1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:27:17.68 ID:Knz38B+3O
沙織「えーっ、エリリン熊本から大洗まで自転車できたの!? 本当に!?」
エリカ「べつに、大したことじゃないわ」
華「いえいえ、とてもすごいと思いますよ」
みほ「そうだよ……」
エリカ「べ、べつに……」
沙織「エリリンはたくましいんだねぇ」
エリカ「……ねぇ、そのエリリンっていうのやめてくれない? あなた、ちょっと馴れ馴れしいわよ」
沙織「いいじゃん! だってエリリンはみぽりんのお友達でしょ? 友達の友達は友達だもん」
エリカ「べ、べつに、この子とは元チームメイトっていうだけだし……」
みほ「……あはは……」
エリカ「……。」
華「あら……」
沙織(……んも~……)
沙織(みほってば、この人に会うと急にコミュ症になっちゃうんだから……)
沙織(もっと仲良くしたいって、そう言ってたのに……)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1527989237
引用元: ・【ガルパン】エリカ「チャリできた」
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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:29:08.80 ID:Knz38B+3O
沙織(ほらほらみぽりん、顔をあげてエリカさんの顔を良く見てみなよ!)
沙織(エリリンってばなんだか面白くなさそうな顔してるよ? どうしてだと思う? みぽりんならわかるはずだよっ)
沙織(……って伝えてあげたいけど……そういうこと言われたらエリリン絶対ムキなるよねぇ……)
沙織(あーん、もどかしい……何とか、二人の間を……)
沙織「——ねっ、自転車だと大洗まで何日くらいかかるの?」
エリカ「10日ちょっとね」
沙織「10日かぁ! すごいね、みぽりん」
みほ「へぇ~……」
沙織「……、えと、往復20日以上? すごいよねぇ……」
エリカ「まぁ、帰りは飛行機を使うつもりだけどね。休みも終わりだし」
沙織「そうなんだぁ」
みほ「へぇ……。」
沙織「ねー……」
みほ「……。」
沙織(……もー! ご飯はどうしてたのとか、途中どこによってきたの、とか聞きたいこといっぱいあるはずだよぉ……!)
エリカ「……?」
華(だめですよ沙織さん、鼻息があらいですよ)
沙織(だって……)
華(みほさんならきっと大丈夫です)
沙織(そうかなぁ)
みほ「エリカさん……お、大洗にはいつ到着したんですか?」
沙織(おおー、みぽりぃん……!)
3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:29:42.26 ID:Knz38B+3O
エリカ「ついさっきよ。休憩がてらこの駅で街の案内板を見てたの」
みほ「そっか……今日は大洗に泊まるんですか?」
沙織(きたきたぁ! いい質問だよみぽりん! あわよくば持ち帰りだよみぽりん!)
エリカ「さぁね、まだ夜まで時間はあるし、特に何も決めてないけど」
みほ「そうですか……」
沙織(もう一押し! 頑張ってー!)
みほ「あ、あの、エリカさん」
エリカ「……なに?」
沙織(いっちゃえーっ!)
みほ「えと、夜とかはどこでお休みしてたのかなって、思って」
沙織(ふぇ……ま、まぁ、そうだよね、まずはジャブだよね、ジャブジャブ!)
エリカ「べつに……疲れたら適当なカプセルホテルとかドミトリーに飛び込んでたわよ」
みほ「そうなんだ……」
エリカ「ただ、大洗ってそういうのはなさそうよね。小さな町みたいだし……」
沙織(さぁ今度こそ! いっちゃええええええ!)
みほ「うーん……水戸にまで行けば、必ずあるはずですけど……」
沙織(へぁ!?)
エリカ「え……あぁ、まぁ、そうね、水戸なら確実ね……。まぁ、時間的にもちょうどいいか……」
沙織(ちょちょちょ……!)
華「——でも、せっかく大洗にまで来たのですから、観光をしていってはどうですか?」
沙織(ナイスだよ華ー!)
4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:30:11.16 ID:Knz38B+3O
沙織「そ、そうだよ! 私達あんこうチームがエリリンの案内をするよ! あーん、マコとゆかりんも用事がなければ一緒に遊べたのになぁ」
エリカ「ん……ありがたいけど、どうしようかしら……」
沙織「みぽりんも久しぶりにエリリンと遊びたいでしょ? ね!」
みほ「え……う、うん……」
エリカ「っ、ま、まぁ、確かに、あなたにあうのも久々だし……」
沙織(ほらやっぱり、エリリンだってまんざらでもないんだよ!)
みほ「あ、でも、エリカさん、予定とか、大丈夫……?」
沙織(へ)
エリカ「予定?」
みほ「うん。飛行機で帰るっていってたし……もしかしたら、急いでるのかなって……」
沙織(みぽりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!!! 気の使いかたがやっぱりコミュ症だよぉぉぉぉぉぉお!!!!!!)
エリカ「べ、べつに……今日急いで帰らなきゃいけないわけじゃないけど」
みほ「そうですか……」
エリカ「ええ」
みほ「はい……」
エリカ「………………」
みほ「………………」
沙織「あーーーもーーー!」
みほ「きゃっ!?」
エリカ「!?」
5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:30:55.22 ID:Knz38B+3O
沙織「みぽりんはエリリンと遊ぶのがイヤなの!? 早く熊本に帰ってほしいの!?」
みほ「そ、そんなことないよ……」
沙織「なら問題なしっ。……エリリン!」
エリカ「何よ」
沙織「『べつに』『べつに』って言われるとなんだかちょっと距離を感じちゃうんだからね! だから『べつに』はダメっ、みぽもみほだけど、エリリンもそういうとこあるよっ」
エリカ「は!? 何で貴方に説教されなくちゃいけないのよ!」
沙織「うるさーいっ」
みほ「さ、沙織さん、急にどうしたの……」
沙織「どうしたの、じゃないよっ、もーっ!」
みほ「ふぇぇ……」
華「沙織さん、どーどーですよ、落ち着いて」
沙織「ふんがー……ッ」
華「あのう、エリカさん」
エリカ「何よ! あなたも何か文句があるの」
華「カプセルホテルに泊まるとなると、お金がかかるのではありませんか?」
エリカ「へ? まぁ、それはそうだけど……」
華「よろしければ、今晩は私の家に泊まっていきませんか? せっかくのご縁ですし」
エリカ「え……けど、わたし貴方の事よく知らないし、悪いわよ」
華「そうですか? まぁ、そうかもしれないですね。では、お知り合いのみほさんでしたら——」チラチラ
みほ「ふぇ?」
エリカ「……」
みほ「……あ……」
みほ「……っ、……あ、あのっ、エリカさん!」
エリカ「……なに?」
みほ「め、迷惑じゃなかったら……私の家に、泊っていきませんか……?」
エリカ「……! べ、べつに——」
沙織「だから『べつに』はだめ——もがっ!」
華「今はこらえてください」
沙織「もが」
エリカ「べつに、泊めてもらう立場なのはこっちなんだから……私が迷惑に思う理由ないじゃない」
みほ「う、うん……」
沙織「よかったねみぽりん! エリリンは迷惑に思う理由なんて何もないんだってさ!」
エリカ「っ!!」
みほ「??」
エリカ「ちょっとアンタ! ほんと何よさっきからっ!」
沙織「予定は決まったんだから、さっそく大洗観光出発だよ! パンツァーフォー!」
エリカ「ちょっと! 押さないでよ!」
華「フォ~、まずはアンコウ鍋をいただきましょ~」
エリカ「……もう! あんたのチームってほんと変なのばっかり……」
みほ「そ、そんなことないよ……」
6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:31:47.30 ID:Knz38B+3O
——————————
沙織「お待たせー、ジュース買ってきたよー」
みほ「沙織さん、ありがとう」
沙織「あれ? エリリンは?」
華「ちょっと、お手洗いへ」
沙織「そっか」
みほ「……あの、沙織さん、華さん」
沙織「うん?」
みほ「今日は本当にありがとう。二人のおかげで……」
沙織「──今日はまだ終わってないよ! それに水臭いこといわなーい!」
みほ「ふぇ……」
華「そうですよ」
みほ「沙織さん、華さん……。……っ、あ、あのねっ、実はもう一つ、二人にお願いしたいことがあって……すごくわがままだとは思うんだけど」
華「なんです?」
沙織「なんでも言って?」
みほ「実は……」
沙織「お待たせー、ジュース買ってきたよー」
みほ「沙織さん、ありがとう」
沙織「あれ? エリリンは?」
華「ちょっと、お手洗いへ」
沙織「そっか」
みほ「……あの、沙織さん、華さん」
沙織「うん?」
みほ「今日は本当にありがとう。二人のおかげで……」
沙織「──今日はまだ終わってないよ! それに水臭いこといわなーい!」
みほ「ふぇ……」
華「そうですよ」
みほ「沙織さん、華さん……。……っ、あ、あのねっ、実はもう一つ、二人にお願いしたいことがあって……すごくわがままだとは思うんだけど」
華「なんです?」
沙織「なんでも言って?」
みほ「実は……」
7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:32:16.96 ID:Knz38B+3O
——————————
華「——では、私たち、そろそろ家に帰りますね」
沙織「明日の朝、また駅に集合ね」
みほ「うん。二人とも、今日はありがとう」
華「いえいえ」
エリカ「おかげ様で良い一日だったわ。まぁ……少し、賑やかすぎたけど」
沙織「も~エリリンは素直じゃないなぁ。どうしても一言多いんだよねぇ」
エリカ「アンタこそ二言も三言も多いのよっ」
みほ「じ、じゃあね、また明日!」
華「はい、また明日」
沙織「またね~」
エリカ「ええ」
沙織「……。二人きりでお泊りかぁ、心配だなぁ」
華「大丈夫ですよ。みほさんがご自分で望まれたのですから……たぶん」
沙織「エリリンめ、みぽりんを泣かせたら、私が許さないんだから」
華「まぁ怖い」
華「——では、私たち、そろそろ家に帰りますね」
沙織「明日の朝、また駅に集合ね」
みほ「うん。二人とも、今日はありがとう」
華「いえいえ」
エリカ「おかげ様で良い一日だったわ。まぁ……少し、賑やかすぎたけど」
沙織「も~エリリンは素直じゃないなぁ。どうしても一言多いんだよねぇ」
エリカ「アンタこそ二言も三言も多いのよっ」
みほ「じ、じゃあね、また明日!」
華「はい、また明日」
沙織「またね~」
エリカ「ええ」
沙織「……。二人きりでお泊りかぁ、心配だなぁ」
華「大丈夫ですよ。みほさんがご自分で望まれたのですから……たぶん」
沙織「エリリンめ、みぽりんを泣かせたら、私が許さないんだから」
華「まぁ怖い」
8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:32:48.92 ID:Knz38B+3O
——————————
沙織「もぐもぐ」
華「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
沙織「ごくん……みほとエリカさんも、いまごろ晩ごはんを食べてるのかなぁ」
華「ええ。きっと二人で楽しくおしゃべりをしていますよ」
沙織「……黒森峰にいたころの思い出話しとか、きっとたくさん話たいことがあるんだよね」
華「そうですね、そうかもしれません」
沙織「……。ずるいなぁー、エリカさん」
華「? どうしてです?」
沙織「二人の間にはさー……きっと沢山すっごくいろいろな事があったんだよ」
華「……」
沙織「だけど、いろいろあったけど、今はこうして一緒にお泊りしちゃうんだもん」
華「素敵ですよ」
沙織「はぁ~羨ましぃ」
華「はぁ?」
沙織「私もそーゆー青春をしてみたいよぉ」
華「あらあら」
沙織「……ていうかさぁっ! エリリンは意地でも認めなかったけど、エリリンが大洗に来たのってゼッタイみほに会うためだよね!?」
華「そうですね、私もそう思いいます」
沙織「駅で会ったのは偶然だーって言ってたけど、絶対みほの事さがしてたよ、そのくせ電話する度胸はないんだよ……あーもーエリリンは過去の女じゃなかったんだよ! みぽりんにとって今でも特別な人なんだよ! あーん、エリリンにみぽりんをとられちゃったよー!」
華「心配したり、嫉妬したり、沙織さんも大変ですね。……でもね沙織さん。もしかしたらエリカさんの方こそ、みほさんを私たちに取られたと思っていたかもしれませんよ」
沙織「えぇ?」
華「ひょっとしたら、エリカさんも沙織さんに嫉妬してたのかも……ふふ、私達も青春してるじゃないですか」
沙織「えぇ~? 青春……してるのかなぁ……?」
沙織「もぐもぐ」
華「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ」
沙織「ごくん……みほとエリカさんも、いまごろ晩ごはんを食べてるのかなぁ」
華「ええ。きっと二人で楽しくおしゃべりをしていますよ」
沙織「……黒森峰にいたころの思い出話しとか、きっとたくさん話たいことがあるんだよね」
華「そうですね、そうかもしれません」
沙織「……。ずるいなぁー、エリカさん」
華「? どうしてです?」
沙織「二人の間にはさー……きっと沢山すっごくいろいろな事があったんだよ」
華「……」
沙織「だけど、いろいろあったけど、今はこうして一緒にお泊りしちゃうんだもん」
華「素敵ですよ」
沙織「はぁ~羨ましぃ」
華「はぁ?」
沙織「私もそーゆー青春をしてみたいよぉ」
華「あらあら」
沙織「……ていうかさぁっ! エリリンは意地でも認めなかったけど、エリリンが大洗に来たのってゼッタイみほに会うためだよね!?」
華「そうですね、私もそう思いいます」
沙織「駅で会ったのは偶然だーって言ってたけど、絶対みほの事さがしてたよ、そのくせ電話する度胸はないんだよ……あーもーエリリンは過去の女じゃなかったんだよ! みぽりんにとって今でも特別な人なんだよ! あーん、エリリンにみぽりんをとられちゃったよー!」
華「心配したり、嫉妬したり、沙織さんも大変ですね。……でもね沙織さん。もしかしたらエリカさんの方こそ、みほさんを私たちに取られたと思っていたかもしれませんよ」
沙織「えぇ?」
華「ひょっとしたら、エリカさんも沙織さんに嫉妬してたのかも……ふふ、私達も青春してるじゃないですか」
沙織「えぇ~? 青春……してるのかなぁ……?」
9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:33:32.78 ID:Knz38B+3O
------------------------------
~翌朝~
華「お二人も、駅のそばまで来てるそうですよ」
沙織「そ、そっか。あぁ、そわそわしちゃうよぉ……」
華「どうしたんです?」
沙織「だって、もしも二人が険悪なムードだったら、どうしよう……」
華「嫉妬をしたかと思えばまた心配をして……いったいどっちなんです?」
沙織「だって~」
華「あ、噂をすれば、ほら」
沙織「えっ──」
華「……あら?」
沙織「……ふぇ? 何あれ」
華「エリカさんのロードバイクの荷台に——」
沙織「ボコ人形が座ってる……」
みほ「──二人ともおはよう!、またせてごめんね」
エリカ「……お、おはよう」
沙織「う、うん、おはよう……」
華「おはようございます。……あの、その荷台のボコさんは——」
エリカ「……何も聞かないで。触れないで。お願い」
華「はぁ」
みほ「えへへ、かわいいでしょ」
沙織「うん。すっごくかわいい。ほんとかわいくなったねエリリンの自転車」
エリカ「……っ! やっぱり嫌! だから嫌だったのよ! バカじゃないの! このまま空港まで走るなんて、絶対に嫌!」
みほ「あ……ボコ、ザックにしまっちゃうの……?」
エリカ「当たり前じゃないっ!」
みほ「あ、あ、ああぁ~……ボコがしまわれちゃう……かわいそう……」
エリカ「うっさい!」
沙織「……。」
華「……。」
華(ね、心配なかったんですよ)
沙織(……やっぱり嫉妬だよ……お泊りで何があったのか、ちゃんと後で聞きださなくっちゃだよ……)
華(あらあら)
~翌朝~
華「お二人も、駅のそばまで来てるそうですよ」
沙織「そ、そっか。あぁ、そわそわしちゃうよぉ……」
華「どうしたんです?」
沙織「だって、もしも二人が険悪なムードだったら、どうしよう……」
華「嫉妬をしたかと思えばまた心配をして……いったいどっちなんです?」
沙織「だって~」
華「あ、噂をすれば、ほら」
沙織「えっ──」
華「……あら?」
沙織「……ふぇ? 何あれ」
華「エリカさんのロードバイクの荷台に——」
沙織「ボコ人形が座ってる……」
みほ「──二人ともおはよう!、またせてごめんね」
エリカ「……お、おはよう」
沙織「う、うん、おはよう……」
華「おはようございます。……あの、その荷台のボコさんは——」
エリカ「……何も聞かないで。触れないで。お願い」
華「はぁ」
みほ「えへへ、かわいいでしょ」
沙織「うん。すっごくかわいい。ほんとかわいくなったねエリリンの自転車」
エリカ「……っ! やっぱり嫌! だから嫌だったのよ! バカじゃないの! このまま空港まで走るなんて、絶対に嫌!」
みほ「あ……ボコ、ザックにしまっちゃうの……?」
エリカ「当たり前じゃないっ!」
みほ「あ、あ、ああぁ~……ボコがしまわれちゃう……かわいそう……」
エリカ「うっさい!」
沙織「……。」
華「……。」
華(ね、心配なかったんですよ)
沙織(……やっぱり嫉妬だよ……お泊りで何があったのか、ちゃんと後で聞きださなくっちゃだよ……)
華(あらあら)
10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:34:22.40 ID:Knz38B+3O
----------------------------------------------
エリカ「じゃあそろそろ出発するわ。あなた達には感謝してい——」
……ぴろろろ~~♪
沙織「エリリンのスマホ?」
エリカ「もー、誰よタイミングが悪い……あ」
華「?」
エリカ「隊長からだったわ」
みほ「電話?」
エリカ「うん。通話するから。ちょっと静かにしててよね」
沙織「あ、どうせならみほも一緒にお話ししたらいいじゃん。スピーカーモードにしてさ」
エリカ「は? なんでよ」
沙織「みほだってお姉さんとおしゃべりしたいでしょ?」
みほ「う、うん! ねぇ、エリカさん、いいでしょ?」
沙織(……!)
エリカ「えー……」
沙織(……。……よかったね、みぽりん……エリカさんにもちゃんと対等にわがまま言えるようになったんだね……)
エリカ「……もう、わかったわよ……でも、隊長が迷惑そうだったら、すぐやめるからね」
みほ「うん、うん」
——ぴっ
エリカ「も、もしもし……」
まほ『エリカ、私だ』
エリカ「はい」
みほ「——お姉ちゃん! おはよう」
まほ『ん……? みほか?』
みほ「うん。今ね、スピーカーで一緒にお話ししてるんだよ」
まほ『そんな使い方ができるのか。そうか、スマホは便利だな』
沙織「おはようございますー。通信士の武部沙織です」
華「砲手の五十鈴華です」
まほ『ん。おはよう。いつも妹が世話になっている』
沙織「私たちは後ろで静かにしてますので~」
まほ『そうか』
エリカ「す、すみません、隊長」
まほ『いや構わないよ。しかしそうか、よかったなエリカ』
エリカ「はい?」
まほ『無事にみほと会えたのだな』
みほ「え」
エリカ「あっ……! た、たいちょっ」
まほ『?』
11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:34:51.64 ID:Knz38B+3O
沙織「やっぱりみほに会いに来たんじゃん」
華「ですね」
みほ「……♪」
エリカ「ち、違う! べつにそれがメインだったわけじゃ……」
みほ「あのねお姉ちゃん、昨日はエリカさんと一緒にお泊りしたんだよ」
エリカ「ちょっと!」
沙織(……みほ、嬉しそう……)
まほ『そうか。エリカは迷惑をかけなかったか?」
みほ「えと……ちょっとだけ、イジワルな事も言われたけど」
エリカ「みほぉ!」
まほ『相変わらずだな、エリカは』
沙織「も~」
みほ「あ、でも、ちゃんと謝ってくれたから」
沙織「へぇ~、エリリンえらいじゃん」
エリカ「……ッ!!」
まほ『まぁ許してやってくれ。エリカはみほに会いに行くために、わざわざ熊本から大洗まで自転車でいったんだ』
エリカ「たいちょ待って! 結構です!」
まほ『エリカは自分に厳しいからな。それくらいのしないとみほに会う理由にならないそうだ、逆にいえば、それくらいしてでもみほに会いに行きたかったんだ。口が悪いこともあるだろうが、気持ちを汲んでやってくれ』
みほ「……うんっ」
エリカ「……ぐぎぃ……」
沙織(お姉さんはエリカさんをフォローしてるつもりなのかもしれないけど……)
華(ねー……)
エリカ(アンタのせいよ! あんたがスピーカでとか言うから……!)
沙織(違うよぉ、怒るならお姉さんにでしょ?)
エリカ(隊長は悪くない!)
沙織(えー?)
エリカ「……も、もう終わり! 終わりよ! 長話してたら隊長に迷惑でしょ! お金かかってんだからね!」
みほ「あ……」
ぴ
エリカ「隊長申し訳ありません、そ、それでご用事は……あ、はい……えぇ、明日には帰ります……はい飛行機で……」
みほ「……。」
沙織「よかったね、みぽりん」
みほ「うん、すごく嬉しい……」
沙織「……はー、妬ましい妬ましい」
みほ「??」
華「あらあら」
12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:35:33.16 ID:Knz38B+3O
──────────
エリカ「……帰るわ、さよなら」
みほ「う、うん。エリカさん、またね」
エリカ「……。」
沙織(ありゃ、こんどはエリリンがコミュ障になっちゃった……)
華(少し、かわいそうですねぇ)
沙織(エリリンプライド高そうだもんねぇ)
みほ「……、あ、あのっ、エリカさん」
エリカ「……」
みほ「わ、私、エリカさんには負けないから!」
エリカ「……は?」
みほ「私が熊本に行くときは──走っていく!」
エリカ「……!?」
沙織「え、ええ? それは無茶だよぉみぽりん……田中陽希さんになちゃうよ……」
華「いったい何日かかるのでしょう……?」
みほ「大丈夫! 私マラソン好きだから!」
13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/06/03(日) 10:36:07.56 ID:Knz38B+3O
エリカ「ば……馬鹿じゃないの。そんな暇があるなら、戦車道の訓練をするべきよ」
みほ「でも、私、エリカさんには負けたくない」
エリカ「……!」
華「みほさん……」
エリカ「……。……もし、本当にそんなバカをやるなら、あんたはちゃんと事前に連絡をしなさいよね……」
みほ「え……?」
エリカ「熊本まで走るだなんて……そんなの一人じゃぜったい無理なんだから……ケガでもしたら、また家元に呆れられるわよ」
みほ「……。うん、わかった」
沙織「……。……はいはーい! 私もサポートやる! 休憩とかご飯のお世話とか! 膝のマッサージもやるよー!」
エリカ「っ! もう! あんたはいちいち口を挟まないでよ!」
沙織「エリリンこそ、みぽりんは私たちの隊長なんだからね! エリリンはライバルなんだからね! そこのとこ忘れないでよねー!」
みほ「さ、沙織さん……」
華「あらあら、うふふ……」
エリカ「もー……」
沙織(よし! お父さんにお願いして、ロードバイク買ってもらう!)
沙織(私だって、みほと一緒にいきたいもん!)
おしまい
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