1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 01:51:19.26 ID:pIQ5SsSUO
男「ダメ」 

女「え~、なんで?」 

男「ガチャガチャじゃなくてガチャポンだから」 

女「どっちだって同じじゃん。今日は百円の奴だからいいでしょ?」 

男「仕方ないな……ほら」スッ 

女「わあい、ありがとう大好き」 

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5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 01:54:22.76 ID:pIQ5SsSUO
ガチャガチャ。 

パカッ。 

女「六文銭の方かあ……」 

男「はい、終わり」 

女「もう一回。もう一回」 

男「何が欲しいの?」 

女「大一大万大吉ストラップの方」 

男「仕方ないな……はい」 

女「わあい、ありがとう超好き」 

7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 01:56:10.86 ID:AAsLW0AWO
父「ダメ」 

娘「え~、なんで?」 

父「ガチャガチャじゃなくてガチャポンだから」 

娘「どっちだっておなじじゃん。きょうはひゃくえんのやつだからいいでしょ?」 

父「仕方ないな……ほら」スッ 

娘「わあい、おとうさんだいすき」 

9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 01:58:16.84 ID:pIQ5SsSUO
ガチャガチャ。 

パカッ。 

女「……ん、金ピカ?」 

男「シークレットっぽいね。これは武田か」 

女「もう一回。もう一回」 

男「もう、お釣りのお金は終わり。また今度買い物した時にね」 

女「……」スッ 

男「いやいや、武田家差し出されても変わらないから。さ、帰るよ」 

女「……六文銭の方もあげるから」スッ 

男「仕方ないな、はい百円」 

女「わあい、ありがとう超大好き」 

13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:03:19.43 ID:pIQ5SsSUO
女「ふふっ、おかげで一発だよ」 

男「よかったね」 

女「うん。目標があると、やる気も出るよね」 

男「でもいい加減お釣りの小銭で毎回ガチャガチャは止めような」 

女「もう三百円シリーズには手を出さないよ?」 

男「結局、今回だって三百円使ってるじゃないか」 

女「む~」 

男「それに食玩だって買ってるし、今度からどっちかにしなさい」 

14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:07:20.93 ID:pIQ5SsSUO
女「あのクラン大尉だけはね、特別なんだよ。コンビニ八軒回っても無くて……ついに巡り会えたの」 

男「まあ確かに可愛らしいけどさ」 

女「でしょ。フィギュア系はあまり集めないけど……それだけは惹かれちゃってさ」 

男「ふ~ん。あ、ゲーセン寄っていい?」 

女「うん、いいよ。行こう行こう」 

18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:11:34.29 ID:pIQ5SsSUO
アームキャッチャー前。 

女「あ、陸戦型だよ珍しい」 

男「お、フラッグか。よし取るか」 

女「陸戦型は~?」 

男「フラッグ落としてからな」 

女「む~」 

男「……よし、落ちた」 

女「じゃあ、次はいよいよ」 

男「小銭切れたから両替」 

女「あう~」 

20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:15:33.86 ID:pIQ5SsSUO
女「よし、任せた」 

男「隣のシャアザクじゃあダメ?」 

女「ダメ」 

男「その下のグフは?」 

女「陸戦型がいい」 

男「あ、ラル大尉の人物フィギュアもあるじゃないか」 

女「修正されるか戦いに敗れるか、選ばせてあげる」 

男「さて、アマちゃんを助ける作業に戻るか」 

女「えへへ~、頑張れ頑張れ」 

24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:20:38.84 ID:pIQ5SsSUO
帰り道。 

女「む~」 

男「陸戦型は取れたんだから、不機嫌な顔しないの」 

女「だって、ミックミクの毛布が新入荷って……」 

男「今日の小銭はおしまい。それに新しいのは数百円じゃ取れないんだからさ」 

女「そうなの?」 

男「うん。それに置き方だってえげつない横起き配置、アームの力もきっと弱いから、ね」 

女「そっか~。じゃあしばらくはガチャガチャでいいや」 

男「だから、ガチャポンだってば」 

27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:24:43.50 ID:pIQ5SsSUO
女「ガチャッと回してポンと出てきて。最後はパカッて開けるの」 

男「うん」 

女「ガチャパカ」 

男「ポンはどうした、ポンは」 

女「ガチャガチャだから、ポンなんて無いのだよ」 

男「はいはい」 

女「あれ、反論しない?」 

男「喋ると腹が減るからな」 

女「あ、ご飯買ってく?」 

男「家で作ってあるからいいよ」 

女「そうだね、もうすぐ夜だもんね」 

34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:30:14.68 ID:pIQ5SsSUO
男「じゃあ、また」 

女「うん、バイバイ。フィギュア取ってくれてありがとうね」 

男「ああ。無駄遣いはダメだからな」 

女「ふふっ、わかってるよ。じゃあ……バイバイ」 

男「ん~」 

女「今度はゆっくりゲーセン行こうね」 

男「お~」 

36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:35:13.93 ID:pIQ5SsSUO
女「あ、待って待って」 

男「ん?」 

女「ガチャポン? ガシャポン?」 

男「ガチャポン」 

女「ガシャポンは?」 

男「東日本と西日本で呼び方が別れるらしい」 

女「本当?」 

男「嘘」 

女「ガチャガチャ」 

男「それは多分、女だけ」 

38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:37:32.89 ID:pIQ5SsSUO
女「ガチャガチャ」 

男「……」 

女「ガチャガチャ」 

男「じゃあ、ガチャガチャ」 

女「ふふっ、これでガチャガチャ二人目」 

男「はいはい」 

女「ふふっ……ガチャガチャ」 

男「じゃあ、ばいばいガチャガチャ」 

女「うん、またねガチャガチャ」 

男「変なの」 

女「変じゃないよ。二人だけのガチャガチャ星人なんだから」 

男「子供みたい」 

女「大人でもガチャガチャはするんだよ」 

40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:41:52.25 ID:pIQ5SsSUO
男「わかったわかった。また今度聞くから」 

女「じゃあ……また」 

男「うん、またね」 

女「ガチャガチャ」 

男「ガチャポン」 

女「ふふっ、また一人になったから帰るね。バイバイ」 


42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:44:46.36 ID:pIQ5SsSUO
別の日。 

女「数百円で、あの何が出るかのワクワク感が味わえる。だからガチャガチャって好き」 

男「まあそれはわかるけど」 

女「目的の物が一回で出た時なんて……至高」 

男「究極」 

女「それは対義語じゃないからね?」 

男「知ってる」 

女「ふふっ、早くゲーセン行こうよ。今日は小銭もたくさんだから」 

45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:49:24.69 ID:pIQ5SsSUO
ゲーセン。 

女「何する何する~?」 

男「こっち」 

女「あ、またシューティング?」 

男「うん」 

女「いつものデススマイルズ?」 

男「ぐわんげ」 

女「そうか……そういうもくろみか……」 

男「え?」 

女「ふふっ、何でもない」 

男「今日はこっちの気分だからさ」 

女「うん、ファイトなんだよ」 

47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:53:52.61 ID:pIQ5SsSUO
女「敵がキモカワイイ」 

男「何でもかんでもカワイイは甘やかし」 

女「好きなんだよね、こういうの」 

男「敵キャラ?」 

女「うん、和風で不気味ってトコトン不気味」 

男「ふ~ん」 

女「あ、死んでる」 

男「4面、いまだに安定して越えられないんだ」 

女「5面はもっと厳しいよね」 

男「そうなの?」 

女「……うん。ゲームってそんなものだよ」 

男「そっか~」 

48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 02:58:56.88 ID:pIQ5SsSUO
男「死んだ」 

女「再挑戦?」 

男「とりあえず終わり」 

女「次は何する~?」 

男「ん~……女は何かある?」 

女「あ、私いつものが見たいな」 

男「ああ~……アレ?」 

女「うん。ダメ?」 

男「いや、別にいいけど……時間早くない?」 

女「いいんだよ、見たい気分だから」 

男「じゃあ……ほら」 

チャリーン。 

『サムライスピリッツ零SP』 

女「ワクワク」 

49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:04:56.36 ID:pIQ5SsSUO
女「……ふう」 

男「堪能した?」 

女「うん。相変わらず絶命奥義がキモカワイイ」 

男「……」 

女「あ、別に猟奇的な趣味はないからね?」 

男「うん知ってる」 

女「ね、そろそろアームキャッチャーやろうよ?」 

男「前来た時からあまり時間経ってないから、景品変わってないかもよ?」 

女「変わってるかもしれないじゃん。いいからいいから~」 

男「わかったから、引っ張らないで。ほら、走ると転ぶから……」 

バッタリ。 

男「ほら」 

50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:07:56.39 ID:pIQ5SsSUO
女「膝痛い……」 

男「大丈夫?」 

女「景品も変わってない……」 

男「時間も経ってないからね」 

女「……」 

男「UFOキャッチャーの方見てみる?」 

女「足が痛くて歩けない」 

男「はいはい、何が欲しいの」 

女「陸戦型」 

男「また?」 

女「×2(かけるに)」 

男「ああ、なるほど」 

女「よろしく、隊長」 

52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:11:12.00 ID:pIQ5SsSUO
女「ふふふ~」 

男「歩けるようになってよかったよ」 

女「うん、三体もとってくれたから。小隊の出来上がり」 

男「よかったよかった」 

女「じゃあ、UFOキャッチャーやろうよ」 

男「まだ取るの?」 

女「見るだけ見るだけ」 

55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:16:28.66 ID:pIQ5SsSUO
男「女の見るだけは信用出来ないよ」 

女「む~」プクッ 

男「頬っぺた膨らましても、ダメ」 

女「むむ~」プク プクッ 

男「ぷにっ」 

女「ブフゥー」 

男「きたないっ」 

女「きたなくないっ」 

56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:16:49.88 ID:pIQ5SsSUO
女「いきなり頬っぺた押すなんて、やめてよね」 

男「本気で頬っぺた押したら?」 

女「男が私に敵うわけ……って、違うよ。こんなセリフ言うつもりなかったんだよ」 

男「やめてよね」 

女「やめる」 

男「UFOキャッチャーは?」 

女「やめない」 

男「ガチャガチャは?」 

女「やめない」 

男「頬っぺたもう一回押していい?」 

女「やめてよね」 

58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:23:55.06 ID:pIQ5SsSUO
女「ルッカ、ルッカ、ナイトフィーバー」 

男「景品見ただけでテンション上げないの」 

女「どうでも、いい~」 

男「じゃあUFOキャッチャー終わり。帰るよ」 

女「ごめんなさい」 

男「もう突発的に歌わない?」 

女「うん」 

男「お、前のミックミク、取りやすさアップしましただってさ」 

女「どうでも、いい~」 

男「……お気に入り?」 

女「かなり。ダメ」 

男「帰るよ」 

女「ごめんごめんごめんごめん」 

59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:26:39.14 ID:pIQ5SsSUO
男「何か欲しいのある?」 

女「膝掛けかタオルみたいな布が欲しいな~」 

男「布系?」 

女「うん」 

男「このとらドラの毛布みたいなやつとか?」 

女「大河ならいいよ」 

男「ごめん、亜美ちゃんしか取らないから俺」 

女「みのりんの気持ち考えた事、一度でもあるの?」 

男「いや、亜美ちゃんしか取らないから俺」 

女「む~」プクッ 

男「ぷにっ」 

女「ブフゥー」 

61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:32:30.34 ID:pIQ5SsSUO
帰り道。 

女「UFOキャッチャーは全敗だったね~」 

男「あの店は設定が設定が……」ブツブツ 

女「もう、気にしてないからいいんだよ」 

男「でも……」 

女「あ、ほら。あそこにあるガチャガチャで許してあげるからさ」 

男「どっちにしろ見に行ったくせに」 

女「えへへ~。どっちにしろ許してあげるつもりだからさっ」 

男「うん……ありがとう女」 

女「さ、ガチャガチャガチャガチャ~」 


63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:37:05.58 ID:pIQ5SsSUO
女「ね、見てみて。フィギュアのガチャガチャだって」 

男「リアルなフィギュアだな。あ、この娘可愛い」 

女「こっちのちっちゃい娘のが可愛いよ。よ~し、私が一発で……って、五百円? そんなにするの?」 

男「ああ、ちょっとアダルティなフィギュアもあるみたいだから……そういうガチャポンなんだよ」 

女「む~、小銭三百円しかないよ」 

男「……」 

64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:43:22.83 ID:pIQ5SsSUO
男(俺にはわかるんだ。女はいつもの様子でこっちを見つめて) 

女「……ねえ、男ちょっといいかな~?」 

男(俺の財布の中にある小銭の値段を聞いてきてさ) 

女「あのさ、ガチャガチャについての相談があるんだけど……えへへっ、二百円貸してくれないかな?」 

男(最初はちょっと渡すのを渋るフリして、彼女の反応を楽しんでからの……百円玉二つ) 

女「わ、ありがとう! 絶対一回であの娘ゲットするからさ!」 

男(こうやって、彼女はいつも僕だけに笑ってくれているんだ) 

67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/15(金) 03:49:57.92 ID:pIQ5SsSUO
ガチャッ。 

パカッ。 

女「あ~……」 

女「え、えへへ~。ハズれちゃったや」 

男(次に言うセリフも……俺にはわかっている。小銭が無くなった二人は) 

女「ねね、ちょっとお店で買い物していこうよ。ガムでも買ってさ……ね?」 

男(そうして、いつも彼女が最後に付け足す言葉は……) 

女「それでさ、その……」 

女「余ったお金で……ガチャガチャやっていい?」 



今日も彼女は、どこかの街でガチャガチャを回している。 

女「ふふっ……ガチャガチャ」 

終