(´・ω・｀)痛っ....げほっ、げほっ....

(´・ω・｀)今なにかいたような....

｢らんらん！開けて！らんらん！ねぇ.....｣

(´・ω・｀)..........

(´・ω・｀)...................

｢らんらん！出てきてくれたの....｣

(´・ω・｀)うるせぇ！

(´・ω・｀)お前のせいで死に損なったよ...

(´・ω・｀)覚えてろよ

(´・ω・｀)街に出てきたはいいが、何もすることなんてなぁ

(´・ω・｀)ああ、夕日が綺麗だなぁ.....

(´・ω・｀)いつに増してとっても.....

(´・ω・｀)ボクはどうしたらいいんだ

(´・ω・｀)ん.....?

(´・ω・｀)ああ、空手部の奴らか.....

(´・ω・｀)空手.....?

(´・ω・｀)......ふっ

(´・ω・｀)ボクは......

(´・ω・｀)あのクソ親をぶん殴るにはちょうどいいかもしれないな

(´・ω・｀)そうだ。ボクはまだアイツに復讐していない。この世を旅立つのは復讐してからでも遅くはないだろう

｢らんらん！｣

(´・ω・｀)今までごめんね。だから....ね？

～～～～～～～～～～～～～～～～

｢今日からこの空手部にやって来たらんらん君だ。｣

(´・ω・｀)らんらんです。よろしくお願いします

｢らんらんくん、明日から練習に参加してもらえるかな？｣

～～～～～～～～～～～～～～～～

｢お、早速来てくれたね？それじゃあ、そうだね、らんらん君は今年度の新入生たちと一緒に練習してもらうけどいいかな？学年は違うけど....｣

(´・ω・｀)はい、大丈夫ですよ

｢ちょうどこの前、新入生が入ってきたばっかりだから、なんていうかタイミングが良かったね？未経験者だよね？｣

(´・ω・｀)ええ、空手は初めてですね

｢それじゃあまずは基本の型から......｣

｢そう、そうだ！もっと声出せ！｣

｢こんなふうに腕を出しておけば蹴りが当たることは無いからまず........｣

｢今月は御近所の高校と合同で練習試合がある。2年生、3年生は勿論、1年生のお前らにも参加してもらう。いいな？｣

(´・ω・｀)はい！

～～～～～～～～～～～～～～～～

(´・ω・｀)よろしくお願いします！

｢凄いぞ！らんらん！今日お前一度も負けて無いんじゃないか！？｣

(´・ω・｀)くっくく....

(´・ω・｀)この久しい感じ

(´・ω・｀)これはアレだ

(´・ω・｀)努力をして、それに見合った結果が出て、それを認められる

(´・ω・｀)首を吊る前、全てを投げ打ってでも欲しかった感情だ

(´・ω・｀)これこそがあるべき努力の姿だ

(´・ω・｀)ふっ、ふふ

(´・ω・｀)クハハハハ！！！！

(´・ω・｀)気持ちいい！これこそが認められるべき努力だ！！

(

(´・ω・｀)これがっ

(´・ω・｀)これこそが......っ

｢..........｣

(´・ω・｀)母親は口数が減った

(´・ω・｀)テストの点数も、中間からはレベルが上がり、結局ボクは中学生の頃と変わらなくなってしまった

(´・ω・｀)しかし、しかしだ

(´・ω・｀)しかし、しかしだ

｢もっと声出せー！｣

(´・ω・｀)楽しみが増えた

(´・ω・｀)この空手、楽しくて、気持ちよくて仕方がない

(´・ω・｀)努力すればするほど、結果が付いてくる

(´・ω・｀)自分で言うのも何だが、今のボクは強い。練習試合は負け無し

(´・ω・｀)先輩にも勝った。まぐれでも何でも無い、れっきとした実力で。いいや、努力と才能の力で

(´・ω・｀)先生は褒めてくれる

(´・ω・｀)先輩からも同級生から実力を認められる

ん...?

(´・ω・｀)あれは...

｢お前、ホントに練習してんのか？全然結果が出てないぞ！やる気がないのなら.....｣

｢す、すいません！｣

｢はぁ.....｣

(´・ω・｀).......

(´・ω・｀).......

(´・ω・｀)なるほど。今ならカーちゃんの気持ちもわかるよ

｢ははは、また怒られたわ｣
｢お前雑魚いもんな！｣
｢ごもっともで｣
｢｢はははは！！｣｣

(´・ω・｀)......

(´・ω・｀)全然ダメだ

(´・ω・｀)肩は全然入ってないし

(´・ω・｀)足も全然前に出ていない

(´・ω・｀).......

(´・ω・｀)あ、一緒に練習試合組まない？

｢え、俺じゃ相手にならんでしょ？｣

(´・ω・｀)い、いいからさ....

｢はぁ....｣

～～～～～～～～～～～～～～～～～

｢イッテー.....らんらんなんかに勝てる訳ないわな.....｣
｢いじめられてんじゃねぇかよお前www｣
｢ここまで来ると笑えてくるわwwwwww｣
｢おい！ちょっと来い｣

｢全然足が棒立ちだぞお前！もっとこう、そう！腰を入れて足を前に出す！最初に教えただろう！？｣

｢す、すいません！どうしても意識することが難しくて...｣

(´・ω・｀)ボクには分かるさ。

(´・ω・｀)アイツには才能がない

(´・ω・｀)みんなと同じだけ練習をしている。

(´・ω・｀)気だるそうで、いつも部員と戯れている

(´・ω・｀)でも、なんだかんだ言っしっかり練習には参加している

(´・ω・｀)アイツは俺の映し鏡

(´・ω・｀)......

(´・ω・｀)あぁ、イライラして仕方がない

｢お前、ホントにやる気はあるのか.....?｣
｢す、すいません....！｣

～～～～～～～～～～～～
｢らんらん、お前には今度の大会のメンバーとして大会に出てもらおう｣

(´・ω・｀)......ありがとうございます

｢頑張りが足りてないのよ！あなたホントに勉強した！？もっともっと努力なさい！あなたのクラスメイトだって.....｣

(´・ω・｀).......

(´・ω・｀)ちっ

(´・ω・｀)この前までの自分を見てるような

(´・ω・｀)このイライラする気持ちは何なんだ

(´・ω・｀).......

(´・ω・｀)いや寧ろ、かわいそうというか。そんな気持ちもあるさ

(´・ω・｀)大会出場、これが何を意味しているのかはわかるさ

(´・ω・｀)しかし、あまりにも実感が薄い。

(´・ω・｀)みんなと同じだけ、同じ力の入れ方で練習試合してたんだ

(´・ω・｀)あれれ？気がついたら同じ新1年メンバーを出し抜いて大会出場。

(´・ω・｀)ダメだダメだ。こんなのじゃない

(´・ω・｀).....なぁ

｢んー？｣

(´・ω・｀)楽しい？

｢何が？｣

(´・ω・｀)空手。

(´・ω・｀)余計な口を叩くようでアレだけど、全然成長してないじゃん？

(´・ω・｀)楽しいの？

｢はぁ？｣

｢.......そうやね。確かに成長してないけど別に楽しくないわけじゃないよ。っていうか何？バカにしてるの？｣

(´・ω・｀)なんなんだよ、

(´・ω・｀)なんなんだよアイツ......

～～～～～～～～～～～～

(´・ω・｀)そんなはずがない

(´・ω・｀)自分の努力が報われないのに嫌いにならないやつなんているはずが無い

～～～～～～～～～～～～～
｢らんらん！凄いぞ！全国大会出場権じゃないか！｣

(´・ω・｀)あ、ありがとうございます.....

｢全国大会といえば場所は.......で.....それ......｣

(´・ω・｀)..........

｢嫌いってわけじゃないよ｣

(´・ω・｀)くっ.......

(´・ω・｀)どうして、どうしてそんな事が簡単に抜かせるんだ....

｢そんなものを何に使うのだ？｣

(´・ω・｀).....その、補習で.....

｢......お前はノコギリを使うような教科など取ってはいないであろう？｣

(´・ω・｀)..........

｢.......分かった。貸してやろう。全く仕方の無いやつだ｣

｢なんだよ、こんなところに呼び出して｣

(´・ω・｀).......

(´・ω・｀)もう一度聞かせて欲しい

(´・ω・｀)ホントに、ホントに、君はこの空手が嫌いじゃないの？

｢嫌いじゃない、とは答えて欲しくなさそうだな。何が言いたい。｣

(´・ω・｀)単純さ。自分の努力報われないのに、無駄だとわかっていてもなぜ君は手を付ける？

｢別に.... 努力とかどうでもいいし.....ただなんとなく、それとなく楽しいだけ。努力とかそういうのじゃないよ｣

(´・ω・｀)......そうか、なら....

ざしゅっ

(´・ω・｀)もういい。

｢があっ！？｣

(´・ω・｀)どうやら頭の隅っこまで毒されてしまったようだ

(´・ω・｀)ボクが助けてあげる。

(´・ω・｀)努力がしなくてもいいようにね

ぎこ

ぎこ

ぎこ

ぎこ

ぎこ

ぎこ.........

週間Traco-SPA！12月号、特大特集
｢狂気！ノコギリ少年の生い立ち！｣

BAD END2

真・エンディングルートが開放されました

continue？

→ Yes
no

(´・ω・｀)....ッ！？

(´・ω・｀).....///

｢ふふふ、そなたのような者には刺激が強かったかな？｣

｢人の話は最後まで聞く物だぞ？｣

｢技術課の教師という名目でそなたを見守らせてもらったが....だめだめだな｣

｢本来ならそなたひとりの力で解決しないといけないのだが...やはり1人では無理があるか....｣

｢ほんの少しだ。ほんの少しだけ、そなたの手助けをしてやろう｣

｢何、実感も沸かないくらい微量な物だ。そうでないと意味が無いからな｣

(´・ω・｀)....?

｢アドバイスをくれてやろう｣

｢だが、わざわざ言う必要も無いかもしれぬな。なにせ、もう既にそなたが知っているようなことだ｣

(´・ω・｀).......

｢簡単なことだ｣

｢認めるんだ｣

｢出来ないことを。人と違うことを｣

(´・ω・｀)ッ.....

｢悔しかろう、悲しかろう、自分の努力が報われない、認められないあまつさえそれが自分の欲していた才能ときた｣

｢どうにも、嘆く事すら叶わぬ絶望を前に、自らこの世を飛び立ってしまうのも無理はないかもしれん｣

｢だが、それがお前だ。出来たいことが出来ない、しっかりと努力認めて貰える人間に恵まれなかった、全然欲しくもない才能に花が咲いた、だがそれはなるようになってしまっただけだ｣

｢それは運命ですらない誰が決めたわけでもない、誰が操ったわけでもない｣

｢失礼、話を大きくしすぎたな。要するにスタートラインが違うんだ。｣

｢人生というフルマラソンを始める上で、後ろの方からスタートを切らされた者もいれば、だいぶ前の方からスタートを切らせてもらえた者もいる。それが、さっき言っておった他人との違いだ｣

｢本当にそれだけの事だ。他人との違いを認めろ、それだけだ。だが｣

(´・ω・｀)そ、それが辛いんじゃないか！！！お前なんかに何がわかるんだよ！

｢たわけ、辛いことを乗り越えるのが人間なのだろう？少なくとも、今与えられている課題はそなたが克服すべきものだ｣

｢我はそなたよりもずっっと前の方でいや、下手したらこの世の誰よりもゴールに近い位置でスタートを切らせてもらえた天才、いや、もはや鬼才という言葉すら生ぬるいといえよう。
我はそんな存在だ、だからこそ、いつまで経っても結果が出ないそなたの気持ちなど分かりはしないのかも知れんな｣

｢どうだ？ここまで言われると悔しいだろう？もうイライラして来てるのではないか？｣

｢だが、それを克服することがそなたの使命、私が何とかしてやりたいのも山々だが、私という逃げ道が出来ては意味が無い｣

｢どこの誰にも助けてもらえない、逃げ道もない、そうでないと意味が無い、そなた自身が誰にも頼らず、誰のせいにもしないで、そなたが、そなたの自身の手で戦わねばならない｣

｢それ故、我はそなたの事を認めはせぬし、肯定もしない。何が起ころうとも、我はそなたの部外者だ。｣

｢さて、無駄話が過ぎたな、また技術課の教師としなり、そなたのことを見守らせてもらうとしよう｣

｢さあ、時間だ、闘え、｣

(´・ω・｀)........

(´・ω・｀)っ.....

(´・ω・｀)...!

｢お、おい.....｣

(´・ω・｀)........

｢ひっ！｣

(´・ω・｀)クソッ！

(´・ω・｀)クソッたれ！！

｢は、はぁ？｣

(´・ω・｀)へ、悪かったなぁ、ふんっ、先生でも警察でも呼んでくれるといいさ

～～～～～～～～～～～～～～～～～～

｢ふふふ、やったじゃないか。褒めてやろう｣

(´・ω・｀)お前っ.....

｢とりあえずは関門を突破した、と言ったところか。｣

｢チュートリアルはこれで終了....だが、ここからが長いぞ。お前はこれから長い間、葛藤と苦悩に苦しみ続けることになる理不尽に、矛盾している人のあり方にお前はこれから痛めつけられていくのだ｣

(´・ω・｀).......見返りは？

｢そなたのやりかた次第、だな、何かを学んで教訓を得られるか、それとも何も得られないままモヤモヤしたまま終わるのか、はたまた、無様に最後まで苦しみもがき続けるのか....｣

(´・ω・｀).......

｢我はそなたの事を大層気に入っておってな....特別に良いことを教えてやろう。感謝するのだぞ？我が人間の手助けをするなど、有り得ない事なのだぞ？｣

(´・ω・｀)は、はぁ.....

一人称の次は二人称がブレたネ。ごめんね

｢成功を収める秘訣は、苦しいことを誤魔化さないこと、だ。｣

｢逃げるでない。楽なことだけを受け入れようなどと思うな、辛いことも、一時の安息も、すべては運命だ。何もかもを等しく受け入れよ。｣

(´・ω・｀).......

｢あとはそなた次第...飽くまでもこれはオマケのような物だ。そなたが根本的にダメなら、何の意味もなしやしない。成功するための裏技ではないぞ。そこを勘違いされては我の顔が立たぬ｣

(´・ω・｀)....ありがとう

｢ふっきれたか、と言いたいがまだまだ心の中はいろんな感情が渦巻いているな。だが、とりあえずはやる気になってくれたようだな｣

(´・ω・｀)....ふん

(´・ω・｀)ここまで来たら藁にもすがりたくなるさ

｢藁とは失礼な、我は全知全能の｣

(´・ω・｀)わかってるよ、もういいから

｢なっ....｣

(´・ω・｀)あなた、話長いですよ

(´・ω・｀)手取り足取り、あなたには教えてもらった。ありがとうございます

(´・ω・｀)だけど、ボクは明日からの長い闘いに備えて休みたいんです。またいつか、暇な時にでもお話しましょう？

(´・ω・｀)それじゃ、またいつか....どうせボクの前に現れるのでしょう？

｢.....ふっ｣

｢んふふ、はははは....一本取られたな｣

｢そなたに天の導きがあらんことをって、もう行ってしまったか.....｣

｢うおっ！どうしてこんな所に｣

｢ん？す、すまない、色々と訳あってな、使わせてもらったぞ｣

｢は、はぁ....どうして技術課のあなたが....って、そんなことよりもう閉めますから今日のところは....｣


～Normal END～

・登場人物紹介、解説

・らんらんのカーちゃん
何をやっても結果はそれなりに良かった。それなりにいい大学校に進み、それなりにいい人と結婚し、それなりにいい充実した生活を送っていた。
が、自分がどうしても一流の壁を超えられないことには臍を噛むような思いをしたという。らんらんへの厳しさはかつての自分と同じものになって欲しくないという意思もあったのかも知れない

・空手部員その1
その2のお友達、その2とは普段の生活でも一緒にいることが多い。いつも楽しそう。

・空手部員その2
らんらんが気にかけていた部員。空手の才能はないが本人はそのことを気にしていない。
らんらんは彼のことを写し鏡だと言っていたが、そうではなく、正確には本来あるべきらんらんの姿であると言った方がいいか。かみさまの言っていた苦しいことを克服したらんらん姿が彼なのかもしれない

・かみさま
めちゃくちゃ強い。歴史改変、世界破滅もお手の物。この世のすべて、森羅万象は彼女の思うがままなのだ。一人称は我で二人称はそなた
数少ないらんらんの理解者、それ故に冷たい。でもほっとけない

これにて終了となります。見ていただいた方がいてくださって何より嬉しいです。それではまたいつか