上条「愛してる」 前編

242: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:43:36.30 ID:rIZHTrY0
術後、憔悴した上条25は少し睡眠を取り 
太陽が沈みきる頃目が覚める 
 
禁書「大きいとーま気分はどう?」 
 
上条25「あーちょっとだるいけど大丈夫だ」 
 
ステイル「寝てた方がいいんじゃないかい?」 
 
ステイル「歩き回ると体に毒だ」 
 
上条25(なんだこいつの優しさは…) 
 
ステイル「君は体を労われ、代わりに禁書目録は僕が食事に連れていくよ」 
 
上条25(インデックスと二人になりたいだけかよ!!) 
 
はぁっとため息を吐きステイルに頼んだと告げる 
体がキツイのは間違いない 
それにステイルも日本にきたのは自分の為よりも、禁書目録の為だろうし 

引用元: 上条「愛してる」 




新約 とある魔術の禁書目録(19) (電撃文庫)
鎌池 和馬
KADOKAWA (2017-10-07)
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243: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/03(月) 00:45:12.99 ID:rIZHTrY0
 
 

独りの病室にはもう慣れた 
相変わらず夜は恐ろしいが、日々元の世界に帰れる手がかりが増えている 
ベッドの脇にある金属ケースを開ける 
中に手紙が入っていた 
美琴から使い方やメンテの注意事項などが書いていた 
ペンの色を変えどれだけ高性能なのか苦労したのかが大きな文字で書かれている 
驚くことに義手表面は電気を通さず避雷針の役までするそうだ 
幻想殺しがない上条25には大変ありがたい性能だった 
愛する美琴も大人げなくたまにビリビリするので重宝しそうだ  
 
右手義手を手に取り装着する 
金属の接続音がして、首筋まで痛みがくる 
神経が繋がったようだ 
数日ぶりに右手を動かす 
切開した部分に痛みがあるが手の動きは問題ない 
多少人体よりも重い 
ググっと握り拳を作る 
 
上条25(美琴…ありがとうな、絶対帰るからな美琴)  
 
上条25(待ってやがれ…土御門っ!!) 
 
尽力してくれた少女に礼を 
愛する女に誓いを 
そして裏切った親友に黒い感情を… 
 
 
それぞれが想いを胸に学園都市の夜は更けてゆく
 
 
 

248: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:35:31.65 ID:k7M/zME0
翌日病室でステイルから説明が行われた 
病室には上条x2 美琴 禁書 ステイル 
禁書目録以外は魔術の知識が無いため、深くは説明しないし質問もするなと前置きがあった 
壁にもたれかかって赤毛の魔術師が語る 
 
ステイル「まず術式は複数の神の力を混ぜる」 
 
ステイル「アステカの神、北欧の神、ローマの神、ギリシアの神」 
 
ステイル「陣を描くのは僕がやるが、ローマとギリシアは異世界の上条当麻。君があるものを持ってるだけでいい」 
 
ステイル「アステカの魔術師と北欧の魔術師が必要だ」 
 
上条16「お前じゃだめなのか?」 
 
ステイル「質問をするなと言ったのが聞こえなかったかい?」 
 
ステイル「僕はこう見えて非常に優秀な魔術師なんだ」 
 
ステイル「自分の力を上げる為なら、異教の魔術も自分の力に取り込む」 
 
ステイル「しかしベースはあくまで、十字教だ。この儀式は信心が必要になる」 
 
ステイル「異教の神と自分の神、どちらに比重があるのは明確」 
 
ステイル「バランスの取れない儀式は失敗、つまりそこの彼の死だ」 
 
ステイル「神裂の伝手で優秀な北欧の魔術師を呼んでいる」 
 
ステイル「だがアステカの魔術師がいない」 
 
ステイル「魔術師によっては、異教の魔術と組み合わせる儀式を禁忌と思ってる輩もいるしねぇ」 
 
ステイル「まぁそれは置いておこう」 
 
 
 

249: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:36:50.25 ID:k7M/zME0
ステイル「先日の話だが、術式の発動に必要なエネルギーが足りない」 
 
ステイル「そこで君だ」 
 
美琴「アタシ?」 
 
ステイル「君の能力の最大出力は10億ボルトだそうだね、どのくらい連続で放出できるんだい?」 
 
美琴「んー?実際計ったことないからなんともだけど、放出だけなら3,4分はいけるかしら?」 
 
ステイル「ふむ、あとで正確に計っててくれるかな?」 
 
ステイル「そしてあのいけ好かない学園都市第一位、あの男を呼んでくれ」 
 
ステイル「科学の雷を陣の上で魔翌力に変換する際に力の流れを安定維持させる」 
 
ステイル「そして問題の指針だ、あっちの世界にしか無いような場所、人、強く印象に残ってる所はないかい?」 
 
ステイル「あっちの世界のこの子だけ、というのは止した方がいい」 
 
ステイル「別の平行世界のこの子の前に出てしまう危険がある」 
 
上条25「…ある!」 
 
上条25は確かに覚えている、自分が店を辞めた日のあの宴 
みんなの顔ひとつ、何を飲み、何を歌い、何を話したか明確に覚えている 
 
ステイル「術式が発動したらそれを強く思い浮かべるんだ」 
 
ステイル「きっとそこに出るさ」 
 
ステイル「その思いの場所が場所の指針、思いの人が時間の指針になるはずだ」 
 

250: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:37:56.50 ID:k7M/zME0
ステイル「最後に術式の使用者だ」 
 
ステイル「さっきも言ったけど、信仰のバランスが悪いと失敗してしまう」 
 
ステイル「だから信心が少なく、且つ能力開発を受けていない人間が必要だ」 
 
禁書「こもえにお願いするといいかも」 
 
上条16「小萌先生か…」 
 
上条16「その術式を使うのって危険なのか?」 
 
ステイル「いや…、やることはこちらのタイミングにあわせて詠唱してもらうだけだ」 
 
禁書「小萌は魔術の経験もあるからきっとできるんだよ」 
 
上条25「先生か、信仰心もバランス良く薄そうだな」 
 
上条16「いつやる予定だ?先生に予定聞いとかないと」 
 
ステイル「早ければ2日後の日曜だ、その次は大体28日後になるね」 
 
上条16「急だな…連絡してみる」 
 
ステイル「宛がないのがアステカの魔術師だ」  
 
上条25「アステカの神じゃないとダメなのか?」 
 
ステイル「トラロックという神がいるんだけどね、その神は雨と雷の意味を持つ」 
 
ステイル「科学の雷を魔翌力に変換する際に有効なんだよ」 
 
ステイル「他の雷の神よりも比較的信仰が浅く広い、力を使いやすいんだよ」 
 
上条25「ふーん、よくわかんねーな」 
 
ステイル「もう君たち二人は黙っててくれないか?」
 
禁書目録と同居しててなぜこんなに知識欲がないのか… 
ステイル=マグヌスがイラ立ち煙草に火をつけた 

251: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:39:42.77 ID:k7M/zME0
上条16「先生に電話してみる」 
 
上条25「まて、俺がしてみる」 
 
上条16「え?」 
 
上条25「久々に先生とも話してみたいし、予定だけなら気付かねーだろ」 
 
上条16から携帯を借りて発信する 
 
prrr 
 
『はいは~い』 
 
上条25「あ、先生ですか?俺です」 
 
『分かってますよ~』 
 
上条25「先生、急で申し訳ないんですが明後日の予定はあいてますか?」 
 
『明後日ですか~?』 
 
上条25「はい」 
 
『先生、明後日は不真面目な上条ちゃんの補習なのですよ~』 
 
上条25「えっ!?」 
 
『忘れやがったら先生怒りますよ~?』 
 
『ちゃんと出席してくださいね~』 
 
ガチャ 
 
上条25「おい…お前の補習だってよ」 
 
室内の全員から上条16に冷たい視線が向けられる 
 
上条16「ハハ…ふ、不幸だああああああああああああああ!!!」 
 

252: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:40:16.90 ID:k7M/zME0
美琴「自業自得よバカ!」 
 
上条25「どーすんだよ」 
 
上条16「直接説得してくる」 
 
禁書「インデックスも行くんだよ!」 
 
ステイル「じゃあ僕も同行しようかな」 
 
美琴「宿題ってやつにしてもらいなさい、それだったら手伝えるわよ?」 
 
上条16「助かるぜ」 
 
ばたばたと三人が出て行く 
 
美琴「ほんと何でああも要領悪いのかしらね」 
 
上条25「…スミマセン」 
 
美琴「あ、ち、違うわよ?アイツがよアイツ」 
 
上条25「ああ…美琴タンのその優しさが痛い」 

253: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:42:42.03 ID:k7M/zME0
上条25「美琴ありがとうな」 
 
美琴「ん?なにが?」 
 
上条25「この右手のこともだし、支えてくれて」 
 
美琴「別にいいわよ、そんくらい」 
 
美琴「アンタ一人じゃどうしようもないんだし」 
 
美琴「まったくの他人って訳じゃないじゃない?」 
 
上条25「それでもさ、…ありがとう」  
 
美琴「どーいたしまして」 
 
上条25「こっちの俺は、まだまだ子供で社会にでたら全然頼りないけど」 
 
上条25「甘やかさない程度に支えてやってくれよ」 
 
美琴「…ぅん」 
 
夕暮れの病室、窓から差し込む夕日のせいなのか、それとも… 
美琴の顔が赤らんで見える 
 
美琴「そろそろ寮に帰って早めに寝るわ」 
 
上条25「ああ、お疲れさん」 
 
 
 
 

254: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:44:24.71 ID:k7M/zME0
意外な人間が夕食を運んできた 
御坂妹だった 
 
御坂妹「こんばんは、とミサカは初対面として接するべきなのか分からないあなたに声を掛けます」 
 
上条25「うお!、…御坂妹か?」 
 
御坂妹「はい、とミサカは年を取っても今の時代のあなたと変わらないリアクションをとるあなたに辟易します」 
 
上条25「飯持ってきてくれたのか、さんきゅ」 
 
御坂妹「いえ、気にする必要はありません、とミサカは好奇心で様子を見に来た事を隠します」 
 
上条25「隠して無いぞ」 
 
御坂妹「どうぞ、とミサカはあなたに食事を提供しながらなぜかイヌという飼い猫を思い出します」 
 
上条25「ひでーなおい、それもどこかに配るのか?」 
 
御坂妹「いえ、これはミサカの分です、とミサカは自分の食料だと主張します」 
 
上条25「そうか、せっかくだから一緒に食わないか?」 
 
御坂妹「あなたさえ良ければ、とミサカは素直に答えます」 
 
 
 

255: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:47:02.86 ID:k7M/zME0
食事を終え横になる上条25 
御坂妹がじっと見つめている 
感情が希薄な為その意図が読めない 
 
上条25「どうした?」 
 
美坂妹「あの、そちらでミサカは何をしていますか?とミサカは自分の将来を聞いてみます」 
 
美坂妹「…御坂妹、先に言っておくけど、確定の未来じゃないし、この世界の未来でもないからな」 
 
一瞬言うか言うまいか躊躇ったが、黙ってるのも不安に感じると思い前置きする 
禁書目録に聞かれた時、【別の世界】よりも【未来】であることにウエイトが置かれて受け止められた為だ 
 
上条25「あっちのお前は元気だ、感情も今より活発になっている」 
  
上条25「たまに俺達の家に泊まりにきたりしてた」 
 
上条25「仕事は都市の役所事務方が表向き、裏で個人の店も持っている」  
 
上条25「そんなとこかな?」 
 
美坂妹「そうですか、とミサカは不安を拭います」 
  
上条25「不安?」 
 
美坂妹「はい、ミサカはお姉様のクローンです。今も調整を受けながら生きながらえているのですが、とミサカは一旦句切ります」 
 
美坂妹「ですが実際どこまで生きていられるのかが…不安だったもので、と胸にあった蟠りをあなたに打ち明けます」  
 
上条25「大丈夫だ、お前らは強いし美琴だっている」 
 
上条25「不安に思うことなんてねーよ」 
 
御坂妹「随分お姉様を信頼していますね、とミサカは軽く嫉妬します」 
 
御坂妹「そちらでもあなたとお姉様の間に付け入る可能性が無いのですね、とミサカは残念がります」 
 
上条25「付け入るも何も…あっちで彼氏いるんだけどお前」 
 
御坂妹「!?、とミサカは絶句します」 
 

256: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:47:54.64 ID:k7M/zME0
御坂妹「どういった方でしょうか?、とミサカは心拍数を上げて質問します」 
 
上条25「いや、それは言わねーよ。俺もつい最近知ったし」 
 
美坂妹「そうですか…、とミサカはまだ見ぬ恋人の影に夢を抱きます」 
 
上条25「まぁ、未来なんてひとつじゃないんだ」 
 
上条25「自分のやりたい様に、一生懸命にやればいいさ」 
 
美坂妹「はい、とミサカはあなたと話せてよかったと心から思い返事をします」 
 
御坂妹「では、一夜の過ちが起きる前に自分の病室に帰ります、とミサカはミサカネットワークで仕入れた知識を披露します」 
 
上条25「こらこら…」 
 
上条25「おやすみ、御坂妹」 
 
御坂妹「おやすみなさい、とミサカはあなたのやり取りをネットワークに保存します」

257: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:50:01.08 ID:k7M/zME0
朝日がカーテンの隙間から漏れ、そのわずかな眩しさに目を覚ました 
 
上条25(まだ6時か…)  
 
ベッドから起き上がり、右手の具合を見る 
手の動きには問題が無い 
ベッドのパイプを握る、手の触覚が若干鈍って常時痺れがある様な感覚だがいずれ慣れるだろう 
握っている右手に力を入れる 
ギギギっとパイプが潰れていく 
握力は大したものだ 
銃弾も耐えれるらしい 
腕の傷も無理をしなければ痛みはない 
 
床に立ち体を伸ばす 
そのまま軽く柔軟体操 
長い間の不摂生がたたり、筋肉は衰え、柔軟さが無くなったが昼間の仕事になってからだいぶ調子は戻った 
最近は寝たきりだったのでちょっとなまりを感じる 
 
あっちに戻り都市の闇の人間に見つかれば殺されるだろう 
即座に十分な後処理をされ、なにも無かった事になる 
そして学園都市にはいつもの日常が流れる 
 
上条25(そんな都合のいい展開は絶対認めねぇ!!) 
 
ステイルは場所の指針について語っていた 
絶対唯一だと言える指針、おそらく店に飛ぶはず… 
敵地のど真ん中だ 
 
上条25(運よく昼間であって欲しいな…) 
 
己の不幸体質に自重を求め、黙々と肉体を調整する

258: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:51:01.44 ID:k7M/zME0
冥土「朝から元気だね?」 
 
上条25「あ、おはようございます」 
 
上条25「帰ってから力及ばずで後悔したくないんで」  
 
冥土「そうかい、まぁまだ傷の手当ても終わってないんだから無理はしないでくれよ?」 
 
上条25「はい、担当医の腕がいいから傷の治りも早いんですよ」
 
冥土「褒めても何もでないよ、というより君の回復力がいつも異常なんだね?」 
 
上条25「入院に慣れてますからね」 
 
冥土「あまり褒められたものじゃないよ?」 
  
上条25「褒めてもなにも出ませんよ?」 
 
冥土「だから褒めてないんだけどね?」

冥土「では検診をしようかね?」  
 
 
 

259: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:53:15.99 ID:k7M/zME0
ステイルが禁書目録をつれて病室を訪れる 
今日北欧の魔術師が日本に到着するらしい 
 
上条25「なぁ、魔術師に報酬はいくら払えばいいんだ?」 
 
ステイル「いや、特にいらないと思うけど?なんでだい?」 
 
上条25「いやわざわざ俺の為にきてくれて礼もないのは…と思いまして」 
 
ステイル「随分と自分を高く評価してるね」  
 
上条25「え?」 
 
ステイル「一概には言えないが、誰もが君の為にやってることじゃないよ」 
 
ステイル「僕は禁書目録からの要請だからわざわざイギリスから来たんだ」 
 
禁書目録からのを強調し 
チラッっと禁書目録を見るステイル 
だが肝心のシスターはテレビに釘付けである 
彼の想いが届く日はいつになるのだろうか 
 
ステイル「それに異世界に人間を飛ばすなんて儀式だ」 
 
ステイル「魔術師ならば誰でも興味をもち、参加したいと思うよ」 
 
ステイル「術の方向性は違えど、僕らがやろうとしてる事は大魔術に匹敵する成果をもたらす」 
 
ステイル「参加できるチャンスがあるだけで非常に嬉しいものだ」 
 
上条25「そうなのか…。やっぱ変わってんな、魔術師って」 
 
ステイル「世界中の魔術師が君にだけには言われたくないと思うよ…」 
 

260: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:55:00.44 ID:k7M/zME0
ステイルと入れ違いで一方通行が尋ねてきた 
 
一方「よォ、ジジイ」  
 
禁書「あ、白い人なんだよ」 
 
一方「ゲェッ!出やがったなァ」 
 
禁書「むむ!人をバケモノみたいに言うのはヒドイかも!」 
 
一方「るせェ、ちったァ自分の常識外れを自覚しやがれェ!」 
 
打ち止め「ケンカはよくないよ!ってミサカはミサカは二人を仲裁して大人である事をアピール!」 
 
一方「すっこンでろクソガキィ」 
 
上条25「いやお前ら何しにきたんだよ…」 
 
一方「あァ?…ああ、テメェらクールになれ、クールだァ」 
 
一方「なンか帰るスケットで呼ばれたンだがァ…」 
  
上条25「ステイルなら今出て行ったぞ、他の人迎えに行ってる」 
 
一方「マジカヨ…無駄足じゃねーかァ」 
 
打ち止め「ついでだからゴハン食べに行こうよ!ってミサカはミサカは提案してみる」 
 
一方「さっき朝飯食ったばかりじゃねェか」 
 
一方「まぁ出直してくらァ」 
 


261: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:56:20.23 ID:k7M/zME0
昼を回り、禁書目録と食事に出かけ病室に戻る 
明日の打ち合わせなどやることが多いので遠出はできない 
もっとも白衣のシスターは不満たらたらだったが 
 
ステイル「いるかい?」 
 
禁書「おかえりー」 
 
ステイル「ただいま、禁書目録」 
 
オッレルス「始めまして、君が遠い世界からきた人か?」 
 
オッレルス「俺はオッレルスだ。こんな貴重な儀式に参加できてうれしいよ」 
 
ステイル「神裂の知り合いの聖人の相方だ、力は相当なものだよ」 
 
オッレルス「成り行きでそうなっただけさ」 
 
ステイル「第一位はまだきてないのか?」 
 
上条25「ああ、さっき来たんだけどな。出直してくるってよ」 
 
ステイル「まぁ上条当麻と第三位の学校が終わってから集合しようか」 
 
 
 

262: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 01:58:56.92 ID:k7M/zME0
一方通行と打ち止めが戻ってくる 
それともう一人 
 
海原「本当に大人の上条さんがいるんですね」 
 
上条25「お前は、海原だったっけ?」 
 
一方「あァ、三下がアステカの魔術師に心辺りねーかってメールしてきたから連れてきたァ」 
 
海原「僕にできることでしたら尽力しますよ」 
  
海原「ところで御坂さんは?」 
 
上条25「こっちの俺も美琴もまだ学校じゃねーかな?」 
 
海原「そうですか、残念ですね」 
 
一方「残念だったなァ、ストーカー」 
 
海原「失礼な!ただ純粋に御坂さんを想うが故の行動です」 
 
一方「ブレねェなお前…」 
 
ステイル「大人数になりそうだから場所を移動しようか」 
 
ステイル「どこか手ごろな場所はないかな?」 
 
打ち止め「ミサカの家においでよ!ってミサカはミサカは元気よく提案してみる!」 
 
一方「はァ!?ざけンな!なんでウチなンだよ!!」 
 
打ち止め「広さも十分だし、会話聞かれることもないよってミサカはミサカはあなたの疑問を解消してみる」 
 
一方「個室サロンでも借りればいいじゃねェか」 
 
打ち止め「ミサカの意見は、だめだったのかな…ってミサカはミサカはしょぼんとしてみる」 
 
一方「チッ!お前ら散らかすンじゃねーぞ!!」 
 
海原「貴方もブレないですね…」 
  
 
ぞろぞろと大人数が移動を始める 
その光景は知るものが見れば恐れ慄く行進である 
 
白衣のシスター、黒衣の神父、右手が義手の男、外人の優男 
変なシャツを着て杖をついた白髪の少年 
その一歩後ろをついて行く少女 
その少女をじっと見つめながら一定の距離を置いて後ろをついてゆく男 
 
知らないものが見れば珍妙な集団にしか見えなかった 

263: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:00:25.69 ID:k7M/zME0
夕方前上条16と美琴、月読小萌が到着する 
 
海原「こんにちは御坂さん」 
 
美琴「あ、…こんにちわ」 
 
海原「安心してください御坂さん。僕はもう彼にもあなたにも何かしようとは思っていませんから」 
 
美琴「…うん、ならいいんだけど」 
 
海原「この上条勢力のど真ん中ではどう足掻いてもバッドエンドオンリーですしね」 
  
ステイル「その上条勢力という言い方は止めてくれないかな?」 
 
ステイル「そういった括りで見られるなら、僕はこれ以上関与したくないね」 
 
禁書「ステイル機嫌直して欲しいんだよ」 
 
ステイル「さぁ!君たち早く座ってくれないか?説明を始めたいんだけど」  
 
 
小萌「本当に大人の上条ちゃんなのですね~」 
 
小萌「先生はまだ信じられないのですよ」 
 
オッレルス「先生?」 
 
上条16「えっと、我が校の七不思議にも数えられる合法ロリ先生です」 
 
小萌「上条ちゃんその紹介は先生悲しいのですよ」 
 
小萌「因みに先生がここで一番最年長なので敬いまくってくださいね~」 
 
オッレルス「北欧王座並みに説明できない何かだな…これは…」 
 

264: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:02:51.54 ID:k7M/zME0
ステイル「んじゃ説明するよ」 
 
      /´〉,、     | ̄|rヘ
  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
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      | l,.゙ヽ--'゙ ,ノ  /  l, ゙'゙,,.l, ,j ゙| l,ヾ,、--、,,,、'_, r''゙ l   / li,;)      長
      l,. ゙'i,  /  ,rシ-、,ィ) l,゙i,V/゙j゙ /゙,,、、、,_  ゙\!.レ゙  .| Y゙          い
       ゙l゙i,・ヾi, ,/ィl、・_ノ ,;:: ゙シ'i.l,ノ ./゙    \  ゙Y:   .l /          !!
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  l、 ̄ ̄了〈_ノ<_/(^ーヵ L__」L/   ∧      /~7 /)
   二コ ,|     r三'_」    r--、 (/   /二~|/_/∠/
  /__」           _,,,ニコ〈  〈〉 / ̄ 」    /^ヽ、 /〉
  '´               (__,,,-ー''    ~~ ̄  ャー-、フ /´く//>
                                `ー-、__,|     
 
 

265: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:05:14.90 ID:k7M/zME0
二時間後 
 
ステイル「というわけさ…」 
 
小萌「一字一句間違えずにゆっくり文章を読む」 
 
美琴「フルパワーで電撃をアステカの印に送り込む」 
 
海原「トラロックの印に魔翌力を込め、科学的雷を魔翌力的雷に変換」 
 
オッレルス「トールの印に魔翌力を込め、雷の出力増幅と観測」 
 
一方「変換が終わるまで、両方の雷を陣の上に滞空させ続けて巡回させるだァ?」 
 
オッレルス「変換終了を確認後、ノルニルの印に魔翌力を送る」 
 
一方「中央の三角形が光ったら、少しずつ中央に雷を寄せる」 
 
上条25「車輪が回り始めたら指針を思い浮かべる、時計が動き出したら発動」 
 
禁書「成功をお祈りするんだよ」 
 
上条16「邪魔なので遠くに離れておく…か、はぁ~」 
 
ステイル「僕は指示を送りながら、何かに備えて結界を張っておくからね」 
 
ステイル「因みにその【何か】が起きた場合、例外なく中心にいる大人の上条当麻は死ぬ」 
 
ステイル「質問はあるかい?」

266: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:06:55.88 ID:k7M/zME0
上条16「一方通行は魔術のベクトルは操れないぞ」 
  
ステイル「ん?こないだ少し僕の魔術の流れを変えてなかったかい?」  
 
一方「あれは風で押し返してただけだァ」 
 
一方「まァ、一度食らえば、この天才の頭脳で解析して何とかできるンだがなァ」 
 
上条16「食らったら死ぬぞお前」 
 
一方「いんや、弱いやつでいい」 
 
一方「公式さえ分かりゃ、後は数字がでかくなるだけだからなァ」 
 
一方「算数のレベルだァ」 
 
ステイル「じゃあここの屋上にいこうか」 
 
ステイル「幻想殺し、君もくるんだ」  
 
上条16「え?俺も?」 
 
ステイル「後処理要員だ」 
 
上条16「へいへい」 
 
上条16、美琴、ステイル、オッレルス、海原、一方通行が屋上へ行く 
 
禁書「こもえ!明日はがんばるんだよ!」 
 
小萌「うーん、簡単なんですけど緊張してしまうのですよー」 
 
上条25「先生、大丈夫ですよ」 
 
上条25「信頼してます」 
 
小萌「上条ちゃん…。…先生頑張っちゃいますね!」 

267: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:09:15.83 ID:k7M/zME0
黄泉川「ただいま~じゃんよー」 
 
打ち止め「黄泉川が帰ってきた、ってミサカはミサカはお出迎え」 
 
小萌「黄泉川先生おじゃましてますなのです」 
 
黄泉川「なんだ~?月読先生じゃんよ。みんなで何してるじゃん?」 
 
小萌「えっとー、どう説明したらいんでしょうかねぇ…」 
 
打ち止め、小萌 説明中 
 
 
目に涙を浮かべて上条25の両肩を掴む 
 
黄泉川「少年!苦労したじゃん!!」 
 
黄泉川「今日は上条の送別会じゃんよ!」 
 
禁書「ねぇねぇ。大きいとーま、送別会ってなーに?」 
 
上条25「上条さんが明日帰るから、その為にみんなで見送りしてくれるんだよ」 
 
禁書「そうなんだ」 
 
打ち止め「黄泉川、お買い物行かないと後6人いるんだよ、ってミサカはミサカは食料不足を報告してみる」 
 
黄泉川「大所帯じゃんよ、よし打ち止め買い物いくぞ」 
 
黄泉川「今日は宴会じゃん!」 
 
禁書「インデックスもお買い物お手伝いするんだよ」 
 
上条25「あ、金出しますよ」 
 
黄泉川「メインが金だしちゃダメじゃん」 
 
上条25「ああ、これこっちの俺の金になるから、それにこいつの食費だけでもバカにならないし」 
  
黄泉川「子供の食べる分くらいだすのが大人じゃん!」 
 
黄泉川「気にしないで座ってろ」 
 
上条25「はぁ、すみません…」 
 
小萌「いいんですよ上条ちゃん、甘えちゃってください!」 
 
上条25「ありがとうございます」 
 
上条25(こんな大人に今からでもなれるかな…) 

268: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:10:58.34 ID:k7M/zME0
美琴「はぁー疲れたぁ」 
 
海原「…………」 
 
ステイル「あれ禁書目録は?」 
 
上条25「買い物に行ってるよ、なんか送別会してくれるみたいでさ」 
 
上条25「残りの三人は?」 
 
美琴「まだ上でやってるわ」 
 
美琴「海原さんの力はすぐ解析できたみたいだけど」 
 
海原「!!………」 
 
美琴「オッレルスさんのが難しいみたい」 
 
ステイル「彼の力は特殊なんだよ、僕もあんなものは見たことがない」 
 
上条25「どんなもんなんだ?」 
 
ステイル「北欧王座というらしいんだが。とても説明できない、としか言い様がない」 
 
美琴「一方通行もムキになってボロボロよあいつ」 
 
海原「…………」  
 
美琴「すぐ解析されたからってそんな落ち込まないで?…それだけ早く解決したって事なんだからさ」 
 
海原「……御坂さんっ!ありがとうございます!」 
 
pipipi pipipi 
 
海原「失礼、 はい。 え?仕事? いえ…今から送別会なんで… ええっ? じゃあ一方通行も一緒に そんな!!」 
 
海原「………はい、わかりました…」 
 
海原「…シゴトイッテキマス」 
 
ステイル「明日は朝9:00集合なんで頼むよ」 
 
海原「…ハイ」 
 
上条25「よろしく頼むぜ!」 
 
海原は肩を落としたまま、軽く手をあげ答える 
その日の仕事は彼らしくなく荒れていた

269: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:15:12.45 ID:k7M/zME0
打ち止め「ただいまーってミサカはミサカは重い荷物を持ってくる」 
 
禁書「打ち止め早く入ってほしいんだよ!」 
 
黄泉川「こらこら慌てるな、転ぶと危ないじゃん」 
 
騒がしく買い物班が帰ってくる 
両手に荷物を持ち、玄関口でお互いせめぎあっていた 
 
美琴「ほら、渡しなさい」 
 
バケツリレーの要領でキッチンまで荷物を運ぶ 
 
一方「なにやってンだお前ら」 
 
一方「早く入れよ邪魔だ」 
 
黄泉川「ちょっと待つじゃんってあんたどーしたじゃん?その顔」 
 
一方「うっせェ、さっさと入りやがれ」 
 
左の頬が腫れていた 
後ろにいる上条16も左の頬が腫れている 
 
打ち止め「あなたたちケンカしたの?ってミサカはミサカは心配してみる」 
 
美琴「なにしてんのよ!?」 
 
上条16「いやケンカとかじゃないから安心してくれ」 
 
オッレルス「実に熱い展開だった…」 
 
美琴「…ならいいんだけどさ」 
 

270: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:17:29.11 ID:k7M/zME0
一方「あーうっせー、風呂だ風呂!」 
 
打ち止め「ミサカも一緒に入るー、ってミサカはミサカはお風呂の準備ー」 
 
美琴「は!?ちょっと待ちなさい打ち止め!」 
 
美琴「あんた一方通行と一緒にお風呂入ってるの!?」 
 
打ち止め「そーだよ?ってミサカはミサカはお姉様の驚きにビックリしてみる」 
 
美琴「一方通行!!あんたうちの妹になにしてんのよ!!!」 
 
一方「はァ!?なンもしてねェよ!!」 
 
一方「つーかそのクソガキが勝手に入ってくンだよ!!」 
 
黄泉川「まぁまぁいいじゃんか、打ち止めはまだ小さいんだし」 
 
一方「変な妄想してンじゃねェよ、ムッツリ超電磁砲」 
 
美琴「なっ!ムッツrっ…、とにかく絶対ダメ!!!」 
 
打ち止め「はーいってミサカはミサカはお姉様に怒られてしょんぼり」 
 
オッレルス「色んな事情があるんだなー」 
 
他人事のオッレルスがつぶやく 

271: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:19:20.59 ID:k7M/zME0
小萌「じゃあゴハンの準備しましょうか」 
  
小萌「シスターちゃんもお手伝いしてくださいなのです」 
 
禁書「はーいなんだよ」 

上条16「手伝いますよ」 
 
黄泉川「だからメインは座ってろって言ったじゃん」 
 
上条16「いえ…上条さんはこっちの世界の上条さんなんですが…」 
 
黄泉川「あ、すまん。紛らわしいから一緒に座ってろ」 
 
上条16「ハイ」 
 
オッレルス「何かしようか?」 
 
黄泉川「あんた誰じゃんよ?鍋だから特にすることねーじゃん」 
 
黄泉川「座ってろ」 
 
オッレルス「ハイ」 
 
ステイル「禁書目録包丁に気をつけてくれよ?」 
 
黄泉川「あんたも誰じゃんよ、タバコ咥えて台所に入るな」 
 
黄泉川「座ってろ」 
 
ステイル「ハイ」 
 

272: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:20:23.64 ID:k7M/zME0
黄泉川「月読先生、燗と冷どっちでいくじゃん?」 
 
小萌「うーん…迷いますねー」 
 
小萌「大人の上条ちゃんはどっちがいいですか?」 
 
上条25「え?冬だし、風情を楽しむのに燗でいいんじゃないでせうか」 
 
黄泉川「お、良い事言うじゃん!」 
 
小萌「ステイルちゃんもそれでいいですか?」 
 
ステイル「僕はお酒は飲まないよ、大体未成年だしね」 
 
小萌「ええ!?意外ですねー」 
 
ステイル「別にいいよ、慣れてるしね」 
 
小萌「んー?何か言おうとしたんですけど、忘れちゃいました」 
 
ステイル「たぶん大した事じゃないよ」 
 
タバコの煙を吐きステイルはキッチンに立っている白いシスターを見つめていた…

273: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:22:16.89 ID:k7M/zME0
一方「あがったぞ」プシュ 
 
一方「かァー、風呂上りのコーヒーはうめェ」 
 
黄泉川「一方通行さぼってないで運ぶじゃん」 
 
一方「なーンで俺がやらなきゃならねェンだババァ」 
 
黄泉川「手伝わなきゃお前だけ食わせねーじゃんよ」 
 
一方「勝手にしろ、外で食ってくるわァ」 
  
打ち止め「あなたと一緒に食べたいのに…ってミサカはミサカは涙が…」 
 
一方「チッ!どれ運びゃいいんだクソが」 
 
小萌「そこの飲み物と具材を運んでてほしいのですよ」 
 
一方「なンだこの量は…」  
 
禁書「こもえーゴハン炊けたよ」 
 
小萌「それはゴハンじゃなくてお出しが入ってるのですよ…。シスターちゃん」 
 
禁書「………?」 
 

274: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:23:40.98 ID:k7M/zME0
一方「おい、テーブル拭いとけ」ポイ 
 
美琴「はいはい」フキフキ 
 
上条25「一方通行が手伝ってるぞおい」 
 
美琴「全然似合わないわよね」 
 
上条16「いやいや、あいつ結構家庭的なんだぞ」 
 
上条16「前に土御門んちですき焼きした時、舞夏が褒めてた」 
 
上条25「すき焼きのどこで褒めるんだよ」 
 
上条16「なんか肉としらたきを離して入れろって言ってたな」 
 
美琴「ただの鍋奉行じゃない」 
 
上条25「そいえばあいつオッレルスさんの術、操作できたのか?」 
 
上条16「ああ、なんとかできたな」 
 
オッレルス「理解してやったというよりも感覚でやってる感じだな」 
 
オッレルス「しかしすごい才能だ、魔術師なら魔神になれたかもしれない」 
 
上条16「いや、そもそもが神とか信じてなさそうなんだけどあいつ」 
 
美琴「絶対信じてないわね」 
 
一方「おい、コンセントさして保温にしとけ」 
  
美琴「炊飯器?」 
 
卓上に並ぶ炊飯器に疑問の表情を禁じえない一同だった 

275: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:25:30.16 ID:k7M/zME0
黄泉川「ほんじゃ、いただくじゃんよ」 
 
オッレルス「俺まで成り行きで参加して悪いな」 
 
上条25「いやいや、明日お世話になるんだし、親睦深めようぜ」 
 
オッレルス「ありがとう」 
 
小萌「上条ちゃん飲んでますか?」 
 
上条25「まぁボチボチと」 
 
小萌「高校生の上条ちゃんも早く大人になって先生と飲みましょうね」 
 
黄泉川「月読先生と飲みにいったら帰れないじゃんよ」 

カパっと蓋の空いた炊飯器が四つ並び、鍋をつつく 
ふと見ると上条16、打ち止め、美琴とならんでいた  
 
上条25「打ち止めこっち来てみ、おもしろいもん見せてやる」 
 
上条25「お箸と茶碗もっておいで」 
 
打ち止め「なになにー?ってミサカはミサカは大人ゾーンへ移動してみる」
 
打ち止め「ちょっとずってもらっていいかな?ってミサカはミサカは割り込んでみたり」 
 
打ち止めに夜の仕事で培った小ネタを披露する 
箸袋で箸置きを作ったり、ふきんで鶴をつくったり 
 
視界の隅で顔を赤くして並ぶ二人を見て、酔いも相まって上条25は幸せな気持ちになっていた

276: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:26:44.26 ID:k7M/zME0
 
 
 
それぞれがそれぞれの想いを胸に宴は進む 
 
黄泉川「異世界人と記念撮影しようじゃん!」 
 
 
上条25を中心にデジカメで集合写真を撮る 
  
黄泉川「誰かプリントしてきてじゃーん」 
 
一方「言いだしっぺのお前がしろよ」 

黄泉川「もう酔っ払って無理じゃ~ん」 
 
美琴「明日でよければしてきますよ」 
 
 

277: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:28:37.04 ID:k7M/zME0
宴も終わり解散となった 
黄泉川が使い物にならない為、自然と一方通行と打ち止めが中心となり片付けをする 
 
打ち止め「お姉様は寮に帰っちゃうの?ってミサカはミサカは尋ねてみる」 
 
美琴「黄泉川先生が連絡してくれたから、時間はいいけど無断外泊はちょっとね」 
 
打ち止め「えー?残念…ってミサカはミサカは寂しがってみる」 
 
小萌「御坂ちゃん、先生が寮の方に連絡しましょうか?」 
 
美琴「いいんですか?」 
 
小萌「はい、今から帰るのも危ないので大丈夫ですよー」 
 
美琴「すみません」 
 
上条16「危ないのは襲った方なんですね、わかります」 
 
美琴「なんですって!?」ビリビリ 
  
上条16「なんでもないです、つか人んちでビリビリすんな!」パキィン 

打ち止め「やったー!ってミサカはミサカはこの事をミサカネットワークで妹達に自慢してみる!」 
 
上条16「大人の上条さんは病院帰るのか?」 
 
上条25「ああ、流石に泊まるのはだめだろ。家主寝てるし」 
 
上条16「うちに泊まっていかないか?」 
 
上条25「風呂場で男二人、寄り添って寝るのかよ…」 
 
小萌「シスターちゃんうちで預かりましょうか?」 
 
禁書「こもえのお家にお泊りするんだよ」 
 

278: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:31:11.39 ID:k7M/zME0
布団を敷いて横になる 
 
上条25「なぁ、残ってる金だけどさ」 
 
ベッドの上で上条16が返事をする 
 
上条16「うん?」 
 
上条25「関わった人に分配してもらっていいか?」 
 
上条16「いいぜ、俺の金じゃないんだし」 
 
上条25「適当でいいんだけど、遠方から来てくれた人にはちょっと多目に渡してくれ」 
 
上条25「余りはインデックスのゴハン代に使うといいよ」 
 
上条16「助かります」 
 
 
ここ数日いろいろあったなと思い上条25は回想をする 
状況が掴めなくてアタフタしてた初日が嘘の様に、今は進む道がしっかりしている 
ただいくつかの疑問が解消されてはいないのだが… 
右手と右腕の境を見て思い返す 
 
病院の前にいきなり現れた 
治療を受けた後がある 
関与した能力者はいない 
何が原因でこの世界に来たのか… 
 
考えても仕方のないことだと思い、枕に意識を沈める…

279: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:34:04.14 ID:k7M/zME0
朝早く起きて病院へ行き、冥土返しに礼を言う 
 
冥土「言い方は悪いけども、もう二度と来ることの無いようにね?」 
 
冥土「すべてが上手くいくことを心から願っているよ?」 
 
上条25は深く頭を下げ、病院を後にする 
 
少し早いが待ち合わせの場所である、小萌の家に行く 
 
 
小萌「おはようなのですー」 
 
上条25「おはようございます先生。あれ、あわきんじゃねーの?」 
 
結標「え?…幻想殺し?」 
 
事情が分かって無い結標淡希はポカンとした表情をしている  
ほとんど面識のない相手からあわきんと呼ばれ呆気にとられる 
 
上条25「ああ、あんま気にしないでくれ」 
 
結標「ええ?なによそれ…」 
 
上条25「おーい、インデックスさーん起きなさーい」 
 
禁書「ぅうん」 
 
禁書「んー。まだ眠いんだよ…」 
 
あれから小萌の晩酌が始まり、結標が帰宅した後も騒がしくてなかなか寝付けなかったのだ 
 
小萌「学生の上条ちゃんはどうしたんです?」  
 
上条25「俺病院にお礼言いに行ったんで早めにでたんですよ」 
 
上条25「出る前はまだ寝てましたけど」 
 
小萌「電話しといた方がいいですよ?上条ちゃん遅刻しちゃいますし」 
 
上条25「……携帯の電源落ちて、アラームが鳴らないってシナリオですかね?ハハ」 
 
pipi 

『お客様のおかけになった電話は、電波の届かないところ…』 
 
pi 
 
上条25「……起こしてきます」 
 

280: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:37:00.91 ID:k7M/zME0
上条25が男子寮に行くとまだ寝ていた上条16を叩き起こし準備をさせる 
 
上条16「電源切れてるし、久しぶりのベッドだから気持ちよくて起きれなかった…」 
 
上条25「痛いほど分かるなその気持ち。大丈夫だ…、遅刻で非難されても俺だけは味方だ」 
 
上条25「走るぞ!」 
 
小萌達は現地へ先に行ったので 
必然と車ではなくバスになる 
黄泉川の伝手で手配した 
儀式開始場所である第二学区、警備員訓練所へと走る  

281: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:38:49.21 ID:k7M/zME0
上条x2「「すんません遅れました!!」」 
 
ステイル「別にいいよ、大人の君は送られるだけだし、幻想殺しは離れて見送るだけだからね」 
 
上条x2「…ハイ」 
 
儀式の準備は着々と進められていた 
大きな円があり、その中に楕円が描かれ、いたるところに文字が書かれている 
さらにその中に三角形がその中心には歯車が置かれていた 
さながら大きな目の様な図だ 
円の周囲にルーンのカードがびっしりと置かれている 
失敗した場合、暴走するエネルギーを外に出さない為だとか… 
 
ステイル「これを持っていろ」 
 
懐中時計を渡される 
 
ステイル「先日も言ったが、今は止まっている。それが時を刻み始めたら術式はもう発動しているからね」 
 
ステイル「後は君次第だ」 
 
上条25「わかった」 
 
ステイル「準備がもうすぐ終わる、それまで気持ちを落ち着けておくことだね」 
 
 

282: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:43:55.13 ID:k7M/zME0
上条16「なぁ……あのさ」 
 
上条16と美琴が話しかけてくる 
二人の表情は何か思いつめている様な 
 
上条16「やっと掴んだ帰る方法だけどさ、成功するとは限らない儀式じゃんか」 
 
上条16「昨日美琴と話したんだけど、考え直してみないか?」 
 
上条25「考え直す?」 
 
上条16「ああ、成功する保障はどこにもねぇ」 
 
上条16「術が発動しても、ちゃんと帰れるか分からねぇ」 
 
上条16「こんな危ない橋渡るよりも、こっちの世界で、…この街で生きたらどうだ?」 
 
上条16「危険な道を突き進むだけじゃなくて、危険が無い方法もあるんじゃないか?」 
 
上条16「俺らも一緒に探すからさ!」 
 
上条25「………」 
 
 
上条25もそのことは考えていた 
術に対する不安、死の危険 
この世界で生きることに対しての恐怖 
 
学生の上条と美琴はその不安を汲んでくれたのか 
一緒に生きていこうと提案してくれた 
 
だが… 
 
上条25「ありがとうな、そこまで考えてくれて」 
 
上条25「確かに怖くないと言えば嘘になる」 
 
上条25「でもな…俺は決めたんだよ」 
 
上条25「美琴に…、あっちの御坂美琴に会いに戻るって」 
 
上条25「立ちはだかる壁があるなら迂回しねぇ」 
 
上条25「切り開いて絶対帰ってやるってな」 
 
上条25「美琴が待ってるだろうから帰るよ」 
 
上条25「急がないとお仕置きが怖いからな!」 
 
満面の笑みで答えを返した

283: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:45:56.15 ID:k7M/zME0
美琴「そう…んじゃもう引き止めるのは野暮ってもんね」 
 
上条16「そうだな」 
 
美琴「ひとつ約束して、あっちのアタシもアンタにすごく逢いたいはずだから」 
 
美琴「絶対帰ってあげて!」 
 
上条25「ああ、もちろんさ」 
 
上条25「…ぷぷっ…しかし…あっちのアタシも…ねぇ」ニヤニヤ 
 
美琴「ふぇ?…ち、違うわよ!?そ、そんな意味じゃないから!!///」 
 
上条16「え…?///」 
 
美琴「もう…バカ!!///」ビリビリ 
 
上条x2「「おわ!!」」パキィン  
 
ステイル「おいおい、今から頑張ってもらうのに余計な力使わないでくれよ?」 
  
上条25(こういったじゃれ合いも久しぶりだな) 
 
上条25(続きはあっちに帰ってからするか) 
 

284: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:47:58.68 ID:k7M/zME0
上条25「しかしちゃんと電撃無効化するんだな」 
 
新しい右手の性能に驚きマジマジと見つめる 
 
美琴「あったり前じゃない、この御坂美琴様の特別仕様よ」 
 
美琴「抜かりはないわ!」 
 
説明書きの手紙にかなりの衝撃にも耐えれることも書いていた 
ただし触覚がある為、痛みは伴うが 
 
美琴「あ、そだちょっと右手貸して」  
 
右手を差し出す 
 
美琴「違う違う外してもらっていい?」 
 
言われるがまま外して渡す 
なにやらポケットの中から取り出し、連結部分を開けて中に押し込んでいる 
 
美琴「はい、いいわよ」 
 
ガチンっという音と神経接合に伴う刹那の激痛 
なかなか慣れるものではない 
 
上条25「なにしたんだ?」 
 
美琴「設計図みたいなもんよ」 
 
美琴「あっちのアタシなら見て分かるだろうけど、あればあったで助かるだろうし」 
 
上条25「そっか、さんきゅな」
 
ステイル「そろそろ始めようか」 
 
儀式の準備が終わったようだ 
晴れた空を見上げ、数日間のこの異世界旅行の終わりを感じていた

285: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 02:49:46.01 ID:k7M/zME0
ステイル「第一位、用意はいいかい?」 
 
一方「あァ」 
 
ステイル「一番複雑な作業をやるんだからね、頼むよ」 
 
一方「るせェ、俺を誰だと思ってンだ。てめェはサンバの練習でもしてろや」 
 
ステイル「焼かれたいのかい?」 
 
禁書「もう!ケンカはやめるんだよ!」 
 
打ち止め「あなたの口の悪いのは今に始まった事じゃないけど」 
 
打ち止め「今のはあなたが悪いよ、ってミサカはミサカは柄にもなく緊張しているあなたを叱ってみる」 
 
一方「誰が緊張するってェ?くだらねェことほざいてンじゃねェよ!」 
 
ステイル「まぁいい、さっきのは聞かなかったことにするよ」 
 
一方「チッ!」 

287: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/05(水) 03:06:54.42 ID:k7M/zME0
 
 
 
ステイル「では、始めようか…」 
 
白衣のシスターが神に祈る 
幼く見える教師が紙を広げ、何度も読んだ文面を確認する 
超電磁砲が深呼吸をし集中力を高める 
学園都市第一位が首の電極のスイッチを入れ、妹達の上位個体が彼の裾をぎゅっと握る 
異世界人が魔方陣の中心に行き、幻想殺しは儀式の妨害しないよう離れる 
アステカの魔術師と魔神になり損ねた男が魔翌力を印に込め始める 
 
上条25(もう後戻りはできねぇ!!) 
 
動かない時計を見つめ覚悟を決める 
 
異世界に転移する…大魔術の儀式が今開始された 
 




---------科学と魔術が交差する時、物語は加速する---------




295: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:35:24.64 ID:xt91SPs0
ステイル「では詠唱を始めてくれ」 
 
小萌「はいなのです」 
  
小萌が詠唱を始める 
小さな体からよく通る声が人払いを仕掛けた訓練所広場に響く  
 
ステイル「第三位始めてくれ」 
 
十二分に集中を高めた美琴が放電を開始する 
狙いはトラロックの印 
凄まじい電撃が印上に荒れ狂う 
 
ステイル「第一位、雷を巡回させろ」 
 
一方通行が雷に触れ、操作する  
科学の力と魔術の力 
二つの演算式を同時に解き、雷をトールの印へ誘導する 
 
一方「っっ!!」 
 
印に触れた瞬間に魔術の雷の数値の桁が格段に変わり操作が乱れる 
 
打ち止め「がんばって…!」 
 
届いたのか分からない少女の声、彼の服の裾をぎゅっと掴む 
揺らぎながらでも、なんとか安定に持ち込む 
 
ステイル「そのまま陣上で旋回だ、メビウスの輪をイメージしろ」 
 
随時放たれる雷、さらにトールの印の上で変動する雷 
繋ぎ合わせ力の循環を取り計らう 
  
ステイル「よし、いいぞ…ゆっくりでいい」 
 
輪が完成したこのまま規定値まで増幅させ続け、第二段階になる 

296: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:36:09.20 ID:xt91SPs0
苦しい時程、時間は長く感じる 
 
美琴(まだなの…!?) 
 
フルパワーで放出し続けどのくらい時間がたったのだろうか? 
眉間が熱い、しかしここで自分が放出を止めれば儀式は失敗してしまう 
時間にしてまだ2分も経っていないが美琴の限界が近づいてきた 
 
美琴(やばい、演算が…) 
 
美琴(早くして!!お願い!!) 
 

297: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:37:38.39 ID:xt91SPs0
オッレルスがブツブツと呟きながら計測をする 
彼の目算ではエネルギー必要量の85%を超えたところだった 
チラっとこの雷の発生源を見ると泣きそうな顔で放出している 
 
オッレルス(限界がきているな…) 
 
ステイルに合図すると彼も確認したようだ 
 
ステイル「第三位、まだいけるのか?」 
 
美琴「大丈夫よ…!」 
 
ステイル「危険になったら幻想殺しを呼ぶ」 
 
美琴「大丈夫って言ってんでしょ!!」 
 
きつい、苦しい、限界… 
 
でも諦めたくない 
 
美琴(限界なんて、自分で決めて…) 
 
美琴(勝手に無理だってあきらめる…) 
 
美琴(そんなのっ!絶対いや!!!!) 
 
美琴「ぁあああああああああああああああ!!!!!!」 
 
ここに来て放電量が更に上がる 
 
一方(っ!!!) 
 
難解な増幅後の雷の維持に集中を傾けていた一方通行に焦りがでる 
 
一方(余計な事してンじゃねェ!) 
 
一方(だがなァ…諦めねェのはいいことだぜ、第三位!!) 
 

298: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:39:20.11 ID:xt91SPs0
オッレルス「いいぞ!あと少しだ」 
 
美琴は叫び、放電し続ける 
 
------ 巡りくる景色が今流れてく ------
 
 
美琴「あああああああああああああああぁあああ!!!」 
 
 
------ 手繰り寄せた世界の先 ------ 
 
 
美琴(絶対諦めない!!) 
 
 
------ 降り注ぐシグナルを躰で感じて ------ 
 
 
今までの過酷な運命、関わった事件、悩み、苦しんだ 
心が折れそうになったこともある 
でも今ここにいるのは、それでも美琴自身が仲間と共に諦めることなく乗り越えてきたからだ 
LEVEL1から異例のLEVEL5へ昇格 
常に限界を超えてきた 
 
美琴(今回だってやり遂げてやるんだから!!) 
 
 
美琴「あああああああああああああああああああああああ!!!!!」 
 
 
------ 解き放つ今すべてを ------ 
  
 
 
 

299: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:41:18.49 ID:xt91SPs0
オッレルス「届いたぞ!!」  
 
ふっと足から崩れ、座り込む 
頭が割れそうなくらい痛い 
視界もぼやけて、熱い風呂でのぼせた様な感覚だ 
 
美琴「ちょっと張り切りすぎたかしらね…」
 
上条16「御坂!!大丈夫か!?」 
 
離れた位置から上条16が声を掛ける 
駆け寄りたいが幻想殺しで術を打ち消してしまう危険がある為、近寄れない 
もどかしい気持ちになる 
 
美琴は右手を上げて、拳を握る 
 
上条16はどこまでも意地を張り続ける少女に感動した 
 
上条16(いつも俺に勝ちたいとか言うけど、お前には勝てねーよ。御坂) 
  
オッレルスが中央、時の女神達の印に魔翌力を送る 
現在、過去、未来の印が淡い光が灯り、受け入れる準備が整う 

ステイル「第一位、中心の三角の頂点に合わせて圧縮するんだ」 
 
ステイル「…ゆっくりでいいからね」 
 
一方(ごちゃごちゃうるせェ…) 
 
一方通行も先ほどから変動し続ける数値の演算で限界が近づいていた 
 

300: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:45:33.68 ID:xt91SPs0
圧縮を試みるが、逆に膨れ上がりそうになる 
 
一方(くそったれ!) 
 
一方(…超電磁砲がここまでやったンだァ) 
 
一方(俺ができませンじゃカッコつかねェだろォが!!) 
 
打ち止め「あなた大丈夫なの!?ってミサカはミサカは…」 
 
一方「あァ!?ちっと黙ってろクソガキィ!」 
 
一方「俺はお前の前じゃ最強で居続けンだよ!!」 
 
本音を隠すゆとりもない程必死だった 
再び圧縮を試みる、ゆっくり、ゆっくり不可思議な法則が圧縮されていく 
 
一方(よーしこのままだ、落ち着け一方通行) 
 
ステイル「次の詠唱を」 
 
二節目の詠唱が始まり 
頂点に近づいた膨大なエネルギーを印が吸収し始める 
また演算式が変わり、乱れがでる 
 
一方(やべェ!!) 
 
即座に解析を始めるが、追いつかない 
 
エネルギーがほんの僅か漏れる  
 
轟音を立て、数十メートル先の地面に穴を開ける 
漏れた先が中心の上条25や陣を破壊すれば儀式は即座に失敗だ 
 
一方(くっそがァ!!!)
 
ステイルがルーンに魔翌力を送り、防御結界の準備に取り掛かる 
 

301: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:46:43.80 ID:xt91SPs0
一方「おい!クソサンバァ!!」 
 
視界の端でステイルが結界を張ろうとしているのを咎める 
 
ステイル「念のための保険さ」 
 
一方「余計なことすンじゃねェ!」 
 
口ではそういうものの解析ができない 
循環を表す綺麗なメビウスの輪だったエネルギーは、時折歪みを見せる 
 
ステイル「ならば集中しろ!僕の準備がいらぬお世話になる様にだ!!」 
 
一方(やってやんよ…クソがァ!) 
 
膨大すぎるエネルギーの為なのか、未だに印が吸いきれていない 
頭が割れそうなくらい響く 
歪みが一層激しくなる 
理解できない力の変動し続ける数値に、約一万人の演算補助を借りても追いつかない 
 
一方(ぐっ!…クソ!押さえきれねェ…) 
 
 

302: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:48:13.63 ID:xt91SPs0
さっきよりも激しい膨らみが生じるが 
 
押さえ込まれる 
 
打ち止め「お姉さま!!」 
 
美琴「魔術の雷でもなんとかなるもんねぇ…」  
 
御坂美琴だった 
 
名門常盤台中学が誇る、学園都市第三位【超電磁砲】の異名を持つ電撃使い 
 
一方「邪魔しに…きたのかよおい…」 
 
美琴「後でなんとでも言っていいわ…、アタシも限界近いから早く終わらせましょ…」 

一方「もう勝手にしろォ…」 
 
お互い声に覇気がない、限界が近いのだ
 
------ Just truth in my heart いつだって迷わないよ ------
  
美琴(こんな巨大な力を固定させてるなんて、流石第一位ね…) 
  
------ 消せない想いがあるから ------
 
膨らみが出るが一方通行の処理で戻る 
 
美琴(こいつのやってる事に比べたら、アタシのした事なんて単純作業ね…) 
  
------ 解き明かす真実から瞳を逸らさずに ------
 
圧縮が進む、エネルギーの奔流も不安定で弾けそうにもなるが、美琴がフォローして押し戻す 
 
美琴(こいつとは色々あって、まだ許せるものじゃないけど…) 
  
------ I`ll reach the next stage to realize all ------
 
美琴「もう少しよ!」 
 

美琴(こういうのも悪くないよね…?) 
 

------ 確かな絆信じて ------
 

一方(こういうのも悪かねェなァ…) 

303: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:49:50.02 ID:xt91SPs0
 
 
キィィィイイイインン 
 
甲高い音がして全てのエネルギーが印に吸収された 
中央の三角形の陣が先ほどより強い光を放つ 
 
上条25「成功したのか…?」 
 
膨大なエネルギーの中心にいて、視界も悪く、轟音の為状況が掴めなかった様だ 
 
一方通行はどっと座り込む、その彼を打ち止めが抱きしめ泣いていた 
 
美琴は朦朧とした意識の中立ち尽くし、中心に立つ上条25を見ていた 
 
ステイル「念じろ、自分の時代を」 
 
上条25は思い浮かべる 
腐ってたとしか言いようのない自分が洗い流されたあの場所 
初めてあんなに笑い、歌い、酒を飲んだあの場所 
そこに蟠りは無く、仲間達と飲んだ酒 
最高の宴 
 
自分を愛する余り、甘やかしてしまった女 
自分が愛する余り、甘えてしまった女 
お互い依存してしまい、前に進んでなかったのかもしれない 
でも二人で手を取り合ってまた… 
逢いたい、美琴…。お前を抱きしめたい 
最愛の女
 
二つの指針が時空に干渉する 
 

304: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:51:33.10 ID:xt91SPs0
上条16「おおーい!!」 
 
離れた場所で高校生の上条が叫ぶ 
 
上条16「俺も!美琴を幸せにするから!!」 
 
上条16「絶対自分の不幸に負けないで!幸せになるから!」 
 
上条16「お前も負けんなよ!!」 
 
強い眼差しで旅立つ異世界人に呼びかける 
本人は素直な気持ちで見送りたいのだろうが 
聞いてる人間が何を思ってるかは表情を見れば分かる 
意識が朦朧としている電撃姫の耳に入ってない様だが… 
 
幸運と運命の女神を象徴する歯車が静かに回り始める 
 
上条25「ああ!絶対負けんなよ!!」 
 
お互い右手を天高く突き上げ誓い合う 
 
「みんなありがとう!!」 
 
キィン! 
 
時が止まった

305: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:53:11.20 ID:xt91SPs0
停止した空間 
 
上条25は周りを見渡す 
  
カラカラと乾いた音を立てて歯車が回り続けている 
それ以外はまったくの無音 
誰も動いていない 
上条16を見ている者が多数だ 
その表情は様々 
微笑みと苦笑い、怒りと笑い涙 
一方通行が口を歪めて嬉しそうに笑っているのが印象的だった 
 
キィン!! 
キィン!! 
 
景色が黒く染まり、人が白く浮き上がる 
異様な光景に不安が過ぎる 
渡された時間と時空の神を象徴する時計を見ると時が動いていた 
懐中時計の針が徐々に加速していく 
 
横を見ると、美琴がぼーっした表情でこちらを見ていた 
 
上条25「美琴」 
 
上条25「ありがとう…」  
 
陣を灯す光が爆発的に発光する 
最後に世話になった少女へ礼を言い 
 
 
上条25は時空の壁を越えた 
 

306: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:56:33.29 ID:xt91SPs0
水中を高速で泳いでる様な感覚 
圧力を感じる様で、浮いてる様な… 
 
上条は心に思い浮かべ続ける 
念じ続ける、祈り続ける 
 
------ とある日常はparallel world 幾千もの時間に ------

9年後の別次元の学園都市

------ 同じものなどない傑作で織り成す 時空へ ------  
 
あの時の宴、笑いあった場所  

------ 書き殴って 白紙のシナリオにペン先が凍る ------
 
美琴との思い出、死の間際に瞼を埋め尽くした女の顔
 
美琴のいる景色が一瞬見えた 
公園で虚ろな目で涙を流していた… 
 
------ originality目指せ!どうせこの道を行くんだから ------
 
出口と思わしき光が見える 
 
その先には…土御門 
 
学生の頃の土御門ではなく、店内で座っているホストの土御門 
 
また熱く赤黒い、とても正常とは言えない泥の様な感情が吹き上がる 
 
怒りや嫉妬を超えた、禁忌の行動を伴わせる感情 
 
それを人は殺意という枠組みで呼んでいる 
 
------ 駆け抜けて 大地を蹴って ------
 
上条「土御門おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」 
 
新しい右手の義手を硬く握り、振り上げる  
 


307: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 08:57:42.96 ID:xt91SPs0
上条の喪失から数日後 
 
土御門「かみやん、まだなんも連絡ないのかにゃー?」 
 
美琴「…うん」 
 
土御門「…そうか、なにかあったら連絡真っ先にほしいぜよ」 
 
美琴「うん…ありがと」 
 
ガチャ 
 
土御門「かみやん…どこにいったんだ」 
 
店のソファーに深く体を預けつぶやく 
 
「おおおおおおおおおおおおおお!!!」 
 
目の前に男が飛んできた  
 
土御門「っ!!!!!!!」 
 
振り上げたその右手が勢い良く土御門の顔面を打ち抜く 
 
上条「戻ってきたぜえええええええ!!!」 
 
勢いは死なず、そのままお互い揉み合いになる 
 
土御門「んな!!?か、かみやんか!?」 
 
上条は返事の変わりに馬乗りで何度も拳を叩き込む 
 
土御門「くっ!!」 
 
腰からナイフを取りだす 
 
上条は反射で後ろに跳ぶ 

ぺっと唾を吐き、土御門はふらついた足取りで立ち上がる

308: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:00:16.24 ID:xt91SPs0
二人が対峙する 
 
土御門「かみやん…、どこへ行っていた?」 
 
土御門「いや、まずどこから来た!」 
 
今の現れ方はテレポートだと土御門は考えた 
落下した後、捜索と同時にテレポーターの関与を調べた 
全員の身辺調査はもちろん 
レベル3は取調べ、レベル4は尋問、能力的に実行可能性が高い 
白井黒子、結標淡希の両名は自白剤まで投与されたが 
依然として関与が認められなかった為、神隠しという事になった 
目の前でこんな芸当をされては、捜査にどこかにミスがあったのではと思う 
だが上条からの返答はどれにも当てはまらなかった 
 
上条「別世界からだ、今から9年前のな」 
 
土御門「…ふざけるな!!」 
 
上条「ふざけてなんてねぇよ」 
 
土御門「まぁいい、無力化して作業をやり直すだけだ」 
 
これだけの騒ぎを起こしても誰も来ない、店内には誰もいない様だ 
開店前だろうか。 
時間は分からないが、営業中とは違う照明の明るさで判断する 
 
上条「おい、土御門」 
 
土御門を力強い目で見据え、言う 
 
上条「お前、目が濁ってるぞ」 
 
土御門「何を…」 
 
上条「俺は別世界のお前に会った、そこは9年前のお前と同じやつだった」 
 
上条「お前のせいで迷惑掛けちまったがな」 
 
上条「あの頃のお前はどこに行ったんだ!?」

309: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:01:54.84 ID:xt91SPs0
土御門「さっきから意味のわからん事を、ヤクでもキメてきたのか?」 
 
上条「今のお前に言っても分からないならいい」 
 
上条が距離を詰める 
 
土御門「殺してやるよ!上条当麻!!」 
 
ナイフを突き出す、半歩移動して避けるが、次の蹴りが上条の腹に入る 
 
上条「ぐっ!」 
 
土御門「お前じゃ俺に勝てないぜ!」 
 
上条「ほざけ!!」 
 
足を掴んで右手に力を入れる、メシっ!っという音が聞こえ土御門がナイフを突き出してくる 
掴んでた足を振り投げ距離をとる 
 
土御門「なんだその右手は…」 
 
足を痛めたのだろう、ヒビくらい入ったかもしれない 
庇いながら距離を詰めてくる 
 
上条「中学生の冬の工作だよ」 
 
土御門からしてみれば意味不明な回答ばかりで苛立つ 
 
土御門「もういい!!」 
 
苛立ちのあまり、ナイフを突き出してくるが、刃を右手で掴む 
 
上条「背中刺す刃さんが前からきちゃダメだろっ!!」 
 
力を込め握り砕く 
  
土御門「!!?」 

刹那、左手で押す 
土御門は驚愕したまま、足を庇いよろめく 
 
上条「俺の新しい右手はちっとばかし痛えぞ!!」 
 
渾身の力で顔面を殴りぬく 
土御門が背中から倒れ、鼻血を吹き出している 
 
上条「立てよ…」 

310: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:05:00.59 ID:xt91SPs0
土御門「ゴボっ!」 
 
喉に血液が入ったのか咽ている 
 
上条「なんでお前は変わっちまったんだ?」 
 
上条「俺も腑抜けてたから分からなかったが」 
 
上条「昔の俺達を見て思い出した」 
 
上条「どこで狂っちまったんだ俺達は!!」 
 
土御門「ガキの頃と比べるなよ…」 
 
土御門「いつまでも夢見てないで、現実を見ろ!!」 
 
土御門「社会にでれば金、権力だ!力だ!!」 
 
土御門「頂点を目指さなければ一生底辺で這いずり回る人生だ!!」 
 
土御門「お前も大人だろ!?上条当麻!!」 
 
土御門「この計画は完璧だ、それに乗って上を目指して何が悪い?」 
 
土御門「誘ってきたヤツは先に理事会に入った、時機を見て俺も理事会入りする事になる」 
 
土御門「この若さでだ!!」 
  
土御門「その為なら誰でも犠牲にする。親友であろうと裏切り、贄にする」 

土御門「大人の自覚がない低辺は、ただ俺に食われるだけの肥やしになっていろ!」 
 

311: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:06:46.93 ID:xt91SPs0
上条「いいぜ…、おもしれぇよ土御門」 
 
上条「上に登るのがそんなに好きならいいよ、猿みてーに勝手に登れよ」 
   でもなぁ、人間そう上手くいかねーんだよ 
   お前の計画が狂ったみてーにな!!
   あの頃のお前に立ち戻れない、分からない!近くにある当たり前の幸せ見失って! 
   そんまま外道に落ちた挙句!俺を犠牲にしてでも、頂点目指すって言い張るんなら!!」  
 
上条「そ の 身 勝 手 な 幻 想 を ぶ ち 殺 す !!」 
 
 
土御門「その言葉ひとつで収まると思うな!!」 
 
裏切り者が血塗られた右手を振り上げ 
 
上条「うおおおおお!!!」 
 
裏切られた者が血の通わぬ右手を振り上げる 
 
 
 
 
 
---- なぁ土御門…俺達どこで狂ったんだろうな… ----  
 
 
 


312: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:08:48.60 ID:xt91SPs0
 
倒れた土御門を見下ろし 
上条は肩で息をしていた 
 
動悸が治まらない 
まだ土御門は生きている 
殺そうと思った 
死の覚悟をするまで自分を追い詰め 
真の絶望、夜の恐怖、独りの不安を思い知らされた相手だ 
だが、時空の壁を突破する前に吹き上がったあの感情はもう無くなってた 
 
上条(思いっきり殴ってスッキリして、賢者タイムってとこか?) 
 
収まってしまった事に自嘲する 
土御門のやった事は許せることではないが 
しかしどこかで、何処かしら人生の分岐点で枝分かれし、上条が土御門の立場になっていたかもしれない 
平行世界を体験した人間にしか分からない感覚だ 
今回はそれがたまたまこいつだった… 
欲を囁かれ頂点踏破を目指し、身近な幸せを見失った 
 
上条(俺もまだまだ、人の事は言えないがな…) 
 
浜面とのいざこざ、あれも欲に捕らわれていた… 
 
 
土御門「ぐ、…まだいたのか…」 
 
上条「考え事しててな…」 
 
土御門「余裕だな…」 
 
自分がまだ生きているということは上条は生かしておく気だろう 
つくづく甘い男だ…と土御門は目の前に立つ男を見上げて思った 

313: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:10:25.71 ID:xt91SPs0
土御門「ここで俺に殺されないか?」 
 
上条「まだ言ってんのか…」 
 
土御門「お前が生きてると知られれば、暗部連中が狙う」 
 
土御門「超電磁砲と接触があれば、超電磁砲も粛清の対象だ」 
 
土御門「それはお前が最も嫌うところだ」 
 
上条「ああ、…俺も身勝手かもしれないけどな」 
 
上条「それでも逢いたいんだ」 
 
上条「あっちの世界の俺と美琴に約束しちまったし」 
 
上条「美琴は俺に逢いたいはずだろうってな」  
 
土御門「なら、もういい…」 
 
土御門「俺はこの計画から下ろされるだろうな」 
 
土御門「だが、謀反を起こすわけにもいかないんで報告はさせてもらう」 
 
上条「お別れ…か」 
 
土御門「本来ならどちらか死んでるんだ…」 
 
土御門「儲けもんぜよ…」 
 
  
 

 
------ じゃあな親友 ------


------ 元気でな、かみやん ------
 



 
 
上条が裏口から出て行く 
ドアの閉まる音が永遠の別れを告げた 
 
静かな店内、残った土御門が体を起こす 
  
土御門「かみやん、実は俺って嘘つきなんだぜい」 

314: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:12:02.68 ID:xt91SPs0
路地から見上げると鈍色の空が広がっていた 
9年前とは違う空気を胸いっぱい吸い込み帰ってきたという実感が沸く 
美琴… 
 
時空転移中一瞬だけ見えた美琴の顔 
場所は第七学区の公園だった 
 
上条(急がねーと!!) 
 
 
上条当麻は力の限り走った 
ここ第十五学区から第七学区までは結構な距離だ 
ここの状況はどうなってるか分からない上、土御門がいつ報告するか分からない 
時間は無いと思った方がいい 
 
大通りに出ると何も変わらない日常が流れていた 
 
とにかく走る 
無人運転のバスに乗り込む 
IDを試しに使ってみたらまだ生きていた 
記録が残ってしまうが構ってる暇はない 
 
バスが目指す先は第七学区とある公園前  

315: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:12:50.31 ID:xt91SPs0
御坂美琴は冬の曇天の公園に居た 
自分がまだ学生の頃、上条との思い出の場所だ 
上条が失踪した後、仕事の合間を縫って思い出の場所を徘徊する毎日だった 
ここにいるとふっと目の前に上条が現れて 
心配してた自分がバカらしくなるような笑顔で声を掛けてくる様な気がする 
自分はそんな上条に怒って電撃を放ち、上条は右手でかき消して… 
若い頃のやり取りに縋っている自分にふふっと微笑を浮かべる 
この公園で素直になれなかった事が多数だが、二人が結ばれたのもこの公園だった 
あの時の気持ちが蘇り胸が温かくなる反面、喪失感とせめぎ合い涙が溢れる 
 
 
美琴(どこいっちゃったのよ…あのバカ) 
 
何でも無いような日常の幸せを胸の中で反芻し 
御坂美琴は今日も想いの人を待ち続ける… 
 
上条「美琴おおおおお!!」 
 
美琴(幻聴まで聞こえてくるなんてもう末期ね…。病気だわ) 
  
ため息と同時に振り返る 
 
上条「美琴!!」 
 
目の前にアイツがいた  


316: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:13:42.89 ID:xt91SPs0
美琴「と、…っと…ぅ」 
 
声にならない 
幻なんじゃないか 
呼んだら消えるんじゃないか 
触ったら消えるんじゃないか 
嬉しくて嬉しくて涙はでるのに 
怖くて怖くて声がでない 
 
上条「美琴」 
 
抱かれた 
暖かい…当麻の匂いがする 
涙が止まらない 
名前を呼びたいのに喉が詰まる 
 
上条「ごめんな…。美琴逢いたかった」 
 
私も逢いたかったよ当麻 
言いたいのに言えない 
嗚咽ばかり 
しっかり伝えなきゃ 
心配したからって言わなきゃ 
そしてビリビリおしおきしなきゃ 
なのにどうして… 
 
私は愛しい男に抱かれ声を上げて泣いていた 

317: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:14:45.25 ID:xt91SPs0
上条「ごめんな」 
 
謝ってばっかりの俺は情け無い男になるんだろう 
絶望に叩き落されて 
身を投げて 
別世界に飛ばされて 
死ぬ思いで帰ってきた 
やっと愛しい女をこの手で抱くことができた 
 
ごめんな美琴泣かせて 
ごめんな美琴寂しい思いさせて 
ごめんな美琴生きる事諦めて  
 
髪から美琴の匂いがする 
使ってるシャンプーも変わってない 
俺の愛しいビリビリ女 
もう諦めたりしないから 
絶対離さないから 
謝ってばかりじゃなくてこういう事言わないといけないんだろうな 
 
でも出る言葉は謝りの言葉だけだ 
ごめんな美琴 
もう二度とこんな思いはさせないからな 
 

318: ◆WhAN1m3JTg 2011/01/06(木) 09:18:05.61 ID:xt91SPs0
 
 
 
 
上条と美琴は何も言わずキスをする 
  
長い口付け 
 
お互い力強く 
 
舌を絡め合い 
 
力強く抱きしめる
 
心の繋がりを確かめあう様に  
 
学園都市の鈍色の空から雪が舞い降りる 
 
頬に冷たい結晶が落ち、一瞬で解け筋を作る 
 
だがすでに二人の目尻からいくつも筋が流れていた 
 
 
---------- なぁ、学生の俺と美琴。俺は今幸せだぞ、これからもずっと ---------- 
  
 
 
 
雪の降るとある公園で二人はもう一度結ばれた 
 
 

324: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:46:39.64 ID:YnY1CtI0
やっつけ感が半端ないけど一応ラストまで 
わいにクロスなんて難しすぎたんや 
 
二人は車で一路、美琴の家へ 
上条の説明だとすぐに捜索されるはずだ 
逃走も予測されて、都市の封鎖が敷かれるだろう 
その前にこの街を出なければ… 
  
二人はどこへ逃げるか話し合う 
海外の魔術組織…。例えば禁書目録もいるイギリス清教 
だめだ、内部に刺客がいてもおかしくない上、争いの口実になる 
他の魔術組織も同様 
都市の息が掛かってるかもしれない 
こちらから打って出る 
考えるまでも無く却下だ 
一方通行や垣根帝督がいる 
幻想殺しがないので戦いようもない 
その二強を抜いても、全能力者と戦えるはずもない 
結論はどこにでも行ける様に準備をすることだった 
 
家に到着し美琴はPCに電源を入れる 
ハッキング開始、都市の現状を確認する 
 
美琴(もう動いてる…!) 
 
都市のゲート封鎖、警備員が街中に出始めている 
上条との接触を都市の防犯カメラで確認したのだろう 
暗部へ粛清指令も出されている 
 
すぐさま田舎町が買えるくらいの預金を全額海外の銀行へ移動させる 
こちらは間に合ったようだ 
金さえあれば生活ができる 
研究資料のメモリとラップトップを持って行く 
 

325: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:48:40.64 ID:YnY1CtI0
マンションを出ると上条が女と話している 
普段なら上条にビリビリの刑だが今は状況が違う 
バッグを地面に置いて帯電する 
 
話している相手が麦野沈利だからだ 
 
麦野「待ちなよ」 
 
右手をひらひらさせて止める 
 
麦野「アンタ達を捕まえにきたんじゃないって」 
 
ここに来た真意が分からない 
 
麦野「私はただの強盗だよ」 
 
ますます分からない 
 
麦野「私達二人は今からこの車を盗むんだ、んで学園都市をドライブする」 
 

326: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:49:10.59 ID:YnY1CtI0
美琴「なんで…」 
 
麦野「アンタらに死なれっと、もう旨い酒が飲めなくなりそうなんだよ」 
 
美琴「あんた達が狙われるわよ!」 
 
麦野「関係ねーよ、ただの強盗だもん」 
 
麦野「だから痛い目見ない内にさっさとケツ振って逃げな」 
 
麦野「因みにうちらの乗ってきた車、もう要らないからどっか捨てといて」 
 
上条「美琴!」 
 
上条が運転席に乗り込み、浜面を見る 
 
上条「浜面、彼女大事にな」 
 
上条の顔を見て浜面は確信した 
 
浜面「…やっと分かってくれたみたいッスね」 
 
上条「偉そうに」  
 
麦野「また酒飲もうなー」 
 
お互い笑って分かれる 
大型のワンボックスが発進する 
その後ろを見送り、元第四位が目を輝かせ言う 
 
麦野「さて、このスーパーカーで都市を走り回ろうぜ」 
 
麦野「カーチェイスだぞ!浜面!!」 
 
浜面「帰りたい…滝壺…」 
  
麦野「さっさとしろォ!!」 
 
浜面「はいはい!!」

327: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:50:23.68 ID:YnY1CtI0
都市を走行中ラップトップにメールが来る 
 
送信者は打ち止め 
 
内容は学園都市が手を出せない、または出しにくい地域のリストだった 
恐らく役所勤めの妹達から情報共有でこの事態を知ったのだろう 
非常にありがたかった 
 
その中から有力な候補をピックアップする 
上条が高速を運転している横でいそいそと検証をする 
 
街の隆盛、治安、支配者、文化、宗教あらゆる視点から検証する 
世界最先端の科学を持ち、魔術の世界とも関係する学園都市ですら手の出せない場所 
 
  
検証終了 
タイにある非常に危険な街が最終候補に残った 
 
 
 

その街の名前は【ロアナプラ】と呼ばれている 
 

328: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:51:42.30 ID:YnY1CtI0
上条「ロアナプラ?」 
 
美琴「そうタイにある街よ」 
 
打ち止めに結果を送信し、街の残っている自分の資産など後処理をお願いする  
妹達が総力を挙げれば容易いだろう 
 
上条「タイかー、一年中暖かそうだな」 
 
美琴「まぁね、後この街が手を出せないくらい特殊な街だから」 
 
美琴「絶対言動に注意してよ!」 
 
上条「どういう意味でせうか…」 
 
美琴「そこを支配しているのは暴力よ」 
 
美琴「一般人が銃を持つもの当たり前、麻薬常習も売春も当たり前」 
 
上条「危険すぎるだろ!」 
 
美琴「今のアタシ達にとっては世界一安全な場所よ…」 
 
上条「……すまん美琴、俺が不甲斐無いばっかりに…」 
 
美琴「やめてよ、アタシは当麻と一緒じゃなきゃ嫌なんだから」 
  
美琴「しかも当麻は悪くないじゃない!」 

上条「美琴…」

329: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:52:24.88 ID:YnY1CtI0
美琴「でも、そんな街でも安全に過ごす方法もあるわ」 
 
上条「ん?」 
 
美琴「そこの支配者達にアタシが挨拶すれば…なんとかなるかもね」 
 
いくつかのマフィア勢力が均衡を保ち、暴力的な治安が構築されている 
願うのは平穏、だがひとつ間違えば死だ  
 
美琴「どの道ここにいても仕方ないわ、行きましょう!」 
 
上条「覚悟決めるしかねーってことか」 
 
車を飛ばし、二人は資材搬入ゲートがある第十一学区を目指す 
 
 

330: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:53:10.06 ID:YnY1CtI0
ゲートから数百メートル手前に検問所が見える 
完全に封鎖されている様だ 
 
上条がハンドルを急に切り歩道に乗り上げる 
刹那に轟音が響き路面が捲り上がる 
 
美琴「っ何!?」 
 
上条「なんか嫌な予感がしたんだが…」 
 
外を確認すると黒いスーツを来た男が反対車線に立っていた 
 
一方「おいおいおいおいィ、やっと見つけたってのに、俺に挨拶なしで街を出ようってのかァ?あァ?」 
 
学園都市最強の男 一方通行だった 
 
幻想殺しの無い今、勝率0%の相手だった  
 


331: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:54:31.92 ID:YnY1CtI0
美琴「あんたが来るとはね…」 
 
車から降りて美琴が話しかける 
危険な男だ、妹達を一万人殺した男過去もある 
今でこそ打ち止めや妹達から信頼を得ているものの 
美琴はまだこの男を許しきってはいなかった 
 
上条「美琴、逃げろ」 
  
右手を握り締め、美琴の前に立ちはだかり逃走を促す 
 
美琴「嫌よ!!アンタだけ残していけるわけないじゃない!!」 
 
上条「絶対大丈夫だ、俺はお前を守る!そして絶対お前の元に戻る!!」 
 
美琴「当麻…」 
 
一方「すンませーン、盛り上がってる所悪いンですけど…」 
 
一方「別にお前ら殺しに来た訳じゃねェからな」 
 
上琴「「え?」」 

332: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:55:53.44 ID:YnY1CtI0
一方「あンま信用ねーみてェだな、まァしょうがねェ…」 
 
一方「指令は受けてっけどよォ」 
 
一方「クソガキがうるせェから見送りだけだァ」  
 
上琴「「え?」」 
 
一方「だから!!俺じゃねーぞ!?クソガキの伝言だからな!!」 
 
一方「元気でやれよ三下ァ」 
 
美琴「あんた…」 
 
一方「そンだけだァ…さっさと行け」 
 
上条「一方通行、ありがとう」 
 
一方「勘違いすンな、そこのオリジナルと妹達にでけえ借り返してるだけだァ…」 
 
一方「辺鄙な場所に行くンだろ?治安ちっと良くしとけや」 
 
一方「クソガキがもう旅行に連れてけってせがンでっからなァ」 
  
一方「まぁ他の平和な観光地ならお断りなンだが」 

一方「悪党が悪党どもの街に行くのはおかしくねェだろ?」 
 
口を歪めてニヤっと笑う 
上条はこっちに戻ってくる前に見た一方通行を思い出した 
 
一方通行が足を路面に叩きつけ検問所を吹き飛ばす 
反対の街の中心部から警備員が大挙して向かってくる 
 
美琴「ありがと、連絡するから遊びにきなさい」 
 
一方「お互い生きてたらな、さっさといけ」 
 
一方「こっちはやることがあンだよ」  
 
最強の男が背を向け歩き出す 
 
二人の車が向かうはゲートへ 

333: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:56:58.24 ID:YnY1CtI0
一方通行に崩壊させられた検問所を抜け 
ゲートをくぐる 
ハッキングでロックをこじ開けようと車を止める 
しかし勝手にロックが解除され、ゲートが開く 
 
驚く二人がゲート横のモニターを見ると 
花の静止画に「お幸せに」の文字が映っている 
状況が理解できてない上条に一言 
  
美琴「大丈夫、行きましょ」  
 
電脳世界の守護神に心の中で礼をいい 
学園都市の外へと飛び出した 
 

334: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 11:59:25.51 ID:YnY1CtI0
一方「さァて、さっさとやることやりますかァ」 
 
一方通行は美琴達を追う警備員の隊列の前に立つ 
 
一方「お勤めご苦労さンでーす。残念だけどこの道は今から一方通行なンだよ」 
 
一方「さっさと引き返さねェと死ンじまうぞォ!!」 
 
この世界の五体満足の最強が吠える 
 
一歩踏めば地割れを起こし車両が沈む 
また一歩踏めば幹線道路が隆起し人が押し流される 
発砲してくるが全てあらぬ方向へ流される 
 
一方「おらおらァ!さっさと下がりやがれェ!!」 
 
ビルが倒壊を始め、クモの子を散らす様に退避する 
 
最強が進む先は第一学区、学園都市の行政を司る統括理事会本部 
 
携帯を触り、電話をする 
 
一方「おい黄泉川!!、第十一学区から第一学区まで住民も警備員も全員非難させろ!!」 
 
一方「イライラしてっから死人がでンぞォ!!」

335: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:01:02.12 ID:YnY1CtI0
統括理事会本部のとある一室で男は激昂していた 
 
天井「まだ片付かないのか!!」 
 
秘書「はい、都市の外に出てしまったという報告は受けていますが」 
 
天井「ぬぅううううう!!警備員を動員してすぐに追え!!空港、国道、駅全て封鎖しろ!」 
 
秘書「警備員は第十一学区からここまでの幹線道路近辺の住民の非難」 
 
秘書「それから都市高速を走り回る車両の追跡に向かっています」 
 
天井「なんだと!?どういう意味だ!」 
 
秘書「なにやら正体不明のテロ組織という報告を受けています」 
 
秘書「人的被害は微々たるものですが、建造物の破壊規模は凄まじいものです」 
 
天井「なんというタイミングだ…土御門はどうした!?」 
 
秘書「彼とは連絡が取れません」 
  
天井「クソったれ!!」 
 
天井「学園都市が最先端で…。私がその上に立っているのに…」
 
天井「幻想殺しまで手に入れて今からという時に…!!」 
 
一方「運勢が尽きたンじゃねェの?」 
 

336: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:02:01.11 ID:YnY1CtI0
天井「っっ!!!」 
 
一方「ビビリすぎだろォ?」 
 
天井「何しに来た一方通行、貴様は超電磁砲の追撃だろう!」 
 
一方「おお、追撃ならしてきたぜ?」 
 
天井「殺したのか?」 
 
一方「いンやァ?見送っただけだァ」 
 
天井「ふざけるな!なぜここにきている!!早く追え!!」 
 
一方「なンでここにいるのか教えてやろうか?」 
 
一方「ヒーローが悪者ぶっ倒すってのが王道だろォ?」 
 
天井「きっ貴様!!」 
 
天井「垣根!!」 
 
ソファーで横になっていた垣根帝督が起き上がりこちらを向く 
 
垣根「あん?」 
 
天井「こいつを始末しろ!」 

337: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:05:37.57 ID:YnY1CtI0
垣根「よいしょっと」 
 
ソファーから立ち上がりジャケットを羽織る 
ゆっくりと天井と一方通行の間に移動する 
 
垣根「お前一人か?」 
 
一方「ああ」 
 
垣根「んじゃ帰るわ」 
 
天井「おい!!何を言っている!」 
 
天井「反逆者を始末しろ!!」 
 
垣根「んん?なんか勘違いしてね?」 
 
垣根「俺が受けた指令は理事会本部の防衛だぞ」 
 
垣根「クズの護衛じゃねーよ」 
 
天井「なっ…なんだと…!!!」 
 
垣根「んじゃそういう事なんで建てもん壊すなよ? あ、それと俺、今日同伴だからよろしくNO.1」 
 
一方「あァ?ンじゃ俺も同伴だァ」 
 
垣根「んじゃってなんだよお前…」 
 
パンパン 
天井が発砲がするが、銃弾はあらぬ方向へ逸らされる 
 
一方「あ、反射に戻すの忘れてた。運が良かったなお前」 
 
天井「ヒっ!…おいお前でもいい!!ヤツを止めろ!!」 
 
秘書に縋る天井 
その必死な様に垣根が興味を持った様だ 
 
垣根「おうおう、秘書まで戦わせるつもりだぞあいつ」 
 
気が変わった、とニヤニヤしながらソファーに座る 
 
垣根「クズの末路を見届けて帰ろう」 
 
まるで映画のオマケシーンでも見るかの様な口ぶり

338: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:06:48.00 ID:YnY1CtI0
秘書は困惑した顔を一方通行に向けていた 
 
秘書「どうしましょう?」 
 
一方「いいんじゃねェの?もう」 
 
秘書「そうですね…」 
 
秘書の顔が捲れ上がる 
 
海原「ではこの外道に引導を渡しましょう…」 
 
垣根「っ!!!うおおおお!!熱い展開だなおい!!」 
 
垣根の中でオマケシーンからクライマックスに昇華した 
 
天井「だ…誰だお前…?」 
 
海原「ひどいですね、今まで秘書として頑張ってきたのに…」 
 
天井「………誰だ…?」 
 
余りの展開に思考がついてこないらしい 
垣根はその様を見て笑い転げている 
 
一方「お前はやっちゃなンねェとこまで踏み込ンだってこった」 
 

339: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:08:39.66 ID:YnY1CtI0
天井は少しだけ把握した、すでに追い詰められていうという所までは 
 
天井「分かった、要求はなんだ?」 
 
天井「金か?地位か?」 
  
天井「今なら交渉の余地があるぞ…そうだ理事会に興味はないか?」 
 
天井「超電磁砲の研究データを元に開発をすれば、また莫大な富が入る!」 
  
天井「まずは技術流出を防ごう!な?」
 
天井「成果を上げれば理事会に入れる!」  
 
天井「私が推薦するぞ!!」 
 
天井「ハハっ!どうだ?一方通行?それにお前たちも!一緒に科学の街の支配者にならないか!?」 
 
垣根の興味は天井の最初の一言で無くなり、代わりに一方通行に興味が向いている
 
一方「学園都市が最先端大いに結構ォ、それで超電磁砲の利用も大いに結構ォ」 
 
一方「俺もガキじゃねェ、奇麗事が大事なのも理解してる」 
 
一方「でもなァ、どンな理由を並べても、それでアイツらが殺されていい理由にはならねェだろうがァ!!」 
 

340: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:09:48.66 ID:YnY1CtI0
天井「ヒィっ!うわあああぁああ!!」 
 
一方「逃がすかァ!!!」 
 
咆哮と共に垣根の座るソファーが天井に飛んでいく 
 
垣根「おいいい!!!!」 
 
垣根を乗せたまま天井に激突する 
 
天井「うぐぐ…」 
 
垣根「なにしやがんだてめぇ!!」 
 
一方「メルヘンビームで悪党を成敗したンだよ」 
 
海原「では、後処理は僕がやっておきます」 
 
一方「あァ…好きにしな」 
 
垣根「おい、謝れてめぇ!!」 
 
学園都市NO.1とNO.2が並んで出て行く 
 
 
残された天井と海原 
海原は変身魔術を解き、素顔を晒す 
誰にも見せないその素顔を… 
 
 
エツァリは天井の襟を掴み上げ 
聞きなれない単語と数字を囁いた
そして怯える男に告げる 
  
 
 
-------- あの人の世界を狂わせた罪を贖わせてやる --------  
 

 

341: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:12:16.53 ID:YnY1CtI0
雪が降る学園都市 
打ち止めに全て終わった事を連絡し、一緒に食事を取ることになった 
 
一方「お前の同伴って誰?」 
 
垣根「あん?彼女だけど?」 
 
一方「一緒に飯いかね?」 
 
垣根「ええー?なんでお前と!?同じ派閥のやつ誘えよ」 
 
一方「俺も女となんだよ」 
 
垣根「打ち止めちゃんか、まぁいいか」 
 
垣根「さっきのNO.1の勇姿を教えてあげよ」 
 
一方「ヤメロ」 
 
一方通行は薄く積もる雪道の上で身を震わせる 
防寒性の高いジャケットだが、視覚で寒さを感じる人間味のある行動にふっと笑みを浮かべる 
  
一方(三下みてェに上手く説教できねェなァ…、練習するかァ) 
 
 
学園都市最強のNO.1ホストは新たな進化を模索していた 
 
 
 

342: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:13:59.49 ID:YnY1CtI0
国道を走行中に逃走ルートを模索する 
現地の業界なども調べ、運び屋を営んでる連中がいた 
金次第で何でも運ぶと書いてある 
 
連絡先にさっそく電話を掛ける 
 
『はい、ラグーン商会ですがー』 
 
覇気の無い男の声がする 
 
美琴「運んでもらいたいものがあるの」 
 
『なんでしょ?』 
 
美琴「人間二人を日本からロアナプラへ」 
 
『なに?…どちらさんですか?』 
 
美琴「訳あって逃亡生活になるのよ、お金は弾むわ」 
 
『あー、ちょっとボスに代わりますー』 
『ダッチ、なんか日本からだよ』 
『何?あいつらなんかやらかしたのか?』 
 
電話越しに会話が聞こえる 
 
『もしもし』 
 
低い男の声だ

343: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:15:12.27 ID:YnY1CtI0
上条は運転しながら美琴が英語で交渉しているのを聞いていた 
 
上条(コイツほんとすごいな…) 
 
年収十億は下らないと自慢する自分の恋人に畏敬の念を抱く 
 
thank youという言葉が聞き取れた 
上手くいったのだろうか 
 
美琴「おっけーよ、明日の夜、東京まで迎えに来るって」 
 
そういいながらラップトップを弄っている 
 
上条「そうか、随分早く来てくれるんだな」 
 
美琴「報酬がすごいからに決まってるでしょ」 
 
上条「いくらだよ?」 
 
美琴「百万ドルよ」 
 
ピンとこない上条は計算をする 
 
美琴「今の相場で一億三千万よ」 
 
上条「っええええええ!!」 
 
美琴「まぁホストに通って男に貢ぐよりは価値あるわ」 
 
上条「ぁぅぁぅ」  
 
上条の反応にケラケラと笑う 
 
美琴「冗談よ!…まぁ超危険手当込みだから安いと思うはずよ」 
 
美琴「あっちもこっちもね」 
 
上条「ソーデスカ」  
 
美琴「こうして愛しい男がそばにいてくれるなら、いくらお金積んでも積み足りないわよ」 
 
まだ気にしてる上条に呆れた顔でフォローを入れる
  
国道をひたすら走る 
 
目指すは東京

344: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:16:27.68 ID:YnY1CtI0
上条「まっすぐ東京いくのか?」 
 
美琴「そうね、人も多いし。給油してどこかで休みましょ」 
 
上条「そうだな」 
 
上条「そういえばさ、全然追っ手がこないな」 
 
美琴「そうねぇ、アタシも追ってくると思ってたんだけど」 
 
美琴「学園都市に情報封鎖がされてて、電波もネットも全部遮断されてるわ」 
 
上条「ハッキングできないのか?」 
 
美琴「守護神がそうさせてくれないわね」 
 
ゲートのロックを外した都市伝説となっていた存在を思い出す 
 
美琴「心配だけど、ちゃんとシステムが機能してるんだから問題ないでしょ」 
 
上条「お、スタンド発見」 
 
電撃使いが乗るんだからEVにしてくれれば良かったのに 
いや、あの女の性格上、あえてガソリン車にしたのかもしれないと美琴は邪推する 
  

345: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:18:28.70 ID:YnY1CtI0
結局、東京には入らず県境で車中泊となった  
後部座席を寝やすい様に回して簡易ベッドを作った  
コンビニ弁当を平らげ 
寒いのでエンジンは掛けたまま二人で横になる  
 
静かな気配 
夜の気配 
病院であんなに震えたのに  
今は怖くない 
状況で言えば今の方がずっと危険で怖いはずなのに 
怖くない  
隣で寝ている女がいるからだろう 
ずっと一緒にいたいと何度も願った女が
 
顔を向けると女はこっちを見ていた 
どうした? 
男が聞く 
ううん、見てただけ 
女が答える 
お互い何も言わずに 
唇を合わせ何度も舌を絡める 
淫靡な音が静かな空間に響く 
女の漏れる吐息 
男のざらついた右手が女の肌を撫でる 
体温の無い血の通わない手 
女は愛惜しそうに手を握る  
 
女が男を受け入れ 
二人の逃亡者が絡み合う 
何度も願った再開 
男の抱きしる腕に力が入る 
逃がすまいと女が爪を立ててしがみ付く 
 
 
 
----------- もう二度と離れない ------------ 
 

346: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:20:16.49 ID:YnY1CtI0
東京に着けば街中が混乱していた 
なにやらヤクザ同士の抗争があった様だ 
一般人も巻き込んでかなり大規模だったらしい  
都内を車で回りながら備え付けのテレビを見ていた 
 
美琴「せっかく東京きたんだから、最後の日本を楽しみましょうか」 
 
上条「大丈夫かね、歩き回って」 
 
美琴「道中に襲撃がないんだったら、街でもないわよ」 
 
美琴「あるとしたら海に出てからよ」 
 
逃走するには陸海空どこかを通らねばならない 
空は確実にマークされる上、逃げ場がないから使わないと踏むだろう 
陸なら昨夜の時点で何かあってもいい 
海を使うと思っているだろう、実際その通りだ 
 
一方通行のあの感じなら、高位能力者は追撃に参加しないだろう 
超電磁砲相手に陸だと迎撃される、しかし空、海なら乗っているものさえ沈めればいいのだ 
 
美琴「ま、デートでも楽しみますか」  

347: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:21:31.21 ID:YnY1CtI0
午前は朝食を食べ、街を歩く 
どこもかしこも慌しい 
事件現場は騒然としていた 
 
美琴の電話が鳴る 
 
美琴「もしもし? ああ、何この番号? …そうなの うん …うん うん 分かってる ありがと」 
 
美琴「打ち止めからよ。情報規制解除だって、理事会は粛清案可決したそうよ…」 
 
上条「そうか…」 
 
美琴「無断で研究機密を持ち出し、街を破壊したテロリストだってさ」 
 
上条「街を破壊?」 
 
美琴「一方通行と麦野沈利が暴れたらしいわ」 
 
上条「美琴のせいかよ!?」 
 
美琴「違うわ、追っ手が来なかったんじゃなくて、追っ手が来れなかったのよ」 
 
上条「あいつらに助けられたって事か…」 
 
美琴「天井は消息不明、理事会は特に追及せずに空いた席を埋めるみたいね」 
 
上条「んじゃとっとと逃げますかね」 
 
美琴「そうね…。でもその前に!」 
 
美琴「行きたいとこがあるの!!」 
 
目を輝かせて満面の笑みで提案する 
 
 

348: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:23:00.95 ID:YnY1CtI0
美琴「ああー!楽しかったあ!!」 
 
とある遊園地で思いっきり遊んだ後だった 
ネズミがメインのはずだったが、コラボ企画とやらでなぜかゲコ太までいた 
提案した本人も思わぬサプライズだった様で、来ている他の子供よりも興奮していた 
パレード中大声でネズミに負けるなゲコ太ー!!と必死に呼んでいた時は、上条ですら赤面したくらいだ 
 
上条「そうか、よかったな!」 
 
カエルの帽子を被り、大きめのぬいぐるみを抱いてご満悦の様だ 
上条も半ば無理やりカエルの帽子を被らされている 

電話が鳴る 
 
『ラグーン商会だ、思ったより早く着いた』 
 
『指定の場所に停めてあるから、いつでも来てくれていい』 
 
美琴「わかったわ」 
 
電話を切り深呼吸をする 
 
美琴「もう着いたらしいわ」 
 
上条「……はやいな」 
 
日本との別れ、家族や友人に満足に別れも言って無い 
犯罪者として、今から生きていく 
でも後悔はしていない 
何ものにも変えられないモノを手に入れたのだから

349: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:23:53.06 ID:YnY1CtI0
港に行くと一隻エンジンを掛けたままの船が停まっている 
 
美琴「ハロー?」 
 
英語の分からない上条は全面美琴に任せることにした 
 
ダッチ「アンタが依頼した御坂か?」 
 
美琴「そうよ、声がイメージ通りの人で安心したわ」 
 
ダッチ「長居はできないんだが、ウチの船員を二人回収しなきゃならん」 
 
ダッチ「中で待っててくれ」 
 
ダッチ「ベニー、案内してくれ」 

上条はやり取りを眺めて、必死に聞き取ろうとするがサッパリだった 
 
美琴「いきましょ」 
 
流れを見て問題はないんだろうと判断する 

350: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:27:42.92 ID:YnY1CtI0
船室に案内される 
 
ベニー「快適とは言えないが、まぁ好きにくつろいでくれ」 
 
ベニー「飲み物はそこの冷蔵庫に入ってる、好きに飲んでくれていい」 
 
美琴「至れり尽くせりね」 
 
ベニー「そりゃVIPだからさ。船員が帰ってきたからまた後で」 
 
欧米人特有の大げさなスマイルを残し、甲板に上がる 
上条は船室を見渡し、部屋の一角に積まれた木箱に目が止まる 
特に興味を持った訳ではないが、なんとなく開けてみた 
 
上条「っ!」 
 
美琴「ちょっと!何してんの!!勝手に触らないの!」 
  
レヴィ「へい、何やってんだ?」 
 
恐らく遅れてきた船員なのだろう、二挺拳銃を上条と美琴に向けている 
銃を向けられても美琴は別に怖くは無い 
この時怖いと感じたのは目だった 
銃を向ける女のどぶ川の澱みの様な、社会の負の側面を詰め込んだ目 
 

351: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:28:49.53 ID:YnY1CtI0
美琴「ごめんなさい、こいつにちゃんt」 
 
上条「おい、足怪我してんじゃねーか!!」 
 
上条が右手で足を指差し、前に一歩でる 
 
バンっと右手に向けて、なんの躊躇いも無く引き金が引かれる 
 
上条「いてっ!」 
 
美琴「ちょっと!あんた!!」 
 
上条「美琴!!」 
 
美琴が帯電するが上条が制する 
 
上条「大丈夫だ、怪我してないから、それより訳してくれ」 
 
上条「俺が甘く考えてた申し訳ないって」 
 
美琴はそのままの通り伝える、もちろん警戒を怠らずに 
 
レヴィは上条の右手を不思議そうに見ていたが 
美琴の言葉を聞き、上条の真っ直ぐな目を見た後、舌打ちをして銃をしまう 
ぼそっと、また平和ボケした日本人かと吐き捨て踵を返す 
 
船室のドアが空き黒人の大男が入ってくる 
 
ダッチ「レヴィ!何の騒ぎだ!?」 
 
レヴィ「何でもねーよ、ボス」 
 
美琴「ダッチ、こっちが悪いの。ごめんなさい」 
 
ダッチ「そうか、…ロックお前も休んでろ、ついでにこの人達の世話をしてやれ」 
 
ロック「…ああ」 
 
日本人が入ってきた  
疲れているのか、落ち込んでいるのかよく分からない表情をしている 
 

352: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:30:41.49 ID:YnY1CtI0
ニーが船室に来て、インカムが渡される 
 
ベニー「話は聞いたんだけど、どこまで準備すればいいか分からなくてね」 
 
ロック「準備?」 
 
ベニー「ロックにはまだだったな、この二人は狙われているのさ、世界最先端の科学の街からね」 
 
ベニー「情報得ようとしたけど、理事会?だっけ?あそこのセキュリティが硬くて無理だったよ 
     
ベニー「進入したのはいいけど、すぐ追い出されてしまった」 
 
美琴「入ったの!?」 
 
追い返されたとは言え、学園都市のセキュリティを一時的に突破した事に驚きを禁じえない 
今あの街の電脳世界を掌握している、花飾りの守護神を一瞬でも出し抜いたのだ  
 
ベニー「ああ、追い出されて追いかけられる嵌めになったけどね」 
  
降参だとばかりに腕を広げる 
 
ダッチ『そろそろ出るぞ、日本の領海越えるまで飛ばすからな』 
 
 
ラグーン号が西を目指し冬の海に出る 
 
上条と美琴の握り合っている手にぎゅっと力が入る 
もう後戻りはできない 
 
さようなら生まれた国 
 
さようなら学園都市

353: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:33:24.48 ID:YnY1CtI0
ロアナプラ沿岸、長い船旅の終着点 
港へ入る手前の顔の無い仏像、陸路からでは橋に誰の為か分からない首吊り用の縄がぶら下がっている 
それらがこの街の看板替わりだそうだ 
 
美琴「思ったより都会ね」 
 
レヴィ「悪党達が退屈しねぇ様に適度な娯楽はあるぜ」 
 
美琴「それは楽しみね、どっかいいとこ紹介してよ」 
 
レヴィ「あたしは観光案内じゃねーよ、うちのお人よしに聞きな 
     
レヴィ「ああ、あんたの連れの女遊びなら、街歩いてるだけで○○が寄ってくるさ」 
 
美琴「と、当麻はそんなとこ行かないもん!」 
 
レヴィ「わかんねーぞぉ?男ってなそんな複雑に考えてねーからなぁ…」 
 
ニヤニヤと笑いながら美琴をからかうレヴィ 
ここまでたどり着くまでのいざこざで多少ではあるが打ち解けたのだろう 
レヴィの悪戯な笑顔を見てベニーは思った 
  

354: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:34:44.99 ID:YnY1CtI0
ホテルに到着しすぐに準備を整える 
この街の支配者たちの会合へ参加する為だ 
ただの流れ者ではないのでどういう反応なのかを確認する必要がある 
 
ダッチ「いいか、くれぐれも言葉に気をつけるんだ」  
 
レヴィ「なんかあってもうちらにゃ関係ないからな」 
 
有力なマフィアの頭目達【黄金夜会】の会合 
自分たちの経緯を話し、相互不介入 
つまり都市からアクションがあっても上条と美琴には関与しない 
そっとしておいてくれと言いたいのだ 
 
とあるビルに到着する 
  
美琴「いくわよ…」 
 
上条「ああ」 
 

355: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:36:21.58 ID:YnY1CtI0
黄金夜会 
ロシアンマフィアのホテルモスクワ 
チャイニーズマフィアの三合会 
イタリアンマフィアのコーサ・ノストラ 
コロンビア系のマニサレラ・カルテル 
この四つの勢力がお互いに均衡を保ち、牽制しあいこの暴力都市に薄氷の秩序を築いている 
 
そこに飛び行った異邦者二名 
ダッチがホテルモスクワのバラライカに話を付け参加の許可を得たのだ 
 
バラライカ「日本人の移民事業でも始めたの?ダッチ」 
 
ダッチ「勘弁してくれ、ウチのロックだけで手一杯さ姉御」 
 
張「それで話ってなんだい?俺はヒマだからいいけど、他のボス達はお忙しいだろうからな」 
 
固唾を飲み込み口を開く 
 
美琴「アタシ達は静かに暮らしたいの」 
 
美琴は二人の願いを伝える 
 

356: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:38:24.90 ID:YnY1CtI0
バラライカ「ふーん、つまりあなた達を捕らえて学園都市に突き出せば交渉できるって事ね」 
 
美琴「そうなれば、全力で抵抗させてもらうわ」 
 
ピクっとバラライカの眉が上がり、眼光が鋭くなる 
 
ダッチ「おい!御坂!」 
 
美琴の実力とバラライカの恐怖を知るダッチが慌てて止める 
 
上条「なんか空気が変わったぞ…大丈夫か?」 
 
美琴は上条の手を握る 
大丈夫のサインらしい 
 
美琴「学園都市と交渉するよりも、いい話も用意してきたわ」 
 
美琴はバッグからメモリースティックを出す 
 
美琴「科学の最先端技術よ、これが日本人二人を住まわせるだけで手に入るわ」 
    
美琴「最初はもちろん小出しにさせてもらうけどね」 
 
上条の右手を見せ続ける 
 
美琴「この右手…わかるかしら?アタシの能力で開発された義手よ」 
 
美琴「このレベルの技術を提供するわ」 
 
バラライカは右手を一瞥するだけだったが 
それ以外のボスはマジマジと上条の右手を見る 
 
上条「ハハっ…そんな見つめられると上条さん恥ずかしいなー…なんちて」 
 
ドスっと美琴の肘が入る 
しゃべるなという事らしい 
 
 

357: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:44:59.73 ID:YnY1CtI0
張「ふーん、俺は別にいいと思うぜ…?なんの苦労も無く旨い話だ」 
 
他の二名も張と同意見だった 
その価値は正確には理解していないが 
張がそう判断するならっというのが大きかった 
そもそも捕らえたとしても都市と交渉するのも骨の折れる話だ 
 
張「超能力者とケンカしてケガすんのもバカらしいわ」 
 
しかし一人を除いては 
 
バラライカ「力で奪い取ればいい話だ」 
 
冷徹、冷酷、恫喝、殺意、全ての意味が含まれた視線を二人に向ける 
 
バラライカ「超能力者であろうが24時間遠距離から狙撃されては音を上げるだろう」 
 
バラライカ「軍曹、狙撃班を編成しておけ」 
 
ボリス「はっ」 
 
命令を受けた男はすぐさま連絡を入れる 
ロシアンマフィアの頭目は利益などよりも、自分と相対して勝てる気でいるという事が気に入らなかった 
例えそれで自分が死ぬことになろうとも、軍人としての魂が許さない、亡き戦友達に顔向けできない 
美琴が上条の手をぎゅっと握り、ギリっと歯をかみ締める 
決裂したという雰囲気が伝わり上条も覚悟を決める 
 

358: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:45:58.16 ID:YnY1CtI0
ダッチ「姉御、それはオススメしねぇぞ、その日本人は生身でアンクル・サムの艦隊を沈めたんだ」 
     
ダッチ「やりあうなら、せめて俺らが避難してからにしてくれや」  
 
バラライカ「なに?」 
 
表情が一気に変わった 
 
話にまったく着いて行ってない上条 
その目で見たダッチとレヴィ以外は驚いている 
 
しばしの沈黙の後バラライカが笑い声を上げる 
 
バラライカ「軍に匹敵する戦力だとは聞いていたが、まさかあの傲慢な民主主義者どもを沈めた?」 
      
バラライカ「日本人の小娘が!生身で!?こんな愉快な話はないなぁ?軍曹」 
 
ボリス「そうですな」 
 
クスクスと笑いを堪えながら続ける 
 
バラライカ「いいだろう、御坂。おもしろい話を聞いた。我々もお前たちに関知しないことにする」 
 
バラライカ「いや、なにかあったら頼ってもらってもいい、ボリス軍曹、手配を解除しておけ。帰るぞ」 
 
言い終わるがいなや踵を返し、更に笑い声を高く上げ出て行く 
 
  
どうやら全てが終わったようだ 
 
その場にいた全員が緊張を解きふぅっと息を吐いた   
   

359: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:49:03.48 ID:YnY1CtI0
一週間後 
当面の住まいとして、ダッチの手配でマンションを借り、一戸建ての建設に着手する 
今後のことも考慮して地勢、素材、研究設備、非常設備なども拘った結果、要塞の様な図面になってしまった 
上条は構わなかったが、家主は気に入らない様で、ものすごくファンシーな外観に改装される予定だ 
小高い山の上にあるので街までは不便だが喧騒も縁遠く、二人で静かに暮らすには打って付けの場所だった 
上条は目下英会話の勉強中だ 
 
マンションのベランダに立ち美琴が夕闇に染まる海を眺めていた 
 
上条「日本が恋しくなったか?」 
 
美琴「ううん、あー、恋しいっちゃ恋しいけどね。ちょっと考え事してた」 
 
上条「なんだ?美琴せんせーに分からないのか?上条さんに分かることだったら答えるぜ」 
 
美琴「うん、なんでアンタは別次元の世界に行ったんだろう?って考えてた」 
    
美琴「戻ってきたのは分かってるんだけど」 
 
上条「なんだそんなことかよ」 
 

360: ◆wgtXDfHaPLUF 2011/01/08(土) 12:55:14.75 ID:YnY1CtI0
美琴「そんなことって、アンタ分かってるの?」 
 
上条「たぶんだけどな、…この世界を見てる神様達が不幸な上条さんにハッピーになれるチャンスをくれたんだよ」 
  
上条「幻想殺しも無くなったし、神様のご加護が届く様になったんだろ」 
 
昔、10万3000冊の魔導書を記憶しているシスターの言った事を思い出しながら結論付ける 
 
美琴「なによそれ!分かんないわよ…」 
 
上条「俺とお前がこうして並んで、幸せにする」 
   
上条「それでいいじゃねーか」 
 
美琴が呆れ半分顔を赤くして頷く 
上条は笑ってそっと肩を抱く 
 
上条「なぁ美琴」 
 
美琴「うん?」 
 
上条「愛してる」 
 
美琴「うん!」 
 
夕闇の艶やかなコントラストを背景に二人は永遠となる 
 
暴力の街ロアナプラ 
厄介ごとにクビを突っ込む義手の男と一個軍隊に匹敵する戦力を持つ電撃姫 
この二人が住民に知れ渡るのはそう遠くないお話 
因みにとある酒場ではすでに落雷被害に対応するべく避雷針の設置を急いでるとさ 
 
 
 
上条「愛してる」 END 
 

373: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:39:02.19 ID:DaMEOgbB0
なんか2ちゃんと同じトリになってたんで、変えました。 
 
 
>>179 
 
職員「はい、常盤台中学校でございます。お手数でございますが、ご用件とお名前をよろしいでしょうか」
 
『あの…そちらの学生の御坂美琴の親類の上条と申します、ちょっと緊急の用事で取り次いでもらいたいんですが』 
 
職員「親類の方とは?どういった関係に当たる方でしょうか?」 
 
『えと…親類っというか………許婚です!』 
 
職員「え…?、しょ、少々お待ちください」 
 
職員(御坂さんに許婚なんて…、まだ14才なのに、流石第三位だわ…) 
 
 
中庭 
 
黒子「お姉様、放課後ご予定が何かございますの?」 
 
美琴「んー?なんもないわよー」 
 
黒子「よろしければ初春と佐天さんとお茶でもいかがでしょう?」 
   (そしてあわよくばお姉様とめくるめく…あん!ダメですの!お姉様ぁん!) 
 
美琴「いいわよー」 
 
ピンポンパンポーン  
 
『二年生の御坂美琴さん、上条様からお電話が入っております』 
 
美琴「!?」 
 
『至急、2階事務室までいらしてください』 
 
美琴(アイツから電話!?なになになに??) 
 
中庭から壁をよじ登り直接事務室の窓から入る 
 
黒子(でも黒子も心の準備の体の準備もできておりますの…(ポッ 
 
黒子「後はお姉様の次第でございますの!…さぁ!黒子をお姉様ワールドで包んでくださいまし!!」 
 
一人中庭で喜劇と悲劇を演じる白井黒子に冬の寒風が吹きつける 
 

374: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:40:06.99 ID:DaMEOgbB0
事務室 
 
美琴「来ました!!御坂です!!」 
 
職員「は、早いですね。許婚の方からお電話です」 
 
美琴「い、いいなじゅけ?///」 
 
美琴(なになになに!!??許婚ですって?そんなまだ付き合っても、キキキ、キスもまだして無いのに…。 
   あーまさかアイツの妄想が暴走して二人の階段をスキップしちゃったのかな?何段飛ばしなのよこれ! 
   もうおっちょこちょいなんだから当麻ったら!仕方ないなぁ!でも許婚ってことは結婚を前提ってことよね? 
   あ!もうアタシ、ダーリンのご両親に挨拶しちゃってる!!まさかもう大覇星祭から許婚だったってこと!? 
   全然気付かなかったよぉ!ビックリサプライズだよぉ!!ごめんねとーまぁ…。でもとーまは許してくれるよね? 
   だって超優しいし、イケメンだし、鈍ちんなとこはあるけど、っっ!!やだアタシったら鈍ちん…チンだなんて/// 
   とーまを体が求めてるってこと!?でもいいよ///とーまだったら///いつでも好きにしていいんだからね///) 
    
この間二秒 
 
職員「あの、御坂さん?」 
 
美琴「なにか?///」 
 
職員「お電話ですけど…」 
 
美琴「あ…ああ、すみません///」 
 
美琴「も、ももももしもし?///」 
 
職員(やっぱり中学生なのね…純情だわ) 
 
職員(顔真っ赤にしちゃってかわいいわー) 
 
職員(電話の声で相手の体調まで気にしちゃって) 
 
職員(内緒の関係なのね…美しいわ、そういうの) 
 
職員(照れてるわよ、御坂さん。鏡見せてあげたいわ)  
 
美琴「早退します!!///」 
 
勘違いをしている常盤台のエースは顔真っ赤にし、ヘラヘラ薄ら笑いを浮かべ、超速スピードで爆走する 
その幻想がぶち壊されるとも知らずに

375: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:42:24.82 ID:DaMEOgbB0
視点変えたところや割愛部分の補足短編みたいなもんです 
結末に変更はありません 
 
 
>>193 
 
上条16(ぐおおおお!!目がああああああ!!) 
 
美琴に目潰しをくらい悶絶する 
 
美琴「なんでも無いわよ、ちょっとあっちに行って目を洗いましょう!?」 
 
美琴に引っ張られ、上条16が水道で目を洗う 
 
上条16(御坂は何がしたいんだ?見るな?何を見るなっていうんだ?最初あの男にヘッドロックしてると思ったが…。 
    見るなって何をだ?顔か?しかしどうして顔…。俺にも目潰しまで… 
    いやそうか!眼だ!眼を見るとなにか術みたいなものにかかるのか!…おのれ魔術師!!)
 
美琴「アタシちょっと用事があるから、ごめんね、まったねー」 
 
上条(怪しい…、また一人で背負ってんのかよ御坂!) 
 
上条は道行く美琴の後ろ姿を眺めていた

376: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:44:37.62 ID:DaMEOgbB0
>>268 
 
美琴「海原さんの力はすぐ解析できたみたいだけど」 
 
海原「!!………」 
 
美琴「オッレルスさんのが難しいみたい」 
 
ステイル「彼の力は特殊なんだよ、僕もあんなものは見たことがない」 
 
上条25「どんなもんなんだ?」 
 
ステイル「北欧王座というらしいんだが。とても説明できない、としか言い様がない」 
 
美琴「一方通行もムキになってボロボロよあいつ」 
 
 
黄泉川のマンション屋上 
 
一方「ぐはっ!」ドサ 
 
オッレルス「そろそろ止めにしないか?」 
 
オッレルス「いくら弱い魔術でも、それだけ食らえばひどいことになる」 
 
一方通行とオッレルスが対峙し、上条がそれをずっと見ている形だ 
 
一方「まだだァ…、俺はまだいけるぜェ」 
 
オッレルス「仕方ないな…」 
 
魔翌力を練り、攻撃するオッレルス 
 
一方「くゥっ!!」 
 
攻撃は反射膜に触れるものの、ほぼ素通りの形だった 
 
一方(なにか…なにかが掴めそうなンだが、何かが分からねェ) 
 
一方(なンか壁みてェなもンを感じやがるぜ…) 
 
上条「そろそろヤバイんじゃねーのか?大丈夫か?」 
 
一方「てめェは黙って見てろや三下ァ!!」 
 
一方「俺が、この学園都市第一位の一方通行様にできねェことなンざねーンだよォ!!」 
 
一方「なンか壁みてェのがあってそれを超えられねェンだよ!クソが!!」 
 

377: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:47:08.37 ID:DaMEOgbB0
上条「超えられねー壁があんなら仕方ねえだ?」 
 
上条「お前はそこまでなのかよ一方通行!」 
 
一方(まさか…説教か!?)ドキッ 
 
オッレルス(なんでいきなり怒り出すんだこの少年は) 
 
上条「そうさ一方通行、お前が誰かの為にこんな苦行をやってるのか分かってるつもりだぜ 
   でもなぁ、それでボロボロになって!大怪我したらその【誰か】が悲しむんじゃねーのかよ!! 
   壁が乗り越えられねぇ!?甘えてんじゃねぇぞ第一位!! 
   壁が乗り越えられねぇなら乗り越えるなよ!!ぶち壊しちまえよ!! 
   それすらもできねぇ、やろうともしねぇ!仕方ねえなんて言葉で自分に妥協しちまうのか!! 
   そんなのおかしいだろ!?お前らしくねーだろ!! 
   それでもお前が仕方ないの一言で壁に負けを認めちまうんだったら 
   そ の 弱 り き っ た 幻 想 を ぶ ち 殺 す !!」 
  
バキィ! 
 
オッレルス「え?なんで殴ったの?」 
 
一方「チッ!愉快にキマッちまったぜェ!!」 
 
バキィ! 
 
上条「ぐは!」 
 
一方「ハァ、ハァ…」 
 
上条「まっすぐなパンチじゃねーか…、それならもう行けるだろ」 
 
オッレルス「おい、なんでケンカするんだ?」 
 
上一「「黙ってろ!!」」 
 
オッレルス「あ、ハイ」 
 

378: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:47:49.86 ID:DaMEOgbB0
一方(やっぱ効くなァこいつのコレはよォ…。クセになンぜェ…) 
 
一方「見てろ三下、俺はやってやンよ!!」  
 
上条「お前なら…、一方通行…!お前ならできる!!」 
 
一方「もう迷いはねェ!!」 
 
一方「さっさとこいや魔術師ィ!」 
 
オッレルス「え?あ、ハイ」 
 
ドシュン 
 
一方「うおおおおおおおおおお!!!」 
 
オッレルス「何!?俺の北欧王座を…」 
 
一方「おるあああああああァァァああァ!!」 
 
キーン 
 
オッレルス「反射した!?」 
 
パキィン 
 
上条の右手が反射した魔術を打ち消す 
 
一方「へへ、バッテリー限界だクソったれェ…」ドサ 
 
上条「やったな、一方通行!!」 
 
満足気に笑顔で倒れる一方通行 
彼を抱き起こし称える上条当麻 
それを見てなぜか涙腺の緩んだオッレルス 
 
オッレルス(イイハナシナノカナー)グス 

379: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:53:31.37 ID:DaMEOgbB0
~異世界に行く方法を調べてちょうだい~ 
 
初春が美琴に頼まれた突拍子もない話 
 
初春「一応探すだけ探してみますか…」 
 
自室で一人呟き、マウスを手に取る 
 
目的の掲示板へとたどり着く 

380: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:55:34.80 ID:DaMEOgbB0
おまいらの知恵をちょいと拝借【祭りかも試練】


1 :守護神◆g.k.hack/lv5:
 
ビリビリ先輩がなんか異世界に行きたいらしいんだが方法を考えてくれ 
 
2:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
 
  /\___/\
/ /    ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 |
|  ,,ノ(、_, )ヽ、,,   |
|   ,;‐=‐ヽ   .:::::|
\  `ニニ´  .:::/      NO THANK YOU
/`ー‐--‐‐―´´\
       .n:n    nn
      nf|||    | | |^!n
      f|.| | ∩  ∩|..| |.|
      |: ::  ! }  {! ::: :|
      ヽ  ,イ   ヽ  :イ

3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
 
冬休み恒例の流れだな 
>>1市ね 
 
4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
 
 
>>1もっとうまく釣れよってGKじゃねーかwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 
 
5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
ここで馴れ合うな黙って消えろゴミクズ




消えろや  
 
6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
冬休みのゆとり新参がGK叩いとるwwwwwwwwww 
PC破壊されんぞwwwwwwwwww 
 
7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
流石にGKでもそれはねーよwwwwwwwwww 
  
 
あんのか?

381: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:56:08.26 ID:DaMEOgbB0
8 :守護神◆g.k.hack/lv5:
 
                            議論の前に言っておくッ!
                    おれは今日ゆとりの恐ろしさをほんのちょっぴりだが体験した
                  い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『俺はどうせKJ絡みだと思ってたんだ
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        だが相談されたのは異世界に行きたい、だ』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何を言われたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r ー---ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \     ゲコ太とかそげぶだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

382: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:57:40.88 ID:DaMEOgbB0
9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
まぁGKがそういうならやってみるか… 
 
10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
 
またこいつかよ… 
神スレ神スレいわれて調子乗りすぎだろ 
キモチワリイから消えろ 
 
11 :守護神◆g.k.hack/lv5:

>>10 
           。o%爻花%o。
          >>0��'^::::::::::::::^`゚㍉*。
.    , -‐ヘ    /,_//_/::::::::::::::::::::ハ:::::爻
    {ゝ-と)   :.::::i::i::::::ハハ::::::::::::::::}i:::::::|
.    Y イ  从从:|/  \ハ从从:, ┴―'⌒ヽ
   | |   厶}c==   ==っ  」/  ,---、 、丿
   | |, ┬ヘ从 //////  /〉
   | └ー}川}ト ヽ( ̄ ̄`ヽ.{∨_//
     ー一v'///  }:::`Tニニイ}   /〉
        ` < 八\:::::::/八.  /
            \  ー匸f‐′  /
               {  /.:::ハ     〈

PCの前から離れろ  
 
12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
>>10 
早く謝れ!!!  
 
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
 
>>10は犠牲になったのだ… 
 
14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>10ェ… 
 
15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
また一人GKアンチが粛清されたか…

383: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 13:59:32.28 ID:DaMEOgbB0
13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
新参の為のGK最強伝説 
 
・ハッキング能力世界最強、学園都市のハッカーですら即土下座 
・常人がPCの電源入れてる間にあっさりペンタゴンに侵入 
・さらに進入したペンタゴンのPCの壁紙を全部花の画像に変えて離脱 
・U.Sがキレて逮捕宣言→即日ニコ動、つべでU・Sの機密を流す鬼畜ぶり→U.S泣いて謝ったという噂 
・アンチが沸くと粛清が下る、花の画像がPCに現れ何かがもげる 
・アンチだけどGKかかってこいよ^^というスレが立ち、アンチが調子に乗って祭りに発展。だがGKの自演スレだった為全員粛清 
・スレが終わる間際にスレ住民を労い、ガチ天使、○天(まるてん)さん画像が数分うpされる、保存しても何故か消えてる  
・経済議論スレで1時間あれば世界経済混乱させれる自慢宣言→アンチから総叩き→7分後アンチの書き込み無くなる 
・株価操作は遊び感覚発言、商売繁盛願って神社でGK宛の絵馬が多数という社会現象  
・GKの職場らしき箇所にハッキングを試しても返り討ち、逆に晒される 敗北者リストhttp://sarasiage.~~
・基本有言実行、安価実行率は99%。唯一出来なかったことは、とある事件で戦ってるビリビリ先輩を後ろからバールの様なもので殴る時のみ (バールのような物が無かった為断念)  
・GKのスレをまとめブログに編集すると消える。最長保存記録は12分 ブログタイトルを暗号化しても無意味 
・某国金盾数万人の工作員相手に無双状態。全PCに remenber 6.14 の壁紙を贈呈、そしてそのままフリーズの神業 
・GKを突き止めようと探ってた男を世界中の監視衛星、防犯カメラで逆監視、ニコ生で放送
・GK異世界に行く←NEW 

384: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:02:49.08 ID:DaMEOgbB0
429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
大体時を越えたりなんだりって雷にうたれてね? 
 
430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
昔、雷にうたれて車でタイムスリップする洋画あったな 
 
431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
そういえばGS美神も雷で移動だな 
 
雷がキーワードなんじゃね? 
 
432 :守護神◆g.k.hack/lv5:  
 
ビリビリ先輩の雷でできんのかね? 
ちょいビリビリの出力調べてくるわ
 
433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
>>1真相にきてるんじゃね?? 
 
つかビリビリ先輩wwwwwwwwwwww相変わらずラムちゃんかよwwwwwwwwww 
 
434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:)
 
【まとめ】 
GKの先輩から異世界に行きたいって相談される 
GKスレ立て  
意見がでるが、大体が魔法的な力で移動、タイムマシーン、エネルギーは雷が多数 
GKの先輩が雷使い(笑) 
 
435 :守護神◆g.k.hack/lv5:  
 
ただいま、10億ボルトはだせるっぽい 
必殺技は音速の三倍超えるそうだ 
 
436 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>1はえーよwwwwwwww 
ビリビリ先輩に聞いたん? 
音速の三倍wwwwwwwwwwチートすなぁwwwwwwww 
 
437 :守護神◆g.k.hack/lv5:  
 
いや書庫ハッキングしてきた 
この時間は流石に寝てるだろ 

385: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:04:01.57 ID:DaMEOgbB0
438 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
この>>1の今までのスレのまとめブログとかないん? 
 
439 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
あいかわらずの職人すなぁ 
 
440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>438 
つくってみ?すぐ消えてるから  
最長保持記録は12分 
GKの知らないところで、しかもブログ名も関係ないのに…だぞ? 

386: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:04:58.54 ID:DaMEOgbB0
554 :GKかわいいよGK(まとめ書記)◆OGjhsiJ/4u:2010/12/30(木)
 
【まとめ】 
ビリビリ先輩がKJを異世界に叩き込む 
魔法陣説、タイムマシーン説 
動力は雷 ビリビリ先輩は10億ボルトだせるんだっちゃ 
移動するにはその世界の思い出を頼りに、スイーツ(笑) 
 
魔法陣説 
異世界や時空の神話に出てくるものをあたる←GKの知り合いに専門家がいる 
 
タイムマシーン説 
車を改造 
引き出しの中にあるやつ  
ブルマに相談する 
 
 
ロクなのねーなwwwwwwww 
 
 
まじめにやれおまいら

387: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:06:48.97 ID:DaMEOgbB0
555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
        ヾ  /    < 仮面ライダー555が >
       ,. -ヤ'''カー、   /Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yヾ
 ー―ァ  /r⌒|:::|⌒ヾ
   _ノ オ{(  |0|  )} オオオォォォォ!!!!!
     __,ヽ,ヾ,_|V|,_ノ、/ ,r-,,=
    ,゛==ゝ_ViV_ノ~i/ 〃 `ー―-、
    /  /⌒`//´⌒c/^^^ ))))))))))
 ,,―イ  {ー''"~{ {~゛`ー`/'`'~/ー--―'
))   ,./ゝ_/∧ゝ_ノ  ノ
 ー''"  |ロ  ロ    |
 人,_,人,_,人,_,人,_,
< >>555ゲットだ!! >

556 :守護神◆g.k.hack/lv5: 
 
        ヾ  /    < 仮面ライダー555が >
       ,. -ヤ'''カー、   /Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Yヾ
 ー―ァ  /r⌒|:::|⌒ヾ
   _ノ オ{(  |0|  )} オオオォォォォ!!!!!
     __,ヽ,ヾ,_|V|,_ノ、/ ,r-,,=
    ,゛==ゝ_ViV_ノ~i/ 〃 `ー―-、
    /  /⌒`//´⌒c/^^^ ))))))))))
 ,,―イ  {ー''"~{ {~゛`ー`/'`'~/ー--―'
))   ,./ゝ_/∧ゝ_ノ  ノ
 ー''"  |ロ  ロ    |
 人,_,人,_,人,_,人,_,
< >>555ゲットだ!! >  
 
557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>555 
お前wwwwwwww 
 
やっちまったな 
 
558 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:
 
GKごめん 
  
559 :守護神◆g.k.hack/lv5: 
 
>>558 
次がんばるからいいよ 
やなことあってもそれをバネにして成功させる 
ってかお前ら気使いすぎ 
ただの名無しに戻ろうかな 
らくじゃねーわコテも 
おれの我がままに付き合ってもらって申し訳ない 
わんだふる 
りえみやざわ 

388: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:09:22.41 ID:DaMEOgbB0
560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>556にリーチが掛かりました 
 
561 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
恫喝とか汚いわ流石GK汚い消えろ 
 
562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>561 
生き急ぐ輩の多いインターネットですねここは 
 
563 :守護神◆g.k.hack/lv5:2011/01/08(土) 
 
雑魚は置いといていいよ  
 
話戻そうぜ 
 
564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
雷で次元の穴空けるエネルギーにするとして 
どうやってあけんだ? 
 
565 :561:  
        ____
       / \  /\ キリッ    雑魚は置いといていいよ
.     / (ー)  (ー)\    話戻そうぜ
    /   ⌒(__人__)⌒ \
    |      |r┬-|    |
     \     `ー'´   /
    ノ            \
  /´               ヽ
 |    l              \
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、.
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))



          ____
        /_ノ  ヽ、_\
 ミ ミ ミ  o゚((●)) ((●))゚o      ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒. ::::::⌒(__人__)⌒:::\   /⌒)⌒)⌒)     だっておwwwwwwwwww
| / / /     |r┬-|    | (⌒)/ / / //       俺が怖いのかな^^? 
| :::::::::::(⌒)    | |  |   /  ゝ  :::::::::::/      
|     ノ     | |  |   \  /  )  /
ヽ    /     `ー'´      ヽ /    /
 |    |   l||l 从人 l||l      l||l 从人 l||l  バンバン
 ヽ    -一''''''"~~``'ー--、   -一'''''''ー-、
  ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) )  (⌒_(⌒)⌒)⌒))

389: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:12:05.22 ID:DaMEOgbB0
565 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
穴空けるシステムは魔方陣で、ビリビリ先輩の雷を変換するとかどうよ? 
 
566 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>565 
なんかそれっぽいな 
 
567 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
時間の神とかあげようぜ 
 
568 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
クロノスは外せない 
 
569 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
ああ女神さまだろゆとりが 
 
570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
  
>>569 
ヴェルダンディ、ウルド、スクルドだっけ? 
懐かしいな 
 
571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:)
 
ノルン?ノルニル?メガテンに出てくるなLv60くらいの女神 
 
572 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
>>571それだよ 3女神 
 
過去現在未来の女神だ 
 
573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
なんかそれっぽくなってきたな 
 
574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
有名な雷の神様ググってきたよー  
ギリシャ ゼウス 
ローマ  ユーピテル 
北欧   トール 
中国   雷公 
ケルト  タラニス   
インド  インドラ 
アステカ トラロック 
日本   雷神 

390: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:13:34.61 ID:DaMEOgbB0
578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
結構多いな 
 
雷の神配置して時間の神セットすんの? 
ゼウスとかが真ん中じゃねーと他の神が気使うんじゃね? 
 
579 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>574 
ゼウスとユーピテルは同一じゃね? 
 
391: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:14:37.15 ID:DaMEOgbB0
581 :561:2011/01/08(土)  
 
さっき荒らした者ですが 
皆さんの楽しんでいる掲示板に水を差してすみませんでした 
以後言葉には注意したいと思います 
本当に申し訳ありませんでした 
  
582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
  
>>581 
どこ立て読みだ? 
 
583 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
>>582 
さ 
  ん 
       し 
           た 
 
584 :守護神◆g.k.hack/lv5:  
 
>>581 
分かってくれてうれしいよ^^ 
 
585 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
しばらくGKのレスがないと思えば… 
 
何があったし… 
 
 

392: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:17:24.89 ID:DaMEOgbB0
 
 
884 :GKかわいいよGK(まとめ書記)◆OGjhsiJ/4u:2011/01/08(土)  
 
【まとめ】 
 
目標:ビリビリ先輩がKJと異世界へ無理心中 
魔法陣説、タイムマシーン説 
動力は雷 もしくは水素 ビリビリ先輩は10億ボルトだせるんだっちゃ 
移動するにはその世界の思い出を頼りに、場所の指針と時間の指針だっちゃスイーツ(笑) 
 
魔法陣説 
異世界や時空の神話に出てくるものをあたる←専門家に裏づけさせる 
 
トールとトラロックを使う(ゼウスとかだと他の神の心労がひどい 
中央にノルニルの3女神を配置してトキメキ増加(笑) 
クロノスで穴ぶち空け、フォルトゥナで成功祈願 
 
ビリビリ先輩のハイパービリビリタイムは210秒が限界 超えたら鼻血ブー(GK調べ 
それぞれの神のバランスを取るために各宗教の専門家を用意  
魔方陣に雷を伝達させる回路を設置、もしくはその代替策 

  
タイムマシーン説 
車を改造 ハリウッド乙
引き出しの中にあるやつ  
ブルマに相談する  
魔導書図書館の奇天烈大百科を見せてもらう 
  
いいんじゃないかこれ?

393: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:19:09.88 ID:DaMEOgbB0
957:守護神◆g.k.hack/lv5: 
まぁこんな感じでいいかな 
おまいらマジでありがとな 
成功するかは分からんし、やるかもしらんけど 
映像取れたらうpするわ 
 
ささやかだがお礼だ 
 
つ【zip】 
 
○天さん画像また補充してくるわ
んじゃまたね 
 
958 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
乙 
結果楽しみにしてるぜ 

 
959 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
○天さんで心が洗われるわ 
明日ハロワ行く 
 
960 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
GK乙 
 
○天さんマジ佐天 
 
961 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
○天さんがかわいすぎて生きるのが辛い 
   
 
998 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>1000なら禁書目録は俺の嫁  
 
999 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:  
 
>>1000なら○天さんの裸うp
 
1000 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします: 
 
>>1000なら☆儀式成功☆

394: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:19:41.75 ID:DaMEOgbB0
1001 :1001:Over 1000 Thread
16歳♀暇だから全レスします☆     こちらスネーク        1990年生まれ集まれ~☆       安価でお絵描き
   中学生      遊戯王        新ジャンル    VIPで本格的にRPG作ろうぜ   XBOX360
        全力で釣られるのがVIPPERだろ!ww   ポケモン      コテデビューする                  ら
が    カレシと別れそう・・・   初心者   鬱病♀だけど     彼氏/彼女いないVIPPERちょっとこぃ♪       き
っ      唇スレ         mixi招待するお     釣った厨房に安価でメールwwwwwwwwww               ☆
こ  さみしい・・・誰かかまって       425はどこも変えてなかった              ピカ厨       自    す
う     時代の流れ     [ピザ]きめぇんだよ           捨てアド晒してメル友     メンヘラ     殺     た
い  VIPヌクモリティ   顔晒し      馴れ合いスレ  「~だお」              コテ雑         し
き     今のVIPが嫌ならVIPから出てけwwww        A雑    大阪VIPPER集まれ!!☆        ま
た 工作員 18歳♀が16歳♂に安価メール   VIPでMMO           ネタにマジレスの嵐         す
く    隠れオタ           skype       パートスレ   Skype         mp3垂れ流し
な  住所ギリギリまで晒して近かったらラーメン               二番煎じ
い       空気読め    リア充          ニコニコ動画   >>1 そっヵ、残念やわ(´・ω・`)
お   付き合ってくだしあ><       今から元カノに痛メする  >>3 ウチは高校生だぉ☆
                                           >>9 うはwwwwこれがVIPクオリティww
    ∩∩ V I P は ぼ く ら の 時 代 だ !!  V∩     >>2 自重しろwwwwwwwwww          Be
ハ  (7ヌ)                               (/ /    >>7 ブラウザゲーやらないか?
ル  / /                 ∧_∧         ||                          モリタポ
ヒ / /  ∧_∧     ∧_∧  _( ゚ω゚ ) ∧_∧   || 埼  >>5 2chって有料なんですか?
  \ \( ゚ω゚ )―--( ゚ω゚ ) ̄      ⌒ヽ( ゚ω゚ ) //  玉  >>6 え?俺マジ貧乏なんだけど
    \       /⌒   ⌒ ̄ヽ ゆとり /~⌒    ⌒ /    O  >>8 お母さんに何て言えば
     |      |ー、      / ̄|    //`i構って女/     F   安価で絵描くお
低    | 恋愛 | | 厨房 / (ミ   ミ)  |    |     F   14歳♀中学生処女だけど質問ある?  ハ
年    |    | |     | /      \ |    |                                  ム
齢    |    |  )    /   /\   \|       ヽ   PCに詳しい人ちょっときて!!!   イ      ス
化    /   ノ | /  ヽ ヽ、_/)  (\    ) ゝ  |        電車男              ミ       タ
     |  |  | /   /|   / レ   \`ー ' |  |  /  サーセンwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww   フ      |


395: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:23:23.91 ID:DaMEOgbB0
初春(うーん…、なんか突っ走った感じで、引かれるかもですね…これ) 
 
初春(元々無理難題なんだし、削ろ)  
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx  
魔法陣説、タイムマシーン説            
動力は雷 もしくは水素 10億ボルト 
移動するにはその世界の思い出を頼りに、場所の指針と時間の指針だっちゃ 
 
魔法陣説 
異世界や時空の神話に出てくるものをあたる←専門家に裏づけさせる 
 
トールとトラロックを使う(ゼウスとかだと他の神の心労がひどい 
中央にノルニルの3女神を配置してトキメキ増加(笑) 
クロノスで穴ぶち空け、フォルトゥナで成功祈願 

それぞれの神のバランスを取るために各宗教の専門家を用意  
魔方陣に雷を伝達させる回路を設置、もしくはその代替策 
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx  
 
初春(うーん…もっと少し削ろう) 
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx 
 魔法陣説、タイムマシーン説 
動力は雷 もしくは水素  
移動するにはその世界の思い出を頼りに、場所の指針と時間の指針 
xxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxxx 
 
初春(もういいやこれで…) 
  
-----イギリスと日本を結ぶ機内------ 
 
ステイル(クッソ!!!!>>1000とれなかった!!)壁ドン  

ステイル(しかしこの構成はすごいな…。日本の魔法使い達は侮れない) 
 
ステイル(禁書目録に裏づけしてもらうか…)  

396: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:24:12.26 ID:DaMEOgbB0
>>236 

ステイル「まぁ、結論を言おう」 
 
ステイル「上条当麻、君は帰ることができるだろう」 
 
あっさりと言い放つステイルに驚く 
 
上条25「まじか!?」 
 
ステイル「僕を誰だと思っているんだい?この年でルーンを極めた天才だよ」キリッ 
 
ステイル「それに今回は禁書目録の知識をふんだんに使える」 
 
ステイル「魔術儀式の構成はそう難しいことじゃないよ」 
 
ステイル(ソースは2ちゃん!!)

397: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:25:27.70 ID:DaMEOgbB0
>>249
 
白井黒子は公園の茂みから見ていた 
数百メートル先に立ってそわそわしている御坂美琴を 
 
黒子(お姉様のあの表情…。やはり密会でしたのね) 
 
人間、プライベートの約束の時間というものは30分スパンで行うことが多い 
美琴は30分にここに来ているがまだ上条の姿は見えない 
しかし待たされてイライラしてる訳でもないという事は、30分前に来ているということだろう 
 
黒子(あの様な殿方の為に30分前行動とは…、黒子は嘆かわしく思いますの!) 
 
最初は偶然を装い美琴を連れ出す、もしくは同行しようとしたのだが 
美琴のあの表情を見ていると、何やら出て行くのも申し訳ない気がしてきたので隠密行動にシフトしたのだ 
もし二人の雰囲気を見過ごせなくなったら突撃する覚悟だけは決めていた 
 
黒子(もうじき現れてもよさそうなのですが…) 
 
時刻は00分を回り、美琴がそわそわからキョロキョロし始める 
約束の時間を過ぎているようだ 
 
黒子(あの類人猿め!黒子のお姉様をお待たせするとはなんたる無礼!!) 
 
美琴が公園で待ち、黒子がそれを監視し始めてから50分が経過した頃 
遠くから走ってくる少年が一人 
美琴の不安そうな顔が一気に明るくなる 
 
黒子(ああ…、あの様に嬉しそうなお顔をされて…) 
 
少年が遅刻した謝罪をしているのだろう、美琴は時折電撃を出しながら怒っていた 
ある程度和解したのか二人が歩き出す 
  
黒子(さて尾行継続ですの) 
 
LEVEL4のテレポーターが空間を渡る

398: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:27:05.27 ID:DaMEOgbB0
黒子(まさかデートなのにノープランですの…?) 
 
二人が合流してから、どこに行くわけでもなく街中をブラブラと歩き回ってる姿を見て黒子は思う 
ウィンドウショッピングの様な事をしているかと、思えば映画館の前で演目を眺めていたり 
映画館に入るのかと思えば、隣の雑貨屋に入ってみたり  
 
黒子(レディのエスコートもなっていませんわね) 
 
黒子(まぁ、これでお姉様もあの殿方の体たらくに幻滅なさって開眼していただければよろしいのですが…) 
 
傍からみればウロウロとしているだけなのだが 
当の本人たちにしてみれば、デートという名目がありドキドキが止まらない  
時間の流れも速く、あっという間に夕食時となる 
 
黒子(おっと、寮の方に遅れると連絡を入れておきませんと…、また首を狩られますわね) 
 
使いづらそうな携帯を取り出し、寮監へ電話する 
 
黒子「もしもし、白井でございますの」 
 
寮監『なんだ』 
 
黒子「私、風紀委員の仕事がありまして少々帰宅が遅くなりますのでご連絡をと」 
 
寮監『そうか、気をつけて帰ってくる様に』 
 
黒子「あっ、寮監様」 
 
寮監『どうした』 
 
黒子「お姉様も遅くなると連絡ありましたでしょうか?」 
 
寮監『御坂か? 御坂は外泊許可を取っているがどうした?』 
 
黒子「えっ?」 
 

399: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:27:39.67 ID:DaMEOgbB0
寮監『外泊許可だ、最近の手がけた実験で都市の外に出る様ができたと言っていたが…?違うのか?』 
 
黒子「あ、…ああ!そうでした!私としたことがとんだ勘違いを…オホホホ」 
 
寮監『用がないなら切るぞ』 
 
黒子「は、はいー 御機嫌よう~ ホホホ」 
 
ガチャ 
 
黒子(外 泊 許 可 !?) 
 
顔面蒼白で先ほどの電話の内容を考察する 
 
何やら実験だという話は耳にしていたが、都市の外に出るといのは嘘だ 
なぜなら目の前にいる 
ではなぜその様な嘘をつく必要があるのか 
考えたくはない…。しかし結論はどうしても… 
 
黒子(あんの猿野郎!!!お姉様を誑かして手篭めにしようと画策するとは!!) 
 
黒子(証拠を押さえてジャッジメントですのおおおおおおおおおお!!) 
 
移動を始めた二人を追い空間転移を行う 

400: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:28:17.03 ID:DaMEOgbB0
尾行すれば、二人はとあるビルの飲食店に入っていく 
 
黒子(食事ですのね、そういえば私もお腹が空きましたの) 
 
コンビニに寄り、アンパンと牛乳を購入にエネルギーを補給する 
アンパンが好きではないが、張り込みにはアンパンというのがセオリーだと教えられたからだ 
 
黒子(しかしお姉様が外泊許可を取るまで覚悟なされているとは…) 
 
黒子(いえ、類人猿から脅されている可能性もありますが、どちらにしろ…) 
 
黒子(不純ですの!!) 
 
自分の事を棚に上げるという言葉を体現しつつ張り込みを続ける

401: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:29:11.66 ID:DaMEOgbB0
二人がでてくる 
腹も満たされた様でホクホク顔だ 
入った店の雰囲気も悪くない、美琴の勧めならば自分の耳にも入るだろうが 
それが無いという事は類人猿のチョイスだろう 
 
黒子(こうやって外堀を埋めつつ…襲い掛かるんですのね!) 
 
黒子(ん?セブンスミスト?) 
 
黒子(ここでしたらちょっとくらい接近しても問題なさそうですわね) 
 
上条「なにか欲しいものとかないか?」 
 
美琴「え…///プレゼントってこと?」 
 
上条「ああ、せっかくだし記念にな///」  
 
美琴「あの…その…、別になんでもいいわよ///アンタガクレルモノナラ」 
 
黒子(物で釣る気ですのね、なんと汚い手を流石類人猿汚い)  
 
黒子(お姉様もしっかりしてくださいですの!!) 
 
上条「ん?」 
 
黒子(まずい!)シュン 
 
上条がキョロキョロしている 
 
黒子(危なかったですの、流石お猿さんだけあって勘が鋭いんですのね) 
 

402: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:30:24.87 ID:DaMEOgbB0
二人は買い物を済ませ外にでる 
入店前と後では決定的な違いが二つあった 
 
一つは美琴が小さな袋を持っている事 
アクセサリーショップの袋だ 
二つ目は… 
 
黒子(なにを自然に手を繋いでますのおおおおおおおお!!!) 
 
常盤台女子寮の方へ歩いている 
 
黒子(ん?見送りですの?) 
 
黒子(流石の類猿人も少し人間に進化しつつあるという事でしょうか?) 
 
ほっとしたのも束の間 
女子寮の通りに差し掛かると歩みを止める二人 
何やら話し込んでいる模様 
美琴がなにか提案して上条が否定しているような? 
 
やがて結論がでたのか、二人はまた手を繋ぎ女子寮とは逆の方向へ歩く 
 
黒子(どちらへ行かれるのでしょうか?) 
 
行き先は上条の寮だった 
 
黒子(ふふふ…猿の体内にこの鉄矢を送り込んで差し上げますわ…) 
 
黒い含み笑いを浮かべて空間を渡る

403: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:31:53.67 ID:DaMEOgbB0
部屋の前に到着した時、中から怒声が聞こえる 
 
美琴「人の気持ちも知らないでアンタはああああああああ!!」 
 
黒子(ついに牙を剥いて襲い掛かりましたのね!) 
 
ガチャ 
 
黒子「ジャッジメントじゃああああああああ!!」 
 
黒子「婦女暴行の現行犯で永久にブタ箱行きですの!」 
 
軽く焦げた上条と帯電した美琴と白いシスターと黒衣の神父がいる 
 
美琴「なーんで黒子がここにいるのよ!!」 
 
黒子「いえ…、なんといいますのか…」 
 
美琴「あんたまさか後を尾けてたんじゃないでしょうね!?」 
 
黒子「たまたまですの!たまたまお姉様のピンチに黒子がお助けして二人でムフフな関係に…」 
 
美琴「黙りなさい!」ドス 
 
黒子「グフゥ!ナイスボディです…の」バタ 

404: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:33:24.75 ID:DaMEOgbB0
上条「おい御坂!」 
 
美琴「なによ!?」ビリビリ 

上条「おい電撃やめろ!電化製品が壊れる!」 
 
ステイル「まったく静かにできないのか君達は…」 
 
美琴「うっさいわね!だからなんであんた達がいんのよ!」 
 
禁書「ここはとーまとインデックスのお家なんだよ!」 
 
禁書「短髪こそなんでこんな時間にくるのかな!?」 
 
上条「おいおい、ケンカすんなよお前ら!部屋が散らかるだろ!」 
 
ステイル「その原因は君にあると思うんだけどね」  
 
美琴「とにかくじーっくりと話を聞こうかしらね!」 
 
禁書「とーおおおおまああああああ!!」 
 
ビリビリ ガブ 
 
上条「不幸だあああああああああああああああ!!」 
 
<カミヤンウルサイゼヨ  
壁ドン 
  
 
それぞれが想いを胸に学園都市の夜は更けてゆく 
 
  
 
 

405: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:36:04.01 ID:DaMEOgbB0
>>352 
 
落ち込んでる様な暗い表情をしている日本人の男はロックと名乗り 
今からの航路から船員の紹介をする 
 
上条「なんか日本語が通じるっていいなー」 

美琴「落ち着くわね」 
 
ロック「ロアナプラに住むつもりなのかい?」 
 
上条「ああ、他に俺達を受け入れてくれそうな所がないんだ」 
 
ロック「それもすごいな… 
    まぁ、あの街はなんでも受け入れてくれると思うよ 
    ただ入る側の気持ちしだいで…だけどね」 
 
美琴「なんか含みのある言い方ね」 
 
ロック「俺達みたいな日本人には厳しい現実ってのが、沢山あるのさ」 
 
上条「その厳しい現実ってのは、そこの木箱の中身か?」 
 
中身を見た上条が木箱を指す 
 
ロック「ああそうさ、あの街じゃあんなもんがすぐ手に入るし、住人は当たり前に持ち歩く」 
 
ロック「俺は持たないけどね」 
 
美琴「ロック…でいいかしら?」 
 
美琴は口を開く、ロックは頷き先を促す 
 
美琴「ちょっとお願いがあるんだけど 
   黄金夜会に声掛けれないかしら?」 
 
自分はまともな日本人ではないと思っていたロックだったが 
この二人はもっとまともじゃないと直感した

406: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:37:07.29 ID:DaMEOgbB0
出航してどのくらい時間が立っただろうか? 
二人は外の空気を吸いにでることになった 
船室をでると、操縦しているダッチの後ろでレヴィが寝ていた 
足に包帯が巻かれ、血が滲んでいる 
東京のヤクザの抗争に参加し、ケガを負ったとやり切れない顔でロックが話していた 
 
ダッチ『飛ばしてるから、海に落ちないでくれよ』 
 
インカムから聞こえる 
上条もインカムをつけているのだが、何を言っているのか分からない為、逐一美琴の顔を見る 
 
ガチャ 
 
上条「さっみいいいいいいいいい!!!」 
 
美琴「ううぅー!!さむいいいいいいいい!!」 
 
魚雷艇が海を西へ渡る 
振り返れば遠くに日本が見える 
 
あまりの寒さに、物思いに耽る余裕もなく船室へ戻る 
 
説明のあった航路はフィリピン経由でタイへ向かう予定だ 

407: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:39:08.20 ID:DaMEOgbB0
フィリピンの補給も難なく終わりさらにタイへ 
 
南シナ海沖、交代で休憩を取るものの慣れない船旅で美琴と上条の疲労が見える 
今はレヴィがデッキで見張りをしている 
 
ロック「俺が起きとくから、二人は休んでていいよ」 
 
上条「俺はいいよ、美琴休んでろ」 
 
美琴「うん、おみずのみたい」 
 
レヴィ『へーい、もう何もおきねーんじゃねーか?』 
 
ダッチ『それに越したことはないんだがな』  
 
ベニー『いやー?レヴィ何か見えないか?11時の方向だ』 
 
レヴィ『あん?あーなんか船だな5、いや7隻だ』 
 
双眼鏡を見ながら遠くの船を確認する 
 
レヴィ『っ!!ダッチ!!迂回しろ!』 
 
ダッチ『なんだ!?どーした?』 
 
レヴィ『みんなのお友達アンクル・サムだよ!!』 
 
ベニー『なんでこんなとこにいるんだよ…』

408: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:40:37.73 ID:DaMEOgbB0
インカムで世界最強の大国の艦隊がいることを知り、美琴が体を起こす 
上条は【サムおじさん】というのはなんとか聞き取れていた 
意味するところは分からないようだが  
 
ラグーン号が迂回する 
 
レヴィ『おいこっち来てるぞ』 
 
美琴『恐らくアタシ達が狙いね、都市と交渉する為に沈められるわ』 
 
ダッチ『武器は用意してるが流石にあれは無理だ、蟻じゃ象を殺せねぇ』 
  
デッキに上がる上条と美琴 
肉眼でその姿が丸分かりする距離だ 
サイレンがなり無線に連絡が入る 
 
ダッチ『停船と投降しろとのお達しだよ』 
 
レヴィ『積荷見られて終わりだなこりゃ』 
 
美琴『大丈夫よ、このまま直進して!』 
 
ダッチ『逃げ切れねぇぞ』 
 
美琴『大丈夫だから…』 
 
艦隊との距離1.700、サイレンを鳴らしながらこちらへ向かってくる 
あちらの砲撃射程距離に入っているだろう 
 
美琴「下がってて、巻き込まれるわ」 
 
美琴「当麻も下がってて」 
 
上条は言われるまま美琴から距離を取る 
 
レヴィ「下がるも何もこの船にいる時点でアウトだっつーの!!」 
 
美琴「あいつらに巻き込まれるんじゃなくて、アタシに巻き込まれるって言ってんのよ!」 
 
帯電と同時に海底から砂鉄を持ち上げる  
艦隊からの砲撃を巻き上げた砂鉄と電撃で全て叩き落す 

409: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:42:31.90 ID:DaMEOgbB0
その場に居合わせたロックは後にこう語る 
 
ロック「いや、もう正直無理だと思いましたよ 
    軍艦7隻ですよ?それに比べてこっちは魚雷艇1隻  
    誰が見ても無理だと思うでしょう?でもね…
    やり遂げたんですよ彼女は
    砲撃が始まった瞬間、黒い壁、ああ砂鉄らしいんですけど、それで叩き落して 
    コイン弾いたと思ったらなんかスゴイ衝撃が発生したんです 
    そう、彼女の必殺技、超電磁砲です 
    初めて見ましたよ私、もちろん他の船員もです 
    レヴィなんてポカーンとしてましたし(笑) 彼女のあんな顔はもう見られないでしょうね 
    まぁ話戻しますけど、海面にデカイ水柱が発生してですね 
    護衛艦が数隻巻き込まれて沈んだんですよ 
    あちらも慌てて用意していた対策を講じたんです 
    そう学園都市に詳しい方ならご存知でしょう、キャパシティダウンというヤツです 
    御坂さんもこれには苦笑いでしたね 
    なにせ能力のコントロールなんかが出来ないらしいんですから 
    連れの男性、上条さんでしたっけ?あの方も慌ててましたね(笑) 
    いえ(笑) お二人ともそれまで物怖じしていなかったもので、ちょっと慌てた姿がおかしくて(笑) 
    能力者以外には甲高い音にしか聞こえないんで、ウチのレヴィが対戦車ライフルでスピーカー狙撃したんです 
    あんなデカイスピーカー持って戦場にくるなんて正気の沙汰じゃねぇ(キリッ とか呟いてましたけどね(笑) 
    それからは御坂さんの独壇場でしたよ 
    船へ磁力を飛ばして空を飛び回って、超電磁砲で船底に穴空けて回ってました 
    もう彼女にとって作業みたいなものなんでしょうね  
    私あまり神様なんて信じてないんですが、誰かが神様に祈ってましたね」 
    
旗艦に三発目の超電磁砲を撃ち込む 
 
世界最強の大国が一人の超能力者によって打ち負かされた瞬間であった 
 
ダッチ『…ジーザス……』 
 
 

410: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:45:45.28 ID:DaMEOgbB0
 
 
土御門「ただいまだにゃー」 
 
舞夏「……おかえり」 
 
土御門「舞夏、気分はどうかにゃー?」 
 
舞夏「変わらないよ…」 
 
舞夏「アニキっ…どうしたんだー?その顔」 
 
土御門「舞夏、俺仕事辞めようと思うんだにゃー」 
 
舞夏「なにかあったのかー?」 
 
土御門「んー…、かみやんに怒られたぜよ」 
 
舞夏「それで殴られたのかー?」 
 
土御門「ハハっ!ボコボコにされたにゃー」 
 
舞夏「消毒するぞー」 
 
土御門「ありがとう、ありがとうっ……」 
 
舞夏「アニキー?なんで泣いてるんだー?」 
 
土御門「舞夏…ごめんな…」 
 
 

411: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/12(水) 14:47:30.44 ID:DaMEOgbB0
土御門の義理の妹、舞夏は鬱に掛かっていた 
繚乱家政女学校を卒業した後、休日は無く 
必死にその時その場で主人に仕えていた 
しかしある時仕えた先で性的な暴行を受けてしまった 
未遂に終わり、大事には至らなかったのだが舞夏の信頼という概念が崩れてしまい 
対人恐怖症となった
それを知った土御門は激昂し訴えた 
最初は刑事事件として親告したが、もみ消されてしまい 
自分の妹が辱めを受けた等、友人に相談することもできず 
絶望した土御門は当の主人を殺害し、これ以上不当に妹も自分も蹂躙されることの無い様に人の上に立つ事を決意する 
それが外道の入り口だとも気付かなかった、気付いていたとしても進んで堕ちていただろう 
妹を踏みにじった社会を恨み、二度とこんなことが起きない様に自分が支配しなければと思い込む 
 
ある時、なんの因果か天井の計画を耳にしてしまった 
自分ならやれる、上条当麻と御坂美琴を巧みに操り、いざとなれば何事もなかった様に抹殺できる 
本来の目的はどんどん変わり泥沼の外道へ堕ちていた 
途中で気付いた時もあったが、気付かない振りをして自分にすら嘘をついてきた 
「あの頃のお前はどこに行ったんだ!?」 
上条の声が頭に響く、どこにもあの頃の自分が無かった事に気付かされる 
舞夏に対する想いも、最近は笑いかけた記憶すらない 
部屋に閉じこもって、悲しそうに毎日を過ごす妹をまともに見れなくなって 
それでもひたすら頂点を目指し…… 
上条に話した事が全てならどんなに楽だっただろうか… 
 
「どこで狂っちまったんだ俺達は!!」  
 
土御門(俺が聞きたいぜよ、かみやん) 
 
舞夏「アニキー、聞いてるのかー?」 
 
土御門「ごめんだにゃー、どうしたんだ?」 
 
舞夏「たまには外にでたい」 
 
土御門「そうか外か…」 
 
土御門「なら急いで準備するぜよ!」 
 
土御門「どうせ外にでるなら世界にでるんだにゃー!」 
 
舞夏「おおー、世界旅行かー」 
  
見落としがちな当たり前の幸せを手に 
親友を裏切った罪を背に 
妹への誓いを胸に 
頂点踏破を目指した男は刃を置き学園都市を後にする 

417: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 08:55:50.91 ID:IRNy3UX70
バラライカ達との緊張の一夜から明け、ホテルの一室 
二人はこれからについて話し合った 
・当面マンションを借り、家を建てること 
・家族、友人、知人に連絡をすること 
・上条の英会話教育 
 
美琴「船で危険な船旅と交渉纏まったお礼も兼ねて、ラグーン商会には酒かご飯ご馳走しましょ」 
 
当麻「ああ、そうだなー」 
 
美琴「色んなとこにコネがあるから、仲良くしてて損もないわ」 
 
当麻「レヴィは怖いけどな…」 
 
美琴「最初撃たれちゃったしねアンタ」 
 
当麻「いや、よくよく考えると笑えねーよな」 
 
美琴「日本に連絡したら買出しにもいくわよ 
   当麻先使っていいわよ 
   アタシは親と黒子だけだし」 
 
携帯を渡し上条が隣の部屋へ行く 
あれだけの騒ぎで黒子がまったく関与してこなかったのが気になっていた 
両親は父親が放浪してるし、母親も寂しがるような性質ではないだろう 
自分の安全は気にしてくれるだろうが、好きにしろと言うはずだ 
 
電話が終わったのか上条が部屋に戻ってくる 
 
当麻「ほい、電話サンキュ」 
 
美琴「ん、どうだった?」 
 
当麻「んあー、親父は好きにしろってさ、お前を絶対守ってやれって言ってた」 
 
美琴「ふんふん」 
 
当麻「後、青ピが泣いてたな。なんか土御門が舞夏連れて失踪したらしい」 
 
美琴「……そう」 
 
当麻「……まぁ、どっかで元気にしてるんじゃねーのかな…」 
 
高校からずっとやってきた三馬鹿、デルタフォース時代を遠い目で回想する 
しょっちゅうクロスボンバーを食らってた気がする… 
土御門の件は美琴としても複雑な気分だった

418: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 08:57:40.73 ID:IRNy3UX70
美琴「んじゃアタシも電話してくるわ」 
 
 
忙しいのか父親はでなかった、母親はでたが、ほぼ予想通りの反応だった 
予想を違えたのは、学園都市に対しては本気で怒っていたことだ  
考えて見ればそれが母親として当然の反応だろう 
なんとか収め、侮っていたことを心の中で謝罪する 
 
続いて黒子に電話する 
 
prrrr 
美琴「あ、もしもしーアタシだけど」 
 
黒子『お姉様!今どちらにおいでですの?』 
 
美琴「んー今タイにいるのよ」 
 
黒子『そうですの…、無事ですのね 
   ほっといたしましたわ』 
 
美琴「ごめんね、心配かけちゃって 
   あんた最近何してたのよ?」 
 
黒子『ちょっと体調が優れず、床に伏せておりましたの 
   お姉様の看病をお待ちしていたのですが… 
   一向にお見えにならないどころか 
   上条さんとタイへ駆け落ちなどとは…』 
 
美琴「駆け落ちなんてロマンチックなもんじゃないわ、高飛びよ高飛び」 
 
黒子『……お姉様と上条さんには罪は無い 
   黒子はそう信じておりますの』
 
美琴「もちろんじゃない、まぁ…まったくとは言えないけどね」 
 
黒子『いえ、やむなき行動ですの 
   いつになるやら分かりませんが、必ずこの街にご帰還できるよう尽力いたしますので』 
 
美琴「ありがと黒子、絶対無理しないでよ?」 
 
黒子『そのお言葉だけで黒子は満足ですの 
   たとえ月日が経とうと、国が違えど 
   黒子は美琴お姉様のパートナーですの』  
 
黒子の変わらぬ言葉に涙腺が緩む 
必死に隠そうと堪える美琴 
 
美琴「ありがとう、黒子…」 
 

419: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:01:52.48 ID:IRNy3UX70
黒子『では、成功した暁にはお姉様とめくるめく甘美な夜を…』 
 
美琴「あんたも変わらないわね…」 
 
電話が終わり、涙を拭いて部屋に戻る 
 
美琴「さ、外にでましょうか」 
 
 
白井黒子は病院の清潔なシーツの上で涙を流し嗚咽を上げていた 
 
白井黒子は敬愛するお姉様には言わなかった 
自分が上条失踪の件で暗部に攫われ、薬物投与されたことを 
白井黒子は愛しいお姉様には言わなかった 
事態を知っておきながら、動けなかった弱い自分を 
白井黒子はパートナーのお姉様には言わなかった 
【尽力する】その言葉の詳細を 
これらを言えば必ずお姉様は反対するだけでなく、憤怒し都市に戻ってくるだろう  
そして何より自分を責めるだろう 
黒子はそれが一番嫌だった 
 
涙が収まり電話を掛ける 
相手は婚后光子 
 
prrrr  
婚后『これは珍しい方からお電話だこと』 
 
黒子「非常事態ですので仕方なく、あまり勘違いなさらないでほしいですの」 
 
婚后『…御坂さんのことかしら?』 
 
黒子「そうですの、婚后さんあなた理事会に遠からず縁があったと記憶してますの 
   いずれご自身の意思一つで理事会入りもあるでしょう?」 
 
婚后『ええ…、それがどうかされて?』 
 
黒子「私もそこに食い入らねばならなくなりましたの 
   しばし共闘という形にしませんこと?」 
 
婚后『……御坂さんの学園都市の復帰ね…?』 
 
黒子「ええ…」 
 
婚后『ふふ、ちょうどこの私、婚后光子も同じ事を考えておりましたの』 
 
黒子「では、この話はまた今度」 
 
自分の生きがい、使命が一つ出来た  
必ず自分を曲げぬ様、折れぬ様 
心に鉄矢を打ち込み、後に政界という戦場の奥深くへと身を投じる 
全ては御坂美琴ただ一つの存在の為に

420: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:03:58.05 ID:IRNy3UX70
今日も一日が終わるぜ 
俺?俺の名前なんざどうでもいい 
この悪徳の街ロアナプラじゃ善良な市民に入る人間だ 
仕事が終わってここ、イエローフラッグで一杯やって帰って寝る 
ささやかでチンケな楽しみしか見出せねぇ男だ 
ここで色んな人間の顔や態度、会話を聞いてるとまぁ退屈はしねぇ 
目の前の席に座ってる南米系の男を見る 
気に入った○○を酒場に連れてきて口説こうとしてやがる 
テメェの面と女心がよく分かってねぇな、女が嫌がってるのに気付かねぇ 
腰の得物ちらつかせるもんだから女も尻込みしてらぁ 
男なら股にぶら下がってる得物で勝負しやがれってんだ 
 
おーっとこれは厄介な客が入ってきたな 
ラグーン商会だ 
どこが厄介かってまずは二挺拳銃だ、そして二挺拳銃、極めつけは二挺拳銃だ 
このバカ女はすぐブチキレてドンパチやりやがる 
まさしく厄介ごとの種だ 
ここ、イエローフラッグって酒場もこの女絡みで何度ぶっ壊されてることか… 
店主のバオは逐一数えてるようだがな  
俺みたいな善良な市民は精々巻き込まれて弾が当たらねぇ様に身を低くしてるだけだ 

421: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:05:34.33 ID:IRNy3UX70
あの日本人がいねぇな… 
ちょいと前からラグーン商会に入ったロックって名前だったか 
この街にまったく似合わねぇホワイトカラー野郎だ 
ラグーンは南米野郎の隣のテーブルに陣取ったか 
あいつらはいつもカウンターに行くはずなんだがな 
誰か来るのかもしれねぇ 
頼むからロシアンマフィアとか止めてくれよ? 
俺の憩いの一時が台無しだ 
 
ホワイトカラーが来た 
何やら連れがいるな、見ねぇ顔だ 
日本人の男と女、こんなクソ溜に観光か?  
日本人ってのはホント分からねぇや 
ラグーン達6人は席に着いて注文した様だな 
「今日はアタシの奢りだからじゃんじゃん飲んでちょうだい」 
日本人の女がえらく羽振りがいい 
見た目も極上だ、モデルでもやってんのか? 
連れの男はヒモだなありゃ、ヘラヘラしやがってみっともねえ

422: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:08:20.71 ID:IRNy3UX70
 
「もうちょっと触んないでよ!」 
「いいじゃねぇか商売じゃ触らせる癖によ」 
 
南米野郎がヒートアップしてきやがったな 
女も耐えかねたようだ 
他所でやれってんだ 
 
『おい、止めろよ嫌がってるんじゃないのか?』 
 
……ヒモ野郎が参加しやがったのか?咎める様な口調だ 
頭イってんのかこいつぁ、日本語なんか通じる訳ねぇだろ 
ラグーンの奴らもアホみてえに口空けて見てやがる 
 
「あぁん?なんだてめぇ!?」 
『その手を離せって言ってるんだ』 
「何言ってんだぁ?英語できねーのか? おいラグーン商会!なんだコイツァ!」 
「俺らに言われてもちょっと困るんだがな…」 
「ミコト、お前の旦那が暴走しちまってんぞぉ、○○○○増やされねぇうちに収めてくれや」 
『当麻!揉め事起こさないでよ』 
『俺の勘違いじゃないんだろ?止めるなよ美琴』 
「おい!レヴィ!!店で揉めんな!外でやれ!!」 
「あたしじゃねぇよ!!決め付けんな!!」 
 
なんか騒動の気配だな 
ちと身を低くしとくか 
二挺拳銃の正面にいたら流れ弾が飛んでくるからな 

423: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:09:55.28 ID:IRNy3UX70
『こっちに来い、もう大丈夫だ』 
「あ…///」 
 
女取りやがったバカだろこいつ 
 
「テメェ…舐めんのもいい加減にしろや! おい、お前らこれは俺らのケンカだからな!手出すなよ!」 
 
ラグーンに聞く前に腰のもんぶっ放せよ 
小物じゃねぇか 
 
「あー、あたしらは構わねぇんだが…。ああっもう知らねぇ!」  
 
珍しく歯切れ悪りぃな 
南米野郎が銃を抜いてイカレウニ野郎に向けやがった 
短い人生だったな呪うんなら自分の蛮勇を呪いな 
 
「おいいいい!!店の中でやるんじゃねえええ」 
 
残念だったなバオ、長年ここに通ってるがこれは止められるもんじゃねぇよ 
バン バン 
 
………なんだ? 
弾を右手で止めやがった…だと…? 
 
「なんなんだぁ!?てめぇ…」 
『そんなもんでお前の幻想が守れるのかよ?』 
『そんなもんで他人の幻想踏みにじっていいのかよ!!』 
 
店の中見回せば誰も状況が分かってねぇ 
目の前で見てる俺ですら分からねぇんだからな 
撃たれたってのに、なんか長々と講釈たれてやがる 
 
『~~~~~~~!~~~~~~~!?~~~~~!!』 
『 そ の 幻 想 を ぶ ち 殺 す !!』
バキィ 
 
結局殴るのかよ 

424: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:13:03.90 ID:IRNy3UX70
「クソったれぇ…、じゃあテメェの隣のメス豚をグチャグチャにしてやるぜ!!」 
 
ビリッ バチチッ 
 
「!!」ガタガタ 
ラグーン商会が全員立ち上がった、やる気か? 
 
「おい!ラグーン!!手ぇだすんじゃねーよ!!」 
「いや、あたしらは手は出さねぇよ。席移動するだけだ」 
「ベニーそっちの皿持ってきてくれ」 
「あいよ、ミコト、僕たち奥の席にいるからね、いいかい?奥の席には僕たちがいるからね」 
『ここの店しょっちゅう壊れてるから、程々にしてやってくれよ?』 
 
なんだあいつら…?らしくねぇな… 
 
ビリッ バチバチッ 
……なんか…電気がでてねぇかあの女… 
今日はまだ二杯目なんだがな… 
 
「誰が…メス豚ですってぇ…?」 
「ああん?テメェ以外に豚くせぇ女がいるのかよ!?」 
『美琴?上条さんが悪かったから…ね?みんなと飲んでなさい?ね?』 
『誰がブタだゴルァアアアアア!!!!!』 
『「ぎゃああああああああああ!!」』 
 
ぎゃああああああああああ!!! 
 
 
……目が覚めるとイエローフラッグだった 
寝ていたのか俺は…変な夢を見たぜまったく 
なんだこりゃあ… 
床が焦げてテーブルも椅子もバラバラじゃねーか 
奥のテーブルで夢に出てきた見覚えのある奴らが座ってる 
デジャヴってヤツかこりゃ、不思議体験だな 
なんか体がだりぃなー 
今日はさっさと帰って寝るか 

425: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:15:00.41 ID:IRNy3UX70
 
――――――美琴 ありがとう…―――――― 
 
「おい、御坂」 
 
「御坂!」 
 
上条「おい、しっかりしろ!」 
 
美琴「…うん?」 
 
上条「大丈夫かよ…?ぼーっとしてたぞ」 
 
御坂「ああ、うん大丈夫 
   ちょっと能力使いすぎて疲れただけだから 
   アイツはちゃんと帰れたのかな…?」 
 
上条「帰れただろ、絶対帰ってるさ」 
 
禁書「とーまとーま、お腹すいたんだよ」 
 
上条「ああ、もう昼だな 
   俺起きてからなんも食ってないから腹ペコだ」 
 
ステイル「上条当麻、君は後処理だ」 
 
上条「ああ、全部これで壊していいんだよな?」 
 
ステイル「そうだ」 
 
一方「さて帰りますかね…」 
 
上条「一方通行ありがとな!」 
 
一方「へいへい、疲れたから帰って寝るわァ」 
 
打ち止め「んじゃまたねーってミサカはミサカはあの人に置いていかれないように駆け足!」 
 
美琴「またね、打ち止め」 
 

426: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/14(金) 09:15:29.41 ID:IRNy3UX70
上条「あ、そうだ頼まれた事があったんだ」 
 
美琴「なに?」 
 
上条「謝礼を渡してくれって言われてた」 
 
ステイル「飛んでいった彼からかい?」 
 
上条「ああ、ステイルとオッレルスさんには特にだってよ」 
 
オッレルス「俺は別に気にしなくていいんだけどな」 
 
ステイル「僕もいいんだけど、…まぁあれも上条当麻だ 
     何かしないと気が済まないんだろうね」 
 
オッレルス「そういうもんなのか」 
 
上条「ATM行くからついでに一緒に飯食おうぜ」 
 
美琴「あー、せっかくだけどアタシパスするわ 
   ちょっと横になりたいし」 
 
海原「では僕もパスということで…」 
 
禁書「うなばらは短髪に必死すぎなんだよ 
   ちょっと引くかも」 
 
海原「それは手厳しい」 
 
ステイル「じゃあさっさと行こうか、ここにいても仕方ない」 
 
オッレルス「帰りの土産も買わないと 
      また○○○○に座らされたら堪らん」 
  
 
 
―――――― 一番まともと思われていた人間の変態認定記念日となった ――――――

429: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/15(土) 02:58:58.29 ID:LEkY+PoA0
本編無関係の思いつきのNG短編です

>>174 
 
ぼんやり目を覚ますとそこには男が立っていた 
 
「目が覚めたか…」 
 
上条「ここは…?」  
 
「森ん中だ、お前は倒れてたんだよ」 
 
色々考えることはあったが、目の前に異常が勝った 
男を見る、かなり特徴的な格好をしている 
まるでファンタジー世界の戦士だ 
背中の剣が正面からでも印象に残る 
それは剣というにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。それはまさに鉄塊だった 
  
深とした森にざわめく気配を感じる 
ため息をつき、剣を手に取る男 
 
上条当麻の加速した不幸は止まらない

432: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/15(土) 03:05:10.21 ID:LEkY+PoA0
都市の高速を爆走するスーパーカーが一台 
その遥か後ろには警備員の車両の列だった 
 
麦野「もうちょいスピード落とせ浜面、カーチェイスにならねぇだろォ?」 
 
浜面「なんであえて危ないことしなきゃならんのだ!」 
 
麦野「体が求めてんだよ!!ギリギリのスリルをさ!」 
 
浜面「一人の時にやってくれよ…」 
 
麦野「あぁん?浜面の癖に生意気言ってくれるじゃん」  
 
浜面「あーあー分かりましたよ…」 
 
最初っからそうしろよ、と毒づき前を向いた 
途端に危険信号が全身に駆け巡る 
視界の端に移る……つまりドア窓の外に並走している人間 
否あちらは走っていない、220キロの速度でこちらの目線の高さを飛んでいた 
表情の無い女が右手をこちらにかざす 
 
麦野「車止めろはまづらああああああああ!!!」 
 
浜面がハンドルを切り、そのまま失神する 
 
麦野「くっ…っそ!!」 
 
意識が飛ぶのを耐え、助手席からハンドルを掴み停車させる 
 
車から出ると表情の無い女が地に足を着けこちらを眺めている 
 
麦野「最悪の相手だ…クソったれ」 
 
LEVEL4の学園都市の災厄と呼ばれる女 
人格的には無害らしいが、その能力が厄介極まりない 
任意の範囲の大気、酸素窒素二酸化炭素など等 
瞬時に手のひらに収縮し暴風を放つ 
先ほどの様に運が悪ければ、人体の肺からも瞬時に吸い取るので身構えないと即失神する 
人が即死した様に倒れる様から忌々しい二つ名で呼ばれている 
元来はLEVEL0だったらしいが自分だけの現実の意味を理解した瞬間に驚異の昇格 
自分だけの現実を引き出す為に能力使用時に感情を消さなければならず、それ故LEVEL5昇格を見送りになっている 

434: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/15(土) 03:06:02.02 ID:LEkY+PoA0
麦野(マジで厄介なんだけど…) 
 
手のひらを向けられる 
 
麦野(ちっ!!) 
 
ドン! 
 
弾ける暴風、恐らく砲弾の様な形状だったのか、着弾後に暴風を巻き起こしたようだ 
曖昧な表現なのはそれが不可視の攻撃の為だ 
 
麦野(ちょっと痛い思いしてもらうよ!!) 
 
ヴィン! 
 
麦野が原子崩しの光条を放つ 
空に回避され、また大気圧縮を受ける 
 
麦野(くぅっ!!) 
 
こうも呼吸を乱されると演算に集中が裂けない 
 
麦野(…短期決戦で行くしかねぇな) 
 
狙いを定め集中する 
 
今度は波状に放出しているようだ 
路面がなぎ払われていく 
風の余波を受けながらも回避し 
 
麦野「[ピーーー]クソったれがぁぁああ!!」 
 
特大の電子線を放つ  
食らえば跡形もないだろう 
回避の為に地上に降りてくるが… 
 
着地点に麦野が走る 
 
麦野「ブチコロシ確定だ!メス豚ああああ!!」 
 
鉄拳がみぞおちに埋まる 
 
カハっと短い呼吸を吐き出し地に落ちる 
 
麦野「ハァ、ハァ…。まだまだ現役でイケるわねあたしも」 
 
黄泉川「そーこまでじゃん」 
  
いつからいたのか警備員に包囲されていた 
 
麦野「はぁー、結構暴れられたからいいよもう」 
 
両手を挙げ降参だとポーズを取る 
 
黄泉川「そういってくれるとこっちの仕事も早く済むじゃん」 
 
黄泉川「一応詰所に来てもらうぞ」 
 
麦野「はいはい…、連れ起こしてくるわ」 
 
<オラバカヅラオキロ  
ゲシゲシ  
 
<イタイイタイ   
 
黄泉川「ほら、あんたも足止めご苦労じゃん」ペシペシ 
 
「うぅん」 
 
黄泉川(しっかし派手にやったじゃんよ…。誰が後始末すんだこれ…) 
 
黄泉川は荒れた路面と遠くで上がっている煙を眺め心でぼやく

435: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/15(土) 03:07:36.26 ID:LEkY+PoA0
 
レヴィ「あー、なんかすることねーのかぁ?」 
 
エダ「教会に何しに来てんだ二挺拳銃 
   そこの素敵な男に祈りでも捧げてろよ」 
 
レヴィ「そりゃこのウニ頭か?それともあっこで磔にされてるダンディか?」 
 
エダ「おっさんの方だ、ウニに祈っても得にならねぇだろバカ」 
 
上条「お前ら最初から俺のことそんな風に話してたのか…?」 
 
レヴィ「うっせーウニ、神様の施しだもっと飲めよ」 
 
エダ「あんま飲ませるなよ二挺拳銃 
   雷様が山から降りてくんぞ」 
 
レヴィ「おめーが服引ん剥いてシャメ送るからだろうが色ボケシスター」 
 
上条「俺も酔ってて覚えてないんだよなー」 
 
レヴィ「うっせー、グラス空けてから喋れってんだ」 
 
バン 
 
上条「いって!撃つなよバカ!危ねぇだろ!!」 
 
エダ「便利な手だなしかし」 
 
バン 
 
上条「だから痛てーっつの!! 
   体に当たったらどうすんだ!!」 
 
エダ「あたしらがそんなヘマするわけないだろ?」 
 
レヴィ「んじゃ外した方が負けにするか?」 
 
エダ「いいねぇ、負けたら100ドルな」 
 
上条「やめろ!!俺で遊ぶな!!」 
 
ドン 
 
上条「いてえええええええええ!!!」  
 
ヨランダ「誰が礼拝堂で銃を撃ってんだい?」 
 
エダ「二挺拳銃です」 
 
レヴィ「おいおい!テメーも撃ってただろ!!」 
 
上条「あ、動かない…」  
 
「「「えっ?」」」 
 
上条「壊れたっぽい…ハハ不幸だ」  

436: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/15(土) 03:08:21.88 ID:LEkY+PoA0
 
美琴「なんで注文した資材受け取りに行くのに暴力教会に用事があるのかしらね…」 
 
上条「いや…、たまたまレヴィに見つかって足代わりされまして…」 
 
美琴「なんでお酒くさいのかしら…?」 
 
上条「エダが一杯付き合えってうるさいんで…シカタナク」 
 
美琴「なんで一杯付き合って右手壊して帰ってくるのよアンタはああああ!!」ビリビリ 
 
上条「ヨランダ婆さんに言ってくれえええ!!!」 
 
美琴「まったく…そこに置いときなさい 
   後で直しとくから」 
 
上条「ゴメンナサイ」 
 
美琴「ああ、次これバラライカに渡してきてちょうだい」 
 
上条「ハイ」 
 
美琴「すぐ帰ってくるのよー」 
 
上条「ガンバリマス」 
 
 

437: ◆p8ZVZv/DdIC6 2011/01/15(土) 03:10:07.83 ID:LEkY+PoA0
カチャカチャ パカ  

美琴「…?なにかしらこれ」 
 
美琴「画像データ…?設計図か」 
 
美琴「流石美琴さんね気が利くじゃないの」 
 
美琴「これ…」 
 
設計図とは違う画像データ 
マンションの一室で撮られた集合写真 
上条を中心に顔を赤くして並ぶ若い上条と美琴 
そして懐かしい顔達に笑みを浮かべ 
望郷が湧き出し視界が滲む 
 
美琴「あっちのアタシも幸せそうじゃない!」 
  
 
    
      おしまい