垣根「ありがとな、恩に着るぜ」ﾌｧｯｻﾌｧｯｻ

一方通行「（にしても学園都市の化学技術がここまで進化してたとはなァ。空飛ぶ冷蔵庫におしゃべり機能までついたのかァ）気にすンな。俺もお前に念願の夢叶えてもらったしなァ」ｳﾝ

垣根「その当事者である俺には全く検討がつかねえんだが…そりゃあどんな夢だ？」ﾌｧｯｻﾌｧｯｻ

一方通行「えェー…」ｷｸﾝﾃﾞｽｶｷｲﾁｬｳﾝﾃﾞｽｶ

垣根「いいじゃねえか、これから殺し合う仲なんだし。しかも俺が叶えてやったんなら尚更興味もあるってもんだ。是非聞かせてもらうぜ」ﾌｧｯｻﾌｧｯｻ

一方通行「自分だけの現実なンだがなァ、仕方ねェ特別に教えてやりますよォ」

垣根「おう！」ﾌｧｯｻﾌｧｯｻﾜｸﾜｸ

一方通行「機械と会話することだァ、言わせンな恥ずかしィ」ﾃﾚ

垣根「」ﾌｧｯs…

垣根「えっ」

一方通行「…ェ（翼の動きが止まったじゃねェかやべェ早く写メっとくべきだったァ！ちくしょう、惜しいことをしたぜクソッタレがァ！）」

垣根「俺、人間なんだけど？（つか機械と会話ってこいつどんだけ友達いねぇんだよ…）」

一方通行「はァァ！？最っ高に愉快な冗談じゃねェかそれェ！例え俺達がどれほどのクズでもなァ…どっからどう見てもテメェは冷蔵庫だろうがァ！！」

垣根「オイ、熱くなるところ間違ってる気がするぜ。しかもナチュラルに俺までクズ扱いかよ」

一方通行「とォにィかァくゥ！オマエは冷蔵庫なんですゥそれ以上でもそれ以下でもないンですゥ」

垣根「もういいわそれで。取りあえずベランダという空間から出ようぜ、んで飯」

一方通行「はァい」ﾎｸﾎｸ

ｶﾞﾗｯ

垣根「ベランダからで悪いがお邪魔させてもらうぜ」

一方通行「どォぞォ。あァ、ちょっと待て」

垣根「ん？」

一方通行「外から来たンだから一応土とか落としてから入ってくれェ。あと羽が落ちると掃除大変だからなァ、翼もしまえたらしまってくれェ」

垣根「それもそうだな」

一方通行「でもその前に一枚写メっとこォっと、本当は翼ﾜｯｻﾜｯｻなってる時撮りたかったんだけど仕方ねェ。はァいポーズゥ」ｶｼｬｯ

垣根「」

一方通行「ンじゃァ改めてよォこそォ」

垣根「あいよ。よっこいしょっと。やっぱ冷蔵庫引き連れると動きにくいな…」ﾄﾞｽﾝﾄﾞｽﾝ

一方通行「（最近の冷蔵庫には足みたいなモンまで備えつけられてンだなァ。自分で移動するなんて利口な冷蔵庫じゃねェか）そのへん座ってろォ、何か作ってやるからなァ」ｽﾀｽﾀ

垣根「ソファー…はサイズ的に無理か。床でいいや、了解。このSSではエプロン装備の家庭的一方通行なんだな」ﾉｿﾉｿ

一方通行「あァ？何言ってやがンだァ？料理する時にエプロンつけるなんて当然だろォがよ。身なりからちゃンとしねェとなァ。あ、それと手洗いうがいもしろよなァ、ばい菌とかで冷蔵庫の機能に支障出たら嫌だしなァ」

垣根「…お前って案外律儀っつーか細かいっつーか…面倒見いいよな」

一方通行「そォかァ？つゥかよ、今気付いたンだが食材ねェわ…うン、何度冷蔵庫開いてもねェ」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

垣根「ま、まじかよ…」ﾋｪｪ

一方通行「でもオマエ冷蔵庫だし何とかなるかァ」ﾎｸﾎｸ

垣根「ならねえんだ！すまねえがならねえ！そもそもそういう機能は本家には敵わねえし！だから俺的には買い出しに行った方がいいと思うぞてか行け！行ってくれ頼む！」ﾋｯｼﾃﾞｽｵﾚﾋｯｼ

一方通行「…チィッ、まァその場凌ぎよりも買った方がいいよなァ。ンじゃその間、留守よろしくお願いしまァす」ﾍﾟｺﾘ

垣根「…あ、ああ、勿論！行ってこい！（た、助かったぜ…）」

数分後

垣根「（…んで、第一位は出かけたが。言いつけ通りお留守番の間に手洗いうがいもきちんとしたわけですが。待ってる間暇だな…こういうのを見越してうがいなんてガラガラうがいとくちゅくちゅうがい10回ずつして時間を多少潰したんだがな、あんま意味ねえな）」ﾃﾞﾓｽｯｷﾘ-

ｶﾞﾁｬ

打ち止め「ただいまーってミサカはミサカは元気よく小学校から帰宅したことを報告してみたり！」

垣根「…んあ？（なんだこのアホ毛幼女…誰かに似てるような気もするが、そいつはもっと大きかったような…）」

打ち止め「きゃー！謎の冷蔵庫さんが喋ってるー！ってミサカはミサカは驚愕しながらも好奇心のまま近づいてみたり！」

垣根「（ここは年上の威厳を見せてやるしかねえな）誰だてめえ、俺には垣根帝督っていう立派な名前ｇ

打ち止め「あの人が新しい冷蔵庫でも買ったのかなぁ…にしてもすごいってミサカはミサカは冷蔵庫さんのどうでもいい言葉をスルーして開けようとしてみたり」

垣根「待て待て待て待て！！話を聞け、いや聞いてください！」ｱﾜｱﾜ

打ち止め「え～、どうしようかなぁってミサカはミサカはちょっぴり小悪魔的な笑みを見せて勿体ぶってみたり。だってあの人も居ないし…あなた怪しいんだもん」

垣根「（あの人って第一位のこと…だよな？さっきもただいまって言ってたし同居してるのか。妹が居るなんて情報はねえはず…どういうことだ？だがこれは使えるかもしれねえ！）少しでいいから聞け！俺はここの宿主に留守番という使命を任されている、つまりどういうことかわかるよな？つまり俺はその人に信用されてるってわけだ。だから俺に危害を加えることはその人を裏切ることになるんだぜ！」

打ち止め「…うーん…ミサカはあの人を絶対裏切りたくないってミサカはミサカは冷蔵庫さんと会話しているこの今世紀最大かもしれないシュールな現状をしっかりと噛みしめながら言ってみる」

垣根「ならここは開けちゃならねえ。わかったな？」ﾏﾀﾚｲｿﾞｳｺﾄﾏﾁｶﾞｴﾗﾚﾀｹﾄﾞ　ｲｷﾃﾚﾊﾞｲｲﾔ

打ち止め「はぁいってミサカはミサカは反省の色を見せながらお返事してみる。いじわるしちゃってごめんなさい…」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

垣根「い、いやいいんだぜ、全然、うん（なんかすげえ罪悪感が…）」

垣根「にしても暇だな」ﾀﾞﾗｰ

打ち止め「そうだね、あの人はどこへ行ったのかな？ってミサカはミサカは同意をしながらもさきほどからの疑問を問いかけてみる」

垣根「買い出しに行ったんだが…もう少ししたら戻ってくると思うぜ？」ｸﾞﾃｰ

打ち止め「そうなんだぁってミサカはミサカは床でゴロゴロして解放感に浸ってるあなたの真似をして隣りで大の字に寝ころびながら頷いてみたり！」ﾀﾞﾗｰﾝ

垣根「こうしてると落ち着くな…（暗部にいる俺にとってここは平和過ぎて似合わねえ、さっさと飯くって一位ぶっ倒して戻らなきゃな。にしても表の世界はこんなにダラダラできんのかよ羨ましいぜ）」ｸﾞﾃ-ﾝ

打ち止め「えへへっ、あの人ともよくこうして一緒に超機動少女カナミンを見ながらグータラしてるよってミサカはミサカは日々の様子を自慢してみたり！」ﾆﾍﾗ

垣根「そりゃあ結構なことだな、俺もずっとこうしていたいくらいだぜ（でもカナミンって確か子供向けの…ﾊｯ、もしかして一方通行って少女趣味が…！？だからこんな幼女と同居！？ロリコン！？）」

それからちまっと経った頃

ｶﾞﾁｬ

一方通行「ただいまンぼゥ」

垣根「…お前って案外流行に乗る側の人間だったんだな。俺流派かと思いきや」ｸﾞﾃﾞｰ

打ち止め「おかえりなさーいってミサカはミサカは待ち望んでいたあなたの帰りを全身で表現するように抱き着けばすりすりしてみるっ」ｷﾞｭｰ

一方通行「こういうのは乗った方がお得感あるだろォがァ、つゥか帰ってきて早々何しやがンですかァ？さっさと離れろクソガキ」ｼｯｼｯ

打ち止め「むぅー…」

垣根「そういうもんか？でも地味に声真似のクオリティが高かったな、一瞬本物が来たかと思ってひやひやしたぜ」ｱﾌﾞﾈ

打ち止め「あっ、それはあの人がパソコン買ってネット繋いでまでしてフルバージョンの動画散々見て練習したからだよってミサカはミサカは懇切丁寧に説明してみる！」ｴﾍﾍ

垣根「えっ」

一方通行「」

垣根「…一方通行。お前って意外ｔ

一方通行「さァて飯の準備にとりかかるかなァ！！そうだなァ！打ち止めはもちろん手伝うよなァ！？」ｯｴｰｲ☆

打ち止め「ひぇっ…う、うん、将来あなたのいいお嫁さんになるためにも手伝うってミサカはミサカはあなたの眼力に圧倒されながらも逆上緩和用スマイルを浮かべてみたり～…」ﾆ、ﾆｺ

一方通行「口の軽ィ女は生憎好みじゃねェなァ…クソッタレ。オラさっさとキッチン行くぞ」ｽﾀｽﾀ

打ち止め「じゃあ冷蔵庫さんはここで待っててねってミサｋ

一方通行「打ち止めちゃァン？」ﾆﾍﾗｧｧ

打ち止め「はっ、はーい！今すぐ行くからまさにデビルマンみたいな怖い笑顔を見せないでってミサカはミサカは～…！」ｴｸﾞｴｸﾞ

…ﾊﾞﾀﾝ

垣根「（すっげえスピードで出てったな。…口を挟む隙すらなかったぞ）」

～そしてキッチンでは～

一方通行「…というわけでェ、今日は初心者の練習になり尚且つ手頃な価格で一品でお腹がふくれるという高い能力を秘めているアクセラクソガキカレーを作りまァす」

打ち止め「要はただのカレーライスなのねってミサカはミサカは自分の不名誉を傷つけられたことに不満を抱きながらも突っ込んでみる」

一方通行「ちげェンですゥ。ただのカレーライスととアクセラクソガキカレーは余裕で別物なンですゥ、履き違えてンじゃねェぞコラ」

打ち止め「（この人って変に子供なんだよなぁ…ここはミサカが大人にならなきゃね！）わかったよ、じゃあそのカレーを二人で頑張って作ろうねってミサカはミサカは腕まくりして気合をアピールしてみたり！」

一方通行「あったりめェだ。この世の味とは思えねェほどうめェモン作ンぞ」ﾎｸﾎｸ

打ち止め「うん！楽しみだねっ！（―――あなたはミサカと同じくらい小さい頃、こういう普通のことを経験してないんだよね。だからこれから全部ミサカと経験しよう？こうやって誰かがとなりに居ることの幸せとか嬉しさとかあたたかさとか、いいこと全部知って一緒に笑おうよってミサカはミサカは勝手に思うんだ）」


区切りがよさそうなのでこのへんで終わりたいと思います