ー食堂ー


赤松「わー!焼けたね!!」

茶柱「美味しそうですね!」

東条「さあ食べてみましょうか」焼けたクッキーを取り出す

アンジー「うん、神った美味しさだねー!」サクサク

白銀「あつつっ、…うん、美味しい!」モグモグ

赤松「ねえ、折角いっぱい作ったんだし、他のみんなにもお裾分けしない?」

茶柱「良いですね、それ!」

茶柱「転子も、夢野さんにも食べていただきたいと思っていたところです!」

天海「じゃあ暇にしてる人達に声かけてお茶会でもするっすかね」

赤松「うん、いいね!!」

春川「……」モグモグ

キーボ「東条さん、真宮寺クン、貴重な体験をさせていただきありがとうございます!」

真宮寺「いいんだヨ」

真宮寺(……結局、最後まで普通にお菓子作りする羽目になってしまったネ…)

引用元: 赤松「マッド赤松絶望のデスロード?」最原「もしくは安価でif1章」【ロンパV3】 



【PS4】絶対絶望少女 ダンガンロンパ Another Episode
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691: ◆k6xhNpU36A 2017/04/27(木) 22:39:56.73 ID:VxKYSYOL0
天海「それじゃあ俺はみんなに声かけてくるっす」スタスタ

茶柱「では転子も夢野さんと入間さんをお誘いしてきますね!」タタタッ

東条「それじゃあ私は紅茶を入れるわね」

赤松「私、配膳手伝うね!」

春川「…赤松だけじゃ不安だから私も手伝うよ」

赤松「も、もう失敗しないってば…」

アンジー「楓は色々とおっちょこちょいだったからねー」

真宮寺「保育士としてはそういう人間は放っておけないのかもしれないネ」

赤松「わ、私そんなに小さい子じゃないのに…」ガーン

春川「赤松、配膳準備しないなら邪魔だからどいて」

赤松「ご、ごめんね!私もやるよ!」ガチャガチャ…ガチャンッ

赤松「あっ…」

東条「大丈夫?怪我はしてない?」

赤松「だ、大丈夫だよ…」

693: ◆k6xhNpU36A 2017/04/27(木) 22:49:52.76 ID:VxKYSYOL0
東条「倉庫から掃除機を持ってくるわね」タタタッ

春川「…赤松、邪魔だから席で座ってて」

赤松「で、でも割れたカップの片付け…」

春川「聞こえてないの?邪魔って言ったの」

赤松「あうう…」

アンジー「楓がまたおっちょこちょいして怪我したら心配だからちょっとどいててね、っていう意味だって神さまが言ってるよー」

キーボ「そういうのをツンデレと言うんですよね」

春川「は?殺されたいの?」ギロッ

キーボ「えっ…!?」

春川「あ…、いや…ごめん、忘れて」

アンジー「照れ隠しだねー?」

春川「……」イライライライラ

赤松「あ、アンジーさんも私と一緒にあっち座ってようか…」腕グイッスタスタ

アンジー「なんでー?どうしてー?」スタスタ

春川「……」片付けガチャガチャ

キーボ「…照れ隠しなんですか?」

春川「本当に殺されたいようだね」ギロッ

キーボ「スイマセーン…」

694: ◆k6xhNpU36A 2017/04/27(木) 23:11:41.83 ID:VxKYSYOL0
ー18時、寄宿舎真宮寺の自室ー


真宮寺(結局そのまま和やかな雰囲気で、お茶会までしてしまったヨ…)

真宮寺(上手くはいかないものだネ…)

真宮寺(そこで、最初と次とで何故失敗してしまったのかを考えてみたのだけど…)

真宮寺(やっぱり、欲張って大勢を一気に殺そうとしているのが原因だよネ…)

真宮寺(計画が大きくなれば、それだけ失敗する確率も上がる…、当然のことだよネ)

真宮寺(あともう少しで100人達成だからって、少し勇み足になりすぎてしまったのかもしれないネ)

真宮寺(ここは少し落ち着いて、人数を絞って確実に殺すことに専念した方が良いかもしれないネ)

真宮寺「2人…、2人くらいならわざわざ集める手間もないし、きっと殺せると思うヨ」

真宮寺「というわけで姉さん、姉さんはこの才囚学園に居るメンバーで誰と友達になりたいんだい?」



キャラ名安価↓1、↓2
※キャラ被りした場合は安価更に下を採用し、2人にします

695: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/27(木) 23:12:39.02 ID:Td7BOF8jO
アンジー

696: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/27(木) 23:13:02.83 ID:TKPH3qHw0
白銀


もし死んだら面白そうだなーって

699: ◆k6xhNpU36A 2017/04/27(木) 23:39:36.07 ID:VxKYSYOL0
真宮寺「なるほど、アンジーさんと白銀さんだネ」

真宮寺「了解したヨ、必ずその2人を姉さんの元へ連れて行くからネ…!」

真宮寺「そうと決まれば今日明日は2人の行動や生活のリズムを観察しながら、親しい友人を作ってないかなどをチェックしつつ、それを元に早ければ明後日に決行しようかな」

真宮寺「1人だけならすぐ殺すんだけどネ」

真宮寺「ククク…、ここで2人姉さんの友達を作り、そのまま卒業してまたこれまで通り姉さんの友達を作る…完璧だネ」

真宮寺「まあここでの人間観察も悪くはなかったけど、データなら充分取り終えたからもうここに居る意味はないよネ」

真宮寺「殺すのは2人だし、今回は包丁でいいかな…」

真宮寺「凶器は殺人をする直前に取りに行くとするヨ」

真宮寺「待っていてネ、姉さん…!」

701: ◆k6xhNpU36A 2017/04/27(木) 23:52:10.08 ID:VxKYSYOL0
ー22時、マザーモノクマの部屋ー


東条「2人とも、お疲れ様」隠しドアウイーン

入間「ヒャッハー!会いたかったぜマザーモノクマちゃんよぉ!!」タタタッ

マザーモノクマ「ギャー!!イヤー!!ゲスの極み!非道!外道!悪魔ー!!」

入間「げへへっ…、強がってられるのも今のうちだぜ…?」ガチャガチャ…

最原「…………」

王馬「やばいねアレ…」

東条「昨晩からずっとああなのよ…」

最原「東条さん、寝れてる?」

東条「耳栓を持ってきているから平気よ」

最原「それは良かったよ…」

東条「はいこれ、今日のお弁当よ」

最原「ありがとう」

東条「それとこっちがティラミスで、こっちがお昼にみんなで作ったクッキーよ」

最原「これが…女子の手作りクッキー!」

王馬「キー坊と真宮寺ちゃんと蘭兄ちゃんも作ってるけどね」

702: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 00:08:21.84 ID:fxnRLXnO0
王馬「それと、クッキーの方は男子作のも混ざってるけど、こっちのティラミスやお弁当なら東条ちゃん作だから100%女子作だよ終一ちゃん」

最原「あ、そういえば」

東条「……やっぱり最原君も、私のことを母親か何かだと思っているのかしら?」

最原「ご、ごめん…」

東条「謝るってことはやっぱり…」

王馬「東条ちゃんはママ力高いから仕方ないよね」お弁当もぐもぐ

最原「あ、…東条さん、このタイミングで言うのもなんだけど、お願いしたいことがあるんだけどいいかな?」

東条「依頼ね?何かしら」

最原「明日王馬くんに豚足のメニューを作って欲しいんだよね」

王馬「クッキーに浮かれて、そのまま忘れてくれてよかったのに…」

東条「確か王馬君は豚足が嫌いなのよね?」

最原「それなんだけど、お昼に僕と王馬くんで勝負して『勝った方の言うことをきく』ってやつで僕が勝ったんだよね」

東条「そうなのね、事情は把握したわ」

最原「できれば、おかず全部豚足のフルコースくらいでお願いしたいな」

王馬「終一ちゃん結構いい性格してるね…」

最原「まあ勝ったからにはね」

703: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 00:20:28.44 ID:fxnRLXnO0
王馬「そういえば入間ちゃーん」

入間「あ?何だよ」

王馬「昨日からマザー弄ってるんだよね?」

王馬「何かわかったこととかある?」

入間「こんな機械のこと、テメーら雑魚どもに説明したところでわかんねーだろ」

入間「まあ、わかったことを簡潔に言えば、コイツの仕組みは昨日で大体わかったぜ」

入間「把握は大体出来たから、今日はこいつを改造するつもりだ」

マザーモノクマ「ふえぇ…改造されちゃうぅう…」

王馬「改造って、どういうところをどういう風にしちゃうわけ?」

王馬「例えば、黒幕がここにやって来たとしてもモノクマのスペアを製造できないようにする…とか?」

入間「そんな誰でも思いつきそうなこと、後ろの機械へ繋がってる線を切れば5分で出来ちまうことだけどよ、オレ様は大天才だからな、もっと面白いことをしようと思ってるぜ」

最原「何をするの?」

704: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 00:36:51.51 ID:fxnRLXnO0
入間「マザーモノクマの思考回路のプログラミングを丸ごと書き換えて、オレ様好みにしちまおうと思ってな」

入間「そうすりゃコロシアイ強要マザーから、平和主義マザーモノクマに早変わりよ!」

入間「この才囚学園で1番偉いのは、学園長のモノクマってことになってるからな」

入間「黒幕がいずれこの部屋に来てモノクマのスペアを製造しちまったとしても、マザーの思考がそのままコピーされて通常のモノクマにAIとして搭載され、そのまま平和主義のモノクマが爆誕ってなるって寸法だ」

入間「平和主義モノクマが誕生したところでそのモノクマがコロシアイをやめることを宣言し、校則を丸ごと変えればコロシアイをする意味がなくなるからな」

入間「後はそのモノクマにそのまま出口まで案内してもらえれば、みんな揃って卒業だぜ!」

最原「なるほど…」

王馬「ふーん、ただマザー弄くり回して喜んでるだけかと思ってたけど、ちゃんと考えてたんだね」

入間「当たり前だろ!」

入間「お、オレ様だってコロシアイなんて勘弁だからな…」

705: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 00:47:40.44 ID:fxnRLXnO0
最原(確かにいい考えだとは思うけど…)

最原(…どうする?そのまま作業を続けてもらう?)

最原(色々やってもらいたいことは思いつくけど、多分どれもそれなりに時間がかかりそうだな…)



①そのままプログラミングを進めてもらう

②そろそろ殺しを考えている人がいるかもしれない
 マザーの監視システムから怪しい行動をしている人が居ないか探ってもらう

③外に黒幕が居るかもしれない
 マザーが外部からアクセスされた形跡がないか、何か外部から指示されてないかを徹底的に調べてもらう

④その他(リクエストどうぞ)


安価↓1

706: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/28(金) 00:48:11.85 ID:57RwZVVZO
2

708: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 01:03:43.00 ID:fxnRLXnO0
最原「入間さん、ちょっと待ってくれないかな」

入間「ん?何だよ」

最原「それもとてもいい考えだと思うんだけど、その前にやってもらいたいことがあるんだ」

入間「それはマザーを更生させるより優先順位の高いことなのかよ」

最原「うん」

最原「だってもしこれを怠ってしまったら、みんなでここを卒業っていうのが出来なくなってしまうかもしれないからね…」

東条「ひょっとして最原君、誰かがそろそろ人を殺すかもしれないって考えているのかしら?」

最原「その通りだよ」

東条「…人は中々他人を殺せないものよ」

東条「恨みがなければ特に」

東条「この数日間、みんなは特にトラブルなく過ごせていると思っているわ」

最原「東条さんが見た限りは、だよね?」

最原「見えない所ではどうなっているかなんてわからない」

最原「それに、どうしても外に出たいと強く願っている人が居るかもしれないし、そんな人が居たらそろそろ行動を起こすんじゃないかな?」

王馬「ここ数日、出口に関する手がかりも、助けが向かってる知らせもないしね」

709: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 01:16:10.96 ID:fxnRLXnO0
王馬「まあ無いとは言えないよね」

東条「そう…、そうね…」

最原「東条さんも納得してくれたみたいだから改めて言うけど、入間さん、キミには何よりも先にマザーの監視システムから怪しい行動をしている人が居ないか探ってほしいんだ」

最原「お願いできるかな?」

入間「ケッ、しゃーねーなー…」

入間「言っとくが、ここ数日の監視の記録を漁ってたら多分1日くらいかかるからな」

入間「それにこれでチェック出来るのは精々、殺害未遂の記録と計画殺人の準備のみだからな」

入間「わかってると思うが、衝動殺人なんざ防ぎようがねーからな」

最原「それは勿論わかってるよ」

入間「じゃあ早速調べるか…」持ち込んだPCカタカタ

王馬「そのパソコンは?」

入間「元々プログラミングする気だったからな、パソコンがあった方が捗ると思って、倉庫にあった物を組み合わせて空き時間に作ったんだよ」

東条「流石ね」

710: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 01:26:23.78 ID:fxnRLXnO0
最原「あ、できれば最近に近い日付から調べてほしいな」

入間「わかってるよ」カタカタ

入間「他は何かリクエストあるか?」

入間「どこを調べたら怪しいだとか」

入間「大抵のところには監視カメラがあるみたいだから、見放題だぞ」

最原「そうだね…」

最原「やっぱり、倉庫とかかな」

最原「あそこが1番凶器の調達がされやすそうだからね」

最原「厨房はあまり凶器になりそうな物がないし、もし何か無くなってるなら東条さんが気づきそうだからね」

東条「ええ、今のところ無くなっているものは無いと思うわ」

王馬「てかさ、大抵のところにカメラがあるなら、それで黒幕とかわかんないの?」

王馬「この女子トイレの隠し通路に侵入しようとしているやつとかさ」

入間「どうなってるのか知らねーが、これは可動式のカメラだ」

入間「黒幕を監視する必要なんてないから映してないか、そんな映像記録は自動で消えてると思うぜ」

入間「何でそう思うかっつーと、今こうして監視の記録を漁ってるのに、モノクマーズが妨害に来てないからな」

入間「もしそんな決定的なヤバイ映像があるなら、ぜってー妨害に来るだろ」

王馬「まあそうだね」

711: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 01:39:26.87 ID:fxnRLXnO0
入間「……この辺が倉庫の映像か…、めんどくせーな、カメラが大量にあるぜ」

入間「まあ倉庫は死角が多いししかたねーか」カタカタ

最原「大量のカメラ…、そんなもの、どこに仕掛けられてるんだろうね」

入間「しかも全部可動式な」

入間「動きすぎててこんなんずっと見てたら酔いそうだぜ」

最原「透明人間が手持ちで撮ってる感じかな?」

入間「あー、そんな感じするな」

入間「……早戻ししながら監視映像見てたら、ちょっと、酔ってきた…」うぷっ…

東条「…仕方ないわね、倉庫に行って酔い止めを探してくるわね」タタタッ

入間「ちょ、ちょっと休憩…」ソファに横になる

王馬「吐かないでよ?オレ達今ご飯食べてるんだから」モグモグ

最原「どうしても吐きそうなら、女子トイレの方に戻ったらいいんじゃないかな」

入間「まだ吐くまではいかねーが…うぅっ…」

最原(これはちょっと時間がかかりそうだな…)

717: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 22:27:26.59 ID:fxnRLXnO0
ー6時、マザーモノクマの部屋ー


天海「おはようございます」隠し扉からウイーン

百田「交代の時間だぜ!」

東条「おはよう、2人共」

天海「入間さんはまたマザーモノクマを弄ってるんすか?」

東条「いえ、今はマザーモノクマに保存されている監視カメラのデータをチェックしてもらっているの」

百田「そんなことが出来るんだな」

東条「入間さんはこのまま引き続き作業を続けるから、くれぐれも彼女の邪魔にならないように気をつけてちょうだい」

東条「と言っても彼女はヘッドフォンを付けているから、こちらの話し声とかは聞こえないと思うから普通に過ごしてもらって構わないわ」

東条「ただ、何かあったら彼女の方から話しかけてくると思うから、それまでは放っておいてあげてってだけよ」

東条「先に言っておくけど、私達に手伝えることは何もないわ」

天海「そうっすか、了解したっす」

718: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 22:42:19.90 ID:fxnRLXnO0
百田「オレ達には何も出来ないなら仕方ねーな」ソファに座る

東条「それじゃあ私はこれで」スタスタ…隠しドアウイーン

百田「おう、おつかれ!」

天海「お疲れ様っす」

天海「…さて、今日は何して過ごすっすか?」

百田「そうだなぁ…、じゃあ天海の旅の話が聞きたいぜ」

天海「いいっすよ」

天海「どこまで話したっすかね」

百田「確か……うっ、ゲホッゴホッ…」

天海「!大丈夫っすか!?」

百田「…ああ、大丈夫だ、…ちょっと気管にツバが入ってむせただけだからよ…ゴホッ」

天海「本当っすか?」

百田「ああ」

723: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 23:05:10.17 ID:fxnRLXnO0
天海「…風邪とかじゃないっすよね?」おでこに手を伸ばす

百田「むせただけだっつんてんだろ?」手を阻む

天海「もし病気とかなら、早めに東条さん辺りに相談した方がいいと思うっす」

天海「医者にかかれない状況だし、早めに薬とか飲んで…」

百田「だから心配ねーって言ってんだろ」

百田「オレは宇宙飛行士の卵なんだぜ?」

百田「健康管理には人一倍気を使ってんだ」

百田「そんなオレが問題ねーっつってんだから、本当に問題ね―んだよ」

天海「そんなに言うなら、まあ、信用するっすよ」

天海「でももし病気とかになったら、強がらないで周りを頼ってほしいっす」

百田「わーったって」

百田「そんなことは良いから早く話し聞かせてくれよ」

天海「…それじゃあ、まだ言ってなさそうな話しで…、これは俺がナミビアに行った時のことっすけど……」

725: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 23:15:13.87 ID:fxnRLXnO0
ー8時半、食堂ー


赤松「はぁ…」

最原「おはよう、赤松さん」

赤松「あ、おはよう最原くん」

最原「なんか元気なさそうだけど、どうかしたの?」

赤松「最近百田くんと朝食とか昼食とか、一緒に食べれてないなーって思って…」

最原(百田くんは丁度6時〜14時の見張りだからなぁ…)

最原「でも晩御飯は一緒なんだよね?」

赤松「まあそりゃ晩御飯は大体みんなが揃ってるし…」

赤松「晩御飯の時に居ないのなんて、キーボくんや王馬くん、最原くんくらいで…」

赤松「…………」

最原「赤松さん?」

赤松「そういえば最原くんって最近晩御飯の時に見かけないけど、どうして?」

726: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 23:26:05.20 ID:fxnRLXnO0
最原「えっと…、…夜食べると太るっていうからさ、僕あんまり夜は食べないんだよね」

赤松「え!最原くんがダイエット!?」

赤松「ただでさえ細いのにそんなことしなくていいよ!」

最原「でも僕運動しないから、あんまり余計な食事はしないようにしないとちょっと気になっちゃうんだよね」

茶柱「では運動をなさってはどうですか?」

茶柱「転子が特別にネオ合気道を教えてさしあげますよ」

最原「えぇ…、ネオ合気道かぁ…」

茶柱「ネオ合気道に何かご不満でも?」

王馬「いいじゃん、探偵なら合気道くらい出来たほうがいざという時の為にもいいんじゃない?」

最原「まあ確かに、修羅場の時には相手を押さえ込んだりできたら便利だとは思うけど…」

茶柱「では決まりですね!皆さんもどうですか?」

赤松「あ…、私は別にいいかな…?」

赤松「修羅場に遭遇することもないと思うし…」

王馬「オレも汗臭いのはパスだね」

最原「え…茶柱さんとマンツーマン…?」

茶柱「最原さんは男死なので厳しく指導しますね!」

最原「酷い…」

727: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 23:44:27.06 ID:fxnRLXnO0
ー12時、体育館ー


茶柱「それではお昼時になりましたし、この辺までにしておきましょうか」

最原「お、お疲れ様でした…」ゼェゼェ…

最原(これ絶対明日筋肉痛になるやつだ…)

茶柱「…ネオ合気道と聞くと名前で馬鹿にする男死が非常に多いのですが、最原さんは馬鹿にせず真剣に訓練していましたし、男死にしては中々見どころがありますね」

茶柱「体力が無いので休憩が多くなるのが欠点ですが…」

最原「ご、ごめん…」

茶柱「いえ、女子の皆さんも初めはそんな感じですよ」

茶柱「……もしや最原さん、実は女子ということは…?」

最原「いや普通に男子だよ…」

茶柱「そうですか…、残念ですね…」

最原「残念がられても…」

百田「終一!」体育館のドアガチャッ

最原「百田くん…?」

最原(まだ見張りの時間のハズだよな…?)

728: ◆k6xhNpU36A 2017/04/28(金) 23:56:41.08 ID:fxnRLXnO0
最原「何かあったの?」

百田「ああ、実は……あー…」茶柱チラッ

茶柱「むむっ、男死同士の話というわけですね」

茶柱「まあ女子の皆さんに迷惑がかからない話題であればいいと思いますよ」

茶柱「転子は今からお昼ですのでこれで失礼します」

茶柱「最原さん、お疲れ様でした」ペコッ

最原「こちらこそお疲れ様でした」ペコッ

茶柱「それでは、もし良ければ今日教えたことは反復訓練して下さいね」スタスタ…ドアパタン

最原「う、うん…」

百田「終一、ネオ合気道習ってたのか…?」

最原「うん、成り行きで…」

最原「そんなことより百田くん、一体どうしたの?」

百田「ああ、入間が急に見張りメンバー全員呼んで来いって言ってきてよ…」

百田「オレもまだ詳細は聞かされてねーからわかんねーんだが」

最原「過去の監視カメラのデータで何かあったのかな…」

730: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 00:11:15.88 ID:av1eSYzw0
百田「かもな」

百田「わかってると思うが、隠し通路行く前に寄宿舎に寄って鍵置いて来いよ」

最原「うん、わかってるよ」

百田「えーっと…」モノパッドチラッ

百田「王馬には天海が声かけに行ったし、あとは東条だな」

百田「オレは食堂に居る東条に声かけてくるから、終一は先に隠し部屋に行っててくれ」

百田「昼だから入るときには周囲にはくれぐれも気をつけろよ」ドアガチャッタッタッタッ

最原「…さて、僕も行くか…」ドアガチャッ



ーマザーモノクマの部屋ー


入間「これで全員集まったな」

最原「過去の監視カメラのデータで何かあったんだよね?」

最原「聞かせてくれないかな」

入間「一昨日の映像で、多分…なんだけどよ、殺人を企ててたっぽいやつが映ったんだよな」

731: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 00:22:27.24 ID:av1eSYzw0
王馬「なーんか歯切れ悪い言い方だね」

最原「過去形っていうことは、未遂だったんだろうしね」

最原「今に至るまで、結局誰も殺されてないし…」

入間「とにかく、そいつの行動が明らかに怪しかったんだよ!」

入間「とりあえず映像見やがれ!」カタカタ…ッターン!

東条「ここは…倉庫ね」

百田「…おい、真宮寺が来たぞ」

王馬「ダンボール組み立てて…その中にブランケットに包んで何故か斧と砲丸入れたね」

東条「……そのままどこかへ行ってしまったわね」

入間「ちなみにこの後映像を早送りして見ると、しばらくしたらまた戻ってきて、次は何故か槍投げ用の槍を持って行って、しばらくしたら今度はそれらを全部戻しに来るぜ」

王馬「何その奇行」

入間「倉庫を出ていった後、廊下のカメラでずっとこのナメクジ野郎の行動を追ってると、どうもゲームルームに持って行ったみてーなんだよな」

最原「一昨日のゲームルームって言ったら、真宮寺くんの民俗学講座だけど…」

732: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 00:39:43.66 ID:av1eSYzw0
最原「民俗学講座ではそんなもの使用してなかったよね」

入間「ちなみに2回目の槍運搬の時に、廊下でゴン太に会ってんだよな」

入間「そこの音声を聞いてみると、ゴン太が真宮寺と話してて、民俗学講座をするって知って手伝いに名乗りを上げたんだよな」

入間「多分オレ様の予想だと、本来は凶器をゲームルームに置き終わった後に殺してえと思ってる誰かをここに連れてきて、ぶっ殺す予定だったんじゃねえか?」

入間「その予定だったのに、ゴン太が勝手に手伝いに名乗りを上げて、手当たり次第に声をかけて生徒を大勢呼んだから、殺害を諦めたとかじゃねーか?」

東条「そんな…」

最原「うーん…、確かに行動はかなり不審だけど、本当に誰かを殺そうとしたのかな?」

最原「だってもし誰かを殺すなら、凶器は斧だけで充分じゃないかな」

王馬「真宮寺ちゃんは実はグロ大好きで、滅茶苦茶にして殺したかったとかいう可能性もあるんじゃない?」

百田「念のために予備の凶器として用意したとかじゃねーのか?」

天海「まあ何が目的だったかはわからないっすけど、斧と砲丸と槍を隠してゲームルームに運び込んでいたという事実と、ゴン太君に話しかけられてそれらを倉庫に元通りに戻しに行った、という事実は変わらないっすね」

733: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 00:55:19.06 ID:av1eSYzw0
東条「…仮に、真宮寺君が誰かを殺そうとしたとすると、普通はこの程度のアクシデントなら後日改めてまたその誰かを殺そうと殺害を企てるものじゃないかしら?」

東条「でも真宮寺君が後日開催したものは、大勢でのクッキー作りよ」

東条「殺害を企てていた翌日に普通、そんなものを開催するかしら?」

王馬「実は真宮寺ちゃんはサイコパスだったとか!」

東条「あの真宮寺君がサイコパスだなんて…」

王馬「見た目だけなら充分怪しいけどね」

天海「サイコパスかどうかは置いとくとして、真宮寺君が斧を隠して持ち運んだということは事実っす」

天海「少しは警戒してもいいと思うっす」

百田「警戒って言ってもよ、具体的にどう警戒すんだよ」

天海「真宮寺君が誰かを殺そうとしたっていうなら、今後彼とその人を2人きりにしなきゃいいっす」

最原「そのターゲットが誰だかわからない以上は、真宮寺くんを1人にさせないっていうのが良いかな?」

入間「つまりあいつを見張る為に、交代であいつと一緒に過ごす…って言いてーのか?」

入間「はっ!オレ様はお断りだぜ!」

735: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 01:07:21.49 ID:av1eSYzw0
東条「…真宮寺君が誰かを殺そうとしていたとすると、私達の中にそのターゲットが居ないとも限らないわよね」

東条「つまり、見張りと称して一緒に居るようにするなら、見張りが2人以上必要になるわね」

東条「流石に第三者が居る前で殺人を犯すとは思えないし…」

王馬「どうしてそう思うの?」

東条「え…、だって普通、殺人を他人に見られるわけにはいかないじゃない」

王馬「別に他人に隠す必要ないよね」

王馬「だってまだ誰も初回特典を使ってないんだし」

最原(初回特典…モノクマの最初の動機で、最初に殺人をした人はそのまま卒業できるっていうルールだったよね…)

天海「でも真宮寺君が本当に『誰かを殺したい』『殺しの瞬間を他人に見られても構わない』と思ってるなら、とっくにもう誰かを殺してるんじゃないっすか?」

天海「まだ殺してないってことは、誰かに殺害の瞬間を見られるのが嫌ってことだと思うっす、…誰かを殺す気があるなら」

王馬「じゃあ、ターゲットは複数居るんじゃない?」

王馬「1人目の死体が見つかる前に残りを殺さないと卒業になってしまうから、上手くタイミングを合わせる為に無闇に殺したりはしない…とか」

736: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 01:18:38.87 ID:av1eSYzw0
最原「…卒業するには1人殺せば充分だよね」

最原「複数の人を殺すメリットって無いよ」

最原「むしろ、返り討ちにあう可能性が高くなるし…」

王馬「だから真宮寺ちゃんがサイコパスの可能性だってあるんだし、そんなことオレらが考えたってわかんないよね」

王馬「それに、もしターゲットが複数人なら、最初に運んでた凶器が複数なことも納得できるんじゃない?」

百田「どう納得できんだよ…?」

王馬「全員違う殺し方をするつもりだったとか」

天海「ターゲットは3人居るって言いたいすかね」

東条「…卒業の為に仕方なく人を殺すのではなく、楽しんでると言いたいのかしら」

東条「彼は外見は怪しいかもしれないけれど、常識ある人間だしみんなに優しく接している模範的な人間だと思うのだけれど…」

王馬「オレらまだ会って数日だし、最初から演技してる可能性もなくもないよ」

東条「……」

738: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 01:39:50.76 ID:av1eSYzw0
東条「…仮にターゲットが3人居るとしたら、私達はどうしたらいいのかしら」

東条「私達の中にそのターゲットが居る可能性もある以上、最早2人以上で彼を見張っても無駄でしょうね」

東条「…そもそも、ここまでの全てが仮説の可能性もあるのだけれど…」

天海「万が一の可能性もあるんで、警戒しとくにこしたことはないっす」

王馬「うーん…、もうさ、オレらが殺されないようにだけ警戒してればいいんじゃないかな」

天海「それは、他の人達が狙われている可能性もあるのに、見捨てるってことっすか?」

百田「つーか、そもそもオメーが散々突拍子もない事言いまくってこうなったってのに投げんじゃねーよ!」

王馬「だって、ターゲットは複数人かもしれないし、それが誰かは全くわからないってのに対策のしようがないよね」

王馬「それに見張るなら本命はこのマザーモノクマの部屋でしょ」

王馬「他のことに気を取られてちゃ、いつ黒幕がここに侵入してくるかわかんないし、ここの見張りが終わったら次は真宮寺ちゃんを見張る…だけの生活とか嫌すぎない?」

王馬「仮に真宮寺ちゃんが誰かを殺したとしても、その危険な思考を持った真宮寺ちゃんはそれ以降卒業で居なくなるんだし、かえってオレらの黒幕潰しの邪魔な存在が消えていいんじゃない?」

740: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 01:49:52.13 ID:av1eSYzw0
百田「誰かが殺される可能性があるかもしれねーってんのに見捨てんのかよ!」

王馬「じゃあどうする?」

王馬「何も出来ないように真宮寺ちゃんをふん縛っちゃう?」

王馬「まだ誰も殺してないのに?」

王馬「疑わしきは罰しちゃう?」

百田「いや、流石に何もしてねーのに縛るのは…」

王馬「あ、それとも誰かに真宮寺ちゃんを殺させちゃう?」

最原「…え?」

王馬「そうしたらその誰かはそのままノーペナで卒業できるし、疑わしい真宮寺ちゃんは居なくなるしで、真宮寺ちゃん以外はWin-Winじゃない?」

百田「お前…」

入間(ぶっちゃけその案に乗って卒業してぇ…)

王馬「トロッコ問題ってあるじゃん」

王馬「オレはさっさと分岐器を切り替えて1人を殺すタイプの人間だよ」

王馬「百田ちゃんは他の方法を探そうとして、そのまま作業中の5人を殺しそうだよね」

741: ◆k6xhNpU36A 2017/04/29(土) 01:59:12.36 ID:av1eSYzw0
王馬「ねえ、終一ちゃんはどうしたい?」

最原「……難しい問題だけど…」



①誰かに真宮寺を殺させよう

②真宮寺をふん縛ろう

③真宮寺を放置しよう

④真宮寺が殺しをしないように説得してみよう

⑤真宮寺のターゲットが誰か聞き出してみよう

⑥交代で真宮寺を見張ろう

⑦その他(リクエスト)


安価↓1

743: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/04/29(土) 02:23:05.93 ID:VpMfDoPQo
5

747: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 21:46:27.45 ID:L3MgSTjk0
最原「…何とかして、真宮寺くんのターゲットを聞き出そう」

天海「そうっすね、ターゲットが分かれば後はその人達に俺らがついてれば良いっすよね」

百田「おお、確かにそうすれば真宮寺が殺しをするかもしれないのを未然に防げるな!」

百田「流石だな終一!」

王馬「…ふーん」

王馬「ターゲットが変わる可能性とかは考えないんだね」

王馬「分岐器を切り替えない第3の選択肢として選んだそれで、5人の作業員を殺すことにならないといいけどね」

百田「終一、王馬の言うことは無視していいぜ」

最原「…確かに、僕らがターゲットを知って、その人達を守ることでターゲットが変わる可能性は無いとは言えないね」

最原「でも『真宮寺くんのターゲットを僕らが意図的に守っている』ということが本人に伝われば、それが殺人の抑止力になるんじゃないかな?」

最原「僕らが露骨にターゲットにくっついていれば、最低でも6人に警戒されているのをいずれ知るだろうし」

入間(オレ様もさり気なく人数に入れるなし…)

最原「その状態でターゲットを変えて殺人なんて、妨害が起こる可能性が高いと彼なら想像してくれるんじゃないかな」

748: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 21:48:06.29 ID:L3MgSTjk0
天海「つまり、ターゲットを把握した後は、ターゲットをガードしているアピールをして圧をかけるってことっすね」

王馬「で、肝心のターゲットの訊き出す方法はどうするの?」

最原「うーん…、僕と王馬くんと天海くんで真宮寺くんを観察&遠回しに訊き出し…とかはどうかな?」

東条「その人選の理由を訊かせてもらってもいいかしら?」

最原「まず、僕ら自身が真宮寺くんのターゲットの可能性もあるということから、何かあったとしても僕らは男だし、3人も居ればなんとかなるかなって感じかな」

最原「とりあえず、東条さんは女性だから万が一を考えるとメンバーには入れられないよ」

入間「なんでオレ様の名前がないんだよ…」

入間(まあそんな偵察に駆り出されるなんざ、こっちから願い下げだけどな)

百田「そういう理由なら、王馬よりオレの方がいざという時力になれるぜ?」

最原「……せっかくの申し出だけど、百田くんはちょっと……正直すぎるからさ、こういう訊き出すことに向いて無さそうだからね」

王馬「要するに、百田ちゃんはバカすぎ!ってことだね!」

百田「バッ…!?」

王馬「あとそこのビチ子ちゃんもね!」

入間「ついでにディスられた!?」

749: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 21:54:59.30 ID:L3MgSTjk0
最原「えっと、誤解しないでほしいんだけど、僕は百田くんのことを頭が悪いだなんて決して思っていないよ」

最原「ただ今回は百田くんより王馬くんの方がより適任だと思っただけなんだ」

最原「ほら、王馬くんって口が上手いじゃないか」

百田「まあそうだな…」

入間「……」フォロー待機

最原「……」目線そらし

入間「……オレ様へのフォローは?」

最原「…3人というのもちょっと多い気がするけど、これが訊き出しに警戒されない上限の人数だと思うよ」

入間(無視かよ!?)

最原「勿論、一気に3人で囲んだら彼も警戒すると思うから、できれば中庭とか食堂とか、そういう開けた場に真宮寺くんが居るところに、さり気なく3人で寄れればいいんじゃないかな」

最原「まあその辺は、その場の雰囲気次第だけど…」

最原「話題の振り方としては、『友達できた?』とか『気になってる子いる?』とか、その程度なら大丈夫と思うし…」

最原「…あと、早い内に訊き出した方がいいと思うからさ、出来れば今から行きたいんだけど…」

東条「見張りのことなら心配しなくて大丈夫よ」

最原「ごめん、なるべく時間かけないようにはするよ」

751: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 21:58:55.94 ID:L3MgSTjk0
東条「時間はかかっても構わないわ」

東条「最優先すべきことは、こちらの狙いが真宮寺君にバレないことだもの」

東条「一応時間がかかった時の為に宣言しておくけど、とりあえず交代の14時になるまでは百田君と入間さんが、それ以降は私と入間さんがここの見張りにつくわ」

入間「いつまでオレ様はここに居なきゃいけねーんだよ!」

入間「見張りのせいで昼夜逆転してるオレ様的には、そろそろ寝る時間だぜ」

東条「それなら、ここで寝てもらっても構わないわよ」

東条「寝ていてもいいから、貴方には居てもらわないと困るのよ」

王馬「東条ちゃんが黒幕の可能性もまだあるしね」

入間「もう今更テメーを誰も疑ってね―だろ…」

王馬「えっ?」

入間「疑ってんのかよ!」

王馬「オレはまだ全員疑ってるよ?」

最原「え、僕も?」

王馬「勿論!」

最原(ずっと一緒に見張りしてたのに、信用されてなかったのか…なんかショックだな…)

752: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 22:00:13.12 ID:L3MgSTjk0
百田「東条、入間の代わりにオレが引き続き見張りをするぜ」

東条「いいのかしら?」

東条「貴方、ここの見張り以外の昼時間の空いている時は、出口探しをしているのでしょう?」

百田「…ああ、大丈夫だ」

入間「おう、じゃあよろしく頼むぜ!」

入間「その代わり、睡眠が済んだらすぐ戻ってきてマザー弄くり回す作業を再開するからよ」ハァハァ

マザーモノクマ「ヒッ!?」

最原「入間さん、一応他の場所の過去の監視カメラの映像も、チェックしてもらってもいいかな」

最原「真宮寺くん以外にも、殺人を企てている可能性のある人が居るかもしれないからね」

入間「あ?ったく、しゃーねーなー…」

最原「ありがとう」

最原「それじゃあ2人とも、そろそろ真宮寺くんのところへ行こうか」

753: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 22:07:53.86 ID:L3MgSTjk0
王馬「念のために、倉庫で何か武器でも調達しない?」

最原「武器の存在がバレたら相手を警戒させてしまうから、丸腰で行くよ」

天海「つまり、いざという時は俺が頑張らないといけないっすね」

最原「その『いざという時』が来ないようにはするけどね…」

最原「王馬くん、くれぐれも言葉には気をつけてね…」

王馬「うんオッケー!」

最原(不安だ…)

天海「ところで、真宮寺君は今どこに居るんすかね?」

最原「えっと…食堂に居るみたいだね」モノパッドマップチェック

王馬「まあ今お昼時だしね」

最原「真宮寺くんがまだ食事をしているなら、僕らも同席させてもらって話しかけようか」

天海「ところで俺と小吉君ってまだ喧嘩中ってことになってるんじゃないっすかね?」

天海「同時に食堂に行くとまずいんじゃ…」

王馬「そういえば数日前に、そんな茶番してたね」

王馬「めんどくさいし、もう仲直りしたってことで!」

天海「そうっすね」

最原(なんか雑だ…)

754: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 22:23:40.40 ID:L3MgSTjk0
ー食堂ー


ガヤガヤ

茶柱「折角なのでネオ合気道を布教しようと思いまして…」

白銀「へー、なるほどね」

赤松「でも、朝食後からさっきまでずっとやってたのは流石にやらせすぎなんじゃ…」

茶柱「勿論休憩を挟んでいますよ」

ゴン太「アンジーさんの島には他にどんな虫さんがいたの?」

アンジー「えっとー、アンジー虫に詳しくないからよく分かんないけど、なんかコブシ大くらいの大きさがあって飛んでツノがある派手な虫とかいたねー」

ゴン太「うーん…、何の虫さんなんだろう…」

星「…おいゴン太、食事中は虫の話はやめねえか?」

ゴン太「えっ、どうして?」

真宮寺「…僕も星君の意見に賛成だヨ」

真宮寺「別に虫の話を否定するつもりはないけど、食事中には相応しくない話題だヨ」

ゴン太「星くんと真宮寺くんが言うならそうなんだね…」

ゴン太「わかったよ、紳士は食事中の話題はみんなに合わせるんだよね」

アンジー「んー、アンジーは別に気にならないけどね―」

755: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 22:39:36.90 ID:L3MgSTjk0
最原「大勢いるね、とりあえず食事を持ってきて座ろうか」

天海「はい」

王馬「何食べよっかな―」

最原(僕らは、東条さんが作り置きしておいたであろう食事を適当によそって、なるべく真宮寺くんに近い席に座った)

最原(今丁度人が多いし、真宮寺くんが誰をよく見ているのか、まずは観察かな)

最原(とは言っても真宮寺くんって人間観察が趣味っぽいし、色んな人のこと見てそうだけど…)

真宮寺「おや、この時間に食堂で天海君に会うなんて珍しいね」

天海「まあ、たまには俺も早めに食べるっすよ」

天海「特に食事の時間も決めてないんで」

真宮寺「あと天海君、王馬君と一緒に食堂に来たよネ」

真宮寺「2人はあの件で喧嘩してたんじゃなかったっけ?」

最原(やっぱりそこ気になるよね…)

王馬「ああ、アレね」

王馬「天海ちゃんが殴ったお詫びに、ここから出たらオレにPS4買ってくれるって言うから和解したんだよね」

真宮寺「ヘェ、そうなんだネ」

最原(納得してくれたかな…?)

756: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 22:51:59.99 ID:L3MgSTjk0
最原(…話は一旦そこで途切れ、真宮寺くんは特に自分から誰かに話しかけることもなく、静かに食事を再開した)

最原(……って、どうやって食べてるんだろう?あのマスクで…)ジーッ

真宮寺「…そんなに僕の食事の光景が珍しいかい?」

最原「えっ!えっと…」

最原(しまった、気になりすぎてつい見すぎてしまったようだ)

最原「…うん、真宮寺くんそのマスクでどうやって食べられてるのか不思議だなと思って…」

真宮寺「よく訊かれるのだけれど、これは食事用のマスクだから食事の妨害にならずに済んでいるのサ」

最原「へ、へぇ…そうなんだ」

最原(いや、マスクのチャックが閉まったままなのに固形物が消える原理が知りたいんだけど…)

最原(……ダメだな、変なとこばかり気になってしまう…)

王馬「いや、マスクのチャック閉じたままなのにどうやって食べてるの?」

最原(普通に訊いちゃうんだ…)

757: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 23:08:50.40 ID:L3MgSTjk0
真宮寺「なんだ、そんなことが気になってたんだネ」

真宮寺「それはこうやって…」フォークに巻いたパスタを口元に持っていく

真宮寺「……」パスタが消える

真宮寺「…こうだヨ?」

天海「!?」

最原「??」

王馬「すげー!どっかのマジシャンよりよっぽど魔法使いだね!」

茶柱「そこの男死!夢野さんは本当に魔法使いなんですよ!」席ガタッ

王馬「え、茶柱ちゃんそれマジで信じてるの?ヤバくない?」

茶柱「夢野さん本人が言うから間違いないんです!夢野さんは魔法使いなんです!」

王馬「今本人いないんだし、そんなに必死にならなくてもいいのに」

茶柱「本人が居ないからと言ってその発言を指摘しないでいると、陰口を容認したことになってしまいます!」

茶柱「女子への陰口なんてこの転子が許しませんよ!」

王馬「はいはい、ごめんね!」

茶柱「心がこもってませんよ」

最原(王馬くんが余計なことを言ったから少し面倒なことに…)

758: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 23:22:06.58 ID:L3MgSTjk0
最原(仕方ない、一旦2人を無視して僕と天海くんだけでも真宮寺くんをさり気なく観察してよう)チラッ

最原(真宮寺くんはただでさえ目元しか顔が分からないから、何を考えているのか表情が読み取りづらいな…)

最原(いや、別に顔が普通に見えていたところで、どこかの海外ドラマの主人公みたいに表情や仕草でその人の考えなんて分かんないんだけどさ…)

真宮寺「……ねェ、最原君、天海君」

最原「どうかした?真宮寺くん」

天海「何っすかね?」

真宮寺「2人は他のみんなみたいに会話をしなくてもいいのかい?」

真宮寺「この学園に来た当初は2人は一緒に行動していたよネ?」

真宮寺「最近は天海君は百田君と、最原君は王馬君とよく居る気がしていたけど、久しぶりに食事の時間が一緒なんだし、2人は元々それなりに仲が良かったのなら、普通話すことが何かあるんじゃないかなァ」

最原(真宮寺くんを観察しているのに夢中になって、不自然になってしまったか…)

最原(それにしても流石と言うか、真宮寺くんはよくみんなを見ているんだね…)

761: ◆k6xhNpU36A 2017/04/30(日) 23:34:45.74 ID:L3MgSTjk0
最原「…天海くんとはそれなりに仲が良いから、逆にあんまり話さないんだよ」

最原「僕、食事中の会話ってあまり好きじゃないんだよね」

最原「咀嚼中に喋るのはマナー違反だからやりたくない、だから会話が必要な時は口に何もない時に話すんだけど、そうすると食事の時間が長引くよね」

最原「早食いしたいわけじゃないけど、そういうのって非効率的だなって僕は思うんだよね」

最原「僕がそうした考えを持ってるのを天海くんは分かってるから彼は食事中に極力話しかけてこないし、僕も天海くんに話しかけないんだよ」

天海「そうなんすよ」

真宮寺「…なるほどネ」

最原(よし、納得してもらえた…)

最原(でもこれで僕は食事中は完全に真宮寺くんに話題を振ることが出来なくなったし、早く食事を終わらせて、その後にかけようかな)モグモグ

茶柱「そもそも王馬さんは…!」

王馬「ていうか茶柱ちゃんって…」

最原(王馬くんはそっちの話を早く切り上げて戻ってきて…)

762: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 00:01:10.32 ID:GHlY6lQS0
ーーー


最原(よし、なんとか真宮寺くんと同じくらいのタイミングで食べ終わったぞ)

最原(こんなに緊張した食事、もう二度としたくないな…)

最原(さて、今東条さんは居ないから、後片付けは各自でやらないといけないね)

最原(僕らが食べ終わるまでに気になったことと言えば、先に食事を終えて食堂を出て行く人達を真宮寺くんは目で追っていたくらいだけど…)

最原(人間観察が趣味な真宮寺くんだし、そのくらいは普通かもしれないね…)

天海「ごちそうさまでした」

最原「じゃあお皿洗おうか」席を立つ

真宮寺「それじゃあ厨房に行こうか」スタスタ

茶柱「くっ…、今度ネオ合気道であなたのその捻じ曲がった根性を叩き直してあげますからね!」

王馬「ほんと茶柱ちゃんは暴力的だなー」

最原(そっちもやっと話がひと区切りしたみたいだね…)

763: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 00:21:27.62 ID:GHlY6lQS0
最原(先に厨房へ向かった真宮寺くんと天海くんを追おうと、僕も食器を持って向かおうとすると、王馬くんに無言で腕を掴まれて引き止められた)

王馬『お皿洗ったらさ、真宮寺ちゃんには先に2人で話を訊いてきてよ』小声で話す

王馬『オレもすぐ食べて行くからさ』

最原『もう、いつまでも話してるから…』

王馬『ごめんごめーん!』

王馬『そんなことよりさ、食事中の真宮寺ちゃんって会話の時以外は割りと女子の方の席を見てた気がするよね』

王馬『あの場には何人か居たから、誰を見てたかまでは分からないけどさ』

最原『口喧嘩しながらよく見てるね、王馬くん』

王馬『まあ、真宮寺ちゃんが見える位置にマウント取って茶柱ちゃんと話したからね』

最原『僕は真宮寺くんにちょっと警戒されてた気がするからあんまり様子を見れなかったから、助かるよ』

最原『まあ確かに、もし殺すなら女子の方がやりやすいもんね』

764: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 00:42:33.10 ID:GHlY6lQS0
最原『あの場に居た女子…』小声で話す

最原『王馬くんと言い争う為に王馬くんの側まで来た茶柱さんを除くと、赤松さん、アンジーさん、白銀さんだね』

王馬『そうだね、茶柱ちゃんの方にはあまり関心がないようだったかな?』

王馬『てかそろそろ怪しまれるから、ぐずぐずしてないで早く皿洗いに行きなよ』腕を離す

最原『そっちが引き止めたくせに…』スタスタ…

最原(あの3人の女子の中に、真宮寺くんが殺す予定の人が本当に居るんだろうか…)

最原(厨房に移動すると、天海くんが真宮寺くんと雑談しながら食器を洗っていた)

真宮寺「最原君、来るのが遅かったけどどうしたんだい?」

最原「口喧嘩が終わった王馬くんにちょっと愚痴られてさ、引き止められちゃってたんだよね」食器をシンクに置く

天海「あはは、2人は俺らが食べ終わるまでずっと喧嘩してたっすもんね」

最原「ところで2人は今何の話をしていたの?」

真宮寺「天海君が食器を洗う間何か話してくれと言ってきたから、食にまつわる話をしていたんだヨ」

最原「そうなんだね」

最原(コロシアイには関係無さそうだな…)

765: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 00:59:41.37 ID:GHlY6lQS0
真宮寺「ちなみに今話していたのは『目黒のさんま』という有名な落語の話しだヨ」

最原「へえ、真宮寺くんって落語もわかるんだね」

最原「なんか意外だな」

真宮寺「そもそも落語の多くは江戸時代の長屋での生活を元にしたものが多いからネ、落語を勉強するということは当時の江戸時代の文化や生活を知ることにも繋がるんだヨ」

最原「なるほど…」

真宮寺「古典芸能だけど落語の噺は面白いからネ、民俗学の入門としてもおすすめするヨ」

最原「…この前の真宮寺くんの民俗学講座でもそうだったけど、民俗学ってもっとお固くて難しいものだと思ってたけど、真宮寺くんの話を聞いてると思ったより民俗学って窓口が広くて楽しそうなものも多そうだよね」

真宮寺「最原君も民俗学に興味を持ってくれたのかい?」

真宮寺「嬉しいなァ…!」

最原「そうだ、この後良かったら民俗学の話とか聞かせてくれないかな?」

最原(そしてちょっと仲良くなって、なんとか探りを入れないとな…)

天海「あ、俺ももっと話が聞きたいっす」

真宮寺「ククク…、勿論歓迎するヨ…!」

最原(探るのに思ったより時間がかかりそうだけど、仕方ないか…)

766: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 01:16:46.45 ID:GHlY6lQS0
ー教室Aー


最原(…あれから結構経ったけど、真宮寺くんずっと民俗学のことについて話し続けているね…)

最原(しかも話の内容が面白いから、うっかり普通に聞き入ってしまう…)

最原(こっちから話題を振って、雑談に話をシフトしないとな)

真宮寺「…ってことだったんだヨ」

最原(よし、話がいい感じに区切りがついたね)

最原「うん、やっぱり真宮寺くんの話はどれも面白いね」

天海「ほんと、いつまででも聞いてられすっすよ」

真宮寺「ククク…、僕も君達の前でならいつまででも話していられそうだヨ」

真宮寺「2人まとめて弟子にしたいくらいだヨ」

最原(真面目に聞きながら相槌をうっていたお陰で、好感度も結構上がった感じだね)

最原(…そういえば王馬くん、まだ来ないけどどうしてるのかな)

最原(まあ彼も結構頭は良さそうだし、何か考えてくれてるだろうから好きにさせておこう)

768: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 01:26:23.93 ID:GHlY6lQS0
最原「ところで真宮寺くん、僕気づいたんだけどさ…」

最原「真宮寺くんのお陰で僕らは色々民俗学のことについて楽しく学べてるけど、まだ大切なことを聞けてないんだよね」

真宮寺「大切な事…?」

最原「うん、僕らは真宮寺くんのことをまだ全然知れてないんだよね」

最原「そろそろ真宮寺くん自身の話も聞きたいな」

真宮寺「僕自身の話か…、あまり楽しい話は出来ないと思うヨ?」

天海「構わないっすよ」

天海「俺達真宮寺君ともっと仲良くなりたいんで、真宮寺君自身のことをもっと知りたいっす」

天海「聞かせてくださいよ、師匠」

真宮寺「…弟子にそこまで言われたら、教えないわけにはいかないよネ」

真宮寺「いいヨ、話すとしようか」

最原(真宮寺くんが段々チョロくなってきたな…)

最原(好感度の賜物だね)

771: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 01:39:30.06 ID:GHlY6lQS0
ーーー


最原(…とりあえず、民俗学を抜いた真宮寺くんのことがちょっと知れたね)

最原(まとめると、真宮寺くんには大切なお姉さんが居るということと、真宮寺くんが病弱なお姉さんに代わって素敵な女子の友達を探していること)

最原(それと…昔訪れた村で、歓迎として縄で縛られて目覚めたことを話してくれた)

最原(お姉さんの下りはともかく、縄の下りは何なんだ…)

最原(同級生のそんな◯◯知りたくなかったよ…)

最原(天海くんも引いてるよ…)

真宮寺「今度君達も縛ってあげるヨ…」

天海「いや、大丈夫っす」

最原「僕もそういうのはちょっと…」

真宮寺「先入観にとらわれていてはいけないヨ」

最原「そ、そんなことよりお姉さんの話をもっと聞きたいな」

天海「そうっすね」

772: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 01:55:53.07 ID:GHlY6lQS0
真宮寺「……」

天海「ん?どうしたんすか?」

真宮寺「悪いけど、あまり姉さんのことを男に話したくないんだよネ」

天海「真宮寺君もシスコンなんすね」

天海「俺もなんすよ」

真宮寺「ヘェ、天海君にも姉か妹が居るんだネ」

真宮寺「姉妹の話、聞かせてくれないかなァ?」

天海「いや、うち妹多いんで、話すと長くなっちゃうんで簡潔にまとめるっすけど、みんないい子だし可愛いっすよ」

真宮寺「そうなんだネ、会ってみたいなァ…」

天海「俺も早く妹達に会いたいっすね…」

最原(妹さん達、行方不明なんだよね…)

真宮寺「ククク…、ここから出られたら妹さんに僕の姉さんを紹介したいヨ…!」

天海「真宮寺君のお姉さんもきっといい人だし、うちの妹達もきっと喜ぶと思うっすよ」

最原(1人っ子の僕には縁がない話だね…)

最原(でも僕も早くここを出てみんなに会いたいな…)

773: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 02:15:47.75 ID:GHlY6lQS0
真宮寺「最原君には姉か妹は居ないのかい?」

最原「…えっと、僕は1人っ子なんだよね」

真宮寺「そうなんだネ、残念だヨ…」

真宮寺「君自身素晴らしい人間だから、君に姉妹が居たら彼女達もさぞかし素晴らしい人間だっただろうにネ…」

真宮寺「君が女性だったなら、迷わず姉さんに紹介してあげられたのになァ…」ハァ…

最原(茶柱さんといい真宮寺くんといい、何でみんな僕が男で残念がるんだよ!)

最原(男で悪かったな!!)

真宮寺「…最原君、どうしたんだい?」

最原(やばいな、顔に出てたかな?)

最原「いや、なんでもないよ」帽子のツバで顔を隠す

最原(そろそろ話題を変えよう、次はこの最近の話題を話してもらおうかな)

最原「そういえば真宮寺くんはこの才囚学園での生活、どう?」

真宮寺「『どう』というのは?」

最原「ごめん、質問の意味が広すぎたね」

最原「『ここでの生活に慣れた?』とか『やっぱり外に出たいよね?』とか、そういう意味だよ」

779: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 22:33:55.67 ID:GHlY6lQS0
真宮寺「まァ1週間も経てば流石に生活には慣れるけどさ、誰だって外に出たいに決まってるよネ?」

真宮寺「それとも最原君は、ここで一生過ごしても良いとでも言うのかナ?」

最原(無難な回答だな…)

最原「変な質問してごめん…、でもこれ今みんなに聞いて回ってるんだよね」

最原「ほら、そろそろ誰か外に出たい気持ちが限界になって、変な気を起こす人が居るかもしれないからさ…」

真宮寺「意識調査か、なるほどネ」

真宮寺「それで、今のところ誰か変な気を起こしそうな人は居たのかナ?」

最原「ううん、そんな人は今のところは居ないかな」

最原「話せるタイミングになってから訊いてまわってるから、まだ全員には聞けてないけどね」

真宮寺「そもそも誰かが殺人を考えてるなら、その誰かは気を使って発言してると思うし、そんな質問したところでボロは出さないんじゃないかナ」

真宮寺「それにしても流石探偵というか、まさか最原君がみんなを疑っているだなんてネ」

最原「…勘違いしてほしくないんだけど、僕は『外に出たがってる人』を探してるのであって、『殺人を考えている人』を探しているわけじゃないよ」

781: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 22:36:01.81 ID:GHlY6lQS0
真宮寺「その2つは何が違うのかナ?」

最原「目的と手段が違うよ」

最原「僕が念のためと思って探しているのは『外に出る』為に『殺人を考えている』人だよ」

最原「まさか僕らの中に『殺人を計画』していて、結果的に『外に出よう』としている人が居るなんて考えてないよ」

最原「前者の人が居た場合、その人達を説得したり、心を支えたりしたいと思っているんだ」

最原(…つい最もっぽいことを言ってしまったけど、今僕は真宮寺くんを後者で疑っているんだよな…)

真宮寺「なるほどネ。みんなを信じているから、みんなを救いたいと思っているからその為の意識調査なんだネ」

真宮寺「やっぱり君は素晴らしい人間だヨ…!」

最原(最近王馬くんと一緒に居る時間が長いせいか、嘘をつくことに抵抗感がなくなってきたな…)

最原(とはいえ、あんまり褒められると流石に心が痛むから止めてほしいな…)

天海「まあ真宮寺君は今回当てはまらないみたいなんで、別のもっと明るい話するっすよ」

最原「うん、そうだね」

最原(もっと確信から遠ざかった場所から質問するかな…)

782: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 22:46:44.52 ID:GHlY6lQS0
最原(確か、昼食時の真宮寺くんは女子の方をよく見ていたんだったよね)

最原(…だったら、ある意味直球な質問だけど…)

最原「それじゃあ…、恋愛トークとかしない?」

最原(……こんな陽キャラみたいな会話が僕にできるだろうか…)

最原(いや、頑張るけど…)

天海「いいっすね、やっぱりこんな共同生活していると、1人や2人良いなーって子が出来るもんっすよね」

真宮寺「恋愛話ネ…、僕には無縁の話題だヨ」

真宮寺「でも君達の会話には興味があるから、是非聞かせてくれないかなァ?」

最原(しまった、この話題じゃまずかったか…)

最原(でも話題を振ってしまった以上、ある程度話をしないとまずいな…)

最原(それに、この話題の中で真宮寺くんがそれぞれの女子に対してどう思っているのか判断できるかもしれないし、気を抜けないな…)

最原(なるべく多くの女子の名前を出して反応を見るか…)

783: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 22:58:21.71 ID:GHlY6lQS0
最原(食堂で真宮寺くんが見ていたのは赤松さん、アンジーさん、白銀さんの誰か…)

最原(でも真宮寺くんのターゲットがその時食堂に居た女子だけとは限らないし、他の女子の名前も一応上げとかないとね)

最原「えっと、やっぱり優しい子だったり気遣いのできる子が良いなーって思っちゃうよね」

天海「この学園で1番気遣いのできる女子というと、やっぱり東条さんっすかね」

最原「うん、そうだね」

真宮寺「確かに彼女はとても素敵な女性だネ」

真宮寺「ああいう女性を好きになるのは甘えたがりな男性が多いんじゃないかな」

真宮寺「最原君は意外と甘えたがりかもしれないネ」

最原(反応が客観的すぎてわかりにくいな…)

最原(真宮寺くん個人の意見が知りたいんだけどな)

最原「ああでも、確かに東条さんは良いと思うけど、見た目なら入間さんなんて最高だよね」

最原「僕結構◯◯が好きなんだよね」

最原(選べた立場じゃないけど、中身考えると入間さんはないなー…)

788: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 23:16:27.83 ID:GHlY6lQS0
天海「まあ確かに入間さんは胸凄いっすよね」

天海「俺は入間さんは興味ないっすけど」

最原(天海くんストレートだな)

真宮寺「……確かに入間さんは外見は自称している通り良いものだろうけど、中身がありえないヨ」

真宮寺「最原君みたいな素晴らしい人間には、もっと他に素晴らしい女性が居ると思うヨ」

最原「そうかな?」

最原(真っ当なアドバイスをされてしまった…)

天海「◯◯と言えば赤松さんも中々じゃないっすかね」

最原「うん、彼女も素晴らしい胸を持ってるよね」

最原(自分で言っててなんだけど、何なんだよ素晴らしい胸って…)

真宮寺「ピアニストは客前に出ることが多いから彼女は外見にはそれなりに気を使ってるようだし、みんなを思ってデスロードで奮闘している様から見て内面も美しいし、彼女も素晴らしい女性だよネ」

真宮寺「ただ彼女は、この学園にいる男子生徒の中だと百田君と1番仲が良いように見えるから、最原君は少し難しいかもしれないネ」

最原(僕は都合上胸しか褒めてないっていうのに、真宮寺くんはまともに答えてて、なんか…、なんだか……うん…)

792: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 23:31:48.04 ID:GHlY6lQS0
ドアガラッ

王馬「モノパッドのプロフィールを見てみると、次に胸の大きな女子は88cmの茶柱ちゃんだよ!」

王馬「あ、なんか廊下歩いてたらつまらなくなさそうな話が聞こえてきたからつい入ってきちゃったけど、混ぜてもらってもいいよね?」

天海「勿論、男子なら誰でも歓迎っすよ」

最原(王馬くんもやっと来たね)

最原(どの辺の会話から聞いてたんだろう…)

最原「茶柱さんも意外と胸大きいんだね」

最原「まあでも茶柱さんって男子嫌いだし、彼女も縁がなさそうだよね」

天海「可愛いっすけど縁は無さそうっすよね」

真宮寺「そうだネ…」

真宮寺「でも彼女の友達に対する態度は優しいものだし、最原君も今日の午前に茶柱さんからネオ合気道を教えてもらってたんだよネ?」

真宮寺「意外と可能性がないわけでもないと思うヨ」

最原「えー、そうかなぁ…」

794: ◆k6xhNpU36A 2017/05/01(月) 23:57:16.07 ID:GHlY6lQS0
最原(…なんか僕ばかり変態になっていってる気がするから、そろそろ他の人に話を振るか…)

最原「天海くんは女子だと誰がいいなーって思ってる?」

天海「え、俺っすか?うーん…」

天海「……夢野さんとかどうっすかね」

王馬「犯罪臭やべぇww」

天海「なんか1番妹っぽいじゃないっすか」

王馬「理由もやばいじゃん」

最原(天海くん、まだ話題に出てない女子の名前として適当に言っただけだよね…?)

真宮寺「王馬君、他人の好みを『やばい』と否定してばかりでは駄目だヨ」

王馬「でも実際やばくない?」

真宮寺「自分が受け入れられないものだからと言って無闇に否定するのは愚かな事だヨ…」

真宮寺「自分に親しい存在に印象が似ていると他人を褒めるのは最大の賛辞じゃないかなァ」

王馬「でも今話してるのは恋バナだよね?」

王馬「流石に家族に印象が似てるっていう理由はどうかと思うよ」

天海(いや、『妹っぽい』って『可愛らしい』くらいのイントネーションで使ってるだけっすから別にそんな深い理由じゃないっすけど…)

796: ◆k6xhNpU36A 2017/05/02(火) 00:19:19.68 ID:Jq4zBIlj0
真宮寺「…まァ、王馬君の中ではそうなんだろうネ」

天海「というか夢野さんも高校生なのに、なんで俺こんなに王馬くんに否定されてるんすかね」

王馬「そういえば夢野ちゃんって高校生だったね!小学生かと思ってたよ!」

最原「確かに彼女は小柄だけど、王馬くんも他人のこと言えないんじゃない?」

王馬「は?」

最原「……天海くん、他に気になってる女子は誰かいる?」

天海「他は…アンジーさんも小柄で可愛らしいっすよね」

最原(僕が◯◯縛りしたノリで、天海くんは小柄縛りかな?)

王馬「アンジーちゃんはそんなに小柄じゃないんじゃない?」

最原(…アンジーさんより王馬くんの方が背小さいんだよね)

天海「でも他の女子が結構背が高い子が多いんで、小柄に見えるっすよね」

最原「も、もう背の話はいいんじゃないかな…?」

天海「じゃあ背以外だと、挙動が可愛いっすよね」

天海「神さま発言は少し不気味っすけど…」

797: ◆k6xhNpU36A 2017/05/02(火) 00:39:51.20 ID:Jq4zBIlj0
王馬「そういえばアンジーちゃんの神さまって、真宮寺ちゃん的にどう思う?」

真宮寺「そうだネ…、僕は彼女の神さまについてあまり知らないから何とも言えないヨ」

王馬「胡散臭いとか思わない?」

真宮寺「判断しかねるネ」

真宮寺「確かに一般的に見て胡散臭い宗教といった感じだけれど、例え存在しない神だとしても、彼女の島の生活が実際にその神を中心にまわっているのだとしたら、もうそれは存在していると言っても差し支えないと思うヨ」

真宮寺「それに彼女としては良かれと思ってやっている部分が多いと思うし、島民もそれで納得しているなら第三者が口を挟むとこではないと思うヨ」

王馬「ふーん、そういう考えなんだね」

王馬「じゃあアンジーちゃん自身はどう思ってる?」

真宮寺「彼女は選ばれた人間だよネ」

王馬「まあ一応島の巫女ってことだしね」

真宮寺「…ああ、そうだネ」

真宮寺「彼女は隙があれば布教しようとするところはあるものの、それも相手を思っての行動だし、良い子だと思っているヨ」

真宮寺「他人を思いやれる彼女ならきっと僕の姉さんの良い友達になると思うし、…あァ、早く会わせたいなァ…」

最原(アンジーさんとお姉さんが友達になってもらう約束でもしたのかな?)

798: ◆k6xhNpU36A 2017/05/02(火) 01:24:31.07 ID:Jq4zBIlj0
天海「小吉君は気になる女子は誰か居ないんすか?」

王馬「えっ?……あー…、えっとー…」

最原(あとは女子は春川さんと白銀さんか…、理由付けどうするのかな)

王馬「うん、春川ちゃんとかいいんじゃないかな」

最原「保育士だから優しそうってことで春川さん?」

王馬「いや、なんか春川ちゃんって気が強そうだから虐めて泣かせたいなと思って」

最原(即興とはいえ理由が酷いな)

真宮寺「それは所謂反動形成というやつだネ」

真宮寺「普通に話すことに恥ずかしさや照れがある場合、自分の気持ちを隠すように意地悪してしまうものなんだヨ」

最原(王馬くんのは照れ隠しじゃなくて、本当にただの意地悪なんじゃ…)

王馬「へー、そんな心理があるんだね」

王馬「あ、ちなみにオレがいつも入間ちゃん罵倒してるのはそういうのじゃないからね」

最原「うん、それは見ててわかるよ…」

最原「というか入間さんいじりより、ロボット差別してる時の方がイキイキしてるよね」

王馬「あれはオモチャで遊ぶ感覚だよね」

800: ◆k6xhNpU36A 2017/05/02(火) 01:41:44.46 ID:Jq4zBIlj0
真宮寺「フム…、まあでも王馬君と春川さんはお似合いだと思うヨ」

王馬「え、どういうところが?」

真宮寺「王馬君の諸々の子供っぽい所を、超高校級の保育士の春川さんの手で厳しくも優しく指導してもらい、真っ当な人間にしてもらったらいいと思うヨ」

王馬「何でオレが保育士に指導されないといけないんだよ!」

王馬「オレ高校生なんですけど!!」

最原「ふふっ…」

天海「それは確かにお似合いっすね」

王馬「なんなんだよ!もー!」

真宮寺「別に僕は王馬君を園児扱いしているわけではないヨ」

真宮寺「彼女の才能は保育士という二つ名だけど、それは便宜上そうなってるだけだから大人相手にも発揮されると思うヨ」

真宮寺「例えば、先日女子のみんなとキーボ君と天海君が参加したクッキー作りでの事だけど、彼女はずっと赤松さんの世話をやいていたネ」

天海「そういえば、そうだったっすね」

801: ◆k6xhNpU36A 2017/05/02(火) 01:51:33.40 ID:Jq4zBIlj0
真宮寺「まァ、子供の方が言うことを聞かなかったり手がかかる事が多いから、そりゃ大人相手の方がより能力を発揮できるというものだよネ」

真宮寺「彼女の保育士の才能の正体は『相手を甘えさせない程度に世話をやき、正しく導く』そう、教師のようなものだと思うヨ」

真宮寺「彼女はたまたま今まで、幼い子供を相手にしていたというだけだと思うヨ」

王馬「うーん…、春川ちゃんってそんなに愛が深いタイプなのかな?」

王馬「そうは見えないけど…」

真宮寺「ああいうタイプの人間は、ある程度親しくなれば優しい面を見せてくれると思うヨ」

最原「真宮寺くんは本当によくみんなのことを見ているね」

真宮寺「まァ、人間観察は趣味みたいなものだからネ」

天海「でもよく分析できてると思うっす」

天海「流石っすね、師匠」

最原(流石の真宮寺くんも入間さんはボロクソ言ってたけどね…)

811: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:33:57.85 ID:NVJAm9yK0
天海「それで、気になってるのは春川さんだけっすか?」

王馬「あとは白銀ちゃんもいいと思うよ」

真宮寺「春川さんと白銀さんでは系統が違うようだけど、どこが良いと思ってるんだい?」

最原(ただ残りの女子ってだけだから、理由付け苦しそうだなぁ…)

王馬「それはほら……春川ちゃんほどじゃないとはいえ、白銀ちゃんも地味にいじめがいがありそうというか」

最原(もう誰相手でも「いじめたい」で通すんだろうなぁ…)

王馬「…別に深い理由なんてないよ」

最原(白銀さんが地味すぎて理由が思い浮かばなかったんだろうけど、考える事投げないでよ…)

真宮寺「王馬君は白銀さんのことがあまり関心が無いように見えるけど…」

真宮寺「彼女のこと、好きでもなんでもないよネ?」

王馬「あ、バレた?」

王馬「いやー、真宮寺ちゃんってどこまで人間観察してるのかなーって気になって軽く嘘ついてみたんだよ」

王馬「流石にちょっと雑だったかな」

最原(僕や天海くんと違って、王馬くんは失言しても嘘って言えるから良いよね…)

812: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:35:03.52 ID:NVJAm9yK0
王馬「白銀ちゃんに似合いそうな男子って、…うーん、真宮寺ちゃんとかどう?」

王馬「ほら、民俗学者もオタクみたいなもんじゃない?」

真宮寺「僕は白銀さんに恋愛的な興味はないヨ」

王馬「ん?恋愛じゃない興味ならあるの?」

真宮寺「…オタクというのも、その時代の文化を形成するものの1つだよネ」

真宮寺「サブカルチャーを軽視する人って多いけど、それも立派な文化だし、ゲームやアニメを通して昔の人達の暮らしに興味を持つ人が増えるというのも、とても良いことだと思うヨ」

真宮寺「そういう意味では確かに、民俗学者とオタクは似ているのかもしれないネ」

真宮寺「そして白銀さんはそんなオタク文化のコスプレという部門の中のトップの存在…」

真宮寺「彼女はキャラクターになりきるために、例えば歴史もののキャラクターならその国の歴史背景も調べてそうだし、なんなら衣装の素材も当時の服飾の歴史を考慮して選んでそうだよネ」

真宮寺「そういう意味では彼女も専門家のようなものだし、機会があれば彼女と色々語ってみたいと思っているヨ」

王馬「ふーん、そういう意味での興味なんだね」

813: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:36:10.00 ID:NVJAm9yK0
王馬「オレらも語ってきたんだしさ、真宮寺ちゃんもどの女子がお気に入りなのか教えてよ」

真宮寺「さっき天海君達にも言ったんだけど、僕はこの才囚学園にいる女子で恋愛的に気になっている人は居ないヨ」

王馬「ほうほう、つまり真宮寺ちゃんは男子の方が気になると?」

天海「えっ」

真宮寺「…言い方が悪かったネ、才囚学園で恋愛的に気になる人間は居ないヨ」

真宮寺「観察対象という意味では全員がそうだけどネ」

王馬「えー、こんなに系統の違う美男美女揃ってるのに誰にも恋愛感情わかないの?」

天海「…『美女』はともかく『美男』は真宮寺君には関係ないんじゃないっすかね」

王馬「わかんないよ?」

王馬「ほら真宮寺ちゃんって髪長いし、そっちのけがあったとしても不思議じゃないと思うよ」

真宮寺「…僕は男には恋愛的興味はないヨ」

王馬「とか言って、実はそのマスクの下に化粧でもしてるんじゃないの?」

真宮寺「…現代日本における化粧というのは、他人に見せるのを前提にやるものだヨ」

真宮寺「なのに隠していたら意味ないよネ?」

814: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:36:51.35 ID:NVJAm9yK0
王馬「化粧したいけど大々的にやるのは恥ずかしいとかじゃないの?」

王馬「知らないけど」

真宮寺「……何故急にそんな話を?」

王馬「え、急かな?話の流れで自然になってない?」

真宮寺「……はァ、王馬君相手に喋るのはとても疲れるネ」

真宮寺「そもそも民俗学について話し続けてだいぶ疲れてしまったし、僕は今日はもうこれで失礼させてもらうヨ」スタスタ

天海「あ、後日でいいんでまた民俗学の話聞かせてほしいっす」

真宮寺「勿論、天海君と最原君ならいつでも歓迎するヨ」ドアガチャッパタン

最原(僕はモノパッドを取り出し、真宮寺くんのGPSがこの教室から充分離れたのを見届け、マップの周囲に人が居ないのを確認してから王馬くんに話しかけた)

最原「ねえ、一体どういうつもり?」

王馬「もう真宮寺ちゃんからターゲットを聞き出す必要なくなったから、帰らせただけだけど?」

天海「わかったんすか?」

王馬「うん。ターゲットも、真宮寺ちゃんがマジキチってことも確定したよ」

815: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:37:54.89 ID:NVJAm9yK0
最原「そういえば王馬くん、ここに来るのやたら遅かったけど、その間に何か分かったってことかな?」

王馬「うん」

王馬「最初は自分のご飯片付けてすぐ、教室の前の廊下に来てオレも民俗学講義聞いてたんだ」

王馬「でもあんまり話が長くなりそうだったから、お昼 食いっぱぐれた見張り中の百田ちゃんにご飯でも持っていってあげよっかなーと思って、ご飯持って隠し部屋に行ったんだよね」

王馬「そしたら入間ちゃんが戻って来てて、過去の監視カメラのデータを引き続き漁ってたみたいなんだけど…」

王馬「今一番怪しい真宮寺ちゃんの個室の映像をチェックしてたみたいで、早戻しで映像見てたんだけど」

王馬「なんか挙動が怪しいところがあったからそこを音声再生してみたら、室内に1人しか居ないのに姉に語りかけながら殺害予告を1人でブツブツ言ってたんだよね」

王馬「オレも聞かせてもらったけど、普通にキモかったよ」

王馬「まさか生徒に聞かれると思ってなかっただろうし、油断しきってたと思うけどさ」

王馬「で、その時ターゲットの名前も言ってたから『もう探り入れる必要ないな』と思ってキミらを引き上げさせようと思って来たってわけ」

最原「…なるほどね」

816: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:39:35.50 ID:NVJAm9yK0
最原「…それにしてもショックだな…」

最原「まさか真宮寺くんが本当に殺人を考えていたなんて…」

天海「で、ターゲットは誰なんすか?」

天海「早くその人を守りに行った方がいいんじゃないっすか?」

王馬「犯行予告していた映像は昨日の18時のものだったんだけど、その時『早ければ明後日に決行』って行ってたから明日になるまでは大丈夫だと思うよ」

王馬「ちなみにターゲットは白銀ちゃんとアンジーちゃんだね」

最原「えっ、意外だな…」

最原「てっきり、人物評価が唯一悪かった入間さんでも殺すのかと予想してたけど…」

天海「その2人のことは普通に褒めてたっすよね」

王馬「真宮寺ちゃんはマジキチなんだからさ、理由なんて深く考えない方がいいと思うよ?」

最原「あんなに真面目な彼がどうして…」

王馬「…ちなみにさっきオレ、真宮寺ちゃんのことを『マスクの下に化粧してるんじゃないか』って言ったけど、あれ実際してるみたいだからね」

天海・最原「!?」

818: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:41:11.68 ID:NVJAm9yK0
王馬「入間ちゃんが真宮寺ちゃんの個室の映像を調べていた時に見つけたんだけど、朝に口紅塗って夜に落としてたんだよね」

王馬「面白がった入間ちゃんがオレや東条ちゃんや百田ちゃんにも見せにきたから見たんだけどさ」

最原「…そうなんだね」

最原「でもそれは今回の殺人計画とは関係ないかな…?」

天海「…というか監視カメラって、どこまで見れちゃうんすかね?」

天海「まさかとは思うっすけど、風呂やトイレまで見られるなんてことは…」

最原「…天海くん、そういうの考えるのはやめよう」

最原「監視カメラの映像を自由に見れるのが入間さんだけ、というこの状況だから不安になるのはわかるけど、気にしてたらキリがないよ…」

最原「確かに入間さんはあんなだけど、ここは彼女が真剣に捜査してくれていると信じよう…?」

王馬「……そういえば終一ちゃんの部屋の映像、入間ちゃんがチェックしてたよ!」

最原「えっ!?」

王馬「嘘だよ!」

最原「もう、びっくりさせないでよ…」

819: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 21:42:39.65 ID:NVJAm9yK0
王馬「っていうのが嘘だよ!」

最原「どっち!?ねえどっち!?」

王馬「終一ちゃん、そういうの考えるのはやめよう?」

王馬「監視カメラの映像を自由に見れるのが入間ちゃんだけ、というこの状況だから不安になるのはわかるけど、気にしてたらキリがないよ!」

最原「わざと気になるようなことを言っておいて、僕の言葉をそのまま引用しないでよ!」

王馬「にししっ」

天海「…まあ、万一部屋を見られていたとしても、これはもう事故にあったようなもんっすから、諦めた方が良いっすよ」

最原「クソッ…、ここにボイスレコーダーでもあれば入間さんに問いただして、場合によってはそのまま彼女を訴えられるのに…」

王馬「さっきまで入間ちゃんを信じようとか言ってた癖に、信用0で笑うんだけどww」

最原「いや待てよ…。入間さんに問いただす時に天海くんや東条さんにも立ち会ってもらって裁判で証言台に立ってもらえれば…」

天海「終一君、ここから出た後のことよりも、まずは真宮寺君の殺人をどう止めるのかを考えるのが先っす」

最原「…そうだね、とりあえず入間さんの件は置いとこう」

821: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:18:39.46 ID:NVJAm9yK0
王馬「じゃあ隠し部屋に行こうか」

天海「そうっすね、そこでまたみんなで話し合うのが良いっす」

最原「じゃあ早く移動しよう」スタスタドアガチャッ



ーマザーモノクマの部屋ー


最原「戻ったよ」スタスタ

百田「おう、おつかれ!」

入間「よう!◯◯フェチ原に、ロリシスコンに、マルキ・ド・サド!」

王馬「最後最早別人のこと指してるじゃん」

天海「蔑称のレパートリーの限界を感じるっすね」

最原「別に僕◯◯フェチじゃないから、胸を大きさで差別する人間じゃないから」

入間「結局◯◯◯◯星人じゃねーか!」

最原「ていうか僕らの会話、聞いていたんだね」

東条「私が頼んだのよ」

822: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:19:46.54 ID:NVJAm9yK0
東条「もし貴方達の身に何かあったとしても、すぐに駆けつけられるようにね」

東条「彼は殺人を考えている危険人物なのだから」

最原(…真宮寺くん…)

東条「さて、ターゲットの話は聞いているでしょう?」

東条「どうやって彼女達を守るのか、話し合いましょう」

百田「そもそも真宮寺は明日のいつ殺人を考えてるかすらわかんねーから、なんか守りにくいな」

天海「彼女達の周りにずっと居る…っていうのは難しいっすもんね」

最原「…真宮寺くんを何とか説得できないかな…」

最原「殺人を思いとどまってもらうように」

入間「あんなキメちまってるようなヤツを説得なんざ、ムリムリ」

入間「自分の姉の幻覚だかが見えているのか幻聴が聞こえてるのか知らねーが、姉とエア会話してその架空の姉に殺しの標的を決めさせて殺そうとするヤツだぜ?」

王馬「真宮寺ちゃんは凶器を包丁にするって言ってたし、厨房見張ってればいいんじゃない?」

東条「包丁が持ち出せないなら、倉庫からまた斧でも持ち出すんじゃないかしら…」

823: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:22:14.84 ID:NVJAm9yK0
百田「そうだな、他のヤツに包丁持ち出すのを見られる可能性があるなら、素直に別の凶器の使用を考えると思うぜ」

王馬「じゃあ、今度こそふん縛っちゃったらどうかな?」

最原「僕らが真宮寺くんの犯行計画を知ったのは、このマザーモノクマの部屋でマザーを解析し、監視カメラのデータを見たからだよね」

最原「『監視カメラのデータを見て、真宮寺くんの計画を知った!』なんて言って縛れないよ…」

最原「だってこの部屋のことは他の人に秘密にしないといけないからね…」

最原「彼を拘束する理由が言えないと、他の人達も納得してくれないと思うよ」

東条「だったら、彼の殺しのターゲットを変えさせたら良いんじゃないかしら?」

東条「そう、例えば私に」

百田「おいテメー何言ってやがんだ!」

東条「私なら白銀さんやアンジーさんと違って、真宮寺君に狙われても逆に真宮寺君を押さえ込むことが可能よ」

天海「でも相手は殺す気で来るんすよ?」

天海「殺す気で来る相手には、こちらも殺すくらいの勢いがないと、殺されてしまうと思うっす…」

824: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:24:23.43 ID:NVJAm9yK0
最原「それに東条さんは女性なんだよ…、無理してほしくないな」

入間「じゃあテメーらの誰か、男を新たなターゲットにさせたらいいんじゃねーか?」

王馬「それは厳しいんじゃないかな?」

入間「あ?どうしてだよ」

王馬「お前もあの真宮寺ちゃんの独り言を聞いててかつ、オレらのさっきまでの真宮寺ちゃんの会話を聞いているなら分かることだと思うんだけどな」

入間「…?」

王馬「…分からないの?やっぱり頭の軽い女だね」

東条「…真宮寺君は独り言で幻覚のお姉さんに『誰と友だちになりたいんだい?』と言っていたわね」

東条「そして彼女から指名を受けたていで、白銀さんと夜長さんの殺人を計画した」

東条「それから、さっきの会話で最原君が『お姉さんの話をもっと聞きたい』と言った時に真宮寺君は『男に話したくない』と言った…」

東条「あと、天海君の妹さんの話に食いついていたし、最原君が1人っ子で残念がっていた」

東条「かつ、最原君が女性ならお姉さんに紹介したい、とまで言っていたわね」

東条「これらのことを総合すると、『彼はお姉さんの為に女性のみをターゲットにしている』、ということじゃないかしら?」

825: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:26:48.72 ID:NVJAm9yK0
王馬「正解!そう、真宮寺ちゃんは架空の姉の女友達を作るために、何故か女子のみを殺したがってるようだね」

最原(僕はその真宮寺くんの独り言を聞いていないから知らなかったけど、そんなことを言っていたんだね…)

最原(…何故女性を殺すことが、お姉さんの友達になることになるんだろうか…)

最原(……架空の人物に話しかける人の思想を考えるなんて、無意味だよね)

最原(深く考えるのはやめよう…)

入間「うーん……あ、やっぱり男をターゲットにするのは無理じゃねーんじゃねーか?」

王馬「は?」

入間「教室での会話によるとあのナメクジ野郎は、ダサイ原が女でめっちゃ残念がってたよな」

入間「ということは、コイツが実は女だったってことにすればいいんじゃねーか?」

王馬「馬鹿かよ」

最原「その作戦は失敗すると思うよ」

天海「というか終一君はさっき散々◯◯語りしてたんで、キツイと思うっす」

826: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:28:21.89 ID:NVJAm9yK0
入間「そこは◯◯フェチ◯◯男装探偵ってことで」

最原「属性盛りすぎだよ!」

王馬「一気に漫画のキャラみたいになるね」

天海「白銀さんが好きそうな設定っすね」

百田「まあでも終一って中性的な顔と声してるし、やろうと思えばいけんじゃねーか?」

最原「無理だって」

東条「…みんながその作戦を望むのなら、倉庫にある物を使って最原君の制服の下に女性の体を捏造させることも可能よ」

王馬「しなくていいって」

天海「…モノモノマシーンから出てきたこの使い所の無かった長髪のウィッグを、ついに使う日が来たってことっすかね?」

天海「こう、帽子を取ると長髪がファサッとなる…みたいな」

最原「そんな物はさっさと白銀さんにでもあげちゃってよ…」

王馬「ていうか、何で蘭兄ちゃんまで馬鹿サイドの意見に寄ってんだよ!」

天海「なんか段々アリな気がしてきたっす」

最原「無いよ!真面目に考えようよ!」

828: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:30:12.99 ID:NVJAm9yK0
王馬「そりゃ、何でもない時のドッキリ用とかならオレも全然アリだと思うけど」

最原「ないって」

王馬「終一ちゃんってどう見ても弱そうだし、終一ちゃんを標的にさせるのは無いって」

最原「弱そうって…」

入間「あのオタク女と宗教女を狙わせるよりマシだろ」

入間「そもそも2人もターゲットが居たら見張りにくいんだしよ、陰キャ原だけを見張ってたほうがいいだろうが」

東条「……やっぱり、私がターゲットになるのが良さそうね」

最原(…確かに、そのまま白銀さんとアンジーさんを狙わせるよりは、東条さんにターゲットを変更させるようにした方が良いと思うけど、やっぱり女性にそんなことをさせるのは…)

最原「そもそも、どうやってターゲットを変更させるの?」

百田「架空とはいえ、自分の姉の友達にしたいんならやっぱり性格が良い奴をしてーだろうからな、性格の良さをアピールすればいいんじゃねーか?」

王馬「でも東条ちゃんの性格の良さはもう知ってるよね、真宮寺ちゃん」

王馬「真宮寺ちゃんは東条ちゃんの性格の良さを知った上で、何故か白銀ちゃんとアンジーちゃんを選んだんだよ」

830: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:35:11.76 ID:NVJAm9yK0
入間「やっぱふとした拍子に、そこの◯◯◯◯星人原が女だったってことが発覚すれば一発でなびくだろ、あのヤローに気に入られてるんだしよ」

最原「いやいや…」

天海「……俺も真宮寺君に気に入られてる自信はあるっすけど…、俺が実は女だったっていうのは無理あるっすかね?」

東条「それは流石にちょっと…」

入間「顔だけならイケそうだけどな(マジレス)」

百田「体格がなぁ…」

マザーモノクマ「ていうか、そのイケボで実は女は厳しいんじゃないかな」

王馬「なんでモノクマがオレらの作戦会議に口出してるの」

マザーモノクマ「天海クンが実は女設定は、流石にボクでも口を出したくなるくらい無理あるってことだよ」

天海「くっ…、折角真宮寺君に気に入られてるくらい性格が良いのに、背が高くてそれなりに体格良くてイケボでイケメンで申し訳ないっす…!」

最原「喧嘩売ってる?」

831: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:38:42.17 ID:NVJAm9yK0
王馬「確かに終一ちゃんは、東条ちゃんより白銀ちゃんより入間ちゃんより身長低いし、本当に声変わり来てんのかよ?って声してるし、貧相な体つきの割になんか尻に肉ついてるし、肌も色白だけど、終一ちゃんは実は女っていうのは止めた方がいいって!」

最原「王馬くんは確実に喧嘩売ってるよね?」

最原「流石に殴っていい?」

入間「おう、やれやれー!ちなみにオレ様は王馬が勝つ方にモノクマメダル300枚賭けるぜ!」

百田「負けるな終一!オレはお前が勝つ方にモノクマメダル全部賭けるぜ!」

東条「高校生が賭け事なんて駄目よ」

天海「喧嘩は止めないんすね…?」

王馬「まあ冗談はさておき、作戦はどうするの?」

王馬「早く決めた方が良いと思うけど」

東条「今出ている案は、真宮寺君を拘束する(みんなを納得させる拘束理由が思いつかない)、私が新たなターゲットになる(既に性格の良さは知られている状態で白銀とアンジーを選んだ為、標的を変更させる強い理由付けが必要)、最原君が実は女性だったとしてターゲットになる(最原と王馬が無理だと言っている)、ね」

最原「最後の案はもう破棄して良いんじゃないかな」

832: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:41:07.35 ID:NVJAm9yK0
入間「どうすんだよこれ」

王馬「やっぱり真宮寺ちゃんを殺した方が良いんじゃないかな?」

百田「お前またそんなこと…」

王馬「真宮寺ちゃんが人を殺すっていうのは分かってる、でもあいつを拘束する為に他のみんなに言える理由が思いつかない…」

王馬「とすれば、誰かをけしかけて真宮寺ちゃんを殺させるのが1番だって!」

王馬「2人罪のない女子が殺されるのと、1人殺人鬼がこの世から消えるの…どっちがいいかな?」

王馬「考えるまでもないよね?」

最原「でも僕は、誰も死なせたくないよ…」

最原「彼にだって外の世界で彼を待っている家族や友人が居るハズじゃないか!」

最原「だから…、外の世界の彼らの為にも死なせたくない…」

最原「真宮寺くんはきっと、こんな状況に放り込まれて頭がおかしくなってしまっただけなんだよ…」

最原「ここを出て精神科に通わせたら、きっといつもの常識人の真宮寺くんに戻ってくれるよ」

833: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:44:16.68 ID:NVJAm9yK0
百田「終一…」

東条「…そうね、何か別の方法を考えましょう」

王馬「キレイ事ばっかり言ってると火傷するよ?」

最原「何とでも言いなよ」

最原「僕は誰にも殺人をしてほしくないし、誰かが死ぬ姿も見たくないんだ…!」

王馬「…まあ好きにしたら?」

王馬「オレはもう他の案は思いつかないし、あとは決定案に従うよ」

最原「……やっぱり、彼に怪しまれても真宮寺くんの周りに居ればいいんじゃないかな…」

東条「それだと殺人のを決行する日を改めるだけだと思うのだけれど、これから先もずっと彼と一緒に行動をするのかしら?」

東条「見張るのなら少なくとも2名以上が良いでしょうね」

入間「この生活が終わるまでずっとあいつと行動をするだ?現実的じゃねーぞ」

百田「それに、あいつが夜時間に自室を出て、ターゲットの部屋を訪問して殺したらどうすんだよ」

百田「あいつの部屋に泊まるのは無理があるしあぶねーし、寝ずにずっと寄宿舎ロビーを見張るのも流石に無理だぜ」

834: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:47:36.27 ID:NVJAm9yK0
王馬「前も言ったけど、見張りならこの部屋が優先だからね」

王馬「大局を見てよね」

最原(6人で真宮寺くんとこの部屋の見張りをローテーションするのは厳しいか…)

最原(それに、流石に女性を真宮寺くんの見張りにつけるわけにもいかないし…)

最原(くそっ…)

最原「じゃあいっそ、アンジーさんと白銀さんに『真宮寺くんが君を殺そうとしている』と告げたらどうかな…?」

東条「何故それを知り得たのか尋ねられると思うわ」

東条「拘束理由の時にも話したけれど、この部屋で知り得たということは他のみんなには話すわけにはいかないわ」

百田「それに、もしそんなことを話したら、もしかしたら白銀かアンジーが真宮寺を逆に殺そうとする可能性も出てくるよな…」

王馬「もしそうなったら、終一ちゃんの言う『誰にも人殺しをしてほしくないし、誰かが死ぬ姿も見たくないんだ』っていう言葉が守れなくなっちゃうね!」

最原(……どうすればいいんだ…)

835: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:51:57.73 ID:NVJAm9yK0
王馬「何かを犠牲にすればいいんじゃないかな?」

王馬「そうだねー…、『誰にも人殺しをしてほしくないし、誰かが死ぬ姿も見たくないんだ』ったら、終一ちゃんが目をつぶって真宮寺ちゃんを殺したら?」

百田「てめーは真宮寺を殺す以外の方法は考えらんねーのかよ!」

王馬「うーん…、オレ真宮寺ちゃんにあんま興味ないんだよね」

百田「興味があるとかないとかいう問題じゃねーだろ!」

最原「もういいよ、百田くん。王馬くんは無視しよう」

百田「そうだな」

王馬「じゃあ、真宮寺ちゃんを精神的に追い込みまくって自殺させるとかどうかな?」

東条「追い込むのに時間がかかってしまいそうね」

入間「第一あんなキジルシが自殺するとは到底思えないぜ」

入間「その前にオレ様達を殺すだろ、ぜってー」

王馬「言えてるね!」

836: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 22:54:50.57 ID:NVJAm9yK0
王馬「さて終一ちゃん、本当にそろそろ作戦決めて実行しないといけないんじゃないの?」

王馬「どうするどうする?」

最原(……今まで出た案はこんな感じか…)



①凶器の出処になるであろう厨房と倉庫を見張る

②交代で真宮寺を見張る

③白銀とアンジーにずっとついていて守る

④真宮寺を説得してみる

⑤真宮寺を拘束する

⑥東条を新たなターゲットに仕立て上げ、東条を見張る

⑦最原が実は女だったということにして、最原を見張る

⑧誰かに真宮寺を殺させる

⑨アンジーと白銀に『真宮寺が君を殺そうとしている』と告げる



最原(どれも何かしら問題があったと思うけど…)

最原(いつまでもこうしていられないし、そろそろ決めないと)

最原(どれにするか…)


安価↓1

837: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:54:55.96 ID:q2pen6Np0
もう最原ちゃんが女装するしかないんじゃ……

841: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 23:09:37.37 ID:NVJAm9yK0
最原「…………上手くいくかはわからないけど、もう、僕が実は女だったということにすれば1番上手くいくんじゃないかな…?」

王馬「え、まじでそれやんの?」

東条「了解したわ、私に任せてちょうだい」

東条「万が一刺されても大丈夫なようにしないといけないわね」

入間「男のテメーが男装した女のフリをする遠回しな女装……もうこれわかんねーな」

最原「元はと言えば入間さんが提案したんじゃないか…」

東条「現在は夕方…、明日になるまでもう半日も無いわ」

東条「急いで準備をしましょう」

百田「何を準備するんだ?」

東条「そうね…、まずこの部屋の見張りを天海君、百田君、王馬君の中から2名お願いしたいわ」

東条「最原君が万一刺されても大丈夫なようにする準備は、入間さんの研究教室で行いましょう」

最原「入間さんの研究教室で何をするの…?」

843: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 23:27:54.31 ID:NVJAm9yK0
東条「倉庫に何故かコルセットがあったから、それを最原君に付けて、その上から薄い鉄板でコルセットを覆えば、腹や胸を刺されても貫通しなくなるわ」

東条「最も、コルセットだけでもかなり丈夫なのだけれど、万が一があるもの…」

東条「入間さんの研究教室に行く理由は、そこでなら鉄板の加工がしやすいと思ったからよ」

最原(鉄板…、それ後でちゃんと脱げるよね?大丈夫だよね?)

東条「一応、学ランの襟にも鉄板を仕込みましょうか」

東条「…万が一ということでの準備だけれど、もし彼が凶器を取り出したり殺意をあらわにしたら即取り押さえられるようにするつもりよ、安心してちょうだい」

最原「う、うん…」

天海「不安っすね…、やっぱり俺が終一君の代わりに…」

最原「大丈夫だよ、みんなが守ってくれるって信じてるから…」

東条「頭を殴られる可能性もあることだし、帽子の内側にも仕込みをした方がいいかしら…」

最原「帽子……まあ、仕方ないか…」

東条「この学園の現時点では銃や毒の類が入手できないことが幸いね、凶器が限られるもの」

844: ◆k6xhNpU36A 2017/05/03(水) 23:43:45.55 ID:NVJAm9yK0
東条「絞殺・溺死狙いの対策は…、ごめんなさい、数秒間我慢してもらうことになるわ」

東条「作戦を開始する時には私や百田君や天海君が最原君を見張っているようにするから、私達を信じてほしいわ」

東条「そういうわけで、私と最原君と入間さんは今から移動するわね」

東条「見張りは決まったかしら?」

東条「見張りにならなかった人は、倉庫でロープとかガムテープとかを確保してくれると助かるわ」

東条「真宮寺君を現行犯で拘束する時に使用するつもりだから」

天海「倉庫のことなら俺に任せてほしいっす」

百田「じゃあその間、オレと王馬がここの見張りだな」

東条「こちらの仕込みの準備が終わったら一度こちらに戻ってくるつもりだから、天海君は拘束道具を確保したらこの部屋に持ち込んでおいてもらえるかしら?」

天海「了解っす」

東条「じゃあ行きましょう、早く済ませて晩御飯の準備をしなければならないもの」スタスタスタ

最原(大変だな東条さん…)スタスタ

846: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 00:06:28.10 ID:4dqFsroX0
ー入間の研究教室ー


東条「帽子の内側に鉄板とスポンジを仕込み終わったわ」

入間「こっちも腹の鉄板付け終わったぜ」

入間「コルセットのボーンに添って鉄板を一枚一枚切って貼ったから、体のラインは出るし、そのままべろっと貼っつけるよりは動きやすいはずだぜ」

最原「苦しい…」

東条「ごめんなさいね、コルセットと鉄板、2重に仕込みをするから着膨れないように少しきつめにコルセットを着けさせてもらったから」

東条「帽子を被ってみてちょうだい、少し小さく感じるかもしれないけど、問題ないかしら?」つ帽子

最原「…うん、ギリギリ帽子が浮かないかな」

東条「それじゃあシャツと学ランを着てみて、どうかしら?」

最原「ちょっと動きにくいけど、大丈夫だと思うよ」

東条「そうね…、見た目的にも問題ないわ」

東条「それじゃあ急いで隠し部屋に戻りましょう」スタスタスタ

848: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 00:19:03.65 ID:4dqFsroX0
ーマザーモノクマの部屋ー


東条「こっちは変わりないかしら?」スタスタ

百田「ああ、問題ないぜ」

王馬「準備めっちゃ早かったね」

東条「急がないともうすぐ晩御飯の時間だもの」

天海「倉庫で確保した道具はこれっす」ロープ、ガムテープ、ハサミ

東条「これで万が一の対策と拘束の準備は完了したわね」

東条「じゃあ最原君、具体的に作戦はどうするのかしら?」

最原「そうだね…、僕が真宮寺くんに『話したいことがある』と呼び出して、僕が実は女ってことと、お姉さんの話が聞きたいって言えばいいんじゃないかな」

最原「お姉さんに興味があるってことをアピールしつつ、2人きりの状況なら、殺そうとしてくれるんじゃないかな?」

最原「問題は場所だね…」

天海「完全に2人きりになるような場所じゃ俺らが助けに入れないんで、駄目っすからね…」

850: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 00:38:01.32 ID:4dqFsroX0
最原「まあ、鍵がかけられる寄宿舎の個室とAVルーム以外なら、どうとでもなるよね」

東条「そうね、部屋に聞き耳立てて襲われたらすぐ突入すればいいものね」

王馬「話を聞いてその場で殺人しようとしてくれたらいいけど、その場でターゲット変更だけして予定通り明日殺人、っていうこともなりそうだけどね」

最原「その辺は真宮寺くん次第だから、どうなるかわからないけど…」

天海「ちなみに今は寄宿舎の自室に居るっぽいっすね」モノパッドマップチェック

最原「個室に居るのか…、困ったな…」

東条「…少し待って、食後すぐに真宮寺君に声をかけてどこかに呼びつけたらどうかしら?」

最原「そうだね、真宮寺くんが次部屋から出てくるのは夕食時だろうからね…」

百田「夕食後、どこに真宮寺を呼びつけるんだ?」

最原「うーん……」


場所安価↓1(1章解放場所のみで)

851: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/04(木) 00:39:26.42 ID:+1xqMkDnO
倉庫

853: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 00:50:20.08 ID:4dqFsroX0
最原「倉庫に呼ぼうかな」

最原「あそこなら凶器になりそうな物がいっぱいあるし、衝動殺人しようとしてくれるんじゃないかな…?」

最原「真宮寺くんが行動してくれるまで僕に見張りが必要だから、あまり長引かせたくないしね」

百田「なんかやるせねーな…」

王馬「まあ、誰かが犠牲になる前に早く気を引いておかないといけないし、仕方ないよね」

入間「つーか食後すぐならまだ食堂に他のやつらが残ってんじゃねーのか?」

入間「倉庫っつったら食堂からちけーんだし、そんなとこでバタバタ騒いでたら他の生徒まで駆けつけるんじゃねーか?」

入間「まあ、あのオカマ野郎がやばいやつってことを他の生徒に見せつけたいってんなら、そのままでも良いと思うがよ」

王馬「見張りがたまたま騒ぎを聞きつけて駆けつけたように見せかけられるし、直後でいいんじゃないかな?」

最原(時間帯か…、どうしようかな)



①食後すぐ呼びつける

②夜時間に来るように約束だけ取り付ける


安価↓1

854: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/04(木) 00:52:15.81 ID:BH2FFFDS0
2

856: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 01:10:55.27 ID:4dqFsroX0
最原「…夜時間に来るように約束だけ取り付けようかな?」

最原「とりあえず、騒ぎになるようなことは控えた方が良いと思うんだよね」

東条「決まりね」

東条「それじゃあこの部屋の見張りは入間さんと王馬君にお願いするわ」

東条「できればその間も、入間さんにはマザーを弄っててもらいたいわ」

入間「言われなくてもただ待ってるんじゃ暇だし、そうさせてもらうぜ」

マザーモノクマ「アヒィ…」

東条「真宮寺君が実際に行動を起こしたとしても、貴方達はここの見張りを続けてもらって構わないわ」

王馬「りょうかーい」

東条「百田君と天海君は私と一緒に真宮寺君の取り押さえよ」

百田「おう、任せろ!」

天海「この拘束道具セットはどこに置いとくっすか?」

東条「とりあえず、この部屋に繋がる隠し通路の入口付近に置いておきましょう」

東条「夜時間前に道具を回収し、隠し通路で時間まで待機して、モノパッドで真宮寺君と最原君のGPSの動きを見ながら行動としましょう」

857: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 01:29:28.75 ID:4dqFsroX0
東条「みんな、役割は分かったわね?」

東条「それじゃあ私はご飯の準備をしてくるわね」タッタッタッドアウイーン

最原(現在時刻18時50分か…)テーブルの上の置き時計チラッ

最原(いつも19時にはご飯が食べられるようになってたけど、間に合うのかな…?)

最原(…東条さんならなんとかなりそうだな…)

入間「…ていうか見張りになったオレ様達は一体いつ晩飯が食えるんだ!?」

王馬「この時間の見張り組の晩御飯のタイミングは、見張り交代のタイミング…つまり22時に東条ちゃんがお弁当持ってきてくれたよね?」

王馬「だから今日もそれくらいじゃないかな?」

入間「腹もたねーよ!」

王馬「そんなの知らないよ!」

天海「夕食中〜夜時間までは食堂に人が多く集まっていて、トイレに行く人もちょこちょこ居るんで、この部屋に食事持ってくることは出来ないっすね、我慢してほしいっす」

百田「まあテーブルに菓子盆あるんだし、それでも食って待ってろよ」

入間「あー、くっそ…せめて知育菓子でもありゃいいんだけどよ」バリボリ

王馬「うーーん……、オレは本でも読もうかなぁ…」

858: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 01:39:44.28 ID:4dqFsroX0
最原「2人とも見張り宜しくね」

王馬「そっちこそ、やるからには絶対真宮寺ちゃんを取り押さえてね」

天海「まあ4対1なんでいけると思うっす」

百田「安心しろ、誰も死なせねーからよ!」

入間「ひひっ!マザーモノクマ…テメーの恥ずかしいトコ、ぜーんぶ見てやるからなぁ…!」カタカタカタカタ…

マザーモノクマ「見ちゃらめぇ…!」

王馬「…こんなのと一緒の空間で数時間とか、つらすぎ…」

最原「同情はするよ…」

最原(見張りの2人を残して僕らは誰にも見つからないように女子トイレを出て、食堂に向かった…)

859: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 01:50:54.45 ID:4dqFsroX0
ー食堂ー


最原(あ…、真宮寺くんの席の隣が空いてるな…)

最原(夜時間に倉庫に呼び出しって、多少なりとも警戒されることだと思うし、警戒されて待ち合わせに来ないってなったら大変だよね)

最原(だからもっと僕を信頼してもらえるように、もう少し仲良くなっとこうかな)

最原「真宮寺くん、隣良いかな?」

真宮寺「構わないヨ」

天海「じゃあ俺は最原君の隣に失礼するっすね」

百田「オレは天海の隣に…」

赤松「あ、百田くん!」タッタッ

赤松「今日どうしたの?ずっと部屋に居たみたいだったけど、チャイムしても出てこなかったし…」

百田「あー…、出口探しサボっちまって悪かったな…」

百田「今日はちょっと体調が悪くてよ、ずっと寝てたんだよな」

赤松「え!そうなの?大丈夫?」

860: ◆k6xhNpU36A 2017/05/04(木) 02:09:58.64 ID:4dqFsroX0
百田「ああ、1日中ずっと寝てたからな、もうすっかり元気になったぜ!」

赤松「よかったぁ…!」

赤松「あ、私の隣に座らない?今日の戦果も話しておきたいし」

百田「お、おう」

東条「みんなお待たせしたわね、ご飯が出来たわ」

最原(早っ)


ーーー

最原(とても短時間で作ったとは思えない料理だな…)モグモグ

最原(それはいいんだけど…、コルセットで胃が圧迫されてて食欲がわかないな…)ハァ…

真宮寺「…最原君、体調が悪いなら無理せず残しても良いと思うヨ」

最原「えっ、いや、別に体調が悪いってわけじゃないんだけどね…」

真宮寺「なら、何か悩み事でもあるんだネ?」

最原(…これは逆にチャンスかな?)

最原(悩みを聞いてもらうという口実で呼び出せないかな…)

866: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:10:46.15 ID:UmvGj8AG0
最原「うん、実は悩んでいることがあるんだよね…」

天海「…悩み事っすか?俺が相談に乗るっすよ」

最原(こっちの意図は分かってるんだろうけど、この距離だから聞こえてなきゃ不自然だから会話に入ってきたんだろうね…)

最原「いや、天海くんにはちょっと…、この相談は出来なくて…」

天海「そうっすか、力になれなくて残念っす…」ハァ…

天海「でも俺には言えなくても、師匠の真宮寺君になら言えるんじゃないっすかね?」

最原「…真宮寺くんか…、うん、真宮寺くんなら相談できるかな…」

真宮寺「ヘェ、1番仲の良さそうな天海君より僕に相談できる事?」

真宮寺「それは気になるネ…」

真宮寺「おっと、こんなことを言っては、悩んでいる最原君に失礼だネ」

真宮寺「僕で良ければ最原君の力になるヨ」

最原(思ったより食いついてくれたな)

最原「本当?ありがとう…」

天海「じゃあ俺は退散するとするっすね」席ガタッ…スタスタ

867: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:12:05.59 ID:UmvGj8AG0
最原「…………」

真宮寺「どうしたんだい?」

最原「…ちょっと、ここじゃ人が多いからさ…、あんまり他人に聞かれたくない話なんだよね」

真宮寺「ヘェ、他人に聞かれたくない話なのに僕に内容を話してくれるんだネ?」

最原「うん、真宮寺くんなら信頼できるから良いかなって思って…」

最原「だって真宮寺くんは僕の民俗学の師匠だから…」

最原「…でしょ?」

真宮寺「…そうだネ、師匠は弟子の悩みに親身になって答えるものだからネ」

真宮寺「じゃあ後で相談を聞くとするヨ」

真宮寺「食後、寄宿舎の最原君の個室でどうかな?」

最原「えっと…、個室はちょっと…」

真宮寺「…何か問題があるんだネ?」

868: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:13:21.07 ID:UmvGj8AG0
最原(普通ならここで拒否すると怪しまれそうなものだけど、僕は実は女という設定上、後で真宮寺くんにこの時のことを考えてもらうと逆に説得力が増しそうだし、これでいいだろ…)

最原「…うん、ちょっと問題があって…」

真宮寺「部屋が散らかってても、僕は気にしないヨ?」

最原「そうじゃないんだけどね…」

真宮寺「……」

最原「何で問題なのか、それも後でちゃんと言うから…」

真宮寺「まァ、いいヨ」

真宮寺「じゃあどこなら良いんだい?」

最原「夜時間に倉庫に来てもらってもいいかな?」

真宮寺「夜時間に…、もし良ければ今からじゃ駄目な理由を聞かせてほしいヨ」

最原「ほら、夜時間なら人が来ないよね」

最原「本当に、他人には聞かれたくないことだからさ…」

真宮寺「…………」

869: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:14:46.00 ID:UmvGj8AG0
真宮寺「わかったヨ」

真宮寺「折角弟子が師匠を頼ってくれてるのだから、僕もそれに答えるとするヨ」

最原「本当!?ありがとう、真宮寺くん!」手ガシッ

最原「やっぱり真宮寺くんって頼りになるね」ニコッ

最原(…ここまで感謝アピールしてるんだから、これなら来てくれるよね?)

最原「じゃあ真宮寺くん、また後でね!」皿を持って席を立つ

真宮寺「残すんだネ?」

最原「うん、ちょっとやっぱり食べられなくて…」スタスタ…

最原(後でこれ外した後に お腹空きそうだなぁ…)

最原(厨房に行くと、東条さんがお弁当箱に豚足のフルコースを詰めていた)

最原(色々あったのによく東条さん覚えてるなぁと関心しつつ、僕はお皿にラップをして冷蔵庫にしまった)

最原(残りは明日食べよう、うん)

最原(その後僕は自室に戻り、夜時間になるまで真宮寺くんとの会話を色々シミュレートをした)

870: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:16:21.36 ID:UmvGj8AG0
ピンポーン

最原(ん?誰だろう…)

最原(真宮寺くんなわけはないよね…?)

王馬「はいはーい!オレでーす!」ドアガチャッ

最原「うわっ!?」

王馬「おじゃましまーす」ドアパタン

最原「ちょっと、勝手に入ってこないでよ…!」

最原「ていうか見張りはどうしたの?」

王馬「さっき隠し部屋に東条ちゃんが来たから、トイレ行ってくるって言って抜けさせてもらったんだ」

王馬「だから見張りのことは心配しなくていいよ」

最原「ならいいけど…」

最原「で、何の用?」

王馬「昨日終一ちゃんがオレに完璧なレーザーガンくれたから、お返しにプレゼント持ってきたんだよ」

最原「プレゼント…?」

871: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:17:24.85 ID:UmvGj8AG0
王馬「はいこれ!」つ折りたたみナイフ

最原「……これは?」

王馬「完璧なレーザーガンのお返しだから、幸福のナイフ?」

最原「そうじゃなくて!これ本物のナイフでしょ?こんなものいらないよ!」

王馬「これから危ない目に合うかもしれないんだし、貰っときなって」

最原「いらないって…」

最原「僕に何か危険があっても、東条さん達が助けてくれる手筈になってるんだし、不要だよ」

王馬「助けられない状況になる可能性もあるよ?」

王馬「受け取りなって、自分の身を守れるのは自分だけだよ」つナイフ

最原(…どうしようか…)



①確かにそうかもしれない…と受け取る

②みんなが助けてくれると信じてるから、受け取らない


安価↓1

872: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/05(金) 22:18:01.05 ID:jTRTaTYGo

873: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:31:18.02 ID:UmvGj8AG0
最原「…やっぱりいらないよ、こんなもの」

最原「僕はみんなのことを信じてるからね」

王馬「ふーん、そう」

王馬「それが、オレが聞いた彼の最後の言葉でした…」

最原「ちょっと、変なナレーション入れないでよ!」

王馬「まあ、後悔しないことになればいいね」ナイフをポケットに戻す

最原「…それ、ちゃんと元あったところに戻しておきなよ」

王馬「気が向いたらね」

最原(危ないなぁ、もう…)

王馬「用はそれだけだから、じゃあね」ドアガチャッパタン

最原(彼なりに心配してくれてるのだと思うけど、流石に自己防衛でも流血沙汰はごめんだからね…)

874: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:38:06.12 ID:UmvGj8AG0
最原(もうすぐ夜時間の放送だな…)

最原(よし、出る準備をしよう…)

最原(はー…、緊張するなぁ…)

最原(今日はこの部屋の鍵を持っていかないとね)鍵をポケットに入れる

最原「よし、そろそろ行こう…」



ー倉庫ー


最原(本当に真宮寺くんは来てくれるのかな…)

最原(みんなもちゃんと見張っててくれるのかな…)ソワソワ

キーンコーンカーンコーン

モノダム『……』画面ブツッ

最原(今から夜時間か…)

最原(……暇だ…)倉庫内ウロウロ

最原「…あ、……」

875: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 22:46:29.91 ID:UmvGj8AG0
ーーー


ドアガチャッ

最原(あ、来たかな?)入口チラッ

真宮寺「おや、待たせてしまったようだネ」

最原「ううん、全然待ってないよ」スタスタ

最原「来てくれてありがとう…」

真宮寺「じゃあ、早速本題に入ってもらっても良いかな?」

最原「えっと…、真宮寺くん相手だから言うんだけど、実は僕女なんだよね」

真宮寺「エッ!!?」

真宮寺「今、何て…?」

最原「…女なんだけど…」

真宮寺「…てっきり、誰かを殺したいとかの相談かと思ってたヨ…」

最原「そんな物騒なことしないよ…」

876: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 23:01:12.36 ID:UmvGj8AG0
最原「それとも真宮寺くんには僕が誰かを殺そうとしているように見えたのかな?」

真宮寺「少しでも疑って悪かったと思っているヨ…」

真宮寺「最原君がそんなこと考えるはずないよネ」

真宮寺「…………ところで、何故男のフリをしていたのか訊かせてもらってもいいかな?」

最原「…僕はただでさえ未成年だし、探偵って女だと結構なめられることが多いんだよね」

最原「あと、僕が浮気調査してそれがキッカケで破局してしまったからって、逆恨みして僕のストーカーになって色々嫌がらせや脅迫されたりとかもあったし…」

最原「他にも色々あって…」

最原「とにかく、女ってことで色々苦労したんだよね」

最原「だから、少しでも強く見せたくて普段から男装することにしたんだよね」

真宮寺「……◯◯好きだと言っていたのは…?」

最原「…ただの演技だよ、嘘ついてごめん」

最原「男の人ってやっぱり◯◯の方が好きなもんでしょ?」

最原「だからそういうことにしたんだよね」

878: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 23:15:47.43 ID:UmvGj8AG0
真宮寺「…共同生活してるんだし、最初から偽る必要なんてなかったんじゃないかな?」

最原「まさかこんなに長く、ここでの生活をさせられるなんて思ってなかったからね」

最原「それに途中で今まで嘘ついてたって言ったら、信用無くなると思って不安だったんだ…」

真宮寺「…寄宿舎の個室の並び、最原君は男子側だよネ?」

最原「キーボくんだって無性なのに男側だよね?」

最原「黒幕が用意した部屋だから真意は分からないけど、僕が普段男のフリして生活してるから男側に部屋を用意したんじゃないかな?」

真宮寺「…………」

最原(何かめっちゃ考えてるな…、これで大丈夫かな…?)

真宮寺「…最原君はよく男子と行動を共にしているけど、あれは?」

真宮寺「普通、女子なら女子同士で行動するものだと思うけどネ」

最原(実は男好きだった…は無理あるよな…)

最原(チヤホヤされたいなら普段男装なんてするはずないし…)

879: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 23:32:49.69 ID:UmvGj8AG0
最原「…えっと、実は僕、天海くんのことが好きなんだよね…」

真宮寺「……」

最原「ほら、天海くんって優しいしかっこいいし…」

最原(ノリで言ってしまったけど、ファインプレーな気がするな)

最原(入間さんが当初言ってた通り◯◯好き◯◯ってことにしてたら、お姉さんを狙ってる可能性があると思われて友達にしようとしてこない可能性があるし…)

最原(…その幻覚のお姉さんが◯◯かどうかは知らないけど)

最原(というかそろそろ納得してくれないかな…、段々設定が把握しきれなくなってくるから…)

真宮寺「王馬君ともよく一緒に居るよネ?」

最原「あれは何故か懐かれてるだけなんだよね、よくわかんないけど」

真宮寺「…今日僕を個室に招けなかったのは、異性だからということかい?」

最原「うん、ごめんね…」

真宮寺「…………」

880: ◆k6xhNpU36A 2017/05/05(金) 23:49:06.32 ID:UmvGj8AG0
真宮寺「……それで、相談っていうのはなんだい?」

真宮寺「みんなに実は女であると打ち明けたいということかな?」

最原(良かった、何故か信じてくれたようだ…)

最原(やっぱり日頃の行いのお陰かな?)

最原「うん、これを打ち明けていいものか悩んでるんだよね…」

最原「万が一にも天海くんに嫌われたら困るし…」

最原「真宮寺くんはみんなのことをよく観察してるよね?」

最原「だから、このことを言っても大丈夫そうかどうか意見を聞きたいんだよね」

真宮寺「なるほど、だから僕に相談したんだネ」

最原「うん、そうだよ」

真宮寺「そうだネ…、…別にみんなにそのことを言ってしまっても大丈夫だと思うヨ」

真宮寺「最原さんが僕に説明したように、こういう事情があって普段から男装していたと説明すれば誰も最原さんを非難したりしないと思うヨ」

最原「そうだよね…、みんな優しい人達だもんね…」

882: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 00:05:30.17 ID:IGcFv5dC0
最原(凄く普通にアドバイスしてくれてる…)

最原(僕を殺そうとしないのか…?)

最原(こんなこと言っておいて内心、こんな嘘つきは自分の姉には相応しくないとか思っているのか?)

最原(それとも逆に、師匠と慕いすぎてて『弟子だから…』と思って殺さないでくれてるのかな?)

最原(…お姉さんの話題でも振って意識させてみるか…)

最原「そういえば真宮寺くん、男にはお姉さんの話したくないって言ってたけどさ、僕は女なんだし、話してほしいな」

真宮寺「…僕の姉さんに興味があるのかい?」

最原「うん!真宮寺くんのお姉さんなんだから、きっと素敵な人なんだろうね」

真宮寺「…………」

真宮寺「……会わせてあげようか」シュッ

最原「!?」カンッ

最原(ほ、包丁が胸めがけて振り下ろされた…)

最原(鉄板入ってなかったら危なかったな…)ドキドキ…

885: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 00:18:52.07 ID:IGcFv5dC0
真宮寺「…?」

最原(殺そうとしてきたし、もう充分だよね…?)

最原「だ、誰かー!助けてーー!!」ドアの方にダッシュ

東条「こっちよ最原君!」ドアバンッ

真宮寺「!?逃がさないヨ…!」背中に包丁を振り下ろす

カンッ

真宮寺「何故刃が通らない…!?」

最原「東条さ…うわっ!?」腕を後ろから引っ張られる

真宮寺「動かない方が良いヨ」最原を引き寄せての首に包丁をあてがう

真宮寺「この手を引いて君を殺すだけで、僕は卒業することができるのだからネ…」

東条「くっ…!」

天海「最原君!」

真宮寺「フム…、鉄板でも入ってるのかな、これは」コンコン

真宮寺「でも剥き出しの首なら斬れるよネ?」

真宮寺「で…、これは一体どういうことかな…?」

888: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 00:37:45.91 ID:IGcFv5dC0
真宮寺「あァ、とても悲しいヨ…、みんなして僕のことを嵌めたんだネ…」

真宮寺「やっぱり欲張らずに、当初の通り2人だけで済ませれば良かったみたいだネ」

最原(包丁を持っていたということは、元々今晩2人殺すつもりだったのか…?)

最原(その予定だったけど、僕が女ということが分かったから僕を急遽先に殺して残りの2人も…って感じだろうか)

最原(なら、早めに行動して良かったな…)

最原(それは良かったんだけど…、まさか捕まってしまうなんて…)

真宮寺「最原さん、どこまでが嘘なんだい?」

最原「…真宮寺くんのお陰で、民俗学に興味を持ったのは本当だよ」

真宮寺「弟子になってくれたのは?」

最原「それは利用させてもらっただけだけど、真宮寺くんがこんなことをしないで僕の知ってるままの真宮寺くんでいたら、そのまま弟子で居ても良かったと思ってるよ」

真宮寺「それは本音と受け取っておくヨ…」

東条「さて、質問の時間は終わりよ」

真宮寺「何を言って…」

889: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 00:51:22.03 ID:IGcFv5dC0
百田「オラァ!終一に手出しはさせねー!」後ろからロープを真宮寺の首にかける

真宮寺「!?」ロープを掴んで包丁で切る

天海「終一君、こっちっす!」腕グイッ

真宮寺「まだ居たのか…!」振り返って百田に包丁を向ける

百田「歯ぁ食いしばれ!!」真宮寺の顔を殴る

真宮寺「ぐっ…!」棚に背中からぶつかり、包丁を落とす

百田「喰らえっ!!」真宮寺の腹を殴る

真宮寺「うぐっ…!こ、この…!」よろめきながら、床に落ちた包丁に手を伸ばす

東条「預からせてもらうわね」包丁を拾う

百田「このままうつ伏せに倒して後ろ手にしてっと…」ダンッ

真宮寺「クッ…」

天海「ロープよりガムテの方が早いと思うんで」つガムテープ

百田「おう……よし、これでひとまずはオッケーだな」ガムテープで手首と足をぐるぐる巻きにする

真宮寺「あァ、せめて縄で縛ってほしかったヨ…」

百田「うるせぇ!文句言うんじゃねぇ!!」

東条「さて、私人逮捕完了ね」

890: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 01:06:28.15 ID:IGcFv5dC0
最原(真宮寺くんが拘束された姿を見て、先ほどまでの緊張感が一気にとけた僕はその場にへたり込んでしまった)

最原(……こわかった…)

最原(東条さんや天海くんは冷静だし、百田くんは強くてかっこいいし…)

最原(…今になってやっと、殺されかけたんだと実感して僕は恐怖からかストレスからか、涙が溢れた)

天海「よしよし、蘭太郎お兄ちゃんが側にいるっすよ」頭ぽんぽん

最原「蘭太郎お兄ちゃんんん…」メソメソ

百田「終一!男が簡単に泣くんじゃねえ!」

天海「でもあんな目にあったら…」

最原「そうだよね、泣いてちゃいけないよね…」目ゴシゴシ

最原「じゃあ真宮寺くんの今後について話し合おうか」キリッ

天海「…切り替え早いっすね…、もうちょっとあのままでも良かったんすけど…」

最原「いや、みんなに迷惑かけられないし…」

893: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 01:22:37.86 ID:IGcFv5dC0
最原「まず確認したいんだけど…、真宮寺くん、どうして女子を殺そうとしたの?」

東条「最原君、貴方本当に大丈夫?」

東条「ずっと座ったままだけど…」

最原「えっと、どうやら自律神経が乱れて脊椎起立筋が働かなくなってしまっているようなんだよね」

最原「時間を置いたら治るから、気にしないでいいよ」

東条「顔だけ取り繕えているようだけど、ようは腰が抜けたままなのね」

最原「ごめん、こればっかりはどうしようもないみたいで…、腰が全く浮かないから正座もできなくて…」プルプル…

東条「そう…、休んでてちょうだい」

真宮寺「質問に答える前に、僕からも質問させてもらうヨ…」

真宮寺「僕を嵌めた…ということは、僕が殺人をするとどこかで知ったということだよネ?」

真宮寺「どうやって知ったのか教えてもらってもいいかな?」

真宮寺「『確認したい』ということは、僕が女子を殺そうとしていたことは知っていたんだよネ」

894: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 01:39:12.66 ID:IGcFv5dC0
百田「ど、どうやって知ったかなんてどうでもいいじゃねーか!」

真宮寺「いや、どうでもよくないヨ…」

真宮寺「知っているようだから話すけど、僕は自分の犯行のことは自室でしか話していないヨ…」

真宮寺「つまり、君達はどうにかして僕の自室での話を聞いたってことだよネ?」

真宮寺「どうやって聞けたのは凄く気になるヨ…」

真宮寺「…僕はネ、君達の誰かが実は黒幕と繋がっているんじゃないかと疑っているんだヨ」

真宮寺「だって、個室での話を知り得るってことは、そういうことなんじゃないかな?」

真宮寺「教えてヨ…、どういうことなのかをネ」

天海「何で俺らが疑われてるんすかね?」

最原(自分がこれからどうなるかより、そういうことの方が気になるんだね…)

最原(なんというか、流石だな…)

最原(でもあの部屋のことを知られるわけにはいかないし、なんとか誤魔化さないと…)

895: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 01:58:37.77 ID:IGcFv5dC0
最原「もし僕らのうちの誰かが黒幕だとしたら、コロシアイが起きようとしているのにそれを止めようとするわけないよね?」

東条「そもそも寄宿舎の個室には、監視カメラのようなものは置いてないわよね?」

東条「監視カメラが無いのだから、仮に私達の誰かが黒幕だったとしても貴方の部屋の独り言なんて聞けるわけがないわ」

真宮寺「いや、監視カメラは必ずどこかにあるはずだヨ」

真宮寺「学級裁判という制度がある以上、僕らの推理か正しいかどうかをモノクマ側がジャッジしないといけないからネ」

真宮寺「きっとわかりにくいところに設置してるんじゃないかな?」

最原「……仕方ないね、本当のことを言うよ」

最原「実は僕らは真宮寺くんの部屋に、盗聴器を仕掛けてたんだよね」

真宮寺「ヘェ、一体どうやって仕掛けたんだい?」

真宮寺「僕は部屋の鍵を閉め忘れたことなんてないけど?」

最原「君が外出中に、僕がピッキングしたんだ」

最原「盗聴器はこの倉庫にあったものを使ったんだよ」

896: ◆k6xhNpU36A 2017/05/06(土) 02:11:57.01 ID:IGcFv5dC0
最原(倉庫に盗聴器なんて無いし、僕はピッキングなんて出来ないけどね…)

最原「だから僕らは黒幕とは関係ないよ」

真宮寺「まあ確かに、それなら納得できるネ…」

真宮寺「でもそれはそれで、どうして僕の部屋に盗聴器を仕掛けることにしたんだい?」

真宮寺「何か怪しいと思ったキッカケになるようなことでもあったのかい?」

天海「…キッカケは、ゴン太君っすね」

真宮寺「ゴン太君?」

天海「真宮寺君がみんなの前で民俗学講座をした時があったじゃないっすか」

天海「あの時、ゴン太君が俺をそれに誘いに来た時、『真宮寺君の準備を手伝って長い棒状の物を運んだ』と言っていたんすよね」

天海「でも実際の講座ではそんな物使わなかったじゃないっすか」

天海「だからちょっと怪しいなと思って、終一君に相談したわけっす」

最原「それで、万が一があるといけないから仕掛けさせてもらったんだよね」

最原「そして盗聴で君の計画を知ったから、それを阻止するために百田くんと東条さんにも協力してもらったんだよ」

百田「お、おう、そういうことだぜ」

900: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 21:37:50.96 ID:SFDEnkCd0
真宮寺「……そう、ゴン太君がそんなことを言ってたんだネ…」

真宮寺「まさかあの時から失敗することが決まっていたとはネ…、ククク…」

最原「納得してもらえたかな?」

最原「なら次はこっちの質問に答えてもらうよ」

最原「さっきも訊いたことだけど、どうして女子を殺そうとしたの?」

真宮寺「僕の部屋を盗聴したなら、どうしてか解ってるよネ?」

東条「盗聴したものを私も聞いたけど、正直解らなかったわ…」

東条「夜長さんと白銀さんをお姉さんの元へ連れて行くと言っていたけれど、どうして彼女達を殺すことがお姉さんの元へ連れて行くことに繋がるのかしら?」

真宮寺「わからないのかい?」

天海「…まさか、お姉さんは死んでいる…ってことっすかね?」

真宮寺「…そうだヨ」

最原(お姉さんは実在していたのか)

最原(でもそれなら、なんで語りかけるような独り言を言っていたんだろう…)

最原(実在していたにしろ、幻聴でも聞こえていたということか…?)

901: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 21:39:11.43 ID:SFDEnkCd0
百田「わかんねーな…」

百田「人間は死んだらそれで終わりだろうが!」

百田「テメーが姉の為と思ってやろうとしたそれは、誰のためにもなってねーんだよ!」

真宮寺「人間は死んでも終わらないヨ…」

真宮寺「死ぬということは、ただ肉体を失うということだからね」

真宮寺「人は死んだ時、肉体から魂が解放されて霊魂になるんだヨ」

百田「れ、霊なんて居るわけねーだろ!!」

真宮寺「いや、居るヨ。現に…」

最原「そんなことはどうでもいいんだけどさ」

真宮寺「どうでも良くないヨ」

最原「いや、どうでもいいよ…」

最原「僕は霊の存在を肯定も否定もするつもりはないよ」

最原「人が死んだらどうなるかなんて、死んだ当人にしかわからないからね」

最原「不毛な議論だと思わない?」

最原「で、そんなことより確認したいことがあるんだけど…」

902: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 21:47:18.84 ID:SFDEnkCd0
最原「真宮寺くん、キミってもしかして、今までに人を殺したことがあるんじゃないかな…?」

東条「…私もそんな感じがするのよね…」

天海「ちょっと怪しいっすよね」

百田「そうなのか…?」

真宮寺「何故そう思うんだい?」

最原「だって動機がおかしいじゃないか」

最原「『ここから出たいから』とかじゃなくて『死んだお姉さんの友達にしたいから』なんて…」

最原「急にそんな発想にならないよね?」

東条「そして仲良くなっていた筈の最原君を、ためらいなく殺そうとしていたわよね」

東条「普通、親しくなった人間を殺そうとするなら、もう少し抵抗感があると思うのだけれど…」

天海「でも殺人に慣れていたなら、抵抗感が少なくてもおかしくないっすよね」

真宮寺「それは君達の推論だよネ?」

真宮寺「こんなことをしたから信じてもらえないかもしれないけど、僕は今まで殺人を犯したことはないヨ…」

905: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 22:05:36.70 ID:SFDEnkCd0
真宮寺「確かに、女子の誰かに姉さんの友達になってもらおうとしていたヨ」

真宮寺「でもそれはあくまで『ついでに』だヨ」

真宮寺「第1の目的としてはやはり、ここから卒業することだネ」

真宮寺「…信じてくれないのかい?」

東条「だったら、殺すのは1人だけでも良かったんじゃないかしら?」

真宮寺「折角だからと思ってネ…」

真宮寺「こんな状況じゃないと、人なんて殺せないからネ」

真宮寺「人数が多ければ多いほど良いに決まってるよネ?」

真宮寺「殺した人数が多いほど姉さんの友達は増えるし、人の死の間際の恐怖に直面した際の行動も観察できるし…」

真宮寺「…君らには異常だと思われてしまうかもしれないけどネ」

真宮寺「でも僕は殺人に慣れているわけじゃないヨ」

真宮寺「あくまで僕なりに冷静に考えて行動していただけだヨ」

百田「どっちにしろ、テメーは立派な異常者だぜ」

906: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 22:17:41.72 ID:SFDEnkCd0
最原(真宮寺くんは、本当に今まで殺人をしたことがないのか…?)

最原(でも真宮寺くんの言っていることも、有り得ると言えば有り得るし…)

最原(…ちょっと、真宮寺くんの居ないところでみんなの意見も聞きたいな…)

最原「東条さん、天海くん、倉庫の外でキミ達の意見も聞かせてもらってもいいかな?」

百田「オレは?」

最原「百田くんにはここで、真宮寺くんが変なことしないように見張っててほしいんだよね」

百田「おう、任せとけ!」

東条「最原君、もう立てるようになったのかしら?」

最原「…………肩を貸してくれるとありがたいです…」

東条「じゃあ行きましょうか」お姫様抱っこ

最原「肩でいいから!恥ずかしいから…!!」

東条「こっちの方が早いわ」スタスタ

909: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 22:29:11.06 ID:SFDEnkCd0
ー倉庫前廊下ー


東条「それで、聞きたいことと言うのは?」

最原「うん、あの、おろしてほしいな…」

東条「じゃあ降ろすわね」床に座らせる

東条「それで?」

最原「2人の意見が聞きたいんだよね」

最原「本当に真宮寺くんは今まで殺人をしたことがないと思う?」

天海「真宮寺君が嘘ついてる可能性もあるっすけど、確かめる手段が無いんすよね…」

東条「仮に真宮寺君が言っていることが本当だとすると、確かに彼は少し危険だし今回も殺人未遂をしたわけだけど、未遂は未遂ということになるものね」

最原「彼が殺人鬼だったとしても、今後の彼の扱いに困るんだよね…」

最原「この生活があとどれくらい続くかわからないのに、彼を部屋にでも閉じ込めて生活するっていうのもね…」

天海「俺達は超高校級ではあるっすけど、ただの高校生だから他人を裁くっていうのも抵抗あるっすからね…」

東条「そもそも、これだけの情報じゃ判断に困るわね…」

910: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 22:42:37.06 ID:SFDEnkCd0
東条「だから…、最原君が良ければだけど、今回のところは厳重注意ってことで良いんじゃないかしら?」

東条「勿論、私達は彼をある程度警戒する必要はあるし、彼には女子と2人にならないように誓わせる必要があるけど」

天海「誓わせても校則とかじゃないんで、口約束程度になっちゃうっすね」

東条「そうは言っても、どうしようもないもの」

東条「幸いなことに彼は鍵のGPSのことには気づいてないから、逐一モノパッドで彼が女子と2人きりになっていないか確認すれば良いんじゃないかしら?」

東条「もし彼が部屋に女子と2人きりで居るようなことがあれば、気づいた人がすぐに駆けつけて見張ったりだとか…」

最原「そうだね…」

最原「あんまりしっかり張りついて見張っていると、それが真宮寺くんのストレスになって、また卒業したくなっちゃったりしたら困るからね…」

天海「それに真宮寺君を見張るシフト考えるのもあれっすからね…」

最原「女子は見張りにできないからね…」

912: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 22:53:09.00 ID:SFDEnkCd0
最原「他のみんなに真宮寺くんを警戒するように言うと、みんなギスギスしたりしそうだし…」

最原「何より、それがキッカケで『真宮寺くんに初回特典で先を越されないように』って早まって卒業に走る人が居ないとも限らないし」

東条「本当に厄介ね、初回特典は」

最原「だから僕も厳重注意で済ませていいと思うよ」

最原「思うんだけど…」

天海「何かまだ気がかりがあるんすか?」

最原「…もし彼が再犯をしようとした場合、狙われるのは東条さんなんじゃないかと思って…」

東条「私?」

最原「彼が卒業前に、僕らに一矢報いらせようと考える可能性もあるよね?」

最原「その場合、僕らは4人で組んでいると思っている真宮寺くんは、その中で唯一の女性である東条さんを殺そうとするんじゃないかな?」

東条「私達が今回のことで今後真宮寺君を警戒することは彼も解っているでしょうけど、確かにその可能性は否定出来ないわね」

913: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 23:05:31.66 ID:SFDEnkCd0
東条「でもそれならむしろ好都合だわ」

東条「私は今後、この生活が終わるまで彼を警戒し続けることでしょうし、他の女子が狙われるより対処のしようがあるもの」

東条「幸いなことにこの才囚学園には銃の類は無いから、彼が近づいてきた時のみ警戒をすればいいわけだし…」

東条「私は問題ないわよ」

最原「でもなんだか申し訳ないよ…」

東条「最原君が申し訳なく思う必要性は無いわよ」

東条「悪いのは真宮寺君と…、彼に『ここでは殺しをしてもいいんだ』と思わせた黒幕の方よ」

最原「…そうだよね。真宮寺くんが殺人未遂を犯したのも、全部黒幕が悪いんだよね」

東条「じゃあもう話すことはないかしら?」

最原「うん、僕は大丈夫だよ」

天海「じゃあ次は俺が話してもいいっすか?」

天海「真宮寺君に悟られないように見張る方法を1つ思いついたんで、聞いてほしいっす」

914: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 23:17:25.14 ID:SFDEnkCd0
天海「またちょっと入間さん頼りになるんすけど、あのマザーの部屋で、マザーを通して真宮寺君の動向も見張るっていうのはどうっすかね」

天海「デュアルディスプレイにするか、また別に監視専用の機材を作ってもらえば入間さんのマザー解析の作業の邪魔にもならないと思うっす」

天海「それで、カメラの切り替えとかは俺らにも出来るように簡単にしてもらうことが出来ればいけると思うっす」

最原「その場合確かに監視は出来るけど、真宮寺くんが何か問題を起こした時はどう対処するの?」

最原「隠し部屋から走って現場に向かうっていうのは、間に合わなくなる可能性もあるんじゃないかな?」

天海「それなんすけど、もう1組センサーとセンサーのリモコンを用意すれば解決すると思うっす」

天海「まず既存のセンサーと間違えないように目印をつけて、新たなセンサーを隠し部屋に置いておくっす」

天海「次に、これまた既存の物と間違えないように目印を付けた新たなセンサーのリモコンを見張りの全員に持ってもらうっす」

天海「そして監視モニタで真宮寺君を見張る人が、何か真宮寺君がやらかしそうな雰囲気を察知したら、真宮寺君用のセンサーを動かしてみんなに通知するっす」

天海「あとは、隠し部屋の見張りの人以外がモノパッドで真宮寺君の位置を確認して現場にかけつければ、隠し部屋から女子トイレを迂回して行くより早く辿り着くことができると思うっす」

天海「どうっすかね?」

915: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 23:29:48.39 ID:SFDEnkCd0
東条「私達が直接真宮寺君を見張るより確実で怪しまれないし、いい方法だと思うわ」

最原「あとは入間さんがどれくらいでそれを開発することが出来るかだけど…」

天海「入間さんなら1日2日で作ってくれると思うっす」

天海「前にセンサーの複数のリモコンの連動をしてもらった時には、すぐ終わりましたし」

東条「監視専用機材を作ってもらうとなると時間がかかりそうだけど、デュアルディスプレイにするだけなら手頃なモニタを私達が見つけて持っていくだけで、彼女ならすぐ設定出来るんじゃないかしら?」

東条「問題は彼女のあのPCのスペックや、私達が操作ミスで彼女の作業の邪魔をしてしまわないか…だけれど」

最原「その辺は入間さんと直接相談してみようか」

東条「そうね」

東条「他に今話がある人は居るかしら?」

天海「俺はもう大丈夫っす」

最原「僕も話すことはないかな」

東条「そう、じゃあ戻りましょうか」最原をお姫様抱っこ

最原「またこれ!?」

916: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 23:42:40.39 ID:SFDEnkCd0
ー倉庫ー


東条「戻ったわ」最原を床に降ろす

真宮寺「ククク…、僕の処分が決まったかい?」

百田「何で余裕そうなんだよテメーは!」

真宮寺「僕を殺すつもりならとっくにやってるだろうし、こんなことをしてまで僕の犯行を食い止めたということは、君達は人が死ぬことが嫌なんじゃないかな」

真宮寺「別に僕は死ぬわけでもないし、こういう状況の時、君達はどういう答えを導き出すのか…」

真宮寺「そっちの方が僕は興味があるからネ…!」

天海「まあ結論から言うと、厳重注意で終わりっす」

真宮寺「ヘェ…」

百田「おいおい、いいのかよ…」

最原「僕達だって手荒な真似はしたくないからね…」

東条「ただし、2度目は無いわよ」

917: ◆k6xhNpU36A 2017/05/07(日) 23:52:54.73 ID:SFDEnkCd0
天海「それと、女子と部屋で2人きりになるのも禁止っす」

天海「もしそんな現場を見かけたら、解斗君の鉄拳が炸裂するんで」

百田「オレかよ…、まあいいけどよ…」

最原「幸い今回は未遂だったし、君が今まで殺人をしたことがないという言葉を信じて君を直接見張ることはないよ」

最原「ただし、今後怪しまれるような行動は謹んでほしいな」

真宮寺「…君達は随分お人好しなんだネ」

真宮寺「個室にずっと監禁くらいは覚悟していたヨ」

東条「次貴方が殺人を企てればお望み通り、監禁させてもらうわよ」

最原「勿論、キミの部屋に仕掛けた盗聴器はそのままにしておくからね」

真宮寺「…まァ、いいけどネ…」

真宮寺「今後は君達の行動でも観察させてもらうとするヨ」

真宮寺「君達は今後どうするんだろうネ…」

918: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 00:02:12.36 ID:KL+xF5n10
真宮寺「ところで、『女子と部屋で2人きりになるのは禁止』って言うけどさ、確認なんだけど、最原君は結局男子ってことで良いんだよネ?」

最原(性別に関係なく僕は真宮寺くんともう2人きりにはなりたくないけど…)

最原(まさかまだ僕が女の可能性があると思っているのか…?)

最原(…………どうする?)



①女子ということにしておくと後々面倒になりそうだし「普通に男子だけど」とちゃんと言っておく

②他の女子が次狙われる可能性が低くなるかもしれない…、女子ということにしておく


安価↓1

919: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/08(月) 00:02:37.68 ID:R8Hbmhl10

920: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 00:20:15.19 ID:KL+xF5n10
最原「普通に男子だけど…」

真宮寺「把握したヨ」

真宮寺「他に禁止事項や注意事項はあるかい?」

東条「そうね…、料理を禁止させてもらうわ」

東条「包丁を殺人の凶器にするような人には料理なんてさせられないわ」

真宮寺「それは残念だヨ」

天海「あと今後勝手な企画の開催も禁止させてもらうっす、一応」

天海「もし何かやりたいなら事前に教えてもらうっすよ」

真宮寺「わかったヨ、他には?」

最原「……もう無いかな…?」

真宮寺「それじゃあ、そろそろ拘束を解いてもらっても良いかな?」

全員「……」

東条「…仕方ないわね、変なことを考えないことね」

921: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 00:30:59.76 ID:KL+xF5n10
東条「百田君、拘束からの解放をお願いするわ」つハサミ

東条「真宮寺君、拘束が解かれたらブーツを脱いで、そのままゆっくり立ち上がってちょうだい」

東条「そうしたら百田君は真宮寺君の上着を脱がせて、私の方に投げてくれるかしら?」

東条「百田君はそのまま真宮寺君の体を触って怪しい物が無いかチェックしてちょうだい、ブーツの方もお願いね」

東条「包丁の他に凶器を持っていないかチェックしたいの」

百田「おう、わかったぜ」

東条「天海君はそのままそこで真宮寺君を警戒していて」

天海「わかったっす」

東条「最原君はそのまま休んでいて構わないわよ」

最原「……役に立てなくてごめん…」

東条「そんなことないわよ、貴方は頭を使っているじゃない」

最原(東条さんと天海くんだけで頭脳足りてそうな気がするけどね…)

922: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 00:47:56.14 ID:KL+xF5n10
ーーー


東条「…他に凶器は無いようね」

東条(内ポケットの中に手鏡や替えのマスクがあるくらいね)

百田「こっちも問題ねえ」

真宮寺「ブーツを履いても?」

東条「ええ、構わないわ」

真宮寺「上着も返してもらえると助かるヨ」

東条「ええ、どうぞ」つ上着

東条「それじゃあ私と百田君で彼を寄宿舎まで送りましょう」

東条「最原君はここで落ち着くまで休んでいてちょうだい」

東条「天海君は彼を見てあげててね」

東条「準備ができたら落ち合いましょう」

最原(センサーやそのリモコン、使えそうなモニターを確保しておけってことだろうね)

最原「うん、じゃあちょっと休ませてもらうよ」

天海「任せてほしいっす」

923: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 01:06:43.22 ID:KL+xF5n10
東条「それじゃあ行くわよ、私は後方を歩かせてもらうわね」

真宮寺「最原君、良い夢を…ククク」

最原「……」

百田「さっさと行くぞ!」真宮寺の腕を掴んで引っ張る

ガチャッパタン

最原(3人が倉庫から出ていった…)

最原「はぁあぁ……」ため息

天海「ほんとお疲れ様っす」つ水の入ったペットボトル

最原「ありがとう…」ゴクゴク

最原「…大丈夫かな…?」

天海「あの2人なら強いし、真宮寺君相手なら余裕で勝てると思うんで大丈夫と思うっすよ」

最原「それも心配だけどさ、真宮寺くんを拘束しなかったから…、彼の見張りの装置が出来るまで女子のみんなは大丈夫かな?って思って…」

最原「再犯するにしても、今は僕らの警戒が凄いからすぐにはしないと思うけど…」

最原「本当にこれで良かったのかな?ってちょっと悩んでるんだよね…」

924: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 01:26:48.39 ID:KL+xF5n10
天海「東条さんのことなんで、多分彼をそのまま放置とかはしないと思うっすよ」

天海「とりあえずドアを外側から何かしらの方法で施錠したり、解斗君を一時的に見張りに寄宿舎のロビーにでも置いて戻ってくると思うっす」

最原「まあ彼女は頭がいいし、あっちのことは任せておこうか」

天海「それじゃあ俺はとりあえずセンサーとリモコンを確保してくるんで、終一君は休んでて下さいっす」スタスタ

最原「うん…、ありがとう」



ーーー


天海「とりあえずセンサー系持ってきたんで、ここ置いとくっすね」

天海「あとはモニタとケーブルっすね」

最原「う…よいしょっと…」立ち上がる

天海「もう大丈夫っすか?」

最原「うん、真宮寺くんが居なくなってしばらく経ったし、もうだいぶリラックス状態になったみたいだから…」

925: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 01:38:37.09 ID:KL+xF5n10
天海「じゃあケーブルとモニタ探すっすよ」

最原「あと金切りバサミが欲しいかな」

最原「鉄板コルセットをいい加減脱ぎたくて…」

天海「ああ、もう随分着けてるっすよね」

天海「…包丁は本当に貫通してないっすよね?」

最原「うん、それは大丈夫だよ」

最原「…身につけてなかったらと思うと、ゾッとするよね…」

天海「東条さんに感謝っすね」

最原「うん」

最原「じゃあモニタとケーブル探そうか、金切りバサミは別に後回しでもいいから」

天海「確かAV機器ならあっちの棚に…」

926: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 01:47:33.66 ID:KL+xF5n10
ーマザーモノクマの部屋ー


天海「持ってきたっすよ」モニタを置く

王馬「おつかれー」

東条「ご苦労様、発明品の話は既に入間さんに通したわよ」

最原「それじゃあ入間さん、この中にセンサーとリモコンとケーブルが入ってるから…」つエコバッグ

入間「はぁ…、またこんなつまんねーもん作らねーといけねーのかよ…」

天海「まあそう言わずに」

最原「…百田くんは?」

東条「真宮寺君が部屋から出てこないように、寄宿舎のロビーに居てもらってるわ」

東条「勿論、一晩中だなんて見張らせる気はないわよ」

最原「そうなんだね」

最原「…百田くん、大丈夫かな…」

東条「彼ならきっと大丈夫よ」

929: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 02:01:23.97 ID:KL+xF5n10
王馬「今この唯一のモニタで真宮寺ちゃんの部屋映してるし、何か問題あったら天海ちゃん辺りがすぐ行ってくれるよ」

最原「そっか…、じゃあ大丈夫だね」

天海「そんなに俺の足の早さに期待されても…」

東条「入間さん、どれくらいかかりそうかわかるかしら?」

入間「完全に別の機材として運用するなら色々時間がかかりそうだけどよ、デュアルディスプレイでもいいんだろ?」

入間「だったらこっちのPCのスペック的には問題ね―し、実質そっちのセンサーの改造と、監視カメラの操作の簡易化ソフトの作成くらいだな、時間を割くとしたら」

入間「製作日数は…1日くらいじゃねーの?」

王馬「入間ちゃんにしては意外と時間かかるね」

入間「センサーがこっちの、元々黒幕が侵入してきた用に置いていたものと同一の型だから、リモコンのセンサー音を差し替えようと思ってな…」

最原「確かに同じ音が鳴ったら、一瞬どっちの緊急事態か戸惑っちゃうよね」

930: ◆k6xhNpU36A 2017/05/08(月) 02:08:37.33 ID:KL+xF5n10
入間「その差し替えの音をオレ様の喘ぎ声にでもしようと思ってるから、録音に時間がかかりそうだから、その分の時間で1日だな」

王馬「肉便器ちゃんは普段どんな生活してたら、そんなキモい発想がパッと出てくるの?」

東条「入間さん、余計な機能は不要だから完成を急いでちょうだい」

最原「まあリモコンのセンサーの音が同じでも、耳を近づけたらどっちの物か分かるしね…」

天海「あ、これ倉庫から持ってきたタックシールっす」

天海「これに『真宮寺』とか書いて貼って目印にしたらどうっすかね」

入間「『なめくじ』…と」カキカキ

最原「なんで!?」

入間「そんなの、あいつがジメジメした陰険野郎だからに決まってるだろーが!」

東条「…余計な機能を省いたらどのくらいで全てが出来そうかしら?」

入間「んー…、オレ様の眠気にも作用されるけどよ、半日だな」

王馬「どんだけ録音に気合入れるつもりだったんだよ」

東条「半日ね、わかったわ」

936: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 21:40:19.67 ID:aPaH4tI/0
入間「とりあえずモニタを繋いで…っと」

入間「…………よし。で、こっちに監視カメラの画面を移して…、こっちの画面はしばらくは監視カメラ操作のソフトのプログラミングだな」

入間「じゃあオレ様は20分くらいで新しいセンサーの設定をするから、それまで誰かその真宮寺の部屋の監視画面見張ってろよ」

天海「じゃあ俺が画面見てるっすよ」

王馬「ねえ、そろそろ眠いんだけどー」

東条「新しいセンサーリモコンの設定が完了して、それを受け取るまで待っててちょうだい」

最原「東条さん、金切りバサミ持ってきたから鉄板切ってくれないかな?」

東条「わかったわ」

東条「帽子と学ランも元に戻すかしら?」

最原「うん、重いし そうしてもらえると助かるよ」学ランぬぎぬぎ

937: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 21:43:25.01 ID:aPaH4tI/0
ーーー


東条「はい、終わったわよ」つ帽子

最原「あ、ありがとう…」いそしそと帽子をかぶる

東条「これで全部外せたわね」

王馬「ねえ何で上半身脱いでた時より、帽子がただ無いだけの状態の方が もじもじそわそわしてたの?」

入間「鉄板原は頭見られると興奮するタイプの変態なんだろ」ガチャガチャ

最原「聞いたこと無いよ、そんな◯◯…」

入間「よし、センサーの連動の設定が終わったぜ」

入間「ちゃんと目印にタックシールも貼ったぞ」つセンサーのリモコン

最原「……シールに『塩』って書いてるけどこれ何?」

入間「なめくじって文字数多くて面倒くさかったからな…」

入間「なめくじと言えば塩だろ!そういうこった!」

最原「真宮寺くんの『真』とかで良かったんじゃ…」

東条「まあ、最初のセンサーのリモコンと見分けがつけばいいのだし、何でもいいわよ」

938: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 21:55:57.07 ID:aPaH4tI/0
入間「よし、じゃあセンサーを動かしてちゃんと今渡した方のリモコンが鳴るかどうかテストするぞ」

入間「ちなみにセンサーの本体は『なめくじ』ってシールに書いてる方が、塩リモコンと連動してるからな」

王馬「…これ例えば、もし見張りの対象が終一ちゃんとかなら『根暗』とか書かれたのかな?」

最原「『根暗』って画数多いから、それはどうかな」

最原「王馬くんが見張りの対象なら『クソガキ』だろうね」

入間「今のノリならそれぞれ『壁尻原』と『ツルショタ』だな」

王馬「律儀に答えなくていいから、早く鳴らしなよ」

最原「折角あのこと忘れてたのに…」

最原「それにそれだと僕ってわからないよね…。てか滅茶苦茶画数多いじゃないか…」

天海「でも真宮寺くんの『塩』も大概っすよね」

東条「どうでもいいわ、入間さん早くテストしてちょうだい」

入間「じゃあセンサーのスイッチを入れて…、動かすぜ」センサーをテーブルの上で動かす

939: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 22:03:20.14 ID:aPaH4tI/0
最原(最初に受け取ったセンサーのテストをした時と、同じ音が鳴った)

入間「どうせ問題なかっただろ?」スイッチを切る

最原「うん、僕のは問題ないよ」

東条「私用の物と、百田君用のもちゃんと機能しているわ」

王馬「オレのも大丈夫だよ」

天海「俺も問題ないっす」

入間「さっすがオレ様だな!」

東条「ええ、流石ね」

東条「その調子で残りの監視カメラ操作のソフトのプログラミングも頑張ってちょうだい」

入間「ったくよぉ、あのカマ野郎のせいで余計な仕事が増えやがって…」カタカタカタ…

王馬「それじゃあやっとこれで寝れるね」

王馬「見張りのシフトは変わんないでしょ?」

東条「ええ、そうね」

入間「そういえばそんなもんあったな」

入間「オレ様はほぼここに居るから、なんかもうわかんねーことになってるが」

940: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 22:14:05.61 ID:aPaH4tI/0
東条「それじゃあ私達は見張りを始めるから、貴方達は寄宿舎に戻ってもらってもいいわよ」

東条「百田君が寄宿舎のロビーを見張ってると思うから、新しいセンサーのリモコンを渡して、もう見張らなくても大丈夫と伝えてくれないかしら」つセンサーのリモコン

最原「うん、わかったよ」リモコンを受け取る

王馬「それじゃあおやすみー」スタスタ

東条「……待ちなさい、王馬君」

東条「貴方全然お弁当食べてないじゃないの」つ豚足弁当

最原「え、食べてないの?罰ゲームなんだからちゃんと食べてよ」

王馬「あれ?言ってなかったっけ?オレ実は豚足アレルギーなんだよね」

王馬「だから本当は食べたいんだけど食べられないんだよ!うわああああああああん!!!」

天海「豚の部位で豚足だけっすか、随分限定的なアレルギーっすね」

最原「折角東条さんが作ってくれたんだし、勿体無いから食べなよ」

王馬「勿体無いなら終一ちゃんが食べていいよ?」

最原「それじゃあ罰ゲームにならないじゃないか…」

941: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 22:24:53.78 ID:aPaH4tI/0
最原「それに、こんな時間に食べたら僕太っちゃうし…」

王馬「太ると思ってるなら、オレに食べさせようとしないでよね!」

最原「いっぱい時間あったのに、さっさと食べないから…」

王馬「てか終一ちゃんは細いんだから、ちょっとくらい太った方が良いよ」

最原「嫌だよ。王馬くんこそもうちょっと太りなよ」

入間「テメーら女子かよ!」

東条「困ったわね…、今の時間だと食堂は開かないから冷蔵庫に入れられないし、このままだとお弁当が悪くなってしまうわね」

王馬「じゃあ、蘭兄ちゃん食べる?」つ弁当

天海「いや、別にお腹減ってないんでいいっす」

王馬「蘭太郎お兄ちゃん、これ食べて♡」つ弁当

天海「夜食にいただくっす」受け取る

最原「天海くんチョロすぎだよ!甘やかしたら駄目だから!」

942: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 22:33:27.50 ID:aPaH4tI/0
最原「折角僕が勝ったのに…」

東条「しょうがないわね…」

東条「じゃあ、王馬君が食べてくれるまで豚足のメニューを続けましょうか」

最原「お願いするよ、東条さん」

王馬「拷問かな?」



ー寄宿舎ロビーー


最原(えっと、百田くんは…)

百田「そっちも一段落したみてーだな、おつかれ!」

最原(寄宿舎の2階の階段付近に百田くんが居るね)

最原「そっちこそお疲れ様」階段をのぼる

天海「ずっとそこに居たんすか?」

百田「流石にここに立ちっぱじゃねーぞ」

百田「部屋のドアを開けて、ドアの近くに椅子持ってきて座って本読んでたぜ」

943: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 22:44:02.09 ID:aPaH4tI/0
百田「ドアさえ開けてれば誰かが出入りしたら音で気づくし、何より真宮寺が女子の部屋に向かおうとするならここから見えるだろうしよ」

王馬「へー、百田ちゃんも ちゃんと考えてるんだね」

王馬「てっきり馬鹿みたいに、真宮寺ちゃんのドアの前で開かないように座ってるかと思ってたよ」

百田「あのなぁ…」

最原「そうだ、これ…」つセンサーのリモコン

最原「新しいやつだよ、有事の際はそれが鳴るから、その際はモノパッドで彼の位置を確認して駆けつけてもらうと助かるよ」

天海「細かいことはまた例の部屋で追って説明するっす」

天海「目印はそのシールっす」

百田「おう、わかった」

王馬「そんなわけだから、もうここ見張らなくていいよ」

百田「そうか…。うーん、でもなあ…」

天海「気になるっすか?」

百田「ああ…」

944: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 22:59:27.70 ID:aPaH4tI/0
王馬「何か怪しい行動見せたらそれが鳴るんだし、寝てもいいんだよ?」

王馬「それとも百田ちゃんは、見張りの女子2人のことを信用してないのかな?」

百田「信用してねえわけじゃねーけどよ、さっきの今だしなんつーか、こっちの方がなんかあった時早く何とか出来るだろ」

百田「それにこうやって直接見張るやつが居た方が、終一も安心して寝れるだろ?」

最原(さっき僕が腰抜かしたから、気を使ってくれてるのか…)

最原「でも逆に心配になるよ…」

百田「何だと!?オレがケンカで負けると思ってんのか!?」

最原「そうじゃなくて、百田くんもそろそろ寝ないと辛いんじゃない?」

百田「確かに、ちょっと眠くなってきたけどよ…」

最原「だったら寝てほしいな」

最原「百田くんは6時からまた見張りについてもらわないといけないし、これが原因で体調を崩されても困るし…」

最原「僕は東条さん達を信用してるから安心して寝れるから、大丈夫だよ」

945: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 23:09:44.74 ID:aPaH4tI/0
王馬「そういう親切の押し付けされて後の行動に支障をきたしても、こっちが困っちゃうよねー?終一ちゃん」

最原(言い方悪いなぁ…)

百田「…そうだよな、わりぃ」

最原「でもあの、百田くんの気持ちはとっても嬉しいから…」

最原「気遣ってくれてありがとう…、あと、気を使わせてごめん…」

百田「あやまんなよ、仲間を気遣うのは当たり前だろ」

天海「…まあ解斗君が見張りたいって言うなら、見張っても良いと思うっすけどね」

天海「俺との見張りの時間に寝てもらってもいいんで」

王馬「折角話が終わりかけてたところなのに、いきなり意見ぶっ込まないでよ!」

王馬「こっちは早く切り上げて寝たいのに!」

天海「先寝てもらってもいいっすよ?」

王馬「そう?じゃあおやすみー」ノシ

王馬「ぐっすり探偵も早く寝ないと、8時間寝れないよ?」スタスタ

最原「ぐっすり探偵って…」

946: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 23:19:58.13 ID:aPaH4tI/0
百田「うーん…、でも蘭太郎との見張りの時間に寝たら蘭太郎に迷惑がかかっちまうよな」

天海「俺は別に構わないっすよ」

天海「俺らの見張りの時間なら入間さんも居ることですし」

百田「また入間は何かやるんだな」

天海「はい、今はプログラミングしてもらってるんすよね」

百田「あいつも何かと忙しいよな…」

百田「…天海と入間が働いてるのに、その間オレだけ寝るわけにもいかねーよな…」

最原「今から寝てくれるんだね」

百田「ああ、すまねえな」

最原「ううん、いいんだよ」

最原「疲れて倒れられたらと思うと心配だったし…」

天海「それじゃあ寝るとするっすよ」

百田「おう、おやすみ!」部屋に戻ろうとする

最原「あ、ちょっと待って…」

947: ◆k6xhNpU36A 2017/05/10(水) 23:55:22.38 ID:aPaH4tI/0
百田「ん?どうしたんだ?」

最原「あの、僕まだ助けてもらったお礼言ってなかったから…」

最原「えっと、百田くん、助けてくれてありがとう…」

百田「いいってことよ!怪我なかったか?」

最原「うん、大丈夫だよ」

最原「百田くんも怪我してない?」

百田「ああ、問題ねーよ」

最原「良かった…」

最原「それじゃあ あの、引き止めてごめんね」

最原「おやすみなさい」

天海「解斗君、おやすみなさいっす」

百田「おう、いい夢見ろよ!」ドアパタン

最原(その後天海くんとも別れて部屋に帰った僕は、シャワーを浴びて布団に入ると、意外にもすっと眠ることが出来た)

948: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 00:01:40.97 ID:5qbpLzSn0
ー朝、寄宿舎ロビーー


最原(食堂に行こう…)自室のドアガチャッ

カンッ

最原「ん?」

モノタロウ「あ!それはレアアイテム『死亡フラッグ』だよ!」ヒョコッ

モノタロウ「それを持ってると死亡フラグを言いたくなるんだよ」

モノタロウ「友達と一緒にそれで遊んだら楽しいと思うよ!」

最原「ふんっ!」ベキッ

モノタロウ「ああ!高いアイテムなのに…!」

最原「こないだ天海くんに、これを拾わせたのもお前達だな?」バキボキ

モノタロウ「うん、暇だったからね」

モノタロウ「まだカジノも開いてないし…」

最原「カジノ?」ボキッペキッ

モノタロウ「あ、カジノが気になる?」

949: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 00:11:49.23 ID:5qbpLzSn0
モノタロウ「じゃあ人を殺したらいいよ!」

最原「どうしてそういうことになるんだよ…、僕は殺人なんてしないよ」

モノタロウ「そうしたら、カジノとラブアパートへの道が開けるのに…」

最原「ラブアパート…?」

モノタロウ「ラブアパートって言うのはね、要するにホテルのことだよ」

最原「…入間さん以外、誰も興味持たなそうな施設だね…」

モノタロウ「あそこは別に、ただ◯◯◯なだけの施設じゃないんだけどね」

最原「??」

最原「というか、人を殺したらその時点で卒業だろ?」

最原「自分が居なくなった後、学園の施設が増えたところで関係ないよね?」

モノタロウ「そうだね、置き土産にしかならないね」

モノタロウ「あ!じゃあ殺人示唆したら良いんじゃないかな?」

モノタロウ「そうしたら新しい施設を満喫することができるよ!」

最原「示唆もしないってば!」

950: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 00:21:11.28 ID:5qbpLzSn0
最原(モノクマーズは頭が悪いからあまり脅威ではないけど、とうとうこんなちょっかいまで出してきたか…)

最原(モノクマがAIなら、こいつらもAIなのかな…)

最原(変に成長とかしなきゃいいけど…)

最原(…モノクマーズが馬鹿なうちに、新しい情報を手に入れられないかどうか色々訊いてみようかな)

最原「…そういえば、途中から解放された施設で入間さんの研究教室と赤松さんの研究教室があったけどさ、あれから結構経つけど、他の施設はまだ解放されないの?」

モノタロウ「あれ?入間さん達の研究教室って最初から解放されてなかったっけ?」

最原「されてないよ」

モノタロウ「へー、そうだったんだね」

最原「ちなみに僕の研究教室はいつ解放されるの?」

モノタロウ「うーん…、結構先じゃないかなぁ」

最原「天海くんの研究教室は?」

モノタロウ「…?天海くんって誰のこと…?」

951: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 00:32:17.18 ID:5qbpLzSn0
最原(これは素なのか?)

最原(それとも僕を苛立たせようと、ワザととぼけているのか…?)

最原「天海くんっていうのは、髪が黄緑色の背が高い男子生徒のことだよ」

モノタロウ「うう…、オイラよくわかんないよ…」

最原「この生徒だよ、ほら!」屈んでモノパッドのプロフィール画面を見せる

モノタロウ「ああ、この人のことなんだね!」

モノタロウ「この人のことなら、オイラよく覚えているよ!」

最原(名前すら覚えてないじゃないか…)

モノタロウ「で、何の質問だったっけ?」

最原「『彼の研究教室はいつ解放されるのか?』っていう質問をしたんだけど…」

モノタロウ「だいぶ先だね!」

最原(まだ工事中の上の方の階ってことなのかな…?)

最原(しばらく彼の才能が何なのかは、分かりそうもないかな…)

952: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 00:42:23.68 ID:5qbpLzSn0
最原「ちなみにコロシアイ首謀者の研究教室もあるの?」

モノタロウ「うん、あるよ!無かったら怪しいからね!」

最原「…研究教室があるっていうことは、やっぱり僕ら生徒の中に首謀者が居るんだね」

モノタロウ「…え?あれ?キサマラは生徒の中に首謀者が居ると思って行動してたよね?」

最原「一応その体でやっていたけど、キミの言葉を聞いて今確信になったね」

最原(しかも『コロシアイの首謀者』という確信が…)

最原(どこか別の場所に首謀者が居て、その首謀者に脅されたりして良いように使われていた『裏切り者』とかならまだ良かったんだけど…)

モノタロウ「……えーっと…」

モノタロウ「ばーいくm」

最原「待ってよ」ガシッ

最原「まだキミに用があるんだよね」

953: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 00:43:14.47 ID:5qbpLzSn0
最原(さて、どうしようかな…)



①質問を続ける(質問の内容もどうぞ)

②体に直接訊く(入間に解析してもらう)

③仲良くなって付け入る

④とりあえず壊す

⑤その他(リクエストどうぞ)

⑥やっぱりなんでもない


安価↓1(ただしコンマ偶数で他のモノクマーズが邪魔に入ります)

956: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 00:59:13.90 ID:5qbpLzSn0
最原(あまり過激なことをすると警戒されるだろうし、確信めいた質問には答えてくれないだろうし…)

最原(…仲良くなって付け入ってみるかな)

最原(ロボット相手にこんなの効果があるかは知らないけど、とりあえずやるだけやってみようかな)

最原「僕実はキミと仲良くなりたいんだよね」

モノタロウ「…え?」

最原「僕と友達になってくれないかな?」

モノタロウ「うん!いいよー!」

最原「じゃあ僕今から食堂にご飯食べに行くからさ、モノタロウも一緒に行こうよ」

最原「…ご飯は食べられないかもしれないけど、一緒に話とかしたいな」

モノタロウ「うんわかった!行くよー!」

最原(演技なのか、チョロいだけなのか…)

最原「よし、それじゃ行こっか」モノタロウを抱っこする

957: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 01:09:10.66 ID:5qbpLzSn0
ー食堂ー


最原「おはよう」ドアガチャッ

赤松「最原くん、おはy……えぇっ!?」

白銀「!!!!????な、なんでモノクマーズを連れてるの?」

最原「実はさっき、彼と友達になったんだよね」

白銀「TOMODACHI!?」

王馬「終一ちゃん、ロボットと友達になるとかヤバくない?」

王馬「だってロボットだよ?鉄屑なんだよ!?」

キーボ「!?王馬クン!その言葉、録音させてもらいましたからね!」

キーボ「ロボット差別として、後で然るべき機関で訴えますからね!」

夢野「じゃがロボットはないじゃろ…」

キーボ「夢野さんまで!?」

958: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 01:23:01.09 ID:5qbpLzSn0
最原「ロボットとか人間とか、そんなのは関係ないよ」

最原「僕はただこのモノタロウと友達になりたいと思った、それだけだからね」

茶柱「…あのー、最原さん、大丈夫ですか?」

茶柱「そのロボットは黒幕側のロボットなんですよ?」

茶柱「どうしてもロボットと友達になりたいと言うなら、キーボさんの方が良いと思いますよ」

最原「僕、この子はそんなに悪い子じゃない気がするんだよね」

真宮寺「…ストックホルム症候群の疑いがあるネ」

星「ここでの軟禁生活が長引いちまってるから、そうなっちまったんだろうな…」

星「可哀想な奴だぜ」

最原(……何と言われようと、僕はめげないぞ…)

モノタロウ「…えーっと、最原クン、オイラのせいでなんかごめんね」

最原「ううん、気にしなくていいよ」

最原「僕がキミと友達になりたいって言ったんだからさ…」

最原「みんなに何と言われようと、僕は彼と友達で居るよ」頭よしよし

モノタロウ「最原クン…」

959: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 01:36:12.78 ID:5qbpLzSn0
キーボ「最原クン…、みんなに何と言われようと態度を改めないキミの姿勢にボクは感動しました!」

キーボ「キミ達の友情を応援させていただきますね!」

最原「本当?ありがとう」

キーボ「ということでボクもキミと友達になってもいいですかね?」

モノタロウ「うん、いいよー!」

茶柱「ま、まあ、害がなければいいんじゃないでしょうか」

赤松「うん、まあ、見てるだけなら可愛いぬいぐるみだしね…」

白銀「まあ確かに、最近はモノクマーズも大人しくなってきたけどさぁ…」

王馬「まあいいんじゃない?」

王馬「みんなもうちょっとロボットに愛を持って接してあげなよ!」

キーボ「キミがそれを言うんですか!?」

夢野「意見がコロコロ変わるやつじゃのう…」

ゴン太「うん、種族は違っても友達になれると思うよ!」

961: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 01:52:40.46 ID:5qbpLzSn0
東条「…みんなが良いなら、私も勿論問題ないわ」

東条「最原君、ご飯は洋食にする?それとも和食?」

最原「洋食かな」

東条「すぐに持ってくるわね」スタスタ

最原(話しも落ち着いたみたいだし、席に座ろうかな)

最原「モノタロウはどこに座る?」

モノタロウ「うーんと…、オイラはお父ちゃんと違って小さいし、モノダムみたいに足も伸びないから椅子に座ったら、ちょっとテーブルの位置が高いんだよね」

モノタロウ「テーブルの上に座ろうかなー?」

東条「駄目よ」ご飯を持ってきた

東条「テーブルは座ったり立ったりする家具じゃないもの」

モノタロウ「そっか…」ショボーン

最原「…僕の膝に座る?」

モノタロウ「うん!」

最原(…食べるのに結構邪魔くさいな…)

最原(まあモノタロウは喜んでるみたいだし、いいか…)頭よしよし

962: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 02:05:13.67 ID:5qbpLzSn0
白銀「…マスコットを抱える最原くん、いいね…」グッ

赤松「こうして見てる分にはほんと可愛いよね、モノクマーズは」

王馬「そういえば終一ちゃん、オレちゃんと豚足食べたからね」

最原「朝から豚足?よく食べれるね…」

王馬「オレもまさか朝から出されるとは思わなかったよ…」

王馬「東条ちゃん、マジで毎食豚足出す気なんだなと思って、まあ死ぬわけじゃないしと思って頑張って食べたよ」

最原「それを証明する人は?」

王馬「今ここに居る人達がそうだよ」

赤松「あ、確かに朝から凄いの食べてるなーと思って見てたから、私が証明出来るよ」

最原「じゃあ本当なんだね」

モノタロウ「王馬クンは豚足が嫌いなんだね」

王馬「いやいや…、お前は黒幕側のロボットだよね?」

王馬「そっちが勝手に作成したプロフィールのせいで、オレはこんなことになったんだから!」

964: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 02:14:02.78 ID:5qbpLzSn0
最原「いや、元々王馬くんが勝手に賭けなんてしたから…」

モノタロウ「……黒幕って何だったっけ?」

最原(大丈夫だろうか、このロボットは…)

王馬「お前らのことだよ、うりうりー」箸をモノタロウの鼻の穴にぶっ刺す

モノタロウ「わわっ、痛いよー!」

王馬「へー、ロボットでも痛みとか感じるんだ?」

最原「ちょっと!止めなよ」箸をどける

キーボ「というか王馬クン、またロボット差別発言をしましたね!」

王馬「キー坊は痛覚あるの?」ゲシゲシ

キーボ「止めて下さい!」

王馬「痛いの?それとも人間ぶってるだけ?」ゲシゲシ

キーボ「いじめっ子ですか!」

最原「……」モグモグ

キーボ「…止めてくださいよ最原クン!」

最原「え?」モグモグ

969: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 21:59:20.56 ID:5qbpLzSn0
ーーー


最原(さて、ご飯も食べ終わったし、お茶飲んで一息ついたけど…)

最原(うーん…、これからどうしようかな…)

最原(とりあえずモノタロウと、もっと仲良くならないとなぁ…)

最原「モノタロウ、何かしたいことある?」

モノタロウ「うーんと…、しなきゃいけないことならあるんだけど、したいことは別にないかな?」

最原「しなきゃいけないことって?」

モノタロウ「エグイサルを指揮して、学校の改築を進めることだよー」

モノタロウ「ほとんど自動操縦モードでいいんだけど、作業工程が変わる時は手動で切り替えないといけないからね」

最原「へえ、大変だね」

モノタロウ「まあほとんど自動でやってるから大丈夫なんだけどね」

最原「ふーん…」

970: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 22:08:00.04 ID:5qbpLzSn0
モノタロウ「そうだ!最原クン、エグイサルに乗ってみる?」

最原「え?いいの?」

モノタロウ「うん、いいよー!オイラ達友達だもんね!」

最原「それじゃあ…、乗ってみたいな」

最原「でもあれってモノクマーズ専用じゃないの?」

モノタロウ「一応人間も搭乗できるんだよー」

モノタロウ「ゴン太クンくらい大きいとちょっと窮屈と思うけど、最原クンなら膝にオイラを乗せてもスペースは大丈夫だと思うよ」

最原「へぇ…、知らなかったなぁ」

モノタロウ「人も搭乗出来ると言っても、オイラ達モノクマーズが乗っていないと操作出来ないようになってるんだけどね」

モノタロウ「まあハッキングでも出来たら別だけど」

最原(ハッキングか…)

王馬「話は聞いたよ!エグイサルに乗れるんだって!?」

王馬「いいなー!オレもあれに乗りたいなー!」

971: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 22:19:20.70 ID:5qbpLzSn0
王馬「オレも乗せてよー!ねーねーいいでしょ!?」

モノタロウ「えっと…、オイラ、王馬クンと友達だったっけ…?」

王馬「勿論友達だよ!」

王馬「えっ、酷いな…、忘れちゃってたの…?」

王馬「友達を忘れるなんてうわああああああああん!!!」

モノタロウ「ごめんね、オイラ忘れっぽいから…」

モノタロウ「じゃあいいよ!王馬クンもおいでよ!」

王馬「やったー!」

最原(モノタロウ、驚きのチョロさだな…)

モノタロウ「じゃあ中庭に行こうか」

最原「うん!」

王馬「行こ行こー!」タッタッタッ

973: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 22:30:13.12 ID:5qbpLzSn0
ー中庭ー


モノタロウ「おーい!エグイサルレッドー!」

ガシャンッ

最原「うわっ!?」

最原(どこからともなくエグイサルが飛んできたぞ…)

最原(…この学園に来た当初のことを思い出してちょっと恐いけど、頑張ろう)

モノタロウ「ここが開いて操縦席になってるんだよー」パカッ

モノタロウ「さあ最原クン、乗って乗って!」

王馬「えー、オレ後回しー?」

王馬「2人いけるんじゃない?」

最原「素直に外で待っててよ…」

王馬「だよねー」

王馬「早く変わってね!」

最原「よっと、お邪魔します」エグイサルによじ登り

974: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 22:41:08.77 ID:5qbpLzSn0
最原「よいしょっと」席に座る

モノタロウ「じゃあオイラも座るね」最原の膝に座る

モノタロウ「コックピットの扉閉めるよー」ウイーン

最原「おおっ…」

最原「へー、中からはこんな風に見えるんだ…」

モノタロウ「ちょっと動かすよー」ガシャンガシャン

最原「おお…、歩いてる…」

モノタロウ「そりゃあ歩くよ、エグイサルは2足歩行ロボットだからね!」

最原(結構揺れはするけど…)

最原「…なんか、ロボットアニメの登場人物になれたみたいでちょっと、楽しいかも…」

モノタロウ「じゃあロボットアニメっぽく、大ジャンプとかしちゃおっか」

最原「えっ…、それ中の僕は大丈夫なの…?」

モノタロウ「舌噛まないでねー」レバーガシャガシャ

975: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 22:53:23.90 ID:5qbpLzSn0
モノタロウ「ジャーンプ!」ピョーン

最原「うわああああ!?」

ガシャーン(着地)

最原「……」ドキドキ…

モノタロウ「大丈夫?」

最原「だ、大丈夫…」

最原「大丈夫だけど…、今の情けない声を王馬くんに聞かれたと思うと、恥ずかしいな…」

モノタロウ「あ、それは大丈夫だよ!」

モノタロウ「このマイクのスイッチをオンにしないと、外に声は聞こえないからね」

最原「へぇ…」

最原「…ねえ、このボタンは何?」

最原「みんなの名前が書いてあるシールが貼ってあるけど…」

モノタロウ「ああ、それはボイスチェンジャーだよ」

976: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 23:03:31.90 ID:5qbpLzSn0
モノタロウ「マイクをオンにしてそれを押して喋ると、その人の声を再現して喋るんだよ」

モノタロウ「ボイスチェンジャー解除は、そっちのボタンだね」

最原「なんでこんな機能があるの?」

モノタロウ「さぁ…、オイラにもよくわかんないんだよ」

最原「ふーん…」ボタンポチッポチッ

エグイサル百田声『あーあー、テステス…』

最原「おおっ…」

王馬『何その機能めっちゃ面白そうじゃーん!』エグイサルに向かって叫びながら

エグイサル白銀声『地味に楽しいよね』

王馬『早く変わって変わって―!』

エグイサル星声『もうちょっと待っててね』

王馬『その声でその喋り方ww』

最原(やばい、楽しくなってきた…)

最原(それにしても本当に、何の為の機能なんだろ…)

最原(ただの遊びなのかな…?)

977: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 23:15:20.53 ID:5qbpLzSn0
最原(一通り遊び終わった僕は、王馬くんと交代した)

最原(勿論、モノタロウも乗っている)

最原(ガシャガシャと基本動作した後、王馬くんもボイスチェンジャーで遊びだした)

エグイサル茶柱声『マイクテスト…』

最原(茶柱さんか…)

エグイサル茶柱声『実は転子、普通に男子が好きなんです!』

エグイサル春川声『…なにこれなにこれ!すっげー!たーのしーい!!』

最原「ぷふっ…、ちょっと…」

最原(茶柱さんまでは耐えられたけど、春川さんでつい笑ってしまった)

エグイサル最原声『真実は、いつもひとつ!』

最原「……」(真顔)

エグイサル赤松声『ちょっと最原くん、何で真顔なの?』

最原「いやだって、別に面白くなかったから…」

エグイサル星声『ねえオイラにも喋らせてよー』

最原「くっ…ww」

978: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 23:27:30.31 ID:5qbpLzSn0
ーーー


王馬「あー、面白かったー」

最原「そうだね」

モノタロウ「楽しんでもらえたようで、オイラも嬉しいよー」

王馬「やっぱりロボットはああであるべきだよね」

王馬「キー坊とかロマンの欠片も無いし…」

最原「キーボくんも僕らが知らないだけで、実は凄い機能とかあるかもだよ?」

王馬「オレも最初はそう思って色々話を聞いてみたんだけどさ、『視力両目1.5』『力持ちの老人程度の腕力』『ドライヤー代わりの温風が出る吐息』『アロマ判別機能付き』『10徳ナイフ指』『録音機能(テープ)』『マスクに変形する詰襟』くらいらしいよ、キー坊に付いてる機能は」

最原「『ドライヤー代わりの温風が出る吐息』ってなんか嫌だね…」

王馬「キモいよねー」

モノタロウ「王馬クンよくそんなに色々覚えられるね」

王馬「まあオレ結構記憶力いいしね」

979: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 23:37:34.03 ID:5qbpLzSn0
モノタロウ「オイラよく重要なこともうっかり忘れちゃうから、オイラも記憶力良くなりたいなあ」

モノタロウ「キサマラと友達だってことも、また忘れちゃうかもしれないし…」

最原(こっちは情報を抜くためにモノタロウに近づいたっていうのに、何だか申し訳なくなるな…)

最原(…エグイサルの情報も割りとベラベラ喋ってくれたけど、本当に友達だと思ってくれてるのかな?)

最原(それとも、エグイサルはモノクマーズが居ないと動かないからと、高をくくってるだけなのか?)

最原(まあ情報が得られるなら、どっちでもいいけど…)

王馬「まあ忘れちゃったらその時はまた、あることないこと教えてあげるよ」

モノタロウ「ほんと?わーい!」

最原(ないことも教えられるけど、いいのか…)

980: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 23:48:41.14 ID:5qbpLzSn0
ー食堂ー


最原「じゃあ、そろそろお昼ごはん作ろうか」モノタロウ抱っこ

春川「…?」ドアガチャッ

春川「最原、あんた何やってるの?」

最原「あ、そっか、春川さんとは朝会ってないからね…」

最原「実はモノタロウと友達になったんだよね」

モノタロウ「うん、友達なんだよー」

春川「違う、私が言いたいことはそんなことじゃないよ」

春川「貸して」モノタロウを取る

最原「あっ」

春川「このサイズの子供を抱えるときは、こう」モノタロウを抱っこする

春川「さっきまであんたがやってたことは、ぬいぐるみでも扱ってる感じだったよ」

王馬「いやほぼそれ、ぬいぐるみじゃん」

王馬「ていうか気になるのそっちなんだ…」

983: ◆k6xhNpU36A 2017/05/11(木) 23:58:12.05 ID:5qbpLzSn0
最原「流石保育士さんだね」

春川「ちょっと、こんな物持ってたら危ないでしょ」手裏剣を取り上げる

モノタロウ「あ!オイラの手裏剣取らないでよ!」バタバタ

春川「じゃあ貸して、カド取るから」

春川「その間、代わりにこれあげるよ、いらないから」つごはんのつみき

モノタロウ「わーい」

王馬「それでいいんだ…」

モノタロウ「オイラ、今までエグイサルしか物を貰ったこと無いから嬉しいんだー」

モノタロウ「このマフラーは物心ついた時からずっと持ってたし…」

王馬「ロボットって物心とかつくの?」

キーボ「ロボットだって物心くらいつきますよ!」

王馬「居たんだキー坊」

キーボ「居ましたよ!」

984: ◆k6xhNpU36A 2017/05/12(金) 00:11:20.06 ID:mSlbTfnj0
春川「倉庫にヤスリ探してくる」モノタロウを降ろす

赤松「春川さんってやっぱり、愛が深いタイプだったんだね!」

春川「は?意味わかんない」

春川「もし私らに この手裏剣を投げられでもしたら危ないから、角取るってだけなんだけど」

赤松「うんうん、じゃあそういうことにしておくね!」

春川「なんなのあんた…」

赤松「そうだ!私もヤスリ探し手伝うね!」

春川「じゃあ行くよ」スタスタ

赤松「うん!」スタスタ

最原「ああ…、折角だから女子にお昼作ってもらいたかったのに…」

モノタロウ「じゃあオイラが作るよ」

王馬「作れるの?」

モノタロウ「うん、作れるよ!」

985: ◆k6xhNpU36A 2017/05/12(金) 00:22:22.29 ID:mSlbTfnj0
モノタロウ「孫の誕生日に買ってきたケーキを1人で食べるおばあちゃん風パスタとかどうかな?」

最原「何それ切ない」

王馬「おばあちゃんっぽい味がするの…?」

キーボ「僕には味覚が無いのでわかりませんが、恐らくほんのりしょっぱい味なのではないでしょうか」

キーボ「涙的な意味で」

王馬「ねえモノタロウってデザートとかも作れるの?」

モノタロウ「うん、作れるよー」

王馬「まじで?後で作ってよ」

モノタロウ「いいよ!」

王馬「いやー、どこかの小豆洗いロボットとは違ってハイスペックじゃん」モノタロウの頭よしよし

キーボ「む!ボクだってクックパッドを見ながらなら、デザートだって作れるはずです!」

王馬「はいはい、鉄屑の癖にクックパッド使えるなんてやるじゃん」

王馬「まあこの学園はネット環境無いから、意味ないけどね」アンテナぐりぐり

キーボ「やめて下さい!折れてしまいます!」

986: ◆k6xhNpU36A 2017/05/12(金) 00:33:02.33 ID:mSlbTfnj0
モノタロウ「よーし、じゃあ厨房に行こうか」トコトコトコ

モノタロウ「わー!どうしよう!」

モノタロウ「調理台が高くて届かないよー!」

最原「うん、知ってた」

王馬「ねえ、ロボットってみんなこんなにバカなの?」

キーボ「何でボクに訊くんですか」

最原「じゃあ僕が作るから、モノタロウは指示してくれないかな?」

モノタロウ「うん、わかったよ!」

王馬「じゃあオレが持ってあげるよ」モノタロウを抱える

キーボ「先ほどの春川さんのアドバイス全無視の抱え方ですね」

王馬「生き物相手じゃないんだし、抱えられたら何でも良くない?」

987: ◆k6xhNpU36A 2017/05/12(金) 00:52:04.24 ID:mSlbTfnj0
ーーー



最原「言われた分量通り入れたけど、ちょっと塩辛いね」

モノタロウ「おばあちゃんの涙分塩辛くしてるからね」

王馬「味に影響するほどの分量の涙って、それもう異物混入レベルなんだけど」

春川「はい、削り終わったよ」つ手裏剣

モノタロウ「わーい!」

赤松「それじゃあ春川さん、私達もお昼作ろっか」

春川「もうあんたは見てるだけでいいよ…」

春川「料理なんて得意じゃないけど、私が1人で作るから」

赤松「えっ、それは流石に悪いよ…」

春川「あんたが手伝うと、余計な仕事が増えるって分かってるからね」

最原「…なんか、2人はいつの間にか仲良くなってたんだね」

赤松「うん!」

春川「は?馬鹿言わないで」

989: ◆k6xhNpU36A 2017/05/12(金) 01:13:53.85 ID:mSlbTfnj0
最原(悪態をつきながら春川さんへ厨房へ向かい、赤松さんが春川さんを宥めながら彼女についていった)

最原(なんだかんだ2人はバランス良さそうだけどね…)

<ガシャーン

<キャー!あっつーい!!

<だから触るなって言ったのに!ああもう!早く流水!!

最原「……大丈夫かな…」

王馬「2人がご飯作り終わるまで皿片付けに行けないね」

王馬「巻き込まれたくないし」

モノタロウ「オイラ心配だからちょっと様子を見に行ってくるよ」

モノタロウ「…オイラ、無事に戻ってこれたら、モノファニーにプロポーズするんだ…」

最原「モノタロウ、死亡フラッグ持ってるなら捨てなよ」

キーボ「モノタロウさん、最悪水没してしまうと思うので待機してましょう」

王馬「赤松ちゃん危険人物扱いされてるの笑うんだけど」

990: ◆k6xhNpU36A 2017/05/12(金) 01:43:43.53 ID:mSlbTfnj0
最原(その後、ふくらはぎに軽い火傷したらしい赤松さんと春川さんが戻ってきたのを見届けて、僕らは食器を片付けに厨房に向かった)

最原(食器の片付けが終わった後、モノタロウが王馬くんのリクエスト通りデザートを作ることになった)

最原(パスタを作った時と同じように、僕とキーボくんが作業をして王馬くんはサボってた)

最原(作り終わったサンデーを赤松さんと春川さんとも一緒に食べ、なんだか久しぶりに女子と楽しい時間を過ごせた気がする…)



ー13時50分ー


最原(そろそろ交代の時間だな…)

最原(モノタロウは…、まあ連れて行ってもいいか)

最原(どうせ僕らがあの部屋で見張りをしていることもモノクマーズには筒抜けなんだろうし)

最原「じゃあ僕らはそろそろこの辺で…」

赤松「うん!片付けは任せて!」

春川「あんたには任せられないってば」

赤松「…じゃあ、食器拭くのを手伝うよ」

春川「……まあ、それくらいなら…」

最原(大丈夫だよね…?)

995: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/18(木) 17:18:14.13 ID:0b4jnPah0
女子1番・飛鳥都(あすか・みやこ)

 

部活は無所属。小夜グループ。
クラス1の低身長で見た目は幼いが、しっかり者。
成績はそこそこ優秀。

 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

大東亜広辞苑
kill:

なし
killed:

瀬川小夜(女子8番)
凶器:

ブローニングハイパワー9ミリ
死亡話数:

39話
 

出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。荒川素子(女子2番)、大野迪子(女子3番)と共に逃走。
その後熱を出し、迪子たちに連れられてB=06の診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。素子が殺害されたことで逆上し、小夜と銃撃戦を繰り広げるが、迪子がそれを止め、都自身も小夜を止めようとしたが失敗。迪子を貫いた弾が心臓部に着弾し、死亡。

996: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/18(木) 17:18:49.98 ID:0b4jnPah0
女子3番・大野迪子(おおの・ゆうこ)

 

コーラス部。小夜グループ。
ボーイッシュでハキハキしている。
瀬川小夜(女子8番)と最も仲が良い。

 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

グロック17
kill:

瀬川小夜(女子8番)
killed:

瀬川小夜(女子8番)
死亡話数:

39話
凶器:

ブローニングハイパワー9ミリ
 

出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。飛鳥都(女子1番)、荒川素子(女子2番)と共に逃走。
その後都が熱を出したため、3人でB=06エリアの診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。素子が殺されたことにショックを受けるが小夜を止めようとする。失敗し都を殺害され、迪子自身も全身に被弾。薄れ行く意識の中で小夜に致命傷を与えるが、そこで息絶える。

997: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/18(木) 17:19:25.46 ID:0b4jnPah0
男子16番・良元礼(よしもと・れい)

 

柔道部。男子委員長グループリーダー。委員長。
ケンカはクラス最強。
授業をサボるが、成績はクラス4位。

 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

ベレッタM93R
kill:

森秋乃(女子19番)
向井あずさ(女子18番)
若狭恵麻(女子22番)
李星弥(男子17番)
西川東(男子9番)
和久瑛介(男子18番)
福島里奈(女子16番)
白川藍司(男子6番)
神田輪(男子5番)
killed:

浜本卓朗(男子11番)
死亡話数:

73話
凶器:

ワルサーPPK
 

今回のプログラムで死神に任命される。

G=05エリアで小夜グループを発見。秋乃、あずさ、恵麻を殺害するが、残りを逃す。キャリコM950入手。
D=08エリアで星弥を発見。殺害。
D=09エリアで輪、関克哉(男子8番)、平野辰紀(男子12番)を殺害しようとするが逃げられる。
D=01エリアで東を発見。罠を張って銃殺。その後卓朗に遭遇し、殺害しようとするが弾切れで逃げられる。S&W M29・果物ナイフ・サバイバルナイフを入手。
G=05エリアで瑛介と天条野恵(女子12番)を発見し、襲う。野恵には逃げられるが、瑛介を殺害。瑛介を弔った後卓朗と再会。瑛介との約束を守り、逃がす。グロック19を入手。
D=05エリアで偶然杉江貴一(男子7番)の最期を看取る。銃声を聞きその方向へ向かい、D=06エリアで里奈を殺害。一緒にいた卓朗を逃がす。
F=09エリアで野恵と藍司を発見。藍司を殺害し、野恵に卓朗の居場所を伝える。
最終決戦で手榴弾で残った4人を襲い、それぞれに深手を負わせた。野恵と輪を撃った事に激怒した卓朗に反撃され、胸部に被弾し死亡した。

998: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/18(木) 17:20:08.73 ID:0b4jnPah0

 



女子2番・荒川素子(あらかわ・もとこ)

 

陸上部。小夜グループ。
大人びていて無口だが、喋るときつい口調。

 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

ヌンチャク
kill:

なし
killed:

瀬川小夜(女子8番)
死亡話数:

B=06
凶器:

ブローニングハイパワー9ミリ
 

出発後、小夜グループメンバーに出会うが、良元礼(男子16番)に襲われる。飛鳥都(女子1番)、大野迪子(女子3番)と共に逃走。
その後都が熱を出したため、3人でB=06エリアの診療所へ。そこでずっと潜伏していたが、小夜が現れる。小夜を中に入れようとしたとき、銃を向けられ、頭部に被弾し死亡。

999: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/18(木) 17:20:51.91 ID:0b4jnPah0
男子2番・戎嘉一(えびす・かいち)

 

読書部。一応男子文化部系グループの1人。
無口で根暗のため、ほとんど誰とも会話をしない。

 

以下ネタバレです。白黒反転させると読めます。

支給武器:

CZ M75
kill:

稲毛拓也(男子1番)
堀田勝海(男子13番)
杉江貴一(男子7番)
killed:

浜本卓朗(男子11番)
死亡話数:

67話
凶器:

ワルサーPPK
 

クラスメイトをバカにしている。愛国主義者。
F=05エリアに潜伏中、拓也に襲われるが、拓也の影でそれに気付き返り討ちにする。殺害。ダガーナイフを入手。
その後B=09で勝海が自分を見ていることに気付く。隙を突き殺害。スタンガン入手。
D=05エリアで、建物から出てきた貴一を襲う。不意打ちをくらい逃げられたが、致命傷を負わせた。
D=06エリアで福島里奈(女子16番)を襲う。銃撃戦の末、不意をついて重傷を負わせるが、卓朗に邪魔され逃げる。
B=09エリアで卓朗に襲い掛かる。とどめを刺そうとしたが天条野恵(女子12番)に邪魔される。野恵を気絶させたが、それを見て卓朗が激怒。全身に被弾し死亡。
生き残るべきは自分だ、とやる気になっている。

1000: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/05/18(木) 17:21:45.08 ID:0b4jnPah0
君は、今年度の戦闘実験第六十八番プログラム対象クラスに選ばれた」

卓朗は何を言ってい