前回 紬「超特急ヴェガ?」 その3 


600 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:33:29.70 ID:hhitb21Ro

pipipipipi 

律「あ、むぎからだ。はい、もしもし?」 

修治「じゃあ、観光に戻るかな・・・」 

唯「ありがと、修治くん!」 

みらい「ありがとうございました」 

修治「なんのこれしき」キリ 

律「貸し一つ減らしてやるよ。 あ、こっちの話・・・それで?」 

修治「マジで!? よっしゃー・・・」グッ 

スタスタ 

さわ子「ガッツポーズのまま歩いていったわね」 

唯「よかったね、みらいちゃん!」 

みらい「はい・・・みなさんに助けられてばっかりです」 

さわ子「ステージ横で私が言ったこと覚えてるでしょ?」 

みらい「・・・はい」 

ピッ 

律「むぎたちも楽しんでいるみたいだぞー」 

さわ子「りっちゃん、さっきの画像見せて?」 

律「あ、うん。ちょっと待ってて」 

唯「りっちゃんのカメラとあのマネーなんとかの人のカメラ一緒なんだね」 

律「そういう事。修治は私のカメラの機種知ってたからな」 

さわ子「なるほど」 

律「はい、さわちゃん」 

さわ子「ありがと。・・・キレイに撮れてるわね」 

唯「うんうん」 

律「どうするこれ、消す?」 

さわ子「唯ちゃんに任せるわ」 

唯「残す!」 

みらい「唯さん・・・」 

唯「だって・・・画像の私たちに罪は無いんだもん」 

律「・・・深いな」

けいおん! college (まんがタイムKRコミックス)
かきふらい
芳文社 (2012-09-27)
売り上げランキング: 22,550
601 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:34:20.66 ID:hhitb21Ro

さわ子「そう・・・。それじゃ地下街へ行きましょうか」 

唯「うん!」 

律「そうだな」 

みらい「・・・」 

さわ子「みらいちゃん、行くわよ?」 

みらい「私・・・、一人で考えたい事があるので・・・」 

唯「え、行かないの・・・?」 

みらい「・・・はい。今日はありがとうございました!」 

さわ子「・・・・・・・・・降りるの?」 

唯「えっ!?」 

みらい「それも含めて考えたいんです・・・」 

律「・・・そうか」 

唯「だったら私も・・・!」 

みらい「唯さん、憂さんと和さんが待ってますよ」 

唯「で、でも!」 

みらい「黙って降りたりしません。必ず唯さんには挨拶しますから」 

唯「ほんと・・・?」 

みらい「はいっ!ですからみなさんの所へ行ってください」 

唯「・・・」 

みらい「宣言します。私は唯さんを裏切ることは絶対にしません」 

さわ子「それなら大丈夫ね」 

律「あぁ、じゃあ後でなみらい!」 

みらい「はい!」 

唯「うん・・・後でね!」 

みらい「はい、楽しんできてください!」 
602 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:34:54.41 ID:hhitb21Ro


店員「お飲み物は、アイスティー3つ、オレンジジュース2つ、コーラ、レモンティー、ウーロン茶ですね」 

さわ子「えぇ。みんな、なに食べるのよ?」 

律「天むす!」 

唯「わたしも天むす~!」 

憂「味噌カツをお願します」 

梓「台湾ラーメンを」キリ 

澪「え、えぇと」アセアセ 

和「落ち着いて。私はきしめんにするわ」 

さわ子「私もきしめんで」 

純「エビフライか手羽先・・・どっちにするかな」 

澪「み、味噌煮込みうどんを」 

純「くー、手羽先をお願します!」 

店員「はい」 

「・・・ぶしを」 

「かしこまりました」 

紬(あら、そんな食べ物あるのね~) 

さわ子「むぎちゃんは?」 

紬「うなぎのひまつぶしを~」 

和さわ子梓憂純「「「「「 ん!? 」」」」」 

澪「?」 

唯「和ちゃんどうしたの~?」 

和「聞き間違いかしら」 

憂「そうみたいですね」 

店員「えぇと?」 

紬「あら? うなぎのひまつぶしを一つ~」 

律「プフッ」 

純「女の子が水を噴いてはダメですよ、はいティッシュ」 

律「さ、さんきゅ」 

店員「あ、はい。うなぎのごにょぶしですね。かしこまりました」 

梓「あの店員さん逃げましたね」 

和「そうね・・・」 

紬「・・・どうしたの?」 

さわ子「指摘してあげなさいよ」ヒソヒソ 

律「さわちゃん教師だろ!」ヒソヒソ
603 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:36:30.88 ID:hhitb21Ro

憂「あ、あの・・・紬さん・・・」 

律さわ子「「 おぉ、頑張れ! 」」 

紬「なにかしら~」ニコニコ 

憂「な、なんでもないです」 

紬「・・・?」 

律「だよなぁ~」 

和「由々しき問題よこれは・・・」 

澪「・・・どうしたんだ?」 

唯「?」 

律「気づいてないし・・・」 

梓「指摘したらどうなるんですか・・・?」 

さわ子「こうなるわ・・・」 

・・・・・・・・・ 

・・・ 

さわ子「むぎちゃん!うなぎは暇つぶしなんてしないのよ!」ビシッ 

紬「そ、そんな!」ガタ 

律「あぁ、あいつらは深海で一生懸命泳いでて忙しいんだぜ・・・」 

紬「そ、そんな~」シクシク 

タッタッタ 

・・・ 

・・・・・・・・・ 

梓「そんな訳ないです」 

さわ子「むー」ブー 

律「やんわり指摘してやればいいんだよ」 

和「するとどうなるのよ」 

律「こうなる」 

・・・・・・・・・ 

・・・ 

律「私たちがいつも放課後にしてることだよな!」 

唯「その心は!」 

律「人生の暇つぶしだぜ!」キラン 

紬「そうね~」 

・・・
604 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:37:24.24 ID:hhitb21Ro

・・・・・・・・・ 

梓「気づいてないじゃないですか」 

律「あれ・・・?」 

唯「みんななにしてんのかな?」 

澪「・・・さぁ?」 

さわ子「お気楽ねぇ」 

純「憂なら大丈夫かと」 

律「さっき言えなかったじゃないか」 

純「遠まわしに言えばいいんですよ。きっとこうなります」 

・・・・・・・・・ 

・・・ 

憂「紬さん・・・うなぎは夜行性なんですよ」 

紬「へぇ~」 

憂「体温調節が出来る為、淡水でも海水でも生きられるんです」 

紬「ふむふむ」 

憂「蛇行型と呼ばれる泳ぎ方で、蛇のように泳ぎます」 

紬「遊泳速度は遅いのね」 

憂「はい、川と海を行き来する以外にも地上を這って移動するなど」 

・・・ 

・・・・・・・・・ 

梓「いつ本題に入るの」 

純「あれ?」 

憂「私そんなにうなぎについて詳しくないよ?」 

純「そうだっけ?」 

憂「そうだよ」 

律「うーん、中々手ごわいな・・・」 

和「そうね・・・神妙な面持ちで言えばいいんじゃないかしら」 

さわ子「和ちゃん、それできるの?」 

和「いいえ、澪経由でいえば・・・こうなるはず」 

・・・・・・・・・
605 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:38:26.35 ID:hhitb21Ro

・・・ 

澪「じつはな・・・むぎ・・・」 

紬「み、澪ちゃん・・・?」 

澪「さっき・・・むぎはとんでもない間違いをしてしまったんだ」 

紬「間違い・・・?」 

澪「あぁ・・・そのせいでみんなが困ってる」 

紬「わ、私ったら・・・」 

澪「・・・」 

紬「澪ちゃん教えて、私は何の間違いを・・・?」 

澪「そ、それは・・・」ゴクリ 

紬「・・・」ゴクリ 

澪「・・・」ガクガク 

紬「え・・・?」 

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル 

・・・ 

・・・・・・・・・ 

梓「雰囲気にのまれて自滅しましたね」 

和「あれ・・・?」 

さわ子「梓ちゃんいってみなさいよ」 

純「そうだそうだ!」 

梓「わ、私がですか?」 

律「さっきからツッコミだけだろ」 

梓「そうですね・・・やはり和先輩が知的にいってみましょう」 

和「そうね・・・梓が日頃私をどう思ってるのか興味あるわ」 

梓「うっ」 

憂「どうなるのかな」 

梓「た、多分こうなる・・・といいな」 

・・・・・・・・・
606 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:39:20.10 ID:hhitb21Ro

・・・ 

和「むぎ・・・」スチャ 

紬「和ちゃん・・・メガネを外しても私が見えるの?」 

和「こんなの飾りよ」 

紬「貸して・・・」スチャ 

和「度数入れてないのよ」 

紬「あら、本当・・・」 

和「ふふ、うなぎの」 

・・・ 

・・・・・・・・・ 

和「ちょっとまって」 

梓「・・・」 

律「うまく行きそうだったぞ」 

さわ子「そうね」 

和「度数のくだりいるの?」 

純「いるといえばいるような・・・」 

梓「いらないといえばいらないですよね」 

律「・・・」 

和「自分で言ったわね」 

憂「甘えていきましょう」 

梓「・・・?」 

さわ子「どう甘えるのよ?」 

憂「こうします」 

・・・・・・・・・ 

・・・ 

梓「むーぎ先輩!」 

紬「あら、どうしたの?」 

梓「このメロンフロート二人で食べませんか?」 

紬「いいわね、半分こしましょう」 

梓「ストロー二つで」 

紬「あらあら、まるで恋人同士ね~」 

・・・
607 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:40:22.81 ID:hhitb21Ro

・・・・・・・・・ 

律「痒っ!」 

さわ子「憂・・・ちゃん?」 

純「もしかして・・・」 

憂「ち、違うよ憧れてるだけだよ!」 

和「憧れているのね」 

律「あれ?」 

梓「むぎ先輩!」 

唯「おや?」 

紬「どうしたの?」 

梓「このメロンフロート」 

さわ子律憂和純「「「「「 ・・・ 」」」」」ジー 

梓「はっ!」 

澪「メロンフロートか・・・おいしそうだな」 

唯「あずにゃん一緒に食べようよ~。もちろんストローは」 

紬「二つね~」 

梓「澪先輩と食べて下さい。忙しいんです」 

唯澪「「 えぇー・・・ 」」 

さわ子律憂和純「「「「「 ・・・ 」」」」」ジー 

梓「コホン・・・。うなぎの話出てないよ!」 

さわ子律憂和純「「「「「 ・・・ 」」」」」ジー 

梓「ひぃ~ふぅ~」 

律「まぁ、いいだろ」 

さわ子「そうね」 

和「口笛吹けてないもんね」 

純憂「「 ・・・ 」」ジー 

梓「・・・」アセアセ
608 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:41:15.11 ID:hhitb21Ro

唯「むぎちゃん・・・このメニューにうなぎのひまつぶしなんてないよ?」 

紬「え?」 

律和さわ子「「「 えっ!? 」」」 

澪「あ、本当だ。正しくはうなぎのひつまぶし・・・だな」フフ 

唯「あはは、むぎちゃんおっちょこちょいだな~」 

紬「そ、そんな・・・」ガタ 

純「あ・・・」 

律「む、むぎ・・・?」 

紬「わ・・・わたし・・・っ」 

梓「むぎ先輩?」 

紬「っ・・・っ・・・」 

さわ子「むぎちゃん?」 

憂「紬さん・・・!」 

和「あら・・・」 

紬「っ・・・ハックション!」 

律「」ズルッ 

純「」ズルッ 

紬「私ったら恥ずかしいわ~。お手洗い行ってきま~す」 

タッタッタ 

唯「もうドリンク来てるよ~」 

澪「なにしてるんだ?」 

律「いや・・・なんでもない」 

さわ子「ニアピン賞で私の勝ちね」 

和「そのようですね・・・」 

梓「予想を・・・」 

憂「上回る結果になったね」 

純「うん・・・」 

店員「おまたせしました~」 
609 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:50:02.35 ID:hhitb21Ro

律「はー食った食った~」 

憂「おいしかったです」 

純「うん、おいしかった」 

紬「おいしかったわ、ひつま・・・あ、危ない危ない」アセアセ 

梓「その土地の料理食べると気分が違いますよね」 

澪「そうだな、旅をしていると実感するよ」 

さわ子「支払いは私に任せなさい!」 

唯「おぉー!」 

和「ごちそうさまです」 

律「いよっ、さわちゃん!」 

さわ子「ふふ、もっといいなさい」 

紬「さわちゃん大好き~」 

唯「担任!」 

梓「ボス!」 

和「えぇと」 

澪「女神!」 

純「えーと・・・魔女!」 

憂「んーと・・・学校の王女!」 

律「太っ腹!」 

「ふくよか!」 

さわ子「ちょっと待って!」 

「「「 ・・・ 」」」シーン 

さわ子「不敬な呼び名はまぁ、よしとしましょう」 

和「よしなんですね・・・」 

さわ子「容姿を悪くいう子がいたわよ!」 

「「「 ・・・ 」」」シーン
610 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:51:16.41 ID:hhitb21Ro

さわ子「名乗り出なさい」 

澪「どうせ律だろ」 

律「な!?」 

さわ子「犯人はジェットコースター5回連続の刑よ」 

澪「私がやりました!」ズバッ 

唯「なんてことを・・・」 

さわ子「澪ちゃんじゃないわね」 

澪「」ガーン 

さわ子「個室の割り当て、私と一緒になるわよ」 

紬「はい!私がやりました」ズバッ 

梓「なんと・・・」 

さわ子「むぎちゃんでもないわね」 

紬「」ガーン 

さわ子「唯ちゃんと別の個室になるわよ」 

梓「はいっ!」ズバッ 

さわ子「梓ちゃんでもないと」 

梓「」ガーン 

唯「どういう意味なの・・・」ガーン 

さわ子「ふむ、唯ちゃんでもない」 

和「私がやりました」ズバ 

憂「和さん!?」
611 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:51:53.01 ID:hhitb21Ro

さわ子「時間がもったいないと感じたのね、容疑から外れたわ」 

和「」ガーン 

純「私じゃないですよ!」 

さわ子「でしょうね」 

純「もっと絡んでくれても・・・」ガーン 

さわ子「純ちゃんも外れて残るは・・・」 

憂「・・・」 

律「・・・」 

さわ子「ふふ、やっぱりあなただったのね修治くん」 

憂「え・・・?」 

律「えっ!?」 

さわ子「ウソよ」 

憂「・・・?」 

律「・・・ぐ」 

さわ子「犯人はあなたよ!田井中律!!」ビシッ 

澪「なんだやっぱりか」 

紬「ジェットコースター5回乗って」 

唯「さわちゃんと一緒の部屋で」 

梓「唯先輩とは別の部屋・・・」 

和「それ言う必要ないわよ」 

純「さて、出ましょう」 

憂「二人置いていいのでしょうか」 

澪「いいのいいの」 

さわ子「だれがふくよかよぉー!」ギリギリ 

律「ごめんなひゃいごめんなひゃい」 

唯「見事なヘッドロックですね」 

紬「そうですね。ギリギリと音が出ていますね」 

梓「自業自得ですね」
612 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:58:35.35 ID:hhitb21Ro

唯「あづい・・・」 

憂「お姉ちゃんがんばって」 

梓「動植物園に行きたいっていったの唯先輩ですよ?」 

唯「だ、だって・・・太陽が本気で活動してるんだもん・・・」 

紬「あ、あっちにアイス販売してるわ~」 

和「いいタイミングね」 

梓「あ、あれ?」 

和「憂と唯はあっちよ」 

梓「早いな・・・しょうがないですね、ちょっと行って来ます」 

紬「は~い」 

タッタッタ 

さとみ「あら、むぎさんと和さんも来てたんだ」 

和「あと唯と憂・・・梓もね」 

さとみ「ふふ、みんな仲がいいのね」 

紬「うふふ」 

ジリジリ 

さとみ「お昼すぎて今が一番暑い時間帯なのよね」 

和「動物たちもバテるわよね」 

紬「シロクマとペンギンはどう?」 

さとみ「氷をあげてるみたいだけど・・・」 

紬「溶けちゃうわよね」 

和「焼け石に水ね」 

さとみ「ふふ、的を射た表現ね。そうだ!コアラ見た!?」 

紬「どこですか!?」 

さとみ「あっちよ!」 

和「待ってむぎ。多分唯も行きたいハズだから」 

紬「そ、そうね」ウズウズ 

さとみ「コアラは逃げないから大丈夫よ」 

紬「ど、どうだった?」 

さとみ「コアラ?ずっと木にしがみ付いてて動かなかったけど、とっても可愛かったわ」 

紬「うずうず」ウズウズ
613 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 21:59:36.12 ID:hhitb21Ro

和「声に出てるわよ。後で唯と一緒に行くから、先に行ってていいわ」 

タッタッタ 

さとみ「ま、まって」 

タッタッタ 

和「しょうがないわね・・・」 

ジリジリ 

和「確かにこの日差しは・・・」 

ジリジリ 

和(遅いわね・・・) 

タッタッタ 

憂「・・・あれ、紬さんは?」 

和「コアラ見に走って行ったわ」 

憂「是非見に行きましょう。はい和ちゃんアイス」 

和「うん、ありがと」 

憂「いえいえ」 

和「・・・」 

憂「・・・」 

ジリジリ 

和「・・・」 

憂「・・・」 

和「・・・唯と梓は?」 

憂「あっちの日陰で休んでるよ」 

和「早く言ってね?」 

憂「えへへ」 

和「行くわよ」 

憂「はーい」 
614 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:00:39.44 ID:hhitb21Ro

唯「いい風が吹きますな~」ノンビリ 

梓「そうですね~」マッタリ 

和「動物はもういいの?」 

唯「私たちも動物なんだよ、和ちゃん」 

梓「哲学的ですね~」 

憂「梓ちゃんまで」ニコニコ 

和「・・・はぁ」 

憂「少しのんびりしましょう、和さん」 

和「・・・そうね」 

サヤサヤ 

和「いい風が流れるわね」 

梓「はい~」 

憂「いいですね、ここ」 

サヤサヤ 

唯「優しい風が吹き抜けると笑顔になるよね~」 

和「いい事言うわね」 

梓「~♪」 

憂「ふふ」 

唯「・・・」 

和「・・・」ノンビリ 

梓「・・・ふぁ」 

憂「・・・」マッタリ 

サヤサヤ 

唯「ところでむぎちゃんは~?」 

和「さとみと一緒にコアラを見に行ったわ」 

梓「さとみさんも来てたんですね~」 

憂「コアラ可愛いですよね」 

和「・・・」 

サヤサヤ 

唯「コアラ・・・?」 

和「さて・・・と。憂」 

憂「うん」 

梓「~♪」マッタリ 

唯「コアラ!!行くよみんな!」 

和「そうね。行きましょ」 

憂「あっちですよね」 

梓「いきなりですか!二人とも対応できてる!?」
615 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:18:17.87 ID:hhitb21Ro

紬「あれ、欲しい!」 

さとみ「いけません」 

紬「う~ん」 

さとみ「悩んでも飼えないものは飼えないの」 

紬「・・・」ションボリ 

さとみ「・・・ふぅ、しょうがないわね」 

梓「飼うんですか!?」 

紬「うふふ」 

さとみ「冗談よ」 

和「・・・」 

唯「あれ欲しい!」 

憂「しょうがないな~」 

さとみ「我がまま通じた!」 

和「ダメよ」 

紬「ピシャリ」 

唯「や~だ~欲~し~い~」グズグズ 

梓「駄々こねはじめた・・・」 
  
憂「あ、コアラ起きたよお姉ちゃん!」 

唯「おぉ!」 

さとみ「ユーカリの葉食べてる!可愛い~!」 

紬「まぁ~」 

和「可愛いわね」 

唯「さとみちゃんはコアラ好きなの?」 

さとみ「うん!すっごく可愛いもの!あ、でも一番好きなのはキリンかな?」 

憂「キリンですか?」 

さとみ「そう。小さい頃『キリンさんになりたーい』って駄々をこねたらしいわ」 

紬「可愛いわね~」 

さとみ「ふふっ、小さかったから遠くまで見渡せるキリンが珍しかったのよ」 

梓「キリンに憧れる気持ち分かります!」 

さとみ「そう?」 

梓「私もちっぽけですから、空に近いキリンが羨ましいですっ」キラキラ 

さとみ「そんな事ないわよ、ギター弾いてる梓ちゃんは大きくみえたわ」 

梓「そ、そうでしょうか・・・」 

さとみ「えぇ」ニコニコ 

梓「えへへ」テレ
616 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:19:49.69 ID:hhitb21Ro

和「・・・へぇ」 

紬「うふふ」 

唯「ふむふむ」 

憂「・・・」 

梓「唯先輩は何になりたかったんですか?」 

唯「私はね~、ザリガニ?」 

和「ザリガニになりたくて集めたの?」 

唯「うーん・・・」 

さとみ「集めた?」 

和「唯と私が保育園にいるときの話なんだけど、唯がザリガニを私の家の浴槽に集めた事があったのよ」 

さとみ「へぇ・・・」 

和「2.30匹ぐらいね」 

さとみ「うっ」 

憂「お姉ちゃん夢中になったら一直線だから」 

梓「ちょっとズレたまま一直線に走った結果ですので気にしないでください」 

さとみ「そ、そうね・・・」 

梓「むぎ先輩はなにになりたかったですか?」 

唯「えー、私ザリガニになりたいで話終わったよ~」 

和「しょうがないわよ」 

紬「そうねぇ、カバさんかしら」 

憂「カバ・・・?」 

紬「えぇ、大きくて強くて優しくて」 

さとみ「ふふっ」 

梓「なるほど」 

紬「あと・・・キツ」 

唯「あー!」 

和「どうしたのよ」 

唯「そのカバさんの餌やり体験時間今だよ!」 

憂「あ、本当だパンフレットに書かれてるね」 

タッタッタ 

さとみ「まってむぎさん!」 

タッタッタ 

梓「待ってくださーい!」 

唯「行くようい!」 

憂「うん!」 

和「忙しいわね」
617 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:20:33.27 ID:hhitb21Ro

紬「えーいっ!」ブン 

シューーーーーゥ 

「ンガァ」 

「入りましたぁー!」 

さとみ「おぉー!」 

和「飼育員の人もノリがいいわね」 

飼育員「それではお姉さんに拍手~!」 

パチパチパチパチ 

紬「うふふ」 

梓「すごい企画ですね・・・カバの口にキャベツ丸々一個放り込むなんて・・・」 

唯「いいなぁ~」 

憂「お姉ちゃんは難しいと思うよ」 

さとみ「そうねぇ、相当な腕力が無いと・・・むぎさん凄いわよ!」 

紬「ちょっと自信が無かったんだけど、カバさんが誘導してくれたわ~」 

和「そんなに動いてなかったように見えたけどね」 

唯「それじゃ、この後どうしよっか~」 

紬「長島スパーランドへ向かうにはまだ余裕があるわね~」 

さとみ「スパーランドへ行くの?」 

紬「えぇ、先にさわ子先生たちが行ってるんだけど」 

憂「たくさん乗るみたいですから、私たちはゆっくり行こうと思いまして」 

さとみ「ふふ、そうなんだ」 

和「さとみもどう?」 

唯「一緒に行こうよ~!」 

さとみ「そうね、喜んでお供させていただくわ」 

紬「やった!」 

唯「ひゃっほう!」 

憂「ふふ、お姉ちゃんったら」 

紬「あら、あずさちゃんは?」 

唯「あずにゃん?」 

和「案内板みてるわ」 

さとみ「どうしたのかしら?」 

憂「梓ちゃーん」 

梓「・・・ん?」 

紬「みたい動物でもいるの?」 

梓「いえ・・・、植物園エリアにも行ってみたいと思いまして」
618 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:21:28.84 ID:hhitb21Ro

さとみ「いいわね!」 

和「行きましょうか」 

唯「フラワーキャット!」 

憂「えぇと」 

梓「では行きましょう」 

紬「唯ちゃん、キャッツの方がいいと思うわ」 

唯「そうだね!」 

紬唯「「 フラワーキャッツ! 」」 

憂「え、えぇと・・・」 
619 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:22:34.70 ID:hhitb21Ro

唯「もぉー、和ちゃんまで~」ブー 

紬「しょうがないわ、ゆっくりいきましょう」 

憂「おいつくよ」 

唯「3人ともヒドイんだから」ブー 

紬「まぁ、キレイな花」ウットリ 

唯「ラベンダーだね」 

憂「ミソハギだよ・・・お姉ちゃん・・・」 

唯「本当だ!」 

緑「・・・」 

紬「じゃ、これは?」 

唯「ウイボウだよ」 

憂「ハマボウだよ。幼い男の子扱いされた気分になったよ」 

緑「・・・」 

唯「あ、あれは?」 

紬「ヒントはあずさちゃんね」 

唯「ネコ・・・?」 

憂「イ、イヌエンジュ・・・」 

緑「・・・」 

スタスタ 

唯「話しかけて!?」 

緑「・・・?」 

紬「北上さんも来てたのね~」 

緑「・・・なにか用?」 

憂「・・・」 

唯「だってぇ、無視して通り過ぎて行かれるのは寂しいもん」 

緑「・・・別に、どうでもいいわ」 

憂「」ピキーン 

紬「ここで会うって事は北上さんも動物が好きなんですか?」 

緑「・・・紬さんは?」 

紬「動物って無邪気で可愛いわ~」 

唯「可愛いよ~」 

緑「・・・・・・そうね。動物って正直だから」 

唯「そっか、緑ちゃんも動物が好きなんだね~、それでここに来たの~?」 

緑「・・・まさか、なんとなく来ただけ。観光地なんて適当に歩いているだけよ」 

紬「なるほど~、それも旅の楽しみのひとつよね」
620 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:23:11.93 ID:hhitb21Ro

緑「楽しくて・・・旅行しているわけじゃないわ」 

唯「え、どういう事?」 

緑「・・・」 

紬「・・・?」 

憂「・・・はっ」 

緑「・・・きれいな花ね」 

唯「そうだね~」 

緑「・・・これ、珍しい花ね」 

憂「そうですね。北上さんはお花に詳しいんですね」 

緑「・・・別に」 

憂「」ピキーン 

紬「この花たちは愛情をもらって育っているのね~」 

唯「そうか!だからこんなに美し・・・beautifulなんだね!」 

緑「放っておいても育つ花はあるわ」 

紬「そうね~、生命力の強い花もあるわよね~」 

唯「和ちゃんたちに放っておかれた私たちみたいにね!」 

憂「・・・はっ」 

緑「・・・・・・でも、放っておいたら育たない花も多いわ、強い花ばかりじゃないもの」 

唯「少し環境が違っただけで枯れてしまう花もあるからね」 

緑「放っておかれて、誰も見てくれないのに・・・それでも育って」 

紬「・・・」 

緑「そんな花って美しい花を咲かせられると思う?」 

憂「不可能ではないと思います・・・」 

緑「でも、土が悪ければすぐにしおれて枯れてしまうかもしれないわ」 

唯「・・・」 

緑「だけど、誰もそんなこと気にしない・・・」 

紬「・・・」 

唯「?」 

緑「・・・・・・何でもないわ、ひとりごとだと思って・・・」 

紬「私も聞いていいかしら?」 

緑「何?」 

紬「人を拒む絶壁に咲いた花ってどう思います?」 

憂「・・・!」 

緑「・・・・・・よく分からないわね」 

紬「どんなに人の目を引いても誰も近づくことができないってことです」
621 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:23:49.75 ID:hhitb21Ro

唯「花の方から近付いてくれたらいいのになぁ~」 

憂「お姉ちゃん・・・」 

緑「・・・・・・花は、動けないわ」 

紬「地道に絶壁を登るしかないのね。時々、花を見上げながら」 

唯「人は動けるからね~」 

憂「・・・!」 

緑「おかしなこと言うのね」 

紬唯「「 ひとりごとだと思って欲しいな~ 」」 

緑「真似しないでほしいわね」 

紬「ごめんなさい」 

唯「ごめんなさい」 

緑「・・・・・・そろそろ列車に戻るわ」 

紬「これからも・・・一緒に観光できたらいいですね」 

唯「イヤ・・・かな?」 

緑「・・・・・・気分次第ね」 

スタスタ 

紬「思ったより話ができたわね~」 

唯「そだね~」 

憂「紬さん・・・」 

紬「なにかしら?」 

憂「絶壁の花を北上さんに例えたのですか・・・?」 

唯「そうだったの!?」 

紬「うふふ」 

和「見てたわよ」 

梓「声かけられなかったです」 

さとみ「憂ちゃん根性あるわよね・・・」 

憂「?」 

622 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:24:52.72 ID:hhitb21Ro

澪「スピード感が最高だ・・・」フルフル 

さわ子「私はもういいわ」グッタリ 

律「た、助かった・・・」グッタリ 

純「3回連続でもキツイですよね・・・」グッタリ 

澪「ダメだぞ、律はあと2回だ!」キラキラ 

律「連続はキツイって・・・他のも乗ったんだぞ・・・」グッタリ 

澪「しょうがないな、フリーフォールで気分転換といこう」キラキラ 

律「・・・・・・それだったらいいかな」 

さわ子「いってらっしゃい」 

純「わ、私は・・・」 

さわ子「行ってきていいわよ、ここで待ってるから」 

澪「さぁ行こう!」キラキラ 

純「は、はい!」 

タッタッタ 

さわ子「・・・」 

律「私ここにいるんだけど・・・」 

さわ子「どうでもいいのかしら」 

律「休むかな・・・」 

タッタッタ 

澪「こら!」 

律「・・・行ってきます」 

さわ子「はーい」 

タッタッタ 

「次なに乗る~」 

「弘子が決めていいよ」 

さわ子「私も連続で乗る必要なかったのよねぇ・・・」 

弘子「そうだな~。ゆうくんは?」 

ゆう「弘子と一緒ならなんでもいいよ」 

さわ子「・・・」イライラ 

弘子「やだ~」 

ゆう「フフ、じゃあお化け屋敷にしよう」 

さわ子「いらいら」
623 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:26:31.43 ID:hhitb21Ro

「お隣よろしいですか・・・?」 

さわ子「・・・どうぞ」 

「・・・」 

さわ子「・・・」 

「・・・」 

さわ子「みらいちゃん・・・考えはまとまった?」 

みらい「・・・はい」 

さわ子「そう・・・」 

みらい「・・・」 

さわ子「・・・・・・どうするの?」 

みらい「・・・」 

さわ子「・・・」 

みらい「大阪までいってみたいと思います」 

さわ子「・・・・・・理由を聞いていいかしら?」 

みらい「・・・・・・・・・唯さんと」 

さわ子「・・・」 

みらい「・・・・・・みなさんと・・・一緒にいたいから・・・・・・です」 

さわ子「どうして一緒にいたいの?」 

みらい「それは・・・分かりません。でもそうしたい理由があるはずなんです」 

さわ子「・・・」 

みらい「・・・もう少しで見つけられそうなんです」 

さわ子「一緒にいたい理由が?」 

みらい「・・・はい」 

さわ子「・・・」 

みらい「甘いでしょうか・・・」 

さわ子「・・・どうでしょうね」 

みらい「・・・」 

さわ子「・・・」 

みらい「・・・」 

さわ子「あなたの人生よ。転ぶのも走るのもあなたの自由よ」 

みらい「・・・自由って結構厳しいですね」 

さわ子「当たり前じゃない。柵の中にいる羊が、柵を越えたらどうなるのか誰でも予想つくわ。全て自分に返ってくるんだから」 

みらい「はい」 

さわ子「その分言葉通りの自由が手に入るのよ」
624 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:27:14.87 ID:hhitb21Ro

みらい「はい、私頑張ります!」 

さわ子「頑張りなさい」 

みらい「ふふっ」 

さわ子「・・・? どうしたのよ」 

みらい「い、いえなんでもありません」 

さわ子「隠し事は許さないわよぉ~」 

みらい「な、なんでもないですよっ!」 

さわ子「ほれほれ、白状しなさい」ワキワキ 

みらい「え、えぇと・・・あ」 

さわ子「ごまかされないわよぉー!」ワキワキ 

和「やめなさい」 

スパーン 

さとみ「教師を叩いた!」 

唯「しかも和ちゃんが!」 

さわ子「え!?」 

梓「途中までいい話だったのに・・・」 

憂「・・・そうだね」 

和「そんな山中先生みたくありません」 

さわ子「・・・はい、ごめんなさい」 

紬「ボス・・・」 

さわ子「むぎちゃんそれ気に入ってるの?」 

紬「うふふ」 

唯「みらいちゃん・・・」 

みらい「唯さん・・・大阪までよろしくお願します」 

唯「~っ!」パァァ 

憂「よかったね、お姉ちゃん」 

唯「うん!」 

和「嬉しそうね」 

唯「あずにゃん!」ダキッ 

梓「な、なんでこっちに来るんですか!」 

唯「嬉しいから!」 

梓「い、意味が分かりません!」ジタバタ 

唯「あ~ず~にゃ~ん」スリスリ 

みらい「ふふ」 

紬「うふふ、あら?」
625 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:28:26.96 ID:hhitb21Ro

澪「やぁ!みんな!」キラキラ 

さとみ「わ・・・クールな澪さんが・・・」 

律「お、さとみも来たのかー」 

純「・・・」グッタリ 

憂「純ちゃん大丈夫?」 

純「澪先輩すごいよ・・・」 

和「そのようね・・・」 

澪「さぁ、次はどれにしようか!」キラキラ 

律「私は回復したからジェットコースターでもいいぜ~」 

澪「いいや、スペースショットだな!」キラキラ 

さわ子「あらら」 

紬「まぁまぁ」 

エレナ「オー!ミオさんがまたハイテンションですワー!」ジー 

小麦「本当だー!」 

澪「エレナさんと小麦!」パァァ 

律「輝きが増した!」 

修治「おぉ、これはすごいテンションだ」 

和「3人とも一緒だったのね」 

修治「地下街で捕まってね」 

紬「あらあら」 

さとみ「地下街って迷路みたいよね~」 

梓「夜に行ったら、シャッターで閉じ込められるくらいまで迷いそうです」 

さとみ「ふふっ、そこまで迷わないわよ~」 

澪「みんな!スペースショットへ行くよ!」キラキラ 

エレナ「オーケーですワ!」 

小麦「ゴー!」 

唯「あ~ず~にゃ~ん」スリスリ 

梓「むぎ先輩も行くんですか?」 

紬「行きます!」フンス! 

純「私も行く!」 

憂「だ、大丈夫なの?」 

純「負けてられない! 憧れの先輩放つ光に近づきたい!」 

澪「アハハ」パァァ 

和「確かに光放ってるわね」
626 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:29:57.10 ID:hhitb21Ro

さとみ「よ、よし!」グッ 

修治「さとみちゃんも行くの?」 

さとみ「い、行くわ!」 

紬「行きましょ~」 

律「よっしゃー!」 

みらい「さわ子先生・・・一緒にいたい理由分かりました」 

さわ子「・・・」 

みらい「私の夢に近づけそうなんです」 

さわ子「夢・・・?」 

唯みらい「「 私を応援してくれる全ての人を楽しませることができる。そんな人になること 」」 

和「それって・・・」 

憂「お姉ちゃんがみらいちゃんのファンになったきっかけの言葉だよね」 

唯「そうだよ~」エヘヘ 

さわ子「そう・・・。でも険しいわよ~」 

みらい「・・・」 

紬「おいで~」 

澪「・・・」ウズウズ 

タッタッタ 

律「待ちきれなくなって走った!」 

さとみ「はやい!」 

さわ子「行ってきなさい」 

みらい「は、はい!」 

唯「みんなまって~!」 

梓「ま、待ってください!」 

タッタッタ
627 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:30:39.86 ID:hhitb21Ro

さわ子「あら、和ちゃんは行かないの?」 

和「はい。憂が走っていったのは予想外ですけど」 

さわ子「あら、私も行けばよかったかしら」 

和「次は私も乗ってみようかな」 

さわ子「まだ時間はあるわ・・・」 

和「そう・・・ですね」 

さわ子「あの子たちのお守りから開放されるのね~」 

和「寂しいってニュアンスが含まれてますね」 

さわ子「だって寂しいもの」 

和「ふふっ」 

修治「俺も残ってるんですよ?」 

さわ子和「「 あら 」」 

修治「いたの? ですね。大丈夫ですよ。打たれ強くなりましたから」 

和さわ子「「 いたの? 」」 

修治「」グサッ 

さわ子和「「 冗談よ 」」 

修治「お見事・・・!」グッタリ 
628 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:31:17.10 ID:hhitb21Ro

澪「これはな、グルグルと回ってピタッて止まるんだぞ」 

律「分かんねーよ」 

憂「頂上で座席が下を向いて止まるんですよね」 

澪「さすが憂ちゃんだ」キラキラ 

律「私が理解できなかったみたいじゃないかー」 

梓「アトラクション強いね憂。スペースショットも大丈夫だったでしょ」 

憂「うん。自分でも分からなかったよ」 

さとみ「・・・」 

紬「さとみさん大丈夫?」 

さとみ「まだ慣れないわね。心臓がドキドキしてるわ」 

憂「私もドキドキしてますよ~」 

唯「うい~、大丈夫だよ。あずにゃんがついてるから」 

梓「そこは姉として自分を持ち上げてくださいよ」 

さとみ「梓ちゃんよろしく」 

憂「よろしくね」 

梓「えぇと・・・」 

「次の方どうぞ~」 

澪「さぁ、行こうか」キラキラ 

律「よーし」
629 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:32:07.60 ID:hhitb21Ro

紬「行くわよ~」 

さとみ「うぅ・・・でもこのドキドキが楽しい」 

憂「そうですよね、いい緊張感です」 

梓「・・・なるほど」 

「はい、ここまでです」 

唯「そんな!!」 

憂「お、お姉ちゃん・・・」 

唯「う~い~」ウルウル 

憂「お姉ちゃん!」ウルウル 

「えっと・・・」 

梓「引き裂かれた姉妹みたいな演出しなくていいから」 

憂「ふふ、一度やってみたかったの」 

さとみ「・・・ハァ、私だけ緊張してるみたいで情けないなぁ」 

紬「そんなことないわ・・・私の手首で脈を測ってみて」 

さとみ「・・・」 

ドックンドックン 

さとみ「正常じゃないの!」 

紬「そう?」 

律「はは、私らは正常だな」 

澪「・・・」キラキラ 

律「いや、違うか」 

唯「み~ん~な~!」 
630 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:33:51.51 ID:hhitb21Ro

修治「平沢さんだけ一緒に乗れないみたいだな」 

エレナ「ザンネンですネ~」 

さわ子「今日花火開催日なのよね」 

純「そうなんですか?」 

和「えぇ」 

みらい「晴れてよかったですね」 

さわ子「あの子たち知らないのよね?」 

小麦「そうみたいだね~」 

和「なにか企んでますか?」 

さわ子「観覧車でドカーンよ」 

修治「観覧車をドカーン!?」 

ゴスッ 

修治「いって!」 

さわ子「犯行予告じゃないのよ」 

エレナ「観覧車で花火をケンブツするのデスネ!?」 

和「なるほど、それはいいですね」 

純「絶景ですよ!」 

みらい「でもあと2時間もありますけど、隠し通せますか?」 

さわ子「ふふふ、大丈夫よ」キラン 

小麦「おぉ!その作戦とは!?」 

さわ子「これから花火という単語は使っちゃダメよ」 

修治「使うと・・・どうなりますか?」 

さわ子「一人で観覧車に乗せるわ・・・」ギャアアアア 

和「」ゾクッ 

エレナ「oh...」 

修治「すげぇ・・・周りは家族やカップルだらけなのに・・・」 

純「居心地悪っ!」 

小麦「夜空を彩るいくつもの大輪・・・それを閉鎖された空間で一人で眺める・・・」 

みらい「」ブルブル 

さわ子「我ながら恐ろしい事を考えたものだわ・・・」 

和「この空気だと修治が危ないわね」 

修治「え!?そんな空気になってるの!?」
631 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:35:24.73 ID:hhitb21Ro

純「あー・・・」ウンウン 

エレナ「・・・」フッ 

小麦「・・・私じゃ修治くんを救えないよ」 

みらい「・・・残念です」 

さわ子「頑張ってね」 

ポンポン 

修治「え・・・あ、はい・・・やいや!納得させないでくださいよ!」 

さわ子「面白そうだったのに」 

修治「あぶねー」ヒヤヒヤ 

純「あはは」 

エレナ「アッハッハ」 

和「でもあっち側からその単語が出たら・・・?」 

さわ子「そうね・・・その子にも乗ってもらいましょうか」イッヒッヒ 

修治「恐ろしい・・・」 

みらい「唯さんたちはこの罰すら知らないのに・・・」 

和「あ、澪が走ってこっちにくる」 

さわ子「それじゃ、澪ちゃんが私たちに話しかけた瞬間からスタートよ」 

エレナ小麦「「 sir BOSS 」」ビシッ 

さわ子「サーじゃないって言ってるでしょ?」 

澪「みんなっ!おまたせ!」キラキラ 

和「うーん」 

澪「どうした和?」キラキラ 

純「慣れませんよね」 

さわ子「そうねぇ」 

エレナ「ハイテンションミオさんは私好きデスヨー?」 

澪「あはは、ありがとう」キラキラ 

純「爽やか!」 

澪「それより次はホワイトサイクロンに乗ろうよ!」キラキラ 

修治「ここの看板アトラクションだからね」 

澪「そうそう。小麦パンフレット見せて?」キラキラ 

みらい「!」 

さわ子「出来るだけ隠しなさいよ」ヒソヒソ 

小麦「は、はい・・・」ヒソヒソ 

和「・・・」 

小麦「ど、どうぞ」
632 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:36:18.71 ID:hhitb21Ro

澪「あ、こっちか!・・・あれ?」 

純「」ギクッ 

澪「8時から花」 

タッタッタ 

紬「澪ちゃーん、ちょっと待ってー!」 

澪「ん?」 

さわ子「隠れてない所あったわよ」ヒソヒソ 

小麦「あわわ」ヒヤヒヤ 

修治「他人事なのに・・・この緊張感」 

みらい「見てるほうはハラハラしますね」 

紬「唯ちゃんがいま乗ってるからもうちょっと待って」 

澪「あはは、置いていったりしないさ」キラキラ 

エレナ「心臓に悪いですワ」 

澪「えぇと、なんだっけ?」キラキラ 

修治「ホワイトハリケーンに乗るんだよね」 

澪「ホワイトサイクロンだよ鳥羽さん。そう、ホワイトサイクロンに乗るんだ」キラキラ 

和「うまいわね」 

純「誘導したわけですね」 

小麦「・・・」ガサガサ 

紬「・・・?」 

唯「うわ~ん」シクシク 

憂「お姉ちゃん元気出して」 

律「しょうがねぇな~」 

さわ子「そんなに怖かったの?」 

さとみ「いえ・・・」 

唯「ひとりで乗るの寂しかったよ~」シクシク 

修治「スリルより寂しさが勝ったのか」 

紬「次はみんなでのるから安心して唯ちゃん」 

純「そうですよ」 

唯「つぎ・・・?」 

みらい「ホワイトサイクロンですよね・・・澪さ・・・ん?」 

澪「・・・ぞ~!」 

律「もうあんな所にいる・・・」 

梓「有名なアトラクションですよね」 

エレナ「そうですワ」 

さわ子「行きましょうか」 

小麦「行こう行こう~!」
633 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:37:35.07 ID:hhitb21Ro

「ねぇねぇ、お母さん・・・」クイクイ 

母「なぁに?」 

「8時までに観覧車に乗れるかなぁ?」 

母「この分だと大丈夫よ」ウフフ 

「よかったぁ」 

唯「8時からなにかあるのかなぁ?」 

憂「そうみたいだね」 

さわ子「」ギクッ 

純「ここにきて・・・」 

澪「サイクロンと呼ばれるだけあったな!」キラキラ 

律「メリーゴーランドにすればよかったかな」 

澪「あはは、それじゃ次乗ろうか!」キラキラ 

小麦「後楽園でも乗ったもんねー!」 

エレナ「いいデスネー!」 

紬「あずさちゃんも乗る?」 

梓「みなさんが乗るなら乗ります!」フンシュ! 

さとみ「みんなで乗れば恥かしくないわね」 

みらい「そ、そうですね」 

和「・・・」 

唯「ねぇねぇ、和ちゃん。8時からなにがあるのかなぁ?」 

和「花」 

紬「ハックション!」 

憂「紬さん、寒いですか?」 

紬「鼻がむずむずしただけ・・・クシュンっ」 

唯「そうだ、花と言えば動植物園であずにゃんに似た花があったんだよ~」 

梓「似てたとは・・・?」 

唯「花の名前がネコエンジュっていってね」 

憂「イヌエンジュだよ」 

梓「・・・」 

和「あ、危なかった・・・」サァー 

さわ子「助けられたわね」 

さとみ「?」 

純「早く乗りたい!」ソワソワ 

みらい「そ、そうですね!」ソワソワ
634 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:38:39.83 ID:hhitb21Ro

「さぁーどうぞー!」 

エレナ「さぁ、早く乗るネ!」 

律「な、なんで焦ってるんだよ?」 

澪「楽しもうじゃないか!」キラキラ 

小麦「さぁー乗った乗った!」 

純「よしっ!」 

「扉閉めますので気をつけてくださいね」 

バタン 

「次どうぞー!」 

唯「乗るよみらいちゃん、うい、にゃん!」 

憂「うん!」 

みらい「はい!」 

梓「鳴き声・・・」 

「指を挟まないように気をつけてくださいね」 

バタン 

「さぁ、どうぞー」 

和「ようやく乗れるのね」 

さわ子「長かったわ・・・」 

紬「?」 

さとみ「?」 

「ごゆっくりどうぞ~」 

バタン 

・・・ 

エレナ「フゥ~」 

小麦「よかった~」 

律「ん?」 

純「もういいんじゃないですかね?」 

澪「なに?」キラキラ 

エレナ「まだダメですヨ」 

純「そ、そうですね」 

小麦「あと4分くらいだね」
635 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:39:38.38 ID:hhitb21Ro

・・・ 

みらい「あと2分」 

梓「ん?」 

唯「みてみて!どんどん上がっていくよー!」 

憂「アトラクションのイルミネーションがキレイだね」 

梓「わぁ~」パァァ 

みらい「ふふ、・・・よかった」 

・・・ 

さわ子「あと10秒!!」 

和「テンション上がってきたわ」 

さとみ「その落ち着きで!?」 

紬「クールでホットなテンションはいつもハイよ」 

和「そういう事」 

さとみ「・・・分からない」 

さわ子「8時!」 

シュルルルルルルル 

律「お!?」 

澪「きたきた!」キラキラ 

シュルルルルルルル 

唯「おぉ!!」 

憂「わぁ」 

梓「!」 

シュルルルルルルル 

紬「たーまやー!」 

さとみ「まだ咲いてないわ!」 

ドドォーン 

ドーン 

ドドドドォーン 

澪「・・・」ウットリ 

律「これかぁ、隠してたのは」 

純「そうです」 

エレナ「アナウンスの時はみんな慌てましたネ~」 

小麦「そうだね~」 

律「さわちゃんが体を張って私たちの注目を集めてたもんな」
636 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:40:32.54 ID:hhitb21Ro

・・・ 

みらい「さわ子先生には色々な事を教えてもらいました」 

唯「アレにはびっくりしたよ~」 

梓「・・・はい」 

憂「忘れられないよね」 

・・・ 

さわ子「この時のためよ!」 

紬「おぉー、かっこいいさわちゃん!」 

さとみ「な、なるほどぉ」 

和「それにしても・・・」 

・・・ 

小麦「あれ、カメラは?」 

エレナ「預けましたネ」 

純「結局予想通りの結末でしたねー」 

小麦「あっはっは」 

エレナ「アッハッハ~」 

澪「どうしたの?」 

律「あぁ、アイツ遠慮してたもんな」 

・・・ 

みらい「・・・残念です」 

梓「しょうがないよ」 

憂「ちょっとかわいそうな気も」 

唯「おぉー!今のキレイ!!」 

・・・ 

さわ子「彼見所あるわよ」 

和「えぇ・・・」 

紬「?」 

さとみ「・・・?」
637 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:41:06.08 ID:hhitb21Ro

律梓さわ子「「「 一人で居心地悪そうだなぁ(ねぇ) 」」」 


ドーン 

ドドォーン 

「「 おぉー! 」」 

弘子「キレイ・・・」 

「たーまやー」 

修治「・・・これは」 

ドォーン 

ドドーン 

「「 わぁー! 」」 

ゆう「キミの方がキレイだよ」 

「ふふ、た~まや~」 

修治「・・・・・・キツイ」グッタリ 
638 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:42:24.50 ID:hhitb21Ro

―――――展望車 

律「よぉーし、みんな飲み物もったなー?」 

唯「持ったよ~」 

梓「持ちました」 

澪「・・・うん」 

紬「持ったよ~」 

みらい「は、はい」 

さとみ「わ、わたしもいいのかな」 

さわ子「遠慮しないの」 

純「持ちましたー!」 

憂「はーい」 

和「えぇ」 

律「そっちはー?」 

エレナ「持ってますヨ!」 

小麦「うん」モグモグ 

ちひろ「小麦さんまだ食べてはいけませんよ~」 

秋子「はーい!」 

修治「・・・おぅ」グッタリ 

律「それじゃー、カンパーイ!!」 

一同「「「 カンパーイ! 」」」 

唯「みんなで大宴会だね!」 

律「そうだな!」 

紬「この手羽先おいし~」 

澪「本当だ!」 

梓「わ、私も!」 

純「こ、これは!」 

憂「エビフライおいしいね純ちゃん」 

さわ子「名古屋コーチンの串刺しもおいしいわ」モグモグ 

和「名古屋名物揃ってますね・・・」 

車掌「ふふ、喜んでいただけて嬉しいです」 

紬「あ、車掌さん。展望車貸切にしてくれてありがとうございます」 

律「料理までいいのか・・・いいのですか?」 

コック「あぁ、ライブ成功したからな。他の乗客も楽しめたみたいだ」 

さわ子「でも、それだけじゃない」
639 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:43:14.56 ID:hhitb21Ro

車掌「それが大きかったみたいです。上に報告した所、手厚くお礼をして差し上げろと・・・」 

律「上の連中分かってんじゃん!」 

澪「こら!」 

コック「そういうこった。昼の件もあるしな」 

律「あれは小麦と修治が・・・」 

コック「小麦たちが・・・だ」 

さわ子「ふーん・・・」 

けさみ「女の子にこんなの持たせないでくださいよぉ~」 

その子「そうですよ」 

律「あ、ウェイトレスさんその2」 

澪「こら!人を記号で呼ぶな!」バシッ 

その子「ひどいですね」 

澪「す、すいません」 

律「ご、ごめんなさい」 

その子「私も混ぜてもらっていいですか?」 

律「え、あ・・・どうぞ!」 

澪「う、うん!」 

その子「ふふ、ありがとう」 

けさみ「ずるい~!」 

コック「羽田はライブに参加したからな」 

けさみ「・・・」ムー 

コック「重くないのか?」 

けさみ「あ、みなさん失礼しますね」 

ドン 

唯「おぉ!お頭つきだよ!」 

和「鯛ね・・・」 

コック「じゃあな」 

スタスタ 

律「ありがとー!」 

純「ここまでしてもらっていいのかな・・・」 

さとみ「わたしなんてライブで騒いだだけよ」 

秋子「わ、わたしもですよ~」 

車掌「ライブを盛り上げてくれましたよ」 

紬「みんなの声援があったおかげで頑張れたの!」
640 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:43:53.25 ID:hhitb21Ro

律「そうだな」 

澪「うん」 

梓「そうです」 

唯「もぐもぐ」ウンウン 

和「・・・そう」 

純「じゃ、遠慮なく!」 

ヒョイ 

梓「あ、わたしの天むす!」 

純「へへ~」モグモグ 

紬「はい、あずさちゃんひまつ・・・つ・・・まぶしよ」 

梓「ありがとうございます」 

律「そんなに言いにくいか?」 

澪「慣れたらそうでもないけど・・・な」 

修治「・・・」グッタリ 

律「・・・しょうがないな」 

澪「ん?」 

律「なにくたびれてんだよ!」
641 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:44:37.33 ID:hhitb21Ro

修治「あぁ・・・さっきの花火大会でな・・・フッ」 

律「これ食べて元気出せ」 

修治「ん、生姜飴?」 

律「私が風邪ひたとき車掌さんがくれたんだよ。元気出るぜー」 

修治「いや、身体的じゃなくて・・・だな」 

律「いいからくえ」 

修治「あぁ、・・・苦」 

律「それ食べてろ」ウシシ 

修治「料理に手が出せない!」 

その子「これおいしいですよ」 

ちひろ「これもどうぞ~」 

修治「あ、ありがとう・・・」コロコロ 

梓「ひどい事しますね」 

律「いいって、元気出てるだろ?」 

さとみ「ふふ、そうね」 

澪「あの状況じゃダメージも受けるよな・・・」 

純「」ゾクッ 

憂「」ゾクッ 

律「おぉ、自分と入れ替えたら凄く怖くなった・・・」 

澪「」ブルブル 

さわ子「むぎちゃん、これもおいしいわよ」 

紬「ほんと~。なんていう料理なんですか?」 

さわ子「どて煮っていうらしいわ」 

律「料理長なんでも作れるな・・・」 

みらい「おいしい・・・」 

憂「お姉ちゃん、鯛のお刺身どう?」 

唯「うまい!」 
642 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:45:10.02 ID:hhitb21Ro



さわ子「あの御もてなしの理由はそれだけじゃないわよね?」 

車掌「えぇ、実はTV局と飯山みらいさんが所属していた事務所で良くない噂が立っていまして・・・」 

さわ子「よくない噂?」 

車掌「詳しくは存じませんが・・・。その件にみなさんを巻き込んでしまったのでそのお詫びという形なんです」 

さわ子「・・・」 

車掌「詳しく話せないので心苦しいですが・・・」 

さわ子「いいえ、あの子たちの思い出になるならそれに越した事ないわ。ありがと」 

車掌「・・・」ホッ 

さわ子「じゃあ小麦ちゃんと修治くんの手柄はかなり大きいのね」 

車掌「はい。みなさんの情報が漏れると私たちがTV局に許可を出した事に責任になりますから」 

さわ子「・・・みんなを守ってくれて・・・。感謝するわ」 

車掌「いえ、当然の事です」 
643 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:46:53.98 ID:hhitb21Ro

澪『あっはっは、ダメだな律は~』キラキラ 

律『・・・ちょっと疲れただけだよ!』 

和『ホワイトサイクロン・・・人類が生み出した芸術ね』 

唯『おぉ!和ちゃんのテンションがあがってる!』 

純『そうなの?』 

憂『うん!』 

さとみ「やっぱり普通にみえるんだけどなぁ・・・」 

エレナ「私も、見分けがつきませんネ」 

ちひろ「すこ~しだけ頬が緩んでませんか~?」 

律「ん~?」 

和「ちょっと、恥かしいんだけど」 

澪「ものすごく恥かしい・・・」 

さわ子「撮った映像がすぐにTVで見られるなんていいわね」 

車掌「乗客の方の要望がありましたので」 

紬「なるほど~」 

純「2.3時間前の事なのに・・・なんだろ・・・」 

憂「変な感じだね~」 

小麦『そんじゃ、次はなに乗ろうか!?』 

エレナ『小麦のテンションも上がってますワ』 

さわ子『A.ロックンロールはどう?』キラン 

澪『どういう乗り物!?』 

律『グルグル回るヤツだ』 

澪『じゃあダメだ!』キラキラ 

さわ子『』ガーン 

梓『その情報だけで判断できるんですね』 

修治『ジャンボバイキングは?』 

澪『どんな乗り物!?』 

修治『160人で乗る海賊船』 

律『ちゃんと説明しろよ』 

澪『行こうか!』キラキラ
644 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:47:23.52 ID:hhitb21Ro

さわ子『感覚で決めてるわねこの子』 

紬『でも好きそうなのを判別できてます』 

純『すご・・・』 

澪『行くよ!』 

タッタッタ 

さとみ『わ、また走って行った』 

律『どこからそのエネルギーは沸いてくるんだよっ』 

秋子「元気ですね~」 

その子「楽しそう」 

澪「もういいだろ、や~め~ろ~」ジタバタ 

律「私らはそれに振り回されたんだからな。我慢しろ」ガシ 

小麦「あはは」 

みらい「ふふ」 

さとみ「・・・」スッ 

梓「・・・?」 

さとみ「・・・」テクテク 

和「・・・」 

紬『大きな乗り物ね~』 
645 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:48:23.36 ID:hhitb21Ro

さとみ「・・・ふぅ~」 

梓「・・・どう・・・したんですか?」 

さとみ「あら、梓ちゃん・・・ちょっと熱を冷ましにね」 

梓「そう・・・ですか・・・」 

さとみ「梓ちゃんこそどうしたの?」 

梓「えぇと・・・」 

さとみ「こっち風が気持ちいいわよ~。どうぞ座って」ポンポン 

梓「は、はい・・・」 

チョコン 

さとみ「みんないい人たちね~」 

梓「はい」 

さとみ「・・・もぅ。どうして硬くなるの?」 

梓「昨日あったばっかりですから」 

さとみ「ふふっ、それじゃあ・・・どうして話しかけてくれたの?」 

梓「・・・分かりません」 

さとみ「ふふっ、9人全員ね」 

梓「?」 

さとみ「なんでもない」 

サヤサヤ 

梓「・・・昼の動植物園と同じ風のような気がします」 

さとみ「そうなんだ」 

梓「・・・」 

さとみ「・・・ふぅ」 

和「どうしたのよ?」 

梓「あ・・・」 

さとみ「和さんもどう?」ポンポン 

和「そうね・・・中はみんなが騒いで熱気がすごいから。涼んでいこうかしら」 

梓「みなさんはしゃいでますよね」 

さとみ「楽しくていいな」 

和「私たち明日の朝帰るからね。その分も楽しんでおかないとね」 

梓「あ・・・そっか」 

さとみ「そうね。楽しい時間はあっという間よね・・・」 

和「・・・」
646 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:51:04.41 ID:hhitb21Ro

さとみ「和さんが言った言葉の意味を私なりに考えたんだけど・・・聞いてくれる?」 

梓「?」 

和「えぇ」 

さとみ「『特別視されるのが嫌なら、むぎさんを見ているといい』・・・」 

梓「むぎ先輩・・・?」 

和「・・・」 

さとみ「私ね優等生というレッテルを貼られていると思ったの 
    学級委員長に選ばれるのはいつも私。『千歳さとみ』に任せれば大丈夫」 

和「・・・」 

さとみ「そう言ってくれるのが嬉しかったから、もっともっと頑張ったの」 

梓「・・・」 

さとみ「・・・でも、いつの間にか優等生の私が一人歩きしてて・・・本当の私はどこなんだろ~っていっつも思ってた」 

梓「・・・」 

さとみ「それで、駅のホームでヴェガをみつけて、気がついたら飛び乗ってた」 

和「へぇ・・・」 

さとみ「最初に声をかけてくれたのがむぎさんじゃなかったら、乗り続けなかったな・・・」 

梓「そうだったんですか・・・」 

さとみ「話が逸れてしまったわね。それで和さんの言葉を聞いて、むぎさんを見てた」 

和「・・・」 

さとみ「むぎさんは自分でどんどん踏み込んでいってる」 

梓「・・・そうですね」 

さとみ「作曲もして、一発芸にも積極的で、ふふっ、カバさんの餌やりをしたくて一生懸命走って」 

和「・・・えぇ」 

紬「・・・」テレッ 

さとみ「そんなむぎさんを見てると・・・今まで殻を作って守ってたのは私なんだなって」 

梓「・・・守ってた?」 

さとみ「えぇ・・・殻を破る事で、周りの目が変わってしまうのが怖くて・・・それでもそこが心地いいから動きたくなくて」 

和「・・・」 

さとみ「そのくせ、優等生と言われる度にそんなの私じゃないって心の中で叫んで」 

紬「・・・」 

さとみ「私・・・あの場所から逃げてただけなのよね」 

和「知らない人しかいない場所・・・」 

さとみ「・・・そう。そこへ行けば自分が出せると思ってたの」 

梓「で、でも・・・」 

さとみ「でも・・・このままじゃどこへ行っても同じよね」
647 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:51:44.36 ID:hhitb21Ro

梓「ち、違います」 

さとみ「?」 

紬「この旅はどうですか?」 

和「むぎ・・・」 

梓「むぎ先輩・・・」 

さとみ「とーっても楽しいっ!」 

紬「そう・・・よかったわ~」ニコニコ 

さとみ「ふふ、みんなといると、とても楽しくて・・・自分を素直に出せてる気がしたわ」 

紬「そういう事よね?あずさちゃん」 

梓「は、はい!」 

さとみ「?」 

和「ふふ、そうね」 

梓「さとみさんは楽しい人です!だから・・・そんなさとみさんなら・・・」 

紬「同じ場所でも、変わっていくと思うわ」ニコニコ 

さとみ「!」 

和「・・・」 

さとみ「和さんの言葉の意味。分かったなんて言ったけど・・・分かってなかったのね。 
    線をひいて人が近づいてこれないようにしていたのは私だったのよ」 

和「・・・」 

さとみ「あーぁ、たった3日間でここまで私を分かってくれる人に出会えたのにな~」 

紬「?」 

和「今話したのは・・・」 

さとみ「うん・・・時間切れだから。さっき学校から連絡があって明日戻らなくちゃいけなくなったの」 

梓「え・・・」 
     
紬「・・・」 

さとみ「和さんがまた来てくれて本当に良かった。じゃなかったら梓ちゃんともここでお話できなかった」 

梓「・・・」 

さとみ「むぎさんとも・・・」 

和「・・・そう」 

さとみ「そういう事だから私も明日で降りる。旅に出た理由が悪いけど」 

梓「道中が楽しかったなら」 

さとみ「そう、それでよかったのよ・・・きっと」
648 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:52:53.86 ID:hhitb21Ro

和「・・・」 

紬「・・・」ションボリ 

さとみ「むぎさんに聞きたいことがあるの」 

紬「・・・?」 

さとみ「むぎさんが旅に出た理由ってなにかな?」 

梓「・・・?」 

和「?」 

紬「旅に出た・・・理由・・・」 

さとみ「・・・そ、そんなに深く考えないで!ただ聞いてみたかっただけだから」 

梓「・・・」 

和「・・・」 

紬「私は・・・さとみさんが言うような理由はないの」 

さとみ「・・・?」 

紬「私はみんなと旅行がしたいからヴェガに乗っただけ」 

さとみ「・・・そっか」 

梓「不思議ですね・・・」 

紬「?」 

和「・・・?」 

梓「・・・いつからか旅と呼ぶようになっていました」 

さとみ「・・・そうね、不思議・・・」 

紬「不思議ね」 

梓「どうしてですかね」ハテサテ 

さとみ「梓ちゃんにも聞きたいことが」 

梓「はい・・・?」 

さとみ「どうして話しかけてくれたの・・・?」 

梓「そ、それは・・・なんとなくあの人に似ていると思ったからです」 

さとみ「あの人・・・?」 

紬「・・・なるほどぉ」 

和「なるほどね」 

さとみ「だ、だれ・・・?私の知ってる人?」
649 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:54:03.67 ID:hhitb21Ro

律「今は笑ってるぞ」 

澪「・・・うん」 

さわ子「覗き見するなんていけない子たちね」 

純「本当ですよ」 

小麦「そういいながら2人とも見てるじゃん」 

エレナ「小麦もデスネ」 

憂「エレナさんもですよ~」 

唯「ういは見ないの?」 

憂「お姉ちゃん、ダメだよ!」メッ 

唯「はーい」 

修治「・・・」 

律「やっば!」 

澪「こっちくる!」 

さわ子「ビデオ再生!」 

秋子「はーい!」 

ピッ 

純「・・・」 

小麦「・・・」 

エレナ「・・・」 

和「まだ見てたのね」 

さとみ「あら?」 

澪『あっはっは、ダメだな律は~』キラキラ 

律『・・・ちょっと疲れただけだよ!』 

和『ホワイトサイクロン・・・人類が生み出した芸術ね』 

唯『おぉ!和ちゃんのテンションがあがってる!』 

紬「さっきと同じシーンを見ているの?」 

律「そうだよー」 

澪「何回見ても飽きないなぁ」 

さわ子「秋子ちゃん」 

秋子「えーと・・・」 

修治「メリーゴーランドの所がいいんじゃないかな?」 

秋子「はーい!」 

ピッピッ 

律「修治、ナイス!」 

梓「ナイスって・・・?」
650 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:55:22.95 ID:hhitb21Ro

澪「バ、バカ!」 

和「・・・ふ~ん」 

憂「ここ面白いですよ!」 

唯「うん~」 

律『澪はメリーゴーランドに乗るといっつもテンション下がるのな』 

澪『あぁ、うん』 

純『カッコいいですよ澪先輩』キラキラ 

さわ子『なんで私も乗るのよ~』 

修治『いいじゃないですか・・・楽しい・・・ですよ・・・』グッタリ 

エレナ『楽しくなさそうですネ~』 

唯『単調だなぁ』 

憂『お姉ちゃん交換する?』 

紬『うふふ』 

梓『楽しいですね、むぎ先輩』キラキラ 

律『二人乗りか』 

澪『あぁ、二人は楽しそうだな・・・特に梓が・・・』 

さわ子『むぎちゃんよく落ちないわねぇ』 

紬『コツがあって~』 

唯『う~い~、やっぱりこれも単調だよぉ~』 

憂『そうだよねぇ』 

エレナ『そろそろ小麦地点ですワ』 

純『今度こそ!』 

梓『さっきは鳥羽さんがとりましたよね』 

修治『おいしかったぜ』 

澪『みんな落とすなよ』 

エレナ『来たネ』 

小麦『そーれ!』 

ヒュー 

律『あーん』パクッ 

純『食べられたか・・・』 

律『うまいな・・・なにこれ・・・』モグモグ
651 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:56:29.56 ID:hhitb21Ro

エレナ『鯉の餌ですワ』 

律修治『『 ゲホッゲホッ 』』 

梓『よかった・・・』 

純『ほんとに・・・』 

澪『汚しちゃダメだぞ・・・』 

紬『覇気も無くなったのねぇ』 

律「馬鹿だな~私ら」アハハ 

さわ子「このあと係員に怒られたのよ~」 

純「当然だと思います」 

修治「あーぁ・・・」 

さとみ「はじめて見たかのような感想ね」 

律「」ギクッ 

和「わ、私・・・律に聞いて欲しい事があってみんなに相談してたんだけど・・・聞こえちゃったかな・・・」 

唯「和ちゃん?」 

律「いや、聞こえなかったぞ!?なんてい・・・った・・・」 

澪「バカ律・・・」 

さわ子「今のはしょうがないわ」 

さとみ「覗き見してたのね~」 

律「いや、違う・・・エレナと小麦も弁解しろ・・・いないし・・・」 

秋子「さっき出て行きましたよ~」 

唯「忍者みたいだったよ!」 

憂「お姉ちゃん見てたの?」 

唯「うん」 

純「気づかなかった・・・」 

紬「えいっ」 

ポコッ 

律「った・・・ん?」 

さわ子「ボール?」 

さとみ「いいもの持ってるわね」 

紬「うふふ、車掌さんに貸してもらったの」 

澪「枕投げの代わり・・・?」 

梓「えいっ」 

ポコッ 

純「った・・・梓?」
652 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:57:48.98 ID:hhitb21Ro

梓「ふっふ~ん」 

律「このっ」 

ポコッ 

唯「いった・・・もぉー!えいっ」 

澪「なんで私に・・・」サッ 

律「甘い」 

ポコッ 

澪「っ・・・仲間じゃないのか!」 

律「今日の敵は明日も敵だ!」 

修治「そのまんまだな」 

さわ子「若いわねぇ」 

秋子「先生も参加しないんですか?」 

さわ子「ここで見守ってるわ」 

修治「俺も」 

秋子「じゃあ、私も」 

みらい「後片付け終わっ」ポコッ 

さとみ「あらら、無害な人に当ててしまったわ」 

純「私ら有害ですか。えいっ」 

さとみ「ふふっ、テニス部員の動体視力を甘く見ないことね」サッ 

純「くー!文化部負けるな!」 

律澪唯紬「「「「 おぉー!! 」」」」 

さとみ「あれ?ちょっと、一斉に投げるのはダメよっ!」 

梓「助太刀します」 

唯「あずにゃん、お前もか!えいっ」 

梓「甘いですよ」サッ 

ポコッ 

さとみ「うっ」 

梓「あっ・・・」 

さとみ「なるほど、スパイだったのね」 

梓「ち、違いますよ!」 

さとみ「直接成敗!」 

ワシャワシャ 

梓「じ、事故ですよっ!」
653 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 22:59:03.89 ID:hhitb21Ro

澪「今のうちだな。えいっ」 

ポコッ 

律「っ・・・。フッ・・・なるほど・・・」ジリ 

澪「先ほどの裏切り忘れたわけじゃないよな」ジリ 

律「裏切り・・・?ここは戦場だぜ?」ジリ 

澪「ふっ、そうだったな」ジリ 

紬「えいっ」 

ポコポコッ 

律澪「「 うっ 」」 

和「・・・」サッ 

ヒュー 

和「・・・」バシッ 

純「真鍋先輩に当たらない・・・」 

みらい「・・・みなさんなにしてるんですか?」コソコソ 

憂「枕投げです」 

さわ子「そう。ボールに変えてね」 

修治「嫌な予感がしてきた・・・移動しよう」コソコソ 

秋子「先生・・・あれみてください」 

さわ子「え?・・・あ」 

憂「小麦さんがボールを供給していたんですね」 

みらい「エレナさんは撮影してます」 

さわ子「みらいちゃん行きなさいよ」 

憂「あ・・・」コソコソ 

秋子「あ・・・」コソコソ 

みらい「ど、どうしてですか?」 

さわ子「夢を叶えるためよ」 

みらい「! そうですね!」ガタ 

さわ子「いきなり立ったりしたら!」 

みらい「あ・・・」 

律「撃てー!」
654 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:00:13.54 ID:hhitb21Ro

純「そりゃー!」 

澪「えいっ」 

唯「それっそれっ」 

ポコポコ 

みらい「え、った」 

さわ子「この子に手出しさせないわ」ドドン 

純「やぁっ」 

ポコッ 

さわ子「うっ」 

ポコポコポコポコッ 

律「へへーんだ」 

和「撃ち方やめ・・・」 

さわ子「フフフ」 

みらい「さわ子・・・先生・・・?」 

紬「遊びはおしまいね!」 

澪「片付けよう!」 

唯「そだね」 

梓「はい」 

さとみ「ふふ、楽しかったわ」 

純「そうですね。最後に楽しめました」 

さわ子「何も無かった事にしていいと思ってるの?」ゴゴゴ 

律「悪かったって~」 

さわ子「謝って許されると思ったら大間違いよ?」 

紬澪梓さとみ純「「「「「 ごめんなさい 」」」」」 

さわ子「大間違いって言ったでしょぉおー!」 

和「和をもって貴しとなす、ですよ」 

憂「キレイに纏めたね」 

655 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:01:40.50 ID:hhitb21Ro


さわ子「みんな集まったわね」 

律「もう寝る時間だぞ~」 

澪「何を・・・?」 

さわ子「隣の売店車に移動するわよ」 

紬「?」 

純「一体なにを始めるんだろ」 

梓「さぁ・・・?」 

唯「ギター・・・いや、勉強の時間だったのに・・・」 

憂「ギー太をもってそれ言っても説得力ないよお姉ちゃん」 

和「・・・」 

ちひろ「あら~?みなさんまだ起きてたんですね~」 

澪「ちひろさんもまだお仕事ですか・・・?」 

ちひろ「はい~。明日の準備するの忘れてましたから」 

しのぶ「まったく・・・」 

律「あ、娯楽車の・・・」 

しのぶ「神岡しのぶです。この人に付き合ってあげてるの」 

ちひろ「ごめんねしのぶちゃん」 

紬「まぁ、大変ですね」 

しのぶ「いいですよ。いつもの事ですから」 

さわ子「ちひろちゃん、紙あります?」 

ちひろ「これでいいですか~?」 

さわ子「それで結構です。ありがとう」 

唯「さわちゃんなにしてんの~」 

さわ子「個室はむぎちゃんの部屋、梓ちゃん、唯ちゃん、澪ちゃん、りっちゃんの5部屋と」カキカキ 

紬「?」 

さわ子「1~4を二枚づつ」カキカキ 

和「部屋の割り当てをシャッフルするって事ですか?」 

さわ子「その通り。それで5が一枚ね」
656 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:02:43.67 ID:hhitb21Ro

澪「私たちもシャッフルするのか」フムフム 

唯「おぉ、面白い!」 

さわ子「この紙をしゃかしゃか」シャカシャカ 

憂「なるほど」 

さわ子「今更なんだけど、どうして唯ちゃんはギター持ってるのよ」シャカシャカ 

唯「? ギターの練習するからだよ?」 

和「勉強しなさいよ」 

さわ子「そうじゃなくて、どうしてヴェガに持ち込んでいるのよ」シャカシャカ 

唯律澪梓「「「「 いまさらーっ!? 」」」」 

純「そういえばそうですね」 

紬「あらあら」 

しのぶ「ふふっ」 

ちひろ「本当ですね~」 

唯「私の愛おしい人だからです」ギュ 

憂「お姉ちゃんったら・・・」ニコニコ 

さわ子「澪ちゃんは・・・?」 

澪「り、律が聞いたからです」 

さわ子「そう・・・。ライブを二回も開いたからなにか意味があるのかと思ったわ。はい一枚づつ引いて」 

紬「意味・・・」
657 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:03:39.48 ID:hhitb21Ro

純「なんだかドキドキする」ヒョイ 

梓「う、うん」ヒョイ 

律「5は嫌だな・・・」ヒョイ 

唯「寂しいよね~」ヒョイ 

和「・・・そうね」ヒョイ 

澪「5以外で・・・」ヒョイ 

憂「・・・5以外でお願します!」ヒョイ 

紬「・・・意味・・・・・・」ウーム 

さわ子「最後はむぎちゃんよ」 

紬「あ、はい」ヒョイ 

さわ子「さぁ開いて」 

唯「」ガーン 

純「3」 

梓「2」 

律「3」 

澪「1」 

和「4」 

憂「4」 

紬「1」 

さわ子「2・・・私と梓ちゃんね」 

梓「はい」 

憂「和さんとだ!」 

和「よろしく」 

紬「澪ちゃんとね」 

澪「うん」 

律「よろしく小次郎さん」 

純「佐々木で!ちがっ、鈴木です!」 

唯「」ガーン 
658 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:06:40.34 ID:hhitb21Ro

和「電気消すわよ」 

憂「はーい」 

カチッ 

和「・・・」 

憂「・・・」 

和「・・・車掌さんからのメッセージよく読み取ったわね」 

憂「純ちゃんが、コメントがおかしいって・・・それで気付けたんだよ」 

和「・・・そうなんだ。おかげで楽しめたわ。ありがとう」 

憂「ううん。私も楽しかったよ・・・」 

和「・・・」 

憂「・・・」 

和「唯、くるかもね・・・」 

憂「ふふ、そうだね」 

和「・・・3人は狭いわよ?」 

憂「・・・私が移る?」 

和「なんとかなるでしょ」 

憂「・・・そうだね」 

和「見違えたわね」 

憂「お姉ちゃん?」 

和「そう・・・唯が」 

憂「うん・・・」 

和「いい旅をしてるのね」 

憂「そうだね・・・」
659 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:07:07.34 ID:hhitb21Ro

和「あと・・・」 

憂「ふふっ」 

和「・・・なに?」 

憂「和ちゃん、よくしゃべるなぁって・・・」 

和「・・・」 

憂「あ、ごめんなさい」 

和「違うわ。確かにそうね・・・」 

憂「怒ってない?」 

和「どうして?」 

憂「ううん。ならいいんだ」 

和「・・・そう」 

憂「・・・」 

和「・・・」 

憂「・・・」 

和「・・・」 

憂和「「 来ない(わ)ね 」」 

憂「ふふっ」 

和「ふふ」 
660 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:07:56.01 ID:hhitb21Ro

律「消すぞー」 

純「はーい」 

律「よし」モゾモゾ 

純「いや、消してくださいよ」 

カチッ 

律「おつかれ」 

純「無駄な手間だと思いません?」モゾモゾ 

律「くかー」 

純「うわ・・・くかーって寝息初めて聞いた」 

律「・・・」 

純「・・・」 

律「りこぴーん」 

純「ブフッ」 

律「しずかにしてくれない?」 

純「ひどい・・・」 

律「・・・」 

純「・・・」 

律「りこぴんぴん」 

純「・・・」 

律「ザーサイ」 

純「ブフッ」 

律「あのな佐々木・・・」 

純「なにがしたいんですか・・・鈴木です」 

律「・・・」 

純「・・・」 

律「なにがしたいのか分からない鈴木です」 

純「くっつけないでください」 

律「・・・」 

純「・・・・・・」 

律「・・・・・・」 

純「あれ?」 

律「・・・ん?」 

純「ネタぎれですか?」
661 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:11:28.65 ID:hhitb21Ro

律「眠りの妨げになってるんだぞ?」 

純「・・・」 

律「まったく」 

純「・・・ひどい」 

律「・・・」 

純「・・・」 

律「ザーサイ二つ」 

純「ブフッ」 

律「そうか・・・そんなに私とおしゃべりしたいのか」 

純「・・・」 

律「・・・」 

純「・・・」 

律「ザサーイ」 

純「・・・ッ」 

律「ふむ・・・」 

純「・・・」フゥ 

律「ザーサ」 

純「ザーサイから離れてくださいよ」 

律「・・・」 

純「・・・」 

律「・・・」 

純「・・・・・・」 

律「」ウトウト 

純「・・・律先輩」 

律「ぅん、ん?」 

純「あ、すいません。起こしちゃいました?」 

律「眠りに落ちる所だったけど。何?」 

純「・・・少し話していいですか?」 

律「いいぞー・・・、ふぁ」 

純「ちょっとだけ・・・律先輩はどこから乗車したんですか?」 

律「仙台から」 

純「列車の旅行ってどうですか?」 

律「・・・すっごい楽しい」 

純「・・・」 

律「乗ったそうそうドラム叩いたんだぜ」 

純「・・・」
662 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:12:06.57 ID:hhitb21Ro

律「東京で梓が一旦降りて代わりに憂ちゃんが乗ってきて、松本で降りて、和が乗って」 

純「・・・」 

律「金沢で降りて、さわちゃんが乗ってきて・・・名古屋でみんな乗った」 

純「・・・」 

律「そして今日、ライブまでしたんだ」 

純「・・・」 

律「乗客のみんなとも仲良くなれた。これで楽しくないわけが・・・あれ?」 

純「聞いてますよ」 

律「・・・」 

純「・・・・・・」 

律「つまんなかった?」 

純「いえ・・・なるほどーと思いました」 

律「・・・」 

純「梓も憂も真鍋先輩も楽しそうにヴェガの話をしていて」 

律「・・・」 

純「それで、今日一日みなさんと一緒にいたことを思いなおしていたら」 

律「・・・」 

純「なるほどーって」 

律「そっか」 

純「はい」 

律「寝るのがもったいねーってなるよな」 

純「さっき眠りかけてましたよね」 

律「はは、さすがに体がなぁ」 

純「そうですね。それなのにベッド譲ってもらってすいません」 

律「いいって・・・」 

純「・・・」 

律「おやすみ・・・」 

純「はい・・・おやすみなさい」 

律「・・・」 

純「・・・」ゴロン 

律「」ウトウト 

純「・・・」ジー 

律「」スヤスヤ 

純「・・・」 

律「」スヤスヤ 

純「なるほどなー」ボソッ
663 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:13:23.99 ID:hhitb21Ro

梓「消しますよ?」 

さわ子「ちょっとまって」モゾモゾ 

梓「・・・」 

さわ子「いいわよー」 

カチッ 

梓「・・・ふぁ」 

さわ子「・・・」 

梓「唯先輩寂しがってますかね」 

さわ子「多分・・・ね」 

梓「ですよね」 

さわ子「・・・」 

梓「・・・」モゾモゾ 

さわ子「気になるの?」 

梓「・・・はい」 

さわ子「様子見に行く?」 

梓「いいですよ。ギターの練習してそうですから」 

さわ子「そうよねぇ」 

梓「・・・」 

さわ子「本音は?」 

梓「行きたいです」 

さわ子「ほぅ」 

梓「でも他の乗客にも迷惑かかりそうで」 

さわ子「じゃ、そっとしておきましょう」 

梓「・・・」モゾモゾ 

さわ子「素直なのかそうでないのか分からない子ねぇ」 

梓「うっ」 

さわ子「来たら部屋に入れたらいいじゃない」 

梓「そうですね」 

さわ子「・・・」 

梓「・・・」 

さわ子「さとみちゃん、悩みの事言ってた?」 

梓「知ってたんですか?」 

さわ子「ちゃんとは知らないわ」 

梓「・・・」 

さわ子「・・・誰かにそれを言ったのならそれでいいのよ」
664 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:14:30.20 ID:hhitb21Ro

梓「・・・でも、時間切れで明日の朝降りちゃうそうです」 

さわ子「そう・・・」 

梓「・・・」 

さわ子「自分で決めたんならしょうがないわ」 

梓「・・・」 

さわ子「・・・」 

梓「・・・」モゾモゾ 

さわ子「納得してないみたいねぇ」 

梓「うぅ」 

さわ子「・・・どうしてそんなに気にかけるのよ」 

梓「さとみさんがいい人だから・・・です」 

さわ子「昨日会ったばかりじゃない」 

梓「私たちの曲を楽しんでくれた人です」キリ 

さわ子「あら・・・」 

梓「冗談です」 

さわ子「あらら」 

梓「むぎ先輩たちとの接し方をみればそうなんじゃないかって」 

さわ子「・・・」 

梓「・・・」 

さわ子「来て正解だったわ」 

梓「え?」 

さわ子「あなたたちの成長ぶりを間近でみられたもの。これ以上の」 

梓「・・・?」 

さわ子「なんでもない・・・忘れて」 

梓「これ以上のなんですか?」 

さわ子「寝るわよ」 

梓「気になって眠れません」 

さわ子「読み取りなさいよ」 

梓「・・・」 

さわ子「・・・」 

梓「読み取れませんでした」 

さわ子「古いデータじゃないんだから」 

梓「・・・」 

さわ子「・・・ふぁ」
665 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:15:23.70 ID:hhitb21Ro

梓「さわ子先生」 

さわ子「教えないわよ」 

梓「いえ、どうしてみらいのプロデュースしたんですか?」 

さわ子「・・・」 

梓「・・・」 

さわ子「・・・そうね。梓ちゃんはヴェガの乗車証を貸してくれたから・・・教えてあげるわ」 

梓「・・・」 

さわ子「私の生徒が傷つけられたからよ」 

梓「・・・!」 

さわ子「許せないと思ったけど・・・」 

梓「けど・・・?」 

さわ子「あの子は・・・あの子たちは自分で立ちあがったわ」 

梓「・・・」 

さわ子「それ見てたら、そんなのどうでもよくなって、応援したくなったって訳」 

梓「・・・」 

さわ子「らしくないわね。今のも忘れてちょうだい」 

梓「・・・はい」 

さわ子「・・・やけに聞き分けいいわね」 

梓「先生ですから」 

さわ子「・・・」 

梓「おやすみなさい」 

さわ子「そうね・・・もう一つだけ教えておくわ」 

梓「・・・?」 

さわ子「さとみちゃんはむぎちゃんがなんとかするみたいよ」 

梓「なんとか・・・?」 

さわ子「それは知らないけど、さっき何か考えていたわね」 

梓「・・・気付かなかったです」 

さわ子「・・・その時、むぎちゃんと手助けしてあげなさい」 

梓「?」 

さわ子「とても楽しかったわ。ありがとね梓ちゃん」 

梓「・・・!」 

さわ子「おやすみ」 
666 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:17:02.45 ID:hhitb21Ro

紬「消しま~す」 

唯「はいよー」 

カチッ 

紬「おやすみなさ~い」 

澪「おやすみ・・・」 

紬「・・・」 

澪「・・・」 

唯「・・・」モゾモゾ 

紬「・・・」 

澪「唯・・・狭くないか?」 

唯「ううん、澪ちゃんあったかいよ?」 

紬「まぁ・・・」 

澪「今、夏の夜なんだけど」 

唯「そうだね」 

紬「・・・」 

澪「・・・」 

唯「寝ちゃうの?」 

紬「さっきまでお喋りしてたじゃない」 

澪「そうだぞ」 

唯「そだね」 

紬「・・・」 

澪「・・・」 

唯「ガスの元栓閉めたっけ?」 

紬「コックさんを信じましょう」 

澪「・・・」 

唯「戸締りは大丈夫かな?」 

紬「車掌さんのセキュリティは完璧よ」 

澪「・・・」 

唯「花火キレイだったね」 

紬「観覧車から観るなんて素敵だったわぁ」 

澪「・・・」 

唯「夜景もキレイだったよね~」 

紬「そうそう、目の前には花火、その下に広がる街灯も綺麗で」
667 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:17:59.20 ID:hhitb21Ro

澪「唯ちょっと来て」グイッ 

唯「あ~れ~」 

ガチャ 

紬「どこ行くの?」 

澪「専門家に頼んでくる」 

バタン 

唯「専門家って?」 

澪「・・・」 

コンコン 

「あ、来た」 

澪「私だけど」 

「澪?」 

ガチャ 

唯「おいっすー」 

澪「お願い」 

和「連れてこられるなんて予想外だったわ」 

憂「ほんとだね」 

澪「むぎが眠れそうに無いから」 

和「それはいけないわね」 

唯「お邪魔します」 

澪「よろしく」 

憂「はーい」 

和「おやすみ」 

澪「おやすみ」 

バタン 

澪「・・・はっ」 

シー・・・ン 

澪「・・・」 

スタスタスタスタ 

ガチャ 

バタン 

澪「・・・」モゾモゾ 

紬「どうしたの?」 

澪「な、なんでもない」ガクガク
668 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:18:58.57 ID:hhitb21Ro

紬「・・・」 

澪「・・・」フゥ 

紬「・・・」ジー 

澪「・・・ふぁ」 

紬「・・・・・・ふぁ」 

澪「・・・」 

紬「・・・」 

澪「ん?」 

紬「ん?」 

澪「・・・?」 

紬「・・・」ジー 

澪「ど、どうした?」 

紬「・・・・・・澪ちゃん変わったなぁ、と思って」 

澪「わ、わたしが?」 

紬「・・・うん」 

澪「そう、かな・・・」 

紬「うん」 

澪「多分・・・」 

紬「・・・?」 

澪「私が変わったんじゃなくて・・・みんなが変わっていってるんだよ」 

紬「・・・」 

澪「私は・・・まだ・・・律に、みんなに手を引っ張ってもらってるだけだ」モゾモゾ 

紬「ホッチキスのアレンジ・・・は?」 

澪「あれは・・・」 

紬「・・・」 

澪「正直、自信がない・・・」 

紬「さわ子先生は」 

澪「ああ言ってくれたけど・・・私は」 

紬「・・・」 

澪「私はただ・・・」 

紬「・・・」 

澪「エレナさんと小麦がお互いを引っ張りあっているのを羨ましく思って・・・」 

紬「・・・」 

澪「私も律を引っ張りたいって、ただそれだけなんだ」 

紬「・・・」
669 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:20:14.60 ID:hhitb21Ro

澪「律が抑えていただけなら、それは引っ張っていたんじゃないから」 

紬「・・・そう」 

澪「みんなの横を歩いているつもりだけど・・・」 

紬「・・・」 

澪「それでもみんなが先へ行ってしまうから・・・」 

紬「・・・」 

澪「みんなの視野が変化しただけで・・・」 

紬「・・・」 

澪「わたしは・・・なにも変わってないんだ」モゾモゾ 

紬「・・・」 

澪「梓も、唯も、律も、むぎも・・・先にいるんだ。私も・・・追いつきたい」 

紬「わたしも・・・?」 

澪「うん・・・。さとみさんとホームで話しているの見てて」 

紬「あの時?」 

澪「あ、ごめん」 

紬「ううん」 

澪「・・・話は聞こえなかったけど、さとみさんと私たちを繋いでいるのはむぎなんだと思った」 

紬「繋いで・・・」 

澪「変わっていくならみんなと・・・」 

紬「・・・」 

澪「・・・同じ景色をみんなと見ていきたい・・・な」
670 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:20:57.94 ID:hhitb21Ro

紬「うん。わたしももっと、もっとみんなと見ていきたい」 

澪「・・・」 

紬「・・・」 

澪「・・・ふふっ、嬉しい」 

紬「・・・?」 

澪「むぎとこんな話できるなんてな」 

紬「わたしも」 

澪「ありがとう、むぎ」 

紬「・・・やっぱり変わったわ」 

澪「そう・・・?」 

紬「えぇ」 

澪「そう、だと・・・いいな」 

紬「・・・」 

澪「今日改めて思ったよ」 

紬「・・・?」 

澪「音楽やっててよかった。・・・って」 

紬「・・・うん」 

澪「・・・おやすみ」 

紬「おやすみ」 

澪「・・・」 

紬「・・・」 
671 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/07(木) 23:21:59.83 ID:hhitb21Ro

***「---、---?」 

「ここ、どこですか?」 

***「--、----」 

「そうですか」 

***「----、-ーー-?」 

「わたしは―――」 








紬「・・・」 

澪「」スヤスヤ 

紬(・・・夢?) 

澪「バ・・・つ」ムニャムニャ 

紬「仲良しね」ウフフ 

澪「」スヤスヤ 

紬「・・・ふぁ」 

澪「」スヤスヤ 

紬(・・・・・・おやすみ) 




9日目終了--------
672 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:01:21.50 ID:tjiZjvIao

8月10日 





さわ子「はい、梓ちゃん。乗車証」 

梓「はい」 

車掌「確認いたしました」 

憂「車掌さん、お世話になりました」 

和「お世話になりました」 

さわ子「世話になったわね。ありがとう」 

純「お世話になりました!」 

車掌「平沢憂さん、真鍋和さん、山中さわ子さん、鈴木純さん」 

梓「・・・」 

車掌「当特急ヴェガへのご乗車、誠にありがとうございました」 

純「こちらこそ、ありがとうございました」ペコリ 

憂「楽しく過ごせました」 

和「はい、感謝しています」 

さわ子「あの子たちの事・・・よろしくね」 

車掌「はい、お任せ下さい。お気をつけてお帰り下さいね」ニコ 

さわ子「えぇ。みんなを見送りに行くわよ」 

純「車掌さんバイバイ!」 

憂「・・・さようなら」 

和「お元気で・・・」 

さわ子「じゃあね、美弥ちゃん」 

車掌「はい、みなさん。お元気で」 

梓「・・・」 

さとみ「・・・私も名残惜しいかも」 

梓「あ・・・」 

673 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:02:22.36 ID:tjiZjvIao

和「ほら、唯を見送るんだから、そんな顔しないの」 

憂「・・・うん」 

さわ子「姉妹ね~」 

純「・・・いかん」 

唯「あれ、あずにゃんは~?」 

さわ子「美弥ちゃんと話してるんじゃない?」 

律「ふ~ん」 

修治「・・・」 

秋子「せ、先生~」ウルウル 

さわ子「うっ」 

秋子「私寂しいです~」シクシク 

さわ子「あ、あなたには私よりもっといい先生と出会えるわ」 

秋子「先生よりいい先生はいないですぅ~」シクシク 

みらい「・・・」ウンウン 

さわ子「・・・あは、は」 

律「複雑な顔だな~」 

修治「あ、動かないで秋子ちゃん」 

紬「?」 

秋子「どうしたんですか~?」シクシク 

修治「背中にかまきりが・・・」 

澪「!」キラン 

律「昆虫の方だぞ」 

秋子「は、はは、は、早くとってくださーい!」 

修治「うん・・・」ヒョイ 

唯「おぉ、カマキリだぜ!」 

さわ子「懐かしいわね」 

秋子「きゃああああああ」 

タッタッタ 

さわ子「どうしたの?」 

秋子「わ、私虫とかダメなんです~!」 

修治「虫だけにむ」 

「「「 ・・・ 」」」ジト 

修治「無休で働くコンビニは便利だよね」 

律「黙ってろ」バシッ 

修治「・・・すいません」
674 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:04:04.84 ID:tjiZjvIao

秋子「先生~!みなさ~ん!さよーなら~!」 

さわ子「えぇ、楽しかったわ。じゃあね秋子ちゃん」 

憂「さようなら」 

和「じゃあね」 

純「バイバーイ」 

修治「いてててて!コイツ挟みやがった!」 

紬「大丈夫ですか?」 

唯「おぉ、本気だね」 

律「おまえも先に乗ってろよ・・・」 

修治「そ、そうだな・・・。みんな元気でね」 

憂「はい!」 

和「修治も気をつけてね」 

さわ子「あなたも元気でね」 

純「・・・名前覚えてないけど、さようなら!」 

修治「鳥羽修治です!じゃあね!」 

タッタッタ 

秋子「きゃあああああ」 

ドタバタ 

純「あはは」 

さわ子「修治くんらしい最後ね~」 

和「そうですね」 

澪「ふふっ」 

紬「うふふ」 

唯「しょうがないな~」モォー 

律「・・・やれやれ」 

みらい「・・・さわ子先生・・・ありがとうございました」 

さわ子「ごめんね、ここで降りちゃうけど」 

みらい「いいえ、私の背中を押してくれて。とても感謝しています」 

さわ子「・・・」 

唯「だいじょーぶ!私がみらいちゃんのマネージャーになるから」ドン 

澪「マ、マネージャー?」 

律「頼りね~」 

和「そんな事・・・・・・・・・・・・」 

唯「最後まで言ってほしいよ!?」
675 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:05:18.17 ID:tjiZjvIao

みらい「頼もしいですよ」ニコニコ 

唯「えっへん」 

さわ子「マネージャーなら新聞読んでるわよね」 

唯「ニュースペーパー?」 

さわ子「そうよ」 

律「どうしたー?」 

みらい「あ・・・」 

さわ子「みらいちゃんはさすがに知ってるわね」 

みらい「はい・・・」 

さわ子「これよ」ガサッ 

憂「あ・・・」 

澪「トップ一面か」 

『飯山みらい解雇!事務所とのトラブルが原因か!』 

純「おぉ、飯山みらいってここにいる飯山みらいだよね?」 

唯「そうだよ~」 

純「新聞の一面に載っている人が目の前にいるなんて・・・」 

紬「あ、そうね~」 

和「変な気分よね」 

さわ子「徐々に話題になる予定だったんだけどね・・・」 

律「でも、いづれこうなる事だったんだろ?気にしててもしょうがね~」 

紬「そうそう、しょうがねえ~」 

唯「しょうががね~」 

澪「ププッ」 

律「笑うところじゃねえ!唯、修治レベルだぞ今の」 

唯「な、なんと!」 

さわ子「あのねぇ、問題なのは下の方の記事なの」 

紬「下・・・ですか」 

『HTTFで再活動!?謎に包まれたグループで活動しているとの噂!!』 

和「放課後ティータイムの名は出てないわね」 

律「あー、ヒヤヒヤした~」 

紬「ヒヤした~」 

唯「アツカンで!」 

憂「ダメだよ、お姉ちゃん」メッ 

さとみ「・・・」 

梓「・・・」 

澪「意味が分からない・・・」
676 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:06:14.65 ID:tjiZjvIao

みらい「・・・」 

さわ子「気にするだけ無駄なのかしら」 

純「そうみたいですね」 

さわ子「みらいちゃんと一緒にいる時は気をつけなさいよ?」 

唯「はい!」ビシッ 

みらい「すいません・・・」 

さわ子「この子たちが選んだ事でもあるんだから気にしないの」 

律「そうだぜ~」グー 

紬「そうだぜー」グー 

梓「そうだ・・・ぜ」グ 

唯「そうだべー」グー 

澪「・・・だぜ」グゥ 

さわ子「・・・頑張りなさい」 

みらい「はい!」 

さとみ「いい先生ね」 

さわ子「そろそろ時間よ」 

純「みなさん、学校でお会いしましょー!」 

憂「くれぐれもお体には気をつけて」 

和「待ってるからね」 

さわ子「最後まで頑張りなさいよ」 

紬梓唯澪律「「「「「 はいっ!! 」」」」」 

さとみ「楽しかったわ、みんな元気でね」 

律澪唯「「「 えっ!? 」」」 

和「言ってなかったのね」 

さとみ「あれ・・・?言ってなかったの、梓ちゃん」 

梓「言ってませんよ?」 

さとみ「私はやとちりしてた?」 

さわ子「そうみたいねぇ」 

紬「さ、さとみさん!」
677 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:07:30.83 ID:tjiZjvIao

prrrrrrrrrrrrr 

みらい「あ・・・」 

唯「え~さとみちゃ~ん!」ジタバタ 

律「後でむぎに詳しく聞くぞ」 

澪「そうだな・・・」 

唯「え~」ジタバタ 

梓「・・・」 

さとみ「慌しくなっちゃって」 

紬「さ、さとみさん!あのっ!」 

さとみ「え?」 

紬「わ、私さとみさんは逃げてきたって言ったけど、そんな事ないと思うの!」 

さとみ「ど、どうしたの急に」 

紬「だって、逃げてきた人は学校と連絡とったりしないはずなの!」 

さとみ「むぎさん時間が」 

紬「旅に出た理由が悪くても、旅に出た意味を見つければいいと思うの!」 

さとみ「!」 

澪「むぎ!」 

紬「見つけてない私が言うのも変だけど!」 

梓「旅と呼ぶようになった理由を探しましょう!」
678 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:08:18.40 ID:tjiZjvIao

さとみ「もぅ!」 

ガシッ 

さとみ「早くっ!」 

紬「さ、さとみさん!?」 

さわ子「りっちゃん!」 

ポーン 

律「あ、あぶなっ!」 

澪「あわわわ」 

ドスッ 

唯「捕まって!」 

梓「どうぞです!」 

さとみ「うん!」 

ガシッ 

紬「わっ、わっ!」 

プシュー 

さとみ「・・・・・・乗っちゃった・・・」 

ガタン ゴトン ガタンゴトンガタン 

紬「あ・・・ご、ごめんなさい」 

さとみ「本当はずっと迷ってたの・・・このままいこうかって・・・」 

紬「で、でも・・・」 

さとみ「うん・・・今日学校を休むから推薦入学もダメになるわね」 

梓「!」 

紬「あ!」 

さとみ「無断欠席で家にもいないんだから、大騒ぎだろうな・・・」 

澪「・・・」 

さとみ「その頃わたしは遠い空の下・・・」 

紬梓「「 私が変な事言ったから・・・ 」」
679 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:09:31.87 ID:tjiZjvIao

さとみ「でも・・・」 

律「?」 

さとみ「一度してみたかった・・・こういう事」 

唯「悪い子ですな~」 

さとみ「ふふっ、そうね。むぎさんと梓ちゃんのせいだからね~」 

紬梓「「 ごめんなさい 」」 

さとみ「でも、一緒に見つけてね。旅に出た意味と、旅と呼ぶようになった理由を」 

紬梓「「 は、はい! 」」 

さとみ「それじゃ、私は車掌さんの所へ行って手続きしてくるから」 

律「はい、荷物・・・破壊力あったぞ~」 

さとみ「ありがと。・・・また後で」 

みらい「・・・ドラマを、見ているようでした・・・」 

唯「うんうん!」 

澪「そうだな」 

律「さわちゃん・・・こうなる事分かってたのかな」 

みらい「恐らく・・・」 

梓「む、むぎ先輩・・・」 

紬「あ、あずさちゃん・・・」 

紬梓「「 ぷぷっ 」」 

梓「あははは」 

紬「うふふふ」 

唯「・・・あは、はは」 

律「意味も無く笑おうとするなよ」 

唯「だって~」 

澪「ふふっ」 

みらい「ふふ」 

紬「新しく旅が始まった気分ね!」 

梓「はいっ!」 

680 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:10:08.83 ID:tjiZjvIao

さわ子「なるほど梓ちゃんの言った通りね」 

純「はい」 

憂和「「 座り心地が悪い 」」 

さわ子「そうなのよ」 

純「そうです」 

和「私と憂は一度経験してるから」 

憂「うん!」 

さわ子「・・・そうだったわね」 

純「梓いいな~」 

憂「また言ってる~」 

純「羨ましいんだもん。乗客のみんなも店員さんたちも車掌さんもいい人だったから~」 

和「そうね・・・」 

さわ子「わたし到着まで寝てるわ。よろしくね和ちゃん」 

和「はい」 

さわ子(・・・さすがに疲れたわね) 

純「あのさ、ライブで梓が」 

・・・・・・・・・ 

・・・・・・ 

・・・ 

憂「お姉ちゃんと和さんとで話してたんだ~」 

純「へ~」 

さわ子「・・・ん」 

和「あ、先生そろそろ着きますよ」 

さわ子「・・・そう・・・あっという間ね」 

憂「後で学校に行っていいですか?」 

さわ子「部室にくるの・・・?」 

純「はい」 

憂「はい!」 

和「私も後で顔だすわ」 

さわ子「しょうがないわねぇ」 


――――――――
681 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:12:16.94 ID:tjiZjvIao


ちひろ「いらっしゃいませ~」 

紬「京都の観光ガイドくださ~い」 

ちひろ「はい、どうぞ~」 

梓「よしっ!これで京都の観光はバッチリです!」グッ 

律「そんなに気合入れるのか」 

ちひろ「あ、そういえばお客さん~?」 

紬梓「「 はい? 」」 

ちひろ「さとみさんとぉ~」 

澪「?」 

ちひろ「すっごく仲良しですよね~」 

紬「うふふ」 

ちひろ「羨ましいな~」 

梓「そうですか」 

ちひろ「はい~。それでは~」 

紬「ありがと~」 

律「じゃ、唯とみらいのいる展望車にでもいくか」 

澪「そうだな。そこで京都の観光」 

「きゃああああああああああああ」 

梓「え!?」 

律「叫び声?」 

紬「動力車よ!」 

タッタッタ 

梓「ま、まってください!」 

澪「聞こえない聞こえない」 

律「朝っぱらから出ないって、今の声車掌さんだから・・・車掌さん!?」 

682 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:13:05.49 ID:tjiZjvIao

紬「なにかあったんですか?」 

車掌「ね、ね、ねずみが・・・」ガクガク 

紬「ネズミ?」 

車掌「そ、そ、そこに・・・!」ブルブル 

紬「・・・でてらっしゃい~」キョロキョロ 

車掌「私ねずみだけはダメなんです・・・」ガクガク 

梓「おぉ」 

紬「あ、いました・・・でも・・・」 

車掌「そっとね、そぉーっと」 

紬「そぉー・・・」 

「ピノ?」 

ピノ「ピピッ」 

シュッ 

紬「きゃっ・・・あ、あなたは」 

梓「ライブの時に・・・」 

律「むぎの肩に乗ってたリス・・・?」 

車掌澪「「 え・・・? 」」ブルブル 

「度々すいません・・・その子わたしの友達なんです」 

紬「え・・・あっ」 

ピョン 

「ほら、ピノも謝って」 

ピノ「ピピッ」 

澪「本当に謝ってるみたいだ・・・」 

「すいません・・・私岩泉風音と申します。あの、お名前は・・・?」 

紬「わたしは琴吹紬といいます」 

風音「紬さん・・・ですね。えぇとなにかお詫びをしないと・・・」 

紬「お詫びなんて・・・いいですよ」 

風音「でも・・・ライブでもお邪魔してしまって・・・」 

紬「驚いただけよ、気にしないで~」 

律「だそうだぞ」
683 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:13:36.78 ID:tjiZjvIao

風音「あ・・・」 

車掌「コ、コホン」 

風音「車掌さん・・・すいませんでした」 

車掌「わたしはよろしいですけれど、他の乗客のみなさんにご迷惑をかけないでくださいね」 

風音「はい・・・本当にすいませんでした」 

車掌「それでは私はこれで・・・」 

スタスタ 

風音「もぅ・・・ダメじゃない勝手に歩き回ったら」 

ピノ「ピピッ」 

梓「か、かわいい」 

紬「昨日のライブにもいらしてたんですね」 

風音「は、はい。みなさんの演奏とてもよかったです」 

澪「あ、ありがとう」 

律「へへっ、嬉しいね~」 

紬「ふふ、そうね」 

風音「それでは、私はこれで・・・」 

梓「はい・・・」 

ピノ「ピピッ」 
684 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:14:43.68 ID:tjiZjvIao

律「動物と旅行するってのも面白いかもな」 

澪「そうだな。憧れる」 

梓「憧れるんですか」 

紬「可愛かったわピノちゃん」 

「ゆいちゃーん、つぎなにをひいてくれるの~?」 

唯「よぉーし!もしもしかめよいくよ~!」 

「わー!」 

唯「饒舌に変えてあげるよギー太!」 

梓「弾けるんですね」 

律「練習してたんかな」 

「すいません、唯さんの邪魔をしてしまってるみたいで」 

澪「いえいえ、唯も楽しんでいるみたいですから」 

「あの子ったら唯さんのファンになったみたいで」 

紬「まぁ~」 

「私たち次の京都で降りるので、あの子も最後に遊んでもらってとても嬉しそうです」 

「ゆいちゃんすごーい!」 

唯「へっへーん」ジャンジャン 

梓「子供相手に得意げになってますね」 

律「あぁ」 

「ふふ、そこがいいと思います。憧れが強くなりますから」 

デンデデデデドロデデン 

「あ、間違えたー」 

唯「でっへっへ」 

みらい「・・・」フムフム 

律「・・・で、みらいはそこで何を読んでいるんだ?」 

みらい「仕事を探しています」メラメラ 

澪「すごいやる気だ・・・!」 

梓「・・・燃えてますね」 

紬「内容は?」 

みらい「雑誌のモデルに応募してみようと・・・」 

澪「はぅ」ボンッ 

みらい「?」 

律「自分が雑誌のモデルになったところを想像しただけなんだ、気にしないで」
685 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:15:40.49 ID:tjiZjvIao

みらい「『花』と『ファッション』の雑誌モデルを募集してるんですけど、どっちが私に合うと思います?」 

律紬梓「「「 花 」」」 

みらい「ふふ、花に囲まれて仕事できたら楽しいだろうな・・・」 

紬「マネージャーに相談してきたらどうかしら?」 

みらい「そうですね!」 

テッテッテ 

律「すげぇな・・・。あの記事をみたらへこみそうなのに・・・」 

梓「そうですね、マイナス要素で有名になってるのに・・・根性あります」 

紬「・・・そうね」 

テッテッテ 

みらい「唯さんも『花』だそうです」 

澪「そ、そうか・・・なにが?」 

律「みらいに合いそうな雑誌のモデルだよ」 

澪「そうだな、花が似合ってるよ。うん」 

みらい「みなさんがそう仰るなら応募してきます!」 

テッテッテ 

梓「行動力もありますね」 

澪「・・・」 

緑「・・・」 

紬「あ、北上さ」 

緑「・・・」クルッ 

スタスタ 

澪「」ピキーン 

律「あはは、出て行った」 

紬「・・・」ションボリ 

梓「む、むぎ先輩!京都の観光先を決めませんかっ?」 

律「私たちは二度目だけどな」 

紬「そうね・・・!」 

律「ほら、澪も考えるぞ」 

澪「あ、あぁ」 

「じゃーねー」フリフリ 

唯「またねー」フリフリ 

「ありがとうございました」 

唯「いえいえ~」 

澪「楽しそうだな」 

唯「楽しかったよ!」
686 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:16:48.06 ID:tjiZjvIao

律「・・・」 

梓「金閣寺いいですよね!」 

紬「そうね~」 

澪「どうせなら銀閣寺に」 

梓「」ガーン 

律「みお~・・・」 

澪「ん?金閣寺がいいのか?」 

律「いや、そうじゃなくて。そのペンダント・・・いつ買ったんだ?」 

澪「あ、これは・・・」 

小麦「私たちが出会ったときに買ってくれたんだよ~!」 

澪「び、びっくりした」 

小麦「えっへへ~」 

律「仙台で?」 

小麦「そうだよ。そのペンダントさぁ、もう入手困難なんだよね~」 

澪「そうなのか・・・」 

唯「おぉ、レアペンダントですな!」 

紬「似合ってるわ~」 

澪「あ、ありがと」テレ 

梓「今まで着けてなかったですよね」 

澪「え、と願掛け・・・みたいなものかな」 

紬「澪ちゃん・・・」 

律「ほほぅ・・・聞かせてもらおうか」ニヤリ 

小麦「聞かせて聞かせて~」 

澪「だ、ダメだ!」 

唯「え~」ブー 

澪「人に言ってしまうと叶わなくなるんだぞっ!」 

小麦「そうだね、うん!」 

律「もうちょっと喰らい付けよ~」 

梓「小麦さんは展望車へなにしにきたんですか?」 

小麦「面白いネタを探している最中だよ~」 

律「忙しいな~」 

小麦「足で稼がなくっちゃね!と、いう事でバイバーイ」 

唯「バイバーイ!」 

紬「本当に忙しそうね~」
687 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:17:28.96 ID:tjiZjvIao

律「で、なんだっけ?銀閣寺でいいのか?」 

梓「」ガーン 

唯「そうだね、金閣寺行ったもんね~」 

梓「」ガーン 

紬「来年憂ちゃんたちと・・・」 

梓「先輩たちと行きたいです・・・」ションボリ 

紬「行きましょう!」 

唯「がってんです!」 

律「夕方な!」 

澪「そうだな!」 

梓「わぁ」パァァ 

律「到着時間は12時だから・・・」 

紬「4時間くらいどうしましょうか」 

唯「あ、みらいちゃん・・・」 

みらい「・・・」ションボリ 

唯「ど、どうしたの?」 

みらい「・・・それが」 

澪「もしかして」 

みらい「・・・はい。ダメでした」 

律「ん~、そっか」 

紬「まぁ・・・」 

梓「理由は?」 

みらい「・・・事務所に所属していないから・・・です」 

唯「むむむ・・・む?」ヒョイ 

律「どうした?その雑誌になにかあるのか?」 

唯「映画雑誌だよりっちゃん!」 

律「おぉ、仕事があるかもしれないな!」 

梓「じゃあ、私もCD雑誌を見てみます」 

澪「・・・そうだな、募集要項にいいのがあるのかもしれない」 

みらい「・・・」 

紬「・・・」 

律「お、この俳優さん」 

唯「りっちゃん」 

律「はい」
688 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:18:22.23 ID:tjiZjvIao

梓「バンドの要員募集はあるんですけどね」 

澪「うん・・・オーディションはないのかな」 

梓「そうですね・・・」 

みらい「私・・・以前お世話になったプロデューサーに連絡してみます」 

テッテッテ 

紬「みらいちゃん・・・」 

律「あ、唯・・・白澤監督って知ってるか?」 

唯「知らない」 

澪「映画興味ないのか・・・」 

梓「日本を代表する映画監督ですよね・・・?」 

律「あぁ・・・、その白澤が次の停車駅、草津駅の近くで撮影してるらしい」 

唯「チャンスだね、りっちゃん!」 

律「え・・・?」 

紬「どういう事?」 

唯「みらいちゃんを主役にしてもらう!」 

梓「落ち着いて下さい」 

澪「でもエキストラで使ってくれるかも・・・」 

唯「そうだよ!」 

律「草津駅で降りて行くのか?」 

唯「そうです!」フンス! 

梓「でも・・・唯先輩だけでは・・・」 

紬「・・・」 

澪「・・・うん」 

律「足手まと・・・ゴホン」 

唯「足で窓を開けたらダメ!」メッ 

澪「テンションがうなぎのぼりだな」 

紬「うなぎのひつまぶし・・・よし!」グッ 

梓「・・・なにがなんだか」
689 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:19:27.25 ID:tjiZjvIao

律「う~ん・・・唯一人じゃな~」 

澪「はいっ!」ズバッ 

律「う~ん、人が集まる所だからな~」 

澪「」ボンッ 

梓「手を上げたまま固まってしまいましたね」 

律「・・・」チラッ 

梓「わ、わたしですか!?」 

律「・・・だよなぁ」 

梓「誰も何も言ってませんよ!?」 

紬「・・・あら」 

テッテッテ 

律「アイツに頼むのもなぁ・・・」 

唯「困ったときの修治くんだね!?」 

律「いや・・・、うーん」 


690 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:20:05.82 ID:tjiZjvIao

さとみ「むぎ・・・さ・・・ ?」 

紬「・・・どうしたの?」 

みらい「・・・みなさんに申し訳なくて」 

紬「どうして?」 

みらい「観光先の事で楽しめる時なのに・・・それを奪っちゃって」 

紬「・・・」 

みらい「仕事を諦めて・・・このままみなさんと旅を楽しめたらって・・・」 

さとみ「・・・!」 

紬「・・・」 

みらい「・・・もし、私がそう言い出したら紬さんはどうします?」 

紬「・・・」 

みらい「・・・」 

紬「みらいちゃんがそうしたいのなら大歓迎よ~」 

さとみ「・・・」 

紬「でも、それって今まで自分に嘘をついてきたのと同じ事じゃないかしら?」 

みらい「・・・!」 

紬「『アイドル飯山みらい』という決められた役を与えられてただけ・・・よね」 

みらい「・・・」 

紬「これからはみらいちゃんが好きなように演じられるわ。それは無限大よ~」 

みらい「好きなように・・・」 

さとみ「・・・」 

紬「・・・唯ちゃんが・・・ファンのみんなが、みらいちゃんの戻ってくるのを待ってるわ」 

みらい「・・・!」 

さとみ「・・・」 

紬「みらいちゃんを応援してくれる人たちが・・・わたしもね」ニコ 

みらい「・・・はい」 

さとみ「・・・」 

紬「ダメだったの・・・?」 

みらい「はい・・・事務所の関係で・・・色々と問題があるって・・・」 

紬「だいじょうぶ?顔色悪いわ」 

みらい「心配してくれてありがとうございます。少し頭冷やしてきます」 

トボトボ 

さとみ「私に気付かず行ったわね」 

紬「・・・さとみさん」
691 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:22:24.75 ID:tjiZjvIao

さとみ「アイドル飯山みらい・・・か。そこまで行き詰っているなんて思ってなかったわ」 

紬「とっても不安なんだと思う・・・」 

梓「そうですよね」 

さとみ「そうかぁ・・・うわっびっくりした」 

梓「むぎ先輩が戻ってこないから様子を見に来ました」 

紬「ふふ」 

さとみ「意外だったわ」 

梓「そうですね。私もよく知りませんでした」 

紬「・・・」 

さとみ「私の悩みなんて・・・ちっぽけね・・・」 

梓「違いますよ」 

さとみ「・・・?」 

紬「?」 

梓「さわ子先生からの伝言です」 

さとみ「さわ子先生の?」 

梓「『人の悩みは計れるものじゃないから、比べる必要はないのよ』と」 

さとみ「そう・・・、見透かされているわね~」 

紬「うふふ」 

さとみ「・・・いいなぁ」 

紬「さとみさんもみんなのところに行かない?」 

梓「そうですよ」 

さとみ「そうね、お邪魔するわ」 

紬「先に行ってて~、私は食堂車へ行ってきま~す」 

さとみ「?」 

梓「行きましょう」 
692 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:23:15.63 ID:tjiZjvIao

紬「みんなティータイムにしましょ~」シャランラ 

律「お、いいな!」 

唯「名古屋で買ったういろうがあるよ~」 

梓「用意がいいですね」 

澪「待ってたんじゃないのか」 

みらい「あ・・・」 

紬「うふふ」 

みらい「さっきはすいませんでした」ペコリ 

紬「気にしないで~」 

梓「・・・」 

さとみ「それじゃあね、1338年室町幕府を開いたのは誰か?」 

紬「・・・勉強?」 

みらい「クロスワードパズルです」ニコ 

紬「息抜きも必要よね」 

みらい「・・・はい!」 

唯「足利・・・」 

澪「・・・」 

律「足利・・・?」ゴクリ 

梓「・・・」ゴクリ 

紬「足利・・・!?」 

唯「足利さん」 

律「何人いると思ってるんだよ」 

唯「いっぱいいるから悪いんだよ!」 

律「悪くねえ!」 

みらい「ふふ」 

唯「みらいちゃん答えてよ~!」 

みらい「え・・・えーと・・・足利・・・」 

梓「足利・・・?」 

みらい「あしかが・・・よ」チラッ 

紬「・・・」フルフル 

みらい「尊氏です」 

唯「あー、そっちか!」 

澪「ふむ・・・」
693 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:24:03.80 ID:tjiZjvIao

さとみ「正解。ややこしいわよね~」 

律「そうだな」 

梓「ずるいです」ジー 

紬「あずさちゃん、紅茶どうぞ~」 

梓「いただきます」パァァ 

紬「室町幕府は京都にあったから、京都観光の前知識としてはいいわね~」 

梓「そうですね。知識を持って観るとまた違ってみえますからね」 

澪「今の説得力あるな」 

唯「うんうん」 

さとみ「でも、次の問題忘れちゃったの」 

律「よっしゃ次は私が答えるぜ」 

さとみ「応仁の乱が起った時の室町幕府八代目将軍は誰か?」 

律「澪、右手見せて」 

澪「?」スッ 

ポン 

律「パス!」 

澪「なっ!」 

梓「・・・」ジー 

唯「りっちゃん、いいの?あずにゃんの目が呆れてるけど」 

律「わーかったよ・・・えーと、応仁の乱というのがひっかけだろ?」 

澪「なぞなぞじゃないんだぞ」 

律「・・・足利・・・よし・・・ま」チラッ 

紬「みらいちゃんもどうぞ~」 

みらい「ありがとうございます」 

梓「・・・」 

唯「よしま・・・?」 

さとみ「・・・?」 

律「まてよ・・・足利よし・・・み」チラッ 

紬「・・・」ウンウン 

律「足利義満!」バシーン 

紬「さすがコックさん。いい水を使用しているわ~」ウンウン 

律「え・・・」 

みらい「違いがあるんですか?」 

紬「紅茶は水が重要なのよ~」
694 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:24:35.56 ID:tjiZjvIao

さとみ「・・・義満でした?」ハテサテ 

梓「義政が正解ですね」 

さとみ「あっ、そっか!」 

律「・・・」シーン 

澪「声を高らかに答えたのに・・・」 

唯「りっちゃん」ププッ 

律「おまえだって間違えたろー!」 

唯「答えてないから間違えてないもん!」 

律「なんだよそりゃ!」 

ギャーギャー 

梓「ういろうおいしいですね」モグモグ 

澪「そうだな・・・。あ」 

ピョン 

ピノ「ピピッ」 

紬「あら、ピノちゃん?」 

ピョン 

澪「あっ」 

ピノ「ピッ」 

さとみ「澪さんの肩に・・・」 

風音「ピノってばまた!」 

紬「あらあら」 

澪「おぉ」キラキラ 

梓「わ、わたしの肩にも乗っていいんですよ!」 

ピノ「ピピッ」 

風音「本当にすいません・・・」 

澪「気にしないで下さい」キラキラ 

梓「おいで!」ポンポン 

ピノ「ピッ」 

風音「ピノってば・・・みなさんに懐いてしまったみたいで・・・」 

唯「りっちゃん、ケンカしている場合じゃないよ!」 

律「・・・ん?」 

唯「お、おいでリスちゃん!」ポンポン 

梓「だ、ダメですよぉ!」 

唯「あずにゃんにはトンちゃんがいるでしょぉ!」 

梓「そんなの今関係ないじゃないですか!」
695 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:25:12.13 ID:tjiZjvIao

澪「あはは」キラキラ 

さとみ「澪さん幸せそうね」 

紬「風音さんもどう・・・?」 

風音「いえ・・・せっかくですけど、すぐに部屋へ戻りますので」 

律「忙しそうだね?」 

風音「え、えぇと」 

澪「なんで私たちに懐いてくれたんだろ」キラキラ 

ピノ「ピピッ」 

紬「どうしてかしら」 

風音「動物って本能的に敵か見方かを見分けるっていいますから」 

みらい「うんうん」 

律「へぇ~」ズズー 

紬「私たちは見方よ!」 

唯「そうだよっ、おいでリスちゃん!」ポンポン 

梓「私は名前覚えてますよ、ピノちゃん!」ポンポン 

唯「ずるいよ、あずにゃん!」 

ピノ「ピピッ」 

ピョン 

唯梓「「 あっ 」」 

みらい「あ・・・、こっちにきてしまいましたね」 

梓唯「「 」」ガーン 

さとみ「ふふっ」 

澪「可愛いなぁ」キラキラ 

律「・・・よかったね」 

風音「ほら、こっちおいで」 

ピノ「ピピッ」 

風音「あ、こら」 

ピョンピョン 

修治「うわっ」 

風音「ピ、ピノ!」 

唯梓「「 えぇー 」」ガーン 

修治「ま、前がみえない・・・!」 

風音「ご、ごめんなさい修治さん」 

修治「なんだ、またピノか」 

ピノ「ピピッ」 

律「そいつは敵だぞ!」
696 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:26:14.72 ID:tjiZjvIao

唯「そうだー!」 

ピノ「ピピッ」 

修治「フフ、俺は地球の見方だよ」キラリ 

澪「・・・」オロオロ 

律「ういろううめぇ!」 

さとみ「おいしいわね」 

紬「そうね~」 

唯「もっとあるよ~」 

みらい「えぇと・・・」オロオロ 

梓「・・・」 

修治「慣れっこですから、ほら主人のもとへ帰りなー」 

風音「はぁ・・・。もうピノってば」 

ピノ「ピピッ」 

風音「それでは私はこれで・・・」 

唯「ピノちゃんまたね~」 

紬「またね~」 

律「で?」 

修治「・・・うん。これ、小麦の書いた名古屋のライブ告知の記事」 

梓「あ・・・こんな記事あったんですね。ありがとうございます」 

修治「持っていたほうがいいと思ってさ」 

律「・・・?」 

紬「どういう事ですか?」 

修治「・・・みらいちゃん絡みの意味」 

みらい「あ・・・」 

さとみ「・・・?」 

唯「そっか、ありがと修治くん」 

修治「うん・・・、あとさ聞きたいんだけど」 

澪「はい・・・?」 

修治「展望車のライブ記事は全部で3枚だよね?」 

澪「小麦さんが一枚、売店車が一枚、私が持ってるこれで最後です」 

梓「・・・あ、あの時の記事があったんですか?」 

律「あぁ、梓はまだみてないのか」 

修治「おっけ~、ちひろさんに言っておくよ、じゃね~」フリフリ 

梓「あ、あの・・・どうして・・・」
697 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:27:17.42 ID:tjiZjvIao

修治「ん?」 

さとみ「どうしてそこまでしてくれるのか・・・?」 

修治「ふふ・・・聞きたいかい?」 

律「いや、別に」 

修治「車掌さんとさわ子先生に頼まれたからさ! 言わせろよ!」 

律「言っただろ!」 

紬「車掌さんにもですか?」 

修治「うん・・・それにHTTFの・・・ファ、ファンだからね」カァ 

唯「・・・」シーン 

律「・・・」シーン 

みらい澪「「 あ、ありが 」」 

修治「う、うるさーい!」 

タッタッタ 

みらい澪「「 」」ガーン 

梓「本当にキャラが違いますよね」 

律「東京出た辺りから変になったよな」 

唯「そういえばそうだね」 

さとみ「キーワードは東京ね!」 

紬「沈黙が雑音なのね!」キラン 

梓「子供の頃、それで中々寝付けなかった事ありますよね」 

律「あー、あったな」
698 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:28:04.91 ID:tjiZjvIao

澪「え、今はないの・・・?」 

唯「うー・・・ん・・・」 

みらい「ない・・・ような気がしないでも・・・」 

さとみ「あるような気がしない・・・わね」 

紬「そう・・・ね・・・」 

梓「ない・・・ともいえなくもない・・・ですね・・・」 

澪「はっきり言ってくれてもいいんだぞー!」 

タッタッタ 

律「あーぁ」 

唯「もぉーりっちゃん」 

律「いやいや、私何も言ってないし」 

唯「無言の否定って言ってね」 

律「うるさいっ!」ムニー 

唯「ふぁにふぉふひゅ」 

梓「ひどいですっ!」 

タッタッタ 

律さとみ「「 いやいや・・・ 」」 

唯「りっちゃんの男前!」 

タッタッタ 

みらい「いったいなにが・・・」 

紬「あらあら」 

律「まぁ、いいや。草津駅まで自由時間って事にすっか」 

紬「そうね~」 

さとみ「梓ちゃは・・・なんだったの・・・」 

律「ただのノリだと思うぞ」 

紬「それかピノちゃんの所へ行ったのかも~」 

律「あ、そうだ。むぎ、私と唯とみらいで一旦草津で降りるからなー」 
699 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:29:04.67 ID:tjiZjvIao

秋子「・・・」グスッ 

澪「えぇと・・・」アセアセ 

秋子「あ、澪さん・・・」グスッ 

澪「ど、どうしたんですか・・・?」 

秋子「この漫画を読んでいたんですけど・・・ヒロインが可哀相で可哀相で~」シクシク 

澪「ま、漫画・・・」 

秋子「はい・・・二人とも理解しあえないまま別れちゃうんです~」シクシク 

澪「それは悲しいですね・・・」 

秋子「・・・悲しすぎます~」シクシク 

澪「・・・その巻で終わりなんですか?」 

秋子「いえ、まだ続きがあるはずです」 

澪「だ、大丈夫だと思いますよ。また出会えると思います」 

秋子「そうですか~?」 

澪「は、はい」 

秋子「それじゃあ続きが売店にないか見てきます・・・それでは」 

澪「・・・それでは」 

スタスタ 

澪「ふぅ・・・」 

梓「どうしました?」 

澪「ちょっと大変・・・かも」 

梓「・・・そうみたいですね」 

澪「・・・」 

梓「座って休みませんか?」 

澪「そうだな・・・って、みんなは?」 

梓「展望車でくつろいでいると思います」 

澪「そうか・・・」 

ドサッ 

梓「・・・私はピ・・・ちょっと歩き回ろうかと」 

チョコン 

澪「・・・」 

梓「走るヴェガは久しぶりですから・・・」 

澪「そうか・・・」 

梓「・・・?」
700 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:29:35.80 ID:tjiZjvIao

エレナ「オー、二人ともどうしましたカ?」ジー 

澪「あ、エレナさん・・・」 

梓「くつろいでいる所です」 

エレナ「ミオさんそれハ・・・」 

澪「はい。仙台で買ったペンダントです」 

エレナ「ヤッパリ似合いますネー」 

梓「はい、蒼く輝いてて綺麗です」 

澪「あ、ありがと」テレ 

エレナ「素敵ネ」 

澪「・・・」テレテレ 

梓「・・・エレナさんは世界を旅しているんですよね?」 

エレナ「そうですヨー」 

梓「旅のいい所ってなんでしょうか・・・?」 

澪「・・・」 

エレナ「ワタクシは、過去の思い出と、今の景色と、未来の期待が一度に得られるところがよいデスネ」 

梓「・・・!」 

澪「さすがに実感がこもっていますね・・・」 

エレナ「ミオさんはどう思いますカ?」 

澪「え!? えぇと・・・」 

梓「聞かせてください!」キラキラ 

エレナ「フムフム」 

澪「わ、私はみんなと旅をしてるから・・・エレナさんほど内容が薄いと思うけど・・・」 

エレナ「そんな事ナイですネ。ミオさんの今までの経験がそうだとは思えませんワ」 

澪「・・・そうですか?」 

エレナ「もちろんですワ」 

澪「旅を続けていると成長していけるような気がする・・・かな」 

エレナ「ワタクシと同意見ですワ」 

梓「成長・・・」 

澪「・・・?」 

梓「な、なんでもないですよ」 
701 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:30:32.17 ID:tjiZjvIao

唯「車掌さんが踊ってる!?」 

車掌「・・・!・・・!!」 

唯「おぉ・・・」 

「しゃしょうさんそっち!」 

車掌「は、はい!えいっ」 

唯「ん?」 

「あぁ、おしい!」 

車掌「素手で捕まえるのは難しいですね・・・」フゥ 

唯「車掌さんどおしたの~?」 

車掌「あ、平沢さん」 

「あ、ゆいさん」 

唯「やぁやぁ、どうしたのかね?」 

「ぼくの虫かごからちょうちょがにげちゃったの」 

車掌「捕まえようとしてるのですが、なかなか・・・」 

唯「心をしずかにするのです」 

「どうやって?」 

唯「心の中に空を思い描きます」 

「わかった・・・」 

車掌「・・・はい」 

唯「すぅーはぁー」 

「すぅはぁー」 

車掌「・・・」スゥ 

唯「その心を保ちながら蝶々に近づき捕獲」 

スポッ 

「すごーい!」 

車掌「まぁ」 

唯「おぉ」 

「ありがとー」 

車掌「ありがとうございます」 

「じゃねー」 

テッテッテ 

唯「バイバイー」 

車掌「ふふっ、助かりました」 

唯「いえいえ~。最初車掌さんが踊ってるからびっくりしたよ~」 

車掌「変な所をみられてしまいましたね。それでは」 

唯「はーい」
702 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:32:59.14 ID:tjiZjvIao

―――――草津駅 

プシュー 

修治「よっと」シュタッ 

タッタッタ 

律「なんだ・・・?」 

みらい「向こうになにかあるのでしょうか?」 
703 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:33:41.30 ID:tjiZjvIao

修治「ここなら大丈夫だろ」 

「・・・」 

修治「ほら、行けって!」 

「・・・」 

修治「ジョルノ・・・お前はこれから一人で生きていかなきゃ行けないんだぞ」 

ジョルノ「・・・」 

修治「ほら」ブンッ 

ジョルノ「・・・」ハサミ! 

修治「・・・っ!」 

ジョルノ「・・・」 

修治「このやろッ!」ブンブンッ 

ジョルノ「・・・」ギュウウウウウ 

修治「振り落とされまいと必死か!」ブンブンッ 

ジョルノ「・・・」ギュウウウウウウ 

修治「・・・っ」 

ジョルノ「・・・」 

修治「悪かった」 

ジョルノ「・・・」バサバサッ 

修治「・・・ったく」 

律「・・・撮れた?」 

エレナ「バッチリですワ」 

修治「っ!?」 

梓「プクク」 

みらい「あ、梓さん・・・笑っちゃダメ・・・ですっ」プクク 

梓「みらいだって・・・」プクク 

修治「・・・」サァー 

律「カマキリに名前までつけるなんて・・・いいヤツだったんだな」 

唯「どうしたの~?」 

エレナ「こちらをご覧クダサイ」 

修治『ジョルノ・・・お前はこれから一人で生きていかなきゃ行けないんだぞ』 

唯「おぉ」 

梓「地球の見方ですからね」 

修治「それ以上・・・みたら・・・ダメダ・・・」ヘナヘナ 

修治『振り落とされまいと必死か!』ブンブンッ 

律「昆虫と戦う人間の貴重な映像です」
704 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:34:27.72 ID:tjiZjvIao

エレナ「世界に広めますワ」 

修治『悪かった』 

律「人間が敗北した瞬間である」 

梓みらい「「 ブフッ 」」 

唯「修治くん・・・」 

修治「もぅ・・・お嫁に行けない・・・」シクシク 

律「はいはい」 

梓みらい「「 プックク 」」 

唯「りっちゃん・・・」チラッ 

律「あぁ・・・」チラッ 

修治「な、なんだよ・・・」 

唯「・・・ごにょごにょ」 

律「・・・ごにょごにょ」 

修治「・・・こっちみながらヒソヒソと京都の話するなよ。せめて俺の陰口にしてくれ」 

みらい「ブフッ」 

律「・・・みらいがリラックスできたみたいだ・・・ナイスだぞ」 

修治「リラックス・・・?」 

唯「そうだよ!これから映画撮影現場に行ってきます!」 

みらい「・・・そうです!」 

梓「・・・応援してるから」 

エレナ「頑張ってクダサイ」 

みらい「はい!」メラメラ 

修治「ここの近くでやってるの・・・?」 

唯「そうなのです!」 

律「じゃ、京都でな!」 

梓「はい!」 

唯「行ってきます!」 

紬「唯ちゃん、待って~」 

澪「唯ー!」 

「ゆいちゃーん!」 

唯「あ、四葉ちゃん?」 

よつば「ゆいちゃん、わたしきょうとでおりるから・・・おかあさんがおわかれしてきなさいって」 

唯「・・・そっか」
705 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:35:16.09 ID:tjiZjvIao

紬「・・・」 

エレナ「・・・」 

よつば「ゆいちゃん、たのしかったよー。ありがとー」 

唯「・・・うん!私も四葉ちゃんとお話できて楽しかったよ。四葉ちゃん元気でね」 

よつば「うん!わたしもおおきくなったらぎたーやるんだ!」 

唯「えっへっへ~」 

よつば「ゆいちゃん、ばいばーい!」 

唯「バイバイ!」 

タッタッタ 

「お別れできた?」 

よつば「うん!」 

唯「・・・」 

律「ほら行くぞみらい、唯・・・」 

みらい「はい」 

唯「うん」 

梓「唯先輩・・・」 

紬「行ってらっしゃい」 

澪「頑張ってな」 

修治「・・・応援してるぜ!」 

エレナ「ファイトですワ」 

みらい「行ってきます!」 

唯「・・・」トボトボ 

澪「唯・・・」 

エレナ「ユイさんはステキな人ですワ」 

紬「・・・はい」 

エレナ「一つ一つの出会いをとっても大切にしてマスヨ」 

澪「・・・」 

エレナ「寂しい別れもきちんと受け止めていますネ」 

梓「はい、凄い人です。私、唯先輩を尊敬してます」 

修治「ほぅ・・・」 

紬「まぁ~」 

澪「・・・うん」 

梓「・・・」カァ 

紬「ヴェガに戻りましょうか」
706 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:36:24.26 ID:tjiZjvIao

エレナ「小麦ー!」 

タッタッタ 

修治「やめろー!」 

タッタッタ 

澪「元気だな~」 

梓「今日も日差しが強くていいですね」 

紬「ん~・・・!」ノビノビ 

澪「・・・~っと!」ノビノビ 

紬「あら?」 

風音「あ、紬さん」 

澪「ど、どうしたんだ、その小鳥・・・」 

風音「怪我したみたいで・・・」 

梓「どこかにぶつけちゃったのかな」 

紬「大変!」 

澪「ど、どうしよう」 

梓「車掌さんに救急セットを」 

風音「でも時間が・・・」 

紬「な、なにか他に方法はないかな!?」 

風音「・・・そうですね」 

澪「応急処置ができれば・・・」 

風音「・・・そうだ、私のハンカチで」 

ビリビリ 

紬「ご、ごめんなさい。なにもできなくて・・・」 

風音「紬さんが悪いんじゃないですよ・・・こうやって」 

梓「手馴れてますね」 

澪「う、うん」 

風音「この小鳥は獣医さんに見てもらいましょう。駅員さんに頼めば大丈夫だと」 

紬「そ、そうね!」 

澪「・・・よかった」 

梓「・・・ホッ」
707 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:37:03.81 ID:tjiZjvIao

風音「・・・。それじゃ私駅員さんの所へ行ってきます」 

タッタッタ 

紬「風音さん優しいわね」 

澪「あぁ、あんなに真剣になってたからな」 

梓「・・・動物が好きなんですね」 

紬「えぇ・・・」 

澪「・・・」 

梓「・・・」 

タッタッタ 

風音「あ、みなさん・・・」 

紬「・・・どうでした?」 

風音「はい・・・快く引き受けてくれました」 

澪「そっか・・・。じゃ、乗ろうか」 

梓「そうですね」 

風音「・・・」 

紬「あら? そろそろ発車しますよ?」 

風音「みなさん優しいんですね」 

紬「風音さんも優しいわ」 

風音「みなさんのような人たちが」 

prrrrrrrrrrrrrrrrr 

紬「なにか言いましたか?」 

風音「い、いいえ」 

紬「?」 

梓「むぎ先輩!京都ですよ!」 

澪「あぁ、楽しみだ」 

紬「しゅっぱ~つ!」 
708 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:37:41.11 ID:tjiZjvIao

梓「標高848メートル杉木立のならぶ山中に延暦寺の建物が散在している」 

澪「よさそうだな」 

紬「ケーブルカーやロープウェーもあるわ。面白そう~」 

梓「でも夕方には間に合いませんよね」 

澪「そうだな・・・明日の朝はどうだ?」 

紬「賛成~」 

梓「いいんじゃないでしょうか」 

澪「明日は比叡山だな」 

紬「楽しみ~」 

ピョン 

梓(来たっ!) 

澪「あ、ピノ・・・」 

紬「あらあら風音さんと一緒じゃないのね」 

ピノ「ピピッ」 

梓「私は大木、私は青空、私は草原、私は海、私は」ブツブツ 

澪「どうしたんだ・・・」 

紬「自然と同化しようとしてるのね」 

ピノ「ピピッ?」 

風音「度々すいません・・・」 

澪「気にしないでください」 

紬「えぇ、私たちも楽しいわ」 

風音「・・・そういってくれると、助かります」 

梓「私は岩、私は土石流、私はマグマ」ブツブツ 

澪「内部に潜って行くな・・・地球そのものだな」 

ピノ「ピピッ」 

紬「風音さんは登山なさるの?」 

風音「あ、はい・・・。この服装ですね」 

紬「えぇ、とても着こなしてるから」 

風音「山が私を呼んでると思ったらすぐにでも登っちゃいます」ニコ 

紬「いいわねぇ~」キラキラ 

風音「ちょっとキザですね・・・」 

梓「私は大気圏、私は衛星」ブツブツ 

澪「衛星は打ち上げるものだな」
709 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:38:46.22 ID:tjiZjvIao

ピノ「ピッ」 

風音「ほら、ピノ部屋に戻るわよ」 

ピョン 

紬「忙しいのね」 

風音「は、はい。それでは」 

スタスタ 

梓「私は」 

澪「中野梓」 

梓「はっ!」 

紬「唯ちゃんならそこでネコだと言っていたわね」 

澪「そうだな・・・」 

梓「よかった澪先輩で・・・。あれ!ピノはどこですか!?」 

紬「部屋に戻ったわ~」 

梓「・・・」ションボリ 

澪「・・・梓、娯楽車で遊んでくるか」 

梓「・・・そうですね」 

澪「むぎは行かないの?」 

紬「私はここにいるわ~」 

澪「分かった」 

梓「少し遊んできます」 

紬「行ってらっしゃ~い」フリフリ 

スタスタ 

紬(・・・京都まで来たのね) 

ガタンゴトン 

紬「・・・」 

ガタンゴトン 

紬「・・・ふぁ」 

さとみ「眠いの・・・?」 

紬「・・・うん、少しだけ」 

さとみ「座るわね」 

紬「どうぞ~」 

さとみ「・・・唯ちゃんと律さんがいないとしずかね~」 

紬「そうね・・・」
710 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:39:19.22 ID:tjiZjvIao

さとみ「・・・」 

紬「・・・」 

さとみ「少しぐらいなら眠っててもいいわよ?」 

紬「そう?」 

さとみ「眠れる姫を騎士が守るわよ」ニコニコ 

紬「それじゃ、少しだけ・・・」 

さとみ「えぇ・・・観光ガイド読んでるから気にしないで」 

紬「あり・・・がと・・・」ウトウト 

さとみ「・・・」フムフム 

紬「」ウトウト 

さとみ「・・・」ペラッ 

紬「」スヤスヤ 

・・・ 

・・・・・・ 

・・・・・・・・・ 

梓『それじゃ、さようなら』 

唯『じゃあね、バイバイ』 

澪『さよならだ』 

律『元気でな』 

『・・・っ!』 

・・・・・・・・・ 

・・・・・・ 

・・・ 

紬「っ!」 

さとみ「・・・」フムフム 

紬「・・・」ドキドキ 

さとみ「あ、起きた?」 

紬「・・・」ドキドキ 

さとみ「どうしたの?」 

よつば「つむぎおねえちゃんどうぞ」 

紬「え・・・?」 

よつば「いちごのあめだまー」
711 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:41:09.69 ID:tjiZjvIao

紬「あ、ありがとう・・・」 

よつば「おねえちゃんもどうぞ」 

さとみ「ありがと」ニコニコ 

よつば「くふふ、どういたしまして~」 

テッテッテ 

紬「・・・どのくらい寝てました?」 

さとみ「・・・そんなに長く寝てないけど」 

スタスタ 

梓「やっぱり飴玉はいちご味がいいですね」コロコロ 

澪「あ、あぁそうだな」 

紬「あ・・・」ホッ 

梓「私たち四葉ちゃんから飴玉をもらいましたよ」コロコロ 

澪「・・・むぎ?」 

さとみ「・・・」 

紬「・・・え?」 

梓「私の顔になにかついてますか?」 

澪「なんか嬉しそうに見つめてるから・・・。どうした?」 

紬「ううん。なんでもないわ~」ニコニコ 

さとみ「・・・」 

梓「? さとみさん?」 

澪「なにか・・・?」 

さとみ「私たちも飴玉もらったのよ」 

紬「そうなの。おいしいわ~」コロコロ 

梓「・・・」 

澪「・・・」
712 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:42:33.05 ID:tjiZjvIao

さとみ「二人はどこへ行ってたの?」 

澪「娯楽車へ・・・。梓がすごかった」 

梓「7が全部揃いましたからね・・・。ラッキーです」 

紬「コイン全部使い終わったの?」 

梓「いえ、預ける事ができるみたいですよ」 

澪「使い切れない枚数だったからな」 

さとみ「使い切る必要ないわよね」 

紬梓「「 あると思ってました 」」 

澪「?」 

梓「ふふっ」 

紬「うふふ」 

さとみ「・・・私変な事言ったかな」 

澪「いや・・・」 

pipipipipi 

さとみ「あ・・・、ごめんちょっと席外すね」 

テッテッテ 

澪「電話か・・・。家からかな?」 

梓「本当は降りるはずでしたからね」 

紬「・・・」 

秋子「みなさんここにいたんですね~!」 

澪「あ・・・」 

秋子「娯楽車へ行きませんか~?」ウキウキ 

梓「私たち行って来たばかりですから・・・」 

秋子「そうですか」ションボリ 

紬「それなら」 

小麦「私らだけで行こうよ秋子ちゃん」 

秋子「そうですね~」 

修治「そうだぜ!」 

梓「あ、いたんですね。見えなかっただけですよ。存在がどうのこうのじゃありません」 

修治「・・・うん」 

澪「エレナさんは?」 

小麦「網戸とか撮ってるからそっとしておいた!」 

澪「あ、網戸・・・」 

小麦「エレナはたまに変なの撮ってるから。じゃあねえ~」
713 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:43:53.51 ID:tjiZjvIao

澪「わ、わたしも行くよ!」 

小麦「行こう行こう!」 

修治「中野さんたちは?」 

紬「ここにいます」 

梓「あ、澪先輩、さっきのコイン使っていいですよ」 

澪「遠慮なく使わせてもらうな」 

スタスタ 

梓「妙な組み合わせですね」 

紬「うふふ、そうね~」 

梓「・・・」 

紬「~♪」 

梓「・・・なにかありました?」 

紬「え?」 

梓「なんといいますか・・・」 

紬「そうね~。飴玉をもらって再確認した事があるの」 

梓「四葉ちゃんの飴玉ですか?」 

紬「えぇ・・・。エレナさんが言った通り、唯ちゃんは素敵な人なんだって」 

梓「・・・そうですか」 

紬「えぇ」 

梓「・・・」 

さとみ「おかしな組み合わせだったわね~」 

紬「うふふ」 

梓「・・・」 

さとみ「・・・」 

紬「浮かない顔してますね」 

さとみ「あ、うん・・・。弟からだったの」 

梓「それで・・・どうかしましたか?」ソワソワ 

さとみ「特に変わりはないんだけど・・・ただ」 

紬「ただ・・・?」 

さとみ「父が不機嫌な顔してるんだって」 

梓「あー・・・」
714 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:44:21.31 ID:tjiZjvIao

紬「あら・・・」 

さとみ「・・・」 

梓「父親が心配するのは当然ですよね!」アセアセ 

紬「そうよね!」アセアセ 

さとみ「そうね。気にしててもしょうがないか」 

梓「京都へ想いを巡らせましょう」 

紬「さとみさんはどこへ行くか決めましたか?」 

さとみ「清水寺と金閣寺は必ず行こうと思ってるの」 

梓「あ、それなら夕方に私たちと金閣寺へ行きませんか?」 

紬「ぜひ~」 

さとみ「そうね、そうしようかな」 

梓「よーしよし」 

紬「うふふ」 

さとみ「二人は修学旅行どこへ行ったの?」 

梓「私たちの学校は3年生になって行きますから、むぎ先輩だけです」 

さとみ「そうなんだ」 

紬「京都へ」キラン 

さとみ「なるほど、それじゃ梓ちゃんはちょうどいいわね。先輩たちといけるから」 

梓「はい!」キラキラ 

紬「うれしいわ~」 

さとみ「私の学校は修学旅行なんてないから・・・羨ましい」 

梓「そうなんですか・・・残念ですね」 

紬「友達と行けないのは寂しいですね」 

さとみ「うん・・・でも、変わりといっちゃなんだけど、ヴェガに乗れたから・・・」 

梓「そうですね、これからですよ」キラキラ 

さとみ「そうね!」 

紬「私たちと修学旅行ね!」 

梓「そうです!」 

さとみ「ふふっ、それはいいわね」 

紬「そうだ、食堂車行かない?」 

梓「そうですね、行きましょう」 

さとみ「えぇ」 

715 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:45:16.00 ID:tjiZjvIao

梓「さとみさんと食堂車行くの初めてですね」 

さとみ「そうね~、最初は私と律さんとむぎさんで食堂車へ向かったのよね」 

紬「そうだったわね~」 

梓「休憩しにですか?」 

さとみ「違うの、どうして向かったと思う?」 

梓「?」 

スタスタ 

紬「あ・・・」 

緑「・・・」 

紬(写真みてる・・・のかな?) 

緑「・・・なに?」 

紬「えぇと・・・」 

緑「・・・」 

紬「外の景色・・・なにか面白いものでも見えます?」 

緑「別に・・・」プイ 

紬「・・・」 

緑「・・・?」 

紬「・・・」 

緑「いつまでそこに突っ立ってるの?」 

紬「あ、それじゃあこれで・・・」 

緑「座ればって事」 

紬(あずさちゃんたち・・・どうしよう) 

緑「・・・」 

紬「じゃあ、失礼して・・・」 

緑「・・・」 

紬「・・・」 

緑「・・・」 

紬「あ、あの・・・」 

緑「・・・なに?」 

紬「さっき大切そうに写真をみつめていましたけど・・・」 

緑「・・・」 

紬「えぇと・・・」
716 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:46:55.75 ID:tjiZjvIao

さとみ「そうそう、私あの時バトンを渡されたのよ」 

梓「へぇ~、誰にですか?」 

さとみ「名前は聞いてないわね・・・。なんのバトンかも分からないわ」クスクス 

梓「へぇ・・・」 

さとみ「忙しくなるだろうけど、楽しめるよって・・・その通りだからビックリしてるのよ~」 

梓「・・・」 

さとみ「・・・?」 

梓「むぎ先輩・・・ひょっとして・・・あれ?」 

さとみ「どうしたの?」 

梓「むぎ先輩がいない・・・」 

さとみ「あれ?」 

梓「もぅ・・・急にいなくなるから不安になるんですよね」 

さとみ「ふふっ、金沢でもあったわよ」 

梓「・・・」 

さとみ「戻ればいいのよ。『びっくり』じゃなくて『不安』なの?」 

梓「・・・いえ、言葉のあやです」 

さとみ「そう・・・?」 

梓「あ、いた・・・むぎせん」 

さとみ「待って」 

梓「・・・え?」 

さとみ「こっちの席から様子をみましょう」 

梓「?」
717 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:47:55.36 ID:tjiZjvIao

紬「えぇと・・・」 

緑「別に・・・どうでもいいでしょ」ガタ 

紬「あ・・・」 

緑「・・・」 

スタスタ 

紬「・・・あら?」 

ヒョイ 

紬(これは・・・北上さんが見つめていた写真・・・?幼い子が二人笑顔で・・・片方は北上さんね・・・) 

紬「ま、まって」 

緑「・・・?」 

紬「あの・・・これ」 

緑「それっ!」 

バシッ 

紬「!」 


梓「!」 

さとみ「ちょっと行って来るわね」 



緑「ど、どうして・・・!」 

紬「あ、あの・・・席に忘れていたから・・・」 

さとみ「ひったくる事ないでしょ?」 

緑「・・・」 

紬「さとみさん・・・」 

さとみ「その写真になにか想い入れでも?」 

緑「か、関係ないでしょっ?」 

紬「・・・」ションボリ 

さとみ「大事なものを届けてくれたんだから、お礼くらい言ってもいいと思うわ」 

緑「・・・」
718 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:48:29.39 ID:tjiZjvIao

紬「・・・」 

さとみ「・・・」 

緑「ありがと・・・」ボソッ 

紬「え・・・?」 

緑「ありがとうって言ったのよ。私がお礼を言うのがおかしい?」 

紬「・・・いいえ」ニコ 

さとみ「・・・」 

緑「ふん・・・」 

紬「あ・・・」 

緑「・・・まだ、なにか?」 

さとみ「うん、あるわ」 

緑「・・・なに?」 

紬「?」 

さとみ「北上さんの右手に・・・」 

緑「・・・手?」 

ポン 

緑「?」 

さとみ「バトンタッチ」 

紬「さとみさん・・・?」 

緑「・・・よく分からないわね」 

スタスタ 

さとみ「怖かった・・・」 

紬「さとみさん・・・今のは・・・?」 

さとみ「なんでもないわ、食堂車へ行きましょ」 

紬「・・・?」 

梓「・・・やっぱりそうだ」 
719 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:49:29.04 ID:tjiZjvIao

梓「車掌さんが怒ったところ!?」 

さとみ「そう、見に行こうなんて言うからビックリしちゃった」 

紬「うふふ」 

梓「それで・・・見られたんですか?」 

さとみ「ううん。直後だったらしくて見ずにすんだわ」 

紬「そのあと、ここで休んだのよね~」 

梓「・・・」 

さとみ「そうそう。今私たちが座っている席も唯ちゃんの手柄?により確保されたのよ」 

けさみ「そうなんですよ~。唯ちゃんが椅子を借りたいっていうから~」 

梓「あ・・・」 

けさみ「お待たせ~。オレンジに、アイスティー、ミルクティーでーす」 

紬「ありがと~」 

梓「ここの席に座るってそういう事だったんですね」 

けさみ「いつの間にか指定席になったんだよね~」 

さとみ「ふふっ、そうね」 

けさみ「それではごゆっくり~」 

テッテッテ 

梓「私が帰りの列車に乗ってる間にそんな事が・・・」 

紬「・・・」 

さとみ「梓ちゃんと入れ替わりになったのね」 

梓「不思議な気分です」 

紬「そうね~」 

澪「やっぱりむぎたちだったか・・・」 

さとみ「・・・ふふっ」 

紬「あの時の再現ね」 

澪「あの時?」 

さとみ「初めて食堂車にきた時の話。娯楽車はもういいの?」 

澪「うん、小麦が触った機械が調子悪くなってさ・・・店員・・・しのぶさんが直してる」 

紬「あらあら」 

梓「コイン使い切りました?」 

澪「中途半端に残ったかな」
720 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:49:57.67 ID:tjiZjvIao

けさみ「澪さん、ご注文はレモンティーでいいですか?」 

澪「お願します」 

けさみ「かしこまりました~」 

テッテッテ 

梓「おぉ」 

澪「ん?」 

さとみ「常連さんの貫禄よね」 

澪「え?」 

紬「私も今度いつものやつって言ってみようかしら」 

梓「言ってみたい台詞ですよね」 

さとみ「そうよね~」 

澪「?」 

紬「もうそろそろ京都ね~」 

さとみ「あっという間ね」 

澪「また京都にくるなんてな・・・」 

梓「嬉しいです!」キラキラ 

紬「私も~」 

さとみ「滅多に味わえない経験よね」 

澪「今回は梓と思い出を増やすか」 

梓「澪先輩・・・」キラキラ 
721 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:50:59.64 ID:tjiZjvIao

ガタンゴトン ガタン  ゴトン 

プシュー 

梓「よっ」ピョン 

スタッ 

梓「京都!」 

紬「あずさちゃん!」 

澪「中に戻るんだ!」 

車掌「中野さん!」 

梓「? どうしたんですか?」 

紬「あぶないあぶない」 

車掌「・・・もうしばらくお待ち下さい」 

澪「ホームにマスコミが来ててな」 

紬「みらいちゃんと私たちを待ってるみたいなの」 

梓「え!?」 

さとみ「大変そうね・・・」 

修治「ヴェガから脱出できればいいんですよね?」 

車掌「そうですね。みなさんの顔は知られていませんので」 

紬「うふふ、怪盗みたいね」 

梓「ちょっと危険な状況ですよ?」 

澪「そ、そうだな」ブルブル 

車掌「お二方協力してくれますか?」
722 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:51:29.97 ID:tjiZjvIao

修治「もちろん!」 

さとみ「もちろんです!」 

梓「ありがとうございます」 

澪「あ、ありがとう・・・」 

紬「ありがとう~」 

修治「・・・貸しもあるからね~」アハハ 

さとみ「律儀よねぇ~」 

修治「じゃ、俺は変装セット見繕ってくる」 

紬「よろしくね~」 

タッタッタ 

さとみ「私はどうしようかな」 

車掌「駅長に話を通してありますので、なにか役に立てるものを借りてきてくれますか?」 

さとみ「了解しました」 

タッタッタ 

梓「お願します」 

澪「映るのは嫌だ」ブルブル 
723 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:51:58.43 ID:tjiZjvIao

―――――職員室 

ガチャ 

純「山中先生!」 

さわ子「あらあら、鈴木さん。ここは職員室よ?おしずかにね」 

純「あ、はい・・・すいません」 

憂「山中先生はニュースサイトご覧になりましたか?」 

さわ子「いいえ、まだ見ていませんが・・・?」 

純「えぇと・・・」 

憂「・・・少しお話があるのですが」 

さわ子「・・・ちょっとまっててね。鍵を・・・」 

スタスタ 

さわ子「情報室へ行ってきます。少し空けますがよろしいですか?」 

「えぇ、大丈夫ですよ」 

さわ子「・・・それでは、行きましょうか」 

純「は、はい」 

憂「失礼しました」ペコリ 

バタン 

さわ子「それで、どうしたのよ?」 

純「飯山みらいの件で!」 

憂「私はまだ見てませんが、HTTFの動画が流れているそうなんです」 

タッタッタ 

憂「あ・・・」 

純「せ、先生が廊下を走った!」 

和「・・・どうしたのよ?」 

純「真鍋先輩も来てください」 

憂「お姉ちゃんが・・・」 

和「え・・・?」 
724 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:52:27.95 ID:tjiZjvIao

さわ子「・・・」カチッカチッ 

純「失礼しまーす」 

憂「見つかりました?」 

和「・・・」 

さわ子「あったわ・・・」 

純「おぉ、再生回数2000も回ってる!」 


みらい『 心を映し出す 丸い月 赤くやんなり浮かぶ 誰にも知られず 
     私を形作るすべてが 涙をもっていると 誰にも言えずに  』 


憂「・・・」ハラハラ 

さわ子「注目度をよみ誤ったわ・・・」 

和「・・・」 

純「先輩方の顔は映ってない・・・?」 

憂「え・・・?」 

さわ子「・・・」 

和「・・・」 

純「曲と飯山みらいはバッチリなんですけど、どういう訳か先輩方は映ってませんね」 

さわ子「・・・はぁ、焦った」ヘナヘナ 

憂「よかった~」ホッ 

和「・・・この曲だけなのね」 

憂「純ちゃん見てなかったの?」 

純「私が見たのは音が悪くて手ぶれがひどいヤツだった。記事も読んでみてください」 

さわ子「記事・・・?ニュースサイトがどうのこうの言ってたわね」カチッカチッ 

憂「・・・あ」 

『謎のグループHTTFの動画流れる!』 

『事務所とTV局に不正行為!?』 
  
純「さっき見た時より大げさになってる・・・」 

さわ子(美弥ちゃんが言っていたのはこれだったのね) 

和「山中先生、動画が投稿された時間分かりますか?」 

さわ子「ちょっと待っててね」 

憂「・・・」 

純「えぇと・・・8月9日の10時に演奏開始でしたよね」 

和「そうよ」 

さわ子「8月9日の・・・13時に投稿されているわ」 

憂「3時間で・・・」
725 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:53:45.60 ID:tjiZjvIao

純「え・・・という事は・・・どういう事?」 

和「・・・意図的に撮影して流した・・・と」 

さわ子「あの子たちに危害がないような計らい・・・」 

憂「誰が・・・?」 

純「・・・」 

和「・・・」 

さわ子「・・・」 

憂「なんでしょうか、この感覚」 

和「ちょっとスッキリしないですね」 

さわ子「・・・悪意は感じないけどね」 

純「・・・あ、山中先生テレビつけていいですか?」 

さわ子「いいわよ」 

憂「なにかあるの?」 

純「テレビ欄くらい見なきゃダメだよ、憂」 

和「あまりいい台詞じゃないわね」 

ピッ 

修治『えぇ、いい曲でしたよ』キリ 

さわ子「・・・」ポカーン 

憂「鳥羽さん!?」 

和「な、なぜ・・・?」 

純「まさかの・・・鳥羽なんとかさん・・・」 

『どのような曲でしたか?』 

修治『そうですね・・・山の中にいるような・・・』 

さわ子「・・・」 

修治『のどかな気分になりました』 

和「・・・」 

修治『純っ粋な気持ちで聞くと幸せな気持ちになれると思います』 

純「・・・」 

『そうですか・・・』 

修治『Oui』 

憂「ブフッ」 

和「憂が噴出すなんて・・・やるわね修治」 

さわ子「完全に遊んでるわねこの子」 

純「でも感想としては当たっているかも・・・」
726 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:55:00.37 ID:tjiZjvIao

『HTTFのメンバーについて詳しく聞かせてもらえますか?』 

修治『ギター二人にベース一人、ドラム一人』 

純「ちょっと・・・」 

憂「・・・」 

修治『キーボード二人でボーカルの飯山みらいですね』 

さわ子「なるほど」 

和「・・・バレない嘘ですね」 

憂「ふむふむ」 

純「紬先輩の他にいました?」 

さわ子「いたわよ~」 

修治『飯山みらいですか?草津駅で白澤監督の映画がどうとかで降りましたよ』 

純「マジで!?」 

憂「どうしたの、純ちゃん」 

和「有名な監督よ」 

さわ子「あらら、思いのほか順調なのね」 

『よろしいですか?』 

さとみ『え、あ、はい』 

さわ子「・・・あら」 

和「・・・さとみまで」 

純「あ、さとみさんも映った!」 

憂「すごーい」 

さとみ『はい。いい子でしたよ』 

純「あ、あの金髪の人エレナさんだ!」 

憂「いま・・・メガネかけた澪さんが映ったような」 

和「いたわね。梓と同じ髪型だったわ」 

さわ子「他の四人はまだ!?」 

純「帽子とサングラス!」 

和「とても怪しいわね・・・」 

憂「梓ちゃん・・・雰囲気で分かったよ」 

さわ子「どうして列車からナマズのきぐるみがでてくるのよ・・・」 

さとみ『きゃー!』ダキッ 

『それではスタジオにお返しします』 

和「さとみはナマズ人形が大好きだったわね」 

純「へ、へぇ・・・」
727 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:56:00.50 ID:tjiZjvIao

憂「可愛いきぐるみでしたね」 

さわ子「そ、そうね・・・」 

和「・・・みらいは順調だけど」 

さわ子「さとみちゃんはまずいわね・・・」 

純「?」 

和「飯山みらいが目的でもすこし派手じゃないですか?」 

さわ子「ヴェガの話題性もあるし・・・みらいちゃんは今や時の人よ」 

憂「どういう事ですか?」 

純「前の事務所とテレビ局との不正疑惑で話題になってるって事ですかね」 

さわ子「疑惑が出る直前に解雇、解雇されたにも関わらず謎のグループで活動」 

和「その謎のグループは情報が掴めないからどんどん話題だけが一人歩きしている・・・と」 

純「今、鳥羽なんとかさんが偽の情報を流しましたから・・・」 

さわ子「HTTF、放課後ティータイムは霧の中へ潜っていってる訳ね」 

和「そこへ白澤監督の映画・・・」 

憂「なるほど」 

さわ子「でもねぇ・・・」 

和「危険ですよね・・・」 

憂「お姉ちゃん・・・」 

純「うーむ」 

pipipipipipipi 

憂「あ、お姉ちゃんからだ・・・。はい」 

さわ子「なにかあったのかしら?」 

和「・・・?」 

純「・・・」 

憂「あ、そうなんだ・・・よかった~。・・・ううん、学校だよ。今隣にいるよ~。待ってて。どうぞ山中先生」 

さわ子「ん・・・?唯ちゃんどうしたの?」 

『もしもし、さわちゃん?・・・聞いて驚いてよ!』 

さわ子「なによ~、もったいぶらないで早くいいなさいよ」 

『みらいちゃんの所属事務所決定しました~!』 

さわ子「本当なの!?すごいじゃない!」 

憂「みらいちゃんの事務所決まったんだって」 

純「おぉ!」 

和「それはいい知らせね」
728 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:56:30.56 ID:tjiZjvIao

さわ子「今どこにいるの?みらいちゃんは草津駅でしょ?」 

『みらいちゃんはプロリュー・・・デューサーさんと撮影現場に向かったよ~。私たちは京都へ向かっている所~』 

さわ子「・・・そう。安心したわ。それじゃね」ホッ 

プツッ 

さわ子「はい、憂ちゃん」 

憂「よかったですね」ルンルン 

和「さっきの動画ってもしかして・・・」 

さわ子「・・・多分ね」 

純「?」 

さわ子「・・・これでみんなの情報は事務所が守ってくれるでしょ」 

和「そうですね」 

憂「・・・はい」 

純「そっか~」 

さわ子「・・・」 

和「・・・」 

憂「・・・」 

純「・・・」 

さわ子「さて、仕事に戻りますかね」 

和「私も生徒会に行かなくちゃいけないわ」 

純「・・・」 

憂「・・・」 

和「・・・」 

さわ子「憂ちゃん、お茶の用意しといてね!」 

憂「はい!」 
729 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:57:27.55 ID:tjiZjvIao

紬「ふぅ~、暑かった~」サラサラ 

さとみ「むぎさん脱いじゃうの・・・?」 

梓「我慢してください」 

さとみ「可愛かったのに~」ブー 

澪「むぎ、私の肩使っていいよ」 

紬「ありがと~、よいしょっと」 

梓「・・・澪先輩」 

澪「どうした?」 

梓「私の肩使っていいですよ」 

紬「澪ちゃん一人では私を支えられないって事・・・?」ションボリ 

梓「ち、違いますよっ」 

さとみ「むぎさんと澪さんを支えたいって事」 

澪「・・・そうか。じゃ失礼して」 

チョコン 

梓「・・・」キリ 

さとみ「それじゃ、これ返してくるから」ギュウ 

紬「ありがと~」 

澪「それじゃ、金閣寺で」 

梓「ありがとうございました」 

さとみ「いえいえ~」キラキラ 

紬「さとみさん、すっごく嬉しそう」 

澪「ナマズ人形好きみたいだからな」 

梓「最初はどうかと思いましたけど」 

紬「二人とも変装したままなの?」 

澪「う、うん・・・」 

梓「私はこのままでいきます」キリ 

紬「あずさちゃん気に入ったのね」 

澪「夕方までどこへ行こうか・・・」 

エレナ「みなサンお揃いですネ~」 

小麦「二人足りないよエレナ・・・」 

澪「あ、小麦とエレナさんはどこへ?」 

エレナ「映画村ですワ」 

小麦「時代劇の撮影してるかもしれないんだ、エレナ張り切っちゃって」 

澪「わ、私も行っていいかな」
730 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:58:03.31 ID:tjiZjvIao

エレナ「もちろんですワ」 

小麦「行こう行こう!」 

紬「それなら夕方に金閣寺ね~」 

梓「そこで集合ですね」 

澪「分かった」 

エレナ「行きますワヨー!」 

小麦「最近元気すぎるよエレナってば・・・」 

澪「あはは」 

スタスタ 

紬「私たちはどうしましょうか」 

梓「むぎ先輩・・・は・・・」 

紬「どうしたのあずさちゃん?」 

梓「いえ、食堂車で話をしたせいか・・・むぎ先輩と二人で観光するの懐かしいな、と」 

紬「そういえばそうね~」 

梓「懐かしいのと新鮮な気持ちと」 

紬「うふふ」 

よつば「あ、つむぎおねーちゃーん!」 

「こんにちは~」 

紬「あら・・・」 

梓「あ・・・」 

よつば「バイバイだねー」 

「それでは、ごきげんよう」 

紬「はい、さようなら。四葉ちゃん元気でね~」フリフリ 

梓「バイバイ!」フリフリ 

よつば「じゃーねー!」フリフリ 

紬「・・・」 

梓「行っちゃいましたね・・・」 

紬「・・・うん」 

梓「むぎ先輩はどこか行きたい所ありますか?」 

紬「そうね~。銀閣寺かしら?」 

梓「どうしてですか?」 

紬「金閣寺は金だったから・・・もしかして?」 

梓「そうですね。確認しに行きましょうか」 

紬「行きましょー」 

スタスタ
731 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:58:41.78 ID:tjiZjvIao

「バス乗り場どっち?」 

紬「?」 

梓「?」 

「バス乗り場」 

紬「あ、北上さん」 

梓「バス乗り場・・・ですか」キョロキョロ 

緑「知らないならいいの・・・じゃ」 

紬「あ、あっちじゃないかしら?」 

梓「そうです」 

緑「そう・・・」 

紬「・・・」 

梓「・・・?」 

緑「これ・・・」 

紬「乗車証?」 

梓「あ、さっききぐるみ脱いだとき外れたんですよ、むぎ先輩」 

緑「・・・」 

紬「あ、ありがとうございます」 

梓「・・・」 

緑「・・・じゃ」 

スタスタ 

紬「よかった~」ホッ 

梓「・・・それを渡すために声をかけてくれたんですかね」 

紬「ふふ、そうかも」 

梓「・・・」 

紬「さぁ、行きましょう~」ニコニコ 
732 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 00:59:09.89 ID:tjiZjvIao

―――――銀閣寺 

梓「いぶし銀!?」 

紬「うまい喩えね~」 

梓「いいですね、自然と調和しています」 

紬「そうね。金閣寺のような華やかさはないけど、落ち着かせる風景ね」 

梓「おぉ、境内が広いです」キラキラ 

紬「素敵な庭園ね」 

梓「さすが国宝とされるだけありますよね。ここだけ時間が止まっているみたいです」 

紬「大事に守られているのね~」 

梓「あの砂の波紋もよかったですよね」 

紬「銀沙灘ね。近世以降に造られたものじゃないかと云われているわ」 

梓「だからですかね。あそこだけ異質な空間にも感じられました」 

紬「そうね~。過去の建物なのに現代的な芸術が混ざってたようだったものね」 

梓「銀閣寺・・・面白い場所ですね」 

紬「うふふ」 
733 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:00:23.34 ID:tjiZjvIao

―――――京都駅 

律「しつけえな~」 

唯「お兄さんたちしつこいよ!」ビシッ 

「京都案内してやるって~」 

「清水寺からダイビングしたつもりでさ~」 

唯「説明求む!」 

律「あぁ、説明はいいや。修治より寒いから・・・」 

「あぁ~、人が優しくしてりゃ~」 

寒い男「京都の盆地よりへこむぜ~」 

律「・・・」ビュウウウ 

唯「意味分かんないよ!」 


修治「・・・なにやってんだよ」 

「・・・」スッ 

修治「ん?」 


寒い男「いいじゃん行こうずぇ~」 

「ビリケンさんに挨拶しなきゃな~」 

「それは大阪だろ、アホ」 

律「え?」 

唯「ん?」 

アホ「あぁ!?ってでかっ!」 

寒い男「京都タワーかよっ」 

「類は友を呼ぶんだね~」 

寒い男改めアホ2「んだとぉ!」 

律「おぉ」キラキラ 

唯「りっちゃん!?」 

修治「惚れたな」 

唯「修治くんどうしたの!?」 

修治「平沢さんテンション高いね・・・?」 

アホ「あんま調子乗ってると烏丸通りだぞ!?」 

アホ2「鴨川でバーベキューにすんぞ!?」 

「これ以上京都を汚すこと言ってるとひねるぞ!?」ビキビキ 

バカバカ2「「 すいませんでした 」」 

タッタッタ
734 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:01:38.70 ID:tjiZjvIao

修治「おぉ」 

律「かっこいいー」キラキラ 

唯「かっこいい!」 

「あはは、もう大丈夫みたいだね」 

律「あ、姉御と呼んでいいですか」キラキラ 

「は?」 

修治「惚れこんだみたいです」 

唯「助かりました!姉御!!」 

姉御「いや・・・まぁいいか。これっきりだろうし」 

律「助かりましたッス!」 

唯「オス!」 

修治「・・・」 

姉御「・・・」 

秋子「姉御さま~!」 

姉御「え!?」 

修治「秋子ちゃんもみてたの?」 

秋子「はい~。かっこよかったです~」キラキラ 

律「感謝してるッス」 

唯「そうッス」 

姉御「うわぁ・・・」 

修治「面白い・・・」プクク 

姉御「じゃ、じゃあね」 

タッタッタ 

秋子「まって~、姉御さま~」 

タッタッタ 

修治「さわ子先生の次はあの人か・・・」
735 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:05:47.95 ID:tjiZjvIao

律「じゃ、行くか」 

唯「金閣寺!」 

修治「・・・」 

律「修治はどうしてここに?」 

修治「適当に歩いていただけ・・・」 

唯「駅前を?」 

修治「あー・・・うん。俺も金閣寺に行っていいかな?」 

唯「もちろんだよ!カムオーン!」 

律「しゃあねえな」 

修治「よっしゃ行くべさ!」 

唯「行くべー!」 

律「うるさいの追加」 
736 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:06:32.85 ID:tjiZjvIao

―――――草津 

「ごゆっくりどうぞ~」 

唯「どうして喫茶店に入ったの?」 

みらい「降りる前に電話があって、ここで待っていろ・・・と」 

律「誰から・・・?」 

みらい「前の事務所で一緒に活動していたプロデューサーです」 

唯「・・・どうして今頃?」 

みらい「お話があるそうで・・・。近くにきているそうです」 

律「ふ~ん・・・。これはいい感じに流れてきてるのかな・・・」 

唯「ど、どんな人!?」 

みらい「とても厳しくて・・・とても気配りができて・・・とても優しい人・・・です」 

律「ほぅ・・・」キラン 

唯「どんな活動してたの?」 

みらい「一緒にボイトレしたり・・・。ダンスのレッスンしたり・・・。お仕事もほとんど一緒でした」 

律「歌詞書いたのもその人だよな」 

みらい「はい、そうです」 

唯「・・・ふむふむ」 

みらい「芝居の稽古もつけてくれて、厳しかったですけど・・・その人のおかげでとても充実していました」 

律「・・・恋する乙女みたいだな」ニヤニヤ 

唯「まったくですな~」ニヤニヤ 

みらい「・・・」 

「おまたせ・・・みらい」 

みらい「お久しぶりです」ガタ 

「そのままでいいわ」 

唯「女の人じゃん!」 

律「なんだよ~」 

みらい「ふふっ」 

「どうしたの?」 

みらい「なんでもありません」クスクス 

「・・・。初めまして、私はこういう者です」スッ 

律「あ、名詞までくれて・・・。秋月さんですね」 

唯「初めまして・・・私はこういう者です」スッ 

律「それはこの店のアンケート用紙だろ」 

みらい「ブフッ」 

秋月「・・・」
737 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:07:42.96 ID:tjiZjvIao

唯「他になかったんだもん」 

律「無理しなくてもいいんだよ。私ら高校生なんだから」 

唯「それで・・・お話の続きを聞かせてもらいませんか?」 

律「始まってすらねえよ」 

みらい「ふふ」 

秋月「楽しそうに笑うようになったわね」 

みらい「え・・・?」 

秋月「時間がないから単刀直入に言うわ。うちに戻ってきなさい、みらい」 

律「・・・」 

唯「おぉ・・・」 

みらい「えぇと・・・」 

秋月「・・・どうかしら?」 

みらい「・・・」 

律「一つお聞きしたいのですが、いいですか?」 

秋月「なんでしょうか?」 

律「どうして事務所を移籍させたんですか?」 

唯「・・・」 

秋月「・・・」 

律「あなたの事信頼してたみたいです・・・」 

秋月「・・・」 

唯「・・・」 

みらい「・・・」 

律「どうしてですか?」 

秋月(・・・なるほど、あの曲が生まれた理由が分かった・・・) 

唯「・・・」 

みらい「・・・」
738 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:08:35.83 ID:tjiZjvIao

秋月「・・・飯山みらいは私が担当した初めての子でした」 

律「・・・」 

秋月「これだけの素材を埋めてしまうんじゃないかって。不安もあって・・・」 

みらい「・・・」 

秋月「それでも一緒に活動していましたから・・・頑張るつもりでした」 

唯「それなら・・・どう・・・して」 

秋月「移籍の話が上がったとき、みらいに運が転がり込んできたと思いました 
   この業界は運を掴めないと上へはあがれません」 

唯「実力や努力だけでは・・・」 

秋月「そういう事です」 

みらい「・・・」 

律「なるほど・・・」 

秋月「TVで頑張っているみらいをみて、これでよかったと納得させていました」 

みらい「・・・」 

律「自分を偽っていたのに?」 

秋月「人を楽しませる嘘・ハッタリはアイドル、いえ芸を持つ人たちには必要な事だと考えています」 

唯「・・・」 

秋月「解雇されたと聞いても、うちの事務所が・・・私がみらいを受け入れる資格なんてないと思っていました」 

律「それならどうして?」 

秋月「昨日、名古屋城に私もいました」 

みらい「えっ?」 

唯「・・・」 

秋月「あの曲を聴いて後悔しました」 

律「後悔・・・?」 

秋月「えぇ・・・、自信を持って支えてあげればよかったと、手放すべきじゃなかった・・・と」 

みらい「・・・」 

唯「・・・気づくの遅いよ~」ブー 

律「そうだぜ~」ブー 

秋月「・・・」 

みらい「唯さんは・・・この話に反対ですか?」
739 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:09:12.89 ID:tjiZjvIao

唯「ううん。秋月さんなら人を傷つけさせる嘘をつかせないと思うから・・・」 

律「うむ」 

秋月「・・・」ホッ 

唯「秋月さん、みらいちゃんをよろしくお願いします」 

みらい「・・・っ」 

律「唯・・・」 

秋月「はい、任されました」ニコ 

唯「やった、やったよりっちゃん!」 

律「あぁ、やったな唯!」 

みらい「・・・っ」 

秋月「そうと決まったら行くわよ、みらい」 

唯「え?」 

律「ど、どこへ?」 

みらい「・・・」 

秋月「ここの近くで白澤監督の撮影があるので・・・って、あなたたちもしかして」 

唯「私たちも行くよ!」フンス! 

律「そうだぜ、その為にここで降りたんだからな」 

みらい「・・・」 

秋月「申し訳ないけど遠慮して下さい」 

律「ど、どうしてだよ!」 

秋月「放課後ティータイムにはまだ謎でいて欲しいので」 

唯「謎・・・?」 

みらい「・・・話題を作るためですね」 

秋月「そういう事。撮影現場にマスコミがいれば危ないですから」 

律「マスコミ?」 

秋月「ネットの動画サイトにHTTFの動画流しておきました」 

唯「・・・」 

秋月「安心して下さい、みらいと曲しか拾っていませんから」 

みらい「・・・」 

秋月「もしみなさんが、うちからデビューするっていうのなら話は別ですけど」 

唯「我慢します!」 

律「はは・・・」
740 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:09:45.18 ID:tjiZjvIao

秋月「それじゃ、私たちはこれで失礼します」 

唯「うん・・・。頑張ってねみらいちゃん!」 

律「あぁ、私たち応援してるからな!」 

みらい「唯さん・・・律さん・・・っ」 

秋月「・・・」 

みらい「み・・・っ・・・みな・・・っさんにはっ・・・」 

秋月「ダメよ、みらい」 

みらい「・・・っ!」 

秋月「・・・」 

みらい「・・・・・・後でヴェガに・・・行きますね」 

唯「うん!」 

律「じゃあ後でな!」 

秋月「お世話になりました」 

みらい「それでは」 

唯「うん」 

律「・・・」 

唯「・・・」 

律「意外とあっさり物事がすすんだな・・・」 

唯「そうだね~。京都に行こうかりっちゃん!」 

律「そうだな!」 
741 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:10:36.59 ID:tjiZjvIao

律「って訳だ!」 

唯「やったよ!」ブイッ 

梓「よかったです!」 

澪「あぁ、よかった」 

紬「えぇ・・・よかったわ」 

さとみ「うん」 

修治「・・・」 

唯「あずにゃんの帽子姿かわいいよ~!」 

律「澪までメガネかけて・・・どうしたんだよ?」 

澪「ちょっとな」 

紬「ちょっとね~」 

律「まぁ、いいけども」 

唯「さぁ、金閣寺だよあずにゃん!」 

梓「は、はい!」 

澪「ゆ、唯」 

律「みお」 

澪「・・・?」 

律「・・・」フルフル 

澪「・・・」コクリ 

紬「・・・」 

さとみ「・・・」 

修治「・・・」 

唯「みんななにやってるのー!」 

梓「一緒にみましょー!」 

律「よっしゃ、行くか!」 

澪「あぁ!」 

紬「そうね!」 

さとみ「そういえば私も初めてみるのよね!」ワクワク 

修治「ふむ」 
742 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:11:22.90 ID:tjiZjvIao

唯「あずにゃん、さとみちゃん、ここを越えると金閣寺が見えるんだよ」 

梓「・・・」ゴクリ 

さとみ「・・・」ゴクリ 

修治「どんな反応するのやら」 

律「見ものだ」ウシシ 

梓「さ、さとみさん用意はいいですか?」 

さとみ「えぇ・・・出来てるわ」 

梓「3,2,1で飛び出しましょう」 

さとみ「了解よ」 

律「3」 

紬「2」 

澪「1」 

唯「ゴー!」 

タッタッタ 

梓さとみ「「 あ、意外とこじんまりしてますね 」」 

修治「なんてこった・・・」 

唯「水面に映った金閣寺も見てよー!」 

律「まったく・・・。私たちはもっと感動したんだぞっ」 

紬「金閣寺ってな~」 

梓「おぉ」 

澪「また出た!」 

紬「昭和25年に燃やされてもうて、いまあるんは新しく建てられたもんなんやって」 

さとみ「流暢ね」 

紬「お釈迦様のお骨を奉った舎利殿の金閣は有名やさかい」 

修治「ふむふむ」 

紬「金閣寺って呼ばれるようになったけど、ほんまは鹿苑寺っていうらしいわ」 

律「・・・くっ」 

澪「律の関西弁はよくなかったからな」 

紬「ゆっくり金閣寺を楽しんでいっておくれやす」 

梓「は、はい!」キラキラ 

唯「す、すごいよ!一言一句そのままだよむぎちゃん!」キラキラ 

紬「そ、そうなの?」 

唯「うん!」 

さとみ「それはそれですごいわね」
743 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:12:35.47 ID:tjiZjvIao

律「なぁ、あの金箔どのくらいの量なんだろうなー」 

修治「そうだなぁ・・・東京ドーム10個分くらいかな?」 

澪「勉強になる話だったのに・・・」 

律「そんなに多くないだろ~」 

修治「うーん。じゃあ銭湯の浴槽56杯分」 

律「極端だが・・・そんなもんか」 

梓「・・・」 

さとみ「いい時間に来たのね私たち」 

紬「前に来たときはお昼だったよね~」 

澪「お昼は修学旅行生とか多そうだから、いいタイミングだな」 

梓「斜陽が反射してさらに輝いて見えますね」 

唯「ま、眩しい!」 

律「・・・」 

さとみ「それは律さんよ唯ちゃん」 

修治「あの金箔剥がせないかな?」 

唯「ダメだよ!」 

律「記念にいいんじゃねーか!?」 

修治「よし、剥がしに行くぞ野郎どもー!」 

「「「 ・・・ 」」」シーン 

律「謝れ」 

修治「すいませんでした!女性に対して失礼極まりなかったです!!」 

さとみ「本当よ!」プンスカ
744 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:13:18.52 ID:tjiZjvIao

唯「剥がしに行くよ、みんな!」 

紬律梓「「「 おぉー! 」」」 

タッタッタ 

澪「どうやってだ」 

さとみ「元気よく走って行ったわね」 

修治「・・・」フゥ 

さとみ「修治くんって不器用よね」 

澪「そうだな」 

修治「・・・。 俺も剥がしに行って来る!」 

タッタッタ 

さとみ「・・・」 

澪「唯・・・」 

さとみ「一生懸命耐えてるって感じね」 

澪「私も支えてあげなきゃ」 

さとみ「そうね、私たちも行きましょう」 

澪「・・・うん」 
745 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:13:57.74 ID:tjiZjvIao

律「お茶を飲む前にお茶請けを食べたほうがいいんだぜ~」 

梓「へぇ~」 

律「その方がお茶の渋みが味わえるからな~」 

梓「へぇ~」 

律「・・・」 

梓「・・・」 

律「って、むぎに教えてもらった」 

梓「ですよね~」 

律「中野ォー!」 

梓「」ササッ 

唯「ダメだよりっちゃん。女性はおしとやかに、だよ」シンナリ 

律「・・・ぐっ」 

梓「・・・」ジー 

澪「ほら、遊んでないで行くぞ」 

紬「舞妓さんを探しましょ~」 

さとみ「もう日が暮れたけど・・・」 

修治「居るんかねぇ・・・」 

小麦「おーい!」 

澪「あっ」 

エレナ「ミナサンも祇園に来てたんですネ!」 

秋子「わぁ~偶然~!」 

律「姉御は!?」 

秋子「見失っちゃいました~」 

律「そっかぁ」 

澪「姉御?」 

風音「あ、みなさん」 

ピョン 

風音「あ、こら!」 

ピョンピョン 

律「お、おぉ!」 

唯「ななっ!」 

梓「そ、そんな!」 

ピノ「ピピッ!」 

澪「律の肩に乗るなんて・・・」 

さとみ「ピノちゃんは分かってるのよ」
746 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:14:59.24 ID:tjiZjvIao

紬「見方だと判断したのね」 

修治「・・・はは」 

律「後でみんなにアイス奢るの忘れてないだろうな?」キラキラ 

修治「は、はい」 

風音「もう・・・」 

律「気にしないでいいからさ」キラキラ 

澪「嬉しそうだな」 

紬「あ、鳥羽さん・・・お願します」 

修治「はいよ。じゃ、みんな並んで~」 

エレナ「記念撮影ですネ!」 

小麦「並ぼう並ぼう!」 

修治「はい、チー」 

緑「・・・?」 

さとみ「ちょっとま」 

修治「-ズ!」カシャ 

澪「い、今撮った!?」 

エレナ「オー、私ヨソミしていましたヨ」 

秋子「私変な顔していたかも~」 

梓「ピ、ピノ!」 

唯「ピノちゃん!」 

ピノ「ピピ?」 

紬「二人は撮影にすら気づいていないのね~」 

小麦「もー!いきなり撮るなんてひどいよ~!」 

風音「私はいいと思うな今の・・・」 

修治「そうそう何気ないアングルがいい表情だったりするんだよ」 

律「人事だと思いやがって・・・」 

紬「北上さんもいらしてたのね~」 

緑「たまたま通りがかっただけよ・・・じゃ」 

紬「列車で~」フリフリ 

澪「・・・あれ?」 

さとみ「少し柔らかくなったわね」ニコニコ 

澪「そう、か・・・」 

修治「もうそろそろ引き揚げたかな・・・」 

律「なにが?」 

修治「マスコミが」
747 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:15:28.79 ID:tjiZjvIao

律「?」 

澪「そうだな・・・ヴェガに戻ろうか」 

エレナ「そうですネ」 

秋子「はーい」 

風音「律さんから離れない・・・」 

律「・・・」キラキラ 

ピノ「ピピッ」 

梓「ピノ!」 

唯「・・・」 

紬「戻りましょ、唯ちゃん」 

唯「そだね!」 

748 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:16:02.80 ID:tjiZjvIao

秋月「時間よ」 

みらい「もう少しだけ」 

秋月「・・・」 

みらい「・・・」 

秋月「テレビで頑張り続けていたらあの子たちも納得してくれるわ」 

みらい「で、でも」 

秋月「・・・遅れるわけにはいかないのよ」 

みらい「・・・・・・はい」 

・・・・・・・・・ 

修治「ここで待ってて」 

タッタッタ 

唯「よろしくー!」 

律「そんな事になってたのか」 

紬「今はもういないと思うけど・・・」 

律「珍しく私らについてくると思ったらそういう事か」 

唯「用心してくれてたんだね~」 

さとみ「なるほど」 

澪「いたら大変だ」ブルブル 

梓「私は変装完璧です」キリ 

唯「あずにゃん、夜にサングラスは変だよ」 

梓「そうですか?」 

澪「今のうちに髪型を変えておこう・・・」 

紬「ポニーにしましょう」 

さとみ「わたしも手伝うわ」 

澪「え、あぁ・・・お願い」 

紬「~♪」 

律「私はどう変えようかな~」 

唯「カチューシャ外せばいいんだよ」 

律「そっか」スチャ 

梓「・・・」 

唯「・・・」 

律「・・・」スチャ 

唯「どうして付けるの?」 

律「リアクションが無いからだよ!」
749 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:16:53.88 ID:tjiZjvIao

紬「はい、出来ました~」 

さとみ「いいなぁ、澪さんなんにでも似合ってて・・・」 

澪「そ、そんな・・・」テレ 

梓「着物似合いそうですよね」 

律「十二単で『わらわの言う事が聞けぬのか』とか言いそう」 

澪「なにを言っているんだ?」 

ダダダダダダ 

唯「お、修治くんが」 

梓「凄い勢いで来ますね」 

律「どうしたんだ?」 

さとみ「?」 

修治「平沢さん付いて来て!」 

唯「どうしたの!?」 

修治「みらいちゃんがさっき降りたって!」 

唯「え!?」 

律「行くぞ唯!」 

紬「どこへ行ったか分かるんですか!?」 

修治「駐車場かもって!」 

ダダダダダダ 

梓「は、はやい!」 

さとみ「さすが男の子ね!」 
750 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:17:38.53 ID:tjiZjvIao

秋月「乗って」 

みらい「・・・はい」 

修治「待って!」 

みらい「あっ!」 

秋月「・・・?」 

修治「待って・・・もう少しで・・・っはぁ・・・平沢さんが来るから・・・、まだ車に乗らないで」ゼェゼェ 

みらい「唯さん・・・」 

秋月「・・・」 

修治「っはぁ・・・はぁ・・・疲れた・・・」 

みらい「・・・」 

修治「間に合ってよかった・・・飲み物かってこよ」 

みらい「・・・ありがとう修治さん」 

修治「・・・お礼を言うのは俺にじゃないよ」 

スタスタ 

みらい「・・・」 

秋月「少しだけね」 

みらい「・・・はい」 

唯「みらいちゃーん!」 

タッタッタ 

みらい「あ・・・」ホッ 

唯「よかった~。間に合って~」 

みらい「あ、あの・・・」 

唯「ごめんね~、戻ってくるの遅くて~」 

みらい「わ、わたしの都合です・・・っ」 

唯「えへへ」 
751 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:18:09.03 ID:tjiZjvIao


秋月「ごめんなさいね」 

律「そんなに急いでいるんですか?」 

秋月「えぇ。アイドルとして名前が売れていても女優としては新人ですから」 

紬「と、いう事は・・・」 

秋月「えぇ、出演する事になりました。ちょい役ですけど」 

澪「す、すごい」 

梓「・・・」 

修治「ゴクゴク・・・うめえ」プハー 

さとみ「・・・おつかれさま」 

修治「うん・・・ゴクゴク」プハー 

梓「かっこつければいいのに・・・」 

律「それは無理な注文だ」 
752 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:19:31.33 ID:tjiZjvIao

唯「どうだった~?」 

みらい「おかげさまで、出演する事になりました」ニコ 

唯「す、すごいよみらいちゃん!」 

みらい「ちょっとした役ですけど。・・・自分が好きなように自分を演じられたんです」 

唯「自分が好きなように・・・?」 

みらい「はい!」 

唯「それ素敵な事だよ!」 

みらい「紬さんが教えてくれました」ニコ 

唯「そっか~、さすがむぎちゃん」 

みらい「さわ子先生にもたくさん教わりました」 

唯「私たちの先生だもん!」 

みらい「律さんにも、澪さんにも、梓さんにも助けて頂いて・・・」 

唯「私の仲間だもん!」 

みらい「唯・・・っ・・・さんには・・・感謝しきれない・・・っ・・・くらい」 

唯「みらいちゃんのファンだもん!」 

みらい「・・・ぅ・・・っ・・・演技以外で・・・泣いて・・・いけな・・・っ・・・のに」グスッ 

唯「ずっと頑張ってたもんね」 

みらい「・・・ぅっ・・・っ」ボロボロ 

唯「偉いよ、みらいちゃん」 

みらい「あ・・・っ・・・ありが・・・っ・・・」グスッ 

唯「えっへへ~、みらいちゃんの役に立てたかな」 

みらい「もっ・・・もちろんです。私の大恩人ですっ」グスッ 

唯「嬉しいよ~」エヘヘ 

みらい「唯さんに負けないように、私っ・・・頑張ります!」 

唯「うんっ!」 

秋月「・・・」 

みらい「本当にお世話になりました」 

唯「ううん。一緒にいられて、すっごく楽しかったよ!」 

みらい「私もです!」 

秋月「・・・それじゃ、行きましょうか」 

律「これから草津へ?」 

秋月「はい。そうです」
753 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:20:26.02 ID:tjiZjvIao

澪「列車で行かないんですか?」 

みらい「少し不便な所なので・・・。車、なんです」 

秋月「任せなさい」 

みらい「・・・」ブルブル 

唯「どうして震えてるの?」 

みらい「少し荒っぽいのです」 

紬「うふふ」 

梓「そうなんだ」 

さとみ「ふふっ、気をつけてね」 

秋月「みらいは変わったわ・・・こんな事言わなかったのに」 

律「唯のせいだな」 

澪「そうだな」 

梓「そうですね」 

さとみ「なるほど」 

唯「もぉー!」プンス! 

みらい「唯さんのおかげです」 

紬「そうよね~」 

唯「でっへっへ」 

みらい「それではみなさん・・・・・・」 

梓「私も唯先輩と一緒に応援してるよ」 

みらい「ありがとうございます」 

澪「名古屋城でのライブ・・・一生忘れない」 

みらい「私もです。最高のステージでした」 

律「なーにやってんだ、修治も挨拶しろよー」 

修治「あ、えと・・・」 

みらい「修治さんにもたくさん助けていただいて・・・」 

修治「あ、あぁ・・・」 

律「今になって口ベタになるのかー」 

梓「しょうがないですね」 

唯「もぉ~」 

修治「・・・うん。俺は誰かの為になんて考えてないんだ。ただ・・・」 

澪「ただ・・・?」 

さとみ「ただ・・・?」ワクワク 

紬「・・・」ワクワク 

修治「期待しないで・・・。ただ・・・」 

律「引っ張りすぎ」
754 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:21:23.19 ID:tjiZjvIao

みらい「ふふ」 

修治「ただ、みんなで楽しく旅がしたいだけなんだ」カァ 

唯「それって、誰かのためになってるんだよ~」 

修治「う・・・」プシュー 

みらい「楽しかったです」ニコ 

修治「ど、どういたしましてー!」 

タッタッタ 

みらい「・・・」ペコリ 

梓「逃げましたね」 

律「みらい・・・元気でな」 

澪「無かった事にしたっ!」 

みらい「はい。律さんには背中を押してもらって・・・とても頼りになりました」 

律「へへっ、楽しかったよ」 

みらい「忘れられない思い出がたくさん出来ました」 

さとみ「なにもしてあげられなかったけど・・・。元気でね」 

みらい「ふふっ、一緒に色々な場所観光したじゃないですか」 

さとみ「そうね、楽しかった」 

紬「・・・それじゃ、元気でね」 

みらい「紅茶とってもおいしかったです」 

紬「嬉しいわ~」 

みらい「・・・とっても」 

唯「むぎちゃん、これ・・・いいかな?」 

紬「それは唯ちゃんのものよ」 

唯「うん、ありがとー」 

梓「あ、それは・・・」 

唯「はい、みらいちゃん」 

みらい「ガラス細工の・・・チキンちゃんですよね。いいんですか?」 

唯「うん!」 

澪「むぎが小樽で買ったヤツ・・・」 

紬「そうなの」 

みらい「大事なものなんじゃ・・・」 

唯「みらいちゃんこれみて欲しがってたでしょ~?」 

みらい「買いに行こうと思ってただけですよ・・・?」 

唯「小樽にしかないんだよ?」
755 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:21:53.66 ID:tjiZjvIao

律「それを渡す意味も分からんけどな」 

梓「確か・・・それを選ぶと敬愛する人っていう話でしたよね」 

律「へー」 

澪「なるほどな」 

律「・・・なんだよ」 

澪「なんでもない」 

紬「うふふ」 

みらい「ありがとうございます・・・。私のと交換しましょう」 

唯「あ、輪島の・・・。ありがと~」 

みらい「大事にしますね」 

唯「うん!」 

秋月「そろそろいくわよ」 

みらい「はい。・・・HTTFが復活できれば・・・いいなと思ってます」 

梓「そうだね」 

律「気が向いたらな~」 

澪「大物だなぁ」 

紬「うふふ」 

みらい「・・・」 

唯「・・・」 

みらい「・・・太陽が照らし続けてくれる限り・・・私はわたしでいられるの」 

唯「あ・・・。そうか・・・それじゃずっと照らしててあげ・・・えと、ずっと光を送り続けるよ」 

みらい「・・・ありがとう」 

唯「月があるから太陽も認められるんだ」 

みらい「そうね・・・。それじゃあ・・・わたしは行くわ」 

唯「うん」 

みらい「・・・」 

唯「じゃあね!みらいちゃん!」 

みらい「はい!ありがとうございました!」 
756 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:22:50.16 ID:tjiZjvIao

さとみ「行ったわね~」 

律「これからが正念場なのに」 

澪「それなのに笑顔を崩さなかったな」 

さとみ「・・・負けてらんないな~」 

律「お、なんかあるのか?」 

澪「探るなっ」ビシッ 

律「あいたぁ」 

さとみ「ふふっ、みんなが眩しいわ」 

澪「前髪下ろしたほうがいいぞ、律」 

律「そうだな。って何度目だよこのネタ」 

さとみ「前髪後ろに持っていったらどうかしら」 

澪「それでは意味がないよ」 

律「じゃあどうすんだよー」 

さとみ「・・・」 

澪「・・・」 

律「・・・」 

さとみ澪「「 無いかな 」」 

律「ぐっ・・・」 
757 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:23:50.73 ID:tjiZjvIao

唯「・・・」ボー 

梓「・・・」 

紬「・・・」 

唯「へへ、やっぱり慣れないや~」 

梓「唯先輩・・・」 

唯「四葉ちゃんと別れるときは、大丈夫だったんだけどな~」 

紬「ううん。大丈夫そうな顔してなかったわ」 

唯「そっか~」 

梓「はい。唯先輩は唯先輩ですから」 

唯「えへへ」 

紬「別れに慣れない唯ちゃんが、私は好きよ」 

唯「! むぎちゃぁん」 

ガバッ 

紬「唯ちゃん・・・」 

唯「今までの・・・別れも頑張っ・・・てきたけど・・・っ」グスッ 

梓「・・・」 

唯「やっぱり・・・寂しい・・・よぉ・・・」グスッ 

紬「うん・・・」 

唯「もう・・・会えない・・・なんて・・・っ・・・さびしい・・・よ・・・」ボロボロ 

紬「うん」
758 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:24:19.34 ID:tjiZjvIao

ギュウ 

唯「こんなに・・・辛い・・・なんて・・・っ・・・思わなかった・・・っ」ボロボロ 

梓「・・・」 

唯「もっと、お喋りしたい・・・もっと時間が・・・ほしいよ・・・」ボロボロ 

紬「・・・うん」 

梓「・・・っ」グスッ 

唯「でもでも・・・」グスッ 

紬「・・・」 

唯「わたし、ヴェガに・・・乗ってよかった・・・よ」グスッ 

紬「うん」 

唯「たくさんの・・・っ・・・人と出会えて・・・よかった・・・」グスッ 

梓「・・・」 

唯「あり・・・がと・・・う、むぎ・・・ちゃん」グスッ 

紬「・・・っ」 

唯「へへ、むぎちゃんに甘えちゃった」 

梓「・・・しょうがないですね」 

紬「ふふ」 
759 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:25:00.26 ID:tjiZjvIao

澪「・・・」 

さとみ「・・・」 

律「・・・よぉーし・・・っ・・・ご飯食べにいくべー」 

スタスタ 

さとみ「・・・そうね。食堂車?」 

律「ん~、せっかくだから外で名物食べようぜー」 

さとみ「賛成~」 

澪「・・・」 

梓「ご飯ですね」 

律「なに食べる?」 

唯「どこ行くの!?」 

さとみ「まだ決めてないんだけどね~」 

澪「・・・また先を行かれた、な」 

紬「・・・澪ちゃんも一緒にいるわ」 

澪「うん・・・」 

唯「澪ちゃ~ん、なに食べよっか~?」 

澪「そうだな・・・」 

さとみ「梓ちゃんは決まった?」 

梓「京都ラーメンを食べます」キリ 

紬「私は、にしんそば~」 

唯「生八ツ橋」 

澪「食べろよな」 

唯「冗談です!」 

律「じゃ、私は湯豆腐にしよっかな~」 

さとみ「・・・私もにしんそばにしよう」 

澪「京野菜が食べたい!」 

唯「わたしもあずにゃんと一緒でいいや」 

梓「唯先輩、そんな心構えで食べたら後悔しますよ」 

唯「そうなんだ!?」 

律「・・・」 
760 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:26:05.60 ID:tjiZjvIao

さとみ「おいしかったわね~」 

紬「おいしかった~」 

さとみ「みんなで食べるご飯っておいしいのね」 

紬「そうよ~。ご飯は笑顔でいただかなくっちゃ~」 

さとみ「友達とこんな風にくだけて食べた事なかったから・・・余計に美味しく感じたの」 

紬「ふふっ、嬉しいわ」 

さとみ「・・・わたし」 

紬「・・・?」 

さとみ「唯ちゃんの言葉を聞いてて分かった事があるんだ」 

紬「分かったこと?」 

さとみ「うん・・・旅に出た意味・・・かな・・・」 

紬「もう見つけたの?」 

さとみ「とっても近くにあったわ」 

紬「・・・そうなの」 

さとみ「みんなに聞いて欲しいな」 

紬「それを言ったら、帰っちゃうの・・・?」 

さとみ「旅と呼ぶようになった理由が見つかってないわ」 

紬「そうね~」 

さとみ「どうして嬉しそうなのよ~」 

紬「そんな顔してた?」 

さとみ「えぇ」 
761 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:27:26.72 ID:tjiZjvIao

律「すっげえうめえの、湯豆腐」 

唯「あずにゃん、おいしかったね!」 

梓「はい!」 

澪「京野菜おいしかった~」 

律「湯豆腐うまかった~」 

唯「ラーメンに乗ってた野菜も京野菜なの?」 

梓「そうですよ、ネギが甘くてしゃきしゃきで・・・」 

グゥー 

唯「私じゃないよ?ご飯食べたばっかりだもん」 

梓「ですよね。私でもありません」 

澪「・・・」 

律「心温まる湯豆腐だったな~」 

澪「食堂車で何か食べる?」 

律「・・・うん」 

修治「やっときたか。・・・待ってたぜ」 

律「な、なにかあったのか?深刻な顔して・・・」 

梓「どうしたんですか・・・」 

修治「アイスが溶けちゃった」 

唯「え~!」 

澪「どうして今買ったんだ・・・」 

修治「これ律の分な」 

律「・・・アホ?」 

唯「修治くん、脈絡の無い事するよね」 

澪「・・・」 

修治「冗談だよ・・・」 

澪「捨てたらダメだ」 

修治「捨てないよ・・・食堂車の冷蔵庫借りる」 

律「・・・アホ?」 

修治「これはネタです。マスコミいなくなったから大丈夫だよ」 

唯「マスコミ?」 

澪「あ、もう9時か・・・」 

梓「そうですよね。こんな時間まではいませんよね」 

修治「・・・さとみちゃんは?」 

律「・・・アホ?」 

修治「壊れた再生機か・・・」
762 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:28:17.18 ID:tjiZjvIao

梓「むぎ先輩ともうそろそろ着くと思いますが・・・どうしてですか?」 

修治「んー・・・。車掌さんに聞いたんだけど、学校関係者が探してるんだと」 

梓「!」 

律「・・・どういう事だ?」 

修治「俺とさとみちゃん、昼の生放送に出たからさ・・・。そのせいかも」 

澪「あの時の?」 

唯「テレビに出たの?」 

修治「マスコミが来ててさ、インタビューを受けたんだよ」 

梓「私たちから注目を逸らせるため・・・です」 

澪「・・・私たちのせい・・・かな?」 

修治「それは本人に聞いてみよう」 

律「あ、来たか・・・」 

紬「ヴェガに戻らないの?」 

さとみ「・・・みんなに聞いて欲しい事があるんだけど」 

唯「なに~?」 

梓「あ、あの」 

「千歳!」 

さとみ「せ、先生、どうして!?」 

唯「先生?」 

先生「この馬鹿者がっ!」 

バシィン 

さとみ「っ!」 

紬梓「「 っ! 」」 

唯「!」 

律「ちょ、ちょっと!いきなり叩くなんて!」 

先生「部外者は黙っててもらおうか!」 

澪「部外者・・・」 

さとみ「・・・」
763 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:29:27.98 ID:tjiZjvIao

先生「無断欠席したと思ったらテレビなんぞに出やがって・・・。自覚が足りんのか!」 

さとみ「すいませんでした・・・」 

先生「まったく!どれだけの人に迷惑をかけたと思ってる!」 

さとみ「はい・・・」 

先生「校長先生が直々に頼んでくれたおかげで推薦枠はまだ残ってる。明日の朝会うんだ!」 

さとみ「・・・」 

先生「私からもお願いしてやるから。分かったな!」 

梓「そんな・・・一方的な・・・」 

紬「・・・」 

先生「さ、帰るぞ!」 

梓「ちょっと待ってください!」 

紬「ま、まだ話したい事が」 

さとみ「いいの、今までごめんなさい。・・・私帰る事にする」 

律「・・・」 

唯「そんな・・・」 

澪「・・・」 

梓「で、でも・・・」 

紬「理由を・・・見つけてないわ・・・」 

さとみ「うん・・・延長時間が過ぎちゃったの・・・ね。こんな最後でごめんなさい」 

梓「い、意味は見つけたんですか!?」 

さとみ「うん・・・見つけたと思ったんだけど・・・それを話したかったんだけどね」 

紬「あ・・・」 

先生「もう、その辺でいいだろ」 

さとみ「みんなは旅を続けてください・・・そして」 

唯「や、やだ」 

さとみ「さようなら」 

スタスタ
764 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:30:27.04 ID:tjiZjvIao

律「・・・」 

澪「・・・」 

唯「やだ・・・よ」 

梓「唯先輩・・・」 

紬「・・・」 

唯「こんな別れ方・・・嫌だよ・・・」 

紬「!」 

タッタッタ 

紬「まって!」 

さとみ「むぎさん?」 

紬「こんな旅の終わり方はダメだと思うの!一生後悔すると思う!」 

先生「おい、キミ!」 

さとみ「わ、わたしは!」 

紬「まだ終わらせられない」 

ガシッ 

梓「行きましょう、さとみさん!」 

さとみ「あ、梓・・・ちゃん」 

紬「行きましょう!」 

さとみ「うん!」 

タッタッタ 

先生「待ちなさい!」
765 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:30:56.37 ID:tjiZjvIao

「やっべー、遅刻遅刻!」 

ドンッ 

「うわっ」 

先生「おっと」 

ガンッ 

「っつ~!!」 

先生「だ、大丈夫かね?」 

唯「だ、大丈夫!?修」フガッ 

澪「・・・」 

唯「みふぉふぁん?」 

澪「私たちと鳥羽さんが知り合いだってバレちゃダメだ」ヒソヒソ 

唯「わ、分かった」ヒソヒソ 

律「大丈夫ですかぁ~」 

「痛い痛い痛いマジで痛い!」 

先生「頭ぶつけたようけど、救急車呼ぶか?」 

律「あー、アイスがあるー。これで冷やせばいいんじゃないかな~」 

「それは・・・溶けて・・・」 

ピタッ 

律「はい、どうですか~」 

「痛い・・・けど治まってきたかなぁ」 

先生「キミ名前は?」 

「え?えぇと・・・大丈夫ですから気にしないでください」 

律「何かあってからじゃ困るのはあなたですよ?」 

「ぐっ・・・。ジョルノといいます」 

律「グフッ」 

先生「ハーフなのかね?」 

ジョルノ「父がイタリアの人と再婚しまして・・・」 

先生「本当にすまなかったね・・・立てるかい?」 

ジョルノ「・・・もうしばらく横になったほうがいいかな?」 

律「うん」 

ジョルノ「分かりました」
766 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:31:47.54 ID:tjiZjvIao

梓「あ、あれ?追って来ませんね」 

さとみ「・・・ふぅ」 

紬「そうね・・・」 

さとみ「梓ちゃん・・・ありがと」 

梓「あ、ごめんなさい」バッ 

さとみ「梓ちゃんが男の人だったら落ちてるわね」 

紬「かっこよかったわ~」 

梓「うぅ」 

さとみ「手を引っ張って走るなんて・・・中々出来ないわよ」 

紬「うんうん」ウンウン 

梓「・・・」ボンッ 

さとみ「あらら」 

紬「あらあら」 

梓「・・・」プシュー 

さとみ「ふふっ」 

紬「うふふ」 

梓「・・・」シュー 

さとみ「・・・」 

紬「・・・」 

梓「・・・」 

さとみ「こんな私を見つけるために旅に出たのだと思うの」
767 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:32:14.68 ID:tjiZjvIao

紬「・・・自分を見つける為?」 

さとみ「・・・そう。今日の朝、名古屋で乗車して、日記を読み返してたの」 

梓「日記ですか?」 

さとみ「そう。和さんとむぎさんに拾ってもらった日記」 

紬「あの時の・・・」 

さとみ「読んでて驚いたわ。こんな私がいるのかって」 

梓「・・・?」 

さとみ「日記を読まれて怒っている私、ライブで盛り上がっている私、先生から逃げる私」 

紬「・・・」 

さとみ「修治くんに笑わされて楽しんでいる私、さわ子先生に感銘を受ける私、 
    梓ちゃんとの会話で気づかされる事が増えたと驚く私、純ちゃんに対抗意識を燃やす私」 

梓「・・・」 

さとみ「和さんと打ち解けて弾む私、律さんに振り回されて喜んでいる私、澪さんに憧れつつ可愛いと和む私」 

紬「・・・」 

さとみ「憂ちゃんの献身的な心に癒される私、唯ちゃんの純粋さに心が動かされる私」 

梓「・・・」 

さとみ「どれを読んでいても私じゃない私がいたの。その中心にいたのはむぎさん・・・」 

紬「・・・!」 

さとみ「たくさんの私を繋いでいるのがむぎさんだったの」 

梓「むぎ先輩が・・・」 

さとみ「むぎさんと出会って、そんな私と出会う事が・・・私の旅の意味」 

紬「・・・」 

梓「・・・」 

さとみ「・・・」 

梓「・・・旅行じゃなく、旅と呼ぶ理由分かりました」
768 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:33:08.01 ID:tjiZjvIao

さとみ「そっか~。なるほどなぁ~」 

紬「見つけちゃった~」 

梓「見つけちゃいましたね~」 

さとみ「見つけてしまったわね~」 

紬梓さとみ「「「 ププッ 」」」 

紬「うふふ」 

梓「あはは」 

さとみ「ふふっ、変なの~」 

紬「到着場所なのに」 

梓「終わってしまったのに」 

さとみ「スッキリして気持ちが飛んで行った気分ね~」 

紬「・・・」 

梓「・・・」 

さとみ「うん、よかった。辿り着けた!」
769 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:33:40.43 ID:tjiZjvIao

紬「・・・」 

梓「・・・」 

さとみ「さ、戻りましょうか。今なら東京へ帰れるわ」 

紬「やっぱり・・・」 

梓「帰っちゃうんですね・・・」 

さとみ「そういう約束だから、ね」 

紬「・・・」 

梓「・・・」 

さとみ「むぎさんが日記を書くとしたらどんな内容になるのかしら」 

紬「私が・・・?」 

梓「そうですね・・・」 

さとみ「毎日が大きく進化してるんじゃない?」 

紬「大きく・・・?」 

梓「強く・・・」 

さとみ「どんどん強く大きく?」 

紬「フォルテシモなDiary・・・ね」キラン 
770 :>>768 の前 [sage]:2011/04/08(金) 01:36:18.17 ID:tjiZjvIao


さとみ「え・・・?」 

紬「・・・?」 

梓「唯先輩が受けた寂しい事も、さとみさんが見つけた楽しい事も・・・、時間が過ぎれば忘却の彼方です」 

紬「そう・・・ね・・・」 

さとみ「・・・」 

梓「それはとても切なくて、苦しくて、大切だから取り戻したくて・・・」 

紬「・・・」 

梓「だから人は、新しい時間を見つける為に・・・、旅をするんです」 

紬「時間は・・・、人、場所に変わりえる・・・のよね」 

梓「はい!」 
771 :>>779の続き [sage]:2011/04/08(金) 01:37:07.00 ID:tjiZjvIao
さとみ「答えは過去、旅の途中にあったのよ」キリ 

紬「・・・」 

梓「そうですか」 

さとみ「えぇと、・・・はい」 

紬「わ、私も旅に出た意味を探してみる!」フンス! 

梓「・・・」 

さとみ「是非聞いてみたいわね。・・・?どうしたのかしら」 

紬「鳥羽さんがベンチに寝かされているのね」 

梓「遊んでいるんですかね」 

さとみ「でも先生もいるし・・・」 

紬「ん~?」 

澪「あっ」 

先生「千歳・・・」 

さとみ「ご迷惑をお掛けしました」 

先生「帰る事に決めたんだな」 

さとみ「はい」 

澪「そっか・・・」 

唯「さとみちゃん・・・」 

律「うん。寂しくなるけど、しょうがないな」 

ジョルノ「・・・もう大丈夫ですから、行きます」 

先生「何かあったら連絡してくれよ」 

ジョルノ「は、はい。それでは」 

スタコラサッサ 

先生「気をつけるんだぞジョルノ君」 

梓唯律「「「 ブフッ 」」」 

さとみ「?」 

先生「切符を渡しておくから、荷物を持ったらきなさい。時間はあまりないぞ」 

さとみ「はい」 

スタスタ 

さとみ「ふぅ・・・」 

澪「ジョルノって?」 

律「エレナに見せてもらおうぜ~」 

唯「そうだよ、さとみちゃんまだみてないもん!」 

梓「急ぎましょう!」 

紬「?」 

さとみ「気になる!」
772 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:37:42.22 ID:tjiZjvIao


修治「そういうのよくないよ」 

律「静かにしろジョルノ」 

ジョルノ「くっ・・・」 

エレナ「再生するネ」 

ピッ 

修治『ジョルノ・・・お前はこれから一人で生きていかなきゃ行けないんだぞ』 

律「ジョルノはお前だ」 

さとみ「クスクス」 

澪「これは・・・」 

紬「あらあら」 

ジョルノ「こんなに引っ張られるなんて思ってないぞ」 

梓「しょうがないですよ」 

唯「そうだね。しょうがないよ」 

修治『悪かった』 

律「和解した瞬間である」 

澪梓さとみ「「「 ブフッ 」」」 

エレナ「以上ですワ」 

小麦「何度みても面白いよ~」 

ジョルノ「一度でいいよ・・・」 

唯「もったいないよ・・・ジョル冶くん」 

ジョル冶「混ぜないで」 

律「もう外国行ってしまえよ」 

さとみ「そ、そうね」ブルブル 

澪「な、名前だけで暮らしていけそうだ・・・」ブルブル 

紬「そうよっ!」 

修治「行かないよ!」 

エレナ「残念ですワ」 

小麦「行けばいいのに」 

梓「止めませんよ」 

修治「もう一度繰り返す。行かないよ!」 

さとみ「・・・ふぅ。最後まで楽しめたわ。ありがとう」 

小麦律「「 いえいえ 」」 

修治「・・・」
773 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:38:13.79 ID:tjiZjvIao

車掌「千歳さとみさん」 

さとみ「あ、車掌さん」 

車掌「当特急ヴェガへのご乗車誠にありがとうございました」 

さとみ「こちらこそ、突然の乗車を快く受けてくださって感謝しています。ありがとうございました」 

車掌「いえ・・・」 

さとみ「乗車証を・・・お返しします」 

車掌「はい、確かに」 

エレナ「寂しくなりますワ」 

小麦「うん・・・」 

さとみ「二人とも元気で・・・。あなたたちには元気をたくさんもらったわ」 

エレナ「そういってくれると嬉しいですワ」 

小麦「うん!」 

さとみ「ありがとう」 

澪「・・・」 

さとみ「むぎさん・・・、これ和さんが取った景品だけど・・・」 

紬「いいの?」 

さとみ「うん、大事にしてね」 

紬「大切にする!」 

梓「・・・ここでいいんですか?」 

さとみ「自分の足でヴェガから離れて行きたいの」 

梓「そう・・・ですか・・・」 

唯「さとみちゃん・・・」 

さとみ「急でごめんね、唯ちゃん・・・」 

唯「・・・二人も降りちゃうなんて」 

さとみ「私にもそんな顔してくれるのね・・・ありがとう」 

唯「さびしいよ・・・」 

さとみ「みんながいるじゃない、大丈夫!」 

澪「げ、元気で・・・ね」 

さとみ「うん!ベースとってもかっこよかった。忘れないわ」 

澪「あ、ありがとう」 

さとみ「むぎさんに髪型変えられた事、少し恥ずかしかったけど楽しかったわ」 

澪「うん!」
774 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:38:45.51 ID:tjiZjvIao

律「・・・」 

さとみ「・・・」 

律「じゃあな」スッ 

さとみ「・・・宣誓?」 

律「ハイタッチだよっ」 

さとみ「あ、あぁ。そうね、分かったわ」 

パァン 

律「へへっ、元気でなっ」 

さとみ「うん!」 

修治「じゃ、俺も」スッ 

さとみ「ありがとう、修治くん!」 

パァン 

修治「名前で呼んでくれたぁ」ウルウル 

さとみ「空気は読むわよ~」 

エレナ「ワタクシもハイタッチですワ」 

小麦「私もー!」 

さとみ「ふふっ」 

パンパァン 

澪「わ、私も!」 

さとみ「もぅ・・・ちょっと恥ずかしくなってきたんだけど」 

パァン 

唯「じゃ・・・っあ・・・ね!」 

さとみ「唯ちゃんはいつまでもそのままでいて欲しいな」 

パァン 

梓「さようならです!」 

さとみ「少しなまいきだけど、とっても可愛い子」 

パァン 

紬「よし、こぉーい!」 

さとみ「不思議な人ね~」 

パァン 

車掌「・・・」スッ 

さとみ「・・・素敵な・・・旅・・・でした・・・っ」 

パァン 

さとみ「っ・・・みんな、バイバイっ!」 

タッタッタ
775 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:39:12.66 ID:tjiZjvIao

梓「・・・」 

律「行ってしまったな」 

紬「うん」 

澪「あぁ・・・」 

唯「・・・」 

エレナ「・・・小麦ー!明日の準備しますヨー」 

小麦「・・・うん!」 

修治「律、売店のアイスでいい?」 

律「あぁ、いいぜ~」 

修治「じゃ、駅の売店で買ってくるわ」 

スタスタ 

律「おいしいヤツな~」 

修治「はいよ~」 

車掌「なんですか?」 

律「私らの事、野郎扱いした罰です」ウシシ 

車掌「まぁ」クスクス 

律「変に律儀だよな~」 

車掌「そうですね・・・。それでは私はこれで・・・」 

律「はーい」 

唯「ぅ・・・っ・・・」グスッ 

梓「・・・っ」 

澪「・・・」 

紬「・・・」 

唯「あずにゃぁん」 

ダキッ 

梓「・・・っ・・・」グスッ 

唯「・・・っ」グスッ 

梓「・・・とくべつ、・・・ですよ?」グスッ 

唯「・・・ぅ・・・ん」グスッ 

ギュウ 

律「やれやれ」 

澪「・・・」 

紬「・・・」 

律「どうすっか~」 

澪「展望車でくつろぐか」 

紬「・・・うん」
776 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:40:32.32 ID:tjiZjvIao


修治「みたらし団子入りカキ氷と宇治金時アイスどっち?」 

唯「カキ氷アイス!」 

律「アイスくれ!」 

澪「アイスで」 

梓「カキ氷!」 

紬「カキ氷を~」 

修治「はい二つ、はい、はい、はい、はい。秋子ちゃんは?」 

秋子「私もいいんですか~?」 

修治「余るから食べてくれると助かる」 

秋子「私もアイスで!」 

修治「どうぞ」 

秋子「ありがとうございます~!」 

唯「おいしいよ!」 

律「サンキュー」 

澪「本当だ、おいしい」 

梓「カキ氷も美味しいです」 

紬「ほんと~」 

修治「で、なにやってるの?」 

唯「あずにゃんがもってきたゲームだよ~」 

紬「私みんなとゲームやってみたかったの~」キラキラ 

秋子「変わったゲームですよね~!」 

律「確かに・・・」シャリシャリ 

澪「ゲーム機まであったんだな」シャリシャリ 

唯「誰も遊んでなかったんだよ」シャリシャリ 

秋子「時間がありませんからね」シャリシャリ 

修治「・・・説明書みせて」 

梓「どうぞ」シャリシャリ 

修治「『人生踏んだり蹴ったりゲーム』・・・か」 

律「あー、100万の出費で200万の借金と5億の損害か・・・」 

紬「踏んだり蹴ったりね~」
777 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:41:00.89 ID:tjiZjvIao

修治「一兆円の所持金でゴールに着くまでに0を目指すゲームです・・・」 

澪「あ、2億の絵を買ったのに8億の値段だった・・・騙されたのか」 

秋子「あ~!4億の島を買ったら木星の島でした~!」 

修治「なるほど・・・楽しいのこれ?」 

梓「奇想天外で、ある意味」 

修治「・・・へぇ」 

唯「南極の氷を一個2000万で買ったら偽物だったよ~。600個も注文したのに~」 

紬「あら~、1000円で購入したCDがレアもので50億で売れたわ~」 

律「なんだそれは・・・」 

修治「確かに奇想天外だな・・・」 

梓「100分の1でいい事があるんです」 

修治「所持金0を目指すからいい事でもない・・・と」 

梓「そうです」 

修治「中野さんはやらないの?」 

梓「見てるほうが面白いんです」 

修治「そっか」 

律「あー、従業員にストライキされた!ジョルノ店長やべえ!」 

澪「あ・・・バードフェザー社長が平社員に・・・」 

秋子「あー、修治さんが宇宙に放流されちゃいました」 

唯「ジョル冶くんが深海でひとりぼっちになちゃったよ」 

紬「石油掘り当ててしまったわ~、あずさ首相」 

梓「よかった・・・」
778 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:41:29.73 ID:tjiZjvIao

修治「一番怖いのは秋子ちゃんのイベントかな」 

梓「そうですね・・・運がよければ星に引き寄せられますから」 

律「あーぁ、囚人ジョルノになっちゃった」 

修治「どうして?」 

律「脱獄しようとしたから」 

修治「パラドックスだなぁ」 

澪「バードフェザーが立候補したけど、投票0だって」 

修治「スタッフ票すら入らないなんて・・・」 

秋子「なかなか引き寄せられませんね~」 

修治「彗星でも流れていればいいのにね」 

唯「サメと友達になったよ!」 

修治「ひとりぼっちじゃなくなった」 

紬「地球の大統領になったわ~」 

梓「世界を平和にしましょう!」 

修治「・・・ふむ」 

ワイワイ 

修治「・・・元気そうだ」 

梓「・・・秋子さんが場を明るくしてくれます」 

修治「なるほど。・・・じゃね」 

梓「遊んでいかないんですか?」 

修治「お腹すいたから、ご飯食べてくる・・・またね~」 

スタスタ 

梓「?」 

律「あはは、400億の裏金で出所したのに200万の不正でまた収監だ!」 
779 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:42:09.16 ID:tjiZjvIao

コンコン 

唯「はいはい~」 

「私ですけど」 

唯「おや?」 

ガチャ 

唯「あずにゃんや、どうしたのかね?」 

梓「少しお話しませんか?」 

唯「もちろんだよ!どうぞどうぞ」 

梓「失礼します」 



コンコン 

澪「はい?」 

「開けなさい」 

澪「・・・」 

ガチャ 

「家宅捜索にきました」 

澪「間に合ってます」 

バタン 

澪「なにがしたいんだ・・・」 

コンコン 

澪「はい?」 

「宅配便でーす」 

ガチャ 

澪「・・・」 

「ここに判子を」 

澪「・・・」 

ポン 

「人のおでこになにを」 

バタン 

澪「・・・次はどうするんだろ」 

コンコン 

澪「誰ですか?」 

「通りすがりのものです」 

澪「通りすがりの人がこの部屋に何用でしょう?」 

「この部屋から秋刀魚の焼いた香りが・・・」 

澪「部屋違いです」
780 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:42:43.74 ID:tjiZjvIao

「・・・」 

澪「・・・」 

コンコン 

澪「はい?」 

「山」 

澪「田」 

「そこは中だろ」 

澪「じゃあ中」 

「さ」 

澪「し」 

「そこはわだろ」 

澪「わ」 

「子」 

ガチャ 

澪「入れ」 

「やっとか・・・」 

澪「なにがしたいんだよ、律」 

律「ヒマだったから遊びにきました」 

澪「・・・」 

バタン 

律「お、片付いてるな」 

澪「明日降りるからな」 

律「さっすがみおだー」 

澪「・・・」 

律「お・・・」 

澪「・・・?」 

律「ベース・・・持って来て良かったな」 

澪「うん、よかった」 

律「感謝しろよ」ウシシ 

澪「・・・うん」 

律「え!?」 

澪「驚くなら言うなよ」 

律「いや・・・」 

澪「私も感傷的になるんだ」 

律「そ、そうか」
781 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:43:38.01 ID:tjiZjvIao

澪「・・・」 

律「・・・どうした?」 

澪「・・・うん・・・あっという間だったからな」 

律「そうだな~」 

澪「限られた時間だから惜しくなるのかな」 

律「今日の澪は詩人だな~」 

澪「そうみたいだ」 

律「あらら」 

澪「あ、あのさ」 

律「ん?」 

澪「ホッチキスのアレンジ・・・律は私に合わせてくれたの?」 

律「・・・」 

澪「・・・」 

律「・・・」 

澪「どうして黙る」 

律「澪はどう思うんだよ?」 

澪「・・・」 

律「・・・」 

澪「・・・自信がない」 

律「じゃあ教えない」 

澪「大事な事なんだけど」 

律「大事な事だからだよ」 

澪「・・・」 

律「・・・」 

澪「・・・」 

律「そんな事聞くなんて・・・焦ってんのか?」 

澪「・・・うん」 

律「そっか」 

澪「・・・・・・うん」 

律「そのペンダントになにを願掛けたのか知らないけどさ」 

澪「あ・・・」 

ギュ 

律「それを、自分を信じろよ」 

澪「・・・」
782 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:44:07.22 ID:tjiZjvIao

律「私は信じてるぜ」 

澪「自分自身を?」 

律「みお自信を、だ」 

澪「・・・・・・また」 

律「?」 

澪「先へ行ってしまう」 

律「どこに?」 

澪「ううん。なんでもない」 

律「?」 

ガサゴソ 

澪「?」 

律「隣は唯の部屋だよな」 

澪「・・・うん」 

ガサゴソ 

律「こんな時間になやってんだー?」 

ガチャ 

澪「まって、私も行く」 

バタン 

律「・・・」 

コンコン 

「は~い」 

澪「むぎ?」 

ガチャ 

紬「あら、りっちゃんと澪ちゃん」 

梓「どうしたんですか、唯先輩に用事ですか?」 

唯「どおしたの~?」 

律「そっちこそどうしたんだよ」 

梓「唯先輩の部屋が散らかっていたので・・・片付けを」 

紬「唯ちゃんと話をしたくて来たんだけど・・・あずさちゃんが片付けしてたから手伝ってたの」 

澪「・・・なにやってんだか」 

ドン 

澪「押すなよ、律っ」 

律「・・・」 

バタン 

唯「せまっ!」 

紬「あらあら」 

梓「あの・・・身動き出来ないです」
783 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:44:36.30 ID:tjiZjvIao

澪「なにがしたいんだ・・・」 

律「こういう事だぞー」 

澪「?」 

律「まだ一緒にいるんだから、焦らなくていいよ」 

唯「?」 

梓「焦る?」 

紬「・・・」 

澪「・・・そう、だな」 

ガチャ 

律「個室に5人はさすがに狭いな」 

澪「当たり前だ」 

紬「続きは明日にしましょうか」 

梓「そうですね」 

唯「そだね」 

律「じゃ、明日な~」 

澪「おやすみ、みんな」 

スタスタ 

唯「おやすみ~」
784 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(沖縄県) [sage]:2011/04/08(金) 01:45:21.53 ID:tjiZjvIao

紬「おやすみなさ~い」 

梓「それじゃ唯先輩」 

唯「えぇ~、一緒に寝るんじゃないの~?」 

梓「誰もそんな事言ってませんよ」 

唯「えぇ~・・・」 

バタン 

「しくしく」シクシク 

紬「・・・」 

梓「・・・」 

「・・・」 

ジャーン 

梓「・・・はぁ」 

紬「よろしくね、あずさちゃん」 

梓「むぎ先輩は話しないんですか?」 

紬「そうね~」 

梓「・・・」 

紬「少しだけ・・・」 

梓「はい!」 

コンコン 

「だれ~?」 

梓「・・・コホン」 

ガチャ 

唯「ささ、どうぞ」 

梓「遅いんですから、練習したらダメですよ」 

紬「お邪魔するわね~」 



10日目終了-------- 


次回 紬「超特急ヴェガ?」 その5