前回 紬「超特急ヴェガ?」 その1

220 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:41:29.78 ID:iZsL9/27o

律「しかし、車掌さんも思い切ったことするよな~」 

憂「車掌さんには先ほどお礼を申し上げました」 

唯「私も後からお礼を言わなきゃ」 

憂「そうだね、私も一緒に行くよ」 

梓「そういえば鳥羽さん、唯先輩に何のアドバイスをしてたんですか?」 

修治「あー・・・」チラッ 

つばさ「なに、お兄ちゃん?」 

唯「じゃじゃーん!つばさちゃんにプレゼントです!」 

紬「まぁ~」 

梓「?」 

つばさ「唯さんから?嬉しい~!」 

唯「はい、どうぞ」 

つばさ「ありがとう唯さん!これ開けていいかな!?」 

唯「どうぞー」 

修治「・・・」 

つばさ「あ、リボン・・・」 

梓「・・・」 

つばさ「お兄ちゃん・・・」 

修治「昔約束した時、結ったよな・・・」 

つばさ「覚えててくれたの!?」 

唯「修治くんがつばさちゃんに結ったリボンの話、聞いたよ~」 

紬「まぁ、素敵ね~」 

澪「ほぅ」 

律「詳しく聞かせてもらおうか」キラン 

星奈「うむ」メモメモ 

修治「星奈、メモに取らなくていいから。あー、昔俺とつばさが別れる時に・・・」 

つばさ「引越しが決まった日に、私が駄々をこねたの。『行きたくない、ずっとここにいる』って」 

梓「・・・」

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221 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:42:49.99 ID:iZsL9/27o

つばさ「そしたらお兄ちゃんがリボンを結ってくれて、『また会う日が来ますように』っておまじない掛けしてくれたの」 

澪「・・・」ジーン 

修治「・・・」 

つばさ「それを信じることが出来たから、引越し先でも頑張れたんだ」 

憂「素敵な話ですね」 

律「・・・今回も願掛けするって事?」 

つばさ「そうなの?」 

唯「そうです!」 

梓「いいですね。むぎ先輩が適任かと」 

紬「私でいいのかしら?」 

修治「もちろん」 

澪「そうだな」 

つばさ「えへへ~、お願いします紬さん!」 

紬「うん、任せて!」フンス! 

星奈「いい話だよね~」 

律「あぁ。しかも再会してるからな」 

澪「うん、良かった」 

梓「・・・はい」 

憂「感動しました」 

唯「それを聞いたらこれしかないと閃いたのです!」 

律「ナイスアシストだぜ唯!」 

唯「やったぜりっちゃん!」 

つばさ(・・・いつか・・・) 

紬「これでどうかしら」 

憂「似合ってますよ」 

唯「うん、可愛い!」 

律「いいんじゃないか~」 

修治「うん」 

星奈「可愛いよつばさちゃん」 

つばさ「えへへ。ありがとう、紬さん!」 

紬「いいえ~」ニコニコ 

梓「よかったね、つばさ」 

つばさ「うん!」
222 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:47:03.91 ID:iZsL9/27o

澪「・・・そろそろ時間だな」 

星奈「・・・」コソコソ 

紬「・・・?」 

梓「憂、その乗車証失くさないでね」 

憂「うん。梓ちゃん、お姉ちゃんの事ありがとう」 

梓「なんにもできなかったけどね」 

紬「うふふ、そんな事ないわ」 

唯「そうだよ、よくやってくれたよ!」 

律「それをあなたが言うとややこしい事になるんだけど」 

修治「あはは」 

つばさ「唯さんってば~」 

唯「でへへ」 

紬「あずさちゃん忘れ物ないかしら?」 

梓「はい!」 

澪「気をつけて帰るんだぞ」 

梓「はい、大丈夫です!」 

律「私の事忘れないでね・・・」ウフ 

梓「京都からまた乗車するじゃないですか。学校でも会いますよ」 

唯「あずにゃん!」ダキッ 

梓「唯先輩!?」 

唯「あずにゃん成分を貯めさせて~」スリスリ 

梓「なんですかそれっ!離して下さいっ!」グググ 

唯「あ~ず~にゃ~ん」ムググ 

梓「あれ・・・?」 

憂「?」 

律「どうしたぁ?」ニヤニヤ 

梓「星奈さんは」 

「わっ」 

梓「もぅ、なにやってるんですか」 

律「ちぇー、驚かないのかよ」 

星奈「ちぇー」 

梓「慣れましたよ」フッ 

澪「ふふ」 

紬「・・・」
223 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:48:33.68 ID:iZsL9/27o

星奈「最初は私に怯えてむぎちゃんの後ろへ隠れたんだよね~」 

澪「へぇ~」 

唯「あずにゃんらしいや!」 

律「へへ、まったくだぜ!」 

梓「なんですかそのキャラは!」 

星奈「くっくっく、いつの間にか警戒しなくなったね~」 

梓「あ、そう・・・ですね」 

憂「・・・」 

星奈「色々楽しかったよ」 

つばさ「楽しかった!」 

修治「うん」 

梓「・・・っ」 

紬「そろそろ時間よ~」 

修治「それじゃ、京都で・・・」 

梓「はい・・・」 

つばさ「バイバイお兄ちゃん!」 

修治「またな、つばさ」 

澪「じゃあね、つばさちゃん」 

つばさ「はい、演奏素敵でしたよ澪さん!」 

澪「ありがと・・・」テレ 

律「短い時間だったけど」 

つばさ「ドラムかっこよかったです!」 

律「へへっ、ありがと。じゃあね」 

憂「よく私がお姉ちゃんじゃないって気付きましたね」 

つばさ「う~ん、雰囲気が違ったから・・・かな?」 

憂「雰囲気ですか?」 

つばさ「うん!唯さんは暖かい雰囲気、憂さんはポカポカした雰囲気。あれ、逆かな?」 

梓「ふふ、なにそれ」 

憂「ありがとうつばささん。梓ちゃんまたね」 

梓「後はよろしくね」 

憂「うん」
224 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:50:54.13 ID:iZsL9/27o

唯「つばさちゃん・・・」 

つばさ「そんな顔しないで唯さん!私みなさんの事忘れないよ!」 

唯「・・・うん、私もつばさちゃんの事忘れないよ。元気でね・・・!」 

つばさ「はい!ありがとー!唯さん!!」 

星奈「それじゃ、私はここでお別れだね」 

つばさ「星奈さん・・・」 

梓「まだ・・・乗ってなかったんですか。駆け込み乗車は危険なんですよ?」 

紬「あずさちゃん・・・」 

星奈「あはは、始発の話聞いたのか~。二人とも元気でね!」 

つばさ「うん!元気なのが私の取り得だから!」 

星奈「一時期は心配したけど、もう大丈夫みたいだね」 

つばさ「えへへ、梓さんのおかげです」 

梓「・・・っ・・・」 

つばさ「紬さん、一つお願いがあるんですけど・・・いいですか?」 

紬「なにかしら?」 

つばさ「その、抱きついても・・・いいですか・・・?」モジモジ 

紬「えぇ」ニコニコ 

つばさ「わーい!」ダキッ 

紬「・・・」チラッ 

梓「わ、私はいいですよ」 

星奈「あの時みたいに甘えたらいいのに~」 

梓「しませんよ!」 

紬「・・・」ションボリ 

つばさ「・・・ありがとう紬さん・・・優しくしてくれて・・・。とても嬉しかった」ギュウ 

紬「つばさちゃん・・・元気でね・・・」ナデナデ 

つばさ「はい!」 

星奈「もういいのかい?」 

つばさ「うん!」
225 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:51:47.51 ID:iZsL9/27o

prrrrrrrrrrrrr 

紬「京都でね、あずさちゃん」 

星奈「じゃあね、つばさちゃん。梓ちゃん」 

梓「早く乗ってください。乗り遅れ・・・ますよ!」 

星奈「まったく、最後までなまいき~」ワシャワシャ 

梓「・・・もぅ、止めて・・・くださいよ・・・」 

星奈「・・・っ」ワシャワシャ 

梓「星奈・・・さん・・・?」 

星奈「っ・・・それじゃあね~」 

梓「ぁ・・・」 

星奈「梓ちゃん。これ受け取って!」 

ピンッ 

シュルルルルル 

梓「な、なんですか?」 

パシッ 

星奈「星奈さんのラッキーコインだよ~ん!」 

梓「え・・・あ・・・」 

星奈「よっ」 

プシュー 

星奈「」ブイッ
226 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:52:27.99 ID:iZsL9/27o

ガタン ゴトン  

梓「・・・星奈さん!」 

ガタン ゴトン 

梓「わ、私、最後の言葉言ってないのに・・・・・・」 

ガタンゴトンガタンゴトン  

つばさ「梓さん・・・」 

梓「最後なのに・・・もう会えないのに・・・私・・・」 

つばさ「・・・」 

梓「・・・言えな・・・かった・・・・・・」 

つばさ「ううん。梓さん。それ・・・」 

梓「・・・?」 

つばさ「それ星奈さんが大切にしてたコインだよ」 

梓「あ・・・あの時の・・・」 

つばさ「ずっと使ってたけど、もう必要なくなったって言ってた」 

梓「・・・」 

つばさ「紬さんと・・・梓さんのおかげだって・・・」 

梓「・・・っ・・・・・・」 

つばさ「星奈さんらしい・・・別れだ・・・と思うな・・・」グスッ 

梓「ぅ・・・っ・・・」ボロボロ 

つばさ「あず・・・ささぁん・・・わたしずっと・・・我慢してたのにぃ・・・」ボロボロ 

梓「ごめ・・・んね・・・つばさ・・・少しだけ・・・」ボロボロ 

つばさ「・・・ぅん・・・」ボロボロ 

梓「・・・星奈さ・・・ん・・・さよう・・・なら」 
227 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:54:28.07 ID:iZsL9/27o

梓「・・・」 

つばさ「・・・」 

梓「ふふ」 

つばさ「えへへ」 

梓「ごめんね、情けないところ見せちゃって」 

つばさ「ううん。私も思いっきり泣いたらスッキリしたよ」 

梓「そっか」 

つばさ「うん、家に着いたら絶対泣くってリボン結ってる時から思ってたもん」 

梓「私は泣くつもりなかったんだけどね」 

つばさ「えへへ」 

梓「つばさはこれから北海道へ?」 

つばさ「うん、この後にでる列車に乗って帰るよ。家族も心配してるだろうからね」 

梓「そうなんだ」 

つばさ「この列車で帰るんだよね。気をつけてね」 

梓「うん。つばさも」 

つばさ「・・・うん」 

梓「・・・」 

つばさ「・・・」 

梓「勝さんの結婚式どうだった?」 

つばさ「勝お兄ちゃんは普通だったけど、花嫁さんがキレイだったよ!」 

梓「そうなんだ」 

つばさ「えへへ、お義姉さんが優しい人で良かったよ!」 

梓「ふふ、単純だなぁ」 

つばさ「そんな事ないもーん!」 

梓「そんな事あると思うけど」 

つばさ「えへへ」 

梓「ふふ」 

つばさ「・・・」 

梓「・・・」 

つばさ「大切な人がたくさん出来た旅だったよ!ありがとう梓さん!」 

梓「こっちこそありがとう。楽しい旅が出来たよ」 

prrrrrrrr 

つばさ「あ、発車しちゃうよ」 

梓「うん」
228 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 00:55:18.06 ID:iZsL9/27o

つばさ「・・・」 

梓「それじゃ、さような」 

つばさ「ううん、違うよ。またね。だよ」 

梓「え・・・」 

つばさ「ほら、紬さんが結ってくれたリボンがあるもん」 

梓「そうだね」 

つばさ「うん!」 

梓「それじゃ、また、どこかで」 

つばさ「またね!梓さん!」 

プシュー 

ガタン ゴトン ガタンゴトン 

梓(ふふ、まだ手を振ってる) 

梓(つばさ・・・またね・・・) 

・・・ 

この席か・・・ 

なんか座り心地悪いかも・・・ 

ヴェガの座席は良かったなぁ・・・ 

2号車に行けばむぎ先輩が必ず居てくれて 

4号車には唯先輩がボケーと座ってて 

律先輩と澪先輩はどの客車を気に入るんだろ 

1号車は澪先輩で3号車が律先輩かな 

憂も4号車が気に入るのかな 

・・・くだらない事考えてるなぁ 

一人で見る車窓の景色がつまらないせいだよね・・・ 

桜井さんとたくさん話ができたのは本当に嬉しかったなぁ・・・ 

つばさとは最初馴染めないと思ってたけど・・・知れば知るほどいい子で・・・ 

星奈さんは唯先輩と律先輩のような人で・・・一緒に居て楽しかった・・・ 

梓「・・・・・ッ・・・」 

・・・・・・ 

・・・ 

梓「・・・・・・京都に早くこないかな・・・ヴェガ・・・」 



――――――――
229 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:01:54.26 ID:iZsL9/27o

―――――――― 


律「あんな別れ方でよかったのかよ?」 

星奈「あはは~、いや~、私湿っぽいの苦手でさ~」 

律「梓のヤツ、泣きそうな顔してたぞ最後」ムス 

星奈「う・・・」 

澪「星奈さん、梓に渡したのって?」 

星奈「あれは・・・私がいつも物事を決める大事な時に使ってたコインだよ」 

紬「あの時の?」 

星奈「そう。むぎちゃんに掴まれたコイン。裏と表、それぞれに進路を決めて表示された方を選択してきたの」 

憂「・・・」 

律「大事な事をそんな決め方していいのかよ?」 

星奈「私結構強運でさ、今までそれに従ってきたけど悪いほうには転がらなかったのよ」アハハ 

澪「それを梓に・・・?」 

星奈「うん・・・。でも・・・もう必要ないからさ。これからは自分で決めて、喜んだり後悔したいんだ。・・・なんてね」 

紬「・・・あずさちゃんも、星奈さんがコインを手放したその意味を理解すると思うわ」 

憂「私もそう思います。けいおん部のみなさん以外の人とあんな顔する梓ちゃんみたの初めてですから・・・」 

澪「そうだな」 

星奈「そう言ってくれると嬉しいな。・・・ごめんね、律」 

律「な、なんで私に謝るんだよっ」 

澪「かわいい後輩を守りたいもんな」ニヤリ 

律「ち、ちがうわぃ!」 
230 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:02:51.52 ID:iZsL9/27o

唯「・・・」 

紬「・・・唯ちゃん」 

憂「お姉ちゃん・・・」 

唯「・・・すぅー、はぁ~」 

星奈「な、なにしてるのかな唯は?」 

唯「・・・うん、大丈夫」 

紬「・・・」 

唯「・・・どうしたの?」 

律「いや・・・」 

澪「その・・・」 

紬「えぇと・・・」 

星奈「つばさと別れたばかりだけど、大丈夫なの?」 

唯「うっ・・・」グス 

澪「あっ」 

星奈「あ、ご、ごめん唯!」 

憂「大丈夫だよお姉ちゃん、紬さんがおまじないかけてくれたじゃない」 

唯「う、うん。そうだね・・・」 

紬「いつかまた会えるわ」 

唯「・・・うん!そうだよね!」 

澪「ホッ」 

律「星奈のアホーッ」 

星奈「ごめん・・・」 
231 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:03:25.50 ID:iZsL9/27o

星奈「・・・しかし」ジロジロ 

憂「な、なんでしょうか?」 

星奈「見れば見るほど唯に似てるけど、本当は双子なんじゃないの?」 

憂「紹介が遅れました。私平沢唯の妹、憂です。お姉ちゃんがお世話になっています」ペコリ 

星奈「い、いえいえ。こちらこそ」ペコリ 

律「こんな所にいてもしょうがないから移動しようぜ~」 

唯「はい!私4号車へ行きたいです!」 

紬「唯ちゃんは4号車が気に入ったのね」 

澪「私は1号車が好きだな」 

律「私は3号車ー!」 

紬「あずさちゃんは2号車だったわ」 

憂「どうしてみなさんバラバラなんですか?」 

唯「見れば分かるよ~、ヴェガを案内するようい~」 

星奈「元気になってよかった~」 

澪「ふふ、やれやれだ」 

律「私らも唯に続くか」 

星奈「私降りる準備するから、また後でね~」 

律「おう」 

澪「次は松本か・・・」 

紬「早いわ~」 
232 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:04:52.75 ID:iZsL9/27o

憂「客車毎に座席の色が違うんだね」 

唯「そうそう、次が4号車だよ~」 

律「青、緑、黄色で次が赤」 

澪「あ・・・他の客もいるからしずかに」 

紬「・・・あら?」 

「どうしよう・・・」 

紬(見かけない方ね・・・何してるのかしら・・・) 

「乗っちゃった・・・」 

紬「あの・・・どうかなされました?」 

「えっ?」 

紬「えぇと、入り口のドアから外を眺めているからどうしたのかな、と。座席へ行かないのですか?」 

「私、間違えて乗っちゃったんです」 

紬「それで困っていたのね」 

「えぇ・・・この列車、次どこに停まるのかしら」 

紬「車掌さんに聞いてみたらどうでしょう?」 

「そうですね・・・」 

紬「たぶん、車掌室に居ると思いますけど、案内しましょうか?」 

「すみません、おねがいします」 

・・・・・・ 

・・・ 

車掌「あら?どうなされたのですか?」 

紬「車掌さん、この方間違えて乗ってしまわれたみたいです」 

「・・・あの、私キップを持っていないのに乗ってしまって・・・」 

車掌「列車を間違えてしまったのですね?」 

「えっ、えぇ・・・本当にすみません」 

車掌「・・・わかりました。とりあえず、お名前を教えてもらえますか?」 

「は、はい千歳さとみといいます」 

車掌「千歳さんですね。じゃあ4号車の空席でお待ち下さい。連絡を入れて次の駅の停車時間を調べてまいりますから」 

さとみ「すみません、ご迷惑をおかけします」 
233 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:06:23.34 ID:iZsL9/27o

唯「むぎちゃーん、どこ行ってたの~」 

律「急に居なくなるからびっくりしたぜ~」 

紬「ごめんねみんな」 

澪「あ、そちらの方は・・・?」 

さとみ「ち、千歳さとみといいます」 

憂「東京から乗っていらしたのですか?」 

紬「そうなの」 

さとみ「で、でも次で降りますから」 

唯「ん~?どういう事?」 

紬「列車を間違えてしまったらしいの」 

律「そそっかしいのぅ~」 

澪「初対面の人に失礼だろっ」 

紬「私たち向こうの席に座ってるわね」 

律「おっけ~」 

唯「え~」 

憂「お、お姉ちゃん・・・」 

澪「じゃあ、むぎ後でな」 

紬「えぇ」 

さとみ「・・・」 

紬「こちらでいいかしら?」 

さとみ「はい・・・。グループで旅行してるのですか?」 

紬「はい、学校の部活仲間です」ニコニコ 

さとみ「うらやましいな・・・そういうの」ボソッ 

紬「・・・?」
234 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:08:04.51 ID:iZsL9/27o

さとみ「ごめんなさい、迷惑かけっぱなしで・・・えっと、むぎさん・・・でいいですか?」 

紬「えぇ」ニコニコ 

さとみ「ごめんなさいせっかくの旅行中なのに変なことに巻き込んでしまって・・・」 

紬「いいえ、発車したばかりですから時間を持て余していました」 

さとみ「むぎさんはどこまで行くんですか?」 

紬「この列車が行くところまでです!」 

さとみ「こ、この列車って日本縦断する列車でしょ?じゃあ・・・」 

紬「そういう事です!」フンス!! 

さとみ「そ、そうなんですか・・・」 

紬「でも、気が向いたら途中で降りちゃってもいいかな~と・・・」 

さとみ「・・・あてのない旅ね、憧れるなそういうの」 

紬「やろうと思えば誰にでも出来ると思いますけど・・・」 

さとみ「そうかな・・・そんなことないと思うけど」 

紬「それでしたら、いっそこのまま旅に出ちゃうのはどうかしら」 

さとみ「え!?」 

紬「新鮮な体験ばかりで楽しいですよ」ニコニコ 

律「そうそう!親の目もないし!」 

紬「りっちゃん」 

さとみ「ふふ、楽しそうですね」 

澪「こーら、話の邪魔をしない」グイッ 

律「あ~れ~」ズルズル 

さとみ「ふふ、本当にいいかもしれませんね。あっ」 

紬「どうしました?」 

さとみ「今、私の家の周りを通ったの。電車からみたらこんな風に見えるんだ・・・」 

紬「不思議な感じがしますよね」 

さとみ「えぇ・・・なんか、家から離れていくとドキドキする」 

紬「きっと、旅に出たいのですよ」キリ 

唯「あ、むぎちゃん、今のあずにゃんみたいだったよ~」 

紬「うふふ」 

さとみ「あず・・・?」 

澪「こーら、話の邪魔をしない」グイッ 

唯「あ~れ~」ズルズル
235 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:10:04.60 ID:iZsL9/27o

さとみ「・・・旅に出たい・・・のかな・・・」 

紬「この旅は私にたくさんの出会いをくれました」 

さとみ「・・・」 

紬「とても大切なものが見つかるかもしれませんよ」ニコ 

憂「私もさっそく見つけましたよ!それはつむぎちゃんです!」 

紬「唯ちゃん、髪を結ってもヘアピンを取らなきゃすぐ分かるわ」 

唯「あ・・・」 

律「しまった!」 

澪「こぉらぁあ、いい加減にしろー!」ゴスッ 

律「あいたぁ!」 

澪「まったく・・・」グイッ 

唯「あ~れ~」ズルズル 

律「なんで私だけ・・・」グス 

さとみ「うふふ、本当にたのしそう」 

紬「楽しいのは保証しますよ」ニコニコ 

さとみ「ふふ・・・ねぇ、むぎさんはどうして旅に出たの?」 

紬「えっ・・・旅に出た理由・・・ですか・・・」 

車掌『お客様の千歳様、準備が出来ましたので車掌室にお越し下さい』 

さとみ「あっ・・・私、行かなくちゃ。ごめんなさい変な質問しちゃって 
    気にしないで楽しい旅を続けて下さい。それじゃ」 

紬「はい、千歳さんも気をつけて・・・」 

さとみ「ありがとう・・・」 

紬「・・・」
236 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:11:37.96 ID:iZsL9/27o

唯「むぎちゃーん、こっちにきて~」 

紬「な~に?」 

修治「はいこれ」ペラ 

紬「あら・・・?」 

律「なにー?」 

憂「・・・?」 

紬「新聞ね」 

澪「伊東さんが書いたやつ?」 

唯「どうして修治くんがもってるのー?」 

修治「小麦に頼まれたんだ。『コンビ二で2部コピーしたから軽音部のみんなに一枚渡して、一枚売店に貼って』って」 

憂「新聞?」 

唯「私たちね~演奏したんだよ!走る列車の中で!」 

律「私は写真付きでも構わなかったけどな~」 

澪「あの時と言ってる事が違うだろ」 

紬「ふふ、小麦さんの記事面白いわよ。読んでみて憂ちゃん」 

憂「あ、はい・・・」フムフム 

唯「どれどれ~」 

律「読み終わったら私に!」 

澪「私も読みたい・・・」 

憂「演奏時の内容が巧く表現されてて、記事を書いた方の印象が伝わってきます」 

修治「うん、小麦の意外な才能の一つだね」 

澪「へぇ~」 

憂「自己紹介まで詳しく書かれてますよ」フムフム 

律「! それは読んじゃダメだ!」 

憂「あ・・・、律さんごめんなさい・・・読んじゃいました」 

律「・・・」カァァ 

澪「なかなか捨てられないみたいだな」ププ
237 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:13:38.70 ID:iZsL9/27o

唯「ふむふむ『部長の自己紹介が衝撃的だ“辞書の最初の頁の言葉が大好き!あこがれています!ズバリ愛!!”』」 

律「音読するなぁ!」 

唯「『エネルギー溢れる人物だが、意外と乙女な一面もあるようだ』」 

澪「ププッ」 

紬「うふふ」 

修治「あは・・・は・・・」 

律「あー、よかった。写真載ってなくて」フゥ 

澪「さっきと言ってる事ちがうだろっ!」 

「あの・・・」 

修治「あ・・・」 

律「?」 

唯「あ!」キラキラ 

「東京のイベントでお会いした方ですよね・・・」 

憂「?」 

修治「もしかしてアイドルのえぇと・・・」 

唯「みらいちゃん!」キラキラ 

憂「えっ・・・?」 

澪「え・・・?」 

みらい「はい。飯山みらいです」 

唯「うい!私芸能人に顔を覚えてもらったよ!」 

憂「あの飯山みらいさんですか?」 

みらい「はい・・・そうです」 

律「だ、誰だ・・・?」ヒソヒソ 

澪「アイドルの飯山みらいだよ。知ってるだろ?」ヒソヒソ 

律「私の知ってる飯山みらいは、もっとはっちゃけた印象なんだけど?」ヒソヒソ
238 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:14:47.09 ID:iZsL9/27o

澪「確かに。東京駅のイベントとは雰囲気が全然違うな」ヒソヒソ 

みらい「唯さん、先ほどはすいませんでした。初めて会った方なのに失礼な口の利き方をしてしまって」 

紬「・・・」 

唯「いいよ~、あれはイベント中の事なんだし~」 

憂「・・・」 

みらい「そう言って頂けると助かります。本当にすいませんでした」ペコリ 

唯「あれ?みらいちゃんは一日車掌の仕事中じゃないの?車掌の仕事はどうしたの~?」 

みらい「今は休憩時間なんです」ニコ 

澪(か、かわいい・・・) 

律「そうだよな~、本物の車掌さんみたいにずっと働くわけ無いもんな」 

修治「まぁ、そうだよね」 

唯「そうなの?」 

みらい「えぇ・・・本当はそんなんじゃいけないんですけど・・・仕事上どうしてもこうなってしまうんです」 

紬「イベントで見かけた時と雰囲気が違いますね?」 

修治「まるで、別人みたいだ・・・」 

澪「・・・」ウンウン 

憂「・・・」 

みらい「そうですよね・・・。唯さんはどちらの私がいいと思います?」 

唯「ん~・・・、私は両方のみらいちゃん好きだよ~?」 

みらい「・・・!」 

律「結構真面目な質問だぞ唯~」 

唯「えー、みんなに元気を与えるステージ上のみらいちゃん。今の素直な感じがするみらいちゃん。どっちも好きだもん」 

みらい「そんなこと初めて言われました・・・」 

憂「お姉ちゃんはみらいさんのファンですから」 

律「私は今のみらいがいいな!」 

澪「私も・・・」 

修治「・・・」ウンウン 

紬「うふふ」
239 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:16:05.25 ID:iZsL9/27o

みらい「良かった。分かる人には分かるんだ・・・」 

唯「? なんの話~?」 

みらい「い、いえ。なんでもないです」 

「んっふふふふふふふ・・・」 

律「な、なんだ・・・」 

修治「この気持ちの悪い笑い声は・・・」 

「ずいぶん楽しんでいるようだね・・・みらい」 

みらい「あっ・・・」 

律「な、なんだおまえは・・・」 

「僕は、みらいのマネージャーをしている望月将人。ファンならファンらしく節度を持って欲しいんだよ」 

唯「?」 

律「・・・」ムカッ 

修治「・・・」ムカッ 

将人「言ってる意味ぐらい分かるだろ?」 

唯「ん~?」 

将人「さぁ、休憩時間は終わりだ。行くぞみらい」 

みらい「はい・・・私仕事がありますのでこれで失礼します」 

澪「・・・」 

律「なんだアイツ」 

修治「・・・」 

唯「ど、どうしたのみんな・・・?」オロオロ 

憂「なんでもないよ、気にしないで」 

紬「あ、そうだわ。松本の観光ガイド買わなきゃ」 

修治「あ、俺も売店にこの新聞をもって行くんだった・・・。じゃあね」 

スタスタ
240 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:16:52.99 ID:iZsL9/27o

律「それじゃ、私たちはどうしようか」 

澪「むぎ、観光ガイドって売店でいいんだよね?」 

紬「えぇ、そうよ」 

澪「買いに行こうよ律」 

律「そうだな」 

紬「あら、いいの?」 

澪「うん、むぎは座ってて」 

律「行ってくる」 

唯「うん・・・。そうだ!車掌さんにお礼を言わなきゃ!」 

紬「そうね。今なら大丈夫だと思うわ」 

唯「そんじゃ行って来ます」 

憂「私も行くよ」 

唯「一人でいいよ~、ういは座ってて~」 

憂「・・・分かった」 

唯「ではっ」 

紬「うふふ、行ってらっしゃ~い」 

憂「・・・」 

紬「松本ね・・・」 

憂「あの、紬さん」 

紬「なにかしら~」 

憂「お姉ちゃんは大丈夫でしょうか?」 

紬「?」 

憂「その・・・つばささんと別れた時のお姉ちゃんを見たら少し不安になってしまって」 

紬「ふふ、憂ちゃんが思っている以上に唯ちゃんは強いわ~」 

憂「そ、そうなんですか?」 

紬「えぇ、私も助けられてるもの」 

憂「お姉ちゃんが・・・」 

紬「心配いらないわ」 

憂「それを聞いて安心しました。・・・もう一ついいですか?」
241 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:17:37.10 ID:iZsL9/27o

紬「なぁに?」 

憂「星奈さんってどういう人なんでしょうか?」 

紬「気になる?」 

憂「は、はい」 

紬「それなら百聞は一見にしかず・・・ね」 

憂「え・・・」 

星奈「よっ、むぎちゃん」 

憂「あ・・・」 

紬「荷物の整理は終わりました?」 

星奈「うん、大した量じゃないからね~。ここ座っていい?」 

憂「はい、どうぞ」 

星奈「しっつれい~」ドサッ 

紬「・・・」 

星奈「ふむふむ」ジロジロ 

憂「あ、あの・・・?」 

星奈「むぎちゃん」 

紬「はい」 

星奈「どうしてむぎちゃんの周りには可愛い子が集まるの?」 

憂「そ、そんな・・・」モジモジ 

紬「どうしてかしら?」クスクス 
242 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:21:28.42 ID:iZsL9/27o

律「観光ガイドねぇ・・・」 

澪「あぁ、梓の勧めだから買っておいて損はないと思うぞ?」 

律「そうだなぁ」 

キャアア 

澪「?」 

律「な、なんだ?誰かこっちにくるぞ」 

ダダダダダ 

愛「あっ!」 

澪「愛さん!なんて格好をっ!」カァァ 

律「おぉ、タオル一枚とは・・・」 

愛「ご、ごめんなさい!」 

ダダダダダ・・・ 

澪「行ってしまった・・・」 

律「シャワー室でなんかあったのかな」 

車掌「あら秋山さんに田井中さん」 

修治「・・・」 

澪「しゃ、車掌さん」 

律「と、え~と、鳥羽修治さんだっけ?どうしたの?」 

車掌「シャワー室の設備にトラブルがありましたので修理の為に来たのですが」 

修治「・・・」カァァ 

澪「?」 

律「?」 

車掌「使用禁止の張り紙が剥がれてしまったために、松浦さんが使用してしまったみたいなのです」 

澪「・・・」 

車掌「蛇口が壊れて水が止まらなくなり、松浦さんの悲鳴を聞いて駆けつけた鳥羽さんが水を止めてくれたのですが・・・」 

修治「いや、その・・・」カァァ 

律「鳥羽さ・・・あ~もぅ、修治でいいや。修治はさっきからなんで顔が赤いんだよ?」 

修治「愛ちゃんと話をしているときに・・・その・・・タオルが・・・」カァァ 

澪「・・・?」
243 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:22:35.88 ID:iZsL9/27o

律「あ~、そういう事か」 

車掌「困っている鳥羽さんが私にご相談なされたという形です」 

律「なるほどねぇ」 

澪「・・・」 

修治「悪いことしちゃったな」 

律「まぁ、不可抗力なんだろ?しょうがないって。愛ちゃんはショックだっただろうけど」 

修治「だよなぁ・・・」ハァ 

車掌「私はこれから料理長を呼んでシャワー室を修理しなければいけませんので、 
   松浦さんの件は田井中さんと秋山さんにお願いしてもよろしいでしょうか?」 

澪「わ、私達がですか?」 

車掌「えぇ、年の近い方の方が松浦さんも話しやすいでしょうから」 

律「いいよ~。車掌さんにはお世話になってるから全然おっけーだ」 

車掌「そう言ってくださると助かります。それでは私はこれで」 

修治「迷惑をかけてすまない」 

律「いいっていいって~。行くぞ澪」 

澪「あ、あぁ・・・」 
244 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:24:16.17 ID:iZsL9/27o

澪「なぁ・・・、さっきの話どうして鳥羽さんは・・・」 

律「見ちゃったんだろ」 

澪「なにを?」 

律「愛ちゃんの裸を」 

澪「ハ、ハダッ!」ボンッ 

律「これから愛ちゃんを励まそうって人が恥ずかしがってどうすんだよぉ」 

澪「だ、だって・・・」プシュー 

律「お、愛ちゃんの部屋はここだな・・・」 

コンコン 

「はい・・・」 

律「愛ちゃん?ちょっと話しあるんだけどいいかな?」 

澪「私もいるけど・・・」 

「どちらさまですか?」 

律「あ、ごめん・・・。私だよん!」 

澪「いや、名前を言えよ。澪と律だけどいいかな?」 

「ちょ、ちょっと待ってください・・・」 

ガチャ 

律「よっ」 

愛「先ほどはお見苦しい所をお見せしてしまい、すいませんでした・・・」 

澪「き、気にしないで」プシュー 

律「お、頑張ってるな澪」 

愛「中へどうぞ」 

律「ごめんね、押しかけて」 

バタン 

愛「いえ、それでお話とは?」 

律「さっきの件なんだけどさ、修治のヤツも悪気は無かったんだから許してやってよ」 

澪「お、おい・・・もっと慎重に話を」 

愛「いえ、修治さんに対して怒ったりはしていません。むしろ助けて下さったことに感謝してるぐらいです」 

澪「そ、そうなのか」 

律「なーんだ、それじゃ私たちがでしゃばる必要も無かったのか~」 

愛「・・・」 

澪「・・・」 

律「じゃぁ、私たちはこれで失礼するよ」
245 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:26:15.95 ID:iZsL9/27o

澪「まって、律」 

律「ん?」 

愛「・・・」 

澪「せっかくだから、愛さんが今考えていること話してみない?」 

愛「え・・・?」 

律「・・・?」 

澪「なんだか行き詰った顔してるからさ」 

愛「そ、そんな事」 

律「言われてみれば・・・。眉間に皺寄せちゃって、どうしたのん?」 

愛「・・・」 

澪「無理にとは言わないからさ、話したくなったら」 

愛「あ、あのっ!」 

律「ん?」 

愛「は、話を聞いてくれますか?」 

澪「うん」 

律「箱舟に乗ったつもりで話してみろ!」ドンッ 

澪「どこへ行くんだよその舟は」 

愛「クスッ」 

律「ウシシ」 

澪「まったく・・・」 

愛「・・・」 

澪「さっきの件だけの話じゃないよね?」 

愛「はい・・・。私みなさんに申し訳なくて・・・」 

律「・・・?」 

愛「私、生まれつき運が悪いんです。なにかと悪いことばかり起こってしまって・・・」 

澪「・・・」 

愛「私一人が被害に合うのなら我慢できるのですが、私のせいで周りに迷惑をかけてしまうのが嫌なんです」 

律「・・・」 

愛「・・・」 

澪「誰かがそう言ったの?迷惑だって」
246 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:27:22.17 ID:iZsL9/27o

愛「いえ、みなさん優しいですから・・・」 

律「それだったら・・・」 

愛「・・・」 

キキーッ 

澪「おっと」 

愛「きゃっ」 

律「おっとっとっと」 

ツルッ ガンッ 

律「あいたぁ!」 

澪「律っ!」 

律「大丈夫大丈夫・・・」イテテ 

澪「ほっ・・・。しかし、いきなり急ブレーキするなんて・・・」 

愛「・・・」 

律「またおでこぶつけた・・・」 

澪「動くなよ、バンソーコ貼ってやるから・・・」 

愛「こうなってしまうんです・・・」 

律「いや、今のはしょうがないよ」 

澪「あぁ、運動神経の低い律が悪い」 

律「なんだとぉ!」 

愛「・・・」 

澪「愛さん・・・」 

愛「ごめんなさい」 

律「愛ちゃんのせいじゃ」 

愛「すいません。一人にしてくれますか・・・?」 

澪「わ、分かった・・・」 

ガチャ 

律「それじゃあね」 

愛「話を聞いてくれてありがとうございました」ペコリ 

澪「・・・」 

バタン 

律「・・・行くか」 

澪「あぁ・・・」
247 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:28:04.17 ID:iZsL9/27o

律「あの急ブレーキはタイミング悪かったなぁ」 

澪「・・・」 

律「なぁ、愛ちゃんってそんなに運が悪いのか?」 

澪「あ、あぁ。何度も変なものを踏んで転んでいるところ見ているけど・・・」 

律「ふーん」 

澪「・・・」 

律「いい子なんだけど、気にしすぎだよなぁ」 

澪「いい子だから・・・だろ」 

律「そっか・・・」 

澪「売店行くぞ」 

律「なにしに?」 

澪「松本の観光ガイドを買いにだっ!」 

律「あぁ、そうだったそうだった」ウッカリ 

ちひろ「いらっしゃいませ~」 

律「おいしいお菓子ありますか?」 

澪「違うだろ。松本の観光ガイド一つください」 

ちひろ「観光ガイドですね~、はいどうぞ~」 

律「よし、これで松本は完璧だな!」 

ちひろ「あ、そういえばお客さん~」 

澪「は、はい?」 

ちひろ「エレナさん達とぉ、とっても仲良しさんですよねぇ」 

澪「そ、そう見えますか?」 

ちひろ「はい~」 

澪「そ、そうですか。それでは・・・」 

ちひろ「また来て下さいね~」 

澪「・・・梓の言ってた通りなのかな?」 

律「ん?」 

澪「なんでもない」
248 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:29:43.64 ID:iZsL9/27o

――――――展望車 

律「それでは!第354回観光地巡り会議を開催します!」 

紬「わ~」パチパチ 

唯「まってました!」パチパチ 

澪「・・・」 

律「・・・」 

憂「え、え~と・・・」 

澪「松本への到着は夕方になるな」 

紬「そうね~、あまりたくさん回れないわね」 

律「・・・」シーン 

唯「ういはどこへ行きたい!?」 

憂「お、お姉ちゃんに合わせるよ」 

澪「おっ、旧開智学校は行ってみたいな」 

律「なんだよ!ツッコミくれよ!!」 

澪「なんのだよ」 

律「345回も会議して無いだろ!ってさぁ!」 

唯「あれ? 354回じゃなかったっけ?」 

律「唯も気付いてたんじゃないかよー!」 

澪「ボケが中途半端なんだよ」 

星奈「まぁ、気に病むな」ポンポン 

律「ちくしょー、ってなんで星奈までいるんだよ!次で降りるんだろ!?」 

星奈「むぎちゃんの最後のお茶を堪能したいんだも~ん」ルンルン 

紬「うふふ、さぁみんなもどうぞ~」 

憂「ありがとうございます」 

律「ふーんだ。みんなはどこ行きたいですかー」 

澪「投げやりになったな」 

唯「はい!私は浅間温泉に行きたいです!」 

紬「いいわね~」 

憂「みなさんの旅の疲れを癒せますね」 

星奈「くぅ、いい子やね~」 

唯「そうでしょ!」エヘン
249 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:31:33.31 ID:iZsL9/27o

律「じゃー、温泉へはいつ行きますかー」 

澪「悪かったから、機嫌直して?」 

星奈「ほら、売店で買ったポテチあげるから」 

律「ふーんだ、私はお菓子でなんか釣られませーん」ムシャムシャ 

澪「食べてるじゃないか」 

律「うめぇ!なにこの味!」 

澪「機嫌も直った」 

星奈「中華街の名物豚まん味だよ~ん」 

唯「おいし~い」パリパリ 

星奈「でしょ?」 

澪「私も一つ・・・」パリパリ 

紬「私も~」ムシャムシャ 

星奈「どう?」 

澪紬「「 ・・・ 」」 

憂「評価が極端に別れましたね・・・」 

律「品評会してる場合じゃねぇ。それで温泉へはいつ行こうか」 

唯「朝なんてどうかな?」 

澪「入るなら夜がいいんじゃないのか?」 

律「ふむ・・・」 

唯「夜だと景色見れないよ~?」 

星奈「・・・」ムシャムシャ 

澪「そうだな、観光ガイドにも北アルプスを眺めながら入る温泉は贅沢と書かれているからな」 

律「それじゃ、温泉は明日の朝に決定と」 

憂「浅間温泉ですね」 

唯「到着直後はどこへ行こう?」 

紬「はい!私松本城へ行ってみたいの」 

唯「いいですね!私も行きたいです!」

251 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:32:34.10 ID:iZsL9/27o

星奈「・・・」ズズー 

律「ほほぅ。それはなぜかね?」 

唯「はい。それは仙台の青葉城を幻覚でしか見られなかったからです!」 

星奈「ブフッ!!」 

律「女の子がお茶を吹くなよ・・・」 

唯「星奈ちゃん大丈夫?」 

憂「ハンカチ使ってください」 

星奈「だ、大丈夫、自分の使うから・・・」ゲホゲホ 

紬「星奈さんおかわりどうぞ」 

星奈「さ、サンキュー」 

澪「で、私も理解できないんだけど?」 

唯「石しかなくて・・・こうだったんじゃないかなぁと」 

憂「想像したんだね」 

律「あぁ、そういう事か。私もびっくりしたぞ」 

星奈「その割には落ち着いてたじゃん?」 

澪「まぁ、慣れ・・・です」 

律「他に案も無いようだし、いいんじゃないのか?」 

澪「旧開智学校・・・」 

紬「温泉から出た後に行きましょう澪ちゃん」 

澪「うん!」キラキラ 

星奈(かわいいな・・・) 

律「旧開智学校の後に時間があったら上高地へ行くか」 

唯「そうだね~」 

憂「はい」 

律「それでは、これで観光地巡り会議を終了する!」 

星奈「何回目の会議だっけ?」 

律「知らぬ!」 
252 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:34:28.61 ID:iZsL9/27o

小麦「おや?澪ちゃん一人でなにしてんのー?」 

澪「あ、伊東さん」 

小麦「やだなぁ、名前で呼んでくれていいよ~。同い年なんだし」 

澪「そ、そう?」 

小麦「うん。そうして欲しいな~」 

澪「わ、分かったよ小麦・・・」 

小麦「うん!」 

澪「・・・」テレ 

小麦「それでなにしてたの?」 

澪「特に用事も無くフラフラとしてただけだよ」 

小麦「みんなは~?」 

澪「各自自由時間みたいなものかな?」 

小麦「そっか~」 

澪「エレナさんと一緒じゃないの?」 

小麦「エレナは今ビデオの編集してるの。邪魔しちゃいけないから私も一人でウロウロしてるんだよ」 

澪「編集の邪魔?」 

小麦「そうなの~。私って機械と相性悪いからさ~触らないほうがいいんだよね~」 

澪「扱いになれてないとか?」
253 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:35:43.41 ID:iZsL9/27o

小麦「うーん、そうじゃないんだけどね。私が触ると半分消えちゃうの」 

澪「そ、それは大変だね」 

小麦「ほんと~。画面の上半分が消えちゃって大変だったよ~」 

澪「え、半分って録画時間の半分じゃないの?」 

小麦「違うの。映像の上半分なの。どうしてあんな風になっちゃたんだろ~」 

澪「それはこっちが聞きたいよ」 

小麦「へへへ」 

澪「あ、ごめん・・・」 

小麦「ううん。今みたいに話してくれると嬉しいな」 

澪「そ、そう?」 

小麦「うん!」 

澪「・・・小麦はエレナさんと付き合い長いの?」 

小麦「ううん、出会ったのは7月の終わりごろだよ」 

澪「えっ!じゃあ1週間とちょっと!?」 

小麦「うん。そうだよ~」 

澪「数年来の付き合いがあるようにみえたからびっくりした・・・」 

小麦「仙台で露店開いててさ、なにしてるのかな~って話しかけたら」 

澪「ウマがあったと・・・」 

小麦「そういう事~」 

澪「す、すごいな・・・」 

小麦「褒めてくれてありがと!・・・それじゃエレナも編集終わっただろうから戻ってみるね~バイバイ~」 

澪「うん」 

澪(数日であれだけの信頼関係が築けるのか・・・。余程ウマが合うんだろうな・・・) 

澪「・・・律はどこへ行ったかな」 
254 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:37:19.80 ID:iZsL9/27o



律「へ、へっくしょん!」 

コック「お?風邪か?」 

律「いや、違うと思う・・・」 

コック「そうか、栄養満点のスープでも作ってやろうかと思ったがいらないな」 

律「それは魅力的だけどさ、メニューにあるハンバーグのレシピを教えてくれよ!」 

コック「ダメだ」 

律「ちぇー」 

コック「味は盗むもんだぜ、デコちゃん」 

律「むむむ・・・」 

コック「分かったらさっさと行きな。これでも忙しいんだからな」 

律「絶対諦めないかんな!」オボエテロ 

コック「いつでもはじき返してやるよ」 

律「むー」 

店員「どうしたんですか、料理長?」 

コック「いや、なんでもない。これ仕上がったぞ、もってけ羽田」 

羽田「は、はい!」 

255 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:38:46.53 ID:iZsL9/27o

―――――高崎駅 

紬「ん~・・・」ノビノビ 

憂「二時間しか移動してませんけど、とても充実してますね」 

紬「そうね、毎日が新鮮で楽しいわ~」 

憂「お姉ちゃんも楽しそうに旅が出来てるみたいでよかったです」 

紬「憂ちゃんには驚かされた~」 

憂「驚かせてごめんなさい。でも、紬さんにはバレちゃってましたよね?」 

紬「あずさちゃんの様子と口調が変だったから、もしかして・・・って」 

憂「そうですか・・・。それじゃ、紬さんには教えておきますね。・・・耳を貸してもらえますか?」 

紬「なぁに?」 

憂「ごにょごにょ」 

紬「まぁ」キラキラ 

澪「どうしたんだ二人とも楽しそうだけど・・・?」 

紬「なんでもな~い」 

憂「は、はい」 

澪「んー?」 

愛「・・・あ」 

澪「あ、愛さん・・・」 

愛「澪さん!先ほどはすいませんでした!」 

紬「?」 

澪「い、いや・・・それよりもう大丈夫?」 

愛「は、はい。律さんにも謝りたいのですが・・・」 

澪「・・・律ならあそこでキョロキョロしてるよ」 

紬「あら、なにしてるの?」 

澪「さぁ・・・」 

愛「私行ってきます!」 

テッテッテ 

澪「あ、愛さん!空き缶があるから気を!」 

愛「きゃっ」 

スッテーン 

憂「だ、大丈夫ですか!?」 

愛「だ・・・大丈夫です」イテテ
256 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:40:31.07 ID:iZsL9/27o

律「な、何やってんだよ?」 

澪「律こそ、なに探してるんだ?」 

律「いや、唯が・・・」 

憂「お姉ちゃんがどうかしたんですか?」 

律「唯がかくれんぼしようと言い出してさ・・・」 

紬「まぁ」 

愛「あと、10分もしないうちに出発しますけど・・・」 

律「うん・・・」 

澪「なんだろうなこの嫌な感じは・・・」 

律「うん・・・さっきから私も嫌な予感がしてならない」 

憂「そ、それはどういう・・・」 

紬「み、みんなで探せばすぐ見つかるんじゃないかしら」 

律「そ、そうだな」 

愛「わ、わたしも探してみます」 

澪「お、お願い・・・」 

・・・・・・ 

・・・ 

律「ゆ~い~!」 

澪「出てこ~い!」 

憂「おねえちゃ~ん!」 

紬「唯ちゃ~ん!」 

愛「ど、どうしましょう!もう発車しますよ・・・!」 

憂「わ、私電話かけてみます!」ピッポ 

trrrrrrrrrr 

prrrrrrrrrrrrr 

律「やっべぇ!発車のベル鳴ったぞ!」 

澪「みんな、落ち着こう」 

紬「そ、そうね!」 

愛「は、はい!すぅ~はぁ~」 

澪「憂ちゃん・・・出ないの・・・?」 

rrrrrrrプツッ 

憂「切れた・・・」サァー

259 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 01:44:53.89 ID:iZsL9/27o

律「私はここに残るからみんな先に乗れ!」 

澪「なっ!」 

憂「わ、わたしも!」 

律「いいから!」 

澪「後から追いかけて来いよ!」 

律「あぁ、唯と一緒に松本へ行く!」 

紬「うん!」 

星奈「なにしてんの?」 

紬「唯ちゃんが見つからないの!」 

星奈「唯なら4号車にいるよ?」 

律澪紬憂愛「「「「「 え 」」」」」 

プシュー 

ガタン ゴトン ガタンゴトン

263 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:04:50.58 ID:iZsL9/27o

唯「」スヤスヤ 

律「・・・」 

澪「・・・」 

紬「あらまぁ」 

憂「お姉ちゃん・・・」 

愛「ホッ」 

星奈「高崎の販売機の裏で寝てたからさ、乗せておいたんだよ」 

律「寝てたぁ?」 

星奈「う、うん・・・。人間の足が見えたからびっくりしてさ、覗いたら唯だった」 

紬「星奈さんに見つけてもらってよかったわ」 

澪「そのままだったら置いてけぼりだったもんな・・・」 

憂「それは高崎に着いてから何分後ですか・・・?」 

星奈「ん~?10分くらいかな・・・?」 

律「私とかくれんぼ始めたのが到着5分後くらいだな」 

星奈「くっくっく。かくれんぼしてたのか」 

愛「外を探しても見つからない訳ですね・・・」 

律「あぁ・・・」 

唯「ん~・・・」ムニャムニャ 

澪「よだれ・・・」 

紬「あらあら」 

憂「お姉ちゃんったら・・・」フキフキ 

律「・・・そろそろこの眠り姫を起こしてもいいのではなかろうか」 

澪「うむ」 

愛「もう少し寝かせてあげても・・・」 

憂「・・・」 

律「ほら、起きろ唯」 

唯「ん・・・?あ、りっちゃん・・・見つかっちゃったぁ」 

星奈「ブフッ」 

律「こらぁああ!」ムニ 

唯「ほぁ!?」 

澪「これはしょうがないな」ウンウン 

唯「ほぉひはほ?!」 

律「どおしたの、じゃねぇ!」ムニムニ 

唯「ほへんははい、ほへんははい!」 

律「ったく・・・」
264 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:06:22.01 ID:iZsL9/27o

憂「お姉ちゃん販売機の裏で寝てたんだって・・・」 

唯「・・・ハッ」 

愛「星奈さんが運んでくれたそうです・・・」 

星奈「あっはっは!」 

唯「あの場所、風が気持ちよくて・・・」 

律「そのまま寝てたら置いてけぼりだったんだぞ」ムニムニ 

唯「ほはひほほほ」 

律「もうこんなことしないと約束しろ!」 

唯「はい、約束します!」 

星奈「まぁ、運が良かったと思うよ~」 

紬「ありがとう・・・星奈さん」 

憂「ありがとうございます」ペコリ 

律「ありがと」 

澪「ありがとう・・・」 

愛「ありがとうございます」 

星奈「い、いやぁ~・・・あははっは。照れちゃうナー・・・」 

憂「お姉ちゃん、ちゃんと反省してね」 

紬「みんなすごく心配したのよ?」 

唯「はい・・・」 

律「迷惑かけるのはいいけどさ、心配かけるな」 

愛「!」 

澪(律・・・) 

星奈「ま、まぁ。みんな許してあげてよ」 

唯「ううん、星奈ちゃん。みんなに心配かけてしまったのは悪いことだもん。みなさん、心配かけてごめんなさい!」 

律「許す!」 

紬「うん」 

澪「うん・・・」 

憂「よかったねお姉ちゃん」 

唯「うん!もう心配かけません!」
265 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:06:49.23 ID:iZsL9/27o

愛「・・・」 

唯「愛ちゃん・・・怒ってる?」 

愛「え、いえ!と、とんでもないです!」 

律「・・・」 

唯「ごめんなさい」 

愛「え、・・・はい」 

澪「・・・」 

律「よぉーっし、みんなで娯楽車で遊ぼうぜー!」 

紬「いいわねぇ~」 

憂「娯楽車?」 

唯「ういはまだ遊んだことなかったよね~行こう行こう!」 

律「レッツゴー!」 

紬「ゴォー!」 

唯「レッツゴーゴー!」 

澪「し、静かにしろよ・・・」 

憂「ふふ」 

星奈「いいよねぇあの子達・・・」 

愛「・・・」 

星奈「ちゃんと叱って許せる関係だもん」 

愛「・・・はい」 

律「二人とも早くこーい」 

愛「は、はい!」 

星奈「よっしゃ、最後に私の腕前を披露してやりますかね」コキコキ 

愛「・・・」 
266 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:11:05.43 ID:iZsL9/27o

律「なんで星奈ばっかり揃うんだよー!」 

星奈「ふふーん♪」 

ジャラジャラジャラ 

律「あー、もうメダル無いや」 

星奈「少し分けようか?」 

律「要らぬ!」 

唯「武士は食わねど爪楊枝・・・だね!」 

紬「惜しい!」 

澪「意味は間違いだけど・・・」 

憂「敵に塩を送る・・・かな?」 

澪「断ったけどな」 

愛「星奈さんが上杉謙信ですね」 

律「なにぃ!? 私が武田信玄だと申すか小娘!」 

唯「あはは、似てる似てる!」 

律「唯さんはどこをみて仰ってるのかな~?」 

星奈「なるほどね・・・」ジー 

律「見るなぁ!」 

澪「前髪下ろせばいいじゃないか」 

律「そだな」バサッ 

唯星奈「「 前髪長っ! 」」 

律「もぅ、なんなんだよ~」シクシク 

憂「ふふ」 

愛「クスクス」 

律「へへっ」 

エレナ「みなサン、楽しそうですね~」ジー 

唯「あ、エレナさんも小麦さんも一緒にどうですか?」キリ 

星奈「どうしたの唯は?」 

澪「カメラを意識しています」
267 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:12:03.08 ID:iZsL9/27o

エレナ「小麦行きますヨ~」 

小麦「レポーターの伊東小麦でーす、只今娯楽車に来ています!」 

律「お、なんか始まった」 

小麦「楽しい設備が整えられていますね~。それではインタビューしてみましょう!」 

澪「」ササッ 

律「・・・」 

唯「-☆」ウィンク 

小麦「そうですね~、そこのお嬢さん!」 

紬「なんでしょう~」 

唯「おぉ・・・」 

小麦「列車の旅はどうですか?」 

星奈「娯楽車関係無いじゃん!」 

紬「とても楽しく過ごせています~」ウフフ 

小麦「楽しさが伝わってきますね~。こっちも楽しくなります。どこまで行かれるのですか?」 

紬「行ける所まで行ってみようかと~」ニコニコ 

澪「動じないむぎはすごいな・・・」コソコソ 

小麦「それは凄いですねー!ぜひ頑張ってください!」 

紬「ありがとう~」 

小麦「ぽわぽわした人ですね~。周りの空気が穏やかでした!次の方へいきましょう!」 

唯「・・・コホン、アー、アー」 

愛「唯さんはどうしたんでしょうか・・・」 

律「声の調整をして準備しているだけです」 

小麦「そこのお嬢さん!」 

憂「は、はい」 

唯「おぉ・・・」
268 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:13:12.66 ID:iZsL9/27o

小麦「次は松本ですけど、どちらへ行かれますか~?」 

憂「到着したら松本城へ行こうと思っています」 

澪「憂ちゃんも動じてない・・・」コソコソ 

小麦「そこで問題です!」ジャジャン 

星奈「レポーターが問題出すんだね・・・」 

小麦「松本城と言えば誰っ!?」 

憂「はい、おがさ」 

唯「その質問には私がお答えしましょう」ズイッ 

憂「お、お姉ちゃん・・・」 

小麦「それではどうぞー」 

唯「答えはりっちゃんです!」 

律「なんでだよ!」 

唯「ヒントはおでこです・・・」フフ 

小麦「ん~?」 

愛「クスクス」 

星奈「武田信玄とな!?」 

小麦「城主を言ってくれなきゃだめだよ~」 

エレナ「アッハッハ~、小麦~続けるネ!」 

紬「うふふ。あら・・・?」 

テッテッテ 

澪「むぎ?どこへ・・・」 

小麦「次はロングヘアーのアナタですっ!」 

澪「ハイッ!」 
269 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:14:41.09 ID:iZsL9/27o

さとみ「・・・うん・・・うん。分かってる。ちゃんと連絡するから」 

紬(電話中ね・・・) 

さとみ「・・・うん。じゃあね」 

紬「・・・」 

さとみ「! むぎさん!いつからそこに!?」 

紬「驚かせてごめんなさい。高崎駅で降りると思っていたから・・・」 

さとみ「えぇ・・・、そのはずだったんだけど・・・思い切って旅に出る事にしたの」 

紬「まぁ!」 

さとみ「お金は、貯金を下ろせばなんとかなるし・・・親も話せば分かってくれたし・・・」 

紬「よかったですね」 

さとみ「えぇ。改めまして、千歳さとみと言います。よろしく」 

紬「琴吹紬と申します。こちらこそよろしく~」 

さとみ「つ、つむぎさんですか?むぎというのは・・・」 

紬「はい、私みんなからむぎって呼ばれてます」ニコニコ 

さとみ「ご、ごめんなさい。初対面の人に馴れ馴れしくしてしまって」 

紬「いえいえ、そのままでお呼んで下さい千歳さん」 

さとみ「あ、ありがとう・・・私も名前がいいかな・・・苗字だと学校の先生に呼ばれているみたいで・・・」 

紬「さとみさんでいいかしら」 

さとみ「えぇ」ニコ 

紬「でも、どうして乗ることに決めたの?」 

さとみ「それは・・・この列車に乗ったから・・・かな」 

紬「そうですか」 

さとみ「あ、そうだ!私まだ列車の事よく知らないの、案内お願いできませんか?」 

紬「えぇと、ちょっと待ってて下さい・・・」 

テッテッテ 

さとみ「・・・?」 

テッテッテ 

紬「それじゃあ売店車から行きましょうか」 

さとみ「どうしたんですか?」 

紬「いえいえ~、邪魔しちゃいけないから行きましょ~」 

さとみ「・・・?」 


270 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:16:42.62 ID:iZsL9/27o

律「ほら深呼吸」 

澪「う、うん・・・すぅー、はぁ」 

律「よし、落ち着いたな?」 

澪「う、うん」 

エレナ「小麦ーカメラ回すネ!」 

星奈「よし、TAKE5、行ってみよー!」 

小麦「はい、それではこちらの方にインタビューしてみましょう!」 

澪「はい、よろしくお願いします」 

律「お、いいんじゃないか?」 

小麦「澪さんはどこまで行かれるのですか?」 

澪「大阪まれ行きたいと思っています」 

唯(噛んだ・・・) 

小麦「楽しみにしている都市はどこですか?」 

澪「金沢です。兼六園に行きたいと徒然思っていました」 

律(常々だろ・・・二回) 

小麦「過ぎ去った都市で思い出深い場所はありますか?」 

澪「仙台からここまで全部がいい思い出です。強いてあげるなら東京でしゅ。東京です!」 

星奈(言い直したけど・・・三回) 

小麦「東京で何がありましたか?」 

澪「苦手を克服できた事が嬉しかったでし・・・嬉しかったでしゅ!・・・です」 

憂(自信を持ってください澪さん!・・・四回) 

小麦「どのように克服したのでしょうか?」 

テッテッテ 

澪「友達の強さを見習って・・・私も頑張ろうっと思いまちた」 

紬(澪ちゃんのインタビューのじゃましちゃ悪いわね。噛んだわ~) 

テッテッテ 

愛(あれ、今紬さんがドアの向こうにいたような・・・五回)
271 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:17:15.23 ID:iZsL9/27o

小麦「最後に・・・あなたにとってこのヴェガとはなんでしょう!?」 

澪「みんなを楽園へ運ぶteleportationですっ!」 

唯「?」 

憂「?」 

愛「?」 

エレナ「?」 

小麦「? ありがとうございました!」 

律「最後でテンパってしまったか・・・」 

星奈「ハイカットー!」 

唯「どうでしたか、星奈監督!」 

星奈「まだ荒削りだが・・・いいもん持ってるんじゃないかな?」フフン 

律「最後の言葉の意味はなんでしょう?」 

星奈「ふむ・・・なかなか深い言葉だったねぇ・・・それは・・・」 

愛「そ、それは・・・」 

憂「それは・・・」 

星奈「キミの心で見つけるんだよ~ん」 

律「はい、撤収ー」 

小麦「お疲れ様でしたー」 

エレナ「セイナさーん、今のはイタダケマセーン」 

星奈「だって・・・分かるわけないじゃん」 

律「本人も分かってないだろうしな・・・」 

澪「・・・」プシュー 

唯「あれ?むぎちゃんは?」 

愛「さっきドアからこちらを伺っていましたよ?」 

律「どうしたんだろ?私様子見てくるよ・・・唯、澪を頼んだ」 

唯「了解です!」ビシッ 

澪「あはは・・・今の・・・後世まで残るんだな・・・」アハハ 


272 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:18:58.78 ID:iZsL9/27o


紬「先ほど車掌さんと話したのが動力車。次に寝台車と来て、ここが売店車になります」 

さとみ「なるほど、シャワー室も兼ねているのね」 

紬「えぇ」 

さとみ「思っていたよりも、ずっときれい・・・」 

「タァ~ラタラリ~」 

さとみ「きゃっ」 

紬「きゃっ」 

コック「おっとぉ、これは失礼~」 

さとみ「・・・」 

ちひろ「料理長ダメですよぉ~、そんな格好で歩いては」 

紬「・・・」 

コック「当列車のシャワールームはコックもギンギンのシャワーです。是非ご利用下さい」 

ちひろ「営業してごまかそうとしてますね~。二人ともまだ顔を塞いだままでいてくださいね~」 

コック「それではごゆっくりとおくつろぎください・・・」 

律「おらぁ!」 

バシィィン 

コック「おぅ、デコちゃんじゃねえか」 

律「背中叩いたのにビクともしねぇ・・・」 

コック「俺の後ろを取るとはやるな」 

律「タオル一枚でうろついてんじゃねぇ! こっちはうら若き女子高校生なんだぞ!」 

コック「しょうがねぇじゃねぇか、着替え持ってこない部下が悪い」 

律「そんなの知ったこっちゃねぇ!車掌さん呼ぶぞ!」 

コック「む・・・それは面倒だな」 

スタスタ 

紬「りっちゃん、コックさんはもういない・・・?」 

律「あぁ、二人共もうこっち見ても平気だぜ」 

さとみ「ハァ・・・びっくりしたぁ・・・急に裸で出てくるんだもん」 

紬「私もびっくりしたわ・・・」 

ちひろ「二人ともごめんなさいね~」
273 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:19:30.95 ID:iZsL9/27o

さとみ「あ、いえ・・・」 

紬「いえ・・・」 

律「まったく・・・。あれ?降りるんじゃなかったの?」 

さとみ「あ、はい。私これからヴェガに乗ることにしました」 

律「ふ~ん、それでむぎは案内してたって事?」 

紬「えぇ、そうなの」 

律「そっか、私は田井中律!よろしく、さとみ!」 

さとみ「・・・よ、よろしく」 

律「そんじゃ、私は車掌さんに告げ口してこよーっと」ウシシ 

ちひろ「それには及びませんよ~」 

律「えっ?」 

紬「?」 

ちひろ「もう連絡しましたので~」 

さとみ「・・・」 

律「仕事早いな・・・。じゃあ車掌さんに怒られている所みてこよ~っと」ウシシ 

紬「りっちゃん」 

律「な、なんだよ~」 

紬「私も行きます」 

さとみ「えっ!」 

律「止められるのかと思った・・・。それじゃ行くぜ」 

紬「おぉ~」 

さとみ「・・・」 

ちひろ「一緒に行ったほうがいいですよ~」 

さとみ「あ、はい」 
274 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:20:44.27 ID:iZsL9/27o


星奈「おっ、どうした?」 

律「コックさんが車掌さんに怒られる所を見物しにね」ウシシ 

星奈「むぎちゃんも?」 

紬「いぇ~す」 

星奈「あなたも?」 

さとみ「え、あ、はい・・・」 

星奈「くっくっく。あんたもこれから忙しくなるよ」 

さとみ「・・・?」 

星奈「忙しい分楽しめるかもね」 

さとみ「はぁ・・・」 

律「はやくこぉ~い」 

紬「こぉ~い」 

星奈「私は遠慮しとくよ」 

律「えぇ~」 

紬「えぇ~」 

星奈「それじゃ、バトンタッチだ」ポンポン 

さとみ「?」 

星奈「それじゃあね~」フリフリ 

紬「・・・?」 

律「行くぞ~」 

275 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:21:15.84 ID:iZsL9/27o


澪「なにしてんだ?」 

律「うっ、最大の敵が・・・!」 

澪「なにか企んでるな?」 

さとみ「企んでますね・・・」 

律「さとみっ!」 

さとみ「あっ・・・ごめんなさい」 

澪「ほぅ・・・」 

紬「私たちの猛攻もここまでね・・・」 

律「後でエレナに見せてもらおうかな」 

澪「何を言ってるんだ?」 

律「娯楽車でのインタビュー・・・」 

澪「はぅっ」ボンッ 

さとみ「・・・」 

律「よし行くぞ」 

紬「りっちゃんも悪ですのぅ」 

律「お主こそぅ」 

さとみ「いいのですか?固まったままですけど・・・」 

律「他の人が介抱してくれるから大丈夫だ」 

276 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:22:18.43 ID:iZsL9/27o


唯「どうしたの?」 

律「なんだ唯か・・・これから食堂車に」 

憂「食堂車ですか?一緒に行こうよお姉ちゃん」 

唯「そうですな」 

紬「伏兵がいたのね」 

さとみ「えぇと・・・?」 

律「憂ちゃんには関わらせたくないな。なんとなく」 

紬「・・・そうね」 

憂「行かないのですか?」 

律「えーっとだな」 

唯「ん~?」 

「だーれだ!」 

唯「おぉ!誰ですか!?」 

「声聞いて分からないかな~唯くん?」 

唯「その声はみらいちゃん!」 

みらい「正解!」 

唯「いきなり目隠しされたからびっくりしたよ~」 

みらい「はっはっは、声だけで当てるなんて、君はみらいのファンとして合格だよ!」 

唯「ありがと~」 

憂「よかったね、お姉ちゃん」 

みらい「こんな所でなにをしているのかな?」 

唯「えぇとね・・・あれ?」 

憂「みなさんどこへ行ったのでしょうか・・・?」 

277 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:23:39.92 ID:iZsL9/27o


さとみ「あの子ってアイドルの・・・」 

律「あぁ、飯山みらいだ」 

紬「さっき会ったのは唯ちゃんと憂ちゃんです。姉妹なの」 

さとみ「あぁ、道理でそっくりだと思いました」 

律「よし、食堂車に着いたはいいけど、どこだ?」キョロキョロ 

さとみ「けっこう広い食堂車ですね・・・」 

紬「えぇ、味も逸品ですよ」 

車掌「あら、みなさんお食事ですか?」 

律「え、あ・・・はい」 

車掌「羽田さん」 

羽田「はーい。あ、いらっしゃいませぇ、こちらへどうぞ~」 

車掌「それでは失礼します」 

紬「あらら?」 

さとみ「一足遅かったみたいですね」ホッ 

律「ちぇー」 

羽田「もしかして、車掌が怒っているところを見たかったですか?」 

紬「うふふ、少しだけ興味がありました」 

律「どんなでした?」 

羽田「普段穏やかな人が怒ると怖いってこういう事なんだなぁ~と思いました」 

さとみ「・・・そうなんですか」 

律「くぅ・・・」 

紬「しょうがないわね、りっちゃん。飲み物でも飲みましょう」 

さとみ「そ、そうですよ。しょうがないですよ」 

羽田「クスクス。本当に面白い方たちですね、話で聞いたとおり」 

律「え・・・」
278 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:24:20.61 ID:iZsL9/27o

紬「話・・・ですか?」 

羽田「えぇ。お客さん達の間でも、私たち従業員の中でも軽音部のみなさんは有名ですよ」 

さとみ「け、軽音部・・・?」 

律「あぁ、演奏したからか・・・びっくりした」 

紬「そうね~、新聞にも載ったものね」 

さとみ「演奏!?新聞!?」 

羽田「あ、私の名前は羽田けさみっていいます」 

律「あぁ、私は・・・」 

けさみ「律さんに紬さん・・・あなたは?」 

さとみ「千歳さとみといいます」 

けさみ「よろしく~、私たち同い年だよ~」 

律「へぇ~」 

紬「バイトなんですか?」 

けさみ「そうなの~、楽しそうだから応募したんだけど・・・受かっちゃった」 

コック「コラ羽田ァ!さっさと注文を聞かんかァ!」 

けさみ「は、はい!ご、ご注文は何になさいますか?」 

律「おぉ・・・怖ぇ・・・、それじゃコーラ一つ」 

紬「私はアイスティーを」 

さとみ「私もアイスティーで」 

けさみ「かしこまりました。ちょっと待っててくださいね」 

律「店員さんとまで仲良くなるって凄いな」 

紬「常連です」 

さとみ「はぁ・・・」 

紬「どうしました?」 

さとみ「いえ・・・売店車から食堂車まで渡っただけなのに、たくさんの事が起きたから・・・」 

律「ははは、まぁ、車内にはこのように色んな人がいるってことで」 

さとみ「うふふ、・・・でもこのくらい変わった事があった方が楽しいかも」 

紬「そうね~」ニコニコ 

澪「こら・・・」ドン
279 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:25:39.71 ID:iZsL9/27o

律「あ・・・」 

澪「置いていくなんて酷いじゃないか」 

律「誰に起こしてもらった?」 

澪「鳥羽さんに・・・って話を変えるな!」 

律「ごめんって、けさみさ~ん!」 

けさみ「はーい」 

律「レモンティー追加で」 

けさみ「かしこまりました~」 

律「奢るから許して?」 

澪「しょうがないな・・・」 

紬「ごめんね澪ちゃん」 

さとみ「ごめんなさい・・・」 

澪「い、いえ。悪いのは律だけですから」 

律「そうです。ってコラ!」 

澪「わ、私は秋山澪といいます。よろしく・・・」 

さとみ「千歳さとみです。こちらこそよろしく」 

澪「千歳さんはどこまで行かれるのですか?」 

さとみ「特に決めてないの。名前で呼んでください、同い年ですよね?」 

澪「は、はい。高校三年生です」 

さとみ「一緒ですね」 

澪「そ、それじゃさとみ・・・さん」 

さとみ「はい」ニコニコ 

澪「・・・」テレ
280 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:26:38.86 ID:iZsL9/27o

紬「分かったわ、りっちゃん」 

律「よし、気を抜くなよ?」 

澪「なにしてんだ?」 

律「むぎがノリツッコミを覚えたいと言うからさ、その指導をしてた」 

さとみ「はぁ・・・」 

けさみ「おまたせ~アイスティー2つにコーラ、レモンティーです」 

律「お、キタキタ。むぎ、爪楊枝とって」 

紬「! そうね、これでかきまぜるのね。ってなんでやねーん」 

澪「」ホワァーン 

けさみ「」ホワァ-ン 

さとみ「」ホワァーン 

律「・・・恐るべし」 

紬「だ、ダメだった?」アセアセ 

律「いや、おっけーだ」 


281 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:28:53.46 ID:iZsL9/27o

さとみ「ふむふむ、なるほど」 

澪「いいのか?」 

律「あぁ、いつまでも恥ずかしがっていられないからな」キリ 

紬「かっこいいわ、りっちゃん」 

さとみ「・・・あ」 

律「やっぱり読まないで!」 

澪「かっこ悪いぞ、律」 

紬「大丈夫よ、りっちゃん・・・。うん、大丈夫よ」 

律「フォロー出来てないぞー!」 

さとみ「みなさんの演奏聞いてみたかったです」 

澪「無かった事にしてくれてるな」 

律「それはそれで・・・」 

紬「演奏とても楽しかったわ~」ニコニコ 

澪「あぁ、あれは楽しかった」 

さとみ「有名にもなりますよね」 

律「嘘みたいな話だから現実味が無いけどさ、こうやってモノが残ってると本当にやったんだって実感が沸くよな」 

紬「えぇ」 

澪「そうだな」 

さとみ「・・・」 

憂「こちらにいらしてたんですね」 

唯「あ、やっぱりここにいた~」 

律「おぅ、って席は4人までだから3:3に分かれるか」 

澪「そうだな」ガタ 

唯「ちょいとお待ち!」デデン 

紬「どうしたの唯ちゃん?」 

唯「へい、ウェイトレスさん!」パチン 

さとみ「キレイに指が鳴りましたね」 

澪「私出来ない・・・」スカッ 

紬「私も~」スカッ 

けさみ「なんでしょう~?」 

唯「椅子を二つ隣の席からお借りしてもよろしいですかな?」キリ
282 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:29:44.80 ID:iZsL9/27o

憂「お、お姉ちゃん・・・」 

律「ゆ、唯!」 

けさみ「そうですね~・・・確認を取ってまいりますので少々お待ち下さい~」 

さとみ「いいのかしら・・・」 

憂「無理を言っちゃダメだよ~」 

唯「大丈夫だよ」フフン 

律「どこからその自信は出て来るんだよ」 

けさみ「出来ないみたいです」キッパリ 

唯「えぇ~」ガッカリ 

さとみ「ですよね・・・」 

澪「そうだよな、通行の邪魔にもなるし」 

けさみ「でも奥の席ならOKだそうです」 

律「い、いいの・・・?」 

憂「す、すいません・・・」 

けさみ「いいえ~、空いている時間帯でもありますから。予備の椅子運ぶの手伝ってくれますか?」 

唯「ありがと~」 

紬「それなら私が取ってくるわ」 

憂「い、いえ。私が・・・」 

紬「いいのよ、座ってて~」シャランラ 

律「むぎは力持ちだからな」 

さとみ「そうなんですか?」 

唯「そうだよ~」
283 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:30:12.21 ID:iZsL9/27o

憂「もぅ、お姉ちゃんったら」 

唯「えへへ。そうだ、今度むぎちゃんに御返しをしよう!」 

律「そうだな、この列車に乗れたのもむぎのおかげだもんな」 

澪「どうするんだ?」 

唯「それを今から決めます!」フンス! 

憂「そうだなぁ・・・」ウーン 

さとみ「もしかして、むぎさんって琴吹グループの親族の方ですか?」 

律「さぁ・・・?」 

さとみ「さぁ・・・って」 

唯「私たち、むぎちゃんがお金持ちだって事しか知らないよ~」 

澪「そういえばそうだな・・・」 

さとみ「そうなんですか・・・」 

憂「御返し・・・」ウーン 

唯「むぎちゃんはむぎちゃんだから」 

さとみ「・・・!」 

紬「私がどうしたの~?」 

律「むぎは可愛いなってさ」 

澪唯「「 ・・・ 」」シーン 

さとみ「・・・?」 

憂「・・・」ウーン 

紬「まぁ」ポッ 

律「おいっ!」 

澪「どうした?席移動するぞ」 

唯「りっちゃんてば、本人の前で・・・」ニヤニヤ 

さとみ「どういう流れなの・・・」 

紬「ありがとう~りっちゃん」 

律「い、いや・・・。望んでいた流れにならなかったな・・・」ボソッ 

けさみ「みなさん各自でコップを持って下さいね~」 

憂「やっぱり腹話術・・・?」 


284 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:32:26.71 ID:iZsL9/27o

唯「さとみちゃんは松本でどこ行くか決めた~?」 

さとみ「到着したら上高地へ行ってみようかと思ってるの」 

唯「そっか~、私たちは明日回る予定だから残念だよ」 

さとみ「ふふ、そうね」 

律「もうそろそろ着くな~」 

憂「そうですね」 

紬「・・・」 

さとみ「そうだ、みなさんは寝台車でよく眠れてます?」 

律「私はしっかり眠れた~」 

澪「わ、私はまだ慣れないな・・・」 

唯「ぐっすりと!」 

紬「私もよく眠れていると思うわ」 

さとみ「私、列車で寝るのは初めてなんだけど、ちゃんと眠れるかな」 

憂「・・・」ウンウン 

紬「枕が変わると眠れない・・・?」 

さとみ「そういうんじゃないけど、ベッドから転げ落ちないかなって」 

澪「寝相の悪い律でも落ちてないですから、大丈夫ですよ」 

律「そうそう」
285 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:33:35.11 ID:iZsL9/27o

さとみ「ふふ、そうなんだ」 

唯「憂も心配しなくて大丈夫だよ~」 

憂「そうかな?」 

律「そうそう、って誰の寝相が悪いだこらぁ!」 

澪「時間差か・・・」 

唯「う~い~、眠れなかったら私の部屋へおいで~」 

憂「う、うん・・・」 

ガタンゴトン ガタン 

さとみ「あ、減速した・・・」 

紬「・・・」 

律「それじゃ、降りる準備すっか~」 

澪「そうだな」 

唯「うん・・・」 

さとみ「それじゃ、私先に行ってるね」ガタ 

紬「えぇ・・・」 

律「じゃあね~」 

さとみ「楽しかったわ、またね」 

澪「うん」 

唯「・・・」 

律「・・・」 

紬「・・・」 

憂「・・・?」 

ガタン ゴトン ガタン 

プシュー 

憂「松本駅に着きましたね」 

唯「そうだね・・・」 

律「だぁー!みんな立て、降りるぞ!」 

澪「う、うん」 

紬「・・・星奈さんを見送りましょうか」 

唯「・・・うん!」 


286 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:34:40.98 ID:iZsL9/27o


憂「よっ」ピョン 

シュタ 

律「松本まで来たかぁ!」 

唯「遠くまで来たね!」 

澪「そうだな」 

憂「みなさん、疲れていませんか?」 

紬「まだまだ大丈夫よ!」フンス! 

唯「私も大丈夫!」フンス! 

澪「私も大丈夫だな」 

律「みなさん若いですね!」 

憂「律さんは疲れました?」 

律「いや、大丈夫だぜ~」ブイ 

紬「・・・」キョロキョロ 

唯「いないね~」 

律「居ないな・・・のんびりしてんのかね?」 

紬「わ、私星奈さんの部屋へ行ってくる」 

澪「待ってたらくるんじゃないの?」 

紬「う、うん・・・そうだけど。行ってみるね」 

タッタッタ 

憂「どうしたのでしょうか?」 

澪「なにかあった?律」 

律「ん~?さとみと食堂車へ行くときに会ったけど・・・特になにもなかったけどなぁ」 

唯「すぐ来るんじゃないかな~」 


287 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:35:21.71 ID:iZsL9/27o


紬「・・・」 

コンコン 

紬「星奈さん・・・?」 

・・・ 

紬「・・・」 

コンコン 

・・・ 

紬「?」 

車掌「どうかなされたのですか?」 

紬「あ、車掌さん・・・星奈さんを探しているんですけど・・・」 

車掌「!」 

紬「?」 

車掌「・・・申し上げにくいのですが。山口さんは先ほど降りていかれましたよ」 

紬「えっ・・・」 

車掌「ご存じなかったのですね・・・」 

紬「そんな・・・」 

車掌「・・・」 

紬「・・・」 

車掌「私はこれから部屋のチェックがありますので・・・」 

紬「・・・はい」 

車掌「あまりお気を落とさないでくださいね」 

紬「・・・・・・・・・はい」 

288 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:36:30.01 ID:iZsL9/27o

唯「どうだった~・・・むぎ・・・ちゃん?」 

紬「・・・」 

澪「むぎ・・・?」 

律「・・・どうした?」 

憂「・・・?」 

紬「降りたって・・・」 

律「・・・!」 

紬「星奈さん・・・もう降りたって・・・」 

澪「えっ!?」 

唯「そんなぁ・・・」 

憂「お姉ちゃん・・・」 

律「星奈がこんな別れ方するなんて・・・」 

紬「・・・」 

澪「・・・」 

唯「・・・」 

律「ウソだろ・・・」 

憂「律さん・・・」
289 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:37:49.02 ID:iZsL9/27o


タッタッタ 

車掌「琴吹さん!」 

紬「車掌さん・・・」 

車掌「これ、山口さんの部屋に落ちてました・・・」 

唯「え・・・」 

澪「・・・手紙?」 

紬「『明日行くから』・・・?」 

律「どういう意味だ・・・?」 

車掌「『明日見送りに行くから』ではないでしょうか」 

紬「!」 

唯「!」 

憂「・・・ホッ」 

律「ったく、星奈のヤツ!」 

澪「まだ別れじゃないみたいだな」ホッ 

車掌「少し慌てていたようでしたから、その文字が精一杯だったのではないでしょうか」 

紬「よかった・・・」 

唯「びっくりしたぁ~」 

律「あぁ、あんな別れだったら許さなかったぞ」 

澪「・・・安心した」 

車掌「それでは私はこれで」 

紬「ありがとうございます、車掌さん」 

唯「ありがとう~」 

車掌「・・・いえ」ニコ 

紬「・・・」 

律「車掌さん走ってきてくれたのか・・・」 

澪「・・・あぁ」 

憂「・・・」 

澪「・・・それじゃ、行くか」 

憂「松本城ですね」 

紬「えぇ」 

唯「うん」 

290 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:39:03.02 ID:iZsL9/27o

澪「松本城が夕陽に染まっててキレイだ・・・」 

憂「絵の具で塗ったようですね・・・」 

澪「あぁ、巧い表現だね」 

憂「えへへ」 

律「ふむ」 

唯「おぉ、まるで燃えているみたいだ」 

紬「松本城がやる気を出しているのね」 

唯「うん。やーるぞー!って言ってるみたい」 

紬「うふふ」 

律「ふむ・・・」 

澪「どうした、律?」 

唯「どうしたのりっちゃん?」 

律「いや、別に・・・。同じもの見てるのにこうも見方が変わるのか・・・」ボソッ 

憂「窓が少ないんですね、中は暑そう」 

唯「本当だ、昔の人は大変だね~」 

律「あれ、壁に小さな穴があるけど何だ・・・?」 

澪「鉄砲や弓矢を構える穴だよ」 

唯「松本城は実戦用に作られたお城なんだよ~」 

律「ふ~ん、詳しいのな」 

紬「観光ガイドに書いてあるわ」 

憂「あそこから敵を狙っていたんですね」 

律「この位置は狙われやすいかもな、近づこうにも堀に囲まれているし・・・」 

澪「よく考えて造られているんだな」 

ジャボン 

唯「おっ、堀で鯉がはねましたよ!りっちゃん隊員!」 

律「よぉ~し」
291 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:40:14.37 ID:iZsL9/27o

澪「なにしてるんだ?」 

律「いや、今夜のメインディッシュに・・・」 

澪「や め ろ」 

律「冗談だよ~」 

紬「鯉は半日から1日キレイな水に入れておかないと泥臭いそうよ」 

唯「それじゃ今夜のメニューには間に合わないね」 

憂「間に合っても捕っちゃダメだよお姉ちゃん・・・」 

「こら、ワシの草履はどこじゃ?」 

律「ん?」 

澪「あっ」ササッ 

唯「みらいちゃん」キラキラ 

紬「撮影中なのね」 

みらい「ワシの草履はどこじゃと聞いておる」 

唯「?」 

みらい「もぅ、松本城に来たら織田信長の真似をしなくちゃダメだよ~」 

憂「・・・」 

唯「織田信長・・・?」 

みらい「そう、観光地でモノマネをする。これがみらいの歴史勉強法なのだ!」 

律「いや・・・」 

唯「それは違いますよ・・・みらいちゃん」フフフ 

みらい「なにぃ~、この信長に意見するとな?」 

唯「織田信長は関係ないよみらいちゃん、松本城は小笠原さんですよ!」ズバッ 

律「顔見知りかよ」 

みらい「うぐっ・・・」 

AD「みらいちゃん、スマイル!」 

みらい「ふふふ、よく気付いたね!勉強になったでしょ?みらいに感謝しなさい!・・・そ、それじゃーねー!」 

唯「まったね~」フリフリ 

AD「ま、まってよみらいちゃーん!」 

紬「大勢で移動していくわね~」 

憂「TV番組の撮影って大変でしょうね」
292 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:44:44.66 ID:iZsL9/27o

律「しかし、みらいはアホの子だったのか・・・」 

唯「もぅ、失礼だよ!りっちゃん」プンスカ 

律「あー、ごめんごめん。・・・ところで織田信長といえばどこの城?」 

唯「安土城だよ?」 

律「即答か・・・」 

紬「澪ちゃん、もうスタッフの人たちは居ないわよ」 

澪「ほ、ほんとうに・・・?」 

律「あぁ、だからむぎの後ろから出て来ーい」 

澪「・・・はぁ」 

憂「急に押し寄せてきましたから、私もびっくりしました」 

律「そうだな。・・・私はアイドルの時のみらいはちょっと苦手だな」 

唯「そうなの?」 

律「うん、なんか周りをめちゃくちゃにしてるじゃん?」 

憂「でも、それはTV撮影のせいなんじゃ・・・」 

澪「・・・」 

律「まぁ、そうなんだろうけど。見てる人は楽しいかもしんないけどさ、 
  巻き込まれた当事者たちはそれで納得できるのかなって・・・」 

唯「・・・」ションボリ 

律「で、でも素のみらいは私好きだぜ!?素直だし、可愛いし!」 

澪「そうだな、確かに可愛かった」 

唯「でも・・・りっちゃんの言ってる事分かる気がする・・・」 

憂「・・・」 

紬「どういう事?」 

唯「アイドルの時のみらいちゃんが起こした事を、素直な時のみらいちゃんが謝るなんて変だもん」 

憂「お姉ちゃん・・・」 

唯「無理してないかなぁ・・・」 

澪「・・・本当に好きなんだな飯山みらいの事」 

唯「えへへ」
293 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:45:44.38 ID:iZsL9/27o

律「問題。織田信長は『鳴かぬなら殺してしまえホトトギス』ですが、『鳴かせてみせよう』は誰?」 

唯「フフフ、片腹痛いとはこの事ですよりっちゃん・・・」フフフ 

律「やっぱり簡単すぎたか」アハハ 

唯「徳川家康ですよ」ズバリ 

紬「惜しい!」 

澪「いや、二択だし・・・」 

唯「あれ・・・?」 

憂「お姉ちゃん、さっきみらいちゃんが言った草履がヒントだよ」 

唯「あ!豊臣秀吉だ!」ウッカリ 

律「なんだ、うっかり間違えたのかびっくりした」 

澪「私は『鳴くまでまとう』がいいな」 

紬「私『鳴かせてみせよう』が好き~」 

唯「『殺してしまえ』は酷いよね~」ブー 

律「織田さんの性格を現しているからな」 

澪「悩み事 とじてしまおう ホッチキス」ボソッ
294 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:46:12.21 ID:iZsL9/27o

唯「うまい!」 

紬「おぉー」 

澪「聞こえた!?」アセアセ 

憂「はい」 

律「どこが巧いんだよ・・・3つしか被ってないじゃん」 

澪「じゃあ律言ってみてよ」 

律「なっ!?」 

唯「ふむふむ」キラキラ 

紬「りっちゃん!」キラキラ 

憂「・・・」キラキラ 

律「泣かないで キミの笑顔に ボールペン・・・」カァ 

唯「おぉ!」 

紬「いいわぁ・・・」 

澪「負けたな・・・」フッ 

憂「手紙に込めた想いですね。深いです」 

律「くっ・・・いっそ笑われたほうが・・・」 

グゥー 

紬「あら」 

唯「鳴いたよね 私のお腹の 子猫ちゃん 字余り」 

憂「意味が分からないよお姉ちゃん・・・」 

澪「そろそろご飯食べに行くか」 

律「そうだな・・・食べ終わったらヴェガに戻って休むか」 

憂「はい」 

唯「待っててね 幸せくれる ご飯だよ!」 

295 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:48:01.92 ID:iZsL9/27o

コンコン 

澪「私だけど」 

「はーい」 

ガチャ 

律「どしたぁ?」 

澪「今日は何も無いのかなって」 

律「んー?むぎは何してんの?」 

澪「勉強してるみたいだけど・・・」 

律「ふーん、とりあえず入りたまえ」 

澪「うん」 

バタン 

澪「邪魔した?」 

律「いや、本叩いてたとこ」 

澪「そっか」 

律「どうした?」 

澪「特に用は無いんだけどな」 

律「・・・」 

澪「昨日、一昨日とこの時間は展望車で遊んでいたからさ」 

律「寂しいのね?」 

澪「部屋に戻る」 

律「ごめんごめん」 

澪「・・・」 

律「澪は勉強しないのかよ?」 

澪「うん・・・手につかなくてさ」 

律「ふーん」 

澪「って、律もしないのか?」 

律「実は私も手につかなくて」ウフ 

澪「そーですか」ハイハイ 

律「なんだよー」 

澪「私が言いたいのはさ・・・」 

律「私たち、朝からずっと一緒にいるもんな。急に一人になったらちょっと落ち着かないよな」 

澪「・・・うん」 

律「まだ寝るには早いかもな・・・。じゃあ、列車歩いてみるかー」 

澪「今から?」 

律「誰かいるかもしれないぜ?」 

澪「そうだな」 
296 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:49:16.18 ID:iZsL9/27o

―――――1号車 

律「お、いたいた」 

澪「え・・・?」 

エレナ「部長サンとミオさんじゃないですカ」 

律「なにしてんの?」 

エレナ「シー。小麦が寝ていますネ」 

小麦「」スヤスヤ 

澪「どうしてここで寝てるんですか?」 

エレナ「さっきまで小麦と今日のレポートを纏めていたネ」 

律「疲れて寝ちゃったのか・・・」 

エレナ「そのようですワ。個室に運びたいので手伝ってくれますカ?」 

澪「は、はい」 

小麦「・・・」ムニャムニャ 

エレナ「私は体を持ち上げますから足をお願しますネ」 

澪「はい」 

律「私がやるよ」 

澪「う、うん」 

エレナ「せーっノ」 

律「よいしょ」 

澪「あ、危ない」 

ガンッ 

小麦「ん・・・」 

律「だ、大丈夫か?」 

エレナ「小麦~?」 

小麦「」スヤスヤ 

エレナ「ダイジョウブみたいですネ」 

澪「頭ぶつけたのに起きないなんて・・・」 

エレナ「小麦は転んでもタダでは起きないネ」 

律「それ間違えてるぞー」 

エレナ「オー、そうなんですカ?」
297 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:49:52.80 ID:iZsL9/27o

・・・・・・ 

・・・ 


澪「エレナさん・・・この部屋ですよね・・・?」 

エレナ「そうデス。ミオさん、この鍵で開けてくだサイ」 

澪「はい・・・」 

ガチャ 

律「お邪魔しまーす」 

エレナ「そのままベッドへお願いしますネ」 

律「よいしょ・・・っと」 

エレナ「ソォーっと」 

澪「よく寝ていますね」 

エレナ「小麦はなんにでも全力ですカラ」 

小麦「」スヤスヤ 

律「はは、なんか犬みたいだな」 

澪「・・・ふふ」 

エレナ「それではお二人サン、私も寝ますネ」 

澪「はい、お休みなさい」 

律「おやすみ~」 

エレナ「運んでくれてありがとネ。それではgood night」 

バタン 

澪「なんか、不思議な二人だ」 

律「あぁ、お互い信頼してるんだろうな」 

澪「うん・・・」 

律「そんじゃまた移動してみるか」 

澪「そうだな」 

298 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:50:47.93 ID:iZsL9/27o

―――――2号車 

愛「あ・・・」 

律「愛ちゃんじゃないか、なにしてんの?」 

愛「少し散歩していました・・・」 

澪「・・・少し顔色悪いけど大丈夫?」 

律「あ、本当だ」 

愛「だ、大丈夫です・・・」フラフラ 

律「いやいや、フラフラしてるじゃん。部屋まで送るよ」 

澪「うん」 

愛「す、すいません・・・」 

・・・・・・ 

・・・ 

愛「ご迷惑をおかけしました」 

律「なんのなんの気にすんなって」 

澪「気にしないで」 

愛「そ、それではお休みなさい」 

律「お休み~」 

澪「おやすみ・・・」 

バタン 

律「また寝台車に戻ってきたわけだが・・・」 

澪「ふふ、そうだな」 

律「部屋に戻る?」 

澪「ううん、せっかくだから展望車まで行ってみたい」 

律「そうだな」 

澪「いい?」 

律「オッケーだ!」 

299 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:51:39.32 ID:iZsL9/27o

―――――4号車 

憂「律さんと澪さん・・・どうしたんですか?」 

律「私たちはお散歩」 

澪「憂ちゃんは?」 

憂「食堂車でくつろいでいました」 

律「こんな時間でもやってんだ?」 

憂「はい。いつお客さんが来てもいいように・・・と一応開いているみたいですよ」 

澪「へぇ~。あれ?唯と一緒じゃないの?」 

憂「お姉ちゃんは部屋で練習しています」 

律「私と一緒だ」ニンマリ 

澪「・・・私は二人が心配だ」 

憂「ちゃ、ちゃんと勉強もやってるみたいですよ」 

律「私もちゃんとやってるぞー」 

澪「この旅が終わったらみんなで勉強会開かないとな」 

憂「よろしくお願します」 

律「よろしく」 

澪「まったく」フゥ 

憂「お二人はこれからどちらへ?」 

律「んー、適当に展望車に行ってみようかな・・・と」 

憂「そうですか、それでは私はこれで」 

澪「おやすみ憂ちゃん」 

憂「はい、おやすみなさい」 

300 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:53:09.79 ID:iZsL9/27o

―――――食堂車 

けさみ「いらっしゃいませ~、お食事ですか?」 

律「いえ、ちょっと様子を見に来ただけです」 

けさみ「そうですか・・・」 

律「忙しかった?」 

けさみ「うん、停車中は乗客さん以外の人も入ってくるからね~」 

澪「え?」 

律「ここ乗車証持って無くても利用できるの?」 

けさみ「そうですよ~。停車駅限定ですけどね」 

律「ほぅ・・・」 

けさみ「料理長のアイディアなんです」 

澪「コックさんの・・・」 

コック「そういう事だ」 

澪「!」ビクッ 

律「あ、コックさん。お疲れ様でーす」 

コック「おう、デコちゃんにロングじゃないか。なにしてるんだ?」 

けさみ「料理長~名前で呼んでくださいよ~」 

コック「ガハハ!忘れた!」 

律「ひっでぇ!」 

けさみ「ひど~い」 

澪「」 

コック「確か・・・ドラムの田井中律にベースの秋山澪でよかったか?」 

けさみ「なんだ覚えているじゃないですか」 

律「なんで忘れたフリなんかしたんだよ!」 

澪「」 

コック「記憶から探すのが面倒だったんだ」 

律「えぇー」 

コック「楽器で繋げたら名前が出てきたというだけだ」 

けさみ「なんですかそれは」 

コック「羽田もうあがっていいぞ」 

けさみ「チーフは?」 

コック「あいつはもう少しいてもらうがな」 

律「チーフ?」 

コック「会った事なかったか?」 

けさみ「泣きボクロが特徴的な人ですよ」 

律「んー?」
301 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:54:04.60 ID:iZsL9/27o
コック「そうか、まぁいずれ会えるだろ。それじゃあな」 

けさみ「お疲れさまでーす」 

澪「」 

律「そろそろ戻ってこ~い」 

澪「あ、あぁ律か・・・」 

けさみ「さっきね、唯さんの妹さんとお話してたんだよ~」 

律「憂ちゃんと?」 

けさみ「うん、可愛かったなぁ~」 

澪「姉想いのしっかりした子ですよ」 

けさみ「そうなんだ、ふふ」 

律「どしたー?」 

けさみ「何か悩んでいるみたいだから、私声かけんだけどさ」 

澪「?」 

けさみ「紬さんの御返しどうしようか悩んでいたんだって」 

律「あぁ、あの話か」 

澪「そうだったな」 

けさみ「なんか可愛くってさ~」 

律「あぁ、分かる」 

澪「うんうん」 

けさみ「それで憂ちゃんにアイスをサービスで出したんだけどさ」 

律「ずるい!」 

澪「明日ご馳走するから我慢してくれ。それでどうしました」 

けさみ「アイスをじっとみてて『寝台車に持っていけませんか?』だって」 

律「はぅ」キュルルルリン 

澪「おぉ・・・」 

けさみ「唯さんにと思ったんだろうね~。明日唯さんにもサービスするからって事で」 

律「納得したのか~、可愛いのぅ~」 

けさみ「食べてる時の表情がまた唯さんそっくりでさ、ここのアルバイト受かって良かったと思ったよ」 

律「あはは」 

澪「ふふ」 

けさみ「こういう事があるから止められないんだよね~」 

律「ほぅ」 

けさみ「あ、ごめんね~一人で喋っちゃって・・・それじゃおやすみ~」フリフリ 

澪「おやすみ・・・」フリフリ 

律「おやすみ~」 
302 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:55:28.82 ID:iZsL9/27o

―――――娯楽車 

店員「いらっしゃいませ、遊んで行かれますか?」 

律「いえいえ、覗きに来ただけですよ」 

店員「そうですか・・・」 

澪「て、店員さんもこんな時間まで大変ですね」 

店員「そうでもないですよ。遊びにいらしてくれるお客さんがいますから・・・ほら」 

律「・・・みらい?」 

澪「なんのゲームしてるんだろ?」 

店員「金魚すくいゲームですね。苦戦しているようなので私がアドバイスしようか迷っていた所です」 

みらい「・・・」ハァ 

律「・・・しょうがないなぁ」 

澪「アドバイスするのか?」 

律「あんな顔してたら放っておけないしな」 

店員「お願します」ニコニコ 

澪「・・・」 

みらい「また失敗・・・」 

律「どれ、貸してみんさい!」 

みらい「あっ、田井中さん・・・」 

律「律でいいよ。お姉さんが手本を見せてしんぜよう」 

澪「そんなに腕よかったか?」 

律「見てなー!そりゃー!」スババッ 

澪「勢いだけじゃないか」 

テレッテレー 

律「あれ・・・」 

みらい「ふふ、それでも私より点数高いですよ」 

律「ふふん」 

澪「すごいすごい」 

律「じゃー澪やってみろよー」 

澪「わ、私はいいよ!」 

店員「それでは私が・・・」ズイ 

みらい「え・・・」 

律「どうぞー」 

店員「えいっ、えいっ」スバババッ 

澪「おぉ」 

律「な・・・」
303 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:56:25.33 ID:iZsL9/27o

テレッテレー 

みらい「すごい・・・高得点です」 

澪「亀3匹も獲った・・・」 

店員「お客さんたちの動きをみていたらコツをつかめたみたいです」フフフ 

律「ずるいぞー!」 

みらい「え・・・それじゃこのゲームは・・・」 

店員「今が初めてですね」 

澪「すごいすごい!」 

律「ぐ・・・。て、手本はこんなもんでいいかな。さ、みらいやってみたまえ」 

澪「なんで師匠風吹かしているんだよ」 

みらい「は、はい・・・」 

スバ ババッ 

店員「さすがですね、飲み込みが早い」 

澪「青は藍より出でて藍より青し・・・だな」 

律「わ、私だって努力すれば・・・」 

テレッテレー 

みらい「どうでしょうか・・・」 

店員「私より点数が高いですね」 

律「うむ。みらい・・・君に教えることはもう無い!」 

みらい「あ、ありがとうございます」 

澪「ゲーム好きなの?」 

みらい「そんなに好きでは・・・ただ、事務所の方針でこういうものには慣れておけと言われているので・・・」 

澪「そうなのか・・・」 

みらい「・・・あの、ありがとうございました。それでは失礼します」ペコリ 

律「うむ」 

澪「それじゃあね」 

店員「みらいさん気がまぎれたみたいですね」 

澪「そうなんですか?」 

店員「えぇ、少し笑顔が戻ってましたから」 

律「・・・」 

店員「それでは機材の電源を落としますが・・・よろしいでしょうか?」 

澪「は、はい」 

店員「それではおやすみなさい」ペコリ 

律「おやすみなさい」 

澪「お、おやすみなさい・・・」 
304 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 09:59:31.28 ID:iZsL9/27o

―――――展望車 

紬「そうなんですか」ウフフ 

修治「あはは」 

車掌「えぇ」ニコニコ 

律「な、なんでむぎがここに居るんだ!?」 

紬「あっ、りっちゃんに澪ちゃん」 

修治「おいっす」 

車掌「こんばんは」 

澪「車掌さんと鳥羽さんも・・・どうしたんですか?」 

車掌「少しだけお喋りをしていました」 

紬「そうなの~」 

律「むぎは部屋で勉強してたんじゃ・・・?」 

紬「手につかなくて」 

澪「むぎもか・・・」 

修治「みんな勉強やってるのか、偉いな」 

律「修治も受験生だろ、勉強しないのかよ?」 

修治「・・・あ!UFOだ!」 

紬「え、どこどこ!?」 

律「どこだっ!?」 

車掌「あらあら」 

澪「・・・」 

修治「・・・」コソコソ 

唯「おや、修治くん?」 

さとみ「あら?」 

修治「あ・・・」 

律「おい・・・どこにUFOが・・・ってどこ行くんだよっ!?」 

紬「・・・」キョロキョロ 

澪「むぎ・・・もう移動したんじゃないかな・・・」 

唯「もぉー、みんなで遊ぶんなら声かけてよ~!」 

さとみ「私は散歩してたんだけど・・・」
305 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 10:01:11.96 ID:iZsL9/27o

車掌「あらあら・・・あ、そうだ・・・」 

スタスタ 

律「私たちを騙した罪は重いぜ~、私コーラね」 

修治「えー」 

澪「お、おい律」 

唯「私アップルティー!」 

さとみ「注文していいのかな・・・」 

律「いいっていいって~♪」 

修治「・・・しょうがないな・・・あ!UMAだ!」 

紬「どこどこ!?」 

修治「・・・」コソコソ 

憂「どうしたんですか?鳥羽さん」 

修治「な・・・」 

律「・・・って駅にいる訳ないよな・・・ってどこ行くんだこらぁー!」 

唯「ヒュウマ?」 

さとみ「ユーマよ唯ちゃん。未確認動物のことね」 

澪「むぎ・・・もういないんじゃないかな・・・」 

紬「そうなの・・・」ションボリ 

律「ガッカリしたむぎを見てどう思う?」 

修治「良心が痛みます」 

律「そうだろ?」 

修治「はい、嘘ついてごめんなさい」 

律「いいっていいって~、コーラね」 

澪「律っ!」 

修治「いや、いいよ。エレナの店でアクセサリー買うより安あがりだし」アハハ 

憂「お姉ちゃん鍵かけてなかったよ」 

唯「な、なんと」 

さとみ(どっちが姉なの・・・) 

車掌「みなさんよろしいでしょうか?」 

店員「・・・みなさん元気ですね」 

紬「あら?」
306 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 10:02:07.81 ID:iZsL9/27o

律「どうしたのー?」 

澪「?」 

唯「おぉ、いい香り~」 

憂「ほんとだ」 

車掌「紅茶をお持ちいたしましたので、よろしければどうぞ」 

さとみ「いいのでしょうか?」 

紬「あらあら」 

車掌「えぇ、三人にはご迷惑をおかけしましたので。そのお詫びも兼ねて」 

律「あぁ、あん時の」 

店員「はい、どうぞ・・・」 

修治「え、俺たちも・・・?」 

唯「いいの?」 

店員「えぇ、もちろん」 

憂「・・・ありがとうござます」 

律「あ、泣きぼくろの人だ」 

澪「こらっ」ゴスッ 

律「あいたぁ!」 

澪「人を指差すな!」 

律「ごめんなしゃい」 

店員「いいですよー、私、成田その子といいます。よろしくね」 

紬「いつもありがとうございます」 

その子「いえいえ、いつでもどうぞ」ニコニコ 

澪「むぎが紅茶を用意する時はいつも・・・?」 

紬「そうよ、その子さんに頂いてるの~」 

律「そうだったのか・・・」 

唯「う~ん、美味しいですな」マッタリ 

憂「そうだね」ノンビリ 

さとみ「ほんと・・・」マッタリ 

修治「・・・」ズズーッ 

律「貸し一つな~」ルンルン 

修治「・・・はい」 
307 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 10:03:18.76 ID:iZsL9/27o

ガチャ 

紬「みんなおやすみ~」 

唯「むぎちゃんおやすみ~」 

憂「おやすみなさい」 

律「おやすみ」 

澪「明日ね」 

バタン 

ガチャ 

唯「それでは私もこれにて失礼つかまつる」ビシッ 

憂「うん、おやすみお姉ちゃん」 

律「あぁ」 

澪「おやすみ」 

バタン 

ガチャ 

憂「律さん、澪さん。今日はとても楽しい一日でした」 

律「それはよかった」ウンウン 

澪「おやすみ憂ちゃん」 

憂「はい、それではまた明日」 

バタン 

律「さすがに眠くなってきたなぁ・・・ふぁ~」 

澪「そうだな」 

ガチャ 

律「それじゃ私も寝るわ・・・おやすみ~」 

澪「あ、律」 

律「ん?」 

澪「あ、ありがとな」 

律「いいって~、また明日~」 

バタン 

ガチャ 

澪「みんなおやすみ・・・」 

バタン 


6日目終了-------- 

310 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 20:47:16.96 ID:iZsL9/27o

8月7日 



コンコン 

澪「・・・」 

・・・ 

澪「・・・?」 

コンコン 

・・・ 

澪「あれ・・・?」 

紬「おはよう澪ちゃん、どうしたの?」 

澪「おはようむぎ、返事が無くてさ・・・」 

紬「唯ちゃんまた練習に没頭してたのかしら?」 

澪「前にもあったの?」 

紬「うふふ、青森でね」 

澪「そうか・・・」 

コンコン 

ガチャ 

唯「おはよー、・・・澪ちゃんとむぎちゃん私の部屋の前でなにしてるの?」 

澪「なんで憂ちゃんの部屋から出てくるんだ?」 

唯「でっへっへ~」 

憂「おはようございます」 

紬「おはよう憂ちゃん」 

澪「おはよう」 

憂「昨日みなさんと別れてからお姉ちゃんが部屋に来て・・・」 

唯「おしゃべりしてたんだけど、そのまま寝ちゃった~」エヘヘ 

澪「そうか・・・。・・・朝ごはん食べに行こう」 

紬「りっちゃんは?」 

澪「あぁ、準備してるよ。みんなも準備が出来たら食堂車に来て」 

唯「了解です!」 

312 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:30:35.77 ID:iZsL9/27o


紬「もぐもぐ」ボリボリ 

唯「もぐもぐ」ボリボリ 

律「そんなにおいしいか・・・?」 

唯「うん!りっちゃん食べないならちょうだい!」 

律「どうぞ・・・」 

唯「ありがとう~もぐもぐ」ボリボリ 

澪「たしかにご飯には合うけどさ・・・」 

憂「紬さん、私のもよかったらどうぞ」 

紬「ありがと~。もぐもぐ」ボリボリ 

律「・・・」 

唯「食べないと風邪ひいちゃうよ?」 

律「今夏だし・・・。ってどういう理屈なのさ?」 

憂「乳酸発酵と大根の辛み成分が反応してできるβ-カルボリン化合物の抗菌作用のおかげです」 

律「そ、そうか・・・」 

澪「カンペも無しに・・・」 

律「澪だけ洋風ですな~」 

澪「い、いいだろ別に!」 

律「悪いとは言ってませ~ん」 

紬「もぐもぐ」 

唯「ごちそうさまぁ~、あー美味しかった!」 

憂「ごちそうさまでした」 

律「それで、どこに行くんだっけ?」 

澪「おい、会議長・・・」 

唯「浅間温泉だよ~」 

律「よし、それじゃあ食べ終わって30分後にホームに集合な」 

憂「はい」 

澪「うん」 

唯「今日もいい天気だね~、絶好の観光日和だよ」 

紬「もぐもぐ」コクン 

313 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:31:23.93 ID:iZsL9/27o

ガラガラ 

律「おっ、誰も居ないぞ」 

唯「私たちの貸切だね!」 

澪「だからといって騒ぐのはダメだぞ」 

律「よっしゃー!」テッテッテ 

澪「あ、こらっ」 

唯「わーい!」テッテッテ 

憂「走ると危ないよ!」 

紬「滑って転んだら大変よ~」 

律「そうだな、私たちは子供じゃないんだから」 

唯「そうだねりっちゃん!」 

澪「まず体を洗ってからだ」 

律「よし」 

ゴシゴシ 

唯「ほい」 

ゴシゴシ 

憂「次に頭を洗いましょう」 

律「・・・っ」 

ゴシゴシ 

唯「・・・」 

ゴシゴシ 

紬「最後にお湯をかけて泡を流して、それから温泉へつかりましょう」 

ザバァ 

律「よっしゃー!」 

ザバァ 

唯「わーい!」 

澪「子供だな・・・」 

憂「はやく浸かりたくてウズウズしてましたね」 

紬「うふふ」 

律「唯、慎重にな・・・」ソォー 

唯「ぉ・・・おぉ・・・」チャプン 

律唯「「 ごくらくごくらく~ 」」ホワワーン 

澪「・・・すごい幸せそうだな」 

憂「は、はい・・・」
314 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:32:02.95 ID:iZsL9/27o

紬「私たちも入りましょうか」 

律「朝風呂なんてどうかと思ったけど・・・」 

唯「いいですなぁ~」 

澪「あぁ・・・」 

憂「いい気持ちです」 

紬「・・・えぇ」 

律唯紬「「「 ほ~げ~ 」」」 

ガラガラ 

律「あ、他のお客さんも来たからしずかにしようか」 

唯「了解」 

憂「・・・」 

紬「私、風呂上りにアレやってみたいの」 

澪「・・・?」 

律「あぁ、アレな」 

唯「風呂上りの楽しみの一つだよね」 

澪「アレってなんだ?」 

憂「腰に手を当てて飲むヤツですね」 

紬「そうよ。ちゃんと販売機があったわ」キラン 

律「はは、抜かり無いな」 

唯「おぉ、楽しみだよ!」 

澪「あぁ・・・アレ・・・な・・・?」 

「えーと・・・」 

唯「あ・・・」 

律「どうした?」 

唯「ねぇねぇ、りっちゃん・・・」ヒソヒソ 

律「ん?」 

唯「今入ってきた人さぁ・・・」ヒソヒソ 

澪「こら、人を見てこそこそ話してたら失礼だぞ」ヒソヒソ 

唯「だってぇ・・・」 

「あ、ここでいいのかしら?」 

憂「はい」 

紬「うふふ」 

「気持ちいいわね」 

憂「効能は向こうの看板に書かれていますよ」 

律「知り合い?」 

「私よ律」 

律「え?」
315 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:34:32.37 ID:iZsL9/27o

唯「あーっ!!」 

「メガネを掛けていないから気付かなかったのね・・・」 

律「いやいやいや!ここにいるはずがないから気付かなかったんだよ!」 

「確かにそうね・・・」 

澪「ん?」 

紬「澪ちゃん、和ちゃんよ」 

澪「和がどうしたって?」 

律「事態を飲み込めてないのが一人・・・」 

唯「わぁー!いつ来たの!?」 

和「松本に到着したのはさっきね。憂に連絡が行ったと思うけど・・・」 

憂「お姉ちゃんをびっくりさせたくて・・・黙っててすいません」 

紬「みんなごめんね~」 

律「むぎも一枚かんでいたのか・・・」 

唯「びっくりしたよ~、和ちゃんに似ている人が入ってきたと思ったら本人なんだもん!」 

澪「あー、和ね・・・のどかっ!?」 

和「そうよ、私よ澪」 

澪「ど、どうしてここに!?」 

和「憂と連絡をとったからよ?」 

律「あー、澪は今混乱してるから、どうして松本に来たのかを簡潔に頼む」 

和「憂の変わりにヴェガに乗るからよ」 

澪「あ、あれ・・・ここ松本だよな・・・?」キョロキョロ 

律「ほら、澪あれが北アルプスだ」 

唯「えー!うい降りちゃうの!?」 

憂「うん、ごめんねお姉ちゃん」 

澪「このメンツだと遠い場所に来たって実感が薄れてしまったよ」 

律「あぁ、分かるぞ」 

和「ごめんね、唯。私も息抜きがしたかったのよ」 

律「・・・壮大な息抜きだな」 

和「あなた達には負けるわよ」 

紬唯澪律「「「「 う・・・ 」」」」グサッ 

和「唯、勉強やってるわよね?」 

唯「も、もちろんだよ!」 

憂(あ、嘘ついてる) 

和「そう、まぁいいわ。律は」 

律「聞こえませーーーーーん!!」 

バシャバシャ 

和「ちょっ、律!」ワプ
316 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:35:58.46 ID:iZsL9/27o

律「今は旅の途中だからいいんだよーーーー!」 

バシャバシャ 

唯「わ、わたしも!」 

バシャバシャ 

和「ちょっと、唯まで!」 

澪「ここはプールじゃ」ゴボゴボ 

律「うるさーい!澪も温泉を飲んでしまえ!」 

バシャバシャ 

唯「おもしろーい!」 

バシャバシャ 

澪「や、やめろ!」 

和「こ、この!」 

バシャバシャ 

律「うぉ、反撃が来たぞ唯!負けるな!」 

唯「がってんでぃ!」 

バシャバシャ 

憂「・・・隣失礼します」 

紬「えぇ」 

憂「みなさん楽しそう・・・」 

紬「勉強も大事だけど、この時間も大切よね」 

和「そういう事にしとくわ・・・。目にしみるわね・・・」 

澪「ここの成分はちょっと刺激が強いからな・・・」 

バシャバシャ 

律「うりゃりゃりゃ!」 

唯「負けるか!」 

バシャバシャ 

紬「二人とも目をつむっているのね」 

澪「それが災いして見方同士でかけあってるのか」 

バシャバシャ 

律「澪なかなかしぶといな!」
317 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:37:03.43 ID:iZsL9/27o

唯「和ちゃんもやるね!」 

バシャバシャ 

和「ここ、いい所ね」 

澪「うん・・・景色も綺麗だし・・・贅沢な時間だ」 

紬「疲れもとれて気持ちいいわ~」 

憂「のんびりできていいですね」 

ガラガラ 

エレナ「オー!水しぶきですワ!忍者がいますネ!」 

小麦「ホントだすごーい!」 

澪「あ・・・」 

エレナ「私たちも参戦するネ!」 

小麦「よーし!」 

バシャバシャ 

律「い、勢いがましたぞ!?」 

唯「負けないぞー!」 

バシャバシャ 

紬「気付いてないみたいね・・・」 

憂「夢中になってます」 

さとみ「どうなってるのよ~」 

愛「これは・・・」 

みらい「あ・・・みなさん」 

紬「この場所ならゆっくりできますよ~」 

さとみ「むぎさんも浅間へ来てたんですね」 

愛「・・・お邪魔します」 

澪「どうぞ」 

憂「みなさんも浅間へいらしてたんですね」 

みらい「はい。偶然会ったのでみんなで入ろうって事になりました」 

和「ここから見てたら面白いわよ」
318 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 21:38:01.36 ID:iZsL9/27o

澪「和・・・」 

バシャバシャ 

唯「りっちゃん隊員!私腕が疲れてきました!」 

律「負けるなー!和に我等の意思を伝えるのだー!」 

唯「は、はい!もうちょっとがんばります!」 

小麦「いくよ、エレナ!」 

エレナ「エェ!」 

エレナ小麦「「 水遁の術! 」」 

ザッブーン 

律「ゴボゴボ」 

唯「ゴボゴボ」 

紬「まぁ!」 

澪「おぉ」 

和「どうやったのかしら」 

さとみ「後で教えてもらおうかな」 

愛「使い道がないと思いますが・・・」 

憂「お姉ちゃんと律さん大丈夫かな・・・」ハラハラ 

みらい「あ、起き上がりましたよ」 

律「だ、大丈夫か唯・・・」ゴホゴホ 

唯「う、うん大丈夫」ゴホゴホ 

律「我々は敗北してしまった・・・」 

唯「さすが生徒会長だよ・・・」 

和「二人ともちゃんと勉強するのよ?」 

律唯「「 はーい・・・ 」」 

321 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:06:32.61 ID:iZsL9/27o



律「あー・・・、疲れを取りに来たはずなのに・・・」 

澪「背筋伸ばさないとだらしなく見られるぞ」 

律「いやぁ~・・・、つかれちった」 

愛「大丈夫ですか?」 

律「だいじょうぶだよ~」 

澪「唯は元気だぞ」 










小麦「・・・と、いう訳でここ浅間温泉は『松本の奥座敷』と呼ばれています」 

エレナ「・・・」ジー 

唯「大切なお客様を案内する場所とされていました。殿様も入っていたようです。 
  そう思うと歴史の重みがありますね」キリ 

エレナ「オッケーデース。二人の解説バッチリでしたワ」 

紬「二人のレポート良かったわよ~。お疲れさま~」 

小麦「おつかれー!それにしても、唯ちゃんよく短時間で覚えられたね!すごいよー!」 

唯「でへへ~、でも次の事覚えたら今覚えたの忘れちゃうよ~」 

小麦「あはは、それ私もなんだ~。すぐこぼれていっちゃうの!」 

唯「そうそう!」 

紬「あらあら」 

322 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:07:52.39 ID:iZsL9/27o

憂「ふふ」 

みらい「ふふ、唯さん大活躍ですね」 

和「なるほど、みんな楽しくやっているのね」 

憂「はい、私も安心して帰れます」 

みらい「帰られるんですか?」 

憂「はい、お姉ちゃんをよろしくお願します。みらいさん」ペコリ 

みらい「い、いえ・・・こちらこそよろしくお願します」ペコリ 

和「あら?あなたアイドルの飯山みらい・・・?」 

みらい「は、はい・・・」 

和「TVの時と雰囲気が違うから気がつかなかったわ・・・」 

みらい「そうですよね・・・。オフの時の私だと街を歩いていても気付かれないみたいです・・・」 

憂「そうなんですか・・・」 

みらい「ふふっ、こんなの『飯山みらい』じゃないって思うのかもしれませんね」 

和「・・・」 

憂「そうですか・・・?」 

みらい「え・・・」 

和「唯はどっちのみらいでも、一人の『飯山みらい』として見てたんじゃないかしら?」 

憂「はい」 

みらい「・・・」 

和「あなたが出演している番組を私たち三人で見たのよね・・・憂?」 

憂「そうだよ、覚えていたんだね」 

和「今思い出したんだけど。確か・・・その時にあなたのファンになったと思うわ」 

みらい「・・・」 

憂「ふふ、そうです。お姉ちゃん目をキラキラさせていましたから」 

和「そうだったわね」
323 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:08:41.25 ID:iZsL9/27o

みらい「その時の『飯山みらい』はどっちの『飯山みらい』でしたか・・・?」 

和「今の『飯山みらい』よ・・・」 

みらい「・・・」 

和「少しややこしいわね」 

憂「ここにいる『素直な飯山みらい』だよね、和ちゃん」 

和「えぇ、あの時TVのあなたの真似をしてテーブルの上のものをひっくり返したのよね」 

憂「そうです」クスクス 

みらい「・・・」 

和「そんなに前の話じゃないような・・・」 

憂「えぇと」 

みらい「1年と2ヶ月前・・・」 

和「よく覚えているのね」 

みらい「はい・・・『アイドルの飯山みらい』が生まれた日でもありますから」 

和「どういう事・・・?」 

みらい「今の事務所に移籍した日・・・です」 

憂「・・・」 

和「・・・?」 

唯「おぉーい!3人ともこっちに来て~!」 

憂「?」 

和「どうしたのかしら?」 

みらい「・・・?」 

憂「行きましょう」 
324 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:09:54.22 ID:iZsL9/27o

修治「北アルプスも入れたいな・・・」 

律「そうだな~、それだとあっちか?」 

修治「この人数だともっと広い所がいいな・・・」 

唯「そうだね~、あっちはどうかな」 

紬「そうね」 

修治「じゃあ並んで~」 

律「よっろしく~」 

澪「私のカメラだけでいいのか?」 

律「ん?あぁ、私は自分で撮りたいからさ」 

澪「ふ~ん」 

修治「愛ちゃん、もっと寄ってー」 

愛「は、はい・・・」 

小麦「みんな入ってる~?」 

修治「田井中さんももっと詰めて」 

律「は、はいよー」 

エレナ「どうですカ?」 

修治「よし、大丈夫。いくよー、はい、チーズ!」カシャ 

さとみ「ありがとう修治くん」 

みらい「ありがとうございます」 

修治「これぐらいいいよ」 

律「あのさ・・・田井中さんはやめてくんない?」 

修治「じゃあ律ちゃん?」 

澪「りつちゃん」ブフッ 

律「痒いからダメだ」 

修治「律さん」 

律「先輩かっ!」 

修治「律?」 

律「それでいいからさ」 

修治「分かった」 

紬「ありがとうございます」 

修治「いえいえ、はいカメラ」 

和「私も入ってよかったの・・・?」 

憂「私も・・・」 

唯「ヴェガの乗客だから大丈夫だよ~」 

紬「そうよ~」
325 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:11:16.42 ID:iZsL9/27o

律「おっ、打ち水してるぜ~」 

澪「夏の風物詩だな」 

愛「今日も暑くなりそうですね」 

律「唯~水を掛けられないように注意しろよ~」ニヤリ 

唯「私そんなにドジじゃないもん!」 

紬「あらあら・・・あっ」 

バシャッ 

律「・・・」 

「あっ!ご、ごめんなさい!今タオル持ってきます!」 

タッタッタ 

澪「言った本人が掛けられたのか・・・」 

愛「あ・・・」 

律「大丈夫、今日も暑くなるから丁度いいよ」キラリ 

修治「ん?どうしたの?」 

愛「律さんが水をかけられてしまって・・・」 

エレナ「水もシタタルいい乙女ですネ」 

修治「ほら、律ハンカチ使えよ・・・」 

紬「りっちゃんハンカチ使って・・・」 

小麦「おぉーっと!どっちのハンカチを使うのかー!」 

修治「琴吹さんのを・・・」 

紬「鳥羽さんのを・・・」 

小麦「お互い譲ってしまったー!」 

律「小麦~!」 

小麦「えへへー、一度実況をやってみたかったんだ~」 

修治「じゃあ、はい」 

紬「はい」 

小麦「また二人同時に出してしまったー!」 

修治「・・・」 

紬「・・・」 

小麦「おぉっと、今度はひっこみづらい様子だー!」 

唯「じゃあ私も・・・はい」 

律「なんでだ!」 

澪「はい」 

律「おいっ!」
326 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:12:52.32 ID:iZsL9/27o

小麦「唯ちゃんと澪ちゃんも差し出された4っつのハンカチ・・・どれをとるのか見ものですね~。撮ってるエレナ?」 

エレナ「バッチリですワ」 

律「なんなんだこれ・・・!」 

唯「愛ちゃんと憂も出して」ヒソヒソ 

憂「わ、分かった」ヒソヒソ 

愛「え・・・!」 

憂「どうぞ律さん使ってください」 

愛「ど、どうぞ・・・」 

律「えぇー!」 

「あ、あの・・・タオル・・・」 

和「もうちょっと待っててもらえますか?」 

さとみ「えっ!?」 

みらい「いいのでしょうか?」 

修治「俺が引くべきなんだろうけど・・・」 

律「じゃあ引けよ」 

修治「男には引くに引けない時がある」 

律「それは今じゃないだろ!」 

紬「りっちゃん!」 

律「な、なに・・・?」 

紬「わたし、選ばれなかったとしても後悔しない!」 

律「断りづらくなったよ!」 

唯「りっちゃんと過ごした時間は忘れないよ!」 

律「そうか」 

唯「・・・」ションボリ 

律「こんな状況にしたの唯だかんな!」 

澪「りつ・・・」 

律「な、なんだよ・・・」 

澪「うぅん、私信じてるから」キラキラ 

律「ちょっとテンション上がってるのか・・・?」
327 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:13:44.74 ID:iZsL9/27o

憂「律さん・・・お姉ちゃんの後に使って下さい!」 

律「え・・・憂ちゃんノリでやってんの?」 

憂「はい、半分は・・・」 

律「半分本気なの!?」 

愛「わ、わたしのせいだと・・・」 

律「いや・・・この状況は唯のせいなんだが・・・」 

愛「使って下さい!」 

律「・・・ちょっと重いかなぁ」アハハ 

和「早く受け取らないと風邪ひくわよ」 

律「和・・・って、タオルあるじゃん!」 

エレナ「逃げはイケマセーン!」 

さとみ「どういう結末を迎えるのか・・・」ゴクリ 

みらい「演技の勉強になります」 

律「くぅ・・・他人事だと思いやがって・・・あ、そうだよ。借りなくても」ゴソゴソ 

ガシッ 

澪「自分の使うのはナシだぞ」ニコニコ 

律「くっ・・・」 

小麦「さぁ!誰を選ぶのか!」 

修治「はい、どうぞ」 

紬「さっ、りっちゃん」 

唯「りっちゃん!」キラキラ 

澪「はい」 

憂「どうぞ」 

愛「よろしかったら・・・」 

律「だぁーーー!!!」 

ババババババッ 

小麦「全員のを取ったー!!」 

さとみ「偉いわ律さん」 

みらい「はい」ウンウン
328 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:14:51.04 ID:iZsL9/27o

和「はい、律」 

ファサ 

律「あ、あぁ・・・って結局タオル使うのかよっ!」 

ゴシゴシ 

和「憂が言ってたように、みんな半分くらい使って欲しかったのかもね・・・」 

律「なんだよそれ・・・」 

ゴシゴシ 

和「さぁ・・・」 

律「和、自分でやるからいいよ」 

和「そう?」 

律「あぁ、ありがと」 

修治「みんなどこへ行くの?」 

唯「旧開智学校だよ~」 

修治「エレナと愛ちゃんも?」 

エレナ「そうですワ」 

愛「はい」 

修治「それじゃ俺も行くかな」 

小麦「一人の観光は寂しいですからね~」ニヤニヤ 

修治「ち、違うわぃ」 

紬「大移動ね~」 

憂「そうですね」 

唯「ムーだね私たち」 

澪「ヌーだろ・・・」 

さとみ「ふふ」 

みらい「クスクス」 

唯「みらいちゃんも行けるの?」 

みらい「はい、お昼までオフなんです」 

唯「やった!」 

憂「よかったねお姉ちゃん」 

律「今は放ったらかしかよ」 

和「寂しいの?」 

律「違うっつの」 
329 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:15:45.18 ID:iZsL9/27o

―――――旧開智学校 

律「」パシャッパシャッ 

修治「建物しか撮らないの?」 

律「ん?あぁ、記念写真はむぎが撮ってるし」 

修治「ふ~ん」 

紬「わぁ~、白と黒の色合いがキレイね~」 

憂「本当に・・・」 

さとみ「えぇ、いいわねこんな学校に通えたら・・・」 

紬「そうね~」 

律「おぉーい、早く入ろうぜー!」 

紬「は~い」 

唯「おぉ、中はこうなってるのですね!」 

澪「日本に居るのに日本じゃないみたいだ・・・」 

みらい「ほんとですね・・・」 

さとみ「ね、これ見て」 

修治「んー?『義正』『初江』」 

律「そばに明治の年号と日付もあるな・・・」 

唯「なにかな~?」 

さとみ「多分二人は恋人同士だったんじゃないかな?」 

憂「わぁ」キラキラ 

和「いいわね・・・こういうのが残ってるなんて」 

愛「二人は結婚できたのでしょうか・・・?」 

小麦「う~む、明治はお見合いや親同士の約束なんかで結婚してた時代だからね~」
330 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:17:09.41 ID:iZsL9/27o

律「結ばれぬ愛だったのか・・・」ガックリ 

さとみ「きっと2人は離れ離れになってもずっと想いあっていようって誓ったんだわ」 

唯「おぉ、ロマンティック!」バシーン 

和「なによそのポーズは・・・」 

紬「その2人の孫がここで出会ってたりして・・・ね」ニコニコ 

律「おぉ、ファンタスティック!」バシーン 

エレナ「2人ともキマッテますワ~」ジー 

修治「うむ、ヒーローと間違えてしまいそうだ」 

律「・・・」カァ 

澪「恥ずかしいならやるなよ・・・」 

律「そうだな・・・」 

愛「ここは、教室が開放されているんですね」 

唯「! いいこと思いついちゃった~♪」ルンルン 
331 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:21:25.93 ID:iZsL9/27o

唯「さぁ、みんな座るザマス」キリ 

律「なんだ?」 

唯「これから授業を始めるザマス」キリ 

澪「どうしたんだ?」 

唯「私語は厳禁ザマス」キリ 

憂「座ってもいいのでしょうか・・・?」 

小麦「いいみたいだよ~」 

律「しょうがない、付き合ってやるか・・・って!」 

澪「むぎもう座ってる!」 

紬「うふふ」 

さとみ「なにしてるの?」 

みらい「・・・?」 

修治「え・・・」 

唯「さぁ、みなさんも座るザマス」クイクイ 

和「私のメガネ・・・」 

愛「足元気をつけてくださいね・・・」 

和「あ、ありがと・・・」 

唯「みなさん座りましたザマスね」キリ 

憂「は、はい」 

紬「・・・」ワクワク 

みらい「これから何を・・・?」 

唯「せっかく学校に来たのですから、勉強をしますザマス。カメラが来ていますがお気になさらず」キリ 

エレナ「・・・」フリフリ 

唯「それでは教科書の34頁を開くザマス」キリ 

律「普通に喋ってくれ」 

唯「うん、分かった」 

澪「切り替え早いな」 

小麦「はい先生ー!私たち教科書持ってませーん!」 

唯「もぅ、みんなここに何しに来たの~?」ブー 

律「観光しにだよ」 

さとみ「さっそくグダグダね・・・」
332 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:23:11.53 ID:iZsL9/27o

修治「号令はしないのですか?」 

唯「そうですね・・・まずは生徒会長を決めましょう」 

澪「学級委員でいいんじゃないのか?」 

律「いいんじゃないか?委員だけに」 

澪「・・・」 

愛「クスクス」 

みらい「クスクス」 

唯「そうですね・・・それじゃあ私が決めます」 

和「・・・」 

さとみ「あ・・・」 

唯「和ちゃんは今メガネかけていないから、さとみちゃん!」 

さとみ「・・・」フゥ 

唯「・・・と見せかけて憂!」 

憂「私?」 

さとみ「・・・」 

唯「・・・とみせかけて澪ちゃん!」 

澪「えっ!?」 

修治「そのフェイントに意味はあるのか・・・」 

澪「そ、それじゃ授業お願しま」 

唯「ちがうよ~、起立、礼、着席だよ~」 

澪「え・・・、き、きりーつ!」 

ガタガタ 

唯「今なんて言ったの~?」 

澪「? きりーつ・・・?」 

小麦「・・・?」 

唯「きを取って下さい」 

澪「りーつ」 

律「うわ、くだらねぇ」 

紬「唯ちゃん・・・これがやりたかったのね」 

澪「」ヘナヘナ 

律「先生ー、秋山さんがやる気を失くしましたー」
333 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:24:14.40 ID:iZsL9/27o

唯「ごめんね澪ちゃん~。じゃあ憂お願い」 

憂「はい。起立」 

ガタガタ 

憂「礼」 

ズバッ 

憂「着席」 

ガタガタ 

唯「おぉ」キラキラ 

律「いや、感動してないで授業してくれ」 

愛「どんな授業するのでしょうか・・・」 

律「どうせ音楽だよ」 

唯「さて・・・どうしよっか?」 

さとみ「行き当たりばったりだったのね・・・」 

小麦「先生の得意な科目はなんですか?」 

唯「音楽です」キリ 

みらい「専攻はなにを・・・?」 

唯「カ、カスタネットです!」 

紬「・・・」 

律「今までの2年間を失くしたのかお前は・・・」 

さとみ「クスクス」 

唯「カスタネットって意外と難しいんだよ。こうやって・・・うんた」 

律「はいはい、分かったから唯はもうどいてろ」ポイッ 

唯「あー」ヒュー 

憂「お姉ちゃんこっち座って」ポンポン 

唯「あい・・・」 

修治「授業の内容は?」 

律「え?私!?」 

愛「楽しみです」 

澪「どうせ唯と同じ音楽だよ」 

律「む・・・」カチーン 

小麦「火が点いたね~」 

律「・・・むぅ」シュウ 

憂「消化されましたね・・・」
334 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:25:49.46 ID:iZsL9/27o

和「唯、そろそろメガネ返して」 

唯「はい、ありがと和ちゃん」 

紬「はい!私やりたいです!」ビシッ 

さとみ「えっ!?」 

律「しょうがないなぁ~、むぎに任命しようじゃないか」 

紬「光栄です」フンス! 

唯「和ちゃんもう一回貸して」 

和「え・・・」 

みらい「楽しみですね」 

唯「はい、むぎちゃん」 

紬「ありがと~」スチャ 

修治「メガネかけなきゃ教壇に立てないルールか」 

紬「それでは相対性理論について述べるザマス」 

唯「」ピキーン 

小麦「」ピキーン 

澪「」ピキーン 

律「おぉ、数名凍ったな」 

和「唯が思考停止したのは分かるけど、どうして澪まで凍るのよ」 

憂「紬さんの口調にびっくりしたのではないでしょうか・・・」 

さとみ「わ、わたしもびっくりした・・・」 

紬「移動している物体は止まっている物体よりゆっくり時間が進むという理論なの~・・・ザマス」 

律「」ピキーン 

みらい「」ピキーン 

愛「勉強になります」 

修治「あ、愛ちゃんやるな・・・」 

愛「SF小説ではよく出てくる理論ですから」ニコニコ 

和「そうね・・・」 

紬「という事で光の速さは誰が観測しても常に一定なのね」 

修治「くっ・・・」 

和「抗ってるのね・・・」 

エレナ「・・・」ジー 

紬「光速で移動できる宇宙船に乗って10年旅をして、地球へ帰ってくると70年の時間が経っているの」 

さとみ「浦島効果ね」 

憂「昔話ではそういうお話多いですよね」
335 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:27:12.66 ID:iZsL9/27o

修治「聞いたことあるな」 

紬「そうなの、時間にまつわるおとぎ話は大抵そうじゃないかと推察されているわね」 

和「もういいんじゃない?」 

紬「特異点・・・あら?」 

修治「みんなついていけないみたいだ・・・俺も危ない」 

さとみ「ほ、他の授業ならみんな回復すると思いますよ」 

紬「・・・そうね・・・それじゃ南国の話を一つ」 

澪「・・・あ、口調が戻ってる」 

和「おかえり、澪」 

紬「私が聞いた話によるとね、とある国ではお茶・・・飲み物が日本で言う縁側に用意されているの」 

唯「お茶!?」 

律「ティータイム!?」 

さとみ「おかえり唯ちゃん、律さん」 

愛「用意されている・・・?家の主人が居なくても勝手に飲んでもいいのですか?」 

紬「えぇ、急須のような入れ物に入ったお茶とコップとお茶請けのような食べ物もあるから、自由にお使い下さいって事ね」 

みらい「いいですね・・・」
336 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:28:01.03 ID:iZsL9/27o

小麦「ふむふむ」 

憂「あ・・・おかえりなさい」 

修治「どうしてそんな習慣があるの?」 

紬「南国の暑い気候ともなると水分補給を頻繁にしなくちゃいけないでしょ?その為なの」 

唯「おぉ、いいですな」 

律「暑いとやってられないもんな~」 

紬「えぇ、だから暑い時はのんびりお茶でも飲んで、涼しくなったらまた働きましょう。という風習らしいわ」 

エレナ「・・・フムフム」ジー 

さとみ「おもしろ~い」 

澪「あぁ、いいな、そういうの」 

紬「うふふ」 

唯「むぎちゃん、それどこで知ったの~?」 

紬「あれ・・・?いつどこで知ったのかしら?」ハテサテ 

和「インターネットで拾った情報じゃない?」 

さとみ「なるほど」 

修治「印象に残った情報でも得た方法は忘れちゃうよね」 

みらい「そうですね・・・」 

律「よぉーし、授業はもう終わりだ!」 

紬「そうね~、憂ちゃんお願い」 

憂「はい。起立」 

ガタガタ 

憂「気をつけ、礼」 

ズバッ 

紬「まぁ」キラキラ 

エレナ「バッチリ撮れましたヨー」グー 

339 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:31:34.96 ID:iZsL9/27o

さとみ「楽しかった~」 

みらい「私もです」ニコ 

愛「はい」 

修治「前半はコントだったけどね・・・」 

律「よーし、続いて上高地へ行くぞー!」 

唯「おー!」 

エレナ「そうデスカ、それなら私たちはこれで別れるネ」 

澪「え・・・」 

小麦「じゃあ、列車でね~バイバーイ」フリフリ 

紬「またね~」フリフリ 

みらい「私も仕事がありますので、これで失礼します」 

唯「うん、まったね~」 

愛「私もこれで・・・」 

修治「俺も・・・みんな後でね」 

律「じゃ、列車でな~」 

和「上高地へ行くの?」 

紬「そうなの~」 

澪「まだ時間あるから大丈夫」 

唯「うん、大正池に行ってみたいんだ~」 

和「私、松本城へ行ってみるわ」 

憂「和さん一緒に行かないの?」 

和「松本城の方が興味あるのよ」 

さとみ「それなら私も一緒に行っていいですか?」 

和「えぇ、いいわよ」 

律「唯はどうするんだ?」 

唯「むむむ・・・」 

澪「和とはいつでも一緒だろ?」 

和「いつもじゃないわよ」 

唯「か・・・」
340 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:32:05.10 ID:iZsL9/27o

紬「か・・・?」 

唯「上高地へ行きます!」 

和「そう、それじゃ気をつけてね」 

律「和とさとみも列車の時間間違えるなよー」 

さとみ「えぇ、分かったわ。それじゃ」 

憂「後でね」 

澪「律、あの二人に限ってそれはないだろ・・・」 

律「いや、京都で迷ったじゃないか・・・」 

唯「大丈夫だよ!」 

憂「はい!」 

律「そ、そうだな・・・」 

紬「・・・」 

澪「急に人が減ると・・・」 

唯「寂しいよね」 

紬「私たちも列車に間に合わなくなるわよ~」 

律「そだぞー、はいしゅっぱーつ!」 

憂「おー!」 
341 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:34:05.36 ID:iZsL9/27o

律「そういやさ、駅に停車してた列車に」 

澪「あぁ、あったな」 

唯「なにが?」 

律紬澪「「「 特急あずさが 」」」 

唯「あずにゃんが!?」 

憂「特急が付いてたよ、お姉ちゃん・・・」 

律「このガイドを読んでいたらふと思い出した」 

澪「なになに『大正4年に、焼岳が噴火してそのときにせき止められた梓川から、この池が出来た』」フムフム 

憂「だから大正池なんですね」 

紬「あずさちゃん今どうしてるのかしら・・・」 

憂「用事があると言っていましたから」 

唯「いつでも一緒にいるよ・・・あずにゃん」シミジミ 

律「この池の下には当時の家が沈んでいるのかもしれないんだな」 

澪「そ、そうか・・・」ガクガク 

紬「今は観光名所になってるけど・・・」 

憂「住んでいた人にはちょっとかわいそうな気がしますね」 

唯「きっとお魚の棲家になってるよ~」 

澪「そうだな・・・それだとちょっと覗いてみたいかも」 

憂「そうですね」 

紬「・・・」 

唯「・・・」 

律「・・・そろそろ時間だな」 

紬「そうね・・・」 

唯「・・・」 

澪「・・・」 

憂「私も帰らなきゃ・・・」 

唯「そうだね」 

澪「うん、そうだな」 

律「よし、駅に戻るぞ~」 

紬「・・・うん」 

342 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:35:06.21 ID:iZsL9/27o


憂「はい、和ちゃん。乗車証」 

和「えぇ」 

車掌「確認致しました」 

憂「車掌さん、ありがとうございました」 

和「私たちの我がままを快く受けてくださり、とても感謝しています」 

車掌「そんなに固くなさらないでください、楽しんでくださればそれで充分です」ニコニコ 

和「そう言っていただけると・・・」 

憂「車掌さん、姉をよろしくお願します」ペコリ 

車掌「はい、私どもにお任せ下さい」 

和「・・・」 

車掌「平沢憂さん、気をつけてお帰り下さいね」 

憂「はい!とても楽しかったです。本音を言うともう少し乗っていたかったです」エヘヘ 

和「憂・・・」 

車掌「ふふ、私どもにはこれ以上のないのお言葉です。それでは失礼します」 

憂「はい、お世話になりました」 

343 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:36:37.41 ID:iZsL9/27o

唯「・・・」 

憂「・・・」 

律「それじゃ、またね憂ちゃん」 

憂「はい、また」 

澪「気をつけてね」 

憂「はい、みなさんもお気をつけて」 

紬「一緒に観光できて楽しかったわ」 

憂「はい、私もです!」 

和「憂、ごめんね・・・」 

憂「ううん、お姉ちゃんと少しでも旅ができて楽しかったよ。後はよろしくね和さん」 

和「えぇ、任せて」 

prrrrrrrrr 

唯「うい、大丈夫?」 

憂「うん、お父さんとお母さんが迎えに来てくれるから。安心して」 

唯「そっか・・・」 

憂「それでは、みなさん無事に帰ってきてくださいね」 

律「任せとけー」 

澪「あぁ、大丈夫」 

紬「えぇ」 

唯「じゃあね・・・」 

和「お土産持って行くわ・・・」 

憂「うん!」 

タッタッタ 

「じゃあねー、憂ちゃ~ん!」 

憂「あ・・・」ニコ 

プシュー 

憂「」ペコリ 

ガタン ゴトン ガタンゴトン 

「ふぅ~危ない危ないヤバかった~」 

紬「・・・」
344 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:38:10.66 ID:iZsL9/27o

律「あのぉ~どちらさまですかぁ?」 

澪「・・・」 

「一日会わないだけで忘れちゃったのかなぁ~?」 

唯「・・・」ムス 

律「記憶にございませんですな~」 

「あれれ?みんな怒ってるの?」 

紬「さぁ・・・どうでしょうか」ムス 

「むぎちゃんも!?」 

和「あなたが山口星奈さんね」 

星奈「えっ?」 

唯「どうして星奈ちゃんの名前知ってるの?」 

星奈「あなたは・・・?」 

和「私は真鍋和。この子たちと同級生よ。・・・昨日梓に会ったのよ」 

澪「梓と?」 

律「どういう事だ?」 

和「私が学校の用事を済ませているとき、けいおん部の部室からギターの音が聞こえたの」 

星奈「・・・」 

和「本当は私、ヴェガに乗るの断ろうと思ってて・・・」 

唯「そうだったの・・・?」 

和「えぇ、それを梓に伝えようと扉を開いたら・・・梓が一人でギター抱えて座っていたわ」 

紬「あずさちゃん・・・」 

和「夕日が差し込んでて幻想的だったわね・・・」 

律「寂しそうじゃなかった?」 

和「寂しそうというより・・・私の顔をみるなり嬉しそうにしてたわよ?」 

澪「え?」 

和「話し相手になってくれって・・・座らされたわ」 

星奈「・・・」 

和「珍しくたくさん喋っていたわね。道中の話、札幌、青森、仙台・・・東京」 

律「へぇ・・・」 

和「あなたの名前もたくさん出てきたわ・・・」 

星奈「梓ちゃん・・・」 

和「それを聞いたら乗ってみたくなってね・・・」 

唯「そうだったのか~」 

紬「よかった・・・」
345 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:38:53.75 ID:iZsL9/27o

澪「うん・・・」 

律「そうだな」 

星奈「うん、よかった・・・ちょっと気がかりだったからね・・・」 

和「それから、これを星奈さんに渡してくれって・・・受け取って」 

星奈「うん・・・これは?」 

澪「梓が使っていたピック・・・」 

律「・・・そっか」 

星奈「へへっ、可愛いところあんじゃん」 

唯「あずにゃんは全部可愛いよ~!」 

星奈「・・・そうだね~」 

和「渡せないかもしれないけどいいのか、と聞いたら『渡せるかもしれないからお願します』だって」 

唯「おぉ、あずにゃんかっこいい!」 

和「ふふ、妙に大人びていたわね」 

星奈「そっか、ありがとう和」 

和「私は運んで渡しただけ・・・、大した事してないわ」 

唯「でも、和ちゃんが来てくれたから渡せたんだよ」 

紬「そうね」 

律「あぁ」 

星奈「うん」 

澪「そうだな」 

和「ど、どうしたのよみんな・・・」 

星奈「へへっ、みんなありがとう」 

律「それで、だ。これはこれ、それはそれ・・・だよなぁ」 

和「・・・?」 

紬「そうね・・・」ムス 

澪「・・・」 

唯「ほんとだよ~」ムス 

星奈「あれれ?機嫌直ってくれないの?」 

律「・・・」ツーン 

星奈「えーと・・・和理由を教えてくれない?」 

和「私は今朝来たばかりだから詳しくは知らないわね・・・」 

紬「・・・」ムス 

唯「・・・」ムス 

律「・・・」ツーン 

星奈「えーと・・・」アセアセ 

澪「・・・ブフッ」
346 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:40:04.68 ID:iZsL9/27o

和「澪・・・?」 

澪「フフッフフフ、・・・らしくないよみんな」 

紬「・・・ふふ」 

唯「・・・へへへ」 

律「・・・だな」 

星奈「・・・えーと」 

紬「うふふ」 

唯「あははは」 

律「へへっ」 

澪「ふふっ」 

和「・・・?」 

星奈「え・・・」オロオロ 

紬「ごめんね、星奈さん・・・」 

唯「ごめんね~」 

律「なんか・・・星奈の顔みたら拗ねてしまった」 

和「そういう事ね」 

星奈「・・・」 

澪「ふふ、でもあんな別れ方されたらびっくりしますよ」 

紬「黙って降りたと思ってショックだったから・・・」 

唯「そうだよ~」 

星奈「ごめ~ん・・・手紙読んでくれたでしょ?」 

律「あぁ、床に落ちていた手紙をな!」 

星奈「あれ?車掌さんに渡したハズなんだけどな・・・?」 

唯「手紙の言葉も足りないよ~」 

律「そうだぞー」 

星奈「あはは・・・急いでたから気付かなかったや・・・」アハハ 

紬「でも良かった・・・また会えて」 

澪「うん・・・」 

星奈「・・・なんかごめんね」 

唯「ちゃんと別れを言えるから安心したよ~」 

和「・・・」
347 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:42:01.82 ID:iZsL9/27o

星奈「父さんと急に会うことになってさ・・・急がなきゃ間に合わなかったんだ」 

紬「そうだったの・・・」 

星奈「うん、全部はき出したよ。言いたい事も全部言った。ひどい言葉もかけてしまった」 

澪「・・・」 

星奈「それでも黙って聞いてくれた。ヴェガに乗らなかったら、そこで怒って帰ってたかもしれない」 

律「・・・」 

星奈「でも・・・冷静になって考える事ができた」 

紬「・・・」 

律「?」 

星奈「あとでむぎちゃんから聞いてね」 

紬「いいの?」 

星奈「うん。もう大丈夫・・・とはまだ言えないけどさ、時間をかけて話あっていくよ」 

紬「・・・」 

唯「・・・」 

澪「・・・」 

星奈「みんなのおかげだよ~ん。ありがとね!」 

律「ご、ごめんな星奈・・・私たちそんな理由だと知らないで・・・拗ねたりなんかして」 

紬「・・・ごめんなさい」 

唯「ごめんね・・・」 

星奈「・・・だ、抱きしめていいですか!?」ワキワキ 

律「はぁ!?」 

星奈「だって・・・だって・・・みんなすっごく可愛かったんだもん!」 

律「子供をあやす親父かあんたは」 

澪「ブフッ」 

和「ふふ」 

紬「うふふ」 

唯「さ、かも~ん」 

星奈「いいの!?」 

律「いいのかっ!?」 

澪「ふふ、なにしてんだよ」 

和「・・・そろそろ」 

星奈「へへっ、みんなサンキュー」 

紬「・・・」
348 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:43:26.49 ID:iZsL9/27o

星奈「和、ピックありがと。大事にするって伝えておいて!」 

和「えぇ、分かったわ」 

律「星奈ー」 

星奈「どした?」 

律「最後はハイタッチで別れようぜ」 

星奈「お!いいねぇ」 

律「・・・元気でな」 

星奈「律も元気で」 

パァン 

律「へへ、じゃあな!」 

星奈「うん、ありがと律!」 

澪「せ、星奈・・・さん」 

星奈「敬語直らなかったね~」 

澪「ご、ごめ・・・ごめん」 

星奈「あっはっは、いいよ~そのままの澪ちゃんでいこうよ」 

澪「う、うん・・・。星奈さんと一緒にいて楽しかった」 

星奈「うん、私も。楽しい時間だった」 

澪「あ、あの・・・私もハイタッチ・・・したい・・・」 

星奈「抱きしめても」ワキワキ 

律「やめんか!」バシッ 

星奈「あいたぁ!」 

律「まったく」 

星奈「わざわざ降りてきたのか・・・」 

律「手つきがヤラシイんだよ!」 

星奈「あはは、ごめんね澪ちゃん」 

澪「ううん、それじゃあ」 

星奈「うん」 

パンッ 

澪「ありがとう、星奈さん」 

星奈「こっちこそありがとう。じゃあね」 

律「乗るぞ澪」 

澪「うん」
349 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:45:10.90 ID:iZsL9/27o

唯「わ、私も!」 

星奈「よぉーし」 

スカッ 

唯「あれ?」 

星奈「も、もう一度・・・」 

スカッ 

星奈「えぇー」 

唯「・・・」ションボリ 

星奈「じゃあ握手でお別れ」 

唯「うん!」 

ギュ 

星奈「演奏の事嬉しかったよ」 

唯「わ、私・・・星奈ちゃんと一緒に・・・いられて・・・」グスッ 

星奈「ダメ」 

唯「!」 

星奈「笑顔で別れようよ・・・ね?」 

唯「う、うん・・・」 

星奈「唯ちゃんにはいつも笑ってて欲しいな~、なんてね」 

唯「えへへ、ありがとう」 

星奈「よし。それじゃあ、バイバイ!」 

唯「う、うん。とっても楽しかったよ。・・・バイバイ」グスッ 

星奈「・・・」 

紬「・・・」
350 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:46:32.58 ID:iZsL9/27o

星奈「あはは、無理強いはよくないか・・・うつっちゃいそうでヤバいんだよねぇ・・・」 

紬「星奈さん・・・」 

星奈「むぎちゃんはハイタッチと握手どっち?」 

紬「両方・・・」 

星奈「くっくっく、いつも予想の斜め上にいくよね」 

紬「・・・そう?」 

星奈「うん・・・。あ、良い意味で言ったんだよ?」 

紬「・・・」 

星奈「じゃ、ハイタッチから」 

パァン 

星奈「おぉ~」 

紬「・・・」 

星奈「それじゃ、元気でね」 

ギュ 

紬「・・・」 

星奈「・・・」 

紬「・・・」 

星奈「・・・どうして何も言ってくれないの?」 

紬「あ・・・」 

星奈「私は梓ちゃんも含めてみんなと出会えて、本当によかった」 

紬「・・・っ」 

星奈「飛行機を選ばないで・・・、ヴェガを選んで本当によかった」 

紬「・・・うん」 

ギュ 

星奈「離してくれないとヴェガに乗れないよ?」 

紬「・・・う・・・ん」
351 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:47:28.61 ID:iZsL9/27o

prrrrrrrrrr 

星奈「・・・」 

紬「・・・」 

ギュゥ 

星奈「しょうがないな~、おいでむぎちゃん」 

テクテク 

紬「星奈・・・さん?」 

律「なんだ?乗るのか?」 

星奈「そんな訳ないでしょー?・・・律手伸ばして」 

律「う、うん?」 

星奈「左手だよ、むぎちゃんを引っ張ってあげて」 

律「あ、うん」 

星奈「むぎちゃん、手を握るのは私じゃないよ」 

紬「あ・・・」 

星奈「固っ!握力すごいな!」 

律「むぎ・・・行くよ」 

ギュッ 

澪「むぎ・・・」 

唯「むぎちゃん」 

星奈「よし・・・はい、乗った乗った!」グイグイ 

紬「せ、星奈さん・・・」 

星奈「むぎちゃん、バイバイ!」 

プシュー 

星奈「」ブイッ 

ガタン ゴトン ガタンゴトン  

和「梓が懐く理由が分かったわ・・・」 

律「なんだよ・・・今の別れ方・・・っ」 

澪「あはは・・・変・・・だよな」グスッ 

唯「ぅ・・・うん・・・でも・・・っ・・・星奈ちゃん・・・らしかった」グスッ 

紬「星奈さん・・・さようなら・・・」 

352 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:54:05.68 ID:iZsL9/27o

―――――展望車 

修治「そっか・・・」 

紬「えぇ、だから心配いらないわ」 

修治「うん、ありがと」 

律「いいって事よ・・・って、なんで修治が関わってるんだよ?」 

紬「色々あったのよ~」 

律「い・・・色々?」 

唯「りっちゃん・・・聞くだけ野暮ってもんですぜ」フッ 

律「えぇい!さっきまで泣いてたやつに言われたくねぇ!」ムニー 

唯「ふぁいえふぁいほん!」 

澪「さっきまでのしんみりモードはどこへ行ったんだよ・・・」 

律「・・・で?星奈となにがあったんだ?」 

修治「ちょっとギクシャクしてただけだよ」 

律「あっそ」 

修治「興味ないのになぜ聞いた!?」 

澪「私も詳しく知らなかったな・・・演奏のお礼ってそういう意味だったのか・・・」 

紬「えぇ・・・」 

唯「・・・」 

修治「・・・」 

律「・・・」 

修治律「「 あのさっ 」」 

唯「?」 

修治「・・・どうぞ」 

律「いや、そっちが早かったから・・・どうぞ」 

修治「いや、俺のは大した用事でもないから・・・」 

律「私だってそんな大した案でもないぞ・・・」 

紬「案?」 

澪「沈んだ空気をなんとかしたい・・・だな」
353 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:55:02.66 ID:iZsL9/27o

唯「おぉ、さすが澪ちゃん」 

修治「なるほど」 

律「なっ・・・修治はなんて言いかけたんだよ?」 

修治「ご、娯楽車で・・・ごにょごにょ」 

律「娯楽車まで言っておいて尻すぼみすんなよ・・・」 

修治「娯楽車で・・・面白い人を見かけたんだよ」 

律「・・・おまえ最近アホみたいだぞ」 

修治「見つけたらダメなのかよ」 

律「そんな報告いらねーよ!」 

ギャーギャー 

澪「二人放っておいて私らだけで行こうか」 

唯「そうだね~」 

紬「行きましょう」 

和「終わったようね・・・」 

唯「あ、和ちゃんどこ行ってたの?」 

和「立ち入った話になりそうだから席を外したのよ」 

唯「そうなんだ」 

紬「和ちゃんも娯楽車行かない?」 

和「娯楽車?面白そうね」 

澪「おぉ、乗り気だ・・・」 

ギャーギャー 

和「そこで騒いでいる二人はいいのかしら?」 

唯「寂しさ紛らわせているだけだよ、そっとしておこうよ~」 

澪「そういう事」 

紬「うふふ、行きましょ~」 

テクテク 

修治「・・・引っ込みづらかったからしょうがないだろ」 

律「あのおかげで私が・・・恥を・・・・ハックシュン!」 

修治「・・・?」 

律「・・・は、ハックシュン!」 

修治「・・・大丈夫か?顔赤いぞ・・・?」 

律「なんか・・・急に寒気が・・・」ブルブル 

修治「ちょっと待ってろ、車掌さん呼んでくるから」 
354 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:56:59.94 ID:iZsL9/27o

和「割と簡単ね」 

唯「和ちゃんすごーい!」 

和「唯にあげるわ」 

唯「ありがたき幸せ」 

和「ふふ、なによそれ」 

澪「どうした?」 

唯「みてみて澪ちゃん!ナマズ人形!」 

澪「え・・・」 

紬「まぁ、可愛いわ~」 

澪「え・・・?」 

和「私は・・・そこまで褒められないわね」 

澪「・・・」ホッ 

紬「あっちのキツネも」 

修治「・・・」イソイソ 

タッタッタ 

紬「?」 

唯「あれ?修治くん?」 

和「私たちに気付かず行ったわね」
355 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:58:03.11 ID:iZsL9/27o

澪「律となにかあったのかな?・・・ちょっと見てくる」 

律「・・・なにしてんだ~?」フラフラ 

澪「あ・・・」 

紬「りっちゃん、顔真っ赤よ?」 

和「どうしたのよ・・・」 

澪「・・・」スッ 

律「澪の手はヒンヤリ冷たくていい感じだ~」ボケー 

澪「風邪ひいたな・・・」 

唯「なんと!」 

紬「唯ちゃん!私の後ろに!」 

唯「はいよ!」ササッ 

律「なんだよ~人を病原菌みたいに~」 

澪「みたい、じゃなく・・・そのものだぞ」 

和「そこまでじゃないわよ」 

修治「・・・なんでここに居るんだよ、じっとしてろって」 

車掌「あらあら、大変。個室へお運びします。さ、田井中さん」 

律「ありがと・・・」ボケー 

澪「わ、私も行きます」 

紬「・・・」 

唯「大丈夫かなりっちゃん・・・」 

和「・・・」 

修治「・・・うーん」 
356 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 22:59:23.59 ID:iZsL9/27o

ピピピ 

律「・・・」スー 

車掌「38.4℃・・・ですね」 

澪「そうですか・・・」 

車掌「水とタオルを用意してまいります」 

澪「ありがとうございます」 

ガチャ 

車掌「あら・・・、どうぞ中へ」 

和「失礼するわね」 

澪「和・・・?」 

和「タオルと水持ってきたわ」 

律「・・・唯は・・・?」 

和「むぎと一緒よ」 

律「部屋に入れないでくれよ・・・」 

澪「あぁ・・・」 

和「えぇ、大丈夫よ」 

律「ちょっとだけ寝る・・・」モゾモゾ 

澪「和、私がやるよ」 

和「任せたわ・・・なにかあったら呼んでちょうだい」 

澪「うん、ありがと」 

車掌「それでは後ほど・・・」 

澪「車掌さんもありがとうございます」 

車掌「いえ・・・それでは」 

バタン
357 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:00:39.91 ID:iZsL9/27o

紬「・・・どうだった?」 

唯「・・・」 

和「澪が看病してくれるから平気よ」 

唯「そっか~」ホッ 

車掌「お聞きしてもよろしいでしょうか」 

和「なんでしょう・・・?」 

車掌「平沢さんの件はどういう意味でしょうか?」 

和「・・・去年の学園祭直前に律が風邪をひいて・・・見舞いに行った唯にうつしてしまった。という前例がありますので」 

唯「あの時はみんなに迷惑かけちゃって・・・同じ轍は踏みません!」フンス! 

紬「偉いわ唯ちゃん」 

車掌「なるほど」クスクス 

唯「でへへ」 

車掌「不謹慎ですね。失礼致しました」 

紬「いえいえ」 

和「・・・」 

車掌「私も田井中さんの回復に専念いたしますので、なんなりと仰せ付けください」 

唯「いつもありがとうございます!」 

紬「ありがとうございます」 

車掌「後ほど様子を伺いに参りますので、私はこれで失礼します」 

和「はい」 

唯「温泉でハシャギすぎちゃったかなぁ」 

紬「その後に水も被ってしまったから・・・」 

和「運が悪いとしか言えないわね・・・」 

唯「そういえば、なんだかりっちゃんだけ悪い事が起きているような・・・?」 

紬「唯ちゃん、気のせいよ・・・」 

和「そうよね。・・・ここにいてもしょうがないから移動しましょ」 

唯「そだね~」 

紬「・・・」 
358 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:02:00.30 ID:iZsL9/27o

みらい「やっほー!元気してる?みらいだよー!」 

唯「あ、みらいちゃん」 

みらい「おやおや元気が無いぞー!」 

唯「ううん、元気だよ!」 

和「・・・」 

みらい「そっか!・・・ところでこの服どうかな・・・?」 

唯「車掌服だよね、似合ってて可愛いよ~」 

みらい「そっかな~、子供っぽいって言われたんだけど・・・」 

紬「可愛いわよ~」 

みらい「そっかー!やっぱりそう思うよね!みらいは何を着ても似合うのだ!」イェイ 

唯「うんうん!」 

みらい「そんなみらいを応援してねー!」 

唯「はいよー!」 

AD「ハイ、カットー!」 

みらい「あ、はい・・・」 

AD「みらいちゃん次いくよ~」 

みらい「みなさん・・・お騒がせしました・・・」 

和「いいのよ撮影中だったんでしょ?」 

みらい「はい・・・そういっていただけると・・・。あの、唯さん・・・?」 

唯「うん?」 

みらい「どうしたのかな、と思って・・・」 

唯「えぇと・・・」 

将人「みらい!何をしている!スタッフを待たせるな!」 

みらい「は、はいマネージャー!それでは失礼します」ペコリ 

唯「うん、頑張ってね~」 

紬「唯ちゃんの変化にすぐ気付いたのね」 

和「みらいの察知能力が高いのか、唯があからさまなのか・・・」 

唯「ん~?」 

359 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:03:16.34 ID:iZsL9/27o

和「ここは座席が赤なのね・・・」 

紬「えぇ」 

唯「」スヤスヤ 

和「立て続けにたくさんの事があったから、さすがに疲れたみたいね」 

紬「うふふ、そうね」 

和「むぎは・・・?」 

紬「え・・・?」 

和「むぎは大丈夫?」 

紬「大丈夫よ」 

和「・・・そう、私はいいけど、この子たちの前では・・・」 

紬「・・・えぇ」 

さとみ「あら?」 

紬「あら」 

さとみ「ふふ、可愛い寝顔ね・・・あっ!」 

和「しずかに・・・」 

唯「う・・・ん・・・」 

さとみ「あ、ごめんなさい・・・」 

唯「」スヤスヤ 

紬「・・・どうしたの?」 

さとみ「唯ちゃんの持ってる人形」キラキラ 

和「ナマズ人形?」 

さとみ「それ、どこで・・・?」キラキラ 

紬「娯楽車の景品ですよ?」 

さとみ「そうなんだ・・・私、ゲーム苦手だからなぁ・・・」ションボリ 

和「とってあげましょうか?」 

さとみ「ぜひっ!」キラキラ 

和「それじゃ、ちょっと行ってくるわね」 

紬「えぇ、唯ちゃんは任せて」 

テクテク 

唯「」スヤスヤ 

紬「・・・」 

唯「ゲル状ってなぁにぃ」ムニャムニャ 

紬「まぁ・・・そんな台詞が出る夢って・・・気になる・・・」 
360 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:04:54.09 ID:iZsL9/27o

さとみ「ありがとう、和さん」キラキラ 

和「いいわよこれくらい・・・。そんなに好きなの?」 

さとみ「これ今学校じゃ流行っているのよ?」 

和「へ、へぇ・・・」 

さとみ「あら」 

和「むぎも疲れていたのね」 

紬「」スヤスヤ 

唯「」スヤスヤ 

和「気を抜きすぎよ二人とも・・・」 

さとみ「私も座っていいかな?」 

和「どうぞ」 

さとみ「ふふ、不思議な人ですよね」 

和「どっち?」 

さとみ「5人・・・いや和さん入れて6人か」 

和「私も入るのね」 

さとみ「もちろん」クスクス 

小麦「やっほー!」 

エレナ「なにをしてるデスカ?」 

和さとみ「「 シー 」」 

小麦「おっと」 

エレナ「オー・・・、可愛い寝顔撮っちゃいますネ」 

和「ちょっと、ダメよ」 

さとみ「口がニヤけてますよ?」 

和「目は怒っているでしょ?」 

エレナ「ショウニンthanksネ~」ジー 

小麦「プクク」
361 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:05:32.27 ID:iZsL9/27o

唯「う・・・ん・・・」 

紬「・・・ん・・・」 

和「・・・」 

さとみ「・・・」 

小麦「・・・」 

エレナ「・・・」 

唯「さんかく・・・」ムニャムニャ 

紬「じょうぎでも・・・」ムニャムニャ 

和「共有してるのかしら」 

小麦「ぐふっ」ダダダ 

さとみ「堪え切れなくなったのね・・・」 

エレナ「貴重な映像頂戴したネ。それでワ~」 

和「えぇ・・・」 

さとみ「・・・」ニコニコ 

和「そんなに嬉しいの?それ・・・」 

さとみ「それもあるけど・・・」 

和「?」 

さとみ「楽しいな、と思って」 

和「そうね、色んな所へいけるものね」 

さとみ「えぇ、私を知らない人とたくさん話ができるのも楽しいわ」 

和「・・・?初対面の人の方が話しやすいって事?」 

紬「」スヤスヤ 

さとみ「ううん、そうじゃなくて・・・特別視しないって事・・・」 

和「よく分からないわね・・・」 

さとみ「あ、ごめんなさい・・・変な話しちゃって・・・」 

和「別に謝ることじゃないわ」 

さとみ「・・・」 

唯「」スヤスヤ
362 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:06:33.69 ID:iZsL9/27o

和「特別視されるのが嫌っていうなら・・・」 

さとみ「・・・?」 

和「・・・むぎを見てるといいわ」 

紬「」スヤスヤ 

さとみ「むぎさん・・・を?」 

和「えぇ」 

さとみ「ふむ・・・」ジー 

紬「」スヤスヤ 

唯「・・・う~ん」モゾモゾ 

ズル 

和「あ・・・」 

ゴン 

紬「・・・いたっ」 

唯「・・・たっ」 

さとみ「頭を・・・」 

和「おはよう二人とも」 

唯「・・・?朝?」 

さとみ「これは夕日よ」 

紬「あいたた」ヒリヒリ 

和「唯がズレてむぎの頭にぶつけたのよ」 

唯「・・・ごめんねむぎちゃん」 

紬「いいぇ、おかげで目が覚めたわ・・・ふぁ」 

さとみ「どんな夢を見ていたか覚えてる?」 

紬「・・・澪ちゃんが出てきたような・・・?」 

唯「りっちゃんが・・・?」 

和「・・・それで?」 

紬「面積を測ってた・・・?」 

唯「三角関数を解いてた・・・?」 

和「一応繋がっているのね」 

さとみ「えっ!?」 
363 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:07:52.52 ID:iZsL9/27o

和「ところで、むぎは金沢でどこへ行くか決めた?」 

紬「ううん、まだなの~」 

唯「澪ちゃんが兼六園に行きたいと言ってたよ」 

さとみ「日本三大名園の一つね」 

唯「あ、でもりっちゃんの事もあるから・・・」 

和「そうね、様子見って所かしら」 

さとみ「? 律さんがどうかしたんですか?」 

紬「風邪をひいてしまったの」 

さとみ「そうなんですか・・・」 

唯「今澪ちゃんが看病してるんだ」 

さとみ「・・・よし、私売店行ってくるね」ガタ 

和「どうしたのよ、急に」 

さとみ「お見舞いにフルーツでもあれば・・・と思って。それじゃ」 

スタスタ 

紬「気を使わせてしまったかしら」 

和「いいんじゃない?自分で考えて決めた事よ」 

唯「和ちゃん、さとみちゃんと仲良くなるの早いね」 

紬「私もそう思った」 

和「そう?」 

唯「うん!」 

和「なんで嬉しそうなのよ」 

唯「いえいえ、深い意味はないのですよ」 

紬「うふふ」 

和「・・・まぁいいわ」 

唯「むぎちゃんは次の金沢で折り返し地点になるよね!」 

紬「そういわれてみればそうね~」 

和「今までの旅はどうだった?」 

唯「ご感想をどうぞ」 

紬「そうね・・・」
364 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:09:43.87 ID:iZsL9/27o

和「・・・」 

唯「・・・」 

紬「・・・・・・」 

和「・・・?」 

唯「むぎ・・・ちゃん?」 

紬「・・・過ぎ去った場所も、きっとこれから出会う人も」 

和「・・・」 

紬「たくさんの大切なものを、みんなと一つ一つ結ぶために」 

唯「・・・」 

紬「行動していると実感できるから・・・とても楽しいわ」ニコ 

和「そう・・・」 

唯「・・・」ジーン 

紬「ふふ、なんてね」 

和「・・・杞憂だったみたいね」 

紬「え?」 

和「ちょっと疲れた顔してたから・・・少し気になってたのよ」 

紬「・・・」 

唯「むぎちゃん!」 

ギュッ 

紬「な、なぁに?」 

唯「私はとても感動しました!」ウルウル 

紬「うふふ、恥ずかしいわ~」テレ 

和「ふふ」 

唯「こうしちゃいられないよ、私売店で観光ガイド買ってくる!」 

テッテッテ 

紬「あらあら」 

和「・・・むぎ、少し案内してくれないかしら?」 

紬「えぇ、行きましょう~」 
365 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:11:02.37 ID:iZsL9/27o

唯「金沢の観光ガイドを一つくださいな」 

ちひろ「はい、どうぞ~」 

唯「よし、これで金沢は完璧だよ!」フンス! 

ちひろ「そうですね~。あ、そういえばお客さん?」 

唯「ん~?」 

ちひろ「みらいさんとぉ~」 

唯「みらいちゃんと?」 

ちひろ「すっごく仲良しさんですよね~」 

唯「そう見えますかな」キリ 

ちひろ「はい~」 

唯「でっへっへ~」 

ちひろ「あ、そうだ。これ田井中さんに使ってください~」 

唯「え、これ・・・」 

ちひろ「はい、おでこに貼るやつですよ~」 

唯「いいの?」 

ちひろ「はやく元気になってほしいですから~」 

唯「わー、ありがとー!」 

テッテッテ 

ちひろ「またいらしてくださいね~」 
366 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:12:22.53 ID:iZsL9/27o

唯「・・・りっちゃん大丈夫かなぁ」 

ガチャ 

澪「・・・」 

バタン 

唯「あ、澪ちゃん」 

澪「唯・・・」 

唯「澪ちゃん、これ売店のちひろちゃんが使って下さいって」 

澪「あ、あぁ。あとでお礼言わなきゃな」 

唯「りっちゃんどう?」 

澪「少し熱が高いままかな。今車掌さんが看てくれてる。気分転換してきてくださいってさ」 

唯「そっか~」 

澪「これ、後で渡そうな」 

唯「うん・・・」 

澪「そんなに心配しなくていいよ。車掌さんも咳はないからすぐ治まるだろうって」 

唯「そっか」 

ガタンゴトン ガタン 

澪「糸魚川駅に着いたみたいだな」 

唯「うん、降りてみようよ」 

澪「そうだな」 

プシュー 

唯「ほいっ」ピョン 

シュタッ 

澪「よっ」ピョン 

シュタッ 

唯「糸魚川!」 

澪「夕陽がキレイだ・・・」 

唯「ほんとだ~」 

修治「よっと」 

唯「おや修治くんも降りたんだね」
367 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:13:48.29 ID:iZsL9/27o

修治「夕陽が美しくてね」キリ 

澪「・・・」オロオロ 

唯「・・・」 

修治「ノーリアクションが一番堪えるんだよ?」 

澪「そ、そうですね。キレイですね」アセアセ 

唯「ほんとだ~」 

澪「唯・・・同じリアクションしなくても・・・」 

修治「・・・ま、まぁいいや。それじゃね」 

唯「うん、バイバーイ」ブンブンッ 

修治「いや、駅の売店行くだけだから・・・」 

タッタッタ 

澪「また明日。みたいなノリだったな」 

唯「修治くんどうして駅の売店に行くんだろ?」 

澪「さぁ・・・」 

愛「あ、あの・・・」 

唯「おや、愛ちゃんではないか」 

澪「どうしたの?」 

愛「は、はい・・・あのですね」ソワソワ 

唯「愛ちゃん落ち着こうよ!」 

澪「そうだな、まずは深呼吸だ」 

愛「は、はい・・・すぅー、はぁー」 

唯「よし。なんの用ですかな?」 

愛「は、はい。カ、カメラのシャッターを押してほしいんです」 

澪「いいよ」 

愛「あ、ありがとうございます」 

唯「これぐらいお安い御用だよ~」 

澪「うん」 

愛「は、はい。これでお願します」 

唯「おっけ~」 

澪「私が撮るよ」 

愛「は、はい」 

澪「それじゃ、いくよ。はい、チーズ」カシャ 

愛「わぁ・・・なにも無くてよかった」
368 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:15:04.29 ID:iZsL9/27o

唯「どういう事?」 

愛「私が写真を撮ると必ず三脚が倒れたりスカートがめくれたりするんです」 

澪「そ、そうなんだ・・・」 

愛「はい、三枚に一枚は心霊写真だったり・・・」 

澪「」 

唯「それはスゴイ確率だね~」 

愛「はい、だから今回はなにもなくてよかった・・・澪さん?」 

澪「」 

唯「澪ちゃんは怖いものが苦手なんだ~」 

愛「そ、そうですか・・・すいません」 

唯「大丈夫だよ~。しばらくしていれば元にもどるよ~」 

澪「」 

愛「はぁ・・・そうなんですか・・・」 

唯「あ、和ちゃんとむぎちゃん」 

和「唯たちも降りてたのね」 

紬「澪ちゃんはどうしたの?」 

愛「私の写真をとったばっかりに・・・」 

唯「心霊写真かもしれないんだって」 

和「よく分からないけど、大体分かったわ」 

紬「そうね~」 

澪「」 

さとみ「みんな状況を飲み込むのが早いわよね・・・」 

愛「あ、さとみさん」 

唯「さとみちゃんも降りたんだね」 

さとみ「えぇ、夕陽がキレイだったから」 

紬「私たちもそうなの」 

和「そうね中々みられない美しさね」 

唯「みんなで同じものをみて、気持ちを共有するなんていい事だよね」 

愛「はい・・・」
369 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:17:06.49 ID:iZsL9/27o

さとみ「みんなしずかに・・・」 

紬「・・・?」 

さとみ「耳をすますと・・・」 

澪「ヒッ!」 

チリンチリーン 

さとみ「虫の声が・・・」 

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル 

和「幽霊の声じゃなくて虫の声よ、澪」 

紬「ほんとね・・・」 

唯「ほんとだ~」 

澪「ほ・・・ほんと?」 

愛「はい」 

さとみ「誰に聞いて欲しくて鳴いているんだろ・・・」 

チリンチリーン 

和「哲学的な問いね」 

愛「私たちにでしょうか・・・?」 

唯「他の虫に知らせるためだよ!」 

澪「寂しくて鳴いているのかも・・・」 

紬「この子はトランペット担当ね」 

唯「なるほど、吹奏楽部ですな。これから演奏会を」 

和「変な流れにしないでちょうだい」 

さとみ「ふふ、でもこれを明日聞くのは別の人なのよね・・・」 

愛「私たちは明日違う場所にいますから・・・」 

さとみ「ここの空気を吸えるのは今だけ」 

唯「そう考えるととっても大切な時間に思えるね!」 

紬「そうね~。今のうちに思いっきり吸っておきましょうか」 

さとみ「うーーーーーん、と」ノビノビ 

唯「おぉ、気持ち良さそう!私もやる!」 

紬「私も!」 

澪「そうだな」 

唯紬「「 うーーーーーん、と 」」ノビノビ 

澪「うーーーん、うん?」 

さとみ「シー」ササッ 

愛「?」 

和(おちゃめな所もあるのね)
370 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:18:30.29 ID:iZsL9/27o

唯「あれ!?さとみちゃんがいないよ!!」 

紬「あらほんと~」 

澪「かくれんぼ・・・かな」 

愛「そうみたいですね」 

ガサガサッ 

唯「フフフ、私の推理によれば・・・さとみちゃんはそこにいます!」ビシッ 

ガサッ 

「にゃーん」 

唯「・・・」シーン 

和「ネコになったのね」 

紬「あらあら大変」 

愛「怪奇現象ですね」 

澪「大丈夫。可愛いから大丈夫」 

唯「・・・」 

和「どうするのよ唯?」 

「にゃん?」 

唯「連れていきます」ダキッ 

さとみ「ちょっと待ったー!」 

唯「な、なんと!?」 

紬「さとみさんが二人!?」 

澪「むぎ・・・わざとやってるんだよな?」 

さとみ「そんなわけないでしょ!私はここに隠れていたのよ!」 

愛「そうですよね」 

和「ちゃんと探してあげなさいよ・・・」 

「にゃーん」ゴロゴロ 

唯「さとみちゃん可愛い~♪」ゴロゴロ 

紬「ネコじゃらしですよ~」フリフリ 

さとみ「・・・」 

和「そのうち慣れるわ」
371 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:19:40.77 ID:iZsL9/27o

愛「あ・・・」 

修治「みんなどうしたの?そろそろ出発だよ?」 

さとみ「修治くんこそどうしたの?」 

修治「駅の売店で買い物・・・はい、秋山さん」 

澪「え?」 

修治「律にお見舞い」 

愛「・・・?」 

澪「は、はい・・・わざわざありがとうございます」 

さとみ「売店車には無かったの?」 

修治「うん、売り切れてたからさ」 

和「さとみも買いに行ったのよね?」 

さとみ「うん・・・その時はまだ果物類残ってたけどな」 

澪「もう一度お礼を。さとみさん、桃ありがとうございました」 

さとみ「いえいえ、律さんには早く元気になって欲しいですから」ニコ 

愛「律さんが・・・どうかしたんですか・・・?」 

修治「あ・・・うん。風邪をひいてね・・・」 

愛「!」 

澪「気をつかわなくていいからね、愛さん?」 

愛「わ、私失礼します」 

テッテッテ 

和「・・・?」 

修治「・・・」 

澪「・・・」
372 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:20:16.42 ID:iZsL9/27o

「ふふ、マヤも喜んでいるみたい」 

マヤ「にゃんにゃん」 

唯「ほれほれほれ~」 

紬「こっちよ~マヤちゃ~ん」 

和「こっちはこっちで何をしているの?」 

「動物病院に行った帰りなんですけど、かごから抜け出してしまって・・・」 

さとみ「だから駅内にネコがいたんですね」 

「はい。遊んでもらって嬉しそうです」ニコニコ 

唯「こっちだよ~マヤちゃん」 

マヤ「にゃん」 

紬「こっちですよ~」 

マヤ「にゃにゃん」 

「二人ともネコの扱いに慣れているみたい・・・」 

澪「あぁ・・・はい。いつも一緒にいますから」 

和「いい得て妙ね」 

さとみ「?」 

修治「そろそろ時間だよ」 

「さぁマヤ、みなさんにお別れしましょうね」 

マヤ「にゃーん」 

唯「はぅ」 

紬「うぅ」 

澪「さ、乗るぞ」 

さとみ「乗りましょ」 

prrrrrrrrrrr 

和「行くわよ」 

紬「バイバイ、マヤちゃん」 

唯「バイバーイ」 

マヤ「にゃん」 
373 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:25:46.37 ID:iZsL9/27o


けさみ「澪さ~ん」 

澪「えっ?あ、食堂車の・・・」 

けさみ「料理長がこれを渡せば分かるって・・・」 

澪「あ・・・律にですか?」 

けさみ「はい」 

澪「あ、ありがとうございます」 

けさみ「いえいえ、はやく元気になってくださいとお伝え下さい」 

澪「は、はい分かりました」 

けさみ「ではでは~」 

タッタッタ 

澪「温かいうちにとどけるか・・・」 
374 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:27:47.37 ID:iZsL9/27o

コンコン 

「はい」 

澪(あれ・・・?) 

ガチャ 

愛「あ・・・澪さん・・・」 

澪「邪魔するね」 

愛「は、はい」 

バタン 

澪「車掌さんは?」 

愛「私と入れ替わりになりました」 

澪「そっか」 

愛「律さんにですか?」 

澪「そうなんだけど・・・」 

律「」スー 

澪「寝てるみたいだな」 

愛「はい・・・」 

澪「後で温めなおしてもらうか・・・」 

愛「・・・」 

澪「りんご・・・愛さんが?」 

愛「はい・・・」 

澪「ありがと」 

愛「・・・」 

澪「愛さん、律は私が看ているから・・・」 

愛「いいえ・・・私のせいですから」 

澪「そんなこと・・・」
375 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:29:45.51 ID:iZsL9/27o

愛「私が近くにいたから転ばせてしまうし、水もかけられてしまうんです」 

澪「・・・」 

愛「そのせいで楽しい旅行の途中にも風邪をひかせてしまって・・・」 

律「」スー 

愛「申し訳なくて・・・」 

澪「・・・」 

愛「・・・わたしなんて・・・いなければ」 

澪「愛さん」 

愛「!」ビクッ 

澪「それを聞いたら誰が傷つくか分かる?」 

愛「・・・」 

澪「愛さんを笑わせようとしてた律だよ」 

律「」スー 

愛「・・・っ」 

澪「私も・・・悲しくなった・・・」 

愛「・・・ご、ごめ・・・っ・・・なさ・・・」 

澪「・・・」 

愛「で、でも・・・わたしっ・・・迷惑・・・っかけて・・・」 

澪「・・・」 

愛「心配も・・・っ・・・かけて・・・」 

澪「・・・」 

愛「いつ・・・も・・・誰かに・・・っ・・・嫌な・・・思いを・・・っ」グスッ 

澪「『迷惑かけるのはいいけど心配かけるな』・・・」 

愛「・・・」グスッ 

澪「律はああいったけどさ、本当はどっちもかけていいんだと思う」 

愛「・・・」 

澪「迷惑かけても、心配かけても、いいんじゃないかな」 

愛「・・・」 

澪「だって、私たち友達だから」 

律「」スー 

愛「・・・ぅ・・・っ・・・」ボロボロ 

澪「ね?」 

愛「・・・はい、・・・ありがとう・・・澪さん・・・」グスッ 

澪「私も律に心配かけているから・・・」
376 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:31:01.95 ID:iZsL9/27o

愛「・・・」 

澪「迷惑かけられているけど」 

愛「・・・ふふ」グスッ 

澪「ふふ」 

愛「でも・・・どうして律さんは・・・」 

澪「・・・律は・・・周りを楽しませることを最優先にするヤツだから・・・」 

愛「不思議な人です・・・私顔洗ってきます・・・」 

澪「うん」 

ガチャ 

愛「・・・が羨ましいです」 

バタン 

律「」クンクン 

澪「・・・?」 

律「いい匂い」 

ガバッ 

澪「犬か。・・・急に体起こすと辛くないか?」 

律「ちょっとだけな・・・誰かいたの?」 

澪「愛さんが看ててくれたんだぞ」 

律「そっか・・・気にしてなかった?」 

澪「早く元気になってくださいって」 

律「そうか・・・」 

澪「・・・」 

律「それ・・・なに?」 

澪「コックさんが作ってくれたおかゆとスープ。食べる?」 

律「食べる」 

澪「ちょっとまって、そっちもっていくから」 

律「・・・」ボケー
377 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:32:37.06 ID:iZsL9/27o

澪「後で食べてもいいんだぞ?」 

律「温かいうちに食べたい」 

澪「・・・はい、どうぞ」 

律「あーん」 

澪「なんのマネだ?」 

律「食べさせて」 

澪「・・・恥ずかしくないのか?」 

律「ぜーんぜん」 

澪「うわ・・・熱で思考回路おかしくなってるぞ」 

律「あー」 

澪「ほ、ほら・・・」 

律「ん・・・もぐもぐ」 

澪「どう?」 

律「・・・うめぇ」 

澪「そうか・・・」 

律「料理長すげぇな」 

澪「そうだな、はい」 

律「ん・・・もぐもぐ」 

澪「なんか・・・」 

律「ん?」 

澪「恥ずかしくなってきたんだけど・・・」 

律「そうか?」 

コンコン 

澪「ほら」 

律「ん・・・もぐもぐ」 

ガチャ 

澪「はい」 

律「あー」 

紬「りっちゃ・・・まぁ」
378 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:33:29.70 ID:iZsL9/27o

律「ん・・・もぐもぐ。うめぇ」 

澪「スープ飲む?」 

律「飲む」 

澪「はい」 

律「ん・・・これ前に言ってたやつかな」 

紬「・・・」キラキラキラキラ 

澪「前?ほら」 

律「ん・・・栄養満点のスープってやつ」 

澪「コックさんにお礼言わないとな。はい」 

律「ん・・・ぐふっ、げほっげほっ」 

澪「こら、ゆっくり飲まないから・・・」 

律「む、むぎ・・・」 

澪「えっ!?」 

紬「うふふ」キラキラキラキラキラキラ 

バタン 

澪「ちょっ、むぎ!!」 

律「あー・・・」 

澪「ど、どうしよう!?」 

律「・・・任せる」ズズー 

澪「な、なんて言えばいいんだよ」 

律「適当に・・・よろしく」モグモグ 

澪「食欲はあるんだな・・・」 

律「あー、お腹いっぱいもう寝ー・・・ちゃお・・・」 

379 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:41:02.75 ID:iZsL9/27o

紬「うふふ」キラキラキラキラ 

唯「むぎちゃん、りっちゃんどうだったー?」 

和「・・・?」 

紬「うふふ」キラキラキラキラ 

唯「中でなにかあったんだね!?」 

和「どうしたのよ?」 

紬「うふふ」キラキラキラキラ 

唯「私見てみるよ!」 

和「唯はダメよ」 

唯「そんなぁ」 

紬「うふふ」 

和「・・・」 

ガチャ 

紬「和ちゃんそぉーっとね。そぉーっと」ヒソヒソ 

和「そぉー・・・っと」 

ソォー 

紬和「「 あ 」」 

澪「なにしてるんだ?」ドドン 

ソォー 

バタン 

紬「あ、そうだわ私ギターの練習しなくちゃ」 

唯「持ってたの!?」 

和「そうなんだ、じゃあ私生徒会行くね」 

唯「どこの生徒会行くの!?」 

スタスタスタスタ 

唯「なんで早足なのー!?」 
380 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/06(水) 23:41:48.66 ID:iZsL9/27o

ガチャ 

澪「まったく・・・」 

律「みおー・・・」 

澪「ん?」 

律「ありがと」 

澪「・・・うん、おやすみ」 

バタン 

澪「・・・」 

唯「澪ちゃん!何があったの!?」 

澪「聞かないでくれ・・・」 

唯「うわ~ん、気になる~!」 

澪「・・・はぁ」 

唯「・・・りっちゃんどうだった?」 

澪「あぁ、全部食べたし、薬も飲んで寝たからすぐ元気になるよ」 

唯「そっか~、よかった~」ホッ 

澪「・・・心配かけて、かけられて。・・・だよな」 

唯「・・・?」 

澪「なんでもない。しばらくはそっと寝かせておこうな」 

唯「はいよ!」 
381 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:07:39.42 ID:IS6QcV1yo

紬「私は行ける所まで行ってみようと思ってます~」 

みらい「そうなんだ!キミの好奇心はすごいね!これからもそのままのキミでいてくれたまえ!」 

紬「ありがと~」 

「カットー!」 

唯「むぎちゃんどうしたの?」 

和「みらいの撮影に協力してるのよ」 

澪「」ササッ 

和「どうしたのよ?」 

澪「わ、私ここで座っているから・・・」 

和「そうね。私も座って撮影が終わるの待ってるわ」 

将人「・・・」イライラ 

「うーん・・・」 

みらい「どうでしたか・・・?」 

「お嬢さんはいいんだけどねぇ・・・」 

みらい「は、はい・・・」 

将人「今まで作り上げた『飯山みらい』はどうした・・・」 

みらい「はい・・・。新しい要素を取り入れてみよう・・・と思って・・・」 

将人「勝手なことはするな!おいディレクター次だ!」 

D「そうだな、じゃあ次は・・・」 

みらい「紬さん・・・ありがとうございました」ペコリ 

紬「あまりお役に立てなかったわね・・・」 

みらい「いえ・・・協力してくれて嬉しいです」 

紬「そう・・・?」 

みらい「はい・・・」ニコ 

唯「・・・」 

D「お、君・・・いいかな?」 

唯「わたし?」 

みらい「協力してくれますか・・・?」 

唯「みらいちゃんの為なら頑張るよ!」フンス! 

将人「・・・」 

和「・・・」 

D「とりあえず、カメラを向けただけのリハーサルだから、録画してないから緊張しないでね」 

唯「え~、なんだ・・・」ガッカリ 

D「いや、本番のつもりで頑張れって意味でもあるんだが・・・。それじゃリハーサルいくぞ!」 

みらい「はい!よろしくお願します!」 

唯「よぉーし!」フンス!
382 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:08:22.78 ID:IS6QcV1yo

紬「隣失礼するね」 

和「えぇ・・・」 

紬「ヴェガでの撮影も終わりそうなんだけど、なかなかうまくいかないんだって・・・」 

和「そうみたいね・・・」 

澪「私は空気・・・私は空気・・・私は」 

紬「澪ちゃんはどうしたの?」 

澪「私は酸素・・・私は空・・・」 

和「気配を消そうとしてるのね」 

澪「私は鳥・・・私は自由になるの・・・」 

紬「あら・・・」 

澪「・・・うん、今のはいいな」メモメモ 

和「創作活動にシフトチェンジしたのね」 

紬「唯ちゃんどうかしら?」 

和「・・・少し気になるわね」 
383 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:09:12.29 ID:IS6QcV1yo

唯「すっごく楽しいんだよ~、車掌さんは優しいし、食堂車の料理はおいしいし、店員さんもいい人達だし!」 

みらい「そっか!ヴェガは宣伝通りの夢のような列車なんだね!」 

唯「そうなんだよー!私ヴェガに乗ってよかったな~♪」 

みらい「・・・うん!私もそう思うよ!」 

将人「・・・」イライラ 

D「カットー」 

みらい「どうでしたか・・・?」 

D「うーん・・・彼女の方は面白くてTV的にもいいんだけどね・・・」 

みらい「私・・・ですか・・・?」 

将人「みらい、素人に合わせてどうする」 

みらい「唯さんのコメントをそのまま活かした展開で話を進めてみました。それを濁すような事はしたくなかったです」 

唯「みらいちゃん・・・」 

将人「みらい・・・ッ!」 

D「まぁまぁ、マネージャーさんも落ち着いて・・・」 

みらい「ダメでしょうか・・・」 

将人「それで通用すると思っているのか・・・?」イライラ 

みらい「・・・はい」 

将人「・・・」 

D「ふぅ・・・一旦休憩にしよう・・・。撮影はその後だ・・・お嬢さん方協力してくれてありがとう」 

唯「ううん」 

みらい「ありがとうございました」ペコリ 

将人「みらい、来い。話がある」 

みらい「はい・・・。それでは失礼します唯さん」 

唯「み、みらいちゃん・・・大丈夫?」 

みらい「・・・はい、大丈夫ですよ」ニコ 

紬「・・・」 

和「・・・」 

将人「俺を待たせるな」 

みらい「は、はい!」
384 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:10:37.02 ID:IS6QcV1yo

和「・・・強いわね」 

紬「えぇ・・・」 

車掌「乗車されてから芯が太くなったような気がします」 

和「車掌さんもみていらしたんですか?」 

車掌「はい・・・一日車掌を許可しましたけど、他の乗客へ迷惑行為をされている点がありまして困っていた所です」 

紬「そうなんですか・・・」 

唯「・・・」ションボリ 

車掌「平沢さん」 

唯「ん・・・?」 

車掌「先ほどのコメントとても嬉しく思いました。ありがとうございます」ペコリ 

和「唯らしいコメントだったわ」 

紬「えぇ」 

唯「・・・うん」 

和「唯・・・」 

紬「今のみらいちゃんなら頑張れるわ」 

車掌「私もそう思いますよ」 

唯「・・・そう・・・かな?」 

和「えぇ、だからファンである唯がそんな顔してたら、みらいも頑張れなくなるわよ」 

唯「・・・うん、そうだね。分かったよ!」 

車掌「・・・それでは私はこれで失礼します」 

紬「はい」
385 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:11:40.02 ID:IS6QcV1yo

澪「・・・できたっ」 

和「・・・早いわね」 

唯「なにができたの~」 

澪「歌詞が出来たんだ」 

紬「聞かせて~」 

澪「ちょっと恥ずかしいな・・・コホン」 

和「短時間で出来た歌詞・・・興味深いわね」 

唯「・・・」ワクワク 

澪「私は小鳥 籠の中の小鳥 大空を羽ばたく夢をみているの」 

紬「・・・」 

澪「キラメク世界を あなたと一緒にto flap・・・」 

唯「おぉ」キラキラ 

澪「見つめていて 私はどこまでも行ける」 

和「・・・」 

澪「あなたは教えてくれた 空は自由だって」 

紬「まぁ」キラキラ 

澪「氷菓子のような 甘くて切ない この青い空へ溶けていくの」 

唯「・・・」キラキラ 

澪「・・・どう・・・かな?」 

紬「すごくよかったわ~」 

和「・・・ふむ」 

澪「・・・ダメ?」 

和「部外者の私が意見するつもりはないけど・・・律の意見も聞いたらどう?」 

唯「そうだね~」 

澪「・・・そうだな、分かった」 

和「そうよ、ブレーキは必要よ」 

唯「タイトルは?」 

澪「『私のBlue Bird』なんだけど・・・」 

和「・・・」 
386 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:12:09.15 ID:IS6QcV1yo

澪「ありがとうございました」 

唯「ありがとー!」 

その子「いえいえ。・・・あ、全部食べられたみたいですね」 

澪「はい。食欲はあるみたいなので、安静にしていれば回復できると思います」 

その子「よかった・・・。だそうですよ料理長」 

コック「おう」 

唯「コックさんありがとね~」 

澪「あ、ありがとうございます」 

コック「気にすんな。早く元気になれと伝えてくれ」 

唯「はいよ~!」 

澪「は、はい」 

その子「ふふ、それでは失礼しますね」 
387 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:21:59.36 ID:IS6QcV1yo

紬「・・・あら」 

ヒョイ 

紬「これは・・・ノート?」 

和「どうしたの?」 

紬「ノートを拾ったのだけど、名前が書かれていないの・・・」 

和「貸して」 

紬「うん・・・」 

和「失礼して」 

ペラペラ 

紬「あ・・・」 

和「持ち主のヒントが書かれているかも・・・あ」 

紬「どうしたの?」 

和「これ日記だわ・・・」 

紬「え・・・」 

「あっ!それは!」 

紬「さとみさん?」 

さとみ「返して!」 

バシッ 

和「あ」 

さとみ「ひどいわ・・・人の日記を勝手に読むなんて・・・」 

タッタッタ 

紬「・・・まって!」 

タッタッタ 

和「・・・」 

さとみ「・・・」 

紬「ごめんなさい・・・名前が書かれていないから、確認しようとしただけなの」 

さとみ「・・・」 

紬「多分・・・重要な部分は読んでいない・・・と思うわ」 

さとみ「・・・」
388 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:22:56.40 ID:IS6QcV1yo

紬「ごめんなさい・・・」 

さとみ「・・・日記を落とした私不注意なのに」 

紬「・・・」 

さとみ「私こそごめんなさい・・・つい、カッとなちゃって」 

紬「いえ・・・日記を読まれたら誰だって」 

和「・・・『知らない人しかいない場所へ』」 

さとみ「!」ビクッ 

紬「和ちゃん・・・?」 

さとみ「重要なところは読んでいない・・・って」 

和「読んだのは私よ・・・むぎは関係ないわ。ごめんなさい」 

紬「・・・」 

さとみ「それならどうして・・・謝ったの・・・?」 

紬「・・・それは・・・日記と聞いて少し興味をもったから」 

さとみ「・・・」 

和「・・・」 

紬「・・・」 

さとみ「・・・ふふっ」 

和「ふふ」 

紬「・・・?」 

さとみ「ふふふ・・・それは思ってても言わないほうがいいのに」 

和「ふふ、そうね」 

紬「えぇと・・・」アセアセ 

さとみ「和さんもよ・・・その部分を言わなければ波風たてずに済むのに」 

和「・・・特別視の意味を理解したからよ」 

紬「・・・?」 

さとみ「・・・そう」 

和「えぇ」 

紬「・・・」オロオロ 

さとみ「日記は小学校からの習慣で今でも毎日つけてるの・・・」 

紬「・・・」 

和「・・・」
389 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:23:37.13 ID:IS6QcV1yo

さとみ「でも・・・書くことは似たような事ばかり・・・。学校で目新しい事も無くて書いててもしょうがない気がするの」 

紬「でも・・・」 

さとみ「・・・?」 

紬「その日記にはたくさんの出来事が書けるんじゃないかしら?」 

和「・・・」 

さとみ「そう・・・ね。それじゃ用事を思い出したから」 

紬「・・・本当にごめんなさい」 

和「ごめんね」 

さとみ「ううん、気にしないで。拾ってくれたのが二人でよかったと思うから」 

紬「・・・」ホッ 

さとみ「それじゃ、また」 

和「えぇ、またね」 

紬「和ちゃん、特別視って?」 

和「・・・今は知らないままでいいわ。あなたはあなたのままでいてちょうだい」 

紬「・・・?」 

和「それがあの子の為になる」 

紬「・・・今のままと変わらずに接しればいいのね?」 

和「そうよ」 

紬「分かったわ!」フンス! 
390 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:24:52.27 ID:IS6QcV1yo

紬「あら・・・愛さん、りっちゃんのお見舞い?」 

愛「あ・・・紬さん。よかった」 

紬「中に入らないの?」 

愛「私が入って迷惑かけるのも嫌ですので・・・これを渡してもらえますか?」 

紬「これは・・・お守り?」 

愛「はい。健康祈願のお守りです。律さんに持っててほしくて」 

紬「分かったわ」 

愛「お願します」 

スタスタ 

紬「・・・」 

コンコン 

・・・ 

ガチャ 

紬「りっちゃん?失礼するわね」 

律「」スー 

紬(タオル取り替えましょうか) 

律「」スー 

紬「・・・」 

律「う・・・ん?」 

紬「あ、ごめんね。起こしちゃった?」 

律「むぎ・・・?」 

ガバッ 

紬「起きても大丈夫・・・?」 

律「あぁ・・・ふぁあ・・・・・・今何時・・・?」 

紬「えぇと、7時になるところね」 

律「そっか・・・」ボケー 

紬「体温測る?」 

律「・・・うん」 

紬「はい」 

律「さんきゅ」 

紬「愛さんがこれ渡してくれって」 

律「・・・ん?お守り?」 

紬「そうよ」 

律「・・・心配かけたかな」
391 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:25:20.16 ID:IS6QcV1yo

紬「みんな心配してるわ」 

律「うん・・・。金沢の観光どこ行くか決めた?」 

紬「ううん、まだよ」 

律「明日には回復させるから・・・決めといて」 

紬「どこか行きたいところある?」 

律「んー・・・兼六園と能登半島」 

紬「ふふ、分かったわ」 

ピピピピ 

律「・・・37.8℃か」 

紬「さ、横になって」 

律「ん・・・」モゾモゾ 

紬「タオル変えるね」 

律「ありがと・・・」 

紬「いえいえ~」 

律「さっきから気になってるんだけどさ」 

紬「なぁに?」 

律「あのたくさんの果物はなに?」 

紬「みんな心配してるのよ~」 

律「だれから・・・?」 

紬「えぇと、桃はさとみさん。バナナはエレナさんと小麦さん。りんごは愛さん。みらいちゃんがマンゴー」 

律「パイナップルが修治か・・・」 

紬「ご名答よ」 

律「なんでそれを選んだ・・・アイツ・・・」 

紬「変かしら?」 

律「存在感がなぁ・・・貸し2つだな・・・」 

紬「貸し?」 

律「なんでもない・・・」 

紬「タオル冷たくない?」 

律「あぁ・・・いい感じだ・・・」ボケー 

紬「おやすみ」 

律「・・・お・・・やす・・・み・・・」 

394 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:28:40.46 ID:IS6QcV1yo

エレナ「ミオさん、小麦を見なかったデスカ?」 

澪「こ、小麦?見てないけど・・・」 

エレナ「小麦はドンドン先へ行ってしまうので・・・すぐ見失ってしまうネ」 

澪「ふふ、二人とも仲がいいよね・・・ずっと二人で旅を続けるんだよね?」 

エレナ「いえ・・・小麦も高校三年生・・・私と一緒にいてもいいのカト・・・」 

澪「えっ?」 

エレナ「オー、今のは小麦にはナイショヨ?」 

澪「エレナ・・・さん?」 

エレナ「それじゃ、ワタクシは個室をみてくるネ、バーイ!」 

スタスタ 

唯「澪ちゃーん」 

澪「唯・・・どこへ行っていたんだ?」 

唯「娯楽車にいたんだよ~。小麦ちゃんと遊んでた」 

小麦「そういう事~」 

澪「あ、小麦・・・エレナさんが探してたよ」 

小麦「え?どうしたんだろ・・・」 

澪「個室へ行ったよ」 

小麦「うん、ありがとー!」 

テッテッテ 

唯「小麦ちゃんはいつも元気だね~」 

澪「そう・・・だな・・・」 

唯「そだ、和ちゃんとむぎちゃんが展望車にいるからおいでよ~、どこ行くか決めよう!」 

澪「うん・・・」 
395 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:30:02.71 ID:IS6QcV1yo

澪「さて、どこへ行こうか」 

唯「和ちゃんどこか行きたいところある?」 

和「そうね・・・どこがあるのかしら」 

唯「観光地をどこへ巡ろうかとお悩みのあなたに朗報です!」 

紬「じゃじゃーん」 

唯「金沢観光ガイドをどうぞ!」 

和「ありがと・・・そうね、片町に興味あるわね」 

澪(和はスルースキル高いよな) 

紬「それじゃ、明日のお昼辺りがいいかしら?」 

和「そうだ・・・みんなに言ってなかったわね」 

澪「?」 

唯「なに~?」 

和「私明日の朝一で帰るのよ」 

紬「まぁ!」 

唯「ど、どうして!?」 

和「明日中に仕上げないといけない仕事があってね」 

澪「そうだったのか・・・」ガッカリ 

紬「・・・」ションボリ 

唯「ガーン」ガーン 

和「それ口にしたらかっこ悪いわよ、唯」 

唯「どうしても明日でなくちゃダメなの!?」 

和「・・・本当は今日中に仕上げるつもりだったけど、ヴェガに乗ったからね」 

澪「本当は、乗るの断るつもりだったんだよな」 

和「えぇ、そういう事だから次で降りるわ」 

唯「そんな、あっさりと!」 

和「これでも名残惜しいのよ?」 

唯「・・・」ションボリ 

和「そんなに落ち込む必要もないわ」 

唯「え・・・?」 

紬「・・・それじゃ、到着して片町へ行きましょうか」 

和「でも・・・私たちだけで夜歩くのも不安よね」 

澪「そうだな・・・到着時刻は8時だから」 

唯「うーむ・・・」 

車掌「そうですねぇ」
396 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:32:12.30 ID:IS6QcV1yo

紬「でも和ちゃんの要望にも答えたいし・・・」 

澪「うむ・・・って」 

和「車掌さんはいい案ありませんか?」 

車掌「無くはないのですが・・・」 

唯「聞かせて!」 

紬「うんうん」 

澪(居たんですか!? って言いづらくなったな・・・順応性も高いよな) 

車掌「男性の方が居れば・・・」 

和「なるほど・・・」 

唯「都合も考えないとね」 

澪「・・・?」 

車掌「噂をすれば・・・」 

修治「・・・みんなで難しい顔してどーしたの?」 

和「金沢到着直後の予定は空いてるかしら?」 

修治「え?俺?・・・決めてないけど・・・」 

車掌「よろしくおねがいしますね」 

唯「よし。それじゃ、明日はどうしよっか」 

紬「りっちゃんが兼六園と能登半島へ行きたいって言ってたわ」 

和「意外ね、武家屋敷に行くと思ってたわ・・・」 

車掌「ふふ、そうですね」 

唯「わたしも~」アハハ 

修治「話進んでるみたいだけど、俺理解できてないよ!?」 

澪「到着後に片町に行きたいそうなので、和たちの護衛をお願いします」 

修治「あ、あぁ・・・そういう事ね。秋山さん行かないの?」 

澪「わ、私は律を看てます・・・」 

修治「そっか・・・貸しもあるからいいかな」 

澪「貸し?」
397 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:32:57.43 ID:IS6QcV1yo

唯「澪ちゃんは兼六園だよね?」 

澪「え?」 

紬「明日の朝、輪島の朝市へ行って、そのまま能登半島へ」 

唯「その後武家屋敷か兼六園に別れようって事になったんだよ」 

澪「あ、私は兼六園で」 

紬「私は武家屋敷へ!」 

唯「私も武家屋敷へ!」 

澪「それで決まりだな」 

修治「到着したらホームに降りてるから声掛けてね、じゃねー」 

唯「よろしく~」 

澪「・・・あれっ?車掌さんは?」 

和「さっき出て行ったわよ?」 

澪(観察力も鋭いし・・・唯と一緒にいたら身につくスキルなのかな) 

紬「どうしたの澪ちゃん?」 

澪「いや・・・唯はすごいなと思って・・・」 

唯「でっへっへ」テレテレ 

紬「そうなんだ・・・」 

和「何か悟ったのね・・・」 

398 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:34:31.13 ID:IS6QcV1yo


みらい「みなさんここにいたんですね」 

和「あら、仕事は終わったの?」 

みらい「はい、後は金沢駅で収録して今回の仕事は終わりです」ニコ 

澪「そっか、お疲れさま」 

紬「おつかれさま~」 

みらい「・・・まだまだ元気ですよ。これくらいの仕事量は慣れていますから」ニコニコ 

唯「・・・」 

和「そう・・・唯の隣空いてるから座ったら?」 

唯「どうぞどうぞ」ポンポン 

みらい「失礼します」 

澪「一日車掌どうだった?」 

みらい「楽しかったです。唯さんやみなさんと仲良くなれましたから」ニコ 

紬「まぁ」 

唯「でっへっへ」テレ 

みらい「ふふ」 

和「金沢で降りるの?」 

みらい「次の仕事が名古屋であるのでそこまで休暇を兼ねて乗らせてもらいます」 

唯「そっか~嬉しいよ!」 

みらい「ふふ、私もです。・・・ところで律さんの様子はどうですか?」 

紬「今ゆっくり休んでいる所よ。明日には治すって言ってたわ」 

澪「マンゴーありがと」 

みらい「律さんには早く元気になって欲しいですから」 

唯「りっちゃん愛されてますなぁ」 

澪「・・・そうだな」
399 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:35:09.83 ID:IS6QcV1yo

紬「外暗くなってきたわね」 

みらい「本当ですね」 

唯「あ、三日月だ」 

和「キレイね・・・」 

澪「儚げだけどキレイに輝いているな」 

唯「フフ、あの月は光り輝く君のようだね。みらいちゃん」キリ 

みらい「ふふ、ありがとうございます」 

唯「星さえ脇役に回してしまう罪な輝きだよ」キリ 

みらい「あ、・・・コホン。・・・それなら唯さんは太陽ね」 

ポンポロポンポロポロ 

唯「そうかな?」キリ 

みらい「いつも私を照らしてくれる大切な存在よ」ニコ 

唯「フフ、君には参ったよ」キリ 

ポロロンポンポロポン 

澪「な、なんだこの空気・・・」 

和「ピアノで演出までして・・・」 

みらい「ふふふ」 

唯「アハハ」キリ
400 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:36:12.00 ID:IS6QcV1yo

澪「・・・それで、今のはなんなんだ?」 

和「説明が欲しいわね」 

唯「えー、知らないのぉ?みらいちゃんが出ていたドラマなのにぃ」 

みらい「ふふ、ちょっとした役でしたから」 

ポンポンポロポロポロポロ 

澪「でもよく台詞を覚えていたな」 

唯「憂と練習したんだよ!」 

和「そ、そうなんだ・・・」 

ポンポロポロロン・・・ 

みらい「・・・」 

唯「この曲なんて言う曲?」 

澪「たしか・・・月の・・・」 

紬「ドビュッシーの月の光よ~」 

和「へぇ・・・むぎのクラシック初めて聴いたわ」 

紬「うふふ、たまにここで弾かせてもらってるの」 

唯「えっ?そうだったの?」 

紬「一日一曲だけね」 

澪「呼んでほしかった・・・」 

唯「そうだよ~」 

和「もっと聴きたかったわね」 

紬「うふふ、ありがとう~。また弾かせてもらうわ」 

みらい「」ウトウト 

唯「おや?」 

和「・・・寝かせてあげましょう」 

澪「・・・」 

紬「かけるもの借りてくるわね」 

スタスタ 

和「やっぱりカラ元気だったのね・・・」 

唯「うん・・・」 

和「15歳が社会に出て頑張っているんだもの、心身的に疲れるわよ。・・・凄いわこの子」 

みらい「」スヤスヤ 

唯「・・・うん」 
401 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:37:34.65 ID:IS6QcV1yo

紬「~♪」ペラ 

和「・・・」フムフム 

澪「・・・」カキカキ 

唯「・・・」ボケー 

みらい「・・・ぅん?」 

紬「あら」 

和「・・・起きちゃったわね」 

澪「・・・そうみたいだな」 

唯「みらいちゃん?」 

みらい「・・・あっ、ごめんなさい唯さん」バッ 

唯「いえいえ~」 

みらい「もたれてしまって・・・。私寝ていたんですね」 

和「えぇ、可愛い寝顔だったわ」 

紬「そうね~」 

唯「むふふ」 

和「なによその笑いは」 

唯「可愛かったなぁ~」 

みらい「その・・・、えと・・・」テレ 

澪「たしかに・・・」 

みらい「あ、このタオルケット」 

唯「むぎちゃんが車掌さんから借りてきたんだよ~」 

みらい「そうですか・・・ありがとうございます、紬さん」 

紬「いえいえ~」
402 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:38:01.69 ID:IS6QcV1yo

みらい「なんだか気が抜けたというか・・・のんびりできたというか」 

澪「安心できた?」 

みらい「は、はい」 

和「・・・それはよかったわ」 

みらい「・・・」モジモジ 

唯「あ、そろそろ金沢到着だね」 

澪「そうだな、今ホームに入った」 

みらい「すいません、私が寝ていたから・・・」 

和「私は演奏の記事を呼んでいたから平気よ」 

澪「わ、わたしも平気だ」 

紬「会話がなくてものんびり時間を共有できたわ」 

唯「そうだね~、いい時間だったよ!」 

みらい「・・・」 

ガタンゴトン ガタン 

紬「さて、観光の準備をしましょうか」 

和「そうね」 

澪「私は律の所へ行ってくるから、みんな楽しんできて」 

唯「りっちゃんの事は任せたよ!」 

澪「うん」 

みらい「・・・みなさんどちらへ?」 

唯「片町っていう所だよ」 

みらい「そうですか」 

紬「一緒に行きますか?」 

みらい「あ、いえ・・・スケジュール確認がありますので・・・残念ですけど」 

和「そう・・・」 

みらい「・・・それでは」 

澪「うん、じゃあね」 

唯「じゃあね~」 

プシュー 

紬「着いたのね」 
403 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:38:57.07 ID:IS6QcV1yo


「ヴェガはこれで合ってるのよね・・・」 

和「よっ」ピョン 

シュタッ 

「あ、いたいた」 

和「金沢ね」 

紬「ここまで来たのね~」 

和「長旅お疲れさま」 

唯「まだまだこれからだよむぎちゃん!」 

紬「そうよね!」フンス! 

和「さて・・・」キョロキョロ 

唯「修治くんどこかな~」キョロキョロ 

澪「みんな、私も行くよ」 

紬「あら?」 

澪「律が『みんなと行って来い』って」 

和「律らしいわね」 

唯「そだね」 

「お前らが来るのを待っていたァアア!」 

澪「ヒァッ」
404 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:41:37.04 ID:IS6QcV1yo

唯「あっ!さわちゃ~ん」 

紬「さわ子先生~」キラキラ 

さわ子「あまり驚かないのね・・・」ガッカリ 

和「山中先生、明日乗車のはずじゃ・・・?」 

さわ子「この日のために頑張って来たのよ。褒めて?」 

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル 

唯「わーい、さわちゃんと観光できるー!」 

紬「私も嬉しいわ~」 

さわ子「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、もっと驚いてくれた方が・・・」 

澪「な、なんだ、さわ子先生か・・・さわ子先生っ!?」 

和「乗車証一つしかないですけど・・・」 

さわ子「今日はビジネスホテルに泊まるから気にしないで」 

唯「え~、ヴェガに泊まらないの~」ブー 

紬「しょうがないわ唯ちゃん」 

和「車掌さんに迷惑かけてはダメよ」 

修治(そろそろ声掛けてもいいかな・・・) 

車掌「あら、観光へは行かれないのですか?」 

さわ子「車掌さんですか・・・?」 

車掌「はい、ヴェガの車掌を務めさせていただきます、美弥澪と申します。山中さわ子さんでよろしいですか?」 

さわ子「はい、そうです」 

車掌「中野さんからお話は伺っています。よろしくおねがいします」 

さわ子「よろしくお願します。この子達がお世話になっているそうで」 

車掌「いえ、乗客皆様の旅をより一層楽しませてくれていますので。こちらとしては感謝しているぐらいですよ」ニコニコ 

唯「えへへ」テレテレ 

紬「えへへ」テレ 

澪「えへへ」テレ 

和「・・・」 

さわ子「そうですか・・・」 

車掌「えぇ」ニコニコ 

さわ子「そういえば、りっちゃんはどうしたの?」 

唯「りっちゃん風邪で寝込んでいるんだよ」 

さわ子「あらあら、災難ね~」 

修治(そろそろいいかな・・・)

406 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:43:21.50 ID:IS6QcV1yo

さわ子「それにしても・・・」ジロジロ 

車掌「な、なにか・・・?」 

さわ子「車掌服もいいねぇ」ジー 

車掌「え、えぇと・・・」 

唯「そーだ!車掌さんも片町へ行こうよ!」 

紬「それはいいアイディアね!」 

澪「お、おい・・・」 

和「困らせてはダメよ」 

車掌「すいません・・・ヴェガの点検等もございますので・・・」 

さわ子「そう・・・残念ねぇ」 

コック「2時間くらいなら俺がヴェガを見ててやるよ」 

澪「!」ビクッ 

唯「澪ちゃん、コックさんは見た目怖いけどいい人なんだよ~」 

和「後ろから声を掛けられると誰でもびっくりするわよ・・・」 

コック「ガッハッハすまねぇな!・・・美弥、遠慮せずに羽伸ばして来い」 

車掌「ですが・・・」 

コック「たまにはいいだろ。後は任せとけ」 

スタスタ 

唯「おぉ、かっこいい!」 

さわ子「決定ね・・・」 

車掌「ではお言葉に甘えて・・・着替えてまいりますので少々お待ち下さい」 

紬「わぁ・・・」キラキラ 

澪「・・・思いがけない展開だな」 

修治「あ、あの・・・」 

和「・・・」 

さわ子「夜に歩いても店や博物館は閉まってるんじゃないの?」 

唯「あ・・・」 

紬「あ・・・」
407 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:44:01.24 ID:IS6QcV1yo

和「みんなと金沢の町を歩くってだけでいいのよ、私は」 

澪「・・・そうだな」 

さわ子「・・・ふむ」 

美弥「おまたせしました」 

唯「着替えはやっ!」 

修治「髪長っ!」 

和「やっと会話に参加できたわね・・・」 

美弥「うふふ、待たせてはいけませんので」 

紬「まぁ・・・」 

澪「あの車掌帽子にそれだけの量の髪を納めていたんですか・・・?」 

美弥「そうです。コツをつかめば誰にでもできると思いますよ」 

修治「すげぇや」 

唯「まったくだぜ」 

さわ子「・・・ところでこの子は?」 

修治「話しかけるタイミングをつかみ損ねていた鳥羽修治です」キリ 

さわ子「・・・そう、よろしくね」 

修治「なんだろう・・・この虚しさ」 

唯「りっちゃんがいないからツッコミがいないんだよ」 

和「打って響かせてくれる存在は貴重よね」 

修治「うんうん」 

紬「それじゃ、行きましょうか~」 
408 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:45:45.31 ID:IS6QcV1yo

さわ子「あなたたちご飯は食べたの?」 

唯「食堂車で食べたよ~」 

和「えぇ、美味しかったわ」 

美弥「ふふ、料理長が聞いたら喜びますね」 

さわ子「さっきの方?」 

紬「そうです。味は逸品ですよ~」 

澪「はは、絶賛だなむぎ」 

「みなさんっ、こっちに居たんですね!」 

唯「みらいちゃん!」 

修治「大丈夫なのか?マネージャーに怒られるんじゃ・・・」 

みらい「抜け出して来ちゃいました」 

和「肝が座ったアイドルね」 

さわ子「アイドル・・・?」 

美弥「えぇ、一日車掌を務めた飯山みらいさんです」 

みらい「あれ・・・?」 

さわ子「この子たちの担任の山中さわ子よ。よろしく」 

みらい「は、はい。よろしくお願します」ペコリ 

さわ子「本当にあの『飯山みらい』?」 

唯「そうだよ~、あの飯山みらいちゃんだよ!」 

みらい「唯さん・・・」 

さわ子「ふーん、車掌服着てたの・・・?」ジロジロ 

みらい「え・・・」 

さわ子「ふむふむ」ジー 

和「なるほど、ストッパーがいないとこんな感じになるのね」 

澪「あ、あぁ、律の事か・・・」 

紬「うふふ」 

唯「もぉ~さわちゃん~」 

さわ子「あら、ごめんなさいね。それじゃ行きましょうか」 

美弥「ふふ、そうですね」 

修治「・・・なんだろうこの疎外感」 
409 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:47:32.55 ID:IS6QcV1yo

「なんだあの集団・・・」 

「先頭のツートップレベル高くね?」 

「あぁ、メガネの人と髪の長い人な!おい、Aお前行って来いよ」 

A「いやBお前が行ってこいって」 

B「いや、Cがいつもの手で行ってこいよ!」 

C「自信ねーよ!Dお前が行け」 

D「待て、後ろの子たちもヤバくね?E声掛けて来いって!」 

E「聖域だろあれ!汚れた俺らじゃダメだって!Fお前クリスチャンだろ!行け!」 

F「カンケーねーよ!Gお前の手品で興味引いて来い」 

G「ネタ仕込んでねーよ!Hお前の歌唱力でなんとかしろ」 

H「ごえ゛ががれ゛で・・・Iがん゛ばれ゛」 

I「任せろ」 

修治「あ・・・誰かくる」 

和「え・・・?」 

修治「あ・・・引き返した」 

和「・・・?」 

修治(それにしても周りの目が痛いなぁ・・・) 

ギロギロ 

修治(俺が悪いのかな・・・) 

唯「どうしたの?」 

みらい「どうしたんですか?」 

修治「いや・・・なんでも、あっ」 

紬「どうしました?」 

修治「みんな隠れてて」 

将人「ちっ、夜に出歩くとは・・・」イライラ 

和「! あっちよ」 

澪「うんっ」ササッ 

みらい「あっ、マネージャー」 

唯「みらいちゃん早く」 

みらい「は、はい」 

修治「みんな隠れててね」 

紬「分かった」ハラハラ 

タッタッタ 

唯「修治くんどうするんだろ」 
410 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:48:37.59 ID:IS6QcV1yo

修治「車掌さん」ヒソヒソ 

美弥「えぇ、分かってます。山中さんは私に任せてください」ヒソヒソ 

修治「はい」 

さわ子「どうしたのよ?」 

美弥「山中さん・・・片町は」 

さわ子「え・・・?」 

将人「ちっ、なんで貴様がここを歩いている?」 

修治「どこで何をしようと俺の勝手だろ?」 

将人「ふん・・・みらいはどこだ?」 

修治「え・・・?」 

将人「隠すと後で後悔させるぞ・・・」 

修治「・・・」 

将人「さぁ、言え」 

修治「みらいちゃんが来てるの?」 

将人「・・・」 

修治「そうかぁ、みらいちゃんも片町に来ていたのかぁ」フヒヒ 

将人「ふん、そんなわけないだろ。みらいは個室にいる」 

修治「ちぇ」 

将人「・・・ふんっ」 

スタスタ 

美弥「・・・という訳で香林坊と呼ばれるようになりました」 

さわ子「なるほど」 

美弥「どうやらうまくいったみたいですね」 

修治「車掌さんに気付かないなんて・・・芸能界のマネージャーとしてどうなんだ」 

美弥「服装と髪型が違いますから」ウフフ 

さわ子「・・・?」 

唯「修治くーん」 

修治「・・・もういいよ~」
411 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:49:33.27 ID:IS6QcV1yo

タッタッタ 

紬「スリルあって面白かった~」 

澪「うん!」キラキラ 

さわ子「あら」 

和「澪まで楽しんでいたの?」 

唯「今の澪ちゃんはジェットコースターにも乗れます!」 

さわ子和「「 えっ!? 」」 

澪「みんなで隠れて楽しかった!」キラキラ 

紬「うふふ」 

ワイワイ 

みらい「すいません、ご迷惑をおかけして・・・」 

修治「みんな楽しんでいるみたいだから、気にしないで」 

みらい「・・・」 

修治「ほら、皆笑っているでしょ?それでいいじゃん」 

みらい「そういっていただけると・・・」 

「み、みらいちゃん・・・?」 

修治「ん?」 

「ほ、本物のみらいちゃんだよね・・・?」 

修治「だ、だれだ・・・?」 

みらい「ファンの方だと思います・・・」 

オタクA「み、みらいちゃん・・・」 

修治「ちょっと下がってみらいちゃん」 

みらい「・・・え?」 

オタクA「な、なんでお前がみらいちゃんのそばにいるんだよ・・・」 

修治「あ・・・と、ご、ごめん」 

オタクA「謝って済んだら警察は要らないんだよぉ、待っててね今助けるから・・・」 

修治「そ、その棒切れでどうするつもりだよ・・・」 

オタクA「・・・うるさいなぁ」
412 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:51:05.04 ID:IS6QcV1yo

修治「マジかよ・・・幸いみんなは気付いていないな・・・。よし、走るよみらいちゃん!」 

ガシッ 

みらい「は、はい!」 

オタクA「み、みらいちゃんを離せー!」 

ブンッ 

修治「あ、あぶなっ」 

オタクA「みらいちゃんは僕が守るんだぁー」ブンッ 

ガンッ 

修治「・・・ってー」ズキズキ 

みらい「!」 

和「修治!?」 

唯「修治くん!?」 

オタクA「お、おまえが悪いんだからなー!」 

ドスドスドス 

修治「あのヤロー・・・みらいちゃんの前で暴力振るいやがって・・・それでもファンかよ」 

紬「だ、大丈夫ですか!?」 

みらい「腕を・・・」ガクガク 

美弥「見せてください」 

修治「・・・大丈夫ですよ。相手をビビらせる為に大げさに痛がっただけだから」 

さわ子「ちゃんと見せなさい」 

修治「ほ、本当に大丈夫ですって。ほら」ブンブン 

澪「・・・ホッ」 

さわ子「無茶しないでよねぇ・・・」
413 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:51:37.67 ID:IS6QcV1yo

修治「みらいちゃん・・・俺大丈夫だから気にしないで?」 

みらい「ぁ・・・」ガクガク 

修治「相手もあまり力入ってなかったみたいでさ、腫れもしない程度だから」 

みらい「で、でも・・・」ガクガク 

修治「あー・・・と」 

唯「みらいちゃん・・・」ダキッ 

みらい「ぁ・・・」 

唯「大丈夫だよ~」ナデナデ 

みらい「・・・」 

さわ子「・・・」 

美弥「・・・」 

唯「だいじょう~ぶ、だいじょう~ぶ」ナデナデ 

みらい「・・・はい」 

澪「・・・」ホッ 

紬「・・・よかった」 

和「えぇ」 

修治「よかった・・・俺のせいでトラウマになったらどうしようかと」 

さわ子「だったらあれくらい避けなさいよね~」 

修治「次みらいちゃんと歩く時はそうします」キリ 

和「アイドルと歩くなんて、もうないわよ?」 

修治「ですよね~」アハハ 

澪「ブフッ」 

紬「うふふ」 

美弥「ふふ」 

みらい「・・・ありがとう、修治さん、唯さん」 

修治「問題無し」 

唯「そうだよ~」ギュウ 

澪「いつまで抱きついている気だ」グイ 

唯「あ~れ~」ズルズル 

美弥「・・・本当に大丈夫ですか?」 

修治「はい、エレナに受け流しを習ってましたから」 

澪「エレナさんに?」 

修治「知らなかった?エレナ、空手の有段者だよ?」 

澪紬和唯「「「「 えぇ!? 」」」」
414 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:53:37.74 ID:IS6QcV1yo

さわ子「・・・どちら様?」 

美弥「世界を旅している方です。護身用で学んだとか・・・」 

修治「そういう事」 

澪「あー・・・出会ったとき板を割ってたな」 

唯「そんな衝撃的な出会いだったの!?」 

和「明日降りるのがもったいなくなってきたわね・・・」 

紬「うふふ」 

みらい「・・・ふふ」 

美弥「・・・」ジーン 

さわ子「それじゃ、もうあなたたちは戻りなさい」 

唯「えー!」ブー 

紬「むー」 

さわ子「そんな抵抗してもダメよ。もういい時間だから、担任としてはこれ以上黙認できないわ」 

美弥「そうですね」 

和「そうね、ヴェガに戻りましょうか」 

澪「そうだな・・・」 

みらい「はい」 

美弥「それでは戻りましょう」 

さわ子「おっと、車掌・・・美弥ちゃんはこっち」 

美弥「えぇと?」 

さわ子「私お腹空いているのよ、付き合ってくれないかしら?後1時間くらいは大丈夫でしょ?」 

美弥「ですが・・・」 

さわ子「鳥羽修治くん・・・」 

修治「はい?」 

さわ子「その子たちを・・・世露死苦」 

修治「は、はい!」 

唯「どうしたの修治くん?」 

修治「寒気が・・・」ブルブル
415 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:54:40.32 ID:IS6QcV1yo

紬「戻りましょうか」 

唯「そだね~」 

澪「鳥羽さん・・・エレナさんに教わったきっかけって?」 

修治「あぁ、朝早くに駅のホームで形をやっててさ、見てたら俺もやってみたくなって」 

和「面白い事やってたのね」 

みらい「すごいですね、エレナさん」 

澪「夢だって言っていたから・・・」 

紬「叶えるために努力しているのね・・・」 

唯「私たちも努力しているよ!」 

修治「・・・?」 

唯「これ! ジャジャーン、ギュイーン!」 

和「エアギターの練習ね」 

唯「ギターだよ!?」 

みらい「ふふ、唯さんの演奏聴きたいです」 

唯「あ、じゃあヴェガに着いたら!」 

澪「今日のところは記事で我慢しててね」 

唯「・・・」ションボリ 

みらい「記事ですか?」 

紬「さっき和ちゃんが読んでいた新聞よ」 

和「よく表現されていて面白かったわ」 

ワイワイガヤガヤ 

さわ子「・・・」 

美弥「・・・」 

さわ子「・・・二人ともいい子ね~」 

美弥「はい。今回のヴェガの乗客はとても恵まれています」 

さわ子「エレナって子も気になるわね。あの子たちの今まで旅を聞かせてもらおうかしら」 

美弥「ふふ、1時間で足りるかどうか」 

さわ子「充分よ・・・それじゃ行きましょ」 

美弥「はい」 
416 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 00:56:12.80 ID:IS6QcV1yo


―――――展望車 

紬「今日はこれ飲んだら寝ましょうか」 

澪「そうだな」 

唯「りっちゃんも気になるからね」 

和「えぇ」 

唯「さわちゃんたちどこへ行ったのかな~」 

澪「もうちょっと一緒に歩きたかったな」 

紬「そうね~」 

和「・・・」 

唯「みらいちゃんたちも一緒にティータイムを味わえばいいのにぃ」 

澪「もういい時間だからな・・・」 

紬「・・・」 

和「・・・」 

紬「和ちゃん・・・?」 

和「え・・・?」 

紬「ぼんやりしていたから・・・」 

和「・・・今日あったことを思い返していたのよ」 

唯「温泉で和ちゃんが入ってきたときはびっくりしたよ~」 

澪「本当にびっくりした」 

和「憂はなかなかの策士よね」 

紬「私は憂ちゃんに教えて貰っていたの」 

唯「さわちゃんが乗る事も?」 

紬「えぇ」 

澪「なるほど・・・だからあまり驚いていなかったのか」 

紬「うふふ」 

和「・・・みんな体にだけは気をつけてね」 

澪「うん」 

紬「分かったわ」 

唯「うん!」 

和「それじゃ、明日に備えましょうか」 

紬「そうね」 




7日目終了--------
417 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 01:00:09.03 ID:IS6QcV1yo

8月8日 




紬(・・・午前・・・二時七分・・・?) 

紬(なんだか・・・いい夢・・・見て・・・たわ・・・) 

紬(・・・続き・・・見られる・・・か・・・しら・・・) 

・・・・・・ 

・・・ 

ジリリリリリリリリ 

カチッ 

紬「・・・ふぁ」 

コンコン 

斉藤「私です」 

紬「・・・なにかしら」 

斉藤「時間です」 

紬「分かったわ・・・すぐ用意するから待ってて」 

斉藤「はい」 

紬「・・・少し聞いてて欲しいの」 

斉藤「なんでしょうか・・・?」 

紬「楽しい夢を見ていたわ・・・」 

斉藤「・・・」 

紬「放課後ティータイムのみんなで日本縦断の旅に出る夢・・・」 

斉藤「そうですか・・・」 

紬「とても楽しかった・・・」 

斉藤「そのようで・・・」 

紬「うふふ」 

コンコン 

紬「はい?」 

ガチャ 

紬「どうしたの?斉藤・・・」 

斉藤「む・・・むぎちゃん?」 

紬「・・・?」


次回 紬「超特急ヴェガ?」 その3