1: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 06:43:43.26 ID:UETh2A.0
科学によって超能力という現象を実現させた街。学園都市 
その異能なる力をすべて右手で打ち消す少年が今日も街を走る 
 
上条「くっそ!補習が予定よりも2分20秒も伸びちまった!」 
 
幻想殺しを持つ少年の計画ではこの2分20秒はあまりにも大きかった 
 
上条「全力で走れば間に合うか!!」 
 
目的地まで後1.5k、残りの時間は5分少々
生命力を燃焼させて少年は走る 
あらゆる不幸と穀潰しのシスターのせいで貧困にあえぐ少年は咆哮と共に点滅した交差点を渡る
 
上条「うおおおおおぉぉぉぉ!!タイムセエエエエエルウウウウ!!!」   
 
 
 
 

引用元: 上条「愛してる」 




新約 とある魔術の禁書目録(20) (電撃文庫)
鎌池 和馬
KADOKAWA (2018-06-09)
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2: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 06:45:35.38 ID:UETh2A.0
不幸少年こと上条当麻の目的地であるスーパーの付近 
上条に好意を抱く電撃姫が自動販売機前に立っていた 
この電撃姫の目的は一つ上条へアタックする為だ 
だがいかんせん素直になれない、本音と裏腹な事ばかりの言動な為 
色恋的なアタックが攻撃的なアタックになってしまっている 
 
美琴「今日こそは…デートの約束を!」 
 
決意に満ちたその魂に一本の杭を打ち込み自分を奮い立たせる 
 
美琴「あいつは今日この道を通る、数週間のリサーチの結果間違いないんだけど…」 
 
ストーカーの枠に入る様な独り言をつぶやき、待てど未だにこない少年に美琴はイラ立ちを感じた  
美琴「おっと…。素直素直素直」 
 
目を閉じ自己暗示を掛けながら自らに理性を戻そうとする 

3: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 06:47:42.74 ID:UETh2A.0
上条「ハァハァ…もう少し」 
 
上条のゴールは目前、疲れは見えるものの勢いは未だに衰えていない走り 
視界の端にいつも絡んでくるビリビリ中学生を確認した 
美琴の心中など知る由もない上条は絡まれまいとスピードを上げ 
 
上条「おっすビリビリ中学生、急いでるからまた今度なー!」 
 
左手を振りながら後方へ美琴を置いていく 
まったくの逆恨みになるのか、鈍すぎる上条が悪いのか 
自分の決意をあっさりと空振りにさせた美琴は待たされたせいもあってイラ立ち、一気に帯電する 
 
美琴「ちょっと待てやああああああああ!!」 
 
迸る電撃の槍、いつもならば軽いショック程度には抑えてあるものの 
苛立ちも相まって若干強く放ってしまった 
しかしこの先の未来はすでに美琴によって予測されていた 
 
美琴(どうせ右手で打ち消すんでしょ!…でも足は止めてくれるわ) 
 
美琴(話聞いてくれるかな?) 
 
自分の思いを打ち明かすと決意した今日。どんな手を使っても美琴は上条と話たかったのだ 
それがちょっと非常識な手段でも 

4: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 06:49:01.30 ID:UETh2A.0
美琴の絶叫を耳にした時点で上条は確信していた。電撃がくる  
 
上条(右手で消すか…) 
 
上条(いや御坂も危険なもん撃たないだろ) 
 
上条の結論は打ち消す為に足を止めるよりも走る事を選んだ 
 
上条(ちょっとビリってくるの我慢するだけだ!) 
 
右手を使うだろうと思った美琴、対して電撃を身に受けても走る事を選んだ上条 
 
 
--------------------両者の思いが交差しなかった時、物語が始まる-------------------

5: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 06:51:50.69 ID:UETh2A.0
放つ美琴…追う電撃…走る上条 
電撃が上条に届いた瞬間 
 
上条「ギッ!」 
 
妙な奇声を上げ、上条が崩れ落ちた 
 
美琴「なんで右手使わないのよ!バッカじゃないの!!」 
 
美琴(なによなによ!!あたしに構えない様な大事な用事でもないでしょ!!) 
 
単純に上条が自分を気にも止めてなかった現実に腹を立てる 
 
美琴「この御坂美琴様をシカトした罰よ!いい気味だわ」 
 
ハンっと鼻で笑い上条が文句を言ってくるのを待つが、一向にその気配がない 
 
美琴「気絶してんの?だっらしな!」 
 
美琴自身としては正当な苛立ちが呆れに変わり、上条を公園のベンチに横たわらせる 
 
美琴(もう…ほんとバカなんだから) 
 
デートの約束をして一緒に買い物したりといった妄想も散ってしまった 

6: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 06:54:02.48 ID:UETh2A.0
pipipipi
突如携帯がなる。黒子の名前がディスプレイに表示されている
 
美琴「もしもし?」 
 
黒子「お姉様!今どこにいらっしゃいますの?」 
 
美琴「今公園にいるんだけど、何かあったの?」 
 
黒子「何かじゃありませんの、今日は寮の中庭掃除の日ですのよ?お忘れでしたの?」 
 
美琴「あっ!」 
 
黒子「やっぱりお忘れでしたのね。」 
 
黒子「寮監様にはわたくしから遅れると申しておきますので、お早めにお戻りになってくださいまし」 
 
美琴「恩に着るわ」 
 
美琴「あっ!黒子」 
 
黒子「…はい?」 
 
美琴「公園に倒れてる人いるから、救助呼んでくれる?…いや気絶してるだけ。 うんお願いね」 
 
黒子に事後処理を頼み急ぎ寮へと帰る 

7: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 06:59:00.19 ID:UETh2A.0
掃除に遅刻したものの、実際の働きでなんとか怒りを免れた美琴 
それから一夜明け、通学路から初夏の快晴を見上げ一日の始まりとしては最高だと胸中で思う 
 
御坂妹「お姉様とミサカは暢気に歩いているお姉様に声をかけます」 
 
ふいに声を掛けられ振り返る 
 
美琴「あら妹達じゃない、奇遇ね」 
 
御坂妹「いえ、奇遇ではありませんとミサカは暗に探していた事をお姉さまに知らせます」 
 
美琴「何かあったの?」 
 
御坂妹「それに関して説明がありますのでご一緒に来てくれますか?とミサカは断られた場合は引きずってでも連れて行く覚悟で言います」 
  
美琴「何よ?事情が全然つかめないn」 
 
御坂妹「早くきてください!…っとミサカは…」 
 
あまりにもおかしな妹の言動に美琴は眉を顰め追従する 
行き先は名医のいる病院だった 
一日の始まりとしては最高の天気だった…そう天気だけは最高だった

8: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:02:24.23 ID:UETh2A.0
病院で名医に説明を受けた 
結論から話されて耳を疑った 
経過などを聞ききながら呼吸が乱れ心拍数が上がる 
何?なんで?止めて!止めて!と何度頭で思ったことか 
途中で気づいた認めたくない事実…原因を聞いた時は緊張と興奮で嘔吐してしまった 
未消化の朝食が散らばる床を御坂妹が拭きあげるのが視界の端に映る 
 
 
 
冥土返し「…少しは落ち着いたかい?」 
 
冥土返し「僕も最善は尽くしたんだけどね。焼ききれて無くなった神経まで再生させるのは不可能だった」 
 
冥土返し「手は全くないわけじゃないんだけど、それは色んな許可がないとできないことなんだ。あっても完治する保障もないんだね」 
 
耳から入って耳から流れるとはこういうことなんだろうか…美琴は名医の言葉を聞きながら 
そんな事を考えていた 
アイツが下半身不随…自分の電撃が原因で…歩けない 
 
突きつけられた事実は最悪の一日の始まりと言うには十分すぎた

9: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:04:37.77 ID:UETh2A.0
冥土返し「彼に会っていくかい?」 
 
美琴は躊躇う…自分のせいで歩けなくなってしまった 
だからまず謝罪することだ、そうしないと前に進めない 
怒られても恨まれてもしかたがない 
許されない事をした。まずそれを詫びよう 
 
美琴「…はい」 
 
決意と真逆の沈とした返事 
冥土返しは静かな眼差しでふぅっと息を吐く 
 
冥土返し「彼の病室は6階だから、そこからはナースに案内してもらうといいよ」 
 
嘔吐物の処理をしてくれた御坂妹に軽い謝罪をいれ俯いたまま部屋を後にする  
自分のクローン体、姉妹としてみている御坂妹、紆余曲折あり色々話しだした関係だが 
 
目を合わせるのが怖かった 
どんな目で自分を見ているのか知るのが怖かった

10: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:07:01.66 ID:UETh2A.0
6F病室前 
上条と書かれたプレートの前に美琴が立っている 
心臓が早鐘を打つ 
軽い目眩も始まる 
胃の中には何もないのにまた吐き気が襲う 
 
美琴(怖い…) 
 
美琴(でも…いかなきゃ!) 
 
ガシッと取っ手を掴み勢いよく扉を開ける 
一歩…二歩…三歩… 
病室のベッドの上の上条がこちらを見る 
 
上条「ビリビリ…」 
 
上条の顔を見たとたんに言い知れぬ不安、闇が頭に渦巻く 
 
美琴(言わなきゃ…言わなきゃ!) 
 
美琴「すみませんでした!」 
 
腰を90°折り頭を下げる 
 
美琴「こんな事になるなんて思いもしませんでした。申し訳ありません!!」 
 
美琴「許してもらおうなんて思ってません、どんな形でも責任を取らせてください!」 
 
自分で言ってて愚かさに涙が出てきた 
なんであんなバカな事をしてしまったのか 
軽はずみなことでこんな… 
頭を下げたまま上条の答えを待つ 
 
上条「…あのさ」 

11: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:09:01.84 ID:UETh2A.0
上条は頭を下げたままの美琴に告げる 
 
上条「そんなに自分を責めるなよ」 
 
許しともとれる言葉だった 
 
上条「確かにお前の電撃が原因かもしれない。でもそれは俺がお前の話を聞かなかったからだろ?」 
 
美琴「っでも!!」 
 
上条「聞け! …だからさ、なんていうのかな、俺だって防ごうと思えばできたんだがしなかった。わかるか?」 
 
美琴「はい」 
 
流れる涙が床に落ちるのを見ながら美琴は返事をする 
 
上条「つまりお互いの不注意ってことだろ?」 
 
美琴「でも上条さんだけそんな目にっ」 
 
上条「つーかさ!なんなんですか?さっきからその敬語は!?新しいキャラ作りですか?」 
 
上条「お前が不安なのは分かるし、悪いと思ってる気持ちも分かる!それでも気がすまないっ!自分だけが悪いと思ってるならその幻想をぶち[ピーーー]っ!!」 
 
上条「…なんてな」 
 

12: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:11:08.58 ID:UETh2A.0
上条「顔上げてくれよ…」 
 
美琴は言われたままに顔を上げる 
目に飛び込んできた上条の顔は笑みを浮かべていた 
いつもの優しい笑み 
かつて自分や1万人もの妹達を救ってくれた優しいの男 
 
上条「泣かせちまってごめんな」 
 
美琴「ごめんなさい」 
 
上条「もういいって、ヘアピン取れかけてるぞ」 
 
上条の指摘でいつもの場所にあるヘアピンを探す 
 
上条「ああ、落ちて引っかかった こっちきてみ」 
 
覚束ない足取りで上条の下に近づき襟に引っかかったヘアピンを取ってもらう 
 
上条「ほら」 
 
美琴「あ…ありがと」 
 

13: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:13:01.57 ID:UETh2A.0
上条「そんな顔すんなよ、まだ怒ってる顔のがかわいいぜ?」 
 
言われながら頭を撫でられ、また涙が溢れる 
涙と一緒に自分の罪が一緒に流れる気がした 
さながら神に許しをもらった咎人の様な光景 
許されざる自分の罪に対しても優しさをぶつける男 
美琴は上条にしがみ付き声を上げて泣いた 
ごめんなさい、ごめんなさい と悪さをした子供が親に許しを求めるように 
しがみ付かれた本人はその純情さから躊躇いがちに体に腕を回し抱きしめる 
幾多の幻想を打ち破ってきたその右手で美琴の頭を撫でながら繰り返す 
 
上条「もういいんだ御坂、もういいんだ」  
 
美琴の泣き声だけが病室に響いた

14: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:15:23.41 ID:UETh2A.0
泣き止んだ美琴は病室を後にし、携帯を確認した 
同室の後輩から着信が15件、メールが8件入っていた 
時刻は昼を軽く回っていた 
連絡は後にしようとポケットに入れ、前を向く 
 
美琴(これからはずっとあいつについててあげよう。それくらいしかできないけど…) 
 
美琴(…一生かけてでも絶対一緒にいてやる!) 
 
新たな決意を胸に待合ロビーからエントランスへ歩く  
 
「このアイスも一緒に欲しいんだよ」 
 
聞き覚えのある声が売店から届く 
 
禁書「とーまは来れないから私ががんばっておつかいするんだよ」 
 
売店のおばちゃんと話している禁書目録だった 
 
美琴(あのシスターも来てたのね…) 
  
おばちゃんに手を振り袋を提げてこちらへ来る 
 
美琴「アンタもここに来てたのね」 
 
白衣のシスターは声の主を確認すると、恐ろしく冷たい目に変わる 
 
禁書「短髪はどうしてここにいるのかな」 
 
美琴「どうしてって、アイツの見舞いよあたしのせいなんだs」 
 
禁書「どの面下げてきてるのって意味なんだよ!?」 

15: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:18:45.43 ID:UETh2A.0
 
禁書の顔は全てを知っている顔だった 
 
美琴「分かってるわ…自分が許されないことをしたのは」 
 
美琴「でもこれからあいつをずっと支えようと思うの」 
 
禁書「そうやってとーまの優しさに甘えるんだね」 
 
禁書「とーまがどんな気持ちで許したのかも分からないくせに、甘えないで欲しいんだよ」 
 
美琴「なによ…それ、 アイツは… だって……」 
 
禁書「最初からとーまは短髪の為に許すつもりだったんだよ」 
 
禁書「とーまはもう歩けないんだよ。普通は許せる事じゃないんだよ。自分だけ背負えばいいと思ってるんだよ」 
 
美琴「なによ…それ」 
 
お互いが通じ合ったと思ったつい先ほどの出来事から数分 
自分の決意がこんなにも早く揺らぐとは思わなかった 
よく考えればそうだ 
自分がアイツと同じ立場になればどうする?許せるか? 
今はその自信はあるが、同じ状況になればどうだろうか 
歩けない体にされて、その人間が目の前に来て陳腐な謝罪をする 
許せないんじゃ……… 
美琴は踵を返し、上条の病室へと走る 
今日いくら涙を流したのだろう…未だに枯れず頬を伝う 
 
------------私はまだ許されて無い-------------

16: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:21:02.58 ID:UETh2A.0
御坂美琴がまだ寮を出て初夏の空気を味わう前  
上条は目を覚ました 
 
禁書「おはようとーま」 
 
上条「ああ おはよう」 
 
病院に運ばれ検診しそのまま手術を受けた上条 
左腕に繋がる点滴が痛々しくも恨めしくもある
沈黙がしばらく続いた後、上条が口を開いた 
 
上条「俺さ、御坂を許そうと思うんだ」 
 
禁書「…とーまはそう言うと思ったんだよ」 
 
禁書「でも私は許せないんだよ」 
 
上条「なんでインデックスが怒るんだよ?」 
 
禁書「とーまにこんな事してほったらかしにして…あんな奴ころs「インデックス!!」」 
 
ビクっとして上条の顔を見る 
 
上条「インデックスお前はシスターだろ?それから先を言っちゃいけません」 
 
上条「お前が俺の為に怒ってくれてるのは嬉しい」 
 
上条「でもな?インデックス。どこかで誰かが許さないと恨みってのは延々続いちまうんじゃないか?」 
 

18: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:25:07.60 ID:UETh2A.0
上条「そこに気づいたらお仕舞いにしないとこの先の人生までつまんないだろ?」 
 
わかるか?と年下のシスターに説き伏せる 
 
禁書「…わかるんだよ、神様も許すことを教えてるんだよ」 
 
禁書「でもインデックスはまだ修行中だからそれができないんだよ」 
 
禁書「とーまがどんなに短髪をかばってもインデックスは短髪が憎いんだよ」  
 
禁書「ごめん…ね とーまぁ」 
 
上条「泣くなよインデックス 上条さんはインデックスがそこまで考えてくれてたのが嬉しかったぞ」 
 
上条(インデックス泣かせちまったな…) 
  
病室の窓の外を見て赤髪黒衣の神父がいたら殴られてるだろうな等と物思いにふけるのだった 
動かない足 
そこにあるのは分かる 
力がまったく入らないというより伝達されて無い 
自分は歩けない体になってしまったんだなと実感させられる
 
禁書「インデックスはシスターとして一人の人間としてとーまのお世話を頑張るんだよ!」 
 
上条「……………ああ」 
 
涙をぬぐった禁書目録の決意に、消え入りそうな声で上条は返事をした 
 
上条(………お世話か) 

19: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:27:29.08 ID:UETh2A.0
美琴が病室へたどり着きドアを開ける 
 
美琴「あんた何してんの!?」 
 
上条「っ!!見るな!!」 
 
歩こうとしたのか、ベッドから落ちたのか上条が床に這いつくばった状態で叫ぶ 
 
上条「くっそ!見るなよ!御坂!頼む見ないでくれええええ!」 
 
二本の腕で必死に動こうとする、のたのたと床を這いずりまわりそれはまるで虫の様に… 
 
美琴「ちょっと落ち着いて?」 
 
上条「来るな!触らないでくれ!!」  
 
上条「頼むからこんな俺を見ないでくれよ…」 
 
顔を歪めて懇願する 
上条が許せなかったのはこんな体になって無様な姿を晒す自分だった 
当たり前の事もできず、こうして惨めにも床を這いずる姿  
 
禁書「とーま!」 
 
禁書「でていって!」 
 
禁書「出ていってっていってるんだよ!?」 
 
呆然として上条に視線を固定したままの美琴を病室から押し出すインデックス 
体格差を物ともしない押し、抗おうともしない体 
そのまま病室外に突き飛ばされ尻餅をつく 
バンっとドアを閉められる 
スカートを正し、上条の姿を脳内でリピートさせながらフラフラと帰途につく

20: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:29:01.03 ID:UETh2A.0
常盤台女子寮の一室 
ベッドに横たわりずっと再生され続ける上条の姿 
 
美琴「あたし、どうしたらいいの…」 
 
黒子「何がですの!?」 
 
美琴「ああ…黒子」 
 
美琴(そういえばずっとなんで休んだのかとかいろいろ聞かれてたっけか) 
 
質問からずっと生返事ばかりで小一時間、黒子も諦めて最後に何かありがたい話を述べていたが記憶にない 
 
黒子「やっと口を利いて下さって黒子は安心しましたの」 
 
黒子「日頃お姉様の露払いとして献身しているt~~~~~~~~~~~~~~~~~」 
 
美琴(心配させて悪かったな… はぁ~) 
  
美琴「あのさ、昨日の件でさ」 
 
いかに自分はお姉様に忠誠と愛を持ってるか語っているところを遮って語り始める 
 
美琴「大変なことになってさ…」 
 
美琴の語りと共に夜が更けていく、快晴だった昼間と変わり外は湿った風が吹いていた 
 
---------------後悔は一度すれば二度としなくていいわけではない----------------- 
--------------------きっかけはいつも些細な事から始まる------------------------

21: MerryChristmas!!(明石家サンタやってるよ!) 2010/12/25(クリスマス) 07:30:31.11 ID:UETh2A.0
目に涙を溜め美琴の説明が終わる  
黙って聞いていた黒子が口を開く 
 
黒子「その様なことが…」
 
黒子「あの殿方もお気の毒に」 
 
黒子「お姉様の今のお気持ちはあの殿方に何か力になりたいのでしょう?」 
 
黒子「わたくしの気持ちとしてはいい気はしませんが」 
 
黒子「先程から申しています様に、黒子はいつだって、何があっても美琴お姉様味方ですの」 
 
黒子「今日はお休みになられて、明日また殿方のところへお見舞いとお詫びに行ってはいかがでしょう?殿方もいろいろあって気持ちに整理がつかないのではないでしょうか?」 
 
黒子「なんでしたら黒子も一緒に参りますが?」 
 
美琴「い…いいわよ。自分で行けるから!」 
 
黒子「それでこそいつも前向きなお姉様ですの」 
 
黒子「さぁ、もうお休みになりましょう」 
 
美琴「そうね おやすみ」 
 
黒子「おやすみなさいですの」 
 
 
 
美琴「黒子ありがとね」 
 
「はいですの」とお互いの信頼を確かめ合い眠りにつく 

37: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/12/25(クリスマス) 22:00:07.99 ID:UETh2A.0
翌朝歯を磨いている最中ふと思いついた 
学園都市第一位、一方通行 
自分の知る限り最高の頭脳と能力を持つ 
絶望的な脳の損傷からも回復している経歴もある  
わだかまりが無いと言えば嘘だ、しかし拘っている場合でもない 
昨日はあんなに晴れていたのに、天気は最悪の土砂降りだった 
藁にでもすがる思いで打ち止めがいるマンションへ行く 
靴下が濡れて気持ち悪い 
 
ピンポン 
打ち止め「はーいってミサカはミサカは元気にどなたさま?」 
 
美琴「久しぶりね」 
 
打ち止め「お姉さま!?ってミカサはミサカはおどいてみる」 
 
美琴「あのさいきなりで悪いんだけど一方通行いる?」 
 
打ち止め「いるけどすごく機嫌が悪いからよした方がいいかもってミサカはミサカはお姉さまの行動を遮ってみる」 
 
美琴「んーちょっと相談があるからさ、あがらしてもらうわ」 
 
打ち止めの制止を聞かず部屋へはいる 
リビングのソファーで横になってバラエティを見ている白髪の男 
TVの音量がちょっと耳障りなくらい大きい 
打ち止めがダスキンモップで美琴の足跡を拭きあげる 
 
美琴「TVの音でかいわね、耳悪くするわよ」

一方「あァン?」

38: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/12/25(クリスマス) 22:02:42.97 ID:UETh2A.0
方「人ンちに勝手にあがりこンで何なンですかァ?」 
 
後ろを一瞥してテレビに視線を戻す 
 
美琴「相談があるの」 
 
一方「どーせ三下のこったろ?クソガキが昨日から騒いでうるせェのなンの」 
 
美琴「じゃあ話が早いわ解決策はないの?」 
 
一方「なンか勘違いしてませンかァ?何で俺が三下助けなきャいけねェンだァ?」 
 
美琴「他に頼る人間がいないのよ!お願いだから力を貸して!」 
 
打ち止め「ミサカからもお願いってミサカはミサカはお姉さまの横で一緒に頼んでみたり」 
 
一方「チッ!」 
 
一方「甘い考えをぶっ壊して悪いがなァ、ご存知の通り俺ン能力はベクトル操作だァ」 
 
一方「能力使用は触れてなきゃならねェ、無くした神経のバイパス役で24時間介護なンざ御免こうむらァ。それに人体をいじりまわすなァ冥土返しの方が上手だ」 
 
一方「しかも三下の能力がある限り俺ら能力者にゃやるこたァねーよ」 
 
一方「できることはせーぜー身の回りの世話とヒーローの心のケアくれーなもんだ 俺じゃできねェよ」 
 
美琴「そうね…ありがと……」 
 
一方「……今回はテメーの責任だァ。どう落とし前つけるか知らねェけどよォ」 
 
一方「この件でこれ以上後悔すンじゃねーぞ」 
  
一方「それだけだァ、テレビ見てェからさっさと消えろクソレールガン」 
 
こちらを振り返らないまま第一位はテレビの音量をさらに少し上げた  
 
美琴「ありがとね、一方通行」 
 
打ち止めに見送られ玄関へ 
 
一方「テレビがうっせェから聞こえねェよ」 
 
リビングで一人つぶやく 
 
一方(こんな時に腐ってるしかできねェで何が第一位だ!クソッタレ) 
 
彼もまた自分の無力感に苛まれていた、超電磁砲に言った事は全て自分に言っていた様なものだった 
 
一方(三下みてェに上手く説教できねェなァ、あいつァやっぱスゲェわ)

39: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/12/25(クリスマス) 22:03:57.08 ID:UETh2A.0
病室の前、決意を新たにドアに手を掛ける 
ここ数日何度決意を固めたか 
 
美琴(随分と安い決意よね、でもこれで終わらせる!) 
 
ドアを開けて上条の元へ 
 
美琴「おはよ、具合はどう?」 
 
上条「御坂か?おはよう、変わりは無いよ」 
 
「変わりはない」もこのケースだといい意味ではない 
   
上条「昨日は悪かったな、取り乱して…ほんと恥ずかしいです」 
 
美琴「ううん、アタシだってちょっとビックリしちゃってごめん。アンタの気持ち汲んでやれなくてさ」 
 
上条「美琴センセーに分かってもらえて上条さんは嬉しいですよ」 
 
美琴(ほのぼのとした気持ちになる、あぁやっぱりアタシはコイツ、上条当麻が好きなんだ) 
 
美琴(今しかない!) 
 
二日前の胸の内、そして今回のことに対して自分なりのケジメをつけるべく口を開いた 
 
-------------------しょせん人と人は他人同士、思いが重なるのは奇跡に等しい---------------

40: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/12/25(クリスマス) 22:25:36.20 ID:UETh2A.0
美琴「私はあなたが好きです!!」 
 
時が止まった 
もう止まれない!このまま走りぬける!! 
恥ずかしさで俯きかちに話続ける 
 
美琴「あれから黒子に相談して、ほらあの子って実はあんたの事よく思ってないのよね」 
 
美琴「でもあの子だって今の状況分かってくれて応援してくれてさ」 
 
美琴「すごい怒られるかと思ったけど理解してくれて嬉しかった!」 
 
美琴「それにさっき一方通行のにも相談したの」 
 
美琴「打ち止めもアンタのこと心配してたわ」 
 
美琴「んで一方通行なんだけどさ、残念だけどアイツでもどうしようもないみたいでさ…」 
 
美琴「でも諦めないからアタシ!ずっとアンタと一緒にいて世話してあげるから」 
 
プロポーズとも取れる内容に顔が赤くなる 
しかしこの勢いを止めるわけにはいかない 
 
美琴「んで一方通行も『後悔だけはするな』って背中押してくれたの」 
 
美琴「あの一方通行がよ?こっち見ないまま相変わらず捨てセリフみたいだったけど」 
 
美琴「うれしかったわ」 
 
美琴「それで応援してくれる人もいるんだって…、アタシはとんでもないことしたけど、アンタが心から許してくれてまた一緒に笑えるように頑張るから!!」  
 
美琴「迷惑もいっぱい掛けたけど、それまで…ううんそれからもずっと一緒にいてあげるから!」 
 
完璧にプロポーズの言葉だ 
熱がドンドン上がり上条の顔が見れない

41: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/12/25(クリスマス) 22:28:05.13 ID:UETh2A.0
上条「言いたい事はそれだけかよ」 
 
震えた上条の声を聞いて熱が急激に冷める 
 
上条「白井や一方通行に相談しただ?俺はもういいって言わなかったか?」 
 
上条「お前を許すからもうほっといてくれって意味だったけど、伝わらなかったみたいだな」 
 
上条「悲劇のヒロインよろしく友達と相談して、勇気付けられて、思いを打ち明けてハッピーエンドってか?」 
 
上条「ふざけんじゃねーぞ!!!!」 
 
心のどこかにヒビが入る 
足が振るえだした 
 
上条「俺の気持ちはどうすんだよ!歩けないんだぞ!トイレもままならねぇ!一生このままだ!」 
 
上条「それを無様に晒し上げて楽しいかよ?可哀想だから世話して『あげる』ってか!」 
 
上条「御坂、お前のせいでこの様だ、7人しかいないLEVEL5だかしらねーけどよ、どこまで上から目線なんだよ!」 
 
上条「知り合いに話題にされてる事実を知っただけでも、惨めな気持ちだ」 
 
上条「御坂、もう俺に近づくな。顔も見たくねぇよ!!」 
 
脳内砂嵐状態。何も考えられないが、上条の言葉だけはしっかりと受け止めてしまっている 
 
上条「さっさとでていけ!!」 
 
投げた携帯が御坂の額に当たる 
血がでてきたが不思議と痛みはない 
痛みを感じる心が折れてしまっているから 
 
--------------幻想殺しがまた一つ幻想を打ち砕いた時だった---------------

42: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/12/25(クリスマス) 22:30:26.05 ID:UETh2A.0
禁書「とーま?元気ないけどなにかあったのかな?」  
 
上条「…別に」 
 
禁書「そう?インデックスはとーまにいっぱい迷惑を掛けたからお返しするんだよ。歩けなくても大丈夫!支えて『あげる』んだよ。」 
 
えへんと胸を張る禁書目録 
 
禁書「…とーま?」 
 
上条「お前もかよインデックス」 
 
禁書「え…?」 
 
上条「お前も哀れんで惨めな俺に施していい気になってんのかよ?」  
 
禁書「そんなことないんだよ!?ッッゥグッ!?」 
 
上条「お前も俺を見下してっ!!」 
 
首を絞める上条の手が強まる、ツメを立ててもがく幼いシスター 
 
上条「なんでっ!なんで俺がこんな目に会わなきゃいけないんだよおおおおおおおおおおお!!!!!!」 
 
上条心からの絶叫、涙を流しての絶叫 
不幸不幸不幸我慢我慢我慢 
今まで頑張ってこれた 
しかし年端もいかぬ若い人間、上条にはもう限界だった 
指が首に食い込む、細い首が折れる?折れそう…折れる…手前 
ブンっと腕を振り禁書をほうりやる 
 
禁書「ゲヴォッ!ゲホッ!ォオッ!」 
 
咽る禁書を涙が止まらない上条が言う 
 
上条「すまないインデックスしばらく一人にしてくれ」 
 
禁書「ッッ!ゲホッ!」 
 
何も言わなかったのか言えなかったのか足早に出て行く 
 
上条「………もうだめだ俺」 
 
全てに耐えられない、周囲の視線にも、今の自分の環境にも、今禁書にしたことにも、誰かの優しさにも…  
 

窓の外は大雨だった…雨粒が地面に吸い込まれるように落ちていく 
窓を叩く雨音は親しい友人がノックをしてるようだった…………

43: 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします 2010/12/25(クリスマス) 22:32:43.80 ID:UETh2A.0
数時間後 
禁書は経緯を説明して首の容態を冥土返しに診てもらった 
冥土返しは珍しく怒って上条に電話しようとしていたが禁書が大丈夫だからと収めた
首に痣が残ったので包帯は巻いてもらい病室へ戻る 
 
ドアを開けた瞬間ビュウッと風が吹き抜ける 
外は大雨なのに窓を開けたのだろうか 
車イスがベッドの脇に置いてあるが、上条の姿がない…… 

翌日学園都市LEVEL5の順位変更が行われた 
1位~6位までの発表を飛行船が空を悠然と漂い知らせていた 
 
 
 
 
 
シナリオ02 「愛してる」と言えないままに  
END

55: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 03:53:46.55 ID:Qn.eWpc0
できたとこまで投下 
基本地の文無し 上のよりも若干明るい話です  
例によってキャラ崩壊、設定無視、時系列なにそれです 
 
上条「お、きたきた」 
 
神裂「お待たせして申し訳ありません」 
 
禁書「大丈夫なんだよ」 
 
上条「ステイルは今日来てないのか?」 
 
神裂「ステイルは何やら術式の新しい可能性を発見したとかで南米へ行っています」 
 
上条「南米?十字教とあんまり結びつかないな」 
 
禁書「南米と行っても十字教t」 
 
上条「まぁいいや。インデックス気をつけてな。神裂もインデックスのことよろしくな」 
 
神裂「はい。では行きましょうか」 
 
禁書「じゃあとーまはいい子にしてるんだよ~」 
 
上条「こっちのセリフだっつーの!」 

57: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 03:55:00.83 ID:Qn.eWpc0
上条「さて久々にインデックスいないから一人を満喫しますかね~」 
 
スフィンクス「ニャー」 
 
上条「お前がいたな…。スマンスマンえさだぞー」 
 
ピンポーン 
 
上条「はーい」ガチャ 
 
一方「よォ…」 
 
上条「うお!なんだよお前」 
 
一方「いや…ちィっと上がっていいかァ?」 
 
上条「え~?…かまわねーけど、なんだいきなり」 
 
一方「座って話すか、まぁこっちこいよ」 
 
上条「いや上条さんちなんですけどここ」

58: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 03:56:37.38 ID:Qn.eWpc0
上条「んで、なんの用だ?遊びにきたとかじゃねーんだろ?」 
 
一方「あァ、三下オメー魔術とかメルヘン世界とつながりあったよな?」 
  
上条「メルヘンは同意だし、関わったのは不本意だがあるな」 
 
一方「今…まぁバイトみてーなもンなンだけどよ」 
 
一方「学園都市の警備員みてーな仕事してンだが」 
 
上条(こいつが治安維持ってなんか違和感ありまくりだなオイ) 
 
一方「なンか火の巨人が所々で暴れてるらしいンだわ」 
 
上条(イノケンティウス!?ステイルか?) 
 
一方「上からの情報が全然降りてこねェのに対処しろっていわれちまってよ」 
 
一方「ほンとは同僚のグラサン寄越すはずだったンだけど連絡がとれねーし、ストーカーとショタは拒否しやがるし」 
 
一方「しかたなく俺がきたンだわ」 
 
一方「ンで心あたりねェか?」 
 
上条「ちと待ってくれ」

59: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 03:58:29.10 ID:Qn.eWpc0
prrr prrr 
上条「神裂でないな」 
 
prrrr ガチャ 
上条「ああインデックスか?」  
 
上条「神裂はいないのか? ああ…ハハッ ちょっと代わってくれ」 
 
上条「ああもしもし?聞きたいんだけどステイルは今どこにいるか分かるか?」 
 
上条「そうか…んじゃインデックスにすまんが代わってくれ」 
 
上条「インデックスか?聞きたいんだけど、火の巨人ってイノケンティウス以外にいるのか?」 
 
上条「そうか、魔術師でイノケンティウスを扱える人間は多いのか? ああ、わかったありがとう」 
 
ガチャ 
 
上条「それ知り合いみたいだわ」 
 
一方「アァ!?」 
 
上条「専門家によると火の巨人は沢山いるんだけど、大規模な準備がいったり、消えたりできないものだったりとにかく不都合なもんが多いらしい」 
 
上条「んで比較的扱いやすいのがあるんだけど、使い手が限られてるらしい」 
 
上条「学園都市に関係してそうな術者は一人だけ、それが知り合いだ」 
 
一方「そうかァ…知り合いじゃオメェも気になって仕方ねェよなァ。止める義務ってのがあンじゃねーのかァ?」 
 
上条「えっ?なんでせうか?その邪悪な笑みは…。上条さんは鬼の居ぬ間に洗濯をしようとしてるのでして…」 
 
一方「テメェの知り合いが暴れてンのに暢気なことほざいてンじゃねェ!!」 
 
上条「ふ、不幸だあああああああああああああああああああああ!!!」

60: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 04:01:25.16 ID:Qn.eWpc0
上条「んで具体的にどんな事件になってんだ?」 
 
一方「おォ!乗り気じゃねェか三下。成功したら給料でるぞ」 
 
上条「なに!?時給いくらだ!?」 
 
一方「アァ?時給じゃねーよ。ガキの使いじゃねェンだ。成功報酬だァ」 
 
上条「まぁなんにしろ懐の寂しい上条さんには嬉しいのですよ。がんばるぜ」 
 
一方「成功報酬はこんくらいだァ」 
 
上条「」 
 
上条「怪しすぎる!!!!絶対警備員じゃないだろこれ!!そもそもお前の顔とその体格で警備員に採用されないし!!」 
 
一方「ケンカ売ってンのか!!」  
 
上条「あーあーあー騙されたおー」 
 
一方「つかそンなに高くねェし。やるって言った以上失敗は許されねェ上に死ンだらもらえねェからな。危険手当込みだ」 
 
上条「不幸だあああああああああああああああああああ!!」

61: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 04:02:55.80 ID:Qn.eWpc0
上条(事件のあらましとして、火の巨人が暴れている目撃情報、被害者は大体がスキルアウト、絡んで返り討ちにあったものばかり 
絡んだ対象から自分のことは誰にも喋るなといわれている、人間には軽い火傷で済んでるが建造物の延焼並びに焼失、火力は推定8.500度強、放火と器物破損、準テロ容疑などで捜査が行われている) 
 
一方「ンで、そいつァつえーのか?」 
 
上条「あー強いけどお前の反射でなんとかなるだろ」 
 
一方「メルヘンの反射はできねェこともねーが演算がめンどくせェ。お前の能力で消せよ」 
 
上条「いや8.500度とか触れないっての!3.000度でも熱いのに!第一位が演算頑張れよ!!」 
 
一方「3.000度もスゲェけどよ、俺は失敗したら丸焼けになっちまうだろォが!」 
  
上条「俺も熱波とかで死ぬわ!」 
 
一方「右手だけ残るな!ギャハハ」 
 
上条「笑えねえよ!!」  

62: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 04:03:59.78 ID:Qn.eWpc0
上条「んで結局俺が炎担当」 
 
一方「俺が熱波担当」 
 
上条「戦わずに済めばそれに越したことはないんだけどなー」 
 
一方「そン時も報酬は変わらねェが、まぁ安心して突っ込めよ」 
 
上条「戦うこと前提かよ!」 
 
ズドン 
 
上条「なんだ!?爆発?」 
 
一方「いいねいいねェ。こっちだ三下」 
 
上条「おう」 
 
ダッダッダ ハァハァ 
 
一方「ハァハァ ゲホッ!ちょっと三下クゥゥン?…テメェが足はえェのは分かったから休憩だァ」 
 
上条「体力無さすぎだろお前」 
 
一方「杖、ついて、早く、走れるかヴォケ!!」  
 
上条「あぁすまん、今思い出したわそれ」 
 
上条「お前と戦ったあの時の印象が強かったからな」 
 
一方「うっせェ…ハァハァ」 
 
ステイル「何をしているんだ君たち」 
 
上条「ステイル!!」 
 
一方「あァ?こいつかァ!?三下ァ!」 
 
上条「気をつけろ一方通行、雰囲気が何か前と違う…」

63: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 04:07:13.08 ID:Qn.eWpc0
ステイル「一方通行?学園都市第一位か!?」 
 
一方「人ン街でオイタしてくれてるメルヘン魔術師がいるってンで捕まえにきたのよ」 
 
上条「ステイルやっぱりお前なのか?騒ぎ起こしているのは」 
 
ステイル「フーッ。統括理事会から許可は得たんだけどねェ。ちょっとやりすぎたかな」 
 
上条「なんでこんなことしてるんだよ!?」 
 
ステイル「実験だよ、ちょっとしたね」 
 
一方「実験だァ?」 
 
上条「耳いたいだろお前」 
 
一方「るせェ!なんの実験だァ!?」 
 
ステイル「ちょっとここ日本の裏側まで修行の旅に出ていてね、その成果のさ」 
 
ステイル「他所でやるとイロイロと面倒だし、ここの統括理事会には多少貸しがあるんだ」 
 
ステイル「まぁ…許可したほうもここまで派手になるのは予想外だったようだけどね」 
 
一方「おもしれェじゃねーか…テメェの力試しでこの街を好きにするってンなら残念だがここまでだァ」 
 
一方「俺がきたからにゃァ!こっから先は一方通行だァ!!尻尾巻いて引き返しやがれェ!!」 
  
上条(あれ…今大事な何かを盗られた気がする)

77: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:33:59.95 ID:F9ZIY4Q0
ステイル「それは僕とやりあうって事でいいんだね?」 
 
一方「さっさと終わらせてやるから巨人だしやがれェ」 
 
ステイル「顕現せよ」 
 
上条(でた!! …でもこんなんだったか?何かおかしい) 
 
一方「噂ほどじゃねェなァ…さっさと全力ださねェと死ンじまったらだせねェぞォ!!」 
 
上条「一方通行まて!」 
 
一方「オラァ!!」 
 
一方(足場崩してビル倒壊の生き埋めENDだァ) 
  
上条(損害でて請求こないだろうな…ビル二件いくらするんだよ) 
 
一方「……終わっちまったかァ?」 
 
ステイル「勝手に終わらせないでくれよ第一位」 
 
一方「次で終わるけどなァ」 
 
上条「待てって!一方通行!!」 
 
一方「アァ?」 
 
上条「おかしい… ステイル、お前なんでルーンを必要としてないんだ?」 
 
ステイル「ん?」 
 
上条「それだけじゃねぇ、イノケンティウス呼び出した時もっと詠唱時間があったはずだ」 
 
ステイル「さすがだね幻想殺し。こちらの手の内を良くご存知だ」 
 
上条「それに…その黒衣の下何がある?どう考えても着膨れしすぎだ」 
 
ステイル「……」 
 
ステイル「そこまで見抜くとはね…いいよ 全力でいこうか」 
 
ステイル「Fortis931!!その意味は強者!!」 
 
一方「やっと楽しめるのかァ?」 
 
上条(931……クサイ……クスクス)

78: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:35:56.49 ID:F9ZIY4Q0
ステイル「この服の下だけどね」 
 
バサァ
 
ステイル「新しい霊装さ…」 
 
ステイル「あまりテレビなんて見るほうじゃないんだけどね、たまたま見た異国の祭りに強烈な印象を受けてね。天啓というものかもね」 
 
ステイル「現地に飛んでこの霊装入手とその使い方を極めてきたのさ」 
 
ステイル「ここからは本気だ。死んでくれるなよ能力者達!!」 
 
カポ 
  
世界を構築する五大元素の一つ、偉大なる始まりの炎よ シャカシャカシャカシャカ
それは生命を育む恵みの光にして、邪悪を罰する裁きの光なり シャカシャカシャカシャカ
それは穏やかな幸福を満たすと同時、冷たき闇を滅する凍える不幸なり シャカシャカシャカシャカ
その名は炎、その役は剣 シャカシャカ
顕現せよ、我が身を喰らいて力と為せ シャカシャカシャカ シャカカン 
 
ステイル「出でよ!イノケンティウス!!」 
 
ゴヴァァ 
 
一方「こりゃあ…」上条「こいつ…」 
 
 
 
 
上一「「だっせええええwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」 

79: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:39:36.31 ID:F9ZIY4Q0
一方「おいぃ!?お前の知り合いはなンなンですかァwwwwwwww?」 
 
上条「いやwwwwwwこんなやつじゃないんだけどwwwwwwwwwwww」 
 
一方「サンバの衣装でかっこつけられてもなァwwww帽子でけェwwwwwwwwww」 
  
上条「十字架のマラカスwwwwwwww厨ニかギャグかどっちだwwwwwwwwwwwwww」 
 
ステイル「おかしいかい?ここまで必死な僕が…」 
 
ステイル「僕はね、あの子を守る為の力があっても結果がない事にずっと不満だった」 
 
ステイル「いつだってそれなりの実力を発揮してきたはずなんだ…」 
 
一方「なんかwwwwwwww語りだしたぞwwwwwwwwwwww友達だろwwwwww止めろよwwwwwwwwww」 
 
上条「あんなやつ知らなねーよwwwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
ステイル「そうだ君は知らないだろうね…力を発揮してお気ながら、なぜか上条当麻!」 
 
ステイル「なぜか君の手柄になっている!」 
 
ステイル「上条勢力という枠組みにいつの間にか組み込まれて…」 
 
ステイル「僕は必死にやってきたんだ!自分を犠牲にして己の命を削ってもあの子の為に生き!あの子の為に殺し!あの子の為に死ぬ!!」 
 
一方「お前のせいじゃねーかwwwwwwwwwwww」バシ 
 
上条「いてえwwwwwwしらねってwwwwwwwwwwww俺も上条勢力とか変な言いがかりで御坂のストーカーに狙われてたしwwww被害者だwwww」

80: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:41:51.39 ID:F9ZIY4Q0
ステイル「君たちが僕の覚悟を笑うなら笑うがいい」 
 
上条「いやおかしいのはその服だけどwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
一方「だめだあいつ、はやくなンとかしねェとwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
ステイル「いくぞ!! サンバ!サンバ!サンバ!イノケンサンバ!!」シャカシャカシャカシャカ 
 
「「おどりだしたwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」」 
 
ステイル「笑っていられるのも今の内だ能力者! サンバ!サンバ!サンバDEイノケン!!」シャカシャカシャカシャカ 
 
ステイル「この霊装には炎と情熱の意味がある、そして舞踊をとりいれ意味合いを増幅させ、わが身にルーンを刻む」シャカシャカ 
 
ステイル「僕自身が血の流れる魔方陣として機能する。その魔女狩りの王の最大火力は12.000度だ!!」シャカシャカシャカ クイックイッカクカクッククイ
 
上条「腰の動きが激しくなったwwwwwwwwwwくるぞwwwwwwww」 
 
一方「まてwwwwwwwwww演算できねェwwwwwwwwwwww」 
 
上条「おい!wwwwwwww」 
 
一方「ちょwwwwwwまてwwwwww一旦にげろwwwwwwww」 

81: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:44:55.61 ID:F9ZIY4Q0
ステイル「逃がすか!」シャカシャカ 
 
上条「踊りながらきたwwwwwwwwww」 
 
一方「こええwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
上条「つかあちぃwwwwwwww」 
 
一方「さんしたwwwwwwwwシャツもえてンぞwwwwww袖ンとこwwwwwwwwww」 
 
上条「ぶふwwwwwwww消してwwwwwwww消してwwwwwwww」 
 
一方「おkwwww消えたwwwwwwwwww」 
 
ステイル「生憎、統括理事会が暗に実験差し止めにきているんだ。あまり被害を出したくないんで移動は止めてくれるかな?」シャカシャカ 
 
上条「よしwwwwwwクールダウンだ一方通行wwwwwwww」 
 
一方「そうだなァwwwwwwシティボーイとしてクールに行くかァwwwwww」 
  
上条「演算いけるか?wwwwww」 
 
一方「アァ?wwww炎はちとまだだがwwww熱波は風で押し返すわwwwwww」 
 
上条「おkwwwwいくぜww」 
 
一方「おォwwww」 
 
ステイル「この圧倒的な火力の前には無駄だよ」シャカシャカシャカ 
 
一方「おるァ!!wwww」 
 
上条「うおおおおww」 
 
ブオッ 
 
上条「おいwwwwww風で押すなしwwwwwwww」 
 
一方「いやwwwwお前を取り巻くようにしてんだけど演算が上手くいかねェwwwwwwwwwwwwwwwwww」 
 
上条「おいwwwwwwシティボーイwwwwクールダウンしろwwwwwwww」 
 
一方「そォだったなァwwww」 
 
パキィン 
 

82: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:46:45.43 ID:F9ZIY4Q0
一方「おいwwww消えねェじゃねーかwwww幻想殺しwwwwww」 
 
上条「やべwwwwwwこいつはルーン消さないとだめだったんだwwwwwwwwwwww」 
  
一方「今言うなしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」 

ステイル「つまり僕自身に辿りつかないとダメってことなのさ…」シャカシャカシャカシャカ  
 
上条「やべえwwww一方通行助けてwwwwwwww」 
 
一方「まてwwww考えがまとまらねェwwww」 
 
ステイル「もう詰んでるよ君達」シャカシャカシャカ 
 
一方「おらァアアアアァァァ!!」 
 
ズゴゴゴオゴ 
 
ステイル「何!?」 
 
一方「地面に飲まれちまえやァ!!wwww」 
 
上条「おいいいいいいいいい!!」 
 
ステイル「くっ!幻想殺しごとっ!!」 
 
一方「三下ァ!捕まれェ!!風使って飛ぶぜ!wwwwww」 
 
上条「おう!」 
 
パキィン 
 
一方「ごひvhcくjhfぅg;h;h」 
 
上条「あ、すまん」  

83: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:49:29.49 ID:F9ZIY4Q0
上条「あぶなかったなww」 
 
一方「あぶねェどころじゃねェよクソ三下がァ」 
 
上条「いや必死だったんでwwスマンww」 
 
一方「笑い事じゃねェ!!」 
 
ステイル「いやほんと笑えないよ」シャカシャカ 
 
「「!!!」」 
 
ステイル「まったくこんな大穴開けて…まぁ僕じゃないからいいんだけどね」シャカシャカ 
 
一方「クソが、生きてやがったかァ」 
 
一方「テメェがやったって言えば俺らはお咎めなしのハッピーエンドだァ」 
 
上条「そこまで考えてたのかよ…」 
 
一方「奇麗事だけじゃァ生きてけねェからなァ」 
 
上条「まぁピンチになってクールダウンできた所で仕切りなおすか」 
 
ステイル「まだやるのかい?僕はもう新しい力の性能が出せただけでも満足なんだけどね」シャカ 
 
上条「ステイル、お前インデックスの為にこの力を手に入れたんだろ?」 
 
ステイル「究極の目標はそうだね」 
 
上条「じゃあさ、こんな関係ないところで力使ってんじゃねぇよ!
   お前は弱いものを虐げる為に修行したんじゃねぇだろ!インデックスを狙う危険から守る為だろうが!! 
   「愛してる」って言われたいんだろうが!大切にしたい奴を置き去りにして… 
   そいつの為の目標を忘れて!こんな所で悦に入ってる腐った幻想をまだ振りかざすってんなら 
   俺 が そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 す!!」

 
一方(決めやがったァ、さすがだぜ…ヒーローォ)

84: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:51:18.89 ID:F9ZIY4Q0
ステイル「君が僕の話を半分くらいしか聞いてないのは分かったよ」シャカシャカシャカ 
 
「「え?」」  
 
ステイル「その言葉一つでなんでも収まると思うなぁ!!」シャカシャカシャカシャカシャカシャカ 
 
「「ぎゃあああああああああああああああああああ」」 
 
 
ステイル「まぁ十分君たちに通用した時点で実験は成功だ」 
 
ステイル「禁書目録がイギリスにいるみたいだから僕は帰るよ」 
 
ステイル「事後処理よろしく頼むよ、土御門」 
 
土御門「気づいていたのか」 
 
土御門「関わらないようにしてたのに面倒だにゃー」 
 
 
炎と情熱の霊装の上に黒衣を纏い英国最強の魔術師ステイル=マグヌスは愛しいシスターの下へ向かった 
 
どや顔で新しい魔術を披露するも禁書目録にダサイからやめた方がいいかもと言われ、絶望を味わうのは翌日の話

85: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:54:38.45 ID:F9ZIY4Q0
後日 
 
土御門「一方通行こないだの報酬だ」 
 
一方「オォ、やけに厳重な包装だなァ」 
 
土御門「統括理事長から直々の品だそうだ 上条当麻と二人で開けろとさ」 
 
一方「へェ、一応認めてくれちゃァいンだなァ」 


86: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/26(日) 21:55:08.59 ID:F9ZIY4Q0
上条「おお!それが報酬か!」 
 
一方「アァ、開けるぜェ」 
 
ガサガサ 
 
「「??」」 
 
上条「メモリースティック?」 
 
一方「ンだァ?音声かァ?再生すんぞ」 
 
「危険な任務ご苦労だった一方通行…そして幻想殺し」 
 
上条「おおなんか組織のボスっぽいなwwww」 
 
「こちらとの契約があったのだが、正直予想を上回る被害でね。今回はその文字通り火消し役だったのだよ」 
 
一方「ケッ!」 
 
「任務は成功だ。そこで報酬の件なのだが」 
 
上条(wwktk) 
 
「目標と接触してから建造物の破壊が著しい」 
 
「特に幹線道路に地の底まで届きそうな穴が一番の問題だ これは地球環境にも影響が予測される」 
 
「よって報酬はそこの復元に当てさせてもらう」 
 
「こちらも不手際を認め、それ以上の請求はしない」 
 
一方「…ォィ」 
 
「『テメェがやったって言えば俺らはお咎めなしのハッピーエンドだァ』」 
「『そこまで考えてたのかよ…』」  
「『奇麗事だけじゃァ生きてけねェからなァ」』」  
 
「一方通行、誰が聞いてるか分からない。もうちょっと正しい道を歩むといい ではこれからの活躍に期待する」 
 
一方「…………三下ァ  ごめンなァ」 
 
上条「不幸だああああああああああああああああああああああああああああああああああ」 
 
                                    END   

103: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:15:29.90 ID:nFgxkaU0
~とあるホストの頂点踏破~ 
        ナンバーワン 
 
分岐安価とかではなく、良いも悪いも両パターンあります 
地の文は控えめ 原作読んでないのでアイテムとかメチャクチャな口調、矛盾あります こまけーことはの精神でヨロ 
とりあえずラスト前まで書いたので投下 
 
お 俺設定あり  
じ 時系列なにそれ
き キャラ崩壊 
 
上条「あー寒い」 
 
土御門「かみやん俺指名入ったから店戻るぜい」 
 
上条「まじかよ!ヘルプついていいか?」 
 
土御門「枝いないからタダのヘルプになっちまうぜい?」 
 
上条「それでもこんな寒空の下でキャッチよりましだっつの!」 
 
土御門「なら戻るかにゃー」 
 
不肖わたくし上条当麻は大学にも進学できず、学園都市の小さな歓楽街にてホスト業に勤しんでおります。 
指名客はさっぱり、比較的女子に人気だった感もあったけども、土御門曰く単にモテ期だったのではないかとの事…  
なんつーか毎日がだりぃ… 

104: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:22:18.74 ID:nFgxkaU0
上条「トイレ行ってから席つくわ」 
 
土御門「ほいよ」 
 
俺「上条さんがトイレいってる間に、あまり聞きなれない言葉を簡単に説明する 
  枝:担当のいるお客さんが連れてくる、指名ホストの居ないフリーのお客さん お客さんの前ではフリーというのが礼儀  
  幹:枝をつれてくる担当がすでにいるお客さん。あの子が幹だからといわれて、美紀さんとお客さんを呼ぶ新人が後を絶たない 
  ラブボックス:ホスト同士が使う言葉、ラブラブな雰囲気のテーブルやテーブル配置で死角になる様なテーブルつまり人目につかない 
         本命彼女だったり、ホストがボトル交渉したい日など案内されたりする 
  ○:お客さんと○○○○して店に引っ張る営業方法、表向きは卑下される行為だが、誰もが通る道 
  コール:一気飲みのコール、もしくはボトルをいただいたときに店内で叫ぶ事、マイクパフォーマンス 
  ヘルプ:メインの指名ホストを助ける者、担当ホストがいない間お客さんの相手をしたり、客数の多いテーブルに着いたりする 
      優秀なヘルプは担当がいなくてもボトルの交渉したり、担当のフォローまでこなす。NO.1がその立場にいるのはヘルプが居るからである 
  営業:普通の営業とはちょっと異なる。電話連絡などして店に誘ったりと…キャバに行かれる方はよくご存知だろう 
  先輩後輩などの上下関係は年齢による物では無く、店に入った順で決まる。先輩に口答えなどは許されません。絶対服従が鉄則」
  セリフの後ろの(  )は上条さんの心の声です 
 
上条「ちわー、女Aちゃんご一緒いいですか?」 
 
女A「おお、君はかみやん!どーぞー」(ノリよくて助かる) 
 
土御門「お、かみやんにもビールいいかにゃ?」(土御門GJすぎ) 
 
女A「おっけーです!」 
 
上条「ああ、んじゃ俺行ってくるわ」 
 
女A「かみやんダッシュぜよ!」 
 
土御門「人の真似しないでくれにゃー」  
 
「アハハハハハ」 

105: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:23:30.36 ID:nFgxkaU0
浜面「お、上条さん戻ってたんっスか?」 
 
上条「ああ、土御門のヘルプで戻ったわ」 
 
浜面「土御門さん客一人じゃないっスか?」 
 
上条「そーだけど」 
 
浜面「俺、今指名被ってるんでヘルプ欲しいんっスけど」(先輩にヘルプ付けってか) 
 
上条「誰かいねーの?つか俺ビールもらったばっかだし」 
 
浜面「ああ、マジスカ。マネージャーには言ったんすけど」 
 
上条「…後でよければいくわ」(だりぃ) 
 
浜面「早めにお願いします」(相手できねーなら客よぶんじゃねーよ)

106: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:25:06.99 ID:nFgxkaU0
上条「15番で生2です」 
 
マネージャー「おい上条」 
 
上条「…はい?」(…なんだよ) 
 
マネ「お前ヒマだろ?浜面が指名被ってんだ。ヘルプ周りしてくれ」 
 
上条「…でも、女Aさんとこで生貰いましたし。浜面には後で行くっていいました」 
 
マネ「また土御門の席で気楽な仕事かよ、だから客増えねーんだ」(黙れクソが!) 
 
マネ「美琴ちゃんも今じゃ月一だろ、まともな仕事は月一回だけじゃねーか」(月一でもデカイんだよこっちのは) 
 
マネ「浜面はお前の後輩なのにヘルプガンガンついて、客も今のお前より多いだろ」 
 
マネ「浜面の7番テーブルで3人のとこ枝が二人だからすぐいけよ?」 
 
上条「はい…」 
 
上条(なんだよ…!売上げは浜面より上なのにうるせーな、数多くても美琴一人に勝てねーじゃねーか)

107: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:26:11.78 ID:nFgxkaU0
上条「おまたせ」 
 
土女A「「遅いにゃー」」 
 
土御門「被るなぜよ」 
 
女A「えへへ」 
 
上条「すまん、上条さんなりに急いだんですけどね…」 
 
土御門「んじゃ乾杯するぜよ」 
 
女A「かんぱーい!ぜよ」 
 
上条「いただきます!」 
 
チン 
 
上条「さっそくだけどちょい浜面のとこに行ってくるわ」 
 
土御門「ん?いきなりだにゃ」 
 
上条「あっちのクセ悪そうなとこに付けってさ。いきたくねー」 
 
土御門「ああ同情するぜよ。まぁ浜面も頑張ってるからにゃー」 
 
女A「生きて帰ってきてねぜよ、かみやん」 
 
上条「がんばってきまーす」 

108: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:27:46.70 ID:nFgxkaU0
上条「ちわーッス!ご一緒よろしいでしょうか!」(お、青ピいんのか) 
 
青ピ「おお!かみやんきたでぇ!」 
 
絹旗「どーぞどーぞ」                           
          
青ピ「んじゃモアイちゃんとむぎのんの間に座ってー」  
       フレ 麦上 
こんな感じ  青■■絹  真ん中は姫神じゃありません
  
絹旗「モアイって超言わないでください!」 
 
麦野「バカ面まだ?アタシの酒残していきやがって」 
 
フレンダ「結局浜面はボトル2本目な訳よ」 
 
青ピ「ほなボク飲んでいいやろか~?」 
 
麦野「アンタは強いからおとこわりだなww」 
 
青ピ「おとこわりとか嫌やわ~!でもおことわりも嫌や~!」 
 
「アハハハハh」 
 
上条(あーついてけねー このテンションなんだよ…) 
 
青ピ「おお!?かみやんのグラスがまだないでぇ~?」(ナイス青ピ、飲んでテンション上げるか!) 
 
上条「おおっと!?うっかりしてたわ、いただいていいですか!」 
 
フレ「結局、麦野しだいな訳」 
 
麦野「なんか面白いことやってよ」 
 
上条「ええ!?まじでー?」(一番ウゼータイプだクソ!) 
 
絹旗「なんか超嫌そうなんですけど」 
 
上条「いやいやそんなことないですよ、ハハ」(黙ってろチビ)

109: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:32:26.47 ID:nFgxkaU0
席順ずれてるけど脳内補完頼む フレンダと麦野の間は 浜面がいたとこ 
下のもずれそうだからそっちも脳内で頼む 
 
上条「んじゃ… ミッキーマウス!!」  
   ●  ●←灰皿
 く(・д・)> 
麦野「…つまんねぇ」 
フレ「これはこれで…結局ないわ」 
絹旗「超死んでください」 
 
青ピ「毒舌!モアイちゃんそれはへこむわー」 
 
上条(クッソ、無茶振りすんじゃねーよ) 
 
絹旗「モアイって言わないでください超!」 
 
麦野「絹旗ww超のつけどころがおかしいってww」 
 
「アハハハハh」(かえりてー) 
 
青ピ「ちょっとボクお客さんとこ行ってくるわ」(はぁ!?俺一人かよ!!) 
 
フレ「えー、結局青ピが居なくなったらつまんない訳よ」(はいはい、俺ですみませんね) 
 
青ピ「んじゃフレンダちゃんからのご指名待っとるからね」(俺が指名すっからここに居てくれよ!!)

110: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:34:35.03 ID:nFgxkaU0
上条「まぁ…青ピ居なくなったけど盛り上がっていこうー!」(はぁ…) 
 
麦野「浜面まだ帰ってこないの?」(うるせー!盛り上がれっつってんだよ!) 
 
フレ「結局、他に客がきてるみたいね。あっちの角の方のテーブルに行ってた」 
 
絹旗「ここからは超死角ですね」 
 
上条「ああラブボックスかな」 
 
麦野「はぁ!?」(しまった!) 
 
絹旗「なんなんですか?ラブボックスって超気になります!」(気にしないでいいから!) 
 
上条「いや…お客さんがさ?死角にいるテーブルに…?」(やばいやばいやばい!) 
 
絹旗「超目が泳いでるんですけど」(お前は黙ってろ!チビ!) 
 
上条「いや…指名のお客さんがお互い視界に入らないように案内するんだよ」(いけるか!) 
 
麦野「そりゃ分かるけど、なんでラブボックスなんだよ?」(無理か!!) 
 
上条「え…?あー。喉が渇いてちょっと何か飲みたいなー」(逃げ切るぜ!) 
 
麦野「ふざけんな!!」ガチャン! (失敗!!)
 
麦野「飲みてぇなら飲ましてやんよ!!オラ!」ドン 
 
麦野「一気で飲めよ?」 
 
上条「いや…これはちょっと」(ボトル丸々じゃねーか!死ぬわ) 
 
黒服「上条さんお願いします」(いいタイミングだ!) 
 
麦野「今アタシがこいつとしゃべってんだ」(壁としゃべってろクソ女) 
 
上条「いやいや、ちょっとすぐ行ってすぐ帰ってきます!」(脱出!) 
 
麦野「チッ!」(くわばらくわばら) 

111: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:36:18.32 ID:nFgxkaU0
上条「はい」(マネージャーかよ) 
 
マネ「お客さん怒ってるけどなんだ?」 
 
上条「いえ…なんでも」(あーだりー) 
 
マネ「おい、浜面呼んできて」(もうあのテーブルに固定しとけよ) 
 
上条「なんか、浜面が遅いって言い出して機嫌悪いみたいなんですよ」 
 
マネ「遅いと感じさせない為にヘルプが盛り上げるんだろうが」(頑張ってるっつーの) 
 
浜面「はい?」 
 
マネ「7番がなんか遅いって怒ってるみたいだから戻ってくれ」 
 
「20番テーブルゥ、ヘネシーXOいただきましたァ!」「「「ありがとうございまーす」」」」 
 
浜面「マジスカ?さっきまで機嫌よかったのに…」(なんでこっち見んだよザコ助) 
 
マネ「上条は25番テーブル行ってくれ」 
 
上条「はい」(また浜面のヘルプか…)

112: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:37:46.02 ID:nFgxkaU0
上条「しつれーしまーす」(なんでジャージなんだよ。自分ち感覚か!)  
 
滝壺「こんばんわ、どーぞ」(でもおとなしめでかわいいな)
  
上条「こんばんわー」 
 
上条「上条って言いますよろしく、お名前は?」 
 
滝壺「りこう、かみじょーはいくつ?」 
 
上条「上条さんは25ですよ」(ああなんか癒されるわ)
 
滝壺「はまづらとあんまり変わらないね」 
 
上条「そうそう、一杯貰っていい?」 
 
滝壺「あ、ごめんね どーぞ」 
 
上条「いただきまーす」 
 
「1番テーブルさンからピンドンもらったンですけどー?」「「「うらやましー!!」」」 
 
滝壺「ドンペリだって、すごいね」 
 
上条「ああ、今のNO,1だな」(スゲーの分かってるから毎回コールすんなっつの)

113: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:40:11.28 ID:nFgxkaU0
滝壺「ドンペリ、いくら?」 
 
上条「安いので5万で真ん中で15万、16万高いのは50万、今日はもっと高いのは無いです」 
 
滝壺「そうなんだ…高いね」(安いので上条さんの10日分の日給ですよ) 
  
上条「いれてみる?浜面も喜ぶよ」(浜面に恩売っとくか。ジャージだから期待できねーけど) 
 
滝壺「うーん…せっかく初めてのボトルだから50万の方で」(ブーッ!!AA(ry )  
 
上条「50万の方!?いいの?」 
 
滝壺「うん、はまづらが喜んでくれるなら」(うわーおいしい客だなオイ!!ラブボックス納得だ) 
 
上条「りこうちゃんのあっちも初めてなのかな?ww」 
 
滝壺「いや…それは、はまづらが…///」(かわいい顔して店の外じゃすでに浜面のボトル入れてますってか!?) 
 
上条「まぁ持ってくるわ、浜面びっくりさせようぜ!」(そして俺に感謝するがよい) 
 
滝壺「うん…」

114: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:41:03.64 ID:nFgxkaU0
上条「マネージャー25番でゴルドンお願いします」 
 
マネージャー「はぁ?25番って浜面のとこだろ?」 
 
上条「NO.1のコールに引っ張られたみたいで、ちょっと押したらおkでました」(称えるがよい) 
 
マネージャー「あー、まぁ俺はかまわねんだけど、浜面呼んで来い」(なんで呼ぶんだよ!) 
 
上条「いえ、浜面をびっくりさせたくて入れるみたいなんで、それにあっちのテーブル大変そうですし」 
 
マネージャー「うんー、とりあえず浜面だ。あけれる様に準備だけしとけ」(浜面浜面うるせーなクソ) 
 
上条「…はい」 

115: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:42:15.73 ID:nFgxkaU0
上条「お待たせ、準備してようか」 
 
滝壺「うん、かみじょうはこれ飲むの、初めて?」 
 
上条「いや、月一回は飲んでるかな」 
 
滝壺「すごいね、かみじょうのお客さん?」 
 
上条「うん、月一回しかこなくなったけどね」 
 
滝壺「愛されてるんだね、その人に」 
 
上条「ああ、そうかもね? 浜面遅いな、注いで待ってようか」 
 
滝壺「うん」 
 
ポン… 
 
滝壺「いい音だね」 
 
上条「そうだね」(ヘルプ席で空けると空しいもんだな) 
 

116: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:44:11.03 ID:nFgxkaU0
上条「お、戻ってきたよ」 
 
浜面「ちょっと!!開けてるし!!」
 
滝壺「今開けたばかりだよ、はまづら」(そうだあせるなザコ助) 
 
浜面「いや、入れるなよこんなん、いくらすると思ってんだ!」(何言ってんだ?) 
 
滝壺「50万だけど…。気に入らない?」 
 
浜面「いやいやいやいや、50万あったら何ができるよ?考えようぜ?」 
 
上条「おいおいせっかく入れてくれたのに、そりゃないだろ」(何考えてんだこいつ) 
 
浜面「他人は黙っててくださいよ」 
 
上条「あ?」 
 
浜面「こいつ俺の彼女なんですわ、店くんのも俺の自腹で呼んでるんすよ」(………………え?) 
 
浜面「滝壺ものせられんなよ」(おいおい俺が悪者かよ、ざっけんな!) 
 
滝壺「これの分は私がだすから、はまづらは気にしないで」 
 
滝壺「私がはまづらの、喜ぶ顔みたかったから」(そうだそうだ!その女が入れるっていったんだ) 
 
浜面「っっ!   はぁ~~~」 
 
浜面「んじゃいいわ、上条さんちょっと外してもらえますかね?」(口の利き方なってねーなこいつ) 
 
上条「いいけど?  んじゃまたね」 

117: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:45:19.60 ID:nFgxkaU0
マネ「おい」(なんだよ) 
 
上条「はい?」 
 
マネ「お前今日帰っていいぞ。んで明日ちょい早めに来い」 
 
上条「え?」 
 
マネ「7番のとこでお前チョンボしただろ、浜面キレてんぞ」(チクリくんだな、あいつ) 
 
マネ「んで今のゴルドンは浜面の女だろ」 
 
上条「みたいっすね」(しらんかったし) 
 
マネ「ゴルドンは?」 
 
上条「注いだけど…まだ飲んでないみたいっすね」 
 
マネ「俺は準備だけっつっただろ!浜面待てっていったよな!?」(あーだりー) 
 
上条「いや…」 
 
マネ「もういい、帰れ。 明日早くこいよ!」 
 
上条「…はい」

「なンでもないようなことがァ~ しあわせだァったとおもォ~うゥ~ なンでもないよるのォこォとォ~ 二度とはもどれないよォるゥ~」

118: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:46:59.18 ID:nFgxkaU0
上条「ただいま」 
 
美琴「あら、おかえり。早いじゃない?」 
 
上条「…美琴」ギュ 
 
美琴「どうしたの?何かあった?」ナデナデ 
 
上条「…別に」チュ (イライラがおさまらねぇ) 
 
美琴「んっ…もうどうしたの? あ…、こら」 
 
上条「しようぜ」モゾモゾ 
 
美琴「もう、甘えんぼさんね」 
 
上条「美琴…」 
 
・ 
・ 
・ 
 

119: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:48:07.72 ID:nFgxkaU0
上条「…ふぅ」 
 
美琴「…ハァ …ハァ」 
 
上条「大丈夫か?」 
 
美琴「…ぅん、ちょっと激しかったかも 起きれないょ」 
 
上条「ハハッ、 ありがとな美琴」(なんか落ち着いたな 賢者モードってやつか) 
 
美琴「うん? どういたしまして?」(こいつが一番落ち着くなやっぱ) 
 
上条「今日いろいろあってさ… 明日ちょい早くでるわ」 
 
美琴「同伴?」 
 
上条「いや、ミーティングじゃねーかな?」 
 
美琴「そう…頑張ってねダーリン?」 
 
上条「頑張るよ、もう一回する?」 
 
美琴「いやムリムリ!」 
 
上条「しかし美琴さんの体は正直なのであった」クチュ 
 
美琴「あんっ…ちょっ…もう… んっ…」 
・ 
・ 
・ 
・ 

120: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:52:14.25 ID:nFgxkaU0
上条「おはようございます」(腰いてーな) 
 
マネ「おう、おせーぞ上条」(時間聞いてねーし) 
 
浜面「…ザース」(まじこいつ俺を舐めてるな)  
 
土御門「おはようにゃー」(こんだけしかきてねーって事は…ありがてー説教の始まりかよ) 
 
上条「すみません」 
 
マネ「お前の昨日の浜面のテーブルでのチョンボだがな」(あーかえりてー) 
 
マネ「経過は7番の3名は終始お前を呼べといってたが、浜面が納めて帰ってもらった、テーブル壊されたがな」(帰っててよかった…つか出禁にしろよ) 
 
マネ「25番のゴルドンの件、店は関知しない、浜面が払うそうだ」(だからなんだよ) 
 
マネ「新人の頃は鈍キャラで可愛がられてたが。お前、もう25だぞ気持ち切り替えなきゃタダの無神経なバカだ」(ひでーなおい)  
  
マネ「ちょっと気を回すだけで浜面も客に土下座する必要なかった」(痛客に土下座したのかよ、乙) 
 
マネ「ゴルドンも浜面待ちゃ、こいつが負担することもなかった。まぁ個人の意見だがな」(そういう事はあの女に言えよ、ちゃんと女の教育しとけバカ面) 
 
マネ「上条お前からなんかあるか?」(質問抽象的すぎなんだよ) 
 
上条「まぁちょっと不注意だったのはあります、浜面悪かったな」 
 
浜面「……」(なんか言えよボケ) 
 
マネ「幹部会での決定はこの際クビでもしかたないそうだ」 
 
上条「え!?」(なんで俺がクビになんだよ!売上げそれなりにあげてんだぞ!!) 
 
マネ「まぁ聞け、しかしお前がやる気がある、これから性根入れ替えて頑張るってんなら続投だそうだ」(青春ドラマかよ)  
 
上条「やる気もありますし、これからも頑張ります」(しか言えねーわな) 
 
マネ「まーそういうこった、お前らもいいか?」 
 
浜面「納得できませんよ」(あ!?) 

121: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:52:46.97 ID:nFgxkaU0
浜面「俺、上条さんより後に入って、追い抜く為に必死こいて頑張ってやってんスよ」(何言い出すんだこのバカ) 
  
浜面「この人たぶん分かってないと思います」(…) 
 
浜面「指名本数じゃ自信無くても、売上げじゃ自信あるでしょ」  
 
浜面「俺と勝負してください!」(漫画読みすぎだろこいつ) 
 
上条「いや俺ら常に勝負の世界だろ?、何が言いてーのかわからん」 
 
浜面「今月俺に負けたら辞めてください!」 
 
上条「はぁ!?浜面お前なめてんのか!?」 
 
マネ「はまづらぁ!!お前がスタッフ辞めさせるとかどんな権限でしゃべってんだコラァ!!」 
 
浜面「それくらいの覚悟で言ってます!」 
 
土御門「まぁまぁ ちょっと落ち着くぜよ」

122: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:55:14.79 ID:nFgxkaU0
土御門「確かにかみやんの最近の仕事ぶりは甘えがあると思うにゃー」 
 
土御門「でも、俺も幹部会でクビの意見に反対したし、チャンスを与えるべきだと思うぜよ」(さすが我が親友だ) 
 
土御門「俺らはライバル同士だけど、同じ店でやってる仲間ぜよ」 
 
土御門「浜面も今回50万直撃して怒るのもわかるが、その辺責任折半するなりして仲直りしないかにゃー?」(25万か美琴にいえば楽勝だな) 
 
上条「俺はそれで構わないぜ」 
 
浜面「納得できないッス」(!?) 
 
浜面「俺は銭金の問題で言ってるんじゃないっスよ、上条さんがここで働いてる時点で俺の負けだと思ってます」 
 
浜面「俺が負けたら俺は出て行きます。それくらいの覚悟で物言ってるつもりです」(こ…こいつ!!!) 
 
土御門「俺がここまで言っても収まらないのか?」 
 
浜面「はい」 
 
上条「おもしれぇじゃねーか」 
 
マネ「おい上条」 
 
上条「幹部会でクビの話まででてんだ、俺の覚悟も見せてやんよ、浜面」 
 
上条「お前が俺を気にいらねぇのは分かる、俺だって落ち度もあるさ。でもなぁそれでお前が俺に舐めた口きくってんなら話は別だ!! 
   俺に勝つ気でいるならおもしれぇ!!勝って追い出してみろよ!!でもなぁ、そう簡単にできるもんじゃねぇ 
   自分が主人公気取りで何でもできるって思ってんなら、 
   いいぜ俺が そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 し て や る !!」 
 
浜面「じゃあそういうことでお願いします」 
 
マネ「まったく…解散だ」 
・ 
・ 
・ 
土御門「かみやんのアレ久しぶりに聞いたぜよ」 
 
上条「ああ、土御門も悪かったな。庇ってくれてさ。俺絶対負けねーから」 
 
土御門「今のかみやん目が輝いてるにゃー。俺も青ピも締め日までフォローするぜよ」 
 
上条「ああ、ありがとうな」 

123: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:57:01.93 ID:nFgxkaU0
上条「ただいまー」(美琴は寝てるか) 
 
上条(締め日まで後10日か、美琴は明日休みだから同伴だ、その後も仕事休ませてでも楽勝だな) 
 
上条(俺の売上げが14.000、浜面が6.200.000か。まぁその内50万は俺のおかげだけどな) 
 
上条(寝よう…かな 浜面くんさいなら~) 
 
美琴「う…ん?お帰りぃ」 
 
上条「ただいま」チュ 
 
上条「美琴?」 
 
美琴「うん…?」 
 
上条「アイシテルぜ?」ギュ 
 
美琴「エヘヘ」 

124: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 01:58:34.51 ID:nFgxkaU0
残り10日 
 
上条「ってことで店入る前になってだけど。残り10日、お願いします!」 
 
美琴「うーん、仕事も今、手空いてきたけど 売上げであまり頼らない様に、店の外での時間を二人でもっと大事にって事じゃなかったっけ?」 
 
上条「非常に耳が痛いです!ごめんなさい!」  
   
美琴「まぁしゃーないわね、完全に休むのは無理だけど。仕事時間と睡眠削れば同伴ラストも無理じゃないわ」 
 
上条「ありがとうございます!!」
 
上条(残り10日で6.186.000 楽勝だぜ) 
 

125: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:00:01.54 ID:nFgxkaU0
上条「では電撃姫どうぞ」ガチャ 
 
美琴「電撃は余計よバカ」 
 
上条「いらっしゃいませー!!」 
 
「「「いらっしゃいませー」」」 
 
マネ「美琴ちゃんいらっしゃい、今日はガンガンいってね!」(俺に対する扱いの違いはなんだ) 
 
美琴「なんかイロイロあったらしいから、締め日まで毎日くるわよ!」 
 
マネ「美琴ちゃんフィーバーだなそりゃ!毎度あり!!」  
 
土御門「おー嫁さん着たかにゃー ここは俺がご案内するぜよ」 
 
美琴「まだ嫁じゃないわよ」 
 
土御門「まだって事はそろそろかにゃー?」 
 
美琴「うっさいわね、早く案内しなさいよ!」 
 
土御門「おーおー こちらのラブラブシートへご案内するぜよ」 
 
美琴「なんか広いわね、一人なんだけど」 
 
土御門「話聞いたんだろ?かみやん一人じゃ酒飲みきれないにゃー ヘルプがガッツリくるから覚悟しとくぜよ」 
 
美琴「返り討ちにしてあげるわよ!」 
 
土御門「おーこわ。んじゃあとでにゃー」

126: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:02:50.40 ID:nFgxkaU0
上条「さて…何から飲むかね」 
 
美琴「とりあえず狼煙あげましょうか ゴルドン5本持ってきて」 
 
上条「ブフッ!マジデスカ美琴サン」 
 
美琴「こうなったらとことんやるわよ、というかまず土御門を潰す!」 
 
上条「んじゃコールで一気にいくわな」 
 
美琴「おっけー」 
・ 
・ 
・  
『よいしょォ~い!野郎ども今日から10日間全員二日酔いらしィからなァ!オリジナr 美琴姫に感謝しやがれェ~!!』 
『ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!今日はァ!姫様から王子にゴルドン!ゴルドン!一気に5本!!』   
『まずはァ!誰に!飲ませたい!?3.2.1. 』 
美琴「とうま!!」 
『でーわでわでわァ!上条くンがでかいグラスで、行くぜェ!快感!絶頂!エクスタシーィィ!!カンパァ~~~イ!』 
「「「かんぱーい!!」」」 
上条「ングングングッ…ン」(炭酸キっつい!) 
 
『ハイハイィ!ンじゃ残りがまだまだあるがァ、トドメは誰だァ!俺ァだめだぞ?』 
美琴「逃げるな、NO.1! んじゃ土御門!!」 
土御門「なんで俺なんだにゃー!?」 
「「「アハハハハハハ」」」 
『土御門ならコールいらねェな』 
土御門「してくれよ!!テンション上げてくれにゃー」 
『うるせェ、おら一気!一気!一気!一気!』 
土御門「古いぜよ」 
・ 
・ 
・ 
美琴「やっぱ楽しいわね~」 
 
上条「あんまりホストにハマっちゃだめですよ」 
 
美琴「お前がいうな!」 
 
黒服「上条さんお願いします」 
 
上条「ん?なんだ?」 
 
美琴「…いってらっしゃい!」

127: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:04:31.27 ID:nFgxkaU0
上条「はい」 
 
マネ「9番で指名だ、ダブル指名」 
 
上条「え?はい」(誰だ?) 
・ 
・ 
上条「おお!神裂に五和じゃねーか 久しぶりだなー」 
 
神裂「ご無沙汰しております」 
 
五和「おひさしぶりです!」サッ  
 
上条「いや、おしぼり出すのは上条さんの仕事ですから」 
 
神裂「一緒に来て別々に座るのもおかしいので、二人で指名してみました」 
 
上条「一人すれば上条さんは来ますよ」 
 
神裂「いえ、まぁいいじゃないですか。どーぞこちらへ」 
 
上条「なぜか上条さんが接客されてるような構図ですけど」 
 
五和「いいじゃないですか、久しぶりなんですから。女教皇様ちょっとずってもらえますか?角で座りにくいです」 
 
神裂「それですと私が角になります。そっちにずれると楽なのでは?」 
                                     五上神 
五和「それはずるいです!」                        ■■ 
                                    上神   ※姫神ではない
上条「ああ、じゃあ上条さんが角にいけば解決ですね…」          五■■ 
 
神裂「今日は土御門から連絡があって急ぎ駆けつけました。あなたには借りが大いにありますので」 
 
上条「まじかようれしいぜ」(土御門…ありがとう) 
 
青ピ「じゃじゃーん!キレイなお姉さん達がかみやん囲んどるでぇ~!これはご一緒して僕もあやかろ~」 
 
上条「同じ日に入った青ピだ、高校からの付き合いなんだ」 
 
五和「よろしくお願いしますね」 
 
神裂「今日はお金の事は気になさらずなんでも頼んでください。教会から資金もでてますので」 
 
上条「マジスカ」(激アツ!!) 
・ 
・ 
・ 
・ 

128: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:05:53.83 ID:nFgxkaU0
上条「ただいま~」 
 
美琴「あ、お帰り~///」

上条「なんだ?酔ってるのか?」 
 
土御門「ゲームに負けても挑んでくるから仕方なくだにゃー 俺全然飲めないぜよ」 
 
上条「ああ土御門ありがとうな、神裂達呼んでくれて」 
 
土御門「なーに、親友のクビが掛かってるなら安い仕事だにゃー」 
 
上条(美琴とあっちのテーブルで今日は450万くらいだな…) 
 
美琴「あーもう閉店だー///」 
 
土御門「んじゃ俺はテーブルに戻るにゃー」 
 
上条「ありがとな、土御門」 
 
美琴「あいついいやつね色々アンタの心配してたし。青髪だっけ?あの人も」 
 
上条「ああ、ずっと一緒にやってきた仲間だからな…」(浜面は今日30万くらいか、NO.1のテーブルに取り入ろうとしてたなクソが) 

129: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:09:16.56 ID:nFgxkaU0
日は飛んで締め日まで後3日 
 
浜面 8.640.500 
上条 7.801.000
 
上条(あれからちょこちょこ土御門が営業してくれて追い上げたな) 
 
上条(残り3日か、最終日にゴルドンラッシュで逆転もカッコいいな…フフ) 
 
美琴「何考えてるの?」 
 
上条「んー?別に」 
 
美琴「ねぇねぇ、土御門は?」 
 
上条「あいつはどっかテーブル持ってるんじゃないかな、一応NO.4だからな」 
 
「あいたかったァー あいたかったァー あいたかったァー きみにィー イエス!」 
「てめーの面見て歌チョイスしろNO.1!!」 
 
美琴「ふーんそうなんだ」 
 
「うるせェ!リクエストだァ!カラオケのジャマすんじゃねェ!NO.2にゃ常識はねーのかァ!」 
「俺に常識は通用しねーよ!!」 
「ミサカのリクエストなのに!ってミサカはミサカはNO.2に徹底抗議してみる!」 
  
上条「ああ…」(なんか元気ねーな、まぁ俺の勝ちはほぼ確定だ) 
 
「「「いらっしゃいませー!」」」
 
「おらバカ面きてやったぞ」 
 
上条(ん?この声は) 
 
麦野「とっとと案内しろよ」 
 
上条「あいつだ、よりによって後ろのテーブルかよ… こないだ話した痛客だ」 
 
美琴「あれって、元第4位じゃない?」 
 
上条「はぁ?あれもLEVEL5かよ!?」 
 
美琴「うん、原子崩しってやつだった」 
 
上条(…ちょっとやばいか?)

130: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:11:58.61 ID:nFgxkaU0
上条「なぁ美琴、またゴルドンいいか?」 
 
美琴「…うん、いいけど」 
 
上条「ん?どうした?」 
 
美琴「ううん…いい」(はっきりしないな、まぁいい) 
 
「お飲み物はいかがいたしますか?」 
麦野「店にあるだけのシャンパン持って来い」(!!!) 
 
上条「おい!!!ちょっと待て!!」 
 
麦野「あん?なによ」 
 
上条「こっちもシャンパンいれるんだそういうのやめろよ」 
 
麦野「はぁ?早いもの勝ちじゃねーの?チンタラしてるのが悪いんじゃない?なぁ?そうだろ?」 
 
黒服「はい」 
 
上条(クソ!!やられた!!!!、明日は日曜…店休日だ。月曜一日で勝負しなきゃならねぇ!!) 
 
『ァーァー テステス なンかシャンパン全部買い占めた姫がいるらしいンですけどォ』 
『それでもまだまだ飲み足りない!!王子浜面ァ!!今日は昇天するまで飲ンじゃってェ!!』 
 
麦野「おい飲むのはバカ面じゃなくて、こいつだ」(??) 
 
上条「え?なんで俺?」 
 
麦野「お前、こないだ酒飲むっつって帰ってこなかっただろ。利息付けて飲ましてやんよ」(!?なんだと!!クソクソクソクソクソ!!) 
 
『アイ!アイ!アイ!アイ!生贄指名の上条くン!テンション上げて、逝っちゃってェー!』(クソクソクソクソ!!誰か代打こいよ!) 
 
麦野 パクパク 
 
上条(ん?…なにか言ってる?) 
 
(ぶ・ち・こ・ろ・し・か・く・て・い・ね) 
・ 
・ 
・ 
・ 
・  

131: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:15:37.85 ID:nFgxkaU0
上条(クソ…動けネー) 
 
土御門「かみやんよくやったにゃー、聞えるかにゃ?」 
 
上条「ぁ”ー」(気分わりぃ) 
 
土御門「意識はあるみたいだが、動けないぜよ」 
 
美琴「どうなっちゃうんだろ…」(お前が頼りだ) 
 
土御門「幸運なのか不運なのか明日は店が休みぜよ、この状態なら二日酔いだろうからゆっくり休めるにゃ」 
 
美琴「え?店休みなの明日」(…しまった!!店休の事隠してたのが) 
 
土御門「ん?日曜は店自体休みだにゃー」(やめろ土御門!!しゃべるな!!) 
 
美琴「それっていつから?」(やばい!!休みなのに仕事っていって遊んでたのがバレル!) 
 
上条「あ”ヴァー オェッ」(ちょいお下品だがこれでどうだ!) 
 
美琴「わわ、大丈夫?」(やばいです、いろいろと) 
 
土御門「ちょっと。 かみやん気分悪そうだからトイレ連れてってやってくれにゃー」(お前が連れてけ!!) 
 
黒服「はい」(待て待て!!お前はお呼びでない!!) 
 
上条「んむ”ーオヴぉッ」ビチャ 
 
麦野「ギャハハ、きったねー。グロッキーだなこりゃ!」(クソクソ、黙れヤリマン!!)   
 
「それで店休みってどういうこと?」(やめろおおおおおおおおおおおお!!) 
・ 
・ 
・ 

132: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 02:49:06.60 ID:nFgxkaU0
ここまでで、続きの需要あるかわからんがまた夜に投下します 
ちなみに私は嫌いなキャラはいませんが一方通行は大好きです 
 
果たして上条さんは「愛してる」を言えるのか… 
美琴ENDは迎えられるのか… 
 
交互期待 

133: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 07:58:52.77 ID:nFgxkaU0
することなくて進んだ分だけ投下 
 
締め日まで後2日 店休日 
 
上条(気分わりー、結局どうなったんだ… 土御門にメールしよう)ピッピ 
 
上条(たぶん嘘ついてたのバレただろうなー) 
 
上条「おーい美琴ー」(しゃべるのもきつい) 
 
上条(…いないのか) 
 
上条(…起きるか) 
 
・ 
・ 
上条(仕事行ってきます、食事は適当に。帰ったら話があります。 んで5.000置いてるわけか) 
 
上条(今まで飯絶対作ってたのにな…)  
 
上条(メール帰ってきた)ピピ 
 
  昨日はお疲れ 
店休のこと言ってなかったんだな、うっかりしゃべっちまった。 
一応フォローは入れておいたから大丈夫だとは思うが…。ほんとスマン。 
 
売上げは上条 8.601.000 
    浜面 18.460.000 現在NO.4 
 
あの後嫁さんもボトル入れたんだが、ヘルプも後ろのテーブルにとられて空けれなかった。スマン。 
 
上条(一千万も差があるじゃねーか…!) 
 
上条(あの麦野とかいう女…ムカツクな) 
 
上条(開店と同時にいって、ボトルもシャンパンも全部買占めすりゃいけるか…) 
 
上条(つーか浜面もあの女がいたから、あんなこと言ったんだな…嵌められた) 
 
上条(まぁいい最後に泣くのはあいつらだ)

134: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:02:32.10 ID:nFgxkaU0
ガチャ 
 
上条(帰ってきたか、今日は全力で機嫌とるか) 
 
上条「美琴か?」 
 
美琴「…うん ただいま」 
 
上条「おかえり、美琴」 
 
美琴「寝てたの?ごはんは?」 
 
上条「さっき起きたんだけど、気分悪くて 飯は食ってないつか食えない」 
 
美琴「……そう」 (昨日のこと気にしてるのか?) 
 
上条「なんか…話あるんだろ?」 
 
美琴「…うん あのさ」 
 
美琴「店休とかはもう土御門から聞いてさ」 
 
美琴「まぁあんたも事情あるんだろうし、あそこの客層考えたら心配させまいとするのは分かるんだけど」 
 
美琴「嘘だけは止めてほしい」 
 
上条「ああ、ごめん」 (しまった土御門はこいつになんて言ったんだ…)
 
上条(客層…心配…。都市上層部絡みか? 全部NO.1.2の派閥の仕事なんだけどな) 
  
上条「まぁ色々あるんだ、仕事柄言いにくいこともあるからな」 
 
上条「まぁ仕事お疲れ様、シャワー浴びてこいよ」 
 
美琴「…うん」
 
上条(なんとかやりすごせたか、土御門にメールしとこ) 
・ 
・ 
・ 

135: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:07:45.41 ID:nFgxkaU0
上条「おお、温麺か。気が利くねぇ」 
 
美琴「二日酔いでも食べられるでしょ」 
 
上条「うんうん」 
 
美琴「そうそう今日さ「美琴」」  
 
上条「明日最終日なんだけどさ、浜面が昨日一千万くらい上げやがったんだ」 
 
美琴「………」 
 
上条「明日開店と同時に攻めるぜ!」 
 
美琴「…ぅん」 
 
上条「ん?どうした?」 
 
美琴「あのさ…アタシって何なのかな…?っとか最近思っちゃって」 
 
上条「何って?」 
 
美琴「なんだろ…よくわかんないんだけど、ちょっとおかしいのかなアタシ」 
 
上条「どうしたんだよ?言わなきゃわかんねーぞ」 
 
美琴「あの…、なんて言うか。アタシって当麻のなに!?」 
 
上条「何って何?抽象的でわかんねーよ。 彼女だろ?」 
 
美琴「だよね!…彼女だよね…。分かってるんだけどさ…」  
 

136: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:08:36.15 ID:nFgxkaU0
上条「何考えてるんだ? 疑問あるなら言えばいいだろ」 
 
美琴「分からないのよ!!なんか最近モヤモヤしたのがあるけど、言葉とかにできないのよ!!」 
 
上条「お前でわからない事、俺にわかるわけないだろ!」 
 
美琴「そんな言い方ないでしょ!!アタシだって不安なんだから!!」ポロポロ 
 
上条「美琴」ギュ 
 
上条「何を不安に思うことがあんだ?お前は綺麗だし、俺の前じゃ可愛い。仕事だって成功している」 
 
上条「しかも稀代の超能力者だ」 
 
上条「そんなお前が不安なんていったら世界中に安心なんてねーぞ。 ちょっと疲れてるんだよ」 
 
上条「泣くなよ、美琴」 
 
上条「愛してる」  
 
美琴「………わからなぃ、当麻がわからないよ…」 
 
美琴「愛してるが軽く聞えるよぉ… うぅっ…」 
 
--------何でも無いような事が幸せだったと思う 何でもない夜の事 二度とは戻れない夜------ 
 
俺はなぜか、以前誰かが歌っていたこの曲のフレーズを思い出した 
 
・ 
・ 
・ 

137: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:09:59.08 ID:nFgxkaU0
最終日 
 
美琴「仕事行って来るわ…」 
 
上条「おお、9時前には来てくれよ」 
 
美琴「…うん」 
 
美琴「ねぇ…当麻」 
 
上条「うん?」 
 
美琴「アタシの事愛してる?」 
 
上条「ああ、愛してるよ」 
 
美琴「……そう、ありがと」 
 
バタン 
・ 
・ 
ドアが閉まる音になぜか言いようの無い不安に駆られる 
なんなんだクソ!

138: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:11:04.09 ID:nFgxkaU0
最終日 20:45 とあるホストクラブ前 
  
上条(ちょっと早く来すぎたか) 
 
上条(浜面も同伴だな、残念だが出勤したら俺が抜いてるわ) 
 
上条(ボトル在庫も十二分だったしな) 
 
上条(そろそろ着てもいいころだが…。 …きたか) 
 
上条(ん?土御門と一緒?偶然かな) 
 
上条「おお、間に合ったな」 
 
土御門「時間にルーズはいかんぜよ」 
 
美琴「………」 
 
上条「どうした?」 
 
土御門「あのなかみやん、今日は俺もこの同伴に絡ませてもらうにゃー」 
 
上条「はぁ!?売上げ折半になるじゃねーか!!」 
 
土御門「あー、なんていうか…そこんとこ中で話すぜよ」

139: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:15:41.66 ID:nFgxkaU0
上条「どういうことだ土御門!説明しろよ!!」 
 
土御門「率直にいうぞかみやん、もうお前ここ辞めたほうがいいにゃー」 
 
上条「はぁ!?意味わかんねーし!!俺の味方じゃねーのかよ!!」 
 
土御門「味方だから!親友だから言わせてもらうぜよ!!」 
 
上条「訳わかんねーよ!!」 
 
土御門「落ち着こうか、…かみやん最近売上げの事ばっかり頭にあるんじゃないかにゃー?」 
 
上条「そりゃ当然だ。メンツ掛かってるからな」 
 
土御門「それで自分の女の気持ちにも気づいてやれないんだにゃー」 
 
上条「お前が何かいったのか!?」 
 
美琴「っ!」ビク 
 
上条「何なんだ?昨日からおかしいぞお前」 
 
土御門「昨日からじゃないぜよ?かみやん」 
 
土御門「俺はヘルプについててその子の様子も、かみやんの言動もおかしいと思ってたぜよ」 
 
土御門「店休の話があっただろ?実はあれ嘘なんだにゃ」 
 
上条「何?」 
 
土御門「かみやんにはフォロー入れたと言うから、それっぽく話合わせて聞いてみろってその子に言ったぜよ」 
 
上条「は? 嵌めやがったのか!!」 
 
土御門「聞け!!! かみやん言ったよな?性根入れ替えてやるって、甘えず、覚悟を決めるって」 
 
土御門「あれから今日まで、かみやんはその子以外誰かに営業したのか?」 
 
土御門「その子以外は全部俺の呼んだ客のはずだ!!」 
 
土御門「女の前でする話じゃないが、ホストなら自分の女裏切って○○○してでも引っ張ってくる」 
 
土御門「土下座してでも機嫌をとる!それが覚悟だ!!」 
 
土御門「何も変わってない、甘えた口だけ野郎のまんまだろ!!」

140: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:19:18.23 ID:nFgxkaU0
上条「………んでどういう話になるんだ…」 
 
土御門「その子も思い悩んだんでたんだ、このままじゃいけないって」 
 
土御門「なんでも自分で切り開いてきたかみやんが、自分のせいで牙が抜けたんじゃないかとな」 
  
土御門「んで店休の話で、自分に対する気持ちにすら嘘があるんじゃないかと」 
 
土御門「それで悪いがかみやんを試してみればいいって教えたんだ」 
 
土御門「嘘を言わず、正直に話せば不問とし、ごまかせばその時また考えるとな」
 
土御門「騙したのは悪いと思う、しかしこのままじゃどう考えてもその子が不憫だ」 
 
土御門「わかってくれ…かみやん」 
 
上条「…美琴はどうしたいんだ?」 
 
美琴「…………距離を置いて考えたい」 
 
上条「……そうか」 
 
上条「すまなかった…。いつからかわかんねーけど。なんか毒に侵されてたのかもしれないな俺」 
 
上条「ほんといつからだろうな…。昔はあんなにあぶねー事にも必死になってたのに…」 
 
上条「うん…間違いなく俺が悪いな」 
 
上条「二人ともすまなかった!!」 
 
上条「浜面にも謝るよ」 
 
土御門「それがいいんだにゃー」 
 
上条「美琴、悪かったな。悩ませちまって」 
 
上条「俺がお前に甘えすぎてた。まぁそれだけ幸せだったからな」 
 
美琴「当麻…今でもアタシの事好き?」 
 
上条「ああ…愛してる」 
 
土御門「一件落着だにゃー」 
・ 
・ 
・  

141: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 08:30:51.39 ID:nFgxkaU0
その日は宴だった 
売上げとかどうでもいい、安い酒だろうが高い酒だろうが飲めや歌えの大騒ぎだ 
浜面は快く許してくれた 
「毒が抜けましたね」だとよ生意気なやつめ 
だがその通りだなとすんなり受け止めれたのは浜面の言うとおりなんだろう 
あの元第四位とも酒を飲んだ 
ちゃんと話したらいいやつじゃないか 
カラオケでデュエットまでした。若いのに居酒屋って… 
因みに浜面の彼女とは知り合いだったらしい 
マネージャーもいい目になったじゃねーかって仕事放って一緒に飲んだ 
酒は誰か勝手に持ってくればいいと黒服も一緒に飲んで歌った 
NO.2が自分専用の冷蔵庫からツマミを持ってくる 
何でも出てくるんだけど、どうなってんだ? 
今日で引退になるが、見送りの華もない 
でもいいじゃねーか、楽しい酒を笑って飲める 
ああ…俺はこの夜を一生忘れないだろう 
誰かの完全記憶能力なんかなくても絶対忘れない 
初めて皆で笑って、泣いて飲んだ酒だ   
絶対忘れてなるもんか 
いつか流れたカラオケがまた流れる 
----なンでもないよォな夜がァ~ しあわせだァったとおもォうゥ~ ---- 
よく聞いたら悲しい歌じゃねーか!NO.1 
 
まったく縁起でもねぇ 

144: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 20:09:44.01 ID:rO8mAQg0
数ヶ月後 
夜の商売から足を洗った俺は土御門の紹介でビルのリフォーム会社に就職した 
アパートを借りて美琴とは別居中、生活費に悩む日々だが高校時代はもっと苦しかったから全然余裕だ 
完全自活の為に援助も断った、美琴と対等な関係でいたい、あいつを安心させたい一念で頑張れる 
アウトドア作業がメインで不摂生な体には酷だが健康的で気持ちがいい  
体を動かした仕事後の飯が旨い 
こんな小さな事で感動できるなんてしばらく忘れていた俺は、やはりどうかしてたのだろう 
今日は元職場のビルの外壁を塗り替える見積もりにきた 
土御門の依頼で俺指名で仕事を回してくれた 
何から何まで親友に感謝だ  
 
土御門「どうかにゃー?」 
 
上条「おお、依頼ありがとな」 
 
土御門「どの道どこかに頼むんだから、気にする必要ないぜよ」 
  
上条「それでもまだ新人の上条さんに仕事がくるのはありがたいんですよ」 
 
土御門「…そうか」 
 
上条「なんだそのクーラーボックスは」 
 
土御門「肉を新鮮なまま運ぶ為にゃー」 
 
上条「ふーん」

 

 
 


145: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 20:25:47.62 ID:rO8mAQg0
ビルの屋上はフェンスも撤去されており、風が強い。 
四つん這いになり屋上から地上まで目測する。   
 
土御門「嫁さんとはどうかにゃー?」(65mか…? 50m以上っと)カキカキ 
 
上条「んー?前よりは会えないけど、仕方ないわな」  
 
上条「だけど今はお互い些細な事でも幸せ感じられるよ」 
 
上条「…なぁ、屋上のフェンスは美琴の作った丈夫で長持ちの金属でいいか?伝手で安くするぜ」 
 
土御門「お任せするぜよ」 
 
上条「りょーかい」(フェンス張替えと外壁の塗装っと)カキカキ 
  
土御門「すでに撤去したフェンスは外に置いてるから、回収もお願いしたいにゃー」 
 
上条「へいへい」(フェンス回収と)
 
土御門「なぁかみやん」 
 
上条「あん?」 
 
土御門「すまんな」

146: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 20:40:24.13 ID:rO8mAQg0
??が頭に浮かび、意図を確認する為に後ろを振り返る 
クーラーボックスを地面に置き、親友が肉包丁を振りかぶる 
 
ザシュ 
 
上条「!!!!!!!!???????」 
 
土御門「先にその右手いただくぜ」 
 
体から離れて地に落ちる右手 
吹き出る血液…理解ができない 
 
上条「は?ああぁぁぁぁああああああああああ!!!???」 
 
上条「なにすんだ!?」 
 
土御門「かみやん、お前が邪魔なんだわ」 
 
上条「な…なに?」 
 
どくっどくっと脈打ち血を垂れ流す右腕を握り締め、問う 
 
上条「なんで…お前、おい…」 
 
土御門「疑問たっぷりで死ぬのは可哀想だ、一応十字教徒だからな。慈悲としてその疑問を取り払ってやろう」 

147: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 21:08:08.95 ID:rO8mAQg0
土御門「原因は超電磁砲の能力によって起こされる経済効果だ」 
 
土御門「本人の性格を鑑みると欲をかかず広く役立ててほしい、学園都市外にも最新の技術を提供しだすだろう」 
 
土御門「粛清案もでたが、超電磁砲の進化の可能性やこれからの学園都市への恩恵を考慮するともったいない」 
 
土御門「そこで都市に繋ぎ止める為に超電磁砲に杭を打ち込むことにした」 
 
土御門「それがお前だ」 
 
土御門「惚れた男がホストになり、慢性的に府抜けていけば放っておけないだろ」  
 
土御門「都市に繋ぎ止め、ビジネスも好調だったが。問題がまた起きた」 
 
土御門「今度はお互いに依存し始めた事だ」 
 
土御門「超電磁砲は個人としての仕事は好調だが、新規開拓の足が止まった」 
 
土御門「まぁ働かないでも一生遊んで暮らせるからな」 
 
土御門「しかし、そこで足を止めてもらったら困る」 
 
土御門「ではどうするか」 
 
土御門「依存対象の杭を抜いてしまえばいい」 
 
土御門「すでに惚れた男との思い出の都市、愛した男が作業中に行方不明になっても、幸せだった思い出に縋って生き」 
 
土御門「新しい男が出来ればまた過去に縛られず歩き出すだろう」

148: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 21:23:12.71 ID:rO8mAQg0
土御門「腑抜けた生活が染み付いて、新しい仕事にも慣れず、仕事中無様に逃げ出した」 
 
土御門「こういうシナリオだ」 
 
土御門「超電磁砲の心のケアも心配しなくていい」 
 
土御門「かみやん居なくなった後、俺の言葉が心に届く様に信頼は築いたからな」 
 
土御門「俺が客を呼んで指名被らせたのも、超電磁砲に疑念を持たせる為だ」 
 
土御門「それから浜面はかみやんの事、最初は尊敬してたんだぞ」 
 
土御門「必死に追いつこうと頑張ったが、なぁなぁで過ごしている所に嫌気がさしてきた」 
 
土御門「そこを俺がもっと見せ付けて、ちょっと煽ったらあの様だ。扱い易くて便利な男だよな」 
 
土御門「さて…ネタバレはこんなもんかな」 
 
土御門「失血死する前に、何か質問はあるか?」 
 
上条「…色々聞きてぇが、一つだけ聞かせろよ」 
 
上条「お前は最初から裏切るつもりで俺に近づいたのか?」 
 
上条「友達とか親友ってのも嘘だったのか!!」

149: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 21:43:34.06 ID:rO8mAQg0
土御門「Fallere825」 
 
土御門「俺の魔法名だ、意味は覚えているか?」 
 
上条「…ハハ、背中刺す刃…だったか」 
 
土御門「そういうことだ」 
 
 
 
上条「…はぁ~。敵は学園都市全部かぁ… 今のこんな俺じゃ勝てないな」 
 
土御門「ああ、諦めてくれ」 
 
上条「美琴はどうなる」 
 
土御門「超電磁砲はなにも変わらない。お前が居なくなり、研究と開発に忙しくなるだけだ」 
 
上条「そうか……寂しいな」 
 
上条「美琴の事頼むぜ」 
 
土御門「任せろ。義妹同様この件も絶対裏切らないと誓う」 
 
上条「そりゃ安心だ」  
 
そろそろいいか?と裏切り者が幻想殺しを回収しクーラーボックスに入れ、蓋を閉める 
ああいいぜと右手を失った男が立ち上がり屋上の縁へ歩く 
 
上条「でも全部が好きにさせねぇよ」 
 
トン

150: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 22:03:28.00 ID:rO8mAQg0
土御門「なにをっ!!!!」 
 
屋上の縁に立ち、土御門を見据えて後ろに飛ぶ 
脱力し浮翌遊感が背中から沸きあがる 
 
 
行方不明だって?そんな都合のいい事させるかよ 
義理の妹級の誓いなら破らないし土御門は美琴をこれから守るだろう  
ああ美琴に会いたいな 
 
 
愛した女の温もりを脳裏で再生し涙が出る 
 
 
死ぬ前に泣くなんてホント情けないな俺   
懺悔でもなんでもするからもう一度美琴に会いたい 
俺も十分都合のいい人間だな、人の事言えねぇわ… 
ああ…でも美琴に会いたい、抱きしめたい、キスがしたい 
   
 
笑っている美琴、怒っている美琴、泣いている美琴、照れている美琴、自分の横で寝ている美琴、寝起きの美琴 
今までの美琴の顔が瞼を埋め尽くす 
 
美琴…美琴…美琴… 
 
上条「愛してる」 

151: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 22:18:21.47 ID:rO8mAQg0
上条の喪失から数日後 
 
土御門「かみやん、まだなんも連絡ないのかにゃー?」 
 
美琴「…うん」 
 
土御門「…そうか、なにかあったら連絡真っ先にほしいぜよ」 
 
美琴「うん…ありがと」 
 
ガチャ 
 
土御門「かみやん…どこにいったんだ」 
 
店のソファーに深く体を預けつぶやく 
あれから土御門がすぐに下を確認したところ、上条の遺体どころか何もなかった 
屋上に散った血液は処理したので、自分と上条のやり取りは間違いなくあった 
しかしあの高さでは助からないはず、万一助かっても超電磁砲に連絡が必ずいくはず 
あの傷では病院に行かなければ助からないはず、しかしどこの病院にも該当患者は無し 
超電磁砲の様子から嘘をついてる様には思えない 
 
上条当麻が神隠しにあった、そんな根拠のない非現実的な報告だけが学園都市上層部に報告された 

152: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/28(火) 22:40:21.08 ID:rO8mAQg0
御坂美琴は冬の曇天の公園に居た 
自分がまだ学生の頃、上条との思い出の場所だ 
上条が失踪した後、仕事の合間を縫って思い出の場所を徘徊する毎日だった 
ここにいるとふっと目の前に上条が現れて 
心配してた自分がバカらしくなるような笑顔で声を掛けてくる様な気がする 
自分はそんな上条に怒って電撃を放ち、上条は右手でかき消して… 
若い頃のやり取りに縋っている自分にふふっと微笑を浮かべる 
この公園で素直になれなかった事が多数だが、二人が結ばれたのもこの公園だった 
あの時の気持ちが蘇り胸が温かくなる反面、喪失感とせめぎ合い涙が溢れる 
 
 
美琴(どこいっちゃったのよ…あのバカ) 
 
何でも無いような日常の幸せを胸の中で反芻し 
御坂美琴は今日も想いの人を待ち続ける… 
 
 
                   END

173: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:07:57.58 ID:cUeiO1s0
上条「愛してる」 完結編
     ~とあるホストの頂点踏破~ 
             ナンバーワン   
 
>>103のおじきルールです、大風呂敷すぎて長くなります、無茶苦茶な展開になります 
こまけーことはの精神じゃ無理かもしれんが堪えてつかーさい 
gdgdを少しでも防止の為。作中で細かいところ、小難しいところは割愛してます ググるなり質問してくだし 
表現力がうんkなので地の文使います※かなり多いです 
PC推奨 (AAもあります) 
別作品のキャラもでてきます 
>>1から書いた駄文から読むとちょっとは面白みがでるかもしれません 
途中で注意書きもあります 
にわかが成り行きでやるもんじゃねーな、などと予防線張りまくって序章だけ投下開始

174: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:10:14.26 ID:cUeiO1s0
ぼんやり目を覚ますとそこは見覚えのある天井だった 
左腕を見ると腕から点滴が伸びている 
静かな部屋に心電図が一定のリズムでBGMの役を成している 
右腕を見ると包帯が巻きつけられていた 
だが腕から先、つまり右手が無かった 
 
記憶が次々と呼び起こされ、急速に意識が覚醒した 
心電図がアップテンポになり、肉体の些細な変化に感知する医療技術の粋を証明する 
 
上条(俺は……生きているのか?) 
 
上体を起こし周りを伺う 
完全に知った部屋だ 
学生の頃何度か世話になった名医の病院だ 
 
上条(生きている、生かされた?) 
 
上条(しかしなぜだ…土御門の言い分なら学園都市が俺を助ける理由がない) 
 
上条は思考する 
まずあの高さから飛び降りたのは間違いない、記憶にもある 
土御門に斬られた右手が証拠だ 
二つ名通り即死からも生還させるくらいあの医者がすごいのか? 
いやいくらなんでも死んだ人間を生き返らせることなんて不可能だ 
俺が実は俺じゃない?いや意味わからん。クローン?右手まで取る意味もわからん 
 
思考の結果わからないに至った 
 
確実に言えることは自分はまだ生きている 

175: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:11:33.28 ID:cUeiO1s0
ナースコールのボタンを見て上条は考える 
押すべきか… 
押したとしてどうだろう、もし都市の人間に引き渡される…いや、どの道ここに来てる理由がないな 
逃げるか…しかし探されている可能性もある 美琴に連絡が取れればなんとかなりそうなんだが  
 
上条は愛しい女の事を思い出し、連絡手段について考える 
携帯は無い様なので却下、公衆電話か…金がない 
となると病院の電話だ 
 
体に纏わり着く管を外し、自分が履いていた作業靴を履く 服は見当たらない 恐らく処分されたのだろう 
靴には血が付着していて、あの出来事が勘違いでないことを証明していた 
 
上条(外は誰もいないな) 
 
見張りがいないか確認する 
 
上条(このフロアのナースセンターは俺の顔分かりそうだから下に行くか) 
 
顔を隠すように俯き、廊下を早足で抜ける 

176: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:14:43.20 ID:cUeiO1s0
意外とあっさり電話は借りれた 
電話番号は覚えている 
以前、美琴から恋人の電話番号くらい覚えておけと言われ、電話番号の書き取りをさせられたからだ 
あの時のやり取りがまさか本当に役に立つとは、と幸せな苦笑いする 
 
番号をプッシュする 
美琴の声が聞きたい、心配してるだろう、早く声を聞かせたい 
しかし 
 
『おかけになった電話番号は、現在使われておりません』 
 
上条(あれ?間違えたか?) 
 
掛けなおす、同じ結果 
一つ一つ確認して再度掛けなおす、変わらない 
 
上条「なんでだよ!!」 
 
声に出てしまった、驚いた看護婦がこちらを見るが頭を下げて謝る 
 
上条(なぜでない、いや使われていないってなんだよ) 
 
澱みに似た不安が胸をよぎる 
 
上条(会社に掛けるか) 
 
番号案内を通し、事務所に転送してもらう 
 

177: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:15:57.65 ID:cUeiO1s0
『はい、とある会社でございます』 
 
上条「あの…開発戦略部の御坂をお願いしたいんですけど」 
 
『御坂ですね、少々お待ちください。…』 
 
『…。申し訳ございません、当社に御坂という社員は登録されておりませんが』 
 
上条「え?御坂ですよ御坂美琴」 
 
『御坂美琴でございますか?』  
 
『学園都市では常盤台中学の御坂美琴さんしかいらっしゃらないと思いますが…』 
 
上条「ですからその御坂美琴ですよ」 
 
『……』 
 
ガチャ 
 
上条「な!?」 
  
再度掛けなおす 
 
『はい、とある事務所で「おい!なんで切ったんだ!」』 
 
上条「何かあったのか?教えてくれよ!!…なぁ!」 
 
『これ以上イタズラをするなら通報します』 
 
上条「ふざけんなよ!!そこで働いてるだろうが!」 
 
『当社では中学生の採用などしておりませんが』 
 
上条「なんだっ…。え?」 
 
『ですから中学生の採用などしておりません!』 
 
ガチャ 
 
思考が止まる 
 
上条(………中学生?美琴が?)
 
受話器を置くと電話のディスプレイに日付が表示された 
土御門に裏切られ、自分がビルから飛び降りたあの日の… 
 
9年前だった 

178: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:18:57.05 ID:cUeiO1s0
どうなってる?カレンダーを見てみても9年前 
時計は正常に動いている 
廊下を歩きながら周囲に目を配る 
テレビは昔やってたカナミンとかいうアニメのCMをやっていた 
自販機の型が古い、もちろん売っている品も古い 
 
上条(これはドッキリでせうか?) 
 
学園都市に邪魔者扱いされると 
9年前を再現した世界につれていかれるという突拍子もない妄想まで納得してしまいそうだ 
自室へ戻る、腕が疼きだした 
ベッドに座ると一つの閃きが起きた 
 
上条(……タイムスリップ?) 
 
散々超常現象を見てきた、どんなベクトルでも操る人間、冷蔵庫から何でも取り出してくる人間 
炎の巨人を出す魔術師、瞬間移動するツインテール、愛しいビリビリ女  
 
上条(しかし流石にタイムスリップなんて……あんのか?) 
 
確かめる方法はある 
もう一度電話だ、常盤台に掛ければいい 
そこで答えがでる 
 

179: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:20:29.66 ID:cUeiO1s0
幸い時刻は昼時 
いくらお嬢様学校でも昼休みならとりついでくれるだろう 
 
先ほどの手順で転送してもらう 
 
prrr prr 
『はい、常盤台中学校でございます。お手数でございますが、ご用件とお名前をよろしいでしょうか』 
 
上条「あの…そちらの学生の御坂美琴の親類の上条と申します、ちょっと緊急の用事で取り次いでもらいたいんですが」 
 
『親類の方とは?どういった関係に当たる方でしょうか?』 
 
上条「えと…親類っというか………許婚です!」 
 
『え…?、しょ、少々お待ちください』 
  

180: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:21:29.95 ID:cUeiO1s0
数分後 
 
『も…ももももしもし?///』 
 
上条「もしもし!?美琴か!?」 
 
この世で最も愛しい人間の声、一度諦め、必死に会いたいと願った女の声 
上条は涙を滲ませて質問をする 
 
『そっそうだけど!?///』 
 
上条「お前大丈夫なのか?変わった事はないのか?」 
 
『かかか?変わった事!?にゃんにもないよ?///』
 
上条「そうか…よかったぁ…。お前が無事で」 
 
『なに?ど、どうしたのよ』 
 
上条「終わったらあの公園に来てくれよ。話があるから」 
 
『アンタ風邪でもひいたの?声がなんか変よ?///』 
 
上条「いや?ひいてないぞ」 
 
『そ、それならいいけど。いきなり電話してきてビックリするじゃない///』 
 
上条「すまん緊急だったし声が聞きたかったんだ」 
 
『こ、声って…別にいいけど///』 
 
『いきなり。い、い、許婚から電話なんていうから焦るわよ///』 
 
上条「いや、別にいいだろう?照れるなよ」 
 
『て、照れてなんてない!!///』 
 
上条「まぁ、早く会いたいから急いで来てくれよ。俺は今から行って待ってるから」 
 
『え?今から?あ、ぅん。急ぐね?///』 
 
ガチャ 
上条は失念していた。 
嬉しさの余りお互いの立場が違うことに 
今話した美琴は中学生の、まだ上条と付き合う前の純情な美琴だということに 
 
上条「あー早く会いてーなぁ…」

181: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:23:18.76 ID:cUeiO1s0
暖かい陽気だが平日昼間の公園は人もまばらだった 
しかし季節は冬 
 
上条「さ…寒い!痛い!」 
 
病院の寝巻きしか着る物がなく、人目を避けて公園が見渡せる茂みに座りつぶやく 
人が見たらトイレを我慢できなくなって、野に放っていると思われてもおかしくない 
 
上条「まじで寒い、痛い!でも美琴に会う為頑張る!」 
 
痛み止めが切れている右腕がジンジンと疼くが、美琴に再開して抱き合う妄想で心を暖めて耐え忍ぶ 
  
目の前を何かが超高速で通り過ぎる 
 
上条「ん?」 
 
目で追えないくらいのスピードだが、間違いなく美琴だった 
 
上条「美琴ぉおおおおおおおおおおお!!!!!」 
 
顔の赤い美琴が振り向き、また超高速で走ってくる 
 
上条と近づく…が、バックステップで距離をとり帯電する 
 
上条「おい!!どうした!!」 
 
美琴「あんた誰よ!」 
 
上条「ああ?俺だよ、当麻だよ!」 
 
美琴「近づくな!!」 
 
電撃が二人の間を薙ぐ 
 
美琴「似てるのは認めるわ、態度なんかもそっくり、顔も似てる、しゃべりも声も似てるわ」 
 
美琴「でもねアイツはアタシの能力じゃ補足できないし、そんな老けてないわよ!!」

182: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:25:35.16 ID:cUeiO1s0
上条(ん?美琴がなんか小さい気がする…) 
 
美琴「なんとか言ったらどうなのよ、偽者さん」 
 
上条「待て待て俺は俺だ…ああっ!!!」 
 
上条「お前っ!中学生じゃねーか!!」  
 
恋は盲目とはいうが上条の鈍さの相乗効果で手に負えない 
 
美琴「何言ってんのよ!?」 
 
上条「ああ、待て待て…ちょっとまて!!」 
 
上条は思考する 
そうだ9年前なんだから、美琴はまだ俺と付き合っても無いんだった 
つーことは何だ?抱きついてキスしたらビリビリの刑かよ! …不幸だ
いやいや待て待て、美琴はすでにこの頃から俺の事好きだったはずだ 
ああ…納得 
まだ初心な頃に許婚なんて言われて舞い上がって早退してきたのか、可愛いじゃねーか 
 
上条「お前ほんと可愛いな!」  
 
美琴「ふざけんじゃないわよ!!人をよくも騙してくれたわね!!」 
 
上条「ちょちょちょ待て待て!!!!まって!!」 
 
再度思考する 
あれ?なんだっけ?ああそうか俺偽者扱いだったんだ 
そりゃいきなり高校生が25になってたらビックリだわな 
それに右手が無いんだから能力で感知もできる、ああ納得した 
他人に見えて当然だわ 
 
上条「ああ、ちょっと説明させてもらっていいか?」 
 
愛しい女を目の前に、触れられないもどかしさを感じつつも話し合いを勧める

183: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:27:01.18 ID:cUeiO1s0
上条は先ず右手の状態を見せて説明を始めた 
 
自分がこの時代の人間でなく、9年後の未来から来た事、学園都市の未来の事、裏切られ右手を失った事 
二人は愛し合って同棲していた事、別居した経緯、そして今に至るまで 
この時代の上条が知り得ない事も話した 
美琴の体のとある場所のホクロのを言うと顔を真っ赤にして帯電するが、なんとか収める 
ただ都市の美琴を利用する陰謀だけは話さなかった 
右手を狙ってという風に話した、もちろん土御門の名前もださなかった 
時折美琴からも質問がくる、きちんと回答をし、疑念を晴らそうとする  
 
美琴「ふーん、よくできた話ねぇ」 
 
上条「やっぱり信じてもらえないんでせうか」 
 
美琴「どうだろ、わかんないわ」 
 
美琴「ただ言えるのはアンタ病院に戻った方がいいわ」 
 
上条「いや、学園都市から狙われてるかも…」 
 
美琴「都市のお偉いさんに、タイムスリップしてきましたって言ってみなさい?」 
 
美琴「じゃあ証明してみせろ、できないなら嘘をつくな。で終わりよ」 
 
美琴「そもそもアンタが言わなきゃ誰も思いもしないでしょ」 
 
上条「おお、流石美琴せんせーだな」 
 
美琴「な、なによ…///」 
 
反応が逐一上条と同一なので照れてしまう 
少なくとも、もう疑ってはいなかった 
しかし美琴には新たな疑問がでていた 
 
美琴「でも問題があるわ…」 
 
上条「問題?」 
 
美琴「そう、この時代のアンタはどうなっているのか?ってこと」

184: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:27:47.60 ID:cUeiO1s0
美琴「つまり、未来からのアンタがいるなら、この時代のアンタはどこにいるのか?」 
 
美琴「仮にこの時代と未来のアンタ両方がこの時代に存在するならどうなってしまうのか?」 
 
上条「すみません、せんせー。わかりません」 
 
美琴「アンタ早いわよ…」 
 
上条「伊達に大学滑ってないぜ!」 
 
美琴「自慢しないの、あとこの時期に滑るいうな!!」 
 
美琴のタイムトラベル論展開中、しばしお待ちを 
当SSのキャラ達は受験生を応援しております  
 
美琴「~~~~~~ってことなのよ」 
 
上条「ううーん、つまりタイムパラドックスに気をつければいいんだな」 
 
美琴「詳しくはアタシも専門じゃないし、まだ中学だから習ってないんだけど」 
 
上条「いやいや、十分スゲーよ。流石上条さんの嫁」 
 
美琴「な、ふ、ふにゃ~///」 
 
上条は付き合った頃の美琴の反応を思い出し、ノスタルジックな気持ちになる 
 
上条「うん…やっぱ美琴は可愛いな」  

185: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:29:25.93 ID:cUeiO1s0
上条「タイムパラドックスを起こさない様にするのはどうしたらいいんだ?」 
 
美琴「さっきもいったけど、ありえなかった事、起きてなかった事をやっちゃうことじゃないかな」 
 
美琴「詳しくは専門家に聞いてみるわ」 
 
上条「助かる、じゃあ先ず俺に会ったらまずいな」 
 
上条「俺を見てみたいけどなー。若いんだろうなー」 
 
美琴「そうね一番ありそうで怖いわ」 
 
上条「しばらく病院に引きこもりかな」 
 
美琴「そうね、それがいいと思うわ。この時代のアンタに会うと何が起きるか分からないから」 
 
上条16「何の話だ?ビリビリ」 
 
美琴「だから今のアンタがアイツに会うと…」 
 
美琴は目の前に居る上条とは逆の方向から聞えた上条の声に固まる 
 
上条25「ん?」 
 
美琴「見るなぁぁああああああああああああああああああ!!!」 
 
上条25「おわっ!」 
 
咄嗟に目の前にいる上条25の顔に抱きつく 
上条25の顔面に成長過程のさり気ない膨らみが押し付けられる 
 
上条25「んー!!んー!!!」 
 
上条16「おいおい、何してんだよ!?新しい技ですか?」 
 
美琴「いいからこっち見ないで!!あっち向きなさい!!」 
 
上条16「はぁ?なんでだよ?」 
 
上条25「んー!!んんーー!!」 
 
上条16「っておい!その人ケガしてんじゃねーか!!」 
 
まったくもって空気の読めない上条当麻16 
いや、この場合彼の方が正しいのであるが…

186: ◆WhAN1m3JTg 2010/12/31(金) 17:30:32.88 ID:cUeiO1s0
※上条25は大人の方 上条16はおなじみの高校生の方です 慣れるまで我慢してつかーさい 
 
上条16「おいっ!ビリビリ!!やめろ!!」 
 
しがみ付いてる美琴を引き離そうと引っ張る上条16 
顔を見せまいとしがみ付く美琴 
小ぶりとはいえ、胸を押し付けられ呼吸が限界に近く引き離そうとする上条25 
公園のど真ん中で混沌としたやり取りが行われる  
 
上条25「ぶはぁっ!!ゲフォッ!ゴホ!!」 
 
美琴「あわわわわわっ!」 
 
上条16「大丈夫ですか?」 
 
美琴「見るなぁああああああ!!」 
 
ズン メツブシ 
 
上条16「ぎゃあああああああああああああああああ!!!」 
 
上条16「何すんだお前ええええええええええ!!」 
 
上条25「マジで!!死ぬかと思ったわ」 
 
ズキズキと痛む目を押さえ訴える上条16 
ゲホゲホと咳き込み、疼く腕を我慢する上条25 
しかしこのお互いの声に… 
 
上条x2「「んん??」」 
 
美琴「あ、ああ…」 
 
 

 
--------------------二人の上条が交差する時物語は始まる------------------- 
 
 

193: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:13:35.76 ID:6wY0kcI0
上条達は考える 
俺の声?いや、え? んん? 
疑問がでるが、先に答えを導いたのは持っている情報の多い上条25だった 
 
上条25(まさか…俺がいるのか!!??) 
 
そう考えれば美琴の急な行動にも合点がいく 
 
上条25(いきなり出会っちまうとは…流石不幸体質x2) 
 
見ればツンツン頭が目を抑えて悶絶している 
 
美琴「なんでも無いわよ、ちょっとあっちに行って目を洗いましょう!?」 
 
美琴が右腕を指し、明後日の方を指さす、恐らく病院に行けというサインだろう 
 
左手で了解の合図、若い二人を遠い目で見る 
何か不安、胸がざわつく 
世界に独り取り残されたような虚無感…… 
 
良く分からない感情を振り切る様に踵を返し病院へと戻る 
 
 

194: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:18:22.27 ID:6wY0kcI0
上条25「やべ…まじで痛い」 
 
自分の病室へと向かう 
 
上条25「あ」 
 
冥土返し「あー、君ダメじゃないか、勝手に出て行っちゃ」 
 
冥土返し「ちょっとこっちきなさい」 
 
上条25(この人ならなんか知ってるんだろうな) 
 
処置室で包帯を取られる、傷口は縫合されてたがさっき暴れたので痛みが半端じゃない 
消毒されてまた包帯を巻かれ、痛み止めの注射を打たれる  
 
冥土「この分だと問題はなさそうだね」 
  
冥土「話をいいかな?」 
 
上条25「はい、俺からもぜひ」 
 
冥土「まぁ、僕からいうけども、…君は誰なんだい?」 
  
いきなり核心を突かれドキッとする  
 

195: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:19:07.74 ID:6wY0kcI0
上条25「えーーっと、……パス1でお願いします」 
 
冥土「3回までで頼むよ、じゃあ次の質問だ、なぜ君は上条当麻君と同じDNAを持ってるんだい?」 
 
一歩詰められた 
 
上条25「……パス2で…」 
 
ふぅっと息を吐く名医 
 
冥土「んじゃ、なんで右手が無くなったんだい?」
 
上条25(これは答えられるな) 
 
上条25「襲われて斬られました」 
 
冥土「ほう…じゃあ、警備員に通報しないといけないね?」 
 
上条25(しまった…) 
 
上条25「いえ!襲われてって言うかですね、なんなんでしょうねぇ!?ハハハ!…パス3でお願いします、ハイ」 
 
冥土「うんー、んじゃなんで病院の前で倒れていたか、覚えているかい?」 
 
上条25「…は?」 
 
冥土「君はこの病院の前で倒れていたんだよ、そして応急処置もしてあった」 
 
上条25「な…?ちょ、ちょっと待ってください?」 
 
上条25は頭をフル回転させた 
ここから落下したビルは数キロ離れている、まぁ時間を飛び越えたんだから場所も移動しても変ではないだろう。原理は知らんが 
問題は応急処置だ、これは誰か第三者がやらないと不可能だ、病院の前でやるか? 
いや、別のとこに俺はいたんだ。それで誰かが処置をして病院の前に置いていった…こう考えると納得だ 
 
自分の時間移動を除いた推測を冥土返しに言う 
 
冥土返し「誰だろうね?心辺りはあるのかい?」 
 
上条25「いえ…、その辺はまったく」 
 
死にかけの人間を応急処置のみならず、わざわざタイムスリップまでさせて病院の前に放置…都市伝説なんてあまり信じてないが 
そういう一種の神掛かった存在を信じてしまいそうになる   
上条25は冥土返しにする質問を考えながらそう思った 

196: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:21:16.04 ID:6wY0kcI0
上条25「では次、俺が質問していいですか?」 
 
冥土「先にいうが、僕はパスしないからね?」 
 
上条25「ありがとうございます、先ず応急処置はどういったものでしたか?」 
 
冥土「止血はしてあったね、しかし薬品や器具ではなく自然治癒を活性化させたような感じだった」 
 
冥土「傷口は塞いでなかったが、血はほぼ止まっていた」 
 
上条25「ですか…この傷はどのくらいで治りますか?」 
 
冥土「そうだね、そのままなら全治一週間、義手を装着ならもう少しだけ伸びるかな」 
 
冥土「義手なら早めに着けることを勧めるよ」 
 
上条25(義手か…。って金無いぞ俺っ!) 
 
上条25「俺の所持品は!?」 
 
冥土「うーん、君の所持品ね…。僕がした質問に立ち戻ることになってしまうんだけど」 
 
冥土「服装はとあるリフォーム企業の作業着だったが、学園都市はおろか国内で該当する箇所はなかったんだね」 
 
冥土「そして、IDを持っていた。…今から9年後の学園都市で発行と記してあったんだね」 
 
冥土「偽造するのに9年後じゃ意味がない、それにICチップは今の技術よりも格段に進歩してて手が込んでるどころじゃない」 
 
冥土「あとIDの名前とここの病院で登録してたDNA情報…、君………上条当麻くんなんだろう?」 
 
上条25は目を伏せた、もう言い逃れができない 
 
上条25「…ハイ、未来から来たみたいです」   
 
冥土返しが学園都市理事会と繋がりがあるのは有名な話だった

197: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:23:52.79 ID:6wY0kcI0
冥土返しは最初クローンかと思っていたようだ 
上条25は都市が美琴を利用する陰謀論は話さず 
ただ未来で襲われ、右手を持っていかれ、転落したらここにいたことまでを話した 
 
冥土「君は未来でも不思議な環境にいるねぇ…」 
 
冥土「この時代の君が聞いたらまた不幸だと叫ぶよ…?」 
 
そういえばここずっと不幸だと叫ばなくなったな… 
それだけ美琴といた時間が幸せだと感じていたのだろう 
美琴を想うとまた涙が出てきそうになる 
堪えてるつもりでも目の前の冥土返しにはバレバレだった 
 
冥土「君も色々大変な思いをして、成長したんだ。感慨深いものがあるよ」 
 
冥土「行くところが無いだろうからしばらくここにいるといいんだね」 
 
冥土「心配しなくても警備員に通報はしないよ、少なくともその怪我が治るまではね」 
 
冥土「僕の患者なんだ、僕は患者を見捨てたりは絶対しない」 
 
上条25は深々と頭を下げ、感謝をした 

198: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:27:16.87 ID:6wY0kcI0
病室のベッドの上で上条25は窓の外を眺め、今後について考えていた 
現状、美琴は味方になってくれそうだ 
こっちの俺に伝えたいことがあるのに接触できないのは残念だ 
美琴に都市の陰謀を話して伝えてもらうか、いや粛清案がでていたから 美琴が危険になる
手紙…、しかし信じるか? 差出人は未来の自分から、内容は土御門に気をつけろ…なんて 
俺なら信じないし、土御門に聞きに行っちまうな。こっちは手詰まりだ 
じゃあどうする?…金と情報だ。 
タイムスリップなんて現象、科学になくて魔術の方にあるんじゃないのか 
心あたりはあるが、必然的に接触しないといけない人物がいる 
インデックスだ 
10万3000冊の魔導書の中に時間移動の記述があってもおかしくない 
だが…そもそもインデックスさんはこの時代の俺んちにいるんだよな…… 
どうしよう… 
そして金か、これこそIDも無いから借金も仕事もできない 
 
上条25「だめだ!!わかんねぇー!!」  
 
美琴「分からないならせんせーが教えようか?」 
 
上条25「おわっ!ノックくらいしろよ」 
 
美琴「したわよ!返事ないから入ったの!なんか文句あんの!?」 
 
上条25「いえ…ないです」 
 
自分よりも10以上離れた女の子に頭が上がらないのはなぜだろうか… 
 

199: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:28:01.53 ID:6wY0kcI0
美琴「まーいいわ、アンタこれからどうすんの?」 
 
上条25「あぁ、今考えてたんだけど…とりあえず未来に帰る方法を探そうかと思って」 
 
美琴「そうねぇ…。手当たり次第なんか探してみるわ」 
 
美琴「あと、アンタお金無いんじゃないの?」 
 
上条25「……ハイ、無一文デス」 
 
美琴「いつの時代も金欠なのね、いいわ入用なものはおごったげる」 
 
上条25「いや!それはだめだ」 
 
上条25「俺はお前に頼らずに自立するって決めたんだ、お前に甘える訳にはいかねー」 
 
美琴「何よそれ、そんなん未来の話でしょ、そっちでやりなさいよ!」 
 
上条25「いや…、それでもだなー。大の大人が中学生に甘えるのはどうかと思うんだが…」 
 
美琴「こっちでもゴハンおごったりしてるんだから、いいじゃない?アンタはアンタでしょ」 
 
美琴「それにね、力になりたいの!」 
 
若さの溢れる笑顔で美琴に押される上条25  
 
上条25(ああ…年の差関係なく俺は美琴の尻にしかれるんだな…) 
 
運命というものを感じていた 

200: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:30:17.26 ID:6wY0kcI0
上条25は美琴に自分が病院の前で倒れていたことなど、冥土返しに未来からきたことがバレた事を話した 
圧倒的に情報が足りないので、じっくり解決しようと結論に至る 
 
美琴「……なんか飲み物買ってくるわね」 
 
上条25「ああ」 
 
病室の外へ行く美琴 
 
上条25(うーん、しかし…どうするか) 
 
美琴「ちょっ!アンタなにしてんの!!」 
 
上条25「?どうした!?」 
 
上条16「後追って…盗み聞きも嫌だったが、どうしてもお前の行動が気になったんだ」 
 
上条16「俺が…未来の俺がいるんだろ…?」 
  
美琴「いないいないいない、何言ってるのよ!!バカじゃないの!?」 
 
上条25「うげ!?」 
 
布団の中に潜りこむ上条25 
 
上条16「どいてくれ御坂、…ってなんで隠れてんだ?」 
  
美琴「い、いろいろあんのよ!アンタに関係ないからあっち行きなさいよ!!」 
 
上条16「関係ねーって?未来の俺がいるのに俺が関係ねーのが分かんねーよ!!」
 
上条25「おいっ!!美琴にそんな言い方ねーだろ!!美琴は俺たちの事とか色々考えてんだぞっ!!」 
 
布団の中から怒声が響き、黙る学生二人 
 
上条25(しまった…しゃべっちまった) 
 
上条16「なんであんた…、俺?が隠れるのかは知らねーけど…説明してくんねーか?」 
 
上条16「困ってるんなら力になりてーんだけど」 
 
ほんとこいつらは…。と若かりし自分達に感動すら覚えてしまう 
得体の知れない状況に飛び込んでいく、そして切り開こうとする 
大人になって世間だのなんだののシガラミで忘れてた感情だ… 
 
上条25(傍からみたら、こんな素敵な大バカだったんだな俺) 
 
上条25(こりゃ美琴もインデックスも心配するわ)

201: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:32:08.44 ID:6wY0kcI0
上条25「あー、あのだな 小難しい話だから先ず 美琴せんせーの話を聞いてくれ」 
 
布団に潜ったまま美琴に説明させる 
 
------美琴せんせー説明中----- 
未来で付き合ってる事は頬を染めつつ、省きました  
 
上条16「そうか…、なんとなくヤバイってのは分かった」 
 
美琴「はぁ…。もうそれでいいわ」 
 
上条25「せんせー、この段階でパラドックスは起きないんですか?」 
 
美琴「わからないわ、少なくとも歴史に影響を与える程のことじゃないとか?」 
 
美琴「早めに専門家を当たってみるわ」 
 
上条16「頭いい奴ならさっき一方通行がいたけどな、杖と打ち止めの調整だとよ」 
 
上条25「一方通行いんのか、この時代だと小生意気なんだろうな」 
 
美琴「一方通行か…、あんた仲いいんだから聞いてきなさいよ」 
 
上条16「ああ、いいぜ」 
 
上条25「ん?仲いいって?」 
 
上条16「冬前からあいつともつるむ様になっただろ?」 
 
上条16「バイト手伝って、ただ働きしてから」 
 
上条25「なに?…バイト?一方通行と遊ぶ?…なんだそりゃ?」

202: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:33:56.14 ID:6wY0kcI0
上条16「いや…なにって、ステイルが暴れてた時。シティボーイと一緒に戦っただろ?」 
 
上条25「ステイルが?シティ…何? …いや、まったくわからん」 
 
上条16「まさか…すでに未来が変わって?」 
  
美琴「ううん、変わってるのは過去よ?未来から来る前からあった話よ?」 
 
上条25「…ちょっと一方通行を呼んでくれないか?」 
 
上条「わかった」 
 
上条25は状況を整理する 
過去が変わってるってことか? 
俺が体験していない過去を、この時代の俺がしてる 
わかんねーな… 
・ 
・ 
一方「なンだァ?こいつァ?布団にくるまって」 
 
上条16「未来から来た俺だ」 
 
一方「なにィ?ついに脳みそが素敵にキマっちまったンですかァ?」 
 
上条25「いや俺なんだよ」 
 
一方「………アァ?」 

203: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:35:47.70 ID:6wY0kcI0
美琴せんせーの説明中 
上条16と同様の説明 
 
一方「アァ、パラレルだなそりゃ」 
 
上条25「どういうこった?」 
  
シティボーイのクールな説明中 
wikipedia タイムトラベル と内容は変わりません
 
上条25は理解した 
つまり、簡単に言うと別世界ってことか  
 
上条16「つまり簡単に言うと別世界ってことなんだな?」 
 
一方「まァそーなンだが、お前に理解できるたァ思ってねェからそれでいいよ」 
 
上条16「なんだよそれ、大体あってんだろ?」 
  
美琴「はいはい、ちょっと黙ってなさい」 

上条25(よかった喋らなくて…) 
 
上条25「んじゃ俺は隠れることもないし、この世界の歴史が変わるくらい大きく干渉しなければいいってことか」 
 
一方「ンまァそういうこったァ、別にしてもいンだが未来の知識ってなァ色んなところに影響与えちまうだろォからなァ」 
 
美琴「しかしすごいわねー、専門でもないのに、アタシも知らなかったわ」 
 
一方「テメェはまだ中二だろォが、専門じゃねェけど時間を操れねェか試したことあったからなァ」 
 
美琴「恐ろしいこと実験しないでよ」 
 
一方「変えてェ過去ってのがあンだよ……」 
 
美琴「あんた…、気にするなとは言わないけど、背負い過ぎよ」 
 
一方「るせェ…」 
 
上条25が布団からでる 
 
上条16「おお、大人の俺だ」 
 
上条25「よぉ!子供の俺」 
 
その時、病院内でアナウンスが流れる 
 
『変なシャツを着たモヤシ様、お連れ様が一階ロビーでお待ちです、とミサカは上位個体を目の前に伝えます』 
 
一方「あンのクソガキィィイ!!」 

204: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:37:31.12 ID:6wY0kcI0
一方通行が妹達の上位個体を迎えに病室をでる 
その杖をついて歩く第一位と、五体満足のNO.1を重ね、別世界なんだなと確認をする 
 
上条25「ありがとな。一方通行」 
 
一方「うっせェジジイ。シティボーイはクールに去るンだよ」 
 
ピシャっとドアを閉め、カチッ カチッっと杖をつく音が廊下に響いていた
 
上条25(…ああいう態度は変わらないんだな) 
 
上条16「これからどうするんだ?」 
 
上条25「ああ、帰る方法を探す、それと義手だな」 
 
上条16「帰る方法とかあるのか?」 
 
上条25「科学じゃ無理だろうな、魔術をあたるしかない」 
 
上条16「魔術かぁ…。インデックスに聞いてみるか」 
 
上条25「頼むよ」 
 
美琴「義手はアタシが手配するわ」 
 
上条16「いやいや、俺なんだから俺がやるよ」 
 
美琴「アンタ義手が一個いくらするか知ってるの?」 
 
上条16「いや、知らないけど。なんとか生活費切り詰めてでも…」 
 
上条25「無理だろ、すまないが美琴お願いできるか?」 
 
美琴「まかせて!」 
 
美琴がさっそく冥土返しの元へ行く 

205: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:38:35.88 ID:6wY0kcI0
上条16「なぁ!俺のことなんだから俺にさせてくれよ!」 
 
上条25「いや気持ちは分かるんだ、俺なんだから、すげーーー分かるんだ」 
 
上条16「じゃあなんで!」 
 
上条25「現実を見ろ!月末には千切りキャベツを丼ゴハンにのせて、マヨネーズと醤油で腹を膨らませる」 
 
上条25「たまに卵で栄養とろうとすれば、帰りに割れ、奇跡的に残った卵は暴食シスターの餌食になる!」 
 
上条25「こっちの俺も…、あんま変わらないんだろうが!!」 
 
上条16「流石大人の上条さん……。まったく言い返せない………。でも、だからって御坂に頼む事ねーだろ」 
 
上条25「あの子はな…。…!?」 
 
上条25はふと思う 
(俺がここで未来で付き合ってるって言うのはまずいのか?歴史に影響与える?いや待て待て? 
 この時の俺はすでに意識してるはずで、美琴が高校に上がる日に付き合ったんだ 
 いやいや…、一方通行の言うにはここは過去じゃないんだ。似てる世界。別もんだ。 
 そう考えれば…あーわけわかんねー どーにでもなーれ☆ 
 
上条25「あの子はな、詳しくは言えないが、夢は看護婦さんなんだ?」 
 
上条16「えっ…そうなのか?」 
 
上条25「そ、そうだ、だから早めにこういった環境に置いておくといいと思わないか?」 
 
上条16「いや、金の面は解決しないんじゃ?」 
 
上条25(するどいなこいつ、流石俺) 
 
上条25「その辺も大丈夫、大きな声で言えない事情があるが解決するだろう」 
 
上条25「無理だったら、借りにしといてくれ…ハハ」 
 
上条16「そうか、まぁ俺が言うんだからそうなんだろうな」 
 
上条16「インデックスに話してくるよ」 
 
上条25「ああ、頼むよ」 
 
上条25(お人よしすぎだな…9年でこんな変わっちまうのかね人は) 
 
基本的人格は上条25も変わらないのだが、酸いも甘いも噛み分けた年月の差だろう 
そう勝手に解釈をして横になった 
  

206: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:40:08.11 ID:6wY0kcI0
冥土「ちょっといいかい?」 
 
横になってあっちの世界の美琴のことを考えていた時だった 
 
冥土「寝てたのかい?」 
 
上条25「いえ、どうしました?」 
 
冥土「義手の件を聞いてね、ちょっと説明にきたんだよ」 
 
何枚かの資料を見せながら、分かりやすく説明をしてくれる 
1)思考とリンクさせ、今まで通りの反応速度で動かせること 
2)精密作業も可能、骨格は金属だが重くもなく強度も高い 
3)爪は伸びたりはしない 
4)表面の質感は肌に限りなく近い  
5)1)が現時点の技術で製造不可である、しかし超電磁砲の協力があれば製造可能 
6)正規の商品ではないので、失敗しても責任を追及できない 
7)触覚再現率は97% 
 
上条25は真っ先に聞いた 
 
上条25「美琴に危険はないんですか?」 
 
冥土「ないね。彼女のやることは、ある能力使用状態の身体、神経伝達物質の解析と、完成してからの製品の調整、装着してからの微調整だね」 
 
冥土「必要な物は、君のサインと彼女の協力と都市理事会の許可がいるからね」 
 
冥土「彼女は即決だったよ、…理事会は僕から許可をすぐ取り付ける」 
 
冥土「後は君のサインだけなんだね」 
 
上条25「お願いします!!」 
 
冥土「じゃあここにサインを…」 
 
上条25「一つ変更をお願いしたいんですけど、皮膚感を出さなくてもいいんで固く丈夫にしてもらっていいですか?」 
  
冥土「できるけど、なんでだい?」 
 
上条25「ぶん殴りたいやつがいるんです」 
 
黒い感情と共に、裏切った親友の顔が脳裏を過ぎる 

207: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:46:07.84 ID:6wY0kcI0
冥土「まぁ…色々あるのはわかるよ、君の手になるんだからね…考慮しておこう」 
 
冥土「それからお金なんだけど」 
 
上条25「ああ、手持ちがないんで、美琴に借りようかと」 
 
冥土「えっ?いや、こちらが払わないといけないんだね」 
 
上条25「えっ?」 
 
冥土「この技術が確立すれば、身体障害等にも応用が利く。医療の世界は恐ろしい進歩になるんだね」 
 
冥土「例えば歩けない人が、自分の意思で歩ける様になるってことなんだね」 
 
上条25「…え?」 
 
冥土「今までは仮に理事会の許可の取って被験者を募集しても、超電磁砲からの協力許可が取れなかったんだね」 
 
冥土「彼女も過去に色々あって悲惨な体験をしているから、拒んでいたんだろう」 
 
冥土「こちらとしては、許可を取るに至った君に感謝したいくらいだね」 
 
上条25「まじで解決しやがった…」 
 
冥土「ん?」 
 
上条25「い、いえ、なんでもないです」 
 
冥土「君の口座はないから、高校生の君の口座に振り込んでいいかね?」  
 
上条25「ああ、はい、えーっと、いえ、それでいいです」 
 
展開の速さに中々着いていけないが、結果オーライという形だろうか上条25は人事の様に考えていた 
続いて、歩けない人が歩けるようになる、御坂美琴という個体の副産物の偉大さに例の計画にも理解が深まった 
 
上条25(絶対ゆるさねーけどな) 
 

208: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:47:20.12 ID:6wY0kcI0
 
 
 
冥土返しに義手の手続きを要請した後、美琴は風紀委員の177支部へ来ていた 
 
初春「あら美坂さんじゃないですか」 
  
美琴「やっほー、初春さん元気ー?」 
 
初春「はい、白井さんなら見回りに出てますけど、どうしたんですか?」 
 
美琴「ああ、ちょっと初春さんにお願いがあってきたのよ」 
 
初春「私にですかぁ?なんでしょう?」 
 
美琴「ちょっと学園都市の監視映像を…ね!」 
 
美琴は考えた 
アイツはビルから落下したと言っていたが、体にそんな傷はなかった。 
地表に叩きつけられる前にこっちの世界に飛んだことになる 
ならば腕の応急処置をした者、少なくとも運んできた者が病院の前に映るはずである 
 
言われた日時と座標を衛星から捉えた映像が映し出される 
病院の前がばっちり映し出されていた 
 
初春「最近、長時間のハッキングは怖いので早送りしますね」 
 
美琴「ごめんね、変なこと頼んじゃって」 
 
いえいえ、と映像自体に興味が無さそうに初春は早送りをする  
人が数倍速で流れていく、その中で異常な現象が流れた 
 
美琴「!!?止めて!!!」 
 
驚いた初春が映像を止める 
そこには作業着を着た男が病院の前に倒れている 
 
巻き戻してくれる…?微かに震える声で美琴がいう 
巻き戻し映像の倒れた男が消える  
再生をすると、現れる 
また数倍速で流れる  
病院の関係者が出てきて収容されていった…… 

209: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:49:48.75 ID:6wY0kcI0
初春「なんなんですか!?今の!!」 
 
映像に興味を持ってしまった初春が興奮気味に尋ねてくる 
 
美琴「あぁ、なんだろ…。ちょっと待って、アタシもなんなんだか…」 
 
美琴はいくつかの可能性を思案する 
地表衝突前は確実、それは体のダメージを見れば分かる 
何者かに治療されたのは確定的 
映像では病院前に突然現れている 
つまり治療されたあと、テレポーターにでも転移されたのか 
しかしなんで…? 
そんな芸当ができる能力者は多くない、後輩の白井黒子を除けば一人しか浮かばない 
美琴は携帯を取り出し電話をかける 
妹達の上位個体が電話にでる 
 
美琴「ああ、一方通行に替わってもらえる?」 
 
打ち止め『はーい!お姉様からだよ!、ってミサカはミサカは不機嫌なあなたに華麗にバトンタッチしてみる』 
 
一方『あァ?なンか用かァ?クソ超電磁砲』 
 
美琴「あんたとは一回口の利き方について議論したいところね」 
 
一方『ケンカ売りにきたンですかァ?三下が二人いっから困らねェだろォがァ』 
 
美琴「いや、そうじゃなくて。あーもう! 用件を言うわ」 
 
美琴「座標移動は昨日から何をしてたかわかる?」 
 
一方『あン?知らねェよ』 
 
美琴「調べてもらえると嬉しいんだけど」 
 
一方『ジジイの三下に関わることかァ?』 
 
美琴「そうよ、病院前の映像を見たら倒れてるアイツが急に現れたの」 
 
一方『……わかったら知らせるわァ』 
 
美琴「うん、ありがとね。連絡はメールでも構わないわ。アドは打ち止めが知ってるし。一つ借りにしといて」 
 
一方『あァ…?、俺の返済分から引いといてくれやァ…』 
 
美琴「そうしとくわ…」 

210: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:51:06.38 ID:6wY0kcI0
電話を切り、息を吐く。一方通行を妹達は許しても自分はまだ完全に許してはいない 
しかしああも気にしていられると調子が狂ってしまう  
 
初春「御坂さん事件なんですか!?」 
 
鼻息を荒くした初春が御坂に尋ねる 
 
美琴「うん、ちょっと複雑でね…」  
 
何か抱え込んでいるがいい難い様子を察した 
 
初春「私でできることでしたら、何でも言ってください!」 
 
初春「抱えこんじゃったら失敗しちゃいますよ」 
  
初春は興奮を押さえきれずに言う 
 
抱え込むと失敗する、いくつかの事件を一緒に解決したが 
その過程で初春が指摘した失敗が関係者に何度かあった 
 
美琴(歴史から学べって事かしらね) 
 
ふふっと笑い美琴は初春に仕事を依頼する 
その依頼は初春の想像の遥か斜め上だった 
からかわれているのかとも思った 
  
………異世界に行く方法を調べてちょうだい………  
 
だが真剣な顔で常盤台のLEVEL5は確かにそう告げた 
 
 
 
 
 
 

211: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:52:44.83 ID:6wY0kcI0
上条16は自宅へ戻った 
ドアを開けた瞬間に飛び掛る白い影 
禁書目録だ 
 
禁書「と・う・まあああああああああああっ!!」 
 
上条16「おわっいてええええええ!!」 
 
禁書「早く帰るって行ったのに遅いんだよ!」  
 
上条16「いやいや、まてインデックス!これにはマリアナ海溝よりも深~い訳がっ!」 
 
禁書「言い訳はいいんだよ!」  
 
ガブ 
 
上条16「不幸だあああああああああああああ!!」 
 
禁書「おなかへったんだよ」 
 
上条16「へいへい…」 
 
上条16は冷蔵庫の中を見る、キャベツ1/4カットが一つポツンとあるのみ 
体温が急激に下がる感じがした 
 
上条16(しまった…買い物いくはずだったんだ……) 
 
上条16「イ、インデックスさん?」 
 
禁書「なーに?」 
 
上条16「あのー明日外食しませんか?お肉とか食べません?」 
 
禁書「え?お肉!?行くんだよ!!嬉しいんだよ!!」 
 
上条16「だから、その…今日はキャベツマヨご飯で…」 
 
そう言い切る間もなく白い影が牙をむいて飛び掛っていたのだった 

212: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 12:59:17.27 ID:6wY0kcI0
食事を終えたあと禁書目録に今日あった出来事を相談する 
 
禁書「んー。魔道書の中にそういった記述はあるんだけど」 
 
禁書「実際に成功した、確立された術式っていうのは書いてないんだよ」  
 
禁書「それに異世界といっても目指す地点によって術式も変わってくるみたいなんだよ」 
 
禁書「ごめんねとーま」 
 
上条16「いや、まぁ成功してもこの世界にいないんだしな。いいんだ、でもそういった記述ってどんなもんなんだ?」 
 
禁書「神隠しとか、実行前の計画だけとか、失敗例なんかが多いんだよ」 
 
上条16「神隠しってのは消えたってことか?、その後の事は?」 ※ここでの神隠しは世間一般の意味の神隠しです
 
禁書「記述が途切れてるから、帰って来てないかも」 
 
上条16「それか失敗しちまったか…だな」 
 
禁書「でも術式の方向性はおかしくはないんだよ」 
 
上条16「どういうことだ?」 
 
禁書「同じ世界なら、印と印の間を飛んだりするんだけど、印から何もないところへの転移はあまり例がないんだよ」 
 
禁書「少ない実例だと大体が召喚、つまり呼び出す術の力の流れを逆にしてるんだよ」 
 
上条16「送り込むってことか」 
 
禁書「そう、でもどこに送り込むのかとか、何かの指針がないと次元の狭間を彷徨ってしまうんだよ」 
 
禁書「あとエネルギーだね、一瞬で空間に穴を開けきるくらいの大きな力がないと失敗しちゃうんだよ」

213: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 13:00:49.31 ID:6wY0kcI0
上条16「その指針ってのはどういったものだ?」 
 
禁書「それがどういった形で、どうするのかは行き先で違うんだよ」 
 
上条16「それが分からないと…だな」 
 
禁書「そこの世界にしか無いものとかじゃないと、別の平行世界の同じところに飛んじゃうかも」 
 
上条16「向こうも学園都市だし、難しいな」 
  
禁書「明日大きいとーまに会わせてもらっていいかな?」 
 
上条16「俺も学校休んでいくから、朝飯食ってからいくか」 
 
禁書「うん!」 
 
 
上条16(そこにしか無いもの…か)

214: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/01(正月) 13:16:42.29 ID:6wY0kcI0
部屋の寒さで目が覚める 
時刻は深夜2時を回った頃だった 
換気の為少し開けていた窓を閉めて再びベッドへ
ちょっとベッドから出ただけで寒い 
布団の中で丸まって何かできないか考えた 
帰る方法は分かったんだろうか? 
 
上条25は不安に駆られる 
分からなければずっとこのまま、存在が許されない世界で生きなければいけない 
それも死ぬまでずっと、自分の愛する女の下へ帰れぬまま… 
冷静に考える程不安で堪らない、一変して知ってるが知らない世界に放り込まれた 
物資を持たずに山奥に放置されるよりも恐ろしいことだ 
昨日はドタバタと興奮していたので、そこまで考えなかった  
幸いは顔の知った理解ある支援者がいたことだ。 
離れた学区や、学園都市の外だったらどんな目にあっていただろうか 
不安と恐怖で身が震えてくる 
自分の愛する女を心で強く想い描き、生み出された恐れに必死で耐える 
 
上条25(最後にあったのは5日前だったな…) 
 
6畳間の安アパートに美琴が遊びにきた時だった 
夕飯を二人で作って、テレビの音声をBGMに酒を飲み、夜中までたっぷり会話した 
風呂に入り、床で交わり果て、お互いが元々一つであったかの様に抱き合って寝た 
 
胸が温かくなる思い出 
だがその幻想から、現実の立ち居地を意識してしまうと気が狂いそうになる 
独りこの異世界で年を取って生き。想いの女の思い出に縋り、自分の存在すら認められてない世界の日陰で惰性に身を任せる 
そんな非生産的な自分と公園で見た若い上条と美琴二人 
取り残される様な感覚が蘇る 
 
 
生き地獄だ…… 
 
夜よりも暗い感情に支配され、何かの意図で生きながらえた事さえ諦めたくなる…。恐ろしくて堪らない……堪らない……  
 
 
上条25は幼い子供が独りの夜に怯える様に震え、眠りについた 
 
 
 
 
 
 

220: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:32:30.07 ID:iwgXhy.0
上条16「おはよーす」 
 
上条25「おはよう」 
 
禁書「おはようなんだよ」 
 
上条25「おおインデックス、ちっさいなーお前」 
 
禁書「む、大きいとーまはいきなりひどいんだよ!」 
 
上条25「ハハハっ!許してくれよ、久々にインデックスに会ったんだ。嬉しさの裏返しってことで」 
  
禁書「むー! そっちのインデックスも小さいのかな?」 
  
上条25「あっちのインデックスは数年前に………」 
 
上禁「「えっ……?」」 

上条25「イギリスに帰ったよ、びっくりした?」 
 
禁書「うぅうぅ~~~~~~~!!」 
 
ガブ 
 
上条25「ぎゃああああああああああああああああ」 
 
禁書「からかわないでほしいんだよ!!」 
 
上条25「久しぶりの感触だな…イテテ。あっちのインデックスも元気にしてるよ」 
 
上条16「今のは仕方ないと上条さんは思います、自業自得だ」 
 
美琴「朝っぱら病院で何騒いでんのよ、廊下までまる聞こえよ」 
 
禁書「むっ!短髪がきたんだよ!」 
 
美琴「来ちゃいけないの!?、これでも食べてなさい」 
 
禁書「物で釣ろうなんで短髪は浅ましいんだよ!」 
 
美琴「いらないの?焼きたてのパンよ?」 
 
禁書「あ…、インデックスはまだいらないとは言って無いんだよ?」 
 
美琴「ハイハイ、こっちの甘いのあげるわ」 
 
上条16「ほらインデックスお礼は?」 
 
禁書「ありがとなんだよ」モフモフ 
 
 

221: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:34:46.71 ID:iwgXhy.0
4人は状況を説明しあう 
美琴は義手の開発に今日から取り掛かる事 完成は数日も掛からない事 
そして映像の事、あの芸当ができそうな転移能力者、結標淡希にはアリバイがあった事 
初春に些細な手がかりでもいいから、探してもらっている事 
上条16と禁書は逆召喚つまり送り出しという手段の可能性を 
だがそれを成し遂げるには重要なピースが足りない事 
失敗すれば例外なく死のリスクがある事 
 
上条25は以上のことを踏まえ考える 
義手は思ったより早いな、美琴はやっぱりすごいわ 
映像の件は予想外だ…、いったい誰が… 
初春っていうと、あのサクっと物言う子だっけか…?あっちじゃまだ学生だったな。 
帰還は……やっぱ魔術か、しかしインデックスでも分からない事をどうしたらいいんだ? 
一旦は捨てた命だ…死ぬのは別に怖くねー 
もっと怖いのは……… 
 
昨晩考えていた事が身を震わせる 
 
上条25(子供の前で情けない…気合をいれろ!上条当麻!) 

222: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:36:25.08 ID:iwgXhy.0
美琴「んじゃアタシはちゃちゃと開発してくるわ」 
 
上条16「おう、がんばってな」 
 
上条25「頼りになります」 
 
美琴「あ、義手の話きいた?」  
 
上条25「ああ、ありがとな」 
 
美琴「ふふん、貸し1ね」 
 
上条25「怖いから出来るだけ早く返すよ」 
 
美琴「よろしい、んじゃーねー」 
 
手をフリフリ病室を後にする 
 
上条16「今日はどうするんだ?」 
 
上条25「うむー俺がすることってあんまないんだよな」 
 
上条16「じゃあ昼飯でも食いに行かないか?」 
 
禁書「お肉だね!!」 
 
上条25「何!?、肉だと?それで厳しい月末を戦い抜けるのか?」 
 
上条16「いや、昨日失敗してしまいまして…しかたなく」 
 
禁書「大きいとーまがなんと言おうと今日はお肉なんだよ!」 
 
上条25(こいつのせいか…) 
 
自分も似た経験した事を別世界の自分もしている事に笑みがこぼれる 
 
上条25(あ、着て行く服がねぇ…) 
 
 
 
 
  
 

223: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:37:55.29 ID:iwgXhy.0
服を取りに帰った上条16の苦労に感謝しつつ、3人で待ちを歩く 
 
禁書「おっにく!おっにく!おっにっく~♪」 
 
上条25「転移魔術のことイギリス清教にもきいてくれないか?」 
 
上条25「何かわかるかもしれない」 
 
上条16「ああ、ステイルなら明日こっちにくるらしい」 
 
上条25「インデックス大好きだからなあいつは」 
 
上条16「やっぱそうなのか?」 
 
上条25「あっちじゃ少なくとも…な」 
 
スキップしながら前を歩く禁書に上条16が声をかける 
 
上条16「インデックスー、ちょっとATM行ってくるから待っててくれ」 
 
禁書「はーいなんだよ!」 
 
上条25「つらいだろうがこれも試練だ若者よ」 
 
禁書「とーま、月末苦しくならない様に、残しておくんだよ!」 
 
自覚の無い禁書目録の言葉に、上条16はふらふらとコンビニに入っていく 
 
 
 
 

224: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:39:29.60 ID:iwgXhy.0
禁書「ねぇねぇ、大きいとーまぁ」 
 
上条25「ん?どーした?」 
 
禁書「あっちのインデックスは幸せにしてるのかな?」 
 
自分が夜の仕事に着いてしばらくした後に、故郷へと帰ったシスターを思い浮かべる 
自分は泣かないから、笑ってお別れをしようといいつつ顔をベチャベチャにして去ったシスターを 
 
上条25「ああ、幸せさ。インデックスの周りにはいいやつが多いからな」 
 
上条25「そいつらに囲まれて幸せに暮らしてるよ」 
 
禁書「そっかぁ、私もいつかとーまとお別れするのかなぁ…」 
 
上条25「それは分からねーよ。あっちはあっち、こっちはこっちだからな」 
 
上条25「全てはインデックスの想いひとつじゃねーかな」 
 
禁書「そうだね…」 
 
上条25は少し後悔した、やはり【未来】の比重が多い分確定事項の様に捉えてしまうのかと 
影響を与えてしまうのはよくない、一方通行の言うことが思い出された 
 
上条25「そう沈むなって、あっちのインデックスは今よりナイスバディだぜ?」 
 
禁書「え!?ホント!?」 
 
上条25「ああ、上条さんは嘘つきませんよ?」 
 
禁書「それが嘘なんだよ!」 
 
上条25「はは、でもナイスバディはほんとだ、17くらいからグングン成長したぞ」 
 
目に希望の明かり灯し自分の体をマジマジと見つめてモジモジしている 
 
上条25(かわいいやつめ、…つかおせーなアイツ)

225: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:40:47.69 ID:iwgXhy.0
上条25「どーした?」 
 
上条16「おかしいんだよ、何回やっても…」 
 
上条16「金が多すぎる」 
 
上条16はいつもどうりATMにカードを差込み、残高確認をした 
厳しい現実の数字を見て引き出し取引を押すのが慣習だ 
だが今日は違った、残高の数字が桁違いなのだ 
焦って取引を中断、カードを抜き名義を確認するが、刻まれている名前は上条当麻本人 
何度やっても同じ流れになる 
変な汗がドバドバ流れているところ、今に至る 
だが答えは意外なところからでた 
 
上条25「あ、言うの忘れてた」 
 
上条25説明中 
 
上条16「なんだ…。ついに暴食シスターに食い潰される、不幸な上条さんに神様が贈り物をしてくれたのかと」 
 
はっとして周りを警戒するが、当のシスターは外で待っていた 
 
上条25「現金振込みする神とかいやだなそれ…」 
 
上条16「んじゃこれ全額下ろした方がいいな」 
 
上条25「いや、そんな大金持ち歩きたくねーよ」 
 
上条25「1/10くらいで十分だ」 
 
上条16「そうか、またなんか入用になるだろうからな」 
 
上条25「だな」 
 
義手も無料なので余り使うこともないのだが、まぁ不幸なこっちの自分にあげてもいいなと思いコンビニを後にする 
 

226: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:43:55.48 ID:iwgXhy.0
土御門「よーかみやん」 
 
青ピ「ガッコさぼってシスターさんとデートかいなー」 
 
土青「「けしからん」」  
 
赤黒いどろっとした感情が一気に吹き上がる 
他人だと分かってる、でも抑えきれなかった、いや抑える気もなかったのかもしれない 
 
上条25「土御門おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」 
 
髪を掴み右肘で顔面を殴打する、一発、二発、三発目は上条16と青ピに取り押さえられる 
押さえられた所を土御門に腹に一発入れられ、喉を掴まれる 
 
上条25「離せええええええ!!!」 
 
土御門「かみやん!なんだこいつは!!」 
 
青ピ「いきなりなにしよるんや」  
 
上条16「どうしたんだよ急に!!土御門!手を離してくれ!」 
 
上条25「離せおらっ!コロしてやるよクソがああああ!!」  
 
禁書目録は目を見開いて急な暴力に驚いていた 
 
上条25「おい俺、こいつを今殺せ!!」 
 
上条16「何言ってんだ!!土御門だぞ!」 
 
青ピ「ちょっと…、この人かみやんにそっくりやで!」  
 
土御門「右手…がない?」 
 
上条25「こいつは!…こいつはなぁっ!!」 
 
上条25は分かってる、自分のいた世界と違うのは。 
この土御門には、まだまったく罪はない 
しかしあの出来事が起こらないとは限らない 
だが行動を自ら起こしてしまった、全部話す決断の時だった 
 


 

227: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:49:37.15 ID:iwgXhy.0
上条25は語った 
まず自分が平行世界の未来から来たこと、そして大体上条16の知っている内容を説明する 
さらに自分を裏切った人間が土御門であること、その土御門が右手を切断したこと、その理由、陰謀… 
 
上条16は驚いていた、自分の親友が未来でそんなことをするかもしれない… 
疑いようもない親友だ、しかし上条25もそうだったはず… 
土御門… 
 
土御門「俺からの回答だが、その可能性は無い」 
 
上条25「どうだかねぇ…背中刺す刃さんよぉ…」 
 
疑心暗鬼の塊だった 
両脇は上条16と青ピに押さえられている 
 
土御門「確かにその話は耳にしたことがある、超電磁砲の利用は天井亜雄という男が提唱し、その利益をメリットにごり押ししていた」 
 
土御門「だが数ヶ月前に天井はこの街から消え、同時にそのプランも凍結された」 
 
土御門「疑うなら一方通行にも聞くといい、あいつが絡んだ事件だったからな」 
 
土御門「舞夏に誓ってもいい、俺はまったく関知してない上、計画は微塵も動いてない」 
 
上条16「…俺は信じるぜ」 
 
上条25「お人よしだな…」 
 
上条25「だがそうだったな…土御門元春は義理の妹に嘘はないのはあっちもこっちも同じか」 
 
土御門「そっちの俺も舞夏ラブなんだにゃー?」 
 
上条25「ああ…土御門、悪い!すまなかった」 
 
土御門「理由が理由だにゃー、構わないといいたいが、かなり痛いぜよ」 
 
青ピ「あかん…甘かったわ…」 
 
「「「ん?」」」 
 
青ピ「時をかける女の子もリストに追加しとかなあかんで~!!」 
 
上条25「青ピはいつでもどこでも青ピなんだな…」 
 
 
 

228: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:51:17.69 ID:iwgXhy.0
禁書「…ちょっと、いい雰囲気を邪魔して悪いんだけど」 
 
禁書「おなか減ったんだよ……」 
 
上条25「悪いインデックス、…ほんとごめんな」 
 
禁書「いいんだよ、大きいとーまの気持ちも分かるから」 
 
上条16「インデックスが成長してる…」 
 
禁書「とーまはもう少し人の気持ちを分かる様に気を配るといいんだよ」 
 
上条25「お前らも飯まだじゃないのか? よかったら詫びも兼ねて焼肉でもいかないか?」 
 
土御門「ファミレスなら許せんが、焼肉なら仕方ないぜよ」 
 
青ピ「かみやんからの奢りとか断ったら一生ないで~」 
 
上条16「どういう意味だよそれ!」 
 
禁書「なんでもいいから早くいくんだよ!お肉が待ってるんだよ!」 
 
上条25「ああ、腹いっぱい食っていいからな!」 
 
 
 
その後男4人は禁書目録の本気を見ることに…
上条16は叫びながら、ATMへ走る事となった

229: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/02(日) 23:53:14.85 ID:iwgXhy.0
食後、土御門、青ピと別れ必要なものを買いにいく 
禁書目録はカナミンの新作ゲームのPVに目を輝かせて見ていた 
振り込まれた額が多すぎて使いきれそうにない 
 
上条16「協力者にこれだけ金が入るってことは、御坂はどれだけ貰ってるんだ…?」 
 
上条25「その10倍は貰ってると思うぞ」 
 
別世界の美琴の給料明細を見たことのある上条25が答える 
 
上条16「10バイ…。住む世界が違いすぎる…。どうりであまり金に執着しないわけだ」 
 
上条25「まぁな。…あー」 
 
上条25「…これからもし何か、なんて言えばいいんだろうな」 
 
上条25「俺が偉そうに言えることじゃないんだが。例えばだ、仮に一緒に住むとかなっても頼り切ったらだめだぞ」 
 
上条16「はぁ!?なんで上条さんがビリビリと……、え?」 
 
上条16「まさか、そちらでは上条さんとビリビリが…?」 
 
上条25「あまり言ったらいけないんだろうけど、そうだな。お前もちょっと意識してるんだろ?」 
 
上条16「あー、まぁ…。でもこっちのビリビリは俺の事が嫌いみたいだからな…」  
 
上条16「しょっちゅう顔真っ赤にしてビリビリしてくるし、すぐ怒って追いかけてくるし」 
 
上条25(うっわ…。俺もこんなことほざいてたな、傍からみたら殴りてぇ) 
 
上条25「ま、なるようになるさ…悩め少年」 
 
上条16「なんだよそれ!」 
 
肩をぽんと叩き病院へ向かう 

-----新人の頃は鈍キャラで可愛がられてたが。お前、もう25だぞ気持ち切り替えなきゃタダの無神経なバカだ----- 
 
上条25(やっと意味が分かったわ…成長するってのは難しいね、まったく) 
 
  

 

230: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:17:06.26 ID:rIZHTrY0
病室に戻った三人 
荷物を置き一服すると程なく美琴がやってきた 
 
美琴「義手は明日できるわ」 
 
余りの仕事の速さに驚く上条x2 
  
美琴「午前で完成させて製品を持ってくるわ、午後に試着、微調整はすぐ終わるから楽しみにしてなさい」 
  
上条25「ありがとな、こっちでなんかやっとくことあるか?」 
 
美琴「特にはないわね、しっかり寝て体調整えておくことかしら」 
 
美琴「…ってなんかニンニクの臭いしない?」 
 
禁書「大きいとーまの奢りで焼肉いってきたんだよ」 
 
美琴「はぁああ!?アタシが一日頑張ってたのにアンタらは焼肉!?」 
 
上条x2(しゃべるな馬鹿ヤロー!!) 
 

231: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:17:39.20 ID:rIZHTrY0
上条25「美琴は誘えなかったからな……。あぁ!!、明日コイツと二人で行ってこいよ!!」 
 
上条25「な?最大功労者の美琴せんせーをハブるのはよくない!うんうん!そうだそうだイッテコイ!」 
 
上条25(我ながら見事な切り替えしだ) 
 
上条16「え??それならまたみんなで行けばいいんじゃ?」 
  
上条25(空気読めよ!!) 

上条25「若いな…。25にもなると二日連続焼肉はキツイのだよ」 
 
禁書「ならインデックスが大きいとーまの分も食べるんだよ!」 
 
上条25「いや、インデックスは明日ステイルがくるだろ」 
 
上条25「俺とステイルと一緒にメシ食いにいこうぜ」 
 
禁書「お肉がいいんだよ!」 
 
上条25「じゃぁお肉もあるところにいこうかねー」 
 
上条16「御坂せんせーはそれでいいんですか?」   
 
美琴「あ、アタシはアンタさえよければ、いってあげてもいいけど…アンタがいきたいって言うんナラネ」 
 
頬を染めてモジモジと必死にツンツンしている 
しかしこれで気付かないのが上条当麻16 
 
上条16「俺も御坂さえよければ…」 
 
上条25(うわー甘酸っぺぇなおい、他所でやれよ)  
 
上条25「預金好きなだけ使っていいからしっかりエスコートしろよ」 
 
上条16の耳元で囁き、背中をそっと押した 
少年と少女の恋心はこの世界でも結びつき始めていた 
 

 

232: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:20:51.25 ID:rIZHTrY0
明日の焼肉デートを妄想し、足取りも軽く美琴は風紀委員177支部へと向かう 
  
美琴「こんちわー」 
 
黒子「あらあらお姉様、なにやらご機嫌がよろしいようで」 
 
美琴「え?そうかな?そんなことないんだけどー?」 
 
顔が緩みっぱなしで否定をするが、食らいついてくる黒子 
 
黒子「は!!この反応はまさか…。類 人 猿!!」 
 
美琴「黒子ぉ?人を類人猿なんて言っちゃだめよー?」 
 
黒子「きいいいいいいい!!その余裕のある対応が黒子の嫉妬に火をつけますの!!」 
 
黒子「こうなったら類似猿の手にかかる前にっ!!」ヌギ  
 
黒子「お姉様の純潔をこの手でっ!!」
 
美琴「やめんか!!」  
 
暴走した黒子が服を脱ぎ飛び掛るがあっさりと撃沈される 
 
初春「こんにちわ御坂さん」 
 
佐天「こんちわー」 
 
美琴「やっほー」 
 
初春「ちょっと待ってください、佐天さんもうちょっと上目使いで」 
 
初春が携帯のカメラで佐天を撮り遊んでいた 
美琴は初春の調査報告を受ける 
その案件自体が非現実的なものなので、返ってきた内容も当然それに伴う回答だった 
魔法陣説、タイムマシーン説 
動力は雷  
移動するにはその世界の思い出等  
   

233: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:22:01.85 ID:rIZHTrY0
初春「ちょっと使えそうな文章だけなんで、断片的ですが」 
 
初春「雷っていうのは映画とか漫画で見られる描写みたいですね」 
 
初春「そこを調べたんですが、エネルギー媒体は雷や水素が有力だと思います」 
 
初春「ゲームの設定みたいですが、私にはそれが限界でした」
 
美琴「ううんありがとう初春さん」 
 
「お姉様は黒子と一緒に愛の世界へ旅立つんですの~」 
 
何か世迷いごとが聞えるが、上条16の携帯に結果を送信する 
 
佐天「でもなんでこんなこと調べてるんですか?」 
 
美琴「んー、なんか異世界からきたって人間が帰りたいらしくてね」  
 
佐天「なんですかそれ?wwww」 
 
美琴「まぁオカルトの世界よねー」 
 
佐天「ちょっと危ない電波がでてるんじゃないですか?白井さんみたいに」 
 
適当に話し佐天も笑って聞いているが、映像を見た初春だけは真剣な顔だった 
携帯が鳴りメールの返信が届く 
ひとつの宗教の神やそれに準じるものの力を借りて飛ぶことは不可能と書いてあった 
 
美琴「なんかひとつの宗教じゃ無理なんだって、よく分からないけど」 
 
佐天「本格的ですねーなんか」 
 
佐天「じゃあ色んな宗教を混ぜるといけるってことですかね?」 
 
黒子「日本人は宗教に馴染みがあまりないので、そういう発想もできるのでしょうが」 
 
黒子「外国の方は生活や文化に溶け込んでいるので、嫌悪されるのではないでしょうか?」 
 
初春「ゲームでも異教の神を合体させるのがありましたねー」 
 
初春「批判も多かったとかなんとか」 
 
佐天「悪魔呼ばわりしてるしねー」 
 
美琴「うーん、まぁいいわ」 
 
雑談に切り替わってきたので打ち切る 
風紀委員177支部はその後、悪魔を合体させるRPGの話で盛り上がる
透視能力者のif至高説が小一時間続いたのはまた別のお話 

234: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:25:08.04 ID:rIZHTrY0
翌日、天気は快晴 
禁書目録を病院へ送り、学校へと向かう 
 
上条16(今日御坂とデートか…、いやデートっていうかお礼だからな…) 
 
上条16(あんまり御坂も乗り気じゃない感じだしな…)
 
上条16(ああ、もう緊張してきた) 
   
上条16(なんかプレゼントとか買った方がいんだろうか…) 
 
妄想ばかりが加速し、授業が身に入らない 
我に返った時は担任からの休日補習の審判が下った時だった 
 

235: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:27:27.79 ID:rIZHTrY0
病室で禁書目録とテレビを見ているとドアがノックされた 
 
ステイル「お邪魔するよ」 
 
上条25「あ、どうも」 
 
禁書「遅いんだよ」 
 
ステイルは禁書に軽く頭を下げ、マジマジと上条25を見る 
 
ステイル「俄かに信じられなかったが、どうやら本当のようだね」 
 
ステイル「幻想殺しも無いのか、なんの取り得もない凡人に成り下がったね」 
 
上条25「凡人は普通にメシ食うけど、俺は不便で堪んねーよ」 
 
フンと鼻を鳴らしステイルは花束を渡す 
 
上条25「意外な贈り物だな、こっちのお前はこういう趣味なのか…」 
 
ステイル「勘違いして欲しくないね、それは来られなかった神裂からだ」 
 
ステイル「まぁ選んだのは僕だけどね」  
 
上条25(神裂か、俺の下らない意地に付き合わせちまったな) 
 
帯刀してホストクラブに来ていた聖人を思い出す 

236: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:28:40.90 ID:rIZHTrY0
ステイル「大体は高校生の上条当麻から聞いたんだけど、もう一度事情を説明してもらっていいかな?」 
 
上条25「ああ、お前からの意見もぜひ聞きてぇ」 
 
上条25説明中 
 
ステイル「土御門がね…」 
 
ステイル「まぁ、結論を言おう」 
 
ステイル「上条当麻、君は帰ることができるだろう」 
 
あっさりと言い放つステイルに驚く 
 
上条25「まじか!?」 
 
ステイル「僕を誰だと思っているんだい?この年でルーンを極めた天才だよ」 
 
ステイル「それに今回は禁書目録の知識をふんだんに使える」 
 
ステイル「魔術儀式の構成はそう難しいことじゃないよ」 
 
上条25「お、お前って実はすごい奴なんだな」 
 
ステイル「君はどういう目で僕を見ているんだ?」 
 
上条25は終始禁書目録に振り回されても笑っていられる黒衣の神父を思い出す 
 
ステイル「だが、構成を編み上げるのは簡単だが」 
 
ステイル「術の行使が難関だ」 
 
上条25「どういうことだ?」

237: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:33:17.80 ID:rIZHTrY0
ステイル「結論は術式を完成させて説明するよ」 
 
ステイル「理解できるとは思わないけどね」 
 
余計な一言を付け加える 
 
禁書「私の知識をどうするの?見るの?」 
 
ステイル「まさか、君が僕の質問に答えてくれるだけでいいんだ」 
 
ステイル「こっちへくる途中にすでに構想はあるからね」 
 
まさにステイル無双、あれだけ先の見えない状況をいとも簡単に突破する 
上条16の名義で購入した携帯が鳴る 
メモリは6件しか入っていない 
メールだった 
御坂からメール着てた、 
(佐天案)異教の力を混ぜるのはどうだろうか 
ステイルに伝える 

238: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:33:44.24 ID:rIZHTrY0
ステイル「ん?そうだよ、いい着眼点だね。魔術師かい?」  
 
上条25「いや、佐天さんって子だな。今はレベル0で悩んでる女の子だよ」 
 
上条25「こっちの佐天さんもすごい才能があると思うんだけどな…」  
 
別世界での学園都市の災厄と呼ばれる佐天涙子を思い浮かべる
 
ステイル「宗教を混ぜるだなんて、日本人の考えだね」 
 
ステイル「そういう特殊な発想は日本人のすごいところでもあるけどね」 
 
ステイル「僕のやろうとしてる事はまさにそれさ」 
 
ステイル「十字教の力だけでは次元の門を開け、君を送り飛ばすことは今の状況じゃ不可能だ」 
 
ステイル「今は暦の時点で悪いからね、半端な魔翌力に焼かれて死ぬだろう」 
 
ステイル「僕は北欧の魔術にも精通しててね、あちらの神の力を借りる」 
 
ステイル「後はまた説明するよ」 

禁書「じゃあどこか別の場所に行こうか」 
 
ステイル「ああ、そうだね」 
 
上条25「戻ってきたら右手で握手してやるよ」 
 
ステイル「男の手を握るなんて趣味じゃないよ」 

239: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:37:46.95 ID:rIZHTrY0
 
 
 
美琴「できたよー」 
 
上条25「おー、どれどれ」 
 
金属ケースを開けると自分の左手よりも若干大きいサイズの右手があった 
手に取る 
皮膚というより鱗のような手触りだった 
 
上条25「ちょっと大きいんだな」 
 
美琴「ああ、そこからまたアンタの左手サイズに合わせて、中の金属に電流送って調整するの」 
 
美琴「先生に丈夫にって注文したんでしょ、質感と触覚はだだ下がりよ」 
 
上条25「こんな質感でも触覚あるのか」 
 
美琴「がんばって34%から52%まで再現したわ」 
 
上条25「おつかれさん、今日はアイツとデートだからゆっくりしてくれよ」 
 
美琴「あ、アンタがあんなこと言うから、アタシが行かないといけないじゃない///」 
 
上条25「あれ?んじゃ断っておきましょうかね、電話電話と…」 
 
美琴「ちょっと!行かないなんて言ってないじゃない!!」 
 
上条25「素直になってくれよ、じゃないと高校生の上条さんは気づかないぞ」 
 
美琴「アンタはどうだったのよ?…その、あっちのアタシと///」 
 
上条25「上条さんはダメ元で告白したんだよ、美琴が高校入学式の時だな」 
 
上条25「なんか環境が変わって離れ離れになるドラマ見た影響でさ」 
 
上条25「このままじゃいけないって覚悟決めたな」 
 
上条25「美琴まで好きでいてくれたなんて気付きもしなかったわ」 
 
美琴「まぁ、善処するわ…///」 
  
上条25「がんばれ恋する乙女」 
 
美琴「うっさい!さっさと行くわよ!///」

240: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:40:45.15 ID:rIZHTrY0
手術室に入る前に滅菌を行い、手術着を被る 
看護婦に誘導された部屋にはすでに準備が整っているようだ 
横になり右腕と体を固定され、注射をする。麻酔らしい 
いよいよかという雰囲気に上条25も美琴も緊張してくる 
  
冥土「この拘束は暴れてしまって、失敗しないようにだからね?」 
 
冥土「神経を繋ぐ前にすごい痛みがある、繋いでから調整はそれを上回る痛みがくるんだね」 
 
冥土「軽く麻酔はしたが、ある程度の反応も見ないといけないから我慢してくれよ?」 
 
冥土「では、始めるね」 
 
麻酔のおかげで感覚がない、メスと言ったからには今切開されているんだろう 
美琴はずっと冥土返しの作業をみている
 
冥土「ふー、んじゃ痛いよ?」 
 
美琴と看護婦が体を押さえる 
 
グジュ 
 
上条25「っっっ!!!ァぁああああああああああああああああああああ!!」 
 
痛みで無意識に体が水揚げされた魚の様に跳ねる  
 
冥土「今、君の神経と義手を繋ぐトンネルみたいなものを作ったんだね」 
 
上条25の耳には届いてない 
美琴は動かさない様に、必死で右腕と肩を押さえている 
 
冥土「では、さらに痛いから我慢してくれるかね」 
 
麻酔をしているのに、腕の先に異物感がはっきり分かる 
ガチンっという装着音がする 
あまり痛みは無かったが…?と気を緩める 
 

241: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:41:14.09 ID:rIZHTrY0
冥土「君の出番だよ、慎重にね」 
 
美琴「はい」 
 
美琴の指先から電流が流れる 
気を緩めたあとにこの不意打ち 
 
上条25「ぐぁああああぁぁあああっ!!っつあああぎゃああああっあああああっ!!っああ!!」 
 
右手が高熱で潰される感覚 
熱い、痛い 
右腕を起点として右の首筋まで激痛が走る 
美琴は全神経を集中し、神経を焼かない程度の微弱な電流に意識を巡らせ超精密作業を行っていた 
義手の圧縮、思考神経系と運動神経系の回路接続 
切開した部分から血も漏れるが気にしていられない 
 
 
時間にして数分だったが、上条25と美琴にしてみれば数時間にも感じられた 
手術が終わり義手を外し、後処置を済ませ病室に移送される 
 
移送される上条25を見送り、美琴は術中に感じた違和感について考えた  
上条25に進入した自分の意識を絡めた電流が、ほんの少し、非常に微々たるものだが打ち消された気がした 
手術自体は成功したので、問題は無いのだが… 
いまいちすっきりしないままに、シャワー室へ行く 
 
美琴(今日、肉じゃなくて別のものにして貰おう) 
この後のデートに向けて気持ちを切り替える 



次回 上条「愛してる」 後編