆ『……』

ケイト「あ、マユが出てきまシタ」

ケイト「これは……Bondage! Challengerデスネ!」

まゆ「新しく作ってもらった水着で、ちょっと可愛くデザインしてもらったんです」

ケイト「SexyとCuteの両立デスカ。色が真っ黒なのがポイントデスね、色気を感じマス」

まゆ『♡』

ケイト「仰向けに横たわって、色っぽい上目遣い。とってもCute!」

まゆ『……♪』

ケイト「海辺のシーンに変わりまシタ」

ケイト「お尻のくい込みを直すシーン。ドキッとしマスネ」

まゆ『……♡』ニコッ

ケイト「……」

ケイト(一見アイドルらしい仕草デスケド)

ケイト(動作をゆっくりにしたり、笑顔に色っぽさを足したちして工夫してマスネ。艶がありマス)

まゆ『……♡』チュッ

ケイト(この投げKissも、CuteだけれどSexyも感じる)

ケイト(考えられてマスネ)

816: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 19:15:22.23 ID:pAY5K1Jr0

――――

まゆ「以上が私のグラビアです」

ケイト「素晴らしいデス!」パチパチパチ

まゆ「そんな、拍手するほどじゃ……」

ケイト「いえ、とても細かく計算された動画でGoodでシタ!」

晶葉『私も良かったと思うぞ!』

まゆ「晶葉ちゃん、観てくれてたんですね」

晶葉『審査を任されていたからな! そうでなくても、2人のグラビアは貴重なものだから』

晶葉『少し興味があったんだ!』

まゆ「それで、どうでしたか?」

ケイト「私たちの作品は……」

晶葉『まあ慌てるな! 今ありとあらゆる点から2人の映像を見て審査している最中だ!』

晶葉『終わるまで、沖縄名産のスムージーを用意したから飲んでいてくれ!』

まゆ「やった♪」

ケイト「いただきまショウ♪」

――――

まゆ「美味しいですねぇ」チュー

ケイト「体が喜んで、元気が出てきマス♪」チュー

晶葉『2人とも、審査が終わったぞ!』

817: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 19:19:03.38 ID:pAY5K1Jr0
まゆ「想像よりも早い!」

ケイト「それで、結果は?」

晶葉『ああ、2人ともセクシーさを考慮した良い作品だった!』

晶葉『まずこれだけは言っておくぞ!』

まゆ「ありがとうございます。ど、どっちが勝ったんです?」

晶葉『……』


↓1 ケイト

↓2 まゆ


コンマ二桁 数字の大きい方が勝利

820: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 19:38:36.57 ID:pAY5K1Jr0
晶葉『……勝者は』


晶葉『まゆだ!』

まゆ「!!」

ケイト「んー、残念デス」

まゆ「や、やった! でも何で? ケイトさんの方が明らかに……」

晶葉『確かにケイトはすごかった。色気に満ち満ちていた』

まゆ「じゃあ尚更どうして」

晶葉『まあ一言で言うと……○○かったからだ!』

まゆ「へ?」

ケイト「というと?」

晶葉『セクシーはやり過ぎると○○に偏ってしまう!』

晶葉『ハイレグという選択をしたのなら、ポーズや仕草をもっと控えるべきだったな!』

まゆ(確かに、結構大胆でしたね)

ケイト「何ということでショウ……その線引きに気を配っていたのデスケド」

ケイト「甘かったということデスネ……」

まゆ「けど、言い方を変えたらセクシーさが限界突破したということですよね」

まゆ「まゆにはそれができそうにないですし……」

ケイト「そうデスカ? とってもSexyでしたよ」

まゆ「私にはケイトさんみたいなスタイルが無いですから」アハハ…

ケイト「そういう問題なら、マユはまだ成長すると思いマス」

まゆ「そうかなぁ……もう16歳だけど……」

821: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 20:00:27.22 ID:pAY5K1Jr0
ケイト「大丈夫デスヨ♪ 気にしすぎたら、その分成長が止まってしまうかもしれまセン」

ケイト「気を楽にしてくだサイ」

まゆ「一理あるかもしれませんね。そうします!」

ケイト「それじゃあ、勝負も終わったことデスし、海で泳ぎマスカ?」

まゆ「賛成です!」

――――

凛「……」

凛「……」ムニムニ

晴「どうした、いきなり自分の胸を○○で。人目につくからやめろよ」

凛「ちょっとね」

凛「晴はまだ伸びしろあるよね」

晴「は?」

凛「こっちの話だよ。まあ私には脚があるし」

晴(何の話だ。まゆの勝負関係か? 見てなかったから分かんねー)

凛「ここが晴の言ってた場所?」

晴「ん? ああ。道後ぎやまんガラス美術館ってとこ」

822: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 20:29:07.87 ID:pAY5K1Jr0
晴「水と自然にあふれた庭園に囲まれてるんだ」

晴「夜にはライトアップされて、この館全体が芸術品みたいにキレーになるんだぜ」

凛「見たい……」

晴「この中を見て回って出たら、ちょうど夜になってると思うから、その時見よう」

晴「中に入るぞ」スタスタ

――――

凛「すごい……これガラスなんだ……!」

晴「精巧に作られてて、そうとは思えねーよな」

晴「ここには、希少な江戸時代のぎやまん・びいどろ」

晴「明治・大正時代の和ガラス作品とかが展示されてるんだ」

凛「びいどろって、聞いたことあるな。なんだっけ」

晴「薄い吹きガラスのこと。ポルトガル語のヴィードロからきてるんだってさ」

晴「あ。ほら、あれ見てみろよ。赤い板ガラスだ」

晴「この後に行く道後温泉本館にもあるんだよ」

凛「へぇー……綺麗だね。触ってみたい」

晴「やめろよ?」

凛「分かってるよ、子供じゃないんだから」フフ

――――

凛「このグラデーション、綺麗だなぁ。どうやって作るの?」

晴「そこまでは知らねーな。ただ、これは大正時代のガラスだな」

823: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 20:53:55.82 ID:pAY5K1Jr0
凛「大正時代のガラス……江戸時代、明治時代と何が違うのかな」

晴「説明するとすげー長くなるんだよな。まあ一つ言えるとしたら」

晴「大正時代にはこういうグラデーションとか、色鮮やかで華やかなガラスが作れるような技術が確立されたってことだ」

凛「それまではできなかったんだね」

晴「らしいな。ガラスの品質が向上して、世界にも進出したんだって」

凛「世界レベルか」

晴「あの人が思い浮かぶな」

凛「嫌そうな顔だね。ヘレンさん嫌いなの?」

晴「いや、嫌いとかじゃなくて……なんて言えばいいんだ」

晴「ヘレンさんと接すると、戸惑うからさ……」

凛「気持ちは分かる」

――――

凛「心が洗われるって言うのかな。ガラスたちを見てると、澄んだ気持ちになれる」

晴「本当か?」

凛「うん。晴れ晴れするよ」

晴「そっか」

晴(連れてきて正解だったな)

824: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 21:04:55.48 ID:pAY5K1Jr0
凛「ガラスって生活の一部にもなって、人類に欠かせないものになってるけど」

凛「もし世界からガラスが消えたらどうなるんだろう」

晴「変なこと考えるな。ガラスが無くなったらか……」

晴「まず、部屋から外の景色が見られねーな」

凛「車のガラスとかもね。運転できなくなっちゃう」

晴「そうか? 風を感じられて気持ち良さそうだけど」

凛「目を開けることができないと思う」

晴「ああ、なるほど。冬もキツそうだな」

凛「プラスチックで代用できるかな?」

晴「柔いしなぁ。強化プラスチックとかでいけるかも」

凛「あれってガラスの繊維が入ってるらしいよ」

晴「そうなのか。じゃあ、やっぱガラスが無いと困るな」

凛「ね」

――――

晴「そういえばここ、美術館以外にもカフェとかあるんだよ」

凛「そうなの? って、ここに入るときに見たあれかな」

晴「それだな。ランチやスイーツ、ワインも美味いらしいぞ。オレは飲めねーけど」

凛「私だって。大人アイドルなら大喜びかもね」

晴「だろうな」フフ

825: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 21:19:32.34 ID:pAY5K1Jr0
すみません、また中断します
22時から再開します

826: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 22:13:51.25 ID:pAY5K1Jr0

晴「さーて、日が沈んだみたいだし、いよいよ温泉だな」

凛「その前にライトアップを見ないと」ソワソワ

晴「分かってるって。外に出れば見られるよ」

――――

凛「……はぁ……」

晴「何でため息?」

凛「良いため息だよ。この景色を見て、思わずね」

凛「こういう綺麗な場所って、日本でどれだけあるんだろう」

晴「100以上はあるよな。絶景スポット100選とか、本屋で見かけるし」

凛「人に見つかってない秘境とかあるのかな」

晴「そう考えるとロマンがあるな」

――――

晴「着いた。ここが道後温泉本館だ。国の重要文化財にも指定されてる」

晴「坊ちゃん湯とも呼ばれてるんだ」

凛「なんで?」

晴「小説『坊ちゃん』の舞台にもなってるんだよ。夏目漱石が使用した部屋もあるんだって」

晴「中には神の湯と霊(たま)の湯があって……まあ、実際に入ってみれば分かるか」

827: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 22:33:19.76 ID:pAY5K1Jr0

晴「ここの入口でチケットを買う。神の湯だけに入れるチケットが1番安い」

晴「他には、神の湯に入った後、座敷でくつろげるチケット」

晴「二階にあるちょっと豪華な霊の湯に入れるチケット。霊の湯に入った後、個室の休憩室でくつろげるチケットがある」

晴「1番安いの以外は浴衣を借りられるし、茶菓子もついてくるんだ。ちなみにどれも1時間以内のプランだ」

凛「私たちが入るのは?」

晴「1番高いチケット、と言いたいところだけど、この後宿泊するところでもくつろげるし」

晴「神の湯に入るだけでいいかなと思ってる」

凛「そうだね、私もそれでいいよ。霊の湯はまた今度に」

――――

カポーン

晴「ふー……気持ち良い」

凛「最高だね……」

晴「できればサッカーをしてから入りたかったんだけどな」

凛「あ! そうだよ、サッカーはいつやるの?」

晴「まあ明日の朝でいいだろ。チェックアウトしてからも時間あるし」

晴「サッカーした後、またここに来ようぜ。6時からやってるんだ」

凛「朝風呂かー、いいね」

凛「……」ススス

晴「? 何だよ、無言で近づいてきて」

凛「レッツ、スキンシップ」ムニッ

晴「うわっ!? ばば、バカっ! どこ触ってんだ!」

828: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 22:42:53.13 ID:pAY5K1Jr0
凛「胸だけど」

晴「なんで驚いてんだ! こっちが驚いたっての!」

凛「触っちゃダメなの?」

晴「ダメに決まってるだろ……ったく」

凛「ごめん、悪かったよ。こういうの他のアイドルとお風呂入った時にやるからさ」

凛「お詫びに私のも触っていいよ」

晴「いいよ別に」

凛「いいから触ってよ、ほら」

晴「○○かお前! うわっ、手を無理やり押しつけるな!」

ムニュッ

晴「……」

凛「どう?」

晴「どうって言われても……柔らかいよ」

晴「オレもこんな風になるのかな」

凛「嫌?」

晴「サッカーやる時邪魔になるし。凛くらいの大きさだったらいいけどさ」

晴「雫とか愛梨とか、あんなにはいらねーな」

凛「まあ、あの胸でサッカーやったら揺れて痛いだろうしね」

829: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 23:09:29.73 ID:pAY5K1Jr0
晴「うん、あと重そうだ。自由に動けないだろーな」

晴「胸の成長って何歳で止まるんだ?」

凛「聞いた話だと、30代後半でも大きくなるらしいよ」

晴「マジかよ……」

――――

晴「なんで胸の話で盛り上がったんだろ。のぼせてたのか」

凛「別に普通じゃない? 女子トークの一つとしてさ」

凛「改めて、お風呂気持ちよかったね」

晴「そうだな。明日入るのが待ち遠しい」

晴「……っと、そろそろ到着だな」

凛「え? どこに?」

晴「オレたちが泊まるとこ。お、見えてきた」

凛「5分くらいしか経ってないのに……」

晴「すげー近いんだよ。着いたな、大和屋本店だ」

晴「部屋はスタンダードなやつ選んだけど、良いとこなんだよ」

凛「期待に胸を膨らませるよ」

――――

凛「おー! 和室!」

晴「いい雰囲気だろ。畳が10畳分らしいんだけど、その割には広く感じるよな」

凛「えっ、そうなの? 本当広く感じるね」

830: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 23:29:13.63 ID:pAY5K1Jr0
凛「ゆっくり羽を伸ばせるよ」ノビー

凛「おっとそうだ。動物園で買ったクリームサンドを食べようかな」

晴「忙しいな……。それはあとにしとこうぜ、もうすぐ食事だし」

凛「食事! どんな料理が出てくるんだろうなぁ」

晴「妄想を膨らませる前に、日本料理か西洋料理か中国料理か、どれがいいか教えてくれ」

凛「日本料理だけじゃないの?」

晴「ああ、ここはその3種類の料理を選んで食べられるんだよ」

晴「本当はこんな直前には決められないんだけど、まあそこはゲームだからな」

凛「なるほどね。どうしよう……うーん……」

凛「洋食も中食も食べてみたいけど、せっかく和室に泊まってるんだし」

凛「日本料理でお願いします」

晴「了解。じゃ、浴衣に着替えてから食べに行くか」

――――

凛「個室なんだね」

晴「レストランでも食事できるけどな。ちゃんとプライベートの空間もあるんだ」

凛「静かに楽しみたい人に助かるね」

831: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/30(月) 23:56:14.99 ID:pAY5K1Jr0

凛「わ、料理が来たよ! 盛りつけが綺麗で展示品みたい!」

晴「見て楽しむこともできるよな。食べよう!」

凛「いただきます、パクッ」

凛「モグモグ……ふふふ」

晴「な、なんだよニヤニヤして……気味悪いな」

凛「そんないやらしい笑みだった? ごめん」

凛「上品な味で美味しくてさ、ついつい」

晴「あむっ、モグモグ……」

凛「笑わないの?」

晴「笑うことを強いるなよ……そりゃすごく美味いけど」

――――

凛「わぁ、鍋がグツグツ煮立ってる。いい匂い」

晴「ここに肉を入れるんだよ」

凛「すき焼きだね。よいしょっと……早く火が通らないかな」

晴「パクッ……モグモグ……♪」ニコニコ

凛「あ、笑った」

晴「な、なんでオレを観察してんだよ」

凛「観察なんてしてないよ。たまたま目に入っただけ」

凛「今の顔、可愛かったなぁ。写真に撮りたかった」

晴「やめてくれ」

832: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 00:11:34.54 ID:BFhPePHS0
凛「嘘だよ、ふふ。もうそろそろお肉いいかな?」

凛「うん、いい感じだね。いただきます」パクッ

凛「モグモグ……うんっ! 噛めば噛むほど味が染み出てくる」

凛「柔らかくて美味しい……」

晴「本当だ、この肉美味い! 味付けがいいのかな? 両方か」

晴「凛、この刺身食った? すげーぞ」

凛「食べた食べた。新鮮で引き締まった身だよね」

凛「添えてある柑橘系の果物を絞って、果汁を垂らしてから食べると、また違った美味しさなんだよ」

――――

凛「身も心も満足」

晴「美味かったなー……ふあぁ……」

凛「あれ、もう眠い?」

晴「いや、ちょっとあくびが出ただけ……」

凛(眠そうなのに)

凛「ねえ、ここってお風呂あるよね?」

晴「そりゃあな。露天風呂と足湯、エステルームなんてのもあるぜ」

凛「入ってきていいかな」

晴「さっき入ったのにか?」

凛「まあまあ、お風呂は何度入ってもいいじゃん」

凛「明日も道後温泉に入るんだしさ」

833: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 00:20:20.31 ID:BFhPePHS0
凛「晴はどう?」

晴「凛がそう言うなら、オレも入ろうかな」

晴「スキンシップは無しだぞ」

凛「大丈夫だよ」ニコッ

――――

凛「いい体つきだね、サッカーやってるから?」サワサワ

晴「無しって言っただろ! 約束したのに!」

凛「しないとは言ってないよ。ただ、さっきみたいに胸とかは触らない」

凛「腕だけだから」

晴「なんでそんなに触りたいんだよ……」

凛「晴とこうしてお風呂に入る機会なんてめったに無いし」

凛「話は変わるけど、素敵なお風呂だね」

晴「うん、静かで落ち着けるよな。中のヒノキ風呂はいい香りがするし」

凛「もう一度入ってこようかな」

晴「そうしろよ、オレはここにいるから」

凛「冷たい……」

晴「凛がひっつき過ぎなだけだって」

834: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 00:40:15.89 ID:BFhPePHS0

――――

凛「道後温泉と合わせて2回もさっぱりしちゃった」

晴「……」

凛「晴? どうしたの、さっきから黙ってるけど」

凛「そっか。スキンシップそんなに嫌だったんだね……本当にごめんね」

晴「違ぇーよ、眠いんだ。もう寝ようかな」

凛「早いね。これからお話したり、一緒にクリームサンド食べようと思ってたんだけど」

凛「晴もまだまだ子供だね」フフッ

晴「なっ……そういう言い方されると黙ってられねーぞ」

晴「よし、もうちょっと起きてる。凛が眠くなるまでな」

凛「えっ、いや、無理しなくていいよ? ごめん、変なこと言っちゃって」

晴「起きてる! 確かに寝るには早い時間だしな」

凛「そろそろ22時だよ……。分かった、私も寝るからさ」

晴「起きてろ、どっちが遅くまで起きてるか勝負しよーぜ」

凛「い、いいけど……」

――――

晴「……すぅ……すぅ……」

凛(布団に座った瞬間だね)

凛(起こさないように移動して……お茶とクリームサンドを用意しよう)コソコソ

837: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 16:28:48.87 ID:BFhPePHS0

(数分後)

凛(美味しい)サクッ モグモグ

凛(なめらかなクリームとサクサクのビスケットの触感がベストマッチだね)

凛(お茶も進むよ)ズズ…

凛「はぁ……落ち着く……」

凛「……」

凛(ちょっとまゆの様子を確認してみようかな)

――――

ザザ…

まゆ「し、失礼します」ペタペタ

ケイト「ん……ひんやりしマス」

まゆ「あの、日焼け止め塗る必要あるんですか?」

まゆ「紫外線とかも調整できますよね」ヌリヌリ

ケイト「雰囲気は大切デスヨ♪」

まゆ「なるほど。じゃあケイトさんが終わったら、私もお願いしてもいいですか?」

ケイト「もちろんデス」

――――

凛(ぐぬぬ、南国のビーチを楽しんでるね)

凛(私もすぐにそっちに行くから、覚悟しといてね)

838: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 16:42:57.54 ID:BFhPePHS0
凛「ふあぁ……」

凛(眠くなってきた。食べたばっかなのに……)

凛(まあ太りはしないだろうけど、腹筋してから寝よう……)

――――

(翌日の朝)

晴「ほらほらどうした? 遅いぜ!」スタタタッ

凛「しまった!?」

晴「シュートだ! へへ、これで5対2だな」

凛「はぁ、はぁ、さすがだね晴。スピードもテクニックもある」

晴「凛も結構いい動きしてるじゃねーか。鍛えればやり手のフォワードになれるぜ」

晴「いや、サッカーだからやり足か? まあいいや」

晴「いい時間だし、汗も存分にかいた。温泉に行こーぜ」

凛「ま、待って。負けっぱなしじゃ納得いかない」

凛「せめてあと1点入れたい」

晴「負けず嫌いだな。いいぜ、それまでにオレが何点入れるか分からねーけど」フフ

――――

カポーン

凛「疲れたー」

晴「7対3でオレに勝ちだな」

凛「悔しい……また今度勝負しようよ」

凛「私もサッカーの技術を磨いておくから」

晴「ああ、受けて立つぞ」

839: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 17:19:09.08 ID:BFhPePHS0
晴「その前に、まゆとの勝負に勝たねーとな」

凛「うん」

凛「……晴はさ、勝てると思う?」

晴「は?」

凛「私がまゆとの勝負に勝てると思う?」

晴「……」

凛「ハッキリ言っていいよ」

晴「確立で言うと98%負けるんじゃねーか」

凛「あれ、100%じゃないんだ」

晴「だってまゆはまだゴールしてないだろ」

凛「ふふ、そうだね。でもまゆはゴールの手前にいるし、スペシャルマスで勝ったからプラス5」

凛「サイコロを振らなくてもゴールできちゃう。晶葉が自動ゴールって言ってたしね」

凛「だからつまり、私はこのターンでゴールしなきゃいけなかったんだよ」

晴「……」

凛「ごめんね、落ち込んでるんじゃないんだ。ただもう負けは確定してるのに、強がるのもどうかと思ってさ」

晴「負けてねーって」

凛「慰めてくれてありがとう」ニコッ

晴「慰めじゃなくてさ……まあどうせすぐに分かるか」

凛「何が?」

晴「こっちの話。とにかく、気持ちを切らさず進めよ」

凛「うん、そうだね」

840: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 17:23:04.85 ID:BFhPePHS0

――――

凛「よーし、サイコロスタンバイ!」スッ

晴「1回休みは踏むなよ」

凛「そうしたいけど、運任せだからね。まだ私に運が残っていれば」

凛「大きい出目、なおかつ1回休みに止まらないはず!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】


   愛媛  高知  福岡  佐賀
凛  ●○○ ×☆○ ○○× ○☆○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○●○ ◎


↓1 コンマ一桁 0は10

842: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 17:42:13.07 ID:BFhPePHS0

凛:4マス進む

【進行状況】


   高知  福岡  佐賀  長崎
凛  ×●○ ○○× ○☆○ ○○○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○●○ ◎


凛「やった、4が出てスペシャルマスに止まった!」

晴「まだツキはあるってことだな」

晴「何度も言うけど、気持ちを切らすなよ。まだ負けてねーんだから」

凛「うん。色々紹介してくれて楽しかったよ、ありがとう晴」

ビュンッ

――――

ビュンッ

凛「高知に到着っ」スタッ

凛「海外出身のアイドルは、あと誰がいたかな? ヘレンさん、ナターリア、イヴ、ライラ、ケイト」

凛「その他は……」


菲菲「ふぇいふぇいダヨー!」

凛「!?」


凛「菲菲!」

菲菲「そうダヨ、ふぇいふぇいダヨー!」

凛「……何してるの?」

菲菲「公園の鳩にエサをあげてたヨ。可愛いネー」

843: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 18:22:07.54 ID:BFhPePHS0
凛「それは見れば分かるけど……その鳩が勝負に関わってくるの?」

凛「あ、この公園が高知県の観光地なのかな?」

菲菲「どっちも違うヨー。この鳩も公園も、他県と同じ普通の生き物と公園ダヨ」

凛「じゃあ、これから目的地に行くんだね」

菲菲「そうダヨ! ちょっと離れたとこにあるから、ワープするネ」

――――

菲菲「着いたネ! ここダヨ!」

凛「わー、オシャレというか何というか、魅力的なデザインの建物だね!」

菲菲「海洋堂ホビー館四万十っていうとこヨ。海洋堂知ってるカ?」

凛「ごめん、知識不足で……」

菲菲「気にしないデ。説明するネ!」

菲菲「海洋堂は、世界的にも有名な模型を作る会社! ガレージキット、フィギュア、食玩、色んなもの生み出してるヨ!」

菲菲「造形物の精巧さ、造形センスは世界屈指。すごいヨー、あの恐竜映画、ジャラシックパークにも関わってるからネ」

凛「ジュラシックパーク!? スピルバーグ監督の!?」

菲菲「海洋堂の恐竜モデルを、コンピューターグラフィックス制作の資料にしたらしいヨ」

菲菲「他にもガメラの制作に協力したりネー。あとチョコエッグ知ってるカ?」

菲菲「あれのも海洋堂。チョコエッグのヒットが、日本国内に名前が広まったきっかけなんダヨ」

凛「す、すごい会社なんだね」

菲菲「とんでもないネー。ちなみに、本社は大阪にあるんだヨ」

菲菲「じゃあ何でここにホビー館があるのかというと、創設者の人が高知県出身だからダヨ」

凛「へぇー……」

844: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 18:43:46.71 ID:BFhPePHS0
凛「それで、その海洋堂でどんな勝負をするの?」

菲菲「勝負はあとデ! まず中に入って展示物を見ようヨ!」

――――

凛「あ、ケンシロウだ」

菲菲「北斗の拳の主人公ダネ。リアルですごいヨー」

菲菲「上を見るとビックリ! 恐竜ダヨ!」

凛「ティラノサウルスかな。今にも動き出しそうなくらいリアルだね」

凛「こっちにはゴジラがある! うわー、よくできてるなぁ」

凛「菲菲の説明の通り、精巧な作りだね。どうやって制作してるのかな」

菲菲「気になるネー。ちなみにシン・ゴジラの、レジンキャスト製の完成品が販売されてたんだけど」

菲菲「値段は993600円。にもかかわらず、ものすごい数の注文があったらしいヨ」

凛「ひぇー……。だけど、こんなにすごい模型を作れる会社の製品なら、どんな値段でも買いたいって気持ちも湧いてくるだろうね」

――――

凛「うわわっ、模型がたくさん! 見ごたえあるねこれ!」

菲菲「どれも高クオリティダネー」

凛「本当だよ、ずっと見てても飽きないと思うよ」

凛「あ! あれってエヴァンゲリオンのアスカだっけ?」

菲菲「そうダネ。等身大カナ?」

凛「ぽいね。すごいなぁ……」

凛(うちの飛鳥も、正式にお願いしたら作ってもらえたりするのかな)

845: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 19:00:22.33 ID:BFhPePHS0
凛(私的にはプロデューサーをお願いしたいね)

凛(……実物と同じ大きさのプロデューサーのフィギュア……想像しただけでヤバい)

――――

凛「ジオラマ、すごかったね。その光景を切り取ってそのまま模型にしたみたいなさ」

菲菲「空気感が伝わってくるネ!」

菲菲「最後に紹介するのはここダヨ。ジオラマ教室」

菲菲「ホビー館のフィギュアを使って、1時間くらいでジオラマを作れるんダヨ」

凛「へー……。あっ」

凛「分かったよ菲菲、何で勝負するのか」

菲菲「さすがに気づいたみたいダネ! そうダヨ」


菲菲「フィギュア作り対決ダヨ!」
凛「ジオラマ作り対決でしょ!」


凛「……は?」

菲菲「あー、残念だったネ。ハズレダヨ」

凛「ちょ、待って。フィギュア作り対決?」

菲菲「そうダヨ。今からこの作業場を借りて、フィギュアを作るんダヨ」

凛「いやいや、フィギュアって……私素人だよ? ジオラマならまだやりくりできそう、って言ったら失礼かな」

凛「とにかく、フィギュアは無いでしょ! 作り方も勉強しなきゃいけないし!」

菲菲「ふぇいふぇいも同じダヨ! 必要な材料や道具は余る程揃ってるし、この空間だけ1日が1秒になる設定をするから」

菲菲「時間はどれだけかかってもいいヨ。学ぶ時間もたっぷりあるからネ!」

凛「えぇ……本当にやるの? 決定?」

菲菲「決定! 何を作るかはお任せ。最終的にクオリティの高かった方が勝ちダヨ!」

846: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 19:15:04.34 ID:BFhPePHS0
菲菲「準備はいいカ? 始めっ!」スタタタッ

凛「ちょっと! 私の意見を無視しないでってば!」

凛「……まあそういう勝負なんだし、仕方ないか……」

凛「割り切ろう。えっと、まずネットで調べないと」タプタプ

(数分後)

凛「へー、そうなんだ。簡単に作れるフィギュアもあるんだね」

凛「だけどクオリティを高くしなきゃいけないから、どうしても時間はかかっちゃうよね」

凛「っていうか、肝心なのは何を作るかだけど……どうしよう」

――――

菲菲「フィギュア作り、楽しそうダネー! うきうきするヨ!」

菲菲「ネットで作り方を調べる前に、何を作るか決めようカナー」


↓1 菲菲が作るフィギュア

↓2 凛が作るフィギュア


コンマ二桁が途中までの出来 結果に影響します

852: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 19:44:33.63 ID:BFhPePHS0
菲菲「可愛い可愛いキョンシーを作るヨー」

菲菲「服の質感や躍動感でポイントを獲得するヨ」

――――

凛「やっぱりプロデューサーフィギュアかな」

凛「等身大に挑戦してみたいけど、ここは我慢して1/7スケールに」


(1時間後)


凛「よし、設計図はこんなもんかな」

凛「絵とかあんまり得意じゃないけど、我ながらカッコよくできたかも」フフフ

凛「って、これで満足しちゃダメだよね。形にしてからじっくり眺めよう」

――――

菲菲「ポップなキョンシーの絵ができた!」

菲菲「ジャンプしてるとこを切り取れたヨ! あとはこれを再現するだけ!」

菲菲「それが1番難しいんだけどネー」


(4時間後)


凛(はぁー……疲れた……)

凛(石粉粘土で肉付けに取り掛かったはいいけど、やっぱり難しいな)

凛(ふかふか高級椅子に座ってる設定だから、立つかどうかのバランスは考慮しなくていいけど)

凛(問題はやっぱりディティールだよね。似せなきゃいけないし、スーツがどうなってるか観察しなくちゃいけない)

凛(完成はいつになるかなぁ)


菲菲「凛、ご飯ダヨー」スタスタ

凛「! ありがとう。ちゃんと食事があるんだね」

菲菲「もちろんダヨ。はい、鍋焼きラーメン」コトッ

菲菲「ちくわ、ネギ、生卵が入ってる、ご当地グルメダヨ」

853: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 20:03:07.19 ID:BFhPePHS0
凛「熱々だね。いただきます!」

凛「ズズッ……はふはふっ、モグモグ……」

凛「はー、美味しい……体が温まるよ」

菲菲「ふぇいふぇいも一緒に食べるネ」

菲菲「フィギュア作りはどんな感じなノ?」ズズッ

凛「う……ま、まあまあ順調かな!」

凛(本当は全然出来てないんだけど)

凛「菲菲はどう?」

菲菲「分かってたけど難しいヨ。上手くできないネ」アハハ

菲菲「でも楽しいから、最後まで集中してやり遂げてみせるネ!」

凛「……」

凛(楽しい、か。言われてみれば結構ワクワクするね)

凛(形が出来上がっていくのが面白くて。ソファーもいい感じにできたし)

凛(よし、頑張ろう! 最高のプロデューサーフィギュアを完成させるんだ!)


(3時間後)


凛(うー、ずっと集中してるから頭が痛くなってきた)

凛(目も疲れてきたし……ちょっと休憩しようかな)

菲菲「オヤツの時間ダヨー」

凛「オヤツ? あ、大福だ。ちょうど甘いもの欲しいなって思ってたんだ」

菲菲「満天の星大福っていう名前ダヨ。中身は4重層になってて、生クリームと上質なあんこを、ほうじ茶のお餅でくるむの」

菲菲「さらにその上から、ほうじ茶粉をたっぷりまぶした、ちょっぴり苦味のある大福ネ」

凛「美味しそうだねっ。ありがたくいただきます」

凛「ぱくっ……モグモグ……。本当だ、クリーミーな生クリームとあんこの甘さに、ほうじ茶の苦味がマッチしてる」

凛「甘すぎない大人のスイーツだね」

854: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 20:17:26.68 ID:BFhPePHS0
菲菲「美味しいネ!」

凛「うん、ほっぺたが落ちそう。この大福が売ってるお店、なんて名前なの?」

菲菲「満天の星、ダヨ」

凛「大福の名前と同じなんだ。覚えとこっと」


(4時間後)


凛「ふー……」

凛(難航しちゃってるなぁ。なんとか形は作れてきたんだけど)

凛(1番大切なプロデューサーの顔も手をつけてないし)

凛(菲菲の様子を見てみようかな)スッ

――――

菲菲「……」

凛(すごい集中してる。話しかけない方がよさそうだね)

凛(確かキョンシーを作ってるって言ってたよね。結構出来上がってる……)

凛(私も壁を乗り越えないと)スタスタ

菲菲「むむむ」

菲菲(躍動感ってどうやって出すのカナ? 全然できないヨ……)

菲菲(写真を見て研究しないと)ジー


(1日後)


凛(睡眠をとって疲労は回復。頑張ろう)

凛(今の私、職人の顔になってるかな。なんて)フフ

菲菲「あうー……」

凛(菲菲、唸ってる。私みたいに上手くできない箇所があるんだね)

凛(その箇所に私も挑もうとしてるんだけど。そう、プロデューサーの顔に)

凛(髪の毛の表現もよく分かんないし、色んなフィギュアの資料を見て、ピンときたのをマネしようかな)

855: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 20:44:22.76 ID:BFhPePHS0

(2日後)

菲菲「ぬぅ……」

凛「ここをこうして……」

(5日後)

凛(よし、これは上手くできたんじゃない?)

菲菲(そうだ、こうすれば……」


――――


菲菲・凛「できた!」


菲菲「あ、凛もできたカ?」

凛「菲菲も? ほぼ同時だったね」

凛「ねえ、対決を始めてからどのくらい経ったっけ」

菲菲「1ヶ月は越えてるヨ」

凛「だよね。でもこの空間の1日は外の1秒だから、たぶん1分も経ってないんだよね……恐ろしい」

凛「えっと、完成品はどうするの?」

菲菲「晶葉に審査してもらうから、そこに並べてヨ!」

凛「プロの審査じゃないんだ……」

晶葉『安心してくれ! ちゃんとそういう知識はインプットしてある!』

凛「うん。まあ何となく察しはついてたけど」

857: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 21:37:09.40 ID:BFhPePHS0
晶葉『ほう、両者なかなかよく出来てるな!』

凛「初心者なりに努力はしたよ」

菲菲「頑張ったヨ!」

晶葉『情熱は伝わってくるな! いい作品だ!』

晶葉『しかし、この勝負はあくまでクオリティを重視するからな!』

菲菲「結果を聞く準備はできたヨ」ドキドキ

凛「遠慮なく言って」ドキドキ

晶葉『それでは……』


↓1 菲菲のフィギュアの完成度

↓2 凛のフィギュアの完成度


コンマ二桁 途中の出来と足して大きかった方が勝利

862: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 21:56:28.44 ID:BFhPePHS0

菲菲:13+5=18

凛:3+7=10


晶葉『……うん……まあ……』

晶葉『僅差で菲菲の勝ちだな!』

凛「うぐっ……」

菲菲「やったヨー! 嬉しいヨー!」

凛「ま、負けた……なんてことなの……!」

菲菲「晶葉、勝負の分かれ目はどこカナ」

晶葉『えっ、ああ……その……』

晶葉『菲菲のキョンシーの方が似ていたからだ! 凛のプロデューサーはもう少し誰か分かるくらい表現して欲しかった!』

晶葉『しかし2人とも本当に頑張ったな! 素晴らしいぞ!』

菲菲「えへへ、ありがとー!」

凛「……」

菲菲「凛? どうし…」

菲菲(あっ、そっか。ここで負けたら1回休みになっちゃう)

菲菲(だから凛は……)

凛「おめでとう菲菲。キョンシーよくできてるね」ニコッ

菲菲「えっ」

凛「どうやって作ったの? 教えてよ」

菲菲「い、いいヨ! こっち来て!」

晶葉『……』

865: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 22:09:34.06 ID:BFhPePHS0
晶葉(これで凛が負ける確率は、99%くらいか)

晶葉(だが、まだ負けではないんだぞ凛)

――――

まゆ「……やりました」

まゆ「ついにこの時がやって来ましたよ……!」

ケイト「どうしマシタ?」

まゆ「ケイトさん。パラソルの下でジュースを飲みながら、くつろいでいるところすみません」

まゆ「凛ちゃんのターンが終わったので、次は私のターンなんです」

まゆ「そしてこのターン、私は確実にゴールします」

ケイト「+5に恩恵を受けてマスからネ」

まゆ「はい! この長く、楽しかったすごろくも……終わりなんです」

まゆ「そう考えたらちょっと寂しいですけど。これでまゆはプロデューサーさんの正妻に…」


晶葉『聞いてくれまゆ!』

まゆ「! 何ですか晶葉ちゃん」

晶葉『凛も聞いて欲しいんだが、2人に言ってなかったことがある!』

――――

凛「言ってなかったこと?」

菲菲「何だろうネ」

――――

晶葉『実はな! ゴール地点に到達したら』

晶葉『試練を受けなければならないんだ!』

まゆ「試練?」

866: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 22:26:43.88 ID:BFhPePHS0
晶葉『そうだ! その試練をクリアすれば、晴れゴールとなる!』

晶葉『凛にもまだチャンスがあるということだな!』

凛「……!」

まゆ「そ、そうなんですか。でも当然、リードした人が有利になるんですよね?」

晶葉『もちろんだ! 凛がまだまだ大きく離されていることには変わらない!』

晶葉『とりあえずサイコロを振ってゴールしてみてくれ!』

まゆ「分かりました!」

――――

凛「……そっか。晴が言ってたのはこういうことだったんだ」

菲菲「よかったネ!」

凛「うん。だけど、まゆがもうすぐゴールしちゃうことには変わらない」

凛「問題はどんな試練なのか、だけど」

――――

まゆ「それでは、振ります!」ポイッ

コロコロコロ

まゆ「……3が出ました! 5と足して、8ですね!」


【進行状況】


   高知  福岡  佐賀  長崎
凛  ×●○ ○○× ○☆○ ○○○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ●


867: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 22:35:00.01 ID:BFhPePHS0
まゆ「マップ的にはゴールです。けど、試練かぁ……一体何だろう」

ケイト「何が来ても、マユなら乗り越えられマスヨ」ニコッ

まゆ「ケイトさん……ありがとうございます」ギュッ

まゆ「色々勉強ができて楽しかったです。行ってきます!」

ケイト「ハイ、気をつけて」ヒラヒラ

まゆ「ってそうだ! 晶葉ちゃん、お願いが……」

晶葉『服に着替えさせてくれ、だろう! 分かってるぞ!』

まゆ「ありがとうございます! では」

ビュンッ

――――

ビュンッ

まゆ「よいしょ……って、何ここ!? 真っ暗です」

まゆ「暗闇で何も見えませんよぉ。誰かー! 晶葉ちゃん?」


パッ


まゆ「きゃっ!?」

???「ようこそ、試練の間へ!」

まゆ(急に明かりが……あれ?)

まゆ「ちひろさんじゃないですか。何をしてるんですか?」

ちひろ「私はちひろではありません。ゴールした皆さんに試練を与える者」

ちひろ「試練の鬼です」

まゆ「試練の鬼」

869: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 22:56:43.28 ID:BFhPePHS0
まゆ(だから鬼みたいなコスプレをしてるんですね)

まゆ「何で鬼なんですか?」

ちひろ「晶葉ちゃんに聞いてください」

まゆ「そんな設定をつけられて怒ってないんですか?」

ちひろ「最初はちょっとイラっとしましたけど……まあ、こういったゲームに参加するのも息抜きできて楽しいかなって」

ちひろ「意外とノリノリなんですよ♪」フフ

まゆ(お金を手渡されたんじゃないんですね)

ちひろ「言っておきますけど、プレイヤーの考えてることは私に伝わりますからね?」ニコッ

まゆ「えっ。ごめんなさい」

ちひろ「謝ってくれればいいんです。お喋りも楽しいですけど、そろそろ本題に入りましょうか」

ちひろ「それっ」

ブンッ

まゆ「わっ! ルーレットが出てきた!」

まゆ「北海道、青森……これって都道府県?」

ちひろ「そうです。ルールを説明するので、よーく聞いてください」

ちひろ「まず私がこのルーレットを回します。そこにプレイヤーがダーツを投げます」

ちひろ「見事命中したらルーレットを止めて、ダーツの刺さった箇所を見ます」

まゆ「もし東京だったら東京の勝負。大阪だったら大阪の勝負をするんですね?」

ちひろ「その通り! ただし、勝負の相手はアイドルではなくこの私です」

まゆ「鬼に勝てばゴールできる、というわけですか」

ちひろ「残念! 違うんですよ」

870: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 23:07:47.13 ID:BFhPePHS0
ちひろ「勝負と表現してますけど、実は勝ち負けは関係ありません」

ちひろ「プレイヤーの方がその都道府県のバトルで獲得したポイントが、攻撃となって私のHPを減らすんです」

ちひろ「ちなみにHPは300あります」

まゆ「へー、なんかミニゲームみたいですね」

ちひろ「その表現が的確かもしれませんね」

ちひろ「では、準備はいいですか?」

まゆ「どうぞ!」

ちひろ「ルーレット、回転!」シャッ

クルクルクル

まゆ「この台に置かれた矢を使えばいいんですね」スッ

まゆ「行きますよぉ……それっ!」ヒュンッ

タンッ

ちひろ「お見事! 刺さったのはどこかなー♪」ピタッ


↓1 的中した都道府県 どの都道府県でもOK

872: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 23:29:32.15 ID:BFhPePHS0
ちひろ「岩手県ですね。それでは、フィールドオン!」

ブワァ

まゆ「!?」

まゆ「す、すごい! 周りの景色が変わった!」

ちひろ「ここは岩手県のある市内、あるお店の前です」

ちひろ「何のお店でしょうか?」

まゆ「わんこそば!」

ちひろ「ピンポーン♪ よく分かりましたね!」

まゆ「看板に書いてありますし……」

まゆ「もしかして、わんこそばをどちらが多く食べれるかという……?」

ちひろ「ご明察! 今からこの東屋さんに入って、わんこそばの食べた杯数を競うんです!」

ちひろ「その前にスタッフをご紹介しますね」

まゆ「スタッフ?」

スタスタ

美優「よろしくお願いします」ペコリ

志希「お手伝いお手伝い♪」

雫「気持ちよく食べてもらえるよう努めます~」ニコニコ

まゆ「岩手県アイドル勢揃いですか!」

ちひろ「美優さんは私、雫ちゃんはまゆちゃんの側で、わんこそばを投入する係」

ちひろ「志希ちゃんは食べ終わった器の数を数える係です」

873: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 23:50:35.28 ID:BFhPePHS0
志希「数えるだけじゃつまんないから、わんこそばを食べるたびにどんな表情をするかも調べるよ♪」

まゆ「Sっ気のある調査ですね」

ちひろ「数えてくれるなら、あとは何をしても結構ですよ」ニコッ

ちひろ「さあ、入店して始めましょうか!」

――――

まゆ「わ、とっても美味しそう!」

ちひろ「東屋さんはわんこそばで有名なお店ですからね」

雫「私も岩手に帰ったら1回は行きますよ~」

美優「美味しいですよね。私は40杯くらいが限界でした」

まゆ「2人とも、着物を着て準備万端ですね」

雫「ちょっと胸がキツいですけど」ギュムム

まゆ「あ、はい……」

志希「薬味も美味しいんだよねー。味を変えて食べるのは、お椀を一つでも多く増やすために重要かもね」

まゆ「できれば味わって食べたいですけどねぇ」

志希「いいんじゃない? 最終的に杯数が多ければいいんだし、ゆっくり食べてもさ」

まゆ「そ、そうですか? ……はっ! 騙されませんよ? 食べ物はよく噛んで食べると満腹になりやすいんです」

志希「ふふ、騙したつもりはないんだけどなー♪」

美優「あの、お蕎麦が用意できたので始めましょうか」

ちひろ「分かりました」

まゆ「……」ドキドキ

志希「それじゃ、位置についてー。よーい……始めっ!」

874: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/01(火) 23:59:58.25 ID:BFhPePHS0
美優「はい、どんどん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

美優「じゃんじゃん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

雫「どんどん♪」スッ

まゆ「ズルルッ」

雫「じゃんじゃん♪」スッ

まゆ「ズルルッ……あの、その掛け声は?」

雫「わんこそばを食べる時にやるんですよ~。どんどん♪」スッ

まゆ「あ、ズルルッ」

雫「じゃんじゃん♪」スッ

まゆ「ズルルッ」

まゆ(一口で食べられるサイズだし、このままならそこそこいけるかも?)


↓1 ちひろ

↓2 まゆ


コンマ二桁 3回やって数字の合計が高い方が勝ち

878: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:29:43.76 ID:GbQ97mXe0
雫「どんどん♪」スッ

まゆ「ズルルッ」

雫「じゃんじゃん♪」スッ

まゆ「ズルルッ」

志希(ほほーう)

美優「どんどん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

美優「じゃんじゃん」スッ

ちひろ「ズルルッ……」

志希(2人とも、ほぼ同じペースで同じ杯数食べてる)

志希(ちょっとまゆちゃんが早いかなー。良い勝負してるじゃん)


↓1 ちひろ

↓2 まゆ


コンマ二桁 それぞれの数字にプラス

881: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:42:34.81 ID:GbQ97mXe0
雫「どんどん♪」スッ

まゆ「ズルルッ」

雫「じゃんじゃん♪」スッ

まゆ「……ズルルッ」

志希(お? まゆちゃんのペースが落ちてきた)

志希(それに対してちひろさんは……)

美優「どんどん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

美優「じゃんじゃん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

志希(ペースを落とさず黙々と食べてるね)

志希(これは、ちひろさんが勝ったかな~?)

まゆ(うっ、やりますねちひろさん……)

まゆ(正直もう限界が近いんですけど……)ズルルッ

ちひろ(ふふ、わんこそばは食べ方にコツがあるんですよ)ズルルッ

ちひろ(このままいけば、まゆちゃんは近いうちに落ちる!)ズルルッ


↓1 ちひろ

↓2 まゆ


コンマ二桁 それぞれの数字にプラス

884: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 00:54:03.33 ID:GbQ97mXe0
志希(ちひろさんが50杯到達。まゆちゃんが40杯到達)

志希(そしてペースは……)

美優「どんどん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

美優「じゃんじゃん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

雫「頑張ってください~、どんどん♪」

まゆ「うう、ズルルッ……」

雫「まだいけますよ~、じゃんじゃん♪」

まゆ「……チュルチュル……」

志希(ちひろさんはまだ衰えない。まゆちゃんは虫の息)

志希(これは決まったね~)

まゆ「も、もう無理です……」

雫「どんどん♪」スッ

まゆ「え? 無理って言ったのに……」

雫「わんこそばは、お椀の蓋を閉じるまでずっと続きますよ~」

まゆ「そんな……! チュルチュル……はい、閉じました」ササッ

まゆ「ごちそうさまでした」ペコリ

雫「お粗末さまです~♪」

まゆ(お、美味しかったけど、それ以上にお腹が一杯で……苦しい……)

まゆ(ちひろさんの様子は……?)チラッ

885: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 01:02:14.49 ID:GbQ97mXe0
美優「どんどん」スッ

ちひろ「……ズルルッ」

美優「じゃんじゃん」スッ

ちひろ「ズルルッ……」

まゆ(まだ食べ続けてる! でも、ペースは落ちてるみたい)

美優「どんどん」スッ

ちひろ「ズルルッ」

美優「じゃんじゃん」スッ

ちひろ「ズルルッ……と、閉じました!」ササッ

美優「はい。ちひろさん終了です」

ちひろ「ふー、お腹いっぱい」

まゆ「すごいですねちひろさん……そんなに食べられるなんて」

ちひろ「ふふっ。実は以前わんこそばを食べる機会があったんですけど」

ちひろ「その時に今のまゆちゃんと同じ失敗をしちゃって。経験を活かしたんですよ♪」

志希「結果を発表するよ~! ちひろさん、72杯。まゆちゃん、49杯」

志希「よって勝者はちひろさーん!」

ちひろ「やりました♪」ピース

886: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 01:19:13.41 ID:GbQ97mXe0
まゆ「な、72杯!?」

志希「女性の平均が、確か30~60杯だったね」

ちひろ「平均を越えましたね!」

美優「お蕎麦を入れてる私も驚きました……」

雫「え~っと、確かわんこそば15杯で、普通のお蕎麦一食分でしたよね~?」

志希「だからちひろさんは5食分食べたことになるね♪」

まゆ「とてつもないですね……。というか、じゃあまゆは3杯分食べたんですね」

まゆ「そう考えたら充分ですよ……」

ちひろ「ふふ、そうですね。あ、ちょっと苦しくなってきた」

ちひろ「食休みということで、しばらく休憩しましょうか……」

まゆ「賛成です」

美優「では、私たちはお蕎麦を食べましょうか」

志希「いえーい♪」

まゆ「え? 3人もわんこそばを?」

雫「それもいいですけど、ここはわんこそばの他にも美味しいメニューがあるので~」

美優「一般的なお蕎麦はもちろん、お蕎麦の定食や、丼物なんかもありますし。お弁当も販売されてるんです」

――――

志希「それじゃ、ばいばーい♪」ヒラヒラ

美優「またお会いしましょう」

雫「及川牧場にも来てくださいね~」

まゆ「岩手に行った時、必ず行きます!」ヒラヒラ

ブンッ

ちひろ「以上、岩手でのわんこそば勝負でした」

まゆ「ゴール地点に戻るの早くないですか? できれば観光なんかを……」

ちひろ「それは現実で楽しんでください。もしくは、またこのすごろくを遊んで岩手に止まったらで」

まゆ「もっともな意見ですね」

887: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 01:30:41.28 ID:GbQ97mXe0
ちひろ「ところで、岩手の勝負でまゆちゃんが獲得したポイントは……合計112点ですね」

まゆ「それどうやって出したんですか?」

ちひろ「まあまあ、こっちの話ですから。不正もないですし、結果はそのままちゃんとお伝えするので」

ちひろ「えーっと……試練の鬼、ちひろは112のダメージを受けた!」

ちひろ「ぐわーーー!!」ガクッ

ちひろ「や、やりますね……しかしまだHPは188残っています」

ちひろ「これからですよ、ふふふ」

まゆ「楽しいですか?」

ちひろ「はい。無反応は寂しいのでノってください」

まゆ「じゃあ次から反応します……」

――――

凛「1回休みがもどかしい」ソワソワ

菲菲「結構ダメージ与えたネ」

凛「うん、このまま100ずつ与えられたら、私に残されたチャンスはたった1回だよ」

凛「1回じゃどう頑張ってもゴールは無理だし、ちひろさんの試練も乗り越えられない」

凛「まゆが少ない数字を出し続けてくれるのを祈るしかないね……情けないけど」

――――

まゆ「そういえば凛ちゃんが1回休みなので、もう1回ダーツができます!」

ちひろ「了解です! では、回転!」シャッ

クルクルクル

まゆ「どこに刺さるかな……えいっ!」ヒュンッ

タンッ

ちひろ「ルーレットストップ。次の舞台は……」ピタッ


↓1 的中した都道府県 どの都道府県でもOK

889: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 01:40:42.27 ID:GbQ97mXe0
ここまでにします
明日もできれば15時、遅くて17時頃に再開します

891: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 17:59:41.25 ID:GbQ97mXe0
ちひろ「出ました! 兵庫県です!」

まゆ「クラリスさんとグルメ食べ歩きしたところですね! 美味しかったです♪」

ちひろ「いいですよね兵庫グルメ。私もこの前行った時…」

ちひろ「っと、話が逸れるところでした。フィールドオン!」

ブワァ

まゆ「またしても一瞬で景色が!」

まゆ「わー……何ですかここ! 花がたくさん咲いてます! いい香り……」クンクン

ちひろ「ここは兵庫県神戸市にある、布引ハーブ園というところです」

ちひろ「約200種、75000株の花やハーブが育てられている、日本最大級のハーブ園なんですよ」

まゆ「素敵なところですねぇ。ん? 兵庫県、ハーブ……共通するアイドルが確か……」

スタスタ

桃華「ちひろさん、まゆさん、ごきげんよう!」

まゆ「あ、やっぱり桃華ちゃんでしたか」

まゆ「あれ? 後ろにいるのは……」

ありす「……」モジモジ

桃華「今だけ、私の使用人ですの♪ ありすさんご挨拶を」

ありす「はい。桃華お嬢様のメイド、橘ありすといいます。よろしくお願いします」ペコリ

ちひろ「メイドさんの服、とってもよく似合ってますね」フフ

まゆ「可愛いですねぇ。でも何故そんな格好を?」

ありす「この方が雰囲気が出るからと……仕方なく受け入れました」

桃華「お2人にもメイドになっていただきますわ。向こうに服が2着用意してあるので、着替えてきてくださいまし」

まゆ「え?」

ちひろ「分かりました。行きましょうまゆちゃん」グイッ

まゆ「いや、何でメイドになるんですか? 説明をお願いします」

ちひろ「まずはお着替えが先です♪」

892: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 18:26:00.55 ID:GbQ97mXe0

(10分後)


まゆ「着替えましたけど」バンッ

ちひろ「どうですか?」ジャンッ


桃華「まあ! とてもお綺麗ですわ♪」

まゆ「あの、それで? この姿で何をするんでしょうか」

ありす「今から2人にしていただくのは、どちらがハーブティーを美味しく淹れることができるか対決です」

ありす「そこのテーブルに、乾燥したハーブ数十種類、ティーポット、カップなど。ハーブティーを作るための材料、道具が揃っています」

ありす「制限時間は1時間。作り方は調べてもOKなので、美味しいハーブティーを研究してください」

ありす「そして1時間後に、桃華お嬢様の前でハーブティーを作り、桃華お嬢様に審査していただきます」

まゆ「む、難しそうですね。分かりました」

ありす「ちなみにお2人はメイドなので、礼儀正しくお淑やかな言葉遣いを心がけてください」

ありす「言葉だけでなく所作もです」

ちひろ「はい、ありすメイド長」

まゆ(メイド長!?)

――――

ちひろ「ふふ、お茶の淹れ方なら手馴れたものですよ♪」

まゆ「ズルい……」

ちひろ「あら? まゆさん、淹れたことございませんの?」

ちひろ「それはメイドとしてどうなのかしら。おほほほ!」

まゆ「なっ……!?」

まゆ「……まあ、私には時間がありますからねぇ」

ちひろ「何を言っているんですか? どちらも平等に1時間与えられたというのに」

893: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 18:57:04.40 ID:GbQ97mXe0
まゆ「いえ、勝負のことじゃなくて年齢ですよ。私はちひろさんの歳になるまでまだまだ時間があるので」

ちひろ「」ピクッ

まゆ「それにちひろさんよりは脳が若いので、どんどん知識を吸収できますしねぇ♪」

ちひろ「へ、へぇ……言うじゃないですか。でも付け焼刃の知識じゃ経験不足を補えませんよ?」

まゆ「やってみないと分からないですよぉ」

ちひろ・まゆ「……」バチバチバチ

ありす「牽制し合ってないで早く始めてください」

桃華「あんな様子で大丈夫なのかしら……」

――――

まゆ(へー、ハーブティーは種類ごとに色んな効果を望めるんですね)タプタプ

まゆ(そしてブレンドすれば相乗効果が生まれたり、自分好みの味を見つけたりして楽しむことができる)

まゆ(面白いですね)

ちひろ「……」ジー

まゆ(ちひろさん、あんなに自信満々だったのにもかかわらずネットで調べてるんですね)

まゆ(それだけ本気ということ。まゆも頑張らなきゃ)

――――

ちひろ(ちょっとだけハーブの瓶の蓋を開けて、香りを嗅いでみましょう)パカッ

ちひろ(ふぅ……いい香りです。これはローズヒップ? 桃華ちゃんが好きそうですね、ローズ繋がりで)

ちひろ(なんて、それは安直ですよね。でもローズヒップのお茶は事務所でも飲んでますし)

ちひろ(取り入れてみましょうか)

まゆ(お茶の淹れ方もタイミングが大事なんですね。勉強になります)

まゆ(よし、もうそろそろ肝心のハーブを選びましょう。1種類のシンプルなお茶でもいいですけど)

まゆ(ブレンドして、良い香りや美味しい味を見つけるのも手段……どうしましょう)

894: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 19:36:32.31 ID:GbQ97mXe0

(1時間後)


ありす「約束の時間になりました。ちひろさん、まゆさん、こちらへ」

桃華「ハーブティーの研究はどうですの?」

ちひろ「奥深さを知りました。桃華お嬢様のお口に合うかは分かりませんが、心を込めて入れさせていただきます」ニコッ

まゆ「私はお茶を淹れた経験があまりないですし、自信が無いです……」

まゆ「けど、この1時間で学んだことを全て出して、お嬢様に喜んでいただけるよう頑張ります!」

桃華「楽しみにしていますわ!」

ありす「ではこれよりハーブティーの審査に移ります。まずはちひろさんから始めてください」

――――

ちひろ「♪」

まゆ(慣れた手つきですね)

桃華「いい香りが風に乗って運ばれてきますわ」

(数分後)

ちひろ「できました。どうぞ、桃華お嬢様」コトッ

桃華「ありがとうございます。それでは、まずは香りを」

桃華「すー……なるほど」

桃華「いただきます」コクッ

桃華「……」

まゆ(ずっと真剣な表情。美味しいのかどうか分からない)

桃華「……」コクッ

桃華「……ごちそうさまでした」ニコッ

まゆ(全部飲みましたね。ということは、美味しい?)

ありす「残ったハーブティーはスタッフの方々に飲んでもらうとして、まゆさんどうぞ」

まゆ「えっ」

895: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 19:42:37.62 ID:GbQ97mXe0
ありす「ハーブティーを作ってください」

まゆ「は、はい!」

まゆ(大丈夫。練習した通りにやれば平気)ドキドキ

――――

まゆ「……」

ちひろ(まゆちゃん、様になってますね)

桃華(優雅な振る舞いですわ)

(数分後)

まゆ「……」コポポ…

まゆ「完成です。お嬢様、どうぞ」スッ

桃華「ありがとうございます」ニコッ

桃華「香りは……ふむふむ……」

まゆ(うう、緊張……)ドキドキ

桃華「お味はどうかしら」コクッ

桃華「……なるほど」

まゆ(なるほどって何ですか!? こ、怖い)

桃華「……」コクッ

桃華「ごちそうさまでした」

まゆ(あ、でも全部飲んでくれた)

ありす「ちひろさん、まゆさん、お疲れ様でした。審査結果は5分後にお知らせします」

896: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 20:03:05.61 ID:GbQ97mXe0
まゆ(5分も緊張しっぱなしですか……辛い)

ちひろ「まゆさん、やりますわね」

まゆ「!」

ちひろ「お茶の淹れ方、なかなかお上手でしたわ。私には敵いませんけど。おーほほほ」

まゆ「ま、またそういう挑発を」

ちひろ「……ぷっ。あはははっ、ごめんなさい。上品っぽく話すのが楽しくて」

ちひろ「でも本当にお茶の淹れ方はバッチリでしたよ!」

まゆ「そう言ってもらえるとホッとしますけど……味がどうだったのかが……」

ちひろ「読みにくい表情でしたね。どんな結果になるやら」


(5分後)


ありす「審査が終わりました」

ちひろ・まゆ「……」

ありす「桃華お嬢様、お願いします」

桃華「ええ。より美味しいハーブティーを淹れることができたのは……」


↓1 ちひろ

↓2 まゆ


コンマ二桁 数字の大きい方が勝利

900: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 20:30:21.63 ID:GbQ97mXe0



桃華「……ちひろさんですわっ!」


ちひろ・まゆ「!!」

ちひろ「えへへ、やりました!」グッ

まゆ「うー、また負けたぁ……」

ありす「桃華お嬢様から解説があります。お静かに」

桃華「お2人のハーブティー、どちらも美味しかったですわ。ちひろさんはさすが、まゆさんはよく頑張りましたねと褒め称えられるべきです」

桃華「ティーポットとカップを温めて、茶葉の抽出を助ける事をお二人ともできていましたし、ハーブの香りを引き出すために蒸らしたり」

桃華「お茶をより美味しい状態にする工夫がされていて、ここまでは同評価だったのですが」

桃華「勝敗を分けたのは、ハーブのブレンドをしたかどうか」

まゆ「くっ……ということは、ちひろさんは……」

桃華「はい。ちひろさんはハーブをブレンドさせて、香り、お味をさらに良いものへと変えたのです」

桃華「そしてハーブだけではなくて、ハチミツを少し混ぜたのでは?」

まゆ「えっ」

ちひろ「よくお気づきになられました。飲みやすさも考えて、ちょっとだけ甘みを足したんです」

まゆ「それってありなんですか?」

ありす「材料の中にハチミツや砂糖なども用意しましたし、問題はありませんよ」

桃華「あくまでハーブの良さを感じさせるための隠し味、お見事でしたわ」

桃華「一方まゆさんは、ローズピップ一種類のみ。香りもお味も素晴らしかったのですが」

桃華「ちひろさんと比較すると、あと1歩及ばなかったですわね」

まゆ「うう……ブレンド、試そうと思ったんですよ。でもよく分からなかったから、変に手を出して失敗するよりはと……」

桃華「もしまゆさんが少しでもお茶をかじっていたら、ブレンドに手をつけていたかもしれませんわね」

まゆ「け、経験の差ですか……」

901: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 20:47:26.44 ID:GbQ97mXe0
まゆ「参りました」ペコリ

ちひろ「うふふ、大丈夫ですよ。まゆちゃんはまだまだこれからです」

ちひろ「私の歳になるまでたっぷり時間があるんですし」ニコニコ

まゆ「さっきのあれ根に持ってますか?」

ちひろ「そんなことないですよ。さて、ゴールに戻りましょうか」

桃華「もう行ってしまうのですか? お茶会にご招待しようと思っていたのですけど」

ありす「お菓子もたくさん。スイーツは山のようにありますよ」

まゆ「ゴクリ……ち、ちひろさん」

ちひろ「そうですね。参加させてもらいましょうか」

ありす「兵庫県アイドルもあと1人来るので、お話に花が咲きますよ」

まゆ「1人? 誰でしょう」

スタスタ

クラリス「こんにちは。まゆさん、またお会いしましたね」ニコニコ

まゆ「クラリスさん! 大丈夫ですか? お菓子とスイーツ足りますか?」アセアセ

クラリス「私を何だとお思いなのですか……」

ちひろ「あっ、そうそう。まゆちゃんが今獲得したポイントは44なので」

ちひろ「ぐわーっ! 試練の鬼は44のダメージを受けた!」ガクッ

まゆ「! え、えっと……うふふ♪ この調子でどんどん追い詰めますよぉ」

ちひろ「おのれ、まだまだここからですよ!」

ちひろ「よし、と。ノってくれてありがとうございます。お茶いただきましょうか」

まゆ「そうですね」

903: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 20:56:27.16 ID:GbQ97mXe0

――――

桃華『な、何ですの今のは?』

ちひろ『お気になさらず。お茶会を始めましょう!』


凛「ふー、私の出番だね。ちひろさんのHPは144かな?」

凛「今回は助かったけど、いつ0になっちゃうか分からないね」

菲菲「サイコロ振ってどんどん進むネ!」

晶葉『頑張れ凛!』

凛「晶葉、ずっと出てこなかったね」

晶葉『まゆの方はちひろが仕切ってくれてるからな!』

晶葉『さあ、早くしないとまゆが本当にゴールしてしまうぞ!』

凛「うん」スッ

凛「1回休みを踏まずに大きい出目。お願いっ!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】


   高知  福岡  佐賀  長崎
凛  ×●○ ○○× ○☆○ ○○○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ●


↓1 コンマ一桁 0は10

905: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 21:03:17.95 ID:GbQ97mXe0
一時中断します
続きは22時以降になります

906: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 23:35:38.90 ID:GbQ97mXe0

凛:3マス進む


【進行状況】


   福岡  佐賀  長崎  熊本
凛  ○●× ○☆○ ○○○ ○○○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ●


凛「っぶな!」

晶葉『あと1マスで休みだったな!』

凛「うん、休みにならないだけマシだよ」

凛「それじゃ菲菲。キョンシーの作り方教えてくれてありがとうね」

菲菲「ぜひお家でも作ってみてネ!」

凛「それは……考えとくよ。またね」ヒラヒラ

ビュンッ

――――

ビュンッ

凛「ここから8以上を出し続ければ、最短3ターンでゴール」

凛「勝負に全勝するなら6以上を出せばいいんだけど……3ターンか。長いね」

凛「まゆの出す数字が連続で低くないと」


???「凛殿ー!」

凛「!」

凛「亜季さん、どうしたの?」

亜季「その猫殿を捕まえてください!」スタタタッ

猫「ニャー!」スタタタッ

凛(何故?)

907: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/02(水) 23:50:10.95 ID:GbQ97mXe0
凛(犬ならまだしも、猫の引きつけ方なんて分かんないよ……)

猫「ニャー!」ピョンッ

凛「わっ!」

亜季「おお、やりますねっ!」

凛「いや、この猫が勝手に胸に飛び込んできただけで……」ナデナデ

猫「ニャー」スリスリ

亜季「凛殿に懐いているようです。よかった、これで島に返せます!」

凛「島?」

亜季「はい! この港からフェリーで40分ほど海を渡ったところに、藍島(あいのしま)という島があるんです」

亜季「この猫殿はその島からフェリーに乗り込み、福岡の地に迷い込んでしまったようで」

凛「だから島に戻すために追いかけっこしてたと」

亜季「素早くて良い訓練になりました! では行きましょうか!」

凛「え?」

亜季「藍島に猫殿を返しに行くんですよ!」

凛「いやいや、勝負はどうなるの? やらなくていいの?」

亜季「ご安心を! 勝負は藍島で行うので!」

凛「ああ、そういうこと」

亜季「いいですか? くれぐれもその猫殿を離さないでください」

亜季「未熟なことに、搜索する体力もないので」

凛「亜季さんの体力が尽きるって、相当走り回ってたんだね」

908: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 00:19:25.27 ID:ksf7HNc10

――――

亜季「改めてご紹介しましょう。ここが藍島です」

亜季「人口は300人弱。釣り客に人気があり、夏になると海水浴をしに訪れる方も多いのです」

亜季「また、多くの地域猫が住む『猫の島』としても知られています」

凛「なるほどね」

ニャー ニャーオ ナー

凛「だから私たちの足元に多くの猫が擦り寄って来てるんだね」

亜季「ははは、可愛らしいでしょう。人海戦術ならぬ猫海戦術ですな」

凛「亜季さん、どうしたの? 語尾から!マークが消えたけど」

亜季「大きな声を出すと猫殿がビックリしてしまうんですよ」

亜季「さあ本題に入りましょうか。ここで行う勝負の説明をさせていただきます」

凛(違和感がすごい)

亜季「ここで行うのは、幸せの猫を見つけろ対決です」

凛「幸せの猫?」

亜季「実は私、さっきこの島で釣りに挑戦していたのですが、その時偶然ハートマーク模様の猫殿を発見したのです」

亜季「白黒のこれまた可愛らしい猫殿でした。釣った魚をあげようとしたら、逃げられてしまったのですが……」

凛「その猫を捕まえればいいんだね」

亜季「いえ、そのハートマークを写真に収めるだけで充分です。時間制限はないので気を楽にして探してください」

亜季「ちなみに注意点があります。島民の方のご迷惑にならないよう静かに、当然民家には立ち寄らないようお願いいたします」

亜季「そして私が今実践しているように、大きな声で騒がないこと」

亜季「エサでおびき寄せるのもいいいですが、エサやり可のポスターがない場所では決してエサをあげないこと」

凛「誓います」

亜季「では始めましょう。見つけたら電話で相手に通告し、この港に集合です」

909: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 00:28:38.57 ID:ksf7HNc10
すみません、少し早いのですが今日はここまでにします
予定が伸び、明日も再開できそうなので15時頃から始めます

910: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 16:21:43.23 ID:ksf7HNc10

――――

凛「それにしても本当に猫が多いんだね。あちこちで見かけるよ」

凛「あ、1匹寄ってきた。エサをあげてもいい場所だし、搜索を中断してちょっとだけ遊ぼうかな」

凛「おいで、ご飯あげるよ。はいどうぞ」スッ

凛「犬はもちろん可愛いけど、猫もいいね。触っても大丈夫かな」ソー

サワサワ

凛「すべすべだ……」サワサワ

凛「わ、他の猫もこっちに来た。囲まれちゃったよ」

凛「待ってね、ご飯あげるから」スッ

凛「ねえ、ハートマークの猫知らないかな? 白黒模様らしいんだけど」

凛「なんて聞いても答えてくれるわけないよね」フフ

――――

亜季「いやー、愛くるしいであります。いつまでも撫でていられる」ナデナデ

亜季「おっと、噛まれてしまいました。もう触るなということですね? 気まぐれですなぁ」

亜季「さて、私はとある猫殿を搜索しているので、これで失礼いたします」

亜季「うーむ……白黒模様の猫殿を見つけてはいるものの、ハートマークは見つからない」

亜季「ひょっとしてあれは私の見間違いだったのでしょうか。もしそうなら、勝負にならないのですが……」

亜季「もう少し探してみましょう」スタスタ


↓1 亜季

↓2 凛


コンマ二桁 60~40の間なら発見 両者発見の場合はコンマが大きい方の勝ち

913: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 16:47:24.55 ID:ksf7HNc10

――――

島民女性「ハートマークの白黒猫?」

亜季「もし知っているのであればぜひ教えていただきたいのですが」

女性「知ってますよ。見かけると、その日に必ず良いことが起きるんです」

亜季「おお、まさしく幸せの猫殿ですな! その猫殿は普段どんな場所にいるのでしょうか?」

女性「向こうのトンネルを抜けた先で、よく寝転んでいるのを見かけますね」

亜季「ご協力感謝いたします、ありがとうございます!」

亜季(貴重な情報を入手しました! 居てくださるといいのですが……)スタスタ

――――

凛「んー、いないなぁ」キョロキョロ

凛「白黒の猫はいるんだけどね。亜季さんが見たのって本当にハートマークだったのかな」

凛「まだ探してないところあるし、探せるところは探すけど……」

ニャー ナーウ

凛「はは……さっきエサをあげた猫が2匹、まだついて来てる」

凛「この島の猫は人懐こい……ん?」

凛「トンネルだ。あそこにも猫がいるね、ちょっと見てみよう」


↓1 亜季

↓2 凛


コンマ二桁 70~30の間なら発見 両者発見の場合はコンマが大きい方の勝ち

916: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 17:15:56.71 ID:ksf7HNc10

凛「白黒の猫は……いた」

凛「!! こ、これってハートマーク? そうだよね?」

凛「確認も兼ねて、写真を撮って亜季さんに送ろう」パシャッ

凛「よし、上手く撮れたね」

スタスタ

亜季「あ、凛殿。偶然ですな」

凛「亜季さん! ちょうどよかった。これ見てください」

亜季「む? ……あっ」

凛「そこの白黒猫の模様なんですけど、ハートマークっぽいですよね」

凛「違いますか?」

亜季「ぐう、やはりここに居たのですか……」

亜季「その通りです。私が見た釣り場で見た猫殿と全く同じ。この方こそ幸せの猫殿です」

凛「やった、正解だった! 私の勝ち、ですよね?」

亜季「はい。あと一歩だったので悔しいです……」

凛「そういえば亜季さんもこの近くでしたもんね。危なかった」

凛「にしても、本当にハートマークですね。可愛い」

亜季「顔立ちも美しい美猫殿ですな」

ニャー ニャー

亜季「お?」

凛「あ」

凛「猫が足元に擦り寄ってきた、ふふ」

亜季「エサが欲しいのですか? 残念ながらここでは差し上げられないのです」

917: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 17:31:17.77 ID:ksf7HNc10
凛「じゃあそこまで移動しましょうか。ついて来るか分からないですけど」

亜季「いや、どうやら私たちが持っているエサの匂いに敏感なようで」

亜季「トコトコと横に並んでいますよ」

凛「お腹空いてたのかな? 到着したらすぐにあげるね」

――――

まゆ(猫、可愛いなぁ)

ちひろ「モニターばかり見てますね」

まゆ「! ごめんなさい、凛ちゃんの様子が気になって」

ちひろ「かなり差がついてるのにですか?」

まゆ「まゆのライバルですからね。こうして休憩しているうちに、ぐんと距離を詰める可能性もありますし」

まゆ「あっちのターンは終わったようです。そろそろ私も動いていいですか?」

ちひろ「そうですね、いい時間です」

桃華「行ってしまうのですね」

クラリス「もふふほひひっほひひはは…」

ありす「クラリスさん、口に入れたもの飲み込んでください」

クラリス「モグモグ……ごめんなさい。私ったらお行儀が悪いわ」

クラリス「もう少し一緒にいたかったのですが、仕方ありませんわね」

まゆ「皆さんありがとうございました。ハーブティーにスイーツの数々、美味しかったです」ニコッ

まゆ「ちひろさん、お願いします」

ちひろ「はい、それでは」

ブンッ

ちひろ「ゴール地点に戻りました。そしてルーレット出現!」ジャンッ

ちひろ「回しますよ?」

まゆ「どうぞ!」

シャッ クルクルクル

まゆ「どの県に的中しても、まゆは乗り越えて……みせますっ!」ヒュンッ

タンッ


↓1 的中した都道府県 どの都道府県でもOK

920: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 18:46:04.78 ID:ksf7HNc10
ちひろ「ほう、北海道ですか」

まゆ「防寒具を着ないと……」

ちひろ「設定は春にするので大丈夫ですよ。フィールドオン!」

ブワァ

まゆ「!!」

まゆ「ここは……お城ですか?」

ちひろ「白い恋人パークです。札幌を代表するお菓子、白い恋人の製作工程を見学できたり」

ちひろ「お菓子作り体験やチョコレートの歴史、アンティークカップの展示など見どころがたくさんの施設なんですよ」

まゆ「白い恋人、美味しいですよね。事務所に置いてあったら必ずいただきます」

まゆ「ここで何をするんですか?」

ちひろ「お菓子作り対決です。まず中に入ってお菓子作り体験のお部屋を借り、そこで勝負を繰り広げます」

ちひろ「何を作るかは自由。お菓子という枠でくくれるものを作る材料や道具は全て揃っているので、不足の心配はありません」

ちひろ「完成したお菓子は審査員の方に審査してもらい、より高い評価を得た方が勝ちです」

まゆ「審査員というのは……まあ教えてもらわなくても分かりますけど」

ちひろ「まゆちゃんの想像通りだと思いますよ! どうぞ!」

スタスタ

千夏「甘いものは好きよ。楽しみにしてるわ」

杏「家でゴロゴロしてたいけど、お菓子がもらえるなら審査に協力するよ」

ちひろ「この2人です。私たちの作ったお菓子に点数をつけてもらいます」

まゆ「え? あと1人いないような気がするんですけど」

ちひろ「もう1人は私たちのお手伝いをしてもらいます。どうぞ!」

スタスタ

アーニャ・アーニャ「よろしくお願いします」

まゆ「アーニャちゃんが2人いる!?」

922: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 19:00:05.33 ID:ksf7HNc10
ちひろ「1人で2人を手伝うのは大変なので、2人に別れてもらいました」

アーニャA「姉妹ができたみたいで、嬉しいです♪」

アーニャB「ダー♪」

まゆ「何でもありですね本当に……」

ちひろ「説明は以上です。勝負の間へ向かいましょうか」

――――

ちひろ「ごめんなさい、言い忘れましたが制限時間は無しです」

ちひろ「出来たらすぐに審査員に食べてもらいます。とはいえ、時間をかけすぎるのはダメですよ?」

まゆ「できるだけ待たせちゃいけませんよね! 了解です!」

ちひろ「ではいきますよ! よーい、スタート!」

ちひろ(実はお菓子作り、あんまりしたこと無いのよね……。イベントでクッキーやチョコは作ったりしますけど)

ちひろ(何を作ろうかな)

まゆ(日頃プロデューサーさんにお菓子を作ってプレゼントしてるし、その経験が活きるかも♪)

まゆ(だけどせっかくこんなに材料があるんだから、新しい何かに挑戦するのもいいかも)

まゆ(どうしようかなぁ)


↓1 ちひろが作るお菓子

↓2 まゆが作るお菓子


お菓子の詳しい名前でも、『チョコ』や『ケーキ』などシンプルな安価でもOKです

925: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 19:32:08.10 ID:ksf7HNc10
ちひろ(こんなに材料があると、贅沢なお菓子を作りたくなっちゃう)

ちひろ(うーん……あっ! 良いこと思いついた!)

ちひろ「アーニャちゃん、今から言う材料を取ってきてくれませんか? 私は器具の準備をするので」

アーニャA「分かりました」


まゆ(まゆが作ったことないような、オシャレなお菓子を作ってみたい)

まゆ(そういえば千夏さん、フランス語を読んだり話したりできるけど、フランスの食べ物も食べたりするのかな?)

まゆ(フランスのお菓子か……ちょっと調べてみよう……)タプタプ

まゆ「!」

まゆ「これ良さそう! アーニャちゃん、ちょっといいですか?」

まゆ「今からこのお菓子を作ろうと思ってるので、材料をお願いしてもいいですか?」

アーニャB「ダー、任せてください♪」

――――

千夏「2人とも取り掛かったようね。何を作るのかしら」

杏「……」グッタリ

千夏「杏ちゃん、何をしてるの?」

杏「だらだらしてる。早くできないかなぁ」

杏「こんなことならスイッチ持ってくればよかったよ」

千夏「読書はどう? 楽しいわよ」

杏「あー……えっと、またの機会にします……」

千夏「ふふ、そう。じゃああの2人が何を作るか、当てっこしない?」

杏「いいよ。ちひろさんのテーブルにはバナナが見えるね。バナナケーキかな」

千夏「まゆちゃんのテーブルにはリンゴで。どちらもフルーツを使うみたい」

杏「この段階じゃ、まだ分からないね」

926: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 19:59:47.71 ID:ksf7HNc10

――――

まゆ「まずはリンゴの調理……皮をむいて芯を取って……」

アーニャB「マユ、お砂糖の分量はこのくらいですか?」

まゆ「はい! フライパンに入れちゃってください」

千夏「……ふふ」

杏「どうしたの?」

千夏「まゆちゃんが何を作るか分かったわ」

杏「マジ?」

千夏「まだ確定ではないけどね」


ちひろ(ええっと、まずはチョコを溶かして)

ちひろ「アーニャちゃん、皮むけましたか?」

アーニャA「綺麗にできました」

ちひろ「ありがとうございます。次は生クリームを……」

杏「ちひろさんが何を作るか分かった気がする」

千夏「私もよ」

杏「たぶんあれだろうね。でも、もうちょっと手間をかけて欲しいっていうか」

杏「お祭りに行ったら絶対に買うくらい好きだし、いいんだけどさ」

千夏「ちひろさんには考えがあると思うわ」

杏「どんな?」

千夏「それは分からないけど、普通のお菓子じゃないことは確かよ」

927: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 20:21:38.05 ID:ksf7HNc10

――――

アーニャA「ちひろさん、できました♪」

ちひろ「早いですね!? じゃあ冷蔵庫で冷やしておきましょう」

ちひろ「あとは、チョコが溶けるのを待っている間に飾り付けのこれを……」

まゆ(ちひろさん、何を作っているんでしょう)

まゆ(って、よそ見せず自分のお菓子に集中しないと)

アーニャB「マユ、リンゴをオーブンにセット完了です」

まゆ「ありがとうございます。リンゴが焼けるまで待ちましょうか」

アーニャB「それまで、何をしますか?」

まゆ「そうですねぇ。美味しくなるおまじないでもかけますか?」

アーニャ「おまじない。もえもえきゅん、ですね?」

まゆ「それ誰から……いえ、大体察しはつきますけど」


杏「いい匂いがしてきた」

千夏「まゆちゃんの方からね。どうやら、私の予想は間違っていないみたい」

杏「お腹も空いてきたよ。待ち遠しい」

ちひろ「……」

ちひろ(匂いを嗅がせるという点では、私には何もできない)

ちひろ(だけど完成すればきっと)

アーニャA「ちひろさんもう溶けたのではないですか?」

ちひろ「あ、本当ですね。じゃあバナナにたっぷりつけましょうか」

ちひろ「その後にアラザンを振りかけて冷やします」

アーニャA「了解です!」

928: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 21:16:23.48 ID:ksf7HNc10

――――

まゆ「ん~、よく焼けてますねぇ」

アーニャB「これだけでも食べてしまえそうですね」

まゆ「ふふ、ダメですよアーニャちゃん。これに生地を流し込んで焼かないと」

まゆ「もう15分くらいの辛抱です」

アーニャA「とても美味しそうですね!」

まゆ「!」

ちひろ「まだ仕上げが残ってますからね。生クリームを取ってください」

アーニャA「分かりました」スタタタッ

ちひろ「慌てると転んじゃいますよー」

まゆ(もしかしてちひろさん、もう出来そう?)

まゆ(幸いこっちももう少しですけど……)

――――

ちひろ・アーニャA「できました!」

杏「お、待ってたよー」

千夏「チョコバナナでしょう?」

ちひろ「ええ。でもただのチョコバナナではありません」

ちひろ「バナナは3本で2000円。チョコも海外から取り寄せた高価なものです」

ちひろ「さあ召し上がってください!」スッ

千夏・杏「!!」

杏「こ、これってチョコバナナなの?」

千夏「オシャレな盛りつけ」

ちひろ「そうなんですよ。お祭りで買うようなチョコバナナは、バナナに串を1本刺してチョコをコーティングした、食べやすい形ですけど」

ちひろ「私が今回作ったチョコバナナは、輪切りにして切り分けてあるんです。それを綺麗に並べて上からホワイトチョコソースをかけ」

ちひろ「周囲にはラズベリーと生クリームを添えて、それっぽく見せてみたんです」

杏「食べていいんだよね?」

ちひろ「どうぞどうぞ」

929: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 21:40:16.42 ID:ksf7HNc10
千夏「いただきます」パクッ

杏「モグモグ……うん、美味しい!」

ちひろ「!」

千夏「そうね。普通のバナナよりも甘みがあって美味しいわ」

千夏「コーティングされた高級チョコも味わい深い一品ね」

杏「この冷たさもちょうどいいよね。冷やしすぎてないし、食べやすさが考えられてる」

アーニャA「やりましたねちひろさん!」

ちひろ「ええ!」

杏「レストランのデザートとして出てきても喜んで食べるよー」

ちひろ「ありがとうございます!」

まゆ(むぐぐ、高評価ですね……まゆたちも早く完成させないと)

――――

まゆ・アーニャB「完成です!」

千夏「こっちもできたみたいね」

杏「あ、これケーキ?」

千夏「タルトタタンよ。バターと砂糖で炒めたリンゴを型に敷き詰めて、その上からタルト生地を被せて焼くの」

千夏「フランス発祥の洋菓子なのよ」

杏「ああ、だからピンと来てたんだね」

まゆ「焼き色も良くて、上手に出来たと思います。リンゴは、リンゴの王様と言われているサンふじを使用しました」

まゆ「サンふじは甘みが強いらしいのでカラメルの量を少なくして、しつこしぎず食べやすい味を目指したんです」

杏「美味しい!」モグモグ

まゆ(いつの間にか食べてる)

千夏「ええ、美味しい。カラメルを少量にしたのは正解かもね」

アーニャB「千夏のお墨付きです! まゆ、よかったですね!」

まゆ「はい、嬉しい……!」

930: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 21:49:41.49 ID:ksf7HNc10
ちひろ(むむ、やるわね。私のチョコバナナより反応いいかも)

ちひろ(あとは審査員の味覚次第……)

まゆ(正直、見栄えという観点ではちひろさんのチョコバナナには敵わない)

まゆ(味も審査員の反応が良かったですし、ひょっとして不利かも)

――――

アーニャ「結果発表です!」

まゆ「アーニャちゃん、1人に戻ったんですね」

アーニャ「分裂は楽しかったですよ♪ またやりたいです」

まゆ(意識が統合されてるんですか……)

アーニャ「千夏、杏、点数はつけましたか?」

杏「考えに考えた結果だよ」

千夏「真剣に決めたわ」

ちひろ・まゆ「……」ゴクリ

アーニャ「では一斉にボードを見せてください!」

杏・千夏「……」クルッ

ちひろ「!!」

まゆ「こ、これは……!!」


↓1、3 ちひろの点数

↓2、4 まゆの点数


コンマ二桁 合計が高い方の勝利

936: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 22:15:54.18 ID:ksf7HNc10
ちひろ「低すぎじゃないですか私の点数!?」ガーン

まゆ「私も、勝ちはしましたけど、千夏さんの評価が低いのがショックです……」

アーニャ「審査員から評価を聞きましょう。まずは杏、ちひろさんが28点、マユが74点でした」

杏「ちひろさんのチョコバナナはねー、美味しかったんだよ」

杏「だけど、バナナかチョコか、どっちかに絞るべきだったんじゃないかな?」

ちひろ「どっちかに?」

千夏「味が喧嘩してしまったのね。バナナとチョコ、どちらも美味しいものだったから」

千夏「合わせるという意識を大切にするなら、片方を普通の商品にするとか」

杏「杏もそれが言いたい。もったいないなって思ったんだ」

杏「でもこれだけは言っておくけど、本当に美味しかったんだよ」

ちひろ「じゃあもっと点数をくれたって……」

千夏「辛口だったわね。ごめんねさい」

ちひろ「い、いえ、ちゃんとこの結果を受け止めますよ。言われてみれば確かにその通りですし」

アーニャ「まゆの評価については?」

杏「タルトタタンなんて食べたことなかったし、すごく美味しかったから74点をつけたよ。新鮮さも点数にプラスされてるね」

アーニャ「千夏はどうですか。なぜ24点?」

千夏「美味しかったわ。でも、お店の味を知っているからどうしても比較してしまって」

千夏「それにレモン汁を入れて酸味を足し、大人の味にして欲しかったという我儘もあるの。ごめんなさい」ペコリ

まゆ「いいんですよ。食べる人への配慮、ですね……気をつけないと」

アーニャ「2人とも辛口でしたけどしっかり審査してくれました。拍手です!」

パチパチパチ

まゆ(この拍手はどこから!?)

アーニャ「残ったお菓子は、スタッフが美味しくいただきます」

アーニャ「さあ、食べましょう!」

まゆ「スタッフって私たちなんですか!? まあいいですけど」

まゆ(仕様でお腹も空いてますし)

ちひろ「余ってしまったら、他のアイドルのところへおすそ分けに行きますから安心してくださいね」ニコッ

937: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 22:32:17.82 ID:ksf7HNc10
ちひろ「おっと、そうそう。今回まゆちゃんが獲得したポイントは98です」

まゆ「結構ありますね!」

ちひろ「それでは……試練の鬼ちひろは98ポイントのダメージ! ぐはあっ!」

ちひろ「これであとHP46……! 今のは痛かった、痛かったぞーー!!」

まゆ「次でとどめを刺しますよ! 覚悟してください試練の鬼さん!」

ちひろ「はい、それではいただきましょうか」

まゆ「ちひろさんのチョコバナナ、食べてみたかったんですよ!」ワクワク

ちひろ「私もです。タルトタタン、美味しそう♪」

杏(なんだこいつら……)

――――

凛(ヤバいヤバいヤバい、まゆ次でゴールしちゃうってこれ)

凛(もう本当に崖っぷちだよ。っていうか崖に両手で掴まって落ちないよう堪えてる状態だよ)

ニャー

凛「! ありがとう……慰めてくれるんだね」ナデナデ

亜季「もうひと踏ん張りであります」

凛「亜季さん……」

亜季「絶望的な状況ですが、凛殿はここから奇跡を起こせると、そう信じてますよ」ニコッ

亜季「幸せの猫殿にも触らせていただいたんですし」

凛「……うん」ニコッ

凛「じゃあサイコロを……振る前に、この子をよろしくお願いします」スッ

亜季「承りましたっ」ギュッ

凛「ふぅー……サイコロの精よ。いるなら私を勝利に導いて!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】


   福岡  佐賀  長崎  熊本
凛  ○●× ○☆○ ○○○ ○○○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ●


↓1 コンマ一桁 0は10

940: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/03(木) 23:41:51.48 ID:ksf7HNc10

凛:3マス進む+2

【進行状況】


   長崎  熊本  大分  宮崎
凛  ●○○ ○○○ ○○○ ○×○


   熊本  大分   宮崎   鹿児島 沖縄  ゴール
まゆ ○○○ ○○○ ○×○ ○☆○ ○☆○ ●


凛「さ……3……」

亜季「2をプラスして5……なかなか厳しいですな」

凛「うん……でも出た以上は仕方ないよ」

凛「亜季さん、長崎の勝負もサクッと勝ってきます!」

亜季「ファイトであります!」

凛「またね、ハナオ」ナデナデ

猫「ニャー」

亜季(ハナオ……?)

ビュンッ

――――

ビュンッ

凛「まゆも止まった長崎マスだ。ここからあと2マス先だけど」

凛「誰がスタンバイしてるんだろう」


???「私です」スッ

凛「泰葉!」

凛「そうだ、長崎出身だったね」

泰葉「はい、長崎にいたのはそんなに長くないんですけど。子供の時、芸能活動のために東京に引っ越してきたので」

泰葉「でも出身地のことは知っておこうと思って、色々と調べて、知識はある程度頭に入ってます」

凛「「ゲームの中で?」

泰葉「現実でです。ネットや本の情報をインプットしました」

凛「す、すごいね」

941: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/04(金) 00:24:07.55 ID:Pd70cO4s0
泰葉「そんなことないですよ」フフ

泰葉「さて、ここでどんな勝負をするのかですけど、何だと思いますか?」

泰葉「ヒントは温泉です」

凛「温泉……。分かった、どちらが疲れた体を癒せるか対決だ」

泰葉「凛ちゃんの欲が出てませんか?」

凛「えへへ」

泰葉「ふふっ……正解を言いますね? 温泉紹介動画対決です」

泰葉「ここは小浜温泉といって、湧出量×湯温で求められる、放熱量というのが日本一と言われている温泉です」

泰葉「ホテルや旅館、共同浴場が連なっているんですよ」

凛「そこで紹介動画を撮影するんだ」

泰葉「はい。私たちがお借りするのは春陽館という旅館のお風呂」

泰葉「見た人に、『ここに行ってみたいな』、『温泉に入りたいな』と思わせるような動画を撮影した方が勝ちです」

凛「なるほどね。面白そうじゃん、案内してよ」

泰葉「実はすぐそこなんですよ。行きましょうか」

――――

凛「うわー、まさに旅館って感じだね」

泰葉「外観もそうですけど、お部屋やお料理も和のもてなしで満足できますよ」

泰葉「着きました。ここが本館1階の大浴場、山頭火の湯です」

泰葉「まずは下見をしましょうか。服を着たまま…」

凛「え?」ヌギ

泰葉「何でもう脱ごうとしてるんですか! 早く着てください!」

凛「ご、ごめん。脱衣所に来ると体が勝手に動いちゃって」

泰葉「直さないと大変ですよそれ……」

942: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/04(金) 00:39:46.31 ID:Pd70cO4s0
すみません、ここまでにします
明日は再開できるか分からないのですが、できたら20時くらいから始めます

943: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/04(金) 22:06:00.14 ID:Pd70cO4s0
凛「え? 何ここすごい……湯けむりに日差しが差し込んで綺麗」

泰葉「条件が整えばこんなに幻想的な空間のお風呂に入ることができるんですよ」

泰葉「紹介動画を撮るのはここと、あともう一箇所あります」

凛「もう一箇所?」

泰葉「別館の2階にあるので向かいましょう」

――――

泰葉「ここですね。茂吉の湯と呼ばれています。橘湾を見渡せる露天風呂もあるんです」

凛「素敵なところだね。で、どっちで撮影するの?」

泰葉「両方です。正確に言うと、私と凛ちゃんがそれぞれの温泉で撮影します」

泰葉「そうすれば審査もしやすいので。例えば、2人で同じお肉料理を紹介するよりも」

泰葉「牛肉か豚肉かで勝負する方がいいと思いませんか?」

凛「何となく分かったような分からないような」

凛「まあそれがルールなら従うだけだよ。どっちがどっちに入るの?」

泰葉「凛ちゃんが決めていいですよ」

凛「えー、じゃあ……この茂吉の湯にしようかな」

泰葉「分かりました。では、カメラを渡しておきますね」スッ

凛「あ、これって」

泰葉「知ってるんですか? 小型浮遊カメラです。凛ちゃんの念じる通りに動いてくれるので、これで撮影してください」

凛(三重で智絵里との勝負にも出てきたスニッチだ)

泰葉「時間は今から1時間にしましょう。撮影、編集をして1枚のディスクに記録するんです」

凛「了解。また1時間後にね」

944: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/04(金) 22:33:37.36 ID:Pd70cO4s0

――――

泰葉(温泉の紹介動画、やったことがありません。最初はネットで資料を見て勉強ですね)タプタプ

泰葉(あった。どんな感じかな)

泰葉「……」ジー

泰葉(なるほど……温泉だけじゃなくて、旅館も……)

泰葉(あ、この視点はポイントかも……見せ方が考えられてるなぁ……)

泰葉(へー……)タプタプ

――――

凛「よし、参考動画で大体の流れは分かったかな」

凛「温泉をメインにするのは決定として、全体のバランすはどうしようかな」

凛「……」チラッ

凛(このスニッチ、本当に念じれば動くのかな。飛べ!)

シュッ ブイーン

凛(羽が生えて飛んだ! すごい!)

凛(温泉内をぐるっと一周して、私の手に戻って)

ブイーン シュンッ

凛(すごいすごい! えっと、動画は撮れてるのかな?)

凛(このアダプタを差して、パソコンに繋いでっと)

凛(映った! わー、鮮明な映像だ。綺麗に撮れるね)

凛(撮影が楽しみになってきたよ)

945: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/04(金) 23:26:57.33 ID:Pd70cO4s0

――――

泰葉(1人旅で小浜温泉にやって来た1人の女の子が、周囲の景色に見惚れ、旅館に見惚れ)

泰葉(お部屋に案内された後、楽しそうに館内探索)

泰葉(そして温泉に入り、最後はお料理をいただく、という設定でいきます)

泰葉(まずは外のシーン、小浜温泉にやってきた女の子を……)

――――

凛(温泉以外のシーンも必要だけど、それは最小限でいいかな)

凛(始めに肝心な温泉のシーンをじっくり撮ろう。脱衣所に入って、温泉へ続く扉を開けるまで)

凛「……♪」スタスタ

凛(ここでカメラを足元に向けて、服を次々に脱いでいく様子を……)

凛「……」ヌギヌギ パサッ シュルッ

凛(そして温泉の扉を開ける。ここでカメラは温泉内をゆっくりと見渡す)

――――

泰葉(外のシーンは大丈夫そうですね。次は旅館内です)

泰葉(旅館の全体と名前を映して中へ。あとで編集すればいいので、一通り中を撮影しましょうか)

泰葉(最後にお部屋の画を撮ってから、いよいよ温泉です)

泰葉(脱ぐ様子は最低限映して、湯煙が立ちこむ温泉へ……)

946: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/04(金) 23:54:05.24 ID:Pd70cO4s0

――――

凛(ふー、気持ち良い……気持ち良さそうな顔もしっかり撮ってと)

凛(腕や肩にお湯をかけてから、脚も上げてセクシーさを出そうかな。って、それはやりすぎだね)フフ

凛(湯船を出て露天風呂に行こう。さすがに裸は見せられないから移動はカット)

凛(この露天風呂から一望できる景色を撮影。ここは私に寄らず、カメラを引いて見せた方がいいかも)

――――

泰葉(温泉に入って、満足そうな笑顔を浮かべるのは大切です。アイドルのステージと同じですね)

泰葉(それにしても、癒されますね……心身ともにぽかぽかです)

泰葉(……)

泰葉(はっ! いけない、のんびりしすぎたら時間が……)

泰葉(なるべく温泉を撮ってからお料理を映し、それから編集ですね)

泰葉(時間大丈夫でしょうか……)

――――

凛(温泉はこんなものかな。編集で上手く繋ごう)

凛(あとは旅館の中とか、お土産スペースとか紹介して……って、もうこんな時間か)

凛(温泉でゆっくりしすぎたね。ちょっと急がないと)

凛(泰葉はどんな調子かな。もう完成したのかな)

947: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 00:04:48.29 ID:HF1NBR1w0

(1時間後)


泰葉「できましたか?」

凛「ギリギリ間に合ったよ。なかなか良い動画になってると思うよ?」

泰葉「それは楽しみですね。私も結構上手に撮影できたので」

泰葉「どちらから見ますか?」

凛「泰葉からお願いできるかな」

泰葉「いいですよ。セットしますね」ウィーン

凛(すんなり受け入れたということは、自信あるんだね)

凛(どんな動画を作ったんだろう……)


~♪ ~♪

凛「ゆったりした音楽だ」

泰葉「あくまでBGMですから、強調しないようなものを選びました」

泰葉『♪』

凛「旅館の外?」

泰葉「はい、旅行に来た女の子という設定です」

凛「なるほど……物語風に撮ったんだね」

泰葉『……♪』

凛「楽しそうに旅館に来て、部屋やお土産を眺めて、こっちまで楽しくなってくるよ」

泰葉「ありがとうございます」ニコッ

948: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 00:17:02.52 ID:HF1NBR1w0
凛「あ、脱衣所に入った。温泉に入るんだね」

凛「あれ? もう温泉内に切り替えるの?」

泰葉「最小限でいいと思うんですよ、温泉を見せたいので」

泰葉『……♡』

凛「ほっと一息ついて気持ちよそう。これって演技?」

泰葉「いいえ。実は何種類かここの映像を撮影したんですけど、1番いいのが演技をしていないこの映像だったので、採用したんです」

凛「分かる。温泉ってこうなっちゃうよね。演技しようとすると、力入っちゃうのかもね」

泰葉『♡』

凛「あ、料理だ」

泰葉「時間は短いですけど、必ず入れたかったので入れました」

泰葉「私の紹介動画はこれで終わりです」

凛「いい動画だったよ。この旅館に行きたくなった」パチパチパチ

泰葉「ありがとうございます。でも拍手はまだ早いです」アハハ…

泰葉「凛ちゃんの動画も見ないと」

凛「そうだね。ディスクをセットするよ」ウィーン


~♪ ~♪

泰葉「あ、このBGMいいですね」

凛「でしょ。探してたらちょうどいいの見つけたんだ」

泰葉「私ももっと探せばよかったな……」

凛「泰葉のも良かったと思うけどね」

949: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 00:26:02.29 ID:HF1NBR1w0
凛『……!』

凛『……♪』

泰葉「……」

凛『♪』

凛『……♪』

泰葉「もう温泉に入るんですね?」

凛「温泉に入るところに力を入れたから、必然的に削れちゃうんだよね」

凛「泰葉みたいに温泉までの過程を見せれば良かったな……」

泰葉「いえ、勝負の内容は温泉紹介動画ですから、私もこうした方が良かったかも……」

凛『……』シュルッ パサッ

泰葉「わっ、足元に服が脱ぎ捨てられていく」

凛「セクシーでしょ。こういうのは視聴者サービス的にありかなって思って」

凛「まあ下着は見せてないけどね」

泰葉「刺激が増しちゃいますしね……」

凛『♪』

泰葉「凛ちゃんも、すごく満足そうに温泉に入ってますね」

凛「我ながら良い顔が撮れたと思ってるんだ」フフ

凛『♡』

泰葉「……」

950: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 00:34:23.23 ID:HF1NBR1w0
凛『……♡』

泰葉「あ、あの……」

凛「ん?」

泰葉「なんか、ちょっと……艶かしいですね」

凛「色気を出したんだ。視線とかも意識して」

泰葉「視聴者サービスですか……」

凛「そうそう。あとはお土産コーナーや館内を映して、終わりだね」

泰葉「……」

凛「どうしたの泰葉」

泰葉「凛ちゃんの動画、良かったなって」

泰葉「温泉に注目してて、私もああやって撮れば良かったなって……」

凛「私だって、泰葉の動画みたいにすれば良かったなって思う箇所いっぱいあったよ」

凛「さっきも言ったけどさ」

晶葉『審査が終わったぞ!』

泰葉・凛「!!」

凛「急に大声で現れるの何とかならないの?」

晶葉『すまない! これは私のクセなんだ!』

凛(どんな癖なの)

泰葉「結果はどうでしたか?」

晶葉『ああ、それを今から伝えるぞ!』

晶葉『2人とも個性が現れてて面白く、良い動画だった!』

晶葉『優劣をつけるならば、1番良かったのは……』

泰葉・凛「良かったのは?」


↓1 泰葉

↓2 凛


コンマ二桁 数字の高い方が勝利

954: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 01:05:00.90 ID:HF1NBR1w0


晶葉『……泰葉だ!』


泰葉「!」

凛「うっ……だよね。なんか普通に温泉紹介動画として世に出てそうだもん」

晶葉『ああ! お手本のような良い動画だったな!』

晶葉『欲を言えば、温泉の部分をもう少し映してもよかったな!』

泰葉「やっぱりそこですか。私も反省していた箇所です」

泰葉「でも、勝てて嬉しいです! ありがとうございます!」

凛「ねえ晶葉、私の動画は?」

晶葉『凛のは温泉をじっくり映していたし、上手くアピールできていたんだが、泰葉とは逆で長すぎたな!』

晶葉『温泉に時間を取られて、旅館内や部屋の紹介が雑すぎだ! あれならむしろ温泉に入る様子だけを撮って作った方がいい!』

晶葉『そして色気はいらない!』

凛「!?」

晶葉『まあ中にはそういうのを狙ってるのもあるとは思うが、これは健全な紹介動画なんだ!』

晶葉『お前が目立ってどうする! 温泉を目立たさせろ!』

凛「全く以てその通りでぐうの音も出ない」

凛「はは……泰葉、完敗だよ。すごく良かったよ、あの作品」

泰葉「そんな、ただ私は既存の動画をマネしただけで……」

凛「その特徴を捉えてオリジナルを生み出したんだから、やっぱりすごいよ」

955: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 01:16:12.89 ID:HF1NBR1w0
凛「はぁ……負け、か……」

凛(また勝ちが遠のいた。ううん、仮にここで勝っていたとしても)

凛(まゆには到底……)

――――

まゆ「……」

杏「まゆちゃん、モニターに喰いついてるね」

ちひろ「凛ちゃんが気になるんですよ」

千夏「このチョコバナナ、最後の一つだけどもらっていいかしら?」

ちひろ「どうぞ!」

まゆ「……ちひろさん、次の勝負をしに行きましょう」スッ

ちひろ「え? ああ、はい。それじゃあ皆さん、私たちはこれで」

アーニャ「お菓子作り、楽しかったです♪」

まゆ「私もですよ」ニコッ

まゆ「杏ちゃんと千夏さんも、ありがとうございました」ペコリ

杏「美味しいお菓子食べられてよかったよ」

千夏「ゴールまでもう一歩、頑張ってね」

まゆ「はい」

まゆ(凛ちゃん、長かった戦いにも終止符を打ちますよ。このまゆが)

まゆ(恨みっこなしですからね)

ちひろ「ゴールに戻ります!」

ブンッ

ちひろ「立て続けにルーレット出現! さ、回しますよ」

まゆ「はい」

ちひろ「そーれっ!」シャッ

クルクルクル


↓1 的中した都道府県 どの都道府県でもOK

959: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 20:56:54.83 ID:HF1NBR1w0
ちひろ「出ました! 山形県です!」

ちひろ「早速行きますよ。フィールドを変える前に、暖かい格好をしてくださいね」

まゆ「ここに用意された服ですか? マフラーに手袋、耳あて……重装備ですね」

ちひろ「最低限の防寒具ですよ。それでは、フィールドオン!」

まゆ「ちょっと!? まだ着てないですよぉ!」アセアセ

ブワァ

まゆ「ふぅ、間に合った」ヌクヌク

まゆ「ここって……スキー場ですか?」

ちひろ「はい、月山スキー場という場所です。普通のスキー場は冬を過ぎると閉まってしまいますけど」

ちひろ「ここは4月から7月まで営業しているんですよ」

まゆ「へー! そんな季節まで雪が残ってるんですか」

まゆ「スキー場ですることと言ったら……やっぱりスキー対決ですよね。スキーウェアを着なくていいんですか?」

ちひろ「話は最後まで聞いてください。するのはスキーではありません」

ちひろ「雪合戦です!」

まゆ「雪合戦!? い、いいんですか? そんなことしても」

ちひろ「ここはゲームの世界ですから。さて、雪合戦をするにあたって、1対1じゃつまらないですから助っ人を呼びました」

ちひろ「このお2人です!」


麗奈「コテンパンにしてやるわ」ウヒヒ

里美「頑張りますぅ」

まゆ「山形県出身アイドルの2人……。ということは、2対2ですか」

まゆ「どうやってチーム分けするんですか? ジャンケン?」

960: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 21:57:20.36 ID:HF1NBR1w0
ちひろ「はい。私とまゆちゃん、麗奈ちゃんと里美ちゃんでジャンケンをして、勝った方同士、負けた方同士で組みましょう」

まゆ「分かりました!」

――――

ちひろ「ということで、私と里美ちゃんのチームと」

まゆ「まゆと麗奈ちゃんのチームで勝負ですね!」

まゆ「よろしくお願いします」ニコッ

麗奈「このレイナサマが仲間なんて、運がいいわよまゆ。100人を味方につけたと思いなさい!」

まゆ「は、はい……そうですね……」

まゆ(ちょっと不安かも。でも、ちひろさんチームの里美ちゃんはほんわかしてますし、こう言ってはあれですけど集中狙いできそう)

ちひろ「ルールを説明しますね。今から雪玉を防ぐための雪壁を、両チームが対峙するように作ります」

ちひろ「その後ろに隠れて、開始時間まで雪玉を作ったり何なりして雪合戦に備えてください」

ちひろ「HPはそれぞれ5ポイントあって、首から上以外の体の部位に当たったら1ポイント減ります」

ちひろ「制限時間30分の間に削り合い、最終的にポイントの多いチームが勝利です」

まゆ「質問してもいいですか? もしHPが0になったらどうなるんでしょう」

ちひろ「脱落ですね、相手を攻撃することができません。けど仲間のために雪玉を作ることは可能です」

ちひろ「他に質問が無ければ、雪壁を作る作業に取り掛かってください。開始まで10分です」

――――

まゆ「雪合戦なんて、小学校の時以来かも♪」ギュッ ギュッ

まゆ「麗奈ちゃんはお友達と一緒にやったりするんですか?」

麗奈「まあね。最近はアイドル仲間で集まってよくやるわ」ギュムギュム

麗奈「そんなことより、防衛ラインはうんと丈夫にしないと! もっと雪を集めなさい!」

まゆ「麗奈ちゃんも手伝ってくださいよぉ」

麗奈「アタシは雪玉作りとかで忙しいの!」

まゆ(とか?)

961: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 22:31:21.73 ID:HF1NBR1w0

――――

里美「あの~、私お役に立てますかぁ~?」

ちひろ「まゆちゃんたちがいる雪壁まで、雪玉を投げることできますか?」

里美「……無理かもしれません」

ちひろ「じゃあ、里美ちゃんには雪玉を量産してもらいましょう! 私が投げるのでどんどん作ってください」

里美「はい~♪」

ちひろ「あと、やってもらいたいことがあるんですけど……」ヒソヒソ

――――

(10分後)

ちひろ「10分経ちました! これよりチーム対抗雪合戦を開始します!」

まゆ「ついに始まりました! いきましょう麗奈ちゃん!」ヒュンッ

麗奈「くらえっ!」ヒュンッ

ちひろ「おっと危ない。2人とも良い肩してますね」ササッ

ちひろ「それじゃあ私も、それっ!」ヒュンッ

まゆ「危ない!?」ササッ

麗奈「やるじゃない。里美はどこ行ったの?」

まゆ「恐らく雪玉を作ってるんでしょう。ちひろさんは半永久的に雪玉を投げられますね」

麗奈「でもアタッカーが1人だけな分、読みやすいわ。ちひろをやりさえすれば、あとはのんびり里美で楽勝ね」

まゆ「油断は禁物ですよ!」ヒュンッ

麗奈「言われなくたって!」ヒュンッ

962: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 22:36:00.89 ID:HF1NBR1w0
ちひろ「きゃっ!?」パンッ

麗奈「よーし、まず一発目!」

まゆ「この調子でいきましょう!」

ちひろ(予想はしてましたけど、実質2対1は不利ですね)

ちひろ(だけど勝負はここからですよ)ニヤリ


↓1 ちひろチーム

↓2 まゆチーム


コンマ二桁 2回やって合計の数字の大きい方が勝利

965: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 22:45:59.43 ID:HF1NBR1w0

ちひろチーム:95

まゆチーム:22


麗奈「それそれそれそれーー!!」ヒュンヒュンヒュンッ

まゆ「麗奈ちゃん、あまり無闇に投げても……」

麗奈「何言ってんのよ! どんどん攻めれば向こうの攻撃できないのよ!」

ちひろ(隙あり!)


ちひろ「そいっ!」ヒュヒュンッ

麗奈「!?」パパンッ

まゆ「麗奈ちゃん!」

麗奈「くっ、二発喰らった! これであと3ポイント……」

まゆ「ごめんなさい。まゆが話しかけたばかりに」

麗奈「隙を見せたアタシも悪いわ。そろそろ雪玉が切れるわね」

まゆ「じゃあ私が投げるので、麗奈ちゃんは玉を作ってくれますか?」

麗奈「仕方ないわね……頼んだわ」

まゆ「麗奈ちゃんの敵っ!」ヒュンッ

麗奈「死んでないわよ!」

ちひろ「おっと」ササッ

ちひろ(アタッカーがまゆちゃんだけになった。ということは、玉が切れかかってるみたい)

ちひろ「里美ちゃん、今ですよ」

里美「了解ですぅ。この玉を作ったらいきますね~」ギュムギュム

966: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 22:54:31.68 ID:HF1NBR1w0

まゆ「それっ! えいっ!」ヒュンヒュンッ

まゆ「うー、全然当たらない」

麗奈「ノーコン」

まゆ「れ、麗奈ちゃんだって四方八方に投げてたじゃないですか!」


里美「お邪魔しますぅ」ヒョコッ

まゆ・麗奈「!?」

麗奈「ア、アンタいつの間に!」

里美「雪玉をプレゼントですよ~」ポイッ

まゆ(両腕に抱えた雪玉を一斉にこっちに!?)

麗奈「回避よまゆ!!」

まゆ「くっ……!」


ズザザーー


まゆ「うう、三発当たりました。これで2ポイント」

麗奈「アタシは二発、残り1ポイントよ。里美は……向こうに帰ったみたいね」

まゆ「油断してましたね。まさか真後ろに現れるなんて」

麗奈「アタシたちの玉が切れかかってることに気づいて、けしかけたのよ」

麗奈「立て直しましょう。今度は気を引き締めて!」

まゆ「はいっ」

967: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 23:09:16.61 ID:HF1NBR1w0

――――

ちひろ「見事成功ですね。一気にアウトにしたかったですけど」

ちひろ「私も追撃で行けばよかった」

里美「でも、今の時点でかなり有利ですよぉ~♪ このまま守りきれば勝ちです~」

ちひろ「そうですね。でも守りの姿勢に入れば、向こうは何か仕掛けてきそうです」

ちひろ「あくまで攻めに徹して、身動きをとれなくしちゃいましょう」

――――

麗奈「捨て身でいくわ」

まゆ「え?」

麗奈「こうなった以上、どっちかが犠牲にならなきゃ勝つことは難しいから」

まゆ「ならまゆが行きます! HPも2ポイントですし、さっきの里美ちゃんみたいにやれば…」

麗奈「ダメ、アンタはここにいて雪玉を作り続けて。私がいなくなった後、隙を作らず攻撃できるようにね」

麗奈「アタシなら素早いし、雪玉を回避しながら詰め寄れる。それに奥の手があるのよ」

まゆ「奥の手?」

麗奈「このスイッチを押せば、ちひろチームの背後で大きな音が出るビックリアイテムが起動するわ」スッ

麗奈「相手がそれに気を取られてる間に、一気にやるの」

まゆ「いつの間に仕掛けたんですか」

麗奈「ちひろたちに目を盗んでこっそりね」フフ

麗奈「じゃあ、あと30秒したらバレないように抜け出すわ。頼んだわよ!」

まゆ「麗奈ちゃん……あなたのこと、一生忘れません……!」

麗奈「死なないわよ!」

968: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 23:14:55.27 ID:HF1NBR1w0

ちひろ(まゆちゃんたち、攻撃の手を緩めて何か話してた)

ちひろ(そろそろ仕掛けてきそうね……)

里美「ちひろさん、麗奈ちゃんがこっそり雪壁から抜け出しましたよぉ~」

ちひろ「! ふふ、お手柄ですね里美ちゃん。情報ありがとうございます」

ちひろ(私たちがやった作戦を使う気ですか? 甘いですね、里美ちゃんが食べるお菓子よりも甘い)

ちひろ(まゆちゃんの相手は後回しにして、麗奈ちゃんに注目しましょうか)


↓1 ちひろチーム

↓2 まゆチーム


コンマ二桁 1回目にプラスして高い方が勝利

971: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 23:32:24.73 ID:HF1NBR1w0

ちひろ:155

まゆ:31


麗奈(しまった、里美に見られたかも)

麗奈(でもやるしかない。見つかっても対応できるように集中して……)


ちひろ「そこっ!」ヒュンッ

麗奈「!?」ササッ

ちひろ「避けましたか」

麗奈(くっ、やっぱり気づかれてた)

麗奈(こうなったら仕方ない!)ポチッ

茜『ファイヤーー!!』

ちひろ「!?」ビクッ

ちひろ「な、何ですか今の…」

麗奈「隙だらけ!」ヒュンヒュンヒュンッ

パンパンパン

ちひろ「しまった……!? くっ……!」ヒュンッ

麗奈「きゃっ!」パンッ

麗奈「こ、これで0ポイント? あと一発だったのに!」

ちひろ「危なかった。何なんですか今の声は」

麗奈「アタシが作ったビックリアイテム。色んなアイドルの声が録音されてるのよ」

ちひろ「そんなものいつの間に……」

972: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 23:39:16.63 ID:HF1NBR1w0
麗奈「雪壁を作ってる時よ。こっそり近づいてパパッとね」

ちひろ「全く、悪知恵が働きますね…」

パンッ

ちひろ「へ?」

まゆ「油断大敵ですよ、ちひろさん」

ちひろ「なっ!?」

麗奈「まゆ、何で……!?」

まゆ「ちひろさんが抜けだすのが見えたんですよ。きっと麗奈ちゃんに気づいたんだなって思って」

まゆ「覚悟を決めてまゆもここへ来たんです。おかげで、ちひろさんをアウトにすることができました♪」

ちひろ「……ふふっ」

ちひろ「とっさの判断が良い方向へ繋がりましたね。でも」

パパンッ

まゆ「え?」

里見「当たりました~!」

まゆ「さ、里見ちゃん……」

ちひろ「惜しかったですね。こういうこともあろうかと、身を隠していてもらったんですよ」

麗奈「アタシたちの作戦負け、ってことね」

まゆ「ま、負けた……」

973: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/05(土) 23:54:18.55 ID:HF1NBR1w0
里見「やりましたよちひろさん~」ギュッ

ちひろ「はい、里見ちゃんのおかげですよ♪」ナデナデ

麗奈「悔しいー! 手の上で踊らされてたなんて!」

ちひろ「そんなことはないですよ? 作戦というより、全て紙一重の危険な賭けでした」

ちひろ「まゆちゃんたちもなかなか手ごわかったです」ニコッ

まゆ「そうとは思えませんけど……」

まゆ「まあでも、鬼のHPさえ減らすことができればいいです。ちひろさん、今回手に入れたポイントは?

ちひろ「えーっと……31です」

まゆ「えっ」

ちひろ「46から31を引いたら、残り15ですね。ぐわー! やられました!」

まゆ「あっ、え、えっと……決めきれませんでしたか! でも次が本当に最後ですよ、試練の鬼さん!」アセアセ

まゆ「うー、今回でゴールできると思ったのに」

ちひろ「仕方ありませんね。結果は結果ですから」アハハ…

まゆ「……」

まゆ(よかったですね凛ちゃん。寿命が少し伸びましたよ)

まゆ(次で本当に決めますからね。絶対です)

――――

凛「た、助かった……でも残り15は無理だよ……」

凛「絶対にゴールされる。今度こそ本当に」

泰葉「分からないですよ? まゆちゃん1ばかり出すかも」

凛「ものすごい確率だよそれ……まあ落ち込んでても仕方ないし、サイコロ振るけど……」スッ

晶葉『その意気だぞ!』

974: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/05/06(日) 00:12:24.65 ID:RgTOJT940
凛「……」

晶葉『どうした固まって?』

凛「うん、ちょっとね」

凛(正直、私のこのターン意味ないよね。まゆはあと15ポイントでゴールしちゃう)

凛(一方私は、まだゴール地点に到達してないし、ちひろさんの試練も受けなきゃならない)

凛(勝てる確率なんて、もう1%もないよ)

凛(……だけど、それでも……プロデューサーのことが好きだから……)

凛(最後の最後まで喰らいつくよ)

凛(まゆは、今の私を見てるかどうか分からないけどさ。まだ勝つ気でいるからね)

凛(恋の炎は消えてないから)

――――

まゆ(分かってますよ。凛ちゃんのプロデューサーさんにかける思いは、消そうと思って水をかけてもさらに燃え上がるものですからね)

まゆ(賞賛に値します。でも、まゆだって好きなんですよ。プロデューサーさんのことが)

まゆ(だから……次のターンで、本当に終わりです。まゆたちの長い長い勝負も)

ちひろ(アイコンタクトで会話してる。いや、モニター越しだからアイコンタクトですらない)

ちひろ(ツーカーの仲という奴でしょうか)

――――

泰葉「凛ちゃん、空を見上げて何を?」

凛「何でもない。それ!」ポイッ

コロコロコロ

凛「お願いサイコロ! 私に勝ちへのレールを敷いて!」

晶葉『出たぞ! サイコロの出目は……』


つづく