承太郎「…俺はボーカル」 前編

296: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/23(月) 19:56:27.69 ID:ADwIwEDO
マラソン大会前日の昼休み!

唯「いよいよ明日か~…」

律「おやつはいくらまでだっけ?」

澪「持っていっていいわけないだろ!」

和「お菓子はダメだけど走りおわったらおしるこがあるわよ」

花京院「この暑い時期に何を思っておしるこにしたんだろうね」
「言っちゃあ悪いがここの先生は少しおかしいんじゃあないかな」

引用元: 承太郎「…俺はボーカル」 



297: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/23(月) 19:58:29.72 ID:ADwIwEDO
律「結構バッサリ言うな~」

紬「でもおしるこ美味しいし」

花京院「何もないよりかはマシかもね」

承太郎「平沢、それは昨日の餅か?」

唯「うん」
「昨日まぎれこんじゃってた」

紬「明日雨が降れば中止になるのにね…」

和「明日は快晴だったわよ」

律「もうやだ…」

318: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:34:40.12 ID:V706fIDO
マラソン大会当日!

花京院『宣誓ッ!』
『我々選手一同は』

和『スポーツマンシップに則り最後まで走りぬくことを』

花和『誓います!』

花京院『生徒代表、花京院典明』

和『生徒代表、真鍋和』

パチパチ

さわ子「それじゃあみんな位置について!」

ゾロゾロ

さわ子「よーい!」メギャン

パンッ

ダダダダ

律「みんな結構本気だな~」

和「私は先に行くわね」

花京院「僕も先に行くよ」
「こういうのは早く終わらせるにこしたことはない」

319: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:35:55.94 ID:V706fIDO
唯「和ちゃんと花京院君まで…」

承太郎「花京院の言うことも一理あるな」
「悪いが俺も先に行く」
「お前らは無理しないでゆっくりくればいいさ」

紬「承太郎君も行っちゃったわね…」

律「あいつは長々走りたくない性格だしな」
「私達はジョジョの言う通り無理しないでいこうぜ」

少し先の道!

純「ちょ…二人とも速い…」ゼェゼェ

梓「まだまだ序盤じゃん」

憂「少しペースおとそっか?」

純「憂…大好き!」

梓「元気じゃん…」

憂「あ、あれ承太郎さんじゃない?」

梓「ほんとだ。承太郎せんぱーい!」

承太郎「…お前らか」

梓「承太郎先輩は唯先輩達と一緒じゃないんですか?」

承太郎「あいつらなら後ろにいるぜ」

憂「承太郎さん、良かったら私達と一緒に走りませんか?」

承太郎「俺は早く終わらせたいから速めで走るが…」

純「そこをなんとか!」

梓「少しだけペースを落としてくれませんか?」

承太郎「…やれやれ」

梓憂純「!」パァッ

憂「お姉ちゃんちゃんと走ってました?」

承太郎「だらだら走ってるな」
「だが、あいつらが一緒だから大丈夫だろう」

320: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:42:19.33 ID:V706fIDO
梓「今日は天気いいねー」

純「承太郎先輩はその格好暑くないんですか?」

承太郎「ああ、慣れれば涼しいぜ」

純(学ランって涼しくなるんだ…)

承太郎「そういえば花京院達は見たか?」

憂「ヒッ…」ブルブル

梓(何で怯えてるんだろ?)
「花京院先輩達は結構前だと思いますよ」
「ペース速かったですし」

承太郎「そうか」
「平沢、花京院のことは許してやってくれ」ボソッ
「今日家に帰ったら平沢に花京院のことを聞くんだ」ボソッ

憂「お姉ちゃんに…?」ボソッ
「わかりました…聞いてみます」ボソッ

承太郎「すまない」ボソッ

純「あ!このケーキ美味しそう!」

梓「あのバッグもかわいい!」

承太郎(何か居づらくなってきたな…)
(しかし…こいつらは仲いいな…)
(……)
(…やれやれ、あいつらのところに戻るか)

321: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:44:32.10 ID:V706fIDO
それなりに後!

紬「あっ!あれ承太郎君じゃない?」

唯「ほんとだ~!」

澪「ジョジョ、私達を待っててくれたのか」

承太郎「…疲れたから休憩していただけだ」

律「素直じゃないなーまったく」ニヤッ

承太郎「マラソンをリタイアさせてやるが?」

律「嘘ですごめんなさい!」

唯「それじゃあみんな行こっか」

心臓破りの坂!

律「これが…心臓破りの坂…」

澪「急だし長いな…」

承太郎「このルートを決めた奴の顔におしるこをかけてやりたいぜ…」

唯「…行こっか」

紬「そうね…」

タッタッタッ

唯「きつい…」

律「頑張れ唯!楽しいことを考えながら走るんだ!」

唯「楽しいこと…」
「でへへ~♪」

律「楽しそうで良かった…」

322: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:46:06.86 ID:V706fIDO
澪「あ、歌詞浮かんだ」

承太郎「どんなのだ?」

唯(!)
(足がもつれて…)
「うわっ!」ドサッ

澪「ハートブレイク心臓破り」
「ドキドキ張り裂けそうなこの胸」

紬「いい歌詞じゃない?」

承太郎「…まあな」

律「おい!あと少しで登りきるぞ!」

タッタッタッ

紬「登りきった~♪」ハァハァ

承太郎「頑張ったじゃあないか、琴吹」

紬「うん♪」

純「ゼェゼェ…」ヨタヨタ

澪「あ、あれは…」

律「あ、新歓の時の!おーい!」

純「…あ、軽音部の皆さん…」ゼェゼェ

律「えっと…佐藤さんだっけ?」

純「鈴木です…」

承太郎「平沢達とは別れたのか?」

純「私の体力が限界だったので先に行ってもらいました」
「平沢と言えば唯先輩は一緒じゃないんですか?」

澪律紬「え…?」クルッ

紬「いない…」

純(気づいてなかったんだ…)

323: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:46:32.59 ID:V706fIDO
律「まさか…遭難?」

純「いくらなんでもそれは…」

澪「唯だとあり得るんだよ…」

承太郎「…仕方ないな」
「鈴木、お前は先生に伝えといてくれ」
「俺達はあいつを探しに行く」

純「はい!それでは」タッタッタッ

藪の中!

律「唯ーっ!」

紬「いないわね…」

澪「いくら何でもこんなところをコースと間違えたりしないだろ」

承太郎「それをやるのがあいつだ」

澪「おっしゃる通りで…」

紬「ねえ…ここどこ?」

澪「まさか私達まで遭難したのか!?」

律「そうなんです!」

承太郎「…」スパン

律「いてっ!」ジンジン

さわ子「あなた達こんなところで何してるの!?」

承太郎「平沢を探してる途中だ」

さわ子「まだ見つかってないのね…」
「手分けして探しましょうか」
「私はあっち行くからあなた達はそっちお願い」

律「了解!」

324: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:47:19.34 ID:V706fIDO
校庭!

憂「純ちゃん遅いね…」

梓「先輩達も遅すぎかも…」

和「二人ともお疲れさま」
「おしるこはもう食べた?」

梓「いえ、まだです」

花京院「そうだと思って持ってきたよ」スッ

梓「わざわざありがとうございます」ペコリ

憂「…ありがとう…ございます」

花京院「平沢さん、無理をすることはない」
「許されることではないかもしれないが、あの日のことを謝っておきたいんだ」
「本当にすまなかった」ペコリ

憂「そ、そんな!顔をあげてください!」
「私は気にしてませんから!」

花京院「そうか…ありがとう」

憂「いえ…あの…」
「…良かったらまた家に遊びに来てください」

花京院「…」
「喜んでお邪魔させてもらうよ」フフッ

325: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:51:20.77 ID:V706fIDO
和「ありがとう、憂」

憂「いえ、さっき少し話した時にいい人なんだなって思ったので…」

和「らしいわ、花京院君」

花京院「ふふっ、照れるじゃあないか」

梓「…」ポカーン
(何?全然話についていけないんだけど)

花京院「すまない中野さん、蚊帳の外だったね」

梓「はっ!」
「いえ、解決したみたいで何よりです」

純「憂ーっ!梓ーっ!」ゼェゼェ

憂「あ、純ちゃん!」

純「憂!大変なの!唯先輩がいなくなっちゃった!」

花京院「本当か!?」

純「はい!突然いなくなっちゃったみたいで…」

花京院「僕は探しに行くッ!」

憂「私も行きます!」

326: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:52:28.81 ID:V706fIDO
道!

律「いないな~…」

承太郎「近道でもしたんじゃあないか?」

タッタッタッ

澪「あれは…花京院君に憂ちゃんだ!」

紬「珍しい組合わせね」

承太郎(もう関係は直ったか…)
(おそらく花京院からいったんだろうな)
(花京院も成長したってことか…)
(まあ、仲直りして何よりだぜ)

花京院「みんなッ!」

憂「お姉ちゃん見つかりましたか?」

澪「それがまだ…」

憂「お姉ちゃんがどこからいなくなったかわかりますか?」

承太郎「坂を上りきった時にはもういなかったな…」

憂「それなら…多分あそこだと思います」

花京院「心当たりがあるのかい?」

憂「はい。みなさんついてきてくれますか?」

澪「うん、わかった」

327: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:53:05.31 ID:V706fIDO
トミの家!

花京院「ここは…?」

憂「私の家のお隣のおばあちゃん家です」

承太郎「またこのババアか…」ドドドドドドドドドドドドドドド
「厄介ごとばかりもってきやがって…」ドドドドドドドドドドドドドドド
「…一回ヤキいれねえとわからねえようだな」ドドドドドドドドドドドドドドド

律(怒ってる…めっちゃ怒ってる…)
(今まででベスト3に入るぐらいの怒り具合だ…)
「ヤキだけはいれるなよ…?」

紬「承太郎君、『また』って?」

承太郎「前に演芸大会に出ただろう?」
「あれは平沢がここのババアに頼まれたからだ」

澪「あのおばあさんか」

花京院「まあまあ、まずは平沢さんがいるか確認だ」
「悪口を言ったりヤキをいれるのはその後でもいいだろう?」

承太郎「…そうだな」

律「だからヤキいれるなっての…」

328: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:53:41.78 ID:V706fIDO
憂「それじゃあ呼びますね」ポチッ

ピンポーン

ガラッ

トミ「はいはいどちらさま?」
「あら、憂ちゃんに空条さん」
「それに同じ学校の人ね」

憂「こんにちは」
「あの、お姉ちゃんいますか?」

トミ「ああ、唯ちゃんなら奥でお菓子を食べてるよ」

承太郎「…」イラッ

花京院「ゆっくりしているところ申し訳ないが、僕達はマラソン大会の途中なんです」
「呼んできてもらってよろしいでしょうか」

トミ「そういえばそんなことを言ってたね。少し待っててね」

澪「ジョジョ、よく耐えた!」

承太郎「…平沢にもイライラしたがな」

329: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:54:29.95 ID:V706fIDO
ドタドタ

唯「あ、みんな~」

律「まったく心配かけさせやがって~」

承太郎「…何のんきに菓子なんか食ってやがる」

唯「ごめんなさい!」ペコリ
「実は途中で転んじゃって…」
「それでケガしてるところにおばあちゃんが通りかかって」
「絆創膏貼ってもらったついでに休憩を…」

承太郎「絆創膏を貼ってもらったのは別に構わない」
「だがなぜ菓子なんか食ってやがった」
「お前がいなくなったら騒ぎになって心配する奴が出てくるのがわからないのか?」
「ここにいる奴は全員お前のことを心配して捜し回ったんだ」

唯「ごめんなさい…」

承太郎「二度とこんなことするんじゃあねーぜ」
「それとケガはどんな具合なんだ?」

唯「うん、約束する!」
「ケガは膝を少しすりむいただけだよ」

承太郎「そうか」

憂「あの…私からもごめんなさい」ペコリ

律「憂ちゃんが謝ることじゃないよ」

憂「すみません…」
「私先に帰ってお姉ちゃんは無事だったって伝えときますね!」

花京院「僕も帰りたいところだが…少し話をしなくちゃあならない人がいるな」

承太郎「…そうだな」

330: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:54:59.78 ID:V706fIDO
憂「あの…やめてもらうわけには…」

紬「おばあさんも悪気があったわけじゃないと思うし…」

承太郎「悪気がなかったら何をしてもいいってのか?」

紬「それは…」

花京院「…まあ、僕はあと一回我慢するよ」
「仏になった気分でね」

承太郎「そうだな」
「…次に何かしやがったら容赦しねえぜ」

律(助かった…)

憂「それじゃあ私は行きますね」

花京院「僕も行くよ」

憂「一緒に行きましょうか♪」

タッタッタッ

331: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:55:40.16 ID:V706fIDO
澪「私達も行くか!」

承太郎「…そうだな。花京院達が平沢のことを伝えてくれるし」
「…のんびりな」

律「そうだな、いい天気だしのんびりが一番!」

紬「遠足みたいね♪」

唯(みんな…)

校庭!

梓「唯先輩無事で良かったね!」

憂「うん!その後承太郎先輩に絞られてたけどね」フフッ

梓「二人の姿が目に浮かぶ…」

タッタッタッ

純「噂をすれば、あれ唯先輩達じゃない?」

梓「本当だ」
「せんぱーい!早くしないとお餅なくなっちゃいますよー!」

ワタシサワチャンカラオモチモラッタ… ビリハオモチタベレナイ!?

和「何か言ってるわね…」

ダダダダ!

純「何でいきなりスピードあがったんだろ?」

332: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:56:08.52 ID:V706fIDO
花京院「マラソンの速さじゃあないな…」

梓「当然のごとく承太郎先輩ぶっちぎりですね…」

和「でも他のみんなはいい勝負ね」

タッタッタッタッタッタッ

憂「承太郎さん余裕でゴールだ」
「お姉ちゃん達と20mは開いてる…」
「お疲れさまです!」

梓純「お疲れさまです!」

承太郎「…ああ」ハァハァ
「久しぶりに走ると疲れるぜ…」ハァハァ

ダダダダダダダダッ

花京院「平沢さん達もゴールしたね」
「お疲れさ

唯「誰がビリだった!?」ゼェゼェ

律「私じゃないよな!?」ゼェゼェ

和「ほとんど同着だったわよ?」

澪「それじゃダメなんだ!」ゼェゼェ

紬「ビリの人のお餅はないのよね!?」ゼェゼェ

花京院「そんなルールはなかったはずだが…」

333: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/26(木) 20:56:40.01 ID:V706fIDO
承太郎「昨日平沢が一つ貰ったらしくてな」
「一人分足りないんじゃあないのか?」

梓「それでいきなり全力疾走になったんですか」フフッ
「お餅はまだいっぱいありますよ」

澪「唯…?」

律「どういうことだ…?」

唯「あ…みんなの分お餅あってよかったね!」

承太郎「…やれやれ」
「おい、貰いに行くぜ」

テントの中!

律「疲れた時には甘いものだな~」

承太郎「…冷たいものなら最高だったがな」

澪「まあ、この際文句は言わないよ」

紬「それにしてもマラソン大会結構おもしろかったわね♪」

承太郎「…序盤はな」

唯「私もちょっと楽しかったや♪」

澪律「お前が言うな!」

唯「ごめんなさい…」
「…」
「お、おしるこのおかわりはいかが?お餅もいっぱいあるよ?」

承太郎「…やれやれ」フッ
「そんなことをしないでも誰も怒っちゃあいないさ」

363: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:22:45.25 ID:K0iowkDO
数日後の音楽室!

梓(ケーキ一個余ってる…)

承太郎「…何ずっとケーキを見つめてやがる」
「そんなに食いたければ食えばいいじゃあないか」

梓「でも…」

紬「大丈夫よ、今日はさわ子先生来られないらしいの」

律「ほら、余らせるのももったいないし」

唯「そうだよあずにゃん」
「もったいないおばけが出てくるよ?」

澪「おばけ…」ガクガク

364: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:23:24.19 ID:K0iowkDO
梓「いいんですか…?」
「って唯先輩髪に何かついてますよ」
「シールですね…」
(何でこう承太郎先輩といい頭にシールがつくのかな…)

唯「実は最近はまってて~」

梓「取りますから動かないでくださいね」ペリペリ

唯「痛い…」

ガチャッ

純「梓、忘れ物…」

梓(やば…)

純「休憩中でしたか」

承太郎「何を言ってるんだ?」
「どう見ても部活をしてるじゃあないか」

純(どこが…?)

365: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:23:50.12 ID:K0iowkDO
梓「ちょっと承太郎先輩は黙っててください!」

承太郎「…ひどいぜ」

純「ぷっ…」プルプル

唯澪律紬梓「?」

承太郎「どうかしたのか?」

純「いえ、何だか承太郎先輩ってやっぱりおかしいなって」
「毎回思うんですけど最初に噂で聞いてたのと全然イメージ違います」

律「確かにジョジョはキャラ変わったな~」
「どんな噂聞いてたの?」

純「えっと、学校でタバコは吸うし何人もの生徒を病院送りにするし」
「ものすごい不良のレッテルを貼られてるって聞いてました」

承太郎「…昔の話だ」

梓「事実なんですか…」

承太郎(しかし…イメージが変わっちまったか…)
(…やれやれ)

366: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:24:25.50 ID:K0iowkDO
翌週の音楽室の前!

承太郎(最近はあいつらに染まって腑抜けになっちまってたからな…)
(カムバック俺ッ!)

ガチャッ

承太郎「…誰もいないのか」
「……」スタスタ
「…何かはみ出てるな」

紬「…」スースー

承太郎「琴吹か」
「おい、どうかしたのか?」

紬「…ん」パチクリ
「あ、承太郎君…おはよう」

承太郎「ああ」
「お前はそんなところで何をしてたんだ」

紬「ここ西日が射し込んで気持ち良くなっちゃって…」
「あ…」
(驚かせようとして隠れてたんだ!よーし…)

367: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:26:00.80 ID:K0iowkDO
承太郎「どうした?」

紬「わっ!」

承太郎「……」

紬「わ、わぁーっ!」

承太郎「…何だ?」

紬「実は驚かせようと思って隠れてたの…」ショボン

承太郎(…やれやれ)
「…あまりにもびびっちまって声が出なかったぜ」

紬「本当に!?やったぁ♪」

承太郎「そういえば平沢達は掃除当番だったか」

紬「ええ、結構遅くなるって言ってたわ」

368: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:27:09.53 ID:K0iowkDO
承太郎「そうか」
「…琴吹、悪いがお茶を頼む」

紬「うん、少し待っててね♪」

承太郎(暇だな…スタープラチナでも見とくか)スタスタ
(……)ツンツン

スタプラ「…」ウネウネ

承太郎(…やはり飽きないな)

紬「!」
(もう一回驚かそう♪)ソロソロ
「わっ!」

承太郎「!」
「…びびったぜ」

紬「また成功ね♪」
「それじゃあ今度こそお茶作ってくるわね」スタスタ

承太郎(…一方的にやられて終わる俺じゃあねーぜ)

紬「…」コポコポ

承太郎「…」スタスタ
「……」トントン

紬「どうかした?」クルッ
「!」プニッ

承太郎「かかったな」ニヤリ

紬「もう♪」
「はい、お茶入ったわよ」コトッ

承太郎「悪いな」

369: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:27:39.13 ID:K0iowkDO
音楽室の扉の前!

律「ちょっと今の見ました奥さん?」ボソッ

唯「ええ、しっかり見ましたわ奥さん」ボソッ

澪「肩トントンして振り向いたところにほっぺたをプニッてやるとはな」クスクス

梓「あれやる人久しぶりに見ました」クスクス

唯「それにしても珍しい組み合わせだね~」ボソッ

律「もう少し様子見てみるか」ボソッ

370: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:28:18.65 ID:K0iowkDO
音楽室!

承太郎「そういえばお前は合唱部に入りたかったらしいじゃないか」

紬「ええ」
「でも、今までのことを振り返ってみると軽音部に入って良かったって思うわ」

承太郎「それは良かったぜ」
「…お前はボーカルとかに興味はないのか?」

紬「なくはないけど、やっぱり承太郎君のボーカルあっての放課後ティータイムだし」

承太郎「たまにはボーカルが変わってもいいと思うんだがな」

紬「私は承太郎君がボーカルじゃないと嫌♪」ニコッ

承太郎「…そうか」フッ
「ん…?」ジッ

紬「なあに?」
「まさか私の顔に何かついてる?」ペタペタ

承太郎「…ほっぺたにクリームがついてるぜ」

紬「本当!?どこ!?」

承太郎「動くな」フキフキ
「とれたぜ」

紬「ありがとう」
「つまみ食いしてるのばれちゃった…」

371: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:29:10.62 ID:K0iowkDO
承太郎「今までもしてたのか?」

紬「たま~に…」

承太郎「クッ…」プルプル

紬「えへへ…///」

承太郎「クックックックックックッ」プルプル
「フハハハハハハハハ」ゲラゲラ

紬「ふふっ」
「うふふっ…あはは♪」

ギィッ

紬「え?」

承太郎「…」スタスタ
「何してやがる」ガチャッ

ドサドサドサドサッ

律「いてて…」

承太郎「来てたんなら早く入ればどうだ?」

唯「だっておもしろい組み合わせだったから…」

承太郎「…何を言ってるんだ」

372: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:29:57.14 ID:K0iowkDO
紬「みんな、お茶用意したわよ」

梓「ありがとうございます!」

澪「今日もおいしそうなケーキだな」

唯「おいしそうじゃなくておいしいよ澪ちゃん!」モグモグ

澪「手をつけるの早いな…」

紬「そういえば私学園祭に向けて新曲書いてきたの」
「はい♪」

律「やるなムギ!」

唯「そんなムギちゃんにはシールあげる!」

承太郎「…どこそこ貼ってるのはお前か」

唯「そうだよ~」
「かわいいでしょ~?」

梓「かわいいですけどもう貼らないでくださいね」

唯「えぇー…」

373: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:30:20.79 ID:K0iowkDO
翌日の昼休み!

承太郎「花京院、購買に行くぞ」

花京院「ああ、みんなは先に食べててくれ」

唯「いってらっしゃ~い」

スタスタ

律「しかし昨日はおもしろかったな~」

澪「ジョジョがあんなに笑ってるところ初めて見たよ」フフッ

和「承太郎君が笑ったの!?」

律「驚きすぎだろ…」

唯「今までは少し笑うだけだったのにね」

律「ムギどんなことしたんだ?」

紬「特に何もしてないわ」

律「唯、今度私達も笑わせてやるぞ!」

唯「おーっ!」

374: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:34:05.69 ID:K0iowkDO
放課後の音楽室の前!

承太郎(昨日は琴吹と話しただけで終わったな…)
(今日こそカムバック俺ッ!)

ガチャッ

梓「あ、承太郎先輩こんにちは」

承太郎「ああ」

梓「唯先輩達はまだですか?」

承太郎「日直やら用事やらあるらしい」

梓「そうですか」
(そういえば、承太郎先輩って何で軽音部にいるんだろう…)

375: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:34:32.19 ID:K0iowkDO
承太郎「…何だ?」

梓「いえ、どういう経緯で承太郎先輩が軽音部に入ったのかなと思って」
「軽音部って女の子しかいないじゃないですか」

承太郎「聞きたいか?」

梓「まあ、気にはなります」

承太郎「花京院に勧められたんだ」

梓「花京院先輩が?」

承太郎「ああ」
「俺の親父がジャズミュージシャンってことを知っててな」
「音楽なら少しはわかると思ってたんだろう」

376: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:35:03.33 ID:K0iowkDO
梓「…ちょっと待ってください」

承太郎「何だ?」

梓「承太郎先輩のお父さんの名前って何ですか?」

承太郎「貞夫だ」

梓「貞夫…」
「まさか…あの『空条貞夫』さんですか!?」

承太郎「そうだ」

梓「すごい…私の家族みんな貞夫さんのこと尊敬してるんです!」

承太郎「それは光栄だな」

梓「うわ~まさか承太郎先輩のお父さんが貞夫さんだったなんて…」キラキラ

承太郎(…いつもと目の色が違うな)

377: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:36:54.64 ID:K0iowkDO
梓「こうなったら私も練習しなきゃ!」ゴソゴソ

承太郎「…お前はギターやって長いのか?」

梓「小四の時からやってます」
「承太郎先輩は何か楽器やらなかったんですか?」

承太郎「ギターを三日ほどやったがやめたな」

梓「貞夫さんがいるのにもったいないですね…」
「そうだ、今弾いてみますか?」

承太郎「そうだな、たまには触ってみるか」

梓「はい、どうぞ」スッ

承太郎「それじゃあ少しムったんを借りるぜ」ニヤリ

梓「うるさいです!///」
「コードとかは覚えてますか?」

承太郎「あまり覚えてないな」

梓「それじゃあ最初は『ふわふわ』弾いてみましょうか」
「コードはやりながら教えますね」
「譜面はありますので」ピラッ

承太郎「悪いな」

378: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:37:19.95 ID:K0iowkDO
梓「あ、最初のコードはこうです」

承太郎「こうだな」

ジャラーン♪

梓「ちゃんと音でてますよ!やっぱり才能あります!」
「次は…」

承太郎「こうだろう?」

ジャーン♪

梓「す、すごいです!」

承太郎「よし、大体覚えたぜ」

梓「え?」

ジャカジャカジャンジャンジャカジャカジャカジャン♪

承太郎「どうだ?」

梓「すご…」
「承太郎先輩ギターやればできるんじゃないですか!?」

承太郎「無理だ」
「やっぱりチマチマするのは俺には合わないぜ」

梓「そうですか…」

379: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/08/29(日) 16:37:46.07 ID:K0iowkDO
翌日の昼休み!

憂「承太郎さんってギターも弾けるんだ」

純「でも触ったことないようなものだったんでしょ?」

梓「三日だけ触ったって自分では言ってた」

純「やればできる人なのかな?」

梓「多分…そうかも」

憂「やっぱり承太郎さんってすごい人だったんだ~♪」

396: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:52:23.09 ID:7zcUu2DO
こんばんは

これから投下します

397: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:56:24.60 ID:7zcUu2DO
放課後の音楽室の前!

承太郎(昨日はギターを弾きに行っただけだったな…)
(今日こそカムバック俺ッ!)

ガチャッ

澪「あ、ジョジョ」

承太郎「お前だけか」

澪「律は掃除当番で唯達は用事で少し遅れるってさ」
「ジョジョにも言ったろ?」

承太郎「忘れてたぜ」

澪「さてと、私は弦の交換でもするか」

承太郎「その前にお茶を頼む」

澪「はいはい…」スタスタ

398: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:57:05.76 ID:7zcUu2DO
承太郎「そういえば学園祭の曲はどうするんだ?」

澪「今度は一曲ぐらいバラードいれようかと思ってるんだけど…」コポコポ
「はい、お待たせ」コトッ

承太郎「悪いな」
「しかしバラードか…」ズズッ
「…なかなか美味いな」

澪「ありがとう」フフッ
「バラードは嫌だった?」

承太郎「嫌というかどんな歌詞になるのかと思ってな」

澪「どういう意味だよ?」ムッ

承太郎「冗談だ」
「どんな歌詞でもちゃんと歌ってみせるさ」

399: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:57:38.29 ID:7zcUu2DO
澪「…ありがとな、ジョジョ」
「私の歌詞に文句一つ言わないで歌ってくれて」

承太郎「…それに関しては二年前に答えたはずだぜ」

澪(あ…『ふわふわ』の歌詞を初めて見せた時…)
(あの言葉のおかげで今まで心置きなく歌詞を作ってこれたんだ…)
「そうだったな」ニコッ
「よし、私は弦交換するよ」

承太郎「ああ」ズズッ

澪「…」パチンパチンパチンパチン

承太郎「やっぱりベースの弦は太いな」

澪「まあな、その上高いし」フキフキ

承太郎「しかし楽器隊じゃなくて良かったぜ」
「手入れなんかがめんどくさそうだ」

澪「でもジョジョは喉を守らないとな」ネジネジ

400: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:58:22.50 ID:7zcUu2DO
承太郎「まあな」
「おかげで禁煙に禁酒だからな」

澪「そこまでやって偉いよジョジョは」グイグイ

承太郎「卒業祝いはタバコでいいぜ」

澪「まだ私も買えないんだけどな」フフッ
「よし、あとはチューニングするだけだな」
「…」ボーン
「…」ネジネジ

承太郎「…」ネジネジ

澪「…」ボーン
「…」ネジネジ

承太郎「…」ネジネジ

澪「…ジョジョ」

承太郎「何だ?」ネジネジ

澪「…チューニング終わらないからペグ回すのやめてくれないか?」

承太郎「エリザベスばかりにかまってるから俺が暇じゃあないか」

澪「子供かよ…」

401: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:58:58.70 ID:7zcUu2DO
承太郎「…スタープラチナのところに行ってくる」スタスタ

澪(いじけた)フフッ
「早く終わらせるから待っててくれ」ボーン ネジネジ

承太郎「…ああ」ツンツン

スタプラ「…」ウネウネ

澪「…」ボーン ネジネジ
「…」ボーン ネジネジ
「…」ボーン ネジネジ
「よし、こんなもんかな」

承太郎「そうか」
「こっちにお茶用意してるぜ」

澪「お、ありがとう」

ガチャッ

梓「こんにちはー」
「唯先輩達はまだですか?」

澪「掃除当番とか日直とかいろいろあるんだ」

402: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:59:25.94 ID:7zcUu2DO
承太郎「中野、俺のカバンを持ってきてくれ」

梓「はい」ヒョイ スタスタ
「どうぞ」スッ

承太郎「悪いな」ゴソゴソ
「これは駄賃だ」スッ

梓「これはまさか…」
「貞夫さんのサイン!?」

承太郎「ああ」
「昨日の夜にツアーから帰ってきてな」

梓「『梓ちゃんへ』って書いてある…」キラキラ
「承太郎先輩ありがとうございます!」ペコリ

承太郎「礼はいいさ」

澪「貞夫さんって、あの『空条貞夫』さん?」

承太郎「ああ」

澪「本当か!?」
「私たまにしかジャズ聞かないけど貞夫さんはよく知ってるよ!」
「すごく上手いよな!」

梓「はい!本当憧れです!」

承太郎「俺の親父はだいぶ有名なんだな」

澪「私もサイン欲しい…」

承太郎「今日もらっといてやるが?」

澪「本当か!?ありがとうジョジョ!」

403: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 20:59:56.54 ID:7zcUu2DO
ガチャッ!

律「澪~!」ダキッ

澪「いきなりどうしたんだ?」

律「家庭科の宿題手伝って!」

澪「宿題なんてあったっけ?」

紬「ほら、スカートを縫いなさいって」

澪「あれ授業中に終わらなかったのか?」

唯「りっちゃんはミシン使えないもんね~」

律「お前が言うな!」

梓「承太郎先輩は終わったんですか?ていうか何作ったんですか?」

承太郎「男子はズボンだ」
「俺は今日おふくろにやってもらう」

梓「せめて手伝ってもらう程度にしましょうよ…」

律「頼むよ澪~…」

澪「やれやれ、課題はほっとけないしな」

紬「りっちゃん、私手伝うね!」

唯「それじゃあ今からりっちゃん家に行こう!」

律「みんな~!」

梓「あの…練習は…?」

澪「課題ほっといて練習はできないからな」

承太郎「…」グッ

梓「承太郎先輩ガッツポーズしないでください…」

404: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 21:01:26.72 ID:7zcUu2DO
田井中家!

律「さあさあみんなあがってくれ」

唯澪紬梓「おじゃましま~す」

聡「姉ちゃん?帰ってんなら洗濯物…」ガチャッ
「あ…」

澪「お、聡久しぶりだな」

律「あ、聡。みんな軽音部の友達だから」
「それと、こいつは弟の聡な」

唯紬梓「おじゃまします」

承太郎「…邪魔するぜ」

聡「ヒィッ…」
「ごゆっくりどうぞ!」バタン!

律「失礼な奴だな~」
「私はこんな弟に育てた覚えないぞ」

澪「明らかにジョジョにびびってたろ…」

律「ま、あいつはほっといて私の部屋行こうぜ」

405: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 21:01:52.44 ID:7zcUu2DO
律の部屋!

律「どうぞどうぞ~」

唯「ここがりっちゃんの部屋…」

承太郎「意外に綺麗だな」

律「何だよ意外にって…」

ヒトデ「…」

澪「…律、何これ」

律「あれ、言ってなかったっけ?」
「夏期講習の前の日に三人で遊びに行ったって言ったろ?」
「その時にヒトデに興味出てさ」
「ジョジョに一番ノーマルなヒトデとってもらって飼ってるんだ」

唯「…ということはムギちゃんも飼ってるの?」

紬「ええ」
「りっちゃんより少し前に飼い始めたわ」

406: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 21:02:18.77 ID:7zcUu2DO
澪「…私も飼う」

律「え?」

澪「私も飼う!」

唯「私も飼うよ!」

梓「私も飼います!」

律「おいおい…」

承太郎「飼うのはかまわないが、ちゃんと面倒を見れるんだろうな?」
「責任を持って面倒を見てもらわないとヒトデがかわいそうだ」

唯澪「大丈夫!」

梓「心配いりません!」

承太郎「そうか、お前らを信じるぜ」
「週末に採りに行くから月曜は何か入れ物を持ってきてくれ」

唯「私も採りに行くよ?」

承太郎「一人で大丈夫だ」
「他にもいろいろやることがある」

澪「そっか、それじゃあおとなしくしとくよ」

407: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 21:03:00.76 ID:7zcUu2DO
承太郎「そうしてくれると助かる」
「全員田井中と同じ種類でいいな?」

梓「はい!」

紬「承太郎君、私のも…」

承太郎「ああ、言われないでもとってくるつもりだ」

紬「ありがとう♪」

律「盛り上がってるところ悪いんだけどそろそろ課題を…」

澪「そうだったな、それじゃあかしてくれ」

カタカタカタカタ

梓「上手いですね…」

律「私ちょっと下行くわ」

唯「はいあずにゃん、部室に鏡忘れてたよ」スッ

梓「ありがとうございます。それとシールはがしますね」

唯「えぇ~…」

紬(梓ちゃんだいぶ唯ちゃんの扱い上手くなったわね)

408: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/01(水) 21:03:44.94 ID:7zcUu2DO
澪「よし、終わったー」
「あれ、律は?」

紬「そういえばさっき下に行くって言ってたけど…」

承太郎「トイレに行ってくる」スタスタ

澪「場所わかるか?」

承太郎「ああ」

ガチャッ

ドンッ

聡「うわあああああああああああ!」ドサッ
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!」ガクガク

梓「だいぶ怯えられてますね」クスクス

承太郎「…もう慣れてる」
「おい、取って食ったりしないから落ち着け」
「何か用事があったんだろう?」

聡「あ…ね、姉ちゃんが呼んでこいって…」

承太郎「そうか、わざわざ悪かったな」
「おい、行くぞ」

聡(あれ…見かけによらずいい人だ…)

427: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:48:49.93 ID:b7Xo9.DO
リビング!

唯「り…料理がある…」ゴクリ

紬「いい匂い…」

承太郎「親がいるのか?」
「挨拶ぐらいしないといけないな。どこにいる?」

律「親はまだ帰ってきてないぞ」

承太郎「それじゃあこれは冷凍食品か」
「お前電子レンジは使えるんじゃあないか」

律「私をバカにしすぎだ!」
「ていうか私が作ったんだけど…」

唯「りっちゃんが!?」

梓「わざわざありがとうございます!」

律「いいってことよ♪」
「さ、それじゃあ食べようぜ。みんな座って」

428: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:49:24.90 ID:b7Xo9.DO
澪「このハンバーグだけすごく大きいな」

律「あ、それジョジョのだから」

承太郎「そうか、悪いな」

律「いいんだよ、宿題手伝ってもらってるばっかりじゃ悪いし」

澪(ジョジョ何もしてなかったけどな…)

唯「ねぇねぇ早く食べようよ!」

澪「そうだな。それじゃあ」

唯澪紬梓「いただきまーす!」

承太郎「いただくぜ」

律「召し上がれ~♪」

紬「すごくおいしいわ!」モグモグ

梓「ほんとすごくおいしいです!」モグモグ

律「ほんとか!?」パァッ
「良かったぁ…」

429: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:49:56.33 ID:b7Xo9.DO
唯「ご飯もすごくおいしいよ~」モグモグ

律「我が家自慢の炊飯器ですから!」

澪「律ご飯好きだもんな」

律「日本人ですから!」

承太郎「お前はご飯とパンどっち派なんだ?」

梓「ん~、どっちですかね…」

律「日本人なら米食え米!」

承太郎「そんなにご飯が好きならハンバーグはいらないな」ヒョイ

律「何私のハンバーグ取ってるんだよ!」
「返せ!」

承太郎「俺のご飯と交換だ」

律「納得いくわけないだろ…」

紬(りっちゃんたら…)
(ハンバーグ気に入ったって言ってくれてるようなものなのに)クスクス

澪「ムギどうかした?」

紬「ううん、なんでも♪」

430: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:50:27.51 ID:b7Xo9.DO
翌日の音楽室前!

承太郎(昨日はハンバーグを食いに行っただけだったな…)
(今日こそカムバック…)
(…俺は昔の俺に戻って何がしたかったんだ?)

唯「あ、承太郎君」スタスタ
「こんなところで何やってるの?中入ろうよ!」グイッ

ガチャッ

承太郎「…いきなり引っ張るんじゃあない」

唯「えへへ、ごめんごめん」

承太郎「…まったく」ドサッ

唯「……」
「…承太郎君何か悩んでる?」

承太郎「…なぜだ」

唯「何か今日はいつもと雰囲気違うなって」
「何か一年生の時みたい…」

431: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:51:04.95 ID:b7Xo9.DO
承太郎「…これが普通だ」

唯「普通じゃないよ!」

承太郎「!」

唯「今の承太郎君は何か作り物みたいだよ」
「何だか無理してる…」
「私にはそう見える」

承太郎「……」
「…最近自分がたるんでると思ってな」
「ずっとぬるま湯に浸かったままじゃあダメだと思ったんだ」
「…そしていろいろ考えていたら自分がわからなくなってな」

唯「何だか変なこと考えてたんだね」フフッ

432: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:51:31.10 ID:b7Xo9.DO
承太郎「…なに笑ってやがる」

唯「たるんでても承太郎君は承太郎君だよ」
「私の知ってる承太郎君はね、歌がうまくって優しくて」
「海が大好きで、すっごく大きいんだ。それこそ海みたいに」
「そして…」

承太郎「…」

唯「澪ちゃん、りっちゃん、ムギちゃん、あずにゃん」
「和ちゃん、花京院君、さわちゃん、クラスのみんな」
「みんなに愛されてるんだ♪」ニコッ

承太郎「…」

唯「あ、私も承太郎君のこと大好きだよ!」ニコッ

承太郎「…そうか」
「俺はだいぶ馬鹿馬鹿しいことを考えてたみたいだな」フッ
「…お茶の準備をしてくるぜ」ガタッ

唯「私も手伝うよ!」

承太郎「お前は危なっかしいから座ってろ」

唯「え~、私も手伝いたい~」ウジウジ

承太郎「…やれやれ、それじゃあ手伝ってくれ」

唯「うん!」

433: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:51:57.86 ID:b7Xo9.DO
翌日の教室!

花京院「みんなとは仲良くやれてるようだね」

承太郎「…そうだな」

姫子「空条君」スタスタ
「これ落ちてたよ、はい」スッ

承太郎「何?カバンにつけてたはずだが…」ゴソゴソ
「ないな…悪いな立花」
「だがよく俺のだとわかったな」

姫子「裏返してみて?」フフッ

承太郎「?」クルッ
「……」
「…やれやれ」

花京院「名前を書いたシールが貼ってあるな」フフッ

承太郎「平沢だろう」フッ

434: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:52:26.89 ID:b7Xo9.DO
音楽室!

律「良かったな、ちゃんと見つかって」

承太郎「今回はこいつに感謝だな」

唯「えへへ~♪」

ガチャッ

梓「すみません、遅れちゃいました」

紬「お茶とお菓子用意してるわ」

梓「ありがとうございます」
「…ケーキ二個ありますよ?」

澪「食べていいぞ」
「もともと二つとも梓のものだしな」

435: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:53:18.13 ID:b7Xo9.DO
梓「どういうことですか?」

律「裏見てみ?」ニヤッ

梓「はい」チラッ
「!」

《中野》

梓「…いいんですか…?」

承太郎「ケーキを食べて少しはでかくなれってことだ」

梓「承太郎先輩は大きすぎです」クスクス

承太郎「お前が小さいだけだ」

澪「どう考えてもジョジョが大きいだろ」クスクス

承太郎「…やれやれ」

436: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:53:43.18 ID:b7Xo9.DO
翌週の月曜日の教室!

律「みんな、部室行こうぜー」
「ってジョジョは?」

紬「先に行って待ってるって言ってたわ」

澪「ジョジョが先に行くなんて珍しいな」

紬「ヒトデの準備をしてくれてるんじゃないかしら?」


唯「なるほど!」

澪「今日だったな!楽しみだよ」ニコニコ

律「そういえばお前ら入れ物は?」

唯「この前から学校にバケツを置いてあります!」フンス

律「準備がいいことで…」

紬「それじゃあ行きましょう!」

437: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:54:14.59 ID:b7Xo9.DO
音楽室!

承太郎「遅かったな」

律「まあ色々準備があってな」

ガチャッ

梓「こんにちはー」

承太郎「よし、全員揃ったな」
「先週言った通り休みを使ってヒトデを採りに行ってきた」
「それがその水槽にいるこいつらだ」

ヒトデ「…」

唯「おお…」キラキラ

梓「すごくカラフルですね」キラキラ

澪「ああ、すごく綺麗だ」キラキラ

紬「赤に青に緑にピンク…すごい…」

438: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:54:57.37 ID:b7Xo9.DO
承太郎「喜んでくれるのはありがたいが、入れ物はあるんだろうな?」

紬「大丈夫、みんな持ってきてるわ」

ゴトッ

承太郎「それじゃあ各自で海水を入れてくれ」
「海水はそこにある」

ザバザバ

梓「終わりました!」

承太郎「それじゃあ肝心のヒトデだが…」
「見ての通り赤、青、緑、ピンクのヒトデがいる」
「ちなみに種類は

紬「『マヒトデ』よね?」ニコッ

承太郎「そうだ」フッ
「それでこのヒトデ達をどうわけるかだが…」

唯「私実は欲しいの決めてるんだよね…」

澪「私もだ…」

梓「私も一目見たときから…」

紬「実は私も…」

律「全員じゃねーか…」

439: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/04(土) 17:55:38.39 ID:b7Xo9.DO
承太郎「…そうか」
「それじゃあ早い者勝

唯「赤ッ!」

澪「青じゃなきゃやだ!」

紬「ピンク!」

梓「緑がいいです!」

律「見事にばらけたな~」

承太郎「争いがなくて良かったじゃあないか」
「しかし全員俺の予想通りだったな…」

澪「え?」

承太郎「採っているときにお前らはこの色が欲しいんじゃないかと考えてな」

梓「すごいじゃないですか承太郎先輩!」
「全員正解ですよ!」

紬「軽音部に馴染んでる証拠ね♪」

承太郎「……」
「まあ、そいつらを大切にしてやってくれ」

唯紬「うん♪」

澪「ああ!」

梓「はい!」

461: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 20:57:59.34 ID:QarHvcDO
数日後の放課後!

律「ジョジョ、部室行くぞー!」

承太郎「少し待ってくれ」ゴソゴソ

花京院「みんな張り切ってるな」

承太郎「文化祭が近いからな」ゴソゴソ

和「張り切るのはいいけど、もう風邪ひかないでね?」

承太郎「大丈夫だ、体調管理はちゃんとしている」ゴソゴソ
「よし、それじゃあ行ってくるぜ」

花京院「ああ、練習頑張ってきてくれ」

和「また明日」フリフリ

承太郎「お前らも準備頑張ってくれ」

スタスタ

462: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 20:58:40.28 ID:QarHvcDO
承太郎「待たせたな」

律「ほんとだよまったく~」

澪「それじゃあ部室行くか」

さわ子「あら、ちょうど良かったわ」スタスタ

唯「あ、さわちゃん。どうかしたの?」

さわ子「実はしばらく部室使えないの…」

唯澪律紬「え?」

音楽室の前!

承太郎「貼り紙があるな」
「水道工事か…」

さわ子「ええ」
「水漏れしてた配水管が音楽室にも通ってるから立ち入り禁止なんですって」

澪「そんな…」

紬「文化祭まであと一ヶ月もないのに…」

さわ子「とりあえず楽器とスタプラ君とココちゃんは外に出しといたわ」

463: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 20:59:27.49 ID:QarHvcDO
梓「こんにちは」スタスタ
「って何ですかこれ!?」

律「何か水道工事やるらしくてさ、しばらく音楽室使えないらしいんだ」

梓「そんな…」
「それじゃあ練習はどうするんですか!?」

承太郎「今練習場所を考えていたんだが…」

スタスタ

花京院「みんなこんなところで何をしてるんだ?」
「だいぶ散らかっているようだが…」

紬「実は水道工事で音楽室が使えないらしくて…」

花京院「そんなこと聞いてなかったが…」

さわ子「緊急だったから仕方ないわ」

承太郎「それより何の用だ?」

花京院「ああ」
「承太郎、君に少し用があったんだが…」

464: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 20:59:56.94 ID:QarHvcDO
梓「…他の音楽室って使えないんですかね?」

さわ子「第二音楽室は吹奏楽部が使ってるのよ」
「それにコンクールも近いし…」

唯「そっか…」

さわ子「…よし!」
「私がいろいろ頼んでくるわ。少し待ってて」

律「いいの、さわちゃん?」

さわ子「大丈夫、私に任せなさい!」
「それじゃあ行ってくるわね」スタスタ

花京院「…待ってくださいッ!」
「僕も行きます!」

465: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 21:00:25.01 ID:QarHvcDO
廊下!

さわ子「どうして花京院君はついてきたの?」
「生徒会役員だしこんなことしたら…」

花京院「…僕は彼女達を尊敬しています」

さわ子「え?」

花京院「……」
「…僕は…二年前に一度軽音部に見放されました」

さわ子「…そんなこともあったわね」

花京院「…あんな事をしたから当然の仕打ちといえます」
「しかし…彼女達はあんな事をした僕に手を差し伸べてくれた…」
「なかなか出来ることじゃあないと思います」
「…彼女達に許された日…その日に彼女達の人間性を身をもって感じ…」
「彼女達軽音部に尊敬の念を抱きました」

さわ子「そう…」

花京院「そして、今その軽音部が困っている」
「僕は少しでも軽音部の助けになりたいッ」
「今度は僕が助ける番なんですッ!」

さわ子「……」
「わかったわ」ニコッ
「ちょうど着いたわね」
「それじゃあ入るわよッ」

花京院「はいッ!」

466: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 21:00:58.62 ID:QarHvcDO
音楽室前!

承太郎「遅いな…」

律「まあ、もう少し待ってみようぜ」

スタスタ

さわ子「ごめんね、遅くなって」

唯「それでどうだったの?」

花京院「すまない…ダメだった」

澪「そっか…」

さわ子「校長室とかにも行ったんだけど…」

承太郎「少し待て」
「花京院は生徒会の人間だ」
「生徒会ってのはどの部活にも平等にしなくちゃあならない」
「校長室に行ったのはマズかったんじゃあないか?」

さわ子「花京院君の希望よ」

花京院「利用できそうなところは利用しようと思ってね」
「だが、案の定怒られてしまったよ」
「生徒会の人間が個人の感情で特定の部活を味方したら不平等だとね」

梓「ごめんなさい…行かせちゃったせいで…」

467: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 21:01:25.77 ID:QarHvcDO
花京院「いいんだ。自分で考えてとった行動だ」
「それに…僕は自分の行動に…」
「後悔はない」

承太郎「花京院…」

ブーッブーッ

花京院「すまない」パカッ
「…生徒会長から遅いとのお達しだ。準備に手間取ってるらしい」
「役に立ちたかったが…」

澪「ううん、気持ちだけで十分だよ」

律「ありがとな、花京院」

唯紬「ありがとう、花京院君♪」

梓「ありがとうございました」ペコリ

花京院「みんな…」

承太郎「こっちは俺達で何とかするさ。もともと軽音部の問題だ」
「それよりさっさと真鍋の所に行ってやれ」

花京院「ああ」
「ありがとうみんな」
「それじゃあまた」スタスタ

468: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 21:05:34.96 ID:QarHvcDO
唯「花京院君も頑張ってくれたんだし、私達も頑張らなきゃ!」

紬「でも練習場所どうしよう…」

さわ子「そうね…教室とか?」

3年2組!

信代「今日はここで練習するんだ」

梓「あの…おじゃまします…」ペコリ

姫子「そんなにかしこまらなくても大丈夫だよ」フフッ

承太郎「そうだ」
「何より俺達の教室だ、くつろいでくれ」

梓「くつろぐのはちょっと…」

さわ子「あんまり大きな音出すと迷惑だから音は抑えてね」ニコッ

承太郎「…音楽室の時とキャラが違

さわ子「なにかしら、承太郎君?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

承太郎「…なんでもない」

律(さわちゃんっていつもジョジョを黙らせてるな…)
(すげえ…)

469: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 21:06:31.29 ID:QarHvcDO
さわ子「そう。それじゃあ練習頑張ってね」スタスタ

唯「それじゃあやろっか!」

澪「最初はなんにする?」

承太郎「カレーでいいんじゃあないか?」

律「オッケー。そんじゃいくぞ!」
「ワン・ツー!ワン・ツーッ!」

~~~♪

パチパチ

姫子「すごくかっこいいじゃん!」

風子「本当!」

唯「いや~、それほどでも~♪」

信代「次は何やるの!?」

承太郎「…次は

コンコン ガチャッ

女生徒「あの…」

470: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/11(土) 21:07:00.93 ID:QarHvcDO
律「どうかしたの?」

女生徒「私達、文化祭の話し合いしてまして…」
「少し音が…」

紬「音が大きかったかしら…」

承太郎「…俺達も最後の文化祭に向けて練習しているんだが」
「それに話し合いなら人が寄ればいいんじ

律「ややこしくなるからジョジョは黙ってろ!」
「えーっと、それじゃあ私達練習場所変えるから」

女生徒「すみません…」

承太郎「…謝るぐらいなら来るんじゃあない」

律「なあ、誰かガムテープ持ってない?」

女生徒「それでは失礼します」

バタン

廊下!

承太郎「…やれやれ」
「場所を変えるとは言ったがどうするんだ?」

紬「体育館とかどうかしら?」

澪「いいかもな」

律「それじゃあ体育館行くか」

482: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:19:15.33 ID:doDzMYDO
体育館!

唯「あずにゃん、何でココちゃんとスタプラちゃん連れてきたの?」

梓(しまった!)
「コ…ココちゃんとスタプラちゃんも部員ですから!」

承太郎「苦しいな」ニヤッ

紬「梓ちゃん、ココちゃんとスタプラちゃんが大好きなのね」ニコッ

梓「ムギ先輩!///」

律「ねえ、ちょっと体育館使わせてもらいたいんだけど…」

いちご「うん、いいよ」

澪「本当!?ありがとう!」

いちご「別に」スタスタ

483: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:19:49.52 ID:doDzMYDO
体育館の端っこ!

承太郎「それじゃあやるぜ」

ファイトー

梓「…何か…私達場違いですね…」

律「まあ、運動部ばっかりだしな~」

承太郎「…いいから始めるぞ」

律「そうだな。そんじゃあ」
「ワン・ツー!ワン・ツーッ!」

澪「……」ボーッ

紬「澪ちゃんどうしたの?」

澪「!」
「ごめんごめん!」

唯「そんなにバレー好きなの?」

澪「バレーっていうか、スポーツを見るのが好きなんだ」

承太郎「やれやれ」
「次はちゃんと頼むぜ」

澪「ああ、大丈夫だよ」

484: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:20:23.63 ID:doDzMYDO
律「いくぞー」
「ワン・ツー!ワ

バレー部員「危ないッ!」

ゴオォォオ

梓「あ!バレーボールが水槽に!」

承太郎「…バレーは足も使ってよかったな?」

澪「そうだけど…」

承太郎「オラァ!」ドゴォ

唯「ボールを蹴り飛ばしたッ!」

紬「水槽は無事よ!」

バシィッ ゴオォォオ

梓「壁に当たったボールが律先輩に!」

律「え?」
「ぐへっ!」ドグチア

ポーン

承太郎「いいトスを上げるじゃあないか」
「オラァ!」バシィーン

バレー部員「!」
(速いッ!)バシィッ
「あ、ありがとうございます!」ヒリヒリ

承太郎「ああ」
「それじゃあ練習始めるぜ」

紬「それなんだけど…」

律「…」ピクピク

485: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:21:05.10 ID:doDzMYDO
3年2組!

律「…お前私になんか恨みあるの?」

承太郎「たまたまだ」

唯「球だけに?」

澪紬「…フフッ」プルプル

さわ子「それで練習はできたの?」

律「講堂は演劇部がいて、屋上は詩吟部がいたから無理…」

承太郎「中野、お前は座らないのか?」

梓「それはちょっと…何か悪いです」

承太郎「…そこが花京院の席だ」
「そこなら座れるだろう?」

梓「あ、はい」
「それじゃあ失礼します」トスッ

唯「軽音部とかけて、すごろくととく!」

澪「…その心は?」

唯「振り袖に戻ってしまいました!」

承太郎「明日からの練習をどうするかだが…」

唯(え…ノータッチ?)

さわ子「ん~、私もいろいろ考えてみるわ」
「今日は下校時間だし、また明日考えましょう」

486: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:22:00.98 ID:doDzMYDO
昇降口!

唯「今日は全然お菓子食べられなかったね…」

承太郎「今日の分、今度は二日分食べれるんじゃあないか?」

唯「なるほど!承太郎君頭いい!」

律「そういえば澪、歌詞できたのか?」

梓「新曲できたんですか!?」

律「ムギの曲はできてるんだけど…」

澪「律が今の歌詞じゃダメだって言うんだ…」

マックスバーガー!

律「はい、これがその歌詞」スッ

梓「…《甘い匂いのするお菓子の森で小鳥さんとおしゃべり》…」

唯「いいじゃん!おいしそう!」

487: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:22:55.71 ID:doDzMYDO
澪「本当か!?」
「他にもいっぱいあるよ!」

律「どんなのだよ?」

澪「《私の恋に白黒つけてよパンダみたいに》とか」
「《ペンギンさんとダンスダンスダンス》とか…」

承太郎「やけに動物がいるじゃあないか」

律「動物ネタは不調の証拠なんだ…」

紬「それじゃあ、みんなで歌詞作ってこない?」

澪「私の歌詞はボツなのか…?」シュン

律「候補の一つってことで…」

梓「…私も書いてくるんですか?」

紬「ええ」
「梓ちゃんの歌詞楽しみにしてるわ♪」

律「私は梓以上に楽しみな奴がいるけどな」ニヤニヤ

承太郎「…やれやれ」

488: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:23:33.42 ID:doDzMYDO
翌日の放課後!

さわ子「いろいろ考えてみたけど練習できる場所無いわね…」

唯「そんな~…」

さわ子「一応もう一回頼んできたけど、ジャズ研も吹奏楽部も忙しいみたい」

律「そっか…ありがとうさわちゃん」

梓「今日はどうしましょうか…」

承太郎「…スタジオでも借りるか?」

唯紬「スタジオ!?」キラキラ

澪「でもお金はどうするんだ?」

承太郎「…」チラッ

さわ子「何で私を見るのよ…」

律「部費ならいっぱいあるぞ?」

唯「ほんと!?さすがりっちゃん!」

梓「棚しか買ってないですしね」

紬「それじゃあ行きましょう♪」

489: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:24:07.95 ID:doDzMYDO
スタジオ!

梓「学校の近くにスタジオあったんですね」

紬「そうね。知らなかったわ」

唯「あ、この鏡すごくおっきい!」
「…ん~」イジイジ

律澪梓「…」イジイジ

紬「…」コポコポ

承太郎「…何をしているんだ」

梓「大きい鏡があるとつい…」

律「女の子でちゅものね~♪」

承太郎「…別に誰も見ないだろう」

唯「承太郎君…女の子は陰で努力してるんだよ…」

澪「身だしなみを整えるのは基本だしな」

490: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:28:59.11 ID:doDzMYDO
承太郎「そうか。うちは共学だからいずれ報われるんじゃあないか?」

梓「そういうのとはまた少し違うんですよね」

唯澪律「うんうん」

承太郎(めんどくさい奴らだな…)

紬「みんな、お茶はいったわよ♪」

コンコン ガチャッ

店員「すみません、スタジオ内は飲食禁止なんで、外で飲んでもらっていいですか?」

律「あ、はい。すみません」ペコリ

承太郎「こんなにすぐにわかるとはな…」
「店員!てめー見ていたなッ!」

梓「あのカメラで見てたんですよ」

店員「Exactry」

律「そんじゃあ外で飲むか」

491: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:29:25.96 ID:doDzMYDO
休憩所!

承太郎「…」ズズッ
「やっぱり落ち着くな…」

紬「そう?良かったわ♪」

律「そうだ、この時間を使って歌詞の発表するか」

梓(覚えてたか…)

律「それじゃあ誰から…」

唯「はい!」

承太郎「お前が書いてくるとはな…」

梓「意外ですね…」

唯「それじゃあ読むよ」
「《ごはんはすごいよ 何でもあうよ》」

澪律紬梓承「……」

唯「《ラーメンうどんにお好み焼き》」
「《炭水化物と炭水化物の夢のコラ

律「わかった!もういい!」

唯「サビ!サビの部分だけ言わせて!」

承太郎「…どんなのだ」

唯「《いち・に・さん・し・ごはーん!》」

承太郎「次は誰だ?」

唯(え?またノータッチ?)

492: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:29:50.79 ID:doDzMYDO
紬「それじゃあ私が読むわね」
「《吹きすさぶ冷たい風が肌をさす》」

唯澪律梓承「おお…」

紬「《吉江は犯人を断崖絶壁に追い詰めた》」
「《健一さん…あなたが…あなたがッ》」
「《犯人だったんですねッ!》」

律「はい却下」

紬「ええ~…」

承太郎「お前のは小説じゃあないか」

紬「今までにない歌詞にしようと思って」

律「斬新すぎだろ…」
「はい、次は梓な」

493: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:30:33.31 ID:doDzMYDO
梓「え…はい…」
「……」モジモジ

承太郎「…誰も笑ったりしないさ」

梓「はい…それじゃあ読みます」
「《いつもゆらゆら揺れている あなたの視線を感じるの》」

唯「いいねいいね~♪」

梓「《何回こけても立ち上がる そんなあなたに伝えたい》」
「《大好きだよ》」

唯澪律紬「おお~っ!」

梓「《ココちゃん スタプラちゃん》」

唯澪律紬「……」

承太郎「…今度水槽に向かって読んだらどうだ?」

梓「け、結構です!」
「そういう承太郎先輩はどうなんですか?」

494: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:31:33.93 ID:doDzMYDO
承太郎「やれやれ、俺の番か」
「それじゃあ読むぜ」
「《ヒトデヒトデヒトデ ヒトデは肉食》」
「《アサリ ホタテ アワビ ウニ等を捕食する》」
「《さあみんなでヒトデを捕らえよう》」
「《ヒトデは俺達を待っている》」

唯澪律紬梓「……」

承太郎「今はまだこれだけしか考えてないな」
「ちなみにタイトルは

律「…ヒトデ天国だろ?」

承太郎「よくわかったな」

律「だってただの替え歌じゃん…」

495: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/14(火) 20:32:53.94 ID:doDzMYDO
澪「そういえば律はどうなんだ?」

律「はい」スッ

唯「《露骨な肋骨》」
「《憎き肉片》…」

紬「全部だじゃれね…」

澪「どうしてちゃんと書いてこなかったんだ?」

律「いや~、なかなか思い浮かばなくて」

承太郎「…恥ずかしいからだろう」
「こいつはそういうことを結構気にするからな」

律「なっ!」

梓「もう!律先輩ちゃんとしてくださいよ!」

唯「澪ちゃんは歌詞できたの?」

澪「『アライグマが洗った恋』と『キリンりんりん』があるんだけど…」

承太郎「おい、それより練習しないと時間がヤバいんじゃあないか?」

澪(ノータッチ…?)

紬「そうね、行きましょうか」

店員「あの、もうお時間です」

唯澪律紬梓「え!?」

510: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:40:59.17 ID:Q9FRMQDO
帰り道!

承太郎「…金の無駄だったな」

唯「ムギちゃんがお茶いれるからだよ~♪」

紬「一番おかわりしたのは承太郎君と唯ちゃんです~♪」

梓「承太郎先輩と唯先輩なのはいつものことですね」
「ふざけたりするのも」

澪「まあな…」

唯「そういえば…」

承太郎「どうした?」

唯「今頃部室どうなってるかなって」
「いつも行ってるからありがたみが分からなかったけど…」

承太郎(こいつもこんなことを考えるようになったか…)
(少しずつだが生長しているようだな)

511: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:41:39.96 ID:Q9FRMQDO
ブロロロ キッ

さわ子「みんな~!」フリフリ

律「あ、さわちゃん!」

タタタタッ

さわ子「部室の工事終わったわよ!」

唯澪律紬梓「え!?」

承太郎「だいぶ早いじゃあないか」

さわ子「それが、校長先生が業者にお願いしたらしいのよ」

梓「それって…」

さわ子「校長先生も花京院君を見て何か思ったのかもね」

梓「やっぱり…」

澪「花京院君…」

律「花京院にお礼言わなくちゃな!」

紬「そうね♪」

唯「明日から部室に戻れるんだね~♪」

さわ子「…」フフッ
「せっかくだから楽器乗せていいわよ」

律「どうせなら家まで送ってよ~」

さわ子「この車は4人乗りって言ったでしょ…」

承太郎「堅いことを言うな」

さわ子「捕まるのは私なんだけど…」

512: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:43:05.74 ID:Q9FRMQDO
翌日の音楽室!

唯「帰ってきたー!」

梓「やっぱりここが一番落ち着きますね」

承太郎「そうだな…」

唯「ここで練習できるなんてありがたいよね!」

コンコン ガチャッ

和「みんないる?」

律「お、和に花京院じゃん。どうかした?」

花京院「一応部屋のチェックだよ」
「何も異常がないかね」

承太郎「それなら業者がしてるんじゃあないか?」

花京院「念のためさ」

律「そうだ。花京院、ありがとな」

花京院「何がだい?」

紬「この前花京院君が校長先生のところに話に行ってくれたでしょ?」
「その後校長先生が工事を早めるように業者にお願いしてくれたらしいの」

花京院「やけに早いと思ったらそうだったのか…」

513: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:43:53.07 ID:Q9FRMQDO
紬「だからありがとう、花京院君♪」

唯澪「ありがとう」ニコッ

梓「ありがとうございました」ニコッ

花京院「そんなお礼を言われるようなことは…」

承太郎「お前が動いてくれたから俺達は今ここにいられるんだ」
「礼を言うには十分すぎる理由だ」

花京院「そうか…」
「それならその言葉、ありがたく受けとめるよ」フフッ

律「そうしてくれ」フフッ

514: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:45:08.01 ID:Q9FRMQDO
花京院「それじゃあ僕達は失礼するよ」
「練習頑張ってくれ」

ガチャッ バタン

和「良かったわね」フフッ

花京院「ああ…」

和「あなたの行動は間違ってなかったのよ」
「花京院君、あなたは軽音部を助けたのよ」ニコッ

花京院「…そうか」
「助けれたか」フフッ
「僕達も準備頑張ろうッ!」

和「そうね」ニコッ

翌日の音楽室!

律「何も歌詞思いつかん…」グデッ

梓「歌詞作るのって難しいんですね…」

承太郎「そう考えればこいつは頑張っていたんだな」

澪「ま、まあ…」テレッ

515: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:45:42.03 ID:Q9FRMQDO
紬「あら、唯ちゃん余裕ね?」

唯「もう3つも作ったよ!」フンス

律「また昨日みたいなやつか?」

唯「違うよ~。はい」ペラッ

律「どれどれ~…」ジッ

紬「どれどれ~♪」ジッ

梓「…ちゃんと韻をふんでますね」

承太郎「お前がこれを作ったのか?」

唯「ちょこっとだけ憂に手伝ってもらった」エヘヘ

承太郎「ちょこっとじゃあないな…」

516: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:46:14.46 ID:Q9FRMQDO
夜の空条家!

ホリィ「承太郎、梨剥けたわよ」コトッ

承太郎「ああ」モグモグ

ホリィ「そういえば文化祭はいつだったかしら?」

承太郎「もう一ヶ月を切ったな」

ホリィ「もうすぐね」
「今年もちゃんと見に行くからね!」

承太郎「別に来なくていいんだが」

ホリィ「いやよ!もう最後の文化祭でしょ?」

承太郎「…ああ」
「……最後…だな」

ホリィ「…承太郎」
「後悔しないようにね」ニコッ

承太郎「最初からそのつもりだ」

517: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:47:56.98 ID:Q9FRMQDO
ブーッブーッ

承太郎「平沢か」

ホリィ「唯ちゃん?」

承太郎「ああ」ポチッ
「何か用か?」

唯『かぜ…ひいちゃった…』

承太郎「何だとッ!」

ホリィ「どうしたの!?」

承太郎「平沢が風邪をひいたらしいッ」
「おい平沢、今から行くから寝てろッ!」ポチッ

ホリィ「気をつけてね承太郎!」

平沢家!

澪「風邪をひいたのは憂ちゃんか…」

承太郎「姿が見えないが…」

律「さすがに寝てるんじゃないか?」

518: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:48:43.39 ID:Q9FRMQDO
憂「み…みなさん…いらっしゃい…」ヨタヨタ

律「憂ちゃん!?」
(できすぎなのも問題か…)

唯「憂!寝とかないとダメだよ!」

承太郎「やれやれ」ヒョイッ

憂「!」

承太郎「平沢、こいつの部屋に案内してくれ」

唯「こっちだよ!」

憂の部屋!

憂「運んでくれてありがとうございます…承太郎さん…」

承太郎「礼はいい」
「それよりも安静にしておけ」

519: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:49:36.67 ID:Q9FRMQDO
梓「憂、氷枕だよ」スッ

憂「ありがとう…」ヒンヤリ

紬「熱はあまり高くないわ」ホッ

澪「そうか…」ホッ

律「それじゃあ私達は帰るな」

唯「帰っちゃうの!?」
「私一人で大丈夫かな…」

憂「私がいるから大丈夫だよ…」ムクリ

承太郎「動くなッ!」
「静かに寝てろーーッ!」

憂「!」ビクゥ

承太郎「…熱が下がるまで何もするんじゃあない」
「不安だろうが…そいつを信用して安静にしてくれ」

唯「私なら大丈夫だよ憂!」

憂「そうですね…」
「ありがとう…お姉ちゃん」ニコッ

520: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:50:14.10 ID:Q9FRMQDO
紬「…」フフッ
「それじゃあ、お大事にね」

梓「憂、ちゃんと寝てるんだよ?」

憂「うん…」
「みなさんありがとうございました…」

承太郎「何かあったら電話しろ」
「すぐに駆け付ける」

唯「ありがとう」
「それじゃあ…」

バタン

唯「憂…」

憂「お姉ちゃん…お姉ちゃんも自分の部屋に…」
「風邪うつしちゃいそうで眠れないの…」

唯「そっか…」
「それじゃあ何かあったら呼んでね…」

ガチャッ バタン

521: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:50:45.01 ID:Q9FRMQDO
台所!

唯「よし!おかゆを作ろう!」
「えっと…鍋は…」ゴソゴソ

ガラガラガシャン!

唯「落としちゃった…」

ガチャッ

承太郎「…何をしてるんだ」

唯「あ、承太郎君!」
「どうして戻ってきたの?」

承太郎「でかい物音がしたから戻ってきたんだ」

唯「りっちゃん達は?」

承太郎「琴吹の執事が車で送っている」

唯「そっか」
「承太郎君は乗らなかったの?」

承太郎「俺の家は近いからな、断ったんだ」
「それよりも何をするところだったんだ?」

唯「あ、実はおかゆ作ろうと思ってて…」

承太郎「そうか」

522: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:51:36.37 ID:Q9FRMQDO
おかゆ調理中!

唯「承太郎君?」

承太郎「何だ?」

唯「承太郎君って大切なものある?」

承太郎「…まあな」
「そういうお前はどうなんだ?」

唯「私にもたくさんあるよ」
「でもね、その大切なものが当たり前になって、ありがたみが分からなくなってた」
「これからは…どんな時でも感謝して、大切なものを大切なままにしていきたいな」

承太郎「…そうか」フッ
「おい、もうおかゆ出来てるんじゃあないか?」

唯「そうだね、持って行こっか♪」

523: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:53:25.97 ID:Q9FRMQDO
翌朝の憂の部屋!

憂「ん…」パチクリ
「だいぶ良くなったかも…」ムクリ

唯「…」スースー

憂「お姉ちゃん…」
(私の机で寝ちゃってる…おかゆ作ってくれたんだ…)
「あれ、書き置き?」

《そのおかゆは平沢が一人で作った》
《少しでもいい、見た目はあれだが食べてやってくれ》

憂(言われないでも食べますよ…お姉ちゃんが作ってくれたんだから)フフッ

524: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:53:54.85 ID:Q9FRMQDO
音楽室!

承太郎「そういえば平沢、歌詞はできたのか?」

唯「うん!はい」ピラッ

律「『U&I』か」

梓「すごくいいですね…」

澪「本当だな…」

唯「えへへ~♪」

承太郎「…俺はこの歌詞に一票だ」

紬「私も!」

澪「私もこれだな」

梓「私もです!」

律「それじゃあ満場一致で一つは『U&I』に決定な!」

525: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/18(土) 21:55:12.87 ID:Q9FRMQDO
承太郎「まさかこいつがこんな歌詞を書けるとはな」

梓「ほんとですね」
「何かの盗作じゃないんですか?」

唯「ひどいよあずにゃん…」
「いなくなって初めてわかる…」
「大切なものへのありがたみの気持ちを込めたんだよ!」

澪「唯もそんなことを考えるようになったのか」フフッ

律「憂ちゃんと部室が作らせたんだな~」

唯「まあ私の才能といいますか」フンス

承太郎「黙れ」

唯「ええ~…」

536: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:22:14.78 ID:C1Ld7MDO
数日後の教室!

和「投票の結果、3年2組の出し物『ロミオとジュリエット』のロミオ役は…」
「秋山澪さんに決定しました」

パチパチ

唯「澪ちゃんが主役!」

律「良かったじゃん澪!」

澪「……」

律「気絶してるし…」

花京院「秋山さん、大丈夫かい?」

澪「はっ!」

承太郎「やっと目を覚ましたか」

澪「い、異義あり!」

和「どうしたのよ?」

澪「主役を投票で決めるのは…」

花京院「だが立候補も推薦もいなかったしね」

537: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:23:01.10 ID:C1Ld7MDO
澪「それならジョジョを推薦します!」

承太郎「なぜ俺なんだ…」

澪「ほら、ジョジョは体格もいいし勇ましいし!」

承太郎「それなら俺は花京院を推薦するぜ」
「ロミオのイメージにぴったりだ」

花京院「残念だけど僕は生徒会の方で忙しいんだ」

承太郎「チッ…」

和「そうそう、ジュリエット役なんだけど承太郎君が選ばれてるわ」

承太郎「…待ちな」

和「何?」

承太郎「…異義しかないんだが」

538: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:23:44.78 ID:C1Ld7MDO
和「例えば?」

承太郎「なぜロミオ役とジュリエット役の性別が逆なんだ」
「まったく共学の意味がないだろう」

花京院「斬新でいいじゃあないか」

承太郎「斬新すぎだ…」
「大体適任なら他にいるだろう」
「琴吹なんかはどうだ?」

紬「私は脚本なの~」

承太郎「…それならそいつはどうだ」

いちご「…やだ」

承太郎「チッ…」

539: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:24:24.53 ID:C1Ld7MDO
瀧「澪ちゃんがロミオでジュリエットは空条君…」
「すごくおもしろそう!」

佐々木「承太郎君がジュリエット…」

唯「ということは『ロミオとジョリエット』だね!」

紬「二人が主役なら台本大幅に書き直さなきゃ!」

和「特に異論もないようなので次は他の役割を決めたいと思います」

承太郎「さんざん異論を言ったじゃあないか…」

澪「最悪だ…」

花京院「それじゃあまず衣装係だが…」

さわ子「はい!立候補しますッ!」

花京院「しかし先生に任せるのは…」

さわ子「大丈夫よ」ニコッ
「悪いようにはしないから」ドドドドドドドドドドドド

澪承「!」ビクッ

姫子「あの空条君が怯えた…?」

540: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:25:02.80 ID:C1Ld7MDO
音楽室!

梓「先輩達のクラスは劇やるんですか」

紬「ええ」
「澪ちゃんがロミオ役で、承太郎君がジュリエット役なの」

梓「それで澪先輩はあんなに…」

澪「……」ボーッ

梓「それにしても承太郎先輩がジュリエットですか」
「…ぷっ」

承太郎「…ケンカを売ってるのか?」

梓「いえ、そんな訳ないじゃないですか」
「ただ…」
「…ぷっ」

承太郎「…」スタスタ
「…」ガシッ

梓「何ですか?」
「…ぷっ」

承太郎「…」グリグリ

梓「いたた…痛いじゃないですか~♪」
「そういえば唯先輩と律先輩は何やるんですか?」

唯「木Gだよ!」

律「私は裏方だな」
「背景とか作るんだって」

梓「木ってそんなにいりますかね…」

541: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:26:04.35 ID:C1Ld7MDO
紬「それじゃあ私はセリフのチェックがあるから先に行くね」

承太郎「ああ」
「俺も秋山を連れて後から行く」

ガチャッ バタン

律「さて、澪はどうするかな~」

澪「私…スタプラちゃんになりたい…」

承太郎「そうも言ってられないぜ」
「そろそろ行かないと迷惑がかかる」

梓「頑張ってください澪先輩!」
「私すごく楽しみにしてますから!」

澪「いいよ…楽しみにしなくて…」

542: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:27:57.66 ID:C1Ld7MDO
梓「でも主役ですよ?」
「今年のステージは澪先輩一色ですね!」

律(あーあ…言っちゃった…)

澪「うぅ…」ガクッ

承太郎「何止めをさしてやがる…」

梓「あ…しまった…」
(澪先輩には逆効果だったか…)

澪「……」スクッ
「……」スタスタ

律「おい澪、どこ行くんだ?これから練習だろ?」

澪「実は私…転校することになってさ…」

承太郎「何か始まったな…」

澪「パパの仕事の都合で杜王町に移住するんだ…」

律「どこだよ…」

梓「パパ…」

澪「お父さん!」
「とにかくそういう訳だから!」

律「…ジョジョ」

承太郎「ああ…」ガシッ

澪「うわっ!何だよ離せ!」ズルズル

律「もう観念しろ!」

ガチャッ バタン

梓「行っちゃった…」
「唯先輩は行かなくていいんですか?」

唯「ずっとじっとしとく練習しなさいって和ちゃんが…」ジッ

梓「はあ…」
(何で主役の二人より唯先輩の方を不安に感じるんだろ…)

543: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:28:40.00 ID:C1Ld7MDO
3年2組!

花京院「…無理?」

承太郎「ああ」
「秋山はどうしても出たくないらしい」

紬「澪ちゃんライブもあるしね…」

和「そう…どうしてもって言うなら考えるけど…」

澪「本当か!?」

和「でも、せっかくみんなが澪を選んでくれたんだし」
「少しだけ頑張ってみない?」
「クラスのみんなも楽しみにしてると思うの」

花京院「それに相方は承太郎だ」
「いざというときには頼りになる。安心して練習できるんじゃあないかな?」

澪「…そうだな」
「私…頑張ってみるよ!」

律「生徒会二人組はすごいな~」

紬「そうね♪」

律「でも…みんなが真面目に選んだとは思えないけどな」

承太郎「…真面目に選んでこの配役な訳ないだろう」

律「おっしゃる通りで…」

544: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:29:33.81 ID:C1Ld7MDO
紬「それじゃあ二人共、練習しましょうか」

信代「お、あの二人が練習するんだって!」

姫子「私ちょっと見学しようかな」

瀧「私も♪」

ゾロゾロ

澪「な、何なんだよ…」

承太郎「…やれやれ」

紬「それじゃあ2ページのジョリエットからお願い」

律(ジョリエットに改名したのか…)

承太郎「《おい…てめーはモンタギュー家のロミオじゃあないか?》」

律(何このすごく気が強いジュリエット…)
(いや、ジョリエットだからいいのか)

紬「はいカット!」
「承太郎君、もっとジョリエットの気持ちになって!」

承太郎「やれやれ…」

545: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:30:18.65 ID:C1Ld7MDO
紬「次は澪ちゃん」

澪「え!えと…」
「《いいえ、あなたがお嫌いなら

紬「カット!」
「澪ちゃん、すごく恥ずかしさが残ってるわよ」
「次承太郎君!」

承太郎「《

紬「カット!」

承太郎「…おい」
「まだ何も言ってないんだが」
「まさかお前カットって言いたいだけじゃあないだろうな?」

紬「えへへ、監督っぽいと思ったらつい」ニコッ

律「でも澪はもう少し声出した方がいいかもな」

澪「う…うん…」

瀧「大丈夫、秋山さんならできるよ♪」

澪「ありがとう…」

546: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:30:56.29 ID:C1Ld7MDO
紬「それじゃあ今度はそこに注意してね」
「次は承太郎君から」

承太郎「《寝てろ…朝までずっとおやすみってやつを言い続けたい…》」
「……」

紬「承太郎君、まだセリフあるわよ」

承太郎「《このまま…朝が…》」
「……」
「…何だこのセリフはッ」
「歯がガタガタ浮いて仕方ねーぜッ!」

律「おいジョジョ!?」

承太郎「大体一回一回勿体ぶりすぎなんだ!」
「自分の人生ぐらい自分で決めろッ!」
「こいつらはいつまで親の言いなりになるつもりだッ!」

律「シェークスピア全否定じゃねえか!」

三花「秋山さんは秋山さんで…」

澪「……」ボーッ

信代(大丈夫かこの二人…)

547: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:32:16.71 ID:C1Ld7MDO
音楽室!

承太郎「……」グデッ

澪「…もうやだ」グデッ

梓「確かに承太郎先輩のジュリエットは無理がありますね」

紬「だから男らしくして、名前もジョリエットに変えたんだけど…」

承太郎「…セリフが男らしくても仕草が女じゃあないか…」

梓「承太郎先輩に覇気がない…」

唯「そうだ!いい考えがあるよ!」

承太郎「…何だ」

唯「承太郎君は普段から女の子っぽく、澪ちゃんは男の子っぽい仕草すればいいんだよ」

548: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:33:45.21 ID:C1Ld7MDO
律「なるほど…唯にしてはいい考えだな」

承太郎「…俺にオカマになれっていうのか?」

梓「そこまではないですけど…」
「でもこれが一番の近道だと思いますよ」

承太郎「やれやれ…」カチャッ

唯「お茶を飲むときは小指を立てて!」

承太郎「…アホじゃあないか、お前は?」ピンッ

梓(あ、立てた)

唯「学ランはボタンを全部つけて!」

承太郎「…やれやれ」プチプチ
「……」プチプチ
「…これで満足か?」

梓「…違和感しかないです」

律「澪もできたぞ~」

澪「本当にこんなので…」

承太郎「…はだけただけじゃあないか」

梓「おお…」
(セクシーというか…何か◯◯◯を感じる…)

549: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/21(火) 20:36:52.96 ID:C1Ld7MDO
帰り道!

承太郎「動きづらいな…」

澪「私もお腹がスースーする…」
「……」
「…なあジョジョ…今からでも断っとかないか?」

承太郎「……」
「オラァ!」ブチィ

唯「どうしたの承太郎君!?」

梓「学ランのボタン取れちゃってますよ!」

承太郎「おい秋山…お前もその格好を直せ」

澪「え…?」

承太郎「お前はこのままバカにされてていいのか?」

澪「私は別に…」

承太郎「やかましいッ!」
「これから特訓だッ!」

558: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:03:53.74 ID:4SAoVkDO
空条家!

承太郎「帰ったぜ」

唯澪律紬梓「おじゃましま~す」

ホリィ「あら、お帰り承太郎」

唯「こんにちは聖子さん!」

ホリィ「いらっしゃい唯ちゃん」

澪律紬梓「こんにちは」ペコリ

ホリィ「こんにちは」ニコッ
「みんな軽音部よね?承太郎から話は聞いてるわ」
「それに毎年文化祭のライブに行ってるのよ」

澪「あ、ありがとうございます」ペコリ
(写真で見るよりきれいだ…)

ホリィ「今年も楽しみにしてるから頑張ってね♪」

唯「はい!」

559: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:04:42.54 ID:4SAoVkDO
律「なあジョジョ」ボソボソ

承太郎「何だ?」ボソボソ

律「…聖子さんって本名なのか?」ボソボソ

承太郎「いや…本名はホリィだ」ボソボソ

律「やっぱり違ったか」ボソボソ
「何か顔立ちが外人っぽいなーって…」
「え!?」

ホリィ「どうしたの?」

律「ジョジョってハーフ何ですか!?」

ホリィ「そうよ?教えてなかったの?」

承太郎「別に教える必要はないだろう」

梓「驚きました…」

紬「ほんとね…」

560: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:05:47.07 ID:4SAoVkDO
ホリィ「そうそう、私の本名はホリィって言うの」
「でも近所の人は唯ちゃんみたいに『聖子さん』って呼ぶの」
「みんなも聖子さんって呼んでくれると嬉しいわ♪」ニコッ

澪「わかりました」フフッ

律「そういえば私達の自己紹介がまだだったな」

ホリィ「りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん、梓ちゃんでしょ?」ニコッ
「軽音部のことならよく知ってるわ」

梓「あだ名まで…」

ホリィ「確か梓ちゃんはあずにゃんだったわね」

梓「は、はい!」
「本当によく知ってますね」

ホリィ「承太郎がいつも軽音部のことを話してくれるのよ」
「軽音部に入るまで高校のことは聞いたことなかったわ」

承太郎「おい、もうお喋りはそこまでにしろ」
「俺の部屋に菓子を持ってきてくれ」

ホリィ「はァーい♪」

561: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:06:33.39 ID:4SAoVkDO
承太郎の部屋!

梓「承太郎先輩の家すごく広いですね…」

律「去年のムギの別荘よりでかいな~」

承太郎「…一つ質問があるんだが」

唯「何?」

承太郎「何でお前らは当然のようにここにいるんだ?」

紬「だっておもしろそうじゃない♪」キラキラ

律「そうそう、こんなおもしろそうなこと逃す訳ないだろ~?」

承太郎「やれやれ…特訓の邪魔はするんじゃあないぞ」

唯律紬梓「はーい」

承太郎「それじゃあやるぜ」

澪「そうだな…」

562: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:07:06.95 ID:4SAoVkDO
律「ジョジョの部屋って結構きれいだな~」

梓「ほんとですね。物が散らばってるものとばかり思ってました」

承太郎「《おい…てめーはモンタギュー家のロミ

紬「あ!ヒトデよ!」

唯「ほんとだ~!いっぱいいるね~」

紬「このヒトデすごいわ!」

梓「足がたくさんありますね…」

澪「《いいえ。あなたがお嫌いな

梓「そうだ!この家には貞夫さんが住んでるんだ!」

律「貞夫さん?」

梓「承太郎先輩のお父さんで、プロのジャズミュージシャンです!」
「世界的にも有名なギタリストですよ!」

律「へぇ~、私ジャズ聞かないからな」

唯「でも世界的ってすごいよね!」

563: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:07:36.74 ID:4SAoVkDO
承太郎「…おい」

紬「どうかした、承太郎君?」

承太郎「どうしたも何も、うるさすぎて練習できないんだが」

律「ああ、ごめんごめん」
「そんじゃあ私達も手伝うか!」

唯紬「おー!」

律「じゃあまずジョジョからな」

承太郎「《おい…てめーはモンタギュー家のロミオじゃあないか?》」

梓「前より良くなってますね」

唯「やっぱり仕草を変えるのは効果あったんだよ!」

承太郎「…そんなわけないだろう」

律「次澪!」

澪「《い、いいえ…あなたがお嫌いならそのどちらでもありません》」

紬「やっぱりまだ恥ずかしがってるわね…」

唯「平常心だよ澪ちゃん!」

梓「澪先輩ならできますよ、自信持ってください!」

澪「うん…」

律「もう少し練習していくか」
「家は大丈夫かジョジョ?」

承太郎「ああ」

564: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:08:03.77 ID:4SAoVkDO
少し後!

紬「承太郎君はそれなりに上達したけど…」

梓「澪先輩は相変わらずですね…」

澪「ごめん…」

律「んー、今日は解散するか」
「また明日新しい気分で練習しよう」

唯「そうだね、また明日頑張ろう!」

梓「それでは、今日はありがとうございました」ペコリ

唯紬「ばいばーい♪」

律「それじゃあまた明日な」
「聖子さんにもあいさつしとかないと」

澪「……」

565: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:08:34.71 ID:4SAoVkDO
承太郎「おい、どうした?」

澪「……」
「…私…残っていいか?」

承太郎「?」

澪「もう少しだけ…練習しときたい」
「…これ以上みんなに迷惑かけたくないんだ」

承太郎「そうか…」
「…いいぜ、これから居残り練習だ」

澪「!」パァッ
「ありがとうジョジョ!」

律「それじゃあ私達は先に帰るな」
「澪、気をつけて帰れよ?」

唯「頑張って澪ちゃん、ファイトだよ!」

紬「応援してるわね♪」

梓「それでは、お疲れさまでした」ペコリ

バタン

566: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:09:19.18 ID:4SAoVkDO
承太郎「それじゃあ始めるか」

澪「うん。まずは私からな」
「《こ、恋人の声は白銀のように優しくて…》」

承太郎「ダメだな」
「お前は本当に女優になるつもりはあるのか?」

澪「そんな予定ないんだけど…」
「ていうかそういうジョジョはどうなんだよ?」

承太郎「仕方ないな…」
「《もう夜が明けるな…》」
「《小鳥の足に囚人の鎖の

澪「…フフッ」プルプル
「あははははは♪」

承太郎「…何笑ってやがる」

澪「ず、ずっと思ってたけど…」プルプル
「何でジュリエットが…ふ、普通の男の人より男らしいんだよ」プルプル

承太郎「俺がなよなよした女はやりたくないと琴吹に言ったらこうなったんだ」

澪「欠片も女らしさが無いじゃないか」プルプル

567: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:09:47.83 ID:4SAoVkDO
承太郎「一人称は『私』だからいいんじゃあないか?」

澪「そういう問題じゃないだろ」プルプル

承太郎「…それよりいつまで笑いをこらえてやがる」
「さっさと練習するぜ」

少し後!

澪「疲れた…」バタッ

承太郎「そうだな…休憩するか」ドサッ
「ほら、クッションでも使え」ポイッ

澪「うわっ!」モフッ
「ありがとな」

承太郎「しかし…なかなか上達できないな…」
「予想以上に難しいぜ…」

568: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:10:34.14 ID:4SAoVkDO
澪「そうだな…」
「セリフは全部覚えれたんだけど…」
「…フフッ」プルプル

承太郎「…どうした」

澪「ちょっとジョジョのジュリエット思い出して…」プルプル

承太郎「お前のロミオも頼りなさそうで着いていこうとは思えないがなッ」ポイッ

澪「!」モフッ
「…だって…不安なんだ」

承太郎「…お前がジュリエットの方が似合ってるな」
「《ロミオ…どうしてお前はロミオなんだ…?》」
「みたいな感じでな」

澪「私はそんなんじゃないだろ!」
「ていうかジョジョがロミオやれば…」
「《ジュリエット…なぜお前はそんなに美しいんだ…?》」
「って」

569: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:11:09.28 ID:4SAoVkDO
承太郎「ロミオはそんなキャラじゃあないだろう」

澪「それならお前のジュリエットの方が問題だろ…」
「でも…少なくともジョジョはロミオの方が向いてるだろ」
「《てめーが望むんなら例え海の深くでも…》」

承太郎「おい…」
「演技できてるじゃあないかッ!」

澪「そういうジョジョもさっきできてたよ!」

承太郎「良かったな」フッ

澪「ああ!」ニコッ

570: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:11:38.81 ID:4SAoVkDO
翌日の3年2組!

あかね「《さあ、早くロレンス様のところに!》」

承太郎「《気持ちは嬉しいけど…あいにく忙しいんだ…》」

信代「空条君は澪が演じるジュリエットを想像して」

三花「澪ちゃんは空条君が演じるロミオを想像しながら演技してるってわけ?」

律「まーためんどくさいことを…」

姫子「ていうことは澪ちゃんは…」

風子「《神よ!微笑みを!》」

澪「《例えどんな悲しみでも…》」ボソボソ

律信三姫「声小さ!」

承太郎「秋山、昨日はできてたじゃあないか」

澪「だって…昨日はジョジョしかいなかったし…」

姫子「空条君しかいなかった?」ニヤッ

律(またこいつは…)

571: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:12:23.32 ID:4SAoVkDO
三花「空条君どういうこと!?」キラキラ

承太郎「…昨日そいつと俺の家で練習したんだ」

あかね「空条君の家で!?」

信三姫風あ「へぇ~」ニヤニヤ

澪「ち、違う!」
「私とジョジョは何もそんな特別な関係じゃない!」

風子「まだ何も言ってないんだけど」ニヤッ

澪「!///」ボンッ

承太郎「やれやれ、あんまりいじめてやるな」

信三姫風あ「はーい♪」

花京院「やけに盛り上がっているね」

姫子「ちょっと澪ちゃんをからかっててね」フフッ

花京院「なかなか楽しそうなことをやっていたんだね」フフッ

澪「花京院君まで…」

和「ところであなた達練習ははかどってるの?」

承太郎「そいつは人がいると恥ずかしいらしくてな…」

和「人前に出る恥ずかしさを克服しないといけないわね」

紬「そうね…」
「!」ピコーン
「澪ちゃん、今度の日曜日空いてる?」

澪「何で…?」

紬「澪ちゃんの特訓しよっか♪」

572: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:13:54.26 ID:4SAoVkDO
日曜日!

澪「ここどこ…?」
(あまり目立たない場所だな…)

紬「知り合いのイタリア料理店よ♪」

律「ここで接客して人前に出る恥ずかしさを克服しようって訳さ~」

澪(嘘だろ…)

承太郎「何アホ面してやがる」
「中に入るぞ」

573: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:14:42.42 ID:4SAoVkDO
店内の控え室!

紬「承太郎君似合ってる♪」

梓「背が高いとスーツ似合いますね」

承太郎「…俺は学ランで良かったんだがな」
「お前らのはメイド服か」

紬「ええ」
「どう?似合うかしら?」

承太郎「…まあな」

紬「ふふっ、ありがとう♪」

梓「あ、律先輩もメイド服着てますね」ニヤッ

律「何だよ~!」

梓「いえ…別に…」

梓承「…ぷっ」

律「ジョジョまで何だよこの野郎ー!」

574: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:15:25.23 ID:4SAoVkDO
店内!

店主「それではみなサンお願いシマス」
「慣れないうちは大変だと思いマスが」
「一番大切なのはシニョールを迎える気持ちと笑顔でス」

梓「笑顔ですか」

唯「あずにゃん、やってみようよ!」

唯梓「いらっしゃいませー」ニコッ

唯梓「ありがとうございましたー」ニコッ

律「かわいいかわいい…」

唯「それじゃありっちゃんもやってみよう!」

律「え!?えーと…」
「お、お待たせしましたー」ヒクヒク
「こちら『モッツァレッラチーズとトマトのサラダ』になります」ヒクヒク

梓「かわいいですかわいいですー」パチパチ

承太郎「最高の笑顔じゃあないか」パチパチ

梓承「…ぷっ」

律「お前らーっ!」

575: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:15:54.42 ID:4SAoVkDO
店主「それはそうと、秋山サンはどこデスカ?」

紬「すみません、澪ちゃんどこにいるの?」

唯「あ、あそこに隠れてるよ!」

澪「ヒッ…」コソコソ

律「ほら澪、出てこい」

澪「私はいいよ…ウェイトレスばかりいても邪魔だろ…?」

店主「…秋山サン…アナタどこに入ってるんデスカ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

澪「え…あ、キッチンです…」

店主「ユルせないッ!タダじゃあおきませんッ!」スタスタ

澪「えっ!?」タジッ

店主「ここでは!『石ケン』で手を洗いなサイッ!」バッ
「調理場は清潔でなくてはイケないのデスヨッ!」

澪「…」

店主「秋山サン!聞いテルんデスカ!」

律「すみません、そいつ気絶してます…」
(つーか何だよこの人…)
(言ってることは正しいけど怖えーよ…)

576: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:16:27.51 ID:4SAoVkDO
梓「澪先輩!起きてください!」ユサユサ

澪「はっ!」
「す、すみません!」

店主「いいえ、わかってイタダければ結構デス」

紬「澪ちゃん大丈夫?」

澪「ああ、大丈夫だよ」

店主「それでは店を開けまスネ」

開店後の店内!

客1「すみませんッ!」

承太郎「秋山、呼ばれてるぜ」

澪「わ、私!?」

承太郎「ああ、お前ならできる。行ってこい」

澪「わかった…」スタスタ

客2「…」ボロッ

客3「…」

澪(外国の人だ…大丈夫かな…)
(ていうか一人すごく怪我してないか…?)

577: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:16:59.38 ID:4SAoVkDO
澪「お、お待たせしました…」
「ご注文は…」

客1「こいつにスパゲティを食わしてやりたいんですがかまいませんね!!」

澪「ヒィッ!」
「い、以上でよろしかったでしょうか!?」

客1「ええ…なるべく早くお願いします」

澪「か、かしこまりました!」

律「何ていうか…澪のやつ今日は災難だな…」

梓「そうですね…」

唯「このお店って外国の人結構くるね~」

紬「店主さんがイタリアの方が多いって言ってたわ」
「やっぱり故郷の味が恋しいんじゃないかしら」

承太郎「居なくなってわかるってやつか」

紬「そうかもね」フフッ

578: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:17:42.02 ID:4SAoVkDO
少し後!

澪「お待たせいたしました…」カチャカチャカチャカチャ

客3「グラッツェ」
「ほら…食べておけ…」スッ

客2「何でオレなんかにこんな事してくれるんです?」

客3「そうしたいと言うのならしばらくオレの家に泊まってもいい」
「だがガキは親のところへ帰るもんだ」
「そして学校へ行け!いいな……」

客2「家には帰りたくない!何でもやりますッ」
「あんたのとこで仕事させてくださいッ」

客3「甘ったれた事言ってんじゃあねーぞッ!このクソガキがッ!」
「もう一ペン同じ事をぬかしやがったらてめーをブン殴るッ!」

澪「ヒィッ!」ガクガク

579: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:18:38.30 ID:4SAoVkDO
客1「すみません…大丈夫ですか?」

澪「はい…それではごゆっくり…」
(ごゆっくりしないでくれ…)スタスタ

承太郎「災難だったな…」

澪「ほんとだよ…」
「やっぱり苦手だな…」

紬「澪ちゃんは頑張ったと思うよ?」

梓「そうですね。私なら逃げてましたよ」
「ていうかあのお客さんは例外かと…」

唯「澪ちゃんなかなか慣れないね~」
「ライブとかは大丈夫なのに」

梓「そう言われれば…」

律「追い詰められたらできるのか…?」

店主「みなサン、シニョールも少ない時間帯デスので休憩してもいいデスヨ」

承太郎「ああ」
「それじゃあ休憩させてもらうぜ」

律「あ、澪は休憩無しで大丈夫です!」
「何せ特訓中ですから」ニヤッ

澪「ちょっと律!?」

店主「ハア…?そうデスカ」

律「それじゃあ休憩しようぜ~」

承太郎「おい、あんまりじゃあないか?」

律「いいからいいから♪」

580: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:19:08.52 ID:4SAoVkDO
控え室!

唯「きれいな食器だね~」

紬「お店の食器は全部イタリアから取り寄せてるんだって」
「部室で出してるお茶もこのお店からわけてもらってるの♪」

承太郎「そうか」
「値段は…」パラッ
「おいおい…このメニュー表は0が一つ多いんじゃあないか?」

梓「それだと安すぎです…」

唯「私達こんな高いお茶がぶ飲みしてたんだね~」

承太郎「悪い気はしないがな」
「そういえば秋山は大丈夫なのか?」

律「ん~、いいぐらいに追い詰められてると思うし、もうそろそろ行くか」

581: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:20:13.24 ID:4SAoVkDO
店内!

澪「ありがとうございました」ペコリ
「…」クルッ
「…」ニコニコ

承太郎「…満面の笑みじゃあないか」

梓「文句のつけようがありませんね」

律「な?私の言ったとおりだろ?」

唯「澪ちゃん!」タタタタ
「すごくいい笑顔だよ澪ちゃん!」

澪「…」

紬「澪ちゃん、どうしたの?」

澪「…」

梓「ま、まさか気絶してるんじゃ…」

律「澪!?しっかりしろ!」
「私が悪かったァーー!」

承太郎「…やれやれだぜ」

582: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/24(金) 16:21:10.52 ID:4SAoVkDO
翌日の3年2組!

澪「おはようみんな」ニコニコ

花京院「すごい笑顔じゃあないか」

唯「昨日のバイトで身につけたんだよ!」

紬「特訓の成果ね♪」

澪「それよりこの顔、昨日から直らないんだ」ニコニコ

和「だいぶ辛い特訓だったようね…」

承太郎「安心しろ、今直してやる」グニッ

澪「いはいいはい!」グニン
「ちひへるはらやへろヒョヒョ!」グニン

律「み、澪の顔…」プルプル

承太郎「これでいいだろう」パッ

澪「直った…」

律「でもこれで演劇の練習は大丈夫だろ」

澪「それは無理」
「接客と演技は全く別物だし」ニコッ

唯「特訓の意味なかったね…」

花京院「素晴らしい笑顔だけどね…」

590: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:10:29.04 ID:zmOamMDO
文化祭初日の3年2組!

瀧「ロミオー!」

澪「え!?」
「あ!今話し掛けられるとせっかく覚えたセリフがぁ!」

ガチャ

承太郎「《ロミオ…てめーはなぜロミオなんだ…?》」

澪「《お、おぉー!》…あ…」
「《天使の!ような声は…》」

承太郎「やれやれ、今から緊張してどうする」

唯「澪ちゃん、そんな時は手に『カボチャ』って書いて飲み込めばいいんだよ!」

姫子「唯、お客さんをカボチャだと思え、でしょ?」フフッ

唯「えへへ~、そうだっけ?」

591: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:10:51.16 ID:zmOamMDO
花京院「確か『人』って字を飲み込めば良かったんじゃあないかな?」

澪「『人』…」カキカキ

承太郎「それは『入』だ…」

律「どんだけ緊張してんだよ…」

アハハハハハ

紬「そういえば衣装は全部揃ったの?」

あかね「衣装担当はさわ子先生だったっけ?」

ちずる「被服室にこもって徹夜で準備するって言ってたけど…」

ちか「私見てくるね!」タタタタ

紬「ありがとう!」

592: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:11:24.59 ID:zmOamMDO
律「小道具はこれで全部か?」

姫子「ロミオの短剣とかがないんだけど…」

承太郎「それなら琴吹が持ってるぜ」

紬「あ!えへへ…」

律「おい…」

梓「…」ヒョコ
(すごく忙しそう…)
(明日のライブ…大丈夫かな…)

2年1組!

憂「梓ちゃんお帰り。お姉ちゃん達どうだった?」

梓「ただいま~」
「すごく忙しそうで話し掛けられなかった…」

憂「そっか…」
「あ、いらっしゃいませ」ペコリ

梓「いらっしゃいませ」ペコリ

ホリィ「こんにちは、梓ちゃん」ニコッ

梓「あ、聖子さん!こんにちは」ペコリ

593: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:12:04.76 ID:zmOamMDO
ホリィ「パパ、承太郎と同じ軽音部の子よ♪」

ジョセフ「そうか」
「梓ちゃんじゃったかな?」

梓「はい、はじめまして」ペコリ
「あの…パパってことは…」

ホリィ「ええ、承太郎のおじいちゃんよ」

梓「や、やっぱり!」
「そうだ、この子唯先輩の妹で憂って言います」

憂「こんにちは、はじめまして」
「平沢憂と言います。よろしくお願いします」ペコリ

ジョセフ「礼儀正しい子じゃな」
「きっとお姉ちゃんもいい子なんじゃろう」

憂「はい♪」ニコニコ

594: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:12:28.28 ID:zmOamMDO
ジョセフ「しかし…日本の女子高生というのもなかなかいいもんじゃな」ニヤニヤ

ホリィ「もう!ママに言い付けるわよ?」

ジョセフ「ほ、ほんのジョークじゃよ!」

梓(本当に承太郎先輩のおじいちゃんなのかな…)

憂(承太郎さんと全然似てない…)

ホリィ「でも本当にかわいい格好してるわね」
「私もしてみようかしら♪」

ジョセフ「お前みたいなオバンがこんな格好しても誰も喜ばんわい」

ホリィ「パパひどーい!」
「うりうり♪」コチョコチョ

ジョセフ「や、やめんか!」

梓(何ていうか…聖子さんも子供っぽいんだよね…)

595: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:12:57.04 ID:zmOamMDO
ホリィ「そういえば梓ちゃん達のクラスは何してるの?」

梓「えっと…喫茶店みたいな感じです」

ホリィ「それじゃあここでお茶しよっかパパ?」

ジョセフ「そうじゃな」
「承太郎の劇までまだだいぶ時間あるしの」
「それじゃあ二名頼むよ」

憂「はい♪」
「それでは中にどうぞ」

3年2組!

さわ子「疲れた…」

花京院「大丈夫ですか先生?」

さわ子「ええ…」
「ちょっと他のクラスの衣装も作って…」

和「手を広げすぎたんですね…」

さわ子「でも大丈夫!全部気合い入れて作ったから!」キラーン

花京院(そういう問題なのか…?)

596: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:13:31.86 ID:zmOamMDO
紬「澪ちゃんかっこいい~♪」

澪「あんまり見ないでくれ…」モジモジ

承太郎「やれやれ…動きづらくて仕方ねーぜ」ヒラヒラ

紬(こういう時何て言えばいいのかしら…)
(かっこいい?いや…かわいい?)

律「お、ジョジョ似合ってんじゃん」ニヤッ

承太郎「やかましいな…」

律(あれ?何かいつもと違うな…)

花京院「それじゃあみんな行こうか」

597: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:14:15.66 ID:zmOamMDO
体育館のステージ裏!

唯「これ満員じゃない!?」チラッ

花京院「そうだね…ファンクラブの子達もいるな」チラッ

承太郎「やれやれ…」

紬「そういえば明日のライブに曽我部先輩が来るって本当!?」

和「ええ。すごく楽しみにしてたわ」フフッ

律「よっしゃ!絶対この劇成功させようぜ!」

承太郎「…ああ」

澪「…うん」

唯「もしかして…二人共緊張してる?」

澪「うん…」

承太郎「まあな…何せ女役だ…」

598: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:15:08.33 ID:zmOamMDO
律「ジョジョが緊張するのって私達の最初のライブ以来じゃないか?」フフッ

紬「それもそうね」フフッ

律「そうだムギ、ゴム持ってない?」

紬「あるけど…何に使うの?」スッ

律「まあ見てろって」ニヤッ
「……」ムスビムスビ
「おい二人共こっち見ろ!」

澪承「…」クルッ

澪「!」
「律…それって…」

律「いいか?こういう時はな、観客をじゃがいもだと思えばいいんだ」
「でも私はじゃがいもの真似できないから…パイナップルの真似!」プクーッ

唯紬「りっちゃん…」フフッ

599: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:15:40.57 ID:zmOamMDO
澪「ありがとう律、私ならもう大丈夫だ!」

承太郎「やれやれ、不味そうなパイナップルだな」フッ
「だが助かったぜ…礼を言う」

律「いいってことよ♪」
「それじゃあ頑張れよ、二人共!」グッ

澪承「ああ!」グッ

花京院「…」フフッ
「もうすぐ時間だ」
「みんなで円陣でも組もうか」

ゾロゾロ

花京院「いよいよ本番だ…」
「みんな精一杯やろうッ」
「3年2組いくぞッ!」

オーーッ!

600: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:16:19.64 ID:zmOamMDO
観客席!

純「うわ~、人いっぱいだ…」

憂「席あるかな…」

梓(結局先輩達最後の方は練習あまり来てくれなかった…)
(…ライブなんてどうでもいいのかな)

ホリィ「梓ちゃん!席空いてるわよ!」

梓「聖子さん!すみません、ありがとうございます」
(そんなはず…ないもん!)
(先輩達にとって最後の学園祭…)
(クラスの劇も当然大事だから仕方ないよね)
(…今は劇の成功を祈ろう!)

『それでは、これより3年2組による劇、「ロミオとジョリエット」の開幕です』

601: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:16:48.20 ID:zmOamMDO
少し後!

澪「《人の傷を見て笑うのは、傷ついたことのない連中だ…》」
「《笑いたければ笑え》」
「《僕は痛みを知っている…恋する痛み…》」
「《この胸の甘い疼きをッ!》」

唯「《……》」ジッ

憂「わ~…」キラキラ

純「澪先輩かっこいい…」キラキラ

憂「お姉ちゃんだ~♪」

梓「そっち…?」
「ていうか木の役って顔出す必要あるんですか…?」

さわ子「それは突っ込まないで…」

602: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:17:27.25 ID:zmOamMDO
少し後!

つかさ「《今物音がしなかったか?》」

瀧「《どこの不届き者だ!》」

澪「《……》」ジッ

唯「《……》」ジッ

ホリィ「ハラハラするわね…」

梓「そうですね…」
(唯先輩が何か失敗しそうで…)

少し後!

承太郎「《ロミオ…てめーはなぜロミオなんだ…?》」

澪「《あの天使のような声は…》」スタスタ

ジョセフ「じ、承太郎が…て…天使じゃと…」プルプル

603: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:17:58.04 ID:zmOamMDO
承太郎「《なぜここにいる…》」
「《屋敷の石垣は高くて簡単にはのぼれないはずだぜ…》」

澪「《高い石垣など…恋の軽い翼で飛び越えて見せましょう!》」

承太郎「《ロミオ…》」

澪「《ジョリエット…》」

承太郎「…」

澪「どうしたんだよ…?」

承太郎「ああ」
「次にやることを考えるとお前が死んじまうんじゃあないかと思ってな」

澪「!」
(そっか…本番だけ抱き合うんだった…)
(……)

承太郎「覚悟はいいか?俺はできてる」

澪「ああ、大丈夫だ!」

604: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:18:59.06 ID:zmOamMDO
承太郎「《ロミオ…》」

澪「《ジョリエット…》」

澪承「《……》」ジッ
「《……》」ギューッ

キャアアアアアアアアアアア! ウワアアアアアアアアア!

ジョセフ「OH MY GOD!」
「承太郎が女に抱きつきおったァァァアアアアア!」

ホリィ「こうやって親離れしていくのね…」

さわ子「プ、プライベートなことではないので…」
「これは劇ですし…」

ジョセフ「そ、そうじゃな!」
「じゃないとあいつが抱きつくはずがない!」

ホリィ「そうですよね!」
「良かったぁ~♪」

梓(承太郎先輩はすでに親離れしてるような…)

純「何かドキドキするね!」

唯「《ん…》」ムズムズ

梓「別の意味でね…」

605: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:19:34.73 ID:zmOamMDO
少し後のステージ裏!

唯「ふぅ~」グデッ

和「よく我慢したわね」

花京院「あそこでくしゃみなんかされちゃあ台無しだったよ」

承太郎「そうだな」
「私達の努力が水の泡になるところだったぜ」

唯「私…?」ニヤッ

承太郎「…忘れろ」

紬「澪ちゃんも承太郎君もすごく調子いいわね♪」

律「そうだな~」
「やっぱこの二人は本番に強いんだな」

ちずる「ない…」ゴソゴソ

和「え?」

ちずる「ラストで使うお墓が…ない…」

花京院「何ッ!?」
「本当なのかッ!」

ちずる「うん…」

紬「もしかしたら教室に忘れてるとか…」

唯「私見てくる!」タタタタ

606: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:20:17.52 ID:zmOamMDO
少し後!

唯「なかったよ…」ハァハァ

和「それなら運ぶ時に落としたとしか考えられないわね…」

律「いっそ、お墓無しとか…」

花京院「…それはダメだ」
「おそらくお墓を使うラストシーンが一番盛り上がる…」
「お墓がなかったらマヌケだ…」

承太郎「やれやれ…今から作るか…」

紬「さすがの承太郎君でも間に合わないと思う…」

唯「お化け屋敷やってるクラスに借りるとか!」

花京院「日本のお墓じゃあダメだ…」

607: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:20:42.24 ID:zmOamMDO
しずか「確か…オカルト研がお墓に似てたのを展示してた…」

和「え?」

しずか「私オカルト研に友達いたから頼んでくる!」タタタタ

唯「私も行くよ!」タタタタ

紬「私も見てくるわ!」タタタタ

ちずる「しずか!出番は!?」

しずか「あ!」
「…承太郎君お願い!」タタタタ

承太郎「なぜ俺なんだ…」

律「でもセリフとかは大丈夫なのか?」
「ていうか主役が二役は何か不味いんじゃ…」

美冬「大丈夫、セリフはないから」

608: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:21:42.56 ID:zmOamMDO
ステージ!

承太郎「《……》」ジッ

澪「《ああ…今朝見た夢が正夢だとすれば…》」
「《やがて嬉しい知らせが届くはずッ》」

ジョセフ「じ、承太郎のやつ…」プルプル

純「ねえ…何かあの木すごく迫力ない…?」

憂「うん…」
「まるで樹齢二千年を越えてるかのようなスゴ味を感じる…」

梓(何でジュリエットと木の二役…)

少し後!

花京院「もうそろそろヤバいな…」

和「お墓無しかもね…」

美冬「そんな…」

ガチャ

しずか「みんな、借りてきた!」

律「本当か!?」

承太郎「間に合ったか…」

美冬「それじゃあみんな運ぶの手伝って!」

609: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:22:32.61 ID:zmOamMDO
ステージ!

澪「《ああ…美しいジョリエット!》」
「《なぜこんな姿に…》」

承太郎「《……》」

さわ子(お墓が違うわね…)
(何があったか知らないけど…)
(クラスみんなで乗り切ったってところかしら)フフッ

澪「《君を…一人で死神のところに行かせはしない》」
「《この身が朽ち果てるとも…二度と君を離しはしないッ!》」

梓憂純さジホ「……」

澪「《……》」ゴクッ
「《……》」バタッ

承太郎「《……》」ムクリ
「《おいロミオ…こんなところで寝てたら風邪ひくぜ》」ユサユサ
「《人のことを言えたもんじゃあないがな》」ユサユサ

澪「《……》」

610: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:23:08.13 ID:zmOamMDO
承太郎「《おいッ!目を覚ませと言っているんだロミオッ!》」
「《ん…これは…》」スッ
「《毒…か…》」
「《やれやれ…なぜ私の分を残していないんだ…》」

梓憂純さホジ「……」

承太郎「《仕方ないな…ちと痛むが短剣でも使うか》」スッ
「《まあ、もとより…》」
「《この短剣がてめーのところに連れて行ってくれるんなら…》」
「《喜んで使うがなッ!》」グサッ
「《まったく…やれやれ…だ…ぜ……》」バタッ

梓(すごい…まるで本物のロミオ達を見ているような演技…)

611: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:23:28.31 ID:zmOamMDO
ジョセフ「……」

梓(最初はうるさかったジョセフさんをも黙らせる演技だもん)
(音楽室にくる暇なんてないよ…)

ジョセフ「ぐぉー…」

梓(って寝てるゥゥウーーッ!)

ジョセフ「次に梓ちゃんは『起きてくださいジョセフさん』と言う」

梓「起きてくださいジョセフさん…ハッ!」

ジョセフ「騙されたようじゃな」ニヤッ
「こんな素晴らしい劇を見逃すやつがおるかい」
「さあ、拍手を送ろう!」

梓「はい!」

パチパチパチパチパチパチパチパチ

612: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:23:57.60 ID:zmOamMDO
音楽室!

梓「…」ジャカジャカジャカジャーン♪
(先輩達来ないな…)

ガチャ

律「ただいま~♪」スタスタ

澪「疲れた…」スタスタ

承太郎「そうだな…」スタスタ

紬「二人共すごい良かったわよ!」スタスタ

唯「あずにゃん!」タタタタ
「私達の劇どうだった!?」

梓「あの…えと…」

律「どうした梓?」
「最近構ってないから寂しかったのか?」ニヤニヤ

梓「そ、そういうわけじゃ…」
「あの…最近みなさん部室に来てなかったので…」
「ライブなんてどうでもいいのかなって…」

紬「梓ちゃん…」

613: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:24:30.71 ID:zmOamMDO
梓「いえ!あんな素晴らしい劇でしたから忙しくて当然ですよね!」

律「…バカだな~梓は」フフッ

承太郎「まったくだぜ」
「おい、お前にとって『素晴らしい』の上は何だ?」

梓「えと…『最高』ですかね…」

承太郎「そうか…」
「おいお前ら、明日は『最高』のライブにするぜ」

紬「ええ♪」

澪「そうだな!」

唯「うん!」

律「ああ!」

梓「みなさん…」

614: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:24:53.65 ID:zmOamMDO
律「よし、明日に向けて今日は泊まり込みで練習だー!」

澪「学校って泊まっていいのか?」

律「大丈夫!」

紬「お泊まりの道具持ってきてなくても?」

律「モーマンタイ!」

さわ子「はいみんな、寝袋借りてきたわよ」ドサッ

唯「ありがとうさわちゃん!」
「そういえば今日も徹夜?」

さわ子「ええ…明日のライブ衣装がまだ終わってなくて…」
「被服室…絶対に入っちゃダメよ…」ヨタヨタ

承太郎「せっかくの夜の学校だ、肝だめしでもするか?」

澪「絶対にやだッ!」

律「自然と行き先が被服室になりそうだな…」

梓「…」フフッ

唯「それじゃあ練習始めよう!」

澪律紬梓「おー!」

615: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:25:38.81 ID:zmOamMDO
夜の音楽室!

コンコン

紬「はーい」

ガチャ

憂ホ「こんばんは」

唯「あ!憂に聖子さん!」
「どうしたの?」

ホリィ「はい、差し入れよ」スッ

澪「すごく大きい重箱ですね…」

憂「聖子さんとお料理してたら楽しくて作りすぎちゃいました♪」エヘヘ

律「ありがとうございます!」ペコリ

唯澪紬梓「ありがとうございます!」ペコリ

承太郎「よし、食うか」
「お前らも食べていくだろう?」

ホリィ「それじゃあ少しだけいただいちゃいましょうか?」

憂「そうですね♪」

律「それじゃあみんな手を合わせて~」
「いただきま~す!」

唯澪紬梓憂ホ「いただきま~す!」

616: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:27:39.23 ID:zmOamMDO
唯「おいしいよ二人共~♪」モグモグ

律「ほんと、手間隙かけてこさえてあるな~♪」モグモグ

憂「ありがとうございます♪」

ホリィ「はい承太郎、あーん♪」

承太郎「何しやがるこのアマ!うっとおしいぞッ!」

ホリィ「はァーい♪」

梓「仲いいですね…」

澪「そうか…?」

紬「デザートがあるから、憂ちゃんも聖子さんも食べていってくださいね♪」

憂「すみません、ありがとうございます」ペコリ

ホリィ「ありがとう♪」

澪「夜に甘いものは…」

律「今日は夜とか関係ないよなージョジョ?」

承太郎「ああ、気にしないで好きなだけ食えばいい」

澪「どういうことだ?」

律承「今日は徹夜だッ!」

617: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:28:40.77 ID:zmOamMDO
唯「今夜は寝かさないぞ、子猫ちゃん」ニヤッ

梓「子猫呼ばわりされた澪先輩の方が大きいです」

唯「ぐっ…」ガオン
「こ…心を…削りとられた…」

コンコン ガチャ

花京院「徹夜は構わないが宿泊届けは出したのか?」

律「やば…」

和「やっぱり…」
「申請用紙持ってきたわよ」ピラッ

律「ありがとう和!」

ホリィ「えーと…」

花京院「おや、承太郎のお母さんじゃあないですか」
「こんばんは。僕は花京院典明と言います」ペコリ

和「初めまして。真鍋和です」ペコリ

ホリィ「初めまして」ニコッ
「私のことは聖子さんって呼んでね♪」

唯「花京院君と和ちゃんも食べていかない?」

和「それじゃあ少しだけお邪魔するわ」

618: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:29:06.36 ID:zmOamMDO
憂「徹夜で準備してるところってまだ他にもあるんですか?」

花京院「結構いるな」
「その大半は準備という名のお泊まり会だが」フフッ

憂「いいですね、憧れます♪」

花京院「ああ。軽音部も楽しそうで何よりだ」

それなりに後の外!

澪「朝まで練習じゃなかったのか?」

律「そんなに気を張ってたら本番までもたないぞ?」

承太郎「たまには散歩もいいもんだな」

梓「そうですね」
「そういえば先輩方は文化祭見て回れたんですか?」

唯「劇の準備とかで忙しかったから今日は無理だったよ~…」

梓「やっぱりそうですか…」

619: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:29:47.83 ID:zmOamMDO
紬「そうだ、このまま夜の文化祭見て回ろうか♪」

律「賛成ー!」
「みんな行こうぜ~♪」

唯「あ!このお店すごい!」

承太郎「だいぶ凝ってるな…『マンモスの肉』…?」

梓「私食べましたよ、結構おいしかったです」

承太郎「…食っても背は伸びないもんだな」

梓「ちょっとどういうことですか!?」

紬「あらあら♪」

620: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:31:44.33 ID:zmOamMDO
唯「あ!みんなこれ見て!」

澪「何かあったのか?」ヒョコ
「ってジョリエットのお墓!?」

律「誰かが間違ってここに運んだのか…」

承太郎「中野…お前が食ったマンモスはジョリエットって名前らしい」
「ちょうどそこに墓もある、手を合わせてきたらどうだ?」

梓「遠慮しときます…」

紬「そうだ♪」
「憂ちゃんと聖子さんが持ってきてくれた夜食、オカルト研にも持っていこう?」

唯「そうだね!」

621: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:32:30.24 ID:zmOamMDO
再び音楽室!

律「何か最後はオカルト研の子達とも交流できたな~」

承太郎「…やかましくなくていい奴らだったぜ」

唯「ちょっとそれどういうこと~?」コチョコチョ

承太郎「…俺には効かないぜ」コチョコチョ

唯「わっ!」
「く、くすぐったいよ承太郎君♪」

澪「ジョジョも完璧に夜のテンションだな…」

梓「……」カタカタ
「…何か変だな」ボソッ
「……」カタカタ
「ちょっと堅苦しい…」ボソッ
「……」カタカタ

622: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:32:57.51 ID:zmOamMDO
紬「!」
「梓ちゃん♪」トントン

梓「!」ポチッ
「あっ!」
「は、はい!」クルッ
「!」プニッ

紬「ひっかかったわね♪」

ブーッブーッ

唯「あ、メールだ」

澪「私もだ…」

紬「私も…」

律「私にもだ…一斉送信か?」

承太郎「花京院じゃあないか?」パカッ

梓「私ちょっとトイレに…」

《今日の劇すごかったです!》
《それと、夕方の音楽室の時はありがとうございました》
《絶対に明日は最高のライブにしましょうね♪》

623: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:33:24.32 ID:zmOamMDO
承太郎「……」フッ
「おい、もうそろそろ寝るぜ」
「明日は最高のライブにしないと怒られそうだからな」ニヤッ

梓「!///」
「……」モジモジ

唯「もう、あずにゃ~ん♪」ギュッ
「回りくどいですな~」スリスリ

梓「は、離れてください!」ゲシッ

唯「ひ、ひどい…」

律「……」フフッ

澪「ジョジョの言うとおり、明日のために寝よう」フフッ

紬「それじゃあ電気消すわね」ニコッ

カチッ

624: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:34:11.05 ID:zmOamMDO
朝!

ガチャッ!

さわ子「みんなーっ!ライブの衣装できたわよ!」
「って…」

唯澪律紬梓承「……」スースー

さわ子「み…みんな…?」

唯澪律紬梓承「……」スースー

さわ子「スルーだけはやめてよ!」ユサユサ
「スルーが一番辛いのよ!?」ユサユサ


625: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:34:43.94 ID:zmOamMDO
承太郎「……」ムクリ

さわ子「承太郎君!」
「ライブの衣装できたわよ!」

承太郎「……」バタッ
「……」スースー

さわ子「起きたんなら何か言ってよォォォオオオオオッ!」

律「さ…さわちゃん…?」ムクリ

唯「う…うるさい…」ムクリ

さわ子「みんなッ!ライブの衣装できたわよ!」

承太郎「一度でいいことを二度も言うんじゃあない…」

さわ子「三度目なんだけどね…」ボソッ
「そういう承太郎君には見せてあげないもーん!」ニヤッ

626: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:35:37.37 ID:zmOamMDO
承太郎「何が『もん』だ…」
「二十代半ばの女が言うもんじゃあねーぜ」

さわ子「承太郎君…」

承太郎「…何だ?」

さわ子「人の心に何かを伝えるというのは素晴らしいことよ」
「でも、時として『カス』が残るの…」
「『恨み』というカスが…」ドドドドドドドドドドドド

承太郎「!」
「あ…ああ…冗談だ…」
(マジにブルッたぜ…)

627: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/09/27(月) 17:36:50.32 ID:zmOamMDO
さわ子「そうそう、これが衣装よ!」バッ

唯「おお…」キラキラ

梓「すごくかわいいですね!」

紬「本当ね♪」

律「グッジョブさわちゃん!」

さわ子「もっと!もっと言ってェェーーーッ!」

承太郎「…おい、少し静かにするぞ」

澪「……」スースー

梓「澪先輩…よっぽど疲れてたんですね」フフッ

さわ子「あなた達と一緒だからぐっすり寝てるんじゃない?」フフッ

承太郎「…やれやれ」フッ

さわ子「それじゃあ私は戻るわね」

唯律「ありがとうさわちゃん!」

紬梓「ありがとうございました!」

承太郎「…また後でな」

さわ子「ええ♪それじゃあライブ頑張ってね!」

ガチャ バタン

638: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:25:02.06 ID:UuSLVYDO
ライブ前の音楽室!

澪「……」カキカキ

承太郎「今度は間違ってないな」

澪「……はむっ」パクッ
「ま、まあな…」

唯「大丈夫だよ澪ちゃん!」

紬「特訓もしたし♪」

梓「澪先輩がちゃんと練習してるの私達知ってますから」

澪「うん、ありがとう!」

コンコン ガチャ

花京院「もうそろそろ出番だ」
「講堂に移動してくれ」

律「わざわざ悪いな花京院」

花京院「……」
「いいさ。僕は先に行っておくよ」

梓「ありがとうございました」ペコリ

639: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:25:27.17 ID:UuSLVYDO
唯「それじゃあ行こっか!」

承太郎「ちょい待ちな」

唯澪律紬梓「?」

承太郎「…これが最後のライブだ」
「気合い入れていくぜ」

澪「そうだな」

律「そんじゃあジョジョ頼むな」

承太郎「やれやれ…」
「……」
「放課後ティータイム…」
「いくぜオイッ!!」グッ

唯澪律紬梓「おーーッ!!」グッ

640: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:25:59.05 ID:UuSLVYDO
ステージ!

唯「そういえば学園祭のライブも三回目なんだね~」

紬「一年生の時の初ライブはすごく緊張したわね♪」

承太郎「…俺は散々だったがな」

澪「!///」ボンッ

唯「去年はあずにゃんが学祭デビューしたんだよね」

梓「そうですね」
「いろいろ大変でしたけど…」

承太郎「…悪かったな」

梓「い、いえ!そんな意味じゃあ…」

紬「承太郎君ってライブするたびに何かやらかしてるわね」フフッ

承太郎「今年は大丈夫だ」

唯「でも二度あることは三度あるって言うよね?」

承太郎「……」

梓(承太郎先輩を黙らせた…?)

641: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:26:25.57 ID:UuSLVYDO
和『さあ、次は桜高祭の目玉イベント、放課後ティータイムによるライブです!』

律「よし、みんな準備だ!」

澪「ほ…本当にジョジョ立ちするのか…?」

律「あったりまえだろー?」

紬「そうよ、いい記念になるわ♪」

澪「うん…」

和「それじゃあ幕上げるわよ」

ウィーン

唯澪律紬梓承「……」ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

643: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:31:14.98 ID:UuSLVYDO
パチパチパチパチ キャーッ!カッコイーッ!

唯「……」
「ねぇ…」
「これって…」ウルッ

律「マジかよ…」

花京院『みんなッ、盛大な拍手をッ!』

ワーッ パチパチパチパチパチパチパチパチ

承太郎「…おい、なぜ全員俺達と同じシャツを着ているんだ…」

和「山中先生が作ってくれて、来てくれた人みんなに配ってるのよ」

承太郎「…やれやれ」フッ

唯澪律紬梓「ありがとうございます!」ペコリ

さわ子「…」ニコッ

644: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:31:37.03 ID:UuSLVYDO
承太郎『…放課後ティータイムだ』
『…俺達がお前らに何かしなくちゃあならないんだが…』
『…俺達の方がお前らに支えられているな』
『お前らのせいで泣いてるやつもいるんだが…』

唯『…』グスッ

姫子「頑張れ唯ーッ!」

美冬「頑張ってー!」

唯『あ、ありがど…』グスッ

承太郎『泣き止んだようだな』
『それじゃあまず一曲目だ』
『ごはんはおかずッ!』
「……」クルッ
「おい…いくぜ」

唯澪律紬梓「…」コクッ

律『ワンツースリーフォー!』カンカンカンカン

645: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:31:59.83 ID:UuSLVYDO
ジャカジャカジャカジャン♪

承太郎『ごーはんはすーごいよ何でもあーうよホカホカ♪』
『ラーメンうーどんーにおー好みー焼きこれこれ♪』
『炭水化物と炭水化物の夢の♪』

唯澪『夢の♪』

承太郎『コラボレーション♪』

律『あつあつホカホカ♪』

承太郎『ごはんはすごいよ ないと困るよむしろごはんがおかずだよ♪』
『関西人ならやーっぱりお好み焼き&ごはん♪』
『…だが俺は関西人じゃあないぜ』

唯澪律紬梓『どないやねん♪』

承太郎『1・2・3・4・GO・HA・N!』
『1・2・3・4・GO・HA・N!』

646: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:32:34.16 ID:UuSLVYDO
ホリィ「承太郎ーッ!」フリフリ

ジョセフ「最高じゃぞーーッ!」ニヤッ

承太郎「!」
(なぜジジイまで来てやがるッ)

澪「おいジョジョ!歌詞!」ボソッ

承太郎「!」
「…突然すぎて忘れちまったぜ」ボソッ
「…ちょっと待ってくれ」ボソッ

澪「待てるわけないだろ!」ボソッ
『ごはんはすごいよ ないと困るよむしろごはんがおかずだよ♪』

承太郎「!」
(…悪いな)フッ

647: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:33:00.03 ID:UuSLVYDO
承澪『関西人ならやーっぱりお好み焼き&ごはん♪』

承太郎『…俺の前世は関西人だと思うぜ』

信代「どこがだよー!」

アハハハハハハハ

承太郎『1・2・3・4・GO・HA・N!』
『1・2・3・4・GO・HA・N!』
『おいッ!お前らも続けッ!』
『1・2・3・4・GO・HA・N!』

唯澪律紬梓憂純和花ジホ観『「1・2・3・4・GO・HA・N!」』

承太郎『1・2・3・4・GO・HA・N!』

唯澪律紬梓憂純和花ジホ観『「1・2・3・4・GO・HA・N!」』

ジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャカジャーン♪

ワーッ! パチパチパチパチパチパチ

承太郎『今のは「ごはんはおかず」だ』
『…改めて…放課後ティータイムだ』

ウワァーーッ! カッコイーッ!

648: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:33:46.81 ID:UuSLVYDO
承太郎『俺を含めた三年は全員同じクラスだ』
『二年はそこでギターを担いでる中野だけだな』
『それじゃあ次の曲だ』

瀧「空条君もっと何か喋ってよー!」

ちか「そうだよー!」

承太郎『やれやれ…』
『知っているやつもいると思うが、俺達は昨日劇をやったな…』
『そこにいる秋山がロミオ役で、俺がジョリエット役だ』

ジョセフ「ジョリエットって何じゃーッ!?」ニヤッ

承太郎『ジジイ…てめーの質問には答えねーぜ』

唯『ジジイって知り合いなの?』

承太郎『…俺の祖父にあたるな』

唯『ほんと!?』
『承太郎君のおじいちゃんこんにちはー!』

ジョセフ「いい子じゃのー!」
「後で何か買ってあげようかの!」

承太郎『…誰か警察に電話しといてくれ』

アハハハハハハハ

649: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:34:40.80 ID:UuSLVYDO
律『そうだ澪ー、劇の話出たしロミオのセリフ言ってくれよ』ニヤッ

澪『そ、そんなことできるわけないだろ!』

紬『りっちゃん、それすごくいいと思う♪』

承太郎『そうだな』

ワーッ! イイゾー!

澪(マジかよ…)
『……』
『ああ…美しいジョリエット…』
『君を一人で死神のところに行かせはしないッ!』

キャーッ! カッコイーッ!

梓『次は承太郎先輩の番ですね』ニヤッ

承太郎『なにッ!?』

律『まあ必然的にそうなるよなー』ニヤニヤ

承太郎『やれやれ…』
『それじゃあいくぜ』
『……』
『てめーは私を惚れさせた…』ドッギャ――z__ン!

650: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:35:05.37 ID:UuSLVYDO
ウワァーーッ! キャーッ! カワイーッ!

恵「空条君ーッ!」
「あなたは私を惚れさせたわーッ!」

佐々木「!」
「私の方が惚れてるわーッ!」

ジョセフ(何であんな奴がもてもてなんじゃ…)

唯『……』ジッ

承太郎『おい、どうした?』

唯『木G!』ジッ

アハハハハハハハ

承太郎『やれやれ…』

純「すごいグダグダだね…」

承太郎『それじゃあ次の曲だ』
『わたしの恋はホッチキスッ!』

651: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:35:44.41 ID:UuSLVYDO
それなりに後!

承太郎『ふわふわたーぁいむ♪』
ジャカジャーン♪

ワーッ! パチパチパチパチ

承太郎『それじゃあここら辺でメンバー紹介でもするか』
『まずは顧問の山中先生だ』

さわ子(私!?)

承太郎『…あいつは俺達軽音部を見守ってくれている』
『何だかんだで頼りになるやつだ』

さわ子「!」
「……」
「みんな輝いてるわよーっ!」

承太郎『お前は錆びてるがな』

さわ子「承太郎君以外みんな輝いてるわよーっ!」

アハハハハハハハ

652: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:36:16.34 ID:UuSLVYDO
承太郎『やれやれ…』
『リードギターの平沢だ』

唯『どうも~!平沢唯です!』
『みんな今日は来てくれてありがとうございます!』

憂「お姉ちゃーん!」

唯『あ!憂ー!』フリフリ

承太郎『こいつは何もかも見た目通りのやつだな』
『普段からのんびりしてボケッとしてるが…』
『…やる時にはやる性格の持ち主だ』

唯『!』

653: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:36:49.67 ID:UuSLVYDO
承太郎『次はベースの秋山だ』

澪『あ…えと…こんにちは』
『き、今日は私達のライブを聞いてくれてありがとうございます』
『私…この仲間とライブができて最高です!』

ワーッ! ヒューヒュー!

承太郎『やれやれ…そういうのは最後に言うもんじゃあないか?』

澪『べ、別にいいだろ!』

654: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:37:29.02 ID:UuSLVYDO
承太郎『…こいつは今はこうやってでかい声を出せているが』
『昔のこいつじゃあ考えられなかったな』
『こいつはかなり生長した』
『…俺が一年の時はこいつに避けられて散々だったぜ』

澪『!』
『それは…見た目が…』

承太郎『人は見かけによらないぜ』

律『お前唯の紹介で「見た目通り」って言ったじゃん…』

承太郎『…昔のことだ』
『ちなみにそいつは田井中だ』

律『何だよちなみにって!』

655: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:37:48.99 ID:UuSLVYDO
承太郎『いいから早く自己紹介するんだ』

律『ったく…』
『えと、田井中律です』
『今日はライブに来てくれてありがとうございます』
『次はキーボードのムギです』

承太郎『やけに短いじゃあないか』

律『いいんだよこれくらいで』

承太郎『…そうか』
『……』
『…こいつは一見大雑把で部長らしくないが…一番部長に適している』
『まわりに対する気配りがよくできて頼りになるやつだ』
『…こいつが部長で良かったと思うぜ』

律『!』

656: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:38:26.83 ID:UuSLVYDO
承太郎『次はキーボードの琴吹だ』

紬『こんにちは、琴吹紬です』
『今日は私達の演奏を聞いてくださってありがとうございます♪』
『私、今このメンバーで演奏できてすっごく楽しいです!』

承太郎『こいつはあまり自己主張をしないで俺達を見守ってるという感じだ』
『時には一緒にふざけたりするがな』
『ちなみにこいつが俺達のティータイムを作ったようなもんだ』
『琴吹の淹れたお茶はかなり美味いぜ』
『最後になったな。リズムギターの中野梓だ』

657: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:38:50.49 ID:UuSLVYDO
梓『あ、あの…こんにちは』
『中野梓です…よろしくお願いします』ペコリ

承太郎『何緊張してやがる』
『こいつは真面目な性格だが子供っぽい面もあるな』
『だが怒らせたら怖いぜ』

梓『怖くないですよ!』

承太郎『おい、観客が怖がってるじゃあないか』

アハハハハハハハ

梓『!///』

承太郎『長くなったがこれでメンバー紹介は終わりだ』
『次の曲に入るぜ』

658: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:39:15.18 ID:UuSLVYDO
梓『承太郎先輩、私は最後じゃないですよ』

承太郎『ココ・ジャンボとスタープラチナも紹介した方が良かったか?』

梓『そうじゃないです…』

紬『最後はボーカルの承太郎君です♪』

律『ジョジョは見た目はおっかない不良みたいだけど』ニコッ

紬『本当はすごく思いやりがあって優しくて』ニコッ

澪『私達に何かあったらすぐに助けてくれて』ニコッ

唯『みんなにとってすっごく大きな存在で』ニコッ

梓『頼りになる、みんなが大好きな先輩です』ニコッ

キャーッ! ウワァーーッ! パチパチパチパチパチパチ

659: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:39:44.65 ID:UuSLVYDO
承太郎『……』
『………やれやれだぜ』

ジホ「承太郎ーッ!」

憂「承太郎さーん!」

純「承太郎先輩ー!」

恵「承太郎くーんっ!」

観客「放課後ーっ!」
「放課後ティータイムーっ!」

ワーワー! パチパチパチパチパチパチ

承太郎『……』クルッ

唯『…』コクッ

澪『…』コクッ

律『…』コクッ

紬『…』コクッ

梓『…』コクッ

承太郎(…いい顔じゃねーか)フッ
『…次が最後の曲だ』

660: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:40:22.97 ID:UuSLVYDO
エーッ! ヤダーッ! モットヤレヨーッ!

承太郎『…お前らが騒いだから時間がなくなったんだ』

アハハハハハハハ

承太郎『…一つ言い忘れていたな』
『山中先生、真鍋、花京院、平沢、鈴木、曽我部、おふくろ、ジジイ、今日来てくれた観客』
『…礼を言うぜ』

ウワァーーッ! ヨカッタゼー! パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

承太郎『最後の曲いくぜッ!』
『「U&I」ッ!』

ジャカジャカジャカジャン♪

661: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:40:47.42 ID:UuSLVYDO
承太郎『きーみがーいないとー何ーもできなーいよ♪』
『きーみのーごはんが食べたいよー♪』
『もーし君が帰ーってきたらとびーきりの笑顔で 抱ーきーつくよー♪』
『君がいないと謝れないよ 君の声が聞きたーいーよ♪』
『君の笑顔が見れーれーば それだけでいーいーんだよ♪』クルッ

唯澪律紬梓『!』

ホリィ「今承太郎と心が通じたわッ!」パチパチ

ジョセフ「黙って聞かんかい」パチパチ

和「承太郎君軽音部の方を向いたわよ?」パチパチ

花京院「……」パチパチ

662: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:41:13.89 ID:UuSLVYDO
承太郎『君がそばにいるだーけで いつも勇気もらぁーってた♪』
『いつまーででもー 一緒にいたーい この気持ちを伝えたーいよ♪』

花京院「…真鍋さん」
「さっきの承太郎のことだが…」

和「?」

承太郎『晴れの日にも雨のー日も 君はそばにいてくーれたー♪』

花京院「承太郎は…この歌を…」

承太郎『目を閉じれーばー 君のー笑顔ー♪』

花京院「…軽音部のみんなに向けて歌ってるんじゃあないかな」フフッ

承太郎『かがーやーいーてーるー♪』

……

663: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:41:38.61 ID:UuSLVYDO
ライブ後の音楽室!

唯「大成功…だよね…」

澪「そうだな…何かあっという間だ…」

紬「私…最初のサプライズで何がなんだか…」

梓「私もです…」

律「ていうかジョジョはいきなり私達の方向くし…」

承太郎「別にいいだろう…」
「…いいライブだったな」

梓「そうですね…最高のライブでした」ニコッ

唯「やっぱり私達のスゴ味はすごいんだよ!」

澪「そうだな」フフッ

紬「ギー太もエリザベスもすごく喜んでると思う♪」

承太郎「…むったんもな」フッ

梓「はい♪」

律「梓も名前つけてたんだな」フフッ

664: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:42:08.19 ID:UuSLVYDO
唯「ねえ、次は何しよっか?」

承太郎「まずはお茶だな」

澪「そう言うと思ったよ」フフッ

律「それじゃあお茶してから次のこと考えるか!」

紬「次はクリスマスパーティーね♪」

梓「その次は初詣に行きましょう!」

唯「その次は新歓ライブだね♪」

承太郎「……」

澪「今度の夏はクーラーもあるし大丈夫そうだな♪」

承太郎「…やめろ」ボソッ

665: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:42:37.43 ID:UuSLVYDO
紬「そうだ!合宿もあるわ♪」

梓「楽しみですね!」
「えっと…その次は

承太郎「やめろッ!」

律「どうしたんだよジョジョ~」ウルッ
「話に入ってなくても合宿とか連れてってやるよ!」ポタッ

唯「そうだよ承太郎君…」ポタッ
「わ、私だっで…次の学園祭までにはもっと…上手ぐなっでるし…」ポタポタ

承太郎「……………」
「もう…俺達がここで演奏することは…」
「……ないんだッ…」

澪「ッ…」ウルッ
「……」グスッ

666: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:42:59.65 ID:UuSLVYDO
紬「やだやだぁ!」グスッ
「もっと…もっとみんなと演奏じだいっ!」バタバタ

梓「ムギ先輩…わがまま言ったらダメですよ…」
「唯先輩もほら…泣き止んでください…」

唯「これは汗だよぉ…」グスッ

澪「……」グスッ

律「みーお」グスッ
「とおうるるるるるるるるるん」グスッ

澪「…フフッ」ウルッ
「律も泣いてるじゃないか…」ポタッ

667: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:43:21.25 ID:UuSLVYDO
承太郎「……こんな時に言うのも何だが」
「…お前らに伝えなくちゃあならないことがある」

梓「どうしたんですか…?」

承太郎「……………」
「ありがとう」

梓「ッ!」ウルッ
「…何なんですかっ…いきなり…」ポタッ

澪「ジョジョォ…っ…」ヒック

律「今日のお前…おがじいんじゃねーの…?」ポタポタ

紬「そういうのは最後って自分で言っでたじゃないっ…」ポロポロ

668: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:43:58.89 ID:UuSLVYDO
唯「じっ…承太郎君…」ポロポロ
「私もっ!私もありがどう承太郎君!」ギュ-ッ

梓「ありがとうございまじだっ!」ギュ-ッ

澪「ありがとう…ジョジョっ」ギュ-ッ

紬「ありがとう承太郎ぐん!」ギュ-ッ

律「ありがとな…ジョジョ」ギュ-ッ
「ジョジョの気持ち…みんなに伝わったよ」ポタポタ

承太郎「…そうか」

669: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:44:23.11 ID:UuSLVYDO
唯澪律紬梓「………」ギュッ

承太郎「……」
「…もうそろそろ離してくれたら嬉しいんだが」

澪「…嫌だ」ギュッ

梓「もう少しだけ…このままでいさせてください」ギュッ

承太郎「…やれやれ」
「…少しだけだ」

670: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:45:09.81 ID:UuSLVYDO
しばらく後!

コンコン ガチャッ

さわ子「みんな~…」

唯澪律紬梓承「……」スースー

さわ子「…」ニコッ

花京院「みんな承太郎に抱きついたまま寝てるのか」フフッ

和「とっても幸せそうね、みんな」フフッ

花京院「ライブも大成功だったしね」
「文化祭も成功して何よりだ」

和「この文化祭…」
「花京院君がいなかったらこんなに成功してなかったわ」
「ありがとう♪」ニコッ

花京院「僕も真鍋さんがいたから行動できたんだ」
「こちらこそありがとう」フフッ

唯澪律紬梓承「……」スースー

671: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/02(土) 18:45:33.12 ID:UuSLVYDO
夜の空条家!

ガラララ

承太郎「……」スタスタ

ホリィ「お帰り承太郎!」

ジョセフ「ライブすごく良かったぞ!」
「年甲斐もなくはしゃいでしまったわい」

承太郎「…そうか」スタスタ

ホリィ「承太郎…?」

ジョセフ「…ホリィ、今はそっとしといてやろう」
「あいつの学ランを見たじゃろう?」

ホリィ「見たけど…カピカピだったわね」

ジョセフ「あいつが軽音部の子達を支えた証拠じゃ…」
「5人の思いをあいつ一人でな…」
「それに…あんなやつでもセンチになる時があるんじゃろう」

ホリィ「パパ…」

ジョセフ「承太郎のやつ…知らんうちにでかくなりおったわい」フフッ

681: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:31:25.47 ID:yUdnUwDO
数日後の3年2組!

唯「今日も寒いですな~…」ブルブル

律「寒いですな~…」ブルブル

承太郎「寒いと思うから寒いんだ」

律「ふっふっ…くらえ!」ピトッ

承太郎「!」
「何しやがるッ!」ピトッ

律「うわっ!冷てぇぇえええ!」ビクッ

澪「何してるんだよ…」

唯「わ~、ムギちゃんの手あったか~い♪」スリスリ

紬「私体温高いから♪」

澪「本当だ!すごくあったかいな」スリスリ

682: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:32:02.37 ID:yUdnUwDO
律「ていうかジョジョに触られたほっぺたまだ冷てぇ…」ヒンヤリ

承太郎「手が冷たいぶん心が温かいんだ」

紬「!」
「……」ピトッ

花京院「琴吹さんはなぜガラスで手を冷やしているんだ?」

澪「多分ジョジョの発言が原因だな…」

683: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:32:33.90 ID:yUdnUwDO
唯「そういえば次の時間って何だっけ?」

和「講演があるらしいわ」
「山中先生のつてで特別講師がくるらしいの」

承太郎「やれやれ…受験勉強にまわしたほうがいいんじゃあないか?」

律「まあいいんじゃね?勉強ばっかもきついだろ」

キーンコーンカーンコーン

ガチャッ

さわ子「みんな席に着いて~」スタスタ
「今日は特別講師をお呼びして、講演をしていただきます」
「それではお願いします」

684: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:33:00.38 ID:yUdnUwDO
ガチャッ

?「……」スタスタ

律(おお…外国の人だ…)

?「自己紹介させていただく……」
「名は……『リンゴォ・ロードアゲイン』」
「そう認識していただきたい」

和「よろしくお願いします」ペコリ

生徒「よろしくお願いしまーす」ペコリ

リンゴォ「今…メガネの彼女の後にあいさつをした者」
「…君達は『対応者』にすぎない」ドドドドドドドドドドドド
「彼女があいさつしたらそれに『対応』しようとしている」
「それが心体にこびりついている」

685: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:33:35.05 ID:yUdnUwDO
承太郎「…いいから話を進めてくれないか?」
「退屈で仕方ねーぜ」

リンゴォ「それもそうだな」
「今日君達に話すことは…」
「…『男の世界』についてだ」ドドドドドドドドドドドド

律(…は…?)

リンゴォ「今の時代……価値観が『甘ったれた方向』へ変わってきている」プルプル

承太郎「……」

686: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:34:09.82 ID:yUdnUwDO
男生徒「フハッ!」
「お前体が震えてるぜッ!」
「てめーはこれでもくら…」ブォ…

リンゴォ「ああ、確かに…緊張のせいかもしれない」
「君は俺に消しゴムを投げようとしているな…」
「ここで対等となる話をしよう…」

男生徒「!」ピタッ

リンゴォ「その手に持っている消しゴムはMON○製消しゴム」
「俺が持っているのは炭酸カルシウム製チョークだ」
「どちらも射程内だが…」
「お互いに正確に当てるには、君と俺との距離をあと『一歩』縮める必要がある…」

687: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:34:52.76 ID:yUdnUwDO
男生徒「てめぇグダグダうるせえんだよォォォオオオオオッ!」ブンッ

ペチッ

リンゴォ「だから言っただろう…消しゴムはわずかにそれて黒板に当たった」
「そして君は『一歩』踏み込んだな…」
「この距離から正確に当たりはじめる」ブンッ

ドゴォッ

男生徒「……」バタッ

リンゴォ「感謝いたします」ドドドドドドドドドドドド

澪(うそ…だろ…?)

承太郎「……」

688: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:35:21.71 ID:yUdnUwDO
花京院「おいッ!みんな彼を保健室に運ぶんだッ!」

さわ子「リンゴォさん!どういうことですか!?」

リンゴォ「あなたは少し黙っていてくれないか?」

さわ子「黙っていられるわけないでしょう!?」

リンゴォ「悪い事は言わない…下がれ」ドドドドドドドドドドドド

さわ子「ッ!?」ビクゥ
(何ッ!?この迫力はッ…)

承太郎「おいおい…何担任がびびってやがる」
「…ここは俺に任せな」

さわ子「!」
「やめなさい!無茶よ!」

紬「そうよ承太郎君!危険よ!」

689: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:36:07.98 ID:yUdnUwDO
承太郎「やれやれ、こういう時は応援するもんじゃあないか?」
「おい…何であんな事をしやがった…」

リンゴォ「…公正なる『果し合い』は自分自身を人間的に生長させてくれる」
「人として未熟なこの俺を聖なる領域へと高めてくれる」

承太郎「…現代じゃあ反社会的だぜ」

リンゴォ「そうかもしれないな…だが…」
「これが『男の世界』だ」

承太郎「!」

690: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:36:25.37 ID:yUdnUwDO
律(あいつ心動かされてね?)
(つーか何だよ『男の世界』って…意味わかんねーよ)

承太郎「……」
「…その…何だ…『男の世界』ってやつは俺にも理解できるのか?」

律(やっぱり…)

澪(私達ここにいる意味あるのか?)

リンゴォ「話してやることはできる」

承太郎「…そうか」

691: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:37:17.77 ID:yUdnUwDO
音楽室前!

梓(この前学園祭は終わっちゃったし…)
(先輩達はもう部室に来ないのかな…)
(受験勉強とかもあるし来れるはずないよね…)

ガチャッ

リンゴォ「…」ズズッ

バタン

梓(えっと…)
(何かおじさんがお茶飲んでた気がしたけど…)
(気のせい…だよね…)

692: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:37:42.49 ID:yUdnUwDO
ガチャッ

リンゴォ「このお茶…美味いな…」

紬「ありがとうございます♪」

梓(やっぱりいたァァアーーッ!)
(しかも溶け込んでる!?)

唯「あ、あずにゃん!」

梓「あっ…あの、こんにちは」ペコリ

リンゴォ「…リンゴォ・ロードアゲインと申します」ペコリ

梓「あ、中野梓です」ペコリ
「えっと…新しい顧問ですか?」

承太郎「いや…彼は俺達のクラスに来た特別講師だ」

693: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:38:09.79 ID:yUdnUwDO
梓(彼…?)
「律先輩、あの人本当にただの特別講師なんですか?」ボソボソ
「承太郎先輩が『彼』って言いましたよ?」ボソボソ

律「ジョジョはあの人を一目置いてるんだ…」ボソボソ
「何か『男の世界』がどうのって」ボソボソ

梓「『男の世界』…ですか…」ボソッ

694: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:39:04.51 ID:yUdnUwDO
リンゴォ「それで…君は俺の話を聞いてどうしたいんだ?」

承太郎「…昔に比べて俺はぬるくなっちまってな」
「その『男の世界』を学べば…」
「ぬるいままでも色々背負っていけると思ったんだ」

唯「!」

リンゴォ「……」
「その考えは汚らわしいが話してやろう」

承太郎「…頼む」

リンゴォ「公正なる闘いは内なる不安をとりのぞく…」

律(…この話ついていけそうにねえ…)

695: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:39:41.31 ID:yUdnUwDO
リンゴォ「俺達は生きていると壁というものが立ちはだかる」
「『男の世界』という名の壁がな…」

唯「……」キラキラ

澪(唯は唯で興味もってるし…)
(もう帰りたい…)

リンゴォ「俺達は『男の世界』を乗り越えなくてはならない」
「この『道』以外には生きられない」
「俺はそう信じている……」

696: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:40:08.50 ID:yUdnUwDO
承太郎「つまりこういうことか?」
「『男の世界』は『神聖』なもので、そして『修行』だ…と」

リンゴォ「そういうことだ」

梓「ムギ先輩…意味わかりますか?」ボソッ

紬「いいえ…承太郎君は理解してるみたいだけど…」ボソボソ
「何ていうか…質問できる雰囲気じゃないわね…」ボソッ

承太郎「…少し話が逸れるが」
「俺は今まで自分の『信じられる道』…」
「『正しい道』を自分では選んできたつもりだ」

リンゴォ「……」

697: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:40:55.72 ID:yUdnUwDO
承太郎「だが…最近思うんだが…」
「『正しい道』とは一体何なんだ、とな…」

リンゴォ「…話していてわかったが、君は正義感が少し人より強いみたいだな」

梓(そうなんだよね…)
(承太郎先輩は不良だけど正義感は人一倍強い…)

リンゴォ「その自分の信じる正義を貫いた結果…」
「誤った道に迷い込んだら…君はどうする?」

承太郎「……」

698: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:41:23.09 ID:yUdnUwDO
唯「承太郎君は間違ったことなんかないよ!」

リンゴォ「今まではそうかもしれない…」
「今は未来の話をしている…」
「『正しい道』なのか『誤った道』なのか…この二つを見分ける方法はあるのか?」

律「えと…何か『正しい道』とか『男の世界』とかよくわかんないけどさ」
「もしジョジョが間違ってたら…」
「私達が『正しい道』に連れ戻すよ」
「それが仲間ってもんだろ?」

承太郎「田井中…」

699: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:41:47.99 ID:yUdnUwDO
リンゴォ「しかし、『正しい道』を歩んでいるかどうか、それには『納得』が必要だ」
「…お前は彼女達に自分の『道』を決められて『納得』できるのか?」

承太郎「…」チラッ

唯澪律紬梓「……」

承太郎「…やれやれ、決まってるぜ」
「…『納得』できるさ、こいつらの決めたことならな」

唯澪律紬梓「!」パァッ

リンゴォ「…俺は…君に少しだが『可能性』を見出だしていた」
「だが…それも気のせいだったみたいだな」ガタッ

承太郎「それは残念だな」
「時間を割いてくれて感謝するぜ」

ガチャッ バタン

700: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:42:42.84 ID:yUdnUwDO
澪「良かったのか…?」

承太郎「ああ」
「お前らが聞いててわからないことをずっと話していようとは思わないぜ」

梓(…引き止めなかったのは私達に気を遣って?)
「承太郎先輩あの話理解できたんですか?」

承太郎「ある程度はな…」
「しかし…『男の世界』…難しそうだぜ」

唯「ねえみんな、あの人の髭ってドクロみたいじゃなかった?」

澪(興味持ってたのそっちかよ…)

701: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:43:05.84 ID:yUdnUwDO
数日後の教室!

律「よーし、部室行こうぜ~」

承太郎「今日の菓子はなんだ?」

紬「今日はモンブランよ♪」

唯「おお!早く部室行こ~♪」

澪「…あの……」ソワソワ
「私…今日用事あるから……」ソワソワ
「……先に帰るな…」ソワソワ

承太郎「…そうか」
「それじゃあモンブランは貰っておくぜ」

唯「ずるいよ~!私も食べたいもん!」

律「ていうか澪~、用事ってなんだよ?」

澪「り、律には関係ないだろ!」

律「別にそんな怒鳴んなくても…」

紬「それじゃあ澪ちゃん、気をつけてね?」

澪「うん…それじゃ…」ソワソワ

702: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:43:27.88 ID:yUdnUwDO
音楽室!

梓「今日は澪先輩来ないんですか?」

紬「何か用事があるみたい」

唯「よし、それじゃモンブランを賭けて勝負だよ!」

承太郎「その前に一つ気になることがあるんだが…」

唯「どうしたの?」

承太郎「秋山のことなんだが…」
「やけにソワソワしていたと思ってな」

律「だよな~」
「絶対に澪のやつ私達に何か隠してるぞ!」

703: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:44:06.67 ID:yUdnUwDO
梓「でも隠すことって…」

紬「彼氏とか?」

唯律梓承「!」ドドドドドドドドドドドド

唯「じ、承太郎隊長!」

承太郎「ああ…これは尾行の必要があるぜ」

律「おもしろそうなことになってきたな~」ニヤッ

梓「でも…いいんですか…?」

律「大丈夫だって!」
「それに梓も見たいだろ?なんたってあの澪の彼氏だからな」ニヤッ

梓「そ、それもそうですね」
「まあ少しぐらいなら…」

律「…」ニヤッ

704: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:44:30.24 ID:yUdnUwDO
律「よし、それじゃ出発しようぜ!」

紬「でも今から行って追いつけるかしら…」

承太郎「まだそこまで時間は経っていない…」
「それにあいつはあの様子だ。足取りも重いってもんだろう」
「まだ校門の近くのはずだ…走るぜッ!」ガタッ

唯律紬「おーっ!」ガタッ

梓(先輩達すごく生き生きしてるなぁ…)

705: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:45:40.92 ID:yUdnUwDO
校門近辺!

唯「こっちにはいないよー!」ハァハァ

律「こっちにもいない…」ハァハァ

紬「もしかしたら彼氏が迎えに来たとか…」ハァハァ

梓「まさかの社会人ですか!?」ハァハァ

承太郎「その可能性もあるな…」
「あいつは恋愛に関しちゃあリードされないとダメなタイプだろう」
「…学園祭で目をつけられてたのかもな」

梓(どうでもいいけど承太郎先輩でも恋愛のタイプとかわかるんだ)

706: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:46:12.02 ID:yUdnUwDO
唯「とりあえず部室に戻ろっか…」

花京院「おや、みんな揃ってどうしたんだい?」スタスタ

唯「花京院君に和ちゃん!」
「実は澪ちゃんを捜してて…」

和「澪ならまだ校舎にいたけど?」

律「ほんとか!?」

和「ええ、さっき見かけたわ」
「何かソワソワしてたけど…」

紬「どこに行ったかわかる!?」

和「そこまではわからないわね…」

承太郎「まだ残ってたとはな…」
「おいッ、戻るぜ!」タタタタ

梓「ありがとうございました!」タタタタ

和「どうかしたのかしら?」

花京院「おもしろそうだってことはわかったが」フフッ
「とりあえず僕達は帰ろうか」

和「そうね」

707: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:46:35.24 ID:yUdnUwDO
昇降口!

承太郎「まだ靴があるな…」
「最初に確認しておくべきだった…迂濶だったぜ」
「とりあえずこの靴は持っておくとするか」

梓「いいんですか?そんなことして…」

承太郎「見つけられなかった場合、立ち往生した秋山をここで捕まえればいい」
「最悪の場合に備えての予防線ってやつだ」

梓「なるほど…」

708: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:47:00.33 ID:yUdnUwDO
唯「それで承太郎隊長、我々はどこを捜せばいいんでしょうか!?」

承太郎「そうだな…」
「田井中隊員はあっち、琴吹隊員はそっち、平沢隊員と中野隊員はこっちだ」
「俺は裏なんかを調べる」

律(ジョジョものってるな…)
「ていうかなんで唯と梓は二人組なんだ?」

承太郎「平沢が見つけた場合、突撃する可能性がある」
「中野はそのストッパーだ」

709: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:48:04.69 ID:yUdnUwDO
梓「結構重要ですね…」
「了解しました、承太郎隊長!」

承太郎「いいか、発見したらまずはメールで連絡だ」

唯律紬梓「はい!」

承太郎「それじゃあひとまず解散だ」
「絶対に見つかるんじゃあないぜ…」

唯律紬梓「了解ッ!」タタタタ

710: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:48:33.20 ID:yUdnUwDO
非常階段の近く!

承太郎(しかし…秋山にも彼氏ができたか)
(いい奴ならいいんだがな…)
(あいつは騙されそうで仕方ねーぜ…)

ボソボソ

承太郎(ん?)
(非常階段の上で話し声がするな…)
(少し様子を見てくるか…)コソコソ

男「あの…いきなり呼び出してごめん…」

澪「……ううん」

711: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:49:38.09 ID:yUdnUwDO
承太郎(ッ!)
(おいおい…彼氏なんかいないじゃあないか…)
(だが…この場面…かなりヤバいぜ…)
(…とりあえずあいつらを呼ぶか)

少し後!

律「ジョジ

承太郎「静かにしろッ!」ボソッ

紬「澪ちゃんがいたって本当!?」ボソッ

承太郎「ああ」ボソッ
「…男と一緒にな」ボソボソ

唯律紬梓「!」

712: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:50:19.52 ID:yUdnUwDO
梓「彼氏…ですか…?」

承太郎「いや…」ボソッ
「だが…今は沈黙しているが…秋山は告白されるだろう」ボソボソ

律「マジかよ…」
「今年の超ブッタマゲNO.1だ…」

唯「まさか本当に男の人絡みだったなんて…」

紬「今日は…戻ろっか」

梓「そうですね…」

713: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:50:58.17 ID:yUdnUwDO
翌日の教室!

澪「なあ…ジョジョに律…話したいことがあるんだけど…」

律「どうしたんだ?」

澪「……」

承太郎「…来い」

音楽室!

承太郎「それで…何だ?」

澪「私……告白されたんだ」

承太郎「ああ、昨日見かけたな」
「それがどうかしたのか?」

澪「やっぱりジョジョ達だったのか……」

律「…気づいてたのか?」

澪「うん…何か気配がしたから」

714: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:51:56.66 ID:yUdnUwDO
承太郎「…それで話ってのは何なんだ?」

澪「告白されて…一回断ったんだ…」
「…ていうか知ってるんじゃないのか…?」

律「お前らを見つけたらすぐ帰ったよ」

澪「そっか…」
「あの…それで…今度はデ、デートに誘われて…」

承太郎「…それで俺達に相談か?」

澪「うん…」

715: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:52:21.42 ID:yUdnUwDO
承太郎「…いちいちそんな下らねー理由で呼び出すもんじゃあないぜ」
「自分のことだろう?自分で決めればいいんじゃあないか?」

澪「……」

律「おいジョジョ!」
「そんなに冷たくしなくてもいいだろ!」
「澪だってずっと考え

承太郎「それぐらいわかるッ!」

澪律「!」ビクッ

716: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:53:00.49 ID:yUdnUwDO
承太郎「…そいつがずっと考えていたことぐらいわかる」
「そいつの顔を見ればな」

律「ジョジョ…」

承太郎「秋山…お前のことだ」
「お前自身が決めた方がいい。こういうことなら尚更な…」

澪「うん…」

承太郎「それじゃあ俺は失礼するぜ…」ガチャッ
「…大声出して悪かった」

バタン

717: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:53:40.67 ID:yUdnUwDO
律「……」

澪「……」

律「澪…ジョジョは多分お前のことを誰よりも心配してると思う」

澪「…うん」
「なあ律…」

律「どうした?」

澪「…私…ジョジョを卒業するよ」
「ずっと…ジョジョに頼ってちゃダメだよな…」

律「…そっか」
「…澪、こっちおいで」

澪「うん…」スタスタ

律「……」ギュッ
「…ジョジョはお前のこと嫌いになったわけじゃないから」ナデナデ

澪「うん…」ウルッ

律「何て言えばいいかわかんないけど…頑張れよ?」ナデナデ

澪「……」グスッ
「…ありがとな、律」ニコッ

718: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:54:29.12 ID:yUdnUwDO
その頃の教室!

ガチャッ

承太郎「……」スタスタ

唯「あ、承太郎君!どこ行ってたの?」

承太郎「…トイレだ」

紬「澪ちゃんとりっちゃんもいないの…」

承太郎「…俺は知らないぜ」

紬「そう…」

唯「……」
「そうだ!今度みんなで遊びに行かない!?」

紬「すごくいいと思う!」
「承太郎君も行くわよね?」

承太郎「…そうだな」

719: VIPにかわりましてGEPPERがお送りします 2010/10/03(日) 16:55:05.35 ID:yUdnUwDO
ガチャッ

澪律「……」スタスタ

唯「澪ちゃんにりっちゃん!」
「今、今度遊びに行こうって話をしてたんだけど…」

紬「今私と唯ちゃんと承太郎君の三人なの」

唯「そうだ!花京院君、和ちゃん、今度遊びに行かない?」

花京院「受験勉強があるんだが…」

唯「まあ、たまの休息ってことで」エヘヘ


次回 承太郎「…俺はボーカル」 後編