1: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)04:53:22 ID:FhF

引用元: 【デレマスSS】乃々「最近Pさんがひどいんです」奈緒「はぁ……」 



43: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:15:35 ID:FhF
奈緒「なになに……。

『拝啓
新緑の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
この度、私、もりくぼは、Pさんがまったく構ってくれなくなったので、寂しくなり、家出をしようと決意しました。
寂しいですが探さないで欲しいです。それでは失礼します。



ほんとは寂しい森久保乃々』」




P「…………」




奈緒「…………」




P「森久保が家出した」

44: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:15:57 ID:FhF
奈緒「…………」




P「どうしよう」




奈緒「ふん!」




P「ぐはっ!?」




ちひろ「三戦(サンチン)の構えからの正拳突き。隙なく無駄のない、美しい一撃がプロデューサーさんのみぞおちに!!」




奈緒「中途半端な口出しをしたあたしも悪い!! 謝る! ごめんなさい!!

けど、Pさんの対応はもっと悪い!!

倫理的なことはさておいても、なんかもう色々酷い!!」




P「…………」(白目)

45: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:16:22 ID:FhF
奈緒「どうしよう、じゃないだろう!!

男なら仕事も何もかも放り出して追いかけろよ!!

探せよ!! 見つけてやれよ!!

すれ違いがあったのかも知れないけれど、何が間違っていたのかはその置き手紙で一目瞭然だろっ!!」




P「…………」(泡を吹いている)




奈緒「……うん! ごめん! ごめんなさい! カッとなってやり過ぎた!!」




ちひろ「聞こえてませんね。普通に悶絶してます。アイドルの護身術プログラム、出来は上々……っと」




※ ※ ※ ※ ※

46: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:16:40 ID:FhF
P「いや~。三途の川の向こう側で小梅が手招きしてましたよ」




ちひろ「小梅ちゃん、生きてますけどね」




P「危うく川を渡りそうになった所で凛が脚に噛み付いて止めてくれました」




奈緒「止め方!!」




P「昔読んだ野球マンガで、野球部の先輩達に教育的指導を受けそうになった主人公を救う為に、

幼なじみのヒロインが機先を制して主人公をボコボコにするシーンを思い出しました!

たまには暴力系ヒロインもいいものですね!」




奈緒「あたしそのカテゴリーなのか!?」




ちひろ「どんなシーンですか」

47: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:17:01 ID:FhF
P「ちひろさん、奈緒、俺行くよ。

乃々を探してくる。しばらくの間、ここは任せるな」




ちひろ「はい。早く迎えにいってあげて下さい。ついでに代金の80000円、銀行で下ろしてきて下さいね」




奈緒「ツッコまねーぞ」




P「念のため確認……と。うん。机の下には誰もいないな」




奈緒「そりゃいないだろ」




P「じゃあ行ってきます」




バタン

48: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:17:26 ID:FhF
奈緒「…………」




ちひろ「……行きましたね」




奈緒「ちひろさんは協力しないんですか?」




ちひろ「妹たちに連絡してチヒロネットワークを使えば手っ取り早く見つけられるかもしれませんが、ここはプロデューサーさんが自力で探すべきでしょう」




奈緒「……そっスか」

49: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:17:41 ID:FhF
芳乃「ほー。では、わたくしの手助けは不要でしてー?

失せもの探しはお手のものですがー」




奈緒「なんで誰もいないはずの机の下から出てくるかな」




ちひろ「そうですね。あの人にはちゃんと苦労してもらいましょう。芳乃ちゃんは乃々ちゃんの無事を祈ってあげて下さい。

あとついでにPさんに程々の天罰を」




芳乃「むー」




※ ※ ※ ※ ※

50: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:18:06 ID:FhF
路上にて




P「はぁはぁ……。女子寮にも俺の家の周りにも見当たらない。近場の本屋や文具店も回ったけどいない……」




P「ネカフェはちょっと苦手って言ってたし……図書館……は近場にはないな。

もしやと思って乃々の実家にも電話をかけてみたが、なぜかご両親に結婚式の予定と挨拶に来る日取りを聞かれた……」




P(あと心当たり……乃々が行きそうなところ……他のアイドルの所……?

う~ん。まゆ、輝子、飛鳥、蘭子、幸子、美玲の所は確認したんだがな……)




P(そう言えばあの手紙……以前にも似たものを貰ったな……)




P(…………)




P「ああ、あの時は確か……!」




※ ※ ※ ※ ※

51: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:18:29 ID:FhF
某所 物置き そのダンボールの中




乃々「暗い所は落着きます……」




乃々(レッスンをサボってしまいました。無断で完全にサボったのは初めてかもしれません……。

いつもはPさんや他のアイドルさん達に見つかって連れ戻されてしまいますから……。

こんなに遠くまで逃げた事もありませんでしたし)




乃々(しばらくPさんの顔は見れません。顔を合わせたら泣いてしまいそうです。泣くなら1人で……ひとりぼっちで泣きたいです)

52: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:19:01 ID:FhF
乃々(Pさんも私がこんな所に隠れているとは思わないでしょう。この先どうするかなんて考えていませんが、取り敢えず今日のところはここに籠ります。

幸いここの職員の方々は私に好意的でした。守秘義務的な概念はないのか、即、もりくぼバックレ協力なうって呟こうとした警備員さんには軽くムカつきましたが……)




乃々「しかし、もりくぼハウス……もといダンボールの中っていうのは、落着きますが、長時間いるとさすがに息苦しくなってきますね……」




乃々(立ち上がるのも億劫ですが……)




乃々「少しだけ外の空気を……」↑




P「よっ!」




乃々「…………」




P「…………」




乃々「…………」↓




P「戻るな戻るな。無言で戻るな。柱時計の鳩でも一声鳴くぞ」

53: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:19:23 ID:FhF
乃々「手羽先は関係ないんですけどっ!?」




P「言ってない言ってない」




乃々「な、なななんで、ここにいるんですかっ!? ここ会社から結構離れてるんですけどっ!?

ノーヒントで見つけられる場所じゃないんですけど!? 誰ですか!? 密告したのは誰ですか!?

もしかしてあの森久保乃々ファンクラブ会員番号765番とかいうなんとも微妙な数字の持ち主の警備員さんですかっ!?」




P「それは微妙に自慢しにくいな。いや、自力で見つけたよ。

ていうか、ノーヒントでもないしな。ほら前に同じように乃々が家出した時、俺に言ったよな。

『小一時間必死で探しまわって、汗だくになりながら、
ようやく二人の思い出の場所で見つけて、こんな所にいたのか……って展開を希望します』ってな。

だから思い出の場所を探してみた」




乃々「一言一句!? なんですか、その記憶力!?」

54: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:19:44 ID:FhF
P「ここ……この劇場は乃々が初めて大きな仕事を経験した、思い出の場所だな。

バックダンサーなんかじゃない。メインの一人ときて選ばれ、出演したライヴの会場だ」




乃々「…………」




P「あの時も乃々は嫌がって、怯えて逃げ出して……ここ、舞台裏に置いてあったダンボールに籠って隠れてたっけ」




乃々「…………」




P「隠れてはいるんだけど、もともと中に収めていた衣装やら小道具やらを周りに放り出して、代わりに中に入ってるもんだから、散らかり具合でバレバレだったなぁ……」




乃々「…………」

55: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:20:10 ID:FhF
P「俺やみんなに説得され、引きつった笑顔で半分泣きながら……それでも乃々は、歌い、踊り、ライヴを終えた……。

お世辞にも褒められた出来ではなかったかもしれない。けれど……」




乃々「けれど……良い……ライヴでした……。いい経験……良い思い出……でじだ」




P「…………」




乃々「…………」




P「…………」




乃々「…………」

56: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:20:31 ID:FhF
P「あー……。その……なんだ。小一時間どころか3時間以上は探し回ったぞ。

そして、思い出の場所で見つけた。

だから、言わせてもらうな」




乃々「…………」




P「『こんな所にいたのか』」




乃々「…………」




P「お待たせ。色々間違って、意地悪なことして悪かったな。ごめん。本当にごめん」

57: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:20:45 ID:FhF
乃々「…………」




P「帰ろう」




乃々「…………」




P「…………」




乃々「だぎじめでぐだざい」




P「ん。泣かせてごめん。ごめんな」




乃々「ううううううぅぅ…………ッ」




※ ※ ※ ※ ※

58: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:21:08 ID:FhF
乃々「つまり、わざと冷たくしようとして、距離を置いたり、怖い顔で鍵を返せって言ったりしたんですか?」




P「すまん。ていうか怖い顔は多分、自責とか葛藤とか脱毛を堪えるために無心になっていただけだと思うんだがな」




乃々「なんか変なのが混じってますが……なるほど。もりくぼもM力が足りませんが、Pさんは本格的にS力が欠如していますね。

センスがないです」




P「……まぁ、もともとどちらかと言うとマゾの人だからなぁ、俺」




乃々「セクハラなんですけど」




P「ええー……?」

59: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:21:29 ID:FhF
乃々「明日からまたPさん育成計画を立て直す必要がありますね。立派なご主人様になってもらうために」




P「別の意味のご主人になら、なってもいいんだけどなぁ」




乃々「!!」




乃々「な、なななっ……!!」////




P(乃々は可愛いなぁ)




P「冗談はさておき、いつまでもお邪魔してるわけにもいかないし、そろそろ帰るか。

ほら、手を出せ。行くぞ」




乃々「ぐ。うぅ~」

60: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:21:58 ID:FhF
P「乃々の手はちっちゃいな~」




乃々「……Pさんの手がおっきいんですよ」




P「はいはい。行くぞー」




乃々「…………」




P「…………」




乃々「……ねぇ。Pさん」




P「ん? なんだ? あ、足下段差あるから気をつけろよ」




乃々「最近もりくぼ、いつものヤツ……言わなくなったと思いませんか?」

61: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:22:16 ID:FhF
P「いつものヤツ……ああ、あれか。

『Pさん、実は大事な話があるんです。お世話になりました。もりくぼは今日でアイドル辞めたいと思います』」




乃々「また一言一句……。まぁ、覚えられるくらいは繰り返し言いましたが……」




P「確かに最近、言わなくなったな。少しはアイドル活動が楽しくなってきたか?

それとも、何度言ってもどうせ辞めさせてもらえないから……とか?」




乃々「その両方あります。けど、厳密にはちょっと違うんですけど……」




P「…………」




乃々「私がそのセリフを言わなくなった理由。その一番の理由は『怖くなったから』なんです」

62: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:22:34 ID:FhF
P「怖くなった?」




乃々「アイドルを始めて、アイドルを続けて、色んなものを得ました。友達ができました。思い出ができました。好きな人ができました」




P「…………」




乃々「それを失うのが怖くなったからなんです。

せっかく手に入れたものを無くしてしまうことが……大きな舞台で歌ったり踊ったりすることよりも、その何倍も何倍も怖くなってしまったんです」




P「…………」




乃々「Pさんに『辞めてもいいよ』って言われるのが何よりも怖くなってしまったんです」




P「俺…俺は……」

63: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:22:51 ID:FhF
乃々「だからPさん。これからは合鍵を寄越せなんて言いません。

さっきはあんな風に言いましたが、無理して踏んでくださいとか蹴って下さいとかも、もう言いません。

面倒くさかったらちょっとくらい無視しても構いません。だから」




乃々「だから、これからも森久保乃々をよろしくお願いします」




P「…………」




P「あー…………」




乃々「………Pさん?」




P「乃々、これやる」




乃々「これ、って……。なんですか? お財布?」

64: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:23:11 ID:FhF
P「おう。俺のとお揃いだ。総選挙4位のお祝いな。これからあると便利だぞ。

お札や小銭だけじゃなく、名刺とか小物まで入るんだ」




乃々「へーっ……。もりくぼが持つには少しは無骨な感じもしますが……お洒落ですね」




P「ここ暫く、レッスンメインの日が続いただろう。あれ、一種の羽休めみたいなもんだから。

これからはCDの収録にソロライヴに合同記念ライヴ、あとラジオの仕事や、ダンス系の仕事も考えてる。

ヘレンさんがポールダンスやボイスパーカッションの指導もしてくれるそうだ」




乃々「え? ちょ……」




P「色んな所に行って色んな人に会うからな。これからは名刺必須だ。その財布、フル活用してくれ」




乃々「ちょっと待って下さい。やっぱり前言を撤回したいんですけど……」




P「むぅーりぃー」




乃々「イラっとくるんですけど!!」

65: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:23:38 ID:FhF
P「あはは。まぁ、頑張れ! 俺も頑張る。明日からもよろしくな!!」




乃々「うう~っ……!」




P「ああ、あとな」




乃々「……なんですか?」




P「その財布、キーホルダーにもなってるんだ」




乃々「……えっ?」

66: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:23:55 ID:FhF
P「中身、見てみ」




乃々「……えっ?」




P「…………」




乃々「これ…………」




P「明日からもよろしくな!」




※ ※ ※ ※ ※

67: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:24:21 ID:FhF
乃々「ところでさっきからずっと気になってたんですけど」




P「なんだ?」




乃々「なんでPさん、お迎えに来た時からお顔がボコボコなんですか?」




P「なんか知らんが、乃々を迎えに来たって言ったら警備員が殴りかかってきたんだ」




乃々「…………」

(なぜでしょう? Pさんの背後に芳乃さんの影が見え隠れしたような……)

68: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:24:42 ID:FhF
乃々「あともう一つ気になったんですけど」




P「なんだ?」




乃々「もりくぼがPさんと仲良くしてること、社長さんに何か言われたって言ってませんでしたっけ?

大丈夫なんでしょうか、色々と……」




P「ああ、あれは嘘だ」




乃々「嘘!?」




P「ウチの社長はおおらかだからな。むしろマスコミ対策に、俺の家の表札を『第3女子寮』に替えたらどうだ?って笑ってたぞ」




乃々「自浄作用ないんですけど、この事務所」










※ ※ ※ ※ ※

69: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:25:10 ID:FhF
エピローグ







P「乃々~。準備できたか~?」




乃々「はい。準備万端です。入っていいですよ」




ガチャ




乃々「……どうですか?」




P「…………」




乃々「…………」




P「…………」




乃々「なにか言って欲しいんですけど……」

70: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:25:29 ID:FhF
P「すまん。ちょっと見惚れてた」




乃々「なっ……!」




P「他のアイドル達で見慣れて免疫できてるつもりだったんだけどなぁ。

うん。似合ってる」




乃々「うう~」




P「綺麗だよ。乃々」




乃々「め、面と向かって言われるとやっぱり恥ずかしいんですけど……」




P「あはは。乃々はやっぱりそういうヒラヒラした格好がよく似合うな。お姫様みたいだ」




乃々「もうお姫様って歳じゃないんですけど……」

71: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:25:50 ID:FhF
P「お義母さんもお義父さんも喜んでたんじゃないか?」




乃々「お父さんはちょっと引くほど泣いてました。あとついでに、まゆさんと美優さんも泣いてました」




P「お、おう」




乃々「Pさんもよく似合ってますよ」




P「ん。さんきゅ。まぁ、おっさんなりに頑張ってみたよ」




乃々「…………」




P「…………」

72: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:26:08 ID:FhF
乃々「…………」




P「…………」




乃々「……ねぇ、Pさん。実は大事な話があるんですけど」




P「……なんだ?」




乃々「今までお世話になりました。……もりくぼはアイドルを辞めたいと思います」




P「…………」




P「ああ。辞めてもいいよ。お疲れ様」




乃々「そして、これからもお世話になります。

ずっとずっと私を……乃々をよろしくお願いします。幸せにして下さいね」




おしまい。

73: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:26:34 ID:FhF






※ ※ ※ ※ ※





74: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:26:55 ID:FhF
蛇足。




乃々「という、未来のもりくぼルートか確定したので、皆さんにはPさんの家から出て行ってもらいたいんですけど」




まゆ・あやめ・イヴ・仁奈・周子・ありす・美優・凛・紗枝・七海・忍「お断りします」




乃々「多くないですか!?」




松尾千鶴「あやめさん、表札、こんな感じでいいでしょうか?」




乃々「もう1人いたんですけど!?」

75: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:27:08 ID:FhF

76: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:27:28 ID:FhF
あやめ「『第三女子寮』。うむ。素晴らしい出来です。わたくしも書道の心得はありますが、やはり千鶴殿にお任せして正解でした」




乃々「社長のアイディア、実践してるんですけど!?」




千鶴「この報酬として、今日は私がPさんの横で寝させてもらいますね」




あやめ「約束ゆえ、仕方ありません。今日だけでござるよ」




乃々「しかも千鶴さんがデレ過ぎなんですけど!?

エリアボスだった時の、あの感じの悪いツンツンクールな千鶴さんはどこに行ったんですか!?」

77: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:27:49 ID:FhF
千鶴「か、感じが悪いとか言わないで下さいっ! 自分でもあの時のことは悪かったなーって思ってるんですから!

だ、だから私を変えてくれたPさんには、今夜、私の全てで恩返しを……はっ! なっ、なんでもありません!」




乃々「この人意外と危険人物なんですけど!? もうツンの欠片もないんですけど!?」




まゆ「あやめちゃん。例の物、用意できましたか?」




あやめ「はい。ここに」




まゆ「うふ。これさえあればPさんと……」




乃々「その小瓶に入った怪しげな液体は何なんですか?」

78: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:28:10 ID:FhF
あやめ「ただの強力な麻酔や…」




まゆ「しっ! あやめちゃん、ダメです!!」




あやめ「っと、危ない危ない。にんともかんとも」




乃々「麻酔薬って言いましたよね? ほぼ言いかけましたよね?」




まゆ「気のせいですよ。

……あやめちゃん、今日はまゆで、明日はあやめちゃん。そこから日替わりローテでいいですかぁ?」




あやめ「むむ。仕方ありません。ちゃんと明日は譲って下さいね」




乃々「何の企みですか!? 何をする気なんですか!?」

79: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:28:34 ID:FhF
まゆ「なんでもありませんよぉ」




あやめ「忍の口は堅いのです。たとえ拷問されても吐きません。

強いて言うなら、今晩より新忍法を試みる予定、とだけ……」




乃々「……新忍法?」




あやめ「名付けて忍法『眠りの子篭ろう(こごもろう)』!!」




乃々「最低なんですけど!? もう本当に最低なんですけど!?」




千鶴「あの? 今晩、床を共にするのは私なのでそれはちょっと困るんですが」




乃々「そのツッコミもおかしいと思うんですけど!?」

80: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:28:57 ID:FhF
美優「睡眠◯、そういうのもあるんですね……」




乃々「なしです!」




仁奈「睡眠◯ってなんでこぜーますか? 缶詰の仲間でごぜーますか?」




乃々「ああ!もう!教育に悪いんですけど!!

皆さん、下品でふしだら過ぎます! もっと慎みをもって欲しいんですけど!」




イヴ「乃々ちゃん、今日の夜、みんなに内緒でPさんとお風呂に入るのは私と仁奈ちゃんでしたか? それとも乃々ちゃんの番でしたか~?」




乃々「ちょ、く、空気を読んで下さい。皆さんの目が、目が怖いんですけど……」

81: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:29:40 ID:FhF

喜多見柚「遊びに来たよ~」





綾瀬穂乃香「お邪魔します」





桃井あずき「忍ちゃん奪還大作戦!!」




乃々「また増えた!?」




槙原志保「お邪魔しまーす」




乃々「誰ですか!?」




志保「あ、Pさんにスカウトされたばかりの新人アイドル、槙原志保でーす。

よろしくお願いします、先輩。

あと、お店でのことPさんに漏らして、すみません!」




乃々「…………?

あ。コーヒーショップの店員さんなんですけどっ!? え? アイドルになったんですか?」




志保「はい。元ウェイトレス、現アイドルの卵です♪」

82: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:30:01 ID:FhF
周子「そういえば当のPさんはどこ行ったん?」




紗枝「さっきから姿が見えへんなぁ」




乃々「Pさんなら書斎でお仕事してるはずなんですけど」




ありす「……その書斎から、何やら変な声が漏れてきている気がするんですが」




一同「!?」




??『ああっ。Pさん、気持ちいい。も、もっと強く。は、激しくしていいからっ!!』




一同「…………」




P『ここか。 ここがいいのか?』

83: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:30:22 ID:FhF
??『す、凄い。あたし、こんなの知らないっ!! も、もっと上を』




一同「…………」




乃々「ね、年少組以外、突撃!!」




ドガッ!!




一同「何してるんですかっ!!」




P「……えっ?」




奈緒「……げっ」




一同「…………」




乃々「床にうつ伏せになった奈緒さんがPさんに踏みつけられてるんですけど」

84: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:30:43 ID:FhF
一同「…………」




奈緒「こ、これは……ま、マッサージだから! ベタなオチで悪いけどただのマッサージだから!!」




乃々「その割には奈緒さんがアイドルがしちゃいけない顔をしてたんですけど。

ていうか、私が何度踏んでって言っても踏んでくれなかったのに、ズルいんですけど」




P「いや、本当にマッサージなんだけどな。最近よく肩が凝るらしくて、ちょっと前からちょくちょく頼まれてたんだ。

俺が片足で体重かけるのがちょうどいいんだと」




奈緒「そう! だからやましいことは全然ないぞ!!」




乃々「う。……ま、まぁ、そういうことなら……」

85: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:31:02 ID:FhF
P「しかしな、奈緒」




奈緒「ん? な、なんだよ?」




P「さっき、もっと上を踏んで欲しいって言ってきたが、これ以上、上となると、頭を踏むことになってしまうんだが……」




奈緒「それがいいんだろっ!!」




P「えっ!?」




乃々「…………」




一同「…………」




奈緒「あっ……」

86: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:31:21 ID:FhF
P「…………」




奈緒「ち、ちがっ!」




乃々「奈緒さん……」




奈緒「ぐ。乃々……こ、これはその……」




七海「関係ない一般論れすけど、少女漫画とかでもありがちれすね。

恋愛相談にのってた女友達が同じ相手に惹かれてしまうパターン。

泥沼、●●●れ、鬱展開一直線れす~。まぁ、関係ない一般論れすけど」




乃々「奈緒さん……」




奈緒「七海ィ!! この前、相談に乗ってやっただろう!!」




七海「記憶にないれす」

87: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:31:48 ID:FhF
奈緒「乃々。違うんだ! 本当に最初はただのマッサージのつもりだったんだよ!」




乃々「……最初は?」




奈緒「……ああ。そのつもりだったんだが、……なんか……途中から妙に気持ちよくなってきちゃってな……」




乃々「…………」




奈緒「結果、気がついたら、肩凝りをほぐすっていうのがPさんに踏んでもらう為の、ただの建前になってたんだ……」




乃々「…………」

88: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:32:06 ID:FhF
奈緒「この前、あたしは言ったよな、乃々」




乃々「……何をですか?」




奈緒「結果は後からついてくる、って」




乃々「台無しなんですけどっ!!」




奈緒「ちなみに木馬は手枷足枷つきで30万したぞ」




乃々「購入済み!? 色々手遅れなんですけどっ!?」

89: 名無しさん@おーぷん 2016/06/23(木)05:32:20 ID:FhF
美優「次、私が踏んでもらってもいいですか?」




乃々「美優さん!?」




まゆ「まゆはお尻と頭を踏んでもらいたいです」




乃々「順番待ち!?」




凛「わん!」




乃々「せめて日本語でお願いします!」







おしまい。