前回 凛「いい加減決着をつけようよ」 まゆ「望むところです」

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/26(月) 22:42:43.64 ID:lLzsxn8L0

――――

凛『沖縄まで残り半分の道のりも』

凛『楽しめそうだね』ニヤリ

まゆ「ですね」ニヤリ

凛『それじゃ、通信を切るよ』

凛『今度会う時は、ゴールで直接ね』

ブツン

まゆ「……」

まゆ(今ので私も燃え上がっちゃいました)

まゆ「時子さん!」

時子「!」ビクッ

まゆ「私、頑張ります! 応援していてください!」

時子「……ええ」

まゆ「よぉーし、いきますよ!」

まゆ「それっ!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   山梨  長野  岐阜  静岡
凛  ○☆× ●○× ×☆○ ○○○

   愛知  三重  滋賀  京都
まゆ ○×● ○○○ ○○○ ○○○


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

引用元: 【モバマス安価】凛「いい加減決着をつけようよ」 まゆ「望むところです」2 



6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/26(月) 23:01:49.31 ID:lLzsxn8L0

まゆ:8マス進む+2

【進行状況】

   長野  岐阜  静岡  愛知
凛  ●○× ×☆○ ○○○ ○×○

   三重  滋賀  京都  大阪
まゆ ○○○ ○○○ ○○○ ●○○


まゆ「8と2で10です! 凛ちゃんに言った通り」

まゆ「大きく離しますよ!」

ビュンッ

――――

ビュンッ

まゆ「大阪といえば、道頓堀や通天閣」

まゆ「食べ物だと、たこ焼きお好み焼きのイメージですけど」

まゆ「ここはそれらと関係が無さそうですね……」

???「ふっふっふ、大阪へようこそまゆチャン」

まゆ「みくちゃん! こんにちは」ニコッ

みく「あ、うん……もっと気迫を出して欲しいんだけど……」

みく「まあいいにゃ。まゆチャンにはこのマスに止まったこと」

みく「後悔させてあげるにゃ」フフフ

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/26(月) 23:28:29.06 ID:lLzsxn8L0
まゆ「悪い笑顔! 一体何をするの?」

みく「手始めにここの紹介をするにゃ」

みく「名前は『スパワールド世界の大温泉』! 温泉、岩盤浴、プールが楽しめて」

みく「さらにご飯も食べれるし、スポーツジムやリラクゼーションのお店もあって、ホテルに宿泊ができる」

みく「一粒で何度も美味しい施設にゃ! 特にお風呂が気持ちよくて、数も多いしオススメにゃ!」

まゆ「プライベートでもぜひ行ってみたいところですね!」

みく「すごろくが終わったら現実のみくに頼んでみるにゃ。オフの日に連れて行くにゃ!」

みく「と、一通り説明したけど、勝負のフィールドはお風呂じゃなくてプールにゃ」

まゆ「プール……泳ぎ対決?」

みく「ハズレ! 正解は……相撲にゃ!」

まゆ「相撲!?」

みく「ただの相撲じゃないにゃ。相撲は相撲でもお尻を使う、尻相撲にゃ!」

まゆ「尻相撲!?」

まゆ「や、やったことないのでルールが分からないんですけど……」

みく「みくも同じ。ルールっていうか、やり方は単純だよ!」

みく「プールに浮かんだ円形のフィールドに乗って」

みく「お尻を使って相手を水に落とした方が勝ちなの」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/26(月) 23:48:16.30 ID:lLzsxn8L0
まゆ「お尻を使って……押せばいいんですか?」

みく「みくも考えたけど、基本的にはそれしか無いよね……」

みく「とりあえずやってみよう! ちなみに1回のみの真剣勝負だよ!」

――――

晶葉『いつものように私が審判を務めるぞ!』

まゆ「……」

みく「まゆチャンの水着姿、やっぱり可愛い」

まゆ「みくちゃんもですよ。ネコ耳は外さないんですか?」

みく「防水用だから平気にゃ! さあ、フィールドに乗るにゃ」

まゆ「はい……わわっ! あ、足場が……」ユラユラ

みく「水に浮いてるから当然にゃ。上手くバランスを取らないと、すぐ水の中にゃ」

晶葉『準備はいいか? 背中合わせになってくれ!』

みく「絶対に負けない!」スッ

まゆ「私も、勢いを削ぐわけにはいきません!」スッ

晶葉『整ったな! いくぞ!』

晶葉『レディー……ゴー!!』


↓1 みく

↓2 まゆ


コンマ二桁をマイナス 耐久値が200あり、先に0になった方が負け

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 00:01:43.88 ID:lVXSCVWe0

みく:141

まゆ:128


みく「うにゃにゃにゃぁぁぁ……!」グイグイ

まゆ「ま、負けま……せん……!」グイグイ

晶葉『ほう、みくが僅かに押しているな!』

晶葉『まゆよりも尻が大きいからか!』

みく「う、嬉しいような腹立たしいような……複雑な気分だけど……!」

みく「今は素直に喜んでおくにゃ!」グイグイ

まゆ「うう、みくちゃんよりお尻が小さいせいで……このままじゃ負けます……!」

みく「捉えようによっては嫌味にゃ! このー!」グッグッ

まゆ「きゃっ! 危ない……!」グググ

晶葉『良い勝負だぞ! これはみくが勝つか!?』


↓1 みく

↓2 まゆ


コンマ二桁をマイナス

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 00:18:09.09 ID:lVXSCVWe0

みく:56

まゆ:47


まゆ「ま、負けないと……言ったはずです!」グイグイ

みく「にゃっ!? お、押され……」

晶葉『まゆがここで踏ん張った! みくを押し返している!』

晶葉『しかし、依然有利なのはみく! 形勢逆転とまではいかないぞ!』

みく「ふっ……なかなかやるにゃ」

みく「だけどまゆチャン、これで終わりにゃ。まだみくは余力を残しているのにゃ!」

まゆ「!?」

みく「ネコチャンパワーで、まゆちゃんを落とすにゃー!」グイグイ

まゆ「つ、強い……!」グググ

晶葉『ここでみくが畳み掛けに入った! まゆは必死に持ちこたえるが』

晶葉『フィールドの外が刻一刻と迫っている! どうする!?』

まゆ「ううっ……! ま、負けられ……ない……!」グググ


↓1 みく

↓2 まゆ

コンマ二桁 同時に0になった場合、よりマイナスに振り切れた方が勝利

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 00:31:06.94 ID:lVXSCVWe0

みく:-39

まゆ:-32


まゆ「ふ……ふふ……!」ピタッ

みく「!?」

みく(あれ? 押すことができない! まゆちゃんが堪えてる!?)

まゆ「余力を残していると言いましたよね……」

まゆ「私もです……!」グイグイ

みく「なっ……」

晶葉『なんと言うことだ! まゆがどんどんみくを追いやっていくぞ!』

晶葉『位置は再び真ん中に戻り、今度はまゆがみくを水へ……いや』

晶葉『みくも踏ん張ってまゆの侵攻を止めた! 両者、定位置で留まった!』

みく(と、止めたはいいけどもう限界にゃ……!)

みく(仕方ない。ここは最後に思いっきり力を込めて……)

まゆ(力を振り絞って、みくちゃんを押し飛ばすしかありません……!)

まゆ(失敗すれば、まゆに勝目は無いですけど……やるしか……)

みく(よし)

まゆ(いきます!)

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 00:40:37.09 ID:lVXSCVWe0
みく・まゆ(いっせーの……せっ!)グイッ

ドンッ

みく・まゆ「!?」

バシャーン!

晶葉『おっと! 両者同時に尻を突き出したら』

晶葉『互いに押し飛ばされて着水!』

みく「ぷはっ! けほっ、けほっ……まゆチャンも落ちたの?」

まゆ「ど、どっちが勝ちなんですか? こういう場合は」

晶葉『今から勝負の様子をスローカメラで確認するぞ!』

晶葉『先に水に体をつけてしまった方が負けだ!』

晶葉『30秒ほどかかるから、その間……外れてしまった水着をつけてくれ!』

みく・まゆ「!?」カァァ

みく「早く言ってにゃー! 水着はどこ!?」キョロキョロ

まゆ「ありました!」ホッ

晶葉『上だけでよかったな!』

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 00:53:57.72 ID:lVXSCVWe0

――――

晶葉『確認が終了した! 勝者の発表だ!』

みく・まゆ「……」ゴクリ

晶葉『先に水に体をつけてしまったのは……』

晶葉『まゆ!』

まゆ「!!」

晶葉『よって勝者はみくだ!!』

みく「イェーイ! ネコチャンパワーにゃー!」グッ

まゆ「うぅ……残念です……」

まゆ「みくちゃん、ありがとう。強敵でした」

みく「僅差の勝利だし、まゆチャンも手強かったよ!」

ギュッ

晶葉『それじゃあ2人は自由に過ごしていてくれ! 私は凛の様子を見てくる!』

まゆ「休憩時間ですね。みくちゃん、遊びませんか?」

みく「いいね! まずはウォータースライダーにゃ!」

みく「プールの後はお風呂に入ろう!」

まゆ「賛成ですっ」

まゆ(もう何回目ですけど、何度でも入りたいです♪)

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 01:09:54.76 ID:lVXSCVWe0

――――

凛「もうお腹いっぱい……」

文香「信州リンゴ、どうでしたか……?」

凛「どんどん食べちゃったよ。リンゴジュースも美味しかったし」

晶葉『凛! サイコロだぞ!』

凛「うん、まゆの見てたから理解してる。ありがとう」

凛(ゲーム開始時みたいに差が開いちゃったけど……きっと追いつけるよね)スッ

凛「えい!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   長野  岐阜  静岡  愛知
凛  ●○× ×☆○ ○○○ ○×○

   三重  滋賀  京都  大阪
まゆ ○○○ ○○○ ○○○ ●○○


↓1 コンマ一桁 0は10

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 01:24:49.09 ID:lVXSCVWe0

凛:3マス進む-2

【進行状況】

   長野  岐阜  静岡  愛知
凛  ○●× ×☆○ ○○○ ○×○

   三重  滋賀  京都  大阪
まゆ ○○○ ○○○ ○○○ ●○○


凛「ふぐっ……3から2を引いて1……」

凛「また1マスしか進めないけど……1回休みに入らなかっただけマシかな……」

晶葉『そうそう、ポジティブに考えていけ!』

文香「長野マス……心さんの持ち場ですね……」

心「え? ちょ、待って、アップルパイがもう少しで焼けるんだって」

聖「しょうがないです……」

麻理菜「しょうがないな。行ってこい」

心「亜里沙ちゃん☆ はぁとの代わりに…」

亜里沙「調理に手が離せないので……」


32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 23:01:32.11 ID:lVXSCVWe0
心「ですよねー。よし、一緒にワープするぞ凛ちゃん☆」

心「なるべく早く戻ってくるから、アップルパイ残しとけよ☆」

亜里沙「たくさん焼きますから大丈夫ですよ」ニコッ

ビュンッ

――――

ビュンッ

凛「私も早く終わって欲しいな。先に進みたいし」

心「任せろ☆ はぉとに設定されたバトルは全部カンタンだから☆」

心「ただし、どちらかが必ず酷い目に遭うけど」

凛「……まさか……」

凛「まゆとやったみたいなロシアンな感じ?」

心「ご明察♪ 後ろにある田を見て。何だか分かる?」

凛「わ、気づかなかった。野菜?」

心「んー間違ってはないかなー。正解はわさび!」

心「ここは大王わさび農場っていう場所で、それはもう長い歴史のあるところなの☆」

心「わさびを栽培してる他にも、食事する場所や、収穫したわさびを加工する場所なんかもあってね」

心「ほら。あそこの水車小屋がある水辺は、かの有名な黒澤明監督の」

心「『夢』っていう作品のロケ地にもなったんだぞ☆」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 23:18:54.96 ID:lVXSCVWe0
凛「説明してくれてありがとう」

凛「でも私の頭の中は『わさび』という単語に支配されちゃって……」

凛「絶対食べ物の中に仕込むパターンでしょ」

心「まあ分かるよね☆ 今から売店でわさびソフトクリームを2つ買って」

心「そのうちの1つにわさびを超入れて、激辛鼻ツンソフトクリームを作ります☆」

心「凛ちゃんとはぁとに分からないように入れ替えます☆ その中から選びます☆」

心「いっせーの、でパクっといきます☆」

凛「わさびを引いたら負けなんだね」

心「ううん逆。わさびがアタリだから、間違えんなよ☆」

凛「嘘……」

――――

心「この水車いいなー、風流で♪」

凛「……」

心「聞いてる?」

凛「わさび怖い」

心「んなこと言ったって、そういう勝負なんだから割り切れ☆」

凛「薬味としては好きなんだけど」

凛「バラエティの罰ゲームになると途端に嫌いになる」

心「好きな人はいないと思うぞ?」

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 23:38:49.23 ID:lVXSCVWe0
凛「ところでいつから始めるの」

心「もうちょい観光してから。せっかく来てるんだし楽しまなきゃね☆」

凛「こんな精神状態じゃ心から楽しめそうにないけど……」

心「だらしないぞ☆ 幸子ちゃんなら秒で切り替えるのに」

凛「そう考えたらすごいね、幸子って」

――――

心「今渡ってるこの橋ね」

心「幸せのかけ橋って言って、カップルで渡ると幸せになれるとか」

凛「え"」

心「なんだそんな顔!」

凛「いや、だったらプロデューサーと2人で渡りたいなって」

凛「どうして心と……」

心「今だけカップルって手もあるぞ♡」ウインク

凛「」サササッ

心「引くな引くな。ちょっ、うしろ畑だぞ危ない!」

心「ウソだって☆ 別にカップルじゃなくてもさ」

心「可愛い女の子のペアってことで、神様から恩恵を受けるかもしんないし」

心「アイドルとして幸せになれるかもよ☆」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 23:49:44.51 ID:lVXSCVWe0
凛「嬉しいけど、アイドルとしての幸せも女としての幸せも」

凛「自分の手で掴みたいから」キリッ

晶葉(確かフラグの神様に祈ってたよな凛)

心「それはもちろんだけど、祈っておいて損はないでしょ☆」

凛「まあね」

凛(ってか、ゲームの中で効果ってあるのかな)

――――

心「買ってきたぞー!」スタタタッ

凛「ついに来てしまった、この時が」

心「すでに仕込み済みだから、あとは選ぶだけ」

心「お店の人に入れ替えてもらったから、当然はぁともどれがどれか分からない」

心「始めるぞ☆」

凛「うん……」

凛「わ、私から選んでいい?」

心「どうぞ! 残り物には福があるっていうし☆」

凛「やっぱり後で」

心「じゃあはぁとから…」

凛「やっぱり先に選ばせて!」

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/27(火) 23:55:30.35 ID:lVXSCVWe0
心「どっちだよ!」

凛「先でお願いします。自分の手で掴みたいんだ」

凛「……」ジー

心「見比べても無駄、見た目は全く一緒だから」

凛「……」ゴクリ


凛「右にする!」スッ

心「オッケー、はぁとは左ね☆」


心「もう一度確認するけど、激辛だったら勝ちで、普通だったら負けだから」

凛「うん」

心「いくぞ」

心「いっせーの」


心「せっ」パクッ

凛「……っ!」パクッ


↓1 心

↓2 凛


コンマ一桁 偶数なら心の勝ち 奇数なら凛の勝ち

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 00:28:38.70 ID:hahBD/2r0
すみません、↓1のみでよかったですね…
どちらも偶数なので心さんの勝ちで進めます

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 00:40:58.19 ID:hahBD/2r0
心「……」モグモグ

凛「……」モグモグ

凛「……美味しい」

凛「甘いけど、後からぴりっとした辛さがやってきて。それがクセになる」

凛「わさびだよね。これアタリ?」


心「んがぁぁぁぁぁぁ!?!?」

凛「うわっ!?」ビクッ


心「げほぇっ! ごふぅっ! がらいっ☆ げほっ、うえっ!」

心「ごほっ、ごほっ☆ げほっ! うぉえっほっ☆」

凛「し、心がアタリみたいだね」

凛(☆をつけて何とか自分のキャラを保とうとしてる)

――――

凛「もう大丈夫?」

心「うん……ありがと」

心「はー、やっばー……想像を絶した。苦しくて死ぬかと思った」

凛「一定量のわさびを食べると本当苦しいよね。鼻がツンとして涙も出て」

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 00:54:44.19 ID:hahBD/2r0
心「おかげで鼻の通りがスっとした☆」

心「凛ちゃんも食べる?」スッ

凛「い、いいよ……私は自分の食べたし」

凛「美味しかったよ。わさびとソフトクリームって意外といけるんだね」

心「クセになるでしょ☆ あと、ここのわさびも薬味として使えば」

心「料理の味を引き立てて、すっごく美味しいからな☆」

心「そだ! レストランあるし、ご飯食べてく?」

凛「リンゴがまだ消化されてないから……」

心「そういえばそうだった☆ 美味しいのに残念!」

凛「今度長野に行く機会があったらぜひ寄りたい」

心「うんうん☆ ぜひぜひ☆」

――――

みく「にゃあーーー!!」

まゆ「きゃあーーー!!」

ザパーンッ

みく「あははっ、楽しいにゃー!」

まゆ「もう一度滑りましょう!」

晶葉『まゆ!』

みく・まゆ「!」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 01:04:03.15 ID:hahBD/2r0
まゆ「凛ちゃんもう終わったんですか?」

晶葉『短めだったからな!』

みく「名残惜しいいけど、ここまでにゃ」

みく「お風呂はまた今度連れてってあげるね。着替えてきて!」

まゆ「はい!」ザバッ スタタタッ

――――

まゆ「出発の準備ができました!」スッ

みく「凛ちゃんってかなり離されてるんでしょ?」

まゆ「ええ、20マスくらい」

まゆ「だけど離しておくに越したことはないですし」

まゆ「私は常に大きい目を要求します!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   長野  岐阜  静岡  愛知
凛  ○●× ×☆○ ○○○ ○×○

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
まゆ ●○○ ×○○ ○☆○ ○☆○


↓1 コンマ二桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/02/28(水) 01:17:41.60 ID:hahBD/2r0

まゆ:5マス進む-2

【進行状況】

   長野  岐阜  静岡  愛知
凛  ○●× ×☆○ ○○○ ○×○

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
まゆ ○○○ ●○○ ○☆○ ○☆○


まゆ「ええ!? い、1回休み……」

みく「やってしまったにゃ……」

みく「でもまだまだ差はついてるし、そんなに悲観することないにゃ!」

まゆ「そうでしょうか」

まゆ(脳裏をよぎるのは凛ちゃんの底力)

まゆ(サイコロ運を味方につけてしまわないか不安です)

――――

ビュンッ

まゆ「兵庫県出身は、7人くらいいたような」

まゆ「どの方が待ってるんでしょう」

???「お待ちしておりました」スッ

まゆ「クラリスさん!」

クラリス「兵庫県のこのマスは、私がご案内させていただきます」ペコリ

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 00:37:54.27 ID:a1GN6jIQ0
まゆ「ありがとうございます!」

まゆ「温泉ですか? 兵庫の温泉といえば有馬温泉ですよねっ」ワクワク

クラリス「はい。群馬県の草津温泉、岐阜県の下呂温泉」

クラリス「そして兵庫県の有馬温泉と、日本三名泉と呼ばれているうちの1つですね」

まゆ「入ってみたいなぁ」

クラリス「ご期待されているところ申し訳ないのですが」

クラリス「私が紹介するのは、有馬温泉ではありません」

まゆ「えっ」

クラリス「ごめんなさい。ですが、きっと満足していただけると思います」

クラリス「お腹、空いてますよね?」

まゆ「そういえば、ここに到着したら急に…」

グー…

まゆ「あぅ……すみません」カァァ

クラリス「いいのですよ。仕様ですから」

クラリス「まゆさんには今から、兵庫グルメを堪能していただきます」

まゆ「グルメ!?」キラキラ

クラリス「目の色が変わりましたね」フフ

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 00:58:52.79 ID:a1GN6jIQ0
クラリス「今日と明日の2日間、朝昼晩の計6回」

クラリス「兵庫の街を歩きながら、美味しいものを食べるというプランです」

まゆ「いいですね。賛成です!」

クラリス「では参りましょう。まずは朝食です」

――――

まゆ「ここは?」

クラリス「明石焼きのお店、今中さんです」

クラリス「卵、小麦粉、だし汁を混ぜた生地でタコを包み、焼いたもの」

クラリス「それが明石焼き。ここで作られる明石焼きは」

クラリス「ふわふわのとろとろ、熱々なのです」

まゆ「……」ゴクリ

クラリス「ソースやだし汁、お塩をつけていただくのですが」

クラリス「そのままで食べても至福の味。とても美味しいのですよ」

まゆ「……」タラァ

まゆ(はっ! いけない、ヨダレが)ジュル

クラリス「ふふ、待ちきれないご様子ですね」

まゆ「クラリスさんの説明もですけど」

まゆ「匂いが鼻に届いて、刺激されて……早く食べたいです」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 01:10:48.61 ID:a1GN6jIQ0

――――

まゆ「こ、これが明石焼き……」

クラリス「出来たてですよ。召し上がってください」ニコニコ

まゆ「いただきます」

まゆ「まずは何もつけずに……ふー、ふー」

まゆ「ちょうどいい熱さにして……はむっ」

まゆ「んっ、はふはふっ! あふい……モグモグ」

まゆ「モグモグ……ゴクン……ふぅ」

まゆ「美味しい」キラキラ

クラリス「だし汁もつけてみてください」

まゆ「いただきます」チョンチョン

まゆ「はむっ、はふほふっ……モグモグ」

まゆ「ゴクン……んー! ほっぺたが落ちますぅ」フニャア

クラリス「お顔が緩んでますね」クスクス

まゆ「緩みますよこれは。次はソースを」チョンチョン

クラリス「ご堪能ください」ニコッ

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 01:37:43.63 ID:a1GN6jIQ0
まゆ「モグモグ……ゴクン」

まゆ「ソースも美味しいですっ」

クラリス「ふふ」

――――

まゆ「美味しかったぁ。ふわふわとろとろの触感で」

まゆ「毎食食べてたいくらい」

クラリス「そんなに気に入っていただけるなんて」

まゆ「今の明石焼きだけで満足しちゃいました。サイコロを振ってもいい気分です」

まゆ「けど、まだ紹介してくださるんですよね」

クラリス「ええ、お昼に。それまでここをお散歩しましょう」

まゆ「ワープして来ましたけど、どこですか? お花が綺麗」

クラリス「淡路市にある、淡路島国営明石海峡公園というところです」

クラリス「ご覧の通り、四季折々のお花が咲いていて、お子さんが走り回れる広場もあるので」

クラリス「ご家族水入らずの休日はもちろん、カップルのデートコースにも最適ですわ」

まゆ「お散歩にも持ってこいですね♪」

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 02:18:01.62 ID:a1GN6jIQ0
まゆ「風が気持ちいい……そろそろ春の訪れですね」

まゆ「なんて、ゲームの中で何を言ってるんだって話ですよね」クスクス

クラリス「お気持ちは分かります。何もかも現実のようですから」

まゆ「リアルすぎてビックリですよ」

まゆ「目で見たこと、肌で触れたこと、匂いや音」

まゆ「さらには味覚まで感じられるなんて」

晶葉(天才晶葉のプログラムとはいえ、照れるな)

――――

クラリス「お昼ですね」

まゆ「公園を離れて、また街中にやって来ました」

まゆ「お腹もちょうど空いてきた頃です……」

クラリス「お任せください。昼食はあそこでいただきます」

まゆ「……和平……?」

クラリス「カニ料理、海鮮料理、日本料理の専門店です」

まゆ「カニ……!」

クラリス「そう、まゆさんに食べていただきたいのは」

クラリス「松葉ガニです。ズワイガニと呼んだ方が親しみがありますね」

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 02:30:40.32 ID:a1GN6jIQ0
すみません、また短いのですがここまでにします
22頃に始めます

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 22:50:09.77 ID:a1GN6jIQ0
クラリス「何故カニなのかというと、兵庫県はズワイガニの水揚げ日本1位だから」

クラリス「和平さんは本場のカニを、新鮮なうちに食すことのできるお店なのです」

まゆ「新鮮なカニ! いいですねぇ」

――――

まゆ「アツアツかに雑炊、ずわい蟹ステーキ、蟹あんかけ茶碗蒸し」

まゆ「どれも美味しそうなメニューで目移りしちゃいます」フフ

クラリス「選んでいる最中すみません。まゆさんにはぜひ食べていただきたいものがあるんです」

クラリス「もしよければ、2人分注文しても……」

まゆ「お願いします! クラリスさんのオススメ、食べたいです!」

クラリス「ありがとうございます」

(注文後)

まゆ「1つ気になったことがあるんです」

クラリス「?」

まゆ「クラリスさん、ここのカニ料理のこと、よく知ってるように見えるんですけど」

まゆ「何度かいらしてたんですか?」

クラリス「いえ……一度、お祝いの日に来たことがあるだけです」

クラリス「知識が豊富なのはプログラムされているからで」

クラリス「何分、裕福ではなかったので……」

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 23:10:54.04 ID:a1GN6jIQ0
まゆ「すみません、失礼でしたね」

クラリス「そんなことはありません」クスッ

クラリス「お話しているうちに、注文のお料理がきましたようですね」

まゆ「わあ……!」

――――

クラリス「コースお料理もあったのですが、単品で注文しました」

まゆ「かにの押し寿司、かにみそ、かにの炙り焼き」

まゆ「こんなの絶対美味しいですよぉ……」キラキラ

クラリス「いただきましょう」

まゆ「はいっ。始めに押し寿司を……パクッ」

まゆ「モグモグ……ふふふっ」

クラリス「ど、どうされましたか?」

まゆ「モグモグ、ゴクン……すみません。つい笑いが」

まゆ「美味しいものを食べると自然に笑ってしまう法則ですよ」

クラリス「なるほど。では私も」パクッ

クラリス「モグモグ……ふふふ」

まゆ「クラリスさんも笑いましたね」

クラリス「ゴクン……はい。とても美味しいので」

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/01(木) 23:35:49.40 ID:a1GN6jIQ0
まゆ「こんな感想、食レポのお仕事だったら怒られちゃいますけど」

まゆ「語彙力が消失してしまうほど絶品です!」

まゆ「続いてかにみそを一口」パクッ

まゆ「うん、美味しい……でもこれこそ説明しがたい味ですね」

クラリス「カニの美味しさを凝縮したような、濃厚な味わいですね」

クラリス「例えるなら、ウニに苦みを足したような」

まゆ「分かりやすいですね! 苦みが無ければもっと美味しいのに」

クラリス「この苦みがいいのですよ♪」

クラリス「アメリカでは、かにみそを食べずに廃棄してしまうらしいです」

まゆ「そうなんですか!? もったいない」

まゆ「次はかにの炙り焼きをいただきましょう。鮮やかな赤色……パクッ」

まゆ「モグモグ……甘味があって、噛めば噛むほどカニのエキスが口に広がります……」

まゆ「美味しいの一言に尽きます!」

クラリス「満足していただけたようで何よりですわ」パクッ

クラリス「モグモグ」

まゆ「……クラリスさん、食欲旺盛ですね。朝の明石焼きもそうでしたけど」

クラリス「ゴクン。そうでしょうか、人並みですよ♪」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 01:05:00.02 ID:8QEy47+v0

――――

まゆ「……」ホクホク

クラリス「ご満悦ですね。嬉しい限りですわ」

まゆ「カニなんて久しぶりに食べましたし。ゲームの中ですけど、心もお腹も満たされました♪」

まゆ「で、やって来たのは水族館ですか?」

クラリス「神戸市にある、立須磨海浜水族園です」

クラリス「美しいお魚はもちろん、ラッコやイルカのショーもあるのです」

――――

まゆ「ラッコ……可愛い……」キュン

クラリス「ラッコのお食事ライブですね。サケや貝などを食べる様子の」

クラリス「実演と解説をしているようです」

まゆ「可愛い……」

――――

ザパーーン

まゆ「わぁ! すごい!」

クラリス「イルカのショーは、迫力のあるジャンプや演技を披露していただけます」

クラリス「この後はトレーニングの様子も見られます」

ザパーーン

まゆ「跳びました!」

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 01:22:27.83 ID:8QEy47+v0

――――

まゆ「子供みたいにはしゃいでしまいました……ごめんなさい」

クラリス「楽しんでもらえて何よりですわ♪」

まゆ「魚が泳いでる……綺麗ですねぇ。あ、これって」

クラリス「カクレクマノミですね」

まゆ「可愛い。確かファインディングニモのモデルになったんですよね」

クラリス「ええ。しかし、実は違うのではないかという話が浮上しているのです」

まゆ「そうなんですか?」

クラリス「はい、モデルはカクレクマノミではなく……続きは調べてみてください」

まゆ「気になるとこで切らないでください!」

――――

まゆ「クラウンアネモネフィッシュ、っていう魚がモデルなんですねぇ」タプタプ

クラリス「体の模様から考察すると、ですが。公式ではカクレクマノミとなっていますね」

クラリス「さて、そろそろ到着です」

まゆ「もう夜になりましたけど、仕様なんですか?」

クラリス「少しだけ早めました。一応兵庫観光でなく、グルメのご紹介なので……」

クラリス「ここは、ぼたん鍋処 如月庵というお店です」

まゆ「ぼたん鍋ですか」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 01:44:57.83 ID:8QEy47+v0
クラリス「ご存知で?」

まゆ「知識だけですけど。イノシシのお肉を使った鍋とだけ」

クラリス「はい。仰る通り、イノシシのお肉やその他具材を味噌鍋で煮ていただくお料理です」

クラリス「どんなお味かは、ご自分の舌で確かめてください」

まゆ(想像できない……豚肉みたいな感じかな)

――――

グツグツ

まゆ「ふぁ……良い匂い……」

クラリス「栗入り味噌のぼたん鍋です」

クラリス「カルビもも肉、ミックス肉、特選ロースとメニューがあるのですが」

クラリス「今回はミックス肉を選びました。特上カルビともも肉、特選ロースが混ざっているのです」

まゆ「も、もう食べてもいいんですか?」

クラリス「ふふ、食いしん坊ですわね。どうぞ召し上がってください」クスクス

まゆ「うっ、そんな言い方しなくても……いただきます」ペコリ

まゆ「早速イノシシのお肉を……はふっ、モグモグ」

まゆ「モグモグ……ゴクン」

クラリス「どうですか?」

まゆ「……~~~っ」

まゆ「美味しいですっ!」パァァ

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 02:07:12.64 ID:8QEy47+v0
まゆ「鹿やイノシシのお肉って、臭みがあると聞いてたんですけど」

まゆ「全く無いですね!」

クラリス「しっかり処理されたお肉は臭みが無いのです」

クラリス「昔は知識も不足していて、お肉の臭みが取れなかったので」

クラリス「少しでも臭いを紛らわそうと考えた結果、味噌を使ったそうです」

まゆ「あっ、だからこの鍋も味噌なんですか?」

クラリス「詳しくは調べてみてください」

まゆ「またですか! 分かりました」

まゆ「でも今は鍋を……パクッ、モグモグ、モグモグ」

まゆ「ゴクン、堪能します」

クラリス「締めのおうどんもあるので、よければ食べてください」

まゆ「また食欲をそそる情報を。現実だったら確実に太りますね」

――――

まゆ「ご馳走様でした」ペコリ

クラリス「全て平らげてしまいましたね」

まゆ「野菜も、うどんも美味しくて……もう入らないです」

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 02:21:33.03 ID:8QEy47+v0
クラリス「これで1日目は終わりですが、どうでしたか?」

まゆ「美味しいものを食べさせていただいて、ありがとうございます」

まゆ「兵庫グルメはダイエットしてる女の子の天敵ですね。明日も紹介していただけるんですよね?」

クラリス「ええ。楽しみにしていてください♪」

まゆ「どこかに宿泊するんですか?」

クラリス「いえ……綺麗な夜景の見える場所で食休みした後、朝までワープします」

クラリス「太陽が昇った頃、お腹も空いて睡眠も充分とれた状態になっています」

まゆ「つくづく便利ですね。お風呂に入りたい……」

クラリス「お風呂にも入り終えた状態ですよ」

まゆ(そういう問題じゃなくて……ううん、もういくつも入ってきたし我慢しよう)

――――

凛「……」

心「美味しそう」

凛「うん。お腹空いてないのに食べたくなってきた」

凛「目の前にぼたん鍋出てきたら飛びつくと思う」

心「犬か!」

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 02:25:57.33 ID:8QEy47+v0
晶葉『凛!』

凛「分かってる」スッ

心「ここで差を縮めないとヤバいぞ☆」

凛「だよね……チャンスをものにしたい」

凛「私の願いをサイコロに込める!」グググ

凛「いけっ!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   長野  岐阜  静岡  愛知
凛  ○●× ×☆○ ○○○ ○×○

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
まゆ ○○○ ●○○ ○☆○ ○☆○


↓1 コンマ一桁 0は10

73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/02(金) 03:00:35.95 ID:8QEy47+v0

凛:2マス進む-2

【進行状況】

   岐阜  静岡  愛知  三重
凛  ●☆○ ○○○ ○×○ ○○○

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
まゆ ○○○ ●○○ ○☆○ ○☆○


凛「2が出た!! この場合マイナスはされないんだよね!?」

凛「2マス進むよ!! 行ってくる!!」

晶葉『凛……』

凛「1回休みが何!? まだ負けと決まったわけじゃないし!!」

凛「ありがとね心、また!!」

心「あ、うん……」

ビュンッ

心「凛ちゃん絶不調じゃん」

晶葉『こうも波に乗り切れないと、私の頭にも凛の負けがよぎってしまうな』

晶葉『だがあいつはめげないだろう! シンデレラガールにも選ばれたアイドルだ!』

心「それが関係あるかは分かんないけど、瞳の奥に火が灯ってたし」

心「くじけてないってのは確かだな☆ 負けんなよ凛ちゃん!」ニコッ

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 00:33:13.85 ID:yj6p/21p0

――――

ビュンッ

凛「まゆが止まった岐阜県のマスだ」

凛「ということは、待ち受けてるのは星花だよね」

星花「はい」スタスタ

凛「下呂温泉を紹介してくれるの?」

星花「いいえ、凛さんには飛騨高山の観光を楽しんでいただきたいと考えています」

星花「……気を落とさないでくださいね」

凛「え?」

星花「まゆさんとかなりの差がついてしまっていますが」

星花「まだまだ勝負は…」

凛「大丈夫だよ。負けが確定するまで折れないって決めたから」

凛「心配してくれてありがとう」ニコッ

星花「凛さん……ふふ、杞憂でしたね」

星花「行きましょうか。始めに町並みを見て回りましょう」

スタスタ

晶葉(カッコつけてるけど、これって助手をかけた欲望丸出しの勝負なんだよな)

81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 00:55:48.45 ID:yj6p/21p0

――――

星花「さんまち通りは、飛騨高山の定番とも言えるスポットなのです」

星花「古い町並みと言われている通り、江戸時代の城下町としての町並みを今でもこうして保存していて」

星花「小京都とも呼ばれているんですよ」

凛「良い雰囲気だね。色んなお店が並んでて」

凛「お酒とか甘味処とか……あっ」

凛「あれって飛騨牛の握り? 行列ができてる」

星花「はい。テイクアウトして、その場でいただくことができるのです」

星花「並びますか?」

凛「うん、食べてみたい」

――――

凛「肉の寿司ってどんなものかと思ってたけど」

凛「美味しいね。飛騨牛だからかな」

星花「お肉は元々ご飯と合いますし、お寿司の形にしたのは素晴らしいアイディアですわ」

凛「発想の勝利ってやつだね」

凛「あっ」

星花「?」

82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 01:14:26.63 ID:yj6p/21p0
凛「ひ、飛騨牛の串焼き……美味しそう」

凛「向こうには飛騨牛の肉まんが……」

星花「その他にも飛騨牛コロッケ、飛騨牛のつくねなど」

星花「色々な食べ物が売られていますよ」

凛「食べたい。でも飛騨牛寿司で、満腹ゲージが80から100に……」

凛「このマスにいられる時間ってどのくらい?」

星花「ホテルに一泊して、明日の昼頃にサイコロを振る予定ですわ」

凛「じゃあ明日の昼に食べる。いいかな?」

星花「もちろんです♪」

――――

凛「地酒が売られてる」

星花「ここの他にもいくつか酒造場があります」

星花「美味しいと評判なのです。そしてお酒を用いて作られる」

星花「カステラやチーズケーキも絶品だとか」

凛「食べたことないの?」

83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 01:31:22.20 ID:yj6p/21p0
星花「幼かったので。今もまだ19歳ですし」

凛「買っていかない? ゲームの中だし大丈夫だよ」

星花「い、いけませんわ!」

凛「じゃあ私だけ買うね」

星花「凛さん……いつから悪に染まってしまわれたのですか」

凛「大げさだよ……。一口だけだよ、一口だけ」

――――

星花「購入を止めなかったことに対し、罪悪感に苛まれていますわ」

凛「そんなに? 分かった、食べないよ」

凛「ゲームの中といえどやっちゃいけないよね」

星花「その通りですわ!」

凛(一応しまっておくけど)コソコソ

凛「次はどこに行くの?」

星花「とある神社です」

凛「神社か、パワースポット的な?」

星花「着いてからご説明します」ニコッ

凛「?」

84: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 01:48:38.33 ID:yj6p/21p0

――――

星花「ここですわ」

凛「木に囲まれて、神聖な空気だね」

凛「どんな神社なの?」

星花「日枝神社です。高山を代表するお祭り、高山祭の」

星花「春のお祭りが行われる場所として有名です」

星花「行事がない時は、こうして静かな神々しい場所」

星花「私、ここが好きなんです」

凛「ぼーっとしてたいね」

星花「分かっていただけますか?」

星花「日枝神社に来ると、心が平穏に包まれて」

星花「不思議な気持ちになって……」

凛「分かる」

星花「ちなみに、ここは某アニメ映画に出てくる場所の」

星花「モデルになったところではないかと言われているんです」

凛「え? 何の映画?」

85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 02:16:51.92 ID:yj6p/21p0
星花「君の名は。です」

凛「あ、そっか。そういえば聞いたことがある。飛騨高山だったね」

星花「いわゆる聖地ですわね」

凛「君の名は。……346の中でも話題になったよね。泣けるとか胸がキュンとするとか」

凛「私もあの映画観て、無性にプロデューサーとくっつきたくなったなぁ」フフッ

星花「記憶に新しいです。何人かのアイドルの方たちが」

星花「プロデューサー様のお傍について回っていましたよね」

凛「そうそう、プロデューサーへの攻撃が激しくなったんだよ」

晶葉(特に大人組はヤバかったな)

――――

星花「陣屋はご存知ですか?」

凛「うん」

星花「ここはもともと、高山城主の金森氏の下屋敷だったのですが」

星花「徳川幕府の直轄地となり、江戸から代官、郡代がいらっしゃって陣屋となったのです」

星花「陣屋は全国に60ヶ所以上あったのですが、建物が残っているのはここだけです」

凛「……」タプタプ

星花「凛さん?」

凛「! き、聞いてるよちゃんと」

星花「中もご案内しますね」

凛(陣屋について調べてた、なんて言えない)

凛(まあ自分の知識が間違ってないか確認しただけだけど)

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 20:32:30.84 ID:yj6p/21p0

――――

凛「もう夕方だなんて、楽しいと時が経つのが早いね」

凛(にしても良いホテルだなぁ……飛騨ともえホテルだっけ)

凛(お風呂も気持ち良かったし。あとすぐ近くに、君の名は。聖地の古川駅があるらしい)

凛(行ってみたいけど浴衣に着替えちゃったしな……)

星花「凛さん、ベッドでくつろいでいらっしゃるところすみません」

星花「そろそろお夕飯の時間ですから、指定されたお部屋へ向かいましょう」

凛「ご飯? やった。完全空腹になったしゆっくり味わいたいよ」

――――

凛「飛騨牛だ!」キラキラ

星花「お昼に、食べたい食べたいと仰っていたので」

星花「飛騨牛ステーキのプランを選択しました」フフ

凛「ありがとう星花! いただきます」

凛「まずは飛騨牛を焼いて……」スッ

ジュウウウ

凛「この音いいよね……食欲をそそる音……」

星花「焼けるのを待つ間に、他のお料理もいただきましょう♪」

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 20:50:04.08 ID:yj6p/21p0
凛「在郷料理かぁ。お豆腐をいただこう」スッ

パクッ

凛「モグモグ……ゴクン」

凛「はー……何ていうかさ。これまでも色んなところ行って色んな料理食べたけど」

凛「どれも抜群だよね。美味しいとしか言えないよ」

星花「天ぷらも召し上がってみてください」

凛「うん」スッ パクッ

モグモグ

凛「ゴクン……衣の中に食材の風味や味が閉じ込められてて」

凛「ご飯が進むねこれ」パクッ モグモグ

星花「飛騨牛、もう焼けたのでは?」

凛「あ、そうだね」スッ

パクッ

凛「モグモグ……旨味が……旨味が……!」

凛「モグモグ、ゴクン……ごめん、食べながら喋っちゃった」

星花「お味はどうですか?」

凛「柔らかくて、噛むごとに旨味が口の中に広がるよ」

凛「何もつけずそのままで食べても美味しい。最高だね」

星花「そうですか」フフ

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 21:15:34.44 ID:yj6p/21p0
凛「星花、自分は食べずに私を見てるばっかだけど」

凛「食べないの?」

星花「いただきますよ。ただ、凛さんがとても幸せそうにお料理を口へ運ぶので」

星花「つい見入ってしまって」クスクス

凛「や、やめてよ……恥ずかしい……」カァァ

――――

凛「お腹いっぱい……文字通りご馳走だった」

星花「ひとまず案内はここまでです。続きは明日に」

凛「寝るまで自由時間だね」

凛「……ねえ星花、好きな人っているの?」

星花「え?」

凛「恋の話しようよ。もしかして、星花もプロデューサーのこと好き?」

星花「ええ、素敵な方だと思います」

凛「!?」

星花「ですがお慕いしているわけでは……」

凛「そ、そう。ビックリした」

凛「じゃあ好きな人はいないんだ」

95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 21:24:47.55 ID:yj6p/21p0
星花「今のところ」

凛「怪しい」

星花「ほ、本当です!」

凛「徹底的に問い詰めるよ」

――――

凛「そうだ」

星花「どうされました?」

凛「ほら、昼にチーズケーキを買ったでしょ」

凛「ちょっと食べてみようかなって」ゴソゴソ

星花「ええ!? 食べないと仰っていたはずでは……!」

凛「まあまあ、一切れだけだよ」

星花「一口から一切れになってますわね……」

凛「わー、美味しそう。お酒の匂いがする」クンクン

星花「そういえば凛さん、お腹が満たされたのでは」

凛「デザートは別腹だよ。いただきます」パクッ

凛「モグモグ……モグモグ……」

星花「ああ、何てこと……」ソワソワ

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 21:38:18.78 ID:yj6p/21p0
凛「ゴクン……おお、アルコールの感じが……」パクッ

星花「と言いつつも二口目。一切れ食べてしまいましたね」

凛「モグモグ……ゴクン。しっとりしててなめらか」

凛「程よい甘さで美味しいね、うん」スッ

星花「凛さん! まさか二切れ目を!?」

凛「これで最後だから! 本当に最後!」パクッ

凛「モグモグ……」

星花「……」

凛「モグモグ……ゴクン。美味しい」パクッ

凛「モグモグ……」

星花「……」

星花「……そんなにですか?」

凛「ん?」

星花「そんなに美味しいのですか?」

凛「美味しい。例えば、このチーズケーキにアルコールが入ってなかったとしても」

凛「すごく美味しいと思う」

星花「……」

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 21:47:54.10 ID:yj6p/21p0
星花「あ……あの」

凛「ん?」

星花「私も……一口、いただけないでしょうか」

凛「……ふふ」

凛「もちろんだよ。どうぞ」スッ

星花「……」スッ

星花「ひ、一口だけ……」ドキドキ

パクッ

星花「!」モグモグ

星花「ゴクン……これは……美味しい……!」キラキラ

凛「星花は20手前だから、私よりもお酒の味が分かってるかもね」

星花「美味しいです、すごく……も、もう一口」パクッ

モグモグ

星花(美味しいですわ。ダメ、食べてはいけないのに)ゴクン

星花(どんどん口に……!)パクッ モグモグ

凛(次から次へと口に入れていく。相当ハマったみたい)

99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 21:57:03.20 ID:yj6p/21p0
凛「その反応を見るに、このチーズケーキの味はプログラムされてなかったみたいだね」

星花「ゴクン……はい、成人していないので」

晶葉(酒の細かな情報をプログラムするかどうかは、20歳よりも上か下かで決めてるからな)

凛「私はもういいや。よかったら星花食べて」

星花「い、いえ、さすがに全部は」

(10分後)

凛「結局ほとんど食べちゃったね」

星花「……」

凛「星花?」

星花「うふふ……でざーとは、べつばらですわ……」フラフラ

凛(酔ってる?)

星花「んー……むにゃぁ……」バフッ

凛(ベッドに倒れた)

凛「も、もう寝るの?」

星花「いいえー……もっとおはなししましょう……」

星花「恋のおはなしを……」

凛「いいけど」

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 22:22:52.71 ID:yj6p/21p0
凛(うわ、セクシーすぎる)カァァ

凛(浴衣が乱れてかなりギリギリ……これはすごい色気だ)パシャッ

凛(しまった、つい写真を)

星花「凛さん……おはなしを……」

凛「分かったよ。星花から話して?」

凛(これは、眠るまでかかるかも)

――――

クラリス「朝になりました」

まゆ「クラリスさんの言った通り、心身共にスッキリしてます!」

グー

まゆ「!!」

クラリス「あら、お腹もちゃんと空いているようですね」

クラリス「そんな食いしん坊なまゆさんに、早速兵庫グルメを紹介します♪」

まゆ(何で鳴るの……お腹のバカ……!)カァァ

クラリス「見えてきましたよ。あれが出石そばの人気店、近又さんです」

クラリス「ご覧の通り、行列ができるほど評判のお店です」

まゆ「出石そばって、どんなおそばなんですか?」

クラリス「並んで待ちながら説明いたしますね」

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 22:47:20.08 ID:yj6p/21p0
クラリス「出石そばは、兵庫県豊岡市出石町を中心に食されている郷土料理なのです」

クラリス「2、3口程度で食べ終わる1皿のおそばが5皿出されるのが通常で」

クラリス「そのお店、特製のつゆにつけて召し上がるのです」

クラリス「他にも、刻みネギ、大根おろし、わさび、とろろ、生卵などがついているので」

クラリス「お好みでいただくことができます」

まゆ「聞いているだけでお腹が……」

クラリス「待ち遠しいですね♪」

――――

まゆ「こ、これが話に聞いた出石そば」

クラリス「ご自由にどうぞ」

まゆ「えー、どうやって食べよう……オススメはないんですか?」

クラリス「最初は何もつけずに。次につゆにつけて」

クラリス「そしてその次はネギやわさびの薬味を添えて、後にとろろと卵を加える」

クラリス「という順番でしょうか。お店の方に聞いた通りですが」

クラリス「いえ、順番ではありませんね。自分好みにいただくのが一番ですから」

まゆ「でも、そうすれば色んな楽しみ方ができますよねぇ」

まゆ「参考にさせてください! まずは何もつけずに、いただきます」

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 22:58:33.48 ID:yj6p/21p0

ズルズル

まゆ「モグモグ……モグモグ」

ゴクン

まゆ「……」

クラリス「ご感想は?」

まゆ「コシがあって、おそばの香りが口の中に……」

まゆ「すごいですね。これだけでも美味しいなんて」

まゆ「つゆにつけたらどうなるんでしょう……」

クラリス「確かめてみてください」

まゆ「い、いただきます」スッ チョンチョン

ズルルッ

まゆ「!!」

まゆ「な……なるほど……これが行列のできる人気店のパワー……!」

まゆ「今、私座ってるじゃないですか」

クラリス「? はい」

まゆ「お行儀が悪いですけど、もし立って食べてたら」

まゆ「あまりの美味しさに膝から崩れ落ちてると思います」

103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/03(土) 23:09:30.50 ID:yj6p/21p0
クラリス「……」

まゆ「ごめんなさい、今の忘れてください」

まゆ「この美味しさをどう表現すればいいのか頭を悩ませているんですけど」

まゆ「食レポって難しいですね……」

クラリス「言葉にしなくても、まゆさんの幸せそうな顔を見れば」

クラリス「充分伝わりますよ」ニコッ

まゆ「本当ですか? よかった♪」

まゆ「けど、練習するに越したことはないですよねぇ」

まゆ「ネギ、わさびを添えて、つゆにつけて……」スッ チョンチョン

ズルルッ

まゆ「!!!」

まゆ「こ、これは……おそばと特製つゆだけで天にも昇るほど美味しいのに」

まゆ「ネギとわさびを加えたら、味が……えっと……!」

まゆ「……普通に食べます……」

クラリス「何故ですか? 見ていて楽しいですよ♪」ニコニコ

まゆ「うう、やらなきゃよかった……」

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 01:14:12.80 ID:Fa30ihSV0
まゆ「次はとろろと、生卵も」スッ

チョンチョン ズルルッ

まゆ「!!!!」

まゆ「♡」

クラリス(やはり、このお顔だけを見るだけで幸せな気持ちになりますわ)ウフフ

――――

まゆ「姫路城、綺麗ですねぇ」

クラリス「どの季節でも美しく見えますね」

クラリス「私は春の桜と共に観賞するのが好きなのですが」

まゆ「……」

クラリス「まゆさん、上の空でどうされましたか」

まゆ「す、すみません。まだ出石そばが頭から離れなくて」

まゆ「今まで生きてきて、色んなおそばを食べましたけど」

まゆ「近又さんのおそばが一番好きです」

クラリス「まあ! 紹介させていただいた私も嬉しいです♪」

クラリス「兵庫県に行く機会があれば、ぜひ立ち寄ってくださいね」

まゆ「はいっ」

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 01:53:19.23 ID:Fa30ihSV0
まゆ「すみません、姫路城の話でしたよね」

まゆ「私は春の姫路城を見たことがないので、何とも言えませんけど」

まゆ「きっと綺麗なんだろうなぁ」ポー

クラリス「よろしければ、桜を咲かせることもできますが」

まゆ「そ、そうでしたね……。いいです、現実で直接見ることにします」

まゆ「少しくらいは楽しみをとっておきたいので」

クラリス「確かに、あっさり見られたら感動が薄れてしまうかもしれませんしね」

――――

まゆ「ゆっくりと姫路城を眺めてたら、いつの間にかお昼になってた」

まゆ「もっと色々見て回りたかったな……」

クラリス「周辺の観光も、楽しみにとっておいてください」フフ

クラリス「着きましたよ。ここです」

まゆ「青森?」

クラリス「ええ、青森さんです。ここは神戸のご当地グルメ」

クラリス「そばめし発祥のお店なのです」

まゆ「そばめし……?」

クラリス「簡単に言いますと、焼きそばと焼きご飯を合体させたお料理です」

クラリス「麺とご飯、そしてソースの組み合わせが素晴らしく、ソース好きの方にはたまらない一品です」

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 18:47:29.62 ID:Fa30ihSV0
まゆ「本当だ、ソースの匂いが……」クンクン

クラリス「お腹が空いてきますわね。入りましょう」

――――

ジュウウウ

クラリス「まずは鉄板で焼きそばを作り」

クラリス「その後、ご飯を入れるんです。この時焼きそばを、こてで細かく刻みます」

クラリス「最後にソースで味を整えて完成です」

まゆ「作られる様子を見るのもいいですね!」

まゆ「焼きそばとご飯の他に何か入ってますけど、何ですか?」

クラリス「『ぼっかけ』という、そばめし同様のご当地グルメです」

クラリス「すじ肉とコンニャクを甘辛く煮込んだものです」

クラリス「さあ、召し上がってください」

まゆ「いただきますっ」

まゆ「焼きそばとご飯、ぼっかけを一緒に……」パクッ

まゆ「モグモグ、モグモグ」

まゆ「……」キラキラ

クラリス(幸せそうなお顔)フフ

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:14:38.10 ID:Fa30ihSV0
まゆ「合いますね、焼きそばとご飯の組み合せ!」

まゆ「ぼっかけも美味しいですし、すべてが絡んで生み出されるハーモニーがたまりません!」

まゆ「美味しくないわけがないです!」スッ

まゆ「どんどんいっちゃいますね」パクッ

クラリス「これぞ故郷の味、という気がします」

クラリス「お家でも作れますからね」

まゆ「確かに、材料も手に入りやすいですし」

まゆ「家庭の料理として出したら子供も大喜びでしょうね」

まゆ「私も作ってみたいけど……こんなに美味しくできるのはお店だからですよね」

クラリス「気に入っていただけたようですね」

まゆ「それはもう! やみつきですよ!」

まゆ「♪」パクッ モグモグ

クラリス「あら、ほっぺにソースが」

まゆ「え?」

クラリス「待ってください」スッ

フキフキ

まゆ「!!」

まゆ「そ、そんなことしなくても……!」

112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 19:51:57.03 ID:Fa30ihSV0
クラリス「気にしないでください。ついしてしまったことですから」

まゆ「しますよ……小さい子じゃないのに、こんな……」カァァ

まゆ「もっと落ち着いて食べます」パクッ モグモグ

クラリス「ふふ」ニコニコ

――――

まゆ「兵庫グルメが食べられるということで、はしゃぎ過ぎてましたね」

クラリス「はしゃいでいいのですよ」

まゆ「その結果、恥ずかしい思いをすることになったので……」

まゆ「さっきのあれ、忘れてもらえますか?」

クラリス「まゆさんがそう仰るのなら」

晶葉(メモリーにはちゃんと記録されてるけどな)

まゆ「ありがとうございます。それで、ここは……」

クラリス「目の前にそびえ立っているのは、神戸ポートタワーですわ」

クラリス「夜になると、7040個ものLED照明が点いて」

クラリス「とても美しいイルミネーションになるのです」

まゆ「だからワープしたら夜だったんですね」

クラリス「はい、お見せしたくて」

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 20:10:02.12 ID:Fa30ihSV0
まゆ「すごく綺麗ですね。男性の方と一緒に観たら」

まゆ「ロマンチックな雰囲気になりそう」

クラリス「外からではなく、中から観る夜景も圧倒されますよ」

クラリス「入ってみましょうか」

まゆ「ぜひお願いします」

――――

まゆ「……素敵……」ウットリ

クラリス「目を奪われてしまいますわ……」

まゆ「この場所でプロデューサーさんに愛の告白をされたら」

まゆ「間違いなくオッケーしますね」

クラリス「プロデューサー様になら、どの場所で告白されようともお引き受けするのでは?」

まゆ「そうなんですけど、やっぱりロマンチックなところがいいです」

まゆ「街の灯りが宝石みたい……」

クラリス「惚れ惚れしますわ」

――――

クラリス「そろそろお食事の場へ向かいましょうか」

まゆ「ここにいたら時間を忘れちゃいますね」クスッ

まゆ「どこに行くんですか? もしかして」

114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 20:35:33.04 ID:Fa30ihSV0
クラリス「心当たりが?」

まゆ「日本三大中華街の1つとして知られるチャイナタウン、南京町ですか!?」

まゆ「聞く話によれば食べ歩きグルメの宝庫だとか!」

クラリス「そうですね。南京町のグルメはとても美味しいですわ」

クラリス「老祥記(ろうしょうき)というお店では、多ければ1日1万個以上売れると言われている」

クラリス「豚まんがあるのです。皮に味がついていて、餡には最小限の味つけのみ」

クラリス「そうすることでストレートに豚の旨味を味わえるらしいです」

まゆ「……」ゴクリ

クラリス「そしてトロトロの角煮が味わえる角煮まんが売られている皇蘭(こうらん)さん」

クラリス「イベリコ豚をとろとろになるまで、じっくり煮込んでいるので」

クラリス「しっかりと旨味が染み渡っています」

クラリス「タレが飲んでしまえるほど美味しい焼き餃子のお店、点心倶楽部楽園さんや」

クラリス「肉汁があふれ出す小龍包の行列店、yunyunさん」

クラリス「ワンコインでフカヒレラーメンが食べられる鮫麵屋さん。絶品ですね」

まゆ「うぅ……話を聞くだけで美味しそう……」

クラリス「衣はサクサク、中はホクホクの神戸コロッケが売られている、神戸コロッケさん」

クラリス「まゆさんにはまだ早いですけど、大堀商店さんで売られている、冷たい青島ビールは」

クラリス「今紹介したどのお料理にも合いますね」

115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 20:57:54.62 ID:Fa30ihSV0
クラリス「極めつけはデザートです」

クラリス「エスト・ローヤルさんの本店が南京町にあるのですけど」

クラリス「ここのシュークリームが大人気なのです。外はサクサク、中のクリームはぎっしり」

クラリス「神戸マシュマロ浪漫さんはマシュマロの専門店なのですが」

クラリス「レモン、ストロベリー、抹茶など色んな味があって、口に入れたら消えてなくなってしまう食感なのです」

まゆ「……」ジュルリ

クラリス「お土産に最適なのはさんと神戸フランツさん」

クラリス「益生號さんは美味しい焼き豚や、豚足、豚の耳なども売られているのです」

クラリス「チャーシューを購入する地元の方が多いとか」

クラリス「最後に、神戸フランツさんは壺プリンというものが販売されています」

クラリス「壺プリンは3段の層でできていて、一番上はクリーム」

クラリス「その下は、なめらかな舌触りのカスタードプリン」

クラリス「さらにその下はビター味のカラメル。それら3つの味を自由に変えて楽しむことができます」

まゆ「……長々と強大な攻撃を受けました……」

まゆ「これは深刻なダメージです。回復するには今すぐ南京町に行かないと」

クラリス「申し訳ありません。向かうのは南京町ではないのです」

まゆ「ええ!?」ガーン

まゆ「じゃあ何で説明を……」

クラリス「まゆさんが、南京町について知りたいようだったので」

116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 21:22:45.24 ID:Fa30ihSV0
まゆ「そんな……殺生ですよぉ……!」

まゆ「連れて行ってください! お願いします!」ギュッ

クラリス「ごめんなさい。でも、今から行くところも美味しいお料理のお店ですから」

まゆ「うー……」

――――

クラリス「ここです」

クラリス「神戸牛のステーキなどを取り扱っていらっしゃる、和黒さんです」

クラリス「すぐ目の前で調理していただけるので、食べるだけでなく」

クラリス「見て楽しめます」

まゆ「神戸牛のステーキ……!」

まゆ「そ、そんな高そうなもの、いただいていいんですか!?」

クラリス「はい」ニコッ

――――

まゆ「」

クラリス「どれでも好きなものを選んでくださいね」

まゆ「あ、ああ……あの……」

まゆ「値段が……」プルプル

クラリス「そのくらい高級なお肉ですから」

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 21:43:02.35 ID:Fa30ihSV0
一旦休憩します
23時頃から始めます

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/04(日) 23:19:49.50 ID:Fa30ihSV0
まゆ「ですよね。本当に食べていいんですか……?」

クラリス「ええ」

まゆ「じゃあ、これを」スッ

クラリス「焼き加減は?」

まゆ「迷いますけど……ミディアムでお願いします」

――――

ジュウウウ

まゆ「わぁ……! こんなお肉食べたことないです!」

クラリス「赤身と白身の彩りが綺麗ですわね」

まゆ「本当にいただいていいんですよね?」

クラリス「その質問、3回目ですね。寸前で取り上げたりしませんから、ご安心を」クスクス

クラリス「出来たようです。先に召し上がってください」

まゆ「……」ゴクリ

まゆ「いただきます」スッ

パクッ

まゆ「!!!」

120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 00:02:04.86 ID:1rotPj1e0
まゆ「……っ」プルプル

クラリス「感想を聞かなくても伝わってきます」フフ

まゆ「モグモグ……ゴクン」

まゆ「こんな……こんな素晴らしいものが、この世に存在していいんでしょうか……」

まゆ「美味しいという言葉では言い表せません。もっと上の……」パクッ

まゆ「……っ」プルプル

クラリス「今までにない喜びようですね」

まゆ「ゴクン……いえ、他のお料理も当然美味しかったです!」スッ

まゆ「ただステーキという枠では、このお肉がトップに躍り出ました」パクッ

まゆ「……っ」プルプル

クラリス(口へ運ぶたびに震えていますね)

まゆ「感動すら覚えます……美味しすぎる……」

クラリス「ゆっくり味わってください」

まゆ「はい……」

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 00:27:29.54 ID:1rotPj1e0
まゆ「お塩と胡椒で食べても美味しいですけど」

まゆ「このたれ、特製なんですよね……これをつけて食べるのが一番です」

まゆ「幸せ……♡」

クラリス(まゆさんは、本当に美味しそうに食べますね)ニコニコ

――――

凛「朝食も、在郷料理を堪能できたよ」

凛「特に朴葉味噌。ご飯何杯でもいけそう」

星花「自家製のお味噌に、ネギなどの薬味とキノコ、山菜を絡め、朴の葉に載せて焼いたものですね」

星花「ご飯のお供として、私もよく食べました」

凛「いいな……あんなに美味しいものが身近にあって」

星花「あら、凛さんの住む東京だって、美味しいものが沢山あるじゃないですか」

星花「レジャー施設もそこら中にありますし」

凛「まあそうだけど……」

凛(隣の芝生は青く見えるってやつなのかな)

星花「さあ、到着ですわ。私たちのいたさんまち通りから離れて」

星花「白川郷にやって来ました」

凛「これが合掌造り集落……」

122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 01:17:23.58 ID:1rotPj1e0
星花「ご存知の通り、世界遺産にも登録されている貴重な場所です」

星花「合掌造りの屋根は独自の建築技術なのです。作物の育たない厳しい冬を乗り切るため」

星花「そして養蚕を行うため、考えられたのですよ」

凛「人が一杯いるね」

星花「世界遺産ですからね。外国からいらっしゃった方もみえますね」

――――

星花「ここは集落を見渡せる展望場所ですわ」

凛「一望できるね」

凛「人の生き抜こうとする力ってすごいね。その結果世界遺産にもなって」

星花「ええ、語り継がれなければいけないものです」

星花「今でも多くの方が、集落を保持するため守り続けているのです」

凛「夏の景色もきっと見惚れちゃうんだろうね」

星花「美しいですよ、雪で真っ白の景色が青々として」ニコッ

――――

凛「あ、ラーメンだ」

星花「ここでもお酒などお土産が買えたり、お料理が食べられるんです」

星花「そうですわ! ラーメンと言えば、高山ラーメンを紹介しそびれました」

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 01:24:22.33 ID:1rotPj1e0
凛「高山ラーメン」

星花「はい。お昼は高山ラーメンにしましょうか♪」

星花「それともここで…」

凛「飛騨牛……」ボソッ

星花「あっ」

星花「そうでしたね。さんまち通りで飛騨牛の食べ歩きを……」

凛「ラーメン……」

星花「どうされます? 凛さんが食べたい方で」

凛「……」

凛「飛騨牛にするよ。ラーメンの味はゲームの外で、実際に行って確かめる」

星花「そうですか。すみません」

凛「何で謝るの? 星花は悪くないよ」フフッ

凛「むしろ感謝しなきゃ。色々案内してくれて」

星花「務めですから。とはいえ、凛さんと観光できて」

星花「とても楽しかったですわ♪」

凛「私もだよ。ありがとう」ニコッ

124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 01:41:28.66 ID:1rotPj1e0

――――

まゆ「……」ポー

星花「神戸牛の味、思い出していらっしゃるようですね」

まゆ「え? あ……はい。記憶に残る味です」

まゆ「神戸牛だけじゃなく、明石焼き、カニ、ぼたん鍋」

まゆ「出石そばにそばめし。ゲームの中ですけど、兵庫グルメの魅力に囚われちゃいました」

まゆ「今度は現実で、この舌で直接味わいたいと思います!」

まゆ「神戸牛はちょっと手が出ないですけど」エヘヘ…

クラリス「お料理のことを上手くお伝えできるが不安だったのですが」

クラリス「言葉なんていりませんでしたね」フフ

まゆ「そんなことありません! クラリスさんがいたからこそです」

まゆ「紹介してくださってありがとうございました」ペコリ

クラリス「お気になさらず」ニコニコ

クラリス「もうそろそろサイコロを振る時間ですわ」

まゆ「1回休みもこれで終わりですか」

まゆ「凛ちゃんもまた休みになってくれたし、ゆったり過ごせました♪」スッ

まゆ「それでは、もーっと距離を広げるとしましょう!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   岐阜  静岡  愛知  三重
凛  ●☆○ ○○○ ○×○ ○○○

   兵庫  奈良  和歌山 鳥取
まゆ ●○○ ○☆○ ○☆○ ○☆○


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/05(月) 02:25:16.21 ID:1rotPj1e0

まゆ:5マス進む


【進行状況】

   岐阜  静岡  愛知  三重
凛  ●☆○ ○○○ ○×○ ○○○

   兵庫  奈良  和歌山 鳥取
まゆ ×○○ ○☆● ○☆○ ○☆○


まゆ「5マス、まあまあですね」

まゆ「ではクラリスさん、またお会いしましょう!」

クラリス「はい、また♪」ヒラヒラ

ビュンッ

――――

ビュンッ

まゆ「南京町も必ず行こう」ボソッ

まゆ「ということで奈良県にやって来ましたけど」

まゆ「ここは……神社?」

ステーンッ

???「痛い!」

まゆ「!!」

まゆ「歌鈴さん! 大丈夫ですか?」

歌鈴「は、はい……ちょっと転んだだけなので」

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 21:55:37.50 ID:Ob15x6ax0
歌鈴「えっと、ようこそ大神神社へ!」

歌鈴「ここは島根県の出雲大社、三重県の伊勢神宮と並ぶ」

歌鈴「日本最古の神社です。大宮神社の神様は、古墳時代よりも前から祀られていたんですよ!」

歌鈴「主祭神は大物主大神。配神は大己貴神、少彦名神です!」

まゆ「しゅさいしん?」

歌鈴「普通、神社は複数の神様をお祀りしているんです」

歌鈴「その中で主として祀られる神様を主祭神、それ以外の神様を配神などと言います」

まゆ「へー」

歌鈴「アイドルに例えるなら、ライブステージに立つセンターとサイドですね!」

まゆ「それは例えとして適切なんでしょうか……」

まゆ「というか、一度も噛みませんでしたね?」

歌鈴「何度も練しゅ……神社にまつわる事なら平気なんです!」

まゆ(努力の結晶ですか)

まゆ「神社の説明ありがとうございます。でも」

まゆ「こんな場所で勝負なんて荒々しいことしていいんですか?」

歌鈴「勝負という名の修行ですから大丈夫でふ!」

歌鈴「あう、噛んだ……」

まゆ「修行!? な、何をするんですか?」

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 22:26:34.44 ID:Ob15x6ax0
歌鈴「身構えないでください! 大それたことはしませんから」

歌鈴「私たちが行うのは、平常心対決です。神社は神様の領域ですから」

歌鈴「邪な感情を捨て去らねばなりません。つまり欲望のことです」

まゆ(お参りで神様にお願いするのって、あれ直接欲をぶつけてますよね?)

歌鈴「今から目の前に、私とまゆさんの欲を煽るホログラムが映し出されます」

歌鈴「ですが! 絶っ対に気持ちを揺るがしてはいけません! 心を清らかにしてください」

歌鈴「静かな水面をイメージするといいです。バシャバシャして乱さないように」

まゆ「分かりました」

歌鈴「ホログラム動作と審査を担当するのは晶葉ちゃんです!」

晶葉『任せろ!』

歌鈴「始めますよ、いいですか?」

まゆ「待ってください。すー……はー……」

まゆ「……はい。大丈夫です」

歌鈴「私もですっ!」

晶葉(2人の欲を煽るもの……これでいいか)

晶葉『では行くぞ! よーい』

晶葉『スタート!』

ブンッ


↓1 歌鈴

↓2 まゆ


コンマ一桁 偶数なら平常心、奇数だと揺れ動く 5回やります

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 22:37:42.12 ID:Ob15x6ax0

歌鈴:×・・・・

まゆ:○・・・・


P『まゆ』

まゆ「!!」

まゆ(やっぱりプロデューサーさんできましたね)

まゆ(ううん、平気。今のまゆはどんなものを見せられても冷静)

P『まゆ、好きだよ』

まゆ「……」

P『愛してる』ニコッ

まゆ「……っ」

晶葉(水面が乱れてきたぞ)

まゆ「すー……はー……」

まゆ「……」

晶葉(ほう、落ち着かせたか。やるじゃないか)

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 22:38:42.78 ID:Ob15x6ax0
晶葉(歌鈴の方は……)

歌鈴「あ、あわわ……!」

晶葉(バシャバシャ揺れてるな)

晶葉(そろそろ違うのを映すか)

ブンッ

歌鈴・まゆ「!!」


↓1 歌鈴

↓2 まゆ


コンマ一桁 偶数なら平常心、奇数だと揺れ動く

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 22:58:12.91 ID:Ob15x6ax0
P『まゆ』スタスタ

まゆ(またプロデューサーさんだ。大丈夫、耐えてみせる)

P『おいまゆ、聞いてるのか?』

ドンッ

まゆ「!!」

まゆ(う、後ろに壁が現れて……壁ドンを……!)

晶葉(乱れてきた)

P『まゆ』ズイッ

まゆ(か、顔が近い! これは破壊力が……!)

まゆ「すー、はー、すー、はー……」

まゆ「……」

晶葉(おお、無表情になると共に心も穏やかに!)

晶葉(すごいぞまゆ、欲をコントロールできるんだな!)

晶葉(歌鈴は……)

歌鈴「……」

晶葉(今度は動じないか、やるな。ピクリともしないぞ)

晶葉(それじゃあこれはどうかな?)

ブンッ


↓1 歌鈴

↓2 まゆ


コンマ一桁 偶数なら平常心、奇数だと揺れ動く

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 23:18:18.42 ID:Ob15x6ax0

歌鈴:×○○・・

まゆ:○○×・・


歌鈴「ん? ふぇっ!?」カァァ

歌鈴「だ、ダメダメ! ふぅーー……」

まゆ(何に動揺したんだろう)

晶葉(お互いのホログラムは見えてないから気になるだろうな)

歌鈴「すぅー……ふぅーー……」

歌鈴「……」

晶葉(落ち着いたか。危うかったが)

晶葉(一方まゆは)

P『まゆ』

まゆ(プロデューサーさんバスローブバージョン!?)

P『一緒に寝ようか。おいで』

まゆ(せ、セクシーすぎる……♡)ハァ ハァ

晶葉(欲望の嵐で水面がすごいことに)

晶葉(さて、次のホログラムを)

ブンッ


↓1 歌鈴

↓2 まゆ


コンマ一桁 偶数なら平常心、奇数だと揺れ動く

146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/06(火) 23:46:43.42 ID:Ob15x6ax0

歌鈴:×○○×・

まゆ:○○××・


歌鈴「うぐ……美味しそう……」ジュルリ

歌鈴「お腹が空いて……」

晶葉(歌鈴の好物で責めるぞ)

歌鈴「に、匂いが……だめぇ……」エヘヘ

晶葉(ふっ、堕ちたか)

まゆ「プロデューサーさぁん」ギュー

P『アイラブユー』

まゆ「ミートゥー♡」

晶葉(まゆのやつ欲を抑える気ないな。長く助手と触れてないせいか?)

晶葉(ここまで両者互角……次で決まるな)

晶葉(さあ! これを耐えることができるか!?)

ブンッ


↓1 歌鈴

↓2 まゆ


コンマ一桁 偶数なら平常心、奇数だと揺れ動く 互角の場合、数字の大きい方が勝ち

149: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 00:02:44.57 ID:55wZZI9m0

歌鈴:×○○××

まゆ:○○××○


歌鈴「こ、これはぁ……♡」

まゆ「はぁ、はぁ……♡」

晶葉(歌鈴もまゆも、魅力にあてられているな)

晶葉(引き分けか)

歌鈴「だ、ダメなのに……欲を抑えなきゃいけないのに……!」

歌鈴「体が勝手に吸い寄せられて……」

晶葉(いや、歌鈴はまだ抵抗の意思が見られる)

晶葉(よってこの勝負は……ん?)

まゆ「……」

晶葉(何!?)

晶葉(まゆが正座して平静を保っているぞ! いつの間に!)

P『まゆ。結婚しよう』

まゆ「……」

晶葉(求婚する助手を物ともせず……ここに来て我に返ったか)

150: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 00:11:46.22 ID:55wZZI9m0

――――

晶葉『結果を発表する!』

歌鈴・まゆ「……」ドキドキ

晶葉『平常心対決、勝者は……まゆだ!』

まゆ「本当ですか!?」

歌鈴「やっぱり! 欲に負けてしまう時がかなりあったし……巫女なのに」シュン

まゆ「私もですよ!」

晶葉『僅差かと思われたが、最後の最後でまゆが平常心を保っていたからな!』

晶葉『それが審査に響いたんだ!』

歌鈴「ダメですね私……もっと心を清めないと」

まゆ「あの、すごく気になってるんですけど」

まゆ「歌鈴さんは何が見えてたんですか?」

歌鈴「好きな食べ物とか。あとは……」

歌鈴「……秘密です」ポッ

まゆ「そこまで言ったんですから教えてくださいよぉ」

歌鈴「い、卑しいですよまゆさん!」

まゆ「卑しいものだったんですか?」

歌鈴「違いましゅ! あう……噛んだ……」

152: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 00:22:27.03 ID:55wZZI9m0
まゆ「私が見たもの教えますから」

歌鈴「ダメです!」スタタタッ

まゆ「あっ、逃げた!」

ステーンッ

晶葉(転んだ)

まゆ「大丈夫ですか!?」

――――

凛「……」

星花「凛さん、手が止まってますけど」

星花「もうお腹一杯なんですか?」

凛「羨ましい」

星花「え?」

凛「私もプロデューサーにあんなこと言われたい……」

凛「晶葉に頼もう」パクッ モグモグ

晶葉『それはできないぞ!』

星花「あら、話をすれば」

凛「モグモグ、モグモグ……ゴクン」

凛「何で? ちょっとくらいいいでしょ」

晶葉『勝負以外では使わないようにとプログラムされてるんだ!』

153: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 00:31:48.70 ID:55wZZI9m0
凛「……」

晶葉『残念だったな!』

凛「じゃあ、そういう勝負ができれば」

凛「私のワガママ聞いてくれる?」

晶葉『叶えられる範囲内ならな!』

凛「よし……ごちそうさま!」

凛「次の目的地へ、サイコロスタンバイ!」スッ

星花「大きな目が出るように、祈りを捧げます」ギュッ

凛「ありがとう。星花と過ごした時間、忘れないよ」

晶葉(これから死地に向かうようなセリフだな)

凛「サイコロさんお願いします、良い数字をお願いします」

凛「ていっ!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   岐阜  静岡  愛知  三重
凛  ●☆○ ○○○ ○×○ ○○○

   兵庫  奈良  和歌山 鳥取
まゆ ×○○ ○☆● ○☆○ ○☆○


↓1 コンマ一桁 0は10

157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 01:00:11.31 ID:55wZZI9m0

凛:10マス進む

【進行状況】

   三重  滋賀  京都  大阪
凛  ○●○ ○○○ ○○○ ○○○

   奈良  和歌山 鳥取  島根
まゆ ○☆● ○☆○ ○☆× ○☆○


凛「よし! よしっ!!」グッ

星花「やりましたね凛さん!」

凛「星花が祈ってくれたおかげだよ」

凛「じゃ、行ってくるね」

星花「幸福を願っています」ニコニコ

ビュンッ

――――

ビュンッ

凛「よっと、三重県に到着」

凛「まだまゆと16マスの差があるんだよね……」

???「あの……」

凛「常に10を出すくらいの勢いじゃないと」

凛「その前に、アイドルを倒してプラス2の恩恵を…」


???「あの!」

凛「!」ピクッ

159: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 01:25:31.43 ID:55wZZI9m0
智絵里「凛ちゃん……こんにちは」

凛「智絵里。ひょっとして私の相手?」

智絵里「うん、ここに配置されたの……」

智絵里「どこか分かる?」

凛「プールとか乗り物が見えるから」

凛「アミューズメントパーク?」

智絵里「あたり! ナガシマスパーランドっていうの……」

智絵里「巨大プールやウィータースライダーで、泳ぎを楽しむことができるし……」

智絵里「ジェットコースターやお化け屋敷、観覧車もあって」

智絵里「子供が喜ぶこと間違いなしの、夢のようなところなんだよ」

智絵里「近くにホテルもあるから……まとまった休みに家族で行くのに最適なの」

凛「これでもかってくらいヨイショ宣伝したね」

智絵里「そ、そんな……私も行ったことあって、楽しかったし……!」アセアセ

智絵里「大げさなんかじゃないよ? 本当に!」

凛「分かってるって。こうしてパッと見ただけでも面白そうだもん」

凛「それで、このナガシマスパーランドで何をするの?」

162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 20:34:20.11 ID:55wZZI9m0
智絵里「プールを使うの……」

智絵里「まずはサーフィンプールっていうプールで、息止め対決」

智絵里「次にウォーターチューブっていうスライダーで、悲鳴ダメ対決」

智絵里「最後に、流水プールで流れに抗え対決」

凛「水三昧だね」

智絵里「先に2勝したら勝ちだよ……だから」

智絵里「流れるプールは使わないことになるね」

凛「へ? 何で?」

智絵里「だって……わ、私が先に2勝しちゃうから……!」バンッ

凛(いつになく強気だ。やれって言われたのかな)

凛(正直可愛いだけだけど……)

凛「面白い冗談だね。先に2勝するのは私だよ!」ドンッ

凛(とりあえずノっておこう)

智絵里「あとで吠え面かかないでね……!」バンッ

凛「こっちのセリフ!」ドンッ

163: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 20:55:52.73 ID:55wZZI9m0

――――

晶葉『第1回戦は息止め対決! フィールドはサーフィンプールで行うぞ!』

晶葉『両者、息を整えろ!』

智絵里「ふー……」

凛「すぅー……」

凛(息止めか。時間測ったことないな)

晶葉『ルールの再確認をしておく! 私の合図と共に、2人は息が続く限り』

晶葉『水の中に潜る! そして我慢できず、先に水面から顔を出してしまった方の負けだ!』

晶葉『いいな?』

智絵里・凛「うん(……)!」

晶葉『よし! では、位置について!』

晶葉『レディー……ゴー!!』

智絵里「……!!」ザプンッ

凛(何でそこだけ英語?)ザプンッ

凛「……」

智絵里「……」

智絵里・凛「……」

晶葉(2人共、いい感じだな)


↓1 智絵里

↓2 凛

持ち点200からコンマ二桁をマイナスしていき、0になった方の負け

166: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 21:09:31.47 ID:55wZZI9m0

智絵里:108

凛:188


智絵里「……」プクプク

晶葉(智絵里の水面から泡が。まさかもう限界なのか)

凛「……」

晶葉(凛はまだ平気そうだな)

凛「……」

凛(日頃レッスンで鍛えてる肺活量を存分に活かせるよ)

凛(智絵里はっと)チラッ

智絵里「……!」プクプク

凛(口と鼻から泡が出てきてる)

凛(これは案外余裕でいける?)

智絵里「っ……!」


↓1 智絵里

↓2 凛

コンマ二桁をマイナス

169: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 21:25:21.16 ID:55wZZI9m0

智絵里:35

凛:145


智絵里「……っ!!」ブクブク

凛(もうそろそろ限界みたいだね)

凛(私はちょっと息苦しくなってきた程度だし、このままいけそう)

智絵里「……! ……っ!」ブクブク

智絵里「……っ……!!」ブクブク

凛(手で口を抑えて、何とか持ちこたえようとしてる)

凛(顔真っ赤だ)

智絵里「……!」

凛(ん? 私を見て……こっちに近づいてくる?)

凛(一体何を……)

凛(……ま、まさか……!)

ガシッ

智絵里「……!」ギュー

凛(やっぱり! 私に攻撃を仕掛けて……!)

凛(反則でしょこれ!)


↓1 智絵里

↓2 凛

コンマ二桁をマイナス

173: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 21:36:43.43 ID:55wZZI9m0

智絵里:0

凛:93


凛「……!!」ブクブク

凛「……っ」グイグイ

智絵里「……!」ムギュー

凛(くっ、全然離れない。道連れにする気!?)

凛(そうはさせないよ。そっちが攻撃するなら)

コチョコチョ

智絵里「!?」ゴボボッ

凛(こっちは反撃する! くすぐり攻撃!)コチョコチョ

智絵里「っっ……!! っ……っ……!!」ガボゴボ


ザバッ


智絵里「ぷはっ! はぁ……はぁ……」

晶葉『智絵里の呼吸を確認! よって勝者は凛だ!』

ザバッ

凛「ふぅ……まずは1勝!」

174: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 21:55:29.55 ID:55wZZI9m0
智絵里「うぅ……卑怯な手を使って負けるなんて……」

凛「何であんなことしたの」

智絵里「ぷ、プログラムされてて……」

凛「おのれ晶葉!」

晶葉『そういう仕様なんだから仕方ない!』

晶葉『妨害は禁止されてないから、どんどんやってくれていいぞ!』

凛「よりによって智絵里相手に」

智絵里「でも、次は1人ずつ挑戦する対決だから……妨害はないよ」

――――

晶葉『ウォーターチューブは、寝そべったままの状態で』

晶葉『水が流れる円筒の中を滑っていくスライダーだ!』

晶葉『急旋回したり急降下したり、スリル満載だぞ!』

凛「これを滑って、最後まで悲鳴を上げなきゃいいんだね」

晶葉『その通り!』

凛「どの程度ならセーフ? 『きゃっ』や『ひっ』みたいな小さな悲鳴は?」

晶葉『アウトだ! 小さくても悲鳴は悲鳴だからな!』

凛「了解。智絵里、どっちが先に滑る?」

175: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 22:07:07.92 ID:55wZZI9m0
智絵里「……」

凛「智絵里?」

智絵里「えっ、あっ……どっちでもいいよ……」

凛(かなり不安そう)

凛「智絵里が決めていいよ。さっき私が勝ったから」

智絵里「じゃあ後攻で……」

凛(即答。どっちでもよくなかったみたいだね)

――――

凛「私の目の間に飛んでるこれ、何?」

凛「ハリーポッターのクディッチに出てくる黄金のスニッチみたいなやつ」

晶葉『挑戦者の顔を撮影するための小型浮遊カメラだ!』

晶葉『対象がどんなにスピードを出そうがずっと追い続けて、しっかりと顔を映すんだ!』

晶葉『これで悲鳴を上げたか判断するぞ!』

智絵里「可愛い……」

凛「オッケー。ちょっと恥ずかしいけど」

176: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 22:25:58.25 ID:55wZZI9m0
凛「気を引き締めていくよ」スッ

晶葉『スタンバイできたな! それでは始めよう!』

晶葉『空中モニターを出してっと』ブンッ

智絵里「凛ちゃんの顔が映ってる」

晶葉『今回は合図を出さない! 自分の好きなタイミングでスタートしてくれ!』

凛「分かった」

凛「すー……はー……渋谷、いきます!」シュッ


シャアアアアアアア


凛「……!!」

凛(こ、これはなかなか……!)

晶葉『目を見開いている! ビビってるな!』

智絵里「怖そう……」


↓1 コンマ二桁 3回やって合計し、100を越えたら悲鳴

179: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 22:41:53.46 ID:55wZZI9m0

凛:30


凛「ッ……!!」

晶葉『強ばった表情で固まってるな!』

智絵里「怖そう……」

晶葉『悲鳴を上げないよう我慢しているのか!』

晶葉『悲鳴を上げることすらできないほど怖いのか!』

凛(こここ、怖い!!)

凛(口開いたら間違いなく声出ちゃう!)

シャアアアアア

凛(ひっ!? 体が揺さぶられる!)

晶葉『凛、頑張ってるな!』

智絵里(気が気じゃないよぉ……)ソワソワ


↓1 コンマ一桁 30にプラスして100を越えたら悲鳴

181: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 22:53:39.46 ID:55wZZI9m0

凛:37


凛「んっ……!!」

晶葉『お!? 今微かに声が……!』

智絵里「でも悲鳴じゃなかったような」

晶葉『そうだな! 今のはセーフだ!』

凛「……!!」キリッ

晶葉『おっと? 凛の顔つきが凛々しくなったぞ!』

晶葉『これは覚悟を決めた顔だ! 恐らくちょっとやそっとの事じゃ動じないぞ!』

晶葉『当然悲鳴など上げないだろう!』

凛(あとちょっと! あとちょっとで終わる!!)

凛(頑張れ私!)


↓1 コンマ二桁 37にプラスして100を越えたら悲鳴

183: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 23:07:28.88 ID:55wZZI9m0

凛:70


シャアアアアアア

凛(出口が見えた!!)


ザパァァァァン


智絵里「り、凛ちゃんすごい……!」

晶葉『悲鳴を上げなかったな!』

凛「ぷはっ」ザバッ

凛「ふー……やった。自分を貫いたよ!」

――――

晶葉『これで智絵里は引き分けに持ち込むしかなくなったな!』

凛「引き分け?」

晶葉『悲鳴を上げなければ引き分けになるぞ! その場合、次の勝負に移る!』

智絵里「……」プルプル

晶葉『……この調子だと、滑り出した瞬間に悲鳴を上げそうだが』

凛「頑張れ智絵里」

智絵里「ふ、ふっ……勝者の余裕を見せてるのも今のうちだよ……」プルプル

智絵里「必ず引き分けになって、3回戦に持ち込むから……!」プルプル

凛(強気なキャラを守ってるんだね。健気、そして可愛い)

184: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 23:14:44.67 ID:55wZZI9m0
晶葉『カメラも位置についた! 好きなタイミングで始めてくれ!』

智絵里「四葉のクローバー……私に力を……」スッ

凛(どこから取り出したの)

智絵里「いきます……!」シュッ


シャアアアアアアア


智絵里「っっ……!!」

凛「口を開けてあわあわしてる」

晶葉『悲鳴を上げたいが言葉にならない』

晶葉『と言った感じだな! このまま続けばいいが』

智絵里(これ、ダメ……! 速いよぉ……!)

智絵里(か、カーブで体が揺すられる……!)

智絵里「ぴっ」

晶葉・凛「!!」

凛「今……」

晶葉『いや、セーフだ! ハッキリ聞き取れなかった!』


↓1 コンマ二桁 3回やって合計し、100を越えたら悲鳴

188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 23:28:59.97 ID:55wZZI9m0

智絵里:74


智絵里(も、持ちそうにない……凛ちゃん、こんなのを我慢したの?)

智絵里(ひぃやぁぁぁぁ!)グワングワン

凛「カーブするごとに頭が大きく揺れてる」

晶葉『一杯一杯のようだな! これは決まりか?』

智絵里(ま、負けたくない……堪えて……堪えてみせる……!)ウルウル

凛「悲鳴の前に涙が……」

智絵里(こ、怖いって考えちゃダメ……! 楽しいって思わないと……)

智絵里(楽しい、楽しい……これは楽しい)

晶葉『限界が近づいているようだ!』

凛「目がぐるぐるしてる」


↓1 コンマ二桁 74にプラスして100を越えたら悲鳴

191: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/07(水) 23:44:54.36 ID:55wZZI9m0

智絵里:91


智絵里「ぴゃっ」

晶葉・凛「!!」

凛「今の悲鳴?」

晶葉『ぴゃっ、は予想外だったな! ノーカウントだ!』

晶葉『しかし、次からは「ぴゃっ」も悲鳴に含むぞ!』

智絵里(も、もうダメ……これ以上は……)

智絵里(我慢なんて……!)

智絵里「……!」パクパク

晶葉『口がぱくぱくし出したぞ!』

凛「悲鳴まで秒読みの段階! けど、あと少しでゴールだ」

晶葉『どうなる!?』

智絵里「……っ!!」


↓1 コンマ二桁 91にプラスして100を越えたら悲鳴

195: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 00:22:51.33 ID:t1FrqHM+0

智絵里:180


凛「頑張れ智絵里!」

智絵里「……っっ!!」

智絵里「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!」


ザパァァァァン


晶葉『智絵里の悲鳴を確認! 勝者、凛!』

凛「智絵里ー! 大丈夫!?」

智絵里「ぷはっ」ザバッ

智絵里「もうちょっとだったのに……うう」

晶葉『私たちも下へ降りよう!』

――――

晶葉『結果発表!! は、しなくてもいいか!』

凛「そんなに落ち込まないでよ智絵里」

智絵里「……自分でもこんなに弱いとは思わなかった……」

智絵里「おかげで、せっかく用意した3回戦もできなかったし……」

196: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 00:37:15.76 ID:t1FrqHM+0
凛「細かいことは気にしないで」

晶葉『やりたいならやるか? 第3回戦!』

凛「そういう問題じゃないと思うよ……」

智絵里「……やる」

凛「え」

智絵里「やりたい。やらなきゃもったいないし」

智絵里「個人的に、凛ちゃんに勝ちたい……!」

凛「ま、まあ智絵里がそう言うなら付き合うけどさ」

晶葉『決まりだな! 流水プールに向かうぞ!』

凛「まゆについてなくていいの?」

晶葉『プログラム晶葉は、最大4つに別れることもできるから大丈夫だ!』

晶葉『手続きが面倒だから使いたくないんだが、仕方ない!』

――――

晶葉『ということで、別れてやって来たぞ!』

まゆ「教えてくれてもいいじゃないですかぁ」

歌鈴「嫌ですっ」

晶葉(まだやってたのか)

197: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 00:45:17.83 ID:t1FrqHM+0
まゆ「晶葉ちゃん! ちょうどよかったです」

まゆ「歌鈴ちゃんが見たもの教えてもらえませんか?」

歌鈴「絶対に言っちゃダメですから!」

晶葉『分かっている! まゆ、プライバシーの侵害だぞ!』

まゆ「うっ、言われてみれば」

まゆ「しつこかったですね……すみませんでした」ペコリ

歌鈴「分かってもらえればいいんですよ」ニコッ

まゆ「……晶葉ちゃん」

晶葉『?』

まゆ「求婚してくるプロデューサーさん、映してもらえませんか」

晶葉『歌鈴がダメと分かったらそれか! ダメだ!』

晶葉『あれは勝負のために映したんだ! 勝負でしか使わない!』

まゆ「けち」ボソッ

晶葉『サイコロを振りたくないようだな!』

まゆ「そ、そんなことないですよぉ! 振ります振ります!」アセアセ

まゆ「凛ちゃんが10を出したようですけど」

まゆ「それならこっちも10を出せばいいだけの話です」スッ

198: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 00:54:47.76 ID:t1FrqHM+0
歌鈴「巫女の私に平常心勝負で勝ったんですから」

歌鈴「きっと神様のご加護がありますよ!」ニコニコ

まゆ「心強いですね!」

まゆ「いきます……大きい目、出てくださいっ!」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   三重  滋賀  京都  大阪
凛  ○●○ ○○○ ○○○ ○○○

   奈良  和歌山 鳥取  島根
まゆ ○☆● ○☆○ ○☆× ○☆○


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

200: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 01:06:33.46 ID:t1FrqHM+0

まゆ:9マス進む+2

【進行状況】

   三重  滋賀  京都  大阪
凛  ○●○ ○○○ ○○○ ○○○

   和歌山 鳥取  島根  岡山
まゆ ○☆○ ○☆× ○☆○ ○●○


まゆ「うふふ♪ 9が出ちゃいました♪」

まゆ「プラス2をすれば11マス進む。実質10が出たも同然ですねぇ♪」

歌鈴「やりましたね!」グッ

晶葉『あー……まゆ! 喜んでいるところ悪いんだが…』

まゆ「そういえば、まだ岡山はマップに表示されてなかったので」

まゆ「どんなマスがあるか分からなかったですけど」

まゆ「晶葉ちゃん。まゆの止まった場所はどんなマスなんですか?」

晶葉『だからな、喜んでいるところ悪いんだが』

晶葉『そこは1回休みのマスだ!』

まゆ「……」

まゆ「……え?」

バタッ

歌鈴「まゆさん!? 大丈夫ですか!」

201: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 01:17:31.80 ID:t1FrqHM+0
まゆ「は、はい……ちょっとビックリして倒れただけですから」

歌鈴「ちょっとビックリのリアクションじゃないですよ!?」

晶葉『現実を受け入れろ!』

まゆ「ええ、もちろんです。1回休み……まあいいでしょう」スッ

まゆ「凛ちゃんとはまだ差がありますし。岡山で羽を休めて」

まゆ「戦いに備えます! 歌鈴ちゃん、それでは!」

ビュンッ

歌鈴「焦ってましたよね」

晶葉『これで3回目だからな! そして』

晶葉『今まではどちらかが休めば、もう片方も休むという状況になっていたが』

晶葉『今の凛のマス付近には1回休みがない!』

歌鈴「つまり、差は確実に縮まるということ……」

晶葉『凛の動きに注目だな!』

――――

ビュンッ

まゆ(ううん、平気。凛ちゃんが少ない目を出せば……)

まゆ(やめよう。こんなこと考えても無駄だし)

まゆ(岡山県をじっくりと観光しよう)

207: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 22:38:57.32 ID:t1FrqHM+0
まゆ「ここは……お城。岡山城の前ですか?」

まゆ「……」

まゆ「……誰も声をかけてきません」


(5分後)


???「まゆさんっ!」スタタタッ

まゆ「あ、悠貴ちゃん」

悠貴「はぁ……はぁ……すみません、ちょっと走ってたんです」

まゆ「いいんですよ。ゆっくり呼吸を整えてください」ニコッ

悠貴「ふぅ……ふぅ……」

悠貴「ふー……も、もう平気です!」

まゆ「ゲームの不具合かと思ってビックリしました」

まゆ「晶葉ちゃん、何か言ってくれればいいのに」

晶葉『近くにいたから言うまでもないと思ってな!』

悠貴「えっと、マスの説明をしますねっ」

悠貴「まゆさんには、今から私と岡山の観光をしてもらいます」

まゆ「素敵! 岡山全体のですか?」

悠貴「それも可能ですけど、考えてあるのは数箇所を回るプランです」

悠貴「美味しいスイーツもご馳走しますよっ!」ニコッ

208: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 23:15:46.32 ID:t1FrqHM+0
まゆ「スイーツ……!」キラキラ

悠貴「楽しみにしててくださいっ」

悠貴「岡山スポットその1! まずはこの岡山城ですね」

悠貴「1597年に、豊臣五大老の一人、宇喜多秀家さんが築城して」

悠貴「その後、小早川さん、池田さんの手によって整備と拡張が行われたんです」

悠貴「黒い外観から、別名烏城。または金烏城とも呼ばれています」

まゆ「綺麗ですねぇ……」

悠貴「中にも入れますよっ。天守閣には備前焼工房があって」

悠貴「土ひねり体験ができます」

まゆ「備前焼って?」

悠貴「炻器という、陶磁器の一種です。備前市周辺が産地だから備前焼きなんです」

悠貴「特に伊部地区が盛んですから、伊部焼きとも言われてますね」

――――

悠貴「岡山城を眺めながら、お菓子を食べましょう!」

まゆ「やった♪」

悠貴「座れる場所に座って、取り出すのは……」ゴソゴソ

悠貴「大手まんぢゅうですっ」スッ

まゆ「お饅頭ですね!」

悠貴「はい。北海道産の小豆で作ったこし餡を」

悠貴「備前米を使った生地で包んで、蒸すんです。餡が透けて見えるほど薄い皮が特徴です」

209: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/08(木) 23:45:08.62 ID:t1FrqHM+0
悠貴「どうぞ、食べてください!」

まゆ「いただきます、はむっ」

まゆ「モグモグ……んふ、上品な甘さですねぇ……美味しい♪」

悠貴「そのまま食べてももちろん美味しいですけど」

悠貴「電子レンジでちょっと温めたり、凍らしたりするとまた美味しいんですよっ!」

まゆ「へぇー、通な食べ方ですね」

悠貴「私のオススメは温めですっ」パクッ

悠貴「モグモグ……ゴクン。話は変わりますけど、まゆさん。岡山といえば何だと思いますか?」

まゆ「岡山といえば? 岡山城と大手まんぢゅう。あとは……桃太郎とか」

まゆ「きびだんごとか……」

悠貴「そして?」

まゆ「白桃……って、桃太郎にまつわるものばかりですね」

悠貴「いいんですよ」クスクス

悠貴「ある意味、私の求めていた答えです。この岡山観光が終わる頃」

悠貴「まゆさんはもっと答えてくれるはずですっ。岡山といえばの質問に!」ゴゴゴゴ

まゆ(や、やる気が視覚でも伝わってきますね)

悠貴「お饅頭、まだありますよ」スッ

まゆ「いただきます!」

210: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/09(金) 00:27:54.60 ID:lndb4bKm0

――――

悠貴「私たちが今向かっているのは、岡山城から徒歩で4分くらいの場所にある」

悠貴「岡山後楽園です」

まゆ「あ! そういえば後楽園は岡山県でしたね」

まゆ「日本を代表するほどの美しい庭園なんですよね」

悠貴「そうなんですっ。後楽園から見る岡山城も、とっても綺麗なんですよ」

悠貴「あとは……見てからのお楽しみですっ♪」

まゆ「お預けとはやりますねぇ……」ウズウズ

――――

まゆ「わぁー……」

悠貴「どうですか、この景色」ニコニコ

まゆ「素敵です……風情がありますねぇ……」ウットリ

まゆ「あっ、岡山城。悠貴ちゃんの言ってた通り」

まゆ「ここから眺めるのも良いですね」

悠貴「ですよねっ。画になるんですよ、写真を撮るのにもってこいの場所で……」

悠貴「って、しまった。後楽園の説明をしないと」アハハ…

まゆ「いいじゃないですか、もう少し歩いてからで」ウフフ

217: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/10(土) 00:34:44.20 ID:lcNo5olA0
悠貴「いえ、説明させてくださいっ」

悠貴「後楽園は、国の特別名勝……つまり文化財に指定されている」

悠貴「日本三大名園の一つです」

悠貴「江戸時代の始め頃に、岡山の藩主、池田さんの声によって造られたもので」

悠貴「1687年に手をつけてから、なんと14年。1700年に完成したんです」

まゆ「14年!? いえ……昔ですし、こんなに広いから」

まゆ「きっとそのくらいかかりますよね」

悠貴「ですね。なんと言ったって、総面積は133000平方メートル」

悠貴「東京ドームの約3倍ですからね」

まゆ「ひぇ……」

――――

まゆ「モキュモキュ」

悠貴「岡山といえば桃太郎。桃太郎といえばきびだんご」

悠貴「後楽園の中でも売られてるんですよっ。味はどうですか?」

まゆ「モキュモキュ……ゴクン」

まゆ「柔らかい食感と、控えめな甘さで」

まゆ「食べやすいです。次々に食べているうちに」

まゆ「いつの間にか無くなっちゃいそうですねぇ」フフ

218: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/10(土) 01:12:18.20 ID:lcNo5olA0
まゆ「現に、あと一つしか残ってないですし……パクッ」

悠貴「私もです……パクッ」

悠貴・まゆ「モキュモキュ……モキュモキュ……」

悠貴・まゆ(美味しい♪)ポワーン

――――

まゆ「水面に写る景色と、本物の景色を合わせて見るこの画」

まゆ「素晴らしいですねぇ」

悠貴「現在の季節は春に設定してますけど」

悠貴「夏の青々とした木々だったり、秋の紅葉だったり」

悠貴「冬の雪景色も、ため息が出ちゃうくらい綺麗なんですっ」

まゆ「……カメラって」

悠貴「?」

まゆ「カメラって使えないんでしょうか」

まゆ「このゲーム内で写真を撮って……そう! 例えば現実に戻った時に」

まゆ「プリントアウトできるとか! 良い機能だと思いませんか?」

晶葉『残念だがそれはできない!』

まゆ「晶葉ちゃん! できないんですか?」

219: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/10(土) 01:48:04.36 ID:lcNo5olA0
まゆ「でも、前に李衣菜ちゃんとコスプレ対決した時に」

まゆ「賞品としてコスプレを送ってくれるって……」

晶葉『あれは自腹だからな! 基本的には物として』

晶葉『現実に送り出してしまうのは、本物に対して無礼な行為だと思う!』

晶葉『だから頼まれてもやらない!』

まゆ「無礼……なるほど……」

悠貴(できるにはできるんだ)

まゆ「理解しました、すみません」

まゆ「だけど、それを言ったらこうして体験してるのもダメじゃないですか?」

晶葉『その通りだ!』

まゆ「認めちゃうんですね……」

晶葉『これ以上は突っ込まないでくれ! 私の存在が危うくなる!』

晶葉『大前提として宣言するが、このゲームは本物をリスペクトしているぞ!』

晶葉『本物と瓜二つなほど精巧なコピーだが、それは本物の良さを分かってもらいたいからだ!』

まゆ(弱気になってる?)

まゆ「大丈夫です、分かってますよ」ニコッ

まゆ「ちょっと深入りしちゃいましたね。後楽園、もっと観賞しましょうか」

悠貴「はいっ」

220: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/10(土) 02:19:54.69 ID:lcNo5olA0

――――

まゆ「後楽園、良いところでした♪」

まゆ「さすが文化財に指定されるほどですね」

悠貴「晶葉さんの言ったことじゃないですけど」

悠貴「現実でもぜひ行ってくださいね! やっぱり本物は違うと思うので」

まゆ「もちろんです!」ニコニコ

まゆ「次は確か、井倉洞? っていう場所に向かうんですよね」

まゆ「洞窟ですか?」

悠貴「はい。着いてからのお楽しみですっ」

まゆ「またお預けなんて……」

――――

悠貴「ここですね。岡山県の天然記念物、井倉洞」

まゆ「山………というか、岩……?」

まゆ「どういうところなんですか?」

悠貴「入ってみれば分かります♪」

まゆ「気になるじゃないですかぁ……」

221: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/10(土) 02:35:38.44 ID:lcNo5olA0

――――

まゆ「……」

悠貴「答えは、鍾乳洞でしたっ」

悠貴「綺麗ですよね? 新見市の井倉、阿哲台地の石灰岩地帯に」

悠貴「ながーい間、雨水などが浸食してできたんです」

悠貴「ほら、天井からぶら下がってるような石があるじゃないですか?」

悠貴「あれがつらら石。下からタケノコみたいに出来てるのが石筍っていうんですよっ」

まゆ「……」

悠貴「照明に照らされて、幻想的ですよね」

悠貴「……まゆさん?」

まゆ「……」ポー

悠貴(ふふ、見とれてるみたい)

――――

まゆ「人の手によって作り出したものも綺麗ですけど」

まゆ「自然が作り出したものは、また違う魅力がありますね……」

悠貴「お話の中に出てくるような場所ですよねっ」

まゆ「本当に素敵……」

226: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/11(日) 11:01:58.98 ID:yFGrxBj70
まゆ「そういえば、スマホを使えば写真撮れますね」

悠貴「あっ、言われてみれば」

まゆ「もちろん撮りませんよ」フフ

まゆ「晶葉ちゃんの言ったこともそうですけど」

まゆ「たまには撮影せず、こうして眺めるだけでもいいかも」

まゆ「記憶に刻んで、思い出としてしまっておいたら」

まゆ「もっと特別になると思いませんか?」

悠貴「今の世の中は、写真や動画とか」

悠貴「形として残せる手段がたくさんありますからね」

まゆ「恋人をデートに誘う時にも使えますよ」

まゆ「こんな感じの素晴らしい景色を見たんだけど、写真が無いから上手く説明できなくて……」

まゆ「よかったら今度見に行かない? なんて」

悠貴「東京からだと宿泊コースですね」アハハ…

悠貴「でも素敵ですっ!」

まゆ「悠貴ちゃんは、好きな人いないんですか?」

227: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/11(日) 11:53:55.42 ID:yFGrxBj70
悠貴「えっ」

まゆ「学校の勉強とか、アイドルのお仕事とかで」

まゆ「忙しいとは思いますけど、想いを寄せている人の一人くらい」

悠貴「私はプログラムなので……答えられませんよ」

まゆ「ということは、いるんですね!」キラキラ

悠貴「い、いませんっ」

まゆ「うふ、バレバレですよ♪ そうと分かれば」

まゆ「徹底的に突き止めなきゃいけませんねぇ♪」

悠貴「どうぞご自由にっ。いないんですから答えようがないですし」プイッ

――――

悠貴「着きましたね! ここが今日泊まるホテルです」

悠貴「湯郷温泉に入れるんですよっ」

まゆ「湯郷温泉?」

悠貴「岡山県の美作三湯という、3つの温泉のうつの1つです」

悠貴「鷺の湯とも呼ばれる、全国に知られた名湯なんですよ」

まゆ「名湯……!」

悠貴「あと、美肌作りの湯としても女性に人気ですっ」

228: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/11(日) 12:17:39.56 ID:yFGrxBj70
まゆ「美肌……!」

まゆ「これは入るしかないですねぇ♪」

――――

カポーン

まゆ「ふぅ……」

悠貴「気持いい……」

まゆ「……」ジー

悠貴「な、何ですか?」

まゆ「こういう時に恒例の、身体チェックです」

まゆ「悠貴ちゃんもお肌綺麗……これが若さ……」

悠貴「ふふっ、3歳しか違わないじゃないですか」

まゆ「触っても?」

悠貴「えー、恥ずかしい……」

まゆ「私も触っていいですから♪」

悠貴「分かりました……」

229: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/11(日) 12:28:22.52 ID:yFGrxBj70
まゆ「すべすべ」サワサワ

悠貴「……」

まゆ「……」サワサワ

悠貴「も……もういいですよねっ?」ササッ

まゆ「あ、ごめんなさい。やりすぎちゃった……」

悠貴「いいんです。その代わり私も」ソー

サワサワ

悠貴「わっ、すごい。見た目だけじゃなく手触りも」サワサワ

まゆ「大げさですよ」ニコッ

まゆ「……悠貴ちゃんの好きな人」

悠貴「!」ピクッ

悠貴「掘り返すんですかっ? 終わったと思ったのに!」

まゆ「突き止めるって言ったじゃにないですか」ウフフ

まゆ「誰でしょうねぇ……学校かな? それともお仕事関係?」

悠貴「……」

まゆ「その顔を見るに、学校の男の子じゃないですね」

230: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/11(日) 12:37:30.12 ID:yFGrxBj70
悠貴「顔だけで分かるはずないですっ」

まゆ「……」ジー

悠貴「う……」

まゆ「……」ジーー

悠貴(近い)

悠貴「もー……分かりました」

悠貴「気になってる人ならいます」

まゆ「同級生?」

悠貴「そこまでは言えませんっ! お、怒りますよ!」

まゆ「あは、ごめんね。もうやめるから」

まゆ「突き止めるって言ったけど、いることが分かっただけで充分」

悠貴「確信してなかったんですね……」

まゆ「うん、カマをかけただけ♪」

まゆ「応援してますから、頑張ってくださいね」

悠貴「気になってるだけですから! それに」

悠貴「……いえ、何でもないです」

まゆ「何ですか? 気になります」

235: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:23:15.57 ID:m1Y2/zbi0
悠貴「忘れてくださいっ」

まゆ「今言おうとしたことだけは喋ってもらいますよぉ」ニコニコ

悠貴「うぅ……」

悠貴(まゆさんには言えないって言おうとしたんだけど)

悠貴(しまった……口を滑らせちゃったなぁ……)

悠貴「あっ! そういえばさっきのお料理、すごく美味しかったですよねっ!」

まゆ「その話はあとでたっぷりしましょう」

まゆ「さあ、早く教えて? なんて言おうとしたの?」ズイッ

悠貴「あ、あはは……」

悠貴(絶対言えないっ! 上手く言い訳しないと!)

――――

晶葉『勝者、智絵里!!』

智絵里「やった……!」グッ

凛「やるじゃん智絵里……まさかこんな底力を秘めてたなんて」

智絵里「えへへ、それほどでも……」

236: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 22:47:31.34 ID:m1Y2/zbi0
智絵里「凛ちゃんも、すごい追い上げで」

智絵里「危うく負けちゃうところだったよ……」

凛「何言ってんの、結構距離あったじゃん。謙遜しちゃって、このこの」グイグイ

智絵里「えへへ……」テレテレ

晶葉『凛! サイコロタイムだぞ!』

凛「え? あ、まゆもう終わった……っていうか」

凛「1回休みに止まってるじゃん! やったね」

晶葉『これはチャンスだぞ!』

智絵里「1回休みマスはこの辺にないし」

智絵里「確実に差を縮められるね!」

凛「うん。でも、肝心なのはどれだけ縮められるか」

凛「5以下は絶対に出したくない。出しちゃいけないよ」スッ

智絵里「四葉のクローバーに願いを込めるよ……!」

凛「ありがとう! はあっ!」ポイッ

コロコロコロ

晶葉(ごく自然にフラグを立てたな)


【進行状況】

   三重  滋賀  京都  大阪
凛  ○●○ ○○○ ○○○ ○○○

   和歌山 鳥取  島根  岡山
まゆ ○☆○ ○☆× ○☆○ ○●○


↓1 コンマ一桁 0は10

239: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 23:01:20.13 ID:m1Y2/zbi0

凛:7マス進む+2

【進行状況】

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
凛  ○●○ ×○○ ○☆○ ○☆○ 

   和歌山 鳥取  島根  岡山
まゆ ○☆○ ○☆× ○☆○ ○●○


凛「7! つまり進めるのは9!」

智絵里「よかったぁ……」ホッ

凛「智絵里がお願いしてくれたおかげだね」フフ

凛「行ってくるね」

智絵里「えっ。ま、待って」

凛「名残惜しいのは分かるよ。私ももっとここで智絵里と遊びたいし」

凛「けどそういうわけにもいかないんだ。ごめんね」

智絵里「そうじゃなくて…」

凛「また必ず遊びに来るから」ニコッ

ビュンッ

智絵里「……水着のままだけど、いいのかな……」

晶葉『移動中に着せ替えしておくから安心しろ!』

智絵里「よかった……」

240: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/13(火) 23:43:56.49 ID:m1Y2/zbi0

――――

ビュンッ

凛「大阪といえば……道頓堀に通天閣、たこ焼きやお好み焼きとか」

凛「食べ物が関わる勝負かな? それとも…」

凛「!!」

凛(しまった、そういえば私水着のまま……!)ササッ

凛「あれ、ちゃんと服着てる」

晶葉『私が操作しておいたんだ!』

凛「ありがとう。こんな人の多い場所で水着姿を晒すなんて恥ずかしいし」


???「惜しいなー! 水着やったらウチが気持ちよくツッコミ入れたのに!」

凛「うっ……この声は……」


凛「笑美」

笑美「なんや、嫌そうな顔して」

凛「だって……笑美が出てきたってことはだよ」

凛「リアクションとか漫才とかで勝負するんでしょ? 自信ないよ……」

241: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 00:29:15.09 ID:is+i1Cb80
笑美「まあ……ウチも最初はそのつもりやったんや」

笑美「張り切ってこのゲームのデータ記録に臨んだまではよかった!」

笑美「けども」

凛「違ったの?」

笑美「とりあえず先に、この目立つ建物の説明するで!」

笑美「世界最大級という触れ込みの『海遊館』や! この水族館は」

笑美「天保山ハーバービレッジっちゅう複合型アミューズメント施設の内の1つでな」

笑美「他には、買い物を楽しめる天保山マーケットプレースに大型観覧者」

笑美「遊覧船に乗れたりホテルに止まれたり、ファミリー、カップル、その他諸々が楽しめるところなんや!」

笑美「それらの詳しい説明はひとまず置いといて」

笑美「海遊館な! ここに入れば、たちまち魚たちの魅力に心を奪われる」

笑美「そのくらい綺麗な展示や。特に、夜の海遊館は見物やで~」

凛「へぇ……プロデューサーとデートに行きたい場所がまた増えたよ」

笑美「相変わらずやな。ほんで」

笑美「勝負の内容なんやけど……デートや」

凛「は?」

笑美「海遊館でのデート対決や! う、ウチは反対したんやで?」

笑美「お笑いの勝負にした方が絶対盛り上がる言うて! けど晶葉は聞く耳持たず……」

244: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 20:46:24.83 ID:is+i1Cb80
笑美「まあええわ。いつまでもうだうだ言ってる場合ちゃうし」

笑美「進行できひんからな。ざっくり説明するで~!」

笑美「今から先攻後攻を決めて、それぞれ海遊館を1時間ずつ回るんや」

笑美「ウチらはかわいい彼女やから、彼氏にかわいさをアピールせなならん」

笑美「で、全部終わったらどっちがかわいかったかを決めてもらうんや」

笑美「質問は?」

凛「はい!」スッ

笑美「どうぞ!」

凛「彼氏役は誰!? プロデューサー!?」キラキラ

笑美「そやなぁ……ウチらの身近にいる男の人言うたら」

笑美「ファンの人かスタッフさんか、身内かプロデューサーか」

笑美「その中で彼氏役に抜擢できるのは、プロデューサーくらいやな」

凛「じゃあ……!!」

笑美「ちゃうで」

凛「……」シュン

笑美「テンションの変わり用エグいな」

笑美(哀愁がすごくて、そこはコケるとこやろ! ともツッコめんわ)

245: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 21:13:01.55 ID:is+i1Cb80
笑美「ごめん……期待させて」

凛「いいんだよ……」

笑美「気を取り直すけど」

凛「うん」

笑美「じゃあ……彼氏役はアイドルにやってもらうで!」

笑美「この人や!」ジャーン


瑞樹「登場しづらいわ……」スタスタ

笑美「すみません」

凛「瑞樹さんが彼氏役?」

瑞樹「意外かしら。大阪アイドルの中では」

瑞樹「一番イケメン役が似合うと思うんだけど?」キリッ

凛(恵磨さんとか愛結奈さんとか、それこそ水族館なんだから)

凛(櫂さんとかいると思うんだけどな)

瑞樹「何か言いたそうね」フフ

凛「滅相もないです! 瑞樹さんの男装見てみたい!」

247: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 21:27:38.78 ID:is+i1Cb80
瑞樹「男装ってほどじゃないけど、カッコよく決めるわよっ」

笑美「瑞樹さんにはこれから準備に入ってもらうから」

瑞樹「また後でね」ウインク

凛「……瑞樹さんのことを彼氏と思えってことだよね」

笑美「そう」

凛「できるかな」

笑美「ま、できひんかったらそれで仕舞いや」

凛「!」

笑美「ウチが圧勝やな! ふふふ♪」

凛「そ、そうはさせない!」

――――

瑞樹「イケメン瑞樹の完成よ」キリッ

凛「おお、カッコいい」

笑美「美人やしな。こうなるのは必然や」

笑美「先攻はほんまにウチでええんか?」

凛「譲ってあげるよ」

凛(本当はモニターで感じを掴みたいだけだけど)


248: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 21:44:52.06 ID:is+i1Cb80
瑞樹「じゃあ笑美ちゃん、行きましょ……こほん」

瑞樹「行こうか笑美」ニコッ

笑美「ぷっ……!」

笑美(あかん、思ったより強烈や。クールやでクール)スー ハー

瑞樹「ひどい! 今笑ったでしょ!」

笑美「ごめんなー? デートが楽しみで♪」ニコッ

瑞樹「っ……!」キュンッ

瑞樹(え、笑美ちゃんこんな愛らしい笑顔ができたのね)

凛(やるね……)ムム

――――

笑美「水のトンネルや。めっちゃ綺麗やなー」キラキラ

瑞樹(目を輝かせちゃって、もう……可愛いわね)

笑美「見て見て! 魚があんなに!」

瑞樹「本当だ、すごいね」

笑美「気持ちよさそうに泳いでるなぁ」

笑美「なあなあ、今度海に行かへん?」

249: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 22:19:28.90 ID:is+i1Cb80
瑞樹「海?」

笑美「魚を見てたら泳ぎたくなってん」

笑美「ええやろ? ウチの水着見放題やで」ニカッ

瑞樹(このはにかみ、威力高いわ)

瑞樹「分かった、今度ね」

笑美「約束な!」

――――

笑美「わー、ペンギンかわいい~♪」

笑美「あんなん反則やろ……よちよち歩いて……」

瑞樹(この反応も計算なのだとしたら、かなり凄腕ね)

笑美「オウサマペンギンやて。名前もかわいーなー」

笑美「なっ、そう思うやろ?」ニコッ

瑞樹「うん」

瑞樹(あなたも負けてないわよ)

250: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 22:40:13.99 ID:is+i1Cb80

――――

瑞樹「グレート・バリア・リーフ」

瑞樹「5000以上のサンゴ礁が連なって、長さは2000kmにもなるらしいね」

笑美「色んな色の魚が泳ぎ回って、幻想的や」

笑美「あの四角い魚、なんて言うん?」

瑞樹「トゲチョウチョウウオ」

笑美「へー、蝶に似てるから?」

瑞樹「そこまでは分からないけど……」

笑美「じゃああの魚は?」

瑞樹「ロクセンスズメダイ」

笑美「タイか。あんな小さいのもいるんやな」

笑美「なあ、あれは?」

瑞樹(子供みたいに好奇心旺盛ね)フフ

251: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/14(水) 22:55:22.44 ID:is+i1Cb80

――――

笑美「カニや!」ジュルリ

瑞樹「じゅるりって、やな音が聞こえたけど」

笑美「カニと言ったらカニ道楽やしな」エヘヘ

笑美「けど、こうして生きているカニを眺めるのもええな」

笑美「しっかし長い脚やな~」

瑞樹「世界最大のカニだからね。オスのハサミの脚を広げたら、3mにもなるみたい」

笑美「3m!? ウチより大きいやん」

瑞樹「というか、どの人間よりも大きいね」

笑美「すごいなぁ……ん?」

笑美「こっちのカニはトゲトゲやな」

瑞樹「イガグリガニといって、ヤドカリの仲間らしい」

笑美「どうやって食べるんやろ」

瑞樹(やっぱりそれなのね)

252: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/15(木) 07:21:13.73 ID:argUG3r/0

――――

瑞樹「ただいまー」

凛「1時間ぴったりだね。どうだった?」

凛「って、私もモニターで見てたから分かるけど」

笑美「かわいかったやろ」ドヤッ

瑞樹「笑美ちゃんの純粋な可愛さが伝わってきたわ」

瑞樹「聞きたいんだけど、あれって作ったもの?」

笑美「それは企業秘密や! さあ、次は凛の番やで!」

凛(瑞樹さん、かなりキュンときてたっぽいし)

凛(言っちゃうと不利な立場だね)

凛(でも、乗り越えてみせるよ。笑美という壁を!)

――――

瑞樹「……」

凛「……」

瑞樹(ずっと無言ね。どうしたのかしら)

瑞樹(何かアピールしないと、評価もできないわよ?)

257: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/15(木) 22:08:45.75 ID:argUG3r/0
凛「ご、ごめん……」

凛「緊張しちゃって……」モジモジ

瑞樹「!!」

瑞樹(なるほど、初デートを意識してるのね)

瑞樹(しかもこの様子は、人生初のデートね。上手くお話できるかとか)

瑞樹(目いっぱいのオシャレで、可愛く見えてるかなとか)

瑞樹(そんなことで頭がいっぱい。可愛さをアピールできる良いシチュだわ)

凛「ねえ……手、繋ご……?」スッ

ギュッ

瑞樹「っ!」キュンッ

瑞樹(俯きながら握ってきた……なんて初々しいの!)

凛「嫌だった?」

瑞樹「そんなことないよ」

瑞樹(可愛いわね全く!)

258: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/15(木) 22:42:32.75 ID:argUG3r/0

――――

凛「カワウソだ。可愛い」

瑞樹「ぬいぐるみみたいだね」

凛「うん……触ってみたいな」

凛「うちのハナコとどっちが肌触りいいんだろう」

瑞樹「そういえば、凛ちゃん犬を飼ってるんだっけ」

凛「うん。カワウソにも負けないくらい、すごく可愛いんだよ」

凛「その上、お利口でお行儀良くて」

凛「そうだ。よかったら今度、遊びに来る?」

瑞樹「いいの?」

凛「人懐こい子だから、瑞樹さんとすぐ仲良くなれると思う」ニコッ

瑞樹(眩しい笑顔)

――――

凛「イルカって優しい目をしてるよね」

凛「あの目を見てるだけでこっちも優しい気持ちになってくる」

瑞樹「分かる」

凛「……アイドルでいうと、誰かな……」ボソッ

259: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/15(木) 23:13:48.24 ID:argUG3r/0
瑞樹「え?」

凛「あ、すみません。今のは演技とかじゃないので、スルーしてください……」

瑞樹「……」

瑞樹「穏やかな子や、包容力のある子、しっかり者」ボソッ

凛「!」

瑞樹「ゆかりちゃんや星花ちゃん、響子ちゃんとか」

凛「……肇、美波、夕美」

凛「じゃあさっきのカワウソは?」

瑞樹「LMBGの子たち。あとは幸子ちゃんに、美鈴ちゃん」

凛「美鈴がカワウソって、威嚇ばっかしてそうですね」フフ

瑞樹「幸子ちゃんは、一番目立つところにいそうね」

笑美(勝負そっちのけやん。でも考えたらおもろそうやな)

――――

凛(気を取り直して)コホン

凛「ウミガメを直接見るのって初めてかも」キラキラ

瑞樹「水族館にでもいかないと見れないしね」

260: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/15(木) 23:33:09.73 ID:argUG3r/0
凛「……」キラキラ

瑞樹(綺麗な瞳。これは演技じゃなくて本物みたい)

凛「あのピンクの魚は何だろう」

瑞樹「ピンクマオマオだって」

凛「ふふ、可愛い名前」

瑞樹「マオマオっていうのが、現地の言葉で魚って意味らしいね」

凛「へぇー」

――――

凛「わぁー……!」

瑞樹「幻想的だね」

凛「クラゲがふわふわ浮いて……綺麗……」

凛「……」

瑞樹(夢中みたいね。気持ちは分かるけど)フフ

ギュ

瑞樹「!」

凛「……」カァァ

261: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/15(木) 23:47:08.75 ID:argUG3r/0
瑞樹(さりげなくまた手を握ってきた)

瑞樹(いじらしいわ……)

凛「瑞樹さん」

瑞樹「ん?」

凛「もしよかったら、ですけど」

凛「また……デートしてくれますか?」

瑞樹「もちろん」

瑞樹(恐る恐るがポイントね。グッとくるわ)

凛「やった、ありがとうございます」ニコッ

瑞樹(そしてこの笑顔、素敵)

――――

笑美「けっかはっぴょーーーー!!」

瑞樹(某司会者を意識してるわね)

凛「うるさい……」キーン

笑美「あはは、ごめんな? これいつかやりたいと思ってて」

笑美「ウチと凛のデートは無事終えた。あとは瑞樹さん次第や!」

瑞樹「……決まったわ」

263: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/15(木) 23:57:46.03 ID:argUG3r/0
凛「え、もう!?」

笑美「めっちゃ早いですね!」

瑞樹「凛ちゃんとのデートが終わった瞬間から、それぞれのポイントをまとめてたのよ」

瑞樹「たった今集計が終わった」

笑美・凛「……」ゴクリ

瑞樹「発表するわよ!」

瑞樹海遊館デート対決、一番可愛かったのは……」


↓1 笑美

↓2 凛


コンマ二桁 数値の高い方が勝利

266: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/16(金) 00:15:49.24 ID:yJqXCAvd0

ジャカジャカジャカジャカジャカ

瑞樹「僅差だったのよね、本当に」

瑞樹「笑美ちゃんよ!」

笑美・凛「!!」

笑美「よっしゃあ!」グッ

凛「ぐぬぬ……手ごたえあったのに」

瑞樹「ええ、凛ちゃんの初々しさにはやられたわ」

瑞樹「どこか懐かしさも相まってね……」

笑美(遠い目をしてる)

瑞樹「だけど、笑美ちゃんのラブラブカップルなノリが」

瑞樹「私の心にダイレクトにきたのよね」

瑞樹「もう可愛くて、メロメロになりそうだった」

笑美「ベタ褒めやん! ありがとうございます!」

凛「……」

凛(まゆに少しでも近づくため、勝っておきたかったけど)

凛(こうなれば仕方ない。10を出して8マス進むしか……)

267: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/16(金) 00:30:05.52 ID:yJqXCAvd0
笑美「そないに落ち込まんでもええやん」ガシッ

凛「えっ」

瑞樹「負けちゃったのは残念だけど、まだこの先何があるか分からないんだから」

瑞樹「今はここで思いっきり遊びましょう!」ガシッ

凛「いや、ちょっと……何で腕を掴むんですか」

笑美「買い物しようや!」グイグイ

瑞樹「遊覧船にも乗りましょう!」グイグイ

凛「引っ張る必要がどこに!?」ズルズル

――――

凛『歩きますから! 引きずらないで!』

まゆ(ほっ……よかった。これでマイナス2されますね)

まゆ(凛ちゃんには1マスでも距離を置いてもらわないと)

ピピピピ ピピピピ

まゆ(もう起きる時間ですか)カチッ

まゆ(一応睡眠はとれましたし……)

悠貴「zzz……」

まゆ(悠貴ちゃんを起こさないと)

268: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/16(金) 00:38:40.55 ID:yJqXCAvd0
まゆ「悠貴ちゃん、起きて」ユサユサ

悠貴「ん……ねむい……」

まゆ「朝ですよぉ。今日はどこに案内してくれるんですか?」

悠貴「まってお母さん……もうちょっと……」モゾモゾ

まゆ(お母さん?)

まゆ「うふふ♪」ニコニコ

悠貴「……あれ?」

ガバッ

悠貴「お……おはようございますっ」

まゆ「おはよう」ニコニコ

悠貴「……あの……」

悠貴「私、何か変なこと……」

まゆ「言ってませんよ♪」

悠貴「そ、そうですか」

悠貴(寝ぼけてお母さんって言ったような気がするけど)

悠貴(気のせいだったかな)

まゆ(可愛いですねぇ♪)ニコニコ

273: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 08:50:04.95 ID:/6JjUIq00


まゆ「ホテルで朝食も済ませて、観光の準備は万端♪」

まゆ「これからどこに行くの?」

悠貴「ゆったりお散歩できる、とても綺麗なところですよ」ニコッ

まゆ「?」

――――

悠貴「ここですねっ。岡山県和気郡、和気町にある」

悠貴「藤公園です!」

まゆ「……綺麗……」ウットリ

悠貴「藤公園は他県にもあるんですけど」

悠貴「昭和60年に開園したここは、全国から有名な藤が集められて」

悠貴「その数なんと100種類なんですよ!」

まゆ「100!? 藤ってそんなに種類があったんですね……」

悠貴「花の房が1メートルもあるものや、小さいもの」

悠貴「花の紫色が濃いもの、薄いもの。桃色や白の色の花もあるんですよ」

悠貴「種類の多さでは日本一なんですっ」

まゆ「へぇー……。見て回っても?」

悠貴「もちろんです! そのために来ましたから」

274: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 09:18:51.44 ID:/6JjUIq00

――――

悠貴「ちょうど満開の時期ですねっ。綺麗に咲いてます」

悠貴「いつもは静かな公園なんですけど、ゴールデンウィークになると」

悠貴「この藤を見に来る観光客でいっぱいになるんですよっ」

まゆ「気持ちが分かります。遠出してでも観賞したい美しさですから」

まゆ「……プロデューサーさんに、手紙を添えて贈ってもいいかも」

悠貴「藤の花をですか?」

まゆ「前に調べたことがあって。プロデューサーさんに花を贈る時」

まゆ「何にしたらいいのかなって」

まゆ「それで花言葉から考えようって思って、調べたら」

まゆ「候補の1つとして藤が出てきたの」

悠貴「花言葉、聞かせてくださいっ」

まゆ「優しさ、決して離れない、恋に酔う」

悠貴「……」

まゆ「でも、恋に酔うっていうのが引っかかりますよね」

まゆ「まゆは恋じゃなくて、プロデューサーさんに酔ってるんですから」

悠貴「あ、あはは……」

276: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 10:31:15.64 ID:/6JjUIq00

――――

まゆ「ここは?」

悠貴「閑谷(しずたに)学校です。江戸時代初期に建てられた」

悠貴「日本で初めての、庶民のための公立学校なんですよっ」

まゆ「初めての学校……」

悠貴「はい。2015年には、近世日本の教育遺産群として」

悠貴「日本遺産にも認定されたんです!」

悠貴「ちなみに、今でも講堂学習の場が設けられているんですよ」

悠貴「小中高の学生はもちろん、大人の人も参加できて」

悠貴「あと史跡も見学できるんです」

――――

まゆ「岡山城の時もそうでしたけど」

まゆ「こうして歴史に触れるって、いいですよね」

悠貴「しんみりしちゃいますね」フフ

まゆ「あ……。あれって紅葉の木ですか?」

悠貴「はい。秋になれば、今とはまた違う景色を見ることができます」

277: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 11:27:51.63 ID:/6JjUIq00
悠貴「春には桜も咲いて、四季折々の楽しみ方ができるんです」

悠貴「この近くにキャンプ場や遊び場があるので、家族で来るのにも向いてますねっ」

まゆ「良いところですねぇ」

悠貴「お土産を買うお店もありますよ♪」

悠貴「絵はがきやレターセット、文鎮にしおりなど」

悠貴「趣のある商品が売られているんです」

――――

悠貴「ちょっと早いですけど、お昼にしましょうっ」

まゆ「観光も楽しみですけど、ご当地グルメを頂くのもすごく楽しみです」ワクワク

まゆ「ここ、お寿司屋さんですよね?」

悠貴「吾妻寿司さんです。まゆさんには、ばら寿司というお寿司をご紹介したいです!」

悠貴「あ、来ましたね」

まゆ「酢飯のいい香り……これって、ちらし寿司?」

悠貴「いえ、ちらし寿司とばら寿司は違うんですよ」

悠貴「ちらし寿司は、酢飯の上に具材を散らして乗せるから、ちらし寿司」

悠貴「ばら寿司は、酢飯にばらして混ぜ込むから、ばら寿司」

悠貴「ばらすというのはつまり、解体する。バラバラにするってことですね」

まゆ「なるほど。乗せるか混ぜるかの違いなんですね」

278: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 12:10:55.13 ID:/6JjUIq00
まゆ「いただきます!」

まゆ「はむっ……」

まゆ「!!」

悠貴「ど、どうしました?」

まゆ「モグモグ……ゴクン……」

まゆ「美味しいですっ! レンコンのシャキシャキした食感も楽しめて」

まゆ「酢飯とエビなどの具材がよく合いますねぇ」パクッ

悠貴「ですよねっ。私も大好きなんですよ」パクッ

悠貴「モグモグ、モグモグ……ゴクン。ちなみに」

悠貴「東京では、ばら寿司のことも『ちらし寿司』と呼ぶ傾向があるらしいです」

まゆ「そうなんですか?」

悠貴「はい。なので、注文する時に確認した方がいいかもしれませんね」

悠貴「ちらし寿司を注文したのに、ばら寿司が出てきたってこともありますから」

281: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 18:12:32.00 ID:/6JjUIq00

――――

まゆ「美味しかったぁ……」

悠貴「満腹、満足ですねっ。ご家庭でも作れると思うのでぜひ!」

まゆ「お店の味は出せませんけどね。やってみます」フフ

まゆ「で、ここは……またお城ですね?」

悠貴「雲の上に浮かぶお城と聞いて、ピンときませんか」

まゆ「あっ、知ってます!」

悠貴「それがこの備中松山城です。標高430メートルの臥牛山山頂にあって」

悠貴「天守閣を持つ山城の中で1番高いところにあるんですよっ」

悠貴「城跡が国の史跡……つまり歴史・学術上価値の高いものとして指定されてて」

悠貴「天守閣や二重櫓(やぐら)は重要文化財に指定されてるんです」

まゆ「貴重ですね、当たり前ですけど」

まゆ「雲に浮かぶ様子は……?」

悠貴「9月下旬から4月の上旬に雲海を確認できて」

悠貴「日の出から午前8時。その限られた時間に、備中松山城展望台から見ることができます」

悠貴「見たいですか?」

まゆ「はい!」

282: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 19:04:34.70 ID:/6JjUIq00
悠貴「ちょうどその季節ですし、操作する必要はないですね」

悠貴「明日の朝、行きましょうか♪」

まゆ「ありがとうございます!」

――――

悠貴「今から向かうのは、倉敷美観地区という場所です」

悠貴「江戸時代初期に、物資の集散地として発展した歴史を持つところで」

悠貴「もちろん、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されているんです」

悠貴「……その前に」

まゆ「?」

悠貴「おやつを食べましょうっ! これです」スッ

まゆ「ワッフル……!」キラキラ

悠貴「そう! 岡山県内、各地に展開している洋菓子店」

悠貴「白十字さんの定番商品の1つで」

悠貴「昭和32年に創業者が発案して、60年たった今でも愛されてるワッフルですっ」

悠貴「ハチミツ風味の、ふんわりした皮の中に」

悠貴「たっぷりのカスタードクリームが入ってるんですよ」

まゆ「ごくり」

283: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 19:45:52.23 ID:/6JjUIq00
悠貴「どうぞ食べてくださいっ」

まゆ「いただきます……かぷっ」

まゆ「モグモグ……んふふっ」

まゆ「ゴクン、すみません。変な笑いが出てしまいました」

まゆ「何ですかこれ! 皮はふわっふわで、クリームな甘ーくなめらかで」

まゆ「食べた人を幸せにしますね!」

悠貴「絶賛ですね」フフ

まゆ「こんなの、しちゃいますよ。だって美味しいんですから」

悠貴「じっくり味わってくださいねっ」

――――

悠貴「やって来ました!」

まゆ「ここが倉敷美観地区……まるでタイムスリップしたいみたい」

悠貴「江戸時代の面影を残してますからね」

悠貴「町並みを見て回るのもいいですけど、倉敷デニムや倉敷ガラスといった」

悠貴「倉敷発のブランドの品を見るのも素敵ですよっ」

まゆ「色々あるんですねぇ」

284: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 20:13:30.59 ID:/6JjUIq00

――――

悠貴「見てくださいまゆさん! ある映画のロケ地になった場所です!」

まゆ「この橋ですか?」

悠貴「何だか分かりますか?」

まゆ「うーん……歴史ものでしょうか」

悠貴「明治時代初期の日本を舞台にしているので、間違いではないかもしれませんね」

悠貴「正解は、るろうに剣心です。主人公の緋村剣心と」

悠貴「相楽左之助が戦ったところなんですよっ」

――――

悠貴「これが倉敷ガラスです」

悠貴「少し厚みがあってぽってりした、暖かみのある雰囲気のガラスです」

まゆ「可愛いですね♪」

悠貴「よければ、何か一つ購入しますか?」

まゆ「そうしたいけど、ゲームの外には持ち出せないから……」

悠貴「あ……そうでした。じゃあ、ゲームの中だけで楽しむというのは?」

まゆ「……ありですね。このマスにいる間だけでも」ニコッ

286: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 22:45:38.33 ID:/6JjUIq00
まゆ「この湯のみにしよっと」

悠貴「いいですねっ」

まゆ「悠貴ちゃんは買わないの?」

悠貴「今選んでるんですけど……迷いますね」ムム

まゆ「これとかどう?」

悠貴「わ、素敵ですね!」

悠貴「けどこっちも……んー……」

まゆ「自分の好きな方を選んで」ニコッ

悠貴「じゃあ……まゆさんの選んでくれたのにします」

悠貴「一目惚れしちゃって」エヘヘ

まゆ「薦めた私も嬉しい♪」ウフフ

――――

悠貴「夜は旅館に泊まるんですけど」

悠貴「そこで、この湯のみを使ってお茶しましょうっ」

まゆ「いい考えですね♪」

まゆ「次はどこに入るの?」

悠貴「いえ、建物には入りません。カフェや美術館がありますけど」

287: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/17(土) 23:02:24.22 ID:/6JjUIq00
悠貴「そこは後にして、川舟に乗ります!」

まゆ「川舟! さっきから視界を出たり入ったりしてたから」

まゆ「ずっと気になってたんですよ」

悠貴「ここに来た一番初めに乗るべきだったかもしれませんね」

悠貴「町並みがゆったり観賞できますよっ♪ こっちですっ」

――――

まゆ「はぁ……いいですね……」

まゆ「なんと言えばいいんでしょう……優雅な気分になれます」

悠貴「それに気持ちいいですよね。風を感じられて」

悠貴「あ、ほら! さっき渡った橋ですよ!」

まゆ「下を通り抜けるんですねぇ」

悠貴「まゆさん、あそこの建物! 美術館ですよ」

悠貴「あとで行きましょうねっ」

まゆ「うん」

まゆ(ふふ、悠貴ちゃん私よりもはしゃいじゃって)ニコニコ

290: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 10:24:08.12 ID:wYaAYGya0

――――

――――――

――――――――

まゆ「倉敷美観地区……とてもいいところでした」

まゆ「なんと言っても、あの空気感がいいですよね」

悠貴「浸っちゃいますよねっ」

まゆ「ええ。それにお土産も買えて、うきうきです♪」

まゆ「悠貴ちゃん、案内してくれてありがとう」

悠貴「いいんですよ、私も楽しかったですし!」エヘヘ

まゆ「ところで、悠貴ちゃんが言ってた旅館って、あとどのくらい?」

悠貴「もうすぐですよ。ほらっ、見えてきました」

悠貴「奥津温泉に入れるところなんです。湯郷温泉と同じで」

悠貴「美人の湯として人気があるんですよっ」

まゆ「また磨きがかかっちゃいますねぇ、お肌に♪」

――――

悠貴「まゆさん、お茶淹れますねっ」

まゆ「ありがとう。任せちゃってごめんね?」

悠貴「気にしないでください♪ はい、どうぞ」スッ

291: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 10:38:36.65 ID:wYaAYGya0
まゆ「ふふ、やっぱり良い湯のみですねぇ」

悠貴「味わい深いですね」

悠貴「それでは……えっと、湯のみで乾杯ってするものなんでしょうか?」

まゆ「いいと思いますよ。乾杯♪」

悠貴「乾杯ですっ」

ゴク

まゆ「……はぁ……」

悠貴「ほっとする……」

悠貴「ここらでまた岡山名物を出したいところですけど」

悠貴「そろそろご飯ですから、我慢しましょう」

まゆ「ちなみに何を紹介する予定だったの?」

悠貴「マスカットきびだんごです」

悠貴「もちもちきびだんごの中に、マスカットの蜜が入っていて」

悠貴「食べると口の中にフルーティーな味が広がるんですよ」

まゆ「た、食べたい……」

292: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 10:49:23.13 ID:wYaAYGya0
悠貴「お夕飯をいただいた後にしましょう」

まゆ「楽しみがまた一つ増えちゃいましたね♪」

ウフフフ アハハハ

――――

凛「……」

凛(まゆ、すっかり観光客の気分だけど)

凛(またまたこれが勝負だってことを忘れてるでしょ)

凛(私にとっては都合いいけどね。せいぜい楽しみなよ)

凛(その間私はまゆを猛追するから)

瑞樹「凛ちゃん、これあなたに似合うと思うわ!」

凛「え?」

笑美「キティちゃんのバッグや! 背負ってみて!」

凛「ええ、子供っぽくないかな」

笑美「ええからええから」

瑞樹「さあさあ」

凛「しょうがないな……」フフ

293: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 10:57:11.59 ID:wYaAYGya0
凛「どう?」

笑美「めっちゃええやーん!」

瑞樹「可愛い! あとこの靴下も履いてみて!」スッ

凛「さすがにそれは……」

――――

凛「どう?」

瑞樹「いいわよ! すごく!」

笑美「キティちゃんとコラボするために生まれてきたんちゃうか!?」

凛「へへ、言い過ぎだよ」テレテレ

晶葉『凛、サイコロだ!』

凛「晶葉。久しぶりに声を聞いた気がする」

晶葉『私も久しぶりに声を発した気がするぞ!』

凛「それじゃあ2人とも、私は行くよ」

笑美「短い時間やったけど、楽しかったで!」

瑞樹「また遊びに来てね」ニコッ

凛「うん」

294: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 11:03:29.69 ID:wYaAYGya0
晶葉『ほら、サイコロだ!』

凛「……その前に」

凛「キティちゃん装備を外そう」

瑞樹「何でー?」

笑美「似合うのにー」

凛「次に顔合わせするアイドルにビックリされるから……」

――――

凛「よし、いくよ」スッ

笑美・瑞樹「りーん! りーん! りーん!」

凛「声援ありがとう。力に変えてみせる!」ポイッ

コロコロコロ

凛(2マス先にある1回休みさえ踏まなければ)

凛(あとは突き進むだけ! 2と4は出ないで、お願い!)


【進行状況】

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
凛  ○●○ ×○○ ○☆○ ○☆○ 

   和歌山 鳥取  島根  岡山
まゆ ○☆○ ○☆× ○☆○ ○●○


↓1 コンマ一桁 0は10

296: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 11:12:04.29 ID:wYaAYGya0

凛:1マス進む

【進行状況】

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
凛  ○○● ×○○ ○☆○ ○☆○ 

   和歌山 鳥取  島根  岡山
まゆ ○☆○ ○☆× ○☆○ ○●○


笑美・瑞樹「あ……」

凛「……」

凛「嘘やん」

笑美・瑞樹(関西弁になった!)

凛「いや、確かに2と4出るな言うたけどもやな」

凛「1はないやろ」

瑞樹「お、落ち着いて凛ちゃん」

笑美「まだまだ分からんし……」

凛「それ何度も聞いたわ」

凛「躓くたびに何度も言われた。まだまだ分かれへんって」

笑美「とりあえず関西弁やめようや、な?」

297: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 11:21:43.06 ID:wYaAYGya0
凛「ごめん……取り乱してた」

瑞樹「いいのよ」

晶葉(かける言葉が見つからない)

凛「大丈夫だよ晶葉、私は自分を見失ってない」

凛「ちょっとヤバかったけど持ち直したから」ニコッ

晶葉『あ、ああ……。くじけるなよ!』

凛「当然!」

ビュンッ

――――

ビュンッ

凛(大丈夫やればできる頑張れ私できるできる)

凛(気合いを入れよう、ほっぺを叩いて)

パンッ

凛(痛い……でもこれでいい!)ジンジン

凛(次の対戦相手は……?)


???「……」

凛(何故か引いた目でこっち見てる)

298: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 11:36:38.75 ID:wYaAYGya0
凛(って、急に現れたと思ったらいきなりほっぺを叩くんだもんね)

凛(そりゃ不審な目で見られるよ)

凛「ごめん法子、ちょっと色々あってさ」

法子「色々って……?」

――――

法子「そういうことだったんだ」

法子「ドーナツ食べる? 元気出るよ!」スッ

凛「もう平気だけど……もらうね。ありがとう」ニコッ

法子「んー、サイコロの出目は運次第だからねー」

法子「どんなに少ない目が出ても、前を向き続けるしかないよね」

凛「うん。諦めるわけにはいかない」

凛(これに勝てばプロデューサーの正妻になれるんだから)

法子「今の話を聞いて、勝負に負けてあげたい気もしてきたけど」

法子「真剣勝負じゃないと、つまらないよね?」

凛「もちろん。手を抜かれて勝っても、プロデューサーをものにした感じがしないし」

凛「全力でやって」

303: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 17:41:55.31 ID:wYaAYGya0
法子「まかせて! じゃあ勝負の説明をするね♪」

法子「その名も『どっちが面白いか・リアクション対決』!」

凛「タイトルで大体何するか分かったよ」

法子「まあまあ、最後まで聞いて!」

法子「今から私が作ったこの特製たこ焼きを、1つずつ食べるの」

凛「どれか1つにカラシかワサビが入ってるんでしょ」

法子「ううん、全部に入ってる」

凛「全部!?」

法子「美味しかったら面白いリアクション狙えないし!」

法子「たこ焼きは4つあるから、チャンスは1人2回」

法子「面白いリアクションをして、晶葉ちゃんに点数をつけてもらいます!」

法子「そして、その合計で競います!」

凛「嫌な勝負……」

法子「勝った人には、この道頓堀にあるたこ焼き屋さんのたこ焼きがもらえるよ!」

凛「それは嬉しい。マイナス感情が0に近づいたよ」

304: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 17:52:38.21 ID:wYaAYGya0
法子「説明終わりー! 始めよっか♪」

凛「もうやるの……面白いリアクションの仕方が分かんないんだけど」

法子「幸子ちゃんを参考にすればいいよ~、完璧だよ?」

凛「あれは狙ってもできないでしょ」

凛「ふー……よし。とりあえずやってみる」

法子「それがいいね! どっちから先にやる?」

凛「選択権がこっちにあるなら、法子からで」

法子「いいよ!」

凛(怖じてないってことは、勝つ自信があるってことだよね)

凛(一体どんなリアクションをするんだろう)

法子「どれにしようかなー……これだ!」

法子「まあ全部同じなんだけど」クスクス

法子「いただきまーすっ」パクッ

凛「……」ドキドキ


↓1 コンマ二桁 高いほど面白い

306: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 18:05:50.08 ID:wYaAYGya0

法子:73


法子「もぐもぐ……ふっ!?」

法子「んぐぅぅぅぅぅぅ!! からぁっ……!!」

凛(何その声!?)

法子「げほげほっ、ごふぁ、げぇっほぇっ!!」ジタバタ

凛(法子が見たことないえづき方してる!)

凛(というか、えづいてるところも見たことないけど)

凛「……ふふっ」

法子「せき、げほ、とまんなっ、こほぁっ!」

法子「ばけ、げほげほ、ばけつを……!」

晶葉『出現させよう!』

ブンッ

法子「こほっ、けほっ……!!」

法子「はぁっ、ふぅっ、げほっ」

――――

法子「はぁ……あー、辛かった」

凛「大丈夫?」

307: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 18:13:01.91 ID:wYaAYGya0
法子「うん、もう平気っ!」

凛「すごいね……っていうか」

凛「今のってどうだったの? 私、ちょっと笑っちゃったけど」

凛「可哀想にも思えちゃって」

晶葉『なかなかのリアクションだったぞ!』

晶葉『お客の爆笑メーターというものを使ったんだが、73%』

晶葉『つまり充分な笑いが取れている!』

法子「いえ~い!」ピース

凛「あんな様子、アイドルが見せちゃいけないでしょ!」

晶葉『同じことを幸子にも言えるか?』

凛「うっ」

晶葉『アイドルもああいう仕事をしなければいけない時が来るかもしれないんだ!』

晶葉『今は幸子を軸に頑張っているが、もしかしたら法子や凛にもな!』

凛(会社の方針とかあるじゃん……)

凛「まあ、そうだね。こういうことに慣れておいてもマイナスにはならないし」

凛「むしろプラスだよね」

309: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 18:16:34.54 ID:wYaAYGya0
法子「そうそう! やってみると楽しいよ~」

凛(それは絶対嘘だ)

凛「覚悟して臨むよ」

法子「さあ選んで!」

凛「……」


↓1 コンマ二桁 高いほど面白い

311: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 18:24:04.33 ID:wYaAYGya0

凛:40


凛「わー、すごく美味しそうなたこ焼きだね」ニコニコ

法子「え?」

晶葉(ほう、なるほどな。まずはこれから起こる悲惨な出来事とは正反対の)

晶葉(喜び、美味しそうというイメージを植え付け)

凛「いいよねたこ焼き、大好物なんだ」

凛「いただきます♪」パクッ

晶葉(そして食べ、リアクションをする)

晶葉(いわゆるフリを作ることにより、笑いは起きやすくなる)

凛「――!!」

凛「んぐっ、げほごほっ!! えっほっ!!」

晶葉(……起きやすくなるんだが)

凛(だ、ダメだこれ! 予想以上に辛くて)

凛(リアクションが上手くできない……!)

312: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 18:34:15.17 ID:wYaAYGya0
凛「げほっかふっ、ぇおっほっ!」

凛「ごふっ、げほぅえっ! げぇっほっ!」

晶葉『バケツだ!』ブンッ

凛「ありが、げほっ、はぁっ、おぅっ……!」

晶葉(ほとんど立ち止まってたな。これではせっかくのフリも活かせない)

法子「あはははっ♪ ご、ごめん、おかしくてつい……!」

晶葉(法子は爆笑してるが)

――――

晶葉『爆笑メーターは40%だ!』

凛「やっぱり……もうちょっと法子みたいに」

凛「体を動かした方がよかったかな」

法子「面白かったのに~」

凛「はは……ありがとう。次はまた法子だよ」

法子「ふふふ、ここで凛ちゃんを突き放しちゃうよー!」

313: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 18:39:47.84 ID:wYaAYGya0
法子「凛ちゃんのやり方からヒントをもらったし」

凛「ヒント?」

法子「えへ、見てれば分かるよ♪」


↓1 コンマ二二桁 高いほど面白い

315: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 18:56:09.56 ID:wYaAYGya0

法子:46


法子「椎名法子のー♪ 大阪飯を食べようー♪」

法子「さあ! 今日はこの有名なたこ焼き店をご紹介したいと思います!」

凛(なんか1人演技が始まった)

法子「わー、美味しそうですねー! 熱々のできたてですよー!」

法子「これが人気のメニューらしいです。見てください、喉がごくりと鳴っちゃいます!」ゴクリ

法子「ではいただきましょうか! あーん」パクッ


法子「んぅっ!?」ビクッ

法子「~~~~っ!! ~~~~っ!!」ジタバタ

法子「からぃっ……! ――――!!」ピョンピョン

晶葉(丁寧にフリを作ったな。けど設定がおかしいぞ)

晶葉(有名店がそんな辛いものを出すわけがないだろう)

晶葉(いや……そういう意味では面白いか?)

凛「ふふふ」

凛(じたばたしたり飛び跳ねたり、可愛い)

凛(顔も真っ赤だし)クスクス

317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 19:01:39.22 ID:wYaAYGya0
法子「ばけつぅ……!」

晶葉『よしきた!』ブンッ

法子「けほけほっ」

――――

法子「ど、どうだった?」

凛「可愛かった」

法子「え~、それじゃダメだよ」

凛「可愛くて笑っちゃったんだよ」フフ

晶葉『アイドルらしい笑いの取り方かもしれないな!』

晶葉『だが、爆笑ゲージは46%だ!』

凛「テレビ受けはよくないってことかな」

法子「難しいねー」ウーン

凛「46……さっきの73と合わせたら、119か」

凛「つまり私は80%を出さないと負け……」

晶葉『高いハードルだな!』

318: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 19:21:33.48 ID:wYaAYGya0
凛「追い込まれてるけど、乗り越えるしかないよ」

法子「凛ちゃんならできるよ! 頑張って!」グッ

凛「対戦相手を応援するって……法子らしいけど」

凛「私もドラマ仕立てでいくよ」コホン


↓1 コンマ二桁 高いほど面白い

323: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 19:37:55.15 ID:wYaAYGya0
凛「ただいまー」ガチャ

凛「あれ、プロデューサー。まだ起きてたの?」

凛「先に寝てていいっていったのに」フフ

法子「どんな設定?」ヒソヒソ

晶葉『助手と同棲生活中なんだろう。凛らしい』

凛「え? ご飯も作ってくれたんだ、ありがとう」ニコッ

凛「たこ焼きだー。美味しそう……何も食べてなかったんだよね」

凛「いただきまーす、はむっ」


凛「かっらぁっ!?」ビクッ

法子「ぷっ」

晶葉『ははっ』

凛「げほっ、待ってこれ、げほっげほっ!!」

凛「からすぎっ、うおへぇっ!! 何入れ"だの"……!?」

324: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 19:45:09.98 ID:wYaAYGya0
凛「ち"ょっどごれ"っ!! ごっほっ、ぐふっ!!」

凛「ばけつぅぅぅ……ばけつを……!」

法子(倒れ込んで、藤原竜也さんみたい)

晶葉『バケツだぞ!』ブンッ

凛「げはっ、こほっこほっ」

――――

凛「はー……涙が……」フキフキ

法子「凛ちゃんすごい面白かったよ~!」

凛「本当?」

晶葉『ああ、その証拠に』


晶葉『爆笑ゲージは……87%だ!!』

凛「えっ、ということは……」

晶葉『凛の勝ちだな!』

法子「おめでとう凛ちゃん!」

凛「うん、ありがとう! 嬉しいよ」

326: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 22:11:15.78 ID:wYaAYGya0
凛「けど、問題はサイコロ振る時なんだよね」

凛「大きい目が出ないと意味ないし」

晶葉『しかしこれで1回休みは回避できたぞ!』

凛「そうだね。それは本当によかった」

凛(あとまゆの出目がどうなるか)

――――

悠貴「どうですか?」

まゆ「……素敵……」

まゆ「雲の上にお城が浮かんでる……」

悠貴「絶景ですよね。一生に一度は見ておきたい景色と言われてますし」

まゆ「納得です……ずっと見ていたいくらい」

まゆ「……やる気が沸いてきました」

悠貴「?」

まゆ「私、このゲームに絶対勝ちます」

まゆ「そしてプロデューサーさんと結婚して、夫婦になってから」

まゆ「今度は現実で見に行きます。この景色を」

悠貴(結婚がかかった勝負だっけ)

327: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 22:19:20.09 ID:wYaAYGya0
晶葉『準備はできたか?』

まゆ「サイコロを振る時間ですか。はい、大丈夫です」

まゆ「あら? 凛ちゃん、1マスしか進んでない?」

まゆ「うふふ♪ どうやら自分から勝機を手放しているみたいですねぇ♪」

――――

凛「……っ!」

法子(ぐうの音も出ないって、まさにこの事だね)

――――

まゆ「私は違いますよ? ゴールに向かってきっちり進みますからね」スッ

まゆ「えいっ」ポイッ

コロコロコロ


【進行状況】

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
凛  ○○● ×○○ ○☆○ ○☆○

   岡山  広島  山口  徳島
まゆ ○●○ ○○× ×☆○ HHH


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

329: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 22:29:04.42 ID:wYaAYGya0

まゆ:7マス進む

【進行状況】

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
凛  ○○● ×○○ ○☆○ ○☆○

   岡山  広島  山口  徳島
まゆ ○×○ ○○× ×☆● HHH


まゆ「7ですか、いいですねぇ」

悠貴「やりましたねっ!」

――――

凛「くぅー……!」

法子「ドーナツ食べて落ち着いて~」スッ

凛「はむ……美味しい……」モグモグ

――――

まゆ「悠貴ちゃん、ありがとうございました」

悠貴「このまま走り切って、ゴールテープを切ってくださいねっ」

まゆ「はい」ニコッ

330: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 22:34:58.10 ID:wYaAYGya0
まゆ「あの、晶葉ちゃん」

晶葉『何だ!』

まゆ「またマップに新しいマークが表示されましたよね」

まゆ「Hって」

晶葉『ああ、それはな…』

まゆ「も、もしかして……○○○なことを……」ポッ

悠貴「……」ドキドキ

晶葉『そう言うと思ったよ! 安心しろ違うから!』

晶葉『まゆがそのマスに止まったら説明するぞ!』

まゆ「気になるじゃないですかぁ」

晶葉『いいから早く飛べ!』

まゆ「はーい……」

ビュンッ

悠貴「ち、違ったんですね……」

晶葉『お前も勘違いか!』

――――

ビュンッ

まゆ「ついに山口県まで来ちゃいましたね」

まゆ「ここを乗り切れば、あとは四国に九州」

まゆ「そして沖縄……!」

334: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 22:54:25.93 ID:wYaAYGya0

???「そうはさせないわよ」

まゆ「! この声は、梨沙ちゃんですね」


梨沙「まゆにはここで脱落してもらうから!」

まゆ「脱落!? そ、そんな無茶なことが……」

晶葉『できるわけないだろう! 私の手中にあるプログラムだぞ!』

まゆ「ですよね」ホッ

梨沙「脱落はないにしても、動きを封じてみせるし」

まゆ「何でそんなに足止めしたいんですか?」

梨沙「求められた以上のことをすれば、きっとパパに褒めてもらえ…」

晶葉『迷惑にしかならないぞ!』

梨沙「えっ」

晶葉『パパにも言っておこう。梨沙は人に迷惑をかける…』

梨沙「だ、ダメ! 分かったわよ、言うこと聞くから……」

晶葉『よし! まゆとちゃんと勝負するんだぞ!』

まゆ「……」ニコニコ

梨沙「何よ」

まゆ「いえ別に」

まゆ(可愛いですね)

335: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 23:20:26.02 ID:wYaAYGya0
梨沙「えっと、まずは……そう! 勝負の説明をするから」

梨沙「ちゃんと聞いててね? 一度しか言わないから!」

まゆ「分かりました」

梨沙「目の前のここ、秋吉台サファリランドっていうの」

梨沙「サファリパーク形式の動物園で、迫力満点の動物たちや」

梨沙「可愛い動物たちがすぐ近くで見られるのよ」

梨沙「あと遊園地も兼ねてて、小っちゃい子は大喜び間違いなしね!」

まゆ「そのサファリランドで、何をするんですか?」

梨沙「懐かせ勝負」

まゆ「?」

――――

まゆ「はう……可愛い……」キュン

梨沙「見ての通り、7匹のウサギをこの柵の中に入れてもらったわ」

梨沙「アタシたち2人がエサを持って、中に入った瞬間から勝負」

梨沙「餌付けやなでなでを駆使して懐いてもらって、10分経った時」

梨沙「近くにいたウサギの数で勝敗を決めるの!」

336: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 23:42:28.30 ID:wYaAYGya0
まゆ「そんなに上手くいきますか?」

晶葉『現実では難しいものでも、ゲームの中なら可能だ!』

晶葉『ある程度好感度を上げれば、懐いてもらえるよう設定してあるぞ!』

まゆ「丸っきり恋愛ゲームですね……」

梨沙「開始は5分後よ、用意したエサを持って!」

――――

梨沙「5、4、3、2、1……スタート!」ササッ

まゆ「……!」ササッ

まゆ(犬や猫ならまだしも、ウサギを懐かせるなんてやったことありません)

まゆ(まずは1匹に狙いを定めてみましょう)

まゆ「おいでー♪ 美味しいご飯がありますよー♪」

ウサギ「……」

まゆ(見向きもしないですね)

まゆ(いきなり触ったら警戒されちゃうかも……どうしよう」


↓1 梨沙

↓2 まゆ


コンマ二桁をプラスしていき、合計数値の高かった方が勝利 全部で3回

339: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/18(日) 23:58:00.18 ID:wYaAYGya0

梨沙:41

まゆ:70


梨沙「ほーら、ご飯よー」ヒラヒラ

梨沙「あ、1匹来た! 真っ先に私のところに来たってことは」ナデナデ

梨沙「さてはロリコンね?」モフモフ

梨沙「ちゃんとお手入れしてるのね。もふもふ♪」

梨沙(まゆの様子は……)チラッ


まゆ「よしよし♪」ナデナデ

梨沙(なあっ!? 3匹も!?)

梨沙(負けてられない……向こうのウサギもこっちに呼び寄せる勢いで、何かしないと)

梨沙「ウサギさん、こっちに来てくれたら」

梨沙「ニンジン1本のところ、なんと! 1つオマケして2本よ!」

晶葉(通販番組か)


↓1 梨沙

↓2 まゆ


コンマ二桁をプラス

342: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 00:14:53.40 ID:QhDH6V6e0

梨沙:55

まゆ:88


まゆ「みんな可愛いですねぇ♪ もっとご飯あげちゃいます」

まゆ(気がつけば4匹も私の元に来てくれてますね)

まゆ(このまま維持できれば勝ちですけど、きっとそう上手くはいきません)

まゆ(梨沙ちゃんは……)チラッ


梨沙「これを逃すと手に入らないわよ! この場限りなんだから!」

まゆ(2匹のウサギが釘付けのようです)

まゆ(あと1匹は知らん顔……なんとかこっちに引き寄せたいですけど)

梨沙(うー、全然見てくれない! エサで釣るのは無駄なの?)

まゆ「きゃっ。もう……スカートの中はダメですよぉ」

梨沙「!!」

梨沙(あれだ! 私のセクシーさをアピールすれば)

梨沙(動物だってめろめろにしちゃうんだから!)

343: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 00:22:36.50 ID:QhDH6V6e0
梨沙「ウサギさん♡」

梨沙「ねぇ、お願い♪ アタシにところに来てー?」

梨沙「いっぱいもふもふしてあげるから♪」ウインク

まゆ(なるほど、可愛さで虜にするつもりですね)

まゆ(動物に通用するとは思えませんけど……残り時間だってあと2分ですし)

梨沙「投げキッスもプレゼント♡」チュッ

まゆ(ロリコン男性ならまず落ちますね)

まゆ(けど、ウサギにはやっぱり効いてないみたいですよ)

まゆ(どうやらまゆの勝利ですね)フフ


↓1 梨沙

↓2 まゆ


コンマ二桁をプラス

346: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 00:35:09.00 ID:QhDH6V6e0

梨沙:111

まゆ:152


ピョンピョン

まゆ「あっ」

まゆ(ウサギが1匹向こうへ……!)

梨沙「来てくれたのね、ありがとう♪」ナデナデ

まゆ(お、恐るべし……ウサギまで虜にするなんて)

まゆ(いえ、これで3対3の引き分けですから。あとはあそこのどっちつかずのウサギを)

梨沙(引き寄せた方が勝ちね!)

梨沙「ウサギさん、こっちにおいで? ニンジンいっぱいあるから♪」

まゆ「こっちもありますよぉ。今なら2本オマケです」

梨沙「それアタシの!」

まゆ「梨沙ちゃんは1本ですよね? まゆは2本ですから♪」

梨沙「むぐぐぐ」


晶葉『タイムアウトだ!!』

梨沙・まゆ「!」

347: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 00:41:28.74 ID:QhDH6V6e0
梨沙「え?」

まゆ「もう10分ですか? 引き分けですけど」

晶葉『よく見ろ!』

まゆ「あ」

梨沙「孤高のウサギが……まゆの近くに……!」

晶葉『よって勝者はまゆだ!』

まゆ「やりました♪」

梨沙「そんなぁ、あとちょっとだったのにぃ」

まゆ「手ごわかったですよ。まさかウサギを魅力で悩殺してしまうなんて」

まゆ「梨沙ちゃんにしかできませんね」

梨沙「……そう?」

まゆ「はい♪ まゆには絶対にできません」

梨沙「そ……それほどでもないけど」ポッ

まゆ「うふ」ニコニコ

晶葉(まゆ、かなり強いな)

晶葉(凛の勝つビジョンが消えかけている。逆転はあるのだろうか)

晶葉(……どちらかがHのマスに止まれば、あるいは……)

348: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/19(月) 00:43:31.20 ID:QhDH6V6e0
今日はここまでにします
凛頑張れ

355: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 00:04:22.95 ID:EP9GhbcN0
梨沙「向こうに、モルモットとかポニーもいるけど」

まゆ「触れあいたいです!」

晶葉(楽しそうだな、まゆは)

晶葉(差をつけているからこそ、こうして素直に楽しむこともできる)

晶葉(しかし凛は……)

――――

凛「……」

法子「凛ちゃん、元気出して」

凛「え? 私は元気だよ、何言ってるの」フフ

法子「空元気に見えるけどなぁ」

凛「そ、そんなことないって。つかさとも約束したし」

凛「勝負が終わるまでめげないってさ……晶葉にも励ましてもらったし……」

凛「うん、そうだよ。落ち込んでる暇はない」

法子「凛ちゃん……」

凛「……だけど……」

法子「?」

凛「このままじゃ私……自分から勝負を挑んでおいて……!」

凛「最初勝ち続けたはいいけど途中から相手に踏んばられて!」

356: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 00:06:49.97 ID:EP9GhbcN0
法子「り、凛ちゃん?」

凛「そのまま押し切られて、結果負けちゃうような」

凛「マンガでいうさ! 主人公を引き立てる序盤の敵みたいな奴じゃん!!」

法子「!?」ビクッ

法子(すごい迫力)

凛「散々勝ち誇っちゃったし! あんなお手本のようなドヤ顔を見せておいて!」

凛「このまま負けたら……負けちゃったら……!」

凛「みじめ」クスン

法子「凛ちゃん……」

凛「何よりも、こんなに差がついてると」

凛「プロデューサーが私の手から離れていく想像をしちゃうんだよね」

法子「……」

法子(そもそも凛ちゃんの手に中にあったっけ)

凛「ねえ法子。私このまま、まゆの踏み台になるのかな」

凛「今からまゆとプロデューサーの、結婚スピーチの内容を考えておいた方がいいのかな」

法子「ま、まだまだチャンスはあるよ! ね?」

凛「……うん……」

晶葉(様子を見に来てみれば、もう何回目かの落ち込みようだな)

晶葉(いや、今回は一段とすごい。爆発したか。現状を見れば仕方ないんだが)

357: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 00:10:06.95 ID:EP9GhbcN0
法子「サイコロ振ろう? はいっ♪」スッ

凛「うん……振る」

晶葉(これは、少しくらい補正をしてやってもいいか)

晶葉(いやダメだ。まゆにも申し訳ないし、贔屓なんてしたら正々堂々の文字が崩れてしまう)

晶葉(自分で掴め、凛)

凛「えい」ポイッ

コロコロコロ

晶葉(これで少ない目が出たら、どんな反応をするんだろう)


【進行状況】

   大阪  兵庫  奈良  和歌山
凛  ○○● ×○○ ○☆○ ○☆○

   岡山  広島  山口  徳島
まゆ ○×○ ○○× ×☆● HHH


↓1 コンマ一桁 0は10

360: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 00:23:25.25 ID:EP9GhbcN0

凛:3マス進む+2


【進行状況】

   奈良  和歌山 鳥取  島根
凛  ○●○ ○☆○ ○☆× ○☆○

   岡山  広島  山口  徳島
まゆ ○×○ ○○× ×☆● HHH


凛「3……2を足して5……まあまあだね」

法子「あっ! 凛ちゃんスペシャルマスだよ!」

凛「……!」

法子「やったね♪ これは飛躍のきっかけになるよ!」

凛「うんっ」


晶葉『ちょっと立ち直ったか!』

凛「晶葉、見てたんだ」

晶葉『そりゃな! せっかくのスペシャルマスだ、頑張って勝てよ!』

凛「勝敗はさて置き、全力で挑むよ!」

ビュンッ

晶葉『まだネガティブが抜けきってなかったな』

法子「グッドラック凛ちゃん!」

362: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 00:59:32.14 ID:EP9GhbcN0

――――

ビュンッ

凛「スペシャルマスは、序盤にまゆが止まった以来だね」

凛「海外出身のアイドルだっけ。誰かな……ん?」

凛「うわぁー……! 辺り一面、桜の木でいっぱいだ」

凛「なにこれ、すっごく綺麗……!」キラキラ


???「来たナ!」

凛「!!」


ナターリア「待ちくたびれテ、おハナミの準備するところだったヨー」

凛「ナターリア、これは意外……って、どの海外アイドルが出てきても意外か」

凛「いざ勝負! の前に、この場所の説明できるの?」

ナターリア「とてもガンバって覚えたカラ、任せとけ!」

ナターリア「ここは日本一の桜のメイショ、吉野山だヨ」

ナターリア「世界遺産にも登録されたスゴイトコロ! シロヤマザクラを中心に」

ナターリア「下千本、中千本、上千本、奥千本の4ヶ所にミッシュウしてて」

ナターリア「イチバン標高の低い下千本から開花していくんダ!」

363: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 01:25:30.00 ID:EP9GhbcN0
ナターリア「夜になるとライトアップされて、また魅力的な桜が見られるヨ」

凛「私たちのいるここは?」

ナターリア「下千本ダヨ。ショウブが終わったら、上の方も見にイくゾ!」

凛「賛成。だけど、その肝心な勝負で勝ち星をあげないと」

凛「桜を楽しめそうにないよ」

ナターリア「どんなショウブか、気になるカ?」

凛「……」ゴクリ

ナターリア「発表するゾ! 恋愛ドラマ対決ダ!」

凛「れ、恋愛ドラマ……?」

凛(まゆと奏がやったみたいな感じかな)

ナターリア「そう、恋愛ドラマ。このキレイな場所で、今からナターリアとリンで短い恋愛ドラマをやるんダ」

ナターリア「設定は何でもイイ。カップルや夫婦、センパイにコウハイ」

ナターリア「カケオチした男女、おネエさんと少年、その逆。何でもイイカラ設定を考えテ」

ナターリア「観た人のココロを大きく動かした方が勝ちダ!」

凛「お姉さんと少年は無理があるでしょ……相手にも寄るけど」

ナターリア「可能だゾ! 設定をいじればナ!」

凛「何それ怖い」

ナターリア「さて、ここでナターリアとリンの相手をしてくれる人に登場してもらおウ!」

ナターリア「どうゾ!」バッ

364: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 01:34:40.69 ID:EP9GhbcN0
凛(奈良県出身は、歌鈴とのあさん)

凛(歌鈴はちょっと頼りないから……ううん、案外ありえる)

凛(でも、やっぱりのあさんが有力かな)


スタスタ


凛(え?)

凛(……う、嘘……でしょ……?)

凛(そんな、ありえるの? こんなこと……!)


ナターリア「ジャーン! プロデューサーが相手役ダ!」ギュッ

P「お、おい、くっつくな」


凛「……」

P「?」

P「なあ、凛の奴なんか固まってないか?」

ナターリア「ホントダ! どうしタ?」

凛「……はぁ……はぁ……」

凛「はぁ……はぁっ……はぁっ……!」

P「こ、呼吸が荒くなってきたぞ」

ナターリア「病気カ!?」

365: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 01:45:30.01 ID:EP9GhbcN0
P「おい晶葉! これは何だ!?」

晶葉(極度の興奮状態に陥っている……これは……)

晶葉『マズい! 凛から離れろ!』

凛「プロデューサぁぁぁ」ガバッ

P「!?」

(5分後)

凛「ふー! ふー!」ジタバタ

ナターリア「どーどー! 落ち着けリン!」グイグイ

晶葉『大丈夫か助手!』

P「……ああ……めちゃくちゃ匂い嗅がれたけど……」

晶葉『どうやら久しく助手を接していないせいで』

晶葉『溜まりに溜まっていた感情が爆発したようだ!』

P「囚人か!」

凛「ナターリア、放して」

ナターリア「だめダヨー! 今放すと、リンまた暴走するヨー!」

凛「大丈夫、気持ちを整えたから」

P「晶葉」

晶葉『凛の言うとおりだ! もう大丈夫らしい!』

晶葉『だが万が一ということもある、気をつけろ!』

369: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 02:02:16.25 ID:EP9GhbcN0
凛「人を猛獣扱いしないでよ」

P「まさしくそれだったぞ、さっきのお前」

凛「……その声、いつ聞いてもいいね……」フフ

晶葉『警戒ッ!!』

P・ナターリア「」ササッ

凛「大丈夫だって! 嬉しさが込み上げてきただけだし」

凛「もう襲わないから安心して」

晶葉(嬉しさ以外の感情もあっただろ)

凛「それより早く勝負をしようよ。時間食っちゃったから」

P「誰のせいだ誰の」

ナターリア「言うほど経ってないけどネ! 始めヨー!」

ナターリア「まずはどんな設定にするか決めてネ♪」

凛「確認するけど、観る人の心を動かせばいいんだよね」

凛「心を動かすってことは、感動させたり切なくさせるってこと?」

ナターリア「そうダヨ~! あと、観る人はカリンとノア、そしてアキハダヨ!」

晶葉『歌鈴とのあは今こっちに向かってる最中だ!』

凛「それ先に言ってよ……」

凛(歌鈴は純粋な恋愛ものとか好きそうだね。のあさんは……)

凛(何だろう。悲恋とか? 分かんないな)

370: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 02:08:19.32 ID:EP9GhbcN0
凛「……」

ナターリア「さっき例に出した、おネエさんと少年だけど」

ナターリア「プロデューサーを少年にすることもできるよ~! リンとナターリアもちっちゃくネ!」

P「マジか……」

凛(プロデューサーの少年バージョン!? 最高じゃん!!)

凛(いや、クールになろう。欲望に負けちゃダメ。勝ちにいく設定を考えないと)

ナターリア「ナターリアはもう決めたからナ♪」

P(不安しかない)


↓1 ナターリア

↓2 凛


恋愛ドラマの設定 (例:カップル、夫婦、先輩後輩など。デートしに来た、別れ話をする予定など、さらに詳細を書いていただいてもOKです)

377: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 19:37:34.90 ID:EP9GhbcN0
凛「……決めた」

ナターリア「そうカ! ハジめかアトか、どっちがイイ?」

凛「よければナターリアが先にやって」

凛(最後の最後まで入念にチェックして、完成度を上げたいし)

ナターリア「分かった! 練習時間は3時間だゾ。プロデューサーといっぱい練習して」

ナターリア「とてもカンドウする作品を作ってネ!」

――――

P「俺1人しかいないんだけど、どうするんだ」

ナターリア「リンの方にもいるゾ? 分裂したプロデューサー」

ナターリア「あとで合体して、記憶や経験もイッショになるから平気だヨ♪」

P(影分身みたいだな)

――――

凛「2人っきりだね」ギュー

P「こら離れろ! こんなことするために時間を費やすのか!?」

凛「そうだね……私としてはそうしたいんだけど」

凛「これもプロデューサーと1つになるため、我慢しよう」スッ

P「?」

378: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 19:46:38.96 ID:EP9GhbcN0
凛「本題に入るけど、まずは……ごにょごにょ」

P「は?」

凛「私に任せて。全米のハートを掴むような大ヒット作を生み出すから」

凛「ということで晶葉、プロデューサーを小さい子にして」

晶葉『任せろ! 年齢変更ビーム!』ビビビビ

P「おい待てっ! ぐわぁぁぁぁ!!」ビビビビ

シュンシュンシュン…

凛「……ふっ」

凛「ふふふふ……これはヤバいね」

凛「この可愛さを活かせば、間違いなく……」

――――

梨沙「まゆ? モニターにかじりついてどうしたの?」

まゆ「放っておいて、今良いところなの」

まゆ「はぁ……はぁ……何あれ、凶器じゃないですか……」

まゆ「撫でたい……抱きしめたい……!」

梨沙(あまりの必死さに動物も近づこうとしないわ)

379: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 20:28:39.96 ID:EP9GhbcN0


(3時間後)


歌鈴「お、遅れちゃったと思ったら、まだ全然余裕がありましたね」

のあ「ええ……」

歌鈴「……えっと」

歌鈴「のあさんは、恋愛ドラマ観るんですか?」

のあ「あまり」

歌鈴「そうなんですか。恋愛ものより、ファンタジーとかミステリーとか好きそうですもんね」ハハ

歌鈴「あ! き、気分を悪くしてしまったらすみません! そんなつもりは……!」アタフタ

のあ「そう感じるのは必然的……気に病む必要はないわ」

のあ「男女の恋模様への興味、人並みにはある。ただ擬似的なものを好んで観賞しようとは思わない」

歌鈴「じゃあ、なんでここに?」

のあ「呼ばれたから」

歌鈴「あ、はい……」

歌鈴「それに嫌いではないし……アイドルの考えた作品となれば」

のあ「同じアイドルとして興味がそそられるわ」

晶葉『そろそろ始めるぞ! 審査員の私たちは、今から披露されるドラマを見て』

晶葉『それぞれに点数をつける! そしてその合計が高かった方が勝者だ!』

380: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 21:04:57.14 ID:EP9GhbcN0
一時中断します
続きは22時から

383: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 22:32:38.48 ID:EP9GhbcN0
歌鈴「この数字を書き込む画面はそういうことなんですね」

晶葉『ではいくぞ! 先攻はナターリア!』

晶葉『どんな物語かは観て理解してくれ!』


スタスタ

歌鈴「あ、来ましたね」ヒソヒソ

ナターリア「キレイな桜だヨー」

P「うん、少し遠出してよかったな」

P「こんなに良いものが見れた。テレビや写真で観るのとは全然違うよ」

ナターリア「……」

ギュッ

P「? なんだいきなり」

ナターリア「何となくこうしたかったノ」

ナターリア「……ネエ。こうやって腕に抱きついてたら」

ナターリア「周りの人に、どう思われるカナ」

P「え? んー……仲の良い兄妹じゃないかな?」

ナターリア「……」

384: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 22:45:09.19 ID:EP9GhbcN0
ナターリア「あっそ」プイッ

P「な、何だよ……」

ナターリア「何でもないヨ!」

――――

P「人がいっぱいだな。さすが世界遺産」

ナターリア「カゾクで見に来てる人が多いネー」

ナターリア「あと、コイビトも……」

P「そうだなぁ」

ナターリア「早くいい人見つけないとナ」フフッ

P「俺のことか? まあそのうちに」

ナターリア「それ、何度も聞いてるゾ」

P「うるさい。お前こそ、可愛いんだから早く彼氏作れよ」

P「いつまでも俺と一緒にいても、つまらないだろ」ハハ

ナターリア「そんなことナイ」

P「!」

ナターリア「イッショにいると楽しいヨ? 今も」

385: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:01:17.26 ID:EP9GhbcN0
P「……そうか」

P「まあ、家が隣同士。挨拶を交わしてる内に交流も増えて」

P「仲良くなって……今じゃ家族みたいな関係になってる俺たちだもんな」

P「一緒にいて気が楽だよな。ははは」ナデナデ

ナターリア「そ、そういうイミじゃなくて……っていうか撫でるナ!」

P「ごめんごめん」

ナターリア「ナ……ナターリアが言いたいのは、そういうことじゃなくて……」

P「ん?」

ナターリア「……何でもナイヨ……」


歌鈴「プロデューサーさんとナターリアちゃんは、兄妹のように仲のいい男女の設定なんですね」

のあ「そして片方はもう片方に恋心を抱いている……」

歌鈴「その想いを伝えたいけど、伝えてしまったら、今みたいに仲のいい関係が崩れちゃうかもしれない」

のあ「だから言い出せない……勇気が出ない」

歌鈴「うう、切ない……!」


P「そうそう、この前うちの母親がお見合いしろって迫ってきてさ」

ナターリア「え?」

386: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:13:22.24 ID:EP9GhbcN0
P「まだそんな歳じゃないってのに。写真も送ってきたんだよ」

P「開いてみたら、なかなか美人なんだよな」

ナターリア「断るよネ?」

P「……どうだろう」

ナターリア「な、なんで!? 嫌なんでショ?」

P「ほら、社会人になると出会いの場が減るだろ」

P「さっき『そのうち』なんて言ったけど、この先、彼女ができるか分からないしさ」

P「ならいっそ、写真の美人さんと身を固めてもいいかなって」

P「昨日風呂入ってる時、そんな風に思っちゃって」

ナターリア「……」

P「もしそうなったら、ナターリア。お前にも紹介…」

ナターリア「しなくてイイ!」

P「へ?」

P「い、いや……もしそうなったらの話で……」

ナターリア「お見合いするナ!」

P「何でだよ! 俺の勝手だろ!」

387: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:24:08.42 ID:EP9GhbcN0
ナターリア「……」

P「どうしたんだよお前……なんか変だぞ」

P「もしかして、変なこと言っちゃったか。だとしたら謝る」ナデナデ

ナターリア「それもやめテ!」パシッ

P「!」

ナターリア「ナターリアのこと、そんな扱いしないで」

ナターリア「ナターリアは……あなたの妹じゃないヨ!」

P「え……」

ナターリア「どうして見てくれないノ……目の前にいるのニ」

ナターリア「あなたのコトっ……トッテモ……トッテモ大好きな……」

ナターリア「オンナのコ、いるのに……」

P「!!」

ナターリア「どうしてオンナのコじゃなくて、妹としてしか見てくれないノ?」

ナターリア「あなたと過ごす時間、楽しいヨ……」

ナターリア「このままのカンケイでもいいかなって、そうオモったこともあった」

ナターリア「だけど、やっぱり……」

388: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:39:38.32 ID:EP9GhbcN0
ナターリア「コイビトになりたいヨ」ポロポロ

P「……ナターリア……」


ギュッ


ナターリア「……!」

P「俺はバカだ」

P「自分勝手にナターリアを妹扱いして、その気持ちに気づかずに……」

P「本当にごめん」

ナターリア「ううん……イイノ……」エヘヘ

ナターリア「ナいちゃって、ゴメンネ。みんな見てるカラ……」

P「このままでいい」

ナターリア「……?」

P「俺、こうしてナターリアに直接言われることでようやく分かった」

P「心のどこかで、ナターリアを好きになってたんだ」

ナターリア「……都合イイナ」

P「なっ……本当だって! 別に勢いで好きになったわけじゃ…」

チュッ

P「!?」

389: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/21(水) 23:54:06.65 ID:EP9GhbcN0
ナターリア「これで印つけたヨ。もうあなたはナターリアのモノ」

ナターリア「分かった?」

P「あ、ああ……」

ナターリア「もしあなたの想い、ニセモノだったとしても」

ナターリア「ホントの好きにしてみせるカラ!」ニコッ


~♪ ~♪


のあ「この音楽は?」

歌鈴「エンディングの曲にありそうな感じですね」

晶葉『ドラマの終了を告げる音楽だ! これでナターリアの話は終わりだな!』

歌鈴「よかったですねっ! 涙腺にきましたよ!」

晶葉『おっと、感想・評価は全て終了してからにしてくれよ?』

晶葉『余韻を考慮して、凛のドラマは今から10分後に始めるぞ!』

――――

ナターリア「ふー、楽しかったヨー!」

歌鈴「ナターリアちゃん! すごく良かったですよ!」

ナターリア「ホント!? やり切ったカイがあるネ!」

391: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 00:27:03.09 ID:xc30ERrS0
ナターリア「ノアはどうだったカ?」

のあ「注目したのはあなたたちの演技……」

のあ「プロデューサーはともかく、ナターリアは役そのものと同化していた」

のあ「観客を引き込む素質の持ち主ね……凛はどう対抗してくるか、見物」

ナターリア「褒めてくれてるよネ?」

歌鈴「うんっ」

ナターリア「それほどでもないヨー!」

晶葉『みんな、席についてくれ! 凛の準備ができたようだ!』

晶葉『それでは始めよう! スタート!』


凛『私は渋谷凛、15歳。東京に住むクールな女子高生』

歌鈴「え? な、何ですかこれ」

のあ「ナレーションのようね」

晶葉『こういうドラマもあるにはあるな』

凛『家は花屋で、趣味は犬の散歩。特に目立ったプロフィールでもなくて』

凛『ごく普通の高校生活を過ごしていたんだけど』

凛『ある日、その子はやってきたの。その可愛さで私を虜にする8歳の男の子が』

凛『名前はPくん。親戚の事情で3年間だけ預かることになったらしい』

凛『詳しい説明は不要、とにかく可愛いの。容姿もやることなすこと何もかも、全てがキュート』

392: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 00:41:51.07 ID:xc30ERrS0
のあ「これ、いつまで続くのかしら」

歌鈴「まあまあ……」

凛『今日はPくんとの間に起きた思い出のうち、一つを紹介しようと思う』

凛『春休みに、旅行で奈良県にある吉野山にやってきた私たちは、とても楽しい時間を満喫していた』


スタタタッ

P「凛お姉ちゃん! こっちだよー!」

歌鈴・のあ「!?」

歌鈴(あ、あれ……プロデューサーさんですか!?)

歌鈴(すごく可愛いっ!!)

のあ(……)

凛「もー、Pくんは足が速いなぁ」フフ

晶葉(顔がデレデレだ)

P「えへへ! 捕まえてみてよ!」

凛「よーし」

ビュンッ!!

凛「捕まえた」ギュッ

P「へ?」

晶葉(ものすごい初速でそのまま助手のもとへ)

晶葉(消えたかと思ったぞ)

393: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 00:51:04.35 ID:xc30ERrS0
歌鈴・のあ「……」ジー

晶葉(まあ、この2人は助手に夢中で気づいていないようだが)

P(おい凛、段取りが違うぞ!)ヒソヒソ

凛(ごめん、プロデューサーが可愛すぎて)ヒソヒソ

P(いいから早く舵を取り直せ!)

凛「こほん……見てPくん。シロヤマザクラだよ」

P「すげー! 超キレー!」キラキラ

P「……」チラッ

凛「どうしたの?」

P「な、何でもない」

凛「嘘でしょ。絶対こっち見たし」

P「うん……えっと……」


P「凛お姉ちゃんも……綺麗だよって言おうとしたんだ」ポッ

凛「」


歌鈴・のあ「」


凛・歌鈴(KAWAII!!)

のあ(……)

394: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 01:03:20.71 ID:xc30ERrS0
凛(ダメだ。あんなに練習したのに、顔がいやらしい笑顔になりそう)ピクピク

凛(堪えろ、堪えろ、堪えろ!)グググ…


凛「ふふっ、ありがとう」ニコッ

P(よし、よく耐えた!)

P「本当だよ。凛お姉ちゃんも、この桜に負けないくらい綺麗だよ」

凛「お世辞が上手いね」ピクピク

P「お世辞じゃねーし……」ボソッ

凛「あ」

P「?」

凛「待って、動かないで」ヒョイッ

凛「はいとれた。桜の花びらが、Pくんの頭に乗ってた」

P「あ、ありがとう」

P「今、凛お姉ちゃんの頭にも乗ったよ! とってあげる!」

凛「本当?」スッ

P「ダメ! しゃがまないで、このままとるから」

凛「いや、どう頑張ったって無理でしょ」

P「とる! よっと……ふっ……!」

P「うーん……!」グググ

395: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 01:13:12.47 ID:xc30ERrS0
歌鈴(あんなに必死に手を伸ばして……可愛い……)

のあ(……)

凛(可愛い可愛いヤバい可愛すぎる)ピクピク

P「くっそー……!」

凛「はい」スッ

P「あ! しゃがまないでって言ったのに!」

凛「だって、このままじゃどう頑張ってもとれないよ?」

P「……」ヒョイッ

P「とれた」

凛「ありがとう」フフッ

P「……ボク、いつか絶対凛お姉ちゃんより大きくなるからね」

P「そしたら頭にのった花びら、とってあげるから」

凛「うん、待ってるね」ニコニコ

晶葉(子供との約束か。評価できるポイントだな)

凛「もうちょっと上まで行こっか」

P「うん!」

398: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 22:07:11.29 ID:xc30ERrS0

P「ねえ、凛お姉ちゃん」

凛「なに?」

P「彼氏いるの?」

凛「んー、どっちかな」フフ

P「いるよね……凛お姉ちゃんキレイだし、可愛いもん」シュン

凛(お前の方が可愛いよ!)

凛「いないよ」

P「本当!?」

凛「うん、告白されたことはあるけど」

凛「みんな断ったんだ」

P「何で?」

凛「付き合うとか、そういう気になれなかったから」

凛「何でだろうね。付き合えば好きになれるかもしれなかったのに」

P「……」

P「り、凛お姉ちゃん!」

凛「ん?」

399: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 22:14:51.37 ID:xc30ERrS0
P「あのね……ボク……」モジモジ

晶葉(助手もよくあんな風に演技ができるな)

凛「どうしたの? 恥ずかしがらずに言ってごらん」

P「ボク……」


P「凛お姉ちゃんのことが好きです!」

凛「」キュン

歌鈴「」キュン

のあ(……)


P「付き合ってください!」

凛「ええ? 私たち、歳が離れてるよ?」

P「恋に歳の差なんて関係ないよ!」

P「お願いします!」

凛「んー」

凛「……いいよ」

P「え!?」

400: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 22:23:56.48 ID:xc30ERrS0
P「いいの?」

凛「返事ははい、だね。Pくん可愛いし」

P「ボク、本気だよ? 結婚も考えてるよ?」

凛「いいよ。Pくんが大人になっても、そのことを覚えてたらね」ニコッ

P「ありがとう! 絶対に忘れないよ!」


凛『口約束を交わしたPくんの笑顔は、とっても素敵だった』

凛『一方、この約束を本気にしていなかった私は、10年後……高校を卒業したPくんに結婚を迫られ』

凛『本当に結婚してしまうことになろうとは、思いもしなかったのだ』


~♪ ~♪


晶葉『終わったようだな!』

歌鈴・のあ「……」

晶葉(まだ助手を見つめているな)

――――

ナターリア「アレ? Pくんの姿じゃないのカー」

P「もうドラマは終わったからな」

P(凛に何されるか分かったもんじゃないし)

401: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 22:33:24.69 ID:xc30ERrS0
凛「残念だよね、可愛かったのに」

ナターリア「ネー」

凛「演技も最高だったよプロデューサー。死ぬほど可愛かった」

P「二度とやるか」

晶葉『話が盛り上がっているようだが、点数をつけ終わったぞ!』

晶葉『ナターリアと凛、2人の点数を同時に出すからな!』

ナターリア「緊張するヨ」ドキドキ

凛「……」ドキドキ

凛(私の設定はこれでよかったはず。自信を持とう)

凛(勝ってプラス5の恩恵を受けるんだ)

凛(……もし負けたら1回休み……)

凛(って、そんなこと考えちゃダメ!)ブンブン

晶葉『では一斉に……ドン!』


↓1、2、3 ナターリアの点数

↓4、5、6 凛の点数


コンマ二桁 合計点数の高かった方が勝ち

410: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 23:00:45.90 ID:xc30ERrS0

ナターリア:歌鈴59点 のあ83点 晶葉98点

凛:歌鈴88点 のあ32点 晶葉13点


ナターリア「わっ! 点数高いヨ!」

凛「」

晶葉(すまないな凛、ちゃんとした評価をつけさしてもらったぞ)

晶葉『1人ずつ評価を言っていこう! まずは歌鈴!』


歌鈴「2人とも良かったでしゅ! あっ、すみません……」

歌鈴「ナターリアさんのドラマは、切なさが伝わってきて最高だったんですけど」

歌鈴「プロデューサーさんの演技が、もう少し良ければ高得点でしたね」

P「ごめんナターリア……演技なんて初めての経験で……」

ナターリア「落ち込まないデ! プロデューサー、すごくガンバったヨー!」ナデナデ

歌鈴「あとは桜を使った演出が物足りませんでした。せっかく良い場所なので」

歌鈴「ナターリアさんが思いを伝えるところで、風を吹かせて」

歌鈴「桜の花びらを舞い上げるような感じがあれば、100点満点でしたね」

P「細かくないか」

歌鈴「良い作品だったからこそですよっ!」フンス

歌鈴「そして、凛ちゃんなんですけど……」

411: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 23:18:15.44 ID:xc30ERrS0
歌鈴「他のお2人は厳しめの点数ですけど、私はよかったと思います!」

歌鈴「ほっこり日常ものの雰囲気が出てましたし、Pくんが可愛くて可愛くて」エヘヘ

凛「ありがとう……」

P「もうあの姿にはならないぞ……!」

晶葉『次はのあだな! どうだった?』

のあ「多くは語らない……ナターリアのドラマは恋愛ものとして上手く仕上げていた」

のあ「歌鈴の言う演出には目を伏せたわ、話の流れを見ていたから」

のあ「凛はPくんの愛らしさに頼りすぎ」

凛「うう……でも、可愛かったですよね?」

のあ「ええ。けどこれは恋愛ドラマ。恋愛模様で心を動かさないと、点数はあげられない」

凛「正論すぎる」

のあ「……いえ、違うわね」

凛「?」

のあ「Pくんが愛らしすぎたのがいけないわ。そのせいで恋愛要素が薄れてしまった」

凛「!!」ガーン

のあ「つまり凛が勝つには、プロデューサーの歳を下げないような設定にするしかなかったのよ」

凛「な……なるほど……!」

P(すごい恥ずかしいんだけど)

歌鈴(やっぱりのあさんから見ても可愛かったんだ)

晶葉(多くを語ってるじゃないか)

412: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 23:30:15.80 ID:xc30ERrS0
晶葉『次は私だな! ナターリアは素晴らしかったぞ!』

晶葉『助手の演技や桜の演出など、どうでもよくなるほど光っていた!』

ナターリア「褒めすぎだヨ」アハハ

晶葉『いや、本当のことだ! 将来的には女優としてもやっていけそうだな!』

晶葉『次に、凛!』

凛「はい」

晶葉『自分の欲望に負けたな!』

凛「……それもある……」

晶葉『それが全てだ! 凛は、助手の少年状態と触れ合いたいという欲に負け』

晶葉『欲に合わせた設定を練ってしまった! もったいない!』

凛「くぅ……!」

晶葉『まあ長く助手と接していないせいでもあるだろうが』

晶葉『もうちょっと我慢できていればな!』

凛「……うん」

凛「我ながら情けない奴だと思うよ。これはプロデューサーがかかった勝負なのに」

凛「真剣になりきれなかったんだもん……」

413: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 23:37:14.17 ID:xc30ERrS0
凛「でもさ、こんなの無理だよ」

凛「プロデューサーがいるんだよ? 長らく合ってなかったプロデューサーが目の前に」

凛「プログラムだったとしてもさ……私には抑えきれないよ」

晶葉『元気を出せ! まだ勝ち目は…』

凛「もういいんだよ晶葉」

晶葉『は?』

凛「ここで1回休みになっちゃったら、まゆには追いつけないよ」

凛「特技もなしで進まなきゃいけないんでしょ? サイコロで少なくとも7以上出して」

凛「止まったマスの勝負には全勝するくらいしないと……」

晶葉『だから、その可能性もあるだろう?』

凛「諦める」

晶葉『!?』

凛「勝負を諦めるよ。そしてここに住む」

晶葉『何を言ってるんだ!?』

凛「いいじゃん、ここには色んな食べ物があるし、アイドルのみんなもいる」

凛「それに……プロデューサーも」ギュッ

P「り、凛?」

414: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 23:45:14.26 ID:xc30ERrS0
凛「現実のプロデューサーはまゆのものに」

凛「この世界のプロデューサーは私のものに……ね?」

P「ね? じゃない! そんなのダメに決まってるだろ!」

歌鈴「そうだよ凛ちゃんっ!」

のあ「クールダウンして」

凛「プロデューサー……」ハァ ハァ

P「ヤバい!! 凛がはぁはぁ言い出した!!」

晶葉『襲撃準備に入ったぞ!! 誰か止めろ!!』

――――

P『やめろ凛!! 脱がすなぁぁ!!』

晶葉『落ち着けこら!』

ワーワー ジタバタ

梨沙「す、すごいことになってる……」

まゆ「……しい」ボソッ

梨沙「え?」

まゆ「羨ましい」ポロポロ

梨沙「うわっ!?」

梨沙(涙と鼻水で顔ぐしゃぐしゃ!)

415: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/22(木) 23:59:16.06 ID:xc30ERrS0
まゆ「何なんですか……ナターリアちゃんはプロデューサーさんとのラブラブを見せつけて」グスッ

まゆ「凛ちゃんは小さいプロデューサーさんと触れて、結婚の約束まで……」

まゆ「まゆもそっちに行きますぅ!」グリグリ

梨沙「ちょっと!? モニターに顔を擦りつけても無駄よ!」

梨沙「そっちには行けないから! 離れて!」グイグイ

まゆ「いや! プロデューサーさんの温もりに触れるのぉ!」

トンッ

まゆ「うっ」バタンッ

梨沙「!? あ、晶葉……!」

晶葉「全く……凛もまゆも、助手のことになると手がつけられないな」

梨沙「わざわざ実体化して、手刀までしなくてもいいんじゃない!?」

晶葉「こうでもしないと収まらないからな……」

晶葉「問題はサイコロだが、こうしよう」

まゆ「」フワッ

梨沙「まゆが浮いた!!」

416: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/23(金) 00:05:52.76 ID:vosYI9480
晶葉「私が操作している。まゆたちも今はデジタルだからな、お手の物だ」

晶葉「こうすればまゆが振ったことになるだろう」クイックイッ

まゆ「」スッ

梨沙(サイコロを持った……)

梨沙「こんなことができるなら、凛とまゆの暴走も簡単に封じられるでしょ」

晶葉「プレイヤーに関しては、意識がない状態でしか動かせないんだ」クイックイッ

ポイッ コロコロコロ


【進行状況】

   奈良  和歌山 鳥取  島根
凛  ○●○ ○☆○ ○☆× ○☆○

   山口  徳島  香川  愛媛
まゆ ×☆● HHH ○×○ ×○○


↓1 コンマ一桁 0は10 特技を使う場合は使用のレスを加えてください

419: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/23(金) 00:26:43.53 ID:vosYI9480

まゆ:8マス進む+2

【進行状況】

   奈良  和歌山 鳥取  島根
凛  ○●○ ○☆○ ○☆× ○☆○

   愛媛  高知  福岡  佐賀
まゆ ×○○ ●☆○ ○○× ○☆○


晶葉「まゆの体には幸運が溜まっているのか」

晶葉「いや、凛もある意味運を持っているのか」

梨沙「どういうこと?」

晶葉「まゆが止まった高知のマス、1回休みなんだ」

晶葉「これで凛の1回休みはチャラになる……が」

晶葉「まゆが10進んだ分は取り戻さないとな」

まゆ「」

梨沙「まゆってこのまま送れるの?」

晶葉「もちろんだ。私が操ればすぐに」

梨沙「送った先のアイドル、びっくりしない?」

晶葉「すぐ目覚めるよう設定するから大丈夫だ」

ビュンッ

――――

ビュンッ

まゆ「……んっ」ピクッ

まゆ「いたた……誰かに首を……あれ?」

まゆ「ここはどこ?」キョロキョロ

421: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/23(金) 00:42:27.16 ID:vosYI9480
晶葉『起きたな!』

まゆ「晶葉ちゃん! これはどういうことですか?」

――――

まゆ「そういえばそうでした! 何でプロデューサーさんのもとへ連れて行ってくれないんですか!?」

晶葉『いいのか、本物じゃなくて!』

まゆ「!」

晶葉『今凛のところにいる助手はプログラムだぞ!』

晶葉『本物に手伝ってもらって作り上げた……言い方は悪いが、偽物だ!』

晶葉『それで満足できるならここに出現させるが』

晶葉『お前たちは本物の助手とくっつきたいんだろう?』

まゆ「……はい」

まゆ「その通りです晶葉ちゃん。ありがとうございます、目が覚めました」

まゆ「で、ここは1回休みのマスなんですよね」

晶葉『残念ながらな!』

まゆ「いえ、凛ちゃんともまた差がつきましたし」

まゆ「このくらい大丈夫ですよ♪」

晶葉(これは……自信か?)

晶葉(仮にここから追いつかれても、自分は絶対勝てるという自信)

晶葉(言い換えれば慢心でもあるが……)

422: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/23(金) 00:49:43.96 ID:vosYI9480
まゆ「それで、高知県のアイドルはどこに?」

晶葉『ああ、向こうにいるぞ!』


こずえ「……zzz……zzz……」

まゆ「え」

晶葉『何だ?』

まゆ「いえ……1回休みということは」

まゆ「観光とかグルメ食べ歩きとかするんですよね」

晶葉『そういう設定だ!』

まゆ「こずえちゃん、紹介できるんですか?」

晶葉『セリフは全部覚えたらしいぞ!』

晶葉『そろそろ起きると思うから、そばで見守っててやってくれ!』

晶葉『私はこれで引っ込むからな!』

まゆ「……」

まゆ(本当に大丈夫かな)スタスタ

こずえ「……すぅ……すぅ……」

まゆ(可愛い……気持ちよさそうにベンチで寝てる。妖精さんですね)フフ

まゆ(ここは、公園ですよね?)キョロキョロ

437: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/25(日) 23:29:19.71 ID:wfxzPKq60
こずえ「……ん……」ピクッ

まゆ(あ、起きた)

まゆ「おはようこずえちゃん」

こずえ「まゆ……? おはよう……」

こずえ「こんなところで……どうしたのー……?」

まゆ「ふふ、こずえちゃんが起きるまで待ってたんですよ」

まゆ「私、このマスに止まったので」

こずえ「……?」

まゆ(忘れちゃってるのかな)

まゆ「晶葉ちゃんに何か言われませんでした? 高知を案内して欲しいとか」

こずえ「……あ……」

こずえ「いわれた……ここにきたひとに、こうちの……」

こずえ「いろんなもの……おしえてあげてって……」

こずえ「まゆ、しりたい……?」

まゆ「はい。ぜひ」ニコニコ

438: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/25(日) 23:31:05.64 ID:wfxzPKq60
こずえ「いいよー……こずえ、まゆをあんないするねー」

こずえ「おててつないでー……つなげー……」

まゆ「はい」ギュッ

まゆ(可愛いなぁ……)

――――

こずえ「こうちの……いろんなもの、おしえる……」

こずえ「まずは、あさごはん……たべよー……」

まゆ「さんせーい♪」

こずえ「ここだよー……なまえはね……」

こずえ「ながのあさひどうほんてん、りんべる(永野旭堂本店リンベル)っていうのー……」

こずえ「このおみせの、ぼうしぱんたべよー……」

まゆ「ぼうしパン?」

こずえ「こうちにしか、うってない……とくべつなぱん……」

こずえ「りんべるさんが、いちばんさいしょにつくったんだよ……」

まゆ「なるほど、発祥なんですね」

こずえ「くりーむがはいってたり……あんこがはいってたり……」

こずえ「きゃらめるあじもあるの……おいしいよ……」

441: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/25(日) 23:48:24.42 ID:wfxzPKq60

――――

まゆ「んーっ♪ おいひい」モグモグ

こずえ「ふつうのぼうしぱんも、おいしいけど……」

こずえ「こっちの、ろいやるぼうしぱん(ロイヤルぼうしパン)……たべてみてー……たべろー……」

まゆ「あーんしてくれますか?」

こずえ「あーん……」スッ

パクッ

まゆ「!! これもすごく美味しい! 上品な味で♡」キラキラ

こずえ「りんべるさんの、くりーむが……きじにねりこんであるの……」

こずえ「まいるどで、ほっぺたがおちるあじ……」パクッ

こずえ「モフモフ……コクン……おいしいねー……」

まゆ(食べ方も可愛い……)

――――

まゆ「美味しかったぁ」

こずえ「……」

まゆ「? どうしました、こずえちゃん」

こずえ「おなかいっぱいになって……ねむい……」

まゆ「寝ますか? さっきみたいな公園にワープして…」

こずえ「だいじょうぶ……まゆを、あんないしなきゃいけないから……」

まゆ「そうですか」

まゆ(こずえちゃんを膝枕してみたかったんですけど)

442: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/26(月) 00:24:38.14 ID:T6vMlUhN0

――――

こずえ「ここ……かつらはま(桂浜)……」

こずえ「とさの、みんよう……よさこいぶし(よさこい節)にもでてくるなまえなのー……」

まゆ「綺麗なところですねぇ」

まゆ「あそこに見えるのって、坂本龍馬像ですよね?」

こずえ「うん……さかもとりょうまさん、しってる……?」

まゆ「もちろんですよ。日本史を学べば必ず出てくる人ですから」

こずえ「じゃあ、せつめいはやめるね……」

まゆ(こずえちゃんの話し方だと、ちょっと時間かかっちゃうかもしれないですしね)ハハ…

こずえ「あのどうぞうは……しょうわさんねん、ごがつにじゅうななにち(昭和3年5月27日)にたてられたの……」

こずえ「むこうにある、てんぼうだいにのぼれば……もっとちかくでみられるよ……」

まゆ「見たいです!」

――――

こずえ「りょうまさん……こんなにちかい……」

まゆ「凛々しいお顔ですね」

まゆ「龍馬さんも、かつてはこのように」

まゆ「この桂浜から、太平洋を眺めてたんでしょうね」

443: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/26(月) 00:51:42.43 ID:T6vMlUhN0
まゆ「こういう妄想を膨らませると、気持ちが高ぶってきますねぇ」

こずえ「なんでー……?」

まゆ「んー……そうですねぇ。歴史上の人物が見ていた場所を」

まゆ「時を経て、現代の私たちが見ている。共有してるんだって考えたら」

まゆ「自然と感動しちゃうんですよ」

こずえ「……こずえ、よくわかんない……」

まゆ「あはは……」

こずえ「でも……それって、すてきだね……」

まゆ「はい♪」

――――

こずえ「じゃーん……」

まゆ「可愛いすぎる」

まゆ「じゃなくて……法被にハチマキを身につけて、どうしたんですか?」

こずえ「いまから……おどる……」

まゆ「何でですか!?」

こずえ「そのまえに、よさこいまつり(よさこい祭り)のせつめいしなきゃ……」

445: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/26(月) 01:17:45.27 ID:T6vMlUhN0
まゆ「よさこい祭り……聞いたことあります」

こずえ「おまつりがひらく、よっかかんのあいだ……」

こずえ「ひゃくまんにんのひとがさんかする……おおきなおまつりなのー……」

まゆ「100万……!?」

こずえ「おまつりのいちにちめ……ぜんやさい(前夜祭)には、はなびたいかいもあるんだよ……」

まゆ「それ知ってます! 確か約4000発打ち上げるとか」

こずえ「そう……きれいだよー……」

まゆ「それで、残りの3日間は踊りを披露するんですよね」

こずえ「うん……ふつかめとみっかめは、おどりのほんばん……」

こずえ「よっかめは、ぜんこくたいかい……あと、こうやさい(後夜祭)……」

こずえ「ほんばんはね……しない(市内)の、きゅうかしょのきょうえんじょう(競演場)と……」

こずえ「ななかしょのえんぶじょう(演舞場)で……にひゃくちーむがおどるの……」

まゆ「ひぇー……その人数は?」

こずえ「にまんにんだって……」

まゆ「すごいですねぇ……」

447: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/26(月) 22:55:46.52 ID:T6vMlUhN0
まゆ「200チーム2万人ってことは、1チーム100人くらい」

まゆ「100人が同時に踊るんですよね」

こずえ「きれいなのから、かっこいいの……いろんなおどりがあるよー……」

まゆ「? 踊りって、1種類じゃないんですか?」

こずえ「ちーむによってちがう……よさこいなるこおどり(よさこい鳴子踊り)っていう」

こずえ「おうたのめろでぃーをいれれば……すきに『あれんじ』していいんだって……」

こずえ「あとねー……ほかにも、るーるがあるの……」

こずえ「ひゃくごじゅうにんいか(150人以下)のちーむで……なるこをもって、まえにすすむふりつけで……」

まゆ「へー、楽しそう!」

こずえ「あいどるのちが……さわぐー……?」

まゆ(どこでそんな言葉を)

まゆ「そうですねぇ。お仕事の都合がつけば、アイドルみんなを誘って参加してみたいですね」

まゆ「こずえちゃんも一緒に」ニコニコ

こずえ「いけたらいくねー……」

まゆ「杏ちゃんみたいなセリフですね」

448: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/26(月) 23:06:36.69 ID:T6vMlUhN0
まゆ「そういえば今から踊るって言いましたけど」

まゆ「もしかして、よさこい祭りの踊りを披露してくれるんですか?」

こずえ「うん……こずえがかんがえた、おりじなるのおどりだよー……」

こずえ「こずえひとりでおどるか……こずえのぶんしんを、ひゃくにんよういするか……」

こずえ「どっちがいいー……?」

まゆ「分身できるんですか!?」

こずえ「できるよー……」

まゆ「……」

まゆ(こずえちゃん100人が、並んで踊ってる姿……)

まゆ(可愛い。いや、ちょっと怖いかも)

まゆ「1人でお願いします」

こずえ「わかったー……いちについてー……」ササッ

まゆ(100人も興味本位で見てみたいですけど、やめましょう)

こずえ「みゅーじっく、すたーと……」

~♪ ~♪

まゆ(ふわふわした、可愛い曲調ですねぇ)

449: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/26(月) 23:44:15.91 ID:T6vMlUhN0
こずえ「……♪ ……♪」クルクル

こずえ「……♪」スイスイ

まゆ(か、可愛い……! まさしく妖精の舞……!)

まゆ(癒されますねぇ)ホッコリ

こずえ「……♪」フワフワ

まゆ(……あれ……ちょっと眠たくなってきた……)

こずえ「♪」ユラユラ

まゆ(この舞を見てると……心が安らいで……)

こずえ「……♪」クルクル

――――

ナターリア「ここが奥千本ダヨー」

凛「綺麗だね」ギュッ

P「うん……」

晶葉(休みの間、ずっと助手の近くにいるという約束を取りつけ、何とか落ち着かせた)

晶葉(まさか手刀も効かないとは……)

凛「ねえプロデューサー、恋人ごっこしよう」

P「は?」

凛「本来なら新婚ごっこといきたいところなんだけど」

凛「まずは段階を踏んで、ね」

450: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/26(月) 23:55:24.26 ID:T6vMlUhN0
P「いや……それは…」

凛「嫌なの?」

P「ひっ」

P(凛の目からハイライトが消えた!!)

P「……」チラッ

歌鈴「こっち見てますよ」ヒソヒソ

のあ「指示を待っているようね」ヒソヒソ

晶葉『付き合うしかないだろ。断ったらまたエヴァ初号機のような暴走を始めるぞ』ヒソヒソ

のあ「ジェスチャーで指示を出す」スッスッ

P(凛の言うとおりに、か。まあそうだよな)

P「分かった」

凛「そう言ってくれると思ったよ」フフッ

凛「じゃあお互いの呼び名を決めよう。私はプロデューサーのことPくんって呼ぶから」

凛「プロデューサーは私のこと……凛って呼んで」

P「いつもと変わらないな」

凛「シンプルイズべストだよ。お願いねPくん」

P「分かったよ凛」

451: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 00:08:35.34 ID:Pf3JD1k60
歌鈴「あの……こう言ってはあれですけど、凛ちゃんちょっと病んでませんか?」

のあ「全ては、まゆに追いつけないと自分で決めつけてしまったせい」

のあ「この世界のプロデューサーにも否定されたら、凛は失恋したことになってしまうから」

晶葉『それを認めたくないんだろうな』

歌鈴「なんとかやる気を出せないかな……」

のあ「良い考えがある」

晶葉『本当か!』

のあ「ただしこれは、ここにいるアイドル全員が協力しなければ成功しない作戦」

のあ「晶葉も実体化して」

晶葉『任せろ!』

歌鈴「ナターリアちゃん呼んで来ますね!」スタスタ

凛「Pくん、しゅき」

P「うん……」

凛「Pくんは?」

P「……好きだよ」

凛「むふふっ」ニヤニヤ

凛「ご、ごめん……変な笑い声出ちゃった」

P「そんな凛も可愛いくていいな」

凛「えへへ、やめてよ照れるから」ニマニマ

ナターリア「……」

ナターリア(ナターリア、どうすればいいのかナ?)

452: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 00:46:19.12 ID:Pf3JD1k60

――――

こずえ「……ふぅ……おわったよー……」

こずえ「こずえのおどり、どうだったー……?」

まゆ「すごく可愛くて、癒されましたよ」ニコニコ

まゆ(あとちょっとで睡魔に負けるところでした)

まゆ(こずえちゃんのおどりは、不思議な力を秘めているのかも)

こずえ「よろこんでもらえて、うれしいー……」ニコッ

まゆ(もー、また可愛らしい笑顔を……!)キュン

――――

こずえ「おひる、たべよー……」

まゆ「おー! お店はここですか?」

まゆ「藁焼き鰹たたき、明神丸……って看板に書いてありますけど」

こずえ「そうだよー……かつおのたたき、たべるのー……」

こずえ「ここ、ひろめいちばてん(ひとめ市場店)で……」

こずえ「みょうじんまるさんはー……かんこーきゃく(観光客)におすすめする、いんしょくてんをきめる」

こずえ「こうちけんみんそうせんきょ(高知県民総選挙)でねー……」

こずえ「にせんじゅうよねんに、いちいをとったんだよー……」

まゆ「1位ですか! すごい……もっと楽しみになってきましたよぉ……!」ワクワク

453: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 01:02:16.17 ID:Pf3JD1k60
こずえ「まゆ……あれみて……みろー……」スッ

まゆ「わっ! 店頭で鰹を焼いてます!」

こずえ「こうやって、みてもたのしめるんだよー……すごいねー……」

――――

まゆ「わー……塩たたき定食、たれたたき定食……」

まゆ「この塩たたき丼は平日限定のメニューなんですね」

こずえ「うん……とってもおいしいよー……」

こずえ「てんねんのしおを、ぱらってふった……しんぷるなあじつけなのー……」

まゆ「それがまたいいんですよね、こういうの。素材の味を活かしているというか」

こずえ「こっちの、しゃきとろどん(しゃきとろ丼)は……かつおのたたきに、とろとろやまいもをかけたどんぶりでー……」

まゆ「ううっ」

こずえ「みぞれどん(みぞれ丼)は……かつおのたたきに、だいこんおろしとぽんずをかけた…」

まゆ「それ以上はどうか! 迷いすぎて決められなくなっちゃいます!」

こずえ「こずえのおすすめはねー……しおたたきていしょく(塩たたき定食)……」

こずえ「みょうじんまるさんの、かんばんめにゅーなんだよ……」

まゆ「看板メニュー……平日限定……どっちをとりましょう」

まゆ「こういう言葉に弱いんですよね。んー……決めました!」

まゆ「塩たたき定食にします!」

こずえ「こずえはねー……みぞれどんにするー……」

457: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 22:29:10.45 ID:Pf3JD1k60
まゆ「おすすめじゃなくて?」

こずえ「ちがうものをたのめば、こうかんできるよー……」

まゆ「て、天才ですか……!!」

――――

まゆ「こ、これが塩たたき定食……」ゴクリ

まゆ「塩が振ってある鰹のたたきが輝いて見えます……!」

こずえ「おしおはねー……くろしおちょう(黒潮町)っていうところでつくられた」

こずえ「てんじつえん(天日塩)なのー……」

まゆ「確か、海水を太陽の熱で蒸発させて作った塩のことですよね」

まゆ「はぁ……説明を聞くたびにお腹が空いてきます。早く食べましょう!」

こずえ「それじゃあ、てをあわせて……いただきまーす……」

まゆ「いただきますっ!」

まゆ「まずはもちろん、この鰹のたたきを……パクッ」

まゆ「モグモグ……。!!」

こずえ「どうしたのー……?」

まゆ「モグモグ……ゴクン」

まゆ「おすすめしたいお店だというのが実感できますよ、こずえちゃん!」

458: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 22:44:10.25 ID:Pf3JD1k60
まゆ「口に入れた途端、香りが広がりますねぇ。これは藁ですよね?」

まゆ「風味を引き立ててます。そして当然、天然塩との相性も抜群で」

まゆ「こんなの、ご飯が進まないわけがないですよぉ!」パクッ モグモグ

こずえ「こずえのみぞれどんも、おいしいよー……」

まゆ「モグモグ……ゴクン、ぜひ交換を!」

こずえ「ひときれ、どうぞー……」スッ

まゆ「いただきます」スッ パクッ

まゆ「モグモグ……モグモグ」

まゆ「ゴクン……はぁー……」

こずえ「あじわってるねー……」

まゆ「はい……分かってたんですよ。鰹のたたきと、大根おろしポン酢の組み合わせは美味しいって」

まゆ「でもこれは、その上をいってますね」

まゆ「たった一切れだけで、ご飯がどんどん進みます!」パクッ モグモグ

まゆ「モグモグ、ゴクン。さらに味噌汁も」ズズ…

まゆ「ふー……美味しい……」ポワポワ

こずえ「たんとおたべー……」ニコニコ

459: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 23:08:13.60 ID:Pf3JD1k60
まゆ「ああ……美味しいものを食べられるのは幸せですね」

まゆ「でも、食べれば食べた分だけ、量が減っていく……この鰹も」

まゆ「まあ当たり前なんですけど」

こずえ「かつおのたたきだけ、ちゅうもんもできるよ……たべる……?」

まゆ「本当ですか!? あ、でも……お腹の様子を見てからにします」アハハ…

――――

まゆ「結局あれ以上の注文はしませんでした。お腹いっぱい」

こずえ「しおたたきのほかにも、たれたたきがあるから……こんどたべてねー……」

まゆ「絶対に行きます。明神丸さんですね、覚えました!」

まゆ「で、次に行くのはお城でしたっけ」

こずえ「うん……こうちじょう(高知城)だよー……」

こずえ「ここのこうえんで、おやすみしてから……」

まゆ「眠いですか?」

こずえ「ちょっとだけおねむ……おひるねしていい……?」

こずえ「あそこのべんちで……ちょっとだけだから……」

まゆ「いいですけど……」

こずえ「まゆー……おひざかしてー……かせー……」

まゆ「膝枕ですか。ふふ、いいですよ」

460: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 23:29:12.08 ID:Pf3JD1k60
まゆ「けど、すぐに横になると太っちゃいますよ?」

こずえ「おやすみー……」ポフッ

こずえ「おひざー……やわらかくて、あったかい……」

まゆ「もう、仕方ないですねぇ」フフ

まゆ「30分くらいしたら起こしますからね」

こずえ「……zzz……zzz……」

まゆ(もう寝たんですか!?)

こずえ「……すや……すや……」

まゆ「……」

まゆ(可愛いって思うの、これで何回目でしょうか)ナデナデ

――――

まゆ「……これが高知城……」キラキラ

こずえ「さくらもさいてて……きれいだねー……」

こずえ「こうちじょうは……にほんのおしろのなかで……」

こずえ「いちばん、むかしのままのかたちをしてるおしろなのー……」

まゆ「そうなんですか! 大抵復元されてますしね」

こずえ「しあと(史跡)にもえらばれてるよー……きちょうだから……」

461: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 23:48:40.81 ID:Pf3JD1k60
まゆ「選ばれないわけがないですね、こんなに立派で歴史があるもの」

こずえ「さくらがいっぱいさいてるけど……ほかにもあるんだよ……」

こずえ「うめのおはな……もものおはな……」

こずえ「なつは、あじさい……あきはもみじ……ふゆはやぶつばき……」

まゆ「色んな景色が見られるんですねぇ」

こずえ「いまから、みにいこ……」ギュッ

まゆ「はい」

まゆ(急に手を握られると、どきっとしますね)

まゆ(私、まるで男の子みたい……違うのは、恋愛感情なのか)

まゆ(可愛さでキュンとくるのかですけど)

――――

こずえ「おはな、たくさん……」

まゆ「風も気持ちいいです」

まゆ(今更ですけど、マスごとに季節が違うんですよね)

こずえ「あ……ちょうちょ……」

こずえ「ひらひらとんでる……かわいい……」

462: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/27(火) 23:58:42.94 ID:Pf3JD1k60

ヒラヒラ

ピトッ

こずえ「わ……」

まゆ「花じゃなくて、こずえちゃんの鼻に止まりましたね」クスクス

こずえ「……ふあ……」

こずえ「くしゅっ」

ヒラヒラ

まゆ「あ、飛んでいった」

こずえ「くしゃみで……ちょうちょ、びっくりさせちゃった……」

こずえ「ごめんね……ばいばい……」フリフリ

まゆ(こずえちゃんのくしゃみ。レアですね)

――――

まゆ「もう高知城を離れるんですか?」

こずえ「あとは……ほんとのこうちじょうにいってね……」

こずえ「おたのしみ……」

まゆ「それはもちろんですけど」

463: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/28(水) 00:17:47.85 ID:yOKNrkAl0
まゆ「なら、次はどこに?」

こずえ「ひみつ……」

まゆ「えー、気になるじゃないですかぁ。教えてください」

こずえ「ひんと……また、きれいなところだよ……」

まゆ「綺麗ということは、景色を楽しむところですね? んー」

まゆ「……ダメですね。分かりません」

こずえ「ざんねん……こたえは、ついてから……」

まい「焦らしますね」

こずえ「わーぷするよー……」

――――

こずえ「とうちゃく……」

まゆ「わぁ! 川ですね!」

こずえ「そう、かわ……しまんとがわ(四万十川)だよー……」

こずえ「ここはねー……おっきな『だむ』がないから……」

こずえ「みずのながれが、ゆったりしてて……にほんさいごのせいりゅう(清流)……」

こずえ「あと……にほんさんだいせいりゅう(日本三大清流)のひとつっていわれてるの……」

まゆ「三大ということは、残り2つもあるんですよね」

こずえ「うん……かきたがわ(柿田川)とー……ながらがわ(長良川)……」

466: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 00:16:46.19 ID:3NAk3Cd20
こずえ「そのふたつも、きれいなかわだよー……」

まゆ「いつか訪れてみたいですねぇ。今は四万十川を楽しむということで」

まゆ「何をするんですか?」

こずえ「……じゃん……」スッ

まゆ「サンダルにシュノーケル、そして浮き輪に魚とり網……」

まゆ「つまり、川遊びをしようってことですね」

こずえ「おひさまもでてるし……およぐときもちいいよー……」

こずえ「みずぎも、よういしたから……いっしょにあそぼー……」

まゆ「いいですねっ、着替えましょうか」ニコニコ

――――

まゆ「あのー……ちょっといいですか」

こずえ「まゆ、にあってるねー……」

まゆ「ありがとうございます。いえ、そうじゃなくて」

まゆ「何でスクール水着なんですか?」

こずえ「ダメだったー……?」

まゆ「いえ。学校でも着てますし、別にいいんですけど」

467: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 00:25:44.30 ID:3NAk3Cd20
こずえ「おそろいだよー……」ニコニコ

まゆ「ふふ、そうですね」

まゆ「それじゃあ、川へゴーです!」スタタタッ

こずえ「まゆー……まずはじゅんびうんどうしなきゃ……」

まゆ「え」

まゆ「あ、はい……ですよね。準備運動は大事です……」

まゆ(年上なのにはしゃいじゃって、恥ずかしい)カァァ

――――

こずえ「しまんとがわには、いろんなおさかながいるのー……」

まゆ「目の前にも泳いでますね」

こずえ「おさかなほかくだいさくせんしよー……」

こずえ「こずえは、あみをうごかすから……まゆはおさかなをよんでー……」

まゆ「分かりました! いきますよー!」

ジャバジャバ

まゆ「えいっ、はっ」ジャバジャバ

まゆ「そっちに行きましたよこずえちゃん!」

こずえ「まかせろー……」チャプン

468: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 00:39:12.58 ID:3NAk3Cd20
こずえ「とったよー……」ザパッ

こずえ「……あれ……?」

まゆ「いませんね」

こずえ「まゆとこずえのさくせんからにげるとは……できる……」

まゆ(網を動かすの、ゆったりし過ぎてるような)アハハ…

――――

こずえ「うきわでぷかぷか……」

まゆ「水浴び、気持ちいいですねぇ♪」チャプチャプ

こずえ「まゆー……」パシャ

まゆ「何ですk……きゃっ!?」

こずえ「えへへー……」

まゆ「や、やりましたねー! えいっ!」パシャ

こずえ「わぷ……このー……」パシャパシャ

まゆ「うふふっ♪ それっ、それっ♪」パシャパシャ

こずえ「むむ、なんのー……」スイー

こずえ「……あれ……まゆ、はなれてく……」スイー

まゆ「大変!! 流されてますよこずえちゃん!?」

469: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 00:54:21.62 ID:3NAk3Cd20
こずえ「かってにうごく……たのしいよまゆー……」ヒラヒラ

まゆ「手を振ってる場合じゃないですよぉ! 今行きますから!」ザブザブ

こずえ「ばたあしで、ながれにさからうねー……」チャプチャプ

まゆ「逆らえてないですよ! もっと動かしてください!」

――――

まゆ「はぁ……はぁ……どうなることかと思いました……」

こずえ「めいわくかけて、ごめんなさい……」ペコリ

まゆ「いいんですよ。でも、これからは気をつけてくださいね」ナデナデ

こずえ「うん、やくそくする……」スッ

まゆ「ゆびきりげんまん、ですね」ギュッ

まゆ(リアルこずえちゃんにも、念のため言っておいた方がいいでしょうか)

まゆ「ふぅ、ちょっと喉が渇いてきちゃった」

こずえ「きゅうけいしよー……あそこにある、ちいさい『てんと』のなかに……」

こずえ「つめたいのみもの、たくさんあるよー……」

まゆ「ありがとう♪ これで日陰で休めますね」

――――

まゆ「はぁー……よく冷えてますね。美味しい」

こずえ「まゆ、これたべて……」スッ

まゆ「?」

470: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 01:15:44.53 ID:3NAk3Cd20
まゆ「アイスクリームですね、ありがとう!」

こずえ「ちがうよー……これ、あいすくりん(アイスクリン)っていうの……」

こずえ「とりのたまごとか、さとうとかからつくる……」

こずえ「ぎゅうにゅうのしぼうせいぶん(脂肪成分)が、さんぱーせんといか(3%以下)の、こおりがしなの……」

こずえ「こうちと、おきなわのものがゆうめいなんだよー……」

まゆ「へぇー……! いただきますねっ」スッ

パクッ

まゆ「!? な、何でしょうか、この食感。アイスというよりシャーベットみたい」

まゆ「味もあっさりしてますね!」

こずえ「しぼうぶんがないから……だいえっとしてるときにも、いいかも……」

まゆ「なるほど、ありですね」

まゆ「休憩が終わったら何をしますか? 今のうちに決めておきましょう」

まゆ「もう一回、捕獲大作戦やります?」

こずえ「こんどは、すいちゅうめがねで……かわにもぐる……」

こずえ「おさかな、みよう……?」

まゆ「はい、いいですよ♪」

こずえ「それがおわったら……ううん、これはひみつ……」

まゆ「何ですか?」

こずえ「ひみつ……」

まゆ「もうっ、また気になることを」

474: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:05:07.36 ID:3NAk3Cd20
こずえ「むねが、どきどきするから……たのしみにまっててー……」

まゆ「こずえちゃんは焦らし上手ですねぇ」フフ

――――

まゆ「あれ? もう暗くなってきましたね」

こずえ「これからおこることの、じゅんびだよー……」

まゆ「さっき言ってた、胸がドキドキすることですね!」

まゆ「一体何が始まるんでしょうか」ソワソワ

こずえ「ふくをきて、まってて……」

(数分後)

まゆ「……」

こずえ「……」

まゆ「あ、あの……まだですか?」

こずえ「きた……」

まゆ「え?」

こずえ「あれみてー……みろー……」

まゆ「!!」

まゆ「ホタル! ホタルがいます!」

まゆ「向こうにも! あっ、そっちにも!」

こずえ「きらきらひかってるねー……」

475: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 22:30:02.71 ID:3NAk3Cd20
まゆ「すごい……! ホタルが飛び交って、幻想的……!」

まゆ「夢のような光景ですねぇ」

こずえ「ごがつのおわりから、ろくがつのはじめにみられるの……」

こずえ「でも、こんなにたくさんのほたるがみられるのは……うんがいいとき……」

まゆ「確かにこういうのは、環境が整わないと難しそうですね」

まゆ「あ」

こずえ「まゆのかたに、とまった……」

まゆ「こずえちゃんの頭にも」

こずえ「ほんとだ……えへへ……」

まゆ「ふふ」ニコニコ

――――

まゆ「綺麗でしたね。忘れられない記憶になりました」

まゆ「というか、このゲームで体験したこと、全部忘れられないですけどね」

こずえ「こずえも、たのしいよー……まゆとあそべて……」

まゆ「こずえちゃん……! そう言ってもらえて嬉しいです♪」ギュッ

まゆ「そういえば、目的のお店はもう少しかかりますか?」

こずえ「もうすぐだよー……」

476: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:00:09.81 ID:3NAk3Cd20
まゆ「ペラ焼き、でしたっけ。有名なんですか?」

こずえ「こうちの『そうるふーど』っていわれてるの……」

こずえ「そうるふーどって、どういういみー……?」

まゆ「え? うーん……その土地の人に親しまれている、伝統的な料理のことでしょうか」

こずえ「そうなんだ……」

まゆ「た、たぶん」

こずえ「あ……ついた……」

こずえ「ここはねー……がんそぺらやきにしむら(元祖ペラ焼きにしむら)さんだよー……」

こずえ「ぺらやきの、ゆうめいなおみせなの……はいろー……」

――――

まゆ「こういう質問、お店に入る前にするべきだったかもしれないですけど」

まゆ「ペラ焼きってどんな食べ物なんですか?」

こずえ「えっとねー……こむぎこ、たまご、みずをあわせて……」

こずえ「ねぎと、じゃこてん(じゃこ天)をのせて、やくんだよ……」

まゆ「お好み焼きみたいですね。じゃこ天って?」

こずえ「おさかなのすりみ(すり身)を、あぶらであげたもの……」

こずえ「えひめけんの、きょうどりょうり(郷土料理)なんだって……」

477: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:12:14.67 ID:3NAk3Cd20

こずえ「きたよー……これがぺらやき……」

こずえ「こずえは、とんかつそーす……あまくち……」

こずえ「まゆは、うすたーそーすの、ふつう……」

まゆ「ありがとうございます。へー、こんな見た目なんですね」

まゆ「ソースのいい香りが、食欲をそそりますよぉ」ゴクリ

こずえ「おもちかえりもできるけど……できたてをたべたほうが」

こずえ「ふわふわでおいしいの……たべてー……たべろー……」

まゆ「いただきます! はむっ」

まゆ「はふはふっ、あふい! モグモグ……」

まゆ「……~~っ! 美味しいっ!」キラキラ

まゆ「こずえちゃんの言うとおり、ふわふわですね! ネギの食感もいいアクセントで!」

まゆ「はむはむっ……空腹が満たされていく……」

こずえ「おいしいねー……モフモフ……コクン」

まゆ「ああ、こずえちゃん。口の周りがソースだらけですよ」

まゆ「ちょっと待ってください。ティッシュで拭きます」フキフキ

こずえ「んむ……ありがとー……」

こずえ「モフモフ……」

まゆ(やっぱり食べ方可愛い。小さな口で頬張って、ハムスターみたいですね)クスッ

478: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:28:57.48 ID:3NAk3Cd20
こずえ「コクン……こうちのたべもの、まだあるんだよ……」

こずえ「かわえびのからあげ(川エビに唐揚げ)とか、なべやきらーめん(鍋焼きラーメン)……」

こずえ「やたいぎょうざ(屋台餃子)……ほかにもいろいろ……」

まゆ「ぜひ食べてみたいですね!」

こずえ「おしえてあげたいけど……これたべたら、もうおわりなの……」

こずえ「さいころ、ふらないと……」

まゆ「そ、そうなんですか?」

こずえ「あとは、ほんもののこずえと、かなと……ほんとのこうちにいって」

こずえ「おしえてもらってねー……」

まゆ「加奈ちゃんも高知でしたね。3人で旅行、いいですね」

まゆ「必ず行きますよ」ニコッ

こずえ「あ……まゆ、おくち……」

まゆ「へ?」

こずえ「そーすついてる……てぃっしゅで、ふいたげる……」フキフキ

まゆ「あぅ……ありがとうございます」

まゆ(年上なのに、恥ずかしい)カァァ

479: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:37:39.90 ID:3NAk3Cd20

――――

凛「Pくん」

P「ん?」

凛「呼んでみただけ」

P「そ、そう……」

凛「♡」

のあ「――という段取り。頭に入れた?」

ナターリア「完璧ダヨー!」

歌鈴「そんなことで本当に復活するんですか……?」

晶葉「まあ物は試しというし、ダメならダメで別の方法を模索するだけだ」

晶葉「やってみようじゃないか」

のあ「その通り。いきましょう」スタスタ


凛「ねえPくん。私たち、まだ色んなこと未経験だよね」

P「え」

凛「デートもほとんど行ってないし、初キスとか……その先も……」モジモジ

P「まだ早いんじゃないかなー……ははは」

凛「何言ってるの? 付き合ってもう1年目だよ?」

P(そんな設定知らない!)

480: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/30(金) 23:58:04.31 ID:3NAk3Cd20
凛「なのに、未だにこうして手を繋いでるだけだし……」

凛「そろそろもっと進んでもいいと思わない?」ジリジリ

P「な、何で近づいて……」

凛「Pくん……」ジリジリ

凛「……」スッ

P(目を瞑った! キスしろと?)


のあ「待って」

P「!」

凛「のあさん、邪魔しないでもらえますか」

凛「今は私とPくん、2人きりの時間を過ごしてるところなので」

のあ「そうね、謝る。ただあなたに伝えたいことがあって」

のあ「すぐ終わるわ。時間をもらうことは可能?」

凛「……まあ、ちょっとだけなら」

のあ「ありがとう。まずは結論から」

のあ「あなたとプロデューサーはとてもお似合いよ」

凛「え? あ、ありがとうございます」

晶葉「助手は収入もいいし安定した生活を望める。性格もまあまあで、顔は悪くはない」

晶葉「言ってしまえばなかなかの優良物件だ。そんな男の隣に並べる女は、凛……お前しかいないだろう」

凛「そんな……へへっ」テレテレ

481: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 00:09:51.57 ID:nfSXxBhx0
ナターリア「ホントにリンは羨ましいヨ! アイドルのナターリアたちから見ても、可愛くてキレイで」

ナターリア「リンなら、どんな男の人も射止められるネ!」

凛「それほどでもないよ……もうやめて。なんかむず痒いから」

歌鈴「私はそうは思いません」

凛「!」

晶葉「おい歌鈴! 何を言ってるんだ?」

歌鈴「だって、ありえないですよ」


歌鈴「凛ちゃんほど素晴らしい女の子がこの世に存在するなんて」

凛「!!」


歌鈴「神様から愛されすぎてます……巫女の私には尚更分かるんです」

凛「……」

歌鈴「ごめんなさい。嫉妬が入っちゃって……そうは思わないなんて、酷いことを……」

凛「……」

のあ(マズイ。やりすぎた?)

凛「……」


凛「んー……まあまあ……それほどでもない、かな……?」フフッ

晶葉(チョロイ)

482: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 00:17:54.69 ID:nfSXxBhx0
のあ「そういうことよ。私たちの気持ち、伝わってるといいけど」

凛「すごく伝わってきたよ。そっか、そんなに魅力出ちゃってるんだね」フフフ

のあ「ええ。でも」


のあ「プロデューサーを諦めた今のあなたは、魅力半減よ」

凛「……!!」


のあ「あなたの目の前にいるプロデューサーはプログラム」

のあ「本物はゲームじゃなくて現実にいる」

凛「……」

のあ「彼を手に入れるため頑張ってきたのよね」

のあ「彼の笑顔を、欲しいままにしたいから」

のあ「なのに、ここまできて諦めるなんて」

凛「……だって……まゆとの差が……」

歌鈴「意気地なし!」

凛「か、歌鈴……」

歌鈴「どんなに差が開いても、誰かがゴールするまでは負けじゃないんですよ?」

歌鈴「つかささんにも言われてたじゃないですか!」

凛「……」

483: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 00:28:00.74 ID:nfSXxBhx0
ナターリア「そうだヨ、リン。負けちゃダメ」

ナターリア「勝負もだケド、自分に負けないデ! 最後まで戦わナイと!」グッ

凛「ナターリア……」

晶葉「諦めたらそこで試合終了。良い言葉だな」

晶葉「戦い抜くんだ凛! 戦うのをやめてしまったら、得られるものも得られない」

晶葉「全力で突き進め」

凛「……」

のあ「凛」

凛「……」

凛「……ありがとう、みんな」

歌鈴「凛ちゃん……!」

晶葉「決意を固めたか」

凛「うん……たぶん、へこむのはこれで最後だと思う」

凛「絶対に負けない。まゆがゴール目前までいったとしても」

凛「私は諦めない。プロデューサーにふさわしいのは私だから!」

ナターリア「その調子だヨ!」

凛「プロデューサー」

P「?」

凛「恋人ごっこは終わり。私は前に進むことにしたから」

凛「また会おうね。現実で」ニコッ

486: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 00:32:23.82 ID:nfSXxBhx0
P「……頑張れ」

凛「うん! 晶葉、サイコロ!」

晶葉「ほら!」スッ

凛「はっ!」ポイッ

歌鈴「受け取ってからすぐに投げましたね」

凛「すぐにでも進みたいからね。さあ! 何でもいいから出て!」

コロコロコロ


【進行状況】

   奈良  和歌山 鳥取  島根
凛  ○●○ ○☆○ ○☆× ○☆○

   愛媛  高知  福岡  佐賀
まゆ ×○○ ●☆○ ○○× ○☆○


↓1 コンマ一桁 0は10

490: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 00:47:33.77 ID:nfSXxBhx0

凛:9マス進む

【進行状況】


   島根  岡山  広島  山口
凛  ○●○ ○×○ ○○× ×☆○

   愛媛  高知  福岡  佐賀
まゆ ×○○ ●☆○ ○○× ○☆○


歌鈴「あー! またスペシャルマスですよっ!」

ナターリア「やったネ!」

凛「うん。だけど、勝たなきゃまた1回休みだから」

のあ「あなたなら勝てる」

凛「ありがとう。負けてもくじけないから」

晶葉「負けた時のことは考えるな」

凛「ふふ、そうだね。それじゃ!」

ビュンッ

のあ「……成功したわね」

歌鈴「噛まずに言えた……奇跡でしゅね。ってここで……」

晶葉「感謝するぞみんな」

ナターリア「気にするナ~!」ニコニコ

491: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 00:59:08.33 ID:nfSXxBhx0
P「……」

のあ「プロデューサー、質問がある」

のあ「あなたは凛たちのことをどう思っているのか」

P「えっ?」

歌鈴「私も聞きたいですっ。プログラムですけど、本人の心理は反映されてるんですよね」

ナターリア「どうナノー?」

P「プライバシーってもんがあるだろう」

歌鈴「ということは、少なからず好意を?」

P「言えないよ。そもそも晶葉にそう設定されてるんだ」

晶葉『個人情報を管理する義務もあるからな!』

ナターリア「あ、声だけに戻っタ」

のあ「残念ね」

晶葉(まあ、私には分かるんだがな)

――――

ビュンッ

凛「ほっ」スタッ

凛「島根県出身は、茄子と蓮実だけど……」

凛「スペシャルマスだし、海外出身のアイドルが対戦相手。誰かな」

498: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 19:24:33.18 ID:nfSXxBhx0

???「私ですよ~」

凛「あ、イヴ」


凛「まあやっぱり、島根に縁もゆかりもないよね」

イヴ「そうですね。出身はグリーンランドですから~」

イヴ「でも日本は大好きですよ? この島根も、触れてみたらとても良いところでっ♪」

凛「ブリッツェンは?」キョロキョロ

イヴ「協力を求めているのは私のみということで」

イヴ「残念ながらプログラムはされませんでした~……寂しいです」シュン

イヴ「代わりといってはなんですけど、ブリッツェンのぬいぐるみを持ってます~」スッ

凛「そ、そっか。可愛いね」

凛「話は変わるけど、勝負について聞きたいな」

イヴ「分かりました~! とても面白い勝負ですよ~」

イヴ「今からするのは、グルメリポート対決ですっ」

凛「グルメリポート……」

イヴ「ここからちょっと歩いた場所に、『献上そば羽根屋』という有名なお蕎麦屋さんがあるんですけど」

イヴ「そこのお蕎麦をリポートして、審査する人の食欲をより刺激した方が勝ちです~!」

499: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 19:35:33.24 ID:nfSXxBhx0
イヴ「どうですか~? わくわくしますよね?」

凛「んー……やったことないんだよね、食レポって」

凛「だから不安が大きいかな」

凛(このゲームで食べてきた数々の料理も、『美味しい』としか言ってないし)

イヴ「安心してください、私もですよ~」

イヴ「これを機にリポートを学びましょう♪ きっと今後のお仕事にも役立ちますっ」

凛(私は本人だからいいけど、イヴはプログラムだから意味ないんじゃ……)

――――

イヴ「用意はいいですか~?」

凛「いやいや待って! 早くない!? ぶっつけ本番なの!?」

イヴ「え?」

凛「だって私たち、食レポのやり方とか全く知らないんだよ」

凛「ちょっと調べてもいいんじゃない?」

イヴ「言われてみればそうですね! じゃあ5分だけ調査タイムを」

凛「短っ!」

イヴ「あ、そうそう。審査してくれるのはこの人です~」

カメラマン「……」

凛「誰?」

500: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 20:37:19.14 ID:nfSXxBhx0
イヴ「カメラマンさんです♪」

凛「それは分かるけど」

イヴ「私たちのリポートの撮影をしてくれます!」

イヴ「審査員は、このロケ用カメラの向こうにいるアイドルたちで」

イヴ「リポートが終わったら、私たち2人の点数をつけてもらいます~」

凛「アイドルたちって?」

イヴ「島根県出身のお2人と晶葉ちゃんですっ」

イヴ「中継が繋がってますよ~、まあ中継されてるのは私たちですけど~」

――――

茄子「凛ちゃん、イヴちゃん、頑張って♪」

蓮実「2人の食レポ、楽しみにしてます」ニコッ

晶葉『声だけだが私もここにいるぞ!』

――――

凛(空に浮かぶモニターに、2人の楽しそうな姿が……)

イヴ「あと4分ですよ~」

凛「えっ、調査タイム始まってたの!?」

凛「早く言ってよ。えっと、スマホで検索を……」タプタプ

501: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/03/31(土) 20:51:24.10 ID:nfSXxBhx0
凛「グルメリポート、やり方……っと」

イヴ「ふむふむ、なるほどなるほど~」タプタプ

(4分後)

イヴ「さあ、始めましょうか~!」

凛「正直学べた感じがしないけど、あとは流れに任せるしかないね」

凛「どっちが先にやる?」

イブ「ジャンケンしましょう♪ 最初はぐー!」

イヴ「ジャンケンぽんっ!」

凛「勝った!」

イヴ「先攻か後攻か、どっちですか~?」

凛「……後攻で」

凛(やっぱりこういうのは、まず誰かのを見て参考にしたいし)

イヴ「いいですよぉ~! じゃあ行ってきますね!」

イヴ「カメラマンさん、よろしくお願いします~」

スタスタ

凛(そうだ、今の内にある程度セリフを考えておこうかな)

凛(蕎麦だから、コシがありますねー! とか……?)

503: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 00:35:20.96 ID:4Rfr8Qg10

――――

イヴ「イヴ・サンタクロースの聖夜のごちそう~!」

イヴ「ということで、今週も始まりましたよ~! 主役はもちろんこの私、イヴ・サンタクロースですっ♪」

凛(番組形式なんだ)

イヴ「聖夜=クリスマス。誕生日や記念日に匹敵するほど特別な日と言っても過言ではないです」

イヴ「この番組は、そんな聖夜の食事に選んでもいいんじゃないかというくらい」

イヴ「絶品のお料理を紹介していきますよ~!」

イヴ「今日はですね~。なんと、島根県の出雲市に来てます」

イヴ「出雲という言葉にピンとくる方もいらっしゃると思います。出雲大社? いえいえ食べ物ですよ!」

イヴ「そうです~! 今向かっているのは、出雲蕎麦のお店なんです!」

イヴ「確かこの辺に……あっ! ありましたね~」

イヴ「献上そば羽根屋さんですっ。江戸時代の末期に創業した、歴史のながーいお店なんですよ~」

イヴ「では、早速入店しましょう!」

――――

イヴ「わ~、雰囲気のある店内! まさに『和』の空間ですね~」

イヴ「お品書きを見てみましょう。お蕎麦はもちろん、定食、うどんもあります~」

イヴ「お持ち帰りもできるんですね~……何にしようか迷ってしまいますけど~」

イヴ「これにしましょう♪ 出雲独特と言われる、割子そば、釜揚げそばの2種類のうち」

イヴ「割子そばを注文します~♪」

504: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/01(日) 01:09:23.38 ID:4Rfr8Qg10

(数分後)

イヴ「割子そば、どんなお蕎麦なんでしょうねぇ?」

イヴ「予備知識はないんですよ~。だからとっても楽しみで」

イヴ「あっ! 頼んだものがきましたよ~!」

イヴ「三段重ねの器に、お蕎麦が入ってます。なるほど! この器が『割子』というものなんですねっ」

イヴ「綺麗な器です~。そして? こちらが、だし汁と薬味ですか~」

イヴ「ふむふむ……どうやら、お蕎麦をだし汁につけるんじゃなくて」

イヴ「このお蕎麦の入った割子器に、だし汁と薬味を入れちゃうらしいです~」

イヴ「カンペの通りに、だし汁と薬味を……」スッ サッサッ

イヴ「これでいいんでしょうか~? それでは、いただきます♪」ペコリ

イヴ「まずは一口……ズズズッ」

イヴ「……んんー!」キラキラ

イヴ「香りが強いですね~! 口の中に風味が広がりますっ」

イヴ「これはだし汁じゃなくて、お蕎麦の香りですね~」ズズズ

イヴ「ほうほう……出雲のお蕎麦は、そば粉を作る時に、そばの実を皮ごと石臼で挽くので」

イヴ「色も濃く見えて、香りが強いんですか。へぇ~」

イヴ「ズズズッ……モグモグ。美味しい……お箸が進みます~」

――――

イヴ「一段目、食べ終わりましたっ!」

イヴ「一段でも量があるんですよね~。たくさん食べたいという方も満足できると思いますよ~」



次回 【モバマス安価】凛「いい加減決着をつけようよ」 まゆ「望むところです」2 後編