前回 アスカ「あたしだって…勢いだけとか、ハジケた生き方してみたいの」 

15 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 07:08:57 ID:ztdVx7OE




第7使徒殲滅より数日後。



16 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 07:11:21 ID:ztdVx7OE
.





NERV北極支部『ベタニアベース』






17 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 07:26:22 ID:ztdVx7OE

「にゃっにゃっ…にゃーん!」


「Discovery…dispos of waste material.
 (発見…"廃棄物"を処理する)」


「なーん!」


「!?」



18 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 07:33:46 ID:ztdVx7OE

ウート「なーん」


「………Cat?
 (………猫?)」


ウート「っ、っ」クシクシ

「Oh…pretty…
 (ああ…カワイ…)」


「隙ありィイイイイイ!!!!」


ごきゃ。


「」バタッ

「雑魚が」ペッ


19 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 08:35:24 ID:ztdVx7OE

ウゥー!ウゥー!


/『Emergency!Emergency!』\


「…こーりゃヤバイってかぁ?」

          ・・・・・・・・・
「"例のアレ"。上手く逃げてくれるといいんだけど」

ウート「なーん」

「ああはいはい。なぜか日本からの積み荷に紛れ混んでた君も連れてくともさ」ヒョイ


「さて、」



20 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 08:39:52 ID:ztdVx7OE




「エヴァ仮設5号機が自爆する前にドロンしなきゃね」ニヤリ


ウート「なーん?」



21 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 08:45:57 ID:ztdVx7OE

北極司令「Defend the Limbo Area at all costs! We cannot allow it to escape from Acheron!」
    (辺獄エリアは死守しろ!"奴"を"アケロン"から出すわけにはいかん!)」

北極副司令「How can a containment system as secure as Cocito be neutralized……」
     (まさか"封印システム"が無効化されるとは……)」


「It was within the realm of possibility.」
(あり得る話ですよ)」カツ、カツ…

北極司令「?」チラッ

北極副司令「?」チラッ


加持「…On its own,humanity isn't capable of holding the angles in check.」
  (…『人類の力だけで使徒を止める事は出来ない』)



22 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 09:13:59 ID:ztdVx7OE


加持「Even if it is…(それが例え…)」



加持「"artificial angel".("人造使徒"でも)」




23 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 09:26:24 ID:ztdVx7OE


第X使徒『GOGYAAAAAAA!!!』


加持「…さすが英語圏内の人造使徒。叫び声すら英語か」

北極司令「? What's the matter(どうしたんだ)」

加持「Nothing.(なんでもないよ)」フルフル

加持「That said. Gotta run!(そいじゃ、後はヨロシク!)」ヒラヒラ

北極司令「」



北極司令「what(えっ)」


北極司令「What(えっ)」



24 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 09:30:19 ID:ztdVx7OE

北極オペレーター「Upper outer wall integrity compromised!(上部外壁破損!)」

北極オペレーター「The final seal is about to be breached!(最終結界が破られます!)」

北極司令「What(えっ)」


第X使徒『GOGYAAAAAAA!!!』


ドガシャーン!



25 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 09:39:54 ID:ztdVx7OE

北極オペレーター「Target has broken through Limbo area!(目標は辺獄エリアを突破!)」

北極オペレーター「Now moving into Acheron!(アケロンへ出ます!)」

北極司令「Get Unit 5 to do something!(伍号機は何やっとる!(泣き))」


仮設5号機『っ』グサグサ!

第X使徒『GIGOGYAAAAAAA!!!』



26 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 09:55:55 ID:ztdVx7OE
「…仮設5号機には私のダミープラグと会話用AIを入れといたけど大丈夫かねー?」

ウート「なーん?」

「ああ大丈夫大丈夫。バレてもどーせ全部消し飛んじゃうし」

ウート「にゃー!」ペシペシ

「え?酷い?極悪非道な鬼畜ド外道だって?」

「でもしょーがないじゃん?命令なんだから。自分の仕事はやらなきゃ。ね?」

「それにさ、アメリカ支部消し飛ばさせたりクローン作ってダミープラグの材料にしちゃったりするゲンドウくんよかマシだよ」

「大体さーゼーレの『その使徒は始末しろ』って命令拒否った北極支部が悪いでしょ」

「人類の敵を再現して。勝手にご丁寧に"追加能力"までつけた奴等なんて死んじゃえばいいよ」

「ゼーレはそんな事しろなんて命令しなかったのにさ」


27 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 10:03:36 ID:ztdVx7OE

「ゼーレが北極支部に命令したのは―――っと」

「あったあった。緊急脱出装置」

「世界初。空間移動マッシーン!イエーイ!」

「『旅の扉』とかでもいい気はするけどねー」

「追っ手はこない……よね、よし!」

「ワープ先は…日本!そして第3新東京市!」カタカタ


28 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 10:09:27 ID:ztdVx7OE


「こっそり開発の試作機らしいけど。ま、死んだらそれまでさ!」


「ほんじゃ!」


「ゼーレ専属諜報員、真希波・マリ・イラストリアス!」


マリ「日本へ向けて!レッツラゴー!!」ピョインッ!

ウート「なーん!」


ぎゃわわーーん!


\「のわー!」「なーん!」/ 

29 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 10:23:12 ID:ztdVx7OE



    ーオ ィデ
   イ  ス  て、
   レ  ダ  し
    ギ | そ
     ュ ー。
      ラ





30 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 10:26:45 ID:ztdVx7OE
※尚、第X使徒はセガ・サターン版(2ndimpressionの前作)の尻尾生えてる奴。 

31 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 10:57:52 ID:ztdVx7OE

~ネルフ本部:総司令執務室~


冬月「爆発?」ピク

加持「はい。北極支部がエヴァ仮設5号機の暴走、自爆により爆散しました」

碇司令「原因は」

加持「わかりません。ただ、スケジュールから推測するにシンクロテスト中に起きたようです」

加持「…赤木博士考案の"ダミーシステム"との」

冬月「ふむ…どうやらスパイがいるらしいな」

冬月「しかし、あれはまだ開発途中ではなかったかね?」

加持「向こうが向こうで完成させたようですね、どうも」

碇司令「即刻犯人を洗い上げろ」

加持「了解」


加持(まあダミーシステムの技術情報を横流ししたの俺だけど)


32 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 11:11:40 ID:ztdVx7OE

~第壱中~

シンジ「文化祭?」モミ

ヒカリ「そうよアッフ、もうすぐンッフ…文化祭。だからアン今から出し物を決めるの」


アスカ(貞本)「ねぇ、なんであいつ黒板前で委員長の●●●でんの?!」

ケンスケ「いつもの事だよ」

綾波「彼女は碇くんの人柱だから」

アスカ「ひっでー!?」ガーン



カヲル「いいなぁ…委員長、僕にも○○○てくんないかな」

トウジ「いいんちょやったら…土下座したら○○○○くれるんとちゃうか?」ゲヘヘ

ケンスケ「じゃあしてきなよ」

トウジ「ややわ!ワシかて人並みに羞恥心持っとんのやで?」


33 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 11:18:27 ID:ztdVx7OE

シンジ「あっ!ハイハイ!ハイハイハーイ!!」

ヒカリ「碇くん席について?」

シンジ「とぉっ」ピョイン!

ズダンッ!


アスカ「な、なんか黒板前の机の上に飛び乗ったんだけど」

ケンスケ「いつもの事だよ」

カヲル「一々驚いてたら身が持たないよ? まだわかんないの?」

トウジ「せやで」

アスカ「うるせぇ3バカ」


ケンスケ「えっ?シンジは?」

アスカ「あいつはオンリーワンでド変態でしょ。他全てとは一線を画してんじゃない」


34 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 11:25:33 ID:ztdVx7OE

シンジ「僕の案!それはそれはそれはそれはそれはそれはそれはそれはそれはァぁああああああああーッッッッ?!!」


シンジ「僕が最高のライヴやる!!!」


シンジ「はい決定!!僕権限でライヴに決定ィイイイイイ!!!」クイックイックイックイッ

「か、勝手に決めんなよ!」
「そうだそうだ!」
「つーか○○○見せんな!腰を振んな!」

シンジ「うるひゅああ!!どーせお前ら、」

シンジ「『何でもいいよ』とか『特に思い付かない』とか『何か意見はありますか?シーン…』」

シンジ「どうせそんなんだろ最近の若造どもめ!!!」

シンジ「だから僕が決めるんじゃ!決めるったら決めるんじゃーい!!」ピョイーン!


「うわあっ!こっちにダイブしてきた!?」
「あ、吉沢に……吉沢?」

「吉沢ぁあああああ!!?」


35 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 11:34:24 ID:ztdVx7OE

ヒカリ「――はいっ!では他に特に案が出なかったので、碇くんの『ライヴ』で決まりました!」

ヒカリ「ライヴに出る、出たい人はいるかしら?」

シンジ「お前ら!!僕とバンドやろうぜ!!!?」ビシッ

シーン……


シンジ「腑抜けめ!」



36 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 11:40:23 ID:ztdVx7OE

シンジ「お前ら!いいのかよそれで!バンドメンはモテるぞ!」

(((お前とやりたくないんだよわかれよ)))


シンジ「誰か!誰ぞおらぬか!おらぬかー!」ブリッジ

「「「………」」」


綾波「碇くん一人は可哀想。」ノ

トウジ「…まあ下手でいいんやったら…」ノ

ケンスケ「前に一緒にゲリラライヴやったしね」ノ

カヲル「友達だからね」ノ


アスカ「あんたらいい奴すぎでしょ」


37 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 11:52:43 ID:ztdVx7OE

シンジ「お前ら……!」ブリッジ

アスカ「てゆーかブリッジやめて教壇の机の上から降りなさいよ」

シンジ「絶対、イヤだ」ブリッジ

アスカ「じゃあせめて向こう向きなさいよ!あんたの●●●●と喋ってるような気になってくんのよ!!」

●●●「やーだね!」ブリッジ

アスカ「く…ムカツク…!」

●●●「他の出ない奴等も全力でサポートしろよ!」

(((やだなぁ…)))

●●●「おいお前ら…」


●●●「文化祭、最高のライヴにしようぜ!!!」


アスカ「『最低の』じゃないの?変態的な意味で」


●●●「よし!今日の放課後から猛特訓だ!!!」



38 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 12:52:46 ID:ztdVx7OE

ほうかご!

~音楽室~

シンジ「じゃ、僕がボーカルな」

カヲル「僕がギター」

トウジ「ワシがベース」

ケンスケ「僕ドラム」

綾波「私、キーボード」

アスカ「あたしは参加しないけど暇だから見てるだけ」

シンジ「やる曲はケンスケが作詞作曲してくれたよ。はい歌詞カード」つ□

「「「「どれどれ?」」」」


『奇跡の戦士!エヴァンゲリオン!』作詞作曲:相田ケンスケ

「「「」」」

ケンスケ「えっへん!」


※実在する曲です 

39 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 12:57:20 ID:ztdVx7OE

シンジ「じゃあ、練習しよっか」

「「「おー」」」



・・・・・。



トウジ「一曲だけとはいえ、楽器弾くのムズいなー」

シンジ「がんば。…ああ、そこは弦をちょい強めに弾いて」

トウジ「こーか?」

シンジ「いやもっとこう…もゃやや~んって感じ」

トウジ「すまん、1ミリもわからへん」


40 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 13:02:31 ID:ztdVx7OE

シンジ「綾波、そこの時は効果音出して」

綾波「わかったわ」

シンジ「あとね、普通人差し指だけで弾かないんだよ?逆にすごいよ?」

綾波「そう?」テレ

シンジ「綾波ちがう褒めてない」


ケンスケ「ふぅぅううぉぉぉおおおお!」

ダダシャパガンバパパバンバンダダだダダ!

シンジ「ケンスケ、顔をもうちょっとなんとかしてよウヒョッって顔して叩くのやめてよ」



41 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 13:09:20 ID:ztdVx7OE

シンジ「渚」

カヲル「何?」

シンジ「ヘッドフォンをとれコノヤロー」

カヲル「絶対、イヤだよ」フルフル

シンジ「お前もらったあの日からずっとつけっぱなしじゃん根府川ティーチャーにも朝からずっと『取れ』って言われてたじゃん」

カヲル「僕の一番大事な宝物なんだ」ニコッ

シンジ「うん僕もそう言ってもらえると嬉しいけど取ろう?なんかムカつくんだよ話をちゃん聞いてないみたいで」

カヲル「ちゃんと聞いてるよ」

シンジ「いやそうじゃなくてさ」


42 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 13:19:32 ID:ztdVx7OE

アスカ「あんたは人に何か言う前に服着なさいよ」

シンジ「しね」ペッ

アスカ「」ブチッ



アスカ「おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!」

シンジ「無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁあああああ!」ヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイヒョイ!


43 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 13:33:02 ID:ztdVx7OE


・・・・・。


シンジ「よし、皆弾けるようになってきたから一回通してやってみよう」

シンジ「Ready?」

「「「「OK」」」」


シンジ「3、2、1、GO!」



44 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 13:45:05 ID:ztdVx7OE



・・・・・。


カヲル「じゃ、また明日」フリフリ

トウジ「気ィつけて帰れやー」フリフリ

ケンスケ「またねー」フリフリ

シンジ「うん」フリフリ

シンジ「………」

シンジ(帰りにスーパー寄って晩飯の材料買ってこ)ペタペタ


45 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 13:54:25 ID:ztdVx7OE

~スーパー~


シンジ「これくーださいっ」ドカッ!

店員「らっしゃいませー」

店員(しかし最近ほとんど毎日来るなこの裸の子…)ヨイショ

店員「……」ピッ、ピッ…

店員(サンマ、マグロ、ニシン、鮭…)ピッピッ

店員(ブリ、サバ、タイ…)ピッピッ

店員(どんだけ魚食うんだよ!!!)

シンジ「あ、ポイント貯まったんでこれで」

店員「あ、はーい(しかも全部生魚だから魚クセぇええ!!)」


46 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 14:01:25 ID:ztdVx7OE

シンジ「今日はウチ、魚祭りやるんですよ」

店員「え?あ、そうなんですかー(変わってるなー)」

店員「やっぱり今日の晩御飯は魚だけなんですか?」

シンジ「? あ、ちがうちがう」

店員「?」

シンジ「晩御飯で食べるのは鮭だけで、あとの魚は投げつける用と踊る用と儀式用と投函用です」

店員「そうなんですかー」


店員(何言ってんだコイツ)



47 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 14:09:58 ID:ztdVx7OE

・・・・・


シンジ「いっぱい買えたなー♪」ペタペタ

シンジ(誰の家に投函しよっかな…)

「なーん」

シンジ「?」チラッ


ダンボール箱<にゃーん!にゃー、なーん


シンジ「ほうほう、ぬこの鳴き声とな」ペタペタ


48 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 15:56:14 ID:ztdVx7OE

シンジ(僕は猫派だ)

シンジ(「犬か猫、どちらが好き?」と聞かれて食い気味に「猫ス」と答えられるくらいには猫派だ)

シンジ(家猫や猫カフェの猫、ショップ猫も野良猫も好きだが一番好きなのは『逃げない野良猫』だ)

シンジ(媚びず、退かず、懐かず、…警戒しつつも佇む時は最高だ)

シンジ(野良猫の一番好きなとこは犬とか他の愛玩動物と違って"自由"である所だ。)

シンジ(その自己の責任において"生きている"姿。その生き様と街中で出会うのがいい)

シンジ(たまに「あ、この猫は前も見たな」って猫と出会うと少し嬉しい)

シンジ(猫がたむろする猫スポットを見つけた日には餌を用意しつつこっそり見に行く)

シンジ「まあつまり何が言いたいかというと」

シンジ「どれどれどんなにゃんこだコルァアアア!!」


49 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 16:01:57 ID:ztdVx7OE

シンジ「あわよくば飼、」







シンジ「 」






50 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 16:15:25 ID:ztdVx7OE

~総司令執務室~


『司令、御子息からお電話です』

ゲンドウ「…繋げ」

『了解』

シンジ『あ、父さん元気?』

ゲンドウ「何の用だ」

シンジ『猫飼っていい?』

ゲンドウ「ダメだ」

ゲンドウ「というかその程度の用件ならば何故私用携帯の方にかけんのだ」

ゲンドウ「仕事の邪魔だ。大体ウチが何のために『家族内通話無料コース』に入ってると思っている」

シンジ『だって父さん仕事用回線じゃなきゃ出ないだろ』

ゲンドウ「仕事中に早々出られるわけがないだろうが」



52 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/18(土) 16:50:13 ID:ztdVx7OE

シンジ『でさぁ、いいじゃん。僕猫好きなんだよ』

ゲンドウ「お前の好悪など知らん。大体私は犬派だ」

ゲンドウ「特に野良犬がな」

シンジ『なんか今すっごく血の繋がり感じた』

ゲンドウ「もう切、いや待て。歯みがき粉とシャンプーがもうすぐ切れるはずだから買っておけ」

シンジ『わかったけど猫』

ゲンドウ「ダメだと言っている」

シンジ「いやでもアレだよ?訓練すれば言うこと聞きそうだよ」

シンジ「前にも会った猫なんだよ!運命感じずにはいられないんだよなんかほら頼むって」

ゲンドウ「知らん」


57 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/19(日) 01:29:04 ID:RxhTDjQM

シンジ『お願い。基本僕の部屋から出さないしさ』

ゲンドウ「……鳴き声がだな」

シンジ『僕の部屋に防音措置施すよ』

ゲンドウ「…餌やりやら世話は」

シンジ『もち僕がやるよ』

ゲンドウ「使徒が来た時、お前が死亡したり怪我で入院した場合の世話はどうする」

シンジ『しょうがないからそのまま僕の部屋で死んでもらうよ』

ゲンドウ「鬼か」


ゲンドウ「……後になって私に世話をさせないだろうな」

シンジ『うん』



58 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/19(日) 01:33:14 ID:RxhTDjQM

ゲンドウ「………」

シンジ『父さん…』

ゲンドウ「……わかった。好きにしろ」

シンジ『!』

ゲンドウ「ただし約束しろ。私に一切の迷惑をかけるな」

シンジ『ありがとう、父さん!今日はカキフライにするよ!』

ゲンドウ「いや今日はいらん。…ああ、あと今日は遅くなるから飯は残さんでいい」

シンジ『うんわかった!』

ゲンドウ「…大事にしろ」

シンジ『うん!』


59 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/19(日) 01:45:15 ID:RxhTDjQM

ゲンドウ「それから。今度からは重要性が低い用件はメールにしろ」

シンジ『考えとく』

ゲンドウ「…切るぞ」

シンジ『うん。ありがとう父さん』

ゲンドウ「……ああ」ピッ

ゲンドウ「…ふー…」ギシ…

ゲンドウ「何故電話一つでここまで疲れなければならんのだ」

ゲンドウ「………」

ゲンドウ「冬月。何をそんなに爆笑している」

冬月「…っ、く、ははは……いや、な、はははは…」

冬月「碇、お前も親なんだなと。くくく…」

ゲンドウ「…ふん」

ゲンドウ「勘違いするな。初号機パイロットを手懐けておけば命令しやすいと判断しただけだ」

ゲンドウ「他意などない」


63 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 20:50:07 ID:sAs5F/.6

シンジ「OKだってさ!イェエエエアぁあああああ!!!」ビシッ

猫「にゃああああん!!」ビシッ

シンジ「しゃ!じゃあとりあえず鮭以外の魚をやろう」つ魚

猫「にゃあん♪」アム

シンジ「よーしよしよし!生魚美味いか!美味いかコノヤロー!」ナデナデナデナデ

猫「にゃーん♪」モギュモギュモギュモギュ

シンジ「っし!家行こう!とりまな!」

猫「にゃー♪」


64 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 20:53:08 ID:sAs5F/.6

ウィム。

シンジ「ただいマイケルはキングオブポップ」

猫「にゃー」てちてち。

シンジ「…おいおい。ここは今日から君の家なんだよ?」

猫「にゃー?」

シンジ「『お邪魔します』じゃない。『ただいま。』だろ?」

猫「……」

猫「なーん」

シンジ「おかえりっ」ニコッ


65 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 20:57:44 ID:sAs5F/.6

シンジ「よし、まずは君を洗わなきゃな」

猫「なー?」

シンジ「本来猫は洗わなくても綺麗(動物的には)なんだけど。」

シンジ「さすがの僕もどんくらい外で生きてきたかわからない猫は洗いたいんだよ」

猫「ぅなーん」

シンジ「猫用シャンプーはないけど。ぬれタオルとかで拭いてあげよう」

猫「なーん」

シンジ「常時全裸だとお風呂入る時に着替えを用意しなくていいから楽だよね」ペタペタ

猫「なーん」

シンジ「だよねー」


66 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:01:33 ID:sAs5F/.6

シンジ「~♪」

猫「なーんなーん」タシッタシッ

シンジ「へ?お前もシャワー浴びたいの?」

シンジ「お前変わってるなー…普通は猫って濡れるのを嫌がるし、水洗いとかも避けてあげなきゃいけないくらいなのに」

猫「うにゃーん!」

シンジ「はいはい。まあこっちは洗いやすくていいけどさ」ワシャワシャ

猫「ごろごろ♪」

シンジ「…洗うってーか全身を撫で回してる感じだね。なんか」ニュルニュル

猫「ぅなーん♪」


67 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:08:33 ID:sAs5F/.6

シンジ「ってーか種類なんなのかな?前に第5使徒の時に脱走して…会った時のウートってもうちょいアメショぽかったと思うんだけど」

猫「なーん!」

シンジ「えー?ウートって名前やなの?」

猫「にゃ」

シンジ「じゃあ何がいいかな…うーん」

シンジ「じゃあーあ、」


68 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:13:04 ID:sAs5F/.6

シンジ「ゴンザレス」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「シゲヒサ」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「メタビー」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「ロクショウ」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「○○○」

猫「にゃー!」ペチッ!


69 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:15:07 ID:sAs5F/.6

シンジ「いぬ」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「○○○○」

猫「カーッペッ」

シンジ「ブリーフ」

猫「がぶ」

シンジ「メタビー」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「メタビー」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「五郎」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「青葉シゲル」

猫「にゃ」フルフル

シンジ「うーん…オールダメッティングか…」 

70 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:23:04 ID:sAs5F/.6

シンジ「んー…じゃあなんかいいのないかな…」ウーン

猫「…」

シンジ「僕の中では『ウナジュウ』と『たけし』、『クリニック』『ガラムマサラ』ってので迷ってんだけどな…」

猫「…」

シンジ「待てよ、『らっきょ』か『ムーディ勝山』でもいいな…」

猫「…」

シンジ「でもやっぱ日本人だし日本ぽい名前がいいかな…」

シンジ「『なまこ』『カリオストロ』『豚キムチ』…うーん…」

猫「マリがいい」

シンジ「うーん…」


71 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:27:57 ID:sAs5F/.6

シンジ「……もち!よし、今日から君は『もち』だ!」

猫「……カーッペッ」

シンジ「ほらもち!超絶気に入らないからって毛玉を吐くんじゃありません!」

猫「……」ブスーッ


72 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:31:01 ID:sAs5F/.6

シンジ「ちなみに名前の由来は猫のクセに意外にもち肌だから」

もち「チッ」

シンジ「んー?もちくしゃみか?風邪ひいたかな…」

もち「なー」

シンジ「え?一緒の湯船に?」

もち「ンなーん」

シンジ「…ほんと変わってるな、この猫」


73 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:38:31 ID:sAs5F/.6

シンジ「…ふー」

もち「にゃー」

シンジ「もち身体でかいよな…猫のクセに」

もち「なーん」

シンジ「…あんま強く抱きついてくるなよ。爪食い込んで超絶痛い」

もち「なー」


シンジ「…そろそろあがるか」ザバー


74 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:40:33 ID:sAs5F/.6

・・・・。


シンジ「さて。」

シンジ「じゃあ僕は餌とかトイレとか首輪とか歯みがき粉とシャンプーとか買ってくるから」

シンジ「僕の部屋から出ないように」

もち「にゃー」


75 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:43:15 ID:sAs5F/.6


・・・・・。


シンジ「ほらキャットフードぞー」つ

もち「なーん」ハグハグハグハグ

シンジ「ふふ」ニコッ


<…ただいま


シンジ「あ、父さん帰ってきた」

もち「なーん?」


76 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:46:37 ID:sAs5F/.6

ゲンドウ「……」

シンジ「おかえり。頼まれたのは買っといたよ」

ゲンドウ「そうか。御苦労だったな」

シンジ「父さんも仕事お疲れ」

ゲンドウ「…ああ」

シンジ「風呂入る?」

ゲンドウ「ああ」

シンジ「湯船張ったよ。あと熱くしといたから」

ゲンドウ「そうか」


77 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 21:53:02 ID:sAs5F/.6
・・・・・。

TV<デハツギノ…

シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「父さんってニュースしか見ないの?」

ゲンドウ「悪いか」

シンジ「ううん。他に観たりするのかなって」

ゲンドウ「必要ないからな」

シンジ「ふーん」

ゲンドウ「くだらん番組はあまり好きではない」

シンジ「ふーん…」ピッ

TV「さー次のお笑いコンビはー?!」

ゲンドウ「何故今の会話の直後にその番組に変えた」


78 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 22:02:11 ID:sAs5F/.6

シンジ「父さん笑うかなって」

ゲンドウ「笑わん」

シンジ「じゃあ勝負な。この芸人のコントで父さんが笑わなかったら父さんの勝ち」

シンジ「笑ったら父さんの負けね」

ゲンドウ「…くだらん、つきあってられんな。私はもう寝る」

シンジ「笑ってしまって、さっきまでのクールキャラが壊れてしまうのが怖いの?」

ゲンドウ「ちが」

シンジ「じゃあ一緒にお笑い番組観ようよ」

ゲンドウ「……」


79 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 22:08:21 ID:sAs5F/.6


『続いてのコンビはエヴァ芸人でお馴染みのコンビ!『桜』でーす!』

稲垣早希『どーもー!』


シンジ「へーエヴァ芸人なんているんだね」

ゲンドウ「広報部は一体何を…エヴァは一応機密なのだぞ」ブツブツ



80 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/20(月) 22:21:08 ID:sAs5F/.6

稲垣『エヴァ弐号機パイロット、惣流アスカラングレーのモノマネやります!』


シンジ「雰囲気は可愛いよね」

ゲンドウ「ユイの方が美人だな」

シンジ「父さん別に誰も母さんの事言ってないよ」

ゲンドウ「知らん」


稲垣『「もしアスカがシンジにめちゃくちゃ優しかったら」』


シンジ「どうしよう録画して本人に見せたいな」

ゲンドウ「まずお前の名前が出された事に反応しろ」


86 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 02:21:44 ID:1y5w.4vM

稲垣『~~~~』

シンジ「あっははは!!うん、似てる似てる!ある意味そうだよ!」

ゲンドウ「………」ニヤリ


稲垣『~~~で~~~は』


シンジ「くっくっくっ…」

ゲンドウ「……フッ」


シンジ「父さん」

ゲンドウ「なんだ」

シンジ「面白いだろ?」

ゲンドウ「…」


ゲンドウ「ああ」


87 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 02:32:30 ID:1y5w.4vM

シンジ「また観ようよ」

ゲンドウ「…機会があればな」

シンジ「うん」

ゲンドウ「…さて」ふぁ

シンジ「眠い?」

ゲンドウ「ああ、疲れた。もう寝る」

シンジ「ん」

ゲンドウ「…お前は寝ないのか」

シンジ「きょうび11時前に寝る中学生なんて居ないよ」

ゲンドウ「10時~12時までに寝ると成長ホルモンが出る」

ゲンドウ「逆に言えばその時間帯に寝ないヤツは身長は伸びない」

シンジ「じゃ僕も寝やーっす!おやすみーッス!!」


88 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 03:05:00 ID:1y5w.4vM

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「何?」

ゲンドウ「猫はどうした」

シンジ「ああ、僕の部屋にいるよ」

ゲンドウ「…少し見てみてもいいか」

シンジ「…」クス

シンジ「うんいいよ」ペタペタ…

ゲンドウ「……」


89 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 03:05:17 ID:1y5w.4vM

ゲンドウ(シンジがああまで食い下がって飼いたがる猫とはどんな猫だ)

ゲンドウ(あいつの事だ)

ゲンドウ(絶対まともな猫じゃない)

ゲンドウ(念のために見ておかなくては)

シンジ「父さん」ペタペタ…

ゲンドウ「?」

シンジ「もちがもう寝ちゃってたから部屋に来てくれる?」

ゲンドウ「わかった」


90 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 03:13:03 ID:1y5w.4vM

ゲンドウ「もち、という名前か」

シンジ「うん。肌がもちもちしてたから」

ゲンドウ「……」

ゲンドウ「………肌?」

シンジ「? うん」

ゲンドウ「……そうか」

ゲンドウ(もうイヤな予感しかない)

ゲンドウ(いや待て、そういう種類の猫なのかもしれん)

ゲンドウ(水辺に生息する個体だから毛がなく、代わりに泳げるようになったとか)

ゲンドウ(いやそれでもそんな猫は気持ちが悪いが)


91 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 03:55:11 ID:1y5w.4vM

シンジ「静かにね?」シーッ

ゲンドウ「ああ…」

ゲンドウ(ユイ…どうか私を守ってくれ…)

ゲンドウ(どうか普通であってくれ)

ゲンドウ(ユイ…!)

シンジ「ごかいちょーう♪」ガチャ。

ゲンドウ「……」ソーッ…

ゲンドウ「…」チラッ


ゲンドウ「 」



92 :お前らエスパーか:2014/10/21(火) 04:03:13 ID:1y5w.4vM

もち→マリ(全裸)「すーっ。すーっ。」


マリ(なお、本物の猫耳がついており、)「すー…」

マリ(本物の尻尾が生えている。)「すーっすーっ」

マリ(眼鏡は有り。)「すー…」

マリ(毛がもっさり生えていて隠している)「すーすー」

マリ(手足には肉きゅう)「……」

マリ(そして赤い首輪つき)「すーっ…すーっ…」


ゲンドウ(全裸の少女がベッドにいた…)

ゲンドウ(もはや『彼女と猫○○○しました』と言ってくれたら納得できる)

シンジ「可愛いでしょ?」

ゲンドウ「そうだな、でもちょっとシンジ父さんと話そうか」ガシッ

シンジ「痛いよ父さん」


93 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 04:10:02 ID:1y5w.4vM

~りびんぐ~


ゲンドウ「私は確かに猫を飼う事を許可した」

シンジ「うん」

ゲンドウ「だが人間を飼う事を許可した覚えはない」

シンジ「もちは猫だよ!」

シンジ「そりゃちょっと…変わってるけど!」

ゲンドウ「逆に聞くが何故猫と判断する」

シンジ「猫耳と尻尾が生えててにゃーにゃー啼くし」

シンジ「生魚食べるし」

シンジ「あとなんか可愛いから」

ゲンドウ(いかんな、頭痛が止まらん)


99 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 14:39:05 ID:1y5w.4vM

ゲンドウ「…世間一般、常識的に見てアレは人間だ」

ゲンドウ「飼う事などできない」

シンジ「できるもん!できるもん!」

ゲンドウ「何故お前はそんなにアレを飼いたがる」

ゲンドウ「理由を言ってみろ」

シンジ「それは…」



100 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 14:46:44 ID:1y5w.4vM

シンジ「顔可愛いし眼鏡だし●●●●めっちゃでけーし腰ほせーし猫っぽいし…」




シンジ「僕専用の●●●とか●●●●●●…愛玩用にしようと思って」

ゲンドウ「色々正直すぎるわこのクズ野郎」



101 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 14:48:49 ID:1y5w.4vM


ゲンドウ「はぁ~………本当に、お前というやつは…」アタマカカエ

シンジ「いやでも実際大半の男ならそういう考えでお持ち帰りするでしょ絶対」

ゲンドウ「だまれ。…私はどうやらお前の変態さを舐めていたようだ」ハァアー…

シンジ「○○○○マスターシンジさんを舐めるなよ小僧」キリッ


ゲンドウ(本っ当に、もうちょっと幼少期にまともな教育をしておくべきだった…)



104 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 17:50:41 ID:1y5w.4vM

シンジ「まーでもさ、アレだよ?」

シンジ「ああいう"異形"をウチから追い出すとしてさ、どこに捨てるの?どう処理するの?」

ゲンドウ「……」

シンジ「いいじゃん。一度拾ったペットを捨てるのも犯罪だしさ」

ゲンドウ「…はぁ、」

ゲンドウ「もういい疲れた。好きにしろ」ガタッ…

ゲンドウ「うるさくするな」

シンジ「……」


シンジ「……」ガタッ、

シンジ「……」ペタペタ…


バタン。



105 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 18:01:07 ID:1y5w.4vM

マリ「……」

シンジ「!」

マリ「……」フリフリ

シンジ「…起きてたんだ?」

マリ「にゃー」

シンジ「ごめんね、起こしちゃったかな」

マリ「なーん」フルフル


106 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 18:02:00 ID:1y5w.4vM

シンジ「……」ヨイショ

マリ「……」

マリ「…なーん?」

シンジ「大丈夫。捨てないよ」ギュ

マリ「にゃ」ポフ。

シンジ「捨てられる側の気持ちは、……痛いほどわかってるから」ギュ

マリ「……」

マリ「にゃー」ナデナデ

シンジ「…ありがとう」


107 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 18:08:49 ID:1y5w.4vM

シンジ「初めて君を見た時さ」

マリ「……」

シンジ「父さんから捨てられた時の僕を見た気がしたんだ」

マリ「…にゃー?」

シンジ「うん」

シンジ「そう思ったらさ、もう絶対見捨てられなくなった」

シンジ「『あの時は誰も"僕"を救ってくれなかったけど』」

シンジ「『今は。僕次第で"僕"を救えるんだ』って」

マリ「……」

シンジ「…ごめん。僕は君を哀れに思ったわけじゃない」

シンジ「君は可愛いと思うけど、君を好きになったとか好きにしたくて拾ったんじゃないんだ」

シンジ「…結局僕は、」

マリ「……にゃー」ナデナデ


108 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 18:14:39 ID:1y5w.4vM

シンジ「……」

マリ「にゃー?」

シンジ「……泣かないよ。泣けないし、泣きたくない」

マリ「にゃ」

シンジ「さっきのふざけた理由の事?だって本当の理由を父さんに言えるわけないじゃないか」

シンジ「父さんの性格からして、言ったら更に嫌われるよ」

マリ「…うにゃーん」

シンジ「…聞いてくれてありがとう。もう寝よう、もち」

マリ「にゃー」

シンジ「…ああ、ごめん。そうだね、君本当はマリっていうんだった」


109 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 18:15:36 ID:1y5w.4vM



シンジ「おやすみ、もち」

マリ「に゙ゃー!」ペチッ!




110 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 19:06:17 ID:1y5w.4vM

~太平洋沖~






ゴポ。







111 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 19:08:00 ID:1y5w.4vM



ゴポ、ゴポポ。





第X使徒「……………」



第X使徒「GURURURU……」



112 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 19:15:35 ID:1y5w.4vM

~次の日。~



ゲンドウ「…いってくる」

シンジ「うん。じゃあまた後でね」

ゲンドウ「ああ」

シンジ「いってらっしゃい」

ゲンドウ「ああ」

プシュー、ガコン。


シンジ「ふー……」


113 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 19:18:29 ID:1y5w.4vM

マリ「にゃー」てちてち。

シンジ「ああはいはい。」つ魚

マリ「にゃー♪」ハグハグハグハグ

シンジ「たんとお食べ。」

シンジ「僕は今から昨日出来なかった魚祭りをやるから」

マリ「にゃー?」

シンジ「え?学校?…うん、今日は休むから」

マリ「にゃ?」

シンジ「うん。今日は母さんの命日だからさ」

シンジ「父さんと墓参り行くんだ」

マリ「なーん」


114 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 20:19:37 ID:1y5w.4vM

シンジ「ごはんとかは僕の部屋に置いとくから」

マリ「にゃー」

シンジ「んじゃ」ヒラヒラ

マリ「にゃー」フリフリ

シンジ「あんまり物色しちゃダメだよ」

マリ「なーん」


115 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 21:36:04 ID:1y5w.4vM

~第壱中~


ヒカリ「…あら?今日は碇くん休み?」

トウジ「そーみたいやなー」ホジホジ

アスカ「めっずらし。ようやく風邪でもひいたのかしら」

トウジ「心配やなー」ホジホジ

ヒカリ「というか鈴原汚い!やめなさいよー!」

トウジ「ええがな鼻ほじるくらい」ホジホジ

カヲル「そうだよ。鼻ほじるくらい許されるべきだよ」ホジホジ

ケンスケ「そうだぜ?(便乗)」ホジホジ

綾波「――にしても」ホジホジ


「「「「あいつ居ないと平和だわー」」」」



116 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 22:04:47 ID:1y5w.4vM

綾波「…でも、少し寂しいわ」

ヒカリ「そうね、すっかりアレに馴れちゃったから」

トウジ「せやな…なーんか物足りんわ」

カヲル「何してんだろね」

ケンスケ「まーたどっかでハジケてんじゃない?」

アスカ「…あんたら仲いいのね」

トウジ「まあな」

ケンスケ「じゃ、今日は碇なしで練習しよっか」

カヲル「だね」


117 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 22:16:46 ID:1y5w.4vM

ほうかご!


ケンスケ「じゃ、いくよ?3、2、1、」


~~♪~♪~~~~♪~♪


アスカ「…ふーん」

ヒカリ「アスカはやらないの?」

アスカ「ヒカリこそ」

ヒカリ「私は、そんな上手じゃないから///」ブンブン

アスカ「ふーん…」

カヲル「エヴァン♪エヴァン♪エヴァンっ♪げーりおーん♪」

ケンスケ「渚、お前ボーカル禁止な?」

カヲル「解せないな」

トウジ「わかれや。音域が違い過ぎんねん」


118 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 22:37:03 ID:1y5w.4vM

アスカ「…"奇跡の戦士エヴァンゲリオン"、ね…」

ヒカリ「作詞作曲は相田くんなんだって。すごいわよねー」

ヒカリ「私には真似出来ないもの」

アスカ「…ふーん?」



アスカ「…まああいつに出来てあたしに出来ないワケないわよね?」

アスカ「…」カキカキ…


119 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 22:55:30 ID:1y5w.4vM

トウジ「あかんな…なんかちゃうわ」

ケンスケ「トウジたまに力みすぎなんじゃないかな」

カヲル「~♪」



アスカ「―――でーきたっ♪」

ヒカリ「?」

アスカ「見て見て!」

『Get it on! ~Doppelg ngerにくちづけを~』

ヒカリ「へー?アスカも作ったの?」

アスカ「そーよ!あたしは天才だし、作曲もしちゃったわ!」エッヘン


120 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/21(火) 23:01:46 ID:1y5w.4vM

アスカ「あんた達!」

ケンスケ「?」

トウジ「なんや?」

カヲル「?」

アスカ「あたしに歌わせなさい!作詞作曲もしてきたわ!」

ケンスケ「急にんな事言われてもな」

アスカ「…いいわ!じゃああたしが今からアカペラで歌ってあげるから!」

アスカ「聞いたらすーぐに『素晴らしい!練習させてくださいぃ~』ってなるわね!」

ケンスケ「へー?」

アスカ「いくわよ!」

※実在します。アスカが頑張って歌ってくれてる感じで面白い。


121 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 02:35:10 ID:c7zkKh8E

アスカ「~~♪~~~~♪」

「「「 」」」


アスカ(ああ…!あたし、輝いてる。輝いてるわー!)



123 :みやむーの「たどたどしい感じ」はスゲーのよな:2014/10/22(水) 08:29:41 ID:c7zkKh8E

アスカ「~~♪…ん?」


ケンスケ「( -∀-)」

トウジ「( -∀-)」

ヒカリ「( -∀-)」

カヲル「( ^∀^)」

綾波「( ^ー^)」


アスカ「…何よ!!言いたい事があんなら言いなさいよッッ!!」


124 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 08:45:30 ID:c7zkKh8E


~墓所~



『ユイのはか』


シンジ「……」

ゲンドウ「……」




シンジ「母さんの墓って、ホントにガリ○リ君の棒が刺さってるだけなんだ…」



126 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 11:30:12 ID:c7zkKh8E

ゲンドウ「ユイの遺言だ」

シンジ「ひょっとしてギャグ?笑えないよ?色んな意味で」

ゲンドウ「きちんとした墓は用意してある。だが、ユイの願いを無下にはしたくなかった」

ゲンドウ「約束を果たすためだけの墓だ」

シンジ「…母さんってホント頭ヤバかったんだね」

ゲンドウ「ヤバくない。全然ヤバくない(震え声)」フルフル

シンジ「父さん無理があるよだっておかしいものあらゆる意味でおかしいもの」



127 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 11:42:16 ID:c7zkKh8E

シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「母さんってさ、どんな人だったの?」

ゲンドウ「……ユイは、」

ゲンドウ「いわゆる、"ちょっと変わってる人"だった」

シンジ(やっぱな)

ゲンドウ「だが、優しかった。絶望の中で人に希望を見せる事ができる人だった」

ゲンドウ「お前の母親は私の"救い"であり、支えであり、」

ゲンドウ「私にとって……唯一の"光"だった」

シンジ「……」


128 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 11:47:55 ID:c7zkKh8E

ゲンドウ「愛する術も愛される術も知らず、深く暗い地を這うような私の人生に」

ゲンドウ「唯一神が与えた光がユイだった」

シンジ「ふぅん…」

ゲンドウ「こんな私を、疎まれてばかりだったこの私を…深く愛してくれた」

ゲンドウ「………」

シンジ「……泣きたかったら泣いてもいいよ」

ゲンドウ「泣かん。泣けないし、泣きたくはない」

シンジ「そ」


129 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 11:53:48 ID:c7zkKh8E

シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「ここに母さんが眠ってるってピンとこないな。顔も覚えていないのに」

シンジ「そういや写真とかないの?遺影もないよね」 

ゲンドウ「残ってはいない。この墓もただの飾りだ。この土の下に遺体はない」 

シンジ「先生の言った通り、全部捨てちゃったんだね」

ゲンドウ「ああ。―――全ては心の中だ」


.     ・・
ゲンドウ「"今は"、それでいい」

シンジ(―――"今は"?)



130 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:00:34 ID:c7zkKh8E

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「何」

ゲンドウ「もう私を見るのはやめろ」

シンジ「……」

ゲンドウ「人は皆、自分一人の力で生き、自分一人の力で成長していくものだ」

ゲンドウ「親を必要とするのは赤ン坊だけだ」

シンジ「……」

ゲンドウ「そして、お前はもう赤ン坊ではないはずだ」

ゲンドウ「自分の足で地に立って歩け」

ゲンドウ「私自身もそうしてきた」

ゲンドウ「…もう私とわかり合おうなどと思うな」

シンジ「……」


131 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:03:57 ID:c7zkKh8E

シンジ(同居を解消してまた僕に背を向ける気なのか、父さんは)

ゲンドウ「人は何故かお互いを理解しようと努力する」

ゲンドウ「しかし覚えておけ。人と人が完全に理解し合う事は決してできぬ」

ゲンドウ「人とは、そういう悲しい生き物だ」


シンジ「……」

ゲンドウ「……」


132 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:16:11 ID:c7zkKh8E

シンジ「…いいんじゃないの、完全に理解なんてしなくて」

ゲンドウ「何?」

シンジ「僕は自分を100%誰かに理解されるなんてイヤだし、誰かを100%理解なんてしたくない」

シンジ「誰だって隠したい心はあるよ。…でもさ、」

シンジ「だからといって、歩み寄らなかったら……ヒトは生きていけないよ」

シンジ「だってそうだろ?ヒトは一人じゃ生きていけない」

シンジ「できるだけでいい。ただそれでも誰かをわかってあげる努力をするだけで世界は変わるよ」


133 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:23:08 ID:c7zkKh8E

ゲンドウ「わかろうとしない奴ばかりでもか?」

シンジ「他人なんて関係ないよ。自分がどう思い、行動するかだよ」

ゲンドウ「その『理解している』部分が『理解しているつもり』なだけであってもか」

シンジ「そりゃ見誤る事だって多々あるさ。でも、」

シンジ「それを修正した上で歩み寄るんだ」

シンジ「だって理解しなきゃ、歩み寄らなきゃ。優しくする事なんてできないよ」

シンジ「誰かに優しくするためにはその誰かをわかってなかったらできない」

シンジ「そして、人に優しくできない奴は人からも優しくされない」

シンジ「愛してほしかったら。まず自分から愛さなきゃダメだよ」


134 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:29:25 ID:c7zkKh8E

ゲンドウ「……」

シンジ「逃げちゃダメだ。父さん」

シンジ「人と向き合う事から、傷つくかもしれない事から!」

シンジ「何よりも、弱い自分と向き合う事から!」

シンジ「僕は、…そりゃ僕だってできなかったりしたし、人の気持ちを汲む事とか苦手だけど、」

シンジ「そんな僕も頑張ってるんだ。…一応は」

ゲンドウ「……」

シンジ「だから、父さんも…」

ゲンドウ「……」

ゲンドウ「……時間だ。私はネルフに戻る」クル

シンジ「……父さん…」


135 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:33:35 ID:c7zkKh8E

プルルル。プルルルルルル。


ゲンドウ「私だ」ピッ

ゲンドウ「…そうか、わかった」

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「何?」

ゲンドウ「使徒だ。一緒にネルフに行くぞ」

シンジ「…うん」ペタペタ…


136 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:36:16 ID:c7zkKh8E

ゲンドウ「……」スタスタ

シンジ「……」ペタペタ

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「何?」

ゲンドウ「……その、だな」

シンジ「?」

ゲンドウ「…一般の父子はキャッチボールをする事で仲を深めるらしいな」

シンジ「…!」

ゲンドウ「…今度の、休みにだな、」

シンジ「…うん!僕らもキャッチボールしようよ!父さん!」

ゲンドウ「…ああ、約束だ」


137 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 12:46:56 ID:c7zkKh8E

~第1発令所~


第X使徒『GOGYAAAAAAAA!!!』



青葉「目標、第3新東京市に侵攻中!街の北から入りました!!現在本部へ向かって歩行中!」

日向「目標の侵攻スピード、緩やかです!」

伊吹「エヴァ全機出撃準備完了!」

葛城「…了解!」


葛城「エバー全機、発進!!!」




139 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 13:03:54 ID:c7zkKh8E

プシュー、ガコン。

ゲンドウ「…」

冬月「墓参りはどうだったかね」

ゲンドウ「問題ない」

冬月「そうか。…どうやら目標は死海文書には記載がない使徒のようだ」

碇司令「……何?」

冬月「委員会から言われたんだよ。あと…気になる事があってな」

碇司令「なんだ?」

冬月「……委員会がさほど慌てていなかった」

冬月「こういった予定外、イレギュラーについてはうるさい彼等がだ」


140 :冬月の恩情でなってません。しっかり読み直すのだな!:2014/10/22(水) 13:05:10 ID:c7zkKh8E

碇司令「……老人達により造られた使徒、か」

冬月「一つの可能性だがな」

碇司令「そうか、よく知らせてくれた」

冬月「?!」

碇司令「…なんだ」

冬月「いや…珍しいな、お前が礼を言うなんて」

ゲンドウ「……ふん」


141 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 13:14:51 ID:c7zkKh8E

参号機『なんやあの使徒…』

四号機『…なんか今までの使徒の資料とデザインの系統が違う…よね』

弐号機α(…なんだ?アイツ。僕らとは違う…?)

弐号機β『待ちなさいよ!あたしが先!』

弐号機γ『あたしが先!』

零号機『目標を肉眼で確認』

初号機『っしゃ!何握りましょ!え?使徒?オーケーオーケーッッ!』


142 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/22(水) 17:35:32 ID:c7zkKh8E

~待機室~


式波「………」

式波「くっそ…完全復帰見送られた…」

式波「…まああの白髪のがシンクロ率高いのもあるんだけどさ…」

式波「ちくせう」



144 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 02:57:08 ID:1T7GpkCc

第X使徒「GAAAAAAAAAA!!!」

『イヤァアアア!!』

『ぐぁあああ!!』

『うわぁあああ!』

『うっひょひょーい!?』


日向「目標、尾を伸ばしてエヴァ全機を薙ぎ払いました!」

ミサト「なんて早さ!」

リツコ「あれではA.T.フィールドが間に合わないわね」

ミサト『皆!A.T.フィールドでの防御をしつつ接近、直接攻撃をしかけるのよ!』

『『『『了解!!』』』』


145 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 04:26:28 ID:1T7GpkCc

第X使徒「 」カッ!

初号機「?!」


日向「目標が正体不明の可視光線を初号機に当てました!!!」

初号機『う、うわぁああああああッッッッ?!』

伊吹「! 初号機パイロットの意識、途切れました!初号機ダウン!」


初号機「」ガクン…

ミサト「まずい!…カヲルくん!シンジくんを急いで回収して!」

ミサト「他の皆は目標へA.T.フィールドを張りながら攻撃!注意をそらして!」

『『『了解!』』』


146 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 04:32:44 ID:1T7GpkCc

第X使徒「COOooOooOoo!!!」

青葉「! 目標の体内に高エネルギー反応!!!」

青葉「これは…っ!第5使徒レベルの加粒子砲ですッ!!」


第X使徒「GOGYAAAAAAAA!!!」



 カ ッ ! ! ! 


参号機『うわっ…!』

四号機『がぁあああ!』

弐号機α『あああ!!』

弐号機β『いやぁあああ!』

弐号機γ『イヤァアアア!!!』

零号機『きゃああああ!!!』

148 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 12:05:09 ID:1T7GpkCc

伊吹「A.T.フィールドを貫通!エヴァ全機、大破!!」

ミサト「そんな!」


初号機「……」

初号機「!」バキッ…!

伊吹「初号機の顎部拘束具、破損!」

伊吹「来ました!暴走です!」


初号機「アォオォォオォォオォォオォォオ!!!」

第X使徒「 」カッ!

初号機「ウォォォオォォオォォオ!!」つA.T.フィールド

日向「目標加粒子砲を発砲!初号機、A.T.フィールドで防御!」


第X使徒「………」

第X使徒「……」メキョ、メキョメキョメキョメキョ。


149 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 12:09:17 ID:1T7GpkCc

第X使徒(甲)「GAAAA」

第X使徒(乙)「GYAAA」


日向「な…!目標、分裂しました!」

ミサト「! まさか、」

リツコ「今までの使徒の特徴を再現できるんだわ、あの使徒は!」


初号機「ウォォォオォォオォォオ!!」



150 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 12:23:13 ID:1T7GpkCc

・・・・・・・。

伊吹「―――本日イチハチマルマル、」

伊吹「初号機の暴走により目標を破壊しつくしましたが驚異の回復力により完全な殲滅は出来ませんでした」

伊吹「また、目標は第3使徒のパイルバンカー、第4使徒の鞭、第5使徒の加粒子砲、第6使徒の牙、」

伊吹「第7使徒の分裂といった今までの使徒の特徴を使い分けています」

伊吹「なお、MAGIの解析によると他の能力を使用中に他の能力、複数能力同時使用は出来ないようです」

伊吹「その後しばらくの戦闘ののち目標は突如、逃亡」

伊吹「太平洋沖、海中深くを最後にロスト」

伊吹「太平洋全域にソナーを配置、3時間観測。しかしパターン青は検出できず」

伊吹「また他国、他海域にも存在は検知できません」

伊吹「目標はロスト後から14時間以上経過した今でも見つかっていません「」

伊吹「以上、報告を終わります!」ビシッ


151 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 13:02:43 ID:1T7GpkCc

~ネルフ本部:第一脳神経外科~

綾波「エヴァ、かなり壊れたわね」スタスタ

カヲル「ね。まあ寸前でシンクロカットしてくれたから僕らはノーダメージだけど」スタスタ

トウジ「にしてもや。シンジは無事なんかな」スタスタ

ケンスケ「だよね~…資料読んだけど、毎度のごとく暴走してたらいつかきっと限界がくるよ」スタスタ

惣流「とゆーか心配すべきはあの謎の光よ。あいつが使徒から受けたあの光ってなんなのかしらね」スタスタ

貞本「あんたバカァ?わかるわけないじゃん」スタスタ



   502号室
   碇
   シ
   ン
   ジ



152 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 13:09:28 ID:1T7GpkCc

シンジ「………」

トウジ「邪魔するでー」ガラッ

綾波「邪魔するでー」

カヲル「邪魔するday」

ケンスケ「邪魔スルでい」

貞本「…なーんだ、フッツーに起きてんじゃないの」

惣流「心配して損したわねー」

シンジ「……あの、」

「「「「?」」」」


153 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 13:13:44 ID:1T7GpkCc

シンジ「その……えと、ちょっと、聞きたいんだけど…いいかな?」

トウジ「なんやねんそれ。きしょいで?」

ケンスケ「気にすんなよ。どーせまたいつものハジケさ」


シンジ「……その、あなた達は誰ですか?」


トウジ「」

ケンスケ「」

アスカ'S「」

綾波「」

カヲル「  」


154 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 13:18:47 ID:1T7GpkCc

カヲル「待てよ…冗談キツいよ?僕ら親友じゃないか」ガシ

シンジ「そ、そんな事言われても…」オドオド

カヲル「このヘッドホンだって君がくれたんだよ?」

シンジ「……ごめん、わからないよ。知らないんだ」

カヲル「オーマイガッ!!」バタッ!


ケンスケ「…まさか記憶を、」

惣流「ま、まっさかー!どーせとぼけてるだけよ!!ね、シンジ」

シンジ「ごめん…知らないよ」

綾波「でも私の事は覚えているわよね?ね、シンジ」

シンジ「ごめん。……わからないよ」


155 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 13:23:43 ID:1T7GpkCc

トウジ「!」

トウジ「ほんならワシが貸しとった5千円はどないなるんや!?」

カヲル「ここぞとばかりに騙そうとするなよ」ペシッ

シンジ「…あの」

「「「?」」」

シンジ「その……何か服をもらえないかな…寒いし」

シンジ「恥ずかしいし…あの、服が着たいんだけど」

「「「「「「(   Д ) ゚ ゚  」」」」」」



156 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/23(木) 13:43:47 ID:1T7GpkCc

ミサト「シンジくん元気?」ガラッ

ミサト「一応医者の話では特に大きな問題はないって、」


シンジ(学生服)「あなたは?」クルッ


ミサト「 」

ミサト「…ああ、またドッキリ?ダメよーシンジくんイタズラもほどほどにね?」

シンジ「? どういう事ですか?」

惣流「ミサト」

ミサト「?」

惣流「そいつ、自分から『服が着たい』っていって…服を着たわ」

ミサト「今すぐナースコール押して!!!めちゃくちゃ大問題が起きてんじゃないのよ!!!」



163 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/24(金) 13:10:58 ID:Ru/8pERI


・・・・・・・。



164 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/24(金) 13:19:52 ID:Ru/8pERI

医者「記憶喪失ですな」

ミサト「やっぱ?」

医者「ええ。ですが通常の記憶喪失とは異なりますな」

ミサト「といいますと」

医者「『記憶を丸ごと抜かれた』感じですな」

ミサト「え…?」

医者「ふむ。『脳内に情報(きおく)はあるけど情報を取り出すための機構が壊れた』」

医者「『記憶を蓄積する機構が破損して記憶データも破損した』」

医者「『脳内の電気信号が伝達しなくなった』」

医者「『ていうか脳が潰れた』」

医者「この記憶喪失に関して、こういった物質的な理由は存在しないという事ですな」


165 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/24(金) 13:29:03 ID:Ru/8pERI

医者「言うとですな、」

医者「『"今までの記憶"を記憶していた脳細胞自体は存在するのに情報がない』」

医者「――という事ですな。そら思いだそうとしても出来ませんな」

医者「例えるなら『パソコンに刺しっぱなしのUSB内に入れてたデータをそのままそっくり違う記憶メディアに転送された』」

医者「といった感じですかな。しかし…私も医者経験はそれなりにありますが、」


医者「こんなトリッキーな記憶喪失は初めてですな」

ミサト「…そう、ですか」


166 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/24(金) 14:58:59 ID:Ru/8pERI

惣流「―――あんた、ほんっっと~に何にも覚えてないの?」

シンジ「…うん」

綾波「碇くん、何故裸にならないの?」

シンジ「え…なんで?」

綾波「碇くんが自ら服を着て脱がないなんて、地球上の生命体全てが同時にハゲるくらいあり得ないもの」

シンジ「その例えもよくわからないよ…」

トウジ「でもほんまにお前どないしたんや。なんで脱がへんのや?」

シンジ「君こそが『どないしたんや』だよ…服を着るなんて当たり前じゃないか」

シンジ「人前で服を脱ぐなんておかしいよ」

綾波「……」ガクゥッ!

綾波「私、あり得ないものを見て、聞いたわ。私、頭がおかしくなってしまったの…?」

貞本「気をしっかり!大丈夫、現実よ!あいつがおかしくなってるだけだから!」

シンジ「なんだよ!君たちの方がおかしいよ!!」


167 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/24(金) 20:16:44 ID:Ru/8pERI


・・・・・。

惣流「――じゃ、あたし達帰るから」ヒラヒラ

トウジ「まーアレや、きっとその内なんとかなるて」

ケンスケ「だといいけど…」

カヲル「早く思い出せよ、シンジくん」ヒラヒラ

貞本「学校は来なさいよー」ヒラヒラ

シンジ「うん……」フリフリ

綾波「……」フリフリ


バタン。



168 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/24(金) 20:17:16 ID:Ru/8pERI

シンジ「………」

綾波「………」

シンジ「……」チラ

綾波「……」

シンジ「…あの、帰らないの?」

綾波「ええ」

171 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/25(土) 02:55:48 ID:qq63UC8c

シンジ「えと…僕に何か用事かな」

綾波「ないわ」

シンジ「そ、そう」

綾波「ええ」

シンジ「……」

綾波「……」

シンジ「何故家に帰らないの?」

綾波「……」


綾波「…ほら、私は碇くんの彼女だから?」

シンジ「ええっ!?そうだったの?!」


172 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/25(土) 02:56:52 ID:qq63UC8c

綾波「そうよ…」

シンジ「えー…なんかごめんね?」

綾波「いいの」


綾波(ああ……)



綾波(つい咄嗟に。すごい大嘘をついてしまったわ…)ドーン!




173 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/25(土) 03:31:48 ID:qq63UC8c

シンジ「あれ?でもそのわりには名字呼びだし…皆も何も言わなかったけど…」

綾波「え、えっと。」

綾波「アレなの。回りにはナイショで付き合ってるってアレなの」

シンジ「そ、そう…」

綾波「なの」コクン

シンジ「じゃあ…今は二人しかいないから…」

綾波「そうね。レイシンジ呼びでいいわね」

綾波(ああ、誰か私を止めて)


174 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/25(土) 03:36:58 ID:qq63UC8c

シンジ「じゃあその…『レイ』」

綾波「何」

シンジ「ごめん…呼んでみたかっただけなんだ、レイ」ニコッ

綾波「はう…」キュン

綾波(なぜ?なぜ碇くんに名前を呼ばれただけで胸の奥が軽く締め付けられたように感じるの?)

綾波「シンジ…くん」

シンジ「なぁに?」

綾波「~~っ/////」キュンキュンキュンキュン

綾波(もう少しだけ…このままで。)

シンジ「?」


175 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/25(土) 03:40:05 ID:qq63UC8c

綾波「少し寄り添ってもいい?」

シンジ「いいよ」

綾波「そう」ソッ

シンジ「////」

綾波「…//」

シンジ「……」

綾波「……」

綾波(この嘘が本当だったらいいのに)


186 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 00:24:30 ID:nfOWZFB6
シンジ「でも病院に泊まるなんて出来ないんじゃないかな…」

綾波「問題ないわ。全てはシナリオ通りだもの」

シンジ「……えーと、つまり?」

綾波「あなたのお父さんの権力は半端ないって事よ」

シンジ「ごめん冗談抜きでホント一ミリもわからないよ」

綾波「……」スッ

シンジ「? スマフォ?」

綾波「……」ピポパ



187 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 00:26:47 ID:nfOWZFB6

プルルル。プルルル。

ゲンドウ『なんだ』

綾波「碇司令ですか」

ゲンドウ『ああ。どうした』

綾波「碇くんのお見舞時間を明日まで延ばしてください」

ゲンドウ『何故だ』

綾波「ちょっと話したいだけです。…お願い」

ゲンドウ『……わかった。私から言っておこう』

綾波「ありがとうございます」ピッ



綾波「つまり、こういう事よ…!」ドヤァ…!

シンジ「僕の父さん?がロクでもない職権乱用野郎って事はよくわかったよ」



188 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 00:32:22 ID:nfOWZFB6

シンジ「というかちょっと気になったんだけど…レイと父さんの関係ってどんななの?」

シンジ「おかしいよね?ロクに理由聞かずに14の娘のいきなりのワガママ聞くとかおかしいよね?」

綾波「そうね…」フム


綾波「……ただならぬ関係?」

シンジ「ごめん僕ちょっと父さんと話してくるよ」ガタッ


191 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 00:49:07 ID:nfOWZFB6

綾波「いいの?」

シンジ「何がさ」

綾波「あなたのお父さんは恐ろしく冷たくて…恐い人よ?」

シンジ「………恐い?」

綾波「わからないの?」

綾波「実の息子が記憶をなくしたのに」

綾波「入院してる事も、意識を取り戻した事も知っているのに」

綾波「さっきワンコールで出たから、今日は仕事がそんなに立て込んでいるわけでもなかったのに」

綾波「総司令執務室からだってここまでの距離は遠くない。…なのに。」



綾波「…一度も。あなたのお見舞に来てないのよ?」

シンジ「…っ、」


192 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 00:55:07 ID:nfOWZFB6

綾波「私が知るあの人は私以外の人には酷く冷遇するし」

綾波「そもそもあなたが記憶を失ったのだって―――」

シンジ「もういいよ!!!」

綾波「……」

シンジ「いいよ……もう。わかった、行かない」

シンジ「…父さんなんかとは話してやらない」

シンジ「…だって父さんは僕なんか要らないんだ……」

シンジ「…ああ、そっか。レイの方が大事だからなんだ」

シンジ「だから電話もすぐ出るし、いきなりのワガママだって聞いてあげて…」


シンジ「……僕には一度も会いに来ないのか」


193 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 01:02:51 ID:nfOWZFB6

シンジ「…ねぇ、レイ」

綾波「何」

シンジ「母さんは?僕の母さんは?」

シンジ「ほら、今日はたまたま忙しかったとか…ここまで入ってこれないとか!」

シンジ「……電話とかメールの使い方がわからない……とか…」

綾波「……」

シンジ「ねぇ、レイ。僕の母さんは?」

綾波「…えっと」

シンジ「………やっぱり、母さんも僕が要らないの?」

綾波「ちがう。そうじゃないの」

綾波「あなたのお母さんは、」

綾波「……その、」


194 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 01:07:21 ID:nfOWZFB6



綾波(……言うの?碇くんに?)

綾波(「あなたの母親は、何年も前に初号機に取り込まれて死んだ」)

綾波(「更に言うなら私はあなたの母親とエヴァから造られた人間」って?)

綾波(今、私の軽はずみな言葉で、碇くんを傷つけてしまったのに?)


綾波(また、傷つけるの?)



195 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 01:24:07 ID:nfOWZFB6

綾波(…ダメ……)

綾波(これ以上碇くんを傷つけるのは、ダメ)

綾波「…その、今日は急がしかったの」

綾波「碇くんのお母さんもネルフ勤務で…」

綾波「その、そういえば私…言付けを預かってたわ」

シンジ「…なんて?」

綾波「『仕事が大変で、どうしても言ってあげられないけど』」

綾波「『命があってよかった。記憶がなくなっても大丈夫。またすぐ取り戻せる』って」

綾波「大丈夫よ…あなたはお母さんには愛されているわ」

シンジ「…! そうなんだ!そっか…そっか…!」


196 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 01:27:10 ID:nfOWZFB6

綾波(ああ……)

シンジ「よかった…あ、それに綾波も僕の事を…」

綾波「ええ。好きよ(棒)」

シンジ「…ありがとう///」ニコッ


綾波(…どうしよう…こんな風にするはずじゃなかったのに……)


197 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/28(火) 01:37:10 ID:nfOWZFB6

~次の日、リツコの研究室~

リツコ「あらそう。あのシンジくんが、ね…」

ミサト「そぉ~なのよぉ。あのシンジくんが服を着るなんて、碇司令が私に腹踊りを見せてくれるくらいあり得ないわよぉ~」

リツコ「……」

リツコ(私が頼んだら意外とけっこう色々やってくれるけどね)

ミサト「ねぇ、エバーとのシンクロには問題ないのかしら?」

リツコ「さあ?過去にそういった前例がないからなんとも」ニコッ

ミサト「…今日、シンジくんエヴァに乗ってくれるかしら」

リツコ「さあ。それよりもシンジくんの事で考える事はあるんじゃないかしら?」

ミサト「えー?何かあったかしら?」


198 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 01:02:25 ID:FBDQK8eQ

リツコ「シンジくんが服を着ない理由よ」

ミサト「●●でしょ?」

リツコ「そうとも言えなくなった、という事よ」

ミサト「…つまり?」

リツコ「"エピソード記憶"という単語に聞き覚えはあるかしら」

ミサト「ないわね」

リツコ「そう。エピソード記憶というのはね、要するに世間一般で言う『思い出』なのよ」

リツコ「人の『記憶』とは脳の中の一つのフォルダに入っている訳ではないの。」

リツコ「言葉や知識を司る『意味記憶』、」

リツコ「運動の慣れなんかを司る『手続き記憶』、」

リツコ「そして、今言った思い出を司る『エピソード記憶』」

リツコ「他にも挙げられるけど…要は記憶というのは性質によって入れ物が違うわ」


199 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 01:10:24 ID:FBDQK8eQ

リツコ「エピソード記憶…思い出を失ったシンジくんは服を着るようになった」

リツコ「もしシンジくんが元来有していた●●ならば服を脱ごうとするはず。」

リツコ「…よく『体が覚えている』と聞くでしょう?思い出を失っても服を着ないはずなのよ」

ミサト「なのに率先して服を着た…」

リツコ「そう。つまり、彼が服を着ないのは」


ミサト「…昔、『絶対服を着ない』って決める程の何かがあったから…?」

リツコ「そういう事よ」


200 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 01:23:14 ID:FBDQK8eQ

ミサト「いやそれどんな出来事よ」

リツコ「私だって知りたいわよ?」


ミサト「いやぁ……いやいや。あり得ないでしょーに」

リツコ「そうね。ただ…」

リツコ「実際、人から見れば案外大した事はない事だったりするかもしれないけど」



リツコ「『その人にとっては宇宙開闢くらいの出来事』っていうものがこの世にはあるから」

ミサト「うーん?」


201 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 02:32:39 ID:FBDQK8eQ

リツコ「さて…それじゃ私、仕事あるから」

ミサト「あいあい。頑張ってねーん」ヒラヒラ


ピンポーン。

リツコ「あら、誰かしら?」


綾波「………」



202 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 03:54:53 ID:FBDQK8eQ

リツコ「あらどうしたの?レイ」

綾波「赤木博士……」



綾波「碇くんのお母さんになってもらえませんか?」

リツコ「」

ミサト「」


203 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 04:01:31 ID:FBDQK8eQ

・・・・・・。

リツコ「なるほど。シンジくんを傷つけたくなくて嘘を吐いてしまったのね」

綾波「はい」

リツコ「それで私に母親のフリ?」

綾波「はい。赤木博士なら、と」

リツコ「イヤよ」

綾波「……」

リツコ「レイ?仮に私が演技しても。いつか必ずその嘘はバレるわよ?」

リツコ「大体、シンジくんが記憶を取り戻したらどうするの?」

リツコ「あなたに嘘を吐かれた事に彼は傷つくんじゃないかしら?」

綾波「……」ショボン


204 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 04:04:53 ID:FBDQK8eQ

綾波「でも…」

リツコ「ダメよ」

ミサト「いいじゃないリツコー」

リツコ「理由は言ったでしょ」

ミサト「シンジくんならきっと笑って許してくれるわよ」

リツコ「私も面倒なのよ」

ミサト「意地悪バァさんねぇ」

リツコ「バァさんは止めてバァさんは」


205 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 04:09:57 ID:FBDQK8eQ

ミサト「じゃあ私がやったげようか?」

綾波「葛城一尉は碇くんのお見舞に来てくださってしまったから…」

ミサト「あーん、そっかー…」

綾波「赤木博士…」

リツコ「ダメ」

綾波「きゅーん…」ウルウル

リツコ「そんな雨の日の捨て猫の目をしてもダメ」

綾波「お願いにゃん♪」ニャン

リツコ「何?私の猫好きに訴えてるの?」

綾波「今度猫カフェ奢ります」

リツコ「………」

リツコ「ダメよ」

ミサト「今ちょっと考えたわね」


206 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/10/29(水) 04:14:06 ID:FBDQK8eQ

綾波「赤木博士…」

リツコ「………」ハゥ…

リツコ「わかったわ」

綾波「!」

リツコ「その代わり今度猫カフェ付き合ってちょうだい」

綾波「はい!ありがとにゃん!」

リツコ「その語尾はやめなさい」


216 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 17:44:11 ID:zkg4KgYY

~第壱中~


シンジ「……お、おはよ~…」ガラッ


       ざわっ


「な……!?」
「お、おい!なん……で…?!」
「ありえねえ!」
「まさか今日が人類滅ぶ日?!イヤァアア!」
「バカな…!僕の計算では確かにシンジ君は今日も服を着てないはずなのに?!」
「どうしたんだ…?」
「頭でも打ったのか…?」
「まともなシンジなんてシンジじゃねーだろ…」


アスカ(貞本)「…まあ、こういう反応されるくらい、あんたは異常だったって事よ」ポン

シンジ「そんなぁ…」グス


217 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 17:49:51 ID:zkg4KgYY

トウジ「あーでも心配はいらんで!ワシらがおるやないか」

ケンスケ「そーそ。俺らは事情を知ってるしさー」

カヲル「でも早く思い出せよ?」

アスカ「…まあ、不本意だけど助けてやるわよ」

シンジ「み、みんな…!」


シンジ「その…ありがとう////」ニコッ!


アスカ「」キュン


218 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 17:54:27 ID:zkg4KgYY

ヒカリ「おはよう!委員長の仕事で遅く…」

シンジ「?」

ヒカリ「  」

ヒカリ「い、碇……くん……?」ヨロ、ヨロ…

シンジ「えっと……うん。その…ほら、僕は今日からまともになったんだ!」

ヒカリ「そんな…?!」ガタガタ

ヒカリ「みんなぁああ!?碇くんは使徒に何かされたの!?」

トウジ「鋭いっちゃ鋭いな」

ヒカリ「だって…!いやだって!!アレェ!」

ヒカリ「あわわわわ…!」ヘタリ

シンジ「どんだけ驚くのさ!やめてよ!なんか恥ずかしいよ!」


219 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 18:14:51 ID:zkg4KgYY

ヒカリ「いいのよ?!碇くん!いつも裸でいるのは恥ずかしい事じゃないわ!」

カヲル「むしろ恥ずかしい事の極みだろ」

ヒカリ「ほ、ほら!いつもみたいに私の●●●●、●●●●●ていいのよ?!」ガバッ

シンジ「僕そんな事してたの?!」ガビーン!?


ケンスケ「委員長も大分壊れたよね。色々」


220 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 18:21:02 ID:zkg4KgYY

ヒカリ「あ、○○○?○○○がよかった?」

シンジ「何言ってるの?!というか君は一体僕の何だったの?!」


ヒカリ「え…?えっと、」



ヒカリ「人柱?」

シンジ「うわぁあああ!前の僕なんて!前の僕なんて!」


トウジ「……」

ケンスケ「……」

カヲル「………」

綾波「おはよう……? なぜ皆前屈みになっているの?」


223 :ゲンドウ「君には失望した」ドーン:2014/11/04(火) 18:29:30 ID:zkg4KgYY

ガラッ、

根府川「皆、席につきなさ……!?」


シンジ「あ、はい」


根府川「」ドサッ…!


トウジ「あかん、先生が気を失った!」

ケンスケ「せ、先生ェェェェ!!?」


シンジ「」


224 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 18:35:32 ID:zkg4KgYY

黒板『今日は先生が卒倒したので自習』


シンジ「なんなんだよ…なんだってんだよ…」ブツブツ

シンジ「僕が服を着たらそんなにおかしいの?そんなの絶対おかしいよ」ブツブツ

シンジ「服を着るなんて常識中の常識じゃないか…」ブツブツ


トウジ「言ってる事は正しいんやけどなぁ」

ケンスケ「明らかに異常だよね、シンジとしては」

カヲル「…なんか記憶をなくしたシンジくんってつまらないな…」


ヒカリ「記憶をなくしたの?」

アスカ「そ。使徒にやられてね」

綾波「……」


225 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 18:40:36 ID:zkg4KgYY

綾波「碇くん」ソッ

シンジ「あ、レ…綾波」

綾波「……」

綾波「レイって呼びたかったら呼んでも構わないわ」

シンジ「え?だって皆には隠しているんじゃ、」

綾波「もうどうでもいいもの」

シンジ「そ、そうなの?」

綾波「なの」コクン

綾波「だから。ほら…Sa~y?(言ってごらん?)」

シンジ「えっと…じゃあ、その…」

シンジ「れ、レイ……////」

綾波「……」ガッツ!


トウジ「なんや綾波がガッツポーズしとるで」

ケンスケ「シンジが来てから綾波も壊れたからなぁ」 

226 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 18:55:29 ID:zkg4KgYY

シンジ「ねぇ、レイ」

綾波「何、シンジ…」ニコッ

シンジ「…やっぱり皆の前で女の子の下の名前呼びは恥ずかしいよ…」

綾波「……そう」ショボン

シンジ「あ…」ズキ

シンジ「…その、ごめん」

綾波「…いいの。私のワガママだから」フルフル

シンジ「……」

シンジ「…レイ、は…さ、どんな感じで僕と付き合う事になったの?」

綾波「!」

綾波「名前で呼んでくれるの」

シンジ「う、うん…///」

綾波「そう///」

綾波「えっと、馴れ初めは」


227 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 19:05:03 ID:zkg4KgYY

綾波(ああ―――)

綾波(一度嘘をついたら、更に嘘をつかなきゃならないのね)

綾波(その嘘を見せないために。覆い隠してしまうために)

綾波「…遅刻パン食い朝ドシーンが始まりで」

シンジ「何それ」

綾波「朝、登校途中に『通常通りの登校過程を辿ると規定時間に間にあわないために朝食(パン)を摂りながら走る』異性と町角でぶつかって恋愛関係の走りになるラブコメの王道的な出会い方の一つよ」

シンジ「ずいぶん定義的な説明したね」

綾波「でも今私が考えた文だわ」エッヘン

シンジ「そっか…レイって可愛いんだね」ナデナデ

綾波「!////」



トウジ「なんや腹立ってきたんやけどなんなんアレなんなんアレ」

ケンスケ「背中を撃ちたくなってきたよ」ガチャリ

カヲル「こんなとこでAK47出すの止めろよ」


228 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 19:14:26 ID:zkg4KgYY

~放課後~

トウジ「シーンジぃ?綾波といちゃつくんはええけどな?ちゃ~ぁんと仕事はしてもらわなあかんでー?」

シンジ「え?何?」

トウジ「文化祭や!ボーカルのお前がおらんとワシら練習にならんやないか」

シンジ「ぼ、僕がボーカル?!出来ないよそんなの!」

ケンスケ「できる出来ないじゃなくて、やるんだよ」

ケンスケ「シンジが記憶なくしてるのはわかるけどさ、歌えなくなったわけじゃないだろ?」

シンジ「でも…!」

ケンスケ「…シンジは恥をかくだけだから、面倒くさいから『出来ない』って言ってるだけだろ」

ケンスケ「でもさ、そんな風に逃げたらもっと恥をかくし、面倒くさいし、僕らにも迷惑かかる」

ケンスケ「悪いけど、もう決まってるんだ」

シンジ「そんなの勝手じゃないか!僕には無理だよ!できっこないよ!」

シンジ「大体、僕はたぶん歌は下手だし…」

ケンスケ「…」


229 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 19:19:02 ID:zkg4KgYY

ケンスケ「でもさ、これは元々シンジが言い出した事なんだぜ?」

シンジ「…え、」

ケンスケ「皆の意見を聞かずに、俺達に『これがやりたい!力を貸せ』って感じで言ってきたのはシンジなんだよ」

シンジ「そんな…!でも僕はそんなの知らないよ!」

シンジ「僕はやりたくない…」

ケンスケ「…そうかい。じゃあ、もういいよ」

ケンスケ「無理言って悪かったね」

ケンスケ「じゃ、俺ら練習あるから。さいなら」ヒラヒラ



230 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 19:22:47 ID:zkg4KgYY

綾波「シンジ…」

シンジ「…悪いけど…僕には出来ないよ」

シンジ「じゃ、僕は帰るから…」


綾波「シンジ…」

アスカ「あんなの放っときなさいよ!」

ヒカリ「碇くん…本当に人が変わったみたいね」

トウジ「なんなんやアイツ!うじうじメソメソして鬱陶しい!根性もあれへんし!」

トウジ「ワシ、記憶なくしたあいつ嫌いや!」


カヲル「……」


231 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 19:33:16 ID:zkg4KgYY


シンジ「……」トボトボ

シンジ(いいじゃないか、別に!だって、僕には出来ないよ!)トボトボ

シンジ(やりたくないし…興味もない)トボトボ

シンジ(それに人前で歌うなんて恥ずかしいよ…)トボトボ

『シンジ』(でも納得してないんじゃないの?)

シンジ(何にさ)

『シンジ』(何か、にさ)

シンジ(…君、誰だよ。『僕』のクセに僕を迷わせないでよ)

『シンジ』(カヲルだよ)

シンジ「?!」バッ

カヲル(というかさ、『もう一人の自分』が出てくる時って大体『自分』が迷ってる時じゃないの?)

シンジ「やめてよ!脳内に直接語りかけてくるのをやめてよ!」


232 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 19:42:18 ID:zkg4KgYY

カヲル(君、変な事を言うね?口に出そうが出さまいが意思は伝わるじゃないか)

シンジ「そういう事じゃないよ!」

カヲル(めんどくせっ)チッ

シンジ「なんなんだよ!」

カヲル(まあそれは置いといて)

シンジ「……」

カヲル(君さ、本当は"戦う"意思があるんじゃないの)

シンジ「……」

カヲル(面倒くさいし、恥ずかしいし、興味もない)

カヲル( だけど )

カヲル(勇気が足りてないだけで。本当は君の中には戦う意思があるんじゃない?)


233 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 19:55:50 ID:zkg4KgYY

シンジ(…でも)

カヲル(やろうよ)

シンジ(だって)

カヲル(頑張ってみようよ)

シンジ(もしダメだったら)

カヲル(ドンマイ!)ビシッ

シンジ「そりゃないよ」

カヲル(だってこっちだってそれ以上言えないよ)ハンッ

シンジ(せめて『僕らがフォローする』とか言ってよ)

カヲル(いやさすがにそこまで面倒は見切れないっていうか?)

カヲル(まあほら、『テメェのケツはテメェで拭え』みたいな?)

シンジ(ドライだね?!)


234 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 20:28:25 ID:zkg4KgYY

~第壱中~

トウジ「エヴァん!エヴァん!エヴァんっ!げ~~りお~~ん♪」

ケンスケ「う~ん…悪くはないけど…やっぱり女性声のがいいんじゃない?」

綾波「じゃあ私が歌うわ」

綾波「エヴァン♪エヴァン♪エヴァン♪ゲーリオーン♪」

ケンスケ「上手いけど感情が死にすぎてるってーか…」

アスカ「何よ文句ばっかね!…あ、なんならあたしが歌ったげよっかぁ?」

ケンスケ「いや、アスカはいいよ( -∀-)」ポン

アスカ「その顔をやめなさいよ!!!」


235 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 20:38:19 ID:zkg4KgYY

ケンスケ「気になってたんだけどさ、」チラ

ヒカリ「えっ?」

ケンスケ「委員長、ボーカルどう?」

ヒカリ「わ、私?!」

ヒカリ「無理よ無理無理!」

ヒカリ「ンダメよぉ~ンダメダメ!」

ヒカリ「私、歌上手くないし!最近ボイパーの練習サボってるし!」

トウジ「ん?」


236 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 20:40:07 ID:zkg4KgYY

ヒカリ「歌唱力とか意識して本気で歌ったのなんてニコ生でだけだし!」

ケンスケ「うん?」

ヒカリ「カラオケでも最高が99点だし!」

アスカ「…」

ヒカリ「でも皆が言うなら…しょうがないわね!」スチャッ

(((マイマイク持ってきてんの?!)))

ヒカリ「洞木ヒカリ、歌います!」


ヒカリ「『奇跡の戦士!エヴァンゲリオン』!」ビシッ!


トウジ「…なあ、参加もせんのにいいんちょが毎回来とったのって」

ケンスケ「もうちょっと早く強引に誘ってあげたらよかったなぁ」


237 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 20:45:19 ID:zkg4KgYY


シンジ(…ねぇ)

カヲル(何)

シンジ(皆が練習してるのって…どこかな)

カヲル「…音楽室。」ニコッ

シンジ「…あのさ、」

シンジ「僕…も、やっぱり参加しても…いいかな」

カヲル「……」ニコッ

カヲル「他の皆は知らないけど」

カヲル「僕は歓迎するよ」ニコッ

カヲル「一緒に頑張ろう、シンジくん」

シンジ「…ありがとう」ニコッ


238 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 20:47:04 ID:zkg4KgYY

~第壱中~


シンジ「すーはー、すーはー…」

カヲル「心の準備、もういい?早く行こうよ」

シンジ「う、うん…!」

ガラッ!

シンジ「み、皆!やっぱり僕もボーカルを…!」



239 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 21:02:42 ID:zkg4KgYY


ヒカリ「『リフト・オフ!』もう後にはァー♪」バッバッ!

ヒカリ「ン退けないっ運命《さだめ》ーっ♪」タンタンタン♪


ヒカリ「プロォーグナーイフッ♪握りしめぇッ♪」


ヒカリ「倒ーせ使徒《てき》を!♪」ビシッ


ヒカリ「守ーれ夢を♪」バッバッババッ!


ヒカリ「"未来"をぉぉおお―――~~!!!♪」


シンジ「」

カヲル「」



240 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 21:08:06 ID:zkg4KgYY

ヒカリ「アぁーイのをぉおっ!!力で進めっ♪」

ヒカリ「"奇跡"のぉお♪戦士その名はッ!♪」


            ヒカリ「エヴァンッ!♪」ビシッ



   ヒカリ「エヴァンッ!♪」ビシッ




       ヒカリ「エヴァンッ♪」きゃるん☆


ヒカリ「ゲ~~リオーー~~ンッ♪」

ヒカリ「たらたったたったたん♪」バッバッババッ!


ヒカリ「Thank You.」ビシッ!

シンジ「」

カヲル「」


241 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/04(火) 21:11:48 ID:zkg4KgYY

アスカ「ぶ、ブラヴォー!」パチパチパチパチ!

綾波「すごい歌唱力ね」パチパチ

トウジ「なんや、ごっつ上手いやんか!感動したわ!」パチパチ!

ケンスケ「だな!シンジぐらい上手いんじゃないか?!」パチパチパチパチ!

トウジ「いやー!なんとかなりそうやな!」

ケンスケ「だね!これなら―――」ハッ



シンジ「」

カヲル「……」ポン


247 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 01:10:25 ID:CLJzcEq2

ケンスケ「えっと!いや…」

シンジ「……」プルプル…

ケンスケ「待ってたよ、シンジ」ニコッ

トウジ「せや!やっぱお前がおらんと始まらんで!」ニコッ

ヒカリ「碇くん、一緒に歌わない?」ニコッ

シンジ「……やっぱり、僕なんかいらないんだ…!」ダッ!

アスカ「待ちなさいよ!あんたまた逃げるの!?」ガシ!

シンジ「だって!僕なんか居なくなっても代わりはいるもの!」

シンジ「どうせ僕は委員長より下手だし…!」

シンジ「もういいよ!」


248 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 02:35:17 ID:CLJzcEq2

カヲル「なんだ、やっぱり逃げるの?」

シンジ「う…」ピタ

カヲル「もう逃げないんじゃなかったの?」

シンジ「だって…」

カヲル「勇気、出せたじゃないか」

カヲル「皆も受け入れてくれてる」

カヲル「なのに、また逃げるワケ?」

シンジ「……う」


249 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 03:50:38 ID:CLJzcEq2

カヲル「…頑張りなよ。あと一歩くらいはさ」

シンジ「……」

シンジ「わかったよ…やる。やって…みる…!」

シンジ「皆」

シンジ「その…よかったら、」

シンジ「僕も参加させてくれないかな…」

トウジ「はー……ったく、」ガシガシ…



トウジ「こんアホ!」ペシッ

シンジ「あだっ?!」


250 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 03:54:11 ID:CLJzcEq2

トウジ「お前な、ワシら最初っから誘っとったやろが!」

トウジ「ワシらの誰かがお前を拒んだか?」

トウジ「ええか?お前が勝手に傷ついとっただけやからな?!」

シンジ「……うん…」

トウジ「…わかったんならエエわ。はよ練習参加しぃや!」

シンジ「…鈴原くん……!」

トウジ「トウジでええわ。…シンジの好きに呼んだらええけど」


ケンスケ「ごめんな?こいつこういう恥ずかしいヤツなのさ」コソッ

ケンスケ「ほら、演ろうぜ」ニコッ

シンジ「! …ありがとう」

ヒカリ「じゃ、練習再開ね!」


「「「「「おー!」」」」」


251 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 06:14:51 ID:CLJzcEq2

~総司令執務室~


冬月「碇」

ゲンドウ「なんだ」

冬月「何故息子に会いにいかんのかね?」

ゲンドウ「必要がない」

ゲンドウ「私が行って記憶が戻るなら見舞に行こう」

ゲンドウ「私が慰めてシンジが全裸を止めるならばいくらでも慰めよう」

ゲンドウ「だが、何もならない。無意味だろう」

冬月「そんな事はないだろう。シンジくんは喜ぶだろうし、安心するはずだ」

冬月「お前の言うことも聞くようにはなるかもしれん」

冬月「一回くらいは会ったらどうだ」

ゲンドウ「……」


252 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 06:20:31 ID:CLJzcEq2

冬月「お前…まさか」

ゲンドウ「……」

冬月「シンジくんがお前にどういう反応されるかわからなくて会うのを嫌がってるのか…?」

ゲンドウ「……」プイ

冬月「…家に帰ったら嫌でも顔を合わすんじゃないのかね?」

ゲンドウ「……深夜帰宅、昼出勤にすれば大丈夫だ。問題ない」

冬月「司令業務に支障が出る。大体、使徒が来たらどうする」

ゲンドウ「そのためのお前だろう。冬月副司令殿」

ゲンドウ「それに、そんなに言うならばお前がシンジに何か声をかけてやれ。『父からだ』と言ってな」

冬月「ハァ……全く。お前は昔から面倒くさい事を私に押しつけよってからに」


253 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 06:27:33 ID:CLJzcEq2

冬月「…サードのシンクロ率はどうなると思うかね」

碇司令「多少なりとも下がるだろうな」

冬月「やはりそういう見立てか」

碇司令「ああ。シンジは『思い出』を失った」

冬月「そして。恐らく彼のシンクロ率や戦闘技術、技、暴走は知識や経験からきている」

冬月「これはあくまでただの勘だがね」

碇司令「…シンジは明らかに未知の技術を体得している」

碇司令「でなければあれほどの戦闘能力を有するはずがない」

冬月「…それも見極められるといいがね」

碇司令「ああ…」


254 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 06:38:06 ID:CLJzcEq2

~ネルフ本部:男子更衣室~


シンジ「ねぇ、これは何の服?ダイバースーツみたいだけど」

カヲル「『プラグスーツ』さ。シンクロの補助やパイロットの救命装置の役割を果たすんだよ」

トウジ「…ワシ、シンジのプラグスーツ初めてみたわ。白と青なんやなー」

シンジ「ふぅん…」

シンジ「…ところで。母さんが『来なさい』ってメールしてきたから来たけど…」

シンジ「僕はこれから何をするの?」

トウジ「………へ?」


255 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 06:43:45 ID:CLJzcEq2

ケンスケ「シンジ、何も聞いてないのか?」

シンジ「うん…」

ケンスケ「ネルフがどういう組織かも?」

シンジ「うん…『人類を守る立派な仕事』とか『国際公務員』ってのは聞いたけど…」


トウジ「なあ…まさか、故意とか?わざと伝えられてへんのか?」

ケンスケ「ありえるかもね。真実を知ったらシンジは降りそうだし」

カヲル「何せ一緒に文化祭で歌うかってだけであんなに悩んでたくらいだし」

トウジ「そんなん許せへんわ!フェアやない!」

トウジ「ええか、シンジ!ワシらはな―――」


/ウー!ウー!ウー!\




256 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 06:50:02 ID:CLJzcEq2

ケンスケ「おいおい…この警報ってもしかして」


/『使徒発見。使徒発見。エヴァ全パイロットは速やかに各エヴァに搭乗せよ!』\


カヲル「『全』パイロット、ね…」

トウジ「シンジがこないな状態でもか!」

トウジ「戦えるかもわからん息子を戦場に出すんか!シンジのおとんは!」

ケンスケ「よせよトウジ。戦力は出し惜しみしたらダメなんだ」

カヲル「…特に、今までの使徒との戦いで屋台骨になってきたシンジくんならね」

トウジ「ワシ、あとでシンジのおとんに一言言うたる!」フンス!

ケンスケ「よせよ。上官に逆らったらヤバイし、相手はあの碇司令だぜ?」


257 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 06:55:50 ID:CLJzcEq2

トウジ「ケぇンスケぇ?!お前マタンキついとんのか!」

ケンスケ「あのな、」

トウジ「ダチがこないな目におうとんのやぞ!?」

トウジ「立場とか気にして!ここで何も言わへんのは友達ちゃうわ!」

ケンスケ「バカ!こういうのは『高度な判断』ってやつなの!マタンキは関係ないの!」

ケンスケ「『ネルフ本部の"怒り外道"を怒らせるな』ってのはパパ達の間じゃ常識なんだ!!」

ケンスケ「相手を見て一言言えよ!」

トウジ「せやかて!」

カヲル「熱くなってるとこ悪いけどさ、早くいかなきゃ使徒がくるよ」

「「チッ!」」


259 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 07:06:44 ID:CLJzcEq2

~第1発令所~

第X使徒『GOGYAAAAAAAA!!!』

青葉「目標、第3新東京市に侵攻中!街の北から入りました!!現在本部へ向かって歩行中!」

日向「目標の侵攻スピード、緩やかです!」


ミサト「前と全く同じように攻めて来たわね」ヒソ

日向「ええ。ただヤツは今回シンジくんの記憶を吸収しています」

ミサト「うかつに手を出すと何をされるかわからない、か」

日向「葛城さんと同じですね」クス

ミサト「……」

日向「……」

日向「スミマセン」


伊吹「エヴァ全機出撃準備完了!」

葛城「…了解!エバー全機、発進!!!」


260 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/05(水) 07:13:31 ID:CLJzcEq2

~待機室~


式波「……」

式波「あたし、いつになったら復帰できんのかしらねー…」つ人形

人形『大丈夫ヨ!アスカ!アナタハトクベツナンダカラ!(式波裏声)』

式波「そうよね…」

人形『イツカアノヒゲオヤジモアナタノカチニキヅクワヨ!(式波裏声)』

式波「…だといいんだけど。」プヒー。

264 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/07(金) 23:59:24 ID:72IxPorc

シンジ『…? 何だこの黄色い水…まさか誰かの ゴポゴポゴポゴポゴポゴポ
リツコ「心配しないでシンジくん。肺がLCLで満たされれば直接酸素を取り込んでくれます!」

シンジ『ごぽぱごぷごぺっぽ(いやそもそもLCLってなんなんですか?!)』

ミサト「我慢しなさい!おっとこのこでしょ!」



ミサト「…あのさ、リツコ。すっごくどうでもいい事なんだけど私今すっごいデジャヴ」

リツコ「奇遇ね、私もよ」


265 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 00:08:17 ID:lvIG169M

ミサト「…っていうか発進準備終わったんじゃなかったの!?」

マヤ「すみません…ついシンジくんが『準備完了です』って言ったのを信用してしまいました…」

リツコ「そう、次からは気をつけなさい。いつもの彼、いつもの状況ではないのよ」


シンジ『あの…母さん』

リツコ「……」

ミサト「……」

ミサト「……」ツン

リツコ(あ、私か)

リツコ「何かしら?」

シンジ『僕…頑張るから…その、心配しないで』

リツコ『そう。期待しているわ』ニコッ


リツコ「…?」チラ


266 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 00:10:54 ID:lvIG169M

青葉「…」ニヤニヤ

日向「…」ニヤニヤ

マヤ「…」ニヤニヤ

ミサト「…」ニヤニヤ

リツコ「ニヤニヤしないでちょうだい」



冬月「…彼女が母親、というのも中々想像はしがたいな」フッ

ゲンドウ「ああ」ニヤリ


267 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 05:08:13 ID:lvIG169M

リツコ「…マヤ、エヴァ各機のシンクロ率は?」

マヤ「はい!零号機は52%、αが98.2、βは49.3、γは54。」カタカタ

マヤ「参号機は44、四号機は49!」

マヤ「初号機……計測結果、出ます!」


MENTAL TOXICITY LEVEL

01  :∥∥∥∥∥∥∥
THIRD.c:∥∥∥∥∥∥∥
【碇シンジ】シンクロ率:41.3%


リツコ「……」

ミサト「……」

マヤ「……」



冬月「普通、だな。良くも悪くも平均だ」

ゲンドウ「ああ。何の面白味もない数値だ」


268 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 05:19:56 ID:lvIG169M

第X使徒「GOGEEeee!!!」


青葉「目標、咆哮!…高エネルギー反応!加粒子砲を撃つ気です!」

ミサト「緊急シールドを展開、エヴァ全機は避けて!」

第X使徒「GAAAAA!!!」

日向「目標、発砲!」

ズドォォオオオオオオン!!!

第X使徒「……」ギロ

初号機『ひっ……あ、あああ!!!?』


シンジ「なんだよ…!なんだよアレ!あんなの聞いてないよ!」

シンジ「それに、痛い…?ロボットが受けたダメージが僕にも…?」

シンジ「じゃあ、もしロボットが壊れるくらいのダメージを受けたら…?」


シンジ「うわぁあああぁあああああ!!」



270 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 05:35:38 ID:lvIG169M

マヤ「サードチルドレン、混乱!」

ミサト「シンジくん落ち着いて!大丈夫だから!」

リツコ「そうよ!いざとなったらシンクロカットもできるし…」

リツコ「その、母さんもついてるから」

シンジ『でも…!でも!恐いよぉっ!!助けて…!』

第X使徒「GURAAAAAAA!!!」

日向「目標、第3使徒のパイルバンカーを顕現!初号機に向かいます!」

第X使徒「TU!!」ブンッ

ズガン!ズガン!

初号機「」

伊吹「初号機の右肩に刺さり…貫通!」

シンジ『痛い!痛いよぉ!もう嫌だ!イヤだぁあああああ!!』

シンジ『助けてよ母さぁああん!!!』


271 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 05:41:47 ID:lvIG169M

シンジ「うぇえええええん!うぇえええええ!!!」

伊吹「ダメです!サードチルドレン完全に戦意喪失!!」

伊吹「これ以上の戦闘は今の彼には荷が重いです!」

リツコ「頑張ってシンジくん!戦うのよ!」

シンジ「どゔじでぞんなごと言うんだよ゙ぉお!もう無理だよ゙ぉ!無理だってぇえ!!」


伊吹「泣いてますよ!?」

碇司令「構わん」


272 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 05:50:03 ID:lvIG169M

マヤ「司令!」

碇司令「使徒殲滅が最優先事項だ。君は黙って自分の仕事をしろ」

マヤ「ううー…」ウググ

リツコ「マヤ、司令の言う通りよ」

マヤ「でも!」


シンジ『母さんも僕がいらないんだ。父さんも僕がいらないんだ…!』グスッグスッ

シンジ『もういいよ……死なせてよ…』グスッグスッ


日向「…マヤちゃん、仕事してくれ。僕らも逃げちゃダメだ。感情的になったらダメだよ」

青葉「ああ、俺たちが仕事しなかったらシンジくんの死ぬ確率は更に上がる」

マヤ「…はい、すみません……」


273 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 05:55:26 ID:lvIG169M

冬月「…トップは辛いな」

ゲンドウ「……」

冬月「私はわかっているよ。お前の判断は正しいさ」

ゲンドウ「……」

冬月「感情論で言うならば残酷な判断だが…冷徹に判断するならば、な」

ゲンドウ「……」

冬月「しかし、泥被りするならもう少し器用にやった方がいいぞ」

冬月「これでは反感ばかり買う」

ゲンドウ「……ああ」


274 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 06:03:03 ID:lvIG169M

弐号機α『シンジくんを泣かすなよ!!!』つA.T.ソード

第X使徒「」ヒュ!

参号機『待っとれやシンジ!今ワシらが助けたるからな!』ブンッブンッ

第X使徒(甲)「GUAAA」

第X使徒(乙)「GAAAA」

四号機『もうちょっと頑張ってくれ!シンジ!』

弐号機β『このヤロー!』ブンッ

弐号機γ『こんちきしょー!』ブンッ


日向「現在、エヴァ全機が応戦中!」

青葉「数の利はこっちが上なのに…まるで効いてないな」

伊吹「初号機、動きません!」


275 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 06:13:03 ID:lvIG169M

ミサト「皆はそのまま攻撃をくわえ続けて!囲んで掴んで、一気に叩くのよ!」

ミサト「…シンジくん!何も伝えずに乗せてごめんなさい!」

ミサト「でもお願いだから動いて!イメージすれば動くから!」

シンジ「でぎないよぉおお!!」

ミサト「泣いても何も変わらないのよ!お願い!」

ミサト「勇気を出して!」

シンジ「ひっぐ、ひっぐ…」

初号機「…」モソモソ

マヤ「! 初号機、移動を開始!」

初号機『逃げなきゃだめだ…!逃げなきゃだめだ、逃げなきゃだめだ逃げなきゃだめだ逃げなきゃだめだ逃げなきゃだめだ逃げなきゃだめだ逃げなきゃだめだ』


マヤ「初号機、戦線から離脱をはかっています!」


277 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 12:18:47 ID:lvIG169M

ミサト「…ダメ、か」

リツコ「無理もないわね」

リツコ「人生経験や人間力をゼロにされ。戦う理由も守る理由もない」

リツコ「おまけに正体不明の未知の化け物との殺しあいに事前説明も交渉も無しにいきなり放り出されてはね」

ミサト「……」

リツコ「……」

ミサト「よく考えると外道よね、私たち」

リツコ「でもそうしなければ乗らなかったでしょ?今の彼は」

リツコ「人類が滅ぶ確率を下げるためなら私達は汚い大人にでもならなければならないのよ」



279 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 12:23:59 ID:lvIG169M

マヤ「…」ムス

リツコ「あら、どうしたのマヤ」

マヤ「…先輩は尊敬してますし、自分の仕事はします。でも納得はできません」

リツコ「潔癖症ね。そんなんだとこの先辛いわよ」

リツコ「『汚れた』と感じた時にわかるわ。それが」

マヤ「……」


280 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 12:44:56 ID:lvIG169M

零号機『待って!シンジ!』

初号機『イヤだよ!僕は降りる!』

零号機『ちがうの。下手に動かないでほしいの』

零号機『使徒がどんな攻撃をするか…』

初号機『知らないよ!!』


綾波「」ビクッ

シンジ『レイなんて嫌いだ!』

綾波「……」ズキ

シンジ『こんなの聞いてないよ!!』

シンジ『こんなのできるわけないよ!!!』

シンジ『レイは僕の彼女なんだろ?!なんで教えてくれなかったのさ』

綾波「……それは、」


281 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 13:25:10 ID:lvIG169M

綾波「命令……だから…」

シンジ『命令?!命令だったら僕が死んでもいいっていうのかよ!』

綾波「ちがうの。そうじゃない、そうじゃないけど…」

シンジ『…レイにとって僕は大事じゃないんだ』

綾波「ちがうわ」

シンジ『僕のこと好きなんかじゃなかったんだ…』

シンジ『こんな僕を大事にしてくれない世界なんて滅びてしまえばいいんだ…』ブツブツ

綾波「……ごめんなさい」


282 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 15:50:14 ID:lvIG169M

冬月「……暗いな」

ゲンドウ「ああ」


青葉「…俺たち、今スゲーあり得ないシンジくんを見てるな」

日向「な」

マヤ「ね」


283 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 16:09:36 ID:lvIG169M

第X使徒「GAAAAA!!!」ズンズンズンズン

参号機『な、なんやこいつ!何で攻撃が…って止まれ!そっちいくんやないわ!』

弐号機α『! 逃げろ!シンジくん!』

シンジ「ひっ……うわぁあああ!!!来たぁあああああ!!」


日向「目標、他エヴァの攻撃を振り払って初号機へ!!」


シンジ「イヤだぁあああああ!!!」

初号機「ッ!」カッ!



284 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:06:49 ID:lvIG169M

シンジ「ぁあああああ!!!」

初号機「っ…」スゥッ…


初号機『イヤだってぇぇええぇぇええ!!!』


伊吹「初号機、A.T.フィールドを展開…!?」


初号機『言ってるでしょぉおおぉおおぉおおぉおお!!!』

第X使徒「?!」


伊吹「初号機!A.T.フィールドをブレードに形状変化!!」

初号機「ウォオオオオオオオオン!!!」

ズバンッ!!!

第X使徒「?!」

青葉「初号機、目標を斬り裂きました!」


285 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:09:10 ID:lvIG169M

初号機『人が嫌がる事すんなよ!!やめろよぉおおぉおお!!』

シンジ「ぁあああああ!!!」

初号機「ウォオオオオオオオオン!!」

ザシュッザシュッザシュッザシュッザシュッザシュッ

第X使徒「GUHA?!GUHA!?」



冬月「キレたな」

ゲンドウ「ああ」


286 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:27:16 ID:lvIG169M

第X使徒「KA!!!」


青葉「目標、加粒子砲発射!」

シンジ「うわぁあああ?!」

初号機「」

伊吹「初号機の左腕が焼失!!」

シンジ「ああああああああああ!!!」


第X使徒「―――


スゥッ。


青葉「?! 目標、ロストしました!」

ミサト「また!?再捕捉急いで!」


287 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:31:09 ID:lvIG169M


・・・・・・。


ミサト「け~っきょく。また使徒は逃げたわね」

加持「こちらの消耗を狙ってるのかもな。ヒットアンドアウェイ戦法って奴だ」

ミサト「はー……こっちとしてもいい加減に倒しちゃいたいんだけど」

加持「まあそういう時もあるさ。倒せる時に倒そう」

ミサト「…シンジくん、大丈夫かしらね」

加持「さあなぁ…」


288 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:35:34 ID:lvIG169M

~病室~

シンジ「……」ムスッ


リツコ「ごめんなさいね、シンジく…シンジ」

ゲンドウ「…ああ、すまなかった」

綾波「ごめんなさい」



290 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:39:47 ID:lvIG169M

シンジ「父さんも母さんも酷いよ…」

シンジ「特に父さん」

ゲンドウ「……」プイ

綾波「司令、もう一回ごめんなさいしてください」

ゲンドウ「断る。もうこれ以上シンジのご機嫌とりなぞ、」


綾波「ごめんなさいしなちゃい!!!」クワッッ!!!



ゲンドウ「………シンジ、すまなかったな」

シンジ「う、うん…もういいよ。僕も拗ねててごめん…」


綾波「よし!」

リツコ(完全にレイに悪影響を及ぼしてるわね)


291 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:46:19 ID:lvIG169M

シンジ「…あのさ、もう今日は帰っていいんでしょ?」

リツコ「そうね、医者からの許可は出てるわ」

シンジ「それじゃあさ…今日は皆で帰ろうよ」

シンジ「レイも一緒にさ…ごはんとか食べようよ」

シンジ「僕、母さんの料理も食べたいし…」

リツコ「そうね…私は構わないわ?」チラ

綾波「私も構わないわ」

ゲンドウ「私は嫌」

綾波「…」ガシ

ゲンドウ「…わかった。そうしよう」

シンジ「やったぁ!」


292 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:51:52 ID:lvIG169M

ゲンドウ「全く…まだ仕事が残っているというのに」

リツコ「あら、いいじゃないですか?たまには。」ソッ…

ゲンドウ「……ああ」


シンジ「レイは何が食べたいの?」

綾波「肉が入ってなければ何でもいいわ」


ゲンドウ「……」

ゲンドウ(なんだ…?何か重大な何かを忘れているような、)


マリ『にゃー』


ゲンドウ「 あ 」


293 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 17:55:22 ID:lvIG169M

・・・・・。


ゲンドウ「だから仕事が残っててだな、」

リツコ「もう!往生際が悪いですわよ?」

綾波「もう材料も買っちゃいましたし」

ゲンドウ「わかった、今日は外食にしないか?私が奢ろう」

リツコ「…そんなに自宅に見られると不味いものがあるんですか?」

ゲンドウ「………」


綾波シンジ「「わかりやすっ」」


294 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 18:12:18 ID:lvIG169M

ゲンドウ「…その、記憶をなくす前のシンジが拾ってきたのがいてだな、」

シンジ「へー…なんだろ」

ゲンドウ「……………ね、こ…?」

シンジ「何でそんな自信なさげなの」

ゲンドウ「いや、な…なんと言えばいいのかわからんのだ」

シンジ「あー、猫みたいな見た目をしてるけど実は狐の仲間なんだーとかかもってこと?」

ゲンドウ「う……うむ」

リツコ「? まあ、猫なら楽しみね」

シンジ「母さん、猫が好きなんだ?」

リツコ「ええ。とっても」ニコッ

シンジ「そうなんだ」


295 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 18:51:55 ID:lvIG169M

シンジ「あ、僕が開けるよ!」

リツコ「そう?じゃあお願いね」

シンジ「たっだいまー!」ガチャ


マリ「おっ帰りにゃー♪」ガバッ

シンジ「うわっ?!」

マリ「あーんもー!寂しがらせんなよーご主人よぅ!」スリスリ


ゲンドウ「」

リツコ「」

綾波(阿修羅)「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


296 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:04:38 ID:lvIG169M

リツコ「…とりあえず中に入りましょうか」

綾波「ええ」

ゲンドウ「……」


リツコ「本当はあなたが拾ってきて…その場凌ぎのためにシンジくんの記憶喪失を利用して嘘をついてるわけではないですよね?」ヒソ

ゲンドウ「ああ、それだけは違う。本当だ」ヒソヒソ

リツコ「…そうですか。なら信じますけど」


マリ「おー?ゲンドウくんもお帰りお帰り!待ってたよん」

ゲンドウ「…ああ」


297 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:12:54 ID:lvIG169M

・・・・。

リツコ「それで?あなたは?」

マリ「ご主人たまからは"もち"って呼ばれてる」

リツコ「…あなたの本名は?」

マリ「マジで忘れた(棒)」

綾波「あなたはどこから来たのかしら?」

マリ「マジで忘れた」

シンジ「本当に僕が君を拾ってきたの…?どこで、どうして?」

マリ「路上に放置されてたダンボールに入ってたとこをね、」

マリ「『どうしても見捨てることができないから』って言ってたよ」

シンジ「…信じられないや」

マリ「てーかさ、記憶なくしたってホント?」

シンジ「う、うん…」

マリ「大変だねー」


298 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:20:33 ID:lvIG169M

綾波「あなた、人間でしょ?なぜペットのフリを」

マリ「人間……じゃなかったような?」ウーン
マリ「なんか記憶が曖昧でさー」ヘラヘラ

マリ「てーか?時々人間の言葉喋れなくなるし」

マリ「生魚やキャットフード食べるし」

マリ「耳も尻尾もちゃんとあるし?」

マリ「これを『人間だ』って定義するのは難しいんじゃにゃいかい?」

リツコ「…確かに動物分類学上はホモサピエンスと定義づけられない可能性はあるけど…」

ゲンドウ「……」

ゲンドウ「お前はこれからどう生きるつもりだ」

マリ「碇家のペットとして生きてくことにするよ」


299 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:31:25 ID:lvIG169M

シンジ「そっか…じゃあよろしくね!もち!」

マリ「にゃ!」

綾波「……まあ、狙わないのなら」

リツコ「それじゃ、ごはん作るわね」ヨイショ

ゲンドウ「待て、順応が早い。お前達もう少し」

シンジ「レイ、もち。僕の部屋いこうよ。何があるか知らないけど遊ぶものくらいありそうだし」

綾波「そうね」

マリ「にゃい」

リツコ「~♪」


ゲンドウ「聞け」


300 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:46:02 ID:lvIG169M

・・・・。

リツコ「出来たわ。お口に合うといいのだけど」

ゲンドウ「…ああ」

リツコ「シンジ、レイ!もちちゃんも!ごはんが出来たわよー!」


「「「はーい!」」」



301 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:50:28 ID:lvIG169M
シンジ「美味しい!美味しいよ母さん!」

リツコ「そう。よかったわ」

リツコ「どう?あなたも美味しいですか?」ニコッ

ゲンドウ「ああ」モグモグ

リツコ「…えっと、あなたは本当にそれがいいの?」

マリ「にゃ。地べたに皿置いてくれた方が落ち着くし!」ハグハグ

リツコ「そ、そう」

綾波「……」

リツコ「あら?レイは口に合わなかったかしら?」

綾波「あ、いえ違います。美味しいです…ただ」

綾波「こういう形でのごはん、初めてだから」

シンジ「こういう形?」

綾波「…」


綾波「家族、みたいな」


302 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:55:22 ID:lvIG169M

シンジ「…」

ゲンドウ「…」

リツコ「…」

マリ「…」ハグハグモッチャモッチャ

シンジ「そっか。じゃあさ、また来たらいいよ!」

シンジ「一緒に食べようよ」ニコッ

綾波「! …ありがとう」ニコッ

リツコ「ふふっ」

ゲンドウ「……」


303 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 19:59:00 ID:lvIG169M

~副司令執務室~


冬月「碇め、また私に仕事を押し付けよって…」

冬月「おかげで私は今日も残業三昧、晩飯抜きか」カタカタ

冬月「全く。何が『家族サービスだ』だ」ブツブツ

冬月「……」


冬月「"新しい幸せ"を見つけられるといいな、碇」カタカタ


304 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 20:08:27 ID:lvIG169M

シンジ「えっと…僕が下で寝るから…レイは僕のベッドで寝てよ」

マリ「えー?床は私の場所だからダメ」

シンジ「そ、そんな!」

綾波「いいのよ。一緒に寝ましょう」

シンジ「////」

綾波「ほら、私…」

綾波「シンジの彼女だから…///」

シンジ「う、うん///」

マリ「ヒューヒュー!」


305 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 20:10:38 ID:lvIG169M

シンジ「そ、それじゃおやすみー…」

綾波「ええ」

マリ「変なことする時はちゃんと寝たフリしとくから安心していーよ?」

シンジ「しないよ?!///」

パチ。


綾波「………」


綾波(……暖かい。)



306 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 20:14:29 ID:lvIG169M


綾波(私。とんでもない嘘をついてしまったけど)

綾波(心が…すごく暖かい)

綾波(……幸、せ?)

綾波(そう、これがきっと"幸せ"なんだと思う)


綾波(…私、幸せなんだわ)


綾波(…碇くんの記憶がこのまま戻らなければいいのに)


307 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 20:27:02 ID:lvIG169M

シンジ(すんごいいい匂いするよ!背後から女の子の匂いがするよ!)

シンジ(寝られないよ!ああ寝られないともさ!)

シンジ(大体もちって見た目がすごくスタイルも顔もいい女の子だし!)

シンジ(同じ部屋に美少女二人!しかも一人は添い寝!!)

シンジ( 情 熱 を も て 余 す ! )

シンジ(襲ったら不味いけど!いやでも僕の彼女だしちょっとくらい!)

シンジ(使徒の事やエヴァの事教えてくれなかった時は本当に嫌いだって思ったけど!)

シンジ(あああああ!!!寝られないよぉおおぉおおぉおお!!)


308 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 21:13:22 ID:lvIG169M

リツコ「…」ソッ

ゲンドウ「…どうした」

リツコ「いえ?ただ夫婦なら一緒に寝るものでは、と」

ゲンドウ「……そうか」

リツコ(…このままこの人と一緒に住めるよう、今のうちにレイやシンジくん達を懐柔しておこうかしらね)

リツコ(既成事実さえあれば碇ユイへの想いもいつかは…)

リツコ(それに…)

シンジ『母さん』ニコッ

綾波『家族、みたいな』

ゲンドウ『…リツコ』


リツコ(家族ごっこも悪くはなかったもの)

リツコ(…嫌な女ね、私)ゴロリ


309 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 21:19:12 ID:lvIG169M

ゲンドウ「……」

ゲンドウ(感じた事がない感覚だった)

ゲンドウ(一家団欒とは、ああいうものなのだろうか)

ゲンドウ(ユイといた時に少し似ていて……)

ゲンドウ「……」

ゲンドウ(ダメだな)

ゲンドウ(私は幸せにはなってはいけない人間だ)

ゲンドウ(ユイを喪った時、『例え世界を、誰かの人生や想い全てを踏み台にしても』と決めて)

ゲンドウ(実際にそれをやってきた)

ゲンドウ(ゼーレの駒になり、汚い事も残酷な事も、倫理や道徳に反する事も)

ゲンドウ(間接的とはいえ、潰し、殺し、踏みにじり、踏み台にし)


ゲンドウ(…私は、奪いすぎた)


310 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 23:13:27 ID:lvIG169M

マリ「………」

マリ(思考が、保てない)

マリ(記憶はごった煮状態)

マリ(あの時、私と猫くんは転移システムの不具合で『混ざって』しまった)

マリ(消化器官とか脳も猫になって…)

マリ(精神も猫に侵食…いや、"混在"している)

マリ(喋れる時、喋れない時)

マリ(わたg、dpg@adagp,38444864700、)
マリ(にゃー)

マリ(にゃーにゃーにゃー)

マリ(にゃいーん!)

マリ「……」


マリ「ZZZ…」


311 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 23:17:58 ID:lvIG169M

~次の日~

ゲンドウ「では行ってくる」

リツコ「あ、私今日は帰れないかもしれないわ」

シンジ「わかったよ。二人ともいってらっしゃい」ニコッ

綾波「いってらっしゃい」フリフリ

プシュー、ガコム。

綾波「シンジ」

シンジ「ん?」

綾波「手」

シンジ「ああ、繋いでほしいの?」

綾波「うん」

シンジ「わかったよ」テギュ

綾波「……」

綾波「///」


312 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 23:23:46 ID:lvIG169M
マリ「にゃー」

シンジ「あ、もち。…ごはん?」

マリ「にゃーん」

シンジ「わかったよ」

綾波「シンジ、猫の言葉がわかるの」

シンジ「いや、ホントにわかるわけじゃないけどさ」

シンジ「なんていうか…ああ、なんとなく、かな。うん」

綾波「そう」


313 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 23:24:14 ID:lvIG169M

綾波「…」

綾波「シンジ」

シンジ「何?」

綾波「にゃー」

シンジ「…ひょっとして、何を言ってるか当ててほしいの?」

綾波「…すごい。当たったわ」

シンジ「ぷっ…あはは」

綾波「? どうして笑うの」

シンジ「あはは…なんでもないよ」


314 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 23:31:58 ID:lvIG169M

~第壱中~

シンジ「おはよう」

トウジ「シンジ…その、すまんかった」

シンジ「な、なんだよ急に」

トウジ「ワシがちゃんと教えといたらお前に…」

シンジ「いやいいよそんなの。僕はもう平気だし」

トウジ「あかん!ワイの気が収まらへん! シンジ、ワシを殴れ!」

シンジ「え?」

トウジ「それでチャラにしてくれや!」

ケンスケ「言ったろ?こーいう恥ずかしい奴なの。コイツ」


315 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/08(土) 23:33:47 ID:lvIG169M

シンジ「じ、じゃあ…一発だけ…」

トウジ「……」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

シンジ「…あの、そんな強くしないよ?」

トウジ「お?!おう!!そーやんな?!そーやそーや!また頭蓋骨複雑粉砕されるわけ…ああああああああ」

トウジ「あかんあかんあかんあかんあかんて!そんなふりかぶったらああああ」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

ケンスケ「トラウマになってんじゃねーか」

カヲル「無理すんなよ」


316 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 00:06:23 ID:IjlLWUXI

アスカ「……」ジー

シンジ「えっと…何?」

アスカ「べっつにぃ?手なんか繋いじゃってさぁ?ファーストと仲いいなーって」

シンジ「ま、まあ…うん」

アスカ「……」

アスカ「あんた達、付き合ってんの?」

シンジ「えっと…」

綾波「付き合ってはないわ」

綾波「ただ、あなたよりも仲良しなだけよ」ドーン!

アスカ「あっそ」イラッ


317 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 00:13:08 ID:IjlLWUXI

~放課後~

ケンスケ「ワン、ツー、ワンツーさんしっ」

ヒカリ「沈む夕日♪」

トウジ「…」バボボボ

シンジ「のー影ーに♪」

カヲル「…」ギャギャギャ

綾波「…」タララン

アスカ「…」ジー


318 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 00:51:11 ID:IjlLWUXI

~夜~

リツコ「ただいま…」

リツコ(自宅でもないのに…変な気分ね)

シンジ「お帰りなさい」

綾波「お帰りなさい」

リツコ「ありがと」

ゲンドウ「…」

リツコ「あ、先に帰ってたんですね」

ゲンドウ「お帰り」

リツコ「」


リツコ(幸せだわッッッッ!!!)



319 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 02:12:00 ID:IjlLWUXI

~そんな日が続いて数日後の放課後~


シンジ「大分できるようになってきたね」

ヒカリ「そうね!碇くん最初は自信なさげすぎだったけどすごく堂々とできるようになったわよ!」

シンジ「そ、そうかな///」

綾波「ええ。上手くなったわ」

ケンスケ(まあシンジは記憶なくす前から上手かったしな)

カヲル「ねぇ、僕もワンフレーズだけ」

「「「お前はやめとけ」」」

カヲル「ちぇ」


320 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 03:15:18 ID:IjlLWUXI

シンジ「文化祭、楽しみだな…」

ヒカリ「そうねー」

トウジ「ワシらの熱いソウルソング、観客に届けたるで!」

カヲル「あのさ、僕も届けたいんだけど」

ケンスケ「渚は俺達だけにしよう?観客に届けるのはダメ絶対」

カヲル「音痴ってそんなにダメなの?」ブスー

ケンスケ「悪くはないけど舞台ではちょっと」

綾波「フォース」

カヲル「何?」

綾波「しつこいわ」

カヲル「」


321 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 03:21:49 ID:IjlLWUXI

ウウー……!ウウー…!


ヒカリ「…警報?まさか…」

トウジ「使徒や…また来たんか」

ケンスケ「ようし!今度こそ!」

カヲル「ホントしつこいな」

アスカ「っし。ギッタギータにしーてやんよー♪」ゴキゴキ

綾波「シンジ、早く行きましょう」

シンジ「…」



シンジ「行かない」



322 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 03:43:57 ID:IjlLWUXI

アスカ「はあ?あんた何言ってんのよ?!」

アスカ「人類守れるかどうかはあたし達にかかってんのよ?!」

アスカ「あんたはその責任を果たさない気ィ?!信じらんないわ!」

シンジ「だって無理だよ!それに…あんな恐い思いはもうしたくないよ!!」

カヲル「……」ハァ

カヲル「なんだか、記憶を喪った君は随分脆くなったね」

シンジ「"僕"は"前の僕"じゃないんだよ」

カヲル「そうみたいだね」

カヲル「じゃ、シェルター行ったら?その方が死なない確率はあがるし」スタスタ


323 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 03:48:15 ID:IjlLWUXI

トウジ「シンジ…ほんまにそれでええんか」

トウジ「ワイはお前の気持ちも知っとるし、使徒との戦いがどんだけ恐いかもよぉ知っとるから」

トウジ「無理強いはせんけど…」


トウジ「お前、またそうやって逃げてまうんか」

シンジ「………」プイ

トウジ「ほうか。ほんなら…渚の言う通りにしとき」

トウジ「ネルフに来たらお前無理矢理でも乗せられるから来ん方がええぞ」

シンジ「……」

トウジ「…ほな、ワイは戦いに行くわ。さいなら」スタスタ


324 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 03:51:12 ID:IjlLWUXI

ケンスケ「じゃ、俺も行くよ」

ケンスケ「…俺、シンジならもうちょっと気骨があるかと思ってたけど」

シンジ「……」

ケンスケ「そ。見損なったよ、"碇"」

ケンスケ「じゃ、僕も行くから」スタスタ

シンジ「……」


325 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 03:54:03 ID:IjlLWUXI

アスカ「……」

アスカ「サイッテー!あんたみたいな無責任オトコなんかに今まで守っててもらったのかと思うと…」ツカツカ


アスカ「反吐が出るわよ!!!」
シンジ「……」


アスカ「何よ!ちょっとは認めてやってたのに――」スタスタ


シンジ「……」


326 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 03:59:50 ID:IjlLWUXI

綾波「シンジ…」

シンジ「……」

綾波「あなたは楽しくなかったの?」

シンジ「………何が」

綾波「司令と、お母さんと、もちと私と居た時間が」

シンジ「そんなことはないよ…」

綾波「では、皆と文化祭の練習してた時は?」

シンジ「…楽しかったよ」

綾波「私達は負けるかもしれないわ」

綾波「だって、今まで使徒を退けてこれたのはシンジのおかげだもの」

綾波「今来てる使徒との戦いもそうよ。この前も、最初も」

綾波「シンジがいなければ…きっと人類は滅びてたわ」

シンジ「……そんな事は」


327 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 04:04:32 ID:IjlLWUXI

綾波「シンジ」

シンジ「……」

綾波「もしあなたが戦わなかったら…あの優しい時間はもう戻ってこないかもしれないわ」

綾波「それでも、いいの?」

シンジ「……」

シンジ「………それは、嫌だけど」

綾波「なら」

綾波「戦わなきゃいけないわ」

綾波「人類はたった一度でも負けるわけにはいかないもの」

シンジ「…」

綾波「…」

綾波「…先、行くから」

タッタッタッ…

シンジ「……」


328 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 04:06:35 ID:IjlLWUXI

シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「……」

シンジ「………」



シンジ「無理だよ…恐いし、やりたくないよ…!」ポロポロ




329 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:06:04 ID:IjlLWUXI

ヒカリ「碇くん」

シンジ「…何」グス、グス

ヒカリ「逃げていいことって、今まであったかしら?」

シンジ「……」

ヒカリ「ないんじゃない?」

シンジ「…委員長も早く逃げなよ…委員長は戦わなくていいんだからさ…」

ヒカリ「絶対、イヤよ」

シンジ「…死んじゃうんだよ?」

ヒカリ「構わないわ」


330 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:08:10 ID:IjlLWUXI

シンジ「何考えてんのさ…死ぬのが恐くないの?」

ヒカリ「すっごく恐いわ」

シンジ「なら逃げなよ」

ヒカリ「ダメよ。だって私…」

ヒカリ「碇くんがどうするか、どうなるかを見届けるって決めたもの」

シンジ「……なんで」

ヒカリ「私がそうしたいからよ」

シンジ「はは…委員長はやっぱり頭おかしいよ」

シンジ「なんだって死ぬ可能性を引き上げてまで僕みたいなのの最期をみたいのさ」

ヒカリ「…教えてもらったから」


331 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:17:54 ID:IjlLWUXI

シンジ「……」

ヒカリ「前のあなたに」

シンジ「また"前の僕"の話!もう聞きあきたよ!」

シンジ「何度も言ってるだろ!僕は前とは違うんだよ!」

シンジ「"僕"は…そんな勇敢じゃないよ……」

ヒカリ「あら?前の碇くんはね、別に勇敢なんかじゃなかったわ?」


ヒカリ「死ぬほど大バカ者だったのよ」

シンジ「……」


332 :すげー今更だけどスレタイもうちょい考えるべきだったなーって:2014/11/09(日) 05:23:53 ID:IjlLWUXI

ヒカリ「ねぇ、考えられる?初めて会った時からいつも全裸で」

ヒカリ「やりたい事をやりたいだけやって」

ヒカリ「自分の流儀に反する、やりたくない事は絶対拒否」

ヒカリ「たまに会話成り立たないし奇行ばっかり」

ヒカリ「でもね、教えてもらったの」

ヒカリ「人生をかなぐり捨ててハジケてる彼から」


ヒカリ「『何を犠牲にしてでも、自分が本当に心からやりたい事をとことんやる』事を」


シンジ「…」


333 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:28:20 ID:IjlLWUXI

ヒカリ「だからね、私は今…私の命を捨ててでも碇くんの結論を見届けたいって決めたのよ」

ヒカリ「"決めた"の。やるやらないじゃなくて、できるできないじゃなくて」

ヒカリ「碇くんがこのままシェルターに行くとしても、それをここから見届ける」

ヒカリ「碇くんが戦いに行くなら、戦って勝つまでずっとここで見てる」


ヒカリ「さ、どうする?」

シンジ「……」



334 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:30:33 ID:IjlLWUXI

シンジ「………」

シンジ「………」

シンジ「……」



シンジ「…………行くよ」



シンジ「もう一度、エヴァに乗って…戦いに。ケリをつけに」


ヒカリ「………」ニコ


335 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:33:35 ID:IjlLWUXI

第X使徒「GAAAAAA!!!」


シンジ「!? もうここまで来たの!?」

シンジ「このままじゃ、間に合わない…!」

シンジ「きっとここにもうすぐエヴァが来る…ネルフまで行けないよ!」

ヒカリ「心配ないわ」

シンジ「え?」

ヒカリ「あれ」

シンジ「?」



タタタタタタタタタタタタ……



336 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:35:46 ID:IjlLWUXI

タタタタタタタタタタタタ……


シンジ「え…嘘だろ?どうやってここまで…」



マリ「にゃぉおおぉおおぉおおぉおおん!!!」


シンジ「もちぃいい?!」


337 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:38:23 ID:IjlLWUXI

ヒカリ「きっと碇くんをエヴァまで連れてってくれるわ」

シンジ「なんでわかるの?!」

ヒカリ「碇くんは"そういう人"だから」ニコッ
シンジ「委員長…もちの事知らないはずじゃ」

ヒカリ「見ればわかるわよ。この街で変な人を見かけたらまず碇くんの関係者だもの」クスクス

シンジ「前の僕どんだけなんだよ」


338 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:42:24 ID:IjlLWUXI

マリ「にゃ!」サッ

シンジ「背中に乗れって?おんぶして走ってくれるって事?」ヨイショ

マリ「にゃ」

シンジ「わかった…それじゃ、委員長」


シンジ「行ってくるよ!」

ヒカリ「うん、いってらっしゃい!ちゃんと見てるからね?」


シンジ「もち!出発して!」

マリ「にゃー!」

ドゥンッ!!!


<ぁあああああ―――…


ヒカリ「」

ヒカリ「…早~い」


339 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:46:17 ID:IjlLWUXI

ヒカリ「…今度こそ。ちゃんと帰ってきなさいよ?碇くん」


――――――

―――――――――――――

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!


シンジ「ぁああああああぁあああああ!?!」

マリ「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ!!」

マリ「にゃぉおおぉおおぉおおぉおおぉおおん!!!」

シンジ「早い!早すぎるよ!だってこれ普通に車より早いもの!使徒の歩みとかより早いもの!」

マリ「にゃぉおおぉおお!!!」

シンジ「ぁああああああぁあああああ!!!」


どぎゅーん―……



340 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:49:03 ID:IjlLWUXI

~ネルフ本部:ジオフロント~


シンジ「ぜぇ…ぜぇ……走る時は二足歩行より四足歩行の方が早いって本当なのかな…」

マリ「にゃー!」

シンジ「ああ、うん。ありがと…もち」


シンジ「…行こう!」



341 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 05:55:49 ID:IjlLWUXI
弐号機β『ぜぇえええい!!』つ槍

ガキン!!ゴキン!!

弐号機γ『だりゃあああああ!!!』つライフル

パラタタタタタ!!

第X使徒「GOOO……」

第X使徒「GAAAAAA!!!」

弐号機βγ『『きゃああああ!!』』


惣流「なんでよ!フィールドは中和してるはずでしょ!?なんで効かないのよ!」

四号機『食らえ!』つサブマシ

バラタタタタタ!!

第X使徒「GAAAAAA!」

参号機『食らえやぁー!往生せい!』つトンファ

バキッ!バキッバキッバキッバキッ!

第X使徒「GOOO!!」


342 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 06:06:10 ID:IjlLWUXI

ミサト『皆!聞いてちょうだい!』

ミサト『MAGIの解析によると…どうやらその使徒は戦闘力自体は大した事がないわ』

リツコ『でもシンジくんの記憶を得る事で、シンジくんの強さを借りているみたいなの』

リツコ『その使徒はシンジくんの強さを引き出しきれてないみたいだけど、戦闘経験だとかA.T.フィールドの扱いを心得ているわ』

リツコ『今までの使徒の攻撃をコピーできたのもシンジくんの記憶から再現したから』

カヲル『へぇ…どおりで』

トウジ『地味に強いわけかいな』

ミサト『だから、シンジくんが苦手とする戦い…奴を拘束する事に重点を置いて戦ってみて!』

『『『『了解!!』』』』


343 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 06:13:20 ID:IjlLWUXI

エヴァ『『『『でりゃああああ!!』』』』

第X使徒「GAAAAAA!!」


青葉「目標、第4使徒の鞭で薙ぎ払い!」


参号機『ちょーどええわ!この紐つかんで…ぐるぐるまきや!』

四号機『この…やろ!動くなぁあ!』

弐号機γ『シンジの記憶を返しなさい!』

弐号機β『そーよ!もう暗シンジはまっぴらなのよ!』

弐号機α『そうだそうだ!返せ!』ベシベシベシベシ!

第X使徒「GAAAAAA!!」


青葉「目標、悶絶しています!攻撃というよりは拘束に苦しんでいるようです!」


344 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 06:32:30 ID:IjlLWUXI

第X使徒「AAAAAAAA!!!」


初号機『皆!!!』


『『『『!』』』』

初号機『遅くなって…ごめん!』

初号機『いっつもいっつも同じように迷惑かけて、ごめん!』

初号機『でも!もう"決めた"から!』

初号機『もう、僕は!!二度と逃げないから!!!』


参号機『ったく…遅いで、センセ』

四号機『ほら、早くコイツ押さえるの手伝えよシンジ』

初号機『うん!』ドンガドンガドンガ!


345 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 06:35:45 ID:IjlLWUXI

第X使徒「GAAAAAAAAAAAAAA!!」

第X使徒「AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」

第X使徒「HGEAAAAAAAAAA!!!!」

第X使徒「AAAAAAAAAAAAAAAA!!!」



ミサト「…すっごく効いてるわね」

リツコ「シンジくんは拘束される事に何かトラウマでもあるのかもしれないわね」

リツコ「だからシンジくんの記憶を持つ使徒はあんなに苦しんでいるのかもしれないわ」


346 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 06:41:33 ID:IjlLWUXI

リツコ「何度もロストしたりしてたのはシンジくんの自由さを使徒が学んだ、知ったから…とも考えられるわ」

ミサト「ふーん…」

ミサト「そんで使徒はその得た"自由"の楽しみを奪われた上にシンジくんの記憶も相まって苦しんでいるワケか」

ミサト「そしてシンジくんはそのまさに自分自身と戦ってきた…」



ミサト「己の敵は己、か」ドヤッ…!

リツコ「ミサト?それ言いたかっただけよね?」


347 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 06:54:16 ID:IjlLWUXI

初号機『行くぞ…!』バシャン…ダッ!


日向「初号機、プログナイフ装備!」

青葉「目標に向かいます!」


初号機『だぁあああああ!!!』

グサッッッ!!!


第X使徒「GOOOAAAAAAAA!!!」

初号機『ねぇ、もういいだろ…!』


初号機『記憶を……』


初号機『 返 せ !!! 』


ドグシャッッッ!!!



348 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 06:56:30 ID:IjlLWUXI

第X使徒「GAAAAA―――――………



ズドォオオオオオオオオンンン!!!!


青葉「目標、殲滅を確認!」


『『『やったぁ!!』』』



349 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 07:03:50 ID:IjlLWUXI

マヤ「…? 初号機、沈黙!」

マヤ「サードチルドレン、意識喪失です!」

ミサト「パイロット回収!急いで!」


・・・・・・。



350 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 07:23:08 ID:IjlLWUXI

~ネルフ本部:第一脳神経外科病棟~


シンジ「………」


貞本「…ねぇ、もし記憶が戻らなかったらどうする?」

式波「どうも?いいんじゃないの?コイツの態度次第よ」

惣流「はン!また記憶無くしてたら私の下僕になるよーに洗脳しちゃおっかしら?」

プシュー、ガコム。


カヲル「あれ、3人とも早いね?そんなにシンジくんが心配だったの?」

アスカ'S「「「そんなわけないでしょ!!!」」」


351 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 08:07:55 ID:IjlLWUXI

プシュー、ガコム

綾波「何も問題はないそうよ」

カヲル「それはよかった」

プシュー、ガコム。

トウジ「なんやセンセはまだ目ェ覚めへんのか」

ケンスケ「でも変な話だよな。直前までA.T.フィールドを展開してたのに爆発に巻き込まれて沈黙だなんて」

カヲル「ひょっとしたらさ、あえてA.T.フィールド張らなかったのかもね」

カヲル「張ってたら記憶が戻ってくるのまで防いじゃうからさ」

ケンスケ「かなぁ?」


352 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 08:41:20 ID:IjlLWUXI

シンジ「……」パチ

シンジ「…」ムクッ…

カヲル「あ、目を覚ましたみたいだね」

綾波「大丈夫?」

式波「ようやく起きたの?」

トウジ「センセおはよう。ワシの事わかるか?」

ケンスケ「僕は?わかる?」

貞本「ちょっと、まだ混乱してるだろうから落ち着かせてやりなさいよ」

惣流「起きた?惣流アスカ様に忠実なるしもべ、惣流シンジくんよ!」

カヲル「洗脳しようとするなよ」ペシ


シンジ「…」



353 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 08:45:04 ID:IjlLWUXI

シンジ「……れだ……」


「「「…?」」」



シンジ「僕に服を着せやがったのはどこのドイツ人だコルァぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああぁあああああ!!!!!!」ビリビリブチーン!



カヲル「あ、僕らの知ってるシンジくんだ」


354 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 08:52:34 ID:IjlLWUXI

シンジ(全裸)「トゥッ!!!」シュバッ!シュバッバッ!

ケンスケ「うわ、いきなりベッドからバク転で飛び出してきた!?」

シンジ「あぁあああああ!!!一万年間も、クソ狭ェとこでジ――――――――――――――――――ッとしてたみたいな気分だぞコノヤロー!!!」


シンジ「フラストレーションが た ま リ ン グ ! ! ! ! 」

シンジ「腰を振れ!縦に振れ!横にも振ってシェイクシェイクシェーイクッ!」

シンジ「シェイクシェイク♪Wiiな胸騒ぎッシケェナベイベー!♪」

シンジ「ベリベリ最高!!ヒップアンシェイッ!!」

シンジ「だらっしゃあああい!!」

バリーン!!!!


トウジ「…早速窓に飛び込んで割りよった」


355 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 09:02:25 ID:IjlLWUXI

シンジ「ウルトラソウッ!ウルトラソウッ!ウルトラソウッ!!」バシャバシャバシャバシャバシャバシャ!



綾波「…湖で泳いでるわ」

ケンスケ「あいつホントにオリンピック出ればいいのに」

トウジ「あかんて。たぶんセンセはルールなんて普通に無視するやろし」

カヲル「団体行動とか既存のルールに従うのが苦手だしね、シンジくんは」


貞本「…なんか久しぶりに見た気がする」

惣流「あたしはもう見たくなかったわね」

式波「ったく。ガキシンジなんだから…」


356 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 09:07:35 ID:IjlLWUXI

プシューガコム。

ミサト「シンジくん元気ー?…ってあら?シンジくんは?」


「「「「あそこです」」」」ユビサシ

ミサト「? …ああ、記憶戻ったみたいね」

ミサト「よかったわー…今度こそ脳に異常はないみたいね」ホッ


カヲル「明らかに異常な行動をしてる人間を見た反応じゃないよね」

ケンスケ「まあ、対象がシンジだし」


シンジ「キャッホホホホホホホ!!!」ダダダダダ!!


トウジ「…あいつ、水の上走ってへん?」


357 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 11:07:51 ID:IjlLWUXI

・・・・・。


シンジ「このダンディズム溢れる僕に謝りたい事ってなんだいバンダイ?」ヒュバッ!ヒュバッ!

綾波「ごめんなさい」ペコ


綾波「嘘をついて、ごめんなさい」


綾波「その嘘で回りを巻き込んでまで。あなたの家庭に入り込んで、」


綾波「その心地良さに浸って、ごめんなさい」


シンジ「……」


358 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 11:13:52 ID:IjlLWUXI

綾波「…ダメと言われたら、どうする事もできないけど」

シンジ「……」


シンジ「おいどん、なんのことやらさっぱりPですたい!!」

綾波「え」



シンジ「実はおいどん、使徒の光を浴びてから今日までの記憶、一切ござーやせんぜよ!」

シンジ「だから綾波の関が何を言ってるかわからんでごわす!!ごわすごわす!」

綾波「え…」

シンジ「じゃ、僕このあとマイドクターとお話あるんで!バイバイバタフリー!!バイバイバタフリー!」

綾波「あの」

シンジ「ピッカァ↑?ピッカチュー↑!!!」


359 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 14:48:26 ID:IjlLWUXI

医者「ああ碇さん。探していたんですがな」

シンジ「……」

シンジ「…」ブリッジ

医者「どういう事ですかな」

シンジ「それで先生、このマダムキラー碇シンジにどんなお話が?」

医者「マダムが好きそうなタイプには見えな…いえ、ゴホン」

医者「あなたの記憶は問題なく全て戻ったと推測されますな」

医者「それから――」

医者「あなたは『あの使徒から光を受けた後の6日間の記憶はない』と主張されとりますがな、」

医者「ホントは全部覚えているんでしょう?」

シンジ「……」


360 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 15:01:52 ID:IjlLWUXI

シンジ「あ、自分覚えてねぇッス」シャカシャカシャカシャカ

医者「なぜブリッジのまま反復横跳びを…いやとにかく。覚えていないなんて事はないはずですな」

医者「6日間の記憶が損失するような出来事はなかったはずですし…」

医者「記憶が戻ったショックによる記憶喪失なんてケースは聞いた事ありませんのでな」

シンジ「じゃあ『使徒ぱぅあ~☆で記憶が飛びました。』これで満足かコノヤロー」

医者「何故隠すんですかな」

シンジ「……」

シンジ「綾波が色々気にするだろ」

シンジ「それに…僕は嘘をつくために集まった家族じゃなくて」

シンジ「『一緒にいたいからここにいる』家族がいいんだ」


361 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 15:15:31 ID:IjlLWUXI

シンジ「もう一度…今度はちゃんと家族になっていこうって、思うから」

医者「そうですな。それがいいですな」


シンジ「じゃ。僕は約束があるんでこれで」ペコ

医者「ああはい。お大事に」

シンジ「ああとーござーしたー」ペタペタ


362 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 15:38:25 ID:IjlLWUXI
~総司令執務室~

ゲンドウ「シンジはここ6日間の記憶がないと主張している」

リツコ「あらそうなんですか?」

ゲンドウ「もう必要もあるまい。家族ごっこは終わりだ。君も自宅に帰るようにしてくれていい」

リツコ「…わかりましたわ」

ゲンドウ「話は以上だ」

リツコ「司令、一つ」

ゲンドウ「なんだ」

リツコ「司令は…私と、いえ私達と疑似的に暮らしてみていかがでした?」

ゲンドウ「…くだらん」プイ

リツコ「誤魔化さないでください」

ゲンドウ「……」


ゲンドウ「…不快ではなかった」

リツコ「! そうですか」


363 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/09(日) 16:35:33 ID:IjlLWUXI

ゲンドウ「もう、いいだろう。下がれ。仕事に戻れ」

リツコ「了解」クス

プシュー、ガコム。

ゲンドウ「………」


シンジ「BAAAAAA!!!!」ウゲゲゲゲ!

ゲンドウ「うわぁあああ?!」ガターン!!


シンジ「……」

ゲンドウ「……」


シンジ「…予想以上にすごい反応したね」

ゲンドウ「だまれ」



368 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 21:47:49 ID:iDcKx8fk

ゲンドウ「一体どうやって侵入を…どうやって私に気取られずに、」

シンジ「リっちゃんの後ろにピッタリ張り付いて入って、入ると同時にジャンプで天井に張り付いてた」

ゲンドウ「もうお前は忍者にでもなれ」

シンジ「そう?じゃあ今度進路志望の紙の第一候補欄に『忍者』って書くよ」

ゲンドウ「わかった、私が悪かったからやめろ頼むから」


369 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 21:56:45 ID:iDcKx8fk

ゲンドウ「それで何しに来た」

シンジ「父さん暇かなって」

ゲンドウ「忙しい。帰れ」

シンジ「まあそう言うなって」

シンジ「ほら、約束したろ?キャッチボールしようよ」つグローブ

ゲンドウ「あれは今度の休みにと言ったはずだ」

シンジ「だって本当は今日が父さんの休みだったじゃん」

ゲンドウ「私はネルフの総司令官だ。必要ならば休日返上で仕事するのは当たり前だ」

ゲンドウ「特に使徒殲滅直後は事後対応で忙し」

シンジ「どーん!」ブンッ

ゲンドウ「のぽっ?!」

シンジ「いいじゃん!5分だけ5分だけ!」

ゲンドウ「……」ハァ

ゲンドウ「……わかった。5分だけだ」


370 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 22:02:21 ID:iDcKx8fk



ゲンドウ「…最初は軽くだ。いいな」つグローブ

シンジ「うん、わかってるわかってる!」

シンジ「おんどりゅああああああああらっしゃああいあ!」ブンッ!!!

ゲンドウ「ふんッッ!!!」バシィッッ!!

シンジ「な……ん……だと……!」

シンジ「僕が全力で投げたウルトラハイパー超ギガント燃え萌えミラクルナックルカーブを…」

シンジ「受け止めただと?!」

ゲンドウ「いい加減、お前の思考パターンくらい読める」

シンジ「バカなッ…!だとしてもあんなにキレたカーブを」

ゲンドウ「いやただのストレートだっただろうが」


371 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 22:08:19 ID:iDcKx8fk

ゲンドウ「いいか、"キャッチボール"だ。」

ゲンドウ「受け手がとりやすい球を投げろ」ポーイ

シンジ「うんわかった!」

シンジ「オンドルルッりゃがしゃっくらぁー!!!」ブンッ!!!

ゲンドウ「いやだから、」バシィッッ!!

ゲンドウ「力一杯投げるのではない。軽ーく、だ」ポイ

シンジ「くそっ!これでも父さんのグラサンをかち割れないのか!!」

ゲンドウ「…まともにやる気がないならばもうやめるが」

シンジ「ブルガリア☆メガネスライダー!」ブンッ!!!

ゲンドウ「言葉のキャッチボールをしろ。頼むから」パシ


372 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 22:13:28 ID:iDcKx8fk

シンジ「ねぇ父さん」ブンッ!

ゲンドウ「なんだ」パシ、ポーイ

シンジ「僕らがリっちゃんと綾波と暮らしたってホント?」パシ、ブンッ

ゲンドウ「ああ」パシ、ポーイ

シンジ「楽しかった?」パシ、ブンッ

ゲンドウ「……」

ゲンドウ「ああ」ポーイ

シンジ「また暮らしたい?」パシ、ブンッ

ゲンドウ「……」パシ、ポーイ

シンジ「ねぇ」パシ、ポーイ

ゲンドウ「……」


373 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 22:52:09 ID:iDcKx8fk

ゲンドウ「他人と暮らすなど」ポーイ

シンジ「じゃあイヤ?」パシ、ポーイ

ゲンドウ「ああ」パシ、ポーイ

シンジ「ふーん…」パシ

シンジ「手を伸ばせば幸せになれるのにねぇ?」ポーイ

ゲンドウ「…」パシ

シンジ「僕には手を引っ込めた上にそっぽを向く人がどういうつもりなのかわかんないや」

ゲンドウ「…手を伸ばす権利がない者もいる」

ゲンドウ「散々悪事を働いてきた者に幸せになる権利がないように」

シンジ「そう?」


374 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 23:02:52 ID:iDcKx8fk

シンジ「悪い事してきた奴にだって幸せになる権利くらいはあるよ」

シンジ「そりゃ罰は受けなきゃいけないだろうけどさ」

シンジ「大体、『悪い事した人は幸せになってはいけない』って言うならさ、人類皆幸せになっちゃダメじゃん」

シンジ「悪い事しない人間なんていないよ。程度や規模、ホントにダメな場合のボーダーラインはあるけども」

シンジ「それに『悪い事した人は幸せになっちゃダメ』って言う奴は結局のとこ感情論だけでしか語れないし」

シンジ「ねぇ」

ゲンドウ「…」

シンジ「"とりあえず"幸せになってみたらいいじゃないか」

シンジ「それにギャーギャー文句言ってくる暇な奴が出たら鼻で笑っとけばいいんだよ」


375 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 23:35:34 ID:iDcKx8fk

ゲンドウ「戦争やテロ並みに人の幸せを奪ってきた人間でもか」

シンジ「うん。きっといつか、報いは受けなきゃいけないだろうけど」

ゲンドウ「………」

シンジ「ところで」

ゲンドウ「?」

シンジ「父さんはそろそろ一つの責任を取るべきじゃないかなって思うんだ」

シンジ「で、ここにその責任を取るためのものがあるんだけど」ゴソゴソ

ゲンドウ「…お前がその首から下げたポシェットは何でも入っているな」

シンジ「何でもじゃないよ。入っているものだけさ」


376 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/10(月) 23:51:14 ID:iDcKx8fk

・・・・・。


シンジ「リっちゃーん」ペタペタ


リツコ「そうよマヤ、こっちのルートのが早いわ」カタカタ

マヤ「わぁーさっすがセンパイ!」

リツコ「ん?シンジくん?」

シンジ「ちょいっとお話があるでヤンス」

リツコ「わかったけどその出っ歯顔やめてちょうだい」


377 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 00:52:19 ID:TRSUE0co

~ネルフ本部:ラウンジ~

リツコ「それで…話って何かしら?」

シンジ「実はこんな所にこんなものがありましてな」

リツコ「…これ、本物?」

シンジ「まごうなき。ええ本物ですたい」

リツコ「信じられないわね」

シンジ「じゃあ仕舞います。コーヒーごちそーさんですた」ガタッ

リツコ「待ちなさい」ガシ

シンジ「まあシンジるかシンジないかはあなた次第です……が、」

シンジ「もしこれが本物だとして…赤木リツコさんは一体どうします?」

リツコ「それは…そうね、」

シンジ「まあ僕がこんなもん持ってても仕方ないんでリっちゃんにあげますけど」

シンジ「どうするかはリっちゃんの自由で。衆目の目に晒して恥をかかせるもよし、使うも良し鑑賞や保管するもよし!」


378 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 00:59:30 ID:TRSUE0co

シンジ「鼻かみに使ってもケツ拭く紙に使ってもいいですよ」

リツコ「そんな使い方はしないから」

シンジ「じゃ、僕はこれで」ガタッ

シンジ「もし…その気があるなら…また、」

リツコ「…わかったわ」

シンジ「コーヒー御馳走様でした」ペタペタ

リツコ「……」



リツコ「…どうしたもんかしらね、母さん」



379 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 01:07:05 ID:TRSUE0co

~綾波宅~

シンジ「ヘイ!綾波!ヘイヘイ!綾波HEY!リッスン!」

綾波「何?」ガチャ…

シンジ「おーっと!僕の話を聞きたかったらCボタンの内の↑ボタンを押してくれ!」

綾波「Cボタン?」

シンジ「コントローラーの右にある黄色い↑←→↓って書いてあるボタン群の事だよ」

綾波「ごめんなさい。わからないわ…」オロオロ

シンジ「誤って→ボタンか←ボタン、↓ボタンを押すと各ボタンに登録してある『オカリナ』『弓矢』『フックショット』が出てしまうからきをつけろ!」

綾波「碇くんが何を言ってるのか、わからないわ」オロオロ


380 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 01:14:43 ID:TRSUE0co

シンジ「わかった!じゃあ綾波、僕の右●●をダブルクリックしてくれる?」

綾波「わかったわ」

綾波「押したわ」

シンジ「あ、今のちょっとよかったから左●●もあわせて●●●でくれる?」

綾波「こう?」

シンジ「あふぅ―――――ん!!!」

シンジ「そ、そのまま!」

綾波「わかったわ」

シンジ「アヒィィィィィィィィ!!!」

382 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 01:19:15 ID:TRSUE0co

綾波「もういい?」

シンジ「ああ…うん…とってもよかったよ綾波」ニコッ

綾波「そう」

シンジ「でさぁ、綾波」

綾波「何?」

シンジ「あと10分したらこのマンション突貫で解体されるから早く荷物纏めて逃げた方がいいよ」

綾波「そう…」


綾波「えっ」


綾波「えっ」


383 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 01:23:50 ID:TRSUE0co

ドカァアアアン!!!


綾波「えっ」バッ

シンジ「あ、ごめん!僕と余計なことしてたから時間なくなっちゃったみたいだね」

綾波「…とりあえず下着類と印鑑、預金通帳と財布だけは」タタタ

シンジ「早くね」


ズガァアン!!ズガァアン!!ズガァアン!!!


シンジ「あ、ダメだこれちょっちヤバイパターンだわ」


384 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 01:27:02 ID:TRSUE0co

グラッ………!

綾波「?!」

バタン!

シンジ「綾波ーっ!!」ペタペタペタペタ!

シンジ「僕につかまって!」

綾波「わかったわ!」ガシ

シンジ「窓から飛ぶぞぉおおぉおおぉおお!!!」ダダダダダ!


綾波「えっ」


綾波「ダメ!碇くんダメ!私は碇くんと違って脆いの!やめてやめてやめてやめて」



\綾波「イヤァアアアア!!!」/


385 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 01:35:46 ID:TRSUE0co

ドンッ!

綾波「…軍用ヘリ(アパッチ)?」

シンジ「ナイスだ、ピーター時間ピッタリだな」

ピーター(変装加持)「HAHAHA!シンジのためならお安いゴヨーデース!」

シンジ「よし、このまま僕の家の前まで行ってくれ」

ピーター「ラジャー!」

シンジ「そこでまた指示を出すからいつでも動けるように待機しててくれ」

ピーター「ラジャー!」


綾波「何が…起きてるの?」

シンジ「そのうちわかる」


386 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 01:56:46 ID:TRSUE0co

シンジ「ところで」

綾波「何」

シンジ「綾波の住む所がなくなっちゃったワケだけど」

綾波「そうね…何故かはわからないけど、しばらくはネルフ本部の職員寮に住むことに」

シンジ「ピーター、今すぐネルフ本部の職員寮を跡形もなく吹き飛ばすようにチームに伝えてくれ」

ピーター「ラジャー!」

綾波「えっ」

シンジ「ところで綾波の住む所がなくなっちゃったワケだけど」

綾波「ねぇ、今私が言ったから?言ったからなの?」


387 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:04:06 ID:TRSUE0co

シンジ「まあ何でもいいじゃないか。で、どこにするの?」

綾波「……えっと、」

シンジ「ピーター、答えるのが遅かったから適当にその辺を爆撃してくれ」

ピーター「ラジャー!」

綾波「ええっ!?」


バラタタタタ!!ドゴぉおおぉおおん!!


綾波「えええええ」


388 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:09:45 ID:TRSUE0co

シンジ「ところで綾波の住む所がなくなっちゃったワケだけど」

綾波「まさか…私の家を解体したのって、碇く」

シンジ「ピーター」クイッ

ピーター「ラジャー」ポチ

綾波「?!」

綾波「……」

シンジ「でさぁ、綾波の住む所がなくなっちゃったワケだけど」

綾波「何したの?ねぇ今何したの?」


389 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:20:28 ID:TRSUE0co

シンジ「ちなみにさぁ、僕んちまだ一部屋空いてるんだ」

綾波「そ、そう…」

シンジ「……」

綾波「…」

シンジ「ヒントとチャンス出したのに生かせない子はシンジさん嫌いだな。やれ、ピーター」

ピーター「ラジャー」カチ


ズドォオオオオオオオオンンン!!!

綾波「」


390 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:22:27 ID:TRSUE0co

綾波「碇くん!」

シンジ「何?」

綾波「もしよかったら…!」

綾波「もしよかったら、私を碇くんちにしばらく住ませてくれないかしら?!」

シンジ「………」


シンジ「その言葉が聞きたかった」ニコッ



391 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:25:51 ID:TRSUE0co

シンジ「でも面白半分にもっかいドーン!!!」

ピーター「ラジャー!」ぽち。


ズドォオオオオオオオオオオオオンンン!!!


綾波「あああああ」


シンジ(まあ本当はヘリの窓が全部テレビ画面になってて、あたかも爆破したように見せかけてるだけだけど)

綾波「あわわわわわわ」

シンジ(綾波の反応が面白いから今度他の人にも試そう)


392 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:30:29 ID:TRSUE0co


~翌日。~


綾波シンジ「「いってきます」」

ゲンドウ「…ああ」


ゲンドウ(まさかレイと本格的に同居する事になるとはな)

ゲンドウ(シンジめ、私に交渉すらせず…全く、あいつの辞書には事後承諾という言葉しかないのか?)

マリ「にゃーん」

ゲンドウ「…ほら、餌だ」つ

マリ「にゃー!」ハグハグハグハグ!

ゲンドウ(…私が渡したアレはどうなったのだろうな)


393 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:38:15 ID:TRSUE0co

~ネルフ本部~

ミサト「あら?」

リツコ「おはよう、ミサト」ニコッ

ミサト「めっずらしぃ~。リツコが遅刻するなんてー」ニヤニヤ

リツコ「ええ。ちょっと今朝は感情的になってしまってね。寄り道してたのよ」ニコッ

ミサト「寄り道?はー…赤木リツコ博士、本当どうしたの?何があったワケー?」

リツコ「失礼」コホン

ミサト「?」

リツコ「今は名前が変わりまして」

ミサト「は?」


394 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:39:07 ID:TRSUE0co



リツコ「今は、"碇"といいます」ニッコリ


ミサト「 」





395 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:40:22 ID:TRSUE0co





ゲンドウ(…私が書いた…)

ゲンドウ(婚姻届けは)




396 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:56:15 ID:TRSUE0co

~文化祭ステージ~

ヒカリ「戦うたーめに♪つくられぇたぁあ街♪

シンジ「一つになぁった命♪」

シンジヒカリ「「染まってゆくヴァーイオレッ♪」」


シンジヒカリ「「与える勇気♪希望に変えて♪」」

ヒカリ「『リフト・オフ!』もう後にはァー♪」バッバッ!

ヒカリ「ン退けないっ運命《さだめ》ーっ♪」タンタンタン♪

シンジ「プロォーグナーイフッ♪握りしめぇッ♪」

ヒカリ「倒ーせ使徒《てき》を!♪」ビシッ

シンジ「守ーれ夢を♪」バッバッババッ!


ヒカリシンジ「「"未来"をぉぉおお―――~~!!!♪」」




397 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 02:59:57 ID:TRSUE0co

カヲル「おー」ギャギャギャギャギャギャ!

トウジ「はっ」バボボボボ!

ケンスケ「ダリャリャリャ!」ダダパカタッドンガガガ!

綾波「♪」ポロロン♪


ヒカリ「アぁーイのをぉおっ!!力で進めっ♪」

シンジ「"奇跡"のぉお♪戦士その名はッ!♪」


            ヒカリ「エヴァンッ!♪」ビシッ


 シンジ「エヴァンッ!♪」ビシッ


      ヒカリシンジ「エヴァンッ♪」ダダンッ☆


ヒカリシンジ「「ゲ~~リオーー~~ンッ♪」」



398 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 03:07:10 ID:TRSUE0co

「「「わぁあああああ!!!」」」

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ……

貞本「…どう?あいつらもやるでしょ?」パシャ、パシャ!

式波「そーね。で、アンタは何?カメラマン?」

貞本「ま、ね」パシャパシャ

惣流「でもアレよね、歌が本当に上手いわ」


シンジ「ではニ曲目!『Beautiful world』!!」

トウジ「は?!ワイ聞いとらんぞ?!」

ケンスケ「僕もだよ?」

シンジ「じゃあ歌うだけでいいよ!ヒカリはボイパーでよろ!」

ヒカリ「わかったわ!」


シンジ「も~~しも~♪願いぃ一つだけ♪」

「「「叶~うな~ら♪」」」


399 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 03:09:15 ID:TRSUE0co

シンジ「き~みの~側で~ねむーらせてー♪」


「「「「Beautiful world♪」」」」




400 :以下、名無しが深夜にお送りします:2014/11/11(火) 03:28:22 ID:TRSUE0co


        次回予告

ミサト「突如街に飛来する大型二足歩行ロボット」

ミサト「それに付随するように現れた一人の転校生」

ミサト「碇シンジに惚れ、積極的に接する彼女を受け入れる碇シンジ」

ミサト「だが彼女の正体は歓迎すべきではない者だった」

ミサト「己が初めて経験する『喪失』に、碇シンジは」


ミサト「そして碇シンジが最後に見いだすのは希望か、…絶望か」



ミサト「次回、シンジ「僕だって…勢いだけとか、ハジケた生き方してみたいんだよ」、」


ミサト「『鋼鉄なガールフレンドとその他』」


ミサト「さぁーってっ@この次も@サァービスサービスぅっ♪」

次回 マリ「私だって…勢いだけとか、ハジケた生き方してみたいのにゃ♪」 中編