1: ◆bjtPFp8neU 2014/09/07(日) 23:11:32.60 ID:+BbkoUZmO
前作…P「ゲームの世界に飛ばされた」の続編です。




アイマスのキャラがFF4の世界を冒険するSSです。


以下、注意事項

キャラ崩壊注意。

オリキャラは出ませんが、ゲーム内のモブキャラに名前ありがいたりします。

基本的に、ストーリーの大筋はFF4準拠ですが、違う流れも多々あります。

地の文無しなので、淡々と進むように見えるかも…。

FF4のストーリーを知らないと、訳わからないかもしれません。

登場キャラが多いので、その分場面転換も多いです。




>>2に、各キャラの役と現在の状況を…。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1410099092

引用元: P「ゲームの世界に飛ばされた」2 


ファイナルファンタジーコレクション
スクウェア (1999-03-11)
売り上げランキング: 2,565
2: ◆bjtPFp8neU 2014/09/07(日) 23:30:40.75 ID:+BbkoUZmO


春香(セシル)…真、響と共に、トロイアの国にて雪歩捜索中。

千早(カイン)…律子と共に、磁力の洞窟攻略中。

真(ヤン)…春香、響と共に、トロイアの国にて雪歩捜索中。

雪歩(ギルバート)…トロイアの神官と共に、黒チョコボで磁力の洞窟へ。

やよい(リディア)…幻獣界にて、961プロの面々と同棲中。

伊織(エッジ)…ルビカンテに復讐するために、エブラーナの洞窟を掘り進む。

貴音(フースーヤ)…幻獣神バハムートと共に、月の地下へ。

響(シド)…春香、真と共に、トロイアの国にて雪歩捜索中。

亜美(パロム)…バロンの城にて、石化中。

真美(ポロム)…バロンの城にて、石化中。

美希(ローザ)…ゾットの塔にて、人質生活満喫中。

あずさ(テラ)…四天王スカルミリョーネと共に、試練の山からゾットの塔へ帰還。

律子(ゴルベーザ)…千早と共に、磁力の洞窟攻略中。

小鳥(ゼムス)…???

高木(オーディン)…放浪中。



Pは演じるキャラなし。傍観者的な立ち位置になります。



あと、>>1に書き忘れましたが、他のゲームの要素などもあり(龍虎の拳、FFTなど)



5: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 00:35:02.20 ID:bCdrMtCwO
バロンの城 1F通路

P「はぁ…はぁ…」フラフラ



長老「音を上げるのは、まだ早いぞ?」ゴゴゴゴ…


P「は、はい…!」グッ



長老「よいか、これから使う魔法は…」

長老「遥か昔に失われし魔法…」


P「遥か昔に…?」



長老「うむ」

長老「白魔法の『エスナ』があるじゃろ?」


P「はい」


長老「エスナが最高難度の魔法だった頃…」

長老「石化を治す為だけに生み出された魔法があった」


P「その魔法を、今から…?」


長老「左様。じゃが、すでに失われた魔法じゃ」

長老「今や、文献でしかその名を見る事はないほど、忘れられた魔法」

長老「本来なら、その理論を解き明かすのに、3ヶ月…いや、半年はかかるじゃろう」


P「そ、そんな時間は…!」


長老「わかっておる。だから、そなたの膨大な生命エネルギーを使って、新たに魔法を形作ってしまおう、という訳じゃ」



P(そんな事ができるのか……?)



8: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 05:46:19.73 ID:bCdrMtCwO

P(しかし、やっぱりこの人はすごいな……)

P(俺にドレインをかけながら、古代魔法を形作るなんて……)



P「うぁ……!」ガクン


長老「気をしっかり持つのじゃ!」

長老「そなたが気を失っては、全てが水の泡じゃからな!」


P「は、はいっ……!」


P(2人の苦しみに比べれば、こんなもの……!)



P「…うおおぉぉーー!!」ガバッ


長老「おお…!凄まじいエネルギーじゃ……!」ボワ

長老「……もう少しで…!」ゴゴゴゴ


ポゥ…


長老「…よし!理論は完成したぞ!」


P「ほ、本当…です…か…?」フラフラ


長老「あとは…わしの構築した理論と、そなたの生命エネルギーを信じるだけじゃ…!」ゴゴゴゴ



長老「……」バッ



長老「母なる大地よ…」



長老「力の根源へと我を導き…」



長老「…其を、与え給え!」





長老「……ストナ!」


シャララーン!


キラキラキラ…




P(……………頼むっ!)



14: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 20:13:11.76 ID:bCdrMtCwO
トロイアの森 上空

バサッ…バサッ…


雪歩「ひぃぃ…!こ、恐いよぅ…!」ガタガタ


トロワ「ユキホ様、しっかり捕まっていれば、落ちる事などありませんから…」

トロワ「黒チョコボは、高く飛ぶ事はできませんが、飛行性能は安定してるんですよ?」


雪歩「そ、そんな事いったって……!」ブルブル


トロワ「……はぁ」

トロワ「私が、しっかり捕まえてますから」ガシッ


雪歩「す、すみませんですぅ……///」



トロワ(まったく……)

トロワ(あの時、啖呵を切った人物と同一人物とは、とても思えないな…)



トロワ「それにしても…」

トロワ「すごい荷物ですね…?」


雪歩「あ…これは…」


15: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 20:23:08.49 ID:bCdrMtCwO

雪歩「お薬とか、お茶っ葉とか…いろいろ入ってるんですぅ」


トロワ(お茶っ葉は、必要ないんじゃ…)


雪歩(あ、そういえば…)

雪歩(マスターに、変わった草をもらったよね…)

雪歩(ひそひそ…なんだっけ?忘れちゃった…)


雪歩「えっと…」ゴソゴソ

雪歩「あ……これだ」スッ


雪歩(あとで、お茶っ葉にして飲んでみようかな)



グラッ…


雪歩「ひっ…!」ガシッ



トロワ「…おっと」ガシッ

トロワ「大丈夫ですか?」


雪歩「は、はい…」


雪歩(あ、あれ…)ゴソゴソ

雪歩(マスターにもらった草が、ない…)



雪歩(残念…どんな味か、知りたかったなぁ…)




16: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 20:39:57.80 ID:bCdrMtCwO
トロイアの森

スタスタ…


春香「…そろそろかなぁ?」キョロキョロ

真「うん。地図によると、この辺りだね」

響「黒チョコボかぁ…」

響「どんな鳥なのか、楽しみだぞー!」ワクワク



真「……」

真「雪歩…ひとりで大丈夫かなぁ?」

響「勇気、あるよね…」

響(雪歩…すごいなぁ…)

響(自分も、負けないぞー!)



……パサッ



春香「大丈夫だよ!雪歩、ああ見えて芯の強い子だし……」



「ひぃぃ!ゆ、揺れてますぅ…!」



春香「ほら、雪歩の声が聞こえ……て…?」



真「雪歩!?」キョロキョロ

響「どこにいるんだー!?」キョロキョロ

春香「雪歩ー!返事してー?」




春香「近くにいるのかも!」

春香「手分けして、探そう!」



真「…じゃあ、あとでまた、ここで集まろうか」


春香「うん!」

響「わかったぞー!」



タタタタ…




17: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 20:47:49.01 ID:bCdrMtCwO
真「雪歩ー!」

真「どこにいるのー!」





春香「雪歩ー!」

春香「どこー!」





響「ゆき…」


ガサガサッ


響「ん?」

響「雪歩…?」


スタスタ…




黒チョコボ「…クエッ?」


響「あ……」

響「ごめんな、人違いだったぞー…」クルッ



黒チョコボ「クエッ、クエッ!」グイッ


響「あ、いや…自分、今、人探しを……」


黒チョコボ「クエッ、クエーッ?」


響「あ、えーと…雪歩っていうんだけど…」


黒チョコボ「クエッ、クエッ、クエーッ!」


響「え……?」




18: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 21:02:25.29 ID:bCdrMtCwO

春香「真……いた?」


真「ううん、そっちは?」


春香「いなかったよ…」



「高いよぉ~…恐いよぉ~!」



春香「……声は、聞こえるんだけど…」



真「……っていうか、さっきから思ってたんだけど」

真「春香、頭に何乗っけてるの?」


春香「え?」スッ


春香「あれ、いつの間に…」

春香「なんだろ、この葉っぱ……」



「ひぃーん!穴掘って……あ、ここ、空の上だった……///」



春香「……」

真「……」


真「……ねえ、その葉っぱ…」

春香「うん……まさかとは思ったけど…」


春香「この葉っぱから…雪歩の声が聞こえるみたいだね……」



真「雪歩、さっき空の上…とか言ってなかった?」

春香「あ、言ってたかも…」


真「もう、黒チョコボに乗って、向かってるんじゃ…」


春香「……じゃあ、私達も、急がないと…!」




春香「それにしても、響ちゃん、遅いなぁ……」




ドドドド…



響「おおーい、2人ともー!」



19: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 22:42:27.22 ID:bCdrMtCwO
磁力の洞窟 入口

トロワ「…本当に、おひとりで大丈夫ですか?」



雪歩「……は、はい…」

雪歩(本当は、すっごく恐いよ……)

雪歩(でも…)

雪歩(律子さんが攻めて来る時、春香ちゃんや真ちゃんは…律子さんと、ちゃんと向き合ってた……)


雪歩(私も……)

雪歩(仲間と、ちゃんと向き合うんだ……!)



雪歩「…大丈夫ですっ!」


トロワ「……」

トロワ(……弱い…かと思ったら、こんな風に、強い表情も見せる…)

トロワ(不思議な人だ……)



トロワ「黒チョコボは、ここへおいて行きます」


雪歩「え…?でも……」

雪歩「あなたが、帰れなくなっちゃいますぅ…」


トロワ「ふふふ、この辺りは、子供の頃から慣れ親しんだ遊び場です」

トロワ「心配は不要ですよ?」



トロワ「おまえ、いい子で待ってるんだぞ?」ナデナデ


黒チョコボ「クエッ!」シュタッ



20: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 22:55:55.30 ID:bCdrMtCwO

トロワ「…それでは、私はこれで……」ペコリ


スタスタ…



雪歩「あ、ありがとうございましたっ!」ペコリ





トロワ「あ、そういえば……」ピタ



トロワ「『悪しき妖精は、音を忌み嫌う』という伝承があります」


トロワ「あのダークエルフという者…」

トロワ「音、に弱いのかもしれません」



雪歩「音に……?」



トロワ「ユキホ王女、どうかご無事で」



タタタタ…




雪歩(音、かぁ……)

雪歩(私、楽器なんて持ってないしなぁ…)


雪歩(持ってるのは、スコップと…)


雪歩「……」スッ


雪歩(ユキコさんの……)



キラーン!



21: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 23:11:35.20 ID:bCdrMtCwO
磁力の洞窟 B1F

千早「……っ!」タンッ


フワッ…


魔物1「ガァ…?」チラ



律子「…ファイラ」


ボオォォー!


ドサッ


魔物1「」


魔物2「グガァ!」ブンッ


律子「…ふん!」ガシッ


魔物「グガァ…!」


律子「……邪魔よ!」


ドゴォ!


魔物2「グァ…!」ヨロッ


律子「……千早!」


千早「……はっ!」


ヒュー…ドカッ!


ドサッ


魔物2「」



スタッ


千早「ふぅ……」


律子(こんなザコばかりなら、なんとかなりそうね)


千早「…ねえ、律子」


千早「なぜ、ここの魔物は…」

律子「…私に従わないのか、って?」

千早「……」コクリ


律子「私以外の『誰か』が操っているから、でしょ?」

千早「それは…そうだろうけど…」

22: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 23:30:13.70 ID:bCdrMtCwO

千早「律子…あなた、魔物の総大将じゃないの?」


律子「…ちょっと、その言い方はやめてよ」

律子「まるで、私が化け物みたいじゃないの」


千早「あ、そうね…ごめんなさい」

千早(強さは、化け物じみているけどね……)



千早「律子じゃないとしたら、いったい誰が……?」

千早(まさか、春香達じゃないだろうし…)

千早(他にも、勢力が……?)


律子「…ダークエルフ、だっけ?」

律子「そいつが、操っているのよ、きっと」

千早「名前だけ聞くと、そんな大物には思えないけれど……」

律子「まあ、ね……」


律子(考えられるのは、小鳥さん絡みしかないわよね…)

律子(今回の指示は、やけにヒントが少ないと思ったけど…)


律子(小鳥さん、何を企んで……?)



千早「ま、いまさら何を言っても、何も変わらないわね」

千早「……先を、急ぎましょう」


スタスタ…



23: ◆bjtPFp8neU 2014/09/08(月) 23:44:26.45 ID:bCdrMtCwO

千早「……ねえ、そういえば、美希の事はどうす…」チラ


千早「…るの……って……あれ?」


千早「律子…?」キョロキョロ





律子「……」グッタリ



千早「あ……」


タタタタ…


千早「律子…?律子!」ユサユサ



律子「……っ」


律子「……んっ」ムクッ


律子「……あ、あれ…?私……」


千早「律子……」

千早(また……)


律子「あ……」

律子「私…疲れが溜まってるのかもね?」

律子「か、帰ったら、ゆっくりお風呂に浸からなきゃね…」



千早「……」

千早「そうね」

千早「じゃあ、さっさと終わらせましょう」



千早(これは…)

千早(何かの予兆なの…?)


26: ◆bjtPFp8neU 2014/09/09(火) 21:47:41.86 ID:0AkmiHWlO
月の中心核

小鳥(忌まわしい…)



小鳥(忌まわしいわ……)ワナワナ



小鳥(…私の日付け感覚が正しければ……)



小鳥(今日は……)






小鳥「『救急の日』じゃないの……!」バーン





小鳥「…あれ?『ロールケーキの日』だっけ……?」



小鳥「……ああ、そうだ。『食べ物を大切にする日』だったわ!」



小鳥「……」



小鳥「…だから、何も気に病む事はないのよ?小鳥……」


小鳥「……あなたは、いつまでも若くて美しい……」

小鳥「…可憐な……」




小鳥(……………虚しいわ…)ズーン



27: ◆bjtPFp8neU 2014/09/09(火) 21:58:02.83 ID:0AkmiHWlO

小鳥「これも、全部……」

小鳥「プロデューサーさんのせいよね!」

小鳥「さっさと、私を迎えに来てくれないから…」グスン



小鳥「……」


小鳥「………もし」


小鳥「もし…よ?」


小鳥「プロデューサーさんが、私を迎えに来てくれたら……」



………



『小鳥!待たせて、すまない』キリッ

『ぷ、プロデューサーさん!…お待ち申しておりました…!』

『私を、連れて行ってくださるのね…?』ウルウル

『そして、私と……け、け、結婚……///』

『小鳥……俺で、いいのか?』

『もちろんです…!あなた以外、考えられません!』

『小鳥…』

『プロデューサーさん…』

『小鳥は、あなたを……』


28: ◆bjtPFp8neU 2014/09/09(火) 22:08:29.00 ID:0AkmiHWlO

小鳥「……お慕い…お慕い……」

小鳥「…お慕い申しております……!」ウットリ





タイダリアサン「コトリ様…コトリ様!」


小鳥「……はっ!」ガバッ


タイダリアサン「……大丈夫ですか?うなされてましたけど…」

タイダリアサン「…死体が、どうかしたんですか……?」


小鳥「…な、なんでもないですからっ!」カァァ




小鳥(…また、つまらぬものを、想像してしまった……)



小鳥(妄想がはかどるとはいえ…)

小鳥(やっぱり……)

小鳥(……ひとりは、さみしいなぁ…)


小鳥「…こうなったら!」


タイダリアサン(あ、嫌な予感……)


小鳥「今日は、とことん飲むわよっ!」


タイダリアサン「はあ…」

タイダリアサン(今日『も』じゃないですかぁ……)




29: ◆bjtPFp8neU 2014/09/09(火) 22:18:57.60 ID:0AkmiHWlO

小鳥「ゴクッ…ゴクッ…」

小鳥「…っぷはぁ!」


小鳥「ん~まずい、もう一杯!」



プレイグ「コトリ様~、飲み過ぎですよ~」

白龍「どうか、ご自愛くださいませ」

ルナザウルス「飲み過ぎは、身体に毒ッス」



小鳥「うるさいのよぉ~」フラフラ


小鳥「何杯飲もうが、私の勝手れしょ~?」



小鳥「……ひっく」


タイダリアサン(…ダメだこりゃ)


小鳥「……ぷろりゅ~さぁの、ばかやろ~!」フラフラ



小鳥「…はい、みなさんご一緒に~?」


魔物達「ぷ、プロデューサーの、ばかやろー…」



小鳥「…声が小さ~いっ!!」ドンッ



魔物達「ぷ、プロデューサーの、ばかやろー!!」



魔物達(誰か、助けて……!)



30: ◆bjtPFp8neU 2014/09/09(火) 22:32:41.67 ID:0AkmiHWlO

小鳥「……そうだ」

小鳥「私も、プロデューサーになればいいのよ~」



小鳥「…そして、プロデューサーさんのプロデュースしたアイドルと…」

小鳥「私のプロデュースしたアイドルが、戦うの……」


小鳥「うふふ、ステキ…」ウットリ


小鳥「そして…死闘の果てに、2人のプロデューサーは…」

小鳥「…恋に、落ちる…」



…………


『……とどめを、刺せ』

『…そんな事、できません!』

『あなたは……私の、大切な人ですから!』ウルッ

『だが、俺はお前を殺そうと…』

『いいんです…!』

『あなたになら、この命、捧げても……』ニコッ

『小鳥……』

『プロデューサーさん…』



小鳥「うふふ……」ウットリ



タイダリアサン「あ、またトリップした…」

プレイグ「コトリ様~戻って来て~!」

白龍「…困ったものです」

ルナザウルス「でも、なんだか楽しそうッス」



31: ◆bjtPFp8neU 2014/09/09(火) 22:44:50.39 ID:0AkmiHWlO

小鳥「…こほん」


小鳥「……と、いう事で…」

小鳥(あ…少し、酔いが覚めて来たかな?)


小鳥「今から、あなた達をプロデュースします!」ビシッ



魔物達「はあ…」



小鳥「あなた達には、大切な武器を、守ってもらいます」

小鳥(私を倒すための…ね)



小鳥「まず……蛇のあなた」


タイダリアサン「はい…」


小鳥「はい、これ」スッ


タイダリアサン「…あの、この刀は……?」


小鳥「『妖刀マサムネ』。伊織ちゃんに、取られないようにね?」


タイダリアサン「はあ…」

タイダリアサン(いおりちゃんって…誰…?)


小鳥「龍のあなたには、はい」スッ

小鳥「『妖刀ムラサメ』…。これも、伊織ちゃんの武器だから…ちゃんと守るのよ?」


白龍「全力で…死守します!」



32: ◆bjtPFp8neU 2014/09/09(火) 22:56:06.04 ID:0AkmiHWlO

小鳥「次は…目ん玉のあなたね」


プレイグ「は~い」


小鳥「これは、『ホーリーランス』。千早ちゃんの武器よ」スッ

小鳥「千早ちゃんは、一筋縄ではいかないわよ?」


プレイグ「が、頑張ります」



小鳥「最後に…骸骨君」


ルナザウルス「自分は、どんなのッスか?」


小鳥「はい、これよ」スッ


ルナザウルス「ええ~?自分だけ、武器じゃないんスか~?」


小鳥「ううん、これも、立派な武器よ?」

小鳥「この『リボン』を付けた春香ちゃんの力は…」

小鳥「きっと、計り知れないわ…」


ルナザウルス「まあ、やるだけやってみるッス」




小鳥「じゃあ、みんな」

小鳥「しっかり、守ってね?」


魔物達「は~い」




小鳥(…この子達に負けるようじゃ、私は倒せないからね?)



小鳥(……頑張ってね、みんな…)



35: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 20:55:27.92 ID:g1GtWvlWO
トロイアの森 上空

バサッ…バサッ…



真「いやぁ、さすが響だねー!」

真「ちゃんと黒チョコボを捕まえて来るなんてさ!」


響「別に、捕まえたわけじゃないぞー?」

響「自分達、友達になったんだ!」


響「なー、チヨ吉ー?」



黒チョコボ「クエッ!」



春香「…ふふ、かわいいねぇ。チヨ吉君っていうんだ」


響「うん!チヨ吉は、チヨ子を探してるんだってさー」


真「ちよこ…?」

真「彼女…かな?」


黒チョコボ「クエッ、クエッ!」


響「将来を誓い合った仲みたいだぞー」



春香「将来を誓い合った…」

春香(…いいなぁ)

春香(わ、私も…いずれはプロデューサーさんと……)

春香(な、なんてね……///)



「…うぇーん!埋まってますぅ!」


「ザクザクザクザク…」



36: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 21:10:11.26 ID:g1GtWvlWO

真「……掘ってるね」


春香「うん。掘ってる」



響「それにしても、変な草だなぁ…」ピラッ

響「なんか、ケータイで話してるみたい」


春香「あー、確かに」


黒チョコボ「クエッ!クエッ!」



響「…ふーん、そうなのかー」


真「…なんて言ってるの?」


響「チヨ吉の話によると…」

響「この草は、『ひそひ草』っていうんだって」


真「プッ…変な名前」


響「遠く離れた誰かの声を、この草に届ける事ができるらしいぞー」


真「…なんだ、やっぱりケータイと同じじゃないか」


春香「じゃあ、こっちからも話しかける事ができるのかな?」


響「チヨ吉ー、こっちの声は届くのかー?」


黒チョコボ「クエーッ!」


響「無理ー、だってさ」



真「…なーんだ。使い道がありそうでないなぁ」



黒チョコボ「クエッ!クエー!」



響「…お、そろそろ着くみたいだぞー?」



37: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 21:26:25.71 ID:g1GtWvlWO
磁力の洞窟 入口

春香「よかったね、婚約者が見つかって…」


真「雪歩の乗って来た黒チョコボかな?」


春香「多分、そうじゃないかな」



チヨ吉「クエッ、クエッ…!(会いたかった…!)」ダキッ


チヨ子「…クエッ、クエー!(私もよ!…もう、離さない!)」ギュッ



響「うんうん…」



チヨ吉「クエッ、クエッ…(この人達を乗せて帰ったら…)

チヨ吉「クエッ、クエッ!(一緒に暮らそう!)」


チヨ子「クエーッ!(…嬉しいわ!)」



響「よかったなぁ…!」ジーン



チヨ吉「…クエッ、クエッ!(…今夜は、寝かせないからね?)」


チヨ子「クエッ…クエーッ!(そ、そんな…恥ずかしいわ…!)」



響「ち、チヨ吉…だ、大胆だなぁ…」カァァ



真「響…?」

春香「…どうしたの?響ちゃん」


響「な、なんでもないっ…///」

響「ふ、2人とも、早く行くぞっ!」


スタスタ…



春香・真「?」



38: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 21:37:25.09 ID:g1GtWvlWO
磁力の洞窟 B2F

ケットシー「グルル…!」

マインドフレイア「……」



千早「律子……」

律子「ええ……」

律子「今までのザコとは、違うようね…」



ケットシー「グルル…!」ジリッ


ダンッ


ケットシー「ガルル!」ガバッ


千早(……速い!)


律子「まあ、でも…」ヒョイッ


律子「…敵じゃ、ないわっ!」クルッ


ドカッ!


ケットシー「ギャン!」


クルッ…スタッ


律子(…豹の魔物だけあって、身軽ね)


律子「千早、あっちの不気味なやつをお願い!」


千早「…わかったわ!」チラ


マインドフレイア「……」


千早(…確かに、不気味ね)


マインドフレイア「……!」ブゥン


千早(…なんか、ヤバそう……!)



39: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 21:44:46.62 ID:g1GtWvlWO

ブゥン…ババババッ!


千早「くっ……!」タンッ


フワッ…


マインドフレイア「……」チラ


千早「……はっ!」


ヒュン!


マインドフレイア「……」ヒョイッ


スタッ


千早(躱された…)


マインドフレイア「……!」ブゥン


千早(タメがあるのね…)

千早(…なら、その間に!)


タタタタ…


千早「……ふっ!」ブンッ


ドカッ!


マインドフレイア「……!」ヨロッ


千早(…畳みかける!)


バキッ!ドコッ!ドカッ!


マインドフレイア「……!」フラッ


ドサッ


マインドフレイア「」



千早「ふぅ……」



40: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 21:54:39.13 ID:g1GtWvlWO

律子「はっ!」ブンッ


ケットシー「グルル…!」


クルッ…スタッ


律子「素早いわね…」

律子「…なら、魔法で……!」ボッ


律子「ファイ…」



ーーードクン…ーーー



律子「っ……!」ガクッ

律子(こ…こんな時に……!)



千早「律子っ!」


タタタタ…


ケットシー「ガルル!」ブゥン


ヒュー…ズバッ!


律子「ぐ……!」フラッ


ドサッ


千早「律子!大丈夫?」


律子「っ……この!」ピタッ

律子「……?」


律子「あ、あれ…?か、身体が動かな…い…っ」ググッ


ケットシー「ガルル…!」ジリッ


千早「くっ……!」



ズズズズ…



41: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 22:00:09.83 ID:g1GtWvlWO

ケットシー「ガルルッ!」ダンッ


千早「……!」バッ

千早(…律子には、指一本触れさせない…!)




…ザバァッ!




ケットシー「……!」ビクッ







雪歩「…………っぷはぁ!」ヒョコッ

雪歩「……久々のシャバですぅ」



千早「え……?」


雪歩「あ……」


ケットシー「ガル……?」


律子(ゆ、雪歩…?)



千早「は、萩原さん……?」



42: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 22:09:54.38 ID:g1GtWvlWO

雪歩「…千早ちゃんっ!」

雪歩「やっと…追いついたよぉ…」

雪歩「あれ…律子さんは…?」キョロキョロ



千早「は、萩原さん、今は、のんびり話してる場合じゃ……!」チラ



ケットシー「ガルル…!」



雪歩「ひぃ~!」ビクッ


雪歩「さ、さよなら~…」


ザクザクザクザク…



千早(あっ……)

千早(戦ってくれるわけじゃ、ないのね…)


ケットシー「ガルルッ!」ジリッ


千早(律子を、守らないと……!)






雪歩「……と、見せかけて」ブンッ


ガコンッ!


ケットシー「ガ……」グラッ


ドサッ


ケットシー「」



千早(は、萩原さん……)


雪歩「……不意打ちですぅ」




千早(……ちょっと見ないうちに、したたかになったのね…)



43: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 22:25:24.85 ID:g1GtWvlWO


雪歩「……律子さん」

雪歩「これ…飲んでください」スッ


律子「…これ…は…?」


雪歩「それは…」

雪歩「『ばんのうやく』っていって、どんな病気にも効くお薬みたいですよ…?」


律子「……」パシッ


律子「…ゴクッ…ゴクッ…」


律子「んっ……」ピクッ


律子「…身体が…動く……」グイッ


千早(よかった…)





律子「……」ジッ


雪歩「う……」モジモジ


律子「……………なぜ、私を助けたの?」


雪歩「……えっと……」


雪歩「……」


雪歩「仲間、だからです」


千早(…萩原さん)


律子「……」



44: ◆bjtPFp8neU 2014/09/10(水) 22:47:54.32 ID:g1GtWvlWO

律子「………悪いけど」




律子「あなたと共に戦う事は、できないわ」

律子(…それだけの事を、私はしてしまったから……)


千早「……」


雪歩「そんなぁ……」



律子「……」チラ


雪歩「うぅ……」






律子「……………はぁ」


律子「わかったわ…」


律子「今回だけ…雪歩の『お薬』の世話になろうかしら」


雪歩「…律子さんっ!」パァァ


雪歩「ま、任せてくださいっ!」

雪歩「お薬なら、たくさん買って来ましたから!」


雪歩「ええと…」

雪歩「『どく』を治すお薬に、『ちんもく』を治すお薬に…」ゴソゴソ


千早(なんとか、丸く収まった…かしらね)




律子(雪歩……ありがとう)


45: ◆bjtPFp8neU 2014/09/11(木) 22:02:52.41 ID:V6ynKjsWO
ゾットの塔

美希「…ストレートなのっ!」バサッ




バルバリシア「もう……いけると思ったのに…」バサッ

バルバリシア「…Kのスリーカードよ」


スカルミリョーネ(……お、降りて、よかっ…た…)





美希「あはっ!これでミキの10連勝だねっ!」


バルバリシア「なんなの、この強さ…」


スカルミリョーネ「……か、カードゲームの、申し…子…」




ガチャ…




あずさ「…ただいま~」


美希「あずさ!」


スカルミリョーネ「……あ、アズサ…ど、どこにいたん…だ…?」


あずさ「ごめんなさいね~。ちょっと、迷っちゃって…」



美希「ねえねえ、あずさもやろうよ、トランプ!」

美希(…リベンジなの!)


あずさ「ん~、いいけど…」

あずさ「私、弱いから、お手柔らかにね~?」


バルバリシア(…アズサになら、勝てそう)




美希「……じゃあ、配るよ?」



46: ◆bjtPFp8neU 2014/09/11(木) 22:16:35.34 ID:V6ynKjsWO

美希「……2枚、交換するの」スッ



美希「…あはっ!揃ったの!」


バルバリシア(ブラフ……なわけないわね、ミキに限って)

バルバリシア(…『ポーカー』の意味なんて、考えてないでしょうし…)

バルバリシア(……私は、ワンペア…勝負にならないわ)


バルバリシア「…降りるわ」


スカルミリョーネ「……お、同じ…く…」


スカルミリョーネ(……い、一回も、役ができな…い…)


あずさ「あらあら~」



美希「…あずさは、交換しないの?」


あずさ「うふふ~、このままでいいわ」



美希「…じゃあ」

美希「……勝負なのっ!」バサッ



美希「…フルハウス!」



バルバリシア(なんなの、まったく…)




あずさ「ええと…これ、なんていったかしら…?」バサッ

あずさ「同じ数字が、4つ…」



バルバリシア「なっ……!」

スカルミリョーネ「……あ、アズサ…さすが…だ…!」



美希「……ふぉ…ふぉーかーど……?」ヘナヘナ



美希「……また、負けちゃったの…」シュン


バルバリシア「ん?『また』……?」


美希(絶対おかしいの…)

美希(この世界のあずさには、トランプも魔法も勝てないの…)


あずさ「うふふ、ごめんなさいね~?」



47: ◆bjtPFp8neU 2014/09/11(木) 22:29:38.24 ID:V6ynKjsWO
磁力の洞窟 B4F

千早「この扉……」


律子「……どうやら、ここにありそうね」

律子「…じゃ、行くわよ」




雪歩「ま…待ってくださいっ!」



律子「……ん?」クルッ


雪歩「律子さん……クリスタルを集めて、いったい何をするつもりなんですか…?」



千早「……」


律子「……答える義務は、ないわ…」


雪歩「うぅ……」





律子「………」

律子「……安心しなさい。この世界を滅ぼそう、なんて、物騒な事は考えてないから…」


雪歩「そ、そうですか…よかったぁ……」


千早(クリスタルを集める為に、物騒な事はしたけどね…)

千早(……やっぱり)

千早(その辺りに、律子らしからぬ矛盾を感じるわ…)


千早(律子を絶対服従させる『上司』……いったい、どんな人物なのかしら…?)



律子「2人とも、準備はいい?」


雪歩「あ、あの…」


律子「…はぁ。今度は何?」




雪歩「…お茶、飲みませんか?」



48: ◆bjtPFp8neU 2014/09/11(木) 22:38:09.86 ID:V6ynKjsWO

律子「……まったく」

律子「敵の大将が、すぐそこにいるっていうのに…」



千早「ズズ……」

千早「……ふぅ。おいしいわ」



雪歩「ふふ、よかったぁ…」ニコッ



律子「……少しは、緊張感を持ちなさいよね…?」


雪歩「で、でも…」


千早「…律子、こんな時だからこそ、じゃないかしら?」


律子「…精神を落ち着かせるのは、いいわ」

律子「でも、あまり和んでいると、戦闘で…」


雪歩「まあまあ、律子さんも飲んでください」トクトク


律子「……」

律子「…ゴクッ、ゴクッ……」

律子「……ふぅ」


律子「さっ、行くわよ!」スタッ


雪歩「あ……」


千早「せっかちね…」

千早「萩原さん、ごちそうさま」


雪歩「あ、うん…」




律子(…………ごちそうさま)



49: ◆bjtPFp8neU 2014/09/11(木) 23:08:01.44 ID:V6ynKjsWO
磁力の洞窟B2F

スタスタ…


真「……ん?」キョロキョロ


真「…雪歩の掘ってくれた穴は、ここで終わりみたいだね」


響「じゃあ、ここからは歩いて行ったんだな」


真「多分ね」


響「そういえば、律子もここへ来てるんだろー?」


真「あ、そうだったね」


響「律子に会うのも、楽しみだぞー!」


真(律子……)




春香「ぐぬぬっ……!」ググッ



響「春香……まだやってる…」チラ


春香「この……!」ググッ


真「春香…」

真「無理なんじゃない?」


春香「で、でも……」




春香「…なんで、剣が抜けないのぉ…?」



50: ◆bjtPFp8neU 2014/09/11(木) 23:25:30.22 ID:V6ynKjsWO

真「よくわからないけど」

真「『磁力』の洞窟っていうぐらいだから…」

真「春香の剣も、磁石みたいにくっついちゃったんだね、きっと」



春香「そ、そんなぁ~…」ショボーン


春香「…せっかく、必殺技を覚えたのになぁ……」チラ



響「お、春香も修行してたのかー!」


春香「え?響ちゃんも?」

春香(ま、私は、修行なんて大層なものじゃないけど…)



響「自分達も、昨日の夜は修行してたんだぞー?」


春香「達…って事は、2人で…?」


真「うん!2人の方が、いろいろはかどるんだよね!」


響「真は、鬼教官だったぞー!」

響「あ…思い出したら、吐き気が…」


真「でも、そのおかげで強くなれたじゃないか」


響「うん、まあね!」



春香(…みんな、強くなってるんだね……)



春香(…はっ!せっかく覚えた必殺技が使えないって事は…)

春香(…また、個性がないって言われちゃうよぉ…)



51: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 00:02:34.87 ID:+Q/XNgMcO
磁力の洞窟 B4F クリスタルルーム

ガチャ…


ダークエルフ「……!」ビクッ


ダークエルフ「……ニンゲン、カ……?」チラ



雪歩「ひぃ……!」ビクッ

千早「……」

律子「あなたが、ダークエルフ……?」



ダークエルフ「……ソウダ」



ダークエルフ「オマエタチ、ヨクココマデ来レタ!」


ダークエルフ「…ダガ、辿リ着ク事ハデキテモ…」

ダークエルフ「土ノくりすたるハ、オマエタチノ手ニハ戻ラナイ…」




律子「…そういうわけには、いかないわ」

律子「私には、クリスタルが必要なのよ」


ダークエルフ「……誰ニモ渡サナイ…!」

ダークエルフ「土ノくりすたるデ、永遠ノ命ヲ手ニ入レル!」


ダークエルフ「…ソウスレバ、ことりニモ怯エズニ……」



千早「え……?」

千早(今……小鳥って、言わなかった…?)



律子「……!」

律子(……やっぱり、小鳥さん絡みか…)

律子(それにしても…『駒』同士で戦わせようっていうの……?)



律子(…完全に、遊ばれてるわね……!)



52: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 21:19:18.99 ID:+Q/XNgMcO

律子「……なら、力ずくでもらうわ!」



ダークエルフ「ソンナ装備デ、コノ私ノ魔力ニ勝テルト思ウノカ…?」



千早(確かに、丸腰同然ね…)

千早(……頭を使って戦わなきゃ…!)



律子「……喰らいなさいっ!」

律子「……ファイラ!」バッ


ボオォーー!


ダークエルフ「…ファイラ!」


ボオォーー!



ダークエルフ「…ブリザラ!」


律子「!」

律子「連続で……!?」


パリパリッ…シャキーン!


雪歩「り、律子さんっ!」


律子「くぅ……!」

律子「…私に構わず…」


ダークエルフ「サンダ…」


千早「…させないわ!」


ヒュンッ…ドゴッ!


ダークエルフ「グ……!」


スタッ


千早「…律子、大丈夫?」


律子「……これくらい、平気よ」

律子(連続で魔法を使うのね…)



雪歩(千早ちゃん、すごいジャンプ……)

雪歩(……あ)


雪歩「千早ちゃん、ちょっと…」


53: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 21:42:03.27 ID:+Q/XNgMcO

千早「……なるほどね」

千早「攻撃としては、ありだと思うわ……」

千早「けど、うまくいくのは、最初だけだと思うわよ?」


雪歩「うん…」



千早「…律子、悪いけど、また的になってもらえない?」


律子「…何か、策があるのね?」

律子「わかった。気をつけなさい」





ダークエルフ「逃ゲル相談デモ、シテタノカ…?」


律子「笑わせないで!あなたの魔法なんて、痛くも痒くもないわ!」


ダークエルフ「愚カナ……!」


ダークエルフ「…ファイラ!」


ボオオォー!


千早「…萩原さん!」タンッ


フワッ…


雪歩「うんっ!」チャキッ


ザクザクザクザク…



ダークエルフ「ブリザラ!」


パリパリッ…シャキーン!


律子「ぐぅ……!」

律子(真は、私の魔法を耐えてみせた…)

律子(……なら、私だって…!)


ダークエルフ「…サンダラ!」


ゴロピシャァーン!


律子「っあ……!」

律子「ぐ……っ!」



54: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 21:45:26.94 ID:+Q/XNgMcO

律子「っ…ぁぁああああああ!」バッ



ダークエルフ「何…?耐エタ…ダト?」


千早「……はっ!」


ヒュンッ…ドゴッ!


ダークエルフ「グ……!」


ザバァッ!


雪歩「…えいっ!」ブンッ


ガコンッ!バコンッ!


ダークエルフ「ガッ……!」



雪歩「…て、撤退ですぅ!」



タタタタ…




55: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 21:58:32.32 ID:0thCv76OO

律子「はぁ、はぁ…」



雪歩「律子さんっ!」

雪歩「はい、どうぞっ!」スッ


律子「ふふ……ありがと」パシッ




律子「…空中と地中からの2段攻撃なんて、考えたわね」

千早「萩原さんの策よ…」

雪歩「は、恥ずかしいですぅ…」モジモジ


律子「まだ、安心するのは早いわ!」



ダークエルフ「ググ……!」

ダークエルフ「ニンゲンメ……!」



律子「さあ……化け物退治よ!」


千早「…そうね」

雪歩「が、頑張りますっ…!」チャキッ




律子「……雪歩」


雪歩「……?」クルッ


律子「……ナイスガッツよ!」ニコッ



雪歩「あ……」

雪歩「えへへ……///」




56: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 22:08:15.49 ID:0thCv76OO

律子「……ファイガッ!」


ボオオォォーー!


ダークエルフ「グアアア!」


千早「……!」タンッ


フワッ…


雪歩「い、行きますっ!」チャキッ


ザクザクザクザク…


ダークエルフ「クッ……!」ヨロッ


律子「よし、もう一息!」






ダークエルフ「…エイク」ニヤリ


律子「?」


ゴゴゴゴ…


グラグラグラ…


律子「じ、地震…!」ヨロッ


律子「あ!…雪歩!」


千早「はっ!」


ヒュンッ…ドゴッ!


ダークエルフ「グゥ……!」ヨロッ


千早「きゃ……な、何…?」ヨロッ


律子「千早、雪歩が…!」



ダークエルフ「ククク…!」




ガラガラ…ドサドサドサッ…




ドゴォォォォォ…ン!




57: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 22:19:30.53 ID:0thCv76OO

ダークエルフ「ククク…!マズヒトリ……!」



律子「……っ!」フラッ

律子「……千早?」



千早「……大丈夫。やれるわ」



律子「……」

律子(雪歩…………!)



ダークエルフ「…残リモ、地獄ヘ送ッテヤル……!」



律子「…なめてんじゃないわ!」バリッ



千早「……くっ!」タンッ


フワッ…



ダークエルフ「ククク…!」チラ



律子「サンダガ!」


バリバリッ…ピシャァーン!


ダークエルフ「ガググ……!」ヨロッ



千早「はっ!」


ダークエルフ「…トルネド!」


ゴゥゥゥゥ…


千早「あ……」


ブオオォォォーーー!



ヒュー……ドサッ


千早「っ……が…はっ…!」



律子「千早っ!」



58: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 22:28:57.25 ID:0thCv76OO

ダークエルフ「ククク…、アト、ヒトリ……!」




律子(千早…雪歩……!)

律子(私じゃ…誰かを守れないっていうの……?)


律子「うあああ!」ダッ


タタタタ…


ダークエルフ「…バカメ!」


ダークエルフ「ファイラ!」


ボオオォー!


ダークエルフ「ブリザラ!」


パリパリッ…シャキーン!


ダークエルフ「サンダラ!」


ゴロピシャァーン!



律子「ぐああああ!」

律子(この力は…っ)

律子(何のための力なのよっ!)


律子「っ……だあっ!」ブンッ


ドカッ!バキッ!


ダークエルフ「ウグッ……!」


ドゴッ!バコッ!ベキッ!


ダークエルフ「グゥ……!」ヨロッ



バタッ



律子「っ…はぁ…はぁ…!」フラッ



59: ◆bjtPFp8neU 2014/09/12(金) 22:36:30.23 ID:0thCv76OO

千早「り…律…子…っ!」ピクッ



律子「千早っ!」


タタタタ…


律子「…しっかり!」ガシッ


千早「は、萩……ら…さ…っ!」


律子「……」

律子「……大丈夫、雪歩は…」




ダークエルフ「…グガアアアア!」ガバッ



律子「ち……しぶといわね…!」



ダークエルフ「私ノ結界ヲ破ラヌ限リ…オマエタチハ勝テナイ…!」


律子(結界……?)




バタンッ…




春香「あ……」

春香「律子さんと………千早ちゃん!」


真「律子……!」


響「あれ…?雪歩がいないぞー?」キョロキョロ



律子(……!)

律子(みんな……)



65: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 19:03:56.08 ID:WA5tee6nO

ダークエルフ「……ニンゲンドモメ…!」

ダークエルフ「……マトメテ葬ッテヤル!」ゴゴゴゴ…



真「!」

真「まずい、攻撃が来るぞ!」

真「響、頼む!」


響「おう!」ダッ


タタタタ…



ダークエルフ「トルネ…」


ヒュンッ ドゴッ!


ダークエルフ「ガハッ……!」


響「いきなりで悪いけど、仲間には手を出させないぞ!」


ダークエルフ「…コノッ!」ブンッ


響「…遅いぞっ!」ヒュンッ


響「…飛翔脚!」


ダダダダダダダダ…


ダークエルフ「グガガガガガガガ…!」



スタッ


響「…悪は許さんっ!」ビシッ


響「…なーんてな!」





真「うん。修行の成果が出てるね!」


律子(響…なかなかやるじゃない)



66: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 19:22:34.87 ID:WA5tee6nO

春香「…ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…


千早「ふぅ……」

千早「春香…助かったわ」


律子(春香、いつの間に魔法を…?)

律子(…みんな、成長してるのね……)


律子(じゃあ、私は……?)



真「律子……雪歩はどこ?」


律子「……」


律子「……地面の下に、埋まったままよ…」


春香「そんな…!」

真「……くそっ!」ドゴッ


律子「……」


真「なぜ、見殺しに……?」


律子「…やつの相手をしていて、構ってる余裕がなかったの」


真「律子っ…!」ガバッ


春香「真っ!落ち着いて……!」ガシッ

春香「今は、雪歩を助けなきゃ…!」



真「………ごめん」ボソッ



真「春香…ここは、任せた」


春香「真……?」


真「雪歩は……ボクが助けるっ!」


タタタタ…



律子(私のせいで…壊れていくの……?)





67: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 19:34:18.54 ID:WA5tee6nO

雪歩(………)




雪歩(律子さんと千早ちゃんは、無事かなぁ……)




雪歩(私は……もう、ダメみたい……)




雪歩(………身体、動かないよ…)




雪歩(………)




雪歩(私…ひんそーで、ちんちくりんで……)




雪歩(クスッ……まさか、『最期』も穴に埋まってるなんてね…)




雪歩(………)




雪歩(みんなが無事なら…それでいいや……)




雪歩(………)




雪歩(……………でも)




雪歩(最後に、一度だけでいいから……)









雪歩(……真ちゃんに会いたかったなぁ……)





68: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 19:42:19.99 ID:WA5tee6nO

ガラッ…



雪歩(……ここって…ゲームの世界、だっけ…?)



ガラガラッ…



雪歩(夢の中、みたいなものなのかな……?)



「………………ほ……」



雪歩(うん……これは…きっと、夢だよ……)



「……ゆ……ほ…………きほっ…!」




雪歩(………だって……)






真「雪歩っ!…雪歩!しっかりしてよ!」



雪歩(真ちゃんが…ここに…る…んてっ……!)グスッ



雪歩(ありえないよっ……!)ポロポロ




69: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 19:49:53.64 ID:WA5tee6nO

真「雪歩!雪歩っ…!」ガシッ


雪歩「ま…こ……ちゃ……っ!」ピクッ


真「雪歩……!」


真「……っ!」ウルッ


真「よかった……!」ダキッ


雪歩「ど…して……こ…に…?」


真「助けに来たに、決まってるじゃないかっ!」ギュッ


雪歩(本当に…真ちゃんなんだ……)ポロポロ



雪歩(夢じゃ……ないんだ……!)






真「雪歩…少し、揺れるよ?」ガシッ


雪歩「あ……」

雪歩(真ちゃんの、匂い……)



真「春香に、回復してもらおう!」


タタタタ…



71: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 20:12:04.82 ID:WA5tee6nO

春香「…ケアルラ!」


シャララーン!キラキラ…




真「雪歩…大丈夫?」


雪歩「ん……少し、楽になった…かな」

雪歩「春香ちゃん…ありがとう…」


春香「雪歩……」

春香(……怪我が治りきってないみたい…)

春香(私の覚えたての魔法じゃ…雪歩を治せないよ…)



真「……」

真「……ボク、行ってくるよ…!」


律子「……ダメよ。あなたは雪歩についていてあげなさい」


真「……でも、雪歩をこんな目に遭わせたあいつを、許せない!」グッ


律子「……いくらあなたが強くても、やつには『結界』があるみたいだから…」

律子「まずは、結界を破らないと…」

律子「あなたは、雪歩のそばにいなさい」

律子「…私が、やつの相手をするわ…!」

律子(捨て駒…今の私には、ちょうどいいかもね……)


タタタタ…



真「律子……」


雪歩(結界……?)


『音、に弱いのかもしれません…』


雪歩(もしかして……)




72: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 20:20:25.58 ID:WA5tee6nO

響「くそー、しぶといぞー!」



ダークエルフ「……無駄ダ!オマエタチハ、勝テナイ…!」


ダークエルフ「…ファイラ!」



律子「ファイガッ!」


ボオオォォーー!



響「…律子!」


律子「響、次が来るわ!」




ダークエルフ「グゥ……!…ブリザラ!」


パリパリッ…シャキーン!


律子「くっ……!」


響「うわっ!冷たいぞー!」


ダークエルフ「サンダ…」




雪歩「…うわああああああああっ!!」



ダークエルフ「!」ビクッ



響「ゆ、雪歩…いきなりどうしたんだ…?」



ダークエルフ「マ、マサカ、アノ娘……!」



74: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 20:35:41.64 ID:WA5tee6nO

真「音に、弱い…?」


雪歩「うん。トロイアの神官さんに聞いたのを、思い出したんだ…」


春香「いきなり叫びだすから、びっくりしたよぉ……」


千早「…確かに、一瞬怯んだように見えたけど…まだ足りないみたいね」


春香「もっと大きな音って事……?」


千早「ええ」


雪歩「わ、私…これ以上大きな声、出せないよ…」


千早「…なら、あいつの耳元で大きな声を出せば…」


春香「確かに、よーく聞こえそうな大っきな耳してるもんねぇ」


真「あっ……」


真「春香、あの草…使えないかな?」


春香「え…?コレ?」スッ


真「遠く離れたところに雪歩の声を届けるその草を、あいつの耳に突っ込んで…」

真「雪歩が大声を出せば…?」


春香「なるほど…」

春香「すごい事になるね」



千早「あの、話がよくわからないけれど…」

千早「その草を、あいつの耳に突っ込んで来ればいいのね?」


春香「うん。でも…」

春香「隙を見つけるのが、大変だよね…」


真「そういうのは、ボクに任せて!」




千早「……いえ、私が行くわ」



75: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 20:46:17.04 ID:WA5tee6nO

真「千早…大丈夫なの?」


春香「千早ちゃん…」


千早「ええ、任せて」



千早「私なら、一瞬で辿り着けるわ」

千早(初めて試す事になるけれど…理論上は、可能なはず…)

千早(私には、その力があるみたいだから…)







千早「萩原さん、合図したら、大声をお願い!」


雪歩「う、うん…わかったよ!」



千早「……」スッ


春香「千早ちゃん、陸上選手みたいな体制に…」


千早「春香、ちょっと黙ってて」


春香「あっ……ごめんね」シュン


千早(戦っている2人の動き、あいつの魔法を予測して……)ジーッ


千早(……)



76: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 20:55:13.27 ID:WA5tee6nO

千早(……)

千早(……見えた!このライン!)



ダンッ


ヒュンッ…



真「なっ…!」

真「すごい速さだ…!」


春香(…そうか、上じゃなくて、横に飛べば…)

春香(千早ちゃんのジャンプカなら、ものすごいスピードで移動してるのと同じなんだ……!)

春香(千早ちゃん…頭いい!)






スタッ


ダークエルフ「ナッ……!」ビクッ


律子「え?」


響「ち、千早?」


千早「…失礼!」


ズズッ


ダークエルフ「ナ、何ヲ……!」



千早「…萩原さんっ!!」




77: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 21:09:43.00 ID:WA5tee6nO

雪歩「う…」





雪歩「うわあああああああああああっ!!」




ダークエルフ「グガアアッ!」ヨロッ


律子「な、何…?」


響「千早、何かしたのか…?」


ダークエルフ「グ……ハァ、ハァ…!」

ダークエルフ「クソッ……!」



千早「まだ、足りないっていうの……?」






雪歩「う……これ以上大声は、出せない…」

雪歩「ど、どうしよう……!」


…カランッ


雪歩「あっ…ユキコさんの包丁が…」



雪歩(あれっ……?)

雪歩(…ティンと、来ちゃいましたぁ…)

雪歩(……)



雪歩(ううん、迷ってる場合じゃないよね!)

雪歩(ユキコさん…ごめんね…!)チャキッ



真「雪歩…?包丁なんて持って、どうしたの?」


雪歩「……こう、するんだよっ!」チャキッ


春香「包丁とスコップで、何するの……?」



78: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 21:23:01.95 ID:WA5tee6nO

雪歩「………えいっ!」





…ギギィィィィィ…


キィィ…ギギッ…ガリッ…


ガリガリッ…ギギギィ…



春香「…いやああああああっ!」


真「ああああ!ムリムリムリムリッ!」





響「ぎゃああああっ!こ、これ…きついぞ…!」


律子「ちょ…!や、やめて…いぎぃ…!」


千早「………ひどい音ね」


律子「ち、千早…あんた、平気なの…?…ひぃぃ!」


千早「気分は、良くないわね」


律子「ず、ずいぶん…余裕じゃない…ぃぃいっ!」

千早「…耳は、鍛えてるからね」



キィィ…ギギィ…


ガリッ……ギィィィ…


ギギギギィィ…キキィィ…




ダークエルフ「ナ、何ダ…コノ不快ナ音ハ……!」


ダークエルフ「ヤ、ヤ…ベ…ロ…!」


ダークエルフ「グ……ゲゲゲ!」




ダークエルフ「ガ…………グガゲゴ…!」ヨロッ



バタッ…



79: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 21:38:38.14 ID:WA5tee6nO

律子「ひぃぃぃぃ!……………ん?」



響「ああああああ!……………あれ?」




ダークエルフ「」



響「た、倒したのか…?」

響(あんな音で…?)


律子「え、えーと……どうかしらね」

律子(あんなにしぶとかったやつが、あんな雑音聞いただけで動かなくなるなんて…ちょっと、考えにくいわ…)




律子「ふぅ……」


響「あー…まだ耳の奥がキーンってしてるぞー…」







キラーン!



千早「さ…早く帰りましょう」


律子「千早…いつの間にクリスタルを…?」


千早「こんなところ、長居したっていい事なんかないわ」

千早「…武器を持ってるならまだしも……私、丸腰なのよ?」


律子「そ、そうね…」

律子(千早…こんな時でも冷静なのね…)

律子(確かに、あいつが気絶してるだけって可能性もあるし…)

律子(早めに行動した方が良さそうね)



律子「響、みんなを呼んで、帰りましょ」


響「うん、わかったぞー!」



響「おーーい!真ー!春香ー!雪歩ー!」


響「帰るぞー!」



80: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 21:51:44.57 ID:WA5tee6nO

スタスタ…


真「雪歩…大丈夫?」


雪歩「うん…」

雪歩「…ごめんね?また、おぶってもらっちゃって…」


真「なーに言ってるのさ!これくらい、当たり前だよ!」


雪歩「ありがと、真ちゃん…」

雪歩「……私、ちょっと…疲れちゃった…」


真「寝てても、いいよ?」


雪歩「うん…」




春香(雪歩も無事だったし、クリスタルも手に入ったし…)

春香(よかったよかった…)



春香(……でも)

春香(今回も私、影が薄かったような……)

春香(っていうか、回復魔法を使っただけ……?)


春香(私って……本当に主人公なのかなぁ…)

春香「はぁ……」



響「おーーい、春香ぁー!置いて行っちゃうぞー!」



春香「あ、待ってー!」


タタタタ…


春香「あっ……」ズルッ


ドテッ


春香「痛たた……」

春香「……ああ、みんなもう行っちゃった…」



ゴゴゴゴ…



「……マサカ、ココマデ追イツメラレルトハナ……!」



春香「ん?」クルッ



81: ◆bjtPFp8neU 2014/09/15(月) 21:59:00.59 ID:WA5tee6nO

ダークドラゴン「私ノ真ノ姿……ッテ、アレ…?」キョロキョロ




春香「あ……!」




ダークドラゴン「アッ……!」



ダークドラゴン「オ、オイ、オマエ!チョット待t」



…バタン!




春香「……」


春香「…うん」


春香「見なかった事にしよう」




春香「みんなぁ、待ってー!」



タタタタ…




84: ◆bjtPFp8neU 2014/09/17(水) 22:03:45.17 ID:kGThHkrJO
磁力の洞窟 入口

春香「あの、律子さん……」



律子「……クリスタルは、とりあえず春香達が持ってて」


春香「え……?いいんですか…?」


律子「ええ…」

律子(…自分の力で勝ち取ったものじゃないし…)



律子「……でも、後で、渡してもらいたいのよ」


春香「え?それって…」


真「律子……」



律子「心配しないで欲しいの。私は、ただ……」

律子「……」



律子「……うーん、じゃあこうしましょう」


律子「あなた達を、私達のアジトに招待するわ」


春香「律子さん達の、アジトに…?」


律子「ええ。そこには、あずささんと美希もいる」

律子「みんなが集まったところで、私がクリスタルを集めている理由を話すから…」

律子「それを聞いて、私にクリスタルを渡していいのかどうか…考えてもらいたいの」


千早「……っ!」プルプル

千早(私に、渡して………プッ)


律子「………どうかしら、真」


真「……」

真「………響は、どう思う?」


響「自分は、みんなでいられるなら、なんでもいいぞー」


真「……そっか」

真「じゃあ…春香が決めてよ」



春香(断る理由なんて、無いよね)

春香(だって律子さん…私達に歩み寄ろうとしてくれてる……)


春香「わかりました。律子さんの言う通りにします」



85: ◆bjtPFp8neU 2014/09/17(水) 22:20:49.50 ID:kGThHkrJO

律子「……ありがとう」



律子「もう、疲れたでしょ?今日はゆっくり休んで…」

律子「明日、アジトに来てちょうだい」


春香「あ、でも、アジトの場所が…」


律子「……大丈夫。千早なら、アジトの場所を知ってるから…」

律子「……千早」



千早「プッ……クスクスッ…!」プルプル


律子「千早…何をプルプルしてるのよ?」


千早「あ……な、何?…ごめんなさい、聞いてなかったわ」


律子「今日は、春香達と一緒に行動してもらえる?」


律子「私は一足先にアジトへ戻ってるから…」

律子「明日、春香達と一緒にアジトへ来てちょうだい」


千早「…わかったわ」


春香「千早ちゃん…よろしくね」


千早「ふふ……こちらこそ、よろしく」



響「……ところでさー、律子達は、どうやってここまで来たんだ?」

響「ここには、自分達が乗って来たチヨ吉と、雪歩が乗って来たチヨ子しかいないぞー?」


律子「もちろん…飛空艇でここまで来たわよ?」


春香「え?でも……この辺りは森林地帯だから…」

春香「飛空艇を着陸させる場所がないって、トロイアの神官さんが言ってましたけど…」



86: ◆bjtPFp8neU 2014/09/17(水) 22:46:36.84 ID:kGThHkrJO

律子「ああ…そうみたいね」

律子「だから、着陸できるように、森を少し燃やしたのよ」


春香(り、律子さん…それはやり過ぎじゃ…)



千早「ゲームの世界とはいえ、自然破壊は良くないって、止めたんだけどね…」


響「律子……自然は大切にしないとダメだぞー…」


律子「そりゃあ、少しは心が痛むけど、仕方なかったのよ…」


千早(素直に、トロイアの神官に、洞窟への行き方を聞けばよかったのに…)

千早(……なんて言ったら、律子は怒るわね)




律子「それじゃ、私は行くわ」


律子「みんな、待ってるからね」


スタスタ…





春香「律子さん…この世界で最初に会った時より、丸くなった…?」


千早「……」

千早「律子なりに、思うところがあったのよ、きっと」


千早(……そういえば、あの発作は、もう治ったのかしら…?)

千早(今は、それだけが気がかりね…)



真「春香、雪歩が心配だ。そろそろ帰ろうよ」


春香「あ…そうだね」

春香「響ちゃん、準備はいいかな?」


響「いいぞー!」

響「チヨ吉、チヨ子、よろしく頼むぞー!」


チヨ吉・チヨ子「クエッ!!」シュタッ



87: </b> ◆bjtPFp8neU<b> 2014/09/17(水) 23:35:35.23 ID:kGThHkrJO
ミシディアの村 長老の家

亜美「ねえ、長老っち~…」


長老「…なんじゃ?」


亜美「……兄ちゃん、まだ起きないの…?」


長老「……」

長老「あの青年は、お前達を助けるために、膨大な生命エネルギーを消費した…」

長老「おそらく今は、それを取り戻すために眠ってるだけじゃ…」

長老「しかし、いつ起きるかは、わしにもわからん」


長老「……気長に待つしかないのう」



亜美「……そっかぁ」


亜美(まったく、兄ちゃんはねぼすけなんだから……)


亜美(早く、起きてよ…)

亜美(兄ちゃんが寝てたら…意味ないじゃんか…!)



亜美(兄ちゃんのいない世界なんて…)

亜美(意味、ないじゃんか…)



88: ◆bjtPFp8neU 2014/09/17(水) 23:47:11.83 ID:kGThHkrJO
長老の家 客室

真美「……」フキフキ


P「zzz…」


真美「……」フキフキ

真美(兄ちゃんて、意外にがっしりしてるよね…)

真美(前に、『鍛えたい』みたいな事言ってたけど…)

真美(……真美は、このくらいが好みかも…)



ガチャ…



亜美「あ……!」


真美「亜美…どしたの?」



亜美「ま、真美…」

亜美「兄ちゃんが起きないのをいいことに……!」


真美「ち、違うYo~!」

真美「兄ちゃん、お風呂入れないから、身体だけでも拭いてあげようと…!」


亜美「……そんで、あわよくば襲ってしまおうと…?」


真美「そ、そんな事、考えてないってば~!」アセアセ


亜美「真美…抜けがけはダメだかんね?」


真美「だ、だから…」


亜美「亜美も、兄ちゃんの身体拭く!」


真美「え……?」

真美(あ…そっち…?)


亜美「……」フキフキ


真美「……」


真美「……」フキフキ



91: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 20:10:41.23 ID:6RNfwVZQO

亜美「ね~、真美?」フキフキ


真美「ん~?」フキフキ


亜美「亜美達、これで終わりなんて、つまんないよね~?」フキフキ


真美「……」


真美「うん……真美ね、思うんだ」


真美「兄ちゃんは、真美達にもっかいチャンスをくれたんじゃないかって」

真美「だから真美は…まだ頑張りたい」


亜美「あ~よかったぁ。真美の事だから…」

亜美「兄ちゃんと一緒なら、このままでもいっか~!な~んて、考えてるかと思ったよ」


真美「……」ギクッ

真美(まあ、ちびっとだけ、そう思った事もあったけどさ…)

真美(兄ちゃんがせっかく助けてくれたんだし…)

真美(真美達、まだまだ活躍したいもんね…!)


亜美「あ、そういやさ…」


亜美「なんか途中で、デッカいのが出てくるじゃん?」


真美「あ~、なんだっけ…?」

真美「巨神兵…だっけ?」


亜美「う~ん、なんか違うっぽいけど…」


真美「ま、どっちにしろ、兄ちゃんが起きてから、だね」


亜美「うん、そだね」



93: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 20:22:16.85 ID:6RNfwVZQO

真美「……そろそろ、寝よっか?」


亜美「ん…?もう、そんな時間かぁ…」


真美「……今日は、真美が右側ね?」


亜美「りょ~か~い。んじゃ亜美は左側っと」





亜美「…んしょっと」モゾモゾ


真美「……腕枕、してもらお」モゾモゾ


亜美「……」


真美「……」


亜美「……ねぇ、真美」


真美「ん~…?」


亜美「……」

亜美「……もし、このまま…」


真美「亜美……」


亜美「……………ごめん」


真美「……」

真美「……大丈夫だよ」

真美「きっと、明日には起きてるからさ」


亜美「それ…昨日も聞いたよ」


真美「…あり?そうだっけ…」


亜美「…ま、いいや…」

亜美「おやすみ~」


真美「おやすみ…」




亜美(……『待つ』って、けっこ~大変なんだね…)


亜美(……兄ちゃん、起きたら…たくさん遊んでもらうかんねっ…?)



94: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 20:31:10.68 ID:6RNfwVZQO
月の地下渓谷 B8F

ザシュッ!


…ドサッ


魔物「」



貴音「……少々、手強くなって来ましたね…?」


バハムート「まあ、少しは…な」

バハムート「ふむ……」


貴音「どうされましたか?」


バハムート「……腹が減った」


貴音「確かに……」

貴音(らぁめん…は、無いんでしたね…)シュン



バハムート「タカネ…すまぬが、少し戻るぞ」


貴音「え、今から…ですか?」


バハムート「なに、そんなに遠くはない」

バハムート「我専用の狩り場があってな…」



バハムート「…行くぞ」クルッ


スタスタ…


貴音「あ、ばはむーと殿……!」


スタスタ…



95: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 20:47:31.08 ID:6RNfwVZQO
月の地下渓谷 B5F 小部屋

貴音「ここが、ばはむーと殿の狩り場…」キョロキョロ

貴音「随分と、小ぢんまりした部屋ですね…?」


バハムート「うむ」

バハムート「待っておれ…」ゴソゴソ



バハムート「……これを、ポチッとな」カチッ


ビーー!ビーー!


貴音「それは…?」


バハムート「『アラーム』だ」

バハムート「これで、餌をおびき出す」


ビーー!ビーー!


貴音(あらぁむで、獲物を…?)

貴音(なんというか…)

貴音(…幻獣神ともなると、狩りも近代的になるのですね…)



ワラワラ…


貴音「……おや?」チラ



プリンプリンセス1「私達と!」

プリンプリンセス2「一緒に!」

プリンプリンセス3「踊りましょっ!」

プリンプリンセス4「…ダイヤモンドだね~♪」



バハムート「…現れたな!」


貴音「なんと面妖な……」

貴音(しかし、どこかで見た気もしますが…)


バハムート「タカネ、歌に気をつけるのだ」


貴音「歌…ですか?」


バハムート「やつらの歌に耳を傾けては、永劫に生ける屍となるぞ」


バハムート(…さて、我が魔力では、跡形も無く消し去ってしまう…)


バハムート(少々、加減をせねばな…)ゴゴゴゴ…



96: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 21:04:22.02 ID:6RNfwVZQO

バハムート「…ゆくぞ」

バハムート「…フレア!」バッ



ブゥゥゥゥゥン…


ババババババババッ!



貴音(とてつもない魔力……!)

貴音(さすがは、ばはむーと殿……)



プリンプリンセス1「いやぁ!熱いのぉ~!」


ドサッ


プリンプリンセス1「」ジュゥ…


バハムート「…いかん、焼きプリンに…」

バハムート(新鮮なまま食すのが1番だったのだが…)


バハムート「やはり、加減が難しいな…」



プリンプリンセス2「やったわねっ!」

プリンプリンセス3「こうなったら…行くわよっ!」

プリンプリンセス4「『王女の歌』!」


プリンプリンセス234「ららら~♪」



貴音「む……」

貴音「なんとも、妖しい音色…」


貴音「あっ……!」ビクンッ


バハムート「…タカネ!」チラ


貴音「………」


バハムート「まずい、やつらの歌を聴いてしまったのか…」


貴音「…………ふむ」


バハムート「ん…?」


貴音「……どうやら、なんともないようですね」


バハムート「そうか…」

バハムート(タカネにも、我と同じく『狂人化』に耐性があったのだな)



97: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 21:25:06.72 ID:6RNfwVZQO

貴音「……さて、今度はこちらぁめんの番ですよっ?」


タタタタ…


バハムート(…今、何かおかしくなかったか…?)


プリンプリンセス2「え…?効いて…ない?」


貴音「ほぅ……これは」

貴音「なんとも食べ応えのありそうならぁめんですね…?」ニヤリ


バハムート(ふむ。タカネの言動が異様だ…)

バハムート(やはり、やられていたか…)


貴音「では……」

貴音「いただきますっ!」ガシッ



プリンプリンセス2「無駄よ!私達に、物理的な攻撃は…」


貴音「ジュルルッ…!」


プリンプリンセス2「ちょ…な、何?す、吸っちゃダメェ!」


貴音「ジュルジュル…」

貴音「……チョルンッ」

貴音「ゴックン……」

貴音「ふぅ………まこと、おいしゅうございました」ニコッ



バハムート(踊り食いとは…あいどるとやらは、なかなか野生的なのだな…)



貴音「…さて、次のらぁめんは…」キョロキョロ


プリンプリンセス3「た、食べられちゃった…!」

プリンプリンセス4「ば、化け物ぉ~!」


バハムート「くく…タカネに全て食われる前に…」

バハムート「我も踊り食いと行くか!」ダッ


プリンプリンセス3「いやぁ~!」


バハムート「ふん…!」ガシッ

バハムート「ガブッ!」


プリンプリンセス3「あぅ……!」


バハムート「ゴックン…」

バハムート「…やはり、この食感は生でしか味わえぬな…!」


98: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 21:37:03.33 ID:6RNfwVZQO

バハムート「タカネ……タカネ!」



貴音「……はっ!」キョロキョロ

貴音「わたくしは、いったい…?」


バハムート「そなたは、あのプリンどもの歌で、狂人化していたのだ…」


貴音「きょうじんか……?」

貴音(そういえば、何か、とても幸せな夢を見ていたような気もします…)




バハムート「…ところで、タカネよ」

バハムート「焼きプリンが1体残っておるが…食うか?」


貴音「……よいのですか?」


バハムート「我は、もう満ち足りた。あとは、そなたの好きにするがいい」

バハムート「……ほれ」スッ


貴音「では…有難く、頂戴いたします」


貴音「パクッ…モグモグ…」

貴音「……!」

貴音(焼きぷりん…なかなか奥の深い食感ですね…)



貴音「モグモグ……ん?」ポロッ


貴音「…これは?」スッ


貴音「骨……でしょうか?」

貴音(何やら、きらきらと輝いておりますが…)

貴音(ぷりんにも、骨が入っているものなのでしょうか?)



99: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 21:49:40.41 ID:6RNfwVZQO

バハムート「ああ…それは…」



バハムート「残念だったな。ハズレだ」


貴音「そう…ですか」


バハムート「このプリン、たまに尻尾を持ったものがおってな…」

バハムート「その尻尾が、硬くて食えんのだ」

バハムート「我のアギトですら、噛み砕けぬ」


貴音(淡いぴんく色に輝いていて…まるで、宝石のごとき存在感ですね…!)



バハムート「…気に入ったのか?」


貴音「はい。これは…持って行こうと思います」

貴音(……響に、見せてあげたいです)


バハムート「……そうか、人間の雌は、光ものを好むのであったな」





バハムート「時間を取らせてすまなかったな」

バハムート「そろそろ、行こう」


貴音「はい」


スタスタ…




100: ◆bjtPFp8neU 2014/09/19(金) 22:15:04.21 ID:6RNfwVZQO
トロイア城 救護室

雪歩「スヤスヤ…」


真(雪歩……)ギュッ




ユイット「ねー、おにーちゃんは、ユキホおねーちゃんのこいびとなの?」


真「ぶっ…!」

真「ち、違…」


シス「こ、こら…ユイット、マコトさんに失礼でしょう?」


真「うんうん…」


シス「男女の関係は、そんなに簡単じゃないって、お姉様方が仰っていたわ」


真「うん?」


シス「きっと…その…」

シス「許されぬ恋…なのよ…」ウットリ


ユイット「ゆるしてもらえないの?」

ユイット「なんだか、かわいそう」



真「……」

真「あ、あのね…」

真「ボクと雪歩は、普通の友達だから!」

真「それに……ボク、こう見えても、女の子なんだからねっ!」


ユイット「えっ?」

シス「えっ?」




真(うん………もう、慣れたよ…こういう反応…)



ユイット「うそだぁ!」

ユイット「だって、こんなにかっこいい女の人、見たことないもん!」


シス「ユイット…!」

シス「マコトさん、申し訳ありませんっ!」ペコリ



真「はは…いいよ……気にしないで…」


真(はぁ………)

真(…どうせなら、もっと女の子らしい役が良かったなぁ……)


102: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 22:07:06.78 ID:p3nECKP6O
トロイア城 謁見の間

アン「本当に、よくぞご無事で……!」


アン「それに、クリスタルまで取り返していただけるなんて…」

アン「……心から、お礼を申し上げますわ」ペコリ



春香「は、はあ…」

春香(う~ん……)

春香(私、あんまり役に立ってなかったから…)

春香(なんか、後ろめたいなぁ……)



アン「……さ、あなた達も、お礼を申し上げて?」




ドゥ「第2の神官、ドゥだ。お礼といってはなんだが、ユキホ王女の治療は、任せてほしい」


トロワ「第3の神官、トロワです。あなた方の武勇、感服いたしました…!何かあれば、何でもお申し付けください!」


キャトル「第4の神官、キャトルと申します。あなた方のご活躍…この国に語り継いでいきますわ」


サンク「……第5の神官、サンクです。どうも、ありがとうございました。このご恩は、忘れません」ペコリ


セット「7番目の神官、セットだよ!お姉ちゃん達、強いんだねぇ?トロワ姉と、どっちが強いかな?」



春香「なんか、みんな顔が似てる気が……」


響「ひょっとして、みんな姉妹なのかー?」



103: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 22:16:18.11 ID:p3nECKP6O

アン「……そういえば、言ってませんでしたね」


アン「今はここにいませんが、六女のシス、八女のユイットも合わせて…」


アン「私達は、8姉妹なのです」



春香「はー……8姉妹って、初めて見たかも…」


響「家族がいっぱいいるのは、いい事だぞー!」


春香(…私も、兄弟が欲しかったなぁ…)

春香(響ちゃんみたいに、動物を飼おうかなぁ……?)




春香「あ、ところで、クリスタルなんですけど……」


アン「はい」

アン「最初に申し上げた通り、土のクリスタルは、あなた方に委ねようと思います」


春香「ありがとうございます!」ペコリ


アン「……もう、お疲れでしょう?」

アン「今日は、この城でごゆっくりお休みになってくださいね?」



104: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 22:25:49.29 ID:p3nECKP6O
飛空艇

律子「……」


律子(結局……)

律子(私は、大した事できなかったわね……)

律子(ダークエルフを倒したのは、雪歩だし……)


律子(みんなが強くなってくれるのは嬉しいけど…)

律子(……私、なんのためにここにいるんだろう)



律子「はぁー……」



律子「………………あーーもうっ!」


律子「暗いわよっ!」

律子「なんで私、こんなに暗くなっちゃったのよ…」


律子「……早く、元の世界に帰りたいわ…」



兵士「リツコ様、間も無く到着します!」



律子「そう……」


律子(……ともかく、これでようやくクリスタルが揃った)


律子(あとは……)




105: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 22:37:37.59 ID:p3nECKP6O
トロイアの町 パブ『迷宮』

千早「……」キョロキョロ


千早(……奇妙な店ね)

千早(そこら中、穴だらけじゃない…)



マスター「お客さん、何を飲まれますか~?」


千早「……メニューはありますか?」


マスター「はい、どうぞ」スッ



千早「……」じーっ

千早(……お酒ばかり…)

千早(ひょっとして、いかがわしい店だったのかしら……?)

千早(春香……なんでこんな店で待ち合わせを…?)



千早(……ん?)

千早(メニューの中に、お茶があるわ)


千早「じゃあ……この『穴掘り姫の安らぎティー』を」


マスター「は~い、かしこまりました~」

マスター「…ところでお客さん、お美しいですね~?ぜひ、うちの店ではたらk」


千早「働きません」


マスター「そ、そうですか……失礼しました」


トボトボ…


千早(はぁ……やっぱりいかがわしい店だったのね…)


千早(……それにしても、変わった名前のお茶ね…)

千早(ん……?穴掘り、姫……?)


ガチャ…



107: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 22:52:53.80 ID:p3nECKP6O

春香「えーっと……」キョロキョロ



春香「……あっ」

春香「千早ちゃんっ!」


タタタタ…



千早「春香…」


春香「よいしょっ…と」スッ

春香「ごめんね、待たせて」


千早「ううん、気にしないで」

千早「……他のみんなは?」


春香「…真は、雪歩につきっきり。響ちゃんは、エン太郎君のお世話しに行っちゃったよ」


千早「そう……」

千早(えんたろう君のお世話……?)



春香「……えっと」

春香「久しぶりだね、千早ちゃん」ニコッ


千早「…ホントね。確か、前に会ったのは……」

千早「あ……」


春香「あ、あはは……あの時は、いろいろ大変だったねぇ…」


千早「なんていうか……ごめんなさい」


春香「い、いいよ~…もう、終わった事なんだし…」

春香「みんな、無事だったんだしさ」


春香「それに、私……」

春香「結構、楽しかったよ…?」


千早「春香…」


春香「千早ちゃんと戦ってみて…千早ちゃんの事が、もっとわかった気がするんだよね…」


千早(春香……)

千早「…ありがとう」


春香「えへへ、私も、ありがとう」



109: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 23:14:18.01 ID:p3nECKP6O

春香「あっ、そういえば…」


春香「今は、平気なの……?」


千早「ええ……今回は、共通の敵だったみたいだし」

千早(…それに、律子の心情に、何かしらの変化があった…ような気がするわ)


春香「…そっか」


マスター「お待たせしましたぁ~。『穴掘り姫の安らぎティー』でございます」コトッ


千早「ん……いい香り」


春香「うん……ホントだね、千早ちゃん」

春香「あ、私も同じものを」


マスター「かしこまりました~」

マスター「…あれ?君は……ユキホちゃんのお友達…」


春香「あ、どうも」ペコリ


マスター「ふふ…ごゆっくり」


スタスタ…


千早「……あの人、萩原さんの事知っているの?」


春香「ああ……知ってるっていうか…」


春香「雪歩、この店で働いてたみたい」


千早「ええっ?」

千早(萩原さん……この世界に来て、本当に変わったわね…)


春香「……雪歩、大丈夫かなぁ」


千早「……かなりの大怪我だったはずよ」

千早「最悪、リタイアって事も……」


春香「千早ちゃんっ…」


千早「春香…萩原さんの怪我のひどさは…」

千早「あなたも充分わかってるはずよ」


春香「そ、それは…」


千早「私には、あんな状態で旅を続けられるなんて、とても思えないのよ」


春香「で、でも……!」



110: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 23:35:04.89 ID:p3nECKP6O

千早「…じゃあ春香は、この先どんな敵が現れても、萩原さんをしっかり守りながら戦っていけると思う?」


春香「う……」


千早「リーダーとして、冷静に状況を判断するのも、大切な事だと思うわ」


春香「……」


千早「……ごめんなさい。少し、言い過ぎたわ」


春香「ううん、千早ちゃんの言う通りかもしれない…」

春香「私、自分に、雪歩を守りながら戦うだけの力があるか、なんて、考えた事なかったよ…」


春香「……でもね、やっぱり…雪歩を一人で残して行くのは、いやなんだ」


千早「気持ちは……わかるわ」


春香「だから、できるだけ、雪歩は連れていきたい」

春香「……雪歩が、自分から残る事を望んだ時以外は…」


千早「……そうね。その答えは、春香らしいと思うわ」

千早「春香は…冷静に、小を捨てて大を取るような判断を下せるタイプじゃないものね」


春香「えっ……それって…」


千早「小も大も捨てずに失敗して、みんなにフォローされるタイプって事よ」


春香「ち、千早ちゃんっ?」


千早「ふふふ、褒めてるのよ?」


春香「な、なんか…あんまり、褒められてる感じがしないんだけど…」


千早「大丈夫、それが春香のいいところよ」

千早(……そんなあなただから…みんな、ついて行こうって思うのよ…)

千早(……私は、春香ができない事をしなきゃね…)


千早「……」スッ

千早「ゴクッ…ゴクッ…」

千早「あ……」


千早(おいしい……)

千早(なんだか、萩原さんに淹れてもらったお茶みたい……)



111: ◆bjtPFp8neU 2014/09/21(日) 23:52:08.67 ID:p3nECKP6O
トロイア城 救護室

雪歩「……んっ」


真「雪歩…」


雪歩「……真…ちゃん…?」モゾッ

雪歩「あぅ……っ!」


真「雪歩、無理しないで」


雪歩「……」

雪歩「……ごめんね?」


真「な、何を謝るのさ?」


雪歩「私…みんなに迷惑かけてばっかりで…」

雪歩「今も…こんなだし…」チラ


雪歩「えへへ…今までの私なら、ここで、穴掘っちゃうところだけど…」

雪歩「…そんな力、残ってないや……」



真「雪歩…」

真「迷惑だなんて、みんな、そんな事思ってないよ!」

真「あの洞窟のボスだって、雪歩のおかげで倒せたんだよ?」


真「雪歩…もっと、自分に自信を持ってよ」



雪歩「……」

雪歩「ありがとう、真ちゃん」


雪歩(ごめんね、真ちゃん……)

雪歩(みんな……)



雪歩(私は、ここまでかも……)



112: ◆bjtPFp8neU 2014/09/22(月) 00:06:21.93 ID:gC/K/h3CO

雪歩「ねえ、真ちゃん…」


真「ん?どうしたの、雪歩?」



雪歩「あ、あの…お願いが…あるの…」モジモジ

雪歩(今日を逃したら、しばらく会えない……)

雪歩(………勇気を、出さなきゃ……!)


雪歩「あ、あのね……?」





雪歩「……今日は…い、一緒に寝てくれないかな…?」



真「なぁーんだ、そんな事お安いごよ……」


真「ぅええええっ!?」


真「ゆ、雪歩…本気?」


雪歩「だ、ダメかな……?」ウルッ



真(そ、そんなに潤んだ目で見つめられたら……)ドキドキ


真「……わ、わかったよ。一緒に寝ようか」


雪歩「ほ、ホントにっ?」ガバッ

雪歩「痛っ……!」


真「ああ、ほら、安静にしてないとね?」ガシッ


雪歩「う、うん……」


雪歩「えへへ……真ちゃん、ありがとう」





113: ◆bjtPFp8neU 2014/09/22(月) 00:15:29.53 ID:gC/K/h3CO
飛空艇 エンタープライズ

響「……」ゴシゴシ


響「エン太郎ー、痛くないかー?」ゴシゴシ


響「そーか、エン太郎は強い子だなぁ!」ゴシゴシ




響「……」

響(……カップルが、2組できちゃって…)

響(自分、居場所がないさー……)


響「べ、別に、平気だもんねっ…!」


響「ん……?」


響「エン太郎、慰めてくれるのかー?」


響「えへへ、ありがとなー!」





響(貴音……元気かなぁ…)チラ


響「あれ……?」


響「この世界には、月が二つあるのかー」


響「……片方の月は、少しだけ赤いような……」


響「なんか、気味が悪いぞー…」



115: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 22:14:19.23 ID:Yz98XFATO
ゾットの塔

スカルミリョーネ「……」タンッ



美希「……その二萬は、通さないの!」バタッ


スカルミリョーネ「……」ビクッ



美希「……タンピン三色ドラドラ」


美希「12000なのっ!」


スカルミリョーネ「……だ、ダマッパ…ネ…!」



あずさ「………ごめんなさい、頭ハネね?」バタッ


美希「えっ?」


あずさ「…タンヤオトイトイ三暗刻、三色同刻に…赤が一つで……」


あずさ「…倍満ね」



スカルミリョーネ「……ま、まだ、6順目なの…に…!」


バルバリシア(アズサ……それ、ツモったら…)

バルバリシア(…って、そんな事より……)

バルバリシア(この2人……ポーカーも麻雀も、強過ぎよ……)





美希「…も~!どうしてあずさに勝てないのー?」ジャラジャラ

美希(…この世界に来てから、あずさに一回も勝ててないの……)

美希(…このままじゃ、ハニーも取られちゃう…)

美希(……それだけは、絶対させないの!)



ガチャ…


律子「…ただいまー」



116: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 22:25:45.55 ID:Yz98XFATO

バルバリシア「リツコ様…!お帰りなさいませ!」シュタッ


スカルミリョーネ「……り、リツコ様…た、助け…て…」


美希「律子…さん!」


あずさ「あら~、律子さんお帰りなさい」



律子「ん?何してるの…?」

律子「麻雀……?」


律子「あんた達、まさか……?」



美希「お、お金なんて…絶対に賭けてないの!」ブンブン


あずさ「あっ……」



律子「そう……」

律子「…私、もう疲れたから、休むわね…」


美希「ホッ……」


あずさ「……?」

あずさ(……美希ちゃんの墓穴に、気づいてないはずがないのに……そこに突っ込まない…?)



美希「……あれ?そういえば、千早さんは…?」


律子「ああ、千早なら……明日、春香達を連れてここへ来るわ」


美希「…そうなんだ!」

美希「…春香達、元気かなぁ?」


律子「それじゃ、おやすみ…」


スタスタ…



美希「……」

美希「ねえ、あずさ…」

美希「律子、なんだか元気ないの」


あずさ「そうね~。ちょっと、様子がおかしいわね~」



117: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 22:34:56.81 ID:Yz98XFATO
トロイア城 救護室

雪歩「スヤスヤ…」


響「雪歩ぉ……」


春香「雪歩……」


千早「……」



真「……さ、みんな、今日はもう休んだ方がいいよ」


響「で、でも……」チラ


真「大丈夫、雪歩の事はボクに任せて?」


千早「そうね…」

千早「もう、休ませてもらおうかしら」チラ


春香「えっ……?」

春香「あ……そうだね」


響「も、もう行くのか…?」


春香「うん」

春香「響ちゃん、行こ?」グイッ


響「は、春香、引っ張らないでよぉ…」ズルズル



千早「……2人で仲良くね、真」


真「べ、別に…何にもないからねっ?」


千早「ふふ……」


スタスタ…

ガチャ…バタン



118: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 22:47:31.78 ID:Yz98XFATO
トロイア城 客室

響「雪歩……辛そうだったな…」


春香「うん…」


響「春香の魔法で、なんとかできないの?」


春香「ん……何回か、試したんだけど…」

春香「私の魔法は、まだ覚えたてだから、あんまり効果がなかったんだ…」


春香「それに、神官さん達が言ってたんだけど…」

春香「雪歩、もともと怪我をしてたんだけど…」

春香「怪我が治ってない身体で無理して、さらに大怪我を負ったから…」

春香「…もう、魔法で治療するのは、難しい…みたいなんだ…」


響「そ、そう…なのか……」


春香「……」



千早「……萩原さんは、頑張ってるわ」


響「千早…?」


千早「自分の身体を治そうと、頑張ってる」


春香「千早ちゃん……うん、そうだね」



119: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 22:57:58.80 ID:Yz98XFATO

千早「私達も、今できる事をすべきよ」


春香「今、できる事?」


千早「しっかり休息を取って、明日に備える事」


響「でも……」


千早「…我那覇さん、人の心配するのはいいけど…」

千早「あなたまで体調を崩したら、誰が飛空艇を操縦するの?」


響「う……」


春香「……」グゥゥ

春香「あ……///」


響「プッ……春香、お腹空いたのかー?」


千早「春香、人が真面目な話をしてる時に…お腹を鳴らすのは、やめてちょうだい」


春香「あ、ごめんね…」

春香(鳴らしたくて鳴らしてるわけじゃないんだけどね……)


千早「ま、いいわ……もう、寝ましょう」


響「よーし、みんなで寝るかー」


春香(そういえば、今日、何も食べてないんだなぁ……)

春香(……少しは、体重落ちるかな……?)



120: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 23:11:29.25 ID:Yz98XFATO
トロイア城 救護室

ドゥ「……これでよし、と」ギュッ


ドゥ「…さ、ユキホ王女、あとはゆっくり休むんだ」


雪歩「あ、ありがとうございますぅ…」


真「ありがとうございます!」

真「……ボクも、何か手伝えればよかったんですけど…」


ドゥ「ふふ、素人の手伝いなら、いらないよ」

ドゥ「それに……」チラ


ドゥ「あんたは、しっかりユキホ王女のそばにいてやる事だ」

ドゥ「好いた者同士が一緒にいる事……これに勝る薬は、ないからな」


真「なっ……///」ボッ


雪歩「はぅ……///」ボッ


ドゥ「くっくっく…じゃあ、邪魔者は消えるから、あとはよろしくやるんだよ?」


スタスタ…

ガチャ…バタン



真「……」ドキドキ


雪歩「……」ドキドキ


真「ゆ、雪歩…ぐ、具合は、どう?」


雪歩「えっ?あ…う、うん…平気…だよ?」


真「そろそろ、寝ようか…」

真「あ…ね、寝るって言っても…変な意味じゃないからね…?」


雪歩「あ、あぅ……///」ボッ


真「あっ…ご、ごめ…」

真(な、何言ってるんだ…ボクはっ!)



121: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 23:23:10.00 ID:Yz98XFATO

真「それじゃ…おやすみ、雪歩」


雪歩「う、うん…おやすみ、真ちゃん」





雪歩「……」


真「……」


雪歩「……」

雪歩「……ねえ、真ちゃん」


真「ん…?」


雪歩「そんなに端っこで寝てたら……ベッドから落ちちゃうよ?」

雪歩「…もう少し、こっちに寄っても平気だよ?」



真「あ…そうだね」


真「そ、それじゃ……失礼しまーす…」モゾモゾ





雪歩「…えへへ、真ちゃん、捕まえたっ!」ダキッ


真「ゆ、雪歩……?」ドキドキ


雪歩「あ……ご、ごめんね、いきなりで…」


真(あれ……?)


雪歩「……っ」ガタガタ


真「雪歩、震えて…?」


雪歩「こ、こうしてると…あったかいねっ…」


真(雪歩……)


真「うん…そうだね…」ギュッ



122: ◆bjtPFp8neU 2014/09/23(火) 23:30:10.54 ID:Yz98XFATO

雪歩「えへへ……」ギュッ





雪歩「幸せ……」ポロッ


雪歩「あ、あれ……?」ポロポロ


真「な、泣いてるの?」


雪歩「…わ、わからっ…ない…っ」ポロポロ


雪歩「真っ…ちゃんに…ギュッって…されて…グスッ」ポロポロ


雪歩「う、嬉しい…はずっ…なのに…ヒック」ポロポロ


真「雪歩……」



雪歩(……やっぱり、離れたくないよっ……!)


雪歩(せっかく、会えたのに……)





雪歩(………真ちゃん!)




124: ◆bjtPFp8neU 2014/09/24(水) 21:51:02.34 ID:JJDDRrm7O
ゾットの塔 リツコの部屋

律子「……」ドサッ


律子「ふぅ……」


律子(疲れた……)

律子(身も、心も……)

律子(小鳥さん、何考えてるのかな…)

律子(ひょっとして、私の発作も小鳥さんが……?)



律子「ダメね…気持ちが暗くなっちゃって…」

律子「今日は、もう寝よう……」



コンコンッ



律子「ん……?」

律子「……どうぞ」



ガチャ…



あずさ「ごめんなさいね……ちょっと、いいですか?」


律子「あずささん……」


あずさ「…律子さん、なんだか元気がないように見えますけど……大丈夫ですか?」


律子「……」

律子「……やっぱり、そう見えますか…」


あずさ「美希ちゃんも、心配してましたよ…?」


律子「……美希にまで心配されるなんて…」

律子「私、しっかりしなきゃ……!」グッ




あずさ「……律子さん」ダキッ


律子「あ、あずさ…さん…」


あずさ「辛い時は、ちゃんと『辛い』って言わないと…」

あずさ「身体も心も、参ってしまいます」

あずさ「何か悩んでいるなら……話してもらえませんか?」


律子「……」



125: ◆bjtPFp8neU 2014/09/24(水) 22:06:42.75 ID:JJDDRrm7O

あずさ「……」


あずさ「…話せない事なら、話さなくてもいいんです」


律子「……」


あずさ「ただ……思い出してくださいね?」



あずさ「あなたには……あなたの事を心配する、仲間がいるって事を」


律子「……!」


あずさ「……この世界での立場、なんて関係ありません」

あずさ「律子さんは、私達の仲間で……大切な人なんです」


律子「あずさ…さん…」


あずさ「……」ナデナデ


律子「……っ!」


あずさ「……」

あずさ「大丈夫です。今は、誰も見てないですから…」


律子「……っ!」ギュッ



あずさ(律子さん……)


あずさ(信じ合っていれば、きっと大丈夫よね……?)



126: ◆bjtPFp8neU 2014/09/24(水) 22:24:00.97 ID:JJDDRrm7O
月の中心核

小鳥「うぅ……グスッ」

小鳥「切ない話だわ……」


小鳥「律子さん……」



小鳥「それにしても…」

小鳥「雪歩ちゃんがあんな風に活躍するなんて、意外だったわ…」

小鳥「本当なら、お城に引きこもってるはずなのに…」



小鳥「…うふふ」

小鳥「真ちゃん、響ちゃん、千早ちゃん…」

小鳥「あずささんに、美希ちゃんも…」

小鳥「みんな、頑張ってるのね……」

小鳥(春香ちゃんは…ちょっと影が薄かったわね…)



小鳥「私も、もっと頑張って…」



小鳥「………この物語を、素敵なものにしなくちゃね!」




タイダリアサン「コトリ様~!」ニュルニュル


小鳥「ん?……どうしたの?」


タイダリアサン「……お客さんが見えてますけど」


小鳥「お客さん…?誰かしら?」


タイダリアサン「コトリ様のお知り合いだそうですが…」

タイダリアサン「…どうします?」


小鳥(変ねぇ……)

小鳥(私のところにみんなが来るのは、まだまだ先のはず…)

小鳥(……ま、会えばわかるわよね?)



小鳥「わかったわ。連れて来てもらえる?」



127: ◆bjtPFp8neU 2014/09/24(水) 22:38:38.82 ID:JJDDRrm7O

小鳥「貴音ちゃん…?」

小鳥「貴音ちゃんじゃない…!」

小鳥(…もう一人?は、誰だろう…?)

小鳥(なんか…どこかで見た気がするのよねぇ…)



貴音「小鳥、久しぶりですね…」

貴音(あまり、変わりはないように見えますが…)

貴音(果たして、本当に小鳥が悪事を働いているのでしょうか…?)


バハムート「こやつが…コトリか」


小鳥「私ね、ずっと一人でさみしかったのよ?」


貴音「そうですか…」

貴音(わたくしには、ばはむーと殿がいます。小鳥よりは、恵まれているのでしょうね…)


バハムート(タカネの知人だったとは…妙な事になってきたな…)



貴音「しかし…ここで、いったい何をしているのです?」


小鳥「……そうね」

小鳥「少し、お話しましょうか……」


小鳥「……蛇君?」



タイダリアサン「はい、なんです?」ニュルニュル


小鳥「3人分、お茶を淹れて来てもらえる?」


タイダリアサン「わかりました~」ニュルニュル



129: ◆bjtPFp8neU 2014/09/24(水) 22:52:34.50 ID:JJDDRrm7O

小鳥「あの、あなたはお茶で良かったかしら…?」

小鳥「ええと…」



バハムート「ん?我の事か……?」


貴音「小鳥。こちらは、ばはむーと殿です」


小鳥「ええっ?…バハムート!?」ズイッ


貴音「はい」

貴音「神で在られるお方ゆえ、粗相の無いよう、お願いしますよ?」


バハムート「……」



小鳥(すごい……!)

小鳥(生バハムートじゃない…!)

小鳥(やっぱり………かっこいい!)




小鳥「あ、あのう、バハムート…さん?」


バハムート「ん?なんだ…?」





小鳥「め、メガフレア、やってくださいっ!」



バハムート「……!」

バハムート(なぜ、知っている…?)ギロリ




小鳥「あ……」

小鳥「ご、ごめんなさい…っ!」


小鳥「つ、つい…舞い上がっちゃって…」

小鳥(うわぁ…バハムートさんに、すごいガン飛ばされた…)



131: ◆bjtPFp8neU 2014/09/24(水) 23:20:34.02 ID:JJDDRrm7O

小鳥(バハムート……)

小鳥(……欲しい!)

小鳥(ぜひ、欲しいわ!私の『駒』に…)

小鳥(なんだか、貴音ちゃんとも繋がりがあるみたいだし…)

小鳥(…この2人、引き離したら面白そうね…)

小鳥(絆…絶望……そして、微かな希望……)

小鳥(ああ、美しいわ……)



貴音「小鳥…小鳥!」


小鳥「……はっ!」


貴音「大丈夫ですか?何やら、ボソボソとつぶやいていましたが…」


小鳥「あ……な、なんでもないのよ?」

小鳥(いけない、また没入しちゃった…)




バハムート「…コトリよ」


小鳥「は、はい…?」


バハムート「青き星の民を操り…悪事を働かせているようだな…?」


小鳥「あー……」

小鳥「まあ…そうなりますね…」


貴音「本当に小鳥が……?」


小鳥「そうよ、貴音ちゃん」


バハムート「…今すぐ、やめさせるのだ。さすれば、そなたへの罰も、多少は軽くなろう…」


小鳥(おおう……神に脅されたわ…)

小鳥(なるほど…そういう理由で来たのか…)

小鳥(…でも、まだまだ私にも、やる事があるのよねー…)


貴音「小鳥…?」


小鳥「あ……ええと」




小鳥「ごめんなさい…それは、無理ね」ニコッ


バハムート「…ならば、仕方あるまい…」ゴゴゴゴ


貴音「ば、ばはむーと殿!?」



132: ◆bjtPFp8neU 2014/09/24(水) 23:36:17.70 ID:JJDDRrm7O

バハムート「タカネ…こやつは、そなたの知人らしいが…」

バハムート「我にも、神としての仕事がある…」

バハムート「…悪く思うな」


貴音「し、しかし…!」



小鳥「幻獣神と戦えるなんて…とても光栄です!」


バハムート「…そうか」

バハムート「そなたのその言葉に免じて、多少の手加減はしてやろう」


小鳥「うふふ、ありがとうございます!」




小鳥「…あ、ちょっと待ってください!」


バハムート「?」






小鳥「……出されたお茶くらい、ちゃんといただくのが、礼儀ってものじゃないですか?」




貴音「………確かに」


バハムート「ふむ、道理だな…」



小鳥「…じゃ、いただきましょ?」


貴音「いただきます」

貴音「ズズ……」

貴音「ん……おいしゅうございますね」


バハムート「ズズッ……」

バハムート「……うむ、うまい」

バハムート「代わりをもらえるか…?」


小鳥「あ、ちょっと待っててくださいね?」

小鳥「……蛇くーん?お茶のおかわりお願ーい!」


貴音(…いつも通りの小鳥に見えるのですが…)

貴音(……わたくしは、どちらの味方をしたらいいのでしょう…?)



134: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 20:58:59.18 ID:EYH5M2ePO
翌日、トロイア城 救護室

雪歩「みんなと一緒には、行けないよ」

雪歩「………ごめんね?」



春香「雪歩……」

真「……」

響「そ、そんなぁ……」

千早「……」



雪歩「……いろいろ考えたけど、やっぱり、こんな状態じゃみんなに迷惑かけちゃうと思うんだ…」


雪歩「だから、ここからは…」


雪歩「私抜きで、進んで欲しい」



春香(いつもの、怯えた表情じゃない…)

春香(強い意思を持った表情……)


春香「もう……決めたんだね?」


雪歩「……うん!」


春香「…………そっか」

春香(雪歩……っ)



春香「…わかったよ」

春香「じゃあ、ここからは…」




真「……ボクも、ここに残るよ!」



135: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 21:12:18.68 ID:EYH5M2ePO

春香「真……?」

響「ま、真まで、何言い出すんだ…」

千早「……」



真「ボクが雪歩のそばについてるからさ、みんな、安心して出発してよ!」



春香(真まで…)

春香(うぅ……どうしよう…?)

春香(みんなの意思を尊重するべき、なのかな……)





雪歩「……ダメだよっ!」



真「ゆ、雪歩……?」

真「なんでさ…?ボクは雪歩が…」



雪歩「真ちゃんの気持ち……すっごく嬉しい」

雪歩「でも、私……」



雪歩「…もう、みんなに守られる、弱い自分は、いやなんだ」


真「雪歩…」


千早(萩原さん…あなた、やっぱり……)



雪歩「それにね、真ちゃんの力は、この先絶対必要だよ」

雪歩「私なんかと違って、真ちゃんは……とっても強いから」


真「そ、そんな事……っ!」

真(違う……ボクは、すごく弱いよ…)

真(雪歩がいないなんて、いやだよ…)


雪歩「…一晩、真ちゃんにそばにいてもらったから…」

雪歩「……もう、一人でも平気だよ?」ニコッ



136: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 21:24:18.00 ID:EYH5M2ePO

雪歩「だから……私はこの国に…」




春香「……」グゥゥ



雪歩「……え?」チラ

真「春香?」チラ

響「春香…」チラ

千早「……はぁ」チラ



春香「あっ………」


春香「ご、ごめんね…?つ、続けて?」



雪歩「あ、いや……」

雪歩「うん……言いたい事は、もう言ったから…」


春香「ごめんね、雪歩!…ホントごめんっ!」

春香(もー!私のバカー!)



雪歩「大丈夫だよ、春香ちゃん…」


雪歩「……クスッ」

雪歩「なんか……気が抜けちゃったなあ…」


真「……ホントだよ」

真「春香、仲間より食欲の方が大事なの?」


春香「ち、違うよぉー!」アセアセ


真「あははっ!…ジョーダンだよ!」


響「春香…自分だって、お腹空いたの我慢してたんだからなー?」


千早(まったく………さすが春香ね)



137: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 21:32:15.34 ID:EYH5M2ePO

春香「……雪歩の事、よろしくお願いしますね?」



ドゥ「わかってるよ。あんた達は、安心して出発しなよ」



春香「ありがとうございます!」ペコリ






春香「じゃ……行くね?」


雪歩「うん…」


春香「雪歩、私……!」



雪歩「春香ちゃん……気をつけてね」



千早「必ず、迎えに来るわ」



雪歩「千早ちゃん……待ってるよ」



響「雪歩ぉ……グスッ」



雪歩「響ちゃん……頑張ってね」



真「雪歩……」


雪歩「真ちゃん……」






真「…また、雪歩のお茶が飲みたいな」ニコッ



雪歩「!」


雪歩「真ちゃん……!」



雪歩「………………うんっ!」ニコッ




138: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 21:43:36.17 ID:EYH5M2ePO
飛空艇 エンタープライズ

ババババババ…


響「雪歩……最後まで泣かなかったなー…」


真「うん、雪歩はね……ボク達が思ってるよりも、ずっと強いんだよ」


千早(そうか……この世界に来て、萩原さんが変わったと思っていたけど…)

千早(彼女は、もともと強い人だったんだわ……)


春香「そうだね…」

春香「永遠の別れって訳じゃないし……笑って別れたかったんだよ、きっと」




響「…その『別れ』をお笑いに変えちゃったのは、春香だけどなー?」チラ



春香「も、もう…!それは忘れてよぉー!」アタフタ




4人「あははははっ!」






「……夢ーをー話そう♪」


春香「……ん?」



139: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 21:59:28.93 ID:EYH5M2ePO



「…おーらいっ!きょおーはーなーいーたーーらぁー♪」



響「ゆ、雪歩の声…?」

響「歌ってるのか…?」



「おーらいっ!あしーたーがーもーおーっとーっ♪」



真「あ!」

真「春香っ!ひそひ草だ!」



「つよくなぁるっ♪」



春香「あ……う、うんっ!」ゴソゴソ

春香「……」スッ



「がぁんばーってーっ!あーーたーらーしぃいっぽっふーみーだそーーっ♪」



千早「萩原さん……」



「おーらいっ!なみーだーのーひーかーりでぇー♪」



響「グスッ……雪歩ぉ!」ポロポロ



「おーらいっ!ここーろーにーにーじーーをー♪」



春香「雪歩っ……」ウルッ



「かけっよっおっ♪」



真「……っ!」

真(雪歩………ボク、頑張るよ!)



「まーあっすぐーっ!いーーつーまぁでーだーあってっ♪」



「さぁーけーえっかーおーらーいっ♪」




140: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 22:46:05.41 ID:EYH5M2ePO
???


『……のう、我が主よ…』



P(ん……)

P(誰だ………?)



『干渉しすぎなのではないか……?』



P(……何の、話だ……?)



『あの双子…いずれ助かる運命であった…』

『そなたが無理をしてまで、こんなに早い時期に助ける必要は、あったのか…?』



P(わからない……)

P(亜美と真美が、目の前で石になった時…)

P(俺は、辛かった…)

P(本当に辛いのは、あの2人の方なのに…)

P(…罪の意識から逃れる為に、あの2人を助けたのかもしれないな…)



『…気持ちは、わからんでもない』

『じゃが、気をつけるのじゃぞ?』

『そなただけは、生身の身体なのじゃからな』



P(俺が…生身の身体…?)

P(どういう……)



『そなたは…自分で言っていた通り、イレギュラーなのじゃ…』

『ゲームの世界の身体を、用意できなかった』



P(そう、か……)



『あまり無茶をすると…取り返しがつかなくなるやもしれん…』

『くれぐれも、忘れるな…』



P(……俺は)

P(この世界に来ない方が、良かったのか…?)





141: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 23:06:47.96 ID:EYH5M2ePO
ミシディアの村 祈りの館


長老「……」


真美「……」



亜美「……」

亜美「…兄ちゃんが、早く目覚めますように~」


亜美「あと…カエル以外のものが食べたい…」ボソッ




長老「…これ、アミ…声に出してはならんと言ってるじゃろう」


亜美「だって~!タイクツなんだもんっ!」


長老「まったく…」

長老「少しはマミを見習え」

長老「声も出さずに、こんなに真剣に…」


真美「……」



亜美「真美~、よくこんなん耐えられるね~?」


真美「……」


亜美「…真美?」


真美「zzz…」


亜美「長老っち…真美、寝ちゃってるよ?」


長老「真面目にやってると思えば…!」

長老「マミ…マミ!」ユサユサ



真美「んっ……」ムクッ

真美「あ………」


真美「てへへ、寝ちゃってた」


長老「てへへじゃないっ!」


142: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 23:21:52.68 ID:EYH5M2ePO


長老「まったく……」

長老「お主らが『祈りたい』と言うから、連れて来てやったというのに…」


真美「ごめんね、長老っち~」

亜美「お祈りって、もっと楽チンかと思ってたよ~」



長老(ま……この娘らにじっとしてろというのが、そもそも間違いじゃったか…)



長老「…よいか、祈りとは、想いの力。言葉にした時点で、想いの成長は止まる…」

長老「言葉にしてはならん。ただ胸に秘めて祈るのじゃ!」


真美「こ~いうの、なんて言ったっけ?」ヒソヒソ

真美「…言わぬがバナナってやつかな…?」ヒソヒソ

亜美「言わぬが喉仏、じゃなかったっけ?」ヒソヒソ



長老「聞いておるのか、2人とも!」


真美「へいへい」

亜美「長老っちの話は、長いんだよ~」


長老「……それくらい、少しは我慢せんか」




「…精が出ますね、長老」



長老「……ん?」


亜美・真美「あ……!」



143: ◆bjtPFp8neU 2014/09/25(木) 23:42:26.56 ID:EYH5M2ePO

P「すみません、ご迷惑をおかけしたみたいで…」

P「亜美、真美…久しぶりだな」



長老「そなた…もう、いいのか…?」


P「はい、おかげさまで…」




亜美・真美「兄ちゃ~ん!!」


タタタタ…


亜美・真美「とりゃ~!!」ガバッ


長老「お、おい、2人とも、無茶をするな…!」




亜美「ずっと待ってたんだかんねっ?」ダキッ

真美「たくさん、心配したんだから!」ダキッ


P「おっと…」ヨロッ


P「…待たせてすまないな、亜美、真美…」

P「…だけど、お前達も、元に戻ってよかった…」ナデナデ


亜美「兄ちゃん…」

亜美「それはこっちのセリフだよ~!」

真美「真美達だって、兄ちゃんと同じ気持ちなんだよ?」


P「そっか……」


亜美「兄ちゃん、たくさん遊んでもらうよ?」ニコッ

真美「一緒に、いろんな事しようね!」ニコッ


P「ああ、そうだな…」

P(……俺の一人善がりかもしれないが…)

P(やっぱり、俺はみんなの笑顔がみたい…)

P(亜美、真美…お前達を見たら、決心がついたよ)

P(ありがとな…)



長老「ふふ……あの娘らの心からの笑顔など、久しぶりに見たな…」



148: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 00:11:55.49 ID:Ueh8+oQWO

長老「そうじゃ。少し、そなたに聞きたい事があるのじゃが…」


P「はい」


長老「ふむ。ここではなんだから、わしの家に来てくれるか?」


P「わかりました。じゃあ…」


長老「いや、後で来てくれればよい」

長老「わしは、先に行ってるからな…」


スタスタ…

ガチャ…バタン




P「……」

P「どうしたんだ?長老…」

P「わざわざ別々に行かないで、一緒に行けばいいのに…」


真美「……はぁ」

真美「やっぱ兄ちゃんって、こ~いう事には鈍感なんだね~」


P「鈍感?どういう…」


亜美「亜美でも気づいたよ~?」

亜美「長老っちが、『気を使ってくれた』って事」


P「すまん、説明してくれ…」


真美「だ~か~ら~!」

真美「真美達、久しぶりの再会じゃん?」


亜美「曇る話もあるじゃろう…って事だよ~!」


P「曇る……?」

P「ああ、積もる話…って言いたかったのか?」


亜美「まあ、そうとも言うね」


P「なるほどな…」

P(まあ、俺と2人が顔を合わせてなかったのは、時間にしてみれば、ほんの数日なんだが…)

P(……なんだかんだ、そういう気配りができる人だよな、長老って…)

P(それに気づかない俺って……)



149: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 00:25:27.63 ID:Ueh8+oQWO

真美「そ・いえばさ…」

真美「はるるん達は、先に進んだんだよね?」


P「ああ、多分な」


亜美「多分て……大丈夫なの?はるるん達だけで…」

亜美「このゲームやった事あるのって、亜美達と兄ちゃんだけじゃないの?」


P「大丈夫だと思うぞ?」

P「春香達、この世界に結構馴染んでるみたいだし」

P「それにさ、もし、自分が初めてやるゲームを…」

P「横から、プレイした事ある人間に口出しされたら、どう思う?」


亜美「あ・…それは結構ウザいかもね」


真美「じゃあ、はるるん達に楽しんでもらおうって事?」


P「そういう事」

P「まあ、もともとはお前達を助けるため
に残ったんだけどな」


亜美「でもさ・、みんなと合流しないって事でしょ?」

亜美「じゃあ、亜美達は何すればいいのさ?」


P「それは後で話すよ」

P「とりあえず、先に長老のところへ行こうか」



150: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 00:35:17.57 ID:Ueh8+oQWO
また文字化けしとる…

これは、投下するなという神の意思か

・・・

~~

151: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 00:49:11.04 ID:Ueh8+oQWO
長老の家

長老「すまんな、わざわざ来てもらって」

長老「もう良いのか…?」


P「あ、はい」

P「気を使わせてしまってすみません」ペコリ


長老「…気にするでない」


P「…それで、聞きたい事というのは?」


長老「うむ…」


長老「これなんじゃが…」ピラッ


亜美「うっわ~…何この紙切れ?ボロボロじゃんか」


長老「魔導船について調べようと思って、古い文献を漁っていたんじゃが…」

長老「その時に、この紙を見つけたんじゃ」


真美「…何か、書いてあるよ?」


P「読ませてもらっても?」


長老「もちろんじゃ」


P「どれどれ…」






竜の口より生まれしもの

天高く舞い上がり

闇と光をかかげ

眠りの地にさらなる約束をもたらさん

月は果てしなき光に包まれ

母なる大地に大いなる安らぎと慈悲を与えん




152: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 01:04:22.94 ID:Ueh8+oQWO

P「これは…」

P(そういえば、こんなものもあったっけなあ…)

P(意味なんて、深く考えた事ないけど)


長老「わしには理解できなかったが…そなたならあるいは、と思ってな」

長老「どうじゃ…?何かわかるか?」


P「はい」

P「これは、魔導船についての文章ですね」


長老「やはり、そうじゃったか…!」


P「最初の『竜の口より生まれしもの』というのが、魔導船の事を指しています」


長老「ふむ…」


P「…そうだ長老、地図ってありますか?」


長老「地図?」

長老「少し待っておれ…」ゴソゴソ


長老「…ホレ」スッ



P「…地図で見ると、このミシディアの村の辺りって、何かに見えませんか?」


長老「ん……」

長老「言われてみれば…何か、生き物のような…」


真美「『竜』……でしょ?」


長老「…確かに。村のそばの入り江が、ちょうど竜の口のように見える…」

長老「これは、もしや…?」


P「お察しの通りです。おそらく、その入り江に魔導船があるはずです」


長老「なんと…!よもや、こんなに近くにあるとは…」

長老「しかし、海の底となると…手も足も出んな…」




154: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 01:17:43.07 ID:Ueh8+oQWO

P「確かに、海の底に沈んだ巨大な船を引き上げるなんて…途方もない話です」

P「でも、この文章がこうしてここにある、という事は…」

P「魔導船を復活させる事はできる、という裏付けになりますよね?」


長老「……」


P「そしておそらく、魔導船を復活させる事ができるのは…」



P「長老、あなたしかいません」


長老「わしが……か?」


亜美「これは、長老っちの見せ場だよ~?」


真美「男を魅せるしか、ないっしょ~!」


長老「……」


長老「……わかった」

長老「何をすれば良いのかわからんが…」

長老「とりあえず、わしにできる事はやってみよう」


P「よろしくお願いします」ペコリ






長老「魔導船については、わかった」

長老「それで、もうひとつ聞きたい事があるんじゃが…」


P「はい…」



155: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 01:37:24.49 ID:Ueh8+oQWO

長老「そなた達は、これからどうするつもりじゃ?」


亜美「兄ちゃん…?」チラ


真美「兄ちゃん…」チラ


P「また、旅に出るつもりです」


長老「そうか…」

長老「すぐに発つのか?」


P「そうですね…」


長老「…一晩くらい、泊まっていけ」


P「え……いいんですか?」


長老「いいに決まっておろう?」

長老「この家はもう……そなた達の家でもあるんじゃからな!」


P「長老…」


真美「長老っちが……デレた…」


亜美「ふむ。やはり、ツンデレであったか…」


長老「つんでれ…?」


P「あっ…なんでもないんです!」

P「こら、2人とも余計な事言うなよ」ヒソヒソ



長老「…さて、今日の夕飯でも作るかの」


P「あ、俺も手伝いますよ!」


長老「わしに任せておけ。こう見えて、料理が趣味じゃからな」ニヤリ


スタスタ…



亜美「ねえ真美、これってもう…」


真美「うん。完璧フラグ立ってるよね」


P「何のフラグだよ…」


P(それにしても、長老と話してると…)

P(親父の事を思い出すな……)



156: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 01:54:38.91 ID:Ueh8+oQWO
長老の家 客室

P「うーん…」


真美「兄ちゃん、どうしたの?」


P「ああ…」

P「さっきの、魔導船についての文章の中で、わからない部分があってな…」


亜美「わからない部分?」


P「『闇と光をかかげ』…って文があったろ?覚えてるか?」


亜美「ん~、覚えてるけど…」

亜美「でも、『光』って、はるるんの事じゃないの?」


P「うん。俺もそう思ったんだけど…」

P「なら、『闇』は何を指すんだろう…と思ってな」


真美「闇…かあ…」

真美「はるるんは、元は暗黒騎士だったから…その事じゃない?」


P「どうかな…」

P(なんとなく、違う気がする…)

P(ゲームでは、明言されてなかった部分だから…この世界では、さほど重要じゃないのか…?)


亜美「あんまり関係ないんじゃない?」

亜美「亜美、その事について知らないけど、ゲームクリアできたよ?」


P「そうだよな…」

P(ゲーム通りなら、特に気にしないんだが…)

P(何か引っかかるんだよな…)



159: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 22:36:14.33 ID:Ueh8+oQWO

真美「それより兄ちゃん!」

真美「はるるん達と、どうやって合流するの〜?」


P「いや、とりあえずは…春香達とは別行動になると思う」


真美「え…?みんなと合流しないの?」


亜美「じゃあ、いったいど〜するのさ〜?」


P「ああ、俺達はこれから…」


P「…リタイア組を回収しに行こう!」



亜美「リタイア組……」


真美「兄ちゃん…なんか、負け組みたいで嫌だよ〜…」


P「す、すまん…!決してそういう意味じゃないんだが…」


亜美「な〜んだ…またみんなと冒険できると思ったのにな〜」


P「お前達もわかってるだろ?このゲームは、犠牲になる仲間が多い」

P「回収しておかないと、みんなバラバラになってしまうんだよ」

P「…それに、春香達と会う機会は、必ずあるよ」


亜美「う〜ん…まあ、ちかたないね」


真美「負け組は負け組らしく…裏方に徹しますか…」


P「いや、悪かったって……」




真美「……で、どうする?」

真美「次の犠牲者は……普通に進めばゆきぴょんだよね?」


P「ああ、そうだな…」

P「だが、どこへ行くにしても、飛空艇が無いと話にならない」


亜美「って事は…?」



160: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 22:59:54.32 ID:Ueh8+oQWO

P「うん。とりあえずは、バロンへ向かう」


亜美「うえぇ…じゃあ、またあのワープゾーン通るのかぁ…」


P「少しだけ、我慢してくれよ」


P「そして、バロンに着いたら、飛空艇探しだな」


真美「飛空艇かぁ〜!一回、乗ってみたかったんだよね〜!」


亜美「でもさぁ、飛空艇は、はるるん達が乗って行っちゃったんじゃないの?」


P「そうだと思うが…さすがにその1隻しかないって事はないだろ」

P「きっと他にもあるはずだよ」


真美「ま〜確かに」

真美「って事は、問題は……」

真美「誰が飛空艇を操縦するかってとこだね?」


P「あ……」


真美「…兄ちゃん?」


亜美「まさか、そこまで考えてなかったとか…?」


P「……なんとかなるかなーと思って」

P「だって、春香達も、飛空艇を操縦してるはずだろ?」


亜美「そりゃ〜、あちらにはひびきんがいますからな〜」


P「う……そういえばそうだな…」

P「だ、大丈夫だよ!なんとかなるって」


亜美「兄ちゃんは、相変わらず詰めが甘いですなぁ〜」


真美「ま〜でも、何が起きるかわからない方が、ドキドキできる…かな?」


亜美「いざとなったら、亜美に任せてよ!」


真美「あ〜、真美も操縦する〜!」




P(……あれ?)

P(このままだと…中学生になったばかりの子達に操縦させる事になるのか……?)

P(だ、大丈夫かな…?)



161: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 23:18:37.35 ID:Ueh8+oQWO
ゾットの塔

魔物「グルル…!」


春香「……」ドキドキ



魔物「グルル…」クルッ


スタスタ…




春香「ホントに……襲って来ないみたいだね」


千早「ええ。基本的に、律子に従っているらしいから」

千早「鶴の一声で、どうとでもなるみたいね」


響「えっ?これみんな律子が躾けてるの?」

響「律子はすごいなー!」


千早(躾っていうのかしらね……)


真「じゃあ、魔物の世話とかもしてるのかな?」


千早(……なんだか、律子がサーカス団の団長か何かに思えてきたわ……)




春香「それにしても…この塔、空に浮いてるんだよね?」

春香「すごいなぁ…どういう仕組みなんだろう…?」


真「春香……それを言ったら、飛空艇だって同じじゃない?」


春香「うん…まあ、そうなんだけどさ」

春香「なんか、空の上に建物が浮かんでるって、神秘的だなぁ…って」


響「中は魔物だらけだけどなー!」


春香「もー、響ちゃん…乙女のロマンを壊さないでよぉ…」




「…くそ、ねいるあーとが邪魔で、うまくできん…!」

「姉者、それは砂糖では…?」

「ええい、うるさい!腹に収まれば皆同じじゃ!」



春香「あれ…?誰かの声がする…?」チラ


千早「あ、春香…その部屋は……」



162: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 23:35:25.79 ID:Ueh8+oQWO
ゾットの塔 調理場

ラグ「まさか、女3人集まって、握り飯も握れぬとは……無念!」


ドグ「このままでは、またミキ殿をがっかりさせてしまう…!」


マグ「む……!」

マグ「何奴っ!」ヒュッ


スタンッ!



春香「わっ……!」


春香「ご、ごめんなさい、怪しい者では…」


千早「……やめなさい、マグ」


マグ「チハヤ殿…!」

ドグ「戻られたのですね!」

ラグ「という事は、そちらの方々がリツコ様のご友人で…?」


千早「ええ、そうよ」

千早「あなた達は……また、おにぎりを握っているのね」


春香「えっ?これって、おにぎりだったの?」


響「これは…ひどいぞ…」

響「これじゃあ、ハム蔵の方が握るのうまいかも…」


真「ねえ千早。おにぎりって、ひょっとして…?」


千早「ええ。ほとんど美希がひとりで食べるわ」



3人(やっぱり……!)



163: ◆bjtPFp8neU 2014/09/29(月) 23:48:59.33 ID:Ueh8+oQWO

春香「ねえ、千早ちゃん」

春香「この人達は…?」


千早「あ、紹介してなかったわね」

千早「この子達は、『メーガス3姉妹』」

千早「長女のマグ、次女のドグ、そして…三女のラグよ」


メーガス3姉妹「以後、お見知り置きを!!」ペコリ


響「へぇー、8姉妹の次は、3姉妹かー!」


真「なんか…全然似てなくない?」


春香「うん。それに、なんだか話し方が堅いよ…」

春香(料理?してたって事は…コックさんかな?)

春香(それにしては、ひどい有様だけど……)



マグ「チハヤ殿!お助けくださいっ!」


千早「また…うまく握れないの?」


マグ「面目無い…」


ドグ「このままでは、ミキ殿に合わせる顔がありません…!」


ラグ「どうか、お力をお借り出来ませんか?」



164: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 20:23:25.79 ID:/LL2S0bLO

千早「……そう言われてもね」


真(あれ?ボク達、律子の客のはずじゃ…)


春香「……」




春香「あの、私……手伝おうか?」


千早「春香……いいの?」


春香「これ、みんなのお昼ご飯なんでしょ?」

春香「これじゃあ、食べられるかどうかも疑問だもん」

春香「まあ、私も自信があるわけじゃないけど…」


響「じゃあ、自分も手伝うぞー!」

響「なんか、楽しそーだしなー!」


真「うーん…ボクは、2人の足引っ張っちゃいそうだし、やめとくよ」


響「そんな事ないと思うけどなー」

響「それに真、おにぎりくらい握れないと、立派な女の子になれないぞー?」


真「え?そう、かな…?」


春香(響ちゃん…その言い方は、失礼なんじゃ…)


千早「……じゃあ、ここはみんなに任せたわ」クルッ


春香「ちょっと待って、千早ちゃん!」ガシッ


千早「は、春香…?」


春香「千早ちゃんも、一緒にやろう?」


千早「で、でも私、こういう事は…」


真「千早、ひとりだけ行っちゃうなんて、ズルいよ」


響「みんなでやれば、きっと楽しいぞー!」


春香「ねっ?千早ちゃんも……握ろうよ!」


千早「………」

千早「わかったわ。でも…期待はしないでね」




マグ「それでは先生方、さっそくお願いします!」



165: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 20:37:48.52 ID:/LL2S0bLO

春香「…思ったより、まともな具があるんだねぇ」ニギニギ


響「シャケ、昆布、明太子、梅干し……うん、確かに王道だなー」ニギニギ



千早「……」ニギニギ


グシャ


千早「……くっ」


春香「千早ちゃん…」

春香「あんまり力を入れすぎない方が、いいと思うよ?」


千早「…そうなのね」

千早「でも春香、あれは……いいの?」スッ


春香「え?」チラ




真「…ふんっ!」ガシッ

真「…ふんっ!」ガシッ



真「……できたっ!」カチコチーン


響「真ぉ…そんなに強く握ったら、おにぎりじゃなくて押し寿司になっちゃうぞー…」ニギニギ


真「え、そうなの?」

真「これくらいの方が、食べ応えあると思ったんだけどね」



春香「あはは…真は、違うものを作ろうとしてるみたいだね…」ニギニギ

春香「…とにかく、力を込めすぎずに、ね?」ニギニギ


千早「ええ、わかったわ」

千早(おにぎりって、意外と難しいのね…)

千早(……頑張らなくっちゃ)



166: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 20:50:55.77 ID:/LL2S0bLO

響「でもさー、普通のおにぎりばっかりじゃ、飽きちゃうかもしれないよね?」ニギニギ


春香「それもそうだねぇ…」ニギニギ


真「…ふんっ!」ガシッ

真「…ふんっ!」ガシッ


千早「……」ニギニギ

千早(あ……できたわ!)



春香「あ、じゃあさ…」

春香「焼きおにぎりとか、どうかな?」ニギニギ


響「おー!それはいい考えだと思うぞー!」ニギニギ


千早「……問題は、ここにはコンロなんて無いって事ね」ニギニギ


真「…ふんっ!」ガシッ

真「…ふんっ!」ガシッ


春香「え?そうなの…?」ニギニギ

春香(ここって、調理場じゃないのかな…)


響「…誰かが、魔法で火を起こしてくれればいいんだけどなー」ニギニギ


春香「今の私達の中には、火の魔法を使える人がいないんだよね…」ニギニギ





マグ「火の魔法ならば、我々にお任せを!」

ドグ「我らのデルタアタックで…」

ラグ「火を起こして見せましょうぞ!」



春香「あ、メーガスさん…」

春香「じゃあ…お願いしても、いいですか?」



メーガス3姉妹「承知!!」



167: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 21:14:13.81 ID:/LL2S0bLO

ドグ「ゆくぞ、姉者!」

ドグ「…リフレク!」バッ


ブゥゥーーン!


マグ「今だ、ラグ!私に魔法を!」


ラグ「…ファイラ!」バッ


ボオオォーー!


メーガス3姉妹「デルタアターック!」




真「……!」

真「魔法を跳ね返す魔法もあるのか…!」

真(…でも、あのマグって人、何もしてないよね?)

真(2人でもできたんじゃ…)



響「ちょ…!火がでかくないか?」


春香「私達の苦労が、炭になっちゃうよぉ〜!」


ボオオォー!






…コンガリ



春香「ああ…せっかく握ったおにぎりが…」


響「これは…ひどいぞー…」


真「あーあ…ボクも、頑張ったのになぁ…」


マグ「あ、あの…火が必要との事だったので……す、すみません…」ペコリ


春香「……」

春香「仕方ないか……」

春香「もう一回、作り直そうか?」



千早「待って」


スタスタ…



168: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 21:21:46.68 ID:/LL2S0bLO

千早「……」スッ

千早「パクッ……」


春香「ち、千早ちゃん…?」


響「千早……どう?」


千早「……大丈夫よ、ちゃんと食べられるわ」


真「ホッ……よかったぁ」


春香「ホント、よかった…」




マグ「あの…ご迷惑をおかけしたみたいで…申し訳ございません…」



春香「あ、いいんですよ?おにぎりは無事だったみたいだし…」


マグ「寛大なお方だ……!」




響「さー、握るぞー!」


真「へへっ!ボクだって、頑張るからねっ!」ポキポキッ


響「真……『ポキポキッ』は、いらないと思うぞ?」


真「え?そう?」ポキポキッ




千早「さ、春香…」

千早「みんなが待っているわ。残りも握ってしまいましょう?」



春香「千早ちゃん…」

春香「うんっ!」



169: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 21:42:40.76 ID:/LL2S0bLO
ゾットの塔 最上階

律子「もぉ!美希、いい加減起きなさい!」ユサユサ


美希「…むにゃ…」


バルバリシア「律子様、恐れながら…」

バルバリシア「ここは、アズサに頼るしかないかと…」


律子「わかってるけど…」

律子「なるべく、魔法に頼らず起きて欲しいのよね…」

律子「こんなだらしない生活続けてたら、美希の将来が心配だわ」


バルバリシア(リツコ様…まるでミキの母親ね…)


あずさ「律子さ〜ん、どうしますか〜?」


律子「うーん……仕方ないか…」

律子「あずささん、お願いします」


あずさ「は〜い」

あずさ「…エスナ!」


シャララーン!キラキラ…


美希「ん……」ムクッ


美希「あ、みんな…」

美希「おはよ〜なの」


律子「はぁ……もう、お昼よ?」

律子「美希…仕事がないからって、だらだらしすぎよ!」

律子「だいたいあんたは、いつも…」ガミガミ



美希「あれ…?」

美希「昨日は、全然元気なかったのに…」

美希「律子…急に元気になったの」


律子「…さん、でしょ?」


美希「えへへ……律子さんっ!」ダキッ


律子「み、ミキ?こら、ちょっと…離れなさいよ〜」


美希「やーなのー!」ギュッ


あずさ「あらあら〜、仲良しでいいわね〜」


スカルミリョーネ(……うるさい)



170: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 22:02:51.81 ID:/LL2S0bLO

律子(私がいつもの調子に戻れたのは…)

律子(きっと、あずささんに一晩ついていてもらったおかげね…)



律子(今思えば、あずささんは、この世界に来てから…)

律子(ずっと、私を気にかけてくれていたのよね…)

律子(あの人には、本当に頭が上がらないわ…)



ガチャ…



春香「みんなー、お昼ご飯ですよ、お昼ご飯!」


響「たくさん作ったんだぞー!」


真「ボクだって、おにぎりぐらい作れるんだから!」



律子「あれ…?なんで春香達が、昼ご飯を……?」


あずさ「あら〜、みんな、久しぶりね〜」


美希「わぁーい!みんながおにぎり作ってくれたの!」


律子「千早…どういう事?」


千早「メーガス3姉妹が頼りないからね…私達が昼ご飯を…」


律子「そうだったのね、ご苦労様」


律子「じゃあ、とりあえずご飯にしましょうか?」



171: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 23:24:29.66 ID:/LL2S0bLO

律子「それでは……」




9人「いただきますっ!!!」




あずさ「モグモグ…」

あずさ「春香ちゃん達が作ってくれたおにぎり、おいしいわ〜」


春香「えへへ、そうですか?」


スカルミリョーネ「……」


あずさ「あらスーさん、食べないの?」


スカルミリョーネ「……お、オレ…蕎麦が食べた…い…」


千早(あ…私も、蕎麦が食べたいかも…)

千早(……でも、自分達で作ったと思うと、おにぎりも悪くないわね)モグモグ


あずさ「スーさん、好き嫌いしてると、大きくなれないわよ?」


春香「そうですよ、スーさん」

春香「せっかく作ったんです。1個ぐらい食べてもらえませんか?」


スカルミリョーネ「……」

スカルミリョーネ「……じ、じゃあ、1個だ…け…」パクッ


春香「……どうですか?」


スカルミリョーネ「……う、うま…い…」モグモグ


春香「よかったぁ…」


あずさ「ウフフ、よかったわね〜春香ちゃん」


千早(春香が作ったものを、まずいなんて言ったら…)

千早(私が許さないわ)



172: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 23:44:23.66 ID:/LL2S0bLO

真「モグモグ…」

真(綺麗な人だなぁ……)

真(これが、大人の魅力ってやつかな…?)


バルバリシア「……ほら、美希。ご飯粒が付いているわよ」スッ


美希「ありがとなの」モグモグ


バルバリシア「まったく……あなたも女性なら、振る舞いに気をつけなきゃね」


響「そうだぞー!自分みたく、完璧に振る舞わないとなー」モグモグ


バルバリシア「えっ?」


響「えっ?」


バルバリシア「……」


響「な、何、その間は……」


バルバリシア「フン、まだまだ子供じゃない」


響「うがー!お前、失礼だぞー!」プンスカ


美希「……ミキ、堅苦しいのはやなの」モグモグ


真「あ、あのっ!」


バルバリシア「?」


真「どうやったら、あなたみたいに女性らしくなれますか?」


バルバリシア「…あら、こっちの坊やは、わかってるみたいね」


美希「シアちゃん。真クンは女の子だよ?」モグモグ


バルバリシア「あ、そうだったのね…」


真「はい…。ボク、見た目も行動も男っぽいから…」

真「…でも、ボクだって女の子として扱ってもらいたいんです!」

真「だから…」


響「真ぉ〜、こんなおばさんに聞くのが間違ってると思うぞー?」



173: ◆bjtPFp8neU 2014/10/01(水) 23:52:49.10 ID:/LL2S0bLO

バルバリシア「……!」ブチッ

バルバリシア「ガキは黙りなさいよっ!」


美希「もー!響もシアちゃんも、ケンカしないの!」モグモグ


バルバリシア「ミキ……」


響「……」

響「ごめんなー、ちょっと言い過ぎたぞー」


バルバリシア「あ……私も、大人気なかったわね…ごめんなさい」


美希「あはっ!一件落着なの!」モグモグ


真(あれ?ボクの話は……?)





律子「ふふ……」

律子(これだけ集まると、さすがに賑やかだわ…)

律子(……事務所を思い出すわね)


律子(……それにしても、春香達…)

律子(ずいぶん硬く握ったのね…)

律子(普通のおにぎりなのに、顎が疲れてしょうがないわ…)




180: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 21:50:42.14 ID:HaJORQawO
月の中心核

バハムート「……馳走になったな」


貴音「ご馳走様でした」ペコリ


小鳥「はい。お粗末様でした」ニコッ




バハムート「それでは…始めるか」ゴゴゴゴ…


小鳥「そうですね」




貴音「…やめるのです、小鳥!」バッ


小鳥「貴音ちゃん…」


貴音「なぜ、わたくし達が争わなければならないのですか?」


小鳥「……」

小鳥「仕方ないのよ?今は、私とあなたは敵同士なんだから…」


小鳥「だから…」

小鳥「あなたにも容赦しないわよ?」


貴音「……!」

貴音「それでもわたくしは……あなたが人を傷付けるのを、黙って見過ごせません!」


小鳥「そう…」

小鳥「なら、仕方ないわね」


小鳥「…ちょっと、痛い目を見てもらおうかしら?」ゴゴゴゴ…



バハムート「!」

バハムート「タカネ、退くのだ!」



181: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 22:02:22.26 ID:HaJORQawO

貴音「いいえ、退きません」


貴音「わたくしは、わたくしの大切な人達が争うのを、止めねばなりません」


バハムート(大切な人…か)

バハムート(よもや、人が神にその様な事を申すとはな…)

バハムート(タカネ、やはりそなたは、面白き人間だ)




小鳥「もう、いいかしら?」ゴゴゴゴ…


貴音「ええ」

貴音「ですが、わたくしは決して倒れません」


貴音「小鳥、あなたを正気に戻すまでは!」



小鳥(やれやれ…私はいたって正常なんだけどな…)

小鳥(ま、貴音ちゃんの立場に立って考えてみれば、無理もないか…)


小鳥「じゃ、いくわよ…?」


小鳥「…フレア!」バッ



ブゥゥゥーーーン…



ババババババババッ!!



ドゴオォォォォォォォン…




182: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 22:08:47.36 ID:HaJORQawO

モクモク…


小鳥「すごーい!ホントにできたわ!」

小鳥「さっすがラスボスね!」


小鳥(さて…50%も力を出してないから、貴音ちゃんの息はまだあるはず…)

小鳥(次は、どうしようかな…?)



シュゥゥ…




小鳥「煙が、晴れる…」


小鳥「貴音ちゃんは…と」キョロキョロ



小鳥「!」

小鳥「いない!?」




バハムート「友人は大切にするものだぞ、コトリよ…」



小鳥「あーーっ!」



183: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 22:19:47.48 ID:HaJORQawO

小鳥「いつの間に、あんなに離れた場所に…?」

小鳥(さすがはバハムートさん、ってとこね)

小鳥(でも……)



小鳥「なんでお姫様抱っこする必要があるのよー!」

小鳥(私だって、された事ないのに!!)

小鳥(貴音ちゃん、ズルいっ!)





貴音「あの、ばはむーと殿…」

貴音「助けていただいて、ありがとうございます…」


バハムート「礼には及ばぬ。神とは、人を救うものだ」


貴音「あ、あの……」モジモジ


バハムート「なんだ?」


貴音「……こ、この格好は、恥ずかしいというか…」

貴音「そ、そろそろ、降ろしていただけないでしょうか…?」


バハムート「……ダメだ」


貴音「な、なぜです…?」


バハムート「タカネ、そなたは危うい…」

バハムート「己の力量も顧みず、無茶をする」




バハムート「……故に、離さぬ事に決めた」



貴音「なっ……!」

貴音「そ、それは一体、どういう…?」ドキドキ



184: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 22:30:08.41 ID:HaJORQawO

小鳥「ちょっとー!2人だけの世界に浸らないでもらえますー!?」



バハムート「ふ……冗談だ」


貴音「え、冗談…ですか…」

貴音(なんといけずな方でしょうか…)



バハムート「…………だが、そなたは我のものだからな…」ボソッ


貴音「え……?」




小鳥「こらー!無視しないでよー!」

小鳥「私には、恥ずかしいセリフ一言一句漏らさず聞こえてるんですからねっ!」



バハムート「いや、なんでもない…」


バハムート「少々、喋り過ぎたな」スッ


貴音「あ……」ストッ


バハムート(……)

バハムート(喜怒哀楽など、とうの昔に捨てたはず…)


バハムート(ならば何だ…?)

バハムート(この、身を焦がされる様な感覚は…?)



バハムート(タカネ…やはり、そなたを誘ったのは、間違いだったようだ)





185: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 22:47:27.12 ID:HaJORQawO

バハムート「タカネ…」


バハムート「我の館に、魔導船がある。それに乗り、青き星へ行くのだ」

バハムート「…クルーヤのやつが造ったのを真似ただけの…駄作だがな」


貴音「?」

貴音「いきなり何を…?」

貴音「わたくしは、小鳥を正気に戻さねば…!」


バハムート「その役は、我が引き受ける」

バハムート「そなたは、青き星の民に、助力を求めるのだ」


貴音「そ、そんな!わたくしも共に…!」


バハムート「ならぬ」


貴音「なぜですか!?」


バハムート「そなたがいると、我は全力を出せぬ」


貴音「!」


バハムート「神として命ずる」



バハムート「そなたは、行くのだ」



貴音「ば、ばはむーt」





バハムート「…デジョン」



パシュン…



バハムート(さらばだ、タカネ)



186: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 23:00:56.52 ID:HaJORQawO


小鳥「あら…?貴音ちゃんは…?」



バハムート「…さてな」



小鳥(逃がしたのね…)

小鳥(つまんないの…)

小鳥(ま、仕方ないわね)



小鳥(貴音ちゃん、あなたは、ここへ来るのは早すぎたわ)




小鳥「言っておきますけど、私、怒ってるんです!」

小鳥「散々無視してくれちゃって…!」


バハムート「ああ、すまぬな」


小鳥「あ、謝ったって、許してあげませんから!」


バハムート「…で、あろうな」


小鳥「む〜!余裕でいられるのも、今のうちなんですからねっ!」


バハムート「余裕などは、ない」


小鳥「え……?」


バハムート「我は神。故に、喜怒哀楽などの感情を持たぬ」

バハムート「そなたの力、先の一撃でわかった」

バハムート「……我は、そなたに勝てぬであろう」


小鳥「……」

小鳥(神様って、哀しい存在なのね…)


バハムート「…それでも、我にはすべき事がある」

バハムート「神として……!」ゴゴゴゴ…


小鳥「なーんだ…」

小鳥「ちゃんと、持ってるじゃないですか?」


小鳥「喜怒哀楽…!」ゴゴゴゴ…


小鳥(ちゃんと、バハムートさんの怒りや嘆きが…感じられますよ?)



187: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 23:08:32.98 ID:HaJORQawO

バハムート「我が最大の魔法を見たいと申していたな…」



バハムート「見せてやろうぞ……!」ゴゴゴゴ…



バハムート「……滅せよ」


バハムート「メガフレア!」バッ




ゴゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババッ!!




ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…





小鳥(生メガフレアキターーーー!)


小鳥「えっと…」


小鳥「右手にフレア…」ブゥン


小鳥「左手にフレア…」ブゥン



小鳥「合わせて、(擬似)メガフレアー!」



ゴゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババッ!!



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…






ドゴオォォォォォォォン…




188: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 23:20:41.13 ID:HaJORQawO

小鳥「けほっ、けほっ……」


小鳥「痛たた……」


小鳥「さすがはメガフレアね…」


小鳥「私以外に、耐えられる人なんて……ん?」



バハムート「ハァ、ハァ……」ヨロッ



小鳥「うふふ…」

小鳥「(擬似)メガフレア、効いてるみたい」


小鳥「さて、もうちょっt」


バハムート「…メガフレア!」


小鳥「え?」


ゴゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババッ!!



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




小鳥「うっ…!」


小鳥「あちちち…!」ジタバタ



小鳥「ま、まさか、連続で使ってくるなんて…」


小鳥「もー、服がボロボロ…」



バハムート「ぐ……っ!」ヨロッ


バハムート「……!」バッ


小鳥(また、来る…?)

小鳥(こうなったら、反撃しちゃおうかしら…)


バハムート「ククク…!」



189: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 23:28:52.24 ID:HaJORQawO

バハムート「……右手に、メガフレア…」ゴゥン



小鳥「えっ!?」



バハムート「左手に、メガフレア…」ゴゥン



バハムート「…面白い発想だな。魔法を同時に複数出すとは…」



小鳥(ぱ、パクられたー!)



バハムート「さあ、我の最後にして最大の攻撃…」



バハムート「受けてみよ!」



バハムート「…テラフレア!」バッ



小鳥(こ、これは、ヤバいかも…!)



ゴゴゴゴゴゴ…



ブゥゥゥゥーーーーン…



ババババババババババババッ!!



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



ドゴオォォォォォォォォン…





190: ◆bjtPFp8neU 2014/10/02(木) 23:39:46.02 ID:HaJORQawO

バハムート(タカネ……)



バハムート(あとは、頼むぞ……)フラッ



ドサッ







小鳥「う……っ!」


小鳥(か、身体が……熱い…!)


小鳥(し、死ぬほど熱いんですけどー!)


小鳥「そ、そうだ…バハムートさん…」チラ



バハムート「……」




小鳥「力を、使い果たしたのね…」


小鳥(そりゃ、あんな無茶をしたんだものね…)


小鳥「ひぃ……」ズル…


小鳥(う、動くのも大変だけど…)ズル…


小鳥(バハムートさんを、回収しないと…)ズル…





小鳥(…とにかく、これでバハムートさんが手に入った…)


小鳥(とりあえず、ミッション達成ね…)




小鳥(あ、律子さん達…どうしてるかなぁ…?)


小鳥(なんだか、ほのぼのしてたみたいだけど…)


小鳥(それじゃあ、盛り上がらないんですよ…?)



195: ◆bjtPFp8neU 2014/10/03(金) 21:03:59.05 ID:SNeQY1I0O
ゾットの塔 最上階

律子「スカルミリョーネ、バルバリシア……」


律子「悪いけど、少し席を外してもらえる?」


バルバリシア「……」

バルバリシア「はい、わかりました」


スカルミリョーネ「……わ、わかっ…た…」


スタスタ…

ガチャ…バタン



律子「……」


律子「……春香、雪歩はどうしたの?」


あずさ「亜美ちゃんと真美ちゃん、それに、プロデューサーさんもいないみたいだけど…」


春香(そうか……知らない人もいるんだよね…)


春香「わかりました」

春香「みんなの事……話します」







律子「……そう、だったの」


千早(亜美、真美……勇敢に戦ったのね)


あずさ(雪歩ちゃんも、亜美ちゃんも、真美ちゃんも…)

あずさ(プロデューサーさんが頼りね…)



響「亜美と真美の事は、プロデューサーがきっとなんとかしてくれるぞー!」


真「雪歩も…怪我を治すために、頑張ってる!」


律子「……」


春香「律子さん、私達は…」


美希「…前に進むしか、ないって思うな!」


春香(あっ……私が言おうと思ってたのに…)


律子「美希……」

律子「……そうね。その通りだわ」



196: ◆bjtPFp8neU 2014/10/03(金) 21:22:38.14 ID:SNeQY1I0O

律子「春香……クリスタルは?」


春香「はい、持ってます」キラーン


律子「…これで、全てのクリスタルがここに揃った」


春香「あっ……」

春香「律子さん、その事なんですけど…」


春香「クリスタルは……4つだけじゃないみたいです」



美希(ねー響…ミキ、話について行けてないの)ボソボソ

響(あとで説明してあげるから…)ボソボソ



律子「……………は?」

律子「どういう事?」


春香「トロイアの神官さんが、言ってました」

春香「この世界は、地上だけじゃなくて、地底…にも、世界があるって」

春香「今ここにある4つと、地底にある4つ…」

春香「クリスタルは、全部で8つあるみたいです」



美希(ねー響…ヒマなの)ボソボソ

響(じ、自分に言われても…)ボソボソ



律子(やられたわ…)

律子(だからあの神官…あんなに余裕があったのね…)

律子(まったく、小鳥さんも、教えてくれればいいのに…)


春香「でも、きっと大丈夫です!」

春香「みんなで力を合わせれば、クリスタルなんて、すぐに集まっちゃいますよ!」


律子「力を、合わせる……?」

律子「いいの…?私、あなた達に、あんなにひどい事しちゃったのに…」



美希(あ、そうだ…あっち向いてホイやろーよ)ボソボソ

響(だ、ダメだぞ…怒られちゃう…)ボソボソ

美希(へーきだよ!誰も見てないし…ねー、やろーよー)ボソボソ

響(もー、しょうがないなー、ちょっとだけだからな…?)ボソボソ



真「確かに…」

真「律子には、責任を取ってもらわないと」



197: ◆bjtPFp8neU 2014/10/03(金) 21:41:16.20 ID:SNeQY1I0O

春香「真……?」


律子「……」


千早「律子だけの責任じゃないわ」


あずさ「そうよ〜?私達も、律子さんと一緒に行動してたものね」



美希(じゃーんけん…)ボソボソ

美希・響(…ポイッ)ボソボソ

美希(あっち向いて…ホイッ)ボソボソ

響(あっ……)ボソボソ

響(うがー!負けたぞー)ボソボソ

美希(あはっ!響、弱っちいの)ボソボソ



真「でも、2人は律子に操られてるんでしょ…?」


千早「それは……」


真「…雪歩や亜美、真美に対して、けじめをつけるべきだ」

真「じゃなきゃ、ボクは認めない!」



美希(えいっ)ペチン

響(痛っ…しっぺとか、地味に痛いぞ)ボソボソ

美希(ねー、もう一回!)ボソボソ



律子「真の言う通りね…」


あずさ「律子さん…」


律子「じゃあ、私は何をすればいい?」


真「それは、ボクひとりじゃ決められないよ」

真「みんなの意見も聞かないとね?」


春香「どうするの…?」



響(じゃーんけん…)ボソボソ

美希・響(…ポイッ)ボソボソ



真「今言った通りだよ。みんなで、律子に与える罰を考えればいい」

真「ただ、これはあくまで律子に対する『罰』で、律子が付けなければいけない『けじめ』だ」

真「何も無しっていうのは、やめよう」



198: ◆bjtPFp8neU 2014/10/03(金) 21:52:01.69 ID:SNeQY1I0O

真「じゃあ……響」


響「あっち向いて………え?」


真「え?じゃないよ」

真「律子に与える罰…何がいいと思う?」


響(律子に…罰?)

響(な、なんの事だか、全然わからないぞー!)オロオロ

美希(響……ファイトなの)



真「響……?」


春香「響ちゃん、なるべく軽いのにしてあげてね…?」


響「か、軽いのに……?」


真「春香、それじゃあ…」


春香「…みんなで決めるんでしょ?」


真「………わかったよ」


真「響…どうする?」


響「えっと…えっと…」

響(なんて答えればいいんだー!)

響(律子に…軽い…罰………?)




響(…………あ)




響「あ、あのさ…」



響「みんなから一回ずつしっぺ……とか、どうかな……?」




199: ◆bjtPFp8neU 2014/10/03(金) 22:01:57.15 ID:SNeQY1I0O

真「響……」


春香「響ちゃん……」


響「あ……だ、ダメ…だよね…?」

響(みんなの視線が痛いぞー!)


千早「我那覇さん……」


あずさ「ウフフ、響ちゃん……?」


美希「響……」


響(ちょ…!なんで美希まで『そっち側』っぽい感じになってるのさー!)



真「……」


響「あ……」


響「ご、ごめん!実は自分、みんなの話…」





真「すっごくいいアイディアじゃないか!」



響「ちゃんと聞いて……って、ええっ!?」

響「い、いいの…?」


真「もちろん!…みんなは、どう思う?」




200: ◆bjtPFp8neU 2014/10/03(金) 22:12:00.22 ID:SNeQY1I0O

春香「響ちゃん…!」

春香「律子さんの事、ちゃんと考えてるんだね…!」


千早「我那覇さん……見直したわ」


あずさ「響ちゃん、さすがよ〜?」


律子「響……ありがとう」


響「あ……うん……」

響(よくわからないけど…正解だったみたいだなー)


真「鉄拳制裁とかじゃ、さすがに律子が可哀想だ」

真「でも、しっぺなら、地味に痛いからちゃんと罰になるし、大惨事になる事はまずない…」

真「ボクじゃ、思いつかなかったなぁ」

真「すごいよ響!」


響「……だ、だろー?」

響「自分、完璧だからなー!」エッヘン




美希(響…うまく誤魔化せてよかったね?)ボソボソ

響(ホント、ヒヤヒヤしたぞー…)ボソボソ




211: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 10:17:21.72 ID:304AzICaO

千早「え?私達も、やるの?」


真「うん。千早とあずささんだって、被害者と言えなくもないでしょ?」

真「あずささんも、お願いしますね?」


あずさ「は〜い、わかったわ〜」


千早「……」


あずさ「千早ちゃん。難しく考える事ないと思うわよ?」

あずさ「遊び…みたいなものだと考えればいいんじゃないかしら?」


千早「遊び、ですか…」


真「いや、遊びじゃ罰の意味が…」

真「……まあ、いいか」



響「ねえ真。もうやってもいいの?」


真「……律子、心の準備は?」


律子「ふふ、何人でもかかって来なさい!」


響「じゃあ、行くぞー?」

響(美希にしっぺされ続けた恨みだぞー!)


響「とりゃっ!」ペチンッ


律子「……」

律子「うーん、あんまり痛くないものなのねぇ」


美希「それは、響が下手っぴなだけだって思うな!」

美希「次、ミキがやるの!」



212: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 10:29:36.00 ID:304AzICaO

律子「美希、本気で来てもいいわよ?」

律子(美希の本気なら、大した事ないわよね…?)


美希「あはっ!後悔しても、知らないよ?」


美希「じゃあ、行くの!」

美希(…ヘイスト!)シュルル

美希「えいっ!」ビュンッ


バシッ!


律子「……っ!」

律子(痛った〜〜!)


美希「…どう?痛かった?」


律子「ぜ、全然痛くないわよ…?」

律子(美希…何かしたでしょ…?)


美希「むー、絶対痩せ我慢なの」


あずさ(美希ちゃん、ズルしたわね〜)



真「次はあずささん、お願いします」


あずさ「ウフフ、行きますよ〜?」

あずさ「えいっ」ペチッ


律子「……」

律子「あずささん…」


あずさ「あら〜、失敗しちゃったかしら〜?」

あずさ「しっぺって、難しいのね〜?」


真(ま、あずささんは、力を入れないと思ったよ)


真「次は……千早」



213: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 10:40:53.03 ID:304AzICaO

千早「私、しっぺってどうやればいいかわからないんだけれど」


春香「あ、私が教えてあげるよ!」


春香「こう…人差し指と中指を立てて…」ブンッ


春香「…こうやって叩くんだよ?」


春香「指の当たる角度とかで、失敗しちゃったりするから、頑張ってね?」


千早「なるほどね…」


律子(失敗してくれた方が、私としてはありがたいんだけどね)


千早「……」ペチンッ

律子「……っ!」

律子(う〜、腕がヒリヒリしてきたわ…)


春香「千早ちゃん、上手!」

春香「私も頑張ろっと」


春香「行きますよ?」

春香「…えいっ!」パスッ


律子「?」


春香「あ、あれ…?」


真「プッ……!」

真「春香はしっぺが下手だなぁ」


春香「うぅ……」


千早「気にする事ないわ、春香。これは、遊びみたいなものだから」


春香「う、うん…そうだね…」

春香(なんか、くやしい…)




214: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 10:55:21.54 ID:304AzICaO

千早「……これで、あとは真だけね」



美希「あっち向いて……ホイッ!」

響「うがー!また負けたー!」

美希「あはっ!これで10連勝なの!」



真「律子、行くよ…?」ゴゴゴゴ…


律子「ま、真……ただのしっぺ…よね?」ドキドキ


真「あはは、もちろんだよ!」ポキポキッ


律子「た、ただの…遊びよね…?」


真「それじゃ、罰にならないだろ?」ポキポキッ


律子(あ……これは腕一本、逝ったかも……)


あずさ(あらあら…)



真「行くよ?」


あずさ(…プロテス!)パキーン


真「…せーのっ!」ブンッ


ドゴォッ!


律子「ぐっ……!」


千早「ま、真…やりすぎじゃ…」


真「そうかな…加減はしたつもりだけど…」


春香「いや…ドゴォッ!ってすごい音してたから!」


律子「…大丈夫よ、心配しないで」

律子(本気で来られてたら、冗談じゃなく腕が無くなってたわ、きっと)


あずさ「あら〜、真ちゃんは優しいわね〜?」


真「へへっ…そんな事ないですよ!」



216: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 12:53:53.58 ID:304AzICaO

千早「……さて、律子」


律子「ん?どうしたの?」


千早「話してくれるんでしょ?あなたの目的」


律子「ああ………そうだったわね」

律子(しっぺ騒動のせいで、忘れてたわ…)





律子「……みんな、ちょっと聞いて欲しいんだけど」


春香「律子さん…」


あずさ「律子さん…?」


真「…ほら、響、美希…ちゃんと聞きなよ」


響「わかったぞー」


美希「はーいなの」





律子「まずは…」ギロリ


千早「う……!」フラッ


あずさ「あ……!」ガクン


春香「律子さん?何を…」


律子「……2人にかけた術を、解いたわ」


春香「!」


律子「…これで、2人とも自由よ」

律子「今まで、本当にごめんなさい」ペコリ


千早「律子……謝らなくてもいいわ」

千早「私は、あなたに頼られて、悪い気はしなかったもの」


あずさ「そうですよ〜?」


あずさ「それに、今までだって、これからだって…」

あずさ「私達の関係は、何も変わりませんから」


律子「2人とも……ありがとう…!」



218: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 13:23:46.02 ID:304AzICaO

律子「私がこれまでクリスタルを集めてたのは…」



律子「……月へ行くためよ」



春香「月へ……?」

春香(そういえば、プロデューサーさんの手紙にも、月へ行けって書いてあったような気がする…)


響「月…って、空に浮かんでる、あの月かー?」


律子「そうよ」


美希「へぇー、なんだか面白そうなの!」


真「クリスタルが揃えば、月へ行けるの?」


律子「ええ…」


律子「この世界には、『バブイルの塔』っていう遺跡があるの。そこに、『次元エレベータ』っていうものがあってね?その『次元エレベータ』の動力源として、クリスタルが必要らしいのよ。で、その『次元エレベータ』を動かせば、月へ行けるから…」


響「ちょ、ちょっと待って!」

響「全然理解できないぞー!」


美希「あふぅ…」

美希「律子…さんがお経を唱えるから、ミキ…眠くなってきちゃったの…」ムニャ


真「2人とも、だらしないなぁ」


春香「真は、理解できたの?」


真「えっと…」

真「とりあえずその、バブルが弾けて買い手がつかなくなった塔に行けばいいんでしょ?」


千早「バブイルの塔、ね」


真「そして、異次元のエスカレーターに乗って、月へ行く、と」


千早「次元エレベータ、ね」


律子「まあ、真はわかってくれた?のかしら」


真「へへん!これくらい、余裕だよ!」


あずさ「真ちゃん、すごいわ〜」

あずさ「実は、私もよくわからなくて…」


春香「私も…あんまり…」


律子「……」




219: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 13:39:51.47 ID:304AzICaO

律子「じゃあ、簡潔に言うわ」


律子「要は、クリスタルが揃えば、月へ行けるって事よ」


春香「あっ、わかりやすい!」

真「わかりやすいね!」

響「自分も理解できたぞー!」

あずさ「そういう事なのね〜?」

美希「最初からそう言えばいいって思うな!」



律子「……」


千早「大丈夫よ、律子。私がちゃんと聞いているから」


律子「……ホント、あんただけが頼りだわ…」





真「……でもさ、なんで月なんかに行くのさ?」

真「何か、用事でもあるの?」


千早(前に言っていた、律子の『上司』が関係してるのかしら…)


春香(プロデューサーさんの手紙では、月には、『本当の敵』がいるって…)



律子「ええ、あるわ。大事な用事がね……」


律子(この子達は、ショックを受けるかな…)

律子(……いや、きっとみんななら、大丈夫)


律子「みんなには、まだ言ってなかったけど、月には…」




律子「こと……っ」


ーーードクンッーーー


律子(なんで…こんな…時に……!?)


律子(あ……いしきが……)



221: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 21:46:24.81 ID:304AzICaO

律子「……っ!」ヨロッ


春香「り、律子さん…?」


響「律子、どうしたんだー?」


千早(まさか……!)


千早「律子!」


タタタタ…


千早「律子、大丈夫?」ガシッ


律子「う…ぐぁ……!」

律子「………ろすっ…!」


千早「え……?」


律子「うぁ……!」ブンッ


ドゴッ!


千早「ぐ……!」ドサッ


真「律子!何してるんだ!」


律子「じゃ…ま…だ…!」


春香「千早ちゃん、大丈夫?」タタタタ…


千早「くっ……なんとかね」

千早「それより、律子が…!」



222: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 22:03:00.35 ID:304AzICaO

千早「真!律子の様子がおかしいわ!」

千早「ちょっと、抑えるの手伝ってもらえる?」ググッ


真「わかった!……響!」タタタタ…


響「おう!」タタタタ…




律子「このっ……!」ブンッ


真「ぐっ……!」ガシッ

真(なんて重い一撃……!)


響「律子、やめるさー!」ガシッ


春香「律子さんっ!」ガシッ


律子「うるさい…!虫ケラが…!」





美希「律子……?」


あずさ(律子さん…どうしちゃったんですか…?)


美希「…ねえ、あずさ。魔法でどうにかできないかな?」


あずさ「そうね…」

あずさ「やってみる価値は、あると思うわ」


美希「じゃあ、行こっ!」タタタタ…


あずさ「あっ、美希ちゃん待って〜!」タタタタ…



223: ◆bjtPFp8neU 2014/10/05(日) 22:38:16.10 ID:304AzICaO

美希「みんな、そのまま捕まえててっ!」


春香「美希、あずささん!」ググッ


あずさ「美希ちゃん、いくわよ?」



美希・あずさ「エスナ!!」


シャララーン!キラキラ…


律子「……」


律子「無駄だ…!」ブンッ


ドゴォッ!


美希「う……!」ヨロッ


あずさ「美希ちゃん!」ガシッ


美希「……魔法、効かなかったの…」


あずさ「そうね…」

あずさ(こうなったら…ある程度律子さんに負担かけてしまうかもしれないけど…)

あずさ(実力行使しか…)



律子「邪魔だ…!」ブンッ


真・響・春香「うわぁっ!!」


ドサドサッ



真「くそ…!3人掛かりでも抑えられないなんて…!」

真(前に戦った時とは、段違いに強い…)

真(どうなってるんだ…?)


春香「律子さん、あれじゃ完全に別人だよ…!」


千早「…もしかしたら、操られているのかもしれないわ」


響「え…?律子も…?」


千早「わからないけど…」

千早(…いえ、私にはもう、誰が黒幕かだいたい見当がついてる……)

千早(でも、そんなバカな事って……!)



律子「お前達に、絶望を見せてやる…!」ゴゴゴゴ…



224: ◆bjtPFp8neU 2014/10/06(月) 19:16:06.58 ID:0bGRebWeO

春香「律子さん!正気に戻ってくださいっ!」


美希「律子!こんなのおかしいの!」



律子「フッフッフ!死ね!」


あずさ「……?」


律子「フレア!」バッ


春香「っ……!」





ーーーーシーン…ーーーー




春香「ん…?」キョロキョロ


真「あれ……?」


響「何も、起きないぞ…?」



律子「あ、あれ…?おかしいわねー?」

律子「あ…!ひょっとして律子さん、フレア使えないんじゃ…?」

律子「ど、どうしよ〜!せっかくカッコ良く決めようと思ったのに〜!」



あずさ(まさか、そんな事が…?)

あずさ(でも、もうそれしか可能性はないわ)


千早(……どうやら、あずささんも、気づいたみたいね)


真「ど、どうしたんだ、律子…?」


美希「律子の言ってる事が、まったく理解できないの」


春香「律子さん…ホントにおかしくなっちゃったんですか…?」



律子「あ……」

律子「こほん…」

律子「フフフ…今のは、ほんの小手調べよ?」


春香「はあ、そうなんですか…」

春香(ただ魔法が不発だっただけじゃ…?)


律子「次こそ、あなた達の最後よ!」



226: ◆bjtPFp8neU 2014/10/06(月) 21:45:45.46 ID:0bGRebWeO

あずさ「あの〜、律子さん…?」


律子「…はい?」


あずさ「私達を、どうする気なんですか?」


律子「そ、それはもちろん……えっと…」


律子「…そう、コテンパンにやっつけるつもりです!」


あずさ「…どうしてですか?」


律子「ど、どうしてって…」

律子「その方が盛り上がるからに、決まってるじゃないですかぁ!」



春香「……律子さんって、こんなキャラだったっけ?」ボソボソ

真「操られてキャラが変わっちゃったんじゃないかな…」ボソボソ

美希「それにしても、変わりすぎなの!まるで、違う人と話してるみたい…」ボソボソ



あずさ「どうしても、見逃してもらえませんか?」


律子「それはダメです!だって、盛り上げるのが私の仕事ですから!」


あずさ(困ったわね〜…)

あずさ(まさか、こんな事になるなんて…)

あずさ(律子さんを操っているって事は、『彼女』、相当強いんだろうし…)


あずさ(…………使う事はないと思っていたんだけど…)

あずさ(仕方ないわね〜……)




228: ◆bjtPFp8neU 2014/10/06(月) 22:37:16.87 ID:0bGRebWeO

律子「さあ、おしゃべりはここまでにしましょう」

律子「覚悟を決めてくださいね?」


春香「なんか、だいぶノリが軽くなったような…」


千早「春香、油断はできないわ」

千早「おそらく、律子本人を相手にするより厄介だと思う」


春香「え、どういう意味?」


千早「つまり…」



あずさ「律子さん、私が相手になります」


律子「……あずささん一人…ですか?」


あずさ「ええ。私じゃ役不足かもしれませんけど、お手柔らかにお願いしますね〜?」


響「あずさ…?」


真「あずささん、一人でなんて危険ですよ!」


あずさ「心配してくれて、ありがとね?」

あずさ「でも、大丈夫。私に任せて?」


千早(あずささんは、律子の正体を知ってて話しているはず…)

千早(何か、策があるのね…?)


千早「春香、あずささんに任せましょう」


春香「……」


あずさ「春香ちゃん……」


春香「………わかりました」

春香「でも…気をつけてくださいね?」


あずさ「ウフフ、わかったわ」



230: ◆bjtPFp8neU 2014/10/06(月) 22:56:13.28 ID:0bGRebWeO

律子「あのー……」

律子「ずーっと待ってるんですけど…」


あずさ「あら、ごめんなさいね?こと…律子さん」


律子「うふふ、やっぱりこうなるんですね?」


あずさ「え?何が…ですか?」


律子「あ、いえ……こっちの話ですよ」


あずさ「?」


律子「それより、あずささん……」





律子「………死なないように、気をつけてくださいね?」ニコッ




あずさ「……!」ゾクッ

あずさ(な、何かしら…今の…)

あずさ(なんだか、寒気が…)



あずさ(……死ぬつもりなんて、ありません)

あずさ(『あなた』も、必ず連れて帰りますから…)



律子「じゃあ、こちらから行きますよ?」バッ


律子「……ファイガ!」


ボオォォォォォー!


あずさ「……ブリザガ!」


コォォォ…パキーン!




ジュゥゥ…





231: ◆bjtPFp8neU 2014/10/06(月) 23:15:30.00 ID:0bGRebWeO

律子「へぇ、さすがあずささん」

律子「じゃあ、これはどうですか?」バリッ


あずさ「ウフフ…」バリッ



律子・あずさ「サンダガ!」バッ



バリバリッ…ピシャァーン!





春香「あずささんすごい…律子さんと互角に戦ってる…!」


千早(あずささん…頑張って…)


響「あずさの魔法、すごいなぁ!」


美希「そりゃそうだよ!」

美希(ミキを負かしたんだもん…!)


真「魔法の戦いかぁ…ボクにはできないな」




律子「そろそろ、身体は温まってきましたか?」


あずさ「そうですね〜」


律子「じゃあ、本番、行きますよ?」ゴゴゴゴ…


あずさ「わかりました〜」ゴゴゴゴ…





235: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 20:19:43.37 ID:ILNbH2dMO

律子「楽しいですねー?」ゴゴゴゴ…


あずさ「ウフフ、それはよかったです」ゴゴゴゴ…



律子「あずささん、全力で来てくださいね?」


律子「じゃないと、殺しちゃうかもしれないので…」


あずさ(小鳥さんには、それだけの力があるって事なのね…)


あずさ(プロデューサーさん、すみません)


あずさ(……使わせてもらいますね?)




律子・あずさ「……時は、来た」



律子・あずさ「赦されざる者の頭上に…」



律子・あずさ「星砕け、降り注げ!!」




律子・あずさ「……メテオ!!」




ヒュー……ヒュー…

ヒュー…ヒュー……ヒュー…



ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…




ドゴオォォォォォォォォン…





236: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 20:39:10.93 ID:ILNbH2dMO

律子「……」


あずさ「……」


律子「…………」


あずさ「…………」





律子「…………くっ」ガクッ

律子「や、やりますね…!」

律子「私に、膝をつかせるなんて……」



あずさ「そんな事ないですよ?律子さん…いえ」

あずさ「小鳥さん、さすがです!」


律子「な、何言ってるんですか?私は…」


あずさ「大丈夫、この事に気づいたのは、まだ私と千早ちゃんだけみたいですから…」


律子「……」

律子「うー、バレてないと思ってたのになぁ…」


あずさ「ウフフ、小鳥さんはやっぱり楽しい人ですね〜?」


律子「そ、それって、良い意味にも悪い意味にも取れるんですけど…」

律子「はぁーあ、まさかあずささんにまでギャグの人って思われていたなんて…」

律子「こんなんだから私、未だにプロデューサーさんに下の名前で呼んでもらえないのかしら…」



律子「ねえ、あずささんどう思いま…」



ドサッ



あずさ「……」



律子「あずささん……」



律子「…………おやすみなさい」




237: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 20:52:05.00 ID:ILNbH2dMO

モクモク…



春香「すごい衝撃だったよね…」


響「あずささん、大丈夫かな…」


真「あずささんも気になるけど…」

真「律子を操っているのって、誰なんだろ…?」


美希「きっと、律子よりもガミガミうるさい人だって思うな」


千早「……」

千早(言うべきかしら…?)

千早(いや、間違いの可能性もわずかにある)

千早(下手にみんなを混乱させない方がいいわね)





ザッ……ザッ……




春香「!」


真「誰か、歩いて来る…!」



ザッ……ザッ……



響「ど、どっちなんだ…?」


美希「あ……!」





律子「………」




春香「律子さん……!」





律子「……」スッ


ドサッ


律子「あずささん、ちょっとここで寝ててくださいね?」


あずさ「……」




238: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 21:15:12.53 ID:ILNbH2dMO

真「あずささん!」

真「律子、何をしたんだ!」バッ


律子「真ちゃん…じゃなかった、真…」

律子「あずささんは負けたの。私にね」


真「……!」


響「あずささん!」タタタタ…



律子「…ダメよ?」ブンッ


響「おわっ!」ヨロッ


響「い、いきなり何するんだー!」


律子「みんな理解してないみたいだから、はっきりさせておくわね?」





律子「あなた達の生殺与奪は、私が握っています…!」



真「な、なんだって!?」



真「……」




真「…ねえ千早、せいさつよだつってどういう意味…?」ボソボソ


千早「………」


千早「私達を生かすも殺すも、律子次第って事よ…」



真「な、なんだって!?」



春香「律子さん、何をする気なんですか…?」



律子「春香ちゃ……春香、あなた…クリスタルを持ってるわね…?」


春香「持ってますけど…」



239: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 21:35:38.68 ID:ILNbH2dMO

律子「こっちに渡してくれないかしら?」


春香「……!」


春香(ど、どうしよう…?)

春香(律子さん、誰かに操られてるみたいだし…)

春香(あずささんを傷つけたのも、律子さん…)



千早「春香、ダメよ!」


美希「そーだよ春香!」

美希「あんな誰だかわかんない人に、渡す事ないの!」


律子「だ、だから、私は律子さん…じゃない、律子なんですってば!」


美希「ほら、言ってる事がわけわかんないの!」


律子「もー!ややこしくなってきたわー!」

律子「これなら、律子さんの喋り方、研究してくるんだったなぁ…」ボソッ




春香「……ごめんなさい!」ペコリ

春香「あなたには、渡せません!」



律子「ふーん、そう…」

律子「ま、そっちの方が面白いけどね?」チャキッ


真「……!」スッ


春香「律子さん…!」


響「く、来るなら…来いっ!」スッ



律子「暗黒剣…」

律子「試してみようかしら…!」



240: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 21:48:27.58 ID:ILNbH2dMO

律子「……」スッ


春香(暗黒剣…!)チャキッ


律子「えーと…」


律子「ゆけ!暗黒剣!」バッ



ズバババババーーッ!!



ドサドサッ



真「ぐ……!」


響「つ、強い…!」


美希「超痛いの…!」


千早「くっ……!」



律子「すごーい!」

律子「暗黒剣かっこいい!」


律子「……あれ?」


春香「あれ……?」


律子「春香ちゃん、やるわね…」


律子「なら、もう一度いくわよ!」


春香「え?ちょっと待って…」


律子「轟け、暗黒剣!」バッ


ズバババババババーーッ!!


春香「わっ…!」チャキッ



241: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 22:05:25.79 ID:ILNbH2dMO

律子「……」



春香「あ……」



律子「……なんで!?」

律子「なんで効かないの?」


春香「なんでですかね…?」


真「ホントに効かないのか…」


響「春香、すごいぞ…!」


美希「…人間じゃないの」


千早「春香……」




律子「こうなったら、最大出力よ!」

律子「……!」チャキッ



春香「そうだ……!」チャキッ

春香(どういう事かわからないけど…)

春香(みんなを、守らないと…!)



律子「唸れ、暗黒剣!」バッ



ゴォォ…


ズバババババババーーッ!!



春香「く……!」グッ




242: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 22:25:47.51 ID:ILNbH2dMO

律子「ハァ、ハァ…」




春香「ふぅ……」

春香「みんな、大丈夫?」



響「大丈夫だぞ!」

真「春香、やるなぁ!」

美希「ミキ達のリーダーだもん、当たり前なの!」

千早「春香、油断しないで」



春香「よかった…」

春香(そういえば、試練の山で『私』に散々やられたっけ…)

春香(それで慣れたのかな…)



律子「春香ちゃん、強いのねー」

律子「主人公だからかな?」



春香「…律子さん」

春香「律子さんを、正気に戻してください!」


律子「それは…ダメよ。今の律子さんは、駒として使えないもの」


春香「じゃあ…」

春香「律子さんを正気に戻してくれたら、クリスタルを渡します」


千早「春香…!」


律子「あら…まさかそう来るとはね」


律子「んー…でも、それも無理ねぇ」

律子「クリスタルは、力ずくでもらうから…もういいわ」チャキッ



春香「……」

春香「だったら、私も……力ずくで、みんなを守ります!」チャキッ




243: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 22:50:58.99 ID:ILNbH2dMO

春香(お父さん、力を貸してください…!)


春香「……」スッ


律子「何をする気…?」




春香「大気満たす力震え……」


美希「魔法……?」


春香「我が腕をして、閃光とならん……!」バリッ


律子「え……?」


真(雷……?)




春香「無双……稲妻突きっ!」



ビュンッ…ドガッ!



律子「ぐっ……!」ガクッ


律子「な、何よ…それ……!」

律子「ゲームが違うじゃない…!」


ドサッ




響「は、春香が何をしたのか…全然見えなかったぞ…!」

千早「ええ、ホントに…」

真(雷…いや、光の早さの突き……すごいよ、春香!)

美希「…いよいよ春香が人間離れしてきたの」



春香「あ、あの……大丈夫ですか?」


スタスタ…


春香「私、ちょっとやりす…」



ザシュッ!



春香「かはっ……!」ヨロッ


ドサッ



244: ◆bjtPFp8neU 2014/10/07(火) 23:11:39.10 ID:ILNbH2dMO

千早「は…春香っ!?」ガバッ



律子「…来ちゃダメよ?」チャキッ



千早「くっ……!」ピタ


響「春香…!」

真「くそっ!」

美希「春香!死んじゃダメなのっ!」



律子「千早ちゃんの忠告は、無駄だったみたいねー?」

律子「ちょっとびっくりしたけど…まだ、私を脅かすほどじゃないわね」

律子「心配しないで?春香ちゃん、まだ生きてるから」


千早「ホッ……」


律子「そういえば…千早ちゃんには、バレてるんだったわね」


千早「!」

千早「やっぱり、あなたは…!」


律子「……月で、待ってるわ」


千早「月で……?」


律子「だから……もっともっと強くなって…」

律子「私を倒しに来てね?」ニコッ



千早(音無さん…)



律子「……あ、クリスタルはもらって行くわ」スッ

律子「……じゃあね」クルッ


スタスタ…



249: ◆bjtPFp8neU 2014/10/09(木) 22:38:08.13 ID:nLH69D6LO

美希「…ケアルガ!」


シャララーン!キラキラキラ…


春香「う……っ」ピクッ


千早「春香っ……!」ガシッ


春香「千早…ちゃん…」


響「春香ぁ…!」グスッ


真「心配したよ…!」


美希「春香…いくら強くなったからって、油断しすぎなの…!」


春香「みんな…」

春香「……そうだ、あずささんは?」


千早「……」


真「あずささんは……」チラ


あずさ「……」


響「美希が、頑張ってくれたんだけど…」


美希「ごめんね…?ミキの魔法………役立たずだったの…」


春香「そ、そんな……!」


千早「……大丈夫、ちゃんと呼吸はしているわ」


春香「え…?どういう事……?」


真「起きないんだ。ボク達が何をしても………美希の魔法でも」


春香「起きない……?」

春香(もしかして、あずささんがさっき使った魔法って、前にプロデューサーさんが言ってた……?)




真「…とにかく、律子を追いかけないと」


千早「そうね。クリスタルも奪われてしまったし…」

千早(『律子』は、月へ行くためにクリスタルを集めていた。きっと、音無さんに会うためね)

千早(じゃあ、音無さんは、何のためにクリスタルを……?)


響「よし、みんな!エン太郎のところに戻るぞ!」



バルバリシア「悪いけど、逃がさないわよ…?」


250: ◆bjtPFp8neU 2014/10/09(木) 22:51:38.10 ID:nLH69D6LO

千早「バルバリシア……!」


真「逃がさない…?」



美希「…シアちゃんっ!」

美希「あのね?ミキ達、律子を追いかけないといけないの!だから…」


バルバリシア「……」

バルバリシア(ミキ……)



バルバリシア「させないわ…!」



美希「シアちゃん……?」


千早(指揮系統が、律子から音無さんに移った)

千早(もう、バルバリシアは敵と見て良さそうね…)


美希「シアちゃん、ミキ達、行かなきゃなの!」


バルバリシア「私は、リツコ様の四天王…風のバルバリシア」

バルバリシア「リツコ様の命により、あなた達を…」




バルバリシア「……抹殺するわ!」



ビュゥゥゥ…



真「!」


響「な、なんだ…?窓も無いのに、風が…」


千早「みんな……戦うしかないわ!」チャキッ


真「…どうやら、そうみたいだね!」グッ


響「春香とあずささんを、守るぞ!」スッ




251: ◆bjtPFp8neU 2014/10/09(木) 23:05:42.33 ID:nLH69D6LO

千早「美希……」


千早「戦わなければ、みんなやられてしまうのよ?」


美希「…そんな事ないよ!」


真「美希…」


響「美希、ちょっと落ちついてっ…!」ガシッ


美希「律子の命令とか、風がどうのとか……よくわからないけどっ!」


美希「シアちゃんは、ミキの大切なともだt」


バルバリシア「ミキ、残念だけど…」




バルバリシア「…あなたも、消すわ」




美希「……なんでっ!?」

美希「そんなの、おかしいの…!」

美希「さっきまで、あんなに楽しくおしゃべりしてたのに……っ!」グスッ



バルバリシア「く……!」

バルバリシア(最初からわかっていたはずよ…)

バルバリシア(ミキとは、敵同士だって…)

バルバリシア(それに、私は引く事はできない)



バルバリシア(命令は、絶対だもの……!)




252: ◆bjtPFp8neU 2014/10/09(木) 23:17:39.65 ID:nLH69D6LO

バルバリシア「ミキ……お別れよ!」


美希「シアちゃんっ…!」



バルバリシア「…ミールストーム!」バッ


ゴォォォォ…


ビュゥゥゥ…




千早「くっ……!」ブワッ


響「うわっ……!」ブワッ


美希「きゃっ……!」ブワッ


真「うおぉぉぉ!」グッ




ヒュー……ドサドサッ!




真「みんなっ!」クルッ


バルバリシア「へぇ、坊や…耐えたのね」


真「今度は、こっちの番だっ!」


真「飛燕…疾風脚!」


ビュンッ…ドゴッ!



バルバリシア「フフ……私の髪のバリアは、何も通さない…!」ビュンッ


ザシュッ!


真「ぐっ……!」ヨロッ


バルバリシア「そして、私の髪は…」ビュンビュンッ


ズバッ!ザシュッ!


真「うわぁっ……!」ガクッ



バルバリシア「……剣より、鋭いのよ!」





253: ◆bjtPFp8neU 2014/10/09(木) 23:44:10.30 ID:nLH69D6LO

真「く……!」

真(あのバリア、どうにかしなきゃ…!)


千早「真……!」ヨロッ


響「くそ、おばさんのクセに…!」ヨロッ



バルバリシア「さあ、どうする?」

バルバリシア「私のバリアを破らなければ、あなた達に勝ち目は無いわよ…?」


美希「真クンっ……!」ヨロッ


バルバリシア「…でも、私のバリアは、正面からは決して破る事はできないわ!」


美希「シアちゃん……?」


真「そんなの…やってみなきゃわからないだろっ!」グッ


バルバリシア「フフ…破れるものなら…」

バルバリシア「破ってみなさいよっ!」ビュンッ


響「やあっ!」バシッ


真「響っ!」


千早「みんなで、倒すのよ…!」チャキッ


真「千早…!」



バルバリシア「いいわ。まとめてかかって来なさいっ!」



響「たあーっ!」


シュッ…ドガッ!


バルバリシア「効かないわね…!」ビュンッ


ズバッ!


響「うぁ……っ!」ガクッ


千早「我那覇さんっ!」ブンッ


ガキィン!



254: ◆bjtPFp8neU 2014/10/10(金) 00:03:04.83 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「チハヤ…あなたのその頭脳は、一目置いていたんだけど…」

バルバリシア「…どうやら、見込み違いだったみたいねっ!」ビュンッ


キィン!


千早「くっ……!」

千早(このままじゃ……!)


バルバリシア「いい事を教えてあげる」

バルバリシア「私の得物は、この『無数』の髪よ!」ビュンビュンッ


千早「!?」


ザシュッ!ズバッ!ザクッ!


千早「あ……ぅ……!」ガクッ


ドサッ


真「千早っ……!」




美希(…………)



255: ◆bjtPFp8neU 2014/10/10(金) 00:11:24.13 ID:2tYyeBihO

美希(ミキ……ここで何してるんだっけ……?)



美希(ああ、そうだ……シアちゃんと戦いたくないから、ここで見てるんだった……)



美希(…………何を見てるの?)



美希(みんなが……倒れていくのを……?)



美希(シアちゃんが……倒されるのを……?)



美希(片方を選んだら……選ばれなかった方は、どうなるのかな……?)



美希(ミキは……選ばなきゃいけないのかな……?)



美希(ミキね……正しい、とか、正解、とか……よく、わからないの……)



美希(だから……)







美希(もし間違ってたら……ミキを叱って欲しいって……思うな!)グッ





256: ◆bjtPFp8neU 2014/10/10(金) 00:26:52.57 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「さあ……これで終わりよ!」バッ


ゴォォォォ…




美希「……終わらないの!」


バルバリシア「ミキ……!」


美希「ケアルガ!」


シャララーン!キラキラキラ…



美希「…千早さん!千早さんなら…シアちゃんのバリアを破れるって思うな!」


千早「え……?」ヨロッ


美希「さっき、シアちゃんが自分で言ってたの!」

美希(きっと…ミキ達に教えてくれたんだよね……?)



千早(さっき……?)


『…正面からは、決して破る事はできない』


千早「あ、そうか……!」



バルバリシア(そうよ、ミキ……それでいいのよ……)


バルバリシア「ふん!チハヤごときに、破れる訳ないわ!」



千早「くっ……!」タンッ


フワッ…


真「!」

真「そうか、正面は無理でも、上からなら…!」


響「確かに、上はガラ空きだぞー」





バルバリシア「フフ…空中では、身動き取れないはず…もらったわっ!」バッ




258: ◆bjtPFp8neU 2014/10/10(金) 00:43:33.71 ID:2tYyeBihO

美希「…ヘイスト!」


カタカタ…シャキーン!


バルバリシア「あ……!」



美希「千早さんっ……ううん、千速さん!今なの!」


千早「プッ……!」


ビュンッ…ドゴォ!


バルバリシア「うぐ……!」ヨロッ



シュルッ…バサッ



響「バリアが、解けたぞー!」





バルバリシア「く……!」




真「バリアがないあなたには、負ける気はしない……それでも、まだやりますか?」



美希「……真クン、それは聞いても意味ないって思うな」


真「え…なんで?」


美希「…千早さんなら、わかるでしょ?」


千早「そうね」

千早「あなたは律子の命令に逆らえない……そうでしょ?バルバリシア」




260: ◆bjtPFp8neU 2014/10/10(金) 01:03:31.37 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「……そういう事よ」


バルバリシア「だから私は……あなた達を殺すまで、止まらないわ!」

バルバリシア(そうなる前に……)






バルバリシア(私を……殺してちょうだい、ミキ……)





響「そんな事はさせないぞー!」


真「ボク達は、やられるつもりはない…!」




美希「みんな!」


美希「シアちゃんの事は……ミキに任せて欲しいの」


真「美希……?」


響「み、美希……あんなに仲良しだったのに……大丈夫なのか?」


美希「……うん!」


千早(……吹っ切れたわけでも、あきらめたわけでもない)

千早(なんていうか……悲哀と慈愛に満ちた表情…)

千早(普段の美希からは、とても想像できないわ)

千早(美希…そんな顔もするのね…)




美希「シアちゃん……最後くらい、普通におしゃべりしたいの」


バルバリシア「……そうね」




261: ◆bjtPFp8neU 2014/10/10(金) 01:24:29.10 ID:2tYyeBihO

バルバリシア「思えば……ミキには、いろいろ迷惑…」


バルバリシア「…かけられたわね」


美希「ガーン!シアちゃん、いきなりひどいの!」


バルバリシア「だって、本当の事じゃない」


美希「んー…でも、悪い気はしなかったでしょ?」


バルバリシア「ミキ…そういう事は、普通、自分から言わないわよ?」


美希「…そういうもんかな?」


バルバリシア「まあ、図々しい方が、ミキらしいわね」クスッ


美希「あ……!シアちゃん、やっと笑ってくれたの!」


バルバリシア「あ……」


美希「最後に笑ってくれて、ありがとうなの!」


美希「これで、シアちゃんの笑顔が思い出せるの!」


バルバリシア「あら?もう勝った気でいるの?まだ勝負は始まっていないのに」


美希「あはっ!……ミキ、強いよ?」


バルバリシア「……」


バルバリシア「ええ、そうね…」


美希「……」


バルバリシア「……」




美希「……」




バルバリシア「ミキ、そろそろ…」




美希「うん…」




265: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 06:58:22.87 ID:xvrI4PoBO

バルバリシア「さあ……行くわよ!」ゴォォ…


バルバリシア(ミキ……)






美希「……ミキのキラキラ魔法、見せてあげるの!」キラキラ…


美希(シアちゃん……)






美希・バルバリシア(さよなら…………!)







バルバリシア「…ミールストーム!」



ゴォォォ…ビュゥゥー!



美希「ホーリー!」



キラキラキラキラ…




ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…





ドゴォォォォォォォ…ン






266: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 07:08:43.37 ID:xvrI4PoBO

美希「ハァ、ハァ……!」


バルバリシア「う……」ヨロッ


ドサッ




美希「シアちゃんっ!」タタタタ…



美希「……」ガシッ


バルバリシア「み…き……」


バルバリシア「あ…りが……う……」


バルバリシア「あな…た……たし…の……い…も……と……っ」


ガクッ


美希「……っ!」ギュッ




美希(ミキ…………間違ったかな?)


美希(それとも、『正解』だった……?)


美希(……どう思う?)




美希(……お姉ちゃん)ギュッ




267: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 07:25:15.62 ID:xvrI4PoBO

グラッ…


響「……っと」ヨロッ

響「地震か……?」


真「いや、そんなわけないよ。ここ、空の上のはずだし…」


千早「…あれだけ激しい戦いがあったんだもの」

千早「もしかしたら、この塔は崩れるのかも…!」


響「ま、まずいぞー!」

響「早く逃げなきゃ!」



グラグラ…



春香「み、みんな…!」

春香「あずささんが……!」


真「どうしたの?」


春香「呼吸が…弱くなって…」


あずさ「……」


響「魔法は効かないのか?」


春香「ダメ…全然効かないよ…」


真「そんな……!」


千早(どうすれば……!)





スカルミリョーネ「……心配するな」

スカルミリョーネ「アズサは、オレが助ける」



春香「スーさん……?」



268: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 07:42:57.60 ID:xvrI4PoBO

真「……」


真「信用できるの?」


響「そうだぞ!あのおばさんみたいに、襲ってくるかも…」


スカルミリョーネ「オレは、一度死んでいる。その時に、リツコ様の術は解けた…」


春香(そういえば、試練の山で……)


真「ボク達を騙すつもりじゃないよね…?」


スカルミリョーネ「お前達がオレを信用するかどうかには、興味はない」

スカルミリョーネ「オレは、ただアズサを救いたいだけだ」


春香「……」


千早「春香……」


春香「……スーさん、お願いします!」


響「春香……いいのか?」


春香「うん。スーさんは、信用しても大丈夫だよ」

春香(スーさん、あずささんの言う事はちゃんと聞いてたし…)

春香(あずささんも、スーさんを信頼してたように見えた…)

春香(きっと、大丈夫だよね…)



春香「…スーさん、よろしくお願いします!」


スカルミリョーネ「わかった…」


千早「でも…救うって言っても、具体的にはどうするの?」




269: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 08:00:28.97 ID:xvrI4PoBO

スカルミリョーネ「オレの命を…アズサに託す」


春香「でも、それじゃスーさんが…」


スカルミリョーネ「…お前達にはアズサが必要なのだろう?」


響「そうだぞ!あずささんは、自分達の大切な仲間だからな!」


スカルミリョーネ「ならば、余計な心配はするな」

スカルミリョーネ「それに…」



スカルミリョーネ「オレは、アズサのいない世界などに興味はないからな」



春香(そ、それって…愛の告白じゃ……?)

真(すごい事言うな、この人……)

響(あずささん、愛されてるなぁ…)

千早(とても真っ直ぐな人なのね…)





ズシャッ!




4人「!!」




ズルッ…




真「じ、自分で、心臓を取り出した…?」


響「うえぇ……まともに見れないぞ…」


千早「……!」


春香(スーさん……!)




270: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 08:10:26.86 ID:xvrI4PoBO

スカルミリョーネ「あ…アズサに、伝えてくれ…」



スカルミリョーネ「『楽しかった』と…」



グシャッ…!



ポタ…ポタ…



あずさ「……」



春香「あ……!」




あずさ「……スー…さん…」



真「あずささん!」ガシッ


響「あずささん、大丈夫か!」


千早「良かった…!」


春香「スーさん、ありがとうござい…」クルッ



春香「あれ……?」キョロキョロ


春香「いない……?」



グラグラ…



春香「わっ……!」ヨロッ


ガラッ…ドサッ


千早「…まずいわ、そろそろ行かないと…!」



271: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 08:22:02.63 ID:xvrI4PoBO

ゴゥン!ドカァン!


響「みんな、エン太郎のところへ急ぐんだ!」


春香「美希!」タタタタ…




春香「美希…行こう?」


美希「……」


春香「美希…?」


美希「……」


美希「zzz…」


春香「ちょ、美希!起きてよ〜!」ユサユサ


美希「ん……もう朝…?」ムニャ


春香「早く逃げなきゃ!ここはもうダメみたい」


美希「まだ眠いの…」

美希「あふぅ…」


春香「そんな事言ってる場合じゃ…」


美希「もー…春香はせっかちなの…」


美希「わかった。じゃあ、ミキにつかまって?」


春香「え?」




272: ◆bjtPFp8neU 2014/10/11(土) 08:36:52.95 ID:xvrI4PoBO

真「しゅんかんいどう…?」


美希「うん!」


響「ホントに、そんな事できるのか?」


美希「たぶん…」

美希(…確か、ファンの人がくれた本で読んだ気がするの)



ガラッ…ドサドサッ!



千早「もう時間がないわ!美希…お願いね」


美希「わかったの!」

美希「んーと……」



ドゴォン…!



真「美希、まだ…?」


美希「うーん…ハニーの気が見つからないの…」


響「脱出できるなら、この際どこでもいいぞー!」


美希「仕方ない……第2候補にするの」



美希「…みんな、つかまった?」



春香「大丈夫、あずささんも、ちゃんといるよ!」


あずさ「……」


美希「じゃあ、行くの!」




美希「……テレポ!」




ブゥーーーン…



ビューーー…




5人「ああああぁぁぁぁぁぁ……」





273: ◆bjtPFp8neU 2014/10/13(月) 22:27:56.92 ID:GkvaliRQO
カイポの村

ものまね士「……フンッ!」


パカーン!


ものまね士「……フンッ!」


パカーン!


ものまね士「……………ふぅ」

ものまね士「やっぱり、薪割りはいいわね。心が落ち着くわ…」

ものまね士「さて……あと少しで今日の分はおしまいね」


スタスタ…


ものまね士「よいしょ……」ガシッ

ものまね士(今日のご飯は何かしらね…?)

ものまね士(店主さん、お料理がとっても上手だから、毎日楽しみなのよねー)

ものまね士「うふふっ」


…キラーン!


ものまね士「ん……?」チラ


ヒュー…


ものまね士「!」

ものまね士「な、何か降って来る!?」

ものまね士「きゃーー!」


……ドゴォォォン!!


ものまね士「はー……びっくりしたぁ」

ものまね士「なんなの?なんなのなの…?」


スタスタ…


ものまね士「うわ……すっごい穴が空いて……!」

ものまね士「……って、ミキさん!」


タタタタ…


ものまね士「ハルカ様にチハヤ様……ヒビキさんまでいるわ…!」

ものまね士「あと、キレイな女性と……」

ものまね士(ちょっとステキな男性……)

ものまね士(まさか、この人が『ハニー』さん……?)

ものまね士「…なんて考えてる場合じゃないわ」

ものまね士「助けなきゃ!」


274: ◆bjtPFp8neU 2014/10/13(月) 22:45:42.64 ID:GkvaliRQO

店主「おーい!」


タタタタ…


店主「なんかすごい音がしたけど…」


ものまね士「あっ、店主さんも手伝ってくださいよ!」


店主「うわ…どうしたんだ、その人達……」

店主「あれ?よく見れば、ハルカじゃないか!」


ものまね士「説明は後です!」

ものまね士「とりあえず、みなさんを運びましょう」


店主「何だかわからんが……わかったよ」



ものまね士「よっこら……せ…っと」グイッ

春香「……」

美希「……」


店主「お、おい…2人いっぺんに運ぶなんて、無茶じゃないか?」


ものまね士「え?何言ってるんですか?」

ものまね士「これくらい、普通ですけど」

ものまね士「…ほら、店主さん男なんですから、頑張ってくださいよ?」


スタスタ…


店主(あいつ、白魔道士だって言ってたけど……)

店主(モンクとかの方が向いてるんじゃないか……?)



店主「さて、オレは…」チラ


真「……」


店主「とりあえず、男を運ぶか…」


店主「よっ……!」グイッ

真「……」


店主「……あれ?男にしちゃ、軽いな?」

店主「ん?この感触…」ムニュ

店主(大きさは控えめだけど…これは、女の感触だな…)


店主(……なんか、いろいろすまん)


スタスタ…



275: ◆bjtPFp8neU 2014/10/13(月) 23:05:44.92 ID:GkvaliRQO
カイポの村 宿屋 2号室

千早「……」ムクッ


千早「……」キョロキョロ


千早(ここは…?)


響「ん……」モゾモゾ


千早「我那覇さん…」


千早(私のとなりのベッドに、我那覇さんが寝てる…)

千早(良かった。我那覇さんは無事みたいね)

千早(他のみんなも、無事だといいけど…)


千早「我那覇さん、起こした方がいいかしら…?」チラ


響「…あず……さん…」ムニャ


千早「……」

千早(もう少し、寝かせておいてあげましょう)



千早(……少し、情報を整理しなきゃ)

千早(まず、律子を操っていたのは、音無さん)

千早(音無さんは、『月で待っている』と言っていた)

千早(月が私達の目的地、という事ね)


千早(…で、どうやって月に向かうかだけど)

千早(律子は、クリスタルを全て集めれば月へ行く事ができると言っていた)

千早(そして、春香の話では、クリスタルは全部で8つあるらしい)

千早(そのうちの4つは律子……いえ、音無さんが持っていて、残りの4つは、地底世界にある…っていう話だったわね)


千早(音無さん、どういうわけか、私達に対して友好的でなかった)

千早(何か良くない事が起きる前に…私達もクリスタルを手に入れた方がよさそう…)

千早(……となると、次の目的地は…地底世界ね)



千早(……いえ。その前に、あずささんを救う方法を見つけなければ…)


千早(こんな時に、プロデューサーがいてくれたら……)



276: ◆bjtPFp8neU 2014/10/13(月) 23:35:30.14 ID:GkvaliRQO
カイポの村 宿屋 1号室

春香「すみません。また、迷惑をかけちゃって…」


ものまね士「水臭い事言わないでくださいよー!知らない仲ではないんですし…」

ものまね士「私も店主さんも、みなさんの事が心配なんですよ?」ニコッ


春香「ありがとうございます…」


美希「zzz…」


ものまね士「…それにしてもハルカ様、すごい怪我ですけど……いったい何があったんですか?」


春香「……」

春香「まあ……いろいろありまして…」


ものまね士(聞いちゃいけない事だったかしら…)

ものまね士(ハルカ様、なんだか辛そう…)


美希「ムニャ…」


ものまね士「そ、そういえば……お仲間が増えましたね?」


春香「……はい!おかげさまで」ニコッ


ものまね士(ホッ……良かった。笑ってくれた…)

ものまね士「天使ちゃんとユキホ様も、お元気ですか?」


春香「あ……えっと、2人とは……その、はぐれちゃって…」


ものまね士「そ、そうでしたか…」

ものまね士(も〜!私のバカ!また地雷踏んじゃった…)


春香「でも、私……信じてます」


ものまね士「え……?」


春香「絶対また、みんなに会えるって!」


ものまね士「ハルカ様…」

ものまね士「ハルカ様がそう信じるなら…私も信じますよ」

ものまね士「ハルカ様のお仲間は、必ず見つかります!」


春香「ものまね士さん……!」


美希「はにぃ…」ムニャ


ものまね士「……」チラ

ものまね士「ミキさん、そろそろ起こした方がいいかしら?」


春香「あ、そうですね。じゃあ……お願いします」


277: ◆bjtPFp8neU 2014/10/13(月) 23:57:32.54 ID:GkvaliRQO
カイポの村 宿屋 3号室

真(あずささん…)


あずさ「……」


店主「…なあ、あんた」


真「あ……ボク、真っていいます」


店主「そうか……マコト、あんまり無理するなよ?起きたばかりなんだから」


真「心配してくれて、ありがとうございます!」

真「でもボク、鍛えてるんで!」

真「これくらい、へっちゃらです!」


店主「…なら、いいんだけどな」

店主(うーん、マコト…女にしておくのはもったいないくらい、爽やかだなぁ)


真「それよりも…」

真「あずささんが……あ、この人、あずさっていう名前なんですけど…」


店主「ん?そういえば、どっかで見た顔だな…」

店主(……そうだ。前にハルカ達がこの村に来た時に、探してた人だったな)

店主(ハルカ…ちゃんと見つけたんだな)


真「起きないんです…」


店主「起きない?」


真「はい。何をしても…起きないんです」


店主「……」

店主「見たところ、高熱病ではなさそうだな」

店主「うーん……こういうのは、白魔道士とか薬師に診てもらった方が…」


店主「あ……ウチにいたわ、白魔道士」

店主「ものまね士に診てもらえばいいよ」


真「ものまね士?…さっき、白魔道士って言いませんでした?」


店主「ああ…白魔道士なんだけど、ものまね士っていうか…」

店主「ま、連れて来た方が早いか」

店主「ついでにオレは、メシでも作ってくるよ。マコトも、腹減ってるだろ?」


真「はい!あ、じゃあ…ボクも手伝いますよ」


店主「いいって、休んでなよ。困った時は、お互い様だ」


真「ありがとうございます!」ペコリ


278: ◆bjtPFp8neU 2014/10/14(火) 00:16:20.48 ID:N9Glo1DCO

真「よろしくお願いします!」


ものまね士「は、はい…」ドキドキ

ものまね士(わぁ…近くで見ると、さらにカッコいいわ…)

ものまね士(き、緊張しちゃう…)


ものまね士「あ、じゃあ…」

ものまね士「この方の服を脱がせるので…」


真「そうなんですか」


ものまね士「……」


真「……」


ものまね士「あ、あの…」


真「はい?」


ものまね士「一度、部屋から出てもらってもいいですか?」


真「あれ?出て行った方がいいですか?」


ものまね士「?」

ものまね士「あ、当たり前じゃないですか!」

ものまね士「あなた、女性の裸を見るつもりですか?」


真「あー……なるほど…」


ものまね士「すみませんが、出て行って…」


真「ボク、こう見えて女の子なんですけど…」

真(ああ、この世界に来て、何度目かなぁ…)

真(この瞬間が、一番みじめだよね…)


ものまね士「……ええっ!?ほ、ホントですか…?」


真「はい……なんなら、証拠見せましょうか?」


ものまね士「あああああ!いいいえ、け、結構です!」

ものまね士「し、知らぬ事とはいえ、とんだご無礼を…!」


真「いえ、気にしてませんよ…」

真(ホントは、すっごく気にしてますけど…)



280: ◆bjtPFp8neU 2014/10/14(火) 21:55:09.49 ID:sTPsuEaUO
カイポの村 宿屋 1号室

春香「ねえ美希、そういえばさ…」

春香「魔法で瞬間移動する前に、プロデューサーさんの…気?が見つからない、とか言ってたけど…」


美希「……あふぅ」

美希「…ん。ホントだよ?」

美希「あの時は、なぜか感じられなかったの」

美希「でも、今は……そんなに遠くにはいないって思うな」


春香「…今は、わかるの?」


美希「うん」


春香「そっか」

春香(プロデューサーさんに、あずささんの事を伝えた方がいいかな…)

春香(私達だけでどうにかできる問題じゃ、ない気がする…)


美希「ねえ、春香」


春香「ん?」


美希「…ハニーに会いに行こうよ!」

美希「きっとハニーなら、あずさの事もどうにかしてくれるって思うな!」


春香「わぁ……」

春香「今、私も同じ事考えてた」


美希「あはっ!そうなんだ?」

美希「じゃあ、さっそく…」


春香「…待って。一度、みんなで話してからの方がいいよ」


美希「んー…まどろっこしいの。誰も反対なんてするわけないの」


春香「そうかもしれないけどさ。これからの事も考えなきゃだし…」

春香「やっぱり、話し合う必要はあるよ」


美希「む〜……」

美希「しょーがない、春香は一応リーダーだから、従うの」


春香「ありがと」

春香(一応、なんだね……)



281: ◆bjtPFp8neU 2014/10/14(火) 22:11:40.05 ID:sTPsuEaUO
カイポの村 宿屋 2号室

千早(早くみんな起きないかな…)

千早(あずささんの事も、クリスタルの事も…)


響「おーい、千早ー!」


千早(早く決めなきゃ、手遅れになってしまうかも…)


響「……千早?」


千早(私としては、プロデューサーの助言をもらいたいと思うのだけれど…)

千早(みんなはどう考えてるのかしらね?)


響「ちーはーやっ!」ガシッ


千早「ひゃっ…!」ビクン

千早「が…我那覇さん…お、起きたのね…?」ドキドキ

千早(あーびっくりした…)


響「何回も呼んでるのに、ちっとも気づいてくれないんだもんな!」


千早「ごめんなさい、ちょっと考え事を…」


響「……」

響「……あずささんの事?」


千早「ええ。あと……これからの事も」


響「そっか……」

響「これから、どうすればいいんだ…」

響「…………あ!」


千早「どうしたの?」


響「…エン太郎の事、すっかり忘れてた!」

響「ど、どうしよう…あの塔に置いて来ちゃったぞー」オロオロ


千早「エン太郎……あ、飛空艇の事ね」

千早(私もすっかり忘れてた……)

千早(今、飛空艇が使えないのは、致命傷だわ…)

千早(どうにかしないと…)



282: ◆bjtPFp8neU 2014/10/14(火) 22:20:51.91 ID:sTPsuEaUO

コンコンッ


響「ん……?」

響「どうぞー」


ガチャ…


店主「メシ、できたけど……食うか?」


響「ホントかー?それは嬉しいぞー!」


千早「すみません、何から何までお世話になってしまって…」ペコリ


店主「ははっ…マコトといい、あんたらは律儀だなぁ」

店主「ハルカは、オレの友人だ。その友人なら…オレの友人って事になるからな」

店主「友人をもてなすのは、普通の事だと思うぞ?」


響「…いい人だなぁ!」


千早「ありがとうございます」


響「千早ー、みんなを呼びに行こう!」


タタタタ…


千早「あ、我那覇さん待って…!」


タタタタ…


店主「元気なやつだなぁ…」



283: ◆bjtPFp8neU 2014/10/14(火) 22:37:48.80 ID:sTPsuEaUO
カイポの村 宿屋 食堂

真「モグモグ…」

真「んー!おいひい!」


春香「真……飲み込んでからしゃべらないと、またむせるよ…?」


響「でも、ホントにおいしいぞ!」


千早「ええ、確かに」


店主「そいつは良かった。まあ、一応これが仕事だからな」

店主「まずかったら、店を畳まなきゃならなくなる」

店主「……あ、ミキのために、ちゃんと握り飯も作ったからな?」


美希「あはっ!ありがとうなの!」


ものまね士「良かったわね、ミキさん」


ものまね士「…それにしても、なんで空から降って来たの?」


美希「んとね、ハニーの気が見つからなかったから…」

美希「ファンの人のところに瞬間移動したんだよ?」


ものまね士「瞬間移動…って、まさか…?」


春香「すごかったんですよ?ビューン!って!」


響「あまりのすごさに、自分達は気絶しちゃったんだけどね」


ものまね士「ミキさん…まさか、『テレポ』を……?」


美希「うん!ファンの人がくれた本のおかげなの!」


ものまね士(ミキさん…初めからすごかったけど…)

ものまね士(どんどん成長していくのね…)

ものまね士(ちょっと、さみしいな…)



284: ◆bjtPFp8neU 2014/10/14(火) 22:51:52.48 ID:sTPsuEaUO

千早「ところで春香…」


春香「ん?」


千早「私、これからの事を少し考えたんだけど…」

千早「プロデューサーに会いに行く事はできないかしら?」


春香「千早ちゃん……」

春香「ふふっ…同じ事考えてたんだね?」


美希「さすが千早さん、わかってるの!」


千早「?」


春香「私と美希もね、プロデューサーさんに会いに行こうって、さっき話してたんだよ?」


千早「そうなの?」


響「自分も、同じ事考えてたんだぞ!」


真「ボクだって!」


春香「え?2人も……?」


美希「ほら、やっぱり話し合う必要なんてなかったの!」


春香「あはは…なんか、そうみたいだねぇ」


店主「なんだか知らんが、通じ合ってるんだな」


ものまね士「そうですねぇ…」

ものまね士(仲間、かぁ……羨ましいな…)

ものまね士(でも、『ぷろでゅーさー』って、誰だろう?)



285: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 20:19:20.54 ID:Mszy6BSFO

響「あ!!」


春香「どうしたの?響ちゃん……」


響「エン太郎がいないと、どこへも行けないぞー……」


真「あ、そうか……。すっかり忘れてたよ」


響「どうにかして、エン太郎を呼び戻さないと……」


春香「でも、エン太郎君は今どこにいるのかな?」


千早「それは……ゾットの塔の近くじゃないかしら……?」


春香「じゃあ、空の上だよね?」


真「今のボク達じゃ、行けないなぁ」


美希「……あふぅ」


千早「……我那覇さん、あなた、飛空艇と会話ができるのよね?」


響「うん!自分とエン太郎は、家族だからなー!」


千早「なら、文字通り呼び戻す事はできないかしら?我那覇さんの声で」


響「そっか……」


響「わかった。自分、やってみるぞ!」


店主「なんの話かと思ったら、飛空艇の話かぁ……」

店主「そうか、飛空艇ね……」


ものまね士「ん?店主さん、もしかして飛空艇に興味があるんですか?」



286: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 20:41:17.98 ID:Mszy6BSFO

店主「オレさ、ガキの頃から、飛空艇を操縦するのが夢でさ………って、こんな話、どうでもいいよな」


ものまね士「なんでですか〜?もっと聞かせてくださいよ〜」

ものまね士(考えたら私、店主さんの事何も知らないのね……)チクッ

ものまね士(……ん?)


店主「はは、また機会があったらな」


ものまね士(今、何か……)


美希(ふーん……あの2人、意外と仲がいいんだねー)




響「よーし!」ガタッ


真「どうしたの?」


響「自分、ちょっと行って来る!」


真「え?今から……?」


響「うん!だって、エン太郎がさみしがってるかもしれないからな」


春香「でも、もう夜だよ?明日にした方がいいんじゃないかな?」


響「いいや、こーいう事は、思いついたらすぐ実行した方がいいんだ!」

響「……待ってろ、エン太郎!」


タタタタ…


真「……行っちゃった」


千早「心配だから、私も行くわ」ガタッ

千早(元は、私が言い出した事だし……)


スタスタ…


春香「……私も、行こうかな」ガタッ


真「じゃあ、ボクも……」ガタッ


スタスタ…


ものまね士「ミキさんはどうするの?」チラ


美希「ミキ、あんまり興味ないの」ダラダラ


ものまね士「相変わらずマイペースねえ」


店主「やっぱり、ハルカ達は賑やかだなぁ」



287: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 20:52:26.53 ID:Mszy6BSFO

店主「あいつらがいなくなったら、急に静かになっちまった」


ものまね士「まあ、今までは2人っきりだったから…」

ものまね士「静かなのが当たり前でしたけどね」チクッ

ものまね士(あれ?また……)


美希(へぇ、同棲してたんだ……)

美希(でも、それにしては……あんまりラブラブじゃないって思うな)


店主「……よし。後片付けでもするかな」ガタッ


ものまね士(2人っきり……そうか。今まで、店主さんと2人っきりで生活してたのよね……)

ものまね士(さっきから、なんだろう?胸の奥がチクッって……)



ものまね士(やだ、何かの病気かしら……?今日は早く寝た方がいいかも)



店主「おーい、ものまね士ー!片付け手伝ってくれよー!」


ものまね士「あ、はーい!」

ものまね士「ミキさんはどうする?」


美希「ん〜……」ダラダラ


美希「あっ!」ティン!


美希「うーん、じゃあ、仕方ないから手伝ってあげるの!」


ものまね士「あら、ありがとう」ニコッ

ものまね士「じゃ、行きましょ!」


美希「うん!」


スタスタ…



288: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 21:05:49.64 ID:Mszy6BSFO
宿屋 調理場

店主「2人は食堂の掃除を頼む。オレはここで洗い物してるからさ」


美希「……ミキ、ひとりで平気なの!」


店主「え?」


ものまね士「ミキさん?」


美希「だから、2人で仲良く洗い物しててね?」ニコッ


タタタタ…


店主「あ、おい……」

店主「……どう見ても、ミキが掃除とかするタイプには見えないんだが……」


ものまね士「でも、ミキさんだって女性ですよ?任せてもいいんじゃないですか?」


店主「ん、まあそうなんだが……心配だ……」


ものまね士「さ、早く片付けちゃいましょう!」


ジャー…ゴシゴシ


ものまね士「……」ゴシゴシ


店主「……」ゴシゴシ


ものまね士「……それで?」ゴシゴシ


店主「何が?」ゴシゴシ


ものまね士「さっきの続きです。店主さんの夢、聞かせてくださいよ」ゴシゴシ


店主「……別に面白い話でもないぞ?」ゴシゴシ


ものまね士「いいんですよ。はじめから期待してませんから」ゴシゴシ


店主「じゃあ、なんで聞くんだよ……」ゴシゴシ


店主「ま、いいか」

店主「オレさ、ガキの頃に……」


ものまね士「ふむふむ……」



美希(あはっ!なんだかいい感じなの!)

美希(よし、次の作戦は……)



289: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 21:16:46.64 ID:Mszy6BSFO
幻獣の町

やよい「今日も、とーっても楽しかったですっ!」


イフリート「うおおおお!!オレも楽しかったぜええええええ!!」


ラムウ「ヤヨイさん、夕飯はまだかのう……?」


やよい「いつもあそんでくれて、ありがとうございますっ!」


シヴァ「……ヤヨイさん、私達は友達でしょう?」

シヴァ「だったら、お礼なんて必要ないわ……」


やよい「あ……」

やよい(ともだち……)


やよい「……そうですね、私達は、友達ですっ!」ニコッ


イフリート「うおおおおお!!オレ達は友達だぜえええええ!!」


シヴァ「イフリート、うるさいわ……」


やよい「……」


ラムウ「……?」





やよい「じゃあ、みなさんさよーならー!」


タタタタ…



290: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 21:32:50.22 ID:Mszy6BSFO
幻獣王の館

ガチャ…


やよい「ただいま〜…」


冬馬「お、おう、高槻……遅かったな」


翔太「冬馬君、やよいちゃんの事ず〜っと待ってたもんね〜?」


北斗「恋をすると、人は変わるんだね……」


冬馬「お、お前ら、余計な事言うんじゃねー!」


やよい「え?待っててくれたんですかー?」


冬馬「あ、その……」


やよい「すみません、すぐにごはんつくっちゃいますねー?」


冬馬「いや、そういう理由で待ってたわけじゃ……」



黒井「……その必要はない」



やよい「あ、黒井社長!ただいまでーす!」


黒井「今日は、私が振舞ってやろう……」


冬馬「おっさん、料理なんてできんのか?」


黒井「王たる者、料理ぐらいできて当然だ……」


やよい「そ、それは悪いですよ!わたし、すぐに用意しますから……」


黒井「王に逆らうというのかね?高槻やよい……」


やよい「はわわっ……!」


黒井「ふっふっふ……楽しみにしているがいい……」


スタスタ…




291: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 21:56:42.52 ID:Mszy6BSFO
やよい「いいんでしょうか……?」


翔太「今の言葉を訳すと、『日頃のお礼に今日は私が料理を作るから、お前はゆっくり休め』ってとこかな?」

北斗「社長もなんだかんだ言って、君の事を大切に思っているんだよ、きっと」


やよい「そーなんですか……」

やよい(やっぱり、黒井社長もジュピターさんも、みなさんいい人達です……)


冬馬「お、俺だって……!」


やよい「ふぇ?」


冬馬「お前は、ライバルだけど……その……」

冬馬「お前の事、な、仲間だって思ってるんだからなっ!」カァァ


やよい「……!」

やよい(なかま……)


翔太「……やよいちゃん、どうしたの?」


やよい「……」


冬馬「高槻……おい、どうした?」


やよい「………そうですよね?」ボソボソ


冬馬「?」


やよい「ありがとうございます、鬼ヶ島さんっ!」


冬馬「だ、だから鬼ヶ島じゃ……」


やよい「鬼ヶ島さんの、おかげですっ!」ニコッ


冬馬「……は?」


やよい「わたし、がんばりますっ!」

やよい(春香さん、みなさん……………伊織ちゃん!)


タタタタ…


冬馬「なんなんだよ、いったい……」

北斗「あの子も年頃だからね。秋の空ってやつじゃないかな?」

冬馬「ん?どういう意味だ?」

翔太「恋愛経験ゼロの冬馬君には、敷居が高いって事でしょ?」

北斗「うん、まあ……だいたいそんな感じだな」

冬馬「おい!俺にもわかるように話せ!」グイッ

翔太「ちょっと冬馬君、暴れないでよ〜!」

北斗「ははは、冬馬は元気だなぁ」


292: ◆bjtPFp8neU 2014/10/17(金) 22:11:27.18 ID:Mszy6BSFO
幻獣王の館 食堂

黒井「……どうだね?高槻やよい……」


やよい「はい!とーってもおいしいですっ!」


黒井「ふっふっふ……」

黒井(高槻やよい……私の力を見たか!)

黒井(さあ、私にひれ伏せ……)

黒井(そして、私の……)



黒井(私の…………なんだ?)



黒井(私はこの娘をどうするつもりだ?)

黒井(高木をおびき出すための人質?)

黒井(いや……そもそも高木は、ここに高槻やよいがいる事を知らないだろう)

黒井(ならば、何のために……?)

黒井(奴隷…コック……いや、違う……)

黒井(この娘は……)チラ


やよい「あ、鬼ヶ島さん、ごはんつぶがついてますよー?」スッ


冬馬「あっ……」


やよい「えへへ、鬼ヶ島さん、浩太郎みたいですっ!」ニコッ


冬馬「コータロー……?」

冬馬(競走馬かよ……)


黒井(……)

黒井(バカな……私は何を考えているんだ)



黒井(……………まるで、『母親』の様だ、などと……!)



黒井(王者は、常に孤独……?)

黒井(私は、いったい……?)




293: ◆bjtPFp8neU 2014/10/19(日) 01:17:51.31 ID:rMnjCX/pO
カイポの村の外

響「おーーーい!エン太郎ーーー!」

春香「エン太郎くーん!」

真「エン太郎ーー!」

千早「え、エン太郎ー……」ボソッ



ーーーシーン…ーーー



響「おかしいな……何回も呼んでるのに、全然来ないぞ……」

真「これだけ呼んでも来ないんじゃ、もう……」

響「そ、そんな事ないもん!……あ、そうだ、きっと道に迷ってるだけなんだ!」

真「響……気持ちはわかるけど……」

真「諦めて、バロンで違う飛空艇を探すっていう手もあるよ?」

千早「……その方が、現実的かもしれないわね」

春香「ちょっと、2人とも……!」

響「そんなぁ……!」グスッ

響「うぅ……これでお別れだなんて……」

響「自分、いやだぞー!」ポロポロ



真「……」

千早「……」



294: ◆bjtPFp8neU 2014/10/19(日) 01:37:22.10 ID:rMnjCX/pO

春香「……」


春香「……ねえ、響ちゃん?」

春香「エン太郎君、今は寝てるんじゃないかな?」

響「グスン……え?」

春香「ほら、もう夜遅いでしょ?だから、もう寝ちゃってて…」

春香「それで、響ちゃんの声に気づかないんじゃない?」

響「そ……そう、なのかな?」

春香「うん、きっとそうだよ!」

春香「だからさ、明日になったらまた、呼んでみようよ?」

響「そっか………うん、そうだな!」

響「えへへ……春香、ありがとな!」

春香「ううん……」

春香「さ、帰ろうよ、みんな」





真「ちょっと春香……あんな事言って、平気なの……?」ヒソヒソ

千早「私も、いくら我那覇さんがかわいそうだからって、ちょっと無責任じゃないかと思うわ」ヒソヒソ

春香「ご、ごめん……」

真「ま、ああでも言わなきゃ、響は一晩中呼び続けてたかもしれないけどね」

春香「うん………それにね」

春香「エン太郎君と響ちゃん、あんなに仲が良かったでしょ?」

春香「2人の絆を信じたいな……なんて思ったんだ」

真「……ダメだった時は、ちゃんと響を説得してよ?」

春香「…………うん」



響「おーい!早く帰るぞー!」



春香「あ、待って〜!」



296: ◆bjtPFp8neU 2014/10/20(月) 00:37:32.39 ID:r5/M8K5fO
バロンの町 酒場

ネミングウェイ「……それじゃあ、今日はこの酒場で頑張ってくれ」

ネミングウェイ「仕事の内容は……さっき教えた通りだ」


高木「うむ」


ネミングウェイ「オレさ、この仕事を全国展開するのが夢なんだ!」


高木「志を高く持つのは、とても素晴らしい事だよ」

高木「……わかった。私にできる限り、頑張ってみよう」


ネミングウェイ(……こいつ、態度でかいなぁ)

ネミングウェイ「じゃあ、オレはもう行くから、しっかり頼むな!」


スタスタ…



高木「……」

高木「行ってしまったね」

高木「それにしても……」

高木「まさか、この年でアルバイトをする事になるとはね……」

高木「まあ、路銀を稼がなくてはならないのも事実だ」

高木「それに、何かを始めるのに年齢は関係ないと言うし……」

高木「ふふ……若い頃を思い出して、頑張ってみようかね」



298: ◆bjtPFp8neU 2014/10/20(月) 01:02:55.80 ID:r5/M8K5fO

高木「やあ、そこの君。名前の変更はしないかね?」

客1「……は?何言ってんだあんた?」



高木「……名前の変更をするかね?」

客2「あ、間に合ってます……」



高木「名前の変更……」

客3「いりません!」



高木「……」

高木「うまくいかないものだねぇ……」


ネコ「にゃーん」スリスリ


高木「……おや」

高木「どこから迷い込んだのか……」

高木「そうだ、君。名前の変更をする気はないかね?」

ネコ「にゃーん?」

高木「なんて、ネコに言っても仕方なかったね」

ネコ「にゃーん……」クルッ


タタタタ…


高木「……ネコは気ままだねぇ。まるで今の私みたいだよ」


男「……それにしても、この国もようやく安心して住めるようになったなぁ」

女「悪い王様は、誰かがやっつけてくれたみたいだしね」


高木「……ん?」


男「ホント、ひどい王様だったよなぁ」

女「町中の若い女を取っ替え引っ替えだなんて、とんだ色欲魔よ……!」


高木(うーん、耳が痛いねぇ。操られていたとはいえ、私はそんな事をしていたのか……)

高木(それとも、私を殺そうとしたあの亀の仕業かな……?)


男「これでこの国も、平和になるな!」

女「そうも言ってられないんじゃない?」

男「……なんで?」

女「王様がいなくなって、今度は国を治める人がいないんだって」

男「そうか……近衛隊長のベイガンもやられちまったみたいだしなぁ」

女「赤い翼のハルカ様も、戦死されたって噂だし……」



高木「!」


299: ◆bjtPFp8neU 2014/10/20(月) 01:18:10.24 ID:r5/M8K5fO

高木(天海君が……?)

高木(そんなバカな……!)



高木(……そういえば、この世界に来たばかりの頃に、私は彼女に会ったっけなぁ)

高木(でも、確か……天海君は如月君と行動を共にしているはず……)

高木(あの聡明な如月君がついていて、そのような事になってしまうとは考えにくいが……)



高木(……黒井の動向も気になる)

高木(私は、いつまでも放浪しているわけにはいかないようだな)



男「……じゃ、そろそろ行くか!」

男「マスター、お勘定!」

女「あ、待って……」ゴソゴソ


高木(彼らには、もう少し話を聞きたい。追いかけよう)


スルッ……パサ


高木「ん……?」

高木「これは、あの女性のハンカチかな……?」スッ



300: ◆bjtPFp8neU 2014/10/20(月) 01:27:57.95 ID:r5/M8K5fO

高木「お嬢さん、ハンカチを落とされましたよ?」


女「え……?」ゴソゴソ

女「あら本当。ありがとうございます」ペコリ


高木「さ、どうぞ……」スッ



ネコ「にゃーん」



女「え!?」

男「ハンカチが……ネコになっちゃった?」


高木「あ……」

高木(しまった、ついクセで……)


ネコ「ゴロゴロ……」スリスリ

女「やーん、かわいい〜!」ナデナデ

男「あれ?でも、ハンカチは……?」


高木「ああ、それならもうお返ししたよ」

高木「男性の胸ポケットにね」


男「え?え?」ゴソゴソ

男「ほ、ホントだ……!」スッ

女「すごーい!あなた、ひょっとして魔道士の方ですか?」


高木「いやいや……」

高木「通りすがりのネミングウェイですよ、お嬢さん」



301: ◆bjtPFp8neU 2014/10/20(月) 01:43:14.44 ID:r5/M8K5fO

高木「それに、私が使ったのは『魔法』ではなく『マジック』だよ?」

男「マジック……?」

女「ねえねえ、他に何かできるんですか?」

女「ぜひ、見たいです!」

高木「ん……まあ、他にもネタはない事はないが……」

男「オレも見たいです!」

高木「……」

高木「仕方ないね、じゃあ、少しだけ……」




ザワザワ…

「……なんだ?人集りができてるぞ?」

「なんか、すごいおっさんがいるみたいだぜ!」

「魔法じゃないのに、ものが消えたり増えたりするんだって」

「へぇー、ちょっと見に行こうぜ」




高木「被せていた布を取ると……」バサッ

高木「ホラ、コップの中は……」

高木「コインが2枚に増えているねぇ」ニコッ



「おお、すげー!」

「10ギルコインが増えた!」

「素敵ー!」

「いいぞー!もっとやれー!」



高木(いつの間にか、ギャラリーがたくさん……)

高木(こういうつもりではなかったんだがねぇ)

高木(ま、みんな喜んでくれているみたいだから、良しとするかな)

高木(何かを忘れている気もするが……)



302: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 20:13:00.98 ID:yVSp2ZVxO
カイポの村 宿屋 食堂

真「……」フキフキ

千早「……」フキフキ

春香「……」フキフキ


響「ん〜、この汚れ、なかなか落ちないぞ……」ゴシゴシ


真「……ねえ、ボク達、なんで掃除してるんだっけ?」フキフキ

千早「帰って来てすぐに、美希に頼まれたからでしょ?」フキフキ

真「なんか、おかしい気がする……」

真「……っていうか、美希はどこに行ったの?」

千早「調理場の方へ行くって言っていたけど……」

真「美希、ひょっとしてボク達に掃除を押し付けてサボってるんじゃ……」


響「このー!」ゴシゴシ


春香「まあまあ、私達も食堂を使ったんだし、別にいいじゃない」

春香「みんなでやれば、すぐに終わるよ」

真「うーん、なんか納得いかないなぁ……」


響「……よし、落ちたぞ!」キュッ


春香「……さ、頑張って終わらせよ?」

千早「リーダー命令なら、仕方ないわね」クスッ

真「……だね!」ニコッ

響「春香が職権乱用してるぞ!」

春香「そ、そういうつもりじゃないってば〜!」



3人「あははははっ!」




303: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 20:27:20.19 ID:yVSp2ZVxO
バブイルの塔 ルゲイエの部屋

カチャカチャ…


??「ふひひ……!」


グチャ…


??「楽しい、楽しいぞぉ……!」


ベチャ…クチャ…


??「……やはり、人間は最高の玩具じゃ!」

ルゲイエ「なあ、そうは思わんか?」


エブラーナ王「」

エブラーナ王妃「」


??「そうか、言葉もないか……」

??「むふふ、すぐにしゃべれるようにしてやるから、待っておれよ?」


バルナバ「……ハカセ、楽シイ?」ギィ


??「ああ、最高の気分じゃよ……!」ニタァ


バルナバ「ハカセ、楽シイ!……ばるなば、嬉シイ!」ギィ


ガチャ…


ルビカンテ「……おっと」バキッ

ルビカンテ「ちっ……相変わらず、お前の部屋はごちゃごちゃしているな」

ルビカンテ「……ルゲイエよ」


ルゲイエ「る、ルビカンテ様っ!」

ルゲイエ「ど、どうされたので……?」ササッ


バルナバ「るびかんて様!」ギィ


ルビカンテ「バルナバ、久しぶりだな……」



304: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 20:46:36.17 ID:yVSp2ZVxO

ルビカンテ「エブラーナ王と王妃の死体が無くなっているんだが、ここへ来ていないかと思ってな」

ルゲイエ「!」

ルゲイエ「バカな……人間の死体が勝手に動くわけありますまい」

ルゲイエ「アンデッドなら、いざ知らず……」

ルビカンテ「ふん、そうだな……」

ルビカンテ「じゃあ、お前は知らぬのだな?」チラ

ルゲイエ「……」

ルゲイエ「はい。『死体』など、存じ上げませぬ」

ルゲイエ(『玩具』なら、ここにあるけどなぁ?)

ルビカンテ「……」

ルビカンテ(ならば、この部屋に充満する死臭はなんなのだ……)

ルビカンテ(ま、問い詰めたところで、いつものように屁理屈をこねて逃げるんだろうが……)

ルビカンテ(また、くだらん事を考えているのか)

ルビカンテ「まあいい……」

ルビカンテ「それより、ドワーフの戦車隊に苦戦しているようだが……?」

ルゲイエ「……心配無用ですぞ?」

ルゲイエ「巨大砲の完成は目前。巨大砲さえ完成してしまえば、ドワーフ共などゴミも同然にございます」

ルビカンテ「そうか……」

ルビカンテ「この塔には、リツコ様が集められた全てのクリスタルがある」

ルビカンテ「くれぐれも、ぬかるなよ?」

ルゲイエ「心得ておりますじゃ」

ルビカンテ「では、邪魔したな」クルッ


スタスタ…


ルゲイエ(ふん!脳筋バカが!)

ルゲイエ(ルビカンテさえいなければ、わしが四天王になっていたのに……!)


ルゲイエ(……まあいい)

ルゲイエ(今は、いずれここへ来るであろうあの小娘……エブラーナ王女をもてなす事を考えるとするか)


ルゲイエ「くふふ……!」



305: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 21:05:34.28 ID:yVSp2ZVxO
エブラーナの洞窟

伊織「よいしょ……っと!」グイグイ

伊織「よし、これで荷物は完璧ね!」



家老「……お嬢?いったい何をなさっておいでで?」

伊織「何って……見ればわかるでしょ?荷造りよ荷造り!」

兵士「……どこかへ行かれるのですか?」

伊織「そんなの、決まってるじゃない!」

伊織「このトンネルが繋がった今こそ、あの赤い悪魔をとっちめに行くのよ!」

家老「……まさか、お一人で?」

伊織「あったり前でしょ?」

伊織「この、スーパー忍者アイドル伊織ちゃんの実力なら、他人の力を借りるまでもないわ!」

伊織「ジイ、私がいない間、みんなの事頼んだわよ?」

家老「お嬢……」



兵士「……イオリ王女!我らも連れて行っていただけませんか!?」

兵士「城を追われ、民も殺され……今や我がエブラーナは、事実上の壊滅状態……」

兵士「我らとて、ルビカンテを憎む気持ちは王女と同じつもりです!」

兵士「王女だけは、決して死なせはしません!」

兵士「……どうか、我らを捨て石にお使いくださいっ!」



伊織「……………………はぁ」



306: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 21:28:56.41 ID:yVSp2ZVxO

伊織「ほんっっっっとに、バカね!」



兵士「お、王女……?」

伊織「あんた達が死んだら、誰がここを守るのよ?」

兵士「……」

伊織「……それに、最初から死ぬつもりで行くなんて、無能のやる事よ!」

兵士「し、しかし……国のトップを失うわけには……!」

伊織「大丈夫よ。私は、もう絶対に負けないわ」

伊織「意地でも、あいつをギャフンと言わせてやるんだからっ!」

兵士「そ、それなら我らも……」

伊織「聞きなさい」

伊織「国っていうのは、たくさんの歯車で動いているのよ」

伊織「その歯車がひとつ欠けただけで、国は回らなくなってしまうの」

伊織「それに引き換え、国のトップなんて、単なる飾りにすぎない」

伊織「いてもいなくても、国は歯車によって動いていくわ」

伊織「だから、『あんた』っていう歯車が欠ける事を、私は許さない」

伊織「ううん、もう、ひとつでも歯車は欠けさせない!」

兵士「!」

伊織「……ほら、わかったらさっさと行きなさい!」

兵士「お、王女……!」

伊織「歯車は歯車らしく、ちゃんと国に貢献しなさいよねっ!」

兵士「わかりました!」

兵士「オレ、王女に一生ついて行きますっ!」


タタタタ…


伊織「ふぅ……王女も楽じゃないわね」



307: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 21:44:36.73 ID:yVSp2ZVxO

家老「……お見事でしたぞ、お嬢!」

家老「さすがはこのエブラーナを背負って立つお方……。このジイめは、感動いたしました!」

伊織「ふん!このスーパー忍者アイドル、伊織ちゃんにかかれば……」

家老「そう!」ズイッ

伊織「ひっ!な、何よ、いきなり……」

家老「お嬢は、忍者なのです」

伊織「そう、らしいわね」

家老「よいですか?忍者とは、機動力が命!かつスタイリッシュに敵を殲滅せねばなりません」

伊織「ふーん……忍者って、そういうものなのね……」

家老「はい。ですから……」

家老「このような大きな荷物を背負って行くなど、言語道断!」ポイッ


ドサッ


伊織「あっ……ちょっと、何するのよ!その荷物、まとめるのに結構時間かかったんだから!」プンスカ

家老「先ほど申した通り、こんな荷物を背負っていては、せっかくの機動力が損なわれてしまいます」

伊織「まあ、そうかもしれないけど……だからって、何も持って行かないってわけにはいかないでしょ?」

家老「ふっふっふ……」ニヤリ

伊織「な、何よ……?」

家老「こんな時のために、お嬢に相応しいものを用意しておりますぞ?」

家老「少々お待ちを」


タタタタ…



308: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 22:31:22.54 ID:yVSp2ZVxO

伊織「あ、これ……」チャキッ

伊織「撮影とかで見たことあるわ。確か……手裏剣、だっけ?」

伊織(本物は、やっぱり重いわね……)

家老「その通りでございます」

家老「これを投げれば、遠くから獲物を仕留める事も可能ですぞ」

伊織「へぇ……なんだか、忍者っぽくなってきたわね」スッ


ヒュッ…ザクッ!


家老「ほう……さすがはお嬢。お見事ですな!」

伊織「と、当然でしょ!」

伊織(あれ?私、こんなにコントロール良かったかしら……?)

伊織(……ま、ゲームの世界だもの。考えても仕方ないわね)



家老「……もうひとつ、お嬢にお渡しするもの、いえ、技術がございます」

伊織「……何よ?」

家老「先ほど、荷物はいらないと申したのは、もう一つ理由がありまして……」

家老「忍者は、物資を現地調達するものなのです」

伊織「現地、調達……?どういう事?」

家老「なに、簡単な事です」

家老「それは……」ゴニョゴニョ

伊織「ふむふむ……」



伊織「…………は?」




309: ◆bjtPFp8neU 2014/10/22(水) 22:53:41.75 ID:yVSp2ZVxO
バブイルの塔 B2F

伊織「はっ!」ササッ


魔物「……ガウ?」


伊織「ちっ……またポーションとかいう薬じゃない……」

伊織「確かに便利なんだけどね……」


魔物「ガウァー!」ガバッ


伊織「……ふんっ!」ブンッ


ヒュッ…ザクッ!


魔物「」




伊織「……まったく」

伊織「現地調達って何の事かと思ったら……」

伊織「人様のものを『盗む』なんて、犯罪じゃない!」

伊織「ジイのやつ、この伊織ちゃんに何やらせてんのよ!」

伊織(ま、実際は人じゃなくて化け物から盗むわけだけど……)



伊織「ポーションも増えてきたわね……」チラ

伊織「もっといいもの持ってる化け物はいないのかしら?」

伊織(……)

伊織(私……なんか独り言が増えた気がする)

伊織(……それもこれも、誰も私を見つけないのが悪いのよっ!)



伊織(プロデューサーのバカっ!)

伊織(早く迎えに来なさいよねっ!)





316: ◆bjtPFp8neU 2014/10/23(木) 21:36:06.92 ID:vNwLGiHLO
カイポの村 宿屋 3号室

ガチャ…


響「……お邪魔するぞー」

千早「こんばんは」


真「あれ?どうしたの?」

真「2人の部屋は2号室じゃなかった?」

響「なんか、お客さんが来たから移動してくれー、って言われたんだ」

真「そっかぁ」

千早「やっぱり、4人もいると、少し狭いわね」

真「まあ、あずささんもいるからね」チラ

あずさ「……」

響「まだ、起きないのか……」

真「うん……」

真「亜美、真美、雪歩……それに、プロデューサーと律子」

真「みーんな、バラバラになっちゃったね……」

響「それに、貴音と伊織もまだ見つかってないしな……」


千早(2人とも、ちょっと暗いわね)

千早(こんな時、春香ならどうやって2人を元気づけるかしら……?)

千早(……よし)

千早「いつもは元気な2人が、どうしたの?」

千早「大丈夫よ。私達が力を合わせれば、きっとみんな無事に帰れるわ!」ニコッ

響「千早……」

真「……」

千早「あ、えっと……」

千早(春香みたいに、うまくいかないか……)

千早(人を元気づけるって、難しいわ……)



317: ◆bjtPFp8neU 2014/10/23(木) 21:51:50.24 ID:vNwLGiHLO

真「…………プッ!」

真「あははっ!」

千早「な、何?私、何かおかしい事言ったかしら……?」

真「いや……キャラじゃないなぁ、って思ってさ」

千早「そう……よね」

真「あっ、ごめん!悪い意味じゃないからね?」

真「……千早はさ、ボク達を冷静に見守ってくれてるっていうか……いざという時に頼りになるっていうか……」

真「そんな風にボク達を励ますのは、春香の仕事かなって」

千早「……」

真「あ、ひょっとして、春香の影響かな?」

千早「そ、そういうわけじゃ……た、ただ、春香なら、どうするかなって……」

真「……いい傾向だと思うよ?」

千早「……そ、そう……かしら?」


響「千早ー!」ガバッ

千早「きゃ……!」ヨロッ

響「前向きな千早も、可愛いと思うぞー!」ダキッ

千早「が、我那覇さん……」

響「自分、嬉しいんだ!千早に、笑顔が増えて!」

千早「あ、ありがと……///」


千早(……次は、みんな揃って笑いたいわね)



318: ◆bjtPFp8neU 2014/10/23(木) 22:14:08.35 ID:vNwLGiHLO
カイポの村 宿屋 1号室

ものまね士(……今日は、店主さんとたくさんお話したなぁ)

ものまね士(なんか、新鮮だった)

ものまね士(今までは、まるで結婚何十年目の夫婦のように、大した会話も無かったものね)

ものまね士(…………ふ、夫婦って、私ったら……)

ものまね士(ああ、私、やっぱりどこか悪いみたいね)

ものまね士(エスナも効いてないみたいだし……)


春香「そういえば、ものまね士さんは、バロンに帰ろうとは思わないんですか?」

ものまね士「……へ?」

ものまね士「あ、ああ……もちろん、帰りたい気持ちもあるんですけど……」

ものまね士「私、研究所を勝手に出て来ちゃったんですよね……」

春香「そうだったんですか……」

美希「……」

ものまね士「だから、今さら帰っても、居場所があるかどうか……」

ものまね士「それに、今のバロンはとても治安が悪いってお客さんが言ってたんです」

ものまね士「なんでも、王様が町中の『若い』女性を連れ去っているとか……」

ものまね士「そんなところに帰ったら、私なんてすぐにさらわれちゃうじゃないですか?」

春香「……」

春香「ああ、そうですよね」

ものまね士(間があった……)

春香「あれ?でも、その悪い王様なら、私達がやっつけたと思いますよ?」

ものまね士「ホントですか?さすがはハルカ様!正義の味方ですね」

春香「いや、そんなんじゃないですよ……」

春香「……でも、もしバロンへ帰るんでしたら、私達が送って行きましょうか?」

春香「って言っても、エン……じゃなかった、飛空艇が帰って来なければ、徒歩になっちゃいますけど」

ものまね士「うーん、そうですね……」

ものまね士「白魔法の研究も中途半端だし、お願いしようかな……?」



美希「……じゃあ、店長さんの事はどうするの?」



319: ◆bjtPFp8neU 2014/10/23(木) 22:33:17.50 ID:vNwLGiHLO

ものまね士「ミキさん……?」

春香「美希、起きてたんだね」

美希「ファンの人、店長さんの事………好き、なんでしょ?」

春香「えっ?そ、そうなんですか?」

ものまね士「……!」カァァ

ものまね士「な、何を言って……!」ガタッ

ものまね士「そ、そんなわけないの!」ドキドキ



ものまね士「あんな、優しくて、気がきいて、お料理も上手で、掃除洗濯もちゃんとできて、子供みたいに可愛いらしく笑うけど、結構鈍感で、たまーにデリカシーが足りない人なんて………全っ然興味ないのっ!!」



春香「え、えっと……」

美希「…………ふーん?」

ものまね士「……あ、あれ?」


美希「あはっ!店長さんの事、よーくわかってるんだね?」

春香「うん、細かいとこまで説明してくれたねぇ……」



ものまね士「……ううん」

ものまね士「わからないの……」

美希「?」

ものまね士「店主さんの事を思うと、胸の奥が、チクッて……」

ものまね士「何かの病気かと思ってたんだけど……」


美希「ミキ的には、それは……恋の病だって思うな!」

ものまね士「鯉の病……ですか」

春香(……ものまね士さん、恋ですよ、恋!)



320: ◆bjtPFp8neU 2014/10/23(木) 22:52:16.27 ID:vNwLGiHLO

ものまね士「私、どうしたらいいの……?」

美希「とりあえず、店長さんの側を離れちゃダメなの!」

美希(ミキだって、ホントは……)

ものまね士「そ、そうなの……?」

春香「確かに、好きな人とは……離れたくないって思うよね」

春香(美希、プロデューサーさんの事、考えてるのかな……?)

美希「うん」

美希「想像してみたら、わかると思うな」

美希「店長さんと、離ればなれになる事を……」

ものまね士「離ればなれに……」

ものまね士「……」

ものまね士「………………寂しい、です」

美希「でしょ?だったら……」

美希「ファンの人は、ばろんに帰る必要なんてないって思うな」

ものまね士「でも、研究が……」

美希「そんなの、どっちが大切かなんて、明白なの!」

春香「美希……それは、ものまね士さんが決める事だよ?」

美希「そうだけど……」

美希(ミキなら、絶対離れないのに……)


ものまね士「どうしよう……決められないです……」

春香「……難しいですよね」

春香「でも、どういう答えを出すにしろ、私達は、ものまね士さんの味方ですよ!」

美希「もちろんなの!」

ものまね士「ハルカ様、ミキさん……!」

ものまね士「あ、ありがとうございます……!」ウルッ



美希「よーし、今夜は女3人で語り明かすの!」

春香「それはさすがに……まずいんじゃないかな?」

ものまね士「ふふふ……!」



321: ◆bjtPFp8neU 2014/10/23(木) 23:19:10.45 ID:vNwLGiHLO
カイポの村 宿屋 食堂

真「おはようございまーす!」

店主「おー、おはよう!マコト、朝から元気だな!」

真「そうですか?普通ですよ?」

店主「うんうん、元気があるのはいい事だ」

店主「それに比べて……」チラ


春香「眠い……」ウトウト

ものまね士「あ、マコトさん……おはようございます……」


真「2人とも、疲れてる?」

春香「えへへ、ちょっと夜更かししちゃって……」

ものまね士「私なんて、一睡もできませんでした……」

真「ええっ?大丈夫ですか?」

ものまね士「はい、なんとか……」

店主「なんだ、調子悪いのか。朝食作るの、手伝ってもらおうと思ったんだが……」

店主「少し、寝てきたらどうだ?」

ものまね士「いえ、大丈夫です!」ガタッ

店主「でも、顔色良くないぞ?」

ものまね士「大丈夫ですから!是非、手伝わせてください!」

店主「あ、ああ……そこまで言うなら……」



春香「ものまね士さん……」ヒソヒソ

春香「答え、出ました?」ヒソヒソ

ものまね士「ええ、おかげさまで」ヒソヒソ

春香「どうするんですか?」ヒソヒソ

ものまね士「ここで、白魔法の研究をする事にしました」ヒソヒソ

春香「なるほど……考えましたね」ヒソヒソ

ものまね士「はい。一晩中悩みましたから」ヒソヒソ



店主「あの2人、ずいぶん仲良くなったみたいだなぁ」

真「そうみたいですね」



322: ◆bjtPFp8neU 2014/10/23(木) 23:32:19.18 ID:vNwLGiHLO

春香「そういえば、千早ちゃんと響ちゃんは?」

真「千早は、あずささんについててもらってる。いつ起きるかもわからないし」

真「響は、ボクが起きたらもういなかったけど……」

店主「……ああ、ヒビキなら、朝早くに出かけたぞ?」

店主「誰かを呼びに行く、って言ってたな」

春香「……そっか、エン太郎君を呼びに行ったんだね」

真「響……そんなに心配なのか」

真「ボク、昨日は響にひどい事言っちゃったかな……」

春香「うーん、響ちゃんは気にしてないと思うけど……」

真「……」

真「ボク、響を探してくる!」

春香「真……私も行くよ!」

真「うん。ありがと、春香」



店主「朝食の用意してるから、早めに帰って来いよな」


春香・真「はーい!!」



326: ◆bjtPFp8neU 2014/10/26(日) 21:31:52.59 ID:XAMhgCGSO
カイポの村の外

トントントン…


響「……ふぅ」

響「よし、ここはこれでいいかな」

響「あとは……」キョロキョロ

響「あ、あそこも、だいぶ傷ついてるみたいだ」


タタタタ…


響「えーと、これを直すには……」ペラッ

響「ふむふむ……」

響「……」

響(それにしてもエン太郎、ずいぶん傷ついたなー……)



響「エン太郎、帰って来てくれてありがとな!」

響「もう、絶対に離れないからな!」

響「ちゃんと直してあげるから、ちょっと待ってるんだぞ?」



真「……おーい!響ー!」

春香「響ちゃーん!」



響「あ、真と春香だ!」

響「おーい、ここだぞー!」



327: ◆bjtPFp8neU 2014/10/26(日) 21:47:05.37 ID:XAMhgCGSO

真「ちゃんと、戻って来たんだね……」

真「エン太郎、偉いなぁ」

春香「ホントだねぇ」

春香「きっと、響ちゃんの想いが通じたんだよ!」

春香「良かったね、響ちゃん!」

響「うん、まあ良かったんだけど……」

響「春香の言った通りだったぞ」

春香「え?」

響「エン太郎、あの塔で待ちくたびれて寝てたんだってさ」

春香「ほ、ホントに寝てたの?」

真「飛空艇って、寝るんだね……」

響「そりゃあ、船だって疲れて眠くなる事もあるさー」

真「そういうもんかな?」

春香「まあ、ゲームの世界だし、そんな事もあるかもね」


真「あ、そうだ響……」

真「……ごめん!」ペコリ

響「真、どうしたんだ?いきなり……」

真「ボク、昨日の夜、響の気持ちも考えないでひどい事言っちゃった」

真「諦めて代わりの船を探した方がいい、なんて……」

響「ああ……」

響「なんだ、そんな事かー」

響「なんくるないさー!自分、全然気にしてないぞ?」ニコッ

響「こうしてエン太郎も帰って来てくれたし」

響「だから、この話はもう終わり!」

真「……うん、わかった」

真「響、ありがとう!」

春香「良かったね、2人とも」

春香(……さて、エン太郎君も無事帰って来てくれたし、そろそろ出発しなきゃだね)



328: ◆bjtPFp8neU 2014/10/26(日) 22:05:51.22 ID:XAMhgCGSO
カイポの村 宿屋

店主「……もう、行くのか」

春香「はい。飛空艇も無事戻って来ましたし、私達には、まだまだやる事がありますから」



春香「本当に、お世話になりました!」ペコリ

春香「店主さんとものまね士さんには、お世話になりっぱなしで、なんてお礼をすればいいか……」

ものまね士「ハルカ様、気になさらないでください」

店主「そうだぞ?前にも言ったが、困った時は、お互い様だ」

店主「それにさ、ハルカ達を見てると……なんだか、元気をもらえるんだよなぁ」

店主「だから、お礼ならもうたくさんもらってるんだ」

店主「オレ達の事は気にせず、しっかり前に進んでくれよな!」

春香「店主さん……!」グスッ

店主「ほら、泣くなよ。可愛い顔が台無しだぞ?」

店主「……って、これも前に言った気がするな」

春香「はい……!」グスッ

ものまね士「ハルカ様……!」

真「ありがとうございました!」

響「2人の事は、絶対に忘れないからなー!」

店主「ははっ、マコトとヒビキも元気でな!」

千早「大変お世話になりました」ペコリ

店主「チハヤ……あんたはずっと真面目だったな」

店主「こんなやつらと一緒にいるんだから、少しぐらいハメをはずしたっていいと思うぞ?」

千早「そうですね……考えておきます」

あずさ「……」

店主「……このアズサって娘も、早くよくなるといいな」



329: ◆bjtPFp8neU 2014/10/26(日) 22:26:28.73 ID:XAMhgCGSO

美希「店長さん。彼女の事、ちゃーんと大切にしないとダメだよ?」

ものまね士「ちょ、ちょっとミキさん……!」グイッ

店主「彼女?ああ、ものまね士の事か?」

店主「心配いらないだろ?身体は丈夫みたいだし」

ものまね士「……」

美希「……やっぱり、店長さんはハニーと同じで鈍感なの」

美希「こういうタイプには、どんどんアピールしないとダメだって思うな」

ものまね士「そ、そうなの……?」

美希「頑張ってアピールしてね?」

美希「ミキの……影武者さん!」

ものまね士「影武者って、私の事……?」

美希「うん!」

美希「昨日初めてミキのものまね見たけど……」

美希「びっくりしたの!まるで、自分がしゃべってるみたいだった」

美希「だから、あなたは今日からミキの影武者さんね?」

響「良かったなーものまね士!本人からお墨付きがもらえて!」

真「影武者かぁ……ボクも欲しいなー」

春香「今度から、影武者さんって呼ばなきゃね」

千早「努力の賜物ですね」

ものまね士「は、はぁ……」

ものまね士(名誉なのか不名誉なのか……)

店主「なんだかよくわからんが、良かった……のか?」



330: ◆bjtPFp8neU 2014/10/26(日) 22:47:57.96 ID:XAMhgCGSO

春香「……じゃあ、行きますね?」

店主「うん」

店主「元気でな!……気が向いたら、顔を見せに来てくれよな!」

ものまね士「みなさん、どうかお身体に気をつけてくださいね?」



5人「さようならーー!!」


スタスタ…





ものまね士「なんだか、不思議な人達ですよね」

店主「ああ、そうだな……」

ものまね士「……」

ものまね士「あ、あの……店主さん?」

店主「ん?どうした?」

ものまね士「私の話、聞いてくれませんか?」

店主「なんだ、急に……」

ものまね士「私達って、お互いの事、全然知らないじゃないですか?」

ものまね士「だから、店主さんに私の事も知ってもらおうと思って……」

店主「……」

ものまね士「い、嫌ですか……?」

店主「……そんな事はないさ」

店主「確かに、あんたの言う通りかもな」

店主「オレ達は、もう少しお互いの事を知ってもいいのかもしれない」

店主「……………………生涯の伴侶になるかもしれないしな」ボソボソ

ものまね士「え?何か言いました?」

店主「いや、独り言だよ」

店主「さ、話の前に仕事だ仕事!ほら、行くぞ!」


スタスタ…


ものまね士「あっ……ちょっと待ってくださいよー!」


タタタタ…



331: ◆bjtPFp8neU 2014/10/26(日) 23:09:32.72 ID:XAMhgCGSO
バロン城 造船所

亜美「なんでダメなのさ〜?」

技師1「君達みたいな子供に乗りこなせるものじゃないんだよ」

技師1「飛空艇の操縦の仕方なんて、わからないだろ?」

真美「真美知ってるよ?」

真美「Aボタンで乗り降りで、十字キーで移動でしょ?楽勝だってば!」

亜美「あ〜、確かそんな感じだったね〜」

P(いや、それはホントのゲームの話だろ……)


技師2「な、なんで子供が飛空艇の操縦の仕方を知っているんだ?」

真美「えっ?」

亜美「えっ?」

P(えっ?)


技師2「確かに、君の言う通りのやり方で操縦できる飛空艇もあるけど……」

P(……あるのかよ)

技師2「でも、ダメなんだ」

技師2「法律で、18歳以上でないと飛空艇を操縦できない事になってる」

P(車の免許みたいなものなんだな……)

亜美「あ、大人ならいるよ?」

技師1「……どこに?」

亜美「ホラ、ここだよここ!」スッ

技師1「いや、誰もいないよ?」

P「亜美、俺はゲームのキャラには見えないって言ったろ?」

亜美「あ……そっか」


技師2「……とにかく、君達だけじゃだめだ」

技師2「どうしても、と言うなら、お父さんかお母さんを連れて来なさい。話はそれからだよ」

P「亜美、真美。ここは一旦出直そう」

真美「む〜……兄ちゃんがそういうなら……」

亜美「すんごい大人を連れて来て、絶対ギャフンと言わせてやるかんね!」



332: ◆bjtPFp8neU 2014/10/26(日) 23:43:28.55 ID:XAMhgCGSO
バロンの町

P「2人とも、すまない。俺が役に立てなくて……」

真美「兄ちゃんのせいじゃないっしょ……」

亜美「まさか○○○だったとはね〜」



P「しかし、大人か……」

P「俺以外に18歳を超えてるのは……律子ぐらいか?」

真美「りっちゃんは……さすがに連れて来れないよね〜」

亜美「こんな時、ピヨちゃんか社長がいればな〜」

P「音無さんか社長……?」

P「そうか、社長なら……いや、でも……」

真美「兄ちゃん、ピヨちゃんと社長もこの世界に来てるのかな?」

P「……社長には、この世界で会ったな」

真美「じゃあ、社長を連れて来れば……」

P「居場所がわかれば、そうしたいんだけどな」

真美「そっかぁ……」

亜美「ねえ兄ちゃん。ちょっと気になったんだけどさ」

亜美「ピヨちゃんには、まだ会ってないの?」

P「音無さん?会ってないけど……」

P「音無さんは、来てないんじゃないか?」

亜美「そ〜かなぁ?社長がいるなら、ピヨちゃんもこの世界にいてもおかしくないと思うんだけどね」

P「ん……言われてみればそうだな」

P(こういう時って、音無さんは留守番っていうイメージが強かったからなぁ……)

P「だけど、音無さんはいったい何の役なんだろうな」

亜美「……ひょっとして、ラスボスだったりして?」

真美「うひゃ〜、ピヨちゃんを倒さないと元の世界に帰れないってか〜」

P「ははは、そんなバカな」

真美「でも、ピヨちゃんがラスボスだとしたら手強そうだよね」

亜美「うん。なんかありえない手とか使ってきそう」

P「おいおい、いない人の悪口はどうかと思うぞ?」

亜美「いやいや、褒めてるんだよ〜」

真美「そうそう、ピヨちゃん、ゲームとか詳しそうだし……」

真美「このゲームだって、絶対やった事あるっしょ」

P「うーん、確かにな……」




P「……そろそろ昼だな。メシでも食いながら、作戦を立て直すか?」

亜美・真美「さんせ〜!!」





334: ◆bjtPFp8neU 2014/10/27(月) 21:45:11.89 ID:tZp+cwJiO
飛空艇

ババババババ…


美希「感じる……」

美希「………ハニーがどんどん近づいてるのがわかるの!」

美希「響!ちょっと方向がズレてるの!右向け右!」

響「えっ?わ、わかったぞ!」

響「エン太郎、右90度旋回だ!」グイッ



ブォン…



春香「わっ……と」ヨロッ

真「美希、ホントに大丈夫なの?」

美希「うん、間違いないよ。この先に……ハニーがいるの!」

千早「便利な感覚ね」

春香「便利だけど、ちょっと恐いかな……」




美希「……あ、多分あのお城だよ!」スッ

春香「ん……?あのお城、どこかで……」

千早「この地形……ひょっとしてバロンじゃないかしら?」

春香「あ、そうかも」

真「なーんだ、また戻って来たのかぁ」



響「よーし、着陸するぞー!」



335: ◆bjtPFp8neU 2014/10/27(月) 22:09:28.18 ID:tZp+cwJiO
バロンの町

春香「……さて、どうしよっか」


響「春香。自分、ちょっと弟子の所に行って来てもいいかな?」

春香「どうしたの?」

響「エン太郎の怪我が、まだ完璧に直ってないんだ……」

響「だから、相談しに行って来るぞ!」

真「エン太郎の事は、響に任せた方が良さそうだね」

春香「わかった。じゃあ、待ち合わせ場所を決めないと」

千早「宿屋でいいんじゃないかしら?」

響「宿屋ね、わかった」

響「じゃあ、行って来るぞ!」


タタタタ…


美希「ミキは、ハニーを探しに行くね?」ウズウズ

春香「そうだね。プロデューサーさんの事は、美希に任せるよ」

千早「美希ひとりじゃ心配だから、私も行くわ」

真「千早が一緒なら、安心だね」

美希「千早さん、早く行こ?」グイッ

千早「わ、わかったから……引っ張らないで」

春香「じゃあ、私と真は宿屋を探そうか」

真「そうだね」

あずさ「……」

春香(ホントは、私もプロデューサーさんを探しに行きたいけど……)

春香(真はあずささんを背負ってるし、真ひとりじゃ大変だよね)



千早「それじゃ……」

春香「うん。またあとでね」


スタスタ…



336: ◆bjtPFp8neU 2014/10/27(月) 23:31:21.18 ID:tZp+cwJiO
バロン城 造船所

響「……女の子2人組?」

技師1「ええ。まだ年端もいかない娘が2人来ましてね」

技師1「いきなり、『飛空艇を貸してくれ』なんて言われまして……」

響「それで、どうしたんだ?」

技師1「もちろん、断りましたよ」

響「1隻くらい貸してあげればいいのに。以外とケチだなー」

技師1「オレ達も、慈善でやっているわけではありませんし」

技師1「それに、18歳未満は飛空艇を操縦できないんですよ」

響「ふーん、そうなのかー」

響「……………ん?」

響「自分、まだ16歳だけど……飛空艇を操縦してもいいのか?」

技師1「何言ってるんですか?娘さんがいるのに、親方が16歳なわけないでしょ?」

響「う……!」

響「た、確かに、自分には娘がいる事になってるみたいだけど……」

響「ほ、ホントに自分、まだ16なんだってば!」

響(あ、そうだ、学生証………)

響(…………カバンの中だ。事務所に置いて来ちゃったぞー)

技師1「まあ、女性はいつでも若く見られたがりますからねー」

技師1「親方の気持ちも、わかりますよ」

響「うぅ……ホント、なのにぃ……グスッ」

技師1「あっ……」


ガチャ…


技師2「親方、エンタープライズを見て来たんですが……」



響「ひ、ひどいぞ……ヒック……じ、自分……ホントに……っ」ウルッ

技師1「お、親方、言い過ぎました!謝りますから……」

技師2「な、何があったんだ……?」





338: ◆bjtPFp8neU 2014/10/27(月) 23:49:16.78 ID:tZp+cwJiO

技師1「……親方、本当にすみませんでした!」ペコリ

響「うん。もう気にしてないぞー」

響「そのかわり、もう年の話は無しだからな?」

技師1「は、はい!肝に命じます!」



技師2「あの、親方……」

技師2「エンタープライズを見て来たんですが……」

響「うん。どうだった?」

技師2「親方の処置、なかなかでしたよ。ちゃんと基本通りに修理してありました」

響「へへ、自分、完璧だからな!」

技師2「……ですが」

技師2「かなり強い衝撃に巻き込まれたみたいですね」

技師2「通常の飛行なら、今のままでも問題はないと思いますが……」

技師2「もし、これ以上無茶な飛行をされるんでしたら、『ミスリル』で補強された方がいいですね」

響「ミスリルかぁ……こういうファンタジーものの、お約束だな!」

技師2「え?」

響「な、なんでもないぞ?」

技師2「ちなみにミスリルは、このバロンより遥か東の島にある、ミスリル鉱山でしか採れません」

響「へぇ、そうなのかー」

技師2「まあ、船が深刻な状態ってわけではありませんので、ミスリルの事は、頭の隅にでも入れておいてください」

響「そっか、わかった!」




響「じゃあ、自分はみんなの所に戻るから」

響「2人とも、ありがとな!」


スタスタ…



340: ◆bjtPFp8neU 2014/10/28(火) 20:34:09.50 ID:KwKjymRVO
バロンの町 宿屋

春香「……そういえば、町の入口にいた白馬、可愛いかったねー?」

真「そうだね。どことなく、気品があるというか……」

真「どんな人が乗ってるんだろうね?」

春香「きっと、どこかの王子様じゃないかなぁ?」

真「ベタだなぁ……」

春香「でもさ、白馬の王子様って、ちょっと憧れない?」

真「んー、そうでもないかな?」

真(……ホントは、すっごく憧れるけど)

春香「あ、でも、真が乗っても似合うと思うよ?」

真「もー、そういうネタはたくさんだよ……」

春香「あはは、ごめんごめん」



春香「……さて、とりあえず部屋は確保できたけど」

春香「ヒマになっちゃったね?」

真「……ボクは、みんなを待ってる間筋トレでもしてようかな?」

春香「そっか」

春香「私も、筋トレしてようかな……」



「……やあ、そこのお嬢さん達。名前の変更をしないかね?」



春香「えっ?」クルッ

真「ん?」クルッ



341: ◆bjtPFp8neU 2014/10/28(火) 20:52:37.79 ID:KwKjymRVO
バロンの町 レストラン街

千早「美希、こっちでいいのね?」

美希「うん!」

美希「もう、目と鼻の先だって思うな!」

千早「そう……」

千早「それにしても、いい匂いがするわね」

美希「きっとハニーは、ここでお昼ご飯食べてるの!」

千早「そういえば、もうお昼なのね」



ガチャ…



「ふぅ……食った食った」

「余は満足じゃ〜……」

「おいおい、2人ともおっさん臭いぞ?お前達は一応アイドルなんだからな?」



美希「あっ!!」

千早「あ……」


亜美「おや?」

真美「あれは……!」

P「ん?どうした……?」


タタタタ……ダッ!


美希「ハーーニーーーーッ!!」ダキッ

P「モガッ!」ヨロッ

美希「会いたかったのー!」ギュッ

P「そ、その声は……美希か?な、何も見えない……!」

P(……っていうか、顔に、でっかいマシュマロが……!)


亜美「ミキミキー!」

真美「千早お姉ちゃん!」

千早「亜美、真美……?あなた達は、確か……」




342: ◆bjtPFp8neU 2014/10/28(火) 21:11:21.47 ID:KwKjymRVO

亜美「んっふっふ〜!地獄の底から、舞い戻ったんだよ〜!」

真美「双海姉妹の活躍は、もうちっとだけ、続くのじゃ!」

千早「よくわからないけど……本当に良かったわ!」

P「ん……?千早もいるのか?」

P「美希、前が見えないんだが……」

美希「だーめっ!もう離さないの!」ギュッ

千早「それにしてもプロデューサー、いつの間に人間に?」

真美「それはね?悪魔に魂を……」

P「売ってないからな?」

亜美「満月の夜にだけ……」

P「今は昼だろ!」

千早「ま、まあ、詳しい話はあとで聞くとして……」

千早「とりあえず、宿屋へ行きましょう」

千早「春香達が待っているわ」

亜美「……だってさ!ミキミキ〜、兄ちゃん、行こうよ〜」

P「あ、ああ、そうしたいんだが……」

真美「……真美が手を引いてあげるよ」スッ

P「ああ、そうしてくれると助かる」

美希「真美、ありがとうなの!」

真美「ミキミキ……離れる気はないんだね……」

真美(ミキミキも、兄ちゃんに会いたかったんだよね……)

真美(真美は、兄ちゃんと一緒にいる時間が多かったから……)

真美(……ちかたないね)



343: ◆bjtPFp8neU 2014/10/28(火) 21:28:45.04 ID:KwKjymRVO
バロンの町 宿屋

春香・真「……社長!!」



高木「おや……?」

高木「誰かと思ったら、天海君に菊池君じゃないかね!」

高木「いやぁ良かった!君達は無事だったんだねぇ」

春香「はい」

春香(いつもの社長だ……)

春香(もう、操られてないみたいだね……)

高木「ところで、君達はなぜここに?」

真「ボク達、プロデューサーを探しに来たんです」

高木「そうか……じゃあ、彼もこの町にいるのかね?」

春香「たぶん……」

春香「美希が、プロデューサーさんを連れて来ると思うので、みんなが集まるのを待ちましょう」

真「ボク達、この宿屋に部屋を取ってあるんです」

高木「わかった。ならば、待つとしよう」

真「……ところで社長?」

真「さっき、名前がどうのって言ってましたけど……」

高木「ああ……今、ちょっとしたアルバイトをしていてね」

春香「ええっ!?社長が、アルバイトを……?」

高木「うむ。人に新しい名前を付ける仕事だよ」

真「変わった仕事ですねー」


ガチャ…



344: ◆bjtPFp8neU 2014/10/28(火) 21:49:39.64 ID:KwKjymRVO

千早「……春香、真、連れて来たわ」


春香「あっ、千早ちゃ……」


亜美「はるるん、まこちん、お久〜!」

P「ま、真美……ゆっくりな」ソローリ

美希「〜〜♪」ギュッ

真美「んも〜、兄ちゃんは子供みたいだね」グイッ


真「あの合体ロボみたいなのがプロデューサーかなぁ?」

春香「そ、そうだね、きっと……」

春香(美希……ま、こうなると思ってたけど)



千早「……あら?奥にいるのって……」

高木「やあ、みんな元気だったかい?」

美希「あはっ!社長までいるの!」

P「えっ?社長?……美希、ちょっとだけ降りてくれないか?」

美希「ちぇっ……わかったの」ピョコン

亜美「社長〜!噂をすれば……ってやつですな〜」

真美「これで、飛空艇はもらったも同然ですな〜」

千早「我那覇さんは、まだ帰って来てないのね」

春香「そうだね、あとは響ちゃんで……」


ガチャ…


響「みんなー!いるかー?」

響「……って、あれ?なんだか人が増えてるぞー!」

亜美・真美「ひびきん!」

P「……春香、これで全員か?」

春香「はい」

P「じゃあ、話を始めましょうか」

高木「うむ」



345: ◆bjtPFp8neU 2014/10/29(水) 00:36:50.06 ID:ALL5YPKVO
バブイルの塔 B5F

律子「……」

律子(せっかく、うまく行くと思ったのに……)

律子(あの発作は小鳥さんの仕業だったのね)

律子(小鳥さんの支配下から逃れない限り、勝ち目はない……か)

律子(……春香達に託すしかないのかしら)




ルビカンテ「……リツコ様、気分はどうですか?」

律子「あ……ええと、あなた、ルビカンテ……だったかしら?」

ルビカンテ「はい」

律子「ありがとう。今は……少しはマシよ」

ルビカンテ「そうですか……」

ルビカンテ「……ここへ来られた時のリツコ様は、まるで精気が感じられなかった」

ルビカンテ「いったい、ゾットで何が?」

律子「……」

律子「ちょっと、予想外の邪魔が入ってね。私の『目的』からは、遠のいてしまったわ」

ルビカンテ「クリスタルは順調に集まっていますが?」

律子「そうね。だけど……私にとってクリスタルなんてただの手段でしかないの」

律子「私はただ、私を取り戻したいだけなのよ!」

ルビカンテ「……」

律子「あ……ごめんなさい。急に大声出したりして」

ルビカンテ「お気になさらず」

ルビカンテ「しかし……ならば尚更、早急にクリスタルを集めねば」

ルビカンテ「地底のクリスタルも、残すところあと2つ。しらみつぶしに探せば、すぐに見つかりましょう」

律子「……クリスタルの事は、あなたに任せるわ」

律子「少し、休ませてもらうわね」


スタスタ…


ルビカンテ「……」

ルビカンテ(やれやれ、何があったかわからないが、我が主はすっかりやる気を削がれたみたいだな)

ルビカンテ(ふっ、やる気があるのは……マッドサイエンティストだけか)

ルビカンテ(オレもあまり気乗りはしないが、主の命とあらば、動かないわけにはいかないな)

ルビカンテ(……本当のリツコ様、か)

ルビカンテ(見てみたい気もするな)


ガチャ…


魔物「ルビカンテ様、侵入者です!」


ルビカンテ「……何?」



346: ◆bjtPFp8neU 2014/10/29(水) 00:55:18.23 ID:ALL5YPKVO
月の中心核

小鳥「ふぅ……」

小鳥「ちょっとやり過ぎちゃったかな」

小鳥「律子さんもあずささんも、怒ってるわよね……」

小鳥「あずささんと千早ちゃんには、正体バレちゃうし……」

小鳥「完璧に演じたと思うんだけどな」

小鳥「……」

小鳥「でも、スカルミリョーネがあずささんを助けるなんて思わなかったなー」

小鳥「バルバリシアも、なんだか美希ちゃんと怪しかったし……」

小鳥「四天王まで味方に付けるなんて、ずるいわ!」

小鳥(まあ、あずささんが救われたのは良かったんだけど)

小鳥「んー……そろそろ私の四天王にも頑張ってもらおうかな?」

小鳥「…………まあ、もうすぐ五天王になるんだけどね」チラ



バハムート「ガアアアアア!」フラッ



小鳥「闇落ち……ってやつね」

小鳥「私の右腕として、たくさん働いてもらいますからね?」

小鳥「バハムートさん……じゃなかった……」



小鳥「ダークバハムートさん?」



ダークバハムート「グゥゥゥ……!」



小鳥「……さて!」

小鳥「これからどんどん忙しくなるわね!春香ちゃん達も、そろそろ地底に向かう頃かもしれないし」



小鳥「蛇くーん!ちょっと話があるから、みんなを集めてもらえるー?」



348: ◆bjtPFp8neU 2014/10/29(水) 19:51:31.30 ID:ALL5YPKVO

タイダリアサン「コトリ様……今度は何ですか、いったい……」

プレイグ「あの大っきいロボット、また作るんですか〜?」

小鳥「ううん、そうじゃないの」

小鳥「あのロボットは、あれだけいれば、もう充分よ」

白龍「それでは、今度は何を?」

ルナザウルス「……ちょっとだけ、休ませて欲しいッス!」

小鳥「仕方ないな〜、ちょっとだけだからね?」

ルナザウルス「さすがコトリ様!話がわかるッス!」

小鳥「休んだら、あなた達には行ってもらいたい所があるのよ」

プレイグ「どこですか?楽しい所だといいなー!」

小鳥「うふふ、大丈夫」

小鳥「ここよりは、ずーっと楽しい所よ?」

タイダリアサン「あ……なんか、嫌ーな予感……」




349: ◆bjtPFp8neU 2014/10/29(水) 22:56:19.29 ID:ALL5YPKVO
バロンの町 宿屋

P「…………と、いうわけなんです」

高木「……ゲームをクリアしなければ、元の世界に帰れない……か」

高木「なんだか、妙な事になったねぇ」

高木「……で、そのクリアの条件は、君はわかっているのかね?」

P「はい。おそらく、ですが……」

P「月にいる『敵』を倒せば、このゲームは終わると思います」

千早「!」

P「月へ向かう手段も、ゲームと同じならそのうち手に入るでしょう」

高木「そうか。君はこのゲームに詳しいようだね」

千早「……あの、プロデューサー?」

P「ん?どうした、千早」

千早「その、月にいる『敵』なんですが……」

千早「おそらく……」



千早「……………音無さんだと思われます」



P「な……!」

P「なんだって!?それは本当なのか!?」

千早「……残念ですが、間違いないです」

亜美「マジ……!?」

真美「亜美の言ってた事が、ホントになっちゃった……!」

響「じゃ、じゃあ……ピヨ子を倒さないと、帰れないのか?」

春香「ち、千早ちゃん、なんでわかったの?」

千早「ゾットの塔で、律子がおかしくなったでしょう?あれは、音無さんが律子を乗っ取っていたからだと思うわ」

千早「それに、私は少しだけ話もしたし」

真「確かに……そう考えると、あの時の律子にも納得がいく……」

P「そんな、バカな……!」

高木「音無君が……」


次回 P「ゲームの世界に飛ばされた」2 その2