2: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:22:38.58 ID:sKddKYDO
承太郎「…俺がボーカル?」の続きです
需要ないだろうけどある程度書き溜めたんで


通学路!

承太郎「……」スタスタ
「……」スタスタ
「…!」トンッ
「誰だッ!」

律「よっ!ジョジョ」

澪「おはようジョジョ」

承太郎「…お前らか」

律「何だよ~。私達じゃ不満か?」

承太郎「そういう訳じゃないが…」

澪「それにしても久しぶりだな。春休み会わなかったし」

承太郎「…そうだな」

律「あっ、前にいるの梓じゃね?おーい梓!」

梓「律先輩。それに澪先輩に承太郎先輩も。おはようございます」

澪「おはよう梓」

紬「みんな~!」パタパタ

律「おう、ムギじゃん。おはよ」

梓「おはようございます、ムギ先輩」

澪「おはようムギ。キーボード重そうだな」

紬「ううん、これぐらい平気よ」

承太郎「…行くか」スタスタ

引用元: 承太郎「…俺はボーカル」 



けいおん! highschool (まんがタイムKRコミックス)
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3: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:25:06.51 ID:sKddKYDO
校門!

紬「そういえば唯ちゃんには会わなかったわね」

梓「寝坊してるんじゃないですか?」

律「…梓、リアルすぎる」

承太郎「…音楽室から音が聞こえないか?」

澪「本当だ…ギターの音?」

律「行ってみるか!」スタスタ

音楽室!

ドア ガチャッ

唯「おぉ~、かっこいい!」グルングルン

律「…何してんだ、唯?」

唯「あ!みんな~。おはよう!」
「実は新歓ライブにむけて新技考えてたんだ~」

梓「それにしても早いですね。寝坊してるとばっかり思ってました」

唯「いやー、実は時計見間違えちゃって」

律「遅刻するよりマシじゃん」

澪「そうだ、みんな揃ったし朝練でもしていかないか?」

梓「いいですね!やりましょう!」

紬「承太郎君、喉は大丈夫?」

承太郎「ああ、大丈夫だ」

律「よし、それじゃあやるか!」

4: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:26:39.68 ID:sKddKYDO
~~~♪

承太郎『君を見てるといつもハートDOKI☆DOKI♪』

澪(…すごく久しぶりにジョジョの歌声聞くな…)

律(…やっぱこの声じゃなきゃダメだな)

ジャカジャーン♪


承太郎「…たまには朝練もいいもんだな」

梓「そうですね」
「そういえば私、春休みにいろいろCD聞いたんですけど…」
「何か物足りなかったんですよね」

紬「それ私も思ったわ」

律「ボーカルの違いだろうな」

澪「そうだな。うちのボーカルはジョジョだし」
「ずっとジョジョの声聞いてたら物足りなくなるかもな」

唯「承太郎君プロ顔負けだね♪」

梓「そうですね。私達も頑張らないと」

承太郎「…ふん」

律(…なんとなーく分かる。こいつ地味に喜んでやがる)

梓「あ、私そろそろ行きます」

ガチャッ

律「私達も行くか」ガタッ

6: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:30:46.80 ID:sKddKYDO
掲示板前!

律「うわっ、すごい人だな~」

紬「これじゃ見えないわね…」

唯「よし!私見てくるよ!」

承太郎「その必要はないぜ」ジッ

律(…でかいのっていいな)

承太郎「…全員同じクラスだ」

澪「良かった…」シクシク

律「これぐらいで泣くなよ…」

教室!

唯「みんな!和ちゃんも同じクラスだよ!」

澪「……」

和「仕組まれたみたいにみんな揃ったわね」
「それより澪、どうしたの?」

律「和、澪の席の後ろ見てみろ」ボソボソ

和「あ…」

花京院「…」レロ

和「…本当に全員揃ったわね」

ガチャッ

さわ子「はーい、みんな座って」スタスタ

律(…まさか)

さわ子「私はこのクラスの担任の山中さわ子です。みんなよろしくね」ニコッ

律(担任さわちゃんかよ!)

7: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:32:13.23 ID:sKddKYDO
さわ子「挨拶はこれぐらいにして、体育館に移動しましょ」

廊下!

唯「あ、桜だ!」ヒョイ
「帰りに集めよっと」

体育館!

『校歌斉唱』

承太郎「澄ーみーしー青ーぞーらー♪」

姫子(歌うまっ!)

教室!

唯「ふんふ~ん♪」

花京院(…今は平沢さん一人か)チラッ
(今ならいけるかもしれない…)
(平常心だ…平常心でいくんだ花京院ッ!)

花京院「ご機嫌だね、平沢さん」

唯「ヒイッ…!」ビクゥ
「いえ…桜があと一つで1ダースだなぁ、なんて…」

花京院「…そうか。じゃあ僕は生徒会に行くよ」

唯「あ、はい…」ホッ

花京院(…泣いてもいいかな)

8: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:33:01.87 ID:sKddKYDO
音楽室!

唯「やっぱり部室は落ち着くね~」グテッ

律「春休み中何回も部室行きたいって思ったよ」

梓「私もです!」

律「そして新学期といったらやる事は一つ!」

梓「新入部員の勧ゆ

承太郎「…お茶じゃないのか?」

梓「承太郎先輩真面目にしてください!」ブー

承太郎「…真面目だ」

律「おい…」
「勧誘に行くぞ!」

中庭!

唯律紬「軽音部でーす!」

スタスタ

唯「なかなかビラ受け取ってくれないね…」

梓「…それより何で私豚なんですか」

唯「軽音『豚』だよ!」

梓「意味わかりません…」
「それと承太郎先輩今年も入りきってませんね…」

承太郎「サイズがないんだ。仕方がない」

律「…戻るか」

9: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:34:24.12 ID:sKddKYDO
音楽室!

唯「どうしようりっちゃん…これじゃ来年あずにゃん一人になっちゃう」

律「うーん…」
「!」ピコーン
「ジョジョ、ちょっと来い!」

廊下!

律「澪のやつさ~」スタスタ

承太郎「…そうか」スタスタ

一年生1「~じゃない?」スタスタ

一年生2「そうだね…キャッ」ドンッ

律「あいてっ!」ドサッ

一年生2「すみません…大丈夫ですか?」

承太郎「田井中ッ!大丈夫かッ!?」

律「か…肩を…やられた……」ゲフッ

承太郎「…おい、どうしてくれるんだ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

一年生「え…」ビクゥ

承太郎「…二人とも少し来い。話がある」

一年生「…はい」トボトボ

律承 ピシガシグッグッ

梓(あの二人最悪だァァァアアアアアッ!)

10: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:35:01.32 ID:sKddKYDO
音楽室!

承太郎「…入れ」ガチャッ

一年生「…はい」

鍵 ガチャリ

一年生(鍵ッ!?)ガクガク

承太郎「それで話だが」

バンッ

唯律紬「軽音部へようこそー!」

一年生「え…?」

唯「座って座って~」

紬「お茶とお菓子があるわよ♪」

澪「みんな、そこまでだ!」
「ごめんな、帰っていいよ」ガチャリ

一年生「はいッ!」ダダダダ

澪「律、ジョジョ…話は梓から聞いたよ」
「お前らはやりすぎだよ。軽音部のイメージが悪くなっちゃうだろ?」

律「…でも…やっぱり新入部員欲しいし…」

澪「…イメージ悪くなったら本当に来年は梓一人になっちゃうぞ?」

律「それは…」シュン

承太郎「…みんな、すまなかった」

梓「…いいですよ。私のためにやってくれたって分かってます」
「それはすごく嬉しいんですけど…」
「これからは正攻法でいきましょう?」ニコッ

承太郎「…ああ」

唯「よし!みんな、今度の新歓ライブ頑張ろう!」フンス

11: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:35:41.38 ID:sKddKYDO
新歓ライブ前日!

ガチャッ

さわ子「みんなやってるー?」

律「お、さわちゃん。どうしたの?」

さわ子「あなた達明日の新歓ライブ何着て歌う?」

律澪梓「制服でいいです!」

さわ子「ミニスカフリルメイドー♪」

承太郎「制服だッ!!」ドドドドドドドドドド

さわ子「似合…ブフォッ…似合うの…に…」プルプル

ガチャッ

唯律澪紬梓「いらっしゃいませ!」

和「何?衣装合わせ中?」

律「何だ和か~」

和「明日の新歓ライブなんだけど曲順とか決まった?」

承太郎「ああ。これだ」ピラッ

和「わかったわ。明日楽しみにしてるわね」

ガチャッ

唯「そうだ!私達のバンド名決めようよ!」

澪「いきなりどうしたんだ?」

唯「だって毎回『軽音部』って紹介されるの何か嫌だもん」

律「それもそうだな」
「よし、何か考えるか」

12: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:36:07.41 ID:sKddKYDO
澪「ぴゅあ☆ぴゅあとか…」

律「んー、ジョジョ、何かない?」

澪(シカトかよ…自信あったのに)

承太郎「…SEA STARSなんかどうだ?」

梓「SHE STARS?『彼女は星達』…ですか?」

紬「何だかロマンチックね♪」

承太郎「違うな…」

律「じゃあどういう意味だ?SISTERSで『姉妹達』か?確かにうちは仲いいけど…」

承太郎「…それも違う。意味は『ヒト…

律「却下!」

承太郎「…」

唯「それにしても決まんないね~」

さわ子「まだ悩んでるの?そんなの適当でいいのよ。うーん…」
「!」ピコーン
「これでどう!?」カキカキ

『放課後ティータイム』

澪「…いいんじゃないか?」

紬「そうね。素敵だわ」

律「よし、決まりだな!」

唯「私和ちゃんに伝えとくよ!」

律「そうだ!部室用の乾燥ヒトデに…」カキカキ
「『HTT』っと」

梓「今日から新生軽音部始動ですね!」

律「名前変わっただけだけどな」ハハッ

承太郎「さあ、後は明日の新歓だッ!」

13: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:38:12.21 ID:sKddKYDO
新歓ライブ当日の音楽室!

承太郎(中野はあの時の演奏を聞いて入部してくれた)
(今年も中野と同じ気持ちになるやつがいるはずだ)

律「どうした、ジョジョ?」

承太郎「…今回のライブ絶対に成功させるぞ」

梓「承太郎先輩…」

律「言われなくてもそのつもりさ」

紬「みんな、時間よ。いきましょう」

澪「みんな、このライブに懸けよう!」

唯律紬梓「おーっ!」グッ

体育館!

承太郎「…」ポンポン

承太郎『新入生、よく入学した。歓迎する』

律(おめでとうぐらい言えよ…)

承太郎『俺達は軽音部だ』

パチパチパチパチ

さわ子(あーあ…絶対似合うのに)

~~~

唯澪律紬梓承「ちょーかわいいー♪」

~~~

さわ子(…)ブフォッ

生徒(え…?)

承太郎『俺達軽音部は6人で活動している』
『ちなみに、つい先日バンド名が放課後ティータイムに決定した』
『名前の通り放課後はお茶なんかしてるが、やる時はやる』

梓「…」ウンウン

14: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:38:37.84 ID:sKddKYDO
承太郎『それに、みんなで音楽をやるのは悪くない』
『だから…』

唯澪律紬梓『ぜひ軽音部へ!』

パチパチパチパチ

承太郎『じゃあまず一曲目だ』
『私の恋はホッチキスッ!』

体育館前!

憂「早く早く~!」

純「もう始まってるかな~?」

ガチャッ

承太郎『ふわふわたーぁいむ♪』

唯「…」グルングルン

ジャカジャーン♪

ワーパチパチパチパチ

音楽室!

律「今回のライブは最高だったな!」

澪「唯と梓のギターの絡みも良かったし」

梓「本当ですか!?」

澪「ジョジョもいつも以上に声がはってたしな」

紬「その二人は力を使い果たして突っ伏してるけど」

梓(唯先輩はともかく承太郎先輩のあんな姿初めて見る…)
(…私のためにあんなになるまで頑張ってくれて)

梓「…承太郎先輩」

承太郎「…何だ」

梓「ありがとうございます」ペコリ

承太郎「…礼はいい」
「同じ放課後ティータイムとして俺にできる事をやっただけだ」

15: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:39:03.44 ID:sKddKYDO
梓「そう言うと思ってました」ニコッ
「先輩方もありがとうございました」ペコリ

律「いいってことよ♪」

紬「そうよ。承太郎君の言う通り仲間なんだから」

梓「そう…ですね」フフッ

澪「さあ、新入部員を待とう!」

数日後の音楽室!

梓「…来ませんね」

澪「まあ、まだ時間あるし…」

梓「すみません、トイレ行ってきますね」

ガチャッ

承太郎「…しかしここまで来ないとはな」

唯「変だね~。入りやすくしといたのに」

ガチャッ!

梓「唯先輩に承太郎先輩!これ片付けて!」ハァハァ

律(…カエルの置物がウエットスーツ着てやがる)

承太郎「いいと思ったんだが…」

唯「ケチケチ~」

16: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:39:28.72 ID:sKddKYDO
また数日後の音楽室!

澪「今日も来ないな、新入部員…」

紬「何でだろ…」

律「何か悪いことしたか?」

承太郎「待つんだ。どうにかなる」

唯「ん…」キョロキョロ

律「よしっ、じゃあ次の作戦考え

澪「絶対にダメだからな!」

唯「私しばらくこのままでもいいな」

澪律紬「え?」

梓「…」スタスタ

唯「今はこのままでいいよ」

梓「え…」ガチ…

唯「こうやってみんなと部室に集まって。今あずにゃんはいないけど」
「お茶飲んで、練習して、演奏して」
「…ずっと6人で」

律「…そうだな」
「よし、一年で何とかするか!」

17: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:40:25.96 ID:sKddKYDO
さわ子「あなた達、一年って短いわよ?」

承太郎「…お前が言うと説得力あるな」

さわ子「…それはどういう意味かしら?」

唯「ところでムギちゃん、今日のおやつは!?」

紬「はい、どうぞ~♪」

唯「わぉ!みんな何味がいい!?」
「あ、あずにゃんはバナナだと思うからとっておいてあげて」

紬「はいみんなお茶。承太郎君はコーヒー」コトッ

承太郎「…悪いが琴吹、紅茶に替えてくれ」

紬「いいけど、どうして…」
「…なるほど!すぐ持ってくるわね♪」

梓「…」クスッ

ガチャッ

梓「…」スタスタ

唯律「ブフォッ」

唯「ごめんごめん!すぐビラ配りに行くから…」バタバタ

18: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:40:50.55 ID:sKddKYDO
梓「ムギ先輩、私ミルクティーください」

唯「え…」ピタッ

梓「あとバナナケーキも」
「私、今年まではこの6人でやりたくなりました」

唯「あずにゃん…」

澪律紬 ニコッ

承太郎「…」ズズッ
(…紅茶もいいもんだな)


唯「あずにゃん!」バッ

梓「唯先輩」クルッ
「これからはもっと厳しくいきますからねっ」

唯「…え?」

梓「はい、ギター出して」

唯「……え?」
「やっぱ新入部員CA-MOOOOOOOONッ!」

19: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:41:36.01 ID:sKddKYDO
数日後の放課後の教室!

紬「…」キュッキュッ

律「ムギ、部室いこーぜ!」

紬「まだ日誌届けないといけないから先に行ってて?」

澪「あれ?ムギ今日日直だっけ?」

紬「ううん。本当は唯ちゃんだけど…」

唯「…」スースー

承太郎「昼からずっとこのままだ」

和「何回も起こしてるけど起きないのよ」
「ほら唯、起きなさい」ユサユサ

唯「今日は日曜だよ憂~」ムニャムニャ

律「何て奴だ…」

澪律紬承和「!」ピコーン

澪律紬和「唯(ちゃん)、ケーキだぞ(よ)」

承太郎「平沢、ヒトデだぞ」

律「いや、それで起きるのお前だけだから」

さわ子「田井中さん」スタスタ
「あら花京院君、さようなら」

花京院「……」ペコリ

律(もう花京院の事は気にしてないのか…大人だな)

20: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:42:43.42 ID:sKddKYDO
さわ子「あなた達、前に貸した着ぐるみ返してくれない?」

律「ああ、それなら確か音楽室の物置に…」

さわ子「それと、あなた達花京院君の事誤解してるわよ」
「彼、生徒会も一生懸命やってるし真面目だし。ねえ、真鍋さん?」

和「そうですね。彼には助けてもらってます」
「…多分あの時は彼なりに盛り上げようとしてくれたんでしょうね」

さわ子「そうね」
「という事で花京院君と仲良くしてあげてね」

澪「確かにあの時は花京院君あまり私達と関わりなかったし…」

紬「輪に入れ込む事が出来なかった私達にも非があるわね…」

律「大丈夫ださわちゃん。任せとけ!」

承太郎(…良かったじゃねーか、花京院)フッ

さわ子「それを聞いて安心したわ」
「それじゃあ音楽室に行きましょうか」

律「ジョジョ、唯頼む」

承太郎「ああ」ガシッ

花京院典明―再起可能―

21: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:43:27.92 ID:sKddKYDO
音楽室の物置!

さわ子「何これ…」

澪「すみません…」

律「えーっと、確か着ぐるみはここに…あった!ジョジョ取ってくれ」

承太郎「…やれやれ」グイッ

ドサドサ

承太郎(何!?段ボールが落ちてきやがった!)
(チッ…仕方ないな)

承太郎「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」

律(段ボールが見るも無惨な姿に…)

唯「んー…何の音…?」パチクリ

澪「やっと起きたか」

紬「ねぇ澪ちゃん。物置の掃除した方がいいんじゃないかしら」

澪「それもそうだな…よし、今日は大掃除をしよう!」

さわ子「そう。じゃあ私は失礼するわ」

ガチャッ

律(逃げやがった…)

22: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:44:12.90 ID:sKddKYDO
ガチャッ

梓「みなさんこんにちは。って何ですかこれ…」

承太郎「今日は大掃除だそうだ…」

律「さあ、今日は張り切って練習するぞ!」ドサッ

唯「そうだねりっちゃん!目指せ武道館だよ!」

承太郎「サインの練習をしておくか」

澪「…そこまで掃除したくないのかよ」

律「大体ここの掃除は音楽室の掃除当番がやってくれるんじゃないんでちゅか!?」ブー

唯「しょうだしょうだーっ!」ブー

澪「こんなに私物ばかりの所を掃除させるわけにもいかないだろ」

梓「というより私物しかないです」

律「おっしゃるとおりですね!」

唯「私のケロ~…」

承太郎「物を置くから物置なんだろう?」

澪「いいから真面目にやるぞ!」

23: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:44:49.10 ID:sKddKYDO
紬「コーヒーセットどうしようかしら…」

承太郎「…俺はずっと紅茶でいいぜ」

紬「そう♪じゃあ持って帰ろう」

律「しかし高そうなのばかりだなー」

唯「これいくらぐらいするの?」

紬「値段は分からないけど…」
「ベルギー王室で使ってたのと同じだとか」

唯「王室…」ポトッ

ヒューッ

承太郎「!」ガシッ

律「え?」

承太郎「オラァ!」ブンッ

律「おやめになってぇぇえええ!」ヒューン!

パシッ

承太郎「…ティーセットは無事か」

律「…ジョジョ、話がある」

承太郎「…今手が放せないんだ」

律(…お前今まで掃除さぼってたじゃねえか)

大掃除終了後!

梓「すみませーん!何か出てきました!」

律「おお!高そうなケース!」
「金目のものは…」ガチャッ

澪「ギターだな」

梓「古いけど結構いいギターかも…」

24: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:45:23.31 ID:sKddKYDO
ガチャッ

さわ子「あら、懐かしいわね」

梓「え?これ先生のですか?」

さわ子「そうよ…」
(ってカビ臭っ!)

さわ子「もう私使わないから売ってきてくれないかしら?」
「お金は部費の足しにしていいから」

唯「おぉ~!太っ腹ぁ!」

承太郎「…確かに太っ腹だな」

さわ子「…承太郎君、どこ見て言ったのかしら?」

承太郎「何のことか分からないんだが」

律「まあまあ、さっさと売りいこーぜ」

道路!

スタスタ

律「いやぁ、男手があるといいな~」

紬「ごめんね承太郎君…」

承太郎「…別にこれぐらい構わないさ」

澪「なあ、みんな」

唯「どうしたの?」

澪「部室に棚があったら便利じゃないか?」

梓「そうですね。棚なら部費で何とかなりそうですし」

律「じゃあ見に行くか!」

25: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:45:50.18 ID:sKddKYDO
ホームセンター!

紬「ここがホームセンター…」キラキラ

唯「どうしたのムギちゃん?」

紬「私ホームセンター来たの初めてなの~♪」
「何でも揃ってるのよね!?」

律「まあ、ある程度は…」

紬「行きましょう!」スタスタ

唯「私も行くー!」スタスタ

日用品売り場!

紬「まあまあまあまあ!」キラキラ
「見て!壁に開いた穴を塞ぐペンだって!」

梓「はい!」ニコッ

紬「こっちは古雑誌を簡単にまとめるテープ♪」

梓「そんなに珍しいですか?」

紬「うん!」

唯「ちょっとちょっと!」

ネジとか工具売り場!

唯「見て見て!すごいネジ!」

梓(唯先輩もですか…)

唯「見て見て!何かかっこいい!」メギャン
「ズッギューン!」カチッ

ドリル「ギュルギュル」

梓「何ですかそれ…」

唯「電動ネジ回し!」メギャン
「バーン!バーン!」カチッカチッ
「はい!二人は死にました!」

承太郎「…死んだのは中野だけだぜ」
「俺はギリギリのところで避けた」

梓(承太郎先輩まで…)

26: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:46:17.89 ID:sKddKYDO
唯「何をーっ!」カチッカチッ

承太郎「オラオラァ!」カチッカチッ

梓(承太郎先輩…二丁拳銃…二丁ドリルだ…)

唯「ぐはっ!」ドサッ

承太郎「…行くか」

梓「…そうですね」

唯「あーっ!待ってよー!」

レジ!

澪「はい。ありがとうございます」ピッ

律「さわちゃん何て?」

澪「部室に置いていいってさ」

律「じゃあ明日の放課後に学校に届けてもらうか」カキカキ

澪「そういえば唯達は?」

律「そこらへんにいるだろ」

澪「あ、ムギが来た」

紬「お待たせ~♪」ガサガサ

律「買いすぎだろ…」

ペット売り場!

梓「…」ジッ
「亀?…スッポン?」

唯「あずにゃん何見てるの~?」
「あ!かわいいスッポンだね~」

梓「かわいい?ていうかスッポンなんですか?」

承太郎「…スッポンモドキだ」

梓「承太郎先輩いつの間に!?」

承太郎「それより楽器屋に行くぞ」

27: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:46:58.03 ID:sKddKYDO
楽器屋!

律「やっと着いたなー。お疲れジョジョ」

梓「お疲れさまです、承太郎先輩」

唯「助かったよ承太郎君!」

澪「ありがとな、ジョジョ」

紬「本当お疲れさま承太郎君♪」

承太郎「……」
「早く売りに行くぞ」スタスタ

律「っと!待ってくれ承太郎!」

承太郎「…何だ」

律「今レジにギター持ったでかい男が行ったろ?澪がビビってるんだ」

澪「…」ブルブル

承太郎「…仕方ないな」

レジ!

大男「頼む」ゴトッ

店員「あの…どういったご用件で…」ビクビク

大男「売YYYYYYYYYYYYYYY!!」ドドドドドドドド

店員「は、はいっ!少々お待ちを!」ブルブル

少し後!

律「…帰ったみたいだな」

梓「結構満足そうな顔してましたね」

承太郎「行くぞ」スタスタ

28: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:50:26.02 ID:sKddKYDO
レジ!

承太郎「…」ゴトッ

店員「ヒイッ…」ガクガク
(一体今日は何なんだ…)

律「あのー、それ売りたいんですけどー」

店員「かしこまりましたっ!少々お待ちください!」ガクガク
(何て災難な日なんだ…静かなる人生を送りたいのに…)

少し後!

店員「査定お待ちのお客様ー!」

唯「はいはーい」

店員「こちらのギターですが…5じ

承太郎(1、2、3、4、5、6)サッサッサッサッサッサッ

店員(何で人数数える仕草するんだ…)
(もう泣きたい…)
「ろ…60万円で買い取らせていただきます…」

唯澪律梓「60万!?」

承太郎(桁を読み間違えたか…4桁だと思ったんだが)

マックスバーガー!

律「しかし60万かー」モグモグ

澪「どうするんだ、こんな大金?」

律「そうだなー、部費の足しにしろって言ったし…」
「6等分するか?」

29: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:51:14.85 ID:sKddKYDO
梓「でも…」

律「ほら、10万だぞ~」ヒラヒラ

梓「私欲しいエフェクターあったんですよね~…」

承太郎「…金は俺に預からせてくれ。田井中だと不安だ」

律「どういう意味だよ!」ブー

澪「確かに…じゃあジョジョ頼むな」

承太郎「…ああ」

帰り道!

承太郎「…悪いが用事を思い出した」

唯「えーっ!」

律「そのお金使うんじゃないだろうな?」ニヤッ

澪「そんなわけないだろ!」ゴン

律「あいてっ!」プクー

紬「じゃあ承太郎君、気をつけてね?」

承太郎「ああ」

30: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:51:45.26 ID:sKddKYDO
梓「お疲れさまでした」ペコリ

唯紬「じゃーねー!」フリフリ

澪律「じゃあな!」フリフリ

承太郎「…ああ」スタスタ
(…悪いな、お前ら)

翌日の放課後の音楽室!

棚 ドッシリ

澪「きれいに収まったな…って」

ケロ「…」チラッ

澪「…唯」

唯「はいっ!」ビクッ

梓「私物は持って帰る約束でしょう!?」

唯「だって昨日持って帰ったものの他にこんなにあるんだよ!?」
「これ以上持って帰ったら憂に怒られるよぉ…」

律「姉の威厳なしだなおい…」

ガチャッ

さわ子「やっほー♪」

澪律「ヒイッ!」

さわ子「棚はいい感じね」

唯澪律紬梓承「…」

さわ子「どうしたのよ?人が声かけてるのに」

律「…」ソロソロ

承太郎「…」ガシッ ポイッ

律「…ですよねー」ドサッ

31: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:52:21.61 ID:sKddKYDO
さわ子「それで昨日のギターどうだった?」

律「え!?えーと!」

梓「た、確か…」

澪「結構古くて…50年ぐらい前のらしくて」

さわ子「へぇー」

唯「あれー!?てことは、さわちゃん50代でいらっしゃる!?」

承太郎「なるほど。確かに時が経つのは早いな」

さわ子「あぁん!?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

承太郎「!」
(何だこの威圧感…スゴ味かッ!)

さわ子「それでいくらしたの?」

律「……」
「い…1ま

承太郎「6000円だ」

澪(ジョジョォォオオオ!!)

梓(う…生まれついての悪だァァァアアアアア!!)

32: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:53:00.98 ID:sKddKYDO
さわ子「やっぱそんなもんかー」
「そうだ、買取証明書ちょうだい」

律「えっ!?」

さわ子「部費に計上しておくから当然でしょ?」
「まさか貰って来なかったの!?」

律「いや、あの…」

さわ子「…承太郎君、ポケットから出てる紙何?」

承太郎(しまったッ!)
(こうなったら…)
「オラァ!」ブォッ

律「ぐへっ」モグ
(何で私ばっかり…)

澪(く…食わせた!?)

さわ子「…出しなさい」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

承太郎「…飲み込むんだ」ドドドドドドドドドドド

律(なんつー状況だよ…)モグモグ
(さわちゃんにも脅される…)モグモグ
(ジョジョにも脅される…)モグモグ
(挟み撃ちの状況だな…)モグモグ

33: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:53:48.57 ID:sKddKYDO
さわ子「…そうね、こうしましょうか」
「これから私と承太郎君でポーカーをするわ」
「私が勝てば買取証明書を見せて」
「承太郎君が勝てば見せないでお金は好きなように使っていいわ」
「レイズは…私は一回で1万円」
「承太郎君はそうね…部員なんてどうかしら?」

承太郎「…どういう意味だ」

さわ子「言葉の通りよ」
「承太郎君が負けた場合、レイズした人は私の下で働いてもらうわ」

梓(…この人本当に先生なのかな)

承太郎「…」

唯「承太郎君!私達は大丈夫だよ!」

紬「ええ!承太郎君が勝つって信じてるわ!」

澪「頑張ってくれジョジョ!」

梓「承太郎先輩なら大丈夫です!」

律「んーんー!」モゴモゴ

承太郎「…お前ら」

さわ子「…」フフッ
「さあ、どうする?」

承太郎「…やってやるぜ!」

34: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:54:45.17 ID:sKddKYDO
机!

さわ子「じゃあ澪ちゃん配って」

澪「はい…」サッサッ
(ジョジョ…)チラッ

承太郎「…」

さわ子「…5枚揃ったわね」

承太郎「…」ペラッ
(キングが3枚にスペードの3、5…スリーカードか)
「1枚チェンジ」
(…ダイヤの3ッ!勝ったッ!!)

梓「…先生、手札見ないんですか?」

さわ子「…」

承太郎「…おい、お前ら」

唯「私達の気持ちはさっき言ったよ」ニコッ

承太郎「…そうだったな」
「…レイズだ…全員な」

さわ子「コール」ドドドドドドドド

澪律紬梓「えっ!?」

唯「?」

承太郎「今何と言った?『コール』と聞こえたが」

さわ子「ええ、言ったわ」

承太郎「ふざけるなッ!手札を見てもいないのになぜ勝負するッ!?」

さわ子「…めんどくさいわね。財布全部賭けるわ」ドサッ

承太郎「何ッ!」
(何なんだこいつはッ)
(全然読めないッ)
(カードに何か細工したのか!?)
(…しかし俺はフルハウスだ)
(そうそう負けること…)

35: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:55:24.84 ID:sKddKYDO
さわ子「…承太郎君」

承太郎「…何だ」

さわ子「今諦めれば軽音部のみんなの事は無効にしてあげる」
「その代わりあなたが犠牲になるだけ」

承太郎「クッ…」
(フルハウスだ…負けるはずがないッ!)
「勝負…」チラッ

唯澪律紬梓「…」ハラハラ

承太郎「…すまないみんな」バラッ

唯澪律紬梓「え…」

承太郎「…ドロップだ」
「…やはりお前達を賭けることなんかできないぜ…」

澪律「ジョジョ…」

唯紬「承太郎君…」

梓「先輩…」

さわ子「…終わりね。ついでだし私の手札見せてあげる」ピラッ

律「…ブタだ」

さわ子「あら本当ね。危なかった~」ヘナッ

澪「本当に分からなかったんですね…」

さわ子「当たり前じゃない!私は超能力者じゃないし」
「…そうそう、買取証明書は」

律「…はい」ベチャッ

さわ子「ウゲッ…」
「…何々…50万円!?」

36: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:56:19.50 ID:sKddKYDO
梓「え!?60万円じゃ…」

さわ子「いいえ、ほら」

紬「本当…50万円になってる」

澪「でも何で…」

律「…いろいろあったんだろ。な、ジョジョ?」

承太郎「…ああ」
(さすがに10万は返さないとな)
「…それに、すまなかった」

律「いいんだよ、お前はよくやったよ」

梓「そうですよ!承太郎先輩だからあそこまで耐えれたんです!」

唯「私なんてルールもわかんないし」デヘヘ

澪「私達を自分を犠牲にして守ってくれたしな」

紬「うん。ありがとう、承太郎君」

承太郎「…お前ら」

さわ子「んー、あなた達の友情に免じて一つだけ何か買ってあげる!」

澪「ジョジョは…」

さわ子「残念だけどそれはダメね。承太郎君が自分で決めたことだし」

承太郎「…秋山、先生の言う通りだ。分かってくれ」

澪「…うん」

さわ子「じゃ、みんなで話し合って決めてね」

37: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:56:54.48 ID:sKddKYDO
承太郎「…おい、この手いつか使わせてもらっていいか?」

さわ子「別にいいけど…賭けはしないでね?」

承太郎「…わかってるさ」

ガチャッ

放課後の帰り道!

律「欲しい物一つかー」

澪「ジョジョ、何かない?」

承太郎「みんなで使える物だな」

梓「それがまたないんですよね…」

紬「明日までにみんな考えときましょうか」

翌日の3年2組!

律「何か決まったか?」

澪「これといっては特に…」

唯「ねぇ承太郎君。あずにゃんがペット売り場で亀見てた時どう見えた?」

承太郎「…欲しそうに見えなくもなかったが」

唯「だよね!?」
「みんな!あずにゃんに後輩作ってあげようよ!」

翌日の放課後の音楽室!

亀「…」スイスイ

梓「…何です、これ?」

唯「新入部員のココ・ジャンボちゃんだよ!」

紬「先生に頼んで買って貰ったの。よろしくね♪」

梓「へぇー」

38: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:57:23.21 ID:sKddKYDO
律「あれ、微妙な反応…」

唯「え…?」

澪「梓がこの亀好きだって唯が言ってたんだけど…」

唯「あずにゃんこの亀欲しそうに見てたんだもん。ね?承太郎君」

承太郎「ああ」

梓「…見てたのは唯先輩じゃないですか」
「私はただこの亀変な顔だなって…」

唯「えー…」ヘナヘナ

梓「でも何で急に…」

承太郎「お前後輩がいなかっただろう?」

紬「寂しいんじゃないかって思って…」

梓「…フフッ」スタスタ
「こんな早とちりで飼われちゃ迷惑だよね?」コンコン

ココ「…」コクッ

梓「大丈夫。私がちゃんと面倒みるからね」

唯「私も見るよ!」フンスッ

梓「唯先輩には無理ですよ」

唯「そんなことないもん!」

律「…しかしさわちゃんやるなー」

39: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:57:51.79 ID:sKddKYDO
澪「やるって?」

律「ジョジョの事だよ」
「まさか命令が『音楽室までココちゃんを運べ』で終わるとは…」

承太郎「それは本当に意外だったな」

律「ま、今回はジョジョの本音聞けて良かったな」ニヤニヤ

澪「…もしかしたら最初からこういう予定だったのかもな」フフッ

承太郎「…やれやれ」

数日後の音楽室!

ココ「…」スイスイ

唯「か、かわいい…」

紬「澪ちゃん、まだ怖い?」

澪「怖いというか…まだかわいいって思うには…」

承太郎「…名前を呼んでみな」

澪「え?…ココちゃん」

ココ「なあに、澪ちゃん?」バシャッ

澪「かわいいかも…」
「ていうか唯、声あてるなよ…」

唯「でへへ~」

律「もうドラムやだぁーっ!」

承太郎「そうか。よし、練習するぞ」

律「話聞いてくれよ…」シクシク

梓「承太郎先輩、話聞いてあげましょう」
「一体どうしたんですか?」

40: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:58:21.11 ID:sKddKYDO
律「みんな、これを見ろ!」

紬「これ…一年生の時の学園祭ね」

梓「あ、私見ました。確か最後に承太郎先輩が…」

澪「ちょっと梓!///」カァッ

律「ドラムのとこ見てみろ!」

唯「うわっ、暗いね」
「でも、おでこは明るいや」

律「やかましいッ!」

梓「端っこだからライトが当たらないんですね」

律「去年の新歓まではまだ良かった…」
「でもこれを見ろ!」

澪「去年の学園祭…」

唯「あ!承太郎君後光がさしてるよ!」

律「そうだ!梓の加入でジョジョが私の目の前に来たから…」
「ジョジョが神々しくなったんだよ!」

承太郎「…それでお前はどうしたいんだ?」

律「…他のパートやりたい」

澪「お前がドラムやらなかったら誰がやるんだよ!?」

律「…ジョジョ」

澪「ドラム&ボーカルかよ…」

梓「ロマンティックが止まりませんね…」

承太郎「…ボーカルやってみるか?」

律「いいのか!?」

41: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:58:47.58 ID:sKddKYDO
紬「でもドラムは…」

承太郎「楽器隊だけで録音したものがあっただろう?」

梓「探してきます」

ちょっと後!

梓「ありました!」
「準備はいいですか、律先輩?」

律「17番、ふわふわ時間」

梓(のど自慢?)
「じゃあいきます」ポチッ

ジャカジャカ♪

律「君を見てるといつもハートDOKI☆DOKI♪」
「揺れる想いはマシュ

キーンコーン

唯「お疲れさまでした~」

律「早すぎだろ!」
「しかも鐘二つって地味にへこむぞ…」

唯「だってぇ~」

澪「…唯の気持ちはわからなくもないな」

律「どういう意味だよ!」

梓「私達の今までのボーカルを思い出したら答えは出てくるかと…」

律「…すみませんでした」

42: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 08:59:51.56 ID:sKddKYDO
翌日の昼休み!

唯「みんな~!ご飯食べよ~!」

律「ほら、ジョジョもこっち来い!」

承太郎「…仕方ないな」

花京院「…」スタスタ

承太郎「おい花京院」
「弁当持ってどこ行くんだ?」

花京院「…ト…」
(危ないッ!ごまかすのにいい場所は…)
「…屋上だよ」

紬「花京院君も一緒に食べない?」

花京院「!」
「…いや、遠慮しておくよ」スタスタ

和「行っちゃったわね…」

唯「ねえみんな…」

屋上!

花京院(ここはカップルが沢山いるから嫌なんだが…)
(屋上と言ったからには屋上にいないとマズい…)

カップル ペチャクチャ

花京院(カップルに囲まれての一人飯ぐらい怖がらなくていいじゃあないか花京

?「だーれだ!」バッ

花京院「!」
(何だッ!?いきなり目の前が真っ暗になったッ!)
(それにこの声は…)

花京院「…平沢さん?」

43: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:00:21.89 ID:sKddKYDO
?「残念!正解は…」

律「りっちゃんでした!」パッ

唯「声は私だけどね!」

紬「まんまとひっかかったわね♪」

花京院「わかるわけないじゃないか…」

唯「そこはこう超能力で…」

花京院「残念だけど僕は超能力は使えないんだ」
「ファンタジーやメルヘンの世界じゃあないからね」
「…それにしてもなぜここに?」

和「今日は天気もいいし」

唯「そうそう、絶好のピクニック日和だよ♪」

律「屋上で食うだけだろ…」

承太郎「…食うか」ドサッ

紬「花京院君、隣いいかしら?」

花京院「構わないが…」

紬「ありがとう♪」スッ

花京院「…ごめん、少しトイレ行ってくるよ」

トイレ!

花京院(何でみんな優しくなったんだ…)
(…僕をはめようとしてるのか?)

44: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:00:58.05 ID:sKddKYDO
承太郎「花京院」

花京院「承太郎…」

承太郎「…いい奴らだろう」

花京院「…僕をはめようとしてるんじゃあないのか?」

承太郎「お前にはあいつらがそんな事するように見えるのか?」
「…もしそうなら俺はお前の頭を心配しなくちゃならねー」

花京院「…いや、その心配はいらない」

承太郎「…そうか」
「遅くなったな、戻るぞ」

花京院「…ああ」

承太郎「それとな、花京院」
「人の誘いは無下にするもんじゃあねーぜ」

花京院「…そうだね」

また屋上!

承太郎「遅くなった」

唯「本当だよ~」
「私お腹ペコペコなのに~」

律「これから食えるだろ」

和「それじゃあみんな、いただきましょう」

花京院(…みんな待っててくれたのか)

唯律紬和「いただきまーす!」

澪「イタダキマス…」ボソッ

承太郎「秋山が元気ないようだが?」

45: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:01:28.84 ID:sKddKYDO
律「それがさー」
「『ジョジョ以外の男の人がいるから緊張するー』だとさ」

澪「ちょっ、律!」

承太郎「やれやれ…」

ワイワイガヤガヤ

花京院(…あの承太郎がずっと軽音部にいる理由)
(…今日分かった気がする)

和「そろそろ時間ね。戻りましょうか」

唯「今日は楽しかったね~♪」
「また明日も一緒にたべようね!?」キラキラ

花京院「…」チラッ

律「澪も一緒に食いたいってさ」
「な、澪?」

澪「ウン…」コクリ

花京院「…ありがとう」

承太郎「…」フッ

花京院典明―再起―

46: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:02:26.49 ID:sKddKYDO
放課後の音楽室!

律「今日はキーボードやる!」

紬「あらあら♪」

唯「輝けりっちゃんシリーズまだ続いてるの?」

律「やっぱ輝いてないとダメかもしんない!」

梓「…え?」

律「さわちゃんを見ろ!」
「担任になってからずっとキラキラしてるだろ!?」

さわ子「うっふ~ん♪」

承太郎「…保健室に行ってくる」

さわ子「…待ちなさい」ギロッ

梓「また始まった…」

律「私もキラキラしたい!」

澪「それで今日はキーボード…」

律「…」ポチッ

キーボード「ピンポーン」

唯「『ピンポーン』だって!」

承太郎「お前楽譜は読めるのか?」

律「…」ポチッ

キーボード「答える必要はない」

唯「『答える必要はない』だって!かっこいい!」

47: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:03:30.84 ID:sKddKYDO
澪(…ある意味ドラムより向いてるんじゃないか?)
「ムギも迷惑…」

紬「わぁ~…」キラキラ

澪「…でもないか」

紬「私のキーボードが喋ってる~♪」

律「…」ポチッ

キーボード「低血圧っぽい話し方するけど気にしないでね フ~」

澪(低血圧なのかよ…)
(ていうかため息もついたぞ…)

律「キーボードはいろんな音が出て面白いなぁ」

紬「新しい曲のイメージがどんどん湧いてくる~♪」

梓「…逆にどんな曲か聞いてみたいです」

承太郎「田井中、ベースはやらないのか?」

澪「ベースはダメだ!」
「ベースは私…ベース以外はやりたくないし…」
「低くて深い音色とか、目立たずにみんなをささえてるとことか…」
「飛び出しすぎないように、陰でみんなをささえてる」
「そんなベーシストになりたいって…」

48: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:04:04.95 ID:sKddKYDO
律「知ってるよ。だから手出さないんじゃん」

承太郎「…流石は幼なじみだな」

律「小学校から一緒なだけだけどな」

澪「…語りすぎた」プシュー

梓「私澪先輩のベース大好きです!」

紬「うん、私も!」

唯「りっちゃん、私に任せといて!」

律「…何をだよ」

翌日の中庭!

カメラマン「それじゃあ並んでくださーい」

さわ子「みんな、背の順で並んでね」

澪(端っこがいい…)

紬「澪ちゃんの隣にしよっと♪」

承太郎「…お前ら俺の前か」

澪「そうみたいだな」

律「失礼しまーす!」ドンッ

承太郎「…」ドッシリ

律「う、動きやがらねぇ!」
「ああああああああああ!」ヒュー

ドサッ

和「何やってんのよ律…」

49: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:06:11.23 ID:sKddKYDO
唯「花京院君確保っ!」

花京院「大丈夫なのかい、勝手に動いて…」

紬「いいのよ♪」

律「お願いします、承太郎さん!」
「どうか私に場所を…」

承太郎「身長はどうするんだ」

律「それは…」

承太郎「!」
「いい考えがある。上るんだ」

律「上ったぞー」

承太郎「息を吸っておけ」

律「え?」

承太郎「…」ガシッ ヒョイ

律(く、首が…苦じ…)プランプラン

承太郎「2mはあるな。良かったじゃないか」

唯「この二人って仲いいよねー」

澪「確かに…」

カメラマン「じゃあいきます。はい、チーズッ!」

パシャッ

50: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:06:44.09 ID:sKddKYDO
放課後の音楽室!

唯「りっちゃん、私考えてきたよ!」

律「何を?」

唯「演奏中にもっとコミュニケーションをとるんだよ!」
「いくよみんな!」
「ジャカジャカジャンジャンジャカジャンジャカジャン!」クルッ

澪紬梓承 クルッ

律(ゲッ…)
(何か怖えーよ…)

唯「これでバッチリじゃない!?」

律「唯、私別にそんなつもりじゃ…」

唯「りっちゃん!一人で悩んじゃダメだよ!」

律「あの…悩んでないんですけど…」

承太郎「だそうだ。放っておくぞ」

律(あ、何かそれはそれで寂しい…)

51: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:07:12.79 ID:sKddKYDO
唯と梓と承太郎の帰り道!

唯「りっちゃん、きっと悩んでるよ。ストライクだっけ?」

承太郎「…スランプか?」

梓「よく分かりましたね…」

唯「だからきっと違うことやりたいんだよ」
「だから私は二人の後ろでドラム叩くよ」

梓「それはダメです!」

梓「唯先輩は私の目の届くとこにいてください!」

承太郎「とりあえず平沢、お前は考えすぎだ」

夜の律の部屋!

律「暇だな~…澪にメールでもするか」

《私りっちゃん。今あなたの後ろにいるの》

ブーッブーッ

《お前は壁に埋まってるのか》

律(家の前にしとけば良かったか…)

ブーッブーッ

律(ん?誰だ…ジョジョ!?)パカッ

《お前がドラムをやらなかったら俺のバックライトはどうなる》

律(…不器用な奴だな~まったく)フフッ
(…そういえば最近ドラム叩いてないな)
(今までは毎日毎日叩いてたっけ)
(スティックと雑誌…)
(…)ダムダムダムダム
(やっぱおもしれー!)
(そうだ…)

52: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:07:56.60 ID:sKddKYDO
《ありがとな、ジョジョ》

律(送信っと…)ポチッ
(あいつが私の気持ちを思い出させてくれたな…)

ブーッブーッ

《中野達は秋山の事ばかり褒めてたが、俺はお前のドラムも悪くないと思うぜ》

律(ジョジョ…)

音楽室!

律「じゃーん!やっぱドラムだよなー!」

澪「やっぱりそうだと思ったよ」

律「ライトが当たんなくても、ジョジョを神々しくさせてても」
「やっぱり私にはドラムしか

唯「うん!やっぱりドラムはりっちゃんだよ!」
「それに私りっちゃんのおかげで分かったよ」
「同じバンドでも、見える風景も考える事も違うって」

梓「だけど演奏してるとみんな一つになるんですよね」

律「私な、みんなの背中見ながら、みんなの音を聞きながらドラム叩くの…」
「大好きだっ!」ニコッ

紬「あのー、私もりっちゃんのおかげで新曲できたの」
「りっちゃんが私のキーボード喋らせてくれたから♪」

澪(マジかよ…)

53: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:08:32.84 ID:sKddKYDO
唯「聞かせてー!」

ポロポロン♪

紬「ふーんふふーん♪」

律「いいな!」

梓「どうやったらあれからこんな曲が…」

承太郎「この曲、琴吹の弾き語りなんてどうだ?」

澪「いいかも…」

律「じゃあ澪、歌詞頼むな~」

紬「あ、あのね!曲のタイトルだけは決めてあるの!」

梓「何ですか!?」

紬「ハニースイートティータイム♪」

梓(真面目に本当に何でこんなタイトルがあれから浮かんだんだろ…)

承太郎「俺達らしいんじゃないか?」

澪「そうだな」フフッ

少し後!

唯「ラスクにハチミツって合うね~♪」

律「何でも組み合わせっちゅーかコンビネーションっちゅーか」

54: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:09:00.75 ID:sKddKYDO
梓「あ、口の周りにハチミツついてますよ」

唯「拭いて拭いて~」

梓「自分で拭いてください!」

律「お前らいいコンビだな~」

唯「そう?えへへ~」

梓「律先輩も承太郎先輩といいコンビですよ」

律「ジョジョはみんなと仲いいだろ~?」

承太郎「お前以外とはな」

律「何だとぉ!?」
「お前とのコンビなんてこっちから願い下げだ!」

承太郎「手間が省けて助かった」

律「ふぅーん。そんな態度とっていいのかなー?」
「昨日のメール見せちゃおっかなー?」ニヤニヤ

承太郎「!」
「くそッ!」

唯「メールって何!?」

律「実は昨日ジョジョがなー」

承太郎「おい田井中ッ!」

55: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:09:32.92 ID:sKddKYDO
澪「本当仲いいな…」

梓「妬けちゃいますね」フフッ

紬「あら、梓ちゃん浮気?」

梓「浮気もなにもないんですけど…」

律「おいジョジョ~、そんなに怒るなよ~」

承太郎「……」

律「ほら、私のラスク一つやるから」

承太郎「…今回だけだぞ」モグモグ

律(…最初っから誰にも見せる気ねーよ)フフッ

修学旅行初日の新幹線!

律「いぇーい!旅行旅行♪」

澪「律、座席の上であぐらかくな」

唯「はしたないよりっちゃん!」
「はい、おすそわけ~」

承太郎「まつたけの里か。わかってるじゃないか平沢」

花京院「ごめんよ平沢さん。僕はつくし派なんだ」

律「わかってるな、花京院!」

澪「何の派閥だよ…」

56: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:10:11.47 ID:sKddKYDO
紬「はい、澪ちゃん。お茶~」

澪「ありがとうムギ」

律「そうだ、みんなで写真撮ろうぜー!」

さわ子「こら!あなた達!危ないから座りなさい!」

承太郎「秋山が写真撮ると聞かないんだ」

澪「私を売るな!」

唯「さわちゃんも来なよ~」

紬「先生~♪」チラッ

さわ子「…今回だけよ」

和(お菓子でつったわね…)

律「じゃあこれ頼むな」

姫子「はい、チーズ!」

パシャッ

承太郎「…すまないな。これをやる」

姫子「ありがとう」
(開封済み『おっとっと』だ…何か一種類足りないような)

57: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:10:46.46 ID:sKddKYDO
唯「みんな!富士山だよ!」

律「ほんとだ!でっけぇ~…」

澪(やれやれ…)

修学旅行の少し前の日!

澪「え?和と花京院君一緒の班じゃないの?」

花京院「5人で一つの班だからね」

和「軽音部でまわった方が楽しいでしょ?」
「新幹線は席が隣だから大丈夫だと思うけど…」
「その後…唯のことよろしくね」

澪「少し待ってくれ!」

和「何よ?」

澪「…寝る部屋は?」

和「あなた達だけ行動班と変わらないわね。空条君と一緒よ」

澪「大丈夫なのか…?」

花京院「平沢さん、田井中さん、琴吹さんが一生懸命先生にお願いしていたよ」
「合宿も無事だったし、最後の修学旅行だからって」

和「許可を貰ったって聞いたときは空条君も少し嬉しそうだったわ」

花京院「入学当初からは考えられないな、今の承太郎は」
「これも君達のおかげだよ」
「ありがとう」

58: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:11:34.39 ID:sKddKYDO
澪「そんな…」
「そうだ!私さわ子先生にお礼言ってくる!」バタバタ

花京院「…いい仲間を持って羨ましいものだな」

和「あら、あなたには生徒会があるじゃない」

花京院「…そうだね」フフッ

戻って新幹線内!

承太郎「秋山、撮ってくれ」

律「…おい、私と全身被ってるんだけど」

唯「承太郎君とツーショットだね♪」

澪「…」
「…仕方ないな」ニコッ

和(…澪)

京都!

唯「着いたー!」

澪「これからどう行くんだ?」

紬「えっと…バスに乗って…」

律「金閣寺やで!」

澪「やで?」

律「そうやで!関西だから関西弁しか使っちゃいけないゲームやで!」

承太郎「…やれやれやで」ボソッ

紬「じょっ…承太郎君…フフッ」プルプル

59: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:12:00.70 ID:sKddKYDO
金閣寺!

唯「みんなー!あったよー!」

バタバタ

澪「すごいな!ピカピカだ!」

唯「ねぇねぇ、あれって本当に金でできてる…ん?」

律「そうだぜ…やで」
「持って帰ろうなんて思わない…思わんことやな…」

紬「金閣寺ってな、昭和25年に燃やされてもうて」
「今あるんは新しく建て直されたものなんやって」

唯澪「お~」パチパチ

承太郎「…すごいじゃないか」

紬「ふふっ、ありがとう♪」

律(か、関西弁のスケールで負けた…)

和菓子屋さん!

承太郎「おい、お茶とお菓子がもらえるぞ」

律「よし、飲んでくか」

澪「いつもの放課後と変わんない…」

唯「それじゃあ飲もっか」

紬「あ、聞いた話だとね、お茶会とかで抹茶をいただくときには」
「先にお菓子を食べてから抹茶をいただくんですって」

60: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:12:35.70 ID:sKddKYDO
澪「ムギって何でも知ってるな」

承太郎「…日本人的というか、日本のことをよく知ってるな」
「見直したぜ」モグモグ

紬「ありがとう♪」

北野天満宮!

和「あら、あなた達」

律「ここって有名なところなのか?」

花京院「ここの神様は学問にご利益があるらしいね」

承太郎「お宮に牛がいるだろう?」
「その牛の頭を撫でると頭が良くなるらしいぜ」

唯律「よーしよしよしよし♪」ナデナデ

和(ものすごく罰が当たりそうね…)

さわ子「こらー!」

承太郎(…ここまで上手くいくとはな)

絵馬を書くところ!

律「みんな同じ絵馬に書くか」カキカキ

澪「何て書こう…」

少し後!

唯「あとは承太郎君だけだね。はい」

承太郎「…願い事なんかないんだが」ジッ

61: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:13:05.97 ID:sKddKYDO
律『武道館進出』

唯『生涯満腹』

澪『志望校合格』

紬『志望校に受かりますように』

承太郎「…」
「…そうだな」カキカキ

律「何て書いたんだ?」

承太郎「やかましい」ムスビムスビ

唯「高すぎて見えないよ~」

承太郎「見なくていいさ」

澪「ちょっとぐらいいいだろ」

承太郎「見なくてもいいものを見た奴はこの世にいてはならねー」「…意味わかるか?」

澪「…はい」

少し後!

花京院「ん?承太郎達の絵馬か。何々…」
「…昔の承太郎はどこに行ったんだろうな」フフッ

承太郎『こいつらの願いを叶えてやってくれ』

62: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:14:17.04 ID:sKddKYDO
その頃の3年2組!

憂梓純「失礼しまーす」

憂「お姉ちゃんの机は…あった!」

梓「まさか弁当箱忘れるなんてね」

純「ねぇねぇ、澪先輩の席ってどこ?」

梓「確かそこだったと思う」

純「…」トサッ
「おぉ~、何か大人になった気分!」

梓「気のせいだから安心して」

純「…ですよね」
「ん?机の中に『引け』?」スッ

梓「あっ!勝手に出したら…」

純「…」ブルブル

憂「どうしたの?」
「あ…」ブルブル

《このラクガキを見て》
《うしろをふり向いた時》
《おまえらは》
《死ぬ》

梓(…律先輩と承太郎先輩の満足そうな顔が目に浮かぶ)

63: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:18:05.52 ID:sKddKYDO
ホテルの唯達の部屋!

唯「疲れた…」グテッ

律「早く着替えろよ。ジョジョが待ってる」

紬(枕は…あった!柔らかいし大丈夫!)

みんなの着替え後!

澪「まだご飯まで時間あるしお茶でも飲むか」

承太郎「…暇だな」

唯「何か遊ぶもの持ってくれば良かったよ」

律「トランプならあるけど…」

紬「それならこれしない?」
「人生当てもんゲーム♪」

唯「じゃあお菓子食べながらしよっか」

律「さんせー♪」

夕食会場!

瀧「田井中さん達もう食べないの?」

律「…少し休憩中」

唯「承太郎君よく食べれるね…」

承太郎「…別腹だ」モグモグ

64: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:19:10.33 ID:sKddKYDO
夕食後の唯達の部屋!

澪「それじゃあもうそろそろ消すぞ」

紬「ふん!ふん!」モフモフ
(枕は大丈夫!よし…)
「えいっ!」ブンッ

唯「うわっ!」バフッ

澪「…え?」

承太郎「やったのは琴吹だぜ」カチカチ

紬「それっ!」ブンッ

澪「ちょっ!ムギゅ…」バフッ

律「枕投げだな!よ~し!」

ガラッ

澪「ヤバい!」

和「やってるわね」

花京院「おじゃまさせてもらうよ」

瀧姫子風子あかね「おじゃましま~す」

律「みんな枕持参でどうしたんだ?」

花京院「承太郎に呼ばれてね。枕投げするんだろう?」

和「それを花京院君から聞いて、部屋の人を連れてきたの」
「空条君はあまりこの子達と関わりないのよね?」

承太郎「…ああ」

瀧姫風あ「空条君よろしくね~♪」

律(ヤバい!キレるッ!)

承太郎「ああ。よろしく頼む」

65: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:19:32.80 ID:sKddKYDO
律(…あれ?)
「…ジョジョ、よくキレなかったな」ボソボソ

承太郎「…毎日お前らと一緒にいたら嫌でも慣れるさ」ボソボソ

律「それはそれは…」
(何か微妙な気持ちだな…慣れるぐらい騒がしいのか?)

唯「それじゃあ枕投げ大会初め

バフッ

和「唯、戦争はもう始まってるのよ」キラーン

澪(生徒会長がノリノリだァァアアアッ!)

律「くらえジョジョっ!」ブンッ

承太郎「オラァ!」ビシュッ!

澪(一人だけ効果音が違う!?)
(…ジョジョの投げた枕、律の枕にぶつかるな。相討ちか…って!)
(律の枕ごともっていったァァアアアアア!)

律「ちょ…これヤバ…」

メメタァ

田井中律―再起不能―

66: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:20:15.44 ID:sKddKYDO
澪「り…律が…」バフッ

風子「よそ見しちゃダメだよ♪」

澪「やったなー!」ブンッ

カキョウインクンアタリスギー …クウジョウクンゼンブタタキオトシテル ワイワイガヤガヤ

唯「花京院君すごいボロボロだね~」ハァハァ

紬「どれぐらい当たったの?」ハァハァ

花京院「君は今まで食べたパンの枚数を覚えているのかい?」ハァハァ

澪(いや、当たりすぎだろ…)

唯「承太郎君は何回当たった?」ハァハァ

承太郎「まだ一発も当たってないな」

姫子「こうなったらみんなで一斉に投げよう!」ハァハァ

花京院「それしかないか…」ハァハァ

あかね「じゃあみんな行くよ!せーのっ!」

ブンッ

承太郎「…全員顔面狙うとはな」
「避けてくださいって言ってるようなもんだぜ」ヒョイ

67: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:20:51.97 ID:sKddKYDO
ガラッ

さわ子「ちょっとうるさ

唯「私達の投げた枕が描く放物線はさわちゃんへの架け橋だァーーッ!」

さわ子「…」バフバフバフッ
「…何をしてるのかしら」

承太郎「見てわからないか?枕投げだ」

さわ子「それぐらいわかるわよ!」

承太郎「お前が聞いたんだろう」

さわ子「早く部屋に戻って、あなた達も田井中さんを見習って早く寝なさい!」
「ほら早く出て!」

ピシャッ

ガラッ

花京院「おじゃまします」

姫子「私達の戦いはこれからだ!」

紬「よしきた~!」

ア、リッチャンオキタ リベンジダジョジョ! オラァ! グヘッ マタリッチャンキゼツシタ

68: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:22:16.66 ID:sKddKYDO
深夜!

澪「…もうみんな帰ったし消すぞ」

唯「いいよ~」

カチカチ

シーン

承太郎「…」ムクリ

カチッ

澪(あ…豆球…)

律「…」
「とおうるるるるるるるるん」
「とおうるるるるるるるるん」

唯紬「…」プルプル

承太郎「…もしもし」

唯澪紬「ブフォッ」

翌日の自由行動時間!

澪「私達の班は最初に嵐山だな」

紬「それじゃあバスで行こっか」

嵐山!

律「おお!人いっぱいだな!」

唯「お店もたくさんあるよ!」
「あっ!モンキーパークだって!」

承太郎「…興味ないんだが」

69: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:23:00.45 ID:sKddKYDO
紬「海ばっかりじゃなくて、たまには山もいいわよ?」

唯「ねぇ、行こうよ~!」

承太郎「…やれやれ」

モンキーパークの頂上!

唯「すごーい!これ全部京都!?」

澪「いい景色だな」

紬「ねぇみんな」
「あそこの休憩所で猿に餌をあげれるみたいなんだけど…」

休憩所!

紬「…」ソッ

猿「ウキッ」パッ

紬「わっ!」

承太郎「そんなに怖がらなくても大丈夫だ」ソッ

猿「ウキッ!」ヒョイ モグモグ

承太郎「ほら、やってみろ」

紬「うん…」ソッ

猿「ウキッ!」ヒョイ モグモグ

紬「あっ…できたぁ♪」

承太郎「…頑張ったじゃないか」

紬「うん!怖くなかった♪」

70: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:25:04.21 ID:sKddKYDO
お土産屋!

唯「そうだ。あずにゃんに何か買っていってあげないと」

澪「そうだな。一人で留守番だし」

律「やっぱ京都らしいものがいいよな」

承太郎「清水焼とかか?」

律「…女子高生が清水焼もらって嬉しいと思うか?」

紬「無難に八つ橋かしら…」

唯「あ!いいことおもいついた!」

夕方の京都!

澪「そろそろ時間だし帰るか」

承太郎「帰りは電車にしないか?バスは狭い」

澪「それもそうだな。電車にするか」

律「よし!駅はこっちだ!」

スタスタ

しばらく後!

律「…あれ?」

澪「迷ったのか…?」

承太郎「……」ドドドドドドドドドドドド

律「まっ、迷ってない!」

71: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:26:23.38 ID:sKddKYDO
唯「あっ!この犬すごい!」

犬「…」クチャクチャ

唯「この匂いは…」
「みんな!この犬コーヒーガム噛んでる!」

澪「…やれやれ」

それなりに後!

和「あらみんな」

澪「和だ!助かった…」

花京院「駅へはどう行けばいいのかな?」

律「マジかよ…」

風子「地図的にはこの道で正しいんだけど…」

紬「和ちゃん達に着いて行きましょう」

またしばらく後!

唯「…同じところに戻ってきちゃったね」

律「…」

花京院「どうしたんだい、田井中さん?」

律「とおうるるるるるるるるん」

和花風姫瀧あ「えっ…?」

唯澪紬(まさか…)プルプル

律「とおうるるるるるるるるん」

承太郎「…もしもし」

唯澪紬和花風姫瀧あ「ブフォッ」

72: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:27:00.24 ID:sKddKYDO
ホテルの夕食会場!

唯「ご飯に間に合って良かった~」

さわ子「本当よ。心配かけさせないでね」

律「…」

澪(まさかまたかよ…)

律「ブーッブーッ」

唯澪紬和花風姫瀧あ(え…?)

承太郎「…何回もかけてくるな」

唯澪紬和花風姫瀧あ「…フフッ」プルプル

澪(マナーモードかよ!)プルプル

和(ちゃんと場所をわきまえてるのね…)プルプル

夜の唯達の部屋!

澪「今日は大人しく寝

ガラッ

姫子「どうも~♪」

あかね「来ちゃった♪」

澪(唯達以上の問題児かもな…)

紬「みんなは眠くないの?」

和「眠くないから来たのよ」

澪(唯のことを頼んだ張本人が唯以上だ…)

律「仕方ないな~」
「また騒いでさわちゃんが来ても困るし小声で雑談するか」

花京院「カモフラージュで電気は消しておくよ」

カチカチカチッ

澪(これでいいのか、生徒会…)

73: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:27:38.95 ID:sKddKYDO
ワイワイガヤガヤ

律「人生当てもんゲームでみんな独身で終わってさ~」
「みんな親友は多かったんだけどな」

承太郎「…トイレに行ってくる」スタスタ

瀧「ねぇ、空条君っていい人だよね」

風子「うん。まさか田井中さんにのったりする人だなんて思わなかった」クスッ

律「今はこうだけどな、最初の頃なんか『ああ』しか言わなかったんだぜ」

紬「そうね。最近はちゃんとみんなと会話してくれるし♪」

花京院「それにかなり丸くなったしね。昔じゃあ考えられないことだった」
「昔なら女の子を部屋に入れなかっただろう」

瀧「それは大げさじゃない?」

律「それが大げさじゃないんだよ」
「一年の学園祭の時に女の子が『かわいい』って言ったら」
「『やかましいッ!』って言いやがったし」

澪「あの時は生徒の方が緊張してたな…」

唯「私はみんなが怖がってる理由がわかんないんだよね~」

和「…あんたが異常なだけよ」

姫子「空条君って彼女いるのかな?」

律「…いないんじゃないか?」

紬「…放課後もずっと私達といるし」

花京院「承太郎は彼女なんかつくる奴じゃあないさ」
「今は軽音部が一番大切だろうからね」

唯「そうかな♪」エヘヘ

澪「本当にジョジョがそう思ってたら嬉しいけどな」

承太郎「…俺の陰口でも叩いてるのか?」スタスタ

74: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:28:43.79 ID:sKddKYDO
花京院「君の話ってことは正解だ」

和「軽音部のみんながあなたに彼女がいないか心配なんですって」ニヤッ

律(私達かよ!)
(つーか和のキャラ変わったな今日…)

承太郎「…くだらん」
「いつもお前達に振り回されてるんだからいるわけないだろう」

律(振り回してるのお前じゃね?)

あかね「じゃあ好きな人は?」ニヤッ

澪(突っ込みすぎだろ!)

承太郎「…そんなのを聞いて何になるんだ」

風子「軽音部のみんなと仲いいから誰かその中にいるのかなって」ニヤッ

承太郎「…残念だったな」
「俺の人生当てもんゲームの結果が物語ってる」

花京院「好きな人もいないのか」

律「美女に囲まれてるのにもったいないな~」

承太郎「…枕が当たった時に頭のネジもぶっ飛んだようだな」

律「何だとー!」

75: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:30:52.92 ID:sKddKYDO
ガラッ

さわ子「こらっ!またあなた達!?」
「早く部屋に戻りなさい!」
「あんた達もさっさと寝る!」

ピシャッ

唯「りっちゃん大声出しちゃダメだよ~」

律「だってジョジョが…」

承太郎「人のせいにするもんじゃあねーぜ」

紬「眠い…そろそろ寝ましょうか」

カチカチカチッ

和達の部屋!

和「人生当てもんゲーム…馬鹿にはできないわね」

風子「何で?」

和「律の言った軽音部の結果覚えてる?」

瀧「確か…みんな親友は多いけど独身だったっけ?」

姫子「…なるほどね」

あかね「どういうこと?」

姫子「ゲームの結果、今の軽音部のみんなの状況と似てない?」

風子「そう言われれば…」

76: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:31:28.86 ID:sKddKYDO
唯達の部屋!

スースー

唯「…もう3年生かぁ」ボソッ

承太郎「…早いもんだな」ボソッ

唯「あっ、承太郎君」ボソッ

ベランダ!

唯「承太郎君起きてたんだ」

承太郎「…いろいろ考えてると寝れなくなってな」

唯「私も軽音部のこと考えてたら眠れなくなっちゃった」

承太郎「…奇遇だな」

唯「承太郎君も軽音部のこと考えてたの?」

承太郎「…ああ」

唯「すごい偶然だね♪」

承太郎「…そうだな」

唯「…」

承太郎「…」

唯「…二人っきりになるのって久しぶりだね。どれぐらいぶりだろ…」

承太郎「…一年ぶりだな」

唯「そっか。一年生の時は途中からずっと二人だったんだ…」

承太郎「去年から中野が加わって俺は蚊帳の外だったな」

唯「そんなことないよ!」

承太郎「冗談だ」

唯「もう!」ブー
「……」
「…承太郎君、軽音部は楽しい?」

承太郎「…その質問は聞き飽きたぜ」

77: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:31:55.49 ID:sKddKYDO
唯「…りっちゃんといる時は楽しそうってわかるけど」

承太郎「…何が言いたいんだ」

唯「…今私とこうして二人っきりでいても楽しいのかなって」

承太郎「…」
「…楽しくなければ今頃布団に籠もってるさ」
「…こんなことも言わないとわからないのか?」

唯「!」パァッ!
「ありがとう♪」

承太郎「…やれやれ」
「…もう遅い。寝るか」

唯「今から寝ても2時間しか寝れないよ?」
「ずっと起きとこうよ!」

承太郎「…仕方ないな」

唯「旅行楽しかったね。合宿とは違う感じで」

承太郎「海だったら最高だったんだがな」

唯「ほんと海好きだね~」
「今年の合宿も海だったらヒトデとりに行くの?」

承太郎「いや…去年お前らに配れたから今年はいいさ」

唯「そうだよ!あれ袋開けたとき本当にびっく…クシュン!」

承太郎「寒いのか?」

唯「…少し」

承太郎「…着てろ」バッ

唯「え?」バサッ
「でも私に学ラン貸してくれたら承太郎君がTシャツ一枚に…」

承太郎「冬の海はこれより寒いんだ。慣れてる」

唯「ありがと!」ニコッ
(…すごくおっきいや)

承太郎(…怒ったり笑ったり忙しい奴だな)

78: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:32:42.98 ID:sKddKYDO
唯達の部屋の朝!

チュンチュン

律「あ~…寝不足だ…」

澪「さすがに二日連続で寝不足はきついな…」

紬「そういえば唯ちゃんと承太郎君は?」

澪「いない…」

律「まさかあの二人…」

澪「///」ボンッ

紬「あらあらあらあら♪」

律「ってベランダから話し声が…」

唯承 ペチャクチャ

律「まさかあいつら一日中起きてたんじゃないだろうな…」

紬「もしかしたらそうかも。唯ちゃん学ラン着てるし」

澪「…あいつらに睡眠欲はないのか」

律「もうそろそろご飯だし呼ぶか」
「おはよう二人とも。そろそろご飯だぞ」

唯「もうそんな時間!?」
「あっ、学ランありがとう承太郎君」

承太郎「ああ」

澪「よし、行こう」

オマエラズットオキテタノ? ウン、カタリアカシチャッタ ワタシモハナシタカッタワ

79: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:33:08.57 ID:sKddKYDO
帰りの新幹線内!

唯「…」スースー

承太郎「…」グーグー

律「…案の定寝やがった」

紬「唯ちゃん…身動きがとれない…」

花京院「…琴吹さんはまだマシだよ」

澪(ジョジョにもたれかかられてる…)

和「二人ともぐっすりね…」

律「それがこいつら二人だけで完徹しててさ」

和「あの唯が寝なかったの!?」
「…よっぽど楽しかったのね」フフッ

修学旅行の後の初めての学校の廊下!

憂「もうそろそろお姉ちゃんが来るかも」

梓「え、本当?」

憂「うん。お姉ちゃん『あずにゃん分が足りない』って言ってたから」

梓「隠れようかな…」

唯「あ~ずにゃん♪」
「お土産買ってきてるよ。部室行こう!」

梓「でも…」

純「行ってきなよ」

80: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:33:38.97 ID:sKddKYDO
音楽室!

唯「はい、あずにゃん」スッ

梓「M?」
「お土産ですか?」

承太郎「ああ」

紬「私達はこれよ♪」

律「せーのっ!」

コトッ

梓(アルファベットが一人一個ずつ…)
(これって…)

律「これを組み合わせると…」

『TEA TIM』

梓「Eが足りませんね」

ココ「…」コンコン

承太郎「呼んでるみたいだぜ」

梓「え?」スタスタ
「あ…」
(水槽の横に『E』がある)

澪「ココちゃんも部員だし買ってきたんだ」

梓「ココちゃん、ちょっと借りるね」コトッ

『TEA TIME』

梓「…」フフッ
「練習…しましょうか」

律「…梓」

81: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 09:34:24.19 ID:sKddKYDO
梓「なんですか?」

律「『練習する』って思ったなら、その時すでに練習は終わってるんだ」

梓「意味わかりませんよ…」

承太郎「…今日は休ませてくれ。疲れがとれないんだ」

唯「お願いあずにゃん!」

澪「頼む梓!」

梓「澪先輩もですか…」
「…仕方ないですね、今回だけですよ?」

唯「ありがとうあずにゃん!」

梓(…こっちの方が放課後ティータイムらしいかも)フフッ

84: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:01:15.87 ID:sKddKYDO
人いないけど投下する



数日後の朝の平沢家!

唯「今日は雨か~」

憂「梅雨入りしたんだって」

唯「よく降るはずだよ」

ガチャッ

唯「うわ~…ギー太が濡れないようにしなきゃ」
「憂、ちょっとカバン持っててくれる?」

憂「うん」
「あれ…あの人は…承太郎さん!?」

唯「本当だ!すごくぬれちゃってる!」
「承太郎くーん!」

承太郎「…平沢じゃないか」

唯「ちょっと家来てーっ!」

平沢家!

憂「おはようございます」ペコリ

承太郎「ああ。久しぶりだな」ボタボタ

憂「そうですね。学校でもなかなか会いませんし…」
「それにしてもすごくぬれちゃってますね」

承太郎「俺の傘が壊れててな…」
「普通の大きさの傘しかなかったんだ」

憂「承太郎さんおっきいですもんね。普通の傘じゃ入り切らないんだ…」

85: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:02:18.35 ID:sKddKYDO
唯「承太郎君、タオル持ってきたよ!」

承太郎「二枚あるが…」

唯「一枚は学校で拭くようだよ!」

承太郎「…悪いな」

憂「それとこれもどうぞ」

承太郎「傘は持ってるんだが」

唯「もう一本あったら入りきるでしょ?」

承太郎「…そうだな」
(二本さすのは難しい気がするが…)

通学路!

唯「ほんと梅雨は嫌だね~」

承太郎「…お前濡れすぎじゃないか?」

唯「ギー太を守ってるから…」

小学生「わー!」バチャバチャ

承太郎「!」ビチャッ
「おいッ!待ちやがれッ!」

犬「…」クチャクチャ

唯「あれ?この犬…」

犬「…」ブルブル

承太郎「…」ビチャッ

憂「じ、承太郎さん!?」

車「ブーン」バシャッ

承太郎「…」ザバッ

憂「承太郎さん!」

86: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:02:49.07 ID:sKddKYDO
承太郎「…あの運転手は気づいてないんだろう」
「…法にも裁かれないのかもな」
「だから…」
「俺が裁く!」ドドドドドドドド
「…平沢、ナンバープレート見えたか?」

唯「えっと、確か…」

憂「お姉ちゃん教えちゃダメぇぇえええッ!」

3年2組!

澪「雨ばっかりだな…」

律「梅雨はいやんなっちゃうわねぇ…」

澪「ん?何やってんだムギ?」

紬「ん…ちょっと…」モフモフ

唯「みんなおはよー!」

承太郎「…」ボタボタ

律「お!唯にジョジ…

澪律「ジョジョ濡れすぎ!」

承太郎「平沢からタオルを借りたんだが…」

紬「あ!私タオル持ってきた~」

承太郎「悪いな琴吹」

紬「!」
「ここに座って♪」

承太郎「…何だ?」ドサッ

紬「かゆいところはございますか~?」フキフキ

承太郎「…特にないな」

律「いきなりなんだそれは?」

紬「美容師さんごっこ~♪」フキフキ

律「あんたも好きねぇ」

澪(というか学生帽取ったところ初めて見るな…)

87: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:03:15.68 ID:sKddKYDO
律「それにしてもジョジョどうしたんだー?転んだのか?」

承太郎「…下からの雨水は防げないんだ」

唯「私のギー太もどうにかなんないかな」
「雨に濡れそうで…」

澪「ビニール巻けよ…」

唯「なるほど!澪ちゃん頭いい!」

紬「髪は乾いたけど…」

律「…すっげぇボサボサだな」

承太郎「…帽子を被るからいい…クシュン!」

紬「大変!服乾かさないとかぜひいちゃうわ…」

律「部室に干すか」

音楽室!

承太郎「悪いな付き合わせて」

律「いいってことよ」

紬「お湯もらってきた~♪」

唯「タライで飲むの?」

紬「ううん」ドバドバ
「はい承太郎君。足入れて」

承太郎「悪いな琴吹」バシャッ
「ふぅ…」

律「…」トサッ

承太郎「…何頭にタオル乗せてやがる」パシャッ

律「あちぃっ!」ビチャッ

88: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:03:41.42 ID:sKddKYDO
紬「承太郎君、上着干すから脱いで?」

承太郎「…ああ」ヌギヌギ
「…戻ったぞ」スッ

紬「おかえりなさい♪」

律「何やってんだよ…」

承太郎「そういえば…」
「…お前らは俺の着替えを見学するつもりか?」

澪「///」ボンッ

律「ああ、悪い悪い」

紬「それじゃあ私達外にいるから」

ガチャッ バタン

承太郎(チッ…上履きもシャツもグショグショだな…)
(…それよりも着替えをどうするかだが…)
(!)

少し後!

承太郎「入っていいぞ」シュコー

ガチャッ

律「そんじゃあみんな干す…」
「…おい」

承太郎「…何だ」シュコー

律「…何でウエットスーツ着てるんだよ」

承太郎「ケロのを買った時に自分のも買っててな」シュコー
「ここに置いていたのを思い出したんだ」シュコー

律「…それしかサイズないだろうから百歩…千歩譲ってやる」
「…何で酸素ボンベ?」

承太郎「…気分だ」シュコー

律(おい…)
(つーかどこに隠してたんだよ…)

89: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:04:28.99 ID:sKddKYDO
ガチャッ

花京院「承太郎、もうすぐ時間だ」
「…それしか着替えはないのか?」

承太郎「ああ」シュコー

花京院「…そうか」
「とりあえず教室に戻ろう」

3年2組!

ワイワイガヤガヤ

ガチャッ

さわ子「はい、みんな静かにして…」
「…承太郎君、何でそんな変な格好してるのかしら?」

承太郎「変?…海を馬鹿にしてるのか?」シュコー

唯「承太郎君朝濡れちゃって、その着替えだそうです」

律(…音楽室で足ヒレしてたっけ?)

ガチャッ

花京院「遅れました」
「承太郎、ジャージだ」

紬「サイズあったの?」

花京院「家庭科の先生が余ったジャージに布を継ぎ足して作ってくれたよ」

承太郎「…こっちの方がいいんだが」シュコー

さわ子「いいから着替えなさい!」

90: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:06:36.93 ID:sKddKYDO
音楽室!

梓「何これ…」

憂「梓ちゃん、忘れ物あった?」

純「うわっ、こんなとこに制服が干してある」

憂「!」
「この大きさは…」

梓「…うん、承太郎先輩だ」

家庭科室!

承太郎「…」シュー
「…なかなかアイロンは難しいな」

紬「私がやろうか?」

承太郎「頼む」

唯「ムギちゃんうま~い」

律「…」チクチク
「ジョジョ、ボタンとれかけてたぞ」スッ

承太郎「…ボタンをつけ直したのか」

澪「チマチマしたことは嫌いなのにボタン付けだけは昔から早かったんだよな」

承太郎「そうか」
「それならこれも頼む」

律「仕方ないな~」チクチク
「…」チクチク
「ほら、終わったぞ」
「んじゃ行くか」

廊下!

唯「いや~、やっぱり承太郎君は学ランだね~」

澪「ジョジョは大体学ランだしな」

紬「学ラン以外だと違和感がすごかったわね」

律「学ランの似合う男コンテストがあったら間違いなく優勝だな」

承太郎「…誉めてるのか?」

91: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:08:14.55 ID:sKddKYDO
さわ子「何やってるの?」

唯「あ、さわちゃん」

さわ子「…」チラッ
「田井中さん、ちゃんとシャツ入れなさい」
「承太郎君も学ランのボタン閉める」

承太郎「…何だいきなり」

律「いつもは言わねーじゃん」

さわ子「いいから早く!」

律「わかったよ~…」イレイレ

教師「山中先生も大変ね」スタスタ

さわ子「いえ、ご心配なく…」

教師「心配なんかしてませんよ」スタスタ

さわ子「え…」
「…ほら、承太郎君も!校舎内では帽子脱ぐ!」

律「!」ピコーン
「あー!さわちゃんがジョジョ(の帽子)脱がせようとしてる!」

さわ子「ちょっと!変なことしてるみたいじゃない!」

澪(復讐するなよ…)

放課後の音楽室!

梓「へぇー。朝そんなことがあったんですか」

澪「梓は大丈夫だったのか?」

梓「いえ、承太郎先輩みたいにはめったにならないと思います…」

92: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:08:45.52 ID:sKddKYDO
唯「あずにゃんもギターケースにビニール巻いてきてるの?」

梓「私はギターケース用のレインコート使ってます」
「通販で買ったんですけど3000円が1980円になってて」
「ギター用の乾燥剤もついてたんです」

唯澪律紬承「あぁ…」

梓「これも通販で買ったんですけど、壁に付けれるギターハンガーです」
「肉球の形してるんですよ」

澪「へぇ…」

梓「他には…」

承太郎「…中野」

梓「なんですか?」

承太郎「…もういい」
「お前が衝動買いをする奴だって事はよくわかった」

梓「そ…そんなことないですよ!」

承太郎「…それはみんな役に立ったのか?」

梓「それは…」
「そうだ!唯先輩、ギター濡れてませんか?」

紬(ごまかした…)

承太郎「…やれやれ」
(ちゃんとしてるのかしてないのか分からん奴だな)

唯「大丈夫だと思うけど…」

93: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:09:17.08 ID:sKddKYDO
梓「気をつけないとフィンガーボードにカビが生えちゃいますよ」

澪「ヒッ…」

律「…ケースを開けたらカビだらけ」ボソッ

澪「ヒィィ…」ブルブル

梓「はは…」

唯「ん~、ギー太は大丈夫だと思うけど…」パカッ

梓「カビは生えてないですけど弦が錆びてますね」
「この前張り替えたの何ヵ月前ですか?」

唯「確か二ヶ月前…」

梓「それなら替えた方がいいですね。新しい弦ありますか?」

唯「あるよ!」
「それじゃあ切るね」カチャッ

梓「あっ!まずはペグをゆるめてから…」

唯「え?」プツッ

梓(やっちゃった…)

弦 ヒュオッ

パシィッ!

承太郎「…人の話は最後まで聞くもんだぜ」

梓(弦を掴んだッ!?)

律(何て奴だ…普通できねーぞ)

94: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:09:46.42 ID:sKddKYDO
唯「ごめんごめん」
「ギー太~、今新しい弦に張り替えてあげるね」

梓「大切にするのはいいんですけど、いちいちそんな楽しそうに話しかけなくても…」

紬「梓ちゃんやきもち?」

唯「本当、あずにゃん!?」

律「三角関係か…」

澪「トライアングルラブ…こんな歌詞も切なくていいかも!」

承太郎「歌いがいがありそうじゃないか」

紬(さわ子先生がいたら絶対笑ってたわね…)

梓「みなさん…」

少し後!

唯「やっと終わったよ~…」

澪「それじゃあ練習するか。雨も上がったしいい気分で

承太郎「今日は帰らないか?もう濡れたくないんでな」

唯「賛成!ギー太も濡れちゃう!」

澪「仕方ないな…」
「その代わり明日はちゃんとやるぞ?」

唯「大丈夫だよ!」

承太郎(…いい言い訳を見つけたぜ)

95: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:11:11.03 ID:sKddKYDO
平沢家!

憂「はい、タオルどうぞ」

承太郎「何回もすまない」

憂「いえ、いいんですよ」

唯「まさかいきなり降りだすなんて…」
「梅雨はわかんないもんだね~」

憂「はい、お姉ちゃんもタオル」
「ちゃんと拭かないとかぜひいちゃうよ?」

唯「わかってるよ、憂~」

少し後の台所!

憂「…」コポコポ

スタスタ

承太郎「…何か手伝うぜ」

憂「そんな、悪いですよ」

承太郎「今日だけで二回も世話になってるんだ」
「何かやらないと俺の気がすまねぇ」

憂「うーん…」
「それじゃあ、お茶運んでもらっていいですか?」

承太郎「ああ」
「ん?…これは何だ」

憂「あ、それはお姉ちゃんの食べかけの饅頭…」
「…カビ生えちゃってる」

承太郎(…何で捨ててないんだ)

96: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:11:40.12 ID:sKddKYDO
リビング!

スタスタ

唯「…」ジャカジャカ

承太郎「平沢、お茶だ」

唯「あ、ありがとう」クルッ

承太郎「!」
(口のまわりにカビが生えてやがるッ!)
(まさかこいつあの饅頭食いやがったのかッ!?)
「おい平沢ッ!」
「お前あの饅頭食ったのかッ!!?」

憂「お、お姉ちゃん!?」

唯「?」
「何のこと?」

憂「口のまわりに…」

唯「ああ、これかぁ」フキフキ
「お昼に焼きそばパン買ったんだけど他のパンでお腹いっぱいになっちゃって」

承太郎「…それを今食ったってわけか」

唯「うん!」

憂「よかったぁ…」ホッ

承太郎「…しかし止まないな」

唯「雨の日もいいよね~」
「こうやってゆっくりできるし」

憂「お姉ちゃん、軽音部入ってからすごく幸せそうなんです」ボソボソ

承太郎「…良かったじゃないか」ボソボソ

憂「承太郎さんからもらった乾燥ヒトデ、机に大事そうに飾ってますよ?」ニコッ ボソボソ

承太郎「…そうか」フッ

97: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:12:37.37 ID:sKddKYDO
唯「さっきから二人で何話してるの?」

承太郎「…ギターを弾いてる時のお前はいい顔してるってことだ」

唯「えへへ~♪そうかなぁ?」
「でもね、うまく弾けるかなって心配したり」
「あんまり下手でギー太に申し訳ないなって思ったりもするよ?」
「だけどね、どんな時も一緒に楽しく過ごせたらいいな~♪」

承太郎「…その心配はいらないんじゃあないか?」

唯「え?」

承太郎「俺には、そのギー太とやらはお前に使われて喜んでるように見えるぜ」
「少なくともそいつはお前と一緒にいて幸せだろうな」

唯「承太郎君…」
「ありがとう♪」ニコッ

憂(承太郎さんってすごい人だなぁ…何ていうかおっきい人…)
(軽音部のみなさんが慕ってるわけだ)フフッ

唯「よし!」

98: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:13:23.61 ID:sKddKYDO
ジャンジャカジャカジャン♪

唯「あーめあーめふーれふーれかーあさーんがー♪」ジャカジャカ

憂「!」

承太郎(…雨が降ったら帰れないんだが)

唯憂「じゃーのめーでおーむかーえうーれしいなー♪」

承太郎(…この二人を見てるとどうでも良くなってくるな)

唯憂「ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらー♪」

唯「承太郎君も一緒に!」

承太郎「…やれやれ」フッ

唯憂承「あーめあーめふーれふーれかーあさーんがー♪」

唯憂承「じゃーのめーでおーむかーえうーれしいなー♪」

唯憂承「ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらー♪」

ジャカジャーン♪

唯「楽しかったねー♪」

憂「うん!」
「承太郎さんってやっぱりすごくいい声ですね!」

承太郎「そんなに大したことはないさ」

キラン

唯「あ!雨上がった!」

承太郎「今のうちに帰るか。世話になったな」

憂「いいえ。またいらしてください」

承太郎「…考えておく」

唯「じゃあまた明日ね承太郎君!」フリフリ

承太郎「ああ」

99: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:13:54.06 ID:sKddKYDO
翌日の朝の平沢家!

憂「今日も雨だね…」

唯「今日は大丈夫!」

憂「あ、ギターケースをビニールで巻いたんだ」

通学路!

唯「あ!承太郎君発見!」
「おーい!」

憂「お姉ちゃん待ってー!」

承太郎「お前らか」

憂「おはようございます」ペコリ

承太郎「ああ」

唯「また会ったね~」

承太郎「雨の日は早く行くようにしてるんだ」

憂「傘おっきくなってますね」
「二人は余裕で入れそう…」

承太郎「昨日の帰りに買ってきたんだ」

唯「今日は承太郎君も大丈夫そうだね!」

放課後の音楽室!

唯「うぅ…取れない…」ビリビリ

澪「巻きすぎだろ…」

承太郎「…貸してみろ」

唯「はい…」

承太郎「オラァ!」ビリィッ!

律「ひ、引き裂いた!?」

唯「す、すごい!」
「やり方教えて!」

律「いや、どう見ても力任せだったろ…」

100: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:14:39.75 ID:sKddKYDO
練習後!

澪「雨止まないな…」

紬「明日も雨だって天気予報で言ってたわ…」

澪「…今日はベース部室に置いて帰るか」

唯「ひどいよ澪ちゃん!」
「エリザベス…君は捨てられるんだね…」

澪「雨に濡らしたくないから置いてくだけだ!」
「それに勝手に名前つけるな!」

律「唯はギター置いてかないのか?」

梓「置いて帰った方がいいですよ」
「巻いてきたビニールあんなだし…」

唯「そだね…」
「ギー太、変な人についていっちゃダメだよ?」
「エリザベス、ギー太をよろしくね」

澪「だから名前つけるな!」

101: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:15:10.40 ID:sKddKYDO
梓(ベースだからエリザベス…)
(私のはムスタングだから…)
「…ムったん」ボソッ

承太郎「…」ニヤリ

梓「…聞こえてました?」

承太郎「…何のことだ?」

帰り道!

律「やっぱすげぇ雨だな」

紬「たくさん濡れちゃうわね」

承太郎「ウエットスーツなら貸してやるが」

紬「…遠慮しておくわ」

律「ジョジョ一回着て帰ったらどうだ?」

承太郎「お前が着て帰った方がおもしろいだろう」

律「どう考えてもお前の方がおもしれーよ…」

澪「ジョジョ、あれちゃんと持って帰れよ?」

承太郎「後々持って帰るさ」

澪(持って帰る気ないな)

唯「それじゃあみんなまた明日ね…」

紬「じゃあね♪」

梓「お疲れさまでした」

承太郎「…またな」

澪「じゃあな」

律「気をつけてなー」

スタスタ ギータシンパイダヨ… マッテユイチャン! ユイセンパイ! …ヤレヤレ

律「…唯ギター持ってない時の方が濡れてないか?」

澪「なんだかんだでギター大事にしてるからな、唯は」

律「大事にする、のベクトルが違うけどな」

102: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:17:24.20 ID:sKddKYDO
中野家!

ブーッブーッ

梓(ん?メールだ。誰だろ…)
(承太郎先輩!?珍しい…)
(えっと…何々…)

《ムったん》

梓(…最悪だ)

翌日の3年2組!

唯「あは~♪」ニコニコ

律「一日置いてただけなのに満面の笑みだな…」

さわ子「そんなにそのギターが大事なのね」

唯「はい♪」

さわ子「それはわかったけど、ホームルーム中は置いててくれる?」

アハハ

澪「…」

承太郎「!」
「おい田井中…」ボソッ

音楽室!

ガチャッ

エリザベス「…」

澪「あった…」ホッ
「唯が心配するから私も不安になったじゃないか…」
(「…ケースを開けたらカビだらけ」)

ジィーッ パカッ

エリザベス「…」ピカピカ

澪「エリザベス…」ギュッ
「ん?」クルッ

唯律紬承「…」ニヤニヤ

澪「ぎゃああああああっ!」

103: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:17:50.91 ID:sKddKYDO
数日後の廊下!

唯「いや~、やっと梅雨明けたね~」

紬「本当ね。もう髪の毛と格闘しなくてすむと思うと…」

澪「でもムギの髪って綺麗でいいよな」

紬「そんなことないわ」

承太郎「…」キョロキョロ

律「おい澪」ボソッ

澪「何だよ?誰かに聞かれちゃまずいのか?」ボソボソ


律「なんつーか…ジョジョの様子おかしくないか?」ボソボソ

澪「…言われてみれば…何かやけに辺りを気にしてるような…」ボソボソ

律「やっぱそうだよな」
「…聞いてみるか」
「おいジョジョ、どうかしたのか?」

承太郎「…特に何もないが」

律「本当か?何かやけに周り気にしてるように見えるんだけど…」

紬「…そういえば今日の承太郎君は昔みたいに無口ね」

唯「承太郎君悩み事?何かあったら私達に言ってね!?」

澪「唯の言うとおりだ。同じ軽音部なんだから」

承太郎「…最近やけに視線を感じるんだ」

律「視線?」

承太郎「ああ。誰かに監視されてるような…」

唯澪律紬「ジィー」ズイッ

承太郎(…こいつらは本当に相談にのるつもりがあるのか?)

104: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:18:15.79 ID:sKddKYDO
律「あ…」

?「だーれ…

承太郎「!」
「オラァ!」ブォン!

パキン

さわ子「…じ、承太郎君?」ガクガク

承太郎「…お前か」

澪「ジョジョ!当たったらどうするつもりだったんだよ!」

承太郎「…俺もそのぐらいわかるさ」
「面倒になるから顔をかすめさせたんだ」
「メガネはふっとんだようだがな…」

律(狙ってたのかよ…)

承太郎「…しかし、こいつは犯人じゃなあなさそうだな」

さわ子「…あなた達、犯人って何のこと?」

音楽室!

さわ子「誰かの視線を感じる…かぁ~」
「まあ、私はいつも見られてるけどね♪」

承太郎「寝言は寝て言えばどうだ?」

さわ子「あんたねぇ…」
「承太郎君、一つ言っておくわ」

承太郎「寝言じゃあないだろうな?」

さわ子「違うわよ!」
「犯人を見つけても絶対に殴りかからないこと」
「あなたが問題起こしたらこの子達にまで迷惑かかるわよ?」

承太郎「年をとるとおせっかいになるってのは本当だな」
「それぐらいわかってるつもりだ」

さわ子「そう。それならいいわ」
「…それと今回のは聞き流してあげる」
「迷惑かけるってわかってるみたいだし」

105: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:19:30.22 ID:sKddKYDO
紬「なるほど…」
「謎は全て解けました」

唯澪律梓さ「え!?」

紬「犯人はあなたです!」ズビシ

扉「…」

承太郎「…扉の後ろに誰かいるのか?」

紬「ううん、ごめんなさい…」
「一度これやってみたかったの♪」

承太郎「…」

紬「で、でも謎が解けたってのは本当よ!」
「承太郎君、今日の朝ごはんは食パンだったんじゃない?それも20%引きの」

承太郎「…お前がストーカーなのか?」

紬「ち、違うわ!」
「ちょっとごめんね」ペリ
「はい♪」

梓「食パンの値段のシールですね」

紬「帽子についてたわ」
「きっと、みんなこれを見てたんじゃないかしら」

承太郎「なるほどな」
「…心配かけたな」

律(…どうやったら帽子にシールがつくんだ…)

さわ子「ま、これで一件落着…」

106: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:19:58.70 ID:sKddKYDO
ガチャッ

花京院「扉の前に部室を覗いてる子達がいたが…」

女生徒「別に怪しい者じゃありません!」

男生徒「僕達は『承太郎先輩ファンクラブ』のものです!」

和「ファンクラブ…」

承太郎「…やれやれ、まだあったのか」イライラ

紬「もしかして承太郎君の帽子のシールを見に?」

女生徒「はい!」

プッツン

承太郎「やかましいッ!」

律(やっべ…)

男女生徒「ヒッ…」

承太郎「…俺はうっとおしい奴が大嫌いなんだッ!」
「ファンクラブの会員を名乗ってるからにはそれぐらいは知ってるんじゃあないのか?」

男女生徒「はい…」

承太郎「…それにお前らは覗きっていう最低な行為をしやがった」
「こいつらも少なからず嫌な気持ちになったはずだッ」
「それなのになぜ開き直ってるんだッ!?」

男女生徒「ごめんなさい…」

107: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:20:27.42 ID:sKddKYDO
律「ジョジョ…そこらへんで…」

梓「私達は大丈夫ですから!」

承太郎「いーや、ダメだな」
「今回はお前らにまで被害が及びそうになった」
「…徹底的にたたきのめすッ!」

花京院「承太郎ッ!」ガシッ

承太郎「邪魔をするな花京院ッ!」

花京院「頭を冷やすんだッ!」
「今君が彼らを殴って何になるッ!?」
「ここで殴ってしまえば軽音部のみんなはどうなるッ!」
「みんなの気持ちを裏切ることになるんだぞッ!?」

唯澪律紬梓「…」ハラハラ

花京院「…承太郎…君だって昔の君に戻りたくはないだろう?」

承太郎「…やれやれ」
「お前に説教される日がくるとはな、花京院」

花京院「…承太郎」

承太郎「…悪かったな、お前ら」

唯澪律紬梓「!」パァッ

承太郎「…お前らもだ。驚かせてすまなかった」

男生徒「そんな…僕達が悪いんですから…」

女生徒「何て謝ればいいか…」

承太郎「いいんだ」
「だが…これからはこいつらに迷惑かけるんじゃあねーぜ」
「…暇な時なら相手してやる」

男女生徒「!」パァッ
「ありがとうございます!」
「あの、今日はこれで失礼します!」

ガチャッ バタン

108: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:21:11.54 ID:sKddKYDO
梓(花京院先輩…だっけ?)
(この人がいなかったらヤバかったかもしれない…)

花京院(…修学旅行の時の承太郎を見るかぎり大丈夫だろうと思っていたが)
(ファンクラブ…これはまだダメか…)
(もともと承太郎はこういうのが嫌いな奴だからな…)

和「ごめん、私がしっかりしてなかったせいで…」

律「何で和が謝るんだ?」

唯「それにしてもファンクラブってまだあったんだね~」

梓「まだって前からあったんですか?」

澪「確か去年ぐらいからだったかな」

梓「でも、ファンクラブって聞いたとき承太郎先輩すごく嫌そうな顔してましたよね?」

律「たまに本人の気持ちをまったく考えないで行動してる奴がいるからな」
「ジョジョはそういうとこが嫌いなんだろ。な、ジョジョ?」

承太郎「…まあな」

梓「そういえば承太郎先輩、まだあったのか、って言ってましたよね?」

承太郎「…あいつがいなくなってからなくなったとばかり思ってたんだが」

梓「あいつ?」

紬「ファンクラブの会長だった曽我部先輩」
「去年で卒業しちゃったの」

律「そっか…あれからもうそんなに経つのか…」

109: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:21:46.13 ID:sKddKYDO
卒業式前の3月のある日!

承太郎「…」キョロキョロ

律「どうしたんだ、ジョジョ?」

承太郎「…誰かに見られている気がする」

律「自意識過剰なんじゃねーの?」

承太郎「…そうだといいんだが」

律(何もしてこない…?)
(もしかしたら結構深刻なのかも…)
「ジョジョ、生徒会行ったらどうだ?」

生徒会室!

和「誰かに見られてる気がする?」
「学内に不審者がいるとは考えにく…」
(…花京院君がいたわね)
(…でも彼仕事も頑張ってるし…)
「考えにくいけど…」

ガチャッ

恵「真鍋さんいる?」

和「曽我部先輩。どうしたんですか?」

恵「引き継ぎの資料持ってきたんだけど…」
「あら、お客さん?」

承太郎「…こいつは?」

和「生徒会長の曽我部恵さんよ」

恵「元、だけどね」
「やっぱり軽音部の人は私のこと知らないかぁ」

110: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:22:09.75 ID:sKddKYDO
承太郎「…全員知らないだろうな」

恵「ふふっ…よろしくね、空条君」ニコッ

承太郎「ああ」

恵「そうだ、少し待っててね」

承太郎「ああ」

恵「はい。軽音部みたいにいいお茶じゃないけど」コトッ

承太郎「日本茶か…久しぶりに飲むぜ」
「…わざわざ悪いな」

恵「いいえ、いいのよ」
「それにしても学校内にストーカーがいるなんて由々しき事態ね…」
「真鍋さん、後で風紀委員にこの件伝えてもらえるかしら」

和「わかりました」

承太郎「…そこまでしてもらわなくても、お前らが許可をくれたら自分で片付けるが」

恵「それはいろいろとマズいんじゃないかしら…」

和「それにしても空条君をストーカーする人ってどんな人かしら…」

恵「ファンクラブの人…とか?」

承太郎「そうだとやっかいだな」
「それにしても、お前は軽音部のことに詳しいな」
「俺の名前も知っていたようだが」

111: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:22:37.11 ID:sKddKYDO
恵「えっ!」

和「そうね、お茶会のことも知ってたみたいですし」

恵「…」
「えっと…真鍋さんが前に教えてくれたんじゃないかしら!?」

和「私教えてませんよ?」

恵「そうだったかしら!?」
「あ、ほら!軽音部っていろいろ有名だし!」

承太郎「…」

恵「そ、それじゃあ私そろそろ行くわね!」ピラッ

ヒラヒラ

和「先輩、何か落ちましたよ?」
「…空条承太郎ファンクラブ会員証?」

恵「オラァ!」シュバ!

和(オラァ?)

恵(し…しまった!)
「さっき廊下で拾ったのよ!」

和「でも先輩の名前書いてありましたよ?」

恵「そ、それは…」

承太郎(…こいつが犯人なのか?)
(しかし、悪い奴には見えないが…)
(…試してみるか)
「人間はな、焦ってるときに嘘をつくと鼻の頭に血管が浮き出るらしいぜ」

恵「えッ!?」バッ

承太郎(こいつか…)

和「曽我部先輩が犯人だったんですか…」

112: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:23:52.11 ID:sKddKYDO
恵「悪気はなかったの…」
「私もうすぐ卒業でしょ?」
「今みたいに空条君と会えなくなるって思ったらいてもたってもいられなくなって…」

承太郎(…確かに視線から悪意は感じられなかった)
(…今日少しだが世話になったしな)
「…だからってストーカーするのは間違ってるんじゃないか?」

恵「ごめんなさい…」

承太郎「話しかけてくれば話ぐらいするさ」
「忙しくなければな」

恵「空条君…」パァッ

承太郎(…やれやれだぜ)

和「…会員ナンバー1番」

恵「あ、私ファンクラブの会長でもあるの」

承太郎(何ッ!?)ドドドドドドドドドドドド

戻って音楽室!

梓「てことは生徒会長が犯人だったんですか」

さわ子「立場上それは言いづらいわね」

唯「それでね、私達そんな先輩に何かできないかなって考えたんだ」

承太郎「…そうだったな」

113: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:24:18.17 ID:sKddKYDO
卒業式前の3月のある日の数日後の講堂!

和「軽音部に講堂に来るように言われましたけど何でしょうね?」

恵「まさかお礼参りとか…」

和「それはないかと…多分」

ガガガガガガガガガガガガ

承太郎『曽我部、卒業までよく頑張ったな』

唯澪律紬『おめでとうございます!』

恵「…」

承太郎『今日はお前のために俺達軽音部が演奏する』
『ちゃんと聞くんだ』
『ふわふわ時間ッ!』

~~~♪

恵「…」ポケー

和「先輩!演奏終わってますよ!」ユサユサ

恵「はっ!」
「無断で講堂をしようするなんてどういうことですか!」

承太郎「何だとッ!?」

恵「っていうのは建前で…」
「ありがとう、みんな」
「こんな贈り物初めてよ♪」ニコッ

唯「笑った~♪」

律「成功だな♪」

恵「それじゃあ記念に…」
「『恵へ。承たんより』ってサインして!」

承太郎「…」

和(先輩のイメージが…)

114: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:24:47.17 ID:sKddKYDO
また戻って音楽室!

梓「…書いたんですか、それ?」

承太郎「…ああ」

梓「…マジですか」

澪「あれは書いてあげないとな…」

梓「何でですか?」

律「いやぁ、ジョジョも粘ったんだけどさ…」

唯「…先輩が最後泣きながら土下座しちゃって」

梓「必死すぎでしょ…」

和「だけど先輩すごく喜んでたわ」スッ

梓「会員番号1番の会員証!?」

花京院「それに真鍋さんの名前じゃないか」

和「…それも引き継がされちゃって…」
「断ろうと思ったんだけど、なかなか機会がなくて」
「結局会長としての責務を果たせなかった」

唯「和ちゃん…」

和「今日はみんなにお願いしにきたの」
「ファンクラブの会員のためにお茶会を開いてくれないかって」

紬「私達は大丈夫だけど…」

澪「ジョジョは大丈夫なのか?」

承太郎「…久しぶりにあいつのことを思い出したしな」
「…今回だけだ」

和「ありがとう、空条君」

花京院「それじゃあ僕達は会場をおさえたり広告したりするよ」

115: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:25:59.67 ID:sKddKYDO
唯「やっぱりケーキカットは外せないね~」

律「思い出のアルバムとかな」

承太郎(…こいつらは根本的に間違ってないか?)

梓「質問コーナーなんてどうですか?」

澪「いいな、それ」

紬「それじゃあ私特大のケーキ持ってくる♪」

和(…みんなが協力してくれて素敵なお茶会になりそうです、曽我部先輩)

数日後!

和「だんだん本格的になってきたわね」

唯「承太郎君ファンのために大盤振る舞いだよ~」
「承太郎君鉛筆に承太郎君消しゴム」
「承太郎君ティッシュに承太郎君栓抜き」
「承太郎君学生帽に承太郎君学ラン」

澪「…何だよこれ」

唯「シール貼っただけだよ」
「さすがに学生帽と学ランは違うけど」

澪(…もらって嬉しいの最後の二つだけだろ…)

和「憂がヒトデ型クッキーも作ってくれたわ」

116: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:26:30.38 ID:sKddKYDO
コンコン

紬「誰かしら?どうぞ~」

ガチャッ

女生徒「失礼します。差し入れもってきました」

唯「ほんと!?ありがとう…」ガサガサ
(…食パン)

紬「お茶まであるわね」

承太郎「…悪いな」

男女生徒「!」パァッ

男生徒「お茶会楽しみにしてます!」

女生徒「失礼します」

ガチャッ バタン

律(差し入れは嬉しいけど食パンってほんと微妙だな…)

和「みんな楽しみにしてくれてるみたいでよかった」

律「それで肝心の曽我部先輩は大丈夫なのか?」

和「それが…来られないみたいなの」
「手紙を書いたんだけど、その日はサークルの旅行だって」

梓「それじゃあ意味ありませんね…」

花京院「…日程をずらすかい?」

和「日程も告知したんだったらわざわざ変える必要もないって」
「曽我部先輩の望みはファンクラブを継続して盛り上げることだからって」
「お茶会で現役の会員が楽しんでくれたらそれで満足だからって」

117: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:27:04.31 ID:sKddKYDO
承太郎「…」

唯「何か大人だね」

紬「女子大生だもんね」

律「卒業して大人になって、ジョジョファンも卒業したってことか」

梓「そんなことないですよ!」
「たまたま予定が重なって仕方なかったんですよ!」

花京院「僕達に気を遣わせないようにしてくれたんだね」

承太郎(…俺も卒業したら大人になるんだろうか)
(…今の俺でなれるんだろうか)

律「その時ジョジョの心には」
「友人達と過ごした幸せな日々が走馬灯のようにグルグルグルグル…」

承太郎「…そんなにお前がグルグル回りたがってるとは知らなかったぜ」ガタッ

律「ごめんなさい!」

和「それじゃあ予定通り変更なしですすめましょう」

紬「はい、当日の進行表」
「司会は唯ちゃんとりっちゃんでお願いします」

唯律「うぃー」

承太郎(…俺も何かやるか)

118: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:27:35.31 ID:sKddKYDO
お茶会当日!

律『本日は第一回空条承太郎ファンクラブお茶会に出席いただきまことにありがとうございます』
『僭越ながら本日の司会を務めさせていただきます田井中律と!』

唯『平沢唯です!』

唯律『よろしくお願いしまーす!』

パチパチ

梓「たくさん集まりましたね」

和「知ってる顔がちらほら…」
「え!?佐々木さんも会員だったの!?」
(学ラン着てる…)

律『ただいまよりお茶会を開催します!』

唯『本日の主役の入場です!』
『空条ー!承太郎ォオーーッ!』

ガチャッ

承太郎「…」スタスタ

パチパチパチパチ

澪(騒がない…このファン達わかってる)

承太郎『…今日はよく集まってくれた』
『…』

律(他にも何か言えよ!)

唯『そ、それじゃあ挨拶はこのへんにしてケーキ入刀にうつりたいと思います』

梓「…」ガラガラ

スゴクオッキイ… ジョウタロウクンガカクレテル…

唯『さあ、承太郎君の初めての共同作業です!』

承太郎『…誰となんだ』

119: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:28:00.48 ID:sKddKYDO
唯『それはくじで決めます!』ゴソゴソ
『当選者は…』パッ
『あずにゃんです!』

梓「私!?」
「そこはファンの人じゃないんですか!?」
「ていうか何で私が入ってるんですか!?」

唯『ここにいる人全員分入ってます!』

梓「どう考えてもおかしいでしょ…」

律『私は花京院との共同作業を見たかったけどな~』

唯『それではケーキ入刀です!』

梓「ん…届かない…」プルプル

承太郎「…やれやれ」ヒョイ

梓「じ、承太郎先輩!?///」

唯『あぁーっとこれは!』

律『片手でお姫様抱っこしながらのケーキ入刀だァァアーーーーーッ!』

唯『このでこぼこコンビ見せ付ける!我々に見せ付けてきます!』

和(佐々木さん血の涙流してるわ…)

梓(明日上履きあるかな…)

律『それでは特別企画にうつりたいと思います』
『題して、空条承太郎への百の質問!』
『一つ質問に答えるごとにテーブルのキャンドルを一本ずつ消してくーださい!』

120: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:28:26.77 ID:sKddKYDO
唯『じゃあ最初の質問』
『一番好きなヒトデは!?』

承太郎『フサトゲニチリンヒトデ』

律『次の質問!二番目に好きなヒトデは?』

承太郎『ニシキキタヒトデ』

唯『次の次の質問!三番目に好きなヒトデは?』

承太郎『カスリマクヒトデ』

律『次の次の次の質問!四番目に好きなヒトデは?』

承太郎『ノザワホシヒトデ』

澪(すご…)

唯『それじゃあ質問したい人!』

ハーイ!

ファン「お風呂に入ったらどこから洗いますか?」

承太郎『水槽だ』

梓(ヒトデのですね…)

ファン「何で帽子と髪の毛が一体化してるんですか?」

承太郎『…スゴ味だ』

梓(自分で言いますか…)
(っていうかスゴ味で一体化するんだ…)

121: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:29:10.28 ID:sKddKYDO
律『それじゃあ次のプログラムにうつりたいと思いまーす!』

唯『今こうして立派に育った承太郎君の半生をスライド写真で振り返りたいと思います』

澪(かなり立派に育ったな…)

承太郎(俺は40近くで死ぬのか?)
『…俺は写真を提供した覚えはないが』

唯『承太郎君のお母さんに事情を話したら快く貸していただけました!』

承太郎『…余計なことをしやがって』

律『それではどうぞ!』

カシャッ

梓「小学生の時ですね」

紬「とってもいい子そうね~」

澪「一緒に写ってる人はジョジョのお母さんか」
「すごく綺麗…」

花京院「こんなことを言うのもなんだが」
「恋をするとしたらあんな気持ちの女性がいいな」

和「そうね。同姓から見てもすごく魅力的」

カシャッ

紬「これは中学生の時ね」

さわ子「優しそうな子ね」

梓「この時から学生帽は被ってたんですね」

122: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:29:34.30 ID:sKddKYDO
カシャッ

紬「あっ!これ私達が一番最初に撮った写真!」

澪(…一体中3の春休みにジョジョに何が起こったんだ…)

律「この頃は大変だったよな~」
「ジョジョが全然なじめてなくてさ」

紬「でも、これから徐々に打ち解けてくれたわよね」

唯(ムギちゃんかけたのかな?)

梓「あ、承太郎先輩船に乗ってますね」フフッ

澪「ああ、この辺りから自由になってきたんだ」フフッ

さわ子「私は散々だったけどね…」ボソッ

唯「去年の学園祭だ!」

律「ジョジョの奴かぜひいて大変だったな~」

澪「お前のせいだろ…」

梓「…最後の承太郎先輩、すごく頼もしかったですよね」

紬「そうね。承太郎君が軽音部に欠かせない存在だって改めてわかったわ」

律「唯と澪と梓なんて泣きそうになってたしな」

澪「お前も終わってから泣きそうだったろ!」

律「あれ?そうだっけ?」

花京院(みんなに愛されてるじゃあないか、承太郎)フフッ

123: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:30:04.17 ID:sKddKYDO
唯『いよいよお茶会も終わりが近づいてまいりました…』

律『それではフィナーレは私達放課後ティータイムによる…

承太郎『…少し待ってくれ』

ザワザワ

承太郎『俺はファンクラブなんてもんは快く思っちゃあいないが』
『今ここにいる奴らに支えられて今の俺がいるんだろう』

さわ子(成長したわね、承太郎君…)

承太郎『お礼と言うには違う気がするが、お前らに聞いて欲しいものがある』
『…少しでも何かを共有できればと考えた結果だ』

律「おぉ~、サプライズ!」

承太郎『ヒトデを海洋資源と考えた時の人間界における有効活用法』

律「おいみんな!ジョジョをステージの外に引っ張れ!」

唯澪律紬梓「そーれ!そーれ!」グイグイ

承太郎「おいッ!何をしやがるッ!」ズルズル

会員「…」ポカーン

和「…本当にサプライズね」

花京院「まさか論文を発表しようとするとは…」

さわ子「いくらファンでもこの境地にはたどり着いてないでしょ…」

承太郎「…いいと思ったんだが」

さわ子(承太郎君の論文…)ピラッ
(これは…)
(…将来大物になりそうね)

124: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:30:29.49 ID:sKddKYDO
律『それじゃあ気を取り直して!』

唯『放課後ティータイムの演奏です!』

承太郎『初めて聞かせる曲だ』
『ぴゅあぴゅあはーとッ!』

ジャンジャンジャカジャカ♪

承太郎『あたーまのなかおもーいでいーっぱい♪』
『あふーれそうなのちょーっとしーんぱい♪』
『とりーあえずヘッドホーンでふーさーごう♪』

律(この曲かわいかったよな?)
(めっちゃかっこいいんだけど)

~~~♪

承太郎『とーんでいーっちゃえ♪』
『きみのもとへーわたーしの ぴゅあぴゅあはーと♪』
『うーけとーめてくれるならこーわーくーはなーいのー♪』

さわ子(いい声だけど…歌詞と声がミスマッチすぎて…)
(気を抜いたら笑いそう…ッ!)プルプル

承太郎『このーきもーちがたいきけんこーえたーとき♪』
『きみはみえなーくなーってた みちのむこおーがわ♪』
『あい☆Don't mind♪』

ジャカジャーン♪

ワーッ パチパチパチパチパチパチ

125: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:31:01.97 ID:sKddKYDO
律『次はジョジョとの写真撮影でーす』
『みなさんはステージにあがってくださーい』

ゾロゾロ

唯「はい、チーズ!」パシャッ

紬「次こっち向いてくださーい!」パシャッ

律「みんなジョジョによりすぎだって~」
(絶対にキレるなよ…)

和「…この盛り上がり、曽我部先輩にも見せたかったわ」

梓「そうだ!」
「すみません!こっちもお願いします!」パシャッ

花京院「そんなの撮ってどうするんだい?」

梓「曽我部先輩に送ってあげるんです!」

和「でもアドレスは?」

梓「それは生徒会で調べてください!」
「!」
(そうだ…ムったんの仕返しに…)フフッ

北海道の羊ヶ丘展望台!

ピリリリリ

恵(メール?)
「ちょっとごめんね」カチカチ
「!」

同級生「どうしたの?」

恵「また素敵な贈り物、もらっちゃった♪」ニコッ

その日の夜!

ブーッブーッ

承太郎(…メールか)パカッ
(知らないアドレスだな…)
「!」
「…やれやれ、誰が教えたんだ」

《こんばんは。曽我部恵です》
《今日のお茶会の写真と一緒に空条君のアドレスも送られてきたの。誰かは秘密だけど…》
《空条君、私の望みを叶えてくれてありがとう♪》

126: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:31:31.90 ID:sKddKYDO
数日後の3年2組!

唯「うーん…」

承太郎「どうしたんだ、平沢?」

唯「あ、承太郎君。志望校どこにするか迷ってて…」

承太郎「まだ決めてなかったのか…」
「このままだとニートになるんじゃあないか?」

唯「和ちゃんと同じことを…」
「そういう承太郎君は第一志望はどこなの?」

承太郎「俺は海洋大学だ」
「海洋冒険家になりたいもんでな」

唯「じゃあ私もそこにしよ~」

承太郎「…平沢」
「自分の将来のことだ、真面目に考えた方がいい」

律「何さわいでんだ?部活いこーぜ」

和「唯…まだ進路決めてなかったの?」

唯「和ちゃんはいいよ…頭いいからどこでも狙えるし…」
「そういえばみんなはどうなの?」

澪「私は推薦をもらう予定だな」

紬「私は前話した女子大に」

花京院「僕は国立だね」

律「私は未定だ!」

唯「りっちゃん!心の友よ…」ダキッ

律「紙切れなんかに私達の未来は決められないぜ!」

唯「ないぜー!」

承太郎「…こいつらはバカなのか?」

澪「いまさらかよ…」

127: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:32:01.43 ID:sKddKYDO
さわ子『3年2組、平沢さん、田井中さん。至急職員室に来なさい』

唯「…澪ちゃん達先に部室行ってて」ヨタヨタ

律「めんどくせぇ~…」ヨタヨタ

承太郎「…大変だな、お前らは」

和「ええ…でも唯は集中力はすごいのよ」

澪「律もやればできるんだけどな~」

花京院「そういえば承太郎はどこに行くんだい?」

承太郎「俺は海洋大学だ」

澪「またぴったりなところに行くな」

紬「承太郎君のためにあるような大学ね♪」

花京院「そういえばお茶会の時の論文、山中先生が絶賛していたよ」
「素人目から見てもかなり分かりやすいってね」

承太郎「…そうか」
「…部室に行くか。中野も待ってるだろう」
「お前らも来るだろう?」

和「それじゃあたまにはお邪魔しようかしら」

花京院「そうだね」

128: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:32:28.97 ID:sKddKYDO
音楽室!

ガチャッ

和花「こんにちは」

梓「あ、真鍋先輩に花京院先輩。こんにちは」
「さっきの放送って唯先輩と律先輩ですか?」

澪「ああ。ま、自業自得だよ」

梓「また何かやったんですか?」

和「また?」

承太郎「進路のことだそうだ」

紬「はい、お茶」コトッ

和花「ありがとう」

澪「そういえば唯と和っていつ知り合ったんだ?」

和「きっかけっていうきっかけはないけど、強いて言えば幼稚園の時かしら」
「いつのまにか私の横にいたわね」

澪「頼れる人だと本能で感じたのか…」

梓「やっぱり困ったことってありますか?」

和「そうね…小学校のときにキャンプがあったんだけど」
「レトルトカレー持ってくるのをカレーのルーを持ってきたり」
「家庭科でたこ焼きを作ったときに唯が担当だったタコを忘れたりしたわね」

花京院「平沢さんらしいね」

承太郎「ただのアホだろう」

和「唯は他にもいろいろやらかしてくれたわね」
「でも、あの悪気のない笑顔を見ると何だか許しちゃうのよね」

澪紬「わかるわぁ~」

梓「そんなもんですかねー」

129: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:33:14.06 ID:sKddKYDO
和「唯は昔よりだいぶマシになったわ」
「きっと軽音部のおかげだと思う」
「だからありがとう」

花京院「真鍋さんは大人だね」

澪「本当、ママみたい」

紬梓和花「ママ?」

澪「お、お母さん!」

承太郎「…」ニヤリ

澪「…ジョジョ、絶対誰にも言うなよ」

承太郎「なんのことだ?」ニヤニヤ

澪「とぼけるなよ…」

ガチャッ

澪「あ、律に唯。どうだった?」

唯「さわちゃんの新たな過去が明らかになったよ」

澪「怒られたんじゃ…」

律「違う違う。いろんなことがあって人は強くなってく、ってことだよ」

澪紬梓承和花「?」

承太郎「平沢、進路調査表はどうなんだ?」

唯「未定じゃダメだって」
「何かいいのないかな~」

和「小学校の時は幼稚園の先生になって子供と遊んでたいって言ってたわよね」

紬「唯ちゃんらしいわね」フフッ

承太郎「…」チラッ

澪「ん?」

承太郎「ママ…ゴホン、すまない」
「マーマー、平沢のためだ。真面目に考えてやろうじゃないか」

紬梓和花「クッ…」プルプル

澪(ジョジョってこんなにひどかったっけ…)

130: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:35:04.11 ID:sKddKYDO
律「そういや小学校って言えば澪が作文で賞状もらったことあってさ」
「賞もらった人は全校生徒の前で発表しないといけなかったんだよ」

梓「それでどうなったんですか?」

律「あ、先に澪のこと話さないとダメだわ」

承太郎「手短に頼むぜ」

律「おっけ~」
「小学生の澪は今にもまして恥ずかしがりでな」
「反応が楽しかったからしょっちゅうちょっかい出してたっけ」

花京院「それはいじめじゃあないのかい?」

律「違う違う。小学生の頃って好きな子にちょっかい出したがるだろ?」
「それと一緒さ」

澪「…思い出したら腹が立ってきた」
「律、おでこだせ」カキカキ

承太郎「もう出てるじゃあないか」

唯「承太郎君鋭いツッコミ!」

和「それで作文の発表はどうなったの?」

澪(覚えてたか…)
「小4の時に賞をもらって、全校集会で発表しないといけなかったんだ」
「それが嫌で落ち込んでたら、律が声をかけてくれて」
「その日に律の家で発表の特訓することになったんだ」

承太郎(長いな…)

澪「そしたら律が、緊張したら観客をじゃがいもだと思えって言って」
「でも私はじゃがいもの真似できないからって髪を結んでパイナップルの真似したんだ」

唯「承太郎君が眠そうでーす!」

律「ジョジョ~、起きないとパイナップル三つ目星人が襲いにくるぞ~」

承太郎「…わかったから近寄るな」

澪「…続けるぞ」
「その特訓のおかげで、本番は大丈夫だったんだ」
「生徒全員の顔がパイナップルに見えちゃって」
「律のおかげですごくリラックスできたんだ」

紬「いい話ね~♪」

131: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:35:46.37 ID:sKddKYDO
唯「昔はいい子だったんだね~」

承太郎「お前のキャラじゃあないな」

律「お前ら素直に誉めるってことを覚えてくれ…」

梓「それで発表は成功したんですか?」

律「…まあ澪の作文だからな」
「内容はあまりにもメルヘンだったな」

花京院「県の委員会はその秋山さんのメルヘンの世界の作文に共感したってことだね」

律「…うちの県やばくね?」

澪「思えばあれからいろいろ律に教えてもらったなー」
「…」
「ろくなこと教えてもらってないな。別の人に頼めばよかった」

律「うぅ~…」ウルウル

承太郎「…秋山、それは言いすぎなんじゃあないか?」

梓(承太郎先輩が律先輩をかばってるッ!?)

澪「いや、お前の方が好き勝手言ってるだろ…」
「でも、私に音楽をすすめてくれたことには感謝してる」

唯律紬梓「澪ちゃん(先輩)…」ズイッ

澪「っていうか私と律の話じゃなくて!」
「問題は二人の進路の話だろ!?」

和「そういえばそうだったわね」

132: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:36:16.37 ID:sKddKYDO
花京院「まずは難しく考えないで漠然としたものを思い浮べればいいんじゃないかい?」

唯「う~ん…お花屋さんとか?」

承太郎「一日で花が全滅しそうだな」

唯「それじゃあOLとかは?」

~~~~~

唯「遅刻遅刻~!」

ガチャッ

唯「すみません、遅れました!」

会社員「君の会社は隣のドアじゃないか?」
「…」ジッ
「…それにしても君の手首は綺麗だな」

唯「!」ゾクッ
「し、失礼しましたぁ~!」

~~~~~

梓「唯先輩には時間が決まってるのは無理そうですね」

澪(…唯以外の人間にも問題なかったか?)

承太郎「海女さんなんかはどうだ?」

律(なんたるチョイス!)

唯「私あんなに深いところ潜れないよ~」

和「あまり考えてる時間はないけど」
「明日までに考えておけばいいんじゃないかしら」

133: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:36:57.06 ID:sKddKYDO
翌日!

唯「はいさわちゃん!」

さわ子「どれどれ…」

第一志望「とにかく」
第二志望「一生懸命」
第三志望「がんばります」

さわ子「…」フフッ
「却下!」

唯「えぇ~…」

ガチャッ

唯「失礼しましたぁ~…」トボトボ

承太郎「どうだったんだ?」

唯「ダメだって~…」

承太郎「紙見せてくれないか?」

唯「はい」ピラッ

承太郎「…」
「…」フッ
「…ヒトデは腕を切られても何回でも再生する」
「…ゆっくり、だが着実にな」

唯「?」

承太郎「お前も何回も紙を返されても」
「ヒトデのようにくじけないで何回でも考えてみるんだ」
「ゆっくりでもいい。だが自分の進む道だ」
「着実に歩ける道を考えるんだな」

唯「!」
「わかったよ!ありがとう、承太郎君♪」ニコッ

承太郎「…やれやれ」
(ガラにもないことを言ったな…)

134: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:37:35.45 ID:sKddKYDO
数日後の3年2組!

唯「ふぅ…ギリギリセーフ…」

律「一体どうしたんだ?」

唯「今日は早起きしてジョギングしてたんだよ」
「進路調査表に頑張るって書いたし」

承太郎「いいことじゃないか」

澪「そういえばもうすぐ期末試験だな」

律「もうか…」

授業後!

澪「頑張るなら居眠りするなよ…」

律「何をどう頑張るって~?」ムニッ

唯「ちゃんと勉強します!」

図書室!

唯「ムギちゃんノート綺麗だね!」
「欲しい…」

紬「あとでコピーしてあげる♪」

唯「ありがとう!」
「あ、澪ちゃんのノートかわいい~」

澪「う、うるさい!」

唯「りっちゃんは居眠りしてるね~」

律「私は部活のためにエネルギーをためてるんだ!」

澪「…もうそろそろ暴発するんじゃないか?」

唯「承太郎君のノートも綺麗だね~」
「ん?ヒトデ綱?」

承太郎「ああ、それはヒトデの種類だ」
「一度板書し終わったらそっちの勉強をしているんだ」

唯「大変だね~」

135: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:38:05.71 ID:sKddKYDO
帰り道!

承太郎「本当に勉強できるんだろうな?」

唯「大丈夫!帰ってからちゃんとするよ!」

承太郎「それならいいが…」

唯「あ、おばあちゃん!」

トミ「あら唯ちゃん」
「そちらの大きい方はお友達?」

唯「うん!空条承太郎君って言うんだ!」

トミ「あらそう。こんにちは、空条さん」

承太郎「ああ」

トミ「唯ちゃんそれまだ頑張ってるのね。えーと…」

唯「ギー太だよ!」

トミ「そうそうギー太。長続きして偉いねぇ」

唯「ふふっ…」モジモジ
「それじゃあ私帰るね」

トミ「はいはい、それじゃあね」

承太郎「…お隣さんか?」

唯「うん!ちっちゃい頃から私と憂の面倒みてくれてるんだ」
「だから何か恩返ししたいけど…」

承太郎「そうか」

唯「あ、立ち話も何だしあがってく?憂がお茶いれてくれるよ」

承太郎「…今日は遠慮しておく」

唯「そう?じゃあまた明日ね!」

承太郎「ああ」

136: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:38:32.84 ID:sKddKYDO
翌日の廊下!

承太郎「…」スタスタ

梓「あ、承太郎先輩こんにちは」

憂「こんにちは。お久しぶりです」

純「こ、こんにちは…」

承太郎「ああ」
「平沢の調子はどうだ?」

憂「お姉ちゃんすごく頑張ってますよ!」
「ジョギングは一日で挫折しちゃいましたけど…」

純(ど、どうしよう…何か話してみよっかな)
(梓達の話を聞く限り良さそうな人だし…)
「わ、私は靴だけ買って走んなかったなぁ~…」

承太郎「…鈴木だったか」
「それはダメすぎるんじゃあないか?」

純「そうですよね~」
(梓達の言うとおりいい人だ…)
(外見はあれだけど…)

梓「あ、唯先輩だ」
「ベンチで勉強してる」フフッ

承太郎「どうやら頑張ってるってのは本当のようだな」

夕方の平沢家!

憂「あっ!お醤油きれちゃってる…」

唯「私が買ってくるよ!」

憂「そう?それじゃあお願い」

137: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:39:02.48 ID:sKddKYDO
ガチャッ

唯「お醤油お醤油~♪」

トミ「あら唯ちゃん、どうしたの?」

唯「お砂糖がきれちゃったからお使いだよ!」

トミ「お砂糖かい?それなら少し待っといてね」

少し後!

トミ「はい、お砂糖」

唯「ありがとう!」

トミ「そうそう、唯ちゃんにお話があったのよ」

承太郎「…」スタスタ
(ん?…平沢と昨日のばあさんか)

トミ「実はもうすぐ演芸大会があってね」
「唯ちゃんも出てみないかって話なんだけど」

承太郎(…演芸大会?)
(…どうでもいいな、行くか)スタスタ

唯「うーん、日にちは…」
(期末試験の次の日だ…)

トミ「何か用事があった?」

唯「…ううん!」
「私出るよ!」

トミ「そう!ありがとね、唯ちゃん」

スタスタ

承太郎(…演芸大会のポスターか)
(日にちは期末の次の日か…)
(…まさかあいつ出るんじゃあないだろうな)

138: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:39:37.17 ID:sKddKYDO
翌日の3年2組!

唯「昨日お使いでお醤油とお砂糖間違えちゃって~」

律「何をどう間違えばその二つを間違う…」

承太郎「…平沢、お前演芸大会に出るつもりじゃあないだろうな?」

唯「え?何で知ってるの?」

承太郎「昨日用事があってばあさんの家の前を通った時に聞こえたんだ」

紬「演芸大会?いつあるの?」

唯「期末試験の翌日だよ」

澪「期末試験の翌日!?勉強はどうするんだよ!?」

唯「うん、だから私一人で出るよ!」

澪「いや…だから勉強は…」

承太郎「…辞退したほうがいいんじゃないか?」

律「ジョジョの言うとおりだ。そんなのに出てる場合じゃないだろ?」

唯「隣のおばあちゃんを喜ばせたいんだよ」
「小さい頃からお世話になってるから恩返ししたくって」

紬「素敵ね~♪」

139: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:40:05.43 ID:sKddKYDO
澪「でも一人で何やるんだ?」

唯「ギターの弾き語りでもしようかと~」

律「…お前ギター弾きながら歌えるのか?」

唯「はっ!盲点だったよりっちゃん!」

律「おい…」

唯「どうしようりっちゃん…」

承太郎「…やれやれ」
「珍しくお前がやる気になってるんだ」
「協力してやるぜ」

唯「本当!?ありがとう!」

澪「ジョジョ、勉強は大丈夫なのか?」

承太郎「俺は毎回一夜漬けだから構わないさ」

夕方の河原!

ジャカジャカ♪

梓(…ギターの音だ…)
(あれって…)
「唯先輩、承太郎先輩」ヒョコッ

唯「あ、あずにゃん!」

承太郎「どうしたんだ?」

梓「私は買い物の帰りです」
「二人はどうしてここに?」

承太郎「こいつの練習に付き合ってるんだ」

唯「試験前は音楽室使えない規則だからね~」

梓「…演芸大会出るんですか?」

140: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:41:10.21 ID:sKddKYDO
唯「あ、憂から聞いた?」

梓「はい。あの…二人で大丈夫なんですか?」

承太郎「平沢だけなら不安だが一応俺もいるしな」

梓「試験勉強もしながら?」

唯「それは頑張るよ~」
「自分の将来のことだからね!」

梓「そうですか…」
「…」
「あの…私も出ます!」

承太郎「自棄になるぐらい勉強がはかどらないのか?」

梓「違います!」
「私は一応毎日勉強してるので多分大丈夫です」

唯「ありがとうあずにゃん♪」

梓「いえ、いいんです」
「それじゃあ明日から練習頑張りましょうね」
「では失礼します」ペコリ

唯「ばいばーい」

承太郎「よかったじゃあないか」

唯「うん!」

翌日!

澪「梓も一緒にやるのか」

承太郎「ああ」

紬「三人のユニットもいいわね♪」

梓「唯先輩に承太郎先輩」

唯「あ、あずにゃん」

梓「スケジュール立ててきました」
「まずは図書室で勉強です」

141: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:41:36.76 ID:sKddKYDO
承太郎「…」
「…お茶の時間がないように見えるが」

梓「そんなのありません」

唯「そんなぁ…」

承太郎「…平沢、このユニットは解散だ」

梓「はいはい」
「いいから早く勉強しに行きますよ」

スタスタ

律「ジョジョが尻に敷かれてるッ!?」

紬「…何か差し入れに行った方がいいわね」

澪「梓がいたら安心だな」

図書室!

梓「練習問題できましたか?」

唯「う…うん…」

梓「承太郎先輩は?」

承太郎「あ…ああ…」

梓(どうかしたのかな?)
「それじゃあ私丸つけしますね」スッ

承太郎「お、おいッ!」

梓「…二人共なんですかこれ?」

唯「…あずにゃんの似顔絵コンクール」

梓「真面目にしてくださいよ…」

承太郎「俺は一夜漬け派なんだ」

梓「そんなのここでは通用しません!」

承太郎「図書室では静かにするんだ」

梓「誰のせいですか…」

142: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:42:00.73 ID:sKddKYDO
純「憂のお姉ちゃんと承太郎先輩って面白いね」
「特に承太郎先輩なんかすごく意外だった」

憂「でしょ?承太郎さんすごくいい人なんだよ」

純「何ていうか、軽音部の色に染まっちゃってるね」
「昔は不良だったんでしょ?」

憂「そう考えたら軽音部のみなさんの影響力って結構すごいかも」

河原!

梓「そういえば歌う曲は何にしますか?」

唯「お年寄りが多いらしいよ」

承太郎「…演歌か?」

唯「演歌だったらこぶしをまわす練習しなきゃ!」

梓「承太郎先輩できるんですか?」

承太郎「ふわふわたーぁーいむ♪」
「…なかなか難しいな」

梓「やっぱり承太郎先輩でも難しいですか…」

トミ「唯ちゃんに空条さん」スタスタ

唯「あ!おばあちゃん!」

トミ「はい、肉じゃがコロッケ」

唯「ありがと~♪」

承太郎「何故ここにいるとわかったんだ?」

トミ「憂ちゃんから聞いたのよ」
「えーと、そちらの方は?」

143: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:42:27.95 ID:sKddKYDO
唯「私達と一緒に演奏してくれるあずにゃんだよ!」

梓「はじめまして」ペコリ

トミ「あらあら、ありがとうね、あずにゃんさん」
「それじゃあ私は行くね」

唯「ばいばーい」

梓「優しそうなおばあちゃんですね」

承太郎「…」モグモグ

梓(食べるの早…)

唯「うーん、おいひぃ~♪」モグモグ

梓「それじゃあ私もいただきます」スッ

承太郎「…お前はダイエットしなくていいのか?」


梓(もう食べ終わってる…)
「そんなこと女の子に言ったらもてませんよ?」モグモグ

承太郎(食いやがったッ!)
「……」シュン

梓(落ち込んだ)フフッ
「仕方ないですね」サクサク
「半分あげるから落ち込まないでください」

承太郎「悪いな」モグモグ

梓(立ち直り早ッ!)
(…餌付けしようかな)ニヤニヤ

承太郎(…中野の奴何か悪巧みしようとしてやがるな)

帰り道!

唯「そういえば演奏する曲何にする?」

梓「ふわふわがいいんじゃないですか?」

承太郎「お年寄りが『お気に入りのうさちゃん』なんて聞いてどう思うかだな」

梓「…ふわふわはパスで」

144: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:42:57.22 ID:sKddKYDO
承太郎「!」
「少し待ってろ」スタスタ

梓「どうしたんですかね?」

唯「さあ?」

承太郎「悪いな」スタスタ
「ほら、やるよ」

唯「あ!たい焼きだぁ~!」

梓「ありがとうございます!」
「でも何で急に?」

承太郎「…なんとなくってやつだ」
(悪巧みをされる前に餌付けしておけば大丈夫だろう)

梓(いい人だな~)
(やっぱり餌付けなんてやめよう)モグモグ

翌日!

律(とうとう始まったか期末試験…)
(…いきなりわかんねぇよ)
(消しゴム頼む!)コロコロ

承太郎(…まさか田井中のやつあそこまでとは)

唯「…」スースー

承太郎(…頑張るんじゃあなかったのか?)
(仕方ないな)

ジャラララ

唯「…」ムクリ

承太郎「…学ランの鎖が落ちた」

教師「拾っていいわよ」

承太郎「悪いな」ヒョイ

唯「…」カキカキ

承太郎(やれやれだぜ)

145: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:43:40.60 ID:sKddKYDO
演芸大会当日のステージ裏!

唯「…」スースー

承太郎「…ずっと支えて大変だな」

梓「ええ…」

承太郎「…そろそろ俺達だ。起こしてやれ」

梓「そうですね」
「唯先輩!起きてください!」ユサユサ

唯「ん…」ムクリ

梓「もうすぐ出番です。準備しますよ」

ステージ!

キーンコーン

司会『はい、ありがとうございました~』

婆「何でわしの息子が鐘二つなんじゃァァァァアアアアアッ!」
「審査員めッ」
「審査員を出すんじゃッ!」
「脳ミソ!ズル出してやるッ!」
「背骨バキ折ってやるッ!」
「タマキン ブチつぶしてやるッ!」
「息子の恨み今晴らしてやるッ!」

司会『すいません、その人連れていってください』

警察「わかりました」グイグイ

婆「離せッ!離すんじゃァーーッ!」ズルズル

澪「ヒィィ…」ブルブル

紬「す…すごかったわね」

律「ああ…すごく恐ろしいものの片鱗を味わった気分だ…」

146: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:45:45.36 ID:sKddKYDO
司会『気を取り直しまして、次は「ゆいあずfeat.JOJO」の三人です』

唯『どうも~!桜ヶ丘高3年、平沢唯です!』

梓『2年、中野梓です!』

唯『そして~!』

承太郎『…3年、空条承太郎だ』

梓『私達三人合わせて!』

唯梓承『ゆいあずfeat.JOJOッ!』ドドドドドドドドドドドド

律「誰がこんな名前つけたんだよ…」
「つーかあの三人の立ち方はなんだよ…いや、かっこいいけどさ…」

紬「…ジョジョ立ち?」ボソッ

承太郎『今日は年寄りが多いと聞いたんでな、新曲を考えようと思ったんだ』

梓(え?アドリブ?)

唯『へぇ~。何ていう曲?』

承太郎『「ヘブンズ・ドアー」だ』

梓『ちょっと待てェェェーーーッ!!』

アハハハ

律「最悪じゃねーか…」

花京院「でもうけてるみたいだね」

147: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:46:28.58 ID:sKddKYDO
唯『それでは「ふでペン~ボールペン~」、ゆいあずfeat.JOJOバージョンです!』

テッテーレテーレテーレ♪

さわ子「梓ちゃん編曲頑張ったわね」

承太郎『ふーでペーンFU FU♪』
『ふーるえーるFU FU♪』
『はーじめーてきーみーへーのGREETING CARD♪』

澪「優しい歌だな…」

律「なぁ、ジョジョの声甘くね?」

紬「曲で歌いわけれるようになったのね」

さわ子「ボーカルとして一つレベルがあがったわね」

承太郎『とーきめーきPASSION♪』
『あーふれーてACTION♪』
『はーみだーしちゃーうかーもーねー♪』

キーンコーン

司会『はい、ありがとうございました』

和「何で!?」

律「歌自体はよかったじゃん!」

さわ子「…高校レベルじゃ無理ってことかしらね」

演芸大会後!

唯「参加賞です!」スッ
「本当は優勝賞品の宮城県旅行あげたかったんだけど…」

トミ「ありがとうね、気持ちだけで十分よ」
「三人ともすごく素敵だったわぁ」

唯「えへへ~♪」
「それじゃあ二人とも帰ろっか」

148: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:47:05.12 ID:sKddKYDO
帰り道!

梓「おばあちゃん喜んでくれてよかったですね」

唯「うん!ありがとね、二人とも」

承太郎「…少し待ってるんだ」スタスタ

梓「どこ行ったんですかね?」

唯「さあ?」

承太郎「…待たせたな」スタスタ
「…食っておけ」スッ

梓「たい焼き…」

唯「でも何で…?」

承太郎「……」
「…参加賞だ」モグモグ

唯梓「…」ジッ
「…」フフッ
「いただきまーす♪」モグモグ

ナンカサイキンジョウタロウクンヤサシイネ キモチワルイグライデスヨネ …イマスグハキダセ

律「後つけてみたら…何かいーなー」

澪「お前も出たほうがよかったんじゃないか?」

律「澪、来年出るか?『りつみお』で」

澪「やだ」

紬「…それにしても承太郎君って面白いわね」

花京院「そんな言葉を聞くことになるとはね」

紬「だって子供っぽいとこもあるし大人のところもあるし」
「何か見てて飽きないっていうか」

さわ子「そういう一面を見せるぐらいあなた達に気を許したってことよ」

紬「そうだといいですね♪」

149: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:48:27.80 ID:sKddKYDO
数日後の音楽室!

律「そういえば唯とジョジョはテストどうだったんだ?」

唯「知りたい~?」ニヤッ

律「何だよ~もったいぶらないで見せろよ~」

唯「ふっふっふ、はい」ピラッ

律「…全部…80…越え…?」

澪「すごいじゃないか唯!頑張ったな!」

唯「えへへ~、ヤマはってたらそればっかり出ちゃって」

律「それでも…それでもジョジョなら」

承太郎「残念だったな」ピラッ

律「うわぁぁあああ!目がッ!目がぁぁあああああ!」

梓「全教科90越え…」

紬「すごい…」

さわ子「まったくもう…」

澪「どうしたんですか?」

さわ子「ずっと立ちっぱなしで嫌んなっちゃうわよ」

律「いきなりかよ…」
「ていうか職業柄仕方ないじゃん」

唯「健康サンダル履けば?」

さわ子「おしとやかな先生で通ってるから無理…」

承太郎「いつまでたっても冗談はうまくならないもんだな」

さわ子「…あんたケンカ売ってるの?」

150: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:48:55.93 ID:sKddKYDO
律「とりあえず何か楽になるようにすりゃいいじゃん」

さわ子「教育ってものは少しの油断が命取りなの」
「下手すれば承太郎君みたいな生徒ばかりになっちゃうわ」

律「うわー、そりゃ大変だ…」

ブーッブーッ

さわ子「…ちょっと420(失礼)」スタスタ

梓(…今の何?)

帰り道!

紬「そういえば今日、さわ子先生誰かに送ってもらってたの」
「だけど何かケンカしてるみたいだったわ」

律「それに突然の連絡…」
「普通に考えて相手はさわちゃんの…」

唯「お母さん!?」

承太郎「…お前は二度と喋らなくていいぜ」

梓「今回は承太郎先輩に同意です」

唯「何で~!」ブー

澪「噂をすればさわ子先生だ」

さわ子「…」キョロキョロ

律「めっちゃ挙動不審だな、おい…」

承太郎「…つけてみるか」

梓「いいんですかね、そんなことして?」

紬「左に曲がったわ!さあ早く!」

151: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:50:34.32 ID:sKddKYDO
踏み切りの近く!

律「さわちゃんの動きが止まったな」
「ここで張り込みするか」

承太郎「平沢、琴吹、頼む」

唯紬「ラジャー!」

梓「承太郎先輩もっと頑張って隠れて!ばれちゃいます!」

澪(まともな人がいない…)

唯「はい澪ちゃんも。あんぱんと牛乳」

澪「いや、いいよ…」

紬「また辺りを気にしはじめたわ!」

澪「…先生にもいろいろあるんじゃないかな?」

唯律紬梓承「いろいろ?」ジロッ

澪「いや!私は何もないぞ!?」

律「まぁ、澪は確かに美人だし男子に憧れてるやつがいても不思議じゃない」

唯「澪ちゃん大人の階段を着々と上ってるね!」

承太郎「式には呼んでくれ」モグモグ

澪「話が飛躍しすぎだ!」
「ていうか私はそんなのに興味はない!」
「今は軽音が恋人みたいなもんだし…」

唯律紬梓承「おー」パチパチ

澪「!///」ゴチン

律「…何で殴るんだよ……」プクー

唯「あ、誰かきた!」

梓「女の人ですね」

紬「ファミレスに入ったわね」

承太郎「よし、行くぜ」

152: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:51:20.44 ID:sKddKYDO
ファミレスの中!

承太郎「…6人だ」

店員「お席はいかがなさいますか?」

承太郎「…禁煙席で頼む」

店員「それではあちらの空いてる席にどうぞ」

律「ここでいいよな。見えやすいし」

澪「6人で座るには狭いな」
(一人があり得ないぐらい巨体だし)

律「それじゃあ私と梓がジョジョの隣に座るか」

店員「ご注文は?」

唯「あ、注文きたよ」

律「それじゃあ私は『フレッシュ桃とミルクプリンのスープ仕立て』で」

梓「私は『桃のミルフィーユパイ』を」

承太郎「俺は『イカスミスパゲティ』を食いたいんだが構わないな?」

澪(どんな注文の仕方だよ…)

律「ほら、お前らも早く決めろ」

梓「!」
「みなさん伏せてッ!」バッ

唯「え?何?どうしたの?」

梓「女の人がこっちをチラチラ見てて」
「さわ子先生が気になったみたいでこっちを振り向きました」

澪「危なかったな…」

律「…ジョジョ、重い」

承太郎「仕方ないだろう。ばれても良かったってのか?」

律「よくはないけどさ…」
(鎖が当たってめっちゃ痛かったんだけど…)

153: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:52:33.76 ID:sKddKYDO
ファミレスの外!

唯「あのパフェおいしかった~♪」

梓「当初の目的覚えてますか…?」

紬「あ、さわ子先生と女の人別れたみたい」

律「結局わからずじまいだったなー」

?「ねえ、あんた達って桜高の軽音部?」

唯「この人名探偵!?」

承太郎「お前が着てるのと背中に背負ってるものを言ってみろ」

唯「え?制服とギー太だけど…」

承太郎「…そんだけあれば十分桜高の軽音部ってわかるだろう」

?「合ってるみたいだね。軽音部のOGとしてちょっと話があるんだけど部長は?」

律(うわー、めんどうなことになりそうだな…)
「澪です」

澪「嘘を言うな!」

おでん屋!

?「ねぇ、ちょっとそのギター貸してよ」

唯「どうぞ」

?「へぇ、なかなかシブイギター使ってんじゃん」
「…シブイねぇ…まったくあんたシブイよ」

唯「はあ…」

?「それにしてもギターなんて久しぶりだなぁ。どれ…」

ピロピロギュイーン♪

梓「うまい…」

?「これでもさわ子と毎日ソロのテクで競い合ってたのよ」

154: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:53:14.80 ID:sKddKYDO
律「さわちゃんと?」

?「知らなかった?私とさわ子は同じバンドだったんだ」
「あ、ちなみに私の名前は紀美っての」

承太郎「…」モグモグ

澪「すみません…約一名遠慮してないものが」

紀美「いいんだよ。あんたらもどんどん食べな」

梓(最近承太郎先輩よく食べてるな…成長期?)

紀美「おじさん、この子らにジュースと何かいろいろ追加ね」

店主「あいよ」

承太郎「俺には牛スジと大根と玉子とがんもどきも頼む」

律「…お前は本当に遠慮って言葉を覚えような」

紬「がんもどき…」

梓「好きなんですか?」

承太郎「おやじ、あいつにがんもどき追加だ」

律「私の言葉届いてねー…」

澪「それで、話っていうのは?」

紀美「大した話じゃないんだけどね…」
「…実はさわ子結婚するんだ」

唯澪律紬梓承「…」
「何ィィイーーーーッ!?」

承太郎「あの結婚適齢期が一生ない女が結婚だとッ!?」

律「それは言いすぎ…」

紀美「まあそれは嘘なんだけどさ」
「軽音部で同期だった子が結婚するみたいで」
「それで二次会に私達に演奏してくれって頼んできてるんだ」

155: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:54:07.09 ID:sKddKYDO
澪「出ないんですか?」

紀美「さわ子が乗り気じゃなくてね」
「何か今おしとやかで通ってるんでしょ?」
「そのイメージを壊したくないんだってさ」

梓「イメージを壊す?」
「どんなバンドだったんですか?」

紀美「写真が確かあったから…」ゴソゴソ
「あった。はい」ピラッ

梓「これは…」

紬「イメージ壊すどころじゃないわね…」

唯「かっこいいね!私達も学園祭これやろうよ!」

澪「絶対に嫌だからな!」

承太郎「…この時の写真はもうないのか?」

紀美「確か…音楽室に置いてたかな」

承太郎「そうか」
「おい、田井中」

律「ああ、明日は大掃除するぞ!」

梓「見つけだす気ですか…」

店主「はい、盛り合わせお待ち」
「ジュースはコーラでいいね」

承太郎(本当は酒がいいんだがな…)
(…もう禁酒と禁煙は三年目になるのか)

紬「承太郎君、どれががんもどき?」

承太郎「その丸いのだな」

紬「…意外に普通ね」

唯「…」ジッ

紀美「あ、ギターありがとね」

唯「いえ、大丈夫です」
「お帰りギー太ぁ♪」

紀美「…」フフッ

156: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:55:18.64 ID:sKddKYDO
翌日の3年2組!

さわ子「今日の英語は自習になります」
「授業が終わったらプリント回収するからちゃんと頑張ってね」

風子「空条君、琴吹さんから」スッ

承太郎「悪いな」ペラッ

紬《承太郎君何か考えた?》

承太郎(…)
(いろいろ考えたが昔のメンバーが説得できなかったのを俺達にできるとはな…)カキカキ
「頼む」

紬《二次会は他の先生や新聞部の子も来るらしいし…》

承太郎《思ったんだが何故新聞部が来るんだ?》
《まったく関係性がないんじゃあないか?》

紬《そういわれれば…》
《ネタがなさすぎるとか?》

承太郎《どうやって二次会に行けるようになったのか聞いてみたいもんだな》

紬《そうね…》
《澪ちゃんにも聞いたら承太郎君と同じ意見だったわ》
《他の二人はまあ…察してくれたら嬉しいわ》

承太郎《そうか、まああの二人は最初から当てにしてないさ》

さわ子「さっきから何やってるのかしら?」

承太郎「手紙の交換だが?」

さわ子「…嘘でも少しは申し訳なさそうに言ってほしいわね」

紬「あの、私が悪いんです!」ガタッ

さわ子「え?」

紬「私が発端なんです」
「だから廊下に立ってます!」

さわ子「そ、そう…」
「それじゃあ手紙を回してた人は廊下に立ってなさい」

157: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:55:59.56 ID:sKddKYDO
廊下!

紬「これが廊下に立ってなさい…」
「もう思い残すことはないわ♪」

唯「ん~…」
「…!」カタッ
「届いた!届いたよりっちゃん!」

律「そんなにクラスのプレートに届いて嬉しいのかよ…」

承太郎「…」カタッ

唯「あ!頭でついてる!すご~い!」

澪「それよりもどうするんだ?」

律「昨日のことか…」

昨日のおでん屋!

紀美「それじゃあさわ子の説得よろしくね」

律「でもさわちゃん強情だからなぁ…」

澪「私達にできるかどうか…」

紀美「…14750円」ボソッ

律澪「張り切って頑張らせていただきます!」

戻って廊下!

律「…誰かが食いすぎるから」

澪「だから遠慮しとけって言ったじゃないか…」

承太郎「お前らも嬉しそうに食ってたじゃないか」

澪「あっ、あれは紀美さんが頼んでくれたから…」

承太郎「食った時点で同罪だ」

律「くそォ…」

158: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:56:25.86 ID:sKddKYDO
ガチャッ

さわ子「…あんた達うるさいんだけど」
「ほら、もう中に入りなさい」

唯澪律紬「はーい」

放課後の職員室!

梓「大丈夫ですかね?直接乗り込んじゃって」

承太郎「何とかなるさ」

律「さーわち…

唯「どうしたの?」

律「あれ見てみろよ」

女生徒「写真ありがとうございました!」

さわ子「いいのよ」
「でも他の先生の迷惑になるから静かにね?」

女生徒「はーい♪」

承太郎「…人気あるんだな」

紬「何か頼みづらくなっちゃったわね…」

校門!

紀美「で、どうだった?」

澪「さわ子先生他の生徒に人気あって、何か頼みづらくなって…」

紀美「今のさわ子も人気あるんだ…」
「それじゃあ失敗したから14750円回収…」

律「マジで!?」

澪「どうするんだよジョジョ!?」

承太郎「バイトすりゃあいいじゃねーか」

澪「私達にそんな余裕ないだろ!」

紀美「冗談だよ」
「でも少し協力してもらいたいんだけど…」

159: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:57:39.22 ID:sKddKYDO
結婚式当日の二次会会場の控え室!

唯「ギー太が不良になっちゃった~…」シクシク

梓「今の唯先輩なら承太郎先輩のお母さんの気持ちがわかりそうですね」

紀美「誰か何か特技ないの?」

承太郎「火のついたタバコを5本口の中に入れて、火を消さないでコーラをのめるが」

律(なんて妙な特技だよ…)

澪「ジョジョ、タバコなんか吸っちゃダメだぞ?」

唯「そうだよ、体に悪いって憂が言ってたもん」

梓「唯先輩、それは常識です…」

承太郎「だそうだ。悪いな」
「…それに安心しろ。軽音部に入った時点で禁煙している」

紬「よく続いたわね」

承太郎「最近はお前らに毒されてきた気がするがやる時はやるんだ」

梓(一応自覚は少しあるんだ)

紀美「もうそろそろ時間だね。行こっか」

二次会ステージ!

司会『それでは「DEATH DEVIL」によるライブを始めます』
『なお、本日は特別編成での演奏です』

160: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 19:58:45.66 ID:sKddKYDO
ゾロゾロ

さわ子「何で軽音部がいるのよ…」
(…承太郎君だけいつもの格好と変わらないけど何でしっくりくるのかしら)
(ていうかみんなこれから奇妙な冒険でもしに行きそうな格好ね…)

紀美『てめぇら今日は飛ばしていくぜェェーーーーッ!!』

ジャカジャカジャカジャン♪

承太郎『甘い言葉にご用心wow』
『あんまそんなの慣れてなァーーイッ!』

キャーカッコイー

さわ子(これは…)
(これこそ私が追い求めていたDEATH DEVILッ!)

承太郎『かなり警戒注意報wow』
『だがどうやら…』
『…』
『…だがどうやら歌詞を間違えたみたいだな』
『…やれやれだぜ』

アハハハハ

さわ子(違うッ!認めた私がバカだったッ!)
(…DEATH DEVILはこんなに笑われていいバンドじゃないッ!)ガタッ

161: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 20:00:31.79 ID:sKddKYDO
パッ

唯「で、電気が消えちゃったよ!?」

承太郎「大丈夫だ、すぐにつく」

ツカツカ バッ スタッ パッ

唯「あ、電気ついた!」

律「ってさわちゃん!?」

さわ子「…唯ちゃん、ちょっとギター貸して」スッ

ピロピロピロギュワーン!

澪「う…うまい…」

さわ子『てめェら…DEATH DEVILはこんなぬるっちい音楽じゃあねぇ…』
『ドゥーユゥーアンダスタンンンンドウ!』

律「さすが英語教師…」

紬「雰囲気が普段と全然違う…」

さわ子『今から本物ってもんを見せてやるッ!』

紀美『よっしゃあ!いくぜェェェェーーーーーーッッ!!』

ジャカジャカジャカジャン♪

162: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/18(水) 20:01:52.15 ID:sKddKYDO
休み明けの音楽室!

さわ子「やっちゃった…」ズーン

唯澪律紬梓「面目ない…」

さわ子「いいの…もとはといえば…」

承太郎「お前が勝手にキレたのが悪いんだ」

さわ子「あんたが間違わなければ良かったのよ!」

コンコン

紬「はぁ~い」

ガチャッ

女生徒1「あの、さわ子先生いますか?」

さわ子「どうしたの?」

女生徒2「私達と写真撮ってくれませんか?メガネ取って」

さわ子「え?」

パシャッ

女生徒1「ありがとうございました!」

女生徒2「二次会のさわ子先生すごくかっこよかったです!」

律「私達もあれぐらいやんないとダメかもな~」
「唯達が演芸大会でやってた立ち方やってみる?」

梓「あれかっこよかったですよね!」

唯「うん!すごくかっこよくなった気分だったよ」

紬「どう、承太郎君?」ドドドド

承太郎「もう少しだな」
「こうやるんだ」ドドドドドドドドドドドド

律「スゴ味が違うな~」
「教えてくれよジョジョ!」

澪「おい…絶対学園祭じゃやらないからな…」

174: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:44:10.55 ID:6wVqJwDO
数日後の音楽室!

梓「今日も暑いですね…」

唯「そだね…」グテッ

紬「はい唯ちゃん、タオル水で濡らしといたから」

唯「ありがとうムギちゃん…」

承太郎「しかし本当に暑いな…」

律「いや、自分の格好見てみろよ…」

澪「今年も夏場でも学ランは脱がないのか」

承太郎「一応夏場はすぐ乾く素材にしてるんだが…」

梓(ユニクロ?)
「唯先輩、お水ですよ」

唯「ありがとうあずにゃん!」ダキッ

唯梓「あっつい…」

承太郎「…離れてくれ…見てる方も暑くなる」

律「まずは学ラン脱げよ…」

澪「しかしこうも暑いと首が蒸れるんだよな…」

律「じゃあ髪結べばいいじゃん」ムスビムスビ
「はい完成!」

紬「梓ちゃんみた~い♪」

律「ジョジョどうだ?似合ってる?」

承太郎「…」ジッ
「…フン」

澪「…鼻で笑われた……」

175: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:45:55.72 ID:6wVqJwDO
梓「あ!ココちゃんが…」

律「何かついてるな。日焼けか?」

承太郎「…脱皮だ」

梓「そうですか…良かった」

唯「私達も脱皮すればいいんだよ!」

承太郎「とうとう暑さで頭をやられちまったか…」

唯「違うよ~。ちょっと待ってて!」

ガチャッ バタン

梓「倉庫で何するんでしょうね?」

澪「どうせろくでもないこと考えたんだろ」

ガチャッ

唯「じゃーん!脱皮!」

承太郎「病院に連れていくか」
「こいつの頭が心配だぜ」

律「そうだな、さわちゃんに車出せるか聞いてくる」

唯「ひ、ひどいよ二人とも!」

紬「唯ちゃん、スクール水着涼しい?」

唯「思ったよりは涼しいかな」

紬「そう」

ガチャッ バタン

澪「おい、ムギが倉庫行ったぞ…」

律「まさか…」

ガチャッ

紬「本当、意外に涼しい♪」

承太郎「そうか…」ガタッ

律「…お前は絶対に着るなよ?」
「…さわちゃん女子用しか作ってないって知ってるよな?」

176: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:46:42.33 ID:6wVqJwDO
承太郎「冗談に決まってるだろう」ドサッ

澪(そもそも入り切らないだろ…)

律「ほら二人とも着替えてこい」

唯紬「はーい」

少し後!

澪「それにしても暑いな…」

梓「でもこれだけ汗かけば痩せれそうですね」

澪紬「…」

澪「ちょっと倉庫行ってくる」

紬「私も」

ガチャッ バタン

唯「水着着たくなったのかな?」

律「それはないだろ…」

ガチャッ バタン

梓「出てきましたね」
「…返したはずの着ぐるみを着て」

律「あぁ、あれもう一回借りてきたんだ」

紬「どう?サウナスーツ♪」トサッ

澪「すごく汗かくな」トサッ

律「…頼む、見てるだけで暑いから目の前に座らないでくれ」

承太郎「…滑稽だな」

澪「ジョジョ、私は本気なんだ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

紬「澪ちゃんに同じよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

承太郎「!」
「あ…ああ…すまなかった」
(一瞬…ほんの一瞬だが気圧されちまったッ!)
(こいつは生半可な覚悟じゃあねーぜ…)

177: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:47:23.11 ID:6wVqJwDO
唯「それって楽器うまく弾けるの?」

澪紬「…」

澪「…脱ぐか」ヌギヌギ

紬「…ええ」ヌギヌギ

澪「うわ…制服びちょびちょだ…」

承太郎(…こいつも頭やられたのか?)

律「なぁなぁ、連想ゲームしようぜ~」
「日本の夏って言え

承太郎「海」

梓(早ッ!)

律「違う違う。つーか最後まで言いおわってから答えろよ…」

紬「ヒトデ?」

律「ノンノンノン」チッチッ

梓(ムギ先輩毒されてる?)
「花火ですか?」

律「残念!」
「正解は怪談だ!」

澪「ヒィィ…」パシィッ

律「い…痛い…」ヒリヒリ

唯(…澪ちゃん結構本気だったね)

承太郎「…友人から聞いたんだが」

梓(続けるんですか…)

178: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:48:03.79 ID:6wVqJwDO
承太郎「あるところにカップルがいてな」
「遊びから帰る時に山道を帰ったんだそうだ」
「しかし迷ってしまった。その車にはカーナビもなかったんだ」

律(この話聞いたことあるかも…よし、澪に仕返ししてやる!)コソコソ

唯「そ、それで…?」

承太郎「すると今まで寝ていたと思った女がいきなり道案内を始めたんだ」
「男は女の指示に従った。女の指示しか頼るものがなかったからな」

紬「…」ゴクッ

承太郎「女が『そこを左』と言ったから男は左にハンドルを切った」
「しかしそれと同時に急ブレーキを踏むはめになった」

梓「な…なんでですか…?」

承太郎「…曲がったすぐ先は崖だった。落ちたら命はないような高さだ」
「男は怒鳴った…誰だってそーする…俺もそーする」
「女は眠っていた…」
「だが、確かに低い男の声で…」

律「[ピーーー]ば良かったのにィィイイイーーーーーーーーーーッ!!」

唯紬梓「きゃああああああ!」

澪「いやああああああ!」ドゴォッ

律「いてええええええ!」ドグチア

179: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:48:39.67 ID:6wVqJwDO
承太郎「…終わりだ」

紬「ほ、他にはないの?」ドキドキ

承太郎「あるにはあるが…」チラッ

澪「ミエナイキコエナイ…」ガクガク

紬「澪ちゃん…」
「それじゃあまた今度お話してくれるかしら?」

梓「私も聞きたいです!」

唯「二人だけずるいよ~、私も聞きたいもん!」

承太郎「…暇な時に話してやるさ」

律「暑い…どうにか涼しくなんねーかな~」

澪「私はすごく冷えたけどな…」

承太郎「夏ってのは精神力と暑さの戦いだ」
「強い精神力があれば暑さなんか気にならなくなるぜ」

梓(確かに…)
(承太郎先輩は暑いって言ってるけど学ランは脱がない…)
(…これが精神力?)

律「そうなれば唯、涼しいことを考えるんだ!」

唯「涼しい…涼しい…」

180: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:49:22.84 ID:6wVqJwDO
唯と律の妄想の中!

ザザァーン

唯「涼しいね~」

律「そうだな~」

唯「私達って精神力あるかもね~」

律「そうだな~」

サンサン

唯「…暑い」

律「負けるな唯!涼しいと思い込むんだ!」

唯「涼しい…涼…し…」
「…ウックックックックックックックックッフヒヒヒ」

律「え…?」

唯「フッフッフッホハハハフフフフヘハハハハフホホアハハハ」
「ハハハハフフフフハハックックックッヒヒヒヒヒケケケケケ」
「ノォホホノォホヘラヘラヘラアヘアヘアヘ」

律「唯ィィイイイイイ!」

戻って音楽室!

唯「…」プシュー

律「ゆ…唯が…」

紬「え…ええ…」
「二人とも声に出してたからわかったわ…」

梓「本当に暑さでやられちゃいましたね…」

181: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:50:46.13 ID:6wVqJwDO
澪「そういえば物置に扇風機があったような…」

承太郎「あったぜ」スタスタ

扇風機 ボロッ

律「うわ~…大丈夫かこれ?かなり古いぞ」

承太郎「つけないことにはわからんだろう」カチッ

ブーン

紬「ついたぁ♪」

唯「涼しい~」

澪「唯も生き返ったな」

律「よ~し、風力最大!」カチッ

ブオーン

律「おおー!めっちゃ涼しい!」

ガタガタガタンッ

承太郎「!」
「オラァッ!」バッ

バキン

梓「カバーが外れて羽根が!」

澪「律危ない!」

律「え…」

バサッ

承太郎「…やれやれ、間に合ったか」

唯「す…すごい…」

紬「学ランで羽根を巻き込んで止めた…」

182: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:52:23.19 ID:6wVqJwDO
律「…」ポカーン

承太郎「田井中、怪我はないか?」

律「はっ!」
「あ、ああ…大丈夫だ」

唯「良かった~…」

澪「もう扇風機の前に顔近付けるなよ?」

律「うん…」
「ジ、ジョジョ…」

承太郎「何だ?」パンパン
(少し破けてるな…)

律「あ…ありがとな…」モジモジ

梓「律先輩照れてますね」ボソボソ

澪「ジョジョに面と向かってお礼言うのが恥ずかしいんだよ」ボソボソ

紬「かわいいわね♪」ボソボソ

承太郎「…気持ち悪いな」

律「な、なんだと~!」

唯「何と!」

承太郎「だが…」
「怪我がなくて良かったぜ」

律「!」
「ああ!」ニコッ
「ってジョジョ学ラン破れてる…」

承太郎「あまり目立たないから構わないさ」

梓(まあ…鎖とか付けてたら目立たないかも…)

183: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:54:04.34 ID:6wVqJwDO
律「…学ラン貸してくれ」

承太郎「何でだ?」

律「いいから早く脱げ!」グイッ

承太郎「おいッ!」ヌギッ

律「これは私が預かるからな!」

紬「あらあらあらあら♪」

澪「絶対今日私の家に来るな…」

梓「頑張って教えてあげてくださいね」フフッ

唯「ねぇねぇ、これ何?」

紬「あ、私今日氷持ってきたんだったわ」

唯「ほんとだ!氷がいっぱい!」

紬「それでかき氷作ろうと思ったんだけど」

澪「本当か!?」

紬「機械忘れちゃって」

澪「嘘だろ…」

承太郎「氷なら俺が手で砕いてやるが?」

澪「結構です…」

唯「冷たい…」ポチャッ

律「何やってんだ唯?」

唯「バケツに氷水いれて足いれてるの」

律「唯にしてはいい発想!」
「私もいれて~」ポチャッ
「うわ~、冷てぇ!」

184: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:54:50.28 ID:6wVqJwDO
紬「澪ちゃん達もやる?」

澪「ううん、私はいいや」

梓「私も口に含んでるだけで十分です」レロレロ

承太郎「俺もいい。氷が溶けたらさらに暑くなる」

紬「そう。それじゃあ私も一個食べようかしら♪」パクッ

唯「氷溶けてきたね…りっちゃん取ってきて…」

律「唯が行けよ…」

唯「りっちゃんが行って~」ポカポカ

律「唯が行け~」ポカポカ

唯律「あ」グラッ

バシャーン

澪「やっちゃった…」

梓「盛大にぶちまけましたね…」

唯「りっちゃんが行かないからだよ~」ブー

律「唯が行かないからだ」ブー

承太郎「…いいから早く拭け」

唯律「はい…」フキフキ

唯「…この氷ココちゃんの水槽に入れてあげよっか」

梓「ダメです!温度調整の装置がついてるから大丈夫です!」

唯「冗談だよ~」

185: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:55:45.65 ID:6wVqJwDO
承太郎「だが水槽は変えた方がいいかもな」

唯「何で?」

承太郎「脱皮してるってことは成長したがってるってことだ」
「成長するにつれ水槽は変えてやったほうがいい」

紬「それなら私の家におっきい水槽があるわ」

梓「本当ですか!?」
「でもどうやって持ってきましょう…」

澪「さわ子先生って車持ってたよな」
「頼んでみるか」

職員室!

クーラー ゴォー

唯律承「…」

さわ子「あらあなた達。どうかしたの?」

承太郎「…来い」ガシッ

さわ子「ちょっと何するの!?」ズルズル

音楽室!

さわ子「…あっつい」グテッ

梓「先生、ココちゃんを見てください」

さわ子「水の中で快適なんじゃないの~?」クルッ

承太郎「…お前はクーラーのある部屋の中で快適だったな」

さわ子「私は先生だからいいの」
「それよりココちゃん脱皮してるわね」

186: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:56:31.85 ID:6wVqJwDO
澪「それでムギの家にある水槽に変えたいんですけど…」

梓「車で運んでもらえませんか?」

さわ子「えぇ~…」

紬「はい先生。かき氷ですよ♪」
「少し荒削りにしてみました~♪」

さわ子「行かせていただきます!」モグモグ

承太郎(あの量だと少し手が冷えるな…)

校門!

ブロロロロ キッ

さわ子「お待たせ~」

律「それじゃあ私行ってくるわ、部長として」

唯「りっちゃんだけずるいよ!」

澪「ムギの家に行くんだからムギが乗らないとダメだろ」

唯「じゃあ助手席にムギちゃんで他のみんなは後ろにのろっか」

さわ子「この車四人乗りなんだけど…」

唯「もっとおっきい車なら良かったのに~」

承太郎「まったくだ」ギチギチ
「狭くてかなわないぜ」ギチギチ

律「めっちゃ狭そうだな、おい…」

澪「ていうかいつ後ろに乗った!?」

承太郎「さっきだ」スタッ

紬「あの、水槽かなり大きくて…」
「もしかしたらそれだけで車いっぱいになっちゃうかも…」

承太郎「それなら男手が必要だな」
「やっぱり俺が行くぜ」ガチャッ

梓「どれだけ涼みたいんですか…」

187: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:57:11.71 ID:6wVqJwDO
澪「行くのはムギだけだ!」
「ムギ、頼むな」

紬「うん」ガチャッ バタン

承太郎「琴吹、少し待ってくれ」

紬「なぁに?」ウィーン

承太郎「…水槽を一つ追加して欲しいんだが」ボソボソ

紬「んー、入りきるのを選んでくるわ」ボソボソ

承太郎「悪いな」ボソボソ

紬「ううん、大丈夫」
「いってきま~す♪」

ブロロロロ

それなりにあとの音楽室!

紬「ただいまぁ~♪」

承太郎「なかなか重かったな」ゴトッ

梓「お疲れさまです、承太郎先輩」

澪「すごくおっきいな~」

律「ていうか何で二つ?」

承太郎「俺が片方使わせてもらう」
「今日は部室に置かせといてもらいたいんだが」

澪「それは別にいいけど…」

律「そうだ。先生ありがとうございました!」

唯澪紬梓「ありがとうございました~!」

承太郎「たまには使えるもんだな」

さわ子「どういたしまして♪」
「それと承太郎君は『たまに』が余計ね」

188: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:58:40.43 ID:6wVqJwDO
少し後!

梓「ココちゃん新しい水槽だよ」

ココ「…」ポチャン
「…」スイスイ

唯「ココちゃん嬉しそうだね~」

澪「でも水槽の端っこに日が当たってるな」

梓「窓隠しましょうか」ベリベリ

律「それでいいかもな」

さわ子「それじゃあ私は職員室に戻るわね」ガタッ

承太郎「待ってくれ」ガシッ

さわ子「…まだ何かあるの?」

承太郎「クーラーをつけてくれ」

さわ子「クーラーねぇ…」
「私にはどうしようもないわよ」

律「そこをなんとか!」

さわ子「そういうのは生徒会に言った方がいいんじゃないかしら」

澪「なるほど…」

189: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:59:09.19 ID:6wVqJwDO
生徒会室!

クーラー ゴォー

唯律承「…」

和「…何?」

承太郎「…まさかお前らが裏切ってやがるとはな」

花京院「何のことだい?」

承太郎「上についてるものだ」

花京院「…クーラーか?」

承太郎「そうだッ!」

律「職権乱用だ!」

唯「こんなところにも格差社会の波が…」

和「何言ってるの…?」
「この前の部長会議で言ったじゃない」
「クーラー欲しい部活は申請してって」

承太郎「…」ジロッ

律「『ドラムを叩く』、『部長会議にも出る』…」
「私にとってこの二つをやることは難しいなッ!」

承太郎「…」ゲシッ

律「いてっ!」

承太郎「まだ間に合うのか?」

花京院「次の部長会議で案を出して可決されれば大丈夫だ」

承太郎「そうか…」

190: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 18:59:50.36 ID:6wVqJwDO
音楽室!

ガチャッ

梓「どうでした?」

律「明日の部長会議で提案しろってさ」

紬「会議?どんなことするの?」

律「出てないからわからん!」

澪「何で偉そうなんだ…」

唯「もし通らなかったらクーラーつかないの?」

承太郎「そうなるな…」
「すべてそいつに懸かっている」

律「えっ、私!?」

澪「お前以外に誰がいるんだよ…」

梓「会議の練習してみたらどうですか?」
「質問を予想してたら答えやすいと思いますし」

承太郎「…そうだな」

机!

澪「では議題のある方」

律「はい!」
「軽音部にクーラー買ってください!」

澪「今の意見に反対の人」

紬「以前の部長会議でその件は終了したのにいまさら遅いと思います!」

律「うっ…」

梓「軽音部は真面目に練習してるようには見えないので必要ないと思います!」

律「…」
「ごめんなさい!」

澪「諦めるなよ…」

191: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:00:31.11 ID:6wVqJwDO
承太郎「とりあえず何か反論するんだ」

唯「りっちゃんならできるよ!」

律「そうだな…よしこい梓!」

梓「それでは改めて」
「軽音部は真面目に練習してるようには見えないので必要ないんじゃないですか?」

律「うーん…」

承太郎「…俺達が真面目に練習してないってなぜわかるんだ?」
「部活中に俺達のことを気に留める…」
「お前の方が不真面目なんじゃあないか?」

梓「そ…それは…」

承太郎「なあ答えてくれ」
「子供の頃『刑事コロンボ』が好きだったせいかこまかいことが気になると夜も眠れねえ」

梓「…」ウルッ

澪(おい…)

紬「な、中野さんは外の部活で練習の音が聞こえてこないから言ったんだと思います!」

律「秘密の特訓だからです!」

澪(いいぞムギに律!)
「ほら、ジョジョも屁理屈ばっかり言ってないで謝れ」

承太郎「確かに意地悪がすぎたな」
「悪かった」

192: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:01:05.70 ID:6wVqJwDO
梓「…承太郎先輩なんか知らないです!」プイッ

承太郎「…やれやれ、えらく嫌われたようだな」

梓「そ、そういうわけじゃ…」

承太郎「…いいんだ、俺はそれ相応のことをしたからな」
「…悪いが今日は帰らせてもらう」ガタッ

梓「待ってください!」グイッ

承太郎「…何だ?」

梓「…まだいてください」

承太郎「…俺はいたくないんだが」

梓「私が一緒にいたいんです!」

唯澪律紬「へぇ~」ニヤニヤ

梓「唯先輩達!そういう意味じゃないです!///」カァッ

承太郎「…やれやれ」ドサッ
「続きを始めるぞ」

澪「こっちがやれやれだよ」

唯「とりあえず仲直り成功だね!」

193: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:04:42.05 ID:6wVqJwDO
翌日の部長会議!

和「他に議題のある方」

律「はい!」シュバッ

和「田井中さん」

律「軽音部にクーラーを買ってください!」

和「今の意見に反対の人」

シーン

律「え…いないの?」
(昨日の時間めっちゃ無駄じゃん…)

花京院「予算がいっぱいだが…」

律(…マジで?)

花京院「コピー機の交換を来年に回してもいいかな?」

和「そうね」

律(花京院ンンンーーッ!)

音楽室!

ガチャッ

律「クーラー買ってもらえるぞー!」

梓「本当ですか!?」

澪「よくやったな律!」

律「だろ~?」
「反対意見を私がバッサリ切っていったからな~」

承太郎「どうせ嘘だろう」

律「てへっ♪ばれた?」

澪「私の言葉を返せ…」

194: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:05:25.20 ID:6wVqJwDO
律「あ、そうだジョジョ、はい」ポイッ

承太郎「学ランか…綺麗に縫えてるじゃないか」

律「だろ?私のセンスだな!」

承太郎「…」ジッ
「…笑わせるな」
「今日は花京院と用事がある。先に帰るぜ」

梓「お疲れさまでした」

澪律「じゃーな」

唯紬「ばいば~い」

承太郎「ああ」

ガチャッ バタン

紬「何するのかしら?」

律「ゲーセンでもいくんじゃねーの?」

梓「男の人の遊びなんてわかりませんね」

唯「あ、りっちゃんの指すごい絆創膏だね」

律「こ、これはだな~…」

澪「昨日ジョジョの学ラン縫ってるときに自分で何回も刺してたんだよ」フフッ

唯「漫画みたいだね~」

澪「裁縫苦手なのに頑張ってたもんな、律」

律「一応ジョジョとはいえ恩人だからな」

195: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:06:50.64 ID:6wVqJwDO
唯「そういえばあずにゃんって承太郎君のこと好きなの?」
「昨日なんか『一緒にいたいんです!』なんて言ってたし」

澪(えらく直球だな…)

梓「違いますよ!」
「あれは言葉のあやです!」

紬「でもあれはそうとしかとれないわね…」

澪(ムギ、お前もか…)

梓「あの…私ってみなさんより年下で修学旅行とかも一緒に行けなかったじゃないですか」

律「まあそれは残念だよな」

梓「それで、こういうみなさんとすごせる何気ない時間を大切にしていきたいなって」
「修学旅行とかで一緒にいられないぶん部室で一緒にいたいなって思いまして…」

澪「梓…」

律「それであの発言か…」

紬「なるほど…」

梓「少し語りすぎちゃいましたね」

唯「ううん、あずにゃんの気持ちが聞けて嬉しいよ♪」ギュッ

唯梓「暑い…」

196: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:07:39.00 ID:6wVqJwDO
紬(承太郎君の「…笑わせるな」って発言もりっちゃんの指に気づいたからかしら)

律「ムギどうかした?」

紬「ううん♪」

澪「そういえばジョジョのやつまだ水槽持って帰ってないな…」

翌日の音楽室!

クーラー ゴォー

ガチャッ

梓「もうクーラーついたんですか」

律「昨日私達が帰った後つけたんだってさ。仕事早いよな~」

ヒトデ「…」

梓「…何ですか…これ?」

承太郎「お前の新しい後輩だ」

紬「承太郎君が今日連れてきてくれたの~♪」

澪「水槽持って帰らなかったのはわざとか…」

承太郎「ああ」
「昨日は花京院と海水を取りに行っていたんだ」

律「それでか…」

197: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:08:47.13 ID:6wVqJwDO
唯「あずにゃん、このヒトデまだ名前ないんだって」

承太郎「お前がつけてやってくれないか?」

梓「いいんですか?」

承太郎「ああ、頼む」

梓(綺麗な星の形…)
(それに淡い白色…)
「…『スタープラチナ』なんてどうですか?」

唯「かっこいい!」

澪「いいんじゃないか!?」

紬「ええ♪」

承太郎「それじゃあお前ら、スタープラチナをよろしく頼むぜ」

唯澪律紬「うん!」

梓「はい!」

律「それじゃあスタプラの歓迎ライブだ!」

梓(あだ名つけるの早…)

律「よしいくぞ!」
「ワンツースリーフォー!」

唯「あぁ…」ヘナッ

承太郎「…どうしたんだ」

唯「クーラー苦手なの忘れてた…」

承太郎「…」ハァ

澪律紬梓「…」ニヤリ

澪律紬梓承「やれやれ」

承太郎「!」

澪律紬梓「…」ニコッ

承太郎「…やれやれだぜ」フッ

198: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:10:56.51 ID:6wVqJwDO
終業式の日の校門!

澪「明日から夏休みだな」

律「何かやっとって感じだな~」

唯「合宿をしよう!」

紬「合宿?」

澪「受験勉強はどうするんだよ!?」

承太郎「学生の本分は遊びだぜ?」

澪「勉強だろ…」
「ていうか今遊びって言ったろ…」

律「でも思い出作るぶんにはいいんじゃねーの?」
「それに勉強ばっかじゃなくて息抜きも大事だって」

唯「今メールしたらあずにゃんも遊び行きたいって!」

澪「仕方ないな、今度梓も加えて話し合うか」

199: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:12:02.54 ID:6wVqJwDO
翌日の平沢家!

ピンポーン

憂「はーい」ガチャッ
「あ、みなさんこんにちは」

澪律紬梓「おじゃましまーす」

承太郎「久しぶりだな」

憂「お姉ちゃん、みなさん来たよ!」

唯「みんな~、こっちこっち」

ゾロゾロ

澪「それじゃあ話し合い始めるか」

梓「あの…受験勉強とかは大丈夫なんですか?」

承太郎「行きたいって言っといていまさらじゃあないか?」
「俺達も全員行きたいんだ。気にすることじゃあねーぜ」

梓「そうですか」フフッ

律「なぁ、今年は海じゃなくて山にしないか?」

唯「え~、今年も海がいいよ~」

澪「ジョジョはどうせ海だろ?」

承太郎「別に山でもかまわないぜ」
「最後の合宿だ、全員で決めた方がいい」

澪「そうだな!」

唯「私山がいい!」

紬「りっちゃんの唯ちゃんの説得終わったみたいね」

律「それじゃあ山に行きたい人!」

唯澪紬梓「はーい」シュバッ

承太郎「それじゃあ山で決定だな」

200: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:12:37.13 ID:6wVqJwDO
梓「あの、山は山でも夏フェスなんてどうですか?」

澪「夏フェス私も行ってみたかったんだ!」

唯「夏フェスって山であるの?」

律「ああ。山の中が会場でいろんなバンドがくるんだぜ~」

承太郎「だがチケットなんかは大丈夫なのか?」

さわ子「仕方ないわね~。はい、あげる」ピラッ

承太郎「悪いな、わざわざチケットを届けに来てくれたのか」
「俺達はいい担任を持ったもんだぜ」
「ってわけで今日はもう帰ってくれ」

さわ子「私も行くわよ!」

律「それよりいつ来たんだよ…」

澪「私も夏フェスデビューか~」

梓「私も野外ライブ初めてです!」

さわ子「そんなにのんきに構えてると負けるわよ~?」

律「何にだよ…」

さわ子「夏によ!」

承太郎「こいつらの精神力は前に比べてずいぶん成長した」
「おそらく負けることはないと思うぜ」

さわ子「ならいいけど…承太郎君が認めてるならそうなんでしょうね」

201: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:13:08.89 ID:6wVqJwDO
夏フェス当日早朝の集合場所!

梓「バス来ちゃいましたね」

律「まったく~、ジョジョとさわちゃんは何してんだよ!」

承太郎「…」ズルズル

紬「あれ承太郎君じゃない!?」

唯「ほんとだ!荷物おっきいね、引きずっちゃってるよ!」

澪「あれ人に見えないか…?」

承太郎「遅くなったな」ポイッ

ドサァッ

さわ子「い…痛い…」

律「さわちゃん…」
「何でこんなことになってんだよ…」

承太郎「昨日ライブで朝まで飲んでたらしい」
「道でつぶれてたところを俺が見つけたんだ」

梓「承太郎先輩がいなかったら大変でしたね…」

202: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:14:26.76 ID:6wVqJwDO
バスの中!

唯「酔った…」

さわ子「奇遇ね…」

承太郎「…平沢、あいつの隣に行ってくれないか?」

唯「動けない…」

承太郎「…絶対に吐くんじゃあないぞ」

唯「大丈…夫…」

澪「このバンドとこのバンドは絶対見る!」

律「同じ時間で会場違うから無理だろ…」

紬「私焼きそばが食べたい!」

唯「う…大声出されたら…」

承太郎「お前ら騒ぐなッ!」ドドドドドドドドドドドド

梓(承太郎先輩かなり必死だ…)

休憩所!

承太郎「…」グデッ

律「…かなり精神すり減らしたみたいだな」

梓「補助席に座ったらどうですか?」

承太郎「…そうするぜ……」

唯「あれ?承太郎君どうしたの?げっそりしてるよ?」

承太郎「…お前のせいだ」
「…帰りは酔い止め飲んでくれ」

唯「?」
「うん、そうする」ニコッ

承太郎(…これが悪気のない笑顔か…)
(…真鍋達の気持ちがわからなくもないな)

203: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:14:57.03 ID:6wVqJwDO
梓「唯先輩治ったんですか?」

唯「休憩したら治ったよ~」

紬「みんな、そろそろ時間よ~」

夏フェス会場!

ザワザワ

唯「人がいっぱい…」

梓「よかったですね、唯先輩また酔わないで」

承太郎「ああ」
「おかげで俺も回復したぜ」

さわ子「さあみんな、のんびりムードはここまでよ!」

律「一番のんびりしてたの誰だよ…」

承太郎「…おごってやるからまた酔いつぶれててくれないか?」

さわ子「もう昨日までの私じゃないの…」
「さあ、今夜の寝場所を確保するわよ!」

キャンプエリア!

承太郎「…テントで埋まってるな」

さわ子「出遅れたわね…」
「仕方ないわね、斜面で我慢して」

唯「寝るときに頭に血がのぼらない?」

律「上向けよ…」

204: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:15:38.28 ID:6wVqJwDO
さわ子「承太郎君、テント組み立てるわよ」バサッ

承太郎「ああ」カンカン

澪「どんどん出来上がっていく…」

さわ子「はい、完成よ!」

律「こういう時に男がいたら楽だな~」

さわ子「喋ってる暇はないわよ!」
「飲み物持って日焼け止めして虫除けスプレーして!」
「あら、ムギちゃんスニーカーじゃないの?」

唯「私のビーチサンダル貸してあげるよ。川で遊ぼうと思って持ってきたんだ~」

紬「ありがとう唯ちゃん♪」

さわ子「…」フフッ
「さあ、行くわよ!」

205: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:16:30.27 ID:6wVqJwDO
夏フェス会場内!

さわ子「まずは会場の説明をするわね」
「メインの『ファイヤーステージ』」
「裏メインの『サンダーステージ』」

澪「主にこの二つを往復するんですね!?」

律(朝からずっとテンション高いな…)

さわ子「そうね」
「あとは若手が出る『屋内ステージ』とかもあるわ」
「それぞれチェックしてね」

承太郎「ああ」
「それじゃあ行くか」

ファイヤーステージ!

ザワザワ

澪「…」

承太郎「おい、大丈夫か?」

澪「うん…でも実際来てみると暑いし人多いし…」

『おいてめぇらッ!』
『盛り上がっていくぜィィィイイーーーーーーーーーーッ!』

206: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:17:16.18 ID:6wVqJwDO
ジャカジャカジャカジャカ♪

唯「すごい音おっきいね!」

承太郎「…やかましいな」

梓「…やかましくて当たり前です」

承太郎「…メンバー全員仮面を被っているが」

梓「『石仮面』ってバンドです」
「結構人気ありますよ」
「観客の掛け声にすごく特徴があるんです」

観客「族長(オサ)!族長(オサ)!」

承太郎「…宗教じみてないか?」

梓「まあ…それだけ熱心なファンなんですよきっと」

澪「これが夏フェス…」

観客「族長(オサ)!族長(オサ)!族長(オサ)!族長(オサ)!」

澪「これが…」
「WRYYYYYYYYYッ!」

唯「澪ちゃんが人間を超越したッ!」
「これが夏フェスデビューだよッ!」

律「どんなデビューの仕方だァァアーーーーッ!」

207: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:17:58.23 ID:6wVqJwDO
さわ子「みんな!次のステージに移動するわよ!」
「屋内ステージで私の一押しバンドが演奏するの!」

承太郎「一人で行ってくればどうだ?」

さわ子「そう?じゃあ行くわね!」ダダダダ

澪「律、私達もサンダーステージに行こう!」

律「仕方ないな~、唯達はどうする?」

唯「私はこのバンドまだ聞きたいから残るよ」

律「そうか」

澪「よし、行くぞ律!」タタタタ

律「じゃああとでな」
「待てよ澪~!」タタタタ

承太郎「走れないのか?」

紬「うん…」

承太郎「…それなら今のうちに昼飯を買っておくか」

唯「そうだね!」

208: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:19:05.94 ID:6wVqJwDO
最初に言うの忘れてました
読んでくださってる方、支援ありがとうございます

209: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:19:54.91 ID:6wVqJwDO
屋台!

ズラッ

紬「焼きそばすごく並んでる…」

唯「大丈夫!一緒に並ぶよ!」

店員「さっせーん!あと十食で売り切れーっす!」

紬「…」シュン

承太郎「…大丈夫だ、また機会はある」

紬「…そうよね!」
「承太郎君が食べたいものを食べましょう!」

インドカレー屋「すいません売り切れです」

承太郎「…」
「…おい」

インドカレー屋「なんでしょうか?」

承太郎「…こんなにでかいイベントだ」
「…客が大勢来ると思わなかったのか?」

インドカレー屋「まあ多少は…」

承太郎「だったらなぜ材料を多く仕入れてないッ!」ダンッ

インドカレー屋「ヒィッ!」

紬「承太郎君落ち着いてぇッ!」

梓「まあまた機会はありますよ」

承太郎「…今日この日に食うから意味があるんだ」
「…この機会は二度とこないッ」

梓「さっきと言ってることが違ァァーーーーーうッ!」

唯「あ、りっちゃんからメールだ」
「これからファイヤーステージに集合だって。行こっか」

210: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:20:57.82 ID:6wVqJwDO
その頃の屋内ステージ!

『メンバーの紹介をするぜ!』
『夏フェス最年少ギタリストッ!「音石明」ッ!』

ピロピロピロギュワーン♪

音石『表現できたぜ…俺のハートを!』
『…表現できたぜぇぇぇ~~』
『万雷の拍手をおくれ会場にいるボケども』

さわ子「いやぁぁあああ!」
「最高ォォォオオオオ!」

結構後のファイヤーステージ!

律「次に見たいバンドまで時間あるな~」

承太郎「腹が減ったんだが」

唯「昼ごはん食べてないしね~」

澪「それじゃあ私晩ごはん買ってくるよ」

承太郎「俺も行くぞ?荷物があるだろう?」

澪「大丈夫。みんなと待っててくれ」

律「それじゃあ私らは川で待ってるな」

211: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:22:22.68 ID:6wVqJwDO
川!

澪「お~い!」タタタタ

律「お、帰ってきた」

澪「『石仮面』のTシャツと仮面売ってた!」
「着てみた!」
「そして仮面をつ…」

律「…また人間を超越しそうだからやめとけ」ガシッ
「…で、飯は?」

澪「あ…」

紬「あ、承太郎君帰ってきた!」

承太郎「…」スタスタ
「釣ってきたぞ」ドサッ

梓「すごい…大漁じゃないですか!」

唯「これ何ていう魚?」

承太郎「ヤマメとイワナとニジマスだ」

紬「この大量の木の枝は何に使うの?」

承太郎「見ていればわかる」シュボッ

紬「焚き火?」

律「丸焼きか~」

承太郎「ああ」ドスッ

澪「私達も手伝うよ」

承太郎「大丈夫だ。手が生臭くなるぞ」ドスッ
「…よし」
「あとは焼き上がるのを待つだけだ」

さわ子「みんな、たこ焼き買ってきたわよ…ってすごい魚の量ね!」

唯「ありがとうさわちゃん!」

梓「承太郎先輩が釣ってきたんです」

さわ子「すご…」

律「それじゃあたこ焼き食って焼けるの待っとくか」

212: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:23:16.51 ID:6wVqJwDO
夜!

唯「まさかお風呂に入れるなんてね~」

律「ああ、さっぱりしたな~」

紬「Tシャツみんなお揃いね♪」

澪「そうだな」フフッ

さわ子「…私先に寝るわね」

律「寝るの早くない?」

さわ子「ヘドバンしすぎて疲れたのよ…」
「あんまり夜更かししちゃダメよ」
「それと問題のある行動はしないでね?」

唯「大丈夫だよ~」

承太郎「歩いて回るか?」

梓「そうですね」

澪「それじゃあ行こうか」

屋台のある広場!

承太郎「…トイレに行ってくる」スタスタ

唯「それじゃあここで待ってるね!」

承太郎「すぐに戻る」スタスタ

澪「それにしてもいろんなお店があるな」

紬「ほんとね~♪」

男1「なあ、あそこにいる子達かわいくね?」

男2「ああ…すごく…ベリッシモかわいいな」

男3「声かけようぜ」スタスタ

213: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:24:30.15 ID:6wVqJwDO
男3「ねぇねぇ、君たち暇?」

律「…私らか?」

男1「そうそう。暇なら一緒に遊び行かない?」

澪(もしかして…ナンパ…?)ブルブル
(ジョジョォ…ッ!)ブルブル

律「…私ら人を待ってるから」

男2「いいじゃあないか…」スッ

律「さわるなッ!」バチン

男2「ディ・モールト良いぞッ!」ヒリヒリ
「君の健康状態はまちがいなく…」
「『良好』だ!」ドドドドドドドドドドドド

律(…へ…変態だ……)ゾクッ

承太郎(…)スタスタ
(ん?…誰だあいつらは…)
(知り合いってわけじゃあなさそうだぜ)

男1「ねぇいいじゃんお姉ちゃん達~」

梓「絶対に行きません!」

唯「憂が知らない人についていっちゃダメって言ってたもん!」

男2「その大声…君達の健康状態もまちがいなく…」
「『良好』だッ!」

唯梓「ヒィッ…」ブルブル

214: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:25:38.31 ID:6wVqJwDO
承太郎「…」スタスタ

紬「!」
(承太郎君!)

男1「ん?後ろがどうかし…」クルッ
「……ッ!」

男3「ねぇお嬢ちゃん、悪いことしないからさ~」

男1「…」ツンツン

男3「何だよ…」クルッ
「あ……」

承太郎「…お嬢ちゃんなんて言われたのは初めてだな」

男3(それはあなたには言ってませんから…)

承太郎「…それで、何をして遊びたいんだ?」
「…こいつらは俺の連れだ」
「…こいつらと遊ぶならもちろん俺もまぜてもらうぜ」ドドドドドドドドドドドド

男2「すごくいい体格だ…」
「君の健康状態はまちがいなく…」
「『良好』だッ!」

男3「全員良好じゃねえかァァァアアアアッ!」ドゴッ

男2「へぶっ…」ピクピク

男1「あ、相手は一人だッ」
「二人でいけばなんとかなる!」

男3「なんとかなるわけねぇだろ!」
「俺は逃げるぜッ!」ダダダダ

男1「な…待てよ!」ダダダダ

承太郎「…忘れ物があるんだが」

男3「すみません!」ガシッ

男2「…」ズルズル

215: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:26:14.65 ID:6wVqJwDO
承太郎「…やれやれ、行ったか」
「お前ら何もされてないだろうな?」
「…何かされてたらあいつらにヤキいれなきゃならねえ」

澪「されてない!されてないから離れないでくれ!」グスッ

唯「すっごく怖かった…」グスッ

紬「本当…承太郎君が来てくれなかったら…」ウルッ

梓「承太郎先輩のおかげで無事でした…」グスッ

律「ジョジョ…」

承太郎「何だ?」

律「…すっげぇ…怖かったッ…」グスッ

承太郎「…ああ」
「…もう大丈夫だ、俺が傍にいる」

律「…うん」グスッ

216: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:26:51.91 ID:6wVqJwDO
承太郎(…すっかりお通夜状態じゃなあないか)
(本当なら今すぐあいつらを殴ってやりたいが…)
(……)
(…やれやれ)
「…おい、姉ちゃん達今暇か?」

唯澪律紬梓「?」グスッ

承太郎「…暇なら…俺と遊びに行かないか?」

唯澪律紬梓「…」
「…」クスッ

承太郎「…何笑ってやがる」

律「もしかしてナンパか?」ニヤリ

梓「初めてされた日に二回もされるなんて」フフッ

紬「夏フェスって怖いわね」フフッ

唯「ほんとだね~」ニコッ

承太郎「…早く答えを聞かせてくれないか」
(…結構恥ずかしいんだが)

澪「そんなの決まってるだろ?」

唯澪律紬梓「よろこんで♪」ニコッ

217: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:27:42.80 ID:6wVqJwDO
丘!

唯「星綺麗だね…」

律「そうだなぁ…」

澪「夏フェスすごかったな…」

紬「そうね。迫力っていうか…」

梓「すごく楽しかったです」
「…」
「…これが最後になっちゃうのかな」ボソッ

承太郎「…」
「…また来年も来ればいい」
「…今度はお前の受験勉強の時間を削ってな」

梓「!」
「…はい!」ニコッ

澪「…ジョジョ、どこにも行かないでくれよ?」

承太郎「…今度は大丈夫だ」

澪「そうじゃなくて…」
「…ずっと私達と一緒にいてほしいんだ」

承太郎「…何だいきなり?」

澪「…何ていうか…ジョジョがずっと遠くに行っちゃいそうで…」

承太郎「…」
「…やれやれ、呪縛のレベルじゃあないか?」

澪「…ごめん」

承太郎「いいさ」
「…俺もお前らといるのは悪くないと思ってるからな」

澪「!」パァッ

218: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:28:35.91 ID:6wVqJwDO
唯「よかった…」

紬「ほんとね…」

律「うん…」

梓「ですね…」

承太郎「…何だみんなして」

紬「実はこんな話少し前にしてたの」

唯「それでみんな不安になっちゃって…」

梓「でも安心しました」

律「罪深い男だな~」
「こんなに美女を不安にさせて」

承太郎「…もう俺の話は終わりだ」

律「それじゃあ夏フェスの話でもするか」

梓「やっぱりプロってすごかったですね」
「足下にも及ばないです」

唯「ん~そうかな?」
「私は私達の方がすごいと思う!」

律「お前プロ相手になんてことを…」

219: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:29:07.00 ID:6wVqJwDO
唯「でもやっぱり私達の方がすごいよ!」
「一体感というか…『スゴ味』が!」

承太郎「そうだな…」
「お前達も俺も『生長』している」
「『スゴ味』に関して言えば今日来ていたバンドにも負けていない」

澪「やっぱり放課後ティータイムはすごいバンドだよ!」

梓「そうですよ!私達はプロにも負けません!」

紬「今度は演奏する側で夏フェスに来ましょう!」

唯澪梓「おー!」

律「…まったく」
「でも夏フェスで演奏できたらすごいな!」

唯「うん!」

承太郎「……」
「…これからもずっと全員でバンドができればいいな」

律「そうだな!」

紬「うん!」

梓「そうですね!」

澪「ああ!」

唯「うん!」
「ずっと…ずーーっと!」

220: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:31:45.36 ID:6wVqJwDO
数日後の中野家!

梓(残暑お見舞い申し上げます)ポチポチ
(夏休みも半分が過ぎましたが先輩方はいかがお過ごしで…)ポチポチ
(…堅苦しい)

梓(ココちゃんとスタプラちゃんは今日も元気です)ポチポチ
(スタプラちゃんはひっくり返して起き上がるのに3分しかかかりませんでした)ポチポチ
(いや…何かダメだ…)

梓(勉強ははかどってるでしょうか?)ポチポチ
(…はかどってないと思われる人が約二名)

ピリリリ

梓「あ、承太郎先輩からだ」
「…タイトル《残暑見舞い》」
「さきにやられちゃった…本文は…」ポチッ

承太郎《暑いな》

梓「え…終わり?」
「あれ、画像が添付されてる…」ポチッ
「みんなで勉強してる…」
「……」
「私はいっぱい遊ぶもん!」

221: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:33:02.87 ID:6wVqJwDO
少し後の平沢家!

梓「はい憂」

憂「わぁ、スイカだ!ありがとう♪」

梓「唯先輩は?」

憂「さっき帰ってきて昼ごはん食べてからまた勉強中」
「承太郎さんもいるよ」

ジャカジャカ♪
キミヲミテルトイツモハートドキドキ♪

梓「…勉強してないし」
「ていうか何で承太郎先輩?」

憂「うちの前帰り道だしね」
「お姉ちゃん達にスイカ持っていこう」ザクッ

梓「…1/4ずつ?」

憂「うん、何か二人とも早食い勝負がしたかったみたい」スタスタ

梓「絶対承太郎先輩が勝つでしょ…」

ジャカジャカジャンジャンジャカジャカジャカジャカ♪
フヘフホホヒハハヒュハホヒハヒヒヒューワヒュワ♪

梓「スピードアップした…」

憂「早食い対決だからじゃない?」

222: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:33:35.38 ID:6wVqJwDO
梓「二人ともギターと歌やりながら食べてるんだ…」
「あれ、お昼ご飯ざるそばだったんだ」

憂「うん、ざるそばだけじゃ夏バテするから天ざるにしちゃった」

梓「天ぷら…スイカ…ッ!」
「二人とも食べちゃダメェェェエエーーーーーーッ!」

ジャカ…ジャカ…♪
…♪

梓(もはや承太郎先輩歌えてない!)

中野家!

梓「はっ!」パチクリ
「夢…」

ピンポーン

梓「はーい」ガチャッ

憂「こんにちは~」

梓「今日はどうしよっか?」

憂「純ちゃんは夏休みも練習らしいし…差し入れ持っていこっか!」

223: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:34:07.60 ID:6wVqJwDO
音楽室!

憂「いなかったね…」

梓「メールしてみよっか…」

憂「この後どうする?」

梓「映画でも見に行かない?」
「夏らしくホラー映画とか」

少し後の映画館!

澪承「…」スタスタ

梓(澪先輩に承太郎先輩!?)
(そっか、澪先輩の怖がりを克服するために…)

『絶望ォーーーに身をよじれィ虫けらどもォオオーーッ!』

澪「ヒィィ…」プイッ

承太郎「お前が『勇気』を身につけたいと言ったんだろうッ」
「『勇気』とは『怖さ』を知ることッ!『恐怖』を自分の物にすることだッ!」
「ちゃんと見るんだッ!」

梓(うわ…この人すごく迷惑…)
(澪先輩大丈夫かな…)

『グアヴォォ~~~あったけェ血ィイイ!』
『ヴェロヴェロォなあめたァアアイ血ィイイイイイッ!』

キャアアアアアアア

承太郎「やかましいッ!」

梓「承太郎先輩の方がやかましいィイイーーーーッ!」

音楽室!

梓「はっ!」パチクリ
「夢…」
(むしろ夢で良かった…)

224: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:35:13.31 ID:6wVqJwDO
憂「梓ちゃんメールきてたよ」

梓「純からだ…」
「田舎のおばあちゃん家に行ってるって」

憂「寂しいね…」

梓「映画館行こっか」

映画館!

憂「梓ちゃんこの映画見たいんだっけ?」

梓「やっぱりホラーじゃなくてこっちの感動系でいいや」

憂「それじゃあ時間あるしどこかで時間つぶそうか」

商店街!

梓(そういえば暑中お見舞いのメールまだ送ってなかった)

憂「梓ちゃん何か食べる?」

梓「いいや、今月ピンチだし」
「バイトしよっかな…」

憂「それならあれは?」

少し後の商店街!

憂「ポケットティッシュでーす」

梓(くじ引きのバイトか…)
(残る商品はエジプト旅行とポケットティッシュか…)

承太郎「一回だ」
「ほら、回していいぞ」

紬「ありがとう♪」
「私商店街のくじ引きでポケットティッシュを当てるのが夢だったの~♪」ガラガラ

梓(すごく珍しい組合わせ…)
(それより神様…ムギ先輩にポケットティッシュを出してあげて…)

紬「えいっ」ガラガラ

ポロッ

225: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:36:00.49 ID:6wVqJwDO
梓(金色…エジプト旅行だッ!)

承太郎「オラァ!」パシッ
「まだ球は出ていないようだが?」

梓「一瞬で球を奪い取ったッ!?」


映画館!

梓「はっ!」パチクリ
「夢…」

『ジョナサンは自分の部屋へ行き2時間ねむった…』
『そして…』
『目をさましてからしばらくしてダニーが死んだことを思い出し………泣いた…』

憂「…」グスッ

梓(映画も見てなかった…)
(最後しか見てないけど後味悪い…)

数日後のプール!

純「梓すご…」

憂「きれいなツートンカラー…」

梓「夏フェスでやけちゃって…」
「私肌焼いとくから二人で遊んでて」

226: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:36:52.55 ID:6wVqJwDO
少し後のプールサイド!

純「梓、ウォータースライダー行こっか」

梓「うん」

スタスタ

梓「高い…」

律「滑るならこれ!」スッ

梓「律先輩!?ていうか焼きそば?」
(サンバイザー似合ってる…)

律「ほら、ああやるんだよ」

ザッバーン

唯「りっちゃん私もう一回!」

紬「うまく食べれない…私ももう一回!」

澪「私もだ!」

承太郎「俺はもういい、満腹だぜ。まあ上には上るが」

梓「先輩方…」
(うわっ…水汚っ…)
(ていうかあの人ウエットスーツ以外持ってないのかな…)

律「ほら、梓も」

梓「いえ…私は…」ドンッ
「え…?」グッパオン

承太郎「…」ニヤリ

梓「最低だァァァアアーーーーーッ!」ズザザザザ

227: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:37:37.72 ID:6wVqJwDO
プールサイド!

梓「はっ!」パチクリ
「夢…」

憂「梓ちゃ~ん!」

純「焼きそば買ってきたら遅くなっちゃった」

梓「あ、ありがと」

帰り道!

純「いやぁ、遊んだ遊んだー!」

憂「夏休みのうちにまた行きたいね」

梓「そうだね」

承太郎「おい」

梓「あ、承太郎先輩!こんにちは」
「それにみなさんも」

憂純「こんにちは~」

梓「みなさんは勉強の帰りですか?」

澪「ああ」
「それで息抜きにこの後の夏祭りに行こうかって話してたんだ」

憂「承太郎さん何か買ったんですか?」

承太郎「ああ。こいつらがうるさくてな」

律「まあまあいいじゃん」

唯「そうだ、3人も行こうよ!夏祭り!」

228: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:38:20.03 ID:6wVqJwDO
夏祭り会場!

唯「お待たせ~」

憂「すみません遅くなっちゃって」

律「大丈夫だよ、まだジョジョきてないし」

紬「二人とも浴衣似合ってるわね♪」

梓「本当ですね」

唯「みんなも浴衣姿かわいいよ~♪」

純(肩身狭い…)

澪「あれジョジョじゃないか?」

唯「ほんとだ。おーい!」

承太郎「…最後みたいだな」

紬「承太郎君浴衣似合ってる♪」

律「私達も選んだ甲斐があったってもんだな!」

229: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:41:11.80 ID:6wVqJwDO
澪「…学生帽は脱げよ」

梓「何か上から羽織れば明治時代の学生みたいになりそう…」

承太郎「…やれやれ、やかましい奴らだな」ヌギッ

梓「あ、取った…」
「…普通ですね」

律「一回ムギが取ったことあるけど普通すぎてみんなスルーしてたからな」

唯「それじゃあ行こっか!」

スタスタ

紬「あ、焼きそば屋さん…」

承太郎「おい、こいつに焼きそばを食わしてやりたいんだが」

店員「あい、焼きそば一つね」

紬「ありがとう承太郎君♪」

スタスタ

唯「あ、焼きとうもろこし屋さんだ」
「早食い勝負しようよ承太郎君!」

承太郎「いいだろう」

唯「食べ方はもちろんあれだよね?」

承太郎「当然だ」

澪(あれって何だ…?)

唯「それじゃありっちゃん合図して!」

律「よ~い…ドン!」

唯承「…」ボリボリボリボリ

澪「げっし類が二人…」

承太郎「終わりだぜ」

唯「負けちゃった…」
「あ、かき氷屋さんがあるよ!みんな食べよう!」

梓「どれだけ食べるんですか…」

230: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:46:07.73 ID:6wVqJwDO
花京院「おや、みんなお揃いじゃあないか」

和「いらっしゃいみんな」

承太郎「そういえば生徒会は毎年出店を出してるんだったな」

花京院「ああ、今年は一番需要がありそうなのにしたよ」

和「それじゃあ注文は何にする?」

唯「私スイカ!」

純「私はイチゴでお願いします」

憂「私も同じで」

律承「宇治金時ッ!」

承太郎「…おい、変えるんだ」

律「嫌だね!ジョジョが変えろよ~」

承太郎「俺は宇治金時じゃないとダメなんだ」

律「私だって宇治金時じゃなきゃいやだ!」

ギャーギャー

澪「被ったくらいでケンカするなよ…」
「私はメロンにしよっかなって…ない…」

唯「澪ちゃん、これならあるよ」

澪「『光ったメロン』…?」
「じゃあこれで…」

紬「それじゃあ私はブルーハワイ♪」

梓「私はイチゴミルクお願いします」

231: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:48:43.98 ID:6wVqJwDO
夏祭り会場外れの階段!

唯「あ、みんなの分さくらんぼサービスしてくれてるね!」

紬(十中八九花京院君ね)フフッ

律「うまいなジョジョ!」シャリシャリ

承太郎「ああ。宇治金時を食わない奴は頭がいかれてるな」シャリシャリ

梓「結局二人とも宇治金時…」

律「私のは練乳がかかってるけどな」

承太郎「…」サクッ シャリシャリ

律「あ!勝手に私の食うなよ!」
「ジョジョのもよこせ~!」

承太郎「断る」

ヒトクチブンハヨコセ! コトワル ナンデダヨ! コトワル …オマエヒトノハナシキイテル? コトワル イジデモウバッテヤル!

梓「何なんですかこの二人は…」

紬「仲がいいのよ♪」

唯「ねぇねぇ見て見て~」ベッ

澪「うわっ、唯のベロすごい色だな…」

唯「そういう澪ちゃんだって~…」
「光っ…てる…?」

梓「本当ですね…すごい…」

澪「最悪だ…」

232: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:49:32.82 ID:6wVqJwDO
憂「お姉ちゃん、あっちで金魚すくいやってるよ」

唯「ほんとだ~」
「ココちゃんとスタプラちゃんの水槽にいれてあげよっか」

紬「スタプラちゃんとの共生は…海水だし…」

梓「…ココちゃんも多分食べちゃいますね」

律「バリバリムシャァってな」

澪「や、やめろぉ…」

梓「二人とももう仲直りしたんですか?」

律「まあな」
「奪い合ってたらお互い半分ぐらい食べてて」
「何か馬鹿馬鹿しいなって話になってな」

梓「もう少し早く気づきましょうよ…」

承太郎「練乳もなかなかいけるもんだな」

律「だろ~?練乳無しもうまかったけどな」

唯「そんなに変わるの?」

承太郎「やれやれ、これだからお子さまは…」

律「ほんとだな~」

唯「お子さまじゃないもん!」ブー

233: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:50:06.20 ID:6wVqJwDO
梓(やっぱり先輩達といると…楽しい…)

ドーンドーン!

唯「あ!花火だ!」

澪「そんなに遠くはないな」

律「よし、行こうぜ!」

梓「…」ボーッ

承太郎「…何してるんだ?」

梓「あ…」

承太郎「…行かないのか?」

梓「いえ、あの…」

承太郎「…やれやれ」ギュッ
「行くぞ」

梓「あっ…」
(手…)
「…」ギュッ

律「…」フフッ
「よーし走れー!」

ダダダダ

ドーンドーン!

梓(綺麗…)
(これも夢…?)

ドンッ

梓「いたた…」
(痛いってことは夢じゃない…)
(…先輩達とはぐれちゃった…)
(……)ギュッ
(そうだよね…)
(先輩達はいずれ卒業する)
(私は一人になっちゃうんだ…)

234: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:50:34.27 ID:6wVqJwDO
純「梓ー!」
「やっと追いついた…」

憂「お姉ちゃん達は?」

梓「!」
「純に憂…」
「人ごみではぐれちゃった」
(…私は一人じゃない)
(…憂と純がいる)

空条家!

ピリリリ

承太郎「…何だ?」

梓『いえ、あの…』

承太郎「お前どこに行っていたんだ?」

梓『人ごみではぐれちゃいまして…』
『ていうか承太郎先輩気づいてくださいよ!』

承太郎「…小さいから気づかなかったんだ」

梓『…それは言い訳になりませんよ?』

235: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/19(木) 19:51:01.35 ID:6wVqJwDO
承太郎「…暑中見舞いの手紙わざわざ悪かったな」

梓『!』
『と、当然のことですから!』
『…』
『あの…今日は楽しかったです!』

承太郎「…奇遇だな、俺もだ」

梓『奇遇…なんですかね…?』

承太郎「お前何か悩んでるだろう?」

梓『え…?』

承太郎「お前が俺達のことを見てる時の顔でわかるさ」
「…一つだけ言っておくぜ」

梓『何ですか?』

承太郎「お前は決して一人じゃあない」
「俺や軽音部の連中もいるし平沢の妹達もいる」
「それを肝に銘じておくんだ」

梓『……』
『はい!』
『ありがとうございました!』

承太郎「いいんだ」
「今日は楽しませてもらったぜ」
「…またな」

梓『はい』
『…おやすみなさい、承太郎先輩♪』

ポチッ

承太郎「ふぅ…」
「…やれやれ、だな」

251: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:15:30.16 ID:aRHQIIDO
数日後の駅前!

律「…暇だなぁ」
「澪は勉強だし唯は和と勉強か~」
「ムギは遠いから無理だろうし…」
「…ジョジョにも聞いてみるかな」

承太郎「…俺がなんだ?」

律「!」
「びっくりさせるなよ…」

承太郎「気づかないお前が悪い」

律「ったく…」
「ジョジョはなんでここにいるんだ?」

承太郎「海水を取りに行こうと思ってな」

律「そっか~…それじゃあ無理だな」
「暇なら遊び行こうと思ったんだけど…」

承太郎「…構わないが」

律「…マジで?」

承太郎「ああ」
「その後お前も海に連れて行けば多く海水もとれるしな」

252: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:16:13.17 ID:aRHQIIDO
律「…なるほど」
「よし、そんじゃあまずどこに…って」
「あれムギじゃね?驚かそうぜ!」

紬「…」スタスタ

承太郎「…道を曲がったな…行くぞ」

スタスタ

律「…あれ…いない…?」

承太郎「なにッ!確かに曲がったはずだぜ…」

紬「わっ!」ヒョコッ

律承「!」

承太郎「…お前か」

紬「ふふっ。二人のリアクションを見ると成功みたいね♪」

律「何で私達がいるってわかったんだ?」

紬「承太郎君の存在感はすごいわよ?」

律「…こいつのせいか」

承太郎「琴吹はこれから予定はあるのか?」

紬「明日から夏期講習だから先に買い物すませとこうと思って」

律「そっか~…」
「暇なら一緒に遊び行こうかなって思ってたんだけど」

紬「!」
「…」ポチッ
「斎藤?今日の予定はキャンセルって言っておいて」ポチッ
「暇!すっごく暇です!」キラキラ

承太郎「あ…ああ…」

律「それじゃあどこに行く?」

紬「二人に任せるわ」

承太郎「琴吹が行かなそうなところに行くか」

253: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:17:34.10 ID:aRHQIIDO
ゲーセン!

紬「ゲーセンだぁ~♪」

承太郎「ここまで感動するとはな」
「連れてきたかいがあるってもんだ」

律「お嬢様だからな、めったにこういう機会がないんだろ」

承太郎「…俺達とは違うところで大変だな」

紬「ねぇねぇ、これなに?」

律「それはコインゲームだな」

紬「こんなところに銛が!」

律「それは銛ゲーだな」

紬「銛ゲー?やってみようかしら」チャリン
「あれはうなぎ?」

承太郎「ウツボだ」

紬「あれにしよう」ググッ
「えいっ!」ドシュッ

スカッ

紬「外れちゃった…」

承太郎「貸してみろ」ググッ
「オラァ!」ドシュッ

グサグサッ

紬「二匹を一気に刺した…」

承太郎「そんな感じでやれば大丈夫だ」

律「いや、できねぇよ…」

紬「あれは何?」

律「あれは腕相撲で勝負するんだ」
「って故障中じゃん…」

承太郎「…悪いな」

律(お前のせいかよ…)

254: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:18:08.75 ID:aRHQIIDO
紬「わぁ~、このぬいぐるみかわいい♪」

律「クレーンゲームか。やってみる?」

紬「うん!」チャリン
「んー…」ポチッ
「ここでいいかしら」

ウィーン ガシッ ポロッ

紬「あ…」

律「ちょっと貸して」ポチッ

ウィーン ガシッ ドサァッ

紬「りっちゃんすごい!」

承太郎「…まぐれだろう」

律「そ、そんなわけないだろー」
(取れなかったら何言われてたか…)

律「そうだ、プリクラとろうぜ!」

承太郎「…俺は行かないぞ」

律「今日ぐらいいいじゃーん」
「両手に花だぞ~」ニヤッ

承太郎「片方はラフレシアだな」

律「おい…」

紬「承太郎君行こう?私一回とってみたかったの!」

承太郎「…」
「…さっさとすませるぞ」

紬「うん♪」

255: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:18:50.32 ID:aRHQIIDO
プリクラ内!

律「フレームとかはこれでいいだろ」

紬「私ジョジョ立ちでとりたい!」

承太郎「…ジョジョ立ち?」

律「あれ、ジョジョ知らないんだっけ?」
「演芸大会で唯達とすごい立ち方してたろ?」
「あれムギが『ジョジョ立ち』って名前つけたんだ~」

承太郎「そうか、知らなかったぜ」

紬「ダメかしら…?」

承太郎「…構わないが…何か考えてるのか?」

紬「うん」
「どうかしら?」ドドドドドドドドドドドド

承太郎「いいじゃあないか!」

律「私は!?」ドドドドドドドド

承太郎「…今一つだな」
「しかしスジはいいと思うぜ」

律「そうか…よし、文化祭まで頑張ろう!」

承太郎(秋山はやらないって言ってたはずだが…)

256: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:19:43.68 ID:aRHQIIDO
紬「みんな、そろそろとりましょう♪」

サン、ニー、イチ

律紬承「…」ドドドドドドドドドドドド

パシャッ

道!

紬「楽しかったぁ~♪」

承太郎「そこまで喜んでくれるとはな」

律「私達も連れてきたかいがあるよ」

紬「私楽しすぎて明日死んじゃうかも!」

律「いやいやいや…」

承太郎「…しかしだいぶ金を使っちまったな」

律「次は節約しないとな~。ジョジョどこかあるか?」

承太郎「…駄菓子屋とかか?」

紬「駄菓子屋…」
「承太郎君、抱きしめてもよかですか!?」

承太郎「…やれやれ、仕方ないな」

律「…いや、おかしいからいろいろと…」

257: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:20:37.06 ID:aRHQIIDO
駄菓子屋!

紬「ここが駄菓子屋…」

律「そこら辺にあるの全部2、30円だから気にしないで買っていいぞ」

承太郎「おごりか?」

律「さっき節約しないとって言ったじゃん…」

承太郎「おごってくれるような口調だったもんでな」

紬「すごい…これが価格破壊ね!」

律「違うと思います…」
(何か今日大変だな…)

駄菓子屋の外のベンチ!

律「駄菓子を食べるのにもいろいろ技があるんだ」

紬「どんなの?」

承太郎「例えば、フ菓子を食べる時は…」
「こうだッ」ボリボリ

律「ここでもげっし類やるなァァアアアッ!」

紬「唯ちゃんとやった時に気に入ったのね」フフッ
「私もッ」ボリボリ

律「真似するなよ…」
(いつも以上に疲れる理由なんか分かったわ…)

258: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:21:42.47 ID:aRHQIIDO
紬「これはどうするの?」
「さっきから伸びちゃって…」

律「水飴か。それはこうやってぐるぐるってまとめて…」

承太郎「貸してくれ」

律(嫌な予感しかしない…)

紬「次はどうするの?」

承太郎「次は…」
「伸びる前に引きちぎるッ!」グイッ

ブチィッ

律「お前にしかできないだろ…」

承太郎「完成だ」

紬「ありがとう♪」

ピリリリ

承太郎「電話か…」ポチッ
「何だ?」

唯『さっきケーキ食べてたらね、和ちゃんいきなりイチゴ取っちゃうんだよ!?』

承太郎「…それで?」

唯『和ちゃんおかしいよね?間違ってるよね!?』

紬「唯ちゃん?」

承太郎「…ああ」
「…イチゴがどうこう言ってる」ハァ

律(うわぁ、めっちゃだるそうな顔…)

唯『変だよね!?普通しな

承太郎「中野にでも聞いてくれ」ポチッ

律(投げたッ!)

260: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:22:19.26 ID:aRHQIIDO
承太郎「…今思い出したんだが」

律「何を?」

承太郎「…海」

律(やば…忘れてた)

紬「海?」

承太郎「ああ」
「うちのヒトデ達に海水を持って帰るんだ」
「ということで俺は失礼するぜ」

紬「待って、私も行くわ!」

律「私も行くよ。もともとその予定だったし」

承太郎「そうか、それじゃあ行くぞ」

海!

紬「夕日が海に沈んでいってる…」
「綺麗ね…」

律「そうだな…」

承太郎「俺は取りに行くがお前らはここにいるか?」

紬「ううん、お手伝いにきたんだから行くわ」

261: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:23:06.96 ID:aRHQIIDO
スタスタ

律「おぉー、ヒトデ結構いるな」

紬「それはイトマキヒトデよね?」

承太郎「そうだが…よくわかったな」

紬「実は私も興味出ちゃって♪」

承太郎「そうか」フッ

律(嬉しそうだな、おい…)
(三人しかいないから取り残された気分…私も勉強しようかな…)
「ジョジョ、水はこれぐらいでいいか?」

承太郎「自分が無理しないで運べる程度にしておけ」

律「…私もヒトデ飼おうかな」

紬「りっちゃんも興味出たの!?」

律「まあ少し…」

承太郎「それならこれはどうだ?」ザバッ
「一般的なヒトデの『マヒトデ』だ」

律「綺麗な黄色だな…」
「決めた、それ飼うよ!」

承太郎「そうか。水槽とかはあるのか?」

律「昔使ってたのがあるから大丈夫」

紬「ヒトデファンが増えたわね♪」

承太郎「いいことだな」

262: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:24:51.37 ID:aRHQIIDO
紬「そうだ、私二人にお願いがあるんだけど…」

律「何だ?あらたまって」

紬「実はずっと憧れてて…」
「私のことを叩いてほしいの!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

律承「……」
「………え?」

律(唐突すぎだろ…)

翌日の夏期講習!

唯「あ、澪ちゃん!」

和「おはよう澪」

澪「おはよう唯に和」
(やっぱり二人とも私服だ…)

唯「あれ?今日って制服じゃないとダメだったっけ!?」

澪「こ、こういうところは制服で来るのが普通なんじゃないか?」

263: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:25:32.30 ID:aRHQIIDO
律「おはよー」

唯「どうしようりっちゃん…制服で来ないとダメなんだって!」

律「そんなことないだろ」
「澪しか制服いないぞ?」
「ていうか~、制服澪ちゅわんだけだったりして!」

花京院「おはようみんな」

承太郎「結構早かったな」

澪「おはよう!」
(助かった…)

唯「ふ、二人とも制服だよ!」

律「いや、だから服装は自由だっての」
「それより花京院も学ラン脱がないのか?」

花京院「学生だからね、って言い訳は苦しいか」

和「生徒会の時も脱いでないし…」
「私も脱いだところ見たことないわね…」

律(なんなんだこの男二人組は…)

264: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:26:16.17 ID:aRHQIIDO
紬「おはよう、みんな」

唯澪律和花「お…おはよう…」

唯「海にでも行きそうな…はっ!」
「もしかしたらみんなで海に行くとか!?」

承太郎「お前には言ってなかったか?」

澪「嘘をつくな…」

紬「みんな、早く行きましょう」スタスタ

澪「ちょっとムギ」

紬「はい!?」

澪「服にタグつきっぱなしだぞ」プチッ

花京院「それじゃあ行こうか」

紬「ん~…」ブー

承太郎「おい…まさか…」

律「ああ…だよな」

265: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:26:50.59 ID:aRHQIIDO
昨日の海!

紬「私のことを叩いてほしいの!」

律「…痛いだけだぞ?」

紬「それでもいいの!」

律「そこまで言うなら…」
「かるくでいいんだよな?」

紬「うん!よろしくお願いします!」

律「そ、それじゃあ…」ソッ

紬「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

律「…」ソーッ

承太郎「早くしろッ!」スパン

律「いてっ!」プクー

紬「違うの承太郎君!それを私に向けてほしいの!」

律「これ結構痛いからやめたほうがいい…」

承太郎「しかしいきなり叩けと言われてもな…」

律「何かボケてくれたらつっこめるんだけど…」

紬「ボケる…」

戻って夏期講習!

唯「和ちゃんケーキを一口って言ったらイチゴ食べちゃうんだよ!?」

和「高そうなケーキだったしスポンジ食べたら悪いじゃない」
「それにイチゴならスポンジの間にもあるし」

唯「違うよ和ちゃん!てっぺんのイチゴは重みが違うんだよ!」
「ケーキの頂上だよ!?」

承太郎「まだやってたのか…」

266: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:27:35.53 ID:aRHQIIDO
澪「そういえば私も昔律にイチゴ取られて叩いたことあるな」

紬「!」

律「間違いないな…」ボソッ

承太郎「…ああ」ボソッ

澪「それじゃあ参考書でも見に行くか」

唯「食べると頭が良くなるのないかな~」

花京院「そういえばこの前頭脳パンとかいうのを見たが…まさか…」

澪「良くなるわけないだろ…」

律「おいムギ、ちょっとこっち」

紬「なぁに、二人とも?」

承太郎「その格好は…ボケた…のか?」

紬「そのつもりだったんだけど…」

律「やっぱりそうか…」
「何か微妙なんだよなー」
「そういうのはおもいっきりやらないと」

紬「なるほど…」

承太郎「そこまでして叩かれたいのはなぜだ?」

267: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:28:24.00 ID:aRHQIIDO
紬「だって…りっちゃんは承太郎君や澪ちゃんとスキンシップとってるし」
「唯ちゃんは梓ちゃんとスキンシップとってるでしょ?」
「私だけスキンシップがないと思うの」
「スキンシップ大好きなのに!」

承太郎「そうか…」

律「結構ひっついてる気するけどな~」
「よし、そこまで言うなら協力するか!」

承太郎「そうだな」
「いいか、ボケというのは恥ずかしがったら負けだ」

紬(承太郎君がボケについて力説してる…)

律「よし、行くぞ二人とも!」

268: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:29:01.63 ID:aRHQIIDO
参考書置き場!

澪「しかし唯と律も進学に決めるなんてな」

唯「一生懸命自分の道を考えた結果です!」

和「唯も成長したわね」

唯「そうだよ!私はヒトデなんだよ!」

花京院「ヒトデ?承太郎に何か言われたのかい?」

唯「えへへ、実はそんなところ」

澪「ヒトデの話で成長できるのか…」

承太郎「おい秋山」

澪「ん?何だジョジョ」クルッ

律「来年こそは合格するたい!」

澪(…丸眼鏡?)

紬「澪ちゃん私も!」

澪「ムギ眼鏡似合ってるじゃないか」

承太郎「なぜ普通の眼鏡をチョイスしたッ」ガシッ

紬「あ…」ズルズル

269: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:29:47.15 ID:aRHQIIDO
中のベンチ!

唯「この参考書意味がわからない…」

律「唯、そういうときはうっすら目を開けて見ると答えが浮かびあがるぞ」

唯「こ、これは…『ア』!」

澪「浮かびあがるわけないだろ…」

紬「私にも見える…」
「この文脈からすると答えは『ア』!」

承太郎「…見事に正解だな」

紬「あ…」

澪「二問目も『ア』だ!すごいなムギ!」

承太郎「…その『ア』じゃあないと思うぜ」

受付!

受付係「それではこの受講カードをどうぞ」

澪「もう少しいい写真持ってくれば良かったな」

律「私の写真はいいぞ。ほら」

澪「後ろ姿じゃないか」

律「引っ込み思案なもので…」

270: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:30:25.16 ID:aRHQIIDO
承太郎「俺はこれだな」

澪「…誰だこれ」

承太郎「千代の富士だ」

澪「いや、え…?」

唯「私のはこれだよ」

澪「憂ちゃんじゃないか…」

律「いけムギ!畳み掛けろ!」ボソッ

紬「澪ちゃん、私のはこれよ!」

澪「豚鼻じゃないか…ってこれシールだ」ペリッ
「目が半開き…」

花京院「僕達は完全にアウェイだね」

和「…ついていけたらそれはそれですごいけどね」

外!

紬「渾身だったんだけど…」

承太郎「やはり秋山も叩きにくいんじゃあないか?」

律「まあ普段なかなか叩かない人を叩くってのはな~」

紬「やっぱり無理なのかしら…」

ウィーン

和「あら、ここにいたのね」

律「ああ、悪い悪い」

唯「それじゃあ帰ろっか」

花京院「承太郎、明日の登校日さぼるなよ?」

承太郎「…やれやれ」

271: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:31:11.46 ID:aRHQIIDO
翌日の音楽室!

梓「…ケーキが一つ多い」

澪「じゃんけんで決めるか」

梓「私じゃんけん弱いから嫌です!」

唯「それじゃあこれやろうよこれ」スッ

承太郎「いいだろう」

律「じゃあ最下位の人はデコピンな」

澪「デ、デコピン!?」

唯「いいじゃん、おもしろそうだよ」

律「ムギ負けろよ?そしたら叩いてもらえるぞ」ボソッ

承太郎「俺達も早くあがるように努力する」ボソッ

紬「ありがとう二人とも」ボソッ

律「それじゃあ私からな~」
「いっせーのー5ッ!」
「ダメか~」

272: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:31:59.94 ID:aRHQIIDO
承太郎「…」

梓「どうしたんですか?次承太郎先輩ですよ?」

承太郎「…これの正式名称を考えててな」
「俺達の中学では『チーバリ』と呼んでいたんだが」

梓「そう言われればいろいろ呼び方ありますね」
「私のところは『指スマ』でした」

澪「律、私達は何だっ

承太郎「いっせーのー0ッ!」
「…一つあがりだ」

唯「み、みんなが考えてる隙に…」

律「よくやったジョジョ!」ボソッ

紬「次は私ね」
「いっせーのー2ッ!」
「あ!やった~♪」

律「当ててどうするんだよ!」ボソッ

紬「あ…」

親指立てるやつの終了後!

唯「それじゃあいくよ~」ググッ
「えいっ!」パシッ

律「うっ…いてぇ…」

273: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:32:33.97 ID:aRHQIIDO
承太郎「最後は俺か」

律「お手柔らかに…」

承太郎「俺は何事にも全力なんだ」ググッ

律「嘘つくなよ…」プルプル

承太郎「…」ググッ

律「…」プルプル

承太郎「…」ググッ

律「…」プルプル
「あの…まだでしょうか?」プルプル

承太郎「そう急かすんじゃあない」
「それならカウントダウンしてやる」
「『3・2・1・ドゴーン』だ。いいな?」

律「いいけどその効果音どんなデコピンするつもりだよ…」

承太郎「いくぜ…」ググッ

律「ばっちこい!」プルプル

承太郎「3・2」パッ

ズバァーン!

律「いってェェエエエッ!」プクー

梓「何コントしてるんですか…」

274: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:33:09.43 ID:aRHQIIDO
唯「ムギちゃんケーキ良かったね~」

紬「うん…」

澪「それじゃあ早く食べて練習するか」

唯「そうだね、今日はイチゴ食べれるから頑張ろ~♪」

紬「!」
(澪ちゃんイチゴ食べられて叩いたって言ってたわよね)
(ごめんなさい澪ちゃん!)スッ

サクッ

澪「…?」

紬「…」モグモグ

承太郎「や、やりやがったッ!」ボソッ

律「ああ、だけどこれでムギも…」ボソッ

紬「…」ワクワク

澪「……」ウルッ
「……………」ポロポロ

紬「え!?」

唯「私和ちゃんと花京院君呼んでくる!」ガタッ

澪「……」シクシク

律「おい澪?イチゴ取られたくらいで…」

澪「……」シクシク

ガチャッ

唯「ほら、あんなになっちゃうんだよ!」

和「あんなって…何で泣いてるのよ」

275: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:33:48.35 ID:aRHQIIDO
紬「私が澪ちゃんのケーキのイチゴを食べちゃって…」

和「それだけで…?」

承太郎「ああ」
「…お前ももうそろそろ泣き止め」

澪「うん…」

花京院「でも琴吹さんが人のイチゴを取るなんて何か深い理由があるんじゃあないか?」

律「それなんだけどさ、叩かれたいんだって」
「何か自分だけスキンシップとってないって思ってるらしくてさ」

紬「私のわがままなの…ごめんなさい…」

承太郎「気づかなかった秋山が悪い」

律「そうだぞ。あんなにムギボケてたのに」

澪「私は悪くないだろ!」
「ムギもそれくらい素直に言ってくれたらいいのに」

紬「え…?」

澪「かるく叩くだけだろ?」

紬「抱きしめてもよかですかい!?」

花京院「いつでも構わないよ」

律「お前もかよ…ていうかお前に言ってなかったじゃん…」

紬「お願いします!」スッ

澪「それじゃあいくぞ」

紬「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

澪「うっ…」タジッ

梓「すごい緊張感ですね…」

紬「…」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

澪「くっ…」ゴツン

律「…私今日叩かれすぎじゃね?」プクー

276: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:34:47.79 ID:aRHQIIDO
部活後の中庭!

承太郎「しかしうまくいかないもんだな…」

律「今回は大丈夫だと思ったんだけどな…ごめんなムギ」

紬「ううん、私の方こそ変なこと言ってごめんね」

承太郎「叩かれるだけなら方法はあるはずだぜ」

律「ん~、今日も考えてみるか」

紬「りっちゃんおでこ赤くなってる…」

律「そいつのせいだよ…カウントダウンの時嘘つきやがって」

承太郎「ああいう駆け引きも世の中にはあるってことだ」

律「お前ぐらいだよやるの…」

承太郎「やれやれ、やかましい奴だな」
「少し待ってろ」スタスタ

紬「どこか行っちゃったわね」

律「昔の合宿の時も今みたいに声かけてくれたら良かったんだけどな」

277: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/20(金) 21:35:34.52 ID:aRHQIIDO
紬「あ、戻ってきた」

承太郎「ほら、使え」ポイッ

律「おっと」パシッ
「…氷だ」
「ありがとなジョジョ」ヒンヤリ

紬「私思ったんだけど…」

承太郎「作戦か?」

紬「ううん。りっちゃんって男の子だったらモテモテだろうなって」
「それと承太郎君のファンクラブがずっとある理由もわかった」

律「何だ唐突に?」

紬「りっちゃんってエスコート上手だし優しいし、人のために一生懸命頑張るし」
「承太郎君は今みたいな優しさも持ってるし守ってくれる勇気も持ってる」
「ファンクラブの子はみんなそれをわかってるのよ」

律承「…」
「…」
「どういう反応をすればいいんだッ!」ゴチン

紬「あいた~…」プクー
(……)
「ありがとう、二人とも♪」ボソッ

291: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/23(月) 19:51:50.21 ID:ADwIwEDO
始業式の日の音楽室!

唯「夏休み終わるの早すぎだよ~」

律「いっぱい遊べたからいいじゃん」

澪「私達受験生なんだけどな…」

紬「でも楽しい思い出いっぱい作れたよね」

承太郎「それなりに充実はしていたな」

紬「駄菓子屋さんとか海にも行ったしね♪」

唯「え?何の話?」

律「実は夏期講習の前の日にムギとジョジョの三人で遊びに行ってさ」

澪「何で私も誘ってくれなかったんだよ!」
「私も遊びたかった!」

唯「そうだよ!私もみんなと遊びたかったのに!」

律「お前ら勉強するって言ったじゃん…」

292: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/23(月) 19:52:45.25 ID:ADwIwEDO
梓「こんにちは先輩方!」キラキラ

承太郎「やけに元気じゃないか」

梓「だって二学期ですよ!?学園祭ですよ!?ライブですよ!?」

唯「あずにゃんいいところに!」
「この三人私達抜きで遊びに行ったんだよ!」

梓「…本当ですか?」

紬「え…ええ…」

梓「何で誘ってくれなかったんですか!?」
「ていうか律先輩とムギ先輩の携帯!」

澪「プリクラじゃないか!」

律「別に貼るぐらいいいじゃん…」

唯「あ、私達落書きで描かれてるね」

承太郎「今度全員で遊びに行けばいいじゃないか」

梓「言いましたね承太郎先輩!?」

澪「絶対に忘れるなよ!」

承太郎「ああ…」
(何なんだこいつらは…)

唯「楽しみだな~♪」
「そうだ!和ちゃんと花京院君も誘おうよ!」

律「そうだな。人は多い方が楽しいし」

293: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/23(月) 19:53:38.04 ID:ADwIwEDO
翌日の昼休み!

澪「和のお弁当っていつも綺麗だな」

和「そんなことないわ。有り合わせだし」

花京院「そういえば来週はマラソン大会だね」

唯澪律紬「…」
「…え?」

承太郎「やれやれ、もうそんな時期か」

和「今年は日程を少し早めたらしいわ」

花京院「先生も早く行事を終わらせたいんだろうね」

律「ならいっそなくせよ…」

翌日の昼休み!

花京院「琴吹さんの弁当はうな重か。すごいな」

承太郎「うらやましいかぎりだぜ」

紬「私体力ないからマラソン大会のために持久力アップにって」

澪「ムギは自分の弱点を克服しようとして偉いな!」

和「唯も見習ったら?」

唯「私も毎朝走ってきてるもん!」

律「遅刻しそうなだけだろ…」

294: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/23(月) 19:54:31.30 ID:ADwIwEDO
音楽室!

紬「はい、今日のお菓子」

律「…何これ」

さわ子「黒いわね…黒胡麻プリン?」

承太郎「いや…ほのかに磯の香りがするな」
「…」モグモグ
「これは昆布とひじきのプラマンジェか」

紬「正解!」
「マラソン大会も近いし貧血防止のために鉄分の補給をと思って」

澪「ジョジョよくわかったな」

さわ子「ムギちゃん…できれば次から普通ので…」

帰り道の靴屋!

唯「ごめんね~、付き合ってもらっちゃって」

承太郎「帰り道だから別にいいさ」

梓「唯先輩、これなんかどうですか?」

唯「おっ、なかなか走りやすそうな…」
「でもマラソン大会だけのためにこれを買うのは…」

梓「最初から計画立てといてくださいよ…」

295: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/23(月) 19:55:14.53 ID:ADwIwEDO
唯「ん~、家にある靴でいいや」

承太郎「やれやれ…それじゃあ帰るぞ」

ブロロロロ キッ

さわ子「あらあなた達」

承太郎「乗せてくれ」ガチャッ ドサッ

さわ子「…別にいいけどせめて返事聞いてから乗ってくれない?」

さわ子の車内!

梓「乗せてもらって良かったんですか?」

さわ子「いいのよ。マラソン大会の買い出しの帰りだったし」

唯「何買ったの?」

さわ子「スポーツドリンクにお餅と小豆よ」

唯「あ、本当だ」ゴソゴソ ポトッ
「でもお餅と小豆は何に使うの?」

さわ子「マラソン大会が終わった後校庭でおしるこを作るのよ」

承太郎「まだまだ大分暑いんだが…」
「マラソン大会が終わった後におしるこだと?」
「うちの先生はバカなのか?」

さわ子「…今回ばかりは先生達を庇えないわね…」

梓「先生、ここってマラソン大会のルートなんですか?」

さわ子「そうよ。去年と違うコースだから下見がめんどくさいのよね~」

唯「あ、ここ家の近くだ」


次回 承太郎「…俺はボーカル」 中編